1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
少し長い話ですが、暇な方、読んでください。
小学生の頃、学校の裏山の奥地に俺達は秘密基地を造っていた。
秘密基地っつっても結構本格的で、複数の板を釘で打ち付けて、雨風を防げる3畳ほどの広さの小屋。
放課後にそこでオヤツ食べたり、エロ本読んだり、まるで俺達だけの家のように使っていた。
俺と慎と淳と犬2匹(野良)でそこを使っていた。
小5の夏休み、秘密基地に泊まって遊ぼうと言うことになった。
各自、親には『○○の家に泊まる』と嘘をつき、小遣いをかき集めてオヤツ、花火、ジュースを買って。修学旅行よりワクワクしていた。
夕方の5時頃に学校で集合し、裏山に向かった。
山に入ってから一時間ほど登ると俺達の秘密基地がある。基地の周辺は2匹の野良犬(ハッピー♂タッチ♂)の縄張りでもある為、基地に近くなると、どこからともなく2匹が尻尾を振りながら迎えに来てくれる。
俺達は2匹に『出迎えご苦労!』と頭を撫でてやり、うまい棒を1本ずつあげた。
基地に着くと、荷物を小屋に入れ、まだ空が明るかったのでのすぐそばにある大きな池で釣りをした。まぁ釣れるのはウシガエルばかりだが。(ちなみに釣ったカエルは犬の餌)
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:26:48.27 ID:rOf6KGMQ0
5メートルくらいか
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:26:49.63 ID:vZ94Houd0
釣りをしていると、徐々辺りが暗くなりだしたので、俺達は花火をやりだした。俺達よりも2匹の野良の方がハシャいでいたが。
結構買い込んだつもりだったが、30分もしないうちに花火も尽きて、俺達は一旦小屋に入った。
夜の秘密基地というのは皆始めてで、山の奥地ということで、街灯もなく、月明りのみ。聞こえるのは虫の鳴き声だけ。
簡易ライト一本の薄明るい小屋に三人、最初は皆で菓子を食べながら好きな子の話、先生の悪口など喋っていたが、静まり返った小屋の周囲から、時折聞こえてくる『ドボン!』(池に何かが落ちてる音)や『ザザッ!』(何かの動物?の足音?)に俺達は段々と恐くなって来た。
しだいに、
『今、なんか音したよな?』
『熊いたらどーしよ?!』
など、冗談ではなく、本気で恐くなりだしてきた。
時間は9時、小屋の中は蒸し暑く、蚊もいて、眠れるような状況では無かった。それよりも山の持つ独特の雰囲気に俺達は飲まれてしまい、皆、来た事を後悔していた。
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:26:52.78 ID:K1OCYAgX0
本気で読む気がしなかった
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:27:17.85 ID:vZ94Houd0
明日の朝までどう乗り切るか俺達は話し合った。
結果、小屋の中は蒸し暑く、周囲の状況も見えない(熊の接近等)為、山を下りる事になった。
もう内心、一時も早く家に帰りたい!と俺は思っていた。
懐中電灯の明かりを頼りに足元を照らし、少し早歩きで俺達は下山し始めた。5分ほどはハッピーとタッチが俺達の周りを走り回っていたので心強かったが、少しすると2匹は小屋の方に戻っていった。
普段、何度も通っている道でも夜は全く別の空間にいるみたいだった。
幅30a程度の獣道を足を滑らさぬよう、皆無言で黙々と歩いていた。
そのとき、慎が俺の肩を後ろから掴み『誰かいるぞ!』と小さな声で言ってきた。
俺達は瞬間的にその場に伏せ、電灯を消した。
耳を澄ますと確かに足音が聞こえる。
『ザッ、ザッ、』
二本足で茂みを進む音。
その音の方を目を凝らして、その何者かを捜した。
俺達から2、30b程離れた所の茂みに、その何者かは居た。
懐中電灯片手に、もう一方の手には長い棒のようなものを持ち、その棒でしげみを掻き分け、山を登っているようだった。
6 :
お兄ちゃん ◆SEXD2hjl3k :2007/07/22(日) 21:27:54.31 ID:SF0XAUQX0 BE:513734437-PLT(24740)
そうじゃない
最近の巫女さんはなぜ下着を身に着けるのか…それが分からない。
ゲームにしてもピンクのきれいな下着を身に着けているけどあれは美じゃない
邪魔なだけ。
やはり巫女さん=ノーパンが個人的にはいいと思う。
だけどノーパンだと、あのいまいましき「毛」が邪魔をする。
そこで考えた
毛 が 無 け れ ば い い
つまり巫女さんはロリータに限るってことです
はい、論破。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:28:23.51 ID:+ZD/Vv380
少し長い話ですが
まで呼んだ
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:30:13.48 ID:vZ94Houd0
俺たちは始め恐怖したが、その何かが『人間』であること。また相手が『一人』であることから、それまでの恐怖心はなくなり、俺たちの心は幼い『好奇心』で満たされていた。
俺が『あいつ、何者だろ?尾行する?』と呟くと、二人は『もちろん』と言わんばかりの笑顔を見せた。
微かに見える何者かの懐中電灯の明かりと草を書き分ける音を頼りに、俺達は慎重に慎重に後を着けだした。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:31:01.69 ID:vZ94Houd0
その何者かは、その後20分程、山を登り続けて立ち止まった。
俺達はその後方30b程の所に居たので、そいつの性別はもちろん、様子等は全くわからない。
かすかな人影を捕らえる程度。
ソイツは立ち止まってから背中に背負っていた荷物を下ろし、何かゴソゴソしていた。
『アイツ一人で何してるんだろ?クワガタでも獲りに来たんかなぁ・』と俺は言った。
『もっと近づこうぜ!』と慎が言う。
俺達は枯れ葉や枝を踏まぬよう、擦り足で、身を屈ませながら、 ゆーっくりと近づいた。
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:31:38.43 ID:yYB6BBotO
ハッピータッチ物語
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:31:46.44 ID:vZ94Houd0
俺達はニヤニヤしながら近づいていった。頭の中で、その何者かにどんな悪戯をしてやろうかと考えていた。
その時、
『コン!』
甲高い音が鳴り響いた。
心臓が止まるかと。
『コン!』
また鳴った。一瞬何が起きたか解らず、淳と慎の方を振り返った。
すると淳が指をさし、
『アイツや!アイツ、なんかしとる!』と。
俺はその何者かの様子を見た。
『コン!コン!コン!』
何かを木に打ち付けていた。いや、手元は見えなかったが、それが【呪いの儀式】というのはすぐにわかった。と 言うのも、この山は昔から【藁人形】に纏わる話がある。あくまで都市伝説的な噂だと、その時までは思っていたが。
俺は恐くなり、『逃げよ。』と言ったが、
慎が
『あれ、やっとるの女や。よー見てみ。』と小声で言い出し、淳が
『どんな顔か見たいやろ?もっと近くで見たいやろ?』と悪ノリしだし、慎と淳はドンドンと先に進み出した。
俺はイヤだったが、ヘタレ扱いされるのも嫌なんで渋々二人の後を追った。
その女との距離が縮まるたびに『コン!コン!』以外に聞こえてくる音があった。
いや、音と言うか、
女はお経?のような事を呟いていた。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:31:52.56 ID:gd5j82F10
なんで今さらこれ?
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:32:38.06 ID:vZ94Houd0
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:33:16.62 ID:vZ94Houd0
少し迂回して、俺達はその女の斜め後方8b程の木の陰に身を隠した。
その女は肩に少し掛かるぐらいの髪の長さで、痩せ型、足元に背負って来たリュックと電灯を置き、写真?のような物に次々と釘を打ち込んでいた。すでに6〜7本打ち込まれていた。
その時、
『ワン!』
俺達はドキッとして振り返った、そこにはハッピーとタッチが尻尾を振ってハァハァいいながら「なにしてるの?」と言わんような顔で居た。
次の瞬間、慎が
『わ゛ぁー!!』と変な大声を出しながら走り出した。
振り返ると、鬼の形相をした女が片手に金づちを持ち、『ア゛ーッ!!』みたいな奇声を上げ、こちらに走って来ていた。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:34:26.27 ID:vZ94Houd0
俺と淳もすぐさま立ち上がり慎の後を追い走った。
が、俺の左肩を後ろから鷲づかみされ、すごい力で後ろに引っ張られ、俺は転んだ。
仰向きに転がった俺の胸に『ドスっ』と衝撃が走り、俺はゲロを吐きかけた。何が起きたか一瞬解らなかったが、転んだ俺の胸に女が足で踏み付け、俺は下から女を見上げる形になっていた。
女は歯を食いしばり、見せ付けるように歯軋りをしながら『ンッ〜ッ』と何とも形容しがたい声を出しながら、俺の胸を踏んでいる足を左右にグリグリと動かした。
痛みは無かった。もう恐怖で痛みは感じなかった。女は小刻みに震えているのが解った。恐らく興奮の絶頂なんだろう。
俺は女から目が離せなかった。離した瞬間、頭を金づちで殴られると思った。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:34:55.56 ID:vZ94Houd0
そんな状況でも、いや、そんな状況だったからだろうか、女の顔はハッキリと覚えている。
年齢は40ぐらいだろうか、少し痩せた顔立ち、目を剥き、少し受け口気味に歯を食いしばり、小刻みに震えながら俺を見下す。
俺にとってはその状況が10分?20分?全く覚えてない。
女が俺の事を踏み付けながら、背を曲げ、顔を少しずつ近づけて来た、その時、タッチが女の背中に乗り掛かった。
女は一瞬焦り、俺を押さえていた足を踏み外し、よろめいた。
そこにハッピーも走って来て、女にジャレついた。
恐らく、2匹は俺達が普段遊んでいるから人間に警戒心が無いのだろう。
俺はそのすきに慌てて起きて走りだした。
『早く!早く!』と離れたところから慎と淳がこちらを懐中電灯で照らしていた。
俺は明かりに向かい走った。
『ドスっ』
後ろで鈍い音がした。
俺には振り返る余裕も無く走り続けた。
慎と淳と俺が山を抜けた時には0時を回っていた。
足音は聞こえなかったが、あの女が追い掛けてきそうで俺達は慎の家まで走って帰った。
慎の家に付き、俺は何故か笑いが込み上げて来た。極度の緊張から解き放たれたからだろうか?
しかし、淳は泣き出した。
犬が殺されたりストーカーされたりするんだろ
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:37:23.62 ID:vZ94Houd0
俺は『もう、あの秘密基地二度と行けへんな。あの女が俺らを探してるかもしれんし。』と言うと
淳は泣きながら『アホ!朝になって明るくなったら行かなアカンやろ!』と言い出した。
俺がハァ?と思っていると、慎が俺に
『お前があの女から逃げれたの、ハッピーとタッチのおかげやぞ!お前があの女に後から殴られそうなとこ、ハッピーが飛び付いて、代わりに殴られよったんや!』
すると淳も泣きながら
『あの女、タッチの事も、タッチも・・うっ・』と号泣しだした。
後から慎に聞くと走り出した俺を後から殴ろうとしたとき、ハッピーが女に飛び付き、頭を金づちで殴られた。女は尚も俺を追い掛けようとしたが、足元にタッチがジャレついてきて、タッチの頭を金づちで殴った。
そして女は一度俺らの方を見たが、追い掛けてこず、ひたすら2匹を殴り続けていた。
俺達はひたすら逃げた。
慎も朝になれば山に入ろうといった。
もちろん、俺も同意した。
しかし、そこには、さらなる恐怖が待っていた。
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:38:15.32 ID:vZ94Houd0
興奮の為、明け方まで眠れず、朝から昼前まで仮眠を取り、俺達は山に向かった。
皆、あの『中年女』に備え、バット・エアーガンを持参した。
山の入口に着いたが、慎が『まだアイツがいるかも知れん』と言うので、いつもとは違うルートで山に入った。
昼間は山の中も明るく、蝉の泣き声が響き渡り、昨夜の出来事など嘘のような雰囲気だ。
が、『中年女』に出くわした地点に近づくに連れ緊張が走り、俺達は無言になり、又、足取りも重くなった。
少しずつ昨日の出来事が鮮明に思い出す地点に差し掛かった。
バットを握る手は緊張で汗まみれだ。
例の木が見えた。女が何かを打ち付けていた木。
少し近づいて俺達は言葉を失った。
木には小さな子供(四・五歳ぐらいの女のコ?)の写真に無数の釘が打ち付けられていた。
いや、驚いたのはそれでは無い。その木の根元にハッピーの変わり果てた姿が。
舌を垂らし、体中血まみれで、眉間に一本、釘が刺されていた。
俺達は絶句し、近づいて凝視することが出来なかった。
蝿や見たことの無い虫がたかっており、生物の『死』の意味を俺達は始めて知った。
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:40:33.79 ID:vZ94Houd0
俺はハッピーの変わり果てた姿を見て、今度中年女に会えば、次は俺がハッピーのように・・・と思い、すぐにでも家に帰りたくなった。
その時、淳が『タッチ・・、タッチの死体が無い!タッチは生きてるかも!』と言い出した。
すると慎も
『きっとタッチは逃げのびたんだ!きっと基地にいるはず!』と言い出した。俺もタッチだけは生きていて欲しい。と思い、三人で秘密基地へと走り出した。
秘密基地が見える場所まで走ってきたが、慎が急に立ち止まった。
俺と淳は『!中年女?!』と思い、慌てて身を伏せた。黙って慎の顔を見上げると、慎は
『・・なんだあれ・?』
と基地を指差した。
俺と淳はゆっくり立ち上がり、基地を眺めた。
何か基地に違和感があった。何か・・・
基地の屋根に何か付いている・・。
少しずつ近づいていくと、基地の中に昨夜忘れていた淳の巾着袋
(淳は菓子をいつもこれに入れて持ち歩いている)
が基地の屋根に無数の釘で打ち付けてあるではないか!
俺達は驚愕した。
【この秘密基地、あの中年女にバレたんだ!】
慎が恐る恐る、バットを握り締めながら基地に近づいた 。
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:41:28.72 ID:vZ94Houd0
俺と淳は少し後方でエアーガンを構えた。基地の中に中年女がいるかもしれない。
慎はゆっくりとドアに手を掛けると同時に、すばやく扉を引き開けた。
『うわっ!』
慎は何かに驚き、その場に尻餅を付きながら、ズルズルと俺達の元に後ずさりをしてきた。
俺と淳は何に慎が怯えているのか解らず、とりあえず銃を構えながら基地の中をゆっくりと覗いた。
そこには変わり果てたタッチの死体があった。
『うわっ!』
俺と淳も慎と同じような反応をとった。
やはりタッチも眉間に五寸釘が打ち込まれていた。
俺はその時、思った。あの中年女は変態だ!いや、キチ●イだ!普通、こんなことしないだろう。
とてつもない人間に関わってしまったと、昨夜、この山に来た事を心から後悔した。
しばらく三人ともタッチの死体を見て呆然としていたが、慎が小屋の中を指差し、『おい!!あれ・・・』
俺と淳は黙りながら静かに慎が指差す方向を覗き込んだ。
基地の中・・・
壁や床板に何か違和感が・・・何か文字が彫ってある・・
近づいてよーく見てみた。
『淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺淳呪殺・・・』
無数に釘で淳・呪・殺と壁や床に彫ってあった。
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:43:24.76 ID:vZ94Houd0
淳は『え??・・』
と目が点、というか、固まっていた。いや、俺達も驚いた。なぜ名前がバレているのか!
その時、慎が『淳の巾着や、巾着に名前書いてあるやん!』
『?!』
俺は目線を屋根に打ち付けられた巾着に持って行った。
無数に釘で打ち付けられた巾着には確かに
【五年三組○○淳】
と書かれてある。
淳は泣き出した。
俺も慎も泣きそうだった。学年と組、名前が中年女にバレてしまったのだ。もう逃げられない。俺や慎の事もすぐにバレてしまう。
頭が真っ白になった。
俺達はみんなハッピーやタッチのように眉間に釘を打ち込まれ、殺される。。。
慎が言った
『警察に言おう!もうダメだよ、逃げられないよ!』
俺はパニックになり
『警察なんかに言ったら、秘密基地の事とか昨日の夜、嘘付いてここに来た事バレて親に怒られるやろ!』
と冷静さを欠いた事を言った。いや、当時は何よりも親に怒られるのが一番恐いと思っていたのもあるが。。。
ただ、淳はずっと泣いたまま、
『ッヒック、ヒック・・』
何も掛ける言葉が見つからなかった。
淳は無言で打ち付けられた巾着を引きちぎり、ポケットにねじ込んだ。
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:46:28.83 ID:vKtEZEmHO
ワッフルワッフル
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:47:15.69 ID:vZ94Houd0
俺達は会話が無くなり、とりあえず山を降りた。淳は泣いたままだった。
俺は今もどこからか中年女に見られている気がしてビクビクしていた。
山を降りると慎が
『もう、この山に来るのは辞めよ。しばらく近づかんといたら、あの中年女も俺らの事を忘れよるやろ。』と言った。
俺は『そやな、んで、この事は俺らだけの秘密にしよ!誰かに言ってるのがアイツにバレたら、俺ら殺されるかもしれん。』
慎は頷いたが淳は相変わらず腕で涙を拭いながら泣いていた。
その日、各自家に帰り、その後、その夏休みは三人で会うことは無かった。
その二週間後の新学期、登校すると、淳の姿は無かった。慎は来ていたので、慎と二人で『もしかして淳、あの女に・・・』
と思いながら、学校帰りに二人で淳の家を訪ねた。
家の呼び鈴を押すと、明るい声で『はぁーい!』と淳の母親が出て来た。
俺が『淳は?』と聞くと、おばさんは『わざわざお見舞いありがとねー。あの子、部屋にいるから上がって。』
と言われ、俺と慎は淳の部屋に向かった。
『淳!入るぞ!』と淳の部屋に入ると、淳はベットで横になりながら漫画を読んでいた。
以外と平気そうな淳を見て俺と慎は少し安心した。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:48:58.76 ID:vZ94Houd0
慎『何で今日休んだん?』
俺『心配したぞ!風邪け?』
淳『・・・』
淳は無言のまま漫画を閉じ、俯いていた。
そこにおばさんが菓子とジュースを持ってきて、
『この子、10日ぐらい前からずっとジンマシンが引かないのよ。』と言って『駄菓子の食べ過ぎじゃないのー?』と続けた。
笑いながらおばさんは部屋を出ていった。
俺と慎は笑って
『何だよ!脅かすなよー、ジンマシンかよ!拾い食いでもしたんだろ?』とおどけたが、淳は俯いたまま笑わなかった。
慎が『おい!淳どうした?』と訪ねると淳は無言でTシャツを脱いだ。
体中に赤い斑点。
確かにジンマシンだった。俺は『ジンマシンなんて薬塗ってたら治るやん。』と言うと、淳が、
『これ、あの女の呪いや・・・』と言いながら背中を見せて来た。
確かに背中も無数にジンマシンがある。
慎が『何で呪いやねん。もう忘れろ!』と言うと
淳は『右の脇腹見て見ろや!』と少し声を荒げた。
右の脇腹・・たしかにジンマシンが一番酷い場所だったが、なぜ『呪い』に結び付けるかが解らなかった。
すると淳が『よく見ろよ!これ、顔じゃねーか!』
よく見て俺と慎は驚いた。確かに直径五a程の人、いや、女の顔のように皮膚がただれて腫れ上がっている。
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:50:45.44 ID:vZ94Houd0
俺と慎は『気にしすぎだろ?たしかに顔に見えないことも無いけど。』
と言ったが、
『どー見ても顔やんけ!俺だけやっぱり呪われてるんや!』と言った。
俺と慎は淳に掛ける言葉が見つからなかった。と言うより淳の雰囲気に圧倒された。
いつもは温厚で優しい淳が・・少し病んでいる。青白い顔に覇気のない目、きっと精神的に追い詰められているのだろう。
俺と慎は急に淳の家に居づらくなり、帰ることにした。
帰り道、俺は慎に『あれ、どー思う?呪いやろか?』と聞いた。
慎は『この世に呪いなんてあらへん!』と言った。なぜかその言葉に俺が勇気づけられた。
それから三日過ぎた。依然、淳は学校には来なかった。
俺も慎も淳に電話がしづらく、淳の様子は解らなかった。ただクラスの先生が『風疹で淳はしばらく休み』と言っていたので少し安心していた。
しかし、この頃から学校で奇妙な噂が流れ始めた。
【学校の通学路にトレンチコートにサンダル履きのオバさんが学童を一人一人睨むように顔を凝視してくる】
という噂だ。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:55:26.53 ID:ZDSKwOMSO
んでんで?
