ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

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1お年玉(現物支給)
長編投下の際の注意


・超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ! でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
・前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ……あの、お茶どうですかぁ?
・基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。フフフ、僕とキョンたんの恋愛話も大歓迎ですよマッガーレ
・当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ……けど、今はほとんど皆無。別に気にしないで
・キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるの知ってるんだからね〜
・台詞や呼称等もその人物にとって違和感がないようにしてくれたまえ
・1レスには最大30行、全角で2048文字まで入るのね。文章構成の参考にして欲しいのね
・要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな
・19時〜翌1時ぐらいまでにWikiを編集すると、重くて壊れたように表示されちゃうけど少し待てば直るから心配しないでね。じゃあ死んで
・自分で投下した長編はなるべく自分で編集すること、わかった!?
・それじゃ、さっさと投下しなさいっ! いい? あたしを退屈させたら死刑だからねっ!


DAT保管庫.    http://haruhiss.xxxxxxxx.jp/

まとめサイト     http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/

DATうpろだ    http://www.uploader.jp/home/harussdat/
雑談所(避難所) http://yy42.60.kg/haruhizatudan/
携帯用.       http://same.u.la/test/p.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/
2お年玉(現物支給):2006/12/22(金) 16:54:59.35 ID:760u4I770
【Wiki第2弾SS企画用アドレス】

・SS企画用検討スレ          http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1156605747/
・SS企画『冬』投下スレ・短編用   http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1165158602/
・SS企画『冬』投下スレ・長編用   http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1165158520/
投稿期限12月4日〜翌年1月14(21)日  発表1月中旬予定
3お年玉(現物支給):2006/12/22(金) 16:55:44.05 ID:760u4I770
文章のルールなどは、前回の企画のものを踏襲しておりますので、検討スレを参考にしてください。
また、質問・意見なども検討スレで受け付けております

====================
       業務連絡
====================

まとめwikiの管理人さんが多忙の為、まとめ作業が遅れます。
せめて長編だけでも負担にならないように、SS作者は自分でまとめていきましょう。

また、SS作者の方で自分ではまとめるスキルがない、携帯だからまとめられない、
夜間はwikiが重くて編集出来ないと言う方は

まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153863162/ PC用 
http://same.u.la/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1153863162/ 携帯用

にまとめ要請を書き込んでください。

まとめ要請がないと、まとめボランティアの人たちも手出しは出来ません。
管理人さんの負担を減らす為にも是非よろしくお願いします。
4初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/22(金) 16:56:44.90 ID:sSHaAPmWO
>>1乙!
5猪(ドラム):2006/12/22(金) 16:59:38.05 ID:2ZaejUc0O
>>1
6しょうゆ出汁:2006/12/22(金) 17:01:07.12 ID:TYghNPtjO
>>1
7書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:02:28.45 ID:TW2iV+9H0
1000 :お年玉(すずめの涙):2006/12/22(金) 17:01:54.14 ID:760u4I770
1000なら長門は古泉の嫁


ちょwwwでも、まーいっかwwww
8猪(ベース):2006/12/22(金) 17:03:12.49 ID:2ZaejUc0O
前スレ>>1000GJ!w
9初夢(虫なった夢):2006/12/22(金) 17:03:31.16 ID:gXYv/TmB0
よくねぇよwwww
10お年玉(すずめの涙):2006/12/22(金) 17:04:12.40 ID:760u4I770
まったくだwww
11書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:04:33.13 ID:TW2iV+9H0
SSの中ではもう規定事項みたいなもんじゃね?www

それと遅レスですまん>>1乙!!
12書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:05:30.30 ID:TW2iV+9H0
>>10
>>10!!
>>10!!!
13書初め(交通安全):2006/12/22(金) 17:05:35.33 ID:KFASlZBNO
>>1
乙!

前1000何ともいえないwwww
14黒豆(二粒):2006/12/22(金) 17:06:37.14 ID:/aIuLYCAO
馬鹿言うなー古泉は俺の嫁だっちゅーの!
15初夢(またバイトか):2006/12/22(金) 17:07:14.85 ID:sSHaAPmWO
このふいんき(ry……投下おK?
16猪(ベース):2006/12/22(金) 17:07:46.57 ID:2ZaejUc0O
カモン
17お年玉(すずめの涙):2006/12/22(金) 17:08:27.11 ID:760u4I770
>>14
じゃあ代わりに岡部で
18猪(友達がvipper):2006/12/22(金) 17:10:10.01 ID:MUckogVXO
>>1


そして投下嘉門
19 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:10:27.78 ID:sSHaAPmWO
じゃあ投下します。タイトルは決まってないです。
何レスかはわからないけど、20くらいだと思う。


 これはいかん、眠れん。
 俺は今、SOS団の冬合宿と称した温泉旅行に来ている。
 去年はいろいろと大変だったから、今年はゆっくりとした合宿にするという、ハルヒらしからぬ提案でそうなった。
 まぁどうせ何かがあるだろうと思って、構えて待っていたのだが……本当にゆっくりしただけだった。
 おかげで全然疲れも無くて、エネルギーを持て余してしまった俺は眠れないわけだ。……少し楽しみだったんだがな、サプライズが。
 すでに1時を回っている。古泉も寝ているし、別室の三人も寝ているだろう。
 しょうがないから一日中焚きっぱなしの露天風呂でも行くか。
 今夜は冷えると言っていたし、上手くいけば綺麗な景色や星が見れるかもしれん。
 どうせ何もないならとことんリフレッシュしてやる。
 古泉を起こさないように準備をして、ゆっくりと部屋を出て行った。
 さすがにこの時間になると不気味なくらい静かだ。
 こんな時こそ探索したら何か出るんじゃないか? ……いや、今更言ってもな。
 結構部屋から離れている風呂。チョロチョロと窓から覗く景色は綺麗そのものだった。
 空から降り注ぐ月明りと星明かりが、辺りを化粧している雪を照らして輝く。
 みんなにも見せてやりたいくらいだ。
 そんな景色や、旅館の中を見回しながら風呂まで行くと、俺の視界にある人物が入ってきた。……何してやがるんだ、あの野郎。
 おい、ハルヒ。こんな時間にこんな場所で何してる。まさか夢遊病とか言い出すんじゃないだろうな?
「うわわわっ! キョ、キョン!? あんたこそ何してんのよ!」
 そんなに慌てなくてもいいだろう? 眠れないから風呂に入りに来ただけだ。
20書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:10:33.11 ID:TW2iV+9H0
>>15
おまえIDがシャープだな!じゃなかった投下カモーン!!
21書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:11:15.45 ID:TW2iV+9H0
自分が情けない・・・支援
22猪(ベース):2006/12/22(金) 17:11:59.24 ID:2ZaejUc0O
支援
23 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:12:30.57 ID:sSHaAPmWO
「あら、あんたもなの? あたしもなんだか眠れなくて……」
 そうか。じゃあゆっくりと風呂でリラックスして明日に備えろよ。
 俺は足早に脱衣場へと駆け込んだ。
 特に話は無いし、ハルヒにいろいろ言われるのも面倒だしな。


 浴衣を脱いで、解放感溢れる格好になったらすぐに露天風呂へのドアを開けた。
 ……って寒っ! 早くつからないと凍死体になっちまう!
 俺は、子どもがはしゃぐ要領で勢いよく風呂に飛び込んだ。
 ふぃ〜……誰もいないっていいな。体の芯まで暖まり、心の芯までリラックス出来るぜ。
 露天風呂の周りの雪化粧されている木々を見ながら一人でたそがれていると、ドアが開く音が聞こえ、その後、ヒタヒタと足音が聞こえてきた。
 こんな時間に俺以外にも風呂に来るやつがいるのか……ついてないな。
 視線を上にやり、星と月の光を眺めた。
 冷たい空気の中では、より一層綺麗に見える。なんとも幻想的で神秘的な景色だ。
「あんたが風景眺めるなんて珍しいわね。空に何かあるの?」
 あぁ、たまにはそんなセンチな気分にもなるん……っておい。ちょっと待て。
 俺が視線を横にずらすと、白い肌を長タオルで隠して風呂につかっているハルヒが居た。
 ここは男湯だぞ? 何故ここにいる?
「一人で入っても味気ないじゃない? 喜びなさいよ、このあたしと混浴なんてなかなかないわよ」
 こいつはバカだ。俺の伝えようとしていることが伝わっていないのか?
 あのな、ハルヒ。客は俺達だけじゃないんだ。誰か入ってきたらどうするんだ。
「誰も来やしないし、気にもしないわよ。……それよりさ、綺麗だよね?」
 ハルヒが少し距離を詰めて、空を指さした。
24書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:12:42.82 ID:TW2iV+9H0
支援
25VIP皇帝:2006/12/22(金) 17:13:10.84 ID:AFznKx+j0
長門「事実は小説より奇なり」
古泉「確かにそうですよねぇ…我々がこうして一同に介したのも何かの縁でしょう」
涼宮「当然じゃない!私が集めたんだから!」
キョン「じゃぁ どうして謎は集まらないんだろうな」

長門「立直・1発・ツモ・タンヤオ」
キョン「なん…だって!?」
古泉「なるほど、これは壮観ですねぇ」
涼宮「ちょっと どうゆうことなの!?説明して頂戴!」

長門「四暗刻・四連刻」
キョン「やられた…こいつ完璧超人か…いあ…当然というべきか…」

古泉「いえ 問題はこの後かもしれませんよ」
キョン「裏ドラ合わせて8個かよ…勘弁してくれ…」
26お年玉(すずめの涙):2006/12/22(金) 17:13:11.59 ID:760u4I770
速やかに支援
27書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:13:18.38 ID:TW2iV+9H0
支援
28 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:13:46.30 ID:sSHaAPmWO
 そこには、住んでる町では絶対に見られないような輝きを放つ北極星があった。
「人ってさ、若い時、好きなことをできる内だけが輝いてるんだと思うの」
 北極星を見上げたままハルヒは自分の考えを語りだした。いつもなら軽く聞き流すのだが、今日は何故か耳を傾けてしまう。
 そして、ハルヒはこっちを向いて、湯につけている俺の手を取って微笑みながら口を開いた。
「キョンから見て、あたしはさ、今……輝いてる?」

 ―――ドクン。―――

 ……なんだ、今の鼓動は。……それより、俺は何をしている。 
 何故こんなことをしている?
 ………………っはぁ。
「っはぁ……はぁ……キョ、キョ……ン?」
 何でこんな近くにハルヒの顔がある? 何故二人とも呼吸が乱れている?
 ……違う。認めやがれ、くそったれ。自分のやったことを認めろ。

 俺は、ハルヒにキスをした。それも、強引に。

「キョン……あ、あたし……」
 すまん。忘れてくれ。
 風呂から飛び出し、走って脱衣場に戻った。
 急いで体を拭きながらも、呼吸の乱れが治らない。急げ、ハルヒが来る前に部屋に戻れ。
 体の拭き方が中途半端で、浴衣が張り付き上手く着れない。……何やってんだよ。
 逃げ出すように部屋に戻り、布団にくるまった。
 なんだ今のは。誰の仕業だ? 俺の意思だったのか?
 悩みに悩む。気持ち悪い空間から抜け出すためでもないのにキスをしただと? しかも俺から。
 意味がわからん。恥ずい。死にてぇ。
 ……しかし、あの時のハルヒの顔は一枚絵のように頭に焼き付いている。
 月光、星光。それを反射する積雪。それらが一点に集まったような感じだった。
29書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:14:01.68 ID:TW2iV+9H0
>>26速やか杉wwww1秒ってwwww
支援
30書初め(私はイケメン):2006/12/22(金) 17:14:16.95 ID:AFznKx+j0
>>25駄文でごめんなさい

支援
31 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:15:42.41 ID:sSHaAPmWO
 神秘的で、幻想的。その感想がハルヒに乗り移ったかのようだった。
 ……なんてな。そんなこと考えてどうする。明日は起きたら謝ろう。
 運がよければ罰金くらいで済むはず。……食事代が高くないことを祈るか。
 目を瞑り、気持ちを落ち着けた……。


 ははは、かっこわりぃ。結局、一睡も出来なかったぜ……。
 6時くらいに布団を抜け出し、顔を洗った。
 鏡に映った冴えない面のバカ野郎。思いっきり殴り飛ばしてやりたいね。
「おや、お早いですね?」
 ……お前こそ早いな。いつも早起きか?
「まさか。こんなにゆっくりと休んだのは久しぶりですよ。非常にゆっくり出来ましたよ」
 そりゃよかったな。
 答えるとすぐに熱い茶を淹れた。もちろん一杯だけ。
 口から体内へ、熱い液体が流れ込む。とりあえず心を休ませろ。
 部屋に備え付けの将棋をゆっくりと古泉と指していると、食事の準備ができたと伝えられた。
 食事は全員でとることになっている。
 男の方が先に来たらしく、しばらく座布団の上で座って待っていると、三人が揃ってやって来た。
 どうやら朝からガツガツ食う奴はいないらしく、非常にゆったりとした朝食をとっていた。……んだけどな。
 問題はここから、ハルヒが夜の話をしようとした時だった。
「ねぇ、キョン。きの「古泉、醤油取ってくれ」
 ……何故遮った。ちょこっと話をして謝れば済むだろう?
「ちょっと、キョ「朝比奈さん。おかわりもらえますか?」
 ……何故だ? どうしても遮ってしまう。
 それどころか、俺の目の前に位置取るこいつの顔をまともに見れない。
 自分の分の食事を掻き込むと、逃げるように部屋へ戻った。
32書初め(今年こそデート):2006/12/22(金) 17:15:48.29 ID:TW2iV+9H0
うはwwww>>25関係ねぇwwwwwうぇうぇwwwww
支援
33初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/22(金) 17:16:01.72 ID:pSOMSrIbO
つC
34 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:17:18.31 ID:sSHaAPmWO
 夜の、風呂から帰る時のようなスピードで。
 なんだよ、これ? まともに顔も見れないし話も出来やしねえ。
 ハルヒの体の一部が見えたり、声が聞こえたりすると、夜のあのシーンが脳内でフラッシュバックされる。
 ……たぶん、今、顔真っ赤だな。
 あのシーンが頭に出て来る度に、鼓動が大きくなる。顔が熱くなる。
 まさか、俺は朝比奈さんの笑顔ではなく、ハルヒの笑顔にクラッと来てるのか?
 おいおい、頼むぞ。なんだって俺があいつに惹かれる?
 こんなこと谷口にでもバレたらバカ笑いでからかわれてしまう。
 自分に嫌気がさすぜ……やれやれ。
 ともかくだ、ハルヒに昨日のことを謝らないと始まらない。さ〜て、どうするべきか……。
 そう考えていると、ドアがノックされた。
 古泉はノックしないし……朝比奈さんか?
 どうぞ。
 ……参ったね。予想に反して、入って来たのはハルヒだった。
 何故予想に反してかって? そりゃこいつがノックして入って来るなんて有り得ないからさ。
「……なんで避けるのよ」
 わ、わからん。わからんから困っている。
 と答えながらも、俺の視線はハルヒを外していた。
「なによそれ。あ、あんなことしたのはあんたじゃない!」
 しかし、何故あんなことをしたかすらわからないから、さらにわからなくなる。
 黙ったまま窓の外を見ていたら、ハルヒに頬を挟まれて睨まれた。
「人と話す時は目を見て話しなさい!」
 バカ、近いって。……あんまり近付くと心臓の音が聞こえるだろ、離れろ。
 ……と言いたかった。言いたかったが、口から言葉が出ない。
 頭がボーッとする。呼吸だけが早くなる。唇が空回りする。
 どうしたんだよ、俺の体は……。


 目が覚めると、ハルヒに見下ろされていた。
35猪(ベース):2006/12/22(金) 17:17:53.34 ID:2ZaejUc0O
支援
36 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:19:12.43 ID:sSHaAPmWO
「キョン! あんた昨日ちゃんと体拭いたの!? すごい熱よ!」
 どうやら俺は、ハルヒと睨めっこをしたまま寝たらしい。なんて都合のいい体だ。
 あぁ、悪い。もう大丈夫だ。今日はどこに連れてってくれるんだ?
「……三人には好きなように出かけていいって言ったわ。あんたはあたしとお留守番よ」
 なんということだ。古泉の奴め、両手に花じゃねーか。帰ってきたらとりあえず殴ってやる。
「さ、話を元に戻しましょう」
 あぁ、完全に忘れてたぜ。よく考えると、今は普通にハルヒと喋れてるし、顔も見れる。
 ……で、意識した今、またハルヒの顔を見れなくなった。
 しかし、上から見下ろされる立場の俺は、視線を逸らすことすら出来ないわけだ。
 まぁ……なんだ、その……悪かった。
「……なんで謝ってるのよ」
 いや、だからいきなりあんなことしちまって……。そんなつもりは全然なかったんだ。
 ハルヒは顔色を変えた。なんか……怒ってる?
「あんた……今なんて言った?」
 だから、いきなりあんなことして悪か……「その後よ!」
 ……そんなつもりは全然なかったってやつか?
 表情が怒りから哀しみに変わった。……哀しみだと?
 何故こいつが哀しむ必要がある? 有り得ない。
 そのとき、俺の顔に水滴が落ちて来た。……ハルヒが涙を流していた。
「……もう知らないっ! 一人で熱で苦しんどけっ!」
 走って部屋から出るハルヒを追いかけた。やべぇ……頭痛ぇ。
 旅館の玄関を出る頃には、もう10メートル程差がついていた。
 速すぎるんだよ、ちくしょう!
 階段を一段飛ばしで降りる……ズルッ。
 ……………………。
37猪(ベース):2006/12/22(金) 17:19:29.45 ID:2ZaejUc0O
支援
38 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:21:25.53 ID:sSHaAPmWO
 見事に足を滑らせた俺は、草木の中に見事に突っ込んだ。雪が衝撃を和らげてくれたのが不幸中の幸いか。
「キョン! 何してんのよ、バカ!」
 ハルヒが走って戻ってくる音が聞こえる。根は優しいんだよ、こいつは。
 しかし、熱を出しながらもそんなに着込んでない状態で雪にダイブは効くぜ……。
 あぁ、世界が回る。もうダメかもわからん。
「なんで追っかけて来るのよ! 寝ときなさいよ、病人なら! しかもこんな薄着で……」
 バカ、追っかけさせたのはお前だろ。……それより、すまん。もうダメだ。
 ハルヒに体を預け、俺の意識は飛んだ。
 まったく……よく意識が飛ぶ日だな。やれやれ。


 またもや、目が覚める。やっぱり頭は重……くない?
「キョン、調子はどう?」
 ハルヒが俺の顔を見ながら心配そうに聞いてきた。
 すこぶる快調だ。何故かわからんが完全に治ったようだな。
「それはよかったわ。有希が持ってきてくれた薬が効いたみたいね」
 あぁ、そういうことか。長門が何かしら入った薬を作り、それをハルヒに渡したのだろう。
 それならこの効果のありようも納得だ。
 体を起こし、肩や首をグルグルと回す。……うむ、健康そのものだ。
 ところで……なんでいきなり逃げ出したか聞いていいか?
 ハルヒは一瞬だけ顔をしかめたが、すぐに口を開いた。
「あたし……初めてで、すっごくうれしかったのに……。
あんたが、あんたが『忘れろ』とか、『そんなつもりは全然なかった』とか……言ったから……。
ひくっ……返せ……あたしのうれしかった気持ち返してよぉ……ひぐっ……」
 初めて見るハルヒの女らしい仕草は、顔を伏せて肩を震わせ、涙を流している姿だった。
39猪(ベース):2006/12/22(金) 17:21:55.17 ID:2ZaejUc0O
支援
40 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:22:57.85 ID:sSHaAPmWO
 かなり不謹慎だが、俺はその姿を見て、こんな女らしい一面もあるんだなと思ってしまった。
 いや、女らしいっていうのは俺の独断と偏見による見方だがな。
 俺は泣き出したハルヒに何も出来ず、ただ見続けていた。
 自分が最低なのはわかっている。だからと言って、俺にどんな言葉をかけろと言うんだ?
 古泉がいるなら『好きだ』と言ってくださいとか言うんだろうがな。
 だけどな、正直な気持ちがわからないんだ。ハルヒには好意を持っている。
 しかしどこまでの好意なのかがわからない。恋愛対象としてなのか、友達としてなのか……。
 自分の思考の迷路を辿っていると、ハルヒの出した、蚊のなくような小さな声が聞こえた。
「……あたしが泣いてても、何も声かけてくれないの? ……バカキョン……」
 すまん。……すまん。
 あぁ、何でだろうな。俺の目から汗が吹き出してきやがった。
「キョン……」
 俺に言えることはこれしかない。ダメな俺を責めて構わない……すまん。
「ふふふ……あんたって本当にダメね。こんな時は嘘でもいいから『好き』って言ってくれればいいのに……」
 ……不器用なんだよ、俺はな。
「ほんっと不器用。それで鈍感で、ついでにバカね」
 言い過ぎじゃないか? 終いにゃ泣くぞ。……もう泣いてるけどな。
 『バッカみたい』と笑いながら言われた後、ハルヒは自分の部屋に戻った。
 たぶん入れ替わりで古泉が戻ってくるだろう。
 その前に顔洗っとかないとな。泣いたなんて知れたら恥ずかしすぎる。
 顔を洗い終えた後、しばらく待っていると、ゆっくりとドアが開いた。
41猪(ベース):2006/12/22(金) 17:23:23.47 ID:2ZaejUc0O
支援
42お年玉(すずめの涙):2006/12/22(金) 17:24:02.19 ID:760u4I770
マターリ支援
43 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:25:00.44 ID:sSHaAPmWO
 待ってたぞ、こいず……み……?
 予想外なことに、ドアを開けて立っていたのは、SOS団の読書要員宇宙人、長門有希だった。
 長門、いきなりどうしたんだ? ……あぁ、薬の件は助かったぜ。
「いい。それより、あなたは……」
 まさか、こいつからこんな言葉が出るとは思わなかったぜ。
「わたしと卓球をするべき」
 何を考えてるんだろうね、この宇宙人は。


 壮絶なラリーの応酬、左右に走り回る俺。一歩も動かずに打ち分ける長門。
 ……いじめか、いじめなんだな?
「違う」
 こいつが能動的に腕を振っているのを見るのは珍しいことだが、その代償が体力とは割に合わん。
 わけのわからん情報パワーが発動してるのは間違いないがな。
 約30分程打ち合い、俺がぶっ倒れたところで卓球は終了した。
 汗まみれだし、腕も足も痛ぇ。
 はぁ、はぁ……な、長門。何の意味があったんだ、これ?
「……わたしの趣味」
 おい。
「……冗談」
 真顔で冗談を言うな。本気に見えるから。
「……そう。本当は、あなたのストレス発散。動くことで頭を空っぽにして欲しかった」
 あぁ、そうか。みんな俺を心配してくれてるんだな。ハルヒに対して答えを出せない俺を……な。
「汗をかいたから、次はお風呂で流してくるといい」
 そうするよ。……ありがとな、長門。
「……いい。上がったらちゃんと体を拭いて」
 長門に気遣いを受けながら、俺は風呂へと向かった。
 ……待ち構えてるのは古泉だろうな。かなり嫌な気分だが。
 しかしながら、汗がベタベタして気持ち悪い。しょうがないから俺は一目散に風呂に向かい、ドアを開けた。
 ……誰もいない? まさか古泉は露天風呂の方に構えていたとかか?
44猪(ベース):2006/12/22(金) 17:25:31.94 ID:2ZaejUc0O
支援
45 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:25:33.99 ID:sSHaAPmWO
 多少の疑問を感じながらも、俺は体を洗い、湯船につかった。
 人がいないのは夜と一緒だが、上を見上げても、もちろん空は無く、天井だけが俺の目に映った。
 ……あいつは今、部屋で何してるかな?
「キョ〜ンく〜ん!」
 壁一つ隔てた向こうから、かわいらしい声が聞こえてきた。待ち構えてたのは朝比奈さんだったか。
 俺は湯船の、壁に一番近い方に位置を変えた。
 聞こえてますよ、朝比奈さん。
「あの、騙してお風呂に連れて来ちゃったみたいになってごめんなさい! わたしと長門さんはキョンくんの為を思って……」
 わかってますよ。大丈夫です。
「よかったぁ。そ、それでですね、涼宮さんのことなんだけど……」
 この話題も予想していた。……が、俺は何を言われるのだろうか? 大体わかってはいるんだが……。
「どんな結果になってもいいから、自分の気持ちをはっきりとしてから涼宮さんに伝えてくださいっ!」
 ……正直、驚いた。土下座で謝って、『好きだ』と言えとでも言われるかと思っていたからな。
 さらに、朝比奈さんは続けて言葉をだした。
「あ、でも! ……わたしはキョンくんと涼宮さんは付き合って欲しいな」
 ……それは、未来のためですか?
「ば、馬鹿にしないで! わたしだって大好きな友達には幸せになって欲しいんですっ!
 これは、《朝比奈みくる》個人の気持ちですっ!」
 わかっていた。朝比奈さんは心からそう思っていることを。
 少しだけ遊んでみただけなんだが、まさかここまで怒るとはな。
 冗談ですよ。俺は朝比奈さんをはじめ、みんなを信頼してますから。
「ふえっ! ご、ごめんなさい! つい熱くなっちゃった……恥ずかしいよぅ……」
46猪(ベース):2006/12/22(金) 17:26:34.14 ID:2ZaejUc0O
支援
47 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:27:23.94 ID:sSHaAPmWO
 恥ずかしがってる朝比奈さんが想像出来るぜ。……言っておくが、裸を想像したわけじゃないからな。
 結構な時間、話をして、のぼせる直前に風呂から上がった。
 ……やっぱりか。
 脱衣場には古泉が待ち構えていた。
「あなたの心は決まりましたか?」
 ……さぁな。だが、一つだけは言える。ハルヒと二人で話がしたい。
「……そうですか。わかりました、夜の食事の後に二人で話が出来るように取り計らっておきますよ」
 まったく、頼りになる奴だぜ。嫌味なくらいにな。
 着替えを済ませると、部屋に戻り、窓の外を眺めた。
 相変わらずの白い世界が、心を落ち着かせる。
 夜……か、長いな。


