12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 21:55:29.28 ID:qxP6wl9n0
支援
13 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 21:55:56.05 ID:9z7E3pgBO
そんなわけで、しぃは今ドクオの部屋にいる。
彼は最早習慣となっているのか、パソコンの前でキーボードを叩いている。
以前と比べると、タイプもスムーズに行えているみたいだ。
('A`)「で、オレに何か用なのか?」
パソコンの画面から振り返りもせず、ドクオはぶっきらぼうに言った。
(*゚ー゚)「あの、今度の休日にギコ君と一緒にニーソクへショッピングに行くんですけど…」
('A`)「『zipでくれ』っと……で?」
(;゚ー゚)「……(またVIP…)それで、もし宜しかったらドクオさんも一緒に来ませんか…?」
ドクオは相変わらずディスプレイから目を外さない。
('A`)「……」
14 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 21:56:48.90 ID:9z7E3pgBO
しばしの沈黙。
静寂が、しぃの身には辛い。
耐えられなくなったしぃが冗談めかして声を上げる。
(;゚ー゚)「…なーんちゃっt」
しぃが言い終わらないうちに、ドクオがしぃを振り返った。
('A`)「ふむ。そうだな、そろそろPCだけの知識にも限界が来ている。
この際自分の目でこの『時代』がどのようなものか、見ておくのもいいかも知れん」
(*゚ー゚)「え?」
('A`)「いいだろう、オレもそのショッピングに同行させてもらおう」
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 21:56:54.99 ID:Y6n2GBet0
支援
16 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 21:57:42.74 ID:9z7E3pgBO
思わぬドクオの言葉に虚をつかれたしぃは、喜びのリアクションを取るのが少し遅れてしまった。
('A`)「なんだ、誘ったのはお前だろう?それともオレにk」
慌てて笑顔を浮かべると大きな声で、
(*゚ー゚)「はい!」
自分でも気持ちのいい返事をした。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 21:58:13.34 ID:3uZtvB250
支援
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 21:58:30.35 ID:cPHAkXJK0
sien
19 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 21:59:38.89 ID:9z7E3pgBO
━━内藤がシャワーを浴びてリビングに戻ると、ツンが渾身の力でクッションを投擲して来た。
( ^ω(#)「ぶほっ!」
あの柔らかいクッションが、砲弾のように内藤の顔にめり込む。理不尽な攻撃に慌てふためく内藤。
ξ*゚听)ξ「服着なさいよ、この馬鹿!」
なる程、ごもっとも。内藤は一糸纏わぬ生まれたままの姿で、バスルームから出てきてしまったのだ。
( ^ω(#)「でも、着る服が無いお」
内藤の言うことももっともだ。
ξ*゚听)ξ「…しょうがないわね、今回に限り私のパーカーとジーンズ貸してあげる」
( ^ω^)「おっおっ、dクスだお!」
ツンは、タンスの一番下の段から黄色のパーカーとジーンズを取り出すと、内藤に放った。
ξ*゚听)ξ「本当に今回だけなんだからねっ!」
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:00:28.88 ID:We4ig7n40
支援
21 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:01:31.75 ID:9z7E3pgBO
そう言って、後ろを向く。
ξ*゚听)ξ「ほら、向こう向いてるから早く着替えちゃいなさいよ」
( ゚ω゚)=3「むひょー!!!ツンの穿いたジーンズハァハァ」
ξ////)ξ「な、何想像してんのよ!!」
今度はコップが飛んで来た。
( #)ω^)「正直すまんかった」
顔面を少しばかり整形しつつも、内藤はジーンズを穿きパーカーに袖を通す。
( ^ω^)「おk、完全装着www」
