( ^ω^)ブーンが心を開くようです

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1 ◆ILuHYVG0rg
│ω・`)……

│⊃ まとめhttp://vip.main.jp/48-top.html


│ω・`) 規制がやっと解けました。今日が最後の投下になります。



│ω;`)今までありがとうございました
2愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:24:48.96 ID:vR/xqL/P0
wktk2get
3 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:25:06.82 ID:Pq8gNNQw0

第29話



目を開けたら、そこは真っ白な空間だった。

空も地面もない。自分の身体すら見えない。
上下左右の感覚もなく、まるで浮いているような感じ。

身体はぴくりとも動かない。声も出せない。
音も聞こえなければ、匂いもしない。あらゆる意味で真っ白な空間だった。

そんな中、ふと隣に誰かが立ったような気がして、けれども目を動かすこともできず、
しかも気のせいだったかもと思いながらも、聞こえてきた声にブーンは耳を傾けた。
4 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:25:57.74 ID:Pq8gNNQw0
(*゚ー゚)「時は満ちました」

ξ゚听)ξ「選択の扉が現れるわ」

('A`)「お前が決めるんだ」

(´・ω・`)「世界をどの扉に導くか、だよ」

川 ゚ -゚) 「その時、心は開く」

もう分かる。それらは『従者』の声。
自分に決断を促す言葉。

それ対し、ブーンは静かな心で答えた。


もう、心は決まっていたから。



5 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:26:49.41 ID:Pq8gNNQw0

(*゚ー゚)「時は満ちました」

ξ゚听)ξ「選択の扉が現れるわ」

('A`)「お前が決めるんだ」

(´・ω・`)「世界をどの扉に導くか、だよ」

川 ゚ -゚) 「その時、心は開く」

もう分かる。それらは『従者』の声。
自分に決断を促す言葉。

それに対し、ブーンは静かな心で答えた。


もう、心は決まっていたから。



6愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:27:11.64 ID:zd6ssXRVO
>>1
いつも楽しみにしていた、色々考えさせられた良作だよ
7 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:28:03.02 ID:Pq8gNNQw0



黒い光が晴れた世界。夜の空気が戻ってきた世界。

空の一点にぽつんと白い光が現れる。

それは太陽のように強烈に光り出し、辺りを照らし始める。
夜は昼へと代わり、空は白い光に覆われていく。

雲と地面の間に広がっているようで、白い光は星や太陽、月などの天体を隠し、白い膜のようにこの星を包んでいった。

地上にいた人間は、突然夜から昼になった空を見上げ、驚く。
「なんだ、あれは」。それが口を揃えて言った第一声。

そして、彼らはその白色光の出所をさぐり、空をぐるりと見回す。
すると、ある一方向から強烈な光が噴き出していることに気付き、目を細めてそれを凝視するのだ。

太陽のように光るその発光体は、じょじょにその光量を弱め、その正体をあらわにしていった。
8 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:29:52.74 ID:Pq8gNNQw0

「あれは……」
「人……?」

屋上から、地上から、車の中から、飛行機の中から、様々な場所からその発光体の正体を見た人間達。
彼らはただ呆然とするしかなかった。

それは、人間のように見えた。
だが人間ではなかった。

その人間は宙を浮き、目を瞑っていた。
腕を下げ、足を揃えて空を飛ぶその人間の背中からは、白い光が未だに噴き出している。

いや、違う。それは翼だった。
1枚は上に向かって、1枚は真横に、1枚は下に向かって、それぞれ別方向に向かって伸びるその白い翼の枚数は、合計8枚。
4対8枚の、数十メートルはあろうかという巨大な翼を携えた人間が、空に浮かんでいたのだ。

人々は唖然とそれを見ることしかできなかった。

黒い光のような恐怖は感じない。
だが、その翼を持った人間は、何かをもたらすに違いない。
そんな直感のようなものが目撃者たちの間に共有されていた。
9愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:30:06.51 ID:aF5/s6qtO
+゚ヾ(´∀`*)ノ゙キャッキャ。+
10 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:30:47.22 ID:Pq8gNNQw0

そして、その直感はまさしく当たった。

( ゚ω゚)「……」

少年が動いた。
口を広げ、胸を押し上げるその姿は、声を出そうとしているようにも見えた。

だが、何の声も聞こえない、「聞こえない声」だった。

代わりにその体から発せられたのは、白い光。

直径50メートルあろうかという巨大な光球が彼の頭上に発生し、近くの街へと勢いよく飛んでいく。

地面に当たった瞬間、爆発したかのように光が広がり、街をすっぽりとドーム状に覆ってしまった。
爆発音も衝撃もない。ただ「光がそこに広がった」だけなのだ。

光は徐々に勢いを失くし、収束し始める。
だが、そこにあったはずのものは、もう存在していなかった。
ビルも民家も、道も、電柱も、人も、木も、全て。
全てが跡形もなく消え去り、残されたのは土をえぐられ、隕石が落ちたかのようなクレーターができた土地だけだった。

街どころか、地面すらも消滅してしまったのだ。
11 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:31:45.21 ID:Pq8gNNQw0

近くにいた人々はその一部始終を見ていた。
テレビ局もその映像を写していた。
衛星からモニターしていた各国の軍隊、政府もそれを見ていた。
そして、もちろん『VIP』もそれを目撃していた。

彼らの間に流れ込んできた感情はただひとつ。

「混乱」。

恐怖でも歓喜でもない。ただ「混乱」だけが彼らの心にもたらされる。

人々は顔を見合わせ、何が起こったかを理解しようと努める。
テレビ局のアナウンサーも「ただいま状況を把握している最中です。お待ちください」と流すだけ。
政府や軍隊も情報を交換し合って、混乱する頭を整理しようとし、
『VIP』は見知った少年が行った行為に、頭が真っ白となる。

混乱する人々に対し、翼を持った少年は静かに空に浮かぶ。

世界の行く末を、じっと見つめるかのごとく。


12 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:33:18.46 ID:Pq8gNNQw0



通信士『××町の一角が消滅! 死者、被害ともに計り知れません!』

兵士『少年――ブーン君は徐々に移動を開始! 北方面に向かって進行中!』

通信士『近隣の住人がパニックを起こしています! 現在、避難所は人で溢れかえっていて、危険です!』

狐「くっ……これはどういうことだ……!」

狐の切羽詰った声に対し、様々な方面から様々な通信が入ってくる。
それらは全て、ブーンについての情報だ。

突如、大量の白い光をその身体から溢れさせ、背中に8枚の翼を作り、空を光で覆ってしまったブーン。
近くの街をまるごと消してしまい、今もゆっくりと移動しているらしいブーン。

何が起こったのかまったくわからない。
どうしてつーやジョルジュを倒したのに、今度は彼がこんなことをやるのか?
彼はどうして……人を消してしまったのか。

様々な疑問を胸に抱えながら、ドクオは、もはや画面が真っ白になってしまったモニターから視線を外し、
慌てた様子の狐とぃょうの様子をうかがう。
13 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:34:10.54 ID:Pq8gNNQw0

通信士『アメリカ軍からの通信が入りました。つなぎます』

( ^Д^)『これはどういうことだ! あの少年はお前たちの仲間ではなかったのか!?』

狐「ええ、しかし何があったのかはわかりません。現在調査中でして……」

( ^Д^)『あれを見なかったのか! 街をひとつ消したんだぞ! 明らかに危険だ! 敵に寝返ったのではないのか!』

アメリカ陸軍大佐、プギャーがそうがなるのに対し、狐は何も言い返せずに口をつぐんだ。
ブーンがあんなことをやってしまった今、何も言うことはできない。確かに街を消してしまったのだ。

今や、ブーンは世界を混乱に陥れている原因となってしまった。特にアメリカ側にとっては。

( ^Д^)『これから戦闘機を差し向ける。あれは【影】ではないのだろう? ならば通常兵器でも殲滅が可能だな』

('A`)「なっ!?」
(´・ω・`)「そんな!」

いくら街を消してしまったからと言って、あれがブーンであることに変わりはない。
もしかしたら敵に操られているだけかもしれないし、元に戻る可能性も十分ある。

なのに、いきなり「殲滅」? 早計すぎる。
14愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:34:16.00 ID:aOfy6cYvO
wktk
15 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:35:47.50 ID:Pq8gNNQw0

狐「待ってください! それは……!」

( ^Д^)『今あいつを止めなければ、さらに被害は拡大する。
     たとえかつての仲間であろうとも、今となっては世界に混乱もたらす元凶だ。
     感情にとらわれていては、助けるべき人間も助けられなくなるぞ』

狐「しかし、彼は……」

( ^Д^)『お前も国を守るものとして考えれば分かるはずだ。
     大きなものを守るためには、小さな犠牲も必要だということが』

狐「……」

( ^Д^)『【空軍から借りたF−22とB−2を発進させろ。クラスター爆弾と核の使用も許可する】』

プギャーが近くにいた兵士に命じたのだろう。
英語だったけれども、明らかに攻撃の指示だと分かり、ドクオは慌てて機関銃を放り出して、「狐さん!」と怒鳴った。

('A`)「このままじゃブーンが!」

狐「……けど、実際ブーン君は街ひとつを消してしまった。
  これ以上の被害が出ることは防がないといけない」
16 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:37:22.91 ID:Pq8gNNQw0

(#‘A`)「けど、あれはブーンなんすよ!」


ドクオは叫び、狐の胸倉をつかむ。
だが、狐は目を閉じ、握りこぶしを作ってそれに耐えるだけで、何の抵抗も見せようとはしなかった。

狐「時には……守るための犠牲も必要なんだ」

('A`)「……っ! くそっ!」


ドクオは走り出し、テントから外に出た。
外は夜とは思えないほど明るく、空は真っ白に染まっている。


目をこらすと、ブーンの8つの翼がぽつんと見える。
ここから彼がいる場所まではかなりの距離があるのに、それでも見えるとは……

つまり、それほど翼が巨大だということなのだろう。
17 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:38:10.99 ID:Pq8gNNQw0

近くにいた兵士から双眼鏡を借り受け、ドクオはレンズ越しに戦闘機がブーンに向かって飛んでいくのを見た。

あれが、今からブーンを攻撃する。

('A`)「馬鹿やろう……やめろってんだよ!」

ドクオはそう叫ぶものの、戦闘機が止まることはない。

白い翼に向かって、黒い点のような戦闘機が猛スピードで近付いていくのを、ドクオは見ていることしかできなかった。



18愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:38:36.37 ID:WIR71WgR0
sien
19愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:39:17.25 ID:s6jMolH/0
支援
20 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:39:37.55 ID:Pq8gNNQw0



アメリカ軍が差し向けたF−22は最新型の戦闘機だ。

レーダーに映りにくくするステルス性能を持ち、
アフターバーナー(高推力を得るための装置。だが、燃費が悪い)を使わずに超音速巡航を可能にした次世代型。
最強の戦闘機と言われているF−15にも勝る性能と、対空対地ともに十分な装備を持っている。

冷戦の終結に伴い、これほどの高性能機は必要ないとの方針により、生産台数は削減されたものの、
現在のアメリカ空軍の第一線をささえているのはこの機体だ。

そんな高性能戦闘機が、日本の空の上を駆ける。
3機編成、3角形状に広がるそれらは、たったの1人の敵に対しての戦力としては過剰とも言えるだろう。

その後ろに続くのが1機のB−2爆撃機。
これもまたステルス性能を持ち、水平尾翼と垂直尾翼がない特徴的な形をしている。
元々は、レーダーをかいくぐって隠密的に核攻撃を仕掛けるために開発されたものだ。
もちろん、こちらも少数ながら第一線で活躍する爆撃機。
しかもB-2は核ミサイルを搭載していた


つまり、アメリカ軍は、敵と認識した少年を、完全に討ち滅ぼそうとしていたのだ。
21 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:41:16.83 ID:Pq8gNNQw0

まず、F−22が亜音速で飛んでいく。

パイロットは、正面の巨大な白い翼を見据えながら、機関銃の照準を中心の少年に合わせ、何のためらいもなくボタンを押す。

機体下部に備え付けられている20mm機関銃が火を噴き、寸分の互いもなく少年の身体へと浴びせられていく。
パイロットは確かに、弾丸が当たった手ごたえを感じていた。

パイロットA『軽いな、これぐらい』

先頭を切って攻撃したパイロットがそう呟き、何もたかが人間1人に戦闘機3機はやりすぎだろうと、ほくそ笑みながら思った。
いくら巨大な力を持っていようとも、肝心の身体に弾丸を受ければ、相手は死ぬ。


簡単なことだ。全ては先制攻撃が大事。
22 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:43:32.64 ID:Pq8gNNQw0

パイロットB『いや……待ってください。目標に変化がありません』

パイロットA『何!?』

パイロットAは旋回しつつ、目標の少年を目視で確認する。
確かに、機関銃の銃撃を受けても傷ひとつついていない。
これはどうしたことか?

と、目標の白い翼がかすかに動いた。

右側の1番上の1枚が、大きく羽ばたくように動き、その後を白い光が追いかけるように発せられていったのだ。

そして、光は1番後ろを飛んでいたF−22を飲み込む。

パイロットA『γ(ガンマ)! 応答しろ!』

パイロットはすかさず通信でよびかけるが、飲み込まれたパイロットからは何の反応もなかった。
目視で状況を確認しようと首をひねると、γの機体が白い砂のように解け始めているのが見えた。
23 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:45:42.20 ID:Pq8gNNQw0

パイロットA『応答しろ!』

続けて呼びかけるが、最後まで相手からの返事はなかった。
ついにγの機体は、サラサラと白い砂――いや、白い光の粒子へと変化し、
そのまま少年の白い翼に引き込まれるようにして同化してしまった。

ただの人間に、1機の戦闘機がやられた……?

ぞくり、と背筋が凍るのを感じる。

パイロットA『くっ……β(ベータ)! 援護しろ! 俺がしとめる!』

パイロットB『了解』

βが機関銃で援護してくれる気配を感じつつ、戦闘機は複雑な螺旋軌道を取って目標へと近付いていく。
そして、息巻いてミサイルのスイッチを押そうと指を動かしたパイロット。

が、指がスイッチを押すことはなかった。

その指が、砂のように分解してしまっていたから。

パイロットA『なっ……なっ!』

パイロットが何かを言い切る前に、その身体は完全に白い光の粒子と化し、意識もまた飛んでいった。
同様に、βの機体も光を浴びせられ、消滅。

そうしてF−22の編隊はものの数分で全滅した。
24 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:46:58.10 ID:Pq8gNNQw0

だが、まだ終わっては居なかった。
F−22の全滅を目の当たりにしたB−2のパイロットは、目標と距離を取って攻撃することを選択した。

利口な選択であることは間違いなく、B−2は白い光を浴びることなく、遠くからミサイルを発射することができた。

そのミサイルはクラスター爆弾と呼ばれるものだ。
大きな爆弾の中に、小さな爆弾が数百個入っており、さらにその中には600個の鉄球が詰め込まれている。
これが空中で爆発することで広範囲に敵を殲滅することができ、
また、逃げるスペースを少なくすることもできる。

対地対人兵器としては一流の爆弾だ。

空中で爆発したクラスター爆弾は、目標の少年に向かって数万個の鉄球を降り注いでいく。
25愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:47:33.84 ID:C9TmdI0rO
支援
26 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:48:30.86 ID:Pq8gNNQw0

( ゚ω゚)「……」

だが、それすらも無駄だった。
突如少年の頭上に現れた光の壁が、鉄球を全て防いでしまったのだ。
光の翼には、防ぐどころかすり抜けてしまい、まったくのノーダメージ。

B−2のパイロットは、もちろん、それを見て驚愕し、恐怖した。
もしかしすると、これに対してはどんな兵器も効かないのではないか?