 かなり美味い夕飯を腹一杯に堪能して、合宿最後の夜を迎えた。
 俺は自分の部屋で一人、ハルヒを待っていた。
 もちろん、窓の外の景色を見ながら、まだ固まっていない想いを考えながらだ。
 満面の笑顔や、不機嫌な顔、初めて見た泣き顔……そして、深夜の露天風呂に見た、神秘的で幻想的な微笑み。
 いろんな顔を浮かべるハルヒが脳裏に浮かんだ。
 よくここまで覚えてるよな、脳年齢も意外に若いかもしれん。
 などと冗談混じりに考えていると、ノックを経て、ドアを開けてハルヒが入ってきた。
「……来たわよ」
 あぁ。まぁとりあえず座って茶でも飲んでくれ。
 目の前で淹れた茶を置いてやった。味は朝比奈さんの足下にも及びやしないだろうがな。
「まずまずね」
 俺の淹れた茶を一口飲むとそんな感想をくれた。美味く淹れたつもりはないから構わないが。
 さて、問題はハルヒに何を伝えるために二人になったのかだ。
 頭の中はぐちゃぐちゃで使い物にならん。それなら、口から出た言葉が俺の気持ちじゃないのか?
48お年玉(すずめの涙):2006/12/22(金) 17:27:25.56 ID:760u4I770
しぇーん
49 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:29:18.07 ID:sSHaAPmWO
 何せ、俺は自他共に認める不器用人間だからな。
 ……まぁ、本当は自分の気持ちだってわかってるつもりだ。
 とりあえず、俺の口が発する意見を聞いてやろうじゃないか。
「ハルヒ、よく聞け。夜に風呂でやったことについて謝るのはやめた。
 俺は不器用だから単刀直入に言うぞ。あの行為こそが俺の本当の気持ちだと受け取ってくれ」
 ……ほらな。絶対に俺の口ならそう言うと思っていたぜ。
 まぁ、自分の口だから当たり前なんだが。
「「……………………」」
 二人の間にしばらくの沈黙が流れた。
 気まずさに耐えかねて、俺が口を開こうと思った時に、ハルヒが喋りだした。
「……やっぱりお茶、不味い。なんか……しょっぱい」
 しょっぱい? そんなことは無……
 俺は言葉を止めた。どんなに鈍感でも、これくらいはわかるさ。ハルヒが泣いてるってことくらいな。
 悪い。ちょっと淹れ方間違えたみたいだ。……バカだからな。
「ふふ……ぐすっ、ほんっとバカね。バカキョン……大好きっ!」
 ハルヒはこれ以上ないくらいの勢いで俺に抱き付いてきた。
 もちろん受け止めるだけの力は俺には無く、後ろに倒れこんだわけだが。
「大好き大好き大好きっ!」
 いや、ハルヒ。そんなに言われたら恥ずかしいんだが……。
「うるさいっ! だって、うれしいもんはうれしいんだからしょうがないじゃないっ!」
 俺もうれしい。……が、ハルヒが落ち着くまではうれしがるのは無しだ。
 ……何故かって?
 そりゃあ、ハルヒのうれしがる顔を見逃すのはもったいないからさ。
 記憶に残るハルヒの表情達の一ページにしっかりと刻み込みたいんだよ。
「あぁっ、もう! ニヤニヤが止まらない!」
50猪(ベース):2006/12/22(金) 17:29:35.95 ID:2ZaejUc0O
支援
51 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:30:10.32 ID:sSHaAPmWO
 ハルヒは、SOS団を思いついた時より、朝比奈さんで遊んでいる時よりも良い顔をしていた。
 しかしだ、このまま抱き付かれたまま喜ばれ続けても困るよな。収集がつかないから。
 おい、ハルヒ。そろそろ離れろ。
「やだ」
 ……だだっ子か、お前は。無理矢理に離されたいか?
「それは……やだ」
 やだやだって、こいつは精神年齢が低くなったのか? まるで、新しく買ってもらったおもちゃを離さない子どもだ。
「……ごめん。やっぱり離すから、そんなに困った顔しないで」
 いつの間にか表情に出ていたらしい。ハルヒはあっさりと離してくれた。
 ……こいつ、根は甘えん坊か? ツンデレのツンだけがきっちり抜け落ちたみたいだ。
 まぁ、どうせ他の奴等の前じゃ元通りになるんだ。俺と二人の時くらいこんなになっても構わないか。
 俺だけが知ってる、ハルヒの意外な一面だ。
「ん〜……」
 ……おい、それは何の真似だ。
 ハルヒは、俺に向かって唇を突き出し、目を瞑っていた。
「決まってるじゃない、キスよ。一回やったんだし、別にいいじゃない」
 それを言われると言い返せないな。……やれやれ。
 恥ずかしいから頬にちょこっと唇をつけてやった。
「ちょ、ちょっと……」
 ハルヒに赤い顔を見られたくない一心で、俺は古泉達を呼びに部屋を出た。くそ、羞恥プレイは専門外だ。
「どこ行くのよ、待ちなさいっ!」
 予想通り追いかけてきやがった。追いかけて来るのは構わないが、せめて部屋の戸締まりはしてくれよ。
 ……まぁ、いい合宿だったよな。疲れも取れたし、一騒動あったり、風邪もひいたりしたが楽しかった。
 そして何より、ハルヒと付き合えた。
52猪(ベース):2006/12/22(金) 17:30:37.46 ID:2ZaejUc0O
支援
53 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:32:06.26 ID:sSHaAPmWO
 よくよく考えると幸せ極まりないな。こんなに愛されてるとは思いもしなかったし。
 どれもこれもハルヒのおかげか。それならお礼の一つくらい……いいか。
「ぅぶっ! きゅ、急に止まるなっ!」
 立ち止まって、ハルヒを全身で受け止めた。柔らかい髪からいい匂いがした。
 ハルヒ、ありがとう。俺は幸せ者だよ。
 そう伝え、今度は唇同士を合わせた。
 ハルヒの表情はわからない、目を瞑ったからな。
 それにしても俺は不意打ちのキスが多いな。閉鎖空間といい、風呂の中といい、今といい……。
 ゆっくりと唇を外す。ハルヒの表情は……。
「バカキョン……最低ね」
 口では悪態をついてもわかるぜ。それは《幸せ》の表情だろ?
 ほら、口の端がひくついてやがる。そろそろ見せてくれるんだろ? 俺の大好きな笑顔をさ。
「キョンのくせに、あたしを出し抜くなんて……死刑なんだからっ!」
 ほらな、言った通りだ。
 あぁ、死刑でも何でも来いよ。俺はお前の……《彼氏》として何でもしてやるよ。


 こうして、冬合宿は終わった。
 やっぱり二人じゃない時のハルヒは今まで通りで、デートなどの時は多少甘えん坊になる。
 よく考えると、キャラを使い分けれるハルヒの器用さに脱帽してしまう。
 まぁ、不機嫌なハルヒも、ご機嫌なハルヒも、俺の大好きなハルヒには変わりないわけだが。
「キョン! 何ボーッとしてんのよ!」
 あぁ、そうだった。俺は今、ここ一番の寒い日に街中を歩いている最中だ。
 特に何をやるわけでもなく、ただ色々な店を回る、普通のデートだ。
 寒い中を歩き、面白そうな店や、気に入った物が置いてある店があったら入る。
 こんな行き当たりばったり感が俺達には似合ってるからな。
54書初め(家内安全):2006/12/22(金) 17:32:43.75 ID:2ZaejUc0O
支援
55初夢(猿の夢):2006/12/22(金) 17:33:19.47 ID:8zAs5jN70
支援なんかしねーよ!
56 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:34:03.53 ID:sSHaAPmWO
 店を出て、二人で手を繋ぎながらフラフラ歩いていると、空から雪が降ってきた。
 こんだけ寒けりゃ、雪も降りたくなるよな。
「あ、思いだした」
 いきなりどうした、何を思いだした?
「あたし達、今、好きなことやってるわよね? 好きな人とデートっていう」
 ……あぁ、そうだぞ。ただの惚気か?
 ハルヒは膨れっ面を作って答えた。
「違うわよ。……いまから質問するからちゃんと答えてね?」
 まったく何なんだよ……。答えてやるから早く言え。
「温泉でさ、『若い時、好きなことをできる内が輝いてる』って言ったわよね?」
 言ったな。その後に俺が無理矢理にお前の唇を奪ったんだよな。……恥ずい、消し去りたい思い出だ。
「こうやって、舞い降りながら輝く雪で思いだしたのよ。……あんたは輝いてるわ、すっごく」
 そりゃ、ありがとうよ。
 ハルヒの周りの空気が、だんだん神秘的、幻想的に変わっていく気がした。
 まるで、あの温泉の時のように……。
「じゃあ、質問いくわよ。 キョンから見て、あたしはさ、今……輝いてる?」
 あの日と何も変わらないハルヒの表情がそこにあった。
 舞い降りる雪を見上げ、輝く景色を見渡した。
 俺はあの日、答えの出せなかった俺じゃない。答えはもう見つかった。
 さぁ、言ってやろうじゃないか。あの時に言えなかった言葉を。
「輝いてるぜ、ハルヒ。この舞い降りる雪より、世界中のどんな物よりも……な」
 やっと聞けた答えに、ハルヒは満足そうに笑った。
 つられて俺も笑い、そのままハルヒを抱き寄せた。
 街中? 関係ない。誰が見てようが構いやしない。
 ハルヒに、あの日のキスとは完全に意味合いの違うキスをした。
 《愛してる》という答えの出たキスを。
57書初め(私はイケメン):2006/12/22(金) 17:34:14.45 ID:AFznKx+j0
支援 出来れば谷口と国木田とキョンの後日談まで支援
58 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:34:36.02 ID:sSHaAPmWO
 後はハルヒからの感想の言葉を聞くだけだ。怒られようが、褒められようが、全て受け入れてやる。
 なぜなら俺は……ハルヒの彼氏だからな。
 ハルヒ、俺の答えに対する感想は?
 心の奥底から暖まるような笑顔を見せられながら、答えが返ってきた。
「100点満点よ! キョン、大好き!」


おわり


以上です。支援ありがとうございました!
59お年玉(すずめの涙):2006/12/22(金) 17:36:09.18 ID:760u4I770
60黒豆(三粒):2006/12/22(金) 17:36:26.43 ID:4/3AGi+mO
61猪(ベース):2006/12/22(金) 17:36:41.67 ID:2ZaejUc0O
GJ!
甘ぁぁぁぁぁぁぁい!


つ【運命的事件の幸福】
62 ◆mtod1dSyOc :2006/12/22(金) 17:39:05.33 ID:sSHaAPmWO
駄文でしたがありがとうございました。詰めたら20レスもいらなかったです。

タイトルどうしようかな……。
63猪(ベース):2006/12/22(金) 17:41:11.96 ID:2ZaejUc0O
>>3お願いしまーす。
64愛のVIP戦士:2006/12/22(金) 17:41:25.17 ID:8zAs5jN70
雪けむりラヴァー
65書初め(私はイケメン):2006/12/22(金) 17:42:05.22 ID:AFznKx+j0
後日段キボンヌゥゥゥ
でも乙です

いっそ書くか(ry
66初夢(またバイトか):2006/12/22(金) 17:45:13.14 ID:sSHaAPmWO
>>64
もらいます!
じゃあそれでまとめ要請してきます。

>>65
機会があれば書いてきます。
67福禄寿(ふくろくじゅ):2006/12/22(金) 18:07:23.11 ID:o982j9bp0
>>62GJです!!
いやーよいキョンでした〜
68おせち(3,000円):2006/12/22(金) 18:23:55.07 ID:KFASlZBNO
保守
69黒豆(四粒):2006/12/22(金) 18:42:06.74 ID:ADvd1CqUO
70初夢(二日酔い):2006/12/22(金) 18:44:34.72 ID:8zAs5jN70
71書初め(私はイケメン):2006/12/22(金) 18:46:53.54 ID:TW2iV+9H0


72お年玉(がっぽり):2006/12/22(金) 18:48:58.13 ID:760u4I770
青かび拭いた
73家族で初詣:2006/12/22(金) 18:50:05.85 ID:9bHuCZht0
ほぇぇぇ!
誰か前スレDATくだしゃ〜い!
74おせち(200円):2006/12/22(金) 19:08:13.42 ID:2ZaejUc0O
保守
75寿老人(じゅろうじん):2006/12/22(金) 19:08:32.48 ID:o982j9bp0
76おせち(5,000円):2006/12/22(金) 19:28:41.16 ID:KFASlZBNO
保守
77妹と初詣:2006/12/22(金) 19:39:34.85 ID:QF/JVy3O0
ほs
78お年玉(800円):2006/12/22(金) 19:42:09.82 ID:760u4I770
ほにゅ
79おせち(5,000円):2006/12/22(金) 19:51:37.60 ID:KFASlZBNO
はにゅ〜
80初夢(筋肉痛):2006/12/22(金) 19:53:35.38 ID:8zAs5jN70
あぅあぅwwwwwwwwwww
81姫初め:2006/12/22(金) 20:02:02.31 ID:760u4I770
はわわ〜
82初夢(猿の夢):2006/12/22(金) 20:02:17.18 ID:b+fNSuZG0
カツノリ
83凧(韓流):2006/12/22(金) 20:13:30.05 ID:feZ8KbVE0
保守
84お年玉(なし):2006/12/22(金) 20:23:07.09 ID:TW2iV+9H0
HOSYU
85おせち(8,000円):2006/12/22(金) 20:40:56.32 ID:KFASlZBNO
保守
86姫初め:2006/12/22(金) 20:54:37.37 ID:760u4I770
うにゅう
87猪(ベース):2006/12/22(金) 21:05:49.48 ID:MUckogVXO
ハゲ
88おせち(30,000ウォン):2006/12/22(金) 21:28:59.13 ID:QEM8L9uT0
ほし
89初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/22(金) 21:37:45.73 ID:O9TbinBs0
k
90初夢(アキバでびゅーしてきた):2006/12/22(金) 21:55:59.68 ID:gHyvud6OO
保守
91おせち(10,000円):2006/12/22(金) 21:56:14.43 ID:KFASlZBNO
y
92猪(禁煙中):2006/12/22(金) 22:03:50.77 ID:mQyqvB0Z0
なんか今日は人少ないねー。
投下はもうないのかね……
93VIP皇帝:2006/12/22(金) 22:12:22.39 ID:KFASlZBNO
アゲアゲ
94凧(ひとりぼっち):2006/12/22(金) 22:12:53.66 ID:sb4psi2y0
ここももうすたれるばかりかな、急に投下が無くなったよね。
95おせち(150j):2006/12/22(金) 22:13:28.54 ID:QEM8L9uT0
>>92
昨日もう一人「投下出来るかも」って言ってたような・・・
96イクラ:2006/12/22(金) 22:14:37.52 ID:XSl/wEvq0
いつの間にかプリンとアナルの勢いが逆転しているな。
97妹と初詣:2006/12/22(金) 22:16:07.15 ID:f3yQzC+o0
俺も書いてみようかな・・・  ついでに保守
98神所謂ゴッド:2006/12/22(金) 22:27:48.59 ID:AS2bPdOh0
99焼き豆腐:2006/12/22(金) 22:27:56.44 ID:oWni2ZCz0
わらいながぁらハミングー
100凧(ひとりぼっち):2006/12/22(金) 22:27:56.79 ID:sb4psi2y0
>>96
みんなアナルに行ってるのか。
101ナースと初詣:2006/12/22(金) 22:35:53.51 ID:VtcMluTG0
>>98
萌え死んだ
102おせち(150j):2006/12/22(金) 22:45:54.89 ID:QEM8L9uT0
>>98
保存したw
103焼き豆腐:2006/12/22(金) 22:46:53.88 ID:rAJuxcK+0
104VIP皇帝:2006/12/22(金) 22:47:06.33 ID:760u4I770
>>98
バックアップを4つほど取っておいた
105初夢(声優とデート):2006/12/22(金) 22:50:12.65 ID:uQ/tAw0GO
今のアナル
( * )
  λ
   λ
    λ
     λ
●<ナランデクダサーイ
106女装して初詣:2006/12/22(金) 22:51:14.45 ID:mNYUnNqw0
ttp://vista.x0.to/img/vi6679451038.jpg
これは萌える
>>103
カレンダーだな
107初夢(蛇の夢):2006/12/22(金) 22:53:07.98 ID:760u4I770
これはないわww
108黒豆(八粒):2006/12/22(金) 22:53:10.19 ID:ADvd1CqUO
Jane使えねぇぇぇ!!
109おせち(5,000円):2006/12/22(金) 22:56:50.92 ID:3nXyX4SnO
ネタをかなりやり尽くした感があるからな……それでもおもしろいけど。
未来ネタ少ないけど未来関係はまだ不明な点が多すぎて頭使って補完しないと書けないし……
110おみくじ(太吉):2006/12/22(金) 23:08:56.38 ID:QF/JVy3O0
111おせち(1d):2006/12/22(金) 23:22:57.08 ID:QEM8L9uT0
ほし
112おせち(15,000円):2006/12/22(金) 23:23:53.89 ID:KFASlZBNO
保守
113ニンジン:2006/12/22(金) 23:25:17.56 ID:TYghNPtjO
保守替わりに続くかもしれないネタ投下。
もしもキョンが夢見がちだったら――。
 サンタクロースをいつまで信じていたか、
 なんてのは世間話にならないくらいのどうでもいいような話として扱われているが、
 なぜ過去形で語るのだろうか。
 ああそうさ、俺は未だにクリスマスにたった一晩で世界中の子供たちに
 プレゼントを届ける赤服のじーさんを信じている。
 それだけではない。
 地球人を観察にきた宇宙人が俺たちの間に大多数潜んでいるに違いないと思っているし、
 未来から過去の歴史を調査しに来た未来人だっているはずだ。
 それに世界を守るために影で奔走する超能力者だっていなければ嘘だ。
 だってよ、地球人だってこうして存在するんだぞ。
 他の知的生命体がいないなんて、おこがましいじゃねえか。
 それに、かのアインシュタイン先生の理論によれば、光の速さを超えられるものはなく、
 ゆえに人は過去に行けないことになっているが、
 彼が間違っていないと誰が言い切れよう。
 そうさ。見つからないからって、いないと決め付けるのはナンセンスだ。
 まず、すべての可能性を肯定しておくべきじゃないか?
 だが、現実ってのは幼稚な夢を見る若者に居場所なんて用意してくれやしない。
 中学時代の忌々しい体験でそのことを悟った俺は、
 しょうがなく周りに合わせてやっていく術を身に付けた。
 そしてぼんやりしているうちにいつの間にか通うことになった高校で――、


涼宮ハルヒと出会った。
114凧(♀):2006/12/22(金) 23:28:09.66 ID:sb4psi2y0
>>続きwktk
あとで >>3 まとめ要請もおねがい!
115ニンジン:2006/12/22(金) 23:32:26.10 ID:TYghNPtjO
>>114
今書いてるやつ終わったらまじめに取り組むから、その後で申請する……
昨日「投下するかも」と言いつつ完成しそうにないお詫び替わりのネタだし……
116凧(中華風):2006/12/22(金) 23:34:11.83 ID:1bPnSm0v0
>>103
カレンダーか
でもなんで12月にプレゼントなんだ?
2月ならバレンタインでチョコって感じだがな
クリスマスプレゼントか?
117初詣で痴漢:2006/12/22(金) 23:37:03.98 ID:mNYUnNqw0
>>116
俺らに25日はないのだよ
118おせち(1d):2006/12/22(金) 23:55:01.95 ID:QEM8L9uT0
干す
119お年玉(げんこつ):2006/12/22(金) 23:58:30.05 ID:ZgMYLaBn0
懲りずにネタ募集ー、ハルキョンか古鶴になると思うけど
何かあればネタをください。
120凧(中華風):2006/12/22(金) 23:59:32.67 ID:1bPnSm0v0
ハルキョンで初詣で屋台巡り
121お年玉(とられた):2006/12/23(土) 00:23:34.27 ID:q4v3slWCO
下げたほうが良いの?
古鶴の人、乙。古鶴が森さんに遭遇というのはどうだろうか?
122ぬこと初詣:2006/12/23(土) 00:25:55.91 ID:wnvoUm/l0
>>119
ハルキョンで裸エプロン
123猪(倉庫係り):2006/12/23(土) 00:26:16.71 ID:K65fG5XAO
ずっとsageてる必要は無いと思うけど、どうなんだろ?
124看護士と初詣:2006/12/23(土) 00:27:23.87 ID:HzkeA5cq0
>>119
ラブラブハルキョン
長門参戦、芽生える友情、三人でラブラブ
いつの間にかラブラブだった古鶴
忘れられたみくる「あ、あれ?わ、わたしは?わたしは?」
125119:2006/12/23(土) 00:28:42.63 ID:AJOs2P/E0
>>120-122
ネタありがとう。
まず屋台めぐりを書いているけど、残りも書けたら書くね。

あと、昨日貰ったけど書けてないキョン有希ネタは後日
ちょっと長めの話として投下することになりそう。
126猪(赤詐欺):2006/12/23(土) 00:39:33.67 ID:nW0/XvJXO
おぉ!wktkだぜ!
127お年玉(もらいたい):2006/12/23(土) 00:41:18.47 ID:7bpDsEhsO
wktkして待ってるよ〜
128猪(♀):2006/12/23(土) 00:46:49.87 ID:+eJE/kNV0
最近クリスマスが近いせいか妄想力がみなぎってる。
未完のまま放置してたのがあったから久々に開いてみるぜ。
129初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/23(土) 00:49:53.37 ID:EvcbuxJE0
今夜はとうとう投下なさそうだな。週末なのに情けない。いよいよここも終わりか...。
130猪(赤詐欺):2006/12/23(土) 00:52:21.34 ID:nW0/XvJXO
>>129
投下待ちの作品は沢山ある訳だが…
131初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/23(土) 00:53:12.01 ID:EvcbuxJE0
>>130
投下して!
132猪(青詐欺):2006/12/23(土) 01:02:31.03 ID:nW0/XvJXO
>>131
俺は書いてねーよwww
133猪(ギター):2006/12/23(土) 01:18:31.95 ID:ps+N4m8G0
しばらく中断しててた書きかけのやつの続きを書こうと思ったんだが
今まで書いた部分を読み直してみたらなんかしっくりこない
最初から書き直すことになりそうだ。

あれかな、書くときは一気に書いちゃった方がいいのかね?
134書初め(虫よけスプレー):2006/12/23(土) 01:24:17.41 ID:AJOs2P/E0
>>133
あー、物によるし人にもよるだろうけど
あんまり寝かせておくと調子がつかめなくなるってことはあるかもね。
私もそういうのいくつか有るし・・・。

えっと、ハルキョン古鶴の初詣出来たけど投下OK?
135猪(双子の兄):2006/12/23(土) 01:25:45.14 ID:+eJE/kNV0
>>133
俺もそれを一回やって躓いた。

