1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
どうやら今は『夏休み』、らしい。
私にとっては何の意味も成さないけれど。
厚いカーテンで遮断された夏の日差し。
電気はつけない。パソコンの光だけが部屋を満たす。
私にとってそれで十分だった。
季節など要らなかった。
外の季節など関係の無いものだった。
外の世界なんて無くても良いものだった。
私自身が要らない、無くても良いものだから。
この閉ざされた部屋の中、死んだように生きていた。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:44:04.98 ID:n7nIQnBT0
ほうほう
エロゲしながら期待
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:46:04.41 ID:nuVysdgE0
ふと時計に目をやるといつの間にか四時半を回っていた。
パソコンの画面を見つめ続けていたせいで目がチカチカする。
いつもいつも、こんな事の繰り返し。
目以外にも色んなところが疲れた気分。
なんとなく、カーテンを開けてみる。
久々に外を見た。
微妙な色合いの深い青味をおびた明朝の空。
この時間でも結構明るいんだな。そういえば夏になっていたんだっけ。
今年に入って初めて体感した夏らしい事だった。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:47:12.10 ID:nuVysdgE0
遠い空を眺めた後、網戸にも夏が張り付いているのに気付いた。
茶色い抜け殻とその横にいる妙に白っぽい蝉。
脱皮したばかりなんだろう。
きっと、日が完全に昇る頃には飛び立つ。
明るい夏の日差しの中へと。
「良いな……」
気付けば、何故かそうつぶやいている自分がいた。
私は一つ息をつき、再びカーテンを閉めてベッドへ潜り込んだ。
眠りに落ちてすぐ、夢を見た。
学校に通っていた頃の悪夢。
夢の中でも私はもがいていた。無駄だったの、知ってる癖に。
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:49:41.64 ID:nuVysdgE0
うるさい蝉の声で目を覚ます。
時計に目をやると昼の十二時をとうに過ぎていた。
寝過ぎで頭がぼんやりする。
ぼやけた意識の中、異様に響くうっとおしい蝉の声。
どうやら恐ろしい程に音源が近いらしい。
私はカーテンをゆっくり開いた。
目眩がしそうなくらいにまぶしい太陽の光。
そして予想通り、網戸に蝉がへばりついて鳴いていた。
今朝の蝉だろうか。
いや、もうアイツはとっくの昔にどこかへ飛び去っただろう。
とにかくうるさくて敵わないので窓を叩いて威嚇してやった。
けれども逃げる気配は無く、むしろ声は大きくなるばかり。
窓を開け、網戸越しに叩いてやるものの効果は無い。イライラが募る。
しびれを切らした私は網戸を勢い良く開け、その反動で蝉を振り落とそうとした。
だがしかし、蝉は網戸から離れたかと思うと部屋の中にするりと飛込んできてしまった。
私の部屋に入った蝉の第一声はミンミンでもジリジリでも無く、「わぁ、さむい」。
まごう事無き、人間の言葉で。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:50:32.63 ID:R+Pp28DK0
ビクッ. ∧ ∧ ∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) < うおっ、なんかすげえ所に迷い込んじまったぞ、ゴルァ!
./ つ つ \______________________
〜(_⌒ヽ ドキドキ
)ノ `Jззз
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:51:06.84 ID:nuVysdgE0
蝉「ここのへや、さむい。そととちがう」
私「蝉、喋った……」
蝉「がんばったら、しゃべれた」
私「へー……そういうものなんだ」
蝉「うん」
そんな訳無いだろうと心の中で突っ込む自分がいた。
蝉はそんな事お構い無しに話を続ける。
蝉「なくの、つかれた。そとのせかい、もういやだからまどのそとからよんでみたの。
そしたらいれてくれた。ありがとう」
蝉の表情を読み取るなんて芸当出来ないが、なんとなく笑っているような気がする。
私「……別に入れてあげた訳じゃないのに。それに何でよりにもよって私のところに?」
蝉「うまれてはじめてぼくにはなしかけてくれたひとだから」
私「……人違いじゃない?」
蝉「ううん。だってきょうのあさはなしかけてくれたの、きみでしょう?」
私「………あ」
どうやら今朝の蝉と同一人物……いや、同一蝉物だったらしい。
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:51:32.86 ID:+iJqgG4b0
>「わぁ、さむい」
ワロスwwwwwwwwwwww
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:51:46.49 ID:nuVysdgE0
私「あの後、飛んでったんじゃないの?」
蝉「うん。はねかわいたら、とんだ」
私「何でどうしてここに」
蝉「さっきもいったよ? なくのつかれたから、だからここ、にげてきたの」
私「もう? 今日脱皮したばっかりの癖に」
蝉「だってまわりのみんな、ぼくよりおおきくなくんだもん。
だから、ぼくのこえなんて、ちっともきこえない」
私「充分うるさかったけどね」
蝉「みんな、もっとすごい。それに、ぼくよりじょうずにうたう。みんな、みんなそう」
私「蝉の鳴き声に上手いも下手も無いような気がするんだけど」
蝉「あるのっ」
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:52:53.64 ID:nuVysdgE0
私「……なんでもいいけど、もう出てってよ」
蝉「おねがい。……そと、もういやなの。ぼく、もうあそこにいたくない」
私「……っ」
蝉「もうなかないから。うるさくしないから。おとなしくしてる。だから、ここにいさせて。
ねぇ、ちょっとのあいだだけ、いっしゅうかんだけだから」
私「……。……分かったよ」
蝉「ほんと!? ほんとに!?」
私「本当だよ。だからほら、飛び回らないでったら。追い出すよ?」
蝉「えへへ、ごめんね。うれしくって、つい」
私「だから飛ばないでよ。うっとうしいな、もう」
誰かとこんなに話したのはいつ以来なんだろう。……いや、蝉だけど。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:53:07.79 ID:n7nIQnBT0
なんか悲しくなりそうだ
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 01:56:06.49 ID:UdlBkAUrO
蝉は短命だからな…
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:04:00.92 ID:nuVysdgE0
し、新ジャンルスレなんて初めてだぜ。
正直落ちないかどきどきなんだぜ。
私「とにかく邪魔にならないように静かにしててよ」
蝉「らじゃー!」
私は溜め息をつきながら窓を閉め、カーテンでまた外の世界を遮断した。
振り向けば壁に引っ付いてる蝉。
言いつけ通りに静かにしてるし、もう気にしない事にした。
細かい事を気にしていたら引き篭もりなんてやっていけない。
パソコンを起動し、いつものように羅列する青い文字をクリックし続ける私。
マウスの音と、時折キーボードを叩く音。それだけが部屋に寂しく響く。
私「……」
蝉「……」
私「……」
蝉「……」
私「……ねぇ」
蝉「……」
私「………ねぇ」
蝉「……」
私「……返事くらいしなよ」
蝉「え? しゃべっていいの?」
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:09:04.43 ID:n7nIQnBT0
しぇん
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:10:41.42 ID:UdlBkAUrO
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:14:12.54 ID:nuVysdgE0
私「話掛けられたら返事するくらい常識でしょ?」
蝉「ごめんね、ぼく、つちのなかからでてきたばっかりだから」
私「……あのさ」
蝉「なぁに?」
私「アンタ、これでいいの?」
蝉「これって……どれ?」
私「蝉ってさ、何年も土の中にいるんでしょ?」
蝉「うん、いたよ」
私「せっかく飛べるようになったのにこんな狭い部屋に閉じこもって。アンタ、それでいいの?」
蝉「きみだって」
私「え?」
蝉「そと、にんげん、たくさんいた。にんげんどうし、いろいろはなしてた
きみくらいのとしのにんげん、みんないっしょに『がっこう』ってところにいってた。
よくわからないけど、『ぶかつ』とか『ほこう』とかはなしてた。それでね……」
私「やめて。……そんな話、しないで」
蝉「……」
私「次にその話したらバルサン焚いてでもここから追い出すから」
蝉「なんだ、ぼくといっしょじゃないか」
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:18:43.78 ID:eF651KqXO
心に染みるな、蝉の声だけに
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:25:10.20 ID:nuVysdgE0
蝉に背を向け、私はパソコンを再開した。
蝉が何か小さくつぶやくのが聞こえた気がするが無視する事にした。
虫だけに……というのは冗談で。
画面上では不毛なやり取りが行われていた。
私はそれを鼻で笑いながら煽りの文句を書き込んだ。
いつもの通り、内容が変われどやる事は一緒。
馬鹿馬鹿しくなる瞬間も無い訳では無いが、これ以外にやる事も無い。
それにマンネリ化している行為だからこそ安心感がある。
いつの間にか私の心の拠り所はこんなつまらない物になってしまっていた。
突然、耳元で羽音が聞こえた。
驚いて首を動かすと肩に止まった蝉が見えた。
私「……何してるの」
蝉「なにやってるか、きになって。じゃましないからいっしょにみて、いい?」
私「……好きにすれば」
じっと画面を見つめる蝉。
私「文字、読めるの」
蝉「ちょっとだけ」
私「へー……」
蝉「でもかんじ、よめない。だからなんてかいてあるか、よくわからないの」
私「読めない方が良いよ」
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:32:53.04 ID:aOlQuQsg0
今私は・・・良スレに出会った
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:37:24.62 ID:nuVysdgE0
蝉「でも、このえみたいなのはわかる」
私「AAの事?」
蝉「『えーえー』っていうの?」
私「うん」
蝉「……ねぇ、ほかのところみようよ」
私「何で?」
蝉「だって、この『えーえー』、『ねこ』っていきもののでしょ?」
私「そうだけど」
蝉「ついさっきはねがとれちゃったせみのこと、ねこがたべてた」
私「……へー」
蝉「がりがりいわせてたべてた。
たべおわったあとにこっちみあげて、にゃーって……にゃーって……いってて……」
肩の上の蝉は小さな身体をぷるぷるさせていた。
少々うざったい蝉だが何だか哀れになり、私は黙ってウィンドウを閉じた。
蝉「そと……こわい……。それもあるから、もっといやになった」
私「………うん、うん、そうだね」
しんみりとした空気。
私は気を取り直して他のスレッドを開いた。
私「あ、またこのAA……」
蝉「ぎゃー」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:44:23.27 ID:n7nIQnBT0
wktk
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 02:53:06.63 ID:nuVysdgE0
私「そういえば蝉って何食べるの?」
蝉「じゅえき」
私「じゅ、樹液?」
蝉「じゅえき」
私「他に食べれるものは?」
蝉「………わかんない」
私「分かんないって……自分の事でしょ?」
蝉「でも、わかんないの。ごめんね」
私「樹液って言われても……あ、ちょっと待って」
蝉「うん。まってる」
私はそっと部屋のドアを開けた。
恐る恐る左右を確認した。人の気配はしない。
母は恐らく買い物に出かけているのだろう。
しかし念には念を入れて足音を忍ばせながら台所に続く廊下を歩く。
無事、台所へ到着。ホッと胸を撫で下ろし顔をあげるとそこには……母がいた。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 03:06:38.07 ID:5UeSoGrUO
wktk
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 03:11:03.81 ID:nuVysdgE0
私(何でいるんだよ。よりにもよってここに)
内心毒付く私。
母「○○ちゃん……!?」
目を見開き大袈裟な程に驚く母。
まぁ無理も無いだろう。三ヶ月間部屋に閉じこもりきりの娘が突然自らの殻を破って部屋から出てきたのだから。
まさか殻が破れた原因が蝉の餌だとは思いもよらないだろうが。私自身もそうなのだから。
引き篭もってからは喧嘩ばかりでロクに話もしなかった母だが、その点だけでは共感できるような気がする。
い、いや、今はそんな場合じゃないんだった。
私は黙って母から目線を逸らし、砂糖の容器に手を伸ばした。
母「ね、ねぇ○○ちゃん……どうして急に……」
私「用事があるから出てきただけ」
母「用事って一体……」
私「お母さんには関係無い。放っといて」
母「○○ちゃん……」
私「放っておいてったら」
私がぶっきらぼうに言い放つと母は黙った。
嫌な沈黙。横目で母を見やると、しゅんとしてうつむいている。
胸が、すこし痛かった。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 03:15:40.85 ID:aOlQuQsg0
wkwk
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 03:28:13.76 ID:nuVysdgE0
とにかくさっさと部屋に戻ろう。小皿に手を伸ばし、水を注ぐ。
砂糖は大匙二杯程度。蝉に丁度良い濃度なんて知ったこっちゃ無いので目分量。
軽く匙でかき回し、これで完成……という事にしよう。
母の横をすり抜け、立ち去ろうとする私。
母「○○ちゃん!」
悲痛さを含んだ母の声に私は足を止めた。
母「ねぇ、○○ちゃん。無理にとは言わないけど、前みたいにご飯、一緒に食べたりしない?
気分が乗った時だけでいいから。たまにはこうやって部屋から出てきて欲しいな……」
母なりに抑えているつもりなんだろうが、必死さが滲み出た口調だった。
ちょっと前までは『学校にちゃんと行きなさい』と言い続けていたのに、随分とハードルが下がったものだ。
きっと母も半分諦めかけているんだろう。
私「うるさいな。お母さんは何も知らない癖に。私の事なんて、何にも分かって無い癖に。
余計な口出ししないで。そういうの、迷惑でしか無いよ」
私は振り向きざまにそう言うと、後は脇目も振らずに部屋へと駆け込んでいった。
いつの間にか低くなってしまったハードルすら越えられない自分がいた。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 03:39:52.46 ID:nuVysdgE0
部屋に帰り着き、鍵を掛ける。
蝉「どうしたの……かお、こわいよ」
蝉はハタハタと飛びながら私の顔を覗き込んだ。
私「別に。何にも無いよ」
蝉「……そう?」
私「そう」
引き出しから脱脂綿を取り出しながら蝉の問いに答える。
蝉が納得したかどうかは分からないが。
砂糖水に満たされた小皿に脱脂綿を浸し、蝉に差し出した。
甘い匂いに誘われたのか引き寄せられるようにして蝉は脱脂綿に止まった。
私「ほら、これで飲めるでしょ?」
蝉「のみにくい」
私「仕方無いでしょ」
蝉「でもおいしい」
私「……そ」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:00:04.93 ID:aOlQuQsg0
ほっほ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:01:54.38 ID:nuVysdgE0
気付けば今晩もドアの前にラップをされた食事が置かれていた。
蝉「おかあさんといっしょにたべないの?」
私「何で?」
蝉「はなしごえ、ちょっとだけきこえた」
私「……一緒に食べたく無いから食べないだけ」
蝉「へんなの」
私「変じゃない」
箸をとって無理矢理口に押し込む。やはり味はよく分からない。
この生活を続けている内に何故だか味覚が鈍ってしまったようだ。
砂糖水を啜りながら「おいしいおいしい」とむやみやたらに連呼する蝉を横目に、
そんなもので幸せになれる彼(鳴いていたからきっと雄だろう)が羨ましく思えた。
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:02:59.53 ID:nuVysdgE0
食事終了。半分以上残し、またドアの前に戻す。いつもの通りの事だった。
蝉「そんなにのこすの?」
……余計な口を挟む昆虫の存在を除いては。
私「食べたく無いから」
蝉「おいしくないの、それ?」
私「別に」
蝉「ふーん。じゃ、さとうみずのめばいいのに」
私「私、蝉じゃないし」
私(もしかしたら蝉の方がマシかもね……)
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:05:59.42 ID:nuVysdgE0
wktkしてくれる人がいて良かった……。
ありがとうありがとう。支えになりますありがとう。
その場で書いて推敲無しに書き込んでるから誤字脱字があっても生温く見守ってやって下さい。
ちょっと諸事情により今からケータイに乗り換えます。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:06:23.48 ID:Pfsujpdi0
/ノ 0ヽ/ノ 0ヽ
ビクッ. _|___||___|_ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) < うわぁ、なにかすごい所に迷い込んでしましましたよ・・・。
./ つ つ \______________________
〜(_⌒ヽ ドキドキ
)ノ `Jззз
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:11:11.31 ID:aOlQuQsg0
パンヤやりつつ見てるよ( ・ω・)∩
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:24:54.64 ID:aOlQuQsg0
ほっほ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:27:54.70 ID:Pfsujpdi0
>>1じゃないけど書いちゃいますよ。
女「こんにちは」
男「ええと、どなたですか?」
女「貴方に昨日助けていただいた蝉です。
あそこで貴方の助けが無ければ羽化できませんでした。
つきましては何か恩返しなどさせていただきたいと…」
男「…(゚Д゚)ハァ?」
女「とりあえずお茶でもどうぞ」
男「ちょ、なにあなた勝手に上がりこんでお茶淹れてるんですか!」
女「飲んでいただけないのですか・・・」グスン
男「あーしかたがないな…頂きますよ」
女「はい、どうぞ♪」
男「はぁ…」
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:33:54.36 ID:01JPXt6mO
>>1です。
眠気が来るまで書き殴るです。
夜。
クリック音だけが部屋に響く。
蝉は……まぶたが無いから寝てるのか何なのか良く分からないが、話し掛けても返事をしないのできっと眠っているのだろう。
日本語の話せる蝉、ねぇ。
そりゃもう珍しいってレベルじゃない。きっとこの存在が露になれば大騒ぎになるんだろうな。
そんな事、知ってか知らずか蝉は眠りこけている(みたいだ)。
ま、家族ともまともにコミュニケーションを取れない私のところに転がりこんだこの蝉は的確な人選をしたというわけで。
……そういえば、蝉は一週間の命と良く言うがコイツの場合も当てはまるんだろうか。
最初に「いっしゅうかんだけだから」とは言っていたが、そんな風には到底見えない。
案外秋になっても冬になってもピンピンしてるかもね。
そこまで考え、私は苦笑した。
そして……その時自分がどうなっているのか、心の隅に一抹の不安を抱えていた。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:44:09.88 ID:Pfsujpdi0
男「で、恩返しってなにしてくれんの?」
女「お料理なら得意です」
男「他には?」
女「掃除と整理整頓にも些少の自信があります!」
男「それだけ?」
女「お洗濯だってさせていただきます」
男「他に機織るとか竜宮城に連れてくとかないの?」
女「・・・えと、お茶を淹れさせていただきます・・・。」
男「……」
女「・・・・グス」
男「…まあいいかそれで」
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:45:49.75 ID:01JPXt6mO
蝉との共同生活二日目。
母との鉢合わせの悲劇を回避する為に、夜中の内にその日の分の蝉の餌を用意した。
全く、樹なんて家の窓から三メートル程度のところに生えているというのに。自分で餌確保に言って貰えればこれ程楽な事は無い。
だが蝉本人が外に出るのをこれでもかと言う位拒否するから仕方無い。
引き込もりの悲しいサガか、それとも少なからず愛着が湧いて来てしまったのか、どうしても無理矢理外に放り出す気分にはなれなかった。
|ii||iii;;;i;;;;ii;iill|
|ii||iiii;;i;;;;ii;iill|.