そう思っていると、目標の少年が動いた。
B−2ではない。近くの街に向かってその目が動き、翼からまたしても巨大な光球が発生し始めたのだ。

再び発せられた『聞こえない声』。
巨大な光球は、街に直撃し、恐怖の再来を告げた。

街が完全に消滅してしまっていたのだ。

恐怖におののくパイロット達。
クラスター爆弾は効かない上、戦闘機や街を一瞬にして消してしまう力。
こんな化け物に、どうやって対処しろと?
27 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:49:58.10 ID:Pq8gNNQw0

と、そこにひとつの緊急コードがB−2に対して発信された。

それは、特Aクラスのコード。
通常の戦争でもまず使われることのない、緊急かつ有事を示すコード。

つまり、核ミサイルを使用せよ、というコードだ。


パイロットはぶるりと背中が震えるのを感じ、自分の指先を見つめた。
指先は、核ミサイルのボタンに触れている。

かつて、実際に核爆弾が使用された例は2つしかない。
H島とN崎。その2つだけ。

そして今、3つ目の核爆弾が、再びこの国に落とされようとしているのだ。

アメリカ人であるパイロットでも、これが何をもたらすのかはわかっている。
核の不拡散を謳い続けてきた国連。そして、startなどの核不拡散条約によって、核軍縮が進んできたこの時代。
そんな中再び核が使用されれば、どうなるのか? それは誰にも予想がつかない。
28愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:50:38.82 ID:ToPyhqVL0
ラプターとスピリットが!!
29 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:52:13.29 ID:Pq8gNNQw0

だが、ここでこれを使わなければ、確実に被害は広がってしまう。
この国は残らず消滅させられてしまうかもしれないし、それが自分の国に広がる可能性も否定できない。

自分の国と、国の家族を守るため……B−2のパイロットは、震える指を抑えながら核ミサイルのスイッチを押す。

B−2の底部から放たれたミサイルは、1次ブースターを切り離し、目標に向かって一直線に飛んでいった。
その弾頭に搭載されたウラン型の核爆弾は、1度起爆すれば辺り一帯に黒い雨と死の灰を降らせる。
かつてのH島・N崎で使われた核爆弾と比べて、2、3倍の威力を持つその爆弾なのだから。


だが、B−2のパイロットがその爆発を見ることはなかった。

まず、パイロットの身体は、ミサイルを撃った直後に光へと転じてしまっていたからだ。

意識する暇もない。翼から放たれた光の球がB−2に直撃し、その機体と中の人間を全て光に変えてしまう。
30愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:52:48.04 ID:AfbQi3XZ0
核って^^;
ものすごい設定だな
31 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:53:22.56 ID:Pq8gNNQw0

続けて、ミサイルにも変化が訪れていた。

少年に近付いていくにつれて、ミサイルの周りに白い光が現れ始めた。

それは少年から発せられたものではない。
空から、雪のように舞い落ちてきた光が、核ミサイルを覆っていたのだ。

直進するごとに、その鉄の塊は白い光に変化する。
砂のように分解され、少年の翼の一翼に吸い込まれていく。

最後には完全に核爆弾は無力化された。

そう。
人類最強の兵器でさえ、少年を殺すことはできなかったのだ。
32愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 20:53:57.52 ID:ZjDdDUyo0
規制解除乙\(^o^)/
33 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:54:12.68 ID:Pq8gNNQw0

自分に近付くもの全てを白い光に変えてしまった少年は、
そのまま空中でとどまり、『聞こえない声』を出し続けている。

空から降ってくる白い光は、徐々にその量と範囲を広げていく。
雪のように、羽のように舞い落ちるその光は、空の白さと相まって幻想的な風景を作り出していく。

避難所にいた人々はそれを呆然と見つめる。
ヘリコプターから見たテレビカメラもそれを写す。
『VIP』とアメリカ軍もそれを見ては、口をぼんやりと空けてその場を動かない。


世界はその結末を決せられた。

それを止める力を持つ者は、もはや誰もいないということを、F−22とB−2の全滅が示していた。


34 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:56:00.68 ID:Pq8gNNQw0


通信士「……F−22とB−2の編隊が全滅。核ミサイルも……白い光に変えられてしまいました」

( ^Д^)『【なんということだ……これは……悪夢か?】』

戦闘機の全滅を双眼鏡で目撃し、急いでテントに戻ってきたドクオが最初に聞いたのは、通信士とプギャーの悲痛な声だった。

特にプギャーは、自信満々で送り出した編隊がいとも簡単にやられたことに、驚き以上に恐れを抱いているのだろう。

『いったいどうしろと言うのだ……』という諦めの色を含んだぼやきから以降、彼は一向に話しだそうとはしなかった。

打つ手なし、といったところか。
35 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:57:13.55 ID:Pq8gNNQw0

ドクオは、テントの中にいる人達が、全員ひとつのモニターに釘付けになっていることに気付き、そちらに目を移した。

そこには、8枚の翼を携え、悠然と宙に浮かんでいるブーンの姿があった。
おそらく『VIP』かアメリカ軍の偵察機が撮っているのだろう。

周りに建物もなく、白い空と同化するように広げられている白い翼は、今も光を発し続けていた。
ブーン自身も口を広げ、何か声を出しているような姿をとっている。

ドクオはそれを見て、顔をしかめる。

彼が、アメリカ軍の戦闘機を全滅させた。中にいる人間は、おそらく死んだのだろう。

彼がこんなことをやる人間か? 本当に?

ドクオはブーンの顔を見つめ続けた。
ショボンも、そして意思を持たないツンもそうしていることに気付き、さらに顔をしかめた。
36 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 20:58:48.91 ID:Pq8gNNQw0

狐「……そうか、そういうことか」

モニターを見つめていた狐が、独り言のように呟いた。

狐「それが君の導く世界なんだね、ブーン君……」

へたり込むように椅子に座り、ふっと笑みを浮かべた狐。
その顔には諦めの色が伺えて、きっと何かを悟ったのだろうということが分かる。

狐「これで世界は終わり……いや、新たな方向に導かれる、か……」

(=゚ω゚)ノ「所長……」

狐「私が馬鹿だったのかもね。いや、もう正否すら意味がない。全ては『人の子』の意思、か……」

その呟きを最後に、狐は片手で顔を隠し、背中を丸めた。
自らの無力感に打ちひしがれているその背中。

アメリカ軍にも、『VIP』にも打つ手がない今、ブーンを止めることのできるものはいないのだろう。
彼が街を消滅させていく中、見える結末はおそらく『世界の終末』だ。

ブーンの白い光によって、全ては消滅させられてしまう。
いや、白い光に変えられる、と言った方が正しいか?

どちらにしろ、この世界に終わりがきたということに間違いは無い。
37 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:00:13.64 ID:Pq8gNNQw0

黙りこみ、顔を覆っている狐。
通信機の先で、何も言葉を発しようとしないプギャー。

ドクオは何も言えなかった。

こんな結末になると、誰が予想した?

それともブーン、お前がこの結末を描いているのか?


だが、それにしてはお前の顔は……

ξ 凵@)ξ「う……うぅ」

突然、ツンが呻き声をあげた。
ドクオとショボンは驚き、彼女を見る。

ξ 凵@)ξ「うぅ……あぁ……」

そこには、
38 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:00:43.37 ID:Pq8gNNQw0



ξ;凵G)ξ「ぶ……ブー……ン……! ブーン……! うぅ……」



必至になって彼の名前を呼び続けるツンの、一筋の涙が流れていた。
39 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:01:58.46 ID:Pq8gNNQw0

('A`)「……ツン」
(´・ω・`)「……」

ξ 凵@)ξ「うあぁ……」

再び無表情に戻り、黙りこくるツン。
だが、その頬には確かに涙の跡が残っている。

ツンの気持ち。一粒の涙が、確かに感じられた。

('A`)「そっか、分かるんだな」

ドクオはさっきから感じていた感情をそのまま口に出した。

それに答えるようにショボンも口を開く。

(´・ω・`)「ブーンが……寂しがってるって」

ドクオはショボンの顔を見た。
ショボンもこちらを見つめてきた。

自分たちだけには分かる。
彼の表情の奥底に隠れている感情が。

友達として長年付き合い、助け合い、一緒に馬鹿をやってきた中で積み上げられてきた感覚が、それを察することを可能にしていた。
40 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:02:42.29 ID:Pq8gNNQw0

ドクオはショボンと頷き合い、自分達がやるべきことを確認した。

行くか?
うん。

無言の会話で確かめ合い、放り投げていたサブマシンガンを拾い上げるドクオ。

まだ弾は入ってる。
自分の身を守るためならこれで十分だ。

まずショボンが走り出し、テントの外へと出た。
行動の早い彼ならではだ。

ドクオは感心しつつ、ツンの車椅子を押して、彼の後に続こうとする。

(=゚ω゚)ノ「ちょ、ちょっと待つょぅ! どこに行くんだょぅ!」

振り返ると、ぃょぅが心配そうな顔で腕を掴んできた。
車椅子から手を離し、ドクオはゆっくりと人差し指を一方向に向けた。

('A`)「行かなくちゃいけない……!」

(=゚ω゚)ノ「……!」

示された指の先には、ブーンの白い翼があった。
41 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:03:45.07 ID:Pq8gNNQw0

ここからあそこまでは、けっこうな距離があるのだろう。

だが、見えるぐらいなら絶対に行ける。
この世界が終わりを迎えようがなんであろうが……自分達は行かなくてはならないのだ。

それが、今やるべきこと。

(´・ω・`)「乗って!」

車の排気音と共に、どこからか持ってきた軽ワゴン車のハンドルを握っているショボンが、助手席のドアを開けて呼びかけてくる。

ドクオはぃょぅの手を振り払う。
急いで車に近付くと、ツンを車椅子から降ろして、まず彼女を後部座席に座らせた。
シートベルトをちゃんと締めて、怪我しないように注意する。

それが終わり、続いて助手席に乗ろうとした所で、ぃょうに肩を掴まれた。

(=゚ω゚)ノ「待つょぅ! あそこは今危険だょぅ! 行けばきっと……」

('A`)「けど、行かなくちゃいけないんすよ、俺たちは」

(=゚ω゚)ノ「だけど……!」

狐「どうしてだい?」
42 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:05:25.89 ID:Pq8gNNQw0

突然、狐が割り込むようにして言った。

狐「どうして、危険をおかしてまで行くんだい?」

ドクオはその顔を見て、彼の問いが真剣であり、それでいて何かの答えを求めているかのようでもあった。

('A`)「それは……」

車に乗り、ショボンと目を合わせる。

考えることは同じだ、ショボンも、そしてツンも。

ドクオとショボンは、声を揃えて言った。



('∀`)(´・ω・`)「友達だから!」

ξ 凵@)ξ「……」


車は走り出す。
ブーンの所に向かって。


43 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:06:13.52 ID:Pq8gNNQw0

突然、狐が割り込むようにして言った。

狐「どうして、危険をおかしてまで行くんだい?」

ドクオはその顔を見て、彼の問いが真剣であり、それでいて何かの答えを求めているかのようだとも思った。

('A`)「それは……」

車に乗り、ショボンと目を合わせる。

考えることは同じだ、ショボンも、そしてツンも。

ドクオとショボンは、声を揃えて言った。



('∀`)(´・ω・`)「友達だから!」

ξ 凵@)ξ「……」


車は走り出す。
ブーンの所に向かって。


44 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:08:08.05 ID:Pq8gNNQw0



車が走り去るのを見ても、もう誰も何も言おうとはしなかった。
ただ呆然と車を見つめるのみで、止めようともしない。
本来は、止めなくちゃいけない

だが、そんな場合ではないのだろう。

狐は空を見上げ、徐々に白い光が落ちてくるのを見た。

それは、まるで天使の羽のようだった。

兵士「いいんですか?」

状況を把握していないのか、兵士が横から無頓着にも尋ねてきた。
狐はひとつため息をつき、「何がだい?」と答えた。

兵士「あのまま行けばきっと彼らは……それに、命令違反につながる可能性も……」

狐「こんな時に何を言ってるんだい……それよりも見てみろ。
  こんな光景人生で1度だって見ることはできないよ」

狐はそう言いつつ、落ちてくる白い羽を見つめた。
45 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:09:22.23 ID:Pq8gNNQw0

この羽が何をもたらすのか、もうよく分かっている。
これは全てを光に変えるもの。そして、全てをあの翼と同化させてしまうもの。

世界は全て光になる。

だが、不思議と恐怖はない。
何故だろう。走馬灯も恐怖も起こらない。何かしらの安心感だけが胸の内に広がっている。

全てが終わったという、諦めの境地にでも達したのだろうか?