要所を予め書いてしまって、残りの部分を肉付けする箱書きって方法で核のお勧め。
136猪(青詐欺):2006/12/23(土) 01:28:11.60 ID:nW0/XvJXO
カモン
13701/06 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/23(土) 01:32:39.58 ID:AJOs2P/E0
 初詣、といえば神社に行くわけだが、例えどんなに人が多くとも神社に行ってしなきゃな
らないようなことなんてあっという間に終わるわけで、寧ろ初詣のメインイベントはお参り
やらおみくじを済ませたことの方にあるんじゃないだろうか、何てのは俺の妄想でもなんで
もなく、きっと、この日本という国の普遍的事実の一つだろう。
 でもって普遍的事実として付け加えるのならば、この時期の神社の周りというのは、お祭
りのときと同じくたくさんの屋台が並んでいたりするのが普通だ。当然、俺達がやって来た
神社もその例に漏れなかった。
「さあ、次は焼きそばよ!」
「良いねえ、あたしも食べるよ!」
 ……とっくに胃袋の限界値に達しきっている俺と古泉を他所に、ハルヒと鶴屋さんは元気
に全屋台制覇なんじゃないかいうくらいの勢いで次から次へと食べ物を買っては食べ、買っ
ては食べ、ということを繰り返している。
「二人とも元気ですねえ」
「ああ、元気だな」
「ほらほら二人とも疲れた顔なんてしない! お正月なんだからぱーっと行きましょう、ぱ
ーっと。あ、それともお腹が空いているの?」
「いや、そういうわけじゃないんだ」
「僕もです」
 丸っきり見当違いのことを言い出したハルヒに対して、俺と古泉は仲良く首を振った。
「ふうん。……まあいいわ、とにかく元気出していきましょう!」
 納得したのかしないのか、ハルヒが大きく手を振り上げた。
 その間鶴屋さんはと言えば、何時の間に焼きそばを食べ終えたのか、既に次の屋台の物色
にかかっている。
 どうやらチョコバナナを何味にするか決めかねているらしい。普通の以外にホワイトとか
イチゴとかマンゴーとかがあるみたいだからな。
 ……賭けても良い、彼女は間違いなく『全種類』を選ぶだろう。
13802/06 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/23(土) 01:33:03.08 ID:AJOs2P/E0
 チョコバナナを全種類×2買い上げる客なんて、屋台のおっちゃんにとってもレアな客な
んだろうな。それも細身な女性が二人だ。
「何でここにこんなものがあるんだろうな」
「さあ……、でも、食べないわけには行かないでしょうね」
 豪快に食べるハルヒと鶴屋さんに気をよくしたおっちゃんは、どういうわけかその後ろに
居た俺と古泉にチョコバナナを一本ずつただで渡してくれた。
 誤用だというのを承知で言わせて貰えるのならば、ただほど高いものは無い、なんて言葉
を実感するのはきっとこういうときなのだろう。
 俺達二人は朝に食ったお節と、さっきから食わされ続けた屋台飯でお腹いっぱいだ。
 しかし、食べないわけには行かない……、これを女性陣に渡すという選択肢は、さすがに
無しだろう。おっちゃんが目の前に居るしなあ。
「……食うか」
「そうですね」
 かくして俺達はため息を隠しつつ、チョコバナナを食すことになった。
 ……甘い、そして辛い。
 何で俺達、元旦からこんな目にあっているんだろうなあ……。
13903/06 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/23(土) 01:33:26.17 ID:AJOs2P/E0
 チョコバナナの辺りでハルヒと鶴屋さんも食べ物に関してはそこそこ満足したのか、俺達
はその後は食べ物系以外の屋台を巡ることになった。
 子供みたいだなあ、何て思わないことも無いが、ここ一年くらい忙しくてまともにお祭り
に来たことも無かったし、去年の正月は四人とも和服で鶴屋家で畏まっていたことを考えれ
ば、まあ、こういうのも良いかって気持ちにならないこともないよな。
「あ、キョンの破れたー!」
「くそ、もう一枚だ、おっちゃん、もう一枚!」
 が、そんな穏やかかつ幸せそうな俺の気持ちは、じゃあ、四人で勝負よ! とハルヒが言
い出したことにより、あっという間に吹き飛んでしまった。
「はいよ。あんちゃん、ほどほどにしておけよ」
「こっちは七つ目だねっと。おっと、次はこれだよ!」
「……一枚で四つ、まあ、こんなものでしょう。ああ、僕はこれくらいにしておきますよ」
 金魚ならぬ指人形すくいにて、俺達は盛り上がりまくっていた。
 全然上手く行かなかった俺、俺にちょっかいを出す余裕を見せつつも確実にとっていたハ
ルヒ、危なっかしい手付きに見えつつもどんどん数を稼いでいた鶴屋さん、一人ペースを守
りながらもそれでいてそつなくそれなりの数を確保した古泉。
 結果、一位ハルヒ、二位鶴屋さん、三位が古泉、俺がビリということになった。
 ちなみに勝負の癖に一人何枚使うか、つまり、金を幾ら使うかは自由という、それは財力
勝負の間違いじゃないのか? という条件付だったわけだが、一体誰が一番金を使う羽目に
なったのかは……、聞かないでおいてほしい。
14004/06 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/23(土) 01:33:45.68 ID:AJOs2P/E0
 ボールすくいの次は輪投げ、その次は射的、次は数字合わせ、と言った感じで、俺達は只
管遊んでいた。遊びまくっていた。
 純粋な運が絡むもの以外の、どちらかというと勘や運動神経を要求されそうなところだと
大体俺がビリって辺りが、何とも言えないよな。
 まあ、三人が三人とも俺が運動能力で勝てそうな相手じゃないから、仕方ないといえば仕
方ないことなんだが。……それでも、悔しいかと訊かれれば少し悔しい。
 ハルヒほどじゃないが、俺にも子供っぽい意地だとか負けず嫌いな部分が少なからず有る
ってことなんだろうか。ああ、ハルヒに影響されたのかもな。
「あんた鈍っいわねえ」
「うるさい」
 ハルヒ、俺とお前じゃ基本スペックが違いすぎるんだよ。
「あはは、キョンくんったら負け続きだもんねえ。まっ、こういうのは時の運とかもあるか
ら仕方ないっさ!」
 鶴屋さん、それじゃ励まされているのかそうじゃないのかさっぱり分からないんですが。
「まあ、楽しめたから良いじゃないですか」
 古泉、勝負ってのは勝ってこそ……、何てことをお前に言っても仕方ないような気もする
んだが、こういうのはやっぱり勝った方が気持ちいいってのが普通だろうよ。
「ま、キョンが鈍いのは今に始まったことじゃないと思うけど。……あら、お面屋さんね」
 ふと、ハルヒが足を止めたのは、食べ物屋でも勝負事になりそうなことが出来るようなと
ころでもない、ただのお面屋だった。
「へえ、懐かしいのが色々有るねえ」
141猪(青詐欺):2006/12/23(土) 01:33:46.63 ID:nW0/XvJXO
支援
14205/06 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/23(土) 01:34:07.67 ID:AJOs2P/E0
 鶴屋さんがハルヒの脇からひょいと顔を出し、お面を見ながらそんなことを言った。
 そういや、結構懐かしいヒーローが並んでいるな。最近のはさっぱりだが、子供のころか
ら活躍しているようなヒーロー達なら俺にもわかる。鶴屋さんと似たり寄ったりな表情をし
ているハルヒや古泉も似たようなものなんだろうか。
 ヒーロー、か。
 色々なことを思い出す単語だよなあ。今はあんまりそういうことを考える必要もなくなっ
たわけだけどさ。
「おじさん、これちょうだい」
 と思ったら、ハルヒが懐かしいヒーローのお面を一枚買い上げた。
 そしてそれを自分で被るのかと思ったら、
「はい、あんたにやるわ」
 と言って俺に手渡してきた。
 ……これはどういう風の吹き回しだ?
「あんたがビリばっかだったから、その残念賞の代わりよ。ま、鈍いあんたじゃヒーローに
はなれないと思うけど」
「何だよそれ」
「良いから受け取りなさい、それから今からちゃんと被ること! あたしが買ってあげたん
だからね」
 ハルヒは顔を赤くしつつ、大きな声で主張した。
「分かったよ。……ありがとな」
 ちょっとはTPOを弁えてくれという気持ちを抑えつつ、俺は一応礼を述べた。
 まあ、ハルヒに買ってもらったっていう事実に間違いは無いからな。残念賞ってのがちょ
っとひっかかるところだけどさ。
「分かればよろしい!」
 ハルヒはぱっと顔を輝かせると、大きく手を振り上げた。
 何か、幸せそうな笑顔だよなあ。
 でもって俺は、ハルヒがそんな顔をしてくれるなら、勝負に負けたことも、残念賞のこと
も、これからこのお面を被って歩かなきゃならないことも、まあ、水に流してもいいかな、
なんて気に……、いや、最後だけは流しちゃまずい気もするんだがな。
14306/06 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/23(土) 01:34:31.41 ID:AJOs2P/E0
 かくして俺は、懐かしいヒーローのお面を被りつつ道を歩く羽目になった。斜めに被るこ
とも許されず、顔を覆う形でだ。歩きにくいし、何より恥ずかしい。
 普通に考えたらこんな俺と一緒に居るのだって恥ずかしいと思うものなんじゃないか? 
と思うのだが、首謀者であるハルヒも、着いて来る二人にも、その理屈は通用しないらしい。
 お前らなあ。
「あー、今日は楽しかったわ」
「そうだねえ、久しぶりに思いっきり遊んだ気がするよ」
「僕も同感ですよ」
「……まあ、そうだな」
 お前ら全員子供かと言いたい気持ちを抑えつつ、俺も楽しんでいたこと自体に間違いは無
かったわけなので、一応の同意を示してやった。
 まあ、お面を被ったままじゃ間抜け極まりないわけだけどな。
「あ、でも帰ったら双六があるんだったわ!」
 双六?
「そう、今年は古泉くんと鶴屋さんの共同製作よ!」
 ハルヒが答え、古泉と鶴屋さんが良い笑顔になる。いや、この二人は普段から笑っている
ことが多いんだが……。そういう意味の笑顔とは、ちょっと質が違うよなあ。
「おっもしろいのを作ったつもりだかんねー。全力で楽しんでおくれよ!」
「もっちろん!」
 未だに元気有りまくりのような鶴屋さんの言葉に、ハルヒが全力で応じる。
 二人とも元気だよなあ……、まあ、元気なのは悪いことじゃないけどさ。
 しかし双六か。古泉や鶴屋さんの考えるところの『面白い』の部分に一抹の不安を感じな
くも無いような……、まあ、そんなに心配しなくても良いか。 
 どうせ双六をやるのは家の中、大恥をかくような羽目になったってそれを知ることになる
のは気心の知れたここに居る三人だけだし、三日まで丸々休みだから遊び疲れて倒れたって
大した問題にもならない。
 だから今日は、全力で付き合ってやるさ。
 ハルヒもまだまだ元気を持て余しているみたいだしな。

 終わり 
144 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/23(土) 01:35:27.60 ID:AJOs2P/E0
こんな感じで終わっておきますー。
タイトルが決まらなかったので誰かつけていただけると嬉しいのですが
何か無いですかね?

あ、あとwikiには後で加筆修正入れてから自力であげます。
145猪(青詐欺):2006/12/23(土) 01:36:07.35 ID:nW0/XvJXO
GJ!

いやぁこの組み合わせ良いね。
146愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 01:36:25.56 ID:kfFZMPEf0
GJ!
147猪(青詐欺):2006/12/23(土) 01:42:42.87 ID:nW0/XvJXO
タイトルは「初詣」で良いんじゃないかな?
148 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/23(土) 01:49:58.56 ID:AJOs2P/E0
>>147
初詣・・・、被るかと思ったらこのタイトルの作品は無いみたいですね。
じゃあ『初詣遊び倒し』という風にしてみます。
149鶏肉:2006/12/23(土) 01:53:16.34 ID:iQwDVLFo0
>>130
何の投下を待ってるンだ?
150ウリ坊:2006/12/23(土) 02:01:11.52 ID:dw7rDYi+0
恋愛お試しとかハロウィンとか....('A`)
151猪(倉庫係り):2006/12/23(土) 02:03:55.93 ID:nW0/XvJXO
罪と罰も待ってるぞ。
覚醒の人もね。
152猪(倉庫係り):2006/12/23(土) 02:25:37.43 ID:nW0/XvJXO
アゲ
153初夢(熱湯風呂):2006/12/23(土) 02:31:41.01 ID:Vxx1OoK00
花嫁修行も待ってる。
154初夢(ピザった夢):2006/12/23(土) 02:45:26.76 ID:Huy6oYFvO
age
155塩ザケ:2006/12/23(土) 02:46:28.71 ID:TaVwJMi/0
俺は未だに孤独を待ってる。
156猪(倉庫係り):2006/12/23(土) 02:50:15.47 ID:nW0/XvJXO
このスレもまだまだ捨てたもんじゃねぇなwww
157猪(しいたけ目):2006/12/23(土) 02:55:02.57 ID:YWZrPaJt0
158書初め(今年こそ素人デビュー):2006/12/23(土) 03:00:05.11 ID:AJOs2P/E0
きっちり長い話を書ける人が少し羨ましい今日この頃。
自分は長くなるとまとまらなくなりがちだ。
159猪(黒板係り):2006/12/23(土) 03:04:12.36 ID:nW0/XvJXO
>>158
短編好きも居るんだぜ?
160愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 03:04:13.73 ID:z3m7Pkwu0
ttp://www.takamagahara.com/
ぷりん

絶対開くなよ、絶対だぞ
161おみくじ(人吉):2006/12/23(土) 03:32:44.72 ID:nW0/XvJXO
保守
162クワイ:2006/12/23(土) 03:37:41.12 ID:8pUGJ7CC0
ところで彼女へのクリスマスプレゼントなんだが、ナニがいいだろう。
しろたんが好きだから、大きいしろたんのぬいぐるみあげたら喜ぶと思うんだが
年上な彼女(俺より三つ上)だから子供っぽいかなぁ、とも思う。うーん。


教えて童貞野郎ども。
163猪(過敏):2006/12/23(土) 03:46:54.51 ID:0k5Bzi1b0
      /             ミ
    /`ヽ _               ミ
   ,イ,.- 、 |  ̄_ ̄丁 '' ー┬‐- -ミ
  /,|.l  l ! (  ) ! (´ ) !  r‐
  /イ,! `ー' _L =- --┴-ニ二ト、_'ー'
 |'J」-''_二 =-- ‐一 ー‐t‐-ト、 二__
 レ'/´ィ 、_________  ヾミ| l
 V ,、 F≡三r一tァー,    | l:.:. .::    _________
  |ノ^>、     '^ミ二´    | l:.:.:.::   /
  V/イソ            .::ヽ、二_ <   ナニでいいんじゃねぇの?
  | / ,'    _        .:.:.:.::i|,)ノ   \
  |.〈、 、 _〉 `丶、     ;:ィil| ノ     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |  笊yfミミミミヾ、     '!l|il|li!fj'
  ヽ |i''r ''_二二ニミ;ヽ、  ,|l||il|l|,「゚|
   |,l| V´ :::::::::;;/     トi|l|i|i|l|!Ll
   |i! ゞ=-‐''"     ,i||i|l|l|l|!|i{
   |il!  ーォii|「、 ,,.,.ィi||l|i|l|l|i|l|シ'
  ,/i|l||livil|||l|i|l|l|lil|l|i|l|i|i|i|l|l|l|{'
  {l|!|l|i|l|i|l|i|||i|i|l|i|i|i|i|l|l|!|l|l!r'
  ヾ!||i|i||i|i|l||l||i|i|l|l|l|l||l|l!イ
   ``,ヘi|l|i|l|i|l|l|i|r''`''"´ i      ,
    (_~`^~"゙'ヾ     ノ   / ,
   ト─'     ノ      / /i
164家出娘と初詣:2006/12/23(土) 03:59:21.42 ID:HzkeA5cq0
            /.::、:;::::::::::::::::::::::::;:;::.ヽ
            : ,!:::;/゙l:/゙l:i''`'゙ヽ;:f'ヘ;;:::::〉 :
              〈::ミl. |L,_|:l ;;# _}!__.lミ::{
         : }_;{. l|==.|!ヽ  '\_ l;:::} :
              { ゙i|:::::⌒`    ● `|!'゙!
         :  ヽ,|#;;:   、l,   ;;;i,,ノ :
             l、;/;; 、__, ;#::,!    :クリスマス、始末してきた・・・
             ゝ;;;:;    ォ ,/
          : /⌒l,、_____.,イ :
.           /  /::|三/:://  ヽ
         : |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡,|   ハァハァ....
165凧(バイヤー):2006/12/23(土) 04:37:23.72 ID:TwgbqXiR0
166おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/23(土) 04:48:33.51 ID:z7dbc6zOO
age
167初夢(犯人だった):2006/12/23(土) 05:02:33.45 ID:n12DrqG/0
age
168給食のおばさんと初詣:2006/12/23(土) 05:42:26.35 ID:kD0tMAEnO
169看護士と初詣:2006/12/23(土) 06:33:10.59 ID:kD0tMAEnO
170猪(黒板係り):2006/12/23(土) 07:23:31.92 ID:z7dbc6zOO
171書初め(樹木希林):2006/12/23(土) 07:33:10.45 ID:Admg9Noi0
172おせつ:2006/12/23(土) 07:50:02.81 ID:lX0waPRqO
保守
173初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 08:11:28.46 ID:EvcbuxJE0
>>150-155
俺のは人気無いと認識。
174おせち(10,000円):2006/12/23(土) 08:23:52.25 ID:+V6sKgzpO
あぁ、ないな
175猪(白髪):2006/12/23(土) 08:24:28.33 ID:WujgUkoy0
>>173
同じく、……orz
176猪(近眼):2006/12/23(土) 08:24:54.46 ID:2Udp3yX70
俺も孤独を待ってる
177猪(赤ら顔):2006/12/23(土) 08:25:59.37 ID:KfHxm47m0
>>173
知らないだけかもしれないんだぜ?
178初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 08:32:12.17 ID:EvcbuxJE0
>>175
>>177
心配すんな。人気無くても投下するから。
179猪(カビ):2006/12/23(土) 08:34:54.70 ID:nW0/XvJXO
投下待ちを全て挙げていったらキリがねーよwww


全部待ってるぜ!
180猪(白髪):2006/12/23(土) 08:46:20.18 ID:WujgUkoy0
>>179
まぁそう思っとくよ。
181猪(発情中):2006/12/23(土) 09:37:00.90 ID:KfHxm47m0
馬鹿な長門51話ってwwww
182書初め(樹木希林):2006/12/23(土) 09:47:22.06 ID:AJOs2P/E0
人気なんて気にしたら負けだ!
投下したいものを投下するんだ!

しかし何で一人称小説ってどこでネタ晴らしをすればいいか、
なんていう基本的なところで今更詰まるんだろう・・・。
183初夢(声優とデート):2006/12/23(土) 09:49:38.47 ID:EvcbuxJE0
>>181
っておもしろずぎ。これ書いた奴、天才!
184初夢(声優とデート):2006/12/23(土) 09:54:01.91 ID:EvcbuxJE0
>>182
突然、ナレーターモードにすりゃいんだよ。
やってみようか?

(前略)
で、俺は箱を開けた。そこには黒い玉が1つだけ入っていた。

残りの箱全部に黒い玉しか入っていないことに気づくまでに
23時間と30分かかることをキョンはまだしらなかった、このときは。
(後略)

っていう風にさ。


余計なお世話でごめん。カレーにスルーしてくれ。
185猪(乱視):2006/12/23(土) 09:54:50.06 ID:2Udp3yX70
長門バカはアナルだろ
186初夢(すべてが夢):2006/12/23(土) 10:09:05.80 ID:Huy6oYFvO
みくるって鶴屋さんのことなんて呼んでたかわかる?

つまらない質問ですまん
187書初め(遠山金さん):2006/12/23(土) 10:09:28.89 ID:AJOs2P/E0
普通に「鶴屋さん」だね。
188書初め(冠婚葬祭):2006/12/23(土) 10:09:54.54 ID:Admg9Noi0
鶴屋さぁ〜んだな
189初夢(ホスト修行中):2006/12/23(土) 10:10:13.27 ID:EvcbuxJE0
>>185
アナルだな。でも、エロは無いからプリンでもぎりぎり許される。
190初夢(すべてが夢):2006/12/23(土) 10:11:10.42 ID:Huy6oYFvO
>>187-188
ありがとう
191初夢(ホスト修行中):2006/12/23(土) 10:11:59.58 ID:EvcbuxJE0
>>186
ここみろ。
http://wons.yukigesho.com/contents/alias.html
で、ブックマークしとけ。
192凧(中華風):2006/12/23(土) 10:22:17.89 ID:z3m7Pkwu0
「あのー、そのー」
「わたくしの名前はモリソノオですよ」
193おせつ:2006/12/23(土) 10:30:03.21 ID:bpbmMS+EO
よし今夜10時に投下あるぞ!









それまで寝るゼ
194猪(禁煙中):2006/12/23(土) 10:35:45.30 ID:KfHxm47m0
アナルはシュールは好きだがそれ以外は肌に合わないからwikiで見てる

俺だけ?
195書初め(冠婚葬祭):2006/12/23(土) 10:37:02.54 ID:Admg9Noi0
なんだかんだで一応一通り全部見て、見逃したのはwikiで補完

俺だけ?
196凧(中華風):2006/12/23(土) 10:40:25.86 ID:z3m7Pkwu0
アナルを!見るときは!アナルオナニー!必須だコノヤロー!
197猪(やせ):2006/12/23(土) 10:45:20.25 ID:p4L5ONgi0
流石の俺でもそれは引くわ。
198猪(ミニスカ):2006/12/23(土) 10:51:44.16 ID:2Udp3yX70
>>189
アナルはエロ専門じゃねえぞ
199凧(中華風):2006/12/23(土) 10:54:33.11 ID:z3m7Pkwu0
そうだ! アナルはゲイ専用だぞ!!
200パティシエと初詣:2006/12/23(土) 11:20:32.51 ID:FWDfFRkE0
アナルでまともなエロを見た記憶がない
201おまえの番だよ:2006/12/23(土) 11:22:02.69 ID:wT5Rsh+h0
何をもってまともなエロとしているのかは分からんが
アナル(いじめ)にエロが投下されるとしたら陵辱ものとかだろう
202おせち(30,000ウォン):2006/12/23(土) 11:30:23.55 ID:9vczc+AKO
このスレもう終わった
203猪(緑):2006/12/23(土) 11:38:47.82 ID:WeMLHq2d0
なに言ってるんだ!
俺たちの物語はまだ始まってすらいないぜ!
204猪(禁酒中):2006/12/23(土) 11:41:17.71 ID:KfHxm47m0
なるほど始まらないまま終わるということか
205おまえの番だよ:2006/12/23(土) 11:42:29.76 ID:wT5Rsh+h0
>>204
その発想は(ry
206猪(ちょっと臭いあり):2006/12/23(土) 11:44:36.67 ID:Q6YcCLyf0
皆クリスマスだから忙しいのかな…
207猪(禁酒中):2006/12/23(土) 11:45:47.04 ID:KfHxm47m0
>>206
最近その単語よく目にするんだが
クリスマスって何?
208猪(ちょっと臭いあり):2006/12/23(土) 11:48:19.56 ID:Q6YcCLyf0
>>207
現実から目を背けるな
209初夢(ゴキとの思い出):2006/12/23(土) 11:49:04.05 ID:DoYjKt8FO
>>207
杉の木でケツを突きまくる祭。
210おみくじ(既知):2006/12/23(土) 11:49:51.16 ID:z7dbc6zOO
クリスマス?
彼女のいねぇ俺には関係ねぇ
ただの日曜だ
氏ねよTV局orz
211猪(浴衣姿):2006/12/23(土) 11:50:10.93 ID:2Udp3yX70
クリスマスは月曜
212猪(ちょっと臭いあり):2006/12/23(土) 11:50:59.47 ID:Q6YcCLyf0
俺は某おもちゃ屋で
バイトしてるから忙しい
そろそろ死にそうだ
213猪(過敏):2006/12/23(土) 11:54:26.14 ID:5Y1oHcer0
クリスマスはサンタさんがプレゼントをくれる日
214初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 12:02:40.36 ID:Huy6oYFvO
書いたんだけど、面白くないかもしれないけど投下していいかい?
215スルメ:2006/12/23(土) 12:04:38.36 ID:4WMWKT6b0
OK
216朝比奈みくる一年生:2006/12/23(土) 12:06:23.18 ID:Huy6oYFvO
あたしは朝比奈みくるです
未来からある人物を調査するためにやってきましたぁ
彼女が行くだろう高校に一年早く入りました
上の人によると同じ学年だといろいろ面倒になるからと言う理由です

入学式
あたしは誰とも話さないよう心掛けた、この時代で友達を作ってもわかれるとき辛くなるだけだから…
「…あの…朝比奈みくるです…よろしくお願いしますぅ…」
自己紹介も好感を受けないように暗い子を演じた
クラスみんなの自己紹介が終わりそうなとき彼女は突然やってきた
「先生ごめんよっ!いろいろ用事があって入学式から遅れちゃったよっ!!」
太陽のような笑顔を持つ女の子がそこにいた
先生「え〜、鶴屋だったかな。朝比奈の後ろがあいてるからそこに座ってくれ」
その女の子はあたしの後ろに座った
「初めましてっ!!よろしくにょろ、え〜と朝比奈なんて言うんだい?」
「あ、朝比奈みくるですぅ」
「朝比奈みくるかいっ、朝比奈ちゃんて言いにくいからみくるちゃんでいいかい?」
「え?え〜と…あの〜」
「あたしのことは自由に呼んで言いよっ!」
「あっ、じゃあ鶴屋さんでいいですかぁ?」
「うーん堅いな〜、でも自由に呼んでいいっていったからね…それでいいよっ!!」
そのあとも鶴屋さんはいろいろ話していたけどあたしは「うん」「そうですかぁ」しか言わなかった
だって仲良くなっても別れるとき辛くなるだけだから…
何週間もたちゴールデンウイークも過ぎていた
217年賀状(二枚):2006/12/23(土) 12:06:33.47 ID:Fdrjn8sn0
年賀状を仕上げながら、wktk
218初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 12:09:28.04 ID:Huy6oYFvO
鶴屋さんはみんなから慕われていた
でもあたしを見つけると「みくる今日は元気かい?」なにか違和感のある言い方だった
いつの間にか呼び捨てになっていた
「…元気ですよぉ〜」
「うーんまだまだだねっ、まだまだ本当の笑顔には見えないねっ」
鋭い、鶴屋さんには嘘は通用しないみたい
あたしが未来人なのは気づかれないようにしないと…
ある日「ねぇみくる、どうして誰とも仲良くしないんだいっ?」
いきなり核心に迫る質問を投げかけてきた
「え〜と?そのぉ、あの〜……」
「言いたくないのかいっ?じゃあ無理には聞かないよっ、いつか話してくれるまで待つっさ!」
そのやさしさがあたしを傷つける、胸が苦しい…
そんな日がまた何週間も続いた
平穏はいきなり崩された
男達「ここに朝比奈みくるていう人いるぅ〜?」
そう言いながらあたしに近づいてきた
219初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 12:11:37.48 ID:Huy6oYFvO
男A「あ、朝比奈さんだよね?今日よかったら俺達と遊びにいかない?カラオケとかボーリング、いきなりホテルでもいいけどな」
男B「いきなりホテルはねぇよwww」
男C「朝比奈さんどうする?」
「…あの〜、あたしはいいですぅ」
男A「え〜!!付き合いわるいよ〜」
男B、C「行こうよ〜!!」
「でも、やっぱりあたしはいいですぅ」
男A「ふざけんなよ!!俺達が誘ってるんだぜ!!さっさとOKしろよ!!!」
そう言いあたしの腕を思いきり掴んだ
「痛い、痛いですぅ止めてください〜」
バシッ
男A「痛てえ!?」
「ちょい少年!!みくるがいやがってるよっ、物事には手順てやつがあるんだよっ」
男A「なにしやがる!このアマ!!!」
男B、C「や、やめとけって!こいつ鶴屋だぜ!」
男A「マジかよ?こいつが入学式で校長が頭下げてた奴かよ、ちっ今日はこのくらいにしてやる!覚えとけよ!!」
そう言って出て行った
「あ、ありがとうですぅ鶴屋さん〜」
「いいよっ、あたし達は親友じゃないかっ!」
…胸が痛い…この笑顔に耐えられなくなってきている
そのあとはいつもように流れた…はずだった
放課後にさっきの男達が門の前で待っていた男A「いっしょに来てくれるかな?お前には乱暴なことはしない、お前を餌に鶴屋を呼び出すのさ」
ドスッ
男B「乱暴しないって言いながらいきなり気絶さしてるじゃん」
薄れゆく意識のなかでそう言うのが聞こえた
220書初め(給料倍増):2006/12/23(土) 12:11:46.43 ID:Admg9Noi0
支援
221初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 12:14:23.41 ID:Huy6oYFvO
「うっ…うっ……ここどこですかぁ?」
男A「やっと起きたか、まだ何もしちゃいないぜお楽しみは最後までとっとく主義なんでね」
男C「そろそろくるんじゃない?」
そう言っていると体育館倉庫の扉が勢いよく開いた
「みくる大丈夫かいっ!!!」
鶴屋さんだった
「見たところまだ何もされてないみたいだねっ、さっさと片付けて帰るよっ!」
男A「舐めるなよ俺は空手の有段者だぜ、それに男対女だ勝負は目に見えてる」
「御託いいからさっさとかかってくるっさっ」
男A「可愛くねぇな、泣いて許しを乞えば許してやったかもしれなかったのにな…死ね!!」
男の拳は空をきった
男A「何!?ぐふっ!!」
鶴屋さんは男に正拳突きをし、ひるんだところで腕をとり背負い投げをした
男B「てめぇ!!!」
鶴屋さんはまた避けたまるで踊っているように、そして顎に向けて掌テイをかました男は3mくらい吹き飛んだ
男C「あわわわ、くそっ!」
「忘れ物だよっ!!」
鶴屋さんは男二人を掴んで投げつけた、人間の腕力じゃない…
そして男達抱えあってそのまま逃げて行った
222初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 12:16:03.64 ID:Huy6oYFvO
「みくる一言も話してないけど大丈夫かいっ?」
「あっ…あ、どうして?どうしてあたしの為にこんなことするの!!もう胸が苦しいの!!!あたしはいつかあなたの前からいなくなるのよ!!!!」抑えきれなくなった
鶴屋さんは少し真剣な顔になった
「前も言ったけどあたし達は親友じゃないかいっ、親友が困ってたら助けるものだよっ」
鶴屋さんは続けた
「それに出会いがあれば別れもやってくるさっ…そりゃあたしだって別れるのは辛いよっ、でもねみくる一緒にいた楽しい記憶があれば別れた辛さより楽しかったほうが勝ってくるはずだよっ」
「だからあたしはみくるあんたともっと一緒にいたいっ、別れるまで楽しくすごしたいのさっ!」
「あ…あっっ…ああああああ!!!」
あたしは涙が止まらなかった
そのときの鶴屋さんはお母さんのような優しい笑顔であたしを包んでくれた
しばらくして「気が済んだかいっ?そろそろ帰ろうかっ?歩けるかい?」
辺りは真っ暗になっていた
「うん、ありがとうですぅ…」
「いいってもんさっ!…そうだみくる今日はあたしの家に泊まらないかいっ?」
「ええ、そんなぁ悪いですよぅ〜」
「また、親友なんだからそこは「はい」って言えばいいのさっ」
「……はい!」初めて本当の笑顔が出せた気がする
「やっとみれたねっ、みくるの笑顔っ!そっちのほうがいいっさっ、こりゃ悪い虫がつかないようあたしが守らないといけないねっ」
「ふふふっ、期待してますょ〜」
「任しとくにょろ」
そのあとは鶴屋さんの大きな家に驚いたり、一緒に夕ご飯を食べたりお風呂にはいったりした…
223スルメ:2006/12/23(土) 12:17:36.90 ID:4WMWKT6b0
支援
224翡翠の夫 ◆1112ZZ022s :2006/12/23(土) 12:17:43.23 ID:WCNYgS010 BE:217656634-2BP(298)
カット
225初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 12:18:12.20 ID:Huy6oYFvO
「みくる朝だよっ!」
朝から元気に鶴屋さんは言った
「ふぁ〜、おはようですぅ〜」
「今の顔はめがっさ可愛かったねっ、またまた守るやる気が出てきたってものさっ」
「えへへ」
「ほいっ!服は洗濯しといたからそろそろ学校いくよっ」
あたしはずっと別れることが辛いとおもっていたけど楽しさが勝れば悲しさなんてなくなってしまうと思えるようになっていた…
「はいっ!!」あたしは元気よく声をだした

終わり


駄文すいませんでした
226初夢(またバイトか):2006/12/23(土) 12:19:55.43 ID:giL5km9K0
>>210
月曜じゃね?
227年賀状(二枚):2006/12/23(土) 12:20:22.53 ID:Fdrjn8sn0
GJ!

