1 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:
代理ですがな('A`)
2 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:13:16.94 ID:QiySD05e0 BE:217007982-2BP(3001)
3 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:41:52.10 ID:kfjG+OSA0
こっちに移住かね('A`)
4 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:42:03.85 ID:N42rapNW0
5 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:42:20.91 ID:XrjDPbzt0
6 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:43:02.44 ID:BgEU/XYP0
へえ、あんなタチ悪いのがいるんだね。
7 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:43:42.07 ID:Hr90j4HK0
すいませんでした。
8 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:44:15.78 ID:kfjG+OSA0
二個あったから、とりあえず使ってるほう行っちゃえよwwwwって奴かね('A`)
9 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:45:58.48 ID:BgEU/XYP0
いやー、ビックリした!
何かDQNに絡まれた気分だったよ。
そりゃvipperが嫌われるわけだぜ。
10 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:46:45.06 ID:7ioS58Kr0
結局こっちに移住でいいのかな
ふー、びっくりした。
11 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:47:21.91 ID:siuLWJ0J0
チェリー酒
12 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:47:50.44 ID:BgEU/XYP0
13 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:48:49.36 ID:7ioS58Kr0
14 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:49:52.90 ID:BgEU/XYP0
移動できたのかな。
誰もいないのかな。
15 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:51:33.96 ID:kfjG+OSA0
いるいる( ^ω^)
16 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:51:45.84 ID:7ioS58Kr0
向こうに誘導貼る?
17 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:53:00.92 ID:QFk3xdHz0
読みたかったけどもう寝ますお
おやすみノシ
18 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:53:07.32 ID:BgEU/XYP0
今貼って来ました。
いやーテンション下がったぜ。
19 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:53:09.94 ID:7ioS58Kr0
もう
>>1氏自ら貼ってたwww後手後手でサーセンwwwww
20 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:53:49.81 ID:BgEU/XYP0
>>17 おやすみんさい( ^ω^)ノシ
まーたぶんのっとられない限りは落ちてないと思われます
1000 :閉鎖まであと 5日と 20時間 :2007/01/18(木) 00:55:00.91 ID:pywA6osm0
1000なら来年のセンターでも0点でうp
>>23カワイソスwwwwwwww
22 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:56:06.81 ID:9RBggi/U0
前スレ1000・・・
マンPのGスポットwwwwwwwwww
誤爆サーセンwwwwwww
24 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:56:36.36 ID:tagEknRp0
1000 :閉鎖まであと 5日と 20時間 :2007/01/18(木) 00:55:00.91 ID:pywA6osm0
1000なら来年のセンターでも0点でうp
1000 :閉鎖まであと 5日と 20時間 :2007/01/18(木) 00:55:00.91 ID:pywA6osm0
1000なら来年のセンターでも0点でうp
1000 :閉鎖まであと 5日と 20時間 :2007/01/18(木) 00:55:00.91 ID:pywA6osm0
1000なら来年のセンターでも0点でうp
25 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:56:46.89 ID:G0600zJfO
誰かまとめてる先おしえてプリーズ。
読んでたら落ちた…or-z
27 :
閉鎖まであと 5日と 20時間:2007/01/18(木) 00:58:01.60 ID:YmnZj5bRO
さすがに全教科じゃなかろう?英語で許してやろーぜwwww
28 :
1:2007/01/18(木) 00:59:29.25 ID:BgEU/XYP0
じゃ、途中から適当に貼っておきますNE
30 :
27:2007/01/18(木) 00:59:42.72 ID:YmnZj5bRO
あ・・・・
31 :
1:2007/01/18(木) 01:00:12.99 ID:BgEU/XYP0
【パルスタ城内防衛線】
「どこから入ってきやがった!とにかく撃て!生きては帰すな!」
城内に残っていたパルスタ兵士が続々と城の2階、皇帝の寝室前に集まる。
敵影は全部で4つ。中には奇妙なからくり人形らしき姿もあった。
「撃てぇぇ!」
大尉の声と共に小銃が掃射される。
けれど一体いかなることか、前に立ったキツネのような少年と狸のようなカラクリの
手によって銃弾の全てが壁に突き刺さった。
「何をやっておる!もっと撃て!撃たんかっ」
大尉の言葉が終わる寸前に廊下を一筋の閃光が走った。
次いでその横から放たれる空気の圧縮弾。兵士の2、3人が纏めて吹き飛ぶ。
「後ろだ!」
振り向きざまにショックガンの光線が窓に向かって走る。
速射で3発、正確に兵の体を捉えるとそのまま下向きに落下していった。
32 :
1:2007/01/18(木) 01:00:48.38 ID:BgEU/XYP0
「応援!もっと応援だ!」
「軍本部の防御で手一杯だというのに、何ということだ!おい、貴様!」
「はい!」
「倉庫からガトリング砲を持ってこい!」
「しかしここで使っては城壁に著しい損傷が!皇帝の身の安全も保障できません!」
「やかましい、黙って持ってこんか!城内に侵入されてるんだ、
万一皇帝が死んでも賊の仕業ということで処理できるわ!」
少将の代わりに指揮を執った中尉が叫ぶ。は、はい!と兵士が叫ぶと脱兎の勢いで階下に向かった。
「生きては、帰さんぞ!ガキども、そして……タカベ!」
33 :
1:2007/01/18(木) 01:01:28.61 ID:BgEU/XYP0
不意に廊下から聞こえ始めた銃撃音にエイレーネー帝はビクリと肩を震わせる。
目の前の少年、ロイ・ベーツと名乗った彼は落ち着いた様子でエイレーネーの下に歩み寄った。
「突然の来訪をご容赦下さい、エイレーネー帝。
今日は大事なお話があってここにやって参りました」
丁寧な口調でロイは喋る。その目に敵意のないことを読み取ると、エイレーネーは少しだけ体の力を抜いた。
「……パルスタの軍は、負けたのですか?」
トリユの人間が、あの堅牢な軍本部を破らずしてこの部屋にまでやって来れるはずがなかった。
だから国王のロイがこの部屋にいるということは、それは即ち我が国の敗北を意味しているのではないか?
エイレーネーは瞬間的にそのようなことを考える。
「いいえ、違います。遠い遠い星から来た友人が、無力な私をここまで導いてくれたのです。
さあエイレーネー帝、時間はあまりありません。私とお話する時間を頂けますか?」
なぜだろう。歳の頃は同じはずなのに、目の前に立っているロイ・ベーツはその体よりも
一回りも二回りも大きく見えた。
しかし彼女も一国の皇帝である、すくみ上りそうになる己の心を胆力でねじ伏せると
「どうぞ」とロイに椅子を薦めた。
34 :
1:2007/01/18(木) 01:01:52.88 ID:BgEU/XYP0
「ガトリング、来ました!」
「よし、前線下がれ!ガトリング、前へ!」
ドラえもんの目にとんでもなくでかい重火器の姿が飛び込む。
スネオが引きつった表情で「あんなの、反則だろ!」と叫んだ。
「スネオくん、腰を落として!」「放てぇぇぇぇぇ!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
銃軸の周辺に配置された六本の銃身が獰猛な勢いで回転する。
それと同時に吹き出される、光の礫・毎秒数十発。
懸命にヒラリマントをはためかせるが、徐々にその周辺が削り取られていった。
「もっと弾もって来い弾ぁぁ!!」
「くっ、このままじゃあもたないよ!」
「ママー!!」
「畜生、ここまでなのかよ!」
35 :
1:2007/01/18(木) 01:02:21.81 ID:BgEU/XYP0
3人がもはや諦めかけたその刹那。
ドラえもんの背後からゴツゴツと節くれだった手が伸びてきて、彼のポケットを素早く探る。
「消えろぉぉぉ!!!」
絶叫とともに光のシャワーがガトリング砲を包んだ。
その瞬間ガトリングは、みるみる内に姿を小さくしていく。
「スモールライトか!」
中尉、ならびに周辺の兵士が呆然とした様子でその様を眺める。
なぜガトリングが小さくなるのだ?もはやその状況は、彼らの理解を遥かに超えていた。
「今だ!ジャイアンこれを!」
この機を逃さんとばかりにドラえもんがポケットに手を突っ込むと、ジャイアンに道具を手渡した。
ジャイアンはすかさずそれを飲み干す。
「ええいもういい!突っ込めぇぇ!」「叫んでぇぇ!」
36 :
1:2007/01/18(木) 01:02:45.98 ID:BgEU/XYP0
ウオオオオオオ!!!
