【頑張れより】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【お疲れ様】
1 :
閉鎖まであと 2日と 20時間 :
2007/01/21(日) 00:39:00.17 ID:R4IaNPJf0
2 :
閉鎖まであと 2日と 20時間 :2007/01/21(日) 00:39:25.74 ID:R4IaNPJf0
・『原則「コテ」禁止』
コテハンの人の書き込みが悪いんじゃなくてコテを付いてるということが荒れる原因になりやすいので原則コテは禁止で。
・スレ・作品と関係ない雑談は控え、気に入らない作品や書き込みはスルーお願いします。
・非常時はまずWikiや雑談所で状況を確認してください。(本スレの消失など)
・投下するときは「○○ネタだから注意」とか「○○系につき苦手ない人スルーよろ」などと付けた上、さらにNGワード指定するなどの各自配慮をお願いします。
例:yuriyuri(百合) sinineta(死) uhouho(男色) guroino(グロ)
・長編でレスを大きくまたぐとき(前回の投下は
>>51 で今回は
>>462 とか)や前スレから の続きはタイトルやあらすじ、アンカー等付けると読者に優しい職人になれる。
・なるべく自分でWikiを編集できるようになりましょう。どうしても編集できない場合は雑談所の掲載状況スレで依頼しましょう。(簡単な説明の項目の通りである程度できます)
・性的描写はエロパロで。(投下するなら少年誌レベルぐらいまで)
・投下混雑時以外の「投下いいかな?」は不要。投下終了後の「やっぱグダグダだったorz=3」とかも不要。もっと自信持って投下しよう!
(目安として:投下ラッシュは大体22時前後。それ以外なら特に混む事は無し。)
・投下時、他の人と被るが嫌なら投下前のログの再取得は必須!
・未来アンカーやリレー小説はスレストの原因になったり投下し辛い空気にしたりするので控えてください。
・上記の他、Wikiの「簡単な注意事項」を読んだ上、分からない質問などは
>>1 のリンクから行ける雑談所やWikiでお願いします。
センター試験1日目 英語、リスニングテスト 『I…could st…awake…st…hear…u…bre…ing…』 ジ「何だ…聴こえにくいじゃないか!」 紅「去年に引き続き今年も不具合なの?いい加減にしてほしいわ!」 試験管「す…すみません、今対処中なのでしばらくお待ちください!」 銀「やぁねぇ…さっさとしてくんなぁい?」 金「こちとら遊びに来てる訳じゃないのかしらー!」 数分後… 『Every moment spent with you is a moment I treasure…』 ジ「お、ようやく直ったか…」 『Do…ザザ…wanna…ザザeve…ザザnever…ou…』 ジ「?」 『ザザ…キャアアァァ…ザザッ…センパアァァイ…ザザ…Laying close to you…』 ジ「おいっ!?今なんか聴こえたぞ!?」ガタッ! 金「きゃああ〜、せんぱ〜いって聴こえたかしら〜!!」ガタッ! 紅「ちょっと!なんてものをテストに使ってるのよ!?」ガタッ! 試験管「皆さん、おおお落ち着いて下さい!」 銀「これが落ち着ける訳ないでしょうがぁ!?」ガタッ! 結局試験会場は騒然となり英語の試験は後日やり直しとなったそうです。 ともあれ、受験生の皆様センター試験1日目お疲れ様でした…m(_ _)m
5 :
閉鎖まであと 2日と 19時間 :2007/01/21(日) 01:22:41.23 ID:P3HJgOjP0
6 :
閉鎖まであと 2日と 19時間 :2007/01/21(日) 01:26:07.76 ID:wcGrQ8/BO
7 :
閉鎖まであと 2日と 19時間 :2007/01/21(日) 01:33:14.99 ID:+k8Sf6A8O
>>6 流石にこれはないけど不具合があって試験やり直しになったのは事実らしい。
【雪うさぎ】【作ろうよ】
>>228 からの続き
「というわけで、到着ですぅ〜♪」
「ゴメンね、ジュン君。こんな時間にこんなところまで連れ出しちゃって」
「僕は別に良かったんだけど、本当に良かったのか雪華綺晶?飛行機調達させてもらって」
「確かにね。あれはカツアゲしてるようにも見えたよね」
「いいんですわジュン様。こんな時間に旅行というのも中々なものですわ。それにわたくしの事は雪華綺晶じゃなくて……」
「ああ、そうだった。ごめんなきらきー」
「南の地方と言えどさみーですぅ。しょ、しょうがねぇからジュンと手ぇつないでやるですぅ」
「ああ、うん。それにしても福岡まできて何するんだ?」
「あぅ〜暖けぇですぅ〜♪じゃなくて、さあさあ太宰府へと行くですぅ!!」
「ささ、お嬢様方どうぞこちらへ」
「ラプラス!!こんな時間にこんなとこで何やってんだ?」
「いや薔薇お嬢様が……」
9 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:05:30.71 ID:ZbmjeswKO
>>8 「やっほー、ジュン。おはよー」
「薔薇水晶か!ついてきたのか!?」
「ラプラスに頼んでね。それよりズルイよお姉ちゃん。わたしがちょっと早めに寝たからって置いてっちゃって」
「ついてきたからには仕方がありませんわね。一緒に行きましょう」
「じゃあ甘えさせてもらおうかな。ボクたち福岡の道なんてわからないからね」
「じゃあ置いてった罰としてジュン……隣にね?」
「あ、うん。失礼します。ってこれって僕への罰?」
「あんまり気にしちゃダメだよ……。…それよりなんで翠星石がジュンの隣に座ってるの…?」
「な、成り行きですぅ!気にするなですぅ♪」
「ずるい……ボクも隣がよかったのに……」
10 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:08:01.43 ID:ZbmjeswKO
>>9 「ふむ、やはりこんな時間と言えど混んでいる様でございますな」
「ラプラス……アレの使用を許可するよ……」
「アレですな?了解致しましたぞ」
「アレってなんの事なんだ?」
「見てれば分かりますぞ。ではポチッとな」
「あ!両方のドアからなにか翼みたいなものが!」
「まさかとは思うけど、薔薇水晶はこれに乗ってきたの?」
「蒼星石正解。パチパチパチ」
「どこからどう見たって飛行機じゃないよ。ワゴン車だよね」
「……じゃあ飛行車で。…いや、飛車で」
「将棋じゃないんだから。それより大丈夫だよね?」
「大丈夫……燃料は満タンだから地球を2周ぐらいできるよ」
「いや、燃料じゃなくて危険がないか聞いたんだけど」
「それも大丈夫だよ……。念のため緊急脱出装置もついてるから…」
11 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:10:07.68 ID:ZbmjeswKO
>>10 「「「え!!」」」
「……まじで?」
「恥ずかしいのですか。では向こうを向いてましょうか」
「わ、わかった」
「あわわ…ジュン君、眠気でまともな思考じゃなくなってるよ。あーもう翠星石ばっかりずるいよ」
「…翠星石…」
「……ふにゃ?」
「!!!」
「何やってるですかぁ〜?」
「よ、よかった。寝惚けてた。助かったな。殴られるかと思った」
「残念だったね翠星石。いや、おはよう」
「おはようですぅ。で、何が残念だったのですかぁ?」
「なんでもないよ。なんでも。気にしないで」
「なんか顔も声も笑ってるですぅ」
12 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:14:21.55 ID:ZbmjeswKO
>>11 「いや〜〜惜しかったですなぁ〜〜」
「………ラプラス……後でね…」
「ちょ〜っとお仕置きが必要なようですわね」
「ふふふ、私を殺ると帰れなくなりますぞ」
「チッ……」
「ほ、ほらさっさと行こうよ」
「あ、そうだな。ほら行くぞ翠星石?」
「はいですぅ」
「…ねぇジュン君?今度はボクとも手をつないでくれるかな?」
「あ、うん。いいよ」
「…ジュン君の手、暖かいね」
「……いや〜〜双子がいい感じになってますなぁ」
「……ここにいても遅れをとるだけだね」
13 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:16:02.84 ID:ZbmjeswKO
>>12 「そうですわね。早く行きましょう」
「……帰りも乗るからね…ラプラス」
「……ふう、まったくご主人様も酷い命令を出してくれますな。こちらの身にもなって頂きたいものです」
「それにしてもまだ午前4時だというのに人がたくさんいるな」
「やっぱり大学を受験する人たちの親達なんだろうね」
「やっぱり困った時には神頼みですねぇ。さあ御詣りするですぅ」
「で、何を願うんだ?」
「……ジュンとの恋愛成就…」
「じゃなくて、スレの受験生のみんなが安心して試験受けられるように。そして願わくば合格できるように」
「本人は来れないですからね。その代理をやってやるんですぅ」
「へぇ〜〜、中々いいことするじゃないか」
「翠星石が考えたんですぅ」
14 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:16:52.32 ID:ZbmjeswKO
>>13 「意外だな。でも偉いな」
「もっと誉めてもバチは当たらんですよ?」
「なんのバチなんだか……」
「で、両手をつないだままだと御詣り出来ないんだが」
「ならそのまま目ぇ瞑って祈ってればいいんですぅ」
「手をはなすという選択肢はないのか?」
「ボクももう少しこのままでいたいな?」
「しょうがないな」
「……すっかり蚊帳の外ですわ」
「……ラプラスが…謝ってても…許さない」
「で、お賽銭持ってきたのか?」
「5円で十分ですぅ」
「縁結びじゃないんだからさ」
15 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:18:22.11 ID:ZbmjeswKO
>>14 「くっくっく、こういうこともあろうかとここにお金は用意してありますぞ」
「お前は先回りが好きなのか?まったく」
「でもありがたく使わせてもらうですぅ」
「ではこちらを…」
「流石にとんでもない量だね。こんなにいらないんじゃ…?」
「いえ、深夜に起きてるような馬鹿にはこれぐれぇが丁度いいですぅ。それに人数で割れば多くはないはずですぅ」
「翠星石、まだ根に持ってたんだね」
16 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:19:28.09 ID:ZbmjeswKO
>>15 「では、1千万ほど投入〜」
「ああっ!僕がやってみたかったのに!」
「はっはっは、早い者勝ちですぞ〜」
「……なんかラプラスまでジュンと仲良くなってない?」
「二度と日がみれなくなるような体にしないといけませんわね、ばらしーちゃん」
「じゃあ、みんなで御詣りしようか」
「あれだけいれたからご利益あるよね?」
「ああ、僕たちができるのはこのぐらいだからな」
「だから精一杯祈ってやるですぅ。感謝しろですぅ」
「仕方ありませんね。この私も一緒に祈ってあげましょうかね。皆様(お嬢様)が真面目に祈るとも思えませんし」
「皆様には大事にしてもらっていますものね。そのお礼を少しでも返せると思いながらやりますわ」
「………あれだけ入れたんだから恋の成就もしてくれるよね?」
17 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:21:49.43 ID:ZbmjeswKO
>>16 「菅原道真公がこまると思うんだけどな。まあいいか」
(みんな頑張ってね/ですわ/れよ)
(頑張りやがれですよ?翠星石達が今回に限り応援してやるです。ありがたく思えですぅ)
(……ジュンと……ひとつになりたいな……色んな意味で……)
(全員は難しいでしょうが頑張ってくださいませ。私も少しなら御手伝い致しますぞ)
「ながいな〜二人とも(翠星石とラプラス)」
「今回だけですからね。それなりに気合いを込めてやったですぅ」
「ふふふ、ちょっと別の世界と通信を」
「なんか妖しげだな。それはそうと今からどうする?帰る?」
18 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:22:32.26 ID:ZbmjeswKO
>>17 「こんなこともあろうかとホテルを用意してありますわ。ジュン様、一緒に行きましょう」
「用意がいいな。それで何人分用意したんだ?」
「皆様来ると思いまして9人分とりましたが余ってしまいましたわね」
「それって何部屋分なんだ」
「二部屋ですわ。片方に5人、もう片方に4人ですわ」
「じゃあ丁度男と女で分かれられるな」
「嫌ですぅ。翠星石はジュンと寝るんですぅ」
「ボクも一緒にね?ジュン君」
「……じゃあ別の部屋にはラプラスが寝ろよ。お前も疲れてるだろ?」
19 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:23:58.82 ID:ZbmjeswKO
>>18 「おおお!この私に慈悲をくださるのですか!!ありがたき幸せ!!他人の優しさに触れたのは何年ぶりでございましょう!!!」
「大袈裟なやつだな。それに余っても仕方ないだろ?4人部屋だからゆっくり寛げよ」
「あぁ、涙がでてまいりましたぞ」
「じゃあ行こうか」
ホテルに泊まって観光してまわって帰ってジュンがラプラスと友達になりラプラスを匿ったのはまた別のお話……
《打倒!センター試験 完》
長々とごめん。今日も一日頑張ってくれ。応援している。
20 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:34:23.21 ID:BlGlS1yn0
「一つ屋根の下 第百話 JUMと新年」 「んっ……ふぁぁ……朝か?」 僕は枕元に置いてある携帯をカパッと開く。何通かメールを受信しているが一先ず置いておく。時間は11時 を少し過ぎたあたり。朝と言うよりは昼に近いようだった。 「日付は1月1日。元旦か……メールは後で返すとして…リビング行くかな。」 とりあえず僕は眼鏡をかけて洗面所へ。とりあえず眠気覚ましも兼ねて冷水で顔を洗う。 「くぅ〜、冷たいっ!でも目は覚めたかな。」 タオルで顔を拭く。ついでに眼鏡も水洗いしてやる。耳のフレームの部分が少しだけ冷たい。 少し寒い廊下を歩いてリビングへ。中から暖房の風が体に当たる。うん、温かいな。 さて、折角の新年だ。爽やかに挨拶でも交わそうかな。僕は少し笑顔を作ってドアに手をかける。 「おはよ〜、姉ちゃん。あけまして……え…?」 ドアを開ける。ドアを開けた先には、今まさにパジャマを脱いでいる翠姉ちゃんが居た。好きだなぁ、緑。 って、見とれてる場合じゃない。とりあえずこの場を凌ぐ。どうする?何か気の利いた言葉でもかけるか? 「え、えーと……き、綺麗だね翠姉ちゃんの体……」 果たしてこれが吉と出るか凶と出るか。翠姉ちゃんの顔と体がみるみる赤く染まっていく。これは手応えありか? しかし、そもそもこの状況で吉なんて逆立ちしても出るはずも無いわけで。 「き……きぃやあああああああああああああああああああ!!!!」 翠姉ちゃんが慌ててパジャマを羽織るとコタツの上にある蜜柑を手に取ると僕に向けて豪快に投げ飛ばす。 「ぐえっ!!」 蜜柑は僕の鼻に直撃する。何だかグチャって音がしたけどきっと蜜柑だろう。そのまま僕は廊下に倒れこんだ。
21 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:34:26.91 ID:CzY7SUXF0
>>19 ラプラスの扱いが酷くないだと!?
