( ^ω^)は刀に生きるようです

このエントリーをはてなブックマークに追加
1代理
代理
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:39:56.77 ID:IJWXuiHOO
待ってました! wktk
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:42:13.53 ID:nw8L0Va6O
>>1
かたじけない

まとめサイトさん
http://book.geocities.jp/dokuorz1290/toppage.html

まだ前回分は更新されてないようです
どなたかdatありましたらお願いします

では第十一話、第十二話投下します
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:43:24.68 ID:nw8L0Va6O
【第十一話 勘】


いつものように道場で稽古に励んでいると、内藤はふと違和感を覚えた。

( ^ω^)(……?)

視線だと気付き格子戸を見る。
一瞬だが何者かが顔を隠すのが見えた。

( ^ω^)「……」

( ゚∀゚)「気付いたか。まぁ気にするな」

長岡がそっと声を掛ける。既に気付いていたらしい。

( ゚∀゚)「どこの道場の者かは知らぬがよくある事だ。
    それだけ御前試合とは出る者にとって命運を懸けると言っても過言では無いからな」

( ^ω^)「はい」

静かに返事をし稽古を続ける。
その後も何度か視線を感じたが暫くするといつの間にか消えていた。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:44:40.83 ID:nw8L0Va6O
荒巻に挨拶を済ませると内藤は長岡と共に道場を出た。
欝田は近頃勤めが忙しいらしく今日は顔を見せていない。

( ^ω^)「先程の視線の者は一体どこの輩でしょうかお」

( ゚∀゚)「さあな。間違いなく御前試合に関わりのある者だとは思うがな。
    さすがに藩外の者は無いとして、流石一刀流。もしくは直心流か」

( ^ω^)「……直心流は無いと思いますお」

内藤は一度直心流の茂良と立ち合って負けている。
わざわざ偵察に来るとは思えなかった。

( ゚∀゚)「そんなことは分からんぞ。あそこは不祥事を起こしたばかりだ。
    面目を取り戻そうと必死だろうよ」

不祥事と聞いて内藤は中嶋に襲われた夜を思い出す。
そのことは荒巻と欝田以外には話してはいなかった。
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:46:04.36 ID:6fz7nPXJ0
待ってた、支援
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:46:22.41 ID:nw8L0Va6O
事件はその後の調べで、中嶋が暗殺を生業としていたことを露見した。

即刻中嶋家の御家取り潰しが決まったが、問題は道場主が居なくなった道場である。
城内では暗殺との関わりを疑う声から潰すべきだという意見があったが
現在の要職に就く者の中には直心流道場の出身も多く、同情的な意見の方が多かった。

結果、まだ若いがその才能を知られる茂良が道場主となり存続されることになったのである。

( ゚∀゚)「まぁ今は下手な小細工を考えるより己の腕を磨くべきだ。
    しかし近頃のお前の成長は目を見張るものがある。自信を持つのだな」

( ^ω^)「ありがとうございますお!」

長岡に言われると不思議に本当に自信がつくのを感じる。
内藤は疲れを忘れ軽い足取りで家路に着いた。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:48:08.60 ID:nw8L0Va6O
家に着き食事を済ませると内藤は庭に出た。
灯りを縁側に置くと木刀を振るう。
ようやく夜は涼しくなったが、それでも全力で木刀を振るうとすぐに汗が吹き出てくる。

(;^ω^)「ふっ!ふっ!」

十分に身体を暖めると、技の稽古を始める。
夜の鍛練は、技を閃き荒巻に指摘された日から既に日課となっている。

( ^ω^)(ようやく分かってきたお)

日頃の成果か少しずつだが形になってきていた。
本当は実際に人を相手にしたかったが、それは荒巻に禁止されている。

(;^ω^)「ふぅ…」

手を止めて夜空を仰いだ。
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:49:00.70 ID:nw8L0Va6O
稽古に加えての技の鍛練はつらいものがあったが、今は少しでも力をつけたかった。

( ^ω^)(負ける訳にはいかぬお……
     道場の皆の期待に応えるために…ツンのために)

( ^ω^)(……そして)

内藤は気付き始めていた。御前試合に自分が出ると決まる前は無かった感情だ。

( ^ω^)(拙者は強い者と戦いたいんだお……
     そして確かめたいお。一人の刀に生きる者として…自分の腕を)