ジャイアンの咆哮が城内に轟く。その轟音は声となり形となって、パルスタの兵に襲い掛かった。
「なんだこれは!何かが飛んで っ・・・!!」
もの凄い勢いで飛んできた声の塊に軒並み押し倒されるパルスタ兵。
これでしばらくは後続する兵も来ないことだろう。コエカタマリン。
道具の使い方に関しては、ドラえもんに一日の長がある。
「油断するな!蹴散らそうぜ!」
ジャイアンが叫んだ瞬間、まだ少し残っていたコエカマリンのお陰で声の塊が飛び出した。
「熱っついー!!」
スネオの頭をあわやの距離でかすめていく。
「ガハハ、悪い悪い!でもお前、背が低くてよかったな!」
「放っておいてよ!」
廊下に束の間の安堵が訪れた。
37 :
1:2007/01/18(木) 01:03:17.60 ID:BgEU/XYP0
「エイレーネー帝。戦争は、もう終わりにしましょう」
ロイは唐突に喋り始めた。おそらくそのようなことを話しに来たであろうことは
エイレーネーも予想していたことだ。そうでなければ、わざわざ寝室まで来ることもなく
一思いに殺してしまえばいいのだから。
「なぜです?未だ戦闘は終わってないのでしょう」
「あなたはどうして戦争を行なっているのですか?」
質問を質問で返されてエイレーネーは少々気色ばんだ。
それにしても、と彼女は考える。自分を人質として確保してしまえば、いやもっと言えば……
こんな話し合いなどせずに無理やり従わせてしまえば、戦争を止めるという目的は簡単に
達成されるのではないだろうか。
ロイの雰囲気はしかし、およそそのような暴力的な解決を採ろうとするものではなかった。
「たくさんの兵が死にました」
ロイは椅子から立ち上がり、窓の外に目を遣る。うっすらと目を細めて朝日を眺めているようだった。
「……それは我が国とて同じことです。我が軍の兵士は今回の戦いで多くの犠牲が」
38 :
1:2007/01/18(木) 01:03:54.02 ID:BgEU/XYP0
「バルグ、ケント、ヨーデハイム、イガ……まだまだ沢山います」
「何のことです?」
「今回の戦争で死んだ兵士たちのことですよ。
いえ、私の国には『兵士』なんて存在はいません。
それは二次的な呼び名です。彼らにはそれぞれの名前があって、それぞれの……
人生があった。そして多分、心の奥底に『ユメ』も」
「ユメ?」
初めて聞く言葉に首をかしげるエイレーネー。
けれどその様子を気にかけることなくロイは喋り続ける。
「月並みな言い方になりますが――私たちの眼球は、胴体の上に位置します。
決して高くはありません。けれども分からなくなってしまうんですよね」
「話が見えません」
「ずっとその位置からだけ見ていると、地面を這っている蟻の姿が。少しも分からなくなる」
「国民が蟻で、私は傲慢な為政者、とでも言いたいのですか?」
「いいえ、そうではありません。ただ、気付かなくなる時がありますよね、という話です。
答のある類の話じゃない。けどね――」
39 :
1:2007/01/18(木) 01:04:16.17 ID:BgEU/XYP0
そこで言葉を区切ると、ロイは背中に朝日を受けながらエイレーネーに向き直る
。逆光になったので、途端に彼の表情が見えなくなった。
「足元に蟻がいるのを知ってて、そのまま踏み潰すのは殺生というものですよ」
「私はパルスタ国民を踏み潰してなど……!」
「違いますよ」
「え?」
「トリユの国民のことです」
その瞬間、部屋の外から一際激しい銃砲音が鳴り響いた。寝室全体が少なからず鳴動する。
「な、何?!」
「ガトリングか……!」
ロイが険しい顔で部屋のドアを睨み付ける。あまりのことに狼狽したエイレーネーは反射的に寝室のドアノブを握った。
「動くな!」
地を這うような低い恫喝。エイレーネーの全身の筋肉が硬直した。
「出たら、死ぬぞ」
40 :
1:2007/01/18(木) 01:06:14.70 ID:BgEU/XYP0
口調が変わった。これがあの『自由国家』トリユの国王なのだろうか。
想像していた姿と随分乖離があった。
「……なぜそこでトリユ国民の話が出てくるのです」
ドアノブから手を離しながらエイレーネーは呟いた。
「トリユ国民の命も、それは等しく尊いでしょう。
しかしそれを守るのはロイ国王、あなたの仕事なのではないですか?」
「いいえ、それはあなたの仕事です」
ロイはキッパリと言い切った。その断定的な口調にエイレーネーは思わず鼻白む。
「勝手なことを……」
「少なくともレオーン帝はそうなさっていましたよ」
動揺した。どうしてここで父の名前が出てくるのか。
41 :
1:2007/01/18(木) 01:06:31.61 ID:BgEU/XYP0
「偉大な方でした。確かに彼は階級制度を敷いた。
けれどそれは、ヒストリア人の気質、そして性質を熟知していたからこそのことです。
だから帝は徹底した教育制度を設けた。反発はありましたけれどね。
でもそれまでおよそ教育に触れたことのなかったヒストリア人です。
少しでも早く国を大きくし、人々の生活を充実させるには多少性急でも、強引と詰られようとも
『新しい時代が来た』ということを叩き込まなければならなかったのです。
戦争も終わったばかりで世情も動揺しておりましたしね。とにかく、確かに帝の政策には賛否両論がありましょう
。けどね、帝の素晴らしいのは、国民を一切差別をしなかったところです」
「何を……現にパルスタには階級が……」
「帝は国民を、等しく『ヒストリア人』としてみておりました。
だからこそ教育の機会は平等に与え、またクレキガの民を特別優遇することもなかった。
いつかは、ヒストリア人の気質が少しずつ変わって争う性格も穏やかになれば、帝は
階級制度を撤廃する旨仰っておりました」
「どうしてあなたが……そんなこと……」
42 :
1:2007/01/18(木) 01:06:59.83 ID:BgEU/XYP0
そこでエイレーネーはふと彼の言葉の中にある違和感に気付く。
『仰っておりました』
なぜこの年端もいかない少年が、私が産まれた時と前後して死んでいった
父と関わりあったような風に喋っているのだろうか。
「あなた……誰!」
「……申し訳ありません。私は一つだけウソを申しました。改めて名を名乗ります」
少年はそこで一息付くと、真っ直ぐと正面を向いて口を開いた。
「私の名はマサキ……マサキ・タカベと申します」
「ウソよ!」
反射的にエイレーネーが叫ぶ。彼女の髪が窓から差し込んだ朝日を受け、まばゆく輝いていた。
「タカベは、タカベは既に30歳を超えているはずよ!屈強な兵士だとも聞いたわ!
あなたのような少年が、タカベであるはずがないじゃない!」
「この体は借り物です。地球と言う星から来た野比という少年が貸してくれました
。信じる信じないはお任せします。ただ、エイレーネー帝だってお分かりのはずでしょう、
私がかつてのパルスタに住んでいない限りは、先のような話ができないということくらい」
「……」
43 :
1:2007/01/18(木) 01:07:42.89 ID:BgEU/XYP0
ロイ……いや、彼の言葉を信じれば、タカベになろうか。
とにかく彼の言っていることはもっともなことだった。
彼女が書庫で読んだ歴史の書物ともぴったりと符号する。
それに、エイレーネー自身も伝え聞いてないことも随所に散らばっていた。
もちろんそれが真実であるかどうかを判断する術はない。
けれど、ウソをついていると思うには目の前の状況があまりにも異常すぎた。
「……一つだけ聞かせて下さい」
「何でしょう」
「どうして、どうしてパルスタがトリユに救いの手を差し伸べなければならないのですか?
トリユが勝手に出て行って、略奪まで行なって、それなのにどうして我々が彼らを救わなければならないのです?」
「トリユの先代……キャンベル・ベーツ初代国王が、どうして独立したかご存知ですか?」
「だからそれは自由を求めて……」
「違います。レオーン帝が死んでしまったからです。
正直に言いますが、今のあなたにはとうに実権がない。
レオーン帝が死んですぐに即位したのですが、それからずっとあなたを支持してきた人間
彼の存在がキャンベル帝をしてトリユの独立をせしめたのです」
44 :
1:2007/01/18(木) 01:08:36.54 ID:BgEU/XYP0
ギノが?しかしギノの存在とトリユの独立と、どう関係があるのか。
エイレーネーは次々と出てくる新しい事実に深い困惑を覚えた。
「10年前、レオーン帝が逝去される頃ですね。
その時点でパルスタの国力は無理な教育を推し進める必要のないくらい成長しておりました。
帝自身もその頃には教育制度と労働の制度を修正する方針でいた。
けれどその時、レオーン帝は突然亡くなった……ま、私なんかはギノが何かを企んだと邪推しておりますがね。
そのことは、今はどうでもいいでしょう」
父がギノの手によって殺められた?まさか!