ツンが振り向くと、まるで大昔に流行った不細工ロックバンドのボーカルのような内藤がそこにいた。
ξ゚听)ξ「意外と似合ってるじゃない」
しげしげと内藤を見つめる。ギターを持たせたら、なかなかはまるのでは無いだろうか。
( *^ω^)「そうかお?いやぁ、ちょっと照れちまうお」
ξ゚听)ξ「誉め言葉じゃないけどね」
( ^ω^)「ひでぇwwwww」
22 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:02:52.04 ID:9z7E3pgBO
ξ゚听)ξ「それで、この人は誰なの?」
今まで忘れていたことを、ツンが切り出した。
( ;^ω^)「正直僕にもわからないお。ツンの家に向かってる最中に、道に倒れてたからここまで運んで来ただけだお」
件の女は相変わらずソファで苦しげに身じろぎしている。
ツンの手当てが済んだ後、彼女は泥のように眠ってしまって、肝心なことは聞けず仕舞いだった。
ξ゚听)ξ「まったく……親切も大概にしないと、何か厄介事に巻き込まれたとき面倒よ」
ツンは眉を顰める。
( ^ω^)「でも、困った人を見つけたら助けてあげなさいってカーチャンも言ってたお」
内藤はそう言って、ソファに横たわる女の方を見る。
傷が疼くのだろうか、時折顔を歪めながらも彼女は荒い寝息を立てて眠っている。
( ^ω^)「こんなに苦しそうにしてるお。理由はわからないけど、病院とか警察とかに頼れないような人なんだお。
僕たちがなんとかしてあげないと、可哀想だお……」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:03:27.69 ID:rv4r4Rss0
支援
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:03:29.46 ID:We4ig7n40
支援
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:04:25.89 ID:JGkh4b7B0
女物入るとか内藤すげぇ細いなw
26 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:04:28.90 ID:9z7E3pgBO
そういう内藤の顔は、鎮痛なものだった。『あの子』の事を思い出しているのだろうかと、ツンは思った。
誰にも見放されて、どこにいるかさえもわからない、『あの子』の事を。
ξ゚听)ξ「……しょうがないわね。わかった、とりあえず傷が治るまで、私がこの人を預かるわ」
慌てて内藤が振り返る。
( ;^ω^)「で、でもそれじゃツンに申し訳ないお。この人は僕が勝手に助けたんだから、僕が責任を負うべk」
ξ゚听)ξ「あのねぇ、まともに動けない女性をあんたに預けたら、あんたが何をしでかすかわからないでしょ」
( ;^ω^)「ちょwww僕はそんなに信用無いのかおwww」
ξ゚听)ξ「当たり前じゃない。とにかくそういう訳だから、あんたはこの人の分の食費をお願いね」
( ;^ω^)「どういう訳でwww」
ξ#゚听)ξ「返事は?」
( ;^ω^)「把握しましたお」
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:05:38.99 ID:cXxKdbxe0
内藤はピザじゃないのか・・・支援
28 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:05:51.15 ID:9z7E3pgBO
いつものようにツンのペースに流される内藤だったが、ツンは心中穏やかでは無かった。
ξ--)ξ「(ブーンの、馬鹿……)」
本能的なジェラシーだろうか。
内藤が自分以外の女性に優しくしているところを見ると、苛々するのだ。
自分でも、見苦しいとツンは思う。
だがどうしようも無い。もっと大人にならなければ。
ミセ;゚ー`)リ「う…ん」
苦しげな声に、ツンの思考は遮断された。今まで傷にうなされていた件の女が、目を覚ましたようだ。
ゆっくりと上体を起こすと、内藤とツンを見つめる。
ミセ*゚ー゚)リ「あなた達は……?」
傷の為だろうか、少々記憶が混乱しているようだ。
内藤とツンは、彼女に今までのいきさつと、傷が治るまでツンの部屋で療養しているといいということを彼女に話した。
ミセ*゚ー゚)リ「…申し訳ありません。そこまで親切にしていただいて、私にはご恩を返すこともできません」
( ^ω^)「気にするようなことじゃないお。人類皆兄弟、助け合いが大切だお!お礼なんて気にすんなお!」