鶴屋さん、いいなあ。彼女のフルネームが明かされる日は来るのだろうか。
228初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 12:25:02.66 ID:Huy6oYFvO
どうもです
鶴屋さん名前でてないか本全部読み直したよ、それが一番疲れたorz
229猪(友達がvipper):2006/12/23(土) 12:27:10.18 ID:nW0/XvJXO
GJ!
友情いいねぇ。
230かき初め(二回目):2006/12/23(土) 12:34:29.96 ID:nW0/XvJXO
そういえば>>3お願いしまーす。
231猪(ちび):2006/12/23(土) 12:40:23.45 ID:T2I21T+R0
>>228
G・Jなんだぜ?
232初夢(勝ち組だった):2006/12/23(土) 12:53:21.44 ID:EvcbuxJE0
>>228
乙、GJ!

そういうのはここで聞けばいいんだよ。
233初夢(勝ち組だった):2006/12/23(土) 12:56:00.23 ID:EvcbuxJE0
>>194
俺も。
234初夢(勝ち組だった):2006/12/23(土) 12:58:04.51 ID:EvcbuxJE0
今日は何が投下されるんだ?
>>193

http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1163436254/104/
だけか?
>>182
も行けそう?

235おせち(1d):2006/12/23(土) 13:02:27.72 ID:c79ut0wYO
こちらスネーク
北高に潜入した。今から涼宮ハルヒに接触する。
ん 前方から女生徒が歩いてくる。大丈夫だ 制服を着ているから見つからんだろう。
数分後

大佐 文芸部部室前に来たが、中に人の気配は無い。だが、俺にはわかる。中に恐ろしく強大な存在を感じる。
てな感じでスネークVS長門を誰か作ってくんないかな
スレ違いだよなあ
これはアナルネタか?
236猪(ボーカル):2006/12/23(土) 13:17:17.45 ID:nW0/XvJXO
やべぇwww
スネーク=新川さんしか思い浮かばねぇwww
237凧(ひもなし):2006/12/23(土) 13:20:50.29 ID:MShy2Y0I0
>>235
そんで部室に入ったら胸キュンしちゃうんだなスネークが。
甘々だからプリンでいいじゃないか。
238猪(ボーカル):2006/12/23(土) 13:35:51.56 ID:nW0/XvJXO
甘いスネーク…

想像出来ねぇw
239書初め(佳作):2006/12/23(土) 13:59:58.46 ID:nW0/XvJXO
保守
240初夢(ろうそく熱い):2006/12/23(土) 14:09:32.12 ID:Huy6oYFvO
人がいないねぇ…
241書初め(今年こそデート):2006/12/23(土) 14:28:04.16 ID:rDfnArFE0
スネーク……相手は森さんしか浮かばないのは何故なんだろうOTZ
242猪(ギター):2006/12/23(土) 14:29:48.39 ID:nW0/XvJXO
でも、新川さんと森さんは何かありそうだけどなw
243ナルト:2006/12/23(土) 14:33:12.02 ID:8pUGJ7CC0
 右手にMk22、左手にナイフを構えた。CQBの基本だ。
 音もなく扉を開ける。さっと確認した室内には長門有希が一名のみ。
 しかも読書に熱中しているようだ。旨すぎる! 俺には気づいていないように見える。
「……」
 だがしかし、その実俺にはしっかりと気が付いているのだろう。
 ボス以上の圧力を感じる。……ふっ、緊張してきやがった。
 シギントの情報によれば奴は情報ナントカカロリーメイトという超能力があるらしい。
 それを使われたらこちらの負けだ。先手必勝に限る。
「……っ」
 俺は扉の隙間から手榴弾を投げ込んだ!
244黒豆(一粒):2006/12/23(土) 14:33:59.13 ID:DiFnH45hO
キョンとスネークの、持て余すコラボレーションよろしく
245ハマグリ:2006/12/23(土) 14:44:35.03 ID:rUBM5OqJ0
246なまはげ(悪い子はいねがー):2006/12/23(土) 14:45:41.39 ID:wT5Rsh+h0
>>245
一万と二千年前から既出
247猪(イタ電中):2006/12/23(土) 14:46:00.99 ID:2Udp3yX70
既出だし釣られるとでも?
248初夢(ろうそく熱い):2006/12/23(土) 14:48:08.32 ID:Huy6oYFvO
>>241
森さんが長門に恋するかとおもった
249ナルト:2006/12/23(土) 14:48:40.54 ID:8pUGJ7CC0
 その日のわたしは、朝からすこしうきうきとした気分だった。
 先日渡した入部届け。今日あたり返事をしてくれると彼はいった。
 断られたらどうしよう……とは、不思議と思わなかった。
 彼は優しいから、きっとあの図書館のときみたいに入部してくれると思う。
「……キョン、くん」
 彼のおかしな渾名を思い出す。
 口にしたとたん、心が温かくなるのを感じた。
 頬も温かい気がする……うーん、どうしてだろう?
 とにかくわくわくする。早く来ないかな。本の文字が全然頭に入らない。
「……?」
 そんな時だった。
 何時の間にか少しだけあいていた部室の扉から、何か黒くて丸いものが飛び込んできた。
 何だろう――
 
 そう、思う暇もなく、

「きゃあああああああっ!?」

 それは……たぶんばくはつして、わたしは、しんだ……
250年賀状(♀から沢山):2006/12/23(土) 14:50:42.21 ID:Fdrjn8sn0
>248
その発想はなかった。
いつかやれたらいいな……

そして支援……いる?
251ナルト:2006/12/23(土) 14:51:26.28 ID:8pUGJ7CC0
いや、スネーク鬼畜伝説はもうおしまい
252書初め(今年こそデート):2006/12/23(土) 14:53:06.58 ID:rDfnArFE0
>248
逆転の発想か!

>249
ものすごい勢いで欝になったOTZ
253猪(ギター):2006/12/23(土) 14:55:21.10 ID:nW0/XvJXO
ちょwwwスネーク本気www
254おみくじ(やぶれた):2006/12/23(土) 15:03:02.75 ID:HxOF2gJR0
age
255猪(左利き):2006/12/23(土) 15:06:30.81 ID:dnon4jP30
タイムパラドックスだ!歴史が変わってしまう!

って言う長門のマンションの管理人を想像したww
256振り出しに戻る:2006/12/23(土) 15:10:11.91 ID:8pUGJ7CC0
「はっ! 長門さんがっ!?」
 私は食いかけのおでんをほっぽって、立ち上がった。
 クラスメイトの怪訝な視線を無視して、最大戦闘速度で駆ける。
 右手にはサバイバルナイフだ!
 文芸部室の前には変態が居た。あいつだ! あいつが長門さんを――!
「大佐!? 死んだぞ! グロっ! どうなってるんだ、これは!」
「スネーク! タイムパラドックスだ!」
「小指できゅっとしてやるぅ!」

 もう飽きた
 消失ゆっきー殺してごめん(´・ω・`)ショボーン
257凧(バンカー):2006/12/23(土) 15:13:37.93 ID:z3m7Pkwu0
>>256
わたしが死んでも、代わりはいるもの
258振り出しに戻る:2006/12/23(土) 15:14:20.75 ID:8pUGJ7CC0
 ∧_∧      
 ( ・ω・)=つ≡つ  あやなみれい?
 (っ ≡つ=つ     んなもんボコボコにしてやんよ
 /   ) ババババ
 ( / ̄∪
 ユッキー
259猪(左利き):2006/12/23(土) 15:17:04.27 ID:dnon4jP30
ただ、コブラ部隊に興味を持ちそうだなハルヒw

ザ・ソローとか…ヴォルギンもそうだw
あ…アッー!
260年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/23(土) 15:17:11.87 ID:Fdrjn8sn0
やっと年賀状書き終わった(遅すぎ)。執筆に戻る。

今までは、およそ1回当たり10レス程度で投下してきましたが、
今のところまだ4レス分くらい。先は長そうだ。
261猪(ドラム):2006/12/23(土) 15:21:33.91 ID:nW0/XvJXO
>>260
お疲れー。
そしてガンガレ!
262猪(ドラム):2006/12/23(土) 15:49:46.49 ID:nW0/XvJXO
保守
263初夢(空も飛べるはず):2006/12/23(土) 15:59:30.59 ID:DoYjKt8FO
よし、投下する。
264涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:00:02.57 ID:DoYjKt8FO
第七章


「で、何でここにいる?」
一人と一匹に問いかけた。
「入れてもらった。大丈夫。情報操作でこの部屋は防音室。」
「いや、そうじゃなくてさ……」
「彼女は私を連れて帰ってくれたのだ。感謝したまえ。」
そういえば、また忘れてたな。
「ハルヒ。簡単に説明………ってあれ?」
ハルヒはのびていた。
「これまた好都合。」
全然、好都合じゃない。
「要件は?」
「答えは出た?」
「俺は帰らないつもりだ。」
「やはりな。」
何でお前まで知っている。
「それは、キミと一緒に話を聞いたからだ。」
つまり、お前は俺が取り憑いた時の事を覚えていると。
「無論そうだ。」
「古泉一樹もあなたがそう答えると予測した。朝比奈みくるは、逆の予測を立てた。」
「そうか。それを言いに来たのか?」
265初詣でかつあげされた:2006/12/23(土) 16:00:30.77 ID:1kJBc4lw0
kak.hta';ken=wd+'START
266涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:01:02.42 ID:DoYjKt8FO
「違う。もっと大切な事。」
何だ。言ってみろ。
「お腹が空いたのだが。」
下行って妹に餌でもねだれ。
「ここは、あなたが想像する改変世界ではない。」
どういう意味だ?
「正確に言うと、朝倉涼子が創った情報制御空間。時空間を改変してはいない。
彼女は、あなただけをこのオリジナルに似せたこの空間に閉じ込めたと思われる。」
そんな事出来るのか?
「涼宮ハルヒの力を少し使えば可能。」
しかしあいつは、メモリ不足だって言ってたのだが。
「無いなら作れば良い。少量のメモリの増強は簡単。
それに、彼女が消える直前、自分の能力を多少捨てれば尚更の事。
他にも数種類の方法があると思われる。
わたしはあなたの話を聞いた後、色々と調べていた。
すると奇妙な事に、時空震の痕跡が見つからなかった。
朝比奈みくるに問い合わせても、やはり見つからない。」
そういう風に改変したとかは?
「その可能性があったので、ある実験を試みた。」
何だ、それは。
267涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:01:34.45 ID:DoYjKt8FO
「実際に過去に遡れるかどうか。
朝比奈みくるの力と、あなたが前に使った緊急回帰プログラムを古泉一樹に使用した。」
結果は?
「成功。約1日以上遡れなかった。」
それが何を示唆するのか分からないのだが。
「この世界が改変されたのなら過去はある。しかし、この世界は過去が無い。
だから遡れない。
何故なら、この世界は昨日創られたから。」
「つまり、朝倉涼子君が創ったこの空間は過去が無い。そう言いたいのだな?」
ししゃもをくわえたシャミセンが横にいた。
「今日の夕食はししゃもだそうだ。キミの妹が言っていた。」
「そう。」
「シャミ。まさかお前妹に話しかけたのか?」
「いいや、キミが前に指導した通り、みゃーで済ませた。」
「そうか、悪いな。有難う。長門もな。」
「いい。」
そう言って長門は立ち上がる。
「気が変わったらまた。」
あぁ、何にせよまた会いに行くからな。
268涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:02:14.92 ID:DoYjKt8FO
「出来れば、あなたには戻って欲しい。
涼宮ハルヒから進化の可能性を見つけたい。
また図書館にも行きたい。」
長門………
「それじゃあ。」
「待て。ハルヒに話さなくていいのか?」
「………やっぱり今はまだいい。」

長門は帰って行った。
「キミは謝らなくてはならない。」
誰にだよ。
「元の世界の仲間達だ。」
元の世界?
「元の世界の仲間は、この世界と違い、キミの為に働いた。自分の使命に背いてまで。
そして、元の世界のキミの彼女が、キミの帰りを一番待っている筈だ。」
ハルヒが俺を待っている。
「私に宿る仲間も言っている。キミは戻るべきだ。そして、仲間に感謝しろと。」
宿る仲間?
「珪素がどうだとか言ってたな。」
阪中の犬のあれか。
269猪(筋肉質):2006/12/23(土) 16:02:41.57 ID:orJEkwPn0
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1166855840/l50
>>8番目の客をお待ちしておりますサーセンwwwwwwwwwwwwww
270涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:03:05.61 ID:DoYjKt8FO
「とにかく、もう一度考えろ。」
「有難うシャミ。」
「礼には及ばない。それより、これを取って欲しい。苦しくてたまらない。」
長門の付けたバイリンガルを煙たそうに引っ掻く。
「いいのか?もう話せないぞ。」
「構わない。」
「そうか。本当に有難うな。元の世界に帰ったら、高級キャットフードをやろう。」
「私には関係ない話だ。」
「そうか。横のボタンを押せ。」
「ここか?」
シャミセンがボタンを押すと、バイリンガルが取れた。
「みゃー。」
シャミセンは下に降りて行った。

さて、生理的なもので、俺も眠くなる。
ハルヒはそのまま熟睡して、いびきをかいていた。

このままこの世界にいると迷惑かけるな…
ふと、家族や仲間達の顔を思い出す。元の世界の人々はどうしているだろう。
長門が上手くまとめているといいんだが。
271凧(赤):2006/12/23(土) 16:03:14.23 ID:EvcbuxJE0
しえn
272涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:03:35.93 ID:DoYjKt8FO

無性に恋しくなる。
しかし………「この」ハルヒをどうする。
ふと、雪山で遭難した時に古泉が言った言葉を思い出す。

「僕が恐れているのは、これが消去プログラムではないかということです。」

「僕たちがコピーされ、シミュレーションによって存在させられているのだとしたら、
わざわざこの異空間から出ていく必要はありません。
オリジナルが現実にいるのであればそれで充分ですからね」

「………さて、ここで変化のない満ち足りた人生を歩むのと、
いっそのことデリートされてしまうのと、あなたはどちらがいいと思いますか?」

前は、俺まで消えてしまうかもしれないという異世界だった。
今度は、俺だけがオリジナルの世界の住民で、この世界の奴らはコピーの住民だ。
消せるか?「この」ハルヒを。
273涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:04:11.91 ID:DoYjKt8FO

どうするよ俺?
「現実をみろ。」
現実?何処だよ。それは。
「元の世界だろ?長門が連れて行ってくれるさ。」
長門が信用出来るか?この世界の長門は、俺達を殺すきっかけを作ったんだぜ?
「今のお前に何の価値がある。死人に口無しだ。既にお前は利用価値は皆無だ。それに、何故この空間があると思う。」
知るか。そんなもん。
「おいおい、しらを切っても無駄だぞ。なんせ、俺はお前だ。お前の事なら全部分かる。」
あぁ、そうだとも。此処は俺の牢獄だ。
なんかムシャクシャする。
自分自身にこんな形で腹を立てるなんて滑稽極まりない話だ。
「どうせ、失う物なんて無いんだろ?この世界はお前の桃源郷じゃないんだ。」


「ハルヒと誓ったんじゃないのか。やる事があるはずだぞ。」



「足掻けよ。ウジ虫。」
274凧(赤):2006/12/23(土) 16:04:35.92 ID:EvcbuxJE0
しぇん、俺だけ?
275涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:04:56.31 ID:DoYjKt8FO


「もう昼か。」
時計を見てハッとした。
ハルヒはまだ眠っていた。そろそろ起こすか。
「起きろハルヒ。もう昼だ。」
「ん、あと4年……」
そんなに眠っていては困るので、俺の自慢の歌で起きていただこう。
「おおーおきろー♪おきろおきろおきtッ……おきろー♪」
「うるさーい!!」
「昼だ。起きろ。」
「んー?もうそんな時間?たしか昨日は………」
あ、まずい……
「キョン。有希と何があったの?正直に話しなさい。」
ハルヒは引きつった笑みを浮かべる。このままでは、俺は至上の苦しみを味わうだろう。
長門は宇宙人だと言って通じるわけないし、言い訳、何か良い言い訳はないのか!?
「えーと、長門は元々霊感の強い家系の生まれなんだ。だから、最後に何か話そうと思って………」
「ふーん。有希だったらありそうね。
ところであんたの猫、喋ってなかった?
いいえ、喋ってたはずだわ。これは調べる価値があるようね。」
ハルヒは一目散に駆け出して行った。
276凧(赤):2006/12/23(土) 16:05:15.13 ID:EvcbuxJE0
しえん
277涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:05:24.50 ID:DoYjKt8FO
「やれやれ。」
1時間程経っただろうか。ハルヒは不満そうな表情で帰ってきた。
「どうだった?」
「ダメね。うんともすんとも言わないわ。」
「だろうな。」
内心ほっとした。
「いいわ!!行くわよキョン。みんなに最後の挨拶しなきゃ。」
「あぁ。」
「どうしたの?元気ないわね。」
「………いや、何でもないさ。行こう。」

外に出る。今日はいい天気だ。雲一つ無い。
「ほら。」
何だ。
「手。繋いであげる。」
「ありがとう。ハルヒ。」
「ふん、どういたしまして。」

俺達は学校へ歩む。
太陽は俺を嘲笑うかの如く照りつけ、俺の心に陰を作る。
忌々しいが、どこか温かいかけがえのない存在者。
それはまるで、現在俺の横で鼻歌混じりで歩いている奴みたいだ。
278涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:05:44.31 ID:DoYjKt8FO

「着いたわ。」
真っ先に部室棟へ向かう。
「待ってた。二人共。」
「有希!!」
ハルヒは長門に飛びつくが、虚しく体をすり抜ける。
「そっか……死んでるんだった。あたし。」
「朝比奈さんと古泉は?」
「もう直ぐ来る。その前にこれに入って。」
長門の指した先、二体の人形があった。
「これって……」
あぁどう見ても俺とハルヒそっくりだ。
瓜二つと言っても過言ではない。
「入って。」
ハルヒは混乱状態だったので無理矢理押し込んだ。
俺ももう一体の方に入る。
「え……あたし、生き返った!?」
人形に入ったハルヒが喋り出す。
「通常の有機生命体と同じ作り。内臓等の器官もほぼ100%一緒。」
そんな事いいから服くれ。今頃素っ裸な事に気付いた。
「あたしはみくるちゃんのでいいわ。」
「俺のは?」
「無い。」
「どうも。おや………これは。」
279凧(赤):2006/12/23(土) 16:05:59.44 ID:EvcbuxJE0
しえん
280涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:06:04.02 ID:DoYjKt8FO
スマイルがにやけに変わった古泉がそこにいた。
よう、古泉。悪いが服くれ。
「僕はこのままが興奮しますがね。残念ですよ。本当に。」
と言いながらジャージを俺に手渡した。
「こんにちは、長キャー!!」
しまった。遅かったか。急いでジャージを着る。
「では、始める。」
「待て。お前らは、消えて良いのか?」
「愚問ですね。僕は世界の味方です。偽りの世界ではなく、本来在るべき世界のね。
あなたがこのままこの世界の住人を希望するなら、力ずくで押し返してあげますよ。」
「わたしは、キョン君と涼宮さんが幸せになる未来が見てみたいな。」
「わたしもあなたが生存した世界を望む。わたしのために。」
みんな、すまない。俺は、お前らの希望する世界を創る。絶対お前らの期待を無駄にしない。
どんな困難も乗り越える。2人……いや、SOS団全員で。
「そちらの僕達に言って下さい。」
「大切な仲間を。」
「裏切るな。」
あぁ、伝えとく。
「ハルヒ。悪いがお別れだ。」
「いやよ。」
281凧(赤):2006/12/23(土) 16:06:33.28 ID:EvcbuxJE0
しえん
282涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:06:35.91 ID:DoYjKt8FO
銀色の斬撃が走る。
俺は、間一髪逃れる。
「いやよ。ずっとキョンと一緒なんだから。」
どこから出したのだろう。ハルヒの手には、ナイフが握られていた。
「キョンはあたしだけのものよ。だれにもわたさない。」
これが俗に言うヤンデレというやつか。よくは、知らんが非常に怖い。
「猿芝居は止して欲しい。わたしの目は誤魔化せない。」
長門の一言に、ハルヒの手が止まる。
「あら、またバレちゃった。
いかにもあたし、いや、わたしは、涼宮ハルヒでありながら、朝倉涼子でもあるわ。」
どういう事だ。
「まず、朝倉涼子の能力を使い、情報制御空間を造る。
そして、涼宮ハルヒの能力を使い、空間内部を現実そっくりに構築したわ。
その時、涼宮ハルヒと朝倉涼子を同化させれば良い。
そしてこの空間が生まれたの。分かってくれたかな?
それにしても、あなた達がわたしの予測通りに行動しなかったのは、誤算ね。
まだ力が上手く制御出来ないみたい。」
ハルヒの容姿をした朝倉涼子は微笑んでいた。
くそったれ。俺はこんな奴と2日間連んでいたのか。吐き気がする。
「……わたしは、あなたにここに居て欲しいの。」
283涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:06:58.80 ID:DoYjKt8FO
またハルヒの起こす情報爆発とやらを観測する為か?
「今のわたしは情報統合思念体から外れ、一個人として動いてるの。もうそんな必要は既にないわ。」
「なら、何故こんな事をした。」
「あなたを守るためよ。」
「意味分かんねぇよ。守る?殺すとの間違えじゃないのか?」
「先にこれを見てもらおうかしら。」
部屋が一気に暗くなり、壁や床に映像が映る。
そこに映るのは、平和な日常。俺がいる。
「これはあなたが生存した場合の未来。」
映像はだんだんとスピードをあげ、早送り状態となる。
途中から少しずつゆっくりとなる。
「ふえぇぇぇ!?」
「朝比奈さん。見てはいけません。」
古泉が朝比奈さんの目を塞ぐ。
「こりゃあ……なんと………まぁ。」
グロ表現たっぷりの映像だった。俺も見るべきではなかっただろう。
284凧(赤):2006/12/23(土) 16:07:05.18 ID:EvcbuxJE0
しえん
285涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:07:20.05 ID:DoYjKt8FO

風貌から見て、数年後。ハルヒは暴走する。
俺や宇宙人、未来人、機関の人々が止めに入るが俺は死に、全て無駄に終わる。
正気に戻ったハルヒだが、自分の行いに苦悩し、発狂。
再度暴走を始め、世界中の人々を巻き込む。その後、誰か知らない野郎にハルヒは殺される。
世界は改変され、俺達は蘇る。だけどそこにハルヒはいない。
世界は改変され、俺達は蘇る。だけどそこにハルヒはいない。

「これはわたしの計算が導き出した未来。」
「冗談だろ?」
「情報統合思念体も同じ考えのはずよ。」
もしや、今まで長門の親玉が黙ってたのは……
「彼女が確実に起こす情報爆発を待ち望んでいるからよ。
あなたを殺すつもりは無かった。長門さんが助けに来る事や、わたしが消される事くらい分かってた。
それでも、あなたにはこんな未来を歩んで欲しくない。
対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースじゃなく、
あなたを想う『人』としての希望なの。」
「それでも俺は帰る。」
俺は、約束したんだ。こいつらと元の世界のハルヒに絶対帰ってやるって。
286凧(赤):2006/12/23(土) 16:07:27.72 ID:EvcbuxJE0
しえん
287涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:07:45.51 ID:DoYjKt8FO
「ダメ、絶対。後悔するのはあなたよ?この世界で安穏と暮らした方が良いんじゃない?」
「ハルヒがいないこの世界で俺に何が出来る?止めるならお前をぶっ飛ばす。」
「……そう。分かっているの?今のわたしに勝てる人はいない。例え倒しても、同じ方法で再生するだけよ。」
「「長門さん!!」」
朝比奈さんと古泉が叫ぶ。
「僕達に任せて行って下さい。」
「ここは、わたし達が死守します。」
「無理。この空間はただの情報制御空間ではなく、空間の隙間に強力なファイアーウォールが張ってある。
これを破るには、涼宮ハルヒの能力が必要。しかし、彼女が抵抗する今、それは不可能。」
2人からは諦めの表情が見える万事休すか。

その時、俺の頭のどこかがプッツンと逝ってしまった。
なんで俺がこいつ等に人生を制限されねばならん。
確かにハチャメチャな人生も良い。良いがそれは人間の基本的な倫理観においての話。
自分の今後の生活を脅かし、死亡時期まで決められちゃ困る。うざい。非常にうざい。
とりあえず、目の前の朝倉が一番邪魔だ。

「どけぇぇぇぇ!!!」精一杯のパンチをお見舞いした。
朝倉は一瞬怯むが、すぐ体制を整え、俺の首を絞める。
288凧(赤):2006/12/23(土) 16:07:52.25 ID:EvcbuxJE0
しえん
289涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:08:29.12 ID:DoYjKt8FO
「女性に手をあげるなんて最低じゃない?」
苦しい。呼吸が出来ない。俺は朝倉を睨む。
「残念ね。いっそのこと、今すぐ楽にしてあげるからね。」
機械のように笑っている。顔はハルヒだが、こんな表情はしない。
急に力が緩み、解放される。俺の顔に血潮がかかる
よく見ると、朝倉の手が切断されている。
グロい。血が脈打つように吹き出てる。
「わたし達が守る。」

その瞬間、長門が俺の目の前に青白い半透明の膜を張る。
膜はちょうど部室を2等分し、片方に俺1人の状態。

「よく聞いて。」
朝倉の相手をしながら長門は話す。
「あなたに会えて良かった。あなたはわたしに任せる。あなたは、彼女を守って。」
「何言ってるんだ?」
「さようなら。」
「待て長門!!」
「流体結合情報凍結。」
290凧(赤):2006/12/23(土) 16:08:39.97 ID:EvcbuxJE0
しえん
291凧(赤):2006/12/23(土) 16:09:00.69 ID:EvcbuxJE0
しえん
292涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:09:29.71 ID:DoYjKt8FO
七終わり。
次はやっと最終章
続けて投下
293涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:09:49.17 ID:DoYjKt8FO
終章


分断された部室の先は、長門のおかげで時が止まってる。
長門も朝比奈さんも古泉も朝倉までもが硬直したように動かない。
俺に危害が加わる事は無いが、介入も出来ない。この膜が俺を阻む。
ドアから外に出ようとしたがドアも開かない。
体当たりや足蹴でドアを破壊しようとするが、鋼鉄のようにビクともしない。
「閉じ込められた。」
直ぐに諦め、近くの椅子に座る。
もう一度長門を見る。無表情な横顔。
いつも俺は何も出来なかった。
いつもそうだ。自分から何かしたことなんか、あの時だけ?
あの時も長門や朝比奈さんのヒントのおかげで動く事が出来たっけ。
結局、他人の力無しじゃ動けないのか。
動かない向こう側をに話す。
「ゴメンな。何も出来なくて。」