しかしエイレーネーはその言葉を信じまいとはするのだけれど、心の動揺は已むことを知らない。
タカベはなおも話を続ける。
「ギノは大佐兼任の摂政に即位すると、すぐさまレオーン帝の遺言を握りつぶした。
遺言ってのは制度改正のことですね。それを知ったキャンベル氏は、深く落胆した。
それはそうでしょう、当初は必要的義務として課された教育と労働が、その役割を終えてもなお
義務として課され続けることが決定したのですから。
彼は当時中央教育機関の責任者だった。
そしてその現場で段々と人々が変容していく様を前線で見続けていたのです。
このまま行けば、パルスタは確実に潰える、そう考えながらね。独
立はその末の決定でした」
「なぜです。教育と労働の何が悪いのです」
45 :
1:2007/01/18(木) 01:09:38.78 ID:BgEU/XYP0
「いいからお聞きなさい。我々が子供の頃はね、まだ大戦の最中だったのですが……
それはもうひどいもんでした。そこかしこに死体がゴロゴロ転がっている。
人々の目にはおよそ希望の光なんてなかった。
それはそうですよ、明日自分がその死体にならないとも限らないのですから。
けどね、それを変えてくれたのがレオーン帝だった。彼は死の恐怖から我々を解放してくれた。
段々と我々の目にも希望の光が満ちてきた。
その時の仕事は楽しかったとキャンベル氏も言っていました。
目の前の人間が目を輝かせて勉強をするんですからね、そりゃあやりがいもあるでしょう。
けどね」
「けど?」
「その光が消えていったんですよ。
国が安定することによって、逆説的に。これは私の仮説ですが、おそらく
『先』が見えるようになったんですね。
このまま1年中勉強して、そして労働を課されて、そのまま死んでいく。
だったら俺と、今隣に座っているやつと、いつ入れ替わっても何も変わらないんじゃないのか、って。
キャンベル氏は言ってましたよ」
「……」
46 :
1:2007/01/18(木) 01:10:24.08 ID:BgEU/XYP0
「『目の光が、大戦中と同じに戻った』って。
結局、生きながらにして死んでるような状態、それが今のパルスタですよ。
そしてそれはトリユも同じことです」
「どういうことですか?」
「キャンベル氏は発展する精神こそが生きる希望だと考えた。
だから苦労を買って、何もない地での立国を決意したのです。
それはもう楽しかったそうですよ。死にそうな出来事も何度か経験したそうですが、
そこには常に目標があった。大げさな言い方をすれば希望があった。
そして出来たのが、トリユです。けれどね、もうそのトリユはどこにもないんですよ。
私が去年トリユに渡った時、それは驚きました。みんな死んだような目をしているんですから。
ああ、これは子供の時に見た目つきと同じだな、って。その時に思ったんです。
自由という言葉の傘を借りて何もせず、何も目的を持たず、ただ一日を暮らす。
食べ物も少なく、ひどく貧しい。それでも誰も働かない。
物を作る知識もない。そこにあったのは、緩やかな死でした」
「……あなたは何が言いたいんですか?」
47 :
1:2007/01/18(木) 01:10:58.20 ID:BgEU/XYP0
「長くなりました。私が言いたいのは、もうトリユだのパルスタだの、そういう状況じゃないということです。
一部の権力者のせいで、この星の人間はゆっくりと死んでいっています。
ヒストリア星全体の自殺、と言ってもいいかもしれません。
エイレーネー帝、あなたは聡明な方です。それくらい話していたら分かる。
だからお願いです、もう国で人を分けないで下さい。
ヒストリアの地に立つ人間はそもそも皆、等しいのです。
だからどうか、トリユの人間のことを責めないであげて下さい。
どうか決して……踏み潰さないであげて下さい」
エイレーネーはもう何も口を差し挟まなかった。
ただ、黙ってタカベの言葉に耳を傾けた。私は皇帝に即位してから一体何を見てきたのだろう
?一体何をしていたのだろう?分からない、今は何も。
――トリユでもパルスタでもなく、ここはヒストリアなんです。
タカベの言葉が耳朶に蘇る。
答はどこにも転がっていなかった。
48 :
1:2007/01/18(木) 01:11:22.15 ID:BgEU/XYP0
「タカベさん!」
突然寝室のドアが開いた。そこには頭にバンダナを巻いた屈強な男が立っている。
見たことのない兵士だった。
「そろそろ限界だ!ここから脱出します!話は終わりましたか?!」
「ああ、もう大丈夫だ。ありがとう、のび太くん」
「じゃ、すぐにこのロープの端を握って!」
促されるままに目の前のタカベが縄の端を握る。その瞬間、2人の体が発光した。
しかしそれは一瞬のことですぐに光は已み、またもとのように2人は部屋に立ち尽くしている。
と、タカベがエイレーネーの方を向いた。
「へえ、本当にしずかちゃんにそっくりだあ」
途端にタカベの口調が変わった。いや、おそらく目の前の少年はもうタカベではないのだろう。
それは雰囲気で察せられた。あまりにも不可解なことが立て続けに起こるものだから、
エイレーネーは多少のことでは驚かない。
49 :
1:2007/01/18(木) 01:11:52.01 ID:BgEU/XYP0
「のび太くん!行くよ!」
どやどやと2人の少年、そして不思議な生物が入ってくる。
この生き物は一体なに?少しだけ耐性の付いてきたエイレーネーだったが、目の前の光景はさすがに受け入れ難かった。
しかも、喋る。
「とりあえず、トリユに向かおう!」
奇妙な生き物のポケット(らしきもの)からかなり大きなドアが飛び出した。
もう何でもアリだ。私は多少のことでは驚かない。
「トリユへ!」
声とともにドアが開く。するとそこには、室内だったはずの空間に見慣れない風景が広がっていた。
もう、何が何だか分からなかった。
「のび太さん!」
ドアの向こうには静がいた。ぐいぐいともの凄い勢いでロイを引っ張っている。
一体トリユで何があったのだろうか?その光景からは、事態が把握できない。
肩越しにはミヤイが倒れているのが見える。
50 :
1:2007/01/18(木) 01:12:38.85 ID:BgEU/XYP0
「パルスタの軍本部に行って!」
突然静がとんでもないことを言い出す。軍本部だって?
そんなのは自殺志願者の言葉だと思った。あそこでは今も激しい攻防戦が繰り広げられているはずである。
しかし――
「ドラちゃんも!タカベさんも!皆も早く!」
「は、はい!」
そこにいたのはいつもの静ではなかった。
ものすごい剣幕に押され、思わず返事をしてしまうのび太。
「私も、私も連れて行って下さい!」
声の主はエイレーネー帝だった。
僕の顔が2つと、そして静の顔が2つ。
それを見ていると何だかもうどうでもいいや、という気分になってくる。
「ドラえもーーん!!」
「あーもう!どうなっても知らないからね!パルスタ!軍本部!」
どこでもドアの扉が、ゆっくりと開いた。
51 :
1:2007/01/18(木) 01:13:20.57 ID:BgEU/XYP0
【話は少し遡る】
「……そんなわけで、僕とタカベさんが入れ替わってエイレーネー帝のところに行ってくる。
静ちゃんはトリユで待っておいてくれ」
公民館に突然どこでもドアが現れた時は思わず絶句した。
しかもその向こうから出てきたのはよく見た面々で――加えてドラえもんまでいたのだから、
その驚きは大きかった。
「終わったら必ず戻ってくる!」
タカベさんがパルスタの皇帝を説得するという。
しかし戦争が規模は益々大きくなっている現状において、果たして説得が功を奏するのであろうか。
静は胸に沸く不安を抑えきれず、思わず気持ちをそのままにぶつけた。
「もう、いいじゃない!皆頑張ったじゃない!タカベさんも、ロイもみんな、地球で暮らせばいいのよ!
戦争なんて、させたい人にさせておけばいいじゃないの!」
言ってから静は後悔した。のび太、スネオ、ジャイアン、そしてタカベのボロボロになった姿を見るにつけ、
自分は何と卑怯な人間なのだろうと思った。戦場にも立たずに分かったふりをして、身勝手な言葉をぶつけてしまった。
けれどタカベは、怒るでもなくにっこり笑ってこう言った。
52 :
1:2007/01/18(木) 01:13:57.92 ID:BgEU/XYP0
「ありがとう。でもね、静くん。戦争をしたい人なんて、どこにもいないんだよ。だから僕はいかなくちゃなんないんだ」
それだけ言ってタカベはどこでもドアの扉をくぐる。その後に4人が続いた。
静はそれ以上はもう何も言わず、ただただ黙ってその背中を見送る。
「……行かなくちゃ!」
気持ちよりも先に体が動き出す。どこでもドアが消えた瞬間に静は公民館を外に駆け出した。
朝の鮮烈な空気が静の肺に流れ込む。一つだけ深呼吸をすると、静はタケコプターを付けてロイの下へ飛んだ。
「ロイ!」
体当たりをするように会議室のドアを開けると、そこにはロイとミヤイが神妙な顔をして座っているのが見える。
静はそのままツカツカとロイの下に歩み寄ると、机を力任せに叩いて詰め寄った。
「あなたは!戦争がしたいの!それともしたくないの!どっちなのよ!」
「おい娘!国王に向かって何て口の聞き方を」
「あなたは少し黙ってて!私はロイと喋っているの!」
その語気はとても小学生のそれではなく、ミヤイも思わず気圧されて黙り込む。
静は無言でロイの顔を見つめた。
53 :
1:2007/01/18(木) 01:14:21.23 ID:BgEU/XYP0
「……ないよ」
「え?」
「僕だって、どうしたらいいのか分かんないよ!
こんなの、トリユがこんな風になってどうしたらいいかなんて、誰にもわかんないじゃないか!」
「何言ってるのよ……あなた、国王なんでしょう?」
「そんなもの、そんなもの別になりたくてなったわけじゃないよ!