|iii||iiii;;i;;;;ii;ill( ^o^)<ミーンミンミンミーン
|iii||ii;;i;;((Ol||/⌒ヽ<_
|ii||iii;;;i;;;iiYil/ / ハ ヽ
c-、ii__i;i/ / イ )
ヾ.__,、____,,/ /'"
|ii||iii;;;;;;ii_/ 〈
r'" ̄ ̄ ̄ ̄ , i
i ー--....,,,,___,,ノ、,,ノ
\ |ii||iiii;;i;;;;ii;iill|| /
ヽ|ii||ii;;i;;;;ii;iill|||'"
|iii||iiii;;i;i;;ii;iill|
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|iii||iiii;;i;i;;ii;iill|
|iii||iii;;i;;;;ii;;lill|
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 04:53:20.33 ID:01JPXt6mO
閉ざした窓越し、微かに外で鳴く蝉の音が聞こえる。
私「蝉、うるさいね」
蝉「ぼく、なんにもはなしてないよ?」
私「違うよ。外の蝉がね」
蝉「あ、そとのか……」
私「それにしてもアンタ、本当に鳴かないね」
蝉「なくなっていわれたから。……もしかして、ないたほうがいい?」
私「いや、鳴かない方が良い。……でもさ、鳴きたくなったりしないの? 本能というか、そういうの無いの?」
蝉「……ないてもかないっこないもん」
私「そっか……」
蝉「むしろ、ないたらまけだとおもってる」
私「その気持が何と無く分かる自分が憎い……」
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:05:06.53 ID:aOlQuQsg0
起きた時スレが残っていればいいなぁ
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:15:56.42 ID:01JPXt6mO
蝉「ここのへや、おちつくんだ」
私「普通の蝉は外の方が落ち着くだろうに。やっぱアンタ、変わってる」
蝉「ううん。せみだからこそだよ、きっと」
私「何で?」
蝉「かべ、つかまりごこちいいし」
私「どの壁も似たような物だと思うけど」
蝉「ごはんももってきてもらえるし」
私「それは私のおかげ」
蝉「それに……くらくて、つめたいから」
私「夏の風物詩にふさわしくない発言だね」
蝉「そう?」
私「そう」
蝉「でもくらくてつめたいとね……つちのなかにいたころ、おもいだすんだ」
私「……」
蝉「ぼくはね、とべなくてもよかったんだ。つちのなかでしぬまでずっとねむっていたかった。
だってそっちのほうが、よっぽどらくだから」
私「……」
蝉「……ね、きみはどうおもう?」
私「わたしは……わたし……は……」
答える事が、できなかった。
土の中に埋もれていたいと願う蝉の心、痛い程分かっていたのに。
……いや、分かっていたからこそ、答えられなかった。
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:21:57.30 ID:Pfsujpdi0
男「ところで貴方はあの時助けた蝉なんですよね?」
女「そうですよ?」
男「じゃあ蝉だっていう証拠を見せてくださいよ」
女「どうすれば信じていただけますか?」
男「えーと、鳴くとか」
女「メスなので鳴けません」 (*鳴くのは雄の蝉だけです)
男「じゃあ、飛べたりするの?」
女「残念ながら擬人化の際に羽を服としてデザインされましたので…」
男「ちょwwwメタ発言YA☆ME☆ROwwwwww」」
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:25:50.25 ID:01JPXt6mO
蝉「きょうはぱそこんしないの?」
私「後で」
蝉「ふーん。……なによんでるの?」
私「『昆虫図鑑』」
蝉「こん…ちゅう……?」
私「アンタの事だ」
蝉「ぼく、こんちゅう?」
私「多分。足、六本あるし」
蝉「じゃ、じゃあぼく、せみじゃないの?」
私「蝉だし、昆虫だよ」
蝉「せみだけどこんちゅうなの?」
私「そ。昆虫の中の蝉って種類」
蝉「こんちゅうでせみで、せみがこんちゅうで、こんちゅうがせみで、せみが……あれ?」
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:27:27.73 ID:yBja0rnBO
蝉一気食い
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:29:09.51 ID:YUBjcFR10
虫は食えん。無理
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:30:24.31 ID:01JPXt6mO
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:50:30.46 ID:D2joLo810
ho
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:51:52.42 ID:cpRngZK10
(ヽJ{
,、jl l! Y j′
{、 { { lゝ'ノ/ j'
,ィ ヽヽj } { ! f' } j| ,イ
i! r、 rv'/ , ヽ l l レ' // し' j
{ 〉ヽし1 Y{ !} j レ' _,,ノ/ r‐‐'′
、ヾ:、 { { /ノ tヽ / '-‐_'.ノ < こんにちは
}i l ! ヽ.〉/ ヽン′厂「{ ,イ
{{ l { {{ヘ. ,イ / j└--‐',ノ 冬虫夏草です
ヾ:ゝヽ. ヽ〉Y′/ _ノ 厂 ̄´
`ーヽヽ. {{_j {r_'.-‐''´
\ヽフ {
冫 _,.ノ、_
_,. -ヘ Y´`V ̄こニヽ、
r_´  ̄`ヽ'_/´ {. ヘ
/  ̄`ヽ _,ノ ハ (ヽイ
/ ,ィ_¬、弌く`ー' {、_ _r'⌒`
/____// //ヽ `<厂ヽ._ラ′
l´ _,イソ_// ノヽ.__) ヾハ__
f'´ j「 ,rくこ二¬ソ `ー'′
{_,,///´,.r'ヽ.厂
ヽ. _j' }'´ /^>、
Y,リ /' 〃 jjヽ
くヘ./{ f{ {{ {i`>
`¬-r-‐‐''´
ヾヘ_
`´
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 05:54:31.49 ID:01JPXt6mO
私「えーと……蝉……蝉……」
蝉「よんだ? なになに、どーしたの?」
私「ちょっと今調べものしてるから邪魔しないで」
蝉「……きのうはよばれたらすぐへんじしろっていったくせにっ」
私「別に呼んでなんか無いよ。ただ事典を読んでるだけ」
蝉「あ……ぼくがいる」
私「魔女宅のジジみたいな事言うな。ただの写真だよ」
蝉「しゃしん?」
私「うん、写真。ほらペラペラでしょ?」
蝉「わっ、ぺらぺらだー」
私「……何だ。やっぱりアンタ、何の変哲も無いアブラゼミか」
蝉「あぶらぜみ?」
私「そ。アンタの事だよ」
蝉「ぼく、こんちゅうで、せみで、あぶらぜみ?
あぶらぜみだけどこんちゅうで、せみで、せみだけどこんちゅうで、あぶらぜみで、あぶらぜみはこんちゅうで、こんちゅうはせみで、あぶらぜみは……」
私「あーあー…肩書き三つになって相当混乱してる」
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:01:30.36 ID:Pfsujpdi0
紛らわしいですが蝉=女です。私は
>>1じゃないです。
蝉「はい、男さんお茶をどうぞ」
男「有難う…」
蝉「ええ、どうぞ召し上がってください♪」
男「ねえ蝉さん」
蝉「どうしました?」
男「最初はさ、蝉さんのこと『どうせ典型的な新ジャンルの蝉擬人化だろ?どうでもいいよ』と思ってたんです」
蝉「え…」
男「でもさ、最近、キャラはあんまりベタっぽくなくて清楚で可愛いよなって思えてきて…」
蝉「・・・・」
男「蝉のことだんだん理想の女性だって思えるようになってきて…」
蝉「男さん・・・・」
男「蝉、結婚してくれ!私は蝉と水さえあれば生きていける!」
蝉「うれしい・・・///」
男「蝉と結婚する!私は蝉と結婚するぞ!!」
蝉「きゃっ、男さん、何をなさるんですか」
男「蝉ちゃんを一気食いしたいよぉ〜(性的な意味で)」
・・・
・・
・
男「はっ、夢か!」
蝉「男さんどうされました?うなされてましたよ?」
男「いや、やっぱ虫とは結婚できん。無理」
蝉「えっ?///」
>>45-46
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:06:55.78 ID:01JPXt6mO
>>49 ペラ…
私「げっ」
蝉「?」
私「冬虫夏草……この事典こんなのまで載ってるんだ」
蝉「……」
私「な、何か……ごめんね。アンタにとっちゃ精神的ブラクラだったね。つ、次のページ行こうか……」
蝉「……このせみ、どうなっちゃってるの?」
私「え?」
蝉「せつめい、よめない。よんでよんで」
私「えーと……ご、ごめんね。む、難しい漢字ばっかりで読めないや。あはは……」
蝉「ふーん……?」
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:15:45.22 ID:01JPXt6mO
図鑑が所々事典になってら…。
もうそろそろ仮眠とるかな……寝てるうちに落ちそうで怖いがwwww
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:18:35.03 ID:Pfsujpdi0
>>53 書き手二人でギャラリーゼロだから両方寝た瞬間に落ちそうですよねw
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:19:02.75 ID:cpRngZK10
なに、しょせんは儚き蝉スレよ
あっという間に落つるも一興
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:20:01.42 ID:D2joLo810
(言えない……自動保守かけてるなんて言えない……)
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:22:06.00 ID:oOfM/GuLO
蝉かわいい
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:28:17.19 ID:01JPXt6mO
私「蝉の飼い方……あったあった」
蝉「ね、なんてかいてあるの? なんてかいてあるの?」
私「……」
やっぱり蝉は一週間程度の寿命なこと。
よって飼育に向かないということ。
『飼い方』と言うには余りにお粗末な文句。
ただそれだけが書かれていた。
蝉「きょうをいれて、むいか……でしょ?」
私「アンタ……」
蝉「しってるよ。ぼく、せみだもん。ばかで、もじがよめなくて、じぶんがこんちゅうでせみで、あぶらぜみなこともよくはわからないけど、これだけはしってるよ。
……せみにうまれた『しゅくめい』は」
『宿命』という言葉は、蝉のたどたどしい口調にふさわしく無く、重みを持って私の心にのしかかった。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:30:49.08 ID:Pfsujpdi0
女「男さん・・・・」
男「どうした?今晩のおかずの話か?」
女「私はあと幾日かのうちにこの世を去ることになるでしょう・・・・」
男「え…?そんな…」
女「所詮は儚い蝉の命・・・長くは持たない定めなのです・・・」
男「嘘だろ…?そんな…」
女「さようなら・・・」
女「恋は、あっという間に落ちて、散華するのもまた一興、ですよ?」
男「待てよッ…待ってくれ女ーーー!」
・・・
・・
・
男「女ッ!」
女「どうされました男さん?私の名前を何度も呼んでいたようですが」
男(言えない……あんな恥ずかしい夢を見たなんて言えない……)
>>55-56
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:39:17.96 ID:dUPIXj+p0
なんだろう、この切なくなるスレは
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:52:58.83 ID:01JPXt6mO
蝉「でも、ぼく……わからないの」
私「分からない……?」
蝉「ぼく、ほかのみんなよりよわいから、つちのなかでしかいきていけないの。
きみが『良いな……』っていったときも、ぜんぜんよくないっ! っておもったんだ。
……つちのなかにかえれないのなら、いっしゅうかんしかもいきられなくていい。いますぐしんでもいいって」
私「蝉……」
蝉「でもね、きのういったでしょ。ねこにほかのせみがやられてたって。
あれみて……ぼく、『しにたくない』っておもっちゃったの。
おおきくなけないくせに、じょうずにうたえないくせに『いきたい』っておもっちゃったの」
私は何も言えなかった。
蝉「まぁ……どうであれ、あとむいかしかないけどね」
蝉はそういってちょっと笑った……気がした。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:53:21.14 ID:Pfsujpdi0
男「ところで気になっていたんだけど、どうして女はいつも和服を着ているの?」
女「以前に、羽は服になったので飛べませんとお伝えしましたよね?」
男「ああ、あったねそんな設定」
女「ところで『蝉の羽』(せみのは)という言葉をご存知ですか?」
男「わざわざ聞くってことはそのままの意味じゃないんだよね?」
女「はい。『蝉の羽』とは蝉のはねを思わせる薄い着物を指す言葉です。
ですから私は薄手の紗の着物を着ているというわけです」
男「なんだかこじ付けっぽい気がするんだけど…」
女「べ、べつにいいじゃありませんか好きなんですから///」
というわけで私の頭の中では着物着用です。こんなクソ暑い中酔狂だよね!
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:53:54.50 ID:UdlBkAUrO
このスレが気になって早起きしてみた
3時間しか寝てないぜ…
残ってて良かったwwwwwww
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 06:55:20.25 ID:01JPXt6mO
いっしゅうかんしかも>×
いっしゅうかんも>○
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:04:03.97 ID:01JPXt6mO
蝉「……ねぇ、これなぁに?」
蝉は隣のページにある写真を細い脚で器用に示す。
―――『標本の作り方』だった。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:10:06.07 ID:01JPXt6mO
標本について、私は説明してやった。
蝉はただ黙ってて、ごくたまに頷くような仕草を見せながら聞いていた。
説明が終わると、蝉はぽつりと言う。
蝉「つまり、いきてるときのまんまでいられるんだね?」
私「うん……そうだけど」
蝉「……じゃあぼく、しんだら『ひょうほん』になる」
私「な、何言ってんのアンタは」
蝉「だって、それならきみもさみしくないでしょ?」
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:11:46.45 ID:q4QXtBSq0
途中まで読んでたんだけど長すぎてだらけるね
ある程度短いほうがあっさりしててすきだ
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:16:26.76 ID:6y9WpN+zO
なかなか読ませるなあ
蝉なんていないのに蝉の声が聞こえる
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:37:32.19 ID:cpRngZK10
,.、.,ri‐ty-‐‐====‐-、_
,、-‐‐´i .!i !ト-i'´ ̄ ̄ ̄ ̄``!`ヽ、
,ィ'´ヽ i、 〉'‐'´ _,.r--、__,.r'´ i! !ヽ.