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:56:15.32 ID:vKtEZEmHO
コピペなのか?ならもっと早くしてくれ
いや、暇だけどさ
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:57:37.61 ID:Ms7qN7jdO
ちゃんと見てるやつ挙手
ノ
ノ
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:58:16.51 ID:vKtEZEmHO
ノシ
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:58:28.83 ID:5buzaxP50
ノ
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:58:32.30 ID:68zEqmd7O
怖い話だろ、これ
有名
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:58:41.11 ID:TDZgr9KWO
( ^ω^)ノおっ
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:59:09.72 ID:BOpJ91WNO
あー忙しい忙しい
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:59:16.93 ID:UHTM1Kw30
ノ
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 21:59:56.54 ID:gd5j82F10
ってか、誰かURL貼ってやれよ・・・
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:00:14.71 ID:BOpJ91WNO
病院の清掃婦になっててそれから?
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:00:21.68 ID:vZ94Houd0
その噂を聞いた放課後、俺は激しく動揺した。何故なら俺は唯一、間近で顔を見られている。
慎に相談した。
慎は『大丈夫!夜やったし見えてないって!それにあの日見られてたとしても、忘れてるって!』と、俺を落ち着かせる為か、意外と冷静だった。
何よりも嫌だったのが、俺と慎は通学路が全くの正反対。俺と淳は近所なのだが、淳が休んでいる為、俺は一人で帰らなければいけない。
俺は慎に『しばらく一緒に帰ろうよ!俺、恐い。』と慎に頼んだ。慎は少し呆れた顔をしていたが、『淳が来るまでやぞ!』と行ってくれた。
その日から、帰りは俺の家まで慎が付き添ってくれる事になった。
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:01:18.71 ID:vZ94Houd0
続き
その日から慎と帰ることになった。
その日は学校で噂の『トレンチコート女』(推定・中年女)には会わなかった。
次の日も、その次の日も会わなかった。
しかし、学校では相変わらず【トレンチコートの女】の噂は囁かれていた。
慎と一緒に下校することになり五日目、俺達は久しぶりに淳の見舞いに行くことにした。
お土産に給食のデザートのオレンジゼリーを持って行った。
淳の家に着き、チャイムを押した。いつもの様に叔母さんが明るく出て来て俺達を中に入れてくれた。
淳は相変わらず元気が無かった。ジンマシンは大分消えていたが、淳本人は
『横腹の顔の部分が日に日に大きくなっている。』
と言っていたが、俺と慎には全く解らなかった。むしろ、前回見たときよりはマシになっているように見えた。
精神的に淳はショックを受けているのだろう。
俺達は学校で流れている『トレンチコートの女』の噂は淳には言わなかった。
帰り間際に淳の叔母さんが俺達の後を追い掛けて来て、『淳、クラスでイジメにでも会っているの?』と不安げな顔で聞いて来た。
俺達は否定したが、本当の理由を言えないことに少し罪悪感を感じた。
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:06:00.08 ID:UHTM1Kw30
何でこんなに遅いん?
タイピングの練習でもしてんじゃね
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:07:58.59 ID:vZ94Houd0
それから三日後、
その日は珍しく内藤と佐々木と俺と慎の四人で一緒に下校した。
内藤は体がデカく、佐々木はチビ。実写版のジャイアンとスネオみたいな奴ら。
もう俺と慎の中で『中年女』の事は風化しつつあった。学校で噂の『トレンチコート女』も実在したとしても、全くの別人と思えて来ていた。
その日は四人で駅前にガチャガチャをしに行こうと言う話になり、いつもと違う道を歩いていた。
これが間違いだった。
楽しく四人で話しながら歩いていると、佐々木が『あ、あれトレンチコート女ぢゃね?』
内藤『うわっ!ホンマや!きもっ!』と言い出した。
俺はトレンチコート女を見てみた。心の中で《別人であってくれ!》と願った。
トレンチコート女はスーパーの袋を片手に持ち、まだ残暑の残るアスファルトの道で、ただ、突っ立っていた。うつむいて表情は全く解らない。
慎は警戒しているのか、小声で俺達に『目、合わせるなよ!』と言ってきた。
少しずつ、女との距離が縮まっていく。緊張が走った。女は微動たりせず、ただ、うつむいていた。
女との距離が5b程になったとき、女は突然顔を上げ、俺達四人の顔を見つめてきた。そして、その次に俺達の胸元に目線を送って来ているのが解った。
!名札を確認している。
それとネタバレ厨がいるからあんまスレ隅々まで見ないほうがいいな。
遅いのはオカンがPC使ってて、俺が無理いって横取りしたりしてるから。
そのうちスピード回復すると思う。スマン
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:08:17.77 ID:vZ94Houd0
俺は焦った。平常心を保つのに必死だった。
一瞬見た顔であの日の出来事がフラッシュバックし、心臓が口から出そうになった。
間違いない。『中年女』だ!
俺はうつむきながら歩き過ぎた。
俺はいつ襲い掛かられるかとビクビクした。
どれくらい時が過ぎただろう。いや、ほんの数秒が永遠に感じた。
内藤が『あの目見たけ?あれ完全にイッテるぜ!』と笑った。
佐々木も『この糞暑いのにあの格好!ぷっ!』と馬鹿にしていた。
俺と慎は笑えなかった。
佐々木が続けて言った
『やべ!聞こえたかな?まだ見てやがる!』
俺はとっさに振り返った。
『中年女』と目が合った・・・
まるで蝋人形のような無表情な『中年女』の顔がニヤっと、凄くイヤらしい微笑みに変わった。
背筋が凍るとはこの事か。。。
俺は生まれて始めて恐怖によって少し小便が出た。
バレたのか?俺の顔を思い出したのか?バレたなら何故襲って来ないのか?
俺の頭はひたすらその事だけがグルグル巡っていた。
内藤が『うわーっ、まだこっち見てるぜ!佐々木!お前の言った悪口聞かれたぜ!俺知らねーっ!』っとおどけていた。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:08:39.42 ID:vZ94Houd0
もうガチャガチャどころではない。曲がり角を曲がり、女が見えなくなった所で俺は慎の腕を掴み
『帰ろう!』と言った。
慎は俺の目をしばらく見つめて『あ、今日塾だっけ?帰らなやばいな!』と俺に合わせ、俺達は走った。
家とは逆の方向に走り、しばらくして俺は慎に『アイツや!あの目、間違いない!俺らを探しに来たんや!』
慎は意外と冷静に『マジマジと名札見てたもんな。。学年とクラス、淳の巾着でバレてるし。。』
俺はそんな落ち着いた慎に腹がたち『どーすんだよ!もう逃げ切れネーよ!家とかそのうちバレっぞ!!』
慎『やっぱ警察に言おう。このままはアカン。助けてもらお。』
俺『・・・』俺はしばらく黙っていた。たしかに他に助かる手は無いかもしれないと思った。
『でも、警察に何て言う?』と俺が問うと慎は
『山だよ。あの山に打ち付けられた写真とかハッピー、タッチの死体、あれを写真に撮って、あの女が変質者って言う証拠を見せれば警察があの女を捕まえてくれるはずや!』
俺は納得したが、もうあの山に行くのは嫌だったが、仕方が無かった。
さっそく、明日の放課後、浦山に二人で行く事になった。
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:08:56.38 ID:vZ94Houd0
明日の放課後、裏山に行く。その話がまとまり、俺達は家に帰ろうとしたが、『中年女』が何処に潜伏しているか解らない為、俺達は恐ろしく遠回りした。通常なら20分で帰れるところを二時間かけて帰った。
家に着いて俺はすぐに慎に電話した
『家とかバレてないかな?今夜きたらどーしよ!』などなど。俺は自分で自分がこれほどチキンとは思わなかった。
名前がバれ、小屋に『淳呪殺』と彫られた淳が精神的に病んでいるのが理解できた。
慎は『大丈夫、そんなすぐにバレないよ!』と俺に言ってくれた。
この時俺は思った。普段対等に話しているつもりだったが、慎はまるで俺の兄のような存在だと。
もちろんその日の夜は眠れなかった。
わずかな物音に脅え、目を閉じれば、あのニヤッと笑う中年女の顔がまぶたの裏に焼き付いていた。
朝が来て、学校に行き、授業を受け、放課後、
午後3時半。。
俺と慎は裏山の入口まで来た。
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:09:29.58 ID:vZ94Houd0
俺は山に入るのを躊躇した。『中年女』『変わり果てたハッピーとタッチ』『無数の釘』
頭の中をグルグルと鮮やかに『あの夜の出来事』が甦ってくる。
俺は慎の様子を伺った。慎は黙って山を見つめていた。慎も恐いのだろう。
『やっぱ、入るの恐いな・・・』と言ってくれ!と俺は内心願っていた。
慎はズボンのポケットからインスタントカメラを取り出し、右手に握ると、俺の期待を裏切り、
『よし。』
と小さく呟き、山へ入るとすぐさま走りだした。
俺はその後ろ姿に引っ張られるように走りだした。
慎は振り返らずに走り続ける。
俺は必死に慎を追った。一人になるのが恐かったから必死で追った。
今思えば慎も恐かったのだろう。恐いからこそ周りを見ずに走ったのだろう。
『あの場所』が 徐々に近づいてくる。
思い出したくもないのに『あの夜』の出来事を鮮明に思いだし、心に『恐怖』が広がりだした。
恐怖で足がすくみだした時、『あの場所』に着いた。
そう、『中年女が釘を打っていた場所』『中年女がハッピー、タッチを殺した場所』『中年女に引きずり倒された場所』
【中年女と出会ってしまった場所】
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:10:00.42 ID:vKtEZEmHO
オカン
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:15:10.08 ID:W81/YEUiO
これ読んだら自分とこに来るやつだっけ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:15:40.77 ID:Ms7qN7jdO
こういうのってじれったい箇所がいっぱいあってむずむずする。まぁ読むの止めらんないんだけど
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:16:21.86 ID:UHTM1Kw30
ネタバレ厨自重ww
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:16:47.25 ID:vKtEZEmHO
>>49 ちょw
だから最後まで読むように暇な人限定ってことか
もうよまない
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:17:40.48 ID:KVCZaxo50
コピペかよ夏厨が
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:20:18.55 ID:Ms7qN7jdO
>>49 オチ言われてるし…
>>1は一人で最後まで読んで怖いから他の人にも読ませたかったんだねぇ( ´ー`)
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:20:47.62 ID:UfN7EAQK0
こ、こわいよー
ションベンちびりそうだよー
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:21:22.63 ID:vZ94Houd0
俺は急に誰かに見られているような気がして周りを見渡した。いや、『誰かに』では無い、中年女に見られているような気がした。
山特有の『静寂』と自分自身の心に広がった『恐怖』がシンクロし、足が震えだす。
立ち止まる俺を気にかける様子無く、慎はあの木に近づきだした。
何かに気付き、慎はしゃがみ込んだ。
『ハッピー・・・』
その言葉に俺は足の震えを忘れ、慎の元に歩み寄った。
ハッピーは既に土の一部になりつつあった。頭蓋骨をあらわにし、その中心に少し錆びた釘が刺さったままだった。
俺は釘を抜いてやろうとすると、慎が『待って!』と言い、写真を一枚撮った。
慎の冷静さに少し驚いたが、何も言わず俺は再び釘を抜こうとした。
頭蓋骨に突き刺さった釘をつまんだ瞬間、頭蓋骨の中から見たことの無い、多数の虫がザザッと一斉に出てきた。
『うわっ!』俺は慌てて手を引っ込め、立ち上がった。
ウジャウジャと湧いている小さな虫が怖く、ハッピーの死体に近づく事が出来なくなった。それどころか、吐き気が襲って来てえずいた。
慎は何も言わずに背中を摩ってくれた。
俺はあの夜、ハッピーを見殺しにし、又、ハッピーを見殺しにした。
俺は最高に弱く、最低な人間だ。
なんと言われようと続行。コンビニ行ってきた。別に見たくないやつは見なければいい。
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:21:44.02 ID:vZ94Houd0
慎はカメラを再び構え、『あの木』を撮ろうとしていた。
『ん?!おい!ちょっと来てーや!』
何かを発見し、俺を呼ぶ慎。俺は恐る恐る慎の元に歩み寄った。
慎が『これ、この前無かったよな?』と何かを指差す。
その先に視線をやると、無数に釘の刺さった写真が・・・
ん?たしか前もあったはずじゃ・・・
いや!
写真が違う!
厳密に言うと、この前見た『4・5歳ぐらいの女の子』の写真はその横にある。
つまり、写真が増えている!
写真の状態からして、ここニ・三日ぐらいに打ち込まれているであろう。
この前に見た写真は既に女の子かどうかもわからないぐらいに雨風で表面がボロボロになっている。
新しい写真も『4、5歳ぐらいの女の子』のようだ。
この時、慎には言わなかったが、俺は一瞬『新しい写真が俺だったらどうしよう!!』とドキドキしていた。
慎はカメラにその打ち込まれた写真を撮った。
そして、
『後は秘密基地の彫り込みを撮ろう。』と言い、又走りだした。
俺は近くに中年女がいるような錯覚がし、一人になるのが怖く、慌てて慎を追った。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:22:16.63 ID:vZ94Houd0
秘密基地に近いてきて、俺は違和感を感じ、
『慎!』
と呼び止めた。
違和感
いつもなら秘密基地の屋根が見える位置にいるはずなのだが、屋根が見えない。
慎もすぐに気付いたようだ。
このとき脳裏に『中年女』がよぎった。
胸騒ぎがする。
鼓動が激しくなる。
慎が『裏道から行こう。』と言った。俺は無言で頷いた。
裏道とは獣道を通って秘密基地に行く従来のルートとは別に、茂みの中をくぐりながら秘密基地の裏側に到達するルートの事である。
この道は万が一秘密基地に敵が襲って来た時の為に造っておいた道。
もちろん、遊びで造っていたのだが、まさかこんな形で役に立つとは・・
この道なら万が一、基地に『中年女』がいても見つかる可能性は極めて低い。
俺と慎は四つん這いになり、茂みの中のトンネルを少しずつ進んだ。
そして秘密基地の裏側約5b程の位置にさしかかった時、基地の異変の理由が解った。
バラバラに壊されている。
俺達が造り上げた秘密基地はただの材木になっていた。
しばらく様子を伺ったが、中年女の気配もないので俺達は茂みから抜けだし、秘密基地『跡地』に到達した。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:22:32.81 ID:vZ94Houd0
俺達はバラバラに崩壊された秘密基地を見、少し泣きそうになった。
『秘密基地』言わば俺達三人と2匹のもう一つの家。
バラバラになった材木の片隅に大きな石が落ちていた。恐らく誰かがこれをぶつけて壊したのだろう。
『誰かが』?・・いや、多分『中年女』が。。
慎が無言で写真を撮りだした。
そして数枚の材木をめくり、『淳呪殺』と彫られた板を表にし、写真を撮った。
その時、わずかな板の隙間からハエが飛び出し、その隙間からタッチの遺体が見えた。
ハッピーとタッチ。
秘密基地よりもかけがえの無い2匹を俺達は失った事を痛感した。
慎は立ち上がり
『よし、このカメラを早く現像して警察に持って行こう。』
と言った。
俺達は山を駆け降りた。
山を降り、俺達は駅前の交番へ急いだ。
『このカメラに納められた写真を見せれば、中年女は捕まる。俺らは助かる。』その一心だけで走った。
途中でカメラ屋に寄り現像を依頼。
出来上がりは30分後と言われたので俺達は店内で待たせてもらった。
その間、慎との会話はほとんど無かった。ただただ 写真の出来上がりが待ち遠しかった。
そして30分が過ぎた。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:23:49.95 ID:lAyYJDyIO
>>49 お前シックスセンスとかのオチ知ったとたん
友達に自慢げに言いふらすタイプだろ
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:24:58.92 ID:e1UAyv/TO
怖い2ちゃんねるで読んだことある。コピペかよwwwww
結局大人になってケガした子は治らなかったんだっけ。
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:27:37.93 ID:UfN7EAQK0
>>60 自慢げっていうか
ただ人をむかつかさせたいだけじゃないの
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:27:58.28 ID:vZ94Houd0
『お待たせしましたー。』
バイトらしき女店員に声をかけられた。
俺と慎は待ってましたとばかりにレジに向かった。
女店員は少し不可解な顔をしながら
『現像出来ましたので中の確認をよろしくお願いします。』といいながら写真の入った封筒を差し出した。まぁ現像後の写真が犬の死骸や釘に刺された少女の写真のみだから、不可解な顔をするのも当然だが・・・
慎はその場で封筒から写真を取り出し、すべての写真を確認し、
『大丈夫です。ありがとうございました。』と言い、代金を支払った。
店を出て、すぐさま交番へ向かった。
これで全てが終わる
駅前の交番へ二人して飛び込んだ。
『ん?!どうしたの?』
中にいた若い警官が笑顔で俺達を迎えてくれた。
俺達はその警官の元に歩み寄り、
『助けてください!』
と言った。
俺と慎は『あの夜』の出来事を話した。裏付ける写真も一枚一枚見せながら話した。そして、今も『中年女』に狙われている事を。
一通り話し終わるとその警官は穏やかな表情で『お父さんやお母さんに言ったの?』
俺たちは親には伝えてないと言うと、
『ん〜、んぢゃ家の電話番号教えてくれるかな?』と警官は言い出した。
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:29:39.55 ID:jfWd360E0
もう大丈夫です、こういうスレがなくなるように呪いをかけておきました。
夏は終わります
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:30:18.25 ID:vZ94Houd0
慎が『なんで親が関係あるの?狙われているのは俺達だよ?!』とキレ気味に言い放った。
ちなみに慎の両親は医者と看護婦。高校生の兄貴は某有名私立高校生。
俺達3人の中で一番裕福な家庭だが、一番厳しい家庭でもある。
『あの夜』親に嘘をついて秘密基地に行き、このような事に巻き込まれた、などバレれば、俺や淳もだが、慎が一番洒落にならないのである。
『助けてよ!警察官でしょ!!』と慎が詰め寄る。
警官は少し苦笑いして、『君達小学生だよね?やっぱり、こーゆー事はキチンと親に言わなきゃダメだよ。』
と、しばらくイタチゴッコが続いた。
あげくに警官は『じゃあ君達の担任の先生は何て名前?』
など、俺達にとっては《脅し》に取れる言葉を投げ掛けてきた。
まぁ、警官にとっては俺達の『保護者及び責任者』から話を聞かないと・・・って感じだったのだろうが、
俺達にとって、こういう時の『親・先生』は怒られる対象にしか考えられなかった。
そうこうしているうちに俺達の心の中に、目の前にいる 警官に対して《不信感》が芽生えてきた。
[このまま此処にいれば、無理矢理住所を言わされ、親にチクられる!]と。
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:30:56.41 ID:vZ94Houd0
(この警官は俺達の話を信じてくれてないのでは?)
と俺は思い始めた。
俺や慎が必死に助けを求めているのに、『親』『先生』ばかり言ってくる。
俺達は『中年女』の存在を裏付ける証拠写真まで持参しているのに。。
俺はもう一度警官に写真を見せつけ
『犬をこんな殺し方する奴なんだよ!』と言った。
すると、警官はしばらく黙り込み、写真を手に取り、意外な一言を言った。
『ん〜。。これって犬?なの?』
『は?』と俺と慎は驚いた。この人は何を言っているんだろう!と。
続けて警官は
『いや、君達を信じていない訳じゃないよ。じゃあもう少し詳しく教えて。ここが頭?』
警官は冗談を言っている訳では無く、本当に解らないようだ。
俺はハッピーの写真を取上げ
『だから、、、』
と説明しかけて言葉が詰まった。
確かに、この写真を客観的に見ると犬の死骸には見えないかも・・。と思った。
薄茶色に変色した骨に所々わずかに残っている毛。。。
俺と慎はハッピーが死体になった翌日にも見ているので、腐食が進んでいても元の形(倒れていた角度、姿)を知っているが、
知らない奴が見るとただの汚れた石に汚い雑巾の様なものが絡んでいるようにしか見えないかも知れない。。
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:31:33.98 ID:vZ94Houd0
知らないやつだけ楽しんでくれればいいや〜
ネタバレ自重してねv
俺は冷静に他の写真も見てみた。
板に刻まれた『淳呪殺』・少女の写真に無数の『釘』。。
たしかに『中年女』の存在に直接結び付けるのは難しいのか?