「あなたは十分頑張った。全て背負うことはない。」
294凧(赤):2006/12/23(土) 16:10:03.89 ID:EvcbuxJE0
乙。GJ! 人居ないなーせっかく、投下してんのに。
295涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:10:18.03 ID:DoYjKt8FO
そこには、2人の少女がいた。1人は、礼儀正しそうなお嬢さん。もう1人は寡黙な少女。
「長門。喜緑さん。」
「すみません。手間取りました。色々と邪魔が入ってしまいまして。」
「いえ、感謝しますよ。」
愛想笑いでも付け加えようと思ったが、笑えない。
朝倉が作った偽物の仲間と分かっても、俺自身この状況は流石にこたえたようだ。
長門は、膜で隔てた向こう側を見つめいた。
「ごめんなさい。」
ポツリと漏らす。
それに気付いた喜緑さんは気まずそうに、
「つらい目に会ったようですね。わたしがしっかりしてれば………」と言う。
「自業自得ですよ。」
何故か可笑しさが込み上げる。くくくと笑ってしまう。
目が潤んで何も見えない。泣いているのか俺は。
何故泣く。可笑し過ぎるからか?
296凧(赤):2006/12/23(土) 16:10:25.49 ID:EvcbuxJE0
しえん
297涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:10:38.26 ID:DoYjKt8FO
『罰』
そう罰だ。何も出来ない罪深い自分への罰なのだ。

くくく

あぁ

疲れた。



天井が見える。
ここ、どこだ?学校ではない。
妙にしんみりとしているのは、今が夜だからだろう。
白いベッドの上、服装、花瓶。
直ぐにそこが機関の病院だと気付く。前に来た事もあったしな。
「ハルヒ!!」
横には、黄色のカチューシャを付けた女が椅子に座り、眠っていた。その寝顔は凛として可愛らしい。
寒そうにうずくまっていたハルヒに、俺は毛布を一枚被せた。
さて、また眠くなってきた。
お休み。
298凧(赤):2006/12/23(土) 16:10:48.90 ID:EvcbuxJE0
しえん
299涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:11:02.98 ID:DoYjKt8FO



「起きろ!!」
あ゛?
俺のスウィートな安眠を妨げる不届き者は誰だ。
「やっぱり。これ掛けたのあんたね。」
目の前には、灼熱の太陽を従える女王が仁王立ちしている。
「ここは何処だ。いや、俺はどうなった。」
「どうって、ここは病院で、あんたは殺されかけたのよ……あたしに。
その後あたしも気を失って、あたし達は病院に運ばれたの。
あたしは直ぐ目覚めたんだけど……あんたは昏睡状態で、医者が…………」
とりあえず、俺は元の世界に帰って来たようでホッとする。
ハルヒの声が震えていたのが分かったが、構わず俺は続きをせかしてしまった。
バカだな、俺は。
「医者が?」
「もう………二度と…………目…が……覚め……ないかもって。
あたしのせいよ………全部あたしの…………」
ハルヒはぶわっと泣き出してしまった。このままだと泣き止まない。
300凧(赤):2006/12/23(土) 16:11:10.69 ID:EvcbuxJE0
しえん
301涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:11:38.83 ID:DoYjKt8FO
どうしようか悩んでいると、棚の上に置いてある俺の携帯に焦点があった。
携帯を引っ張り出し、キーホルダーを見る。
キーホルダーの中央に縦に亀裂が入ってしまっている。よく見ると、携帯にもキズが……
キーホルダーの切れ目を中心に、力を加える。
ペキッとキーホルダーは半分に割れる。
「ハルヒ。」
「うん………何?」
俺はキーホルダーの半分を差し出す。
「これが俺達の絆の印だ。」
「え……嘘…………夢じゃ……」
「正夢なんて、ザラにあるさ。一生お前を支える。SOS団の団員として、1人の男として。いいか?」
ようやくハルヒの顔に笑みが戻る。涙と鼻水でぐちゃぐちゃだぞ。
「…………もちろん!!一生あんたはあたしの奴隷だからね!!!」
やれやれ、一生奴隷とは、なんとも悲しい人生だろうか。だが、その返事が一番心安らぐ。
ふとドアを見ると回診に来ていた先生が驚いていた。
「奇跡だ。」
いいや先生、これは必然なんですよ。ハルヒの厄介な能力が生んだ必然なんです。
302凧(赤):2006/12/23(土) 16:11:41.88 ID:EvcbuxJE0
しえん
303涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:12:28.26 ID:DoYjKt8FO
その後、色々と問診を受け、明日検査を受けると聞かされた。
会社から駆けつけて来た親父と母親に何があったと聞かれたが、知らないと答えた。
担任の岡部も菓子織りを持って来て男泣きしていた。気持ち悪い。
ハルヒは岡部にバレて、学校に連行された。今日は平日だったのか。
午後にはハルヒ以外のSOS団の仲間と国木田が揃って来た。
朝比奈さんが泣きついてくれた時、古泉から殺気が漏れたのは気のせいだろう。
「谷口はどうした。まだ学校に来てないのか。」と国木田に問う。
「もう学校には来ているけど、気まずいみたいだよ。結構心配してるみたいだけど。」
「首洗って待ってろとでも言ってくれ。」
「分かったよ。じゃあ僕はこれで。」
国木田は俺にリンゴ1つ手渡し、帰って行った。
さて、
「谷口を使った凶行は機関のせいか。」
「Exactly(そのとおりでございます)」
それはまぁどうでも良い。
「長門。ハルヒが今後暴走する確率はあるのか?」
正直な話、朝倉の話はあまり信用は出来なかった。
304凧(赤):2006/12/23(土) 16:12:33.12 ID:EvcbuxJE0
しえん
305涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:12:54.77 ID:DoYjKt8FO
約一年前ならば起きてもおかしくはないが、現在のハルヒは有り得ないような気がした。
「分からない。今の所その前兆は見られない。」
「そうか……」
「申し訳御座いません。」
初めて古泉の土下座を見た。続いて朝比奈さんと長門も謝った。
古泉に「謝るならケツを出せ。」と言いたかったが、俺には理性が有るため、なんとか堪えた。
「いいさ。お前らは上に反抗してまで俺達を守ってくれたんだろ。それで充分だ。」
「おかげで始末書どころの問題じゃありませんよ。
これで我々は、一生あなた達についていかなくてはなりません。」
聞いたか?故人よ。あの言葉、言う必要は無いみたいだ。
「では、復活の記念に僕との愛を深めましょう。」
……どうやら、尻のピンチは続きそうだ。
306凧(赤):2006/12/23(土) 16:13:01.36 ID:EvcbuxJE0
しえん
307涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:13:45.07 ID:DoYjKt8FO
「やっほー。お待たせ!!」
ハルヒが大きな袋を持って病室に入って来た。
「わぁー。何ですか?それ。」
朝比奈さんが興味深々に袋を見る。
「ふっふーん。これはね……」
やれやれ、病院が騒がしくなりそうだ。まあいい。今日はとことん付き合ってやる。
ふと、窓の外を見る。
空には七色の虹が架かっていた。



\(^o^)/Fin.
308涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:14:08.37 ID:DoYjKt8FO
エピローグ

とある日の夕方
俺はベッドの上であの時の事を振り返った。
人の記憶は面白い代物である。
あの日、俺は焦っていたはずであり、一度は諦めて死を悟った。
今では「これもまたいい思い出」で終わりそうである。
こうして人間は自分に都合の悪い(時には良い)情報を処理しているのだろう。

俺はこの世界で産声をあげ、感じた。

俺には、ハルヒがいる。
そして、その周りには、いや、「この世界」には、俺達を支えてくれる仲間がいる。
仲間のおかげで、俺はいる。
こいつらのおかげで、俺達は地を踏みしめる事が出来る。

誰にも邪魔させない。
だって、俺達は最強なんだぜ。
無敵艦隊だろうが、銀河系軍団だろうが、史上最強打線だろうが怖くない。

ハルヒがいる限り。
309凧(赤):2006/12/23(土) 16:14:29.57 ID:EvcbuxJE0
乙、GJ,長かったね。
>>3 みてまとめ要請よろしく(いつもやってくれてるけど)
310涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:14:32.61 ID:DoYjKt8FO

突然、電話が鳴る。
びっくりして、ベッドから跳ね起きる。
煩い。良いこと言っている途中なんだ。

「もしmー」
「キョン!!明日、映画観に行くわよ!!」
「明日?……悪い。明日は用事が入ってる。」
「え〜?そんなの断っちゃいなさいよ。」
「ごめんな。大事な用事なんだ。」
「あたしと用事のどっちが大事なの!?」
やれやれ、いつものパターンか。
「ハルヒの方が大事。」
「え?………な、なら来なさいよ!!」
「俺はいつでもここにいる。映画なら、いつでも行けるさ。
明後日でも、その次でも、なんなら毎日行ってやってもいいぞ。」
「ははーん。言ってくれるじゃない。
じゃあ明後日ね。遅れたら、死刑&私刑&罰金だからね♪それと………」
それと?
「ありがと。」
「は?」
311涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:14:59.20 ID:DoYjKt8FO
俺がこの一文字の疑問形をいい出す前に、電話は切れた。
俺は再びベッドで仰向けになる。
「明日……何買おうかな。オルゴール……ぬいぐるみ………ネックレス……だめだ。朝比奈さんに聞こう。」
もうすぐハルヒの誕生日。
ハルヒへのプレゼントを考えながら、また深い深い夢の内へと誘われる。
312凧(赤):2006/12/23(土) 16:15:21.02 ID:EvcbuxJE0
しえん、おわりじゃなかったか。
313涼宮ハルヒの夢幻:2006/12/23(土) 16:17:11.94 ID:DoYjKt8FO
やっと終わりました。
支援感謝します。
今まで駄文を読んでいただき、誠に有難う御座いました。
314凧(赤):2006/12/23(土) 16:17:44.81 ID:EvcbuxJE0
いやいや、面白かったよ。あとでwikiで通して読み直すからよろしく!
315愛のVIP戦士:2006/12/23(土) 16:22:32.11 ID:xrHZ9af/0
尻のピンチ吹いたwwwwwwwwwww
316初夢(またバイトか):2006/12/23(土) 16:25:02.62 ID:LO1J6LsvO
乙GJ!
317初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 16:27:10.70 ID:Huy6oYFvO
乙&GJです
318姉と初詣:2006/12/23(土) 16:40:30.90 ID:3rCx0DsC0
支援間に合わず。。。orz

GJなんだぜ!!!!!!!!!
319猪(筋肉質):2006/12/23(土) 16:45:51.17 ID:3X+QDaow0
320猪(ベース):2006/12/23(土) 16:47:26.16 ID:nW0/XvJXO
支援出来んかったorz
GJ!
シリアスならがも笑わせてもらったよw

お疲れさん!
321弁天(べんてん):2006/12/23(土) 16:47:57.17 ID:bWbczBlC0
>>176
俺も孤独を待ってる
322凧(一人身):2006/12/23(土) 17:02:52.15 ID:EvcbuxJE0
冬企画、どうなった?クリスマス物の投下はないのかな?
323おせち(12,000円):2006/12/23(土) 17:15:26.90 ID:c0Ijj4690
クリスマス物はやっぱり当日に投下じゃね?
324初夢(声優とデート):2006/12/23(土) 17:16:19.36 ID:Huy6oYFvO
age
325猪(メイド服):2006/12/23(土) 17:37:15.12 ID:nW0/XvJXO
保守
326初夢(声優とデート):2006/12/23(土) 17:50:49.90 ID:Huy6oYFvO
保守
327猪(ギャンブラー):2006/12/23(土) 17:52:03.67 ID:9P1GGwoi0
http://baccano.fool.jp/
ちょwwwwwここのハルヒワロタwwwww
328おせち(200円):2006/12/23(土) 18:21:12.54 ID:nW0/XvJXO
保守
329おせち(5,000円):2006/12/23(土) 18:33:35.20 ID:K65fG5XAO
保守
330初夢(空も飛べるはず):2006/12/23(土) 18:43:26.51 ID:LO1J6LsvO
鬱系はプリンでおKだったか?
331おせち(15,000円):2006/12/23(土) 18:54:18.81 ID:c0Ijj4690
>>330
人それぞれだな。
どっちかはお好みで。
332初夢(みんなと仲間だった):2006/12/23(土) 19:02:53.47 ID:LO1J6LsvO
>>331
了解した。
333おせち(8,000円):2006/12/23(土) 19:18:44.94 ID:K65fG5XAO
保守
334おせち(8,000円):2006/12/23(土) 19:40:57.76 ID:K65fG5XAO
さらに保守
335おせち(30,000円):2006/12/23(土) 19:41:28.94 ID:c0Ijj4690
干す
336書初め(家内安全):2006/12/23(土) 19:43:07.34 ID:7haABC220
698: 2006/12/23 19:20:49 5IQ1yQh20 [荒れろ荒れろw]
VIPPERって死んでいいよね

このスレのやつこんなこといってるお(# ^ω^)
みんなで遊びにいこうぜ
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/appli/1166578669/


337美容師と初詣:2006/12/23(土) 19:58:31.53 ID:3rCx0DsC0
ほっしゅっしゅっ
338おせち(10,000円):2006/12/23(土) 20:07:07.22 ID:K65fG5XAO
あげ
339初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 20:21:10.35 ID:DoYjKt8FO
⊂二(^ω^ )ニ二⊃
340トリマーと初詣:2006/12/23(土) 20:43:56.91 ID:3rCx0DsC0
ほす
341凧(ぱしり):2006/12/23(土) 20:45:22.66 ID:WqKOknz70
http://chip.skr.jp/cure/images/haruhi_014
これ見て馬鹿な長門思い出した
342おせち(30,000ウォン):2006/12/23(土) 20:46:20.55 ID:guzce3Lp0
age
343妹と初詣:2006/12/23(土) 20:46:53.46 ID:IwhIcMcS0
会長メチャ可愛いなw
344黒豆(七粒):2006/12/23(土) 20:47:21.92 ID:ZbHjXCxwO
質問だがFateの改変書こうと思ってるんだが誰か書いた人いる?
345凧(ぱしり):2006/12/23(土) 20:47:42.58 ID:WqKOknz70
前なんかそんなの無かったっけ?
346凧(♀):2006/12/23(土) 20:48:35.68 ID:GJJ8GtiZ0
>>345
涼宮ハルヒの聖杯だね。
まだ未完だけど。
347福禄寿(ふくろくじゅ):2006/12/23(土) 20:48:39.21 ID:wT5Rsh+h0
涼宮ハルヒの聖杯だな
348黒豆(七粒):2006/12/23(土) 20:51:13.06 ID:ZbHjXCxwO
>>346-347
いたのか……じゃあ諦めて違うやつ書くか。
349福禄寿(ふくろくじゅ):2006/12/23(土) 20:54:28.38 ID:wT5Rsh+h0
>>348
いや、自分で考えたネタなら諦めず書いた方がいいと思う
完全にかぶってるならまだしもな
350結びコンブ:2006/12/23(土) 20:58:44.30 ID:Yb8ytul10
聖杯の人どうしたんだろ?
スランプかな
351VIP皇帝:2006/12/23(土) 20:59:25.24 ID:dnon4jP30
なにランサーと谷口が似てるからか?w
352カマボコ:2006/12/23(土) 21:16:12.28 ID:Yb8ytul10
保守
353黒豆(八粒):2006/12/23(土) 21:16:20.49 ID:ZbHjXCxwO
>>349
いや序章少し書いただけだから…wikiで聖杯検索してざっと1話見てみたが話は被ってないみたい。一応全話読んでみるが…fateと言う同じ題材を使って書いていいものなのか?
354 ◆a.PONitz3A :2006/12/23(土) 21:16:59.67 ID:WJNEPu5dO
355凧(直立歩行):2006/12/23(土) 21:17:08.53 ID:WqKOknz70
>>353
イーンダヨー
356カラスと初詣:2006/12/23(土) 21:22:43.22 ID:Fdrjn8sn0
>353
それを言ったら、『涼宮ハルヒの憂鬱』という同じ題材を使って書いてる、
数多のSSが軒並みアウトってことに……
357黒豆(八粒):2006/12/23(土) 21:27:39.28 ID:ZbHjXCxwO
>>355-356
わかった。なるべく聖杯の人のネタと被らないように注意しつつ書く。設定が原作とかけ離れてる(プロットでは完全オリジナルストーリー化してしまったorz)ので期待しないでくれ。クリスマス明けには投下できると思う。
358おせち(12,000円):2006/12/23(土) 21:32:19.48 ID:K65fG5XAO
wktkしてるぜ

そういえばあしたはイブか……
関係ないからどうでもいいけど
359凧(直立歩行):2006/12/23(土) 21:33:25.12 ID:WqKOknz70
イブって何のことだ?
360初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 21:40:08.45 ID:NwVHeBvY0
ここの住人は、というか職人さんは女性が多そうだから
明日はこのスレ過疎りそうだなぁ
明日暇な方、落ちないよう保守の方お願いします
361カラスと初詣:2006/12/23(土) 21:40:34.84 ID:Fdrjn8sn0
体育祭の下りが書いてあるのって、原作の何巻だったか知りませんか?
362凧(直立歩行):2006/12/23(土) 21:41:08.73 ID:WqKOknz70
>>360
保守?
俺に任せな
363おせち(8,000円):2006/12/23(土) 21:42:38.57 ID:nW0/XvJXO
>>360
保守なら任せなw
364寿老人(じゅろうじん):2006/12/23(土) 21:45:30.99 ID:wT5Rsh+h0
>>361
球技大会ならワンダリング・シャドウ
マラソン大会なら陰謀の最初の方
365カマボコ:2006/12/23(土) 21:45:44.44 ID:Yb8ytul10
>>360
家で寂しく保守するぜorz
366おせち(5,000円):2006/12/23(土) 21:51:49.40 ID:wYyINuYbO
俺は明日出かけてくるわ
367凧(直立歩行):2006/12/23(土) 21:52:07.95 ID:WqKOknz70
>>366
親と買い物でも行くのか?
368パティシエと初詣:2006/12/23(土) 21:52:22.69 ID:3rCx0DsC0
>>362
>>363
>>365
俺もいるぜ!
369初夢(ろうそく熱い):2006/12/23(土) 21:58:05.75 ID:bDOxcXCN0
確かに明日はクリスマスセールで色々と安くなってるもんな。
まぁ、明日俺は飛行機に乗ってるわけだが。
370おせち(150j):2006/12/23(土) 21:58:44.81 ID:guzce3Lp0
俺も出かけるかも。








髪が伸びたんで床屋へな
371猪(ちび):2006/12/23(土) 21:59:27.56 ID:dnon4jP30
俺も保守参戦!

明日なら少し書けるかも知れないし…
372 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:03:55.10 ID:QFVp/9eU0
投下しますが、よろしいでしょうか?
373おせち(1d):2006/12/23(土) 22:06:06.26 ID:guzce3Lp0
wktk
374初夢(熱湯風呂):2006/12/23(土) 22:06:23.91 ID:nnGVno/9O
一昨日あたりに明日投下できそうなんて言った。
だけど頑張ってみたがまだ書き上がらない。そんな俺を叱ってくれ……

という支援
375赤い糸 1/7 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:07:34.29 ID:QFVp/9eU0
『赤い糸』



 どこかで甲高い電子音が聞こえる。それは徐々に大きくなっていき、呼応するが如く闇に潜っていた意識が浮上した。
 あたしは毎朝の習慣で無意識に布団の中から手だけ伸ばし、少々煩わしくなってきた発信源を引き寄せた。手探りでタイマーを解除する。音が止んだ。
 取り戻した静寂の中、再び意識が深淵に滑り落ちていきそうになる。まだ眠い。けれど起きなきゃ。
 重い瞼をなんとか押し上げる。右手に納まったままの時計を見ると『AM 07:07』
その数字の配列になんだか少し得した気分になった。自ずと睡魔が撤退し、それを機にあたしは上半身を起こした。
大きく伸びをする。カーテンの隙間から差し込む光が『本日ハ晴天ナリ。』と告げた。ますます気分は上昇する。
 今日は土曜日だから学校は休み。でもSOS団の活動はある。集合は九時。
 まだぼんやりした頭をもたげて、ベッドから這い出しパジャマのまま階下に降りた。洗面所に向かう。まず顔を洗って目を覚まそう。
 洗顔石鹸で顔を洗い、冷水を二、三度顔面に浴びせた。すっ、と頭の芯が冷えていく感じ。ようやく目が醒めた気分になる。
 頬を伝い顎から滴り落ちる水滴をタオルで拭い、さて歯を磨こうと鏡の前にある自分の歯ブラシに手を伸ばして──気が付いた。
 左手の小指に何かからみついている。
 あたしは自分の左手を引き戻し、それを見直した。
 赤い、糸。
 糸はくるくると小指に何重にか巻かれ、小さく蝶結びしてあった。その結び目の端の片一方がやけに長く垂れ下がっている。
 それを目で追うと洗面所を抜けて廊下に続いていた。数歩移動して廊下に出たその糸を辿ると、玄関のほうに向かって延びていた。
――これは俗に言う『運命の赤い糸』ってヤツ?
 そんなことをちらりと考えてみたけれど、「まさか」という思いの方がまだ強かった。この時は。
 寝ている間にいつの間にか絡みついたのだと結論づけ、その赤い糸を取り外そうとして──できなかった。
「え?」
376もやし:2006/12/23(土) 22:07:42.58 ID:PASIs32q0
「あー、腹が減った。お、なんだ残り物のカレーがあるじゃないか。長門、これ食ってい」
「だめ」
「…あー、わるい。おまえの飯だもんな」
「そうではない。このカレーには耐熱性芽胞状態で生存したウェルシュ菌が繁殖している。
 非耐熱性の菌が死滅した為、繁殖に適した環境になったと推測される。再加熱が必要」
「そうか、カレーは火を通さないと駄目なんだった。まったく、菌なんて全部居なくなって
 しまえばいいのにな」
「可能。しかし推奨できない。人体は細菌に依存した健康維持システムを多く取り入れている。
 あなたの皮膚常在菌も不摂生な生活で不安定になっている。注意が必要」
「もしかして菌とか見えるのか? 目がいいってレベルじゃないな」
「このインターフェースの視神経密度は人類のそれと大差ない。また毛様体筋の制御による網膜
 投影像のピント合わせにも限界がある。しかし菌を視認するのは情報操作により対象の状態を
 イメージとして取り込む事で可能。光学的拡大像とは見え方が大幅に異なる」
「よくわからんが、教科書とかと違う感じに見えてるってことか。どんな風に見えるんだ?」
「それは……」

『おー、ナガトこっちみてるぞ』
『なんかしゃべれー』
『むくちキャラー』

「……ユニーク」
377もやし:2006/12/23(土) 22:08:51.32 ID:PASIs32q0
ごめんなさい。 投下宣言みてませんでした。
378赤い糸 2/7 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:08:54.65 ID:QFVp/9eU0
 確かにこの目で見えているにも関わらず、糸は自分の指先をするりと通り抜けてしまう。感触もない。
 思えば小指の方もしっかり糸が巻きついているのにそんな感触は一切なかった。
――まだ夢を見ているのかしら。
 あまりにも非常識な展開に敵前逃亡しかけたけれど、それは許されなかった。
「あらハルヒ、早いわね」
 後ろで母親の声がした。鏡越しに自分の背後を見ると、既に普段着に着替えた母がシーツのなどの山を抱えて立っている。どうやら先に起きて洗濯の準備などをしていたようだ。
「母さんこそ――おはよう」
朝の定期挨拶を口にしながら首を巡らし振り向く。振り向いて――固まった。
母が「おはよう」と笑顔で返してきたが、あたしの様子に僅かに怪訝な顔つきになった。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない」
 あたしは誤魔化すように鏡の方に向き直った。保留中だった歯ブラシを手に取る。
 母親は首を傾げたがあまり気に留めなかったらしく、そのままランドリースペースに消えていった。
「ああ、ハルヒのシーツも今日洗うから出して頂戴ね」
 去っていった方から声だけが聞こえる。洗濯日和だから一気に色々洗うのだろうか。
あたしは歯磨き粉を歯ブラシにのせながら短く「わかった」と返事をした。
 返事をしながら考える。これは夢ではなく歴とした現実みたいだ、と。
 歯を磨きながら左手の小指を目の高さに掲げた。やはりしっかり見える赤い糸。
 そして。
 母の小指にも自分と同じく巻きついていた赤い糸。
 口を濯いでため息ひとつ。
 これはもう認めざるを得なくなってしまった。


379おせち(1d):2006/12/23(土) 22:09:58.36 ID:guzce3Lp0
>>374
俺も、俺も

支援
380赤い糸 3/7 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:10:46.12 ID:QFVp/9eU0


 レモンママレードを塗ったトーストを齧りながら、あたしは目の前の光景をそれとなく観察した。外面はいつも通りの朝の風景だ。
 親父は新聞を読みながらテレビのニュースを『聞いている』し、母親は焼きあがった目玉焼きを食卓に運んだり親父のコーヒーを淹れたり忙しなく動いている。
 しかしその食卓を取り囲むように巡らされている赤い糸が、あたしに否応なしに非日常を伝える。
 この赤い糸は両親のもの。正確に言うと二人を繋いだ一本の赤い糸だ。両親はめでたいことに『運命の赤い糸』(推定)でしっかりと繋がれていた。
 その事実を確認したとき少なからずあたしは胸を撫で下ろした。自分の両親の赤い糸がお互い別のところに延びている光景は想像しただけでも精神上よろしくない。
 かといって今この状況を手放しで微笑ましいと思えるかというと、それはそれで話は違う。
 なんか当てられてるってカンジだわ。ゴチソウサマ、と言ってやりたいくらい。
 自分の両親の運命論についてなんて、娘として気恥ずかしくてこれ以上考えたくもない。だから後は専ら赤い糸の観察、そして考察に神経を注いだ。
 両親の小指と小指を繋ぐ赤い糸は伸縮性があるのか、目まぐるしく変わる二人の距離をものともせず常に一定の緩徐を保っていた。
 しかも糸は実体がないことをいいことに、時として──無理がある移動や、物や人に絡みつきそうな時──物質を通り抜けるという反則技まで備えているので、障害物は尚更意味を成さなくなる。
 そして。
 この赤い糸はどうやら自分にしか見えていないらしい。
 洗面所で母と対面したときに薄々気づいていたけれど、食卓についてそれは確信に変わった。親父も母親もこの赤い糸に囲まれた状況に顔色ひとつ変えず日常に徹している。
 両親の常日頃の言動は一般常識の範疇を超えることはなかったから、これが演技であるということはないだろう。有希ならともかく。あの子ならこの糸が見えている状況でも平然と日常を貫きそうだわ。
部室に巡らされた何本もの赤い糸の中で黙々と本を読みつづける有希の姿を容易く想像したとき、あたしは忘れかけていた今日の予定を思い出した。
 部屋の壁掛け時計を見る。七時五十分。そろそろ出かけないとキョンに出し抜かれてしまう。
 あたしはグラスに残っていたオレンジジュースを飲み干し、「ゴチソウサマ」と呟いて立ち上がった。二つの意味でね。
 自分の食器をシンクに片してリビングを出る。途中両親を繋ぐ赤い糸を思わず跨いだことに後で気付いてひとり苦笑した。