,.イ .ヽ、ヽ. ! / _,.、‐'-、‐-‐-y'´ !i t i_!r-、
/i、 ヽ. ヽ、i、 ('´ },.r‐'´ __ノ_! Vr-、!
!、ヽ、ヽ、ヽ.ヽ、 >tπ‐-,‐ヘy'ニ二/__),ヽ.,____ノ ノy、 < 俺、見参!!
./`ヽ、ヽ `ヽ,_>‐ニ二ノ〈/´ 〉!へ--‐///'´``У`ー'´ン、ミ、
iヽ、_,.>、>='‐´'ー‐┴‐'!ヽ/ノ レ-、/(イ ,t´.,__`'"´
``´ // ,.rィ-‐‐='ン i`〈 !ヽ∠.,__,r、!
// ./.r-'‐‐''"´ ゝ.ヽヽ.!、.,__ `ヽ,
,! i /./ ト-) ) 二X´ヽ
/ヘ! /./ ./,r' レ'´`' ̄!´.i
ゞ' // ,r',r' ノン
〈_! /'´ ー'´
!.i !j´
t_j
女「抜け殻……たまーに変なとこにへばりついてるもんだけど、なんで物干し竿のハンガーに……」
空蝉「空蝉と阪神ファンはどこにでもいる。これ、豆知識な」
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:39:49.87 ID:cpRngZK10
空蝉「よけいなしがらみを夏空に解き放つことで永遠を手に入れたのが俺。これも豆知識な」
女「踏めばかさっと潰れるくせに」
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:41:42.10 ID:BdqxqCZA0
Σ(゚∀゚;)
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:42:46.72 ID:cpRngZK10
空蝉「よぉ」
女「自転車のかごについてる……」
空蝉「言ったろ? 俺はどこにでもへばりつくって。俺と大魔王からは逃げられない。これ、豆知識な」
女「……」
かさっ ぽい
空蝉「おい」
女「あー、買い物めんどくせ〜」
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:43:16.84 ID:6y9WpN+zO
>>71 今すぐ新ジャンル「空蝉」を立てるんだwwwww
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:45:59.71 ID:cpRngZK10
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
空蝉「空蝉はお前の頭にしょんべん引っ掛けない。これ、豆知識な」
女「人んちの庭木に集団でへばりついてんじゃねーよ」
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:48:28.90 ID:cpRngZK10
蝉「……」
空蝉「よぉ、兄弟」
蝉「……」
空蝉「ん?」
蝉「……」
空蝉「……悪いな。『死』まで一緒に俺の中から持っていってもらってよ」
蝉「……」
空蝉「死ぬ前にいい恋はできたかい?」
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:49:35.18 ID:BdqxqCZA0
三ヵ月後、そこには元気に飛び回る蝉の姿が!
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 07:52:07.46 ID:cpRngZK10
空蝉「俺の背中の真一文字は暴漢からお前をかばってついた名誉の刀傷。これ、大切な知識な」
女「ただの脱皮跡じゃん」
空蝉「襲われたときのショックでお前は記憶を失っている。これ、豆知識な」
女「マジで踏み潰すぞ」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:01:34.11 ID:cpRngZK10
空蝉「蝉はやかましいが空蝉は床の間あたりに置いとくと涼を招くインテリアになる。これ、豆知識な」
女「いや、お前十分やかましいよ」
空蝉「いいから連れて帰って置いてみ?」
女「いやだ」
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:04:58.19 ID:cpRngZK10
空蝉「ははーん、俺を嫌うってことはお前、ヤゴ派だな?」
女「蜻蛉の抜け殻もうちにはないから」
空蝉「じゃあお前、何のために生きてるの?」
女「なに、その性急な結論?」
空蝉「空蝉派でもヤゴ派でもない奴はなんの生きる楽しみもない奴。これ、豆知識な」
女「お前、もうこれ以上スカスカの体でしゃべるな」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:07:50.88 ID:01JPXt6mO
どーも
>>1です。
ちょと用事出来たんで四時間程ケータイとおさらばいたします。
戻ってきたときまだスレがあったら続き書きますですー
ついでに落書き置いときますね。Pfsujpdi0さんの蝉さんイメージ。
だがしかし『蝉の羽』ワカンネから想像まかせ\(^o^)/
つ
http://o.pic.to/gpdtd
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:12:31.29 ID:cpRngZK10
空蝉「落ちてなお恋を求め未練たらしく震え鳴くのが蝉、
煩悩のすべてを追い出しもっとも如来の境地に近いのが空蝉。これ、仏教の豆知識な」
女「煩悩がないんじゃなくただのスカスカカラカラじゃん」
空蝉「脱皮もできない奴がなに言ってんだ、さっきから?」
女「踏み潰すぞてめぇ」
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:15:40.58 ID:cpRngZK10
空蝉「俺の背中に乾燥椎茸を刺して『冬草夏虫』とかぬかす奴は真性の馬鹿。これ、豆知識な」
女「あんたはわたしがそんなことしそうな馬鹿に見えるわけ?」
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:18:39.87 ID:6y9WpN+zO
>>81 おまえさんは広げた風呂敷をきっちり畳む義務があるんだぜ…
それを忘れた瞬間、無数の蝉がおまえさんの部屋の壁を埋め尽くすから
埋め尽くした上で輪唱→合唱が始まるからそのつもりでな…
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:20:43.18 ID:cpRngZK10
>>84 むしろひぐらしのなく頃に鉈持った女の子に襲われるな
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:22:44.07 ID:cpRngZK10
空蝉「……」
女「飛んでみたかったの?」
空蝉「……まさか」
女「そう」
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:25:54.51 ID:Pfsujpdi0
男「ふふ、女綺麗だよ…」
女「男さん・・・!やめてください・・・こんな・・・」
男「女の縛られた姿…蜘蛛の巣に囚われた蝉…いや、標本箱に貼り付けられた蝉…」
女「だめですっ、ほどいて下さい!こんな、まともじゃないのはいやぁ」
男「くすくす、さあ、いま『羽』を剥ぎ取ってあげよう…」
女「ひあぅ、ふあんぅ、ダメェェェェ・・・・!」
・・・・
・・・
・・
・
女「んんう、むにゃむにゃ、らめですよぉ男さん〜」
男「おい?何をねぼけてるんだ?」
女「んもー男さんってエッチなんれすからぁ、もっとやさしくしてくらはいよぉ////」
男「はぁ?」
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:26:56.08 ID:cpRngZK10
空蝉「夏の風物 + 夏の風物。これ最強。豆知識な」
女「朝顔にへばりついてやがる……つるつるのプランター、どうやって登った?」
空蝉「気にするな。夏の魔術だ」
女「……」
空蝉「やめろ! 俺の中に朝顔の種をねじ込むんじゃあない! なんという空蝉レイプ!」
女「……」
空蝉「振るな! 音を楽しむんじゃあない! うおおおお? しかもそのまま捨てるとは貴様、鬼か!!」
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:32:00.13 ID:QAPCRQaB0
ここいいねwww
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:34:03.15 ID:Pfsujpdi0
>>81 いってらっしゃい。絵のほうGJです!別に蝉の羽って言っても、
鉄瓶の蒸気の音を『松風』と呼ぶように、ただ薄めの着物をオサレに
呼んでいるというだけなのです。だからこれでモウマンタイ。
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:36:34.10 ID:cpRngZK10
空蝉「空蝉場所を選ばず。これ、豆知識な」
女「蝉の殻に蝉の殻がくっついてる……」
空蝉「少々脱皮しづらかったが、今はいい気分だ」
女「ああそう」
空蝉「珍しいだろ?」
女「全然」
空蝉(上)「だそうだ、兄者」
空蝉(下)「しかたないな、弟者」
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:41:37.05 ID:jNpBqg1a0
ほ
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:43:02.73 ID:Pfsujpdi0
>>91 こんな光景が脳裏に浮かんだ。
OK、蝉ゲット。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 流石だよな俺ら。
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ムシカゴ.. / .| .|____
\/____/ (u ⊃
ミーンミーン゙・・・・
PC許可してほすい
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:44:42.75 ID:cpRngZK10
空蝉「ちょっと頼みがある」
女「あんたと交渉の余地なんぞない。これ、豆知識な」
空蝉「ヤゴの抜け殻連れてこい。地中 VS 水中について熱く論じ合うから」
女「……」
空蝉「こら、川に投げるな! うおっ? 流される! 流されるーぅ!!」
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:47:07.38 ID:ab08x9L/O
あぁ、ちいさいころ実家の周りはすごい蝉時雨だったなぁ
久々に実家帰るか
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:47:52.32 ID:nLnEAsiqO
くそっ
今から仕事だ
夜まで保守頼むorz
オナニー小説きめぇ
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:48:40.79 ID:6y9WpN+zO
>>88 【空蝉にアサガオの種を詰めて耳に当てると】
ザア〜…ザザァ〜
女「フフ…潮騒みたいね…」
空蝉「アレだ。空蝉を巻貝になぞらえてってわけだ。このアマは」
女「思い出すわあ江の島…。とても暑い日だった」
空蝉「関東処女捨て島か。焦って馬の骨にホイホイとくれてやったってとこか」
女「……」
空蝉「ちょww無理無理wwwもう入らねっww入らねwwwwうぁwwwwww」
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:49:40.56 ID:cpRngZK10
空蝉「百物語で百体の空蝉を置いていけば、百話終えたときその中の一体が鳴く。これ、豆知識な」
女「そんな怪談聞いたことねーよ」
空蝉「その声が聞こえたものは夏の終わりに蝉とともに死ぬ。これ、絶対の運命な」
女「怖えーよ!」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 08:58:44.59 ID:cpRngZK10
空蝉「その気になればこの広大無辺な天にさえしがみつけるのに
雲に譲ってそうしないのが空蝉の謙虚なところ」
女「風船蔓にへばりついてなに言ってんのあんた?」
空蝉「なに、ただの豆知識だ」
女「さすがミソもクソもない奴は馬鹿なことしかいわねーな」
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 09:03:57.81 ID:9K5Y6xprO
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 09:04:47.71 ID:cpRngZK10
空蝉「たしかに俺自体はちっぽけなサイズかもしれん」
女「しれん、じゃなくてずばり、でしょ」
空蝉「しかしその空虚は宇宙空間にも匹敵する大いなる空虚」
女「あとで宇宙に死ぬほど謝っとけよ」
空蝉「ゆえに汲めども尽きせぬ哲学の泉を象徴するものとして、
空蝉は古来哲理を愛する者たちに重宝されてきた。これ、豆知識な」
女「まさに無限のホラが詰まってるなー、あんた」
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 09:13:19.69 ID:cpRngZK10
空蝉「風流の眼でよーく見てみな。入道雲にこそ空蝉はついてるから。これ、豆知識な」
女「あいにくわたしは即物的な女でねー。詩心ないから」
空蝉「中に詰まったよけいなものが素直な心を歪めているのか。捨て去れよ、俺みたいに」
女「死ねと?」
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 09:20:20.79 ID:cpRngZK10
団栗「……」
空蝉「よぉ」
団栗「……」
空蝉「夏にここにいるってことはお前、冬を越えてきたのかい?」
団栗「……」
空蝉「今年の冬は夏と秋を代表して、ともに雪を愛でようじゃないか」
団栗「……」
空蝉「それまで存分に語り合おうぞ」
女「いつの間に家の中に入り込んだ、てめぇ?」
空蝉「セールスと羽化、場所を選ばず。これ、豆知識な」
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 09:40:24.04 ID:D2joLo810
ho
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 10:00:27.64 ID:D2joLo810
ho
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 10:20:30.87 ID:D2joLo810
ho
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 10:34:42.91 ID:eD4/aKNsO
保守
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 10:54:46.07 ID:D2joLo810
ho
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 11:11:18.14 ID:jNpBqg1a0
ほ
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 11:27:10.68 ID:eD4/aKNsO
し
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 11:41:08.62 ID:01JPXt6mO
ういーす
>>1です。ただいまです。
今から頭捻って続き考えますです。
とりあえず空蝉の人Gj!!
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 11:43:48.10 ID:DR2syUDP0
し
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 11:56:55.30 ID:DR2syUDP0
ほ
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 12:03:04.88 ID:01JPXt6mO
ほしゅってくれてる人大好き。超好き。生まれる前から好きでした。
私はそんなに寂しそうに見えるんだろうか。
たかが一匹の蝉に気遣われなければならない位に。
……そう、たかが一匹。
たかが一匹の蝉……それなのに……。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 12:04:55.93 ID:01JPXt6mO
―――また、昔の夢を見ていた。
学校という世界は私にとって余りに広すぎて、他人という存在は余りに遠いもので。
辛い受験を耐え抜いて何とか入学したけれども、喜んでいられたのは最初の内のみだった。
ついていけない授業速度、伸び悩む成績。
……私はあっという間に取り残された。
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 12:25:00.57 ID:D2joLo810
ho
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 12:28:14.06 ID:5V6u/M1sO
今北がゴッホの人か?
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 12:28:43.16 ID:01JPXt6mO
成績面だけでは無い。
気付けば全てにおいて孤立している自分がいた。
「あの子、また成績悪かったんだって」
後ろ指を差して誰かが私の噂をする。輪唱するように広まる悪口。
やめて。もう、やめてよ。
家に帰っても口煩く「成績、成績」と繰り返してばかりの母が待ち構えているだけ。
外の世界に、私の居場所は無かった。
……だから私はここに身を潜めた。
土の中のように冷たく、暗いこの部屋に。
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 12:29:31.48 ID:01JPXt6mO
それでも母はしつこく私を外の世界へと引きずり出そうとする。
何で? 何で私をまたあの世界へ戻そうとするの?
母が激しくドアを叩く。
扉越しに何か叫んでいる。
がちゃがちゃと鳴るドアノブ。
私は耳を塞いだ。
それでも微かに届く私を急かす音。
やめて、やめて。
あそこは もう 私のいる場所じゃないのに。
私の居場所なんて、もう……。
私は机の上のカッターにおもむろに手を伸ばし、そして……―――
―――……あれ? 蝉の音が聞こえる。
塞いだ耳の中にはっきりと。
どこか、すぐ近くで蝉が、ないている……
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 12:42:35.85 ID:rlAlIfwz0
wktk
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 12:45:30.40 ID:01JPXt6mO
―――ミーン、ミーン、ミーン……。
蝉「あ、おきた!」
私「アンタ……鳴かないんだったんじゃ?」
蝉「ごめんね。でもきみ、すごくうなされてて……それに、ないてたから」
頬に手をやると少し濡れていた。
……そっか。私、泣いてたんだ。
蝉「だからおこさなきゃっておもって、それで……」
私「……」
蝉「ご、ごめん! もうみんみんないたりしないから。だから、おいだすのは……」
私「ありがと」
蝉「へ?」
私「……起こしてくれてありがと」
蝉「う、うん。どーいたしまして」
あの日切った傷痕が微かにうずく。
目線を左手首に移せば、今まで必死で忘れようと努力していたあの痕はくっきりと、消える事無くそこにあった。
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 13:03:59.05 ID:01JPXt6mO
>>120 新ジャンル系スレ立てるのはこれが初です。
カーテンを細く開ければ空は暗かった。星は、見えない。
夜の二時を少し回ったところ。
いつの間にか蝉との共同生活三日目に突入していた。
今日を入れて、あと五日。蝉はまだピンピンしてる。
とてもじゃないが余命五日には見えないのにな。
私「……」
蝉「どしたの?」
私「何でも無いよ」
蝉「……もういっかいねよっか」
私「……うん」
蝉「おやすみ」
私「……おやすみ」
再びベッドに潜り込む。
……どうか次こそは、あの光景を見ないで済みますように。
右手で傷痕をそっと包みこみ、私は目を閉じた。
―――夢の中に、優しく響くあの蝉の声……。
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 13:12:21.41 ID:01JPXt6mO
蝉「……おはよ」
私「ようやく目ぇ覚めたの。もうこんにちはの時間だよ」
コイツ自分の寿命があと僅かな事、本当に分かっているんだろうか。
蝉「あ……またぱそこんしてる」
私「……」
蝉「あれ? やめるの?」
私「……パソコン、飽きた」
コイツと、もっと話していたい。
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 13:32:25.71 ID:D2joLo810
ho
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 13:33:54.95 ID:01JPXt6mO
私「あのさ。標本の話、やっぱり止めにしよ」
蝉「え? なんで?」
私「だって、やっぱりおかしもん」
蝉「おかしい?」
私「標本にしたって、死んだらもう話もできないし。第一……死んだらもう、アンタはアンタじゃないでしょ」
蝉「……しんだら、ぼく、ぼくじゃなくなるの?」
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 13:44:53.57 ID:fPl1uhHNO
ho
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:00:33.48 ID:eD4/aKNsO
ほしゅ
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:00:53.35 ID:0mHLQv8G0
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:01:42.61 ID:FmGc0ufaO
初ほっ
読み始めたばかりだが名スレの悪寒!
