1 :
自宅警備員(静岡県):
代理
おもしれwwwwwwww
3 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 19:03:22.10 ID:JyZsXahq0
さっそく支援しましょうか?
4 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:04:58.80 ID:uGaQhEucO
『もし透明人間になれたらどうする?』
こんなありふれた話題。
中学生にもなれば、誰でも一度は話した事があるだろう。
模範解答はない。が、人気のある答えはある。
『女湯覗く』とか。『うぜぇ奴ぶん殴る』とか。
『公道で自慰』とか。『あの娘のリコーダーをチュパチュパベロリンガする』とか。
大体が個人的な欲望で、ただの野望なだけだったりする。
よく考えれば、いくらでも活用方法はあるというのに。
――しかし、何故よく考えないのか。
答えは至って簡単。透明人間なんて、実際にいる訳がない。
だから真面目に思考する必要がないのだ。
『もし〜だったら』の考え。『もし〜なれたら』の考え。
透明人間という存在は、所詮空想の産物なのである。
だが、この世界は広い。透き通っていない透明人間もいる。
ただ――その透明人間は、よく話題に出る透明人間ではない。
つまり語意の違いはあれど、やはり『透明人間』は存在する。
また、実在する。
このVIP町に、確かに実在している。
5 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:05:57.09 ID:uGaQhEucO
ところで、透明度というものがある。
単位もあるのだが、それは今のところ関係無い。
簡単に言えば、ガラスよりも空気の方が透明度の純度が高いのだ。
この世界で一番透明の純度が高いのは空気である。
いわゆる、『限りなく透明に近い半透明』。
空気。無。零。それらは限りなく透明な存在。
ここで話を戻す。
『透き通っていない透明人間』の存在についてだ。
――そこに存在している事はわかるが、影が薄い。
そんな特徴を持つ人間は、総じて『空気』と呼ばれる。
変わった趣味を持つ"オタク"や、元々暗めな"ガリ勉君"等がそれに当てはまる事が多い。
また、俗に空気と呼ばれる人間はすべからく世間や流行に疎い。
自らの世界に浸っている可能性が高いからだ。
そしてそんな人間は必ずと言っていい程いじめられたり、除け者にされる。
ただ周りに順応しないだけで、いじめられる。
空気という存在は、そういう存在なのだ。
――ただ、『いじめられすらしない人間』を空気と呼ぶ場合もある。
だがここでは、『いじめられるような、影の薄い人間』を空気と呼ぼう。
6 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:07:15.12 ID:uGaQhEucO
そして本題。実在する透明人間についてだ。
名をドクオといい、前述した通りVIP町に住んでいる。
VIP高校に通う彼は、生まれつき透明だった。
何色に染まる事も出来ず、ただただ透明でいて。
もちろん、例外なく彼もいじめられていた。
時には直接的に。
そして時には――間接的に。
『透明人間』。
なんと意味の広い言葉なのだろうか。
最後に、『空気と呼ばれる人間』を『透明人間』に置き換えてみよう。
これでもうわかると思う。
『透き通っていない透明人間』、とは。つまり――
7 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 19:07:50.79 ID:JyZsXahq0
試演
8 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:08:54.08 ID:uGaQhEucO
「人間の繋がりって、磁石に似てるよね?」
「くっついて、離れない。絆が強ければ、強いほど」
「だけどね。もし――その繋がりを断ち切られたら?」
「断たれないまでも、逆さにされてしまったとしたら?」
「君は、正気でいられる? 自分の色を、忘れずにいられる?」
――これは、一人の透明人間が紡ぐ物語。
('A`)ドクオは透明人間のようです
9 :
養鶏業(東日本):2007/04/23(月) 19:09:25.54 ID:r42+gVLg0
支援
10 :
組立工(埼玉県):2007/04/23(月) 19:09:36.56 ID:M/T/ZfpV0
期待
11 :
タリバン(東京都):2007/04/23(月) 19:10:03.09 ID:fK7IBUib0
さっきブログ更新した。
12 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 19:10:45.50 ID:JyZsXahq0
試演
13 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:10:47.54 ID:uGaQhEucO
*
('A`)「うぇ……」
今日は六時間授業で、ラストには体育がある。鬱だ。
真夏の体育はイコールプールの時間。
そして、プールの時間はイコール着替えの時間。
つまりは、そういう事だ。
( ´∀`)「じゃあドクオ。問2をやってみなさい」
(;'A`)「あ、はい?」
( ´∀`)「ったく……ちゃんと聞いとけモナ。教科書を見ろモナ」
('A`)「あ、あの、忘れちゃって……」
( ´∀`)「……ふぅ。じゃあ、誰か見せてあげろモナー」
モナーが言った、"誰か"。
その誰かなんて人間、この教室には一人もいない。
俺に教科書を恵むような奇特な人種、いる筈がないんですよ、はい。
14 :
自衛官(樺太):2007/04/23(月) 19:12:43.36 ID:LP7kIZQkO
あなたがわr
…わくてか。
15 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:13:04.68 ID:uGaQhEucO
「「……」」
( ´∀`)「あー……隣の奴は」
「……」
('A`)「……」
隣に座る女子は、携帯をいじっている。
関わり合いたくもないのだろうね。
沈黙に耐えかねたモナーが、別の生徒を指した。
立ち尽くす俺には、目もくれず。
( ´∀`)「……じゃあ、代わりにモララーがやりなさいモナ」
( ・∀・)「うわ、ヒドいな。教科書忘れたから隠れてたのに」
「「ちょwwwwそれはねーよwwww」」
クラスに戻る活気。
……この温度差はなんだよ。南極と南アフリカぐらいちげーよ。
俺だけ南極大陸に置いていかれた気分だよ。いや、実際そうなんだけど。
16 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:14:17.12 ID:uGaQhEucO
( ´∀`)「じゃあ体育終わったらすぐ学活始めるからね。
元気に泳いでくるようにモナ」
その後も滞り……なく授業は進み、最終授業。
昨日やった雨降らしの儀は失敗したらしい。
――空は、嫌味な程に晴れ渡っていた。
('A`)「はぁ」
水着を持って、階段をのろのろと歩く。
いかにも楽しそうにはしゃぐ女子が恨めしい。
「うわ……アイツ今日入るっぽいよー」
「マジ最悪ー。アイツと同じプールになんか入りたくないんですけどw」
はっ、俺何かしたか?
そんな目で見んじゃねーよ。
てめーら肉便器は黙ってスク水着てろ。萌えんだよ。
軽蔑の眼差しを送る女を睨みつけて、ため息を吐く。
……そして、第一関門が待ち受ける扉を開いた。
むあっ、と汗の臭いがした。部屋の名前は、男子更衣室。
17 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:15:20.84 ID:uGaQhEucO
('A`)「……」
そそくさと着替えを始める。
因みに、去年は毎回女子更衣室に投げられてた。
その度に生徒指導室に呼ばれ、叱責を受けて。
あれ以来、女子からの救いの手も無くなったっけか。
自殺を考えたのは初めてだったなぁ。
今年は何をすんのかな。
何か拒否をすれば、数人がかりの暴力が待っている。
それはなるべく避けたい訳で。
そう考えているところで、俺を呼ぶ声。
クラスを牛耳ってる餓鬼大将なのだが、妙にニヤニヤしてた。
( ・∀・)「ドクオー、ちょっとこっち来て」
('A`)「……はい」
( ・∀・)「まぁ座りなよ」
('A`)「わかりました」
話す時はもちろん敬語だ。
こんなカスを敬う気はないが、仕方ない。
タメ口なんて使ったら、一瞬でボッコボコだから。
18 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:16:47.41 ID:uGaQhEucO
(;'A`)「――っちょ!」
( ・∀・)「あはははは、よく似合ってるよ。その粗びきポークフランク」
「「おまwwww粗チンktkrwwwwwwww」」
(;'A`)「や、やめて下さいって……」
一言で言うと脱がされた。
もう一言追加すると、携帯を向けられた。
写真集なんて、作る予定は無かったんだけど。
( ・∀・)「とりま笑ってよ」
(;'A`)「いや……無理っすよ……」
( ・∀・)「いーからいーから、女子には見せないって」
女に見せないとか、じゃあなんの為に撮るんだよ。
お前らは うほっ ですか? ちげーだろ。
(;'A`)「……」
( ・∀・)「ねぇ」
結局、ピースサインまで付けて撮る事になった。
辱めを受けた事より、誰も視線すら合わせてくれなかったのが堪えたな。
19 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:17:57.42 ID:uGaQhEucO
( ・∀・)「うわ、キモいね。とても同じ人類には見えないよ」
('A`)「……」
水着が破れてしまったので、プールには入れなかった。
ただ、体育の先生は状況を理解してくれていたらしい。
何も言わず、出席の欄に丸をつけてくれた。
正直言うと、単位だけは落とせない。
一年我慢してきて、今更辞めるなんてクソくらえだからだ。
学校は辞めない。逃げるような自殺だってしたくない。
そういう"逃げる行為"をしていない、という事実。
それは俺に、唯一のプライドと自信を与えてくれた。
俺がいじめられるのを周りで見ている奴ら。
明日はこの身、だからかもしれないが、俺はそいつらよりも"上"だ。
身を案じるが為にやりたい事をやらないなんてのは、ありえない。
('A`)「クソが……笑わせんなよ……うざってぇ」
俺は耐える。耐えて耐えて、いつかアイツらを足で使ってやる。
いつか見返してやる。……目標がなけりゃ、俺はとっくに自殺してたな。
20 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 19:18:55.25 ID:JyZsXahq0
試演
21 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:19:54.12 ID:uGaQhEucO
……でも、プールに入らず出席出来たのは嬉しい誤算だった。
なんたって去年は死にかけたからな。
『ウォーターボーイズやろうぜwwww』
とか言って俺を一番下にして、三分間くらい水中に閉じ込められた。
蹴られてるのもあったが、流石に三分無呼吸は無理だったな。
その時は気絶だけで済んだ。
けど、これ以上エスカレートするとヤバい気がする。
いつかと言わず、今にも殺されそうだ。
「花子ちゃん……さぁ、夕陽に向かって泳ごう!」
「太郎さん……うん、あたし頑張ってみる!」
「あははははは!」
「うふふふふふ!」
('A`)(けっ……高二の分際で恋愛だぁ?
舐めんじゃねーよ。お前ら溺れて死ねよ。
むしろ俺にも女の子寄り付けよ。男すら来ねーよ)
22 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:21:20.21 ID:uGaQhEucO
勉学。恋愛。遊び。
俺はこの内、勉学しかしてない人間だ。
それしかしてないにも関わらず、成績は中の上でしかないのだが。
若い内には遊んでおけ?
一人でゲーセンなんか行けないのは当たり前。
そもそも遊ぶ友達がいない俺にどうしろと。
豊富な恋愛経験を積んでおけ?
