('A`)と( ^ω^)は異世界でもう一度出会うようです
1 :
噺家(栃木県):
2 :
美容師見習い(アラバマ州):2007/03/15(木) 10:13:58.22 ID:JHFN3fQM0
ノ■ヽ
((((⊂・д・) 乙であります
''"""''"''""""''"
3 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:14:20.99 ID:FmIydxpz0
('A`)が異世界で出会う以前のようです
「ドクオ…かお」
「僕は内藤ホライゾンだお、よろしく」
4 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:15:10.14 ID:FmIydxpz0
高校生活初日、俺の前の席に座るそいつはそう言った
どうせすぐに話をする事も無くなるだろう
そう思っていた
けれどそいつはいつまで経っても俺に話しかけてくれた
毎日、毎日、いつだって
休みの日には二人で遊んで、学校に行けば当たり前のように一緒に居た
そんな幸せを初めて手にして、ようやく全てを知った
自分がいかに馬鹿で、愚かで、弱虫だったか
5 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:16:36.05 ID:FmIydxpz0
記憶、重なる過去と現在
思い出す度に辛い記憶
思い出す度に傷ついていく心
あれは…遠い昔
両親が共働きだった俺の家は日中無人
誰も居ない家で、たった一人
幼い頃…いつからだろう、ずっと暴力を受けて育ってきた
思えばそれは虐待だった
けどそこには愛情があるんだと言われた
6 :
遣唐使(アラバマ州):2007/03/15(木) 10:17:04.67 ID:Y3Zes7hh0
おっおらららい
7 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:18:03.73 ID:FmIydxpz0
愛情があるから僕を殴る
愛情があるから僕を蹴る
でも実際は愛情よりも世間体が大事なだけ
それを理解してしまった時から
きっと俺は壊れているんだと思う
それに気付いたのは…えっと、いつだったかな…
8 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:20:13.11 ID:FmIydxpz0
「第0話 ドクオとブーン」
小学生時代
その頃から兆候はあった
低学年の頃はまだ楽しい記憶があったと思う
けど…それも今では掠れて思い出せない
「じゃあね〜」
「うん、ばいばい」
表面だけの付き合い、表面だけを取り繕う
それでも友達『?』が全く居ない訳じゃ無かった
ただ俺は誰かに自分から近づく事が出来なかった
誰かが遊んでいる中に自分から進んで入っていく事をしなかった
9 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:22:36.68 ID:FmIydxpz0
それは空気の読めない事だと思っていたから
でも…実際にはそういう時に入っていかない方が空気の読めない物らしい
まあ、元々あまり他人に関心が無かったのもある
だから気付けば…俺は孤立していた
登下校 いつだって一人で家までの短い距離を歩いた
夏休み 一人で家に居た記憶ばかりだ
最初は仲良くしていた友達も、いつかは離れていく、気付けば嫌われていく
自分でもどうすればいいのか分からない
そして…家に居れば、親が居た
俺にとっての恐怖の象徴
10 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:24:01.23 ID:FmIydxpz0
でもその頃は…辛いと思う事は無かった
だって俺にとって普通だったから、暴力を振るわれる事も、一人で居る事も当然だった
みんなそうだと思っていた
楽しい家族の団欒はテレビや漫画の中の物だと思っていた
だから自分の境遇が不幸なものだと気付いてすらいなかった
なんかで見たけど
『子供の内は子供らしい遊びをしておけ、しないとひねくれた大人になる』
うん、その通りだ…今更だけどな
…………。
中学時代
できれば思い出したくない事しか無い
11 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:26:02.52 ID:FmIydxpz0
入学当初、運動も勉強も普通以上にこなした
けど日が経ち、ある時期を境に俺は堕ちて行く
すると親からの暴力はエスカレートしていく、俺は毎日泣いていた
学校では友人と呼べる者は居なかった
向こうから俺に話しかける事も無く
俺から向こうに話しかける事も無い
いつからか…教師に目をつけられた
俺のせいじゃない事も全て俺のせいになる
遠足は景色を眺めていた記憶しかない
現に当時の写真には景色の写真ばかりが写されている
やがて俺にとって運命の日が訪れた
12 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:28:15.07 ID:FmIydxpz0
よくあるゴタゴタで夜遅くまで残されたあの日
…あの日に言われた事は今でもはっきり思い出せる
「お前はみんなから嫌われているんだ」
信じられなかった
信じたくなかった
だってそれでも毎日挨拶して話をするクラスメイトが居たから
俺はその場を逃げ出した
涙を堪えて必死に夜の闇の中、自転車を漕いだ
前が見えない、胸が苦しい
でも誰にも頼れない、頼る者も居ない
もう学校には行きたくなかった
13 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:30:12.14 ID:FmIydxpz0
けどそれは親が許しはしなかった
俺に出来るのは…ただ一人耐える事だけ
………。
後日 もう一度俺は残される事になる
そうしてその教師は、念を押すように言った
「みんなに確認取ったけど、やっぱりみんなお前が嫌いだってよ
まあ…何も言わない子も居たけどね」
もう、ショックは無かった
ただ納得した、パズルのピースが揃った
長年の謎がようやく解けた
14 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:32:04.17 ID:FmIydxpz0
何も言わない、それは肯定も同じ
俺が最後に信じていた物も無くなった
友達だと思っていたのは片思いだったと知る
確かに、話をするのは学校に居る時だけだった
イジメも無かった、ただ俺の存在は在って無かった
要するに空気、無視されてたって事
そこまでされなきゃ気付けない…俺は本当に馬鹿だ
こんな馬鹿は嫌われて当然だよね
15 :
通訳(四国):2007/03/15(木) 10:33:58.58 ID:tl9DgRSaO
支援
16 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:34:00.83 ID:FmIydxpz0
そうしてまた、夜闇の中で自転車を漕いだ
見上げた空は星が綺麗で、余りにも綺麗で、俺は見とれた
胸の重みは無くなった
もう苦しくない
涙は出ない
俺の居場所は…どこにも無い
後は耐えるだけ、覚悟は決めた
きっとさ…俺は幸せにはなれないんだね
17 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:36:51.91 ID:FmIydxpz0
………。
この世から消えてしまいたかった
でも死ぬのは怖い
何度か死のうとして、死ぬ恐怖みたいなのが分かった
別に誰を恨んでもいなかったし、誰かに迷惑をかけるのも嫌だった
だから自殺する気は無かった
というよりは…
まだちゃんと自覚してなかったんだ、自分がどういう状況か
だから…ただ、毎日消えたいと願い続けた
18 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:38:22.19 ID:FmIydxpz0
雨が好きだった、理由は無い
雨に打たれるのが好きだった、自分があまりにも惨めで、心が安らいだ
夜が好きだった、まるで違う世界に居るようだから
星空があまりにも綺麗だから
よくある怪談話を思い出す
ねえお化けさん、もしも本当に居るのなら
誰か俺を殺してくれない?
…なんてね
…………。
19 :
受付(関東):2007/03/15(木) 10:39:16.31 ID:3EetNnsrO
まさかこんな時間から
支援
20 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:40:58.65 ID:FmIydxpz0
その間にも、やはり寂しさに耐え切れず
何度か友達を作ろうとした
「昨日は楽しかったな」
「え? ああ、昨日あいつの家に皆で泊まりに行ったんだよ」
けどそれもすぐに消えた
やっぱり分からない…友達ってどうやったら出来るんだろう
そんな事を繰り返す内に、俺は人の本音に恐怖を持つようになった
人の深い所に触れる話は避けるようになった
自分がいつの間にか人間不信になっていた事に気付く
やがて…人に深入りせず、人に気を使い、尽くせば嫌われないと知る
21 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:42:19.37 ID:FmIydxpz0
要するに他人にあまり関わらず、ほいほい頼みを聞いている事が最良って事だ
事実、それから俺の周りは少しずつ変わっていく、周りに人が増えた
本当の自分じゃない、作られた自分、俺は俺の演技をする
その内俺は自分を客観的に見るようになっていた
そんな俺を見て教師は言う
「利用されてるだけだってわからないの!?」
(ふーん…それがどうかしたの?)