父さんが死んで、いつの間にか国王にさせられちゃって……
そうだよ、父さんが死ななければこんなことに……タカベだって死ななくてよかったんだ……」
パーン。静まり返った会議場に乾いた音が響いた。
静がぜいぜいと息を荒げてロイを見下ろす。
彼の頬が真っ赤に染まっていた。
54 :
1:2007/01/18(木) 01:14:37.36 ID:BgEU/XYP0
「そうやって人のせいにしてたら!戦争が終わるの!?終わると思ってるの?」
「いい加減にしろ!」
突然ミヤイが静に掴みかかる。ものすごい力で押し込められた静は、一息に会議室の壁の端まで追いやられた。
「黙ってパルスタに従っていれば戦争は終わるんだ!タカベが抵抗するから!あいつが全部悪い!」
「あなたたち大人がそうやって……何もかもから逃げようとするから……」
静は苦しそうな声を上げながらポケットの中を探る。ミヤイはなおを力を緩めない。
「こうなったんでしょ!」
怒声を上げて静かは右手を振り上げた。手の中にはタケコプター、素早くミヤイの頭に付けると素早くスイッチをオンにした。
「わ、わわ!」
ふっ、と静の体に掛けられていた力が解かれる。それと同時にごん、と鈍い音が天井から響いた。
次の瞬間、静の目の前には気絶したミヤイが突っ伏していた。
55 :
1:2007/01/18(木) 01:15:04.92 ID:BgEU/XYP0
「あなたは!」
再びロイの下に静が詰め寄る。肩の辺りがズキズキと痛んだけれど、無理やり痛みを忘れた。
「戦場にも行ってない。たぶん図書館の負傷兵の姿も見ていないわ。
どうして目を逸らすの!あなたが守りたい国じゃないの!」
「もうたくさんだよ!放っておいてくれよ!どうして皆、そうやって僕に、トリユに構うんだよ!
放っておいてくれよ!パルスタがトリユのことを欲しがってるんならいつでもあげるから、
僕のことは放っておいてよ!僕らはただ、自由に暮らしたかっただけじゃないか!
パルスタには合わなかった、だからパルスタから出てきた。
それなのになんで今更パルスタがあれこれ言ってくるんだ!」
「パルスタにトリユをあげるって……あなた、自分の言っていること分かってるの?!
その後あなたはどうするのよ!」
56 :
1:2007/01/18(木) 01:15:19.42 ID:BgEU/XYP0
「またどこかに行くさ!そこで自由に暮らしてやるさ!」
「バカー!」
再び静がロイの頬を張る。涙を流したのはしかし、頬を張った静の方だった。
「ロイ、ねえロイ……あたしは確かに無関係かもしれないけど、でもお願い、これだけは言わせて……」
静は嗚咽を堪えながら、瞳をぐっと拭うと再びロイの目を見つめた。
「逃げても、逃げても、どれだけ逃げても。
逃げ出した先に、楽園なんてあるわけないじゃない……」
静の言葉に、ロイが大声で泣いた。
57 :
1:2007/01/18(木) 01:16:03.58 ID:BgEU/XYP0
こんなもんスかねー。
完結編は、ここから書くことにします。
58 :
閉鎖まであと 5日と 19時間:2007/01/18(木) 01:18:25.83 ID:dD5RvYyu0
途中が一つ抜けてねえか? 遡ること何分前ってやつが
59 :
58:2007/01/18(木) 01:20:32.01 ID:dD5RvYyu0
ごめん勘違いだった。スマソ
60 :
閉鎖まであと 5日と 19時間:2007/01/18(木) 01:23:10.50 ID:kfjG+OSA0
ワクテカ保守!
61 :
1:2007/01/18(木) 01:28:41.34 ID:BgEU/XYP0
あ、
>>31の前にこれが入りますね。
一応脳内補正していただけると助かります。
【パルスタ城】
「夜明けね」
エイレーネーは寝室から窓の外を見て呟く。東の空は赤く染まっており、時折鳥の鳴く甲高い声が聞こえた。
その間を縫うようにして銃撃音。交戦はどうやら、未だ続いているらしい。
それにしても馬鹿に近いところで戦っているものね、とエイレーネーは思った。
物心付いた頃には皇位に就いていた。だから父親の記憶はほとんどない。
彼女はただ王座に座っていればよかったし、国のあれこれは全てギノがこなしてくれた。
時折民衆の前に顔を出して手を振ったり、あるいは儀礼的に官位を与えたりする。
そんな生活が彼女の全てだった。
もちろん国の実情や、あるいはトリユとの関係を知らないわけではない。
勤勉な彼女は、ほぼ幽閉に近いその環境の中で本だけを友とした。
とりわけヒストリアの歴史を学ぶことを特に好んだものだ。暇を見つけては書庫に篭り、一日を過ごしたりする。
たまにそのまま寝入ってしまい、何度も女官に叱られたものだった。
コンコン
「誰?」
不意に自室のドアがノックされる。こんな時間に一体誰が?
と訝しがったが、もしかしたら戦闘が終了したのかもしれない。
エイレーネーは特に何も考えずに「入りなさい」とだけ言うと、再び窓の外に目を遣った。
すぐ目の前にやけに体の大きい鳥が羽を休めており、思わず体を引く。
62 :
1:2007/01/18(木) 01:29:01.51 ID:BgEU/XYP0
「失礼します」
聞き覚えのない声にエイレーネーはドアの方を振り返る。
バタン、と音がしてドアが閉まると、その前にどこかで見たことのある顔をした少年が立っていた。
「初めまして。私はトリユ国国王ロイ、ロイ・ベーツです」
鳥の羽ばたいていく音が。エイレーネーの鼓膜を揺らす。
「侵入者だ!侵入者がいるぞ!」
「ちくしょう!もう見つかっちまった!」
「ここで食い止めるんだ!絶対にエイレーネーのところまで行かせちゃいけない!」
ドラえもんの声に3人が「おう!」と声を揃えて叫ぶ。4人は息を整えると、それぞれに武器を構えた。
63 :
閉鎖まであと 5日と 19時間:2007/01/18(木) 01:41:18.07 ID:dD5RvYyu0
ほせ
64 :
閉鎖まであと 5日と 19時間:2007/01/18(木) 01:48:17.96 ID:kfjG+OSA0
保守
65 :
閉鎖まであと 5日と 19時間:2007/01/18(木) 01:53:56.78 ID:7ioS58Kr0
ほす
ぬーーん。
待ち遠しくて煩悶する。
67 :
閉鎖まであと 5日と 18時間:2007/01/18(木) 02:04:09.73 ID:7ioS58Kr0
自分も待ち遠しい…がもう限界
肉さん&保守の人 頑張ってノシ
68 :
閉鎖まであと 5日と 18時間:2007/01/18(木) 02:10:01.66 ID:s1/C8JUy0
キャッチャー
69 :
閉鎖まであと 5日と 18時間:2007/01/18(木) 02:13:12.84 ID:gO4LpMWy0
今夜は朝まで付き合うぜ!!
70 :
1:2007/01/18(木) 02:15:44.52 ID:BgEU/XYP0
>>68 まさに捕手
今、じっくりじっくり書いてます。
ブログにアップする時は大幅に加筆修正しないとなあ('A`)
71 :
閉鎖まであと 5日と 18時間:2007/01/18(木) 02:18:32.76 ID:4zGEicHNO
>ブログにアップする時は大幅に加筆修正
大 幅 に 加 筆 修 正
72 :
1:2007/01/18(木) 02:20:20.38 ID:BgEU/XYP0
>>71 >小幅に加筆修正
修正しました( ^ω^)
73 :
閉鎖まであと 5日と 18時間:2007/01/18(木) 02:36:27.86 ID:mf6F7sMZO
あ〜っ!今気付いた
ゆとりかw
74 :
閉鎖まであと 5日と 18時間:2007/01/18(木) 02:50:13.56 ID:kfjG+OSA0
保守
75 :
閉鎖まであと 5日と 17時間:2007/01/18(木) 03:15:24.90 ID:kfjG+OSA0
保守
76 :
閉鎖まであと 5日と 17時間:2007/01/18(木) 03:46:38.21 ID:gO4LpMWy0
もす
77 :
閉鎖まであと 5日と 17時間:2007/01/18(木) 03:48:14.60 ID:gtHRTrNX0
スネオの夏の人だったのか
懐かしいな
78 :
1:2007/01/18(木) 04:30:12.27 ID:BgEU/XYP0
5:00までに完成しそうです。
一応。
79 :
閉鎖まであと 5日と 16時間:2007/01/18(木) 04:35:30.77 ID:gO4LpMWy0
ガンガレガンガレ
まだまだ待ってるよ〜
80 :
1:2007/01/18(木) 04:48:39.34 ID:BgEU/XYP0
「凄まじいな……」
リツブの森の入り口に立ったタカベは、パルスタ軍要塞を見つめながら呟いた。
夥しい数の死体、その8割はパルスタ兵で、残りの2割はトリユの兵だった。
本部の外でこれなのだから、一体要塞の中にはどれだけの数の死体が転がっているのだろうか。
「ひどい……こんな……」
「タカベ……これ……」
凄惨な戦場の現実に、両国の頭首が言葉を失う。
ロイはそのままタカベの腕を掴むと、激しくえづいた。
タカベはロイの腕をグッと握ると、その傍にいたエイレーネーの方に目線を遣る。
彼女は、顔色こそ真っ青になっていたが決して目を逸らそうとせずに戦場の現場を見つめていた。