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:06:47.03 ID:01JPXt6mO
私「死んだらもう、ただの死体だよ。それはもうその人じゃ無いし、その蝉でも無い」
蝉「そう……なんだ……」
私「私はそう思うだけ。実際に死んだ事無いから分からないよ」
私は、あの時死ねなかったから。
蝉「じゃああといつかしたら、ぼくはなにになるの?」
それが分かったら苦労しない。
深く残った傷の周りに薄くついた躊躇い傷の数々。
私「……少なくとも、標本じゃないと思うよ」
そう答えるのが精一杯だった。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:07:33.21 ID:HSIFyDlsO
そろそろ
新シチュエーションに改めてもらいたい
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:16:24.12 ID:01JPXt6mO
私「♪日曜日は市場に出掛け、糸と麻を買ってきた。
月曜日はお風呂をたいて、火曜日はお風呂に入りー……」
蝉「何歌ってるの?」
私「え。えっと……昔、小学校で習った歌をね」
蝉「うた、うまいね」
私「そっかな……?」
蝉「うんうん。ぼく、うらやましいよ。きみくらいうたえたらなぁ……」
私(やっぱり一週間って短いよなぁ……)
新シチュエーションか……どしよ。
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:20:06.30 ID:b4P3LrGU0
おいついた。
>>1ガンガレ
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:24:31.04 ID:01JPXt6mO
私「……そういえば雄の蝉ってさ、求愛する為に鳴くんだよね」
蝉「うーん……らしい、よ?」
私「上手く鳴けないって事はつまり……」
蝉「……」
私「……落ち込んでるの?」
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:35:53.79 ID:01JPXt6mO
蝉「ぼくにだっていちおう、おとことしてのぷらいどはあるよ」
私「……あんまりそういう風には見えないけど」
蝉「そうなのっ」
私「そうやってムキにならなくても」
蝉「ぼくだってちゃんとあいてをかんがえてないてるからね。だれにでもなくような『しりがる』じゃないの」
私「『尻軽』の使い方、多少間違ってるような気がするけど」
蝉「とにかく、ぼくはだれにでもなくわけじゃないし、だれとでもはなすわけじゃないからね。……わかった?」
私「う、うん。分かった……って、ちょっ、ちょっとアンタ……っ!」
蝉「……」
新シチュエーションってこうですかわかりません>
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:49:06.16 ID:NSrMlTz60
イイヨイイヨー
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:50:24.02 ID:zYKgniMX0
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:56:16.10 ID:01JPXt6mO
>>141 お恥ずかしながら……。
気合いと勘のみで書いてますorz
VIPでスレタイがどうの騒ぐ阿呆はスルーで
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 14:58:50.40 ID:zYKgniMX0
>>142 マジレスか
じゃあ教えとこう
わざわざ(?)ってつけてるけど、「私と蝉」じゃあジャンルとは呼べない
中身見ても、「新ジャンル」じゃなく「新シチュエーション」じゃないか?
という意味
あと、これ既出じゃなかったっけ・・・
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 15:09:40.39 ID:01JPXt6mO
>>144 マジレスサンスス。
何にも知らん俺無様wwwwwww
すんません。新参です。
でもなんとか頑張っていこうと思います、はい。
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 15:20:02.21 ID:01JPXt6mO
また一時間程度急用でケータイと惜別せねばいけないことに。
戻ってきた時に残ってることを願ってアディオス。
そして充電ヤバイwwwwwww
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 15:39:38.82 ID:Qp//tlrMO
ほ
>>142 新ジャンルだろうが新シチュエーションだろうが
おもしろければたいした問題じゃないと思ったのは俺だけか?
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:01:33.47 ID:D2joLo810
ho
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:01:52.41 ID:FmGc0ufaO
穂種
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:08:54.75 ID:D2joLo810
ho
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:16:26.54 ID:01JPXt6mO
>>1です。
保守ってくれる人がこんなに居てくれるなんて……。
感動した。心底感動した。
展開詰まってきたけどなんとかやっていくぜ!うおー!!
私「え、えっと、どういう意味にとったらいいのかな、今の発言は」
蝉「ぼく、きみすきだよ」
私「……アンタ、正気?」
蝉「たぶんだいじょうぶ」
私「だってアンタ蝉だし私人間だし」
蝉「しってる」
私「どこからどう見ても違うでしょ」
蝉「でも、ぼくたちにてるとおもうよ。すごくね」
私「そう……かな?」
蝉「ぼく、せみだけどほかのせみたちより、きみとのほうがわかりあえるきがするから」
私「私は…………別に……」
蝉「……さいしょにちょっととびまわって、いろんなせみにあってみたけど……あれは、ぼくのいばしょじゃなかった。
みんなすごすぎて、そとはひろすぎた」
蝉「そとにぼくのいばしょは、なかったよ」
他の蝉に交われなくて、
他の人に交われなくて、
その果てに暗くて冷たい穴蔵のようなこの部屋に辿り着いて。
なんだ、こうして考えてみれば結局似たもの同士じゃないか。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:16:27.01 ID:D2joLo810
ho
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:20:12.70 ID:01JPXt6mO
蝉「きみはぼくにとってはじめてのともだちだから」
きっと、さいしょでさいごのともだちだから。
ちっぽけなぼくにもあった、いちばんいちばんたいせつなひと。
蝉「いばしょをくれて、ありがとう」
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:27:17.16 ID:D2joLo810
ho
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:28:43.24 ID:N+uoNVdKO
趣がある、頑張ってくれぃ
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:35:46.61 ID:D2joLo810
ho
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:42:49.30 ID:D2joLo810
ho
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:43:23.27 ID:01JPXt6mO
当たり前の事だが、こんなの間違っても『恋愛』なんて大それたものじゃ無い。
蝉がどういうつもりであんな発言をしたのか私には分からないが、少なくとも『告白』なんて甘ったるいものじゃ無いのは明白だ。
彼は、思っている事をただ言っただけ。
そして私たちはただ気持ちを共感しあうだけ。
別段このやりとりで何か変わったわけでも無く。
冷たく暗い地中で、私たちなりの夏を過ごしていこうと軽く約束を交しただけの事。
残り五日の事だった。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:49:44.11 ID:gzGm2MG4O
ほ
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 16:57:35.20 ID:D2joLo810
ho
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:04:37.76 ID:D2joLo810
ho
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:11:40.04 ID:D2joLo810
ho
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:14:58.87 ID:01JPXt6mO
蝉「ぼくにのこされたじかんはあといつかかん」
私「どうしたの、急に」
蝉「『ひょうほん』がむりなら、ほかのなにかをのこしたい」
私「何かって?」
蝉「いまからかんがえる」
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:22:02.70 ID:D2joLo810
ho
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:22:50.59 ID:aOlQuQsg0
お、残ってる
残したい……か
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:27:37.44 ID:fgLi3zu4O
蝉捕手
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:34:40.33 ID:D2joLo810
ho
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:41:43.15 ID:D2joLo810
ho
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:46:07.23 ID:wVQboz6q0
感動しっぱなしだ
ho
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:53:09.88 ID:D2joLo810
ho
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 17:59:48.95 ID:Y+GPBFK7O
良スレ
ほ
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:06:51.65 ID:D2joLo810
ho
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:13:54.00 ID:D2joLo810
ho
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:20:54.59 ID:D2joLo810
ho
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:27:57.25 ID:D2joLo810
ho
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:31:03.82 ID:01JPXt6mO
さっきからずっと羽をはたはたさせながら部屋のあっちやこっちをうろうろしている蝉。
きっと『のこすもの』を考えているんだろう。あの小さい頭をフル稼働させて。
そんな事、しなくたって良いのに。
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:38:06.91 ID:D2joLo810
ho
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:45:09.23 ID:D2joLo810
ho
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:52:12.10 ID:D2joLo810
ho
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:52:18.58 ID:01JPXt6mO
ふいに蝉はこちらへ降り立って言う。
蝉「ねえ、きみ。きみはなにがほしい?」
私「いらないよ。何にも」
蝉「なんでもいいからいってみてよ」
私「じゃ、百万円とか」
蝉「ひゃくまん……えん……?」
私「冗談だよ」
蝉「しんけんにかんがえてよ」
正直、期待はしていない。
こんなちっぽけな虫が何かを遺せるとは到底思えない。
本当に、その気持ちだけで充分なのに。
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 18:57:22.80 ID:juYV79dr0
セミかわいいな
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:05:03.49 ID:D2joLo810
ho
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:12:57.89 ID:D2joLo810
ho
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:14:08.05 ID:5LTo4ApwO
こいつが【α】か
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:22:03.83 ID:D2joLo810
ho
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:29:12.67 ID:D2joLo810
ho
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:36:43.70 ID:D2joLo810
ho
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:43:46.71 ID:D2joLo810
ho
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:50:50.38 ID:D2joLo810
ho
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:57:42.60 ID:01JPXt6mO
しかし蝉自身はそうもいかないらしい。
考え込む蝉を眺めているうちにいつの間にか夕方になっていた。
私「まだ考えてるの?」
蝉「まだなんにもおもいついてない」
私「止めようよ、もう」
蝉「なんで?」
私「だってせっかくの一日がほとんどこれで潰れちゃったじゃん」
アンタ、一週間しか生きられない癖に。
私「だからもう止めなよ。ね?」
蝉「やめないよ。おもいつくまでやめない」
蝉は相変わらず部屋をうろうろし続けながら、頑な口調でそう言った。
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 19:59:21.42 ID:Ks7CeuCb0
あん
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:06:57.47 ID:D2joLo810
ho
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:11:41.23 ID:01JPXt6mO
その後も蝉は時折私に近付くと、いくつもいくつも質問をした。
もちろん『のこすもの』についての。
もちろん夕飯を食べる時の話題も。
ただ、私がまた食事を残すのを見ると
蝉「おなかへらない? だいじょうぶ?」
と心配そうに尋ねる。
それにしても何でこの蝉はここまで形見探しに執着するのだろうか。
もう余命の何%を費やしたのか確認させてやりたいところだが、いかんせん蝉の脳味噌でそこまで高等な計算を理解できるか定かで無い。
……でも、考える蝉を見ていると、今までよりも生き生きしてるように思えた。何と無くだけれども。
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:18:44.42 ID:D2joLo810
ho
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:23:58.85 ID:DR2syUDP0
追いついたwktk
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:31:26.08 ID:D2joLo810
ho
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:31:48.57 ID:juYV79dr0
ほっ
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:35:31.79 ID:01JPXt6mO
―――蝉との共同生活四日目に突入した。
残り時間はあと四日。
机の上で眠りこけている蝉を指の先でつついて起こしてやる。
蝉「あれ……?」
寝惚けた声で蝉は呟いた。
私「ほら、朝だよ」
蝉「あさ……?」
私「アンタ、昨日の夜いつの間にか眠っちゃってたんだよ」
きっと考え疲れてしまったんだろう。
よくもまあ考え飽きないものだ。
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:42:42.46 ID:D2joLo810
ho
追いついた
保守
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:55:33.90 ID:D2joLo810
ho
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:55:51.72 ID:b4P3LrGU0
保守
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 20:56:12.60 ID:01JPXt6mO
ちょっくら飯食ってきます。
ねむくなってきた。
かなりの量を読んだ気になってるけど、日数的にはまだ半分か
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:03:25.12 ID:D2joLo810
ho
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:03:45.08 ID:aOlQuQsg0
何残していくんだろうねぇ
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:10:47.78 ID:D2joLo810
ho
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:17:05.03 ID:juYV79dr0
しょんべんしか思いつかん
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:24:12.09 ID:D2joLo810
ho
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:24:36.67 ID:DR2syUDP0
ほ
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:28:24.40 ID:6y9WpN+zO
>>210 そんなお前はきらいじゃないぜwwwww
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:32:32.85 ID:ktN9EdlWO
まだあったのか
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:37:58.16 ID:01JPXt6mO
>>210 同意。さあさあどうなる\(^o^)/
私「今日も考えるの?」
蝉「うん。きょうも」
私「……限りある命なのになぁ」
蝉「かぎりあるからこそだよ」
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:45:15.87 ID:D2joLo810
ho
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:52:18.80 ID:D2joLo810
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 21:52:51.86 ID:FmGc0ufaO
ほっ
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:00:40.95 ID:D2joLo810
ho
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:07:41.88 ID:D2joLo810
ho
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:07:53.79 ID:DR2syUDP0
ほ
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:15:56.42 ID:D2joLo810
ho
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:22:58.88 ID:D2joLo810
ho
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:30:50.89 ID:D2joLo810
ho
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:37:52.69 ID:D2joLo810
ho
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:44:54.08 ID:D2joLo810
ho
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:52:05.32 ID:D2joLo810
ho
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 22:59:07.27 ID:D2joLo810
ho
ho
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:07:35.75 ID:juYV79dr0
保守かれ
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:15:12.89 ID:juYV79dr0
ほ
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:22:23.89 ID:DR2syUDP0
ほ
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:26:28.40 ID:WlD2ATHi0
ブーンwwwwwwww
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:31:11.75 ID:mUpljBPg0
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:37:42.88 ID:0mHLQv8G0
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:45:21.72 ID:D2joLo810
ho
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:52:42.29 ID:D2joLo810
ho
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/13(月) 23:59:46.47 ID:D2joLo810
ho
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 00:12:06.86 ID:rvImwgB50
ho
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 00:19:09.65 ID:rvImwgB50
ho
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 00:27:15.60 ID:rvImwgB50
ho
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 00:34:19.33 ID:rvImwgB50
ho
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 00:41:22.88 ID:rvImwgB50
ho
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 00:42:40.27 ID:v+s22v0V0
こういうの好きだZE
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 00:50:43.52 ID:rvImwgB50
ho
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 00:58:01.33 ID:rvImwgB50
ho
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:05:05.24 ID:rvImwgB50
ho
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:12:50.58 ID:rvImwgB50
ho
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:17:00.79 ID:UKFwMSIbO
自動保守の間隔広げろよ
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:18:31.40 ID:stU8I6hF0
>>251 388 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 New! 2007/08/13(月) 16:21:50.38 ID:D2joLo810
用事で夜まで戻れないので早めに7分間隔にしました。
hoをNGにすれば多分すっきり
だとさ〜www
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:20:04.98 ID:rvImwgB50
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:27:08.52 ID:rvImwgB50
ho
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:34:13.45 ID:rvImwgB50
ho
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:42:02.45 ID:rvImwgB50
ho
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:47:39.27 ID:CcXK1/WrO
(V)@\@(V)
蝉人間
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 01:54:43.30 ID:rvImwgB50
ho
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 02:01:46.59 ID:rvImwgB50
ho
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 02:09:14.41 ID:rvImwgB50
ho
ho
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 02:44:33.66 ID:rvImwgB50
ho
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 03:04:36.14 ID:rvImwgB50
ho
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 03:17:23.52 ID:U/HQ7MIP0
蝉でけぇwwwwwwwwwww
でも蝉に見える
とりあえず砂糖水1リットルください
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 03:18:13.72 ID:rvImwgB50
紛うことなき蝉だ。
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 03:37:43.90 ID:U/HQ7MIP0
ほ
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 03:57:45.97 ID:rvImwgB50
ho
絵がきちょる
うれしいのうwwwwww
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 04:35:04.72 ID:rvImwgB50
ho
保守
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 05:09:15.28 ID:rvImwgB50
ho
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 05:29:17.45 ID:rvImwgB50
ho
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 05:40:58.15 ID:itJkXKBMO
>>1です
わわわわわ残ってた!