381婦警さんと初詣:2006/12/23(土) 22:10:51.49 ID:3rCx0DsC0
支援
382赤い糸 4/7 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:12:03.81 ID:QFVp/9eU0


 家を出るとこれまた異様な光景だった。
 自分の赤い糸は勿論、誰の者かわからない複数の赤い糸が道なりに連なったり、もしくは道を横切ったりしていた。
 途中すれ違った人はもれなく小指から一本の赤い糸を引き連れて歩いている。車からも赤い糸が延びていた。運転手や同乗者のものだろう。
 その光景にまず驚き、呆気にとられ、そして不安になった。
 これが見えてるのはあたしだけなの?
 というよりも寧ろあたしの頭がどうにかなってしまったのかしら?
 ここでようやくあたしは、折角自分の身に起こった不思議現象に対してまったくテンションが上げられずにいる己の内面を知った。
 いつも非現実的なものを欲しているのに、いざ直面するとどう対処すればよいかわからずに尻込んでしまったのだ。情けない。
 なにを怖気づいてるの涼宮ハルヒ、と自分を奮い立たせる。この状況を楽しまないで何がSOS団長だ。
 この状況を持て余しているなら──そう、目的を作ればいい。
 そうだ、手っ取り早く自分の糸の先を捜してみよう。
 決めたら胸内に蟠っていた不安が引き潮のように遠のいた。代わりにワクワクと期待に満ちたものが胸に広がる。ちょっぴりドキドキもプラスする。うん、かなり興奮してきたわ。
 本当なら今すぐスタートを切りたいけれど……さて、すると今日の団活である不思議探索はどうしよう。皆で探すのも一興だけれど、この糸があたししか見えてなかったら色々面倒だわね。
 あたしは数十秒かけて考え巡らし、一つの結論に至った。
 上着のポケットから携帯を取り出す。現在八時三分。もうそろそろ起きていてもいい頃合いだ。
 片手でボタンを操りアドレスからある電話番号を引き出した。即通話ボタンを押し、耳にあてる。呼び出し音が聞こえはじめた。
 一回。二回。三回。……
 十回繰り返されても出やしない。まったく、と惰眠を貪る相手に心底呆れた。勿論イライラもしている。
 一度切って自宅に電話してやろうかしら、と思っているとようやく呼び出し音が途切れた。
383おせち(1d):2006/12/23(土) 22:12:45.79 ID:guzce3Lp0
支援
384おせち(10,000円):2006/12/23(土) 22:12:50.54 ID:nW0/XvJXO
支援
385赤い糸 5/7 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:13:13.55 ID:QFVp/9eU0
「もしもし〜?」
 開口一番怒鳴りつけてやろうと準備をしていたら、想定外の声を耳にしてあたしは口を大きく開けたままフリーズしてしまった。
 耳元で高い声が「もしもーし?」と繰り返され我に返る。電話の向こうの人物を確認するため恐る恐る口を開いた。
「妹ちゃん?」
「あ、ハルにゃんだ! おはよう!!」
 朝から元気のいいお子様だ。兄と違って。あたしは路上であるのにも関わらず、妹ちゃんの声につられて結構大きな声で「おはよう」と返した。すれ違ったおばさんが自分にかけられたのかと振り向く。違うわよ。
「相変わらず元気そうね、妹ちゃん。ところでキョンは?」
「キョン君? それがねー、まだ寝てるの」
 無邪気な天使は困ったような声で事実を伝えてくれた。──まったく、こいつは団の活動を何だと思っているのかしら。
 メラメラと音を立ててあたしの悪戯心、もとい団員指導に火がつく。
「妹ちゃん、携帯電話をキョンの耳に当ててくれる?」
「うん、わかった!」
 弾むように返事したかと思うと、パタパタという足音とゴソゴソという雑音が聞こえてきた。それが収まると遠くから妹ちゃんの「いいよー」という声が聞こえた。
 大きく息を吸う。丹田に力を込めた。
「おーきーなーさーいー!! このバカキョン!!!!」
 百デシベルは越すのではないかという大声を右手に握った携帯電話にぶつけてやった。当然あたしの周りいた人たちはほとんど全員こちらを振り向く。驚かせて悪かったわね。でも一番悪いのはこの時間まで寝こけているキョンというバカですから。悪しからず。
 そして、その張本人であるバカは「バカキョン」の「ン」辺りで「うわぉ!!」と情けない声を上げた。コイツホントに寝てたわね?
 妹ちゃんの「キョン君起きたー?」とか「ハルにゃん、すごーい!」という声を背景に数秒待つと、間の抜けた呻き声が聞こえてきた。
「もしもし……」
「お・は・よ・う」
 わざとにこやかな声で挨拶する。対してキョンは「あー、えーと……『ハルにゃん』、か……おはよう……」とまだ寝惚けた声だ。『おはよう』に欠伸がついているし。というか寝惚けてでも、妹につられても『ハルにゃん』とか呼ぶな。恥ずかしいわね。
 『至極にこやかに会話』続行決定。
386おせち(1d):2006/12/23(土) 22:13:38.49 ID:c0Ijj4690
支援
387おせち(1d):2006/12/23(土) 22:15:25.50 ID:guzce3Lp0
支援
388赤い糸 6/7 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:15:43.56 ID:QFVp/9eU0
「随分とごゆっくりね、『キョン君』」
 加えてハルにゃん呼ばわり意趣返し。
「……今何時だ?」
 あたしの口調にようやく徒ならぬものを感じてかキョンは声を低めて聞いてきた。
「八時過ぎね」と親切に答えてあげるあたし。
 それを聞いて「なんだ九時じゃないのか」とか言いやがりました、この男。
 あたしはそろそろ続行限界になってきた柔らかな口調をなんとか保ちつつ、しかし押し殺した声で、
「そんなことだからいつも罰金払うハメになるのよ?」
「……休日くらいゆっくり寝かせてくれ」
──ああ、もうムリ。『にこやかハルヒさん』解除。同時に通常ハルヒモード全開。
「あんたはどこぞの働き盛りのサラリーマンよ!! いーえ、サラリーマンのお父さんの方が偉いわね。家族サービスとやらで休み返上で体に鞭打って家庭に貢献してるんだから。
 それなのにあんたときたらたかが高校生の、しかもSOS団の雑用係の分際でこんな時間まで寝くさって、世間のお父さん方に申し訳ないと思わないの!?
 いーい? 今日学校は休みでもSOS団は通常営業なの!! わかったなら──」
 と、周囲の覗うような、もしくは窘めるような視線を無視して一気に捲し立て、そして勢いに任せて「とっとと目ぇ覚ましてすぐさま集合場所に駆けつけなさい!!」と続けてしまいそうになった。転がり出そうな言葉を慌てて呑みこむ。
 あぶないあぶない。怒りのあまり目的を忘れるところだった。あたしは暴走しかけた自分を戒めるかのように、左手の小指の赤い糸に目線をやる。
 不自然なところで途切れたあたしの声に訝しんだのか、携帯から「ハルヒ?」と問いかけるキョンの声が聞こえた。反射的に「あ、うん」と返すとキョンが小さく溜息吐いて、
「おまえの言い分はわかった。でも今こうして電話で四の五の話していたら本末転倒だろう? 今から急いで支度する──」
「その必要はないわ」
 キョンが皆まで言う前にあたしは遮るように口を切った。キョンの「は?」と腑抜けた声が聞こえる。
 あたしは構わず続けた。
「今日の探索は中止よ」
「……なんだって」
 キョンの恨めしそうな声。「ならなぜ今まで寝ていたことに文句をつけられたんだ俺は」と言いたいらしい。
389おせち(1d):2006/12/23(土) 22:15:56.11 ID:c0Ijj4690
支援
390赤い糸 7/7 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:16:56.40 ID:QFVp/9eU0
 その罰当たりな雑用係にあたしは指示を出した。
「だから他の皆に即刻伝えなさい。本日は団長様の私用によりまことに残念ながら不思議探索は中止となりました、ってね」
「へいへい」
 心底面倒臭そうな返事にちょっとムッとする。毎度のことだけど。
 そこであたしはふと『いい事』を思いついて、「じゃあな」と通話を切ろうとするキョンを呼びとめた。
「あ、あとキョン」
「なんだ?」
「妹ちゃんに伝えてくれない?『今度一緒に遊びましょ』って」
 キョンは虚を突かれたらしく、一瞬黙ってから吐息のように「珍しいな」と呟いた。なによ、『珍しい』って。失礼ね。
 それにあたしは全部言い終えてないのよ?キョン。
 「それから」とあたしは続ける。
「『あなたのお兄ちゃんの奢りでね』って」
 あたしは満足してキョンが抗議の声を上げる前に通話を切った。通話時間を表示した液晶画面を見つめながら、携帯を持ったままベッドの上で情けない顔をしているキョンを思い浮かべると自然と口元が緩んだ。
 さてと。あたしは深く息を吸った。
 携帯を上着のポケットに戻し、軽く目を閉じる。
 改めて何かに臨むとき自然としてしまう儀式のようなもの。時間としては二、三秒ほどの間、黙祷。祈ることは何もないのだけれど。差し当たり、この赤い糸を辿る行為が楽しいものでありますように、とか?
 僅かに笑んであたしは瞼を開けた。視線を赤い糸が指し示す方向に据える。
──それじゃはじめましょうか。
 あたしは意気込んで赤い糸が導く方向に一歩足を踏み出した。



──続く
391おせち(1d):2006/12/23(土) 22:17:11.55 ID:guzce3Lp0
支援
392おせち(1d):2006/12/23(土) 22:17:32.15 ID:c0Ijj4690
乙!
続きwktk
393凧(♀):2006/12/23(土) 22:18:17.96 ID:EvcbuxJE0
しえn
394おせち(1d):2006/12/23(土) 22:18:54.62 ID:guzce3Lp0
乙です!
395凧(♀):2006/12/23(土) 22:19:25.46 ID:EvcbuxJE0
乙、 GJ,
>>3 みてまとめ要請よろしく。
396 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:20:46.28 ID:QFVp/9eU0
今回は以上です。駄文&動きなくてスミマセン。
続きのプロットはできているのですが、何せ明後日から仕事が修羅場るので、遅くなったら大晦日になるかもです。
あと投下の時間ってやはりこの時間帯がいいのでしょうかね?
397婦警さんと初詣:2006/12/23(土) 22:21:55.96 ID:3rCx0DsC0
GJなんだぜ!
続きwktk
398凧(♀):2006/12/23(土) 22:22:14.79 ID:EvcbuxJE0
>>396
この時間帯は比較的、人が多いよ。俺はいつも2:00くらいだから人がいなくて
苦労することもある。
399 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:22:40.46 ID:QFVp/9eU0
>>395
まとめはあとで自分でやります。


皆さん支援ありがとうございました!
400親父と初詣:2006/12/23(土) 22:22:44.92 ID:Fdrjn8sn0
おおおーー!
これは……奥浩哉『糸』のハルヒ版!
wktk
401 ◆dIPa2p9Hdo :2006/12/23(土) 22:26:10.32 ID:QFVp/9eU0
>>400
え、奥浩哉ってそんな漫画書いてましたっけ?ありゃー
うーん、まだまだ私の考えも浅いってことッスね……orz
402書初め(今年こそ素人デビュー):2006/12/23(土) 22:41:13.26 ID:wYyINuYbO
保守
403猪(カレー味):2006/12/23(土) 22:45:38.16 ID:7w6aesUz0
乙!
いやいや、俺は知らなかったからか面白いと思ったし、
文章自体が既に達者だし、期待してます。
404黒豆(千粒):2006/12/23(土) 22:50:34.44 ID:bpbmMS+EO
>>390
敬愛の人乙ッス!ア〜ンド、バイオハザード見てたら支援に遅れた俺を許して〜orz

俺も続きwktkしてるよ!
ていうかあんた文章巧すぎ!
プロになればいいのに……
405長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 22:51:20.36 ID:EvcbuxJE0
投下、いいかな?
406黒豆(千粒):2006/12/23(土) 22:54:36.24 ID:bpbmMS+EO
こんどこそ支援するよ!
407長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 22:55:33.30 ID:EvcbuxJE0



長門ふたり の続き

第六章 ハルヒ、古泉に恋す。

を投下します。
http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/2003.html
に今までの内容があります。
家人が来た場合は投下の中止もありです。
8レスくらいのよていです。
=============-
第六章 ハルヒ、古泉に恋す。

とある日曜日。僕は長門さんのマンションに呼び出された。何の用事かは
知らされていない。今朝、起きるといきなり長門さんから携帯に電話が入り、
「来て」
とただ一言告げただけで切れた。かけてきたのが長門さんAなのかBなのかは
電話では知りようが無いが、とにかく、呼び出されたからには行くしかないだろう。
マンションの入口で長門さんの部屋のルームナンバーを押し、オートロックの
鍵を解除してもらってからマンションに入る。エレベーターで上り、
部屋のドアをノックして入れてもらう。部屋の唯一の調度であるこたつの右に
長門さんAが左にBが座り、真中に僕が座った。
408長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 23:01:24.36 ID:EvcbuxJE0
長門さんAが切り出す。
「あなたの言う通り、わたしたちは彼を共有した」
「助かっています」
「しかし、この状態は問題がある」
「と言いますと?」
「彼の注意のほとんどが涼宮ハルヒに向いている」
はあ、それはそうだろうな。壁でおとなしく本を読んでいる地味目の
美少女と、放っておいたら世界を破壊しかねない派手目の美少女の
どっちが気になるか、といえば後者だろうし。
「お気持は解りますが、こればっかりはなんとも」
「わたしたちもそう思っていたが間違いと気づいた」
「どう間違っているのですか?」
「彼の注意を涼宮ハルヒからそらす方法がみつかった」
「それはそれは。彼の脳を改変しますか」
「それはあまり好ましくない」
「では、どうされるのですか?」
「彼の注意が涼宮ハルヒに集中しているのは
涼宮ハルヒが彼に固執していることの裏返し」
確かに。ヒューマノイドインターフェイスも有機生命体の心理について
研究がかなり進んだんだな。
「涼宮ハルヒの注意を他に向ける」
「なるほど、それは考えませんでした。それならば...」
「涼宮ハルヒの注意があなたに向くように脳の改変を行った」
「今、なんと言われましたか?」
「通俗的な言語で言うと『古泉一樹が好きで好きでたまらない』状態に誘導した」
409おせつ:2006/12/23(土) 23:02:45.97 ID:c0Ijj4690
支援
410長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 23:03:03.25 ID:EvcbuxJE0
「ちょっと待ってください、そんなことを勝手に...」
僕はつい最近、長門さんがダブル改変した世界での僕と涼宮さんの
関係を思い出した。みんなが見ているところで弁当を食べさせあう仲。
放課後に毎日、あんなことやこんなことを繰り返す仲。
「あなたが心配しているようなことは何も起きない。大丈夫」
「しかし...」
「これは、朝比奈みくる流に言えば『既定事項』。拒否するなら
彼を共有すると言うあなたの提案も拒否する」
僕は彼の二重化を思い出した。それはそれでひどく困る。
「これで話は終わり。帰って」
僕はマンションを追い出されてしまった。
涼宮さんの様な美少女と「深い仲」になるのはほんとうは
満更でもないことなのかも知れないが、こと、相手が涼宮さんとなると
ちょっと大変すぎる。毎日、弁当を食べさせあわないといけないのだろうか?
みんなが見ている前で。頭がいたい。

次の日、うわべではいつもと同じ作り笑いを浮かべながら、その実、
緊張しながら文芸部室のドアを開けた僕の目に飛び込んで来たのは、
僕の姿が目に入った途端、にやりと笑うと僕の方にとんでやってくる
我等が団長さまの姿だった。
「古泉くん、次のみくるちゃんの衣装、何がいい?」
いまだかつて、僕は意見など求められたことなど一度もない。
いつも何か意見を求められているように見えないでもないかも知れないが、
実際には同意しか期待されてないのだから、あれは違う。
それにしても、顔近付けすぎですよ、涼宮さん。
411おせつ:2006/12/23(土) 23:03:25.09 ID:c0Ijj4690
支援
412長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 23:04:03.90 ID:EvcbuxJE0
「考えといて。あと、ホームページのメンテは今日から古泉くんに
やってもらうことにしたから。そうそう、忘れるとこだったけど、
副団長は今日からキョンにやってもらうことにしたわ。
悪いけど古泉くんは格下げね」
何か話がおかしい。涼宮さんは『僕が好きで好きでたまらなく』なったんじゃ
なかったのか?じゃあ、なぜ、僕に次々とつまらない用事をいいつけるのだろう?
僕に恋しているようには全く見えないが....。
「古泉くん、早速だけど、今日、有希の部屋で鍋パーティをすることに決まったから
このリストにある食材を買って有希のマンションに持ってきてくれる?
あ、代金は立て替えておいてね」
渡されたリストはA4サイズの紙一枚分あり、その全てを買い揃えて
長門さんのマンションに持っていくのは半端ではない大変な作業だった。
にも関わらず、長門さんのマンションに青息吐息でやっとたどりつた僕に
涼宮さんは一言
「古泉くん、遅い!」
と言い放っただけだった。

次の日から涼宮さんの挙動はすっかり様変りした。まず、朝比奈さんをいじめるのを
わざわざ僕がいるときを選んでやるようになった。僕が止めにはいると本当に
うれしそうに僕にくってかかった。彼はと言えば
「いいアイディアだと思うぞ、ハルヒ」
とか
「全くそのとおりだな、ハルヒ」
などとお気楽に、先週まで僕が口走っていたセリフそのままに口走っている。
そう言いながらにやりと僕の方をみて笑う彼をみるとむかっ腹がたった。
413おせつ:2006/12/23(土) 23:04:22.59 ID:c0Ijj4690
しえn
414長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 23:04:33.80 ID:EvcbuxJE0
それでやっと、なぜ彼がしょっちゅう僕の方を見て苦虫を噛みつぶしたような
渋い顔をしていたのか解るようになった。本当、これって頭に来るな。
「古泉くん、あれやって」
「古泉くん、これやって」
と涼宮さんはなんでもかんでも僕に言いつけて僕をこき使うようになった。
僕はとうとうへとへとに疲れ果てて、どう頑張ってもいつもの作り笑いすら
できなくなり、彼がよくしていたように文芸部室の机につっぷして
居眠りをするようになった。
おかしい。絶対に変だ。涼宮さんは『僕のことが好きで好きでたまらなくなった』
んじゃないのか?だったら、なんで僕にこんなにつらくあたるんだ。
彼はと言うとすっかり時間を持て余し、長門さんの目論見通り、
彼女の隣に座ったりするようになった。よく解らないが、
無駄話などとも交わすようになったようだ。
涼宮さんの脳の改変は何かが間違って失敗したようだけれど、
彼ともっと交流したいと言う長門さんの希望は見事に
適っていた。

長門さんが涼宮さんの脳を改変してから二度の目の金曜日が来る頃には
僕は歩けない程へとへとに疲れきっていた。
涼宮さんの僕に対する要求は留まるところを知らず、エスカレートする
ばかりだった。もう限界だ。その日、涼宮さんが
「古泉くん、ちょっとあれと....」
と言いかけたとき、僕はとうとうこう言わなくてはいけなくなった。
「すみません、涼宮さん。僕はへとへとです。今日は勘弁してくれますか?」
その時の涼宮さんの顔ったらなかった。よもや、僕が断るとは
415おせつ:2006/12/23(土) 23:04:57.40 ID:c0Ijj4690
支援
416長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 23:05:25.00 ID:EvcbuxJE0
夢にも思っていなかったようで、
横っ面を思いっきりはたかれたようなポカンとした顔をした。
次の瞬間にはこれ以上の不快は無い、という不機嫌な顔になり
「あ、そう。じゃあ今日は帰っていいわ」
と言った。僕は早々に文芸部室を引き上げた。
今日こそはゆっくり休まねば。死んでしまう。
そのとき、僕の携帯がコールされた。携帯を取り出して読んだ僕の目に
飛び込んで来たのはこんなメイルだった。
「最近、まれにみる巨大な閉鎖空間が発生。急速に増大している。
至急、出動されたし」
.....もう、死にたい。

その日の閉鎖空間はいつになくやっかいで、倒しても倒しても
神人が出現し、僕等は全力で戦わなくてはならなかった。
やっと閉鎖空間が消滅し家に辿り着いたときには夜中の2時を回っていた。
あと一人神人が出現していたら、間違いなく、僕の心臓は悲鳴をあげて
停止していただろう。家にたどりついた僕は着替える元気すらなく
そのままベッドに倒れこんだ。あとのことは全く覚えていない。

翌日の土曜日、僕は長門さんのマンションに向かって歩いていた。
僕は涼宮さんが誰かを「好きで好きでたまらなく」なったらその相手に
どういう態度をとるか、という点で根本的なあやまちを犯していた。
ダブル改変世界で僕とバカップルを演じてみせた涼宮さんは本来の
彼女ではないのだ。あれは僕をつなぎ止めるために長門さんが
つくり出したフィクションだ。
417おせつ:2006/12/23(土) 23:05:32.02 ID:c0Ijj4690
支援
418長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 23:05:49.54 ID:EvcbuxJE0
誰かが「好きで好きでたまらなく」なった場合に涼宮さんが
することはあんなことじゃない。
考えても見ろ。涼宮さんは、あの5月の日、世界を消滅させかけたあの日に、
たった一人、彼だけを選んで連れていったのだ。
本人が自覚的にどう思おうと、彼女くらいの年格好の女性が
世界でたったひとりだけ男性を選んだら、それが何を意味するかは
聞くだけ野暮だろう。でも、涼宮さんは彼にどんな仕打を
していただろうか?まさに、今、僕が涼宮さんにされているのと同じことをそっくり
そのまま彼にしていたではないか。長門さんは目論見通りに涼宮さんの脳を
改変したのだ。僕がとんでない勘違いをしていただけのことだ。
長門さんのマンションに着くと僕は彼女達にお願いした。
「すみません、元に戻してください。もう体が持ちません」
長門さん達はお互いに顔を見合わせると言った。
「それは残念。涼宮ハリヒから開放された彼は、私達と
頻繁にコミュニケーションをするようになった。彼も
幸せ、私達も幸せ、涼宮ハルヒも幸せ。完全な解決策と
思っていた」
「あなたは、涼宮ハルヒの脳を改変すると告げたとき、
強く反対しなかった」
「いや、それは長門さん達が問題ないと言われたので...」
「私達は、『あなたが心配しているようなことは何も起きない』と言っただけ」
確かに。僕が心配したようなことは起きなかった。心配しなかったことが
起きてしまったわけだが。
「そのとおりです。ですが、予想外の事が起きて、対応に苦慮しています。
長門さん達はこうなると知っておられたのですが」
419おせつ:2006/12/23(土) 23:06:04.87 ID:c0Ijj4690
支援
420長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 23:06:16.00 ID:EvcbuxJE0
「知っていた」
「しかし、彼は問題なく耐えていたので、有機生命体の男性は常に
女性の理不尽な要求に耐える能力を備えていると判断した。
間違っていたのか?」
いや、間違ってませんよ。ただそれには重要な条件があります。
きっとあなたたちには理解できないような、ね。
「とにかく、限界です。あと一週間この状態が続いた場合、
僕は自分の精神を正常に維持する自信がありません。
お願いですからもとに戻してください」
「とても残念な結論」
「彼も涼宮ハルヒもそう思っていると思う」
「お願いします」
僕はそう頭を下げてマンションを後にした。
長門さん達は僕の願いを聞き入れてくれるだろうか?
もし、聞き入れてくれなかった場合には..。自分でも自分が
何するかちょっと自信が持てない...。

週明けの月曜日、涼宮さんはまるで手の平を返したように、こう宣言した。
「やっぱり、副団長はキョンじゃ役不足よね。古泉くんに副団長を
やってもらうことにするわ。キョンは格下げね。じゃあ、さっそくだけどキョン...」
こうして彼の平穏な日々は2週間足らずで終息し、彼はまた
希代の変人涼宮ハルヒによる無限地獄に叩き落とされ、僕はと言えば
傍観者の立場に戻った。この境遇に何ヶ月も耐えていたとは驚嘆に値する。
早晩、長門さんのストレスが限界に達して、またなんらかの行動を起こすのは
間違いないだろうけれど、とりあえず、しばらくは大丈夫だろう。
421おせつ:2006/12/23(土) 23:06:36.07 ID:c0Ijj4690
しえn
422長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/23(土) 23:06:50.91 ID:EvcbuxJE0
長門さん、有機生命体の男性が女性の理不尽な要求に耐える能力を
備えているための条件を教えてあげましょうか?
それはね、男性が女性にこれ以上無いくらい惚れ込んでいる場合なのですよ。
勿論、彼は自分がこの条件を見たしていることを強く否定するでしょうけどね
....。
======
以上です。支援、ありがとうございました。
423黒豆(万粒):2006/12/23(土) 23:07:09.25 ID:bpbmMS+EO
支援
424おせつ:2006/12/23(土) 23:08:38.60 ID:c0Ijj4690
乙!

古泉・・・
425おせつ:2006/12/23(土) 23:09:27.81 ID:c0Ijj4690
アナル時間切れっす。
426凧(中華風):2006/12/23(土) 23:10:38.40 ID:EvcbuxJE0
>>425
アナルの方がプリンより盛況ってきいたけど、違うの?
427姫初め:2006/12/23(土) 23:11:40.67 ID:2ohOqp9i0
>>426
そんな日もあるとしか
428凧(未完成):2006/12/23(土) 23:12:21.59 ID:Huy6oYFvO
乙です!