ξ゚听)ξ「そういうことだから、まぁ気楽にしてくれて構わないわ」
ミセ*゚ー゚)リ「お心遣い、痛み入ります」
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:05:58.87 ID:We4ig7n40
支援
30 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:07:00.94 ID:9z7E3pgBO
ξ*゚听)ξ「そこまでされる程じゃないわよ」
( *^ω^)「べ、別にあんたに同情したとか、そんなんじゃ無いんだからねっ!」
ミセリは照れる二人を見つめ、優しく微笑む。
八畳半の部屋に、暖かい空気が溢れた。
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:07:48.71 ID:Y6n2GBet0
支援
33 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:07:48.72 ID:9z7E3pgBO
第十二話 ホリデイ
休日。万人が待ち焦がれる自由が許される一日。
それはその時間そのものが財産であり、資源である。
どう活用するかは持ち主の自由。
その休日を、ドクオはニーソクでのショッピングにあてることにした。
ネットの海に潜るようになってから、人間の街には興味があった。
彼らがどのように暮らしているのか、それを実際に目にする事ができるのだ。
またとないチャンスに、ドクオの心は慣れないダンスを踊っていた。
35 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:09:34.20 ID:9z7E3pgBO
('A`)「そう思っていた時期が、オレにもありました」
(*゚ー゚)「あ、あの靴可愛い〜!」
ドクオの手には、荷物、荷物、荷物、荷物の山。
隣のギコの手にも、似たような山。
(*゚ー゚)「買っちゃおっかなぁ、どうしよっかなぁ〜」
VIP中央駅から電車に乗って一時間。
現在、ニュー速国の首都として機能している都市ニーソクの目抜き通りにやって来たドクオ達は、朝から現在進行形でしぃの買い物に付き合わされていた。
現在時刻は十一時と少し。彼らがニーソクに到着したのが八時であるから、大体三時間程しぃの物持ちをさせられている計算になる。
(,,゚Д゚)「しぃ…ちょっといいk」
(*゚ー゚)「ねぇギコ君、この靴私に似合うかなぁ〜?」
(,;゚Д゚)「あ、いや、その……」
(*゚ー゚)「ドクオさんはどう思います?やっぱり私にはちょっと派手すぎますかね?」
('A`)「その、なんだ……言わせてもらうなr」
(*゚ー゚)「あぁん、こっちのも可愛いぃ!」
(*゚ー゚)の買い物は終わらないようです。
36 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:11:12.93 ID:9z7E3pgBO
靴屋の中で目移りしながら忙しなく動くしぃを横目に、ドクオとギコは同時にため息をついた。
店のマヌカンも、あっちへこっちへと目移りするしぃについて行けなくなったのか、先程から諦めたみたいに店の隅の椅子に腰を下ろしている。
('A`)「……いつも、こうなのか?」
ドクオが、呆れたような口調で隣で腰を下ろしているギコに問う。
(,,゚Д゚)「これが、しぃのストレス発散方法なんっすよ。
オペレーターだけじゃなく、お偉いさんの接待なんかもこなしてるからストレスが溜まって仕方ないってよく言ってるっす」
ギコはいつものことで慣れているのだろう。
荷物を下ろし、開いた手で上着の胸ポケットからキャメルを取り出すとくわえた。
(,,゚Д゚)「ドクオさんもどうっすか?」
('A`)「ああ、貰おうか」
37 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:12:11.87 ID:9z7E3pgBO
ギコがジッポを取り出すと、今まで疲れたように椅子に座っていたマヌカンが二人に近付いてきた。
(,,゚Д゚)「あぁ、すまん禁煙だったか」
マヌ´_`)カン「本当に申し訳有りません…と言いたいところですが、僕にも一本いただけます?」
ギコとドクオは顔を見合わせ、次にまだ動き回っているしぃを見、苦笑した。
38 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:13:55.41 ID:9z7E3pgBO
休日。なんと心の休まる言葉か。
数年前までは彼もそう思っていた。