スレ残ってた!!
すみませんあのまま寝落ちました。今から書きます!
保守ありがとうございます!!
絵うpもあったりで感動。
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 05:45:34.10 ID:7dyzNr97O
まだあった。昨日の夕方から飲みに行ってあきらめてたのに!
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 05:53:40.73 ID:itJkXKBMO
蝉「ぼくおもったんだ」
蝉「かぎりがあるからこそなにかをのこすべきだって」
蝉「なにものこらないなんて、さみしすぎるておもうんだ」
蝉「たしかにぼくがいたしょうこを」
蝉「……よっかごにぼくはぼくじゃなくなるから」
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 06:12:52.73 ID:itJkXKBMO
私「アンタ……」
蝉「ぼくだけじゃないよ」
蝉は真剣に私を見据えて言う。
蝉「ぼく、きづいたの。みんな、なにかをのこすためにいきてるんだって」
蝉「ほかのせみたちはいっしゅうかんのみじかいじかんをひっしにないて、あたらしいいのちをのこす。
『いきてたあかし』がほしいから。じぶんがいなくなったあとも、じぶんをのこしたいから」
蝉「でもうまくなけないぼくはそれができないから……だからそのかわり、ひっしにかんがえてみようとおもったんだ」
何を残すのか……
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 06:22:39.51 ID:itJkXKBMO
私「……私にも、いつかみつかるかな」
私は、ぽつりとつぶやいた。
蝉「へ?」
私「いいや。なんでもないよ」
蝉「ふーん……?」
こんな蝉にも、こんな私にも、『いきたあかし』を残すことはできるんだろうか。
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 06:31:10.07 ID:itJkXKBMO
思えばこの十五年間、何かを成し遂げた事はあっただろうか。
『いきたあかし』になるようなものを、私もまだ持っていない。
何もできずに、この狭く暗い部屋に逃げ込んで。
このまま終わるつもりだった。
何もせずに、ただ無気力にパソコンの画面を眺めて、死んだように生き続けるつもりだった。
……見習わなきゃいけないかも、ね。
ちっぽけな蝉を見つめ、心からそう思った。
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 06:51:13.59 ID:rvImwgB50
ho
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 06:53:52.58 ID:itJkXKBMO
>>280 思えばこの十五年間>×
思えばこの十六年間>○
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 07:05:54.43 ID:itJkXKBMO
また考えに耽る蝉。
彼の思い付いた、彼なりの鳴き方。
私はそっと左手首の傷を撫でた。
……駄目だよね、こんなんじゃ。
私「……ね、蝉」
蝉「?」
私「いや……何でも無いよ」
私「…………ありがとう」
窓の外からもひっきりなしに聞こえる、精一杯生きる音。
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 07:25:56.83 ID:rvImwgB50
ho
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 07:45:58.70 ID:rvImwgB50
ho
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 08:06:00.49 ID:rvImwgB50
ho
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 08:26:02.58 ID:rvImwgB50
ho
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 08:30:01.02 ID:itJkXKBMO
蝉「ねえ、そういえばそのきず……どうしたの?」
私「え、あ……ちょっと、ね」
蝉「いたくない?」
私「もう痛くないよ。結構前に切った傷だから」
蝉「……あと、のこっちゃってるね」
私「…………残った方がいいんだよ、これは」
弱い自分がつけてしまった深い、深い傷。
―――それから、一人と一匹で他愛の無い話をした。
誰にも話した事の無い心の内を打ち明けながら。
この蝉にしか話せない事をいっぱい。
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 08:37:53.32 ID:itJkXKBMO
こんなに素直に自分の気持ちを表に出せた事があっただろうか。
たった数日の間に、この小さな虫は大きな存在になっていた。
そしてその存在があと数日で消えてしまうのがあまりに寂しく思えて……心の底から、なにかのこして欲しいと願った。
けれども、何も持たない虫にとってそれはあまりに難しい事で。
……気付けば、今日も終わってしまっていた。
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 08:47:07.15 ID:qy8P8Fe90
いいね、これ。
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 08:48:53.44 ID:Ki9ngCpZO
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 08:57:52.14 ID:00gtRsvvO
ho
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 09:04:24.11 ID:itJkXKBMO
―――蝉との共同生活五日目。
残り時間はあと……
蝉「からだ、すこし、きつい……」
今朝から蝉の調子がおかしい。
飛ぶ元気も無いらしく、机の上でじっとしている。
私「ど、どうしたのアンタ? 昨日まで元気だったのに……」
蝉「わかんない……」
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 09:05:51.05 ID:00gtRsvvO
wktk
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 09:16:13.88 ID:itJkXKBMO
私「病気?」
蝉「かもしれない……」
……寿命、という言葉が一瞬脳裏をよぎった。
いや、まさか。今日を入れてあと三日も残っているのに。
『のこすもの』だって、まだ見付けて無い癖に。
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 09:23:38.48 ID:itJkXKBMO
こういう場合どうすれば良いんだろう。
動物病院……でもさすがに蝉は診てくれないか。しかし私にできる事がある訳でも無く。
……ダメ元で確かめてみよう。
私は携帯電話に手を伸ばした。この携帯を最後に使ったのはいつだっただろうか。
いつの間にか溜っていたメールは全て、ただの迷惑メールだった。
オナニー小説(笑)は氏ねよ
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 09:30:06.85 ID:SFkS78uLO
ワクワクテカテカ
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 09:31:17.93 ID:QQaLkn2JO
wktk
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 09:34:32.70 ID:itJkXKBMO
>>297 フヒヒオナニー大好き
パソコンを立ち上げ、家から一番近い動物病院を探し当てる。
画面に映る番号を携帯に打ちこんで深呼吸一つし、発信ボタンを押した。携帯を耳にそっと沿える。
プルルルという呼び出し音を聞きながら、家の外の人間と言葉を交すのは何ヵ月ぶりだろうかと頭の中で静かに逆算する自分がいた。
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 09:41:53.14 ID:itJkXKBMO
蝉「ねえ。びょういんのせんせい、なんていってたの?」
私は無言で携帯電話を折り畳んだ。
蝉「……やっぱり、だめだったんだね」
私にとってどんなに大きな存在でも、他人にとっては一週間しか生きられない、ただの無力な虫けらでしか無い事実。
あまりにも辛い現実だった。
……ただただ、悔しかった。
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:02:24.93 ID:itJkXKBMO
とにかく自分の力でどうにかするしか無い。
しかし、どうにかするにしてもどうすれば良いのか皆目見当もつかず、私は途方にくれた。
窓越しに聞こえる元気そうな蝉の音が恨めしかった。
……なんでこの蝉だけが。普通はちゃんと一週間、生きていられる筈なのに。
普通はちゃんと……。
普通は……?
……! もしかして……
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:03:10.46 ID:qZYyK8qx0
/ノ 0ヽ
_|___|_ +
(0゜・∀・) ワクワクテカテカ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:04:37.28 ID:fRX3XnBsO
wktk
とうとうキモい子が迷い込んで来たか
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:09:52.72 ID:XyEZryDJ0
wktkwktk
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:15:17.18 ID:itJkXKBMO
私はかけっぱなしのエアコンを急いで切った。
蝉「どうしたの……?」
私「アンタの体調不良の理由、何と無く分かったかも」
蝉「え?」
冷たく、暗い部屋。
暑く明るい外とは真逆の世界。
蝉が本来暮らすべき世界と全く真逆の場所。
そんなところで暮らし続けていれば体調が悪くなるのも当たり前だ。
……なんで今まで気付いてあげられなかったんだろう。
勢い良く窓を開く。
部屋に入り込む温い風は夏の匂いがした。
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:15:18.55 ID:itUpZJAG0
キモイ奴がいるな
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:20:17.79 ID:SFkS78uLO
夏…か
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:24:48.55 ID:itJkXKBMO
夏の日差しに照らされる部屋。ここはこんなに日当たりの良い場所だっただろうか。
窓という障害を取っ払ったせいで外の世界に生きる蝉たちの声がボリュームを一層増した。
蝉「ねえ、どうしてえあこんきっちゃったの? どうしてあけちゃうの?」
私「こうしなきゃ、アンタ死んじゃうから」
蝉は何がなんだか分からないという様子できょとんとこちらを見つめていた。
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:25:34.69 ID:qZYyK8qx0
懲りずに擬人化
男「うーあついー…しぬー…」
女「男さんは軟弱ですねえ・・・」
男「クーラー壊れてこの猛暑にあてられりゃそりゃ…
ってかよくお前は平気だな…」
女「暑いのはむしろ好きですよ?蝉ですから」
男「そっかー蝉だもんなー」
女「ええ、蝉ですよ」
男「蝉じゃあしょうがないな」
女「しょうがないですね」
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:27:00.37 ID:itUpZJAG0
きょとんとする蝉
誰か写真とってこい!
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:35:31.29 ID:itJkXKBMO
くらいせかいがすきだった。
つめたいおんどがすきだった。
くらくつめたいつちのなかをおもいだせるから、ここはゆいいつおちつけるばしょだった。
まどをしめて。またつめたくして。
そうたのんでも、きみはかたくなにまどをしめようとしなかった。つめたくもしてくれなかった。
……そしてきみはおしえてくれた。
『蝉だから、暗くて冷たい場所じゃ体壊しちゃうんだよ』
『……アンタ、本当はここにいちゃいけないんだよ』
ぼくのいばしょはここだけど、せみのいばしょはそとのせかい。
……さみしくて、かなしくて、なみだがでそうになった。
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:45:13.43 ID:itJkXKBMO
『まどをしめて』
『またつめたくして』
蝉の声を私は無視した。
勝手な考えかもしれないけれど、一日でも長く生きて欲しくて。
彼がどんなに冷たく暗い世界を望んだとしても、脱皮を終えてしまったその体は暑く明るい世界を渇望していて。
……こんな皮肉な事があるだろうか。
私はそっと蝉から目をそらした。
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:47:22.90 ID:qZYyK8qx0
女「男さん、冷蔵庫の中が空っぽです」
男「あー買い物行かなきゃいけないな…」
女「ぜひ私に生かせて下さい!」
男「それじゃあ頼む。買うものは…」カキカキ
男「…今メモしたからそれを頼む。それと、はい財布」
女「では行って参ります」
男「いってらっしゃい」
女「ただいま戻りました」
男「おかえりー頼んだものちゃんと買ってきてくれたか?」
女「だ、大丈夫ですよ・・・?」
男「…?ちょっとまて今確認するぞ」
女「あっ」
………
……
…
男「で、頼んだ覚えのないスイカが入っているんだが?」
女「えと、見てたら食べたくなっちゃいましてつい・・・」
男「……」
女「だって私蝉ですから・・・・」
男「蝉じゃあ、しょうがないな…」
女「ごめんなさい・・・・」
男(そんな顔されたら怒るに怒れないじゃないか…)
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 10:59:37.36 ID:itJkXKBMO
突然、部屋のドアをノックする音が聞こえた。驚いてドアの方を振り向く。
母……では無いだろう。
最近は食事を運んでくる以外では私の部屋に寄り付きもしない。
私(多分、これのせいで……)
私は左手首の傷をチラリと見やった。
じゃあ、ドアの向こうにいるのは一体……。
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 11:08:48.17 ID:Ki9ngCpZO
ほっしゅん
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 11:17:40.29 ID:itJkXKBMO
「○○さん」
ドア越しに私を呼ぶ声。
この声、どこかで聞いたような覚えが……。
「○○さん、いるんでしょう?」
ああ、思い出した。担任教師の声だ。
蝉「ねぇ……だれがきたの?」
私「気にしなくても良いよ」
蝉の問いにドアを睨みつけながら答えた。
アイツ……今更何しに来たんだ。私は無視を決めこむことにした。
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 11:21:07.42 ID:iyrcouqO0
死守
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 11:28:42.64 ID:DUO4KUZ2O
追いついた。ほ
残ってて良かった
wktk
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 11:35:59.26 ID:itJkXKBMO
担任「心配になって様子を見に来たのよ。○○さん、中々学校に来てくれないから。」
私「……」
担任「ねえ、ちょっとだけでも学校に顔出してくれないかな?」
私「……」
担任「夏の補講は三時限だけだし……無理なら一時限だけ受けて帰っても良いから」
私「……」
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 11:53:23.29 ID:nRUoMSc60
ほ
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 12:00:16.61 ID:itJkXKBMO
蝉「おへんじしなくていいの?」
私「……別に良い」
担任「……ねえ、○○さん」
急に口調を和らげる担任。
わざとらしくて、気持悪い。
担任「クラスのみんなも心配してるのよ」
こんな分かりやすい嘘、そうそう無いだろう。
私は鼻で笑ってやった。
あのクラスの中に私の心配なんてする奴が存在するわけが無い。
あそこには、敵しかいない。
担任「……それに」
担任が話を続ける。
担任「貴方ももう高校生でしょう。そんなところに引き込もっていないで、将来について真剣に考えなきゃいけない時期なの」
私「……」
担任「分かるわね?」
私「……」
胸がズンと重くなった。
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 12:01:35.46 ID:nm3BtTf/0
み゛ーんみ゛−ん
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 12:06:48.70 ID:DUO4KUZ2O
ほ
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 12:16:53.86 ID:itJkXKBMO
担任はその後もしばらく話続けた。同じような内容を繰り返し繰り返し。
……ああ、何でそうやって私を外に引きずり出そうとするんだろう。
私がどんなに暗くて狭いこの部屋を望んでも、本当は明るく広い世界で生きなければいけないという事実は揺らがない。
私の居場所はここなのに、世間は許してくれなくて。
……頭の中がぐしゃぐしゃになりそうだった。
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 12:17:27.98 ID:U/HQ7MIP0
wktkwktk
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 12:32:07.07 ID:itJkXKBMO
蝉「あのひと、かえってったみたいだね」
私「……そうだね」
またいつか来るだろうけど。
私が学校に行くまで、きっと。
私「……体調、どう?」
蝉「すこしらくになった」
私「そう。良かった」
蝉「うん……」
私「……砂糖水、飲む?」
蝉「……うん」
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 12:36:19.36 ID:Ki9ngCpZO
ほ
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 12:47:18.31 ID:itJkXKBMO
私「あー……暑い……」
蝉「まど、あけっぱなしだから……ねぇ、」
私「窓閉めないしエアコンもつけないよ」
蝉「けち」
私「アンタ、死にたいの?」
蝉「どうせ、あとちょっとで……」
私「まだ『のこすもの』も思い付いて無い癖に」
蝉「……」
私「……だから、ね」
蝉「…………わかった」
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:07:21.01 ID:rvImwgB50
ho
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:12:00.14 ID:N4yPyUBhO
蝉かわいい
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:12:36.67 ID:itJkXKBMO
蝉は押し黙り、じっと窓の向こうを眺めていた。
『のこすもの』を考えてるのか、他の事を考えてるのか。それともその両方か。
蝉の小さな体が、更に小さく感じた。
……日は傾いて幾分か涼しくなってきたが、まだ西の空は明るい。
書くの遅くてすんません。
ちょっとまた緒事情で書く速度更に遅くなってしまいますです……。
落ちませんように……。
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:14:27.83 ID:itUpZJAG0
朝夕はひぐらし昼はアブラゼミが家で聞ける俺は勝ち組
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:19:17.04 ID:XyEZryDJ0
ho
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:23:18.61 ID:wxFEj9Ql0
この時期は早朝から深夜まで蝉の鳴き声が聞こえる俺は負け組
夏らしく蝉の声に囲まれたいな
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:31:40.72 ID:HyUQHeya0
今海外にいるから蝉の声が聞けない俺は負け組み
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:47:49.53 ID:itUpZJAG0
カワイソスwwwwwww
俺なんか海外いったことないからいつも夏は聞いてるぜwwwwwww
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 13:59:28.58 ID:ldOIKbJtO
追い付いた
なぜか「私」が小森霧で脳内再生されるww
>>1 イイヨ-
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 14:19:31.14 ID:rvImwgB50
ho
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 14:28:33.57 ID:HyUQHeya0
>>342 寺裏山死すwwwwwww
9月まで…がんばって生きてくれよ>蝉
誰か俺のために蝉の詩を録音してうpしてくれw
ho
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 15:05:15.78 ID:rvImwgB50
ho
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 15:09:16.96 ID:itJkXKBMO
蝉との共同生活六日目。
昨晩は運悪く熱帯夜。
部屋は寝苦しいというレベルを超越した温度。もちろんゆっくり寝着ける訳も無く。
……でも、きっとこれで良いんだと思う。
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 15:29:19.66 ID:rvImwgB50
ho
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 15:37:58.03 ID:Ki9ngCpZO
ho(ry
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 15:53:01.46 ID:rvImwgB50
ho
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 16:08:03.43 ID:rvImwgB50
ho
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 16:13:58.05 ID:YEjLwztE0
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 16:16:24.53 ID:J+0+JkXD0
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 16:31:26.99 ID:rvImwgB50
ho
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 16:45:49.76 ID:dcnO4OFCO
落ちちゃう
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 16:54:42.20 ID:itJkXKBMO
>>354 うまいなぁ……
朝はまだ涼しい方だけど、暑いのに変わりは無い。
下敷きでうちわ代わりに扇いでいるが、段々腕が疲れてくる。
けれどもこれも蝉の為である。
蝉「やっぱり、あつい?」
私「まあ、ちょっとはね」
蝉「……ごめんね」
私「謝らなくてもいいよ。暑い方が夏っぽいしね」
伝う汗を拭いながら答えてやった。
……エアコン無しの生活もあとたったの二日だけ。
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:07:43.59 ID:itJkXKBMO
蝉「あとふつか……」
私「……だね」
蝉「まだおもいつかないの」
私「『のこすもの』?」
蝉「なんにもおもいつけないの。あとふつか、あとふつかしかないのに」
私「……」
蝉「やっぱり…………しぬの、いやだよ」
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:18:57.50 ID:DUO4KUZ2O
補修
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:25:52.96 ID:U/HQ7MIP0
wktk
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:31:55.92 ID:DUO4KUZ2O
携帯からスマソ。サービス業の為、仕事で保守できません。どなたか、お願いします。m(__)m
>>1 頑張って!
