1 :
ほっちゃん(静岡県):2007/04/22(日) 16:29:36.84 ID:ADKj3asV0
代理
2 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:30:54.46 ID:Bytwl/tY0
3 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:32:50.02 ID:Bytwl/tY0
第八話「いくさ」
村の入り口に、衝撃が走る。
ハングル国からの、あまりに理不尽な条約に、声も出ないのだ。
( ,,゚Д゚)「ふざけるなっ!」
ギコが声を張り上げる。
騒然とした雰囲気が、一瞬でどよめきの嵐に変わった。
( ,,゚Д゚)「それがハングル国のやり方か!? そんな条約、断固反対だ!」
ギコの叫びに応じて、同意見が村人達からも出てくる。
ノパ听)「そうよ! こんなの認められないわ!」
ヒートが前に一歩出て叫ぶ。
やがて、村人達の声も荒くなり、ヒッキーに対して罵声を浴びせた。
4 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:37:07.48 ID:Bytwl/tY0
(-_-)「黙れ」
(*゚ー゚)「んっ……!?」
ヒッキーの剣先が、しぃの喉元に向けられる。
瞬間、村人達の罵声が止まり、女性の悲鳴が聞こえた。
( ,,゚Д゚)「しぃ!」
(#^ω^)「何のつもりだお! しぃに手を出すなお!」
僕は思わず声を張り上げた。
だが、ヒッキーは表情を変えずに
(-_-)「黙れと言っている」
そう言い放つ。
ヒッキーの剣先が、少し動いた。
僕は足を止め、歯をぎゅっと食いしばる。
(-_-)「命が惜しければ、妙な気はおこさぬ事だな」
そう言うと、ヒッキーは剣を降ろした。
5 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:39:06.38 ID:Bytwl/tY0
(*゚ー゚)「う、うわぁぁぁん!」
( ,,゚Д゚)「しぃ!」
泣き崩れるしぃを、ギコがしっかりと抱きかかえる。
(-_-)「五日後に返事を聞こう。良い返事を期待している」
ヒッキーはそう言い残すと、軍を連れて去っていった。
残されたのは、騒然とした村人達。
僕とて、例外じゃない。
何が起こったのか、頭が状況についていかないのだ。
(´・ω・`)「……皆、これから僕の家に集まってくれ。今後の事を話し合いたい」
村長がそう言うと、村人達は静かに頷き、村長の家へと向かう。
ノパ听)「ブーン……!」
( ^ω^)「……」
ヒートが心配そうな顔で僕を見る。
けど、僕はそんなヒートに対して、何も言えなかった。
6 :
ねずみランド(東日本):2007/04/22(日) 16:39:58.98 ID:BsGHDdno0
ktkr
支援
7 :
調理師見習い(神奈川県):2007/04/22(日) 16:41:23.96 ID:KgLXoj4w0
支援
8 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:41:40.93 ID:Bytwl/tY0
――…
(´・ω・`)「さて、事態は深刻だ。どうしたものかね」
重苦しい雰囲気の中、村長がそう呟いた。
その言葉に、誰もが俯き暗い顔をしている。
ノパ听)「そんなの決まってるわ! あんな条約、受けられる訳ないじゃない!」
勢い良く大声を上げたのはヒートだ。
怒りのせいか、ヒートからは気迫のようなものが感じられる。
( ^ω^)「そうだお! あんな条約……酷すぎるお」
僕も、続けて声をあげた。
その意見に、何人かの村人達は頷く。
( ゚д゚ )「だが、ハングル軍はこちらが従わなければ、制圧にかかるだろう」
( ^ω^)「制圧……」
そうだ。
断った所で、黙って引いてくれる相手とは思えない。
9 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:44:11.83 ID:Bytwl/tY0
(´・ω・`)「そうだね。反抗をすれば、より酷い扱いを受けるだろう」
ノパ听)「でも……!」
ヒートは何か言おうとしたが、すぐに口ごもった。
村長の言葉に、再び静寂が場を支配した。
( ^ω^)「僕は――戦いますお」
僕の言葉が、静寂を破る。
皆の視線が一気に僕に向いた。
( ^ω^)「この村は、僕達の村ですお。森も、動物も、この村と共に生きてきたんですお。
だから、あんな奴らに渡したら駄目だお」
僕は、はっきりとそう告げる。
この村は、自然と共存してきた。
森と共に生きてきたのだ、この村は。
だからこそ、守らなければならない。
( ^ω^)「この村を……守りたいんですお」
10 :