学校の女子は論外。クラスどころか学年中から嫌われてるからな、俺。
ナンパは言うまでもない。バイトもしてないから出会いもない。
('A`)「はぁ」
鬱だ。鬱すぎる。
このまま大学なんか行って、楽しめるか?
かといってカス高校の高卒が大企業に就職出来るか?
('A`)「死にてー」
実際に死にたい訳じゃない。
だが、それは既に俺の口癖になっていた。
23 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:22:45.39 ID:uGaQhEucO
六時間授業のうち、六時間目が終了した。
第一の関門は体育。第二の関門はプールの授業だ。
それは回避出来た。だから次は――
( ・∀・)「掃除、今日もやっといてくれるんだよね?
いやーいつも悪いと思ってるよ。ホントに」
('A`)「……わかりました」
「「"お前"がやりたいなら仕方ないよなwwwwうぇwww」」
('A`)「……はい」
お前らが先生の前で言わせたんだろうが。
モナーも事情わかっててスルーしてんじゃねーよ。
……だが、案外気が楽だったりする。
一人になる事が、最近では一番リラックス出来るから。
('A`)「さ、始めっか」
既に俺専用となっている、赤い箒をつかむ。
隅から掃き出していくのが楽しいんだよコレが。
第三の関門。即ち、学校での最後の関門。
それは教室内全ての掃除を、一人でする事だ。
24 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:23:48.75 ID:uGaQhEucO
携帯で2chを見ながら、適当に箒を動かす。
教室には俺しかいない。生徒はまだ、沢山残っているのだが。
「あー、ちょい待ってて……げっ、ドクオ」
「うわ。ドクオじゃん。いいよ、今日は帰ろ」
「あーあ。ホント萎えるんですけどー」
('A`)「はいはいいつも通りいつも通り……」
萎えんのはこっちだよ。
自分の全身像を鏡で見てみろやブスピザ公害激臭女。
……この扱いになってから、もう一年近く。
我ながら、よくもまぁ耐えてこれたもんだな。
四面楚歌。村八分。
まさに隔離されてたような状況だったってのに。
('A`)「いい加減慣れたわ……にゃろう」
悪態をつき、そそくさと作業に戻った。
流石の俺でも、掃除より家で寝転がる方が好きだ。
さっさと帰りたいと思うのは当然だろ、そりゃ。
25 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:24:55.43 ID:uGaQhEucO
('A`)「あー、雑巾どこやったっけか」
さっきまで騒がしかった学校。いつの間にか、静かになっていた。
そりゃ仕方ない。他のクラスは六人で掃除してる。
窓拭いて床掃いてゴミ捨てて……それを一人でやると、一時間はかかるんだよ。
先生はなんなの? ……そう考えていた時期が僕にもありました。
多分、卒業するまで放置されるんだろうな。
何でモララー達に注意しないのかとか、そんな事を考える事さえ億劫だ。
('A`)「は? 雑巾……ねーよ……」
掃除用具が無いからって、サボろうとは思わない。
強要されたとはいえ、俺は仕事を任された訳だし。
律義っちゃあ律義なのかもしれないが……これが普通だと思ってる。
簡単に投げ出したり辞めたり。
そんなゆとりを代表する行動は絶対にとりたくないから。
だから、カーチャンやトーチャンに当たる事もしない。
自分の事情で機嫌が悪いからって、他人に迷惑をかけたくはないし。
仮に喚き散らしたとして、それはモララー共と大して変わらない行動だと思う。
26 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:26:38.16 ID:uGaQhEucO
('A`)「くっそ、ねーな。こりゃ職員室行きかな……」
雑巾や箒、塵取りを初めとする掃除用具。
これらを新しく教室に置く場合には一枚紙を書かなきゃならない。
紛失理由〜とか、使った期間〜とか、いつどこでだれが〜みたいな。
これがまた面倒臭いから困る。
俺を放置しておくような学校だ。
まともな先生の方が稀なのは言うまでもない。
それも含めて、俺は職員室に行くのがだるかった。
('A`)「はぁ……仕方ねーか」
時間は四時半を過ぎている。
この調子だと、あと三十分はかかりそうだな。
――そう考えて、ため息を吐いた時だった。
27 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:28:17.96 ID:uGaQhEucO
( ^ω^)「……」
('A`)「……?」
( ^ω^)「こ、これ」
一人のピザが、俺に雑巾を差し出してきた。
真っ白なところを見ると、どうやら新品らしい。
('A`)「あ……」
いや……待てよ。
なんかおかしいな……
( ^ω^)「お?」
あれ? なんでコイツ俺に話しかけてんの?
ドッキリ? 策略? 謀略? 計略? はっ?
( ^ω^)「い、いっしょに掃除しようお……」
('A`)「え」
( ^ω^)「僕、ブーンだお……よろしくお」
('A`)「え」
( ^ω^)「……ぞ、雑巾絞ってくるお……」
28 :
自衛官(樺太):2007/04/23(月) 19:29:59.85 ID:LP7kIZQkO
しぇん
29 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:30:01.00 ID:uGaQhEucO
OK……まずは落ち着け俺。
まずは目の前のカルビ人間から確認するんだ。
よしわかった。こんな奴見たことすらねーや。
……つーか、さっきから慌ててた理由がわかった。
よく考えたら俺って、今こいつから話しかけられたよな。
こんな感じで……平和に話しかけられたの、半年ぶり位なんだよね。
だからビビったのか。日常生活のイレギュラーってやつか。
でも、そんな事どうでもいいんだ。
むしろ、俺に話しかけたのは何でだぜ? 逆に恐いよ。
( ^ω^)「じゃあ、始めるお……」
('A`)「ま、待てよ」
( ^ω^)「……お?」
('A`)「俺、ドクオだぜ……ドクオだぞ……」
( ^ω^)「……わかってるお、だからだお」
30 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:31:27.85 ID:uGaQhEucO
('A`)「だから? だからって、どんな意味よ」
( ^ω^)「……」
('A`)「な、なんだよ……」
黙り込む豚。
直感だけど、こいつは焼いたら旨い気がする。
よく見たら脂肪だけじゃなく、筋肉もついていたからだ。
( ^ω^)「ぼくも、同じなんだお」
('A`)「あん?」
(;^ω^)「いや……ごめんだお……」
(;'A`)「べ、別に怒ってねーよ……」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
あれ? あれれー? 何この空気? すごく重いよ?
正直居づらいよ。掃除も終わんねーよ。
31 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:32:18.05 ID:uGaQhEucO
('A`)「あ、あのさ、何が同じなんだよ……」
( ^ω^)「僕と君の境遇……かお? たぶん……」
('A`)「……つー事は、お前もいじめられてんのか?
クラス違うからわかんねーけど、大変だな」
( ^ω^)「いや、確かにいじめられてるお。
けど……僕が言いたい境遇は違うんだお」
俺は窓に息を吹きかけながら、沈黙してしまう。
アイツはというと、黒板消しの煙でむせてた。きめぇ。
……んでも、なんとなく気になってきた。
俺の境遇といえば、正直いじめられてる事くらいしか思い浮かばないから。
('A`)「……どういう事か、説明してくんね?」
声をかけて、続きを促す。
振り返ったカルビは、意味のわからない事を言ってのけた。
( ^ω^)「僕も、君も――透明人間なんだお」
32 :
宅配バイト(神奈川県):2007/04/23(月) 19:32:53.43 ID:IePQD4v10
しえん
33 :
噺家(樺太):2007/04/23(月) 19:33:12.85 ID:7d5OEze3O
ペンペン草
34 :
守備隊(東日本):2007/04/23(月) 19:34:14.88 ID:KIdZIu9X0
途中の展開が今おれが書き溜めてる奴にくりそつでワロタ
35 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 19:34:57.91 ID:JyZsXahq0
試演
36 :
自衛官(樺太):2007/04/23(月) 19:38:08.66 ID:LP7kIZQkO
しえん。
37 :
ドラッグ売人(東京都):2007/04/23(月) 19:39:31.58 ID:3V6/Wx5V0
wktk過ぎる
この文章見覚えあるな
38 :
養鶏業(東日本):2007/04/23(月) 19:39:58.75 ID:r42+gVLg0
死ねないの人かな?
39 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 19:42:54.32 ID:JyZsXahq0
試演
40 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:43:33.58 ID:uGaQhEucO
*
透明な物は、人間にとって綺麗に見える事が多々ある。
『スケルトン』とか。『クリアカラー』だとか。
よくよく考えれば、全くもっておかしい事だ。
おかしい事。大まかに分けて、二つある。
まずは一つ目のおかしい点。
ガラスでのレプリカは駄目。ダイヤモンドは綺麗。これだ。
人間達は、その観念の愚かさに気付かない。
『豚に真珠』ということわざがある。
意味を要約してみよう。すると、こうなる。
『どんなに貴重な物でも、価値がわからない人間にとっては何の役にもたたない』。
つまり、"人間界"で宝石という物は貴重なのだ。
見た目からは、透明度の違い程度しかわからないというのに。
仮にも例えではあるが、この理論は宝石好きにとっては愚論にしかなりえない。
だが、それが当たり前なのだ。人間の価値観はそれぞれ違ってこそ、であるから。
41 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:44:47.22 ID:uGaQhEucO
そして、二つ目のおかしい点。
先程、クリアカラーは人間にとって綺麗に見える述べた。
いや――そのもの自体"が"綺麗なのではないのだろう。
クリアカラーの物体。その先が透き通って見える事こそ美しいといえるのだ。
携帯電話やゲーム機。時計や子供の遊び道具。
中には『透明そのもの』が好きな者もいる。
が、基本的には人間にとって『透明』は他の色を引き立たせる色でしかない。
だが、そもそも透明は色なのだろうか。
色が無いものが透明なのではないのだろうか。
そう。透明というものは、恐らく色ともとれる。
もちろん、それさえも人それぞれではある。
だが、ここでは『透明=一つの色』として話を進めていこう。
空気。無。零。それらは『透明』と殆ど同義の存在。
42 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 19:45:53.35 ID:JyZsXahq0
試演
43 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:46:54.78 ID:uGaQhEucO
さて、一番最初に説明をした事を覚えているだろうか?
