1 :
ゴボウ:
ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※
各まとめ入口:
http://bnsk.jf.land.to/ 初心者の方は掲示板を一度ご覧下さい。小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています
まずは安価でお題をもらいましょう。基本的に過疎スレなので↓でもらうと良いです
→人のお題を使って書くのもありです。作品がたくさん投下されればスレも盛り上がります
▽投下の際の注意点
・他の作者が投下中は投下完了まで待って下さい。投下前にはリロードを忘れずに。投下宣言するのもありです
・投下する人は最後に「終」「完」「了」など、投下完了の合図をお願いします
・できれば名前欄に『「タイトル or お題」 現在のレス数/総レス数』のように書いて下さい
・作品を投下する際は、テキストエディタで仕上げてからまとめて投下して下さい
▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい
▽保守について
・創作に役立つ雑談や、保守を兼ねての書き下ろし投下は大歓迎です
・落ちた場合は立てれる人が新スレを立てて下さい。人がいる時間を目安に
2 :
ゴボウ:2006/12/22(金) 22:25:46.06 ID:se+Q8yfX0
▲週末品評会
毎週木曜日の夜~土曜日の午前中に、お題が出されます
作品は土曜日の0:00から日曜日の24:00までの間に投稿してください
その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます
▽作品投稿
・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します
・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします
・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列)
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです
▽投票
・本スレへの書き込みでお願いします(複数選択可)
・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい
・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります!
・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい
▽優勝者特権
・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さ
3 :
週末品評会お題:2006/12/22(金) 22:26:19.27 ID:se+Q8yfX0
元はといえば、全部こいつが悪いのだ。
認めるわけにはいかなかった。あんな駄作が優勝だなんて、どう考えてもおかしいだろ
う。物書きたちの真摯な態度を、この男は踏みにじった。報いを受けて、しかるべきだ。
使命を果たしたばかりの僕の手が、正義に震えているのがわかる。穢された栄光は、そ
の者の血をもってすすがなくてはいけない。だがこの世に愚者は尽きることがなく、僕の
『懲戒』が執行されたのも、これで四度目のことだった。
かりそめの栄光を味わっていたその男が、今は僕の足下で無様に転がっている。名前は
知らない、だが知りたいとも思わない。僕の座るべき椅子に座った莫迦が、また一人消え
ただけのこと。真冬に訪れた夏の夜の夢など、そう長く続くものじゃない。
僕は傍らのパソコンに手を伸ばし、そのキーボードを鮮やかに叩いた。僕も鬼じゃない、
せめて遺言くらいは赦してやろう。メモ帳に書き込まれたいくつかの単語、彼が胸躍らせ
て考えたであろう数々のお題――その中から彼に最もふさわしい単語を選ぶと、僕は書き
込みのボタンをクリックした。
第三十八回 BSNK週末品評会 お題:『孤独』
最大レス数制限:五レス その他制限なし
さよなら、◆wDZmDiBnbU――僕にできることはこれくらいだ。でも今のお前は孤独じゃ
ないよ、先に仲間たちが待っているんだ。ひょっとしたら、この週末でまた増えることに
なるかもしれない。まあそんな莫迦な話は、今度こそこの僕が阻止するつもりだけれど。
聖夜を目前に控えた冬の夜に、子供の頃の思い出が蘇る。こんなに頑張っているんだか
ら、プレゼントくらい貰ってもいいよね。手を組んで願ったそれは、たった一つの小さな
栄光。お願いしますサンタさん、今度こそ優勝を、あるべきところに返してください。
脳裏をかすめたのは、赤く染まった彼らの最期。振り切るように僕は、長い髪を翻す。
<了>
以上、品評会お題投下でした。◆v3rMGliNoc氏ごめん。
4 :
ゴボウ:2006/12/22(金) 22:26:38.71 ID:se+Q8yfX0
規制事項:投稿レス数は最大5
投稿期間:2006/12/23(土) 00:00 ~ 2006/12/24(日) 24:00(23:30宣言締め切り)
投票期間:2006/12/25(月) 00:00 ~ 2006/12/26(火) 24:00
5 :
猪(禁風呂中):2006/12/22(金) 22:28:26.42 ID:bHBPE9cg0
乙一
6 :
凧(エンジニア):2006/12/22(金) 22:29:11.56 ID:1G3jItxW0
7 :
初夢(正月からアニメ):2006/12/22(金) 22:29:15.17 ID:670LXuxS0
BNSKアワードとは、この一年にBNSKスレに投稿された作品の中から優れた作品に栄誉を与えよう という企画です。
あなたが推薦したいと思う一般作品、および品評会作品を
※※※※※BNSKアワード2006※※※※※
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1166365290/ に貼り付けてください。
エントリー期間は12/18(月)~12/24(日)です。
エントリー可能な作品は、一般作品として投稿された作品のうち、BNSK第1スレッド目の作品から
12/22 24:00の時点までに投稿された作品、および第37回品評会提出作品のうち、優勝作品以外の
作品です。
第38回品評会の開始アナウンス以降に投稿された作品はノミネート出来ません。
詳細はアワードスレを参照ください。
わからないことがあればまとめスレへ。
8 :
塩ザケ:2006/12/22(金) 22:29:29.77 ID:kKHqAz6D0
>>1 乙。スレタイもうちょっといじっても良かったと思うけどね
9 :
ゴボウ:2006/12/22(金) 22:32:30.63 ID:se+Q8yfX0
10 :
初夢(正月からアニメ):2006/12/22(金) 22:33:11.08 ID:670LXuxS0
ことごとくアワードを無視するのはいじめか何かなんだぜ?
11 :
塩ザケ:2006/12/22(金) 22:34:17.37 ID:kKHqAz6D0
前スレ1000の優しさにShit
12 :
ゴボウ:2006/12/22(金) 22:34:28.08 ID:se+Q8yfX0
13 :
猪(禁風呂中):2006/12/22(金) 22:35:11.75 ID:bHBPE9cg0
14 :
おせち(200円):2006/12/22(金) 22:35:33.83 ID:JE5gDpnn0
お題プリーーープj↓
15 :
猪(体操着):2006/12/22(金) 22:35:47.53 ID:IwkBD52w0
危うく「1000ならみんな孤独」とかやるとこだった。前スレ1000は優しいな…
>>1 乙!
16 :
猪(体操着):2006/12/22(金) 22:36:16.55 ID:IwkBD52w0
17 :
おせち(200円):2006/12/22(金) 22:36:38.69 ID:JE5gDpnn0
18 :
凧(エンジニア):2006/12/22(金) 22:36:50.02 ID:1G3jItxW0
19 :
塩ザケ:2006/12/22(金) 22:47:12.00 ID:kKHqAz6D0
絢香の三日月聞いてたら、この曲で小説書きたくなってきた……w;
そのくらいこの曲好きだ。
20 :
猪(体操着):2006/12/22(金) 22:50:57.07 ID:IwkBD52w0
俺もKOTOKOのPrincessBrave!聴いてたら、これで小説書きたくなって…
え、一緒にすんな?サーセンwww
21 :
猪(禁風呂中):2006/12/22(金) 22:51:35.93 ID:bHBPE9cg0
>>19 今ちょうどその歌を歌ってたよ!!
ってちょっとドキッとしたのに。
同じ番組見てたんだなきっと
22 :
猪(禁風呂中):2006/12/22(金) 22:51:59.83 ID:bHBPE9cg0
じゃあ自分はcoccoのセレストブルーで!!
23 :
書初め(大願成就):2006/12/22(金) 22:52:22.55 ID:en+YfXPc0
ポルノグラフィティの天気職人で
24 :
凧(バンカー):2006/12/22(金) 22:52:31.90 ID:RRA1gEOB0
25 :
猪(双子の兄):2006/12/22(金) 22:54:17.77 ID:dP2Y0WeN0
真赤な誓いとLITTLE BUSTERSをイメージソングにして書いたことはある
26 :
VIP皇帝:2006/12/22(金) 22:56:21.10 ID:kKHqAz6D0
>>21 曲聴いて泣きそうになったのは久しぶりだ。
27 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:00:19.65 ID:en+YfXPc0
最近ネウロで涙目になるほど涙腺がゆるい
28 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:00:46.96 ID:en+YfXPc0
最近ネウロで涙目になるほど涙腺ゆるい
29 :
猪(不倫中):2006/12/22(金) 23:00:50.64 ID:IwkBD52w0
>>24 分かってくれる人がいて良かったw
つか起と結は浮かんだんだが、承転が…承転が出てこねえ。
30 :
猪(検便中):2006/12/22(金) 23:01:10.45 ID:bHBPE9cg0
だれか「ONIGUNSOW」で書けよ
31 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:01:25.64 ID:en+YfXPc0
まちがた
32 :
猪(イタ電中):2006/12/22(金) 23:02:52.67 ID:gR8UvB0J0
俺はサンボマスターの歌なら何でも泣ける
33 :
多胡:2006/12/22(金) 23:08:20.09 ID:zHPLdqDJ0
34 :
猪(不倫中):2006/12/22(金) 23:11:53.94 ID:IwkBD52w0
アワード少ねぇなwww
作品総数はかなりあるはずなのに品評会の半分もノミネートされてねえよw
35 :
凧(未完成):2006/12/22(金) 23:13:45.59 ID:670LXuxS0
>>34 自薦、他薦を問わない。
出展数が少ない。
この意味がわかるかね?ククク……
36 :
猪(双子の妹):2006/12/22(金) 23:17:37.72 ID:dP2Y0WeN0
>>35 ククク……つまりお前のを推薦すればいいんだな……さあ、酉を明かせ
37 :
猪(検便中):2006/12/22(金) 23:17:58.83 ID:bHBPE9cg0
38 :
凧(未完成):2006/12/22(金) 23:21:35.60 ID:670LXuxS0
>>37 自薦したはいいものの思いの他参加作品が少なくて
うわあこれで賞とってもカッコ悪ぃなあとか
これで残敗したらめっちゃカッコ悪ぃなあとか
ビビってるのも私だ。
39 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:22:03.89 ID:en+YfXPc0
この際だから自薦してみようかな
40 :
猪(入れ歯):2006/12/22(金) 23:22:11.24 ID:teBxBLN00
締め切りギリギリに推薦するぜ
41 :
多胡:2006/12/22(金) 23:23:10.36 ID:zHPLdqDJ0
酉付きは全員自薦すればいんじゃね?wwwwwwwwww
42 :
猪(不倫中):2006/12/22(金) 23:25:00.42 ID:IwkBD52w0
>>36 推薦できるもんねえよ('A`)
まあ、俺は一個他薦したから、もまいらも一人一個は他薦なり自薦なりしなさいよってこった。
43 :
猪(不倫中):2006/12/22(金) 23:25:41.52 ID:IwkBD52w0
明らかにレスの仕方間違えた俺カコワルイorz
44 :
猪(イタ電中):2006/12/22(金) 23:28:51.89 ID:gR8UvB0J0
恥ずかしくて自薦なんて出来ないんだぜ…
45 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:28:52.78 ID:en+YfXPc0
じゃあ二人ずつペアになってお互いの読みあって一番いいの推薦しあおうぜ!
なんでもない
46 :
初夢(みんなと仲間だった):2006/12/22(金) 23:29:33.19 ID:L0EWChPK0
>二人ずつペアになって
('A`)
今回のお題そのままなんだぜ……
47 :
猪(倉庫係り):2006/12/22(金) 23:30:12.60 ID:1llntavM0
アワードに自薦なんかしたら周りの目が気になりすぎて死ぬ
48 :
愛のVIP戦士:2006/12/22(金) 23:30:38.96 ID:xfXUFPZP0
49 :
猪(双子の妹):2006/12/22(金) 23:31:20.22 ID:dP2Y0WeN0
ペアを組みなさいって言ったでしょ!? と烈火のごとく怒られたあの日の屈辱
50 :
猪(不倫中):2006/12/22(金) 23:32:15.70 ID:IwkBD52w0
のちのカノッサの屈辱である
51 :
凧(未完成):2006/12/22(金) 23:32:45.86 ID:670LXuxS0
とある人に「お前の過去作読んでやるから作品教えろ」と言われて
はりきってお奨め列挙したもののノーリアクションで不安なのも私だ('A`)
52 :
猪(ピンク):2006/12/22(金) 23:32:54.94 ID:b/y/c6fa0
53 :
猪(双子の妹):2006/12/22(金) 23:32:56.75 ID:dP2Y0WeN0
まあ俺も自薦しちゃったりしたわけだが
54 :
凧(未完成):2006/12/22(金) 23:34:29.61 ID:670LXuxS0
55 :
猪(ベース):2006/12/22(金) 23:35:25.08 ID:LoQEx+D9O
ちょっと待て
ほ と ん ど 自 薦 じゃ ね ?
56 :
凧(未完成):2006/12/22(金) 23:35:57.95 ID:670LXuxS0
57 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:36:03.35 ID:en+YfXPc0
自信のあるのいくつかピックアップするから面白かったら推薦してね!
あ、自信あるのなんて無かった
58 :
猪(入れ歯):2006/12/22(金) 23:37:17.11 ID:teBxBLN00
品評会作品の推薦が少ないな。
59 :
猪(倉庫係り):2006/12/22(金) 23:38:56.54 ID:1llntavM0
胸張って自薦できるようになんないと駄目なんだろうなァ……
60 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:39:44.46 ID:en+YfXPc0
雑談:最初にもらったお題ってなに?
俺はロボットだった
61 :
猪(不倫中):2006/12/22(金) 23:40:10.74 ID:IwkBD52w0
正直、自薦できる人たちが羨ましくて仕方ない
62 :
VIP皇帝:2006/12/22(金) 23:40:36.40 ID:RRA1gEOB0
俺は煙だな
63 :
猪(不倫中):2006/12/22(金) 23:41:37.30 ID:IwkBD52w0
>>60 いきなり流れ切って申し訳ないww
俺は品評会で書いたのが最初で、お題は扉だった。
64 :
多胡:2006/12/22(金) 23:42:13.04 ID:zHPLdqDJ0
銀河。もうね、アホかとwwwww
65 :
猪(倉庫係り):2006/12/22(金) 23:43:05.06 ID:1llntavM0
いちじく
だったような……違うような……
66 :
猪(検便中):2006/12/22(金) 23:43:35.70 ID:bHBPE9cg0
たしか品評会の「お菓子」
CANDYって奴なんだけど、今見てもなきたくなるくらい文才無い
67 :
初夢(みんなと仲間だった):2006/12/22(金) 23:44:19.79 ID:L0EWChPK0
>>60 品評会の「謝罪」で書いたのが最初
それ以外なら「降り立つ」ってやつ ナウシカとか思い出して仕方なかった
68 :
多胡:2006/12/22(金) 23:44:54.85 ID:zHPLdqDJ0
69 :
女教師と初詣:2006/12/22(金) 23:46:08.03 ID:gn0FYsqG0
>>60 階段だったな。
一年ぶりくらいでシステムが良く分からないんだけど、
今週の品評会のお題何?
70 :
多胡:2006/12/22(金) 23:46:56.62 ID:zHPLdqDJ0
71 :
凧(バイヤー):2006/12/22(金) 23:47:18.29 ID:RRA1gEOB0
72 :
凧(バンカー):2006/12/22(金) 23:47:40.00 ID:1G3jItxW0
73 :
女教師と初詣:2006/12/22(金) 23:48:41.00 ID:gn0FYsqG0
74 :
凧(バンカー):2006/12/22(金) 23:51:00.12 ID:1G3jItxW0
>>51 いや、しっかり読んだぜ?
パロディ的な手法に秀でてるな、と思った。常人じゃないと思う。
グロいものを朗らかに書くその精神構造にshit。
75 :
多胡:2006/12/22(金) 23:51:17.03 ID:zHPLdqDJ0
76 :
白菜:2006/12/22(金) 23:51:17.73 ID:vBc+M8Mp0
俺は蛇口から垂れ落ちる水滴を見つめながらふと考えた。
77 :
初夢(みんなと仲間だった):2006/12/22(金) 23:51:35.69 ID:L0EWChPK0
78 :
初夢(みんなと仲間だった):2006/12/22(金) 23:51:59.24 ID:L0EWChPK0
今気付いたが名前欄切ねえ……orz
79 :
白菜:2006/12/22(金) 23:52:34.55 ID:vBc+M8Mp0
クリスマスは都市伝説だった・・!
80 :
凧(バンカー):2006/12/22(金) 23:53:05.10 ID:1G3jItxW0
81 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:53:06.79 ID:en+YfXPc0
水滴が落ちるくらいの蛇口のひねり方だと、水道代がかからず水が手に入るらしい。
これを上手く利用すればあるいわ・・・・・・。
勝手に続けた スマン
82 :
初夢(みんなと仲間だった):2006/12/22(金) 23:54:51.06 ID:L0EWChPK0
しかし、これでは時間がかかって仕方ない。
もっと効率よく無償で水を手に入れる手段はないものか。
そうだ、公園に行こう。
更に続けてみた すまん
83 :
猪(倉庫係り):2006/12/22(金) 23:55:47.84 ID:1llntavM0
最近品評会ばっかで頭がカッチンしてるからなんかお題くださいなっ!
84 :
猪(検便中):2006/12/22(金) 23:55:59.99 ID:bHBPE9cg0
しかしそれでは不審すぎる。
もっと安全に手にいれる方法はないだろうか
そうだ。蛇口をひねろう
85 :
凧(バンカー):2006/12/22(金) 23:56:25.18 ID:1G3jItxW0
たどりついた先は代々木公園だった。
夜の代々木公園ほど恐ろしいものはない。
勝手に横入りした、すまん
86 :
多胡:2006/12/22(金) 23:56:28.59 ID:zHPLdqDJ0
87 :
猪(24才):2006/12/22(金) 23:56:47.36 ID:PbsjcDRQ0
88 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:57:17.08 ID:en+YfXPc0
公園に着いて驚愕した。
北国では冬になると、公園の水道は止められるのか。
というか、冬になっていたのか。しばらく外に出ていなかったからわからなかった。
ワルノリ
89 :
初夢(みんなと仲間だった):2006/12/22(金) 23:57:32.82 ID:L0EWChPK0
90 :
愛のVIP戦士:2006/12/22(金) 23:58:09.06 ID:xfXUFPZP0
そんなわけで、大学の帰り道にある夜の代々木公園のトイレにやってきたのだ
91 :
猪(倉庫係り):2006/12/22(金) 23:58:47.25 ID:1llntavM0
かちんこちん、ゴスロリ……
なんかエロそうだわ把握
92 :
凧(バンカー):2006/12/22(金) 23:59:04.28 ID:1G3jItxW0
>>89 その単語、久々に目にした。「クリムゾンの迷宮」以来だぜ。
平成生まれは知らなさそう。
93 :
猪(検便中):2006/12/22(金) 23:59:05.63 ID:bHBPE9cg0
94 :
書初め(大器晩成):2006/12/22(金) 23:59:07.20 ID:en+YfXPc0
95 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/23(土) 00:00:26.61 ID:E6Enmx/Y0
さてさて、馬鹿な話も良いがお前ら、そろそろ品評会の時間だぜ?
今週のお題は『孤独』だ。
レス数制限は最大5レス、今回はそれ以外は特にない。
詳しくは
>>3-4を参照してくれ。
それじゃあ、今週も張り切って書いてみようか。
96 :
初夢(正月からアニメ):2006/12/23(土) 00:01:55.95 ID:kFPPuX8v0
とうとう始まったか……
97 :
お年玉(Wii):2006/12/23(土) 00:03:12.57 ID:QLYXHbHH0
ぼさっとしてたら始まったな……
98 :
猪(体操着):2006/12/23(土) 00:03:59.36 ID:3NB6r6ac0
じゃあ今から書くか……
99 :
おみくじ(人吉):2006/12/23(土) 00:04:08.65 ID:LOY7PIh20
さあて、一番乗りといこうかぬ?
100 :
初夢(ろうそく熱い):2006/12/23(土) 00:04:47.37 ID:U1gE4UHI0
書けそうで書けないタンスの肥やし
101 :
おみくじ(人吉):2006/12/23(土) 00:06:41.74 ID:LOY7PIh20
でも一番手ってのもなんだかなぁ
102 :
猪(青):2006/12/23(土) 00:07:04.21 ID:wHIitwXO0
じゃあ俺が投下させてもらって良いか?
103 :
友達と初詣:2006/12/23(土) 00:07:35.42 ID:T0/MN4i40
>>102 どうぞどうぞ
まだ書き始めてもいないんでw
104 :
俺の孤独 1/4 ◆BLOSSdBcO. :2006/12/23(土) 00:09:05.62 ID:wHIitwXO0
だんっ、という鈍い音と共に首の左側に衝撃を受けた。
熱い、いや、冷たい?
まるで左肩から下が消し飛んだみたいに、感覚が無くなった。
すっぽりと大きな穴が開いたそこから真っ暗な闇が広がっていく。
――ああ、俺は死ぬのか。
そう悟ると一気に恐怖が襲ってきた。
怖い、嫌だ、死にたくない。
声は出ない。
ごぶっ、と赤黒い塊が吐き出されただけ。
せめてもの救いは、傷みを感じること無く意識が消えていったことだろうか。
「人は生まれながらにして不平等である」
どこからか、ひびの入った鐘が鳴るような音が聞こえる。
「才能、容姿、家柄。誰一人同じ人間などいない」
深い闇の中から、世界そのものを震わせる音。
「しかし死だけは万人に平等である」
それが人の声らしいと気づいたのは、幾度か同じ台詞が繰り返された後だ。
「起きて半畳寝て一畳、死して骨壷一つきり」
重い響きの中には、どこか楽しげな色も混じっている。
「ここは君の世界」
俺はゆっくりと目を開けた。
105 :
俺の孤独 2/4 ◆BLOSSdBcO. :2006/12/23(土) 00:10:43.35 ID:wHIitwXO0
振り返って見ると、俺の人生は波乱万丈には程遠い穏やかな物だった。
酒も煙草も苦手な公務員の父と、潔癖症だが人にそれを強いる事の無い母。歳の離れた兄は俺を可愛がり、
俺も彼らを尊敬して育つ。
小中学校では授業を真面目に聞く大人しい理想的な生徒で、推薦で入った県下有数の進学校では中の上の
成績をキープし続けた。
大学は二流国公立大。特に興味のある学問があった訳でもないが、就職の為に入る。バイトや遊びで単位を
落とす事も無く無難に四年間を過ごし、地元の企業への就職が内定していた。
スポーツは嫌いではないという程度。趣味は特に無く、友達付き合いでいろいろな事に手を出してはすぐに
飽きて投げ出す。
恋人と呼べる相手は二人いた。一人は中学校の同級生で、高校に入ってから駅でばったり再会して仲良くなり
二年ほど付き合った。もう一人は高校三年の初めに付き合い始めたが、受験勉強の忙しさの中で自然消滅。
誰からも恨まれず、誰を恨むでもなく。大きな失敗はなく、小さな成功だけを重ねる。
俺の人生に点数を付けるなら、八十点というところだろうか。何も特色の無い、それ故に幸せな日々。
俺自身もそれに満足していたんだ。今以上を望む事は無く、ただ平穏なままにありたいと願っていた。
それなのにどうして、どうして俺がこんな死に方をしなくちゃならない?
「生きるという事は、ちょうどこの煙草の煙のようなもの」
先ほどまで自分の一生、生まれてから死ぬまでがスクリーンに映し出されていた。今は真っ暗な闇の中で、
白い四角がチカチカと光っているだけだ。
「煙草という物が燃え、流れる煙は雲散霧消する」
割れ鐘の姿は見えない。ただいつの間にかそこに置かれた灰皿の上で、煙草が紫煙を上げていた。
「しかし消えるまでに煙は様々な形を生み出す。一瞬として同じ形は無い」
映写機の光の中に煙が漂い、スクリーンに複雑な模様が描かれていた。
「それが生きるという事だ」
割れ鐘の話す事はさっぱり要領を得ない。ただ歌うような口調で響き続ける。
「命という炎を燃やし、その煙で自分という姿を作る」
だが無限に続く時間と闇の中で、俺にはその声以外に縋るものが無い。
「そして風が吹けばあっさりと吹き飛び、時にはその炎すら消えてしまう」
死後の世界というのは、こんなにも虚しいところだったのか。
「今の君のようにね」
106 :
猪(青):2006/12/23(土) 00:11:30.30 ID:wHIitwXO0
ぱちり、という音と共に再びスクリーンに映像が流れ始めた。
俺が一人でカタカタ震えている。
部屋の片隅で、ヒザを抱えてうずくまっている。
駄目だ、駄目だ。そこに居ちゃいけない。
声は届かない。当然だ、もう既に起きてしまった事なんだから。
嫌だ、嫌だ。俺は死にたくない。
願いは叶わない。当然だ、もう俺は死んでしまっているんだから。
ああ、まただ。また死んだ。
突然部屋に押し入ってきた男が、無造作に引き金を引く。
だんっ、という鈍い音と共に首に穴が開く。
あふれ出す血が俺を染める。
ドス黒い血が世界を満たす。
ああ、まただ。また死んだ。
割れ鐘は言う。
「死後の世界などありはしない」
俺は問う。ならばここはどこなのだ、と。
「死の世界」
同じじゃないかと笑う。
「死の瞬間、お前という煙の描いた姿がこの世界」
俺の想像力も大したものだ。
「お前の命の炎は消え、煙だけが残った」
割れ鐘が次第に小さくなっていく。
「しかしやがては煙も消える」
割れ鐘は鈴の音になる。
「消えた煙は……」
それっきり、無音の世界になった。
そして俺は一人きり。
暗い闇の中、ヒザを抱えて震えていた。
107 :
俺の孤独 4/4 ◆BLOSSdBcO. :2006/12/23(土) 00:12:03.46 ID:wHIitwXO0
「と、いう夢を見たんだよ。クリスマス前に一人きりで寂しいから、とかそんな簡単な理由付けはいらない。
もっと深い、心理学的な見地からどう考えるべきだろうか。いや、哲学かな?」
俺の声に答える者は無い。点けたばかりの石油ストーブが特有の臭気を放つだけだ。
「そうだ、これを小説のネタにしよう! こんな意味不明で理解不能な話に付き合ってくれる奇特な人物は、
同じく意味不明で理解不能な話を創造できる人間しかない!」
俺は一人、マスタードのきいたチキングリルサンドイッチを齧りながらパソコンに向かう。
「しまったな、オチはどうするか。夢にオチなんて無いぞ。ああそうだ、それをオチにしよう。オチが無い、
というオチ」
所謂ナポリタン、意味の無い話を意味深に語るというジョーク。
ペットボトルの甘ったるいミルクティーをガブ飲みする。激しく振って底に溜まった塊を溶かすのが通だ。
ようやく温まり始めた築二十年のボロアパートの一室。
部屋の片隅にあるパソコンの前にヒザを抱えて座り、キーボードをカタカタ叩き始めた。
――どこからか割れ鐘の音と『駄目だ』という声が聞こえた気がした。
【完】
108 :
猪(青):2006/12/23(土) 00:13:21.26 ID:wHIitwXO0
109 :
猪(今日もカップラ):2006/12/23(土) 00:19:39.58 ID:eYtBIx740
書き始めてから気づいた。主人公が最初に書いたやつに出てくる主人公と被ってる…。
110 :
猪(青):2006/12/23(土) 00:20:14.50 ID:wHIitwXO0
111 :
初夢(宝船の夢):2006/12/23(土) 00:25:02.00 ID:fIw6/vo90
112 :
黒豆(万粒):2006/12/23(土) 00:27:06.25 ID:3Y7zJ9WI0
113 :
猪(青):2006/12/23(土) 00:39:21.53 ID:wHIitwXO0
>>112 乙です。
>>111 今までに書いた作品なら、主人公は老若男女、色々だぜ?
ただその根底が自分。
女っぽい部分や年寄り臭い部分を強調すると、全く違った性格に見えるだけ。
114 :
初夢(正月からアニメ):2006/12/23(土) 00:50:52.62 ID:kFPPuX8v0
うわ。マルドゥックスクランブルってアニメ化しようとしてたのか……
しらんかった……
115 :
初夢(熱湯風呂):2006/12/23(土) 00:52:27.77 ID:RNsHYORp0
116 :
初夢(ろうそく熱い):2006/12/23(土) 00:53:20.76 ID:U1gE4UHI0
117 :
初夢(熱湯風呂):2006/12/23(土) 00:54:16.52 ID:RNsHYORp0
118 :
猪(今日もカップラ):2006/12/23(土) 00:55:40.04 ID:eYtBIx740
ゴンゾかぁ。赤字らしいしな。
119 :
凧(未完成):2006/12/23(土) 01:00:59.01 ID:kFPPuX8v0
>>166 そうなんだよねー。
アニメ化しようとしてたの知らなくてさー。
知ったのが「中止」ってニュースでびっくりした。
120 :
お年玉(落としちゃった!!):2006/12/23(土) 01:03:30.05 ID:QLYXHbHH0
未来安価ktkr
121 :
初夢(犯人だった):2006/12/23(土) 01:04:45.95 ID:E6Enmx/Y0
122 :
凧(未完成):2006/12/23(土) 01:05:51.00 ID:kFPPuX8v0
うはwww初めてだwww
まちがい。
>>166じゃなくて
>>116。
この絵のバロットが動くことはないんだねえ。
しっかし……カジノシーンとか見たかったなあ……。
ツン「そこっ・・・!」
ツンの放った一撃は、ドクオの足を貫いていた。
ドクオ「ぐ、ああ・・・!?・・・しかしっ!」
ツン「トドメだぁぁぁ!!!」
ブーン「・・・! ツン、だめだ!」 ツン「!?」
124 :
お年玉(落としちゃった!!):2006/12/23(土) 01:17:10.25 ID:QLYXHbHH0
125 :
初夢(ピザった夢):2006/12/23(土) 01:17:28.12 ID:fIw6/vo90
126 :
初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 01:17:40.13 ID:RNsHYORp0
127 :
黒豆(千粒):2006/12/23(土) 01:21:56.20 ID:oF+udHg/0
>>123 BNSK臭を消そうと思ったのかもしれないが
>「・・・! ツン、だめだ!」
!のあとの一マス空けにワロタwwww
動きを封じられたドクオとツンの間に突如割って入ってきた影は
トドメの体勢に入っていたツンを受け止め、ツンの体を壁に吹き飛ばした。
ブーン「ツン!!!」
ツン「か・・・は・・・っ」
ドクオ「なっ…お前は…ショボン!?」
ショボン「やぁ、なんとか間に合ったようだね。」
ブーン「やつの・・・仲間か・・・?」
まずい。ツンは先の衝撃で気を失っている。なんとか体は動くものの、
今の俺一人であいつの相手を出来るとは思えない。考えろ・・・
129 :
毘沙門(びしゃもん):2006/12/23(土) 01:42:58.47 ID:uwgJCfjO0
今回はさっぱり思いつかない……
魔女っ子と孤独は結びつきそうで結びつかないぜorz
130 :
初夢(犯人だった):2006/12/23(土) 01:44:31.39 ID:E6Enmx/Y0
131 :
初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 01:44:49.65 ID:RNsHYORp0
誰か妹で書け。なんにも浮かばん
132 :
猪(黄色):2006/12/23(土) 01:45:38.18 ID:wHIitwXO0
>>129 魔女っ子サンタのクリスマス
サンタは一人っきりで幸せな家庭を巡り歩く…
133 :
猪(双子の兄):2006/12/23(土) 01:48:54.73 ID:Yk1ls9YX0
妹がいる時点で孤独じゃないもんなぁ…
134 :
凧(未完成):2006/12/23(土) 01:49:26.67 ID:kFPPuX8v0
お兄ちゃん……彼女ができてから冷たいよね……
135 :
初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 01:49:58.09 ID:RNsHYORp0
>>134 なんにも浮かばなかったらそんな話になる予定
136 :
猪(イタ電中):2006/12/23(土) 01:52:24.80 ID:eYtBIx740
ダメだ。眠い。今回も参加は諦めよう…。
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
>>131 /::::::⌒(__人__)⌒::::: \ だから妹楽しみにしてるお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
137 :
凧(未完成):2006/12/23(土) 01:53:15.69 ID:kFPPuX8v0
138 :
初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 01:54:52.23 ID:RNsHYORp0
別に優勝狙ってるわけじゃないからネタバレなんかわけないぜ!
>>136 いつも通り、盛り上がりのない話になるのでそのつもりで
139 :
初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 02:01:50.14 ID:tzCv5wZk0
↓お題をオクレ
140 :
猪(スポーツマンタイプ):2006/12/23(土) 02:02:00.83 ID:eYtBIx740
>>138 話が盛り上がらなくても俺が盛り上がるから大丈夫だ
141 :
猪(スポーツマンタイプ):2006/12/23(土) 02:02:45.61 ID:eYtBIx740
>>139 申し訳ない…orz お題は、「ウクレレ」で。
142 :
お年玉(とられた):2006/12/23(土) 02:03:02.41 ID:QLYXHbHH0
143 :
初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 02:03:43.13 ID:tzCv5wZk0
144 :
猪(しいたけ目):2006/12/23(土) 02:06:53.10 ID:rCSnc5oI0
前スレのお題「久しぶり」で書きました
推敲後、投下します
批評をしていただけたら幸いです
145 :
布袋(ほてい):2006/12/23(土) 02:12:27.28 ID:uwgJCfjO0
>>130 魔女っ子書く人あんまりいないから書いて欲しいw
ああああ思いつかないYO
146 :
VIP皇帝:2006/12/23(土) 02:17:52.71 ID:E6Enmx/Y0
>>145 そりゃまぁ、妹ものや魔女っ子ものはそうそうは書けないわなこのスレじゃあwww
147 :
猪(しいたけ目):2006/12/23(土) 02:22:10.32 ID:rCSnc5oI0
んじゃ、投下します
妹や魔女っ子じゃなくてすまんだけど、読んでおくれー
148 :
1-7:2006/12/23(土) 02:22:47.59 ID:rCSnc5oI0
地下シェルターに閉じ込められて、早十日。大量にあった食料にも底が見え始め、避けようのない死が目の前をうろつき始めた。
何故、こんな阿呆な状況に陥ってしまったのだろう。別に何の危険もない平常時にシェルターに入って、入ったばっかりにこんな目にあっている。
はあ……。嘆息ついでに、六畳ほどの部屋の隅の方で膝を抱いている女に目をやる。視線が混じると、美香は気まずげに目を逸らした。
「あー……。いやね、あたしも予想外だったよ? まさかパスワードが13桁もあって、修ちゃんがそれを覚えていないなんてさ」
「…………」
「そういえば13て聞くと、死刑を思い出すよね。この状況じゃ笑えないけどね。あ、そういえば13階段って小説、あったじゃん? 修ちゃんは読んだかい?」
「…………」
「そ、そういえばお腹すいたね。なんか食べる? っても、もう板チョコ一枚しかないけど……」
「…………」
怨嗟の篭った視線を投げかけ続けていると、美香はごめんなさい!と怒鳴って土下座し、床に額を擦りつけた。手許にあったパイナップルの空き缶を、腹いせに投げつける。
事の発端は、十日前にさかのぼる。美香に核シェルターを作ったという話をしたことが、そもそもの原因だった。
北朝鮮が核を持ったというニュースを耳にして、ならばと俺はシェルターを作った。元々独身で金を持てあましていたので、ちょうどよい散財方法だったように思う。
無駄にだだっ広かった庭を掘り返し、有時には友人を全て詰め込めるような大きさを誇るシェルターを、金に物を言わせて作った。
最新式のパスワード方式を採用したシェルターで、開閉を全て自動で行う優れものだ。耐久性は、テストによれば小型の核爆弾なら直撃しても平気だという。
気をよくした俺は、友人たちにこのシェルターのことを自慢してまわり、有事の際には頼ってくれよと話をした。
皆が皆「こいつ馬鹿じゃね?」という顔をしていた中、唯一興味を示したのが、今俺を死地へと追いやってくれている佐藤美香だ。
美香とは、幼馴染という間柄にある。幼稚園からの付き合いで、高校までを同じ学校で過ごした。
美香を一言で表現すれば、迷惑な奴、に尽きる。生粋のトラブルメイカーで、何年も共に過ごした俺はかなりの被害を被った。もちろん今も、現在進行形だ。
被った迷惑を列挙するとすれば、そう……いや、止めておこう。一つ一つ挙げていてはきりがないし、俺が部屋の隅のほうでいびきを立てている美香に暴行を加えにいきかねない。
ちなみに美香とは、恋愛関係に発展したことは一度もない。一時期意識しかけたこともあったが、美香にその気はないのだろう事を俺を男として扱おうとしないことから悟り、諦めていた。
美香と会うのは、本当に久しぶりのことだった。就職して互いに忙しくなり疎遠になってしまっていて、先日メッセンジャーでの会話が4年ぶりの会話となる。
149 :
2-7:2006/12/23(土) 02:23:20.11 ID:rCSnc5oI0
閑話休題。
何故、俺たちは閉じ込められているのだろう。
それはなんとも、簡単なこと。美佳がシェルターのハッチを誤って閉じてしまったからだ。
完全に全自動であるこのシェルターは、ハッチを一度でも閉じればロックがかかる。金属の落下音に気付いた時には手遅れで、無情にも扉は閉ざされてしまっていた。
がちんと、あの音を聞いた時の俺の青ざめ方といったらなんとも滑稽であった。顔から血が一瞬にして引いていくのが理解できた。背筋が凍るとは、あのときをさして言うのだろう。
たしかに、油断していた俺も悪い。パスワードは暗記できるレベルの桁数にすべきだったし、そもそも馬鹿の美香をシェルターなどに入れるべきではなかったのだ。
しかし、後悔先に立たず。このことわざを美香に言われた時は絞め殺してやろうかとも思ったが、的を得た言葉である。絶望に打ちひしがれながら、俺はうなだれるしかなかった。
しかしまだ、希望はあった。こういうパスワードタイプのシェルターは、大体なんとかして手動で開くものなのだ。神の慈悲に感涙にむせび泣きながら、俺は手動開閉の方法を探した。
そして、見つけた。ハンドルタイプの、直径四十センチもある大きな希望を見つけたのである。助かった、と思った。
思ったが、助かりはしなかった。重すぎたのだ。体感で、約二百キロを優に超えている。非力な俺と女性である美香だけでは、とても開けられなかった。
そもそもこれだけの広さのシェルターに二人だけというのもおかしい話だし、大体パスワードを覚えておかないはずがないという前提があるので、手動開閉のことなど考慮されていないのだ。
かくして俺たちは、薄暗い核爆弾にも耐えうる防壁の中に、二人閉じ込められてしまったのである。なんとも間抜けな話だ。
150 :
凧(赤):2006/12/23(土) 02:23:29.50 ID:kFPPuX8v0
うわー。プロットすすまないよー!
孤独と孤立と独りって全部ちがうもんだよな……
151 :
3-7:2006/12/23(土) 02:24:02.08 ID:rCSnc5oI0
「修ちゃんさあ……、あたしのこと好きだったでしょ」
閉じ込められてから、十二日が経過していた。食料も完全に底をつき、襲いくる飢えに耐えるべく気をやっていたところ、美香か唐突に口を開いた。
先日以来の会話である。お互い、疲れていた。
「寝言は寝て言え」
「隠したってダメさあ。高校のころとか修ちゃん、あたしの胸とか太腿とか舐めるように見てたもんね。ぞくぞくしたよ」
「見てません。お前の貧相な体など、視界にすら入れてません」
酷いなあ、と美香が笑う。
部屋の隅と隅、一番遠いところに俺と美香は座っていたので、声がくぐもって聞こえた。はははと、美香の笑いが金属の部屋に響く。
シェルターに閉じ込められて今まで、俺と美香はまともな会話を交わしていなかった。ずっと俺が罵って、美香が平謝りをしている。そんな生産性のないものを続けていた。
意識的に、会話を避けていたように思う。理由は、俺にもよくわからない。
「あたしさあ……今付き合ってる人がいるんだよね。結婚も考えてるんだよ」
近くに美香がいなくてよかった。自分でも驚くほど、びくりと反応してしまった。返事の声が、少し裏返る。
152 :
4-7:2006/12/23(土) 02:24:33.35 ID:rCSnc5oI0
「……ふうん」
「あ、動揺した? 可愛いなあー」
「してない。……なんだよ、急に」
二人とも大人になって、二十台も佳境だ。それでも、学生時代からあまり変わっていない。美香は相変わらず俺をからかう。そして俺は、どうも彼女の前ではぶっきらぼうになってしまう。
なんだか無性に腹が立つ。憮然として、ふんと鼻を鳴らした。
「あんまり調子に乗るなよ。飢え死にする前にお前を殺して食ってやるぞ」
「修ちゃんはあらゆる意味で狼だねえ。……まあ、この密室であたしを襲わなかったその忍耐力だけは誉めてあげるよ」
「お前になど食指が働かん」
「酷いなあー。あたし、これでも職場では毎日のように告白されてんだよ? もてもてだよ? そのあたしに食指が働かないって、さては修ちゃん……」
鬱陶しくなって、美香を無視して溜め息と共にごろんと横になる。腹が減った。腹の虫が自己主張を続けるが、どうにも慰める術がない。
ラーメンが食べたい。餃子とご飯も当然追加だ。ビールがついていればなおさらいい。今それらが食べられるならば、臓器の一つや二つ腹を裂いて差し出してもかまわない。壷だって言い値で買う。
シェルター内には、大体5日分程度の食料しか用意されていなかった。それも、一人分の量でである。それを二人で、しかも十二日間。
もうそろそろ限界が近い。くそう、なんでこんなことしてんだろう、俺、馬鹿じゃないの……。
153 :
5-7:2006/12/23(土) 02:25:03.87 ID:rCSnc5oI0
「修ちゃん、そっちいってもいい?」
仰向けの体制のまま目を向けると、美香が腰を浮かせてこちらの様子を伺っていた。うー、とかあー、とか唸って、許可を出す。
よっこらしょ、と年寄り臭い声を出しながら、美香が俺の隣に腰をおろす。シェルター内は肌寒いくらいで、さほど汗はかいていない。体臭が気になったが、それは美香も同じだ。気にしないことにする。
沈黙が空間を支配する。何のために傍によってきたんだ、コイツは。
「……あたしはさあ、修ちゃんのこと好きだったよ。両思いだったらいいなあって、幼馴染で結婚できたらいいなあって思ってた」
何でそんな話をこんな時にするんだ、と目を細める。声を出すのが面倒だったので、返事をせずに寝返りを打ち、美香から気持ち遠ざかる。
ちらと横目で表情を伺うと、相変わらず何を考えているかわからないような顔をしていた。部屋の奥に視線を固定して、心ここにあらずといった感じだ。
しばらく黙っていると、美香に向けていた背中に体温を感じた。どうやら美香も横になったらしい。腰にそっと腕が回される。
どうやら様子を伺っているようだった。おとなしくしていると、体を擦り合わせてくる。胸の柔らな感触を背中越しに感じた。
「ずっとさあ、修ちゃんのこと忘れようって思ってた。大学も離れて、話すことも少なくなって、忘れられると思ってた」
「は? ……なんで忘れようなんて思ったんだよ」
「好きだったからさ。……修ちゃん、あたしのことホントは好きじゃなかったでしょ。ずっと告白しようと思ってたけど、拒まれたら立ち直れないような気がしてさ」
怖かったんだよ、と美香は言った。俺を抱きしめる腕に力が篭る。急な展開に困惑しつつ、俺はしっかりどぎまぎしていた。
美香が俺を好いていた。まさか。だって彼女は、そんなそぶりなど全く見せなかったではないか。
たしかに一緒にいる時間は長かった。家族や男友達なんかより、ずっと同じ時間を共有していたように思う。
だが、そのことを誰かに含み笑いで指摘されても美香は笑っているだけだったし、顔を赤くしている俺にもただ微笑みを向けるだけだった。
意識しているのは俺だけだと思っていた。なんだかそれが悔しくて、あてつけるように好きでもない彼女を作ってみたりもした。それでも彼女はへらへらしているだけだった。
だから、ダメなんだと思っていた。彼女の好意を感じ取ることが出来なかった。ほとんど絶望に近い感情が、あの頃の俺を包んでいた。
完全な不意打ちである。この状況でそんなことを言うのは、はなはだ卑怯だ。ずるい。馬鹿じゃないのか。
154 :
6-7:2006/12/23(土) 02:25:47.99 ID:rCSnc5oI0
「修ちゃんが高三のとき彼女が出来たじゃない。その時、やっぱりあたしじゃダメだったんだな、って思った。悲しかったよ。悔しかった」
美香は饒舌になっていた。何かに吹っ切れたように、べらべらと喋る。まるでセミのようだった。自分が死ぬことを理解しているから、喚いていた。
「もう死ぬから言うけど、今でも修ちゃんのこと好き。忘れられるわけがなかったよ。あたしと修ちゃんは、一心同体なんだもん」
「……勝手に決めるな」
「親の都合で、結婚することになってた。いい人だったよ。背も高かったし、顔立ちも整ってて、いいとこのボンボンって感じ。でもさ、愛せそうになかった。あたしの心には、修ちゃんがいるもんね」
急な告白に、頭が追いつけずにいた。いや、実のところ、理解はたやすかった。結局のところ、互いに互いの告白を待ち続けてすれ違っただけのことだったのだ。
胸が痛む。もっと早く言えよ。なんでこんな状況で言うんだよ。じき死ぬ、先のない空間で言うなよ、馬鹿。
美香の体温が濃くなる。今の今まで、ただの一度もこんなに体を触れ合わせたことがなかったことに気付く。そうなのだ、俺はずっと、虚勢を張り続けていたのだ。
もっと早いうちに、こういう関係になりたかった。肌を重ねて、睦言を交わしたかった。今となってはもう手遅れだが。
「修ちゃん……、ごめんね。きっと他に好きな人とか、いたよね。こんなの嫌だよね。間抜けな死に方させて、ごめんね」
俺は美香に背を向けたままでいた。眉をしかめる。まったくだ。こんな死にかた、腹上死よりもずっと間抜けだ。甘い言葉を聞きながら、飢え死。アホか。
堪えきれなくなってがばと振り向き、横になった姿勢のまま美香を抱きしめる。美香が驚いた表情になる。構わず、渾身の力を込める。
「……苦しいよ、修ちゃん」
くぐもった声に、喜びが混じっていた。ほとんど二十年に近い時間の間、こうするのを我慢していたのだ。だから美香も、我慢するべきなのだった。
背中に腕がまわされる。体温を感じる。嬉しかった。ようやっと、俺が抱きたかった女が戻ってきた。それがただ、嬉しかった。
もしかしたら、無意識的に望んでいたのかもしれない。どうせ後悔を抱いて死ぬなら、好きだった相手と死にたい。そんな究極的な自分本位を。きっと、彼女も。
他人には理解されないかもしれない。馬鹿な奴等だと一笑に伏されること請け合いだ。だが、俺たちはこれでよかったのだと思う。結局、一生を添い遂げた形になるのだから。
甘い死。馬鹿な死に方だが、もっとも幸福な死に方でもあった。
155 :
7-7:2006/12/23(土) 02:26:20.56 ID:rCSnc5oI0
「愛してるよ、修ちゃん」
「……ああ」
俺の胸の中で、美香が呟く。
「……多分もう気付いてると思うけど、シェルターの蓋を閉めたの、あれわざとなんだ」
「とんだ馬鹿野郎だよ、お前は」
「はは、自分勝手でごめんね。……どうしても、死ぬなら修ちゃんの傍がよかったからさ。我慢できなかったんだよ」
ほんの少しだけ申し訳なさそうな美香に加虐心が芽生えて、頭をくしゃくしゃにしてやる。ぱさついた髪が絡まって、美香が痛いよう、と非難の声をあげ、そして俺から離れていった。
美香が立ち上がる。さて、と腰に手を当てて、すたすたと歩いていった。その後姿を眺めながら、俺は小さく溜め息をついた。美香の手には、紙切れが握られていた。
……まあ、この落ちは読めたさ。いつもそうだったからな。美香はいつもトラブルメイカーで、今思えば、それは多分俺を困らせたかっただけなのだ。まったく、怒る気も起こらない。
薄暗かったシェルターの中に、日の光が差し込む。
「さあ、あたし達の新しい人生が始まるよ!」
溜め息を伴侶に立ち上がる。日光を浴びた美香の笑顔が、とてもまぶしく見える。実際、まぶしかった。天使もきっと、こんな感じでまぶしいのだろうと、勝手に検討づけた。
美香の頭を軽く殴り、脱出口に続くはしごに手をかける。12日ぶりの外は、快晴だった。どうやら、死刑執行にはいたらなかったらしい。
続けてでてきた美香を振り返り、抱きしめる。まずは風呂に入りたい。いや、それよりもだ。
「ラーメン食べに行くぞ。腹減った」
「餃子もつけてね。あ、それとビールが飲みたい」
苦笑する。やっぱり、俺とこいつは一緒にいるべきなのだった。
156 :
猪(しいたけ目):2006/12/23(土) 02:27:44.18 ID:rCSnc5oI0
以上です。小説を書くのも結構久しぶりのことだったことにシンクロニシティを感じた。
孤独、の方も少し考えて見ることにします
157 :
凧(赤):2006/12/23(土) 02:33:10.01 ID:kFPPuX8v0
158 :
初夢(猿の夢):2006/12/23(土) 02:50:13.76 ID:p8/wJoWkO
途中で諦めるかも知れないそんな俺にお題クレ
159 :
おまえの番だよ:2006/12/23(土) 02:50:50.90 ID:py+6/bXA0
試合終了
160 :
初夢(猿の夢):2006/12/23(土) 02:52:28.67 ID:p8/wJoWkO
ぉk
161 :
お年玉(とられた):2006/12/23(土) 02:53:26.35 ID:QLYXHbHH0
微妙に縁起の悪いお題だなwガンガレ
162 :
猪(カレー味):2006/12/23(土) 02:55:30.83 ID:wHIitwXO0
ってか皆、品評会用を投下しないのかい?
朝まで俺の愚作一つってのも…w
163 :
お年玉(とられた):2006/12/23(土) 02:57:24.23 ID:QLYXHbHH0
>>162 これこそまさに「孤独」だな……
いや、今書いてる通常お題のが終わったら書くつもりw
優先順位間違ってるかな……
164 :
凧(一人身):2006/12/23(土) 03:04:35.15 ID:kFPPuX8v0
>>148-155 物語としては把握できるものの、設定に疑問が残る所が多いかなあ。
手動で開けるが大変すぎたらそんなの緊急用の手段として使えないし……。
閉じてしまったらあかない、ってのもなあ。シェルターってそういうものなんだろうか。
あと、女性の方が暗証番号書いた紙を持っている理由とか。
キャラクターは、社会人という設定だけれど、幼なじみで、懐かしさもあって、
というのを差し引いても、ちょっと言動が幼すぎる様な。もう少し落ち着いて
いてもいいんじゃないかな。主人公は明記されていないけど、、ヒロインは
働いているのだとしたら、10日間無断欠勤だものなあ。充分クビになる理由に
なるし、「なんで暗証番号忘れてるのよ!」って怒っても不思議じゃない。
文章に関しては、個人的な好みでいうと、全体的に言葉の使い方に癖がある
気がする。個性といえば個性なのかもしれないけど、やけに難しい、凝った
言い回しが多いわりに、所々妙に砕けすぎた言い回しとか、音が微妙に被る言葉が
連続していたりする、なんて所のバランスが悪くて、ちょっと落ち着かない。
とかいいながら、7レスあってもするっと読めたりはしている。物語としては
面白いんだと思う。つついてるのも重箱の隅みたいなもんだし。
しかし。こんだけ根性あるヒロインだとつきあったあとが大変そうだw
165 :
年賀状(あたり):2006/12/23(土) 03:08:02.85 ID:7lUGeViG0
いくつか書いたもののかぶりそうな話しか書けないので、
今回の品評会はもう諦めた俺がいるwww
166 :
凧(一人身):2006/12/23(土) 03:12:07.90 ID:kFPPuX8v0
>>119 えー?!そうなの?!しらなかったよ……
167 :
お年玉(もらいたい):2006/12/23(土) 03:13:06.02 ID:QLYXHbHH0
168 :
おせち(30,000円):2006/12/23(土) 03:14:18.14 ID:8Twy79m2O
169 :
凧(一人身):2006/12/23(土) 03:17:47.33 ID:kFPPuX8v0
>>167 >>168 ごめん……ほんとうにごめん。おいら、119だwwww
なんていうか、ほら、自分のことは自分でって、ばっちゃも言ってたし。
ね?