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:35:30.37 ID:U/HQ7MIP0
任せるよろし
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:40:41.81 ID:itJkXKBMO
蝉「だっぴしてから、もうむいかめ」
蝉「なのにぼく、なにもおもいつけない。なにものこせない」
蝉「……むいかもいきたのに、ぼく、まだなんにもできてない」
ふつかご、ぼくはいなくなる。
もしなんにものこせなかったら、ほんとにぼくはきえてしまう。
あとかたもなく、さいしょからなんにもなかったみたいに。
じゃあ、ぼくはなんのためにうまれてきたんだろう?
蝉「……こわいよ」
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:44:51.51 ID:itUpZJAG0
死について考えるとガチに怖いから困る
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:46:27.56 ID:DUO4KUZ2O
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 17:54:10.55 ID:itJkXKBMO
書くスピード遅くってごめんねみんなごめんね
蝉は、ぽつり、ぽつりとそう語る。
そんな蝉の姿を見ていると、堪らなくなった。
……私なんて十六年間も生きたのに、まだ何にもできて無くて。
『のこせるもの』なんて何一つ無かった癖に、消えてしまおうとした事もあった。
自分が嫌で、跡形も無く消そうとして……傷が残っただけで、何にも変わらなくて。
何の為に生まれてきたかなんて考える事も無く、ただ逃げて、それだけで満足していた自分。
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 18:04:15.50 ID:U/HQ7MIP0
ほ
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 18:06:18.67 ID:itJkXKBMO
そんな私に比べたらアンタ、ものすごく立派だよ。
……私ね、アンタからは充分過ぎる程の何かを貰ったような気がするんだ。
私と同じ何かを。
私には無い何かを。
そのちっぽけな体で、精一杯伝えてくれたんだ。
――――外からも聞こえる、全てを振り絞って鳴く命の音。
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 18:17:44.77 ID:U/HQ7MIP0
ほ
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 18:29:29.52 ID:U/HQ7MIP0
hp
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 18:37:20.71 ID:XyEZryDJ0
ho
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 18:39:06.75 ID:naqYcIXhO
an
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 18:46:47.84 ID:U/HQ7MIP0
ほ
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 18:46:57.11 ID:itJkXKBMO
……ドアをノックする音。
担任「○○さん」
そして、またあの声。
蝉「またきたね」
私「……うん」
蝉「あのひと、だれ?」
私「……関係無い人だよ」
蝉「かんけいないのに、くるの?」
私「うん……何も知らない癖に、来るんだよ」
ho
ho
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 19:25:55.01 ID:A1jZV0/S0
後二日か……
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 19:37:44.26 ID:U/HQ7MIP0
ほ
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 19:45:07.51 ID:U/HQ7MIP0
ほ
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 19:48:54.50 ID:nEfFJSd40
まだ続いていたのかww
ほ
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 19:56:32.33 ID:itJkXKBMO
担任は昨日と同じような内容を繰り返す。
私はドアに背を向けた。
蝉はそんな私を黙って見ていた。
……嵐が過ぎ去るのを待っている気分。
蝉「……おへんじ、してあげなよ」
私「……」
蝉「あのひと、きのうもいっしょうけんめいはなしてた」
私「あの人はあれが仕事なの。……受け持ったクラスに不登校児がいると色々大変なんでしょ」
蝉「よくわかんないけど……そうなの?」
私「きっとね」
そう……私の事なんて、あの人は何も知らない。
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:00:37.46 ID:itJkXKBMO
担任「……ねぇ、○○さん」
ドアの向こうに聞こえる声が、強さを増した。
一向に返事をしない私に痺れを切らし始めたんだろう。
担任「私はね、貴方の為を思って言っているのよ」
担任「ずっとそこでそうしているつもりなの?」
担任「現実を見なさい」
担任「……このままじゃいけないって、貴方も分かっているんでしょう?」
私は、耳を塞いだ。
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:01:45.17 ID:qTiNgE5TO
この話し台本にして劇にしたい
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:02:53.66 ID:M6oF1sKQ0
そうしたとん蝉が微妙に思えるからやめとけ
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:15:12.80 ID:U/HQ7MIP0
ほ
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:22:48.64 ID:rvImwgB50
ho
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:26:15.26 ID:ldOIKbJtO
展開が読めから余計に泣ける
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:31:47.85 ID:VY3NUEmRO
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:35:22.19 ID:itJkXKBMO
……塞いだ耳に微かに漏れ入る担任の声を聞きながら、あの日ドア越しに聞いた母の声を思い出していた。
何も聞きたくない。
何も言わないで。
お願いだから早く帰って。
手首の傷がうずく。
あの日の痛みが蘇る。
痛い。痛い。痛い。
―――心が、苦しい。
蝉「ねえ、よんでるよ。どあのそとのひと、きみのことよんでるよ」
蝉はいつの間にか肩に乗り、塞がれた耳元で言う。
私「もう、放っといて!!」
私は耳を塞いでいた手で蝉を払い除ける。
蝉は間一髪のところで空中に回避したが。
両手から解放された耳に担任の声がはっきりと突き刺さった。
担任「そうやって引き込もったまま、一生何にもできずに終わるつもりなの!?」
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:43:27.36 ID:rvImwgB50
ho
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:47:09.41 ID:itJkXKBMO
……担任が帰った後の部屋の中は不気味な程静かだった。外で鳴く蝉たちの声もどこか遠く聞こえる。
私「……ねぇ」
蝉「ん?」
私「………さっきは、ごめん」
蝉「ぼくも……ごめんね」
私「……」
蝉「……」
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:49:07.32 ID:1niku/QTO
ほす
396 :
鮎 ◆4vJWxIzAYU :2007/08/14(火) 20:53:24.52 ID:h8UxOHKc0
ho
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:53:59.45 ID:qTiNgE5TO
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:58:17.09 ID:J+0+JkXD0
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 20:59:44.08 ID:itJkXKBMO
>>386 元演劇部の私、ちょっぴり台本にするのも楽しそうだと思ったり思わなかったり。
でも
>>387の言う通り蝉をどうするかという高いハードルが\(^o^)/
蝉巧く描ける人スゲェ。
あの昆虫描きにくいんだよ、結構。
400 :
鮎 ◆4vJWxIzAYU :2007/08/14(火) 21:03:51.64 ID:h8UxOHKc0
補修
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:05:12.29 ID:vpNs08Kd0
むしろこのテイストは絵本だろう
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:07:49.87 ID:fRX3XnBsO
>>399 演出の付け方次第でかなり面白いものになりそう
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:14:54.03 ID:rvImwgB50
ho
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:15:29.07 ID:QgjT7zeW0
確かに絵本は行けるだろうな
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:16:15.90 ID:M6oF1sKQ0
ノベルゲームじゃね。声優無しの
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:16:19.41 ID:5Ry3YpKJ0
絵本でこの話は重過ぎないか?
と普段絵本なんて読まない俺が言ってみる
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:17:15.25 ID:GfrzSpQ60
これはノベルゲーだな
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:21:26.88 ID:QgjT7zeW0
絵本は全部子供向けの内容でないといけない、という決まりは無い
つまり大人向けの重い話でも良いのではないだろうか
結構適当言っちゃった\(^o^)/
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:21:47.40 ID:UKFwMSIbO
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:28:51.11 ID:rvImwgB50
ho
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:29:54.45 ID:itJkXKBMO
とりあえず完成を目指さねば。
私「……分かってたよ、このままじゃ駄目だって」
部屋から出られなくなったあの日から、ずっとずっと分かってた。
現実は常に目の前にあって、目をそらし続けて過ごしていただけだって。……この部屋に逃げ込み続ける為に気付けば身に付けていた防衛術。
私「アンタの言う通り何かを残す為に生きるのが『生きる』事なら……私、今、生きてない」
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:30:38.94 ID:l/0Fwsqd0
2日持つスレも珍しいんだぜ、がんばれ
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:31:26.82 ID:5Ry3YpKJ0
>>411 まだまだ終わらせないぜ
不登校に至った経緯をぜひ
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:33:31.91 ID:M6oF1sKQ0
好きにやらせてやれよw
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:40:36.60 ID:rvImwgB50
ho
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:45:47.38 ID:itJkXKBMO
私「正直ね、生きていく自信、無いの」
私「でも、死ねる程の勇気も無かった」
私「……私、情けないくらい弱いんだ」
私が独り言のようにぽつりぽつりと溢した言葉を蝉は身じろぎもせず、聞いていた。
追いついた…なんか泣きそうなおれって変か?
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:51:57.48 ID:QM5d25V3O
つまりはエヴァ的なラストになるわけか
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:58:35.00 ID:M6oF1sKQ0
>>417 最近つかれてたせいでぼろぼろ泣いた俺よりマシ
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 21:59:09.46 ID:itJkXKBMO
何故だか泣きそうになってきた。鼻の奥が、つんとする。
おもむろに顔をあげると窓から覗いた青い青い空が見える。
突き抜けたその青はこの部屋からはあまりに高く思えて、更に泣きたくなってくる。
長い、長い沈黙。
蝉「……いきてよ」
それを破るように蝉は言った。
蝉「ぼくは、きみにいきていてほしい」
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:01:30.08 ID:5Ry3YpKJ0
追いついた
切ない・・・
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:02:48.26 ID:deBHKijyO
完全に涙目
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:05:11.30 ID:QgjT7zeW0
Worktaker
ho
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:14:11.53 ID:ku8cWZB20
wktk
ho
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:21:57.94 ID:1niku/QTO
泣いた
泣けるでぇ!!
ごめん、空気読めなかった
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:29:46.44 ID:1niku/QTO
ho
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:36:50.05 ID:rvImwgB50
ho
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:38:58.17 ID:itJkXKBMO
なにかのこそうと、ずっとずっとかんがえていた。
けど、かんがえてもかんがえても、ちっぽけなぼくのあたまではなんにもおもいつけなくて。
……でもね、そのちっぽけなあたまでも、いまいうべきことはわかるよ。
きょうをいれてあとふつかしかないぼく。
ぼくがいなくなったあとも、きっといきつづけるきみ。
―――きみへ、ちいさなぼくからせいいっぱいのことばをたくそうとおもう。
「いきてよ」
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:41:51.38 ID:5Ry3YpKJ0
涙で画面がみえましぇん
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:47:05.16 ID:QM5d25V3O
これは………
(´;ω;`)
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:51:26.51 ID:itJkXKBMO
蝉「いきてよ」
蝉はもう一度その言葉を繰り返す。
私の頬を、堪えきれなくなった涙が伝う。自分でも、何で泣いているのか分からなかった。
止める事もできず、流れるままに涙を流した。
……温かい涙だった。
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 22:58:29.89 ID:rvImwgB50
ho
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:01:43.47 ID:oCu57V0UO
ガチで泣いてる俺
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:04:57.44 ID:pHfkiChO0
追いついた
これは良い
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:10:05.74 ID:orp8YCem0
★
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:17:07.66 ID:rvImwgB50
ho
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:18:03.84 ID:1niku/QTO
ho
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:19:33.91 ID:itJkXKBMO
泣き始めた私を見て、蝉は少し戸惑っている様子だった。
蝉「ご、ごめんね。どうしたの?」
何か言おうとしたが、声にならない。私はただただ首を横に振った。
違うよ。アンタは悪くない。何にも、悪い事なんか言ってない。
開け放しの窓からふわりと優しい風が流れ、そっと私と蝉を撫でていった。
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:20:32.36 ID:XyEZryDJ0
ho
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:21:20.08 ID:uI3liaTJO
書籍化してほしい
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:26:16.01 ID:oCu57V0UO
むしろ映画化して欲しい!!
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:27:24.99 ID:5Ry3YpKJ0
書籍化なら10冊買って配る
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:27:36.62 ID:itJkXKBMO
―――蝉との共同生活七日目。
残り時間は、あと一日。
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:28:26.35 ID:IDvjbnwNO
俺バースト
あと一日か・・・
どんな結末だろうとwktkして待つだけだw
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:28:54.80 ID:QM5d25V3O
これは書籍化だな
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:31:49.82 ID:pHfkiChO0
人気のパソコン小説がついに書籍化!!
価格1000円
オビこんな感じか?
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:34:37.34 ID:QQaLkn2JO
だれか まとめ たのむ
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:35:50.99 ID:rvImwgB50
このスレもあと一日と二時間ほどになっちゃったねえ。
なら俺がこれを漫画化<ry
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:36:48.25 ID:M6oF1sKQ0
これは文だからこそいいんだと思う
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:40:10.21 ID:QgjT7zeW0
Worktaker
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:41:04.69 ID:ds16JQvR0
とりあえずメモ帳にコピペしてみたけど……かなりの分量だな。
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:42:58.27 ID:QQaLkn2JO
帰省中でPC使えない俺涙目wwwww
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:46:01.66 ID:itJkXKBMO
暗闇の中、目が覚めた。
時計を見ると、三時を回ったところ。
あまり良く寝付けない。……多分、寝苦しい夏の熱気とは関係無い。
蝉「……ねてないの?」
シンと静まり返った夜の闇のどこかでささやく声が聞こえた。
ベッドからゆっくり起き上がれば、窓辺にいる蝉の姿が見えた。
私「目、覚めちゃった」
蝉「ぼくも、ねむれなくって」
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:52:02.02 ID:oCu57V0UO
ほしゅ
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/14(火) 23:59:09.23 ID:oCu57V0UO
な
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:01:34.41 ID:VjXYkXhnO
私「何してるの?」
蝉「そと、みてた」
私「外?」
蝉「……ほしでてる。ちょっとだけだけど」
私「電灯の光が邪魔してるからね」
蝉「でも、きれい」
私「……アンタも眠れないの?」
蝉「ねたくないの。さいごのよるだから」
私「……」
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:03:51.29 ID:BTd2c8Oz0
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:09:12.98 ID:6/RhU3YaO
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:09:53.77 ID:ZGV+xwlp0
>>463 それならもうちっと時間かけりゃいいんじゃないの?