『空気と呼ばれる人間は、透明人間とも呼ばれる』。これだ。
これについては、恐らくその通りではないだろうか。
その事についてはドクオやブーンの存在が証明にあたる。
今までの文には、一つの矛盾――いや、幾つもの矛盾があるのがわかる。
その中でも、一番興味深い矛盾について記述しよう。
透明な"人間"は忌み嫌われる。
透明な"色"は好まれる。
しかし、これではらちがあかない。
なので、この事実を矛盾ではなく――それが当たり前だと解釈してみよう。
するとどうだろうか。こう考えられそうではないか。
『透明』というものは、不確定な存在ではないかと。
『透明人間』だとしても、存在価値を見い出せるのではないかと。
44 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:47:34.15 ID:uGaQhEucO
*
木の葉が散り、雪が舞い。
気付くと俺は受験の年を迎えていた。
迎えたとは言っても、まだ四月だ。桜だって満開じゃない。
だけども、今のところ六分咲き程度のこの桜。
俺は今の桜が好きだ。綺麗じゃない代わりに、美しい。
俺は完璧じゃない人間。
だから、同じように完璧じゃない桜が好きなんだと思う。
('A`)「うぇ……寝過ごした訳だが……」
窓際にある俺の部屋。
四階だから、自殺しようと思えばいつでも出来る。良心設計だな。
破れかけたネクタイを直しながら、テレビをつける。
遅く起きたおかげで、今日の占いカウントダウンを見る事が出来た。
45 :
運び屋(樺太):2007/04/23(月) 19:48:14.19 ID:8DEZZc3bO
洗脳されそう
46 :
自衛官(樺太):2007/04/23(月) 19:48:41.45 ID:LP7kIZQkO
ん。
47 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:48:48.61 ID:uGaQhEucO
#「蟹座のあなた。今日はガッカリな一日になりそう。
でも大丈夫! 普段は話さない人から、何か親切があるかも!」
('A`)「暴力という名の親切ですか。そりゃどうも」
#「占い信じないと地獄に落とすわよ」
(;'A`)「!?」
#「ラッキーカラーは青! 目に見えない場所なんかに付けるといいかも!かも!
それではまた来週☆ ばいばいなのだぁ☆」
(;'A`)「あれ……なんか、変な占いだったな……」
テレビを消して、座り込む。
学校には七時半までに家を出ればいい。十分間に合う。
しかし、占いなんてのは笑いの種にすらならない。
俺にとって、非科学的な物体や事象はゲームの中の話だ。
奇跡とか神様とか、そんな存在はいない。
そうとでも考えなければ、悲しくなってくる。
しかし――ラッキーカラー、か。
48 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:50:31.20 ID:uGaQhEucO
靴を鳴らし、玄関を開ける。
目の前には見慣れたピザがつっ立っていた。
音で気付いたのか、欠伸をしながら手を振った。
俺はそれに応えるように、笑いかける。
('A`)「俺達の色は、もう決まってるもんな?」
( ^ω^)「おっ? ……急にどうしたお」
('A`)「知らねーよwwwwwwww」
( ^ω^)「ちょw」
('A`)「死ねwwwww」
俺とブーン。
二人とも、れっきとした『透明人間』だ。
どうやら――同色は引かれ合う運命らしい。
('A`)「じゃ、行くべ!」
( ^ω^)「……おkだお」
('A`)「……?」
並んで、歩き出す。
学校までの道のりで、話題が尽きる事は無かった。
49 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:51:49.36 ID:uGaQhEucO
('A`)「じゃ、また帰りにな」
( ^ω^)「今日も頑張れお。あの、助けられなくて……」
('A`)「だー、うるせーよ。お前が気にすんなって。
……帰り道が楽しけりゃ、多少のパンチくらい耐えられるっつーの。
迷惑はかけたくないしな、そういうこった」
( ^ω^)「ドクオ……すまんお」
('A`)「あいあい、んじゃな」
( ^ω^)「おっお」
校門の手前に差し掛かり、そんな会話をする。
五階にある教室へ向かって、階段を時間差で登っていった。
('A`)「はぁ……鬱だ」
俺にとって、ブーンが友達であること。
これを知られると、ブーンまで暴力を振るわれてしまうかもしれない。
そんな事を俺は望んでいないし、アイツもそれは避けたいだろう。
だから俺達は、学校だと赤の他人でしかない。
仮に俺がいじめられてても、けして助ける真似はしない。
それが俺からブーンに課した、友達同士でいる事の条件。
他の人間を巻き添えにするなんて、もっての他だ。
50 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 19:52:57.32 ID:JyZsXahq0
試演
51 :
自衛官(樺太):2007/04/23(月) 19:53:27.45 ID:LP7kIZQkO
ドクオ…
52 :
組立工(埼玉県):2007/04/23(月) 19:53:44.57 ID:M/T/ZfpV0
私怨
53 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:53:47.19 ID:uGaQhEucO
('A`)「ふぅ」
すでに九割近い生徒が席についている。
その内の半分以上は、俺を殴った事のある生徒だ。
モララー達は、必ず俺に友達を作らせない。
今更、俺とうっかり親しくしまう奴はいない訳だ。
('A`)「……」
一年の二学期、俺に話しかけてきた奴がいた。
別に、同じいじめられっ子なんかじゃない。
どちらかと言うとイケメンの類だと思う。
俺はそいつと、一週間だけ友達になった。
( ・∀・)「昨日は驚いたよ。まさかの素早さだった」
「「あるあるwwwwデブのくせに機敏wwwwwwww」」
('A`)(一対一で戦えない奴らが偉そうに……死ねよ)
( ・∀・)「ねぇ、ショボン。君ならどうだったかな?」
(´・ω・`)「あぁ。僕ならまぁ、余裕勝ちだったかな」
「「てめぇwwwwねーよwwwwww」」
54 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:54:58.97 ID:uGaQhEucO
('A`)(あーあ……何を考えてんだか……)
何の因果か、ショボンとは三年間同じクラスだ。
先生は空気嫁よ。モララーとも一緒じゃねーか。
('A`)(アイツは、楽しそうだな……)
代わりに、ブーンとは一度も一緒になれなかった。
仕方ないか。どちらにしろ、学校ではブーンと話せない。
「「去年は面白かったよなwwwwwドクオいたしwww」」
( ・∀・)「ん? ドクオ、あそこにいるじゃないか。
どうせだし、朝からってのもいいかもね」
そのセリフは、もう慣れっこだった。
今日も始まるのか。朝から始まるなんて、ついてないな。
……そう考えていた、矢先だった。
(´・ω・`)「ドクオは放っとけばいいと思うよ。
……そんな事よりトランプしようか。七並べね」
「「七並べつまんねーっすwwwサーセンwwww」」
55 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 19:56:16.91 ID:uGaQhEucO
('A`)「あ……」
『ありがとう』。そんな事、言いたくても言えない。
あいつは、そんなセリフが欲しい訳じゃないから。
ショボンとの距離は、昔とずいぶん変わってしまった。
……けど。ショボン自体は、全く変わっていない。
今だってそうだ。俺とモララーを、遠ざけてくれた。
あいつは俺と違って、頭もいい。
直接的じゃなくとも、俺を助けてくれるんだ。
('A`)(ショボン……)
友達になる前から、ずっとこうだった。
俺を何かと気に掛けてくれて。すげー嬉しかった。
……それだけに、あの日だけはショックだった。
たまたま教室に行っただけで、あんな事聞いちまうなんて。
どうせなら、友達という関係にならなけりゃ良かった。
出会いがなければ、別れもないんだから。
56 :
別府でやれ(アラバマ州):2007/04/23(月) 19:58:29.61 ID:FwERFPc40
これはなかなか
57 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 20:00:02.08 ID:uGaQhEucO
前半戦終了です
さるがうざく、推敲もしたいので後半は明日になりそうです
もしかしたら深夜に投下出来るかもしれません。
勝手な判断で面目ないです。
……ひとまず、支援やwktkありがとうございました。
読者の方々には申し訳ありませんが、少しばかりお待ちください。
58 :
ボーカル(コネチカット州):2007/04/23(月) 20:00:40.04 ID:4/pOKttEO
乙
59 :
DJ(大阪府):2007/04/23(月) 20:01:26.76 ID:s+afWAs10
これは素晴らしい
60 :
自衛官(樺太):2007/04/23(月) 20:02:00.33 ID:LP7kIZQkO
おまちします!
きらいだけど好きなはなしぽいw
61 :
俳優(愛知県):2007/04/23(月) 20:02:41.35 ID:7BjE+0l50
乙
62 :
プロ棋士(コネチカット州):2007/04/23(月) 20:03:37.50 ID:KClnResoO
乙
63 :
噺家(樺太):2007/04/23(月) 20:03:44.82 ID:rmo5I+ypO
乙
64 :
組立工(埼玉県):2007/04/23(月) 20:03:49.40 ID:M/T/ZfpV0
深夜にくることを期待
65 :
ドラッグ売人(東京都):2007/04/23(月) 20:05:52.07 ID:3V6/Wx5V0
乙!
66 :
養鶏業(東日本):2007/04/23(月) 20:06:25.75 ID:r42+gVLg0
乙
67 :
通訳(神奈川県):2007/04/23(月) 20:17:44.44 ID:xCk10Cln0
ホ
68 :
自宅警備員(静岡県):2007/04/23(月) 20:31:52.05 ID:ln3WQcio0
これはいい
69 :
通訳(石川県):2007/04/23(月) 20:41:57.76 ID:JyZsXahq0
乙ー
70 :
水道局勤務(樺太):2007/04/23(月) 21:00:19.53 ID:PmvmCLslO
期待
週刊石川雅之?支援
72 :
ミトコンドリア(樺太):2007/04/23(月) 21:23:34.44 ID:HbiUk/M2O
wktk
73 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 21:41:16.84 ID:uGaQhEucO
日付が変わる頃には投下出来そうです。
もう少々お待ち頂ければと。
保守wktk支援に乙、本当にありがたいです。
感謝致します。
74 :
噺家(樺太):2007/04/23(月) 22:00:04.28 ID:7d5OEze3O
( ゚∀゚)
75 :
ミトコンドリア(樺太):2007/04/23(月) 22:04:57.62 ID:HbiUk/M2O
ほ
76 :
歯科技工士(樺太):2007/04/23(月) 22:05:39.19 ID:vUqNjYxtO
久々に良作な悪寒
77 :
不老長寿(愛知県):2007/04/23(月) 22:08:11.22 ID:GJV8Rh2q0
wktk
78 :
芸人(千葉県):2007/04/23(月) 22:23:36.09 ID:c1aQd0QK0
完結したらまとめてもいい?
79 :
ミトコンドリア(樺太):2007/04/23(月) 22:25:37.41 ID:HbiUk/M2O
ほ
80 :
自衛官(樺太):2007/04/23(月) 22:28:18.40 ID:ftHdhj8AO
これはいい
81 :
水道局勤務(樺太):2007/04/23(月) 22:30:29.16 ID:4jQ5+Cb8O
これは勃起物
82 :
三銃士(茨城県):2007/04/23(月) 22:49:45.92 ID:Hwp+s4DN0
嫌いじゃないぜ、こういうの
83 :
漂流者(樺太):2007/04/23(月) 22:51:05.77 ID:Xs5mPxY7O
>>46 「ん。」
↑これは キ モ イ YO!!