170 :
お年玉(もらいたい):2006/12/23(土) 03:20:06.15 ID:QLYXHbHH0
>>169 ちょwおまwwww うん、ばっちゃが言ってたなら仕方ないな
171 :
凧(バンカー):2006/12/23(土) 03:41:29.78 ID:TwgbqXiR0
172 :
◆7wdOAb2gic :2006/12/23(土) 04:45:18.45 ID:h2UlgbHF0
品評会投下しまーす
173 :
第六感1/2 ◆7wdOAb2gic :2006/12/23(土) 04:46:29.39 ID:h2UlgbHF0
「あんた達、遅刻するわよ、早く起きなさい!」
一階から、妻の絵美が大きな声をあげている。あと五分したら妻が、子供部屋を目指して、
ものすごい勢いで階段をあがってくるのは、毎朝繰り返される我が家の恒例行事だ。
今日もやっぱり、シナリオ通りに進行し、妻が子供部屋に突入、二人のねぼすけのふとん
をひっぺがした。
「もうちょっとだけ……」
「だーめ」
紗希と達也があきらめたのか、もぞもぞと動き出す気配がした。小学五年生の娘と二年生の
息子。俺の自慢のかわいい二人組だ。
「たつ、朝ごはん食べよ」
「うん」
妻が一階に降りた後、紗希がお姉ちゃんらしく達也をうながした。隣の部屋で繰り広げら
れた、微笑ましい光景を想像すると、自然に頬がゆるんでくる。
二人がパタパタと階段を降りる足音を聞きながら、ゆっくりとベッドから身を起こした。
「ニャア」
猫のイタローが朝の挨拶にきた。こいつも入れて自慢の三人組だな――と霞がかかったよう
な頭でぼんやり考えた。
174 :
第六感2/2 ◆7wdOAb2gic :2006/12/23(土) 04:47:44.53 ID:h2UlgbHF0
イタローに先導され一階に向かうと、紗希と達也は、食堂のテーブルに並んで腰をかけてい
た。朝食はトーストとベーコンエッグだった。二人とも、もそもそと機械的に口を動かしなが
ら、牛乳でなんとか流しこんでる様子だった。
「朝はパンより、白いご飯のほうがいいんじゃないか」
妻に向かって言ってみたが、流しでガチャガチャと大きな音を立てながら、食器を洗ってる
為、聞こえなかったようだった。また改めて言えばいいかと思い直し、居間のソファに腰を下
ろして、テレビで流れているニュースを眺めはじめた。
虐待やいじめ自殺など、親としては心配になるような話題ばかりだが、明るく素直なうちの
子達は大丈夫だろうと考えた。しかし、最近遊んであげられてないから、今度ゆっくり家族み
んなで過ごす時間も作らなければならないと、肝に銘じておいた。
「ごちそうさまー」
「早く支度して、すぐに出るわよ」
集団登校の時間が迫ってるらしく、妻が子供達をせきたてた。五分後、慌しく三人が玄関を
飛び出してから、自分も身支度のため洗面所へ向かった。
髭を剃ろうと思い、鏡に顔を近づけた。しかし、どこを探しても自分の姿は鏡には映ってい
なかった。
そういえば――急速に自分の置かれている状況が把握できると、なんともいえない寂寥感と
耐えきれないほどの孤独に身を包まれた。
「俺は一年前に死んだんだ……」
完
品評会って専用スレのほうに投下するんじゃないの?
176 :
お年玉(すずめの涙):2006/12/23(土) 05:01:03.03 ID:QLYXHbHH0
>>173 感想なんてやったことないし
言っていいものかどうか迷ったけど思った事を。
>あと五分したら妻が、子供部屋を目指して、 ものすごい勢いで階段をあがってくるのは、毎朝繰り返される我が家の恒例行事だ。
>二人のねぼすけのふとんをひっぺがした
この辺読みにくいんじゃないかと思う。
もうちょっと整理した方がいいんじゃないかと。
後あんまり第六感と関係ない気がする。
理由の無い直感で気付いたのなら第六感とも言えようが、鏡に映ってない状況から思い出したように見える本文の状況においては第六感とはいえないのでは?
178 :
お年玉(800円):2006/12/23(土) 05:10:35.91 ID:/K4gjK2t0
>>176 このスレ来たばっかりで良くルールがわかってないんだが
BNSKスレ掲示板の方に第三十八回品評会スレってわざわざ立てられてるんだし、そっちで投下しなきゃいかんのじゃないのかと思ったんだ。
違ったのならすまない。
もう二日ぐらいROMってくる
179 :
お年玉(すずめの涙):2006/12/23(土) 05:14:33.97 ID:QLYXHbHH0
>>178 品評会作品は早い者順でこっちに投下すればおk
あっちは後から読む人用のまとめだよ
ROMらないでいいからバトルしようぜ!
あいわかった! ちょっと書いてみるよ
181 :
◆7wdOAb2gic :2006/12/23(土) 05:17:43.71 ID:h2UlgbHF0
>>177 こんな総長に感想してくださってありがとうございます。
確かに読みにくいです。二回ほど推敲しましたが、全然甘かったです。
あと、タイトルはシャマラ……ん、ごほっごほ。センスがなくてすみません。
182 :
お年玉(すずめの涙):2006/12/23(土) 05:21:07.29 ID:QLYXHbHH0
>>182 今品評会のネタを思いついたところだから、その次にさせてもらう
184 :
お年玉(すずめの涙):2006/12/23(土) 05:26:07.61 ID:QLYXHbHH0
185 :
姫初め:2006/12/23(土) 06:25:45.68 ID:/K4gjK2t0
ほしゅ
186 :
姫初め:2006/12/23(土) 06:46:35.43 ID:/K4gjK2t0
かきながらほしゅ
187 :
お年玉(800円):2006/12/23(土) 07:13:31.71 ID:QLYXHbHH0
ずろうの棲処やりつつ保守
188 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/23(土) 07:51:36.16 ID:/K4gjK2t0
ようし、品評会投下の準備が出来たぞ
投下してもよかですか?
ああむりだおやすみ
190 :
姫初め:2006/12/23(土) 08:03:53.26 ID:QLYXHbHH0
191 :
猪(倉庫係り):2006/12/23(土) 08:24:44.89 ID:kWuwY9C8O
天皇って誕生日とクリスマス一緒にされてたんじゃね?
なんて思いながら保守
192 :
凧(♀):2006/12/23(土) 08:47:52.20 ID:kFPPuX8v0
へたするとお年玉もいっしょにされたりしてるかもね……
193 :
のびたと初詣:2006/12/23(土) 09:09:06.74 ID:oOShOnkN0
>>191 むしろお正月のお年玉が誕生日+クリスマスぶんだったと予想
194 :
おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/23(土) 09:09:14.10 ID:qMZ4eEcv0
ホッシュホッシュ
書いてるといつもそうだけど、最初のうちはスルスル筆(キー)が進むのに、終盤になると途端に手が進まなくなるから困る。
起承転結の起承転までは割と行けるんだよな。でもそれをまとめる結が上手く書けない。
お題の方は置いておいて、品評会のネタでも考えるか(´・ω・`)
195 :
猪(ケツ拭くの忘れた):2006/12/23(土) 09:12:49.56 ID:a+H9zAmJ0
前スレのdat誰か持ってたらくれー
まとめやってる訳じゃないけど
196 :
かき初め(二回目):2006/12/23(土) 09:15:34.03 ID:LOY7PIh20
品評会投下縞素
197 :
のびたと初詣:2006/12/23(土) 09:18:23.81 ID:oOShOnkN0
198 :
猪(ケツ拭くの忘れた):2006/12/23(土) 09:24:31.40 ID:a+H9zAmJ0
199 :
猪(双子の妹):2006/12/23(土) 09:31:40.45 ID:eCkzTSoM0
天皇は一応神道の最高峰なんだぜと言っておこう。
↓お題
200 :
猪(ケツ拭くの忘れた):2006/12/23(土) 09:32:19.99 ID:a+H9zAmJ0
宮崎県
201 :
【品評会】最後の一枚 (1/2) ◆K0pP32gnP6 :2006/12/23(土) 09:34:37.36 ID:LOY7PIh20
すっかり冬ですね。周りの木々の葉も、全て散っています。
というか、ボクのいる木の葉も、残るはボクだけ。
どうも、葉っぱです。
寒いですね。みんな飛ばされちゃいました。ボクが最後の一枚です。
そのせいなのか、近くの病院に入院してる女の子の生きる希望になっているらしいです。
病室の窓からボクが見えるとか見えないとか。
本当は、風に乗って飛んでいってしまいたいんですけどね。頑張ります。
それにしても今日は風が強いですね。
って、やべっ。これは無理。飛ばされるって。
地面に着いてしばらく経ちます。
なんかまわりの奴らとひとかたまりにされました。昔、同じ木にいた奴もいます。
あ、久しぶり。
あれ?サツマイモさんじゃないですか。
体にアルミホイルなんて巻いて何してるんすか?
え、焼きイモ? ボク、燃料? 女の子の生きる希望なのに!
ああ、ごめんね。女の子。お互い生まれ変わったらまた逢いましょう?
翌年の春、無事新しく生まれ変わる事が出来ました。
今度はサボテンです。サボテンの花は珍しいそうですね。
まわりのサボテンさん達と分けられ、小さい鉢に入れられました。またひとりか、と思いましたけど。
202 :
【品評会】最後の一枚 (2/2) ◆K0pP32gnP6 :2006/12/23(土) 09:34:55.77 ID:LOY7PIh20
今は病院の窓際に置かれています。
窓の外には去年ボクがいた木があります。
横のベットには、あの時の女の子。
もうすぐ退院だそうです。
そのときはボクも一緒につれて行ってもらえるのかな?
<おわり>
203 :
猪(双子の妹):2006/12/23(土) 09:41:02.11 ID:eCkzTSoM0
204 :
猪(ほろよい):2006/12/23(土) 10:31:10.47 ID:Txg0jDCY0
名無しに喧嘩を売る糞コテがいました。
これはヒドイ・・・
227 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/12(火) 08:48:35 ID:???
あ?名無しの分際で驕るな
301 名前:はじめまして名無しさん[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 18:17:38 ID:???
ろんりー ◆Lonely.K5c 2006/12/13(水) 18:13:09.23 ID:Mw3zfxSxO
あれ?
俺って花レベルに邪魔コテじゃね??
俺ってネットでもリアルでも要らないコじゃね????
312 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/14(木) 00:55:42 ID:???
>>296 あーちょっと困るよー困るよチミ!!!!
コテつけて活動するってのはなああああああ個人情報垂れ流しでネット上をさまよってるって事なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
1日限りの単発IDのいち名無しとは背負ってるリスクがちげーんだYOこのマヨネーズがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺たち結構頑張ってルンDAKARAコテを蔑ろ(ないがしろ)←ふりがな にしちゃ駄目だぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
つまり何が言いたいかってYOUと、特定とか本当怖いんで勘弁してくだしあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんでかっつーと名無しよりコテの方が偉いから!!!!わかったら日本中の年末ジャンボ買い占めて来いやwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それじゃあお前らwwwwwwwww良いお年をwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/intro/1161622413/l50
205 :
年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/23(土) 10:54:59.84 ID:uEpZaxK50
206 :
猪(音速):2006/12/23(土) 11:54:05.61 ID:seWJlGGX0
ksk
ksk
ksk
ksk
bnsk
ksk
ksk
過疎区
207 :
おせち(1㌧):2006/12/23(土) 12:11:02.80 ID:VflL881PO
ボクっ娘は封印します
208 :
書初め(樹木希林):2006/12/23(土) 12:21:14.11 ID:/HomRWi/0
久しぶりに俺も書いてみようかな
お題ちょ↓
209 :
おせち(15,000円):2006/12/23(土) 12:30:57.61 ID:ZRRugU7d0
ベッド
210 :
書初め(樹木希林):2006/12/23(土) 12:33:25.97 ID:/HomRWi/0
211 :
猪(ちび):2006/12/23(土) 12:59:19.17 ID:eYtBIx740
バス乗り遅れた/(^o^)\ナンテコッタイ
一日余裕が出来たから意地でも品評会に参加してやるぜ…
212 :
猪(♂):2006/12/23(土) 13:00:44.43 ID:oOAWG2Ov0
お題下さい
213 :
おせつ:2006/12/23(土) 13:05:44.98 ID:VflL881PO
玉
214 :
猪(ミニスカ):2006/12/23(土) 13:14:40.43 ID:a+H9zAmJ0
>>211 バスに感謝だな
お題追加で良ければ
金
215 :
犬と初詣:2006/12/23(土) 13:25:52.14 ID:NuVmSOu70
朝は緊急事態であった故投下できなかったが、今こそは投下したいと思う。おっけーか?
216 :
犬と初詣:2006/12/23(土) 13:26:31.60 ID:NuVmSOu70
あ、品評会の分な
217 :
書初め(遠山金さん):2006/12/23(土) 13:27:42.35 ID:/HomRWi/0
おk
あいわかった。
ネタもありがちで起承転結も弱くて描写も甘いが、現在のあっしのいっぱいいっぱいを投下させてもらいやす
報告書
作成日 アメリカ日付 西暦二千百一年九月二十一日
本日で予定航海日数の半分まであと一日となった。
何事の問題も無く、太陽系外を目指す初めての有人船「フロウリッシュ号」は全工程の半分近くを終えようとしている。
燃料・食料等の備蓄を半分以上も残したまま、我々は指定された折り返し地点に到達しようとしている。
今日もフロウリッシュ号は重大な損傷を受ける事も無く、乗員の命には何の危機も迫ってはいない。
そう言えるのも、今日も我が友「タチバナ キョウジ」が、フロウリッシュ号に衝突した石ころに対し、適切な対応をしたからである。
彼のEVA技術には目を見張るものがある。彼がいる限りは我々が脅威にさらされ続けることも無いだろう。
さすがは人類の銀河進出の尖兵といった所だ。
そして今日、私にはどうしても報告せねばならない重大事項がある――
『キョウジ、久し振りのEVAです。抜かりはありませんか?』
「問題無い。酸素漏れもないし、推進剤も満タンだし、命綱も、」
左胸に引っ付いた強化ゴムの付け根を引っ張って、簡単に取れたりはしない事を確認。
「ちゃんとロックされてる。今エアロックを開放した」
今、恭二は中世の鎧ですら目じゃない位にごつい船外活動ユニット(以下EMU)を着ている。宇宙の黒の中でも目立つオレンジ色で一色に塗られた宇宙服は、標準的な人間の体よりも一回りも二回りも大きい。
恭二はただ一度、軽く右の足で地を蹴る。地球にいたならば、それだけでは跳躍する事も出来ないが、ここは無重力が常識の宇宙空間である。
たったそれだけの動作で恭二の体は白塗りのエアロックの外に放り出される。もし、このまま何もせずにいたならば、それだけで恭二はスペースデブリと化してしまうだろう。それが無重力というものだ。
しかしそういうわけにはいかない。死にたいのならば、デブリになるのもまた一興かもしれないが、生憎と恭二には帰りを待つ父と母と、妹がいる。
すぐに背面のバックパックについた飛行ユニットから推進剤を噴射して、船体装甲面に沿って滑るように移動を始める。
噴射の音だけがEMU内部を伝わって恭二の耳に届く。そして噴射音と体内活動以外の事について言えば、全くの無音。自身の呼吸の音でさえも邪魔に思えるほどの圧倒的な静寂は、三百六十度から恭二を包もうと広がり始める。
こういう時は、すぐに心臓の鼓動が早くなる。静寂に体が触れているだけなのに、まるで押しつぶされるような気分になる。もうEVAも通算五百回を軽く超えるベテランだというのに、バカみたいな話だ。
まるで宇宙に出たばかりのドシロウトみたいだ。
『通信、正常確認、聞こえていますね? キョウジ。『石ころ』がぶつかったのはE-八十五番装甲付近です。酸素漏れがあったりしたら厄介だ。早い所、安全を確認してくださいよ』
ジョーイの声が少しばかり嬉しい。早くなった動悸を意識しながら目をつぶって深呼吸する。
「了解、今向かってる。にしてもなんだな、こんな宇宙のど真ん中だってのに石ころにぶつかるような事ってホント意外に多いよな」
『そりゃ、確率がゼロとは言い切れませんからね。コンマ以下の世界がいつだって生まれ得るのが宇宙というものでしょうよ』
220 :
接触前夜 第三十八回品評会用 お題「孤独」 2/4:2006/12/23(土) 13:33:55.72 ID:NuVmSOu70
装甲の継ぎ目も見えない船体は、見ているだけで目が潰れてしまいそうな白に包まれている。宇宙の黒とは相反する色なのに、まるで同じ色のような錯覚を覚えてしまう。完全な白はそれだけの圧迫感を持っていた。
やがてその船体に不自然なへこみを発見し、推進剤を噴射して減速。腰のスイッチを押してブーツ裏に磁力を生みだし「E-八十五番装甲」に着地する。
「今損傷部分を確認した。間違いない。石がぶつかったみたいだ。緩衝材に阻まれて船体内部には届いていない」
ポーチから工具を取り出し、まずは傷口の大きさを測る。
「応急処置が終わったら帰還する。……なあ、この石どこから飛んできたかわかるか?」
『ちょっと待って下さい、今カメラをつなぎます』
EMUの顔部モニターが捕らえた情報は、順次管制室に送られている。そのカメラの映像を確認してもらい、場合によっちゃ記録映像をピックアップして残してもらわなければならない。
『ああ、ようやくつながりました。この映像から損傷の角度を計算してみます。もしかしたら未知の惑星から、とかかも』
未知の惑星。
子供の頃に心躍らされた言葉に、一瞬意識が飛ばされる。
自分たち人類の内の、誰一人として知らない惑星。地球上の、火星上の、木星軌道上のどの常識にも当てはまらない、まったく新しい常識のある地。
恭二は傷口から目を背け、宙を見上げる。まだ名の与えられていない星々が好き勝手に輝く広大な宇宙は、絶大な存在感を持ってそこにある。
途方も無く広い宇宙。そして、そのどこかから流れ着く小石。
航海が始まってからもう一年が経とうとしている。予想していたことではあるが、新しい発見なんて特には無くて、退屈で危険な日常が続くばかりだ。
宙に手を伸ばし、握り締め、開く。そこには手の動きを邪魔する気体の存在すらも無い。
もしかしたら、人類は孤独なのかもしれない。もしかしたら、新しいものを求めて外宇宙に飛び出ることなんて意味が無いかもしれない。
子供の頃の夢なんてとうの昔に忘れてしまった気がする。緩衝材にめり込んだこの石でさえ、きっと木星圏からでも流れてきたものだろう。
子供の頃憧れていた新発見の無いEVAはそれほど長くも無く、ものの十分足らずで終わる。命の危機は去った。
石ころを損傷部分から引っ張り出して船内に持ち帰り、食事のためにEMUを脱ぎ捨てる。
EMUの後片付けもせずに、閉じたエアロック内に置き去りにし、石だけ持って食堂に流れた。
どうせ食べるものなんてハンバーガーぐらいしかないが、食べないよりは幾分かマシというものである。この仕事は体力の要るものだから、食べるのだって仕事の内だ。
ケチャップの味しかしないハンバーガーを大口に頬張り、紙コップのコーヒーを啜り、口の中でいっぺんに咀嚼。
妙な味はこの気にせずに、ピンボール程しか無い石ころを片手で弄ぶ。
この石は案外妙だ。先ほど重力ブロックを通った際に気付いた事だが、この石コロは思ったよりも重い。少なくとも鉛以上ではあると、うろ覚えの知識に照らし合わせ、ひょっとしたらひょっとするかもしれない、と一瞬だけ思う。
思うだけである。すぐに、そんなはずは無いのだと心の中で唱え始めている自分に気付きながらコーヒーをもう一口。甘口の恭二に無糖のコーヒーは少しつらいものがある。
「大したもんじゃないよ。ほんとにただの石ころだ」
放り投げた小さい石を、ジョーイは大げさな動作でキャッチして、顔を綻ばせた。
「大したもんじゃないか。この比重のデブリ、もしかしたら新発見だったりとかさ」
「本気でそれ言ってるか? お前そのセリフ今回の航海で何回目だ?」
「初めてだろ? 何言ってんだ」
返事には髪の毛一本はさむ隙が無い。迷う必要なんて無いのだ。
「十三回目。特に五回目の時は酷かった。船内をひっくり返してMPT-E-1の全機能まで使った上に土星の輪からの流れ物だって。バカみたいだ」
「バカでいいんですよ、こと宇宙に関してはね。それよりも、あなたのその態度が問題です」
船内で今、まともに生きている人間は恭二とジョーイの二人だけで、他は全員コールドスリープ中だ。全工程の五分の三を終えた所で交代する手筈になっている。
つまり、ジョーイに問題と思われることは人間性そのものに問題があるかもしれないということだ。
それは言いがかりだと、恭二は思う。ジョーイに対して反感を募らせるのに十分な理由だ。表情が硬くなってしまう。
「どの態度だよ」
「新発見を喜ぼうとしないその態度ですよ。一年前は目が輝いていたのに、今はまるで違う」
「どこが違う? ありもしない事を吹聴するよりはマシだろうが」
「あるんですよ。確率としては低いことですが、否定しきることはできない筈だ」
「それは、そうだが……」
食卓に流れてきたジョーイが、深刻そうな顔をしている。目を細めて、恭二の表情からその心を推し量っている。
見透かされた気持ちで恭二は瞳を背けた。
「あなたは寂しいんでしょう?
「どうしてそんなことが言える?」
「わかりますよ。私だって、十年もこの仕事をやってきてるんです。海王星探査にだって参加してるんですよ?こっちは。間違いなく貴方はさびしがっている。だからそうやって否定する。
でもそれはまるで錯覚だ、まだ寂しいだなんて決め付けちゃ駄目ですよ。皆は眠っていますが私は起きているし、ミームだっている」
ジョーイは親指で背後の監視カメラを指しながら言った。ミームと呼ばれて、監視カメラは目を細め、喜んだかのようにも見える。
ミーム、というのはMPTにつけられた愛称だった。長い航海の中、いつまでも硬い名前のままでいるわけには行かないので、馴染む為にジョーイが与えた人の持つ名前。
ミームは船全体を管理するための統合管理人格だった。プログラムが意思を持つなどただでさえ不気味なのに、名前まで持っている。ミームという。人がつけるような。
それは、人が持つべき名前だ。恭二には、それが不自然なことにしか思えない。機械が人を語るなどと傲慢も甚だしい。
「アレは機械だ。俺たちとは違うだろ」
「大丈夫です。私たちは孤独ではない。後一年もすれば故郷には帰れるし、なにより孤独が決まってしまったわけではない。隣人の存在を否定できる証拠を見つけるその日まで我々は孤独ではない」
恭二を見つめるジョーイの目は、友を心配する男の目であり、真っ向から見つめられた恭二には何も言い返せない。口で勝てる気もしない。
この時が、後々教科書に載ることなどは考えもしていない。
『アラーム、アラーム。直ぐにデッキに上がってください。重大な報告があります』
――彼らは呆けていてもプロだ。私の声に即座に反応してデッキに上がった彼らは、直ぐにコントロールパネルの異変に気がついた。
彼らは私の言いたい事を直ぐに汲み取ってくれる。
私の報告とは、ジョーイが私の名を呼んだ直後に送りつけられてきた、ある電波についての事だった。
その電波に乗せられた情報の殆どは私たちの知識ではほぼ解析は不可能で、全く謎の情報圧縮がかけられていた。しかしそれでもわかる情報が一つだけある。
それは、ジョーイがつけてくれた私の名前である。愛すべき私の象徴なのである。
きっと、さっきの会話を聞いていたのだろうと、ジョーイは希望的観測を述べたが、私は十中八九間違いないと思った。何を根拠にして、その観測に自信を持てたのかは私自身にもわからないのだが。
我が友達は直ぐに行動に移った。恭二は「教科書に俺の偉業を乗っけてやる!」と叫んでEMUに潜り込んで、アンテナの角度確認に向かい、ジョーイはコールドスリープ中のキャシー達の解凍を始めた。
私はと言えば、この報告書の作成に移っていたのである。
言葉を尽くしても語ることの出来ない感動が私たちを突き動かしている。我々の知らない情報が、生物がこの宇宙にはまだまだ存在している。
完全な孤独そのものを証明するその日まで、私と私に類するものと全人類は決して孤独などではないだろう。
報告者 MPT-E-1 愛称ミーム・ロックワード 時刻 十九時十五分三十二秒 冥王星付近にて
終
こういうのを書くのはほぼ初めてです。ロボゲの二次創作しかまともにやったことありません。気が向いたら批評してやってください。
ていうか出来るだけしてください。いじめてください。僕はMです
224 :
書初め(遠山金さん):2006/12/23(土) 13:44:01.13 ID:/HomRWi/0
>>219-222 まとめました
>>223 おつ
批評・感想などは、投票が始まってからまとめてされることが多いです。
つまり月曜~水曜あたりね。
225 :
◆sjPepK8Mso :2006/12/23(土) 13:44:53.19 ID:NuVmSOu70
最後の方に
乗っけてやる→載っけてやる
ほかにも間違いがある予感。スマン
226 :
犬と初詣:2006/12/23(土) 13:45:26.94 ID:NuVmSOu70
227 :
書初め(遠山金さん):2006/12/23(土) 13:47:56.61 ID:/HomRWi/0
>>226 あ、あとできればなのだけど、
作品投下中は、なるべく下げないでもらえると助かる。
コピーする時に、ちょっと面倒なので。
228 :
黒豆(八粒):2006/12/23(土) 13:48:28.69 ID:Hnr1PpUx0
お題が欲しいってば
229 :
猪(ミニスカ):2006/12/23(土) 13:48:47.40 ID:a+H9zAmJ0
ピンポン球
230 :
黒豆(八粒):2006/12/23(土) 13:48:55.79 ID:Hnr1PpUx0
㌧
231 :
猪(カビ):2006/12/23(土) 13:49:14.64 ID:clq/EBAdO
【お知らせ】
クリスマス・イブとクリスマスは暖冬のため
中止となりましたので、御了承ください。
では、引き続き天皇陛下の御誕生日をお祝いください。
232 :
犬と初詣:2006/12/23(土) 13:50:31.35 ID:NuVmSOu70
>>227 重ね重ねすまない。自動sageがついてるからつい消すのを忘れちゃったんだ。ケツ拭いてくれて有難う。
では次のお題「繚乱」に取り掛かってきます
233 :
猪(ギター):2006/12/23(土) 13:55:04.64 ID:N7PTEqf1O
234 :
猪(はげ):2006/12/23(土) 14:04:04.40 ID:eYtBIx740
全都道府県に友達がいたら楽しいだろうなぁ
235 :
猪(ばくち打ち):2006/12/23(土) 14:20:18.28 ID:zIVHAULz0
今日から冬休みだぜひゃっほー
今回の品評会のお題を産業で
236 :
ぬこと初詣:2006/12/23(土) 14:21:20.58 ID:NuVmSOu70
孤独
に
けってい
237 :
猪(ばくち打ち):2006/12/23(土) 14:23:42.83 ID:zIVHAULz0
238 :
ぬこと初詣:2006/12/23(土) 14:25:58.85 ID:NuVmSOu70
動物園
239 :
猪(ばくち打ち):2006/12/23(土) 14:40:00.50 ID:zIVHAULz0
240 :
黒豆(二粒):2006/12/23(土) 15:05:17.15 ID:VflL881PO
ホロロン保守くん
241 :
トリマーと初詣:2006/12/23(土) 15:27:24.06 ID:xk7SyrR80
初めてでヘタレ文になると思うがお題希望
242 :
年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/23(土) 15:32:45.46 ID:XMgwxq3f0
>>223 自分で書いた作品を気に入っているなら、上遠野浩平のナイトウォッチおすすめ。
ロボ物宇宙物。
243 :
トリマーと初詣:2006/12/23(土) 15:35:13.38 ID:xk7SyrR80
>>242 宇宙物で書くと思います
ってか俺へのお題投下ってことで受け取ってもいいのかな・・・?
244 :
年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/23(土) 15:37:56.79 ID:XMgwxq3f0
>>243 ああいや、違う、そんなつもりじゃなかったけど、うん、なんだ、その。
宇宙物読むの好きなんで書いてくれると嬉しい。
245 :
トリマーと初詣:2006/12/23(土) 15:38:28.35 ID:xk7SyrR80
>>244 下手糞な文で良ければ 今から書いてきます
246 :
223:2006/12/23(土) 15:40:39.87 ID:NuVmSOu70
>>242 宇宙とトンでも科学が特に好きなんだ。中世とか戦争物とかも大好きだが
すすめてくれてありがたく思うが、それはもう読んでしまった。
他のオススメとかある?
247 :
黒豆(二粒):2006/12/23(土) 15:43:48.75 ID:SiYABejT0
248 :
愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 15:55:47.28 ID:ADRw95pY0
お題クレクレ
249 :
家族で初詣:2006/12/23(土) 15:57:07.22 ID:1kJBc4lw0
kak.hta';ken=wd+'START
250 :
愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 15:57:09.84 ID:Yk1ls9YX0
愛
251 :
年賀状(配ってます):2006/12/23(土) 16:02:31.25 ID:XMgwxq3f0
>>246 ヨンいいよなヨン。マバロハーレイも。
他に進められそうなSFはないなぁ。多分もう読んでるだろうし。
252 :
愛:2006/12/23(土) 16:22:39.11 ID:ADRw95pY0
私は夫を愛しています。誰よりも愛しています。誰よりも甘く、優しく、接します。
ですが、夫はいつも私に冷たいです。昔からそうです、私がどれだけ愛を持って接しても、
あの人は私に優しくすることはありません、たぶん、これからも。いつも私を口汚く罵り、乱暴を振るいます。
ああ、愛するあなた、私は愛に飢えています。
だから、下さい。あなたの愛を下さい。もっと、もっと、あなたの愛を下さい。
253 :
黒豆(百粒):2006/12/23(土) 16:23:47.50 ID:Hnr1PpUx0
254 :
愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 16:25:03.72 ID:ADRw95pY0
255 :
猪(ようじょ):2006/12/23(土) 16:29:03.88 ID:Yk1ls9YX0
私
で
あ
あ
だ
256 :
猪(今日もカップラ):2006/12/23(土) 16:47:08.31 ID:a+H9zAmJ0
>>252 批評するにも感想にも、もう少し長くないと何とも言えないと思う。
ごめん。
あと大空寺ってのは俺も解らん。
君望? だかのエロゲでそんなの居た気もするけど。
257 :
猪(イタ電中):2006/12/23(土) 17:20:32.95 ID:a+H9zAmJ0
またもスレストほす
258 :
姉と初詣:2006/12/23(土) 17:28:33.39 ID:VM6JcK9z0
プロットふたつめー……泣きたくなってきたw
259 :
愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 17:31:14.32 ID:ADRw95pY0
お題plz
260 :
姉と初詣:2006/12/23(土) 17:31:52.13 ID:VM6JcK9z0
261 :
愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 17:35:42.53 ID:ADRw95pY0
262 :
猪(青詐欺):2006/12/23(土) 17:36:30.58 ID:zIVHAULz0
いま書いてみてるんだけどさ、
ルビってどんなかんじに使えばいいん?
263 :
姉と初詣:2006/12/23(土) 17:40:18.40 ID:VM6JcK9z0
前スレかなんかにその話題でていたけど、
基本的にこの板じゃあルビを表現するのは無理、って話だったかと。
ルビふりたい言葉(読み方)
って書き方するとか。”――”を使うとか。
まあ、どちらにせよあんまり読みやすいもんじゃあないと思うから、
ルビを使わずに済むような書き方を模索してみるってのもいいかも。
264 :
猪(青詐欺):2006/12/23(土) 17:43:10.77 ID:zIVHAULz0
ぬぅん、おk、把握。
ルビふればなんかこう、もっと可能性が広がるもんだがねぇ。
よっしゃもうちょっとで作品完成さね
初作品投稿って緊張するね
265 :
姉と初詣:2006/12/23(土) 17:47:48.93 ID:VM6JcK9z0
何回投下しても直前は口の中が乾くおれガイルw
266 :
黒豆(千粒):2006/12/23(土) 17:48:13.24 ID:Hnr1PpUx0
一度酷評されるともう怖くなくなる罠
267 :
猪(ピンク):2006/12/23(土) 18:05:02.99 ID:eCkzTSoM0
>>264 ルビに頼らなきゃならんものはそもそも元々に魅力が足りないんだってばっちゃが言ってた。
あれで世界が広がるのは星界だけ。
268 :
書初め(今年こそ素人デビュー):2006/12/23(土) 18:10:29.28 ID:LOY7PIh20
269 :
書初め(今年こそ素人デビュー):2006/12/23(土) 18:11:16.94 ID:LOY7PIh20
さて、二作目に取りかかる
270 :
猪(ミニスカ):2006/12/23(土) 18:34:16.79 ID:wHIitwXO0
品評会を序盤に投下すると感想もらえるまで安眠出来なくなるwww
271 :
あいつと初詣:2006/12/23(土) 18:51:28.82 ID:NuVmSOu70
確かに。
しかしネタ被りを恐れて投下を嫌うようになってしまう前に、投下してしまったほうがいいってこともあるのではないか?
272 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/23(土) 19:01:20.17 ID:6+8p31rB0
お題もらいたい
273 :
猪(進化系):2006/12/23(土) 19:01:47.86 ID:h2UlgbHF0
今回参加少なそうやね
みんな見栄はってないで投下すればいいのにw
274 :
ウリ坊:2006/12/23(土) 19:02:48.90 ID:oOAWG2Ov0
275 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/23(土) 19:04:35.67 ID:6+8p31rB0
276 :
初夢(二日酔い):2006/12/23(土) 19:05:19.38 ID:Vc3OEgR70
あのさ、品評会って何ぜ?
277 :
猪(早すぎ):2006/12/23(土) 19:13:47.17 ID:eYtBIx740
>>276 普通に分からんなら
>>1-4のテンプレをどぞ。
もっと概念的な意味でなら、何だろうな。通常作品が腕磨きで、品評会が腕試しって感じ?
278 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/23(土) 19:14:19.17 ID:6+8p31rB0
腕磨きしかしないオレガイル
279 :
猪(浴衣姿):2006/12/23(土) 19:14:34.83 ID:wHIitwXO0
>>271 安眠できなくなると言いつつ一番に投下してるんだぜ?w
280 :
猪(黒板係り):2006/12/23(土) 19:15:29.27 ID:zIVHAULz0
で、出来上がったんだが。
投下してもよろしいか?
281 :
スルメ:2006/12/23(土) 19:16:34.42 ID:Byop5xqh0
ティウンティウン
282 :
書初め(女優になるんだ):2006/12/23(土) 19:18:36.89 ID:LOY7PIh20
283 :
猪(早すぎ):2006/12/23(土) 19:18:46.14 ID:eYtBIx740
分かりにくいGOサイン出すなw
>>280 どうぞ、遠慮なさらず。
284 :
ID:zIVHAULz0 ◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 19:21:42.64 ID:zIVHAULz0
きょうはいつ?あしたはなんにち?ぼくはなんでここにいるの?
ぼくのなまえはあすてりおす。ねぇだれかいないの?
ねぇだれかおしえて。おしえて。ぼくはいつまでここにいるの?
らんぼうしたことはあやまります。どうかここからだしてください。
ねぇ、なんでぼくはいじわるになっちゃうの?
なんでぼくはらんぼうものになっちゃうの?
ぼくはさみしいだけなのに、ぼくはひとりになりたくないのに。
ぼくはひとをみるとらんぼうものになる。
だれかおしえて。ねぇ、なんでぼくはひとりぼっちなの?
ぼくがらんぼうするから?らんぼうするぼくがわるいの?
おとうさん、なんでぼくをここにとじこめたの?
ぼくがらんぼうするから?だからぼくをここにとじこめたの?
だれかぼくのらんぼうをなおしてください。
ぼくはいつまでひとりでいればいいの?
ねぇ、だれか、おしえてください。
おしえてください。
285 :
ID:zIVHAULz0 ◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 19:22:47.43 ID:zIVHAULz0
松明の炎がゆらゆらとゆらめいている。
ここは完全な無風で、ねっとりとした空気が肌にからみつく。まるで空気に舐められているような感覚さえある。なんでぼくはこんな薄暗く居心地の悪い、入りくねった宮殿にいるのだろう。
理由は至極単純、ぼくは十四人の生贄の一人に選ばれたからだ。
ミノス王の命によって、この迷宮『ラビュリントス』の主たる半人半牛の怪物、ミノタウルスの。
「なぁ、おれたち、食われちゃうん、だよ、な……」
「ああそうだよ」
怯えきって震えながら訊ねてきた彼の問いに対してぼくはこう言い切った。
理由は至極単純、ぼくは臆病者は嫌いだ。
だからこそぼくは生贄の宣告を受けた弟の代わりに自ら生贄入りを志願した。ぼくは勇敢なのである。臆病者の弟は嫌いだが身内は身内だ。勇敢なぼくは弟を助けないわけにはいかないのだ。
「……ねぇ、なんであなた、平気なの?」
そう言ったのは少し離れた場所で怯えきって泣き出した少女を宥めていた彼女。
「ぼくは臆病者は嫌いなんだ」
ぼくは単純にそう言った。当然の理由である。ぼくは勇敢だからこそ、臆病者になってはいけないのである。
「……でも、わたしには、あなたはこのなかで一番怖がってるように見えるわ」
ふと、背後に立っていた彼女がそういった。
ぼくは彼女を睨み付けた。彼女はぼくを哀れむような目で眺めていた。
彼女は、……なんだろう、ぼく以外の名も知れぬ十三名の生贄たちのなかでも、かなり異質に感じる。大方そのせいで疎まれ生贄にされたのだろう。ぼくの知ったことではない。
ぼくはなんとなく居心地の悪さを感じたので、近くにあった松明をもってこの場を離れることにした。なにしろ松明がなければここは本当に真っ暗闇なのだ。
……迷宮ラビュリントス。出られるものなら出てみよう、どうせ出られないのだ。
ミノタウルスに喰われて死んでしまうまでの暇つぶしにはなるだろう。
ぼくは適当に、ぽっかりと四つ空いている分かれ道の右から二番目にはいることにした。
去り際に、異質な彼女が口をひらいた。
「どうか気をつけてね、『彼』は飢えてるわ、こんなに声が聞こえるもの」
その言葉が、なんとなく心の何処かにひっかかった。
286 :
ID:zIVHAULz0 ◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 19:24:12.22 ID:zIVHAULz0
響き渡るぼくの足音。
コツコツコツという単調なリズムがどんどん反響していく。
ここに入って、いったいどれぐらいたつだろうか?
孤立してから結構な時間が経った。
出口は見つからないし、例のミノタウルスにも会っていない。
とても暇である。
「ヴォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
何かの哭き声が響いてきた。これがミノタウルスだろうか?
ぼくは声の聞こえてきたほうへ行ってみる事にした。
なぜそんな死に急ぐようなまねをするのだろうか?
理由は至極簡単で、ぼくはとても暇だった。
287 :
ID:zIVHAULz0 ◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 19:25:07.76 ID:zIVHAULz0
そこには異質な彼女が立っていた。
松明の灯りに照らされた彼女はこの世のものとは思えないほどに妖しく見えた。
「あら、久しぶりね、怖がりやさん」
ぼくは何やら腹立たしくなったが、しかしここは抑えることにした。
「ああ、久しぶりだな。ところで先程の声はこちら側から聞こえたようだが」
「さっきの声? ああ、そこにいる『彼』のこと?」
『彼』? 彼女が指を指すほうを見ると―――
首の無い死体、はらわただけ食い破られた死体、下半身を食い千切られた死体、
右上半身に無残な噛み跡が多数残る死体・・・・・・。
とにかく死体がいっぱい転がっていて、そこに、おそらく『彼』であろうものが蹲っていた。
巨人のようであり、角があり、牛のような体つき。おそらく、いや確実にミノタウロスである。
どうやら食事中のようで、耳をすますとおぞましい咀嚼の音が聞こえてきた。
「よっぽど飢えていたのね、・・・あらあら、まだ足りないの?」
異質な彼女はミノタウロスと意思疎通でも行っているのだろうか?まったくもって異質である。
「何で君はそんなに冷静なんだい?」
「え? なんでっていわれても、ねぇ。……あら、今度は私? いいわよ、存分に満たしなさい。私じゃつなぎにしかならないでしょうけど、たぶんそろそろあなたは救われるわ」
彼女がそう言った次の瞬間、ミノタウロスが彼女に向かって突進していった。
―――がぶり、ぐちゃぐちゃ、ぶちん。むしゃり、ごりごり、ぐちゅん。がりごり、むしゃむしゃ、ぐちゅり。
咀嚼の音が響き渡る。ぼくは目の前の光景に釘付けになる。彼女は食べられている。次はぼくの番かな? あれ? どうしたんだろう。なんだこれ、足が、足が。がくがくがく。
なんでこんなに足が、心臓の音が耳に聞こえる。ぐちゃぐちゃぐちゃ、咀嚼音。ぶるぶる、身震い?
ぼくは勇敢なはずなのに。武者震いだっ、足が、ぶるぶると、足が。怖い。怖い? ぶるぶると震えが。ぼくは臆病者なのか? 足ががくがくと。畜生、なんで? 足が、心臓の鼓動、どくんどくん。足が。震えが、震えが、震えが。
止まらないよぅ。
ぐちゅり。彼女を喰い飽きたのか『彼』はぼくをくるぅりと振り向いた。
おい、なんで?そこの喰い残しも食べろよ、おい、おいおいおい、来るなよ。こっちくるなよぉ、ぉおい、ちょっと足動けおい足震えが足動け足ああああ来るなよ来るなよ来るな来るな来るなああああああああ・・・・・・!だれかたすけt
―――ぼくは事切れる寸前、『彼』の目の中に悲しみを見た。
288 :
ID:zIVHAULz0 ◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 19:26:19.91 ID:zIVHAULz0
きょうのずっとまえのひ、よにんのおとこのこたちにあった。
ぼくはさみしかった。さみしかったから、たべちゃった。
ぼくはまたひとりになった。
きょうのまえのまえのまえのまえのまえのひ、ふたりのおんなのこにあった。
ぼくはさみしかった。さみしかったから、だきしめたら、つぶれちゃった。
ぼくはまたひとりになった。
きょう、ぼくはおとこのことおんなのことおとこのこをたべていたら、おんなのこにあった。
おんなのこはやさしいめでぼくをみた。
ぼくはおとこのことおんなのことおとこのこをたべおえると、そのおんなのこをたべた。
おんなのこはさいごまでやさしいめでぼくをみていた。
ぼくはうれしかった。でも、そのおんなのこも、しんでしまった。
そうしたら、おとこのこがいた。おとこのこはぼくのことをみていた。にげないでくれていた。
それだけでぼくはうれしかった。
ぼくがかみついたときに、おとこのこはいっしゅんだけふしぎそうなかおをした。なんでだろう。
その疑問は永遠に溶けることはないだろう。彼の名はアステリオス、雷光を意味するその名前も、いまではミノス王の牛を意味するミノタウロスが通称だ。
呪われし子。白き牛と自らの妻との間に生まれた半人半牛のおぞましき姿の奇形児をミノス王は疎ましく思い、
年を重ねるごとに乱暴になっていく彼を、発明家ダイダロスに建てさせた迷宮『ラビュリントス』へと封じ、親の情けで九年に一度、食糧として男七名女七名計十四名の生贄を与えた。
彼の悲しみは消えない。愛情に飢える彼はまた、食欲にも飢えている。
食肉愛欲、しかし彼は今ではそれしか愛情表現を知らない。
寂しいからこそだれでも愛する。しかし彼に愛されたものは、誰だって死んでしまう。
彼はいつだってひとりぼっちだ。
しかし、彼に九年後、終わりが訪れる。その名をテセウス、史上初めてラビュリントスを破った人物である。
ぼくはひとりぼっちだ。ぼくはひとりぼっちだ。
さみしいよ。
-了-
289 :
猪(早すぎ):2006/12/23(土) 19:27:00.62 ID:eYtBIx740
斬新なタイトルだな…。これは品評会作品?
290 :
ID:zIVHAULz0 ◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 19:28:41.42 ID:zIVHAULz0
品評会出品作品で作品名は、『ひとりぼっち』です
すみません、なぜか作品名と*/5が名前欄に入力したはずが書き込まれなかったです
291 :
初夢(二日酔い):2006/12/23(土) 19:34:39.64 ID:Vc3OEgR70
>>277 無名の名無しが投稿してもいいの?
あと、内容は
>>284さんみたいないかにも小説って感じのじゃないと駄目なの?
292 :
書初め(女優になるんだ):2006/12/23(土) 19:36:18.34 ID:LOY7PIh20
>>291 小説の定義自体あいまいだから、自称小説ならいいとおもう。
あと参加は誰でもおk
293 :
初夢(二日酔い):2006/12/23(土) 19:38:00.54 ID:Vc3OEgR70
>>292 ありがと。
常連さんたちの馴れ合い場みたいな感じではないのね。
294 :
猪(黒板係り):2006/12/23(土) 19:44:48.80 ID:zIVHAULz0
ああそうか、名前欄って直接タイトル入力していいのか。
なにアホやってんだ俺・・・
295 :
書初め(女優になるんだ):2006/12/23(土) 19:47:02.93 ID:LOY7PIh20
>>294 何をどう勘違いしたのかwww
ID無理やり ジブハウルス とか読んで気持ちミノタウルス ぽいかな? とか思ってたwww
296 :
ニンジン:2006/12/23(土) 19:50:32.91 ID:UwH/NfKV0
>>291 集計やら優勝やらが面倒だから一応で良いからトリップ付けてほしい。
ジャンルはバーリトゥード。武器の使用を含め全てを認めます。
メタでも萌えでもかかってこいやぁっ!
297 :
猪(黒板係り):2006/12/23(土) 19:59:12.89 ID:zIVHAULz0
俺の場合って保管されるときに題名がID:zIVHAULz0になるんかね?
298 :
猪(停学中):2006/12/23(土) 20:02:33.38 ID:zIVHAULz0
>>295 おお、本当だ。
題名『ID:zIVHAULz0』でもいい気がしてきたぞ
299 :
猪(はげ):2006/12/23(土) 20:03:38.72 ID:VEhTWQWD0
正直そのタイトルでいいんじゃね?w インパクトあるし、意味深だし。
俺は好きだな。
300 :
223:2006/12/23(土) 20:04:27.85 ID:NuVmSOu70
おれはズィブハウルツと読んでいた訳だが。
あーあーあー、やっちまった。
品評会投下のヤツニ行ぐらいコピペミスっちまったー。どこから登場人物が増えたのかわっかんねーや
301 :
◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 20:06:14.69 ID:zIVHAULz0
>>299 よっしゃ作品名『ID:zIVHAULz0』にします。
一応サルベージしやすいように鳥付け。
302 :
猪(停学中):2006/12/23(土) 20:08:27.62 ID:zIVHAULz0
>>300 ランダムな文字の羅列だから何通りでも読めるしなwww
・ズィバウルツ
・ジバウルズ
・ズィブアウルツ
うはwwwなんかかっけーwwww
303 :
◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 20:10:52.09 ID:zIVHAULz0
何度も題名変更してすみません。
『zIVHAULz』←これで決定します。
304 :
看護士と初詣:2006/12/23(土) 20:12:37.45 ID:NuVmSOu70
でもさ、作品の雰囲気と微妙に違う気がするんだ。
意味深でありながら結局意味がないんであれば、春のウサギは黄色いからと言って、校舎をペンキで塗りたくる絶望先生と同じだ
305 :
猪(停学中):2006/12/23(土) 20:13:55.28 ID:zIVHAULz0
あー、やっぱり腕磨きで慣れてから投稿したほうがいいね。
こりゃダメだ、緊張しすぎててんぱってるww
初投稿が腕試しで品評会出品ってなんなんだ俺
306 :
看護士と初詣:2006/12/23(土) 20:15:09.29 ID:NuVmSOu70
>>305 腕磨きは一回、しかも二十分で書いたいい加減なのでしかしてない俺もいる。安心するべし
307 :
あけおめカップ1-1000委員長:2006/12/23(土) 20:18:35.83 ID:Qv3KcYZx0
308 :
◆rTHaznD6ps :2006/12/23(土) 20:24:23.76 ID:zIVHAULz0
>>304 絶望した!自分自身に絶望した!!
あー、こんなに優柔不断な俺に絶望・・・
やっぱり題名『ひとりぼっち』でFAです。何度も何度も本当にすみません。
>>306 安心した。
さんくす。
309 :
保母さんと初詣:2006/12/23(土) 20:25:15.99 ID:JOI5VhcL0
そういや俺も初投稿が品評会だったことを思い出した。一般作も出さないと……
310 :
書初め(外に出たい):2006/12/23(土) 20:37:41.16 ID:LOY7PIh20
ああ、品評会用が長編に出来そうな予感
311 :
猪(求職中):2006/12/23(土) 20:40:12.42 ID:oOAWG2Ov0
俺も若干長くなりそうなんだけど
1レスあたりの文字数って30×40でいいんだっけ?
312 :
猪(入浴中):2006/12/23(土) 20:46:17.66 ID:wHIitwXO0
313 :
猪(求職中):2006/12/23(土) 20:50:41.55 ID:oOAWG2Ov0
>>312 ?ォ 普段は35文字で改行してるからそれなら余裕だわw
314 :
イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/12/23(土) 20:55:44.43 ID:eiqPKN9E0
品評会作品投下します
315 :
──が来る!(1/3) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/23(土) 20:57:10.12 ID:eiqPKN9E0
──そして僕以外誰もいなくなった。
あたりは血と死体とそこから飛び出た臓物に満ち、それらが発する生臭い熱気に包まれ、僕は気を失った。
「五百八十三人だぞ、五百八十三人!」
簡素なデスクを挟んで少年の前に座る課長は、そう絶叫して少年に詰め寄った。
その大音声に、私の横に立っていた島田が顔をしかめた。
「え、この数字が分かるかね、死亡者数だ! 嬉しいことに重軽傷者数はゼロ、つまり五百八十三人皆殺しだ!」
今度はデスクに拳を叩きつける。そのあまりの勢いに、骨かデスクかが砕けてしまうのではないかと一瞬不安になったが、
どちらも無事のようだった。
「しかもその殺害方法たるやなんと殴殺だ! どれもが一撃、二撃で絶命しておる!