この幼い帝は、周りが思っているよりもずっと強いのかもしれない。
「……ロイ、これがあなたが守ろうとしたもののために払われる、犠牲なのよ」
諭すような口調で静がロイに語りかけた。
ロイはなおも激しい嗚咽を漏らしていたが、静が優しく背中を撫でるうち次第に収まっていく。
81 :
1:2007/01/18(木) 04:49:36.19 ID:BgEU/XYP0
「自由を得るためには、責任を取らなきゃいけないんだ……」
ハンカチをロイに手渡しながらゆっくりとのび太が呟いた。
彼の脳裏には、ウガクスのテントで話した捕虜の言葉が今も残っている。
のび太の顔色もとても優れたものとは言えないが、それでもエイレーネー同様に
瞳を逸らさずに戦場と、そして要塞前に散っていった兵士の最後を見つめた。
「のび太くん、あんまり見ない方が……」
「いいんだ、ドラえもん。
僕はこれを見るべきで、これを覚えておく義務があるんだ。
僕がこの星に来たのは、学校を変えるためだった。
もちろん今だって、学校の始まる時間が遅くなればいいと思ってるさ。
けどね、今あることを、『セイド』って奴を変えようと思ったら、
それがどれだけ大変なのか……」
そこでのび太は一つ息を付く。
「……僕はバカだから、ちゃんと覚えておかないといけないと思うんだ」
82 :
1:2007/01/18(木) 04:50:17.82 ID:BgEU/XYP0
言い終わったのび太の横に、スネオとジャイアンが並び立つ。
3人は誰ともなしに手を繋ぐと、視線を真っ直ぐとパルスタの方に定めた。
「エイレーネー帝」
のび太から受け取ったハンカチで口を拭くと、ロイがしっかりとした口調でエイレーネーに語りかける。
エイレーネーは短く「はい」と答えると、眼差し強くロイの顔を見た。
「僕は戦争を放棄します。
戦いは、我々の敗北で構いません。
トリユ国民の処遇はパルスタに一任致します。
一つだけ、もし我がままを言わせてもらえるのならば……
どうか国民の命だけは助けてあげて下さい。
私はどうなっても構いませんから、どうかこの通りです……」
ロイはエイレーネーに対して深く頭を下げた。
エイレーネーは下げられたロイの頭をじっと見つめる。
ロイも、そのままの姿勢を崩さなかった。数十メートル先、
城壁の向こうでは相変わらず銃声が止まない。
「……トリユの地は、木と、水と、土が豊富だそうですね」
突然のエイレーネーの言葉に、少しばかり戸惑いの表情を浮かべながらロイは頭を上げる。
エイレーネーは穏やかな笑みを浮かべながらロイに語り続けた。
83 :
1:2007/01/18(木) 04:51:07.39 ID:BgEU/XYP0
「パルスタにあるのは石と、それに火ばかりです。
私はずっとそういうものだと思って過ごしてきましたが……
一度見てみたいものですね。
あなたたちの世界が、どういうものなのかを」
ロイは一瞬言葉を考えあぐねるような様子を見せたが、すぐに明るい顔になって
「は、はい!」と大きな声で首をぶんぶんと縦に振った。
その言葉がどれだけ本気なのかは2人にしか分からない。
人は、歴史はそう簡単に変わるものではなく、
どれだけ美辞麗句を連ねても変え難い現実というのは絶対的に存在するものだ。
それでも今、この瞬間に限っては。
パルスタ国皇帝エイレーネー、そしてトリユ国国王ロイは、
確かに心を通わせたのである。
84 :
1:2007/01/18(木) 04:52:15.39 ID:BgEU/XYP0
一生というのは瞬間の積み重ねだ。
もしかしたらこの時点の出来事は、2人がこれから得る膨大な量の『瞬間』の積み重ねの中に
埋没していくのかもしれない。
けれど、譬え"それ"がどこかに埋もれていったとしても――
起こった事実は消えない、決して。
もちろん"それ"は限りなく奥深くに堆積していってしまうのかもしれない。
大切な瞬間を手にしたことのある人でも、結局二度とそれを拾い上げて見つめ直すことなく
死んでいく……それは往々にしてよくあることだ。
その時がきっと、同じ過ちを繰り返す時なのだろう。
けれども"それ"は、人が生きている限り確かにどこかに残存する。
"それ"はいつか、ふとした時に光り輝いて己の内を照らすべく体の、心の奥深くで残り続ける。
瞬間を瞬間として蔑まず、慈しみ、何度もその時の気持ちを、
そして心を見つめなおせることができれば。
決して彼らはつまづいたりはしないだろう。
85 :
1:2007/01/18(木) 04:53:26.15 ID:BgEU/XYP0
「行きましょう。要塞の中へ」
「はい」
エイレーネーとロイは互いに頷くと、軍本部入り口に向かって一歩足を踏み出した。
戦争を終わらせるために。これ以上ヒストリア人の血を、散らさないように。
「待って!そのまま歩いていったら危険だよ!」
その背後からドラえもんが待ったを掛ける。要塞の中は未だ銃声が止んでおらず、
かなりの混戦状態である。このまま歩いていけば二人が銃弾に当たってしまいかねない。
「これを使おう。手作り雲セット!みんな手伝って!」
ドラえもんがポケットから道具を取り出すと、5人は手早くテキパキと雲を作り上げた。
「さ、2人ともこの上に乗って」
おそるおそる、といった様子で雲の上に乗るロイとエイレーネー。そこにドラえもんがマイクを渡す。
「これで空の上から叫んであげな。『戦争は止めなさい』って」
ドラえもんからマイクを受け取ると、エイレーネーはニッコリと笑ってお辞儀をした。
「分かった、ありがとう狸さん」
「ぼ、僕は猫です!」
86 :
1:2007/01/18(木) 04:54:07.19 ID:BgEU/XYP0
「そんなの、今はどうでもいいじゃないの!早く2人を要塞の中に!」
不満げな表情を浮かべていたドラえもんだったが、のび太にせっつかれるままに
雲コントローラーを操ると、二人を要塞の中まで導いた。
「ちょっと派手すぎない?あれ」
「あのくらいの演出があった方がハッタリが利いていいの!
それよりのび太くん、これからどうするの?」
「道案内は、もう終わったよ」
のび太はすっきりとした口調で、しかしどこか寂しそうな口調で呟いた。
「これから、ヒストリアはどうなるのかな」
「分からない。歴史はそう簡単には変わらないからね。
一時の感情だけで国の政治が変わるほど世の中は単純じゃないさ。
お金、地位、名誉、見栄や誇り……
様々なものが複雑に絡み合って、その上に国や社会があるんだ」
スネオの問いかけに、ドラえもんが難しい言葉を並べる。
のび太は全ての言葉を理解することはできなかったが、この星の人たちが
そう簡単に変わることはない、というドラえもんの意見はよく理解していた。
87 :
1:2007/01/18(木) 04:54:41.08 ID:BgEU/XYP0
「でも……」
少し間を置いてから、再びドラえもんが口を開く。
「どんなことがあっても、たとえ社会が粉々に壊れちゃっても。
最後に残るのは、やっぱり人間なんだ。
たとえゆっくりでも、少しずつでも……一人一人が変わっていくことができたら」
「すぐに、一遍に変わることを望むんじゃなくて、一人一人でも、ゆっくりでも……」
「うん、大事なのはその『気持ち』さ。
それさえ忘れなければ、何度だってやり直せるんだから」
「ドラえもんって、たまにすげえ人間臭いこと言うよなー!」
ジャイアンがドラえもんの言葉を混ぜっ返す。
ドラえもんも負けじと「ハイテクロボットだもの」と返すと、5人はドッと笑った。
88 :
1:2007/01/18(木) 04:54:58.18 ID:BgEU/XYP0
「とにかく、どうなるかは分からないけど……
前より少しは前進できたみたいで良かったよ。ねえ、タカベさ……」
不意にのび太の声が消える。振り返った先、視線の向こう。タカベの姿はどこにもなかった。
「タカベさん?!」
そしてのび太の目に映る。どこでもドアの扉が、僅かに開いているのが――。
89 :
1:2007/01/18(木) 04:55:15.81 ID:BgEU/XYP0
【兵 暁に散りぬ】
90 :
1:2007/01/18(木) 04:55:48.40 ID:BgEU/XYP0
「久しぶりだな、ギノさん……」
タカベがどこでもドアを潜ると、そこはパルスタ軍本部司令室だった。
「タカベか……不思議な道具を使う。どうりで我がパルスタが押されるわけだ」
「それは少し違うな。俺は違う星の友にほんの少し、本当に少しだけ手を取ってもらっただけだ」
その言葉にギノが肩をすくめると、ゆっくりとタカベの方に歩み寄った。
「それで?こんな所にまで来てどうした?まさか今更命乞いか?」
ギノは侮蔑的な口調を保ったままタカベをねめつけた。
不遜な態度、自分を過度に大きく見せようとする姿勢。
何も変わっちゃいない、タカベは心の中で苦笑する。
91 :
1:2007/01/18(木) 04:56:35.54 ID:BgEU/XYP0
「いや、残念ながらそれは少し違うな。あんたに命を乞う必要はないし、それに……」
タカベは喋り続けながら、右手にダガーを握り締めた。
「命乞いをすんのはあんただよ、ギノさん」
タカベの握り締めたダガーはグリップもとうにボロボロで、刀身にも無数のヒビが入っていた。
けれど暁の光を受けて鈍く光るその刃は、未だ人を殺すには充分すぎるほどの鋭さを
有しているように見える。
「貴様、状況が分かっているのか?