ひょっとして警官は『小学生の悪戯』と思っていて、先程から『親・担任』などと言っているのか?
俺はこのまま此処にいては危険だと感じ出した。
『絶対、親を呼び出すつもりだ!』
俺は慎に小さな声で耳打ちした。
慎は無言で頷き、アゴをクイッと動かし、『外に出る合図』を送ってきた。
すると次の瞬間には慎は勢いよく振り向き、走りだした。
俺もすぐさま後を追い、交番から抜け出した。
後ろから『おいっ!』と警官が呼び止める声がしたが、俺達は振り向かずに走り続けた。
警官が追い掛けてくる気配は無かった。警官はおそらく
『悪戯しにきた小学生が、嘘を見破られそうになり逃げ出した。』
とでも思っているのだろう。
俺と慎は警官が追って来ていないことを充分に確認し、道端に座り込み、緊急ミーティングを開催した。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:32:53.44 ID:vZ94Houd0
『これからどーする?』
『どーしよ・・』
俺達は途方に暮れていた。最後の切り札の警察にも信じてもらえず、『中年女』から身を守る術を失った。
『これで全てが解決する』
と俺達は思い込んでいただけにショックはデカかった。
『このままだったら中年女に住所バレて・・・』
俺は恐かった。
すると慎が
『・・・しばらくあの女には出くわさないように注意して・・』
と言いかけたが
俺はすぐに『もう無理だよ!淳の学年とクラスがバレてる時点ですぐに俺らもバレるに決まってる!』と少し声を荒げた。
『でも、あの女、、、俺達に何かする気あるのかな?』
俺『?』
慎が言いだした。
『だってこの前俺ら学校帰りにあの女に出会ったじゃん。もし何かするつもりならあの時でも良かった訳じゃん。』
俺『・・・』
慎が続けて『それに山・・・もし俺らのことを許してないなら山に何らかの呪い彫りとかあってもいーはずじゃん。』
俺『・・・』
たしかに。山に行った時、確かに新しい『俺達に対する』呪い的な物は無かった。秘密基地は壊されていたが・・・
新しい『女の子の釘刺し写真』はあったが、俺達・・まして、フルネームが バレている淳の『呪い彫り』は無かった。
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:36:01.82 ID:VTu1uiMHO
wktk
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:36:50.57 ID:vZ94Houd0
俺は内心『そーなのかな?』と反論したかったが、しなかった。
それは、慎の言うとうり実は俺達が思っている程『中年女』は俺達の事を怨んでいない、忘れかけている。と思いたかった。
慎はもう一度『俺らを本気で怨んでいるなら何らかの《アクション》を起こすはずだろ?』
と、まるで俺を安心さすかのように言った。
そして『学校の近くをウロついてるのも、俺らを捜してるんぢゃなく《写真の女の子》を捜してる可能性もあるだろ?』
と言葉を続けた。
『そーか・・・』
俺はその慎の言葉を聞いて少し気持ちが楽になった感じがした。
と言うか慎の言った言葉を自分自身に言い聞かせ、自分自身を無理矢理納得させようとした。
それは【現実逃避】に近いかもしれない。
慎自身もそうだったのかも知れない。もう『中年女』から逃げる術が見つからず、言ったのかも知れない。
しかし俺は、、
俺達は、
『そーだよな!そのうち俺らのことなんて忘れよる!』
『もう忘れとるって!』
『なんだよチクショー!ビビって損した!』
『ほんま、あの女、泣かしたろか!』
とお互い強がって見せた。ある意味やけくそに近いかもしれない。
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:40:47.55 ID:vZ94Houd0
しばらくその場で慎と『中年女』の悪口など、談笑していた。
辺りは薄暗くなり始め、俺達は帰宅することにした。
慎と別れる道に差し掛かって、『明日の帰り、淳の様子見に行こっか!』『おう!そやな!』
とお互い明るく振る舞って手を振り別れた。
俺の心は少し晴れやかになっていた。
『そーだよな・・慎の言う通り、中年女はもう俺達の事なんて忘れてるよな・・』
と。
まるで自己暗示のように繰り返し言い聞かせた。
足取りも軽く、石を蹴りながら家に向かった。
空を見上げると雲も無く、無数の星がキラキラ輝き、とても清々しい夜空だった。
今まで『中年女』の事でウジウジ悩んでいたのが馬鹿らしく思えた。
自宅に近づき、その日は見たいアニメがあるのに気付き、俺は小走りで家に向かった。
『タッタッタッタッ、、、』夜の町内に俺の足跡が響く。
『タッタッタッタ、、、』
静かな夜だった。
『タッタッタッタッ、、、』
ん?
『タッタッタッタ・・』
俺の足音以外に違う足音が聞こえる。
後ろを振り向いた。
暗くて見えないが誰もいない。気のせいか。。
ナンダカンダ言って俺は小心者だなと思いながら再び走った。
『タッタッタッタッ。。。』
『タッタッタッタ・・』
・・ん?誰かいる。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:41:05.84 ID:vZ94Houd0
俺はもう一度立ち止まり、目を凝らして後ろを眺めた。
・・・やっぱり誰もいない・・
確かに俺の足音にマジって後ろから誰かが走ってくる足音が聞こえたのだが?!
俺も淳のように自分でも気付かないうちに精神的に『中年女』追い詰められているのか?ビビり過ぎているのか?
しばらく立ち止まり、ずーっと後ろを眺めた。
ドックンドックン鼓動を打っていた心臓が、一瞬止まりかけた。
15b程後方、民家の玄関先に停めてある原付きバイクの陰に誰かがしゃがんでいる。
いや、隠れている。
月明かりでハッキリ黙視できないが一つだけハッキリと見えたものがある。
『コートを着ている!』
しばらく俺は固まった。
隠れている奴は俺に見つかっていないと思っているようだが、シルエットがハッキリ見える!
俺は一瞬混乱した。
『中年女だ!中年女だ!中年女だ!中年女!中年女!』
腰が抜けそうになったが、本能だろうか、次の瞬間
『逃げなきゃ!逃げなきゃ!逃げなきゃ!逃げなきゃ!逃げなきゃ!逃げなきゃ逃げなきゃ!』
ともう一人の俺が、俺に命令する。
俺は思いッキリ走った!運動会の時より必死に走った。もう風を切る音以外聞こえない程、無呼吸で走った。
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:41:38.75 ID:vZ94Houd0
無我夢中で家に向かって走った。
家まであと10b。
よし!逃げ切れる!
『!』
一瞬、頭にあることがよぎった。
【このまま家に逃げ込めば間違いなく家がバレる!】
俺はとっさに自宅前を通過し、そのまま住宅街の細い路地を走り続けた。
当てもなく、ただ俺の後方を着いて来ているであろう『中年女』を巻く為に。。。
5分ほど、でたらめな道を走り続けた。
さすがに息がキレて来て歩きだし、後ろを振り向いた。
もう、『中年女』らしき人影も足音も聞こえて来ない。
俺は周囲を警戒しつつ、自宅方面へ歩き始めた。
再び自宅の10b程手前に差し掛かり、俺はもう一度周囲を警戒し、玄関にダッシュした。
両親が共働きで鍵っ子だった俺はすばやく玄関の鍵を開け、 中に入り、すばやく施錠した。
『。。。フぅー。。』
安堵感で自然とため息が出た。
とりあえず慎に報告しなければと思い、部屋に上がろうと靴を脱ごうとした時、玄関先で物音がした。
『!?』
俺は靴を脱ぐ体制のまま固まり、玄関扉を凝視した。
俺の家の玄関は曇りガラスにアルミ冊子がしてある引き戸タイプなのだが、曇りガラスの向こう側に。。。
玄関先に誰かが立っている影が映っていた。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:46:06.65 ID:vZ94Houd0
まだまだ続くけどもしかして需要ない?
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:47:02.15 ID:VTu1uiMHO
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:47:08.02 ID:UfN7EAQK0
俺はよんでる
一々そういうのかくな
黙々と投下しろこのクズ助!
いや・・・クソ虫!
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:47:42.68 ID:vZ94Houd0
玄関扉を挟んで1b程の距離に『中年女』がいる!
俺は息を止め、動きを止め、気配を消した。
いや、
むしろ身動き出来なかった。まるで金縛り状態・・・『蛇に睨まれた蛙』とはこのような状態の事を言うのだろう。
曇り硝子越しに見える『中年女』の影をただ見つめるしか出来なかった。
しばらく『中年女』はじっと玄関越しに立っていた。微動すらせず。
ここに『俺』がいることがわかっているのだろうか?・・。
その時、硝子越しに『中年女』の左腕がゆっくりと動き出した。
そして、ゆっくりと扉の取手部分に伸びていき、『キシッ!』
と扉が軋んだ。
俺の鼓動は生まれて始めてといっていいほどスピードを上げた。
『中年女』は扉が施錠されている事を確認するとゆっくりと左腕を戻し、再びその場に留まっていた。
俺は依然、硬直状態。。
すると『中年女』は玄関扉に更に近づき、その場にしゃがみ込んだ。
そして硝子に左耳をピッタリと付けた。
室内の様子を伺っている!
鮮明に目の前の曇り硝子に『中年女』の耳が映った。
もう俺は緊張のあまり吐きそうだった。鼓動はピークに達し、心臓が破裂しそうになった。
『中年女』に鼓動音がバレる!と思う程だった。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:47:57.55 ID:vZ94Houd0
『中年女』は二、三分間、扉に耳を当てがうと再び立ち上がり、こちら側を向いたまま、ゆっくりと、一歩ずつ後ろにさがって行った。
少しづつ硝子に映る『中年女』の影が薄れ、やがて消えた。。
『行ったのか・・・?』
俺は全く安堵出来なかった。
何故なら、
『中年女』は去ったのか?
俺がここ(玄関)にいることを知っていたのか?
まだ家の周りをうろついているのか?
もし、『中年女』に俺がこの家に入る姿を見られていて、『俺の存在』を確信した上で、さっきの行動を取っていたのだとしたら、間違いなく『中年女』は家の周囲にいるだろう。。
俺はゆっくりと、細心の注意を払いながら靴を脱ぎ、居間に移動した。
一切、部屋の明かりは点けない。明かりを燈せば『俺の存在』を知らせることになりかねない。
俺は居間に入ると真っ直ぐに電話の受話器を持ち、手探りで暗記している慎の家に電話をかけた。
3コールで慎本人が出た。
『慎か?!やばい!来た!中年女が来た!バレた!バレたんだ!』
俺は小声で焦りながら慎に伝えた。
『え?どーした?何があった?』と慎。
『家に中年女が来た!早く何とかして!』俺は慎にすがった。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:48:03.21 ID:prfBudQF0
急に関西なまりになっておもろいで!
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:48:42.73 ID:vZ94Houd0
慎『落ち着け!家に誰もいないのか?』
俺『いない!早く助けて』
慎『とりあえず、戸締まり確認しろ!中年女は今どこにいる?』
俺『わからない!でも家の前までさっきいたんだ!』
慎『パニクるな!とりあえず戸締まり確認だ!いいな!』
俺『わかった!戸締まり見てくるから早く来てくれ!』
俺は電話を切ると、戸締りを確認しにまずは便所に向かった。
もちろん家の電気は一切つけず、五感を研ぎ澄まし、暗い家内を壁づたいに便所に向かった。
まずは便所の窓をそっと音を立てず閉めた。
次は隣の風呂。
風呂の窓もゆっくり閉め、鍵をかけた。
そして風呂を出て縁側の窓を確認に向かった。
廊下を壁づたいに歩き縁側のある和室に入った。
縁側の窓を見て違和感を覚えた。
いや、いつもと変わらず窓は閉まってレースのカーテンをしてあるのだが、左端。。。
人影が映っている。。
誰かが窓の外から、
窓に顔を付け、双眼鏡を覗くように両手を目の周辺に付け、室内を覗いている。
家の中は電気をつけていない為、外の方が明るく、こちらからはその姿が丸見えだった。
窓に『中年女』がヤモリの如く張り付いている。
俺は腰が抜けそうになった。
>>74 76 把握
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:49:03.41 ID:vZ94Houd0
これは
【動物の本能】
なのだろうか?
肉食獣を見つけた草食動物のように、俺はとっさにしゃがみ込んだ。
全身が無意識に震えていた。
『中年女』からこちらは見えているのか?
『中年女』はしばらく室内を覗き、そのままの体勢で、ゆっくりと窓の中心まで移動して来た。
そして『キュルキュルキュル』と嫌な音が窓からしてきた。
『中年女』の右手が窓を擦っている。左手は依然、目元にあり、室内を覗きながら。。。
『キュルキュルキュル』
嫌な音は続く、
俺の恐怖心はピークに達した。
何かわからないが、『中年女』の奇行に恐怖し、その恐怖のあまり、声を出す事すら出来なかった。
すると『中年女』はとったに後ろを振り返り、凄い勢いで走り去って行った。
俺は何が起きたかわからず、身動きも出来ずに、ただ窓を見ていた。
すると、窓の向こうの道路に赤い光がチカチカしているのが見えた。
「警察が来たんだ!」
俺は状況が飲み込めた。
偶然通りかかったパトカーに気付き、『中年女』は逃げて行ったんだと。
しばらく俺はしゃがみ込んだまま震えていた。
『プルルルルル!』
その時、電話が突然鳴った。もう心臓が止まりかけた。
ディスプレイを見ると慎の自宅からの電話だった。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:49:23.56 ID:vZ94Houd0
俺は慌てて電話に出た。
慎『どう?』
俺『なんか部屋覗いとったけど、どっか行った。。。』
慎『そっか、親帰って来たんか?』
俺『いや、たまたまパトカー通って、それにビビって中年女逃げたんや思う。』
慎『そーなんや!良かった。俺、お前んちの近くに不審者がいるって通報しといてん。
でも、あいつに家バレたんやったら、そろそろ親にも相談しなあかんかもな。。』
俺『・・・』
慎『俺も今日、親に言うから。。お前も言えよ!もうヤバイよ!』
俺『・・・うん・・』
そして電話を切った。
その30分後、母親がパートから帰って来た。
俺は部屋の電気を消したまま玄関に走り、母の顔を見た瞬間、安堵感からか、泣き出した。
母親はキョトンとしていたが、俺はしばらく泣き続けた後、
『ごめんなさい、』
と冒頭に謝罪をし、
『あの夜』の出来事から『さっき』の出来事まで説明した。
説明の途中、父親も帰宅し、父には母が説明した。
その後、父が無言で和室の窓硝子を見に行った。
窓硝子は鋭利な何かで凄い傷が付けられていた。
『鋭利な何か』が『五寸釘』だと直感でわかった。
両親は俺を叱らず、母親は俺を抱きしめてくれ、父は警察に電話をかけていた。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:50:09.63 ID:vZ94Houd0
10分程してから警察が来た。
警察には父が事情を説明していた。
俺はしばらくの間、母親と居間にいたが、少ししてから警官が居間に来て『あの夜』の事を聞いてきた。
ハッピーとタッチの事、木に釘で刺された少女の写真の事、淳の名前が秘密基地に彫られていたこと・・・
その後、放課後に出会った事など、『中年女』に係わる全ての事を話した。そして『さっき』の出来事も。。。
鑑識らしき人も来ていて、俺が話している間に窓の指紋を採取していた。
俺が話した内容で警官がもっとも詳しく聞いてきたことが『少女の写真』の事だった。
『その少女』の容姿や面識の有無等聞かれたが、それについては『よく解らない。』と答えるしかなかった。
そして裏山の地図を書かされ、翌日、警察が調べに行くと言う事になり、自宅周辺の夜間パトロール強化を約束して警察官は帰っていった。
結局、指紋は出なかった。
しばらくして、慎・淳の親から電話がかかってきた。親同士で何やら話していたが『中年女』に関する話、というより、学校にどのように説明するかを話していたようだ。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:54:43.18 ID:Pg3tTwMYO
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:54:44.71 ID:CXpHhIG80
3人のうち一人が入院して、そこでその釘打ってた女が病院で掃除のパートだかしてるんだったっけ?
洒落怖のまとめURL貼れよ
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:56:45.09 ID:VTu1uiMHO
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:59:26.71 ID:C/I2tn5gO
続きはまだですかな?
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:59:29.37 ID:UfN7EAQK0
>>86 苦労にみあったレス数ないとやる気わかないんだろw
はやくかけよノミ虫が
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:59:44.25 ID:vZ94Houd0
その夜、俺は何年かぶりに両親と共に寝た。
恥ずかしさなど微塵も無く、純粋に『中年女』が怖く、なかなか寝付け無かった。
次の日の朝、母親に起こされた時にはすでに午前8時を回っていた。
『遅刻する!』と慌てると母が『今日は家で寝てなさい。』と言う。
どうやら既に学校に事情を話したらしい。
父はすでに出社していたが、母はパートを休んでいた。
『おそらく、慎や淳も今日は学校を休んでいるだろう・・・』と思ったが、あえて電話はしなかった。
慎は恐らく、厳格な両親に怒られて、淳の両親は『不登校』になった淳の真実を知り、ショックを受けているだろうと思うと電話するのが恐かったから。
俺は自室に篭り、『中年女』が早く警察に捕まることだけを願っていた。
一時も早く追い詰められる『恐怖』から解放されたかった。
母親は何故か『中年女』の事を口にしてこなかった。俺への気配り?と思い、俺も何も言わなかった。
昼飯を食べ、ふたたび自室に篭っていると、『ドスっ』と家の外壁に鈍い音が響いた。
俺はとっさに『慎だ!』と思った。あいつは俺を呼び出す時、玄関の呼鈴を鳴らさず、窓に小石を投げてくる事がしばしばあったからだ。
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 22:59:54.87 ID:mFPIdqpo0
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91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:00:23.17 ID:HuVgnkjpO
誰かまとめはってくれ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:00:26.43 ID:vZ94Houd0
もうしわけない、バイバイさるさんになってた
俺は窓から外を眺めた。
家の前の路地にある電柱に慎がいるはず!と思ったが、慎の姿は無かった。
どこかに隠れているのかと思い、見える範囲で捜したが何処にもいない。
その時、俺の部屋の下にあたる庭先から『キャ!』と母親の声がした。
びっくりして窓を開け、身を乗り出し、下を見た。
そこには母親が地面を見つめながら口元に手を当てがい、何かを見て驚いていた。
俺は何が起こっているのか解らず
『どーしたの!』と聞いた。
母は俺の声にギクッと反応し、こちらを見上げ、驚いた表情で無言のまま家の外壁を指差した。
俺は良からぬ感じを察したが、母の指差す方向を見た。
そこには何やらドロっとした紫色した液体とゼリー状の物が付いていた。
先程の『ドスっ』の音の正体であろう。
視線を母の足元に落とし、その何かを捜した。
そこには内蔵が飛び出た大きな牛蛙の死体が落ちていた。
母はしばらく呆然と立ち尽くしていた。
俺はすぐに『中年女』が頭に浮かんだ。すぐに目で『中年女』の姿を捜したが何処にも姿は見えなかった。
母はふと思い出したように居間に駆け込み、警察に電話をした。
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:00:43.74 ID:lAyYJDyIO
ネタバレしてる奴は一体なんなの?
