1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
作者はロリコンで有名だそうですが、僕は代理です。
2 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:15:33.33 ID:oYluWxRv0
>>1代理ありがとうございます。
しかし、この本文はwwwwwwww
オムライスさんがまとめてくださっています。
オムさんにまとめ依頼できない時期にこれやってたら、どうなっていたんでしょうかね……。
http://vip.main.jp/305-top.html 映画化にAV化
ひぐらし関連の物は大抵は好きだけど、実写化だけはダメだ……。
それでは本編
≪怨返し編 6ページから≫
全然面白くもないことをまぁよくやるわ
4 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:17:20.61 ID:oYluWxRv0
6月19日。
この日も梨花ちゃんは学校に来る事はなかった。
時間は無いが、ヤケを起こすのも無謀だと判断。
もう一日、耐えてみることにした。
6月20日。
朝、目が覚めたときに気付く。
いつも見ていたあの悪夢から開放されていた事に。
些細な事……とはとてもじゃないけど思えなかった。
何か良い事の前兆、そんな気がしたから。
学校に着くと、誰も居ない。
それもそうだ。いつもの登校時間より大幅に早めて来たのだから。
目が覚めたときの興奮が抜け切れなかった。
今日こそ、運命に決着をつけられると。
悪夢から開放された時、そんな予感を感じたのだ。
5 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:19:47.39 ID:oYluWxRv0
一人、また一人と生徒たちが登校してきた。
低学年の生徒ばかり。
挨拶もほどほどに、教室のドアを眺め続ける。
次にドアが開いたときには、彼女が来るんじゃないか。
そんな思いが、僕の心臓の鼓動を早めていた。
時計の針はゆっくりと動いていた。
いや、僕がそう感じているだけなのは分かっている。
両親の帰りをまつ子供のように、
誕生日を待ちわびた少年のように、
デートで恋人が来るのを待っている青年のように、
僕は彼女を待ち続けていた。
学校に訪れてから、いくらかの時間が経つ。
時計の長針が、僕が初めに見た方向から、正反対の方向を差そうと針を動かそうとした。
……その時、開いたドアに僕は歓喜したのだ。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:21:05.77 ID:Ax6cmQpiO
ロリ支援
7 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:22:07.58 ID:oYluWxRv0
――――。
沙都子「梨花、今日は学校に行くんですの?」
梨花「はい、長い間心配をかけてごめんなさいなのですよ。」
沙都子「私はいいんですけど……。まだ顔色が少し悪いようでしてよ?」
梨花「皆の顔を見れば治るのですよ、にぱー。」
沙都子「まぁ、病は気からって言いますものね……遊ぶ事も大切ですわね!」
梨花「その通りなのです。」
沙都子「それでは、遅刻しないように行きますわよ。
梨花の顔を見て、喜ぶ皆さんの顔が目に浮かぶようですわ〜!」
梨花「それはとても楽しみなのです。」
8 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:25:08.05 ID:oYluWxRv0
沙都子「では、行ってきます!……って、何してるんですの?」
梨花「ちょっと忘れ物なのです。先に行って欲しいのですよ。」
沙都子「あんまり遅いと置いてきますわよ!」
梨花「分かっているのですよ。大丈夫なのです。」
梨花「……危ない、危ない。
これを忘れるわけにはいかないからね。」
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:27:39.70 ID:Ax6cmQpiO
しえーん
10 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:27:48.29 ID:oYluWxRv0
――――。
沙都子「おはようございますですわー!あら、ブーンさんお早いことで。」
( ^ω^)「おはようだお、沙都子。」
沙都子「ふっふっふっ、今日はとってもいい事があるんでしてよ!」
( ^ω^)「ほぉ、そいつは気になるお。」
沙都子「さぁ、梨花。そろそろ良いですわよ!」
梨花「ブーン、おはようございますなのですよ。」
ようやく、姿を見れた僕の待ち人。
嬉しい反面、心は落ち着いていた。
感情をコントロール出来なくては、話にならない。
それは前の世界、この世界で学んだ事。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:29:03.82 ID:apfgQqXdO
パンツノー、ムケチン、ッア゙、シェェエン
12 :
>>11スパァンゥワァオ ◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:31:30.37 ID:oYluWxRv0
( ^ω^)「おはよう、梨花ちゃん。なんだか久しぶりだお。」
沙都子「ありゃ?なんだか反応が薄いですわね。
もうちょっと驚いてくれると思ってましたのに。」
( ^ω^)「僕は、梨花ちゃんがすぐに学校に来てくれると信じてたたからだお。」
梨花「……それはありがとうなのですよ。」
