1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:
代理店
代理の方ありがとうございます。
GWを使ってのんびり完結させます。
スタートを告げる笛の音がこだました。
同時に選手たちが水の中へと飛び込み、水面に乱雑な波紋が広がってゆく。
やがて波紋は水をかく選手たちを頂点とした鋭角状なものに切り替わり、
なだらかなやわらかい波となり後方へと伸びてゆく。
記者席に座る俺は、カメラを片手に、来たるべき『一瞬』を待っていた。
胸の前で、記者であることを証明するプレートが退屈を持て余しているかのようにぷらぷらと揺れている。
やがて、レースは折り返しに入った。
先頭を行くものから順番に、美しいターンの花を咲かせてゆく。
ゴールが近づく。
歓声が大きくなってゆく。
先頭の選手がゴールするとともに、会場は割れんばかりの声援に包まれた。
光の花が咲く。
閃光が会場を包む。
隣の席のカメラマンが身を乗り出し、パシャパシャとシャッターを切っていた。
俺以外の、すべてのカメラマンがそうしていた。
水泳の、それもオリンピック選考会の決勝だ。
優勝者が決まった『一瞬』を撮りたがるのは、カメラマンの常だろう。
しかし、俺はまだシャッターを切らない。
やがて、かなり遅れて最後の選手がゴールした。
もちろん周囲の視線は彼女なんぞ眼中になく、優勝した選手だけに注がれている。
うーんwktk
俺は立ち上がり、彼女にカメラを向けた。
そして、来るかも定かではない『一瞬』だけを、ただ待ち望む。
ゆっくりとファインダーを覗き込む。
縮小された世界の真ん中に、彼女の姿を捉える。
慣れた手つきでプールから上がる彼女。
水を滴らせながらプールサイドに立った彼女の隣では、
優勝した選手がうれしそうに笑い、周囲に手を振っていた。
彼女は水泳帽をとった。隠れていた長めの黒髪が中空をひらりと舞う。
そしてプールへと向き直ると、かすかに笑って、水泳帽を握った腕を、下から上へと軽く振り上げた。
半円を描く腕の軌跡。
前方へと飛び散る水滴の輝き。
そして、かすかに笑った彼女の顔。
俺は、夢中でシャッターを切った。
追い求めてきた『一瞬』が、そこにはあった。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 14:52:46.73 ID:Y1YPjUDp0
これはwktk
それからもレースは続き、最後に表彰式が執り行われた。
表彰台に立つのは、まばゆいばかりの笑顔の選手たち。
彼ら、彼女らを取り囲むのもまた、まばゆいばかりのフラッシュの光。
俺も便宜上、その姿をカメラに収める。
しかし、まだ入社して三年目のまだまだ新米な記者の写真を使ってくれるほど、本社は甘くはない。
俺は表彰台に背を向けると、会場をあとにした。
暗い通路を抜けて、裏口を出て、立ち止まる。
タバコに火をつけた。
それから、ただひたすらに彼女を待った。
支援
タバコ十本分の時間が過ぎた。
夏の太陽に照らされ汗ばんだ肌も、夕暮れの風に吹かれていつの間にか引いていた。
その間、多くの選手が仲間とともに、
優勝した選手がカメラマンや記者を引き連れながら、裏口から出ていった。
だけど、彼女はいつまで経っても姿を現さない。
見過ごしたか、それともまだ会場内にいるのか。
痺れを切らした俺は裏口から入り、来た道を戻る。
残念ながら会場内は関係者以外立ち入り禁止となっており、仕方なく観客席の方へと向かう。
しかし、彼女はそこにいた。
人もまばらな観客席で、一人、プールを眺めていた。
背筋のピンと伸びた、しかしどことなく名残惜しげな後姿。
俺は自然に、シャッターを切っていた。
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 14:55:32.27 ID:L9RExW41O
ワクテカ早すぎw
この文体にかなり見覚えがある
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 14:56:41.29 ID:Y1YPjUDp0
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 14:57:48.61 ID:L9RExW41O
やはりあの人
トリップつけちゃいなYo!