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:01:14.90 ID:vZ94Houd0
母は青い顔をしていた。恐らくこの時始めて『中年女』の異常性を知ったのだろう。
そうだ、あの女は異常なんだ。
きっと今も蛙を投げ込んできた後、俺や母の驚く姿を見てニヤついているはず。。
きっと近くから俺を見ているはず。。。
鳥肌が立った。
『警察早く来てくれ!』心の中で叫んだ。
もうこの家は『家』では無い。『中年女』からすれば『鳥籠』のように俺達の動きが丸見えなんだ。常に見られているんだと感じ出した。
しばらくしてパトカーがやってきた。昨日とは違う警官二人だった。
警官一人は外壁や投げ込んで来たであろう道路を何やら調べ、もう一人は俺と母に
『何か見なかったか?』
『その時の状況は?』
などなど、漠然とした事を何度も聞いて来た。
最後に警官が不安を煽るような事を言って来た。
『たしか、昨日もいやがらせを受けているんですよね?おそらく犯人はすぐにでも同じような事をしてくる可能性が高いです。』と。
俺はたまらず
『あの呪いの女なんです!コートを着てる40歳ぐらいの女なんです!早く捕まえてください!』
と半泣きになって懇願した。
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:01:29.32 ID:NqDWbpHLO
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:01:53.77 ID:vZ94Houd0
すると警察官は
『さっきね、山を見てきたんだよ。。。犬の死体も板に彫られたお友達の名前も、あと女の子の写真もあったよ。
今からそれを調べて必ず犯人捕まえるから!』
と言い、俺の肩をポンと叩くと、母の元へ行き、何やら話していた。
『主人に連絡を・・』
みたいな事を言われていたようだ。
壁に付いた蛙の染み、及びその死体の写真を撮り、1時間程で警官達は帰って行った。
しばらくして父親が帰宅した。まだ5時前だった。昨日の今日だから心配になったのだろう。
夕食の準備をしている母も、夕刊を読んでいる父も無言だったが、どことなくソワソワしているのが解った。
もちろん俺自信も次にいつ『中年女』が来るのか不安で仕方なかった。
その日の晩飯は家族皆が無口で、只、テレビの音だけが部屋に響いていた。
そして夜11時過ぎ、皆で床に就いた。用心の為、一階の居間は電気を点けっぱなしにしておくことになった。
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:01:59.00 ID:prfBudQF0
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:02:34.52 ID:vZ94Houd0
その夜も家族揃って同じ部屋で寝た。
もちろんなかなか寝付けなかった。
どれぐらい時間が過ぎただろう。。。
突然玄関先で
『オラァー!!』
とドスの効いた男の声とともに
『ア゛ー!ア゛ー!』
と聞き覚えのある奇声
【中年女】の叫び声が聞こえた。
俺達家族は皆飛び起き、父が慌てて玄関先に向かった。
俺は母にギュッと抱き締められ、二人して寝室にいた。
『カチャカチャ・・ガラガラガラガラ!』
父が玄関の鍵を開け、戸を開ける音がした。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:03:18.98 ID:vZ94Houd0
戸を開ける音と共に、再び
『ア゛ー!!チキショー!ア゛ァー!!ア゛ァァァァ!』
と再び【中年女】の叫びが聞こえて来た。
『大人しくしろ!』
『オラ!暴れるな!』
と、男の声もした。
この時、俺は『警官だ!警官に捕まったんだ!』と事態を把握した。
中年女は奇声を上げ続けていた。
俺はガクガク震え、母の腕の中から抜けれなかったが、父親が戻って来て、
『犯人が捕まったんだ。お前が山で見た人かどうかを確認したいそうだが。。。大丈夫か?』と 尋ねてきた。
もちろん大丈夫ではなかったが、これで本当に全てが終わる。終わらせることが出来る!と自分に言い聞かせ、
『。。。うん。。』
と返事し、階段をゆっくりと降り、玄関先に向かった。
玄関先から
『オマエーっ!チクショー!オマエまで私を苦しめるのかー!』
と凄い叫び声が聞こえ、足がすくんだが、父が俺の肩を抱き、二人の警官に取り押さえられた『中年女』の前に俺は立った。
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:03:43.07 ID:vZ94Houd0
俺は最初、恐怖の余り、自分の足元しか見れなかったが、父に肩を軽く叩かれ、ゆっくりと視線を中年女に送った。
両肩を二人の警官に固められ、地面に顎を擦りつけながら『中年女』は俺を睨んでいた。
相当暴れたらしく、髪は乱れ、目は血走り、野犬の様によだれを垂れていた。
『オマエー!オマエー!どこまで私を苦しめるー!』
訳のわからない事を中年女は叫び、ジタバタしていた。
それを取り押さえていた警官が
『間違いない?山にいたのはコイツだね?』と聞いてきた。
俺は中年女の迫力に押され、声を出すことが出来ず、無言で頷いた。
警官はすぐに手錠をはめ、『貴様!放火未遂現行犯だ!』と言った。
手錠をはめられた後もずっと奇声を発し暴れていたが、警官が二人掛かりでパトカーに連行した。
そして一人だけ警官がこちらに戻って来て、
『事情を説明します。』と話し出した。
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:04:27.92 ID:I7Rdd1jG0
ネタか?
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:04:34.91 ID:vZ94Houd0
警官『自宅前をパトロールしてると玄関に人影が見えまして、あの女なんですけど、、
しゃがみ込んでライターで火を付けていたんですよ。玄関先に古新聞置いてますよね?』
母『いえ、置いてないですけど・・・?』
警官『じゃあこれも【あの女】が用意したんですかねー?』と指差した。
そこには新聞紙の束があった。確かにうちがとっている新聞社の物では無かった。
警官が『ん?』
と何かに気付き、新聞紙の束の中から何かを取り出した。
【木の板】
それには《○○○焼死祈願》と俺のフルネームが彫られていた。
俺は全身に鳥肌が立った。やはり俺の名前を調べ上げていたんだ。
もし警察がパトロールしていなかったら・・
と、少し気が遠くなった。
母は泣きだし、俺を抱き締めて頭を撫で回してきた。
警官はしばらく黙っていたが『実は、あの女、、、少し精神的に病んでまして。。。○○町にすんでいるんですけど、結構苦情、、、まぁ、同情の声というのもあるんですがねぇ・・・』
と、中年女の事を語りだした。
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:05:38.23 ID:vZ94Houd0
警官『あの女、1年前に交通事故で主人と旦那を亡くしてまして。。
それ以来、情緒不安定と精神分裂症というか。。まぁ近所との揉め事なども出てきだしましてね。。
山で発見された【少女の写真】であの女の特定は出来ていたんですよ。
二年前の交通事故・・・・・あの少女が道路に飛び出したのをハンドルをきって壁に衝突して主人と息子が無くなったんですよ。。。
飛び出した少女は無傷で助かったんですが・・・以来、あの少女の家にも散々嫌がらせをしているんですよ。
ただ事故が事故なだけに少女の家からは被害届けはでてないんですが。。。あの少女を相当怨んでいるんでしょうね。。。』
と。
俺はその話を聞き、同情などは一切出来なかった。
むしろ【中年女】の執念深さがヒシヒシ と伝わってきた。
何よりも警官も認める
『情緒不安定・精神分裂症』
これでは、すぐに釈放になるのではないか?
その後、又、『中年女』の存在に怯え生きていかなければならないのか?
警官の話を聞き、『安堵感』よりも『絶望感』が心に広がった。
それから5年。。。
俺・慎・淳はそれぞれ違う高校に進んでいた。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:06:00.06 ID:vZ94Houd0
俺達はすっかり会うことも無くなり、
それぞれ別の人生を歩んでいた。
もちろん『中年女』事件は忘れることが出来ずにいたが、『恐怖心』はかなり薄れていた。
そんな高一の冬休み、懐かしい奴『淳』から電話が掛かってきた。
『おう!ひさしぶり!』
そんな挨拶も程ほどに、淳は
『実は単車で事故ってさぁ・・足と腰骨折って入院してんだよ。』
俺
『え?!だっせーな!どこの病院よ?寂しいから見舞いに来いってか?』
淳『まぁ、それもあるんだけどさぁ。。。
お前、【中年女】の事って覚えてる?事件の事じゃなくってさぁ。。顔、覚えてる?』
俺『、、、何で?何だよ急に!』
淳『。。。毎晩、面会時間終わってから。。。変なババァが俺の事を覗きに来るんだよ。。ニヤつきながら。。』
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:06:36.01 ID:vZ94Houd0
淳の発した言葉を聞いたとたんに『中年女』の顔を鮮明に思い出した。
始めて出会ったあの夜の『歯を食いしばった顔』
下校時に出会った『いやらしいニヤついた顔』
自宅玄関で見た『狂ったような叫び顔』
あれから忘れる努力をしていたが決して忘れることの出来ない『トラウマ』だった。
俺は淳に『何言ってんだよ?!もう忘れろ!ほんっとオメーって気が小せぇーなぁ?!』と答えた。自分自身にも言い聞かせるように。。
淳は『そーだよな。。。いや、こーゆーとこって妙に気が小さくなるんだよ!』
俺は『そーゆーとこ、変わってねーな!』と余裕を見せた。俺自信もあの日のまま成長していないが。
そして、入院している病院を聞き、『近いうちにエロ本持って見舞いに行くよ!』と言い電話を切った。
電話を切った瞬間、何故か胸騒ぎがした。
『中年女』
淳の言葉が妙に気に掛かりだした。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:07:11.30 ID:UfN7EAQK0
焼死祈願ふいたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:07:28.15 ID:vZ94Houd0
電話を切った後、しばらく考えた。
まさか、今更『中年女』が現れるはずが無い。。。
それにあいつは捕まったはず。。。いや、釈放されたのか??
というか、今思えば俺達三人は『中年女』に何をしたわけでも無い。
ただ『中年女』の呪いの儀式を見てしまっただけなのに、こちらの払った代償はあまりにも大きい。
偶然、夜の山で出会い、いきなり襲われた。俺達は何一つ『中年女』から奪っていない。それどころか、傷付けてもいない。
『中年女』は俺達からハッピーとタッチを奪い、秘密基地を壊し、何より俺達三人に『恐怖』を植え付けた。
『中年女』がいくら執念深いといっても、さすがにもう俺達に関わってくるとは思えない。
こんなことを思うのも何だが、怨むなら『写真の少女』にベクトルが向くはず!
俺は強引に『俺自信』を納得させた。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:07:31.37 ID:HuVgnkjpO
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:07:45.80 ID:s9fQJ1LoO
最後まで読んだらなんとかって類のものじゃないよな?
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:09:57.30 ID:UHTM1Kw30
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:11:05.20 ID:pmo3lSCnO
淳は今も立つことができない
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:11:08.21 ID:vZ94Houd0
2日後、俺はバイトを休み、本屋でエロ本を3冊買ってから淳の入院している病院に向かった。
久しぶりに淳に会うという『ドキドキ感』と
淳が電話で言っていた事に対する『ドキドキ感』で、複雑な心境だった。病院に着いたのは昼過ぎだった。
淳の病室は三階。俺は淳のネームプレートを探し出した。
303号室・六人部屋に淳の名前があった。
一番奥、窓側の向かって左手に淳の姿が見えた。
『よう!淳、久しぶり!』
『おう!まぢひさしぶりやなぁ!』
思ったより全然元気な淳を見て少し安心した。
約束のエロ本を渡すと淳は新しい玩具を与えられた子供の如く喜んだ。
そして他愛も無い話を色々した。
淳といると小学生の頃に戻ったようでとても楽しかった。無邪気に笑えた。
あっという間に時間は経ち、面会終了時間が近ずいてきた。
俺が『んぢゃ、もうそろそろ帰・・・』
『実はさぁ、電話でも言ったんだけど、』と淳が真顔で何かを言いかけた。
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:11:21.21 ID:DtGYgEShO
ちょwwwww懐かしいなwwwwwwwww
意外にオカ板住人多いwwww
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:11:39.36 ID:UK+kh9muO
しゃれこわで1番初めに見たやつだwwwwww
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:11:39.28 ID:vZ94Houd0
何かを・・いや、『中年女の事だろ?』と俺は言った。すると淳は
『気のせいだとはおもうんだけど・・・いつもこの時間に来るオバさんがいてさぁ、、、何か、こう。。。引っ掛かるっつーか。。』
俺は『だから、気のせいだって!ビクビクすんなよ!』と強気な発言をした。
すると淳は少しカチンと来たのか
『だから、勘違いかもしんねーっつってんぢゃん!ビビりで悪かったな!』
空気が重くなった。
俺は空気を読み、淳に謝ろうとした。そのとき
『ガラガラガラ・・』
廊下に台車のタイヤ音が響いた。
淳が『来た・・・』とつぶやく。
俺は視線を部屋の入口に向けた。
『ガラガラガラ。』
台車は扉の前に止まったようだ。
そして、扉が開いた。
そこには上下紺色の作業着を着たオバさんが居た。
俺は『何だよ!脅かすなよ!ゴミ回収のオバさんじゃねーか。』
と、少し胸を撫で降ろした。
そのオバさんは患者個人個人のごみ箱のゴミを回収しだし、最後に淳のベットに近づいてきた。
淳が小声で『見てくれよ!』
俺はそのオバさんの顔をチラッと見た。
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:11:58.36 ID:VTu1uiMHO
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:12:16.06 ID:s9fQJ1LoO
>>110 読まないに決まってんだろwwww
レスしたらなんとかって類のやつでもないよな?
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:12:21.41 ID:vZ94Houd0
『・・・・!』
俺は息を飲んだ。
似ている・・・いや、『中年女』?なのか?
俺は目が点になり、しばらく、その人を眺めていると、そのオバさんはこちらを向き、ペコリと頭を下げて部屋を出て行った。
淳が『どう?やっぱ違うか?!俺ってビビりすぎ?』と聞いてきた。
俺は『全然ちげーよ!ただの掃除オバさんぢゃん!』と答えた。
いや、しかし似ていた。他人の空似なのか。。。 ?
『・・・んぢゃそろそろ帰るわ!あんま変な事考えてねーで、さっさと退院しろよ!』
と俺が言うと、淳は
『そだな。。あの女が病院にいるわけねーよな。お前が違うって言うの聞いて安心したよ。また来てくれよ!暇だし!』
と元気よく言った。
俺は病室を出ると、足早に階段を駆け降りた。
頭の中からさっきの『オバさん』の顔が離れない。
『中年女』の顔は鮮明に覚えている。
しかし、中年女の一番の特徴といえば 『イッちゃってる感』だ。
さっきのオバさんは穏やかな表情だった。
もし、さっきの『オバさん』=『中年女』なら、俺の顔を見た瞬間にでも奇声をあげ、襲い掛かって来てもおかしくない。
そうだ。やっぱり他人の空似なんだ。
と考えつつ、なぜが病院にいるのが怖く、早々に家路についた。
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:12:50.92 ID:UfN7EAQK0
>>117 お前さぁ・・・
最後まで見なかったら助かるとおもってる・・・?
もうおそいんだよ・・・
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:13:11.71 ID:vZ94Houd0
家に帰ってからも『中年女』=『清掃おばさん』の考えは払拭しきれなかった。
やはり気になる・・・
その日は眠りに落ちるまでその事ばかり考えていた。
次の日、『清掃おばさん』の事が気になり、俺はバイトを早めに切り上げ病院に行くことにした。
俺のバイト先からチャリで30分。
病院に着いたときには20時を回っていて面会時間も過ぎていた。
もう、『清掃おばさん』も帰っている事は明白だったが、臨時入口から病院に入り、とりあえず淳の病室に向かった。
こっそり淳の病室に入ると淳のベットはカーテンを閉めきってあった。
『寝たのか?』
と思い、そーっとカーテンを開けて隙間から中を覗いた。
『うわっ!』
淳が慌てて飛び起き、
『ビックリさせんなよ!』と言いながら、何かを枕の下に隠した。
淳はエロ本を熟読していたようだ。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:13:45.51 ID:vZ94Houd0
俺は敢えてエロ本の事には触れずに
『暇だろーと思って来てやったんだよ!』と淳の肩を叩いた。
淳は少し気まずそうに
『おぅ!この時間暇なんだよ!ロビーでも行って茶でもしよか?』
と言った。
俺は車椅子をベットの横に持って来て、淳の両脇を抱え、淳を車椅子に乗せてやった。
淳が『ロビー一階だからナースに見つからんよーに行かんとな!』と小声で言った。
俺達はコソコソと、まるで泥棒の様に一階ロビーに向かった。
途中、何人かのナースに見つかりそうになる度、気配を消し、物陰に隠れ、やっとの思いでロビーに着いた。
昼間と違い、ロビーは真っ暗で、明かりといえば自販機と非常灯の明かりしかなく、淳が
『何か暗闇の中をお前とコソコソするの、あの夜を思い出すよなぁ。』と言った。
『そだな。何であの時、アイツの事を尾行しちまったんだろーな。。』
と俺が言うと淳は黙り込んだ。
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:14:19.91 ID:vZ94Houd0
俺は今日病院に来た理由、すなわち『清掃おばさん』の事について・・
淳に言おうと思ったが、躊躇していた。淳はこの先、1ヵ月近く此処に入院するのにそのような事を言うのは・・・と。
またあの時のように『原因不明のジンマシン』が出るかもしれない。
すると淳が
『お前、あのおばさんの事できたんじゃないのか?』と。
俺はとっさに
『え?何が?』ととぼけたが、淳は
『そーなんだろ?やっぱり似てる・・いや、【中年女】かもしれないんだろ?』と真顔で詰め寄って来た。
俺はその淳の迫力におされ『たしかに似てた・・雰囲気は全然違うけど・・似てる。』
淳はうつむき、『やっぱり。。。前にも電話で言ったけど。。。』と語り始めた。
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:14:37.04 ID:UHTM1Kw30
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:15:54.87 ID:s9fQJ1LoO
>>119 そういうの止めろよ!!!そうなったら道連れだからな!
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:16:24.72 ID:UfN7EAQK0
いや俺バリアはってるしwwwwwwwwwwwww
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:16:25.42 ID:vZ94Houd0
淳は少し、声のトーンを下げ『俺が入院して二日目の夜、足と腰が痛くて痛くてなかなか眠れなかったんだ。
寝返りもうてないし、消灯時間だったし、仕方ないから、目つむって寝る努力をしていたんだ。
そして少し睡魔が襲ってきてウトウトし始めたとき、
【視線】
を感じたんだ。。。
見回りの看護婦だろうと思って無視してたんだけど、なんか、ハァ・・ハァ・・って息遣いが聞こえてきて・・
何だろう?隣の患者の寝息かなぁ?って思って薄目を開けてみたんだよ。。
そしたら俺のベットカーテンが3a程開いてて、その隙間から誰かが俺を見ていたんだ。。
その目は明らかに俺を見てニヤついてる目だったんだ。。
俺、恐くて恐くて、寝たふりしてたんだけど。。
そして、そのまま寝てたらしく、気付いたら朝だったんだ。
後から考えたんだ。
【あのニヤついた目】
どこかで見覚えが・・
そーなんだよ。『清掃おばさん』の目にそっくりだったんだよ!』
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:16:51.54 ID:UHTM1Kw30
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:16:57.37 ID:vZ94Houd0
【ニヤついた目】
俺はその目を知っている!
『中年女』にそのニヤついた目付きで見つめられた事のある俺にはすぐに淳の言う光景が浮かんだ。
更に淳は話を続けた。
『それにあの清掃おばさん、ゴミ回収に来た時、ふと見ると、何かやたら目が合うんだ。。俺がパッと見ると、俺の事をやたら見ているんだ。。。
半ニヤけで。。。』
それを聞き、俺が抱いていた疑問、【中年女=清掃おばさん】は確信に変わった。
やっぱりそうなんだ。
社会復帰していたんだ!
缶コーヒーを握る手が少し震えた。決して寒いからでは無い。体が反応しているんだ。
『あの恐怖』を体が覚えているんだ。。
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:17:27.64 ID:UfN7EAQK0
>>127 おそいって・・・
わかってる・・・?
遅すぎたんだよ・・・
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:17:32.15 ID:vZ94Houd0
その時、
俺の後方から突如、光が照らされた。
『コラ!』
振り向くと、そこには見回りをしている看護婦が立っていた。
『ちょっと淳君!どこにもいないと思ったらこんなとこに!消灯時間過ぎてから勝手に出歩いちゃダメって言ってるでしょ!
それに、お友達も面会時間はとっくに過ぎてるでしょ!』
と、かなり怒っていた。
淳は『はいはい。。。んぢゃまた近いうちに来てくれよな!』
と看護婦に車椅子を押され病室に戻って行った。
『おぅ!とりあえず、気つけろよ!』と言った。
俺もとりあえず帰るか。。。と思い、入って来た急患用出入口に向かった。
それにしても夜の病院は気味が悪い。さっきまで『あの女』の話をしていたからか?と思って歩いていると。。。
ん?
廊下の先に誰かがいる。
あれは。。。
清掃おばさん。。?
いや、
『中年女』、、か、、?
『中年女』らしき女が何かしている。。。
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:17:59.52 ID:s9fQJ1LoO
>>125 お前ばかじゃねーのかばーか!!