何か新鮮www
22 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:34:38.24 ID:BlGlS1yn0
>>20 「新年早々着替え覗いてるんじゃねぇーです!!この変態チビ!!」
翠姉ちゃんが倒れてる僕の鳩尾辺りを踏みつけるとバタン!!と大きな音を立ててドアは閉ざされる。
僕は新年早々の激痛に廊下でゴロゴロと悶えて苦しんでいた。
「廊下で何をしているの、JUM?」
スッと屈んで悶えている僕を見つめているのは真紅姉ちゃんだった。だったんだが……
「あけましておめでとう、真紅姉ちゃん。ええっと、それは?」
「ええ、折角だからね。蒼星石に着付けしてもらったの。どう?似合うかしら?」
真紅姉ちゃんが袖を持ってクルンと回って見せる。真紅姉ちゃんを象徴する赤の振袖は華麗でしかなかった。
金色の髪もアップに纏められていて綺麗なかんざしが差してある。
「あ、うん……綺麗だ……」
正直、僕は見とれていた。そして綺麗って言葉しか出てこなかった。他に例えようはあるんだろうけど、残念
ながら僕の貧相なボキャブラリーではこれが限界だ。
「ふふっ、嬉しいわJUM。中……誰か着替えてるの?」
「ん、多分翠姉ちゃんが。全く、着替えてるなら看板でも出してくれよ。」
考えてみれば理不尽である。誰がリビングで着替えてるなんて想像できるだろうか。まぁ、理不尽なのは今に
始まった事じゃないけどね。少なくとも、この家では。
「へぇ。要するに貴方、翠星石の着替えを覗いたと言う事?」
真紅姉ちゃんがジト目で僕を見る。やばい、ダメージを負った体で真紅姉ちゃんの攻撃に耐えれるだろうか。
下手をすれば間違いなく今年最初の死者になれる自信がある。
「え、えーと…その…何て言いますか。そう、不可抗力!まさか着替えてるなんて…」
必死に身振り手振りをして弁解する。すると真紅姉ちゃんはクスリと笑う。
「冗談よ。それじゃあ着替え終わったら教えてあげるから少し待っていなさい。」
そう言って真紅姉ちゃんはリビングへ入る。それから声がかかったのは約20分後だった。
23 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:35:01.27 ID:BlGlS1yn0
>>21 「全く!翠星石は最悪一年の始まりです。いきなりJUMに着替えを見られたですぅ。」
緑の振袖を着、長い栗色の髪をアップにしている翠姉ちゃんが僕を見ながら言う。
「だからそれは悪かったよ。まさか着替えてるなんて思わなかったんだし。」
とりあえず弁解。そもそも着替えるなら自分の部屋でやってくれと思う。
「あらぁ、謝らないでいいのよJUM。翠星石ったら、JUMを追い出した後で一人で顔赤くして『か、体綺麗
って言われちまったですぅ…』とか一人で照れて悶え…もががっ!?」
黒の振袖を着てお茶をすすっている銀姉ちゃんが言う。髪は面倒なのか下ろしたままだ。僕はそのまま
視線を翠姉ちゃんに移す。目が合う。翠姉ちゃんは顔を赤くして銀姉ちゃんに飛び掛っていた。
「な、な、なななな!何を言ってやがるですか!翠星石はそんな事言ってなんかねーです!!」
必死に銀姉ちゃんの口を塞ぐ翠姉ちゃん。時すでに遅しな感が漂うんだけど。とりあえず、そろそろ解放して
あげてね。何だか銀姉ちゃん死にそうだからさ。
「ごめんね、JUM君。あの後雛苺と金糸雀の振袖も着付けしてたら遅くなっちゃって。」
青の振袖の蒼姉ちゃんがコトンと湯のみを置いてくれる。蒼姉ちゃんも髪はいじっていない。
「別にいいよ。蒼姉ちゃんが悪い訳じゃないし。でも大変だね。着付けできるのって蒼姉ちゃんだけ?」
「ううん、薔薇水晶も出来るよ。今は雪華綺晶を起こしに行って貰ってるけど。」
そう言えば薔薇姉ちゃんとキラ姉ちゃんの姿がさっきから見えない。起こしたついでに着付けしてるんだろうか。
「JUM〜、おめでとうなの!どうどう?ヒナ似合う〜?」
パタパタと足音を立ててヒナ姉ちゃんが僕の隣に来る。ピンクの振袖は実にヒナ姉ちゃんらしい。さらに髪も
お団子にされていてヒナ姉ちゃんの可愛さを7割増しくらいにしている。
「JUMカナはどうかしら?少しだけ大人っぽくしてもらったかしら〜。」
カナ姉ちゃんは黄色の振袖。髪は何時もの巻き髪じゃなくてアップに仕上げられていた。ヒナ姉ちゃんもそうだけど
二人とも基本巻いてあって気づかないが髪は結構長い。そのお陰で色んな髪型が出来る訳だ。
「うん、二人とも髪型と合ってて可愛いと思うよ。蒼姉ちゃんも結構着慣れてる感じだね。」
僕がそう言うと3人とも嬉しそうに笑ってくれる。と、ドアがガチャリと開かれる。やって来たのはあの二人。
「きらきー起こしてきた……あ、JUMも起きてたんだね……」
「ふぁぁぁ……おはようごじゃいましゅ……」
薔薇姉ちゃんは紫の振袖で髪は矢張りアップに。キラ姉ちゃんは白とピンクを基調の振袖で髪は特にいじって
いなかった。キラ姉ちゃんは相変わらずの寝起きの悪さで未だに眠そうだ。ともあれ、姉妹が全員揃った。
「みんな揃ったわねぇ。それじゃあ、改めて……あけましておめでとう御座います。」
24 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:35:18.70 ID:BlGlS1yn0
>>23 姉妹と新年の挨拶を交わす。まぁ、約一名未だに半分寝てるけど。
「さぁてぇ……じゃあいきなりお楽しみといきましょうかぁ。翠星石、御飯持ってきてぇ。私もちょっと部屋行くわぁ。」
銀姉ちゃんはそう言うと、いそいそお部屋に戻っていく。翠姉ちゃんは蒼姉ちゃんと台所から御節とはいかないが、
充分に豪勢なオカズを筆頭に御飯を運んでくる。御飯の匂いを嗅ぎつけたキラ姉ちゃんも徐々に覚醒していく。
しばらくすると、銀姉ちゃんが年賀状と共に9つの茶封筒を持って戻ってきた。
「はぁい、じゃあ雛苺と金糸雀。年賀状きてたから分けておいてぇ。」
ヒナ姉ちゃんとカナ姉ちゃんが仲良く手分けしてそれぞれの席に年賀状を置いていく。お、べジータからきてる。
後は桑田さん他クラスメイト。めぐ先輩にみっちゃんさん。白崎さんからも来てるな。これは……まぁ、担任は
クラスの子には出すものだろうしね。後で返事書いておかないと。僕が年賀状を眺めてると二人は配り
終えたようだった。続いて銀姉ちゃんがコホンと咳払いをする。
「じゃあきっとみんなのお楽しみいきましょうかぁ。お父様からの手紙とお年玉よぉ〜。」
お年玉の言葉を聞くと姉ちゃん達の目が一斉に輝くのを見た。もちろん僕だって楽しみだ。
「じゃあ先ずは金糸雀からぁ〜。ちゃぁんとお父様からの手紙を読むのよぉ?」
銀姉ちゃんが順番に茶封筒を渡していく。
「はい、JUMの分よぉ。お父様から頂いたお金無駄使いしちゃダメよぉ?エッチな本とか買うならお姉ちゃんに
言いなさいねぇ。本なんかよりイイコトしてあげるからぁ。」
「とりあえず封筒は貰うけど、銀姉ちゃんの好意?は遠慮しとく。」
む〜と不満げな銀姉ちゃんから封筒を受け取る。む、少し重い…うっすら諭吉先生が見える。
「さ、これでとりあえずやる事はおしまぁい。でも最後に私からぁ。今年もみんな仲良く元気に……少しは喧嘩
とかあるかもしれないけどぉ。誰も欠けることなく来年の正月を迎えましょうねぇ〜。」
銀姉ちゃんはそう言ってニッコリ笑った。ああ、やっぱり長女だなって。僕はそう思った。
25 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:35:34.82 ID:BlGlS1yn0
>>24 時間は夜11時ごろ。あれから御飯食べたり甘酒飲んだり正月番組見たり。実に充実した正月だったと思う。
まぁ、甘酒で酔っ払った銀姉ちゃんが乱れた振袖で迫ってきたり、それを見た同じく酔った真紅姉ちゃんは
「胸なの?やっぱり胸なのね?」と一人で勝手に泣き出したり。あやうくキラ姉ちゃんに料理どころか僕ごと
食べられそうになったり。翠姉ちゃんがコタツで眠ったヒナ姉ちゃんとカナ姉ちゃんの顔に落書きしたり。
はしゃぎ過ぎたせいか姉ちゃん達も今は部屋で休んでいるだろう。リビングには姉ちゃん達が脱いだ振袖
がシワにならない様に片付けられている。僕はリビングの電気を消すと部屋に戻る。
「そういえば手紙もあるって言ってたな……」
僕は父さんからの茶封筒を開いた。中にはお年玉と思われるお金と(金額は秘密。)手紙が一通。
ベッドに寝転がると僕はその手紙を読み始めた。
『JUM君へ 明けましておめでとう。日本は今の時期寒いと思うけれど風邪とかは引いていないかな?
姉妹とは仲良く過ごせているかい?さて、君が来て早10年の月日が流れた。君にとってこの10年がプラスに
なった時であったならば、僕はとても嬉しく思う。以前、手紙で報告したと思うが春先、僕は家に戻る。
その時に人間として。そして男として成長した君を見れるのを楽しみにしているよ。
それから、今回はきっと君にとって一番のプレゼントと一緒に帰る予定なんだ。楽しみにして待ってて欲しい。
それじゃあ、体に気をつけて。 ローゼン』
そんな内容だった。僕は手紙を机に置くと考える。僕にとって一番大切なもの?一体なんだろう。
僕はその疑問を胸に、今年最初の眠りにつくのだった。
END
26 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:41:57.31 ID:CzY7SUXF0
>>25 ホンットごめんなさい・・・orz
まさか屋根に割り込んでしまうとわ・・・
でも生で読めて嬉しいです
27 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:46:31.83 ID:+k8Sf6A8O
>>25 祝!屋根100話達成\(^^)/
スレ一番の長寿物語にこれからも繁栄アレ。
そしてベジータレポートに少なからず期待してみる。
28 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 02:48:49.08 ID:wcGrQ8/BO
>>19 ラプラスがまともな扱いだ…
>>25 リアルタイムで屋根ktkr。起きてた甲斐があったぜ。
振り袖メイデン可愛いなあ。神絵師に期待wwww物語もそろそろ佳境か?
ともあれ百話おめ!益々期待してます。
29 :
閉鎖まであと 2日と 18時間 :2007/01/21(日) 03:16:14.90 ID:HLvN2Z0B0
>>25 リアルタイムで初めて屋根拝見したぜ。百話おめ!!
やはり筆者は萌え要素をよく分かってらっしゃる。さり気なく銀様の言葉に噴いたww
振袖着たきらきーにやられたよ。GJ!!
そして何気なくローゼンからの手紙が…『一番大事なもの』とはもしや『の○姉』をはじめとした桜田一家!?ローゼン家との別れフラグが立つような予感も…。
とにかく物語りは佳境へと入って行くね。座して待つぜ!
とにかくGJ!!
30 :
閉鎖まであと 2日と 16時間 :2007/01/21(日) 04:06:28.69 ID:+k8Sf6A8O
保守
31 :
閉鎖まであと 2日と 15時間 :2007/01/21(日) 05:06:41.06 ID:QwfdH2Uy0
ほしゅ ついに100話か 今後とも楽しみだ
32 :
閉鎖まであと 2日と 14時間 :2007/01/21(日) 06:03:59.66 ID:yCChyTotO
保守
「ねえ・・ジュン君・・・」 一人の少女がお酒をどんどんと飲み干していく男に話しかけた。 「ウルs・・・。」 男は頭の2音を強く、叫ぶように発言し、我に返ったか語尾はいきなり静かになった。 部屋には一瞬の沈黙。そして男はバツが悪そうに、目を丸くしていた少女に言う。 「悪い…またどなるところだった…。」 ジュンは本人が望まない親の七光で入社した会社の2年目。 ―仕事ができる人間で、↑のようなことはあまり関係なかったが―本人は望まない待遇をされていた。 それは同期から―はたまた追い抜かれた穀つぶしの元・上司からすれば面白いわけはなく。 ―悩んでいる日々。 「ううん…いいよ。僕でよければなんでも話して。」 ―それを少女は献身的に助けた。 ―嗚呼、坂を転げ落ちるように → 終 ← 妬みと怒りは積み重なりすべり落ちる La...La....La....それでも世界は待ってくれない La...La....それでも時間は待ってくれない La...La...La....La............それ故に― †the beautiful ××׆ Lala…世界の終焉を…Lala…皆で唄いましょう…
34 :
閉鎖まであと 2日と 13時間 :2007/01/21(日) 07:06:18.74 ID:P7wF1xdMO
36 :
閉鎖まであと 2日と 12時間 :2007/01/21(日) 08:14:04.30 ID:KI376juCO
保守
37 :
閉鎖まであと 2日と 11時間 :2007/01/21(日) 09:07:59.61 ID:KI376juCO
保守
38 :
閉鎖まであと 2日と 11時間 :2007/01/21(日) 09:53:46.88 ID:jxtOKeuvO
ほ
39 :
閉鎖まであと 2日と 10時間 :2007/01/21(日) 10:05:53.05 ID:lWVuF9X90
>>25 いつもと変わらない幸せな日常に見えて、最後の手紙がこれからの波乱の幕開けな気がしてなりません。
いつの世も子は親に翻弄されるものですが、人はいつまでも子供じゃない。
これからJUMの一挙手一投足に、ますます目が離せませんね。
続きwktkしております。
40 :
閉鎖まであと 2日と 10時間 :2007/01/21(日) 10:35:26.58 ID:KI376juCO
保守
ほ
42 :
閉鎖まであと 2日と 9時間 :2007/01/21(日) 11:09:38.03 ID:c20bUCqb0
ほ
43 :
閉鎖まであと 2日と 9時間 :2007/01/21(日) 11:39:01.60 ID:pQUGZtECO
し
44 :
閉鎖まであと 2日と 8時間 :2007/01/21(日) 12:26:48.09 ID:ZA6GVj4V0
「ちょっとなによJUMぅ〜こんなとこに連れてきてぇ〜」 僕は水銀燈を屋上に引っぱってきた。伝えたい事があるからだ 「あ…あのな……?」 やっべ…いざ言おうとすると緊張するな…僕がそんなことを考えてるうちに水銀燈がニヤニヤしながら喋りかけてきた 「…はは〜ん、もしかして愛の告白ぅ〜?」 図星だった。あからさますぎだったか?ともあれ、ばれちゃ仕方がない。さっさと言ってしまおう もう頭の中で何回この状況をシミュレートしたことか。うん、このパターンも悪くない 「す…水銀燈!!」 「ひゃん!」 僕は勢いよく彼女の肩をつかんだ。そして彼女の瞳を見つめながら言った 「ぼっ僕は…!お前のことが好きだ!!好きなんだ!愛してる!!てか1万年と2千年前から愛してる!! だから、僕と付き合ってくださいっ!!」 「…JUM…///」
45 :
閉鎖まであと 2日と 8時間 :2007/01/21(日) 12:27:27.62 ID:ZA6GVj4V0
>>44 よっしゃ!!手応えありだ。水銀燈の赤く染まった顔を見ればわかる。これで僕らは晴れて恋人同士ってわけか……なんか照れるな///
…あとは彼女の返事を聞くだけだな
「…水銀燈……ダメかな?」
「JUM…あなたの告白…すごく嬉しいわぁ〜///」
「じゃあ…!」
「でも、あなた今アクエリネタを使ったわね?使ったわよねぇ?」
「……へ?」
「おバカさ〜ん♪そのネタは既出なのよぉ〜そんな既出ネタな告白じゃあ私は納得しないわよぉ〜♪
今度はネタが被らない告白のセリフで告白してねぇ〜♪じゃあ〜ねぇ〜♪」
そう言って水銀燈は帰っていってしまった。僕は彼女のセリフの意味を考えた、そしてやっと理解できた
つまり…やり直しってこと……?
「ふっ…ふざけんなあぁぁぁぁぁっっ!!!アクエリネタぐらい使ったっていいじゃねえぇかよおぉぉぉっっ!!!!」
僕は叫んでしまった。てか、叫ばないとやってられなかった
結論:アクエリオンって良い歌だよね
おわり
46 :
閉鎖まであと 2日と 7時間 :2007/01/21(日) 13:28:00.33 ID:P7wF1xdMO
>>44 タイトルがいいw
数学と理科の合間に保守
47 :
閉鎖まであと 2日と 7時間 :2007/01/21(日) 13:29:08.16 ID:b5u3pG47O
一億と二千年前から保守
48 :
閉鎖まであと 2日と 7時間 :2007/01/21(日) 13:52:55.60 ID:P7wF1xdMO
今日はセンター2日目。 僕は数UBを受けないのでTAが終わって昼飯を食ってから学校で勉強しようと思い、試験場を離れた。 (・・・次は理科Aか) ふぅと溜め息をつく。 試験場となっている大学の正門まで歩いている途中で・・・ -ハチミツレモンキャンディ Brake time- ジ「あ・・・」 彼女が手を振る。 薔「・・・もう帰るの?」 ジ「理科まで間あるから。学校で勉強しようと思って」 薔「・・・そっか」 ジ「数学?」 薔「・・・うん」 ジ「じゃあ、頑張ってこいよ」 薔「・・・うん♪」 ジ「はいコレ」 僕はキットカットを2つ彼女に手渡した。 薔「・・・ありがと♪頑張ってね♪」 ジ「うん。それじゃあ」 彼女はコクリと頷いて試験場へと向かって行った。 (頑張れよ) もう一度、彼女へエールを送りつつ僕は正門を抜けた。
49 :
閉鎖まであと 2日と 7時間 :2007/01/21(日) 13:56:13.48 ID:P7wF1xdMO
Wikiの感想スレでのご評価ありがとうございました。 文体は遠い昔チックですが実は現在進行形だったりしますw 一部作ってますが8割型は実話ですので。 3月にまた書く機会が生まれると思いますのでよろしくお願いします。
50 :
閉鎖まであと 2日と 7時間 :2007/01/21(日) 13:58:47.80 ID:0XcsjTYF0
センター試験当日 受験場所の大学の門では、予備校のバイト連中がアメやらカイロやらを配っている。 「アメをどうぞー。頑張ってくださいねー」 翠「まあったく、ふざけるなです! こちとら一生がかかっているのに、縁起が悪いにも程があるです!」 蒼「じゃあ、何でわざわざ往復して二つも貰ったの…?」 雛「翠星石、そのイチゴアメいらないの? 雛にちょうだーい」 翠「誰がいらないと言ったですか! ええい、次はいよいよ理科だから気合入れなきゃです。チビ苺、そのアメよこせです!」 雛「あーん、雛が貰ったのにぃ!」 予備校行かなかったけど何度もアメを頂いてごめんなさい。そのアメのお陰で私は頑張れました。 今年受験される皆さんも頑張ってください。幸運を祈ります。
51 :
閉鎖まであと 2日と 6時間 :2007/01/21(日) 14:04:23.00 ID:P7wF1xdMO
>>50 予備校よりレオパレスみたいな賃貸屋が多かった保守
52 :
閉鎖まであと 2日と 5時間 :2007/01/21(日) 15:09:58.92 ID:lWVuF9X90
保守
53 :
閉鎖まであと 2日と 5時間 :2007/01/21(日) 15:12:11.37 ID:0XcsjTYF0
JUM「おかしいな…何で誰も来てないんだ?」 梅岡「やあ、桜田。早いじゃないか」 JUM「げっ」 梅岡「それにしても他の奴ら、遅いな」 センター初日で受験場所を間違えて予定地の隣にあった女子大に入ってしまったのもよい思い出 ちょうど自分の高校の先生も場所を間違って同じ所にいたから助かったが
54 :
閉鎖まであと 2日と 5時間 :2007/01/21(日) 15:43:26.41 ID:yuhG6OzHO
なにこのスレキメェ^^;;;;;;;;;;;
55 :
閉鎖まであと 2日と 4時間 :2007/01/21(日) 16:14:46.69 ID:c20bUCqb0
ほ
56 :
閉鎖まであと 2日と 4時間 :2007/01/21(日) 16:17:19.03 ID:WDo1P1WI0
しゅ
58 :
閉鎖まであと 2日と 3時間 :2007/01/21(日) 17:36:35.57 ID:P7wF1xdMO
センター終了保守
59 :
閉鎖まであと 2日と 2時間 :2007/01/21(日) 18:05:22.71 ID:+k8Sf6A8O