ふっ、と笑いつつ、狐はポケットをまさぐり、タバコを1本取り出して口にくわえた。

都合よく横からライターの火が差し出されて、ぃょぅに笑いかけた。

狐「これ、どう思う?」

狐は舞い落ちる白い羽を指差し、尋ねてみた。

(=゚ω゚)ノ「……わからないょぅ。けど」

狐「けど?」

(=゚ω゚)ノ「……怖くはないょぅ」

狐「そうか」

狐は煙を一息に吸い、大きくそれを吐いた。
46 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:10:25.39 ID:Pq8gNNQw0

もう禁煙は大失敗だ。肺癌の可能性を縮めたかったのに、おしいことをした。

だが、まだ次があるかもしれない。諦めてはならない。
生きている限りは、どんなことだってできるのだ。

たった一息吸っただけでタバコを放り捨てた狐。
先ほどからアメリカ軍のプギャー大佐から連絡が来ていないことにいまさらになって気付き、「君」と通信兵に声をかけた。

狐「アメリカ軍から連絡は?」

通信士「あ、はい……連絡はまったくありません。こちらから呼びかけても応答はなくて……」

狐「そうか……もう呼びかけなくてもいい。君は……今君のやりたいことをやればいい」

通信士「え、は、はぁ……」

戸惑いの表情を浮かべる通信士に、狐は(こんなことを言うのは、かえって酷かな?)と思った。
兵士たちは、今まで命令しか聞いてこなかった。いまさら自由になれと言われても、何ができるわけではないのだろう。

軍隊や兵士といった、上意下達の世界とはそういうものなのだ。
47 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:11:45.08 ID:Pq8gNNQw0

だが、ブーンはそれを否定した。
そして、否定した上で、新しい世界へと導こうとしている。

それがどうなるのか……もうわからない。


狐はテントの中に入り、医務用のベッドへと足を運んだ。

そこには、しぃがいる。
彼女は、つーが黒い光を出すのを見て気を失い、今では姉の死を本能的に悟ったのか、涙を流し続けている。

(*;−;)「ひっく……ひっくぅ」

狐「……さあ、行こう」

しぃの手を取り、立たせてやる。

何の抵抗もせず、ゆっくりと歩き出す。
48 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:13:02.60 ID:Pq8gNNQw0

外は、もう白い光に満ち溢れていた。

周りを見渡せば、兵士やスタッフの姿が消えている。ぃょぅの姿も見当たらない。

今ここに立っているのは、自分としぃだけになっていた。

狐「みんな先に行ったのか……」

(*;―;)「……ひっくっ」

通信機に応答を呼びかけてもやはり誰も答えない。
狐は通信機を放り投げ、近くにあった椅子にしぃを座らせた。

そして、両手を肩に置き、語りかけるように言葉を紡ぐ。

狐「綺麗だね……」

(*;―;)「……ひくっ」

狐「泣かなくていい……きっとお姉さんも向こうにいるよ」

(*;―;)「ひっく……はい……」
49愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:14:13.73 ID:iXny3trbO
支援
50 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:14:16.53 ID:Pq8gNNQw0

遠くに見えるブーンの翼。
空から舞い落ちる白い羽。

自分の身体が、徐々にそれに覆われていくのに気付き、ああ、もう時間か、と狐は思った。

自分はやるべきことをやってきた。間違っていたとは思わない。

だけれども、それがこの結果なら……もしかしたらどこかが間違っていたのかもしれない。

その間違いによってもたらされる物語の結末は、世界の変革か、それとも……別の可能性か。

どちらかは……

狐「分からない……かな」

狐の言葉がそれ以上続くことはなかった。


後に残された人間はいない。

『VIP』のテント付近には羽が無尽蔵に落ちてくる。


51 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:16:53.65 ID:Pq8gNNQw0


空を覆っていた白い光は、羽となって地上に舞い降りてくる。

街に、田舎に、ビル街に、海に、森に、全ての土地にそれらの白い羽は降りてくる。

『影』とテロリストの恐怖にさらされていた人々は、それを見ては立ち止まる。
また、破壊の限りと尽くしていたテロリスト達も、同様に空を見た。

人々は、皆一様に白い羽がに当たり、
その幻想的な風景に目を奪われた瞬間、
身体が白い光へと変化する。

まるで砂になるかのように。

異変に気付き、途端に逃げようとする人々だが、しかしやはり白い羽に目を奪われ、光になる。

テロリストも、市民も、兵士も、政治家も、全て関係なく、平等に白い光に変わっていく。

一方、『影』は違った。羽に当たると、『影』は途端に消え去っていった。
世界で猛威を振るっていた『影』は、それにて全滅するに至ったのだ。

人も、『影』も、そして生物すらもいなくなった街並み。
そんな中でも白い羽は振り続ける。


全てを光に変えていくために。


52 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:18:22.57 ID:Pq8gNNQw0



車のエンジン音が全身を突き抜ける。

ジェットコースターの苦手な自分が、
今や人気のない道路を猛スピードで駆けていく車に乗っても悲鳴ひとつあげないのは、
きっと心が強くなったからなのだろう。

('A`)「なあ、ショボン。お前、運転免許なんて持ってたっけ?」

(´・ω・`)「いや? けどなんとかなるものだよ」

('A`)「危ねえなあ」

こんな時でも笑顔は出る。
こうやって馬鹿みたいな話をしていれば、いつだって笑顔は湧き出てくる。
友達って、そういうものだから。

車は道路を走り続けていた。
53 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:19:20.04 ID:Pq8gNNQw0

('A`)「人、いねえな」

窓から外を見てみても、人ひとりいない。

まるで全てが消えてしまったかのようで、空から落ちてくる白い光と合わせて考えれば、暗い予想が浮かびそうになるが、
そこは気合で抑えておく。

今考えるべきことは、「あそこ」のことだけ。
それ以外はなるべく考えない方がいい。

どういうわけか、白い光が自分たちの車を避けるようにして落ちてくることだって、ただの偶然だと思っておけばいい。

考えるのは、「あそこ」に着いてからだ。

車はどんどんとスピードを上げていく。
54 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:20:43.16 ID:Pq8gNNQw0

ドクオは後ろの席に座るツンの様子を見た。

彼女は、1度涙をこぼして以来、再び喋らなくなってしまった。
脳の損傷が激しいのだから、喋りだしたこと自体が奇跡みたいなものだ。

ξ 凵@)ξ「……」

彼女は今のブーンを見て何を思うだろう?
自分たちと同じことだろうか?

きっとそうだ。そうに違いない。
だって、それぐらいに自分達は付き合いが長いのだから。

あの日、ツンの紹介で自分とショボンはブーンと出会った。
彼をいじめていた馬鹿達を撃退し、フィギアやらエロゲーやらを与えてブーンをオタに育てたのも自分達だ。
あれから色々あった。色々ありすぎて忘れるぐらいに。

覚えていたいと思う。今こうやって走っていることを。ブーンのことを考えているということを。

それが思い出というもの。
55 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:21:50.98 ID:Pq8gNNQw0

車はずんずんと走っていき、ついには工業開発地の一歩手前までたどりつく。

だが、そこで車は止まり、ショボンが目の前の金網を見ながら呟いた。

(´・ω・`)「ここからは車では行けないね……歩きだ」

この土地は全て金網で囲われているらしく、適当な入り口も見つからないので車を降りることにした。
車椅子は置いてきてしまったので、ツンは背負って連れて行くしかない。

で、背負うのはどういうわけか自分の役目になってしまっていた。

('A`)「女を背負うってのはなんかこう……緊張するもんだな」

(´・ω・`)「後でブーンとツンに謝らないとね。君はそれだけひどいことをしたよね」

('A`)「なんでだよwww」

やっぱり笑顔が出る。どうしよう。今、けっこう楽しい。

ショボンがサブマシンガンを持って先頭を歩き、その後を自分とツンが付いていく。
まだ『影』がいるかもしれないから、というのが武器を持ってきた理由なのだが、この様子では必要なかったようだ。

『影』どころか、人すらいないのだから。
56愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:23:09.89 ID:ArztS8/YO
wktk
57 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:24:00.02 ID:Pq8gNNQw0

金網に穴が空いているのを見つけ、そこから工業用地に入り、淡々と歩いていく自分達。

徐々に『彼』が近くなってくるのを見て、ドクオはでかいな、と思った。

巨大な翼は、近付けば近付くほどその大きさがありありと分かる。

まるで天まで届きそうな勢いだ。

そんな翼の中心にいるのが、ブーン、その人。
彼はまだ目を瞑り、腕をだらんと下げて宙に浮かんでいる。

('A`)「け、けっこう遠いな」

(´・ω・`)「ほら、ちゃんと歩く。ツンがずり落ちそうになってるよ」

('A`)「へいへい」

地面を踏みしめ、一歩一歩確実に歩みを進める。
白い光がそこら中に降り注いでいる中も、まだ自分たちの上には降ってこない。
58 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:25:04.18 ID:Pq8gNNQw0

ようやく近くまでやってきて、その高さに驚いた。
ブーンの所に来ると決めたはいいものの、あんな高い所にいてはブーンに近付くこともできない。
さてどうしようと考えたドクオだったが、先に体力が尽きてしまい、ゆっくりと腰を下ろした。

('A`)「はぁ、はぁ……」

(´・ω・`)「ドクオってやっぱり体力ないよね。あの訓練はなんだったのか」

('A`)「うるせぇ……文句言うならお前が担げ」

(´・ω・`)「さて、思ったより高いね。どうしようかな」

('A`)「話を逸らすな」

ドクオは地面に寝転がり、息を整える。
その間、ショボンは空を見上げて思案顔で腕を組む。

一方、ツンは地面にだらんと座り、口をぽかりと開けていた。
明らかに、その目に意思は感じられなかった。
59 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:27:21.35 ID:Pq8gNNQw0

('A`)「はぁはぁ……俺、もう動けねえ」

(´・ω・`)「情けないね。零細企業のようにキリキリ働きなよ」

('A`)「今の企業はキリキリ働くほどの体力はねえよ」

無駄口を叩いていると、ふらりと誰かが立ち上がる気配を感じた。

ξ 凵@)ξ「……」

ツンだ。

今まで動けなかった彼女が、どういうわけか立ち上がり、歩き出すではないか。

('A`)「つ、ツン!」
(´・ω・`)「ちょっと待って……!」

彼女を止めるより先に、白い光が空から発せられた。

ブーンの翼のひとつから生み出された光球が、ゆっくりと地面に落ちてきたのだ。

しかも落下地点はおそらく……ツンの頭上。
60愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:27:21.74 ID:C9TmdI0rO
しえん
61 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:28:17.96 ID:Pq8gNNQw0

('A`)「ツン!」

キラリと何かが光った。
それは、ツンが薬指につけている指輪だった。

あんな風に光るものだったか? と思っていると、ツンが立っている場所に光球は落ちてしまった。

小さなドーム状の光が広がり、徐々に収束していく。

最後、白い光がなくなった時には、もうツンの姿はなかった。

('A`)「……」

(´・ω・`)「……行った、のかな」

('A`)「たぶん、な」

ドクオは再び地面に寝転がり、身体を休めるようにして深呼吸する。

彼女が行ったのなら、もう自分達は用なしだ。

やっと休める。
62 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:29:29.00 ID:Pq8gNNQw0

深呼吸をして、目一杯息を吸い込んだ。

空気が新鮮だ。ずっと保護生活を送ってきたから、こういう空気が本当に旨い。

と、ショボンも自分の横に寝転がり、同じように深呼吸し始めた。
いったい何のまねだ? と思う暇もなく、「結局、ツン任せか」とショボンがため息混じりに言う。

(´・ω・`)「僕達にできることって、何だったのかな」

ショボンの顔には、不安が見え隠れしていた。
こんな表情をするなんて彼らしくない。自分達はやるべきことをやったのだから、それを誇りに思えばいいのに。

ドクオは静かに「さあな」と答えた。

('A`)「もしかしたらこれからやれることもあるかもしれんが……とにかく今は、やるべきことはやったさ」

(´・ω・`)「そうだね」

('A`)「寂しいか?」

(´・ω・`)「ちょっとだけ」

('A`)「ま、仕方ねえさ。ブーンのことを1番良く分かっているのはあいつだ……機会があったら、俺たちも何か手伝えばいい」
63愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:29:38.12 ID:ZIZkh44MO
来てたー!
wktk
64 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:30:47.56 ID:Pq8gNNQw0

1枚の羽が自分の胸に落ちてくる。
今まで自分たちを避けてきた光の羽が、ようやく舞い降りてきた、ということか。

ならば、やはり自分たちのやるべきことは終わった。

あとは……どうなるか分からない。

('A`)「にしても、最後の最後で一緒にいるのがお前とはな。綺麗なオネーチャンならよかったのに」

(´・ω・`)「そんなの僕だって同じさ。けど、僕は君でも十分だよ。性的な意味で」

('A`)「だが断る……ってか」

笑っていると、疲れがだんだんと取れてきているような気がした。
ドクオは「ハハハ」と声を出して笑い、ショボンもまた珍しく笑い声をあげていた。

こんなときにも笑ってしまうなんて、不謹慎だろうか?
そんなことはない。もう満足だ。
65 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:32:50.40 ID:Pq8gNNQw0

だが、唐突にショボンの笑い声が途切れた。

ドクオは顔だけを横に向け、ショボンがいるはずの場所を見てみる。

そこには、誰もいない。

('A`)「ち……早えんだよ、くそみそ野郎」

そう毒づき、手足の感覚がなくなっていくのを感じながら、
ドクオは最後の一瞬まで白い空を見つめ続けていた。

あの白さは、もしかしたらブーンの心そのものなのかもしれないな。

そう思いつつ、目を閉じた。

綺麗な空は、ずっとまぶたの裏側に焼きついていた。




第29話 「心を開く」 完
66 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:34:02.53 ID:Pq8gNNQw0








最終話 「遥か彼方へと続くこの道の先へ」







67 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:34:52.16 ID:Pq8gNNQw0


ξ−凵|)ξ「……?」

ひとつの光が自分のまぶたを横切った時、自然と目を開けることができた。
今まで、開こうとしても開かなかった目。開いても何も見えなかった目。

それが、ようやく光を捉える能力を取り戻した。

ξ゚听)ξ「ここは……」

一言で言えばたやすい。真っ白な空間、だ。

上下左右の感覚すらない。空と大地の境目もなく、今自分はどこに立っているのかも分からない。
けど、確実に自分の足は「何か」を捕らえている。こうして立っていられる。

目も見える。
声も出せる。
音も聞こえる。

何も問題はない。
68愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:34:54.53 ID:Oqax8ZfHO
あ、後味悪すぎやしませんかぁ、アニキ
69愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:35:20.90 ID:xvtr7/wiO
(´;ω;`)
70愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:35:21.52 ID:mdcQqirJ0
支援
71 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:35:52.45 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「……」

ツンはゆっくりと歩き出した。
自分の行くべき場所はわかっている。

けど、時間は残り少ない。
右手の薬指に光る指輪が、どの道をたどれば良いか教えてくれている。

だから、歩き出そう。

ξ゚听)ξ「……遠いわね」

どれだけ歩けばいいのか分からない、というのは不安を覚えるものだ。
だが、一歩一歩が近付いていることを理解していれば、自然と不安はぬぐわれていく。

ξ゚听)ξ「……ん?」

後ろに誰かが立っている気配がした、
なんてことはなく、ただ不意に後ろを振り返ってみただけ。

だが、驚いたことにそこには2人の人間が立っていた。
72愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:36:29.49 ID:Oqax8ZfHO
29話で終わりと思った俺の発言は撤回で・・・
73愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:36:42.42 ID:ZjDdDUyo0
ショボンとドクオ復活ッッッ!!??
74愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:36:44.62 ID:aOfy6cYvO
支援
75 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:37:10.79 ID:Pq8gNNQw0
  _
( ゚∀゚)「……」
(*゚∀゚)「……」

1人はつーだ。『VIP』のビルの時とまったく変わらない、無邪気な笑顔を浮かべてこちらを見つめている。

その横に立っている男は……見たことのあるような、ないような。
青年の顔立ちをしていて、白いYシャツが背景に溶け込んでいる。

彼の肌色の手が少し見えて、ああこの人もここにいるべき人なんだ、とツンはなんとなく理解した。

(*゚∀゚)「どこに行くの?」

ふと、つーが笑顔を浮かべたまま言った。

はっきりとしたその口調に違和感を覚えつつも、ツンはしっかりと質問の意味を汲み取り、口を開いた。
76 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:38:15.39 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「……私が行くべき場所に」
  _
( ゚∀゚)「それがどこなのか分かってるのか?」

今度は男が尋ねてくる。
真面目そうな顔をしているけど、どうも裏表がある人のような気もする。

だが、信用に足る人物だという直感も否定できない。

ツンは淀みのない言葉で「さあ」と答えた。

ξ゚听)ξ「……言葉にはできないけど、なんとなくわかるわ。あいつがいる場所、だから」
  _
( ゚∀゚)「それは良かった」

男が腰に手をやり、やんわりと笑みを浮かべる。
優しい顔をする人だな、とツンは思った。
77 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:39:25.88 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「あなたたちは何をしてるの?」
  _
( ゚∀゚)「……色々と考えてるんだよ」