なんか逆に安心したぜwwwありがとうな
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:18:05.54 ID:UK+kh9muO
もう風呂入ったやつは勝ち組
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:18:30.51 ID:UfN7EAQK0
俺風呂まだでーすww
今日はねないつもりでーすwwwwww
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:18:49.64 ID:vZ94Houd0
間違いない!
『中年女』だ!
この先の出入口付近で何かしている!
俺はとっさに身を隠し、『中年女』の様子を伺った。
どうやら俺には気付かず、何かをしているようだ。。。
中腰の態勢で何かをしている。
俺は目を凝らし、しばらく観察を続けた。
何か大きな袋をゴソゴソし、もう一方に小分けしている?
尚も『中年女』はこちらに気付く様子も無く、必死で何かしている。
?
ひょっとして、病院内の収拾したゴミの分別をしているのか?(俺達の地元はゴミの分別がルールとなっている)
その時、後ろから
『ちょっと、まだいたの?私も遊びじゃないんだからいい加減にして!』と、さっきの看護婦が。
俺はドキッとし、
『あ、いや、帰ります!どーも・・・』
と言い、出入口に目をやると『中年女』はこちらに気付き、ジィーっとこちらを見ていた。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:19:36.97 ID:vZ94Houd0
『全く!』看護婦はそう吐き捨て、再び見回りに行った。
いや、それどころでは無い!
『中年女』に見つかってしまった!
どうすればいい?
逃げるべきか?
先程の看護婦に助けを求めるべきか?
俺の頭はグルグル回転し始め、心臓は勢いを増しながら鼓動した。
俺は『中年女』から目を離せずにいると、『中年女』は俺から視線を外し、何事も無かったように再びゴミの分別作業をし始めた。
『え!?』
俺は躊躇した。その想定外の行動に。。俺の頭には
『襲い掛かってくる』
『俺を見続ける』
『俺を見、ニヤける』
と、相手が俺に関わる動向を見せると思っていたからである。
俺はしばらく突っ立ったまま、『中年女』を見ていたが、黙々とゴミの分別をしていて、俺のことなど気にしていないようだった。
『何かの作戦か?』
と疑ったが、俺の脳裏にもう一つの思考が浮かんだ。
【中年女≠清掃おばさやん】?
やはり、似ているだけで別人・・・?!
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:20:26.27 ID:UfN7EAQK0
オバサヤン
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:20:46.32 ID:vZ94Houd0
俺と淳が疑心暗鬼になりすぎていたのか?!やはり『中年女』とは赤の他人の別人なのか?
そう一人で俺が考えている間も、『その女』は黙々と仕事をしている。
俺は意を決して、出入口に歩き出した。すなわち『その女』の近くに。。。
少しずつ近づいてくるが相手は一向にこちらを見る気配が無い。しかし、俺は『その女』から目を離さず歩いた。。
あっという間に何事も無く、俺は『その女』の背後まで到達した。
女は一生懸命ゴミの分別をしている。手にはゴム手袋をハメて大量のゴミを『燃える』『燃えない』『ペットボトル』に分けていた。
その姿を見て、俺は『やはり別人か。。』
と思っていると、
『その女』はバッ!っとこちらを見て、
『大きくなったねぇ〜。』
と俺に話し掛けてきた。
俺は頭が真っ白になった。
【大きくなったねぇ?オオキクナッタネェ?】
この人は俺の過去を知っている??
この人、誰?
この人、『中年女』?
こいつ、やっぱり
『中年女』!!
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:21:38.91 ID:UHTM1Kw30
何その新怪獣
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:23:05.09 ID:s9fQJ1LoO
ちょwwwwだんだんわらけてきたんだがwwwwオオキクナッタネェとかオバサヤンとか止めてくれ
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:24:07.97 ID:ILNnPP370
寝たいけど寝れない
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:24:32.19 ID:vZ94Houd0
その女は作業を中断し、ゴム手袋を外しながら俺に近寄ってくる。
その表情はニコニコしていた。
俺はどんな表情をすればいい???
きっと、とてつもなく恐怖に引きつった顔をしていただろう。
女は俺の目前まで歩み寄って来て
『立派になって。。もう幾つになった?高校生か?』
と尋ねてきた。
俺は『この女』の発言の意味が判らなかった。
何なんだ?
俺をコケにしているのか?
恐怖に引きつる俺を馬鹿にしているのか?
何なんだ?
俺の反応を楽しんでいるのか?
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:24:41.56 ID:UHTM1Kw30
>>139オオキクナッタネェに問題は無いだろwwwww
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:25:03.35 ID:VTu1uiMHO
オオキクナッタネエ
はっ息子が危ない
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:25:25.86 ID:UHTM1Kw30
相手は中年だぞ
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:25:45.87 ID:vZ94Houd0
俺が黙っていると、
『お友達も大きくなったねぇ、、、淳くん。。可哀相に骨折してるけど。。お兄ちゃんも気付けなあかんよ!』
と言ってきた。
もう、意味が全く解らなかった。数年前、俺達に何をしたのか忘れているのか?俺達に『恐怖のトラウマ』を植え付けた本人の言葉とは思えない。
『女』は尚もニヤニヤしながら
『もう一人いた・・あの子、元気か?色黒の子いたやん?』
!!慎の事だ!
何なんだコイツは!
まるで久しぶりに出会った旧友のように。。
普通じゃない。。
わざとなのか。。?
何か目的があってこんな態度を取っているのか?
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:26:07.92 ID:vZ94Houd0
俺は『中年女』から目を逸らさず、その動向に注意を払った。
【こいつ、何言ってるのか解ってるのか?】
『あの時はごめんね・・・許してくれる?』
と中年女は言いながら俺に近づいてくる。
俺は返す言葉が見つからず、ただ無言で少し後退りした。
『ほんまやったら・・もっと早くあやまらなあかんかってんけど・・』
俺は耳を疑った。
こいつ、本気で謝罪しているのか。。?それとも何か企んでいるのか。。?
ついに『中年女』は手を伸ばせば届く範囲にまで近づいてきた。
『三人にキチンと謝るつもりやったんやで・・ほんまやで。。。』
と言いながら、ますます近づいてくる!
もう息がかかる程の距離にまで近づいた。
『あの時』とは違い、俺の方が身長は20a程高く、体格的にも勿論勝っている。
俺は『中年女』に指一本でも触れられたら、ブッ飛ばしてやる!と考えていた。
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:27:29.36 ID:vZ94Houd0
『中年女』は俺を見上げるような形で、俺の目を凝視してくる。
しかし、その目からは『怨み』『憎しみ』『怒り』など感じられない。
真っ直ぐに俺の目だけを見てくる。
『あの時はどうかしててねぇ、酷い事したねぇー。。』
と『中年女』は謝罪の言葉を並べる。
俺はもう、 その場の『緊張感』に耐えれず、ついに走りだし、その場を去った。
走ってる途中、『もし追い掛けられたら・・・』と後ろを振り向いたが『中年女』の姿は無く、ある意味拍子抜けた。
走るのを止め、立ち止まり、考えた。
さっきのは本当に本心から謝っていたのか?
俺は中年女を信じることが出来なかった。疑う事しか出来なかった。まぁ、『あの事件』の事があるから当たり前だが。
俺は小走りで先程の場所近くに戻ってみた。
そこには再びゴム手袋をはめ、大量のゴミの分別をする『中年女』の姿があった。
こいつ、本当に改心したのか?
必死に作業をする姿を見ると、昔の『中年女』とは思えない。
とりあえず、その日はそのまま帰宅した。
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:29:03.89 ID:s9fQJ1LoO
新怪獣ってオオキクナッタネェの事じゃないのか?
それでふいたんだがwww
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:29:16.20 ID:vZ94Houd0
俺は自室のベットに横になり、一人考えた。
人間はあそこまで変わることが出来るのか・・?昔、鬼の形相でハッピー・タッチを殺し、俺を、慎を、淳を追い詰め、放火までしようとした奴が。。。
『ごめんね』など、心から償いの言葉を発することが出来るのか。。
いや、
ひょっとして【あの事件】をきっかけに俺が変わってしまったのか。。?疑心暗鬼になり、他人を信じる事が出来ない『冷たい人間』になってしまったのか。。?
『中年女』の謝罪の言葉を信じることで【あの事件】の精神的な呪縛から解放されるのか。。?
もう一度、『中年女』に会い、直接話すべきだ。。。
俺は『中年女』にもう一度会うこと、今度は逃げないこと!と決意を固め、その日は就寝した。
そして次の日、俺はバイトを休み、病院に行った。
まずは淳の病室に入り、昨日の出来事を説明した。そして今日は、『中年女』に会い、直接話してみるつもりだ。と 言う事を伝えた。
淳は最初『中年女』は変わっていない!と俺の意見に反対だったが、『このまま一生、中年女の存在に怯え、トラウマを抱えたまま生きていくのか?』と俺が言うと、
『・・・中年女に会って話すんだったら俺も付き合う、。。』
と言ってくれた。
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:30:57.89 ID:vZ94Houd0
しばらく沈黙が続いた。
刻々と時間は過ぎ、面会時間終了のチャイムが鳴ると同時に
『ガラガラガラ・・・』
廊下の奥の方からゴミ運搬台車の音が聞こえてきた。
『。。来たな。。。』
淳がボソッと呟いた。
俺は固唾を飲んで部屋の扉へ視線を送った。
『ガラガラガラ、』
台車の音が部屋の前で止まった。
部屋の扉が開いた。
作業服の『中年女』が会釈しながら入室してきた。俺と淳はその姿を目で追った。
『中年女』は奥のベットから順にゴミ箱のゴミを回収し始めた。
『ごくろうさん。』
と患者から声を掛けられ、笑顔で会釈をする中年女。。。とても昔の『中年女』と同一人物とは思えない。
そして、ついに淳のベットのゴミ回収に中年女がやってきた。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:31:16.88 ID:gd5j82F10
『中年女』と目が合った。
『好きです』
『俺もだよ』
今は3人の子供たちに囲まれて幸せに暮らしています。
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:31:28.78 ID:vZ94Houd0
『中年女』はこちらに一切目を合わせず、軽く会釈をし、ゴミを回収し始めた。
俺は何と声を掛けていいのかわからず、しばらく中年女の様子を伺っていたが、淳が
『おばさん!どーゆーつもりだよ?』
と 切り出した。
中年女はピタッと作業の手を止め、俯いたまま静止した。淳は続けて
『あんた、俺の事覚えてたんだろ?俺には謝罪の言葉一つも無いの?』
俺はドキドキした。まさか淳が急にキレ口調で話すなんて予想外だった。
中年女は俯いたまま
『・・・ごめんねぇ。。。』とか細い声を出した。
淳はその素直な返答に驚いたのか、キョトンとした目で俺を見て来た。
俺は『。。。おばさん。。。本当に反省してるんだよね?』
と聞いてみた。
すると中年女はこちらを向き
『本当にごめんなさい。。私があんな事したから淳君、こんな事故に会っちゃって。。。私があんな事したから・・・ほんとゴメンね!』と。
俺と淳は更にキョトンとした。何か話がズレてないか?
俺は
『いや、昔あんた犬に酷い事したり、俺ん家にきたり、、すべてひっくるめて!』と言った。
>>151 なぜかふいたwwwwwwwwwwwwwwww
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:32:11.42 ID:UfN7EAQK0
ハッピー・タッチってドラマのタイトルみたいだな
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:32:17.11 ID:UHTM1Kw30
新怪獣オオキクナッタネェ・・か
ねーよwwwwwwww
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:32:23.42 ID:s9fQJ1LoO
いい感じのところで風呂行くぜ!俺勝ち組だわwwwww
もう絶対戻ってこねー
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:32:41.94 ID:vZ94Houd0
中年女は
『本当にごめんなさい!私が、私があんな事さえしなければ、、こんな事故、、ごめんね!本当にごめんね!』
と泣きそうな声で言った。
その態度、会話を聞いていた病室内の患者の視線が一斉にこちらに注目していた。
静まり返った病室に
『ゴメンね!ごめんなさい!ゴメンなさぃ!』
と中年女の声だけが響いた。
淳は少し恥ずかしそうに
『もういいよ!だいたい、俺が事故ったのアンタとは一切関係ねーよ!』
と吐き捨てた。
中年女はペコペコ頭を下げながら淳のベットのゴミを回収し、最後に
『ごめんなさい・・』
と言い、そそくさと病室から出て行った。
その光景を周りの患者が見ていたので、しばらく病室は変な空気が流れた。
淳は『何なんだよ!あのオバハン!俺は普通に事故っただけだっつーの。。何勘違いしてやがんだよ!』といいながら枕をドツイた。
俺は『中年女』の行動、言動を聞いていてハッキリと思った。
やはり『中年女』は少しおかしい。いや、謝罪は心からしているのだろうが、アイツは『呪いの儀式』を行った事を謝っていた。
『呪い』を本気で信じているようだった。
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:32:58.39 ID:vZ94Houd0
淳は『あの頃は無茶苦茶怖い存在やって、今だにトラウマでビビってたけど、、
さっき喋って思ったんは単なるオカルト信者のヲバはんやって事やな!』
と何処かしら憑き物が取れたと言うか、清々しい表情で言った。
俺は『あぁ、昔と違って俺らの方が体もデカくなったしな!』と調子を合わせた。
『さて、とりあえず一件落着したし、俺帰るわ!』
『おぅ!また暇な時来てや!』
と言葉を交わし、俺は病室を出て家路に就いた。
家に帰る途中、俺は慎の事を思い出した。
アイツにもこの事を伝えてやろうと。
アイツも今回の話を聞かせてやれば、きっと『あの日のトラウマ』が無くなるのでは無いか、と。
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:33:43.93 ID:vZ94Houd0
名前:『ハッピー・タッチ』 ◆XhRvhH3v3M : 投稿日:06/06/01 02:47:31 ID:HcpydJoy
家に帰り早速、慎と同じサッカー部だった奴に電話をかけ、慎の携帯番号を聞いた。
そして慎の携帯に電話を掛けた。
『おう!ひさしぶり!』
なつかしい慎の声。
俺はしばし慎と、
最近どうよ?
的な話をした後、淳が事故って入院したこと、その病院に『中年女』が 清掃員として働いていること、中年女が昔と別人のように心を入れ替えている事を話した。
慎は『中年女』が謝罪してきたことに対し、たいそう驚いていた。
そして最後に慎は
『淳が退院したら三人で快気祝いをシヨウ。』
と 言った。
もちろん俺は賛成し、淳の退院のメドが着き次第連絡する。と伝えた。
その翌日、俺は病院に行き淳に『慎がおまえの退院が決まり次第、こっちに帰って来て快気祝いしようってよ!』
と伝えた。
淳はたいそう喜んでいた。
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:34:09.18 ID:vZ94Houd0
それから一週間程、病院に見舞いには行っていなかった。
別に理由は無いが、新学期も始まり、なかなか行く時間が無かったというのもある。
それに『中年女』が更正(?)しているようだったので、心配も、以前ほどはしていなかった。
何かあれば淳から電話があるだろうと思っていた。
そんなある日、淳から電話が掛かってきた。
内容は『来週退院する!』
との事だった。
俺は『良かったな!』と祝福の言葉と共に、『中年女』の動向を聞いたが、
『普通にゴミ回収の仕事をしている。特に何もない。』との事だった。
そして、さらに一週間が経ち、淳は退院した。
俺は学校帰りに淳の家に立ち寄った。
チャイムを押すと、松葉杖をつきながら淳が出てきた。
『おぅ!上がれよ!』
足にはギブスをはめたままだったが、すっかり元気そうだった。
淳の部屋でしばし雑談をした。
夕方になり俺は帰宅し、夕飯を喰った後、慎に電話をした。
『淳、退院したぜ!』
『まぢ!そっか、じゃあ快気祝いしなくちゃな!すぐにでも行きたいけど部活が忙しいから月末頃にそっち行くよ!』
との事だった。
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:34:15.95 ID:UfN7EAQK0
>>156 おいおい
怪談話の続きはお前が担うことになっちまうぜ
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:34:26.50 ID:VTu1uiMHO
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:34:58.13 ID:iTjyiP3q0
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:35:31.69 ID:vZ94Houd0
そして月末の土曜日。
俺、慎、淳。。。
小学校以来、久しぶりの三人での再会だった。
昼に駅前のマクドで落ち合った。
久しぶりに会った慎は冬なのに浅黒く日焼けし、少しギャル男気味だった。
まぁ、それはさておき、夕方まで色々と語った。
それぞれの高校の話。
恋の話。
昔の思い出話。。。
もちろん『中年女』の話題も出てきた。
あの時それぞれが何よりも恐ろしく感じていた『中年女』も、今となればゴミ回収のおばさん。
病院での出来事を俺と淳が慎に詳しく話してやると、慎は
『あの頃と違って、今ならアイツが襲って来てもブッ飛ばせるしな!』
と笑いとばした。
もう俺達にとって『中年女』は過去の人物、遠い昔話で、トラウマでも無くなっていた。
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:35:59.01 ID:Ngy4vdQ30
缶
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:36:21.71 ID:vZ94Houd0
夕方になり、俺達はカラオケBOXに行った。
久しぶりの『三人』での再会と言うこともあり、俺達は再会を祝して『酒』を注文した。
まぁ酒と言っても酎ハイだが。。。
当時の俺達は充分に酔えた。
各々、4、5杯ぐらい飲み、皆ほろ酔いだった。
いい気分で歌を歌い、かなりHIGHテンションだった。
そして二時間経ち、歌にも飽き出した時、慎がある提案をした。
『よーし、今から秘密基地に行くぞ!あの時、見捨てちまったハッピーとタッチの供養をしに行くぞ!』と。
一瞬、空気が凍った。
俺も淳も『・・・』と言葉を失った。
まさか、『あの場所』に行こうなんて。。予想外の発言だったから。
慎はそんな俺達を挑発するように
『オメーら変わってねーな!まぢでビビっんの?!ハハッ!』
と、少し悪酔い?していた。
その言葉に酔っ払い淳が反応し、『あ?誰がビビるかよ!喧嘩売ってんのか慎?』とキレ出した。
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:36:57.08 ID:vZ94Houd0
俺は酔いながらも空気を読み
『おいおい、やめとけって!第一、淳まだ杖突いてんだぜ?』と言うと、慎がすかさず
『あ、そっか、、杖ツイてちゃ逃げれねーしな?ハハハ♪』
と、かなりの悪酔いしていた。
淳は益々ムキになり
『うるせーよ!行きてーんなら行ってやるよ!お前こそ途中でビビんぢゃねーぞ?』
と、まるで子供の喧嘩のようになり、結局、『ハッピーとタッチの冥福を祈りに』と言う名目で行くことになった。
慎、淳は二人とも結構酔っていたのと、引くに引けなかったんだと思う。
まぁ、『ハッピーとタッチの供養』はいずれしなければならないと思っていたので、いい機会かも、、と少し思った。三人なら恐さも薄れるし。。
カラオケBOXを出て、コンビニに寄り、あの2匹が大好きだった
『うまい棒』と『コーラ』
を買い込み、タクシーで一旦俺の家に寄り、照明道具を取って来てから
『小学校の裏山』
へ向かった。
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:38:05.67 ID:vZ94Houd0
タクシー運転手に怪しげな目で見られつつ、山の入口でタクシーを降りた。
俺は三人でよく遊んだ裏山という懐かしさと共に『あの日』の出来事を思い出した。
こんな夜更けに・・又、入ることになるとは・・・
そんな俺の気持ちも知らずに淳は意気揚々と
『さぁ、入ろうぜ!』
と、杖を突きながらズカズカと入っていく。
その後ろをニヤニヤしながら慎が明かりを燈しながら着いて行った。
俺は
『淳、足元、気つけろよ!』
と言い、慎に続いた。
いざ山に入ると、昔と景色が変わっていることに驚いた。
いや、景色が変わったのでは無く、俺達がデカくなったから景色が変わって見えているのか。。?