♪大嫌いだったそばかすをちょっと一撫でして溜め息をひとつ ヘヴィー級の恋は見事に角砂糖と一緒に溶けた み「この曲聴くと思い出すなぁ…」 金「何をかしらー?」 み「私が中学の頃の初恋の人の事…」 金「えぇ!?そんなの初耳かしら〜!そ…それでどうなったのかしら〜!?」 み「結局私に勇気がなかったから先に彼女作っちゃってそれっきり…そのまま卒業しちゃった。」 金「そう…かしら…」 み「初めての失恋だったから…悲しかったなぁ… そんな時ラジオでこの曲を聴いてね…目一杯大声で歌ったっけ…そしたらスッキリしちゃって元気が出たの。」 金「へ〜、じゃあこの曲はみっちゃんの思い出の曲なのね〜。」 み「そういうこと♪」 金「うん…みっちゃんなら絶対に素敵なお相手が見つかるかしら♪ こんなに素敵なんだもん、カナが保証するかしら♪」 み「ふふっ、ありがとう。 …あぁっ!!」ガタッ! 金「ど…どうしたかしら!?」 み「昨日ネットオークションで目を付けておいたお洋服…落札期限まであと一時間だ!!」 金「えぇっ!?」 み「いぃよっしゃあ〜!!何円かかろうが絶対落としてみせるわよ〜♪」カタカタ… 金「みっちゃん…この調子じゃ春はまだまだ先になりそうかしら…はぁ…」 そんな仲良しな2人の日常の一コマ…
60 :
閉鎖まであと 2日と 2時間 :2007/01/21(日) 18:34:30.94 ID:GDXxQJbSO
>>59 こういうのいいなぁ
もしかして実体験だったり?wwww
61 :
閉鎖まであと 2日と 2時間 :2007/01/21(日) 18:37:56.23 ID:+k8Sf6A8O
>>60 ほぼ実話だが俺の時はTOKIOの「フラれて元気」でした…
62 :
閉鎖まであと 2日と 2時間 :2007/01/21(日) 18:59:30.57 ID:sfKjk8CKO
ほ
63 :
閉鎖まであと 2日と 1時間 :2007/01/21(日) 19:16:12.89 ID:+k8Sf6A8O
草笛家の月末の風景… み「……」 金「……」 2人は無言で夕食を食べる。本日のメニューは揚げたパンの耳(パン屋でタダで貰ってきたもの)だ… み「ごめんね、カナ…」 金「みっちゃん…謝るならまずその浪費癖を直してほしいかしら…」 み「……返す言葉もありません… …あら?」 みっちゃんはTVに目を向けた TV『捕ったどー!!』 そこではいきなり黄○伝説、芸能人節約バトルが放送されており、濱○がモリを片手に雄叫びを上げる様が映し出されていた み「……これだわ…」ガタッ 金「みっちゃん?」 み「モリとウェットスーツ…買って来なきゃ…ブツブツ」 金「みみみっちゃん!?やめるかしら!いくらなんでもこの時期海に入るのは自殺行為かしら!!」 み「待っててね、カナ。絶対おっきな魚捕ってくるから…(にっこり)」 金「みっちゃあああぁぁ〜ん!!お願いだから正気に戻ってかしらああああぁぁぁ〜!!」 結局海に出ようとしたみっちゃんを金糸雀が後ろからフライパンで殴り倒し事なきを得たそうな… そんな生活の中でも2人は仲良しのベストコンビです。
64 :
閉鎖まであと 2日と 1時間 :2007/01/21(日) 19:56:25.91 ID:b5u3pG47O
みっちゃん思考のレベルがカナより低いよ… 保守
65 :
閉鎖まであと 2日と 0時間 :2007/01/21(日) 20:25:18.04 ID:yqkLPHfmO
バカなみっちゃんもかわいいよ
66 :
閉鎖まであと 2日と 0時間 :2007/01/21(日) 20:25:28.87 ID:9sUwMO800
保守age
67 :
閉鎖まであと 2日と 0時間 :2007/01/21(日) 20:53:26.22 ID:KI376juCO
保守
68 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:04:39.72 ID:x+hJc/SAO
(´・ω・`)「やあ、此処はBAR:Aliceさ」 (´・ω・`)「今日も『何か』を求めて、人はやってくる…」 -チリーン (´・ω・`)「おや? エンジュじゃないか」 エンジュ「やぁ、マスター…」 (´・ω・`)「元気がないな…」 エンジュ「ああ…実は娘の事なんだ…」 (´・ω・`)「娘さん…薔薇水晶ちゃんか…」 エンジュ「ああ…薔薇水晶がな…最近明るいんだよ」
69 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:09:57.32 ID:x+hJc/SAO
>>68 (´・ω・`)「え…」
エンジュ「驚くだろ? まだ薔薇水晶が小さい時に此処へ来た時なんか、無口で、無愛想な子だったんだ」
(´・ω・`)「いい事じゃないか」
エンジュ「ああ…だが、薔薇水晶が明るくなったのは良いんだ。だが私はそれが寂しい」
(´・ω・`)「…」
エンジュ「薔薇水晶が明るくなったのは、彼女のボーイフレンド、桜田君のお陰なんだ。桜田君は悪い子じゃない、だが…」
(´・ω・`)「薔薇水晶ちゃんがその桜田君に心惹かれ、徐々に君から離れ始めていってる…そう言いたいのかい?」
70 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:15:00.14 ID:x+hJc/SAO
>>69 エンジュ「ああ…」
(´・ω・`)「確かに男手一人で育てた一人娘だものな」
(´・ω・`)「だが、エンジュ…全ての生き物には巣立ちという言葉がある」
エンジュ「巣立ち…?」
(´・ω・`)「そうだ。鳥を見てみようか、彼らは産まれてから少し経つまでは親からの餌で生きている」
(´・ω・`)「しかし、ずっと親に依存している訳ではないんだ。彼らは直に飛ぶ事を覚え、食べ物を得る術を覚える」
エンジュ「そして、彼らは親となり、子供達に受け継がれるのか…」
71 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:20:19.40 ID:x+hJc/SAO
>>70 (´・ω・`)「その通り。生き物はいずれ死ぬ。死ぬまで親に依存すると生きることは出来ない」
エンジュ「だから薔薇水晶も、私の元を離れ、桜田君の元へ向かうのか…」
(´・ω・`)「そういう事さ」
(´・ω・`)「もし、薔薇水晶ちゃんと桜田君が結婚したら、その間に孫が産まれるだろう? そしたら、今度はお孫さんに愛情を注げば良いじゃないか」
エンジュ「マスター…」
(´・ω・`)「実は、今日薔薇水晶ちゃんも来たんだよ」
エンジュ「え?」
72 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:25:08.60 ID:x+hJc/SAO
>>71 (´・ω・`)「薔薇水晶ちゃんは、何時も桜田君とべったりしているから寂しいのかな? 何か親孝行出来ないかな? って、僕に聞きに来たんだ」
エンジュ「薔薇水晶…」
(´・ω・`)「だから僕はこう言った。
『桜田君と仲良くして、精一杯生きる事』ってね」
-チリーン
薔薇「すいませんマスター…お父さ…」
エンジュ「薔薇水晶…」
ジュン「エンジュさん…」
エンジュ「桜田君…」
薔薇「あのね、父さん」
エンジュ「言わなくてもわかっているよ、桜田君と結婚したいんだろう?」
73 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:29:37.96 ID:x+hJc/SAO
>>72 薔薇「え…何で…」
エンジュ「分かるよ。私はお前の父親だぞ? 娘の好きな人くらい、分からないはずもないさ」
薔薇「じゃあ父さん…」
エンジュ「しかしここから先は、桜田君の口から聞きたいな。私の娘の騎士から、娘を守り通せると誓って欲しいんだ」
ジュン「はい…エンジュさん…娘さんを…薔薇水晶を…僕に下さい!!」
エンジュ「ああ…桜田君…娘を頼むぞ」
エンジュ「それと薔薇水晶、桜田君に迷惑を掛けない事」
ジュン&薔薇「はい」
74 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:32:11.61 ID:x+hJc/SAO
>>73 (´・ω・`)「じゃあ、新しい夫婦が生まれたんだ。僕がみんなにカクテルを奢るよ」
エンジュ「ああ、宜しく頼む」
(´・ω・`)っ【カクテル×3】
(´・ω・`)「新たなる夫婦の船出と、その幸せな父親に…」
全員「乾杯」
75 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:36:18.29 ID:x+hJc/SAO
>>74 そして時は過ぎ、薔薇水晶は子供を産んだ。
名前は雪華綺晶
薔薇水晶と桜田ジュンは、その娘を愛した
そしてその雪華綺晶は、二人の愛情をうけ、すくすくと育った。
ある日、私は雪華綺晶に、二人の結婚前の話をした
その話を聞いた後、彼女はこう私に聞いた
「お祖父ちゃんは、今とっても幸せ?」
BAR:Alice
終
76 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:40:32.93 ID:x+hJc/SAO
>>75 とりあえず投下しました
タイトルは、BAR:Aliceです
元々はもっと短い話にしようと思ったんですが、話を作っていくと長くなってしまい、長編なのか短編なのかよく解らない長さになりましたがとりあえず長編です。
親バカなエンジュを、ちょいと格好良くしようと思ったんですが…やっぱり親バカは親バカか…
暴走を押さえるのが精一杯でした
77 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:41:41.04 ID:Zl8PRTjg0
マスター、あんたいいこと言うぜ…(´;ω;`)
(ったく何で今日に限って・・・) 適当に掃除を終わらし、家路についた。今日は買い物をしなくちゃいけない。 スーパーで適当に材料を見繕って今日の献立を決める。今日は鰻が安い。 J「久々に鰻でも食うか」 僕は半額シールが張られた鰻の蒲焼きを籠に入れてレジへと向かった。その途中で水と紅茶を籠に入れ、最後にレジの所のガムで締める。 夕方の忙しい時間―レジはどこもかしこも込み合っていた。 比較的空いているレジへと滑り込み、あとは会計を済ますだけ。 (・・・あれ?) ふと前に目をやるとどこかで見たことのある綺麗なアッシュブロンドの女性が一人。 J「水銀燈さん?」 彼女が振り向く。やっぱりそうだ。 銀「あらぁ。JUN君じゃなぁい。お買い物?」 J「えぇ。晩飯を買いに」
79 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:55:14.84 ID:lWVuF9X90
80 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:55:25.84 ID:0XcsjTYF0
81 :
閉鎖まであと 1日と 23時間 :2007/01/21(日) 21:55:23.48 ID:P7wF1xdMO
>>78 銀「今日は鰻みたいねぇ・・・それにしてもあなた嗜好品ばっかりねぇ」
J「まぁ、紅茶は自分で入れますからね。コーヒーは自分じゃうまく出来ませんし、美味しいエスプレッソを入れてくれる人がいますからw」
そう言って彼女に微笑みかける。彼女はもう会計を済ませているが、まだ会話の流れを止める積もりはないようだ。
銀「ふふっ。ありがとねぇ。でも誉めてもワンドリンクサービスはないわよぉ」
J「わかってますよwところで水銀燈さんは、何を買いに?」
銀「私も晩御飯のお買い物よぉ。今日は私が作る番でねぇ・・・めんどくさいけどサボると妹が怖いのよぉ」
J「大変ですねwその点僕は一人で気が楽ですけどw」
銀「え?あなた一人暮らし?」
J「そうですよ。両親も姉も今は海外にいますから」
彼女はキョトンとしていた。
82 :
閉鎖まであと 1日と 22時間 :2007/01/21(日) 22:06:13.52 ID:P7wF1xdMO
>>81 僕も会計を済まして、晩飯の鰻やらを袋に詰めるとスーパーを出た―会話は、止まらない。
銀「偉いわねぇ。何でも一人でやるなんてぇ」
J「慣れたら大した事ないですよ。それに自分自身で全てを管理できるんで気が楽ですしね」
銀「そぉ?聞いてるだけだと楽には思えないわぁ」
J「考え方や感じ方を変えるだけですよ。少しでいいんです。結構楽しいもんですよ?」
銀「じゃあ私も少し変えてみようかしら?」
J「是非そうしてみて下さいw」
その後も歩きながら自分達の話をしていた。
水銀燈さんは妹さんと2人暮らし。小さい時に母親が他界し、父親は今僕と同じく海外にいるそうだ。
(何だろう・・・凄く楽しい)
そんなことを思っていると道の分岐点に差し掛かる。
銀「じゃあ私はこっちだから。またねぇ」
J「また明日にでも」
銀「ちゃんと学校行きなさいよぉ?w」
J「わかってますよwそれじゃあ」
83 :
閉鎖まであと 1日と 22時間 :2007/01/21(日) 22:17:40.74 ID:P7wF1xdMO
>>82 彼女と別れてからすぐに家につく。あの分岐点からは近い。
僕は家のドアを開け、何時ものようにリビングへと向かう―少しばかりの違和感と共に。
(何だろ・・・この寂しい感じ・・・)
あまり感じたことのない気分だった。普段からあまり人付き合いをしない僕にはよくわからなかった。
袋から買って来た鰻をテーブルに置き、水は冷蔵庫へ、紅茶は棚へと片付けていく。
その後からご飯を1合炊き、鰻を電子レンジで暖める。
予め茹でておいたほうれん草にだし醤油を少しかけて準備完了。
J「いただきます」
夏バテを吹っ飛ばす・・・と言っても一年中やる気が無いのは変わらないが。
黙々と箸を進めるにつれ、またさっきの違和感が僕を覆う。
(なんか・・・虚しいな・・・)
昼間考えてた事が頭に蘇る。
今まで考えたり思ったりしたことのなかった事や、今まで感じることのなかった感覚が僕の頭の中で再生されていく。
84 :
閉鎖まであと 1日と 22時間 :2007/01/21(日) 22:18:22.40 ID:P7wF1xdMO
今日はここまで。 感想挟んでしまって申し訳ない。
85 :
閉鎖まであと 1日と 22時間 :2007/01/21(日) 22:21:07.05 ID:+k8Sf6A8O
昼休み… 金「わ〜い、今日のお弁当は豪華かしら〜♪」 雛「ふぇ〜、エビフライにエビチリ…エビさんがいっぱいなの〜。」 ジ「…」 金「ん、ジュンどうしたかしら〜?」 ジ「い…いや、何でもないよ、美味そうだな、ははは…」 金「もしかしてカナのお弁当が欲しいのかしら?それなら分けてあげてもいいわよ?」 ジ「い…いや、いいよ、ありがとうな。」 金「そう…ならいっただっきまーすかしら〜♪」パクッ 金「ん〜、美味しいかしら〜♪」 ジ「……」 ジ(言えない…昨日みっちゃんさんが近所の用水路で大量のザリガニを釣ってたなんて…)
86 :
閉鎖まであと 1日と 22時間 :2007/01/21(日) 22:36:18.91 ID:ySuMPMfc0
そういや「僕のSCHOOLLIFE]ってどうなったん?
87 :
閉鎖まであと 1日と 22時間 :2007/01/21(日) 22:36:40.66 ID:b5u3pG47O
88 :
閉鎖まであと 1日と 22時間 :2007/01/21(日) 22:48:22.21 ID:CzY7SUXF0
>>76 かっこいいのにマスターにふいてしまったwww
>>84 一人暮らしは寂しいものがある
その感情がうまく表現されてて良いと思いますた
>>85 みっちゃん(´;ω;`)
89 :
閉鎖まであと 1日と 22時間 :2007/01/21(日) 22:59:00.94 ID:reVZym920
>>76 マスターいいこと言うね
>>84 文章中にwを多様するのがちょい不自然に思う 内容がいいだけに勿体無い
>>85 肺臓ジストマでぐぐれ 十分な加熱をしないと金糸雀が血を吐いて死ぬぞ
90 :
閉鎖まであと 1日と 21時間 :2007/01/21(日) 23:21:48.41 ID:Zl8PRTjg0
>>86 名前欄のことで住人から叩かれそのまま消滅。
91 :
閉鎖まであと 1日と 21時間 :2007/01/21(日) 23:22:49.50 ID:+k8Sf6A8O
みっちゃんがお家で恋愛映画を見ています み「うぅっ…ぐすっ…いい話だよぉ…」 鑑賞終了後… み「あ〜、私もあんな恋してみたーい♪」 『ガチャッ』 金「ただいまかしら〜♪」 み「あ、お帰りなさいカナ。今日はどこに行って来たの?」 金「うん、ジュンと2人で映画観に行って来たかしら♪」 み「えっ!?」 金「その後お食事して…ショッピングして…疲れたから少しジュンの家で休んで来たかしら。」 み「……」 金「あら?みっちゃん…映画見てたのかしら?」 み「え?あぁ、うん…」 金「あぁ、この映画前に見たけど夢見過ぎかしらー。こんな展開あるわけないのかしら〜♪」 み「……」 金「夢見る乙女もいいけど、もう少し現実を見るべきよねー。 ね?みっちゃん♪」 み「そ…そうね…あははははは…」 金「あははははははは♪」 み「あはははは…はぁ…」 み(その日、私は涙で枕を濡らした…)
※あらすじ:薔薇水晶の退屈しのぎにジュンがつきあうよ 少女が刃を突き立てた。 何に?――己の、身体に。 膨らんだ腹部からだらだらと体液が零れ出す。 彼女は痛みを放り捨てて、その胎内から赤子を取り出した。 まだ、繋がっている。 細い肉の管で結ばれている。 膝を地に付き、虚空を見据え――狭い部屋の、人工の太陽に照らすように子を掲げた。 ――おぎゃあ、おぎゃあ。 少女は、そのようにして産声を上げた。 「あなたはこうして生まれたの。かわいいべいびー、私のべいびー」 「ぴよぴよ」 「どう考えてもひよこの誕生シーンじゃない。猟奇だしおぎゃあ言うし卵じゃないし」 「だめ。妊婦さんをいたわるコメントがない。そんなんじゃ素敵なパパになれないよ」 「ひよこです」 「ひよこだな」 「そのへんでぴょこぴょこ歩いてた。ひよこ鑑別師ごっこして遊ぼうとしたら」 「僕が通りかかったと。ひよこ放り投げるとか普通に動物虐待だぞ、薔薇水晶」 「未遂だもん。なんだなんだ、ジュンだってほんとはひよこを投げたいくせに」 「可哀想だろ」 「いまさら父親気取り? ふざけないで」 「何の話だよ」 「この子私の子。私の子はジュンの子。コーラで洗ってもだめじゃんうそつき」 「今時そんなDQN避妊法信じる馬鹿はいない。大体、それ以前に身に覚えが」 「ぴぃぴぃ」 「……可愛いな」 「だよねー」
93 :
閉鎖まであと 1日と 21時間 :2007/01/21(日) 23:23:37.32 ID:P3HJgOjP0
冒頭部分は休憩所のネタ出しスレ47から拝借。多謝。
94 :
閉鎖まであと 1日と 21時間 :2007/01/21(日) 23:28:55.16 ID:lWVuF9X90
95 :
閉鎖まであと 1日と 21時間 :2007/01/21(日) 23:30:13.95 ID:ySuMPMfc0
今のうちに、こっそりと……。 タイトル未定の第十一話。 100スレ目【No Title】116 - 123 の続きになります。 三行あらすじ 好きだと言って 天使になって そして笑って、もう一度―― けれど、彼女の願いは見えざる壁に阻まれて、姉の心に届かないのでした。 一応 NGワード:yuriyuri
夕食の席に、見慣れた姉の姿はなく―― (どうしてなの?) 蒼星石の心は、言いようのない虚しさに包まれていた。 瞼を閉じると姉の寂しげな顔が浮かんできて、なんとなく、食欲も湧かない。 「翠ちゃん、具合悪いって言ってたけど……大丈夫かしらねぇ」 「近頃、めっきり寒くなってきたからのぉ。風邪でもひいたんじゃろう」 心配そうに呟いた祖父母が、揃って天井を見上げた。 それが、今、翠星石がここに居ない理由。 彼女は気分が優れないからと告げて、食事もせず部屋に籠もってしまったのだ。 もちろん、そんな言い訳がましい戯言を、鵜呑みにする蒼星石ではない。 昨夜の自分の行為が、姉をひどく傷付けてしまったと察して、胸を痛めていた。 (でも……あれは姉さんが、ボクから離れていっちゃうから) 引き留めたくて、焦っただけ。ほんの少し、擦れ違っただけ。 全ては、些細な誤解。落ち着いて話をすれば、きっと解り合えると思っていた。 だって二人は、産まれる前から、ずっと一緒だったのだから。 ――けれど結局、その日の内に、姉妹が言葉を交わすことはなかった。 第十一話 『かけがえのないもの』
>>97 明けて、月曜日の朝。
蒼星石は普段より1時間も早く、目を覚ました。まだ寝惚けている頭が、重い。
額に手を当てて、無造作に前髪を掻き上げながら、欠伸をかみ殺した。
「……眠ぃ。姉さん…………もう起きてるかな」
のそのそとベッドを抜け出し、ドアノブに指をかけたところで、ふと考えた。
ドアを開けた途端、そこにビックリ顔の翠星石が立っているのではないか、と。
しかし、蒼星石の案に反して、廊下には誰も居なかった。
姉の部屋を見遣ると、ドアが開いていた。もう起きているようだ。
であれば、洗面所か台所で、翠星石と会えるかも知れない。
そう思うと、期待に胸が躍る一方、不安で階段を降りる足取りが鈍った。
(姉さんの哀しそうな顔を見るのは、つらい。でも、だからこそ会わなきゃ!)