戦乱の世は終わり、今は泰平の世である。
内藤が生きる間に戦が起こることはまず考えられなかった。

武士のたしなみとしてではない。
内藤は刀に生きる意味を御前試合に見いだしたかったのである。

( ^ω^)「……」

目の前の闇を見つめる。
見えない敵に向かって再び木刀を振るい続けた。
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:50:04.16 ID:Cmj/fKPPO
支援


第九話・第十話(携帯用)
http://same.u.la/test/r.so/wwwww.2ch.net/news4vip/1190299959/l10
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:50:11.93 ID:nw8L0Va6O
道場へと向かう道、内藤は前を歩く欝田に気付いた。

( ^ω^)「おーい。欝田」

小走りに追い付く。欝田も気付いて立ち止まった。

('A`)「おう、内藤」

( ^ω^)「昨日も道場に顔を出さなかったお。そんなに忙しいのかお」

('A`)「そろそろ稲刈りの時期だからな。昨日も村を廻っていたのだ」

( ^ω^)「ふむ。それは大変だお」

('A`)「しかも俺の祝言の前祝いだと言っては何かと呑みに連れて行かれてな」

( ^ω^)「お主は酒を呑まぬとなかなか自分の話をせぬしの」

('A`)「…まあな。しかし近頃は城内でも御前試合の話で持ちきりだぞ。
   藩外から出る者について聞いているか」

( ^ω^)「む。なんでも入即流と言ったかお」
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:50:36.67 ID:6fz7nPXJ0
sien
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:51:00.94 ID:nw8L0Va6O
('A`)「そうだ。隣藩では敵無しという腕前らしいな。
   なにより不敵なことに天下無双を謡っているらしいぞ」

( ^ω^)「それは大きくでたものだお。
     しかし余程の自信が無ければ天下無双は名乗れまいお。侮れぬ」

('A`)「余程の阿呆かも知れぬがな」

道場が近づいてきた。いつものように気合いの入った声が響いている。
ふと、内藤は礼をして道場に入ろうとする欝田を止めた。

('A`)「どうした」

( ^ω^)「む、ちと気配を消して追いて来てくれお」

二人は静かに道場の裏に向かった。
道場の道は林が広がっており、今の時期は草が生い茂っているため滅多に人は来ない。
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:51:40.54 ID:/3TkcyjLO
支援
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:53:03.89 ID:nw8L0Va6O
音をたてないように注意しながら進む。
そっと顔だけ出して覗くと、格子戸から道場を覗く男が見えた。

( ^ω^)「何者だお!」

欝田と共に内藤は飛び出した。
男は驚きで一瞬全身を跳ね上げるとおそるおそるといった感じで振り返る。

(;´_ゝ`)「いやいや、拙者、怪しい者ではないでござる」

('A`)「誰も怪しいなどと言っておらぬ。
  しかし自分から言うとは何かやましい事でもあるのかな」

(;´_ゝ`)「そそ、そんなものは無い。ちと道に迷っただけで」

( ^ω^)「ここは林しか無いお。それに何故道場を覗くお」

(;´_ゝ`)「う、あれだ!山菜などを探しておったのじゃ。
     それで道を聞こうとしてだな…」

('A`)「ならば尚更、何故道場へ入らん。それにそれが山菜を取りに来たという格好か」
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:53:25.94 ID:IJWXuiHOO
支援
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:53:47.35 ID:nw8L0Va6O
男の出で立ちはとても山菜を取りに来たという格好では無い。
しかも頭にはほっかむりをしている。どう見ても怪しかった。

(;´_ゝ`)「拙者はいつもこの格好なのだ。道場へは入り口が分からなくての」

( ^ω^)「……」

無言で男を睨み付けた。沈黙が流れる。
男の顔から汗がひっきりなしに流れ出ている。



(#´_ゝ`)「なんだ!さっきからちまちまと小さき事を!
     そんな事では御前試合も知れたものだな内藤!」

突然、男が声を荒げた。今にも刀を抜きそうになる。

( ^ω^)「……何故拙者の名を知ってるんだお」

(;´_ゝ`)「……勘だ」

( ^ω^)「……」

('A`)「……」
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:54:34.57 ID:Cmj/fKPPO
支援
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:54:48.66 ID:nw8L0Va6O
('A`)「名を名乗れ」