>>426
3日たったら落ちるんじゃなかったっけ?違ってたらすまん
429凧(中華風):2006/12/23(土) 23:12:55.49 ID:EvcbuxJE0
>>427
つまり、全体に過疎ってると。やばいなあ。
430おせつ:2006/12/23(土) 23:15:20.22 ID:c0Ijj4690
企画やらセンターやらいろいろ行事があるからねぇ・・・
431凧(中華風):2006/12/23(土) 23:16:21.87 ID:EvcbuxJE0
>>430
企画って何?SSの冬企画のことじゃないよね?
432猪(禁風呂中):2006/12/23(土) 23:17:45.40 ID:WeMLHq2d0
>>431
そのことだろ。
俺も冬企画の作品書いてるけど、どうしても他の作品の書く速度落ちるし。
4332Get!!:2006/12/23(土) 23:19:06.07 ID:wT5Rsh+h0
434凧(中華風):2006/12/23(土) 23:19:22.42 ID:EvcbuxJE0
>>432
そうか。俺は企画はもう投下しちゃったからな。みんな、かなり練ってるんだね。
これは期待できそう。
435おせつ:2006/12/23(土) 23:25:11.11 ID:c0Ijj4690
投下してくれる職人さんが居るから気にする事はないな。
436凧(中華風):2006/12/23(土) 23:25:50.11 ID:EvcbuxJE0
>>435
投下の数、ちょっと減ってないか?
4372Get!!:2006/12/23(土) 23:26:59.48 ID:wT5Rsh+h0
今書いてる長編終わらせなきゃいけないのに次書こうとしてる長編のネタ練ってる俺って
438凧(中華風):2006/12/23(土) 23:27:49.20 ID:EvcbuxJE0
>>437
途中まででいいから投下したら?前後編にするとか。
439おせつ:2006/12/23(土) 23:27:53.17 ID:guzce3Lp0
やっと完成した
今から推敲して問題なかったら十二時から投下する
4402Get!!:2006/12/23(土) 23:28:36.16 ID:wT5Rsh+h0
>>438
いや、前後編とかいうレベルじゃないんだこれが・・・両方ともな
441凧(中華風):2006/12/23(土) 23:28:44.87 ID:EvcbuxJE0
>>439
wktk!
442おせつ:2006/12/23(土) 23:28:59.45 ID:c0Ijj4690
まだwktkも捨てたもんじゃない。


wktk!
443凧(中華風):2006/12/23(土) 23:29:18.97 ID:EvcbuxJE0
>>440
どういう意味かわからんが、まあ、待ってる。
444凧(未完成):2006/12/23(土) 23:29:56.55 ID:Huy6oYFvO
>>439
wktkしながら待ってます

どうでもいいんだけどさ
ここ見てると本編かプリンかどっちかわからなくなってき困………らない
445おせつ:2006/12/23(土) 23:32:03.16 ID:c0Ijj4690
>>439
レス数どのくらい?
446おせち(30,000円):2006/12/23(土) 23:33:43.94 ID:K65fG5XAO
たしかにみんな書くの上手いからたまに原作と混同するwwww
447猪(黒板係り):2006/12/23(土) 23:34:27.48 ID:NXkf5dca0
今書いているのが書き終わったら
投下しようかなと思ってる・・・・

シュール系だけど、こっちで投下しちゃってもいいよね?
448おせつ:2006/12/23(土) 23:36:04.46 ID:guzce3Lp0
携帯だから一レスあたりの分量少ないんだが、三十くらいかな?
一つ確認ハロウィン!っておぼえられてんのかな?
一ヶ月間空いちゃったからそれが心配
449初夢(犯人だった):2006/12/23(土) 23:36:10.65 ID:DoYjKt8FO
センター近いのに全く勉強しない俺は、
\(^o:;.:...

>>422
GJ!!!!
>>440
wktk!!!
450凧(中華風):2006/12/23(土) 23:37:00.21 ID:EvcbuxJE0
>>447
(偏見だけど)エロじゃなきゃ許す!


ごめんよwwww
451おせち(30,000円):2006/12/23(土) 23:37:42.01 ID:K65fG5XAO
>>447
いいんじゃない?
4522Get!!:2006/12/23(土) 23:37:59.27 ID:wT5Rsh+h0
えろいのばっか書いてる俺は反論のしようがありません
453凧(中華風):2006/12/23(土) 23:38:55.40 ID:EvcbuxJE0
>>448
そういう話があったのも覚えてるし、おもしろいと思ったのも
覚えているが、すじを忘れた。でも、いいんじゃね?
きっと投下したのを読めば思い出す。
454凧(中華風):2006/12/23(土) 23:39:47.76 ID:EvcbuxJE0
>>452
エロが悪いとは言わないけど、まあ、分けてあったほうがいいよね、
というだけ。気に触ったらごめん!


4552Get!!:2006/12/23(土) 23:41:59.24 ID:wT5Rsh+h0
>>454
一番最初だけえろいのを直接スレに投下したけど
それ以降はwikiに直接投下してる
まあ本来ならエロはエロパロ行けって話だしなあ
456猪(黒板係り):2006/12/23(土) 23:42:24.07 ID:NXkf5dca0
>>450
エロではないなw
じゃあ、書き終わったら投下してみるよ。

前に投下した時は完結する前に、スレが落ちちゃって中途半端になっちゃったけど。
今回は全部書いてからの投下だから、何とかなるはず。
457初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/23(土) 23:42:25.61 ID:LO1J6LsvO
みんな投下終わったら、イヴの甘甘気分を吹き飛ばすようなの投下したいな……。


という願望
458凧(中華風):2006/12/23(土) 23:44:21.70 ID:EvcbuxJE0
>>457
wktk!
459おせち(30,000円):2006/12/23(土) 23:44:51.34 ID:K65fG5XAO
>>457
イヴだけど一切甘甘な気分じゃない俺wwww

だがwktk
460猪(検問中):2006/12/23(土) 23:44:52.27 ID:+eJE/kNV0
グレイトな鬱ものを書きたい。
461凧(中華風):2006/12/23(土) 23:45:32.61 ID:EvcbuxJE0
>>460
wktk!
462おせち(10,000円):2006/12/23(土) 23:47:14.04 ID:wYyINuYbO
鬱ものでおすすめってない?甘いのに備えたい
463一人で初詣:2006/12/23(土) 23:48:27.42 ID:Fdrjn8sn0
今書いてる分が済めば、次かその次くらいには、遅れてきた甘みになる予定。

エロスは……前科者だからなぁ。
寸止めのつもりが、フルコンタクトに近くなってしまった。
エロスは、香辛料のようなものだと心得るべきだと思った。
絶妙な按配で使えば、本編を引き立てる魔法の調味料だが、
用法用量を誤れば、何書いてあるのか分からないgdgdにorz
464猪(黒板係り):2006/12/23(土) 23:50:55.34 ID:NXkf5dca0
誤字確認のために途中まで読み返してみたら大してシュールでもなかった罠w
465凧(バイヤー):2006/12/23(土) 23:53:35.28 ID:MShy2Y0I0
>>463
長門ストレートの人?
466黒豆(四粒):2006/12/24(日) 00:06:31.69 ID:zBg/gadFO
30レスほど借ります。
467猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:06:45.39 ID:ddvr8HRk0
wktk
468猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:07:28.21 ID:XIjb0NDYO
wktk
469ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:09:17.15 ID:zBg/gadFO
前回までは
ttp://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/1843.html
季節的にも内容的にも題名から離れたorz
では。

 いまだぼんやりとした意識の中で考える。
 目が覚めたら俺はどの世界にいるのか。
 元の世界か、あるいは長門の改変世界か。はたまた全く別の世界か。
 そもそも俺の言う元の世界とは何だ? それは俺がそう信じているだけではないか?
 ……どうも古泉に影響されてきてんな。
 俺がそんな形而上学的、哲学的な事を考えたってしょうがねぇ。
 世界はいつから出来たか、とか、未来がどうだとかその他諸々を考えるのは
 古泉や長門や朝比奈さんに任せよう。
 今するべきことをする、それが俺の役目だ。


 視界の端に光がちらつく。俺は目を開けた。
 そして見たのは俺のコートを制服の上に着たハルヒである。
 この光景は近ごろ見た覚えがある。いつだ……?
 しばらくして俺の決して高機能ではない脳はこれをあのハロウィンの夜の光景と断定した。
 となれば、次にハルヒが言う台詞は――。
「ねえ、キョン。さっきの続き、聞かせて」
 まあ、どう考えたってふだんのあのハルヒから出る台詞ではない。
 いつものこいつだったら、
「言いたいことがあるならさっさと言いなさいよ、この馬鹿キョン!」
 とか情緒も何もあったもんじゃない台詞を言うんだろう。
470猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:09:33.16 ID:ddvr8HRk0
支援
471ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:11:11.90 ID:zBg/gadFO
 なのに今のハルヒときたら、口調といい、表情といい全く別人だ。
 だけどそんなことは百年後のブラジルの天気予報なみにどうでもいいんだ。
 『ついさっき』俺は自分の中で答えをだして覚悟を決めたじゃないか。そう、
「俺は、ハルヒが好きなんだ」
 俺は呆然としているハルヒの目を見てもう一度、はっきりと言う。
「俺はお前が好きだ」
 何だか妙に達成感がある。
 よく考えるまでもなくこれが人生初の告白だしな。
 唐突にハルヒが顔を近付けてくる。ちょっと手順をとばしすぎじゃないか?
「何言ってんのよ、馬鹿。耳を貸しなさい」
 まさか……、まさかとは思うが面と向かってじゃ答えられないなんて言わないよな?
「……うるさい、そのまさかよ!」
 本当にこいつはハルヒか? 誰かの変装じゃないか?
 そんな俺の疑問なんかどこ吹く風なハルヒは俺の耳元でささやいた。
「キョン……、」
 沈黙。
「……ユキ」
 ユキ? ユキって何だ? 噛んだのか?
 困惑することしきりな俺の袖辺りを誰かが掴んだ感覚がある。
 振り向くとそこには、
「長門……」
472猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:11:26.31 ID:ddvr8HRk0
支援
473初夢(宝船の夢):2006/12/24(日) 00:11:39.18 ID:OhL0hjiPO
支援
474ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:12:23.87 ID:zBg/gadFO
 あの、何でこんなところにいらっしゃるんですか?
 また世界改変しにきました、とか言いませんよね?
 うん、思わず敬語になってしまうのはなぜだろうね。恐るるべきは長門オーラか。
「こんばんは。いい夜ですね」
 長門の後ろから出てきて挨拶する古泉。
「……古泉もか」
 まあ、こいつがいつものいけ好かない表情作ってんだから大丈夫だと思うがな。
 むしろ大丈夫じゃないと困る。無限ループは勘弁だぞ。
「何やってんの二人で?」
 訝しげに言うハルヒに実に嫌な感じなニコヤカ笑いで言い返す古泉。
「涼宮さんはこんな夜遅くに何をしているのですか?
……彼と一緒に」
 途端に慌てるハルヒ。今日のハルヒは分かりやすいね。
「な、何でもないわよ。遅くなっちゃったから、送ってくれるって、キョンが……。
ね、そうよね、キョン」
 ハルヒの眼は、同意しろと訴えているが、
 迫力はいつもの1パーセント未満と言ったところか。
 少しからかってやるとする。
 こんな時でもなきゃ俺がハルヒをやり込めるなんて金輪際ないからな。
「それだけじゃないぞ。ついさっき告白してな、」
 ハルヒの顔が面白いくらいに赤くなる。
475猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:12:31.12 ID:ddvr8HRk0
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476猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:12:50.05 ID:XIjb0NDYO
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477ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:13:36.45 ID:zBg/gadFO
「何てこと言い出すのよ、馬鹿!」
 俺はわざとらしく言ってやった。
「そうか、俺は振られたのか。そうか、そうか」
 ハルヒはもう何がなんだか分からない呻き声をあげている。
 そんな俺たちを見て古泉が楽しそうに言う。
「おやおや、やっとですか」
 やっと、とは何だ。
「言葉どおりですよ。全くあなたときたら……」
 以下、延々と古泉が語り続けたが、要約すると「鈍感」の一言で片付いてしまう。
 全く、お前の言い回しはくどいうえに無駄が多いんだよ。
 今や時代は省エネだろ。
 それに一言いわせてもらえば俺が鈍いんじゃなくてハルヒが分かりづらいだけだ。
「いえいえ、そんなことはありませんよ。例えば……」
 延々と(以下略)。
「分かった。取りあえず俺が鈍いということにしておこう」
 取りあえずって何よ、とハルヒが言うが無視だ、無視。
「それで話が変わるが、なんでお前らはここにいるんだ?」
 古泉は苦笑しながら、
「それは、長門さんに訊いてください。
僕は彼女がどうしても、と言うから付いて来たまでです」
 俺とハルヒは同時に長門の方を見たのだが、長門は目をそらしやがった。
 長門さん?
「なに?」
478猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:14:13.92 ID:ddvr8HRk0
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479ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:14:46.94 ID:zBg/gadFO
 そんな「わたしは無実です」みたいな目をするな!
 古泉もいたなら止めとけよ。
「僕が長門さんを止められるとお考えですか?」
 ……無理だろうな。よく考えれば。
「しかし、これ以上ここにいては『アルバイト』が入るかもしれませんね。
お邪魔虫は退散するとしましょう」
 最初はハルヒに聞かれないようにぼそぼそと、
 後の方は長門に言い聞かせるように多少大きめの声で古泉は言った。
 突然ハルヒも叫んだ。
「あ、キョン。あんたもここまででいいわ! あたしの家すぐそこだから!」
 はい?
「また学校でね」
 陸上部も真っ青な速さで走り出すハルヒ。これは敵前逃亡ですか?
「逃げやがった……」
 もう、なんと言っていいのやら。このやるせない気持ちをどこに持って行けと?
 それを目の前に持ってくあたり、俺も器が小さいね。
「古泉、お前と長門が俺の家を出てからもうだいぶ経つわけだが、
何でまだ二人で行動してんだ?」
 古泉は「お忘れですか」と言って両手を広げてみせる。
 無性に腹が立つ。
「僕たちは主義主張は違えど涼宮さんの監視が仕事ですから、あなたの母上が涼宮さんを
引き止めたので、もしかして二人で熱い夜を過ごすのでは……」
480猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:14:53.90 ID:XIjb0NDYO
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481猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:15:12.39 ID:ddvr8HRk0
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482ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:16:19.32 ID:zBg/gadFO
 長門に睨まれ、咳払いする古泉。朝比奈さんだったら咳払いじゃすまないな。
「失礼。つまり何らかの進展があるのでは、と思いましてね。
この寒空の下ずっと外にいたんですよ。風邪を引いたら労災申請しようと思います」
 ……ご苦労なことで。十中八九その申請は却下されるだろうがな。
「ああそうだ、長門。ハルヒはあの世界のことを覚えているのか?」
 長門は首を横に振る。
「そっか」
 一安心だね。……だがしかし、今、誰と、一緒にいるかを俺は考えるべきだったね。
 そう、あの解説大好きな古泉が黙ってるわけがない。


 結局というか当然というか、俺から話を聞いたあと古泉は語り出した。
 俺もなれたもので華麗に聞き流している。
 こいつの話に耳を傾けるくらいなら、シャミセンと話してた方がまだましだ。
 どっちにしろ意味はなく不毛な事この上ないが、
 後者の方は俺の気が紛れるだけまだましとも言えよう。
 十分をこえたあたりから、肌寒さを感じるようになった。
 コートをハルヒに貸してしまい、そのハルヒが逃亡してしまったわけだしな。
 風邪を引いたらどうしようか。ハルヒと古泉に慰謝料でも請求するか。
483猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:16:39.91 ID:ddvr8HRk0
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484VIP皇帝:2006/12/24(日) 00:17:34.77 ID:XIjb0NDYO
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485ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:17:35.77 ID:zBg/gadFO
 ハルヒはたぶん風邪を引く方が悪いと言うんだろうな。古泉は……。
 止めておこう。ここで古泉の思考をトレース出来たら何か大事なものを失う気がする。
「……と考えられます」
 どうやら締めたらしい。さあ、帰るか。
「待って」
 どうした、長門?
「風邪を引くといけない。コートを構成する」
 そう言い終わるや否や、長門の手にはコートがかかっていた。
「ありがとう、長門」
 ……ところで何でピンクに花柄?
「嫌い?」
 そんな目で俺を見ないでくれ。
「いやいやいや、そんな事はないぞ! 大好きだ!」
 押し殺した笑い声が聞こえる。
「笑うなっ、古泉!」
「失礼。ですがあなたの慌て方が、あまりにあまりなもので。
……似合ってますよ、花柄」
 そう言って耳障りな笑い声をあげる古泉。
 殴りてぇ……。
「おや、似合ってると言われるのは嫌ですか?」
 そう言って視線を長門の方におよがす古泉。うまい具合に長門を盾にしやがって。
「……俺はもう帰る。
ありがとな。コート、あったかいぞ」
 俺は長門にお礼を言ってから、さっきまで歩いてきた道を引き返すことにした。
486猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:17:51.36 ID:ddvr8HRk0
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487ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:19:28.16 ID:zBg/gadFO
「また明日」
 長門はそこで逡巡し、
「――」
 ようやく長門の口からこぼれた言葉は無粋な北風に持って行かれた。
 でも、長門のとなりにいる古泉の驚いた顔を見りゃ何て言ったか分かろうってものだ。
 俺は答えた。
「ああ、また明日な。――」


 家に帰ると妹とおふくろに笑われた。ほっといてくれ。
 ……それにしても、『今日』は一日というにはあまりに長い一日だったな。
 事実、意識のうえでは一週間ほどすぎている。
 布団に潜りつつ俺は考えていた。あの改変世界が俺に何をもたらしたか。
 一番分かりやすいのは俺がハルヒに告白したことか。
 だがあのハルヒのことだ。これくらいじゃ変わりゃしないだろう。
 となればハルヒ率いるSOS団だって現状のままだろう。
 つまり俺はこれからもあの超常的な日常を送るわけだ。


 そんな予想が覆されるとは考えもしなかった。
 だが、それは起きた。


488猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:19:41.08 ID:ddvr8HRk0
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489猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:20:45.82 ID:XIjb0NDYO
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490ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:20:51.46 ID:zBg/gadFO
 俺がそれに気付いたのはいつくらいだったろうか?
 あのハロウィンの夜から二週間くらいだったか。
 俺は何か物足りない、そんな風に思うようになってた。
 まだハルヒから返事を聞かされてないことにか?
 それもあるだろう。だが、何かもっと大切なことを忘れてないか?
 この二週間を思い返してみる。
 平日には普段どおり古泉の相手をしながら、朝比奈さんの淹れてくれたお茶を飲んでいた。
 そして、土曜日には恒例となった市内探索を――。
 していない。
 それだ。俺の感じた違和感、ハルヒが静かすぎるんだ。
 七夕の時みたいな憂鬱さゆえの静けさでもないし、嵐の前の静けさとは程遠い。
 あの涼宮ハルヒが完全に大勢いる高校生の中の一人として振る舞っているのだ。
 「普通」、それはあいつがもっとも嫌うものじゃなかったのか?
 違和感のもとに気付いてしまうといてもたってもいられなくなった。
 昼休みに弁当食おうと誘う谷口と国木田を無視して俺は文芸部室へ向かった。
 そこには予想通りの長門と予想外の古泉がいた。
「そろそろ来る頃合だと思ってましたよ」
 古泉の似非スマイルが二十パーセント増量なことに腹が立つ。
491猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:21:05.66 ID:ddvr8HRk0
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492ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:22:06.90 ID:zBg/gadFO
「本題だけ聞こう。ハルヒが……」
「世界改変でもなければ、敵性存在の攻撃でもありません。
特にイベントの予定もないですよ」
 俺が訊こうとしたことを先回りして全て答えてしまう古泉。
「じゃあ、あいつの様子はなんだっていうんだ? 明らかに今までと違うだろう?」
「昔、話しましたね、彼女もその実、まともな思考形態を持つ一般人種だと」
 それがどうした。
「今、涼宮さんの精神は小休止を取っているのですよ」
「ますます分からん」
 古泉の顔が笑顔の形に歪む。こいつは俺が分からないのが楽しいんじゃないのか?
「そのうち涼宮さんから直々に教えてもらえると思いますよ。
大事なことは今の涼宮さんも涼宮さんであるということです」
 要するに今のハルヒを否定すんなってことか?
「似たような物ですね。もちろんすべてを許容しろとは言いません。
しかし今の彼女も涼宮ハルヒであるということをお忘れなく。
……僕からはこんな所です」
 古泉の話は終わりか。長門は?
「これ」
 またいつかのような分厚い本が渡される。今読んだ方が良いか?
「帰ったらよんで」
 それだけ言うと指定席に着き本を読み始める長門。


493猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:22:45.67 ID:ddvr8HRk0
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494ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:23:41.41 ID:zBg/gadFO
 結局、ハルヒはしばらくこのまま様子見、か。きっと長門の本には栞が挟んであるんだろうな。
 一つの懸案事項を解決するために部室に行ったはずなのに、
その目的を果たし損ねたばかりかさらにもう一つ懸案事項を抱えるはめになるとは。
「やれやれ」
 そして教室についてさらに一つ悩みの種が芽生えることとなった。
「おい、ハルヒこれは何の真似だ?」
 俺の目の前には空になった俺の弁当箱があった。
 形ある物はいつか滅びる、当然の摂理である。
 そうであるが、なぜ俺の弁当がハルヒの手によって空にされねばならんのか?
「良いじゃない。今日あたし財布忘れちゃったのよ」
 お前はそれでも良いかもしれないが俺はどうしろと?
 そう俺が言うとハルヒは何かを思い付いたらしく顔を輝かせた。
495猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:23:53.07 ID:XIjb0NDYO
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496ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:24:41.89 ID:zBg/gadFO
「じゃあ、今度あたしが特別に手料理を食べさせてあげるわ! それでおあいこでしょ?
いいえ、むしろあんたの方が得してるわよ? このあたしの料理を食べれるんだから!」
 さも名案といったように語るな。
「今の、俺の空腹はどうやって解消するんだ?」
「我慢しなさいよ、それくらい」
 誰のせいだと思ってるんだ、こいつは?
 まあいい。ハルヒにこんなこと言ったって聞いてくれるはずがない。
 それにしてもこのいかにもハルヒらしいやり取りは久々だ。俺は弁当箱を包みながら、
「……なあハルヒ。思うんだが、近ごろお前丸くなっ――へぶっ」
 見事な右ストレート。
「仮にも女の子に向かってなんてこと言うのよ!」
 仮にもって自分で言うか、普通?
「違う。体型が、じゃなくて性格が、だ」
 途端に体中にたぎらせていたエネルギーを霧散させるハルヒ。
「そうかもね……」
 いったん間をおき、
「キョン、放課後ちょっと付き合って」


 放課後の文芸部室が重い空気に包まれていたと感じるのはどうやら俺だけらしい。
 長門や古泉、朝比奈さんはまったくもっていつもどおりだ。
497猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:24:57.36 ID:ddvr8HRk0
支援
498猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:25:13.02 ID:XIjb0NDYO
支援
499お年玉(800円):2006/12/24(日) 00:25:21.04 ID:sHTu7iqDO
支援
500ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:25:56.60 ID:zBg/gadFO
 もっともさっきから盤越しに意味ありげな視線を送る古泉には軽く殺意を覚えるが。
 このボードゲームでコテンパンにのしてやろうか?


「珍しいですね」
「……同感だ」
 そしてなぜ……、なぜ今日に限って古泉に敗北しなければいかんのか。ええい、忌々しい。
 負けっぱなしは気分が悪いが再戦を申し込むのも負けず嫌いなガキくさいし、
 (そんなことを気にする時点でガキくさいってのはこの際だ、棚に上げておこう)
 どうも古泉の野郎はこのまま勝ち越しで終わるつもりらしい。
 ちっぽけな自尊心を傷つけられて、名誉挽回のためには
 もっと大事な物を傷つけるはめになるというジレンマに陥ったわけだが、
 定刻通りに長門が本を閉じる姿に助けられた。
 ゲームを片付け始める古泉に、
「早くしなさいよ!」
 ハルヒに引きずられるようにして部室を出ていく俺。
 部室に残された三人の目は「頑張れ」と言ってたような気がする、というかそうであって欲しい。


 高校を出て、坂を下りきるまでハルヒは終始無言だった。
「一年生の時にさ、」
 ようやく口を開いたハルヒ。
「野球場の話したでしょ? 今日はその続きの話。
501猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:26:04.01 ID:ddvr8HRk0
支援
502ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:27:19.61 ID:zBg/gadFO
谷口辺りから聞いてるかもしれないけど中学一年の時、
校庭に宇宙人語を描いたことがあるの。そのとき手伝ってくれた高校生がいてね、
そいつはジョン・スミスって名乗って、あたしが『宇宙人、いると思う』って訊いたら
『いるんじゃねーの』って答えるような奴だったわ。
しばらく話したんだけどジョンの周りには面白い人達がいたみたいでね、それが羨しかった。
……でも、あたしは一つ許せないことがあったの。ようやく完成してあたしが家に帰る途中に
そいつ最後になんて言ったと思う?
『世界を大いに盛り上げるためのジョン・スミスをよろしく』って言ったのよ!
その頃のあたしは世界が自分を中心に回ってないってことをあの球場で実感して、
だから自分で自分の世界を楽しいものにしようって四苦八苦してたから、
そいつの発言にいたく傷ついたわ。
『俺が世界を盛り上げてるんだ』って事でしょそいつの台詞は?
悪気はないんだろうけどあたしの努力を否定された気がして。
だからSOS団の名前もジョンの台詞を借りたし、
活動目標もそいつがいるんじゃないかって言った宇宙人やなんかを探すことにしたのよ。
要するにそいつに対抗しようとしたわけ」
503猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:27:34.42 ID:ddvr8HRk0
支援
504猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:28:34.62 ID:XIjb0NDYO
支援
505ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:28:51.45 ID:zBg/gadFO
 なんとまあ、ハルヒの異常なまでの不思議への執着も俺が原因なのか。
「でも、ジョンが嫌いなわけじゃなかった。
ジョンより面白い人生を送ってやるって目標のおかげであたしはここまでやってこれた。
ジョンはある意味あたしの目標で憧れで……、そうね、初恋の人ってよんでもいいかもね」
 ハルヒにとって俺とジョンは別人だろうが、実際は俺がジョンなわけだから、
 気恥ずかしいことは海より深く山より高い。今すぐ穴に入りたい気分だ。
「あんた今日、あたしの性格が丸くなったって言ったでしょ?
丸くなったんじゃなくて、あれもあたしなの。普段はジョンへの対抗心から隠してたんだけどね。
でも、あんたに告白されてからこんな日常もいいかなって思えて来て……」
 そこまで言って黙るハルヒ。
 俺に告白されてから普通の日常でもいいって思えてきた?
「それは遠回しにオーケーされたってことか?」
「……確かめてみれば?」
 ニヤリと笑うハルヒ。やれやれ。
「ハルヒ。好きだ、付き合ってくれ」
 ハルヒは偉そうに、
「どーしてもって言うなら、いいわよ」
 何で告白がこんなにムードのかけらもないんだ? 寂しいな。
「どーしても、だ」
506猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:29:09.84 ID:ddvr8HRk0
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507ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:30:23.42 ID:zBg/gadFO
「じゃあ、あんたは今からあたしの彼氏よ」
 だから、あっさりしすぎだっての。もうちょっと雰囲気とか……なあ?
「いい? あんたが普通のことしたら容赦なく振っちゃうからね、覚悟しなさいよ!」
 人差し指を俺に突き付け宣言するハルヒ。
 やれやれ。結局こいつはこうなるわけか。
「何ぶつぶつ言ってんのよ。あたしはまだ宇宙人も未来人も超能力者も諦めてないのよ!
そいつら見つけてひっ捕まえてぐるぐる巻きにしたら、
今度はジョンを探し出して『参った』、って言わせるんだから!」
 お望みなら今すぐ言ってやるよ。長門、朝比奈さん、古泉と一緒にな。
「そしたら……、しばらくは普通の女の子でいてあげる」
 ハルヒは続けて、
「でも、特別に今も普通になってあげるわ」