AV監督(関東地方):2007/04/22(日) 16:44:37.79 ID:Ua1Pl1Zj0
11 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:46:22.60 ID:Bytwl/tY0
その言葉に、ヒートが答える。
ノパ听)「私も、ブーンと同じ気持ち。あんな奴らに頭下げるくらいなら
戦って死んだ方がまだいいよ!!」
(´・ω・`)「ふむ」
村長は頷き、問う。
(´・ω・`)「皆に問う。ハングル国の暴挙に対して、戦う者は手を挙げてくれ」
空気が、動く。
ゆっくりと、皆の手が挙がったのだ。
川 ゚ -゚)「私はブーンの意志に従う。武士として、主と共に戦おう」
( ^ω^)「クー……」
そして、誰かが僕の肩を叩く。
( ゚д゚ )「あいつらに、この地は踏ません。なあ、ブーン?」
ミルナが、にやりと笑いながらそう言った。
(´・ω・`)「決まりだ。皆、この地を守り抜こう!」
村人達の雄叫びが響き渡る。
悪しき侵入者を追い返す為に、人々は決意したのだ。
12 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:48:19.13 ID:Bytwl/tY0
(´・ω・`)「さて、奴らが来るのは五日後だ。問題は物量差だね」
川 ゚ -゚)「うむ。村長、この中で武術を心得ているものは何人ほどいるんだ?」
クーの質問に、村人達は申し訳なさそうな顔をして
「俺達は剣も握ったことねぇ……。せいぜいクワか斧くれえだ」
川 ゚ -゚)「相手は兵だ。戦闘慣れしていないあなた達では分が悪いな」
再び、壁が立ちふさがる。
戦う決意は出来ても、圧倒的に不利である事実は変わらないのだ。
(;^ω^)(どうすればいいんだお……)
13 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:49:48.44 ID:Bytwl/tY0
再び、諦めに近い空気が流れる。
そんな中、男の声がその雰囲気を打ち崩した。
「失礼。村長はいるかな?」
声は、家の入り口から発せられた。
その声の主へ、視線を向ける。
ノパ听)「あ、あんたは……!」
ヒートの声が震える。
なぜなら、声の主は
( ・∀・)「やあ、久しぶり……でも無いかな」
ハングル国のモララーだったからだ。
14 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/22(日) 16:49:55.73 ID:SDh8BPgoO
久しぶり
wktk
15 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:52:16.41 ID:Bytwl/tY0
村人達が一斉に脅え出す。
モララーの後ろには、何十という武器を持った者達が控えていたのだ。
ノパ听)「何しにきたのよ! まさか、私達を殺しにきたってわけ!?」
モララーは、やれやれ、と呟きながら
( ・∀・)「まさか、その逆さ。協力する為に来たのさ」
そう言い、村長の前まで歩を進めた。
( ・∀・)「村長、私達はハングル国の暴挙に耐え難い感情を抱いている。
後ろに控えてる彼らとて同じだ」
(´・ω・`)「モララー、じゃあ、君達は反乱軍と言う訳かい?」
(=゚ω゚)ノ「そうですよう! この村の件についても、僕達は納得いってないよう!」
モララーのすぐ後ろに付いていたイヨウが、大声で言う。
その言葉に、村人達は動揺を隠せない。
16 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:54:12.02 ID:Bytwl/tY0
( ゚д゚ )「つまり、戦力になってくれる、ということか?」
( ・∀・)「私はそのつもりだ。まあ、皆が信用してくれればの話だが……」
モララーがヒートを見ながら、言う。
ノパ听)「な、なんで私を見るのよ!!」
( ゚д゚ )「ヒート、突っ掛かるな。話が逸れる」
そんな二人を他所に、村長はすぐに返事を出した。
(´・ω・`)「モララー、力を貸してくれるか?」
( ・∀・)「勿論です」
村長は、そうか、と言い笑みを浮かべた。
そして、モララーと握手を交わす。
( ・∀・)「この村を守り、ハングル軍を追い返そう。……戦は五日後だ。
すぐにでも準備に取り掛かろう」
皆が同意の声をあげ、動き始める。
戦への時間は、刻一刻と近づいていった。
17 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 16:56:34.88 ID:Bytwl/tY0
――…
(=゚ω゚)ノ「弓矢はしっかりと引かないと真っ直ぐ飛ばないよう!」
広場では、イヨウが弓の使い方を村人達に教えている。
モララー率いる反乱軍は、総勢で50はいる。