84 :
忍者(樺太):2007/04/23(月) 22:56:32.98 ID:QwZdsVA0O
東京事変思い出した
85 :
天の声(アラバマ州):2007/04/23(月) 23:28:34.46 ID:U+Kt6DiU0
今回で終了?
眠れないじゃないかコノヤロー
86 :
国連職員(コネチカット州):2007/04/23(月) 23:28:46.38 ID:f+x1NbxVO
ほす
87 :
国連職員(コネチカット州):2007/04/23(月) 23:48:05.38 ID:f+x1NbxVO
ほす
88 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 23:56:06.96 ID:uGaQhEucO
>>78 なんと……申し出られた事が初めてです。
こんな作品でよければお願いします。
推敲している内に、少々長くなってしまいました。
なので、二回に分けようかと。
二時か三時前には全て投下出来るよう努力致します。
では後半の前半、投下します。
89 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 23:57:21.36 ID:uGaQhEucO
*
先にも述べたが、ドクオは生まれつきの透明人間だ。
その透明度は、日に日に純度が濃くなっているのだが。
彼の始まりは、VIP幼稚園。
ドクオが生まれて初めて、友達を知った場所。
ドクオはいわゆる、優等生と呼ばれる子だった。
それゆえに空気的な扱いを――つまり、強い愛情を受けられなかったのだ。
例えば、おねしょや落書きを繰り返す子供は、沢山いた。
そういった類の子供達は、叱られながらも愛情を受けていく。
先生や親と触れ合い、その手間を経て成長していくのだ。
だが、ドクオは違った。
幼少の頃から、才能の片鱗を見せていたのだ。
おねしょや落書き等をしないのは当たり前。
布団を畳んだり、しまいには机を拭く先生の手伝いまでしていた。
才能があった。頭がよく、運動神経もそこそこで。
あくまでその当時での事だが、ドクオは勝ち組になり得る存在だった。
――他人を思いやれる、そんな『優等生』だったのだ。
90 :
留学生(樺太):2007/04/23(月) 23:58:30.16 ID:uGaQhEucO
先生は驚いた。こんなにも手間のかからない子がいるのかと。
こんなにも優しい、精神年齢の高い子がいるのかと。
そのせいで、ドクオは放ったらかしにされていた。
仕方ない。"出来る子"が後回しにされるのは、当然だった。
そしてドクオは、周りの"出来ない子"を嫌い始める。
賛美や驚嘆の声は、彼にとって必要無かったのだ。
ただ、構って欲しかった。せめて、人並みに。
考えれば、その時からドクオは変わっていたのかもしれない。
周りの人間とは違う、『透明』という色を強くしていたのかもしれない。
『俺はちゃんとやっている。それを評価してくれない、周りが悪いんだ。
俺の価値観は変えない。屁理屈だと言われようが、構わない。』
ドクオが苦しくなった時に復唱する、自らを奮起させる為の言葉。
"意思や思想"として正しいのかどうかは、言うまでもない。
――が、負けずに生きる為にはそう考えるしかなかったのだ。
少なくとも、ドクオという『透明人間』にとっては。
時期は変わり、一年半程前の二学期。
ドクオにとって、一大転機が訪れた。
――ショボン。彼との出会いだ。
小学校、中学校と成長していったドクオ。
周りには、あたかも当たり前のように避けられていた。
特に理由はなく、それがドクオという存在であるから。
『透明人間』という人種が空気である事に、何の理由も必要がないのだ。
ドクオはそんな自分を呪うような事はしなかった。
世間が悪いと考えているから、呪う訳もない。
ただただ苛立ち、世界を嘆くだけだった。
――そして彼は、自らの脳が弾き出した真理に気付く。
人生なんて頑張らなくてもいい。
目立てないのなら、時を待とうじゃないか。
そして、世界の隅っこを歩いてやる。誰にも見付からない、中心から離れた位置を。
……そう考える事で、事実上の諦めがついた。
気分も良くなって、不遇の立場に哀しむ事も無くなった。
が、その時だった。ショボンに声を掛けられたのは。
支援
*
学校からの帰り道。俺はニヤニヤしまくってた。
そりゃそうだ。昨日まで一人だった下校時間に、今日は隣に人がいるから。
それも、只の人じゃない。念願の、友達だ。
('A`)「それで、先月なんか歯が折れてさ……」
(´・ω・`)「うわ。厳しいね……痛々しいよ」
不幸自慢をしながら、ゆっくりと道を辿る。
所々で相づちを打つショボン。表情は、変わらない。
最初は全く笑わないのが申し訳なくて、落ち込んでた。
けどショボンは、それが地なんだと言っている。
俺もそうなんだと思った。確かに、学校でも笑わない。
ほくそ笑むというか、そんな笑い方はするけども。
ショボンは興味がある事に関しては、目を輝かせる。
俺が自慢出来るような話題が一つだけあった。
トーチャンからの受け売りである、雑学だ。
('A`)「……だから、あの出来事って嘘なんだよw」
(´・ω・`)「ホントに? そりゃ知らなかったよ。
あ、じゃあさ、今度は戦国時代の話なんだけど……」
そこで調子に乗って、ショボンに披露してみた。
もしやとは思ったのだが、本物の子供みたいに食い付いてきやがってさ。
しまいには、君の親父に会わせてくれとか言ってたか。
そん時には流石に笑ったな。焦ったけど。
('A`)「はは、でもさ……ホントに嬉しかったよ」
(´・ω・`)「? 何がだい」
('A`)「まさかショボンが、俺に話しかけてくれるなんてさ。
マジでびびったよ……夢かよ、みたいに」
(´・ω・`)「僕だって、ただイジメを傍観したい訳じゃない。
自分に関係無いからって、目を逸らしたくはないからね」
ショボンが鞄を背中に回し、空を眺めた。
整った茶髪が、日差しのせいで金色に輝いている。
(´・ω・`)「それに……なんとなく君は違った。
他の人間とは、なにかが違って見えたんだよ。
良い意味なのか悪い意味なのか、そんなのはわからないけどね」
('A`)「不吉だなw やめてくれよ、悪い意味とか」
俺の言葉が、鼻で笑われた。
続いて、ショボンが欠伸をしながら答える。
(´・ω・`)「君は馬鹿だなぁ。少なくとも、僕にとっては……
僕にとっては、良い意味に決まってるだろ。
君を気に入らなけりゃ、わざわざ揉め事起こすかって話さ」
('A`)「……おまえ、いい奴だな……」
(´・ω・`)「おっと、僕に惚れるなよ」
('A`)「ねーよwwwwwwwwww」
それから話はいつも以上に弾み、すぐに交差点についた。
ここをショボンは右、俺は真っ直ぐ進む。
(´・ω・`)「んじゃ、また明日だね」
('A`)「おいっす。明日は八時にここでい……」
(´・ω・`)「あ、ちょっと待って。電話だ」
待ち合わせ時間を確認しようとした時、急に携帯が鳴った。
邪魔くせぇ。ホントに携帯は空気読まないな。
(´・ω・`)「うん……今から……? あー……」
('A`)(……なんか、混み入った用事みたいだな。
長くなりそうだし、あとでメールすりゃいいか)
ジェスチャーで帰る旨を伝えると、手を振られた。
小声で『あばよ』と言って、信号機のボタンを押す。
宿題が今日は多かったな。クソだりぃぜ。
(´・ω・`)「あ……いや、もう大丈夫。今は一人だ」
信号が青になったのを確認して、俺は真っ直ぐ進んだ。
支援
――が、ある失敗に気付いてしまった。
('A`)「明日美術の課題提出じゃねぇか……モナー死ねよ」
課題。水彩絵の具を使った、風景画だ。
本来なら授業中に終わらせるのが普通なのだが……
必死に絵を描く俺に、何の邪魔が入らない訳もなし。
一枚目の自信作はビリビリに引き裂かれて、捨てられた。
めげずに描いた二枚目は、絵の具をぶちまけられた。
そして三枚目は、飛行機にされて飛ばされた。
今考えたら、精神的にダメージがあるだろ。
よく俺泣かなかったよな。凄いわ、俺。
('A`)「絵の具、教室か……だりぃな」
来た道を引き返すのは、気が進まない。
しかし、成績を保たせるには提出物をちゃんとしないとな。
('A`)「あ、ショボンまだいるじゃんw」
さっきの交差点で、ショボンはまだ話してた。
どうやら丁度、今電話を終えたようだ。携帯をしまっていた。
('A`)「おい、ショ――」
声を出しかけて、引っ込めた。
ショボンが、道を引き返し始めたからだ。
なんでだろ。学校に、何の用があるんだろうか。
追い付こうとも思ったが、やめといた。
ショボンから、明らかな怒りの表情が見えたからだ。
……いや、怒りというかなんというか。
イラついたような、歪んだ表情だった。
普段ポーカーフェイスのショボンが、感情を露にしてて。
俺は内心、ビビってた。
('A`)「……」
とりあえずついていこう。
もしバレたら、驚かそうとしたとか言えばいいや。
*
ドクオがショボンをつけた事。選択肢としては、間違いだった。
後から――本人からの説明を聞けば済んだ話だったのに。
ドクオは、"それ"に至るまでの事実を聞いてしまった。
落ち着いた状況でなければ、人間の判断は鈍る。
誰が正しいか。どういう意味なのか。
そういった、正常な判断が出来ない――いや、しにくいのだ。
彼、ドクオ。これから聞く話により、自分がどう思われていたのか。
自分が、どういった人間であるのか。
それを気付かせられる。それも、強引に。
今まで曖昧に知覚していた自分の存在を、知ってしまうのだ。
『透明である』と。『色が無い』と。
知らされてしまうのだ。あの、モララーによって。
目を背けても、耳を塞いでも、状況は変わらない。
友達が奪われた後の脱力感を、強く思い知ることになる。
101 :
ドラッグ売人(長屋):2007/04/24(火) 00:11:23.11 ID:ClU3FB7R0
支援
102 :
外資系会社勤務(埼玉県):2007/04/24(火) 00:12:09.95 ID:QZGH6/le0
支援
「磁石を狂わせる事は、僕にしか出来ない。
でも、磁力を無くす事なら誰にでも出来るんだ」
ショボンを正とするならば、ドクオは負。
正反対の二人だからこそ、わかり合えたのかもしれない。
「繋がりが出来ないのって、苦しいよ。辛いよ。
だから、君にも同じ体験をして欲しいんだ」
だが――正反対という存在同士は、本来交わらない。
ならば、二人の出会いと繋がりは無意味だったのだろうか。
誰も、知り得ない。神にも、本人にすら、わからない。
そして今。教室に入ったショボンを、ドクオは見失わなかった。
人気の無い廊下にしゃがみこみ、二人の対談を聞き始める。
*
('A`)(モララー……! な、なんで)
隣の教室に身を潜めて、神経を研ぎ澄ませた。
聞こえてきたのは、モララーとショボンの声。
('A`)「……聞こえねぇ……くっそ」
教室出口に位置する俺。
内容が何も聞こえなくて、焦りが出てきやがる。
どうにか近づきたいのだが――足が動かない。
まるで、俺に話を聞かせたくないように感じる。
(;'A`)「……ひゅー……ひゅ……」
バレたくない、しかし内容の欠片でもいいから聞きたい。
指一本を動かす事さえ億劫な俺を置いて、二人は話を続けていた。
( ・∀・)「……僕はね、はっきりして欲しいだけなんだ。
僕らとドクオ、どっちを取るのかを、ってね」
(´・ω・`)「どっちにつく……か。幼稚な考えだね。
どちらでもいいじゃないか。君には関係無い」
105 :
ドラッグ売人(長屋):2007/04/24(火) 00:16:32.86 ID:ClU3FB7R0
支援
( ・∀・)「ん? ……だからさ、こう聞いてるんだよ。
ドクオを僕がぶん殴るか、君がぶん殴るか。
わかるかい? 僕だって、長々と話したい訳じゃないんだよ?」
(´・ω・`)「……」
一瞬、教室が静寂に包まれた。
やはりよく聞こえなくて、むず痒い。
( ・∀・)「僕はどっちでも構わないよ。
君の真意がどうだろうが、ドクオさえ弾く事が出来ればいいし」
(´・ω・`)「……ふぅ。つまり、ただドクオが気に入らないと。
そういう事だよね? ……馬鹿馬鹿しい」
( ・∀・)「正確には、気に入らないだけじゃないけどね。で、どうするの?」
モララーの声の後、すぐにショボンの笑い声が聞こえた。
俺の座り込んでいる廊下へと、高らかに響く。
不気味な感じで、いつものショボンじゃないみたいだった。
(´・ω・`)「……ははは。お手上げだよ、君には負けた。
いいよ、ドクオを切るよ。……これでいいね」
107 :
修験者(樺太):2007/04/24(火) 00:18:33.48 ID:J0RHlo3iO
支援
( ・∀・)「いい判断だね。良かったよ、ホントに。
やっぱり君は、"こっち側"の人間だ」
(´・ω・`)「こっち側……? どういう意味だい」
( ・∀・)「簡単な事だよ。君には色があるって意味。
"色"は、僕にもある。そして、"あいつ"にもある。
わかるかい? 僕が何を言いたいか」
(´・ω・`)「……わかりたくもないね」
一転して、モララーの笑い声。
普通の話し声は、ブツブツ呟いてるようにしか聞こえない。
けど、笑い声は気持ち悪い程の大声だった。
( ・∀・)「わからないか。つまり……ドクオには"色"がないんだよ。
透明なんだよ。ムシャクシャするぐらいにね」
(´・ω・`)「透明? 色? ……なにかの宗教かい?