私が合図すればすぐにでもこの建物の中にはパルスタの兵士たちが」
「戦争はもう終わりだ。
今頃外でエイレーネー帝とロイ国王の演説が始まっているだろうよ」
ギノの表情が一変する。
その時。
司令室のドアの遥か向こう側から微かに、しかし確かにエイレーネーの声が聞こえてきた。
92 :
1:2007/01/18(木) 04:57:30.97 ID:BgEU/XYP0
「……トリユは降伏しました……パルスタも武器を捨てなさい……」
「どういう……ことだ……!」
顔全体に水滴のような汗を浮かべながら、ギノはようやくそれだけ言った。
タカベは色を失った敵将に侮蔑的な笑みを与えながら、低くハッキリとした声で喋り始める。
「あんたはもうとっくに終わってんだよ、ギノさん。
いや、本来なら大戦の最中に終わるべきだったと言った方がいいか」
ギノの眉間に深い皺が寄った。タカベはダガーの刀身を手の平で叩きながら言葉を接ぐ。
「あんたは親父の部隊を次々と危険な地域に送り込んだ。
更にあんたは、親父の手柄を『正規軍ではない』という理由だけで全部横取りしやがった。
それはまだいい。なんせ戦争だったからな。
しかし……あんたは親父をハメた。ある日親父をパブに呼び出したあんたは、
親父にしこたま酒を飲ませた挙句に、足の腱を切りやがった。
親父を正規軍にさせないためだけにな。
結局親父は、ただでさえ傭兵上がりのレッテルを貼られていたのに、
足の腱までぶった切られて、後は……あんたも知ってるだろう」
「あれは部下が勝手にやったことだ」
「事実はどうでもいいんだよ。ただ、俺が『そう思ってる』ってところが大事なんだ。
分かるかい、ギノさん」
「逆恨みもいいところだな。誇り高い軍人とはとても思えん」
93 :
1:2007/01/18(木) 04:58:21.58 ID:BgEU/XYP0
「傭兵だからな、俺は。まあ今更親父の仇がどうのとは言わんさ。
ハメられるやつが悪いってのは、何も戦場だけじゃないからな。
でもなギノさん、あんたがレオーン帝を毒殺したことは、既にエイレーネー帝に伝えたぜ」
事も無げにタカベは言い放ったが、その言葉にギノは一気に激昂した。
「貴様……!」
「あんたの政治的手腕は大したもんだよ。それは認める。
けどな、この星にはそんな能力はもう求められていないんだよ。
俺たちはもう『終わった人間』なんだ。
時代はもう親父やあんた、そして俺みたいな人間を求めてないのさ
。幕が下りてるのに舞台に上がり続けるのはみっともないぜ、ギノさん」
「うるさいうるさい!誰か、おい、誰かおらんのか!」
「親父のダガーだ。せめてもの餞別に、これであの世に送ってやるよ」
一歩、二歩とギノの下に近づくタカベ。ギノは正面を向いたまま後ろに歩いていくのだが、
すぐに壁に行く手を阻まれた。
タカベがもう一度ダガーを握り締めると、ゆっくりと目の高さに持ち上げた。
「せめて誇り高く死ぬことだ」
94 :
1:2007/01/18(木) 04:59:04.45 ID:BgEU/XYP0
「タカベさん!」
その時、突然タカベの背後からのび太の声が聞こえた。
集中力が刹那に寸断される。
「のび太くん、来るな!」
何も気にせずダガーを振り下ろすべきだったのだろう。
しかしタカベがそうするには、既にのび太はあまりにもタカベの心に居場所を作りすぎていた。
のび太の前で、人を殺すことができなくなっていた。
気付いた時にはギノがタカベの脇を抜け、司令室を後にするところだった。
「ギノぉぉ!!」
叫びながらタカベはギノの後を追う。
ギノは軍人としては無能だが、決してバカではない。追い詰められた奴が一体何をしでかすか――
タカベは饒舌に過ぎた自分の甘さを、呪った。
「タカベさん!」
「のび太くん、キミは来るな!」
外に出ると未だエイレーネーが喋り続けている。
兵士たちはその言葉をじっと聞き入っていた。
タカベはそれには耳も貸さずに辺りを見渡し、ギノの姿を探す。
95 :
1:2007/01/18(木) 05:00:06.67 ID:BgEU/XYP0
「ギノぉぉ!」
トリユ、パルスタの兵の波を掻き分けタカベは走る。
足元には凄まじい数の死体が転がっていた。中には幾つもの見知った顔。
タカベはすぐに弔えない己の不甲斐なさを深く恥じながらも、
速度を緩めることなくギノの姿を探した。
ギノ――ギノはどこに――!
「ギノぉぉぉぉ!!」
視線の先の、数メートル向こう。
血走った目をしたギノは、ガトリング砲を構えると空中に浮かんでいるエイレーネー、
そしてロイに向かってしっかりと照準を合わせていた。
瞬間、タカベの血が逆流する。
タカベの叫び声に何事かと振り向いたパルスタ兵、彼がその姿を視界に捉えたその時には、
既にダガーがギノの首に突き刺さっていた。
しかしギノは未だ止まらない。
ゆっくりと前につんのめったため、照準こそは下に下がってしまったが、
銃弾を射出するためのハンドルを今まさに回さんとするのがタカベの目に
ハッキリと映った。
銃砲の先には……パルスタ兵がいた。
96 :
1:2007/01/18(木) 05:00:34.10 ID:BgEU/XYP0
大地を蹴り上げ、砂埃が舞う。
タカベの体は大気を切り裂き前へと進む。
即座にガトリングの前に立ちはだかるタカベ、両手を広げて。
それとシンクロするようにギノの手が回り、回って――
ガガガガガガガガガガガガ
数十発の銃弾がタカベの体に突き刺り、そしてギノは絶命した。
97 :
1:2007/01/18(木) 05:01:06.04 ID:BgEU/XYP0
一瞬が永遠に感じられる。
その時辺りは、途方もないくらいの静寂に包まれたようでもあった。
「タカベさぁぁぁぁぁん!!」
のび太が泣き叫びながらタカベの下に駆け寄る。
一部始終を見ていたパルスタ兵と、トリユ兵もその周りに群がった。
「タカベさん!タカベさん!」
体中に穴を空けながら、それでもタカベは意識を繋ぎとめていた。
薄くだけ開けられた目、その視線がのび太を捉える。
のび太は何かを言おうとするのだけれど、全ては言葉にならない。
すると後ろにいたトリユ兵が泣きながらタカベに叫んだ。
「タカベさん!なんで、なんでだ!どうしてパルスタ兵なんかをかばったんだよ!!」
その言葉に、タカベがもう少しだけ大きく瞼を広げると、静かに口を開いた。
98 :
1:2007/01/18(木) 05:01:31.09 ID:BgEU/XYP0
『良…かったなあ………おまえらが……生きてて……良かった…なあ』
99 :
1:2007/01/18(木) 05:01:45.89 ID:BgEU/XYP0
「なんでだよ……何がいいんだよ……なあ!」
100 :
1:2007/01/18(木) 05:02:07.16 ID:BgEU/XYP0
『お前らが仲良く……やれ……たらいい……なあ……』
101 :
1:2007/01/18(木) 05:02:37.57 ID:BgEU/XYP0
その場にいたトリユの兵が皆、崩れ落ちるように号泣した。
パルスタの兵の中からも押し殺したような嗚咽が漏れ出す。
「タカベさん!死んじゃやだよ!死んじゃ嫌だよ!!」
のび太がタカベの体にしがみついた。
手の平が生暖かい血にベットリと染まる感触がしたが、それでもなおのび太はタカベに抱きついた。
「タカベさん!タカベさん!」
「のび……太……くん……」
「タカベさん……?」
掠れた声を振り絞り、タカベは最後の言葉を語り始める。
102 :
1:2007/01/18(木) 05:03:20.03 ID:BgEU/XYP0
『俺の…血は、これ……からの時代に…はもういらな……い血なんだ……
だか…ら、こうして……全部流れ…てしまえ……ば、いいんだよ……
…血……を、流すのは俺で……最後で……いい』
103 :
1:2007/01/18(木) 05:03:33.68 ID:BgEU/XYP0
「タカベさん!そんなこと言わないで!ねえタカベさん!ねえ、ねえ!」
104 :
1:2007/01/18(木) 05:04:19.01 ID:BgEU/XYP0
『ユメを……ありが…と……
出来るこ……とな…ら、…次に……生まれ変わっ……た時は…
もっ……と、たく…さ…んの……、
ユメを………みんな……みんな………叶えたい………よ……』
105 :
1:2007/01/18(木) 05:05:11.28 ID:BgEU/XYP0
それだけ言うと、タカベは目の淵に深い、深い皺を刻んで、笑った。
タカベはその時、確かに最後の瞬間に―――
笑ったのだ。
「タカベさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
誰よりも強く、誰よりも厳しく、そして誰よりも優しかった、最強の傭兵。
彼は地球から遠く遠く
遥か遠いヒストリアの地で
夢を夢みながら
誇り高く――朽ちた。
106 :
1:2007/01/18(木) 05:05:39.32 ID:BgEU/XYP0
【エピローグ】
107 :
1:2007/01/18(木) 05:06:17.48 ID:BgEU/XYP0
「のび太くん!遅刻しちゃうよ!」
「行ってきまーす!!」
ヒストリアから地球に帰ってきて、既に1ヶ月が経った。
僕は相変わらずこんな感じで寝坊したり、遅刻したりしている。
「のび太くん、本当にヒストリアのこと、端末機で調べなくってもいいの?」