元々、ハングル国の兵士だった者。
支配下に置かれ、酷い扱いに嫌気がさした者。
あらゆる人間が集っていたのだ。
( ^ω^)「もうすぐ、この村が戦場になるのかお……」
僕は、支給された剣を握り締め、呟く。
戦になれば、負傷者が出るだろうし、死人だって出るだろう。
何故、そうまでして人は争うんだ。
( ・∀・)「どうしたんだい? 浮かない顔をしているが」
( ^ω^)「モララーさん……」
18 :
ねずみランド(東日本):2007/04/22(日) 16:57:43.50 ID:BsGHDdno0
支援
19 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/22(日) 17:01:40.33 ID:SDh8BPgoO
支援
20 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 17:01:40.13 ID:Bytwl/tY0
そんな事を考えていると、モララーに声を掛けられた。
僕は、その疑問をモララーに問いてみる。
( ・∀・)「ふむ、何故人は争うのか……」
( ^ω^)「そうですお。それぞれが協力し、助け合っていけば争いなんて必要無くなるお」
モララーは、少し考え
( ・∀・)「人間はね、欲望がある限り争う生き物なんだよ。
奴ら……ハングル国の王も、この村の森を欲しているから仕掛けたのさ」
そう言った。
( ^ω^)「……愚かですね」
( ・∀・)「そうだな。人間というのは愚かな生き物だ。
貪欲であり、その先にあるのは絶滅かもしれない」
モララーは「それでも」と付け足し、
( ・∀・)「私達は生きていかなければならない。命を与えられた限り、ね」
( ^ω^)「……」
僕は、何も言わなかった。
いや、言えなかったのかもしれない。
21 :
土木施工”管理”技師(樺太):2007/04/22(日) 17:03:40.08 ID:nY5HpxusO
22 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 17:06:57.05 ID:Bytwl/tY0
※
ヒートの家の前から、気合の入った声が聞こえる。
それは女性の声ではあるが、気迫の篭った声は男性以上に圧倒する力を持っている。
川 ゚ -゚)「ヒート、大振りだ。もっとコンパクトに振れ」
ノパ听)「わかってるわよ!! ちぇい!!」
重い剣が、勢い良く空を切る。
その音から、よほどの重量だと感じ取れるが、ヒートはいとも簡単に扱っている。
( ゚д゚ )「ヒート、無理をするな。お前は女だから弓矢でも……」
ノパ听)「え? 何!?」
再び、鋭利な切っ先が空を切る。
ミルナの目の前をかすめた剣は、ずん、と重そうな音を立てて地面に突き立てられる。
( ;゚д゚ )「……いや、何でも無い」
ミルナは冷や汗を流しながら、ヒートには近寄るまいと心に誓った。
23 :
学校教諭(東日本):2007/04/22(日) 17:07:05.18 ID:JI77+MkG0
支援
24 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/22(日) 17:08:23.70 ID:SDh8BPgoO
支援
25 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 17:09:10.35 ID:Bytwl/tY0
(*゚ー゚)「みんな、おちゃ〜」
( ^ω^)「お茶どうぞだおー」
僕としぃは、お茶をヒート達に渡す。
ノパ听)「ありがとー!! もう喉カラカラ!!」
ヒートは一気にお茶を流し込む。
腰に手を当てて飲む姿は、女性らしさを微塵も感じさせない。
ノパ听)「っぷは! おし、クー! 特訓、続けよっか!」
川 ゚ -゚)「うむ」
お茶を飲むなり、剣を取る二人。
そんな光景を見て、僕とミルナは
( ^ω^)( ゚д゚ )「……」
その勇ましさに呆然としていた。
村の女は、オトコより強い。
そう、しみじみと感じていた。
26 :
軍事評論家(神奈川県):2007/04/22(日) 17:15:00.36 ID:NwKGSB+m0
しえん
27 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 17:17:23.99 ID:Bytwl/tY0
――…
(´・ω・`)「皆、よく頑張ってくれた。いよいよ明日だ」
村の広場。
武装した人々が集まり、その中心に村長が立っている。
( ・∀・)「明日は作戦通り、相手の出鼻を挫く。ニダー王は戦線に立つ王として有名だ。
ニダー王を仕留めれば、相手も総崩れになるだろう」
ノパ听)「なんで王様が戦線に出てくるのよ?」
ヒートの問いに、イヨウが一歩踏み出し答える。