(*゚∀゚)「そう。考えてる。私達は考えなくちゃいけない。ずっと、ずっとね」
  _
( ゚∀゚)「それが俺たちの……そしてお前にとっての責務であり、欲求、だろう?」

ξ゚听)ξ「そうなの?」
  _
( ゚∀゚)「そうさ」
(*゚∀゚)「そうよ」

ツンは、この人たちは全てを分かっているのかもしれない、と思った。
なら、自分の疑問にも答えてくれるかも。

そう考え、ツンはゆっくりと口を開く。

ξ゚听)ξ「ねえ」
  _
( ゚∀゚)「ん?」
78 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:40:30.36 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「結局、あいつは何だったの? 人? それとも宇宙人? 超能力者?
     それに、『影』って何?」

一息にそんな質問を投げかけると、男は「ふむ」と考え込むように腕を組み、口を閉じた。
何を考えることがあるのだろう? 全てを分かっているからこそ、ここまでやって来たのではないのか?
  _
( ゚∀゚)「……まず、『影』は俺たちにも分からない。いきなり現れ、犯罪者狩りを行っていたもの。
     もしかしたら、あの世界が生み出した、『変革』に対する反作用……なのかもしれない」

ξ゚听)ξ「何それ……世界に意思があるっていうの?」
  _
( ゚∀゚)「分からない。高次の次元のものを理解できるほど、俺たちは発達していない」

ξ゚听)ξ「そう……」
79愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:42:06.23 ID:WIR71WgR0
wktk支援
80愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:42:15.11 ID:C9TmdI0rO
しえんしえん
81 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:42:24.79 ID:Pq8gNNQw0

ジョルジュは話を続けた。
  _
( ゚∀゚)「だが、あいつのことは分かる。
     あいつは俺達の……人間の、動物の、物質全体の、この世界に存在する全てのモノの子供だ。
     俺達という親が子供にモノを与え、子供は与えられたものの中から、
     自分の取るべき道しるべを決め、世界を理解し、何らかの変革をもたらす」

ξ゚听)ξ「……」

(*゚∀゚)「そして私は、彼とは反対の存在」

ξ゚听)ξ「反対の……存在?」

つーが自分を指差し、楽しそうな笑みを浮かべて言った。

(*゚∀゚)「ひとつの存在があれば、それとは対極に位置するもうひとつの存在がある。
    アダムとイブ、カインとアベル、天使と悪魔、白と黒、光と闇、そして、『人の子』と『影の子』。
    私は彼とは対極の存在であり、彼と同じ『子供』だった」
82 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:44:01.60 ID:Pq8gNNQw0
  _
( ゚∀゚)「『彼』と『彼女』、どちらが世界を変革させるかは、この戦いですでに決まってしまった。
     あいつは自分の進むべき道を見つけ、世界を変えようとしている」

(*゚∀゚)「これが正しいのかは分からない。けど、彼はそれを決めた。『全てをひとつにする』という道を選んだ」

ξ゚听)ξ「……」

ゆっくりと頭の中でその言葉を咀嚼し、理解を深めていく。
言葉はこういう時に役に立つ。
  _
( ゚∀゚)「だが、まだあいつの決めていないことがある」

(*゚∀゚)「それが、あなた」

ξ゚听)ξ「私……?」
  _
( ゚∀゚)「お前と、それに呼応するあいつの心。その指輪の中に秘められたわずかな意志。それがまだ決まっていない」

(*゚∀゚)「だから、あなたは行くべきなの」
  _
( ゚∀゚)「お前はあいつと話をする権利がある」
(*゚∀゚)「彼に心を決めさせる権利がある」
  _
( ゚∀゚)「その心をあいつに渡し、心を開かせることができる」
(*゚∀゚)「私達はそれを見守る……できれば手伝いをする。それが役割。権利。特権」
83 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:46:19.76 ID:Pq8gNNQw0

ツンは自分の薬指にはめられた指輪を見つめた。
質素な指輪だ。おそらく銀で出来ているのだろうけど、粗悪な銀に違いない。所々がくすんでいる。
けど、彼の気持ちがちゃんと込められている。それはよく分かる

そして、自分は彼と話すことができる。それも分かる。

けど、何を話せばいい?

ξ゚听)ξ「……私はあいつと何を話すべきなの?」
  _
( ゚∀゚)「お前の心が望むこと……話したいことを話せばいい。
     世界の変革を防げとか、あいつを説得しろ、なんてことは言わない。
     正否なんてものは、そもそも関係ない」

(*゚∀゚)「あなたが話したいことを話して。話したくないなら、それでもいい」
  _
( ゚∀゚)「全てはお前の自由だ」

(*゚∀゚)「自由は空に羽ばたく翼。けど、時にそれは重荷になる。
    空に対する不安と恐怖を増長する。
    あなたは……どうしたい?」

自分がやりたいこと。
自分が話したいこと。

それは……ひとつに決められない。たくさん、たくさんある。
84 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 21:47:49.94 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「……あいつと話してくるわ」
  _
( ゚∀゚)「そうか」

(*゚∀゚)「なら、行ってらっしゃい。気をつけて」
  _
( ゚∀゚)「色々な人の思いがここには交錯している。道に迷うこともあるかもしれない。
     けど、お前の心が望む方向に行けば、きっとたどりつくさ」

(*゚∀゚)「私達は……ちゃんと見てるから」
  _
( ゚∀゚)「頑張れ」

そう言って、2人は白い泡のようになって消えていった。
85愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:54:59.42 ID:aOfy6cYvO
さる?
86愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 21:56:04.72 ID:f9Ux1Qy5O
おいついた支援

終わったら質問していいかい?
87愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:00:25.05 ID:tcX8BXmlO
追い付いた。
支援
88愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:02:30.07 ID:ZIZkh44MO
しえん
89愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:02:50.36 ID:GLKdv0OdO
超wktk
90愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:03:06.32 ID:5SKJlw9XO
とうとう最終話か…
ガンガレ支援
91愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:03:23.68 ID:s6jMolH/0


92 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:05:15.04 ID:Pq8gNNQw0

ツンは前を向き(といっても前がどっちかなんて分からないけど)、ゆっくりと歩みを進める。
自分がやるべきことはもう分かっている。

あいつと話して、あいつの心をちゃんと見定めて……迷っていることがあるなら、一緒に考えて……

高尚な議論はできないけど、話すことなら、聞くことならできる。

つまりは、1人にさせないこと。
それしかない。

ツンは歩き続ける。
光は縦横無尽に広がっているけれども、右手の指輪は自分を案内してくれているように思えた。

だから、迷わない。


93愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:05:32.76 ID:f9Ux1Qy5O
アク禁かね('A`)?
避難所行てくる
94 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:06:41.54 ID:Pq8gNNQw0




世界は白く染まっていく。
そこには全ての人たちの思いが込められている。



95 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:08:33.34 ID:Pq8gNNQw0



ある日、ある場所のこと。

彼女はベッドの上で、彼に対する気持ちを膨らませていた。

从 ゚−从「……どうして私を助けたの?」
  _
( ゚∀゚)「死にそうな人間を助けるのは当たり前だろう?」

从 ゚−从「でも、私は敵。あなたの仲間を殺した敵」
  _
( ゚∀゚)「そうだな。敵なら殺す。だが、お前が銃で撃たれて倒れた時点で、戦いは終わったんだよ。
     敵も味方もなくなった。だから、敵じゃないお前を助けるのは、当たり前だろう?」

彼女はその出会いに感謝した。
ある任務がきっかけで起こったその出会いに。

それによって、自分は変わることができた。
「殺人機械」から脱却することができた。

だから、彼女は彼を助けるために、彼を守るために戦う。


96愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:09:03.38 ID:apqT6+Mn0
支援
97 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:10:28.38 ID:Pq8gNNQw0



ある日、ある場所のこと。

彼らは自らのプライドを賭けて戦っていた。

( ´_ゝ`)「くはぁー!! どうしてお前には勝てないんだ! 理解できん!」
  _
( ゚∀゚)「だからさー、もう少し戦略というものを考えようぜ。コンピュータゲームでも戦略は必要なんだよ」

(´<_` )「兄者……そろそろ帰らないか? 隊長がうるさいぞ」
(#´_ゝ`)「まだだ! まだ終わらん! 俺は勝つまではやめんぞ!」
  _
( ゚∀゚)「しゃーねーな」

ヴァーチャル上でも戦いは戦い。
突如傭兵部隊に入ってきた男を倒すために、彼らは自らの知識を総動員して戦略を立てた。

それでも終わらなかった戦い。
ライバルは自分の道を突き進むために旅立った。彼らもそれを追いかけていき、結局交わされた再戦の約束。
そして、ライバルの思想を聞き、深く考えた結果、彼を助けることを選んだ。

彼らは戦う。

プライドを守るために。


98愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:11:56.07 ID:mdcQqirJ0
間に合った支援
99愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:12:16.48 ID:V9glZqYC0
リアルタイムktkr
支援
100 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:13:04.10 ID:Pq8gNNQw0


ある日、ある場所のこと。

彼は、自分の胸の内にある疑念を晴らすための方法を探していた。

「口答えするな! お前の意見など聞いておらん! 出直せ!」

( ´∀`)「……」

理不尽な仕事、納得のいかない説明。
彼は自分のやることが、本当に人のために、国のためになるのか、疑問を抱いていた。

そんな中もたらされた、1本の電話。

「俺の話を聞いてほしい。モナーさん」

( ´∀`)「誰だモナ……あんたは」

「この国を救いたいと思っている1人の男、とでも答えておきましょうか」

それは救いの電話なのか? それとも破滅への電話なのか?

だが、彼はその電話を取り、その言葉を信じた。
自らの信念を貫き通し、あえて茨の道を進んだ。

全ては、この国を守るために。


101愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:13:34.00 ID:/+1l+uDo0
すまんがさるに感謝。
そのお蔭でリアル遭遇できた。合作は別にして。
102 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:14:58.17 ID:Pq8gNNQw0



ある日、ある場所のこと。

彼は自らの人生の集大成として、未来を救う道を選んだ。
  _
( ゚∀゚)「……本当についてきてくれるんですか?」

( ,,゚Д゚) 「ああ。もう迷いはない。お前を手伝うことにするさ、ゴラァ」
  _
( ゚∀゚)「けど……あなたにはCIAの仕事が……」

( ,,゚Д゚) 「あんなもんはクソ喰らえ、だ」

今までやってきたことを償えるとは思っていない。
これまでの人生、全ては灰色で塗りつぶされてきた。
「あの国を守るため」という大義の元、色々と汚いことをやってきた。
大義は正しくとも、方法が間違っていればダメだというのに。

だから、この老獪の身に、最後の最後で光を浴びることを許してほしい。
人間らしく、自らの人生に良い幕引きが訪れることを願うのは、普通のことだろう?

戦おう。今は。

信念と人生を裏切らないために。
子供たちの未来を守るために。


103愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:16:00.23 ID:ZIZkh44MO
しえん
104 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:17:09.75 ID:Pq8gNNQw0



ある日、ある場所のこと。

彼は、本当にこの国にとって良いことを成すために奮闘していた。

狐「……では、『VIP』の設立は?」

「いいだろう。だが、少しでも問題が起きればすぐに解散だ。それを肝に銘じろ」

狐「はっ!」

『アンノウン』という恐怖に対して、彼は独自の力で戦うことを選んだ。
本来なら、全てを自分の力で行いたかったものの、そのための実力はない。

この国を変えたくとも、それを行う力が無い。
だから、今は内部からこの国を守る。この国を変える。

それがちゃんとした未来に通じる。みんなを守ることができる。
『アンノウン』という脅威が取り除かれ、全ての恐怖から解放されれば、きっと……

そうして彼は戦いの道を選んだ。

人々を守るために。


105 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:20:10.49 ID:Pq8gNNQw0



ある日、ある場所のこと。

彼女は過去を振りほどき、『影』という敵を倒すために戦い続けていた。

(*゚ー゚)「今日も成果なし……はぁ。なかなか『影』の尻尾がつかめないなあ」

彼女は、『VIP』のビルの中をゆっくりと歩き、大切な人のいる部屋に向かう。
親はとっくの昔に他界し、今や家族はこの人だけ。だから、ちゃんと守らなくてはならない。
たとえ、自分に戦う力がなかろうとも。

(*゚ー゚)「お姉ちゃん……」

「……」

(*゚ー゚)「明日は……きっと話してくれるよね」

その力は小さいかもしれない。けど、力は力だ。
縁の下の力持ちでもいい。ただの治療役でもいい。

彼女は何かの役に立ちたかった。
自分のように、家族を『影』に殺された人たちなんて、もう生み出したくなかった。

彼女は戦う。

みんなに悲しんでほしくないから。

106愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:22:37.01 ID:ZIZkh44MO
しえん
107 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:23:21.06 ID:Pq8gNNQw0


ある日、ある場所のこと。

彼は、自分ができることを模索していた。

(=゚ω゚)ノ「……はあ、毎日デスクバークばっかりで飽きるょぅ」

この国を守る、国民のために何かをしたい。
そんな青雲の志をもって、政府という大きなシステムの中に入った彼。
だが、自分の力でできることとはいったい何なのか、まったく分からなかった。

そんな時にかかってきた、1本の電話。

「やあ、狐というものだが、少し話があるんだ」

(=゚ω゚)ノ「話……?」

「以前身体検査を受けただろ? それの結果が非常に興味深くてね……まあ、話を聞いてほしい」

その電話がきっかけで、彼は自分の力の使い道を見つけた。

これならきっと、この国を守れる。大きな脅威から、みんなを守れる。

そうだろう? 自分はずっとあこがれてきた。アニメの中のヒーローに。

これからは自分がヒーローだ。
だから、戦おう。

108愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:23:42.86 ID:0TF2msckO
( ^ω^)追いついたお
109 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:25:21.96 ID:Pq8gNNQw0


ある日、ある場所のこと。

彼と彼女は、自らの進む道を探していた。
  _
( ゚∀゚)「なあ、『天国』って、この国のためになってっと思うか?」

川 ゚ -゚) 「ん? いきなりなんだ。頭にコーヒーでもかけられたか? 豆腐の角に頭をぶつけたか?」
  _
( ゚∀゚)「ちょwww ひでぇwww」

迷いながら過去を生きてきた彼ら。

だが、未来にて、ようやく自らの進み道を見つける。

彼は、世界を旅することで人間の本質を見抜き、その本質に則った対策を打ちたてた。
そして、それを行うための方法を模索し、ギコという助けを借りて、ようやく『影の子』というキーワードを見つける。

一方彼女は、戦いから離れ、1人考え続けることで道を見つけようとした。
それでも見つからない道。迷いっぱなしだったとも言える。
だが、1人の少年と出会い、戦い続けることでようやく道を見つけた。
感情という、否定されがちな要素を肯定し、理性をも肯定し、彼女は新たな方法を見つけ出した。