>>11 俺もかなり気になってる&wktkしてる
あの作者ではなかろうかと
閃光が会場内を走った。
フラッシュをたきっぱなしにしていたらしい。
初歩的なミスに、俺は『チッ』と舌打ちをする。
彼女がゆっくりとこちらを振り返る。
俺の姿を見据えると、驚いたように眼を見開いた。
川 ゚ -゚)「……やあ、君か。驚いたな」
('A`)「すまん。邪魔しちまったな」
川 ゚ -゚)「気にするな。それにしても、君がなぜここに?」
('A`)「地元開催の、それもオリンピックの選考をかねた大会なら、地方新聞社だって足を運ぶさ」
『そういうものなのか』と呟くと、彼女は静かにこちらへと歩み寄ってきた。
俺の傍らに立つと、俺の胸の前でぶらぶらと揺れる記者証を一瞥する。
川 ゚ -゚)「新聞記者になっていたんだな。水泳はもうやっていないのか?」
人もまばらなプールを見下ろし、彼女は静かに言った。
('A`)「まあな。あれ以来、思い立ったときに軽く泳ぐくらいさ」
川 ゚ -゚)「そうか。それも悪くない。……いや、それが一番なのかもしれない」
寂しげな彼女の声。
俺は視線を彼女に移した。
横顔は相変わらずプールを見据えている。
川 ゚ -゚)「……私も、これで終わりだよ」
('A`)「水泳、やめるのか?」
川 ゚ -゚)「ああ。もう四年後まで待てる歳でもないしな」
それから彼女は少しの間を置く。
整った彼女の横顔が、会場内の大窓から差し込む西日に赤く染まっていた。
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 15:03:21.22 ID:Y1YPjUDp0
支援
川 ゚ -゚)「それにしても、不思議なものだな」
('A`)「……なにがだ?」
川 ゚ -゚)「高三の夏だったか? あのときにも、私の傍らには君がいた」
彼女は俺へと振り向いて、呟いた
川 ゚ー゚)「まったく……私の終わりはいつも、君と、夏の終わりとともにあるようだな」
驚いた。
あまりにも不意なことだった。
かすかに笑ったその顔は、あの時の『一瞬』そのものだった。
二度と出会うはずのない、俺の未来を決めたあの『一瞬』が、そこにはあった。
支援
高校三年という時期は、様々な出来事が折り重なりあうように次々と目の前に現れる。
部活動は終わりを告げ、進学、就職の如何にかかわらず、皆はあわただしく動き始める。
後輩はおろか、同級生とも少なからず疎遠となり、
各人がおのおのの未来について、大なり小なり直面する。
この最中にある当人たちには長く感じられ、
後々振り返ってみればあっという間だったと感じられる、不思議な時期だ。
また、多くの『一瞬』とも出会う時期でもある。
たとえば、学校帰りの通学路で見た、雨上がりの夕焼けの空の色。
たとえば、眠気と戦う五時間目の授業中、ふと窓から眺めた校庭の色。
何気ない日常の集約として切り取られる『一瞬』。
体感してきた一連の出来事が収束し、結晶として形作られることではじめて見ることの出来る『一瞬』。
それは数年現れないこともあれば、
短い間に幾度も姿を見せることもある、気まぐれな存在。
この『一瞬』が、高三のこの時期、堰を切ったかのように現れる。
少なくとも、俺にとってはそうだった。
高三の六月。
俺は地方の高総体を最後に、部活動に別れを告げた。
所属する水泳部は進学校内にありながら、それなりの成績を残していた。
しかし、最後の大会の結果は残念なことに中の上くらい。次の大会には進めなかった。
一人を除いては。
川 ゚ -゚)「えっと……おかげ様で……全国に行けるようになった。……頑張ってくる」
男女合わせて四人の同期の中、彼女……クーだけは全国大会へと進むことになっていた。
夕暮れの西日に彼女の姿が赤く染まっていたため、照れているのかどうかはわからなかったが、
少しはにかんだような彼女の表情は、今も忘れはしない。
( ;ω;)「これで僕たちは引退だお……後輩のみんな……ヒック…・・・
これまで僕に着いてきてくれて……あうあう〜……ありが……とうだ……オエッ!」
ついでに、主将であったブーンの嗚咽交じりの涙の演説も、面白くて忘れられない。
その後、勉強詰めの日々が始まる。
放課後は部活のかわりに補習授業に時間を取られる、
文字だらけの黒板と格闘するだけの毎日。
特にやりたいことがあるわけでもなく、
与えられた大学受験という目標はむしろ好都合だった。
持て余すはずだった日々は矢のように過ぎ去り、すぐに天王山の夏が訪れてくれた。
_
( ゚∀゚)「夏休みも補習かよ……かったり〜な〜」
教室で、野球部のエースだった長岡が、椅子に背をもたれながらぼやく。
('A`)「部活も終わってすることも無いんだから、別にいいだろう?」
_
( ゚∀゚)「バカだな〜、海に行くとか、海に行くとか、いろいろあるだろ?」
高校で水泳部だった俺にはあまりに感情移入できちゃ支援
('A`)「海だけじゃないか……」
_
( ゚∀゚)「夏は海しかねーだろう! あ〜、おっぱい見てーなー」
('A`)「ああ……しゃぶりたいよな」
心からの叫びを口にする正直者の俺と長岡に向けて、教室にいたブス数人の警戒の視線が集まる。
続けて、胸を両手で隠した。
_
(# ゚∀゚) (#'A`)「「 てめーらの乳なんざ見たくねーよ!!」」
この『一瞬』は、思春期の俺の怒りの象徴として、今も胸に残っている。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 15:18:28.11 ID:L9RExW41O
負け組には辛い
泣く前に泣くぜ
_
( ゚∀゚)「しかしさー、ドクオはいいよな。部活で毎日おっぱい見てたんだから」
不満げに言う長岡。しかし、表情はニヤついている。
単に俺をからかっているだけだ。
俺に彼女がいたことがないのを、長岡はもちろん知っている。
('A`)「ん? そうだな。まあ役得だよ」
_
( ゚∀゚)「んじゃ、おっぱいなんて見なくてもいいだろ?」
('A`)「ああ。だから『しゃぶりたい』って言ったじゃないか」
_
( ゚∀゚)「うひゃひゃwwwwwそういうことかwwwwwwwwwwwwww」
椅子がひっくり返りそうなくらいに胸をそらし、大笑いをする長岡。
カラリとした、聞いているこっちまで楽しくなるような笑い声。
長岡のそんなところが、俺は好きだ。
_
( ゚∀゚)「でもさー、水泳部にはツンとクーがいただろう?
ふたりのおっぱいを見れるなんて、お前、本当に羨ましいぜ!」
('A`)「おっぱいって言っても水着越しだぜ? それも競泳水着だ」
_
(; ゚∀゚)「バカやろう!