登山途中、慎が淳をからかうように
『中年女がいたらどーする?俺、お前置いて逃げるけど♪』
等、冗談ばかり言っていた。(俺は逃げるけど)
思いの外、スムーズに進め、30分程で『あの場所』に到達した。
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:38:51.93 ID:vZ94Houd0
『あの場所』
『初めて中年女』と会った場所。。。
俺達は黙り込み、ゆっくりと明かりを燈しながら『あの樹』に近づいた。
『あの日』中年女が呪いの儀式をしていた樹。。。
間近に寄り、明かりを燈した。。
今は何も打ち込まれておらず、普通の大木になっていた。。
しかし、古い『釘痕』は残っていた。所々、穴が開いていた。
恐らく、警察がすべて抜いたのだろう。
しばらく三人で釘痕を眺めていた。
そして慎が『ここらへんでハッピーが死んでたんだよな。。。』と、地面を照らした。
さすがにもう、ハッピーの遺体は無かったが、ハッキリとその場所は覚えている。。
俺はその場に『うまい棒』と『コーラ』を供えた。
そして三人で手を合わせ、次は『タッチ』の元へ。。
『秘密基地跡』へ向かった。
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:39:15.04 ID:vZ94Houd0
秘密基地に向かう途中、淳が
『色々あったけど、やっぱ懐かしいよな。。』
とポツリと言った。
すると慎が
『あぁ。。あの夜、秘密基地に泊まりに来なければ、、、嫌な思い出なんて無かっただろうな。』と言った。
確かに。。
この山で『中年女』に会わなければ、ここは俺達にとっては聖地だったはずだ。
『ここらへんだったよな。。。』
慎が立ち止まった。
『秘密基地跡地』
もう、跡形も無かった。あの日バラバラにされていた材木すら一枚も無かった。
淳が無言でしゃがみ込み、『うまい棒・コーラ』を置き、手を合わせた。
俺と慎も手を合わせた。
しばらく黙祷したのち、慎が言った。
『ハッピーとタッチがいなけりゃ。。。今頃俺達いなかったかもな。』
淳『あぁ。。。』
俺『そうだよな・・・結局、中年女も更正して、、、なんだか、やっと悪夢から解放された感じだな。。』
しばらく沈黙が続いた。
ふと慎が周囲や目の前の池を電灯で照らし、
『この場所、あの頃は俺らだけの秘密の場所だったのに、結構来てる奴いるみたいだな。』と。
慎が燈す場所を見ると、スナック菓子の袋や空き缶が結構落ちていることに気付いた。
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:40:54.10 ID:C/I2tn5gO
関西弁なのか標準語なのかはっきりしてほしい
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:40:59.82 ID:UfN7EAQK0
ちょいよめた
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:42:15.51 ID:vZ94Houd0
俺は
『ほんとだな、あの頃はゴミなんて全然無かったもんな。。今の小学生、この場所しってんのかな?』と言った。
淳が続けて
『あの時は俺ら、まじめにゴミは持ち帰ってたもんな。。』と言った。
その時、慎が
『うわっ!何だこれ!』と叫んだ。
俺と淳はその 声に驚き、慎の照らす明かりの先に視線をやった。
一本の木に何やらゴミが張り付いている。
よく見ると無数の菓子袋や空き缶、雑誌が木に釘で打ち付けられていた。
『なんだこれ?!』
慎が明かりを照らしながら近づいていった。
俺と淳も後を着いて行った。
『誰かのイタズラ??』俺はマヂマヂと打ち付けられたゴミを見た。
その時、
『あぁぁぁ、、、これ、、俺の、ゴミぃ、、ぁぁぁぁあ、、』
と淳が震えた声で言いながら硬直した。
『は?!』
俺と慎は聞き直した。
淳は
『あ゛ぁぁぁ、、俺が、病院で捨てた、、、あぁぁ。、。』
といいながら後ずさりした。
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:42:48.63 ID:iTjyiP3q0
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:43:55.73 ID:HuVgnkjpO
ぎゃあぁぁぁぁあああ
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:44:03.37 ID:UfN7EAQK0
ghすあ9gんhぶさ9hぐ8あ9hぎゅさ
いへへへへへへへへへへへへへへ
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:44:29.16 ID:lAyYJDyIO
うわぁ
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:45:37.24 ID:VTu1uiMHO
ちょw
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:45:51.31 ID:vWoXnLjs0
これ、あの夏俺たちは山へ登ったとかいうやつのリメイク?
>>1がんがれ
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:46:48.15 ID:vZ94Houd0
慎が
『おい!淳!しっかりしろ!んなわけねーだろ!』
と怒鳴りながら、釘で打たれた一枚の菓子袋を引きちぎった。
それを見て、淳は
『あー、ぁあぁ、、』
と奇妙な声を出し、尻餅を付いた。
その行動に俺と慎は呆気に取られたが、次の瞬間、
『うわっ!』
と、慎が手に持っていた袋を投げた。
『え?!』と俺がその袋に目をやると、袋の裏に
『淳呪殺』
とマジックで書かれていた。
俺は『まさか?』と思い、木に釘打たれたゴミを片っ端から引き剥がし、裏を見た。
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:47:16.30 ID:vZ94Houd0
『淳呪殺』
『淳呪殺』
『淳呪殺』
『淳呪殺』
すべてのゴミに書かれていた。
淳は口をパクパクさせながら尻餅を付いた状態で固まっていた。
慎が何気に周囲に落ちていたゴミを拾い、
『!おい!、これ!』
と俺に見せてきた。
『淳呪殺』
なんと、周囲に落ちているゴミにも書かれていた。
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:47:16.27 ID:UfN7EAQK0
け ケ け ケ け け
け け ケ け け
け ケ け け ケ け
け ケ け け ケ け
ケ け け ケ け け け
け ケ け け け ケ け
け け ケ け け け け
け け け け ケ け
け ケ け け け け け け ケ け
け け け け ケ け け ケ
け け ケ け け け け
け ケ け け ケ け け ケ け
け け ケ け け け ケ け
け ケ け け け け け け
け け け ケ け ケ け け
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:47:37.62 ID:vZ94Houd0
俺はその時、初めて気付いた。
『中年女』は更正なんて初めからしていなかったんだ。
ずっと俺達を怨んでいたんだ。
俺が病院で見掛けた、ゴム手袋をして必死で分別していたのも、淳のゴミだけを分けていたんだ!
俺達に『ごめんね』と言っていたのも全部嘘だったんだ。
俺は急にとてつもなく寒気を感じ、
【此処にいてはいけない!】
と本能的に思い、淳に
『おい!しっかりしろ!行くぞ!』
と行ったが、
『俺の、、ゴミ、。俺のゴミ、、、』
と、淳は壊れていた。発狂していた。
とりあえず慎と俺で淳を担ぎ、山を降りた。
あれから8年
あの日以来、もちろん山には行っていない。
『中年女』とも会っていない。
まだ俺達を怨んでいるんだろうか?
どこかで見られているんだろうか?
しかし、俺達三人は生きている。
ただ、
今だに、淳は歩く事が出来ない。
end
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:48:53.35 ID:iTjyiP3q0
乙
不完全燃焼って感じだけど
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:48:53.43 ID:Ngy4vdQ30
ハッピーとタッチは生きていた! わん、わん、ぐゎあ!
中年女「ギャー」
しかし、さっき一ぺん紙くずのようになった僕らの顔だけは、
東京に帰っても、お湯にはいっても、もうもとのとおりになおりませんでした。
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:48:56.12 ID:vdpPg3Lp0
でっていう
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:50:42.18 ID:VTu1uiMHO
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:51:04.09 ID:1CBsWjcm0
オチが弱い!
まぁ網戸にカナブンが体当たりしてきた音でびびった俺がいるんだが
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:51:13.64 ID:vZ94Houd0
さて、風呂も入ったし俺は寝る ノシ
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:51:14.86 ID:UHTM1Kw30
しっくりこないな
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:52:39.00 ID:HuVgnkjpO
>>1おつ
おばちゃん病院辞めてたのか?あと歩けないのはなんでだ
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:55:16.60 ID:dj78N3X0O
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:55:54.98 ID:vWoXnLjs0
なあ、これって去年の夏にもやってたやつなの?
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:55:59.13 ID:UfN7EAQK0
>>191 やめてないだろう
治ってないのはずっと呪われていたから
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:56:58.58 ID:7BPSYbi80
なんかどこかの番組みたいに終わりが中途半端だなw
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/22(日) 23:59:32.18 ID:UHTM1Kw30
ちょっと思いついたんだけどさ、
>>95のまとめサイトから引っ張り出してきて皆で読まね?ww
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:00:25.58 ID:BXfpslgX0
>>196 いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:03:16.79 ID:soXAxVd+0
あれ?需要無いかな?w
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:03:35.45 ID:zRls1kyg0
>>196 そうしようぜ
さっきからなんかキッチンから変な音がするけど
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:04:32.36 ID:RnM+o3zU0
今度は外で夏厨が花火で騒ぎ始めよった
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:05:11.93 ID:soXAxVd+0
賛成者挙手!
終電近く地下鉄のホームの端で酔っぱらいが線路に向かってゲーゲーやり出した。
しばらく収まったみたいだったが突然大きく線路に頭を付きだし口から噴水のような
げろを延々と吐き出し始めた。気持ち悪かったがあまりにもすごいので見続けて
しまった。
タイミング悪くその時カーブの先から電車がホームに入ってくるとこだった。
ああっつと思った瞬間パーンという音とともにそいつのつきだした頭が砕ける音が
響くと同時にあごから上だけに砕けた頭の固まりが横の柱にぶち当たった。
黒い髪の付いた固まりが柱の根本にまるでスイカをぶち当てたよう崩れ落ち灰色
した脳が真っ赤な血とぐちゃちゃに散らばった。頭蓋骨が割れたヘルメットそっくりだった。
ううっーと思った瞬間、頭が下あごだけになった体が斜め前のホーム中央まで飛ば
されていった。同時にこれを見た客達からのすごい悲鳴がホーム中響き渡った。
その体は、こちらに砕けた頭を向けるような位置で止まっていた。下顎の歯と舌だけが
首にくっついた状態だった。喉に当たる穴から空気が血と混じってゴロゴロ音を出して
吹き出していた。体はまだ生きていたのだ。膝を立てたように転がっていた体は足を
床に何度も何度もこすりつけ、砕けた頭を中心に円を描くようにぐるぐる回転しだした。
あれほど身の毛がよだつ瞬間はなっかった。脳がないのに断末魔の苦しみから逃げ
るように・・・
何かの話で首を切り落とした鶏がそのまましばらく走り回る話を思い出してしまった。
人間でもあるんだ・・・
ふと柱を振り返ると砕けた頭から飛び出した目玉がまるで遙か向こうの自分の体を見つめ
ているように床に付着していた。
もう気が狂うと思うほど凍り付いた瞬間だった。これが列車事故の現実なんだと思った。
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:06:47.00 ID:soXAxVd+0
ktkr
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:07:05.04 ID:pwNKZVB6O
風呂から舞い戻って追いついた。なんも怖い事がないようで心底ホッとしたぜ
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:07:27.43 ID:9dvPtxfZ0
これなんてタイトルの話だったん?__??
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:08:21.84 ID:soXAxVd+0
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:09:40.13 ID:6Jufp5qm0
すごいツンデレ展開期待したのになぁ
>>1おつやで
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:10:03.03 ID:MugmEoZe0
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:10:33.15 ID:soXAxVd+0
>>204お前最後に風呂で抜け出した奴か?wもう戻ってこないって言ってなかったっけw
>>207どんな展開?ww
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:11:01.23 ID:zRls1kyg0
長編みつかんねーよ
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:11:51.61 ID:soXAxVd+0
じゃあ短編やるよ
[自分の名前で検索]
自分(女)の名前で検索をかけてみた。
すると十数件、同姓同名の人たちが検索に引っかかった。
研究者や会社の経営者、同じ名前でありながら全然別の生活をしている人たち。
その中に「○○○○○(自分の名前)のページ」というHPがあった。
それはプロフィール、BBSだけの初心者が作った感じのよくある個人のHPだった。
プロフィールを見ると、自分と同じ歳であり、趣味なども良く似ている。
BBSなどを見ると、常連っぽい人が5〜6人いるらしく、この手のHPとしては
まあまあ流行ってる感じだった。
何となくお気に入りにして、時々見るようにした。
しばらくすると、コンテンツに日記が増えた。
日記は、まあ、そのへんのサイトによくある内容の薄い日記だ。
今日は暑かったとか、日本がサッカー勝ったとか、そんな感じの
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:12:36.00 ID:soXAxVd+0
ある時、日記の内容が自分の生活とよく似ていることに気づいた。
始めに気づいたのは野球観戦に行ったときだ。その日、そのサイトの管理人も同じ球場に行ったらしい。
その時はもちろん偶然だなとしか思わなかった。球場には何万人もの人間が行くのだから。
次の日の、日記は会社でミスをしたことについて書いてあった。
私もその日、会社でミスをして少々落ち込んでいた。
次の日も、その次の日も、よく見ると日記の内容はまるで自分の生活を書かれているようだった。
大半は「カレーを食べた」とか「CDを買った」など対した偶然ではない。
しかし、それが何ヶ月も続くと気味が悪くなってきた。
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:13:04.14 ID:soXAxVd+0
ある日、掲示板を見ると、常連たちが管理人の誕生日を祝っていた。
その日は私も誕生日だ。
それでいよいよ怖くなってきて初めて掲示板に書き込みすることにした。
しかし、書き込みしようとしても、名前や内容を書くところに文字が打てない。
色々やってみるが書き込めないどころか文字すら打てない。
「おかしいな?」と思っていると、あることに気づいた。
それは掲示板ではなく、ただのページだった。
つまり、一人の人間が掲示板っぽく見せかけて作った一つのページだったのだ。
「いったい何のためにこんなこと…」とすごく怖くなり、
管理人にメールを打った。
「初めまして。私は貴方と同姓同名の人間で、よくこの〜」のような当たり障りのないメールだ。
そして次の日、そのページを見ると、全て消されていた。
メールボックスには一通
「見つかった」
という返信があった。
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:13:49.07 ID:soXAxVd+0
なんかよく分からんw
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:14:39.85 ID:zRls1kyg0
gんぶだおhぐだおhぐあgふさおhgjだおhがうい0dhぐだおgは
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:15:17.61 ID:soXAxVd+0
よし!俺の名前で検索してくるわ!!ww
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:16:36.55 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
今日も暇だな。俺は「「ふぁ〜」と間抜けな音を立ててあくびをした。先輩に見られたらど突かれるわ(笑)
などと夕方の交番勤務という時間をもてあそんでいた。
すると突然二人の小学生の男の子が尋ねて来た。普段はお年寄りとか酔っ払いとかしかこない子の交番に、めずらしいな。
とにかく事情を聞いてみた。
どうやら話を聞いていると誰でも思い付きそうな怖い話みたいだった。秘密基地、呪いの女、のら犬、
はっきり言って彼らの持って来た写真と合う点は基地くらいのものだ。
まぁ頭から疑ってもしょうがない。こうゆうときはとりあえず保護者に連絡だ。
しかし二人とも強情というか…嘘をついていたことを親に告げるのは確かに嫌なものだが、なかなか連絡先を教えてくれない。子共の頼みだけで捜査なんかできないってのに。
「おい!まちなさい!!」
しばらく言い合いになっていたが見計らったかのように逃げていってしまった。
「クソっ!」
俺はいたずらか何かだったんだと自分に言い聞かせた。
でも、彼らの持って来た写真が気にかかっていた。
深く木に刻まれた『呪』の文字がいやに心に残っていた。
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:21:12.81 ID:6gZQeTMnO
需要無くてなけるでぇ
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:21:30.44 ID:biWaz/qw0
>>1 おつでした
見たことあるやつだったけどおもしろかったよ!
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:21:54.31 ID:soXAxVd+0
やっべぇwwwwwwww
俺の名前検索したらやべぇwwwwwww
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:23:30.23 ID:GlStBgLwO
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:24:13.62 ID:6Jufp5qm0
ある有名な心霊スポットへ、深夜に車で行ってみたんですって。
トンネルを抜けると、そこが有名な心霊スポット。
と、そこに目の前にふっと女の人の白い影が。
あ! と思って、慌ててブレーキを踏んで、降りてみたところ、
そこに人影はなく、目の前は崖。なんでもガードレールが壊れていて、
ブレーキを踏んでなかったら
落ちてしまっていたかもしれないということです。
「あの幽霊は助けてくれたんだ」
そう思って、そこで手を合わせ、お祈りして帰路についたそうです。
トンネルを引き返す途中、ふとミラーを見ると、後部座席に、先ほど、
目の前を横切った女の人の姿が……。その女の人は、こう呟いたそうです。
「死ねばよかったのに」
「いや、でもホント助かったよ。ありがと」
「ば……ばかっ、あんたなんか死んじゃえばよかったのよ!」
「お礼しないとな。また来週きてもいいかな」
「ダ、ダメっ! また落ちそうになったら危ないわゎ///」
翌週、なんか弁当用意して待っててくれました。
作りすぎただけで、決して僕のために用意したんじゃないそうです。
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:24:28.52 ID:soXAxVd+0
人いねーな、おい
ニホンザリガニの研究報告書が出てきたwしかもそれ一件のみ
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:24:29.08 ID:NI0YD1TlO
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:25:02.31 ID:OJPnXNzeO
>>194サンキュ
おばちゃんの呪いマジで効果あるんだな…
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:27:04.86 ID:iXX1uCqCO
当時中学生だった私たちは中学生活最後の夏休みを北海道ですごそうとしていた
私と美紀そして佳奈と麻奈
4人で旅行の予定を立てた
明後日には北海道に向けて出発と言う日になっていた
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:30:23.09 ID:PRb71JlE0
怖いの大嫌いだからこれは読まないほうがいいよね?
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:31:17.65 ID:soXAxVd+0
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:31:36.30 ID:5f3pLw5DO
読み終わった………
って明日テストなんですけど!!
おれヘタレだで風呂はいれねぇ…
どうしてくれるよ…
明るい話頼む↓
おつかれさまです
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:33:19.32 ID:PRb71JlE0
>>227ジンマシンまで読んだけど怖いから止めました・・・・
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:33:42.28 ID:soXAxVd+0
>>229 [はじめてのかていか]
7がつ5にち
きょう、はじめてかていかをならった。ケンちゃんは「かていかはおんなのかもく!」といってせんせいにおこられた。
せんせいは「いまはだんしもさいほうやおりょうりができないといけないじだい」といった。
はじめてのじゅぎょうはおりょうりだった。1ぱんはごはんをたいた。2はんはおみそしるをつくった。3ぱんはカレーをつくった。ぼくは3ぱんです。
じゃがいもやにんじんをほうちょうできるときはドキドキした。「てをきらないようにゆっくりね」とせんせいがいった。
じゃがいもやにんじんやたまねぎやおにくをゴトゴトにた。カレーのルーをいれた。しばらくしたらカレーができた。やさいやおにくをきるときはきんちょうしたけど、そのあとはかんたんだった。
がっこうのかえりにびょういんにいった。ママにカレーをつくったといったら、にっこりわらった。ママがいえにいなくてさびしいといったら、もうすぐいえにかえれるといった。うれしかった。
「そのときはいもうともいっしょよ」といった。
いもうとは、ともよというなまえだ。ママはともよをうんだので、びょういんにいる。
「ともよもカレーをたべるかな」ときいた。
もうちょっとおおきくなったらたべるとママはいった。
おおきくなったら、ともよにいっぱいカレーをつくってあげようとおもった。
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:34:15.74 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
最近巷で変な噂が流行ってるらしい。
このクソ暑い夏にコートきた女が小学生を品定めでもするかのように睨んでいるとか…
「そんなん口裂け女の妹やないんかww」
先輩に相談した俺が馬鹿だった。たしかに長い黒髪、季節外れのコート。口裂け女の都市伝説に似てないこともない。
だが、俺には前に男の子達から聞いた中年女にしか考えられなかった。考えすぎか?でももしかしたら事件に発展するかもしれない。
そうとくれば行動を起すしかない! 俺はち〇こ〇第2付属小学校の下校の時間に合わせて学校周辺をパトロールすることにした。
彼らが来たとき名札を見たらこの学校だったからだ。
パトロール始めてから二週間くらい経っていたが、とくに怪しい女はいなかった。
やっぱ誰かが流した嘘話か、もしかしたら彼らが流したのかも。とすら思えて来た。
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:34:40.12 ID:soXAxVd+0
7がつ8にち
ママとともよがいえにかえってきた。パパはにこにこしている。
ぼくはママとパパにカレーをつくってあげようとおもってそういった。
「いいから、おとなしくしていなさい」
パパがそういって、なにもさせてくれなかった。
ママにあそんでもらおうとおもった。でも、ママはずっとともよとあそんでいる。
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:35:54.63 ID:soXAxVd+0
7がつ10にち
きょういえに、しんすけおじさんとかおりおばさんとおじいちゃんとおばあちゃんがきた。おしょうがつみたいでうれしかった。しんすけおじさんとあそんでもらおうとおもった。だけどあそんでくれなかった。かおりおばさんにほんをよんでもらおうとおもった。
だけどよんでもらえなかった。おじいちゃんとおばあちゃんもあそんでくれなかった。みんなともよとあそんでいる。
「おへやにかえっておとなしくあそんでいなさい」
みんなにそういわれた。
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:36:16.70 ID:soXAxVd+0
7がつ12にち
こんどのにちようびに、またおじさんやおばさんやおじいちゃんやおばあちゃんがくる。みんなともよとあそびにくる。ぼくとあそんでくれない。
「たべちゃいたいくらいかわいいって」
ママはともよをだっこしていった。パパも「そのとおりだよ」といった。
「よかったねともよ」とママはいった。
7がつ18にち
はやおきしてカレーをつくった。やさいはじょうずにきれた。おにくはむずかしかった。やわらかくてプニャプニャしてて、ちがいっぱいでた。
「ともよー!ともよー!」
ママがともよをさがしてる。もうすぐみんながくる。カレーがぐつぐつにえている。
「ともよー!ともよー!」
たべちゃいたいぐらいかわいいともよ
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:36:59.43 ID:soXAxVd+0
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:41:44.85 ID:5f3pLw5DO
>>236 なんてことを!!…
もうおれ風呂はいれんし単位も落とすわ…
…明るい話↓
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:44:27.25 ID:2JFZ8rga0
真也君に呪われた
毎日毎日嫌がらせされて精神病んだ
あれも一種の呪いだよね
真也苦しめ
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:45:48.12 ID:2JFZ8rga0
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:46:53.87 ID:soXAxVd+0
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:50:15.57 ID:zRls1kyg0
続きマダー?