全くもって、僕には理解出来ないよ」
( ・∀・)「いつかわかるよ。人間と、人間未満の違い。
……ま、感覚だよ。影が薄いとか、そういう問題でもないけど。
理解は求めちゃいない。とにかくそういう事だよ」
(´・ω・`)「僕はあくまでも中立だ。
進んで暴力を振るうつもりはないし、君の下につく事もしないよ」
('A`)(やっぱし聞こえない……近づいてみる、か……)
思いきって、扉へと目を向けて。
閉めきられたドアに耳をつけて、集中する。
なんとなく――いや、はっきりと声が聞こえた。
( ・∀・)「そんな事、どうだっていいんだ。
ドクオへの接し方さえ変えてくれればね」
接し方? 俺へのショボンの態度は、本当に優しい。
それを変える? ……全く意味がわからない。
とにかく、面白可笑しい話じゃなさそうだ。
(´・ω・`)「……じゃあ、もう用事は済んだかい?」
( ・∀・)「うん。それじゃ、明日中にドクオに言いなよ。
そうすれば、君は勿論ドクオへのイジメも控えるかもしれないし」
(´・ω・`)「どうだろうね。君が彼への暴力を辞めるとは思えない」
( ・∀・)「あー……やっぱりバレてた?」
(´・ω・`)「悪ふざけは好きじゃない」
( ・∀・)「あんまり堅物ぶんなよ……いつか、わかるからよ」
(´・ω・`)「……」
('A`)(訳分かんねぇよ…… こいつら、何話してんだよ……くそ)
支援
111 :
ドラッグ売人(長屋):2007/04/24(火) 00:24:14.42 ID:ClU3FB7R0
支援
状況が、把握出来なかった。
なんでショボンとモララーがこうやって話してる?
まるで、俺を騙してるみたいじゃねぇか。
なんなんだよ。ショボンは、何を考えてんだよ。
……俺は今すぐ扉を開けばいいのか?
それとも、引き返してからショボンを問い詰めればいいのか?
どうすりゃいい、どう行動すればいい?
( ・∀・)「そうだ、ドクオにはこう言いなよ。
『モララーと組んでた、僕は君を騙した』ってね。
そうすれば、場の雰囲気は盛り上がるかもよ?」
こいつは、何を言ってんだろうか。
恐らくショボンは、俺を騙すような奴じゃない。
一緒に遊んだ時から、学校に登校する時まで。
ショボンの笑みは、偽りじゃなかった筈だ。
(´・ω・`)(なんだコイツは……おかしいんじゃないか?
"中立"って言ってるんだ、ドクオを本当に突き放す訳がないのに。
……いや、ドクオは適当にごまかしちゃえばいいのか)
( ・∀・)「なんだい、怖い顔しちゃって……
正直に言ってごらんよ、君もムカついてたんじゃないかい?
もしくは……自分の子分を作りたかった、とか?」
ショボンは、何も言わなかった。
黙って、ただ黙って。やはり、意味はわからなかった。
('A`)(……ショボン、は?)
寡黙で、数学の時くらいしか目立たない奴だった。
そのショボンが、俺に声をかけた時に笑ってた。
だから俺は、変な自信を持ってたのかもしれない。
('A`)(よく考えたら俺って……馬鹿みてーだな。
ショボンの事、用心棒くらいにしか思ってなかったのかもな)
実際、そう思ってる訳はない。
ショボンはモララー達に対する用心棒じゃなくて、友達だ。
今日の今日まで、ずっと。俺はあいつを信じてた。
つーか、今でも信じてるけど。なんか、よくわかんない。
('A`)(わかんねぇ。……なんなんだよ)
俺は結局、ここで考えに行き詰まってしまう。
ただ、モララーがムカついた事だけはわかった。
だから、馬鹿正直に扉を開いた。
思いっきり、ぶち壊す勢いで開いてやった。
('A`)「お前ら……説明、しろよ……」
モララーは、笑っていた。
ショボンも、笑ってた。
俺まで、笑った。
*
三つの笑い。各々、意味は違っていただろう。
嘲笑。苦笑。哀笑。
そのそれぞれが、高らかな響きに変わった。
――この後、ショボンとドクオは和解を果たした。
和解と言うよりは、誤解を解いたような意味に近い。
なのだが、やはりと言うべきか――距離は離れた。
ドクオが離したのだ。迷惑をかけまいと、自己の判断で。
ショボンは悩み、考えた。
どうすればいいだろうか。どう接すればいいだろうか。
自己嫌悪に陥りながらも、必死に思案した。
――その結果が、今の二人の関係だ。
ショボンは影ながらのサポートに回った。
ドクオの遠慮を汲み取り、そして何とか助けようと。
思慮深い、そして人情深い考えであった。
ドクオにしては、満足な待遇だった。
ショボンにもモララーにも、大した不満は無かった。
完璧とは言えなくとも、三方に見合った施策だった。
このまま、モララーが何の動きも見せなければ。
……このままの状況だったならばドクオも別の人生を歩めただろう。
幸せにはなれなかったかもしれないが、不幸にもならずに済んだかもしれない。
今更、遅いのだが。
終わった物語は、もうやり直す事が出来ない。
わかりきった理論であり、また否定の余地すらない理論。
つまり――傷付いた身体は、時間をかけて元に戻る。
だが。死んでしまった人間は、時が経っても生き返る事はない。
そういう意味だ。
支援
118 :
運び屋(樺太):2007/04/24(火) 00:33:26.78 ID:b0vGbi9pO
支援するよ( ・∀・)
119 :
ドラッグ売人(長屋):2007/04/24(火) 00:33:32.47 ID:ClU3FB7R0
支援
120 :
クマ(茨城県):2007/04/24(火) 00:40:34.47 ID:euEesNs70
支援
121 :
偏屈男(沖縄県):2007/04/24(火) 00:52:24.98 ID:IRXFBYkO0
これは面白。続きが気になるな。
『透明人間』。
彼の物語は、ショボンとの出会いで転じた。
その出会いについて語る事は、今更必要ないだろう。
――時は"今"に戻り、放課後。
ブーンやショボンと出会い、またモララーとも出会い。
その物語の主人公であるドクオは、夢を見ていた。
『皆が皆仲良くして、誰もが色を持つ世界』。
途方もない夢だった。そして、壮大な。
彼は、その世界を観る事はない。
現世すら、堪能する事はない。
夢は、夢なのだ。
夢は観るものであり、叶えるものではない。
『透明人間』は、そう諦めた。
123 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:09:17.65 ID:S6mrRFftO
さるさん死ね。
続いて、後半の後半投下します。
申し訳ありませんでした。
支援
125 :
あおらー(千葉県):2007/04/24(火) 01:15:11.47 ID:wbAoqGVX0
wktk
126 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:15:56.85 ID:S6mrRFftO
*
( ´∀`)「おい、起きなさいモナ。下校しないと……」
('A`)「う……?」
( ´∀`)「あ、起きた。……今週の掃除は業者がやるから無しだモナ。
まーゆっくり休みなさい。先に失礼モナ」
('A`)「……ぁー」
時計を見る。……五時?
おいおい、何時間寝てたんですか僕は。
つーか周りも起こせよ。こういう時だけ安眠させんなよ。
( ´∀`)「しかし、良かったモナ。君にもやっと友達が出来たんだモナ?
ブーン君、ずっと教室で待ってたんだモナ」
('A`)「え?」
( ´∀`)「あれ? 違ったのかモナ?」
127 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:18:36.91 ID:S6mrRFftO
ブーンと、学校でそんな素振りを見せた覚えはない。
つか待てよ。モナーでさえ知ってるんだったら……
あれ? これって、ヤバいんじゃねーか?