タイトな競泳水着の下に隠された豊満な膨らみと桃色の乳首……
それもツンとクーの……いかん……想像しただけで鼻血が……」
(;'A`)「そういう捉え方もあったのか……まずい……俺も鼻血が……」
真夏の教室で鼻血を流す、むさくてもてない二人の男子。
情けなく垂れる赤い血を隠すように、教室の窓から外を見た。
南中する真夏の太陽は、そんな俺たちも優しく照らして、ただ高く、空にあった。
支援
( ^ω^)ノ「おいすー。 ふたりして何鼻血垂らしてるんだお?」
別のクラスのブーンが俺たちの教室にやってきた。
うちの高校では文系と理系とでまずクラスが大きく二つに分けられており、
さらにその中でもクラスはいくつかに分かれる。
ちなみにブーン、ツンが文系で同じクラス、俺と長岡とクーが理系で同じクラスだ。
さらにちなみに、長岡とブーンの仲がいいのは同じ中学出身だからである。
_
( ゚∀゚)「いやー、ツンとクーのおっぱいを想像していたんだよ」
('A`)「そうそう。しゃぶりたいって話をしてたんだ」
( ^ω^)「なるほど。鼻血を垂らすのも無理ないことだお」
ポンと手のひらを打って、ブーンは納得する。
本当にこの時期の童貞たちって、救いようのないバカの集まりだと思う。
30 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 15:25:59.72 ID:ckoSkt7b0
支援
なんでここまで俺とドクオの状況が酷似してるんだ支援
水泳部の頃が懐かしくなってきた文系クラス支援
_
( ゚∀゚)「そーいや、ツンとブーンって家が隣同士だよな。付き合ったりしないの?」
( ^ω^)ノシ「そんなバカなwwwwwww でも、ツンのおっぱいは見たことあるお」
笑いながらとんでもない事実を暴露するブーンに、俺と長岡の怒りのメーターは振り切れる。
まだブーンは話を続けるようで、俺たちは怒りをひた隠しにして耳を傾ける。
( ^ω^)「小さい頃はよく一緒に風呂に入ったもんだお。
この前ツンの部屋に遊びに行ったときにあいつの引き出しをあさっていたら
ブラジャーが出てきたんだけど、昔と変わらないAカップだったおwwwwwwwww」
俺と長岡は、鼻血の代わりに眉間に浮き出た血管から血を噴出す。
立ち上がってブーンを挟みこむ形で両脇に立ち、ゼロ距離まで顔を近づけて、脅す。
_
(# ゚∀゚)「ドクオさん……
美人の幼馴染が近所にいるというだけで、こいつには幸せが訪れている。
人間、こんなに不公平でいいのでしょうか?」
(#'A`)「いけませんね。神は人間を平等におつくりたもうたのですから。
……それにしても許せん。もしかしたらこいつは、ツンの乳首をしゃぶっているかもしれませんよ?」
(;^ω^)ノシ「それはないお!」
(#'A`)「うるさい! 黙れ! 息をするな!!」
( ^ω^)「僕に死ねと申すのか?」
_
(# ゚∀゚)「ああ。死ね。死なないなら俺たちが殺す」
(;^ω^)「そんな殺生なwwwwwwwwwwww」
(#'A`)「ならば、俺たちにもお前の幸せを還元しろ!」
( ^ω^)「と言いますと?」
ゼロ距離で、両頬を俺と長岡の鼻に圧迫されているにもかかわらず、ブーンは素っ頓狂な声をあげる。
めったなことでは動じない、そんな神経の図太さがブーンにはあった。
それに毒されたのか、俺と長岡は一瞬にして素に戻る。
('A`)「うーん……どうですか? 長岡さん、なにかあります?」
_
( ゚∀゚)「あー……たとえば、美女との海水浴ツアーを計画するとか?」
( ^ω^)「それはちょうどいいおwwwwwwwwww」
突如、うれしそうに大声を上げるブーン。
俺と長岡はわけがわからないといった表情をする。
( ^ω^)「水泳部の三年生四人で海に行こうってツンと話してたんだお!
クーは全国大会に向けて補習サボって練習中だけど、時間を作ってくれるそうだお!
ドクオも、もちろん参加するお?」
('A`)「はい。よろこんで。 集合日時はいつですか?