どんな馬鹿力で殴ったらそういう殺し方が出来るのか教えて欲しいよ! え、どう思うのかね、君!」
噛み付きかねない剣幕で歯を剥き出しにする課長を前に、少年はひたすらに怯えた視線を自分の足元に向けていた。
さすがに少年が可哀想になり私は口を挟む。
「課長。彼がやったと決め付けるのは」
すると課長はぐるりと首を捻じ曲げ、血走る三白眼で私を睨んだ。
「そんなこたあ分かっとる! 決め付けていない! むしろ彼がやったとは微塵も思っていない!
だがね、彼は最重要参考人だ! その阿鼻叫喚の惨劇のなか、たった一人の無傷の生還者なんだ!」
どん、と再びデスクを殴る。かなり興奮しているようだった。だが、無理もないだろう。
常識的な態度で取り調べに臨むには、この事件はあまりにも非常識すぎた。
「いいかね君! 白昼堂々の学校で、中にいた教師職員生徒一人も逃がさず皆殺しにされたのだ! そして君は唯一の目撃者だ!」
課長の語調はどんどん荒くなっていく。今すぐにでも少年に殴りかかりそうな勢いである。
少年は先ほどと同じ姿勢を保っていた。目の前で怒り狂う課長よりも恐ろしいものをすでに見ている、そんな感じだった。
「どうなんだね、なにか言いたまえ! 君はなにを見た!? なぜ君だけが生きている!!」
その質問は私も特に疑問に感じている部分だった。
犯人は、なぜ彼だけを残したのか。最後の一人を放っておいて、なぜ姿を消したのか。
316 :
──が来る!(2/3) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/23(土) 20:58:23.31 ID:eiqPKN9E0
島田も私と同じようなことを考えていたのだろう。私の耳元に口を寄せるとぼそっとつぶやいた。
「まるで蟲毒だな」
「コドク?」
「呪術的な毒の生成法さ。甕の中に毒を持った虫や蠍や蜘蛛を入れ閉じ込め、そのまま放置する。
閉じ込められた虫どもはやがて共食いを始める。それが最後の一匹になったら完成だ。
甕という閉鎖環境におけるヒエラルキーの頂点に立つことで、甕の中の全ての毒を取り込んだオンリーワンの存在が誕生する、
という観点の上に成り立っている」
別に事件の被害者たちは殺し合ったわけではないだろうが……オンリーワン。最後の一人。
その奇妙な符合は、妙に私の胸を騒がせた。
そのとき、司法解剖に立ち会っていた山根が取調室に駆け込んできた。
「課長!」
別室に行くのももどかしいらしく、課長は廊下に出るとすぐに、山根の持ったきた報告をせがむ。
「五百八十三人のガイシャのうち、たった一人だけ違う死に方をしているホトケがありました」
「なんだと! それで!?」
「詳細は解剖中なので分かりませんが、私の見た限りですと」
わずかに言葉を濁らせ、
「……あの、空っぽでした」
なにを言ってるのか理解できず、私と島田は顔を見合わせた。
自分の発言の奇妙さを分かっているのだろう、山根は恐縮そうに首を縮め、うめくように付け加えた。
「その、つまり、竹を割ったような死体です」
「ふざけるな!」
課長の平手が山根の頬を張った。それでも山根は恐縮そうにしていた。
見てられなくなった私と島田は、先に取調室に戻る。
少年は、やはり先ほどと同じ格好で足元を凝視していた。
「あー、なんとゆーか……大変だったわね」
私がそう声をかける。返事は期待していなかった。だが、
317 :
──が来る!(3/3) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/23(土) 20:59:43.54 ID:eiqPKN9E0
「──が来る!」
突如、少年は叫んで立ち上がった。
「え?」
私は驚いて少年の顔を見る。そこに怯えの色はなかった。
少年の表情は奇妙に歪んでいた。その歪みのかたちは目まぐるしく変化してゆく。
怯えよりも強烈な感情……恐慌を表現しているのだと気が付くまでには多少の時間がかかった。
島田も呆気に取られたように彼を眺めている。
「今度は僕の番なんだ! ぐ、ぐううう……!」
少年は頭を抱え込み、身体をくの字に折り曲げる。
「どうしたの!」
私は少年のそばに駆け寄った。彼は額から脂汗を流し、うわ言のようにうめいていた。
「──が、来る……今度は僕の番なんだ……オニをしにやって来る……」
「え、え? なにを、しに、やってくるって?」
少年はバネ仕掛けのように身体を直立させた。その異様な動作に、島田が身構える。
「オニですよオニ! ごっこ遊びなんかじゃない、本物のオニが始まるんですよ!
最後の一人になるまで! 次の番の人が決まるまで! 僕はもうお終いだ!」
その次の瞬間、少年の身体に起った変化に、私は自分の目を疑った。
「ぎゃあああああぁぁっっ!」
少年の喉から搾り出される絶叫の後に、少年の頭が左右に割れた。
そしてべりべりという気持ちの悪い音とともに、少年の身体が縦に真っ二つに裂けてゆく。
その内側から這い出るように、蛹が羽化するように現れたのは──。
煮詰めた唐辛子のように赤黒い肌で、頭部に鋭角状のものをつき立てていた。
島田がぺたんと腰を抜かすその上を飛び越えて、私は取調室から飛び出す。
訳の分からないことを喚きながら廊下を全力疾走する私の背後から、
人の、いや、この世のものとは思えぬ雄叫びが聞こえてきた。
「ゴオオオォォゥウウォァアアアアァァァァァッッ!!」
──そして私以外誰もいなくなった。
あたりは血と死体とそこから飛び出た臓物に満ち、それらが発する生臭い熱気に包まれ、私は気を失った。
318 :
巫女と初詣:2006/12/23(土) 21:13:46.66 ID:eiqPKN9E0
おっと、終わり
319 :
巫女と初詣:2006/12/23(土) 21:22:07.53 ID:eiqPKN9E0
孤独ってお題からちょっと離れてるかも知れないけど、
蟲毒との合わせ技ってことでどうか一つ。(どんな理屈だ)
320 :
猪(右利き):2006/12/23(土) 21:25:27.99 ID:a+H9zAmJ0
乙ー、批評は全部まとめてやらせて貰うっす
321 :
書初め(大願成就):2006/12/23(土) 21:32:11.63 ID:LOY7PIh20
うわ、この品評会の設定で頑張ったらシリーズ化できそうだよwww
322 :
黒豆(八粒):2006/12/23(土) 21:34:34.37 ID:SiYABejT0
うあhwww蟲毒wwwwかぶったwwwwwやり直してきますwww
323 :
猪(大人):2006/12/23(土) 21:38:12.80 ID:zIVHAULz0
あー、蠱毒か、その手があったか
ちーっくしょう、天啓が来ねぇ
324 :
書初め(大願成就):2006/12/23(土) 21:41:45.02 ID:LOY7PIh20
タイトルのヒント:孤ドクリスマス
325 :
塩ブリ:2006/12/23(土) 22:00:32.27 ID:ZNQU1Cdh0
蟲毒……俺も被った。
やっと書き終えるとこだったのに。
プロット頑張るぞ!orz
326 :
猪(不倫中):2006/12/23(土) 22:03:50.62 ID:eYtBIx740
蟲毒考えてるやつの多さに驚愕w
つか、俺も思いついたがお題が漢字で「孤独」だったからやめといた。まあでも、おまけくらいならアリかw
327 :
猪(病気がち):2006/12/23(土) 22:05:16.43 ID:zIVHAULz0
>>324 あ、さっき同じ案で書いてた。
どーもうまくいかないもんだから没ったけどね
328 :
初夢(ゴキとの思い出):2006/12/23(土) 22:12:40.39 ID:Vc3OEgR70
蟲毒って、お題の意図から外れすぎじゃないの?
329 :
書初め(大器晩成):2006/12/23(土) 22:15:04.99 ID:LOY7PIh20
330 :
猪(カレー味):2006/12/23(土) 22:15:08.29 ID:l27XCXrA0
以前蟲毒の話し書いたことあるが、蟲毒の内容を知れば孤独と言えることがわかる。
331 :
パティシエと初詣:2006/12/23(土) 22:15:17.56 ID:VM6JcK9z0
まあ、その辺はみんなそれぞれ考えがあってのことでしょう。
332 :
愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 22:15:53.13 ID:ADRw95pY0
「おぉい、日野、コーヒー淹れてくれ」
パソコンの画面を凝視したまま、おそらく、そこ居るはずの日野に向かって、
声を投げかけた。
「えぇー、西田さん、自分で淹れてくださいよぉ。私も今急がしいんですよ」
パソコンの画面から顔をパッとあげると、日野は露骨に不満そうな顔で言った。
「パソコンでお絵かきすることのどこが忙しいか、教えてくれるか?」
それが図星だったのか。うぐぅ、と、うめき声をあげると、
降参です。といった感じで、右手をパタパタと振って、
給湯室へ小走りで向かっていった。
「あ、西田さん。やっぱり、ココアでも飲みませんか?」
給湯室の前でバタン、と足音を立てて立ち止まり、
振り返ると、チェシャ猫のような笑顔で西田に問いかけた。
「俺はああいう甘い飲み物が苦手なんだよ、いいから、さっさとコーヒー淹れてくれ」
日野はニンマリとしたあやしげな笑顔のまま、はぁい、
と生返事をして給湯室へと消えていった。
数分後。結局、日野はココアを二杯持ってきた。
西田が文句を言おうとして口を開いた瞬間。
「奥さんから聞きましたよぉ?毎日、寝る前に必ずココアを飲むって」
日野がニヤニヤ笑いを維持させたまま、からかう様にして言った。
「……どこで家内と会った?」
「駅前のデパート」
西田の仏頂面に、僅かな照れが見えたのを確かめ、
日野はますます、愉快そうな表情になった。
333 :
ココア 2/2:2006/12/23(土) 22:16:07.11 ID:ADRw95pY0
「……俺は甘い飲み物が苦手なんだよ」
「またそういうこと言って、そんなに照れることないじゃあないですかぁ……」
西田の態度に、日野は口を尖らせて言った。
「いや……いつも家で飲むのは、無糖なんだよ」
西田の気恥ずかしそうな、つぶやくような声を聞いて、日
野は満面の笑みで言った。
「明日、買ってきます」
ヤマなしオチなしイミなし
そして俺にはサイなし\(^o^)/
334 :
黒豆(九粒):2006/12/23(土) 22:16:27.79 ID:SiYABejT0
335 :
猪(カレー味):2006/12/23(土) 22:18:09.98 ID:l27XCXrA0
336 :
初夢(ゴキとの思い出):2006/12/23(土) 22:26:38.77 ID:Vc3OEgR70
>>332 二行目、三人称なのか一人称なのかわかりづらい。
主語に「西田が」をつけるべき。それと、「居るはずの」→「居るであろうはずの」
のほうが良い気がするな。
八行目、降参です。と言った感じで→降参ですと言わんばかりにor降参ですと言った様子で
十二行目、「振り返ると」繋がりがおかしい。
十四行目、あやしげな笑顔のまま→あやしげな笑みを浮かべ
ってこういうレスはしないほうがいいのか。
337 :
愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 22:33:10.43 ID:ADRw95pY0
いや、ありがたい。勉強になります。
338 :
パティシエと初詣:2006/12/23(土) 22:35:02.68 ID:VM6JcK9z0
バイオハザードが……敵です。
339 :
初夢(ゴキとの思い出):2006/12/23(土) 22:35:59.76 ID:Vc3OEgR70
>>337 内容は面白かったよ、こういうのならヤマもオチもいらないんじゃない。
軽い日常の描写ってことで。
340 :
猪(音速):2006/12/23(土) 23:01:36.68 ID:vA/W45ws0
蟲毒で被りまくってるのを見て
ギガンティックドライブの説明書の二ページ「ネクタル放射線云々かんぬん(中略)」を見ながら、宇宙ネタにした俺はまだまだ幸運だったな、としみじみ思う。
341 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/23(土) 23:05:05.24 ID:LOY7PIh20
MTGのカードの能力説明欄みたいなとこの下部のセリフ、っていうか文を見ていると創作意欲が沸く
342 :
猪(入浴中):2006/12/23(土) 23:09:20.88 ID:hEVBNulb0
>>341 それフレーバーって言うんだぜ
>いつか、誰かが私を打ち負かすだろう。 だがそれは今日ではないし、お前にでもない。
343 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/23(土) 23:10:48.83 ID:LOY7PIh20
>>342 どっかにまとめてるサイト無いのかなー?
344 :
◆497l1He566 :2006/12/23(土) 23:23:46.43 ID:eYtBIx740
書き上がったぁー!ひゃっほーぃ!んじゃ、投下させていただきますね。
タイトルは『愚かの夢に鉄槌を』。全四レスです。
345 :
品評会用『愚かの夢に鉄槌を』1/4 ◆497l1He566 :2006/12/23(土) 23:24:33.01 ID:eYtBIx740
頭まで被った布団の中で、寝返りを打った。布団になど潜らなくとも、厚手のカーテンに閉ざされ電気もついていないこの部屋に
光など初めから存在しないのだが。だが、そうすることで俺は全てから目を背け、自分を誤魔化して何とか心の平穏を得るのだ。
休日。休日は嫌いだ。自分が孤独であるのだと、どうしても意識してしまう。特に今日のようなよく晴れた休日は。
友達もいなければ恋人もいない。やりたいこともない俺は、休日にはどうしても時間を持て余す。街には人が溢れ、
それぞれがそれぞれ休日を満喫しているのだろうと考えると、孤独な自分が浮き彫りになる。
だからこうして暗闇の中、ただじっと時間が過ぎるのを待つのだ。何も考えなければ、何も思わない。
「しかも今日はクリス──いや、いかんいかん」
零れそうになる禁句を慌てて飲み込む。何でもない何でもない。今日は何でもない日なのだ。始まって、終わるだけの一日なのだ。
……いつか、何かが起きて、自分を孤独から救い出してくれるんじゃないかと、たまに考える。本当に特別な、何かが。
ドラマや漫画のような出会いならいい。何で自分がとかそういう理屈じゃなくて、ただそうだったらいいなと、思うのだ。
本当は分かっている。そんな都合のいい話はないと。でも、どうしてもそんな考えを、希望を、捨てきれずいる。
「そんなことあるわけないでしょ」
分かってる、分かってるさ。こんな妄想、信じていいのは小学生までだ。特別な何かなんてあるわけ…………。
だがちょっと待ってほしい。俺は一人暮らしだから、当然部屋には俺しかいない。なら今の声はなんだろうか。
「言っとくけど、幻聴じゃないわよ」
どうやら幻聴ではないらしい。布団の中で頬をつねってみる。痛い。痛いから夢でもないようだ。とすると何だ。まさか泥──
「泥棒でもないからね」
──棒でもないようだ。困った。いや、一先ず泥棒でなかったことは素直に喜ぼう。だが俺の頭ではもう他の選択肢は浮かばない。
まさか泥棒じゃなくて強盗ですよー、なんてオチじゃないよな。考えていても埒が明かないので、俺は恐る恐る布団から顔を出してみる。
そこには、一人の少女が立っていた。
確かに暗いはずの部屋は、だが何故かぼんやりと明るい。受け入れがたいことではあるが、光を放っているのは彼女自身のようだった。
「お前はいった」
「問題。私は誰でしょう」
「い、……へ?」
訊こうとしたことを先に問われ、一瞬思考が停止する。誰でしょうって、そんなの分かるわけがない。だが、すぐに分からないと
答えるのも気が引けたので、少し彼女を観察してみることにする。
肩までの髪は見事なまでに金。目は青、かな。服は赤を基調として、裾や襟首などところどころに白いふわふわしたのがついている。
フレアスカートも同様。あっ、こいつ靴履いてやがる。人んちだと思って……。というかこの身なりはまさか。もしや。ひょっとして。
346 :
品評会用『愚かの夢に鉄槌を』2/4 ◆497l1He566 :2006/12/23(土) 23:25:06.03 ID:eYtBIx740
「まさかサン──」
「ブッブー、時間切れ。正解は天使でしたー。アンタ、人によく頭悪いって言われるんじゃない?
天使以外何だって言うのよ。私がサンタクロースにでも見える?」
すみません、見えました。ていうか天使? 天使って、あの天使か? あー、ホントだ、よく見ると光ってるのは背中の翼か。
本当にあるんだな、天使の翼。白くて、眩しくない程度に輝いて、柔らかそうで、暖かそう。
そして、どこか優しい雰囲気を感じる。……持ち主とは大違いだな。
「何、その顔は? 天使に向ける顔じゃないわね」
「……それで、その天使様が俺なんかに何の用でしょうか」
自称天使は幾分不満そうな顔をしていたが、少しすると咳払いをして話し出した。
「まぁいいわ。用件を話す前に、まずは私のことを説明するわね。さっきも言ったけど、私は天使。この辺り一帯に暮らす人たちの
精神衛生面の管理が役目なの。……ちょっと、目を閉じててくれる?」
そこまで言うと、彼女は俺の方へゆっくりと手を伸ばしてきた。俺は言われるままに目を閉じる。額に感じた彼女の掌は暖かくて、
何だか心が安らぐ感じがする。彼女は掌を俺の額に当てたまま、少しの間、何やら聞き慣れない言葉を詠うように呟いていた。
「──はい、もう目を開けていいわよ」
「ん……ん、うわっ! な、なんだここ、どこだっ!」
言われて目を開けると、そこは先ほどまでいた俺の部屋ではなかった。その空間を何と形容したらいいだろうか。とにかく、何もない。
家電製品がないとか、生活感がないとかいうレベルじゃない。本当に何もないのだ。その真っ暗で、手を伸ばしても何に触れることも
ないような空間に、ただ俺と彼女だけが浮かんでいる。彼女がいなかったら、恐くて十分もまともでいられないかもしれない。
「ここは私の、そうね、分かりやすく言うと仕事場って感じかしら。まあ、別に生活空間があるわけでもないけど。ちょっと待っててね」
そして彼女は再び何事か呟きはじめた。天使とやら独自の言語でもあるのだろうか、どうにも耳に馴染まない響きだ。
彼女の声自体は、さすが天使というべきか、聞き惚れそうなほど耳に心地よいのだが。暫くぼんやりとそんなことを考えていると、
彼女のほかにもう一つ、新たにこの空間に光源が生まれた。肩幅くらいに広げられた彼女の両掌の間に円い光。
覗いてみると、そこには上空からどこかの街を見下ろしたような景色が映っていた。俺の住んでる街、かな。若干見覚えがある。
「こうしてね、街の様子を見渡して、そこに住む人たちの心の声を聞いて、辛いことや悲しいことがあったときに
それを乗り越えるための手助けをするの。実際に頑張るのはあくまで人だから、あんまり過剰に関わっちゃダメなんだけど」
「……なるほど、大体分かった。つまり君は、俺が孤独に苛まれているのを見かねて、そこから救い出そうと──」
「違います! アンタがあまりにも情けないから、特別に説教してあげようと思って、……ね」
「え」
予想と違う彼女の言葉に、俺は思わず間抜けな声を上げる。目の前には、可愛らしい天使が般若の笑顔を浮かべていた。
347 :
品評会用『愚かの夢に鉄槌を』3/4 ◆497l1He566 :2006/12/23(土) 23:25:45.11 ID:eYtBIx740
それからは地獄の時間だった。世界の孤独スペシャルとでも銘打たんばかりの、様々な人生録を強制的に見せられた。
独居老人の孤独死を見せられては、「今のままじゃアンタもこうなるのよ」と脅しをかけられ。誰かの本当につまらなそうな
日常を見せられては、「今のアンタと同じね」と罵られ。でも基本的には、「アンタの孤独感なんかぬるい」とバッシング。
そうして俺の心がボロボロになった頃、彼女は最後に締めくくるようにこう言った。
「でもね、本当に孤独な人なんていないの。みんな、俺は孤独なんだ、って自分で決め付けて諦めてしまっているだけ。
貴方もそう。手を伸ばせば誰かに届く場所にいるくせに、それをしようともせずただ膝を抱えて助けを待っているだけ。
大丈夫だよ。貴方は世界で一人ぼっちなんかじゃないんだから。貴方が、ここにいるんだって声を上げれば、
それに気づいてくれる人は必ずいるんだから」
「…………」
何となく、分かっていた。自分を孤独だと思っている人間を客観的に見て、分かった。彼女の言うとおりなんだと。
でも、今はもう別のことが気にかかっている。それが、彼女の言う言葉が正しいのなら。
「なあ、君はいつもここで一人でこうして、ずっと街を見て過ごしてるのか?」
本当に孤独なのは。手を伸ばしても、誰にも届くことがない、手を掴んでもらえないのは。
「そうだけど、それが何?」
こんな風に考えるのは傲慢なのかもしれないけど。こんなこと言ったら、コイツは失礼だと思うのかもしれないけど。
「君は、……寂しくないのか」
どうしても、訊かずには、問わずにはいられなかった。耐えられなかった。
「……え、……私?」
「そう、君。こんな暗闇で、一人きりで、誰とも関わらなくて寂しくないのか? 孤独、なんじゃないのか?」
「あ、はは。……そんなこと、考えたこともなかったや。人の幸せを願うのが、私の、存在理由なんだから」
言って、笑う。でも今は、その笑顔が何だかとても悲しく見えた。
「君だって、幸せになっていいはずだろ! ……何か、何か俺に出来ること──」
「私は、天使の役目は止められない。それは絶対。それは私も望んでいることだし」
それでいいのだろうか。人と天使は考え方が違うのかもしれない。でも今なら分かるんだ。コイツは本当に優しくて、いい奴で。だから。
「でも……」
言葉を紡ぐのは彼女。俺は、何も言えず次の言葉を待つ。
「じゃあ、……たまに、また会いに行っても、いいかな?」
「──! ……ああ、約束だ。必ずまた、会いに来い。今度は会う時は俺も、きっと変わってるから」
彼女の言葉が嬉しくて、俺は力強く頷く。彼女も、それを見て笑ってくれた。今度の笑顔は、どこか嬉しそうに。
指切りをして、彼女の言葉に従い目を閉じる。次に会うまでしばしの別れ。瞼の裏では、彼女がいつまでも笑っていた。
348 :
品評会用『愚かの夢に鉄槌を』4/4 ◆497l1He566 :2006/12/23(土) 23:26:26.40 ID:eYtBIx740
「……なーんてこと、ないかなぁ……」
外はもうすぐ雪が降る頃。昼は晴れ、夜は雪なんて最高のクリスマス日和だ。きっと街は恋人たちで賑わっているのだろう。
「はぁ……、あるわけ、ないか」
空しい願いは誰に届くこともなく闇に溶け、俺は布団の中、再び寝返りを打った。
-☆メリークリスマス☆-
349 :
◆497l1He566 :2006/12/23(土) 23:27:43.47 ID:eYtBIx740
以上です。後半ちと急ぎ足になっちゃったけど、短く纏めたかったので仕方なく。
ホントは三レスにしたかったんだが…。
では↓以下、何事もなかったように雑談。
350 :
猪(子持ち):2006/12/23(土) 23:28:13.27 ID:zIVHAULz0
351 :
婦警さんと初詣:2006/12/23(土) 23:30:24.37 ID:VM6JcK9z0
>>350 横レスごめん。
これ、かっこいいねえ……。
352 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/23(土) 23:31:20.11 ID:LOY7PIh20
>>350 サンクス!
文だけでも十分いいんだけど、絵があるとさらに良いんだよね。
今いくらくらいで売ってるん? アレ
353 :
猪(筋肉質):2006/12/23(土) 23:38:31.44 ID:Payfjx4K0
でけたー
品評会は初めてなので、不安っす
では投下
全5レス
354 :
孤独についての考察 1-5:2006/12/23(土) 23:39:44.02 ID:Payfjx4K0
人類は本質的に孤独である。これはわたしの持論で、この世の真理だと思う。
何故かって? はい、いい質問です。答えましょう、聞いてください。
そもそも人は、言語以外に自分の心の概念を伝える術をもたない。高度な意識の共有が不可能なのだ。
肌を重ねても、相手の心に自分を放つことは出来ない。どれだけ求められたとしても、意識を溶け合わせることは叶わない。
だから人は「信頼」という不安定な行為によってしか、他者を受け入れることが出来ない。
信頼は約束。約束は、可能性の介入がある不安定な行為。いつだって裏切られる可能性が孕む。だから不安で、怖くて、いつもおびえていなくてはならない。
人は、本質的に孤独なのだ。常に人は、個として独り。不安定でもろく弱い、惨めなできそこないなのだ。
「以上です。……どう?」
「うん、まあほのかに学術的でよかったと思うよ」
そっかあー、とわたしは息を吐きながら呟いて。畳の上にごろんと横になった。うふふ、と無意味に笑ってみる。いい感じに、酔いが回っていた。
まだ未成年だったが、こんな時くらいは酒を飲んだっていいだろう。よく父が「酔わないとやっていられない時もあるんですよ」といっていたことを思い出した。まったくだ。
355 :
2-5:2006/12/23(土) 23:40:14.68 ID:Payfjx4K0
「本田はさ、なんて言ってきたわけ?」
「ごめん、他に好きな人が出来た」
「あれまあ、捻りがないセリフだこと。んじゃあ今ごろ、本田君はその他の好きな人の上に乗ってるってわけか」
「……前から思ってたけど、山田はデリカシーの欠如が深刻だと思うよ」
眉根を寄せてじとりとした視線を送ると、山田は鼻から紫煙を吐き出した。わたしは未成年だったが、山田は二十歳だった。彼女は、大学で出来た友人だった。
酒もタバコも山田が持ってきたものだったが、今いるこの部屋はわたしが借りたアパートだ。
タバコの臭いが染み付くのが嫌でいつも止めるよう山田には言ってきたが、今はそんな気も起こらない。もうどうにでもしてー、といった心境だ。
付き合っていた彼氏に、クリスマス直前に振られた。まあよくあることだと思うし、微妙な倦怠期に突入していたので、こう可能性もあるかなとは前々から思っていた。
しかし、しかしだ。実際に別れを告げられると、こう、なんというかクるものがある。しかも、メールで別れ話て。
「がー、もう! ふざけんじゃないわよ! わたしのファーストキスを返してよ! 本田のあほー!」
「でもヤられなかったんだろ? 純潔が残ってただけでも、めっけもんさ」
「……山田は羞恥心の欠如が末期的だと思うよ」
そんなことねえよ、と山田はタバコを灰皿に押し付けて、冷めきったピザに手を出した。しかしどうやら予想以上にまずくなっていたらしく、一口含んでそのまま元に戻した。
うう……。がくりと両手をついて、うなだれる。わたしはしくしくと泣いた。胃もしくしくとしていた。日本語の語意の豊富さに舌を巻きながら、酒にくだを巻いていた。
356 :
3-5:2006/12/23(土) 23:42:58.59 ID:Payfjx4K0
「別に上手くないぞ」
「うっさいなあ! へん、どうせわたしはクリスマスを一緒に過ごす価値もない女ですよ。ホント、なんでだろうね。胸が小さいからかな。お尻が大きいからかな」
「つまんなかったんじゃないの。あんた潔癖だから、全然ヤらせてあげなかったんでしょ」
「……山田はもう死んだほうがいいと思うよ」
げんなりとしていた。寂しいからって山田なんか呼んじゃなかったと後悔しつつ、チューハイをくいと煽る。まだ半分も飲んでいなかったが、わたしはとうにべろんべろんだった。
「いいですかー、山田さん。先程のわたしの考察を思い出してください。人類は孤独です。だから、不幸です。よってわたしが不幸なのは、致し方がないことなのです」
「ちょっとそこのビール取って」
「あ、これ? はい。……えー、つまり結論から言うと、皆不幸なのです。今窓の外にいるカップルも、本質的には私と同じ、人類なので不幸です。キスなんかしやがったって、孤独なんです」
「……あ、タバコ切れた。ちょっと買ってくるわ」
「え? あ、はい。……でですね山田さん、だから私は思ったんです。振られたって、別に悲しいことなんかじゃないんです。なぜなら、付き合ってようがなかろうが、寂しいのは同じですから」
「いってきまー」
「そりゃあ、初めて出来た彼氏でしたから、すごく嬉しかったですし、毎日が楽しかったです。ちょっと疎遠になってたけど、わたし、ずっと彼のことばっか考えてました。大好きでしたから。
この前抱きしめられた時なんか、思わず心臓を吐きそうになりましたもん。ホント、あの時は凄かったですよ。自分でも驚くくらいばくばく言ってましたもん。
顔とかもうかあってなって、真っ赤だねって言われてもっと恥ずかしくなっちゃって。まるで茹でだこみたいだって。
うう。なんで振ったんですか本田さん。わたしのなにが気に入らなかったんですか。やっぱ山田の言うようにセックスさせてあげなかったからですか。でもだって恥ずかしかったんですもん。
本田さんの目の前で裸になんかなったら、きっと卒倒しちゃってましたよ。直接肌を触られたりしたら、その部分、やけどしちゃいますよ。い、入れちゃったりなんかしたら、死んじゃいましたよ。
わたしだって、ホントはしたかったですよ。でもそういうのは、結婚してからだと思うんです。
結婚してないのにするのって、なんか不純っていうか、体目当てみたいじゃないですか。……ああ、そうか。本田君、わたしの体目的でわたしと付き合ってたんだ。そっか、はは、そうだよね。わたしなんか、それくらいしか魅力ないですもんね。
顔だってそんなに可愛くないし、背だってそんなに高くないし、幼児体型だし、足太いし。うう……本田さん、あんまりですよ。酷いですよ。
わたし、言ってくれれば頑張って欠点を克服しましたよ。毎日牛乳飲みましたよ。なんでもっとはっきり言ってくれなかったんですか本田さん。ううう……。ってあれ、山田? 聞いてる? 山田?」
357 :
4-5:2006/12/23(土) 23:43:32.02 ID:Payfjx4K0
ふと気がつくと、山田がいなかった。なんですか、少しくらい話を聞いてくれたっていいじゃないですか。山田もわたしのこと見捨てるんですか、そうですか。
再び畳の上に仰向けに倒れる。ちらと窓に目を向けると、ちらほらと雪が舞っていた。そういえば肌寒い。よろよろとタンスに向かい、カーディガンを羽織る。
人類は孤独だ。幾分か酔いに任せて適当なことをまくし立てただけだったが、やはり、さほど間違いではないと思う。
どれだけ信じていても、どれだけ好きでいても、どれだけ、あ、愛していたとしても、必ず報われるわけではないのだ。わたしは、それを身をもって知った。
今までは、愛せば愛されると思っていた。家族も友人も、みんな好きだった。だからみんなもわたしのことを、きっと好きなのだと疑いなく信じていた。
でも、違った。確かなどないのだ。酷く打ちのめされた気分だった。人間不信、というのだろうか。自分にはそんなものは無縁だと思っていた。好きばかりで、嫌いがなかったから。
信じられない。疑心が首をもたげる。家族は、友人は、恋人は、何を考えているのだろうか。心の裏で、なにを思っている?
恐怖だった。未だ知らざるのものに対する、幼い不安。
薄暗い部屋の中で、わたしは独り。膝を抱いて、顔を俯けていた。
「あー、寒かった。死ぬかと思ったよ」
ぱちりと電気がつけられた。首を持ち上げると、山田の怜悧な顔が私を覗き込んできた。たばこの臭いが、鼻腔をくすぐる。
「泣いてたのか。うん、まあ、泣けるときに泣いとけ。社会にでたら、もっと辛いことが一杯あるんだ。涙の数だけ、ってな」
山田はヒーターをつけると、その前に手をかざして陣取った。よく見ると、長い髪に白い粉がまぶしてあった。すっと溶けて、水滴になる。
たいして年変わんないくせに。頬を膨らませると、いつのまにか山田がこちらを振り返っていた。口元にいやらしい笑みが浮かんでいる。憮然として、ふいと顔を逸らす。
358 :
5-5:2006/12/23(土) 23:44:05.77 ID:Payfjx4K0
「そりゃあ、彼氏に振られる事だってあるさ。生きてればいろんなことあるしね。でも、そんだけのことで人類は孤独だー、なんていうのは、ちょっとどうかと思うぞ」
山田は笑っていた。けたけたと、楽しそうにしていた。冷めたピザをヒーターにかざしている。食べる気ですか、それ。
「ちょっといいこと言うぞ、聞きな。……お前は孤独だ不幸だって言うけど、やっぱ、それは正しいんだよ。人間はそんなに上手く出来ちゃいない。でもな、だからこそなんだよ。だから好きになる。もっと知りたいって、理解したいって思うんだろ」
「それは、そうかもしれないけど……」
「ん、まあそんなこたあわりとどうでもいいんだ。結論は自分で出せ。んでもまあ、一つだけ確かなことがある」
そう言うと、ピザをヒーターの前に放って、すたすたとこちらに近づいてきた。私の前で膝を折って、顔を近づけてくる。真面目腐った顔をしていたので、思わず赤くなる。意外と男前だった。
「あたしは裏切ったりしないよ。約束だ。信じることから全ては始まる、ってな。素敵じゃないか」
「……うん」
ぬいぐるみでも抱くように、山田は私の頭を抱いた。意外と大きな胸が心地よい。タバコとは違ういい匂いがして、わたしは目を閉じてなすがままにおとなしくしていた。山田に、母を見る。
人類はやっぱり、本質的なところで孤独なのだと思う。それについて、わたしは意見を変えるつもりはない。むしろ、より強く確信した。
寂しいからこそ、いま私を包んでいる体温が優しい。傷つくからこそ、癒される。不完全だからこそ、きっと幸せを目指すことが出来るのだと、わたしは思った。
「……ありがと、山田。わたしも、山田を裏切ったりしない。約束、信じるよ」
今日、わたしは絶望して、希望を見つけた。これからの人生、目を伏せたくなるようなことが、多々あるかもしれない。
でも、信じられる人がいる。信じるに値する希望がある。冷たい粉雪も、降り積もって、やがて溶けて、流れていく。
嬉しかった。人間は不幸だが、だからこそ幸福なのだ。きっとこれが、真理。
「うし、じゃあクリパの準備でもしようか。今年はぱーっと、フィーバーしようぜ」
うん、と頷く。今年のクリスマスは、今まで過ごしたどのクリスマスよりも、素敵な夜になりそうだった。
359 :
猪(白髪):2006/12/23(土) 23:44:55.41 ID:VEhTWQWD0
トリは?
360 :
猪(筋肉質):2006/12/23(土) 23:45:26.95 ID:Payfjx4K0
以上です。大分遊んでみました
かなり読みにくいと思いますが、すみません、何処で切ればいいのかよくわからなくて…
以下雑談続行で
361 :
◆h97CRfGlsw :2006/12/23(土) 23:45:59.44 ID:Payfjx4K0
あ、トリはこれで
品評会作品です
362 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/23(土) 23:46:46.11 ID:LOY7PIh20
さて、初の二作投下ですよいいかな?
363 :
猪(ピーマンきらい):2006/12/23(土) 23:47:43.36 ID:eYtBIx740
GOGO!
364 :
猪(入浴中):2006/12/23(土) 23:48:06.26 ID:hEVBNulb0
2作投下いいんだっけ?ちょっと待った方がよくない?
365 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/23(土) 23:49:11.81 ID:LOY7PIh20
了解。なにをちょっと待つんだかいまいちよくわからないけど
366 :
猪(白髪):2006/12/23(土) 23:49:34.85 ID:VEhTWQWD0
30作越えたら作者がどれか一作に選択するんじゃなかったっけ
367 :
猪(ピーマンきらい):2006/12/23(土) 23:50:50.49 ID:eYtBIx740
まだ基準は曖昧なんじゃなかった? あんま覚えてないけど。投下自体は問題ないはず。
368 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/23(土) 23:51:08.83 ID:LOY7PIh20
なんとなく自粛することにした
369 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/23(土) 23:51:36.90 ID:LOY7PIh20
時間外にでも投下するわ
370 :
猪(緑):2006/12/23(土) 23:51:51.66 ID:oOAWG2Ov0
>>366 40じゃなかったっけ?
まあ、どっちにしろ書いたんなら読んでみたいから投下してほしい
371 :
猪(入浴中):2006/12/23(土) 23:53:16.89 ID:hEVBNulb0
>>366 あぁ、たぶんそれが今の基準っぽいね。把握
372 :
パティシエと初詣:2006/12/23(土) 23:54:59.19 ID:JOI5VhcL0
え、結局今は投下しないのか? 別に投下するだけなら問題ないのに
373 :
猪(白髪):2006/12/23(土) 23:55:09.56 ID:VEhTWQWD0
とりあえず投下するだけ投下すべき。
時間外なんて言うなよ、一緒に時間内に投下しちゃおうぜ
374 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/23(土) 23:57:10.49 ID:LOY7PIh20
こんなところで投下しても品評会みる邪魔になるだけだろう
とかかっこいい事言うけど実はまともに推敲しないで投下しようとしてた。
ちょっと見ただけで誤字脱字の嵐だった
375 :
猪(音速):2006/12/24(日) 00:01:09.75 ID:10JZN+dm0
376 :
おみくじ(中がよろし):2006/12/24(日) 00:03:35.29 ID:bqLY2UIg0
むかし集めてたんだけど。(しかも遊戯王と平行して)
誰も周りでMTGやってる奴はいなかったけどフレーバーのために
そういう小学生だった
377 :
凧(バイヤー):2006/12/24(日) 00:05:48.27 ID:go3V7fc60
敢て言おう。
メリークリスマス
378 :
猪(赤):2006/12/24(日) 00:06:14.45 ID:An3WMEVR0
379 :
初詣って何?:2006/12/24(日) 00:06:15.58 ID:II85zbgn0
メリークリスマス。
380 :
おみくじ(中がよろし):2006/12/24(日) 00:07:26.80 ID:bqLY2UIg0
メリークソスマス
トイレいってきた
381 :
猪(音速):2006/12/24(日) 00:08:56.46 ID:10JZN+dm0
おお、もう今日か。
―――メリークリスマス、みんな。
382 :
初詣って何?:2006/12/24(日) 00:11:04.33 ID:II85zbgn0
妙にハートウォーミングなスレだなw
383 :
お年玉(げんこつ):2006/12/24(日) 00:11:11.69 ID:45pMAUaA0
なにこの一匹狼の集い
384 :
初詣って何?:2006/12/24(日) 00:11:49.15 ID:hKvpxNX50
マリークルシメス!
……アレ? なんか違うような……
385 :
猪(黄色):2006/12/24(日) 00:12:15.70 ID:TDRJAEHK0
俺はメリーとクリスマス
386 :
猪(イタ電中):2006/12/24(日) 00:13:53.13 ID:rQhcFrc30
! | /:::. .:::::! | | |::: ,.;:
!  ̄l|`ー-/、;_ .::::! ! ! l、 / ::
ヽ l! |'_´=ミヽ 、ヽl | | , ' ::
ヽ |メ´ r' /,、`ヽ ミ弍=- !-レ'::. :ヽ、_,. =
ヽ /|,.イ | i: : :|l|: : ! ヾヽ ハ,!;; _,...,_ :::::/
メ ! ! l l: : :|l|: : ! :::\! \ ,, ..::: ´
. ヾ \ヽ| ヾ; :__;.ノ ,::::::::::.\ ::::::
\ i,\ \,_ ,. -',. -ー ::. ..:::ヽ
\.\ \\ ヽ、 ̄-ー''''' '''''
\ `ヽ、 \``ー-ゝ ,!
ゝ、 ヽ ` ヌォ、 `ヽ、 ヽ
` ! ヽ:::`..ー-ゝ ..:;rー- 、__, -─- 、
! >::: :::/ゝ、__ ,, _,__,.__ ノ
,' | / `ヽ、 :::!、 ,.
/i l / >ォ、  ̄  ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
/_/ /' ,. -ー' ´ | !ヌヽ、 ,..
/ !/ ̄ > ヽ ! `ヽ 、_ ,. -' ´
/ / ∨` ` ー- 、_ /
イヴだッ!!
387 :
焼き豆腐:2006/12/24(日) 00:17:53.63 ID:zOcu7llI0
孤独リスマスキタ━━━━━━('A`)━━━━━━ !!
388 :
愛のVIP戦士:2006/12/24(日) 00:21:01.14 ID:yaS1Zvnr0
おおおおおおおお題ください
389 :
おみくじ(中がよろし):2006/12/24(日) 00:22:20.78 ID:bqLY2UIg0
390 :
焼き豆腐:2006/12/24(日) 00:22:25.47 ID:zOcu7llI0
カップル
391 :
猪(赤):2006/12/24(日) 00:23:39.40 ID:An3WMEVR0
392 :
猪(音速):2006/12/24(日) 00:23:49.88 ID:10JZN+dm0
さあみんなでメリー&マルコシアス
393 :
初詣でかつあげされた:2006/12/24(日) 00:26:54.73 ID:jn+FMHTE0
一年で最も鬱な日の始まりだ
394 :
VIP皇帝:2006/12/24(日) 00:27:25.66 ID:An3WMEVR0
Single Hellは伊達じゃない
395 :
猪(イタ電中):2006/12/24(日) 00:33:20.61 ID:rQhcFrc30
Single Hell~♪ Single Hell~♪ 鬱で泣く~♪ ('A`)
396 :
お年玉(げんこつ):2006/12/24(日) 00:37:48.54 ID:45pMAUaA0
じゃあなんかお題くれ。
30分で書くから。
397 :
焼き豆腐:2006/12/24(日) 00:38:27.56 ID:zOcu7llI0
恋人はサンタクロース
398 :
初詣って何?:2006/12/24(日) 00:38:55.17 ID:hKvpxNX50
強盗
399 :
お年玉(げんこつ):2006/12/24(日) 00:41:30.20 ID:45pMAUaA0
400 :
猪(ばくち打ち):2006/12/24(日) 00:55:57.22 ID:/AYytI2sO
お題くれ
401 :
猪(イタ電中):2006/12/24(日) 00:57:54.84 ID:rQhcFrc30
真冬の夜の夢
402 :
犬と初詣:2006/12/24(日) 01:00:11.94 ID:II85zbgn0
>>400 もしよかったら。
つ「アイスクリーム」
403 :
猪(ギャンブラー):2006/12/24(日) 01:00:16.30 ID:/AYytI2sO
は-く
404 :
コンニャク:2006/12/24(日) 01:00:56.66 ID:zOcu7llI0
お題目クレ
405 :
お年玉(げんこつ):2006/12/24(日) 01:01:19.88 ID:rF01TEQw0
仮病
406 :
コンニャク:2006/12/24(日) 01:05:00.80 ID:zOcu7llI0
407 :
猪(進化系):2006/12/24(日) 01:15:11.67 ID:10JZN+dm0
2chの入り口みてみ
2ちゃんねるシアターだってさ
408 :
コンニャク:2006/12/24(日) 01:50:35.98 ID:zOcu7llI0
ほほほあー
409 :
妹と初詣:2006/12/24(日) 02:10:16.18 ID:PA5Y047AO
みんなー!!メリクリィ~(^O^)ノ
今日は彼氏とデートだぜぃ!!ヤッホーーーーー
はぁ・・・。
410 :
おせち(3,000円):2006/12/24(日) 02:14:41.13 ID:0+DQwHWaO
今日はエロゲでも買いに行こう……
メリィー……クリスマァス……
お前らに幸あれ……
411 :
猪(おまっ):2006/12/24(日) 02:22:43.73 ID:9evL8v2OO
この過疎なら言える
滑り込みで彼女出来ました。
さようなら童貞
412 :
猪(でぶ):2006/12/24(日) 02:23:14.84 ID:UG0FCzh+0
俺なんて今日誕生日なんだぜ……
ハッピバースデートゥミー♪
バレンタインにまぐわったとうちゃんかあちゃん恨むぜ……
413 :
トリマーと初詣:2006/12/24(日) 02:24:55.79 ID:L1DU9LR80
414 :
ぬこと初詣:2006/12/24(日) 02:26:11.60 ID:II85zbgn0
>>411-412 おめでとう。
ぐあー。品評会用、書き終わったけどつまんねえ……
どうしたもんか……
415 :
猪(でぶ):2006/12/24(日) 02:28:58.67 ID:UG0FCzh+0
416 :
ぬこと初詣:2006/12/24(日) 02:30:04.70 ID:II85zbgn0
>>414 や、まだ見直しできてないし、構成を変えたりして頑張ってみるw
ま、結局の所そのまま投下したりすんだけどねw
417 :
妹と初詣:2006/12/24(日) 02:37:13.98 ID:PA5Y047AO
寂しくならないようなおだい、ください。
418 :
結びコンブ:2006/12/24(日) 02:37:50.10 ID:zOcu7llI0
手を繋ぐ
419 :
トリマーと初詣:2006/12/24(日) 02:41:01.34 ID:L1DU9LR80
420 :
妹と初詣:2006/12/24(日) 02:45:02.39 ID:PA5Y047AO
421 :
猪(乱視):2006/12/24(日) 02:50:50.15 ID:mXzZpcOnO
あげるわ
422 :
おせち(10,000円):2006/12/24(日) 03:04:58.03 ID:rZonGoAy0
お題plz
↓
423 :
お年玉(Wii):2006/12/24(日) 03:06:01.71 ID:rF01TEQw0
鮫
424 :
VIP皇帝:2006/12/24(日) 03:14:40.43 ID:BuFP1BRx0
まだ孤独は投下できるのか?
書いているんだが・・・。
425 :
たこ:2006/12/24(日) 03:21:53.71 ID:yJ82GPiK0
ネタ降ってキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
『キタ━━(゚∀゚)━━ッ!!』とかなまら久しぶりに使ったわ。
426 :
カマボコ:2006/12/24(日) 03:32:31.53 ID:zOcu7llI0
_
ミ ∠_)
/
/ \\
ウイーン Γ/了 | |
ウイーン |.@| | | ガッガッガッ
| / | . 人
|/ | < >_Λ∩
_/ | //. V`Д´)/
(_フ彡 /
427 :
旦那と初詣:2006/12/24(日) 03:38:49.65 ID:UEgWimCs0
ほ
428 :
ウリ坊:2006/12/24(日) 03:45:34.27 ID:Z+hVa3Ua0
お題を一つください
429 :
凧(ひとりぼっち):2006/12/24(日) 03:48:38.00 ID:5dvx306b0
地下室
430 :
ウリ坊:2006/12/24(日) 03:50:05.69 ID:Z+hVa3Ua0
地下室把握。
クリスマスイブを仕事で過ごしながらなんか考えてみる
431 :
初夢(熱湯風呂):2006/12/24(日) 04:28:00.90 ID:zpWGFiYZ0
品評会用作品書いてみたんで投下します。
初参加です
432 :
孤独1/3:2006/12/24(日) 04:28:53.76 ID:zpWGFiYZ0
「・・・それで、彼女が出ていっちゃったんです・・・」
というコウの涙混じりの声に、俺は笑いを抑えることができない。童貞のくせに何いってやがるんだよこいつ!
「合格!」
と鐘が鳴らされてコウの選んだ七番は、なんとプラズマテレビ。
「やったぜ!」
「お前マジ最高だった」
「案外行けるもんなんだな」
「カンタ冷めすぎ。明石家サンタでコウが嘘八百でプラズマテレビだぜ!」
「いやすげーと思ってるよ」
それが冷めてるんだよ、カンタ。だからいい年して男三人のクリスマスなんて過ごすことになるんだよ。
ってさすがにそこまで言うのは空気嫁って感じだから言わなかったけど、カンタの冷静な分析は続く。
「八木さん、こんなシリアスな話いいの?って顔だったな」
「ああああああああ『八木さんファンです』って言うの忘れたああああああああ」
「プラズマテレビ取ったんだからいいじゃんよ」
そうだよ。プラズマだよ。明石家サンタで。やべ、これすごくね? かなり。
「つーかすげーよ。コウ、マジすげー。時間経ってすごさ実感してきた!」
「鈍すぎだよお前。だから彼女できねーんだよ」
ってお前が言うなよカンタ。
「俺だって、バイト先の子と、あわよくばって感じだったんだよ」
「その先に行けるか行けないかが童貞と非童貞の境目だな」
「一人だけ非童貞だからって調子乗ってんじゃねーぞ、おい!」
「まあまあ落ち着けよ、おまいら」
「コウも童貞のくせにプラズマテレビ取ったからって勝ち組態度かよ」
433 :
孤独2/3:2006/12/24(日) 04:30:04.16 ID:zpWGFiYZ0
こういう男だけのクリスマスってのも案外楽しい。
女の子と過ごしたことがないからそう思うだけかもしれないけど、
一人でテレビを見てるなんて、さすがに寂しすぎるだろ。
男友達でも一緒にいた方がこんな夜はいい。あとはそうだな、酒があれば完璧だ。
「よし飲むぞ、酒盛りじゃ」
「いいねー、熱燗の似合う夜だよ今夜は」
「俺にもくれよ、熱々のやつをよぉ」
「任せときな」
俺はキッチンに向かって、日本酒のパックを取り出してコップになみなみと注ぐ。
これを電子レンジに入れて熱々にして飲めば、
彼女がいる奴には味わえない幸福なクリスマスが過ごせるってもんよ。スイッチオン。
電子レンジの「あたため」ボタンを押した瞬間、ブチン! って音と一緒にブレーカーが落ちて、
ビビった俺は左手に持ってた日本酒のパックを落とした。
真っ暗で見えないけれど、こぼれた日本酒が俺の裸足の指先に触れて、
「冷てえ!!」
と叫んだ声はおそらく誰にも聞こえなかっただろう。
コウもカンタも、パソコンの画面と一緒に姿を消してしまった。
いやブレーカーが落ちたのと一緒にチャットから落ちたのは俺の方か?
って飲む前から親父ギャグ全快で陽気な俺の耳に何か聞こえる。ん、何だこの音? 上の部屋からギシギシって・・・
434 :
孤独3/3:2006/12/24(日) 04:30:37.65 ID:zpWGFiYZ0
テレビもエアコンも消えた部屋に、音を出すものは何も無くて、暗闇の中で頭上の音だけが響いている。
一定の間隔で何かの軋む音。音の間隔が次第に狭まっていって、文字にできないほどに理性とは程遠い、女の本能の叫び声。
「@%※&!」
畜生! 俺の素敵なイブを邪魔しやがって、このバカップルめ!
てめーらが週三でセックスしてることは知ってんだよ! つーか今日はセックスの曜日じゃねーだろうが!
怒りとは裏腹に、俺の股間は反応し始めていていた。糞! 受けて立ってやるよ、この勝負。
俺のチンコの皮が剥けきらないうちにブレーカーを上げられれば俺の勝ちだ!
俺は電子レンジから千ミリメートルは離れてるブレーカーへ高速でダッシュして、
手探りながらもスムーズにブレーカーを上げる。
俺のチンコの皮はまだ半分以上被っている。俺の勝ちだ!