そんな2人に共通する意志は同じ。

この世界を守りたい。ただそれだけ。

110愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:29:33.79 ID:mdcQqirJ0
支援
111愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:30:16.83 ID:ZIZkh44MO
しえん
112愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:31:32.20 ID:dPc0Y8cJ0
リアルタイムktkr
支援
113愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:31:33.44 ID:I5UvungbO
さっきからずっと「甘き死よ来れ」が脳内再生してる
114愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:36:51.28 ID:aOfy6cYvO
またか……?
115愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:39:07.33 ID:KRQy9IEC0
支援
116愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:39:10.53 ID:f9Ux1Qy5O
 ∩_∩
( ゚∀゚)さる
117 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:39:46.23 ID:Pq8gNNQw0



ある日、ある場所のこと。

『彼』は、公園の片隅でじっと座っていた。

空は夕焼け。一日の終わりを告げる光が、辺りを照らしている。

( ^ω^)「……」

『彼』――ブーンは、手に木の棒を持ち、砂場に大きく丸を描いていた。
笑顔なんて浮かべていない。口をへの字に曲げ、ぼんやりと目を開き、一心不乱に丸を描く。

ひとつの大きな丸が出来上がった時、ブーンは棒を放り捨てて、近くのベンチに座った。

周りには誰もいない。
いるはずもない。全ては『自分』になってしまったんだから。
ここにいるは自分ひとり。世界中、どこを探しても自分だけ。

異様な風景だったものの、嫌ではなかった。
これが自分の選んだ道だから。

これでいい。これなら、きっと全てが上手くいく。
118愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:42:16.79 ID:ZIZkh44MO
しえん
119愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:42:31.89 ID:aOfy6cYvO
支援
120 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:42:53.23 ID:Pq8gNNQw0

「あんた、まだここにいたのね」

ブーンはゆっくりと顔を上げて、その声の出所を探った。
そこには見知ったようで知らない顔、ずっと会いたかったようでいて、けどそれすらも分からない人が立っていた。

「ツン」とブーンは自然とその人の名前を口に出す。

( ^ω^)「……どうしてここにいるんだお?」

ξ゚听)ξ「それはこっちの台詞。あんた、まだ『ここ』にいたのね。
    律儀に中学校の制服まで着て。カバンは……持ってないか、当たり前よね」

ツンは、じろりとこちらを視線でひと舐めし、周りを見渡し始めた。

きっと驚いているんだろうな、とブーンは思った。
ここの太陽はまったく動かない。地平線に沈みかけたままで止まっている。
夜になることも、昼に戻ることもない。

ここは全ての時間が止まっている。
自分はここから抜け出せていない。

それは分かる。だが、ここで考えに考え抜き、ようやく結論を出したのだ。
だから、別に迷うこともない。
121愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:43:24.92 ID:QkBGgSdN0
支援
122愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:45:24.94 ID:ZIZkh44MO
しえん
123 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:45:45.99 ID:Pq8gNNQw0

ブーンは座ったままで、「ツン」と呼びかけた。

( ^ω^)「……僕を止めに来たのかお?」

ξ゚听)ξ「別にそんな気はないわ」

「これ何?」と、ツンは砂場に描かれている丸を指差した。

彼女の答えに驚きつつ、ブーンは立ち上がり、砂場の丸の中に1人で入ってみた。

( ^ω^)「……境界線」

ξ゚听)ξ「何と何の?」

( ^ω^)「僕と他人の、だお」

丸の中から、ツンに話しかける。
それだけのことで、自分と他人は別だということがよく分かる。
普段は目に見えないし、自覚していないけど、自分と他人の間には明確な境界線があるのだ。

この線の外には、色々な人たちがいる。
時には自分の丸と重ね合わせようとしてくる人もいる、時にはぶつけ合おうとする人もいる。
ただひとつ言えるのは、この丸が完全に消えることもないし、他の丸とぴったり重なり合うこともない、ということ。
124愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:46:17.46 ID:aOfy6cYvO
>>120
なんならまた代理やりましょうか?
125愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:48:51.12 ID:ZIZkh44MO
しえん
126 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:48:59.92 ID:Pq8gNNQw0

しかも、丸を書く場所は限られているから、自然と他の丸と重なったり、ぶつかったりしてしまう。
だから、戦いが終わることなんてない。

( ^ω^)「……けど、もう分かったんだお。この丸をこうやって大きくすれば……」

ブーンを囲っている丸は、何もしていないのに徐々に大きくなっていた。
砂場をはみ出し、公園を超え、ついには見えない所まで広がっていく。

丸は、この世界を覆ってしまった。

( ^ω^)「……全ての丸を大きな丸で囲めば、みんなが『自分』になれば、もうぶつかり合うこともないお。
      自分や他人を守る必要すらなくなるんだお」

ξ゚听)ξ「そうね。そうなのかもね」

丸は急激に小さくなり、再び砂場の上へと戻ってきた。
ブーンはいまだその中で、外にいるツンを見つめている。

ツンは、腰に手をやり、胸を張った。
気がつかなかったが、彼女の服装はワンピース、つまり私服だった。

ξ゚听)ξ「……私はね、別にあんたに説教しに来たわけでも、あんたを助けたいわけでもない」

「ただね」とツンは近付いてくる。

砂場に入り、丸の前で止まった。
127 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:52:57.86 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「……よっ!」

いきなり、丸の一部分を足で消してしまった。

( ^ω^)「あ、ああっ!」

ξ゚听)ξ「よいしょっと……」

続いて、その欠けた部分を通って丸の中に入ってくるツン。
丸の中に2人の人間が入り込んだ。
彼女の身体がものすごく近い。

( ゚ω゚)「あ、ああ……」

ブーンは身体をガタガタと震わせ始めた。
こんなに近くに人が来たのは初めてだったから。
そして、自分はどうすればいいのか分からず、不安だったから。

ξ゚听)ξ「何震えてんのよ」

( ゚ω゚)「入るんじゃないお!」

手を前に出して、彼女を押し出そうと試みるブーン。
だが、ツンはその手を掴んで、勢いを殺してしまう。

ますます震えがとまらなくなり、ブーンは腰を抜かしそうになる。
128愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:54:26.67 ID:ZIZkh44MO
ひたすら支援
129 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:55:55.19 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「……やっぱり、ね」

( ゚ω゚)「来るんじゃないお、来るな……来るなぁ」

ξ゚听)ξ「あんたはね、怖いだけなのよ」

( ゚ω゚)「怖……い?」

ξ゚听)ξ「そう。こうやって、丸の中に入ってこられるのが怖い。他人と手をつなぐのが怖い……
    その人のことを良く知りもしないのに、一方的に怖がってる」

( ^ω^)「……」

ξ゚听)ξ「分かる? あんたが怖がってるのは『他人』じゃない。他人が何をするのか分からないことを怖がってるのよ」

( ^ω^)「……けど、他人のことを理解するなんて不可能だお。怖がるのは当然だお」

ξ゚听)ξ「……そうね。実際、私も怖いもん。いつあんたが私を襲ってくるのか、分からない。それが怖い」

(;^ω^)「そ、そんなことはしないお!」

ξ゚听)ξ「うん、分かってる。怖いけど、私はあんたのことを信じてる。だから大丈夫」

『信じる』……?
130愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 22:58:21.65 ID:JMtj4eHlO
さる退治
131 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 22:58:28.80 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「だから、あんたも私のことを信じて。
    殴ったり、叱ったりするかもしれないけど……信じてほしい」

( ^ω^)「……」

ツンはブーンの手をぎゅっと握り締める。
ブーンはその手の力の強さに戸惑いつつも、ゆっくりとその手を両手で取って、握り締めた。

『信じる』ということ。

確かに、他人と完全に分かり合うことは不可能かもしれない。
だからこそ、考え方や思想の違いで戦いが起きる。

けど、だからと言って他人を完全否定する理由にはならないのではないか?

ξ゚听)ξ「あんたは1人じゃない」

( ^ω^)「……!」

ξ゚听)ξ「私が見てるから……だから、1人じゃない。あんたはこっちにいるのよ」

( ^ω^)「……けど、僕はどうすればいいんだお?」

ξ゚听)ξ「それは、あんたが考えること」

ツンが手を離した。
丸の外に出て、悲しげな笑顔を浮かべて話を続ける。
132 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:01:34.92 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚听)ξ「あんたが決めるのよ……私は話をしに来ただけ。
     最後に決めるのは……あんたじゃないと」

( ^ω^)「けど……けど、僕はそんなに強くないお! どうしてみんな、僕に決めさせるんだお!」

ξ゚听)ξ「馬鹿ね、ほんと」

ツンは「しょうがないわね」とでも言いたげな顔をして、再びブーンの手を取った。
その手のぬくもりが暖かく、ブーンは呆けたような表情を浮かべて言葉を待った。

ξ゚听)ξ「あんたを1人の人間として認めてるから……
    あんたがちゃんと考えられると信じてるから……任せるの」

( ^ω^)「……」

ξ゚ー゚)ξ「私はもう何も言わない。今はあんたが信じる道を進んで。
     色々な人から色々と教えてもらったでしょう。もう決められるはずよね」

( ^ω^)「ツン……僕は……」

と、ふと彼女の手のぬくもりがなくなったことを感じ、ブーンは驚き顔でその手を見つめた。
その手は色が薄くなっており、徐々にだが白い光へと変わっていこうとしていた。

ξ゚听)ξ「……時間、みたいね」

( ^ω^)「ツン! 僕は、僕は!」
133愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:02:06.42 ID:5SKJlw9XO
支援
134愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:02:25.56 ID:f9Ux1Qy5O
信じることで甦る命…
135 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:04:15.69 ID:Pq8gNNQw0

ξ゚ー゚)ξ「大丈夫……私はちゃんと見てるから……私が見てるんだから、あんたはちゃんとここにいるでしょ?」

( ;ω;)「ツン!」

ξ゚ー゚)ξ「じゃあ……ね」

ツンの身体が消えた。
白い光に分解し、その光すら辺りの風景に溶け込んでいってしまった。

キン、という音がした。

地面を見下ろすと、そこにはクリスマスプレゼントでツンにあげた指輪が落ちていた。

ブーンはそれを拾い上げ、涙目で見つめる。

銀色に輝く指輪は、何も答えてはくれない。

( ^ω^)「僕は……」

ブーンは、砂場の丸をもう一度見つめた。
136愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:04:16.63 ID:JMtj4eHlO
しえん
137愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:05:25.59 ID:AfbQi3XZ0
この境界線の話そのまんまパクリじゃねぇか
138愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:06:40.45 ID:ZIZkh44MO
支援
139 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:07:22.37 ID:Pq8gNNQw0

この丸が、他の丸と重なり合うことはないかもしれない。

だが、だからと言って他の丸を完全否定していいはずはない。
もし否定しているのなら、それは根拠の無い恐怖を抱いているからだ。

その恐怖が、本来は敵ではない相手を、「敵」と認識させてしまう。
行う必要のない争いを続けてしまう。

この恐怖は本能的なものだ。生存本能か防衛本能が、他人を疑わせる。

だけど、こんな根拠のない恐怖に振り回されてどうする?

自分はずっと、恐怖を抱いて生きてきた。
戦うことを恐れ、大切なものを失うことを恐れてきた。
そして、そのたびにその恐怖を乗り越えようとしてきた。

ならば、この恐怖も乗り越えよう。

『信じる』ことで。

本能で人はひとつになれないなら、「信じる」という理性的なもので補おう。

これはものすごく頼りないものかもしれない。少しでも恐怖に振り回されれば、すぐ切れてしまう細い糸のようなものだ。

けど、成長することもある。変化することもある。時には鋼鉄のロープのような、太く切れ難いものになることもある。
そうなれば、きっと大丈夫だ。
140愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:10:24.43 ID:V9glZqYC0
支援
141 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:10:25.60 ID:Pq8gNNQw0

もし、それでも切れてしまったらどうするか?
根拠の無い恐怖が、現実的で対象を持つ恐怖となっても、信じ続けるのか?

そんなことはしなくていい。その時は戦うしかない。
守るために戦うことは、もはや正否を超えた、あって当然なものとなっている。

だが、勘違いしてはならない。
現実化する前の、根拠の無いあやふやな恐怖を、戦うことで消し去って良いわけではない。

相手が引き金を引くことで、初めて恐怖は具現化するのだ。
それ以前は、まだ細くても糸がつながっているはず。それを太くする努力を続けよう。
もし戦いが起こったとしても、今後起こらない方法を模索していこう。

武器を持ってはいても、それを使わない勇気を。

そうだ。そうなんだ。

( ^ω^)「……」

公園が、砂場が、急激に形を崩していった。
空の夕焼けは白い光に変わり、滑り台やジャングルジムは砂のように分解されていく。

全てが白い光の粒子に変った時、周りに広がるのはどこかで見た白い空間だった。

上下左右も分からない。ここがどこなのかも知れない。
142愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:10:47.09 ID:f9Ux1Qy5O
>>137
投下終わってから物言いしなよ
143愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:11:53.83 ID:JMtj4eHlO
>>137
クライマックスに不謹慎だとは思うが…後でkwsk
144 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:12:43.77 ID:Pq8gNNQw0

どうすればいい?

そう自分に問い詰めたら、ひとつの答えが返ってきた。

( ^ω^)「あっち……かお」

見つめた先は、ある一方向。
その先に行かなければいけないようだと、ブーンは直感的に感じ取った。

それは遠いかもしれない。永遠にたどりつかない場所かもしれない。

だが、行けないことはない。



だって、こことあそこは道でつながっているのだから


145 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:15:22.03 ID:Pq8gNNQw0

道も、行き先も、走り方も分かっているんだ。

だから……走ろう!