沙都子「まぁいいですわ。さて、せっかくだし圭一さんの為にトラップでも仕掛けておきますわよ。」
梨花「みー、思いっきりやっちゃうのですよ。」
沙都子「ほーほっほっ、梨花の復活祝いに圭一さんの慌てふためく姿をプレゼントといきますわ!」
せっせっとトラップを仕掛ける沙都子。
それを楽しそうに見つめる梨花ちゃん。
……少し前の楽しかった日常に戻れたような気がした。
13 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:34:48.72 ID:oYluWxRv0
久しぶりに学校に来た梨花ちゃんを見て、誰もがホッと胸を撫で下ろした。
これで今年も楽しい綿流しのお祭りが出来るから。
そんな喜びの輪の中に僕は加われなかった。
彼女にもう一度、話をしなければならないかもしれない。
あの時のわだかまりが残っていたからなのかもしれない。
……いや、違うか。
僕は直感的に何かを感じ取っていた。
梨花ちゃんにある、妙な違和感を。
本当に些細なことなので、僕以外の誰かがそれを感じているとは思えなかった。
むしろ、僕の気のせいだと思いたかった。
現に、彼女が見せる笑顔は本当に楽しそう。
それを取り囲む者達もまた、幸せだと口にしなくても分かるほどだった。
……それでも、僕の小さなひっかかりを元に戻す事は出来ない。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:34:53.28 ID:9ee2EKnOO
いつの間にか木曜更新になったんだな
15 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:37:34.40 ID:oYluWxRv0
時間はゆっくりと、でも確実に流れていく。
それは梨花ちゃんと、再び話をする時が近付いているという事。
窓の外を見ると、生憎にも良い天気とは言えない。
分厚い雲が太陽を遮り、空気が重く感じられる。
……まるで空が僕の心と同調しているように感じられた。
もうすぐ、最後の授業も終わる。
眠そうにしている魅音。
同様に、欠伸をする圭一。
真面目にノートをとるレナ。
落書きを隣の子に見せている沙都子。
無性に彼らと話がしたくなった。
また会おうと、そんな約束がしたかった。
理由も分からないけど、何故か僕の心が警笛を鳴らすのだ。
……ふと気付くと、頬に一筋の雫が零れ落ちていた。
16 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:40:58.37 ID:oYluWxRv0
―――――カラーン、カラーン。
チャイムの音が学校中に響き渡る。
僕には、それが運命の切り替わる時報のように感じられた。
圭一「しゃあ!授業も終わったし、久しぶりの部活といこうぜ!」
魅音「だね!梨花ちゃんの復活祝いも兼ねてパーッといこうか!」
レナ「はぅ〜、今日は負けないんだよ、だよ!」
沙都子「おーほっほっ、私のトラップの恐ろしさを思い出させてやりますわ!」
梨花「……盛り上がっているところ悪いのですが、今日は先約があるのです。」
そう言って、梨花ちゃんは僕を見つめる。
約束をした覚えはない。
しかし、そんな事をする必要も無いのも確かだった。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:42:14.92 ID:9ee2EKnOO
支援
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:43:11.70 ID:qbYxNRfh0
フトモォモ
19 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:43:54.77 ID:oYluWxRv0
( ^ω^)「うん、ちょっと僕と梨花ちゃんは用事があるんだお。」
圭一「……そっかー、じゃあ部活はもうちょっとお預けかな。」
魅音「これで、梨花ちゃんの復活祝いは綿流しまでお預けになるかな。」
レナ「それはハードな部活になりそうだね!」
沙都子(…………。)
梨花「じゃあ、少し行って来るのですよ。」
( ^ω^)「だお。日曜日の綿流し楽しみにしてるお!」
皆に別れを告げて、廊下に出る。
……そんな時だった。
沙都子「梨花!ブーンさん!ちょっと待って!」
20 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:45:36.51 ID:oYluWxRv0
梨花「沙都子、どうしたのですか……?」
沙都子は先程までとは、うってかわって悲しげな表情をみせていた。
今にも泣きそうなくらいに顔を歪め、語る。
沙都子「……また会えるのですよね?
これで、お別れになるなんて事はないですわよね?」
梨花「当たり前なのですよ、どうしたのですか?」
( ^ω^)「……沙都子?」
沙都子「私にもよくは分かりませんが、そんな気がするんですわ。
……これが最後に会う機会になる、そんな予感が。」
( ^ω^)「そんな事はないお。
僕達はまた会えるし、もう一度、いや何度でも遊ぶんだお。」
21 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:46:09.47 ID:oYluWxRv0
沙都子「でも、でも!あの時と同じ胸の痛みが甦るんですの!
にーにーがいなくなった時の、あの頃の記憶と辛さが!!」
とうとう、沙都子の目から涙が溢れ出す。
前の世界でも聞いた彼女の悲痛な叫び。
沙都子「梨花とブーンさんの間に何があったのかは知らない。
けど、2人が大きな悩みを抱えているのだけは分かってた!