('A`)「せ、先生。 ブーン、どこにいます?」
( ´∀`)「いや、なんか携帯で電話しながらだったから……
教室……じゃなくて、あれ……」
おせぇよ。早くしろよ。
たまにはその緩んだ脳みそ働かせろ。
( ´∀`)「あ、多分上の教室かもしれないモナ」
('A`)「ありがとうございます!」
……この学校は、学年が上がる毎に階が下に下がる。
今の――この教室は、他でもない三年の教室。
二年の教室がある四階か、一年の教室がある五階。
階段を駆け上がり、踊り場を蹴る。
迷わず、五階の廊下を進んだ。
支援
129 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:20:18.98 ID:S6mrRFftO
頭にショボンがよぎる。
ブーンも、そうなるのか。
そんなはずはない。俺は、あの日から成長した。
用心棒じゃなくて、友達を手に入れたんだ。
心の底からわかり合えるような、親友を。
ブーンは、俺の親友だよな。当たり前だよな。
ブーンが俺に接してくれたのは、偽りなんかじゃない。
仮にモララーなんかに何を言われようが、大丈夫だ。
繋がりは、切れない。切らせない。
そう呟いて、あの時とは違う教室の窓を除く。そして――
( ^ω^)「ドクオ」
('A`)「ブーン」
俺が名前を呼ぶより早く、ブーンは俺を呼んだ。
そして、教室を見渡す。モララーの顔があった。
どういう意味なのか――やはり、わからない。
俺は、成長なんかしてなかった。
130 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:22:21.39 ID:S6mrRFftO
( ・∀・)「や」
('A`)「……」
( ・∀・)「無愛想だね。まぁいいや、状況はわかるかい?
ショボンと同じさ。ブーンと君は、今日で終わりだ」
またか。また、か。
お前はまた俺を省くのか。
( ・∀・)「ブーンも、苦しかったんだろうね」
( ^ω^)「……」
('A`)「え?」
苦しかった? ブーンが、なんで?
また狂言か? はめる為の、嘘か?
( ・∀・)「わからない奴だね。ブーンも、困ってたのさ。
君は思ったより、周りと『違い過ぎた』。
透明過ぎたんだよ。だからブーンは、自ら僕に打ち明けたんだ」
('A`)「……はは、ねーよ。ブーンが、んな事……」
ない、と言い切れなかった。
その時点で俺は、なんとなく嫌になってたから。この、空気が。
131 :
新宿在住(東京都):2007/04/24(火) 01:25:20.05 ID:O9vLlRGO0
wktk
132 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:27:44.07 ID:S6mrRFftO
( ・∀・)「君さ、ブーンから『透明人間』について聞いたかい?」
透明な人間。ブーンと出会った日に、教えてもらった。
俺達は、透明なんだと。一人一人にあるはずの、色がない。
だからこそ空気であり、いじめられていると。
ブーンはこうも言っていた。
透明人間だからって、嘆いたり、恥じる事はない。
『透明人間とは、心が透き通った人間の事だから』。
そう聞いて、いい奴なんだと確信してた。
泣きそうになったから、きめぇとか言ってごまかしたりしてた。
それがどうした。透明人間が、どうした。
( ・∀・)「あれね、僕が言わせたんだ。はは、ごめんよ?
『本当に透明な人間』には身に染みたでしょ?w
……あはは。勿論、ブーンは違う。君だけだよ、ドクオだけ」
( ・∀・)「この世で一番透明なんだよ、君は」
('A`)「……透明? おれが?」
( ^ω^)「……うんお」
あはは。こりゃねーわ。
133 :
留学生(三重県):2007/04/24(火) 01:29:34.01 ID:oPJhW5X/0
ドクオ…
134 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:30:07.53 ID:S6mrRFftO
じゃあ、あの言葉はなんだ?
ブーンの言葉じゃなくて、モララーが作った言葉か。
どこからどこまでが本当だ?
ブーンとショボン、どっちがどっちだよ?
誰が本物だよ。
('A`)「はは……嘘だべ」
( ・∀・)「今日という日をどれだけ待った事か。
……あぁ、今は清々しいよ。ホントにね」
('A`)「だから……」
( ・∀・)「もしかしたら、何か言葉でも交わしたいの?
あはははは、いいよ、じゃあ僕は先に行くよ、はは」
モララーは、笑いながら出口に向かう。
出口付近にいたブーン。その傍を、ゆっくり通りすぎて。
( ・∀・)「ごゆっくりー」
ゆっくりなんて、してられねぇよ。
早く、本当を、聞きたい。
135 :
焼飯(東日本):2007/04/24(火) 01:31:00.58 ID:zWMREVKr0
このあとモララーの生皮を剥くプレデターが現れるんだよな?な?
136 :
ほうとう屋(樺太):2007/04/24(火) 01:32:04.00 ID:1MB5YgDTO
モララー氏ね
137 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:32:28.31 ID:S6mrRFftO
( ・∀・)『それでいい』
( ^ω^)(……)
138 :
外資系会社勤務(コネチカット州):2007/04/24(火) 01:33:50.42 ID:Iea8ynviO
139 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 01:36:18.54 ID:S6mrRFftO
('A`)「な、ブーン。やっとモララーいなくなったな。
演技も大変だったよな。悪い悪い……」
( ^ω^)「違う」
('A`)「あは……え?」
( ^ω^)「僕は……ドクオを騙してたんだお。
悪いとは思ってないお、身を守っただけだお。
僕は透明じゃなくて、色があるんだお?」
('A`)「……」
( ^ω^)「だから……」
('A`)「だから?」
( ^ω^)「……」
('A`)「……」
ブーンは、何も言わずに教室を出ていった。
何も言わずに、教室を、出ていった。
140 :
2ch中毒(コネチカット州):2007/04/24(火) 01:40:40.68 ID:9Ror09WJO
期待
141 :
運び屋(樺太):2007/04/24(火) 01:41:46.07 ID:b0vGbi9pO
('A`)「……」
142 :
2ch中毒(コネチカット州):2007/04/24(火) 01:47:09.82 ID:9Ror09WJO
ワクテカ
143 :
新宿在住(東京都):2007/04/24(火) 01:48:20.58 ID:O9vLlRGO0
まだかーっ
さる?
145 :
調理師見習い(樺太):2007/04/24(火) 01:51:43.71 ID:wMt7icWgO
寝れん
146 :
新宿在住(東京都):2007/04/24(火) 01:54:13.35 ID:O9vLlRGO0
さるってきつくなったの?
( ^ω^)「ぼく…………」
ばつが悪そうな表情をして、ブーンは駆けて行った。
放課後の廊下に響き渡る、控え目な足音。
廊下の奥を曲がっても、アイツは一度も振り返る事は無かった。
ただの一度も、か。
('A`)「は、はは、はひ」
なんでこんな事になってるんだろうか?
俺が何をしたんだ? 俺が、何を――
そうか。何もしてないよな。俺は悪くないか。
でも、ブーンも悪くないよな。自分を優先するのは、当たり前だよ。
('∀`)「はは、ふひひひひひ」
そう考えると、思わず笑みが出た。
こうなったらどうでもいいか。アイツは、アイツだ。
つまりアイツは、『透明』じゃなくなったんだ。
即支援くらいのがいいのか
149 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:04:23.20 ID:S6mrRFftO
('A`)「俺は生き方変えないぜ。絶対変えないよ、絶対」
空を仰ぐ。正確には、天井を仰ぐ。
妙に早口になって、自分でも何を言ってるのかわからない。
わからないけど、だんだん楽しくなってきた。
('A`)「変えるぐらいならさ……あは……」
俺ほど『透明』が似合う男は、そうはいまい。
これは負け惜しみなんだろう。でも、どうでもいい。
俺にとって『透明』という"色"は、一番近い存在だから。
……ゆっくり深呼吸して、また呟く。
('A`)「かえろ……もう、もう無理だわ……」
行き先は家じゃない。
去年の、自分の教室。ブーンとの思い出がある場所。
簡単な事だ。最期くらい、自分で決めたいから。
支援
151 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:08:08.64 ID:S6mrRFftO
――透明人間は、透き通った心を持つ人間。
いつかブーンは、そんな事を俺に言ってくれた。
その言葉は励ましであり――自分を奮い立たせるもの。
そう考えていた。実際、その通りだろう。
('A`)「ったく……結局、こんなフィナーレかよ。
笑えねーだろ……面白くもなんともないわクソが」
吐き出す愚痴とは裏腹に、俺は笑ってた。
自嘲的っつーか、諦めの微笑みっつーか。
とにかく俺は笑ってた。
最初に出会った時みたく、教室には誰もいない。
先生も、モララーも、ブーンも、誰も。
障害物の無い学校に、廊下の窓から風が吹いた。強い風だ。
('A`)「はは、わけわかんねぇよ。よくわかんねぇ。
つーかさ、何で俺は二年も我慢してたんだよ。
こんな事ならさっさと死んでりゃ良かったわ」
どうせ死ぬなら、何の"足跡"も残さずに死にたくない。
そう思って俺は――黒板に文を書き殴った。
生きていた証を、残したくて。
死んだという証拠を、残したくて。
152 :
新宿在住(東京都):2007/04/24(火) 02:10:12.69 ID:O9vLlRGO0
モナーなら・・・・・!
支援
154 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:11:03.40 ID:S6mrRFftO
('A`)「へへ、びっくりするだろ。これなら、びっくり……」
チョークを叩きつける。
なんとなくムカついた。他でもない、自分に。
死んだ後の世界を気にするなんて、俺らしくねーや。
('A`)「バッカじゃねーの」
それから俺は、叫んでみた。
叫びながら、窓をぶち破った。
拳じゃなくて、自分の体で。
別に、死にたい訳じゃなかった。
ただ逃げたかっただけ。ホントにそれだけ。
何から逃げたかったかってーと、アレだ。
――この、濁っちまった心から。
俺の心は、ずっと透明でなければならない。
そうだろう? ブーン。
155 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:14:38.55 ID:S6mrRFftO
*
この世に生を受けた、ある一人の『透明人間』。
強い意思を持ち、そして強い執念を持ち。
最期はあっけなく、偽りの友情に崩れてしまった。
――偽りとは言わないのかもしれない。
仮にも"彼"は、本気で友達をやっていたはずだから。
しかし、結局のところ繋がりは千切れた。
千切れた? 千切った? 千切られてしまった?