ぎこちなくてもいい。
『ごめんなさい』でも『おはよう』でも……なんなら『やあ』でも構わない。
とにかく、たった一言でもいいから、話をしたかった。
それをキッカケに仲直りができるのであれば、どんな言葉でも――
しかし、決心したつもりでも、洗面所から水音が聞こえた途端、足は竦んでしまう。
ここまで来て、躊躇うなんて情けない。蒼星石は廊下で深呼吸して、気を落ち着かせた。
そして…………すだれを掻き分け、洗面所に踏み込んだ。
「ん? おや、蒼星石かい。どうしたんじゃ。姉妹そろって、今朝は早いのう」
「あ……おはようございます、お祖父さん」
蒼星石の肩から、力が抜ける。洗顔していたのは、祖父だった。
となると、翠星石は今、朝食を摂っている頃だろうか。
>>98 今度は、会いたいと思う気持ちの方が勝った。
蒼星石にとって、翠星石は自分の半身に等しい、かけがえのないもの。
それを取り戻したいと、本気で思っているならば、恥も外見もない。
顔を洗った蒼星石は、もう微塵も迷わず、足早に台所を目指した。
しょんぼりした顔でトーストを囓る姉の姿を想像したら、じっとなんかしていられない。
祖母が一緒だとしても、憚る所なく昨夜のことを謝るつもりだった。
だが、勢い込んでいた蒼星石は、またしても肩すかしをくらった。
「おはよう、蒼ちゃん」
台所で弁当を作っていた祖母が、にこやかに振り向いて挨拶してくる。
食卓に、翠星石は居なかった。
「おはよ。姉さんは?」
「翠ちゃんなら、もう出かけたわよ。お弁当が出来てないから待ってと言ったんだけど、
それなら購買でパンを買うからいらない……って」
「……そう。どんな様子だったの?」
「昨夜より具合は良くなったみたいだけど、まだ元気なかったわねえ」
ひょっとして、本当に体調が優れないのだろうか?
けれど、翠星石は意地っ張り。そして、ヘソ曲がりでもある。
追いかけて欲しくて、わざと忌避の態度をとることも、ままあった。
その可能性は、半々といったところだろう。
だったら、逃がさない口実を手土産に、追いかけるのみ。
幸いなことに、口実は蒼星石のすぐ目の前にあった。
「ねえ、お祖母さん。お弁当、ふたつ作って。ボクが姉さんに届けるよ」
>>99 朝食を済ませ、あれこれと身支度を整えて、蒼星石は勢いよく玄関を出た。
今度こそ翠星石と向かい合って、きちんと気持ちを伝えなければならない。
このまま互いの距離が不自然に広がってしまうのは、耐え難い苦痛だった。
小走りに学校を目指す蒼星石のカバンの中で、ふたつの弁当箱が揺れ、カタカタ鳴った。
あまり激しく揺らしては、中身が踊って、メチャクチャになってしまう。
そんな弁当を渡したら、仲直りどころか、また姉に難癖つけられるだけだ。
(まだ遅刻する時間でもないし、ゆっくり行こう)
焦らず騒がず、歩きながら考えればいい。会ったときに、話すことを――
蒼星石は足を緩めて、カバンの中の弁当に意識を向ける。
束の間、よそ見した彼女は、脇道から歩み出てきた人に気付かず、ぶつかってしまった。
「うわっ、ごめんなさいっ!」
「こちらこそ、すみま――って、蒼星石さん?」
「あれ? 柏葉さん。どうしたのさ、こっちに来るなんて」
巴の家からだと、こっちは学校と反対の方角だった。
いつものように竹刀を肩に掛けた巴は、礼儀正しく「おはよう」と頭を下げる。
そして、挨拶を返す蒼星石に、理由を話し始めた。
「お節介だとは思うんだけど、やっぱり気になってしまって……。
翠星石さんとは、仲直りできた?」
「それが……なかなか機会に恵まれなくてね。まあ、歩きながら話すよ」
蒼星石は巴と並んで歩きながら、これまでの経緯を、かいつまんで語った。
姉が一向に機嫌を直さないことや、心労からか、体調を崩しているらしいことも。
>>100 翠星石が体調不良というくだりでは、巴も心配そうな顔をした。
「最近、寒いものね。わたしも、アノ日が近いから気が滅入ってて」
「そうなんだ? ボクは――」
言いかけて、蒼星石はひとつの可能性に気付いた。
姉の不機嫌は、女の子にしか解らない月のモノの苦しみも、影響しているのではないか。
どちらかと言うと、翠星石はアレが重い方で、しばしば痛み止めを服用していた。
指折り数えてみても、そろそろの筈だ。
(……謝るついでに、それとなく訊いてみよう)
どんな状況であれ、蒼星石にとって大切な姉であることに、変わりはない。
蒼星石は両腕でカバンを抱きかかえ、翠星石の身を案じた。
早朝の教室は生徒も疎らで、ひんやりした空気が立ちこめている。
まだ、校舎も眠っているのだろう。生徒たちの歓声が、校舎にとっての目覚ましなのだ。
翠星石は、窓辺の席で頬杖をつき、ぼんやりとグラウンドを眺めていた。
時折、思い出したように溜息を漏らす。他人の接近を拒む、沈鬱な気配。
そこだけが、周囲の世界から切り離されているようだった。
「あぁら。月曜日っから、随分とひどい顔してるじゃなぁい」
「……ふぇ?」
顔を向けた先には、妹のクラスメートで、翠星石の友人でもある水銀燈の姿。
彼女はいつもの不敵な笑みを浮かべながら、腰に手を当てて立っていた。
からかう為に、わざわざ、ふたつ隣の教室から足を運んだ訳ではあるまい。
>>101 「何しに……来たです?」ぷいっと顔を背け、翠星石は校庭を見ながら、ぶっきらぼうに訊ねた。
そんな彼女の態度を意にも介さず、水銀燈は机の前に回り込む。
「土曜日のことなんだけど、ちょっと蒼星石に相談されちゃってね」
「そーですか。蒼星石とはケンカなんてしてねぇですから、心配してくれなくて結構です」
嘲るような眼差しで、水銀燈は、そっぽを向く翠星石の横顔を見つめる。
「ケンカする内は、仲が良い証拠よ。でも、不機嫌の理由は……それだけ?」
「……なんでも、お見通しですか」
鼻先で憂鬱そうに溜息を吐き、翠星石は腹部に手を遣った。
「実は……いつもより重いのです」
「大丈夫なの? 私、よく効く薬を持ってるわよ。あげましょうか」
「もう自分のを飲んだです」
「ムリしない方がいいわ。保健室で休んでるか、ひどい様なら病院に行きなさいな」
水銀燈の気遣いはありがたかったが、そこまで大事にする気もない。
やんわり断ろうとした翠星石は、何気なく目を向けた校庭に、二人の姿を認めた。
仲良さそうに語らいながら登校する、蒼星石と巴を――
――途端、翠星石の胸の奥底が、ズキリと疼いた。
翠星石にとって、蒼星石は大切な存在。かけがえのないもの。
本当は、すぐにでも会いたい。もう一度、姉さんが必要だと言って欲しい。
だが、拒絶の言葉を叩きつけた今となっては気まずくて、顔を合わせ辛かった。
「…………やっぱり、ちょっと保健室で休ませてもらうです」
少し、気持ちを整理する時間が必要なのだ。それがきっと、お互いのため。
自分に言い訳しながら、翠星石は水銀燈に付き添われて、教室から逃げ出した。
第十一話 おわり 三行で【次回予定】 友人に背を押されて、向き合う決意をする彼女。 けれど、迷い道は近付き、かつ遠ざかりて―― 求め合う二人の少女を、嘲笑うのだった。 次回 第十二話 『君がいない』 蒼「ひとつだけ『かけがえのないもの』を挙げるとしたら……何を挙げる?」 銀「そぉねぇ。私の場合は、めぐ…………やっぱり乳酸菌っ!」 翠「親友より微生物を選ぶなんて、流石は銀ちゃん。そこにシビレる憧れるですぅ〜。 私の『かけがえのないもの』と言ったら、蒼星石しかいねーですよ。 モチロン、蒼星石も私を選ぶですよね?」 蒼「んっ、と。あ……のね」 翠「? まさか、違うですかっ。白状するです、蒼星石っ!」 蒼「ゴメンね、姉さん。ボクの『かけがえのないもの』は……お祖父さんなんだ」 翠「…………ちょっと、おじじを簀巻きにしてくるです」
104 :
閉鎖まであと 1日と 21時間 :2007/01/21(日) 23:50:08.55 ID:lWVuF9X90
>>103 む…ようやく仲直りの兆しが見えてきたかな…?
これで、お互い顔をあわせて謝っておしまい。めでたしめでたし。
と、行けばいいのだけど…微妙なすれ違いがもどかしいです。
105 :
閉鎖まであと 1日と 20時間 :2007/01/22(月) 00:14:36.78 ID:rXS+hBYnO
>>103 ktkr!
あなたの作品は最初から最後までどんどんひきこまれる
もどかしい、あぁもどかしい
106 :
閉鎖まであと 1日と 20時間 :2007/01/22(月) 00:49:03.60 ID:6U/kT3pR0
保守age
107 :
閉鎖まであと 1日と 19時間 :2007/01/22(月) 01:20:56.67 ID:6U/kT3pR0
ほしゅ
108 :
閉鎖まであと 1日と 19時間 :2007/01/22(月) 01:22:17.21 ID:i/aOe7PWO
保守 「愛の行く末」の続きが見たい今日この頃。 やっぱ作者がスレを離れたのか…?orz
109 :
閉鎖まであと 1日と 19時間 :2007/01/22(月) 01:28:43.96 ID:eCbx2bloO
110 :
閉鎖まであと 1日と 19時間 :2007/01/22(月) 01:35:22.64 ID:Qosn3edZ0
>>108 申し訳ありません。実はまだこのスレにいて別の長編を連載してたりします。
ジュンが主役の空戦ものといったらわかるでしょうか。
今やってるのが一段落したら続きを書こうと思ってますので気長に待っていてください。
111 :
閉鎖まであと 1日と 19時間 :2007/01/22(月) 01:44:07.80 ID:i/aOe7PWO
>>110 まさか同一作者さんとは…w
期待してますw
112 :
閉鎖まであと 1日と 19時間 :2007/01/22(月) 01:44:16.21 ID:9Uvh0KKx0
新参者で初めての投稿なんだけど、そのまま前置き無しでいきなり作品投下してもいいんですか? 一応Wiki読んできたんだけど、イマイチわからなくて。
114 :
閉鎖まであと 1日と 19時間 :2007/01/22(月) 01:55:38.32 ID:9Uvh0KKx0
イーンダヨー!
んじゃ、いきまーす。 以下内容。 〜・〜・〜・〜・〜 〜第一段落〜 ガチャン 「おい、チビ人間!お茶を出すですぅ」 ……他人の家に不法侵入してきて、開口一番がそれか。 「お前な……100歩譲って無断で家に入るのはいいとしてもだ……」 ソファーで横になっていた体を起こす。 「……人様の家に入る時は『お邪魔します』の一言でもかけたらどうだ?」 あからさまに迷惑そうな顔をしてやった。 「喉が乾いたですぅ、早くするですぅ、この能無し人間」 ……そんな僕の細やかな嫌味に目もくれず、ちょこんと食卓に着いた。 「何でそんなこと、僕が……」 辺りを見回し、いつも喜んで給仕しているアイツを探す。 「あぁ……そうだった……」 そういえば、昨日……買い物に行くから家を空けるとか言ってたっけ。 相も変わらず使えないな……。
>>115 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
「んもぅ!聞いてるですか?翠星石は喉が乾いたですぅ!さっさとお茶を持ってくるですぅ!!」
「あー、もうっ……なんで僕が……」
毒ずきながら、しぶしぶキッチンでお茶を入れてお盆ごと食卓に乗せる。
コトンと音をたて、ほんのり湯気が立ち上る湯飲みを目の前に置いた。
「……誰が熱いお茶を出せと言ったですぅ?」
まるで言葉に茨が巻き付いたかのように、端々にトゲトゲしさと冷たさが……。
「……は?」
「お茶と言ったら冷たいのに決まってるですぅ。この蒸し暑い時期に誰が熱いお茶なんて飲むですか。そんな事も解らないですか……つっかえねー人間ですぅ」
はぁ…やれやれ…とため息をついて、侮蔑の視線でこちらを見やる。
「使えない人間って……お前も人間だろうが」
「翠星石は『高貴な』人間ですぅ。ジュンみたいな『下賎な』人間とは違うのですぅ」
……何故こいつと一緒にいると、通常の三倍増しでストレスが溜まっていくんだろうか……。
誰か教えてくれ……。
>>116 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
〜第二段落〜
「……お前、近頃ウチによく来るけど、何しに来てるんだ?」
お茶を飲んで一息ついた翠星石に問いかける。……ちなみにコイツはあの後、冷たいお茶を出せと騒いだのち、今度はお茶請けを出せと喚き倒した。
「んぅ…なんでチビ人間なんかにそんな事答えなきゃいけないですかぁ」
ぽりぽりとリスのようにポッキーにかじりつきながら不服顔で返してきた。
「ここんところ毎日だろ?お前の家からここまで結構距離あるのに、わざわざ何しに来てるんだ」
「チビ人間なんかに答える必要はないですぅ〜」
コッ…コイツは……。
「ったく……勝手にしろ」
いい加減我慢の限界に達し、ソファーから降りて自室に向かう事にする。
リビングから出る間際に一瞬振り返ると、ぷぃと向こうを向きながらポッキーに手を伸ばす姿が見えた。
レース付きの青い半袖ドレスから覗く、白くて細い腕が印象的だった。
>>117 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
〜第三段落〜
〜数日後〜
ガチャン。
「お邪魔してやるですぅ」
誰も来てくれなんて頼んでない。
「むっ……なんですぅ、その顔は。せっかく来てやったんですから、もうちょっと嬉しそうな顔をするですぅ」
だから誰も来てくれなんて頼んでないって。
「あ、そうですぅ」
何かを思い出したように翠星石がくるりと振り返る。
「ジュン、この家にプラスチックの長い棒とかないですか?」
いきなり何を言い出すかと思えば。
「そんな物、あるわけないだろ」
「チッ……通販で買った、いかがわしい物はたくさんあるのに肝心な物が無いですぅ……使えねぇですぅ」
舌打ちするなよ……。
「……普通の家にはそんな物無いだろう」
「もういいですぅ」
スタスタとリビングから出ていく。
「?もう帰るのか?」
わざわざ時間かけて来といて、滞在時間が短すぎないか?
「ふん……ジュンがあまりにも使えねぇから、自分で買いに行くですぅ」
パタンとドアが閉まった。閉まる直前
「……あの子の為にも」
と聞こえたような……気がした。
>>118 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
〜第四段落〜
〜次の日〜
バタン、とドアが開いた。
現れたのは例に漏れず、翠星石。
しかし、いつもと違い、その両腕には大きなビニール袋が下がっていた。
「ふぃ……重かったですぅ」
翠星石は、息をつきながら手の甲で額の汗を拭った。少し汗ばんでほんのり赤くなった白い肌を見せられ、ちょっと……不覚にも……ドキッとした。
「うぇえ……下着が汗でくっついて気持ち悪いですぅ……」
しかめっ面でドレスの襟元を摘まんで扇ぐ。
っ……だから人前で無防備にっ……。
「……何持って来たんだ?」
「んん…?ジュン、なんで赤くなってるですぅ?」
「し…質問に答えろよ」
「……?」
「い、いいからっ!ちょっと昨日から熱っぽいだけだからっ」
もちろん誤魔化すための嘘だけど。
「うわぁ、ばっちいジュン…近づくなですぅ、バカと風邪がいっぺんにうつるですぅ」
コイツ……嘘とは言え、仮にも病人に……。
>>119 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
「……まぁ、それはともかく……今日は午後から台風の接近で天気が崩れるらしいから、早めに帰れよ」
「なんでテレビもろくに観ないジュンが、そんな事知ってるですぅ?」
半笑いで言う翠星石。
明らかに馬鹿にしてるな……。
「……ニュースサイトだよ」
「はぁ…相変わらずカビの生えそうな生活送ってるですねぇ」
くっくっ、と翠星石が見下しながら笑った。
「ほっとけよ」
「ささ、ばっちくてカビの生えたジュンなんかほっといて、さっさとやらなきゃいけない事をやるですぅ」
「な、なんだと!?」
「ふふっ」
ふわりと微笑んで、勇みながら部屋を出ていった。
……まぁ、その微笑みには馬鹿にしてる要素が多分に盛り込まれていたんだろうけど。
にしても、ホントに何しに来てるんだ?あいつ。
>>120 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
〜第五段落〜
ビュオォォオー……
風が出てきたな。
……あいつ、ちゃんと帰れたかな。
まぁ、心配ないか。
殺しても死にそうにないし。
ザァァアァァア……。
雨も降ってきた。
ニュースでは勢力は強いけど、すぐに通り過ぎると言っていた。
通り過ぎるのを待つか……と言っても、僕自身がやる事はたいしていつもと変わらないんだけど。
ピンポーン……。
ん……?誰だ、こんな時に。
くそっ、面倒だな……。あ、でもこの前通販で頼んででたやつが来たのかも。
リビングに戻ってインターホンに出るより、直接玄関に行った方が早いので直行する。
「どなた様ですか?」
………。
呼びかけるが返事がない。
「んん?」
除き穴で外を確認するも、人影らしいものは見えない。
「おかしいなぁ……イタズラか?」
確認するためにガチャンとドアを開けると、物凄い勢いで風と雨が降り込んできた。
「うわっ……って、ん?」
堪らずドアを閉めようとした手が止まる。
視界のすみに白い物がはためいているのが見えたからだ。
>>121 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
まさか……幽霊?
はは、それこそまさかだ。今は天気が崩れて暗いとは言え、まだ時刻は昼をまわったばかりだ。
「……」
そのまま閉めようかとも思ったが、一種の好奇心が沸いた。
傘立てから傘を掴み、広げる。
「うわっ!?」
風に煽られて、一瞬にして傘が裏返しになった。
あぁ……この傘はもう使えないかもな。
と、そうしてるうちに暴風雨によって既に全身びしょ濡れになっていた。
まぁ、ここまで濡れたらもういくら濡れてもいいか。
走って見に行く事にする。
謎の白い物体は、庭の方から見えた。
庭に回ってみる。
「くそっ、視界が……」
風雨が強くて目を開けていられない。
やっとの思いで庭につくと、そこには……。
「花……?」
一輪の白い花が、壁に寄り添うように咲いていた。
そのいでたちは、頼りなく、風に煽られて今にも散ってしまいそうだ。
そして……白い花の周りに……多分本人は風避けのつもりだろうが……プラスチックの棒とビニールで、拙いバリケードが築かれていた。
無い知識と技術をフルに使って、一生懸命作ったという事が見ただけでわかる。
しかし、バリケードには綻びが多く、既に半壊状態だ。
>>122 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
「……ったく」
何か家に補強出来るものがあるはず……。
玄関に足を向けるが……
ビュオォォオオォォォオ!!