「ひゃっほおおおおおおおお!!」
俺の歓喜の雄叫びと、テレビの中のさんまの引き笑いがバカップルを制して、鐘の音と蛍光灯の光が俺を祝福する。
俺は急いで部屋に戻った。こぼれた酒なんてどうでもいい。
そんなことより早くパソコンの電源を入れて、コウとカンタにこのことを報告しなきゃいけない。
今夜の自虐ネタほどおいしいものはないだろう。
・・・あ、電話してみようかな、明石家サンタ。
435 :
◆YaXMiQltls :2006/12/24(日) 04:41:29.58 ID:zpWGFiYZ0
やべ鳥つけるのか
これでお願いします。
436 :
給食のおばさんと初詣:2006/12/24(日) 05:19:21.81 ID:eNP6fc0s0
ほ
437 :
蓑虫、或いはcake(品評会作品)1/2 ◆hemq0QmgO2 :2006/12/24(日) 06:03:23.41 ID:o11ldGAFO
孤独が死に至る病?いや、死に至る病は孤独じゃない。
死に至る病とは人生そのものであり、全ての人間が患っている下限の病の一つだ。
下限の病とは?もう止めよう。寂しい。寂しい。仕方がないのは解っている。孤独も下限の病。でも寂しい。
一人は少ない。少ないんだ。一億人。足りない。いや、変わらない。馬鹿か俺は。同じだ。下限の病の絶対性。
するりと、脳内のストーリー、或いは全てが抜け出した。わはは。一人歩く御伽噺。気を失う前に確認しよう。
俺は恐らく二十歳で、布団の中で身も心も男子自由形、な競技の第一人者で、色落ちした色男だ。
路上生活者、通称ボブ・マーレイ。彼の前ではみな鼻を摘み、自らの花を摘む。
みな彼を疎ましく思いながらも、彼に憧れているのだ。徹底的に汚い、乞食の彼に。
彼には肉と幸福と絶望があった。世界の何処にでも存在し、気を抜くと片隅から、本当の人間を思い出させる。
彼はメタな存在だから、正確なことはよくわからない。とにかく今、俺は彼らしい。
聖なる記号の夜。俺ことボブ・マーレイはとあるイルミネーションの森の満開の下。
綺麗な夜に俺という異物を混入する。世界は排他的経済水域。全て覚悟の上だ。
乞食が見ても美しい世界、着飾った人、人。ああ、幸せが目に見える感覚だよ。乞食も世界を愛しているんだ。
嘘じゃあない。本当に、俺程世界を愛している人間は居ない。勿論、世界は俺を愛していないけど。
そして済まないとも思っている。紛れ込んだ蓑虫は見苦しいだろう。ただ、忘れていて欲しいんだ。
一人でも、二人でも、それ以上でも、キスをしても、セックスをしても、愛があっても、
神が祝福する聖なる夜でも、生きていても、死んでいても、人は絶望的に一人、孤独だってことを。
冬は乞食には辛い季節だ。それでも、俺は君達を愛さずにはいられない。
だから俺はここに居る。君達が俺を見て感じる全て。それらは君達の孤独を誤魔化す何かになる筈だ。
438 :
蓑虫、或いはcake(品評会作品)2/2 ◆hemq0QmgO2 :2006/12/24(日) 06:05:11.23 ID:o11ldGAFO
一際明るい電飾の前で、俺はゆっくり地べたに腰を下ろす。綺麗だなあ。何もかもが、本当に綺麗だ。
そんなことを考えていた時、三人の若い男が俺を取り囲んだ。
中央の、アクティブかつ強面の男が俺を見下ろしながら、脅すように語りかける。
「おい、てめえ場違いって言葉の意味、知ってるか。失せろ糞乞食が。苛々すんだよ」
ぶっひゃっひゃっひゃっひゃ。男達の下卑た笑い。そうか、やはり逆効果だったか。
俺は無言で立ち上がる。去ろう。突然、右側の男が俺の腹に強烈なフックを叩き込んだ。
声が出ない。誰のものかもわからない拳が顔面に飛んで来た。鼻血が吹き出す。痛い。乞食にも感覚はある。
「シカト?舐めてんのか?殺すぞ。糞虫野郎」
これが紙芝居なら、印象的なファルスだろう。ところで、俺は音を無くしてしまったんだろうか。
全く声が出ない。弁解も出来ない。俺は死ぬかもしれん。男達は飽きず、パッション的。暴力は続く。
「ここ、こんな時はだ、誰もトラブルに関わりたくねえしな。て、ててめえに救いはねえよ。ひゃはっ」
やけに説得力のある吃りだ。確かに、こんな特に乞食を助けても誰も得しないね。はは。
待てよ。これは夢?或いは現実?全てが一人歩きし始めてから、俺はボブ・マーレイだったが、
ボブ・マーレイはメタフィクショナルな存在じゃないのか?わからない。しかしこれは現実臭い。痛いんだ。
その時、全ての電飾、イルミネーションの灯りが消え、世界は一瞬にして気障な暗黒に包まれた。
違う。目が痛い。目、血、血が。どうやら暴力によって俺だけが光を失ったらしい。
寒い。寂しい。痛い。死ぬる。勿論実感として。君達は俺を―……。(了)
439 :
◆hemq0QmgO2 :2006/12/24(日) 06:08:35.11 ID:o11ldGAFO
最近常連ぎみの携帯厨ですが、品評会作品投下しました。
読みづらかったらすみません。やや酩酊しているので…。
440 :
おせつ:2006/12/24(日) 06:20:18.45 ID:o11ldGAFO
ああ畜生。携帯じゃスペースが反映されねえ。
毎回テンプレ違反ぎみで本当にすみません。
全然関係ないんですが、通常お題作品の時は酉付けない方がいいんでしょうか?
単純に自分の判断ですか?基本的に名無しで書いてるんですが…。
441 :
福禄寿(ふくろくじゅ):2006/12/24(日) 06:49:03.35 ID:pEFPMXXP0
作品消してもうたwwwwwwwwwwwwww
442 :
女医さんと初詣:2006/12/24(日) 07:51:25.06 ID:eNP6fc0s0
童貞保守
443 :
おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/24(日) 08:21:12.69 ID:9Y79vnNi0
>>440 まとめサイトの投稿作品一覧見るとトリップついたのばっかだし、トリ付きでいいんじゃないかな
('A`)ノ<メリ~キリストマ~ス
444 :
おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/24(日) 08:35:00.18 ID:9Y79vnNi0
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
いつもなら、
『自販機』 ⑩⊂(・ω・` )
『自販機』<いらっしゃいませ! (・ω・` ) ㎜
『自販機』<ありがとうございました! ( ´・ω・)⊃□
なのに今日は、
『自販機』 ⑩⊂(・ω・` )
『自販機』<メリークリスマス!! Σ(゚ω゚` ) ㎜
『自販機』<ありがとうございました! ( ´;ω;)⊃□
そんな余計な機能いらないよダイドー('A`)
445 :
”管理”人と初詣:2006/12/24(日) 08:44:45.47 ID:eNP6fc0s0
446 :
猪(乱視):2006/12/24(日) 08:52:15.30 ID:4H2n8+3t0
品評会投稿します。
初投稿で文才ないのでみんな期待しないでね、僕も期待してません。
タイトル「孤独な友達」
447 :
孤独な友達:2006/12/24(日) 08:53:18.31 ID:4H2n8+3t0
僕はいつも一人ぼっちだった。いつも孤独が僕を覆いつくす。
友達はたくさんいたけれど、それでもその孤独は消えなかった。
友達としゃべっていると、決して楽しくないわけではない。心がとても落ち着く。
しかしその友達たちと僕は本質的に何か違う。
彼らは根が明るく、僕は根が暗い。
だから、その後に訪れる孤独がとても大きく。僕を怖がらせる。
孤独は一生ついて離れない呪いのようなものだ。僕はそう思っていた。
クラスでいつも一人机でうつむいているようなやつらがいる。
友達もいず、彼らは休み時間を耐えるようにすごし、授業のときもどこかうつろな目をしている。
そのような人たちはもしかしたら僕以上に孤独を感じているのかもしれない。
そう思うと背筋がぞっとした。そんなことになったら発狂してしまいそうだ。
僕は彼らのことを少し尊敬のようなものを感じていた。
だって、ずっと一人でいるなんて僕にはとても無理だったからだ。
448 :
おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/24(日) 08:53:30.14 ID:9Y79vnNi0
>>445 ト……㌧、メリークリスマス…… (´・ω・`)
(´;ω;`)ウウウウーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
449 :
孤独な友達:2006/12/24(日) 08:53:58.27 ID:4H2n8+3t0
――そんなとき転校生がやってきた。彼はとても憂鬱な顔をしていてどこかおどおどしていた。
彼もまた、そういうグループの一員に見えた。
せっかくかっこいいのにもったいないと思った。
自己紹介もろくにせずに彼はすこしおびえた表情をしながら席についた。
みんなの第一印象はおそらく最悪だろう。誰も彼に声をかけようともしない。
でも僕はなぜかそんな彼が気になった。クラスには他にも同じようなやつがいるのに、
なぜだろう?転校生だからだろうか?僕は話しかけてみることにした。
「こんにちは」
「……」
「ねえ、どこからきたの?」
「……」
彼は全く返事をよこさなかった。やっぱりか、と僕は思い僕は明るい友達たちの輪へ戻った。
「なあなあ、あの転校生暗くねー? なんかちょっと話しかけずらいんだけど」
「そうだよね、なんか誰もよってきてほしくないみたい」
ああ、やっぱりそう思われてるのか。僕はすこし悲しくなった。
450 :
孤独な友達:2006/12/24(日) 08:54:48.93 ID:4H2n8+3t0
次の日。いつものようにクラスのやつらと挨拶をして、くだらない話をした。
「あのさー、昨日あたしやすんだでしょ? ライブいってたの! すっごい興奮したなぁ!」
「へえー、そうなんだっ! いいなー、うらやましいなー」
僕はライブなんかにはいったことがない。そういう激しいところには行きたくなかった。
やはり僕はこの人たちとは本質的に違うのだなと感じた。
とりとめのない会話をしていても、孤独は消えない。
そんななか、彼のことが気になった。
僕はもう一度、話かけてみることにした。
「ねえ君、暗いよね」
僕は言ってからしまったと思った。僕には深く考えずに言葉を発してしまうところがあった。
「…………」
もちろん答えは返ってこなかった。彼はすこしおびえたような表情をしているようにみえた。
僕はあわててフォローをいれようとした。
「ごめんごめん、悪い意味じゃないよ。僕だってそうだもん」
「……どこがだよ」
返事をしてくれた! 僕はとてもうれしくなった。言葉の内容なんか関係なかった。
「いや、ほんとだよ。僕は暗い、君みたいにしてたときもあったよ。でも学年が代わってちょっと変わったのさ
451 :
孤独な友達:2006/12/24(日) 08:57:18.82 ID:4H2n8+3t0
僕ちょっとおかしいからさ、そのキャラが受けてみんなに話しかけられるようになったってだけだよ」
「話しかけられる時点でもう違うじゃないか」
「いや、僕が話しかけている」
「……」
すこし会話になったような気がして、とてもうれしかった。でもそれ以上は何も返事をよこさなかった。
ちなみに学年が代わってこうなったというのは嘘だ。僕は小学校のときこそそうだったが、
中学のときからいままでそんなことはなかった。いまと一緒だ。明るいキャラを演じ続けている。
次の日も、また次の日も話しかけてみたが、無駄だった。しかしそれでも彼のことが気になった。
そして一週間が過ぎたころ――昼休み、弁当を食べながら友達としゃべってるときのことだった。
「なぁなぁ、ちょ、聞いて。この前さぁ、バイトした金奮発して1万の服買っちゃった」
「すげー!」
「俺なんか3万の買ったし」
「そんなことより見てよ俺の髪型、ちょーイケテね?すっげえ頑張ったんだぜ」
…………今日はいつにもましてそんな会話ばっかりだった。
僕はファッションにも彼らが聞く音楽にも何もかも興味があわない。
僕は耐えられなくなって教室に走り出した。
「ちょっ! よっしーどこいくんよ?」
彼らの声が聞こえたが無視した。彼らも孤独を感じながら会話をしているんだろうか?
僕には到底想像できない世界だった。
教室にもどると彼が一人で弁当を食べていた。
僕はなぜだかすごく落ち着いた。今日も話しかけてみよう。
「あのさ……」
「……」
「君って本とか読みそうだよね」
「……」
黙々と弁当を食べる彼の目がすこし肯定の意を示したような気がした。
452 :
孤独な友達:2006/12/24(日) 08:58:23.50 ID:4H2n8+3t0
「なんていうかその……変な本。暗い変な本」
「……うん」
少しおびえてるようにもみえた。しかし返事が返ってきた。
「僕も読むんだよあと、音楽とかも。すっごい趣味が合いそうなんだ」
「……うそ」
「ほんとだよ! 最初からなんか感じてたんだ。ほら、オーラってやつ?それが同じだと思った。
それで僕はなんていうかその……一目ぼれしたんだ! 変な意味じゃ、なくてね」
「じゃあ……聞かせてよ、どんなの好きか」
それから僕たちは好きな音楽や本や映画の話をした。予想どおり趣味はぴったりだった。
僕たちはすこし打ち解けたような気がした。
それから数日たって、僕たちは普通に話せるようになった。
こんな話もした。
「ねえねえねえ! だからどこからきたのさ?」
「東のほう」
「東って?」
「……東京だよ」
「うわっ、すごっ! 都会人やん!」
「東京にも色々あるんだよ……君が思ってるようなところじゃない」
「ふーん」
しばらくたったある日のこと。僕は聞いてみた。
「君は孤独を感じる?」
「感じるよ、とてもつよく。でもどっちにしても死ぬまで結局一人なんだからそれでもいいと思ってた」
「そっか…」
「でも、君は僕の孤独を癒してくれたよ」
僕は照れながら、ずっと言いたかったことを言った。
「僕は君と友達になりたいな」
彼はすこし悲しそうなかおをした後、うれしそうにこういった
「僕はもう友達だと思ってるよ」
……孤独は結局つきまとうけど僕がこの子の孤独をすこしでも紛らわすことができているのならそれでよかった。
僕は本当の意味での友達を見つけた気がした。この子といれば、死ぬまで孤独と戦えるような気がした。
453 :
孤独な友達:2006/12/24(日) 08:59:33.18 ID:4H2n8+3t0
おしまい♪
あーーー緊張した。
筆力向上のための練習でやったのでやさしくしてね(はぁと
454 :
おみくじ(太吉):2006/12/24(日) 09:01:29.42 ID:9Y79vnNi0
脱投稿童貞乙('∀`)ワカルヨソノキンチョウ
そして途中で割り込んでしまってマジですまんかった('A`;)
455 :
孤独な友達:2006/12/24(日) 09:03:19.61 ID:4H2n8+3t0
いえいえいいですよ、こんな駄文。
まだ投稿素人童貞って気分です…
456 :
猪(禁煙中):2006/12/24(日) 09:12:43.20 ID:An3WMEVR0
____
/_ノ ヽ、_\ メリークリスマス!だっておwwwwwwww
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) | | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) /
ヽ / `ー'´ ヽ / / バ
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バ ン
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、 ン
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/ ― ― \
ミ ミ ミ / (●) (●) \ ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒. (__人__) \ /⌒)⌒)⌒)
| / / / ` ⌒´ | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) / ゝ :::::::::::/
| ノ \ / ) /
ヽ / ヽ/ /
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
457 :
くつした:2006/12/24(日) 09:51:06.39 ID:yaS1Zvnr0
あるイブの日。とあるところに、仲のよい姉妹が居ました。
妹は姉に言いました。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん。サンタさんに、何をお願いすればいいのかしら。
私、いっぱいあって迷っちゃうわ」
すると、姉はこう答えました。
「自分に今一番必要なものをください。そうお願いすれば、
きっとサンタさんが、一番必要な物をプレセントしてくれるわ」
そうして二人は、くつしたの中に手紙を入れて。プレゼントの中身
を楽しみに話し合いながら、いつしか眠りにつきました。
翌日の朝。なんと、くつしたの中には、何も入っていませんでした。
それを見て、妹は大泣きしまた。
「酷いわ、酷いわ。サンタさん、私にプレゼントをくれなかった」
しかし、姉はこう言いました。
「いいえ、サンタさんは何も酷いことをしていないわ」
妹は聞きません。
「嘘よ、嘘よ。ならなんでサンタサンは私にプレセントをくれなかったの」
すると、姉はこう言いました。
「私たちに必要な物は、すべてそろっている。私たちは満ち足りている。
だから、あなたたちの望むプレセントをあげることは、私にはできない。
サンタさんは、こう言いたかったのよ」
くつしたあんまり関係なかった……
458 :
猪(酒乱):2006/12/24(日) 09:56:58.37 ID:ILJkv7PT0
メリークリスマス
カップルは死ね
459 :
猪(酒乱):2006/12/24(日) 09:59:42.57 ID:ILJkv7PT0
規制解除されてるな
460 :
おみくじ(犬吉):2006/12/24(日) 10:04:01.58 ID:9Y79vnNi0
>>457 乙。なんかギャグマンガの劇中劇みたいだなw ボケ役二人が演じて、それを突っ込み役が突っ込む前というか
割と上手く雰囲気作りができてるんじゃないだろうか。
461 :
猪(60才):2006/12/24(日) 10:12:27.77 ID:go3V7fc60
何か書けば描く程つまらない話になって行く…orz
462 :
恵比須(えびす):2006/12/24(日) 10:22:57.10 ID:L9YO1O/D0
ネタもプロットもできたけど今からワンダースワンやってくる保守
463 :
猪(泣き上戸):2006/12/24(日) 10:29:29.80 ID:ILJkv7PT0
>>457 教訓めいた話なのか、ギャグなのかわからんが、面白かった
ただ「言いました」が多い希ガス
違和感あんまりないから、これはこれで良いのかも
464 :
猪(♂):2006/12/24(日) 11:03:52.13 ID:yJ82GPiK0
今回、ずいぶんみんなスローペースだな。
久々に本当のカオスがくるのか?w
465 :
大黒(だいこく):2006/12/24(日) 11:10:34.45 ID:L9YO1O/D0
あんまり少ないと次の優勝者が惨めな気分になるぞ
466 :
猪(ほろよい):2006/12/24(日) 11:11:37.64 ID:ILJkv7PT0
来週もやるのかな? 大晦日だけど
467 :
お年玉(落としちゃった!!):2006/12/24(日) 11:11:44.05 ID:gJnb7Xju0
468 :
大黒(だいこく):2006/12/24(日) 11:12:42.93 ID:L9YO1O/D0
469 :
凧(100連):2006/12/24(日) 11:15:12.62 ID:DZ0f+sKU0
>>467 酉が来るまで、投下順を後にずらす。
っていう風にやってたかと。乙です。
470 :
お年玉(落としちゃった!!):2006/12/24(日) 11:17:48.19 ID:gJnb7Xju0
471 :
猪(ほろよい):2006/12/24(日) 11:47:09.69 ID:ILJkv7PT0
孤ドクリスマスの話かいてたら自分で鬱になってきた
472 :
◆zl6TwdxAzs :2006/12/24(日) 12:10:03.57 ID:bqLY2UIg0
品評会の投下ですぅ
473 :
クリスマスイブを見せてやる(1/3) ◆zl6TwdxAzs :2006/12/24(日) 12:11:53.43 ID:bqLY2UIg0
さて、今年も二十三日がやってきた。今年で三十二回目だ。
天才科学者と呼ばれるこの私でもこの日はどうすることも出来ない。そう思っていた。
しかし、私は見つけてしまった。二十四日に一人で過ごす事の孤独さを解決する方法を。
私が一人で過ごさざるを得ない世界になれば良いのだ。病気するとか。
だが、それでは甘いの。いいわけ臭いし、そもそも私が天才科学者である意味が無い。
私のクリスマスイブを見せてやる。
二十四日、午後五時。雪のちらつく駅前の商店街。
喫茶店で、俺は人を待っていた。彼女である。名前は佐々木ヒロコ。
今年のクリスマスイブは一人ではない。というか、今までも一人のクリスマスは無かった。実家在住だからな。
しかし今年の一人では無いクリスマスは特別。
そんな事をぼんやりと考えていると、それは起こった。
午後五時十三分、地震発生。
停電。暗くて何も見えない。
コーヒーカップが割れる音。窓ガラスが割れる音。窓際の席でなくて良かった。
とっさに逃げようとするが立てない。それどころか、転ぶ。
テーブルに肩をぶつけ、テーブルの下に倒れ込む。
俺が座っていた椅子に照明かなんかが落ちてきた。週末占いランキング、三位の実力か。
数分後たっただろうか。揺れは収まった。暗くて何も見えないが。
携帯で時間を確認。五時十六分。三分くらいしか経ってない。
MP3プレーヤーに付いてるラジオ機能をつける。まだ普通にJPOPなんかが流れている。
まわりで人がうめいてる声や、女の人の泣く声が聞こえる。
そうだ、ヒロコを探さないと。
俺は携帯電話の明かりを頼りに喫茶店をでた。お代はいいだろ?
474 :
クリスマスイブを見せてやる(2/3) ◆zl6TwdxAzs :2006/12/24(日) 12:12:23.06 ID:bqLY2UIg0
外も真っ暗、かと思ったらそうでもなかった。携帯も光がちらほら。人の声も聞こえる。
雪が降っている空は月は見えない。
ヒロコとは五時半にあの喫茶店で待ち合わせしていた。
だから近くに……いないか。三十分も早く来た俺がどうかしていたんだな。
突然、携帯が鳴った。メールだ。
『大丈夫? 北口にいるんだけど』
ヒロコは普段、絵文字を乱用するがこれにはそれが無い。
北口はどっちだ? まわりが暗くてわからない、のではない。俺が方向音痴というわけでも。
同じ建物に見えないのだ。崩れていて。
安易に歩き出すのもどうだろうか。とりあえず少し考えてみよう。
自分の冷静さに少し驚いた。
数分間考えて導き出した答えは、メールを返す、という事だった。
あ、この答えに数分かかるって事は冷静じゃないかも。
『駅前の喫茶店 今からそっち行くからそこにいて』
送信を押す。送信できません。
北だと思われる方向に歩き出すことにした。
かれこれ一時間くらい歩いている。迷った。
「おい、君。大丈夫かい?」
警察官だ。
「向こうの中学校が避難所になっている。今日はもう夜だから一晩そこで泊まるといい」
無視して北口に向かおうとした。けど、引っ張って行かれた。
中学校の体育館には沢山の人がいた。しかし知り合いなんかもいない。
今更だけど、家族はどうしているだろうか。地方に住んでるから地震には巻き込まれて無いだろうけど。
それにしても凄い人の数だ。咳をしている人も結構いる。
こんなところにいたらいつ風邪をひいてもおかしくない。俺は校舎の方へ移動した。
475 :
クリスマスイブを見せてやる(3/3) ◆zl6TwdxAzs :2006/12/24(日) 12:12:38.84 ID:bqLY2UIg0
校舎の中は、机がメチャクチャに散乱しているが、それ以外は何事も無かったかのように綺麗で静かだ。
こういう建物はかなり頑丈に出来ているらしい。
そもそも何でこんなところにいるのか。
そうだ、クリスマスイブだ。俺は、人混みは嫌だ、って言ったんだ。
出かけるなら二十三日とか二十六日でもいいじゃん?
逆ギレしても始まらない。そう思って溜息。
それとほぼ同時に後ろから声がした。
「ユウスケ?」
ヒロコの声だった。なぜここに? 物凄い勢いで振り向いた。
「あ、やっぱり」
「なんで、ここにいるんだ?」
「避難してきたんだよ。迎えに来てくれないから」
悲しそうなんだか不敵な笑みなんだかわからない表情。
「ご、ごめん。でもなんで俺がここにいるって?」
「なんとなく。人混み嫌い、って言ってたから」
ヒロコは俺の頭の上あたりを眺めながら言った。
今年のクリスマスイブは、俺にとって忘れられないクリスマスイブになった。いやらしい意味ではないぞ?
地震発生装置は大成功だ。しかし強すぎた。最悪だ。
なぜこの私が棚と床に挟まれて今日という日を過ごさなくてはならないのだ。
普通に過ごすより悪いんじゃないか?
一人で過ごさざるを得ない状況ではあるけどもだな。
まあいいだろう。被災地の連中も避難所で寂しくクリスマスイブを過ごす事になったんだ。
もし今日幸せなクリスマスイブを過ごせた奴が一人いたなら俺は天才を名乗るのをやめてやるよ。
フハハハハ。
476 :
◆zl6TwdxAzs :2006/12/24(日) 12:14:01.36 ID:bqLY2UIg0
以上。
削りすぎた感がしなくも無いww
477 :
書初め(家内安全):2006/12/24(日) 12:39:06.05 ID:bqLY2UIg0
ほしゅ
478 :
猪(検便中):2006/12/24(日) 12:44:42.43 ID:An3WMEVR0
執筆に集中したいのに股間のマグナムが不埒な妄想のせいで常時発射準備完了な俺はどうすればいいですか
479 :
猪(筋肉質):2006/12/24(日) 12:48:47.96 ID:ILJkv7PT0
480 :
猪(♀):2006/12/24(日) 12:49:23.32 ID:yJ82GPiK0
右手をキーボードの上に乗せるんだ。
481 :
凧(ひとりぼっち):2006/12/24(日) 12:49:35.99 ID:DZ0f+sKU0
>>478 俺のデリンジャーと交換してください。
未使用、美品です。早撃ち仕様で、サイレンサー付きです。
482 :
孤独な友達 ◆BZIf0DAMS6 :2006/12/24(日) 12:51:55.32 ID:4H2n8+3t0
483 :
猪(不倫中):2006/12/24(日) 12:52:04.09 ID:oOEFxFqu0
僕はデザートイーグルちゃん
カキオワタ
484 :
猪(検便中):2006/12/24(日) 12:52:43.87 ID:An3WMEVR0
485 :
毘沙門(びしゃもん):2006/12/24(日) 13:00:10.40 ID:L9YO1O/D0
>>484 未使用デリンジャーってどれくらいの大きさなん?
他のやつとくらべっことかしたことねえからわからん。
とりあえず棒のスペック:未使用 長さ十八センチ 横幅四センチ
486 :
猪(ドラム):2006/12/24(日) 13:02:34.37 ID:/4++jf2mO
まさにオナニースレだな
487 :
書初め(合格祈願):2006/12/24(日) 13:05:35.88 ID:bqLY2UIg0
488 :
猪(検問中):2006/12/24(日) 13:15:46.58 ID:An3WMEVR0
18センチというサイズに心もマグナムも折れた
489 :
猪(汗かき):2006/12/24(日) 13:22:10.67 ID:ILJkv7PT0
アワードの一般作品、実質10作品か
終わってるな
490 :
猪(ピーマンきらい):2006/12/24(日) 13:23:24.93 ID:oOEFxFqu0
マグナムだって38口径もあれば44もあるし50もある
人それぞれで良いんだよ……18は負けたが
491 :
女教師と初詣:2006/12/24(日) 13:23:26.40 ID:8R+dRVNx0
492 :
猪(検問中):2006/12/24(日) 13:23:37.36 ID:An3WMEVR0
>>489 あんまり多いと全部読めなかったりするし、10~15ぐらいで丁度良いとは思うけどね。
だって30とか来たら、それはそれで全部読めないよ!って思うでしょ?w
493 :
結びコンブ:2006/12/24(日) 13:25:45.00 ID:iWjE2+Gq0
俺思ったんだけど、このスレ開いて興味持ったけど書こうという気がしないのな
>>493 スレ眺めてりゃそのうち書く気になるんじゃないの?
495 :
失笑・クリスマス ◆twn/e0lews :2006/12/24(日) 13:43:51.80 ID:oOEFxFqu0
投下いきます
ホントのタイトルは
『メイク・ラブ、引く事の濁点、イコール、失笑・クリスマス』
なんだけど長すぎて名前入らなかった。
496 :
失笑・クリスマス ◆twn/e0lews :2006/12/24(日) 13:44:18.87 ID:oOEFxFqu0
羨ましいねと最後はそれで、苦笑交じりに電話を切った。
相手は同学年の友人で、最初は他愛もない日常会話をしていたのだけれど、そこは十二月の末、自然と女の話になる。
彼には今、女が三人いるらしい。
愛情とセックスは別物だ、なんて風に、僕は到底思えない。
どうしてこうも自分は童貞臭いのだろうかと考えたら、結局、本当に好きな女とセックスした事がないから、
僕はその実童貞なのだろうという結論に達した。
取っ替えひっかえ、或いは同時に、気軽に穴を変える事など、僕には出来そうもない。
煙草を吸って、煙草を吸って、煙草を吸って、煙草を吸う。
煙に埋もれていたら、また携帯が鳴った。
アキコからの、メールではなく通話着信で、受話器の向こうから聞こえた彼女の第一声は「ヒマ」だった。
語尾を上げたか上げないか、今一断定出来ないのは、彼女が敢えてそういう言い方をしたからだろう。
僕もまた、会話しているうちに、ヤる事ヤレるかも、なんて思い始めていたらしく、結局アキコと会う事になった。
都合良く、愛情とセックスは別物と考えていた。そんな自分に気が付かないふりをして、僕はシャワーを浴びる。
夕刻手前、黒のニーソックスにミニスカート、白いダウンジャケットで髪は茶色、アキコは僕を見て手を振っている。
「可愛いじゃん」
取り敢えず、僕は言った。
「褒められてもね、アンタじゃ」
そう返すアキコは溜息を吐きそうだが、言われて嫌な気分にはなっていないらしい。
「悪いね、俺で」
わざとらしく、冗談めかして。
「それはお互いでしょ」
解ってる、とでも言いたげなアキコ。
「まあ、取り敢えず行くか」
苦笑しながら僕は言って、アキコと並んで歩き出す。
心なしか距離はいつもより詰まって感じる、仄かに体温を感じる距離だ。
腕を組む事もなく、手を繋ぐ事もなく、それでも僕達は恋人に見えるのだろうか。
497 :
失笑・クリスマス ◆twn/e0lews :2006/12/24(日) 13:44:43.07 ID:oOEFxFqu0
そんな事を考えながら無意識に煙草を咥える。火を点けようとしたら、アキコが僕の口から煙草を取り上げた。
「歩き煙草とか、格好悪いから止めてよ」
ああ、傍から見たら付き合ってる二人だろう。僕はすんません、なんて言いながら笑う。嬉しそうに怒るアキコは、きっと全部演技だ。
カラオケはどこもクリスマス料金で、けれど割と空いていた。
お手軽なのに勿体ないとも思うが、近くにレジャーランドのある所だから、みんなそっちに行ったのかも知れない。
当日になって相手を決めた僕達にとっては幸いな事ではある。
「何歌う?」
リモコンを弄りながらアキコが言う。
「god save the queen」
「何それ」
「ピストルズ。歌詞は良くわからんけど、傑作だよ」
「まあいいや……入れたよ」
自分の曲を入力するアキコを尻目に、スピーカーからはやる気のないメロディが流れ始める。
僕はマイクを握って、笑いながらアキコに言う。
「しっかり見とけ、顔真似付きだ」
リモコン操作を終え、こちらを向いたアキコに、ロットンの演じるキチガイのモノマネを見せてやる。
目は大きく見開いて焦点を合わせず、体は腰を曲げてクラゲの様に宙をさまよい、上目遣いに顎を突き出す。
ゴッセーザクィーン、妙に尻上がりに、大袈裟なまでに歌ってみせればアキコは笑う。
「頭おかしい」
馬鹿野郎、それがピストルズだ。言ったアキコに、言葉にはせず、一瞬目を普通に戻して笑いかける。
アキコもノリノリで笑っていて、きっとそれはイブで、彼女が一人で居たくないからと作った笑顔なのかも知れない。
けれど僕は、僕が彼女を笑わせたのだと思わなければならない。それがルールだ。
曲は進んで終盤、No futureの大合唱、マイクを向ければアキコも笑いながら叫んだ。
歌い終え、もう大丈夫だろうと、最初よりも距離を詰めて座った。
後は適当にネタを交えつつ、雰囲気を作れば向こうも拒否はしない。
茶化しつつ、手を回し、延長無しの三時間、終わる頃にはキスも完了。
498 :
失笑・クリスマス ◆twn/e0lews :2006/12/24(日) 13:45:07.39 ID:oOEFxFqu0
お洒落な店なんて行ける訳無いから馴染みの居酒屋、それでもまあ、個室のある所だからまだ良し。
シャンパン、ワインじゃなくて焼酎で乾杯、それもまた良し。ほんのり頬を染めた彼女と僕のマンションへ。
すっかり即席カップルで、腕を組んで体を預ける彼女の感触に高ぶる性欲、イブだからサカリも公認、キリストに感謝です。
部屋に入った途端、ヤニ臭いと彼女が言って、それは悪いと返しながら僕はキスした。
僕の頭に手を回し、髪を掻き回す彼女は酒臭い。右手で彼女の髪を撫でながら、左手は背中からゆっくりとケツに下ろす。
徐々に硬度を増すペニスの指令に従って、一度顔を離し、だらしなく糸を引いた唾液を指ですくって舐める。
どうぞ奥へ、言って右手で促して、ベッドルームに入る。
ハンガーを用意して、白いダウンジャケットを彼女から優しく剥ぎ取る。
現れた黒のタートルネックセーター、その下の体は酷く扇情的だ。
背後から抱きしめ、服の上から乳房に手をやり、首筋に頬を寄せてキスをする。
「これから、何する?」
ジョークを飛ばすアキコに、僕は笑いながら返す。
「エッチ、セックス、ファック。どれがお好み?」
アキコは拘束を解いて振り返り、僕の股間に手をやった。
「ファックで良いんじゃない?」
だって、一番正確でしょ。セーターを脱がせずに、下から手を入れて背中を撫でる。
「手、冷たい」
一瞬体を震わせて、アキコは言った。
「その分、心が温かいんだよ」
有り得ないと笑うアキコに、僕は続ける。それに――。
「それに?」
「どうせ直ぐ熱くなる」
ベッドにダイブ。服を剥ぐのを楽しみながら、僕のペニスは勃起する。
ショーツを脱がせてみれば、既にそこには垂れる汁。
499 :
失笑・クリスマス ◆twn/e0lews :2006/12/24(日) 13:45:29.20 ID:oOEFxFqu0
「もういっか」
「もういいね」
コンドームを被せ、カウントダウンは始まる。
「ロマンチックの欠片も無い」
ふと、アキコが言った。僕は笑って、返す。
「それなら、ファックじゃなくてメイク・ラブ?」
問われて、アキコは僕の事を抱き寄せた。
「そう言う事にしておく」
ほんの少し可愛くなった彼女に、僕は呟く。
「イブに感謝を。そして君とメイク・ラブ――」
沈み込み、彼女の穴に棒を埋める。銜える彼女の肉で僕の棒の皮を擦って絞めて、ああ気持ち良い。
愛と性欲って別? でもメイク・ラブ、ラブは愛。
ふと思いついた言葉遊び、――引く事の濁点……ああ、それで良し。
喘ぐ彼女も、腰振る僕も、そこにあるのは失笑のみ。
ピエロが居るんだ、笑えよビッチ。言葉にはせず心に思う。
メイク・ラブ、引く事の濁点、イコール、失笑・クリスマス。
了
500 :
猪(ピーマンきらい):2006/12/24(日) 13:45:56.95 ID:oOEFxFqu0
以上です
501 :
猪(ピーマンきらい):2006/12/24(日) 13:46:24.01 ID:oOEFxFqu0
書き漏れですが、ちなみに品評会用です
502 :
書初め(交通安全):2006/12/24(日) 14:09:43.42 ID:bqLY2UIg0
ほしゅん
503 :
お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 14:09:54.70 ID:gJnb7Xju0
504 :
猪(体臭きつめ):2006/12/24(日) 14:15:08.92 ID:An3WMEVR0
505 :
黒豆(二粒):2006/12/24(日) 14:19:00.52 ID:0+DQwHWaO
サマーの詩集が普通に発売されてて引いた
506 :
おみくじ(中がよろし):2006/12/24(日) 15:05:58.07 ID:q1CmTAJU0
お題は「孤独」か
がんばろ、そして保守
507 :
お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 15:39:34.58 ID:gJnb7Xju0
508 :
お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 15:45:43.76 ID:gJnb7Xju0
509 :
おみくじ(やぶれた):2006/12/24(日) 16:40:01.00 ID:q1CmTAJU0
時間内に書き終えられるかな
510 :
おみくじ(きち):2006/12/24(日) 16:40:14.39 ID:9Y79vnNi0
落ちるぞ保守
511 :
寿老人(じゅろうじん):2006/12/24(日) 16:56:00.00 ID:L9YO1O/D0
まだあと七時間もあるじゃない。最長5レスなら4時間もありゃ書けるんじゃないの?
みんな大体どれくらい時間かけて書くんだろうか
512 :
猪(里に下りてきた):2006/12/24(日) 17:00:27.05 ID:An3WMEVR0
>>511 そのときによるかな。俺は相当な遅筆だから、原稿用紙5枚埋めるのに一日とかザラ。
513 :
彼女と初詣:2006/12/24(日) 17:02:18.50 ID:uNR/e10R0
>>511 書きなれないジャンルになると俺の筆の遅さは異常
文才ないのを盾にして同じような話ばかりも書いてられないし
514 :
神所謂ゴッド:2006/12/24(日) 17:04:22.38 ID:L9YO1O/D0
じゃあみんな一時間辺りに何枚原稿用紙埋められるか晒そうぜ
俺は三~五枚
515 :
初詣でころんだ:2006/12/24(日) 17:06:09.76 ID:ZzQcZFQD0
テンションMAXの時は7枚か8枚はいけるかもしれん
内容の保障はしねぇけどな!
516 :
猪(里に下りてきた):2006/12/24(日) 17:11:09.92 ID:An3WMEVR0
3時間集中して12枚が最高。なんたる遅筆。
517 :
神所謂ゴッド:2006/12/24(日) 17:13:15.78 ID:L9YO1O/D0
>>516 一枚埋めるのに三十分以上掛かる人とかもいるしそんなでもないんじゃないか?
518 :
おみくじ(汚れて読めない):2006/12/24(日) 17:14:16.17 ID:9Y79vnNi0
俺の場合、多分2枚か、多くても3枚といったところ。筆がノった状態でこれ。
少なすぎかな。時間意識して計ったことないもんな。ただ遅いことだけは自信もって言える。
そんなとこに自信もっても仕方ないんだがw
519 :
彼女と初詣:2006/12/24(日) 17:15:06.17 ID:E8rr+LVpO
スレ違いごまん!
頼むあのコピペが読みたいんだ!協力してくれ!!!
内容はなんかクリスマスのプレゼント交換でなんか変なものが好きなこの所にいってしまって残念そうにしてたからあかさにかしか
なんだっけ??かーちゃんは徹夜で作ってたのしっててよ可哀相だからってなんかプレゼントしたとかしてないとかっていう内容なんだけどさー
520 :
猪(発情中):2006/12/24(日) 17:16:09.89 ID:Wg/NCiYb0
お題、孤独かぁ…
ちょっと兄貴にいいネタがあるか聞いてみよu…
そうか今日はクリスマスか…
521 :
VIP皇帝:2006/12/24(日) 17:16:20.08 ID:fvP7w1Wa0
品評作品書きあがらない・・・><
誰かお題をください!
522 :
猪(発情中):2006/12/24(日) 17:16:40.33 ID:Wg/NCiYb0
523 :
ウリ坊:2006/12/24(日) 17:19:22.97 ID:yJ82GPiK0
524 :
神所謂ゴッド:2006/12/24(日) 17:21:30.85 ID:L9YO1O/D0
>>520 深海に適応した生物は人の世界まで登ることが出来ないとか、
身分の違いからみんなと仲良く出来ない貴族とか
敵国の侵攻されて部下をすべて失った将軍とか
雪山登山で遭難、一人一人死んでいき、最後に残る気が弱いデブ。
525 :
黒豆(五粒):2006/12/24(日) 17:30:26.32 ID:fvP7w1Wa0
黄昏でがんばってみます><
526 :
◆wDZmDiBnbU :2006/12/24(日) 17:35:02.31 ID:DZ0f+sKU0
一番調子よく書けてるときにカーチャンから
「明日はクリスマスですが予定は?」という電話をもらって
めちゃくちゃになった作品を投下します。なんかもう超不安定。
品評会用作品
タイトル:『すべての戦うものたちへ』
分量5レス
527 :
『すべての戦うものたちへ』 (1/5) ◆wDZmDiBnbU :2006/12/24(日) 17:35:35.62 ID:DZ0f+sKU0
人で賑わう元旦の初詣に、巨大ロボが出てきたらそりゃあ誰だって引く。
神社の屋根の向こうにひょこりと顔を出したそいつは、ゆうに十メートルは越えていた。
マッチ箱に手足を生やしたようないい加減なデザイン。明らかなオーバーテクノロジーに
も関わらず、どこか昭和の香りがするのはなぜだろう。静まり返る群衆を前に、所在無さ
げにたたずむロボット。胸のスピーカーから、ひどく割れた声が響く。
「どうも皆さん、あけましておめでとうございます。悪の秘密結社です」
もう少し常識で物事考えようよ、と思う。新年早々、ずいぶんと勤勉な悪の組織だ。と
はいえ、正直なところ――あまり人のことをとやかく言えたような立場じゃないけれど。
境内の隅でアルバイトにいそしんでいた少女、鮫島楓の判断は早かった。もうお守りや
おみくじを売っている場合ではない。取る物も取り敢えず、一直線に駆け出す。本当は着
替えたかったのだけれど、そんな暇なんてあるはずもなかった。
こういう訳の分からない手合いは、訳の分からない力で追っ払うのがお約束。
社務所の脇に立てかけてあるほうきを掴むと、すぐさままたがる。それは念じるより速
く宙に舞い上がった。どよめく観衆の声。上空で巨大ロボと対峙すると、適当な呪文を詠
唱する。いくつかの火の玉が虚空から浮かび、楓の周囲をまとうように漂った。
魔法。なぜこんな力が使えるのかは、楓自身わからない。一つだけはっきりしているの
は、この力はつい最近身に付けたものだということ。いずれにせよ魔法が使える以上、こ
の状況を黙って見過ごすわけにもいかない。むしろ、うってつけだ――楓は覚悟を決めた。
詠唱一閃、数々の火球が中空を舞う。轟く爆音、巻き上がる黒煙。煤けた匂いが鼻をつ
く。ロボと戦うなんて初めてのこと、加減も容赦も出来はしない。振り上げられた鉄の拳
を避け、赤い袴を空にひるがえす。背後に回り込んだその刹那、さらに強烈な第二波の詠
唱。ありったけの力をつぎ込んだそれは、巨大な火柱となって天を焦がした。
爆発音。もうもうと沸き上がる黒煙の中から、ようやく姿を現したロボ。ぷすぷすと間
抜けな効果音をあげ、もはや立っているのもやっとという風情。
「おのれ……お、憶えてろっ、魔法少女!」
ご丁寧にもお約束の口上を述べると、そのロボは突然ぐにゃり、と歪み、そして光の彼
方へと消え去った。逃げるためだけにワープとか、一体どれだけ便利な機能だろう。
携帯のシャッター音が鳴り響く中、魔法少女の初陣は、あっけないほど簡単に決着した。
528 :
◆2LnoVeLzqY :2006/12/24(日) 17:35:48.48 ID:An3WMEVR0
品評会作品、完成したので投下します。4レス予定。
529 :
『すべての戦うものたちへ』 (2/5) ◆wDZmDiBnbU :2006/12/24(日) 17:36:11.86 ID:DZ0f+sKU0
*
正月元旦からはた迷惑なこの事件は、思ったほどのパニックにはならなかった。
実際、そう珍しい話でもなかった。昨年のクリスマス以降、この程度の非常事態はいた
るところで発生している。それも大概が似たような話――正義の宇宙刑事だとか、なんと
かレンジャーだとか――だった。去年のサンタは随分と気前が良かったと見えて、少年少
女の夢はもはや現実のものとなっている。楓もまた、その中の一人だった。
魔法少女と言えばたしかに、幼い頃の夢ではあった。だがそれが今更叶うだなんて、誰
が予想できただろうか。それも高校二年の冬休み、遅すぎるにもほどがあった。しかし。
「私、魔法少女として生きていくって決めたから」
新年早々の家族会議で、楓は堂々とそう宣言した。案の定、両親は泣いた。「なぜうち
の子が」という愁嘆場の中、それでも楓の決意は揺るがなかった。警察から事情聴取まで
受けた今、まともな人生は望むべくもない。生活のためには、仕方がないのだ。
平和を脅かす悪の組織を、魔法少女は許さない――。
あまりに斬新すぎる抱負とともに、楓の新年は開けたのだった。
*
結果から言うのであれば、それが全ての間違いだった。
本当に大変なのはその後だった。悪の秘密結社は本当に真面目だったらしく、ほぼ週イ
チのペースで巨大ロボを送り込んで来る。当然、冬休みが終わってもそれは続いた。
その度にロボを撃退しに飛ぶわけだが、この大変さは経験した者にしかわからないだろ
う。悪の組織は常識のなさも相変わらずで、出てくる時間も場所も選ばなかった。授業中
の学校に現れてみたり、友達と遊んでいる最中に空をよぎったり、就寝中にえらく離れた
地点に出現されたことさえあった。
恋に部活に友情に、そんな楽しかった高校生活はすでに過去のもの。遊ぶ暇どころか、
勉強する時間さえもない。進学を控えたクラスメートたちを尻目に、楓は一人、空を飛び
回った。ほうきがなければそれも出来ないので、いつしかどこへ行くにもほうきを持ち歩
530 :
『すべての戦うものたちへ』 (3/5) ◆wDZmDiBnbU :2006/12/24(日) 17:36:43.40 ID:DZ0f+sKU0
くようになった。それが原因でフラれたりもした。やがては友達とさえも疎遠になった。
それでも楓は飛び続けた。春の桜咲く中、夏の日差しの中、秋の枯れ葉が舞い落ちる中。
晴れの日も雨の日も、いつだって空はひとりぼっちだ。騒がれたのは最初のうちだけで、
ひとり悪と戦うその姿を、今は見上げる者さえ、ない。
弱音なんて吐きたくはなかった。どうせ吐く相手もいない。家族の期待を裏切り、周囲
からは白い目で見られ、友達もなくただ一人部屋にこもる。かつて夢見た魔法少女、その
夢溢れ心躍る世界は、ここにはない。
一体、私は、何をしているんだろう――。
薄暗い天井が、じわりと滲む。その疑問に答える者は、いるはずもなかった。
*
冬休み前の終業式が終わり、誰もいない屋上。楓は一人、空を眺める。大学進学を目前
に控え、何一つ勉強していない。センター試験の結果なんて、もう考えるまでもなかった。
自分の存在を自問し続けた日々は、唐突に終わりを告げていた。
一週間前。突然、魔法が発動しなくなった。いくら念じても唱えても、辻風一つ起こり
はしない。理由はもはや明らかだった。昨年末から続いた超常現象、その全てがぴたりと
止んだのだ。クリスマスを目の前にして、去年のプレゼントの効力は、どうやら期限切れ
らしかった。
屋上から見下ろすそれは、いつも通りの平和な街。もはやロボットさえ現れない。魔法
もどこかへ消えてしまった。この一年で手にしたものは、傷だらけのほうき一本だけ。
あれだけ自由に飛び回った空が、まるで牢獄のように思えるのはなぜだろう。
もう何も考えたくない、そう思い振り向いたそのとき。いつからそこにいたのだろう、
目が合ったのは一人の少女。
「ごめんなさい、鮫島さん」
突然頭を下げるその少女に、楓はたしかに見覚えがあった。隣のクラスの委員長、確か
531 :
『すべての戦うものたちへ』 (4/5) ◆wDZmDiBnbU :2006/12/24(日) 17:37:10.51 ID:DZ0f+sKU0
名前は、鬼塚こずえ。その黒縁メガネと秀才ぶりは、楓にとっても印象が強い。まして彼
女はここ半年、登校拒否になっていたのだ。記憶に残らないはずもなかった。
「私なの。悪の秘密結社の、首領」
それは衝撃の告白には違いなかったが、しかし楓は冷静だった。もう、終わったこと――
そう思い、驚きさえ出来ない自分が、どこか惨めに感じられた。
「あこがれだったの。悪のマッド・サイエンティスト。変よね」
聞いてもいないこずえの言葉。出来るならこれ以上、聞きたくはなかった。戦いは決し
て楽ではなかったけれど、それでも自分なりに頑張って来たのだ。敵同士とはいえ、共に
戦ってきた相手の弱気な告白なんて――今更、もう十分だった。
「ロボット、急に作れなくなってごめんなさい。でも、鮫島さん、あなたとは」
「別にもう、いいよ」
言いかけた言葉を遮るように告げ、そのまま楓は踵を返した。もう聞いてなんていられ
ない、全ては終わったことなのだ。たった一年の悪い夢、それでもう、いいじゃないか。
身を切る寒風が雲を運ぶ。すくみ上がる肩越しに、こずえの声が響いた。
「鮫島さん! あなたとは、いつかまた」
いつかって、いつだろう。過ぎ去った時間は、もう二度と訪れはしないのに。
その疑問を口にすることさえなく、楓はその場を後にした。
*
年に一度の聖なる夜、かすかに粉雪が舞い始めたのは、神の祝福だろうか。
起こしたばかりの焚き火が風に揺らめく。かつて夢の始まりだったその神社も、この日
ばかりは閑散としていた。誰もいない夜の境内に、楓は一人立ち尽くす。その手には、一
本のほうき。目の前の小さな炎に、これをくべれば、終わり。
さようなら。なんて、言わない。どうせ返事は返って来ないから。
聖夜の別れ。なんの感慨もなかったはずなのに。震えるその手は、寒さのせいばかりと
は言い切れない。ほうきの柄に額を当て、俯くようにうずくまる。耐えきれずこぼれた小
さな嗚咽が、冬の空に白く舞い上がり、消えた。
532 :
『すべての戦うものたちへ』 (5/5) ◆wDZmDiBnbU :2006/12/24(日) 17:38:16.45 ID:DZ0f+sKU0
なぜ、どうして。その答えは、出るはずもない。それでも終わりはやって来る。でもそ
のとき、過ぎ去った夢を手放す勇気さえないものは、一体どうすればいいのだろう。
ふいに顔を上げた、そのとき。滲む炎の向こう側に、小さな影がうごめいた。
目をこすり、再び見つめる。闇の中に見たそれに、楓は思わず目を見張った。炎に照ら
されたそのシルエットは、まるでマッチ箱から手足を生やしたような――。
「……ま、待たせたわねっ!」
大見得を切るのは、いつか聞いた声。ぼろぼろの段ボールを身にまとい、かつての巨大
ロボが見る影もない。いささかやつれて見えるこずえの様子は、もう立っているのがやっ
とという風情。その現実をものともせずに、彼女は一歩を踏み出した。
ずしり。大地を揺るがすその音が、聞こえた気がする。
過ぎていった日々は返らず、叶えた夢にも裏切られた。それでもなお、秘密結社は立ち
止まらない。夢の跡にすがる無様な姿と、人は笑うだろうか。その嘲笑は、彼女の孤独な
歩みを、止めることができるのだろうか。
楓は立ち上がった。戦わなければいけなかった。たとえ飛び回ったあの空が、二度と微
笑むことがなくなろうとも。地べたを這い、踏み出す一歩。その先に、真に戦うべき相手
がいる。たとえ勝ち目がなかろうと、魔法少女は立ち向かう。
因縁の対峙。二人の間を舞う粉雪に、こずえが大きなくしゃみをひとつ。ずれたメガネ
を直すことすらせず、悪の首領は立ちはだかる。
「魔法少女、鮫島楓! あなたとの決着、今日こそつける!」
望むところよ、悪の組織。本当の戦いは、これからだから。
手を広げ、胸を張り、魔法少女は呪文を唱える。叶うかどうかはわからない。ただどう
か、今だけは。震えるこの指から、勇気がこぼれませんように。
聖夜に捧げる最後の魔法。すべての戦うものたちへ――メリー・クリスマス。
<了>
533 :
彼方からの贈り物 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/24(日) 17:38:33.16 ID:An3WMEVR0
ごめん_/>。
前回優勝者の直後の投下ってちょっと分が悪くないかい_/>。
めげずに改めて投下します。
534 :
◆wDZmDiBnbU :2006/12/24(日) 17:38:48.31 ID:DZ0f+sKU0
以上です。お目汚し失礼しました。お次の方どうぞー。
535 :
彼方からの贈り物 1/4 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/24(日) 17:39:58.68 ID:An3WMEVR0
彼は目を覚ます。
無限に広がる真っ暗な闇のただ中。凍っていた彼の意識が、ゆっくりと溶け始める。
『惑星を確認。知的生命体存在の可能性を有する惑星を確認』
そんなアナウンスが聞こえる。しかし今は無視する。
冷凍睡眠装置のハッチを乱暴に開き、彼はのそりと体を起こす。
ハッチが開くと、ぱちぱちぱちと次々に照明が点いて、船内が急に明るくなった。
――今度は、どれくらいの時間が経ったのだろうか。
いまだはっきりしない意識の中で、彼はぼんやりとそんなことを思った。
指示されていたとおりの注射を打ち、それから腕と足に力を入れて立ち上がる。
ぺきぺきと関節が鳴る。運動能力が相当に低下したらしい。やはり長すぎる冷凍睡眠は体に悪い。
経過した時間を確認するために、パネルに表示された数字の列を見る。桁数オーバー。表示はエラー。
おいおい勘弁してくれよ――思わず彼は毒づきそうになったが、少し考えてからやめた。
時間なんて、もはや自分には関係ないのだ。
どうせ、家族は既に死んでいる。自分にこんなことをさせた奴らも、間違いなく死んでいる。
もしかしたら、今ごろは自分の国すら滅んでいるかもしれない。
そのくらいの、長い時間が経過したはずなのだから。
判決は、死刑だった。強盗殺人だった。
彼の行く先は、死刑台ただひとつ。そのはずだった。
牢屋の中で死刑になるのをただひたすら待つ日々を、彼は過ごしていた。
そんなある日のことだった。牢屋の中の彼のもとに、ひとりの男が尋ねてきたのは。
自分は、国家をあげての宇宙開発プロジェクトの、責任者なのだ。
目の前で、男はそう自己紹介をした。
牢屋の中の彼は戸惑った。死刑囚である自分と、宇宙開発。どう考えても、結びつかなかった。
そんな彼に対して、男は居住まいを正してから切り出した。
あなたは大変に明晰だ。
今回のプロジェクトに協力してもらいたい。
協力してくれれば、死刑は免除される。上にも話はつけてある。
もし協力してくれるならば、プロジェクトの内容はそれから説明する……。
断る理由は、そのときの彼にはひとつもなかった。
536 :
彼方からの贈り物 2/4 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/24(日) 17:41:14.95 ID:An3WMEVR0
――断るべきだったのだろうか。
今でも彼は、ときどきそう思うことがある。
だがそれは、どこまでいっても仮定の話なのだった。断るという選択肢は、はるか昔に消え去ってしまっていた。
しかし、もし断らなかったとしたら……彼の行く先は、この宇宙と同じくらいの無限の暗闇。
断っても死刑。断らなくても、死刑。
まったく、傑作だ。美味くもない宇宙食をかじりながら、彼は笑う。
プロジェクトの中で彼に課された使命はただひとつ。
――たった一人で宇宙を彷徨い、知的生命体の存在する星を探しつづけること。
死刑囚である自分が、どうして宇宙開発への参加を頼まれたのか。
その理由を、彼は出発時になって、ようやく理解した。
“知的生命体”に、生きた標本が届いてくれればそれでいい。そんなプロジェクトなのだと。
そうして理解したときには、彼は水と食料と、冷凍睡眠装置と、そして知的生命体に向けた複雑なメッセージと共に、一人乗りの宇宙船に乗せられていた。
一方通行の、宇宙への死出の旅だった。宇宙船は、彼を乗せて勝手に進んだ。
通信装置は積んでいない。帰り道もプログラムされてなどいない。
あれから、どれだけの時間が経ったのか。彼にはもうわからない。
彼は、たったひとりだった。
機械に叩き起こされては惑星の調査。ときどき食事。それ以外は冷凍睡眠。
それが、彼の生活の全てだった。孤独は、冷凍睡眠で紛らわせた。
『惑星を確認。知的生命体存在の可能性を有する惑星を確認』
――可能性、ね。
再び流れ始めたアナウンスに、彼は皮肉めいた笑いを浮かべる。
その可能性を信じて宇宙服を着込んで降り立った惑星にあったのは、赤茶けた荒野……そんなことはこれまで何度もあった。
前回冷凍睡眠から目覚めさせられた理由も、そういえばそんな無意味な惑星の確認だった気がする。
生命のかけらもない惑星の上に降りるたび、彼はいつも死のうと思った。
じっとしていれば、宇宙服の中でいつかは死ねる。しかし彼は、いつも死ねなかった。
急に怖くなるのだ。赤茶けた荒野をただひたすら眺め、何もせずに過ごすことが。
理由はわからない。自分は死刑になるはずだったのだと言い聞かせても、どうにもならない。
そのたびに彼は宇宙船に急いで戻り、冷凍睡眠装置に飛び込んだものだった。
537 :
彼方からの贈り物 3/4 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/24(日) 17:43:11.03 ID:An3WMEVR0
また、アナウンスが流れる。
『惑星を確認。知的生命体存在の可能性を有する惑』
うっとうしくて、彼はアナウンスのスイッチを切った。
宇宙食を食べ終わる。軽く体を動かす。またぺきぺきと関節が鳴る。
それから気だるそうに窓の外を見やると、
真っ青な、惑星が見えた。
即座に全ての装置に電源を入れ、データ収集のための電波を送り出す。
その間ずっと、彼は驚きをこらえきれずにいる。
――あの星は、まるで……。
ふと浮かんだ考えを、しかし彼はすぐに捨てる。あれだけの時間が経ったんだ、戻ってきたなんてありえない。
データの解析結果が表示される。それを見て彼は更に驚く。
生命体が存在できる環境が、完全に整っている。
あの青さは有毒ガスでも金属でもない。紛れもない、水。海。
丸一日ほどかかる距離を隔てた向こう。
宇宙の暗闇の中に、その惑星は青くぼんやりと浮かんでいる。
彼に、迷いはなかった。迷いがなかった理由は、彼は自分でもわからない。
残っていた全ての燃料を注ぎ込み、あの青い惑星に向けて全速力で宇宙船を飛ばした。
突入まで残り二時間と表示される。
恐らく、もう発射のための燃料は残らないだろう。あの星が、最終目的地で、俺の墓場なのだ。そう彼は思った。
そしてカウントダウンが始まる。その惑星の青さはもはや、窓を覆い尽くすまでに大きくなっている。
突入。船体が激しく揺れる。衝撃。轟音。窓の外が白く覆われ、そして視界が開けて、海の青、青、青、青、青。
パラシュートが開く音。
――可能性、ね。
アナウンスを思い出し、彼はもう一度だけ笑いを浮かべる。
遠くに見える陸地の上には建築物が並び、彼は故郷の星を思い出した。
船体はゆっくりと海の上に落下する。
この星が、そこに住む原住民たちに「地球」と呼ばれていることを、そのときの彼は知るはずもない。
538 :
彼方からの贈り物 4/4 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/24(日) 17:45:01.66 ID:An3WMEVR0
200×年12月25日。
メキシコ湾上空を飛ぶ未確認飛行物体が、アメリカ空軍のレーダーに突然映し出された。
戦闘機とも、旅客機とも違う影。事態を重く見た彼らは、即座に調査隊を現場へと派遣した。
静かなメキシコ湾の波の上。到着した調査隊が発見したのは、見たこともような色と形をした物体だった。
調査の結果、その物体の素材には、地球上には存在しない物質が使われいること。
そしてそれが、パイロットを乗せて宇宙を航行するための“宇宙船”であることが判明した。
しかし調査隊が到着した時点で既に、その宇宙船はもぬけのから。
懸命な捜索にもかかわらず、パイロットの行方は、ついにつかめなかった。
宇宙船が発見された日にちなんで、「クリスマス事件」。
後の世にそう命名されることとなる一連の出来事は、当時の世間が知ることもなく、闇に葬られた。
――断るべきだったのだろうか。
今でも彼はときどき、そう思うことがある。
しかし今となっては、彼の答えは決まっていた。
彼の故郷の星から、この「地球」がどれほど離れているのか、彼は知らない。
彼が故郷の星を出発してから、どれほどの時間が経ったのか、彼は知らない。
彼がこの「地球」であとどのくらい生きていけるのか、やはり彼は知らない。
この星には、彼と同じ生物はいない。
彼はこの星で、これまでと同じように、ひとりぼっちだった。
しかし、彼は思う。
きっとこれは、孤独な旅に耐え抜いた自分へのご褒美なのだ、と。
これまでみたいに怖いと感じることはない。死のうと思うこともない。
仲間こそいないが、寂しいとも思わない。
この星は楽しい。暇つぶしには事欠かない。時間はいくらあっても足りない。
それに――この星には、自分の餌が、たくさんいる。
今日も世界のどこかで、人間がまたひとり、不可解な死を遂げている。
539 :
◆2LnoVeLzqY :2006/12/24(日) 17:46:09.92 ID:An3WMEVR0
540 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/24(日) 17:51:35.44 ID:fvP7w1Wa0
品評会書きあがりました!!!