今では、そんな言葉が彼の生活に現れることは無くなってしまった。
事実上この基地の最高責任者であるショボンに、体と精神を休めることのできる日など存在しない。今も辺境警備隊の報告書に目を通していたところだ。
相変わらず戦況は芳しくない。
いつ邪神とその下僕が攻めてくるかわからないこのご時世、軍に休息の時間は無い。
しかも最近では邪神を崇拝する狂人共まで現れる始末だ。
奴らはこの希望の無い世界で生き残る為に、自ら化け物の傘下に寝返りかつての同士達を襲うのだ。
人間同士が争うのは、醜い。それがどんな形であれ、絶対にあってはならない。
そう願った多くの指導者達によって、平和協定が結ばれ数十年程前に地上から人間同士の戦争は一掃された筈だ。
しかし現実は違う。
今も辺境の集落では、邪教徒共が哀れな民の家々に火をつけ、その肉を切り刻んで自らの神に供物として捧げているのだろう。
その一方でニーソクのような邪神の被害圏の外にある都市では、自分の周囲五メートル以外に興味の無い輩が無気力な足取りで街を闊歩している。
39 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:15:00.85 ID:9z7E3pgBO
それを思うと、ショボンは時々自分が一体何のために戦っているのか疑問を持たざるを得なくなる。
自分はまだいい。だが邪神の驚異の最前線で命を掛けている兵士達はどうだ。
ここの基地にいるのは、いずれも故郷が邪神の天国になってしまい行き場の無くなってしまった、復讐心に燃える若者ばかりだ。
彼等はニーソクの住人を見てどう思うのだろう。
(´・ω・`)「ふぅ。止めておこう。共食い嫌いの僕が、こんな事を考えていたら元も子もない」
数十分前に秘書が煎れてくれたコーヒーを一気に飲み干すと、ショボンは革張りの椅子から立ち上がった。
窓の外に目をやる。
桜が綺麗だ。
(´・ω・`)「僕も少し、休憩するかな」
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:15:49.81 ID:qxP6wl9n0
支援
41 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:16:33.20 ID:9z7E3pgBO
ノパ听)「ドクオぉぉぉ!!!111」
勢いよくドクオの部屋のドアを蹴り開けると、目の前には主のいない豪華な部屋が広がっていた。
ノパ听)「ありゃ?なんだ、ドクオの奴いねぇのか」
拍子抜けしたヒートは、ドアを開けた時と同じくらい勢いよく閉めると、手持ち無沙汰に歩き始めた。
ノパ听)「どこ行ったんだろ、あいつ」
ドクオの行きそうな場所の見当がつかない為、ヒートはとりあえず虱潰しに基地の中を見て回ることにした。
━━━━━
(-@∀@)「お、ヒートじゃん。どした、こんな所に来て」
ヘリの格納庫では、アサピーがヘリのローターに油をさしていた。
ノパ听)「なぁ、ドクオを見なかったか?」
(-@∀@)「あぁ、ドクオならしぃとギコと一緒にニーソクに『ショッピング』に行ったよ」
ショッピングの部分を強調し、アサピーが額の汗を拭う。
ノハ;゚听)「なんだってぇぇぇぇ!!!???それは本当か、アサピー!!!」
(;-@∀@)「あぁ、ジョルジュさんから聞いたから間違いない。奴は今、ニーソクで物持ちをさせられているハズだ……」
ノハ;゚听)「オレ達は、とんでもない思い違いをしていたようだ……」
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:17:02.14 ID:rv4r4Rss0
支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:17:22.08 ID:We4ig7n40
支援
44 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:17:35.36 ID:9z7E3pgBO
格納庫を後にしたヒートは、気の抜けた顔を天に向けていた。
今日は久々の休みだから、ドクオを誘って射撃訓練でもしようと思っていたのに。
ノパ听)「つまんねぇの」
ぃようや、流石兄弟を誘う事もできるが、あいつらでは物足りない。
ノパ听)「どうしたもんかねぇぇぇ」
あてもなく、基地の敷地内をぶらつく。
ふと、堤防沿いの桜並木が目にとまった。
ノパ听)「…そうだ、『花見』だぁぁぁぁ!!!!!」
ヒートは水を得た魚のように勢いよく駆け出した。
45 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:19:14.79 ID:9z7E3pgBO