「うっ……」
今にも吹き飛んでしまいそうなバリケード。
吹き飛んでしまったら、数秒も持たずにこの花は……。
>>123 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
「あぁ、クソッ!!」
あの生意気が毎日通って、嬉しそうに、優しい笑みを浮かべて世話をしている情景が容易に想像出来た。
ガシッ
バリケードの端と端を両手で持つ。
こうやって、僕自身が補強してやれば……。
「ぐっ……予想以上に……」
風によって加速した雨粒が、まさに叩きつけるように体中に当たる。
急速に奪われる体温。
時間感覚が狂う。
1時間ほどそうしていたのかもしれない、本当は10分ぐらいだったのかもしれない。
しかし、僕の体力が限界に近づいたのは、思いの他、早かった。
手の感覚がない。
頭の芯がズキズキ痛む。
背中は雨が打ち付けたせいで痛み、熱を持っていた。
(……もう………これ以上は……。)
「ごっ……メン、翠星……せ、き……」
視界がブラックアウトする瞬間、見慣れた人影がこちらに走ってくるのが見えた。
まったく……いつもは皮肉で可愛げの無い顔しかしないのに……。
何、そんな必死な顔してんのかねぇ……。
そこで、ブチリと意識が途絶えた。
>>124 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
〜第六段落〜
「ん……ぅん……」
腹部に重みを感じて覚醒する。
「ってて……」
頭の中で鐘が鳴っている。心臓の鼓動と一緒に、鈍った痛みが襲ってきた。
脇をみると、フローリングに膝立ちになり、ベッドに突っ伏して寝ている翠星石の姿が。
「あっ、ジュン君!起きたんだ!大丈夫!?」
ったく、コイツは……肝心な時に家を空けてんだから……。だいたい、台風来るのに学校行事の準備で泊まり込みとか……。まったく、使えねー…。
「……これが大丈夫に見えるか?」
「私っ……凄く心配したんだよ……心配になって先生に送って貰って帰ってきたら、庭で翠星石ちゃんがジュン君を抱き抱えながら泣いてるんだもん」
半泣になりながら言う。
……。
「ジュン君もぐったりしてたし……私、私っ……」
「……喉が乾いた。麦茶が飲みたい」
「へ……?あ、うん、わかった。すぐに持ってくるね!」
パタパタと走っていく。
……麦茶はどこぞのワガママ食いしん坊が飲み尽くしたから、外に買いに出ないといけない。
まったく、頭が痛いのに横でシクシク泣かれたらコッチはたまったもんじゃないからな。
>>125 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
ふと、突っ伏して寝ている翠星石に目をやる。
よく見ると、頬に幾筋もの涙の後が見えた。
「……んぅ………ジュン………死なないで……ですぅ………」
勝手に殺すな。
ふっと、僕の顔に微笑みが浮いた。
頭をなでてやる。
髪がしめって冷たくなっていた。
自分の布団の一枚を被せてやる。自分はタオルケットにくるまる。
そうやって、ずっと翠星石の頭をなで続けた。
「……ジュン……す………き…………」
……最後の寝言は、聞かなかった事にしようかな。
自分の顔が赤くなるのを誰とも無しに誤魔化すため、外を見る。
窓の外には、底抜けに青い空が広がっていた。
(終)
>>126 続き?っつーか、番外編。
〜・〜・〜・〜・〜
〜おまけ〜
「ん……ぅ………?」
しばらくなで続けていたら、翠星石がモゾモゾと身を捩らせた。
「……じゅ…ん……?」
寝惚け眼で、ボーッとこちらを見上げてくる。
「おはよう、翠星石」
何故か(いつもは出来ないのに)自然に笑いかける事が出来た。
「じゅ……ん……ジュ…ン」
ボーッとしていたのに、頭の起動スイッチが入ったのか、急にハッとして、
「ジュン、ジュン!」
翠星石は凄く心配そうな顔をして、抱きつくように勢い良くこちらに両手を伸ばしてきた。
「っぁ………」
しかし、その伸ばしかけた両の手に、自ら急ブレーキをかけたようだ。
不思議に思い、翠星石を見ると…妙に赤くなってもじもじとしていた。
「ぁっの……、えっと………」
おずおずと、おっかなびっくりコチラの額に手を伸ばしてくる翠星石。
「……だ、だだ、大丈夫……ですぅ?」
ぴた、とヒヤリとした手が熱を持った僕の額に当てられた。
翠星石は、本当に林檎みたいに真っ赤になっていた。
>>127 続き。
〜・〜・〜・〜・〜
「ごめん、心配かけた。僕は大丈夫だよ」
出来るだけ、優しく言えたと思う。
「………」
急に顔を伏せて押し黙る翠星石。
「…ど、どうかした?」
急に心配になってきた。
「………ひっ……っく………」
よく見ると、翠星石の肩が小刻みに震えていた。
少し焦る。
「どうしたんだよ、なんで泣くんだよ?」
必死に嗚咽を飲み込むように、翠星石は言葉を紡ぐ。
「…ひっ…くっ……ジュンの心配なんか……ひっく……してなかった……っく…………ですぅっ……」
見ると、顔を赤くし、涙でぐちゃぐちゃになりながらも、気丈にコチラを睨みつけている翠星石の顔があった。
でも…どちらかというと、睨むというより泣くまいと必死になってるように見える。
こんな時、どうしていいかわからないけど……。
「ひぁっ…!?」
僕は、翠星石を抱き寄せた。
「っ……ふぅぅ…っく………ジュンの……バカ野郎、ですぅ……」
翠星石が思い切り泣けるように、胸を貸してあげる事ぐらいしか思いつかなかった。
129 :
閉鎖まであと 1日と 18時間 :2007/01/22(月) 02:33:57.73 ID:5MM9+NJdO
>>128 更に厚かましく続き。
〜・〜・〜・〜・〜
〜おまけ2〜
何分ぐらいそうしていただろうか。翠星石がようやく落ち着いてきた頃…。
バタバタバタバタ…。
「ジュン君っ!麦茶、買って来たよ!!」
息を切らして、アイツが帰ってきた。
「家に買い置きしてたのが切れちゃってて、大変だったよぉ」
「家に無いのは知ってた」
人払いしたんだ。そのくらい気付け。
「えぇっ!そんなぁ!?………って、二人とも、随分仲良しになったのね〜」
驚いた顔から一変、若い男女を優しく見守る母親のような顔に。
「っ!?これは違うんだ!」
「っ!?これは違うですぅ!」
バッと、お互い離れる。
見事に翠星石と声がハモった。
「いいんだよ〜もっとくっついても。お姉ちゃん、応援するからっ」
「っ、何言ってんだ!まったく!!」
ベッドから立ち上がり、ドアから出る。
「へ?ジュン君、どこ行くの!熱があるんだから寝てなきゃだめだよぉ!?」
「 ト イ レ だ っ 」
ガチャンと乱暴にドアを閉めた。
>>129 これで最後です。
〜・〜・〜・〜・〜
〜・〜・〜・〜・〜・〜
……ガチャン。
玄関のドアを開ける。
トイレというのは実は嘘で、本当は確認に行きたかっただけなのだ。
「お、ちゃんと生き残ったか……」
ボロ切れのような有り様のバリケードの奥に、白い花を確認した。
雨粒が花弁にのって、太陽の光にキラキラ反射していた。
「よしよし……」
満足顔で、玄関に戻る。
「……ん?」
玄関のインターホンの前に、何か落ちてる?
近づいて拾い上げると、漆を塗ったように艶やかな黒色の……羽だった。
何だ、コレ。
カラスの羽だろうか……。にしては、凄く綺麗だし……。
なんにせよ、捨てるのは勿体無いと思い、胸ポケットに黒い羽を入れた。
ガチャン
玄関を開ける。
「……?」
誰かに笑われたような気がして振り返る。
誰も居ない。
……気のせいか。
僕はドアを閉めた。
ガチャン。
…………
「ふふっ………」
黒い羽が、舞った。
(多分……完?)
131 :
閉鎖まであと 1日と 18時間 :2007/01/22(月) 02:38:46.67 ID:W6RMCFM3O
132 :
閉鎖まであと 1日と 18時間 :2007/01/22(月) 02:43:53.42 ID:7aSqDRc1O
>>130 そうだよ…
これがツンデレだよ…
最近はデレが多かったから逆に新鮮に感じた
GJだぜ!!
そして続くんだよな?
あの方が出て来るんだよな?!
>>131 >>132 トンクス。
友達が漫画の続き(4巻以降)貸してくれたら続き書くかもしんない。そんときゃまたヨロシクノ
134 :
閉鎖まであと 1日と 18時間 :2007/01/22(月) 02:57:28.73 ID:1zabgHrgO
135 :
閉鎖まであと 1日と 16時間 :2007/01/22(月) 04:01:56.89 ID:gPGVdRDbO
てら捕手
136 :
閉鎖まであと 1日と 15時間 :2007/01/22(月) 05:43:51.54 ID:LtLYDrL9O
欲しゅ
137 :
閉鎖まであと 1日と 13時間 :2007/01/22(月) 07:19:23.26 ID:EEQ6cFS+O
ほ
138 :
閉鎖まであと 1日と 13時間 :2007/01/22(月) 07:50:46.43 ID:i/aOe7PWO
保守
139 :
閉鎖まであと 1日と 12時間 :2007/01/22(月) 08:20:33.69 ID:8eDCit5iO
保守
140 :
閉鎖まであと 1日と 11時間 :2007/01/22(月) 09:11:15.11 ID:HLsRYF9fO
【雪うさぎ】【つくろうよ】
>>180 からの続き
翠「で、お金はあるんですかぁ?」
ジ「ああ、確かノリがこの引き出しに……ほらあった」
翠「これで準備万端ですね。さあとっとと行くですぅ」
――ガチャリと玄関のドアを開ける。いいタイミングで風が吹いてきた。
ジ「さっ、寒っ!」
翠「ううっ、さみーですぅ!風が冷てぇですぅ!」
ジ「昨日までの陽気は一体どこへ!?」
翠「服装は大丈夫ですが、まったく今年は暖冬とか言ってたくせに嘘っぱちですぅ。暖冬とか言うのなら去年より6度くらい暖かくあるもんですぅ」
ジ「そんな無茶言うなよ……。そうなると春夏秋春になって冬がなくなるじゃないか」
翠「冬なんて寒いだけですぅ。いらないんですぅ。暖かいのが一番ですぅ」
ジ「あ、そうだ。ちょっと玄関の中で待っててくれ」
翠「なんですか?外はさみぃですから早く行って早く帰るですぅ」
ジ「すぐ戻ってくるから」
そう言って2階へ急ぐ。確か今年の春にこの辺に直したと思うんだけど………あったあった。
ジ「お待たせ。はいこれ。外寒いだろ」
翠「あ、ありがとうですぅ」
ジ「男物だけど我慢してくれよ。流石に姉ちゃんの部屋に入る勇気はなかったからさ」
翠「でも一組しかないですぅ」
ジ「あ、僕はいいよ。ポケットに手突っ込んどけばいいし。お前の服、ポケットないだろ」
翠「お前は馬鹿ですか!そんなことしてこけたらどうするんですか!顔から倒れて眼鏡が割れてレンズの破片が目に刺さって失明でもしたらどうするんですか!」
ジ「そ、そこまで考えてなかったけど」
翠「第一自分の運動神経ぐらい把握しとけですぅ」
>>140 ジ「うっ!耳が痛くなる話だな」
翠「だからしょうがねーからこの手袋の右手を貸してやるからポケットに手ぇ入れるのをやめるですぅ」
ジ「でもそれだと翠星石の右手が寒いだろ?」
翠「そ、そのくれぇ察しろですぅ!」
ジ「………………。あ〜、そういうことか。わかった。じゃあ行こうか」
翠「ジュンの手、冷たいですぅ」
ジ「まだつないだばかりだからな。そのうち暖かくなるよ」
――10分後――
ジ「ここを右に曲がればすぐだな」
翠「違うですぅ。右じゃなくて左ですぅ」
ジ「そっちの方向はお前んちの方だろうが」
翠「左ですぅ!ひ・だ・り!」
ジ「だからそっちはお前んち!商店街はこっちだ!」
翠「ひ・だ・り・で・す・う!!」
ジ「絶対右だ!!」
翠・ジ「むむむむむむ……」
?「何やってんだお前ら?」
?「痴話喧嘩かしら。平日の昼間から熱々かしら〜」
翠・ジ「…………」
金「何かしら〜?ジッと見て」
翠・ジ「……誰?」
金「最早お約束かしら〜〜〜〜!!」
>>141 J翠「あれ?お前眼鏡は?コンタクトにしたのか?」
J金「いやさ、昨日の夜辺りから視力がいきなり戻ってね。眼鏡が使えなくなったんだよ」
J翠「一時的なものかな?」
J金「さあ?どうだろ。戻って悪いことはないし、強いて言うなら見えすぎることと、なんか眼鏡がなくて慣れないことかな」
J翠「具体的にどのくらい見えるんだ?」
J金「そうだな…、5メートル先にあるものも余裕で見えたり、スモークガラスで見えないはずの中身まで見えるようになったな」
翠 「へ…変態ですぅ」
J金「う、うるさいな。見たくて見てるわけじゃない」
これがこいつの能力か?だいたい視力が戻るわけがないぞ。この視力は遺伝型なんだからさ。でもまだよくわからないな。例え能力だとしても微妙な能力だな。
>>142 金 「それよりもお二人さんはこんなところで何をやってるのかしら〜?」
翠 「そうですそうです、丁度良いときに来たですぅ。商店街は左ですよねぇ!?」
J翠「違うだろ?右だろ右?」
金 「本当に痴話かしら〜」
J金「正しく読んで字の如くって感じだな。仲良く手もつないで」
J翠「そんなことは関係ないだろ!つかお前らもつないでんじゃないか!」
J金「片手は手袋、もう片手は素手なんて変な格好じゃないけどな」
翠 「そんなことはどうでも良いんですぅ!どっちなのかはっきりと言いやがれですぅ!」
金 「す、翠星石恐いのかしら〜」
J金「大丈夫だって」
なんてこと言いながら金糸雀をなだめるように抱っこしているお前も熱々じゃないのか?あ〜金糸雀赤くなってるな。なんか楽してズルして〜とか聞こえたような気がするけど。
J金「それと、商店街に行くならここを右だ。お前が間違ってる。左に店類はなかったはずだ。はっきりと言ってやったぞ」
>>143 J翠「ほ〜らみろ。僕が正解じゃないか」
翠 「キィーーー!!そんなわけねぇですぅ!ほら金糸雀!なんとか言えですぅ!妙な事言ったら揚げてカナ揚げにして食ってやるですぅ!」
金 「ふえ〜〜ん、翠星石がとっても恐いのかしらぁ〜」
J金「おい!この性悪女!なにカナをいじめてんだよ!涙目になってるじゃないか!こんの山ん婆!!お前が間違ってることにはかわりないだろ!」
翠 「なっ!!」
J翠「おいおい、別にそこまで言わなくてもいいだろ?いつもの事なんだからさ。それよりとりあえずありがとな。方向がわかったから」
まあどこにあるのかぐらい知ってたけどさ。お礼はするべきだよな。てか、山ん婆はないだろ。山ん婆は…。
>>144 翠 「…………」
J翠「ほら翠星石も機嫌なおして元気だせって。そういえば、お前らはどこに行こうとしてんだ?」
金 「カナたちは今から学校に行くのかしら〜」
J金「カナはクラスの委員長だから学校で色々とやることがあるらしいんだ」
J翠「へぇ〜〜休みなのに大変だな」
J金「まあその間僕は図書館で勉強するんだけど」
J翠「手伝わないのか?」
金 「カナ一人でも十分かしら」
J金「だそうだから」
J翠「ふ〜ん」
翠 「あうぅ……寒いですぅ。今回は譲ってやるからさっさと行くですぅ」
J翠「そうだな。じゃまた今度な」
J金「あ、そうそう、昨日と比べて10度前後気温が下がったらしいから風邪引かないように気を付けろよ?」
J翠「お前らもな。じゃあな」
そう言って二人と別れた。しかし、あの凹凸は傍からみると滑稽にも見えるな。保護者と子どもや兄妹にもみえる。しかし、なんかか片方は機嫌悪そうだったな。
>>145 翠「……なんか久しぶりに言われるのも結構嫌なものなんですね…」
ジ「大丈夫だよ。僕はもう言わないから」
翠「……ありがとうですぅ」
ジ「だから、元気だしてくれよ?な?」
翠「…………」
ジ「翠星石?」
翠「調子に乗ってんじゃねぇですぅ。翠星石はこのくれぇではへこまねぇですぅ。ほらさっさと行くですぅ」
ジ「わかったって。引っ張らなくても歩けるから」
元気が出てくれて良かった。けど、僕も以前はなんの躊躇いもなく言っていた言葉だ。
途中から翠星石を意識しだしてやめたけど。嫌だったなら嫌と言えば……いや、当時の僕なら流していただろうな。
>>146 翠「なにか考え事でもしてるんですか?」
ジ「…いや、なんでもないよ」
翠「そんなことだからこけるんですぅ。翠星石みたいにちゃんと足下を見ながら歩けばいいんですぅ〜」
ジ「はいはい、わかってるよ」
翠「返事は1回で十分ですぅ。それにしても一日で10度も下がるなんて聞いたことねぇですぅ」
あんなこと言ってた本人がこんなこと言うのもなんだけど、もういいかな。彼女がいつも笑顔でいてくれれば僕はそれがいいかな。
……何を言ってるんだ僕は。まああれだ、雰囲気に酔ったり奴らに影響されただけだろう、きっと。そう思わないと恥ずかしすぎて死んでしまいそうだ。つか、こんな性格でよくあんな大胆な行動が出来たな。まったく。
148 :
閉鎖まであと 1日と 11時間 :2007/01/22(月) 09:19:54.73 ID:HLsRYF9fO
とりあえずここまで。デレ率80%超な翠でもいいじゃない。ツン率上げようと必死だけどさ。
>>133 そんなこと言うなよ。ここで貸さなかったら俺が完全に悪みたいじゃないか。
ではまた。
149 :
閉鎖まであと 1日と 11時間 :2007/01/22(月) 09:51:01.56 ID:EEQ6cFS+O
保守
150 :
閉鎖まであと 1日と 10時間 :2007/01/22(月) 10:28:50.14 ID:gPGVdRDbO
ほ
151 :
閉鎖まであと 1日と 9時間 :2007/01/22(月) 11:14:11.63 ID:8eDCit5iO
保守
152 :
閉鎖まであと 1日と 9時間 :2007/01/22(月) 11:50:56.62 ID:8eDCit5iO
保守
153 :
閉鎖まであと 1日と 8時間 :2007/01/22(月) 12:31:10.79 ID:8eDCit5iO
保守
154 :
閉鎖まであと 1日と 7時間 :2007/01/22(月) 13:16:43.33 ID:8eDCit5iO
保守
155 :
閉鎖まであと 1日と 7時間 :2007/01/22(月) 13:24:35.69 ID:EEQ6cFS+O
156 :
閉鎖まであと 1日と 6時間 :2007/01/22(月) 14:10:15.88 ID:HLsRYF9fO
>>148 なんか俺馬鹿な事やってる。真ん中の『俺が』を抜かしてください。申し訳ありません。
157 :
閉鎖まであと 1日と 6時間 :2007/01/22(月) 14:10:27.55 ID:gPGVdRDbO
ほ
食事を済ませて後片付けをしていると電話がなった。 だが固定は出ない主義の僕はいつものようにスルーする―と言っても留守電は聞くが。 「只今電話に出ることができません。ピーッという発信の後にお名前とご用件をどうぞ。」 無機質な音声が部屋に響く。 「JUNくん?お姉ちゃんなんだけど・・・」 何だ、姉ちゃんか。 「今やってる研究がまた長引きそうだから帰るのもう少し延びるね・・・ちゃんとご飯食べてr」 留守電というのは、残酷である。 (要点もう少し絞れよ・・・) これでも姉にしては頑張った方だろう。最初の頃は5件入れないと内容に入らなかったくらいだから。 (・・・好きにしろ) 心の中でそう呟くと、あれだけ寝たのにまた眠くなってきた。 その日は、早く床についた。 Phease1-fin-
「・・・ここは何処だ?」 一面に広がる白い世界。上下左右、ホワイトアウトの状態だ。 「ここは貴方の夢の中・・・イメージの世界でもあります。」 J「誰だ?」 声の主の姿は見えない。 「私は夢の案内人―あなたの化身です。」 J「僕の・・・化身?」 「作用でございます。あなたは自分自身にはっきりとしたイメージをお持ちではありませんね?そのままだと消えてしまいますよ?」 J「何だって?」 自分の体を見る―確かに、実体があるとは言い難い状態にあった。 J「何じゃこりゃ!?」 「ですから申しましたでしょう。イメージをお持ちくださいと。」 僕は自分のイメージをする。 J「えぇと・・こうか?」 再び体に目をやると何時もの制服姿になっていた。 J「で、夢の案内人。何の用だ?」 「これはこれは滑稽な事を仰せになりますなぁ。私は貴方の化身―あなたがお呼びしなければ現れることはございません。」
160 :
閉鎖まであと 1日と 6時間 :2007/01/22(月) 14:46:05.37 ID:EEQ6cFS+O
>>159 J「僕が・・お前を呼んだ?」
「左様でございます。」
J「意味がわからないんだが・・」
「無意識のうちにお呼びになられております。恐らく現実世界での転機を迎えられていると御察しします。」
転機―その言葉に思い当たる節は、ない。
「自覚されていないようですが、実感するときが必ずや訪れることでしょう。本日はここまででお暇させていただきます。それでは、またの機械に。」
J「お、おい!!」
世界が―自分がホワイトアウトしていく。
(・・・ッ!?)