どう形容しようが、結果は変わらない。死という、事実は。
彼は、悔しかったのだろうか。
裏切られて、悲しかったのだろうか。
もしかすると、泣きたかったのだろうか。
ドクオという『透明人間』を糧にして、彼――ブーンは『色』を帯びた。
彼のとった行動や、思考。それが正しいのかどうか。
それは本人にしかわからない。本人にすら、わからないかもしれない。
うわああああ
157 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:17:07.22 ID:S6mrRFftO
しかし、ドクオの目線から事を考えてみよう。
彼はブーンと出会う前、自分の価値を見い出せていなかった。
"いつか"、"きっと"、見返してやる。
いわゆる、『願望や希望』しか持っていなかったのだ。
ならば。本意ではないとはいえ、ブーンの人生を助けた。
それは彼にとって、大きな、濃い『色』となったのではないだろうか。
……そう考えれば、ドクオも少しは報われるとは思わないか。
……ただ、ブーンとドクオ。
彼ら『透明人間』達の意思は、少なくとも一度は交わった。
ならばこれから先、また繋がる事もあるのではないか。
来世で。現世で。
二人の、意思が。
『透明人間』の、苦悩が。
きっと、繋がる。
きっと、きっと。
158 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:20:41.64 ID:S6mrRFftO
『キミの磁石、ちゃんと機能してる?』
『キミに繋がりはある? あるとして、それは丈夫?』
『キミの昨日は、何処にある? キミの明日は、何処にある?』
『キミは何を信じてる? キミは誰を信じてる?』
『キミが生きる意味は? ちゃんと言える?』
『キミはキミなんだ。その意味が、わかる?』
『心で考えればいい。頭で悩んでみればいい。』
『きっと答えは見つかるから。諦めさえ、しなければ。』
『キミなら、気付ける。だって、よく考えてみて。』
支援
支援
161 :
焼飯(東日本):2007/04/24(火) 02:23:16.21 ID:zWMREVKr0
寝る前の支援
162 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:24:18.20 ID:S6mrRFftO
おれは にんげんに なりたい
もし ねがいが かなうなら
このさき いつか また
この せかいを いきたい
じぶんの いろを もった
とうめい じゃない にんげんに なって――
『――キミの色は、何色?』
('A`)ドクオは透明人間のようです
〜Fin〜
乙!
乙 いい作品だった
乙!
166 :
新宿在住(東京都):2007/04/24(火) 02:29:18.54 ID:O9vLlRGO0
乙過ぎる・・・・・・
マジでお疲れ!
乙!俺もまとめたいんだが、問題ないだろうか?
168 :
ほうとう屋(樺太):2007/04/24(火) 02:32:18.24 ID:1MB5YgDTO
乙!!
ドクオ…
後書き
終わりです。
言いたい事は大まかに分けて108つあります。
長くはなりませんが、苦手な方は静かにスレを閉じましょう。
まずは1つめ。
この作品に綴ってある理論、及び思想は正しくはありません。
正しくはありませんが、間違ってもいないかなと。
作品内での記述なので、いわゆる人それぞれですね。
ですので、『アンタは昔作品内で〇〇って言ってたじゃねぇか!』
みたいのは駄目よ。いわゆる哲学らしく書いただけなので。
因みに、なんとなく気づいている読者もいるだろうか。
メタン代表、クー選択肢の作者です。覚えていますでしょうか。
磁石狂う? なにそれおいしいの?
次回作とか予告しといて、すいませんでした。
とても……死にたいです……
それから、この作品と磁石狂うは別作品です。
ですので、ちゃんと投下しますよ。
そして、さるさん撃退に協力して下さりありがとうございました。
……しかし稚拙な文章ですね……下に続きます。
170 :
あおらー(千葉県):2007/04/24(火) 02:33:04.25 ID:wbAoqGVX0
>>170 そこのリンクから戻るを押したらエラーページに飛んだぜオムさん
結局モララーは何がしたかったんだ
オムさんだー
174 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:34:57.56 ID:S6mrRFftO
そして2つめ。
作品内で『透明人間』を強調する際に、気をつけている事がありました。
『あれ? お前そこにいたの?w』みたいな展開です。
『透き通っている、本意での透明人間』と『透き通っていない、比喩での透明人間』
とまぁ、区別自体を強調してみました。無駄ですね。
他にもこだわり等ありましたが、どうでもいいです。
それから3つめ。
地の文をわざと日本語でおkにしてみました。
「つーか」「ってーと」「んでも」「ねーよ」等です。
ブーン小説だからこそ出来る手法ですね。
手法というか、心理描写の部分だけ地の文を『ドクオの心の声』にしただけです。
見にくかったとは思いますが、この表現は多分もう使いません、はい。
見直してみると、自分の後書きは女々しいから困る。
次で終わりです。ホントにすみません。
175 :
あおらー(千葉県):2007/04/24(火) 02:36:22.65 ID:wbAoqGVX0
>>171 な、なんだってー(AA略
確認したら問題ないみたいですが、今はどうでしょう?
あれ?まだエラーだぜ
177 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:37:27.98 ID:S6mrRFftO
最後に108つめ。
自分の投下態度についてです。
頭が上がらない思いです。すいませんでした。
中途半端な作品など、投下するべきではありませんでした。
読者の方々には申し訳ないと思っております。
すいませんでした。wktkを踏みにじるような行為、後悔しています。
もうカオスとすら呼べないgdgd小説は書きません。
ディープラブを見て、才能の違いを感じました。
ジャンル的にも得手不得手的にも、自粛致します。
今更ですが、カオス小説の黒歴史を晒そうかと。
一週間程前、総合で『( ^ω^)ブーンがクッキングをティーチングするようです』
半月程前、同じく総合で『ショボンは何でも屋のようです』
ダメダメですね。シュールにはなりませんでした。
なので、更に晒します。というか、後でこのスレに投下します。
( ^ω^)ブーンは研究の成果を試すようです。乞うご期待しないでね
という訳で、俺長文乙です。
長々と付き合っていただいた読者の方々、ありがとうございました。
それでは、自分の色を忘れずに。
みなさまよいお年を。
>>175 自分のパソコンだけなのかもしれないけど
エラーですぜ。5,6回試してみたんだがエラーだわ
179 :
美人秘書(石川県):2007/04/24(火) 02:40:07.53 ID:oH97Tby80
乙。春樹のような高尚さだった。
自分も創作意欲が湧いてきたぜ。
乙
個人的には地の文のわざと日本語でおkは
今後もやってほしいくらい好きだ
181 :
あおらー(千葉県):2007/04/24(火) 02:41:56.52 ID:wbAoqGVX0
作者さん改めて乙です。
あとがきの途中でレスしてしまって申し訳ない。
エラーは謎なので、もしトップページから行っても見れない場合、サイト内掲示板でお知らせ下さい('A`)
まぁ乙 そしてwktk
総合は見ないからわからないが今作は十分おもしろかったぜ
再度乙。
自分の文章が稚拙に見えてきて仕方ない。これが実力か
184 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/24(火) 02:43:38.52 ID:S6mrRFftO
>>172 ただいじめたかっただけでは無いんですよね、明らかに。
なんていうか、『透明』って感覚がこの舞台に裏パラメータとして存在していると考えてもらえれば。
それだけじゃ殆どわからないかもですが、磁石狂うで世界観については説明するかなと。
簡単に言えばモララーは頭おかしい人です本当に(ry
中途半端になってしまいすいませんでした。
もっとよく練らなければなりませんね……指摘ありがとうございます。
>>184 ドクオ視点の話でモララーが理解できちゃったら
ラストが変わっちゃうだろうからあれでいいと思うが
おー、わざわざ答えてくれて申し訳ない
嫉妬とかそんな感じなんだろうなーとか思ってはいたけど詳しい説明なかったから疑問に思っただけで指摘って程でもないんだぜ?
187 :
タコ(アラバマ州):2007/04/24(火) 03:16:14.15 ID:EGgAJqHq0
乙
>>170 オムライスさんではないですか……!
嬉しいです、本当にありがとうございます。
不思議ダンを投下する時には掲示板にお知らせしますね。
>>185 確かにそうですね……
その微妙な部分を上手く描写を出来るように頑張ります。
>>186 いえいえ、そういった疑問を下さる事はありがたいです
矛盾やらなんやらあるとは思いますが、言って下さる方が嬉しいです
投下予定の短編は明日の昼にでも
落ちている可能性の方が高そうですが、その場合はいつか総合で
では、本当に今日はありがとうございました。
189 :
宇宙飛行士(東京都):2007/04/24(火) 03:51:35.15 ID:CW43ucwK0
うーん死にたい
約五年ぶりの欝症状だ
190 :
張出横綱(コネチカット州):2007/04/24(火) 05:13:11.97 ID:9zsbMxGsO
↓
191 :
とき(千葉県):2007/04/24(火) 06:54:46.10 ID:vjvbUbmU0
>この作品に綴ってある理論、及び思想は正しくはありません
正解じゃないけどイイ線いってる
びっくりした
ブギーポップも同じような発想が多いとオモ
イントレランスだっけ、炎女の話がおすすめ
192 :
気象庁勤務(樺太):2007/04/24(火) 07:01:59.22 ID:KaeMb3uqO
モララーは透明という色を自分で作ることで、自分が色のある自我をもった人間だって証明したかったんだよ
193 :
2ch中毒(コネチカット州):2007/04/24(火) 07:28:45.38 ID:0nz17OX2O
ほ
これはなんか来たわ
195 :
料理評論家(樺太):2007/04/24(火) 08:11:48.46 ID:zdjpJTN1O
楽しかったよー(・∀・)乙
196 :
ほうとう屋(樺太):2007/04/24(火) 08:33:46.49 ID:LP24TIjQO
もす
197 :
旅人(コネチカット州):2007/04/24(火) 10:22:58.01 ID:9zsbMxGsO
→
>>192 なんかかっこいいですねそれ。
いっその事、そんな設定にしたいくらいです。
モララーは昔透明人間で、自ら変われた人間ですね
ですから同族嫌悪に似たような苛付きを感じてる訳です
変わった方向性なんかは終わってますが、やはりそれぞれかなと
俺は変わったんだよお前は諦めてんじゃねーよ死ねよ
こんな思いが、半分くらいの動機としてあります
モララーも最初はドクオをいじるだけだったのに、次第にこうなった、みたいな
無駄な裏設定ですが、一応参考ぐらいになりそうですかね
10レス程ですのでさっさと投下してしまいます
鼻クソでもほじりながら眺めててもらえたら悲しくならずに済みます
( ^ω^)ブーンは研究の成果を試すようです
※よいこはみちゃいけません!
( ^ω^)「ぬはは! ついに完成したぞ……」
('A`)「げへへ、やりやしたねブーンさまぁ」
( ^ω^)「僕の研究……今こそ成果を試す時!