それを皆で解決することは出来ませんの?私達は仲間なんでしょう!?」
( ^ω^)「仲間……。」
僕達は仲間。
だから、悩みは皆で解決する。
彼女の理論は分かるし、僕もそうありたいと思う。
でも、この問題だけは梨花ちゃんと僕だけで話しあいたかった。
いや、そうしなければならない。
言ってみれば、僕と梨花ちゃんが本当の仲間になるためなのだから。
22 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:46:29.28 ID:oYluWxRv0
梨花「……まず言っておくのですが、僕と沙都子は必ずまた会うのです。」
沙都子「……え?」
梨花「だから、何の心配もいらない。
例え、何があっても必ず私と沙都子は必ず再会する。
これは運命、すでに定められた決定事項。」
必ず再会するという言葉に、何故か不安を感じる。
まるで、次の世界で会うから絶対だと言っている様な気がして。
沙都子「だけど……。」
梨花「大丈夫、沙都子が泣かない様に、ずっと一緒なのですよ。
寂しがりやの沙都子には僕がいないとダメなのです。にぱー。」
沙都子「り、梨花!」
23 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:47:00.61 ID:oYluWxRv0
( ^ω^)「そうだお。僕達と沙都子はまた会うんだお。
……それに、僕はまだ料理を食べさせてもらってないお。」
沙都子「……じゃあ、絶対に私のお料理を食べに戻ってくると、約束ですわよ!」
( ^ω^)「もちろんだお!」
ようやく笑顔を取りもどした沙都子と指きりを交わす。
そう、僕はそんな幸せな日常を手に入れるために、戦わなければダメなんだ。
梨花「それでは改めて行って来るのですよ。」
沙都子「何をしに行くのかは分かりません……、いってらっしゃいですわ。」
( ^ω^)「ばいばいだお!」
手を振り、再度の別れを告げる。
永遠のではなく、もう一度会うという意味を込めたさよならを。
24 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:47:40.89 ID:oYluWxRv0
校舎を出ると、ムワッとした熱気が僕達を包む。
学校に冷房がはいっているとか、そういう訳ではない。
だが、室内特有のヒンヤリした空気と違って、ジメジメとした嫌な空気が辺りを包んでいる。
ほんのりと雨の匂いがした。
( ^ω^)「それで、どこに行くんだお?」
梨花「……着いてきてくださいです。」
梨花ちゃんはそう一言告げて、すたすたと歩き出す。
僕に質問を重ねるのを許さないのか、振り返る事も無い。
僕はただ、その背中に着いて行くことしか出来なかった。
口を開いても、無駄な気がしたから。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:47:47.50 ID:gzQDXfQI0
私怨
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:48:11.34 ID:9ee2EKnOO
支援
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:51:24.99 ID:9ee2EKnOO
私怨返し
28 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:51:52.63 ID:oYluWxRv0
彼女が歩く道は、あまり僕が使う道では無かった。
言い換えれば、行く必要が無い道。
普段、あまり人が通らないような場所を僕達は歩く。
どこに向かっているのか、本当に不安になった。
……だが、一歩、また一歩と足を進めるうちに、この場所の記憶を取り戻す。
甦るは、雨の記憶。
全てを終えた後、頬と伝う雫の冷たさ。
甦るは、音の記憶。
砕ける音と、雄たけびの協奏曲。
甦るは、鉄の記憶。
手に持った金属が、破壊を繰り返す地獄の風景。
甦るは、罪の記憶。
信じる事を忘れた者の、哀れな過去。
29 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:52:12.27 ID:oYluWxRv0
彼女が向かおうとしているのは、あの場所。
北条家本宅へ向かう道。
……僕が前の世界で、彼女を殺した場所。
何故、そんな所に?
わからない、わかりたくない。
僕は、そこに近付きたくなかった。
いくら、罪を償うと言っても、彼女を殺した記憶を頻繁に思い出す訳ではない。
だが、行けば否応無しに、僕は罪の記憶を思い出す。
必然的に、血で汚れた自分の姿を思い出す。
それでも、梨花ちゃんは足を止めなかった。
今では、はっきりとその場所へ向かっているのが僕には分かってしまう。
……前の世界で、一歩一歩が断頭台への階段であると例えた。
本当にそうなんじゃないかと思えるほど、今の僕の足取りは重かった。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:52:14.69 ID:G5hh+rvh0 BE:640267946-2BP(0)
支援
支援
32 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:52:32.43 ID:oYluWxRv0
ポツポツと雨が降り始めた頃、あの場所へと辿りつく。
雨の記憶まで再現するなんて、あまりにも非常な世界だと思った。
そのまま、この場所を通り過ぎてくれと梨花ちゃんの背中に願いをかける。
だが、先程までの予想通り、彼女は歩く速度を緩め……そして止まった。
梨花「着いたのです。」
梨花ちゃんは振り返りもせずに、そう告げる。
小さな声なのだが、聞き逃す気はしなかった。
……恐怖を覚えるほど、辺りが静かだったから。
( ^ω^)「こんな場所で話すのかお?」
梨花「こんな場所……ですか?
確かに、誰も人が通らないくらい何も無い場所なのです。」
( ^ω^)「……うん。」
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:53:49.36 ID:gzQDXfQI0
私怨するのです。にぱー☆
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:55:59.54 ID:w+qeOCR4O
ふんふんそれでそれで?
35 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:56:06.87 ID:oYluWxRv0
梨花「だからこそ、私はこの場所を選んだ。
……それは貴方がこの場所を選んだのと同じ理由。」
( ^ω^)「…………。」
やはり、彼女は取り戻していたのか。
他ならぬ、この僕に殺された記憶を。
梨花「誰も通らないから、二人になるなら好都合よね。
おまけに、周りは木に覆われて遠くの方からじゃ、視界が遮られる。」
( ^ω^)「だから、何だって言うんだお?」
梨花「……別に。ちょっと言ってみただけ。」
彼女の言葉、そして僕自身の言葉も白々しいと思った。
互いに牽制するだけで、踏み込みはしない。
どちらも、全て分かっているのに。
36 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:56:21.73 ID:oYluWxRv0
梨花「……前に、夜の学校で言ったわね。」
( ^ω^)「何をだお?」
梨花「私はこの雛見沢という世界が大好きよ。
皆がいて、私がいて、いつも楽しく遊んで。」
( ^ω^)「うん、確かにそう言ってたお。」
梨花「そして、私はこうも言った。
私は大好きなこの世界を守りたいと。
そう、例え何があろうとも私はこの世界で生き続けたい。」
( ^ω^)「うん、だから……!」
だから、2人で協力しよう!