ドラえもんは何度かそのことを聞いてきたけれど、僕は調べるのをやめといた。
それを知ったところで僕には何の関係もないし、大体僕にできることは何もない。
それに、道案内はもう充分に尽くしたのだから。
これ以上何かしたら、それは決して親切にはならないだろう。
道案内はしたけれど、もしそれでもヒストリアが滅びるのだというのなら、
それは結局運命は変えられないということなのだろう。
僕らは、それを受け入れて生きていかなければならない。
108 :
1:2007/01/18(木) 05:06:46.49 ID:BgEU/XYP0
「のび太、ぼーっとしてどうしちゃったんだよ?」
空を見上げてもヒストリア星は見つからない。
この空の向こうに、ロイやエイレーネーが必死に国をなんとかしようとしているのかと考えると、
何だか不思議な気分になった。
トリユとパルスタ、それぞれの運命に翻弄されながら、2人は。
のび太は空を見上げた。
ひし形の雲が、西へ西へと流れている。
109 :
1:2007/01/18(木) 05:07:51.77 ID:BgEU/XYP0
(タカベさんの言葉、あの瞬間がいつまでも残っていけば)
「生きててよかった」
「仲良くやれたらいいな」
どこにでもあるような言葉たち。
それはどこにでもあるような言葉だからこそ
それに感謝しながらずっと生きていくことは
ひどく難しい。
(それでも、ヒストリアにその言葉が残っていけば――)
「夢を、みんなみんな叶えたいよ」
のび太は目の前の空き缶を蹴り上げると、ジャイアンたちの待つ空き地に向かって、走った。
110 :
1:2007/01/18(木) 05:08:13.28 ID:BgEU/XYP0
【完】
111 :
1:2007/01/18(木) 05:08:25.36 ID:BgEU/XYP0
……
112 :
1:2007/01/18(木) 05:09:04.84 ID:BgEU/XYP0
【later】
「おおーい、入ってきなさい」
「おい、何かあの子、セワシにちょっと似てるな!」
「そう?」
眠そうな目をこすって教卓を見ると、見知らぬ一人の女の子が立っていた。
「はじめまして!今日からお世話になります。
ヒストリア星から来た、ユメです!」
(おしまい)
113 :
閉鎖まであと 5日と 15時間:2007/01/18(木) 05:10:52.44 ID:sxE5Jei40
大いに乙
114 :
1:2007/01/18(木) 05:11:59.85 ID:oQ31YCmMO
最後のレスを投下した瞬間にバーボンくらいました。
おあとがよろしいようで…。
115 :
閉鎖まであと 5日と 15時間:2007/01/18(木) 05:13:37.75 ID:4zGEicHNO
1乙
朝っぱらから泣いちゃったよ
116 :
閉鎖まであと 5日と 15時間:2007/01/18(木) 05:18:37.37 ID:gO4LpMWy0
マジで乙でしたw
ここ数日間保守しながら読ませていただきました
映像化するにはハードな話だけど、映画でも観てみたい…
久々にドラえもんの映画観ようかなぁ
117 :
閉鎖まであと 5日と 15時間:2007/01/18(木) 05:24:35.83 ID:XrjDPbzt0
乙
すげえ面白かった
118 :
閉鎖まであと 5日と 15時間:2007/01/18(木) 05:25:22.09 ID:gtHRTrNX0
いいものが読めて本当に良かった
どうもありがとう
それとドラえもんの感動的な登場シーンをブチ壊してサーセンwwwwwwwwwwwwww
120 :
閉鎖まであと 5日と 14時間:2007/01/18(木) 06:00:47.15 ID:3KGZcfFi0
121 :
閉鎖まであと 5日と 14時間:2007/01/18(木) 06:09:56.72 ID:sSu0X4Y3O
ほ
122 :
閉鎖まであと 5日と 14時間:2007/01/18(木) 06:43:15.86 ID:pzABAAHZO
いちおつ!
ここ数日張り付いてたけど
それに見合うもん読めたって思ってるぜ
123 :
閉鎖まであと 5日と 14時間:2007/01/18(木) 06:55:36.22 ID:kfjG+OSA0
投下のちょっと前で寝落ちしてしまったよ・・・
>>1さんありがとう。凄く良いものがみれた
乙でした!
124 :
閉鎖まであと 5日と 14時間:2007/01/18(木) 06:59:31.97 ID:7ioS58Kr0
>>1氏乙
この物語が見れて本当に良かったと思ってる
ありがとう
125 :
閉鎖まであと 5日と 13時間:2007/01/18(木) 07:07:56.90 ID:sSu0X4Y3O
ほ
126 :
閉鎖まであと 5日と 13時間:2007/01/18(木) 07:21:32.68 ID:mZyRBPK2O
ほしゅ('A`)
127 :
閉鎖まであと 5日と 13時間:2007/01/18(木) 07:44:49.69 ID:pzABAAHZO
ほす
128 :
閉鎖まであと 5日と 13時間:2007/01/18(木) 07:49:25.75 ID:sSu0X4Y3O
今読み終わりました。
こんなに考えさせられる物語が今の子供には本当に必要なのかもしれませんね。
>>1さん本当にお疲れ様でした。
大幅なな加筆修正wwのアップ更新をまた楽しみに読ませていただきます。
ありがとうございました。
129 :
閉鎖まであと 5日と 12時間:2007/01/18(木) 08:44:41.64 ID:fYlsiR3PO
モリッ (´;ω;`)ブワッ
●
130 :
閉鎖まであと 5日と 11時間:2007/01/18(木) 09:09:21.44 ID:zPoyZQK3O
131 :
閉鎖まであと 5日と 11時間:2007/01/18(木) 09:17:23.38 ID:CBOCvrjb0
うはあああああ
>1乙 これは素晴らしい!
132 :
閉鎖まであと 5日と 11時間:2007/01/18(木) 09:49:51.08 ID:mf6F7sMZO
>>1乙
いい話だった。
ドラえもんはのび太を甘やかす話だとよくいわれるが
そんなことはない。
のび太の成長も大きなテーマだと思う。
この長編はそこが丁寧に書かれていて
とても良かった。
長編お疲れ様。
こんな話を読ませてもらって感謝してるよ。
133 :
閉鎖まであと 5日と 10時間:2007/01/18(木) 10:13:51.57 ID:UthywA9dO
べ、別に泣いてなんかないんだから!(′:Д:)
134 :
1:2007/01/18(木) 10:29:55.85 ID:7NKY9CTJ0
135 :
閉鎖まであと 5日と 10時間:2007/01/18(木) 10:30:45.67 ID:SFul+WFg0
起きてみたら俺の立てたスレが落ちてて愕然としたぜ
荒らしにあったのかな?
まあとにかく睡眠時間を削って傑作を提供してくれた
>>1乙
ラストが子供向けになれば映画化されてもおかしくないと本気で思う出来だったぜ
少ししたらブログのほうで修正版も読ませてもらうぜ
ひとつ質問なんだが、これも酒飲みながら書いてるの?
136 :
閉鎖まであと 5日と 10時間:2007/01/18(木) 10:32:04.66 ID:SFul+WFg0
>>134 まだ起きてたのか????
前スレHTML化してロダにうpしようか?
137 :
1:2007/01/18(木) 10:35:10.74 ID:7NKY9CTJ0
>>135 荒らされたっていうか、スレ乗っ取られたんですw
レイプされた気分でしたよ。
最後、もうちょっと少年誌的な展開にしようか迷ったんですが
やっぱりこういう展開にしました。
お付き合い頂いてありがとうございました( ^ω^)
ちなみに、さすがにこれはシラフで書いてます。
酒二日も抜いたの久しぶりだw
>>136 マジすか?!もし負担じゃないなら、してくれると嬉しいです(*‘ω‘ *)
138 :
閉鎖まであと 5日と 10時間:2007/01/18(木) 10:57:04.63 ID:PIBh70o6O
乙でした
今後も、あなたが描くドラえもんに
出会えれば良いなと思います。
139 :
閉鎖まであと 5日と 9時間:2007/01/18(木) 11:04:45.85 ID:SFul+WFg0
140 :
1:2007/01/18(木) 11:10:21.41 ID:7NKY9CTJ0
>>139 おおお!!
ありがとうございます!!
これでスレ落ちして嘆いてた人も読めますね( ^ω^)
酒はなるべく控えますw
本当にありがとうございます( ゚∀゚ )
141 :
閉鎖まであと 5日と 9時間:2007/01/18(木) 11:21:51.85 ID:sSu0X4Y3O
仕事終わってから家でED曲聞きたいから保守。
そして
>>1本当にありがとう。お疲れ様。
142 :
閉鎖まであと 5日と 9時間:2007/01/18(木) 11:52:16.43 ID:pzABAAHZO
ほす
143 :
閉鎖まであと 5日と 8時間:2007/01/18(木) 12:14:30.50 ID:d9DJa9WpO
まとめってないの?