( ^ω^)「……行くお!」

中学の学生服が、変化し始めた。
黒い詰襟から、今の自分が普段着ている私服に変わる。

セーターとズボン。ただそれだけ。

指輪をズボンのポケットにしまい、ゆっくりと足を踏み出したブーン。

白い翼も、白い剣も持たない。

その身ひとつだけで、ブーンは走り出す。

⊂二二二( ^ω^)二⊃「ブーーーーーン」

思いっきり足を上げ、腕を振って走る。
行き先がどんな所かは分からない。
けど、走らなくちゃいけない。

逃げてはいけない。退いてもいけない。

もう走れるんだ。
怖がらずに、笑顔で!
146愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:15:49.47 ID:aOfy6cYvO
>>137
GOか。
147愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:17:07.67 ID:ZIZkh44MO
支援
148 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:17:56.04 ID:Pq8gNNQw0

ブーンは一心不乱に足を動かし続けた。

( ゚ω゚)「おっ!」

急ブレーキをかけて止まるブーン。
目の前を見れば、そこには地面を大きく裂いている黒い地割れ。

右と左を見て、その地割れはどこまで続いていることを確認する。
どうやら避けることはできなさそうだった。

対岸までは4メートルぐらい。
走り幅跳びが苦手な自分としては、なかなか辛い距離だった。

( ^ω^)「……お?」

と、後ろに気配がして、ブーンは振り返る。
そこには、4つの白い光が浮かんでいた。

( ^ω^)「これは……」

ふわふわと浮かぶ光の球を見て、その暖かさのおかげか、決心がついた。

ブーンは再び前を向き、助走をつけるために走り出す。
149愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:18:25.24 ID:dPc0Y8cJ0
wktk
150 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:20:08.29 ID:Pq8gNNQw0

( ^ω^)「はぁ!」

思いっきりジャンプするブーン。

だが、思ったよりもジャンプが高くない。

( ゚ω゚)「ま、まずいお!」

このままでは黒い奈落の底に落ちてしまう。
ブーンはぎゅっと目を瞑る。

だが、背中からドン!という衝撃を受けて、跳躍の距離が伸びた。
なんとか対岸の地面で受け身を取り、崖を乗り越えたブーン。

後ろを振り返ると、4つの光の球が笑うように飛び交っていた。

ブーンは目を細めてその光を見つめる。
ありがとう、と礼を言うと、4つの光は、それより早く行け、という返事をしてきた。





分かる。それは、流石兄弟、モナー、ハインリッヒの光だ。

151愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:20:14.58 ID:iXny3trbO
eagle fly free
152愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:20:57.72 ID:f31muTrH0
何。最終章にパクリとは頂けないな。
だがwktkさせてもらうぞ。
153愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:22:13.41 ID:f9Ux1Qy5O
参考・引用・サンプリング
154 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:22:23.91 ID:Pq8gNNQw0

見知った光は、徐々にその光量を薄めていき、ついには消えていった。
それぞれ満足した感じだったのは、気のせいじゃない。

ブーンは、彼らがずっと傍にいるということを確信し、前を向いて走り出す。

( ^ω^)「はぁ、はぁ」

さらに走り続けること2、30分。
体力という概念がここにあるのかは分からないが、ブーンは息切れを起こし始めていた。
行きたい場所があるというのに、走れないというのは、なんともどかしいことか。

だが、足と腕の疲労に勝てるはずもなく、ブーンはついにその場にしゃがみこんだ。

( ^ω^)「はぁはぁ……お?」

また、白い光が現れた。
今度は3つ。それぞれ、こちらの周りを飛び交ってきては、何か言いたげに近寄ってくる。

まず、ひとつの光、自分の目の前でこう言った。「頑張れ」と。

その声は、落ち着いた大人のもの。人生の道しるべを立て、いろんなことを教えてくれる人のもの。


狐、だ。
155愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:22:49.69 ID:ZIZkh44MO
支援
156愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:24:43.60 ID:aOfy6cYvO
>>152
物語のほんの一部に出てくる考え方で、結構一般的な部類の考え方だからそこまで言うほどでもない気がする。
スレ汚しスマソ
157 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:24:47.93 ID:Pq8gNNQw0

( ^ω^)「はぁはぁ……」

残り2つの光は、自分の足と腕の周りを飛び交っている。
すると、徐々にだが疲労が取り除かれていっているように思えた。
特に、足の周りを飛んでいる白い光は、優しい光を浴びせてくれている。

これは、しぃ。
そして、もうひとつの光は、ぃょぅ。

ふたつの光は「これで大丈夫」とでも言いたげに、身体の周りを飛び交うのを止めた。

ブーンはゆっくりと立ち上がると、身体の疲労が全て取れていることに気がついた。

( ^ω^)「……ありがとうだお」

3つの光は、満足気に消えていった。
だが、寂しくない。一緒に走っているようなものなのだから。

ブーンは軽い足を前に投げ出し、スピードを上げていく。
158愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:25:29.29 ID:JMtj4eHlO
さる退治
159 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:26:27.84 ID:Pq8gNNQw0

だが、そこで気がついた。1度しゃがみこんだから、どこに行けばいいのか分からなくなっていることを。

( ^ω^)「しまったお……」

右と左を見て、上も見る。
完全に道が分からなくなっている。

途方にくれたブーンだったが、不意にふたつの光が目の前に現れた。


こっちだ、早くしろ。
がんばれぇ〜。


互いに寄り添うようにしながら宙を漂い、道を示して消えていった光。

それはきっと、ジョルジュとつーなんだろう。

ブーンは彼らが示してくれた道を走る。

走り続ける。

( ^ω^)「……もう少し!」

目的の場所が近付いてきたのを実感し、ブーンはさらにスピードを上げる。
160愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:26:51.63 ID:ZIZkh44MO
支援
161愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:29:04.23 ID:SxTwPOEX0
( ^ω^)
( ^ω^)
162 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:29:06.40 ID:Pq8gNNQw0

だが、そこでいきなり、上から黒い球のようなものが落ちてきた。
ブーンは避けようと身体をひねるが、間に合いそうもない。

当たる。
そう思った瞬間、後ろから白い何かが飛んできて、その黒い塊を粉々に打ち砕いた。

( ^ω^)「なっ……」

後ろを振り返ると、そこにはひとつの白い光が。

優しく、それでいて厳しい目が自分を見つめている。
自分の何倍もの年を重ね、様々なことを知っているであろうその目。
ギコだ、あれは。

しょうがねえな、お前は。

そんな声が聞こえると同時に、次々に振ってくる黒い塊を、その光は白い矢で貫いていく。

その間に、ブーンは前へと進む。
後ろの光は背中を押してくれている。援護してくれている。

ギコの光が見えなくなったぐらいのこと。
目的地は近い。この道のりも、もう終わり。
163愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:31:03.35 ID:ZIZkh44MO
泣くかもしえん
164 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:31:40.46 ID:Pq8gNNQw0

だが、急に嫌な予感がして、ブーンは立ち止まる。

それは的中し、今度は黒い壁のようなものがいきなり現れ、立ちはだかった。

(;^ω^)「ど、どうすれば……」

戸惑い、右と左を見る。
道は全て黒い壁にふさがれてしまっている。
これでは進めない。あと少しなのに。


そうして出てきた、最後の白い光。

それは、宙を漂っていたかと思うと、黒い壁を一閃のし、進路を切り開いた。

刀と長い髪が見えたような気がして、ブーンは目を見開いてその背中を見つめた。

暖かい。自分をいつも見てくれていた人。
ずっと、自分を守ってくれた、一緒に戦ってくれた、その光。


安心して行け。


そんなクーの声が聞こえて、ブーンは力強く頷いて、走る。

もうすぐだ。もうすぐたどりつく。
165愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:31:41.30 ID:f9Ux1Qy5O
すげぇ
映像が思い浮かぶ
166愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:33:46.40 ID:ev+CK2yw0
しえん
167 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:34:16.41 ID:Pq8gNNQw0

そうしてたどりついた、この世界の果て。
白い空間の端っこ、それ以降は全てが黒く塗りつぶされており、目の前には巨大な崖が立ちはだかっている。

ブーンはその端っこに立ち、下を見つめた。
何も見えない。本当の暗闇がそこには広がっている。

怖い。
けど、ここに行かなくては始まらない。自分が行きたい場所に行けない。

それが分かってはいるものの……恐怖は、自分の心を押しつぶしてくる。

(どうした?)

声が、聞こえた。

懐かしく、それでいていつも身近にいてくれた人の声。

自分の……友達の声。

振り返ると、やっぱりみんながいた。

ツンの、素直じゃないけど優しい光。
ドクオの、おちゃらけつつも親しげな光。
ショボンの、頼りになる光。
168 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:36:43.90 ID:Pq8gNNQw0

(怖いのか?)

ドクオの光がそう尋ねてきて、ブーンは「うん、ちょっとだけ」と答えた。

(大丈夫さ、君ならね)

(;^ω^)「けど……ここから先は、暗くて何も見えないお」

(私達も一緒よ……みんな、一緒にいる。あんたの胸の中にいる)

( ^ω^)「そうなのかお?」

ツンの光の言葉に、ブーンは自分の胸に手を当てた。
確かに、聞こえるような気がする。
みんなの光が、この先を照らしてくれているような気がする。

(あんたは、色々な人と接し、彼らの言葉を聞き、その心を見てきたでしょう?
そこから得たものは、みんなあんたの中にあるはず。
それを元に考えて、自分の道を探し出した。そうでしょう?)

( ^ω^)「みんなの心が……僕に……」

(さあ、行こうぜ)

(僕達も一緒に行って、見てるから)

(今度は、あんたの心を……みんなに見せましょう!)
169愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:37:19.40 ID:ZIZkh44MO
しえん
170 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:39:34.43 ID:Pq8gNNQw0

みんなの心が僕の中にある。
みんなの心を、見せてもらった。

だから、今度は自分の心を見せよう。
今こうやって考えていることを、みんなに伝えよう。

( ^ω^)「……行くお!」

(ああ、行ってこい)
(君なら大丈夫!)
(きっと……!)

みんなの声を背に、意を決して飛び込んだ崖。

どんどんと落ちていく。
下があるのか分からないけど、自分は今落ちている。
そこは暗闇が広がっていると思いきや、自分の中から発せられた白い光が空間に溶け込み、徐々に辺りを照らしていった。
171 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:41:51.72 ID:Pq8gNNQw0

そうなんだ。こうやって、黒と白が混ざりあえばいい。

それと同じだ。

色々と対極に位置するものはたくさんある。

本能と理性、戦うことと戦わないこと、右と左、
新しいものと古いもの、内と外、白と黒、自分と他人。

そんな、両立せず、矛盾するとされているものを、あえて合わせればいい。
そうやって出来上がったものが、自分のとるべき道。

それでも間違いは起きるだろう。
けど、それを糧にして人間は進んでいく。

ゆっくりだけれども、確実に。何十も世代を重ねていって。

だから、可能性はたくさんある。
もしかしたら、自分の考えたこんなものよりも、もっとすごいものを後々に考えてくれるかもしれない。

それに賭けたっていいはずだ。

人は、少しずつ進んでいくのだから。

だから、自分も進もう。
今、こうやって一歩を踏み出そう。
172 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:43:46.69 ID:Pq8gNNQw0

( ^ω^)「……お?」

目の前に現れた白い光。
それは、もう誰なのかはわかる。『従者』だ。
けど、今度は誰かの姿をとっていない。いや、今度は……

( ^ω^)

自分の姿だ。

( ^ω^)「そうだったのかお……」

一歩を踏み出すのなら、やはりここからだったのだ。
いつだって、虚栄心を取り払わなくてはならない。

まずは、僕は僕を受け入れよう。

ブーンは手を伸ばし、『従者』の腕を取った。

( ^ω^)「君は……僕だったのかお」

にこりと、『従者』が笑った。
『従者』は再び白い光になって、身体に入り込んでくる。

僕は、僕を受け入れた。
173愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:44:12.83 ID:5SKJlw9XO
支援
174愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:45:35.79 ID:ZIZkh44MO
しえん
175愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:47:54.52 ID:wZLtT9UX0
自称・自閉症メンヘラーサイト
ttp://www.geocities.jp/remousagi/
ttp://www.geocities.jp/remousagi/bbs.html
ttp://pr3.cgiboy.com/S/4399910

本人(ID:Rt8BZBZ/)ヲチスレに降臨中www

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

>204 名前: 名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! [sage] 投稿日: 2007/02/06(火) 23:13:57 ID:Rt8BZBZ/
>どうしてみんなそうなんでしょうか?
>私のことはみんな死ねと思ってるんだ
>幸せになれないとか、もう、そっち側の思うがツボだし
>あぁもう
>名前挙げろよ
>みんなウザイ
>痛い奴らだ

>味方なんていない

>誰も誘ってくれない



>みんな私が死ねばいいと思ってる

>直したくても直せない
176愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:47:59.06 ID:0a6XbtmmO
支援
177愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:53:26.87 ID:MWdfaoGRO
相変わらず贅沢なボリュームだぜ
178愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:53:37.62 ID:aOfy6cYvO
またか orz
179 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:55:39.23 ID:Pq8gNNQw0

( ^ω^)「……うん、そうだお」

さあ、僕は心を開こう。

みんなに、自分に、様々な人に。
理性も感情も、恐怖も勇気も、悲しみも喜びも、全部、全部ひっくるめた、



僕の、心を。





180 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:56:25.65 ID:Pq8gNNQw0



8枚の翼は、その大きさをさらに増していった。

今や、世界の全てはブーンと一体化していたとも言える。

だが、まだ残り少なくその世界にいた人々は、空を覆っていた白い光が、さらに光り始めたのを見た。

それは、まばゆいほどの光。

世界を包み、地球を包み、そして宇宙にまで届こうとする光。






彼の心が、全てに届いた瞬間だった。
181愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:56:58.39 ID:f9Ux1Qy5O
一度さるを食らうと癖になるかのように連続でなるからな
182愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:58:17.57 ID:JMtj4eHlO
さる
183愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:58:24.10 ID:mM/IXuky0
wktk−⊂二二二( ^ω^)二⊃
184 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/06(火) 23:59:39.82 ID:Pq8gNNQw0

エピローグ


「「「「せーの!!」」」」

掛け声と共に、一斉に校門と道路との境目を飛び越える。

手に持っていた黒い筒が落ちそうになるのを止めながら、ブーンはみんなに向かって「やったお!」と喜びの声をあげた。

( ^ω^)「これで卒業だお!」

('A`)「なーんか、実感が湧かねえよなあ」

(´・ω・`)「式は終わったけれど、高校はすぐ目の前にあるもんね」

3月1日。
ニュー速高校では卒業式が終わり、校門前は人でごった返していた。

同級生が、親だとか先生だとか友達と喋っている光景は、なかなかに爽快だ。
学校にとっては1年に1度の、そして学生にとっては人生に1度しかない行事なのだから、当たり前なのだろうけど。

何かのクラブなのだろう、先輩と後輩のお別れ会みたいなことをやっている集団を横目に見つつ、
ブーンは学生服の1番上のボタンを外した。
式の間はずっとつけていたから、息苦しかったのだ。

ようやく楽になったものの、「もっと喜ぶんだお!」とあまり感動的ではないドクオとショボンに不満顔になるブーン。
185愛のVIP戦士:2007/02/06(火) 23:59:51.72 ID:K3apwt4D0
wktk
186愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:00:46.92 ID:pL2WzfLy0
勉強手に付かないぜフゥーハハァー


後悔は微塵も無いがな!
187 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:01:27.84 ID:WXXnRmP10

( ^ω^)「みんなが無事に卒業できたんだお! めでたいことだお!」

ξ゚听)ξ「そりゃあ、あんたは単位ギリギリだったもんねえ」

(;^ω^)「うっ、それは秘密だお、ツン……」

横から突っ込みを入れてくるツンに、ブーンはたじたじになる。

確かに、3年間成績が悪く、先生に頼んで補習や追試を受け続け、なんとか卒業させてもらったのだ。
お情けの卒業、と言ってもいいかもしれない。
だが、卒業は卒業に変わりなく、ブーンは自分でそれを誇らしげに思っていた。

ξ゚听)ξ「ま、いいけどね。あんたが卒業できたのは奇跡だし、いいものを見せてもらったわ」

('A`)「そうだな」
(´・ω・`)「奇跡体験アンビリーバボー」

( ^ω^)「うはwwwヒドスwwww」

先生や他の同級生との挨拶もそこそこに、ブーン達は親や荒巻院長と離れ、学校から外に出てその辺をぶらぶらと歩き始めた。
卒業式が終わった後、自分達が通っていた高校の周りを歩こうと、約束していたのだ。

卒業証書の入った円筒を片手に、学生服姿で歩くのはなかなか注目度抜群だが、まあそれはこの際気にしない。
188愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:03:08.70 ID:3XEwf9CA0
>>186

俺なんて明後日(実質明日)立教の入試だぜ!
189愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:04:09.71 ID:Lmqjw/m5O
>>188
俺なんて6,7,8と高校入試だぜ!
おまけにインフルエンザ
190 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:04:26.32 ID:WXXnRmP10