仲間達と力を合わせて、この世界を守ろう!
そう言おうとした。
だが、想像も出来ないような事態に、僕は口を閉ざし、混乱する。
37 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 20:56:38.49 ID:oYluWxRv0
梨花「だから……その敵となってしまう貴方にはいなくなってもらいたいの。」
そう言って、彼女は右手に持った包丁を僕に向けた。
明確に感じる殺意。
悲しみと怒りが混じったような瞳。
その目は真っ直ぐに僕を睨む。
その手はしっかりと僕の方向を指し示す。
彼女が手に持った包丁は、雨の水滴を浮け、銀色に輝く。
強く握られえた拳に、強い意志を感じる。
敵を排除し、この世界を救うという想い。
100年間の恨みを込めて。
支援。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 20:58:23.91 ID:gzQDXfQI0
富竹☆フラッシュ
へっへははは
41 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:00:45.91 ID:oYluWxRv0
(;^ω^)「な、何してるんだお?
早くその包丁を僕に向けるのを止めるお!」
精一杯、強がってこれが冗談だと思おうとした。
しかし、彼女は呆れるように息を吐いて、語る。
梨花「元々、このつもりで貴方を呼んだのよ。
話なんて、するだけ無駄。どうせ、今回も……。」
そこで彼女は一瞬、言葉を濁らせた。
( ^ω^)「今回も……?」
梨花「……今回も、貴方は私を殺すんでしょう?
私は、死にたくない。でも、あの場を切り抜けるだけの力が足りない。
だから、殺される前に貴方を殺す。」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:00:58.60 ID:w+qeOCR4O
僕はゴミ溜め!!東京湾に浮かんでいるヘドロの塊さ!!
43 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:01:08.76 ID:oYluWxRv0
理解が出来なかった。
彼女は何を言っている?
僕が彼女を殺す?
確かに、僕は前の世界で罪を犯した。
しかし、そんな過ちを犯すような事は2度としない。
……それでも、彼女に僕のこんな気持が届いているはずがない。
そう、彼女は僕が彼女を殺した事を間接的に認めた。
そこで彼女と僕の対話は終わってしまったのだから。
でも、それでは……。
( ^ω^)「僕を殺して、幸せを手に入れようと言うのかお……?」
梨花「……そういうことになるのかしらね。
貴方は私の幸せを壊す外敵。それを排除しないといけない。
自分の障害となるものを破壊する、こんな当たり前の事を導き出すのに時間がかかったわ。」
44 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:01:28.97 ID:oYluWxRv0
今の言葉で確信した。
梨花ちゃんの記憶は不完全だという事に。
僕が彼女を殺した。
その記憶の欠片が大きすぎて、他の記憶が埋もれてしまっている。
……それもそうか。
仲間だと信じていた人に、突然殺される。
予兆も無く、普段通りの生活を過ごしていたときに。
そんな体験をしておいて、まともでいられる筈が無かったのだ。
だから、彼女の記憶は混乱し、僕が敵であるという事だけを覚えていた。
つまり、これは僕の罪。
罰を請ける時が今、訪れたのだ。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:03:59.97 ID:lmSReuNtO
支援
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:05:38.22 ID:4IgSg1V20
支援
47 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:05:57.55 ID:oYluWxRv0
( ^ω^)「…………。」
両手を大きく広げ、無防備な状態になる。
殺される立場にいる人間にあるまじき行動。
包丁を掲げる者と、それを前に何の警戒も見せない者。
傍から見れば、異常としか思えないような光景なんだろうなと思う。
それに、自分でも不思議に思えるほど、心は落ち着いていた。
梨花「一体、何の真似?」
( ^ω^)「僕は前の世界で君を殺したお。
それは、言い訳も仕様の無い真実。
信じる事を忘れて、君を敵だと決め付けて殴り殺した。」
梨花「やっと自分から白状する気になったのね。」
……性質の悪い事をする。
こちらから言うのを待っていたのか。
梨花「元々、貴方の存在そのものがイレギュラー。
それでいて、私を殺すのだから、貴方は存在しないほうが良いのよ。」
48 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:06:37.48 ID:oYluWxRv0
( ^ω^)「……確かに、僕は君を殺した。そして後悔した。
それは、殺す直前に君が言った言葉に悩まされたから。」
梨花「私が言った……?」
( ^ω^)「そう、今でも忘れる事の出来ない言葉。
1度死んでもまだ、僕の心に深く刻み込まれたその言葉。」
梨花「……。」
( ^ω^)「君は僕にこう言ったんだお。
『人を殺して幸せになる。こんな考えを持つ人が異常でない訳がない。』
人を殺して手に入れた幸せなんて、儚く脆いものなんだお。」
梨花「……私が異常だと言いたいの?」
( ^ω^)「よく分かってるじゃないかお。
圭一やレナ、詩音が暴走した世界を見てもなお、凶行に走る。
……僕と同じ、異常な思考に陥った人にしか出来ない行動だお。」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:07:12.76 ID:C2CumqzzO
支援
50 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:09:02.72 ID:oYluWxRv0
( ^ω^)「僕は確かに罪を侵した、その罰を請ける事に文句は言わない。
そんな僕だから言える、君は間違っていると。」
梨花「……黙りなさい。」
( ^ω^)「幸せは確かに待つだけでは訪れないかもしれない。
自分で掴みにいかなければいけないのかもしれない。
それでも、幸せの為に殺人を犯すだなんてバカげている。」
梨花「……黙れ。」
( ^ω^)「嘘をついたり、隠し事をしたから仲間じゃない?……違う。
幸せを壊されたから、仲間じゃない?……違う!」
( ^ω^)「どんな事があろうとも、自らが相手を信じられなくなった時!