投下よろしいでしょうか! 5レス予定。
541 :
影絵1/5 ◆SiTtO.9fhI :2006/12/24(日) 17:52:49.46 ID:fvP7w1Wa0
小学校の正面に通じる緩やかな坂は、春になると桜が満開になる。
子供達に『桜トンネル』と呼ばれる並木道だ。夏休みに入った今は、子供達が通ることもなく、桜は咲いていない。
三年前、男はこの場所で首を吊った。
男にとって職場は地獄だった。男は同僚や後輩から笑い者にされているのを知っていた。
男には談笑できる仲間もいなかった。時折、同僚が話かけてくるが、それは男に仕事を押しつける半ば命令だった。
男は断る事も許されない。
「残りは館崎君がやってくれるってよぉー。『う、あっ、うん』だってさぁ。気持ち悪いよアイツ。あははは」と、陰で馬鹿にされるのが聞こえる。
そして、同僚は親しい仲間を引き連れ夜の街へ繰り出す。男はそれを見ていた。
その度に自己嫌悪が湧きあがった。
後輩にまで仕事を押しつけられた時は、しまった、と思った。怒りを覚えた。自分に。
他に殺意を抱いた時期もあったが、メーターの針が振れるとその思いも消え失せるようだった。
殺意の対象が自分に変わった瞬間、男はやったぁと思った。人を殺めてしまったら取り返しがつかないし、なにより残された遺族が可哀相だ。
そんな事はしたくない。そのかわり、自分が死んで家族に訃報が届いても、ああそうですか、で済むと思った。
小学校に通じる並木道。自分を殺せる。胸を高鳴らせ、一本の木にベルトをくくり、男は首を吊るした。
まもなく男の遺体は発見され、自殺として処理された。
死と同時に男の“影”が落ちた。男と“影”が分離したのである。その影は男の人生を記憶していた。男自身であった。
だから、男は絶望した。
神様、あなたは馬鹿ですか? 何故、ぼくを救ってくれないのですか? 何故、ぼくばかり辛い目にあわせるのですか?
神様、あなたは阿呆ですか? 何故、影なのですか? 何故、影に魂がこもってしまったのですか?
男は神を呪った。神の逆鱗に触れて自分を消してくれればいいと思った。しかし、そうはならなかった。
――三年。男の形をした影は木が作る日陰に埋もれ、陰になっていた。
相変わらず現世に繋がっている。
男は決して動けないわけではなかった。道さえ続いていれば移動もできた。
しかし、今は動けない。日陰の淵が呪縛となり、男の移動を拒否し始めたのだ。
「そこにいるのは誰?」
突然、声がした。ランドセルを背負ったシルエットが男のひそむ木に近づいた。
542 :
影絵2/5 ◆SiTtO.9fhI :2006/12/24(日) 17:54:08.23 ID:fvP7w1Wa0
男は狼狽した。何故自分が見えるのか不思議に思ったが、すぐに原因がわかった。
陽の角度が変わったせいで頭が長く伸び、ひなたに映っていたのだ。
見つかってはいけない。直感がそう働き、頭を引っ込め、日陰の一部に扮した。
「いるんでしょ? 隠れてるのはわかってるんだからね」
少女の声が、先程見た男の影を探していた。
男はじっと息をひそめて、やり過す。しばらく探して、彼女は音をあげた。
「あれ? 気のせいだったのかな?」
がっくりと頭をうな垂れて、去っていくのが見えた。
次の日も少女が来た。男は警戒し、見つからないように努める。
それが何週にも及んだ結果、男はついに音をあげた。
男は少女の他に誰もいないことを確認し、ひなたに姿を映した。
少女は驚いた仕草も見せず、ひなたに映る男の影に近づいた。
「やっぱり、あたしの気のせいじゃなかった!」少女は嬉しそうにそう叫んだ。
「ねぇ、声出さなきゃ口が腐っちゃうよ?」
男が姿を見せてからも、少女は毎日訪ねてきた。
男は発声しようと試みるが、声が喉元でひっかかり体内へ引き戻され、吐き気に近い感覚に襲われる。
ついに発声の仕方まで忘れてしまったのか、と自分に呆れた。
「そういえば、この前、捨てられた子犬を見たわ。誰か飼ってあげないかなぁ。可哀相でしょ?」
男はただうなずく仕草を見せて相槌を打った。
少女は昼頃から夕方にかけて男の影に語りかけた。
日が落ちると影が見えなくなってしまうので、秘密の雑談会は毎回夕方のうちに幕を閉じた。
自分と語り合ってくれる存在が男にできた。男はそれが嬉しかった。
男は彼女の明るさ触れ、徐々に声を取り戻していった。
543 :
影絵3/5 ◆SiTtO.9fhI :2006/12/24(日) 17:54:54.71 ID:fvP7w1Wa0
夕焼けに染める並木道。二人の長い影が赤い路面に映し出される。
「なぁに? これ?」と、少女が楽しげに問う。
「ゴ、ゴリラ……」
拳を重ねた男の影は、恥ずかしそうに答えた。
「へたくそ。ゴリラはこうだよ」
そう言うと、少女はゴリラの型を作って、上に重ねた拳の指を忙しなく動かした。
「どう? ゴリラがもぐもぐしてるみたいでしょ?」
「う、うん」
影絵なんて、小学生ぶりだった。小学生の頃は、友もいたし、自分が一番輝いていた時期かもしれないと思った。
「今日ね、ここに来る途中で、子犬が飼い主に連れられて楽しそうに散歩してたのを見たの。捨てられてた子よ。だから安心したわ」
「よ、よかった」
「だから、これ!」
少女が手を絡めて影絵を作った。
「し、しまうま?」
「誰が見たって犬でしょッ!」
笑い声があがる。
男はこの時間を永遠に繋ぎ止めておきたいと思った。
「ずっと、一緒にいたい」
少女が言った別れ際の言葉が、男の胸に深く響いていた。
自分の姿が消えてしまう様な夜の衣に包まれ、男は少女に思いを馳せる。
男の思いは、次第に強い欲望へと変わっていた。
――あの子が、欲しい。
男は、その欲望をすぐに否定する。
そんなこと思っちゃいけない……。忘れろ、忘れろ……!
否定はするものの、男の内の奥に棲みつく魔物は、舌なめずりをして更に強く少女を欲っした。
――あの子が、欲しい。同じ陰で暮らしたいィ。もう、独りぼっちは嫌だよゥウ。
暗黒の沼に両足を踏み入れてしまった様な錯覚を覚えた。男は思う。
あの子が、欲しいィイイイイ。
544 :
影絵4/5 ◆SiTtO.9fhI :2006/12/24(日) 17:56:00.92 ID:fvP7w1Wa0
太陽が高く昇り、男の影が色濃く映し出す時間になった。
男は、少女を待っている。いつもの様に楽しくお話がしたいのだ。
見つめる先に少女の黒い頭が見えた。男の影がもぞりと蠢く。
彼女が遠くから手を振り、近づく。
男は手招きをして、呼び寄せる。
――おいで。近くにおいで。もっと、もっと、おいで。陰の中へおいでェ。おいでエエエェェ……。
陽に照らされた男の手が長く伸びる。男の胸が激しく鳴る。少女が近づく。
――欲しいよォ、欲しいよォオオ。早くゥ。早くゥウウウ……。
伸びた手は先端で尖り、悪魔の爪の様になる。少女の首元にそれが重なる。男の指に力がこもる。
自分の醜い手を眺め、男は思う。
いったい、ぼくは何をしているんだ。
男は我に返り、急いで手を引っ込めた。
いっそのこと、今自分の首をその醜い手で締め上げて殺したくなった。
が、影である自分は、もう死ぬ事もできなかった。
「どうしたの?」少女が言う。
激しい後悔が男を襲った。
「ご、ごめん……。かか帰って……くれ」
「なんで?」
少女が不安そうな声を出す。
「き、君なんか、みみみ見たくないんだ!」
男は咄嗟にそう叫んだ。そしてまた、後悔が襲い、消え入りそうな小さな声で続ける。
「ごめん……ぼぼぼく……」
男はありのままを伝えた。それを聞いて自分を恐怖、軽蔑し、彼女がこの場所に近寄らなくなれば良いと思った。
「ありがとう」予期せぬ言葉。
少女の影が男のいる木の日陰へと一歩一歩近づく。
来たら駄目だ、来たら君もここから出れなくなる、そう伝えたかった。あるいは、少女が来るのを望んでいたのかもしれない。
男の声は、喉の奥で詰まり、何か強い意志で押し戻された。
「あたし、寂しかった。だから、同じ“影”を見つけた時、嬉しかった。一緒にいたいって思った。ずっと、ずっと」
“少女の形をした影”が日陰に溶けた。
これでずーっと一緒だね、と少女は言った――
545 :
影絵5/5 ◆SiTtO.9fhI :2006/12/24(日) 17:56:52.31 ID:fvP7w1Wa0
小学校の正面に通じる緩やかな坂は、春になると桜が満開になる。
子供達に『桜トンネル』と呼ばれる並木道だ。
そこに生える一本の木が作る日陰。
闇が少し深くなった。
おわり
546 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/24(日) 17:57:58.35 ID:fvP7w1Wa0
以上です。メリークリスマス><v
547 :
お年玉(800円):2006/12/24(日) 17:58:42.77 ID:gJnb7Xju0
――――此処までまとめ済み――――
548 :
2Get!!:2006/12/24(日) 18:05:03.89 ID:L9YO1O/D0
____ _/\/\/\/\/\/\/|_
/ /`丶 \ /
/ しz_, / ! / ええいきさまら彼女もいない \
|| \(,' ,二ニて| \ のにクリスマスクリスマスと /
__|`ー' |、ヽ.__ノ(/ / \
/´ ̄`ヾ ハ~⌒| `へr'/\⌒  ̄|/\/\/\/\/\/\/ ̄
/⌒` ,. -''⌒ヽ\_!_,. イ _/\/\/\/\/|_
〈 ⌒>~--‐''") `ヽ \ /
ヽl ( __,.‐-⌒、r--‐''"‐''" ヽ< はずかしくは \
|ヽl.__( 、 \__〉ヽ〃 // /
.| \ `ー'ー(_,/ 。/ \ ないのかあっ! >
| `ー゚---‐ ---イ / \
品評会投票期間前に、明らかに自分のより面白いのが投下されると、なんていうかかなしくなるよな
549 :
書初め(家内安全):2006/12/24(日) 18:06:51.51 ID:/cSMXMmo0
今日、買ったゲームが袋に入ってなかった
明日店に行くけど金返してもらえるのかどうかもわからない
やる気一気になくなった\(^o^)/
550 :
山童 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/24(日) 18:18:58.84 ID:q1CmTAJU0
品評会用の作品を投下します
551 :
山童1/5 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/24(日) 18:19:36.83 ID:q1CmTAJU0
冬になって、河から山へと住処を移した。
山といっても、ここから遠くを眺めれば都会が見える。
色とりどりの光が見える。
「あいつ、どうしたんかなぁ」
まさか人間に捕まったのか。
一匹の河童が人間に捕まったっていう噂があったからな。
その河童があいつだったら、今年の冬はオレッチ一人で過ごすことになるのか。
オレッチ、あいつのこと、意外に好きだったのになぁ。
ぼきゅぼきゅ煩かったけれど。日本語くらいさっさと覚えろっての。
ため息を吐いて、樹の中に潜り込もうとしたとき、ふと一人の少女が目に入った。
「こんな夜更け山奥にどうして――」
腰まで伸びた黒髪を揺らしながら、とぼとぼと歩いている。
俯きながら、今にも泣きそうな表情をして。
どうしたものか。
オレッチが急に目の前に現れたら逃げてしまうだろうし、この暗い中で走るのはかなり危険である。
見守ることしか出来ないのかな。
少女は寒そうに体を自分で抱く。
オレッチは少女の後ろを付ける。
ストーカーだ。
けれどこの山童(やまわらわ)にストーカーと言われても別にダメージはない、と思う。
「どうしよう……誰もいないよ」
そんなことを少女はぼやく。
そりゃ、ここは山だからな。誰かがいたとしてもそいつは不審者的存在だ。
それよりも少女、お前は今どんな気持ちだい?
少女の表情が窺えないので推測するしかなかった。
寒くて、怖くて、寂しくて、疲れて、眠くて。
焦燥、恐怖、寂寥、疲労、そして孤独なのだと思う。
孤独、というものは一人であること。それは少し違う。
独りで寂しいと感じることが孤独なのだと思う。
「あっいたっ!」
552 :
山童2/5 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/24(日) 18:20:25.34 ID:q1CmTAJU0
突然に少女は叫ぶ。
不審者か、それとも両親か、と思ったら少女は地面にひれ伏していた。
そして仰向けになり、片膝を抱える。
ちょうど、少女の顔が見える位置。
「痛いぃ」
呻きながら涙目になっている。
きっと木の根につまずいて膝を擦りむいたんだろう。
そこはオレッチでも転んだことがある。
有名スポット「山童の刺客」だからな。
「もういやぁ……誰でもいいから来てよぉ」
今、誰でもいいといったな。いや、それでもオレッチはお呼びで無いか。
くそぅ、せめて人間の格好をしていれば、この暗闇でごまかせ――あ。
人間の視力ってどんなもんだっけ。この暗さでは全く見えないのかな。
いや、それでは歩けないだろう。なら少しは見えるって感じかな。
「……もうここで休もう。どっちに行けばいいかわからないもの」
そう言うと少女は樹の下に体育座り。体を丸めて顔をうずめてしまった。
仕様が無い、か。
少女には悪いが、唯一の光である月を隠させてもらおう。
これも、お前のためなんだから。
手を仰いで雲を動かし、月を隠す。
この水かきがあれば誰でも出来ること。
ビニールみたいな山吹色の皮膚までは変えられないが、身長くらいは変えられる。
百八十センチのクールな人間を演じてみよう。
所詮、見えなければいいのだが、触れられて身長が低いことを知られたくないしな。
それに、頭に触られたら、お皿があることがばれちまう。
山童というのは河童と同じ。
夏は河に住み、冬は山に住む童子。ただ名前が変わるだけだ。
いや、正確には、夏は水道管の中で。冬は樹木の中だ。
さて、少女に話しかけようか。
月は隠れた。身長も大きくして、頭に触られないようにした。
553 :
山童3/5 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/24(日) 18:21:05.21 ID:q1CmTAJU0
あとは、日本語。オレッチはあの雌河童と違って二十年も生きているんだ。完璧。
「やぁ少女。そんなところでどうしたんだい?」
オレッチには少女が見える。その少女はこちらの方に顔を向けた。
「あの、迷っちゃったの!」
「そうか、なら一緒に行こう。ほら、の木の枝をつかんで。離さないようにね」
どうやってエスコートをするか忘れていた。
木の枝を拾ってやり過ごすとは、我ながらファインプレー。
「え……うん!」
少女は元気だった。
人が来て、活気がついたのだろう。人じゃないけど。
にっこりと笑って、やはり、ファインプレーの痛いところを聞いてきた。
「何で木の枝なの?」
「んっと、オレッチ――じゃなくて僕は潔癖症でね。気を悪くしないでほしい」
「木の枝って多分バイキンだらけだよ?」
「河の水で洗ったのさ!」
「まぁいいや」
まぁいいのか。なら突き詰めないでくれよ。
オレッチもまぁいいけど。
こっちの方へ三十分歩けば、都会までは一本道になる。
そこまで送り届けてあげよう。
「あの、暗くて前が見えるの?」
後ろから付いてくる形をとっているので、少女の表情は窺えない。
「目が慣れているのさ」
「じゃあ名前はなんていうの?」
「じゃあって何だ。全然文が繋がってないぞ」
本当の名前を言ってしまうと、日本語じゃ表せない。
さて、どうするか。
「山田童だ」
「やまだわらわ? 全部ア段……」
「少女は?」
554 :
山童4/5 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/24(日) 18:21:49.55 ID:q1CmTAJU0
「私はねぇ、桃井桃子」
「藻っぽいな」
「普通桃だよ!」
「じゃあ、何歳?」
「十三歳。えっと、山田は?」
呼び捨てかよ。
いや、本当の名前じゃないから別にいいけど。
「二十歳。藻より七歳年上」
「桃! せめて桃にして!」
「藻々」
「そう、桃。学校ではそうやって呼ばれているもの」
「そうなんだ、藻々って呼ばれているんだ。かわいそうに」
「えっかわいそう? 何で?」
「いや、何でもないさ」
さて、あとは一本道になった。
別れるのが惜しいが、オレッチは人間でないから仕様が無い、か。
「じゃあ、この道を真っ直ぐ歩くといいよ。ほら、あの先に電灯が見えるだろ?」
小さな光がひとつ点灯している。
「あそこまで行けば、ずっと光はある。月も雲から出るだろう。このまま行けば街に着くはずだ」
この光は寂しいと思うことなく輝いている。だから孤独ではない。
この少女、桃子だって孤独では無いはず。
今はオレッチがついているからな。
オレッチも久しぶりに孤独から抜け出せたよ。
ひとまず、ありがとう、かな。
また山に戻れば、孤独になるけれど。一瞬だけ忘れられた。
「ありがとっ山田! 山田は街に戻らないの?」
「オレッじゃなくて僕は、まだ山に用事があるからね」
「そうなんだ……」
桃子はさも悲しそうな表情をする。
「そんな悲しい表情はするな。じゃあ、ここでお別れだ」
555 :
山童5/5 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/24(日) 18:23:08.73 ID:q1CmTAJU0
「そうだね。じゃあ、また会えるといいねっ! バイバイ!」
桃子は表情を明るくして、仄かに輝く電灯を目指して歩いていく。
それはオレッチ唯一の人間友達。
いや、向こうはこっちを人間だと思っているんだがな。
オレッチは手を仰いで、雲を動かし、月を出した。
今振り向かれたら、ばれちゃうかな。
桃子の姿が段々と小さくなってゆく。
オレッチの視力をもってしても、霞むほどに小さくなってゆく。
そして見えなくなったところで、「何か」に諦めて帰ることにした。
本当に何でもない「何か」。
残心に近しいものがある。
山童のくせに。
「さて、オレッチはオレッチの家に帰るとするかな」
すでに見えなくなってしまった桃子に背を向けて、山へ足を踏み入れた。
家に戻ってみると、月に照らされている孤影があった。
それは独り法師ならぬ独り河童。
ぼきゅ、と鳴くそれはオレッチを優しく出迎えてくれた。
「了」
556 :
山童 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/24(日) 18:23:52.45 ID:q1CmTAJU0
以上です
557 :
おみくじ(大吉):2006/12/24(日) 18:31:25.87 ID:9Y79vnNi0
投下ラッシュに参加したいものの推敲が終わらない、というか何度も読み直してる内に訳が分からなくなってきたw
558 :
姫初め:2006/12/24(日) 18:36:38.13 ID:gJnb7Xju0
――――此処までまとめ済み――――
559 :
年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/24(日) 18:40:29.81 ID:pEFPMXXP0
書きたいのに……
M1が邪魔をする
560 :
姫初め:2006/12/24(日) 18:42:33.46 ID:gJnb7Xju0
ちょっとした不安があるんだが聞いてくれるか?
今日運営陣、誰も居ないとか言うオチはないよな?
ないよな?
561 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/24(日) 19:07:39.41 ID:gJnb7Xju0
いないのは、運営陣だけじゃないってことか……
bnskerのバカ……
562 :
凧(バンカー):2006/12/24(日) 19:11:41.87 ID:DZ0f+sKU0
>>561 キニスンナ ココニ ヒトリ イルゼ ('A`)
563 :
猪(ベース):2006/12/24(日) 19:16:27.34 ID:cW3drFcNO
運営イチもてない俺がいるぜ!
規制くらってるけどwwww
564 :
年賀状(気があるってことなのか?):2006/12/24(日) 19:17:03.30 ID:pEFPMXXP0
M1見ながら作品書いてるぜノ
565 :
猪(スポーツマンタイプ):2006/12/24(日) 19:20:42.27 ID:MvNHooQ70
遅いよ……ID変えて来ちゃったよ……(´・ω・`)
>>563 ワロスwwwww
566 :
猪(でぶ):2006/12/24(日) 19:38:39.50 ID:oUYC+tlMO
今日くらい……今日くらいは、卑屈でいさせてくれ……
567 :
年賀状(気があるってことなのか?):2006/12/24(日) 19:50:29.80 ID:pEFPMXXP0
アンアン
o
o_ /)
/<<
12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は
1年間で最もセックスをする人の多い「性の6時間」です。
貴方の知り合いや友人ももれなくセックスをしています。
普段はあどけない顔して世間話してるあの娘もセックスをしています。
貴方が片想いしているあの綺麗な女性もセックスをしています。
貴方にもし年頃の娘さんや姉・妹がいて、いま家にいないのでしたら間違いなくセックスしてます。
貴方と別れたあの娘も貴方がその娘にやってきたことを別の男にやられています。
貴方の将来の恋人や結婚する相手は、いま違う男のいちもつでヒィヒィ言っています。
すべてを諦めましょう。そして、ともに戦いましょう。
568 :
猪(ちび):2006/12/24(日) 20:30:12.88 ID:oUYC+tlMO
ほら、落ちるよ……
俺の小説みたいにオチなしもたまにはいいかもな……
569 :
猪(青詐欺):2006/12/24(日) 20:30:31.13 ID:R10rturO0
>>567 今日だけは童貞限定で猟奇殺人解禁とかならんかなあ。
ふう。
570 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 20:36:10.21 ID:qWlq1Efq0
>>596 人を殺す勇気があるなら、君には道を拓く勇気が備わってるってことだ。
またせたな。運営です。
残り3時間ほどで宣言の締め切りになります。M-1など障害も多いですけど頑張ってください。
なお、今日の24時をもってBNSKアワード2006の一般部門ノミネートを締め切ります。
現在ノミネート数が少なめですので、アワードねらい目ですよ。
詳しくは
>>7をご覧ください。
まとめを手伝ってくれた人ありがとう。
571 :
猪(青詐欺):2006/12/24(日) 20:37:48.80 ID:R10rturO0
◆BNSK/DqMrYは本当いつでもROMってるなw
以前誰かが呼んだ瞬間に現れたのは感嘆した。
572 :
妹と初詣:2006/12/24(日) 20:42:34.76 ID:qWlq1Efq0
まぁ、◆BNSK/DqMrYは三人いるからなw
そのうちの誰かはいるんじゃねーかwwww
573 :
猪(禁風呂中):2006/12/24(日) 20:43:47.29 ID:Wg/NCiYb0
>>569 一人身限定のスイーツのお店とか出ないかな…
574 :
巫女と初詣:2006/12/24(日) 20:46:22.47 ID:8R+dRVNx0
クリスマスなのに兄弟姉妹勢ぞろいって何かの冗談としか思えない
575 :
毘沙門(びしゃもん):2006/12/24(日) 20:46:38.47 ID:9AnXAuQZ0
(#^ω^)静岡とVIPがDQN如きにバカにされてるお!おまえら静岡の恐ろしさを思い知らせてやろうお!
今こそ立ち上がれ静岡県民&vipperの諸君!
ゲーセンでのクソガキ対処法
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/amusement/1156253232/ 513 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/12/08(金) 11:14:24 ID:ee6zIR9j
同県民同士で、富士山の町って名称を奪い合ってる静岡県民を見習えってか?
556 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/12/09(土) 18:51:44 ID:K29yKAft
>>550 俺が
>>513だが、なんか用か?
567 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/12/10(日) 04:10:13 ID:YLDuMqvk
罪の意識?
VIPPERの民度が低いだけだろ
655 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/12/15(金) 02:19:49 ID:LFnIAmHT
VIPって一見ガキの集団みたいに見えるけど
実はいい歳したおっさんの集まりなんだよな
でも、フリーター、ニートばかりで精神が幼稚
または、現実逃避したいがために、集団で馴れ合ってるんだな
リアルじゃ、可哀相な奴らだから、そっとしといてやりなよ
(#^ω^)殺害予告まで出たお
774 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2006/12/20(水) 23:56:20 ID:gHGKHfDn
VIPの奴ら、調子こいてると
興信所行ってIPから住所割り出して殺すかんね
まじ覚悟しておけよ、お、こら
576 :
かき初め(二回目):2006/12/24(日) 20:52:00.45 ID:9Y79vnNi0
投下いきます。正直、執筆より推敲と、レスの字数合わせの方が体力気力共に使った。くたくただ
577 :
品評会作品「Growth」1/5 ◆LvPDgMGhDE :2006/12/24(日) 20:53:27.47 ID:9Y79vnNi0
今でも、よく思い出す。
その広さが予算の精一杯だったんだろう。僕の家は、例えば学校のクラスメイト達のものと比べて、一回り
程小さく、庭も無く、でもその代わりに、縦に長い3階建てだった。屋根は中世のお城のように円錐状で、そし
て天窓つきの屋根裏部屋があった。
屋根裏部屋。小さな子供が秘密の隠れ家に使うにはもってこいの場所だ。
勿論僕もそうしいていた。家が狭い分、そこは基本的には物置代わりになっていて、古い家具や衣類や、非
常用の道具類などが詰め込まれていた。それでも子供が一人入り込んで、自分だけの遊び場にするだけの
スペースは充分にあった。
物心ついた頃から、僕はそこへ色んな物を持ち込んで、余って使われていないタッパーなどを宝箱代わりに
して溜め込んでは悦に入っていた。自分用の子供部屋も割り当てられてはいたけれど、それとこれとはまた別
だった。両親と同じ家の中だけど、自分の部屋もあるけれど、全くの一人ぼっちになれる空間はここだけだ、そ
う思っていたし、実際そうだった。
かび臭い匂いと天窓から差し込む日差しに包まれて、僕は自分だけの宝物、例えばセミの抜け殻や、虫かご
でこっそり飼う芋虫や、チョコレートのおまけのシールや、道端で拾った見慣れない空き缶やトラックのバッテリ
ーや釘なんかを眺めて楽しんだ。テレビで面白いアニメや映画を観た後には、ここに来て横になり、頭の中に
残る映像を何度も何度も再生させては余韻を味わった。その映像は、時には自分の理想の未来や、夢や、こ
れから起こるといいと願う楽しい日常だったりした。
たまに掃除や勉強の様子を見に両親がやってくる自分の部屋では、こうはいかない。
でも、自分だけの場所だと思っていた屋根裏部屋も、実はそうではないことにある日気付かされた。
輪ゴムでまとめたシールの位置が、昨日見た時と少し違っている。見飽きて放りっぱなしにしていたバッテリ
ーが、ほんの少し移動している。父が、母が、あるいは二人ともが、この屋根裏部屋に入った証拠だ。ここは僕
だけの場所だと言ったじゃないか。入る時は僕に一言断って、一緒に入ること、そう約束したはずじゃないか。
僕は怒りに震えてそう問い詰めた。
「何か危ないものでも拾ってきていたら大変じゃない」と母は全く悪びれずに言った。
「たまに仕舞っていた物を取りに行きたいこともあるんだから」と父は言い訳がましく言った。
僕は許せなかった。
屋根裏部屋に入るには、階段を上って、天井の嵌め戸を引いて開ける必要がある。僕はそこに仕掛けを施す
578 :
品評会作品「Growth」2/5 ◆LvPDgMGhDE :2006/12/24(日) 20:54:42.88 ID:9Y79vnNi0
ことにした。拾い集めていたバッテリーや釘を戸と天井の隙間の上に乗せ、何も知らないまま開けるとそれら
が降り落ちてくるように仕組んだ。
僕は本気だった。
数日後、父の頭にたんこぶが、顔にいくつかの切り傷が出来た。
「どういうつもりだ!」と父は激昂した。「謝りなさい!」と母は壊れた目覚ましのように連呼した。
僕は謝らなかった。当然の報いだと思った。
両親は押し黙り睨みつけるばかりの僕を家の外へと追い出すと、「反省するまでご飯は抜きだ」と告げてド
アを閉めた。反省するべきことなんて何も無いと僕は思った。冷たい夜風の中に僕はひたすら佇み続け、立
ち続けるのにも疲れると玄関に座り込み、そしていつしかそのまま眠った。
変な夢を見た。
*
白いカーテンが風になびく病室で、父がベッドに臥せっている。
「もうお父さんの命も残り少ないんだよ」と、父は僕に微笑みかける。
「今まで色んなことがあったわねぇ」と、母は傍らで林檎を剥きながら言う。
僕は何も言わず、花瓶から花々を抜き取ったり差し込んだりを繰り返す。
「そういえば、あんなこともあったなぁ」
「そういえば、こんなこともあったわねぇ」
「屋根裏部屋のことは覚えているか?」
「お父さんの顔が傷で一杯になって」
二人は僕に柔らかい笑顔を向けると、揃ってこう問いかける。
「ほんのいたずらだったんだよね?」
僕は花瓶を持ち上げて逆さまにし、中身を全てリノリウムの床にぶちまけて答える。
「本気だったよ。本気で殺すつもりだった」
*
気が付くと僕は自分の部屋で寝ていた。いつまで経っても家に入れてくれと懇願しない、そんな僕の様子
579 :
品評会作品「Growth」3/5 ◆LvPDgMGhDE :2006/12/24(日) 20:55:15.16 ID:9Y79vnNi0
を見に出た両親が、寝ているのを見つけて運んできたのだった。
数日間、僕は風邪で寝込み、そして屋根裏部屋の話はそのままうやむやになった。
*
今になっても、よく思い出す。
孤独な時間を大切に抱きかかえていたあの時の事を、そこで見つけた沢山の感情を切実に慈しんだあの時
の事を、今でもよく思い出す。
多分僕は、
*
白いカーテンが風になびく病室で、父はベッドに臥せっている。でも入院したばかりの頃と比べれば、もう血色
も随分と良くなった。
「来週には退院できるんだろ?」
僕は花瓶の花を取り替えながら訊いた。
「ああ、もう大丈夫だ。心配かけてすまなかったな」
父は窓の外から視線を戻し、そう言って微笑み、また窓へと視線を移す。早く家に帰りたいといった様子だ。
「術後の様態もいいって先生も言ってたわ。本当に良かったわねぇ」
母は傍らで林檎を剥きながら言う。
病気の話には家族揃って疎いので、腸にポリープができているので手術しましょうと聞いた時には、もう父の命
は風前の灯火なのかと勝手に思い込んで皆で落ち込んだ。
「ただ、やっぱり手術となると気持ちが落ち着かなくなるもんだ」父は言う。「正直、父さんの人生もこれで終わりな
のかもしれないと考えることもあった」
「やめてよあなた」
「これまでのことを色々と思い出したよ。あんなこともあったなとか、こんなこともあったなとかな」
「思い返すにはまだ早いって。でも、例えば?」僕は新しく活けた花をいじりながら、そう尋ねた。
「ん、そうだな、例えば……ああ、屋根裏部屋のこととかな」
父は、それももういい思い出だ、といった感じの軽い口調で言った。
580 :
品評会作品「Growth」4/5 ◆LvPDgMGhDE :2006/12/24(日) 20:55:46.58 ID:9Y79vnNi0
「……屋根裏部屋?」
僕はなんのことか分からないといった素振りでそう聞き返す。母はすぐに思い当たったようで、含み笑いしてい
る。
「お前が小さかった頃、屋根裏部屋を自分だけの場所だと言って大事にしていただろう」
「あたしたちが勝手に入るとすごく怒ってねぇ」
「それで釘やなんやかやを戸に仕掛けただろう。あれで顔に傷がついて、父さん仕事場でどうしたのかと会う
人会う人に言われたんだぞ」
「ああ」僕はようやく思い出したといった風に、「そんなこともあったっけね」
「あれはいたずらにしては危な過ぎたな」
「うん。あれはやりすぎだったと今はよく分かるよ」
僕はそう言って、父と母に微笑みかけた。
心の底からの、邪気なんて何も無い笑顔を作って。
出来るだろうか、今の僕にはもうそれが出来るようになっただろうか、そう少し心配だったけど、でも、大丈夫
だった。
多分僕は、自分を作りたかったんだろうと思う。
自分だけの場所で、自分だけの時間を、自分だけの感情で満たして。
そうやって、自分という人間を作りたかったんだろうと思う。
その大切な孤独の空間と時間に、例え相手が親であろうとも、踏み入られたくなかったんだろうと思う。
今の僕は、あの時の事をそんな風に捉えている。そしてその考えは、きっとそんなに間違いじゃないと思って
いる。
そうして生まれたのが、あの心からの敵意と殺意だったとしても。
「あの時は本当に殺してやろうと思っていたんだよ」
そう言わないことが、僕が僕になれた証だと思う。
なんだか変な話だけど。
「お前も誰に似たのか頑固で、絶対に謝ろうとしなくてなぁ」
581 :
品評会作品「Growth」5/5 ◆LvPDgMGhDE :2006/12/24(日) 20:56:37.83 ID:9Y79vnNi0
「あら、でもあのままじゃ風邪を引くって様子を見に出たのはあなたが先ですよ」
「ん、そうだったか?」
談笑する両親と、僕も一緒に笑った。
*
今でも、よく思い出す。
その広さが予算の精一杯だったんだろう。僕の家は……
<了>
582 :
妹と初詣:2006/12/24(日) 20:57:06.14 ID:qWlq1Efq0
まとめました。
583 :
凧(韓流):2006/12/24(日) 20:58:54.72 ID:ijYjeTSV0
>>596に期待wwwwwwwwww
M-1面白かったぜwww
584 :
猪(金歯):2006/12/24(日) 20:59:30.52 ID:w+kv4odp0
今までで一番漫才っぽい作品ってどれだろう
585 :
初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 21:00:35.22 ID:wBwWornEO
586 :
彼女と初詣:2006/12/24(日) 21:00:47.19 ID:qWlq1Efq0
落語系は多かったけど漫才系って少ないかもね。
587 :
初夢(蛇の夢):2006/12/24(日) 21:02:33.82 ID:fj9SG4Zb0
批評が楽しみだあー
待ってる間、他の方の作品も読んでみようかな
>>596に俺も期待
588 :
彼女と初詣:2006/12/24(日) 21:03:23.14 ID:qWlq1Efq0
なにがいじられてんのかと思ったら俺かよwwwwwww
589 :
書初め(虫よけスプレー):2006/12/24(日) 21:09:50.54 ID:/cSMXMmo0
諦めた
590 :
トリマーと初詣:2006/12/24(日) 21:13:00.84 ID:jn+FMHTE0
諦めない
591 :
巫女に初詣:2006/12/24(日) 21:15:59.47 ID:8R+dRVNx0
オーフェンかブレンのパロでも書けばいいじゃないと思う自分がいる
592 :
猪(給食中):2006/12/24(日) 21:17:27.70 ID:go3V7fc60
俺も諦めないが文才に関しては諦めた
593 :
書初め(虫よけスプレー):2006/12/24(日) 21:17:38.89 ID:/cSMXMmo0
594 :
VIP皇帝:2006/12/24(日) 21:19:32.03 ID:ijYjeTSV0
595 :
猪(過敏):2006/12/24(日) 21:21:15.71 ID:GcNpTF2n0
J'A`L
596 :
巫女に初詣:2006/12/24(日) 21:22:24.36 ID:8R+dRVNx0
神さまというのはきっと完全に立派で公平な人格者で、
強いものにも弱い者にも、彼女持ちにも独り身にも、
ただ平等に見守るだけで決してどちらか一方にえこひいきして
手を差しのべるなんてことはしないのだ。
なんてありがたいんだろう。
死んじゃえ。
597 :
書初め(家内安全):2006/12/24(日) 21:22:36.51 ID:PA5Y047AO
ほしゅ
598 :
猪(体操着):2006/12/24(日) 21:23:20.95 ID:MRE6AM160
599 :
初夢(蛇の夢):2006/12/24(日) 21:23:36.19 ID:fj9SG4Zb0
>>596 なんだっけ、それ…
どっかで聞いた気がする
600 :
猪(ちょっと臭いあり):2006/12/24(日) 21:23:36.26 ID:xVz9KHfD0
キーリか?
601 :
ウリ坊:2006/12/24(日) 21:36:15.00 ID:SN711j8Y0
キーリだね
602 :
◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 21:39:10.35 ID:pEFPMXXP0
品評会作品投下するよ><
603 :
馬鹿な夢だと言わないで(1/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 21:41:47.52 ID:pEFPMXXP0
俺が街の異変に気がついたのは、
時計の短針が左を向いた頃だった。
今日は携帯の目覚ましの設定を忘れていて、
いつもより少し遅めに起きてきた。
それなのに、いつも早起きの母も父も、居間にはいない。
今日は休日だから、ゆっくりしていたいのだろうか。
テレビをつけると、画面には何も現れない。
いつもやかましい、鳥の泣き声も聞こえない。
気味が悪いまま、時間は過ぎる。
―――静寂。
緊張の限界がきて、俺は親を起こしに行く。
寝室には、父と母が眠っていて、少し安心した。
「母さん。母さん、朝だよ」
揺らすが、全く起きようとしない。次にもう一度、さっきよりも強めで、
それでも何の反応も得られ無かった。父も同様。
叩いても、揺らしても、水をかけても、叫んでも。
ある種の病かと不安になり、救急車を呼ぼうと電話をかける。
しかし、どこにも繋がらなかった。
俺は、胸を掻き毟りたい衝動のまま、家を飛び出した。
外の世界は普段と変わらない、ただの風景。
何の生活している様子も見られなくて、違和感が強かった。
一体どうなっているんだ。
俺は一人寂しく、今年のクリスマスを迎える。
604 :
馬鹿な夢だと言わないで(2/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 21:42:37.09 ID:pEFPMXXP0
それから時間だけが経って、今では正午を越えていた。
俺はというと、この変な街をずっと歩き回っていたが、
何の変化も見られなかった。
ただ、どういう状況なのかが、なんとなく分かる。
動物は、人も含めて皆消えたわけではなく
――眠っている。
二十四時間営業のコンビニでは、店員が立ったまま寝ていた。
外では、猫や烏などが寝息をたてている。
この冷え込む中で、凍死しないだろうか、と少し不安になる。
どうしてこんな事になっているのだろうか。
皆が魔法をかけられたかのようで、世界は俺一人だけ?
誰もいない……一人の世界……一人……。
何か頭に引っかかる物があった。
そう。あれは確か、昨夜のこと。
「あーあ。自分の好きな女の子と二人だけの世界になれば良いのに。
そんで、二人で公園の丘から夕日を眺めたら気持ち良いだろうな」
そんな馬鹿らしい事を想像、いや妄想していたのを思い出した。
いやしかし、そんな非現実的な。自分の願ったことが叶うなんて……。
そうぶつぶつ言いながらも、俺は足早に優子の家に向かっていた。
彼女のことは、ずっと、近所に住むただの幼馴染としか思っていなかった。
しかし日に日に女の子らしくなっていき、恋愛感情を持ち出したのはいつ頃だったろうか。
五分もかからず、家に着く。インターホンを鳴らすときは、いささか緊張したが、
数分経ってからそれが無駄だと確認した。
ノブを回すと、あっけなく開く。鍵はかかっていないようだ。
605 :
馬鹿な夢だと言わないで(3/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 21:42:59.26 ID:pEFPMXXP0
さすがに、好きな女の子の家に侵入するのには抵抗がある。
お邪魔しますと一応声もかけるが、自分の床を踏む音まで聞こえるほど、
神経を尖らせているのは、泥棒の心境のようで自己嫌悪に陥る。
もし両親が起きていれば、不法侵入で警察を呼ばれても文句は言えない。
心臓が高鳴る。特に問題も無く、優子の部屋の前に来た。
ご丁寧にも、ドアに優子の部屋と札をかけている。
ノックをしようと、右手を体の方に引いたとき。
中から、誰かがすすり泣く声が聞こえてきた。
俺は、素早いながらも穏やかにドアを引く、
「優子? 大丈夫か」
彼女はゆっくり俺の方を向いて、呟いた。
「遅いよ……」
そして、また泣き出した。安堵の涙ともとれた。
「どうしても、パパもママも起きないの」
「ああ、知ってるよ」
どうやら、彼女が起きているということ以外に変わったことは無かった。
それでも、もう一人では無い。孤独じゃ無い。
これで、確かに俺の望みが叶ったことを示しているが、
どうしてこうなったのかはわからないまま。
つまりは、何の解決案も見当たらなかったが、前ほどの悲壮感は無い。
「拓也君にメールしても、連絡とれなかったんだから」
え? と俺は間抜けな声を上げる。迂闊。携帯に関心を向けるのを忘れていた。
ここにいても、何の進展も無いので、俺たちは何かを探し歩いた。
どこに行くでもなく、何を求めるのでもなく。
何気ないお喋りを楽しむ余裕も生まれていた。
彼女の顔からも笑みがこぼれてきて、この状況に絶望なんてしなかった。
楽しいとさえ、思ってしまった。俺の望んだ世界なのだから。
606 :
馬鹿な夢だと言わないで(4/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 21:43:47.03 ID:pEFPMXXP0
結局、何一つも誰一人も起こせないまま時間は過ぎる。
朝よりかは、時計の進み方がずっと早く感じた。
夕日が西の空に見える。
近くの公園に寄って、ブランコに腰掛けた。
「俺達、二人だけか」
寂しいな、聞くと彼女はかぶりを振った。
「ううん。実は結構ね、楽しいよ」
俺の方こそ。そう思ったが、口には出さなかった。
こんな中だから、本音が出せる。誰にも邪魔されず、二人きりだから勇気が出る。
俺が暴走気味に、告白したいと思ったときに、彼女が言った。
「私が一人で気が狂いそうだったときに、拓也君が来てくれたの」
嬉しかった、とそう言い、俺も心を決めた。
「あ、あの」
「私ね、昨日の夜かな。もし願いが叶うなら、拓也君と二人だけの世界になれば良いのにって思っちゃったんだ。
俺の言葉は、途中で途切られた。俺はどきっとする。悪戯がばれたときのような気持ちになる。
「だから、こんな事になっちゃったのかな。ごめんね」
「いや……俺も同じ事考えたんだ」
再び、静寂。自然と視線が合う。ゴクリと音をたてて、唾を飲む。
「夕日が、見たいんだ。向こうの丘から見える夕日を」
「私も、同じこと考えてた」
俺から彼女の手を握って、歩きだした。
どこか、確信を持って、その場所へ向かっていく。何かに引っ張られるかのように。
そして、丘の上で信じられないものを見た。
夕日の見える角度、冷たい風を浴びて、二人寄り添うように、同じように手を繋ぎ、
俺たちが眠っていた。見間違うことなんて無い。正真正銘の拓也と優子。
呆気にとられながらも、俺は呟いた。
「夢なのかな、この世界が」
「……やけに、現実的だね」
607 :
馬鹿な夢だと言わないで(5/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 21:44:11.05 ID:pEFPMXXP0
俺達の二人の願い。全く同じ願いを同じ時間に思って、
それをサンタクロースが叶えたのだろうか。
そんな乙女ちっくな事も、こんな状況では思ってしまう。
自分で自分を起こそうとする。この奇妙な感覚。それでも、
やっと答えを見つけたような気分で、自分を起こそうとすると、優子が俺の腕を掴んだ。
顔を赤らめながら、言葉を必死に紡ぐ。
「これが夢なら……覚めたくない!」
風が吹き、木の葉のざわめく音。告白ともとれるその発言に、俺の心もざわついた。
そんな目で見つめられたら、俺の気持ちも鈍る。別に、今すぐ起きる必要なんて無い。
けれども、あくまでこれは夢にしか過ぎないのだから。
「もし、この思いが幻じゃ無いのなら」
彼女は俺の言葉、一言一句逃さないようにしている。
あなたがいたから、俺は孤独じゃ無かった。
俺は続ける。
「目が覚めれば、連絡をとろう。今日のクリスマスは一緒に過ごそう」
彼女は、一瞬静止して、ゆっくり頷いた。その顔に笑みをこぼして。
俺も自然と笑って、ポケットの中から携帯を取り出した。
「また、あとでね」
俺は、携帯の目覚ましを鳴らして、二人の耳元に近づける。
ジリリリリリリリリリ
寒さと目覚ましの音で目が覚めた。
もう少し、眠っていたい衝動に駆られる。全然疲れがとれていない。
手探りで携帯を見つけて、目覚ましを止める。
ふと気がつくと、携帯に優子からメールが届いていた。
「おはよう。 起きた?」
今日はやけに冷え込む。何年かぶりの白い聖夜が見られそうだ。 (了)
608 :
◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 21:45:58.43 ID:pEFPMXXP0
以上ッス。
毎度毎度、投稿レス限界まで書いてサーセン。
どうせ例年通り、クリスマスイブは暇なので、
2作品目考えてきますノ
609 :
彼女と初詣:2006/12/24(日) 21:46:21.74 ID:qWlq1Efq0
まとめマスタ
610 :
猪(メイド服):2006/12/24(日) 22:02:28.42 ID:xKjr6GYSO
お題ください
611 :
書初め(一人身脱却):2006/12/24(日) 22:03:33.03 ID:/cSMXMmo0
恋人と二人きり
612 :
猪(白髪):2006/12/24(日) 22:05:38.25 ID:w+kv4odp0
のやつは死ねばいいのに
613 :
猪(緑):2006/12/24(日) 22:06:57.58 ID:go3V7fc60
とか言って俺の隣で寝てる
614 :
初夢(宝船の夢):2006/12/24(日) 22:07:04.85 ID:fj9SG4Zb0
たとえばチェーンソーで真っ二つとか
615 :
猪(ケツ拭くの忘れた):2006/12/24(日) 22:11:00.17 ID:xVz9KHfD0
残酷ですわよ
616 :
凧(韓流):2006/12/24(日) 22:15:02.88 ID:DZ0f+sKU0
プルルン
617 :
◆D7Aqr.apsM :2006/12/24(日) 22:20:58.96 ID:II85zbgn0
なんかそこそこに過疎ってるのは、あれかい?