144 :
閉鎖まであと 5日と 8時間:2007/01/18(木) 12:41:55.42 ID:sSu0X4Y3O
保守
145 :
1:2007/01/18(木) 13:00:33.49 ID:7NKY9CTJ0
146 :
閉鎖まであと 5日と 7時間:2007/01/18(木) 13:37:17.90 ID:d9DJa9WpO
147 :
閉鎖まであと 5日と 6時間:2007/01/18(木) 14:12:06.26 ID:sSu0X4Y3O
ほ
ちくせう
これ肉さん書いていると思わず、前に見たときすぐスレ閉じちまったぜorz
修正版ブログでの公開楽しみにしていますぜ
149 :
閉鎖まであと 5日と 5時間:2007/01/18(木) 15:05:19.74 ID:sSu0X4Y3O
ほ
150 :
閉鎖まであと 5日と 5時間:2007/01/18(木) 15:05:59.80 ID:VftfdY/00
加筆修正版に蝶期待保守
151 :
1:2007/01/18(木) 15:32:06.85 ID:7Hi6Zo8x0
【番外編・ドラえもん のび太と自動車整備工】
「ちぇんちぇー!急患なのよさ!」
俺の名はブラックジャック。
ごく一般的なモグリの医者だ。
今日も俺の家に患者(クランケ)がやって来た。
「おいお前、金はあるのか?」
やって来たのは若い男。年齢は20代半ばか?
短く刈り上げられた髪に逞しい体。
外傷がないところをみると、内臓あるいは循環器系の疾患だろう。
「ああ……あるぜ……」
「よし、出せ」
俺はテキパキと男に指示する。
一見すると貧乏そうな男だったが、人は見かけによらないもんだ。
男はジッパーをじじじ、と下げるとツナギを脱いだ。
「こいつを見てくれ……」
「おい、それは金じゃない。金(キン)だ。金のない患者はオペできない。帰れ」
「もう受け入れ拒否かい……案外早いんだな……」
「帰れ」
152 :
1:2007/01/18(木) 15:34:25.77 ID:7Hi6Zo8x0
【番外編 完】
(ID変わったけど、>>1です)
153 :
1:2007/01/18(木) 15:46:53.28 ID:7Hi6Zo8x0
【ドラえもん のび太と自動車修理工 returns】
僕の名はアンパンマン。
ごく普通の子供のヒーローさ。
強いて人と違うところがあるとしたら、顔がパンでできているってとこカナー。
「うん?森の中でうずくまっている人がいる」
僕は現場に急行した。
「大丈夫ですか?!」
そこにいたのは若い男だった。
年齢は20代半ばくらい?
短く刈り上げられた髪に逞しい体。
この辺では珍しく、ツナギを着ていた。
「ああ、大丈夫だ。ちょっとお腹が空いてしまってね」
「そうですか。それだったらどうぞ僕の顔を食べて下さい」
「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
俺の名はタカカズ・アベ。タカベと呼んでくれ」
そういうとタカベは僕の体をヒョイと持ち上げ、
ボディスーツをするすると脱がし始めた。
「タカベさん、僕、初めてなんです」
154 :
1:2007/01/18(木) 15:55:05.89 ID:7Hi6Zo8x0
「誰にでも初めては等しく訪れるもんさ」
そんなことをテンダーなボイスで囁くタカベ。
その勇気リンリンな言葉は、僕よりもよほどヒーロー然としていた。
「それにしてもいいのかい?
俺はコシアンでもツブアンでも不二家でも何でも食っちゃうゲテモノ食いなんだぜ」
「いいんです、僕、タカベさんみたいな人、好みだから」
それは偽らざる本音の言葉。自分にこんな大胆なところがあったのか、と思うとジュジュン!
僕のアナルがケツマンコ汁に溢れた。
しかしその時――
「ううっ!で、出そう!」
「ん?もうかい?意外と早いんだな」
「ち、ちがう、実はさっきから森の木陰でバイキンマンが覗いてるんです。
だからもうアンパンチが出そうで……」
「そうか……」
そういうとタカベがおもむろに全裸になり始める。一体どうするつもりなのだろう。
「いいこと思いついた。お前俺のケツん中でアンパンチしろ」
「えー!?おしりの中にですかぁ?!」
155 :
1:2007/01/18(木) 16:02:04.95 ID:7Hi6Zo8x0
「製菓はヤマザキ!何でも試してみるもんさ。
きっといい気持ちだぜ」
タカベは白い歯をむき出してニッと笑う。
「ほら、遠慮しないでアンパンチしてみろよ」
タカベはそういうと素肌にまとったツナギを脱ぎ捨て、逞しい尻を僕の前に突き出した。
自分の尻にアンパンチさせるなんて、なんて人なんだろう……。
しかしタカベの堅く引き締まったヒップを見ているうちに
そんな変態じみたアンパンチを炸裂させてみたい欲望が……。
「それじゃ、やります」
クン……ズ!ズズ!ニュグ!
「は、入りました」
「ああ、次はアンパンチだ」
156 :
1:2007/01/18(木) 16:06:03.94 ID:7Hi6Zo8x0
「それじゃ、出します……」
僕はアンパンチを放った。
タカベは死んだ。
【番外編returns 完 次回作にご期待下さい】
>>1の言葉
「痛みを知らない子供が嫌い。心をなくした大人が嫌い。優しい漫画が好き。バイバイ」
157 :
閉鎖まであと 5日と 4時間:2007/01/18(木) 16:07:19.37 ID:SFul+WFg0
なんで自ら名スレを汚してるんだwww
158 :
1:2007/01/18(木) 16:11:04.95 ID:7Hi6Zo8x0
>>157 無垢な女ほど汚したくなる感覚と言えば卑近だろうか……
159 :
閉鎖まであと 5日と 4時間:2007/01/18(木) 16:43:48.53 ID:SFul+WFg0
>>158 いやいや、それはわかるけど自分の娘をレイプすんなよw
160 :
閉鎖まであと 5日と 4時間:2007/01/18(木) 16:53:03.34 ID:kfjG+OSA0
タカベェエエエエエ!!!!
161 :
閉鎖まであと 5日と 4時間:2007/01/18(木) 16:57:52.75 ID:ljIyQX7uO
子供が見たら泣くな
162 :
閉鎖まであと 5日と 3時間:2007/01/18(木) 17:01:03.89 ID:sSu0X4Y3O
中学生の娘には見せられないスレになりましたwwwwwww
まとめサイトはよろしく頼みまっせwwwww
163 :
閉鎖まであと 5日と 3時間:2007/01/18(木) 17:04:13.81 ID:SFul+WFg0
むしろまとめサイトのほうが子供に見せられないという驚愕の事実
164 :
1:2007/01/18(木) 17:08:42.52 ID:7Hi6Zo8x0
>>163 久しぶりにこの言葉を使いますが…
禿同
165 :
閉鎖まであと 5日と 3時間:2007/01/18(木) 17:20:37.26 ID:sSu0X4Y3O
うはwwwwww
そんな事より
>>1さん、番外編は昨日終わったスネオのスレの影響受けたとか?
166 :
閉鎖まであと 5日と 3時間:2007/01/18(木) 17:21:25.81 ID:nNk0ae1w0
167 :
1:2007/01/18(木) 17:23:21.22 ID:7Hi6Zo8x0
>>165 そんなスレがあったんですか?
ずっとここに張り付いてたからなあ。
見てみたいす( ´・ω・)
書いたのはアレです、何かこのまま保守だけしてもらうのも悪いかなー、って。
>>166 ほんと、ひどい掲示板ですよ。
168 :
閉鎖まであと 5日と 3時間:2007/01/18(木) 17:27:29.51 ID:nNk0ae1w0
>>167 外伝でヒストリアが軍事技術だけ突出して進化してる理由が説明されると期待してたのに・・・デストローイ\(^o^)/
169 :
閉鎖まであと 5日と 3時間:2007/01/18(木) 17:28:50.27 ID:sSu0X4Y3O
>>1さん
何回も質問してもうわけないけど、これはみんな気になっていると思う。
次回作のご予定は??
170 :
閉鎖まであと 5日と 3時間:2007/01/18(木) 17:36:43.45 ID:SFul+WFg0
>>168 ずっと戦争してきたからじゃないの??
それより未来予測の核兵器がパルスタ産なのかが気になる
パルスタにも協力者がいて他の星から何らかの意図で持ち込まれたものなのかと想像してたんだがな
171 :
1:2007/01/18(木) 17:39:12.54 ID:7Hi6Zo8x0
>>167 その辺はあれですよ、大人の都合?
いや、付け足したいことはあったりなかったり(ギノの悪役っぷりを際立たせる描写とか)
するんですが、それ書いてるといつまでも終わらないかなー、とか思ったので。
さすがに燃え尽き症候群ですw
>>168 今のところ何も考えてないですねー。
今回のは、元々『何かバトルシーン書いてみたいなー』っていうので書き始めただけなんでw
こんなに長くなるとは思いませんでしたよ('A`)
次回は分かりませんが、一年前くらいに書いた前回作ならありんすよ
( ^ω^)つ
http://blog.livedoor.jp/vip9/
172 :
1:
>>170 細かいところ詰めないと突っ込みどころ満載ですからね
パンツァファウスト作れてんのに電気がないってどーよ?
物資がないトリユになんであんなに重火器があんのよ?
とか、枚挙に暇がないw
(裏設定としては、タカベがゲリラ的にパルスタの兵器工場からパクった、とかも考えてたんですけど)
核は……脳内補正でw