せっかくの絵もったいないよ
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:12:12.82 ID:VjXYkXhnO
蝉「……ねぇ」
私「何?」
蝉「しんだらほしになるって、ほんとかな?」
私「何か死ぬ度に星が増えてたらそこらじゅう星だらけでしょ」
蝉「たしかに……そうかもね」
私「……なりたいの、星に?」
蝉「ううん。ぜったいなりたくない」
私「どうして?」
蝉「きれいだけど、ちょっとさみしそうだから」
私「ふーん……」
蝉「ね、ほしからぼくたちはどうみえてるのかな?」
私「さぁね。……でも、物凄く小さく見えてると思うよ。きっと見えないくらい小さく」
蝉「……さみしいね」
私「……かもね」
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:16:01.58 ID:BTd2c8Oz0
あげ
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:17:41.53 ID:Q/U06fEbO
明日の朝起きたら
俺の部屋にも
蝉が居たらいいなー
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:19:43.34 ID:hHAFtNT00
クマンゼミかと思って掴んだら蛾だった俺は二度とセミの触れない男
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:26:45.66 ID:IgyOcQB80
ho
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:27:20.72 ID:k4uUT20QO
これから、蝉の見方が変わるかもしれん
>>466 ごめん赤ちゃん泣き始めたから急いだ。
次は時間かけてがんばる。
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:31:57.48 ID:hHAFtNT00
母!?
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:33:09.15 ID:ZGV+xwlp0
いや、姉の子ww
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:35:07.42 ID:VjXYkXhnO
蝉「……もっとおはなし、したい」
蝉はぬるい夏の夜の空気をかきわけ、こちらへゆっくり飛んできた。そっと手を差しのべる私。
ところが蝉は私の指先まであと少しのところで突然失速し、床へ落っこちそうになった。反射的に慌てて手で受け止める。
私「大丈夫?」
蝉「ありがとう」
私「……どうしちゃったの?」
蝉「はね、きゅうにちからはいらなくなって」
七日目に突入した体。きっとあちこちにガタが出始めてきたんだろう。
―――寿命が近い。
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:35:18.48 ID:SNVIOtSA0
いよいよか
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:37:12.27 ID:SNVIOtSA0
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:38:37.06 ID:4JF9f9XvO
目の前にティッシュ3箱
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:40:31.93 ID:hHAFtNT00
さて奇跡が起きる安直展開じゃなきゃ泣き死ぬ
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:46:37.68 ID:pWo8dwyq0
フォルルアァ保守
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:47:41.78 ID:CfHZid9UO
追い付いた
最後はみんなと一緒にイキたい
いや、泣きたい
泣く準備は出来てるよ
wktk
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:50:25.87 ID:9/yBjGB/0
もうすぐ……終わりか……
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:50:27.72 ID:CfHZid9UO
空気嫁なくてすまない
ただこのスレにたしかに自分がいたことをのこしたかったんだ
489 :
ID:qTiNgE5TO:2007/08/15(水) 00:53:10.90 ID:EaCF7OKgO
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:59:13.76 ID:S53odhky0
読み返してたら目からポカリが……
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 00:59:33.83 ID:6/RhU3YaO
wktk
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:00:54.02 ID:+iCP/r2hO
あたたかい話
何度も読み返したい
目から何か溢れそう
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:01:54.51 ID:Wb6bkKuR0
J('ー`)し
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:02:05.67 ID:v2uJfg0E0
蝉を見るだけで逃げ出す俺だが
この蝉とは仲良くやれそうな気がした
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:03:59.80 ID:VjXYkXhnO
相変わらず書く速度遅くてすまんです。
ラストまで落ちない程度にゆったりと書いていきますです。
蝉「おかしいな。さっきまではちゃんととべたのに」
蝉は小首をかしげながら手の平の上で羽を何度か動かす。
私「無理して飛ぼうとしなくて良いよ」
そんな蝉を私はそっと撫でた。
私「もう、無理なんてしなくて良いから」
……アンタはアンタなりに目一杯生きたんだから。
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:07:30.74 ID:hHAFtNT00
だめだ泣いてしまった
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:08:00.34 ID:r4h7m4hpO
悲しいな。
何か死ぬってだけで話は売れるwwって言うヤシもいるけれど、人はなにか死ぬってだけで悲しくなっちゃう動物なんだから仕方ないよな。
だから泣くのも仕方ないよな。
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:08:54.02 ID:6/RhU3YaO
テーマソングはSailing Dayだな
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:13:38.74 ID:fsf8FQgy0
>>498 自分はリトルブレイバーだと思ってた。
ほすほす
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:14:40.68 ID:pQz0peIcO
KOKIA / ありがとう・・・ もいいな
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:14:55.48 ID:AFNjKijqO
ダメだ、眠い。
明日の朝まで残ってることを祈る
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:16:39.41 ID:hHAFtNT00
世の中金じゃないんだよなぁ
金は何も残さないもんなぁ
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:17:54.48 ID:CfHZid9UO
>>500 『小さな虫だって自分の命頑張ってんだからさ』
なるほどね
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:22:10.14 ID:ITuj46qmO
心の底からwktk
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:27:56.39 ID:nzJSZZQWO
ダメだ明日も仕事なんだ
たのむ午前中まで残っていてくれぇぇ
だれか保守たのむ
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:28:49.93 ID:an1eVlk+0
「私と弾」に見えた
サバゲーでもするのかと
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:29:03.17 ID:P9rhvXIAO
もう涙が……
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:29:08.34 ID:xoPdBgwr0
びもう
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:36:03.15 ID:6/RhU3YaO
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:40:03.54 ID:IgyOcQB80
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:45:53.29 ID:SNVIOtSA0
読み返すと涙が止まらない…
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:50:51.84 ID:LPWQh1P/O
俺涙目wwwwwww
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:51:46.69 ID:txfb0dCW0
>>1です。
パソに乗り換え。やっぱりケータイ打ちにくい。
夜の街は余りに静かで。
時々聞こえるどこか遠くで鳴いている蝉の音以外、音は無い。
切ないくらいの、静けさだった。
蝉「きょうで、なのかめだね」
私「……うん、はやいね」
蝉「そうだね……」
私「時間なんて経たなければ良いのにね」
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 01:57:58.63 ID:6/RhU3YaO
眠い…
ほす
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:03:47.30 ID:txfb0dCW0
蝉は一瞬言葉に詰まったようだけれど、こう言った。
蝉「……ぼくは、そうでもないとおもうよ」
私「え……」
蝉「つちのなかからでたばかりのときは、たしかにそうおもったよ。だけどね……」
私「だけど?」
蝉「……きみに、あえた」
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:05:49.33 ID:9/yBjGB/0
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:06:28.30 ID:fsf8FQgy0
ほしゅほしょ
>>1ガンガレ
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:07:45.08 ID:S53odhky0
涙腺が崩壊起こした
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:17:53.70 ID:wZRiY89A0
保守
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:18:00.87 ID:6/RhU3YaO
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:18:04.44 ID:aATgeb/sO
なんか夏って明るいイメージだけど
こんな感じの夕方みたいなイメージの方が心地いい気がする
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:18:21.32 ID:txfb0dCW0
蝉「いっぱい、いろんなことはなしたね」
私「……そうだね」
蝉「さとうみず、おいしかったよ」
私「……そう」
蝉「ぼくのためにえあこんけしてくれてありがとう」
私「暑いの、もう慣れてきちゃった」
蝉「まども、かーてんもあけてくれた」
私「アンタは暗くて冷たい方が好きだったのに……ごめんね」
蝉「きみもそうだったんでしょ?」
私「フラフラになってたアンタ、放って置けなかったから」
蝉「やさしいね、きみは。……ぼく、ここにきてよかった。
くらくなくなっても、つめたくなくなっても、やっぱりここにこれてよかったとおもうんだ」
私「……」
私「……ねぇ、幸せだった?」
蝉「ふこうにみえる?」
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:19:49.39 ID:9/yBjGB/0
蝉……
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:20:21.69 ID:hlJ/nvtz0
前が見えねえ…
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:22:27.02 ID:XBasldBZ0
これは保守せざるをえない
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:26:46.59 ID:r4h7m4hpO
セルフ運びがハンパない
ガンガン来るぜ
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:27:30.67 ID:fsf8FQgy0
蝉。・;+゜・(ノД`):・゜+:・。
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:32:44.47 ID:LPWQh1P/O
蝉
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:34:41.68 ID:gT333AhQO
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:44:10.23 ID:fsf8FQgy0
保守
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:50:09.02 ID:txfb0dCW0
蝉「あのときあみどにつかまって、おおきなこえでないてよかった。
……うれしかったよ。へたくそにしかうたえないぼくを、きみはいれてくれたんだ」
私「入れるつもりは無かったんだけどね。……でも、あの時窓を開けて良かった」
蝉はゆっくりと私を見上げた。
動きが、少しずつ緩慢になってきたような気がする。
手の平の上で、もうすぐ消えていこうとする小さな命。
大切な、大切な命。
私「……私も、アンタに会えて幸せだったよ」
蝉「『だった』じゃだめだよ」
蝉「きみには、ぼくがいなくなったあともしあわせでいてほしいんだ」
きみはこれからもいきていくんだから。
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:51:48.27 ID:hlJ/nvtz0
号 泣 ・;+゜・(ノД`):・゜+:・。
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:53:48.30 ID:Wb6bkKuR0
ほおおあふあげオフっおふ
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:53:55.57 ID:4JF9f9XvO
蝉可愛すぎ…
涙が…涙が…
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 02:56:15.25 ID:SNVIOtSA0
マジ感動…
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:00:50.42 ID:9/yBjGB/0
蝉……もうすぐ死ぬ……のか?
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:03:28.24 ID:ArGCV39qO
まだ、あった!ほ
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:07:03.56 ID:k4T5TLjCO
不覚にも泣いてしまった
よし追い付いた。
>>1 アンタの文、好きだぜ。
てことでほす
ほすほす
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:14:46.68 ID:txfb0dCW0
なにかのこそうと、ずっとずっとかんがえていた。
けど、かんがえてもかんがえても、ちっぽけなぼくのあたまではなかなかおもいつけなくて。
……それでも、ちゃんとのこせたよ。こんなぼくでも、のこせたよ。
ぼくがいなくなったあとも、きっといきつづけるきみ。
もうそろそろきえてしまうぼく。
だからね、ぼくは、きみにひとつのことばをたくしたんだ。
「いきてよ」
これがぼくのみちびきだしたこたえ。
……きみがいきているかぎり、ずっとずっと『のこるもの』。
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:19:47.39 ID:4JF9f9XvO
蝉ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:22:08.99 ID:9/yBjGB/0
……ブワッ
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:30:46.33 ID:SNVIOtSA0
保守
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:39:56.79 ID:z5AsjQ8gO
携帯からだが画面が見えない
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:41:26.67 ID:txfb0dCW0
ぼくはてのひらのうえに、ころんとよこになった。
蝉「……ねぇ、ずっとこうしてていい?」
私「うん……」
ちいさくへんじをしたきみは、りょうてでやさしくぼくをつつみこんでくれた。
じんわりつたわるきみのおんど。
あったかくって、ここちよくて。
ぼくはけいけんできないけれど、きっと『はる』ってきせつはこんなかんじなんだろうな。
いまからしぬはずなのに、とってもぽかぽかしたきもちなんだ。
いまさらかもしれないけれど、ぼくのいばしょは、いつのまにかきみになっていたみたいだよ。
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:43:00.00 ID:z5AsjQ8gO
うわああああああん(;_;)
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 03:50:45.23 ID:Q/U06fEbO
蝉いいいぃぃっ!!!!
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:01:52.53 ID:mw0FI/ei0
みんみんみ〜ん♪
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:03:32.77 ID:8hZBVJxfO
追いついた
号泣する準備は出来ていた
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:06:17.56 ID:txfb0dCW0
なんでこんなにおだやかなきぶんでいられるんだろう。
しぬのって、もっとこわいものだとおもってたのに。
……きっときみにぼくのいきたあかしをわたせたからなんだろうね。
おおきくなけないけど、じょうずにうたえないけど……ぼくは、いきたよ。
こんなぼくでも、ちゃんといきたんだ。
―――ぼくは、ぼくじゃなくなります。
でも、ぼくはずっときみのそばにいるから―――……
……ぼくは、あたたかいねむりのなかにおちていった。
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:07:54.24 ID:9/yBjGB/0
……!
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:08:46.31 ID:SNVIOtSA0
蝉ぃぃぃぃ……
蝉死んだって事は後1話くらいなのか
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:11:05.38 ID:u/taEhNZO
おかしいな。虫が嫌いで、確かに今も蝉なんて触れるわけないのに1匹飼いたいんだ。
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:12:19.10 ID:CfHZid9UO
ちょっと道に落ちてる蝉の死体の墓作ってくるわ
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:20:55.86 ID:8hZBVJxfO
蝉ぃ……
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:25:13.30 ID:txfb0dCW0
私「日、ちょっと昇ってきたね。もう四時半過ぎか……」
蝉「……」
私「……ね、覚えてる? アンタと初めてあったのもこのくらいの時間だったよね」
蝉「……」
私「その時はまだ脱皮したばっかりで。……白くて、ちょっと綺麗だった」
蝉「……」
私「ねぇ、蝉……」
蝉「……」
私「…………話掛けられたら返事しなって言ったのに」
……それでも、やっぱり返事は無い。
私はもう動かなくなったその体を何度も撫で、ほんの少しだけ泣いた。
―――気付けば、部屋は明るい日差しに満たされていた。
砂糖水をねだる蝉の姿は、もうここには無い。
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:38:40.55 ID:Bh+B88am0
感激ho
何でこんな時間に泣いてるんだろ 俺
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:40:19.79 ID:txfb0dCW0
スコップで地面を掘る。夏の香りに混じる、土の匂い。
家の外に出るなんて、久しぶりだった。
……標本の事、考えなかったわけじゃなかったよ。
おかしいよね。わたしが『止めにしよ』言ったのに。
でも、ちゃんと埋める事にしたよ。
アンタの体、アンタが好きだった土の中に置いておく事にした。
……私はもう、大丈夫だから。
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:40:29.46 ID:u/taEhNZO
ほ
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 04:44:27.00 ID:4JF9f9XvO
やばいメチャクチャやばい…
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:04:29.97 ID:IgyOcQB80
ho
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:09:38.87 ID:EaCF7OKgO
( ^ω^)保守・・・
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:19:37.71 ID:txfb0dCW0
ジリジリと焼けつく太陽の下、私は一人きりの家路についた。
行きにアンタを運んだ左の手を今はギュッと握り締めながら歩く。
ふと立ち止まり、アンタが眠る公園をちらりと振り返る。
たまに砂糖水でも供えに行ってあげるからね。
心配しないでもアンタの事、絶対忘れないから。
―――だから……おやすみ。
私「……私も見つけなくちゃ、ね」
アンタが「いきてよ」と言ってくれたから、私は真っ直ぐ進んでいく事に決めたんだ。
こんな私にも、いつか何かをのこす事はできるだろうか?
まだまだ不安だらけだけれど、アンタの言葉を支えにして私は……生きていく。
―――――空は快晴。
今日もあちこちで聞こえる命を燃やして歌う音。
おわり。
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:21:41.55 ID:gEMAYIR40
絶乙
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:22:52.84 ID:4JF9f9XvO
>>1 乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙乙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:23:59.53 ID:EaCF7OKgO
乙!!!!
GJ!なんともいえない切なさと喜びが・・
ありがとうとしかいえん・・・・・・!
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:27:37.87 ID:hlJ/nvtz0
>>1 マジ乙!!!!
おかげさまで今日も徹夜だけど塾いってくるよ!
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:29:19.84 ID:txfb0dCW0
……というわけでとりあえずこれでおしまいける。
想像以上に長丁場だった。正直すぐ落ちるだろうと思っていたり思っていたり。
まさかここまで伸びてくれるとは……立てたスレここまで伸びたの初体験……
なんつーかもう、本当にありがとうございました!!!!
蝉がいてもみんな爆竹しかけたり羽もいだりしないでやってくれぃ!
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:39:00.13 ID:EaCF7OKgO
>>573 蝉をみるたびこの話し思い出すよ!