目を開けると天井が見えた。
(・・・夢か。って夢の案内人なんてもんが出てきたくらいだし夢だよな・・・)
ふと時計に目をやる。
時刻は午前8時をとうに回っていた。
(・・・遅刻か)
今日もまた、ラテを飲みに行く。
161 :
閉鎖まであと 1日と 6時間 :2007/01/22(月) 14:47:16.54 ID:EEQ6cFS+O
今日はここまで。 Phase2から前をPhase1とします。
162 :
閉鎖まであと 1日と 5時間 :2007/01/22(月) 15:16:11.22 ID:eCbx2bloO
ほ
163 :
閉鎖まであと 1日と 4時間 :2007/01/22(月) 16:09:47.07 ID:7aSqDRc1O
読む前捕手
164 :
閉鎖まであと 1日と 3時間 :2007/01/22(月) 17:03:10.93 ID:E9R1WJMNO
戦略的保守
165 :
閉鎖まであと 1日と 3時間 :2007/01/22(月) 17:37:52.17 ID:i/aOe7PWO
雪「ハムソーセージおーいしそおー♪ ハムソーセージ食ーべたいなー♪」 J「あんま食うと太r…OKOKときに落ち着け。 ソーセージならあったはずだから勝手に食っていいぞ?」 雪「あら、よろしいのですか?では失礼して・・・」 ゴソゴソ J「ちょ、冷蔵庫向こ…てか脱がすな!」 雪「ふふっ…いただきます」 アッー!
166 :
閉鎖まであと 1日と 3時間 :2007/01/22(月) 17:56:53.52 ID:gPGVdRDbO
ほ
167 :
閉鎖まであと 1日と 3時間 :2007/01/22(月) 17:59:04.45 ID:gYlD9bTJO
168 :
閉鎖まであと 1日と 2時間 :2007/01/22(月) 18:18:24.03 ID:i4nDcl2sO
み「あ、ジュンジュンだ、おはよー♪」 ジ「あ、おはようございますみっさん。」 み「えっ!?ど…どうしたの?」 ジ「いやぁ、みっちゃんさんって呼ぶのも語呂が悪いし…何より目上の人にちゃん付けはどうかなって思って…」 み「いや…私は気にしないし…今までどおり呼んでくれれば…」 紅「あら、みっさん、おはようなのだわ。」 み「!?」 銀「あらぁ、みっさん。乳酸菌摂ってるぅ?」 蒼「あ、みっさん、おはようございます。」 翠「みっさん、おはようですぅ。」 薔「みっさん…おっは〜…」 雪「あらみっさん、おはようございます。」ペコリ み(え?なにこれ…新手のイジメ?) 金「あら、どうかしたのかしら〜?」 み「カ…カナぁ…」 金「もしかして…泣いてるのかしら?ダメかしら!涙を拭くかしら〜!」 み「カナぁ…やっぱり貴女だけは…(じぃ〜ん)」 金「ね?元気出すかしら、みっさん♪」 み「び…びええええええええええぇぇん!!」ダッ! み「そんな夢を見たのよ…」 金「ここまで引っ張って夢オチかしら〜!?」
169 :
閉鎖まであと 1日と 2時間 :2007/01/22(月) 18:29:48.99 ID:i/aOe7PWO
ほす
170 :
閉鎖まであと 1日と 2時間 :2007/01/22(月) 18:50:12.53 ID:i/aOe7PWO
保守
171 :
閉鎖まであと 1日と 1時間 :2007/01/22(月) 19:02:30.17 ID:EEQ6cFS+O
172 :
閉鎖まであと 1日と 1時間 :2007/01/22(月) 19:10:18.72 ID:MCoOaARBO
173 :
閉鎖まであと 1日と 1時間 :2007/01/22(月) 19:32:37.30 ID:NVdV9Y7TO
>>168 何故かぐっさんが思い浮かんだwwwww
174 :
閉鎖まであと 1日と 1時間 :2007/01/22(月) 19:36:26.99 ID:i4nDcl2sO
『ガチャン』 み「あっ!…やば〜い、やっちゃったぁ…」 金「どうかしたかしら?みっちゃん。」 み「メガネ落としちゃった…あぁ、レンズが取れちゃってるよ…」 金「でも今からじゃ眼鏡屋さん閉まってるかしら。どうするのかしら〜?」 み「仕方ないわね…しばらくは昔のメガネ使うわ…え〜っと、確かこの辺に閉まったような…」ゴソゴソ み「あ、あったあった♪」 金「えぇっ!?それは…」 みっちゃんは赤い淵の尖ったメガネを取り出し… み「デュワッ!!」 声を上げて眼に装着した み「懐かしいな〜、これを着けて戦ってた頃が…」 金「みっちゃん!それメガネちゃう!ウルトラアイや!!」
175 :
閉鎖まであと 1日と 1時間 :2007/01/22(月) 19:53:09.64 ID:eCbx2bloO
>>174 この二人は芸人でも目指しているのだろうかw
176 :
閉鎖まであと 1日と 0時間 :2007/01/22(月) 20:16:45.94 ID:lwzo6BTjO
え〜と、第六話『へぇ、それ武器にもなるんだ』 を楽しんで下さい え?毎回、タイトルが変だし長い? その質問には後で答えてあげるからね では、どうぞ ダメだ…眠い 最近、寝るのが極端に遅い。 あの姉妹……なげぇよメール! 1日でメールボックスいっぱいになるなんて初めてだよ。 メールって用件だけいってすぐ終わるもんじゃないの? そんな疑問を抱きながら学校へ向かう僕。
177 :
閉鎖まであと 1日と 0時間 :2007/01/22(月) 20:17:45.98 ID:lwzo6BTjO
〜あっという間に昼休み〜 あいつぐ寝不足で、寝坊してしまい弁当を作れず、今日は学食 ・・・それにしても広いなこの学校。 学食に行くにも一苦労だ…そんなことを考えながら歩いていると前方にあたりをキョロキョロ見ている女の子を発見。 迷子かな? 僕も、一年の頃……正直、今でもたまに迷子なるんだよな、この学校。
178 :
閉鎖まであと 1日と 0時間 :2007/01/22(月) 20:18:18.89 ID:lwzo6BTjO
>>177 僕は、その娘の肩を叩き
J「まい………ゴフッ!!」
迷子?と聞こうとした瞬間、右頬に衝撃を受け、壁に叩きつけられる。
?「まったく、いきなりレディーの肩に触るなんてどうかしてるのだわ」
金髪のツインテール、気分漂う少女は、倒れている僕を見下ろしながら喋っている。
?「何かようなの?」
人を殴ったくせに悪びれる様子もない。僕は、ちょっとムッときたが
J「キョロキョロしてたから、迷子かなって思ってね」
?「なっ!?失礼なのだわっ! この私が迷子?ただ、ちょっと学食に行けなくて困ってただけだわ」
そうゆうのを迷子って言うんじゃないのか?
まぁ、いいや
J「僕もちょうど学食にい……
?「あなた、ちょうどいいわ。私を学食まで案内しなさい」
……なんだこの態度。
人が親切心で声をかけてみれば、傲慢な女だ
179 :
閉鎖まであと 1日と 0時間 :2007/01/22(月) 20:20:57.42 ID:lwzo6BTjO
>>178 とは言っても、声をかけてしまった手前、今更無視するわけにもいかず、少女を学食まで案内する。僕
J「ついたよ」
?「あなた役に立ったわ。ご苦労だったわね」
………
J「そりゃどうもっ」
立ち去ろうとする僕に
?「あなた名前は?覚えておいてあげるわ」
J「ハァ?人に名前を聞く前に自分が言うもんだろ?」
言いたいことはたくさんあったが、まずそこかよ!と、自分にツッコミを入れてた僕
?「…そうね。私の名前は真紅 誇り高き8姉妹の5女、真紅よ」
J「あっそ。僕は桜田JUNだ じゃぁな」
そういって立ち去った。
学食をでて、教室に戻り、重大なことに気付いた。
………8姉妹の5女?
先輩の妹!?
てか、昼飯買ってねぇ
そんな最悪の真紅との出逢いだった。
ちなみに、昼飯はM字が快く譲ってくれました。
続く
180 :
閉鎖まであと 1日と 0時間 :2007/01/22(月) 20:24:42.06 ID:lwzo6BTjO
181 :
閉鎖まであと 1日と 0時間 :2007/01/22(月) 20:38:54.08 ID:EEQ6cFS+O
最近カナとみっさん引っ張りだこw
182 :
閉鎖まであと 1日と 0時間 :2007/01/22(月) 20:52:24.61 ID:wAZLYrMD0
>>180 真紅ktkr!
真紅はやっぱ真紅らしいな。
183 :
閉鎖まであと 82101 秒 :2007/01/22(月) 21:11:39.64 ID:G8D3hOrW0
とうとう1日切ったか
184 :
閉鎖まであと 80968 秒 :2007/01/22(月) 21:30:32.53 ID:EQpQbnjDO
真紅「フフ…やっと念願の茜(ギタドラの赤ネーム)よ…」 蒼星石「おめでとう。僕なんかまだ青ネさ」 真紅「雛苺は桃、雪華綺晶は白、薔薇水晶は紫、翠星石は緑、金糸雀は…認めたくないけれど黄色…」 水銀燈「(´・ω・`)」 蒼星石「水銀燈…自分のイメージカラーがギタドラのスキルの色じゃないからって凹まないでよ」 真紅「保守」
185 :
閉鎖まであと 80145 秒 :2007/01/22(月) 21:44:15.01 ID:EEQ6cFS+O
カウントが秒w
186 :
閉鎖まであと 78629 秒 :2007/01/22(月) 22:09:31.60 ID:NVdV9Y7TO
〜薔薇獄陰陽伝〜 第二話 〜薔薇獄陰陽伝〜「そう…ジュンっていうのねぇ」 「あぁ」 自己紹介が終わり、することがなくなると軽い沈黙が辺りを支配する。 その沈黙を打ち破るため……では確実にないだろうが、水銀燈がニコニコしながら口を開いた。 「さて…それじゃぁ早速行きましょうかぁ♪」 「…行く?どこに?」突然の発言に疑問をぶつける。 ……なんだろう、ものすごいイヤな予感が… すると最強の式神はさも当然と言う顔をして、 「貴方の家に決まってるじゃなぁい♪」 とのたまった。 「………はい?」 「だからぁ、貴方の家に行きましょうって言ってるのよぉ」 何度も言わせないでよねぇ?と頬を膨らます水銀燈。どちかと言えば『美しい』と部類される見た目とのギャップがなんとも可愛い。 ……じゃなくて!! 「なんで僕の家に行くことになるんだよ!」 いきなりの無茶な提案に声が荒くなるが、返ってきたのは至極全うな返答。 「だって貴方これから家に帰るんでしょ?私は貴方の式神なんだから、貴方に着いていくのは当然じゃないのぉ」
187 :
閉鎖まであと 78592 秒 :2007/01/22(月) 22:10:08.68 ID:NVdV9Y7TO
「…言われてみれば…」 「でしょぉ?じゃぁさっさと行きましょぉ?」 「……そうだな…あっ、でもそれ……」 水銀燈の頭の上と腰でぴょこぴょこ揺れている、一般人が見ると確実に驚愕するであろう耳と尻尾を指差すと、 「あぁ。大丈夫よぉ。これしまえるから」 よ、よかったぁ…… 「じゃぁ閉まってくれるか?さすがに一般人に見られると…」 「わかったわぁ…んっ…はぁっ…」 「ちょっ!なんて声出してんだよっ!」 「んっ…仕方ないでしょぉ?これやると…体がゾクゾクするんだからぁ…」 「がっ、ガマンしろってば…」 なんてやり取りを交わしている間に、水銀燈は作業を終えたようだ。 見てみると確かに耳も尻尾も隠れている。 「しかしまぁ…こうしてみたら本当に普通の女の子だよなぁ…」 「まぁねぇ。伊達にン百年生きてないわぁ」 会話噛み合ってないって……
188 :
閉鎖まであと 78507 秒 :2007/01/22(月) 22:11:33.03 ID:NVdV9Y7TO
「つ、疲れたぁ…」 やっとのことで玄関の前までたどり着く。 まさか学校から家に帰るだけでこれほど疲れるなんて… 確かに学校の帰り道でいきなりクモ女に襲われて死にかけたことも僕の体力を十分に奪ったんが、水銀燈が道行く自動車や自販機などと言った機械類を見る度に 「ねぇジュン、あれはなぁにっ?」 と、興奮しながら僕の首根っこをひっ掴んでものすごい力でガクガク揺らすんだからたまったものじゃない… そのときの僕の首振りはあのYOSHIKIのそれに匹敵していただろう… そんなかんなで、やっとのことで帰宅したときには、僕は身心共にボロボロになっていた… 「げっ、もう8時かよ…早くご飯作って食べよ…」 空腹を感じて独りごちると、水銀燈がなんとも不思議そうに尋ねてきた。 「あら?貴方料理ができるのぉ」 「まぁな。高校生になってからずっと一人暮らしだったから、家事は一通り身についたよ」 「ふぅん……じゃぁ私のぶんもよろしくねぇ♪」
189 :
閉鎖まであと 78468 秒 :2007/01/22(月) 22:12:12.48 ID:NVdV9Y7TO
「はぁ…?狐が人間の食いもん食って大丈夫なのか?」 「だぁいじょうぶよぉ♪ほら、だって私普通の狐じゃないもぉん♪」 …答えになってないってば…… 「まぁいっか…じゃぁ今日は僕の特性の焼きそばを食わせてやるよ」 「やきそば…?それなぁに?」 しまった…コイツ焼きそば知らないのか… この調子だと『そば』も『ソース』も知らないだろうから、コイツを納得させられるもっとも適切な解は… 「美味しいもの」 「食べるぅ♪」 即答。 「よし。じゃぁさっさと中に入るぞ」 「はぁい♪……あら?」 さっきまでのご機嫌な態度とはうって変わって真剣な顔になり、鼻をひくつかせる水銀燈。 「どうした?」 「何か…臭うわねぇ。貴方のものとは別の……これは…人間の女…?」
190 :
閉鎖まであと 78422 秒 :2007/01/22(月) 22:12:58.71 ID:NVdV9Y7TO
…私、薔薇水晶は非常に困っている。 「…ジュン…どこに行っちゃったの…?」 一人暮らしに加え、日頃家事で忙しい幼なじみのためにご飯を作って、今日だけでも楽をさせてあげよう!という思惑で桜田家に来たのはいいものの…桜田家はもぬけの空。 「…せっかくご飯作ってあげようと思ったのになぁ…」 ちなみに言い換えるならば、密かに想う彼に自分の手料理を食べてもらいたい…というのもある。いや、むしろそっちのがメインだったりする。 「…本当に何やってるのかなぁ…ジュンのばか…」 もしかして…事故か何かに巻き込まれたのかも…いや、そんなことを考えるのはやめよう。 はぁ…どうしてこんなときってネガティブなことばかり頭に浮かんできちゃうんだろうなぁ… 「……早く帰って来ないかなぁ…」 …よし、彼がいつ帰ってきてもいいようにご飯を作っといてあげよう!もちろん私特製のシュウマイも!きっとよろこんでくれるはずだよね。
191 :
閉鎖まであと 78367 秒 :2007/01/22(月) 22:13:53.11 ID:NVdV9Y7TO
「人間の女ぁ?だって姉貴は今東京にいるんだぞ?その姉貴以外の女が僕の家にいるなんて…」 ありえない。と言おうとして、僕は重大なことを忘れていたことに気づく。 ……一人だけいる。許可も無しに勝手に僕の家にあがれる、紫の髪が特徴の女の子が… 「もしかしたらさっきみたいな妖怪の類が貴方を狙ってきたのかも…」 そんなことを考えている間にもこの式神様はドアの前に立ち、侵入者を迎え打つ態勢に入っていた…ってここでさっきのアレをぶっぱなす気かっ!? 「ジュン、下がってなさぁい。相手によっては扉を開けた瞬間に攻撃が……なんてこともありえるわぁ」 ……ヤバい、目がマジだ… 「ちょっ…待て待て待て待てぇーっ!!!」
192 :
閉鎖まであと 78307 秒 :2007/01/22(月) 22:14:53.92 ID:NVdV9Y7TO
…ん?なんか外が騒がしい… 「…もしかしてジュンが帰って来たのかな?」 …もしそうなら、まずはうんと怒ってやらなくちゃね。私をこんなに心配させた罰。それからご飯にしようっと♪。 私は嬉しさ6割・安心3割・不機嫌1割で玄関に向かう。
193 :
閉鎖まであと 78272 秒 :2007/01/22(月) 22:15:28.28 ID:NVdV9Y7TO
迎撃準備万全の水銀燈の腕を掴み、なんとか攻撃をやめさせようと押さえ付ける。 「なんで止めるのよっ!もしかしたら貴方の命を…」 「バカ!こんなとこであんなもんぶっぱなしたらこの辺一帯火事になるだろがっ!」 それに中にはアイツが…! 「私は貴方を守るのが使命よっ!手段を選んでなんていられないわ!」 言い争いながら取っ組み合いをしていると、突然玄関のドアが開けられた。 「……ジュン…なの?」
194 :
閉鎖まであと 78204 秒 :2007/01/22(月) 22:16:36.61 ID:NVdV9Y7TO
家から出てきた少女…幼なじみの薔薇水晶…は、眼前の光景に呆然としている。 そりゃそうだ。 自分の幼なじみと巫女装束の美女が、道端で抱き合って(彼女から見たらそう見える)んだから…… たちまち辺りに冷たい空気が流れ始める。 「…ジュン」 「はっ、はいっ!」 反射的に体が反応してしまう。 うおぉ……クモ女よりこえぇぇ!!! 「…説明…してくれるよね」 「は、はいっっっ!」 この非常に冷たい空気の中、水銀燈だけが「一体どういうことぉ?」と言いたげな顔をしていた……
195 :
閉鎖まであと 78127 秒 :2007/01/22(月) 22:17:53.55 ID:NVdV9Y7TO
これにて第二話終了です。
そしてこの場を借りてお礼を…
緊急投下スレの
>>78 さんと前スレ
>>104 さん、素敵な狐銀様をありがとうございましたm(_ _)m
あれを待ち受けにしているのは内緒…w
196 :
閉鎖まであと 77839 秒 :2007/01/22(月) 22:22:41.08 ID:j6XidVOA0
>>195 おお!一転して修羅場突入かwwww
続きwktk!