そうなった時にだけ、『仲間』という言葉の意味が失われるんだお!!」
梨花「だまれぇええええええええええ!!!!!!!!」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:09:42.48 ID:4IgSg1V20
支援
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:09:57.25 ID:gzQDXfQI0
しえん
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:11:16.71 ID:lmSReuNtO
(・3・)
54 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:11:25.82 ID:oYluWxRv0
( ω )「ぐっ……!!」
腹部に焼けるような痛みが走る。
全身の力が抜け、立っていることもままならず、そのままゆっくりと地面に伏せた。
血は留まることなく流れ続ける。
雨と混じりあい、赤い水溜りが広がっていく。
梨花「ハァッ……ハァッ……!!」
梨花ちゃんの荒い息遣いが聞こえた。
なんだか、どこかで聞いた事があるような気がする。
……ああ、思い出した。
これは前の世界の僕と同じなんだ。
人を殺したという、現実を受け入れきれずにいるのだろう。
ただ、息を整えて心を落ち着かせる事だけに集中しているんだ。
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:12:12.97 ID:Du/2LmQ0O
支援
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:13:09.97 ID:gzQDXfQI0
しえんしえん
57 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:13:13.96 ID:oYluWxRv0
梨花「何故……?」
( ω )「……お?」
梨花「何故、避けなかったの?
いくら私が包丁を持っていたとしても、体格の差は歴然。
……避ける事は愚か、返り討ちにすることだって出来たはずよ。」
( ω )「ははっ……僕を殺そうとした人間の言葉がそれかお……。」
梨花「…………。」
( ω )「確かに、僕は力ずくで君を押さえ込むことも出来たお。
逃げようと思えば、いつでも逃げることも出来た。
それでも、そうしたくなかったんだお……。」
梨花「その理由が聞きたいのよ。」
( ω )「……前の世界。」
梨花「え?」
58 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:14:54.39 ID:oYluWxRv0
( ω )「前の世界で僕が君を殺そうとしたとき、君が何をしたか覚えているかお?」
梨花「……覚えてないわ。」
( ω )「……何もしなかったんだお。」
梨花「何も……?」
( ω )「そう、何もしなかった……。
最後まで僕を信じて、何もせずに……そしてそのまま……。
僕はそんな君に対して、金属バットを振るったんだお。」
( ω )「だから、今回は僕が君を信じてみたかった。
人を信じて、信じて、最後まで信じ抜いてみたかったんだお。
例え、こんな結果が訪れようとも……。」
梨花「……そう。」
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:15:47.53 ID:zBX3Edoo0
しえん
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:16:34.81 ID:t6eEglkX0
そーゆー意味ではレナは本当に偉大だよ
すでに鬼隠し編で人を信じることを知ってたんだから
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:16:50.45 ID:Ax6cmQpiO
支援
62 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:17:14.67 ID:oYluWxRv0
世界が少しずつ、黒く染まっていく。
動かない体は、雨の冷たさを感じる事も出来なくなっている。
……最期の時が近付いていた。
( ω )「梨花ちゃん……君に言わなければならない事があったんだお……。」
梨花「……何?」
この世界に来る前から思い出したかった言葉。
レナに言わなければならないといわれた言葉。
今、それがはっきりと頭に浮かぶ。
最期の言葉にふさわしくて、
人生の終わりには惜しくて、
それでも、僕が彼女に伝えなければならなかった言葉。
63 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:18:54.72 ID:oYluWxRv0
今こそ伝えよう。
2つの死と引き換えに、ようやく彼女に送れる。
( ω )「僕は……ただ、君にこの言葉を伝えに……。
そう……『ごめんなさい』…と………。」
梨花「……!!」
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:19:18.39 ID:9ee2EKnOO
黒梨花が黒過ぎる件
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:19:26.84 ID:lmSReuNtO
(-3-)
66 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:20:05.29 ID:oYluWxRv0
『ごめんなさい』
そんな簡単な謝罪の言葉。
だけど、ずっと言えなかった。
前の世界で犯した罪。
それに謝罪できるチャンスを貰えた。
でも、なかなか口に出せなかった。
彼女に、罵られるのが怖かったから。
死ぬ間際に言うのは卑怯だったかな?