だれかこの文まとめてくれる方いないかな(´・ω・`)
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:44:41.88 ID:SSbpoVFI0
>>573 厨房の頃蝉狩りしてた俺に懺悔させてくれ・・・
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 05:51:38.72 ID:Wb6bkKuR0
>>573 2日間乙
また何か書いておくれ、また保守に来るからさ
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 06:06:36.02 ID:qEQePqPkO
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 06:18:02.36 ID:ueDe+5E0O
泣けたで!乙!
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 06:38:05.24 ID:IgyOcQB80
ho
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 06:39:46.69 ID:x7Ik2pVx0
久しぶりに号泣
乙!
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 06:43:22.06 ID:+iCP/r2hO
お疲れ様です
あたたかいお話ありがとうございます
おかしいなあくび涙が止まらないや
蝉の残した言葉は画面越しでも届いたよ
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 06:50:22.29 ID:IgyOcQB80
気が付いたら終わってたか。
長文乙。保守して本当によかった。
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 06:53:18.02 ID:Bh+B88am0
本当に乙!!感動と夏の思い出を有り難う
そういえば
>>1の貼った画像がPCから見れなかったんで再うpしてくれんかのう
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 07:24:49.11 ID:IgyOcQB80
ho
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 07:44:51.96 ID:IgyOcQB80
ho
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 07:53:49.58 ID:Hfr1SFK9O
電車の中なのにアタシ涙目w
うん
号泣してしまったよ…
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 08:03:47.34 ID:A+VUrFZCO
>>573感動をありがとう!まさか自分が泣くとは思わんかったわwwww
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 08:07:26.15 ID:6/RhU3YaO
電車だが泣いた!!!!!
1乙
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 08:14:50.30 ID:hHAFtNT00
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 08:20:18.42 ID:zH1g/6C00
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 08:24:23.64 ID:r4h7m4hpO
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 08:25:50.16 ID:gtGu48EtO
ログ保存のために昼まで残っててくれ
いちおつ
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 08:27:12.22 ID:vDoQSjg9O
いきてよ
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 08:35:58.91 ID:TKUKP/GsO
ローゼンメイデンのジュンと真紅の最初のやりとり思い出した
「あなたは学校とやらに行かないの?」
「うるさいんだよ!!人形になにがわかる!」
「わかるわよ。」
<<596乙
おれこれ自分のHPのリンクに張ってくるよ!
保守
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 09:06:32.75 ID:k4uUT20QO
このスレに出会えて本当によかった
>>1ありがとう
そして乙
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 09:19:33.87 ID:fsf8FQgy0
>>1乙
泣かせてもらった。・;+゜・(ノД`):・゜+:・。
次回作楽しみにしてるぜb
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 09:39:36.75 ID:IgyOcQB80
ho
感動した
俺は泣いた
ありがとう
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 09:50:50.78 ID:WLRik0P40
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 10:06:08.57 ID:+HC+dVDYO
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 10:06:59.68 ID:CfHZid9UO
ねぇ、俺達も蝉のために一生懸命生きようぜ
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 10:25:26.51 ID:ybigDYsj0
感動した、泣いた、>>1本当に乙
>>607 だが断る
今更だが言わせてくれ
感動したよ
>>1超乙でした〜
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 10:55:21.14 ID:VjXYkXhnO
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 11:16:11.39 ID:IgyOcQB80
ho
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 11:36:25.54 ID:IgyOcQB80
ho
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 11:42:41.14 ID:fsf8FQgy0
ほ
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 11:49:38.97 ID:QJJhuGHRO
ゲムトモ公式
http://gemutomo.net/ 対応キャリア:au,docomo,softbank
無料オンライン戦争ゲー「Lunatic∴Raid」(現在開発状況99%)
詳細はゲムトモ公式にて
人数多ければ多い程無茶苦茶できるっぽいからVIPPERで一般人共をフルボッコしようぜwwww
VIPギルド入団方法は「ギルドメニュー」→「ギルド名検索」→「VIP大使館」で出てくるからゲムトモ登録後はその「VIP大使館」に入ってくれ。掲示板に書き込むのもまた一興
人数は現在354名所属していてゲーム内の人数ランキングでは1位。2位のギルドを涙目にしている。
この現状を昇華すべく、戦争開始までに一人でも多くのVIPPERの力が必要だ。
今までPC厨にバカにされてきた携帯厨達よ!!立ち上がれ!!お前達の見せ場がやってきたぞ!!
空気ぶった切ってスマンが暇な奴頼む。
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 11:58:56.73 ID:sMUzX+TiO
バスの中で必死に涙を拭う俺(´д`)
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 12:19:06.67 ID:IgyOcQB80
ho
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 12:29:38.47 ID:CfHZid9UO
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 12:34:53.73 ID:SNVIOtSA0
今起きた
>>1乙…
次回作に期待してるぜ
(n;д;)n<感動したよー
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 12:36:43.47 ID:0LD4PEPkO
今から読む保守
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 12:51:11.32 ID:ZuRHxiG70
ほ
622 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 12:58:37.28 ID:9/yBjGB/0
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 13:10:25.70 ID:OZFnS+iOO
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 13:14:46.60 ID:/SXU2VK7O
女は一皮剥けたみたいだな
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 13:28:28.79 ID:ZuRHxiG70
女のその後が見たかったり・・
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 13:43:58.15 ID:u/taEhNZO
そしてVIPからニートはいなくなった・・・・
俺を除いて
627 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 13:58:13.30 ID:ZuRHxiG70
ほ
>>1乙
ひとの死を扱ってりゃ売れるってのは間違いではないけれど、それにしてもこの話はイイ!
GJですた。
ho
ho
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 14:52:11.24 ID:ZuRHxiG70
ほ
ho
ho
ho
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 16:00:59.16 ID:IgyOcQB80
ho
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 16:07:23.21 ID:VjXYkXhnO
>>625 物語の続きは読んだ人それぞれの心の中にー
でも、多分何とかやっていくんだと思いますよ。きっと。
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 16:09:55.97 ID:ZuRHxiG70
書いてはくれませんかね?
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 16:25:13.85 ID:IgyOcQB80
ho
639 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 16:25:20.34 ID:ZuRHxiG70
ほ
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 16:40:22.77 ID:IgyOcQB80
ho
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 16:46:01.96 ID:Wb6bkKuR0
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 16:47:17.69 ID:Q/U06fEbO
>>1お疲れ様。
目から水分が止まらないんだぜ??
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 17:02:20.10 ID:IgyOcQB80
ho
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 17:17:22.89 ID:IgyOcQB80
ho
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 17:21:50.78 ID:fsf8FQgy0
ほ
ho
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 17:48:28.67 ID:ivcOv+GaO
ほー
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 17:59:04.91 ID:IgyOcQB80
ho
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:06:12.78 ID:IgyOcQB80
ho
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:13:56.86 ID:IgyOcQB80
ho
651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:21:00.35 ID:IgyOcQB80
ho
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:28:11.48 ID:IgyOcQB80
ho
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:36:25.05 ID:IgyOcQB80
ho
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:44:02.53 ID:IgyOcQB80
ho
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:51:46.96 ID:IgyOcQB80
ho
656 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:58:49.47 ID:IgyOcQB80
ho
657 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 18:59:36.07 ID:fsf8FQgy0
ほすほす
658 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:07:37.97 ID:IgyOcQB80
ho
659 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:14:45.77 ID:IgyOcQB80
ho
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:22:45.84 ID:IgyOcQB80
ho
661 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:29:50.16 ID:IgyOcQB80
ho
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:33:48.63 ID:VjXYkXhnO
あ、まだ残ってた。
>>637 どうしよ、書いちゃおっかな。
そしたらボクはまた絵描いていいですか?
664 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:43:08.92 ID:IgyOcQB80
ho
665 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:44:35.92 ID:VjXYkXhnO
かきたいならかくべし!
とりあえず私は己の心に正直に生きるぜ。
まあ、物語としてはあれで完結してます。
今から書くのはちょっとしたエピローグ、オマケみたいなものだと思ってくらさい。
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:45:30.10 ID:VjXYkXhnO
―――夏が終わり、冷たい風が秋を運ぶ。
凍てつく冬が過ぎれば柔らかな春の陽気。
……そして、また夏の足音が近付いてくる。
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:46:26.60 ID:VjXYkXhnO
学校へ続く長い道。
けれど、去年よりちょっとだけ距離が近付いたような気がする。
「○○!」
後ろから私を呼ぶ声がする。
くるりと振り向けば友人が駆けてくる姿が見えた。
友「おはよ」
私「おはよう」
友達同士で交す挨拶。
他の人から見れば当たり前の行為なのかもしれないけれど、私にとってはようやく掴んだ大切な幸せ。
―――アンタが私の背中を押してくれたから、今の私がいるんだよ。
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:50:59.88 ID:VjXYkXhnO
友「……あれ?」
突然辺りをきょろきょろし始める友人。
私「どうしたの?」
問掛けたその時、耳に飛込んできた音。
……―――ミーン、ミーン、ミーン……。
私「…………あ」
友「蝉……もう鳴いてるんだ」
私「……」
友「早いね、もう夏かぁ」
―――あの季節がまた廻ってきた。
669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:53:53.40 ID:VjXYkXhnO
友「……どしたの、ぼさっと突っ立っちゃって」
私「あ、う、ううん。何でも無いよ」
友「ほら、早くしないと学校遅刻しちゃうよー」
そう言うと友人は駆け出した。
……ふいに耳の奥で、蝉の音に混じってアンタが遺した言葉が蘇る。
生きていく自信が無かった。
死ねる程の勇気も無かった。
情けないくらいに弱い私に託してくれた言葉が。
大丈夫。
もう迷いは、無いよ。
私は友人の後を追い、学校へと、広く明るい世界へと延びる道を走り出す。
―――ありがとう。
風は夏の始まりの匂いを含み、私を包んで流れていった。
エピローグ、おわり。
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 19:57:21.72 ID:uSGjFVSgO
感動した!
って言えばいいの?
どこもかしこもクソみたいな小説以下の文ばっかだな
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:00:37.11 ID:Herca6PTO
>>1乙!
もうこれは映画化できるよ
感動をありがとう
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:04:12.66 ID:VjXYkXhnO
>>670 次にスレ立てる時までにはもちょっと精進しときますフヒヒサーセン
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:11:02.38 ID:fsf8FQgy0
エピローグまで。・;+゜・(ノД`):・゜+:・。
>>1乙ッ!
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:14:07.24 ID:89b60kVTO
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:22:34.77 ID:IgyOcQB80
ho
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:30:21.07 ID:IgyOcQB80
ho
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:32:11.49 ID:SNVIOtSA0
678 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:40:08.43 ID:IgyOcQB80
ho
679 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:47:50.05 ID:IgyOcQB80
ho
680 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:56:07.40 ID:IgyOcQB80
ho
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 20:59:34.10 ID:ZwDzIHBUQ
全俺が泣いた(;´д⊂)
とりあえず
>>670は空気を読む技術を身につけるまでROMってろ
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:04:24.49 ID:/Q70fmGJO
>>1乙
この夏このスレに出会えて良かったぜ
gj
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:10:15.42 ID:uSGjFVSgO
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:14:54.81 ID:VjXYkXhnO
まあ色んな意見があって当然だと。
プラスだろうがマイナスだろうが感想貰えるって嬉しいですわ。
686 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:16:37.21 ID:ZuRHxiG70
687 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:24:15.44 ID:IgyOcQB80
ho
意見というか、釣りのつもりの構って欲しいお子ちゃまかと
689 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:33:01.99 ID:IgyOcQB80
ho
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:40:48.84 ID:IgyOcQB80
ho
691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:43:22.63 ID:goC71SG+0
692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:46:16.11 ID:QWGfXosXO
色んな意味で夏の風物詩が見れたスレだった
>>1 GJ!&乙!
693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 21:53:21.38 ID:IgyOcQB80
ho
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 22:01:24.77 ID:IgyOcQB80
ho
695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 22:09:11.03 ID:IgyOcQB80
ho
696 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 22:17:28.33 ID:IgyOcQB80
ho
697 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 22:25:13.68 ID:IgyOcQB80
ho
698 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 22:33:05.16 ID:IgyOcQB80
ho
699 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 22:40:52.78 ID:IgyOcQB80
ho
700 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 22:48:43.81 ID:IgyOcQB80
ho
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 22:56:34.68 ID:IgyOcQB80
ho
702 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 23:04:53.52 ID:IgyOcQB80
ho
703 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 23:07:28.03 ID:vS5zDlue0
syu
704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 23:14:45.29 ID:IgyOcQB80
ho
705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 23:22:31.81 ID:IgyOcQB80
ho
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 23:30:21.86 ID:IgyOcQB80
ho
707 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 23:38:40.36 ID:IgyOcQB80
ho
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 23:45:42.88 ID:IgyOcQB80
ho
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/15(水) 23:53:05.13 ID:IgyOcQB80
ho
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:00:08.93 ID:1IcEObdx0
ho
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:01:47.70 ID:5G4hNOJgO
確かに良かったがもう保守の意味ないだろ
蛇足になるぞ
ho
713 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:11:42.55 ID:67pcQCp20
>>1乙
あと保守の人d
落ちてないかとビクビクしてたが最後までよめてよかった
714 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:14:49.19 ID:CWNMCNzMO
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:21:51.76 ID:1IcEObdx0
ho
716 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:25:15.58 ID:1IcEObdx0
一応タイムリミットまでは保守してみようかなと。
もう誰もネタ投下しない・読まないって言うならやめますが。
717 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:31:15.87 ID:DrPz9uVh0
蛇足ですまんね
男「お前が来てもう六日か…」
女「もうそんなに経ちましたか、長いようで短い一週間でしたね」
男「なあ、お前蝉なんだよな?」
女「ええ、蝉ですよ?」
男「蝉の寿命ってさ、確かいっs…」
女「それは言わないで下さい」
男「でも、お前もう…」
女「・・・私だって、怖いんです・・・怖くてたまらないんです」
男「……」
女「死ぬことが、じゃないですよ?
あなたといた時間が楽しくて楽しくて、
だからそれが終わってしまうのが怖くて
何よりあなたに忘れられてしまうのが怖くて・・・・」
男「蝉…」
女「・・・・」
男「・・・・」
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:33:48.24 ID:5G4hNOJgO
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:40:50.35 ID:1IcEObdx0
ho
720 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:47:52.35 ID:1IcEObdx0
ho
kandou!
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:58:26.49 ID:1IcEObdx0
ho
723 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 00:59:10.15 ID:DrPz9uVh0
男「忘れないよ」
女「嘘です・・・」
男「どうして?」
女「私にとっては全人生であったとしても、あなたにとってはほんの何分何厘の時間
浜辺に刻んだ足跡が波に洗われて消えていくように
木の幹に張り付いていた空蝉がいつの間にか姿を消すように
あなたはきっと私を忘れてしまう・・・・」
男「忘れない。この夏のこの日のことはきっと
滝が枯れてもその名が残るように
引き出しに仕舞いこんだ空蝉を捨てられないように
私はきっとお前のことを忘れることはない」
女「どうしてですか?どうしてそんなことが言えますか?」
男「好きになってしまったから」
女「・・・・」
男「蝉だと聞いたその時からお前がいつか居なくなってしまうことは解っていたから
たとえ蝉だと言うのが真実でも偽りでも、そのことに変わりはないと思ったから
だから、いつ別れてもいいようにしなきゃと思ったのに…」
女「男さん・・・・ごめんさない」
男「謝らなくていいよ。お前を好きになった事は後悔してないし
何よりそんな顔をされるのが、私にとっては何よりもつらいんだ」
女「・・・・ふふ、ごめんなさい」
ほほえんで言う女の目にはでも涙があって。
その夜二人は手だけ繋いで寝た。
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 01:06:11.85 ID:1IcEObdx0
ho
725 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 01:13:13.11 ID:1IcEObdx0
ho
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/16(木) 01:14:37.42 ID:DrPz9uVh0
翌朝、男の隣には女の姿は無くて
小柄な魂の抜けてしまったあとの空蝉がぽつりと残されていて
これを埋葬してしまえば形に残るものはきっと無い
でもそうすることに私はためらいがない
私の記憶に残った彼女の姿が喪われることはきっと無いから
蝉の声を聞くたびにきっと追憶するこのひと夏の思い出
蝉時雨のなかで過ごした泣き虫な蝉と過ごした日々
私はきっと、忘れないから・・・・・
Fin
727 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
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