('A`)「どこに行くんだ?」

(´・ω・`)「さあ、発案者はブーンだし」

( ^ω^)「とりあえず歩くお。最後の思い出だお」

ξ゚听)ξ「家から近いんだから、いつでも見れるんだけどね」

高校の周りはなかなか都会然としている。
少し駅前まで歩けば、電気屋だとか商店街だとかが広がっており、人ごみにもまれることもある。
平日の昼間なので少しはマシだけど。

('A`)「お、山木モナアナだ」

(´・ω・`)「ああ、前にスキャンダルがあった……」

ドクオが見ているのは、巨大な電気屋の壁に貼り付けられているオーロラビジョンだ。
今はニュース番組でもやっているのか、固い表情の女性アナウンサーが、原稿を読んでいる映像が流されていた。

山木モナ『今回、新たに省に昇格した防衛省ですが、長官には総理推薦の−−氏が任命されるようで――』

(´・ω・`)「あ、あの人知ってる」

( ^ω^)「あの人?」
191愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:05:50.62 ID:3XEwf9CA0
>>189
いや、寝ろよwwww
192 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:05:59.76 ID:WXXnRmP10

(´・ω・`)「今回新たに長官になるとかいう人だよ。
      確か『狐』ってニックネームでテレビとか雑誌にも出てて、有名だよ」

山木モナ『新長官は、外務省との共存を目指しているようで、【自衛隊は守るための力に過ぎない。それは人間として当然のこと】
     という発言が以前から波紋を呼んでいます』

オーロラビジョンでは、年配風の男が映し出されていた。
年相応の皴を顔に刻んでいるその男が、どうやら長官になるらしい。
彼の両側を、2人の男がガードするように囲っていた。

その2人の男が、1人は筋肉隆々、1人はオタク系のひょろっとした人で、なんだかアンバランスで笑ってしまいそうになる。

('A`)「狐ねえ……サイボーグにされないように気をつけないとなwww」

ξ゚听)ξ「サイボーグ?」

ドクオの微妙に分かりづらいジョークを聞きつつ、さらに歩いていく。

電気街を抜け、住宅が密集する地域に入ったようだ。
なかなか治安はいいようで、道路も綺麗だ。

車がどんどんと通っていく大通りから、裏道に入っていく。
特に目立つものはなく、一戸建て住宅が延々と続いているだけだった。
193 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:07:44.61 ID:WXXnRmP10

「ちょっと通るぜ!」

( ^ω^)「おっ!?」

ξ゚听)ξ「きゃっ!」

いきなり、自分達の間を1人の男が猛スピードで通り抜けていった。
ツンはしたたかに壁に腕を打ちつけ、「いったーい」と非難の声をあげる。

( ,,゚Д゚) 「おっと、すまんねえな、ゴラァ」

男はそのまま走り去っていく。
スーツ姿でカバンを持っている所から見て、会社員だろうか。

彼は、数十メートル先の曲がり角で知り合いと会ったのか、よく似た双子のような男達と何か話している。
そして、笑いあいながら、ゴルフのフォームをとりつつ車に乗っていった。

その車には、ある株式会社の名前が書いており、やっぱりサラリーマンだったか、とブーンは思った。

('A`)「ったく、もう少し丁寧に歩けよな」

(´・ω・`)「丁寧に歩くってどんな感じだい? それを言うなら、落ち着いて、とかだと思うけど」

('A`)「人の揚げ足を取るなっての」

更に住宅地を歩いていく。
と言っても、人の家の前を歩いて何かがあるわけででもない。
194愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:07:53.33 ID:Lmqjw/m5O
>>191
じゃあおやすみ ノシ
明日まで残っててくれ!w

作者gngr!
195 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:09:36.00 ID:WXXnRmP10

そろそろ飽きを覚えてきた頃、ブーンは「ピンポンダッシュでもするかお」と冗談交じりに思いついた遊びを提案してみた。

('A`)「はあ? お前、小学生か?」

(´・ω・`)「あれって、1度やられたことあるんだけど、本当にむかつくんだよね。
      (´・ω・`)から(`・ω・´)になりそうな感じ」

ξ゚听)ξ「あんた馬鹿?」

( ^ω^)「けど、こういうのは学生じゃないとできないおwww やってみるおwww」

ブーンは嬉々として近くの家のインターホンまで走っていく。

だが、次の瞬間曲がり角から何かが飛び出してきて、思いっきりそれにぶつかってしまった。

「うわっ!」

( ^ω^)「ぶはっ!」

鉄のようなものに当たったと思ったら、それは車椅子だった。
196愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:09:37.36 ID:X1pUhpp1O
支援
197 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:12:00.62 ID:WXXnRmP10
  _
( ゚∀゚)「やべっ。つー、大丈夫か?」

(*゚―゚)「……」

つー、と呼ばれた女性が車椅子に乗っていたのだろう。
盛大にこけてしまった椅子から投げ飛ばされた女性は、地面にうつぶせになったまま動かない。

どうやら話すこともできないのか、車椅子の補助をしていた男性の問いには何も答えず、男性のされるがままになっていた。

女性に怪我はなく、男性がゆっくりと車椅子に乗せる。
  _ 
( ゚∀゚)「ふぅ……大丈夫みたいだな」

( ^ω^)「あの、すみませんだお」
  _
( ゚∀゚)「いや、前を見てなかった俺も悪いしな。これからは互いに気をつける、ってことでww」

( ^ω^)「わかりましたお。本当にすみませんでしたお」

「ジョルジュさん!」

いきなり後ろから声がして、振り返ると、今度もまた女性が立っていた。
女性は、車椅子の人とよく似ている顔立ちをしていた。少し幼い感じもしたが。

(*゚ー゚)「近くまで来たなら電話をくださいって言ったじゃないですか。あれ? 何かありました?」
  _
( ゚∀゚)「いや、何もねえよ、しぃ」

しぃ、と呼ばれた女性は不安げに車椅子に近付いていく。
198愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:12:34.06 ID:1CzuLgBBO
支援
199 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:14:36.27 ID:WXXnRmP10
  _
( ゚∀゚)「じゃ、家にお邪魔するかな。高岡は後で来るってよ」

(*゚ー゚)「そうですか。お茶菓子はたくさん必要ですね。ね、お姉ちゃん」

( ゚∀゚)「じゃ、すまなかったな」

( ^ω^)「あ、はい」

(*゚―゚)「……」

(*゚∀゚)

一瞬、車椅子の女性が笑ったような気がして、ブーンはドキリと胸を震わせた。

なんだか、とても純粋で、綺麗な笑みだった。

彼らはほほえましげに、住宅街へと消えていった。
それを見送りつつ、ブーンは呆け顔で、ツン達の所へと戻る。

ξ゚听)ξ「何かあったの?」

( ^ω^)「いや、ちょっとぶつかっちゃったんだお」

('A`)「もう少し前を見ろ、前を」

(´・ω・`)「僕は後ろが好きだけどね」

住宅街から抜け、今度は大通りに出た。
200愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:15:18.26 ID:1CzuLgBBO
ジョルジュの妹も復活くるー?
wktk
201愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:16:20.86 ID:FdwitMyF0
じゃあこれおいときますね
ttp://www.vipper.org/vip437626.jpg
202愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:16:38.83 ID:FdwitMyF0
誤爆
203 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:17:08.52 ID:WXXnRmP10

あまり車の量は多くないものの、信号が変わるのが早いことで有名で、事故多発地域だと聞いている。

ブーン達は、信号が青になるのを待ちながら世間話をしていた。

( ^ω^)「だから、ブルーアイズは最強なんだお」

(‘A`)「ねーよwww」
(´・ω・`)「うははは、これが俺のオベリスクだ〜、なんていう社長が使ってるんじゃ、たかが知れてるね」

ξ゚听)ξ「あ、青になったわよ」

( ^ω^)「渡るおwww」

ブーンは一番乗りとばかりに横断歩道を勢いよく渡っていく。

だが、その瞬間大きなクラクションが鳴り響いた。

( ^ω^)「お?」

ξ゚听)ξ「ブーン!」

横から大型トラックが突っ込んでくる。
どうやら赤信号でもギリギリ渡れると思ったようだ。

とてつもない質量を持った物体が、猛スピードでこちらに突っ込んでくる。
ブーンはトラックから目を離せない。足も動かない。

死ぬ……!
204愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:17:26.43 ID:VMmVyIY50
>>201
怖杉ワロタ
205 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:19:55.51 ID:WXXnRmP10

「危ない!」

いきなり自分の身体が宙に浮き、歩道へと突き飛ばされた。
いや、抱きかかえられたと言う方が正しいだろうか。

ξ゚听)ξ「ブーン!」
('A`)「大丈夫か!」

トラックが猛スピードで横切っていくのを見ながら、自分を助けてくれたのが女性だと気付いた。

ブーンは立ち上がり、「あ、ありがとうございますだお」とお礼を言う。

川 ゚ -゚) 「いや、気にしなくていい。これも仕事だ」

真面目な顔でそう答えた女性は、男物のスーツを着ていて、けっこうな美人だった。
地面に落ちていた手帳を拾い上げて、それを胸ポケットに直す。

一瞬見えた金色のマークみたいなものは、もしかして警察のものだろうか?

川 ゚ -゚) 「まったく……ナンバーは覚えたからな、必ず捕まえてやる。安心しろ」

( ^ω^)「は、はあ」
206愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:20:12.56 ID:eFMf2apXO
ここで颯爽とクー登場
207 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:22:13.21 ID:WXXnRmP10

川 ゚ -゚) 「ではな。気をつけて帰れよ、少年」

パタン、と肩を叩かれた所で、ブーンは奇妙な感じを覚えた。

なんだか、前にもこんな風に肩を叩かれて励まされた経験があるような感じがする。

うわさのデジャブ、と言う奴か?

それはあちらも感じているのか、スーツ姿の女性も、肩に手を置いたまま動きを止めていた。

( ^ω^)「……?」

川 ゚ -゚) 「……」

ブーンは目を見開き、彼女の顔を見つめる。
女性もまた、呆然と自分の顔を見つめてくる。

ξ゚听)ξ「あの……どうしました?」

川 ゚ -゚) 「あ、ああ。いや、なんでもない。すまない。それでは私はこれで失礼する」

( ^ω^)「ありがとうございましただお。あ、あの名前は……」

川 ゚ -゚) 「VIP警察のクーというものだ。それではな」

女性は颯爽と去っていった。
208愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:23:21.16 ID:CygPjcdeO
支援
209 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:24:17.19 ID:WXXnRmP10

ブーンは呆然とその後姿を見つめる。

その後ろ姿もどこかで見たことのあるような……?
すごく、懐かしくて、それでいて……暖かくて……

ξ♯゚听)ξ「なーに、じっと見つめてんのよ!」

( ^ω^)「つ、ツン、痛いお! 耳を引っ張らないでほしいお!」

耳の痛みで既視感は瞬く間に消える。
気になるけれども、深く考える必要も無いだろう。

妙に機嫌の悪くなったツンを先頭に、ブーン達はさらに歩き続けた。

たどりついた先は、広い公園。
昔から遊んでいる馴染みの公園だった。
210愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:29:39.95 ID:CygPjcdeO
支援
211愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:30:33.86 ID:61UayU25O
フォーックス!
212愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:30:44.66 ID:oFgRWC8MO
リアルタイムで私怨
213 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:35:37.21 ID:WXXnRmP10

( ^ω^)「ふう、一休みだお」

(´・ω・`)「じゃあ、僕はジュースでも買ってくるよ」

('A`)「お、気が利くねえ。じゃあ、俺はペプシコーラで、ダイエットな!」

(´・ω・`)「君も来るんだよ」

('A`)「なんで!?」

(´・ω・`)「なんでも! さあ、来い! 地獄の快楽を見せてやるよ!」

('A`)「助けて〜」

ああ言ってはいるものの、和気あいあいと自動販売機に向かっていく2人が、時々分からなくなる。

ブーンは砂場に立ち、ツンはベンチに座り、ちょっとした静寂の時が流れた。

ξ゚听)ξ「……ねえ、あんたは高校出たらどうするの?」

( ^ω^)「僕かお? とりあえず前期の大学が受かったらそこに行くお」

ξ゚听)ξ「その後は?」

( ^ω^)「じぇんじぇん考えてない」
214 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:37:41.31 ID:WXXnRmP10

ξ゚听)ξ「そっか……そうよね。私も同じ。大学行った後は何するか、全然決まってない」

( ^ω^)「ドクオはエロゲーの会社に入る。ショボンは医者……僕達2人だけ置いてけぼりかお」

ξ゚听)ξ「ま、なんとかなるわよ。道なんていくらでもあるんだし」

( ^ω^)「……そうだお」

そうだ。可能性なんて無限大にある。

一歩一歩、地道に進んでいけばいいんだ。

そうすれば、世界を変えることだってできるはずだから。

( ^ω^)「あ……ツン、その指輪……」

ξ゚听)ξ「ようやく気付いたのね、まったく鈍いんだから」

ツンの右手の薬指にはめられている指輪は、クリスマスプレゼントにあげたものだ。
彼女は顔を赤くして、『仕方ないからもらってやるわよ!』と言って奪い取ったが、どうやらちゃんと着けてくれているようで安心した。
捨てられているかも、なんて思ったりもしたんだから。

( ^ω^)「……ありがとうだお」

ξ゚听)ξ「ん、何が?」

( ^ω^)「一緒にいてくれて、だお」

ξ゚听)ξ「ばっ……」
215 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:39:46.12 ID:WXXnRmP10

ξ////)ξ「ば、ばかっ! べ、別にあんたと一緒にいたいわけじゃないんだからね!!」

ふふ、とブーンは笑った。

砂場には木の棒があったが、それを無視して空を見上げた。

空は綺麗だ。こうしていれば、どこまでだって飛んでいけるような気分になる。

けど、その分空は怖い。もし飛ぶことができたとしても、それだけ怖いことが増えるだろう。

けど、そんなものは乗り越えていけばいい。
いつだって恐怖は自分の心を惑わすけれど、しっかりと自分を持っていれば打ち勝てる。

そうだろう?
それが、いじめを受けていた時に、友達3人からもらった言葉や、
自分の胸の中にある、不可思議な様々な言葉から教えてもらったこと。

ブーンはしっかりと空を見つめた。
もう空は怖くない。

翼はみんなの心の中にあるんだ。





( ^ω^)ブーンが心を開くようです 完
216愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:40:32.48 ID:CygPjcdeO
支援
217愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:40:35.45 ID:FdwitMyF0
うぉつかれい!
218愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:40:47.54 ID:Rp8y2/gQ0
乙!
219愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:41:01.01 ID:RuJkIOmy0
恒例のサキタソ12時間耐久オナニーラジオ始まったよー!

http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1170774768/l50
220愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:41:08.45 ID:YvNg/rf30
まて、結局ブーンが光を放ってからどうなったんだ?
221愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:41:08.64 ID:yddHT9uZ0
乙ですの〜
222愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:41:10.34 ID:l1uAlFp7O
223愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:41:30.64 ID:m0toA0ZMO
乙ですです
224愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:41:49.79 ID:VMmVyIY50
乙なんだぜー
俺の中では間違いなくナンバーワンだ
225愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:42:26.80 ID:XVqYhjoT0
乙!
226 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:42:28.76 ID:WXXnRmP10
後書き −軽いもの−