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:52:36.33 ID:soXAxVd+0
マダー?
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:52:38.59 ID:dzX9JuBcO
やっと追い付いた
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:53:58.50 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
さてと… パトロールのじかんだ。 今週で三週間めかぁ、今週いっぱいで打ち切るか。
全く変なデマ信じちまったなクソっ。 しかし何も起きないに越したことはないか。
などと俺の愛車(自転車)のドンゴン二号にまたがりペダルを漕ぎ始めた。
いつもの見慣れた道順だ。川をまたぐ橋を渡り、小学校の近くまでくる。
「こんにちは〜」子供たちが無邪気に挨拶をしてくる。
俺はいつもなら元気に返事を返すとこだが今日は妙な違和感を感じ挨拶をして来た女の子に話しかけた。
「あれ?元気ないみたいだけどなんかあったか?」
警官のありきたりな台詞だ。「えっ?」
女の子は急に聞かれてびっくりしていたようだが、たしかにいつもよりも伏し目がちだった。
「先生にでも怒られたんかぁ?」
自分のなかでも違うなと何となく思っていたが、話を促すために行って見た。
「ううん、そんなことないよ…でもさっきね…。
さっきあそこら辺で怖い目の女の人が見て来て…ちょっと怖かったから…」
やはり!俺の勘はあたっていた。
「その人の格好とか、詳しく聞かせてくれるかな?」
「うん、今日で2回目なんだけど、髪が長くって、ながーい服着てたよ。ほら、あそこの曲がりかどのむこうらへんに、立ってたの。」
と女の子が指をさす。
ドクンっ!!!!!!!!
「今…誰か覗いてなかったか…」
「いっ、いまのひとだょ!」
おれは早々に女の子にお礼を言い残すと。ドンゴン二号にまたがり、さっきの女を追いかけた。
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:54:26.26 ID:fwluda9BO
11時から全部読み初めて今読み終わった‥
友達と電話しよ‥
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 00:57:13.44 ID:soXAxVd+0
まだオカンはPC使ってるん?w
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:01:09.49 ID:zRls1kyg0
ほ
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:04:41.95 ID:soXAxVd+0
中年女はロリコンの変質者だったってことでFA?
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:05:00.92 ID:fwluda9BO
マダー
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:06:52.10 ID:2JFZ8rga0
これが実話だったらさ、女の怨念は怖いって事だよね
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:07:22.19 ID:2JFZ8rga0
ていうか、女って根に持つよな
男でも女々しい奴は根に持つけども
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:07:43.28 ID:soXAxVd+0
>>199俺のキッチンからも変な音がし出したんだが
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:08:04.72 ID:zRls1kyg0
根にもつってか
淳が可哀想すぎる
特に何もしてねーだろwwwwwwwwwww
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:08:13.17 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
ハァッ ハァッ。二号にはギアチェンジが付いてないから余りスピードが出ない。
しかしコートを着た中年の女を追うのには十分なスピードだった。
「まて!」
ギァゴァァァァ!
ドンゴン二号をなぎ倒しながら必死に女を掴んだ。
「お前あそこで何してた?
いつも子供を見てるらしいな?何かするつもりだったのか?」
女が声(小さい音?)をもらした。
「…………も……り…か…。」
「え?」
「ぉ前も邪魔するつもりかぁぁぁぁぁぁ!!!!」
おれは予想外の出来事に唖然とした。
「なっ、何のことだ?くわしk…」
そのとき女はひるんだ俺をみて脱兎のごとく逃げ出した。「ちょっ!おぃ…
クッソ!」
追おうとしたが、体がいうことを聞かなかった。
俺は女が俺の腕を振りほどく瞬間に確かに奴の顔を見た。
忘れもしない…あの怒りと悲しみを同時に発する顔を見たのは、これで2度目だった。
話は俺の初代ドンゴンの命日に逆上る。
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:09:50.42 ID:soXAxVd+0
「なっ、何のことだ?kwsk・・」
初代ドンゴンwktk
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:12:34.49 ID:fwluda9BO
>>256乙
出来ればペースをあげていただきたい‥
ドンゴンってチャンなのかww?
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:12:48.84 ID:soXAxVd+0
うん。全然恐くないよ
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:13:42.42 ID:soXAxVd+0
とか言うと罪悪感残るわなぁ
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:15:27.39 ID:S0PkEGZFO
基地外女の話か?
病院の清掃員にまで化けたってやつ。
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:15:58.46 ID:fwluda9BO
>>258 異様な無邪気さからして恐いってわかるだろ
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:16:07.36 ID:zRls1kyg0
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:16:40.28 ID:mip7y63+0
でもこの中年女が美熟女だったら腹上死したい。ガチで
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:16:48.64 ID:eZd4WyXb0
310 :絶対無敵スペシャルエスペランサ ◆vrMMrZ0yFQ :2007/04/17(火) 23:46:37 ID:/KhEwZdb0
>>307 俺に言ってるのか?
俺は右翼でもなければ左翼でもなくチョンでも無い。
正しいと思う事が思想だな。
ちなみに俺は左翼でも無いが天皇と言うのは良く象徴だとかほざきやがってるけど
実際問題は何もできない糞日本人共が象徴を作っておいて自分等の安泰を図ろうとしてるのがミエミエ。
猪瀬や江川証拠みたいに強気な発言が出来る奴が少なくなったな。まぁ彼らもダイブ圧力が加わっているが、、、、。
猪瀬氏には頑張って欲しいよ本当。
24 :お前名無しだろ :2007/04/18(水) 00:18:56 ID:FZ/rV/EH0
317 :絶対無敵スペシャルエスペランサ ◆vrMMrZ0yFQ :2007/04/17(火) 23:53:56 ID:/KhEwZdb0
>>315 天皇と言う象徴は糞だが彼等は別に恨みもなければむしろ徳のある人間なんだろうなと思う。
俺がPRIDEの社長なら天皇とか呼べば知名度も上がると思うし駄目元で呼ぶけどな。
使える者は使わないと。
383 :エスペ天皇陛下 ◆T1eKsJsHWA :2007/05/06(日) 00:12:32 ID:qhE4Eo6L0
>>381 笑わせてない。
俺は天皇と言う糞日本人共の象徴に値する人物だからな。
こんなのは社会の常識。良く覚えておけカス
http://ex21.2ch.net/test/read.cgi/k1/1185040775/l50(この糞チョンのよくいるスレ)
「ハゲチョンは半島に帰れ」
と書き込んでください
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:17:37.26 ID:zRls1kyg0
ああそういうことか
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:21:57.99 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
あれは少し冷える夕方。パトロール中のことだ。
キィィィィィ! どンッ!!
鈍い衝突音が閑散とした道路に響き渡る。
これがあの日パトロール中の日の最後の記憶。
次に目が覚めたときは俺は病院の個室だった。
先輩に話を聞いて事はだいたい把握できた。
10月26日午後4:45ある男性の運転する車が飛び出して来た女の子をよけ、道路脇に衝突。同乗者の息子もろとも即死、そして俺はその道路脇を走っていた。初代ドンゴンは潰れてしまった。おれは奇跡的に強い脳心頭ですんだ。
「お前、もう十日も寝たきりだったんやで。」
頭痛でぼんやりしているなかで先輩のの太い声が響く。
おれはそれからまもなく退院した。新しい自転車を買い、ドンゴン二号と名付けた。
「お前ほんまチャン・ドンゴンすっきやなぁ。」
先輩には笑われたが形が初代と同じなのでしょうがない。
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:23:08.09 ID:FOQV4OmbO
明日テストなのに怖くて寝れない
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:23:34.27 ID:6gZQeTMnO
>>259 俺だってレポートやんなきゃなんだよぉ
あと俺は1さんじゃないよ。
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:24:41.84 ID:zRls1kyg0
ドンゴンチャリかよwwwwwwwww
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:24:54.18 ID:soXAxVd+0
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:25:41.08 ID:fwluda9BO
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:30:46.11 ID:fwluda9BO
>>270 おまえさんが1じゃないのはわかってるよw
だから、あえてペースあげてってたのんだんじゃん
1だったら言わないよ
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:32:57.29 ID:FOQV4OmbO
>>273 その手があったか
でも怖くてトイレいけない
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:33:52.73 ID:zRls1kyg0
レポートなんて後でいいだろうッ!!!!
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:34:10.66 ID:soXAxVd+0
さて、明日が大変そうだ・・・
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:35:56.40 ID:fwluda9BO
トイレに行くまでおばけさんが待ってるわけねぇだろw
居るならすでにおまえの部屋の中にいるよww
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:38:11.04 ID:soXAxVd+0
あれ?お前の右肩・・・いや、なんでもない
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:39:30.16 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
もう退院してからしばらくたつ。例の事故の遺族のことは先輩から聞いていた。
あまりに強烈な内容なので聞いた時には一生忘れられないだろうと思った。
あの事件で取り残されたのはもちろん男性の妻、少年の母、 そう 中年女だった。
事件以来飛び出して来た少女を怨み、妬み、呪い、そして呪い続けた結果。精神病院に強制的に収容されてしまったそうだ。
ただ悲しいだけなのに…。悲しんだ挙句こうなった。
話を聞いた俺はいたたまれなくお見舞いに行くことにした。
「田尻さん、こちらへ。」
委員長に先導されついていった部屋で俺が目にしたのは。怒りと悲しみの塊だった。
「放せぇぇぇぇ!ぉ前も邪魔するきかぁぁぁぁ!!」
「あの事故以来ずっとこの調子なんですよ…」
そこには復讐と悲しみにもがく一人の人間がいた。
これが俺と彼女との初めての出会いだった。
このときは目に涙をうかべていたが、今の彼女は怒りと怨みをうつした目だった。
だからこそよけいにかなしく見えた。
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:48:08.70 ID:n9O2UO8eO
いまさらだが「中年女」「清掃おばさん」と書いてあるゴミに釘がうちつけられていた……まで読んだ
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:51:36.89 ID:zRls1kyg0
ほ
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:54:32.19 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
交番に戻った俺は女の子にあった下りからすべてを先輩に話した。
「しっかし女に逃げれるとは。
お前…アホなやっちゃな〜www」コイツ人の話し聞いてなかったのか?クソが!前からおもってたがやっぱダメ警官だこいつ。
「じゃが、子供に目ぇつけとるんは不安やなぁ、事件になったりしたら厄介やでぇ。
退院してからの苦情騒ぎのこともあるんやし、田尻!お前パトロール続けやぁ」
おぉ。まともなこともいうんだな。 確かにパトロールは続けていった方が良さそうだ。
先の男の子達のこともある。
「さぁ〜って、これから忙しくなるぞドンゴン!」
ん〜っ と伸びをして溜め息をついた。
6時すぎの夕日がいやに赤く、不気味に感じた。
…それからしばらくは女はみかけなくなった。あのときのことで警戒して動きを止めたか…または他に理由があるのだろう。
不気味なコート女の噂もめっきり聞かなくなった。
このまま何もなければいいが。
「オバケだったんちゃうか?wwwもうわすれやww」
先輩のバカなアドバイスでも信じたい気分になって来た。
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:56:46.27 ID:soXAxVd+0
流石に遅いな、何か投下するか
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:57:26.87 ID:zRls1kyg0
>>284 遅いのは眠いから当たり前だとおもうぜ
投下しろーい
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:57:27.25 ID:soXAxVd+0
[家族の奇行の真相]
自分の身に起こった今でも信じられない実話です。
まだ僕が中学3年だった頃、父親と母親と弟(まだ小学校低学年)の4人家族でした。
紅白歌合戦を見終わって、いい初夢でも見るかな…ってな具合で寝たのはよかったんですが、
真夜中に悪夢(見た夢の内容は思い出せない)を見て、突然真夜中に起きました。
心臓は音が聞こえるほど、激しく脈打っていて、脂汗を全身にじんわりかき、
まるで冷や水を背中から流されたかのように、布団からがばっと起きた体勢のまま
硬直してました。
「新年早々に悪夢かよ…最悪」とか思いながら、また寝れるわけもなく
カラカラに渇いたのどを潤すために、冷蔵庫のあるリビングに行くと、真夜中なのに
(時計は見てないけど、たぶん深夜2時頃)家族全員が抱き合った格好でテレビの
前に座っていました。テレビは付けっぱなしで、深夜なので番組がやっていない
のにもかかわらず、ニュース番組(これも記憶が曖昧)の画面が映っていました。
しかも無声で…。それに窓という窓が全部開けっ放しになっていて、外と変わらないほど
寒いんです。明らかに様子が変でした。ぞっとする寒気を感じました。
「何やってんだよ!!頭おかしいんじゃねぇの??」と震えながらだが、半ばキレたように
怒鳴ると、弟は「だって…ぁ…(声が小さくて聞き取れない)」と言うと泣き出して
しまい、それを見た両親は両親は、終始無言&無表情で窓を全部閉めて、
テレビを消し、うずくまって泣いている弟に「もう寝なさい」ってな感じで、寝室に連れて
行きました。新年早々、気味が悪すぎる出来事に遭遇しまくって寝る気が起きないので
その日は自分の部屋で、漫画を読みながら朝を迎えました。
朝になって、両親に「昨日、真夜中に何やってたんだよ??」と聞くと
両親は「はぁ??」ってな具合。昨日の喜怒哀楽のない顔と、今の怪訝そうに
俺を疑う表情のギャップで俺は「幽霊ってやつか??」とかなりパニくった。
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:58:14.61 ID:soXAxVd+0
まあ、そんな話を友達にしても疑われるだけだし、12月に彼女に振られたのも
あって、きっと精神的な疲れから幻覚を見たんだろう…ってな感じに処理しました。
それからしばらくして、また真夜中に悪夢で目が覚めました。今度は、微妙に
内容を覚えていて、見知らぬ人に後頭部を殴られる夢です。なぜか起きても
ジンジンとつむじ辺りが痛いんです。そして、なぜか「コンビニなら安全…」
とか意味不明なことを考えてました。
頭の中は「幽霊に襲われた」って考えが支配してて、パニクってリビングに逃げたのですが誰もいないし、なんか夕食の焼肉のせいか、焦げたにおいが浮遊してて、しかも
新年早々にリビングであった奇怪な出来事を思い出し、またもや眠れぬ夜を
過ごしました。
そして、2月の初め頃になると、体が異常に痒くなってきました。
最初は単なる乾燥肌と思ってましたが、背中と頭が特に焼けるような感覚を
覚え、ボリボリ掻きむしっていました。一向に良くならず、皮膚科に行って
塗り薬をもらい、風呂上りに薬を塗ろうとすると、弟が「塗らせて」と懇願するので
背中を突き出してやると、何を思ったかバチーンと背中に張り手をくらわしたので、
痛さのあまり「ふざけんな!!」ってな感じで怒ります。
必ず俺の怒鳴り声で泣く弟なので、見る見るうちに目に涙をためて、「あぁ…泣くぞ泣くぞ」
と思ってると声も立てずに涙をポロポロ流します。
変なことにどんどん顔は色味を失ったような感じになって、ついには無表情で
涙だけを流すだけといった感じでした…。
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:59:14.57 ID:soXAxVd+0
めっちゃ気持ち悪くて、両親のほうを見たら、これまた両親も無表情で涙を
流してます。もう完全に放心状態…。よく見ると口元が微妙に動いてて
何を言っているのか分かりません。「ぁ……ぃ」聞き取れてこの程度でした。
その瞬間、自分の周りの景色が真っ赤になり、徐々に色あせてセピア色になって
意識が…なくなる…と思ったら、いきなり周りの景色が一変してました。
どっかで見覚えあるような…と思ったら従兄弟の家でした。
深刻そうに叔父が俺の顔を見ています。
「え…何でここにいんの??」全然事態が飲み込めません。
そのうちぞろぞろと周りの人たちが集まってきました。
最初は「今までのは全部夢だったのか??」と自分で推測してましたが、叔父の家にいる
経緯が全く分からないし、なぜか祖父母もいるし、あちこち包帯だらけで、完全に
パニック…。
「記憶がないならないほうがいいんじゃないか??」とか祖父が言ってたのですが、
叔父は「こいつには何があったか話しておかんとならん。まだ犯人も捕まってないし、
1週間後にまた警察の人が来るだろう」ってな具合で叔父から全貌を聞いた。
僕の家族は1月1日に何者かの放火にあって全焼したようです。
僕はたまたまコンビニに行っていたので、助かったみたいなんですが、
犯人と思われる人を見たために、後頭部を殴られ、全身をバットかなんかで
めったうちにされて、記憶を失ってしまったそうです。
搬送先の病院でずっと生死をさまよった後、回復してから叔父の家に引き取られた
そうです。そして今は3月…2ヶ月も記憶を失ったまま、リハビリを続け、たった
今、記憶が戻ったとのことでした。
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 01:59:47.15 ID:soXAxVd+0
僕は号泣しました…。いっぺんに大切なものを失ったのを、2ヶ月も過ぎてから
分かり、ただただ泣きじゃくる顔を、祖父母と叔父に見られていました。
叔父は黙って目を反らしていましたが、祖父母たちももらい泣きして、わんわん
泣き続けていました。
体中には青あざが無数にあり、包帯がミイラのごとく巻いてあり、節々が曲げるために
チリリとした痛みが走りました。
なぜか真冬の真夜中に全部の窓が開いてあったこと、無表情で固まりあう家族、
見知らぬ男に殴られる悪夢、突然真っ赤になった景色…まるでジグソーパズルの
ように謎がピシピシとはまっていきました…。
結局、犯人はいまだに捕まっていません。そして、背中の包帯を取ったときに
僕の青あざが残る背中には、弟の手のひら状に無傷だった跡がありました。
事件から5年経ち、あざが消えるのと共に、その手のひらの跡も消えてしまいした…。
長々と下手な長文すみません。僕にとっては忘れられない事件です。
話自体は怖くないと思いますが、犯人が未だに捕まっていないことを考えると
僕はそっちのほうが恐ろしいです。
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:06:05.00 ID:zRls1kyg0
こうぇええええええ・・・
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:07:59.85 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
トゥールルルルル…
夜のカーテンが覆いかぶさる交番に電話の音が響く…
ガチャリ「はいち〇こ市北柊町交番です」
先輩からだ。
電話の内容は怪しい女がうろついているという通報があったので、直行してほしいという内容だった。
「でたな、中年女ぁ。
行くぞドンゴンっ!」
俺は漆黒の住宅街に向かってペダルを漕ぎ始めた。
しばらくすると途中で無線をうけた先輩がパトカーでパトロールをしていた。
「おぅ、田尻!」
「あっ、先輩。」
パトロールでは特に怪しい奴は見つからなかったが、例の小学生のもう1人の子の親から通報があったそうだ。
シモンこそでなかったが、窓に引っ掻き傷。どうみても釘でやった後だ。
これは夜中もパトロールしなきゃな。
俺は次の日からのパトロールに備えてライトを取り付けた。
今まで軽量化のために外していたライトを…
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:09:06.93 ID:6gZQeTMnO
俺だって携帯でパチパチ…
考えながらはつらいんだぁ
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:09:08.64 ID:190TA8VC0
中年女不完全燃焼だなぁ、萌えないゴミだけに
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:09:41.83 ID:zRls1kyg0
うまいこといったつもりかw
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:10:08.62 ID:soXAxVd+0
何?今書いてんのかw
てか市の名前自重www
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:18:57.44 ID:zRls1kyg0
ほ
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:21:41.71 ID:soXAxVd+0
寝れねぇーww
次いくぜ
おまえらのへたれ加減にワロタw
おまえら俺かw
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:22:25.27 ID:soXAxVd+0
[旅館の求人]
丁度2年くらい前のことです。旅行にいきたいのでバイトを探してた時の事です。
暑い日が続いてて汗をかきながら求人をめくっては電話してました。
ところが、何故かどこもかしこも駄目,駄目駄目。
擦り切れた畳の上に大の字に寝転がり、適当に集めた求人雑誌を
ペラペラと悪態をつきながらめくってたんです。
不景気だな、、、節電の為、夜まで電気は落としています。
暗い部屋に落ちそうでおちない夕日がさしこんでいます。
窓枠に遮られた部分だけがまるで暗い十字架のような影を
畳に落としていました。 、、遠くで電車の音が響きます。
目をつむると違う部屋から夕餉の香りがしてきます。
「カップラーメンあったな、、」私は体をだるそうに起こし
散らかった求人雑誌をかたずけました。ふと、、偶然開いたの
でしょうかページがめくれていました。
そこには某県(ふせておきます)の旅館がバイトを募集しているものでした。
その場所はまさに私が旅行に行ってみたいと思ってた所でした。
条件は夏の期間だけのもので時給はあまり、、というか全然高くありません
でしたが、住みこみで食事つき、というところに強く惹かれました。
ずっとカップメンしか食べてません。まかない料理でも手作りの
ものが食べれて、しかも行きたかった場所。
私はすぐに電話しました。
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:22:57.43 ID:soXAxVd+0
「、、はい。ありがとうございます!○○旅館です。」
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
受けつけは若そうな女性でした。電話の向こう側で低い声の男と(おそらくは
宿の主人?)小声で会話をしていました。私はドキドキしながら
なぜか正座なんかしちゃったりして、、待ってました。やがて受話器をにぎる
気配がしました。
「はい。お電話変わりました。えと、、、バイトですか?」
「はい。××求人でここのことをしりまして、是非お願いしたいのですが」
「あー、、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつから
これますか?」
「いつでも私は構いません」「じゃ、明日からでもお願いします。すみません
お名前は?」「神尾(仮名)です」「神尾君ね。はやくいらっしゃい、、、」
とんとん拍子だった。運が良かった。。私は電話の用件などを
忘れないように録音するようにしている。再度電話を再生しながら
必要事項をメモっていく。住みこみなので持っていくもののなかに
保険証なども必要とのことだったのでそれもメモする。
その宿の求人のページを見ると白黒で宿の写真が写っていた。
こじんまりとしているが自然にかこまれた良さそうな場所だ。
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:23:14.08 ID:soXAxVd+0
私は急にバイトが決まり、しかも行きたかった場所だということも
あってホっとした。しかし何かおかしい。私は鼻歌を歌いながら
カップメンを作った。何か鼻歌もおかしく感じる。日はいつのまにか
とっぷりと暮れ、あけっぱなしの窓から湿気の多い生温かい風が
入ってくる。私はカップメンをすすりながら、なにがおかしいのか
気付いた。
条件は良く、お金を稼ぎながら旅行も味わえる。女の子もいるようだ。
旅館なら出会いもあるかもしれない。だが、何かおかしい。
暗闇に窓のガラスが鏡になっている。その暗い窓に私の顔がうつっていた。
なぜか、まったく嬉しくなかった。。理由はわからないが
私は激しく落ちこんでいた。
窓にうつった年をとったかのような生気のない自分の顔を見つめつづけた。
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:26:30.03 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
あのあとまた例の家から通報があったそうだ。
窓にカエルをなげつけたとか…
白昼道道…全くきg
「きがくるっとるなぁww」はぁ…もういいよ。先輩
さて今日もパトロールだ。
俺はあれからあの家を中心にパトロールを続けている。
キコキコキコ
「帰ったら油さしてやるからな。ドンゴン」
そんな事を考えながら走っていると例の子の家が見えて来た。
玄関が薄明るい… 仄かなロウソクの灯火のような明かりは家の電気がもれているからか、
いやちがう!!本物の火だ!