>>195 いきなり修羅場かw
続きが楽しみな続き物がまた一つ増えました。
198 :
なし :2007/01/22(月) 22:49:07.35 ID:qh9I/Pl/0
薔薇「あんなこっといいっなー♪ヤれたらいいなー♪あんなことこんなこといっぱいあるけどー、 いっしょにキめえて、トびたいなー 「はい、【バイアグラぁー!!】」 アンアンアン、とっても大好き サクラーダジューン♪」 ジュン「たのむ、大声で歌うな、人が見てる。脱ごうとするな、欲zy…人に見られる。」 薔薇「ぶぅ」 ジュン「元ネタはあれか、青ダヌキか?」 薔薇「きらえ●んに教えてもらった」 ジュン「歌うなら家で二人っきりのときにしてくれ」 薔薇「今の言葉、ボイスレコーダーに記録した。嘘ついたらこれをばら撒く。 欲情するって言いかけたのを真紅に言ったら…」 ジュン「やめてくれー!!!!」 薔薇「まずは、アッガイのコスプレして」 ジュン「ああ、奴隷生活の幕開けだ」 薔薇「ニヤリ」 きらえもんの作者さん、名前お借りしてすみませんでした。
199 :
閉鎖まであと 75391 秒 :2007/01/22(月) 23:03:29.66 ID:i/aOe7PWO
200 :
閉鎖まであと 75070 秒 :2007/01/22(月) 23:08:50.61 ID:j6XidVOA0
>>198 ・『原則「コテ」禁止』
コテハンの人の書き込みが悪いんじゃなくてコテを付いてるということが荒れる原因になりやすいので原則コテは禁止で。
このスレは一応このようなルールで進行してますので、ご理解のほどお願いします。
もし、コテという言葉がわからないのでしたら、すみませんが半年ROMっていただきたく存じ上げます。
201 :
閉鎖まであと 74996 秒 :2007/01/22(月) 23:10:04.47 ID:9Uvh0KKx0
みっさんからボディブロー喰らって、薔薇しーに止めを刺された。 みんなGJだぜぃ
202 :
閉鎖まであと 74390 秒 :2007/01/22(月) 23:20:10.69 ID:t4Qrlafw0
>>195 さてさて、どんな展開を見せるのやら・・・
先が楽しみですよ、ほんとに
203 :
閉鎖まであと 72223 秒 :2007/01/22(月) 23:56:17.50 ID:UfFRBvt4O
そろそろ糞ローゼンスレも全て消える時ですね^^^^^^ザマーミロ
204 :
閉鎖まであと 72212 秒 :2007/01/22(月) 23:56:28.05 ID:9Uvh0KKx0
にょろ じゃなくて保守
205 :
閉鎖まであと 70737 秒 :2007/01/23(火) 00:21:03.16 ID:p9W2WxpU0
早め保守
206 :
閉鎖まであと 69886 秒 :2007/01/23(火) 00:35:14.45 ID:Ft65fo7/0
>>198 最近はタイトル使ってくれるSS書きさんがいて嬉しいです。
207 :
閉鎖まであと 69876 秒 :2007/01/23(火) 00:35:24.31 ID:W17s+0e8O
保守
208 :
閉鎖まであと 68204 秒 :2007/01/23(火) 01:03:16.04 ID:rkMLfKIG0
今なら行けそう。 あらすじ 就職を機に、ジュンは故郷を離れ、独り暮らしを始めました。 ところが…… 破格の値段で借りた事故物件には、金糸雀という娘の幽霊が住み着いていたのです。
209 :
閉鎖まであと 68171 秒 :2007/01/23(火) 01:03:49.52 ID:rkMLfKIG0
『ひょひょいの憑依っ!』Act.3 朝方のゴタゴタから心機一転、ジュンは梱包されていた品々の荷ほどきを始めました。 こういう事は、先延ばしにすると絶対に片づかないもの。 研修が始まれば、尚のこと、時間は割きづらくなるでしょう。 独り暮らしの荷物など、それほど多くありませんから、ここは一念発起のしどころです。 「いいか、邪魔すんなよ。ドジなお前が手を出すと、余計に散らかしかねないからな」 『ふーんだ! こっちからお断りかしら』 釘を刺すジュンの身体から、金糸雀はするすると抜け出して、アカンベーをしました。 ちょっと幼さを残す仕種は微笑ましいのですが―― (なんと言っても、天下無敵の自爆霊だもんなぁ) 触らぬカナに祟りなし。素晴らしい格言です。 やれやれ……と頭を掻きながら、服や食器などの日用品から開梱し始めます。 殆どの服は冬物で、夏服は6月のボーナスをもらったら、買い揃える予定でした。 シャツや下着、靴下をタンスに収納し終えて、次はセーターやパーカーの番です。 段ボール箱の封をカッターで切り、開いたジュンの目に、妙な物が飛び込んできました。 高級ブティックのロゴが入った、瀟洒な袋です。 「――あれ? こんなの入れたっけか」 ジュンには、憶えがありませんでした。 そもそも、おしゃれに疎い彼には、高級ブティックなど馴染みの薄い場所。 まるで、オーパーツ(Out 0f Place Artificacts)です。
210 :
閉鎖まであと 68137 秒 :2007/01/23(火) 01:04:23.46 ID:rkMLfKIG0
>>209 もしかしたら、のり姉ちゃんが変に気を利かせて、コッソリ忍ばせたのかも知れません。
彼女には、そういう過保護すぎるところがありました。
ジュンが実家を離れようと決意したのも、姉の存在を、少なからず疎ましく思っていたからです。
「あいつ……勝手に何を入れてきたんだよ」
端を折り返し、テープ止めしただけの紙袋を開くと、一着のセーターが……。
頸を傾げながら、それを引っぱり出して広げた途端、記憶が呼び覚まされました。
そのセーターは見るからに不格好で、明らかに市販品ではありません。
「なあに、そのセーター? 左右の袖の長さが、揃ってないかしら。
カタチもいびつだし、ところどころ、ほつれてる……」
ジュンの身体を離れて、手持ちぶさたにプラプラしていた金糸雀が、
出来損ないのセーターを目に留めて、顔を寄せました。
そんな彼女に、ジュンは穏やかな表情で答えます。
「ちょっとな。ある人との、思い出の品なんだ。
僕なんか、すっかり忘れてたのに……姉ちゃんは憶えてたんだな」
「どんなエピソードなの? 聞かせて欲しいかしら」
「別に、大した話じゃないさ」
素っ気なく言って、ジュンは不細工なセーターを、ベッドに放り投げました。
それは、話す気がないという無言の返答。ジュンは再び、荷物の整理を始めます。
「むぅー。ケチー」
金糸雀は面白くなさそうに頬を膨らませて、そっぽを向くのでした。
211 :
閉鎖まであと 68100 秒 :2007/01/23(火) 01:05:00.38 ID:rkMLfKIG0
>>210 それから小一時間ほど、作業に集中していたジュンは、ふと――
「ん? あいつ、どこ行ったんだ?」
金糸雀の姿が見えないことに、気付きました。
彼女は、この部屋に縛り付けられている自縛霊ですから、遠出なんてできない筈です。
相手にしてもらえない事を拗ねて、押入の中にでも籠もっているのでしょうか。
「静かなのはいいけど、余計なことしてないだろうな」
そろそろ昼食時です。
『カナが作ってあげちゃうかしらー』
――と、お節介を焼かないとも限りません。
最悪、ボヤ騒ぎでも起こされようものなら、この部屋を追い出されてしまいます。
そうなっては、ここより高い家賃の物件に、引っ越さざるを得ないでしょう。
引っ越し代もバカになりません。
やはり、目の届く場所に居てもらった方が、なにかと安心。
パラソルを肩に担いで立っている分には、信楽焼のタヌキさんと似たようなモノです。
ジュンは意味もなく天井を見上げて、どこかに隠れている金糸雀に呼びかけました。
「なあ、居るのか? おーい」
……沈黙。
それはつまり、返事をする気がないか、返事ができない状況にある……と言うこと。
なんとなく、ジュンの胸は不安に駆られるのでした。
212 :
閉鎖まであと 68060 秒 :2007/01/23(火) 01:05:40.82 ID:rkMLfKIG0
>>211 「まさか…………もう良からぬコトを、しでかしてくれたんじゃあ」
台所で火事(家事?)とか、洗濯機で水漏れとか、はたきで窓を割ったとか。
あるいは、トイレ掃除中に溶液を混合して、有毒ガス発生とか……。
「冗談じゃないぞ。最後のは、特に!」
もう、落ち着いて荷物の片付けをしている心境では、ありませんでした。
即座に立ち上がったジュンは、金糸雀を探し歩きます。
そして、玄関、トイレと見回り、浴室のドアを開けると……
探していた娘は、シャワーを浴びて、暢気にくつろいでいるじゃあーりませんか。
(また、このパターンか!)
ジュンは、失笑を禁じ得ませんでした。
これではまるで、どこでもドアで幼なじみの少女の入浴シーンに突撃する、ドジな少年です。
ドアが開けられた直後、ハッ! と顔を向けた金糸雀は、頬を引きつらせて――
「き、きゃ――――っ!? ジュンのエッチ――っ!」
絹を裂くような悲鳴をあげて、お湯ならぬ火の玉を、ジュンに浴びせたのでした。
火傷と打撲でヒリヒリと痛む頬をさすりさすり、ぶすっとした顔のジュン。
彼の視線の先には、幽霊なのに脚がある金糸雀が、正座をして悄気ています。
「お前なあ……幽霊のクセに、なんで風呂なんか入るんだよ!」
213 :
閉鎖まであと 68013 秒 :2007/01/23(火) 01:06:27.21 ID:rkMLfKIG0
>>212 「……だってぇ」
「だってじゃないだろ。お前が使ったガス代と水道代は、僕が払うんだぞ」
「でもでもっ! カナだって女の子かしら。
そのぉ…………男の人の前では、いつでもキレイで居たい……かしら」
それが、乙女ゴコロというものでしょうか。
彼女居ない歴22年のヘタレな青年には、よく解りません。
いえ、どれだけ恋愛経験が豊富でも、異性の気持ちの機微は掴みきれないものでしょう。
所詮、他人同士なのですから。
雨に濡れた捨て猫みたいな目で見上げてくる金糸雀を前にして、
ただでさえ女性経験の乏しいジュンは、言葉に詰まりました。
それを目敏く見て取った金糸雀は、ここぞとばかりに畳みかけます。
「それにね、幽霊って、水辺を好むモノなのかしら。
定期的にマイナスイオン効果で元気ビンビンにならないと、消えちゃうかしら」
「別に、消えてくれても構わないんだけど」
「ひ、酷いっ! カナなんか要らないっていうかしらっ」
金糸雀は両手で顔を覆い、さめざめと泣き始めてしまいました。
なんとなく芝居がかっていますが、女の子に涙を見せられては、対応に困るというもの。
(とりあえず、泣き続けられても鬱陶しいからな。宥めておくか)
来客を告げるブザーが鳴ったのは、ジュンが優しい声をかける矢先のことでした。
記憶を辿ったものの、来客の約束などしていません。書留か、宅配便でしょうか。
玄関のドアを開けると、そこには気まずそうな顔の真紅が佇んでいました。
今日は、いつものように髪を結って、白を基調とした洋服に華奢な体躯を包んでいます。
214 :
閉鎖まであと 67973 秒 :2007/01/23(火) 01:07:07.78 ID:rkMLfKIG0
>>213 彼女が背に回した手には、食材とおぼしい買い物袋が……。
ジュンが用件を訊ねるより早く、真紅は目を逸らしながら、言葉を並べます。
「昨夜は……その……ごめんなさい。送ってくれて、ありがとう。
正体をなくすまで酔っぱらうなんて、みっともない姿を見られてしまったわね」
「気にすることないさ。寧ろ、真紅の意外な一面を見られて、嬉しかったよ」
「……ジュン」
真紅はジュンの顔を見ないまま、はにかんで、買い物袋を前に突き出しました。
「お礼……というコトでもないけれど、貴方のために、お昼を作りに来たの」
いつもの勝ち気な性格は鳴りを潜めているらしく、頬を染めて、照れ照れの彼女。
ジュンは『真紅さま好きじゃぁー』と、抱きつきたい衝動を堪えるので必死です。
「いま、お邪魔してもいい?」
無論、ジュンに断る理由などありません。
真紅の手料理を食べられるなんて、夢のようでした。
――が、頷いて招き入れようとした、まさにその時っ!
「ねぇ〜ん、ジュン〜♪ なにしてるかしらぁ〜」
台所の方から、やけに艶めかしい金糸雀の声が飛んできたではあーりませんか。
ジュンは当然のことながら、真紅もまた、驚愕に目を見開いております。
そこへ、トドメとばかりに半裸エプロン姿の金糸雀が現れたから、さあ大変。
「早くしないと、カナのお料理が冷めちゃう〜。あらぁ、お客さんかしらぁ?」
215 :
閉鎖まであと 67908 秒 :2007/01/23(火) 01:08:12.56 ID:rkMLfKIG0
>>214 金糸雀は、見せつけるようにジュンの背中に擦り寄い、勝ち誇った眼差しを真紅に投げつけました。
対する真紅はと言うと――俯いて、ワナワナと身体を震わせるだけです。
「……そうよね。貴方にだって、恋人の一人や二人、居て当然よね」
「お、おい、真紅っ! 誤解するなよ」
「誤魔化さなくていいのよ。いきなり押し掛けた、私が悪いんですもの。
…………私……バカみたい」
「違うんだ! こいつは――」
「これ、よかったら食べてちょうだい。さよならっ!」
「真紅っ!」
買い物袋を押しつけることでジュンの弁解を拒絶した真紅は、身を翻し、
白いスカートを風に靡かせながら、走り去ってしまいました。
彼女の残り香と、踵を返した一瞬にまなじりから振り払われた雫が、ジュンの心を責めます。
その痛みは、言葉にカタチを変えて、金糸雀にぶつけられました。
「なんてことするんだよ! あいつに誤解されたじゃないか」
「……いいんじゃないかしら」
「な、なんだとっ?」
金糸雀は一向に悪びれた風もなく、腰に両手をあてがい、鼻であしらいました。
「あの程度で離れていくなら、本気でジュンのこと想ってないって証明かしら。
大体…………あの女の目が気にくわない。
あたかも、ジュンが自分のものであるかのような、高慢な目つきが!」
「そんなの、お前の思い過ごしじゃないのか? 勝手な思い込みだろ?」
「あのね、ジュン。女の子って、すごく互いを観察しあってるものかしら。
顔は笑ってても、裏では牽制しあって、誰よりも自分を可愛く見せることに躍起になってるの。
だから……男の子には解らない些細な変化も、鋭敏に嗅ぎつけるかしら」
216 :
閉鎖まであと 67873 秒 :2007/01/23(火) 01:08:47.49 ID:rkMLfKIG0
>>215 ドジな自爆霊ながら、金糸雀も女の子。女性の心情は、女性が一番よく解るのでしょう。
やたらと実感がこもっていて、説得力がありました。
「あーんな媚び媚びの女、どんな卑賤な策を用いてでも、ジュンから遠ざけてやるかしら。
うふふふっ……だって貴方の身体は、カナのものなんだもの。
ジュンに近付く女は、誰だろうと――祟ってやるか〜し〜らぁ〜っ!」
花弁のような唇から紡ぎ出される、禍々しい呪詛。ジュンの背筋に悪寒が走ります。
どれだけ可愛らしい風貌をしていても、やはり、金糸雀は幽霊なのです。
「ふざけるなっ。僕は誰のものでもないっ!」
不意に訪れた恐怖を押し退けるように叫んで、ジュンは玄関を飛び出しました。
背後から、呼び止める金糸雀の哀しげな声が飛んできましたが、振り返りません。
いまはただ、片時たりとも、あの部屋に居たくはありませんでした。
それに、真紅の誤解も解かなくてはなりません。
「……くそっ。こんな時に、財布も携帯も置いてくるなんて」
ジュンは舌打ちしました。これでは、真紅や笹塚くんに連絡を取ることも叶いません。
でも、引き返すつもりはなく、逸る気持ちのまま、漠然と走り続けるのでした。
やがて、彼の脚は勢いを失い……気付けば、混雑し始めた小道を彷徨っておりました。
すると――
「おーでかーけでーすかー?」
妙に馴れ馴れしい声で、話しかけられたのです。
217 :
閉鎖まであと 67825 秒 :2007/01/23(火) 01:09:35.04 ID:rkMLfKIG0
>>216 振り返ると、左眼を薔薇の眼帯で隠した娘が、竹箒を手に、立っていました。
また、奇妙奇天烈なことを言われるのも面倒です。
無視して立ち去ろうとしたジュンですが、ふと思いついて、彼女に訊ねました。
「あのさ……この近くで、金髪の子を見なかった?」
「……見た。ほら、そこに」
言って、眼帯娘が指差したのは、ペットショップ。
店先に、ゴールデンレトリ−バーの子犬が……。
「犬じゃなくって……ああ、もういい。それとさ、霊能者の知り合いとか居ないか?