水着はブーメランとトランクスのどちらがよろしいでしょうか?」
( ^ω^)「明後日の日曜に駅前に八時だお。 水着はブーメランでお願いしますお」
('A`)「はい。今から光る風を追い越す速度で買いに行きます。ブーン様もご一緒にどうですか?」
( ^ω^)「それはいいおwwwww 授業なんかサボって今から行くおwwwww」
すぐに帰り支度を整えた俺は、ブーンに寄り添いながら教室を出る。
その間呆然と突っ立っていた長岡が、恐る恐る声をかけてきた。
_
(; ゚∀゚)「あの〜、ブーンさん? ドクオさん? 私は誘わないんですか?」
( ^ω^)「あ、ごめんだお。水泳部三年の打ち上げもかねているんだお。部外者はお断りだお」
('A`)「ブーン様の決定は絶対だ。残念だったな、長岡」
_
( ;∀;)「ドクオの裏切り者おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
心地よい負け犬の遠吠えを聞きながら、俺は意気揚々と教室を出た。
可哀想なジョルジュw
支援
で、明後日の日曜、八時。
三十分前に駅についた俺は、次々とやってくるメンバーを笑顔で迎えた。
ツンとブーンが一緒にやってきたときだけ、ぶん殴りたくなる衝動に駆られたが、何とか耐えた。
八時を過ぎて、駅前にいたのは四人。
それから八時を五分ほど過ぎて、クーがやってきた。
川 ゚ -゚)「遅れてすまない」
ξ゚ー゚)ξ「いいのよ。昨日も遅くまで練習だったんでしょ? 気にしないでよ」
('A`)「なんか悪いな。忙しいのに時間作ってもらって」
川 ゚ -゚)「なに、こっちが礼を言いたいくらいだ。誘ってくれてありがとうな」
_
( ●∀●)ノ「いいってことよ! 気にするな!!」
( ^ω^)「そんじゃ、四人揃ったところだし、海にレッツらゴーだお!!」
_
( ●∀●) ノ( 'A`)ノ川 ゚ー゚)ノ ξ゚ー゚)ノ「「「 おー!!」」」
勇ましい四人分の掛け声が、駅の構内にこだました。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 15:37:39.13 ID:Y1YPjUDp0
なんかいるwwww
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 15:38:06.01 ID:AuHbJ1piO
なんかいるwwwww
40 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 15:38:10.03 ID:ckoSkt7b0
うほっ
('A`)「そんじゃ俺、切符買ってくるわ。ブーンと俺とツンとクーの四人分でよかったよな?」
ξ゚听)ξ「ええ。ばっちりよ」
( ^ω^)「なんの問題も無いお!」
川 ゚ -゚)「水泳部はその四人だからな」
俺は納得して切符売り場に行こうとする。
駅前だというのに上半身素っ裸で海パン姿の、ゴーグルをつけているバカから意識的に視線をはずして。
そのバカが高らかにのたまう。
_
( ●∀●) ノ「ちょっと待ちたまえ君たち。誰か忘れていないかい?」
( ^ω^)「なんかノイズが聞こえるお。気のせいかお?」
_
( ●∀●) 「またまた〜、ブーンったらお茶目さん♪ お友達の僕がいるじゃない?」
( ^ω^)「僕に変態の友達はいないお」
_
( ゚∀゚) ノ●●「しょうがないなぁ……ゴーグルをかけてるからわからないんだな?
ジャーン! 俺だよ、俺! みんなのお友達の長岡君だよー!!」
ξ゚听)ξ「ドクオ、切符買ってきて。四人分」
('A`)「わかった」
なんかい(ry
ナチュラルにシカトwww
44 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 15:42:00.98 ID:ckoSkt7b0
ジョルジュざまぁwwwwwwwwwwwww
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 15:43:37.97 ID:bmkyvr3i0
これは酷いwww
返事をして切符売り場に足を伸ばした瞬間、俺の足にすがりついてきた長岡は、
まるで銅山の鉱毒事件について天皇に直訴する国会議員のように泣きながら訴える。
_
( ;∀;) 「ごめんなしゃああああああああああい! 僕も連れてってくだしゃあああああい!!」
('A`)「……どうする?」
川 ゚ -゚)「泣くほど海へ行きたいという彼の心意気は認めよう」
ξ;゚听)ξ「そうよね……それに、ここまで訴えられると……ねぇ?」
(;^ω^)「しかも、駅前の時点で海に入る準備は万端だお……これは連れて行くしかないお」
_
( ゚∀゚)ノ「わっほーい! よっしゃ! ドクオ、五人分の切符買って来ーい!!」
川 ゚ -゚)「お前が買って来い、海パン刑事」
_
( ●∀●) ゝカシャ「はい! よろこんで!!」
再びゴーグルを装着すると、長岡改め海パン刑事は五人分の切符を買いに向かった。
( ●ω●)「空が……青いお」
( ●A●)「海も……青いぜ」
_
( ●∀●)「おっぱいが……いっぱいだぜ」
お目当ての海水浴場についた俺たちは、ゴーグルにブーメランパンツ一丁で海岸にたたずむ。
部活で鍛え上げた裸体に股間を包むブーメランは黒々と映えており、
周囲の女どもの視線は俺たちに釘付けだった。
*('')*「ママー、あのおにいちゃんたち、こかんがもっこりしてるよー」
('、`*川「見ちゃいけません!」
幼女とその母親まで欲情させるとは……
俺たちは自分の裸体とブーメランに我ながら恐れをなした。
海パン刑事w
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 15:48:41.05 ID:zBiVhVN60
まりもっこりw
砂浜に荷物置き用のシートとビーチパラソルを立てた俺たちは、
それでも無駄に日向に整列し、腰に手を当てながら話を続ける。
_
( ●∀●)「時に貴様ら、あれは持ってきたんだろうな?」
( ●ω●)b「任せてくれお。鮫さん浮き輪はバッチリ持ってきてるお!」
( ●A●)b「スイカ型ビーチボールも準備万端だ」
_
(# ●∀●)「違う!!」
長岡の怒声が夏の海に響き渡ることもなく波音に消された。
彼は荷物の中から何かを取り出す。
なんで水泳部って体育の水泳でもブーメラン履くんだろうな支援
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 15:50:35.06 ID:bmkyvr3i0
>>51 一度履いたら、アレは病みつきになるぜww
あの周りの男子の苦笑いと、女子の汚物を見るような目がたまらんのだよw
53 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 15:51:02.64 ID:ckoSkt7b0
支援
_
( ●∀●) ノ【◎】「これだよ、これ!」
(;●A●)「それは……デジタウ・キャメラ!」
(;●ω●)「しかも防水加工もばっちりの最新型だお!
や、焼き増しの請求は出来ますか!?」
_
( ●∀●)b「もちろん! それも、タダで焼き増してやるよ!!