( ゚∀゚)「っつう訳で、オレはここにいるんだな。把握した。だが、何で大将も一緒なんだ?」
(´・ω・`)ノパ听)「話せば長くなr」
( ゚∀゚)「産業で」
(´・ω・`)ノパ听)「
くそみそ
寂しい
腹減った」
( ゚∀゚)「おk、全くもってわからん」
桜吹雪舞い散る堤防。ヒートとジョルジュとショボンは、ビニールシートの上に座り、風に揺れる桜の木々を眺めていた。
(´・ω・`)「いやぁ、やっぱり桜はいいね。風情がある」
( ゚∀゚)「えぇ。今年は案外長く咲いてて、このままいけばもう一度花見ができそうですね」
(´・ω・`)「確かに。時にジョルジュ君」
( ゚∀゚)「何でしょう、大将」
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:19:30.87 ID:Y6n2GBet0
支援
47 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:20:09.23 ID:9z7E3pgBO
ショボンは、ちらとヒートをうかがう。
(´・ω・`)「彼女は一体何をしているんだい?」
( ゚∀゚)「あしきゆめと戦っているんじゃないでしょうか……」
酒瓶片手に乱舞するその姿は、まさに人類の規格外。
ノハ*゚听)「おらぁぁぁ!!!酒が足りねぇぞぉぉぉ!!!!」
( ゚∀゚)「なんてベタな奴だ……おいヒート、大将の前だ、あまりオレに恥をかかせるな」
(´・ω・`)「まぁいいじゃないか。たまの休日だ、階級なんか忘れて楽しもう」
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:20:13.28 ID:We4ig7n40
支援
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:20:13.77 ID:rv4r4Rss0
しえん
50 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:21:16.39 ID:9z7E3pgBO
( ゚∀゚)「そうですか。ではお言葉に甘えて…」
そう言うとジョルジュは、ヒートの足元に転がっていた輸入物の焼酎を手に取り、中身をあけた。
( ゚∀゚)「さぁ、大将も飲みましょう。花見酒は旨いですよ」
(´・ω・`)「あぁ、それじゃあ僕も本気を出させてもらうよ」
ショボンはどこから取り出したのか、テキーラをあおると立ち上がった。
(´・ω・`)「一番ショボン、や ら な い か ?」
( ゚∀゚)「だが断る!」
51 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:22:35.44 ID:9z7E3pgBO
━━オープンカフェのイスに座り、街を行き交う人々を眺める。
サラリーマン、流行の最先端を行く若者、座り込んでタバコをふかしているヤンキー、どの顔を見ても今この世界が滅亡の危機に瀕していることなどそこからは想像できない。
一週間前にヘリの窓から眺めたVIPとは大違いだった。
何故、ここまで世界情勢に無関心になれるのか。ドクオの頭の中に、あの疑問が再び沸き起こる。
(*゚ー゚)「享楽的な、街でしょう」
上からの声に顔を上げると、しぃが両手にシェイクを持って立っていた。
('A`)「享楽的?」
ドクオの疑問符がついた言葉に頷くと、しぃは右手に持ったシェイクをドクオに手渡した。
(*゚ー゚)「明日が見えないから、今日を少しでも楽しく生きる。いつ死んでもおかしくないから、毎日が最後の晩餐」
言いながら、ドクオの向かいに腰掛けた。
(*゚ー゚)「この街の人達も、邪神が現れた最初の頃は毎日絶望的な顔をして歩いていたんですよ」
('A`)「しかし今はそんな様子は微塵も無いが」
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:23:36.34 ID:rv4r4Rss0
支援
53 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:23:42.56 ID:9z7E3pgBO
ドクオの言葉にしぃは今度は首を振った。
(*゚ー゚)「疲れたんでしょう、『絶望』することに。いつまで経ってもやってこない『滅亡』。だけどそれは明日やってくるかもしない」
音を立てないで、シェイクを飲むしぃ。ストロベリーのピンクがうねるようにストローの中を進む。
(*゚ー゚)「だから、毎日を一生懸命に生きよう。そう思ったんじゃないんですか?」