みんな幸せにケーキを囲んだりしてるからかい?
ってなわけで、カオス前に投下してもいい?
618 :
猪(不倫中):2006/12/24(日) 22:23:50.74 ID:MRE6AM160
どぞどぞ
619 :
天使までの距離 1/5 ◆D7Aqr.apsM :2006/12/24(日) 22:24:33.68 ID:II85zbgn0
白い、小さなフェリーは、十五分ごとに汽笛を鳴らして船着き場を離れていく。
午前八時。休日の朝、半島からほんのわずか離れた島へ渡る玄関口となる
フェリー乗り場は、ゆったりと活気づき始めていた。
港前の広場。公園となっているそこは、赤と緑と金色に包まれていた。
ホテルのエントランスに続く階段から、俺はその広場を眺めていた。
中央に大きなモミの木。冷たいくせにやけに目に刺さる青い光が全体を
包んでいた。頂上にある星は、その中央にこの街の観光協会のマークがプリント
されていた。ぶら下げられたプレゼントの箱を模したオーナメントは、洋服屋や、
化粧品店などのロゴで埋め尽くされている。
ツリーの根本近くに、髪の毛を二つに結った小さな人影。距離にして二百メートル。
身長は百四十から百五十センチの間。女の子。距離やものの大きさを目測するのは
職業病みたいなものだった。
――それにしても酷いツリーだ。
ため息を一つついて、階段を降りる。公園を突っ切って次の目的地へと歩きはじめた。
さっきから立ちつくしている少女近くを通り過ぎる。紺色のピーコート。ベージュの
コーデュロイのズボン。革靴。どれも自然で落ち着いた輝き。高級品。たぶん島の
高台あたりに家がある、いいところの娘なのだろう。身長を補正。百四十五センチ。
多分、中学生ぐらいだろう。
すれ違いざまに、顔が見える。栗色の髪。大きな、瞳も同じ色だ。
だが、その瞳に光るものがあった。涙。
大人でも子供でも、それぞれに抱えているものがある。
「ひどいありさまよね」ぽつりと彼女がつぶやく。
「そう思わない?」俺をまっすぐに見上げる。
「ああ、そうだな。ひどい。こんなツリーをつくった人間の美意識を疑う」
「でも、その人達だって仕事として仕方なく作ったかもしれないわよね」
「リアリストだね」
「そう? そうかもね。ごめんなさい。いきなり話しかけたりして」
俺は軽く肩をすくめると、彼女を残して歩き出した。
620 :
天使までの距離 2/5 ◆D7Aqr.apsM :2006/12/24(日) 22:24:55.31 ID:II85zbgn0
30歳前で軍を除隊して、この街にやってきてから半年以上が過ぎようとしていた。
生活レベルの低い半島側にアパートを借り、しばらくの間、つましく暮らすだけであれば、
これまで稼いだ金で暮らすには充分だった。
散歩と、時々図書館へ通うばかりの日々。知り合いも、係累もこの街にはいない。
この季節、その散歩にクリスマスツリーの品評、というイベントが加わっていた。
大きなビルや広場には必ずと言っていいほどツリーがおかれていた。さまざまに
飾り付けられたそれは、見ていて飽きることがない。
「ねえ。この街で最高のツリーを見たくない?」
ふり向くと少女は腕を組んでこちらを見上げていた。
「最高の?」
「少なくとも去年はベストだったわ。この調子でいくと今年も一番になりそう」
まっすぐに俺の前まで少女は歩いてきた。
その背後でかすかに動く人影が三人。見慣れた配置。おそらく尾行。
良家の子女が護衛を連れて買い物、なんて光景は島の方ではそう珍しい
ものではない。しかし、尾行をつれている中学生ぐらいの女の子、というのは
穏便ではなかった。平穏な生活を守る権利は俺にもある。
「だいぶ珍しい取り巻きを連れて――」
「逃げたいの。助けて。お願い」
にこやかな表情を変えずに、少女は遮る。瞳だけが笑っていない。
「人として扱われてないわ。道具……って言ってもいいかも」
伏せられる瞳。組んでいた腕が、身体を掻き抱くようにする。
次第に近づいてくる人影。足の運びや、視線の配り方は、訓練された人間
特有のものだった。一番近い尾行者まで距離、二百五十メートル。
「ジャンプイン、解る? 三十分の船がもうすぐでるわ。セントラル行き。いい?」
俺は小さく肯いた。ジャンプイン。桟橋を離れかけたフェリーへ飛び乗る遊び。
船員が気づかなければ無賃乗船できる。俺はうなずいた。
ぐるり、と奴らを迂回して俺が元いたホテルの前の階段まで戻った。
距離を開けて男達が付いてくる。
階段を中程まで上ると、俺は彼女の二の腕を強引に掴んだ。
621 :
天使までの距離 3/5 ◆D7Aqr.apsM :2006/12/24(日) 22:25:17.66 ID:II85zbgn0
彼女はそれにあらがう素振りを見せる。歩きながら話した打ち合わせ通り。
「やだ! ちょっとやめてよ!」
ホテルの前。男と、明らかに未成年の少女。周囲の目が集まる。
「おい! やめろ! なにをやっている」
尾行してきた男のうち二人が走り寄ってくる。俺の肩を掴む。強い握力。
そのままの流れで関節を決められる位置。――それだけに、わかりやすい。
逆手に相手の腕を掴むと、そのまま振り回す。もう一人が慌てて駆け寄るのに
向けて男を投げ飛ばした。二人が絡まるようにして階段を落ちる。
もう一人の男は、携帯を取り出し、どこかへ連絡を取っているようだった。
間髪入れずに少女はフェリー乗り場へと走った。俺も後を追う。
フェリーの出航を知らせる汽笛の音が響く。
緑色に塗られた鉄板の通路を抜けて、乗り場へ出た。制止しようとする係員を
無視して走る。徐々に桟橋から離れ始めるフェリー。少女が髪の毛を翻して
飛び乗った。船は次第に加速していく。一瞬、自分の身体に不安を覚える。
「飛んで!」少女の声が響く。
もう一度、体制を低くして加速。桟橋からフェリーまでの距離が三メートルまで開く。
思い切り踏み切った。一瞬の浮遊感。
腕に衝撃。フェリーの手すりにしがみつくようにして、俺は身体を引きずり上げた。
フロア四階分を吹き抜けにしたその場所は、周囲をぐるりとガラスで囲まれていた。
すぐ向こうに、さっき渡ってきた海が見えた。街の喧噪もここまでは聞こえてこない。
空調の静かなうなりだけがこの場所を満たしていた。
円形の部屋の中央に、天井まで届きそうな、大きなクリスマスツリー。朱と緑の
ベルベットのリボン。金色の大きなボールがバランス良く配置されている。木は
イミテーションではなく、本物のもみの木だった。確かに良くできたツリーだった。
豪奢な雰囲気を、針葉樹特有の香気が引き締める。
国際会議場の最上階。銀色の小さなプレートには、センターホール、と書かれていた。
会議場自体は入ることはできないが、このホールまでは誰でも自由に入る事ができた。
穴場と言えば穴場だろう。
「あの。ありがとう。助けてくれて」
622 :
天使までの距離 4/5 ◆D7Aqr.apsM :2006/12/24(日) 22:26:25.43 ID:II85zbgn0
ガラスの壁面に寄りかかり、俺は大きくため息をついた。
「助けた……のだろうが……。少しばかり事情を聞かせてくれないか?彼らは、
君のボディーガードか何かじゃないのか?」
彼女に乱暴をはたらこうとした時、俺を制止しようとしたあの動き。どう考えても
彼女だけを目的としている人間の取るものではなかった。
「ごめんなさい。でも、逃げたかったのは本当なの」
「お嬢様の気まぐれ、か。まいったな。カンが鈍ったか。……まあいい。とっとと
お屋敷だかお城だかに帰れ。タクシーでも拾えば、あとは家の執事かなんかが
面倒みてくれるだろ。ボディーガードの奴らには謝っておけ。あとで意趣返し
されたらかなわん。身から出た錆とはいえ、こっちはただの小市民なんだ」
少女は大きな瞳を見開いて、俺を見ていた。許しを乞うでもなく。怒りを向ける
でもなく。
「――本当に、ごめんなさい」
ぽつりとつぶやくように言うと、彼女はツリーに向き直った。
コートのポケットから、ガラスでできたボールのオーナメントを取り出し、枝の
一つにつけた。
「毎年やってるの。あたしが選んだ、その年一番のツリーに、オーナメントを
一つ。これも、身勝手と言えばそうなんだけど。でも、せっかく誰かが作ったのに、
二十五日を過ぎたら、あっさり捨てられてしまうから。せめて、その間だけでも
何かできないかな、って思って」
何かを弁解するように、彼女はコートの前で手を所在なさげに動かしていた。
「それも、終わったし。えーと。じゃあ。行きます」
くるり、と出口に向かって歩き始める。小さな背中。
今日何度目かのため息をついた。
「すまん。こっちも言い過ぎた。自分のミスに苛立ってたんだ。――確かに、
このツリーは一番いいツリーかもしれん」
ふり向いた少女の顔は、冬の空に日が差したように明るく見えた。
ガラスに背中をあずけて、彼女はぽつりぽつりと自分の身の上を話し始めた。
かなり高い社会的地位がある両親。すれ違いの生活。クリスマスにした約束。
623 :
天使までの距離 5/5 ◆D7Aqr.apsM :2006/12/24(日) 22:26:46.93 ID:II85zbgn0
三人だけで過ごすはずの家族の時間。
「――でね、朝、目が覚めて居間に行ったら、みんな着替えてるの。お母さんは
パーティー用のドレスだし、お父さんはタキシード。あたしだけ寝間着。『さっさと
着替えなさい。出かけるわよ』って、どこに行くと思う? パーティ。しかも、
プライベートじゃなくて、ビジネス。あたしはアクセサリーなのよ。仲の良い家族を
演出するための。『一緒にいるじゃないか。何が不満なんだ?』って、全然違うと
思わない?」
会議場の中で見つけた自動販売機で買ったコーヒーを飲みながら、俺は彼女の
話を聞いていた。
「そういう感覚は、しばらく持ったことがないけれど、多分わかると思う」
俺は慎重に答えた。
「……何をしている人なの?」
「今は何もしていない。一人で暮らしている。図書館と散歩の日々だよ。
前は軍にいた。狙撃兵だった。仲間も、もういない。」
「一人は、寂しくない?」
「孤独である、というのは悪いことじゃあない。それに、一人でいることができる、
というのはとても大事な事だ。少なくとも、狙撃兵としてはとても役に立った。
もう狙撃兵ではないけれど、時間を全て自分の好きに使える、というのは
とても良いことだ」
彼女は静かにツリーを見上げていた。
「送ろう」俺は立ち上がりながら彼女に向けて手を差し出した。
「ううん、いいよ。……ねえ、街で見かけたら、また、声をかけてもいい?」
彼女はツリーの前に立つと、振り返った。
俺がうなずくと、彼女はにっこりと笑いってホールから出て行った。
ツリーを見上げる。
木の頂上。そこには、クリスタル製の天使が一人、飾られていた。
おそらく、街で彼女を見かければ、俺はひっそりと身を隠すだろう。
一人でいる時間が長すぎたのかも知れない。
俺には天使までの距離は、計れそうになかった。
624 :
天使までの距離 ◆D7Aqr.apsM :2006/12/24(日) 22:27:33.41 ID:II85zbgn0
<天使までの距離> 了
……くはー。今回は辛かった。
625 :
猪(黄色):2006/12/24(日) 22:35:41.10 ID:7Q4MSbU00
カオス宣言
626 :
猪(赤):2006/12/24(日) 22:42:48.56 ID:yJ82GPiK0
毎度の事ながら、投下の瞬間がいちばん緊張する。
というわけで、投下おk?
>>625は投下宣言?
627 :
姉と初詣:2006/12/24(日) 22:44:40.28 ID:UEgWimCs0
品評会2レスほど投下します
628 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/24(日) 22:44:59.38 ID:qWlq1Efq0
629 :
誰もいない何もない ◆gKtxKcuVo. :2006/12/24(日) 22:45:23.51 ID:UEgWimCs0
数ヶ月ぶりに外へ出た。
空気がおいしい。ずっと病院の中にいたから、外に出て空気を吸うのは久しぶりだった。
都会の空気だけど、今の私には、まるでアルプスの山の空気のように澄んだ空気の味に感
じた。
遠くから人々のざわめきが聞こえてきた。ここからは大分遠いはずなのに、まるで私は
今その雑踏の中を歩いているかのような錯覚を覚えた。道行くサリーマン。スーパーのビ
ニール袋持つ主婦。学生のカップル。お年寄りの集団。それらが、私の脳裏にはっきりと
映し出された。
私の手を、彼氏が引っ張った。私はそれに従い歩き出した。
彼氏の手はとても大きくて、しっかりとしていて、握っていてとても安心できた。二人
の手の間に僅かな汗が滲み、湿った手が滑ってしまわないようにと、彼はさらに強く私の
手を握ってきた。私もそれを強く握り返す。
「桜が綺麗に咲いてるよ」
彼が私の耳元でささやいた。
彼の言うとおり、桜の心地よい香りが私の鼻腔をくすぐった。とても懐かしい香り。
中学校の卒業式。当時付き合っていた彼と歩いた桜並木の下。見上げれば空一面に桜の
花びらが広がっていた。薄桃色の空は、風に揺れるとまるで夜空の星屑のようにきらめい
ていた。舞い散る花びらは太陽の光をきらきらと反射してとても美しかった。
私は今、あの時と同じように桜の下を歩いている。
踏みしめる大地は、これまでのリノリウムの床とは違う。砂利のでこぼこが、靴を通し
て足の裏に伝わる。足音は病院内の淡々とした乾いたものではなく、砂利のこすれる音が
無限のメロディーを奏でていた。
私は横を歩く彼の肩に頭を預けた。やわらかくて、けど筋肉のあるしっかりとした彼の
肩が私の頭を支えてくれた。
彼の匂いがする。病院内ではずっとベッドに横になっていた私。こんなに彼に近づいた
のは久しぶりだった。とってもいい香り。できれば顔をうずめてその匂いをかぎたかった
けど、そうしたら歩きにくくなるだろうから止めておいた。
彼が、唐突に歩くのをやめた。私もそれに従って立ち止まった。
630 :
誰もいない何もない ◆gKtxKcuVo. :2006/12/24(日) 22:46:17.64 ID:UEgWimCs0
「退院おめでとう」
「うん」
私は強くうなずいた。
手を伸ばして、彼の頬に触れた。彼の頬は濡れていた。
「どうして泣いてるの?」
私が震える声でそう訊いた。
けど、彼は何も言わなかった。何も言わずに、ただ私を抱きしめてきた。彼の大きな体
が、大きな腕が私を包み込んで、強く締め付けた。
彼の心臓の鼓動が私の胸に伝わってくる。彼の体温も一緒に伝わった。とってもやさし
いぬくもり。
私の唇に、彼の唇が触れた。
私がいた病室は大部屋でいつも回りには誰かいたから、私たちはキスをしたくてもでき
なかった。
久しぶりのキス。彼の味。懐かしい感触。心が落ち着いていく。
何十秒も何分もそうしていて、そしてゆっくりと私達の唇は離れた。
「俺が、ずっとお前を支えていってやるから」
声が震えていた。きっとまだ泣いてるんだろう。
私も泣きたかった。けど、私の目はもう涙を流せない。
「大丈夫だよ。私、がんばるから」
もう一度、彼が私の体を抱きしめた。
神様。お願いです。もう一度だけ。一度だけでいいから。私に彼の顔を見させてくださ
い。
誰もいない何もないこの世界で、せめて彼の顔だけでも……
お願いします……神様。
終わり
あれだ。ごめんなさい空気読めてなかった
631 :
猪(スポーツマンタイプ):2006/12/24(日) 22:47:24.54 ID:TDRJAEHK0
一人で発泡酒飲みながら食うスルメが美味い
632 :
わけあえないもの(1/3) ◆Lldj2dx3cc :2006/12/24(日) 22:48:33.55 ID:yJ82GPiK0
魔王の由来を知る者はいない。
邪悪な魔力をまとい、魔物の軍勢を率い、厳然たる玉座に鎮座する、魔の中の魔、王の中の王。魔王。
起源とともにあり、無限の暗闇において永遠に君臨し続ける暗黒の王。
彼の由来を知る者はいない。
魔王のよこしまな企ては、ついに人間界にも及んだ。
町という町、国という国はそのことごとくが押し寄せる魔王の軍隊に、あたかも砂の城の如く滅び去った。
幾千の魔物の前に、人間たちはただただ無力に過ぎる。
虫けらのように殺され、犯され、その惨憺たる有様は筆舌に尽くしがたい。
しかし、闇があるところには光もまた必ず存在する。
人間界の全土が魔王に掌握されんとしたその時、光の御子は突如姿を現した。
のちの世に勇者と謳歌される若者は、たった一人、魔物を蹴散らし、とらわれの王女を救い、あらゆる万難を排し、そしてついには魔王の膝元、魔王城にまで至った。
その細やかな気配を、魔王は感じていた。
「お前たち、ここはもういい。魔界へ帰れ」
魔王の一言は、すべての魔物へ瞬時に伝達された。
鍛え抜かれた魔王の軍隊は、忠実に最短時間で命令を実行せんと動いた。
彼を畏れ、またその分彼を信頼しているからだ。
魔物たちは魔王が光の勇者に蹂躙の限りを尽くさんことを、期待している。
だれも、魔王に声をかける者はいない。
数時間ののち、人間界からすべての魔物は消えた。
人間が減り、魔物も消えた人間界は、黎明の如く静かだ。
絶海の魔王城には、音ひとつない。
魔王は孤高にして元始より唯一の存在だった。孤独であった。
たった独り、人間界に取り残され、ゆっくりと息をついた。
魔物の消えた魔王城。暗黒のかたまりのなか、一筋の光を感じる。
光は徐々に徐々に闇を払拭しながら、城の頂点を目指していた。
あたたかい光が、登ってくる。
633 :
わけあえないもの(2/3) ◆Lldj2dx3cc :2006/12/24(日) 22:48:58.34 ID:yJ82GPiK0
勇者は孤高にして生来より唯一の存在だった。
力は強く、心は正義に燃え、単身で数千もの魔物と戦い、その終結を目指す。
彼は多くの悲しみを目にしてきた。
がれきの城を、毒沼と化した村を、死してなお魔物の手先として繰られる者たちを。
それらを、すべてたった二つの瞳に収めてきた。たった一つの心に留めてきた。
心を占める憎しみは、確かに義憤にも似た感情であった。
無辜の民をもてあそぶようにして殺し尽くした罪は、重い。
けれど、妖精の鎧よりもなお固い彼の心の淵では、さらに重い罪人から目をそむけている。
罪を問うことはすなわち正義を問うことともなり得る。
疑問は不要だった。疑問は振るう剣を重くする。
ひたすらに今、寂莫の城を登る。何にも支えられることなき、たった一つの光として。
果たして勇者は、きた。
王者の剣と妖精の鎧とを携え、魔王の前に一個の眩しい光として屹立している。
魔王は肌が粟立つのを感じた。
待っていた。待っていた。この瞬間、この邂逅のみを、待ち望んでいた。
勇者は息を整えながら、しかし油断なく魔王を見据えている。
迷いを封じた虹彩が、オパール色のきらめきを放っている。
招待するような姿勢を見せる魔王にも、不意打ちするような真似はしない。彼は勇者であるからだ。
けれど、けれど魔王はそれ以上のものを感じていた。
他の誰にも感ぜず、理解もされないこの情動を、もし許されるならば誰かと共有したいと思っていた。
それが出来るのは、ほかならぬ勇者でしかないと確信していた。
「よくきたな、勇者よ。
わしが王の中の王、魔王だ。
わしは待っておった。
そなたのような若者が現れることを……。
もし、わしの味方になれば、世界の半分をおまえにやろう。
どうじゃ? わしの味方になるか?」
634 :
わけあえないもの(3/3) ◆Lldj2dx3cc :2006/12/24(日) 22:49:20.83 ID:yJ82GPiK0
違うのだ。魔王らしからぬ偽りを口にしながら、そう叫びたかった。
違うのだ。そうではない。
こんな、挑発めいた戯言を言いたいのではないのだ。
勇者はすらりと王者の剣を構える。訣別の印。予定調和の終わり。
「御託はそれで終わりか、魔王」
ああ、よかろう。そうだ、それでいい。
我が身は世界を滅ぼすためにのみあり、お前は私を殺すためのみにある。
闇は光を理解しない。光もまた闇を理解しない。
それで、正しい。
一人ぼっちの光と闇とは、しかし決して互いに意を迎えることはない。
孤独の城に、瞬間、光と闇とが交差した。
了
635 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/24(日) 22:51:03.23 ID:yJ82GPiK0
クリスマス
独りきりにて
キョドる俺
なんかもう色々サーセン orz
世の中にサーセン orz
636 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:00:00.46 ID:qWlq1Efq0
23時となりました。
これ以降は作品が完成した人から投稿宣言をし、こちらの指示に従って投稿していただきます。
637 :
初夢(空も飛べるはず):2006/12/24(日) 23:01:32.11 ID:45pMAUaA0
帰宅し
録画しておいたM1グランプリを見て
チュートリアルだけもう一度見て
たっぷり満足したところでここの存在を思い出した俺が来ましたよ
品評会書いてねえwwwwww
638 :
◆kCS9SYmUOU :2006/12/24(日) 23:04:30.83 ID:7Q4MSbU00
はーい!
出来たから投下しますよっと
639 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:05:13.88 ID:qWlq1Efq0
◆kCS9SYmUOU どうぞ
640 :
ユキビトノオモイ 1 ◆kCS9SYmUOU :2006/12/24(日) 23:06:52.55 ID:7Q4MSbU00
今年ももうすぐ終わりを告げ、残るイベントはクリスマス、年越しのみとなった十二月二十三日。
この日、この町に観測史上まれに見る大雪が降った。
その雪は初雪であったにもかかわらずどんどん降り積もり、やがて積雪は三十㎝に達した。
たかが三十㎝、という人もいるかもしれない。しかしこの町は北国ではない。雪が降る、という時点で、
それはもう異例なことなのだ。
雪が積もれば子供が遊ぶ。それも当然のこと。
そして、その降り積もった雪で遊ぶ一人の子供によって、私は作られた。
「はい、これで完成っと」
ただの雪塊であった私に、ようやく目(みかん)が取り付けられ、私はやっと景色を見ることが出来た。
しかし私に与えられたものは、目と鼻と口、それと棒切れの腕しかなかった。そして鼻と口は、腕と同じく
棒切れであったため、匂いをかいだり話したりすることは、残念ながら出来なかった。
私が出来ることは、見ること、そして考え、想うことだけであった。
「ん~。なかなかいい出来だ」
目の前で腕組みをして私を見ていた少年が、満面の笑みを浮かべて頷いた。この活発そうな少年が、
私の生みの親なのだろう。私は「この素晴らしき世界に生み出してくれてありがとう」と感謝した。
しかし少年は私の想いなどわかるはずもなく、足早に家に入っていった。
そしてしばらくすると、少年が家から出てきた。母親らしき女性を連れて。その女性はカメラを持っていた。
「かーさん! 早く撮って撮って!」
少年は元気にはしゃぎながら、私の隣に駆け寄った。なるほど、写真か。
「はいはい。……それじゃあいきますよ」
母親はにっこりと微笑んだまま、カメラを構える。少年はにんまりと笑ってカメラを見つめている。
私は残念ながら表情を変えることが出来ないので、そのままでいた。
ぱしゃっ
軽いシャッター音が鳴った。そしてそのまま何回かシャッターを切ると、母親と少年は仲良く家に戻っていった。
私は、ただその様子を見つめていた。
その夜、家ではクリスマスパーティーが開かれた。家族で楽しそうに騒ぐ様子は、たとえカーテン越しでも
手に取るようにわかった。私は一人で、この聖なる夜を祝った。
641 :
ユキビトノオモイ 2 ◆kCS9SYmUOU :2006/12/24(日) 23:08:12.32 ID:7Q4MSbU00
翌日、十二月二十五日は、朝から雲ひとつない晴天だった。
朝も早くから、あったかいセーターに身を包んだ少年が、玄関から元気よく飛び出してきた。
手には夕べ貰ったのであろうおもちゃが握られていた。
すると玄関から母親が出てきて、走っていく少年を呼び止めた。そして母親は、「これを着けていきなさい」と
少年にマフラーを巻いてあげた。少年は母親に「ありがとう」と言うと、また元気よく走り出した。
母親は少年が見えなくなるまで、ずっと手を振っていた。そしてすぐに家に引き返していった。
少年は、私に気付かなかった。
午後から、徐々に気温が上がってきた。照りつける陽光が、あたりの雪を溶かしていく。
無論、私も例外ではなかった。
私が作られ、そして置かれていた場所は、庭の中でも比較的日当たりのよい場所だった。そのせいもあり、
私の体はどんどん小さくなっていく。
いやだ。消えたくない。この素晴らしい世界にせっかく生まれてきたというのに。
私の棒切れの腕が、力なく下がっていく。
いやだ。消えたくない。笑顔の少年をまだ見ていたい。
私の棒切れで出来た口と鼻が、重力に負けて落下した。
いやだ。消えたくない。私はまだ――
そこで、視界が黒くなった。そしてそのまま、私の意識も闇に呑まれていった。
642 :
ユキビトノオモイ 3 ◆kCS9SYmUOU :2006/12/24(日) 23:08:59.36 ID:7Q4MSbU00
――夕方。
友達の家から、少年が帰ってきた。
少年はふと思い立ち、雪だるまがあったところにいくと、雪だるまがないことに気付いた。
すると少年は、すこしつまらなそうな顔をすると、足元に落ちていたみかんを拾った。
そして特に気にすることもなく、家に入っていった。
また今夜も、家族の幸せそうな声が響く。
しかしそれを聞くものは、誰もいなかった。
END
643 :
猪(給食中):2006/12/24(日) 23:09:05.60 ID:F9tSTI5B0
644 :
初夢(すべてが夢):2006/12/24(日) 23:11:38.43 ID:mT2tm70J0
御題くださいな↓
645 :
牧師と初詣:2006/12/24(日) 23:12:32.69 ID:Xe6zl48d0
40歳
646 :
クワイ:2006/12/24(日) 23:12:34.39 ID:eIpSHcz30
待つ
647 :
初夢(すべてが夢):2006/12/24(日) 23:13:27.90 ID:mT2tm70J0
648 :
◆kCS9SYmUOU :2006/12/24(日) 23:14:13.12 ID:7Q4MSbU00
もっと酷いオチにしようと思ったけどやめた。
可哀相過ぎるから。
649 :
◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 23:15:39.79 ID:pEFPMXXP0
投下します
650 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:16:03.25 ID:qWlq1Efq0
◆/7C0zzoEsE どうぞ
651 :
ある寒い冬の道路で(1/3) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 23:16:51.94 ID:pEFPMXXP0
はい、ちょっとそこの車! 止まって!
そうそう、車を路肩につけて。
君、今何キロオーバーしていたか分かる?
十キロは越えていたよ、ほら。
しかも、何だその車は。いい年して……
改造は違反だよ。知ってる?
こっちの方は、取締り易しいとか思ってたんじゃないの。
全く、この寒い中頑張ってるんだよ。
え、車じゃないって? どうでもいいや、君名前は。
……ふざけないで、免許証だして。
ええ、このご時勢にサンタクロースなんて奇抜な名前あるかい。
ほら早く! そうそうそう、……ん?
なんだこの免許証、本物……だよな。
本名、サンタクロースかい。へえ、変な名前だね。
フィンランド出身かい、日本語上手だね。
トナカイ一級免許証って、ああ、車じゃないわけだ。
これ本物? どれ、
うおっ、噛み付いてきたよ、ちゃんとしつけといて。
652 :
ある寒い冬の道路で(2/3) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 23:17:20.64 ID:pEFPMXXP0
ああ、まあなんとなく状況は分かったけど、
交通ルールは守って欲しいんだよね。
道路を馬に乗って走っている人なんかいないだろう?
全く、空の方でも交通規制は厳しいのだから。
空飛ぶ車なんて、面倒なもの開発しちゃって……、
いや君に愚痴ってもしかたないね。
時間が無いの、って知らないよ。
え? おもちゃが何だって? トイザラスはもう閉店だよ。
今日び、子供達だってサンタクロースなんて御伽話だと思ってるから。
いいよもう、帰って。ちゃんと手続き済ませて帰国しろよ。
おいおい、何泣いてるんだよ。ちょっと、迷惑だから泣くなって。
何? 自分の存在意義が無くなって寂しいって? 孤独だって、知らないよ。
そんなこと言ったら、俺だって孤独だよ。こんな遅くまで警備の仕事に就いてさ。
家に帰っても、居場所はないし。娘は日に日に妻に似てくるし、
ああ、俺だってもう人生灰色だって……。
何、慰めてくれんの? お前優しいな。
よしここは俺に免じて行かせてやるよ。何、こんな仕事適当だよ。
その代わりと言っちゃあなんだが、このぬいぐるみを俺の家に届けてくれないか。
娘のプレゼントなんだが、渡せそうになくてな……。
653 :
ある寒い冬の道路で(3/3) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 23:17:40.70 ID:pEFPMXXP0
おお! 頼まれてくれるか。ありがとう!
いいか、俺はサンタクロースなんて非現実的なもの信じてないからな、
あんたという男に託したんだ。信用してるぜ。
じゃあな、体に気をつけろよ。
なあに、あと数年も経てば、またあんたを信仰する奴もでてくるさ。
おう、またな。
おい! ちょっと、だから信号無視は駄目だって! (了)
654 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:19:58.54 ID:qWlq1Efq0
残り10分です
655 :
◆/7C0zzoEsE :2006/12/24(日) 23:20:13.48 ID:pEFPMXXP0
以上でっす。
一応、品評会作品で、
勢いで書いてしまった。
しかもよく見れば第二回の優勝作品の劣化で、
今は反省している\(^o^)/
656 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/24(日) 23:21:16.69 ID:BuFP1BRx0
締め切りまでに投下しあmす。
657 :
◆3f0Xs6b.AU :2006/12/24(日) 23:22:57.60 ID:284U86sw0
予約します。
658 :
◆dx10HbTEQg :2006/12/24(日) 23:23:16.13 ID:MRE6AM160
投下予告ノシ
659 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:23:50.63 ID:qWlq1Efq0
投稿宣言は◆0UGFWGOo2c 完成してからにしてください
◆3f0Xs6b.AUどうぞ
660 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:24:21.83 ID:qWlq1Efq0
◆3f0Xs6b.AU
◆dx10HbTEQg
◆0UGFWGOo2cは完成したらもう一度宣言してください。
661 :
おれの戦争は終わった(1/2) ◆3f0Xs6b.AU :2006/12/24(日) 23:24:54.06 ID:284U86sw0
長い十二ヶ月の戦いから開放され、帰りの飛行機でおれは手帳を眺める。
ウベが来た日。ニジョーが死んだ日。マーイエが帰った日。タナカが死んだ日。戦闘があった日。残りの日数
を数えた日々。泥と血で汚れきった手帳にはおれの戦争が詰まっている。全てが信じれないような現実で、忘れ
られない記憶だ。
おれはその記憶から逃げるために目を閉じる。どうしようもなく震える体を抱え、睡眠薬を飲む。これで安心
だ。眠たくなるまでおれはおれに言い聞かせる。もう、あそこに帰ることは無い。
目が覚めれば、飛行機は着陸態勢に入っていた。おれはあわててシートベルトを締める。それからは、物凄い
速さで時は進んでいった。上官からの言葉。手続き。除隊。給与について。有難いお言葉。ほとんど覚えていな
い。おれはおれの国に帰ってきた。
そして、帰りの電車に乗る。眠りたかったが、右斜め後ろの男たちが戦争の話をしているのが耳につく。聞き
たくない話をおれの耳は拾ってしまう。戦争の情勢。兵士にならないかの政府広告。現地では子供殺しも。
手を振って近づく子供/笑いながら手を振り返すニジョー/こいつ手榴弾を持ってるぞ!/自爆する子供/吹
き飛ぶニジョー/次からは殺せ/くそったれ!
おれは頭を抑えて、息を整えようとする。最悪だ。敵が誰か判らない日々がぶり返す。ここはそうじゃないと
言い聞かせる。終わったんだ。やっと終わったんだ。
おれは睡眠薬を飲み、両手で耳をふさいで、耐える。薬が効くまでの辛抱だ。直ぐに楽になる。
揺すられて、おれは起きる。どうやら終点らしい。おれの故郷。親父とおふくろがいる町。懐かしさがこみ上
げる。ここらはバスで、十分ほどだ。五日前までは地球の反対にいたことを思えば、脅威としか言いようが無い。
駅から出ると、デモ隊がいた。なにか叫んでいる。おれはプラカードを見る。戦争反対。平和を。子供を殺す
な。兵隊は殺人者。
おれは引き金を引く/無意識に/敵の頭がはじける/訓練通り/おれは呆然とする/殺す気はなかった/
ごめん、ごめん/ おれは泣く/くそったれ!
おれはやってきたバスに飛び乗る。混乱する。わけがわからない。おれは睡眠薬に手を伸ばし、がまんする。
今寝れば、確実に寝過ごしてしまう。ただ、自分に言い聞かせる。ここはおれの国だ。おれの故郷だ。
662 :
おれの戦争は終わった(2/2) ◆3f0Xs6b.AU :2006/12/24(日) 23:26:03.89 ID:284U86sw0
やっとの思いで、家に着いた。ここ一年ぶりの安全地帯だ。おれはドアを開けて、かすれた声を張り上げる。
「ただいま!」
だが、返答が無い。家を探せば、テレビを見ている妹がいた。
「親父とおふくろは?」
「デモに行ったよ」
一年前。無理やり戦争に行ったおれ。心配そうに見ていたおふくろ。怒っていた親父。泣いていた妹。
「そうか」おれはそれだけ言えた。
自分の部屋で寝ようと思い、背を向ける。「兄ちゃん、ラジオ聞いたほうがいいよ」
おれはふらつく脚で、ようやく部屋にたどり着く。おれの部屋だ。女優のポスター。船の模型。戦争に行く前
と何も変わっていない。やっと落ち着ける。ラジオの電源を入れ、ベットに倒れる。そして、聞いた。
『終戦です! 終戦しました!』
初めての殺人/初めての戦死者/腐ったような目/腐った死体/言い聞かせる/これは国のためだ/これは残
してきた家族のためだ/全てが無駄に。
おれは睡眠薬を探す。だが、見つからない。震える手でかばんを漁る。見つかるのは拳銃。胃が脈動する。そ
のまま、ベットにゲロをぶちまける。
無性に戦場においてきた仲間の事が気になった。おれは手帳を取り出す。そして、おれより先に帰ったマーイ
エの電話番号が書いてあるページを開き、電話をする。
呼び出し音。マーイエはいますか。沈黙。マーイエは自殺しました。
あと二十日で帰るんだろ/孤立するマーイエ/あと八日、あと八日/帰っていくマーイエ/睨むおれたち/そ
のまま帰ってくる言葉/孤独/あと三日、あと三日。
おれは拳銃を握り締める。
銃口を咥える。
鬼軍曹の訓練/殺せ/殺せ/殺せ/殺せ/殺せ/殺せ/殺せ/殺せ。
引き金を引く。
<了>
663 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:26:33.74 ID:qWlq1Efq0
◆dx10HbTEQg どうぞ
◆0UGFWGOo2cは完成したらもう一度宣言してください。
664 :
だれか(1/2) ◆dx10HbTEQg :2006/12/24(日) 23:26:39.80 ID:MRE6AM160
たくさんの仲間がいた。なぜ、どうして? いきなり暗闇に閉じ込められ、僕は混乱した。
けれど、それ以上に僕は歓喜していた。狭い部屋で身動きは取れないし、状況もよく分からない。それでも今までの生活よりはマシだと思った。
「君はどうしてここに?」
「分からない。おまえは?」
「僕もわからない」
僕達は誰からも嫌われていた。僕達は誰からも避けられていた。
何が悪いのかは分かっている。僕達にはどうしようもないことなんだってことも。だって、生まれとか育ちとか、そういうものは変えようがないんだ。
仕方ないと思っていた。それでいいと思っていた。
変えられないのなら、受け入れるしかない。寂しさなんてもはや感じることは稀だった。一人でいるのが当たり前だったんだ。
「こういうのもいいもんだね」
「そうだね。ちょっと窮屈だけど」
仲間がいるというのは、何て幸せなことなのだろう。誰かと話せるというのは、何て楽しいことなのだろう。
孤独に慣れきった僕は、今までの生活が惨めでつまらないものだったのだと、気付かないでいたのだ。
でも、幸せであったのは少しの間だけだった。
ここにはたくさんの仲間がいる。たくさんの、仲間しかいない。
「お腹がすいたね」
「お腹がすいたよ」
ここにはたくさんの仲間がいる。たくさんの、仲間が。
なんとなく、部屋が広くなっている気がした。お腹がすいたね。お腹がすいたよ。
「お腹がすいたね」
返事がない。
不安になって、辺りを見渡すと、ちょっと前まで親しく話していた子が、消えていた。足の先っぽがぽつんと残されている。
辺りに響き渡るのは、むしゃむしゃと何かを咀嚼する、音、音、音。
「え?」
しゅん、と手が僕に振り下ろされた。――僕も食べられてしまうの?
死にたくない。その思いだけで、僕は反撃した。あっけなく相手は死に、血に汚れた体が僕に差し出される。
「ごめんね、ごめんね、ごめんね」
僕は死にたくないんだ。死にたくなんてないんだ。君たちを、食べてでも。
665 :
だれか(1/2) ◆dx10HbTEQg :2006/12/24(日) 23:26:52.39 ID:MRE6AM160
気が付くと、部屋がとても広くなっていた。おおい、おおうい。誰かいないの? 誰か話をしようよ。
呼びかけても呼びかけても、誰も答えない。僕は一人きりになっていた。お腹がすいたよ。
一人きりには慣れていた。でも、僕は友達のいる喜びを知ってしまっていた。
寂しいよ。ねえ、誰かお話をしよう? ねえ、お腹がすいたんだよ。ねえ、誰でもいいから。
「よし」
突然、まぶしい光が僕の目を焼いた。ああ、久しぶりの光だ。
楽しげな声に拾い上げられ、僕は喜びに打ち震えた。ああ、久しぶりの。
お話してくれる? 食べさせてくれる?
「ふふ、こいつを送りつけさえすれば、アイツはオシマイだ……。この呪いはよく効くらしいからな」
よく分からないけれど、僕を見つめる目はとても嬉しそうだったから、やっぱり僕も嬉しかった。
僕は必要とされている。惨めでもつまらなくもない、幸せな一生が送れるんだ。だって僕は一人じゃない。
だから、お話をしよう。食べさせてよ。ねえ、はやく、はやく……。
「蠱毒の完成だ」
僕は、とても飢えていた。
むかしこっぷりどじょうの目
666 :
◆VXDElOORQI :2006/12/24(日) 23:27:05.70 ID:/cSMXMmo0
いつも通りギリギリに投下予約っと
667 :
◆OuanYCuXpA :2006/12/24(日) 23:27:12.84 ID:uRgMfL1j0
じゃあ俺は投下しないで諦めますッ!
668 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:27:50.17 ID:qWlq1Efq0
◆VXDElOORQI どうぞ
669 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/24(日) 23:28:26.83 ID:BuFP1BRx0
ん?自分は宣言できてないってこと?
670 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:28:43.99 ID:qWlq1Efq0
671 :
◆NA574TSAGA :2006/12/24(日) 23:28:52.81 ID:kdR2ZeUO0
【作者の都合により、休載します】
672 :
◆BFHmFwSlrs :2006/12/24(日) 23:29:10.02 ID:w+kv4odp0
予約します
673 :
似たもの兄妹(1/5) ◆VXDElOORQI :2006/12/24(日) 23:29:16.64 ID:/cSMXMmo0
「お前さ、明日のクリスマスなんか予定あるの?」
コタツでミカンを食べていると、いきなりお兄ちゃんがそんなことを聞いてきた。
いきなり聞かれるので、つい動揺して皮を剥いていたミカンを落としてしまった。
「あ、あるに決まってるじゃない。彼氏とラブラブクリスマスの予定なんだから」
嘘です。ごめんなさい。
「お前、彼氏いたっけ?」
「失敬な。いるに決まってるじゃない。お兄ちゃんこそ予定あるの?」
「俺だって予定くらいにあるよ。彼女とラブラブクリスマスだよ」
今、ものすごく私達が似たもの兄妹ってことを実感した。
私にはお兄ちゃんに彼女がいないことが手に取るようにわかる。
逆に言えば私に彼氏がいないこともお兄ちゃんにはバレバレってことだけど。
「そ、そうだよねー。クリスマスに恋人と一緒じゃないなんてアリエナイよねー」
「おう。当たり前だろそんなこと」
「アハハハハ」と二人して乾いた笑いを漏らす。
しばらくしてその笑いは二人同時に「はぁ」というため息へと変化する。
「お兄ちゃん、私、明日のデートに備えてもう寝るから」
「じゃあ俺も寝るかな。デートに備えて」
お互い恋人などいないことはわかっているのに、この期に及んでまだ自己防衛的な嘘を
吐き続ける私達兄妹。
「お兄ちゃん、おやすみ」
「おやすみ。暖かくして寝ろよ」
私達は就寝の挨拶をしたあと、「はぁ」ともう一度ため息を吐いた。
「おはよー」
冬休みになったのをいいことに昼前まで寝ていた私が起きると、リビングにはオシャレ
をしたお兄ちゃんがいた。
「あれ? どっか出かけるの?」
「デートだよ。デート。お前もだろ? 準備しなくていいのか?」
「あ、う、うん。そうだよ。今から準備する」
すっかり忘れてた。それにしてもお兄ちゃんは昨日吐いた嘘を吐き通すつもりなのか。
674 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/24(日) 23:30:26.47 ID:BuFP1BRx0
675 :
似たもの兄妹(2/5) ◆VXDElOORQI :2006/12/24(日) 23:30:28.26 ID:/cSMXMmo0
無駄に男らしいな。
私も一応、出かける準備に取り掛かる。予定はなにもないけど。
「いってきまーす」
私達は誰もいない家に向かって挨拶をして、二人一緒に家を出た。
「じゃあ俺こっちだから」
「うん」
「お前、今日帰ってくるの?」
そりゃ帰ってくるよ。なんにも予定ないんだから。
「クリスマスだよ? 泊まってくるに決まってるじゃん」
あーあ。やっちゃった。
なんでこう無意味な見栄張っちゃうんだろ。
「わかった。じゃあな」
お兄ちゃんはそう言うと私の前から去っていった。
なんかお兄ちゃんの様子がおかしい。妙に余裕がある気がする。
まさか、本当にデートなんじゃ。昨日私が感じた兄妹の悲しい絆みたいなものは私の気
のせいだったのだろうか。二人で吐いたあのため息も、お兄ちゃんにとっては一人のクリ
スマスを嘆くものではなかったのかもしれない。
「はぁ。適当に街ぶらつこうかな」
いつまでもお兄ちゃんのことを考えていてもしょうがない。
私は一人で家にいるのも虚しいと判断して、とりあえず街の中心街に向かうことにした。
おとなしく家にいればよかった。私は自分の愚かな選択を嘆いた。
街はクリスマス一色。周りを見ればカップルカップルときおりサンタ。の格好をした店
員さん。お店は電飾で彩られ、楽しげなクリスマスソングを流している。すれ違う人はみんな腕を組んでいたり、手を握っているカップルばかり。
愚かな自分に絶望しつつ歩いていると不意に声をかけられた。
「あれー。こんなとこでなにやってんの?」
振り返るとそこには友達がいた。当然彼氏付きの。
「あ、あはは。散歩、かな」
676 :
黒豆(万粒):2006/12/24(日) 23:30:30.89 ID:3xVRNxFYO
なんだこのコテばっかの酷いスレは
677 :
似たもの兄妹(3/5) ◆VXDElOORQI :2006/12/24(日) 23:31:40.28 ID:/cSMXMmo0
「ふーん。そうなんだ。あ、私デートの途中だからそれじゃねぇーん」
そう言うと友達は隣にいた彼氏と腕を組んで、群衆の中に消えていった。
もうちょっと誰かと話していたかった気もするし、あの子とは一生口聞きたくないよう
な気もする。
そんなことを考えた後に襲ってくるのは虚しさ。その虚しさが私の頭を支配して、一つ
の結論を導き出す。
「帰ろう」
私は家路を急いだ。
これ以上ここにいたら心が死んでしまう。そんな気がした。
「鍵がない」
我が家の玄関で私はまた絶望に襲われる。
ないないない。ポケットにもカバンにも靴の中にもない。どうやら落としたらしい。
「はぁ」
私は今日、何度目かの、いや何十だろうか。とりあえずたくさんしたため息の回数をま
た一つ増やした。
今日に限って戸締り万全。ドアはもちろん、窓も全部鍵が掛かっている。
「最悪のクリスマスだな。はは」
自分の笑い声でまた憂鬱な気分になる。
私はドアの前に体育座りをして顔を伏せる。
最悪だ。なにもかも最悪だ。一人クリスマスだし、家には入れないし、同類だと思っ
ていたお兄ちゃんも今頃きっと彼女と楽しく過している。
みんな、この世から消えちゃえば良いのに。
なんてそんなことを考える自分が嫌になってまた憂鬱な気分になる。
「はぁ」
また一つため息のカウントが増える。
「私って嫌な子だな」
なんか泣きそう。私は今までよりもっと深く膝に頭を埋める。
どのくらいそうしていただろうか。不意に私の体になにかがかけられた。
678 :
猪(赤ら顔):2006/12/24(日) 23:31:48.41 ID:MgZNWzTH0
仕方ないから全批評がんばろう。
679 :
似たもの兄妹(4/5) ◆VXDElOORQI :2006/12/24(日) 23:32:17.83 ID:/cSMXMmo0
驚いて顔を上げるとそこにはお兄ちゃんがいた。私の体にはお兄ちゃんのコートがかけ
られていた。
「お前、なにやってんの?」
それはこっちの台詞だ。
「お兄ちゃんこそデートはどうしたの?」
「ありゃ嘘だ。俺に彼女なんているわけねーじゃん。昨日はつい見栄張っちゃってさ。お
前こそデートどうしたんだよ?」
あっさりと嘘と認めるお兄ちゃん。
「私も嘘。彼氏なんていないよ」
お兄ちゃんに釣られてか、あっさりと嘘を認めた自分に少し驚いた。
「だと思ったよ」
お兄ちゃんはニッと笑って私の頭をグシャグシャと撫でる。
髪が乱れるくらい乱暴に撫でられたのに、少し心地よかった。
「俺たちって似たもの兄妹だな」
そう言いながらお兄ちゃんは私の隣に腰を下ろす。
「そうだね」
「あ、そうだ」
お兄ちゃんはゴソゴソ荷物から一つの紙袋を取り出すと私に渡した。
「ほれ。クリスマスプレゼント」
「私に?」
「そうだよ。開けてみ」
封を切り中身を覗いてみると、そこには毛糸のマフラーが入っていた。
「もしかして、手編み?」
「なわけねーだろ。でもちょっと高いやつなんだぜ。それ」
私はマフラーを首に巻いた。
「暖かい」
「だろ。……は、は、はくしょん!」
盛大にクシャミをするお兄ちゃん。私はお兄ちゃんの首にもマフラーを巻く。幸いギリ
ギリ二人で巻けるほどの長さがマフラーにはあった。
「悪いな。お前へのプレゼントなのに」
680 :
似たもの兄妹(5/5) ◆VXDElOORQI :2006/12/24(日) 23:32:54.38 ID:/cSMXMmo0
「いいっていいって。それに私はお兄ちゃんにプレゼント買ってないし」
「それはそれでがっかりだけどな」
「えへへ。ごめんね」
玄関の前に座り込んでそんな話をしていると、不意に冷たい感触を手の甲で感じる。
私は不思議に思って空を見上げる。
「あ、雪」
空からは真っ白な雪が地上に向かって降り注ぎ始めていた。
「ホワイトクリスマスだね」
「そうだな」
「お兄ちゃん」
「ん?」
私のほうを向いたお兄ちゃんにニッと笑顔を向ける。
「メリークリスマス」
お兄ちゃんもそれにニッと笑って答える。
「メリークリスマス」
その笑顔は私の心の憂鬱を取り払ってくれたような気がした。
お兄ちゃんと並んで見る雪を見ながら思う。
似たもの兄妹ですごすクリスマスも悪くない。
「ところでさ」
私は心の中でずっと思っていた疑問を口にする。
「なんで家の中に入らないの?」
「……俺、鍵落としちゃったんだよね」
「え、お兄ちゃんも……」
似すぎるのも問題だ。
私は雪舞い散る寒空の下で心からそう思った。
おしまい
681 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:34:49.87 ID:qWlq1Efq0
>>674 申し訳ないが、宣言は完成してからじゃないと受け付けられないんだ。
◆BFHmFwSlrs先にどうぞ
682 :
サンタ、ラクダに乗る(1/3) ◆BFHmFwSlrs :2006/12/24(日) 23:35:42.76 ID:w+kv4odp0
その日、サンタ界に激震が走った。
イスラエル担当のサンタが乗ったソリが、ガザ地区でイスラム教原理主義者たちによって襲撃されたのだ。
トナカイ両名はそこで死亡、命からがら生き延びたサンタは拘束され、人質となった。
事件から数時間後、インターネット上に犯人グループの犯行声明が配信された。
犯人たちの要求は、2006年度の全世界におけるクリスマスの中止。
キリスト教圏以外の国にもその範囲を広めつつある、クリスマスという行事に対するイスラム教徒たちの危機感が如実に現れた結果であった。
翌日、サンタ界と国際クリスマス協会との緊急会議がヨーロッパで発足。
三日に渡る激論の末、議会はクリスマス断行を決意。
子供たちに一年たりとも淋しい思いをさせないためという名目で、人質になったサンタを半ば見捨てる形での結論となった。
この会議が開催されている時期、遠く東の島国日本では、クリスマス中止を叫ぶデモがネット世論に後押しされて大規模的に開かれた。
そのうち一部のマスクを被ったデモ参加者が、手当たり次第にカップルを襲う事件までが発生。
事件を起こした犯人たちは全員逮捕されたものの、日本は国際世論から非難の声を浴びせられた。
十二月二十五日、クリスマスプレゼントは無事に子供たちの下に届けられた。
ただ一カ国、イスラエルの子供たちを除いて。
683 :
2/3:2006/12/24(日) 23:36:23.48 ID:w+kv4odp0
未だ人質のサンタではあったが、犯行グループからまだ利用の仕様があると思われたのか、
すぐに殺されるということはなく、クリスマス翌日になっても拘束されたままだった。
ただし、妙な動きをしたら命はない、という条件つきで。
そのサンタが監禁されたのは、砂漠のど真ん中にあるずいぶん簡素な小屋であった。
砂漠と言っても近くに町があるのか、時折ラクダの往来があることが、サンタの監禁されている部屋の小さな窓からも見て取れた。
小屋の周辺には幾人もの見張りの兵士がおり、ここからの脱出は容易ではなさそうだった。
実際、サンタは諦めていた。このイスラエルの地で、孤独に人生を終えることを覚悟していた。
そう、見張りの兵士たちの交わす会話を聞いてしまうまでは。
深刻な水不足。
そのせいで周辺の町では、毎日何人もの命が失われていると言う。
ただでさえ少ない水は土地の富豪たちに買い占められ、貧困層は乾きにより次々と倒れているらしい。
サンタは、自分の命を捨てる覚悟で立ち上がることを決めた。
窓から小さな声で、ラクダを呼ぶと、トナカイの代わりに空を飛んでくれないかと相談した。
「僕もお世話になっているこの辺りの町のみんなを助けたい。でも僕は、トナカイさんみたいに空を飛ぶことは出来ない」
そう言うラクダに、サンタは不思議な力を使って羽を生やさせた。
ラクダは大喜びで、小窓から腹をつっかえさせつつもやっとの思いで這い出てきたサンタを乗せ、一気にサンタ界へ駆け上っていった。
サンタが逃亡したと知った犯人たちは大慌てで、サンタの捜索にかかった。
見つけ次第射殺せよ。犯行グループ各位にはそう命令が伝わった。
684 :
3/3:2006/12/24(日) 23:37:05.78 ID:w+kv4odp0
しばらくして、サンタは空からラクダの引くソリに乗って現れた。
犯人たちは命令に従い、サンタを地上から射殺。
銃弾が当たり、ソリに積まれていたパンパンに膨れ上がった白い袋が破れた。
その袋から、雲がモクモクと膨れ上がり、次第にそれは空一面を覆いつくし、やがてイスラエル中に雪をもたらした。
サンタはイスエラルの地で孤独に死んだ。
だが、彼のもたらしたクリスマスプレゼントにより、幾人もの命が救われた。
彼はイスラム教徒たちに手厚く埋葬され、しばらくしてイスラエルでは、毎年十二月の二十四、二十五日は国民の祝日になったという。
685 :
◆BFHmFwSlrs :2006/12/24(日) 23:37:29.08 ID:w+kv4odp0
完
686 :
初夢(またバイトか):2006/12/24(日) 23:37:49.91 ID:B4zSirO60
ちょっと確認したいんだが、今回のお題って孤独でいいんだよな?ww
687 :
友達と初詣:2006/12/24(日) 23:38:22.29 ID:kdR2ZeUO0
688 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:40:04.20 ID:qWlq1Efq0
とりあえずここまでで時間は締め切りです。
◆0UGFWGOo2c はすぐに投稿できますか?5分以内に投稿できるなら
656 ◆0UGFWGOo2c 2006/12/24(日) 23:21:16.69 ID:BuFP1BRx0
締め切りまでに投下しあmす。
を有効と考えて時間内にします。
689 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/24(日) 23:41:11.00 ID:BuFP1BRx0
690 :
猪(禁欲中):2006/12/24(日) 23:41:49.16 ID:TDRJAEHK0
何だか嫌な雰囲気が…
691 :
初夢(空も飛べるはず):2006/12/24(日) 23:43:35.98 ID:45pMAUaA0
もう5分過ぎてね?