だって俺たち……友達だろ?」
(ノ●ω●)ノ(ノ●A●)ノ「「 長岡サーン!!」」
*('')*「ママー、あのおにいちゃんたち、はだかでだきあってるよー」
('、`*川「見ちゃいけません!」
ゴーグルでわからないと思うが、俺たちは涙を流しながら互いの友情を誓った。
そんな、男くささの象徴たる『一瞬』だった。
ξ゚听)ξ「おまたせー……って、あんたら、何やってんの?」
_
( ●∀●) ( ●ω●)( ●A●)「「「 友情を確かめ合っていました!!」」」
川 ゚ -゚)「ボーイズ・ラブか。いいな。そういうの好きだぞ」
水着、それもスクール水着じゃないビキニ姿で現れた美少女二人。
ここではしゃがない男子高校生がいたら、そいつはホモと認定していい。
長岡はゴーグルをはずすと、戦闘体勢に入る。
_
( ☆∀☆)「長岡、『鑑定眼力』!!」
( ●ω●)ノ「いよっ! 待ってましたお!! 長岡さんの鑑定眼力!!」
( ●A●)「毎日長岡さんの目がテンになるまで女子の胸を盗み見た結果習得した脅威の眼力!!
そのまなざしがはじき出す数値やいかに!?」
_
( ☆∀☆)「見える……時が見えるぞ! クー、Eカップ!! ツン、マイナスEカップ!!」
川 ゚ -゚)b「正解。たいしたもんだ」
ξ#゚听)ξ「ちょっと! マイナスって何よ!!」
_
( ゚∀゚)ノ「胸が凹んでるってことですよ、お嬢さん」
ξ#゚听)ξ「失礼ね! 私はAカップよ!!」
>>52 俺も水泳部だったけど体育では恥ずかしかった支援
部活では浮き乳首見放題だったぜ支援
57 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 15:55:13.78 ID:ckoSkt7b0
やっぱり川 ゚ -゚)は巨乳キャラなのか
マイナスEってすげえなw
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 15:56:16.04 ID:gEymCI9Y0
これは!支援
大声でカップ数を暴露したツン。
海岸中の視線が彼女に集まる。
*('')*「ママー、あのおねぇちゃん、Aカップなんだってー」
('、`*川「ぷぷw 気の毒ね」
ξ゚听)ξ「……」
ξ///)ξ「……」
真っ赤に染まったツンの頬。俺はちょっぴり萌えた。
ξ///)ξ「なーがーおーかー……」
_
( ゚∀゚)「なんですか? Aカップさん」
ξ///)ξ「……ぶっ殺す!!」
彼女はどこからか包丁を取り出すと、長岡に向かって全力疾走する。
61 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 16:01:59.10 ID:ckoSkt7b0
これはwwwwww
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:02:01.82 ID:bmkyvr3i0
ジョルジュ\(^o^)/w
なんか…いいよな、リア充の青春ってかんじで
_
( ゚∀゚)「あはは〜! あたしを捕まえてごらんなさ〜い!!」
ξ゚ー゚)ξ「うふふ〜! 待て〜! 八つ裂きにしてくれるわ〜!!」
|
\ /
― ○ ― ^^
/ \ ^^
|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ^ω^)っ<綺麗な海のAAでお待ちください
゚ ⊂ /\ \________
゚ 。 。 ゚ ソ ノ ゚ 。
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
生死をかけた真夏の海のランデブー。
呆然と見送った俺たちは、数分後、全身血だらけの肉塊を前に、泣いた。
それからしばらくは海に入って泳ぎまくった。
舞い散る波しぶきに彩られ、真夏の美少女たちの姿はキラキラと輝く。
高気圧はビーナスたちの交差点だとはよく言ったもんだ。
昼飯には露店の焼きそばを食べた。
(`・ω・´)「兄ちゃん、いい体してるね! 自衛隊に入らないかい!?」
('A`)ノシ「いえ、結構です」
焼きそば屋のおっちゃんに自衛隊に誘われたが、丁重に断った。
昼食後、少しのんびりした後はビーチバレーをやった。
ブーン、クーのチーム 対 俺、ツンのチームだ。長岡は進んで審判役を買って出た。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
ツンとクー、ふたりの美少女の水着姿。
真っ白い素肌、揺れる胸(クー限定)、尻。
俺たち男衆は頻繁にトイレに行っては、息子をなだめるを繰り返していた。
ξ゚ー゚)ξ「アタック!」
川 ゚ -゚)「レシーブ!!」
_
( ●∀●)「シャッターチャンス!!」
ついでに、ビーチバレーの際もっとも運動量が多かったのは審判の長岡だった。
67 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 16:12:19.95 ID:ckoSkt7b0
幸せそうだなぁ……
やがて日も西に傾きだし、海辺は茜色に染まり始めた。
頃合いかと思い、パラソルとシートをたたみ、水着から私服に着替える。
それから、近くにあったファミレスで夕食を食べた。
くだらない、他愛も無い話で盛り上がっているうちに、夜はとっぷり更けてゆく。
( ●A●)「終電になってしまいましたね」
( ●ω●)「楽しすぎて時間を忘れるところだったお」
ξ゚听)ξ「どうでもいいからゴーグル外しなさい」
終電に飛び乗る。すでにガラガラの車内。
ほぼ貸しきり状態のそこでまたワイワイ騒ぐのかと思ったが、みんな疲れていたのだろう。
俺も含め、全員すぐに寝入ってしまった。
目が覚めた。
周囲を見渡したが、みんな、まだ眠っている。
ガタン……ゴトン……
電車が心地よいリズムを奏でていた。
規則的な音。
なだらかな振動。
車内アナウンスが次の駅を告げる。
あと数分で、俺たちの町。
支援
('A`)「……今日は楽しかったな」
本当に、夢のような時間だった。
去年の夏は、部活に明け暮れるだけの日々。
こんな日が来るなんて、想像もしなかった。
あと半年。
それで、高校生活は終わる。
そうなってしまえば、このメンバーで集まるのも数回あればいいくらいに減るだろう。
珍しくセンチメンタルな気分になった。
ずっと、このままでいたいと思った。
当たり前に過ぎていく日常が、いつか当たり前じゃなくなる。
そんな事実が、ふいに怖くなった。
当たり前の今、この瞬間が、とてもいとおしく思えた。
支援
さるにかからない投下間隔って見極めづらいよな
ふと、肩にわずかな重みを感じた。
何気なく隣を見ると、クーが俺の肩に頭を預け、眠っていた。
('A`;)「……!!」
途端に身体が硬直した。
体中から汗がどっと噴出す。
ほのかに香る彼女の髪の香。
甘くて、
柔らかくて、
ほんの少しだけ、
潮の香りがした。
わずかに視線を下すと、彼女の胸の谷間が見えた。
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:21:34.32 ID:f46TteAlO
支援
あせりと、興奮。
見ちゃいけないという理性と、見たいという本能。
そんな葛藤の中で、わずかに、彼女の寝息が聞こえる。
彼女の身体を動かさないよう、恐る恐る寝顔を盗み見た。
普段のクールな彼女からは決して見ることの出来ない、無防備な、緩んだ顔。
それを、俺だけが見ることが出来た。
少しだけ、特別な気分になった。
(*'A`)「……」
駅に着くまでのわずかな時間。
忙しい、だけど、とても幸せな『一瞬』だった。
76 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 16:24:27.02 ID:ckoSkt7b0
支援
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:25:03.46 ID:4lYSfWq00
一瞬も
一生も
美しく
( ^ω^)「はい! 無事に駅に着きましたお!!