表面上はそう思いつつ、内面はずたぼろ
どうしてこの人はここまで俺が友達を作る事を否定するんだろう
俺はただ居場所が欲しかっただけなのに…
22 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:44:01.65 ID:FmIydxpz0
とにかく毎日を耐えた
傷つく日々に
苦しい日々に
消えたい日々に
死にたい日々に
泣きたい日々に
無理に笑う日々に
そんな惨めで、痛々しい日々に耐えた
そうしていつからか…感情が出なくなった
23 :
通訳(四国):2007/03/15(木) 10:45:34.71 ID:tl9DgRSaO
支援
24 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:46:03.67 ID:FmIydxpz0
殴られてもそれほど痛いとは思わなくなった
何をされても怒る事は無かった
何があっても涙は流れなかった
俺は……狂ってるのかな…
そして迎える高校受験
とてもじゃないがまともに勉強なんて出来る精神状態じゃ無い
そんな俺を親は縛り付けた
何もしたくなかった、そもそも行きたくなかった
そんな俺が真面目に勉強なんてできる訳がない
勉強するふりだけを続けた
25 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:48:15.14 ID:FmIydxpz0
成績は下がる一方、親も何度も呼び出され、俺の前で何度も泣いた
本当は言いたかった
どうでもいいと、放って置いてくれと
でも死ぬ度胸も無い俺はただ従う事しかできなかった
うん…単に逆らえなかっただけ、かな
…………。
そして俺は受けた高校に二つとも合格した
まあ、自分で言うのも何だけど、基本はできている人間だったし
別に学力の高い場所じゃなければそう難しい話じゃ無い
そこは中々の底辺校だったからね
でもその結果を知った教師の顔が面白かったのはよく覚えている
まさに「こんなはずじゃ…」って顔だ
26 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:50:01.84 ID:FmIydxpz0
…………………。
時を経て、俺は無事この地獄から卒業
今日からこの隣町のVIP市にある高校に通う事になった
幸い同じ中学の連中は数えるほどしか居ない
同じクラスには一人も居ない
俺は空虚な心でそれを喜んでいた
「おいすー」
そんな時だ、たまたま俺の前の席に座った奴が話しかけてきたのは
('A`)「…え?」
(;^ω^)「いやプリントを…」
ぼーっとしていた俺に何枚かの用紙を突きつけてきた
見れば教師と思われる人間が一番前の席に次々と紙を置いていき
それを各生徒が後ろの席の人間に渡していく
27 :
ブリーター(愛知県):2007/03/15(木) 10:52:01.94 ID:b/9lJTqQ0
支援
28 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:52:07.09 ID:FmIydxpz0
(;'A`)「あ、ごめん」
(;´ω`)「今…寝てたのかお?」
(;'A`)「いや、そういう訳じゃ」
この瞬間が、俺とブーンの出会いだった
…………。
( ^ω^)「ドクオ…かお」
('A`)「…」
( ^ω^)「僕は内藤ホライゾンだお、よろしく」
('A`)「ああ、よろしく」
29 :
漢(茨城県):2007/03/15(木) 10:53:10.33 ID:GCwNH+RX0
支援
30 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:54:26.90 ID:FmIydxpz0
時間は流れていく
( ^ω^)「何聴いてるんだお?」
あいつと色々な事を話した
( ^ω^)「あ、じゃあ今度から一緒に学校まで行くお!」
あいつと色々な事を知った
(;^ω^)「しかしドクオって僕の名前まったく言ってくれないお」
('A`)「じゃあ…なんて呼べばいい?」
(;^ω^)「変な事聞くNE……うーん、じゃあブーンでいいお」
('A`)「ブーン?」
( ^ω^)「お、僕は前よくそう呼ばれてたお、だから…」
31 :
麻薬検査官(神奈川県):2007/03/15(木) 10:55:22.62 ID:7HEGHaS+0
支援
32 :
受付(関東):2007/03/15(木) 10:55:42.74 ID:3EetNnsrO
支援
33 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:56:05.67 ID:FmIydxpz0
その日々が、あまりにも楽しくて、幸せで
( ^ω^)「明日はゲーセン行くお」
('∀`)「…またかよ」
(;^ω^)「そう言いつつ行く気まんまんじゃないかお!」
恐怖を覚えた
あの頃しなかった事をする度に、当時の自分がどういう状態だったかを知る
あの頃無かった者を手にする度に、当時の自分の不幸を知る
初めて親を本気で憎んだ
同時に自分を今度こそ殺してやりたかった
34 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 10:58:02.83 ID:FmIydxpz0
ナンテ オロカデ ミジメニ イキテキタンダ
そしてやがて自分の中にある精神的外傷を知る
( ^ω^)「ドクオ! 遊びに行くお!」
('A`)「…悪い、俺用があるから」
(;^ω^)「お? それなら僕も付き合うお?」
(♯'A`)「……じゃあな」
(;^ω^)「え、ちょ…」
(;´ω`)「……ドクオ…?」
俺は…幼い頃の親から受けた愛情故の暴力がトラウマになっていた
人から受ける好意に対して体が拒絶反応を起こす
35 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 10:58:27.52 ID:1WV3RcSh0 BE:395774093-2BP(556)
うぉびっくりした!
36 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:00:15.50 ID:FmIydxpz0
胸の奥が妙にムカムカして、吐き気がして、イライラする
自分じゃあどうにもならない感情
人の情、それが信じられない
そんな行為がいかに間違ってるかは分かってる
だから後で嫌というほど後悔する
辛い、全てが辛い、けどもう涙は出てくれない
37 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:03:10.62 ID:FmIydxpz0
俺は…『キチガイ』なんじゃないか
普通じゃない、普通になれない、普通が分からない
いやだ、いやだ…
そんな俺に
( ^ω^)「ドクオ、おいすー」
あいつは何度も救いの手を差し出してくれた
どんなに酷い対応をしても、それでもあいつは側に居てくれた
38 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 11:04:21.09 ID:1WV3RcSh0 BE:820865287-2BP(556)
支援
39 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:05:03.54 ID:FmIydxpz0
何度も何度も、俺の名を呼んでくれた
だから…俺はようやく歩き出せた
いつもの帰り道、いつもの川原沿いの道で俺はあいつに全てを白状した
全ては話していないけど、自分の持つトラウマを、自分の異端さを
('A`)「おかしいだろ…? 俺きっと頭逝かれてるんだよ」
そして言ってくれた
( ^ω^)「そんな事ないお! 僕から見たらドクオは普通だお!」
嬉しかった、本当に嬉しかったんだ
40 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:07:22.88 ID:FmIydxpz0
話しかけてくれるだけで、それだけで俺は幸せだった
なのに…
( ^ω^)「僕も…話してくれて嬉しいお、僕等は」
「親友だお」
そう…言ってくれた
感謝…そんな言葉じゃ割り切れない
自分の愚かさは散々知っていたはずなのに
結局俺は馬鹿なままだったんだと思い知らされた
41 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:09:09.53 ID:FmIydxpz0
変わりたい、そう思った
いや
変わるんだ、そう決めた
「うん…ありがとう、ブーン…」
親友の為に、親友で居てみせる
そんな決意を胸にした時、少しだけ
…少しだけ俺も普通の、ただのちっぽけな人間なんだって思えた
42 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:11:08.00 ID:FmIydxpz0
そして…今俺は
43 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 11:11:26.86 ID:1WV3RcSh0 BE:469065784-2BP(556)
再開楽しみにしてたんだぜ支援
44 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:13:06.01 ID:FmIydxpz0
異世界、DEN王国の中心にある大きな建物
そこのテラスで夜景を見つめていた
川 ゚ -゚)「どうしたドクオ、眠れないのか?」
(;'A`)「え…?」
川 ゚ー゚)「なんだ、また考え事か」
('A`)「…うん」
川;゚ -゚)「まったくいつもいつもボケーっとして、何を考えているやら」
('∀`)「…大した事じゃないよ」
川 ゚ -゚)「ふむ…早く寝た方がいいぞ? 明日もまたしごかれるだろうからな」
(;'A`)「あ、ははは…」
苦笑いする俺の手をクーがそっと握る
川 ゚ -゚)「…ボロボロだな」
45 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:15:35.06 ID:FmIydxpz0
俺の手は今や火傷だらで酷い有様だ
炎の剣…レーヴァテインを使う特訓は死と隣り合わせ
下手をすれば自分を襲う炎を水でどうにか抑えなければいけない
ここ数日はずっとその特訓をしている
俺は何やら接続速度と容量が他の人に比べて凄いらしい
その持続時間には新巻さんも驚いていたくらいだ
…大変だけどやりがいを感じる、強くなりたい
俺を救ってくれたあいつの様に…俺も守りたい
だから俺は笑顔で答えた
そして少しの間を置いて、彼女も笑った
川 ゚ー゚)
さあ、今夜はもう遅い、いい加減眠ろう
46 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:18:24.93 ID:FmIydxpz0
俺は…これから先、きっと何度も振り返る
けどその度に思い出すのは悲しい過去じゃ無い
それは色々な物を背負って歩き出す為の、たった一つの誓いだ
…今、こうしていると思う事がある
もしかしたら、これは神様がくれたプレゼントなんじゃないか、と
だって俺はこうしてあの辛かった世界から離れ、ここに居る
だから…この宝の様な日々を
今を、この握った手を
失くさないように
守り続けよう
糸冬
47 :
ブリーター(愛知県):2007/03/15(木) 11:21:56.47 ID:b/9lJTqQ0
乙
48 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 11:23:13.91 ID:FmIydxpz0
以上で番外編終了です!
こんな時間のゲリラ投下にも関わらず支援ありがとうございます
これを見てから異世界を見直すと色々分かって面白いかもしれません
ていうかもっと早くこれを書くべきだった気がしないでもない
本編は12時から投下します、ではでは
49 :
ディトレーダー(関東・甲信越):2007/03/15(木) 11:26:35.80 ID:QPgrmUqpO
乙
50 :
通訳(四国):2007/03/15(木) 11:27:06.84 ID:tl9DgRSaO
乙。
51 :
建設会社経営(コネチカット州):2007/03/15(木) 11:27:14.65 ID:kVT+CTctO
乙
52 :
事情通(コネチカット州):2007/03/15(木) 11:34:37.40 ID:Ap12FTKFO
今北乙
53 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 11:42:32.69 ID:1WV3RcSh0
乙
54 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 11:59:49.28 ID:1WV3RcSh0
再開直前支援
55 :
通訳(九州):2007/03/15(木) 12:00:31.52 ID:Bz3wF6pgO
乙
そしてwktk
56 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:06:04.69 ID:FmIydxpz0
ミ,,゚Д゚彡「前回までのあらすじだぞゴルァ」
(,♯゚Д゚)「…」
ミ,;゚Д゚彡「はい!そんな訳で! 神具、唸り響く槍を求め旅立ったのは
( ^ω^)(´・ω・`)( ゚∀゚)从 ゚∀从の四人!」
(,,゚Д゚)「目指すは双国O−DEN、王からもらった陸船ランシップを駆り進む」
ミ,,゚Д゚彡「でもどうやらランシップの意味があまり無いようです」
(,;゚Д゚)「結局走ってんじゃねーか…」
ミ,,゚Д゚彡「それじゃ始まるよっ!」
57 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:08:00.36 ID:FmIydxpz0
【 第9会 「強奪」 】
DEN王国を旅立ってから早5日が過ぎた
僕等は街道をゆっくりゆっくりとひた進む
(´・ω・`) 「やあっ!」
( `ω´)「お!」
テンポ良く打ち鳴らされる木の音
今日も今日とて僕等は特訓と称した拷問を続けている
58 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:09:59.95 ID:FmIydxpz0
( ゚∀゚)「おーい! 遅れてるぞー、走れ走れー!!」
前を行く船から声がかかる
(;´ω`)「ひぃぃ…」
(;´・ω・`) 「ねえ…何で僕等はこんな事続けてるのかな…」
( ´ω`)「僕が知りたいお…」
从 ゚∀从「がんばがんば〜」
( ´ω`)(´・ω・`) (ガンバとはまた古い…)
そうして再び小走りを始める僕等
…口では辛いの嫌だの言いつつも、本当は少し自分で望んでいる部分がある
こうしていると他の事を考えずに済む、というのもあるが
なにより…退屈凌ぎってやつだ
59 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:12:11.38 ID:FmIydxpz0
正直最初は楽しかったこの旅もしばらく続くと飽きてしまう
どこまで行っても同じ様な景色、そして何も無いこの場所で出来る事なんか
日中ボーっとしているくらいしかない
そんなのに耐えられるのはドクオくらいだ
健康な年頃の男の子は退屈が最大の敵なんですよ
だからこんなのでも…何もしないよりはずっとマシ
だが問題はある
どうにも最近、自分が体育会系に目覚めてるような気がする
時折、流れる汗を拭う瞬間がすごく気持ち良く感じるのだ…
( ´ω`)「ふうっ…」
(´・ω・`)「……にしても今が夏じゃなくて良かったね…」
(;´ω`)「まったくだお…」
60 :
ブリーター(愛知県):2007/03/15(木) 12:12:41.72 ID:b/9lJTqQ0
tanasien
61 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:15:08.04 ID:FmIydxpz0
ちなみに今でこそべらべら喋っている余裕はあるが
一時は本気で体が動かなくなるくらい酷い筋肉痛にもなった
けどそれを超える度に、少しずつ…少しずつ自分が強くなっている実感がある
それが少しだけ嬉しかった
( ゚∀゚)「おし、そろそろ休憩にすっか…乗っていいぞー!」
(;´ω`)「や…やった………」
(;´・ω・`)「…ふぅ…」
从 ゚∀从「よくやるなぁお前等も…まあ見てる分には楽しいけどな」
僕等が乗り込むとゆっくりと走っていた船は帆をなびかせ速度を上げていく
こうなると風が吹いてこないのが少し恨めしい
(;´・ω・`)「あとそれくらいで到着するんですか? その…オーデンって所は」
( ゚∀゚)「んー…今日中には着くと思うぜ? 道を間違えてなければ」
(;´・ω・`)「道をって…相変わらずアバウトですねぇ…」
从 ゚∀从「大丈夫よ、合ってる合ってる…あの山越えたらもう見えてくるぜ?」
62 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:18:09.34 ID:FmIydxpz0
(´・ω・`) 「ほんと? 良かった…」
(;^ω^)「ハインが居てくれて助かったお」
(;゚∀゚)「いや待て! 別に道が分からん訳じゃねーぞ?
ただ現在地が把握できないだけで…」
(;´・ω・`)「把握してくださいよ…」
(;゚∀゚)「無茶言うな、俺だって始めてなんだよ!」
从 ゚∀从「まあまあ、それより飯にしようぜ?」
( ^ω^)「わーい、今日は何だおー?」
从 ゚∀从「今日は水と干し肉になりまーす」
( ^ω^)「わーい、一昨日から変わらないおー」
(;´・ω・`)「…飢え死ぬ前には着けますよね?」
(;-∀-)「……」
元々3人分の食料しか用意していなかったらしく
僕等は壊滅的な食糧不足に悩まされていた
63 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:20:27.11 ID:FmIydxpz0
………。
( ^ω^)「見えたお!!」
長い長い曲がりくねった坂道、そんな山道を抜けると見晴らしのいい場所に着いた
そこからはハインが言った通り…双国O-DENが見渡せた
視界いっぱいに広がる空の下
まるでそのまま町並みを貼り付けたように、山や平地には家屋らしき物が広がる
(´・ω・`) 「へえ…こっちは西洋風なんだねぇ…」
家々はどれも赤茶色の屋根に白い壁が綺麗に揃えられている
どれも同じ様な形の建物が並び
その中には屋根が丸かったりと奇妙な形も混ざっている
64 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:23:20.11 ID:FmIydxpz0
そして奥に小さく見えるのは……
(´・ω・`) 「あれは…海?」
( ^ω^)「船もあるお!」
从 ゚∀从「ああ、ここは貿易国だからな〜
うちからの技術物はここ経由で各国に行ってるんだぜ」
(´・ω・`) 「へえ……にしても船があるって事はやっぱりここは大陸か…
うーん、地図とか見てみたいなぁ…無いんですか?」
(;゚∀゚)「ま、あるっちゃあ…あるんだが、な」
(´・ω・`) 「?」
从 ゚∀从「信用できない地図ならあるぜ、えーと…ほら〜これこれ」
(;´・ω・`) 「これ? んー…普通に見えるけど…どういう事…?」
65 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:26:23.73 ID:FmIydxpz0
从 ゚∀从「なんか昔にどっかの旅人が記した物でさ
そいつはただ国間を行き来して、そこから割り出したって代物なんだよ」
( ゚∀゚)「おかげで10ヶ国の存在と位置は分かっても
その他小さな村とかはあるのかすら分からねーし、世界の形も分からん
だからお前の望む物じゃあないってこった」
(;´・ω・`) 「……そうですか」
( ^ω^)「…? 旅人が地図を書いたのかお?」
从 ゚∀从「そうだぜ?」
(;^ω^)「……どうやって?」
从;゚∀从「あー…まあ難しい事言ってもわからんだろうから簡単に言えば…
100m歩く事に方向とかを書いていって、最後に計算して割り出すんだ」
(;^ω^)「ふーん?」
(´・ω・`) 「…分かってなさそうだね」
(;^ω^)「な、なんか面白そうだと言う事は伝わったお!」
(;´・ω・`)「…そうなの?」
66 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:30:09.48 ID:FmIydxpz0
………。
从*゚∀从「いやー…ようやく着いたな!」
そうして僕等はその国に足を踏み入れた
並び立つ建物の間を乗船したまま進んでいく
(*´・ω・`)「これは…へえ…」
从 ゚∀从「んー…変わってないなぁ、ここも」
遠くからじゃ分からなかったけど、建物はどれも色鮮やかで
白だったり茶色だったりピンク色だったりと色とりどり
そしてどこも入り口がアーチ状をしているのが特徴的だった
67 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:32:55.07 ID:FmIydxpz0
中心には広い通路があって、そこを僕等と同じ様に船や荷台が行き来する
左右に小さな垣根と街灯が並び、その隣の道を沢山の人が歩いている
(´・ω・`) 「うーん…いいね、こういうの」
( ^ω^)「ちょっとした海外旅行でもしてる気分だお」
そんなどこかで見たような景色の中を僕等は進んでいた
(;゚∀゚)「…おいおい、お前等あんまり」
68 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 12:33:30.46 ID:1WV3RcSh0
支援
69 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:36:06.04 ID:FmIydxpz0
(*^ω^)「あぁぁ、なんかいい匂いがするお」
从*゚∀从「あ!! あの店まだやってるじゃん!!」
(;´・ω・`) 「…あの奥に見えるのなんだろ………え!?」
从*゚∀从「ぎゃははwwwあれは酷いなwww」
(;^ω^)「あ、あの屋台行列が出来てるお! ん…ギンギー…なんだそりゃ?」
从;゚∀从「なんだお前ギンギー知らないのか!?」
(´・ω・`) 「うわ…凄いなあれ、無限ループって怖くない?」
ザワ・・・ザワ( ^ω^)从 ゚∀从(´・ω・`)ザワ・・・ザワ
( -∀-)「…やれやれ」
70 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:38:33.59 ID:FmIydxpz0
………。
(;´ω`)「まだかお…?」
もう彼是2時間以上同じ様な風景の中を進んでいる
…なまじ辺りが面白そうなだけに
ただ見ている事しかできないのはかなりの苦痛だった
从 ゚∀从「そりゃ城まで行かなあかんのよ?」
(;´ω`)「城……あの山の上にあるアレかお?」
从 ゚∀从「そーそ、とっとと行って唸響をゲットしちゃおうぜって、そういう話ー」
( ´ω`)(何で時折詐欺セールスの人みたいな口調になるんだろう…)
71 :
派遣の品格(不明なsoftbank):2007/03/15(木) 12:39:50.96 ID:emq4J25g0
リアルタイムktkr
wktk支援
72 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:40:19.47 ID:FmIydxpz0
(;゚∀゚)「とりあえず我慢しとけ、もう国王に連絡は行ってるって話だからよ
流石に到着したけど遊んでましたなんて言えないだろ?」
(;´ω`)「はあ…」
さてどうしたものか…横になって上を見上げてみる
風になびく帆と、空
聞こえてくる喧騒
僕はゆっくりと目を閉じた
…………
………
……
…
73 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:42:16.53 ID:FmIydxpz0
「おーい、起きろー」
( -ω-)「…ん」
(;´ω`)「お?」
从 ゚∀从「着いたよっ」
目を開けると、至近距離に彼女の顔があった
(;´ω`)(近い…)
从;゚∀从「おお?」
とりあえず押しのける
从;゚∀从「むぅ…つまんねーの」
( ´ω`)「毎度毎度やられれば嫌でも慣れるお」
74 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:44:32.28 ID:FmIydxpz0
( ゚∀゚)「うし、んじゃ行くぞ」
(=゚ω゚)ノ「それでは、案内しますよぅ」
(;^ω^)「お? この人は?」
(=゚ω゚)ノ「あ、私はイヨウと申します、どうぞよろしく」
(;^ω^)「あ…と、内藤ホライゾンですお…」
(=゚ω゚)ノ「内藤様ですね、かしこまりました」
( ゚∀゚)「補佐官さんだってよ、さっき出迎えてくれたんだ」
( ^ω^)「へえ…」
そんな彼に案内され、階段を上り、広い通路を進んでいく
たくさんの部屋と、たくさんの窓が並び続いている渡り廊下
75 :
歌手(岡山県):2007/03/15(木) 12:45:27.23 ID:qkzo7ofX0
支援
76 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:46:57.94 ID:FmIydxpz0
ふと外を覗いてみると町の様子から海までが見渡せた
まるで学校の校舎から覗く景色を思い出させたが
その差は歴然、どこまでも続く建物と、遠くに見える海
从 ゚∀从「…いい眺めだな」
( ^ω^)「…」
(=゚ω゚)ノ「…」
(;゚∀゚)「ちゃんと着いて来いっての」
(;´ω`)「ありゃ…」
そしてその内装もとっても豪華だ
天井には煌びやかなシャンデリア
床にはオレンジのマットが敷き詰められ
壁には綺麗な絵画やら何やら装飾されている
77 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:48:25.09 ID:FmIydxpz0
やがて…何か奇妙な形をした絵が彫られた木製の扉の前に着いた
(;^ω^)(なんじゃこりゃ…老人と、鳥と、犬が二匹?)
(=゚ω゚)ノ「こちらですよぅ」
( ゚∀゚)「ここか…」
(=゚ω゚)ノ「…では遅くなりましたが一つ
国王は多忙な為、謁見は1時間ほどになります
申し訳ないですがお願いしますよぅ」
从 ゚∀从「それで充分だ、急ですまないな」
(=゚ω゚)ノ「いえ、た…ハイン様の願いとあらば
こちらとしては多少無理にでもお時間を用意させて頂きますよぅ」
从 -∀从「…ああ、ありがとう」
(=゚ω゚)ノ「では…どうぞ」
78 :
通訳(九州):2007/03/15(木) 12:50:35.29 ID:Bz3wF6pgO
支援
79 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:50:59.99 ID:FmIydxpz0
(;´・ω・`) 「なんか…緊張するなぁ…」
そうして僕等の目の前にある扉が開かれた
まず目に飛び込んで来たのは正面にある巨大な窓、その下ある大きめの机
そして左右の壁には一面の本本本本……
(=゚ω゚)ノ「失礼します、デンオウよりハイン様をお通ししました」
( ´_ゝ`)「うん、ありがとう、下がっていてくれ」
(=゚ω゚)ノ「かしこまりましたよぅ」
( ´_ゝ`)「遠路遥々ようこそいらっしゃいました」
(´・ω・`)「え?」
ショボがすっとぼけた声を上げる
そして、時が止まった
80 :
アナウンサー(埼玉県):2007/03/15(木) 12:51:07.56 ID:lG4hOD1c0
しえん
81 :
VIPからきますた(コネチカット州):2007/03/15(木) 12:53:17.82 ID:HowFCsSuO
やっと追いついたんだZE
支援支援
82 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:53:52.64 ID:FmIydxpz0
( ´_ゝ`)「?」
(;゚∀゚)(;゚ω゚)「…!!」
そこに居たのは紛れも無い
あのDEN王国で出会った弟者さんだった
(;^ω^)「なな、何でここに弟者さんが!?」
从*゚∀从「あwwwははははwwww」
(;´_ゝ`)「おと…、ハイン…彼等に何も教えなかったね?」
从*゚∀从「うん! その方がおもしろいじゃん」
(;´_ゝ`)「はぁ…君等は本当に、人が悪いというか何て言うのか」
(;^ω^)「どういう事なんだお?」
( ´_ゝ`)「私は流石兄者…君達の言う弟者は私の弟だよ」
あくまでも穏やかに、そう言った
83 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:55:58.47 ID:FmIydxpz0
(;´・ω・`)「ふ、双子さんだったんだ…」
(;^ω^)「通りで…」
( ´_ゝ`)「納得したかい?」
( ^ω^)「はいですお」
王様と言う割りに特に威圧感も無く、優しげな雰囲気を持った人
そんな印象を受けた
(;゚∀゚)「なんでお前等そんな普通に会話してんだよ…」
从 ゚∀从「気にすんな!」
(;゚∀゚)「うるせえ! …ああもう、んで国王さん、例の件は」
( ´_ゝ`)「あ、そうだったね…時間も無いし、早速渡すよ」
そう言うと、彼は机の上に乗せされた鈴を鳴らした
( ´_ゝ`)「神具…唸り響く槍、グングニールを」
84 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 12:58:45.55 ID:FmIydxpz0
それは合図なのだろう
全員の視線が入り口へと向く
(;^ω^)「…」
思わず胸が高鳴った、グングニールは聞いた事がある
それが今出てくるというのだ…興奮するなと言う方が無理だ
(*^ω^)「凄いお、確か…どんな物でも貫く最強の槍だお?」
(´・ω・`)「ん、違う違う」
(;^ω^)「お? 違う?」
(´・ω・`)「うん、一般的にはよくそう言われてるけど
正確には違うんだ、狙った物を絶対に貫く槍じゃなくて
狙った物は絶対に外さない槍…っていうのが神話のお話さ」
(;^ω^)「…マジかお」
85 :
麻薬検査官(アラバマ州):2007/03/15(木) 13:00:18.13 ID:brgVL1cz0
しえん
86 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:01:04.21 ID:FmIydxpz0
(´・ω・`)「うん、更にグングニールのよく使われた使用法は投擲、敵に投げつける物で
その名の訳は響き、唸りを上げる物…まさに唸り響く槍って訳だね」
(;´ω`)「へ、へえーヨクワカリマシタオ」
(´・ω・`)「まあ後でwikiを見るといいよ」
(;^ω^)「うぃ、うぃき?」
5分経過……。
( ´_ゝ`)「…」
( ゚∀゚)「…」
从 ゚∀从「…」
(´・ω・`)「…」
( ^ω^)「…」
87 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:03:11.25 ID:FmIydxpz0
10分経過……。
(;^ω^)「…まだかお?」
(;´・ω・`)「あの、もしかして聞こえてないんじゃ」
从;゚∀从「おいおいしっかりしてくれよ?」
(;´_ゝ`)「あれ…おかしいな」
兄者さんがもう一度鈴を鳴らす
(;゚∀゚)「だから何でそんなにフレンドリーなんだよ…王様だぞ?」
(;^ω^)「いや、正直王様とか言われてもピンと来ないというか」
(´・ω・`)「そういうジョルジュさんはどうなんですか
DEN王国じゃあんなに礼儀正しくしてたのに」
( ゚∀゚)「ははは、いやー小うるさいじじいとデレが居ないと気が抜けちまってよ」
(;´ω`)(…もしかしてこの面子は非常に問題ありきなんじゃないかお?)
从*゚∀从「あwwはwwはwwはwは」
( ´_ゝ`)(…ふーん)
88 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:05:43.92 ID:FmIydxpz0
「 ………!! 」
从 ゚∀从「おろ?」
と、その時扉の向こうからけたたましい足音が聞こえてきた
「待ってください! 駄目ですよぅ!」
(;´ω`)「んななっ、何だお!?」
(;´_ゝ`)「ああ…だから教えるなと言っておいたのに」
そして勢いよく開かれた扉
突然の事態に困惑する僕等の前に一人の少女が飛び込み
从;゚∀从「ぐえっ!?」
少女は、駆ける勢いもそのままハインに強烈なタックルをぶちかました
…ていうか今なんか凄い音したぞ
89 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:10:21.86 ID:FmIydxpz0
(;´・ω・`)「な…」
从>∀<ノ!リ「わー! ハインじゃハインじゃー!!」
从;゚∀从「ゲホッ、ゴホッ! し…死ぬ…って妹者!?」
突然の攻撃に怯みつつも、自らにしがみつくそれを強引に引き剥がすハイン
少女は剥がされるとパッと笑顔を向ける
从>∀<ノ!リ「そうじゃ、妹者じゃ!」
从・∀・ノ!リ「とても久しぶりじゃ! 遊びに来たのか!」
从;゚∀从「ぉ…ぉぅ、久しぶりだな」
从・∀・ノ!リ「聞いてくれハイン! こないだ面白い踊りを知ったのじゃ、まず…」
从;゚∀从「まてまて! とりあえず落ち着け、興奮しすぎだ!」
从・∀・ノ!リ「ハァハァ…」
90 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:13:15.05 ID:FmIydxpz0
(=;゚ω゚)ノ「す、すいません陛下!! 妹者様が!」
(;´_ゝ`)「いや、悪いのはアレの方だ、気にしないでくれ」
(;´ω`)「…」
(;´_ゝ`)「ああ、すまないね…あれはその、恥ずかしい話だが、妹なんだ」
(;´・ω・`)「妹さんですか」
(;゚∀゚)「また何ていうか…激しいな、色々と」
从・∀・ノ!リ「ん、今日はまたいろいろ居るの」
从 ゚∀从「まあな」
从・∀・ノ!リ「ほほ〜ふむふむ…で、どれがハインの殿方じゃ?」
从;゚∀从「ぶっ!!??」
91 :
ブリーター(愛知県):2007/03/15(木) 13:15:45.99 ID:b/9lJTqQ0
支援
92 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:16:20.16 ID:FmIydxpz0
从・∀・ノ!リ「こやつか!?」
(;´・ω・`)「え…僕?」
从;゚∀从「おいこら、いい加減に…」
从・∀・ノ!リ「それともこっちか!?」
(;´ω`)「お?」
从;゚∀从「な、あ、や…やめろっての!!」
从*・∀・ノ!リ「おおお! 動揺してるのじゃーー!!」
从♯゚∀从「いい加減にしろーーー!!」
从>∀<ノ!リ「ハインがご乱心なのじゃー! 出会え出会えー!」
从♯゚∀从「待てこのっ…動けば撃つ! 撃てば動く!!」
( ´_ゝ`)「…それでイヨウ君、唸響はどうしたのかな?」
(=;゚ω゚)ノ「あっ、そうでした! それが実は…」
93 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:18:06.08 ID:FmIydxpz0
(;´_ゝ`)「…何?」
(=;゚ω゚)ノ「…これが報告書ですよぅ」
(;´_ゝ`)「そんな馬鹿な…このタイミングで?」
(=;゚ω゚)ノ「これは明らかにおかしいですよぅ
どう考えてもこれを狙っての行動としか思えませんよぅ!」
(;^ω^)「?」
兄者さんはこちらをちらりと見つめると黙り込んでしまった
(;゚∀゚)「おい…いったいどうしたんだ?」
从;゚∀从「俺に聞くなよ」
从・∀・ノ!リ「どうしたのじゃ兄上」
( ´_ゝ`)「……今現在、この双国O−DEN付近が
所属不明の武装集団に包囲されているという情報が入ってきた」
94 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:20:04.26 ID:FmIydxpz0
と、ここで一旦切ってみる
ごめんね今書き溜めてるからごめんね
がんばれ
96 :
産科医(東京都):2007/03/15(木) 13:27:12.20 ID:vJpASRsp0
支援
97 :
牛(コネチカット州):2007/03/15(木) 13:27:48.22 ID:KeuNhK1AO
sien
98 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 13:28:01.41 ID:1WV3RcSh0
のんびり支援
99 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 13:36:20.95 ID:FmIydxpz0
見事にアルファベットに釣られた…('A`)サッサトカクカ
100 :
ディトレーダー(関東):2007/03/15(木) 13:58:06.63 ID:ZLLds98OO
wktk
101 :
牛(コネチカット州):2007/03/15(木) 14:08:28.20 ID:KeuNhK1AO
wktk
102 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 14:25:55.54 ID:1WV3RcSh0
のんびりまったりすずやかに
103 :
一株株主(catv?):2007/03/15(木) 14:43:46.77 ID:XaCdOzuK0
毎度このスレは荒れなくて良いやね
104 :
牛(コネチカット州):2007/03/15(木) 14:55:45.76 ID:KeuNhK1AO
ガンガレガンガレ(^ω^)
105 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 14:55:46.82 ID:1WV3RcSh0
のんびり支援
106 :
牛(コネチカット州):2007/03/15(木) 15:14:58.86 ID:KeuNhK1AO
支援
あばっばばばばば
キテター
108 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 15:50:09.61 ID:FmIydxpz0
あわわ
なんだかこうも支援されると変な所で切ってるのが悪く思えてきた…
ちょっと投下しときますね
109 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 15:51:02.76 ID:FmIydxpz0
从;゚∀从「はああ!?」
(;゚∀゚)「な、どういうこった!?」
(=;゚ω゚)ノ「包囲した部隊はそのまま進行してくる気配も無いそうで…
これは待ち伏せをしているとしか思えませんよぅ」
从;゚∀从「ちょ、おま、それって…」
( ´_ゝ`)「…狙いは、君達である可能性が高い、いや恐らく間違いなく」
(;゚∀゚)「……」
(;´ω`)「えーと…? どういう事ですかお?」
(;´・ω・`)「つまり狙いは僕等が神具を持って国を出た時って事ですね?」
( ´_ゝ`)「そういう事だろうね…なるほど、考えたものだよ
確かにそれなら、この国には手出しせず神具を入手できる」
(;゚∀゚)「ちょっと待て、問題はそこじゃねえ…
どうなってんだ? どこからそんな情報が漏れやがった」
110 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 15:53:02.85 ID:FmIydxpz0
( ´_ゝ`)「考えられるとしたら一つかな…」
(´・ω・`)「…何ですか?」
( ´_ゝ`)「恐らく…君等は監視されていたんじゃないか?」
从;゚∀从「監視ぃ? 誰からだよ」
( ´_ゝ`)「そこまでは分からないけど
あらかじめ来ていた封書も解かれてはいなかったし
情報が漏れるって線は薄いと思う」
(;゚∀゚)「俺達の動向を伺ってる奴…まさか」
( ´_ゝ`)「…心当たりはあるの?」
111 :
主婦(関西地方):2007/03/15(木) 15:54:37.22 ID:Y1Xo3jwL0
支援
112 :
ブリーター(愛知県):2007/03/15(木) 15:54:47.49 ID:b/9lJTqQ0
支援
113 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 15:55:07.89 ID:FmIydxpz0
(;゚∀゚)「ある、と言えばある…けどよ、あいつがそんなに早く動けるはずは…」
( ´_ゝ`)「そのあいつとやらの名前は?」
_
( -∀-)「…モララー」
( ´_ゝ`)「ふむ…聞いた事無いな、失礼だが関係を聞いてもいいかい?」
( ゚∀゚)「ああ、あいつは昔山に捨てられてたのをうちで拾ってきてな
俺達と一緒に育った…まあ、義兄弟みたいなもんだ」
(;´ω`)(…え?)
( ゚∀゚)「んで、まあ色々あってよ…突然居なくなって帰ってきたと思えば
戦呪の管理者になんざなってて、性格も変わり果てて
…俺達の親二人を斬り神具を奪おうとしやがったんだ」
114 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 15:58:42.28 ID:FmIydxpz0
(;´・ω・`)「はい!? ちょ!?」
_,
( -∀-)「どうにか布と槌は守ったんだけどよ、鉄篭手と…俺の両親の命は、な」
(;´ω`)「んななな!? そんなの初耳だお!?」
( ゚∀゚)「そりゃそうだ、言ってねーからよ」
(´・ω・`)「…それじゃあモララーって人とジョルジュさんは」
_,
( -∀-)「ああ、一緒に育った…弟みたいなもんだ
だからよ、この話はデレが居る時には…したくなかったんだ」
115 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:00:28.15 ID:FmIydxpz0
(;´ω`)「…」
从;゚-从「…」
( ゚∀゚)「まあ、そんな訳でそいつは今でも俺達の神具を狙ってる
ちょい前の戦いで間違いなく大怪我負わせたはずだから動けねーだろ
と高をくくってたんだがな……甘かったか」
( ´_ゝ`)「そう、いや申し訳ない、そんな嫌な話をさせたかった訳じゃないんだ」
( ゚∀゚)「いや、いい機会なんでな、こいつらにもちゃんと話しておきたかった
それだけだからよ…気にしないでくれ」
( ´_ゝ`)「ふむ…ありがとう、お礼にこちらも協力は惜しまないつもりだよ
とりあえずそのモララーって人間の特徴は分かるかな」
(;゚∀゚)「うーん…とりあえず確かなのは篭手と、黒い剣だな」
(;´・ω・`)「またアバウトな…もっとないんですか?」
(;゚∀゚)「俺そういうの苦手なんだよ…」
116 :
2軍選手(北海道):2007/03/15(木) 16:06:40.97 ID:pUKnJqunO
支援
117 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:17:24.09 ID:FmIydxpz0
( ´_ゝ`)「ふふ、分かった任せてくれ、とりあえず街中は兵に探させておく
君達はしばらくここに滞在するといい」
从 ゚∀从「そうした方がよさそうだな…」
(´・ω・`)「…なんだか大変な事になってきたね」
(;´ω`)「いったい僕等はどうなっちゃうんだお?」
(;´・ω・`)「僕にもわからないよ」
(;´ω`)「ていうか…新巻さん、あの時嘘をついてたのかお」
(´・ω・`)「…そうみたいだね」
( ´ω`)「何が本当で、何が嘘なのか…分からなくなってきたお」
ふと思った、もしかしたら…まだまだ僕等には隠している事があるのだろうか
もしかして僕等に神具を持たせようって言うのも…実は物凄い意味があるのかな
118 :
通訳(九州):2007/03/15(木) 16:26:44.32 ID:Bz3wF6pgO
支援
119 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:27:09.33 ID:FmIydxpz0
(´・ω・`)「…しょうがないんじゃない?」
(;´ω`)「お?」
(´・ω・`)「身内の恥…かなそういうのは軽々言える事じゃ無いだろうし
別に騙すとかじゃないと思うよ」
( ´ω`)「…でも酷すぎるお、兄弟同然の人となんて」
(´・ω・`)「ほら、しゃきっとしなよ…君がへこたれてても仕方ないだろ?」
(;^ω^)「…うん」
( ゚∀゚)「んじゃあとりあえずグングニールを見せてくれねーか?
試しておきたい事があるからさ」
( ´_ゝ`)「うん、そうだね、じゃあ着いてきてもらえるかな」
120 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:29:02.61 ID:FmIydxpz0
そう言って連れられて来たのは無駄に広い一室だった
奥に大きな丸太が何本か並べられているだけの殺風景な空間
(;^ω^)「えと、こんなとこで何お?」
( ゚∀゚)「言ったろ、お前等が管理者になれるかどうか試すんだよ」
(=゚ω゚)ノ「陛下、お持ちしましたよぅ」
( ´_ゝ`)「うん、ありがとう」
(;´・ω・`)「じゃあ、それが…」
(=゚ω゚)ノ「そう、これこそが我が国に伝わる神具
唸響く槍、グングニールですよぅ!」
そう言ってかなり興奮気味に語るイヨウさん
でもその手にあるのは…
121 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:30:59.50 ID:FmIydxpz0
(;^ω^)(こんなのがそうなのかお?)
汚れくすんだ様な柄をした長い木の棒
その先端には細長いダイヤの形をした刃が取り付けられ、その逆には球体の金属
よく見ると刃の部分にはびっしりと何かの文字が刻まれている
…どうにも無骨な槍だ
( ´_ゝ`)「それじゃあ君達、これをあの木に向けて投げてみてくれないかな?」
(;´・ω・`)「試すって、それだけですか?」
( ´_ゝ`)「そうだよ」
( ^ω^)「よくわかんないけど…僕からやってみるお!」
122 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:31:59.62 ID:FmIydxpz0
……。
( `ω´)「とあ!」
助走をつけ、槍投げの選手の真似事をする様に放つ
投げられた槍は綺麗な曲線を描きながら…
(;^ω^)「お…」
これまた綺麗に床に突き刺さった
(;´ω`)「…あちゃー」
(´・ω・`)「届きもしなかったね…」
( ´_ゝ`)「ふむ」
123 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 16:32:46.85 ID:1WV3RcSh0
支援
124 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:34:06.69 ID:FmIydxpz0
……。
( ゚∀゚)「うーん、ショボも駄目か」
(´・ω・`)「…あらら」
(;^ω^)「さっきの僕を見てるようだお」
(´・ω・`)「でも僕の方が飛距離は上だったもんね」
( ´_ゝ`)「二人とも駄目、か」
(;´ω`)「なんか駄目駄目言われるとちょっぴり傷つくお…」
(´・ω・`)「ちなみにどうなれば成功だったんですか?」
( ´_ゝ`)「なんでも話では管理者たる者がこの槍を放つ時
彫られてる文字が輝く、らしい」
125 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:36:22.80 ID:FmIydxpz0
(;゚∀゚)「しっかし、またなんか…アレだな、本物なのかこれ?」
( ´_ゝ`)「ふむ、試してみるかい?」
(;゚∀゚)「いや、俺はもう破さ」
(;´_ゝ`)「あ、いやそうじゃなくてね…これを君の神具で攻撃するといい」
(;゚∀゚)「はあ!? あほk…いやその、えーと
んな事したらこんな柔そうな木なんかバラバラになるぞ?」
( ´_ゝ`)「御所意に」
_,
( ゚∀゚)「へえ、自信有りなわけだ…じゃあちょっと見てみっか」
( ゚∀゚)「出番だ、相棒」
そうしてジョルジュさんが取り出したのは親指程度の大きさの白い何か
それを握り締めると手の中から溢れるように肥大する
126 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:38:04.77 ID:FmIydxpz0
( ´_ゝ`)「伸縮自在か…凄いな、それが破砕の槌、ミョツルニル」
(=*゚ω゚)ノ「わわ私感動ですよぅ! ここに今二つの神具が揃ってるなんてっ」
( ゚∀゚)「んじゃま、軽くな」
そう言って振り上げた槌を
(♯゚∀゚)「ぅうおるぁあああああ!!!」
どうみても渾身の力を込めて打ち下ろした
振動が床を伝う
軽い地震を起こすほどの衝撃
(;´ω`)(どこが軽くだお)
(;゚∀゚)「ま、マジかぃ」
( ^ω^)「お?」
127 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:40:05.04 ID:FmIydxpz0
(;^ω^)「無傷だお」
(´・ω・`)「無傷だね」
うん、槍は全然無事だ
でも床がひどい事になってる、木製の床は見るも無残に砕かれ
伝わった衝撃によるひび割れが数メートルに渡りできていた
(=゚ω゚)ノ「…」
イヨウさんは固まっている
( ´_ゝ`)「…ぷっ」
兄者さんは何やら必死で笑うのを堪えている
(♯゚∀゚)「んなろお」
何故か妙に悔しそうなジョルジュさんは槌を真上に掲げる
すると瞬く間に槌が巨大化、それをそのまま――
(=;゚ω゚)ノ「やめてくれよぅーーーーー!!」
「アッー」
( ´_ゝ`)(…ん、あれは)
128 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 16:46:37.67 ID:FmIydxpz0
ゆっくりと…合作開始までにはー
129 :
また大阪か(ネブラスカ州):2007/03/15(木) 16:47:25.55 ID:GUXUMnBoO
初遭遇wktk
支援
130 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 17:00:11.13 ID:1WV3RcSh0
支援
131 :
歯科技工士(東京都):2007/03/15(木) 17:16:50.08 ID:1WV3RcSh0
し
132 :
主婦(関西地方):2007/03/15(木) 17:17:03.37 ID:Y1Xo3jwL0
ああ・・・支援さぁ・・・
133 :
画家のたまご(東海):2007/03/15(木) 17:25:37.56 ID:XAo4Xi+hO
支援
134 :
主婦(新潟・東北):2007/03/15(木) 17:46:23.42 ID:PiX1sb2MO
支援
135 :
主婦(新潟・東北):2007/03/15(木) 17:54:21.61 ID:PiX1sb2MO
支援
136 :
元原発勤務(栃木県):2007/03/15(木) 18:07:24.45 ID:4+Qbt92U0
支援
支援
138 :
扇子(愛知県):2007/03/15(木) 18:25:30.49 ID:7TSPjdgm0
がんがれ
139 :
運動員(神奈川県):2007/03/15(木) 18:26:04.99 ID:HnvXdfTB0
読み終えてきた
支援
140 :
派遣の品格(不明なsoftbank):2007/03/15(木) 18:37:48.89 ID:emq4J25g0
支援
wktk
141 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:04:12.74 ID:FmIydxpz0
( ゚∀゚)「どうやら本物みてーだな」
(=;ω;)ノ「あああ…床がボロボロにぃ…」
(;´ω`)(…なんか可哀想だお)
( ´_ゝ`)「ねえジョルジュ君、ちょっと聞いていい?」
(;゚∀゚)「なんだ? 改まって」
( ´_ゝ`)「それはミョツルニルで君は管理者なんだよね?
( ゚∀゚)「ああ、それが…なんだよ」
( ´_ゝ`)「…それに彫られてる文字とこの槍の文字、似てるよね」
(´・ω・`)「同じルーン文字でしょうから、そうでしょうね」
( ´_ゝ`)「うん? うん、それでさ、この槍の条件が文字が輝く事なら
そのミョツルニルはどうなのかなーって思ったんだけど」
142 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:06:00.25 ID:FmIydxpz0
_,
( -∀-)「…その事か、そうだ国王さんの考えてる通りだよ
こいつも真の力を発揮する時はこの文字が輝くはずだ」
( ´_ゝ`)「はず、とは?」
( ゚∀゚)「こいつの真の力を使うには幾つかの条件がある
メギンギョルズ、鉄篭手、そして…雷の接続者である事だ」
( ´_ゝ`)「なるほど、今はその鉄篭手が無いから駄目なんだね?」
( ゚∀゚)「そういうこったな」
( ´_ゝ`)「…だが君は管理者で、先も使用していたように見えたけど?」
( ゚∀゚)「こいつの真価は雷を纏ったときに発揮されるってだけさ
普段はとんでもなく頑丈なただのハンマーだから問題はねえ」
( ´_ゝ`)「参考までに…もし使ったらどうなるの?」
_,
( ゚∀゚)「…あんまり考えたかねーけど、運が悪けりゃ死ぬ
良くても…まあ腕が丸々無くなってもおかしかねーな」
(;´_ゝ`)「となるとやはり…唸響にも使うのに何かしらの条件が必要って事か」
143 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:08:01.24 ID:FmIydxpz0
(´・ω・`)「条件…」
( ゚∀゚)「つーても、まあ神具ってのは大抵栄光を与える代わりに条件があるんだけどな」
( ´_ゝ`)「そうなの?」
( ゚∀゚)「ああ、例えば災いの…いや破壊の剣にしても
実際はあの炎で自分を焼きかねない危ねー神具だしな」
(;´_ゝ`)「破壊の剣…! VIPの炎の風か、そういえばあれはどうなったんだ
結局神教の連中が手にしたのか?」
( ゚∀゚)「いや、破壊の管理者ならDEN王に居るぞ」
(;´_ゝ`)「はぁ!?」
(=;゚ω゚)ノ「ええ!?」
(;´_ゝ`)「いや待て待て待て、何それ、どういうこと?」
(=;゚ω゚)ノ「あの炎の風がDEN王に!? ちょ大丈夫なのかよぅ!?」
(;゚∀゚)「うぉ…」
しえn
145 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:10:19.04 ID:FmIydxpz0
凄い混乱っぷりだ
(;´ω`)「破壊の…ってドクオの事だお?」
(;´・ω・`)「うん、そのはずだけど」
(;´_ゝ`)「し、知り合いなの?」
(;^ω^)「えーと…」
……。
(;´_ゝ`)「なるほどねぇ…二代目か」
(;^ω^)「そんなに凄いのかお? その破壊の、って」
146 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:12:16.30 ID:FmIydxpz0
(=;゚ω゚)ノ「凄いも何も…知らないのかよぅ
炎の風がその気になれば一国程度簡単に潰せるって話も聞くくらいだよぅ」
(;´ω`)「ひええ…」
なにやら凄く力説される、そんな事言われても僕は知らないってのに
( ´_ゝ`)「しかし、そうか…何故急に唸響を求めて来たかと思えば
破壊を味方につけていたんだね、そりゃあ強気にもなる」
(=゚ω゚)ノ「更に管理者がもう一人居て、次元接続なんて生きる伝説まで居る
これだけ揃えればそりゃあ世界もきっと変わるよぅ」
( ´_ゝ`)「ハインがどうしてあんなに楽しそうにしているか分かったよ」
(;^ω^)「楽しそう…まあ確かにいつも楽しそうではあるお」
( ´_ゝ`)「そうかい?」
(;^ω^)「お?」
( ´_ゝ`)「…本当はあれでかなり繊細な子なんだよ、分かり辛いだろうけど
まあ、よほど君達が頼もしいんだろうね」
147 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:14:27.16 ID:FmIydxpz0
(;^ω^)「…」
弟者さんもそうだったけど…想像できない彼女像がポンポン出てくる
というか随分気にかけているものだ
そういえば妹さんともやたら仲良さそうだったし…何やら色々ありそうだ
(;´ω`)「…ん?」
おや?
今何か引っかかったような気がするんだけど
(´・ω・`)「どうしたのブーン?」
(;´ω`)「ん、いや…何か、何か大事な事を忘れてるような」
(´・ω・`)「大事な事?」
(;´ω`)「うーん、うーん…」
148 :
ディトレーダー(関東):2007/03/15(木) 19:21:04.03 ID:ZLLds98OO
支援
149 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:21:20.67 ID:FmIydxpz0
( ゚ω゚)「あ」
( ゚∀゚)「あ?」
(;´ω`)「あの…その肝心のハインはどこに?」
(;゚∀゚)「え? 妹さんとどっか遊びに行くって言ってたろ?」
(;´・ω・`)「え、いやそれは危ないから駄目だって止めてましたよね?」
( ´_ゝ`)「うん、大丈夫だろう、ちゃんとイヨウ君にお目付けを頼んである」
(=;゚ω゚)ノ「え? だって唸響を持ってくるように言ってらっしゃいましたよね?」
「「…あれ?」」
150 :
わけ(愛知県):2007/03/15(木) 19:22:24.02 ID:Xhhdpyt20
支援
151 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:25:49.66 ID:FmIydxpz0
……。
「あのー、ちょっといいモナ?」
从・∀・ノ!リ「なんじゃ?」
从 ゚∀从「ん?」
( ´∀`)「ちょっと聞きたい事があるモナ」
152 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:27:31.15 ID:FmIydxpz0
从 ゚∀从「ああ、なんだい?」
( ´∀`)「王様に謁見したいんだけど、場所が分からないんだモナ
できれば教えて惜しいモナ」
从・∀・ノ!リ「おう、容易い御用じゃ! どれ案内してやるのじゃ!」
从;゚∀从「おいおい、妹者…」
( ´∀`)「良かった…助かるモナ」
从・∀・ノ!リ「着いてくるのじゃー!」
从;゚∀从「しょうがねーなぁ…」
( ´∀`)「うん…どうも」
( ・∀`)「ありがとうー」
153 :
右大臣(東海):2007/03/15(木) 19:37:18.59 ID:K1XQgwKdO
ぎゃあぁぁモララー!!!
支援っ
154 :
名無しさん@(関西・北陸):2007/03/15(木) 19:39:19.93 ID:FQJpBoFcO
モララー((((;゚д゚))))
155 :
名無しさん@(関東):2007/03/15(木) 19:40:48.88 ID:0YJPzhpeO
まとめのその9がエラーになって見れないorz
156 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:49:30.75 ID:FmIydxpz0
…………。
…………。
…………。
…………。
…………。
157 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:50:01.40 ID:FmIydxpz0
…………。
…………。
…………。
…………。
…………。
158 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:51:10.48 ID:FmIydxpz0
…………。
…………。
アアア
…………。
…………。
…………。
159 :
AA職人(茨城県):2007/03/15(木) 19:51:58.66 ID:/SUd/2CT0
しえん
だが怖い
160 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:52:01.92 ID:FmIydxpz0
…………。
…………。
…………。
ウアアアアアアアアアアアアアア
…………。
…………。
161 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:54:15.26 ID:FmIydxpz0
「うああああぁ…」
( ω )「…」
なんだ これは
状況の整理がつかない、頭が…真っ白で
とにかく今、目の前にあるのは
血にまみれた幼い身体を、同じく血にまみれて必死に抱き寄せる彼女の姿
162 :
通訳(九州):2007/03/15(木) 19:54:58.40 ID:Bz3wF6pgO
凄く…鬱です…
支援
163 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:55:28.73 ID:FmIydxpz0
僕はこうしてただ見ている事しか出来なかった
覚えているのは記憶の断片
( ・∀・)「やあジョルジュ、グングニールをもらいに来たよー」
从;∀;ノ!リ「ぅ…ぅぇ…」
少女に剣を突きつけ、笑う男
(♯゚∀゚)「モ、モララアアアアア!!!」
猛り、吼えるジョルジュさん
そして
164 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:57:06.79 ID:FmIydxpz0
「やめてくれ…唸響は渡す、だから…だからその子には手を出さないでくれ!」
その言葉に、笑顔を消して、冷たく言い放った奴の台詞
「…なにそれ、最悪…あんまりつまらないとさー」
「殺すよ?」
僕は初めて
そう、生まれて初めて…誰かを殺してやりたいと思った
165 :
通訳(九州):2007/03/15(木) 19:59:09.74 ID:Bz3wF6pgO
支援
166 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 19:59:10.67 ID:FmIydxpz0
【次回予告】テテーテーテテテーテテーテテーテテー
167 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 20:00:02.76 ID:FmIydxpz0
168 :
AA職人(茨城県):2007/03/15(木) 20:00:37.98 ID:/SUd/2CT0
ksk
169 :
AA職人(茨城県):2007/03/15(木) 20:01:09.16 ID:/SUd/2CT0
モララー
170 :
週末都民(不明なsoftbank):2007/03/15(木) 20:01:22.84 ID:zJ+gv6Zu0
荒巻
171 :
受付(関東):2007/03/15(木) 20:01:31.39 ID:3EetNnsrO
妹者
172 :
主婦(新潟・東北):2007/03/15(木) 20:01:42.27 ID:PiX1sb2MO
( ・∀・)
173 :
AA職人(茨城県):2007/03/15(木) 20:02:04.81 ID:/SUd/2CT0
自分で書いといてなんだが、モララーになったらどうしようかと思ったぜ・・
174 :
あおらー(東京都):2007/03/15(木) 20:10:10.11 ID:zHHknVRU0
wktk
175 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 20:12:11.36 ID:FmIydxpz0
ミ,,゚Д゚彡『さて次回は!』
/ ,' 3 『奪われた物はあまりにも大きすぎた…彼等は絶望の淵に沈む』
ミ,;゚Д゚彡『あの…妹者ちゃんまだ生きてるんですけど』
从-∀-ノ!リ「…」
从 ;∀从「ごめん、ごめんな…私のせいだ、私が…」
/ ,' 3 『そんな少女の死に報いるため立ち上がる一人の勇士』
ミ,;゚Д゚彡『もしもーし!!死んでない、死んでないよー!』
(;'A`)「…え? 俺一人で行くんですか?」
/ ,' 3 『今、彼の孤独な戦いが始まろうとしていた…』
ミ,;゚Д゚彡『いやいやいや!なんかおかしいっす!』
/ ,' 3 『次回 異世界でもう一度 第10会 「太陽の国」 』
ミ,;゚Д゚彡『あぁもう!読んでくれなきゃ泣いちゃうZE!!』
ミ,,゚Д゚彡『…ん、太陽の国? それってもしかして…』
つづく、、、I
176 :
事情通(コネチカット州):2007/03/15(木) 20:13:54.48 ID:BM84mbejO
乙
次が待ち遠しいwwww
177 :
AA職人(茨城県):2007/03/15(木) 20:14:01.79 ID:/SUd/2CT0
乙!
面白かったです
178 :
あおらー(東京都):2007/03/15(木) 20:16:38.71 ID:zHHknVRU0
劇場版に太陽の剣ってあったな
179 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 20:16:46.59 ID:FmIydxpz0
以上です!
いや正直予告安価時にちょうど向こうが始まったときはどうなる事かt
これまた長時間ありがとうございました
180 :
あおらー(東京都):2007/03/15(木) 20:20:29.43 ID:zHHknVRU0
乙!
181 :
主婦(関西地方):2007/03/15(木) 20:20:35.30 ID:Y1Xo3jwL0
>>179 乙ー
ちなみに聞いとくと
世界を巡る〜の時制に追いつくまで後何羽くらいかかる?
182 :
通訳(四国):2007/03/15(木) 20:21:34.91 ID:tl9DgRSaO
乙!
183 :
あおらー(東京都):2007/03/15(木) 20:23:47.62 ID:zHHknVRU0
ぺニサスがもってた剣の名前調べたら出てきた
なんか嬉しい
184 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 20:25:33.29 ID:FmIydxpz0
>>181 予定では5,6羽絞めれば美味しく頂けるかと
あくまでも予定では
185 :
週末都民(不明なsoftbank):2007/03/15(木) 20:27:03.74 ID:zJ+gv6Zu0
乙。
ハインかわいいよハイン
186 :
刺客(岡山県):2007/03/15(木) 20:29:13.57 ID:/3TwNcKj0
合作で見てから見始めたけど出てくるのと地名が関連してるんだな
合作のときはパララケーズでわかった
187 :
主婦(関西地方):2007/03/15(木) 20:31:10.59 ID:Y1Xo3jwL0
188 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 20:35:32.75 ID:FmIydxpz0
実を言うとわざと分かるようにしてます
その方が恐らくよりわかりやすく読めると思いますゆえ
あと俺は表面だけ見せて、予想させて、それを裏切るのが好きなんだ…
190 :
宇宙飛行士(コネチカット州):2007/03/15(木) 22:07:03.40 ID:P+5wAYFZO
ばい〜ん
追いついたっZE
質問だけど、
>つづく、、、I
Tってなんなん?
あとグングニルとゲイ・ボルクって同じものだっけ?
193 :
噺家(栃木県):2007/03/15(木) 22:18:07.83 ID:FmIydxpz0
パインはこっちじゃない!
>>191 ヒント1:そのIにマウスを重ねてみよう!どうなるかな?
ヒント2:いいえ、それはトムです
>>192 いーつもすまないねぇ〜。
でも突き詰めれば効果は同じだよね
195 :
主婦(関西地方):2007/03/15(木) 23:13:12.63 ID:Y1Xo3jwL0
196 :
運び屋(東京都):
合作について教えてくれ
もし、アレであれば伏せで構わないが、、、