( ´_ゝ`)「断る」

('A`)「一声出せば道場生が集まるぞ。絞めあげられたいか」

(;´_ゝ`)「……」

男はそれでも黙っている。尋常では無い汗をかいていた。

( ^ω^)「もういいお欝田。そこの者も帰っていいお」

(;´_ゝ`)「本当か!?すまぬ、恩に着るぞ」

('A`)「しかし内藤。こやつ怪しすぎるぞ」

( ^ω^)「なに、御前試合の関係ならこのような小細工をする者など怖くないお」

(;´_ゝ`)「なんだと!貴様、流石一刀流を愚弄するか!」

( ^ω^)「流石一刀流?」

(;´_ゝ`)「くっ。それでは御免」

男は足早に林の中へと消えて行く。
二人は暫くその場で呆然と立っていた。
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:55:46.36 ID:nw8L0Va6O
('A`)「なんだあれは。結局全て吐いていったぞ」

( ^ω^)「流石一刀流かお。場所が遠くて詳しくは知らぬお」

('A`)「謎が多い流派だ。確か一子相伝の技があるとか……しかし」

そこまで言って欝田が堪えきれないといった感じで笑いだした。

('∀`)「うはははは!なんだあいつは!うひひひ」

(*^ω^)「確かにひどい言い訳だったお!勘と来るとは」

その後二人は声に気が付いた道場生が駆け付けるまで笑い続けた。
内藤はともかく欝田の笑っている姿を見た道場生は目を丸くするのだった。



続く



( ´_ゝ`)「どこだここは」
(´<_` )(兄者おそいな…)
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:56:47.30 ID:nw8L0Va6O
少し休んで投下します!
datありがとう!
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:57:54.39 ID:6fz7nPXJ0
ひとまず乙!
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 00:58:49.07 ID:Z8AdgfGaO
895:大学への名無しさん :2007/09/21(金) 23:09:19 ID:/iTk/snt0
理系に行けば人付き合いが少ないって思ってるんだ?
完全に勘違いだな
社会二科目がきついとかも論外
大学での勉強は大学受験の科目なんてゴミに思えるほど厳しい
社会ごときで「合格点をとるのに」てこずっているようではろくなことにならない
http://ex23.2ch.net/test/read.cgi/kouri/1187767832/

( ^ω^)こいつ東大文一しか言えないセリフこいて調子にのってるお
24五郎左衛門 ◆GORO.sStPg :2007/09/26(水) 00:59:20.83 ID:xp7jujf2O
侍と聞いて飛んで来ますた
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:01:57.04 ID:IJWXuiHOO
乙 がんば
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:02:06.71 ID:9N7ZtiUqO
( ^ω^)うんこはいらんかのー
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:04:56.04 ID:nw8L0Va6O
【第十二話 急転】


内藤は津出の屋敷に着くと荒げた呼吸をただそうとした。

(;^ω^)「はぁ。はぁ」

徐々に呼吸は軽くなるが胸の鼓動は未だに早鐘を打っている。
疲れではない。不安が内藤の鼓動を暴れさせていた。

(;^ω^)「ツンどのに会わせて頂きたいお」

門をくぐり見知った顔の家来に声を掛ける。
男は内藤の顔を見て親しげな顔を見せたが、ツンの名がでると押し黙った。

(,,゚Д゚)「……内藤」

振り返ると津出が立っていた。
いつにも無く真剣な顔をしている。

( ^ω^)「津出どの……ツンどのは」

(,,゚Д゚)「ついてまいれ。話がある」

津出はそう言うと、背を向けて屋敷に入っていった。内藤も黙って後を追う。

座敷に入ると津出は静かに腰を下ろし内藤に向き直る。
全て承知しているといった感じの眼が内藤の不安を掻き立てた。
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:05:58.47 ID:Cmj/fKPPO
支援
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:06:05.20 ID:nw8L0Va6O
(,,゚Д゚)「用件はツンのことだな」

( ^ω^)「……はい」

(,,゚Д゚)「あれは部屋から出てこんのだ。まだ納得しかねておるようでな」

( ^ω^)「では……ツンどのの祝言が決まったというのは」

(,,゚Д゚)「…本当だ」

(;^ω^)「……!」

内藤は言葉が出なかった。
話を人づてに聞いた時は信じられなかった。いや信じたくなかった。
しかしこうして本人の父親から言われると信じるしかない。
言いたいことは山ほどあるはずなのに言葉が出ない。