人影が揺らめく。あれは… 奴だ!
「コラっ!!なにしてる!!」
女は今にもつまれた新聞に火を付けようとしていた。
「はぁ〜なーせーーー!!!」
しばらく揉み合いになり、玄関から男性が現れる。
男の子を呼んでもらい顔の確認。ちょうど来た先輩とパトカーへ連行。
この間中年女は叫び倒していた。しかも俺の左腕を噛みやがった。
そのあとご家族にいきさつを説明し、俺は帰路へ付いた。
あの男の子はかなりおびえていたみたいだったが、大丈夫だろうか。
そんな事を考えながらフロにも入らず布団に潜り込んで死んだようにねむった。
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:27:14.04 ID:soXAxVd+0
>>301さて、なぜ「私」の顔に生気が無かったのか!次週へ続く
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:27:26.47 ID:BEYbnwekO
最後のネタバレ書き込んでやろうかと思ったけど、
打つのが怖くてやめました
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:28:54.15 ID:dwRkdqqB0
>1 乙
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:29:59.03 ID:zRls1kyg0
ドンゴン大切にしすぎだろw
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:31:08.57 ID:soXAxVd+0
何の突込みも受けなかったけど続けるんだぜ!
次の日、私は酷い頭痛に目覚めた。激しく嗚咽する。風邪、、か?
私はふらふらしながら歯を磨いた。歯茎から血が滴った。
鏡で顔を見る。ギョッとした。目のしたにはくっきりと墨で書いたような
クマが出来ており、顔色は真っ白。、、、まるで、、、。
バイトやめようか、、とも思ったが、すでに準備は夜のうちに整えている。
しかし、、気がのらない。そのとき電話がなった。
「おはようございます。○○旅館のものですが、神尾さんでしょうか?」
「はい。今準備して出るところです。」
「わかりましたー。体調が悪いのですか?失礼ですが声が、、」
「あ、すみません、寝起きなので」
「無理なさらずに。こちらについたらまずは温泉などつかって頂いて構いませんよ。
初日はゆっくりとしててください。そこまで忙しくはありませんので。」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」
電話をきって家を出る。あんなに親切で優しい電話。ありがたかった。
しかし、電話をきってから今度は寒気がしてきた。ドアをあけると眩暈がした。
「と、、とりあえず、旅館までつけば、、、」
私はとおる人が振りかえるほどフラフラと駅へ向かった。
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:32:05.87 ID:soXAxVd+0
やがて雨が降り出した。
傘をもってきてない私は駅まで傘なしで濡れながらいくことになった。
激しい咳が出る。「、、旅館で休みたい、、、、」
私はびしょぬれで駅に辿りつき、切符を買った。そのとき自分の手を見て驚いた。。
カサカサになっている。濡れているが肌がひび割れている。まるで
老人のように。「やばい病気か、、?旅館まで無事つければいいけど、、」
私は手すりにすがるようにして足を支えて階段を上った。何度も休みながら。
電車が来るまで時間があった。私はベンチに倒れるように座りこみ
苦しい息をした。。ぜー、、、ぜー、、、声が枯れている。
手足が痺れている。波のように頭痛が押し寄せる。ごほごほ!咳をすると
足元に血が散らばった。私はハンカチで口を拭った。血がベットリ。。
私は霞む目でホームを見ていた。
「はやく、、旅館へ、、、」
やがて電車が轟音をたててホームにすべりこんでき、ドアが開いた。
乗り降りする人々を見ながら、私はようやく腰を上げた。腰痛がすごい。
フラフラと乗降口に向かう。体中が痛む。あの電車にのれば、、、、
そして乗降口に手をかけたとき、車中から鬼のような顔をした老婆が
突進してきた。
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:32:26.72 ID:soXAxVd+0
どしん!私はふっとばされホームに転がった。老婆もよろけたが
再度襲ってきた。私は老婆と取っ組み合いの喧嘩を始めた。
悲しいかな、相手は老婆なのに私の手には力がなかった。
「やめろ!やめてくれ!俺はあの電車にのらないといけないんだ!」
「なぜじゃ!?なぜじゃ!?」
老婆は私にまたがり顔をわしづかみにして地面に抑えつけながら聞いた。
「りょ、、旅館にいけなくなってしまう!」
やがて駅員たちがかけつけ私たちは引き離された。
電車は行ってしまっていた。私は立ち上がることも出来ず、人だかりの
中心で座りこんでいた。やがて引き離された老婆が息をととのえながら言った。
「おぬしは引かれておる。危なかった。」そして老婆は去っていった。
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:32:43.62 ID:soXAxVd+0
私は駅員と2〜3応答をしたがすぐに帰された。
駅を出て仕方なく家に戻る。
すると体の調子が良くなってきた。声も戻ってきた。
鏡を見ると血色がいい。
私は不思議に思いながらも家に帰った。
荷物を下ろし、タバコを吸う。
落ちついてからやはり断わろうと旅館の
電話番号をおした。すると無感情な軽い声が帰ってきた。
「この電話番号は現在使われておりません、、」
押しなおす
「この電話番号は現在使われておりません、、」
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:33:24.47 ID:soXAxVd+0
私は混乱した。まさにこの番号で今朝電話が掛かってきたのだ。
おかしいおかしいおかしい。。。
私は通話記録をとっていたのを思い出した。
最初まで巻き戻す。
、、、、、、、、、キュルキュルキュル、、、、、 ガチャ
再生
「ザ、、、ザザ、、、、、、、、はい。ありがとうございます。○○旅館です。」
あれ、、?私は悪寒を感じた。若い女性だったはずなのに、声がまるで
低い男性のような声になっている。
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
ん??
私はそこで何が話し合われてるのか聞こえた。
巻き戻し、音声を大きくする。
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
巻き戻す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
、、むい、、、、こご、そう・・・・だ・・・・・・・・」
巻き戻す。
「さむい、、、こごえそうだ」
子供の声が入っている。さらにその後ろで大勢の人間が
唸っている声が聞こえる。
うわぁ!!私は汗が滴った。。
電話から離れる。すると通話記録がそのまま流れる。
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:37:12.34 ID:VfkLYQnC0
長いから誰かまとめて
313 :
ID:soXAxVd+O:2007/07/23(月) 02:45:54.07 ID:kOLYiIcdO
うはww さるさんktkrwww
携帯で頑張るか…?
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:46:01.22 ID:6gZQeTMnO
「中年女外伝」
最終回[あばよ!フェチ公!]
あれから十年の月日が経った。脚フェチの月山先輩も去年亡くなった。両親も一昨年立て続けに死んだ。
俺は一か月前に事故で左腕を失った。
もうドンゴンには乗れない。生きていたのがせめてもの幸運なんだそうだ。
それにしても長い警官生活で一番印象に残っているのはあの中年女の事件だ。
あのときの少年たちは今ごろどうしているだろうか。
あの女は…
今思い出してもゾッとする。「お前もぉぉぉ、お前もぉぉぉ呪ってやるからなぁぁぁ!」
揉み合ったときに聞えた微かな声。呪い?そんなものほんとにあるのか?
そういえば 腕…かまれたな。どっちの腕だっけ?
「まぁいいや。」
田尻 勇気はそんな思いを振り切るかのようにドンゴンスリーにまたがって漕ぎ出した。本当は片手運転は違反だが自転車好きの勇気はついに乗ってしまった。
観賞用にかった高いシティーバイク。退職金で買った最後のドンゴンシリーズ。
「ははっ、余裕余裕っ!呪いなんか吹っ飛ばせ!!」
キィィィィィっ! ドンっ!
朝焼けの眩しい下り坂に鮮血が飛び散った。
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:47:12.57 ID:soXAxVd+0
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:47:58.33 ID:soXAxVd+0
そして書き込めた俺、
>>311続けま
「あー、、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつから
これますか?」
「いつでも私は構いません」、、、
記憶にある会話。しかし、私はおじさんと話をしていたはずだ。
そこから流れる声は地面の下から響くような老人の声だった。
「神尾くんね、、はやくいらっしゃい」
そこで通話が途切れる。私の体中に冷や汗がながれおちる。
外は土砂降りの雨である。金縛りにあったように動けなかったが
私はようやく落ちついてきた。すると、そのまま通話記録が流れた。
今朝、掛かってきた分だ。
しかし、話し声は私のものだけだった。
、、、、、、
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:48:21.22 ID:6gZQeTMnO
応援してくれたひとありがとう。
俺はこれから寝ないでレポートだ。
寝落ちした人のためにコピペ化したしてくれることをいのる。
(^ε^)ノシ じゃあの
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:48:28.01 ID:soXAxVd+0
「死ね死ね死ね死ね死ね」
「はい。今準備して出るところです。」
「死ね死ね死ね死ね死ね」
「あ、すみません、寝起きなので」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」
私は電話の電源ごとひきぬいた。
かわいた喉を鳴らす。な、、、、なんだ、、、なんだこれ、、
なんだよ!? どうなってんだ??
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:49:26.35 ID:soXAxVd+0
私はそのとき手に求人ガイドを握っていた。
震えながらそのページを探す。
すると何かおかしい。 、、ん?
手が震える。。そのページはあった。
綺麗なはずなのにその旅館の1ページだけしわしわでなにか
シミが大きく広がり少しはじが焦げている。どうみてもそこだけが
古い紙質なのです。まるで数十年前の古雑誌のようでした。
そしてそこには全焼して燃え落ちた旅館が写っていました。
そこに記事が書いてありました。
死者30数名。台所から出火したもよう。
旅館の主人と思われる焼死体が台所でみつかったことから
料理の際に炎を出したと思われる。
泊まりに来ていた宿泊客達が逃げ遅れて炎にまかれて焼死。
これ、、なんだ。。求人じゃない。。
私は声もだせずにいた。求人雑誌が風にめくれている。
私は痺れた頭で石のように動けなかった。
そのときふいに雨足が弱くなった。。一瞬の静寂が私を包んだ。
電話がなっている
>>317乙〜
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 02:59:53.73 ID:soXAxVd+0
人いねーなww
ドンゴンも完結したし俺も寝るかノシ
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:01:55.22 ID:6gZQeTMnO
人いねぇぇぇ
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:10:08.79 ID:soXAxVd+0
レポートやれよwwwww
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:38:36.44 ID:bKiVwoLd0
>>320 こえええええええええええええええええええええ
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:42:05.95 ID:Nj+4AF9U0
じゃあ俺の親父の実体験でも書くよ
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:42:12.93 ID:52JV4SgbO
お風呂・・・入らなきゃ・・・・・・・
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:49:33.70 ID:Nj+4AF9U0
親父は若いころのことを酒を飲んではよく話してくれた。
その日はたしか、親父は幽霊をみたことあるか?みたいな話になったんだ。
色々体験してるらしくてね、それはもう怖い体験もしたそうだ。
それは親父がまだ、母親と付き合う前で実家に暮らしていた頃のこと。
趣味の一つである猟に行ったときの話だ。
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:51:41.71 ID:bKiVwoLd0
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:55:43.40 ID:Nj+4AF9U0
猟ってのは散弾銃で鳥を撃つやつなんだがね、ポインターっていう猟犬を連れて山に入るんだ。
ただ、細かい規定があって、冬の間しかダメとか、とっていい鳥とそうでない鳥がいたりとか、場所も決められてたりとか。
まぁ、銃を使うんだし、そのくらい決められてて当然だわな。
テレビでも時々見るだろう?猟友会ってやつさ。
ちなみに猟は今も続けてて、俺も何度かついていったことがある。
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 03:59:25.18 ID:Nj+4AF9U0
今はデリカみたいなでかい車で行くんだけど、当時はまだそんな大きな車も持ってなくて、
なんて言うんだ?ライトバン?なんか軽トラの後ろにも屋根がついたような小さな車。
それの後部座席をたたんで、そこに犬乗せて、山に行ってたらしい。
泊り込みで行くんだ。
前日の夜に出て、山で一晩明かして、明け方、鳥が活動しだす頃を狙うんだと。
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:06:21.18 ID:Nj+4AF9U0
その年が特別なのかどうかは知らないが、雪がかなりつもっててね、暗くなってたしこれ以上走るのは無理だと考えてたところ、
ちょうど程よく開けたところを見つけて、そこに車止めて、その日は寝ることにしたそうだ。
焼酎のワンカップ。ちくわかなんかをつまみながら、いい気分に浸ってたそうだ。
夜の山ってね、ものすごく静かなんだそうだ。
まったく音がないんだって。
それが雪のためかどうかはわかんないけど、まぁ、寝るにはちょうどいいや、みたいなね。
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:12:35.26 ID:Nj+4AF9U0
このまま寝たら魂がどっかに吸い取られてしまうんじゃないか。
よくわかんないけどそんな気がするくらい静かなんだって。
窓全部閉めて、犬を抱えて寝るそうだ。
焼酎がじわーって染みてて、これでなかなか暖かいんだと。
その当時の犬は、親父の家の初代なのかな。かなり賢いやつだったらしい。
仕事終わって直接来てるからね、親父もすぐにうとうとし始めて、気づいたら寝てたみたい。
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:26:59.73 ID:Nj+4AF9U0
どれくらい寝てたのかはわからない。
犬の声で目が覚めたそうだ。
おとなしいその初代が吠えてるんだと。
ポインターってね、しっぽでいろんな合図を出すの。
詳しくは知らないんだけど、ピンと水平に立ててたら獲物がいる、みたいな感じで。
んでその時はしっぽ丸めてて、なんかわからんがいる、みたいな合図だったらしい。
どうした?しょんべんでもしたくなったのか?
車内ですることはないんだけど、やっぱり声出してるの不思議に思って、外に出してやろうかと、
その時だ。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!
何かが車を叩く。
音は一つじゃない。四方八方あらゆる方向から叩いてる。
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン!!
車が揺れる。
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:29:42.71 ID:ZzcttaySO
wktk
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:30:00.62 ID:zRls1kyg0
まだやってたのかw
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:35:39.47 ID:Nj+4AF9U0
不意に音がやんだ。
寝起きだから?酒がまだ残ってるから?
窓の外は真っ暗で何も見えない。
肝の据わってる親父だったが、さすがにびびったらしい。
やばい
直感でそう感じたそうだ。当然だよな。
だが、車を出すわけにはいかない。
通りに戻るには先の見えない細い道をバックで行かなきゃならないんだ。
雪も積もってる。
溝に落ちたりしたらそれこそことだ。
正体のわからないものも怖いが、スリップして事故ることも同じくらいに怖い。
逃げ出したかったが、日が出るまでは逃げることもできない。
一転してまた夜の山の静けさ。
残ってたお酒を一気に飲んで、おびえて声も出ない犬を抱き寄せて、ちじこまってたんだと。
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:42:11.98 ID:ZzcttaySO
_ノ乙(、ン、) ソレデソレデ?
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:45:02.69 ID:Nj+4AF9U0
うっすらと空が明るくなってきた。
どうやらまた寝てたらしい。
そんなことのあとに寝られる親父をすごいと思うww
いや、もしかしたらさっきのは夢で、ずっと寝てたのかもな。
でも夢とは思えないほど嫌にリアルに頭に残ってて、深呼吸しに外に出るのもはばかれたそうだ。
身を起こしてみる。
夜は暗くて見えなかった広場の全貌が見えた。
墓場だった。
古い墓場だった。
人の来ないような山奥。
昨日の夜のことは一体…。
鳥肌が立った。
その日は鳥を撃つ気にもなれず、朝一で家に帰ったそうだ。
おわり
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/07/23(月) 04:55:22.06 ID:ZzcttaySO
>>337 乙
俺車買ったら夜釣りいこうと思ったけどやめるわwww
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
まだここ残ってたのかwww