さぁドクオ、被験者達を呼んできなさい」
('A`)「ぐひひ、仰せの通りに……むひっ」
一時間後
('A`)「この研究所、自分達以外に誰もいないッスよ」
( ^ω^)「そうかお。じゃあ被験者は一人か……」
('A`)「ちょwwwwブーンさんが自ら被験者にwwww」
( ^ω^)「いやお前だけど」
('A`)「でしょうねwwwwwwww薄々感じてたwwww」
( ^ω^)「まずはこれ、一番の自信作!」
('A`)「……」
( ^ω^)「ス〜パ〜アルコ〜ル炭酸水〜」
('A`)「あれ、案外美味そうっすね」
( ^ω^)「そりゃそうだお、青そうな水を足しただけだから」
('A`)「青そうな水?」
( ^ω^)「うん。ブルーハワイにブルーペプシ、ラムネにサイダーに……」
('A`)「うはwwwwぜってぇうめぇwwww」
グビグビ
( ^ω^)「あと軽油」
('A`)「……ッオ゙ェ…………ゲォ…………」
( ^ω^)「次はまぁまぁの出来だお。期待はすんなお」
('A`)「はい☆ これって、人間の耐久度実験ですよね♪
僕がいつ死ぬかを観察してるんですよね♪」
( ^ω^)「うん」
('A`)「殺すぞ」
( ^ω^)「うそうそ! さて次は……筋肉養〜成〜ギブス〜」
('A`)「俺には消える魔球を投げられないっすよ」
( ^ω^)「大丈夫大丈夫、これは付けるだけ」
ガチャガチャ
('A`)「よいしょ……ん、なんか縮こまって……」
( ^ω^)「ラァ!! 死ねぇ!!!」
('A`)「ぬわーーーーーーーーーー!!!!!!」
――――……
ブーンのスイッチは、ギブスの形状を初期化させるスイッチだった。
即ちドクオの身体は引き伸ばされ、そして畳まれる。
ゴギッ ゴリッ
砕け散る骨。引き千切られる肉。
辺りにはどす黒い血が飛び散り、ゆっくりと床を侵食していく。
悲鳴をあげる間もなく、ドクオの声帯と心臓は潰れた。
やがてドクオの身体が数十センチ四方に畳まれる。
ピンク色の肉片が艶やかに輝いていて、ぷるぷると痙攣していた。
( ^ω^)「えへへ……おいしそうだお」
ブーンはそれを口に運び、くにゅくにゅと甘噛みした。
口内には鉄の味が広がる。ドクオの味だ。
皮が張っていて、いかにも油ぎった感触がする。
小さくなったドクオの目玉をつまみあげた。
それを脳みそのソースにくぐらせ、愛でる。
ああ、美味しそうだ。きっと柔らかくて、舌触りもいいのだろう。
血管を、爪を、睾丸を、指を、それぞれ口に含む。
口内は傷つくが、それ以上に旨味が広がってくるのだ。
( ^ω^)「今度は、心臓食べたいお。きっと、おいしいお」
そうほくそ笑み、ブーンはくしゃくしゃになったドクオの胸を……
――――……
( ^ω^)「……こうなったら困るから、やっぱり付けないでいいお」
('A`)「お前……俺を食べるつもりだったのか!?」
( ^ω^)「うん」
('A`)「まぁじで!?」
( ^ω^)「うん」
('A`)「ガチでこえーよ」
( ^ω^)「次で三つめ! これはなんと……」
ピンポーン
('A`)「あ、誰か来ましたね」
( ^ω^)「あー。多分ツンだお」
ξ ゚听)ξ「おひさー」
( ^ω^)「おいすー」
('A`)「こんにちわ」
ξ ゚听)ξ「話しかけるな肥溜め」
('A`)「ひどい……」
ξ ゚听)ξ「ひどい……じゃねぇよ。死ね」
('A`)「……」
ξ ゚听)ξ「お前は二度と喋んなよ。臭ぇから」
('A`)「……意義ありッ! 先生! それは、言い過ぎだと思います!
なぜならば、僕は毎日お風呂に入っているからであります!
因みに、リンスインシャンプーを使っているのです!
ボディソープはたっぷり、2プッシュであります!
外から帰って来たときには必ずキレイキレイを欠かしません!
そしてアナルも洗浄済みです! 非の打ちどころが無いはずであります!
これでもアナタは私を否定するのでしょうか!
いや、出来ないッ! 出来るハズがなァいッ!!」
ξ ゚听)ξ「存在が臭ぇんだよ」
('A`)「……」
( ^ω^)「まぁまぁツン、今日のところは穏便に……」
ξ ゚听)ξ「うるせーよチンカス。粗びきポークフランクは黙ってろ」
( ^ω^)「あ?」
ξ;゚听)ξ「ビクッ!」
( ^ω^)「言わせておきゃーよ……なんなんだよ?
アレをバラされてもいいの? いいんでちゅか〜?」
ξ;゚听)ξ「う、うぅっ……」
ξ*゚听)ξ(オワタの同人誌でオナりかけたなんて言えない……!
十オナのスレタイを見ただけでフルボッキしてたなんて言えない……!)
( ^ω^)「これはお仕置きかな〜」
ξ;゚听)ξ「は、はぃぃ……」
( ^ω^)「まずはお尻をこっちに向けるお」
ξ ゚听)ξ「は、はぁ〜ひ」
( ^ω^)「よし。じゃあ、そのままの体勢で自分のお尻を叩けお。
もちろん本気でね。手ぇ抜いたら僕がやるお」
ξ;゚听)ξ「そ、そんな、自分でなんて……恥ずかしっ」
( ^ω^)「ん?」
ξ;゚听)ξ「わ、わかりまし、た……」
……ペチ ……パチンッ
ξ*゚听)ξ「……ぅ」
( ^ω^)「あーあー、そんなんじゃ弱過ぎるお!」
ベッチ!! バッチ!! パッチィィィイイイン!!!!
ξ ゚听)ξ「ぷしゃあああ!!!」
( ^ω^)「ほっほ、まるでクジラのようじゃのぉ」
('A`)「お前ら頭沸いてんじゃねーの?」
208 :
旅人(コネチカット州):2007/04/24(火) 11:46:29.83 ID:9zsbMxGsO
↑↑↓↓←→←→BA
( ^ω^)これは…期待
そして数分後
( ^ω^)「ふんぬー! ふんがっふが」
ξ ゚听)ξ「あっあー、いくいくー」
( ^ω^)「出るっ、出るぅううううーー!」
ドッピュン!! ドピュッピュ、ドピュッチャァー!!!
ξ ゚听)ξ「あぁ……中に出されちゃいまんがな……」
( ^ω^)「ぶひぃ」
('A`)「……」
その時だった ドクオの口から青い液体が吐き出されたのだ
('A`)「うぅっ!」
ドビヂャッ
( ^ω^)「こ、これはさっき飲ませた軽油!
おま、お前まさか……!」
('A`)「へへ……オレァ、もう、ダメダメだ……
自分の体は、自分がぁ、一番よくわかるさかい……」
ξ;凵G)ξ「いやっ! ドクオ、死なないで!」
('A`)「はは……アンタのその笑顔、冥土の土産にもらってくぜ……ひひ……
でもな……一番の笑顔は……隣にいる、コイツに……あげろよ……
心配、すんな……俺は、いつまでも……お前ら、を……」
( ;ω;)「ドクオっ! ドクオォォ!」
('A`)「騒ぐなよ……へ、傷に響きやがる……」
ξ;凵G)ξ「あたし、あたし、さっき酷い事言っちゃった!
私を叱ってよ! 私を殴ってよぉ!
じゃないと私、幸せになんかなれないよぉーっ!」
ツンの叫びと共に、庭の木に雷が落ちた
そして部屋には、変な奴が現れたのだ
( 刀ヘ)「んやぁ、こんにちは。僕の名前はわかるかい?
そうそう。ゼルセ。死の携帯を授けた張本人……」
('A`)「悪霊退散!!」
ズバァ! ズシュンッ!!
( 刀ヘ)「ぎゃぁぁぁぁぁっぁぁあああああ!!!!」
('A`)「この世に詫びる必要はねぇ。この俺に詫びな」
(;^ω^)「も、もしやあなた様がジーク・ドクオですかお……!?」
ξ;゚听)ξ「ま、まさか……! だって、あの方はVIP戦役で死んでしまったはず……」
('A`)「……お前ら。俺の二つ名は――」
('A`)「狂犬のドクオだ……覚えておくんだな」
(;゚ω゚)「や、やはりあなた様が……」
ξ;゚听)ξ「私達はなんて愚かな事を……」
('A`)「なに、気にする事はない……ではな」
シュバッ!
( ^ω^)「行っちゃったお……」
ξ ゚听)ξ「そうね……」
でも、大丈夫だ。
きっとドクオは僕らを見ている。
空よりも高い、ずっとずっと高いところから……
('A`)「俺は忘れないぜ……アンタらの事」
翻すマントの色は、レインボーだったという。
( ^ω^)ブーンは研究の成果を試すようです
〜Fin〜
後書き
これにてこの作品は終了でございます。
長い間の連載、絶えない応援Thanksです。
ホントに、完結出来て良かった。そう思っています(笑)
この作品、本音を言うと自分にとってはわからない事だらけでした。
初めは軽油の色を確かめにガソスタの正社員になる事から始めて。
そして、不審な色を身の回りから探し出しました。
自分が思いついたんですけど、レインボーって不審ですよね。
自分が思いついたんですよ。すごいでしょう。
でも……やっぱり、涙が出ちゃうんです。
俺、こんなに頑張れたのかなぁって、考えちゃうんです。
しかし、一番ありがたかったのは皆様の支援やwktkです。
自分が弱音を吐いた時、励ましてくれた山梨県と東日本の方。
励みになりました、本当にありがとうございます。
因みにこのありがとうございますは架空であり実際の気持ちや人物とは関係ありません。
すいません。外で孤島ハーブの作者さんが呼んでいますのでこれで。
では、ありがとうございました。みんなみんな、ありがとうございましたっ(泣)
真実の後書き
俺死ねばいいのに。
最初に、ネタをパクってしまいすみませんでした。
裏生徒会さん(ジーク・ドクオ)、不審者さん(レインボー)のお二方です。
また、十オナさんにオワタ同人誌さんに孤島ハーブさんも名前を出してしまってすいません。
お蔵入りの予定でしたが、今こうして恥を晒しました。
今はとても死にたい気分です。殺して下さい。
さて、これでしばらくはカオスから離れようかなと。
やはりいつ見てもつまらないですし。こりゃダメだにゃん★
いえ、総合などで息抜きとして書くことはあるかもですが。
では、お目汚し失礼しました。
ホントにすみませんでした。
甲子園魔物はまだかー! 棺桶売りもまだかー!
それでは、ありがとうございました。
217 :
踊り子(福岡県):2007/04/24(火) 12:37:31.10 ID:yVlW4u0s0
なんだこれwwwwwwwwwwwwwwwwww
218 :
ドラム(コネチカット州):2007/04/24(火) 12:37:44.17 ID:tIJ2AGwtO
乙
219 :
踊り子(福岡県):2007/04/24(火) 12:38:43.37 ID:yVlW4u0s0
面白かった超乙ww
220 :
新宿在住(東京都):2007/04/24(火) 12:42:51.51 ID:O9vLlRGO0
これは携帯作者に希望が満ちましたねwwwww
これは吹いた
222 :
海賊(アラバマ州):2007/04/24(火) 13:12:01.67 ID:WUWBv8aY0
勇気あるな作者
223 :
留学生(樺太):
これはいいカオスwww