それでも、伝えられたから。
彼女に謝る事ができたから。
……今はそれで良いんだ。
きっと、彼女に僕の想いが届いたと、そう信じて。
67 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:22:20.15 ID:oYluWxRv0
明確に感じる死への恐怖。
でも、今の僕をそれ以上に満足感が包んでいる。
人を最期まで信じることが出来たから。
彼女に言葉を伝える事が出来たから。
幸せだ。
死ぬ前にこんな気持ちになれるとは思わなかった。
たった少しだったけど、この世界に来れて良かったな。
……あ。
ごめんね、沙都子。
料理、食べられなくなっちゃった。
もう一回、遊ぶって言ったのになぁ。
指きりしちゃったから、針千本飲まされちゃうや。
あはは……でも、皆にもう一回会えるならそれでもいいかな。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:23:11.50 ID:v3Nv8HR10
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.r''フ .i,/ ./ ヽ
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___"==- !、 ,,-!, ,/""----、___
"=- __ ゛ " ゛‐" ,-.、__,,―― "
゛ ――" ゛ー――″""""
富竹ジロウが華麗に支援
69 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:23:57.49 ID:oYluWxRv0
圭一。
面白くて、頭が良くて。
もうちょっと時間があれば、最高の親友になれたんじゃないかな。
魅音。
ゲームで勝負したいな。
普通の勝負なら、負ける気はしないけど、イカサマありだときついだろうけど。
レナ。
ごめんなさいと伝えられたと言いたかった。
お礼に人形でもあげたら、きっと暴走するんだろうなぁ。
梨花ちゃん。
もう一度会えるなら、幸せな世界を2人で目指そう。
僕が、君の運命を切り開く力になる。
今度こそは最後まで信じあう、仲間になるんだ。
……そろそろ時間かな。
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:24:21.19 ID:lmSReuNtO
あーなたはー今どこでなにーをしていますかー
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:24:32.67 ID:t6eEglkX0
BGMは「birth&death」でお送りします
72 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:25:05.75 ID:oYluWxRv0
真っ暗だった世界に光が差し込む。
薄っすらと見えるのは、元の世界の僕の部屋。
……ドクオとツンが泣いていた。
ごめんね。
長い間待たせてしまったみたいだ。
今度は君たちを信じるよ。
そして、本当の友達、仲間になろう。
前の僕とは違うから。
きっと、幸せな世界を手に入れることが出来るから。
さぁ、行こう。
73 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:25:33.83 ID:oYluWxRv0
( ^ω^)とひぐらしのなく頃に
――――――――――――――――怨返し編
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:26:39.61 ID:gzQDXfQI0
次の世界ではうまくいってほしいのぉ
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:27:58.29 ID:v3Nv8HR10
乙
76 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:28:23.89 ID:oYluWxRv0
≪怨返し編あとがき≫
お疲れ様でした。
まず、怨返し編開始から1ヶ月もかかった事をお詫びいたします。
この怨返し編は最後の『ごめんなさい』のくだりしか考えていなかった為、苦労しました。
元々、この章を入れなくても、全体の完結を目指せた事もあった訳なんです。
でも、今後の物語に深みを加える事が出来た……ような気がします。
怨返し編の最終話は割と書くのが楽しかったですし。
さて、誤字脱字の量は変わりません。
しかし、文のタイプが若干、変わったような気がします。
……地の文が長々と続くような形ですね。
これからは、見やすさと文の重み、この二つを考慮して書いていきたいと思います。
告知なのですが、次の章はひぐらしの世界とはあまり関係ありません。
ブーンの元の世界での話になります。
ようやく中間点、この先もどうぞお付き合いください……。
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:29:33.95 ID:mIlp/EXp0
乙
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:29:37.75 ID:apfgQqXdO
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:29:52.98 ID:Ax6cmQpiO
乙!
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:30:03.89 ID:9ee2EKnOO
乙
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:30:14.91 ID:t6eEglkX0
乙
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:30:16.68 ID:gzQDXfQI0
乙
いくらでも突き合ってやんよ
83 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:30:38.18 ID:oYluWxRv0
という訳で本編終了です。
ここからTIPSに移ります。
>>14 色々あって、今は不定期更新という事になってるんだ。
そのうち、金曜更新に戻すけど……。
乙!
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:32:36.93 ID:apfgQqXdO
86 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:32:42.22 ID:oYluWxRv0
【ヒーローになれない俺だから】
俺は段々と薄れていく意識の中で考えていた。
アイツは一体どこにいるのだろうと。
隣で倒れているツンもまた、同じように考えていただろうな。
もう、2度と彼女が動く事はないけれど。
ツンのお腹からは、おびただしい量の血が流れていた。
まぁ、包丁があんなに深く刺さったのだから、無理もないか。
彼女は、最期の時まで、アイツの名前を呟いていた。
出来れば、会わせてあげたかった。
ついでに、俺も会いたいし。
でも、無理な事も分かってた。
別に、アイツが帰ってこないと思った訳じゃない。
理由は唯一つ。
俺の体も、ツンと同じようになっているから。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:32:44.26 ID:C2CumqzzO
乙
88 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:33:54.13 ID:oYluWxRv0
刺された時は本当に痛かった。
ああ、俺はここで死ぬんだと、そうとしか思えなかった。
でも、今は違う。
段々と痛みが無くなっている。
俺は本当に死ぬのかと疑問が湧いてくる程に。
……もちろん、これが逆に死への証拠だとも分かっていた。
そう、俺はまだ死にたくなかった。
だから、現実逃避に思考を切り替えていたのだ。
鈍っていく頭。
着実に重くなる体。
そうなってもなお、まだ助かる事を心のどこかで期待しているのだ。
せめて、救急車でも呼べば良かったかな。
まぁ、いいや。
考えるだけ無駄だよ、無駄
あーもう何もかもがめんどくせぇなぁ。
89 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:35:29.73 ID:oYluWxRv0
そうさ、俺に人を救う事なんか、できる筈が無かったんだ。
これはきっと、ヒーローに憧れた俺への罰。
イカロスは太陽に憧れ、蝋で翼を固めて太陽に近付いて、墜落した。
自らの限界を超えた望み、そんな物を求めたから死んだんだ。
そして、俺もまた同じ。
自分の限界を見計らった。
俺なんかをイカロスと同じと考えるだけおこがましいか。
でもさ、これも当然の事だろ?