ドクオもストローをくわえる。カップの中には紫色の液体と個体の中間の物質。
飲むとさっぱりとした葡萄の味がした。
(*゚ー゚)「まぁ、中には開き直ったり人生捨ててるような人もいますけどね」
(,,゚Д゚)「何の話しをしてるんだ?」
ギコがハンバーガーセットの乗ったトレイを手に、やって来た。
(*゚ー゚)「私の故郷について、ちょっとね」
そう感傷的に呟いて、しぃはトレイの上の包みを手に取った。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:24:29.67 ID:We4ig7n40
支援
55 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:24:54.99 ID:9z7E3pgBO
(,,゚Д゚)「そういえば、しぃはニーソク出身なんだったな」
ギコの言葉を、しぃは肯定も否定もしない。
包みを広げてチキンバーガーにかぶりつき、旨そうに咀嚼し飲み下した。
(*゚ー゚)「さて、午後からはどこ回ろっか?」
(,,゚Д゚)「ちょwwwまだ買うのかwwwww」
ギコが悲痛な声を上げる。
(*゚ー゚)「当たり前でしょー?今日は『ショッピング』に来たんだから。泣き言言わないの」
しぃの言葉に、二人は諦めたように肩をすくめた。
(,,゚Д゚)('A`)「やれやれだぜ」
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:25:39.98 ID:Y6n2GBet0
支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:26:30.09 ID:msGh5AW10
支援
58 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:26:33.00 ID:9z7E3pgBO
━━知らず知らずのうちに日は傾き、知らず知らずのうちに花見の参加者は増えていた。
ノハ*゚听)「がはは!飲めや飲めやぁぁぁ!!!」
ヒートの陽気な声に誘われるように、一人また一人と花見客は増えていった。
今では、四つのシートの上で十数人の男女が宴会に興じている。
中には明らかに一般人と思われる人もおり、いよいよ花見は混沌をきわめてきた。
(´・ω・`)「一体どこからこんなに集まったんだろうね」
誰が持ち込んだかもわからない重箱をつつきながら、ショボンはポツリと呟いた。
( ゚∀゚)「さぁ、どこからでしょうね」
徳利を逆さにしながら、ジョルジュが応える。
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽぉ〜!」
( *´∀`)「よいではないか、よいではないかぁ〜」
(´・ω・`)「それにしてもこのモナー、ノリノリである」
( ゚∀゚)「ははは、まぁいいんじゃないですか。たまの休みなんです、皆騒ぎたいんでしょう」
遠い目をしながら、ジョルジュが呟く。その視線は、集団の中心で不思議な舞を待ってるヒートに向けられていた。
59 :
◆/ckL6OYvQw :2007/06/12(火) 22:27:40.00 ID:9z7E3pgBO
ノハ*゚听)「沖の〜かもめぇにぃ、ふかしイモとられてぇ〜ついてねぇ〜♪」
ご機嫌に歌うヒート。ジョルジュの口元が綻ぶ。
本当に元気な奴だ。
元気というよりはやかましいの部類に入るが。
(´・ω・`)「だがそこがいい、だろ?」
ショボンの言葉に、ジョルジュははっとした。
(´・ω・`)「口に出していたぞ」
自分の失態に気付き、思わず苦笑する。
( ゚∀゚)「大将もお人が悪い」
決まりの悪そうな顔で、ショボンにお酌をする。
(´・ω・`)「惚れているんだろう?」
ショボンがニヤニヤ笑いながら、ジョルジュに注いでもらった杯に口をつける。
( ゚∀゚)「強い女です。常に前向きで、挫けない。どんな事も笑い飛ばしてしまう。小さな事は気にしない、大きな器を持っている。
あいつを見てると、自分が悩んでいた事がなんだか馬鹿馬鹿しくなってしまうんですよ」
こんな事を言ってる自分は、きっと酔ってるんだろうなとジョルジュは思った。
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/06/12(火) 22:28:22.77 ID:We4ig7n40
支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
追いついたwww現行スレ立ちすぎて確認が忙しいwwwwww