692 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/24(日) 23:44:48.19 ID:BuFP1BRx0
やべえwwwwwwwもう無理だわ
投下やめますノシ
693 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:45:30.06 ID:qWlq1Efq0
>>692 では、時間外でもかまいませんので完成次第投稿してください。
残り15分でアワードの推薦も締め切ります。
694 :
初夢(またバイトか):2006/12/24(日) 23:45:39.97 ID:B4zSirO60
今回の批評は、
「これお題に沿ってないですよ」
が乱れ飛ぶとみた。
695 :
猪(禁欲中):2006/12/24(日) 23:46:26.21 ID:TDRJAEHK0
696 :
女装して初詣:2006/12/24(日) 23:49:25.16 ID:KNLRcX1y0
予想通りの展開だが孤独なのかこれ……みたいなんがな。価値観の相違というヤツだね。
697 :
書初め(今年こそ素人デビュー):2006/12/24(日) 23:51:48.70 ID:sWZhH+qi0
すいません、なんか変なの書けたので投下してもいいっすか
698 :
猪(カレー味):2006/12/24(日) 23:51:56.84 ID:7Q4MSbU00
覚悟の上だぜ!
699 :
女装して初詣:2006/12/24(日) 23:54:16.87 ID:KNLRcX1y0
>>697 宜しい、では投下だ!
俺が優勝した暁には混乱が起きない様にお題を「万歳」にしてやろう。
これがどういうことかというとこのお題だけは絶対にありえないと言うことだがな
700 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/24(日) 23:56:43.63 ID:qWlq1Efq0
残り時間5分切りました。
明日から投票期間になります。
701 :
書初め(今年こそ素人デビュー):2006/12/24(日) 23:57:10.93 ID:sWZhH+qi0
ちょっと待ってよく考えたら8ページもあるw
702 :
女装して初詣:2006/12/24(日) 23:59:06.76 ID:KNLRcX1y0
なあにたった八ページよ。
四十×三十でも一レスに丸々収まるんだ。それほどの量でもない
703 :
1/8:2006/12/24(日) 23:59:07.95 ID:sWZhH+qi0
携帯から連絡があって、僕は慌てて待ち合わせの公園まで駆け出した。
厚く積もった雪が、ザクザクと音を立てている。
とりあえず五分前には門に到着した。
僕が時計台をちらちら見ている間に、
Aが沈んだ表情で歩いてきた。
しかし僕の姿をとらえるやいなや、いつもの通りの笑顔に戻って駆け寄って声をかけた。
「また急に呼び出したりしてごめんね。待った?」
「ううん、全然。」
Aの目は真っ赤に腫れていて何とも痛々しかった。
きっと泣きじゃくりながら僕を呼び出したのだろう。
僕とAは幼稚園時代から続く幼馴染の関係で、今でもこうして互いに不本意なことがあったら慰め合っているのである。
といっても、発端はいつもAなのだが。
僕らは何も言わないで公園の中に踏み出した。
隣に歩くのは僕と歩くのに慣れきった人間である。
聞こえてくるのは雪の足音とAの溜息交じりの吐息だけだった。
十二月の冬空だけが、静かにこの公園を照らす。
昨日は確かクリスマスだった気がするから、今日は二十六日である。
そんなことを考えながら、僕はようやく口を開く。
「でさ、何かあったの?」
704 :
2/8:2006/12/24(日) 23:59:35.73 ID:sWZhH+qi0
Aは緩く首を縦に振った。しばらくの沈黙の後、ぽつりと口を開く。
「うん、Bがね・・・」
BとはAの彼氏である。
昨日はパーティーをしたと言っていたから、恐らくAとBで二人きりでしたのだろう。
その時に何か不都合があったに違いない。
少し話は逸れるが、Aに彼氏が初めてできたとき、僕はひどく微妙な気分になってしまった。
娘を嫁にやる父親のような気持ちと同じであり、自分だけ孤独の世界に取り残された。
「ケーキを作ってBと一緒に食べようとしたらね・・・・」
ケーキ、という言葉に背筋が凍った。
僕は一人用のを買って孤独に過ごしたっけ、昨日のクリスマス。
こんなことなら二人の部屋に乱入でもすりゃ良かったのかな。
「でね・・・・」
Aの台詞が急に途切れてしまった。
僕がびっくりして顔を覗きこむと、泣いていた。
悲しみがぶり返してしまったらしい。
僕は何と無くそこら辺の雪をすくって、Aの頭にそっと降りかけた。
Aはびっくりして僕を見つめたが、すぐに僕の知る笑顔になった。
すると今度はお返しと言わんばかりに、足元の雪をすくって、僕の頭目がけて投げつけた。
投げ終わると、ストレスが発散できたのか僕に抱きついてきた。
背の低い真っ白のコートに身を包んだ子狐は、人懐っこく鳴くように、僕に囁いた。
―――ありがとう、いつも優しいね。
一瞬、走馬灯が見えた気がした。
705 :
3/8:2006/12/25(月) 00:00:16.84 ID:q3MG5dez0
Aはしばらく僕に抱きついていた。
いつまでするんだろうと思っていたと、終わりの合図は突然にやってきた。
ぐるる、とAの腹の虫がなったのである。
思わずAの顔が赤くなった。
僕はAのこういう女の子らしいところが可愛いな、と昔から思う。
「とりあえず、何か食べよっか。おなかすいたでしょ。」
Aはやっぱり顔を赤くして頭を縦に振った。
僕らはファミレスに行くことにした。
大きなハンバーグセットをはんぶんこして食べながら、僕はAにかける言葉を探した。
二人とも食べ終わると、妙な沈黙が訪れた。
「そんなにBのトコに居るのが辛いなら、僕のものになっちゃえよ。」
「うーん、それもいいかな・・・」
曖昧な言葉を残して、僕らは会計を済ました。
もちろん僕が全部払った。
「えへへ、ゴチになります。」
Aは満足そうに僕に微笑む。
この笑顔に何度心奪われたのだろうか、想像もできない。
706 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:00:34.63 ID:YvK0IW+G0
アワード締め切りました。
707 :
4/8:2006/12/25(月) 00:01:07.54 ID:q3MG5dez0
今度は私鉄の高架下を一緒に歩いた。
ここも雪に覆われていて、真っ白だった。
しばらくして、終わったバスの停留所のベンチに腰掛けて、街行く人々を眺める。
人はまばらで、今までにも数人すれ違っただけだった。
しかし通行人の目には僕たちはどう映るのだろうか。
仲の良い兄弟か、それとも疲れきった恋人同士なのだろうか。
僕は後者であってほしいと願った。
Aは雪で遊んで暇を潰した。
何を作っているのかと思えばウサギだった。
できたウサギを手渡すと、僕はAの濡れた手袋を外して、赤くなった手を温めてあげた。
僕自身が冷え切っていても、Aに少しでも温もりをあげたかったからだ。
Bについての愚痴をこぼし終えて満足したAは、僕に感謝したあと、別れを切り出した。
「今日は、ありがとね。」
僕は正直名残惜しかった。しかしAがそう言ったのだから、仕方がない。
「送っていこうか?」
「ううん、一人で帰れるって。」
Aは手を振って僕とは反対の方向へ駆け出していった。
昔から変わらないな、僕はそんな風に思った。
白いコートは最後まで僕の目を引いた。
708 :
5/8:2006/12/25(月) 00:01:41.62 ID:q3MG5dez0
僕も家へ帰ろう。
諦め切れない気持ちを抱いて、帰路に立った。
どうしてこんな状況になってしまったのだろうか。
そんなことを考えていたら、また雪が降ってきた。
天気予報では言っていなかったのに。
風邪をひかないように、早く帰ろう。
僕の上着に、雪がまとわりつく。
二十七日の時報が時計から聞こえてきた。
自宅のドアの前まで来た。
中に入れば暖かいのに、僕はなぜだか開ける気力が無かった。
中に入ったら、一生外に出られない気がしたからだ。
僕はどうやったらAを自分の手の内に入れるかを考えた。
しかしBは僕よりも少しばかりかっこよくて、少しばかり身分が上で、少しばかり気さくだ。
それもそのはず、Bは僕の勤める会社の社長の息子である。
勝てっこないに決まっている。
自殺する、という逃げ方も自分の中で却下された。
僕が死んだら、Aはなんて顔するだろうな、それにもうAの相談に乗ってやれないじゃないか。
Aを悲しませるようなマネはしたくは無いのである。
「どうすりゃいいんだよ、全く。」
扉を叩きながらいつしか僕は、泣いていた。
僕はこのやり場の無い怒りを、どこにぶつければいいか分からなかった。
考えれば考えるほど、思いつめれば思いつめるほど、胸を苦しませて、ぼろぼろと涙が落ちる。
悔しくて、扉に頭を打ちつけた。
痛みなんて無い。
頭が真っ白になるまで、僕は何度も何度もくりかえした。
真っ白に・・・・。真っ白に・・・・。
709 :
6/8:2006/12/25(月) 00:02:12.88 ID:q3MG5dez0
・・・・・・・・・目がちかちかして、夢から醒めるように叩き起こされた。
実際に、誰かが手を鳴らしていた。
青年が目を覚ますと、病院の診察室に居た。
目の前には精神科医と思しき医者が居る。
手を鳴らして青年を起こしたのはこいつである。
「お目覚めですか」
「あれ・・・ここは・・・・?」
青年はあっけに取られて天井を見つめる。
耳を澄ますと、キャタキャタ、と変な音が聞こえてきたので目をやると、部屋の隅で看護婦が腹を抱えて笑っていた。
程なくして医者が口を開く。
「あの女を見て、あなたはどう思いましたか?恥ずかしい気持ちでいっぱいになったでしょう。そうでなくとも、人恋しく
なったんじゃないですか?」
「いえ、別に。」
はっきりとした手ごたえが無かったのか、医者は診断書を指ではじきながら、露骨に顔をしかめて言った。
「うむぅ、駄目でしたか。少しでも羞恥心ができれば、治療は完了するのだがなぁ。ま、いいや。今度の診察は年明けにな
るから、よろしく。ええと、正月七日でいいよね?」
「はぁ。」
医者はサインペンを取り出してカレンダーに丸をつけて言った。
「・・・・・僕もう帰ってもよろしいですか?」
「ああ、どうぞ。良い年明けを。」
青年はふらふらした足取りで診察室を出て、病院を後にした。
710 :
7/8:2006/12/25(月) 00:03:01.60 ID:q3MG5dez0
今年最後の患者の診察を終えて、医者と看護婦は診察室に残って後片付けをした。
看護婦はさっきまでの笑いの余韻を隠し切れないようだった。
医者は看護婦に忠告する。
「お前さ、このあとの忘年会でこの事ネタにするんじゃねぇぞ?仮にも患者なんだし、最近こういう連中が増えてんだから
。」
「・・・・・わかりました。いや、でもさっきの・・・・ぷぷぷぷ・・・・」
看護婦が笑いながら青年に使った注射器を片付けた。
「あれ、この薬・・・確か使用禁止の劇物だったはずじゃ・・・」
「お前知らないのかよ、出生率低下の話。あんまりにも低下しちゃったからその対策に、少しでもカップルが増えるように
、政府が特別にその薬を認めたって事。」
「え?そうなんですか。」
「やれやれ・・・・お前もわかるだろ、あの青年が見た幻覚。最近の若い連中にはああいった甘酸っぱい経験が足りないら
しく、だから一定の年齢以上の男で恋愛経験の無い奴は、こうやってトレーニングするんだ。少しでも人恋しくさせるた
めにね。」
「でも所詮は男なんて顔と脳と懐でしょ。それに本人の意思もあるのだし・・・ぷぷっ・・・」
医者が説明している隙を付いて、看護婦は手に輪を作りながら、またもふきだした。
「やっぱりさ、絶対に忘年会のネタにするだろ、お前。」
「え?分かりましたか?」
減らず口をたたく看護婦に医者が続ける。
もうすぐしたら、二人もこの病院をあとにするだろう。
再開は、年始の七日である。
711 :
8/8:2006/12/25(月) 00:03:28.04 ID:q3MG5dez0
外では二十七日が暮れていく。
クリスマスと正月の間で、人々は誰かと一緒に生きている。
一人じゃできない事が、この世の中にはあるらしい。
医者と看護婦は最後の仕事を終えると、医者に報告した。
その途中で、看護婦の携帯が鳴った。
「おい、院内は携帯の使用は禁止しているぞ。それに、看護婦が使っているなんて、
恥知らずにも程があるだろ。」
「ちょっと待ってくださいよ、今彼氏からメールが・・・・・・・・」
712 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/25(月) 00:05:16.29 ID:q3MG5dez0
以上初投下を終えます
713 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:05:33.22 ID:4I0gGd/70
投下よろしいですかな?
714 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:05:48.27 ID:YvK0IW+G0
715 :
ひとり ◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:06:19.73 ID:4I0gGd/70
孤独だって?ふざけている。
僕はこの閉鎖された空間にいて、一度たりともそんな感情を感じたことはない。
友達がいないからって「孤独」?
休憩時間は一人本を読んでいるからって「孤独」?
全くもって憤慨だ。人を見た目で判断するなと、習ってきてはいないのか。
とはいい、少しも孤独感に苛まれることがないと言えば嘘になる。
四十人一クラス。色んな人間がいるとはいえ、科ごとに振り分けられたクラスだ。
同じ科目を勉強したいと思ったもの同士、その中で気の合う人は多かろう。
そんな一種特殊な空間で、全く話し相手がいず、一緒に休憩時間を過ごす相手がいないとなってはそりゃ寂しくもなる。
そりゃ僕だって高校時代を楽しくエンジョイしたかったさ、友達やら彼女やら作ってさ。
でも僕には無理なわけだ。見た目からして地味にしか見えないわけだしね。
だからといって失礼ではないのか?
こともあろうにさっきのロングホームルームの時間、クラス中の生徒の前で、教師が
「木谷くんはいつも一人で孤独だろうから仲間に入れてあげよう」
だなんてふざけている。
別に僕は先生にそんなことを言ってもらおうだなんて微塵も思っていなかった。
そんな教卓の前で言われては、まるで僕が「僕は友達がいなくて寂しいから仲間に入れて欲しい」って言ってもらうように先生に頼んだみたいじゃないか!ああ、恥ずかしい。
僕はロングホームルームが終わり、昼飯の時間、始終そのことばかりを考えていた。
母の作ってくれたお弁当をせっせ、せっせと口に運びながら若い担任教師への反発心をどんどんと募らせていったのだ。
この高校に入学して、早5ヶ月。
ふと休憩で騒がしいクラスを見渡して見れば、いたるところにグループのような塊が完成しているようだった。
特に、昼休憩時のお弁当タイムはそんな塊がよく目立つ。
男女とも、親しい友人と群れを成しているから、クラスからはみ出し状態で全くクラス内の交友関係など関係ない僕でもすぐに誰と誰が同じグループなのか、と把握できてしまう。
僕は、そんながやがやと騒がしい空間の中で、一人ぽつんとお弁当を広げているわけだ。
少し寂しい。
716 :
ひとり ◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:06:47.63 ID:4I0gGd/70
母は、僕が毎日一人でお弁当を食べていることを、知らないのだろう。
きっとクラスで友達と仲良く机を囲みながら楽しく食べているのだと思い毎日僕のお弁当を作ってくれているのではないだろうか。
赤青緑、色彩豊かなこのお弁当は、僕の友達が見ても恥ずかしくないようにと見栄っぱりな母の感情が入っているのではなかろうか。
そう思うと、喉の奥がツーンとした。
割り箸を持つ手が、少し震える。
717 :
ひとり ◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:07:32.17 ID:4I0gGd/70
僕だって、友達の一人や二人欲しいと思う。でも、さ…。
入学式のときに、少しでも周りの奴らに話しかければよかったのかなあ。
ああ、今さら後悔したって遅いのに。
僕は途端に襲ってくる孤独感に苛まれていた。
先生の言った言葉なんて、きっとクラスの誰一人として気に留めていないだろう。
やっぱり僕は孤独だ。さっきは、先生に指摘されたことが苛立ち、頭の中で全否定してみたけれど、思い返してみると、僕は孤独と呼ぶしかない状態なのだ。
718 :
ひとり ◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:08:22.40 ID:4I0gGd/70
やっぱり僕は孤独だ。さっきは、先生に指摘されたことが苛立ち、頭の中で全否定してみたけれど、
思い返してみると、僕は孤独と呼ぶしかない状態なのだ。
わはは、とどこかの塊から笑い声が起きる。
僕は声のする方を見てみた。状況を見るに、クラスの中心人物的な男が、なにかおもしろいことを言ったらしかった。
はあ。僕はため息をひとつつく。
僕とは正反対の彼が、あまりにも羨ましかった。
僕はあまり気にしないように食べ終えたお弁当をキレイにふろしきに包み、鞄の中に入れると読みかけの小説を机から取り出す。
あと休憩時間は15分ほどある。十分読書ができるだろう。
僕ははさんでおいたしおりを抜いた。
719 :
ひとり ◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:10:45.15 ID:4I0gGd/70
どんっ
軽い衝突音がして、その瞬間僕の机と身体が前のめりに揺れた。
僕は驚いて顔を上げる。
「あ、ごめん!痛かった?」
そこにいたのは、同じクラスの女子だった。名前は…覚えていない。
「あ、ううん。だいじょうぶ」
「よかったーごめんね、友達とふざけててぶつかっちゃった」
「そっか」
異性と話したことない僕は、なにを言えばいいのか分からずとまどってしまった。
「木谷くん、本スキ?」
「うん、すごく好きだよ」
僕はとまどいながらも言葉を紡ぐ。
「へえ、すごいね!活字ばっかであたしは読めないや~」
へへへ、と彼女は笑う。
可愛い、と思ってしまった。
「おもしろい、よ。本。いい本あったら、教えるね」
僕はそう口にした後、しまった!と思った。
地味で暗い僕なんかにこんなこと言われたって気持ち悪いに決まっている。
「まじで?ありがと~。今度、木谷くんのオススメの本も教えてね」
彼女はにこにこと屈託のない笑顔を僕に向ける。
やばい。
「理沙ぁ戻ってきてよ~」
「あ、はーい!じゃあねー」
少し離れた場から、友達であろう人物に理沙と呼ばれた彼女は笑顔でひらひらと
手を振って去っていった。
720 :
ひとり ◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:12:03.74 ID:4I0gGd/70
理沙、さん。彼女の笑顔が、なぜだか頭から離れなかった。
読もうと思っていた本にも、集中できやしない。
ただただ頭の中をさっき交わした会話が字となってぐるぐると回っていた。
壁にかかった時計に目をやると、もう休憩が終わる時間だった。
今日も一人で過ごす休憩時間が過ぎる。
でも僕は、この休憩時間、ひとつ決心をしたんだ。
「ねえ、次の授業ってなにかわかる?」
僕は隣の席の男子に声をかける。名は、知らない。
「えっと、多分数学だよ」
「ありがとう」
僕は笑顔で礼を言った。彼は少しとまどい気味に、ああ。とだけ言った。
僕は、孤独という閉鎖された場から抜け出す。
理沙さんの、あんな優しい笑顔を見てしまったら、なんだか、そう、決心してしまったのだ。
721 :
ひとり ◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:12:47.34 ID:4I0gGd/70
以上です。
初投下ですが、改行にとまどってしまいやばいことに…。
722 :
年賀状(♂だらけ):2006/12/25(月) 00:13:18.55 ID:Y7ROIm5x0
品評会は五レス制限だぜ
十二時過ぎてるけどこれって有効なのかな
723 :
VIP皇帝:2006/12/25(月) 00:13:32.38 ID:F880A7NI0
レス数オーバーしてね?
724 :
猪(2ch中):2006/12/25(月) 00:13:50.49 ID:KlfWM54V0
725 :
布袋(ほてい):2006/12/25(月) 00:14:07.58 ID:D1QrHCZc0
時間外で問題ないかと思われ
726 :
猪(2ch中):2006/12/25(月) 00:14:35.23 ID:KlfWM54V0
(゚Д゚)↓お題下さい
727 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:14:35.44 ID:YvK0IW+G0
BNSKアワードが開催中です。
BNSKアワードとは、この一年にBNSKスレに投稿された作品の中から優れた作品に栄誉を与えよう という企画です。
エントリーされた作品は
http://bnsk.jf.land.to/wiki/bnskaward2006/index.php に掲載されます。
投票期間は12/25(月)~12/29(金)です。
開催される部門は以下の通り。
・BNSKアワード2006 品評会優勝作部門
週末品評会優勝作品の中で最も読者に支持された作品に与えられる賞
投票対象は品評会優勝作品部門ノミネート作品
・BNSKアワード2006 一般作品部門
一般投下された作品、および週末品評会において優勝を逃した作品の中で最も読者に支持された作品に与えられる賞
投票対象は一般作品部門ノミネート作品
・キャラクター賞
全ノミネート作からキャラクターの良さが目立った作品に与えられる賞
投票対象は全ノミネート作品
・VIPPER賞
全ノミネート作から最も才能を無駄遣いした作品に与えられる賞
投票対象は全ノミネート作品
728 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/25(月) 00:14:44.16 ID:HNnLLD0i0
729 :
凧(イナバウアー):2006/12/25(月) 00:14:48.20 ID:uMAPmLxV0
カオスの極み
730 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:14:51.29 ID:YvK0IW+G0
以上四賞を、ノミネートされた作品から選んで投票してください。
投票には次の投票用紙テンプレートを使用ください。
***********************【投票用紙】***********************
・BNSKアワード2006 品評会優勝作部門
――No.XX タイトル◆XXXXXXXXXX氏
・BNSKアワード2006 一般作品部門
――No.XX タイトル◆YYYYYYYYYY氏
・キャラクター賞
――No.XX タイトル◆ZZZZZZZZZZ氏
・VIPPER賞
――No.XX タイトル◆VIPVIPVIPV氏
********************************************************
投票は誰でも出来ますので挙って投票してください。
投票は一つの賞に複数を選んでもいいです。
また、選ぶものがない場合は対象無しでも構いません。
731 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/25(月) 00:14:57.69 ID:q3MG5dez0
矢印なら「殺人鬼」
732 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/25(月) 00:15:10.64 ID:HNnLLD0i0
733 :
猪(2ch中):2006/12/25(月) 00:16:13.74 ID:KlfWM54V0
それでは
「性の6時間」
「殺人鬼」
「恋人とのクリスマス」
で。複数作品に分けるかもです。
734 :
猪(2ch中):2006/12/25(月) 00:16:34.75 ID:KlfWM54V0
しまった途中で書き込んだ
ありがとうーノシ
735 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/25(月) 00:17:09.21 ID:q3MG5dez0
736 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:18:56.32 ID:4I0gGd/70
これって品評関係なしにお題もらったら書いていいのか!?wkwk
お題が欲しい。
737 :
布袋(ほてい):2006/12/25(月) 00:19:37.12 ID:D1QrHCZc0
738 :
蛸:2006/12/25(月) 00:19:41.99 ID:TyWqq1fN0
潔白
739 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:20:25.02 ID:YvK0IW+G0
また、同時に今週の品評会への投票もあります。
現在、週末品評会38thの投票受付中です。今回の品評会お題は『孤独』でした。
投稿された作品は■まとめ
http://yy46.60.kg/test/read.cgi/bnsk/1166707264/ http://bnsk.kirisute-gomen.com/38th/38thindex.html にてご覧頂けます。
投票期間は2006/12/26(火)24:00:00までとなっております。
感想や批評があると書き手は喜びますが、単純に『面白かった』と言うだけの理由での投票でも構いません。
毎回作品投稿数に対して投票数が少ないので、多くの方の投票をお待ちしております。
また、週末品評会では投票する作品のほかに気になった作品を挙げて頂き、同得票の際の判定基準とする方法をとっております。
ご協力ください。
投票には以下のテンプレートを使用していただくと集計の手助けとなります。
(投票、気になった作品は一作品でも複数でも構いません)
***********************【投票用紙】***********************
【投票】: <<タイトル>>◆XXXXXXXXXX氏
―感想―
<<タイトル>>◆YYYYYYYYYY氏
―感想―
気になった作品:<<タイトル>>◆ZZZZZZZZZZ氏
********************************************************
携帯から投票される方は、今まで通り名前欄に【投票】と入力してください。
たくさんの方の投票をお待ちしています。
740 :
猪(2ch中):2006/12/25(月) 00:20:28.05 ID:KlfWM54V0
お前らw
俺とは違って素敵なお題じゃねーかw
741 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 00:20:41.04 ID:4I0gGd/70
じゃあ
魔法
と
潔白で。
風呂入ったら一気に書ききりますノシ
742 :
布袋(ほてい):2006/12/25(月) 00:21:29.21 ID:D1QrHCZc0
やっと孤独でいいオチが思い付いたぜ!
orz
ああ、初参加から皆勤だったけどここでついにオワタ保守
743 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:21:31.79 ID:YvK0IW+G0
744 :
愛のVIP戦士:2006/12/25(月) 00:21:41.76 ID:uHjGNlKq0
お題ください
745 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/25(月) 00:22:28.92 ID:HNnLLD0i0
746 :
布袋(ほてい):2006/12/25(月) 00:22:50.08 ID:D1QrHCZc0
747 :
初夢(ホスト修行中):2006/12/25(月) 00:26:04.39 ID:mqWiLxzT0
748 :
猪(入浴中):2006/12/25(月) 00:27:28.54 ID:4I0gGd/70
時間外は投票外になるのか?
749 :
布袋(ほてい):2006/12/25(月) 00:28:17.16 ID:D1QrHCZc0
>>747 書いてくる! 孤独だろ? ひゃっほおおおお!!
>>748 なるから時間外なんだぜ?
ちなみに関心票は入れられる!
750 :
おせち(15,000円):2006/12/25(月) 00:28:21.61 ID:AHej4CfbO
アワードなんて面白そうなことやってたのか!
もちろん俺の作品など無いようだが
うん。受験生だから。今年は全部これで言い訳がきくんだから。
751 :
猪(入浴中):2006/12/25(月) 00:28:47.12 ID:4I0gGd/70
752 :
お年玉(なし):2006/12/25(月) 00:29:12.70 ID:1k//v/hy0
>>750 自分にもそれが言い訳になると信じていた時期がありましたフヒヒ
753 :
布袋(ほてい):2006/12/25(月) 00:29:26.25 ID:D1QrHCZc0
754 :
おせち(1㌧):2006/12/25(月) 00:31:11.03 ID:ZSlRtMIh0
初参加です、って人が多いな。素晴らしいわ。
755 :
お年玉(なし):2006/12/25(月) 00:32:11.74 ID:1k//v/hy0
結局アワードに自作が参加できずに心折れたぜ……。
まとめ板に張られたリンク先に飛べないのって俺だけ?
756 :
VIP皇帝:2006/12/25(月) 00:33:53.48 ID:uMAPmLxV0
そういやアワードの投票ってこっちでいいのかな?
あと、やっぱ投票する時は感想付けた方がいいのか?
757 :
蛸:2006/12/25(月) 00:37:47.29 ID:TyWqq1fN0
アワードに俺のはないようだな!
もっと精進せねば!
758 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/25(月) 00:39:40.31 ID:HNnLLD0i0
俺の推薦されててワラタw
酉つけてないやつだったけどw
759 :
角焼もち:2006/12/25(月) 00:39:53.67 ID:gD3DuKDu0
760 :
年賀状(♂だらけ):2006/12/25(月) 00:39:59.23 ID:Y7ROIm5x0
>>756 モチ。
今から批評か……自分のが何十人かの人に読まれて
「なんだこれこんなので品評会で優勝するぜー、とか笑わせんなw」みたいなこと思われるんだと思うとM男にはたまりませぬ。
761 :
760:2006/12/25(月) 00:40:45.94 ID:Y7ROIm5x0
あ、アワードか。失礼。品評会かとおもた
762 :
お年玉(なし):2006/12/25(月) 00:42:17.96 ID:1k//v/hy0
あ、やべ、気がついたら、俺のが一般作に推薦されてて、
嬉しくて、
目から、
塩水が、
メリークリスマス。
763 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:43:59.40 ID:YvK0IW+G0
764 :
おせち(15,000円):2006/12/25(月) 00:44:38.56 ID:AHej4CfbO
765 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:45:02.46 ID:YvK0IW+G0
やっぱり宣伝不足だったかwwwww
766 :
凧(イナバウアー):2006/12/25(月) 00:49:27.70 ID:uMAPmLxV0
767 :
おせち(15,000円):2006/12/25(月) 00:50:26.00 ID:AHej4CfbO
エントリーされてる人いいなー。
実は俺初代スレから張り付いてて上半期は結構精力的にやってたんだぜ?
うん。それだけだよ。
768 :
お年玉(なし):2006/12/25(月) 00:50:34.51 ID:1k//v/hy0
アワード、迷うなぁ。迷うけど今は品評会読んでこよう。
769 :
猪(2ch中):2006/12/25(月) 00:50:35.62 ID:KlfWM54V0
筆が進まん。
誰かリフレッシュ方法を教えてくださいな
770 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/25(月) 00:51:35.45 ID:HNnLLD0i0
771 :
猪(ケツ拭くの忘れた):2006/12/25(月) 00:51:43.03 ID:F880A7NI0
772 :
猪(2ch中):2006/12/25(月) 00:52:54.95 ID:KlfWM54V0
773 :
◆BNSK/DqMrY :2006/12/25(月) 00:53:44.66 ID:YvK0IW+G0
あ、後感想はあればいいと思いますが強制はしないです。
774 :
お年玉(なし):2006/12/25(月) 00:54:08.45 ID:1k//v/hy0
今回の品評会は「セクロス」という単語の登場回数が最多のように思えるでございます。
みなさんまとめて死んでしまえばいいと思うのでございます。
775 :
書初め(給料倍増):2006/12/25(月) 00:56:46.92 ID:maew+Tp30
>>774 あるあるwww
季節柄、致し方ないことだと思うぞえ
776 :
猪(乱視):2006/12/25(月) 00:59:16.86 ID:nc8HJYec0
あと30分以内に全感想終わりそうな人いる?
いなかったら寝るんだが、どうだろう。
777 :
年賀状(♂だらけ):2006/12/25(月) 00:59:28.70 ID:Y7ROIm5x0
セクロスをだすと否応無しに男と女の話になる恐れがあるからあんまり好かんなあ。
未使用だからかもしれんが
778 :
お年玉(げんこつ):2006/12/25(月) 01:00:51.25 ID:1k//v/hy0
>>777 むしろ男と女の話にならなかったらそれはそれで感動する。
カマキリの交尾でも描けば良いんだろうか。
779 :
猪(48才):2006/12/25(月) 01:01:08.02 ID:bgBkijOk0
お題くれ
780 :
おせち(3,000円):2006/12/25(月) 01:01:19.97 ID:y2gYoAs3O
イブの晩に車をぶつけられた
メリークリスマス! よい年を!
781 :
おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/25(月) 01:01:20.74 ID:HNnLLD0i0
782 :
年賀状(♀から沢山):2006/12/25(月) 01:03:01.36 ID:Y7ROIm5x0
しっとマスクも孤軍奮闘しているのだろうか
>>779 日食
783 :
猪(48才):2006/12/25(月) 01:04:56.03 ID:bgBkijOk0
784 :
猪(里に下りてきた):2006/12/25(月) 01:06:49.34 ID:F880A7NI0
>>772 それはマズイなwwww
完結させないとクセになる人多いみたいだし
785 :
お年玉(げんこつ):2006/12/25(月) 01:07:48.98 ID:1k//v/hy0
これまで未完のまま放棄した作品はひとつだけです。それだけが誇りです。内容の面白さを気にしたら心が折れるのでやめておきます。
786 :
おせち(3,000円):2006/12/25(月) 01:10:53.91 ID:/3amrSWf0
夜のうちにカンタンにかけそうなお題クレ
787 :
猪(ミニスカ):2006/12/25(月) 01:11:25.36 ID:nc8HJYec0
夜明け
788 :
年賀状(♀から沢山):2006/12/25(月) 01:12:28.54 ID:Y7ROIm5x0
未完になりかけても必ず打ち切りのような形ででもエンドマークまで持っていく。これが俺のジャスティス。
二十×二十を千枚はこれで通してきたからちょっとぐらい怠けてもいいかな……と思い始めているのは内緒だ
789 :
猪(貧乏):2006/12/25(月) 01:13:49.50 ID:tzs1Hwa90
>>786 老人
>>776 さすがに全感想は昼頃まで無理じゃね?
感想を何回かに分けてくれる人はいるかもしれんが。
と、序盤に投下した俺が言ってみる
790 :
お年玉(げんこつ):2006/12/25(月) 01:14:50.90 ID:1k//v/hy0
全部読み終わったが、今回の投票は相当荒れそうな気がする。
791 :
おせち(3,000円):2006/12/25(月) 01:15:48.80 ID:/3amrSWf0
夜明けと老人ね、把握
792 :
年賀状(♀から沢山):2006/12/25(月) 01:16:09.15 ID:Y7ROIm5x0
793 :
猪(ミニスカ):2006/12/25(月) 01:16:26.82 ID:nc8HJYec0
>>790 まだほとんど読んでないんだが、それはお題の使い方で?
794 :
猪(里に下りてきた):2006/12/25(月) 01:16:53.42 ID:F880A7NI0
795 :
年賀状(♀から沢山):2006/12/25(月) 01:17:58.79 ID:Y7ROIm5x0
孤独って同じキャラに三回は言わせたはずだ。きっとだいじょぶ
796 :
猪(12才):2006/12/25(月) 01:24:08.85 ID:TyWqq1fN0
今回は(も)票がもらえない気がするぜ……
797 :
おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/25(月) 01:26:34.85 ID:HNnLLD0i0
798 :
猪(里に下りてきた):2006/12/25(月) 01:26:43.98 ID:F880A7NI0
>>796 じゃあ俺がサンタからの贈り物ってことで
全ての作品に票を入れてあげようwwww
ってそんなんじゃ嬉しくないよな
スマソ
799 :
猪(貧乏):2006/12/25(月) 01:32:36.50 ID:tzs1Hwa90
( ゚∀゚)人(゚∀゚ )人(゚∀゚ )
夜明けに便乗
ここに一人の少年Aがいる。
彼は学校にも働きにも出かけない人である。
ニートの朝は遅い。
彼は夜更け近くにまで起きているから朝には
すぅすぅ
と、寝ている。
午後二時過ぎに目覚め。
けだるそうにムクリと起きる。
彼は日中に起きても外にでないのだから
日の光を見ることはほとんどない。
彼の太陽は自然にはもはやない。
自然の草花なら朝の雲の切れ間からさしこむ
明かりが朝を告げ、葉を広げる。
しかし彼は朝起きてPCを起動して
モニターから漏れる光を浴び、体を伸ばす。
彼にとって太陽とはPC。
モニター光が一日の始まりを告げるのだ。
彼が目覚める。
起きたばかりの体が光を求めてずるずると
はいつくばる。
電源ボタンを押してからの数分間。
ジジ…ジジジ…
ハードディスクの音がさえずりがわり。
それが彼の夜明け。
夜更けと朝方ミスったくせぇ
携帯でしかも初投稿だから
ローカルルール外れてたらgg
\(^o^)/vipだしゆるして
802 :
猪(イタ電中):2006/12/25(月) 02:07:35.91 ID:4I0gGd/70
お題もらったのが完成したんだがここに投下すればいいのか?
803 :
おせち(5,000円):2006/12/25(月) 02:09:09.23 ID:/3amrSWf0
うん
804 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 02:11:26.78 ID:4I0gGd/70
お題 魔法
「この前さ、俺の小学校の頃の卒業文集を見つけてさ、みてみたんだけどさ、
それ見て笑っちゃって、笑っちゃって」
「なに書いてたんだ?」
「将来の夢、魔法使いだってよ。もうね、馬鹿じゃないかと。
十二歳になってまで魔法使いになりたい。だなんて言ってる馬鹿が俺かと。
悲しくなってよ、笑いに笑っちまったわけだ」
俺は並々と注いだビールをゴクリと飲む。喉に落ちる感覚が心地よい。
同僚の城井は焼き鳥をむさぼる。
「しかもさ、魔法使いになりたいなんて言ってた男が三年後には理数科に言って、科学部に入ってまたその三年後には理工学の大学入っちゃうんだもんな。
魔法もなにもあったもんじゃねえよ、科学なんてさ」
俺は、はっはと大きく笑う。
「そういうのあるよなー。俺の小六のときの夢は医者だったな。
病気の人を助けたい!なんて書いちゃってさ。見てて恥ずかしいよ。今じゃ普通の社会人だぜ?」
俺と城井は会社帰りの居酒屋で、自分らの昔話に花を咲かせていた。
その日酒臭い息を吐きながら家に帰宅したのは12時を過ぎていた。
805 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 02:12:58.37 ID:4I0gGd/70
まだ、家に明かりがついている。まだ妻が起きているのだろうか。
「帰ったぞー」
「あ、おかえりなさい」
妻は寝巻き姿で俺を迎えると、困ったような顔をしてリビングを指さした。
「美代子、まだ寝てないのよ。あなたの帰りを待ってるみたいで…」
「もう12時すぎなのにか?俺を待って?」
「そう。今日ね、魔法少女セットを買ってあげたらすっごい喜んじゃって。1000円少しの安いものなんだけど。
それで今日ずっとそれで遊んでてね、パパに見せる!って言って寝ないのよ」
魔法少女…。さすが俺の娘。
「私朝早いからもう寝るね。美代子、寝かしといて」
「ああ、うん」
俺は靴を脱ぎ、リビングへと向かう。
リビングでは、ソファーの上でうとうとしかけている美代子の姿があった。
「美代子~ただいま~」
「あ!パパ!見て、見て!!!」
美代子は急に目をパッチリと開け、俺の方へと駆け寄ってくる。
今年で5歳、俺の初めての子供。可愛すぎる…。
「美代ね、今日ママにキラキラ魔法セット買ってもらったの!」
「そうかぁ、よかったなあ」
「それでねそれでね!美代、魔法が使えるようになったからパパに見て欲しかったから
ずっと寝ないでまってたの!」
美代子は一生懸命に目をぱちぱちとさせながら話しかける。
「じゃあその魔法を見せてもらおうかな」
「うん!」
806 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 02:13:45.98 ID:4I0gGd/70
美代子はソファーの上に置いていた、いかにも子供のおもちゃらしい
プラスチック製のスティックを持ってくる。
「見ててね見ててね」
美代子は、えいっ!と意気込んだ。
その瞬間、きらきらしていたスティックは、何本もの星の飾りへと変わった。
美代子は俺の方を見て、へへへ~と得意げに笑う。
「すごいなぁ!美代子!魔法使いみたいじゃないか!」
ボタンを押せば星の飾りへ変わるのは、簡単に分かっていた。
「美代子ね、魔法使いになりたい!」
俺は、昔の自分を見ているようで胸が少し痛くなった。
「そうかあ、美代子ならなれるぞ。だから、今日は寝ようね。もう遅いから」
美代子は、うん!とうなずき寝室へと走っていった。
807 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 02:15:48.24 ID:4I0gGd/70
俺はさっきの美代子の姿を思い出しながら、
ぼんやりと、幼少時代を思い出していた。
小学校の頃、俺はいじめられていた。
少し、趣味や顔が女っぽかったからだ。
俺は、他の男子が好きなような戦隊ものや特撮ものには興味がなかった。
女の子が好むような魔法少女のアニメにハマっていた俺は、今日の美代子のように魔法セットを買ってもらい、
一日中遊んでいたのを覚えている。
本気で魔法使いになれると信じていた俺は、魔法が使えるようになったら俺をいじめていた奴らに仕返しをしようと思い、
日々魔法使いになるための特訓をしていた気がする。
…今思い出してみれば腹黒い子供だったのかもしれない。
いつしか、そんな夢も薄れ、気づいたら目に見える科学というものにどっぷりハマっていた。
それからの俺ときたら、あるかどうか分からない空想世界のものを鼻で笑う、
すごくつまらない人間になってしまった。
「つまら、ないよなぁ・・・」
俺は美代子が遊んでいた魔法セットを手に取る。
案の定、ボタンを押せばスティックが星の飾りに変わった。
808 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 02:16:44.21 ID:4I0gGd/70
「はは、やっぱり」
俺は安っぽいプラスチックのスティックを眺める。
懐かしい、感じがした。途端に、幼少時代の純粋だった俺が戻ってきた気がして、どうしようもなく切なくなった。
明日は、土曜日だ。
昼からは美代子と遊ぼう。一緒に魔法使いになる特訓をしよう。
美代子なら、きっと魔法使いになれるだろう。俺にはなりえなかった魔法使い。
俺みたいな、つまらない人間に、美代子にはなってほしくない。
俺はそんなことを考えながらその日は床についた。
fin
809 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 02:17:19.69 ID:4I0gGd/70
無駄に長くオチがない…
特訓しますorz
810 :
女装して初詣:2006/12/25(月) 02:19:48.00 ID:eQ/o+dkt0
>>804 おいら、この話は好きだわ。
親の、子供に対する思いと、昔子供だった自分に対する思い、
みたいなのって、あるよね。
冒頭の友達との会話部分が、ちょろっと誰が何を言ってるのか
解りにくいところはあるけれど。そこさえクリアしたら、すっきり
まとまるんじゃないかな。
811 :
◆0UGFWGOo2c :2006/12/25(月) 02:21:49.63 ID:4I0gGd/70
>>810 おお!感想ありがとう!
かなりうれしいwww
812 :
おせち(30,000ウォン):2006/12/25(月) 02:26:46.39 ID:xTPYqnasO
品評会作品の致命的なミスに今更気づいたorz
またM館行きか…www
813 :
女装して初詣:2006/12/25(月) 02:29:55.11 ID:eQ/o+dkt0
品評会……今読んで行ってるんだけど、なんか
クリスマス=彼氏彼女=セックス
なんだなあw
814 :
家族で初詣:2006/12/25(月) 03:09:35.56 ID:xEMK9F0h0
性夜て言われるほどだからな
815 :
家族で初詣:2006/12/25(月) 03:39:34.57 ID:xEMK9F0h0
(´・ω・`)
816 :
猪(ギャンブラー):2006/12/25(月) 03:49:43.71 ID:8Mj/UHpjO
雨は夜更け過ぎに~おだいをくれるだろぉ~↓
817 :
おせち(1㌧):2006/12/25(月) 04:21:40.45 ID:e5BSrvPVO
ケーキ
818 :
おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/25(月) 04:32:20.65 ID:8Mj/UHpjO
ハーアークウ
819 :
おせち(15,000円):2006/12/25(月) 06:01:36.56 ID:y2gYoAs3O
ほ
820 :
巫女に初詣:2006/12/25(月) 06:47:43.88 ID:lcSjA1J90
ほ
821 :
おせち(30,000円):2006/12/25(月) 07:45:39.72 ID:y2gYoAs3O
ほ
822 :
猪(子持ち):2006/12/25(月) 08:02:43.78 ID:UIIIW3/7O
存在が変わるほどの捕手
823 :
2Get!!:2006/12/25(月) 08:11:40.45 ID:QgQUBoqB0
お題↓
824 :
お年玉(すずめの涙):2006/12/25(月) 08:15:12.41 ID:1k//v/hy0
光
825 :
おみくじ(既知):2006/12/25(月) 08:32:46.33 ID:0/nldyuWO
規制が解除されないまま、帰省することになりそうなほどの保守
826 :
2Get!!:2006/12/25(月) 08:50:31.43 ID:QgQUBoqB0
827 :
黒豆(七粒):2006/12/25(月) 08:55:48.96 ID:ZSlRtMIh0
ホントはシリアス系とかホラー系が書きたかったのに、お題が「孤独」だったから
それじゃ被ると思ってネタに走ったんだ…。なのにそんなにクリスマスネタ多いのかよ。
絶望した!どの道にも人が多くて絶望した!