誰だって、一度はヒーローに憧れるものだろ?
それなのに、俺にはこんな仕打ちかよ。
神様は非情、現実はあまりにも残酷だ。
……でもさ、
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:36:44.64 ID:B7TVrkrQO
('A`)ドクオはヒーローになれないようです
91 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:37:46.25 ID:oYluWxRv0
アイツなら、きっとヒーローになれる。
ツンも俺も救ってくれる。
俺がヒーローと同じように憧れた存在だから。
何でも出来るし、時折見せる優しさは心を癒してくれた。
まぁ、今となっては無駄なんだろうけどさ。
だって、もう全部終わっちゃったよ。
ツン死んじゃったよ?
俺、死ぬんだよ?
最後まで待ってたのにさ、来てくれなかったな。
別に恨んだりしないけどさ……すげぇ裏切られた気分だよ。
信じてたのは俺達だけだったのか。
お前は俺とツンの事……仲間だと思ってなかったのかな。
92 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:39:09.95 ID:oYluWxRv0
アイツなら、きっとヒーローになれる。
ツンも俺も救ってくれる。
俺がヒーローと同じように憧れた存在だから。
何でも出来るし、時折見せる優しさは心を癒してくれた。
まぁ、今となっては無駄なんだろうけどさ。
だって、もう全部終わっちゃったよ。
ツン死んじゃったよ?
俺、死ぬんだよ?
最後まで待ってたのにさ、来てくれなかったな。
別に恨んだりしないけどさ……すげぇ裏切られた気分だよ。
信じてたのは俺達だけだったのか。
お前は俺とツンの事……仲間だと思ってなかったのかな。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:39:15.20 ID:BqgWdU6N0
94 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:39:33.66 ID:oYluWxRv0
お前がいれば、ツンを救う事が出来たんだ。
だから、もし他の世界があるんら、そこのツンを助けてやってくれ。
ツンは誰かの助けを待ってるんだ。
俺はヒーローになれる様な器じゃないからダメなんだ。
……それに、俺もお前に会いたいんだ。
それで、お前に聞きたい事があるんだよ。
('A`)「ブーン、俺達は仲間……なんだよな?」
そんな言葉を最後に、俺の意識は完全に途切れた。
95 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:40:27.64 ID:oYluWxRv0
さて、TIPSお終い。
しばし、お待ちを。
>>90 書いてて、俺もこれなんて正義のヒーロー?ってオモタw
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:41:39.75 ID:lmSReuNtO
乙!
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:42:18.62 ID:t6eEglkX0
蜩の声がいうもう手遅れだと
それでも貴方に手を差し伸べる
どうか私のこと信じてください
もうなかないでいいよと教えたい………
98 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:43:31.23 ID:oYluWxRv0
≪注意≫
この先は、本編とは全くもって関係ありません。
言わば、ひぐらし本作のお疲れ様会的内容です。
本編のイメージを壊したく無い方はお止めください。
作者の裏話を聞きたく無い方も同様です。
また、本編に登場しないキャラばかりな事をご了承ください。
恐らく、お目汚しな内容になる事は間違いありません。
悪ノリに付き合ってくれる方、お暇な方。
そんな方だけ、このまま見ていただければと思います。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:43:43.48 ID:KwNKqjdM0
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:43:53.30 ID:oYluWxRv0
100
101 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:44:35.02 ID:oYluWxRv0
古手神社祭具殿。
ひぐらしの鳴き声も聞こえぬ丑三つ時に、影が群がっている。
神。
そう呼ばれるべき存在がそこにはいた。
だが、『彼ら』のいる世界でそこに神は居ない。
……そう、あの世界で神は認められなかった。
それだけではない。
認められなかった者は他にもいたのだ。
神。
刑事。
双子。
ヤクザ。
徹甲弾。
存在というものを求め、嘆き、さ迷い、苦しむ者達。
今日はそんな者達の悲劇を紹介しよう。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:45:41.03 ID:t6eEglkX0
最後徹甲弾てwwwww
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:45:56.97 ID:DP64UKA10
ほんの10分ほど前に体験版をクリアした俺様参上
鬼隠し編では羽入出てこないんですね。ちょと残念。
この話を読んでひぐらしに興味でたから作者さんには感謝
105 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:46:37.27 ID:oYluWxRv0
これは悲しみに嘆く物語。
悲劇に怒り狂う物語。
初の出番に喜ぶ物語。
劇の裏側を公開する、愚かな物語。
( ^ω^)とひぐらしのなく頃に。のようです
――――――――――――――――――――番外 劇晒し編
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:47:08.63 ID:gzQDXfQI0
がんがれ!超がんがれ!