しかし、家に着くまでが海水浴です! みんな、寄り道せずに帰りましょう!!」
('A`)ノξ゚ー゚)ノ川 ゚ -゚)ノ「「「 はーい!!」」」
( ^ω^)「しかも、ななななーんと! もうすぐで十二時ですお!!
女性の一人歩きは危険なので、僕がツン、ドクオがクーを家まで送りますお!!」
駅前についた一行。
矢継ぎ早になされたブーンの提案に、俺とツンの表情が固まる。
クーは相変わらずのポーカーフェイスでよく分からない。
ξ////)ξ「べべべっ、別に送ってもらわなくて結構よ!」
( ^ω^)「どうせ家が隣だお。ついでだお」
('A`;)「お、おおおおおおお、俺がクーを送っていくのか!?」
( ^ω^)「だって長岡、電車に置いてきちゃったんだもん」
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:26:39.94 ID:XLNe0Iuc0
ジョルジュwwwwww
良質の青春邦画のようだ
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:27:10.42 ID:L9RExW41O
ちょwwwwww
('A`;)「そ、そういえば長岡がいない!
終電だぜ!? なんで起こさなかったんだよ!?」
( ^ω^)「だってあいつ、起こしても起きなかったんだもん」
('A`)「そりゃ仕方ないな」
ξ゚听)ξ「仕方ないわね」
川 ゚ -゚)「ああ、仕方ないな」
満場一致で、ブーンの無罪が決定した。
なんか足りないwww
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:28:32.60 ID:Y1YPjUDp0
ジョルジュカワイソスwwwwwwww
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:30:08.53 ID:ptdbwJX8O
支援
そんなわけでクーを家まで送っていくことになった俺。
('A`;)「……」
川 ゚ -゚)「……」
だけど、どうにも気まずい。会話が、ない。
二人っきりは今までも数度あり、そのときは平然と話せた。
しかし、今は深夜だ。人もほとんど歩いていない、ホントにホントの二人っきり。
それに、もともとクーは自分から話しかけてくるタイプの人間ではない。
ならば俺から話しかけなければならないのだが、
先ほど彼女の胸の谷間や寝顔を見てしまったせいなのか、
なんだか意識してしまって、いつものように話しかけられない。
('A`;)「今日は……楽しかったな」
川 ゚ -゚)「ああ。楽しかった」
頑張って話しかけても続かない。
ちょっぴり泣きたくなった、そんな十七の夏。
紫煙
川 ゚ -゚)「……なあ」
('A`)「んぁ? どうした?」
話が続くような会話の内容をシミュレートしていると、突然彼女が話しかけてきた。
珍しいことだった。
普段、彼女は自分から話しかけるようなことはしない。
初対面の頃はその理由がわからなかったが、
長く友達づきあいを続けることで、その答えが見えてきた。
彼女はシャイなのだ。
クールな態度や外見に隠れて見えにくいが、本質的には人見知りなのだ。
そんな彼女が話しかけてきた。もしかしたら彼女も俺と同じように、
深夜に異性と二人っきりで夜道を歩くという異質な状況に戸惑っているのだろうか?
そう思うと、気が楽になった。
緊張の糸が少しずつほどけていく。
川 ゚ -゚)「ドクオは、大学にいっても水泳を続けるのか?」
彼女の声がハッキリと聞こえる。
意味を理解し、反芻する。
少しの間をおいて答える。
('A`)「……続けないな、きっと」
川 ゚ -゚)「どうしてだ?」
('A`)「……」
どうしてなんだろう?