(,,゚Д゚)「内藤。お主の働きもあって藩政は一新された。
    しかし、引家様が中心となって一つになるにはまだ結束が弱いのも事実だ」

(,,゚Д゚)「血の関係ほど深い仲は無い。これは昔から行われてきたこと。
    お主も分かるはずだ。全て藩の未来の為なのだ」
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:06:34.70 ID:IJWXuiHOO
よしきた支援
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:06:39.85 ID:6fz7nPXJ0
お、まとめが支援
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:07:21.98 ID:mdGIaqPPO
支援
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:07:23.76 ID:nw8L0Va6O
(;^ω^)「しかし…拙者とツンどのは」

(,,゚Д゚)「……。お主とツンが何なのだ」

(;^ω^)「……!」

内藤は言葉に詰まった。
津出は鋭く内藤を睨み付けていたが、やがて視線を下ろした。

(,,゚Д゚)「……すまぬ。わしもお主らのことは薄々感づいておった。
    ……ツンのあの顔を見ればの」

(,,゚Д゚)「そしてわしもお主を気に入っておるのだ。
    ツンが望むならと考えた時期もあった。……しかし」

(;^ω^)「……」

(,,゚Д゚)「ツンを嫁にやる訳にはいかぬ。分かってくれ」

内藤は全身の力が抜けるのを感じた。
このままでは大切なものを失うと分かっている。
しかし言葉は出てこなかった。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:08:34.86 ID:nw8L0Va6O
(  ω )「失礼しますお」

ふらりと立ち上がり部屋を出ようとする内藤に津出が声を掛ける。

(,,゚Д゚)「ツンには会わずに行ってくれ。あいつも今は辛いはずだ」

内藤はその言葉に返事もせずに部屋を出る。
いや、内藤には既に何も聞こえていなかった。

津出の家来が申し訳無さそうな顔をして内藤を見送る。
その時、内藤は視線を感じ屋敷を振り返った。

( ^ω^)(ツン……)

障子越しに俯いて震える影が見えた。
その小さな影が内藤の胸を抉る。

( ^ω^)(ツン……!)

歯を食い縛って内藤は門を出た。
振り返らずに走る。すれ違う人々の驚きも気にせずひたすら駆け続けた。
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:08:49.41 ID:DAWjsVK6O
支援
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:09:51.71 ID:nw8L0Va6O
いつの間にか道場の前に居た。

内藤は膝を着いて喘ぐ。頭がぐらぐらと揺れ、呼吸がままならない。

ようやく体を立て直すと礼をして道場に入った。


( ・∀・)「来たか。内藤」

( ^ω^)「……茂良どの」

道場の壁に体を預け茂良が稽古を眺めていた。
内藤に気付き長岡が近づく。

( ゚∀゚)「茂良どのは先程から稽古をつけて欲しいと待っていたのだ。
    試合も近い故、断ったが強引での」

長岡が軽く嫌みを言うが、茂良はなんら気にしていない様子だ。

( ・∀・)「知っての通り、今はこちらの道場は慌ただしくての。
    道場主として己の稽古もままならんのだ。是非に。」

( ^ω^)「……」
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:09:52.57 ID:Cmj/fKPPO
支援
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:10:47.63 ID:nw8L0Va6O
茂良の顔には笑みが浮かんでいる。
そこには一度立ち合って打ち負かしている相手に対しての侮りがあった。

( ^ω^)「……拙者は構いませぬお」

( ・∀・)「それは有難い!では早速」

長岡が何か言おうとしたが、茂良はさっさと準備を始める。
内藤も黙って竹刀を振り始めた。

内藤の異変に欝田だけが気付いた。静かに近寄る。

('A`)「内藤。何かあったか」

( ^ω^)「……何も無いお」

('A`)「嘘を吐くな。いつからの付き合いだと思っている」

( ^ω^)「……すまぬお。今はまだ」

('A`)「……」

欝田は黙って内藤から離れた。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:11:51.12 ID:nw8L0Va6O
( ・∀・)「用意はよろしいか」

茂良は一足先に開始線に着いている。
内藤も竹刀を止め、軽く汗を拭き長岡と向かい合った。

茂良が内藤にだけ聞こえる声で話し掛ける。

( ・∀・)「御前試合の前に借りは返したくてな。直心流に負けは無い」

( ^ω^)「…くだらぬお」

(#・∀・)「なにっ!」

( ゚∀゚)「始めっ!」

茂良の声は長岡の掛け声にかき消された。

(#・∀・)「おおっ!!」

茂良の気合いの声が道場に響く。
欝田をはじめとする道場生は固唾を延んで立ち合いを見守っていた。
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:12:41.46 ID:Cmj/fKPPO
支援
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:13:49.60 ID:nw8L0Va6O
気合いに反して茂良の動きは冷静だった。
隙を作ろうと竹刀を小刻みに振るう。
対する内藤は静かに足を送りつつ茂良の動きを見つめていた。