除霊が出来る人なら、誰でも構わないんだけど」
すると、眼帯娘はニコッと微笑んで、自分の鼻先を指差しました。
「君が、霊能者だって?」
「ここだけの話…………私の左眼……霊界に繋がってる」
「ほ、ホントにっ?!」
「……うっそぴょーん」
どうやらこの娘、真面目に取りあう気が無いようです。
これ以上、闇雲に探し回っても時間の無駄でしょう。
お昼も食べていませんし、不本意ながら、ジュンは部屋に戻るべく方向転換したのです。
落胆のあまり丸められた彼の背中に、眼帯娘が嘲笑いながら、妙な言葉を投げてきました。
「優しさは……錆びたナイフ。ざくざくと無惨に肉を削ぎ……ココロを形骸に変える。
コワイコワイ……」
何が言いたいのか、さっぱり解りません。ジュンは振り向きもしませんでした。
218 :
閉鎖まであと 67794 秒 :2007/01/23(火) 01:10:06.39 ID:rkMLfKIG0
>>217 ボロアパートに引き返したジュンは、ドアの前で、たっぷり10分は躊躇していたでしょう。
胸に蟠る畏怖の念が、右腕の筋肉を強張らせて、ノブを握らせません。
けれど、いつまでも突っ立っているのは馬鹿げています。
ここは、正式な手続きを踏んで借りた、ジュンの部屋なのですから。
何度か深呼吸を繰り返して「よし!」と気合いを入れ直す。
右の手首に左手を添えて、一気にノブを回し、ドアを開きました。
その途端、ふわりと美味しそうな匂いが、ジュンを出迎えたのです。
おや? と訝った次の瞬間――
「おっかえりなさいかしらー♪」
稲妻のごとく飛んできた金糸雀が、ジュンに抱きついて、頬にキスしました。
あまりの勢いに思考停止して、口をパクパクさせる彼の耳から、
金糸雀の甘い囁きが麻薬のように染み込み、身体をシビレさせてゆきます。
「もう帰ってきてくれないかと思ったら、怖くて……気が狂いそうだったかしら。
カナは自縛霊だから、誰かに取り憑かなければ、この部屋から離れられないの。
ジュンが来るまで……ずっと、カナは独りぼっち――すごく寂しかったんだから」
「……お前」
「ジュンの迷惑にならないように、努力するわ。
お料理も、お洗濯も、何でもするし、お風呂の回数も控えるかしら。
だから…………お願いっ! 貴方の隣に居させて。
ジュンのコト……どんどん好きになっていくかしら。この気持ち、止められないの」
今まで、特定の女性と付き合うことのなかったジュンにとって、
こうも一途に想われることは、悪い気がしませんでした。たとえ、それが幽霊でも。
情にほだされ、ジュンは金糸雀の髪を撫でながら「好きにしろよ」と受け入れていたのです。
その、誰にでも分け与えられる『優しさ』が、真紅のココロを無惨に切り裂いているとも気付かずに。
219 :
閉鎖まであと 67750 秒 :2007/01/23(火) 01:10:50.76 ID:rkMLfKIG0
220 :
閉鎖まであと 66964 秒 :2007/01/23(火) 01:23:56.45 ID:3mtj5uxH0
>>219 最近スレを斜め読みしてたんでこのシリーズ認識してなかった
前回のもwikiで読んでくるよ。続きを待ってる
221 :
閉鎖まであと 65893 秒 :2007/01/23(火) 01:41:47.14 ID:Rsl2IKxYO
み「ただいま…カナ…」 金「お帰りなさい、みっちゃん。あら…みっちゃん顔色が悪いかしら〜。」 み「うん…なんだか今朝から胸が苦しくって…ハァ…」 金「みっちゃん…大丈夫かしら?お薬飲んだ?」 み「うん…心配しないで…ちょっと休めば…あっ…」ガクッ 金「みっちゃん!?大丈夫かしら!?しっかりするかしらー!!」 み「ハァ…ハァ…ごめんね…カナ…私…もう駄目かもしれない…」 金「みっちゃん!みっちゃ〜ん!!嫌かしらぁ…カナを置いていかないでかしらぁ…グスっ…えぐっ…」 み「ハァ、ハァ…カナ…最後に…もう一度…まさちゅーしてくれる?」 金「うぐっ…勿論かしらぁ…何度でもさせてあげるから…ぐすっ…最後なんて言わないでかしらぁ…」 み「ありがとう…ま…まさちゅ…」 金「みっちゃああああぁん!!」 『ガシッ』 み「せっちゅ…」 『プチン』 金「?」 み「あ…あれ?急に胸がラクに…」 金「今の何かが外れたような音…もしかして…」 金糸雀がみっちゃんの胸のボタンを開と… 金「あああああぁ〜!!みっちゃん、これカナのブラジャーかしら!!」 そこにはホックの外れた小さな黄色いブラがあった
222 :
閉鎖まであと 65794 秒 :2007/01/23(火) 01:43:26.98 ID:Rsl2IKxYO
>>221 み「あ…あら?どうりで胸が締め付けられたわけね…あは…あはははは…」
金「……」
み「いや〜、ごめんごめんカナ…で、でも私が間違えるくらいカナも成長したってことで…」
金「…みっちゃん?」
み「は…はい!」ビクッ
金「…罰として一週間ネットオークション禁止かしら。」
み「えぇっ!?」
金「もし破ったらカナは一生口聞かないしまさちゅーもさせてあげないかしら♪」
み「そ…そんなぁ…」
金「何か反論はあるかしら?(にっこり)」
み「……ありませんorz」
金「よろしい。なら晩御飯にするかしら〜♪」
み「はい…はぁ…ついてないなぁ…」
騒がしくも幸せな二人は今日も仲良しです…
223 :
閉鎖まであと 65621 秒 :2007/01/23(火) 01:46:19.36 ID:jBND7lyNO
カナ祭りktkrww
224 :
閉鎖まであと 65226 秒 :2007/01/23(火) 01:52:54.31 ID:6ZxTYJnI0
226 :
閉鎖まであと 64455 秒 :2007/01/23(火) 02:05:45.25 ID:Rsl2IKxYO
金糸雀の日記 ○月×日 今日もみっちゃんにまさちゅーせっちゅをされた。 抱きしめられて背骨が鳴り頬から煙が出た時は少なからず生命の危機を感じたかしら。 ○月Ω日 今日、ネットオークションをしてたみっちゃんが落札をし損ねたようだった。 でもその時「あ〜ん、チョベリバ〜!」と叫んだみっちゃんを見て何故か切なくなったかしら… ○月♯日 今日みっちゃんが会社帰りに食べられる野草をたっぷり採ってきた…美味しかったけど日々みっちゃんがたくましくなってるように思うのは気のせいだろうか? ○月△日 今日みっちゃんがお風呂に入ってる時 「は〜ビバノンノンってか〜♪」 って聞こえてきたかしら…仕事で疲れてるのは分かるけど何故かまたやるせなくったかしら。 ○月Σ日 今日みっちゃんが風邪を引いた。早く治ってほしくてカナは必死で看病したかしら。 でもみっちゃんがくしゃみをした時… 「ハックシュン…あ〜、ちきしょうめ…」 と言っていたかしら…またもや切なくなったかしら… 『パタン』 み「…あれ?おかしいな、目から塩水が…」
227 :
閉鎖まであと 63077 秒 :2007/01/23(火) 02:28:43.02 ID:cFm82IExO
228 :
閉鎖まであと 60665 秒 :2007/01/23(火) 03:08:55.91 ID:3mtj5uxH0
>>226 これは実にみっさんくさいおっさんですね
最近みっさんが可愛くなってきた
229 :
閉鎖まであと 59046 秒 :2007/01/23(火) 03:35:54.68 ID:p9W2WxpU0
保守
230 :
閉鎖まであと 56151 秒 :2007/01/23(火) 04:24:09.66 ID:Qv1amldK0
ほしゅ みっさんという呼び名がやけにしっくりくるな
231 :
閉鎖まであと 55595 秒 :2007/01/23(火) 04:33:25.80 ID:Rsl2IKxYO
み「カナ〜、お風呂入ったからお先にどうぞ〜。」 金「はーい。でもみっちゃん、お仕事で疲れてるんだしみっちゃんが先に入ったほうがいいんじゃ…」 み「ふふっ、ありがと。でも私のことは構わないから先にどうぞ♪」 金「でも…」 み「私が頑張れるのはカナがいてくれるから…だから私は何よりもカナが優先なのよ。」 金「みっちゃん…(じぃ〜ん) うん♪ならお言葉に甘えてお先に入らせてもらうかしら〜。」 み「しっかり肩まで浸かって温まるのよ?」 金「はーいかしら〜♪」バタン み「カナの残り湯ハァハァ…(*´Д`)」
232 :
閉鎖まであと 53809 秒 :2007/01/23(火) 05:03:11.40 ID:vO1mVUpK0
>>195 こういうのは大好物ですw
wktkがとまんねえぇwww
>>198 JUMふいたwww
>>219 だからこういうのは大好物だっつてんだろっ!!GJだっ!!
でもまさかこの俺が金糸雀もいけるくちだとはおもわなんだ…
>>225 あなたが神か?
あ、転載っすか。双方ともいい仕事してるね〜
>>231 みっちゃんwww癒されるのはわかるけど変態にしか見えないwwww
233 :
閉鎖まであと 49087 秒 :2007/01/23(火) 06:21:53.25 ID:vO1mVUpK0
234 :
閉鎖まであと 47800 秒 :2007/01/23(火) 06:43:20.68 ID:Rsl2IKxYO
み「ただいま、あ・な・た♪」 み「え、今日も綺麗?やーん、照れちゃうよもぅ♪」 み「お風呂にする?ご飯にする?それとも…」 み「え?一緒に寝たい?もう…しょうがないなぁ…うん、いいわよ。」 『ガチャッ』 金「みっちゃん、さっきからぬいぐるみに向かって何話してるのかしらー?」 み「!!!!(///)」
235 :
閉鎖まであと 44648 秒 :2007/01/23(火) 07:35:52.51 ID:OR2IjAgs0
保守
236 :
閉鎖まであと 44406 秒 :2007/01/23(火) 07:39:54.25 ID:rv1VcjyKO
>>225 どことなくJUMがバーローwに見えるのは俺だけか?
保守
237 :
閉鎖まであと 44166 秒 :2007/01/23(火) 07:43:54.51 ID:2gFLu2Gf0
>>225 銀様が某オナフォに書かれてる女に見えるわけだが
238 :
閉鎖まであと 40926 秒 :2007/01/23(火) 08:37:54.24 ID:LB4stvtCO
保守
239 :
閉鎖まであと 40424 秒 :2007/01/23(火) 08:46:16.73 ID:MXwq7Xv40
>>219 カナのハチャメチャさが目立つようでいて、その心の深い嫉妬が見え隠れ…
ばらしーの発言の意味深さが増してるね…
JUMの破滅も近いのか!?続きwktkしてますよ!
>>220 あるあr…ねーよw
カナ微妙にカワイソスw
>>225 うめえ
>>226 みっさん…(´・ω・`)
>>231 みっさん…(´・ω;`)
>>234 みっさん…(´;ω;`)
240 :
閉鎖まであと 36500 秒 :2007/01/23(火) 09:51:40.58 ID:bVLaWHbD0
ほしゅ
着替えを済ませ、準備をして朝食を取らずにいつもの場所へと向かった。 やはりまだ暑い。9月ももうすぐ中盤に入ろうと言うのに、空気は暦通りになってくれそうにはなかった。 「おはようございます」 気持ちのよい朝の挨拶と軽快なジャズのサウンドがもたらす雰囲気はとても心地好い―そして、ここにあの人がいるというスパイスが加わっている。 銀「ホントに来たわね」 彼女が微笑む。 J「約束は守らないと」 銀「あなたってホントは真面目なのね」 J「水銀燈さんだからですよ」 僕は何を言っているんだろう。 どこからともなく発せられる言葉は淀みなく流れているものの思考回路にその文字はない。 これが本音と言うものなんだろうか。 銀「ありがとねぇ。じゃあ今日はショット追加の分引いとくわぁ」 J「あ、ありがとうございます」 銀「今日だけよぉ」
242 :
閉鎖まであと 35618 秒 :2007/01/23(火) 10:06:22.70 ID:rv1VcjyKO
>>241 銀「じゃあ、お作りしますのであちらの黄色いランプの下でお待ちください・・ねぇ、タンブラー買わない?」
J「タンブラーですか?」
銀「よく来てくれてるし、タンブラーもって来てくれたら20円引きよぉ」
J「そうですか。じゃあ・・・このタンブラー買います」
僕が選んだのはオーソドックスなタイプのタンブラー。ブラックアウトされた感じがいい雰囲気だった。
銀「ありがとうございます♪最初の1杯目は無料よぉ。今度来た時にね?」
J「明日か明後日ですね」
銀「明日は朝私いないわよぉ」
J「あ、そうなんですか」
銀「週に1回だけ夕方のシフトなのよ。来るなら夕方に来てねぇ」
J「じゃあそうさせてもらいます」
冗談なのか本気なのかは別にして、心底楽しいと思えたのは久しぶりだった。
243 :
閉鎖まであと 34859 秒 :2007/01/23(火) 10:19:01.98 ID:rv1VcjyKO
>>242 店には彼女とあと1人―店長さんがいる。
水銀燈さんと僕が長々と喋っていることを止めずに、ただにこやかな笑みを浮かべながら仕事をしている人だ。
その店長さんからラテをもらって指定席へと向かう―彼女が話しかけてくれるのを待ちながら。
銀「ねぇ、妹見つけた?」
J「見つからないですね」
銀「探してるぅ?」
J「探して欲しいんですか?」
銀「そんなことないわぁ」
反語とお取りしてよろしいですね?水銀燈さん。
J「じゃあ頑張ってみますよ。あ、水銀燈さんってどこの大学なんですか?」
銀「私も有栖学園よぉ。あなたと一緒。国際関係学部よぉ。」
国際関係―内部でも狭き門とされる文系で法学部を抑える勢いのある学部だ。
J「国関ですか・・・僕も一応目指してるんですけどね。」
銀「ならサボっちゃだめじゃなあい。」
J「なんか虚しいんですよ・・最近特に」
銀「どうして?」
J「なんだかわからないんですけどね・・・」
彼女は少し考えて自分の携帯を取り出した。
244 :
閉鎖まであと 34318 秒 :2007/01/23(火) 10:28:02.62 ID:rv1VcjyKO
>>243 銀「携帯かして?」
僕は一瞬なにが起こったのか、理解するのに時間を要した。
J「・・・あ、はい」
彼女は手慣れた手付きで僕の携帯を操作し、赤外線で何かを送受信しているようだった。
銀「はい、私の番号とメルアドよ。何かあったら言ってきてねぇ。聞くくらいならいつでもするわぁ。あ、デートのお誘いもあなたならOKよぉ」
J「あ、ありがとうございます・・・」
彼女は冗談混じりで僕にそんなことを言った―僕の心臓が今にも破裂しそうなのを知ってか知らずかはわからない。
(・・・ヤバい。)
夢の中でのあのフレーズがリピートされる。
(・・・転機、なのか?)
今日は、学校に行けそうにない。
245 :
閉鎖まであと 34224 秒 :2007/01/23(火) 10:29:36.09 ID:rv1VcjyKO
今日はここまで
246 :
閉鎖まであと 32166 秒 :2007/01/23(火) 11:03:54.10 ID:jBND7lyNO
247 :
閉鎖まであと 27231 秒 :2007/01/23(火) 12:26:09.26 ID:vqAVE2WPO
248 :
閉鎖まであと 24474 秒 :2007/01/23(火) 13:12:06.58 ID:LB4stvtCO
保守
249 :
閉鎖まであと 22683 秒 :2007/01/23(火) 13:41:57.04 ID:LB4stvtCO
保守
250 :
閉鎖まであと 20448 秒 :2007/01/23(火) 14:19:12.69 ID:LB4stvtCO
保守
251 :
閉鎖まであと 18730 秒 :2007/01/23(火) 14:47:50.86 ID:jBND7lyNO
保守
252 :
閉鎖まであと 17887 秒 :2007/01/23(火) 15:01:53.55 ID:d9q2RvMXO
>>179 そんなこんなで、第七話『全員集合』をどうぞ!!
なんでこんなことになっているかと言うと…
…時は遡り……西暦1653年……
J「ちょっと待て!薔薇水晶 これは僕の話だ」
薔「………チッ」
J「おいっ!!」
今度こそ、第七話をどうぞ!!
なんでこんなことになっているかと言うと…
四時間目が終わり、昼飯でも食うかと弁当を鞄からとりだしていると
翠「JUN!いつも昼飯1人で食ってるから、翠星石達が一緒に食ってやるです!!」
ハァ?
ポカーンとしている僕を見て、翠星石さんの後ろにいた蒼星石さんが
蒼「えっとね、僕も含めて姉妹全員がJUN君とご飯食べたいなぁってことなんだよ」
翠「いいからくるですぅ!!」
わけもわからず手を引っ張られて、屋上に連れてこられた僕。
そういや久しぶりだなぁ。
253 :
閉鎖まであと 17827 秒 :2007/01/23(火) 15:02:53.01 ID:d9q2RvMXO
>>252 久しぶりの屋上…
前は毎日来てたのに、先輩達と出会ってからほとんど来てない。来る暇もないほど忙しかった。
屋上の扉をあけると、そこは雪国だったわけはないが、綺麗な女の子達が6人立っていた。
つまり、まだ会ったことのない最後の娘がいたわけだ。
その娘を探そうと端から順番に見ていると、
銀「JUN、きらきーちゃんを探してるのねぇ」
きらきーちゃん?
最後の娘の名前かな
薔「きらきーの紹介をかねて……みんなの…自己紹介する……」
いいねと、姉妹達が賛同し昼食前の自己紹介。
そういや、お互いほとんど知らないよな
254 :
閉鎖まであと 17755 秒 :2007/01/23(火) 15:04:05.76 ID:d9q2RvMXO
>>253 ぢゃぁ、まずは長女からと軽く咳払いをする先輩
銀「私は、長女の水銀燈よぉ 三年だわぁ」
金「カナは次女の金糸雀かしらぁ!同じく三年かしら 水銀燈とは隣のクラスなのよ」
大人の雰囲気をかもし出す先輩に、元気たっぷりのカナ先輩。
続いて、
翠「翠星石は三女なのです JUNとは同じクラスですぅ」
蒼「僕は、翠星石の双子の妹…つまり、四女だよ JUN君、改めてよろしくね」
にっこり笑う蒼星石さんがまぶしい。
2人は僕と同じ二年。
255 :
閉鎖まであと 17659 秒 :2007/01/23(火) 15:05:41.75 ID:d9q2RvMXO
>>254 紅「私は、五女の真紅。一年なのだわ」
………年下かよ
雛「ヒナは、ヒナは、えっとね……六女なのよぉ 真紅と同じ一年生なのぉ」
まさか、一瞬自分が何女かわからなかったのか?
ハハ
まさかな薔「……薔薇水晶。八女…一年 アッガイとJUNが好き…」
八女と言うことは、最後の娘が七女か
雪「はじめましてJUN様 なんと読むと思います?」
そう言って、『雪華綺晶』と書かれた紙を差し出してきた。ん〜。ちょっと悩んで
J「ゆきかきしよう?」
冷たい空気。一気に五度は下がったな
雪「JUN様…それは寒いですわ」
これでも頑張ったんですよ!
雪「正解は、きらきしょう 雪華綺晶は私の名前ですわ 七女、雪華綺晶、一年 よろしくお願いしますわ」
正直、雰囲気的には次女だ。
体の発育は先輩についで良いし、落ち着いた雰囲気、年下とは思えない
というか、他の姉妹が元気良すぎるだけかな。
256 :
閉鎖まであと 17590 秒 :2007/01/23(火) 15:06:50.66 ID:d9q2RvMXO
>>255 J「よろしくお願いしますね。雪華綺晶さん」
思わず敬語になる僕。
こんなんだから年下(主に真紅)に舐められるんだろうな
ん?
………なんでこっち見てんの?皆さん
紅「早く、あなたの自己紹介をしなさい」
あぁ、僕もするんだ
J「僕は、二年の桜田JUNです」
翠「無愛想です」
うるさいな。
早く飯食いたいんだよ。
腹減ってんのこっちは
続け
257 :
閉鎖まであと 15475 秒 :2007/01/23(火) 15:42:05.44 ID:jBND7lyNO
258 :
閉鎖まであと 12087 秒 :2007/01/23(火) 16:38:33.03 ID:tvVnnnwr0
保守
259 :
閉鎖まであと 9925 秒 :2007/01/23(火) 17:14:35.91 ID:LB4stvtCO
保守
260 :
閉鎖まであと 7925 秒 :2007/01/23(火) 17:47:55.37 ID:MXwq7Xv40
ho
261 :
閉鎖まであと 6727 秒 :
2007/01/23(火) 18:07:53.78 ID:rv1VcjyKO shu