ただ漠然と『水泳を続けない』と考えていたせいで、今度はしばらく考え込む羽目になる。
90 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 16:34:57.40 ID:ckoSkt7b0
支援
('A`)「多分……お前たちがいないからだろうな。
ブーン、ツン、クー、お前たちがいないからだ」
ポツリ、ポツリと、言葉が不思議なほど自然に出てくる。
なぜだかわからない。だけどきっと、これが俺の真実の想いなんだろう。
('A`)「このメンバーで泳げた。だから、高校からはじめた初心者の俺も部活を続けられたんだと思う。
俺はは水泳が好きなんじゃなくて、きっと、お前たちといるのが好きだったんだ。
大学にはお前たちはいない。なら、俺が水泳をする意味は、もうない」
川 ゚ -゚)「……そうか」
('A`)「俺からも聞きたい。お前はなんでうちの学校に来たんだ?
うちの学校の水泳部は、たいして強くもない普通の水泳部だ。
お前ほどの腕なら、もっと強い高校から誘いがあっただろう?」
入部したての頃。
まったくの初心者だった俺から見ても、彼女の泳ぎは群を抜いていた。
今も目の前に浮かんでくる。
水を切り裂くように進むのではなく、水の合間を縫っていくかのような、滑らかな泳ぎ。
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:38:42.94 ID:XLNe0Iuc0
四円
川 ゚ -゚)「……なんとなくだ。なんとなく、いやだったんだ」
('A`)「なんとなく、か?」
川 ゚ -゚)「ああ。いろいろな高校から誘われて練習にも参加したが、楽しくなかった。
みな、表面上は仲良くしている。でも、その裏でライバル心をむき出しにしていたのが、
私には手にとるように感じられたんだ。それがたまらなく嫌だった」
歩きながら、わずかにうつむきながら話す彼女の言葉に、俺は気付いた。
きっと、彼女は人一倍、感受性が豊かなのだろう。
人の気持ちがすぐにわかる。
わからなくても、大体こうではないかと想像してしまう。
そして、人が怖くなる。
相手の気持ちがわかるから、怖くなる。
繊細で、優しくて、脆い。
それを隠す防波堤として、彼女のポーカーフェイスは築かれたのではないか、と。
そして、今も隠している。
淡々とした口調の中に、自分の脆さを隠している。
そんな彼女が少し憎らしく、だけど、たまらなくいとおしいと感じられた。
支援
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:41:20.14 ID:XLNe0Iuc0
上手いなあ・・・・・・見習わなくては
支援
川 ゚ -゚)「私は泳ぐのが楽しかった。だから、高校でも楽しく泳ぎたかった。
そんな時、私たちの高校で練習する機会があった。
私はすぐにここに入ろうと決めたよ」
('A`)「楽しかったんだな?」
川 ゚ -゚)「ああ。本当にみな、楽しそうに泳いでいた。
ここで泳ぎたい。素直にそう思えた」
彼女は立ち止まり、俺の方を振り向いた。
笑っていた。
川 ゚ー゚)「そして、その通りだった。ブーン、ツン、そしてドクオ。素敵な仲間と出会えた」
('A`)「……クサい台詞だ。なんだか、お前らしくないな」
川 ゚ー゚)「ふふ、そうだな。だけど言わせてくれ。
人と接することが苦手な私でも、君たちは優しく包んでくれた。仲間と認めてくれた。
ありがとう。君たちと出会えて、君たちと泳げて、本当に楽しかった」
彼女は俺の手を取った。
いつも水の中にいるせいだろうか?
ひんやりとした、冷たい手だった。
顔を上げると、彼女の顔が視線の少し下にあった。
切れ長の目。
黒い瞳。
通った鼻筋。
ぽってりとした唇。
夏の夜、虫たちがささやくように鳴く。
空には三日月。
周囲の街灯の光は頼りない。
彼女は言う。
川 ゚ -゚)「ドクオ……キス……してみないか?」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:45:33.23 ID:Y1YPjUDp0
うわああああああ
青いなあ
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:46:50.75 ID:L9RExW41O
VIPEERには別次元
('A`;)「ええ!? あんdじょんjdvjふぁん……キスッ!?」
予想外も予想外な言葉。
頭の中が真っ白になる。自分が何を口走っているのかがわからなくなる。
('A`;)「キスってあの……せ、接吻か?!」
川 ゚ -゚)「ん? ああ、そうだ。接吻だ」
('A`;)「そ、そうか……うん。そうだよな。間違いない。
い、いや……しかーし! そ、そういうもんは、恋人同士がやるもんじゃないの…かなぁ?」
川 ゚ー゚)「意外と古風なんだな、君は。
どうする? こんなチャンス、二度とないかも知れんぞ?」
クスリと笑う彼女。
挑発的な彼女の笑みになんだか負けた気がして、俺はつい、口走ってしまった。
('A`;)「し、します! してやろうじゃないか! 後悔するなよ!!」
甘く
青く
ノスタルジック
川 ゚ー゚)「ふふ。わかった」
俺は震える手で彼女の肩に手を置く。
俺のあごの高さにある彼女の瞳。
それがゆっくり閉じられる。
ぽってりとした、桃色の唇。
近づいてくる。
いや、俺が近づいているのだ。
息を止める前に、軽く呼吸した。
彼女の髪の香に混じって、先ほどと同じ、潮の香りがした。
海のにおい。
さわやかな夏の象徴。
夏が来るたび、俺は彼女とのこの『一瞬』を思い出すのだろうか?
近づく。
ゆっくり。
彼女の顔が。
彼女の唇が。
俺は、瞳を閉じた。
もう、後には引けない。
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:51:51.81 ID:MMVicrCkO
わっふるわっふる
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:52:09.38 ID:XLNe0Iuc0
青い春
と書いて
青春
甘酸っぱいなぁ・・・・・・・・
し・・えん・・?