(=゚ω゚)ノ「ニダー王はかつては賊にいたんだよう。そのせいか、戦では先陣を切って
自ら戦う武将でもあるんだよう」
( ゚д゚ )「ふむ……。ハングル国もそう大きな国では無い。
王が自ら指揮をしていると言う事か」
28 :
学校教諭(東日本):2007/04/22(日) 17:22:47.21 ID:JI77+MkG0
支援
29 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/22(日) 17:22:49.66 ID:SDh8BPgoO
支援
30 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 17:25:09.44 ID:Bytwl/tY0
(´・ω・`)「それじゃ、明日に備えて休もうか。皆、この村を守り抜こう!」
村長がそう言うと、村人達は声をあげる。
無論、仲間になった反乱軍の人々も。
(´;・ω・;`)「うっう……皆が反応してくれてる……村長バンザイ!」
広場の声は、少しだけ笑いに変わった。
中には失笑も混じっていたが。
ノパ听)「ブーン」
( ^ω^)「お?」
ヒートが僕の裾を掴み、声をかける。
ノパ听)「絶対……勝とうね!」
ヒートは、笑みを浮かべながら、そう言った。
僕はヒートの手を掴む。
( ^ω^)「もちろんだお!」
大丈夫。
そう、心の中で呟いた。
31 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 17:27:34.74 ID:Bytwl/tY0
※
戦の前夜。
静まり返った真夜中のハングル国。
そのハングル国の門前に、幾多の兵が集まっている。
<ヽ`∀´>「ヒッキー! 準備は出来たニダ?」
(-_-)「はい。いつでも出陣できます」
月明かりに照らされ、ハングル国の王、ニダーとヒッキーの姿が現れる。
鎧に身を包み、馬に跨っている。
<ヽ`∀´>「わかってるニダ? 村人は殺さずに生け捕りにするニダ!」
(-_-)「仰せのままに……」
32 :
ねずみランド(東日本):2007/04/22(日) 17:27:39.02 ID:BsGHDdno0
支援
33 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 17:28:12.56 ID:Bytwl/tY0
<ヽ`∀´>「では、作戦通りに進軍を開始するニダ。ヒッキー、村の制圧は任せたニダよ?」
(-_-)「承知」
ニダーは長い槍を手に持ち、不適に笑う。
そして、その槍の切っ先を前方へ向け
<ヽ`∀´>「さぁ、進軍ニダ!」
――暗闇の中、ヴィップ村へと兵を進めた。
第八話「いくさ」 終わり
34 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/22(日) 17:29:13.72 ID:tnSkbhLVO
乙!
35 :
ねずみランド(東日本):2007/04/22(日) 17:30:11.82 ID:BsGHDdno0
乙!
36 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/22(日) 17:31:09.13 ID:SDh8BPgoO
乙
37 :
学校教諭(東日本):2007/04/22(日) 17:33:25.31 ID:JI77+MkG0
38 :
整体師(神奈川県):2007/04/22(日) 17:35:20.28 ID:Bytwl/tY0
これで第八話は終わりです。
間隔が空いてしまって申し訳ない。
完結まであと二話?予定
では
40 :
留学生(樺太):2007/04/22(日) 18:13:09.04 ID:ntqPivlNO
このすれを10時まで残してもらえたら有難い
41 :
学校教諭(東日本):2007/04/22(日) 18:17:18.92 ID:JI77+MkG0
42 :
留学生(樺太):2007/04/22(日) 18:21:58.05 ID:ntqPivlNO
>>41 携帯からだとログが残せないから
まだ家に帰れそうにないので
43 :
学校教諭(東日本):2007/04/22(日) 18:23:37.94 ID:JI77+MkG0
44 :
ねずみランド(東日本):2007/04/22(日) 18:23:47.99 ID:BsGHDdno0
45 :
学校教諭(東日本):2007/04/22(日) 18:26:32.78 ID:JI77+MkG0
確かに…
作者はもしかして(´・ω・`)の・を鼻だと主張する派?
47 :
カラオケ店勤務(樺太):2007/04/22(日) 18:44:12.00 ID:SDh8BPgoO
保守
48 :
味噌らーめん屋(樺太):
はらへた