(#・∀・)「はぁっ!」

茂良がやや強引に面を放つ。
内藤は躱さずに受け竹刀を弾く。そのまま距離を置いた。

( ・∀・)(なぜ打ってこぬ……)

茂良に一瞬の迷いが生じる。
内藤は自分から攻め込むような気を見せない。

( ・∀・)(ふん、ならば攻め込み隙を見てまた双燕を打ち込むのみ)

道場生が見ていようが関係無かった。
一度見られた位で見破られる技では無いと茂良はタカをくくっている。
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:15:10.35 ID:JOpUs3IS0
これは久々に面白い
支援
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:15:57.73 ID:nw8L0Va6O
すると内藤が隙を見せた。
竹刀を僅かに下げ足を止めたのだ。

(#・∀・)「おお!」

茂良が鋭く打ち込む。内藤の肩を竹刀が捉える。


と思われた瞬間。
茂良の前から内藤の姿が消えた。

(;・∀・)「……!!」

反射的に竹刀を横に滑らせ面を守る。
内藤の竹刀は目前に迫っていた。

バシィッ

茂良は竹刀を落として蹲った。

(;゚∀゚)「い、一本!それまで!」

勝敗が決したというのに道場は静まり返っていた。
長岡でされ今の内藤の一撃が理解できない。

やがて茂良が立ち上がると内藤を睨み付けた。
痛みからか顔から汗が吹き出ている。

(;・∀・)「なんだ今のは……答えろ!内藤!」
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:16:57.97 ID:nw8L0Va6O
( ^ω^)「……ありがとうございましたお」

内藤は呟くように言うと道場を後にした。
後ろから腕を押さえた茂良が叫ぶが振り向かなかった。
道場生もただならね様子を察し黙って道をあける。



('A`)「内藤!」

道場を出て少し歩くと欝田が追い付いてきた。
内藤の顔を一瞬覗き込むと何も言わずに横を歩いた。

二人は夕焼けの中を黙々と歩き続ける。

町を繋ぐ橋に差し掛かった時、ようやく内藤は足を緩めた。
土手を下り川辺に立つ。

そこは幼少の頃、よくツンを含めた三人で語り合った場所であった。
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:17:37.30 ID:Cmj/fKPPO
支援
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:21:22.88 ID:nw8L0Va6O
( ^ω^)「欝田」

('A`)「……なんだ」

( ^ω^)「拙者、護りたい者を失ってしまったお」

( ^ω^)「刀に誓ったのだお。一生護り続けると」

('A`)「……」

沈黙が二人を包む。
二人は夕日を反射してキラキラと輝く川面をじっと見つめている。
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:22:05.99 ID:nw8L0Va6O
('A`)「……それでどうする」

欝田がしゃがみこみ石を投げた。
ゆっくりと波紋が広がっていく。

( ;ω;)「分からないのだお!拙者はこれからどうすれば!
     何の為に刀を振るえばいいのだお!」

内藤が声を荒げる。一体何時ぶりだろうか。その目には涙が溢れていた。

( ;ω;)「どうすればいいのだお……ツン……」

夕日が二人を真っ赤に染める。
二人は日が沈むまでその場に立ち続けた。



続く



ξ;;)ξ「ごめんね…内藤」
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:23:26.04 ID:nw8L0Va6O
改行がうまくいかなかったお!遅くなってスマンコ

今日は投下終了です
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:25:25.24 ID:JOpUs3IS0

落ち着いた立ち合いがイイネ
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:25:29.41 ID:/3TkcyjLO
乙!
今回は続くの後は欝田の独り言じゃないんだな。
楽しみにしてたんだ
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:26:10.27 ID:Cmj/fKPPO
乙。
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:28:20.88 ID:DAWjsVK6O
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:34:06.94 ID:nw8L0Va6O
乙と支援ありがとうございました!

続くの後は適当なんでw

そろそろクライマックスに向けて頑張ります!
続きは週末になると思いますお!
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:37:08.49 ID:IJWXuiHOO
把握。乙カレー
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/26(水) 01:52:52.69 ID:41B37S720
乙乙
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。

この作品好きだわー