107 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:47:21.74 ID:oYluWxRv0
川 ゚ -゚)「と、いう訳で始まりました。劇晒し編。
本編で出番の無い者達はここで存分に語り明かそうじゃないか。」
詩音「それはいいんですけど……アンタ一体誰ですか?」
川 ゚ -゚)「む、そうか。まずは私の自己紹介からいこうか。
私の名はクー、正式には素直クールだ。
大抵の物語では、ξ゚听)ξと対等な力を持つヒロイン候補なんだぞ、えっへん。」
羽入「……それで、何故ここにいるのですか?」
川 ゚ -゚)「ふむ、今日はここの司会進行役ということで参上仕ったわけだ。
作者の素の意見も私を通して、発言する事になっている。」
大石「んなぁるほど……でも、アンタこのひぐらしのようですには参加してませんよねぇ?」
川# ゚ -゚)「本来なら、参加するはずだったんだ。この作品だけでなく、作者の他の話にも。
だが、何故か私のポジションに('、`*川という意味の分からない存在がいてだな……!!」
赤坂「そ、そうですか。それはお気の毒に……。」
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:47:30.64 ID:lmSReuNtO
wktk
109 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:48:43.82 ID:oYluWxRv0
川# ゚ -゚)「大体、決められた性格のキャラを選んで作るのがブーン系小説じゃないのか!?
それなのに、『ペニサスは性格を自由にしていいから書くのが楽』ってそんなのアリか!?」
羽入「あぅあぅ……それは僕達に言われましても……。」
川 ゚ -゚)「……すまない、取り乱したようだ。
それでは、本題に移るぞ。題して【出番の無い者の理由コーナー!!】」
詩音「そのままですね……じゃあ、早速聞かせてもらおうじゃないの?」
大石「んっふっふ〜楽しみですねぇ。」
赤坂「納得のいく理由が聞けるといいんですが……。」
川 ゚ -゚)「それでは……えーと。」
110 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:49:40.46 ID:oYluWxRv0
川 ゚ -゚)「理由……お前らの存在が根本的にダルい。」
赤坂「!」
羽入「!!」
大石「な」
葛西「その時、葛西に電流走る」
詩音「ダルい……か」
111 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:50:26.25 ID:oYluWxRv0
大石「アンタ、それマジで言ってるんですか?」
羽入「あうあう……僕がいないとひぐらしは成り立たないと思うのです……」
川 ゚ -゚)「ん、いや待て。続きがあったぞ。
『今となっては無駄っぽいが、当初はひぐらし原作を知らない人も読めるようにしたかった。
だから、出来るだけキャラを多く出さない物語にしたかった。』だそうだ。」
赤坂「そういうことなら……まぁ……。」
大石「若干、腑に落ちない点もありますがいい、のでしょうか……。」
葛西「駆け巡る脳内物質……。」
詩音(葛西はもうダメかもわからんね)
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:51:07.39 ID:BqgWdU6N0
ダルいってwwwwww
てか葛西wwwwwww
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:51:12.11 ID:t6eEglkX0
>>104 完全に登場するまでまだまだだぞ
でも鬼隠しにも羽入は一応出てるよ
114 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:51:22.56 ID:oYluWxRv0
川 ゚ -゚)「まぁ、キャラがあまり好きでもないってのも本心なんだろう。
圭一がいちばんのお気に入りらしいしな。」
羽入「……クーだって、気に入られてないのですよ。」
川;゚ -゚)「!!」
大石「ですよねぇ……どう見てもペニサスさんの方が気に入られてますよねぇ」
赤坂「ははっ、クーさんも私達の仲間って事ですね。」
川# ゚ -゚)「温泉ふぜいと私を一緒にするなよ……!!」
赤坂「なっ!私にだって祭囃し編に見せ場はあったんぞ!」
川# ゚ -゚)「『給料いくらだ』ってか!?笑わせてくれる!
そんな事いったら、私にだって他の作品に見せ場はたくさんあるわ!!」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:52:11.75 ID:gzQDXfQI0
葛西物故割れたwww
116 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:52:33.35 ID:oYluWxRv0
羽入「でも、この作者の他の話にも、一切、クーさんの出番はないのですよ……。」
川 ゚ -゚)「……。」
温泉「……。」
大石(あちゃー。)
詩音(それは言っちゃダメっぽいですよ……)
葛西(β-エンドルフィン……! チロシン……! エンケファリン……! バリン…!
リゾン、ロイシン、イソロイシン……!)
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:52:58.34 ID:i1FF6ALdO
ドンガバチョのなく頃に 〜スパァンゥワァオ編〜
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 21:53:25.23 ID:t6eEglkX0
羽入からけ嫁wwww
119 :
◆9d9cVF02x2 :2007/08/16(木) 21:53:36.96 ID:oYluWxRv0
川 ; -;)「……どうして、私の出番は無いんだ?」
大石(赤坂さん……泣いちゃいましたよ。)
赤坂(ええ!僕ですか!?羽入ちゃんのせいなんじゃ……。)
羽入(現実を受け入れることは、大切なのですよ……。)
葛西(ククク、狂気の沙汰ほど面白い…!)
詩音(葛西、アンタは本気で黙ってなさい)
川 ; -;)「いいんだ……私は他の作者の下でなら、輝けるんだから……。」
120 :
◆9d9cVF02x2 :
詩音「……それじゃ、そろそろ本編について語ってみましょうか!」
大石「出番の無い私達が語るのは少々、自虐的ですがね……。」
赤坂「お、大石さん、そう卑屈にならずに。
それと、私の一人称は私でしたね。スマソ」
葛西「赤坂さん、意味の分からない発言はお止めください。
ここはクールにいきましょう。」
羽入(あ、葛西が元に戻ったのです。)
詩音「全体を通すと、文体が変わってますね。」
赤坂「そうですね。改行が多くなったような気がします。」
大石「見易さを考慮してだとは思うのですが、文を稼ごうとしているような印象もうけますね……。」
羽入「まぁ、そこまで気にする人は居ないと信じて、次にいきましょうか……。」