3ヶ月ほど続いてきた『( ^ω^)ブーンが心を開くようです』もこれにて終了です。

1話1話が長かったり、投下間隔が開いてしまったりなど、
色々と問題点も多かったですが、終わることができて何よりです。

つーか、最後までさるさんとの戦いだったwwww

最初の頃は、他のスレに出しゃばったりなど、新人作者として致命的な間違いも犯してきましたが、
まあそれもまたいい経験だと思えるようになってますwww

今回の作品が、自分の人生の中でも初の長編でした。
だから、色々とプロット整理だとか、分量調整に慣れておらず、読者の皆さんにも読みにくい箇所が多かったと思います。
それは本当にごめんなさい。これから精進していきたいと思います。

読んでくれたみなさん、本当にありがとう。



これ以降は、作品の裏話・もしくは作者の考えだとかが入ってます。
馴れ合い成分も多少に含まれており、そういうものが嫌いな人は読まないことをお勧めします。
227愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:42:38.20 ID:1CzuLgBBO
乙!おつ!
長い間お疲れさん!
はじめからずっと見てたんだぜ
228愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:42:50.75 ID:p3Q3GsbzO

よかったよ
229愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:43:06.73 ID:7sV1QblRO
最終話でクオリティが下がったのはいなめないな
230愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:43:21.10 ID:L/SzYHzkO
エピローグとのつながりはアニメエヴァみたいなものと考えていいのですか?
231愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:43:31.03 ID:hf+pf9ydO
なんかあれだ、うすいコンソメスープ飲んだ感じ
232愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:43:47.45 ID:vtFHtKwXO
乙。
233 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:44:10.71 ID:WXXnRmP10
後書き−プロット−

今回、初の長編が終了したということで、特にプロットや伏線の消化で色々と問題点が発生しています。

例えば、物語の途中で出てきたマザーはなんだったのか?
クーの父親の話、ハンリッヒや流石兄弟がジョルジュに協力するようになった理由、などなど。

もっと書きたいことは多かったはずなのに、プロット整理が下手でできなかった。
本当にそこは反省点です。

視点がコロコロと変わるのもいただけないし……問題点ばかりだと思います。
そういう所は遠慮なく叩いてやってくださいorz

矛盾点もあるだろうしね……
234愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:44:28.30 ID:X1pUhpp1O
乙!
全部リアルで読んでたのに支援あんまりしなくてごめん
235愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:44:35.21 ID:pGfm3LDEO
超乙。
236愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:45:13.53 ID:1CzuLgBBO
転生エンドじゃね
後ほど質問おk?
237 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:45:30.07 ID:WXXnRmP10

後書き−内容編−

今回の作品に込めてしまったテーマは2つほど、

『守るために戦うことは本当に正しいのか?』
『本当に戦いを終わらすためにはどうすればいいのか』

という、非常に厨二病っぽいものですwww

一応、これらに対する答えとしては4、5つほど物語で出てきました。
どれもこれも実現不可能っぽい考えですが……まあ、自分が考え付くのはこれぐらいが限界かな、と。
もっと色々と学んで、色々と考えて、昇華していけば、ちゃんとした答えが出せるようになると思います。

この作品は、いわば自分の考えをまとめるために書いたもの、と言えるかもしれません。
238愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:46:09.02 ID:CygPjcdeO
乙!四ヶ月間お疲れ!

ちょっと気になったので
>>107でイヨウのセリフが……
239 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:46:24.06 ID:WXXnRmP10

ジョルジュの考え、ブーンがラストに導き出した考え、の2つは特に分かりづらいと思います。
というか、作者自身も明確に文章化できないもので……そこもひとつの反省点です。

けど、分かってほしいのは、ブーンが最後に導き出した答えが、本当に正しいわけではないということ、です。
ヒーロー物のアニメでは、主人公側の考えが絶対に正しい、と見られがちですが、この小説に限ってはそうではない。
ブーンが考えたことも、ひとつの考えでしかない。正しいかどうかは……『後世の歴史家が決めること』(ジョルジュ談)です。

大切なのは、みんなが1人1人、真剣に考えること。
そういう意味では、ジョルジュもブーンも、どちらの考えも正しいと言えると思います。

この小説で出てきた色々な考え方が、少しでもこれからの人生における皆さんの判断材料となってくれることを祈ります。
240 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:47:35.16 ID:WXXnRmP10

後書き−まとめ−

というわけで、ここまで読んでくれた方々に感謝しつつ、この物語を締めましょう。

せっかく小説は綺麗に終わらせた(いや、gdgdかもしれませんが)のに、こんな後書きで長々と語ってすみませんでした。

小説や物語を書くのは大好きなので、もしかしたらまたブーン小説を書くかもしれません。

またどこかでお会いするかも。

最後にひとつ。
こういうことを聞くべきじゃないのかもしれませんが……最後だからいいよなwww

「この小説は面白かったかですか?」

それだけが聞きたい。面白くないならそれでもいい。
こんな長文&分かりづらい文章をどれだけの人が読んでくれているのか分かりませんが、
少しでも面白いと思ってくれている方がいたら、幸いです。

それでは、この辺で。



では、質問がありましたらどぞー。できるかぎりレス返しますね。
241愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:48:29.02 ID:m0toA0ZMO
もちろん面白かったさ
242愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:48:40.53 ID:PoRAO8YP0
正しいかどうか後世の歴史家が決めるって、ヤン・ウェンリーだっけ?
243 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:49:39.22 ID:WXXnRmP10
>>220
ブーンが世界を変革して、導きました。……これじゃあダメ?

>>230
エヴァのラストを知らないwww すまないwwww

>>236
おk

>>238
うはwwwwすまんwwww「デスクワーク」だわwwww
244愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:49:53.99 ID:1CzuLgBBO
お疲れさん さっそく質問をば
まずは先に言われてる通りあの光のあと何が起こったのか
245愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:50:42.05 ID:y+ZB2LN8O
オモシロカタヨー
サイコー
246愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:51:01.12 ID:GeRerUBuO
乙!
面白かったぜ!地の文が良くこんなに上手く書けるなと感心してた。
ひっそりまったり感が大好きだったんだぜ。
新作もwktkするぞ!
247愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:51:35.51 ID:X1pUhpp1O
面白くなかったらこんな時間までいないぜ
248愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:52:23.66 ID:YvNg/rf30
変革って言っても過去にさかのぼってやり直してる感じか
249 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:52:28.07 ID:WXXnRmP10
そういや、途中でパクリが云々とありましたが、「GO」という小説を知らないんですよね。
名前は聞いたことあるけど……自分で考えたことは、やっぱり他人も考えてるんだねえ

ちなみに、ラストとかブーンとつーの関係とかは、完全に某ロボットアニメですwwwあれ好きなんだwwwすまないwww

>>244
世界を変革して、導きました。……これじゃあ絶対文句言われるなwww
250愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:52:30.91 ID:1CzuLgBBO
続けて質問、長文で申し訳ないが

人の子って結局何だったの?救世主?古文書によると大昔にも存在してたみたいだけど
人の子はパプテスマを受けたとかうんたらかんたらってつーが言ってたけど結局あれどういう意味だったん
従者=ブーンの作り出した虚空の存在 でおk?
あと影の子についてkwsk
つーはいつから影の子だったのかも
251愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:54:03.33 ID:ScJNEMZnO
乙!
252愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:54:05.54 ID:L/SzYHzkO
エヴァ知らないですか。なら気にしないで下さい。
ちなみに個人的にはクーが死ぬまでが凄く良かったです。
253愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:54:11.66 ID:61UayU25O
エヴァとラーゼフォンを足して2で割ったようなラストだな


尊敬に値します
254愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:55:51.56 ID:61UayU25O
某アニメってラーゼフォンだよなどう見ても
あと狐とサイボーグといったらフランク・イェーガー?
255愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:57:56.20 ID:0xtG1CbCO
乙。
合作も頑張ってくれ。
256愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:58:00.08 ID:CygPjcdeO
荒巻院長やヒッキーたち孤児のことも忘れないで下さい

彼らはどうなったんだ?途中から全く出て来なかったが。
257 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 00:59:04.00 ID:WXXnRmP10
>>242
知らない。自分で考えて出した台詞なんだが……やっぱり誰か先に言ってるもんだねえ

>>248
うーん、正確に言えば、ブーンがラストで導き出した考えを、世界の人々に届けた、っていう感じなんだけどね。
だから、あの世界では少しだけブーンの考え方の影響が出ちゃってます。描写してないけど。

>>250
うん、絶対その質問はくると思ってた。
『人の子』は、まさしく『人間』という存在の子供なんですよね……
次世代の人間、という感じですか。だから、あんな光を出したりとかが出来た。
ブーンは、自分の心を外に出すことができる。あの白い光はブーンの心をそのものです。

『従者』は、自分の心の中にいるもう1人の自分です。
時々、『自分を客観的に見つめる』という感じがしませんか? 『自分自身と対話する』とも言うかも。
そのもう1人の自分が『従者』です。
パプテスマは和訳で『洗礼』ですけど、この言葉は今までの自分から新しい自分に生まれ変わる、という意味もあります。
その意味で、ブーンは今までの『人間らしい』存在から『人の子』になった、という意味を含んでます。


ちょっと休憩。
258愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 00:59:25.67 ID:7L5qRFjj0
追いついたら終わってたか・・・
かなり面白かったよ。
お疲れ様。
259 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 01:02:18.65 ID:WXXnRmP10
>>250
『影の子』は、『影』という存在の子供です。次世代の『影』、かな。
つーが『影の子』になったのは、5年前の事件です。

つーが大量の『影』に襲われて、その時に『影の子』になりました。
けど、元々人間なのに『影の子』になるから、負担が生じて精神が壊れた、ということです。

>>255
あれって緊張するぜwww

>>256
あんまり書いてないけど、エピローグの世界でも孤児院はちゃんとあります。
(ブーンはエピローグの世界でも孤児です)
ヒッキーも元気です。
260 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 01:04:49.84 ID:WXXnRmP10
>>254
その通りwwww
某スニーキングゲームも好きなんだ。すまない。

質問はこんなもん……?
ハインと流石兄弟とギコの番外編も書く予定だったのに、書けなかった。すまんこ。


にしても、思ったよりも読んでくれている人がいて感動した。
おじちゃん泣いちゃうよ(´;ω;`)
261愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:06:13.84 ID:61UayU25O
結局マザーって何なの?
262愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:06:34.87 ID:am8Sf5B10
『エピローグの世界』は、それまでの世界と関連はあるけど実質全く違う世界、でOK?
263愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:08:16.60 ID:1CzuLgBBO
ふむーブーンの光はブーンの心そのものだったのね
じゃああの未来を見る目ってのは相手の光を見る=相手の心を覗くって事なのかな
264 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 01:09:05.46 ID:WXXnRmP10
>>261
マザーは、『気や影の流れを読むことの出来る人』です。
28話ぐらいでブーンが予知能力を持ちましたが、あれはマザーと同じ能力です。

本作の3年前ぐらいに、その力が災いしてトラブルを起こしますが、
『VIP』に助けられてあの洋館に住むようになりました。これも番外編を書く予定だった……orz

>>262
うん、そんな感じ
265 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 01:09:52.12 ID:WXXnRmP10
>>263
おお! その通り!
だから、ブーンは28話で世界中の人の心を読んでしまってるんです。
266愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:11:44.04 ID:ZhdIiXNgO

今読み終えた
面白かったぜ
267愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:12:33.05 ID:1CzuLgBBO
最後に質問
ブーンの羽根で人は吸収されるのに影は消滅した件について
気(そもそも気って何だ…)やブーンの光で影が倒せた理由についても頼む
268 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 01:16:36.07 ID:WXXnRmP10
>>267
『気』は生命エネルギーやオーラみたいな感じ。『影』の身体はそれと反発します。
『気』と『影』は相反する存在で、だから攻撃すれば倒せます。
けど、『気』は人に対しては効力を持ちません。

ブーンの光は、そのどちらとも違います。ブーンの心そのものですから。
攻撃しようと思ったら、どんなものでも攻撃できる。
だから、ブーンの光は人も『影』も攻撃できます。

最後に『影』が消滅したのは、あれは消滅というより分解された感じかな。
結局ブーンとひとつになろうとしてます。


こんなもんかな……

これぐらいで、そろそろおいとまします。

このスレか、感想掲示板で質問してくれたら、すぐに答えようと思います。

読んでくれた人、ありがとう。
色々指摘してくれた人、ありがとう。
まとめてくれたオムさん、ありがとう。

というわけでバイナラ
269愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:17:37.18 ID:VMmVyIY50
次回作もwktkしてるぜ
⊂二二二( ^ω^)二⊃
270愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:19:56.10 ID:CygPjcdeO
>>259
なるほど。
あれ?ヒッキーどこ行った?とか、ブーンは荒巻の心配しないのか…?とか思いながら見てたから気になった

あと、>>79のあっちの世界っていうのは、影の世界?人間の世界?
いまいちよく分からんからkwsk
271愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:20:35.18 ID:pL2WzfLy0
長らく乙なんだぜ

>>264
ジョジョ6部でおkってことかwww
272愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:21:56.06 ID:CygPjcdeO
>>79じゃなかった>>78だった orz
273愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:21:59.43 ID:41eGEKMMO
乙!!!!!!!!
274愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:22:18.43 ID:D0ZkVCwq0
お、完結したのか。
これからまとめで読んでくる
275愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:22:24.48 ID:1CzuLgBBO
3度目のお疲れさん、質問回答熱烈感謝
合作も頑張ってください
276 ◆ILuHYVG0rg :2007/02/07(水) 01:23:43.46 ID:WXXnRmP10
>>272
「あの世界」とは人の世界のことです。
この時、ジョルジュ達はブーンと一体化していて、人の世界とは別のところにいたから「あの世界」と言ってます。
277愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:27:08.24 ID:CygPjcdeO
>>276
なるほど。わざわざありがとう。
合作の方もwktkしてるよ。
278愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:27:21.74 ID:HLx/acjbO
うわ。。。今北
乗り遅れたわ…今から全部見てくる(´;ω;`)



毎回…描写力ある表現にwktkしたり、切なくなったりしたよ。
途中、絵投下させて貰ったりしてたんで…この作品にはすげー思い入れがいっぱいなんだぜ

最後に…作者、ありがとう。
そして、乙!!

次回作、フルボッキでwktkしてるわ
279愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 01:48:43.37 ID:zjXkc50XO
乙!!!!!
280愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 05:06:53.36 ID:LIFb0iqPO
ラストはラーゼフォンとエヴァの補完みたいだね。
281愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 07:53:06.88 ID:Jbwfj6HcO
乙です、終わりなのは悲しいよね。
282愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 08:00:07.06 ID:JOsIwiYSO
作者は間違いなくガイナックス信者
283愛のVIP戦士:2007/02/07(水) 09:09:49.47 ID:7HxQi2nKO
遅れたが乙
楽しませてもらいました
284愛のVIP戦士
乙です!すごい良かった(´;ω;`)