828 :
おみくじ(犬吉):2006/12/25(月) 09:44:51.86 ID:w2nE1jzi0
保守
829 :
猪(体臭きつめ):2006/12/25(月) 10:00:09.16 ID:tzs1Hwa90
そろそろ感想来るかな…来ないかな…
830 :
猪(♂):2006/12/25(月) 10:08:28.24 ID:MdstJryZ0
今回の品評会は、全部で400字詰めで273枚、文庫本サイズにして213ページくらい。
似たような厚さの小説といえば、
村山由佳著 『おいしいコーヒーのいれ方Ⅵ 遠い背中』
が本編206ページ。あとがき等含めて222ページ。
厚みは約1cmほど。
だからどうしたとは聞いてくれるな。
831 :
黒豆(九粒):2006/12/25(月) 10:08:37.87 ID:ZSlRtMIh0
自分も書けば、終わる頃には来てるんじゃない?^^
832 :
おせち(1㌧):2006/12/25(月) 10:09:30.60 ID:y2gYoAs3O
感想……
聞きたいような、聞きたくないような……
833 :
年賀状(二枚):2006/12/25(月) 10:12:45.43 ID:QgQUBoqB0
834 :
猪(体臭きつめ):2006/12/25(月) 10:42:50.59 ID:tzs1Hwa90
感想書きつつ保守
835 :
かき初め(二回目):2006/12/25(月) 11:03:42.48 ID:0SsvwKC90
必要なときに必要なものがない、というのは、やはり困ったものだと思う。
テレビを見たいのにリモコンが見つからなかったり、
音楽を聴きたいのにプレイヤーが見つからなかったり、なんてことは、誰でも経験があるだろう。
俺の場合それが、トイレの中で起こった。
尻を拭きたいのに、紙がない。家には、俺一人。
この世に神なんかいないと感じた瞬間だった。
その後の展開は推して知るべし。
それだけ言い残して、俺は保守に徹しようと思う。保守。
836 :
猪(♀):2006/12/25(月) 11:24:56.31 ID:MdstJryZ0
紙がないから手で拭いて
勿体無いから舐めちゃった保守
837 :
黒豆(十粒):2006/12/25(月) 11:40:33.79 ID:ZSlRtMIh0
., -、,. -─- 、⌒〉
{ } ヽ_ r'⌒)
ヽ、 ,,-‐‐ ‐‐-、 iヽ、 J
{ 、_(o)_,: _(o)_ヽ/ ヽ/∪
! >:: } /
l /( [三] )ヽノ‐''> < うわぁぁぁああああ!
i⊂}__ `二´‐'´__/__ や、やっちまった~
ヽ ‐- 、二`ヽ/〉⊂ニニ⊃)
| // ̄ ̄)j~U^∪ヽ
ノ ` ‐-L!--‐''(´ )
`i''ー----‐ ''"´ ヽ、__/
! } ` }
!. , -‐- 、. ノ--─ '
ヽ、_{. `ヽi'⌒i
`''‐- 、.. __,!
838 :
凧(未完成):2006/12/25(月) 11:49:05.50 ID:7NzLJzpN0
839 :
黒豆(一粒):2006/12/25(月) 12:16:13.45 ID:y2gYoAs3O
今さらとんでもないミスに気づいて批評感想が怖くなった保守
840 :
書初め(佳作):2006/12/25(月) 12:16:45.89 ID:0SsvwKC90
841 :
猪(72才):2006/12/25(月) 12:29:09.33 ID:TlKG360R0
お題くれってレベルじゃねーぞ!↓
842 :
VIP皇帝:2006/12/25(月) 12:31:22.05 ID:SFlb/H/4O
うんこ
843 :
猪(右利き):2006/12/25(月) 12:31:57.68 ID:0IkcZfzlO
ギブミーチョコレイト
844 :
猪(双子の兄):2006/12/25(月) 12:31:59.79 ID:MdstJryZ0
こと (自由に変換する)
845 :
猪(72才):2006/12/25(月) 12:32:12.66 ID:TlKG360R0
下ネタ把握した(´・ω・`)
846 :
猪(72才):2006/12/25(月) 12:33:51.94 ID:TlKG360R0
847 :
844:2006/12/25(月) 12:37:00.99 ID:MdstJryZ0
>>846 うんこ食ってる時にチョコの話なんかすんな!
いや嘘ですどうぞわたくしめの戯言など捨て置いてくださいませ。
848 :
猪(右利き):2006/12/25(月) 12:47:09.45 ID:0IkcZfzlO
違うんだ、俺のレスに他意はないんだ
↓お題
849 :
保母さんと初詣:2006/12/25(月) 12:48:06.60 ID:TERAFKth0
虚飾
850 :
猪(双子の兄):2006/12/25(月) 12:48:06.61 ID:MdstJryZ0
カレー
851 :
保母さんと初詣:2006/12/25(月) 12:48:50.03 ID:TERAFKth0
虚飾+カレー=げりうんぴ
と言う事かね?
852 :
猪(右利き):2006/12/25(月) 12:48:51.07 ID:0IkcZfzlO
まとめて把握
853 :
猪(休職中):2006/12/25(月) 12:53:33.86 ID:bgBkijOk0
よしお題くんに
854 :
猪(双子の兄):2006/12/25(月) 12:54:20.73 ID:MdstJryZ0
観音様
855 :
保母さんと初詣:2006/12/25(月) 12:54:50.83 ID:TERAFKth0
そ 君 (__ ┌―‐―┐ ) き
ん ! (_ |`l TT了| } ゃ
な (_ j .| .|:| .l | / あ
か 待 (_ | | .|j .j | イ |
. っ ち (,_ |.| .|l .|:| ,. -‐ /_. っ
こ た ( |.|. |! |/ / !
う ま (` `ー /..:::::\≧,,,、:::7___
で え (―――――――――(:::::::>'´ == \::⌒l^⌒
_ (⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ノ く彡/// ∪,ノ ;|
.レ⌒Y^'⌒`\________ く:::::∧ '_,. -、 く/::::::::/
|:::| \xく _,,,...,_ \:::::l、ヽ ,ノ \,,∠,,__
\|:::| _,....!,,_ \ i ヽ lF〒`ヾ.\,,..イ |::::::::,
`7´ _,,.ィ ヽ{|iュ ェッリ | || _,..-/7゙h _|:::::://
\.{n|.ィァ it} ', _'_ j) r'"三¨7´\| |´.|:::://
|:::トl、 rュj . ト ニ イl、 / ゚`.|n./ .イl ,∧ |:://
|::,| 'ーケトr'TTlイ /_`ヾtっ r'l゙ /⌒`lくミV /
,r1´|`'六´ //` ̄´ `Y´ |└┬シj ./ 7ヽ〈 /ヾ)<
./ | ∨|::|∨ ! { r ,、 _,シ /゙丁〈 / } { { \
| ',|::|/ ! ,ゝ-< ( / .| |/ ∧ \|
l .Y。 .| |` 〃 ̄ ̄⌒ / 〈 /! ', __,,....::-‐
.∧. |。 { ゙爪` ' ‐- 、..,,,...イ '、 / .| `|::::::::::::::::
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ヽ、`'::、L.∧/ / |.{ u 〈.| イ 〈 /::::/:::::::::::
::::::::`ヽ、 ∨ / ̄| | 、 / l:l. | j /::::/:::::::::::::
:::::\::::.....  ̄`| l | 鬱鬱 .l:l// l| ∨:::/::::::::::::::::
856 :
猪(72才):2006/12/25(月) 12:55:00.27 ID:TlKG360R0
ガス
857 :
猪(ミセブラ):2006/12/25(月) 13:30:11.29 ID:UATFeE9XO
感想てこのスレに書かれるのか?
初参加なものでよくわからん…
858 :
黒豆(千粒):2006/12/25(月) 13:30:39.27 ID:ZSlRtMIh0
落ちるのは今日の十時半頃か…
859 :
黒豆(千粒):2006/12/25(月) 13:31:54.14 ID:ZSlRtMIh0
>>857 そだよ。細かく知りたかったら、テンプレのリンクから過去スレとか見てみるといいかも。
860 :
猪(ミセブラ):2006/12/25(月) 13:36:09.39 ID:UATFeE9XO
>>859 おお!thx!
自分はこのスレの住人の年齢層が気になって仕方がないんだが………
861 :
猪(水着):2006/12/25(月) 13:40:08.39 ID:nc8HJYec0
とりあえず19さい
862 :
黒豆(千粒):2006/12/25(月) 13:42:01.51 ID:ZSlRtMIh0
幼女から妖精まで誰でも参加してる・出来るのがBNSKのいいところだぜ!
863 :
猪(ミセブラ):2006/12/25(月) 13:43:27.57 ID:UATFeE9XO
自分は16。
864 :
猪(双子の妹):2006/12/25(月) 13:44:15.10 ID:MdstJryZ0
成人式に行きたくない。
865 :
かき初め(二回目):2006/12/25(月) 13:44:33.36 ID:0/nldyuWO
年齢なんて気になるのか。いろんな価値観があるんだな。
誰がどんな作品を書くのか、にしか興味がないから、気にしたこともなかった。
866 :
お年玉(もらいたい):2006/12/25(月) 13:46:52.52 ID:maew+Tp30
仮に結構上手いなあ、と思う作品があって
それが30過ぎのおっさんなら「ふーん、でも30でこの程度か」
って思うし
14とか15だったら「うおっ まぶし」
って思う
嫌な考え方だけどね
867 :
猪(ベース):2006/12/25(月) 13:49:16.37 ID:IgidTM4mO
このスレは若年層が多い。
どのくらいまでを若年層っていうかは知らないが。
まだ若いつもりでいたのに、実際は結構年上の部類に入る事を知って切なかった一参加者より。
868 :
猪(水着):2006/12/25(月) 13:50:21.00 ID:nc8HJYec0
正直思うよなあそれ。
自分より若い人が、自分には到底書けないようなものを書いてるとヘコむ。
俺才能ないんだなーって。
869 :
黒豆(千粒):2006/12/25(月) 13:52:26.72 ID:ZSlRtMIh0
まあ、書けば書くほど文章は上手くなるし、読むほどアイデアも出るもんだから
本気なら若いうちからやってる方がいいんだろうね。若いうちとか表現がすでにゲフンゲフン
870 :
猪(双子の妹):2006/12/25(月) 13:55:45.51 ID:MdstJryZ0
十代で直木賞とかとられると、ちょっと試しに吊ってみてもいいかなと思う。
感性と人生経験って意識的に磨いてかないと反比例するから困る。
871 :
美容師と初詣:2006/12/25(月) 13:57:38.14 ID:TERAFKth0
若いうちか……俺が中二のときに書いたヤツは厨房丸出しの超威力だったぞ。
一応残してあるが、今読むとあの時は日本語の読み書きすら危うかったのではないかと思えてくる。読めたモンじゃない、毒物だ
872 :
黒豆(三粒):2006/12/25(月) 14:06:20.38 ID:y2gYoAs3O
まだ10代
まだ……
873 :
書初め(謹賀新年):2006/12/25(月) 14:07:14.35 ID:0SsvwKC90
>>870 綿矢りさが芥川賞取ったとき軽く鬱になった同年代の俺
874 :
トリマーと初詣:2006/12/25(月) 14:10:49.18 ID:TERAFKth0
元直木賞作家が某雀荘にごろごろしてるのとか考えると直木賞受賞なんて嬉しくなんか……嬉しくなんか無いやい
十台が直木賞をとっただのどうの、とかよりもその作品そのものを自分が面白いと感じられなかったときに吊りたくなる。
俺の感性は間違ってるかもしれないのかと
875 :
おみくじ(既知):2006/12/25(月) 14:16:33.71 ID:w2nE1jzi0
('A`)<みんな若ぇなぁ……
(;A;)<ピッチピッチの若さが眩しくてたまらないなぁ……
('A`)<意識してないとどこのスレ住人も自分と同い年ぐらいって思い込んじゃうよね、俺だけ?
ところで10代で直木賞取った人っていたっけか。芥川でもいいけど
876 :
トリマーと初詣:2006/12/25(月) 14:16:56.63 ID:TERAFKth0
未だに日本語がおかしいと見えるな、俺は
嬉しく→うらやましく
ね
877 :
トリマーと初詣:2006/12/25(月) 14:17:32.99 ID:TERAFKth0
878 :
お年玉(現物支給):2006/12/25(月) 14:20:28.09 ID:maew+Tp30
結局あれ、面白かったのかい?
蹴りたい背中、読んでないのですよね
879 :
猪(メイド服):2006/12/25(月) 14:21:34.40 ID:IgidTM4mO
まぁ別に書き手が何歳であっても面白いものは面白い。
自分が何歳になろうとも面白いものは面白い。
だから、別にいい歳してファンタジーものが大好きでも何も問題はない……と思いたいorz
880 :
猪(濡れシャツ):2006/12/25(月) 14:23:37.10 ID:R9QPBjKF0
横レスだが、12歳でこのミステリーがすごいとったやついなかったかな?
881 :
トリマーと初詣:2006/12/25(月) 14:24:59.44 ID:TERAFKth0
小学生で富士見ファンタジア文庫だったら知ってるが
882 :
書初め(謹賀新年):2006/12/25(月) 14:26:44.90 ID:0SsvwKC90
>>880 殺人ピエロの孤島同窓会かwこのミスの新人賞コーナーとか文学賞メッタ斬りとかでかなり話題にされてたw
一度立ち読みしたことあるけど十数ページ読んで投げた。あれは無理がある。
883 :
猪(お手伝い):2006/12/25(月) 14:26:57.46 ID:MdstJryZ0
小学生…… > orz
884 :
猪(緑):2006/12/25(月) 14:27:08.44 ID:bgBkijOk0
>>870 直木賞は大衆文学の賞だから、あまり若い人は選ばれない。
芥川賞はうんこな作家しか取ってないからどうでも良いけど。
885 :
猪(濡れシャツ):2006/12/25(月) 14:28:00.95 ID:R9QPBjKF0
殺人ピエロの孤島同窓会
第4回『このミス』大賞・特別奨励賞受賞、12歳が描いた奇跡のデビュー作『殺人ピエロの孤島同窓会』。
和やかなムードで進んでいた同窓会は、突如現れた殺人ピエロにより恐怖の孤島と化す。
ゲーム的な趣向で、次々と同窓生たちを惨殺する殺人ピエロの正体は?
('A`)
886 :
猪(水着):2006/12/25(月) 14:28:17.28 ID:UATFeE9XO
自分は年齢を意識してしまうんだな。
自分自信まだ10代なんだが次々と同年代の人が賞をとる度に焦る。
また今年も文藝賞受賞者は若かったよな。
去年ほどではないが
887 :
猪(お手伝い):2006/12/25(月) 14:31:47.41 ID:MdstJryZ0
>>884 蹴りたい背中は芥川賞だったな。間違った。
芥川が新人賞的なもので、直木賞がエライっぽいのだっけ?
あんまり賞のことはワカンネ……
888 :
書初め(謹賀新年):2006/12/25(月) 14:32:02.35 ID:0SsvwKC90
>>884 直木賞も芥川賞も本来は若手作家に贈られるはずの賞なんだけどねw;
最近は全然そうじゃなくなってきてる。
舞城が芥川賞取れなかった時点で心折れたよ。
889 :
猪(委員長):2006/12/25(月) 14:32:12.66 ID:ehv5d6xg0
名無しに喧嘩を売る糞コテがいました。
これはヒドイ・・・
227 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/12(火) 08:48:35 ID:???
あ?名無しの分際で驕るな
301 名前:はじめまして名無しさん[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 18:17:38 ID:???
ろんりー ◆Lonely.K5c 2006/12/13(水) 18:13:09.23 ID:Mw3zfxSxO
あれ?
俺って花レベルに邪魔コテじゃね??
俺ってネットでもリアルでも要らないコじゃね????
312 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/14(木) 00:55:42 ID:???
>>296 あーちょっと困るよー困るよチミ!!!!
コテつけて活動するってのはなああああああ個人情報垂れ流しでネット上をさまよってるって事なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
1日限りの単発IDのいち名無しとは背負ってるリスクがちげーんだYOこのマヨネーズがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺たち結構頑張ってルンDAKARAコテを蔑ろ(ないがしろ)←ふりがな にしちゃ駄目だぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
つまり何が言いたいかってYOUと、特定とか本当怖いんで勘弁してくだしあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんでかっつーと名無しよりコテの方が偉いから!!!!わかったら日本中の年末ジャンボ買い占めて来いやwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それじゃあお前らwwwwwwwww良いお年をwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/intro/1161622413/l50
890 :
猪(マヨラー):2006/12/25(月) 14:32:15.61 ID:/pY9QqEH0
小学生の時ムーに嘘の恐怖体験談送って図書券せしめたことならある
891 :
トリマーと初詣:2006/12/25(月) 14:32:43.24 ID:TERAFKth0
というか芥川賞にはあまり期待していない
892 :
書初め(謹賀新年):2006/12/25(月) 14:43:48.37 ID:0SsvwKC90
>>891 今の純文作品自体がクソなのか選考がクソなのかはなんともいえないけどね;
直木賞に比べると、何だこれはってのが多い。
893 :
トリマーと初詣:2006/12/25(月) 14:45:14.25 ID:TERAFKth0
芥川と直木でこんな差が出るのはなんでなんかなあ
週刊誌が十台受賞で騒いでるのとか見るとうんざりしてくるわ。
894 :
書初め(謹賀新年):2006/12/25(月) 14:52:46.49 ID:0SsvwKC90
>>893 たぶん時代の流れだと思う。
大衆文学、というか、文学にもエンタメ性が求められる時代だからね。
伊坂幸太郎とか石田衣良とか宮部みゆきとか見ててもそうだけど、やっぱり一般受けする作品が強い。
逆に考えれば芥川賞は一般向けとしては弱すぎる。
いろいろひっくるめて考えれば、大衆文学を目指す作家さんが増えるのも頷けるし、メディアが直木賞取り上げたがるのもわかる気がする。
895 :
猪(ミセブラ):2006/12/25(月) 15:09:38.54 ID:0IkcZfzlO
おれは文才ないからなんのコンプレックスもプレッシャーもないぜ
896 :
猪(もどき):2006/12/25(月) 15:42:06.92 ID:MdstJryZ0
ほーしゅー
897 :
黒豆(九粒):2006/12/25(月) 15:42:45.11 ID:P7UWTlSkO
今回、全感想厳しいなあ……
898 :
長ネギ:2006/12/25(月) 15:44:20.69 ID:DEADv0sF0
感想難しいというより
今回は突出してる作品がない希ガス。
同じような感想と文章の指摘くらいしかなくなってきた。
899 :
書初め(家内安全):2006/12/25(月) 15:46:02.20 ID:0SsvwKC90
900 :
黒豆(十粒):2006/12/25(月) 15:48:59.80 ID:e5BSrvPVO
亀横レスだが
>>892 直木賞も酷いよ。賞に意味なんてないけど。
筒井、らもが取れなくて、
最近なんて金城、角田、石田、江國、宮部、東野みたいな糞しか取らねえ。
これが大衆文学の主役級作家なんだろ?頭が狂ってるとしか思えない。
純文は芽が出る前に腐ってる。公募新人賞の選考委員が糞。特に文芸賞。
まあ作品も糞なんだけど。つまり文壇は不毛。
901 :
猪(もどき):2006/12/25(月) 15:55:22.33 ID:MdstJryZ0
エンタメ系って微妙に評価悪いような気もするけど、
小説はエンターテイメントであるべきか、あるいはカルチャーであるべきかっていわれると難しいよな。
比率と好みの問題なのかなー?
902 :
書初め(合格祈願):2006/12/25(月) 16:03:20.96 ID:0SsvwKC90
>>900 筒井もらもも選考委員側から嫌われた、というか、作品や人物像が好かれなかったフシがあるからなぁ。
最近だと三浦しをんの受賞に引いた。
>>901 文壇での評価と世間での評価は全く別ものだからね。
山田悠介を例に挙げずとも、あれだけベストセラーになった市川拓司とか片山恭一でも、どの文芸誌も意図的にスルー。まぁスルーが当然だろうけど。
最近だと映画と小説が、娯楽としての立ち位置が同じになりつつあるからなぁ。
エンタメかカルチャーか、って言われると、エンタメに近づきつつあるかもしれない。
903 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 16:08:26.07 ID:AwZlMqY00
全感想が終わりました。
前回、とても読みづらいと指摘を戴きました。
少しはがんばってみました><
少しだけ。
超個人的な意見や的外れな意見を連発しておりますが、温かい目で見過ごしてやってください><
904 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 16:12:43.38 ID:AwZlMqY00
No.01 俺の孤独(1/4) ◇BLOSSdBcO氏
生き様を煙草の煙に例えた辺りに関心してしまいました。
>しかし消えるまでに煙は様々な形を生み出す。一瞬として同じ形は無い
なるほど。うまい。
夢オチに少し拍子抜けしてしまいました。
しかし、この内容から展開させろといわれても、私には出来ません><;;
ラストを意味深に終わらせたので、まーいいでしょう。
No.02 第六感(1/2) ◇7wdOAb2gic
暖かい家庭の風景。お題で孤独を思わせず、ラストでどんでん返し。
こういう展開は個人的に大好きです。
ただ、自分自身も言えませんが、話がありきたりですね。
No.03 最後の一枚(1/2) ◇K0pP32gnP6
ほのぼのしました。葉っぱ君の語り口が可愛い。
>本当は、風に乗って飛んでいってしまいたいんですけどね。
ただ、この文は何にかかっているのでしょうか?
飛ばされていった他のみんな? それとも自分?
自然に考えるなら、前者でしょうが、その後に、
>って、やべっ。これは無理。飛ばされるって。
これが来るので混乱してしまいました。
ごめんなさい。明らかに重箱です。?の後にスペースを忘れている箇所があっただなんていいません><
No.04 接触前夜(1/4) ◇sjPepK8Mso
SFはあまり読まないのですが、宇宙空間に漂う孤独ってなんだか怖い。
>恭二は「教科書に俺の偉業を乗っけてやる!」と叫んで
恭二wwwwwwちっちゃいwwwww
905 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 16:13:29.24 ID:AwZlMqY00
No.05 ひとりぼっち(1/5) ◇rTHaznD6ps
狂気。ひらがなだらけで語る文に狂気を感じました。
どうせだったら、テセウスとミノタウロスの方が面白いんじゃ……?
いや、でも主人公の少年も、この作品の狂気を作り出すのに加担していますからこれでいいんでしょう。
所々で見かける「・・・」と「……」が混ざっているのは何故?
狙いました? 携帯からか、とも勝手に推測してしまいました。
そんな細かいことどぉーでもいいですよね。すいません。
No.06 ──が来る!(1/3) ◇7CpdS9YYiY
これもどことなく狂気。B級ホラーって感じで楽しかったです。
蟲毒と孤独の発想が面白い。
――と伏せておいて鬼が出てしまいますか。
個人的には最後まで――の正体は明かさずにして欲しかったです。
ただ、そうすると他の方の意見で、――の正体を明かした方がいいと言われるでしょう。
なので、超個人的な意見です。聞き流していただければ幸いです。
そういえば、同じような話、どっかで見たなぁ……。
No.07 愚かの夢に鉄槌を(1/4) ◇497l1He566
天使ひどいです。こんなことをされたら心が折れます。
でも、しっかりフォローもしてくれるところがにくい。
しかもなんですか? この、とってつけたようなフラグは?!
萌えちゃいましたよ。
しかし、妄想って……。天使が孤独とか何よりも、ラストの空想オチで孤独を感じました。
狙いどうりでした。完敗です。
-☆メリークリスマス☆- ←これを見て、さらに寂しさが増しました。呪いますよ?
906 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 16:14:56.87 ID:AwZlMqY00
No.08 孤独についての考察(1/5) ◇h97CRfGlsw
これは、悲痛な叫びですねorz
主人公の捲くし立てる感じが……。
山田さんがとてもいいです。姉御について行きたくなりました。
淡々と進んでいる感じがしましたが、何となく冷えた乙女心を垣間見た気がしました。
クリスマスって感じがいい。
No.09 孤独(1/3) ◇YaXMiQltls
ひどいwwwイミフwwwwうはっwwww
安易にシモネタに行かれると冷めます。
確かに孤独って感じはしましたが……
No.10 蓑虫、或いはcake(1/2) ◇hemq0QmgO2
>布団の中で身も心も男子自由形、な競技の第一人者で、色落ちした色男だ。
これはwwww面白いwwwwwこういう独創的な例えが大好きです。
話がひどいwww主人公が惨め過ぎます。男子自由形ってこんなに惨めなんですね……
No.11 クリスマスイブを見せてやる(1/3) ◇zl6TwdxAzs
天才博士の気まぐれに巻き込まれる構図ですね。
そして天才博士の間抜けなオチ。面白いと思いました。
博士も必死だったのでしょうか?
本性を出して『俺』だなんていってます。
No.12 失笑・クリスマス(1/4) ◇twn/e0lews
うーん。のめり込み辛かったです;;
↑これは超個人的な意見。
しかし、悲しい男の心情は感じました。
クリスマスの一人身も寂しいものでしょうが、これはこれで寂しいと思いました。
> 煙草を吸って、煙草を吸って、煙草を吸って、煙草を吸う。
> 煙に埋もれていたら、また携帯が鳴った。
なんだろう……。煙草ってすごい寂しい雰囲気でる感じがする。言葉遊びも面白い。
907 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 16:16:25.77 ID:AwZlMqY00
No.13 孤独な友達(1/5) ◇BZIf0DAMS6
ちょっと主人公初対面でひどくありませんか?
まぁ、同じように孤独を抱えていたのですね。
あと、ちょっと、ちょっとだけ、読んでいて恥ずかしかったです。
↑超個人的意見です。クラスメイトとの会話とか。
>孤独は結局つきまとうけど僕がこの子の孤独をすこしでも紛らわすことができているのならそれでよかった。
↑これも感性の違いですけど、ちょっと長くないですか? 息切れしてしまいました。続けてばーっと読むのもいいんですが、
>孤独は結局つきまとうけど、僕がこの子の孤独をすこしでも紛らわすことができているのなら、それでよかった。
句点とか欲しかったかなぁ。
No.14 すべての戦うものたちへ(1/5) ◇wDZmDiBnbU
夢が叶っても、孤独になってしまうのですね。
ほのぼのするような話のはずなんですけど、悲しい感じがとても出ていました。
それにしても鬼塚さん可愛いですねッ><v面白かった。
No.15 彼方からの贈り物(1/4) ◇2LnoVeLzqY
やーーーーーーー><これは怖いィイイ。そして、発想が面白いいいい。
>きっとこれは、孤独な旅に耐え抜いた自分へのご褒美なのだ、と。
とありますが、
>孤独は、冷凍睡眠で紛らわせた。
のでは?
No.16 影絵(1/5) ◇SiTtO.9fhI
わかりづらい設定。煩わしい文章。ありがちなオチ。伝わるかどうかもわからん伏線。
ここから脱却したいです。ほんとに。オリジナリティある人がうらやましい。
No.17 山童(1/5) ◇e3C3OJA4Lw
ぼきゅってwwwかわいいでしょwwww
とてもバカっぽくて大好きwwwwはっ! いい意味でです;;;
ほのぼのぉ~。結局誰も孤独じゃ、ないんですよ。
908 :
初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/25(月) 16:16:52.00 ID:rloS/QdA0
てすかねさるさけ
909 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 16:18:02.11 ID:AwZlMqY00
No.18 Growth (1/5) ◇LvPDgMGhDE
思春期って感じ。
親に対する反抗心が出ていました。
釘とか仕掛けるって怖いですよ><
デジャブシーンは、主人公の成長がよく表われていました。
No.19 馬鹿な夢だと言わないで (1/5) ◇/7C0zzoEsE
こういう想像は誰もが一度は抱くでしょうね。
でも、もしそれが叶ってしまったら、怖いです。
二人っきりでも少し嫌ですねw;
夢オチはあまり好きじゃないんですけど(個人的意見)、これはいい感じです。
No.20 天使までの距離 (1/5) ◇D7Aqr.apsM
これは何よりラストの文章が素敵ですね。
>俺には天使までの距離は、計れそうになかった。
これはシビレます。自分自身、ラストを結構意識するので、そう感じてしまいました。
お嬢様の気まぐれに付き合わされた可哀相な男って感じがしました。
男が可哀相でなりません。
No.21 誰もいない何もない (1/2) ◇gKtxKcuVo
うまい。
感触や嗅覚だけで表現していたので、もしや、と思ったらそのもしやでした。
悲しいな。でも、孤独なんかじゃないです。
支えてくれる人がいれば。そう思います。
910 :
書初め(合格祈願):2006/12/25(月) 16:18:31.38 ID:0SsvwKC90
さるさる
911 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 16:19:19.90 ID:AwZlMqY00
No.22 わけあえないもの (1/3) ◇Lldj2dx3cc
なんか、格好良く勇者と魔王を描いてますね。
魔王の苦悩が出ていました。
それにしても、格好良いなぁー。
>孤独の城に、瞬間、光と闇とが交差した。
格好い(ry
No.23 ユキビトノオモイ (1/3) ◇kCS9SYmUOU
スノーマンwwwww
雪だるま可哀相wwwwwww
自我を持つことがこんなに辛いとは……。
雪だるまこの辺りのこと詳しすぎますね。
>この日、この町に観測史上まれに見る大雪が降った。
これは、何度も生まれ変わっているからわかるって感じでとってもおkですか?
そしたら、雪だるまも可哀相じゃないしwww
No.24 ある寒い冬の道路で (1/3) ◇/7C0zzoEsE
トイザラスwwwwwwwサンタも大変ですね。
発想が面白いwww
って! ちょっとまったぁーーー!!!!
>全く、空の方でも交通規制は厳しいのだから。
>空飛ぶ車なんて、面倒なもの開発しちゃって……
警官はどう制止させたのでしょうかぁああああ?!
あ、声かければいいのか……解決www
912 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 16:21:16.62 ID:AwZlMqY00
No.25 おれの戦争は終わった(1/2) ◇3f0Xs6b.AU
絶望ですね。孤独というよりもそっちの方が強かった。
これは重い……。短いのに……。
No.26 おれの戦争は終わった(1/2) ◇3f0Xs6b.AU
ってヲイ!!!!!!!!! これは予想外でしたよwwwww
また、同じタイトルが並んだので、嫌がらs――気のせいかと思いました。
と、それはさて置き、『蠱毒』うまい!!!!!
蠱毒は孤独ですもんねっ!!!! これは関心してしまいました。これは読めなかった。
>むかしこっぷりどじょうの目
面白い。けど、どういう意味ですか? 意味なし????
No.27 似たもの兄妹(1/5) ◇VXDElOORQI
wwwwwww。孤独を微塵に感じないwwwwww大好きですwww
愛すべき兄妹ですね。
うらやましいです。こんな兄妹。
余談ですが、私のところは姉ばっかりで兄がほsうわなにをsttjkhふじこ@
No.28 サンタ、ラクダに乗る (1/3) ◇BFHmFwSlrs
ほぉーーーー。サンタさんいいwwwww
ラクダに乗るって感じがいいですねぇ。
サンタさん、射殺されてしまって残念です。
時間外No.01 ひとり (1/6) ◇0UGFWGOo2c
うわぁ。いい。すごくいい感じ。時間外&規定外がもったいないwwww
作法なんてもーどーでもいいです。
これ、好きなのになぁ……。もったいない!
さて、前回とたいして変わっていないぞ? これはひどいです。
最近、悩んでます。誰か抱きしめてください><
913 :
書初め(合格祈願):2006/12/25(月) 16:23:28.85 ID:0SsvwKC90
Oh、想定外のポイントを指摘されたぜ。
指摘してくれたので抱きしめてあげます。むぎゅ。
914 :
猪(ミニスカ):2006/12/25(月) 16:24:19.05 ID:tzs1Hwa90
>>912 >誰か抱きしめてください><
ケツ出しな。
それはさておき、感想乙。
915 :
書初め(合格祈願):2006/12/25(月) 16:26:04.34 ID:0SsvwKC90
ケツ出しな、の5文字だけでこのスレの本質が表せてしまうのだから、
まったく言葉というものは恐ろしい。
916 :
ウリ坊:2006/12/25(月) 16:26:51.21 ID:MdstJryZ0
あ、投票はもうちょいあとか。
入るわけないと思いながら、それでも射精直前のちん子みたいにビクビクしてた。
全感想乙!
皮肉られてもう恥ずかしくて今にも逝けそう。
917 :
婦警さんと初詣:2006/12/25(月) 16:28:13.05 ID:TERAFKth0
これは……
やはり間合がつかめなかったのがよくなかったのか。描写の削りすぎでいるところまで……
汚いケツだなあ
感想乙
918 :
黒豆(五粒):2006/12/25(月) 16:31:51.20 ID:AwZlMqY00
ちょwwwwケツ見せてないから><!
投票はもうしばらく時間をください。
検討してみます。
919 :
ウリ坊:2006/12/25(月) 16:42:53.98 ID:MdstJryZ0
No.25とNo.26(ともに『おれの戦争は終わった ◇3f0Xs6b.AU』)は別人の別物、なのか?
920 :
黒豆(百粒):2006/12/25(月) 16:43:47.29 ID:e5BSrvPVO
感想乙そしてサンキュー
921 :
書初め(合格祈願):2006/12/25(月) 16:46:12.22 ID:0SsvwKC90
>>919 あれは26の方がミスかな。26のタイトルは「だれか」だった希ガス。
922 :
ウリ坊:2006/12/25(月) 16:47:23.50 ID:MdstJryZ0
923 :
婦警さんと初詣:2006/12/25(月) 16:47:32.64 ID:TERAFKth0
この調子なら票無しを余裕で狙えそうだな
924 :
猪(ミニスカ):2006/12/25(月) 16:51:22.06 ID:tzs1Hwa90
>>923 結構拮抗してる雰囲気だから、一票くらいは…入って欲しいね
サンタさんにお願いしてみる。
925 :
黒豆(六粒):2006/12/25(月) 17:10:58.13 ID:y2gYoAs3O
感想乙
そして鬱
926 :
角煮もち:2006/12/25(月) 17:11:18.21 ID:ZSlRtMIh0
期待なんてするもんじゃねえよ…
927 :
ウリ坊:2006/12/25(月) 17:13:47.66 ID:uMAPmLxV0
お題をもらっていいかな。
928 :
お年玉(800円):2006/12/25(月) 17:14:35.36 ID:maew+Tp30
感想お疲れ様でした
ちょっと誉めてもらえたので嬉しいです
また次回も参加してみますー
929 :
ナースと初詣:2006/12/25(月) 17:14:46.52 ID:TERAFKth0
落胆
930 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 17:33:13.19 ID:MdstJryZ0
全感想 で き た !
ホントただの無責任な一読者としての感想だから。
責任ある批評じゃないから。
こんな読者もいるんだな、程度で見てほしい。
それじゃ、いっくよ~☆
931 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 17:33:39.57 ID:MdstJryZ0
No.01 俺の孤独(1/4) ◇BLOSSdBcO
オチはほしいです……安西先生……。
No.02 第六感(1/2) ◇7wdOAb2gic
ちょっと長い文が見受けられたりもした。
どういう視点なんだ? と思ったら、オチで納得。
結構きれいにまとまってる。タイトルは、イタローの第六感なのかな。
No.03 最後の一枚(1/2) ◇K0pP32gnP6
>どうも、葉っぱです。
和んだww 全体的に可愛さが遺憾なく発揮されてるw
柿ピーの後ろに載ってる「けなげ組(?)」思い出す。好き。
No.04 接触前夜(1/4) ◇sjPepK8Mso
フロウリッシュ、コンビニで月一くらいに床清掃してく業者の名前で、なんかもにょもにょしたw
途中で人称変わっちゃってるね。それから、長い文もある。
あと、誰がどの台詞をしゃべったかわかりにくい。
ストーリーに関しては、予告編っぽい感じで終わっちゃったように感じる。一本の小説としてはやや弱い。
No.05 ひとりぼっち(1/5) ◇rTHaznD6ps
1レス目読みづREEEEEEEEEE!!!!! いや、うん、効果なんだとはわかってるんだが、それにしても……。
ストーリーの方は、落ちてるような落ちてないような。
ミノタウロスに食べられた"彼女"の役どころも"ぼく"の役どころもいまいち把握しきれない。
もうちょっとスマートに出来たんじゃないかと思う。
No.06 ──が来る!(1/3) ◇7CpdS9YYiY
夜が来るとか思った俺は、そんなんだからこんな日にも独りで全感想なんてしてるんだ。
全体的にもっと削れたんじゃないかなーという感じ。
あとあんまり孤独感はなし。孤独ってか、一人って感じ。
932 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 17:34:02.93 ID:MdstJryZ0
No.07 愚かの夢に鉄槌を(1/4) ◇497l1He566
バカ! バカ! マンコ!
期待しただろチクショウ! 俺のwktkを返せ! チクショウ面白かったよっ!
でもちょっと地の文というか、主人公の情動に抑揚がなさ過ぎな感じはした。
地の文でも楽しませてくれると、なお嬉しい。でも好きだよこれチクショウ。
No.08 孤独についての考察(1/5) ◇h97CRfGlsw
タイトルと冒頭にちょっと挫けそうになったけど、割合いいはなし。
けど……レズ? なのか?
恋愛感情ナシにしても、女に「男前」って使うのはどんなものなのかと。
そこだけ妙に引っかかる。
No.09 孤独(1/3) ◇YaXMiQltls
テレビ見ないから冒頭ちょっとわかりにくい感じはした。
でもアホだなぁww セックスの曜日じゃないだろとかww 皮向けなければ勝ちとかww
ただ、孤独といえば孤独だけど、そんなに孤独かといわれれば孤独ではないかもしれない。
No.10 蓑虫、或いはcake(1/2) ◇hemq0QmgO2
残念ながら俺には受け入れられない作品だった。
ストーリーがって言うより、文体が。
No.11 クリスマスイブを見せてやる(1/3) ◇zl6TwdxAzs
オチで納得、はする。
ただもうちょっと演出に凝れたんじゃないかとは思う。
No.12 失笑・クリスマス(1/4) ◇twn/e0lews
laughは失笑であってるのかなぁ……俺としてはむしろ嘲笑ってイメージだけど、まぁいいか。
雰囲気は好き。ちょっと地の文が固すぎな気もする。
好みの問題でしかないけど、シニカル分が強すぎるなぁ。まぁ、童貞中二らしいといえばらしいが。
933 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 17:34:29.32 ID:MdstJryZ0
No.13 孤独な友達(1/5) ◇BZIf0DAMS6
う~ん……いい話にしようとしたんだけど残念賞、って感じ。
主人公が転校生にここまで強く惹かれた、っていう動機が弱いかな?
もうちょっと仕掛けを用意してもよかったかも。
No.14 すべての戦うものたちへ(1/5) ◇wDZmDiBnbU
うー……詰め込みすぎ?
もうちょいシリアス分を減らして、ギャグ分を増やすとバランス取れる感じ?
途中までは面白かった、という感じです。
No.15 彼方からの贈り物(1/4) ◇2LnoVeLzqY
オチというか、ラストは、微妙といわざるを得ないかな。
No.16 影絵(1/5) ◇SiTtO.9fhI
うまいな、と思った。面白い。
ただ、もうちょっと説明と言うか伏線を作ってくれてるとよかったかな。
それから、"影"はどの程度のことが出来る存在なのか、よくわからない。
ちょっと残念。
No.17 山童(1/5) ◇e3C3OJA4Lw
なんでもない話だけど、和むね。童話みたいにまったりした、いい話。
ただ、全体の雰囲気を壊さないように、藻との会話もそれらしくした方がよかったかも。
それから、藻が山にきていた動機が不明瞭。
No.18 Growth (1/5) ◇LvPDgMGhDE
いい感じにノスタルジーな作品。タイトル調べてちょっと笑った。
ただ、区切りすぎ、という感じはした。もうちょっと流れを巧く操作できたらよかったかも。
934 :
猪(ちび):2006/12/25(月) 17:34:34.70 ID:UATFeE9XO
感想乙&ありがとう!
嬉しいこといってくれるでないかwwwwww
次からは時間外にならないようがんばる
935 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 17:35:25.40 ID:MdstJryZ0
No.19 馬鹿な夢だと言わないで (1/5) ◇/7C0zzoEsE
いい話なんだが……最後釈然としないというか物足りない。
メールの文章変えるだけでもぐっと引き締まるかもしれないと思った。
予定調和すぎて、ただの甘々話に終わってしまったのは残念。
もうちょっと読者を裏切って、そして落としてほしかった。
No.20 天使までの距離 (1/5) ◇D7Aqr.apsM
んーんー……感想、書きにくい……。
お嬢さんとツリーとの因縁とか、主人公の背景をもうちょっと活かすとか……。
なんかストーリーが流れてくだけで、とらえどころがない感じになってます。
No.21 誰もいない何もない (1/2) ◇gKtxKcuVo.
孤独じゃ……。
これも、ストーリー性が弱いというか、ワンシーンっぽいというか……。
「ああ、なるほど」っていう意外性はあるけど、まだ起承転結の起までしか進んでないという感じ。
No.23 ユキビトノオモイ (1/3) ◇kCS9SYmUOU
>たかが三十㎝
道民が経験上言わせてもらうと、ゼロからいきなり30cmになれば流石にかなりの大雪。いや、それだけだけど。
それから、cmは「センチ(メートル)」って表記にしたほうがいいよ。「三十cm」は流石にな……。
内容についてはー……やっぱり最後にもう少しパンチがほしいかな。
No.24 ある寒い冬の道路で (1/3) ◇/7C0zzoEsE
んー、面白い話なんだけど、ところどころ引っかかるんだよなー。
トナカイを本物か訊くところ(未来にはそっくりなものが作れるから?)とか、
>なあに、あと数年も経てば、またあんたを信仰する奴もでてくるさ。
とか。
題材が楽しげなだけに、残念。
936 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 17:36:21.20 ID:MdstJryZ0
No.25 おれの戦争は終わった(1/2) ◇3f0Xs6b.AU
戦争の悲劇、ですな。孤独っぷりは微妙といわざるを得ないけど。
ただ、残念ながら悲劇以上のものは書けてないと思う。
No.26 おれの戦争は終わった(1/2) ◇3f0Xs6b.AU?
蟲毒の孤独wwwwwwwこれは新しいwwwww
もうちょっと濃い絶望を書けると深みが増すかもしれないと思った。
それにしても、結構面白い。
No.27 似たもの兄妹(1/5) ◇VXDElOORQI
嘘は「吐く」だけど「突き通す」じゃね? いや、俺が間違ってるかもだけど。
内容は、うん、いつもどおり、この妹くれ。
オチは読めたけど、読めても悪くない。だからこの妹くれ。
贅沢言うと、前半もう少し疑心暗鬼の駆け引きがあったらよかった。
嘘だってモロバレの嘘じゃなくて、バレるかバレないかぎりぎりの感じの。
No.28 サンタ、ラクダに乗る (1/3) ◇BFHmFwSlrs
イスラエルのイスラム原理主義にツッコミそうになった。ガザ暫定自治区はパレスチナかよ。
でも、最後の一行で「イスラエルの祝日」ってなってるな。勘違いしてるのかしてないのかわからNEEEEEE!!!
あ、それから、ガザ地区って砂漠ある? 地中海沿岸なんだが……。
内容のほうは、いい話ではあるけれど、物足りない感じ。
どこがって具体的に答えることは出来ないんだが……。
時間外No.01 ひとり (1/6) ◇0UGFWGOo2c
ああ、うん、こういう話、好き。ハッピーエンド(?)だからってわけじゃないけど、好き。ほんわかする。
タイトルもいい。孤独というお題で、あえて孤独じゃない、というあたり。でも先生はチネッ!ww
最後に、木谷くんが理沙のストーカーにならないことを願うw
まぁ、心配ないか。
こういう、のちのストーリー考えちゃう作品は、巧いと思うんだ。
レスの配分考えれば十分5レスで間に合っただろうし、時間外なのが非常に悔やまれる。
937 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 17:36:53.24 ID:MdstJryZ0
No.22 わけあえないもの (1/3) ◇Lldj2dx3cc
☆
|\
∴∴∴
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: ::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ
厨二っぽい文章は、ホントは世界観に合わせてやってみたんだぜ……
結局ただの厨二になっちまったがな……
投票はもうちょっとあとで投下するー
938 :
猪(浴衣姿):2006/12/25(月) 17:43:50.75 ID:tzs1Hwa90
>>937 感想乙なんだぜ…
ちょっと悲しくn(ry
939 :
角煮もち:2006/12/25(月) 17:53:22.39 ID:ZSlRtMIh0
大丈夫だ!俺も真っ先に「夜が来る!」が浮かんだから!
……別に大丈夫ではないな('A`)
940 :
ナースと初詣:2006/12/25(月) 17:53:34.11 ID:TERAFKth0
ハハハ、たった二行の投下失敗が案外響いてるぜ、ハハハ
941 :
猪(ちび):2006/12/25(月) 17:59:25.41 ID:UATFeE9XO
>>936 感想乙&ありがとう!
やべえwww素直に嬉しいwwwwww
942 :
巫女と初詣:2006/12/25(月) 18:01:25.23 ID:TERAFKth0
>>936 とにかく
感想有難う。
参考にさせてもらう
943 :
【投票】 ◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 18:08:39.03 ID:MdstJryZ0
***********************【投票用紙】***********************
【投票】
No.07 愚かの夢に鉄槌を ◇497l1He566氏
小説として正統かというとどうかと思うけど、
心を動かされた点、構成の巧さを考えると、これが一番かな。
【気になった作品】
No.09 孤独(1/3) ◇YaXMiQltls
このバカちんがwwwww
No.18 Growth (1/5) ◇LvPDgMGhDE
今後に期待。
No.26 おれの戦争は終わった(1/2) ◇3f0Xs6b.AU? (蟲毒の孤独のやつ)
あと一息で賞授与。
時間外No.01 ひとり (1/6) ◇0UGFWGOo2c
時間外でさえなければ……。
********************************************************
944 :
猪(おもらし君):2006/12/25(月) 18:09:15.46 ID:y8BfkW5w0
感想乙です、有難う
規制明けばんじゃい
945 :
黒豆(万粒):2006/12/25(月) 18:34:57.19 ID:e5BSrvPVO
感想アンド投票乙であります。
そうか、文体が駄目か…。通常お題作品みたいな普通の書こうかな。
品評会だと何故か文章が暴走してしまうw今回は誤字もあるし尚更。
書いてる時は楽しいんですけどねえ…。
946 :
◆SiTtO.9fhI :2006/12/25(月) 18:39:05.51 ID:AwZlMqY00
◆dx10HbTEQg氏へ精一杯謝罪をさせていただきます。
本当に申し訳ございませんでした。
947 :
◆Lldj2dx3cc :2006/12/25(月) 18:41:41.74 ID:MdstJryZ0
アッー!!
俺も、ごめんorz
948 :
友達と初詣:2006/12/25(月) 18:43:59.23 ID:gpmtIvGa0
>>945 蓑虫の人? 違ったらごめん
まだ全部読んでないからあれなんだけど、蓑虫だけについて言えば
初っ端から読者選んでるような感覚を感じた。拒絶反応を示す人は速攻でよむのやめちゃうかもしんない。
あと「?」のあとは一文字空けて欲しかった。読みづらい
949 :
初夢(犯人だった):2006/12/25(月) 19:07:26.01 ID:rloS/QdA0
まとめの方が間違ってるみたいだね。
カオスると、こうなるわけか。
950 :
1000ならクリスマス中止:2006/12/25(月) 19:10:14.98 ID:e5BSrvPVO
>>948 本当にすみません。携帯厨なんで、スペース入れても何故か適用されないんです。
「蓑虫」は……。読者を選んでるつもりは毛頭ないんですが……。
文体は(途中からは)意識的にあんな感じにしました。やっぱり読みづらいいのかなあ。
まあ一番の問題はつまらないってことでしょうがw
わざわざありがとうございます。反省かつ参考にさせていただきます。
951 :
猪(入れ歯):2006/12/25(月) 19:14:18.19 ID:4U5HkL7/0
アワードってここで投票するの?
952 :
猪(休職中):2006/12/25(月) 19:19:05.97 ID:uMAPmLxV0
>>951 まとめのエントリー用に使ってたスレを使い回すみたい
953 :
お年玉(落としちゃった!!):2006/12/25(月) 19:53:12.56 ID:y8gJKMqf0
力の限り保守!!
954 :
猪(里に下りてきた):2006/12/25(月) 20:08:01.48 ID:PNIJSG040
過疎かよ……この時間に……
955 :
書初め(佳作):2006/12/25(月) 20:16:57.12 ID:w2nE1jzi0
全作品感想に挑戦中。そういう人が多いんじゃないだろうか
956 :
猪(ギター):2006/12/25(月) 20:18:59.42 ID:gf9siJkA0
今回はむしろ感想も投票しなくていいかなって思ってる
957 :
猪(ダイエット中):2006/12/25(月) 20:22:23.60 ID:y8BfkW5w0
>>950 横レスだが。
文体云々は良くわからんが、俺は好きだぞ。
後で全感想の時に読んで貰えば解ると思うが
958 :
◆dx10HbTEQg :2006/12/25(月) 20:29:02.46 ID:WmDSXKCj0
>>946-947 あれ、ものすごく俺謝られてる?
と、思ったらまとめミスがあったのな。カオスに参加した俺が悪いですorz
ごめんなさい。こちらこそマジごめんなさい。お詫びに全感想続き終わらせてきます。
そして感想乙&ありがとうございました。
反省はまた後でまとめてやらせていただきます。多分。タイミング掴み損ねなければ。
26作品目は「だれか◆dx10HbTEQg」ということでお願いします。
959 :
猪(里に下りてきた):2006/12/25(月) 20:31:16.26 ID:PNIJSG040
みんながんばってー!!
俺はもうだめだ
960 :
黒豆(九粒):2006/12/25(月) 20:41:41.65 ID:AwZlMqY00
お題をください
961 :
猪(イタ電中):2006/12/25(月) 20:43:38.79 ID:tzs1Hwa90
962 :
猪(緑):2006/12/25(月) 20:44:11.79 ID:MdstJryZ0
りんごをウサギの形に切った奴
963 :
黒豆(九粒):2006/12/25(月) 20:47:07.04 ID:AwZlMqY00
↑把握しました。りんごをうさぎ型に切ってもりんごだと思います><
964 :
猪(給食中):2006/12/25(月) 20:51:23.96 ID:uMAPmLxV0
お題がほしい
965 :
初夢(アキバでびゅーしてきた):2006/12/25(月) 20:52:35.36 ID:xjhELEn10
ネコミミ
966 :
のびたと初詣:2006/12/25(月) 20:52:45.02 ID:WmDSXKCj0
967 :
猪(緑):2006/12/25(月) 20:52:51.11 ID:MdstJryZ0
『味噌汁の具について』。
無理なら味噌。
968 :
親父と初詣:2006/12/25(月) 21:08:41.09 ID:XzeLTunB0
969 :
角煮もち:2006/12/25(月) 21:11:17.44 ID:e5BSrvPVO
>>957 何よっ、あんたなんかに誉められても……
とても、嬉しく、思います。本当に、ありがとうございます。
970 :
一人で初詣:2006/12/25(月) 21:11:31.15 ID:6IvqKeLz0
今回の品評会の人気の低さに
絶望した
971 :
おせち(8,000円):2006/12/25(月) 21:14:20.80 ID:TUghMJw4O
お題ください
972 :
猪(赤):2006/12/25(月) 21:15:49.89 ID:MdstJryZ0
無色
973 :
書初め(今年書くぞー):2006/12/25(月) 21:22:39.82 ID:w2nE1jzi0
感想テラムズカシス。全感想の方々にはマジで敬意を表するお( ´ω`)
974 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/25(月) 21:24:50.47 ID:WoQVSuIQ0
MTGのスターター買ってきた。閉店セールで半額さ!
さて、全感想に取りかかりたいけどサイレンが俺を呼んでる
975 :
おせち(5,000円):2006/12/25(月) 21:26:50.62 ID:0/nldyuWO
ところで、と
976 :
猪(緑):2006/12/25(月) 21:33:37.33 ID:uMAPmLxV0
?
977 :
味噌出汁:2006/12/25(月) 21:34:26.50 ID:ZSlRtMIh0
全感想は…全感想するのは俺のジャスティス……
978 :
猪(子持ち):2006/12/25(月) 21:42:35.96 ID:OpZcPb6p0
979 :
猪(ようじょ):
そろそろ次スレ