『曖昧3cm それってプニってことかい? ちょwww
ラッピングが制服。ラブリーってことない? ぷん♪』
覚悟したそのとき、俺のケータイがけたたましく音を奏でた。
驚いて飛びのく。クーも、何事かと眼を見開いていた。
鳴り続けるアニソン。
恥ずかしい。
死にたい。
穴があったら挿れたい。
この現状を打破するには、電話に出るしかなかった。
(#'A`)「……もしもし……」
( ^ω^)『おいすー、ドクオ! ちゃんとクーを送り届けたかお!?
まさか襲ったりとかしてないかお? 暴漢から守るドクオがクーを襲っちゃ本末転倒だお!
ミイラ取りがミイラになっちゃダメだおwwwww
うはwwwww僕うめぇwwwwwwwピーナッツですwwwww』
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:53:39.34 ID:Y1YPjUDp0
ブーンうぜぇwwwwwwwwww
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:54:05.85 ID:XLNe0Iuc0
ブーン空気嫁wwwwwwwwww
110 :
愛のVIP戦士:2007/04/30(月) 16:54:22.92 ID:6QrOzDpp0
うぜぇwwwwwwww
111 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 16:54:41.21 ID:ckoSkt7b0
ピーナッツwwwwwwwwwww
それにしてもブーンのうざさは異常wwwwwww
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:55:15.77 ID:ptdbwJX8O
ブーンwwwww
なんという空気の読めなさw
(#'A`)「……」
怒りのあまりに言葉が出ない。
俺の中に初めて誰かを殺したいという感情が芽生える。
ぷるぷると震える俺の腕。そこからクーがケータイを取り上げる。
川 ゚ -゚)「……おい、ブーン……」
( ^ω^)『あ、クーかお? 大丈夫かお? ドクオに襲われたら警察に駆け込めおwwwww』
川#゚ -゚)「今日はゆっくり眠ることだ。明日、自分の部屋で眠れると思うなよ?」
(;^ω^)『はい? どういうことでしょ……ブチ』
クーは乱雑に通話を切ると、俺に向けてケータイを投げてよこす。
慌ててキャッチする。
顔を上げれば、般若のような表情の彼女。
川#゚ -゚)「……帰る! じゃあな!」
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 16:56:16.73 ID:gEymCI9Y0
ブーンwwwwwwwwww
116 :
愛のVIP戦士:2007/04/30(月) 16:57:07.86 ID:6QrOzDpp0
だめだwwwwwwwwwブーン死亡wwwwwwwwwwww
おKwwwwwwwwwwwwww
ひでぇwwwwww
('A`;)「ちょwwwwww あ、あの〜……接吻は……」
川;゚ -゚)「し、しるか! そんなこと!!」
彼女は肩を怒らせて道を進む。
そんな彼女の後姿を呆然と見詰めていると、彼女は立ち止まり、静かに振り返った。
('A`;)「あ……どうした? なんか……忘れ物か?」
川 ゚ -゚)「いや、違う。……送ってくれて……ありがとな」
('A`;)「ど、どどどどういたしまし……た」
再び振り返った彼女は、夜道の先へと消えていく。
混乱していた俺は、その後姿に向けて思い出したかのように叫んだ。
('A`;)「ぜ、全国大会がんばれよ! 絶対に勝てよ!!」
クーは振り返らなかった。
代わりに右手を上げると、ひらひらと振って見せた。
やがて、彼女の姿は闇に消えた。
明日、ブーンを全殺しにしよう。俺は固く決心した。
せいしゅうううううんwwwwwwwwww
支援ありがとございました。
これからまた書き溜めるので、失礼します。
続きは夜の十時くらいにまた投下します。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:03:51.91 ID:81TogUBA0
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:04:22.04 ID:XLNe0Iuc0
乙
楽しみにしてるぜ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:05:30.13 ID:QA7VXSQvO
これは面白い。
色々思い出して顔面中からありとあらゆる体液が出てる。
124 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 17:05:56.39 ID:ckoSkt7b0
乙
ブーンは殺してほしい
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:06:19.30 ID:dwoiY3Hb0
俺もこんなのかきてぇぇぇぇぇえ!!!!
見習うとこおおすぎだろ……
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:07:23.91 ID:MMVicrCkO
>>120 乙、乙すぎる
水泳部の頃を思い出してセンチメンタルな気分に浸れたぜw
俺にはこんな青春なかったけどなw
GWの楽しみができた!
だいたい何回くらいで完結する予定?
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:08:02.95 ID:Y1YPjUDp0
乙!
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:08:34.11 ID:1Lpa3Uby0
ブーンwwwwww
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:10:05.81 ID:gEymCI9Y0
乙
ブーンさらばwww
>>126 これで半分の手前くらいです。
短編なんで、長くても明後日までには完結させたいと思ってます。
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:14:01.68 ID:MMVicrCkO
>>130 答えてくれてありがとう
あんたがあの作者なら、この作品にもかなりの期待がもてそうだ
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:35:18.70 ID:4O2ZRJNTO
乙!続きwktk
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:38:52.54 ID:JGML9IUDO
あの作者かあの作者だと思う
まぁあの作者は無いな
大穴であの作者かも
でもやっぱあの作者かな
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:40:03.21 ID:Y1YPjUDp0
135 :
羊の肉が苦手だにょ(汗)(汗) ◆yiPt8KnK.s :2007/04/30(月) 17:43:14.76 ID:ckoSkt7b0
全くわからない俺\(^o^)/オワタ
俺も/^o^\ワッカンネー よく文体とか把握してんな
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 17:54:28.07 ID:1Lpa3Uby0
作者すげー
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/04/30(月) 18:24:01.83 ID:BrckJiNPO
Ns……いや、作者乙
そしてwktk
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。: