文才ないけど小説書くとノベルチェッカーがベタ褒め

このエントリーをはてなブックマークに追加
1愛のVIP戦士
ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※

各まとめ入口:http://bnsk.jf.land.to/
初心者の方は掲示板を一度ご覧下さい。小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています

まずは安価でお題をもらいましょう。基本的に過疎スレなので↓でもらうと良いです
→人のお題を使って書くのもありです。作品がたくさん投下されればスレも盛り上がります

▽投下の際の注意点
・他の作者が投下中は投下完了まで待って下さい。投下前にはリロードを忘れずに。投下宣言するのもありです
・投下する人は最後に「終」「完」「了」など、投下完了の合図をお願いします
・できれば名前欄に『「タイトル or お題」 現在のレス数/総レス数』のように書いて下さい
・作品を投下する際は、テキストエディタで仕上げてからまとめて投下して下さい

▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい

▽保守について
・創作に役立つ雑談や、保守を兼ねての書き下ろし投下は大歓迎です
・落ちた場合は立てれる人が新スレを立てて下さい。人がいる時間を目安に
2愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 18:46:19.93 ID:NLL/stGP0
▲週末品評会
毎週木曜日の夜〜土曜日の午前中に、お題が出されます
作品は土曜日の0:00から日曜日の24:00までの間に投稿してください
その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます

▽作品投稿
・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します
・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします
・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列)
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです

▽投票
・本スレへの書き込みでお願いします(複数選択可)
・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい
・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります!
・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい

▽優勝者特権
・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい
3愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 18:46:37.36 ID:NLL/stGP0
100 名前: ◆NA574TSAGA 投稿日: 2007/02/15(木) 19:45:02.51 ID:505pY7320
それでは今週のお題を発表します。


第46回週末品評会 お題:『牛乳』

以下Wikipediaより抜粋。
>牛乳(ぎゅうにゅう)とは、ウシ科の動物牛の乳汁である。
>広義には、前記「牛の乳」のような味を有する白色の乳製品全般、
>さらにこれを原料として作られた嗜好飲料(いわゆるコーヒー牛乳、イチゴ牛乳など)をいうこともある。

【制限】
・3レス制限
・作中で人間その他の動物が死ぬことは禁止
・あくまで上の定義の範囲内で「牛乳」を用いること

この3つを守ってくれれば、あとは何を書いてもオーケーです。
二度と無い機会かもしれないので、いつもと趣向を変えてみました。お許しをw


せいげんきついけど がんばれ な?
どんなときも ぎゅうにゅうだぞ?


投稿期間:2007/02/17(土) 00:00 〜 2007/02/18(日) 24:00
宣言締切:日曜23:30に投下宣言の締切。それ以降の宣言は時間外。
※折角の作品を時間外にしない為にも、早めの投稿をお願いします※

投票期間:2007/02/19(月) 00:00 〜 2007/02/20(火) 24:00
※前回に引き続き、品評会に参加した方は出来る限り投票するよう心がけましょう※
4愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 18:47:07.80 ID:y7gPiKUm0
>>1
5愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 18:48:07.43 ID:jgNBdRHu0
いちおつ
6愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 18:51:22.24 ID:P+Wv/Ck90
>>1
ttp://matufude.hp.infoseek.co.jp/novelchk/
流行のノベルチェッカー
7愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 18:55:23.51 ID:NLL/stGP0
1000 名前: 愛のVIP戦士 投稿日: 2007/02/17(土) 18:54:07.77 ID:5KVcCuQH0
1000なら品評会俺だけ5レス許可


運営に通報しますた
8愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 18:56:09.86 ID:y7gPiKUm0
さてと新スレに移行したところで、長編板のCMを貼らせてもらいますよ。

http://bnskvip.jp.land.to/up/src/up0007.swf

いまいち長編板の影が薄いようなのでね。
9愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 18:58:26.18 ID:5KVcCuQH0
>>7
勘弁してください。出来心だったんですw

ところで通常作品投下していい?
4日くらい前に貰ったお題だけど、あんま書いたことない作風なので時間掛かった。
10お題:ジャイアニズム、強襲揚陸用メイド:2007/02/17(土) 18:59:34.14 ID:5KVcCuQH0
「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」
 いわゆるジャイアニズムを象徴する言葉であるが、
実際のところ、競争原理の働く社会の根底には「弱肉強食」が存在しており、
このジャイアニズムと相通ずるものの存在が指摘される。
 アメリカを中心とした経済強国が破綻したこの2030年においては、
ジャイアニズムを唱えられる者のみが頂点に君臨できる。いわばこれが世界唯一のコモン・ローなのである。


 その娘は、年の頃なら十四、五だった。
 この年頃の娘によくある、無駄に脂肪のついていないすらりとした体型、
特別に美人という訳ではないが、整った顔立ちと、深みを持った瞳は見るものに好印象を与えた。
 栗色の、肩で切りそろえられた髪が、吹きすさぶ風にもてあそばれていた。
 それは彼女が軍用ヘリの開かれたハッチにいたためである。
 彼女の存在は、その衣服と共に、この無骨な外装のヘリコプターとは相容れなかった。
 端的に言えば、彼女の服はメイド服だった。

「マスター、行ってまいります」そのメイド服の娘は、後ろの男に一礼した後、
 ハッチから手を放し、体一つで空へと飛び出した。
「任せたよ、リシュリー」男の呟きの後は、ヘリのエンジン音だけが響いていた。

 高度3000メートル、一直線に頭からダイブ。
 地上まで残り数百メートルでくるりと反転し足を下に。
 一瞬、スカートのひだが広がった。大きな空気抵抗を受け急制動が掛かる。
 落下傘代わりのスカートが、巧みに勢いを削いでいた。そうして地面に突き刺さるように着地した。
 着地の衝撃で大きく砂埃が立ち、その中心に膝を曲げた彼女の姿が見えた。
 その膝を伸ばす勢いで前方へと両手を振って猛ダッシュした。
11お題:ジャイアニズム、強襲揚陸用メイド:2007/02/17(土) 19:00:06.58 ID:5KVcCuQH0
 走りながら状況確認。現在、目標ネルソン邸の庭。玄関まで約40メートル。
 防衛部隊……なし。約30メートル。
 対人トラップ……なし。約15メートル。
 警備は手薄。どうやらネルソンは情報どおり、大変な自信家らしい。玄関の扉を蹴り破る。

 扉を開いた時、数瞬前までは確かに存在しなかったアサルトライフルが彼女の手に握られていた。
 すかさず攻撃に備え、身構える彼女。
 だだっ広いロビーの奥に、階段があり、その一番上に正装をしたネルソンがいた。
 彼女は、ゆうに二メートルはあろうその体躯を、視認とほぼ同時にライフルを構え、引き金を引いた。

 ダタタタタタタタッ! という軽快な発射音の後、
「おやおや、過激なご挨拶だね、お嬢さん。そういえば昔、ジャパンの映画にこんなミスマッチな題材があったっけ」
 そんな悠長な声が左方すぐ近くから聞こえた。と、同時に側頭部に衝撃。
 天地が二度ほどひっくり返った後、ドアにぶつかった。カラカラという音を立ててアサルトライフルは床に落ちた。
 遠くからネルソンの声が聞こえる。「はっはっは、初弾は甘んじて受けるべきだったかな? ま、はじき返しただろうがね」
 そうだろう、と彼女は心の中で思った。彼がサイボーグであることは事前に教わっていた。
 ここまでの速度で移動するとは予想外だったが。

 ライフルは彼女から遠かった。取りに行くことはできない。
 脳震盪でも起こしたのか、彼女の立ち上がりは遅い。それでも、ドアとドアノブに手を掛け立ち上がり、
ネルソンを正面に見据え、スカートに手を突っ込んでコンバットナイフを2丁取り出した。
「ほう、どうなっているんだ、そのスカートは」
 ネルソンは立ち上がる様子をにやにや眺めていたが、彼女の取り出したナイフに眉根を寄せた。
 答えず突進する。迎撃に来たネルソンの右フックを沈んでかわし、全身のばねを使ってジャンプし、首と頭部を同時に狙った。
 頭部はサイボーグの弱点だ。人体の神経系を丸ごと再現する技術はいまだ確立していないため、脳を叩くのが定石だった。
12お題:ジャイアニズム、強襲揚陸用メイド:2007/02/17(土) 19:00:32.38 ID:5KVcCuQH0
 がきん、という鈍い手ごたえに、彼女は数歩後退した。余裕の表情のネルソン。
 その額と首にはコンバットナイフの傷跡と、その下に見える金属があった。
「私の体格なら一振り一振りが大きくなる。懐に入って頭部を狙う作戦は良かったね。
ただ、科学がいまだ人工神経を作ることはできなくても骨を鉄板で覆うことくらいは造作ないのさ」
 余裕の仕草なのか、ネルソンは両手を広げてはっはっは、と笑った。その一方で、沈黙し、思考する彼女。
 1秒後、左手のナイフを捨てスカートに手を突っ込んだ。取り出したのは握り拳大の黒い塊。
「はっ、ここで手榴弾とは。残念ながら効かな――」
 ネルソンが最後までいい終わることなく、彼女はそれを床にたたきつけた。
 おびただしい量の煙が一気にロビーの一部を覆った。
「くっ、まったく、そのスカートからは何でもでてくるんだね。まるでジャパンのニンジャスターみたいだな!」
 煙のなか、ネルソンの赤外線センサーが彼女の位置を捉えていた。彼女は開け放った玄関のそばに移動していた。
「おやおや、一時撤退かい? それなら早く逃げた方がいい。私は――足が速いからね!」
 言い終わると同時にネルソンは彼女に向かってダッシュした。
 その様子の一部始終を横目で眺めていた彼女が、この戦闘中始めて声を上げた。
「そう、あなたは速い。だから――」ゴトリと音を立てて落ちるネルソンの首。
「摩擦で首を切れる」
 煙が雲散したロビーで細いテグスが1本、キラキラ光っていた。
 最初に彼女が飛ばされたドアのノブから伸びたテグスが、ネルソンの首の周囲を1回りし、彼女のスカートまで届いていた。

 首だけだというのに、ネルソンは喋ることができた。
「ま、待て、俺と組もう。そうすりゃ世界を統べることだって出来る。今の給料の10倍出すぞ!」
 彼女は1歩近づく。
「わ、わかった。じゃあ、『俺のものはお前のもの、お前のものはお前のもの』これでいいだろ?」
 さらに1歩近づく。そしてスカートから取り出したもう1丁のアサルトライフルで、ネルソンの口の中に数百発の弾丸を撃ち込んだ。
 ネルソンも口腔内は強化していたいなかったのか、頭蓋骨を覆った金属で跳ね返った弾丸が、
脳みそをいい感じにシェイクしてくれたようだった。ネルソンの死を確認し、彼女は喋り始めた。
「あなたは、戦闘中喋りすぎです。それと、私は敵意を持った仲間は要りません。そしてなにより、」
息を吸ってちょっと語気を強めていった。「スカートの中を想像するなんて、卑猥です」
13お題:ジャイアニズム、強襲揚陸用メイド:2007/02/17(土) 19:00:58.36 ID:5KVcCuQH0
 ヘリコプターまで戻ると、男が出迎えた。
「おかえり、リシュリー。相手が油断していたとはいえ、本当にすばらしい」
「いいえ、マスター、これが仕事ですから」答えながら男の右座席に座り、シートベルトを締める。
 男は彼女の肩に手を回しながら囁きかけた。「いいかげん私のものにならないか?」
 彼女は答えない。「今回のネルソンでビッグ7のうち3人をやった。世界の半分を手に入れたも同然だ。
私のものになれば世界の半分をお前にやることも出来る」
 彼女は答えない。「行く場所もないんだろう? 実際、君の故郷は」
 そこで男が口をつぐんだのは、彼女の話を聞くためというよりは首筋に当てられたナイフのためだった。
「マスター、あなたとの契約は、あなたのものになることじゃない。私は、私だけのものです。
それに、私には、帰らねばならない場所があります」
 男はゆっくり手を引いて、肩をすくめてからヘリの操縦者に出発の合図を送った。
 プロペラの回転音、その後の一瞬の浮遊感。ヘリは大空へ舞い上がった。

「さてリシュリー、次はどこに行こうか。ジャポンのジョシコーセー、長門を落としに行くか」
 男の声を、彼女はヘリのエンジン音にかき消されたように聞こえない振りをした。
 窓の外を見ながら強者だけが言える言葉を、彼女は小さく呟いた。
「私は、私のもの」

14愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:01:54.69 ID:5KVcCuQH0
完全にキャラクター小説になってしまいましたが、
感想いただけたら幸いです。
15愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:21:18.77 ID:pptaW9CG0
読みやすいです。面白いです。
読み進めていくうちに動きのある絵が頭に浮かんでくるような。
ただ、お題がうまく活かせてないっつーか、ジャイアニズムって言葉、及びその意味を
そのまま文章中にはめ込んでみましたーみたいな感じを受けた。
消化しづらいお題(のように俺には思える)ので、ある程度はしょうがないの
かもしれないけど。

最後にどうでも良いことなんだが、リシュリーたんって語呂悪くね?
そうでもないか。
16愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:29:54.40 ID:5LRLFba90
>>10
まず、強襲揚陸用ってのを考えると……揚陸してないじゃん。これ降下じゃん。
っていう話はあるけど、その辺はおいとくとして。ある種無茶振りだよねw
好きだけど。

アクションの連続は、スピード感は出てると思うんだけど、一つ一つのアクションを
表現するのにちょっと日本語的な……というか、言葉選びの問題かな。違和感が。

たとえば、1レス目の降下中から着陸のシーン。

> 一瞬、スカートのひだが広がった。大きな空気抵抗を受け急制動が掛かる。
> 落下傘代わりのスカートが、巧みに勢いを削いでいた。そうして地面に突き刺さるように着地した。

スカートのひだが広がる?スカートが傘のように広がる、とかじゃダメ?
「ひだ」に限定する意図は?
で、「一瞬」広がっただけだったら、その後はしぼむか、……なんつーか、
めくれあがったりなんかするよね?そーなると急制動かからないと思うんだ。
不思議。パラシュートみたいな形を保つんであれば、どうせ不思議なスカートなんだから、
この辺からそれを匂わせて、「何故かスカートはめくれあがらず……」とかやってもいいかと。

> 着地の衝撃で大きく砂埃が立ち、その中心に膝を曲げた彼女の姿が見えた。
> その膝を伸ばす勢いで前方へと両手を振って猛ダッシュした。

「膝を伸ばす勢い」で「前方へと両手を振って」っていうのが、どうもわかりにくいかと。
着地>沈み込んでショックを吸収>その反動を生かしてダッシュ、というシーンだと
思うんだけど、この文章だと、着地の時にしゃがみ込んで一回止まってるように読める。

……てな感じー。
最初にも言ったけど、スピード感はイイと思う。もっと生かして、それぞれのシーンを
読み手がするすると頭に描けるように表現してもらえると、もっと楽しめると思うよ。
17愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:36:33.61 ID:rnVX0Z/F0
面白いな。これ。
ぶっちゃけ、小説だったら俺は買ってる出来だw
18愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:38:18.30 ID:bC/CdtFh0
今流行のノベルチェッカーに、こないだ出した品評会の作品をぶち込んでみた。

「――――♪ …………♪ 〜〜〜〜♪」この言葉! 耳に心地よいフレーズですね!
これからもがんばってください! 応援してます!

吹いたwwwwwwww
19愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:40:23.40 ID:IlSAKPFP0
ノベルチェッカーの感想はあまりバリエーションが無いな
バリバリの現代モノなのに時代モノとか言われる始末
20愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:46:48.66 ID:fByr+LSH0
週末評議会まとめのアドレス教えって下さい
21愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:52:23.52 ID:5KVcCuQH0
>>15
感想ありがとうございます。

お題に関しては、まったく難しいものを頂戴しましたw
世界設定と、各キャラクターの思考にしか使えなかったのは残念です。

リシュリーは、フランスの戦艦、リシュリューから拝借しました。
「しゅりゅー」という発音は難しいか、と思ったため、リシュリーです。

>>16
感想ありがとうございます。

 まさにそのアクションのあたりが苦労していたところでw
 どうやって頭にある映像を書き起こそうかと思っていたのですが、やっぱり解りづらかったようですね。
 「一瞬」広がるというのは、すんません、推敲時の見落としです。
 自動車のABSよろしく、何度か広がって静止摩擦(物理不得手なんで効くかどうか知らないんですが)を
増やす機構にするか、パラシュートのように広がるものにするか二種類書いてた名残です。
 しかし仰るようにその時点であらかじめスカートについて匂わしておくのは良い手段ですね。
 しゃがんでダッシュ、については、どちらかといえば、着地すれば一度止まってしまうのが自然なのでは、
と思った結果の描写でしたが、どちらにも読めてしまうのは失敗でした。
 着地直後に状況確認を入れたりするべきでしたね。そうすれば分かりやすかったかも。

>>17
そんな、褒められたら本気にしちゃうよ? お兄ちゃん☆
というか、書いててビッグ7とかいろいろ面白そうな題材に当たったのでこれは長編書きたくなった。
22愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:52:57.79 ID:5KVcCuQH0
23愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 19:58:53.89 ID:tBHeARMnO
ウィークエンド・カウンシル


かっこええwwwwwwww
24愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 20:00:04.96 ID:Y47E3vS80
>>8
長編も書きたいけど、どうせなら何かしらの賞に応募してみたい現金な俺。
25愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 20:06:40.08 ID:rnVX0Z/F0
電撃大賞はネットで掲載したのを投稿してもOKだった気がする。
26愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 20:12:14.03 ID:P+Wv/Ck90
そういえば創英社の超短編コンテスト、先月投稿分の結果が発表されてるね
27愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 20:37:17.31 ID:bC/CdtFh0
パロピレポロロッカ!
28愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 20:59:24.79 ID:tBHeARMnO
過疎
29カラカラテルメ ◆bh5PZFxtPA :2007/02/17(土) 21:04:06.78 ID:SGKuq4sHO
お題ください できれば二つ
30愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:06:18.54 ID:tBHeARMnO
受験
31愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:06:41.34 ID:bhVwMj0E0
戦死
32愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:06:54.12 ID:OEYwTRK20
蝶ネクタイ
33愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:20:22.67 ID:DahpP2Wv0
これってお題に沿って小説を書くの?
それとも一回でもお題の言葉を出せば良いの?
34愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:21:54.49 ID:OEYwTRK20
>>33
お題に沿って書く。
お題の言葉をただ出すだけじゃ弱いと言われる
35愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:22:55.98 ID:SGKuq4sHO
>>30-33
把握
36愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:29:05.04 ID:DahpP2Wv0
書けたら書いてみようかなあ。

あと、もうひとつ質問でごめん。
お題もらえって書いてあるけど上に乗ってる「牛乳」で書くのもアリ?
37愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:31:48.78 ID:ezm1UNHS0
いつも起承転結の起承までしかいかないんだがどうしよう
38愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:31:48.85 ID:tBHeARMnO
>>36
>>2-3らへんを読むんだ。
39愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:35:28.11 ID:4Mn8qTbIO
>>37
まずオチから考えるようにしてみたら?
いきなり書き出すのはおすすめ出来ない
40愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:36:28.95 ID:5KVcCuQH0
>>37
逆に考えるんだ。
転結を考えてから、起承を考えるんだ。
41愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:37:28.18 ID:EwR9gfPY0
>>37
やる気
根気
元気
の三つの気を限界まで高めてもう一度頑張るんだ
42愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:49:46.15 ID:BSz6iyWW0
品評会の作品が出来たので、投下します。
43【品評会】 私立探偵 場廊元貞 1/3  ◆RWQgmBzM32 :2007/02/17(土) 21:52:20.68 ID:BSz6iyWW0
 チャイムを数回押したが何の反応もなく、電話を掛けても取る気配すらない。おまけに
玄関の郵便受けは郵便物で溢れ返っており、入りきらない新聞紙が通路に積み重ねられて
置かれている。郵便受けから飛び出したチラシを一枚抜き取ってみると、それは死後の世
界や幽霊について書かれている新興宗教のチラシだった。私はみゆき君にチラシを手渡し
ながら、幽霊を信じているか、と尋ねてみた。
「そんなものは信じていません。もしいたとしても、探偵の仕事には関係ないでしょう。
私達に必要な物はこんなチラシではなく、失踪人の行方を掴む手掛かりです」
 案の定、みゆき君は冷徹に言い放ち、受け取ったチラシを一瞥もせずに郵便受けへと戻
した。探偵の助手としては有望だが、女性としては些か角が立ち過ぎている気がする。
 みゆき君に辺りを窺ってもらいながら郵便受けの中を覗くと、一番古い新聞の日付は十
二月十日になっていた。今日が十二月二十四日だから今から丁度二週間前だ。依頼人の言
葉通りだな、と私は思いながら、大家さんから拝借した鍵を使い中に入った。

 玄関に入った途端、違和感を感じた。それはみゆき君も同じだった様で、綺麗に整った
眉根を寄せ辺りを見回している。
「おかしいですね。この部屋には生活感があり過ぎます。ちょっとコンビニへ買い物に出
掛けていて、今にも玄関のドアを開けて帰って来る様な、そんな生活感があります。それ
に、靴箱の上にシクラメンの花がありました。土は乾いていましたが、まだ花は枯れてい
ません。依頼主は否定していましたが、誰か他の人間が出入りした可能性があるのでは?」
 私は部屋を見回しながら、みゆき君の状況分析を聞く。確かにこの部屋は生活感で溢れ
ている。依頼人が言うには、姉である失踪人と連絡が付かなくなってから、今日で丸二週
間が経つそうだ。外の郵便受けがその事実を裏付けている。だが、この部屋を見る限りで
は、今もここで暮らしている様にすら見える。更に、失踪人には交際相手や同居人はいな
かったらしい。それも、近隣の聞き込みで裏を取ってある。失踪人に何があったのだろう
か。
44【品評会】 私立探偵 場廊元貞 2/3  ◆RWQgmBzM32 :2007/02/17(土) 21:53:05.26 ID:BSz6iyWW0
 リビングルーム、ベッドルーム、バスルームと回ってみたが、失踪人の行方を掴む手掛
かりになりそうな物は何一つとしてなかった。
 残るは玄関を入ってすぐのキッチンだけだ。私はキッチンの中央に立ち、辺りを見回し
てみる。気になる点と言えば、女性の一人暮らしにしては大きな冷蔵庫だ。以前、今回と
同じような失踪人捜索の依頼を受けた事がある。部屋を捜索しても何の手掛かりもなく、
何気なしに開けた冷蔵庫の中には、各部位毎に切断されパック詰めされた失踪人の死体が
あった。今回もその様な事が無いとも言い切れない。
 私は冷蔵庫の取っ手を掴み、ゆっくりと開いた。中には私の頭に浮かんでいた様な物は
なく、半額のシールが張ってある豚バラ肉や卵など、どこの家庭にもある普通の食品が入
っているだけだった。
 ふと、私は重要な手掛かりを見付けた。それは冷蔵庫のドリンク収納部に入っていた一
本の牛乳だ。私はそれを手早く調べ、みゆき君に手渡した。
「牛乳ですか? 飲み掛けの様ですね。残りは、四分の一ほどと言った所でしょうか。賞
味期限はまだ過ぎ――賞味期限がまだ過ぎていない! 牛乳の賞味期限は製造から約一週
間なのに!
 この牛乳の賞味期限は十二月二十九日で、逆算してこの牛乳が店頭に並んだのは十二月
二十二日頃。と言う事は、少なくとも失踪人は二十一日まではこの部屋にいた、と?」
 私はみゆき君の答えに頷きながら、牛乳パックの注ぎ口が濡れている事を付け足した。
今日地震が起きた速報は入っていないし、もし起きたとしても、この残量では注ぎ口が濡
れるほど飛び上がる事はないだろう。これは二十一日どころの話ではない。この牛乳は五、
六時間以内に注がれたものだ。恐らく、失踪人は今日までここにいたのだ。
45【品評会】 私立探偵 場廊元貞 3/3  ◆RWQgmBzM32 :2007/02/17(土) 21:53:35.88 ID:BSz6iyWW0
 牛乳を片手に見詰め合う私達の間に、無機質なメロディーが流れた。携帯電話の着信音
だ。みゆき君はスーツのポケットから携帯電話を取り出し、電話の受け答えを始めた。続
けて、私にも電話が掛かって来た。携帯電話のディスプレイには依頼主の名前が表示され
ている。
「もしもし? 探偵さんですか? あの、さっき姉から電話がありまして、今日の朝まで
海にいたと言っていました。多分、グアムかサイパンにでも行ってたんだと思います。海
が好きでよく一人で行っていましたから。もうすぐマンションに着くらしく、一度帰って
から私に会いに来るそうです。
 探偵さんにはご迷惑をお掛けしました。調査費はちゃんとお支払い致しますので。はい、ありがとうございます。では、失礼します」
 どうやら失踪人は無事だったらしい。安堵しながら電話を切ると、先に電話を終えてい
たみゆき君が口を開いた。
「今朝、東京湾で見付かった身元不明の水死体は、DNA鑑定の結果、失踪人であると判
明しました。損傷が激しく断定はできないが、死後二週間は経っているとの報告です」
 みゆき君の言葉に驚きながら、私は依頼主からあった電話の内容を告げる。私の言葉に
みゆき君は目を見開き驚いた。
 私はみゆき君に、幽霊を信じるか、と尋ねた。みゆき君は私の言葉に無言で首を横に振
る。そんなみゆき君を嘲笑うかの様に、玄関から鍵を開ける音が聞こえた。そして、ゆっ
くりとドアノブは回された。
46 ◆RWQgmBzM32 :2007/02/17(土) 21:54:40.85 ID:BSz6iyWW0
以上です。
一部改行ミスがあった事を深くお詫び致します。
47愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:57:49.36 ID:ezm1UNHS0
>>39-41
わかったやる気根気元気でず〜っと落ちを考えてみる
48愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 21:59:00.64 ID:4Mn8qTbIO
>>37
わかりにくいと思うから、「牛乳」で今やってみた
考えてるとふと「牛乳をこぼして笑った」って言葉が浮かぶ
これをオチにするため、誰がいつそれをしたか考える
作品のジャンルを決め、その設定が生きるように前後を作る

牛乳をこぼしてしまった。
思い起こせば去年の今頃、よく見かけた風景だ。
おっちょこちょいの彼女はいつでも、牛乳をこぼして笑った。
今はひとりきりの部屋で、僕もなんとなく笑った。

こんな感じに仮組みをして、あとは並べかえたり細部の描写とか詰めてく感じ
49愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:05:05.24 ID:OEYwTRK20
>>43-45
まとめてみた。
けど1レス目の名前欄が化けた……スマンカッタorz
50愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:05:25.82 ID:bcF+B3kg0
今週のお題ってなに?
51愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:06:21.57 ID:BSz6iyWW0
>>49
乙!名前くらい気にしないぜ!
52愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:07:54.99 ID:ezm1UNHS0
書くのやめたくなるときいつも
どう終わったらいいんだろうって思うんだ
53愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:08:10.74 ID:5KVcCuQH0
>>48
へぇ。そうやって考えてんだ。

俺は、自分の体験して来たことと、お題とを引き合わせて、
近い経験から書き出して行くなぁ。
「牛乳」なら、
牛乳パック潰した時に出る大きな音が好きだったなぁ。
あー、一回中身入ってて散乱したことあったっけ。
あれ面白く書けないかなー、て感じだよ。

>>50
>>3
54愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:09:44.89 ID:ezm1UNHS0
>>48 そうか物語ってそうやって作るのか……
55愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:11:21.08 ID:EwR9gfPY0
>>48
皆そうやって物語を作っていたのか!
56愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:11:31.76 ID:bcF+B3kg0
>>53 さんくす!
57愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:12:44.05 ID:rnVX0Z/F0
短編はそれで十分なんだけど、
長編になると、それでいいのかなって思うときがある。
ていうか、オチから考えて書くと、絶対起承の途中で話がぶれる。
なんかいい方法ないかな。
58愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:13:19.52 ID:ezm1UNHS0
>>53と同じ感じで話考えるんだよいつも
でも物語が終わるのと終わらないのがでてくる
59愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:13:33.70 ID:nPwnSERG0
書いてみたいと思うのだが……自信がない
60愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:14:23.18 ID:P+Wv/Ck90
俺は書きたいテーマ(成長とか憧れとか)を決めて
それにお題を絡めて、必要なキャラクターを考える。

テーマ決め>お題と絡める>キャラ考える>妄想>妄想を元にプロット
こんな感じ。
61愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:14:41.79 ID:u5hqZLjV0
だれか 前スレdat たのむ
62愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:15:17.30 ID:gsah27DB0
俺、書く前に大まかに考えた話と
実際に書き上げた話はかなり内容違うな。

あれ、プロットと符合してるシーンが殆どないよ? みたいな。
63愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:19:10.55 ID:P+Wv/Ck90
>>61
ろだに上がってるのじゃダメなのかい?
64愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:21:57.41 ID:ezm1UNHS0
テーマなんて思いつかないよ俺
65愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:22:34.85 ID:qBCszQpy0
俺もテーマを考えて書いたこと無いな
66愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:24:17.63 ID:4Mn8qTbIO
レスさんくす、適当でごめん
このやり方が絶対ではないけど、楽

>>57
見せ場にしたい部分を箇条書きにして、それぞれ起承転結設定すればよくない?

勇者が魔王を倒す
→仲間との出会い
 →仲間との死別
→伝説の武器入手
→城で騒動
67愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:25:28.19 ID:u5hqZLjV0
>>63
ダメじゃ…… ないです……
68愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:28:59.54 ID:5KVcCuQH0
>>58
うーむ、終わりはパターン化している気がするな、俺。
実際、>>10-13だって雰囲気重視な終わり方してるし。

オチが勝負な作品なら、オチで止める。
雰囲気重視な作品なら、風景や心理描写、ないし決めゼリフ。
打ち切りの作品なら、「○○先生の次回作にご期待下さい!」だな。

>>59
まぁ、まずは書いてみりゃ良いじゃん。
自信ないならノベルチェッカー通せば褒めちぎってくれるぞw
69愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:30:28.25 ID:4Mn8qTbIO
他人様のキャラ使う場合は>>60みたいなやり方するときもあるなぁ

下書きしたって勝手にキャラが話変えてっちゃったりするし、まぁそこら辺は適当よね
70愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:32:47.49 ID:ezm1UNHS0
「 ID:ezm1UNHS0先生の次回作にご期待下さい!」
71愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:33:36.95 ID:qBCszQpy0
打ち切り漫画と言われたらソードマスターヤマトしか思い浮かばない
72愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:34:40.20 ID:bcF+B3kg0
>>70 ワチョップ!!!!


週末〜って一人一作品だっけ?
73愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:38:22.90 ID:gsah27DB0
>>72
複数作品書いてもシステム上は問題なし。

だけど「複数書くなら、その時間を一作に費やした方がいい」ってよく言われる。
74 ◆O8W1moEW.I :2007/02/17(土) 22:47:02.79 ID:M8u0efyr0
品評会投下いきまっせ
75風と雲と牛乳と(1/3)  ◆O8W1moEW.I :2007/02/17(土) 22:47:26.21 ID:M8u0efyr0
――胸を揉むだけで銭を稼げる仕事を紹介する
横浜へ職を求めて数年前に旅立ったいとこの留吉の便りには、そう書かれていた。
普通ならこれはおかしいと勘付きそうなものだが、この便りの受取人である喜助という男は、そういう頭は働かぬらしい。
助平な妄想が疑いの心など全て打ち消してしまっている。ある意味幸せな男である。
便りを読むとすぐに旅支度を整え、下総の実家を飛び出して横浜へ向かってしまった。
喜助は足が速いだけがとりえの男だ。下総から横浜までは、道中平坦な道が続くこともあってか四日でたどり着いた。
だが、横浜に着いて早々、喜助はすぐに引き返したい気持ちに駆られた。
そこは、喜助がこれまで見たことの無い一種異様な場所だったからである。
まるで異国であった。
建物は見たこともない造りをしているし、道には金色の髪に青い目をした大男が闊歩している。
幼い時分、喜助は両親に連れられて横浜に来たことがあったが、そのわずかな記憶のどこを探してもこんな光景はなかった。
黒船来航からわずか十年足らずで、街は様変わりしていた。
巨人達に取って食われてしまうのではないかと、今にも脱兎の如く逃げ出したい気持ちの喜助だったが、その時耳慣れた声がした。
留吉である。留吉が、オランダ商館の門前から声をかけてきたのだ。喜助はほっと胸を撫で下ろした。
と同時に、またも頭の中に助平な妄想が去来した。ふっくらとした乳房が浮かんでは消えていく。
しかしふっくらと言っても、どうも感触が想像つかぬ。幼子の頃を除けば、喜助は女性の乳房に触れたことがない。
「よく来てくれたな、喜助」
「留吉さん、お久しぶりっす! あのう、フヒヒ、これこれ」
喜助は手をわしわしと嫌らしく動かす。早く仕事をさせろ、ということらしい。
「そう言うと思ったよ。さあ、準備はできている。こっちだ」
留吉は、商館の隅にポツリと建てられている小屋に喜助を案内した。入った途端、ワラと畜生の臭いがした。
そこには、裸の女の代わりに、十数頭の雌牛が飼われていた。
「あの、これってどういう……」


その場に泣き崩れた喜助を、留吉は小屋の裏の草むらに連れ出してなだめていた。
「すまんことをした。しかし、嘘は書いてなかったではないか」
「うるさい嘘つき野郎! 雌牛の胸揉んで何がしてえんだ、この変態!」
「それはもちろん、牛の乳を搾り取るに決まっている」
「搾り取って……それから?」
76風と雲と牛乳と(2/3)  ◆O8W1moEW.I :2007/02/17(土) 22:47:45.50 ID:M8u0efyr0
「――飲む」
喜助はいよいよもう駄目だと思った。留吉はこっちに来て気がふれてしまった。
しかし、喜助がそう思ったのも無理はないであろう。なぜなら牛の乳は、この頃『白き血』と呼ばれ忌み嫌われていた。
その所以は仏教にあり、明治以前に牛を食する習慣がなかったように、牛の乳もせいぜい馬の治療用に使う程度であった。
それをまさか飲むなどとはもってのほかだったのである。
「……俺、もう帰るっす。おかしいっすよ、ありえないっすよ牛の乳なんて。罰当たりっすよ!」
留吉の制止も聞かず、喜助はその場から立ち上がってスタスタと歩き出した。
小屋の角を曲がろうとすると、向こう側からのそっと出てきた西洋人の大男に喜助は顔から激突した。
その見慣れぬ顔つきの大男に底知れぬ恐怖を感じた喜助は、思わずその場に土下座をしたが、
大男は優しく微笑むと「ゴメンナサイ」と片言の日本語で謝罪した。
「ハーイ、トメキチ。ミルククダサーイ」
その大男は、留吉のところへ牛の乳を求めてやってきたらしい。留吉は牛の乳を保管してある木の桶からひしゃくで茶碗一杯に運び入れた。
留吉はどうやらその男と顔馴染みのようで、簡単な日本語と身振り手振りで会話をしていた。
男は留吉に金を渡すと、グイッと一気に牛の乳を飲み干した。
「すげえ、飲んじまった……」
喜助はその場で繰り広げられている光景に、目を真ん丸にしてただただ唖然とするばかりであった。
大男が留吉に礼を言って戻っていくと、留吉はへたり込んでいる喜助に声を掛けた。
「こっちに来なさい。少し話をしないか」


「やっぱりあいつらは野蛮っすね。畜生の体から出てきたものを直接口にできるなんて。
体が化けもんみたいにでかいだけあって、頭も畜生に近いんでしょうかね」
留吉は、師が弟子に教えるかのように優しい口調で語った。
「そうじゃない。牛の乳を飲むことは、西洋の人間にとっては俺達が米を食うように、ごく当たり前にやっていることだ。
そうだ、西洋人があれだけ背の高い理由、教えてやろうか」
喜助は根っからの単純な男である。ほとんどの悩みなど浮かんでもすぐに忘れてしまうのだが、一つだけ、
この男が常に持ち続けている劣等感がある。背が低いことである。
「ぜ、ぜひ……!」
喜助は即答した。
77風と雲と牛乳と(3/3)  ◆O8W1moEW.I :2007/02/17(土) 22:48:18.61 ID:M8u0efyr0
「ずばり、牛の乳だ。西洋医学では、牛の乳に骨を成長させる効果があることが証明されている。
これを幼き時分から飲んでいる西洋人なら、あれだけ体が大きくなるのも全ては必然であろう。
現に、俺もここで働くようになってから少し背が伸びたのだ。分からんか?」
喜助は留吉の体を舐めるように見回した。
「言われてみれば……そんな気もするような……」
「だろう? 俺は思うのだ。そう遠くない未来、日本人は皆牛の乳を飲むようになる。いや、飲まねばならん。
喜助、俺はこの横浜にいると、絶えず西洋の風を感じる。この風は今はこの場所にしか吹いていないが、やがては日本全土に吹き渡る。
風の流れに雲が逆らえぬように、この日本ももう後戻りはできんのだ」
留吉を始めとする横浜の人々は、朝廷や幕府よりもずっと敏感に、次の時代への展望が見えていた。
攘夷の名の下に、風に流れる雲を押し返すが如き無謀な足掻きをする他の藩を、彼らは冷ややかな目で見つめていた。
「真の西洋化とは、形だけのものではいかぬ。もっと根本的な、日本人の肉体そのものの改革こそが大事だ。
そして技術的にも肉体的にも西洋に追いついた時、はじめて欧米列強と刃を交える。これこそ俺の考える誠の攘夷だ。
そのためには牛の乳を飲む習慣を我々が身につけることこそ肝要であると俺は思っている。それが俺の願いだ。喜助、協力してはくれんか」
喜助には難しいことはよく分からない。京のほうで色々と騒ぎが起きていると耳にはするが、下総に暮らしていてはどうにも実感が湧かぬ。
だが、やはり喜助も男だ。心のどこかに身を立てたいという願望はある。しばらくは周りから白い目で見られることになろうとも、
もしそれで出世ができるのなら、この留吉と乳搾りに精を出すのも悪い話ではないかもしれぬ。
下総で一生うだつの上がらぬ百姓で過ごすよりずっといい。そしてなにより、背が欲しい。
留吉が搾りたての牛の乳を入れた茶碗を差し出すと、喜助はおそるおそるそれを口に運んだ。


その日から三年後、前田留吉は、横浜に日本最初の搾乳所を開設する。
北海道開拓とも時期が重なり、明治政府が畜産政策に大々的に乗り出すようになると、
牛乳をはじめとする乳製品は瞬く間に日本全土の家庭に広がった。
牛乳販売業者も各地で急増し、その中には留吉の下から独立した喜助もいたそうである。
この急速な牛乳普及の裏には、幕末の頃から将来を見据え、新しい文明に早くから理解を示した前田留吉の働きがあった。
そして太平洋戦争以後、ついに牛乳は学校給食に採用され、子供たちの昼食に欠かせないものとなっていった。

ちなみに、留吉の願いを知ってか知らずか、明治以降、日本人の平均身長は昭和の終わりまで年々伸び続けたそうである。
【終】
78愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:54:03.34 ID:EXu5n6/i0
>>75-77
まとめたよーっ!
79愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:55:26.80 ID:M8u0efyr0
>>78
ありがとよーっ!
80愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 22:55:36.24 ID:Fc1erjdB0
中学生の時に書いてた小説を晒したくなったw
現物が見つからないが
81愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:12:07.04 ID:P+Wv/Ck90
今週は先週より、土曜日時点で倍の数が投下されてるねぇ
82ふつつか者ですが(0/2) ◆DzHpA/9hyM :2007/02/17(土) 23:19:14.30 ID:bfhmtAAl0
品評会投下します!
お題消化できてないかもしれないけど気にしない。
83ふつつか者ですが(1/2):2007/02/17(土) 23:22:03.69 ID:bfhmtAAl0
 紙パックの牛乳をそのまま口に運んで一口飲み込む。
 私は子供の頃からよく牛乳を飲む。水よりもお茶よりも牛乳が好きだ。パックに刺したストローをずっとくわえてる時もある。
 ふと牛乳パックを見て賞味期限が切れていることに気づいた。まあ一日くらい大丈夫。今までだって平気だったからね。
 今日は仕事がないんだ。それどころか、これからずぅっと無い。だから私は一日中窓の外を眺めている。今までの忙しい日
々とはまるで違う。それはそれで退屈だったりするんだけど。
 私がやっていた仕事っていうのは、新しい医療技術についてなんだけど。細かい事は余りよくわからないんだ。どっちかってい
うと実験ばっかりだったから。
 バイオテクノロジーってやつ。ちょっと気持ち悪い話なんだけど、体の中に寄生虫を飼うってのなんだ。慣れたら可愛いもんだ
よ。名前だってついてる。パラサイドの「パラ」。形はサソリと蛇を混ぜた感じ? 細長くて手にハサミがついてる。すごく小さいの
にすばしっこい奴。
 それで、パラを体内で飼っていると病気にならないんだよね。なんていうか、先に抗体を作ってくれるとかなんとか、悪いところを
治してくれたりとか。私の体を何とか健康にしようとしてくれるらしい。どんなに強いウイルスだろうと、新種の病原体であろうとブロ
ックしてくれる。代謝もよくなって肌も綺麗になった。治らないと思っていたニキビ跡も綺麗さっぱりなくなってる。怪我なんてすぐ治る。
 私はこの子に二度助けてもらってる。細かいのを含めたらもっとすごい数になると思うんだけど、命を救ってくれたのは二回。
 一度目は私が自殺しようとした時だ。この実験に参加する事になった当初、自分で志願したくせに、私は体の中に生
き物が住んでいることがどんどん嫌になってきた。人と会うのも躊躇うようになった。さらには体中に虫が這うような錯覚を
感じるようになった。とうとう耐えられなくなった私は、実験室にある薬を致死量に至るまで飲んだ。
 そのとき意識を失ったものの、私は病院の一室で目を覚ました。医者が言うにはパラが助けてくれたらしい。あの子にと
っても劇薬なのに必死で私の体外に運んでくれたんだって。
 エゴイズム? 確かに私が死ねばこの子だって生きていけない。だから、助けてくれたのだとは思うけど。それでも、やっぱ
り嬉しい事は嬉しい。私のことを思って行動してくれた人なんか滅多にいないもの。すごく可愛いくてその時かな、私がパラ
に名前をつけたの。
 それからはやけに毎日が楽しくなった。これはもしかしたらパラが脳をちょっといじったのかな? とも思ったけど、その考え
はすぐにやめた。この子に助けられたのは事実だし、感謝してるのも事実。一緒に生きられることが嬉しくて楽しいんだよね。
 この実験に志願したのは三人いたんだけど、なぜか残り二人の体内で寄生虫が生きることはできなかった。私の中では
元気に活動してくれるのに、ほかの人の体内ではすぐに死んでしまうの。
 原因はずっと謎だったんだ。だから、それを調べる研究が始まろうとしていた。
84ふつつか者ですが(2/3) ◆DzHpA/9hyM :2007/02/17(土) 23:23:39.29 ID:bfhmtAAl0
 自分と他人の違うところを考えたところ、私はあることに気づいた。いつも目の前にある牛乳の紙パックを見て、ね。
 この子達が生きるにはカルシウムが必要なのだろう。でも、人間ってまったく摂取してないわけじゃない。きっと、私みたい
な過剰摂取している人の、余りをいただくのかもしれない。
 その予想は的中した。試験管の中でカルシウムを得た寄生虫は、生き生きと動き始めたの。
 そう知ったら少し切なくなった。寄生対象の分を奪ってしまうと、その体に害が出る。だからそれをせずに、徐々に自分が
衰弱していく。あくまで媒体優先。
 本能的なことなのか、プライドが高いのか。いや、そんな事じゃない。きっと本当に優しい生き物なのかもしれない。誰よ
りも寄生対象を大事に扱う。たとえば本人よりも。
 実験は最終段階に入った。来週にもう一度人の体を使った実験が始まる予定だった。
 でもそれは中止になってしまった。

85ふつつか者ですが(3/3) ◆DzHpA/9hyM :2007/02/17(土) 23:23:55.38 ID:bfhmtAAl0
 「ねえ。これからどうする?」
 私は体に聞いた。すなわちパラに、だ。
 当然返事は無い。私はふっと微笑んで窓の外に目線を戻した。ここから私の独り言が始まった。
 「あんたも牛乳がすきなんだね――。私思うの。牛乳好きな人に悪い奴はいないって。そうでしょ? 悪い人が牛
乳飲んでるの見たこと無いもの」
 私は、頭の中でパラが返事をしてくれるのを想像していた。「そうだよね」って言ってくれてることにしておいた。
 「でも、これからどうする? この世界のほとんどの牛乳が、賞味期限切れちゃったと思うよ。」
 もう牛乳を出してくれる牛が存在しないのだ。それを運んでくれる人も、売ってくれる人も、私以外の人間すべて
がこの世界にいない。
 数日前、あるウイルスが世界を覆った。空気感染で致死率百パーセント。風に乗ってどこにでも飛んで行く。あ
っという間に蔓延して生き物はみんないなくなった。今でもきっと空気中を漂ってる。
 私は唯一生き残った人間でちょっと寂しいけど、パラがいれば何とかやっていける気がする。私を思ってくれる人が
一人でもいれば頑張れる。
 「牛乳は無いから――、どうしようか。あそこなら何かあるかな」
 私はそういって近くのデパートを指差した。
 「魚のニボシでも食べる?」
 それでも限りはあるんだけどね。
 これからいつまで生きることができるのだろうか。でも死ぬときはパラと一緒。私がいないとパラが生きれないように、パラがいないと私も生きれないよ。きっと精神的にもね。
 だからできるだけ長く生きよう、ね。最後の最後まで。
 ねえ――パラ?
 「こんなふつつか者ですがよろしく」
                                        完
86ふつつか者ですが(完/3) ◆DzHpA/9hyM :2007/02/17(土) 23:25:27.29 ID:bfhmtAAl0
またレス数間違えたわwwwww
87愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:29:15.04 ID:EXu5n6/i0
>>86
まとめました。
そして俺も2レス目の名前欄化かしちゃったスマネorz
なんだろこの現象?
88愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:29:49.10 ID:/pOvMV1k0
牛乳様の呪いじゃ
89愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:34:49.13 ID:bfhmtAAl0
>>87
伝染しちゃってごめんなさい><

ノベルチェッカーのべた褒めはどうなんだろうかww
人間に言ってもらったわけじゃないのに嬉しいのが不思議w
90愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:39:48.20 ID:z9D80wu80
ノベルチェッカーが妹ならなぁ……。
91愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:41:56.92 ID:EXu5n6/i0
妹が感想をのべるわけか
92愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:43:00.84 ID:5LRLFba90
厳しい妹も良いんだけど……
93愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:43:57.41 ID:GzqeB+nO0
ノベルチェッカーにもほめられないような作品書いてやるぜ






あれ・・・俺なんで小説なんかやってたんだろ・・・
94愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:44:41.13 ID:ezm1UNHS0
確実に見せないな
95愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:45:08.53 ID:WMBPd6zI0
Mだからじゃね
96愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:45:17.52 ID:bfhmtAAl0
>>91
誰がうまいことイエティ
97愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:46:03.67 ID:5LRLFba90
>>96
うわ!今気がついた俺遅すぎ……
98愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:48:47.09 ID:y7gPiKUm0
ツンデレなノベルチェッカー
素直ヒートなノベルチェッカー
素直クールなノベルチェッカー
ヤンデレなノベルチェッカー
義姉なノベルチェッカー
義妹なノベルチェッカー
幼なじみなノベルチェッカー

あなたはどれを選ぶ?
99愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:49:26.59 ID:/pOvMV1k0
>>98
幼なじみなツンデレノベルチェッカー
100愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:49:34.15 ID:WMBPd6zI0
間違いなく幼なじみ
101愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:50:49.77 ID:D/ACQHUi0
電撃で1次だけ通過してオワタ僕が来ましたよ
102愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:52:25.50 ID:ezm1UNHS0
自分みたいなノベルチェッカー

感想もそれなり批評もおどおど酷評もそれなり
103愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:53:05.61 ID:P+Wv/Ck90
>>101
長編が書けない俺はもっとオワタ\(^o^)/
104愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:54:00.90 ID:D/ACQHUi0
>>103
/(^o^)\ナンテコッタイ
105愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:54:45.73 ID:bhVwMj0E0
長編かけないなあ……
上手く落ちてくれないんだよママン
106愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:56:15.44 ID:bfhmtAAl0
【ツンデレ自動感想】
まぁそれなりに面白かったよ。
短かすぎるけどね。私は読みやすかったけど。
一人称のこういうファンタジーってあんたに似合わないよ。
でも、それぞれの文章がちょうどいい長さっぽいね。
あとー、地の文での描写多すぎ。そういうもんか?
「それでも好きだ」この言葉ちょっとくさすぎない?
あと、文章作法を守ってない箇所がちょくちょくあった。
もっと勉強しろよ。このアホ。新作できたらまた見てやっから。
107愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:58:20.64 ID:P+Wv/Ck90
>>106
最初の「まぁそれなりに面白かったよ」を最後に持ってきて
少し溜めてから話す感じだともっといい。
108愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:58:27.07 ID:5LRLFba90
クール……っていうか、銀様なノベルちぇk……
109愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:58:29.24 ID:iYIv4+qb0
デレの部分がないぞ
110愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:58:38.02 ID:b27GhcVb0
やっぱり、書いたらちょっと時間を置いて投下した方がいいよな?
111愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:58:53.01 ID:/pOvMV1k0
むしろ中途半端にデレが出てる
112愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:59:12.23 ID:5LRLFba90
>>110
時間をおくだけじゃなくて、推敲すると良いみたいだよ?だよ?
113愛のVIP戦士:2007/02/17(土) 23:59:47.07 ID:wBh9t7NoO
ハートマン軍曹風……
なんでもない
114愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:02:21.85 ID:4gSzML2F0
ああ、そうか。
全感想をツンデレ風とか幼なじみ風にすれば受けるかもしれん。
(注:受けません)
115愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:02:42.18 ID:w/jKYYEMO
ある程度書きながら推敲するタイプの俺みたいな奴は居ないかな?

1レス分書くのに一時間半以上かかるわけだが。
116愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:03:56.16 ID:lu7+BBlMO
>>115
よう、俺。
117愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:04:59.58 ID:sLKIqk8w0
>>115
あれ?俺いつの間に書きk(ry
118愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:06:11.81 ID:meW4uSSb0
>>115-117
俺いつの間にか分身の術が使えるようになったYO!
119愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:06:20.55 ID:lLK7MFGO0
推敲してるのに誤字脱字のバーゲンセールな俺がきましたよ
120愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:06:29.72 ID:4gSzML2F0
>>115
あれ、俺がいる。

まあ、俺の場合時間かかる時は推敲してるからじゃなくて
話の展開やネタが浮かばないから時間がかかるんだけどな!
(話が頭の中でイメージできてれば、推敲しながらでもそれなりに早い)
121愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:07:58.06 ID:nyNQ8tC40
>>120
あれ? 俺っていつ書き込んだっけ?
122愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:08:08.92 ID:4Pvx3Gg50
全部書き終えてから推敲する私は
どう考えても長編向きじゃないです
123115:2007/02/18(日) 00:08:52.56 ID:w/jKYYEMO
分かった。だから俺は長編が書けないんだ。
124愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:09:16.08 ID:Mac7gbEp0
>>122
確認すると未完成の2つの話が出来上がってるんだぜ
125愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:10:02.07 ID:lu7+BBlMO
てか誤字脱字は気持ち悪いからすぐわかる
だからその場で修正する
126愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:10:36.04 ID:vOE96+ct0
小説を投下する前と後にサーと言え! 分かったか、このうじ虫!
これを小説だと!? まるでそびえたつクソのようだ!
短すぎる! ベトナムに行く前に戦争が終わっちまうぞ!
俺がこの世でただ一つ我慢できんのは――、一人称の歴史物だ!
地の文が丁寧すぎる! パパとママの愛情が足りなかったの、貴様?
「いや……、お先に失礼します」だと? セイウチのケツにド頭つっこんでおっ死ね!

本日をもって貴様らはウジ虫を卒業する
本日から貴様らはBNSKerである
兄弟の絆に結ばれる
貴様らのくたばるその日まで
どこにいようとBNSKerは貴様らの兄弟だ
多くは会社へ向かう
ある者は二度と戻らない
だが肝に銘じておけ
人間はは死ぬ
死ぬために我々は存在する
だが小説は永遠である
つまり―――貴様らも永遠である!


どう見ても最後の文が長すぎです。本当にあr(ry
127愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:14:22.84 ID:lu7+BBlMO
>>126
サー! ケツの穴が締まりました! ありがとうございます! サー!
128愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:22:10.64 ID:lu7+BBlMO
ポポロクロイス

じゃないポロロッカ
129 ◆51rtpjrRzY :2007/02/18(日) 00:23:41.35 ID:8L5TFcxa0
品評会投下しますー。何か小説と呼んでいいのか微妙な物になってしまったが…
130愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:23:46.13 ID:4Pvx3Gg50
メモとか書きかけの奴とかを適当に放り込んでたフォルダを見てみたら案外面白い話が入ってる。
ただはなしの展開が無理やりすぎるww
面白さを捨てて文が上手くなってきてるんだろうかねw
リメイクしたらいい感じになるかな
131品評会用『ダイアモンド』1/3 ◆51rtpjrRzY :2007/02/18(日) 00:24:48.74 ID:8L5TFcxa0
 一年前の自分は、何をしていただろうか。一ヶ月前は。一週間前は。昨日は。私は一体何をしていただろうか。
覚えていない。どうして覚えていないのか。きっと、毎日同じことを、無為なことをして過ごしているから覚えていないのだろう。
きっと昨日の私も、一週間前の私も、一ヶ月前の私も、一年前の私も。今の私と同じように一日を過ごしていたのだろう。
こうやって草を食み、仲間たちとじゃれあったりしながら、ただ何となく時間を送っていたのだろう。
 時々、代わり映えのしない毎日に変化を求めたりする。何か起きやしないだろうかと、何かしてやろうかと考える。
だが、実際に行動に起こしたことはない。柵を飛び越えて外界に身を投げ出すことも、一日で辺りの牧草を食い尽くしてみることもない。
 思うに、実際の行動に何ら影響を与えない思考や思想、信条といったものには一片の価値もないのではないか。
「認識できないのなら存在しないのと同じ」の理屈だ。なら、今自分がこうやって思考にふけっているのにも意味はないのだろうか。
それは何と空しいことであろうか。確かに私は今こうして物思っているというのに、その思考は存在しないのと同じなのだ。
 ふと仲間の方に目を向けると、人間が彼女の乳を搾っていた。毎日毎日飽きもせず、まあご苦労なことである。
しかし何ゆえ彼らは我々の乳を搾り、それを飲むのだろう。人間は人間の乳を飲めばよいではないか。何ゆえ牛の乳を飲む。
これは小さなようで大きな疑問だ。そもそも何故、彼らは牛の乳を飲もうなどという考えに思い至ったのか。阿呆なのか。
最初に牛の乳を飲んだ人間は何を考えていたのだろうか。規格外の阿呆であったのか。
 しばし考え、一つの考えが私の脳裏をよぎった。最初に牛の乳を飲んだ人間。最初の彼こそが、行動を起こす者ではないのか。
代わり映えのしない日常に嫌気が差しつつ行動を起こせない者を尻目に、次々と新しいものを発見していく者。彼がそれなのだ。
私は想像の彼に思いを馳せ、憧れを抱く。私にも出来るだろうか。彼のように、日常に変化をもたらすことが。
今日という日をただ過ぎるだけの時間で終わらせず、新しい何かの始まりとする事が。私にも出来るだろうか。
彼は運命のその日、何を思い、どう考え行動に移したのだろう。私などには想像もつかない強大な困難に、
勇気と共に立ち向かったのであろうか。いや、きっとそのようなものではない。彼にとってそれは何ということのない
日常の一コマだったのだ。何気ない行為が周囲に多大な変革をもたらす。天才というのはえてしてそういうものだ。
 彼はどのような人間であったのであろうか。私は偉大なる先駆者を心にイメージする。
132品評会用『ダイアモンド』2/3 ◆51rtpjrRzY :2007/02/18(日) 00:25:28.55 ID:8L5TFcxa0
「おっぱいが吸いたい。おっぱいにむしゃぶりつきたい」
 男は独りごちた。つもりだったが、周囲の人たちに聞こえたようで、怪訝な目を向けられた。
 この男、おっさんである。誰の目にも明らか、紛うことなきおっさんであった。吹く風に幾分の頭髪を持っていかれるような。
「俺はおっさんだ。おっさんである俺が、合法的におっぱいにむしゃぶりつくにはどうすればよいだろうか」
 男は考えていた。声が漏れ、あからさまに距離を取られるのも構わず。それだけ必死だったのだ。
家に帰りついても男は考え続けた。何故急にそんなことを考え始めたのか、その経緯は不明である。
いや、兼ねてより考えていたのが貯まりに貯まって、とうとうそれ以外のことが考えられなくなってしまったのかもしれない。
とにかく男は、それだけをただひたすらに考えていた。
「子供の頃はよかった。無条件でおっぱいが吸えた。おとなになるというのは斯くも悲しいことなのか」
 男には伴侶がいなかった。恋人と呼べる女性がいたわけでもない。母親はまだ健在であったが──
「いや、それはない。それだけはない」
 ──男は、誇り高い人間だった。
「しかしならばどうする。どうすればいい。……ええい! おっぱいにむしゃぶりつきたいのだ、俺は!」
 ダン、と強く床を殴りつけ、沈黙する。恐らくこのとき、男は世界の誰よりも真剣であった。
 結局答えの出せぬまま一日が終わろうという時間にまでなったが、男はどうしても納得出来ず、寝付くことも出来ない。
空が明るくなっても男の表情が晴れることはなく、食事も喉を通らなくなった。
それから三日三晩のあいだ、男は飲まず食わず眠らず外に出ず、ただおっぱいのことを考え続けた。
「いかん。死ぬ」
 ようやく男は自分の状態に危機を覚えたが、ここまで我慢しておっぱい以外のものを口に含む気にはならない。
取り敢えず外に出てみたが、その日は運がいいのか悪いのか快晴であり、家に引きこもっていた男には辛い日差しだった。
「めまいがする。腹がへった。喉がかわいた。……おっぱい……」
 おぼつかない足取りで、どこを目指すでもなくフラフラと男は歩き続ける。男に声をかけるものはいない。
いたところで無駄な話だ。男には既に会話をなすことすら難しかったのだから。
「……ああ、おっぱいが吸いたい。おっぱいにむしゃぶりつきたい」
 おっぱいが吸いたい。おっぱいが。おっぱい。……おっぱい。おっぱい。おっぱい!おっぱい!おっぱい!


「──あ、牛がいる」
133品評会用『ダイアモンド』3/3 ◆51rtpjrRzY :2007/02/18(日) 00:26:14.12 ID:8L5TFcxa0
 何ということだ。これではただの変態ではないか。私はイメージした男の姿をすぐに頭から消した。
例え一秒でもこのような存在が自分の脳内にあったかと考えると、思わず総毛立ってしまう。
 気を紛らわそうと再び仲間の方に目を向けると、人間は搾乳を終え、小屋へと帰っていくところだった。
しかし、始まりはともかく彼らは我々の乳を飲み続けている。牛の乳とはそんなにも美味しいものなのだろうか。
私も小さな頃に飲んだことがあるのだろうが、如何せん小さな頃は小さな頃。味まで覚えてはいない。
特に美味しかったというような記憶があるわけでもないのだが……。
何とはなしにそのまま彼女の方を見遣っていると、視線に気づいたのか、向こうから話しかけてきた。
「モォゥモ〜(訳:どうしたの?)」
「モゥモゥモォ〜ォモォゥ(訳:いや、牛の乳ってそんなに美味しかったかな、って)」
「モ〜モォモ〜(訳:さあ、どうだったかしら)」
「モ〜モ〜モォゥモ(訳:飲ませてくれる?)」
「……モゥ(訳:……もぅ)」
「モ゙〜ッホッホッホ(訳:冗談だよ、バーカ)」
「モォ〜!(訳:もぉ〜!)」
 ああ、楽しいな。こうやって彼女と他愛ない話をしているのは本当に楽しい。
意味があるとかないとかじゃなくて、ただ、楽しい。
「モ〜モゥモォ、モォモ(訳:そういえば、さっきは何を考えてたの?)」
「モモ(訳:さっきって?)」
「モォモモォ〜モゥ(訳:難しい顔してた)」
「モ(訳:ああ)」
 ──ああ、本当に。何を考えてたんだっけ。
「モォォモ〜(訳:忘れちゃったよ)」
「モモフモフ(訳:ふふ、おかしな牛ね)」

 暖かい牧場に優しい風が吹く。今日も、いい天気だ。
134 ◆51rtpjrRzY :2007/02/18(日) 00:27:28.64 ID:8L5TFcxa0
以上デース。あぁ、何か改めて見てみるともっと空行入れたほうがよかったような。
↓以下何事もなかったように雑談
135 ◆K/2/1OIt4c :2007/02/18(日) 00:28:39.60 ID:N3cOTwlp0
明日忙しいんで投下しますね。
ネタ被ってそうだなぁ。
136笑う小学生(1/3) ◆K/2/1OIt4c :2007/02/18(日) 00:29:36.27 ID:N3cOTwlp0
 僕は、意識して給食を早く食べた。すべての器が空になったことを確認し、顔を上げる。会話をしながら楽し
そうに給食を食べるものがほとんどだが、教室の後ろでは、すでに完食し終えた男子達が数人集まっていた。彼
らは二人の男子を取り囲む形で輪になり、静かに何かを見守っている。
 僕は立ち上がって、彼らのもとまで歩いた。平均身長一四〇センチメートルの彼らの後ろに立つ僕は、すごく
目立つ。彼らとは身長が違いすぎるのだ。目立つせいで、輪の中心にいた一人が僕に気づいた。僕の顔を見ると、
微笑んでそれを伝えてきた。
「どう?」
 少し体を屈めて、近くにいた坊主頭の青木に聞いた。
「全然ダメ。あいつ、もうこれやりすぎて慣れてきちゃってんだ」
「そっか」
 とりあえずまだおもしろいことは起きていないようだ。とりあえず見学することにした。
 輪の中に入っていたうちの一人が、顔を下に向けて輪に加わった。なんだか少し疲れているようだ。
 中央にいる高柳は、少し太ったごくごく普通の小学五年生だが、他の人にはできない、特別な才能があった。
この才能を見るために、いつも数人の男子が給食を急いで食べる。給食のこの時間にやるのが最適だからだ。
 口に牛乳を含んだ状態で笑うと、鼻からそれを噴出させる、という特殊な能力を、彼だけが持っていた。誰に
だって、時々そんなことが起きるが、彼はいつでもそれができた。みんなマネをしてみたが、誰にもできなかった。
 今、高柳の口には少量の牛乳が入れられている。少量なのは、あまり多すぎると口から出てしまい、鼻から出た
量がわかりにくくなってしまうからだ。彼がおもしろいと感じる度合いが高いと、鼻から出る牛乳の量も多くなる。
この二つの比例関係がおもしろい。おもしろさが具体的な量として計測されるからだ。
「俺が行く」
 メガネをかけた三上が名乗り出る。誰も止めることはなく、彼は高柳の前に立った。
 三上は一度高柳を睨みつけると、回れ右をして背を向けた。僕から見ると、正面を向く形になる。
 何を思ったか、三上は自分のズボンを半分ほど下ろした。高柳にはおしりが半分ほど見えるだろう。何をする
つもりなのか。
「垂直尾翼っ!」
 三上はおしりを高柳に突き出して、そう言った。誰も笑わなかったが、僕だけはおかしくて口を押さえてしま
った。
 数秒そのまま固まっていた三上もさすがにあきらめて、ズボンをはき直し、また輪に戻った。
137笑う小学生(2/3) ◆K/2/1OIt4c :2007/02/18(日) 00:30:00.63 ID:N3cOTwlp0
 ここしかない、と僕は思った。この冷めた場なら、きっといける。そう思った。
「じゃあ次は僕がやろう」
 そこにいた全員が、僕の方を見た。そして拍手喝采を注ぐ。僕がやる、というだけで、彼らはたのしいのだ。
 坊主頭の青木を押しのけて、僕は高柳に対峙した。彼は口角を上げて余裕を見せる。
 僕はがに股に足を開いて、両手をひざに乗せた。その体勢で一度高柳を睨みつける。そして、そのまま右足を
持ち上げた。お相撲さんが四股を取る体勢だ。
 高く上がった足を、数秒そこに待機させる。あとはこの足を下ろして決め台詞を言うだけだ。これはもう二日
も前から考えていたネタだ。練りに練られたこれは、美しいくらいに洗練されている。絶対な自信があった。
 僕は足を勢いよく下ろした。その足を高柳は見ている。僕は彼の目を見ている。
 足を下ろした瞬間、バチン、という聞いたこともない音が聞こえた。僕の口から声が溢れる。
「ああああああ」
 右足から体が崩れた。立っていられないのだ。右足首に激痛が走る。まさか、アキレス腱が逝ったか?
 転げまわる僕をみんなが見下ろしている。高柳は口をふさいで僕を見ている。誰もが沈黙している中、僕の断
末魔だけが響く。
 最初に沈黙を破ったのは、やはり高柳だった。鼻から、今までに見たこともない量の牛乳が溢れる。それにつ
られて、周りの男子もげらげらと笑い出した。
 肝心の僕は、それどころではない。手を差し伸べて真剣に痛みを伝えようと試みるも、誰にも伝わらなかった。
 ここで奇跡の女神が現れる。クラス委員の女子、佐藤がやってきたのだ。尋常でない叫び声につられたのか、
それともどんなにおもしろいことが起きているのか気になったのか、どちらかはわからない。彼女は僕が苦痛に
顔を歪めるのを見て、本当に痛いのだと察したらしい。口を押さえて声を殺していた。
「誰でもいいから先生を……」
 口を押さえたまま、彼女は頷くと、振り返って走り出した。
 みんなは僕を見るのをやめて、走り去る佐藤を眺めた。ようやく事態の重大さに気づいたのだろう。誰もが黙
ってしまった。
 僕は痛みをこらえて仰向けになった。鼻の下に牛乳の跡を残した高柳が、心配そうに僕を見下ろしている。僕
は左手をこぶしにして彼の前に突き出すと、親指だけ立てた。
「心配すんなって」
138笑う小学生(3/3) ◆K/2/1OIt4c :2007/02/18(日) 00:30:40.95 ID:N3cOTwlp0

 このあと誰か先生が来て、救急車を呼ばれた。生まれて初めて救急車に乗った僕だったが、あまりの痛みにほ
とんど記憶はない。
 アキレス腱が断裂したらしい。おそらく、というか確実に、足を下ろしたときに切れた、とのこと。思ってい
たよりも入院期間は短く、一ヶ月でいいと言われた。
 個室のベッドはいつも静かだ。テレビはあるが、見ることはあまりない。いつも一つだけある窓を眺めている。
 窓際にはクラスのみんなから送られた千羽鶴が飾ってある。千羽鶴とは言っても、確実に千羽ない。百羽くら
いだろう。形にも統一感はない。きれいなものもあれば汚いものもある。一つ一つに製作者の名前を付けさせれ
ばよかった。そしたらおもしろかったかもしれない。
 日曜日に、クラスの代表数人がお見舞いにきてくれた。こんなことを言っていた。
「臨時の先生が怖い。それに高柳君が鼻から牛乳を出すのをやめさせたの。つまんないよぉ」
 こう言ったのは佐藤だった。佐藤は陰ながらあのイベントを見ていたのだろうか。
「つまらないのはしょうがない。それが先生ってものだからね。ちゃんと言うことは聞くように」
 僕がそう言うと、眉間にしわを寄せて帰っていった。
 大人はいつもつまらないものだ。つまらないことを教えるし、つまらないことが重要だとも言う。そうだろうか。
 大体、僕ら教師は小学生の彼らより優れているのだろうか。ただ単に、知識と経験があるだけだ。それだけの
差だ。
 僕はいつも、彼らの前ではたのしそうに振舞う。大人はつまらないかもしれないけど、大人になったらたのしい
んだと、そう思って成長してほしいからだ。
 早く知ってほしい。早く経験してほしい。早く巣立ってほしい。
 それが僕の願いだ。それはきっとたのしいことだから。
 僕は窓から外を眺めた。枯れた木の枝に、スズメが二羽、寄り添って止まっている。それらは、窓から侵入し
てくる太陽光をさえぎり、真っ白なベッドにシルエットを映した。
「早く退院したいなぁ」
 僕は小さくつぶやいた。


 完
139 ◆K/2/1OIt4c :2007/02/18(日) 00:31:07.04 ID:N3cOTwlp0
終わりです。
よろしくお願いします。
140愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:32:01.92 ID:vOE96+ct0
>>134
場面や時間が切り替わらない時は空行を使いたくないなぁ。
それに頼ってしまいそうになる。
141愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:35:16.59 ID:8L5TFcxa0
>>140
確かに。俺もあんまり使わないようにしてはいるんだけど、何か今回のは妙に読みにくい。
もっと短い行をバランスよく入れればよかったのかな。
142愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:39:50.03 ID:zPklqCe/0
まとめ
143愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:41:32.82 ID:Wz6RVuhq0
しかしすごい量だな(´∀` ;)
読んで疲れてきた
144愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:53:48.95 ID:UgduE1uT0
思っても言わないのがマナーだろ
自分のも読んでもらうんだから
145愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:55:10.35 ID:izFRmdYO0
俺は読み専門だったりするけど
146愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 00:56:38.16 ID:8L5TFcxa0
早めに書き上げてよかったぜ。読む時間はたっぷりあるからな!
147 ◆Lj3naGix6U :2007/02/18(日) 00:58:52.45 ID:l4Eth5e70
投下しますー
3レス使います
148僕らの怪物 1/3  ◆Lj3naGix6U :2007/02/18(日) 01:00:43.02 ID:l4Eth5e70

 隣の客はよく柿食う客だ。っていうか怪物だ。隣の客は怪物だった。

「おう坊主、俺は怪物だ」

 柿を食いながら、その怪物は僕に自己紹介をした。
 自分で自分を怪物と言う怪物を見たのは初めてだ。
 っていうか怪物を見るのが初めてだ。
 全身が白い毛に覆われていて、まるで雪男のようだ。

「まあ仲良くしようぜ。俺、これから隣の家に世話になるからよ」

 そう言って僕の頭をなでようとしたんだろうけど、怪物の手はカニのハサミのように鋭くて、
 っていうかよく見たらハサミで、僕の髪の毛がパラパラ切れて、自慢だったマッシュルームカットは
 見るも無惨なものになってしまった。

「いけね。すまねえな坊主。ちゃんとカットしてやるからよ」

 悪びれた風もなく、そのハサミで僕の髪をカットしていく。
 あっという間に、鏡の前に野球少年が一人誕生した。
 僕がこんな頭で学校に行くのは嫌だと言ったら、甘えるなクソガキと母親にビンタされて追い出された。
 父親はそんな母親を止めようとして茶碗を頭にぶつけられて気絶していた。
 観念して学校に行く。からかわれるだろうと思っていた僕。
 だけどそんな僕は裏切られた、良い意味で。

「高橋くんカッコイー!」「お前さっぱりしたなあ」「どこで切ってもらったの?」「似合ってるじゃん」「中田みたい」

 中田が誰かは知らないけど、どうやら僕はみんなに褒められているようだ。
 こんなことは初めてだったので、僕は照れた。怪物さまさまだ。
149僕らの怪物 1/3  ◆Lj3naGix6U :2007/02/18(日) 01:01:40.32 ID:l4Eth5e70

 家に帰ると、怪物が隣の家の庭で、近所のおじさんの髪をカットしていた。

「おっちゃんよー。切るところねーじゃん」
「そう言うな。怪物なら生やすくらいしてくれ」

 そんな無茶を言うなと思った僕だったけど、そんな僕を怪物は見事に裏切った。
 良い意味で。おじさんにとっては。

「じゃーこれぶっかけるといいや」

 怪物は、白い液体をおじさんの頭にぶっかけた。僕の脳裏に「松井ブッカケ」という言葉が浮かんだ。

「臭い! おい怪物よ、これ牛乳じゃねーか!」

 それは牛乳だった。怪物はおじさんの頭部に牛乳をぶっかけたのだ。

「俺の牛乳だ。育毛効果ありまくりだぜ。ちなみに俺、牛の怪物なんだわ」

 おい待て。あんた牛かよ、っていうかメスかよ!
 僕のそんなツッコミを遮るかのように、おじさんの髪が伸びていく。
 おじさんの髪はみるみるうちに、ビジュアル系ミュージシャンみたいな長髪になる。
 おじさんは、喜びに狂喜乱舞、頭部に生えた髪を掴んでは引っ張っていた。
 そして嬉しさのあまりか、血圧が上がりすぎて気絶、救急車に連れ去られた。
 それを聞いた近所のおっさん達が、毎日のように怪物を尋ねていた。

 そんな日常が一ヶ月ほど続き、僕は怪物と仲良くなっていた。
 僕だけじゃなく、町の人はみんな、この怪物と仲良くなっていた。怪物は僕らには欠かせない存在となっていた。
 僕と怪物は、柿を囓りながら机を囲んでいた。
 この怪物、牛のくせに柿が大好物らしい。器用にハサミに柿を突き刺して食っている。
150僕らの怪物 3/3  ◆Lj3naGix6U :2007/02/18(日) 01:02:19.99 ID:l4Eth5e70
 俺はずっと疑問に思っていたことを訊くことにした。

「どうして隣の家に来たんだ?」
「売られた。弱いから役立たずだからってさ」
「あんたさ、名前はないの?」
「HS1023」
「何それ? 年号?」
「改造番号。俺、怪物だから」

 そう言って怪物は顔を背けた。どんな表情をしているのはかわからない。僕はそのとき、怪物という存在を疑問に思った。
 怪物とは何なのだろう。定義がわからない。こいつがどこから来たのか、どうやって作られたのか、どうして怪物になったのか。
 怪物はそれきり何も語らなかった。僕も訊かなかった。
 翌日、怪物は消えた。なぜか、僕の家の郵便受けに牛乳の入ったビン。
 それと封筒が入れられていた。中には『ハゲたら使えよ』という一文だけが書かれた手紙。

 その一週間後、隣町で大きな事件が起こった。ある団体が壊滅したとのことだ。
 ニュースで連日連夜やってたんだけど、僕には難しい言葉ばかりで、ほとんど理解できなかった。
 今となってわかったことだけど、その団体は僕たちの町を襲おうとしていたらしい。
 それは怪物を作った奴らで、恐ろしい細菌兵器を僕らの町にばらまこうとしていたと聞いた。
 きっと怪物が僕たちを守ってくれたのだろう。間違いない。なので僕の中での怪物の定義は、正義の味方、となった。
 そいつらは全員逮捕されて、もう二度と怪物が作られることはなくなった。
 だから僕は、もう二度と怪物に会うことはないんだろう。僕らの怪物の行方も、誰にもわからない。

 それから五年。僕は高校生になった。
 入学式を終え帰宅するなり、母親に時季外れの柿を手に持たされ、隣の家の客に持っていくよう命令され、渋々従う。
 隣の家に入ると、懐かしい声が飛んできた。そいつは僕の持っていた柿を、自分のハサミに刺した。

「よう坊主。牛乳使ってるか?」

 隣の客は、よく柿食う客だった。
151 ◆Lj3naGix6U :2007/02/18(日) 01:03:00.68 ID:l4Eth5e70
すいません、2/3を書き間違えました><;;;
以上です
よろしくお願いします
152愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 01:04:54.10 ID:zPklqCe/0
まとめー
153愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 01:11:34.15 ID:7r8qzv1g0
こうも作品数多いと、多少尻込みしそうになるな。。多分、投下するけど。


どちらにしても、最初の数行が大切ってことだね☆
154愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 01:16:54.96 ID:zA9A+Bfl0
ほ〜ら☆
えっちなものだよぉ〜
(携帯可)
http://gareki.ddo.jp/ki/ki/ki_9111.xxx
155 ◆InwGZIAUcs :2007/02/18(日) 01:22:36.28 ID:obiKIVsM0
 馴れ合いと罵られても良い。
 一言言わせてくれ。
「ただいま」
 えと、これからもよろしく。
 
156愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 01:27:36.50 ID:swuBDOvJ0
魔女っ娘氏おかえもwwwwwww
157愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 01:28:33.47 ID:l9oduUZNO
携帯からじゃまとめサイト入れなくなってる……だれか掲示板と通常作品のアドレス貼ってください><
158愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 01:40:30.72 ID:obiKIVsM0
>>157
http://yy46.60.kg/bnsk/
掲示板

http://wing2.jp/~bnsk/
通常作品ここでいいのかな^^;?
違うかも……ごめん
159愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 01:45:10.14 ID:l4Eth5e70
おおう誤字発見……('A`)
160愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 02:00:28.63 ID:meW4uSSb0
タイトルが思い浮かばない。。。
今日は寝るか。
161愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 02:01:04.34 ID:m61mWYk+0
なにも思いつかない
月曜まで寝よう
162愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 02:11:58.09 ID:swuBDOvJ0
3レスに収まるかどうか怪しいw
163愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 02:27:23.66 ID:Huh/paQq0
テーマ……三人称(神視点)スポーツ!
       スポーツが絡んでいて三人称(神視点)であればなんでもおk。
       神視点で書くことが目標ですが、厳守ではありません。
会 場……「アリの穴」 http://ana.vis.ne.jp/ali/index.html
     「短小」http://novel2ch.sakura.ne.jp/toukou/kyousaku/tstk1.cgi
      お好きな方への投稿をどうぞ。
枚 数……15枚から20枚
日 程……投稿期間 2/23(金)〜2/25(日) 21:59:59まで
     感想期間 一作目の投稿から3/3(土) 21:59:59まで
     作者投票は投稿締め切り後の2/26(月)〜3/3(土)まで

http://book4.2ch.net/test/read.cgi/bun/1170007033/
164愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 02:38:58.31 ID:niEMiJF6O
bnskも、こんな誘いがくるまでになったか
165愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 02:47:54.23 ID:btWKAggs0
過疎だなあ






よし、ここは最近話題の殺伐保守で乗り切ろう!
166 ◆2LnoVeLzqY :2007/02/18(日) 02:58:03.18 ID:swuBDOvJ0
書けちまった……何番目だろ
167 ◆2LnoVeLzqY :2007/02/18(日) 03:08:25.57 ID:swuBDOvJ0
誰もいないっぽいけど品評会作品投下します。3レス予定。
168愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 03:08:47.06 ID:sLKIqk8w0
投下も無しにトリ付けとな?
169愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 03:12:32.72 ID:sLKIqk8w0
ごめww
170 ◆2LnoVeLzqY :2007/02/18(日) 03:13:16.72 ID:swuBDOvJ0
ぬお、ちょっと編集しなおしw
171ホワイト・カーニバル 1/3 ◆2LnoVeLzqY :2007/02/18(日) 03:20:25.23 ID:swuBDOvJ0
「ハァゴロモフゥゥゥゥゥゥズ」という脱力感溢れる拓也の言葉がぴんと張った祐輔の緊張の糸を次々と断ち切っていく。いとも容易くぷつんぷつんぷつんと。
 そうして解けきった緊張の先にあるのは爆笑への欲求。体の奥からこみ上げてくる爆笑への欲求だ。そもそも「ハァゴロモフゥズ」という言葉自体、この場合は明らかに笑いを誘っているのだから。
 祐輔の抵抗も空しく、牛乳は閉じたはずの口の隙間から漏れ出してくる。ちろちろぴたぴたと垂れた牛乳は、机の上に白くて丸い模様を次々作り上げる。まだ大惨事には至らない。
 しかし祐輔の顔は必死な忍耐からか真っ赤になってきていて、祐輔と拓也以外のニ班全員がすぐに身構える。そろそろ来るな、と。
「はあーインポテンt#@$^&:*!」
 拓也のダメ押しである。ご丁寧に両手で自分の顔を左右から潰して更に両小指を鼻の穴に突っ込んでいる。正視に耐えないというよりただの変人だ。
 二班全員が拓也の変人顔から祐輔の真っ赤な顔に目を移したまさにそのとき、恐れていた事態が発生してしまう。
「ぶっ、ごっふぁあ!」
 祐輔の口から笑いと共に豪快に飛散する白い飛沫。教室の窓から差し込む真昼の日差しを浴びて、飛沫は文字通りの乳白色に輝く。
 それらは美しくない孤を描いて教室の宙を飛び、そして給食が載る各々の机の上へと着地した。びちゃりびちゃりびちゃり。
 大惨事である。
「よっしゃーあ、やりぃ!」
 これに喜んでいるのは、二班の中では拓也だけだ。一方の祐輔は口から牛乳を垂らしながらも全然平気な顔をして、「やられたぜ」とでも言いたげである。
 拓也と祐輔以外の二班のメンバー四人にとっては、しかし嬉しいはずもない。自分のナプキンや、果ては給食の上にまで口から飛び出た牛乳を撒き散らされてたのだから。
「あんたたち、やめてって昨日も言ったでしょ!?」
 拓也のちょうど正面に座る春花が怒って言う。けれど拓也は苦笑しながら「いや、悪い悪い」と言うだけだ。牛乳を豪快に噴いた祐輔も「そんなこと言ったって、なあ?」とまるで反省していない。
 春花は不満を顔じゅうで表現しているけれど言葉は継がない。言っても無駄だとわかっているからだ。
 自分の牛乳には手をつけずに春花は「ごちそうさま」と言って給食を配膳台へと戻してしまう。
 そして、ちょうどそのころ他の班でも、牛乳を巡る熱く不潔な争いが始まっていた。
 牛乳を噴き出す音と女子の悲鳴と男子の歓声が耳に届く。五年三組の給食時間は今、さながら戦場なのだ。

 少し前なら練りケシで、さらに前には紙飛行機。そして今は、給食時間の牛乳噴かせ。五年三組内での流行の移り変わりだ。
 おおよそこの時期の小学生といえば、熱しやすくて冷めやすい。サッカーやバスケットといった年中盛んな遊びも確かにあるが、一過性のブームもまた非常に発生しやすくなっている。
 誰かが何かのきっかけで初めて、それが瞬く間にクラス内に広まって、けれど気がつけば、いつのまにか誰もやらなくなっている。そんな一過性のブームはこの五年三組内でこれまでいくつも発生し、いくつも消えてきたのだった。
「ひでぶっ! あべしっ!」「ぶぶっ!」
 給食のたびに配られる牛乳。一人がそれを飲み、別の誰かが飲んでいる生徒を笑わせる。笑って噴き出したら負け。飲みきれば勝ち。シンプルといえばシンプルなゲームである。
 しかし、迷惑といえば迷惑なゲームでもある。
 五年三組には全部で三十六人の生徒がいて、給食のたびに彼らは男女混合で六人づつ、六つの班に分かれるようになっている。
 そのとき机同士は隙間なく向かえあわせにくっつけられる。だからひとたび誰かが牛乳を噴き出せば、間違いなく隣接する机にも飛び散ってしまうのだ。
172ホワイト・カーニバル 2/3 ◆2LnoVeLzqY :2007/02/18(日) 03:21:41.21 ID:swuBDOvJ0
「……今日はやめてよね、本当に」
「はいはい」
「わーってるよ」
 春花の忠告に拓也と祐輔が同時に答える。しかしまた今日もやるんだろうな、と春花は思う。
 こんなのを先生が見たら黙っているはずもない。しかし五年三組担任の高橋先生は、授業以外については相当いい加減な教師であり、給食時間も職員室にいることが多かった。
 もちろん先生が教室にいる日は、このゲームは発生しない。
 しかし、先生がいない日は――
「おい、四班のやつら、もう始めやがったぞ」
「誰が牛乳飲む? ジャンケンするか?」 
 そんな声があちこちの班から聞こえてくる。そう、まさに今である。
 そしてもちろん春花の、そして拓也と祐輔のいる二班でも、
「くっそー、また今日は俺が牛乳担当かよ」
 と言って、祐輔が牛乳パックにストローをぶすりと刺したのだった。
 心底うんざりとしたという表情で、春花はそれを眺めていた。いや表情ばかりか、春花は本心でも、もうやめて欲しいと思っていた。人一倍だ。
 春花が誰よりも強くそう思うのには、机が汚れるということ以外にも理由があった。

 春花の祖父母は酪農家なのである。北海道の本当に何もないような農村で、春花の住む都市では想像もつかないくらいの広い牧場の中に、たくさんの乳牛を飼育している。
 そんな彼らの牧場が、春花は大好きだった。夏休みのたびに両親に連れられてそこを訪れては、ニ週間ほど泊り込んで祖父母の手伝いをする。牛に餌をやる、牛の乳搾りをやらせてもらう、ときには広い牧場で遊びまわる。
 春花は牛乳が大好きだったし、また祖父母の姿をいつも見ていたから、彼らが作っていると思うと牛乳には人一倍の愛着を持った。
 だからこそ春花は、この牛乳噴かせゲームが許せなかったのだ。
 ふと見れば、ストローの刺さった牛乳を構える祐輔を、にやにやと笑いながら拓也が見つめている。今日もまたいつものゲームが始まる。
 こいつらが、言っても止めないのはわかっている。けれどいつ来るかもわからないブームの終わりを待っていられるほど、自分が我慢強くないことも春花はわかっていた。
 春花は牛乳を手にとった。そしてストローを刺し、再び机に置いた。拓也と祐輔が「おっ?」という顔でそれを見た。
 このブームが始まって以来、誰も牛乳には手をつけなくなっていたのだ。ブームに乗っかる男子たちを除いては。
 しかし春花とてこのブームに乗るつもりなど毛頭ない。男子たちの前で平然と牛乳を飲んでみせることで、この馬鹿げたブームが少しでも下火になれば、と思ったのだ。
 上手くいくかなんてわからない。上手くいかないかもしれない。けれど黙っているのはもっと嫌だった。
「レディ……ゴーッ」
 拓也の馬鹿げた声と同時に祐輔がストローを口に含んだ。春花も慌ててそれに続く。そんな春花を見て拓也が「よっしゃー! 今日は気合い入れて笑わせるぞぃ」と叫ぶ。
 しかしいざ集中して牛乳を飲もうとすると、なかなか難しいものだ。今の拓也の声にさえ、集中しているからこそ逆に笑いそうになってしまう。いや、もしかしたら緊張しているのかもしれないな、と春花は思った。
 落ち着かなければ。そう思い始めたときに、拓也の一発目のギャグが突き刺さる。
173ホワイト・カーニバル 3/3 ◆2LnoVeLzqY :2007/02/18(日) 03:23:22.56 ID:swuBDOvJ0
「コマネチ」
 座っている拓也の下半身は机の下なのだから見えるはずもないのだ。しかしそれでもコマネチを敢行する。シュールだ。シュールすぎる。しかしいけない、笑ってはいけない。祐輔の「ぐふっ」という声が聞こえる。
 気を紛らわせないと。春花は想像する。あの牧場の風景を想像する。
 しんと静かな牧場の朝。もやのかかった視界の中に、緑の芝生がどこまでも広がっている。日はまだ昇っていなくて薄暗く、あたりの気温はまだ低い。
 けれどそれがいいのだ。吹き抜ける風は心地よく感じられ、湿った草の匂いが鼻へと届く。しんと静かな牧場の朝。この朝を独り占めしたような感覚。するとどこか遠くから牛の鳴き声が――
「蒙古斑 お前の母ちゃん 蒙古斑」
 想像の中の牧場が消えると耳の穴と鼻の穴に人差し指と親指を差し込んだ拓也の顔が春花の前に君臨していて、爆笑への欲求が頭の中を駆け巡ってしまう。
「くふっ」
 それをなんとか押し留める。少しだけ口の隙間から牛乳が飛んでしまったかもしれない。春花の顔が赤くなる。
 祐輔の顔はもっと真っ赤で、口から白い筋が伝って机に垂れている。もう限界なのかもしれない。そこに拓也の次の攻撃が襲う。
「うーこんのちから。うーこんのちから。痔にはうーこんのちーかーらー」
 う、下品すぎる。給食のカレーが台無しである。そして祐輔はみるみる顔を赤くしたかと思うと、「ぐばぁ」という声とともにカレーの上に豪快に牛乳を噴き出してしまっていた。
 春花だけが牛乳を飲み続けている。
 しかし春花にも例の「うこん」は効いたようで、口からはひとつだけ白い筋が伝い、目にはうっすらと涙を浮かべているようにも見える。
 この珍事を一目みようと、今やクラス中が春花の様子を見守っていた。
 すると俄然やる気を出したのが拓也である。「目を瞑るなよ」という言葉と共に、自身の顔と両手で最強の変人へと自己をプロデュースしていく。
 何気ない一挙動一挙動が春花の笑いを誘う。もう何を見ても何を聞いても笑ってしまいそうになる。まず白目。鼻の中に入った人差し指と中指。それを引き抜いて舐める……と思いきやまた鼻の穴に逆戻り。そしてやっぱり舐める。そのあいだずっと白目。
 何度も牛乳が逆流する。それを無理やり飲み下す。口からはいくつも白い筋が伝い机を濡らしている。けれどもう牛乳は残り少ない。ネタ切れなのか、拓也もすっかりうつむいてしまった。勝てた、と春花が思いかけた、そのときだった。
「……クロちゃんDEATH!」
 聞こえてきた高い声の主は安田大サーカスのアレではなくもちろん拓也だった。うつむいた状態からのお馴染みのクロちゃんポーズ。しかし一瞬の気の緩みだった。
 牛乳が春花の喉を駆け上がり口に届き外に飛び出し、おまけに鼻へと達しそこからも牛乳は垂れた。春花の鼻と口の両方から、牛乳が流れ机を白く染める。
 げほ、げほという春花の咳き込む声。その目は真っ赤に充血し、今にも泣き出さんばかりの表情だった。クラス中が春花の表情を追っている。
 しかし春花は泣かなかった。それどころか牛乳を再び手に取ると、無言でそれを口に運び、充血した目をかっと開いて拓也を気丈に見据えたのだ。クラス中の視線が、春花から拓也へと移った。
「わ、わかったよ。俺の負けだ、降参するよ。降参!」
「……こんなふざけたゲーム、もうやめにすること。いい!? わかった!?」
 それを言う春花の顔はひどいものであったが、彼女の迫力ゆえか、それを指摘する者も、また反論する者もいなかった。
 結果として、これきり牛乳噴かせは五年三組の教室から、永遠に姿を消したのだった。

 その数日後。また誰かが新しいブームを五年三組にもたらした。今度はあや取りである。
 けれどこれは誰にも迷惑をかけないようだ。だから今度は自分もブームに乗ってみようかな。春花は今、そう思っている。
174 ◆2LnoVeLzqY :2007/02/18(日) 03:27:19.07 ID:swuBDOvJ0
>>171-173
以上3レスです。こんな時間に中の人がいるかはわからないけれど今週もよろしくお願いします。
175愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 03:32:02.09 ID:1S4U5CU7O
そうか、携帯じゃあ入口のフラッシュが表示されないんだね。
携帯用入口もどうにかするわ。
176愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 03:32:58.51 ID:gGCxt53a0
         ∧ ∧     新人書き手さんへアナウンス。現在投票推奨キャンペーン中です。
       ヽ(・∀ ・)ノ   ・品評会に参加した方は、出来る限り投票するよう心がけましょう。
       (( ノ(  )ヽ )) ・投票や感想を書く事は、あなたの作品に投票感想がつく事に繋がります。
         <  >     ・投票や感想は書き手の活力。私からの君に届けエネルギー。
177愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 03:56:01.49 ID:fsmo+DBn0
投下します。
数日後に受験控えてるから品評会には出ないかもだけど。

178六〇〇円 1/3:2007/02/18(日) 03:57:51.30 ID:fsmo+DBn0
 もう駄目だ。
 そこは、街中の自動販売機の隣りだった。
「もう、駄目。終わった、絶対終わった」
 わたしは行き交う人波から逸れ、大型の自動販売機の隣りでしゃがみこんで頭を抱えていた。
 前方に動く、ぞろぞろと歩くはわたしと同年代。例外はあるかもしれないけど、十代後半の少年少女たち。
 いま、某有名大学の試験が終了したところだった。学生にとって人生の岐路たる、終生たる……ようする入学試験だ。
「こくごがぜんぜんわからんかったあ……」
 適当に書いたけど、絶対間違ってる。なんなのよ。あんなの、わかるわけないじゃない。芥川龍之介だなんて、死んでしまえ。あんな意味のわからない文章を書くなんて、実は馬鹿なんじゃないの? 大体――
 そんなことを考えて、全ての憤りを芥川へと放り込むような真似をしながら、ふいに我に返る。
「………」
 わたしは、こんな群集の前で、何をやってる?
 こっぴどくしかられた小型犬のように、恐る恐る頭を上げる。
 誰もわたしのことなど気にしていない……と思ったら、一人の男の子と目が合う。すぐにそらされた。
「……わたしは犯罪者じゃないっての」
 ぼそりと呟いたのが聞こえたらしく、男の子はクロールで水面を掻いていくように、群衆へと消えていった。なんだ、これは。そして、
「なにやってんの、わたし……」
 また独り言。と思いながら、わたしはまたうずくまる。こうなると、動くに動けない。いや、動きたくない。
 と、
「――なにをしてるんだい?」
 うわ、声かけられたよ。警官かな? その辺にいっぱいいるし。
 ぼろきれになった洋服のような情けない気持ちで顔を上げると、立っていたのは、燕尾服に蝶ネクタイを付け、頭にシルクハットを被った男だった。絵に描いたような紳士、ジェントルマン。それが、一抱えほどの大きさに膨らむスーパーの袋を提げ、わたしを見下ろしていた。
 明らかに怪しい人だったが、スーパーの袋を持っているあたり、勧誘か何かが目的とも思えない。どうという反応をすることもできず、人波が大津波の壁のようになっいるせいで逃げ出すこともできず、わたしはただ男を見上げるのみだった。
「そんな暗い顔をしちゃ、駄目じゃないか。女性は笑顔だよ、お嬢さん」
 そんなふうに何事か言っているが、お嬢さんと呼ばれるだけでここまで肌が浮き立つとは思わなかった。
 男は、大量のパック牛乳の内ひとつをスーパーの袋から取り出した。その一リットルパックがずいとわたしに突き付けられる。わたしはパックに住むホルスタインとにらめっこする。牛乳男を見た。
 牛乳男は、にっこりと笑った。
「牛乳飲む?」
 殴り飛ばしたくなりました。
179六〇〇円 2/3:2007/02/18(日) 04:12:43.26 ID:fsmo+DBn0
 何でついてきてしまったのか。いや、なんとなくなんだけど。
 目の前では牛乳男がメニューを広げ、ウェイトレスにオーダーを告げようとしている。そこは喫茶店だった。
「牛乳ください」
 メニューちゃんと見ろよ。ていうか、どこまで牛乳好きなの。
「はい、かしこまりました。ほかにご注文はございますか?」
 牛乳、あるんだ。
「じゃあ、牛乳もうひとつ」
 じゃあってなによ。そこはわたしに振るところでしょ。
 以上で。と牛乳男が告げると、ウェイトレスが去っていく。
 二人きりになってしまい、わたしはなんとはなしに店内を見渡す。至る所で見かけるチェーン店だったが、あまり人は入っていない。もう夕方だし、そろそろ増え出すかもしれない。
 牛乳男に視線を戻した。
「で、君はどうしてあんなところに? 千町亮子さん?」
 ……え?
「どうして、名前を……?」
「ははは、知ってるものは仕方ないさ」
 いや、そういう問題じゃなく。
 ていうか、どうしよう。これゼッタイ危ない勧誘か何かだ。ついてきちゃったわたしもわたしだけど、東京って怖い。ちょっと北海道から出てきて、こんなにも早くアブナイ人に出会ったりして。
 とにかく、早く逃げないと。新幹線の時間だって間に合わなくなるし。
「試験でうまくできなくて、残念だったね」
 その言葉に、わたしはガッチリ捕まった。
「でも落ちたと決まったわけでもないんだし、くよくよしても仕方ないよ」
 仕方ないって、そんなことを言われても。
「ベストは尽くしたんだから、元気を――」
「……うっさいなあ! 元気出せって言いたいんでしょ!? わかってるわよ!」
 大きな音を立ててドアを閉める形で、わたしは牛乳男の言葉を遮った。
180六〇〇円 3/3:2007/02/18(日) 04:14:38.40 ID:fsmo+DBn0
 牛乳男は、すました顔でわたしを見つめている。そのなんでも知ってる風な、私のこの怒声も見抜いていた風な瞳が、腹立たしい。
「そりゃ、ベストは尽くしたわよ。それでも、だからこそ、腹立たしいんじゃないっ!」
 あっ、と喉を吹き飛ばすほどの自分の声に気付き、わたしはうつむく。
「ごめんなさい、怒鳴ったりして」
「いいや気にしないよ、ぜんぜん」
 うう、なんか気にしてそうな言い方だよう。
 とは思ったものの、牛乳男は、またしても満面の笑みだった。
「怒ることは必要なことだ。自分の感情を一番ストレートに伝えるものは、怒りだからね」
 何か高尚な台詞だけどしかし、どこかピントがずれてる気もする。
「自分のことを相手に伝えると、いくらか人は気分が良くなる。それはある種、達成感に近いのかもしれない。何かを伝えていくことは、生きることの本分だからね。何も伝えなかったら、生きることには意味も何もなくなってしまう。しかし伝えること自体に意味はあるのか……」
 辞書をめくるような神妙な顔つきで考え込むが、やがて牛乳男は視線を戻した。
「とにかく、少しはすっきりしたかな?」
「あ、えっと、はい、まあ……」
「それは良かった」
 うーん、悪い人ではないみたい。たぶんだけど。商売の方策かもしれないけど。
 ウェイトレスがやってきて、二つのグラスが置かれる。
「それじゃあ、飲もうか」
 あ、やっぱりわたしも飲むんだ。
「たかだか牛乳を飲むのに、なんでそんな凄みを……」
 わたしのあきれた呟きは、耳聡く牛乳男に聞きつけられたようだった。
「牛乳を馬鹿にしちゃいけないよ。知らないのかい、カルシウムは歩いてこないから毎日飲むんだよ」
「はあ……すみません」
 別に馬鹿にしてるわけじゃないんだけどなあ。ていうか、CMソングですか。
「まず牛乳は、こんなに濃い白色でできている。これは栄養たっぷりな証拠だね。しかも美味しい」
 そうとも言い切れない気もするけど。基本的にカルシウム摂取源でしかないし。と、牛乳男は牛乳を飲み干した。
「僕は牛乳が大好きだよ」
 そりゃ、奥さんの買いだめとかのレベルじゃないぐらい買ってるんだから、そうでしょうけども。
181六〇〇円 ごめんなさい、制限越えました:2007/02/18(日) 04:15:17.07 ID:fsmo+DBn0
 まあ、わたしは仮にも牧場育ちだ。牛乳のことを誉められて、嬉しくないことはない。
「それに、牛乳を飲むと背が伸びるという。これは子牛にすくすく育ってもらいたいという、母親の想いなんじゃないかと思うんだ。牛乳には愛が詰まっている、と」
 牛乳に対して異様な情熱を傾けるこの男は、まだまだ続ける。
「こともあろうに人間である僕たちがそれを飲んでいる。だがそれで、母親の想いは無駄になると思うかい?」
「え、いえあの、」
「いや、僕はそうは思わない」
 わたしのことは無視ですか。
「僕らもその想いを受け継ぎ、美味しいと言うことができるんだ。糧とすることもできる。母親の想いは、きっと無駄にはならない。僕はそう信じてる」
 大波に立ち向かうかのように声高に演説した後、牛乳男はわたしをみつめた。
「君のがんばりだって同じさ」
「は?」
 リミット一分の電車乗り換えのようないきなりの話題転換に、わたしはすっとんきょうな声をあげた。
「君のがんばりだって、決して報われないことはない。万にひとつ今が駄目だったとしても、いつか、あらゆる形で、それは君の糧になる。そのとき想いは報われる。無駄なことはひとつもない」
 わたしは、牛乳を見つめた。白色の、くすみを知らない純粋な想い。
 たしかにそれを無駄だと思うのは、いや、絶対に思いたくない。わたしのがんばりが無駄だったとも(そう思えるのは事実だけれども)、思いたくはない。
「ごちそうさま。そろそろ時間だ。わたしは、失礼させていただくよ」
 ハンケチーフで口許を拭き、牛乳男は立ち上がった。ここは、お礼を言う場面かもしれない。
 しかし目の前に置かれたのが牛乳だと、どうにも謝辞を述べる気がそがれるような……あっ、いや、ううん、そんなことを思ってはいけない!
 しかしわたしが牛乳から目線を変えた時、牛乳男は忽然と姿を消してしまっていた。いつのまにか、目を覚ましたときの怒りのように。
 牛乳男は行ってしまったのだと理解すると、わたしは微笑み、牛乳の入ったグラスを眺める。そして、伝票を手に取った。
「牛乳・二つ・ろっぴゃくえん」
 これは、どうやら、わたしが払うらしい。
182ごめんなさい、制限越えました:2007/02/18(日) 04:18:18.55 ID:fsmo+DBn0
ええと、すみません。制限が改行によって決まってることを知りませんでした。
文字数の上ならそれほど差はなかったはずなんですが。

それでも、誰かに読んでもらえたらと投稿しました。
(当たり前ですが)品評会の対象にならないとしても構いません。
183ごめんなさい、制限越えました:2007/02/18(日) 04:19:12.29 ID:fsmo+DBn0
文字数の差はないと思ったけど、かなり違ってそうですね。
申し訳ありません。
184愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 04:30:01.51 ID:gGCxt53a0
レスオーバーだから時間外作品としての扱いになるかな。それでも感想がつかないってわけでは無いから安心汁!
1レスは30行までなので、次回はキヲツケテー
185愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 04:58:20.28 ID:yjMkII2l0
さて、投下
186【品評会】白い血(1/3) ◆7CpdS9YYiY :2007/02/18(日) 05:02:34.71 ID:yjMkII2l0
 アール氏の一日は一杯の牛乳から始まる。
 これが並みの人間なら爽やかな朝日と共に、といった具合だろうが、アール氏の場合はちょっと事情が違う。
 夜のしじまに満たされた空気の中で、空に掛かる月を見上げながら、いかにも陰気そうにそれを飲むのだ。
 青白い頬を歪ませ、土気色の喉を鳴らすその姿はどこか異様な雰囲気を漂わせていた。
 目覚めの一杯が済むころになると、アール氏の秘書兼侍従兼性奴隷のエル女史が着替えを持ってくる。
「失礼いたします、ご主人様」
 エル女史は感情のこもっていない声でつぶやき、アール氏のナイトガウンを脱がせにかかる。
 アール氏は黙って両腕を広げ、エル女史がてきぱきとスーツに着せ替えるのを待つ。
 かがんだエル女史の長い髪が肩をすべり、細いうなじなどを目にするとき、アール氏はいつもはち切れんばかりの衝動を感じる。
 だがアール氏は生来の紳士であり、自己を律することの出来る高潔な人物だ。
 決してその欲望を行動に移すことはなく、身じろぎもせず、ただ黙って乙女の柔肌を渇いた瞳で凝視し続ける。
 やがて着替えが終わり、仕上げとばかりにエル女史は一歩下がってアール氏の爪先から天辺までを眺め渡す。
「よろしゅうございますわ、ご主人様。今宵も凛々しくておいでです」
 しかしやはり声は平坦で、本当にそう思っているのかアール氏には定かではない。
「ああ、よかろう」
 だがアール氏は鷹揚にうなずき、エル女史の誂えた服装を受け入れる。
 アール氏の寝室には姿見が無い。アール氏にとってそれは無用の長物であるからだ。
 ふと風の気配を感じ、アール氏は窓へと振り向く。
 向こう側は闇夜であり、室内灯の光の加減で窓ガラスは鏡のように部屋の中を左右逆に映していた。
 エル女史がドアから出て行くのが見える。
 彼女と窓の間に立っているはずのアール氏に遮られることなく、エル女史の背が窓に映っていた。
 そしてエル女史が部屋を出て行くと、窓に映る者の姿は無くなっていた。
 まだそこにいるアール氏の姿を映すことなく。
 ぎい、ばたん。
 窓に映るドアはひとりでに開き、ひとりでに閉まった。
 そして今度こそ部屋には誰もいなくなった。
187【品評会】白い血(2/3) ◆7CpdS9YYiY :2007/02/18(日) 05:02:53.50 ID:yjMkII2l0

 書斎の机にうず高く積まれた書類の山と格闘しているアール氏の元へ、盆に壜と杯を載せたエル女史が訪れる。
「ご主人様、お食事の時間です」
 壜の中身はやはり牛乳である。
 まず一杯目を一息に飲み干したアール氏は、二杯目をちびちびと味わう。
「頼んでおいた件はどうなった」
 アール氏が訊ねると、エル女史は微かに首を縦に振り、答える。
「はい、ご主人様。ロンバルディアの商社とは条件面で折り合いがつきましたが、
 サンフランシスコの船舶会社が若干の問題を残しています。先方は是非に、とご主人様との会食を希望しております」
 それを聞いてアール氏は微かに眉をひそめた。
「ふむ、面倒なことを言っているな。まさかここへ呼びつける訳にもいかぬだろう」
「現在、地理的な妥協点を模索しております。先方に欧州を訪問する機会があれば、或いは」
「分かった。その線で進めてくれ」
 まったく、とアール氏は首を振る。
 商売ほど神経を使うものはない。商談相手を呼びつければ角が立ち、さりとてこちらから出向くわけにもいかない。
 距離や煩わしさの問題ではない。
 アール氏は、大きな河川や海を越えることが原理的に不可能なのである。
「まったく……人の世は世知辛い」
 アール氏は再度首を振り、二杯目の牛乳を乾した。
188【品評会】白い血(3/3) ◆7CpdS9YYiY :2007/02/18(日) 05:03:51.83 ID:yjMkII2l0
 一日の仕事を終え、アール氏は寝室へ戻る。
 すでに夜は明けており、館の外は柔らかな日差しが降り注いでいるのだろう。
 だが、アール氏の寝室は薄暗い。
 先回りしてベッドを整えておいたエル女史の手によって、窓は分厚いカーテンで覆われ、一筋の光すら入ってこない。
 そのエル女史もすでに半裸となってベッドに横たわっている。
「お疲れ様です、ご主人様。どうぞ」
 差し出されたのは、一杯の牛乳。
「ああ、ありがとう」
 ベッドに腰掛けたアール氏はそれを受け取り、ゆっくりと喉に流し込む。
 ふう、と息を吐き、湿った口ひげを撫でる。
「やれやれ……誉れあるヴァンパイアの末裔たるこの私が、金儲けに血道を上げた挙句に牛乳で口を漱いでいるとはな。
 実に不甲斐のない話だ。ご先祖様に申し開きもできん」
 夜の間とはわずかに印象の異なり、どこか明るい笑みを頬に浮かべるエル女史が、アール氏の首筋にしがみつく。
「でもご主人様、どうして牛乳なんですか? ヴァンパイアなら血をお飲みになればいいのに」
 アール氏は襟元のボタンを外しながら、それに答える。
「味や成分の面で言えば、乳が一番血に似ているのだ。
 そしてもっとも手に入りやすい乳とは牛乳だ。まさに『白い血』なのだ」
 まったく、実に不甲斐ない、とアール氏は思う。
 人の血、いや動物の血でも飲めたならそれに越したことはないのだが……。
 だが、アール氏の渇きを満たすだけの血を用意するということは、ある別のことをも意味する。
 そのことゆえに、アール氏は血の代わりに牛乳を飲むのだ。
 昼なお暗い薄闇のなか、真紅に輝く瞳でエル女史を見つめ、その魔力に胸を震わせる彼女を抱えながら
アール氏はうっそうとつぶやいた。

「『人やその他の動物が死ぬのは禁止』。それがどうやら、この世界のルールらしいからな」
189愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 07:09:49.79 ID:RkV4DsjE0
おはよー。
190愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 08:04:57.08 ID:4W7ZHl0m0
今晩飲みなのに、書いてたら朝だった
お陰でどうにか形になったが今更寝れない
191 ◆FVCHcev9K2 :2007/02/18(日) 08:23:44.48 ID:meW4uSSb0
難しかった。特に3レス制限。
投下します。
192成長(1/3) ◆FVCHcev9K2 :2007/02/18(日) 08:24:07.58 ID:meW4uSSb0
 それはまだ寒い春の休日、コタツに入りながらテレビを見ている時のことだった。
 ガラガラと玄関の引き戸が開く音が聞こえた。「ごめんくださーい」
 僕は声を無視して、テレビを見ていた。祖母が応待した。
 芸能人が旅先で食い歩く番組は暇潰しにしかならなかったので、
数分経ってもまだ帰らない訪問客と祖母とのやりとりに耳を傾けた。
「ここらへんは○○(注:業者名)さんが多くて、なかなか取って貰えないんですよ」「そうですよねぇ……」
 どうやら、牛乳の宅配の売り込みのようだった。しかも、話のスジから察するに、祖母は契約してしまいそうだった。
 うちは誰も牛乳を飲まない。しかし、当時高校一年の僕には、話に割って入って断る勇気はなく、だんまりを決め込んだ。
 はたして祖母は、週に三回、二本ずつの契約をしたのであった。

――その日の夕食、
「母さん、困るよ。うちは牛乳誰も飲まないんだから」父が祖母に向かって一言言った。
「だって、引っ越してきたばかりって言うし、ここいらへんには○○ばっかりだから、
契約してくれない人が多いっていうじゃないか」祖母が返す。
「そんな話してるんじゃない、誰も飲まないものを買うなって言ってるんだ」
「だって、かわいそうだろう?」
「かわいそうでも、だ。そいつらも○○があることを知ってて来たんだからそれなりに覚悟してたんだろう?
それに、誰が飲むんだ。結局俺が処理しなきゃいけないんだろ」
「でも、」
 祖母は、時々感情的になり意固地になる癖がある。こうなると論理的な説明は効果がない。
 僕は心の中で父に同意しつつ味噌汁をすすりながら静観することにした。
 ちなみに、嫁である母もこういう時に口を出すことは出来ない。僕と同じく黙々と食事を続けていた。
 幾度かの応酬の後、「んだこといってねぇべ! あー、もう、勝手にしろ!」と父がキレた。
 祖母も黙った。不可侵条約が締結したようだった。その後一家四人の食卓は静かに進んだ。

 それから一ヶ月くらいは、祖母も毎日のように配達された牛乳を飲んだ。父の手前、意地もあったのだろう。
 僕もたまには飲んだ。僕も母も牛乳で腹を壊しやすい体質だったので、あまり飲めなかったのだ。
 それでも夏は飲む機会が増えた。しかし、秋が来てやがて冬になる頃には、僕や母だけでなく祖母も体にこたえるらしく、
牛乳をあまり飲めなくなっていた。供給量が消費量を上回って、冷蔵庫内を牛乳が圧迫していった。
193成長(2/3) ◆FVCHcev9K2 :2007/02/18(日) 08:24:45.24 ID:meW4uSSb0
 庭の梅の木に花が咲いていたある日曜日、台所に行くと父が牛乳の瓶を数本手にしていた。
「父ちゃん何してんの?」思わず声を掛けた。
「処理」簡潔だった。
 父の言う『処理』という響きには抵抗を覚えたが、冷蔵庫内の一画を占める牛乳には妥当な言葉だと思った。
 父は、賞味期限が切れていても「自分の鼻と舌とで確認してから飲め」という人だった。
 だからその時持っていた牛乳を、賞味期限の切れたものもかなりの量あったが、一つ一つ匂いを確かめていた。

 数時間後、夕飯のデザートに父が牛乳と寒天で作った牛乳寒が出た。あっさりとした味が美味かった。
 その時の父がどういう思いつきで寒天を作ったのかわからなかった。美味そうに食べていた父を見ると、
単に食べたかっただけかもしれないし、せっかく作られた牛乳を捨てるのはもったいないと思ったのかもしれない。
 しかし、加減を知らない父は明らかに作りすぎた。体積にして二リットルほどの牛乳寒が冷蔵庫行きになった。

 夕飯の後は風呂だ。この家で風呂を沸かすのは僕の仕事であり、今時分そんな家は珍しいだろうが、我が家はいまだ
ボイラーに薪をくべていた。湯舟に湯を張ってボイラー室で温度管理をしていると、風呂場から父の足音がした。
 一番風呂を貰うのは風呂を沸かす僕に対する褒賞みたいな部分があるのだが、
その日は僕より先に入っていたものがあった。先ほど父が入れたとおぼしき、大きな瓶に入った牛乳だった。
 次の日の朝、それはヨーグルトとして食卓に並んだ。皆スプーンですくって食べる。
 思ったより美味い。上品な酸味と、ピリピリとした食感が口に残る。同時に食べた父が言った。
 「あ、これ雑菌入ってるわ。ピリピリするもん」家族全員がスプーンを食卓に置いた。

 当時、僕は早起きだった。朝勉強すると効率がいい、という名目だったが、実際は深夜アニメを見たいがため
早寝をし、アニメを見た後、朝まで勉強するという感じだった。その際、幾度か牛乳配達を知らせる音が聞こえた。
 宅配用の箱に瓶を入れる際、瓶同士が当たる音が聞こえるのだ。かちゃからーん、という音が明け方の庭によく響いた。
「大変な職業なんだな」とは思っていたが、それ以上深く考えなかった。

 それから数ヶ月は平凡な日々が続いた。牛乳は冷蔵庫で余るもの、という位置づけになった。僕は飲まなかった。
 たまに寒天になったりヨーグルトになったりして大量消費されたが、そんな日々はある事件によって大きな転換期を迎えた。
 報道陣にもみくちゃにされたスーツ姿の男がテレビカメラに向かって叫んでいた。「私は寝てないんだよ!」

 2000年6月 某牛乳業者による集団食中毒事件が起きた。
194成長(3/3) ◆FVCHcev9K2 :2007/02/18(日) 08:25:13.26 ID:meW4uSSb0
 最初は近畿地方での食中毒だけだったが、関連した不祥事が数日の内に相次いで報道された。
「この食中毒って、うちで取ってる業者じゃない? 近畿はだいぶ遠いけど」テレビの前に揃った家族に話題をふった。
「そうだねぇ、牛乳は生ものだから食中毒もよく出るしねぇ」と祖母の感想。
「飲む前に匂い嗅げよな。しかし、こりゃこの企業は潰れるかも知れんぞ。関連株も暴落だな」と父。
「……」興味がないらしく小説を読み続ける母。皆、まるで他人事のようだった。事実、他人事だった。

 僕はその頃、牛乳を宅配用の箱から台所へ持って行く役目を担っていた。
 ある日牛乳と、一枚の紙切れが入っていた。不祥事に対する謝罪の文章だった。
 そして最後に、急で申し訳ないが今週一杯で牛乳の提供を止める、という旨が記されていた。

 ――目を通した瞬間、心臓が跳ね上がり血液が沸騰したようだった。弱者に対する義憤に駆られたとも言えた。
「なんで企業の一部が起こした不祥事で、遠く離れた場所の配達業者が被害を被るんだ!」思わず心の声が漏れた。
 確かにこの配達業者に罪はないだろう。しかし、企業に属した以上、メリットとデメリットがある。それは理解していた。
 今回はそのデメリットが重なっただけだ。しかも食中毒の被害者が僕の身近にいないからこんなことが言えるのだ。
 もし自分や家族が被害者だったら、そんな企業は潰れて当然、と言っているかもしれなかった。
 そこでふと、疑問が湧いた。僕は何故今更配達業者をかばう? それは簡単だ。今、事件の直接の被害者を知ったからだ。
 だが、彼らが売り込みに来た時も、牛乳が余った時も、配達の瞬間さえも僕は「自分とは関係ない」と黙ってきた。
 父のように「処理」という言葉を使いながらも牛乳をどうにかしようとしなかった。そんな僕が今だけは企業は悪だと非難するのか?
 そう思い至り、正義面している自分に腹が立った。これではいじめを見て見ぬふりしておきながらいじめっ子の陰口を叩いてるのと
変わらない。自分に出来る精一杯をしていれば、一本でも多く牛乳を飲む努力をしていれば糾弾は正当なものだ。
 しかし、僕は逃げていたじゃないか。僕には企業を糾弾する資格はない。いまや自責と後悔と怒りとが僕の胸中に渦巻いていた。

 週末、配達業者の夫婦が最後の集金をしに来た。窓からその様子を見ていた。
 何度も頭を下げていたのが印象的だった。良い人そうに見えたのは、謝罪文で情が移っていたからだろうか。
 多分、この夫婦は職を変えねばならないだろう。ここに来て一年強で転職なのか。解雇手当とか出るんだろうか。
 去って行く夫婦の後ろ姿を見た時、こんな人たちをこれ以上見たくない、と強く思った。
 だから将来、立場や職業がどうあれ、人を陥れない、誠実な人間になってやる。そう思った。その思いは青臭かった分、真剣だった。

 あれから丸6年以上経った。僕は、あの時思ったような人間になれたのだろうか。
 牛乳を見ると時たま当時を思い出し、我が身を振り返るのだった。 <了>
195愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 09:13:56.52 ID:meW4uSSb0
過疎ってんな。

ところで、選考外作品のまとめへの転載は今やって良いの?
それとも最後まで待ってから?
196愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 09:30:55.54 ID:RkV4DsjE0
もう選考外がでてるの?
うーん、まとめ掲示板だったら、できれば、だけど目を通していく上では最後がいいかも。
や、最終的にはまとめする人のやりやすい方でいいと思うけど。
197愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 09:32:27.86 ID:Wz6RVuhq0
今回は題材の難しさと人の多さに断念。
感想に回るぜ( ゚Д゚)y―┛~~
198愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 09:33:36.53 ID:i+6qpr6k0
縛りがきつかったわりには作品が多いじゃまいか
199愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 09:42:48.81 ID:i/6GX+Q6O
縛りがキツい回は例外なく参加者が増える
皆ロマンチストね
200愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 10:06:02.08 ID:K29puAyv0
>>199
マゾヒストの間違いだろー
201愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 10:48:30.41 ID:mHRYVRpd0
はじめて土曜に投下したけど、やっぱりそのほうが他の作品読む時間が一日増えていいわ
202愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 11:07:44.96 ID:mHRYVRpd0
つーか今回エロ多っ!w
203愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 11:15:09.43 ID:RkV4DsjE0
うーわー……
長編プロット中なのに、品評会用が降りてきた……
しゃーない。書くか。
204 ◆.ohXkT36yY :2007/02/18(日) 11:25:35.62 ID:nyNQ8tC40
品評会初参加。
投下します。
205ホットミルクの冷めない距離に(1/3) ◆.ohXkT36yY :2007/02/18(日) 11:26:28.77 ID:nyNQ8tC40
 牛乳を鍋に注ぎ、点火。
 コトコト火にかけ、焦げないようにかき混ぜる。
 砂糖はお好み、匂いを消すにはバニラエッセンスを少々。
 これでホットミルクの完成。寒い日はこれに限る。
 生活費にそれほど余裕のない私達は、こたつとこれで暖を取るのが習慣だった。

「えっと、あんたは蜂蜜入れるんだっけ?」
「んー、頼むわー」

 あいよー、と返事。
 この狭いアパートだ、台所にいても声は十分届く。
 どうも蜂蜜が結構入っているほうが好きらしいので、たっぷりと。

「う!」

 ……うん、これくらいなら大丈夫、これくらいなら。
206ホットミルクの冷めない距離に(2/3) ◆.ohXkT36yY :2007/02/18(日) 11:27:45.91 ID:nyNQ8tC40
「うん、美味い」

 大丈夫だった。
 自称辛党らしいが、私から見ればこいつは十分甘党だと思う。
 しかし同棲して二年くらいは経つが、ここまでとは思わなかった。

「なんだよ、欲しいなら自分のを飲め、さぁグイっと」
「私は猫舌なの、ちびちび飲むのが好きなの」

 この前は不覚を取った。
 まさか飲んでる最中にマグカップを持ち上げられるとは。
 おかげで、顔面白濁液だらけにされてしまった。
 もう私、お嫁にいけない。
「よし、これで俺のところに来るしかないな」
 そんな私に対し、こいつはいたずらっ子のような顔で微笑んで、そうほざいた。 
 まぁ、それはそれで結構嬉しかったので、十発は殴るところを、三発蹴っただけで許してあげた。
 
「大丈夫、もうしないから。いやマジで」
「ダチョウ倶楽部が好きな人間にそんなこと言われてもねぇ……」

 信じられませんから。
 お、なんかムッとしたみたいだ。

「よし分かった。俺の言うことは信じないんだな」
「結婚しよう、とか?」

 一瞬動きが止まった。まぁとにかく、と気まずそうに言う。

「ずーっとそばにいるよ。少なくとも、お前が作る、これがさめないくらいの距離にはな」
207ホットミルクの冷めない距離に(3/3) ◆.ohXkT36yY :2007/02/18(日) 11:28:39.43 ID:nyNQ8tC40
 足が熱い。
 じりじりじりじり足を焼く痛みに助けられ、私の意識は覚醒していく。
 夢と同じ部屋。コタツの中。上にはミルクが。
 そして、私は、一人だけ。

「……あー、夢ね」
 
 まだ向こうが現実のような感覚は残るが、次第に急速にそれが薄れていく。
 あぁ、アイツの夢は久しぶりに見たなぁ。
 夢でも会えて嬉しいなんて、私は一体いつの時代の女だ。
 今の時代、男に文句の一つでも言ってやれるのが女ってもんだ。

「私は、文句、いっぱいあるぞ。」

 全く、気まぐれで帰り道なんか変えんなよ。
 左右、よく見ろよ。
 あの車、酔っ払いが運転してんだぞ。
 マグカップが一つ、いらなくなっちゃったじゃないか。
 
 引越しを勧める人もいたが、私はまだここに住んでいる。
 辛いのはあいつがいないことだけで、思い出が辛いわけじゃないから。
 大丈夫と、最近ようやく言える。
 ようやく、本当に、頑張って。それでやっと、だ。
 こうやって、会えるときもあるのだけれど。

「遠いよねぇ。うん。遠いよねぇ」 

 手を伸ばし、カップを掴む。
 どうやら、牛乳は、冷めてしまったみたいだ。
208 ◆.ohXkT36yY :2007/02/18(日) 11:31:08.75 ID:nyNQ8tC40
よろしくお願いします。
緊張するなぁ。
209【品評会】 ◆9IieNe9xZI :2007/02/18(日) 11:36:20.43 ID:bueJU4+q0
投下します。三レスです。
210【品評会】昼間の決闘(1/3) ◆9IieNe9xZI :2007/02/18(日) 11:37:27.36 ID:bueJU4+q0
 とある街に一軒のバーがあった。
 そこはアメリカ西部の開拓に携わる者が集まって羽根を休める場所である。しかし時には例外も訪れた。
 ある日のこと、店の扉が開いて金髪の女が現れた。テンガロンハットにウエスタンブーツという男勝りな格好だ。
女がオーク材の床を踏み鳴らすたびに、腰のホルスターと大きなおっぱいが揺れた。
 真っ昼間からどんちゃん騒ぎをしていた荒くれ者たちは、彼女が店に入ってきたとたんに静まり返る。
「ミルク」
 カウンターで女が注文すると、店のマスターが急いでグラスに牛乳を注いだ。
 彼女はホルスタイン・メイジーという名で通っている。ホルスタインとはその巨大な胸からとられた異名である。
 一方、カウンターにはもう一人の人間がいた。それは浅黒い肌に美しい黒髪を持つ女だった。彼女もまた腰に銃をぶらさげている。
「メイジー、これ以上おっぱい大きくしてどうするのさ。ライフルでも隠すのかい」
 黒い髪の女が嘲るように言った。店中の男たちの額から汗が滴り落ちる。
 にらみ合う二人の女は名うての悪党。
「何や牛臭いと思ったら、やっぱりモリーだったんかいな。あんたも外のやつも、ちゃんと風呂に入らんとあかんで」
 メイジーの挑発にモリーン・ナーガが歯ぎしりをした。ぎりり、という嫌な音が響く。
「私はともかく、花子を馬鹿にすると許さないよ」
 店の外に一頭の牛がつながれていた。名前は花子・セカンド、モリーの愛牛である。花子・セカンドは彼女の親が残した
唯一の遺産だった。その牛をどんな時も連れて歩くことから、彼女はホルスタイン・モリーと呼ばれている。
 ここにホルスタインの名を賭けて争う二人のガンマンがいた。
「あんた、ミルク飲み放題なのに胸はまな板のままやな。ええなぁ、銃が撃ちやすいやろ」
 そこでテーブル席にいた男が出口に向かって走り出した。銃声が響き、扉に二つの覗き穴が現れる。
 逃げ出そうとした男は腰を抜かして床に座り込んだ。
 煙の筋が二本揺れている。メイジーとモリーの手には銃が握られていた。
「ええかあんたら、これから決闘を始めるからしっかり立ち会うんやで」
 男たちの顔から血の気がひいた。
「方法はどうするんだい」
「そうやなあ、今日は……」
 メイジーがカウンターの上のグラスを見て、名案を思いつく。
 壁際にバーの客が五人並べられた。全員、頭の上に牛乳の入ったグラスを乗せている。彼らは震えながら立っていた。
他の客は店の反対側に避難している。
「ルールは簡単や。二人で順番にあのグラスを撃って先に外した方が負け。白い色は狙いやすいから、やっぱ牛乳やろ?」
211【品評会】昼間の決闘(2/3) ◆9IieNe9xZI :2007/02/18(日) 11:38:10.39 ID:bueJU4+q0
「かと言って、あまり簡単でもつまらないね」
「そこで小刻みに揺れる台や」
「なるほど」
 二人が話していると、真ん中の男がグラスを頭から落とした。
 銃声の後、男の顔を挟んで壁に二つの穴が同時に開く。
 彼は白目をむいた。壁に寄りかかり、ずるずると腰を落とす。失神しているようだ。下がっていく頭を追いかけて、
次々と壁に穴が開けられていく。さらに、かちかちと銃を空撃ちする音が続いた。
「落としたら承知せんからな!」
 メイジーが咆える。男たちはひいい、と声をもらした。
 こうしてサドンデス形式の決闘が始められたのである。
 ホルスタインの別名を持つ二人の女は、バーの中心に少し離れて立った。
「ただ撃つだけじゃ勝負はつかないよ。こういうのはどう」
 モリーがいったん後ろを向いてから、振り向きざまに銃を撃った。
 左端の男の上でグラスがはじける。彼のまつ毛とヒゲが雪に降られたように白く染まった。
「なかなかおもろい、でもまだ甘いわ」
 メイジーも後ろ向きになる。どうするのか皆が注目していると彼女は真上に銃を放り投げた。天井すれすれまで昇って
落ちてくるそれを、メイジーは振り向きながら受け取って、その瞬間鉛の弾を放った。
 左から二番目のグラスが砕け、中身をぶちまける。
「当たるとはラッキーだったね」
「これ位で驚くなんて、がっかりやな」
「そうかいそうかい。じゃあお詫びといっちゃ何だけど」
 モリーはテンガロンハットを深くかぶり、目隠しをしたまま銃口の狙いを定めた。神様仏様、と誰かがぼそりとつぶやく。
 しかし轟音が響くと、三つ目のグラスは見事に割れていた。床に倒れている男のグラスを含めるとこれで四つだ。
 モリーは帽子を人差し指で上げると、メイジーを見てにやりと笑った。
「そう来るか。そんならあたしはこうや」
 メイジーが外に出て、牛を連れてきた。
「ちょっと何してんの!」
 モリーが怒鳴る。連れてこられたのは花子・セカンドだった。
「まあ落ち着き。よーく見てるんやで」
 メイジーは牛の背中にまたがった。
212【品評会】昼間の決闘(3/3) ◆9IieNe9xZI :2007/02/18(日) 11:39:08.76 ID:bueJU4+q0
「降りろこの馬鹿!」
「せっかちさんやな。ちょっと待ってや」
「断る」
 モリーは銃を向けた。
「ほほう、それでどうする気や」
「こうするのさ」
 モリーが親指で撃鉄を起こす。メイジーは牛の上から彼女を見下ろしている。
「あたしは降りへんで?」
「なら、あの世で花子の母さんに土下座してきな」 
 モリーは引き金をひいた。
 爆音とともにメイジーが牛から転げ落ちる。そしてむくりと起き上がった彼女は親指を立て、顔の横で後ろを指した。
 右端のグラスが割れていた。
「ちょっと待ちなよ。今のは私が撃ったんじゃないか」
「あんたは撃ったんやない。撃たされたんや」
 メイジーは静かに首を振った。その顔は得意げだ。
「おっと、もうグラスが無いやんけ。マスター、じゃんじゃん追加持ってきて!」
 その時バーの扉が開いて一人の男が入ってきた。胸で金色のバッジを光らせている。
「マーク保安官」
 それまでカウンターの下に避難していたマスターが言った。メイジーとモリーは舌打ちしながら背中に銃を隠す。
 騒ぎを聞きつけてやって来たマーク・スノウ保安官は、バーに広がる光景を眺めて呆然とした。
 店の中に牛。牛乳を頭からかぶって並ぶ男たち。床にはグラスの破片が散らばり、人が倒れている。
「いったい何があったんだ」
 すると今まで床に倒れていた男が立ち上がった。テーブルにぶつかりながらふらふら歩き出し、保安官の所まで
たどり着くと脚にすがりついた。
「助けてください。あいつらに殺される」
 彼は悪魔に向けて指をさす。保安官が二人を睨んだ。
 バーは静まり、こっそり撃鉄を起こす音が二つ、かちりと。
 それを見たマスターは、これ以上店で暴れてほしくないので慌てて言った。
「当店ではただ今牛乳フェスティバルをやってまして、彼女たちはイメージガールです。保安官も、死ぬほど美味しい
絞りたての牛乳はいかがですか?」
213 ◆9IieNe9xZI :2007/02/18(日) 11:40:11.98 ID:bueJU4+q0
以上です。お願いします。
214愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 11:51:26.54 ID:meW4uSSb0
ここまでまとめに転載してみた。

現在25作
215愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 11:58:21.75 ID:8L5TFcxa0
既に25とかすげーなw
216愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 12:09:43.10 ID:nyNQ8tC40
>>205->>207
しまった、これも作中で人が死んでることになるかな?
217愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 12:14:25.36 ID:Qu3ldTcu0
>>216
死んでないって言い張れば良いんじゃないかなぁ
218愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 12:17:26.33 ID:JhdS9znj0
品評会一行目に漢字間違いがあるんだよね。もう投下しちゃったんだよ。

何で推敲した時に気付かんかなあ
219愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 12:19:35.04 ID:RkV4DsjE0
>>216
きわどい所来たねwww
おいらは別にいんじゃないかと思うけど?
もしくは、
「植物状態で面会謝絶で会えない、なんです!」
「事故の後に別れました」
っていう感じか。

>>218
プリントアウトすると良いらしいね。
あと音読とか。
220愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 12:27:45.38 ID:JhdS9znj0
もう音読とか馬鹿に出来ないな
221愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 12:29:51.48 ID:nyNQ8tC40
>>217
>>219
ありがとう。
うーん、解釈次第でいけるかw
222愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 12:59:05.97 ID:gGCxt53a0
:::::::::::.: .:. . ∧_∧ . . . .: ::::::::
:::::::: :.: . . /彡ミ゛ヽ;)ヽ、. ::: : ::   あと2行が削れない
::::::: :.: . . / :::/:: ヽ、ヽ、i . .:: :.: :::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ヽ、_ノ
223愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 12:59:54.68 ID:sLKIqk8w0
:::::::::::.: .:. . ∧_∧ . . . .: ::::::::
:::::::: :.: . . /彡ミ゛ヽ;)ヽ、. ::: : ::   タイトル考え始めて早1時間
::::::: :.: . . / :::/:: ヽ、ヽ、i . .:: :.: :::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ヽ、_ノ
224 ◆2LnoVeLzqY :2007/02/18(日) 13:03:01.84 ID:vkuS9gxn0
:::::::::::.: .:. . ∧_∧ . . . .: ::::::::
:::::::: :.: . . /彡ミ゛ヽ;)ヽ、. ::: : ::   タイトル考え始めて早1時間
::::::: :.: . . / :::/:: ヽ、ヽ、i . .:: :.: :::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ヽ、_ノ
225愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 13:03:19.49 ID:vkuS9gxn0
ちょwwwwwみすったwwwwwwwwww書き込む押しちゃったwwwwwwwww
226愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 13:03:50.36 ID:vkuS9gxn0
これだからコピペいじりは……orz
227愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 13:05:38.02 ID:JhdS9znj0
俺は四分で考える。
思いつかなかったらださくってもいい。
228愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 13:08:33.22 ID:mHRYVRpd0
俺は思いつかなかったらなにかのパロディかな
229愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 13:13:10.11 ID:gGCxt53a0
仮題はつけることはあるけど、俺は先に決めるとろくなことにならないので最後につける
230愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 13:42:44.55 ID:ExuUO58hO
たぶん過疎だから保守
231愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 13:51:08.16 ID:4Pvx3Gg50
題は本文書いてる途中に「こういう題にするかー」って思いつくから0秒。
232愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:00:58.10 ID:RkV4DsjE0
>>224
どう?そろそろ決まった?www
233愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:01:26.32 ID:8L5TFcxa0
思いつくときはスーッと出てくるんだけど、思いつかないときは何にも出てこない。
前にパロディにしたら「ネタ臭がする」とか言われたしorz
234愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:02:16.87 ID:JhdS9znj0
パロディはあんまり良くないと思うよ。ぶっちゃけ。
235愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:08:15.17 ID:lu7+BBlMO
アア、よく寝た。

おはよう。諸君。
236愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:08:25.04 ID:vOE96+ct0
猫の恩返しを見て
「あ〜、ジュブナイルいいなぁ」と思ってしまった俺はまちがいなく影響を受けやすい
237愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:09:11.42 ID:V/w/K0n20
今回はひぐらしアニメのせいで俺終了。
まぁ、今回参加作品多いしな……
238愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:09:40.70 ID:vkuS9gxn0
>>232
ヒント:俺はもう投下済み
239愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:10:42.30 ID:RkV4DsjE0
>>238
や、てっきり二作目かとwww
240愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:13:43.33 ID:RkV4DsjE0
今ふとおもったんだけど、これで今夜カオスが無かったら、
なんて運営の方々に優しいBNSKer。
241愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:14:21.01 ID:vkuS9gxn0
>>240
ヒント:予想は裏切られるからこその予想
242愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:15:03.49 ID:Ezb4a4TL0
予想は裏切っても期待を裏切らないのが一流
243愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:15:38.96 ID:mHRYVRpd0
>>240
カオス常連の俺が早めに投下できたんだ。
もしかしたらホントにそうなるかもしれんな。
244愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:20:27.94 ID:8L5TFcxa0
これが三レス効果か…!
245愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:29:14.47 ID:gGCxt53a0
:::::::::::.: .:. . ∧_∧ . . . .: ::::::::
:::::::: :.: . . /彡ミ゛ヽ;)ヽ、. ::: : ::   あと1行が削れない
::::::: :.: . . / :::/:: ヽ、ヽ、i . .:: :.: :::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ヽ、_ノ
246愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:34:25.85 ID:JhdS9znj0
思い切って会話を一つ削ってしまへ
247愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:37:59.47 ID:vkuS9gxn0
思い切って全部消してしまへ
248愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:39:09.35 ID:vOE96+ct0
思い切って部屋から出てしまえ
249愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:40:38.66 ID:mHRYVRpd0
思い切って抜いてから冷静になって考えろ
250愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 14:47:01.11 ID:j+zzR39T0
>>249
死亡フラグ
251愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 15:02:04.48 ID:8L5TFcxa0
>>245
まあ、よくあることだw
252愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 15:24:53.48 ID:K29puAyv0
お題↓
253愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 15:26:24.63 ID:JhdS9znj0
残骸
254愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 15:29:48.28 ID:K29puAyv0
>>253
把握
255愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 15:43:42.47 ID:j+zzR39T0
加速
256愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:00:39.60 ID:vOE96+ct0
保守

ジュブナイルいいなぁ。
ラノベは受けるキャラや設定を考えるのが難しいが
こっちはすんなり発想が思いつく。
257愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:04:54.76 ID:RkV4DsjE0
よくわからないけど、最近ジュブナイルの棚を通りかかると、
表紙絵とかが、ラノベっぽくなってたりすると思うんだけど、
内容的にはやっぱり別物なん?
258愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:06:27.73 ID:58jUFqfg0
                 /\___/ヽ
                /'''運 営'     \ か、カオスが無さそうだと!?
  i´`Y´`Y`ヽ(⌒)    /  (●),     ''''''\
  ヽ_人_.人_ノ `~ヽ  ./      ノ(、_, )ヽ (●) .|
    \___    \ |.      / ̄〉     .|
           \_ 〉 \    /ー-〈  (⌒) ./
                 .   `ニニ´ ノ  Y`Y´`Yヽ
                     (´ ̄   .i__人_人_ノ
                      ` ̄ヽ      /
                         ` ̄ ̄ ̄´
259愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:09:12.04 ID:CZm7hWB+0
カオス? 何がカオスだ。俺がカオスを作るのだ。
260 ◆D7Aqr.apsM :2007/02/18(日) 16:16:23.69 ID:RkV4DsjE0
「カオスレスな日曜日」なんて、お題に使えそうだなあw


じゃ、協力して品評会作品投下します。
261現実はミルクの湯気の向こうに。 1/3  ◆D7Aqr.apsM :2007/02/18(日) 16:19:02.84 ID:RkV4DsjE0
 誰もが他人には見せない顔を持っている。そして、その顔こそが本当のその人
なのかもしれない。そんなことを思ったのは四日前。駅に止まる電車から、雨の中を
一人、傘もささずに歩く絵美さんを見かけた時だった。冬の雨にぬれながら歩く彼女の
顔は、凍り付いたようにこわばっていた。
 絵美さんは、あたしが通っている英会話教室の先生。親曰く、遠縁の親戚にあたる
のだそうだ。長いストレートの髪と、日本人離れした白い肌をしていて、美人の部類に
はいると思う。なのに、かなりのいたずら好きで……年下の人間が言う事じゃあない
けれど、可愛らしい、という言葉が似合う。高校三年にもなって、あたしが受験には
あまり関係の無い英会話教室に通い続けているのは、彼女に会うためというのも
多分にあるのだと思う。何となく落ち着くのだ。絵美さんと一緒にいると。
 その絵美さんは、今、ベッドに弱々しく横たわっていた。
 寝乱れた髪と、辛そうに顰められた眉。額に手を当てると、体温計なんかいらない
くらいはっきりと熱い。

「絵美さん、しっかりしてください! もう! 昨日来たときに様子がおかしかったから
きてみたら……。大丈夫ですか? ドア開きっぱなしだったんですよ?」
 驚かさないように、小声で声をかける。絵美さんは家の居間をカフェのように改造して、
教室として使っていた。前に大雪で帰れなくなったときに泊めてもらったことのある
寝室には、ベッドと作りつけのクローゼット、とオイルヒーターくらいしかない。
さっきスイッチを入れたヒータが軽い金属音を立てながらゆっくりと部屋を暖めはじめていた。
「ん……。あ、香織ちゃん。わざわざ来てくれたの? 大丈夫ただの風邪……」
 辛そうに、かすれた声で絵美さんがつぶやく。目の焦点が合ってない。
「ただの、って。すごい熱ですよ? 薬とか飲んでます?」
「人間にはね、治癒力ってものがあってね……」
「飲んでませんね? もう! すぐ持ってきまから。待っててください」
 はだけていた肩口布団をかけ直すと、あたしはキッチンへ向かった。勝手知ったる
なんとやら。冷蔵庫から牛乳を取り出し、ミルクパンに入れて暖める。あたし自身が風邪を
ひいた時によくやる手。ついでにぬらしたタオルを五本、固く絞って
レンジへ放り込んだ。さっき肩に手をかけたとき、ずいぶん寝汗をかいていたから。
 できあがったミルクとタオルを持って、あたしは寝室へ急いだ。
262現実はミルクの湯気の向こうに。 2/3  ◆D7Aqr.apsM :2007/02/18(日) 16:19:40.97 ID:RkV4DsjE0
「牛乳嫌ぁい。水と薬だけでいい」
 絵美さんは子供が駄々をこねるように首を振った。
「砂糖いれてあるから飲みやすいですよ? それとも、ココアがいいですか?」
「甘いのはだめ……ごめんね」
 普段甘い物好きで、ココアが好物の絵美さんが、こんな事を言うのは珍しかった。
思い返せば、昨日もクッキーや甘いものは食べていなかった様に思う。
「うん、じゃあ先に体を拭きましょう。いいですか? 着替え取ってきますね」
 小さく頷きながら、絵美さんはゆっくりと体を起こした。タオルが入ったボウルを渡す。
クローゼットの中の引き出しから着替えを取り出して振り返ると、絵美さんはパジャマを
脱いで、ゆっくりと体を拭いている所だった。長い髪と背中が見える。
 息をのんだ。
 首筋から背中にかけて、大きな傷跡が長い髪の間から見えた。気配に気づいた
のだろうか、絵美さんが振り返る。
「……ん? あー。知らなかったっけ? ちょっと昔にね。ドジ踏んで」
「今はもう、いいんですか?」
「傷はね。――失った仲間達は帰らないけれど」
 そういった絵美さんの背中に、雨の中で濡れていた時の顔が重なる。
「絵美さ――」
「なんてね! なんてね! ちょっと格好良かった? ね、どう?」
 Tシャツを被って、彼女は笑って見せた。でも、その笑顔はとても寂しげで。
「絵美さん」
「はい?」
「あの、何かあったんですよね? あれだけ好きだったココアも飲まないし……。あの、
良くはわからないですけど。あまり自分を責めちゃ――ダメな事もありますよ?」
 最後の方は、少し涙声になってしまった。多分、あたしの言葉は、この人のつらさには
届かない。それはわかっていた。
「そうだね。うん。そういってもらえると、ちょっと救われるかな。――なんかお母さん
みたいだなあ。香織ちゃん」
「こんな年の娘を持った覚えはありません」
 絵美さんは、あたしにそうっと寄りかかると、「そうだね」と言って少しだけ泣いた。
263現実はミルクの湯気の向こうに。 3/3  ◆D7Aqr.apsM :2007/02/18(日) 16:20:11.97 ID:RkV4DsjE0
 しばらくして、あたしはぽん、と絵美さんの肩を叩いた。
「と、いうわけで。ミルクを飲んじゃいましょう。ね?」
「えー? 良い雰囲気なのに。仕方ないな。何か食べればいいんでしょう?」
 絵美さんはベッド脇のサイドテーブルから、小さな箱を取り出した。
「チョコレート。ね? これでいいでしょ? 一緒に食べよう?」
 差し出された薄いチョコレートは一口サイズに包装されていた。黒地に金の騎士のマーク。
絵美さんは、ぱくん、と一つ、自分の口に放り込んでから、もう一つを剥いてあたしの
口元に差し出してきた。どっちがお母さんみたいなんだか。と、思いながら食べさせてもらう。
 絵美さんの口角がきゅいっとつり上がる。いたずらをするときの顔。
 なめらかな舌触り。風味も……でも、何か――!
「なんですかこれ! チョコなのに全然甘く……っていうか、ちょっと塩辛いですよ!」
 あたしは口に入れたチョコレートを吐き出すこともできずに、そのまま叫んだ。
 絵美さんはえへへーと笑っている。
「ヴェルノシチ カチェストヴゥ社謹製、カカオ九十九パーセントのチョコレートだよん。
ちなみに、残りの一パーセントは食塩と香料ね?」
 巻き舌の発音を無視してパッケージを奪い取ってみると、キリル文字が躍っていた。
「こんなのあり得ないですよ! 苦いだけなんて!」
「見た目に甘くても、実際は苦い。ね、現実っぽいでしょ?」
 絵美さんは信じられないことにもう一枚を口に含んで、にっこりと笑って見せた。
 そして、置かれていたミルクをゆっくりと飲む。
「うん、でも、少し甘い現実も良いのかも。……ありがとうね、香織ちゃん」
 そんな感謝のされ方したくない。というか、この仕打ちはいったい。
「ミルク、半分残してるけど、いる? 甘いよ?」
 掲げられたマグカップを横目で睨みながら、あたしは首を振った。
「いいから、全部飲んでください。それから、薬です」
 あたしは薬と水を差し出す。
 ちぇっ、とかなんとか言いながらミルクを飲み干す絵美さんは、可愛らしく見えた。
 彼女の背負っているものや見てきたものは、この先もあたしにわかることはない
のかも知れない。でも。できるかぎり、あたしは彼女にホットミルクを作り続けようと思う。
 苦さと甘さが半分半分。それくらいが丁度いい。
264 ◆D7Aqr.apsM :2007/02/18(日) 16:21:19.77 ID:RkV4DsjE0
現実はミルクの湯気の向こうに。 <了>

ってな感じで。

さーて。読みに回りますか……
265愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:27:10.23 ID:vOE96+ct0
>>257
10代を主な読者層としている文学ジャンルには他にも児童文学があるが、
ライトノベルと異なるのは、健全な世界観のもとに構築される作品が多い点や、
読み手の対象年齢を考慮した上での教育的な性格が強い点である。
出展:Wikipediaのライトノベルから

ジュブナイルは一応、児童文学の括りに属するけれど
それより少し年齢層の高い10代の中高生を対象にしたヤング・アダルト文学らしい。
266愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:32:25.93 ID:RkV4DsjE0
>>265
ああ、そう考えると、ラノベって大分不健全な世界なんだなあ。
まあ、確かにそうだわな。

ふーん、ジュブナイル。ちょっと読んでみる。さんきゅー
267愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:33:59.50 ID:JhdS9znj0
今お主オーフェンが不健全と申したか?
まあおしおき水は不健全かもな

つうか不健全って言い方はなんかおかしいと思うんだがどうか
268 ◆nzzYI8KT2w :2007/02/18(日) 16:37:31.24 ID:5jQlfogG0
品評会用のができたので、投下します。
269愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:37:36.80 ID:RkV4DsjE0
不健全……そうだねえ。なんといおう。
モラル等に関して許される表現領域が広い?
とか、かな?
健全でもいいんだけど、多少インモラルでも許される、
みたいに幅がある感じ。
270モンスターズ1/3 ◆nzzYI8KT2w :2007/02/18(日) 16:38:46.08 ID:5jQlfogG0
「えらいこっちゃ〜!」
窓から誰か飛び込んできた。黒いマントをなびかせ、ほりの深い顔をしている。吸血鬼である。名前をダラゴンという。
「どうした、ダラゴン」
「えらい事になってもうてん!」
「だから、どうしたんだって」
 こいつはいつもこうだ。パニックになると肝心な事を言わない。というか、主語を使わ
なくなる。そしてこいつは人の事を考えない。俺は農作業をしながら生活していて、今日
だって疲れて戻って来た。それなのに、こいつはそんな事お構い無しだ。
「わ、わしの牛乳が切れてしもうてん!」
 思わず、溜息をつきたくなる。この男、吸血鬼のなのだが、血を吸わない。代わりに牛乳を吸う、というより飲む。
「それを言われて俺にどうしろってんだよ」
「お前、牛乳持ってないか?」
「ああ、ちょっと待ってろ」
 俺は冷蔵庫をさぐると牛乳を一杯出してやった。
「おお、ありがとう。」
271モンスターズ2/3 ◆nzzYI8KT2w :2007/02/18(日) 16:39:49.69 ID:5jQlfogG0
ダラゴンはコップを掴むと、一気に飲んでいる。うん、とてもじゃないが、吸血鬼には見えないな。
「プハ〜、上手いな〜」
「完全におっさんだな、ダラゴン。」
 どうやら、この言葉が気に入らなかったようで、俺を睨みつけてくる。
「お前、誰に言うとんねん!わしは高貴な吸血鬼様やぞ!」
「……高貴な吸血鬼様なら血を飲めよ」
「う、うるさいわ!」
「てか、お前はなんで吸血鬼なのに、牛乳飲んでるだ?」
「べ、別にええやろうが。それにな、牛乳は元々血液やねん。まったく問題は無い。」
 なぜか、自慢気味に言っている。こいつの自信はいったいどこから沸いて来るんだ?
「でも、人間の血じゃないだろ?」
「あ、そ、それはしょうがないやろ!人間の血吸ってみろ。そいつ等を家来にせなあかん。そんな事したら、わしゃ破産や」
「貴族が破産すんなよ」
「五月蝿い!それにな、お前だって狼男やのに野菜育て取るやんけ!」
「う」
 痛い所を突かれた。俺は狼男。しかし、生まれてこの方肉を食った事は無い。
親とかは勧めてくれるのだが、どうも食えない。なんだか自分を食ってる気分になってくる。
「そ、それは言わなくてもいいだろ!」
「何やねん、お前から言ってきたんやろが!」
「なんだと!」
「何やねん!」
 睨みあう俺達。にらみ合いに挟まれてる牛乳。
272モンスターズ3/3 ◆nzzYI8KT2w :2007/02/18(日) 16:40:16.88 ID:5jQlfogG0
「はぁ。」
ダラゴンが間抜けな声を出すとその場あるイスに座り込んだ。
「やめや、やめ。こんな事しても疲れるだけや。」
「それもそうだな」
自分で口がニヤリと笑うのが解った。そして、台所から、コップと牛乳を持ってくるとダラゴンのコップと俺のコップの注いだ。
「ま、変人の化け物同士、仲良くしていこうぜ」
「そやな」
二人一緒に牛乳を飲み始める。
俺達は変人の化け物。化け物だから人間から怖がられる。変人だから化け物から馬鹿にされる。だが、俺には仲間がいる。
「何、人の顔見て笑ってんねん。」
「別に」
 牛乳好きな変な吸血鬼。牛乳が家にある限り、俺は楽しく生きて行けそうだ。
273 ◆nzzYI8KT2w :2007/02/18(日) 16:41:26.65 ID:5jQlfogG0
モンスターズ(終)


牛乳って結構難しかった。
274愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:43:27.90 ID:JhdS9znj0
>>269
いやいや、なんかこう、現実離れした空想って言うかファンタジーっていうか。
現実をベースにした舞台でもどこかしらファンタジーなのがライトノベルだろ?
そのファンタジー求めて最近の中学生はライトノベル買ってんだから。
ライトノベルとジュブナイルの境目が分からないのはアレだ。最近の電撃の所業を見てると分かる。
購買層を広げる為にハードカバー出したり急に青春小説書かせようとしたり大賞作品売る為に急に解説つけたり。
俺あの解説で塩の街の人見限っちゃいそうになったよ。
275愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:45:19.92 ID:RkV4DsjE0
>>273
◆nzzYI8KT2w氏、割り込み申し訳なかったです。
276愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:48:12.69 ID:RkV4DsjE0
>>274
ああ、ライトのベルがジュブナイルに浸食しはじめてる/しようとしている
ってな感じなのかな。
277愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:51:32.41 ID:JhdS9znj0
スニーカーは知らんが富士見はちゃんとライトノベルの範囲を守ってる。こっちはある意味買って安心だな。
電撃が一番ヴァーリトゥードだから注意するように、と。
278愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 16:55:46.20 ID:RkV4DsjE0
電撃かー。そういうのは今まで当たったことが無かったなあ。
……意識してないだけかもね。
さんきゅー
279 ◆nzzYI8KT2w :2007/02/18(日) 16:59:08.29 ID:5jQlfogG0
>>275
いえ、お気になさらずに
280ダ デ ィ ◆dadlYysdLw :2007/02/18(日) 16:59:43.75 ID:1m7/49ulO
     /\___/ヽ
    /''''''   '''''':::::::\
   . |(●),   、(●)、.:| +    
   |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|    +
.    |   `-=ニ=- ' .:::::::| +,,; ,       
    \  `ニニ´  .:::::/(,;'";,"`;,;`;;、 
      / `- 、  /|ヽ  | ̄ ̄ ̄|,; 
    /  \  介 ノ \ ||'゚。 "o ||ー、
   / ヽ、  \| |/    || o゚。 ゚||ニ、i
   /   ヽ       ヽ ||。_0_o_||ー_ノ\ 
  l     ヽ        |___|`-'_

うめぇ乾杯しないかね
281お返しは唇で ◆twn/e0lews :2007/02/18(日) 17:00:48.63 ID:GomGsqEz0
品評会行きます
282お返しは唇で ◆twn/e0lews :2007/02/18(日) 17:01:08.88 ID:GomGsqEz0
 意識は旋律に溶け、手が鍵盤を踊る。そういう時は決まって、視界にホットミルクを飲む男が映っている。
日常と言えるまでに慣れきった世界で、しかし冷静に考えると妙なのはここがバーであると言う事。
ここ二年間、一営業日として休むことなく通い続けている彼は、ホットミルク以外の物を飲まない。
 いや、正確に言えば一度だけ、スコッチをロックで飲んだ事もある。
それは二年前、彼が一番最初にこの店に来た時であり、同時に、このバーのピアノ奏者に
――彼曰く『一目惚れ』して――初めて告白した時でもある。
結果は惨敗、必死に食い下がる彼に、面倒臭くなった女が理由として口にした、
『酒臭い男が嫌い』なんてのを本気にとったかどうかは知らないが、
以降、彼がホットミルク以外の物を飲んでいるのを見た事は無い。

 一時間のステージは気が付けば終了、お客さんから拍手を貰って、軽くお辞儀を。
立ち上がり、ピアノから離れようとする私に、彼は今日もやってくる。
常連しか来ない店、中には逐一彼の告白と私の返答をメモする人間までいて、最早一つのショーと言って良い。
「薬指のサイズ、教えて?」
「ん……雨降ってないから駄目」
 遡れば、同じようなやりとりを何百としているはずだ。

 店仕舞いの最中、マスターが、明日で丁度五百回目だ、と言った。
「数えてたの?」
 二年前から今まで、まさか逐一数えているとは思わない。
「毎日ホットミルクはインパクト強かったし。で、気が付けば習慣になってた」
 言いながら、マスターは奥に引っ込んだ。
何を飲む、と聞かれたのでジントニックを頼み、その間にもテーブルを一つ一つ拭いて周る。
一通りの作業を終え、カウンターに腰を掛けた所で丁度マスターも戻って来た。渡されたのは、カップだった。
「ご注文はホットミルクだったよね?」
 苦笑しながら、けれどカップは受け取る。口を付けると、温かかった。
「恋人にしか見えないけどなあ、傍から見てると。今日だって、アイツの周りで遊んでて。
客は喜んでるけど、お前一応ウチの店員なんだよ?」
「アイドルだから、みんなに愛されてるの。良かったじゃない、こんな子雇えて」
「今のままでも良いけど。タイミング逃すと、後悔するよ?」
283お返しは唇で ◆twn/e0lews :2007/02/18(日) 17:01:50.82 ID:GomGsqEz0
「それは、ヤだな」
「やっぱ好きなんじゃん」
 サラっとマスターは言うけれど、ここまで来ると尚更、好きだなんて、とても言えない。
返答代わりに小さく肩を竦めてから、カップに口を付ける。
ほんのり香る甘臭さは、口に入れると柔らかくて、とても幸せな味だと思う。
「それな……アイツのカップ洗ってないヤツ。間接キスがそんなに幸せ?」
 突然そんな事を言われて、ホットミルクが口から吹き出た。
「小学生じゃないんだからさあ。それに、衛生的に問題あるでしょ、店として」
「いや、幸せそうな顔してたから、つい。どう見ても恋する乙女って感じ」
 言われた瞬間、急激に頬が火照った。二十半ばで未だ子供、情けない。
「間接よりも直接の方が、もっと幸せなんじゃない?」
 なおも続けるマスターに、もう笑うしかなくて。
 そう、その時に、何となく、本当に何となく、素直になろうと思った。
「ねえ、マスター。明日のホットミルク、特別甘くできる?」
「良いけど、どうして?」
「甘くないよりも甘い方が、もっと幸せでしょ?」
「メープルシロップ、入れとくよ」
 有難うと言った私に、明日は全品無料にしようか、なんてマスターは言った。




 ふと、視界に虹がかかって、それは窓から降ってきた夕陽のせいだ。
我に返り、壁掛け時計に目をやると、随分と経っていた。気を入れ直し、鏡に向かう。
いつもはファンデーションも塗らない癖に、今日は薄くだけど、アイシャドウまで引いてある。
昔のコンクールで着たドレスなんて引っ張り出して、挙げ句サテンの白地だから、
頭のどこかでウエディングドレスみたいだ、なんて考えている。
調子乗りすぎの自分を少々腹立たしくも感じ、けれどやはり、どうしようもなく嬉しい。
最後に一つ、鏡に向けて微笑んで、自分の可愛さに胸キュン一つ。
ボロアパートに鍵を掛け、向かうは職場のピアノバー。
284愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:02:00.81 ID:JhdS9znj0
手広いのが電撃だな。
んで一番作家の面倒見がいいのも電撃。
一昨年の電撃大賞の長谷川なんかインタビューで作品中のセックスについて語った挙句、
色んな所でライトノベルより純文学のほうが偉い、俺は純文学をやるはずだったーみたいな事を言った挙句
編集部に「純文学とかライトノベルとかどうでもいいから面白い続編書いてね?」って言われて尚且つまだ作家やってる。
次回作がどうなるかわからないけど。最新作のサインとか主人公が下衆だったけど。
なんか富士見は売れない作家を切るのが早いと聞いた。
285お返しは唇で ◆twn/e0lews :2007/02/18(日) 17:02:10.89 ID:GomGsqEz0
 マスターは私の格好を見てまず笑い、今日の全品無料を本当に決めたらしい。
開店時間が近付き、ややフライング気味に顔を出した一人から情報は広まって、
来る客みんなが片手に花束、小さな店は良いものだ。
 酒を片手に彼を待つ、ちょっとした騒ぎを余所に、私は一人ピアノに向かう。
今日の曲はアレで行こうかなんて考えて、頭の中で譜をなぞる。
アンダンティーノ、緩やかなシンコペーションに始まる。
メゾフォルテからデクレッシェンド、甘く、柔らかに、ドルチェ――。
愛する人に贈るには、この上ない曲だろう。そんな事を思った、正にその時、扉が開いた。
 入り口に立ったままの彼と、視線が交わる。突如響いた歓声と共に、皆が彼を指定席へと連れてくる。
私の格好を見て呆ける彼に、マスターが特別製のホットミルクを差し出して。
何か言いたそうなのは解っていたけれど、私はずるい微笑みで返した。

 瞳を向ければ、そこには彼が。ばれないように、深呼吸。
 Salut d’amour。特別製のメープルミルクなんかより、ずっとずっと、甘い甘いこの曲を、アナタの為に奏でてあげる。
音楽は殆ど知らないから、きっとこの曲の意味も知らないんだろうけど、本当はとっても意味があることなのよ? 
だって、五百回も振った男に、本当は好きです、なんて言えないもの。
ああでも、そんなこと、気付かなくて良いの。
アナタはただ、いつもよりも甘いホットミルクを飲みながら、この曲を聴いてから、いつも通りに告白を。
そうしたら、私は瞳を閉じるから。その時は、ね?

 曲が終わって、もう私は立ち上がる。一曲弾ければ十分過ぎる、それに何より待ちきれない。
ソファになんて座ってないで、ほら、立って。良い曲でしょう?
 だからほら、ダーリン・ダーリンお返しを、何より甘いその唇で――触れた瞬間ミルク味。
                
                       了
286愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:02:47.51 ID:GomGsqEz0
いじょ、お邪魔しました
287愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:03:38.44 ID:JhdS9znj0
>>286
くだらぬ話で割り込みしてすまぬ。
288愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:10:14.89 ID:r9+JpK3d0
ここまでまとめ済み

◆twn/e0lews氏は
お返しは唇で (1/3)←これを、そろそろ忘れないように頼む
あるのとないのとではまとめる時に段違いなので
289愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:10:56.77 ID:RkV4DsjE0
まとめ乙ー
290 ◆1EzYxEBEas :2007/02/18(日) 17:18:41.40 ID:gGCxt53a0
         ∧ ∧     
       ヽ(・∀ ・)ノ   品評会用投下させて頂きまーす。3レスです。
       (( ノ(  )ヽ )) 
         <  >
291ミルキーウェイに花束を (1/3) ◆1EzYxEBEas :2007/02/18(日) 17:19:22.67 ID:gGCxt53a0
「うん、うまい。流石に酪農が盛んな土地だけのことはある」
 そう言って喉を鳴らす笠原に、店主は不機嫌な視線を向けている。
「おい、たまにはアルコールを頼めよ。ここのラム酒は絶品なんだぜ?」
 にこにことお代わりを頼む笠原を見かねたのか、カウンターの隣に座るアルがそう耳打ちをする。
「でもラム酒はこの土地で作ってるわけじゃないだろう? せっかくだから名産を楽しまなくっちゃ」
「酒場でミルクばかり飲んでる奴に言われてもなあ」
 肩をすくめ、アルはグラスを傾ける。
「うん、やっぱりうまい。ここのミルクは今まで飲んだ中でも二番目のうまさだ」
「……たまにそのマイペースぶりが羨ましくなるよ」
 苦労知らずの妙な東洋人、ミルキージャパニーズ、笠原は同僚達にそんな風に揶揄されている。彼自身その事は知っているはずなの
だが、それで悩んでいる姿をアルは見た事が無い。いつも浮かんでいる笑顔、その気楽さが少しでも自分にあればもう少し出世してい
るかもしれないな。そう自嘲しながらアルはラム酒を喉に流し込む。
「いいよなあカサハラは。俺なんて今日も部長に小言を浴びせられちまってさ、もう死にたい気分だよ」
「アル、小言くらいで大袈裟だよ。僕なんてもっと凄いものを浴びせられた事があるんだよ」
「へえ、爆弾か何かかい?」
 くつくつと哂うアルに、笠原は笑みを浮かべたまま手元のグラスを指差した。
「ミルクさ」

 それは僕がウィスコンシンにある町に行った時の事だ。ここと同じ酪農が盛んな所でね、本当に人よりも牛の方が多く住んでいるん
だよ。けれどここ最近近代化が進んでいてね、建設途中のビルやアスファルトの道路が所々にあって、なんとも違和感を覚えたものさ。
 それでうちの会社もその近代化の尻馬に乗ろうって事になって、工場の誘致先としてそこの牧場が候補に選ばれた。それで僕が視察
に行く事になってね、まず土地の持ち主の家を訪ねたんだ。
 あれは暑い夏の日だったなあ。シャツは汗でべったりだったし、とにかく早く仕事を済ませたかった。何よりビールが飲みたかった。
だから僕は悪いと思いつつも、静かな住宅街でインターホンを鳴らしまくっていたんだ。
 だけど楽な仕事なんてあるはずは無い。ウィスコンシンで最初に僕を出迎えたのは、二階の窓から降ってきたミルクだったんだ。

「そりゃミルク好きのお前にはたまらない歓迎だったんだろうなあ」
 笑い転げるアルに、笠原は珍しく不満そうな表情を作る。
「笑い事じゃないよ、アル。夏場のミルクはしばらくすると異臭を放つんだ。おかげで一張羅のスーツがゴミ箱行きだよ。それに、そ
の時の僕はミルクよりビールの方が好きだったしね」
292ミルキーウェイに花束を (2/3) ◆1EzYxEBEas :2007/02/18(日) 17:19:48.20 ID:gGCxt53a0
「ああ、すまんすまん。しかしチャイムを鳴らされたくらいでそれとは、随分気の短い奴だったんだな」
「ところがね、原因は騒音じゃなかったんだよ。そこでは毎日ミルクが降っていたんだ。そのせいでそこは“ミルキーウェイ”なんて
呼び名がついていたくらいさ」
「ミルキーウェイ(天の川)ねえ……。随分センスの古いジョークだが、そりゃなんとも臭そうだ」
「実際たまったもんじゃなかったよ」

 ミルクで追い返された僕は、ホテルで安物のジーンズとシャツに着替えた後、この話を持ちかけた人を訪ねる事にしたんだ。簡単に
言えば不動産みたいな所だね。それで住所を見て驚いた。それはあのミルクをばらまく家の向かいにある家だったんだ。
 僕を出迎えたのはヒコ・カレーロっていう大柄の男性だった。僕ら日本人から見ると外見では年齢が分かりづらいんだけど、二十代
半ばと言った所だったかな。ミルクまみれのスーツを見せると、彼は困ったように笑って、そして何度も謝られたよ。
 ミルクの家に住んでいるのはメアリという女性だった。当初は彼女の両親と契約を進めていたらしいんだけど、僕が訪ねる数日前に
その両親が事故で他界していてね。それで候補地である牧場を相続した彼女が、一転して土地を売らないと言ってきたらしいんだ。
 元々メアリは牧場を愛していてね、売る事には反対だったんだ。そのせいでヒコもミルクを何度も浴びせられたらしい。
 だけど一番困ったのは僕だ。すぐに本社に事情を説明したんだ。そうしたら本社の連中は“なんとしてもメアリを説得しろ”って言
ってきたんだよ。休暇気分の軽い下見のはずが、なんとも面倒な事になったなとため息をついたもんさ。

「……そりゃあヒコって奴の不手際だろう? そこまで話を進めていたんなら、両親が生きているうちに契約書にサインなりさせとき
ゃよかったんだ」
「僕もそう思ったよ。だけどヒコは困った事に純朴な男でね。彼はメアリと幼なじみだったらしいんだ」
 新しいラム酒を注文しながらも、アルは怪訝そうな顔をしている。
「つまり、正式な契約は彼がメアリを説得してからにするつもりだったんだよ。ヒステリックにミルクをぶちまけながら、“私の牧場
を潰さないで”って叫ぶ幼なじみの姿が心苦しかったんだろうなあ」
「だが結局は説得できず、そのおかげでカサハラはミルクをたっぷり飲めたってわけだ」
「そういう事。そしてそれからがまたミルク三昧の日々さ」

 それから毎日、僕とヒコはミルクを浴びるためにインターホンを鳴らしたよ。
 僕はレインコートを何枚も重ね着してたんだけど、そのせいでとにかく暑かった。ヒコは罪悪感からかコートを着なかったんだけど、
その代わりとにかく臭かった。
 あの時はいつ帰れるんだろうと途方に暮れていたよ。5キロは痩せたかな。体重計を見ながら、脂ぎった上司の連中こそこの仕事を
やるべきだと思ったよ。
293ミルキーウェイに花束を (3/3) ◆1EzYxEBEas :2007/02/18(日) 17:20:11.51 ID:gGCxt53a0
 だけどある日、ふと疑問に思ったんだ。たしかにミルクはすぐに臭くなるけれど、それにしても新鮮すぎるってね。いくら牧場主っ
て言っても、嫌がらせにしてはちょっと変だと思ったんだ。そう、どうせなら腐ったミルクをばら撒いた方が効果的じゃないかってね。
 その事をヒコに尋ねると、彼は心当たりがあるようだった。だけどあまりに口が堅かった。それでビールをしこたま飲ませると、彼
はぽつりと呟いたよ。
 メアリはこう言いたいんだ。こんなに美味しいミルクを作ってる牧場をどうして潰すなんて言えるの、ってね。

「……そりゃヒコって男は惚れてたんだな」
「やっぱりアルもそう思うかい? だけど彼はかたくなにその事を認めようとしなかった。町が潤うためにはもう牧場じゃ駄目なんだ。
そう繰り返すばかりだった」
「そりゃまた頑固な男だ。そういう男は嫌いじゃないが、色恋沙汰が絡むと面倒だ」
「実際面倒だったよ。だけど僕は必死に彼を説得したんだ。本当に牧場を潰してしまっていいんですかってね」
「へ? お前、それじゃ仕事放棄じゃないか」
「……うん、そうなんだ。でも上司やヒコ達の顔を思い出す度に、工場なんてナンセンスだと思うようになっちゃってね」
「日本人は仕事熱心だと思ってたんだけどなあ」
「実際そうだよ。でもね、僕は浪花節が何より好きなのさ」

 それからもミルクと説得の日々は続いた。でもね、あまりにしつこい僕に嫌気がさしたのか、ついに彼に決心させる事が出来たんだ。
 あの牧場のミルクで俺は育ったんだ、彼はそう言って照れくさそうに笑っていたよ。
 けれど彼は恋愛に関してはとことん奥手だった。僕も人のことは言えないんだけどね。どうやって告白していいか分からないって泣
きつかれたよ。
 僕は一晩寝ずに考えて、とある日本の映画のラストシーンを思い出したんだ。その作戦は彼も気に入ってくれたよ。
 両手一杯に赤い薔薇を抱えた彼は、緊張した顔でメアリの家へ向かって行ったよ。黒いタキシードに身を包んでね。だけどいざとな
るとしり込みしちゃって、ぐるぐるとその場で歩き回っていたよ。暫くの間そうやって、ようやくインターホンをそっと鳴らしたんだ。
 勿論、その日もすぐにミルクが降ってきたんだけどね。

「――それで、その二人はどうなったんだい?」
 空のグラスを振りながら、アルは聞いてくる。
「アル、こういう浪花節のラストってのは決まっているんだ」
 笠原は懐から写真つきの葉書を取り出し、にっこりと笑った。
「世界で一番うまいミルクを作っているよ」  <了>
294 ◆1EzYxEBEas :2007/02/18(日) 17:20:59.56 ID:gGCxt53a0
以上です。
ネタかぶりそうだなあと思いつつ、なら全部使っちゃえ。
そう考えていた時期が私にもありました。3レスなのにorz 狙って90行はむずかすぃねぇ。
295愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:23:45.72 ID:r9+JpK3d0
おつ
まとめずみ

選考外はあとからまとめるつもりだったのか
忘れそうだから先にまとめちまったw
ちょっと読みずらくなってしまったかもしれん
すまん
296愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:24:55.22 ID:mHRYVRpd0
まとめてくれてる人は運営なのかい?それとも善意の協力者?
297愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:26:18.92 ID:r9+JpK3d0
俺の知る限り、ほとんど善意の協力者
最近は、手伝ってくれる人増えた感じがする
俺は逆に手伝えなくなってきたがwww
298愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:29:25.49 ID:mHRYVRpd0
なるほど、そうだったのか。じゃあ俺も手伝える時手伝うわ。
299愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:30:52.42 ID:GomGsqEz0
>>288
スマンカッタ、以後気を付けます
300愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:31:11.50 ID:gGCxt53a0
転載スピード見るとやたら早い人はなんとなく特定できるw
301愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:34:32.07 ID:l9oduUZNO
あー、もしかして、品評会のお題を使ってても、出品の意思がなければまとめには反映されない?
選考外扱いになると思ってたから、前スレのその類のやつに感想つけてないや。
悪いことしたかな。
302愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:37:07.31 ID:r9+JpK3d0
>>298
そうするといいお
初めは緊張するけど、慣れれば楽しくなってくるしね

ちなみに通常作品のまとめ人も募集中
妖精さんが寂しがっておりますw

>>299
ガンガレ

>>300
しなくてよろしいw
303愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:39:42.76 ID:r9+JpK3d0
>>301
あ、転載漏れがあったのかな?
出品の意思がないと、どっちかわからん
もしくは気付かなくて転載漏れってのはあるけど、
基本的に後からでも気付けば転載はするよ。
304愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:43:45.96 ID:l9oduUZNO
>>303
携帯厨なので定かには覚えてないけど、
「品評会作品にあらず」と但し書きされてるのがあった。
私事の片手間でスレ追ってたので、後で読みゃいいやとじっくり読まなかったorz
305愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:47:50.60 ID:AFExG6Z0O
お題ください
306愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:48:43.87 ID:r9+JpK3d0
>>304
ああ、それは覚えがある。
それは3レス目までが品評会用で
「品評会作品にあらず」のレスは品評会用ではないので
まとめには転載されてない。
そのレスまで入れちゃうと選考対象外になっちゃうからね。
3レス目までのはまとめられてたはず。
307愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:49:00.75 ID:JhdS9znj0
映写機
308愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:49:27.65 ID:r9+JpK3d0
>>305
電話
なんてどうだ?
309愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:51:39.14 ID:gGCxt53a0
>>304
前スレ929の事かな。ええと、なんていうか、うん。
登場人物の名前から見るに品評会の作品から削ったとこって感じだけど。
310愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:52:04.98 ID:l9oduUZNO
>>305
降らない雪

>>306
二作品の勘定だと思ってた。で、後者のみ選考外、みたいな。
勘違いスマソ
311愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:52:04.53 ID:AFExG6Z0O
>>307-308
二個もらっておきます
312愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:53:27.12 ID:gntonu4E0
お題くださむ↓
313愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:54:30.24 ID:j+zzR39T0
二次関数
314愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:55:28.05 ID:r9+JpK3d0
>>310
今確認してきた。
>>310氏が言うように別作品みたいだね
で本人が、品評会用じゃないって言ってるので
こういう時は、転載されない。
選考外でって言われれば転載するけど、
それを望んでいないとの判断だと思う。
315愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:57:29.09 ID:gGCxt53a0
せっかくなので>>310は俺が頂いていく!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ∧∧   )      (´⌒(´
  ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
        ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;

>>312 いちょう(変換任せた)
316愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 17:58:27.07 ID:l9oduUZNO
>>314
おk把握した。
携帯厨の分際でなんかお手間取らせて申し訳ない。
317愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:01:13.56 ID:r9+JpK3d0
>>316
いや転載漏れはあっちゃならんことなので
気になったら言ってくれた方が良い
確認は何度やっても、しすぎって事はないので
318愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:01:49.73 ID:gntonu4E0
二次関数といちょうもらいました。

俺、学生のころ文系だったのにorz
319愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:07:18.38 ID:E3rEmAF50
初めてきたがお題ください
320愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:08:00.09 ID:gntonu4E0
つ文豪
321愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:08:42.07 ID:JhdS9znj0
>>318
分かりやすく説明してやろう。
ねずみ算のようなものだ。
322愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:12:46.88 ID:E3rEmAF50
>>320
大作家の意でおk?
323牛乳狂想曲 ◆7E5Z/tK7.U :2007/02/18(日) 18:14:48.63 ID:ykP6WXGF0
品評会用の投下します
324愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:21:24.63 ID:gntonu4E0
つ どうぞ。


ねずみ算か……なんだそりゃ
325タイムスリップとある噂(1/1) ◆7E5Z/tK7.U :2007/02/18(日) 18:21:25.44 ID:ykP6WXGF0
牛の乳腺よりいでし白色の神秘の液体。
人々はその奇跡の飲料を『牛乳』と呼ぶ。

旧世紀末期に現われたトリインフルエンザは旧歴2010年に突如変異した。
それは非常に奇妙なもので現在でも解明されていない。
なんと、鳥達がひたすら北へ飛んで行き姿を消したのだ。
当然、鶏肉の値段は高騰し豚肉、牛肉への依存が高まった。
しかし、不幸にも翌年トリインフルエンザの被害は
豚へも拡大し、数多くの豚が謎の失踪を遂げた。
もはや、ヒンドゥー教徒でさえ牛肉に頼るしかなかった。
牛肉は過度の需要で供給が間に合わず、本来は食用でない
乳牛までもが食用として駆り出された。
おかげで、以前はスーパーでよく見られた
1リットル入りの紙パックはすっかり見られなくなり、
人々の牛乳にかんする記憶は薄れていった。
そして、旧歴2020年には肉不足だけでなく、折からの乱獲による魚不足や
異常気象による野菜の不作で人々の栄養事情は危機に瀕していた。
人口は減り、平均寿命は下がり、低身長化した。
牛乳を飲むと背が伸びる、そんな噂が流れたのはそんな時だった。
噂を聞いた人々は暴徒とかし、牛乳を求めた……

「雄介〜! 起きなさい」
僕はいつもの聞き慣れた声で現実に引き戻された。
ちょっと急いでに階下に降りるとそこには
いつもはあるはずの白色の飲料がなかった。
「母さん、牛乳は?」
「何それ?」
「飲むと背が伸びる白い飲み物だよ、ふざけてるの?」

ふと右を見た僕の目に写ったのはなんと壁に掛かった2020年のカレンダーだった。
326タイムスリップとある噂(1/1) ◆5wOdsiA3gA :2007/02/18(日) 18:22:56.60 ID:ykP6WXGF0
酉とタイトル間違えました
327愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:23:19.23 ID:r9+JpK3d0
ちょwwwwwww
328愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:23:51.74 ID:gntonu4E0
これは斬新なボケwwww
329 ◆ozPxeaZqLs :2007/02/18(日) 18:24:28.45 ID:ykP6WXGF0
何度もすいません。
これこそが正しい酉です
330愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:25:28.49 ID:r9+JpK3d0
ちょwwwwwwwwwww
また早漏wwwwwwww
331愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:25:40.42 ID:8L5TFcxa0
個人でカオスを引き起こすとは……
332愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:27:19.11 ID:r9+JpK3d0
おkまとめた
333愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:29:32.12 ID:ykP6WXGF0
ご迷惑おかけしました。
Iとl間違えてたorz
334愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:38:02.42 ID:F7Ycpp3nO
あっ、お題が↓
335愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:38:47.46 ID:4Pvx3Gg50
落ちてる
336愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:40:26.33 ID:F7Ycpp3nO
落ちてる把握
337愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:43:59.21 ID:wr/xB76Q0
もう30作……
カオス前に多すぎだろ…常識的に考えて
338愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:46:29.54 ID:ek+4PPMm0
そんな中品評会作品投下します
339※品評会 夜のバニラ 1/3 ◆p/2XEgrmcs :2007/02/18(日) 18:47:43.23 ID:ek+4PPMm0
 帰り道の上で気付いたが、家に酒が無い。途端にうろたえた僕は、最寄り駅に着くとスクーターで
酒屋へと走った。家と反対方向にあるその店は、近くに飲み屋が多くあるために、日付が変わっても
しばらくの間営業しているので、閉店まであと数時間はある。冬の夜は何をどうしても寒い。
駅から離れ少しずつ風景が田舎らしくなってくる。冷たさは空気を綺麗なものに見せかけ、
呼吸するたびに肺が洗われるような錯覚が起きる。大型トラックとすれ違って、分厚い風をぶつけられ、
僕は吹き飛ばされそうになる。眠気は砂が飛ぶように散らばった。
 店でマイヤーズ・ラムとカルーアの大瓶を買うと、二本をリュックに入れ、急いで家を目指した。
毎晩酒を飲みたい訳ではないが、飲もうと思ったときに飲めないのは余りにやり切れない。
手間をかけて買った分、味わって飲みたいと思った。赤信号で止まった時に、今夜はラムで暖まろうと決めた。
 身体が冷え切った頃、家に着いた。どうやら両親は寝入ったようで、一階の居間には明かりが見えない。
僕はスクーターのエンジンを止め、なるべく物音を立てないように玄関の鍵を開け、家の中に入った。
鍵をかけて、冷たい廊下を歩いた。階段を横切り居間へ入ろうとすると、足音がした。驚いて振り返ると、
弟の啓二が階段を降りてきていた。白いパジャマの裾を踏んでいて、危なっかしい。
 「遅いじゃん」
 僕の驚いた素振りを笑いながら、啓二は階段を降り切った。僕は居間への扉を開け、中に入った。
暗闇と、人がいなくなってしばらくした後の、奥行きのある静寂が満ちている。それに逆らうように明かりを点けた。
 「お前こそ遅寝じゃないか。もう十一時だぞ」
 ちょっとね、と啓二は僕の脇をするりと通り、灯油ヒーターのスイッチを入れ、その前に座った。
僕はダウンジャケットを脱ぎ、リュックから大瓶二本を取り出し、冷蔵庫に向かった。
 ヒーターの点火音に少し驚いてしまう。
340※品評会 夜のバニラ 2/3 ◆p/2XEgrmcs :2007/02/18(日) 18:48:21.05 ID:ek+4PPMm0
 「あっ、啓二、お前コーラ全部飲んだのか」
 「うん。いけなかった?」
 ラムをコーラで割ろうと思っていた僕は、少し泣きそうになるほど落胆した。仕方なくラムの瓶を冷蔵庫に入れる。
キャベツの芯が、少し茶色になっていた。カルーアを片手に持ったまま牛乳を出す。シンクにそれらを置くと、
大き目の陶器のカップを取り出し、牛乳を注ぐ。ヒーターの前に座っていた啓二が、シンクの向こうから
顔の上半分を覗かせる。申し訳なさそうな目をしながら、僕の挙動に興味を抱いていた。
 「ごめんね、コーラ」
 「いいよ。ホットミルク、飲むだろ」
 啓二は身を乗り出して頷いた。僕はもう一つカップを出した。そうしながら、啓二が平静を失っているのを感じた。
 僕は牛乳を一杯ずつ温めながら、何かあったのか、と訊いた。啓二はまたヒーターの前に座り込んでいるので、
もう姿は見えない。僕の言葉を無視して、二杯とも牛乳が温まるまで啓二は何も言わなかった。
 向かい合って座り、啓二は悲しそうに、ホットミルクに口をつけた。僕は自分のカップにカルーアを注ぎ、
スプーンで少し混ぜた。強いバニラの香りが、また隆起し始めた眠気を一遍に押し固めた。僕は啓二の
煮え切らない態度に、コーラを飲まれた怒りが刺激される感覚がして、相談じゃないのか、と急かした。
 「兄ちゃん、人嫌いになったことある?誰でもいいよ、友達でも、家族でも」
 啓二は僕の怒気を感じ取ってか、おっかなびっくり話を始めた。少し申し訳なくなって、語気を落ち着かせた。
 「あるよ。誰でもあるだろ、それぐらい」
 「そうなのかな。……でもそれっていけない事みたいな気がするんだ。だって色々あって
その人はその人になったのに、嫌いになるのって勝手じゃないかな」
 小学五年生らしいボキャブラリーで、歳相応でないことを言う弟に驚いてしまう。啓二は自信が無さそうにミルクを飲む。
カップで顔を隠しているようだった。温かいカルーアミルクを二口飲み、とても甘い苦味で喉を温めた。
 僕がカップを置き、喋ろうとした瞬間に、明かりが消え、ヒーターも止まった。少しずつ温度が上がってきたのに、
 啓二の寂しそうな表情が、水に沈むように消えた。
 「停電か」
 不意の暗闇に驚き、少しのアルコールは本来与えてくれるはずの酩酊を失くしてしまった。
 「兄ちゃん?」
 啓二の声が揺れた。それは寂しいというよりも、悲しい声だった。僕のことが見えなくて寂しい、というのではなく、
暗闇が悲しいというようにか弱い声を出され、僕は不安になり、こっちに来い、と呼んだ。ヒーターが消えたからか、妙に寒い。
341※品評会 夜のバニラ 3/3 ◆p/2XEgrmcs :2007/02/18(日) 18:49:45.11 ID:ek+4PPMm0
パジャマの白が、暗闇の中で輪郭を浮き立たせた。薄い闇の塊が、ゆっくり僕に近づいてくる。僕は両手で啓二の脇を抱き、
あぐらをかいている足に引き寄せた。触れた瞬間こそ啓二は驚いて身を固めたが、すぐ僕の胸に背中を凭せ掛けた。
 「暗いの、恐いか?」
 回した左腕を両手で掴んだままの啓二は、うん、少し、と呟いた。
 「啓二は、嫌いになるのが恐いの?それとも嫌われるのが恐い?」
 答えが返ってこない。弟だから心配なのではなく、自分に寄りかかる温かい生き物だからこそ心配になった。
押し黙る啓二を両腕で抱きしめて、僕は話を続ける。
 「嫌いになるのって恐いよなあ。そうすると次第に相手に嫌われるもんな。でもそれって好きになるのと同じじゃないかな。
特別に思ってる、ってことだもん。いけない事じゃないよ、嫌うのは。本当にいけないのは、嫌いなだけで攻撃することだよ。
啓二はその前でちゃんと止まって考えてるじゃん。嫌いになっても傷つけないようにしてるだろ」
 暗い中から少しだけ湿っている空気が昇ってくる。啓二の髪からだ。啓二はしばらく黙っていたが、
これ飲ませて、と懐っこい声を出した。酒だぞ、と言っても聞かず、僕のカップが動き、嚥下する音が聞こえた。
 苦いっ、でも甘い。変なの、おいしい。啓二がそう言って一拍置くと、明かりが点いた。
急な明るさに、目を開けていられない。目をつぶると、明るい暗闇がちかちかした。啓二の重みと体温が消えた。
 シンクから水音がしたのでそちらを見ると、啓二が口をゆすいでいた。
 「甘いね、それ。砂糖入ってるの?」
 「ええと、カルーアにはどうだろう、入ってたんじゃないかなあ」
 砂糖の有無には余り興味は無かったようで、啓二は返答を待たずに部屋を出ようとした。足取りに迷いがないが、耳が赤い。
 「ありがとう、あったかかった。おやすみ」
 ほんのちょっと酒が入れば、多分よく寝られるよ、と言うと啓二は笑ってドアを閉めた。
随分久し振りに啓二の笑った顔を見た気がした。そう思うと、八つも離れてるのに駄目な兄貴だな、と申し訳なくなった。
 (今度話してくれたら、しっかりした答えをあげないと。しかし、あったかかったのは僕なんだろうか、牛乳なんだろうか)
 まだ中身が残っているカップを傾ける。大分冷めたそれはよく混ざっていなかったようで、少し酒気が濃い。

(了)
342愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:52:51.15 ID:F7Ycpp3nO
>337
逆に考えたら今回はカオスがないかもしれない
可能性は低いが
343愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:53:39.50 ID:gGCxt53a0
先週もそう言ってカオスったよなw
344愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 18:54:33.37 ID:+9vLT/wP0
品評会作品投下
345冬の終わり(1/3) ◆YaXMiQltls :2007/02/18(日) 18:56:36.01 ID:+9vLT/wP0
 朝食はシリアルがいい。牛乳を浸して間もないうちにスプーンですくうと、口の中でチップのサクサク
感と牛乳のなめらかさが溶け合わず、感覚の気持ち悪さに執拗に噛みこんでしまう。朝一番の肉体の労働
に僕の眼は覚める。そうして活性化した脳が今日一日の予定にうんざりし始めるころには、いつのまにか
シリアルに牛乳が染み込んで、柔らかな感触になんとなく幸せを感じる。これはちょっとした時間の芸術
だとさえ僕は思う。
 そんなわけで、僕はひと時の幸福を願って今日もシリアルに牛乳を注ぐ。と、まだ半分ほども浸らない
うちに、牛乳が底をついた。
「おかあさん、牛乳切れたよ」
 母は洗い物をする手を休めずに、当然のようにこう言った。
「だったら自分で絞ってきなさい。ミルコはまだ絞ってないから」

 勝手口のサンダルを履いて外に出ると、朝日が僕の目を射した。手で顔を覆いながら歩き出すと、庭の
松の木の脇に、朝露に濡れたタンポポの花が見えた。季節はもう春なのだ。牛小屋から、ミルコの鳴き声
が聞こえた。鳴き声で牛を判別できるくらいに慣れ親しんだこの家を、僕は来月出て行く。
 小屋の中は、嗅ぎ慣れた独特な臭いで満ちていた。ミルコがまた鳴いて、僕はミルコの体を撫でてやる。
しゃがんでミルコの乳首をつまむと、乳が音をたてて溢れた。このミルコの張った腹の中では、乳が外へ
出るのを待ちきれないでいるのだ。乳は尿のように自然と溢れてはこない。誰かがこうして出してやらな
ければ、体の中の乳はどこへ消えていくのだろう。僕は何度も繰り返しミルコの乳首を握り、乳は瓶の中
に溜まっていった。
 
 何気ない思いつきを、無性に実行してみたくなることが時折ある。特に馬鹿げた思いつきこそが、やっ
てみたいという本能を駆り立てる。そして僕はミルコの乳首の先端に口を当て、握った手に乳首の根元か
ら力を入れた。勢いよく飛び出したミルコの乳が、喉の奥に直撃する。思わず咳いて乳を吐き出して、口
元を手で拭うと、手の甲から乳が白く香った。
 僕は勃起していることに気づいた。それは正しい反応のような気がした。僕は当然のようにズボンとパ
ンツを脱いでから、もう一度ミルコの乳首を咥えた。そして右手で僕のペニスを掴み、左手でミルコの乳
首を掴むと、目を閉じて両手を動かした。
 ミルコが鳴いた。聞いたことがないほどに、甲高い鳴き声だった。ミルコは喘いでいるのだ。そう思う
と、手を動かす速度が速くなっていく。ミルコの乳首は柔らかなままだけど、僕のペニスはどんどん固く
346冬の終わり(2/3) ◆YaXMiQltls :2007/02/18(日) 18:58:40.03 ID:+9vLT/wP0
なっていく。けれど僕のペニスと違ってミルコの乳首からは、搾るごとに乳が出てくるので、途中で僕は
飲みきれなくなって、口から乳が溢れだした。けれど僕は手を休めはしなかった。
 口から溢れた乳が滴って首筋を流れた。一瞬僕は悶えて恍惚を味わった。乳の独特な香りが鼻を包み、
僕はここが牛小屋だということを忘れていた。

 突然、頭上からとてつもなく大きな音がした。僕の体に何かが浴びせられて、目を瞑ると、すぐ横で何
かが倒れる音がした。衝撃に地面が震えた。牛たちが叫んでいた。僕は顔に浴びせられたものを拭って眼
をあけると、僕の周りが真っ赤に染まっていた。僕自身も。嗅いだこともないほどの強烈な血の臭いがし
た。
 目の前でミルコが倒れていた。ミルコの胴体には大きな穴が空いていて、そこから滝のように血が流れ
出ていた。傷口に上から光が当たってミルコの内臓がどろどろと落ちていく様子を見せつけていた。見上
げると天井に穴が空いていた。
 ミルコに駆け寄ると、ミルコの足元の地面が窪んでいて、その奥に石のような塊が見えた。けれどすぐ
にその窪みにミルコの血が流れ込んで、あっという間に窪み自体見えなくなった。
 ミルコの体はもう動かなかった。体温の残ったミルコの死体に僕は体を寄せ付けて、ミルコの体を撫で
た。僕の体の圧力でミルコの傷口からなにか内臓が飛び出した。内臓は音をたてて、血だまりに落ちた。
無心にミルコの体を撫でる僕の手が、ミルコの乳首に触ったのはそのときだった。握ってみると、噴出す
ように白い乳が出た。
 乳は血の海に飛び散った。けれど白く浮いていたのはつかの間で、ミルコの体から尽きなく流れていく
血に、色を濁すことさえなく消えていった。僕は両手でミルコの乳首を掴み、二挺拳銃のように乳を発射
させた。けれどやはり、乳はすぐに血に流されていく。負けずに乳を出す僕と、流れていく血。勝負はど
ちらが先に尽きるかにかかっていた。
 僕は勝った。最後の乳を搾り出したときには、すでに血の流れは止まっていて、乳首から滴った最後の
一滴が赤い血の中で、白く輝いた。
 ミルコの体は、餓死したかのようにしぼんでいた。その姿を見て僕は泣き出した。ミルコの顔を見ると
ミルコの目も潤んでいた。僕がミルコの目を見つめていると、ミルコの目の奥から涙がどんどん湧いてき
て、やがて溢れた。ミルコの涙がミルコの血を流していく。白く浮かんでいた乳も関係なく、ミルコの涙
は全てを流していく。
 全ての血を流してもミルコの涙は止まらなかった。涙が牛小屋中に広がって、水嵩を増していった。涙
347冬の終わり(3/3) ◆YaXMiQltls :2007/02/18(日) 19:00:23.61 ID:+9vLT/wP0
の水嵩が天井まで達したころに、僕はミルコの涙に溺れて死んだ。

 乳が瓶から溢れていた。
 牛小屋から出ると、幼馴染の美由紀が登校していくのが見えた。僕が声をかけると、
「あんたまだそんなことしてんの? 遅れるよ」
 と美由紀はこっちへ来た。挨拶の返事もなしに責められてちょっとむかついた僕は、瓶を置いて言う。
「ちょっと手出せよ」
「何?」疑いながら差し出された美由紀の右手を、僕は濡れた手で強く握った。
「きゃっ……あー臭い。マジありえない」
「ごめんごめん。手洗うついでに搾りたて飲んで行かない?」
「えっいいの? 久しぶりに飲みたいな」美由紀は腕時計を見てから着いてきた。牛乳で一杯の瓶はなか
なか重くて、牛小屋から母屋までの距離だけで、僕は汗をかいていた。

 台所に母の姿はなかった。
「ここからあがるのって、何年ぶりだろ」
 勝手口で靴を脱ぎながら美由紀が言った。テーブルの上のシリアルは、牛乳に浸っている部分が既にふ
やけていた。僕はそれを流しに捨てて手を洗うと、搾ってきたばかりの牛乳をコップに二杯注いだ。
 手を洗い終えた美由紀がコップを一つ手にとって、一気に飲み干した。
「おいしかった。てかマジ懐かしいんだけど。昔はよく飲ませてもらってたもんね。もう一杯もらってい
い?」
 そう言いながらすでに美由紀は二杯目を注いでいた。俺が飲み終わるのを見て、美由紀が瓶を差し出す。
「僕はいいよ」
「えーこんなおいしいもの一杯だけとか罰があたるよ。あんたは毎日飲んでるからおいしさがわからない
のよ。飲めなくなってからありがたがったって遅いんだから」
 美由紀はそう言うと僕のコップに無理やり牛乳を注いだ。たるんだ制服の間から美由紀の胸が見えた。
ミルコの鳴き声が聞こえて、僕は視線をそらしてから右手をそっと鼻に当てた。
ほのかに体液のにおいがした。

348愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 19:06:37.55 ID:r9+JpK3d0
ここまでまとめ済み
で、俺は出かけますです。

まだカオスの重鎮の作品がでていない……
349愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 19:19:02.42 ID:+XHUkA+t0
自分の文才のなさに消え入りたい思いのする中品評会の作品投稿します
350浸食1/2:2007/02/18(日) 19:20:04.14 ID:+XHUkA+t0
「やっぱ牛乳がうまかーーーー!!」
今日も100回は聞いたこの台詞。
世界牛乳侵略会が水道水に溶け込ましたスキムミルクを飲むと、
「やっぱ牛乳がうまかーーーー!!」としか喋られなくなり、牛乳しか喉を通らなくなるのだ。
奴らがTVをジャックし、「たーんとのみなはれ牛乳を!ドリンクオアダイ!」
と後に牛乳革命宣言と呼ばれる声明を発表したとき、政府も学校も母ちゃんも友達も、誰も相手にしなかった。
しかし、次々に「やっぱ牛乳がうまかーーーー!!」が伝染していくうちに事態の深刻さにみんな震え上がった。
気づいたときには既に普段道理に水道水を使った後で、
この原因不明の奇病に冒されてしまった、そういう人が後を耐えなかった。
侵略会の言い分はこうだ。
「パンティと同じで白は純粋を表している。色のヒエラルキーで一番素晴らしい色だ。
純白の飲料牛乳。これは最も崇高な液体だ。牛乳でまず水道を、次に川を、最後に海を染め上げるのだ!
そして、これまで牛乳の素晴らしさを声高に述べてこなかった人間は、モーモー神様の祟りにあわねばならないのだ!
喉が潰れるまで牛乳賛歌を唱え続けなければいけないのだ!それが宿命(さだめ)なのだ」
政治関係者、企業のお偉いさん、農家のプロレタリアート、小中高大の学生達、頼みの綱の自衛隊。
殆どの人が例の一言しか口に出せなくなっていた。
日本は既に壊滅状態にあった。アメリカや中国に助けを求めようとしたが、
世界各国はとっくに侵略会の手に落ちていて、残る最後の国が日本だったのだ。
情報操作で平和ボケした日本人は敵にとって見過ごしやすかったのであろう。
とにかく、もう、地球が白の星、牛乳の星となるのも時間の問題だった。
351浸食2/2 ◆cLt9pTSr9k :2007/02/18(日) 19:20:47.18 ID:+XHUkA+t0
絶望的な状況の中、山で清き水を使いながら修行をし続けていた1人の仙人がふうらふうらと街へ降りてきた。
「よいではないか、よいではないか」
呪文のようにそう唱えていた。ガムランのようなスピリチュアルなメロディで聞いているとのどかな気持ちになるものだった。
そして、「やっぱ牛乳がうまかーーーー!!」と叫び続けていた者も「よいではないか」とだけは口述することが出来た。
呟いてみないとなかなか理解しにくいものだが、これを唱和すると、ますます心地よく、ハッピーになるのだった。
仙人の元に自然と人が集まり、大名行列のようになるまで、そう時間はかからなかった。
行進はあらゆる人を丸め込み船を使い世界中を回った。
そうして世界中の全ての人が、世界牛乳侵略会の魔の手から逃れることが出来た。
仙人は65億人に対して開口した。
「よくこれだけ集まってきてくれた。もう牛乳などに頼らなくてもよい、
このチョコレートを食べるのじゃ。アメやクッキーもあるぞ」

時はしばらく過ぎ、地球に近づいた宇宙人の子供が言った。「パパの言うとおりだ!お菓子の星があったよ!」
352 ◆cLt9pTSr9k :2007/02/18(日) 19:21:47.79 ID:+XHUkA+t0
始めトリップ忘れてました。すんまそん
353愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 19:32:02.83 ID:meW4uSSb0
お題暮れ
354愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 19:33:24.63 ID:7r8qzv1g0
アンニュイ
355愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 19:34:26.72 ID:meW4uSSb0
鬱把握
356 ◆31ZrzN4KAA :2007/02/18(日) 19:43:21.97 ID:sLKIqk8w0
品評会用投下します
357戒め(1/2) ◆31ZrzN4KAA :2007/02/18(日) 19:44:52.72 ID:sLKIqk8w0
 牛乳ジャンケン……。誰もが小学生の頃経験したことがあるだろう。
牛乳ボックスと呼ばれる容器に入った、余りの牛乳を競って奪い合うアレだ。
しかし、うちのクラスの出席率は半端なものではなかった。
全員がほとんど毎日学校に来ていたのだ。たった一人の男子を除いて。
彼は名前を伸一と言った。苗字は思い出せない。
伸一のことで覚えているのは、彼が僕の机に来て二言三言話をしたことぐらいだった。
他の奴はそれすら無かったらしいが。

 彼の牛乳はいつも牛乳ボックスに残されていた。アルミ製の大きな箱の中に一つだけ。
いつしか、牛乳ジャンケンが始まる時の掛け声が決まっていた。
「伸一の牛乳欲しい奴いる〜?」

 あの日は、確かひどく蒸し暑い夏の日だったように思う。
ぼくは牛乳ボックスに牛乳パックが一つ入っているのを見つけた。
いただきますが済むと一目散にその前に駆けつけ、クラス内に大声を出した。
「伸一の欲しい奴いるか〜?」
こんな日に冷たい牛乳がいらない奴などいるわけが無い。
すぐさま十人以上の人が集まった。
「俺によこせ!!」
「今日こそはボクが……」
その時女子の一人がおずおずと言った。
「それエリちゃんのだよ。さっき早退したもん……」

 その時ぼくは初めて気付いた。伸一は学校に来ていたのだ。
もともと影の薄い奴だったし、この日は話しかけに来なかったので気付かなかった。
その伸一は壁際の机で、食べかけのコッペパンを握りしめていた。
「あっ、ゴメン! 今日来てたんだな?」
ぼくは伸一に謝った。だが伸一は何も言わなかった。
358戒め(2/2) ◆31ZrzN4KAA :2007/02/18(日) 19:47:40.26 ID:sLKIqk8w0
 ぼくは、頭を掻きながら伸一の方を見ていた。
伸一は何も言わずにパンをお盆の上に置いた。
未開封の牛乳を手に持ったかと思うと、ふらつきながら立ちあがった。
彼がフッと顔を上げた。彼と目がバッチリ合った。
ぼくは彼を見つづけた。いや、目を反らせなかった。
彼の、笑うでも怒るでも哀しむでもない、何とも言えない歪な表情に釘付けにされたのだ。
伸一はすぐに下を向いてしまった。そして細々しい足取りで人の群れの中に入ってきた。
牛乳ボックスの中にそれを入れ、その足で座席へと戻っていった。

 ぼくは狐につままれるような心地がした。
それはぼくだけじゃなかったようで、クラスは沈黙一色に染められていた。
「なんか知らんけど……牛乳が二つになったぞ」
男子の誰かがボソッとつぶやいた。みんなはハッと我に返ったように顔を見合わせた。
「じゃ、じゃあ行くぞ? 最初はグー、ジャンケン……」

 次の日から伸一を見かけることは無くなった。
夏休みに一度来たらしいという話も聞いたが本当かどうか疑わしかった。
元々休みがちな奴だったし話題にもならなかった。

 だが、ぼくが彼を忘れることは無かった。むしろ忘れることが出来なかった。
牛乳を目にするたびに彼の表情が脳裏によぎるのだ。
ぼくが牛乳を飲むときに、こんな事を考えていると誰が思うだろう。
これは軽率だったぼくへの戒めなのかもしれない。         (完)
359愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 19:54:35.22 ID:u8fNFxX00
まとめー
360愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:05:18.72 ID:lu7+BBlMO
きっと僕はカオス組

もしくは時間外

か、不参加
361愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:14:49.10 ID:w/jKYYEMO
>>321
それは指数関数だと思う


二次関数はax^2+bx+cを一般形とする関数。
362愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:18:52.30 ID:vOE96+ct0
よく関数で示される表がたるんだ紐みたいなのができる奴だな
363愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:19:59.15 ID:Wz6RVuhq0
そうそう、高校入試でよくでるやつ。
364愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:21:34.41 ID:meW4uSSb0
カオス前に雑談。
今日、満喫で「皇国の守護者」読んで、とても面白かった。
似たような、「読む」、というより「理解し読み解く」漫画でお前らのオススメ教えてくれ。

>>361
無粋で悪いが、その二次関数だってxをプラスにしろマイナスにしろ
絶対値を大きくすればねずみ算的に増える(あるいは減る)といえなくもない。
365愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:26:40.72 ID:Wz6RVuhq0
増加関数で増える量が多いものを順番に並べると
log x<x<x^2<e^x<x!
なるね。
でもまあ、ねずみ算はネズミが増える割合だから、2次関数ではなく指数関数じゃないとまずいと思われる。
366愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:28:00.36 ID:l9oduUZNO
>>364
「謎の彼女X」

これに限らず、植芝理一の作品はどう解釈するかでその人自身の世界観が浮き彫りになる、奇妙な構造をしている。
367愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:33:46.84 ID:/emiQcPTO
ここはいつから数学スレになったんだ
俺への精神攻撃は止めろ!
368愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:34:55.15 ID:ek+4PPMm0
>>364
理解し読み解く、とはちょっと違うかもしれないが、
情報量のヘンな多さという点で 新井英樹の「キーチ!!」
途中から変に政治的・思想的要素が入ってきちゃうけど
369愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:35:04.24 ID:meW4uSSb0
>>365
そっちの話題に食いつくよりオススメ教えてほしいなw

>>366
植芝理一ってぇと、ディスコミュの人ね。
精霊編で絵柄が変わったような気がして手を付けてなかったが、いいのか。
よし、探してみようかな。 このど田舎の満喫には植芝を置いてあるようなところはない気もするが。
370愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:35:55.57 ID:vOE96+ct0
>>366
謎の彼女Xはそんな解釈多いかな?
ディスコミは多いと思うけど。

>>364
皇国の守護者は一巻しか読んだ事がないから具体例をもう少しplz
371愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:37:47.86 ID:vOE96+ct0
冬目景の「羊のうた」とかが当てはまる?
372愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:38:20.00 ID:RkV4DsjE0
千早かわいいよ千早
373愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:39:37.82 ID:ek+4PPMm0
>>371
あれは「読み取る」箇所は多いけど「理解」って箇所は少なくね?
でも名作 八重樫タックルいいよ八重樫タックル
374愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:41:06.96 ID:Rz6p6qG30
攻殻機動隊とかか?
あれは注釈を読む漫画だけどw
375愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:42:04.88 ID:sLKIqk8w0
>>364
ベタだけど「MONSTER」なんかどうよ?浦沢直樹は個人的にかなり好き
376愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:42:38.42 ID:l9oduUZNO
>>370
冥界編みたいな露骨な展開が無いだけで、
背景をバッファに世界観を生晒しにしてる作風は健在。
377愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:44:47.15 ID:meW4uSSb0
>>368
ビレッジヴァンガードで平積みになってたな。
って、情報量のヘンな多さってなにさw

ちなみにヘンな情報という点で俺が好きな漫画は古賀亮一の「ゲノム」だ。
ヘンな知識を必要とするという点では負けていないと思う。いや、偏ってるけどw

>>370
羊のうた、か。しらねー。探してみる。
俺の読んだ漫画版の一巻で言うと、主人公新城の自分自身に対する「偽善者」といいながらそれでも
導術師を励ます場面あたりの葛藤の心理描写。
漫画的には暗闇に乗じて「猫」が帝国を襲う場面が、黒い背景から襲ってくる猫が、もう。
378愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:49:03.33 ID:gntonu4E0
二次関数難しい…ね。
379愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:50:12.72 ID:FOz1u2KTO
ここにいるやつが目指してるのは小説家じゃなく評論家。

求めてるものは狭い世界での評価。
380愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:51:52.65 ID:ek+4PPMm0
>>377
あー、なってるなってる。復刻のザ・ワールド・イズ・マイン欲しい。
単行本1,2巻買ったけどアレはおかしいわ。ファンが最高傑作っていうの分かる。

「キーチ!!」は、エネルギッシュな幼稚園児のキーチが人の死を目の前で見て、
四歳かそこらだというのに自分の生き方を確立させていく、というのが最初の展開。
話の持ってき方がスゴイ。彼女が読んで「面白い。だけど疲れる」って言ってた
381愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:52:33.07 ID:meW4uSSb0
>>374
攻殻は好きだな、SF好き、設定好きとしては。

>>375
20世紀少年読んでて、「おいおい、そこで風呂敷広げるか?」
ってな展開の広がりで絶望。15,6巻まで読んだ気がする。まだ終わってないよね。
まずは完結した作品読んだら評価変わるかも知れんな。MONSTERね。
382愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:52:38.32 ID:vOE96+ct0
和田慎二原作、伊藤伸平漫画の「ネメシスの剣」とかはどうだろうか。
383愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:52:46.21 ID:Au5CMAnd0
>>379
その言葉、そっくりそのままカウンターパンチだぜ
384愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:53:39.42 ID:Ezb4a4TL0
空気読まずに、詩的で素敵なお題下さいな↓
385愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:54:21.09 ID:sLKIqk8w0
雪どけ
386愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:54:27.62 ID:ek+4PPMm0
海の見えない岬
387愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:54:30.75 ID:RkV4DsjE0
新月の夜

とか、どう?


うわー。これ、詩的?詩的?
388愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:54:39.82 ID:vOE96+ct0
>>384


>>383
構っちゃいけません。
たまに出没するネガティブ野郎です。
389愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:55:27.62 ID:Ezb4a4TL0
>>385-388
なんという一斉掃射、まとめて把握w
390愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:57:01.53 ID:l9oduUZNO
漫画の流れに乗じて質問。
度肝を抜かれたり目の覚めるような設定の作品ってなに?

「LOVELESS」の処女童貞ネコミミに衝撃を受けた。
391愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:57:27.82 ID:meW4uSSb0
>>382
聞いたことないな。

みんなありがとう。
そろそろこれから読む漫画のストックが溜まったのでこの話題はやめるわ。

>>385-388
なにこれ、案外繋がってるんじゃないかこれらw
392愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:58:35.68 ID:ek+4PPMm0
>>390
上で挙げた「キーチ!!」と曽田正人の「昴」
雑談ネタはそろそろ収束?
393愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 20:59:35.77 ID:Rz6p6qG30
>>390
俺は小学生であの巨乳に笑ったw
394愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:00:06.55 ID:vOE96+ct0
>>390
日本橋ヨヲコの「バシズム」
不良だったわけでも根暗な生活を送っていたわけでもないけれど
無気力な高校生活が過ぎてしまったことを後悔した。
395愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:01:26.12 ID:lu7+BBlMO
漫画はスレ違いではないかね?


どーでもいいか。
LOVELESS面白いよね
396愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:02:04.32 ID:RkV4DsjE0
>>390
ど、ど、ドクロちゃん、かなwww
や、正直、最初読んだとき慌てふためいた。
「これもありなのか!」って。
397愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:04:29.69 ID:Au5CMAnd0
>>394
日本橋ヨヲコといえばヘヴンズドア面白かったな。
398愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:05:08.88 ID:Jy9wkfGh0
漫画は嵩張るから全然持ってないのです
高校生の頃グラップラー刃牙とか特攻の拓とか回し読みしてました
読解? 何それ食べられるの?
399愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:07:16.09 ID:l9oduUZNO
>>392-398
d
日本橋とかおかゆとかも大好きだわwww
400愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:11:22.38 ID:wr/xB76Q0
タイトルが決まらない(´・ω・`)
401愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:12:04.32 ID:d20QgH7F0
>>400
特濃ミルク
402愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:13:41.88 ID:RkV4DsjE0
>>400
ジャージー牛乳アンリミテッド
403愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:13:55.77 ID:gntonu4E0
>>400
ミノタウロス
404愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:13:56.46 ID:Jy9wkfGh0
>>400
それをそのままタイトルにしてみましょう
「名前がつけられなかった物語」
「Never Nameing Story」
405愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:14:56.02 ID:wr/xB76Q0
>>401-404

トン。
後三分考えてみる。
406愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:15:46.76 ID:vOE96+ct0
>>404
それならいっそ「Nameless」の方が
407愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:16:57.61 ID:RkV4DsjE0
>>404 406

UnNamed Story

とか。
408愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:18:55.50 ID:meW4uSSb0
無題、でええやんw わざわざ英語にせんでも。
409愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:19:00.38 ID:Jy9wkfGh0
ではみんなの意見を汲んで
「名も無きミノタウロス最後の戦い 〜UNLIMITED〜」
410愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:20:31.02 ID:Rz6p6qG30
『牛乳』でいいだろ。常識的に考えて
411愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:22:36.12 ID:wr/xB76Q0
では皆の意見を取り入れて、


空気を読まずに品評会用投下してもよかと?
412愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:23:40.66 ID:Jy9wkfGh0
>>411
週末評議会より許可が得られました
合議内容に従って速やかに投下してください
413魔性な不安定 (1/3) ◆/7C0zzoEsE :2007/02/18(日) 21:25:15.03 ID:wr/xB76Q0
 これから起こる悲劇に恐怖と多少緊張して、
私の心臓は高鳴っていた。
 目の前にいる愛しい彼は、疲れた顔をして座りこんでいる。
 ふっ、と私が微笑むと、
「どうしたの?」
 なんて彼がとぼけて尋ねてくる。
ううん、なんでもないのよ。本当に、何でも。

 私がジュエリー専門店なんかで、
あの人を見つけなかったらよかったのに。
 楽しそうに小脇に女の子を抱えている彼は、まるで醜悪の塊だった。
二人で仲良く指輪を選んだりなんかして、
私が全てだと語ったのは一体どの口なのだろうか。
 私の傷つけられた自尊心は、復讐という形でしか癒すことができない。
「拓也、コーヒー入れるね」
 私はカップに並々とコーヒーを注いだ。
彼はブラックでしか飲まない。
いつもと同じように作ったコーヒーを渡した。
――毒薬を渡した。

 市販のコーヒー豆に、スミソン乳剤を染み込ませている。
この農薬は、実家の棚に保管されていたもの。
ラベルが剥がれるほど古いものだったが、
致死量は十二分に含ませておいた。おそらく問題ないだろう。
414魔性な不安定 (2/3) ◆/7C0zzoEsE :2007/02/18(日) 21:25:39.07 ID:wr/xB76Q0
 彼はコーヒーを手にすると、怪訝な顔をした。
「おい、夕子も飲めよ」
 私は、一瞬どきっとした。
 コーヒーを飲むときはいつも一緒。つまらない約束。
「……うん、そうだよね」
 冷蔵庫の中から牛乳を取り出すと、
自分のコーヒーに注いでカフェオレにした。
 事前に牛乳の中には、PAM製剤を混ぜている。
有機リン中毒に効果的な解毒剤。
ネットで手に入れていた。なんのぬかるみもない。
 いただきます。そう言うと、二人で一緒にそれを喉に通した。
薬のせいか口の中はあまりに気持ち悪く、吐きそうになった。
彼のぼんやりとした顔を見ると、いささか後悔してくる。 
 この男の為に人生を棒に振るなんて、馬鹿のすることだろうか。
 完全犯罪を済ませる手順を頭の中で繰り返していると、彼が話し出した。

「なあ夕子、指のサイズいくつだっけ?」
 指のサイズ? 今から死に向かう男が何を言うんだ。
「なんで?」
「いや……あの、指輪買おうと思ったんだけど。
指のサイズが分からなくて買えなかったんだ」
 なるほど、そういう事なら冥土の土産に教えても……。ってあれ?
何かが引っかかる。妙に頭の中が混乱してくる。
「妹と一緒に宝石店いって選んでもらったんだけどさ……。
びっくりさせられなかったよ。やっぱり、今度一緒に行こうな」
 彼はそういうと、気分悪そうにカーペットに寝転がった。
 農薬と解毒剤と、彼の言葉が渦を巻く。 
私は真っ白な頭の中で、全てを繋げると思い切り叫んだ。
415魔性な不安定 (3/3) ◆/7C0zzoEsE :2007/02/18(日) 21:27:04.80 ID:wr/xB76Q0
「飲め! 早く! もっと飲め!」
 目を点にしている彼を羽交い絞めにして、ひたすら解毒剤。
いや、牛乳を飲ませ続けた。
「拓也。本当に……」
 私は大粒の涙を流しながら、愚か過ぎる自分を呪った。
彼は何事かと、口から牛乳を溢れさせている。
そして、これでもかと私に牛乳を流し込まれていた。
 拓也、早とちりしてごめんね。
あんたが死んだら、絶対私も死ぬからね。
お願い、助かって。私、馬鹿でした。

 神様に祈りながら大声で泣き叫ぶ私と、
薬の味がする牛乳を顔から浴びせられている拓也。
 この奇妙な光景は、世界から切り離されていた。


 なお後に、私はもう一つ大きな勘違いに気がつく。
実家の棚に置いていたそれ――
賞味期限の切れたコンデンスミルクでは、
腹を壊しても死にはしない。      

                     (了)
416愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:27:31.17 ID:wr/xB76Q0
以上っす。
三レスって少ないですよね。
417愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:29:32.78 ID:Jy9wkfGh0
>>416
投下ご苦労様でした
「何のぬかるみもない」ってところ
もしかして「何の抜かりもない」の間違いかなと思ったのですが蛇足でしょうか
418愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:34:27.65 ID:p8OwYAFa0
419愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:35:08.31 ID:i/6GX+Q6O
良い子は寝る時間だ
ホットミルクでも飲むか
420愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:35:49.04 ID:jUp7VtlRO
二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた
421愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:36:41.38 ID:wr/xB76Q0
>>417
日本語って難しいですよね



:::::::::::.: .:. . ∧_∧ . . . .: ::::::::
:::::::: :.: . . /彡ミ゛ヽ;)ヽ、. ::: : ::   ちくしょう……
::::::: :.: . . / :::/:: ヽ、ヽ、i . .:: :.: :::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ヽ、_ノ
422愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:39:29.75 ID:Au5CMAnd0
>>420
本来ならば複文になるところを単文にするという画期的な方法だ
423愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:48:46.12 ID:rsmzntZs0
>>418
なんか、ちょっと怖いですね。でも、その雰囲気がイイ!
短編ぐらいの長さですね。これぐらいの長さ、好きかも〜。
三人称の外国が舞台の話って憧れちゃう。行ってみたくなっちゃった。
ひとつひとつの文章が短かったから、気持ちよ〜く読めました!
あとー、台詞が多くてすごく読みやすかったです!
「そうですか……ベジータさんは今日から野宿希望ですか……」この言葉! 耳に心地よいフレーズですね!
あと、文章作法を守ってない箇所がちょくちょくあったように思います。
あと、空行が多かったように思います。
あと、ちょっと記号の類が多かった気がしました。
これからもがんばってください! 応援してます!
424愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:50:32.53 ID:Wz6RVuhq0
心地よいフレーズなのかよwwwwww
425愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:53:25.40 ID:d20QgH7F0
誰か遊びでノベルチェッカー全感想とかやってみてくれwwwww
426愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:54:04.41 ID:wr/xB76Q0
嬉しくないwwwwwwwwwwwww
427愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:55:47.30 ID:sLKIqk8w0
褒めてくれるなら何でも嬉しいwwwwwwwww
428愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:58:28.93 ID:Au5CMAnd0
みんな飢えてるんだな……
429愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 21:59:57.89 ID:Jy9wkfGh0
全感想書いたけどノベルチェッカー風に書き直そうかな
430愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:00:49.25 ID:wr/xB76Q0
>>429
早まるなwwwwwwwwwwwwwwww
431愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:00:49.12 ID:uBcRzTy00
空前のノベルチェッカーブームですね><
432愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:02:06.12 ID:d20QgH7F0
これで>>429の全感想が
口調はノベルチェッカーなんだけど内容はすごい酷評っていう
酷評ノベルチェッカーになったりしてなw
433愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:02:44.35 ID:koTwXjvG0
お題クレ
434愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:03:04.54 ID:uBcRzTy00
視聴
435愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:04:25.11 ID:Jy9wkfGh0
一応酷評過ぎて、我ながらこれはどうかという感想は投下前に直してますよ

何しろひとのこと言えないし……
436愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:08:51.09 ID:wr/xB76Q0
あなたの

本音の評価が欲しいのです
437愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:11:41.26 ID:u8fNFxX00
まとめますた
438愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:12:01.99 ID:Au5CMAnd0
あなたの

本当の気持ちが欲しいのです
439愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:15:18.38 ID:d20QgH7F0
実は、ずっと前からあなたのことが……
440愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:16:26.99 ID:K29puAyv0
ずっと前から気になっていたんです。あなたの……
441愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:16:42.68 ID:u8fNFxX00
予想:44作品
442愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:18:08.00 ID:iNZAFDFv0
久々の練習。
お題をくださいなっと↓
443愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:18:43.54 ID:sLKIqk8w0
体温計
444愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:19:30.19 ID:iNZAFDFv0
>>443
把握。エッチになりそうな悪寒。
理性を保って頑張れ俺。
445特別な時と事情 ◆iiApvk.OIw :2007/02/18(日) 22:20:52.72 ID:TbEDhkZr0
品評会用作品を投稿させてもらいます(゚д゚)
446愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:21:14.65 ID:Au5CMAnd0
ノーブラの上にだぼだぼのシャツ着て口に体温計咥えている架空の幼馴染を一瞬で想像した俺は最早末期
447特別な時と事情(1/3) ◆iiApvk.OIw :2007/02/18(日) 22:21:37.68 ID:TbEDhkZr0
 牛乳配達の仕事を始めてから、俺の生活リズムは
極端な朝型になった。まだ真夜中と言ってもいい頃から動き始め、
ようやく朝焼けを見る時には仕事はほぼ終わっている。
 ずっしりと重い牛乳瓶を、時には高層マンションの最上階に
運ぶことだってある。それは決して楽ではないが、それでも
俺はこの仕事が気に入っていた。
 理由は二つある。
 一つは朝の空気が好きだからだ。
 昼間は辺りに飛び散っている埃も、この時間帯は地面で静かに眠っていて、
上澄みのような透明な空気を独占できる。都会を汚いと嘆く人はいるが、
こんなにも素晴らしい姿があるのだ。

 そしてもう一つはあの人に会えるからだ。
 初老の女性で、その洗練された立ち振る舞いは正に淑女と呼ぶに相応しい。
 まだ日すら出ていない時間にも関わらず、必ず玄関の前に立っていて、そして
柔らかな笑顔で出迎えてくれる。さらには俺が牛乳を渡すと、丁寧にお礼を言って
労いの言葉をかけてくれるのだ。
 今の世の中にこんな人がいるとは思わなかった。
「毎朝、大変でしょう」
「若いのに偉いのね」
 そんな聞き慣れた言葉も、彼女の口から発せられると新鮮に聞こえ
心に響いてくる。俺はそれを聞くたび、今日は素晴らしい日に
なりそうだと思えるのだ。
448特別な時と事情(2/3) ◆iiApvk.OIw :2007/02/18(日) 22:22:02.35 ID:TbEDhkZr0
 ある日の夕方、買い物の帰りにたまたま彼女の家の前を通りかかった。
 毎朝見る感じとはやはり少し違う。
 家は良く見積もっても築二十年を超えているだろうが、しかし玄関から
庭に至るまで丁寧に手入れがされていて、俺は彼女の気品さを再認識した。
 彼女はずっと昔から一人でここに住んでいるそうだ。
 俺は老人が一人で住むには大きすぎる家だと思った。
 家族はいないんだろうか。

 特にこれ以上立ち止まる理由もないので、歩き始めようとしたとき
彼女の家から何かが割れる音が聞こえた。続けて、男の罵声が周囲に
響き渡った。男は相当激昂しているようで、また何かが割れる音がした。
 俺が呆然と立ち尽くしていると、今度は女性の悲鳴に似た
叫び声が聞こえた。想像はできないが、恐らく彼女の悲鳴だろう。
 それと同時に何かが窓ガラスを突き破って俺の足元に飛んできた。
 よく見るとそれは俺が今朝、彼女に配達した牛乳瓶だった。
 まだ飲まれていなかったらしく、割れれた窓周辺に牛乳が
飛び散っていた。
 俺はこれ以上この状況が続くようだったら警察に通報しようと考えたが、
窓ガラスが割れたのを最後に物音一つしなくなった。
 どう対応していいか分からず、俺はその場を逃げるように立ち去った。
449特別な時と事情(3/3) ◆iiApvk.OIw :2007/02/18(日) 22:22:30.99 ID:TbEDhkZr0
 次の日も俺はいつも通り、朝早く彼女の家に向かう。
 あんな事があったのだ。もしかしたら今日はいないかもしれない。
 しかし俺のそんな予想は完全に裏切られた。
 彼女はいつものように高貴な雰囲気を漂わせながら、俺を親切に
出迎えてくれたのだ。それだけなら理解できた。品のある人間は
自分の都合によって対応を変えたりなどしない。
 しかし、何事もなかったかのように牛乳瓶を返してくれたことは
理解ができなかった。わざわざ瓶を用意したのだろうか。しかしこの牛乳瓶、
関係者以外が手に入れるのはそう簡単ではない。また窓も修復されていた。
 俺は一つ彼女に質問をしてみた。
「昨日の牛乳はどうでしたか?」
 表情を伺おうと考えたが、何の曇りもない笑顔で
「大変、美味しかったですよ」
 と答えるだけであった。
 飲んでるはずがない。
 それどころか、彼女は牛乳を飲んだことがあるのだろうか?
 そんな疑問が俺の中で沸きあがってきた。

「今日も一日、頑張ってくださいね」
 怪訝な顔をしている俺に対し、彼女はいつも通りの落ち着いた
口調だった。
 
 それを聞いて俺は詮索するのを止めようと思った。
 今日も空気は澄んでいて、そして彼女はいつも通り清清しいのだ。
 これ以上、何も望む必要などない。
 俺にとっても、そして恐らく彼女にとってもこの素晴らしき朝だけは
特別な存在なのだ。
450 ◆iiApvk.OIw :2007/02/18(日) 22:23:09.69 ID:TbEDhkZr0
以上です。
451愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:24:29.82 ID:u8fNFxX00
>>450
まとめたよーっ!
452愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:24:50.66 ID:F7Ycpp3nO
今週の品評会のってどこで読めるん?
453愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:25:47.58 ID:TbEDhkZr0
>>451
thx! 仕事速いですね。
454愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:26:07.24 ID:u8fNFxX00
455愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:26:49.55 ID:vOE96+ct0
456愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:30:39.64 ID:Rz6p6qG30
今から書き始める俺\(^o^)/オワタ
457愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:31:40.77 ID:u8fNFxX00
牛歩戦術か
458愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:32:16.64 ID:F7Ycpp3nO
>454-455
謝謝
459愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:34:29.33 ID:wr/xB76Q0
>>456

一時間もないwww
超速筆期待
460愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:35:07.66 ID:vOE96+ct0
カオス直前にお題をもらうZE
461愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:35:47.11 ID:u8fNFxX00
1999
462愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:36:42.89 ID:vOE96+ct0
>>461
把握
463 ◆gvv9Qu6Mx. :2007/02/18(日) 22:37:04.23 ID:lu7+BBlMO
品評会投下よろしか
2レス予定
464愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:37:05.51 ID:iKnOQ0t30
お題たのむ↓
465愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:37:39.20 ID:sLKIqk8w0
ミレニアム
466愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:38:01.76 ID:u8fNFxX00
>>464
「邪魔者」
467愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:39:58.78 ID:u8fNFxX00
>>463
おk
468愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:40:06.58 ID:iKnOQ0t30
>>465
把握
>>463
どうぞ
469魔神見参!! 1/2  ◆gvv9Qu6Mx. :2007/02/18(日) 22:40:26.69 ID:lu7+BBlMO
ごくごく
 今日もボクは牛乳を飲む。
ぐびぐび
 大嫌いな白い牛汁を、飲む。
ぐっ、ぐぅーっ……ぷはっ!
 どうにかして、憎き牛乳を飲み干した。ふと鏡を見ると、鼻の下が白くなっている。
 ……だから嫌いなんだ。牛乳は。味も嫌だけど。
 だけど、飲まなきゃいけない。飲まないと、大きくなれない。らしい。
 ボクは小さかった。同年代の子と比べても、明らかに小さい。
 それが、悩みだった。
 だからこうして、嫌いな牛乳を毎日飲んでるわけなんだけど……
 一向に、大きくなる気配はなかった。詐欺か。
 ふぅ。とため息をついて、牛乳パックを持ち上げる。すると、あと少ししかないことに気づいた。
 この際だから、飲んでおこう。そう思うと、ボクは今しがた空にしたコップに、残りの牛乳を注いだ。
とくとく……つつーっ
 案の定、残りは僅かだった。コップの底のほうに少したまって、パックは空になった。

 そのとき、異変が起きた。
 空のはずの牛乳パックから、もくもくと白煙が立ち上ぼり始めたのだ。
 そしてその白煙は、徐々に人の形を成していき――、終いには、太ったおっさんになった。
 呆然と立ち尽くすボクに向かって、おっさんは言った。
470魔神見参!! 2/2  ◆gvv9Qu6Mx. :2007/02/18(日) 22:41:59.65 ID:lu7+BBlMO
「こんにちは。私は牛乳魔神と申すもの。突然だが、おめでとう」
 意味がわからない。おめでとうってなにさ。
 そんなボクを尻目に、おっさんは続ける。
「キミは嫌いな牛乳を、毎日毎日飲み続けた。その頑張りが、私を呼び起こしたのだよ」
 へぇ。だからなにさ。
「そこで、私からのごほうびとして、願いを一つだけ叶えてあげよう」
 な、にぃ!?
 衝撃。まさかこんなチャンスに巡り遇えるとは。ボクは即座に、願いを口にした。
「ボクを、大きくしてください!」
「お安いご用さね。それではいきますぞ」
 おっさんは何やらぶつぶつと唱え始めた。万物の長たる牛乳神がどうとか、
我が盟約に応えだとか。よくわからないのでスルーしたけど。
 すると、ごご、という音と共に、ボクの体が光に包まれた。
 そして、むくむくと体が大きくなる、奇妙な感覚。なんだか信じられないけれど、
ボクは確かに、大きくなっている!

 そして、光はなくなった。ボクの目線は、さっきよりも随分高くなった。
 確かに、確かに大きくはなったけれど――肝心の、スタイルが変わっていなかった。
 これじゃあ……これじゃあ……

「これじゃスケールアップしただけじゃないか!」

 おっさんに向かって叫んだ。しかしそこにはもう、空の牛乳パックしかなかった。

終い
471 ◆gvv9Qu6Mx. :2007/02/18(日) 22:42:56.24 ID:lu7+BBlMO
なんか色々とスマンカッタ
472愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:43:31.73 ID:u8fNFxX00
>>471
乙。まとめました
473愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:44:04.14 ID:CZm7hWB+0
確認したいんだけど、一レスって30行だっけ
474愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:44:45.40 ID:9HBnH0I+0
こんな時間に聞くのも何だけど、今回の品評会お題って何?
475愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:45:15.42 ID:vOE96+ct0
>>474
ノベルチェッカー
476愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:45:19.90 ID:meW4uSSb0
477愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:45:32.54 ID:u8fNFxX00
>>473
イエス

>>474
>>3
478477:2007/02/18(日) 22:46:27.45 ID:u8fNFxX00
>>476
さて式はどこで挙げるか……
479愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:47:05.20 ID:CZm7hWB+0
>>476-477
把握。ありがとう
480愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:47:09.21 ID:9HBnH0I+0
>>475
一瞬騙されたwwwww

>>476-477
サンクス。
じゃあ、書いてみようかな……絶対時間足りないんだぜorz
481愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:47:18.86 ID:meW4uSSb0
>>478
え、なにこれ、これが・・・・・・恋?
482愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:51:33.94 ID:rsmzntZs0
お題くで
483愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:52:06.74 ID:sLKIqk8w0
結婚式場
484愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:52:27.79 ID:u8fNFxX00
バリカン
485愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:52:46.47 ID:rsmzntZs0
>>483 >>484
Fuck もとい把握
486 ◆hemq0QmgO2 :2007/02/18(日) 22:53:07.33 ID:t9dUCyzwO
カオス寸前に品評会三レス投下します。
487夜長姫(1/3) ◆hemq0QmgO2 :2007/02/18(日) 22:53:45.41 ID:vYMXrEVT0
「ここには昔からなんにも無いの。怖いくらいつまらなくて寂しいから、羽虫みたいに人が灯りに群がるの」
 くるみが言った。蜘蛛の糸みたいに細く弱々しい声だった。なんにも無い街、か。
「ずっと渋谷に住んでるの?」
「うん、ずっと住んでる。寂しいけど、病気のパパとママがいるから、住んでる」
「二人共病気なの?」
「うん。病気、病気なの。ねえお巡りさん、私を助けて。誰も知らない所へ逃げたいの、お願い……」
 くるみは静かに泣いていた。嗚咽の一つさえ、聴こえなかった。病気。さて、どうしたものか。
「君を遠くへ連れて行くことは出来ない。でも、とりあえず交番で休ませることぐらいは出来る。不満かい?」
 くるみは何も言わずに、ゆっくりと首を降った。多く見積もっても十代後半の女の子なのに、
その仕草には老婆の貧しさと痛みが混在していた。ああ、本当に、ここにはなんにも無い。
「行こう。歩けるかい?」
 くるみはうん、と小さく返事をして、シミだらけのベンチから立ち上がった。
 夜のセンター街の喧騒を後目に、半年前に僕が配属された道玄坂上交番まで並んで歩いた。二人共黙っていた。
秋風が少女の滑らかな黒髪を払う。白痴的な官能を感じた自分に気が付いて、嫌な気分になった。

「おい、動くな。お前等何してんだ?」
 問答無用に高圧的な声が聞こえた。間違いなく警官の声だ。それでも俺は目の前の男、
些細なことで殴り合いの喧嘩になった学生風の男、に中段回し蹴りを放つ。が、右足は虚空を斬った。
男は警官に恐れをなして駆け出していた。ヘボ野郎! と、俺が叫ぶ。挑発も虚しく、
ヘボ野郎は消えてしまった。俺は背後から警官に取り押さえられた。抵抗する気も起きなかった。
 俺にその気が無いことが判ったらしく、やがて警官は力を抜いた。俺は立ち上がって、ちっ、と舌を打った。
「おい、喧嘩か? 相手は誰だ。知ってる奴か」
 俺はまだいくらか興奮していた。
「知らねえよ。てか俺はどうなんの? 捕まんの? でも相手逃げちゃったよ」
「とりあえず交番まで来てもらう。話はそれからだ」
「あっそ。じゃあよろしく」
 落ち着いてくるにつれて、右頬に鋭い痛みを感じた。唾液は血の味がする。まったく、やられ損とはこのことだ。
煙草をくわえると唇がひりひりした。上着のポケットをまさぐる。ライターが無い。
どうやら揉み合いになった時に落としたようだ。ちっ。俺は煙草をくわえたまま、警官に語りかけた。
488夜長姫(2/3) ◆hemq0QmgO2 :2007/02/18(日) 22:54:02.26 ID:vYMXrEVT0
「お巡りさん、悪いけど火ぃ貸してくんない?」
 警官は無言でライターを差し出した。三口ほど吸うと、馬鹿らしさが込み上げてきたので、捨てた。
吸い口が赤く染まっていた。化粧の濃い女みたいだな、と思った。相変わらず警官は何も言わなかった。
苛つく街だ。痛みのせいだけじゃあない。なんにも無い街だ。いや、陰鬱な痛みだけがある街だ。

 交番に到着した。駐在していた同僚に適当な理由を説明して、くるみを救護室に連れて行く。
そういえば本名も年齢も聞いていないな。まあ、特に聞く必要も無いのだけれど。彼女の素性を知ったところで
僕に何が出来る訳でも無い。ここに勤めるようになってから、僕は様々な可能性を殺す方法を覚えた。
 そうゆう意味では、僕も「病気」なのかもしれない。優しい病人。口にこそ出さないが、くるみは
僕をそう見なしているのかもしれない。さっき掛けてやった茶色い毛布にくるまっている少女を見ながら、
そんなことを考えていた。冷蔵庫から牛乳を取り出してマグカップに注ぐ。
「温かい牛乳を出すから、ちょっと待っててね。まだ十月だけど、夜は冷えるから」
 くるみは「ありがとう」と、枯れた声で言った。二番目の言葉を紡げない魔法をかけたような声だった。
古い電子レンジが奥歯に染みる音を奏でる。その気だるい低音が、この小さな部屋の音楽の全てだった。

 交番に到着するや否や、取り調べが始まった。俺は住所や氏名、年齢を無愛想に、しかし正直に、答えた。
「新宿区の井沢ヨシノリさん二十七歳、ね。職業は?」
「運送業。あのさ、悪いんだけど顔が痛いんだ。応急処置でいいから済ましてくんない?」
 警官は少し考えてから、俺の要求を呑んだ。案内されて救護室へ向かうと、先客がいた。若い女、いや少女だった。
毛布にくるまってマグカップを傾けている。俺を連れてきた警官が少女の面倒を見ている若い警官に言った。
「杉本、俺巡回行くから頼むわ。この人は手当てして大丈夫そうなら帰してやってくれ。
とりあえずお前一人だけど大丈夫だろ。二十分くらいで朝倉達も戻るだろうしな」
 押し付けるようにそう言い残すと、俺を連れてきた警官は出ていった。やれやれ、適当なもんだ。
押し付けられた若い警官は俺の腫れた顔を見ると、何も言わずに戸棚から消毒液やバンソウコウを取り出した。
そして取り出したそれらを、やっぱり何も言わずに、おざなりな調子で俺の顔に塗ったり貼ったりして
処置は終わった。俺が軽く礼をすると、小さな声で「いえいえ」とだけ言った。
 暗い奴だ。ところで、俺はもう帰っていいのだろうか。唇の傷を弄くっている俺を見て、暗い警官が言った。
「あ、もう帰っても大丈夫ですよ。それともなんか飲みます? お茶とコーヒーと牛乳くらいしか無いですけど」
「うーん、じゃあ温かいミルクもらえる? 一杯飲んだら帰るから」
489夜長姫(3/3) ◆hemq0QmgO2 :2007/02/18(日) 22:54:40.10 ID:vYMXrEVT0
 警官は俺にホットミルクを差し出すと救護室を出ていった。二人きりになった。向かいに座った少女は
空のマグカップを大事そうに両手で掴みながら、壁に掛かった時計をじっと眺めている。家出少女か。
俺は煙草を取り出して、机の上のライターを拝借した。煙を吐くと頭がくらくらした。ミルクを飲むと傷の痛みが
少し和らいだ。ぼやけた蛍光灯に一匹の羽虫が近づいては離れる。やがてどこかへ消えてしまった。静寂が続く。
煙草を消して少女を見る。目が合った。傷だらけの俺の顔を不思議そうに見つめている。俺が口を開いた。
「どうかしたか? 俺の顔なんかじっと見つめても何の得もないだろう、かわいこちゃん」
 それでも少女は俺の顔をじっと見つめている。やがてゆっくりと口を開いた。消え入りそうな掠れ声だった。
「お兄さん、あなたも病気なの? この何も無い街で私を寂しくさせる人なの?」
 病気? 突拍子も無い質問を受けた俺は戸惑いながらも、可能な限り正直に答えた。
「うーん、たぶん病気じゃあないな。ご覧の通り怪我はしてるけどね。それに俺の家はここじゃない」
 突然、少女が身を乗り出して哀願した。無意味にエロチックな声と顔で。
「お願い、お兄さん。ねえ、私をどこか遠くへ連れて行って。お願い。私このままじゃ……」
 少女は泣いていた。大袈裟で脈絡の無い娘だ。しかし、自分の職業が長距離トラック運転手である
ことを思い出して、少女の家出に手を貸すのも悪くないな、と思った。思った時にはもう答えていた。
「わかった。いいよ、連れて行ってやる。そのかわり二日だけだ。最後に聞くぞ、本気か?」
 少女は涙目を擦りながら、力強く頷いた。俺は温くなったミルクを飲み干す。少年のように浮ついた気分だった。
「よし、じゃあ行こう。正面は駄目だ。あいつがいるからな。裏口から静かに出るぞ。ところで名前は?」
 少女はくるみ、黒沢くるみ、と答えた。
「くるみか。俺は井沢、井沢ヨシノリだ。よろしく」

 無意味な書類を整理しながら思う。僕はくるみをどうしたいんだろう。くるみは少女、少女だ。それでも
僕はくるみを愛している。愛しているんだ。道端でうずくまっている彼女に声を掛けて美しいその顔を見た時、
僕は一瞬で恋に落ちた。本当に落ちたんだ。何も無いのに。病人なのに。違う。僕は愛しているんだ。
くるみを、その全てを。言い訳するな。逃げるんだ。出来るんだ。彼女と世界の果てまで……。
 僕は覚悟を決めて立ち上がった。彼女と僕の夢を叶えるために。この仕事はクビになるだろう。
それでもいい。後のことはあの人、あの怪我人に説明してもらおう。格好つけるな。僕はくるみを――。
救護室には誰もいなかった。空っぽのマグカップと蛍光灯に群がる二匹の羽虫が何もない世界の象徴だった。(了)
490愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:55:42.71 ID:u8fNFxX00
おつー。まとめた
491 ◆hemq0QmgO2 :2007/02/18(日) 22:55:56.62 ID:t9dUCyzwO
完了しました。まとめの方乙です。
492愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:56:48.43 ID:ek+4PPMm0
まとめさんマジ乙
仕事の迅速さにビビる
493愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 22:57:35.92 ID:Ezb4a4TL0
先ほどもらったお題が、長編板に投下しそうな勢いで書かれていく……
494 ◆dx10HbTEQg :2007/02/18(日) 22:59:54.01 ID:7LxER6dTO
完成した。投下しようとしたらパソコンが止まった。
全力で復旧中なのでとりあえず予約をば。
495 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:06:33.98 ID:3K85sQts0
今北。
23時を過ぎましたのでここから先は投下予約をお願いします。
496愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:07:12.53 ID:9HBnH0I+0
>>495
投下できるか微妙な場合でも予約してよろしいでしょうか。
497 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:08:43.59 ID:3K85sQts0
>>494
ちょっと待っとくね。30分までには復旧宜しく。

>>496
完成して、すぐにでも投下できる状態でなければ予約は認められません。
498愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:09:41.59 ID:9HBnH0I+0
>>497
わかりました。
499 ◆dx10HbTEQg :2007/02/18(日) 23:10:48.74 ID:Z1BK6SCy0
あ、意外と早く復旧。
変な音がするのはわかるけど、パソコンから変な匂いって解せないよな。
投下できますー。
500 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:12:30.78 ID:3K85sQts0
>>498
頑張ってね><

では、◆dx10HbTEQgよろしく。
作品投下中であっても予約は早めに。
23:30を過ぎた時点で時間外になるので気を付けてね。
501不小事(1/3) ◆dx10HbTEQg :2007/02/18(日) 23:13:17.77 ID:Z1BK6SCy0
 宇宙船の一室で、エルマーは本日十杯目のギュウニュウを煽いでいた。
 それは、元来彼の星――ドイハ星では生息していないはずの、ウシから搾り取られた飲料である。
 ドイハ聖人には悲願があった。どんなに頑張っても百五十六センチ以上にはならない身長。その問題は
百余年程度前に打開された。
 すなわち、地球からの強奪である。
 地球環境は、ドイハ星人には滞在するだけでも死の危険性があった。それを得意の科学技術などで克服し、
根こそぎ頂戴した。
 身長を伸ばすことに、そこまでする価値を彼らは見出した。
「ぷっはー」
 一気飲み。甲殻類を思わせる四本の指を器用に動かし、飲み干したパックを捨てた。
 エルマーの背丈は百二十。未だ目に見えたギュウニュウの効果は現れていない。
 しかしドイハ星人は、そしてエルマーは信じていた。百七十センチを超える日は、必ず来ると。
 その証拠に、地球人はなんとしてでもウシを取り戻そうと躍起になっている。
「あー。こちらホチカターリェフ号。異常なし」
「よし、そのままパトロールを続ろ」
 定時報告を終え、ギュウニュウに再び手を伸ばす。どうせ何の問題も起こるわけがない。軍人ではあるが、
パトロールを担う彼は、基本的に戦うことなどできないのだ。
 当時は圧倒的な戦力差に屈服し、地球人はウシを自ら差し出さした。しかし、月日をかけて力をつけた彼らは、
ドイハ星と渡り合えるほどにまでとなっていた。
 現在はウシを巡っての宇宙戦争が繰り広げられている。活躍しているのは、専門の訓練を受けた者たちだけだ。
「ん?」
 レーダーが反応した。すぐ傍に点滅する点がある。ギュウニュウに気をとられて、気づかなかったらしい。
 避けるべく操縦桿に手を伸ばし、操作しようとした、その時。
「へっ?」
 手が滑った。
 勢いよくエルマーの船は滑空し、ホチカターリェフ号の一回りも二回りも小さな船に激突した。
502不小事(2/3) ◆dx10HbTEQg :2007/02/18(日) 23:13:36.06 ID:Z1BK6SCy0
 どうしようどうしよう、どうするべきか。カマキリのような目玉をくるくる回転させながら焦る。
 そもそもどうして操作ミスを? 今までこんなことはなかった。なぜか、体が思うように動かなかったのだ。
 乗務員はどうなっただろうか。船籍は、ドイハ星。地球人なら迷わず見捨てる所なのに。
 立ち去ればバレないだろうか、でも露見したらまずい。
 レーダーに早く気づいていれば、と再度見直すと前方にまた点が現れていた。船籍は……地球!
 びーっと断続的な機械音がエルマーに注意を促す。敵船にだけ反応して発する音に怒りが募るが、それどころではない。
「よっし、落とすぞー……。手柄だ、今は手柄に集中しろ……」
 敵船を破壊。重要なようでいて地味でしかない任務につく彼には、滅多にない機会だ。
 攻撃するべく、眼前の船に焦点を当てる。後はボタン一つ押すだけでその船は大破する。
 ボタンに手を伸ばそうとしたその時、敵船が妙な動きをした。音が、ピピピ、というものに変わる。
 交信の要請?
 なんだというのだろうか。無視してもよいが、何か情報があるのかもしれない。
 未知の状況に、不可解ながらも相手の信号を受信する。
「当船は危害を加えるつもりはない! 危害を加えるつもりはない!」
「戦争中の敵船に言われて信じられると思うか」
「私たち地球人はドイハ星との戦争は望んでいない!」
 まさか。地球がドイハ星へ積極的な接触をしたのは、ウシを奪ったことへの報復に違いない。そう確信したから
こその、開戦だった。
 そう伝えると、相手からは俄かには信じがたい返答が来た。曰く、ウシがなくなったのは確かに痛手ではあるが、
地球の技術発展のためになら譲歩しようとのことだ。相互協力によっての、科学技術の発展を望んでいるらしい。
「それにギュウニュウはドイハ星人には危険だ! そもそもあなた方は動物性のものを摂取するようには――」
 その上、ギュウニュウの危険性について語り始めた。訳の分からない成分、悪影響、消化云々。
 そしていずれ体が不随意になる可能性。なんとなく頭に引っかかるものの、エルマーは特に気にしなかった。
 つまり地球人は。思い至った結論に、彼は笑った。
503不小事(3/3) ◆dx10HbTEQg :2007/02/18(日) 23:13:59.85 ID:Z1BK6SCy0
「俺をだまそうとしても無駄さ」
 躊躇いなく、エルマーはボタンを押した。ミサイル発射、敵船撃破。
 結局地球人はギュウニュウを取り戻したいだけなのだ。そのために嘘の情報をエルマーに告げ、動揺させる。
 弱者のやりそうな姑息な手段。
 爆発した船を見つめながら、エルマーは歓喜した。
 やった、勝利だ。一隻だけで勝ったのだ。
 報酬が貰えるだろう。昇進できるかもしれない。
 初めての交戦、初めての勝利。浮かれに浮かれ、彼は本日十二杯目のギュウニュウを手に取った。

 パトロールは交代制で行われている。任期を終えてドイハ星に降り立ったエルマーは、上官に報告すべく
司令室に訪れた。本来ならばそのような場所にまでは出向かないのだが、直々に呼び出されたのだ。
 きっと敵船と交戦したことに関して、何か褒美があるのだ。彼は冷めない興奮に酔いしれ、扉を開けた。
「ただいま参りました」
「ご苦労。地球船を撃破したとのことだったな?」
 上官の労いの言葉。しかし、その声に熱はなく、ぎょろりとした目はとても冷たい。
 何か問題でもあっただろうかとエルマーは焦る。そういえば、どこかドイハ星の空気が重い気がした。
「……報告が入ったよ。お前の撃破した敵船は和平の申し入れのものであったとな」
 気軽に攻撃していいものではなかったのだ、と低く上官は告げた。
 その和平の使者は脱出ポットでどうにか避難し、全員無事とのことだった。
 地球は聞く耳を持たない野蛮なドイハ星人に対し、徹底抗戦を打ち出すことに決定したとのことだった。
 戦争によって両星は疲弊している。その終結を、エルマーの短慮が打ち壊したのだった。
「も、申し訳、ごごございませんでしたっ」
「そうそう、それと、な。同じ日に同じように緊急避難した船があってだな」
 必死の謝罪は聞こえなかったふりで、上官は話を急に切り替えた。
「お前の航海していた所で、遭難した宇宙船があったのだ。それにはお前の船の塗料が……」


どっとはらい
504不小事 ◆dx10HbTEQg :2007/02/18(日) 23:14:40.78 ID:Z1BK6SCy0
*当作品はM社とその関係者、H氏とそのファンに対してなんら悪意を以って創作なされたものでは(ry

終わりです。次の方どぞ。
505 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:14:52.60 ID:3K85sQts0
他に投下する人は居ませんかー?
あと15分ですよー。
506愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:15:28.15 ID:wr/xB76Q0
なんとカオスが無いとな
507 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:15:49.09 ID:3K85sQts0
>>506
いや、問題はこれからなんだよwwwww
508愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:15:57.05 ID:sLKIqk8w0
カオス回避来るか?
509愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:16:05.81 ID:vOE96+ct0
今回は難しい難しいと言われていたのにカオスが無いとな
510愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:16:11.74 ID:arkY3g/D0
カオスがないだなんて……おかしいと思わないか?
511愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:17:03.82 ID:Z1BK6SCy0
いや……俺にはわかる。
忍び寄るカオスの足音が!ほらそこに!
512愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:17:16.85 ID:Au5CMAnd0
何度も言うようだけれど、予約はお早めにね。数秒遅れでアウトなんて寂しすぎるから。
513愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:18:30.47 ID:vOE96+ct0
前回は3秒遅れの人がいたんだっけか
514Uni ◆vDmN7OM/Z2 :2007/02/18(日) 23:19:17.19 ID:Axz81Thm0
投下行きます
515愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:19:43.33 ID:w/jKYYEMO
感想wktk

ん? 気が早い?
516愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:19:55.75 ID:l9oduUZNO
みんなの祈りが届いたのね!?
517Uni ◆vDmN7OM/Z2 :2007/02/18(日) 23:20:30.83 ID:Axz81Thm0
牛乳は美味い。俺は牛乳が大好きだ。


ある、冬のことだった。
あの日は寒かったなぁ。そうだ、雪が降ってたんだっけ。かなり積もってた。
俺はその雪の降る街の夜道を、ひとりでトボトボと歩いていたんだ。
そのとき俺はものすごく腹を空かせていて、フラフラだった。
それからしばらく歩いていると、後ろから足音が聞こえてきたんだ。
反射的に振り向こうと体をひねった瞬間、俺の手が雪でつるってすべって、転んだ。
全身とまではいかないが、体半分くらいが雪に埋もれたな。
そりゃあもう冷たかったし、寒かった。
体力も限界で正直もう動けなかったし、俺もうこのまま死ぬんじゃないかと思った。
そのときだ。

「大丈夫?」

その声が聞こえた後、俺の体は雪から引っ張り出された。
女の人が俺を助けてくれたんだ。後ろから聞こえた足跡はこの人のものだったらしい。

「お腹、空いてるの?」

俺はなにも喋れなかった。
ただ、その人の顔を見返すことしかできない。声も出せなかった。
そこで、俺は意識を失った。
518 ◆tGCLvTU/yA :2007/02/18(日) 23:20:31.72 ID:CZm7hWB+0
後の予約である
519Uni ◆vDmN7OM/Z2 :2007/02/18(日) 23:22:01.17 ID:Axz81Thm0
目を覚ますと、そこは知らない部屋だった。
「あ、起きたね」
声のするほうに顔を向けると、そこにはさっきの女の人がいた。
ここは彼女の部屋のようだ。俺は毛布にくるまって寝ていた。
「飲む?」
そういって彼女が俺に差し出したのは牛乳だった。
俺は牛乳が大好きでさ、大喜び。俺はありがたく頂戴した。
素晴らしいことにその牛乳はちょうどいい熱さで、俺の好みの温度を知っていたとしか思えない。
すっげーうまかったよ。
牛乳を飲み干したあと、俺は感謝の気持ちを女の人に伝えようと声を出した。
その声を聞いて意味をわかってくれたのか、女の人はニッコリと笑った。
「男のコだよね?」
「あんなところで何してたの?」
「元気、出た?」
「牛乳、おいしかった?」
彼女は楽しそうに俺に話しかけてきた。けど、俺は喋れない。
当たり前だが、声を出しても女の人には通じなかった。
しかし女の人はそんなことはおかまいいなしに話しかけてきた。
「君、ひとりなの?」
女の人はその言葉を言ってから、急に涙目になった。
「私も一人なんだ…」
520愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:22:23.33 ID:9HBnH0I+0
駄目だ……ちょっともう時間ねぇ……。

体温計を書こう……。
もう一つお題ください↓
521Uni ◆vDmN7OM/Z2 :2007/02/18(日) 23:22:38.63 ID:Axz81Thm0
女の人は急に泣き出した。
誰かの名前、たぶん男の人の名前をつぶやきながら、

「どうして?」

「まだ好きだよ…」

「さよならなんて言わないでよ…」

と言っていた。
とても悲しそうで、見ているのが辛かった。
どうか泣くのをやめて欲しい。
死にかけの俺に牛乳を振舞ってくれた、こんな優しい人間を泣かせたくなかった。
俺は、女の人の肩に飛び乗って、ほっぺをなめた。
涙がしょっぱかった。
女の人はちょっと驚いて、肩に乗った俺を見た。

「もしかして、慰めてくれるてるの?」

俺は、ただ一声鳴いて、もう一度女の人のほっぺをなめた。

「ありがとう、優しいんだね」

「猫なのにね」


女の人くしゃくしゃの顔で笑って、また牛乳を俺に振舞ってくれた。


522Uni ◆vDmN7OM/Z2 :2007/02/18(日) 23:23:16.55 ID:Axz81Thm0
つぎどぞ
523 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:24:28.65 ID:3K85sQts0
◆tGCLvTU/yAどうぞ。
524愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:24:33.82 ID:sLKIqk8w0
>>520
酒場
525いつか天の川を渡って(1/3) ◆tGCLvTU/yA :2007/02/18(日) 23:24:54.72 ID:CZm7hWB+0
 長いような、短いような三年間だった。
 校舎の屋上から校庭を見下ろす。式からもう結構な時間が経つのに、帰ろうとする人がほとんどいない。
 仲の良い奴らとは最後に話したし、そろそろ帰ろうかと考えていると、
「ここにいましたか」
 ドアの方で声がした。聞き覚えのある、どこまでも響き渡るような透き通った声。どこか安堵を覚えてしまった。
 振り返ると、やはり彼女だった。両手にビニール袋を提げていたのは予想しなかったが。
「お前か、やっぱり」
「はい。私です」
 にっこりと愛嬌のある笑顔でコツコツと足音を立てて近づいてくる。
 よいしょ、と口に出して少し距離を置いて腰を下ろす。この距離感が心地いいと思う。もう一歩でも近づけば恋愛、
もう一歩でも離れてしまえばただの友人。そんな絶妙な距離感。愛だの恋だのは、正直あんまり得意じゃない。
「ご卒業おめでとうございます」
 そういうと、わざわざ体ごとこちらを向いて正座までしてペコリと頭を下げた。
「お互い様にね」
 彼女のようにわざわざ頭を下げることはしないが、礼儀としてこちらも体を彼女の方に向けて言う。
「それでは、乾杯といきましょうか」
 袋からコップを取り出し、目の前と彼女自身の前にもコップが置かれる。
「おいおい、酒はまだ飲めないぞ」
 もっとも彼女なら笑顔のままで何杯でも飲んでしまいそうな気がしないでもない。
「何言ってるんですか、お酒なんか飲みませんよ。私たちが乾杯するといったら……これです」
 袋からガサゴソと音を立てて、彼女は紙パックの牛乳を取り出した。
「これは私の、これは和彦さんの分で」
 市販されている一リットルの牛乳パックが目の前に置かれる。少しだけ苦笑を漏らす。しかし、構うこともなく
彼女はコップに牛乳を注いでいく。
 思えば最初もこんな感じだった。この屋上で、一人でこの牛乳をとても美味しそうに飲んでいる変な女の子。クラス
になかなか馴染めず、一人屋上でパンを食べようとしていた男。なんとも奇妙な出会いだった。
 女の子と牛乳とパンをはんぶんこに分けあうやりとりはとても新鮮だった。
 それから二年。自分自身、学校にも慣れれば、彼女もクラスに友達だっている普通の女の子だと知るには充分すぎる
時間だった。牛乳から出会いが始まって、牛乳に終わる出会い。こうやって、ここで牛乳を飲むのもこれが最後か。
526愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:25:02.97 ID:9HBnH0I+0
>>520
把握。
527いつか天の川を渡って(2/3) ◆tGCLvTU/yA :2007/02/18(日) 23:25:30.79 ID:CZm7hWB+0
 無言で牛乳をあおる。牛乳なんて別に好きでもないし、飲む習慣なんて二年前まではなかった。ただここで、屋上で
毎日一緒に昼を食べるようになってから、毎日のように飲んでいたせいだろう。今はこの独特のコクのある味わいがた
まらなく愛おしい。
 コクコクとどんどん牛乳を飲んでいく彼女を横目にふと思う。彼女はなぜ牛乳が好きなのか。
「なあ」
 彼女が牛乳を飲みながらこちらを向く。
「なんでそんなに牛乳が好きなんだ」
 はたと、牛乳を飲む動きが止まった。
 まずいことを聞いたつもりはない。だけど、肌で感じてしまうこの気まずい空気はなんだろうか。
 一分か十分か、時間の感覚がよくわからない沈黙が続く。
「私、中学校の時友達が一人もいなかったんです」
 沈黙を破り、彼女が口を開いた。頷くこともなく、ただ彼女の言葉に耳を傾ける。
 正直意外だった。彼女の人柄を考えるとにわかには信じがたい話だ。
「入学式が終わって少しくらい経って、やっぱり高校でも友達は全然出来ませんでした。そんなある日、たまたま読ん
でいた雑誌の占いのコーナーに書いてあったんです。牛乳を飲んでいると素敵な出会いがありそう、って」
 それを言ったあとに、ちらりとこっちを見るのは正直反則なんじゃないか。まさかとは思うがこいつ――
「……なーんて、そんな話だったらどうします?」
「え?」
 したり顔をしている彼女に軽く頭痛を覚える。ああ、そういえばこういう冗談好きだったんだ。こいつは。
「嘘かよ」
「嘘ですよ。でも、あなたも最後まで呼んでくれませんでしたね。私の名前」
 今度はこっちの動きがピタリと止まる。
「呼んでくれませんか? 最後だと思って」
 どうする、彼女みたいに適当なエピソードを作ってごまかしてしまうか。観念して名前を呼んでしまうか。どうして
も呼びたくないわけじゃない。ただ、怖い。今保っている、絶妙な距離感が壊れてしまうのではないかということが。
「それを言ったらお前だって、その敬語最後まで……ん、最後?」
 確かにここで会うのは最後になりそうだが、まだ会う機会だけならなんとか――
「はい、最後。私アメリカに行くんです。というか、今日はそのことをここに言いに来たんです。乾杯も兼ねて」
528いつか天の川を渡って(3/3) ◆tGCLvTU/yA :2007/02/18(日) 23:26:06.99 ID:CZm7hWB+0
 まずい、このタイミングで言われたら動揺が隠せそうにない。いや、動揺する必要なんてどこにもないはずだ。
「……なんで、行くんだ?」
「そうですね、理由は色々とあるので省略ということで。勉強が一番の理由ですけど。あと、敬語は癖なんです。中学
校の時からの」
 その言葉を最後に、再び沈黙が流れる。気まずいなんてレベルじゃない、重苦しい沈黙。何か言葉をかけてやりたか
ったが、今は動揺を押さえつけるのに必死だった。
「私、もう行きますね。牛乳も私の残りあげちゃいます。いつもはもっと美味しいのに、今日はなんだか――あんまり
美味しくないですから」
 彼女が立ち上がる。何か言葉をかけないとなぜだか一生後悔しそうだった。
 馴れ合いはあんまり好きじゃなかった。愛だの恋だのはもっと苦手だったはずだった。
「……美味くないなら、また飲めばいい。最後に俺と飲んだ牛乳が不味かった、なんてのは納得がいかないぞ。織姫」
 不思議なくらい、すんなりと名前が呼べた。だけど、俺の中で保っていた距離感は一気に壊れた。
 俺の保っていたものを壊してまで織姫に放った言葉は、なんとか通じたらしい。コツコツと立っていた足音がピタリ
と止まる。
「……うん、そう、だね。飲もう。もし今度会うことがあるなら、カルーアミルクでも奢ってあげるよ。その時はお酒
も飲めるようになっててね、和彦くん」
 バタンと、扉が閉まる。振り向かせることはできなかった。でも、敬語じゃなくなった。何か届いたものはあるはず。
 名残はしばらくつきそうにない。けど、いつかきっと会える。そう信じよう。
「また牛乳かよ……アイツは」
 ふと、織姫が残した牛乳が目につく。わけのわからない衝動に駆り立てられて、一気にあおる。
「……まずい」
 ああ、なるほど。と思った。今日の牛乳には、いつも飲んでいる牛乳のようなほのかな甘みがどこにもなかった。
 その代わり、ほんの少し。ほんの少しだけしょっぱい味がした。
529愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:26:24.49 ID:BuHG/AjlO
見えないカオスの存在を君たちはまだ知らない
530 ◆InwGZIAUcs :2007/02/18(日) 23:26:28.75 ID:obiKIVsM0
予約したいっす
531 ◆tGCLvTU/yA :2007/02/18(日) 23:26:36.27 ID:CZm7hWB+0
以上です、間に合ってよかった
532 ◆VXDElOORQI :2007/02/18(日) 23:26:51.69 ID:Rz6p6qG30
へへ……書き終わったぜ……
予約ッ!
533愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:27:07.42 ID:wr/xB76Q0
そんな……もう後3分だぞ…
534愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:27:21.91 ID:Au5CMAnd0
カオス常連が……
535 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:27:42.32 ID:3K85sQts0
◆InwGZIAUcsどうぞ。

順番待ち
◆VXDElOORQI
536愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:27:55.65 ID:wr/xB76Q0
妹様、常連になられてますよwww
537 ◆3f0Xs6b.AU :2007/02/18(日) 23:28:01.50 ID:8awMEF+S0
よやく
538愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:29:17.86 ID:sLKIqk8w0
徐々にカオスってきた……か?
539 ◆VXDElOORQI :2007/02/18(日) 23:29:22.41 ID:Rz6p6qG30
>>536
俺はずっとカオス常連だよwwwばーろーwwww
540ツンデレと牛乳1/3:2007/02/18(日) 23:29:28.74 ID:obiKIVsM0
 ポカポカとした陽気に包まれたお昼休み時間……の筈だった。現在教室には気まずい空気が流れているのは
理解しているつもりだ。そして悲しいかなその雰囲気の原因である俺、田中健太は完全に現実逃避一歩手前。
 目の前には幼馴染の由梨が俺を睨み付けている。
 そして、教室にいるほぼ全員が俺を白い目で俺を見つめている。

 事の始まりを軽く話しておこう。
 文才無中学校二年四組。つまりはクラスなのだけれども、幸か不幸かとても注目すべき女の子がいる。
 長くもしなやかな曲線の際立つまつげに、潤みを帯びた瞳。きめ細かい肌も美しく、腰まで流れる絹のような
黒髪は他の女子の羨望の的に違いない。とまあ俺の拙い言葉で説明するもおこがましいくらい綺麗な女の子だ。
 名前は意外と十人並みな所がまた良い。
「夕子」
 俺は誰にも聞かれないように頭の中でぽつりと呟く。
 しかしこのクラスで彼女にアプローチをする男子はまずいない。
 理由はいたって簡単。男がナンパしようものなら、柔らかい語調を纏ったとてつもない毒舌を相手に叩きつけ
完膚無きまでに叩き伏せるというちょっとしたSっ気の持ち主だからなのだ……しかしそのギャップに激しく
惹かれる一部、いや多くの男達がいるようで、アプローチをしてはいけないというのは、
色々な意味で暗黙の約束ごとになっている。
 まあ俺も括ればその中の一人であり、彼女からしてみれば恐らくクラスメイトA程度にしか思っていない
存在……だと思う。
 思えば夕子を好きになったきっかけは小学生の時だった。
 ただ単に嫌いなのか体質なのか解らないが、夕子は牛乳よく残していた。席の近かった俺はそんな彼女の
牛乳を飲んであげたのだが……そう、その時の「あ、ありがとう健太くん」というはにかんだ言葉と微笑みが俺の
心を鷲づかみにしたのだ。
 さらに、当時の夕子は現在のように毒舌を放つどころか、とても優しい物静かな女の子だった。
それが何故最近変ってしまったのかはともかく、俺はそんな彼女に昔から惹かれているのだ。
 あの頃はまだ照れくさくてそれが何の感情であるのか理解していながらも否定していた。 
 が、思春期を迎えた今となってはその感情を否定するどころかもう溢れんばかりで困る限りだ。
 まあ、その、つまり何が言いたいのかというと……少し、魔が差したんだ。

 その日俺は給食当番を任されていたのが不幸の始まり……いや、自業自得だ。
541 ◆h97CRfGlsw :2007/02/18(日) 23:29:43.69 ID:uBcRzTy00
予約だぜ!
542ツンデレと牛乳2/3:2007/02/18(日) 23:30:46.39 ID:obiKIVsM0
 うちの学校は中学校であるにも関わらず給食というシステムを取り入れており、俺は食器や残飯、
そして牛乳の空き瓶を校舎の給食センターに運ぶ作業をまったりと行っていた。
 最後の空き瓶を運んでいる時、目に止まったのは一口二口飲んであるだけの牛乳。
 俺は知っていた……それが夕子の残した牛乳であることを。
「間接キス」
 その行為に意味がないことを知っている。
 しかし止める事ができなかった。少しだけ夕子に近づけるような気がして。
 気付いた時俺は彼女の飲み残しを一滴残らずに飲み干していた。
 もちろん隠れた場所で飲んだし、見つかることなど足の小指の爪の先ほども思っていない。
 そう、教室で幼馴染の由梨に問いつめられる前までは……。

 これで状況が少し分ってもらえたと思う。
 俺は今冷や汗を垂らして、由梨を見つめている。彼女の返す瞳はとても厳しい。
……その後ろにいる夕子もやはり白い目で俺を見ている。
「私見てたんだから! 何? 健太は夕子のこと好きなの?」
 お前は何で見ていたんだよ? と聞けるはずもない。
「何か言いなさいよ!」
「い、いや、牛乳が勿体ないと思って!」
「嘘! あんたが夕子が牛乳残すのをじっと見てるところ私見たんだから!」
 だからお前は何で見ているんだ……?
 抱えたい頭を我慢しながら俺は口を閉ざした。反論の余地はなさそうだ。
 そして由梨が俺をたたみ込ませようとしたまさにその瞬間。
「お待ち下さい」
 夕子の声が鎮まった教室に響いた。
「健太さん……」
 ぞっとする程冷たい声と瞳に息が詰まる。
「女性の飲みかけたものを後から飲むなんて……男性として下の下の行為です」
 それは俺に死ねということですか? 夕子はもはや半泣きの俺の腕を掴み語調を強めた。
「ちょっときて下さい」
543ツンデレと牛乳2/3 ◆InwGZIAUcs :2007/02/18(日) 23:31:32.38 ID:obiKIVsM0
 俺は為す術もなく彼女の後をおぼつかない足取りでついていった……。

「あ、あの、ありがとうございます」
「は?」
 彼女の第一声に俺の頭はクエッションマークで埋め尽くされた。
 ん? 夕子さん今の今まで怒ってましたよね? あれ? なんで? 
「私の為に牛乳を飲んで下さったんでしょう? 昔みたいに!」
「え? うん……え?」
 何? 昔って小学校の時の事かな? 覚えていてくれたのか? 
「あの、私……」
 もじもじしている仕草がやたら可愛いんだけど……てか何この状況!
「夕子さん怒ってたんじゃないの?」
「いえ、あれは……その……ツンデレなのです」
「は?」
「その、皆の前ではツンツンして、二人の時にはデレデレするという……」
 顔を真っ赤にして何やら説明し始める彼女。……ツンデレ? どういう事ですか?
「私はその……健太さんが……小学校の時から……その、好きなので」
 大きな勘違い(ツンデレに対する所見)に突っ込みを入れる前に、俺の思考回路は音を立ててはじけ飛んだ。
 夕子が俺の事を好きだった? え? 俺? なんか彼女俯いちゃってるし……。
「その……俺も夕子さんが好きです」

 その日は教室中どころか、学校中に震撼が走ったようだ。
 実感のない俺はただただうろたえて震えて、それでもやっぱり嬉しい。
 しかし、何があったかしらないが、目を腫らして帰って行く由梨を見つけた時、俺は何故か胸が痛んだ。
 多分、いや、確実に理由は分っている。俺と由梨は夕子以上に古い中であり、
友人以上恋人未満という関係であり、俺と夕子が付き合うと言うことは……。うーん。何か贅沢な悩みなのかも。
 てか本当のツンデレって……。
 まあ俺、由梨の残した牛乳も飲んだんだけどな。
544愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:31:52.62 ID:3K85sQts0
はい、締め切り。

>>536
威張るなバーローwwwwwwwwww
◆VXDElOORQIどうぞ。

順番待ち
◆3f0Xs6b.AU
◆h97CRfGlsw
545 ◆InwGZIAUcs :2007/02/18(日) 23:32:10.77 ID:obiKIVsM0
ごめんなさい! 久しぶりで戸惑ってしまったyo
以上ですorz
546お兄ちゃんと牛乳と私(1/3) ◆VXDElOORQI :2007/02/18(日) 23:33:13.26 ID:Rz6p6qG30
「おう。おはよう。牛乳飲め」
 朝、お兄ちゃんに会うなり、いきなり牛乳を勧められた。
「う、うん。ありがと」
 私はその牛乳を一気に飲み干し、空になったコップをお兄ちゃんに渡す。
 お兄ちゃんは私の飲みっぷりを無駄に喜び、「はっは。いい飲みっぷりだな。もう一杯飲
むか?」と勧めてきた。
 私はそれを丁重に断り、洗顔と歯磨きのために洗面所に向かった。

 朝の身支度を終え、朝食を食べようと食卓に向かうと、食卓の上には、ミルクジャムが
たっぷり塗られたトーストに、すでに牛乳がかけられているコーンフレーク。そしてコッ
プに注がれた牛乳が置かれていた。
「今日は牛乳尽くしだね」
「まぁ気にせず食え」
「う、うん。いただきます」
 さすがにこうも牛乳ばっかりだと飽きてくる。そのことが表情に出てしまったのか、お
兄ちゃんはなぜか半泣きで「ひょっとして不味かった?」などと聞いてくる。今にも泣き
そうなお兄ちゃんを見て「正直飽きた」などと言えるはずもなく、私は全力の作り笑顔で
「ううん。おいしいよ」と答えた。
「そうかそうか。ならよかった」
 お兄ちゃんは満足そうにうなずき、空になった私のコップに牛乳を注いだ。

 昼休憩、教室で保温機能付きお弁当箱を開けると中にはなんとクリームシチューが入っ
ていた。正直、泣きそうになった。

「ただいまー」
「おかえり。牛乳飲め」
「う、うん。ありがと」
 またしても勧められるまま牛乳を飲み干す私。
「はっは。いい飲みっぷりだな。もう一杯飲むか?」
 私は既視感を感じつつそれを丁重に断った。
547お兄ちゃんと牛乳と私(2/3) ◆VXDElOORQI :2007/02/18(日) 23:33:55.51 ID:Rz6p6qG30

 夕食も予想通り、牛乳尽くしだった。
 だが品揃えが奇抜すぎる。お弁当にも入っていたクリームシチューにフレンチトースト。
ここまではまだいい。カロリーが高そうだけど許容しよう。だけどここにミルク粥を加え
る神経を私は理解できない。そして当然のように牛乳で満たされたコップが置いてあった。
「い、いただきます」
 箸が進まない。正確にはスプーンが進まない。
 朝からずーっと牛乳味の物しか食べてない。
 醤油味のものが食べたい。私の中で誰かがそう囁いていた。
「体の具合でも悪いのか?」
 あまり食べてない私を心配したのか、お兄ちゃんは涙目でそう聞いてきた。いくらなん
でも、ちょっと食べないくらいで涙目になるのは勘弁して欲しい。
「ううん、大丈夫だよ」
 私は全身全霊の作り笑顔でそう答える。

「ご、ごちそうさま」
 なんとか全部食べ終えた。
 お兄ちゃんは満足そうに頷きならが、食器を流しへと運んでいく。
「ねぇお兄ちゃん。聞きたいことがあるんだけど」
「ん? なんだ?」
「なんで今日はこんなに牛乳ばっかりなの」
 お兄ちゃんは質問に答えず全てを食器を流しへ運び終えると、私の正面の椅子に座った。
「実はな。昨日の夜見てしまったんだ」
 いつになく真剣な表情で話し始めるお兄ちゃん。
「な、なにを?」
 お兄ちゃんの雰囲気に釣られて、ゴクッと唾を飲み込む。
「お前の着替えを」
「……え?」
 なにを言ってるの? 見た? 着替えを? 誰の? 私の? え、なんで?
548お兄ちゃんと牛乳と私(3/3) ◆VXDElOORQI :2007/02/18(日) 23:34:29.12 ID:Rz6p6qG30
「か、勘違いするなよ。偶然だ。たまたまお前の部屋の前を通ったら、扉が開いてて、そ
れで中を覗いたら、お前がパジャマに着替えるところだったんだ」
「ま、まあいいよ。たまにはそういうこともあるもんね。これからは私も気をつけるよ。
で、それが牛乳となんの関係があるの?」
 私はところどころ上擦る声でなんとか話を続ける。
「そのとき俺は見てしまったんだ。お前の胸を。俺は悲しくなった。洗濯板のごとくまっ
平らなお前の胸を見て。このままではダメだ。妹の胸は俺が成長さしてやれねばならん。
そう思ったんだ」
 自分の顔が赤くなっていることと、こめかみのあたりがピクピクと痙攣しているのが自
分でもわかる。
「そ、それで胸を大きくしようと、私に牛乳を……?」
「そうだ」
「お、お、お、お兄ちゃんのバカー!」
 私の渾身の右ストレートがお兄ちゃんの顔面を捉える。
 お兄ちゃんは「グバハァ!」と叫び椅子ごと後ろに倒れる。
「わ、私が貧乳なのは私が一番わかってるの! お兄ちゃんにどうにかしてもらおうなん
て思ってないんだから!」
「す、すまん……」
 お兄ちゃんは泣いていた。鼻血をダラダラ流しながら。
「バカァ……」
 私も泣いた。お兄ちゃんの無駄な優しさと、自分の貧乳を呪いながら。

おしまい
549愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:34:46.20 ID:mHRYVRpd0
今回は新旧オールキャスト勢ぞろいって感じだな
550 ◆VXDElOORQI :2007/02/18(日) 23:35:06.46 ID:Rz6p6qG30
1時間で良く書けたと自分を褒めてあげたい
出来は('A`)だけど
551 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:36:50.14 ID:3K85sQts0
◆3f0Xs6b.AUどうぞ。

順番待ち
◆h97CRfGlsw
552悪党は反省しない(1/2) ◆3f0Xs6b.AU :2007/02/18(日) 23:38:16.49 ID:8awMEF+S0
「牛乳をくれ」
 その言葉で、飲兵衛どもはざわついた。
 場違いな女が入ってきたときには何も反応を示さなかったにもかかわらずだ。
 俺は一度目を瞑る。たっぷり、一秒待ってから、
「すまん、もう一度言ってくれ」
 お決まりの台詞を言う。
「だから、牛乳だ。ミルクだ。牛の乳だ。早くしてくれ」
 女はその台詞の重さを無視するように、面倒そうに言い切った。
 俺は目をぎらつかせたジャックを見て、覚悟を決める。
 もう、後戻りは出来ないだろう。
 俺はカウンターのショットガンを手繰り寄せる。いつ、ドンパチが始まってもいいようにだ。
 それから、冷蔵庫を開け、もうすでにジョッキ一杯に注いである牛乳を取り出す。
「ここは酒場だ。次からはアルコールを注文しな」
 ジョッキから牛乳を溢しながら、乱暴に女の前に置く。
 これで、俺の役割は終わり、ジャックと女の舞台になった。
 後は、カウントダウンできるほどのお約束。
 三、二、一。ズドン。
 女の前にあるジョッキが弾けとんだ。
 轟音の方向には、ニヤニヤ笑いと、煙が立ち上る銃口と、おっ立てられた中指。
 女の方向には、、氷のような無表情と、ぶちまけられた牛乳と、取っ手を持ったままの左手。
 宣戦布告は成された。
 女は立ち上がり、ジャックを睨んだ。
 台詞などなくても、次の立ち回りは誰にでもわかる。
 俺はショットガンを握り締め、こそこそと離れる。好き好んで死にたくは無い。
 そして、耳が痛いほどの沈黙。
 息を呑む音。
 水滴の音。
 音もなく、ジャックの心臓に穴が開いていた。向こう側が見渡せる。
 女の右手に握られている光線銃。
 どさりと倒れるジャックの敗北。他に言う事なんて無い。
553悪党は反省しない(2/2) ◆3f0Xs6b.AU :2007/02/18(日) 23:39:01.62 ID:8awMEF+S0
「邪魔したな」
 女はそれだけいって、去っていく。
 声をかけようとするものなど、この酒場にはいない。
 残ったのは割れたジョッキと、ジャックの体と、牛乳とジョッキの赤字。
 俺はため息をつく。でっかいドンパチが起きなかったことに、落胆して。
「おい、いつまで寝てんだ。起きろ、バカ」
 飲兵衛がジャックを蹴り飛ばした。ゲラゲラゲラと笑いが起きる。
「痛って!」
 ジャックは飛び起きた。胸に大きな穴をこさえたまま。
「穴こさえたの何度目だ」「また負けやがって」「よっしゃ! 賭けは俺の勝ちだな!」「よくやるな」「てか、あの穴は痛いだろ」「直るのに時間かかんじゃね」
「あー、糞! 痛えじゃねえか! 次ぎ来た奴は、絶対ぶっ殺す!」
 ジャックは心臓の穴に左手を突っ込んだりしながら叫んだ。
「前も言ってたじゃねえか」「そもそも、殺せねえだろ。死なないんだから」ゲラゲラゲラゲラ。
 そう、誰も彼も死ななくなってから、えらい時間がたってしまった。
 そして、暇を持て余した結果が、このアホみたいな光景だ。
 死んで死んで死にまくってるのに、ジャックは学ぼうとしない。撃たれれば激痛を味わうはずなのに。
 それを聞いた、別のバカどもがやってきて決闘をしていく。
 牛乳を注文するのが合図らしい。バカが。
「おい、ジャック。片付けておけよ」
 俺は何時ものようにショットガンをカウンターに奥にねじ込みながら言う。
 不老不死で、人類は例外もなくバカになったらしい。
 俺だって楽しんでいるんだ、間違いは無い。

<了>
554 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:39:21.08 ID:3K85sQts0
ラスト、◆h97CRfGlswどうぞ。
555姉と牛乳と僕  1−3    ◆h97CRfGlsw :2007/02/18(日) 23:40:05.97 ID:uBcRzTy00
「牛乳風呂に入りたい」
 自室でまったりと苺ましまろを読んでいると、姉がノックもせず部屋に押し入ってきて開口一番。気に介さず漫画を読み進めると、姉はぐるりと前転で接近してきた。顔が近い。
「さあ」
「自分でやればいいと思った」
「出来れば既にやっている。でなければ一体誰がお前のようなオタクの手など借りよう考えるか。自惚れるのもいい加減にしろ」
 果たして姉は喧嘩を売りにきたのだろうか。蹴飛ばそうかと一瞬考えるが、この歯に衣も着せぬ口上は姉の姉たる証のようなもので、他意はないのだと思い出して考え直した。
 この性質のせいで、姉は三日以上継続してカップルを続けられたためしがない。そんなことは至極どうでもいいことなのだが、もう沢山だと男に別れを告げられた時の姉の悲痛な表情を思い出さなければ、やっていられないというもの。
 ふう、と溜め息をついて苺ましまろを机に置く。すると、僕が何の行動も取ろうとしないことに業を煮やした姉が、唐突に服を脱ぎだした。下着だけの姉の肢体はしなやかで艶やかで、ペドフィリアな僕は特に何も感じなかった。
 姉は自分の体を見ても反応しない僕の下半身を見て憤慨したのか、「死ねばいいのに」と罵ってきた。お前が死ね。
「今から5分後に風呂へ行く。それまでに牛乳風呂を製作しておけ! いいか、30分は入るからな。私に凍死して欲しくなかったら、早く行って作ってこい!」
 ああ、苺ましまろのなんと面白いことか。僕も参加したいとまでは言わないが、せめて二次元へと旅立つことが出来たらいいのに。猥雑で面倒ばかりのこの世界に、僕はいい加減飽き飽きとしていた。
「私が死んでもいいのか!」
 姉が物凄い勢いで震え出したので、仕方なしに布団から抜け出して苺ましまろを本棚に片付ける。ここで死なれては、マスコミに近親相姦者のレッテル貼られてしまうだろう。それだけは避けたかった。
 間髪いれずに僕の体温が残る布団に体を埋めた姉を一瞥してから、リビングへと降りる。母が台所でドーナツを揚げていた。美味しそうな薫りを堪能しながら、冷蔵庫を開く。
「母さん、牛乳貰ってもいい?」
「いいわよ。でも、ドーナツ食べる時に飲みたいから、少しだけにしてね」
 とのことなので、僕は一リットルパックの牛乳を一本だけ手にし、風呂場へと向った。換気のためか窓が開け放たれていたので、思わず身震いしてしまうほど寒い。窓を閉め、浴場内暖房のスイッチを押す。
 説明するまでもないと思うが、牛乳風呂と言うのはお湯のかわりに暖かい牛乳を使ったお風呂のことだ。つまり普段使用する分だけの牛乳が必要であり、一リットル程度では浴槽の底に薄い幕を張るだけと相成った。
「出来たか?」
 出来るわけがないだろうとアイアンクローを決めたがる自分と折り合いをつけ、僕は出来たよ、と答えた。そうか、よくやったぞと姉が頭を撫でてくる。ぐしぐしとかき混ぜるので、ぼさぼさの髪がよりぼさぼさになった。
 姉は下着を僕の目の前で全て脱ぎ捨てると、浴槽の中に体を沈めた。ふぅー、とさも気持ち良さそうに息を抜く姉。どうやら満足してもらえたらしい。
5562−3:2007/02/18(日) 23:40:59.08 ID:uBcRzTy00
「牛乳風呂に入るとな、肌がすべすべになるらしいのだ。いやあ、これで私もちゅるんちゅるんの肌を手に入れるというわけだな。ふふふ……ってなんだこれはー!」
「牛乳が足りなくて」
「なるほど」
 姉は腕を組み、ふむふむと納得した顔になった。そろそろ苺ましまろの続きが読みたいので部屋へ戻ろうとしたら、浴槽にいたはずの姉が脱衣所まで出てきて、首に腕を回して足止めをしてきた。
「牛乳が足りないのなら、調達してくるくらいの機転は利かせられないのか、このばきゃ……馬鹿者が!」
 どうやら凄く寒いらしい。知ったこっちゃないのだが、だんだんこの精神障害者然とした姉のことがだんだんと気の毒になってきた。わかったよ、と姉をなだめてから、再びリビングへ戻る。
「母さん、もっと牛乳欲しいんだけど」
「ああ、レンジにあなたとお姉ちゃんの分があるわ。持っていってあげなさい」
 こくりと頷いて、マグカップ二つを持って風呂場へ戻る。姉は律儀にも浴槽の中で震えていて、戻ってきた僕を見て親指を突き出した。僕は一口ホットミルクを飲んでから、姉の分のそれを浴槽につぎ足した。
「それもよこさんか、愚弟が」
 なんとあつかましいことか。少しむっときたが、まあいいかと献上することにする。せっかくなので、頭の上からぼたぼたとかけてやった。白濁色の液体が、姉の髪を滴って顔にかかった。言っておくが僕はペドフィリアだ。
「少し暖かくなった」
「それはそれは」
「でもな、まだ寒いんだ。この辺りがな……」
 姉は悲痛そうな顔を作ってから、優しい手つきで胸の中心あたりを抑えた。馬鹿みたいに素っ裸で牛乳の薄く張った浴槽につかり、馬鹿みたいなクサいセリフに演技をする姉は、まさしく馬鹿だった。
「……今は亡き父がな、死に際にこう言ったんだよ。『一度でいいから、牛乳風呂に入ってみたかった』と。私はその夢を、この家の長子として、継がねばならんのだ!」
 深い使命感に溢れる姉は、浴槽から勢いよく立ち上がると、声高々に叫んで拳を握り締めた。そして僕に振り向き、肩をひしと掴んできた。Dカップの胸がゆさゆさと揺れる。風呂場は大分暖かくなっていた。
「だからこそ! 私は牛乳風呂にはいらねばならんのだ! たとえこの命、尽きようとも!」
 早く死ねばいいのに。
「ということだ。だから早く牛乳調達して来い。私の財布にお金入ってるから」
 牛乳まみれの足に背中を蹴飛ばされ、僕は脱衣所の冷たい床の上に転がった。はあ、と溜め息をつき、またリビングへと戻る。
 姉の財布はソファーの上に置いてあった鞄の中にあった。中身に諭吉の連合軍が控えていたところを見るに、どうやら最初から牛乳風呂を実行するつもりだったようだ。一連の流れは僕に買い出しを押し付けるためか。
 姉の財布から金を抜き取り、車の鍵と一緒にポケットに無造作に突っ込む。玄関に座り込んで靴紐を結んでいると、後ろから声をかけられた。
「ん、どうしたの? 出かけるの?」
「うん、牛乳買に行くんだよ」
 そう、とそれだけ言ってリビングへと入っていった母さんを見送って、家をでる。近所のスーパーに向った。そこで牛乳の買占めを行い、店員に手伝わせてトランクに詰める。心底迷惑そうな顔をしていたが、気にしない。
5573−3:2007/02/18(日) 23:41:50.55 ID:uBcRzTy00
「ブラボー。おお、ブラボー。おお……ブラボー」
 唇を紫にしながら待っていた姉は、大量の牛乳を見て拍手をした。そんな馬鹿を無視して、淡々と浴槽に牛乳を注ぎ込んでいく。水位が上がるたびに嬉声をあげる姉。
 一通り入れ終わると、姉の肩までしっかりと牛乳で埋まった。追い炊き機能を使って暖めると、ようやく姉は満足がいったような顔をして溜め息をついた。
「あー……極楽極楽。おい、弟よ、ちこう寄れ。誉めてつかわす」
 牛乳まみれの姉に触れて欲しくなかったので、無視して風呂場を後にした。とんとん、よ階段を上り、自室へと向う。手には苺ましまろの続巻を持って。姉の金で買ったものだ。
「漫画もいいが、少しは勉強しろよ。これ以上の留年は困るからな」
 廊下で父さんとすれ違う。わかってるよと返すと、父さんは渋い顔をした。
「ところで、涼子は何処にいるんだ?」
「ああ、風呂場。父さんの遺言に従って、牛乳風呂に入ってる」 
 自室に入る。少し冷えてしまったベッドに入り、苺ましまろの続きを読む。階下から、父さんの怒声と姉の悲鳴が木霊した。
 そんな日常。漫画を読みつつも、僕は少しだけ、勉強を頑張ろうかなと思った。
「何故生きている、このクソ親父ィ――ッッ!」
 一刻も早く、あの馬鹿な姉と離れて暮らすためにもだ。 
558愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:42:43.19 ID:uBcRzTy00
間に合った……前回の屈辱を晴らせたぞぉぉ!!


前回はホント迷惑をかけてすみませんでした、はい
559 ◆BNSK/DqMrY :2007/02/18(日) 23:45:39.63 ID:3K85sQts0
……何この平和な品評会wwwwwwwwww
560愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:46:03.37 ID:meW4uSSb0
ごめん、さすがに全感想くじけそう……。
まだ三分の一だ。
561愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:47:06.32 ID:l9oduUZNO
>>559


 ご 不 満 で す か ?
562愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:47:24.28 ID:Wz6RVuhq0
俺も全部読むには読んだけど、感想どうつけようか迷ってる(´∀` ;)
563 ◆Xenon/nazI :2007/02/18(日) 23:47:33.62 ID:3K85sQts0
携帯だとフラッシュが表示されないので、入口を作ってみた。
各自確認して、不具合があったら報告して欲しい。
ttp://bnsk.jf.land.to/
564愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:47:42.26 ID:Au5CMAnd0
>>559はこのスレ最高のMであり中一♀
565愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:48:11.47 ID:F7Ycpp3nO
時間が余るとはいいことよ
566愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:49:13.93 ID:BuHG/AjlO
結局何作?

あれか。死亡禁止の縛りって、カオスで運営が死亡すんのも禁止だったのか
567愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:49:14.56 ID:RkV4DsjE0
もしかして、この後に……
568愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:50:19.63 ID:sLKIqk8w0
>>567
あr…………あるあるwwwwww
569愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:52:08.90 ID:meW4uSSb0
>>563
au SANYO製 A5514SAにて確認。
入り口文字化け。問題はないけど。
570愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:53:19.45 ID:l9oduUZNO
>>563
無問題DoCoMo
571愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:53:59.01 ID:RkV4DsjE0
>>566
全45作……?かな?

>>568
わかった!

「全 感 想 カ オ ス」 とか 「投 票 カ オ ス」

がくるんじゃね?それってすごくね?
572愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:54:22.61 ID:u8fNFxX00
>>563
DoCoMo N702iD おk
573 ◆Xenon/nazI :2007/02/18(日) 23:55:29.53 ID:3K85sQts0
ちなみにDoCoMoだと問題ないと思う。俺DoCoMoだしwwwww
無駄に番号をリンクさせてるから、化けてるのは多分その関係かな?
1を押したらまとめ掲示板、みたいなの。この数だったらいらないかwww
574愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:55:49.60 ID:vOE96+ct0
au W44S 問題なし
575愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:56:33.75 ID:sLKIqk8w0
>>571
オラワクワクしてきたぞwww
576愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:58:01.30 ID:F7Ycpp3nO
au W32T 品評会まとめをクリック出来ないのは仕様ですよね?
577愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:58:11.10 ID:dw+YylFY0
今週は結果発表後に読むか…
578愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:58:19.23 ID:8L5TFcxa0
45とか多いなーって思ったけど、総レス数はそうでもないのなw
579愛のVIP戦士:2007/02/18(日) 23:58:31.92 ID:BlQ/BvE40
ドコモ 901isもおk とのこと
580愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:00:26.05 ID:CNeJ0db10
>>578
5レス作品が25ぐらいだと思えば結構いけるw
581愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:01:42.90 ID:zzoV42q70
一つの長い話より短い話二つとかの方が読みやすいと感じる俺にとっては天国


そういや、さっき化物語 読み終わった
582愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:02:17.36 ID:CNeJ0db10
>>563
AU W41K大丈夫

AUはWINなら大丈夫っぽいね。
583 ◆Xenon/nazI :2007/02/19(月) 00:03:04.03 ID:muKmgLal0
うん、大体問題なさそうで何よりwww
過去スレは仕様上見辛いと思うけど、そこは勘弁。

>>576
仕様です。
584愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:03:20.19 ID:JldsrN4D0
>>178-181を選考外作品としてまとめに貼ったよ
585愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:05:30.82 ID:owPeURS00
>>584
志村ー、上! 上!
586愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:14:04.44 ID:0vKeCh1cO
もうまとめてあったんじゃないっけ?
587愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:15:16.84 ID:zzoV42q70
ぼーっと全乾燥してたら二つとも感想してしまいそうやな
588愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:17:32.15 ID:JldsrN4D0
あ、あれ?
最後にまとめるか、みたいな話だったと記憶してて、あれれ。

……すんません。
589愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:17:42.32 ID:CNeJ0db10
>>587
それで違っていたらアッー
590愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:18:55.92 ID:8w/TUPt90
Flash超うぜー
ポップアップで掲示板に飛ばすなボケ
どんだけオナニーだよ
掲示板にも禁則なんてねーじゃねーか
テンプレから外せ
ちょっと興味あったけどまるでやる気無くした
慣れ合いオナニー集団の糞まとめサイトだな
マジでつかえねー
591愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:19:09.93 ID:o3qX3DhgO
すまん。俺が先走ってまとめてもうた
運営さんなんとかして!
592愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:19:58.62 ID:muKmgLal0
Bnskerはそれが例えミスであろうと善意による行動を批判しない。
593愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:22:55.20 ID:CNeJ0db10
>>590
悪いね。僕らは君には最初から興味なんかないんだ。
594愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:23:27.14 ID:7JdGvTpX0
批判はしないが正直ノイズみたいな効果音はどうにかしてほしい
595愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:25:50.71 ID:zzoV42q70
>>590
まあ、なんだ、その。がんばれよ? この先の
596愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:26:18.32 ID:iRLVRpHI0
>>590
よし、批評してやろう。

まず、一行目から日本語が正しくない。
2ちゃんねるに書かれているものだろうと小説だということを忘れてはいけない。
そして、ストーリーもオチもない。
セリフのみで構成されている小説といえど、
読者にとってはそれが丸々頭に入ってくるのだから気をつけて書かなければならない。

おまえがこれからやらなきゃいけないことは
無償で動いてくれている人の善意というものを知ることだな。
597愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:26:35.91 ID:i8vyv+eX0
どうでも良いが、そもそもまとめって初めて来る人の為にあるんじゃねーの?
俺は作るきないし、管理してる人は偉いと思うが

>>593みたいなウンコマンは糞スレ化の予兆だと思うぜ
598愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:28:10.73 ID:zzoV42q70
たしかに593の応対はどうかと思った








っていう俺もウンコマンじゃね?
599愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:28:24.27 ID:CNeJ0db10
>>597
あー、>>593のツッコミが気に障ってしまったらすまない。
別にBNSKを身内の馴れ合い場にするつもりはないし、したいとも思わない。>>590の6行目に斬り返しただけなんだ。
600愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:28:54.24 ID:M5W7HXNb0
閉鎖早すぎワロタw
601愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:30:15.90 ID:owPeURS00
>初心者の方は掲示板を一度ご覧下さい。小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています

ttp://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1158071666/l50
ひょっとしてこれのことかーっ!
602愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:30:32.55 ID:iRLVRpHI0
>>597
過去に投下された作品を『まとめ』てるからまとめサイトなんじゃないの?
初めて来る人は>>1を読めばルールがわかるだろうし
週末品評会については>>2を読めばわかる。

それ以外の小説の基本的な書き方はまた別問題だろうし。
まとめWikiには書いてあるけれど。
603愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:31:08.71 ID:wGSc4y+b0
ちょwwww閉鎖wwww
604愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:31:45.49 ID:owPeURS00
            ヾヽ'::::::::::::::::::::::::::'',    / あ  さ ヽ
             ヾゝ:::::::::::::::::::::::::::::{     |  わ   す  |
             ヽ::r----―‐;:::::|    | て  が  |
             ィ:f_、 、_,..,ヽrリ    .|  る  の.   |
              L|` "'  ' " ´bノ     |  わ  俺.   |
              ',  、,..   ,イ    ヽ     で   /
             _ト, ‐;:-  / トr-、_   \   も /
       ,  __. ィイ´ |:|: ヽ-- '.: 〃   `i,r-- 、_  ̄ ̄
      〃/ '" !:!  |:| :、 . .: 〃  i // `   ヽヾ
     / /     |:|  ヾ,、`  ´// ヽ !:!     '、`
      !      |:| // ヾ==' '  i  i' |:|        ',
     |   ...://   l      / __ ,   |:|::..       |
  とニとヾ_-‐'  ∨ i l  '     l |<; 天  ヾ,-、_: : : .ヽ


605愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:31:50.06 ID:CNeJ0db10
なんという素早い行動。これは間違いなく妖精のなせる業
606愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:32:34.69 ID:i9+n7m+Q0
仕事はやいな!www
607愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:32:57.45 ID:alZSBanf0
あと一時間以内に全感想投下しようって人いる?いたらそれまで起きてるが。
608愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:33:44.96 ID:qlmamhvx0
一応書いてはありますが感想も推敲したいから明日の夜に投下します
609愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:33:54.97 ID:m827ONtA0
仕事早すぎワロチwwwww
早い復活を願うわー
610愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:34:27.25 ID:CNeJ0db10
普段からミュートにしてるからまとめサイトの音に気付いていなかったのは俺だけでいい
611愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:36:13.47 ID:jQJ7bg+/0
やべー俺のアナルも閉鎖されそうだ
612愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:37:06.27 ID:owPeURS00

週末品評会46th投稿作品まとめ 『牛乳』
ttp://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1171617906/

さあ早くローカルに保存だ! いずれこっちも閉鎖だぞ!
613愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:37:16.46 ID:YaKtKtLo0
いや、確かに一見さんには敷居が高いとも思うのです
テンプレも、分かっている人が読めばごく簡単な内容だけど、(初見でこのスレのルールを全て理解するのは)難しい。
もう少しかみ砕いた案内のようなモノがあっても良いかもしれないね。

いきなり悪態をつく奴は困るけど。
614愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:38:52.46 ID:CNeJ0db10
ってか投票のテンプレはまだかwwww


やばい、まとめサイトがないと何もできんw
615愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:39:07.69 ID:zzoV42q70
使ってるパソコンが古すぎて遅いから極力FLASH見ないようにしてたのは俺だけで良い!
616愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:39:26.28 ID:i8vyv+eX0
つーか、嫌な思いしただろう管理人さんには申し訳ないが
ここはVIPなんだからそういうこともあるんじゃね?

で流してくれると嬉しい
617愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:39:32.02 ID:31YaxdJ+0
>>613
俺は一見だけど、テンプレは十分分かりやすいと思うよ。
投票の仕方とかはよく分からんが、まぁみんなの真似すりゃいいし
618愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:39:34.66 ID:alZSBanf0
でも、このちょっとだけ敷居の高い部分のおかげで、品評会の参加者の均衡が保たれてると思うんだ。
ふるいにかける意味でも必要かなと。
619愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:39:37.07 ID:owPeURS00
てか結局「カオス」はやって来たなwww
620愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:40:44.54 ID:i8vyv+eX0
***********************【投票用紙】***********************
【投票】:

    
気になった作品:



********************************************************


これでも良いか?
621愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:41:33.04 ID:i9+n7m+Q0
>>619
あー!これがそれだったか!w<カオス
622愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:42:09.87 ID:CNeJ0db10
現在、週末品評会46thの投票受付中です。今回の品評会お題は『牛乳』でした。 >>3を参照に。
投稿された作品は■まとめ http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1171617906/ にてご覧頂けます。
投票期間は2007/02/20(火)24:00:00までとなっております。

感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
(投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません)

***********************【投票用紙】***********************
【投票】: <<タイトル>>◆XXXXXXXXXX氏
               ―感想―
      <<タイトル>>◆YYYYYYYYYY氏
               ―感想―
気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
********************************************************
携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。 


なかったので張り。
623愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:42:42.41 ID:jQJ7bg+/0
>>620
ベネ
624愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:42:46.68 ID:DDQk+19K0
でも俺もFLASHはちょっと大仰だと思ってた
625愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:42:51.54 ID:owPeURS00
>>620
>>622
おつー
626愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:44:54.39 ID:zzoV42q70
>>619
だれがうまか事ばいえいうたw


誰か方言を使うコツを教えてくれよ
627愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:45:56.53 ID:CNeJ0db10
>>624
揚げ足取るようで悪いけれど、「思っていた」ってのは結構ズルいと思うぜ。
たとえば近所の親しいおばさんが逮捕されたときに、「そういえば前からあの人どこか変だったわよねぇ」って言うのと同じようなもん。
思っていたなら言うべきだったと思うし、それに今重要なのはこれからどうするかだと思うからね。
628愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:46:53.31 ID:owPeURS00
佐藤藍子思い出した
629愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:47:56.20 ID:zzoV42q70
殺伐にもポポロッカみたいな呼び名付けたいな
630愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:47:57.89 ID:YaKtKtLo0
通常作品まとめも消えた……
ちょwwwwwww
631愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:48:33.01 ID:jQJ7bg+/0
ていうか各まとめ入口しかブックマークしてなかった俺からすれば今の状況は不便で仕方ないw
632愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:48:55.50 ID:grZdHwNZO
誰かさもしい携帯厨のために作品名とトリップコピペしてくれないか?
633愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:48:58.04 ID:CNeJ0db10
ブクマしてなかったせいで掲示板しか覗けない俺はどうすればw
634愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:49:11.29 ID:alZSBanf0
バラライカ
635愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:50:23.21 ID:CNeJ0db10
>>632
あの表って確か一個づつコピペして作るんだよな……?


がんばって作ってくる
636愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:51:04.01 ID:wGSc4y+b0
自分で何もやっていないのに文句を言う奴は正直子供すぎるだろ……常識的に考えて……
637愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:51:37.72 ID:phs3EH7wO
>>629
サルガッソー
638愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:52:34.80 ID:lD0fWfgJO
>634の意見取り入れて
殺伐=バラライカ
で決まりだな
639愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:53:59.16 ID:YaKtKtLo0
じゃあ男同士愛情が芽生えそうな雰囲気はヤラナイカでいいか?
640愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:55:42.45 ID:xxKJWk3i0
全作品感想を書くレスと、投票用紙にあるように気になった作品と投票するものだけを書いたレス。
どっちでやった方がいいかな?( ´・ω・`)
641愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:56:56.93 ID:CNeJ0db10
今回はお題の消化具合が争点になるとみた
642愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:57:09.22 ID:YaKtKtLo0
>>640
両方やればいいんじゃないか?
643愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:57:09.56 ID:JldsrN4D0
>>640
どっちでも好きな方を。
ただ、ある程度時間が許すなら全感想してくれると書いた俺としてもありがたい。
644愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:57:13.21 ID:grZdHwNZO
「ボーカルは、俺。TAKA!」
「ギターのAKIHIROです」
「ベースのYUTAだよ」
「ドラムのHIDETOですが何か?」
「バラライカの竹本です」
645愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:57:37.26 ID:DDQk+19K0
>>627
俺は前にも言ってるぞ
小説スレなんだからFLASHとかはいいんじゃないかって
646愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:58:15.96 ID:YaKtKtLo0
>>641
牛乳を飲むと必ず下痢する奴もいるしな!
647愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:58:20.56 ID:zzoV42q70
http://matufude.hp.infoseek.co.jp/novelchk/

こんな時でもノベルチェッカーちゃんだけは! 俺達の近くにいてくれるんだ!
648愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:59:05.97 ID:alZSBanf0
>>640
そりゃ前者のほうが嬉しいですよ!
649愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 00:59:24.46 ID:zzoV42q70
>>644
一人だけ漢字かよ、とあえて突っ込ませてもらう
650愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:00:41.36 ID:nWeQRgIs0
時間外投下よろしいですか?

今即席で書いたもので評価もなにもあったもんじゃないですが…
651愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:01:00.17 ID:XmEW8Tj3O
バラライカ……


月島きらりかッッッ!! あンの野郎ォ……!
652愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:01:30.61 ID:iRLVRpHI0
>>645
作ったから見てほしい。
こんな気持ちを味わったことはないかな?

俺は運営の人がやることは創作の邪魔になりさえしなければ全肯定するがね。
653愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:01:36.12 ID:lD0fWfgJO
バラライカってロシアの弦楽器なんだってさ
654愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:01:53.44 ID:xxKJWk3i0
じゃあ、投票してから後で全感想するか・・・(´∀` ;)
655愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:03:16.90 ID:CNeJ0db10
>>650
携帯さんのためのコピペ表作ってるから早めに頼むぜw
656愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:03:17.84 ID:YaKtKtLo0
>>650
イインダヨ
657愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:07:35.91 ID:owPeURS00
悪霊退散!悪霊退散!
妖精、魔女っ子、困った時は
ドーマン! セーマン! ドーマン!セーマン!
直ぐに呼びましょ運営氏 レッツゴー!
658マグカップ ◆0UGFWGOo2c :2007/02/19(月) 01:07:38.82 ID:nWeQRgIs0
あーちゃんの匂いが、部屋から消えて、1ヶ月、過ぎただろうか。
バイトから帰って、家に入った瞬間、
物音ひとつしない静かな空間に包まれる感覚にまだあたしは慣れていない。
ついこの前まで、あーちゃんが寝そべっていたソファーも、いつも騒がしく声をあげていたテレビも、
ひっそりと部屋の真ん中で静寂を貫いている。
あーちゃんの匂いが、温度が、動きが、全く感じられないこの部屋に、あたしは一人今日も帰ってきてしまった。

バイト疲れのあたしの喉は、なにか水分を欲していた。
あたしは、冷蔵庫の中から、冷えた紙パックの牛乳を取り出す。
乾いた喉に牛乳というのもおかしいと思うけれど、今はなんとなく、あの独特のこってり感が欲しかった。
青と水色のストライプ模様のマグカップに牛乳を注ぎ込む。
狭いキッチンの端に設置した電子レンジでそれを温める。
牛乳を温めるのなんて一ヶ月ぶりだ。
牛乳の賞味期限は……たしか今週いっぱいのはず。
1分ほどでほどよくあたたまった冷たい牛乳はホットミルクへと変わった。
昨日、きれいに並べた調味料の棚からシナモンパウダーを取り出し小さじ1くらいを入れ、かきまぜる。
シナモン独特の、甘ったるい香りが鼻につく。

659愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:08:03.39 ID:i9+n7m+Q0
おいらはこのスレで質問に「半年ROMれ」とか言われているのを
見たことがない。大抵の事にはみんなわかる範囲で答えを返して
いたと思うんだ。時にはよくわからん人生相談までwwww

まとめをしてくれる人は善意でやってくれてる。
サイトにしても、色々なアナウンスにしても。
お題を出すのもそう。
ここに作品を投下するのも、感想を書くのも、投票をするの
もそうだろうし。保守だってそう。
色々な善意が、バランスして、スレが成り立ってると思うんだ。
そうじゃなかったら、VIPなんて不安定な板で46回も品評会が
続くわけがない。

だから、おいらはみんなの善意は、みんな否定しない。
660愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:08:08.76 ID:IT3p/D7V0
じゃあ俺は全作品に感想するぜ
661マグカップ ◆0UGFWGOo2c :2007/02/19(月) 01:08:57.91 ID:nWeQRgIs0
そういえば、ホットミルクを頻繁に飲むようになったのは、あーちゃんの影響だったっけ。
寝つきが悪いといっては、牛乳をレンジで温めて、ホットミルクにして飲んでいた。
同居始めに、あたしは赤とピンク、あーちゃんは青と水色の色違いで買ったストライプ模様のマグカップに、
並々と注いだ真っ白なミルク。
あーちゃんはいつもうれしそうに色違いのマグカップがレンジの赤い光のなかでくるくると回るのを、眺めていたっけ。
元々あまり牛乳がすきではないあたしの分まで暖めてくれるから、最初は少しありがた迷惑だった。
でもうれしそうに、シナモンパウダーやはちみつを入れて飲み干すあーちゃんを見てると、なんとなく幸せな気持ちになって、気づくとあたしも手元の温かいマグカップの中身を飲み干していた。

マグカップの中に、透明なしずくが落ちる。
熱くなる目頭と比例するかのように、手に持ったマグカップは段々と熱を失っていくのが感じられた。
ぬるいミルクは、多分きっとおいしくない。
あたしは嗚咽をもらしながら、ゆっくりとマグカップを手から離した。
あーちゃんの大好きだったミルクとストライプ模様のマグカップは、一緒に飛び散って、
あたしの足元に散乱していた。


662 ◆0UGFWGOo2c :2007/02/19(月) 01:09:18.01 ID:nWeQRgIs0
スマソ オワリデス
663愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:10:08.11 ID:i9+n7m+Q0
◆0UGFWGOo2c氏、邪魔した。もうしわけなす……
664愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:10:33.79 ID:lD0fWfgJO
>659
だから善意に水を差すようなバラライカはよくないよな
まあバラライカ自体は否定しないが
665愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:12:51.83 ID:zzoV42q70
バラライカが定着してきかけてるww
666愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:13:05.56 ID:IT3p/D7V0
すまぬ俺も邪魔した('A`)
667愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:13:42.59 ID:CNeJ0db10
さぁ携帯BNSKer用の表が完成したぜ。

べ、べつに感謝してほしいわけじゃないんだからねっ
668愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:13:51.65 ID:i9+n7m+Q0
>>664
うん。水はさしたくない。

バラライカは……そだね。否定しない。
時々、プリクラースナだしw
669愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:14:08.51 ID:CNeJ0db10
No.01 乳香霧 ◇sjPepK8Mso
No.02 神様、あの乳をもう一度 ◇D8MoDpzBRE
No.03 マイシスタードリンクミルク ◇K0pP32gnP6
No.04 おいしい牛乳 ◇04p9wvYxsw
No.05 しろくてくさくてまずいもの ◇PUPPETp/a.
No.06 鬼畜 ◇7wdOAb2gic
No.07 彼女の優雅な昼休み ◇Pj925QdrfE
No.08 牛乳 ◇aO9PcI2T/6
No.09 牛乳 ◇alB3HOhOa.
No.10 朝と牛乳 ◇RzBFNJadNY
No.11 Milky Miserable Midweek ◇4dU066pdho
No.12 ごめんなさいデリバリー ◇h97CRfGlsw
No.13 牛乳を飲もう! ◇7CpdS9YYiY
No.14 ミルクの気持ち ◇QIrxf/4SJM
No.15 私立探偵 場廊元貞 ◇RWQgmBzM32
No.16 風と雲と牛乳と ◇O8W1moEW.I
No.17 ふつつか者ですが ◇DzHpA/9hyM
No.18 ダイアモンド ◇51rtpjrRzY
No.19 笑う小学生 ◇K/2/1OIt4c
No.20 僕らの怪物 ◇Lj3naGix6U
No.21 ホワイト・カーニバル ◇2LnoVeLzqY
No.22 白い血 ◇7CpdS9YYiY
No.23 成長 ◇FVCHcev9K2
No.24 ホットミルクの冷めない距離に ◇.ohXkT36yY
No.25 昼間の決闘 ◇9IieNe9xZI
No.26 現実はミルクの湯気の向こうに。◇D7Aqr.apsM
No.27 モンスターズ ◇nzzYI8KT2w
No.28 お返しは唇で ◇twn/e0lews
No.29 ミルキーウェイに花束を ◇1EzYxEBEas
No.30 タイムスリップとある噂 ◇ozPxeaZqLs
670愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:14:44.58 ID:JldsrN4D0
半分くらい作品読んだ感想の中間報告。

結構な数の人間が小学生くらいの頃、
牛乳飲んでる最中に噴出させて遊ぶってのを経験しているようだね。
自分はやったことないのでそのノリとか感覚が分からないんだ。

こういう時、共有体験を持っていないことが作品の理解を鈍らせるな。


バラライカが定着している中、個人的に、>>637のサルガッソーに素敵な響きを見る。
671愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:15:25.63 ID:CNeJ0db10
No.31 夜のバニラ ◇p/2XEgrmcs
No.32 冬の終わり ◇YaXMiQltls
No.33 浸食 ◇cLt9pTSr9k
No.34 戒め ◇31ZrzN4KAA
No.35 魔性な不安定 ◇/7C0zzoEsE
No.36 特別な時と事情 ◇iiApvk.OIw
No.37 魔神見参!! ◇gvv9Qu6Mx.
No.38 夜長姫 ◇hemq0QmgO2
No.39 不小事 ◇dx10HbTEQg
No.40 Uni ◇vDmN7OM/Z2
No.41 いつか天の川を渡って ◇tGCLvTU/yA
No.42 ツンデレと牛乳 ◇InwGZIAUcs
No.43 お兄ちゃんと牛乳と私 ◇VXDElOORQI
No.44 悪党は反省しない ◇3f0Xs6b.AU
No.45 姉と牛乳と僕 ◇h97CRfGlsw

時間外No.01 マグカップ ◆0UGFWGOo2c
選考対象外No.01 六〇〇円 ID:fsmo+DBn0


ミスあれば一言plz
672愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:15:39.27 ID:zzoV42q70
バラライガッソー ……


なんでもない
673愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:15:43.54 ID:iRLVRpHI0
バラライカはブラックラグーンを知らないとよく意味が通らないからじゃなかろうか。
674愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:16:42.65 ID:7JdGvTpX0
>>659
概ね同意、ただこれだけは言わせてくれ

















効果音うっせ
675愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:16:44.96 ID:JldsrN4D0
>>671
うわ、引き続きミス。割り込みスマヌ。
676愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:16:52.38 ID:phs3EH7wO
>>670
泣いた
677愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:18:01.03 ID:s4JhV8Fy0
四十五って凄いな、過去最多クラスじゃね?
678愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:18:37.14 ID:iRLVRpHI0
>>670
噴出させる遊びはやったことないが
風邪が流行ってたときに他のクラスも駆けずり回って牛乳かき集めて
牛乳早飲み大会はやってたなぁ。

もちろん下痢ったが。
679愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:18:54.43 ID:DDQk+19K0
>>652
お題もらってない奴がいきなり投下したら「お題をもらおう」って言わないか?
評価してくださいって奴が画像はってきたら「スレ違いだよ」って言わないか?
それでも俺だって世話になってるから品評会後のFLASHは『作品』として見てもいい。
だけどまとめ掲示板まで『作品』にしてしまうのは俺はちょっと違うと思う。
680愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:19:06.56 ID:XmEW8Tj3O
サルガッソーといえばダグオンを思い出す
681愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:19:18.17 ID:CNeJ0db10
給食時間にリアル鼻からラーメンやったことある俺にとっては牛乳など。
682愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:20:46.34 ID:wGSc4y+b0
運営の方々はボランティアということを前提としておいておこうぜ!
683愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:20:53.02 ID:lD0fWfgJO
>672
もっと縮めてバラガッソー……ねーよwww
684愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:21:32.65 ID:zzoV42q70
中1の時、クラスで一番可愛い子に牛乳吹き出させて泣かせてしまった。
もちろん正面にいた俺はその牛乳を浴びたわけだけど。


いや、そこ。引くな、俺は牛乳を浴びるために吹き出させたわけじゃない
685愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:21:45.70 ID:xxKJWk3i0
とりあえず10個感想つけて、少し疲れたな…(;´Д`)ハァハァ
下読みの人ってこれを数千単位で数百頁の量やるんだよな……
下読みは新人小説家が多いって聞くが化け物だわ。
686愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:21:56.62 ID:XmEW8Tj3O
ご飯に牛乳って合わなくね?

これが給食の問題点だと思う
687愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:24:02.14 ID:JldsrN4D0
>>686
知り合いが牛乳をご飯に掛けてお茶漬け風にして食ってたことがあるな。
人それぞれだと思うが、個人的には合わないと思う。
688愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:24:15.39 ID:jQJ7bg+/0
給食全部混ぜて食った俺の出番か…
689愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:24:29.73 ID:owPeURS00
昔クッキングパパのアニメの料理紹介で「ミルクライス」とかいうのをやってたな
690愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:24:37.27 ID:iRLVRpHI0
>>679
一昨日か、その前か。
お題もらわないで、いきなり投下して「批評してください」と言ったのがいたが
それに対しても「お題をもらおう」と言いつつも、みんな批評してたと思うがなぁ。
クリック回数が一回増えたところで何秒のロスがある?

まとめサイトの作り方なんてものは
それぞれのスレのまとめ管理人の裁量によるものだと思うんだがどうだろうか。
691愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:25:00.44 ID:xcX+wjd2O
文句いってるヤツは自分で自分の納得のいくまとめサイト作れよ
善意のボランティアに文句って、どんな池沼だよ
692愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:26:00.51 ID:CNeJ0db10
>>684
もちろん自分にかかった牛乳は舐めたんだろ? それは引くわ
693愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:26:03.75 ID:owPeURS00
フランス風フルーツ・ド・ライスシチュー(ミルクソース和え)

あの給食は美味かった
694愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:26:23.41 ID:A76ueR/E0
ココアパンのココア粉を牛乳に混ぜた
695愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:27:04.05 ID:31YaxdJ+0
>>693
クレヨンしんちゃん?
696愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:27:45.51 ID:CNeJ0db10
>>693
クレヨンしんちゃんのネタでそんなのがあったなw
697愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:27:56.37 ID:iRLVRpHI0
>>684
牛乳吹き出させて「ぬるぬるするー」と言ったところで
「俺がキレイにしてやるよ!」と>>684が舐める。
698愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:28:43.64 ID:grZdHwNZO
>>671
ありがとー!
699愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:28:59.93 ID:jQJ7bg+/0
「俺は前のほうが良かった」はセーフだと思う。
「余計なことするな」はアウト。
700愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:31:23.36 ID:phs3EH7wO
>>699
そのラインには同意
701愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:31:28.80 ID:CNeJ0db10
少なくとも今回の件で、実質的に一人の運営さんを一時的に失ったことになる。
いつ戻ってくるかはわからんっていうか早く戻ってきてもらいたいが、今回の品評会は今まで以上に非運営側のボランティアの協力が重要になると思う。
702愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:32:27.85 ID:zzoV42q70
運営さんはいつも僕らの心の中に!



なんて言ったら怒られちゃいますね
703愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:33:14.84 ID:6zlpIQee0
なんか久々にきたら荒れてるな。
704愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:34:15.90 ID:CNeJ0db10
>>703
バラライカと呼んでくれ
705愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:34:49.92 ID:6zlpIQee0
把握した。
ついでにお題をもらおうか↓
706愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:35:10.33 ID:JbwJo4nS0
707愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:35:14.04 ID:o3qX3DhgO
状況が把握できないが、
運営一人居なくなったんじゃなくて
誰もいなくなったんじゃね?
708愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:36:40.14 ID:owPeURS00
俺たちだけで頑張らんと、運営さんが安心して妖精界に帰れないよな
709愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:37:17.49 ID:YaKtKtLo0
何も分からないけど、運営がいないと困るということはよく分かったwwwww
710愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:37:27.25 ID:jQJ7bg+/0
妖精さんは、人々が清らかな心を失った時、妖精郷へと帰っていくのです
711愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:37:45.35 ID:JbwJo4nS0
ログ流し読みなんだが、斬捨て氏が消え、幼女が消え、残ったのはXタン? あれ?
誰が誰だかいまいち把握できてねぇ…
712愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:38:20.37 ID:CNeJ0db10
そういうことだね。ボランティアなんて甘っちょろいことは言ってられない。全BNSKerの協力が必要。
713愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:38:47.36 ID:wGSc4y+b0
少なくとも俺は自分の連れ出してきた幼女がフラッシュに使われていて嬉しかったんだ。
714愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:39:51.03 ID:CNeJ0db10
BNSKの共有酉を普段から使ってたのは3〜4人ぐらいだったと思う。そして全員姿が見えない罠。
715愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:40:18.32 ID:zzoV42q70
>>708
なんとなく、さよならドラえもんを思い出した
716愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:40:56.43 ID:xcX+wjd2O
もうwikiにした方が……?
717愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:41:14.59 ID:kij+5azH0
>>590は大変なものを盗んでいきました

それはBNSKの運営のやる気です
718 ◆Pj925QdrfE :2007/02/19(月) 01:41:19.21 ID:grZdHwNZO
一番乗りかな?かな?

***********************【投票用紙】***********************
【投票】:No.16 風と雲と牛乳と ◇O8W1moEW.I
読んだあとになるほどーと思わせる読ませ方の妙。事実かどうかは分かりませんが。
品もクソもない一行目からこんなラストが導かれようとは。鮮やかでした。

気になった作品:
No.14 ミルクの気持ち ◇QIrxf/4SJM
妖精と牛乳がこんな形で結び付くとは。
作品中のあたたかい雰囲気と合わせて良い読後感を得ることができました。

No.28 お返しは唇で ◇twn/e0lews
こんな素敵な文章、俺も書けるようになりたい……。

No.42 ツンデレと牛乳 ◇InwGZIAUcs
オチが全て。

********************************************************

受験生だもんで全感想は勘弁wwwwwwサーセンwwwwwwwwww
719愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:41:24.50 ID:CNeJ0db10
>>716
Wikiも今閉鎖状態じゃね?
720愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:42:04.38 ID:7JdGvTpX0
運営がいないなら通常営業だけでいいじゃない
721愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:42:53.32 ID:grZdHwNZO
俺もしかして空気読めて無いっすかwwwwwwwサセーンwwwwwww
722愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:43:06.21 ID:BPqveQKTO
共有酉は斬捨て氏、懲戒氏、妖精氏の3人。
Xタンは妖精氏で、幼女は運営にはいないぞwwwww
723愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:43:53.35 ID:CNeJ0db10
>>720
一回ネガティブ思考を捨てろ。話はそれからだ。

>>721
いや、大丈夫よw
ただ問題なのは、恐らく集計人がいないかもしれないという罠。
724愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:43:53.90 ID:JbwJo4nS0
>>722
サンクスwwww
一応コテは記憶してるんだが、通称が俺の中で錯綜してるwww
725愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:43:59.11 ID:u8huswEoO
バラライカと聞いて飛んできますた
726愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:44:21.18 ID:wGSc4y+b0
幼女=妖精=Xたんだろ!? 
あれ? 違う?
727愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:45:03.94 ID:CNeJ0db10
>>726
幼女=謎のマスコットキャラ
妖精=Xタソ=中1♀
728愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:45:44.74 ID:owPeURS00
妖精氏=X氏=運営氏

コナン=新一並みに自明
729愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:46:06.84 ID:CNeJ0db10
>>728
それはない
730愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:46:15.63 ID:BPqveQKTO
>>726
幼女じゃなくて中@♀だぜ?
731 ◆InwGZIAUcs :2007/02/19(月) 01:46:41.58 ID:wGSc4y+b0
そうだ幼女はマスコットキャラだったわw

それにしてもいきなり関心票頂いたw
>>718
ありがとうございますw
でもあんまり誉められてねえw
732愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:47:03.52 ID:iRLVRpHI0
>コナン=新一並みに自明
これはない。
733愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:47:21.92 ID:883fIKbgO
コナン=新一はねーよwww
734愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:47:34.62 ID:XmEW8Tj3O
ペロッ……これは崩壊フラグ……!
735愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:48:23.77 ID:JbwJo4nS0
まだだ! まだ終わらんよ!
736愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:49:29.54 ID:CNeJ0db10
正直な話、運営の方々が姿を見せなくなったのがここまで精神に堪えるとは思わなかった。
サイト閉鎖→就寝で何事もなかったかのように明日も光臨してくれれば嬉しいんだが……。
737愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:50:17.09 ID:883fIKbgO
もしかして、ノストラダムスの予言ってこれの事だったんじゃね?
738愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:51:32.02 ID:grZdHwNZO
俺の推理では運営一同は、このバラライカとした状況を眺めながら
「フヒヒwwwwwwwもっと慌てろww泣き叫べwwww」
と(・∀・)ニヤニヤされている、ということになっているわけだが
739愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:51:37.12 ID:XmEW8Tj3O
運営「こんなところにいられるか! 俺は部屋に戻るぜ!」
740愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:51:50.69 ID:JbwJo4nS0
七の月じゃなくて、七の年か……
741愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:52:15.59 ID:owPeURS00
「1999」なんてお題をあげるんじゃなかった……
742愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:52:23.67 ID:CNeJ0db10
>>739
ちょwwwwwwww死亡wwwwwwwww
743愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:55:25.16 ID:OOnezChy0
品評会参加できなかったなぁ、なんてガッカリしながらスレ覗いたら……
返せ、俺の妖精氏を返せ
744愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:55:52.40 ID:CNeJ0db10
↓以下何事も無かったかのように雑談

印象に残ってる給食のメニューって何よ?
745愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:56:12.15 ID:owPeURS00
妖精氏の帰還を強く要請する
746愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:56:46.48 ID:iRLVRpHI0
>>744
そりゃもちろんソフト麺のドライカレーだ!
俺のフェイバリット給食メニュー。
747愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:57:28.67 ID:CNeJ0db10
>>746
なんだそれは……
748愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:58:44.83 ID:wGSc4y+b0
>>746
美味しかったなw
でも俺は五目麺派だったな
749愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:59:38.20 ID:CNeJ0db10
揚げパン派はいないのか……

あとO-157で消えてしまった伝説のメニュー、やきそば派はいないのか?
750愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 01:59:53.67 ID:JbwJo4nS0
マグロとカシューナッツの炒め物。
カシューナッツの美味さだけはガチ。
751愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:00:05.06 ID:883fIKbgO
ミートソーススパゲッティ
これも吹き出させたら浴びてしまった一品

いや、だからそこ、引くな。
752愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:00:36.68 ID:7JdGvTpX0
すき焼きと納豆がなぜか毎回セットで出てたのが印象的だ。
753愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:00:51.75 ID:wGSc4y+b0
ぶっかけられ魔がいると聞いて飛んできました。
754愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:00:57.18 ID:jQJ7bg+/0
シーフードサラダのことを何故かシーフードドラゴンと呼んでいた、小5の夏
755愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:01:28.93 ID:owPeURS00
給食のワゴンをひっくり返して、次の日登校拒否になったのもいい思い出
756愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:01:59.75 ID:CNeJ0db10
>>750
ピーマンが入ってるやつだろ?w
給食のカートにはピーマンがごっそり残るという。
757愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:02:03.03 ID:XmEW8Tj3O
ご飯にかける系は好きだった
ビーフストロガノフとコーンピラフのコンビは最強

レーズンパンは未来永劫俺の敵
758愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:02:27.79 ID:L7haopMh0
給食といえば脱脂粉乳の牛乳のマズさが忘れられねーぜ!
ガチガチに固いパンも今となっては懐かしい……そんな16歳
759愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:03:22.13 ID:883fIKbgO
納豆+ご飯+海苔

どう頑張っても海苔が最初に無くなる
760愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:04:03.04 ID:JbwJo4nS0
あと、原材料不明の「 チ  ョ  コ  ク  リ  ー  ム 」。
なぜか肉じゃがと一緒に出る確率が異常で、チョコが付いたスプーンで肉じゃがを食うか、
肉じゃがが付いたスプーンでチョコを食うか、激しい小学生ながらディレンマに陥った、甘いチョコのほろ苦い思い出。
761愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:05:54.04 ID:CNeJ0db10
>>760
お前は俺か
762愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:06:16.77 ID:xxKJWk3i0
杏仁豆腐
糞マズイ上に量も少ない給食メニューの宝物だったな。アレは。
763愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:06:18.62 ID:883fIKbgO
スープ系入ってるやつ、だいしょっかん、とか言わなかった? 大食缶で正解?
764愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:07:30.21 ID:YaKtKtLo0
駄・移植肝?
765愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:07:48.53 ID:CNeJ0db10
>>763
牛乳とミートソースが混ざり合って凄惨たる様子を呈すせいでリアルに吐く人が出現するアレのことを言うならそれで正解w
766愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:08:03.09 ID:iRLVRpHI0
大Shack'an
767愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:08:14.79 ID:h4OtdbRO0
大食漢、マクロファージだな。
768愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:08:52.05 ID:XmEW8Tj3O
>>763
うちは丸缶だった。
丸いから
769愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:09:23.95 ID:JbwJo4nS0
ID:CNeJ0db10が、俺と同じ地方人なのか、それとも全国一律の現象なのか判別付きかねる。
770愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:10:39.53 ID:883fIKbgO
どうせだからこの和気藹々とした雰囲気にも名前を付けてしまおうか
771愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:11:21.12 ID:iRLVRpHI0
俺のところでは「だいしょっかん」といえば四角だったような……
スープ系は「まるしょっかん」だった。
772愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:12:03.53 ID:YaKtKtLo0
>>770
ヤラナイカ
773愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:12:23.22 ID:JbwJo4nS0
>>772
清き組織票を捧げる。
774愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:13:07.77 ID:xxKJWk3i0
半分感想書き終わった……(;´Д`)ハァハァ頭が熱っぽいぜ。
775愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:13:21.06 ID:HqYPbPV/0
>>770
命名 「愛(スル)」

用例
 「いや、この前また小説スレが愛しちゃってさー」
 「いいかげん愛せよお前ら」
776愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:17:05.98 ID:grZdHwNZO
ポロロッカ
バラライカ
ヤラナイカ

ときたんだから

スルメイカ
で良くね?
777愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:18:52.40 ID:YaKtKtLo0
うほっ いい流れ
778愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:22:49.55 ID:XmEW8Tj3O
ホタルイカでもよくね?
779愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:30:23.24 ID:JbwJo4nS0
妖精帰還期待age(´・ω・`)
780愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:31:14.99 ID:883fIKbgO
アオリイカでも
781愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:33:22.96 ID:owPeURS00
782愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:35:19.47 ID:CNeJ0db10
KOUTAスレ面白すぎてこのスレの保守忘れてたぜ……
783愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:38:12.76 ID:a1QM1FuK0
>>590じゃないけど、あんまりスレ内だけの隠語とか増やすと
パートスレの馴れ合いっぽくならない?
784愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:42:25.53 ID:grZdHwNZO
そうだな。
785愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 02:47:24.68 ID:XmEW8Tj3O
そのとーりだな
786愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:00:25.41 ID:XmEW8Tj3O
過疎だな
787愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:03:17.34 ID:YaKtKtLo0
だな
788愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:05:50.83 ID:BWjn9lyY0
ところで、お前ら明日は暇なのか
789愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:09:32.91 ID:doyf9X7HO
俺は暇だ。
790愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:11:03.38 ID:BWjn9lyY0
そうか
俺はテストだ
791愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:12:41.09 ID:jQJ7bg+/0
>>790
m9(^Д^)


…俺も真面目にテストを受けていれば…
792愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:19:29.60 ID:XmEW8Tj3O
俺は朝から寝るぜ
793愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:33:21.00 ID:XmEW8Tj3O
ほす
794愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:35:01.09 ID:6Sn6UtbT0
起きたら45作品とまとめトップにびっくりした朝
795愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 03:43:18.88 ID:xxKJWk3i0
まだ朝じゃねぇえええええ
796愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 04:05:07.08 ID:jQJ7bg+/0
まだ半分いかねー…
797愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 04:10:58.52 ID:fI1CtpXB0
がんばれww
798愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 04:22:06.54 ID:xxKJWk3i0
俺はあと5つほどだ〜( ´・ω・`)b
799愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 04:33:42.81 ID:auF7PhlkO
毎度のことだが全感想する人は尊敬する
800愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 04:38:46.31 ID:sW+CXrZW0
だな
801愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 05:05:10.09 ID:i79mFL1y0
保守
802愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 05:24:13.59 ID:got81hF50
全感想書いてくれる人がいるのか…
初参加だったから知らなかった
これはwktk
803愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 05:35:41.45 ID:s4JhV8Fy0
>>802
すっとぼけた事言ってないで、君も全巻想を望まれているんですよ……
804愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:07:36.56 ID:xxKJWk3i0
***********************【投票用紙】***********************


【投票】

No.16 風と雲と牛乳と ◇O8W1moEW.I
調べてみたんだが、前田留吉って実在した人物なんだ。
歴史物で意外にリアリティがあって、勝手にこんな人創作しちゃだめだろwと思ってしまったw
3レスで歴史に絡めて作った文章整頓能力はすごいっす><

No.35 魔性な不安定 ◇/7C0zzoEsE
( ;∀;)イイハナシダナー
よくまとまって読みやすかった 
典型的な話だけど、やっぱ涙腺から涙を誘うもんだわ。

No.42 ツンデレと牛乳  ◇InwGZIAUcs
夕子さんのツンデレっぷりが(´ー`)イイネ
子供のときからやっていたのかよってとこが新鮮すぎるw
普通は過去と現在を切り離して考えがちだからな。

No.45 姉と牛乳と僕  ◇h97CRfGlsw
キャラクターの立ち方がすごくうまい。
それも強烈に。
姉の女王様っぷりと弟のチョーひきこもりな感じがイイ不協和音になってたw
   
805愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:07:52.46 ID:xxKJWk3i0

気になった作品

No.03 マイシスタードリンクミルク ◇K0pP32gnP6
兄貴が変態すぎるw結構面白かったかな

No.12 ごめんなさいデリバリー ◇h97CRfGlsw
ギャグがうまいw結構笑ってしまったw

No.14 ミルクの気持ち ◇QIrxf/4SJM
読みやすかった。童話小説でどこの本屋でも売ってそうな感じ。

No.21 ホワイト・カーニバル ◇2LnoVeLzqY
面白かった。
>しんと静かな牧場の朝。もやのかかった視界の中に、緑の芝生がどこまでも広がっている。日はまだ昇っていなくて薄暗く、あたりの気温はまだ低い。
> けれどそれがいいのだ。吹き抜ける風は心地よく感じられ、湿った草の匂いが鼻へと届く。しんと静かな牧場の朝。この朝を独り占めしたような感覚。するとどこか遠くから牛の鳴き声が――
>「蒙古斑 お前の母ちゃん 蒙古斑」
情景を描いてのギャップの使い方とか、すごいうまい。見習いたい。

No.25 昼間の決闘 ◇9IieNe9xZI
マスターこんなこと言ったら、あとでこいつらに殺されるなw
こういうバカな話は嫌いじゃない。
ただもうひと味欲しかったかな。
806愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:08:08.41 ID:xxKJWk3i0

No.32 冬の終わり ◇YaXMiQltls
とんでもない変態小説だな
これって恋人に精液飲ましましたって話?違ったらスマソ
変態すぎて印象に残りまくった

No.33 浸食 ◇cLt9pTSr9k
メルヘンちっくな話だな〜(´∀` )

No.34 戒め ◇31ZrzN4KAA
カナシス よくまとまってたと思う。 

No.38 夜長姫 ◇hemq0QmgO2
雰囲気は良いと思った。

No.40 Uni  ◇vDmN7OM/Z2
最後のどんでん返しは良かった。綺麗な話だ。


No.43 お兄ちゃんと牛乳と私  ◇VXDElOORQI
BNSKにでてくるお兄ちゃんは変態しかいないんだろうか(゚Д゚ )
ギャルゲをそのまま書いたような話……個人的には良いんだけど、今回は他がレベル高すぎた。

********************************************************
807愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:10:33.78 ID:xxKJWk3i0

No.01 「乳香霧」  ◇sjPepK8Mso
童話みたいな江戸時代の雰囲気がよくでていて良い作品だと思う。(´ー`)
ただ話がくどい気がす、ここまでだらだらと書き連ねると疲れてくる。

No.02 神様、あの乳をもう一度 ◇D8MoDpzBRE
これはエロイ。(;´Д`)ハァハァ 
でも、なんか今回話題になった扉の優勝作品に似てるな。

No.04 おいしい牛乳 ◇04p9wvYxsw
説明がくどいかなぁ?何を伝えたいのかというのがよくわからなかった……

No.05 しろくてくさくてまずいもの ◇PUPPETp/a.
子供の気持ちは分かりやすくて良いと思う。
でもこれは主観なんだが、子供が背伸びしすぎて少し気持ち悪いと思ってしまった。
これくらいの歳で大人の女性が他の男と付き合っていることに不快感を覚えるのは早すぎるかなっと。
全体的には全然良いと思うけど、ここらへんに少し違和感を感じてしまった。

No.06 鬼畜 ◇7wdOAb2gic
一本とられたって感じだなw一発ネタに近いw

No.07 彼女の優雅な昼休み ◇Pj925QdrfE
スピード感がすごい。
いきなりキスするのは少し、強引な展開かなと思ったが、まあボーイミーツガール小説ならよくあるお約束と考えれば良いのかな。
涼宮ハルヒを思い出した。
808愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:11:11.51 ID:xxKJWk3i0

No.08 牛乳 ◇aO9PcI2T/6
説明がくどすぎて、話にのめり込めなかった。
たぶんループ物だから説明をきちんと書くように努めたんだろうけど
観葉植物とかヤワハダミノルの辺りで主軸とあまりにも関係が無いので、読むのがきつかったかな

No.09 牛乳 ◇alB3HOhOa
馬の乳なんてどこから入手したんだろうか。。
本物と寸分たがわずプリントされていた午乳なのに、自分で作ったものってどういうこと?

No.10 朝と牛乳 ◇RzBFNJadNY
萌え重視の雰囲気小説っていうか典型的なラノベだなぁ。まあ俺はそういうの大好きだけどね。

No.11 Milky Miserable Midweek ◇4dU066pdho
話が自己満過ぎて引いた(´∀` ;)
ブラームスの交響曲第一番とか、ラークとラークマイルドとかよくわからない話をされても……

No.13 牛乳を飲もう! ◇7CpdS9YYiY
最後まで興味が持てなかった……大概がいちゃついてるだけだからかも。

No.15 & ◆r5P9oG5tqk
3レスで推理小説というのは勇気ある選択アルネ( `ハ´)
最後のは幽霊が犯人かどうかぼかしたのかな……謎が投げっぱなしでオチがつかなかったような印象を受けてしまった。

No.17 ふつつか者ですが ◇DzHpA/9hyM
ものすごく読みにくい(´∀` ;)
いくら口語文体だからって、まとめるべきところはまとめるべきじゃないかな……
思いついたことをつらつらと書いていって、そのままだしている気がする。
809愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:11:37.37 ID:xxKJWk3i0

No.18 『ダイアモンド』◇51rtpjrRzY
なんてエロイ牛だよwま、それだけかな……

No.19 笑う小学生 ◇K/2/1OIt4c
ギャグものかと思ったら、ホラー物?文章力は良いけど、オチがよくわからなかった……

No.20 僕らの怪物 ◇Lj3naGix6U
なんだこれはw
シュールすぎる……

No.22 白い血 ◇7CpdS9YYiY
エロイし、キャラが立ってるのも良い。
だが……なんというか
>『人やその他の動物が死ぬのは禁止』。それがどうやら、この世界のルールらしいからな
のセリフで冷めてしまった。話に乗ろうとしたら、現実に引き戻されたみたいな(゚Д゚ )

No.23 成長 ◇FVCHcev9K2
論理が薄弱なのかな……最後の
>だから将来、立場や職業がどうあれ、人を陥れない、誠実な人間になってやる。そう思った。
という部分に、ホントにそう思ってるのか?と考えてしまった。
途中のうだうだ話をしている部分が、あまり同意できなかったせいかも。
810愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:11:52.87 ID:xxKJWk3i0

No.24 ホットミルクの冷めない距離に ◇.ohXkT36yY
THE 雰囲気小説って感じアルネ( `ハ´) 
俺あんま好きじゃないから、コメントしづらいニダ< `∀´>

No.26 現実はミルクの湯気の向こうに。 ◇D7Aqr.apsM
姉萌えものか。でも、なんだかおばあさんを想像してしまった…………

No.27 モンスターズ ◇nzzYI8KT2w
テンポ良くて面白いw
ただ、情景描写だの心理描写だのがすっぽり抜け落ちているのが、今一歩足りない点だな
小説というより2chでのネタに近い。

No.28 お返しは唇で ◇twn/e0lews
ずいぶん詩的な小説だな……

No.29 ミルキーウェイに花束を ◇1EzYxEBEas
なんだろうか、山と谷が無くて、あまり興味が持てなかった……よくちまたにある小説って感じ?

No.30 タイムスリップとある噂 ◇ozPxeaZqLs
いや、起承転結の起の部分だけ見せられた感じだ。さすがにそれは無しだろ。

No.31 夜のバニラ (1/3) ◇p/2XEgrmcs
嫌いというところで抽象論を二人は語っているけど、具体論がないから雲をつかむような話を聞いているようだったな……
抽象論→具体論もしくは具体論→抽象論で、抽象論は具体論とセットにしないと何がなんだかわからなくなるものだす。
抽象論だけ書くと意味がわからなくなることが多いよ。

※閑話休題 起承転結はあくまで支那由来の小説の書き方で、西欧の小説の書き方は序説、本文、結論なんだよね。
  外国の小説は抽象論を序説で示して、具体論を本文で書き、結論を述べる。抽象論の展開が非常に巧いんだす。
811愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:12:08.54 ID:xxKJWk3i0

No.36 特別な時と事情 ◇iiApvk.OIw
謎な部分を謎なまま終わらしちゃって、あまり印象が良くないな……
やっぱ書いてあることは気になるわけで、最後まで書くべきだと思う。

No.37 魔神見参!! ◇gvv9Qu6Mx
起承転結はしっかりしている。
話は綺麗にまとまっている。けど、なんか子供向けすぎるのか?
あっさりしすぎな感じ……読後感は悪くはないんだけどなぁ

No.39 不小事  ◇dx10HbTEQg
文章は良い。
牛乳がドイハ星人にとって毒物的な役割を持っていること。
地球人を攻撃したこと。
上官の船にぶつかってしまったこと。
なんだか話がバラバラすぎてよくわからなかった……

No.41 いつか天の川を渡って ◇tGCLvTU/yA
どっかにいっちゃう切ない話でいいんだが、やっぱり山も谷もないよなぁ…

No.44 悪党は反省しない  ◇3f0Xs6b.AU
スマン、ノリについていけない……
いくら死なないからって、ショットガンぶっ放すほど凶暴化しているという設定が、
日本じゃぶっちゃけありえないので……
812愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:13:14.91 ID:xxKJWk3i0
長かった(´∀` ;)
初参加だが、ここの小説は話がよくまとまってるのが多いね。
ちょっとレベル高くて順位づけは迷ったぜ( ゚Д゚)y―┛~~
813愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:26:09.87 ID:s4JhV8Fy0
全巻乙
814愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:27:24.15 ID:xmn96fLm0
>>812
おつおつ
815愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 06:36:16.18 ID:got81hF50
>>803
mjsk
今日から明日にかけてのんびり読ませてもらうよ(´・ω・`)

>>812
お疲れ様です
816愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 07:35:44.88 ID:Cm8+vq4i0
>>812
超お疲れ。

そしてまとめサイトがなくなると
馴れ合いとかそれ以前に不便な件
817愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 07:41:50.25 ID:6Sn6UtbT0
お題くださいな↓
818愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 07:42:25.58 ID:BR02v+p30
>>812
全感想乙

まとめ掲示板への転載時にタイトルが間違えられてるのは、そっと心のうちに仕舞っておこう
819愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 07:43:02.22 ID:BR02v+p30
>>817
破戒
820愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 07:50:26.34 ID:N69T6bMh0
>>812
乙。神乙。

ほんの気持ちって程度だけどまとめ協力してなかったこともないから、なんか勢いで閉鎖って形は虚しくなるわ。
って思ったらwikiは生き残ってるのか。ならいいんじゃね?
821愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 07:51:35.39 ID:got81hF50
いくつか御題ください
822愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 07:52:59.01 ID:N69T6bMh0
つ 葉
823愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 08:03:31.52 ID:got81hF50
誰か出発前にもう1つplz
824愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 08:08:15.23 ID:6TDS+41X0
つ 和菓子
825愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 08:44:36.42 ID:f7WmbiY50

826愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 09:21:24.87 ID:KwF3642kO
文句言った奴は自分でまとめを立ち上げるべきだろ。
常識的に考えて。
827愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 09:35:35.80 ID:s4JhV8Fy0
ヒント:文句言ったのは一見さん
828愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 09:39:37.27 ID:KwF3642kO
音が云々言ってた人もそうだっけ?
829愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 09:43:27.34 ID:s4JhV8Fy0
音が云々言ってた人は違うっぽいけど
別に感想言ってた程度だし、いいんじゃねーの?
830愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 09:51:29.15 ID:alZSBanf0
チャットには昨夜運営らしき人がいたみたいだな
831 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 09:53:26.58 ID:s4JhV8Fy0
全巻層今終わったから行きます

以下は全て『個人的感想』です、見当違いな感想付けられても、それは僕の読書能力が低いだけで、他にちゃんと本筋を理解してる方がいると思います。
それとは別に、納得いかない、感想を読んで不快になられた方は遠慮無くその旨申し出て下さると助かります。

・今回、オブラート無くしたので辛いです。


832 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 09:54:09.63 ID:s4JhV8Fy0
No.01 乳香霧 ◇sjPepK8Mso氏
話の筋が見えなかった。
全体的に、狙ったのかも知れないけど、文章がこんがらがっている印象。
舞台が山奥らしい、ということ以外解らなかった。

No.02 神様、あの乳をもう一度 ◇D8MoDpzBRE氏
想像するとエロい。オチとしてもブラックジョーク的で面白い。

No.03 マイシスタードリンクミルク ◇K0pP32gnP6氏
文章破綻無くすらすら読めた。内容に関しては特になし。

No.04 おいしい牛乳 ◇04p9wvYxsw氏
書き慣れていないのか、段落分けや三点の使い方等の小説作法に問題が見える。
ただし文章はその分ストレートで読みやすい、時折入るジョークも良い。

No.05 しろくてくさくてまずいもの ◇PUPPETp/a.氏
普通だった。
文章は読みやすい、その代わり残る物も無い。

No.06 鬼畜 ◇7wdOAb2gic氏
牛一人称、誰かやると思ったが面白い。

No.07 彼女の優雅な昼休み ◇Pj925QdrfE氏
すらすら読めた。
話の筋はしっかりあるけど、残る物が少ない。

No.08 牛乳 ◇aO9PcI2T/6氏
「」の頭はスペース入らない、中黒→三点、記号後の一文字スペース。「」文末の句点は、最近はない方が一般的。
僕に牛乳を下さい、は良いんだけど、小説は縦書きなのでこのスレでは好まれないオチ。風景描写は良かった。
833 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 09:54:34.96 ID:s4JhV8Fy0
No.09 牛乳 ◇alB3HOhOa.氏
すらすら読めた。オチも良かった。

No.10 朝と牛乳 ◇RzBFNJadNY氏
三点は二つセット、記号後の一文字スペース。
普通の話、文体も特徴的と言うこともなくインパクトが薄い。

No.11 Milky Miserable Midweek ◇4dU066pdho氏
抽象的な表現だけど、自傷の快感に似たものを覚える。否定出来ない面白さ。
ただ一つ、突っ込むならレイプシーン。
>乱暴に服を剥ぎ取って女性の象徴を露にした。
後半の女性の象徴云々が妙に感じる、他の言い回しが良かった。
もっとホームレス暴行とか細かく書いて良かったと思う。
レイプシーンも同様。ただ、現状でも良い。

No.12 ごめんなさいデリバリー ◇h97CRfGlsw氏 
ごでりばって何、と思う程面白かった。
文章の遊び方も良い。

No.13 牛乳を飲もう! ◇7CpdS9YYiY氏
美味しんぼなら富井じゃね? それともどこかのネタなのか、美味しんぼはネタ程度しか知らないので解らない。
すらすら読めて、所々読んでて笑った。
834 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 09:54:55.05 ID:s4JhV8Fy0
No.14 ミルクの気持ち ◇QIrxf/4SJM氏
すらすら読めたが、残る物が少ない。

No.15 私立探偵 場廊元貞 ◇RWQgmBzM32氏
最後が怖い、良く書けている。
長いのを読んでみたいと思った。
面白い。

No.16 風と雲と牛乳と ◇O8W1moEW.I氏
良い、面白かった。
文体合わせて良く書けていた。

No.17 ふつつか者ですが ◇DzHpA/9hyM氏
設定合わせて面白いと思った。
良い。

No.18 ダイアモンド ◇51rtpjrRzY氏
冒頭とのギャップに笑った。
面白い、良い。

No.19 笑う小学生 ◇K/2/1OIt4c氏  
理想の教師像だなと思う。
アキレス腱シーンは自分がその場にいるみたいな感覚になれた。
読み終えて、何でか解らんけど泣きそうになった。
凄く好き。
835 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 09:55:23.33 ID:s4JhV8Fy0
No.20 僕らの怪物 ◇Lj3naGix6U氏
ほんのりギャグ、文体が過度に壊れて無くて良かった。

No.21 ホワイト・カーニバル ◇2LnoVeLzqY氏
羽衣フーズと言えばキテレツ大百科で、これ全く同じネタで牛乳吹きやった記憶がある。
そういう意味で一々引き込まれて、懐かしかった。
文章もすらすら読めて良い、好き。

No.22 白い血 ◇7CpdS9YYiY氏
縛りを持ってきたっぽいけど、何か今一。

No.23 成長 ◇FVCHcev9K2氏
ギャグなんかなと思って読んでたらそうでもなかった。良く解らないまま終わった。

No.24 ホットミルクの冷めない距離に ◇.ohXkT36yY氏
すらすら読めた。文体工夫とか、これだけだと何か足りないと思った。

No.25 昼間の決闘 ◇9IieNe9xZI氏
序盤は面白かったけど終盤、良くわからなかった。

No.26 現実はミルクの湯気の向こうに。◇D7Aqr.apsM氏
すらすら読めたけど、良くわからなかった。
で? となった。

No.27 モンスターズ ◇nzzYI8KT2w氏
良い話、ほんわかして好き。
ただ、大阪弁だか関西弁が変すぎる気がした、作者さん大阪やら関西だったらすまん。
あと長音記号は『〜』使わないで『ー』ね。
836 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 09:56:12.49 ID:s4JhV8Fy0
No.29 ミルキーウェイに花束を ◇1EzYxEBEas氏
格好良いんだけど、何か物足りない気がした。

No.30 タイムスリップとある噂 ◇ozPxeaZqLs氏
長音記号は〜じゃなくてーで。
設定は面白いけど、現状だと見せ方で損してると思った。

No.31 夜のバニラ ◇p/2XEgrmcs氏
テーマがどうも取って付けたような感じに思えてしまった。
浅く感じる。

No.32 冬の終わり ◇YaXMiQltls氏
訳が解らないまま終わった。
何か書きたい物があったのかどうかも解らない。

No.33 浸食 ◇cLt9pTSr9k氏
訳が解らないまま終わった。

No.34 戒め ◇31ZrzN4KAA氏
長音記号は〜じゃなくてーで。
インパクトは強い、ありがちなだけに。良い。

No.35 魔性な不安定 ◇/7C0zzoEsE氏
すらすら読めた、オチはハッキリしていて良かった。
何か足りないと思った。

No.36 特別な時と事情 ◇iiApvk.OIw氏
書きたいことがあったのかもだけど、理解出来なかった。
837 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 09:56:45.99 ID:s4JhV8Fy0
No.37 魔神見参!! ◇gvv9Qu6Mx.氏
大きくなったんなら良いんじゃないのかと思った。
デブだったってこと?

No.38 夜長姫 ◇hemq0QmgO2氏
主観者をちょこちょこ変えて、改行で示しているけれど
例外的な手法を、これだけ回数やられると読むのが難しい。
内容的にも意味が解らない。

No.39 不小事 ◇dx10HbTEQg氏
ハイドは笑った。それ以外は特別インパクトも無し。

No.40 Uni ◇vDmN7OM/Z2氏
猫判明のやり方をもう少し変えれば面白かったかなと思う。

No.41 いつか天の川を渡って ◇tGCLvTU/yA氏
すらすら読めた。何か足りない気がした。

No.42 ツンデレと牛乳 ◇InwGZIAUcs氏 
最後の一文が文句なし、面白かった。

No.43 お兄ちゃんと牛乳と私 ◇VXDElOORQI氏
ほんわかしてて良かった、面白い。笑った。
838 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 09:57:03.17 ID:s4JhV8Fy0
No.44 悪党は反省しない ◇3f0Xs6b.AU氏
すらすら読めた、何か物足りない感覚。

No.45 姉と牛乳と僕 ◇h97CRfGlsw氏
ほんわかしてて良かった。
ふと、姉のおっぱいを見たらどうなるだろうと考えた結果
勃起しないまでも吸い寄せられるだろうと思った。

時間外No.01 マグカップ ◆0UGFWGOo2c氏
あーちゃん、が誰なのか、何故消えたのか。
そういった物を書かないとこの作品は成立しないと思った。

選考対象外No.01 六〇〇円 ID:fsmo+DBn0氏
比喩が浮いてるのと三点使いすぎと思った。
話の内容も今一良くわからないまま終わった。
素直にギャグで良かったんじゃないかと思う。
839愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 09:57:23.64 ID:KwF3642kO
そか。蒸し返してすまん。
でも、なんだかなー。
840愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 10:03:28.33 ID:s4JhV8Fy0
***********************【投票用紙】***********************
【投票】:No.11 Milky Miserable Midweek ◇4dU066pdho氏
    一つ、邪推する人がいるだろうから断っておく。
    下品だからではない、作品として考えることが出来たから。
     No.18 ダイアモンド ◇51rtpjrRzY氏
     気の抜け方が堪らない、冒頭がヤケにリアルで落差が良い。  

気になった作品:No.12 ごめんなさいデリバリー ◇h97CRfGlsw氏
        ごでりば! ごでりば!  
       No.16 風と雲と牛乳と ◇O8W1moEW.I氏
        おっぱい揉んで金貰える仕事あるなら僕も働きます 
       No.19 笑う小学生 ◇K/2/1OIt4c氏
        少年時代思い出した、良い先生で好き
       No.21 ホワイト・カーニバル ◇2LnoVeLzqY氏
        ハゴロモフォォゥゥゥゥゥズ 
       No.42 ツンデレと牛乳 ◇InwGZIAUcs氏
        二股おめでとう
********************************************************
841愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 10:03:53.70 ID:alZSBanf0
乙!!
842 ◆twn/e0lews :2007/02/19(月) 10:04:14.17 ID:s4JhV8Fy0
>>840
鳥抜けたけど僕です
843愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 10:53:27.90 ID:xxKJWk3i0
>>840
超乙!!
844愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 11:01:44.55 ID:wGSc4y+b0
全感想神乙!
俺も今から挑戦するぜ!
妖精さんはまだ帰ってないか……
845愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 11:22:20.84 ID:s+xqn9C10
品評会締切りと同時に寝た俺にココまでの流れをkwsk
846愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 11:24:03.40 ID:m0sgwh1j0
全感想が二人ほど。
まとめとか不便。
通常運営だけでいいんじゃないの? と思ってる俺がいる。
847愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 11:28:03.54 ID:s+xqn9C10
把握。でもまとめ掲示板は普通に使えてるんだぜ?
848愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 11:29:02.96 ID:m0sgwh1j0
騙して悪いが俺も二時間ほど寝ていたんでな
849愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 11:42:04.07 ID:KwF3642kO
騙したな!wwww
850愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:15:57.59 ID:grZdHwNZO
保守


今回も0票のヨカーン(゚∀゚)
851愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:16:58.82 ID:m0sgwh1j0
そんなの余裕だす
852愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:19:48.10 ID:cZKRy6Up0
>>1
>※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※

「もらわないでの」に突っ込んじゃ駄目なのか?
853愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:20:41.32 ID:grZdHwNZO
>>852
どこがへん?
854愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:26:14.93 ID:cZKRy6Up0
>>853
どの辺がといわれてもなww

お題を貰わずに小説を投下するのは(ry
ならまだ分かるんだが
855愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:27:45.31 ID:m0sgwh1j0
>>854
ちょっと落ち着けよ。
お題を貰わずに、の小説投下は
と区切って呼んでみろ
856愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:28:21.05 ID:xxKJWk3i0
細けぇ
857愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:33:27.37 ID:cZKRy6Up0
>>855
それでもおかしいと思うが
助詞の連続になってるからな

まぁ、このスレでそれが容認されてるならいいやww
スレ汚した。スマン
858愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:34:51.06 ID:cla4nre40
寝てる間に閉鎖されとる。
こんな変化球のカオスが来るとは思ってなかった。
859愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:35:49.91 ID:cZKRy6Up0
>>857
>それでもおかしいと思うが
それならおかしくない、の間違いだった。
再三スマンね
860愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:37:08.91 ID:m0sgwh1j0
>>857
ぶっちゃけ天麩羅なんてどーでもいいんだよ。
なに、水で溶いた衣レンコンに付けるだけでしょ。
こだわりは人を殺すんだよ。天麩羅屋さんだって油の温度にこだわった挙句飛び散った油で火傷したりするじゃない。
妥協が大切だよ。妥協が。油の温度は二百度付近でな、一気に揚げるより安全に揚げろよ
861愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:39:14.75 ID:Om7XeiMt0
ところでお題くレンコ……なんでもない。
862愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:44:58.98 ID:KwF3642kO
昼ご飯
とか、どう?
863愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 12:46:27.31 ID:Om7XeiMt0
はあく
864 ◆PUPPETp/a. :2007/02/19(月) 12:58:51.79 ID:iRLVRpHI0
>>807
>>832
全感想乙!

今後の課題は「印象に残るものを書こう!」だなぁ……
865愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 13:44:53.39 ID:alZSBanf0
今回、◇7CpdS9YYiY氏と◇h97CRfGlsw氏が二作ずつ書いてるけど、
30作超えたらどっちか選ぶんだよね?そこらへんどうなってるの?
866愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 13:59:07.22 ID:77p0qHjG0
>>865
運営じゃない俺が言うのも何だけど、3レス制限だしまとめ板にもケータイさん向けのリストにも載せちゃったから別に良いかなという感じ。
ただあんまりgdgdになると次回から一人一作制限設けるのもアリかも。
867愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 14:04:51.04 ID:EV/K1JRZ0
運営さんカムバック

酉つけて署名運動とかしてみる?
オレ品評会参加してないから酉もってねえけどwww
868愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 14:05:56.67 ID:alZSBanf0
>>866
なるほどなるほど。30作超えたら1つに選ばせるってのは絶対的なルールではないのかな。把握した。
869愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 14:27:30.02 ID:0vKeCh1cO
870愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 14:35:23.18 ID:77p0qHjG0
>>868
いつだったか、前にかなり投稿の多い回があって、そのとき次回以降もこんなに投稿があれば複数投稿を制限しようかって話になった、って感じだからね。
871愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:06:15.63 ID:iRLVRpHI0
お題をもらえまいか。
今回の品評会の反省を兼ねて、何か書こう。
872愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:07:26.24 ID:sgoJDvWs0
↑カルピス
873愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:10:55.42 ID:iRLVRpHI0
>>872
把握しよう
874愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:18:05.44 ID:NQaTN7JTO
すまない、初めてなんだが。
とりあえずお題を貰って書けばいいのかな?
文の長さとか、お題を貰ってから書き上げるまでの時間制限とかある?
875愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:20:50.19 ID:iRLVRpHI0
>>874
お題をもらって書くというルール。
長すぎるなら長編板に投下してくれと言われるだろうけれど
大体5レス前後ならば文句は言われない。
時間制限はなし。
876愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:21:50.81 ID:m827ONtA0
>>874
ナシ もっと言うなら、書けなきゃスルーも可
あんまり長いと読んでもらえない可能性も上がるけどね
877愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:22:43.80 ID:NQaTN7JTO
>>875
恐れ入ります。
では、何か書きたい。
お題を頂けますか?
878愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:23:26.09 ID:NQaTN7JTO
>>876
ありがとう、了解しました。
879愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:23:27.10 ID:alZSBanf0
牛乳
880愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:23:27.48 ID:77p0qHjG0
カラス なんかどう?
881愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 15:24:13.58 ID:NQaTN7JTO
>>880
頂きます!
じゃ、書いてくる!
882愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:00:36.94 ID:got81hF50
>>822-825
御題サンクス
朝時間なくてお礼できなくてスマソ
883死神の午後 ◆2xLpx6qEVE :2007/02/19(月) 16:30:58.99 ID:NQaTN7JTO
>>880お題「カラス」より

呼び出された真冬の午後、校舎の屋上…
黒いコートを纏い此方を醒めた眼差しで見つめながら、その縁に佇む少女…
おそらく彼女は、噂の死神。
増えすぎた人口を調整するべく、政府が考案した最新型のヒューマノイド。

僕は彼女の事を良く知っている。
僕の通う学校の…
同じクラスの窓側の席の後ろから二番目。
居るのは毎日見掛けるけど、笑ったところは一度も見た事がない。
いや、見掛ける…というのは嘘だ。
僕は彼女を見ていた。ここのところ毎日…
多分、恋をしていた。
しかし今、目の前にいる彼女はその『彼女』ではない。
年に四人、校内よりランダムに選ばれた人間を、天国か地獄のどちらかへ送り出す死の宣告者。

「まさか…君だったのか…」
「そう」

囈の様な僕の問掛けに、彼女が冷めた視線のまま応える。
学校の…いや、僕をとりまく社会の中で、こういった事実がある事は十分に知っていた。
ただ、自分には何処か関係の無い事の様に感じていたんだ。
なんとなく、なんとなく他人事の様な…
だが今、僕はそれに直面している!
そして、あと数分後に…
…間違いなく死ぬ。

884死神の午後 ◆2xLpx6qEVE :2007/02/19(月) 16:31:49.97 ID:NQaTN7JTO
「あなたは…いつも私に優しい眼差しをくれていた…」
「…え?」

目の前に迫る危機に混乱する僕の耳に、突然響いた彼女の言葉。

「でも…ごめんね、任務なの。でないと、私が消えちゃうの」

その瞬間、彼女は佇んでいたその場所から飛び上がり、フワリと宙に舞った。
それと同時に彼女から散った黒い羽根が、嵐の様に吹き踊る。
瞬間の出来事…
黒色の嵐に目がくらむ…
思わず目を閉じて膝を地に着ける。
そして…
気が付くと彼女は僕の肩を抱きながら、目の前で僕を見つめていた。

「さよなら」

小さく動く唇に赤い眼球。
そして…そこから溢れた一筋の涙。

「待って!僕は…僕は君の事…」

死ぬ前に告げたい、せめて一言だけ…
必死に口を開き言葉を吐き出そうとするが声が出ない。
死ぬ事に対しての恐怖が僕の体を硬直させる。

「嫌だ…死にたく…ない…」

薄れゆく意識の中に自分の声がグルグルと回わりながら消えていく。
885死神の午後 ◆2xLpx6qEVE :2007/02/19(月) 16:32:36.30 ID:NQaTN7JTO
そして全てが消えて、何かに辿り着きそうな触感を覚えた時、彼女の声が再び僕の耳に触れた。

「やっぱり、だめ」
「えっ?」

消えた筈の目の前の全てが、彼女の声に目を覚ました様に蘇っていく。
先程の様な恐怖は感じない。
寧ろ心地良い…

「助かった…のか?」
辺りを見回す。
何事も無かったように静まり返った屋上。
ただ、そこには僕だけしか居ない。
僕だけしか…

「なんだよ…それ…」
呟きながら空を見上げる。
空には幾千もの黒い羽根が、死に絶えた雪の様に静かに舞っていた。




お粗末でした。
これで良かったのかな…
886愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:40:54.32 ID:0k5UPVRhO
>>883-885
携帯からだがなかなか良いと思う。
こういう雰囲気の話は好き
887愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:41:01.20 ID:jQJ7bg+/0
取り敢えず、よく一時間で書けたなぁと思った。
888愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:44:37.91 ID:7ymaPZiC0
>>883
書くのはえー
雰囲気がとても好き。
もっと長いのを読みたいと思ってしまった。
889愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:46:25.68 ID:i9+n7m+Q0
>>883
雰囲気好きだな。
女の子が止めた理由、ってのは主人公が寄せてくれていた
好意への返事なのかな。もうわかることはないのだろうけれど。
止めた理由、を「見ていてくれた」とかよりも、もう少し沢山見せてくれると
すんなり納得しやすいかもしれない。
って、政府、もう少し精度高いロボット使わないとダメじゃんねwww

お題、「カラス」かあ。おいらはお題に関しては触れてればOK、みたいな
考えだから、これで充分だと思うけど、厳しい人だと、もっときっちりお題を
絡めた方がいいって言う人もいるかもね。

重箱の隅をつつくと、「…」は「……」って2回続けて使うのが作法らしい。
段落の最初の文字は一つ下げる、とかもあるけど、この辺はやる人やらない人まちまち。
あと、(1/X)ってのをタイトルの後ろにつけておくと全体で何レスになるのか
わかって読む人に優しい。

なんてね。
890 ◆2xLpx6qEVE :2007/02/19(月) 16:48:17.83 ID:NQaTN7JTO
すいません、少し焦り過ぎましたw
あと、感想ありがとうございます。

よろしければ、牛乳も頂きましょうか?
891 ◆2xLpx6qEVE :2007/02/19(月) 16:49:49.27 ID:NQaTN7JTO
>>889
ご指導、ありがとうございます!
精進します!
892愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:50:34.01 ID:muKmgLal0
ちょっとした悪ふざけのつもりが、戻す前に寝てたwwwwwwwwww
893愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:51:01.38 ID:JbwJo4nS0
妖精wwwwwwwww
894愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:54:14.00 ID:MirrzNmC0
なにやってんだwwwwwwwww
895愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 16:55:21.46 ID:6TDS+41X0
>>883
2レス目からの雰囲気とテンポはいいね。ただまだ詩って印象。地の文を…に頼りすぎかな。
雰囲気重視なのは分かるけど、もうちょい屋上なりの情景や音とかを絡めるとか、
主人公の心情を表現する味付けなりをして肉付けしたらどうどろうと思った。
896愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:00:12.09 ID:jQJ7bg+/0
>>892
       ____
     /   ノ( \
   /  _ノ  ヽ、_ \
  / ノ( ●━━●   \
  |  ⌒ (__人__) ノ(  |
  \     ` ⌒´   ⌒/
897愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:01:10.24 ID:KwF3642kO
妖精wwww
898 ◆2xLpx6qEVE :2007/02/19(月) 17:01:37.03 ID:NQaTN7JTO
>>895
なるほど…
確かに読み直してみるとスカスカな感じがします。
次に書かせて頂く時は、もう少し落ち着いて挙げて頂いた点を丁寧に仕上げる様に努力しますね。
ただ筆力が筆力なので上手く書け(ry
899愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:03:55.78 ID:rEXqO3i30
>>883-885
雰囲気いいな。面白かった。
言い回しとかがもうまいのかな。
話に入っていくことができた。

気になった点

「…」を使いすぎじゃないかな?
逆に無い方がすんなり読める気がする。
文章だけで十分「間」とかは、作り出せてると思うので。

>いや、見掛ける…というのは嘘だ。
>いや、僕をとりまく社会の中で
1レス内で、2度こういうのは使わない方が良いと思う。
なんとなく気になった。

>だが今、僕はそれに直面している!
「!」は雰囲気にあってないと思った。

お題に関しては、比較的俺は厳しくみる方だと思うんだけど
「カラス」と言う言葉を使わずに、これだけ「カラス」を連想させているので
良いんじゃないかと思う。
900愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:03:58.12 ID:6TDS+41X0
自分のレス読み返したらどうどろうってなんだ/^o^\
_| ̄|○
901愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:04:51.10 ID:s+xqn9C10
>>892
何してやがんだバーローwwwwwwwww
902愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:05:51.00 ID:rEXqO3i30
>>900
あるあるwwwwwww
誤字を指摘してるのに、自分が誤字とかwwwww
903愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:06:00.10 ID:muKmgLal0
>>590程度で気分害するほど沸点低くないしな。
まぁ、色々とみんなの本音が聞けて何よりではあったが。

まとめサイトでフラッシュ使ってるのは、指摘通り俺の自己満足に過ぎないわけで。
練習がてら、色々やってみてるってだけ。
それで気分害した人が居るなら、すまんかったとしか言いようが無いが。

どの道入口は改装するつもりだったから、それまでのお遊び、ってつもりだったんだけどね。
改装終わらせる前に寝てて、今起きたもんだから、まったく進んでないwwwww

ちなみにうぃきは消したわけじゃなくて、「閉鎖しました」ってindex.htmlを置いてるだけ。
だからhttp://wing2.jp/~bnsk/index.phpに行けば普通に見れるw


さて、復旧はいつになるかね。
904愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:07:03.36 ID:KwF3642kO
新しいなw<どうどろう
905愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:07:40.87 ID:DSas1HHb0
      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
/⌒ヽ  / ''''''     ''''''   ヽ
|  /   | (●),   、(●)   |
| |   |    ,,ノ(、_, )ヽ、,,     |
| |   |    `-=ニ=- '      |
| |   !     `ニニ´      .!          どうどろう(1901〜1934)
| /    \ _______ /  焦って感想つけようとすると現れる田んぼの妖怪。
| |    ////W\ヽヽヽヽ\   「田を返せ」と叫びながら新幹線に乗り込んでくる。
| |   ////WWWヽヽヽヽヽヽヽ 好物は駅弁。
| |  ////WWWWヽヽヽヽヽヽヽ
E⊂////WWWWWヽヽヽヽヽヽヽ
E////         ヽヽヽヽヽヽヽ
| |  //WWWWWWWヽヽヽヽヽヽヽ
906愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:08:25.48 ID:muKmgLal0
Online: 7
ワロスwwwwwwwwww
907愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:09:36.64 ID:sgoJDvWs0
>>905
どろたぼうwwwww
908 ◆2xLpx6qEVE :2007/02/19(月) 17:09:38.84 ID:NQaTN7JTO
>>899
ありがとうございます。
確かに1レス間に「いや、」を二回は酷すぎましたw
下手なりにちゃんと推敲すれば良かったです。

俺、ここは今日初めてなんですが、凄く勉強になります!
皆さん本当にありがとうございます。
また是非挑戦させてください!
909愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:16:51.49 ID:6TDS+41X0
>>903
いやいつも乙なんだぜ。wiki編集とか手伝えたらと思ってはいるんだけど。
スレ読んでたら苦情の言い方も悪いだろうと思った。音なんとかならないかくらいにしときゃよかったのになと。

>>908
次の朝鮮待ってるぜ!
910愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:19:10.19 ID:MirrzNmC0
言い方が悪いのはVIPではよくあること
911愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:24:48.25 ID:6TDS+41X0
/^o^\またループネタふっちまったい
912愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:26:45.64 ID:MirrzNmC0
食いついちまったwwwww

すまんこ
913愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:47:52.16 ID:MirrzNmC0
保守だッ!
914愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:54:43.02 ID:qlmamhvx0
ノベルチェッカーにベタ褒めされたので
お題「ほうとう」を投下しますね
915愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:55:35.02 ID:qlmamhvx0
 享楽の博士(1/6)

 尊ばれる精神というものは勤勉であるとか、自律であるとか、そういったものだろう。その点
から考えれば、彼は尊ばれる精神の真逆を平然と歩く人物だった。
 昼を睡眠に費やし、夜は享楽に励む。ローマ帝国、ネロ帝の頃に生きたガイウス・ペトロニウ
スはそういう人物だった。
 放蕩者と罵られることもあったペトロニウスは、決して自分をそうとは思っていなかった。確
かに彼は、堕落に溺れ親の財産を食い潰す他の貴族たちとは違うところがあった。
 知り得る享楽を知り尽くしてしまったのに、どうして今更何に溺れるというのだ、と彼はいつ
も考えていた。
 生来の天真爛漫さ故に、彼を堕落させることができるものは何もなかった。

 芸術を愛するネロと、享楽を知り尽くしたペトロニウスは自然と親しくなった。ネロもまた、
知り得る享楽を味わい尽くしてしまっていた。
「ペトロニウス、この歌はどうだろう?」
「確かにこれは美しい、しかし、合わないですな」
「ふぅむ、どうするべきだと思う?」
「陛下は繊細過ぎます。ただただ、勇壮に仕上げるべきでしょう」
 享楽に飽きたネロは、芸術から歓楽まで、次第にペトロニウスの勧めるもの以外は興味を示さ
なくなってきた。
 ペトロニウスは享楽を知り尽くしているが故に、その楽しみ方も知っていたが、ネロは消費す
るだけで、その楽しみ方を知るところまではいかなかった。それがこの二人の違いである。
 ローマ帝国皇帝を前にして、ペトロニウスは決して媚びることは無かった。それでも享楽に対
する博識ぶりでネロの歓心を得ることができた。
 趣味の権威者、それが彼につけられた名前だった。

 ティゲリヌスはペトロニウスに嫉妬していた。彼は自分をペトロニウスのライバルと自認して
いたが、享楽の知識はペトロニウスに遠く及ばなかった。
916(2/6):2007/02/19(月) 17:56:20.13 ID:qlmamhvx0
 そこでティゲリヌスは、芸術を愛するネロのもう一つの顔、残虐性に訴えることにした。
 当時、ローマ帝国にはキリスト教が上流階級から下流階級まで根を張りつつあった。ローマ旧
来の多神教との間には諍いが起きていた。
 ネロはこの問題に頭を悩ませていたが、もう一つ彼を悩ませる問題があった。
 それは、都市ローマそのものであった。
 人口は爆発的に膨れ上がり、猥雑として悪臭絶えないローマをネロは嫌っていた。
「陛下、人払いを」
「どうしたのだ。ティゲリヌス」
「陛下を悩ます問題を同時に解決できる妙案を持って参りました」
「ほう、それはいい。是非聞かせてくれ」
「ローマに火を放ちます」
「なんだと!? 正気かティゲリヌス」
「至極正気です、陛下。あっという間にこの腐った都市は焼き尽くされるでしょう。そして、そ
れをキリスト教徒共のせいにすればいいのです」
「ふぅむ……」
「愚かな市民共はキリスト教徒の処刑を求めるでしょう。焼け跡には広大な土地が残ります。陛
下は芸術的にキリスト教徒共を処刑し、芸術的にローマを再生させればよいのですよ」
 それはネロにとって魅力的な提案だった。芸術を愛するネロにとって、ローマを美しく再生さ
せる喜びは抗い難い魅力を持っていたのだ。
 しかし、ことが発覚すればそれはネロの破滅を意味している。ネロには迷いがあった。
「陛下、これを御覧下さい」
「これは!?」
 ティゲリヌスがネロに差し出したのは設計図だった。
「ドムス・アウレア。ローマ再生の象徴となる大黄金宮殿です」
「なんと見事な! 素晴らしい建築ではないか! これは美しい!!」
 ネロの心は決まった。
 まだ、設計の段階ではあったがドムス・アウレアは確かに絢爛豪華で美しく、ローマの多くを
焼き払わないと建てることができないほど大きかった。
917(3/6):2007/02/19(月) 17:56:57.65 ID:qlmamhvx0
「ペトロニウス。この設計図を見てくれないか」
 ネロは芸術や歓楽のことになると必ずペトロニウスに意見を求めるようになっていた。当然、
ドムス・アウレアの設計図にも意見を求めた。
「これはこれは、大層な建築ですな」
「どうだ、美しいと思わないか?」
「ふむ、絢爛豪華であることは間違いありませんな。しかし、グロテスクだ。
建築家はギリシャ人ですかな? 童貞の子供が描く理想の女性像の様な設計ですよ。彫刻も全く
珍妙で奇怪だ。美しさらしきものではあるが、美しいとは思えませんな」
 時に厳しく批判するのは、誰にも媚びないペトロニウスならではだった。いつもなら、ネロも
彼の批評に従うのだが、今回はとても残念そうだった。
「そうか……」
「それに陛下。こんな巨大な宮殿どこに建てるのです。ローマにはもう土地がありませんよ」
 ネロはドムス・アウレアの造営を諦めることができなかった。ペトロニウスは芸術や歓楽の趣
向にとても頑ななので賛成は得られないだろうと思った。
 或いは、ローマを焼き払ってから建てる宮殿の設計の相談など、ペトロニウスが受け入れるは
ずが無いだろうことは明らかだった。
「土地ができたらそのうち建てるだろう」
 ネロとペトロニウスの溝はこの時から徐々に深まることになった。

 西暦六十四年、競技場から発生した火災はローマの市内をほとんど焼き尽くした。
 ネロはこの火災の原因がキリスト教徒にあると大きく宣伝し、被災者を真剣に救済した。
 市民からはキリスト教徒に対する復讐を叫ぶ声があがった。それに対してネロは大勢のキリス
ト教徒を捕縛すると、”芸術的に”処刑した。
 十字架に括り付けたキリスト教徒たちを通りに並べ、街灯代わりに燃やした。燃やされる人間
の灯火が通りを彩った。後に聖人となったペテロもこのときに処刑された。
 ペトロニウスはこの残虐性剥き出しの悪趣味な暴力を嫌い、ネロのもとを離れた。
 あらかた処刑が終わると、ネロはローマの再建計画を発表した。それにはドムス・アウレアの
ことも含まれていた。
918(4/6):2007/02/19(月) 17:57:29.29 ID:qlmamhvx0
 ローマ市民の復讐熱が引くと、そこに残ったのはネロの残虐性とドムス・アウレアの壮大な計
画だった。誰が言い出したかは定かではないが、ネロがローマに火を放ったとの噂が流れるよう
になった。

「ティゲリヌス!! どうして私が憎まれるのだ!! 被災者を真剣に救済したし、キリスト教
徒を処刑した。復興計画までまとめたのにだ!」
「陛下、我々の計画を嗅ぎつけた者がいるのです。恐らくはペトロニウスでしょう」
「まさか……」
「ペトロニウスはドムス・アウレアについて厳しく批判したのでしょう? 賢しい奴ですから計
画を嗅ぎつけて、市民に吹聴して回ったのでしょう」
「あれはただの放蕩者だ。そんなことができるものか」
「ただの放蕩者に台無しにされては困るでしょう。我々は破滅します。手を打つべきでしょう」

 セネカはネロの家庭教師を務めており、ネロが皇帝即位後も政策に助言を与えていた。ティゲ
リヌスが宮廷で力を持ち始めた頃に、その立場を退いた。
 彼は優れた詩人であり、悲劇作家であった。ペトロニウスとも親しい仲だった。
「私はもうお終いだ。ティゲリヌスは私を粛清するつもりだ」
「セネカ、酷い目に遭う前に逃げるんだ」
「ペトロニウス、じきに君も殺される。あぁ、私があの怪物を育ててしまったのだ」
「確かにネロは怪物だ。君の指導の賜だよ、セネカ。彼の詩曲の才能は恐ろしいものがあるよ。
君が与えたものだ。
 しかしね、あの残虐性に君の責任は無いよ。君は、怪物を芸術を愛する怪物にしただけだ」
 セネカは少し間をおいてから、ゆっくりと口を開いた。
「怪物を育てた責任は取らなければならない。私は自害する。どうせ老い先短いのだ。逃げ延び
ることに意味はないよ」
「ネロは皇帝ではなく、芸術家になるべき人だったな」
 セネカは西暦六十五年に自害した。
「次は私の番か……」
919(5/6):2007/02/19(月) 17:58:06.41 ID:qlmamhvx0
 ペトロニウス邸では宴会が行われていた。
 親しい者たちだけを呼んで毎晩の様に催す宴だった。下らない冗談を言い合ったりと、酔った
ままに口を動かす場であった。
 ペトロニウスはその場で、何事も無かったかのように自分の手首をナイフで切った。傷は深く
血は止まらなかった。
 突如起きたペトロニウスの自傷に、来賓は驚愕の表情を浮かべ、声一つあげることさえできな
かった。
「気にしないで続けてくれ、これが最後の宴なのだから」
 ペトロニウスは書簡を手に取った。
「私が息絶えたら、これをネロに届けてくれ。内容が気になるか? それはそうだろう。
それでは今から読み上げるから、読み終わるまで死なないよう祈っていてくれ」

 陛下。私は陛下の悪趣味に嫌気がさしておりました。あの時の人間松明など、それはもう最悪
の極みとしか言い様がありませんな。
 しかし、それでも私は陛下の才能には一目置いていたのですよ。陛下は芸術を愛する美しい目
と少年を愛する卑しい目を陛下はお持ちになっている。
 名前は失念しましたが、あの時の少年はとても美しかったですな。流石は美しいものを愛でる
才に長けた陛下だと、私は関心したものですよ。
 母親に似た女性ばかりを囲う陛下の趣も悪くないものでしたよ。
 やはり芸術家とは多少なりとも破廉恥でなければならないと、私は常々思っていたのですよ。
その点、陛下は正に芸術家の鑑ですな。政治家としては無能でありましたが。
 最後に、ドムス・アウレアは陛下のようにグロテスクですので、お止めになった方が良いと、
忠告させていただきますね。
920(6/6):2007/02/19(月) 17:58:30.68 ID:qlmamhvx0
 それは赦しを乞う書簡でも無ければ、哲学的な人生を語る書簡でもなく、ただただ皮肉だけが
書き連ねられている書簡だった。
 皮肉屋的口調をそのままに書き綴った意味の無い散文。それが「趣味の権威者」である彼が最
後に残したものだった。
 ネロの趣味に対してのみ言及しており、ティゲリヌスや他の重臣にも、ローマの大火の計画に
も、キリスト教徒にも触れていなかった。まるで興味が無いと言わんばかりに。
 書簡を読み上げると、彼は意識がまどろむままに、親しい友人たちとの歓談を続けた。
 ペトロニウスの往生は自然そのものだった。年老いた人間が眠るように迎える死そのものだっ
た。
 これが、知り得る享楽を知り尽くしたからこそ、望んだ死の形なのかも知れない。

 ネロはペトロニウスの自害の後、西暦六十八年、反乱に遭い自害した。
 造営されたドムス・アウレアはネロの死後破壊されたが、十五世紀末に発掘され、ルネサンス
の芸術家たちに大きな感銘を与えた。その奇妙な壁面のフレスコ画は「グロテスク」の語源にな
った。
 ペトロニウスが残した文学作品「サテュリコン」には、当時のローマの社会の淫蕩ぶりが描か
れており、後世に高い評価を得ている。
「趣味の権威者」と呼ばれたペトロニウスの様に、不精な放蕩者として、それでも敬意を集める
特異な人物はそう多くはいないだろう。
921愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 17:59:56.93 ID:qlmamhvx0
 完

映画「クォ・バディス」を思い出しながら書きました
私の大好きな人のお話です
922愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:12:59.46 ID:jQJ7bg+/0
  ∧∧ ∩
 ( ´∀`)/  ポロロッカ星人!
⊂   ノ
 (つ ノ
  (ノ    
923愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:16:48.40 ID:jQJ7bg+/0
ごめん、ミスった
924愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:27:07.90 ID:2ZkpmRoG0
>>921
話の内容に合った、落ち着いて明快な文章だと思います。
実在の人物を冷静な視点でとらえています。なんとなくアカデミックな気分にさせてくれます。
逆を言えば、臨場感に欠けるということでもありますが、まあそこは好き好きでしょう。
もうちょっとだけでもペテロニウスに話を割けば、全体のバランスが取れたような気がします。
ペテロニウスを書きたかったのか、「ペテロニウスの死(にまつわるくさぐさ)」を書きたかったのか、ちょっと不鮮明でしたので。
あと人物の登場がやや唐突に感じました。

個人的にはこういうのは大好物です。また書いてください。
925愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:27:55.87 ID:2ZkpmRoG0
お題くれ
926愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:28:14.42 ID:muKmgLal0
それでも、フラッシュを、使うのを、止めないッ!
927愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:28:42.48 ID:muKmgLal0
あ、ごめん。

>>925
つ『お題:我侭』
928愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:29:50.37 ID:2ZkpmRoG0
>>927
把握
929愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:31:43.65 ID:alZSBanf0
切捨ても復活してる!!!
930愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:34:59.29 ID:9Frg97ct0
誰かお題くれYO♪
931愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:35:37.28 ID:mYWaBCQT0
待ちぼうけ
932愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:35:46.19 ID:jJPmJcyS0
積乱雲
933愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:35:59.40 ID:2ZkpmRoG0
北極
934愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:39:31.78 ID:9Frg97ct0
>>931-933
把握したYO♪
935愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:41:20.28 ID:2ZkpmRoG0
たびたびすまん、追加でお題くれ
936愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:42:53.07 ID:9Frg97ct0
ジェラシー
937愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:43:38.98 ID:WUyHS2+L0
>>936
把握
938愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:47:35.89 ID:qlmamhvx0
>>924
感想ありがとうございます
セネカを出そうかどうかでかなり迷いました
書簡だけではなく、ペトロニウスの会話でネロを評価してみたかったので
ちょい役として出してみましたが、やっぱ唐突だったかも知れません
今後も歴史モノが書けそうなお題貰ったらがんばりますね
939愛のVIP戦士:2007/02/19(月) 18:57:57.81 ID:8TqeFFob0
ああ
940愛のVIP戦士
あ、ペ“ト”ロニウスか。
ペテロニウウスって書いちったwwwスマソww