 目を閉じるハルヒ。
 倣って俺も閉じる。
 夕日に照らされてできた俺たちの影が重なる。
 目を開けるとハルヒが笑っていた。
 俺もたぶん笑っている。


 だが普通なことはここまで。
 明日からはまた、ハルヒによる奇想天外、波乱万丈、驚天動地の俺の日常が始まるんだ。
 めでたしめでたし。


508猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:30:30.34 ID:ddvr8HRk0
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509猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:31:16.31 ID:XIjb0NDYO
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510ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:31:44.70 ID:zBg/gadFO
 ……と、終わってくれたらどんなに良かったことだろう。
 ところがこの瞬間ふと思い出した。長門が貸してくれた本の存在を。
 あの脈絡のない渡し方からいって栞がはさんであるのはもはや規定事項レベルであり、
 あいつが本に栞を挟む時は大抵大事な話がある時だけだ。
 あいつの大事な話ってことはまた一波乱、二波乱あるのはもう目に見えている。
「どうしたのよ、突然マヌケ面を作ってあらぬ方角まで見つめちゃって」
「いや、何でもない」
 勘のいいこいつのことだ、俺の嘘に気付いているだろうが、「ふーん」と軽く流してくれた。


「また、明日ね、キョン」
「おう」
 ハルヒと適当なところで別れ、家に帰り着くや否や俺は本を開いた。
 やはりそこには一枚の栞があった。ワープロ顔負けの綺麗さでそこには、
「午後七時。わたしの家で待つ」とあった。
 俺は六時半頃に家を出て、自転車をこぎつつ一体今日は何の用かと考えていた。
 七時ちょうどに長門のマンションにつき、708号室の番号を押した。
「長門、俺だ」
「入って」
 一体何回繰り返しただろう、このやり取りを。
 そしてまた長門の部屋に入る。
511猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:32:09.49 ID:ddvr8HRk0
支援
512猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:32:45.32 ID:XIjb0NDYO
支援
513ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:32:57.40 ID:zBg/gadFO
「それで、今日はどうしたんだ?」
 俺の疑問が聞こえないのか、どうなのか。長門はそれに答えずただお茶をだした。
「飲んで」
 そう言われれば飲まないこともないが……。とりあえずお茶を啜る俺。
「改変世界でのあなたが最後にしたこと、覚えている?」
 あいにくと最後の方は意識が朦朧としていたんだ。
「……そう」
 そんな悲しそうな雰囲気を醸し出さないでください。お願いします。
「そう」
 それからしばらく俺はお茶を飲み続けた。 空になった急須。何時かのように腰を上げた長門を制す。
「そろそろ聞かせてくれないか」
「……」
 ストンと腰を下ろした長門はしばらく黙っていた。
「……情報統合思念体がわたしの処分を、」
 おいおい、またか。もう一度くそったれと伝えてもらうことにしよう。
「決定した」
 むせた。
 決定だと? この腹の底からフツフツと何かが沸き上がる感触は去年の文化祭以来だ。
 情報なんとか体は記憶力ゼロか?
「おい。それはマジか」
「そう。彼らはわたしが脱出プログラムを用意しなかったことを重要視している。
彼らはわたしの中のエラー、バグが許容限界を超えたと判断した。
ゆえにわたしは回収され、処分される」
514猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:33:08.79 ID:ddvr8HRk0
しえn
515ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:34:10.80 ID:zBg/gadFO
「おい、長門。もう一度くそったれと伝えろ。今度こそ俺はハルヒを焚き付けてやるぞ」
 長門はうなずいたあと黙ってしまう。
「……なあ、なんでまた突然そんなことになったんだ?」
 長門は黙ってしまう。


 それからは何を訊いたって、うんともすんとも言わなかった。
 どうやらこれ以上聞かせてくれないらしいので俺はお茶の礼を言って部屋を出た。
「長門、ちゃんと伝えておけよ」
 うなずく長門。その姿にあきらめが漂っていたのは恐らく気のせいだ。


 家に着くとおふくろにどこへ行っていたのかと問い質されたが、
 俺は生返事しながら部屋に引っ込んだ。
 そもそも思念体とかいう奴は何を考えているんだ?
 俺たちが黙って長門を消させるわけないだろう。
 だがいくら考えたところで馬鹿野郎の考えなんざ分かるはずもなし。
 気付けば俺はベットの中で熟睡していた。


 次の日ほど一日が長いと思ったことはない。
 そしてやっと訪れた放課後
 偶然か故意か知らないが部室には俺とハルヒしかいない。
「なあ、ハルヒ」
「何よ?」
 はい、深呼吸。吸ってー、吐いて。よし。
「ちょっと話を聞いて欲しい」
「……? いいわよ」
516猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:34:19.38 ID:ddvr8HRk0
支援
517猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:34:41.51 ID:XIjb0NDYO
な、なんだってー
支援
518お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 00:35:07.49 ID:lRr6qOBCO
支援
519ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:35:30.69 ID:zBg/gadFO
 とりあえず最後まで聞いてくれ、と前置きしてから、
「単刀直入に言う。長門は宇宙人で、朝比奈さんは未来人、古泉は超能力者だ」
「はあ? あんた前にも……」
 叫ぶハルヒをある一言で黙らせる。
「俺がジョン・スミスだ」
 世界が停止したかと思われた。


「あんたが……? そんなわけないじゃない。あたしより三つか四つぐらい上のはずよ」
「だから言ったろ、朝比奈さんは未来人だって。
ジョンは眠ってる女の人を連れてただろう、それが朝比奈さんだ」
 ハルヒが口を開いたり閉じたりしている。あまりのことに頭がついていけないのか。
「お前はあの日織り姫と彦星宛にメッセージを書いたはずだ。『あたしはここにいる』と」
「……何で分かったの?」
「長門が翻訳してくれた」
 駄目押しの一撃を受けてハルヒはまた黙ってしまった。


「……つまり、あたしはもうとっくに目的を果たしていたの?」
 そう言うことになる。徐々にハルヒの顔が紅潮していく
「あんたがジョンだなんて……、なんで突然そんなこと言うのよ!
昨日までそんなこと一言もいわなかったじゃない!」
「昨日まではお前に言うわけにはいかなかったんだ」
「何でよ?」
520猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:35:43.98 ID:ddvr8HRk0
支援
521ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:36:48.18 ID:zBg/gadFO
「普通に考えたら宇宙人に未来人に超能力者がピンポイントで集まるはずはないよな」
 うなずくハルヒ。
「三人が三人とも同じ目的でここに来たんだ。それが――」
「何をしているんですか!?」
 突如古泉が乱入した。俺の胸倉を掴みあげてあっと言う間に壁際に追いやる。
「あなたという人は自分が何をしているか分かっているんですか!?」
「ちょっと、古泉くん何やってるの?」
 鬼気迫るとはこのことか。ハルヒが目の前にいるのを忘れていやがる。
「……古泉、雪山での約束忘れちゃいないよな?」
 古泉はそれだけで察したらしい。手の力が抜ける。
「……長門さんが?」
「そうだ」
 ハルヒが尋ねる。
「有希がどうしたの」
522猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:36:56.32 ID:ddvr8HRk0
支援
523猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:37:02.94 ID:XIjb0NDYO
支援
524ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:38:13.00 ID:zBg/gadFO
 伝える内容が内容だけに俺の声も重く、低くなる。
「長門が作り主に処分される」


 ハルヒの表情の変化をお伝えしよう。
 口を開いて呆然とし、次の瞬間には顔が蒼白になった。
 なったと思ったらいきなり顔が真っ赤になった。
「何よそれ! あたしは絶対に許さないわよ! どこにいるのそいつらは?
今からギタギタにして来るわ!」
 ちょっと落ち着け、ハルヒ。
「それで、さっきの続きに戻るわけだが、三人の目的はハルヒ、お前の観察だ」
 さすがのハルヒもこれは予想していなかったらしい。
「へ? あたし?」
 俺に変わって古泉が口を開く。
「ええ。
かなり真実に近い仮説だと我々は考えているのですが、涼宮さん、あなたには――」
「願望を実現させる力がある、でしょうか?」
 突然どこかで聞いた声が響き、部室が歪んだ。俺が教室で朝倉に殺されかけた日のように。
 こんなことができるのは、
「喜緑さん、ですね?」
 しまった、これは予想外だ。さすがの穏健派も自身の存在の危機とあっては動くのか。
「そんなに構えないでください。わたしは確認しに来ただけです」
「何を確認するって言うんですか?」
525猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:38:22.08 ID:ddvr8HRk0
支援
526ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:39:13.63 ID:zBg/gadFO
 喜緑さんは笑顔を崩さず小声で何かをつぶやき始めた。
「……キョン、この人も?」
「見ての通り長門の親戚だ」
 非常にまずいな。
「……やっぱり」
 何事か確信したらしい喜緑さん。
「通りで主流派が長門さんを回収したんですね」
 何を納得したというのか?
「残念ですがと言うべきでしょうか、おめでとうございますと言うべきでしょうか?
……ともかく涼宮さんから情報爆発を起こすだけの力はもう検出されませんでした」
 全く意味が分からん。
「涼宮さんに『力』がもうないということです」
 古泉が消え入りそうな声で言う。
「つまり、俺たちは……」
「もう、思念体を止められません」
 ようやく合点がいった。
 思念体が長門の処分を決定したわけが。長門が諦めていたわけが。
 もう、俺には何も出来ないのだ。
「キョン、どういうことよ? 有希が、いなくなっちゃうの?」
 もう言葉を発する気力もない俺はしぐさで肯定した。
「何あきらめてんのよ! まだ何か出来るはずよ!? いいえ、何とかしなさい!」
 そう叫ぶハルヒの声に湿気が混じっていた。
「最後に長門さんからの伝言があります」
 全く動揺を見せない喜緑さん。
527猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:39:27.13 ID:ddvr8HRk0
支援
528猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:40:04.07 ID:XIjb0NDYO
支援
529ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:40:21.30 ID:zBg/gadFO
「あなたは全く動揺していないんですね」
「ええ、彼女とは違う派閥ですし、あなたたちの言う死の概念がよく分からないんです。
心停止、および脳死。たったこれだけじゃありませんか」
 この台詞だけでどれだけ長門が人に近付いているかも分かろうと言うものだ。
「……長門の伝言、聞かせてください」
「『また図書館に』だそうです」
 喜緑さんが言い終わると部室が元に戻った。
「……おや、長門さんが何らかの情報操作をしていますね。
彼女はエラーとバグを切り離して何かに保存しているようです」
 エラーとバグ、ね。この人にはたぶん感情の概念もないんだろうな。
 笑っているのは外見だけか。
「長門さんの所へ行かないのですか?」
「まだ、長門は消えてないんですか?」
 不思議そうに首をかしげる喜緑さん。
「ええ。なぜか思念体に抵抗していますね。消えるのは時間の問題ですけど。
この様子だと情報の残滓と接触くらいは出来ると思いますよ」
 途端に活気づくハルヒ。
「喜緑さん、有希は図書館にいるのね? ほらキョン、行くわよ!」
 俺を掴んで全力疾走するハルヒ。
 つられて俺も自分の限界以上の力をふり絞る。


530猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:40:28.93 ID:ddvr8HRk0
支援
531ハマグリ:2006/12/24(日) 00:41:10.29 ID:VcNnVm260
支援
532お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 00:42:37.68 ID:lRr6qOBCO
支援
533猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:42:49.23 ID:XIjb0NDYO
支援
534ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:45:15.06 ID:zBg/gadFO
 走りに走った。
 肩でいきをしながら俺たちは図書館に駆け込んだ。
「キョン、あそこ!」
 どうやら間に合ったらしい。そこにはまだ長門がいた。
「長門!」
 ゆるりと振り向く長門。
「待っていた」
「有希! まだ消えてないわね!? て言うより消えるなんて許さないわよ!」
 長門が笑った気がする。
「あなたに教えたいことがある。来て」
 長門の手招きに応じるハルヒ。そのハルヒの手に長門の手がふれた。
「え、何これ? ……キョン、有希?」
 頭を押さえるハルヒ。
「長門、何をした?」
「改変世界の記憶を修復した。一度の情報転送量を誤った。すぐ治まる」
 そう言う長門の姿が薄れていく。
「時間。最後に、あなたたちにこれを預ける」
 差し出された図書カード。
 俺はそれを受け取った。
「また、図書館で」
 その言葉を残して長門は消えた。
「マジかよ」
 凄まじい虚無感だ。
「ちょっと、キョン」
 なんだ?
「あんな事したんなら、有希をちゃんと幸せにしてあげなきゃ駄目じゃない」
「俺が何をしたって? ……いてっ、蹴るなよ」
「馬鹿キョン……」
 ハルヒはまだ長門のいた辺りを睨んでいた。
535猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:45:29.07 ID:ddvr8HRk0
支援
536猪(赤ら顔):2006/12/24(日) 00:46:49.22 ID:RxGpQ5V70
支援
537ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:47:02.16 ID:zBg/gadFO
……
………


 突然、謎の物体によって俺の視界が遮られる。
「ねえ、キョン。これ読んでみなさい」
 そう言って隣りの席に座ったハルヒが一冊の雑誌を俺の目の前に突き出していた。
 慌てて目の前のそれを振り払う。
「馬鹿! 事故るからどかせ」
 まったく、車の運転中になんてことしやがる。
 ん? なんで高校生が車を運転してるかだと?
 いやいや、もうあれから十年は経っている。俺は高校生ではない。社会人だ。
 さらに言えば、あの団長様が今では俺の口うるさき妻となっている。
 そして、俺とハルヒは今帰郷の途上にいるわけだ。
 何故かって言うとハルヒと俺の子ができたので、その報告にな。
 どうやら女の子らしい。いろいろな意味で俺に似なければいいと思う。
 もっともハルヒに似たら似たで俺が大変だろう。悩ましいね。
 名前はどうしようか。
 ……いかん、いかん。今は運転に集中せねば。
「『検証、図書館にあらわれる幽霊』」
 ハルヒが何かを読み始めた。
「なんだ、それは」
「あんたが運転中で読めないって言うから読んであげてんの。感謝しなさい」
 それは優しいことで……。で、幽霊がなんだって?
538猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:47:12.09 ID:ddvr8HRk0
支援
539お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 00:47:12.39 ID:lRr6qOBCO
支援
540ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:47:58.39 ID:zBg/gadFO
「よく聞きなさいよ。
『今回、我々取材班はとある図書館に出現するという幽霊について調査した』」
 ハルヒはあの日以来不思議な話にあまり食いつかなくなっていた。
 それなのにこんなオカルト話を持ちだすとはきっと何かあるんだろうな。
 俺の想像の斜め上を行くようなことが。
「『この幽霊の最初の目撃例は十年前だという事だ』」
 そんな昔の話を蒸し返してどうすんだ? 
「『賢明な読者諸氏ならば
なぜ十年前からある話を今になって検証するのかとお思いだろう』」
 全くだ。この手の話は鮮度が命だろうに。
「『だが、超常現象だと判明したのはつい最近になってからである』」
 ここでハルヒがいったん読むのをやめた。
「えらく中途半端なところでやめるんだな」
「あんたこの話でちょっと引っ掛かるところない?」
 話をざっと思い返す。だが、
「いいや、特にはないぞ」
 あきれたような声色でハルヒが続きを読み始める。
「ほんといつまでも鈍いんだから。
……ええと、ここからね。
『まず、目撃証言によればこの幽霊は十年前から全く姿形が変わらないという事だ。
さらに姿がぼやけていたり、足がなかったりということは一切ない。
541猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:48:16.58 ID:ddvr8HRk0
支援
542おみくじ(人吉):2006/12/24(日) 00:48:22.10 ID:XIjb0NDYO
支援
543ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:49:04.18 ID:zBg/gadFO
……そう、最近になって彼女が幽霊だと判明したのはこのためである。
目撃者の大半は彼女を単なる図書館の利用客としか考えなかったのだ。
しかし、継続的に図書館を利用する人々のあいだで
彼女の事が噂となり、我々に投書が寄せられた。
さて、その図書館に長く勤めている司書の証言によれば
彼女はここ十年ずっと近くの高校の制服に身を包み大体土曜日に現れるそうだ』」
 ……十年前、高校生、彼女、土曜日、図書館。
 突然それらの単語から一つの予想が頭の中に閃いた。
「ハルヒ、まさかそれ……」
 俺の言葉を遮りつつ、ハルヒがさらに読み進めて行く。
「『彼女の外見的特徴をここに述べる。
年齢は十四から十七。
身長は百五十から六十センチ。
肌は白く、髪は……』」
 それは、まさか――長門?
「そうみたい。目撃者の証言を元にした似顔絵ってのもあるけど完璧、有希だわ」
 けれど俺たちはあの日、長門が消えてしまうのを見た。
「そうね。これは現地調査の必要ありよ」
 俺はハルヒに促されるままに目的地を図書館に変えた。
 いや、たとえ止められても俺は図書館に向かっただろう。


544年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/24(日) 00:49:08.64 ID:FrPOsMaZ0
支援
545猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:49:15.47 ID:ddvr8HRk0
支援
546年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/24(日) 00:50:05.85 ID:FrPOsMaZ0
支援
547ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:50:11.34 ID:zBg/gadFO
 そして図書館についた。
「さ、入りましょう」
 ハルヒについて入った図書館の中は十年という月日を感じさせなかった。
 今にも長門が現れて、あの夢遊病患者のようなステップで本棚に向かいそうだ。
 俺は最初に長門とここにきた時のことを思い出す。
 確か……確か、あいつは筋トレに使えそうなくらい分厚い本が並んでいる棚の前にいた。
「ちょっと、どこ行くの?」
 急に歩きだした俺をハルヒが慌てて追いかけて来た。
「ちょっとな」


 心臓が激しく脈打っている。今にも破裂するんじゃないだろうか?
 ハルヒも息を潜めている。
 なぜならそこにいたからだ。あいつが。
 無口で頼りになる、あの長門が。
 長門があの時のままの姿で本を読んでいる。寸分違わぬとはこのことだ。
「有希!」
 俺より先に立ち直ったハルヒが長門に駆け寄り、触れようとした。
 けれどその手は空を切った。
 そこに確かに見える長門にハルヒは触れることができなかった。
「キョン、これって?」
 恐らく喜緑さんの言った情報の残滓。思念体が完全には消せなかった長門の一部。
『また、図書館で』
 そうだ、長門は最後に俺たちにそう言ったじゃないか。
548猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:50:18.16 ID:ddvr8HRk0
支援
549猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:50:27.11 ID:XIjb0NDYO
支援
550年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/24(日) 00:50:40.01 ID:FrPOsMaZ0
支援
551ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:51:12.20 ID:zBg/gadFO
「なあ、ハルヒ。あの時の約束を果たそうか?」
 その最後の時に長門は俺たちに向かってカードを「預ける」と言った。
 預かった物は返さないとな。
「そう……、ね」
 俺は十年間持ち続けていたカードを取り出した。
 それはまるで昨日出来たばかりのカードのようだった。
 間違いなく長門が手を加えている。
 ここに一つの予感がある。
 カードを渡せばここにいる長門は消えてしまう。
 だが最後に一言二言くらいは言葉を交わせる。
 もし、渡さなければこいつは延々と同じことを繰り返すのだろう。
 どちらがいいのだろう?
 永遠に同じことを繰り返すのと……、
「キョン?」
 ハルヒの声で我に帰る。
 いつの間にか目の前には長門が立っていた。
「長門……」
 長門が手を差し出している。
 俺は逡巡の末、長門の手のひらにカードをのせ……。
 って、すり抜けて落ちるんじゃないか? 慌てて長門の手の下に自分の手をかざす。
 だが、カードは予想に反して長門の手の上にとどまっていた。
 長門が口を開いた。
「カードに組み込んだ実体化プログラムを起動した。
わたしが存在できる時間は十分」
 相変わらず要点だけを言う奴だ。
「有希!」
552猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:51:20.15 ID:ddvr8HRk0
支援
553年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/24(日) 00:51:40.33 ID:FrPOsMaZ0
支援
554ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:52:18.17 ID:zBg/gadFO
 今度こそハルヒの手がしっかりと長門に触れた。
「久し振り……このような状況ではこう言うと記憶している」
 確かにそうさ。十年越しの再会だ。他に言うことが思い付かない。
「何から話していいのやら。長門、聞きたいことはないか?」
 長門は一、二秒首をかしげたあと俺たち二人を指差した。
「あなたたちの今の関係」
 それは、また……どう言ったものかね? 俺が考えている間にハルヒが答えていた。
「えーとね。あたしたち結婚したの。それで……、そう! 子供ができたのよ」
 長門の顔の印象が柔らかくなる。ほほ笑んだのだろうか?
「あなたたちの子供が羨ましい。優しい父親に賑やかな母親に囲まれて、」
 ハルヒが少し膨れた。
「きっと幸せ」
 俺の胸が痛む。長門に残された時間はもうあまりに少ないのだ。
 長門には本当に俺たちの子供が幸せになるか知る術はないのだ。
 だがそれでも長門は確信しているんだろう。
 俺たちの子供が幸せになることを。
「有希、きっとじゃないわ。絶対よ」
 心なしハルヒの声が湿り気を帯びている。
「そう。
……わたしから一つ贈り物」
 贈り物?
「すぐに分かる」
 そう言うと長門は顔を伏せた。
555猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:52:30.96 ID:ddvr8HRk0
支援
556猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:53:28.29 ID:XIjb0NDYO
やべぇ……
支援
557年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/24(日) 00:53:31.01 ID:FrPOsMaZ0
オレのIDがマゾと読める支援
558ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:53:49.66 ID:zBg/gadFO
 釣られてってわけじゃないが俺も視線を落とした。
 そこにあったのは消えていく長門の足だった。
「長門!?」
「もう時間。楽しかった」
 楽しかったって言うなら、その眼から流れてるのはなんだよ?
「エラ……、違う。悲しい? 涙?」
 ああちくしょう。視界がぼやけてきやがった。
「有希?」
 ハルヒが涙声で長門に呼び掛けた。
「何?」
「あのね……」
 ハルヒは何かを言おうとしていたが、結局何も言えず長門にすがりついて泣き始めた。
 長門はそんなハルヒの頭をなでている。
 なんで長門はこんなに落ち着いていられるのだろう。
 俺なんかもう涙で前が全然見えないのに。
 長門の頭が動いて俺の方を見たように思えた。
 すると長門はハルヒをはなすと俺の方に来た。
「あの時のこと、思い出した?」
 前にも聞かれたな。大丈夫、今度は思い出した。
「ああ、ハルヒから聞いてな」
 結局ハルヒからその時の事を聞いた後、一週間は口をきいてもらえなかった。
「そう」
 もう長門の下半身はほとんど見えない。
 反射的に俺はその消えゆく体を抱き締めた。
 そして、そして――


559猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:53:55.59 ID:ddvr8HRk0
支援
560お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 00:54:24.17 ID:lRr6qOBCO
支援
561お年玉(もらいたい):2006/12/24(日) 00:54:45.72 ID:SmCqyBhnO
支援
562猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:55:22.16 ID:XIjb0NDYO
支援
563ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:55:27.67 ID:zBg/gadFO
 ふと、手の中の存在感が消えた。
 俺は目を開けたが、そこには誰もいなかった。
「ねえ、キョン」
 後ろからハルヒが話しかける。
「なんだ?」
「有希、すごく幸せそうに笑ってた」
「そうか」
 
「だから……、」
 ハルヒは一度口をつぐんだ後、言った。
「だから、今のは許してあげる」
 俺たちはその場に立ち尽くしていた。


 どれくらい経った頃だろう? どちらから誘うでもなく俺たちは図書館を出た。
「あ……」
 俺たちが外に出ると同時に真っ白で、はかなくも美しい結晶が宙を舞い始めた。
 俺たちはその場でたたずんでいた。
 消えていった少女から、新たに生まれくる命への静かな贈り物。静かな祝福。
 それはこの世界に有る奇跡の一つ。


 そうだ、これを俺たちの子供の名前にしよう。
 そして、いつか話してやろう。
 同じ名前を持つ、無口で便りになるある一人の宇宙人のことを。
FIN.
564お年玉(もらいたい):2006/12/24(日) 00:56:22.19 ID:SmCqyBhnO
GJ!泣いた…
565年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/24(日) 00:56:36.34 ID:FrPOsMaZ0
GJ!!
566猪(子持ち):2006/12/24(日) 00:56:50.32 ID:ddvr8HRk0
GJ!

泣いた・・・


そしてお疲れさん!
567ハロウィン! ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 00:56:55.30 ID:zBg/gadFO
以上です。
支援ありがとうございました。
落とし所を間違えた気がしますけどこれにてハロウィン!は完結です
結局一か月も空けてしまいましたorz
wikiには家のパソコンからあげときます。
568お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 00:57:59.68 ID:lRr6qOBCO
GJ!
切なくて泣いた
569お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 00:58:21.28 ID:2bOdX1PdO
GJ!
長門……
570お年玉(もらいたい):2006/12/24(日) 00:58:54.55 ID:SmCqyBhnO
>>567
本当に乙でした!
素晴らしいエンディング…本当に泣けた!
次回作、待ってます!
571しょうゆ出汁:2006/12/24(日) 00:59:06.47 ID:gPjzNSx20
GJ!
目から汗が止まらない…
572初夢(宝船の夢):2006/12/24(日) 00:59:14.04 ID:OhL0hjiPO
GJ!以外に言葉が見つからない

長門…
573猪(黒板係り):2006/12/24(日) 00:59:29.07 ID:XIjb0NDYO
感動した。来るよこれは……


最後、たより の漢字が違う気がするけど
574お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 01:02:14.45 ID:SmCqyBhnO
本当にGJ!
で、良作の後で申し訳ないんだが…

次に投下しても良い?
575 ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 01:02:54.98 ID:zBg/gadFO
感想感謝です。

>>573
うわー俺、情けねえ。詰めが甘かった。
後でなおしときますorz
指摘dクス
576猪(停学中):2006/12/24(日) 01:03:29.01 ID:XIjb0NDYO
>>574
もちろんだぜ
577猪(カビ):2006/12/24(日) 01:04:20.78 ID:ddvr8HRk0
wktk
578お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 01:06:35.60 ID:SmCqyBhnO
>>576
ありがと。
今、涙と鼻水をなんとかするから少々お待ち…
しかしハロウィンは本当に良かった…

ちなみに今回の投下はhttp://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/1968.html?のクリスマス特別編です
579黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:08:02.74 ID:zBg/gadFO
>>574
wktk
と言いつつ眠いから最後の支援
ゴメンヨ

ノシ
580お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 01:13:29.35 ID:2bOdX1PdO
はよはよ!
581HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:13:42.99 ID:SmCqyBhnO
では…何とか20レス以内に収めます。
貸してください。

尚、本編はhttp://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/1968.html?で、ご覧下さい。



…━━━いやいや、今日も冷えますねぇ。
ところで、最近どうです?
こちらは…まあ、ボチボチですよ。
今年はサンマが豊漁だったから、トナカイの餌には困りませんけどね。
えっ?アンタは誰かって?見て判りませんか?
いゃだなあ、サンタクロースですよ!
今年も無事にクリスマスを迎え、いよいよ私共の出番がやって参りました。
何?「丁度良いから何かオモチャをくれ」?
いや、あの…誤解されてる様だから敢えて言ておきますけど、私共は何もオモチャを配って回ってる訳ではありません!
私共がプレゼントして回るのは基本的に「素敵な時間」です。
まあ、中にはオモチャを配る事で、そこに素敵な時間が生まれる…なんて屁理屈を言う邪道もいますが…
サンタが金で買えるモノを配ってどうするんだっ!…ていうのが私の持論でして。
そうそう!ついでに言わせてもらいますけど、私共は何も子供達だけにプレゼントをする訳でもないんですよ?
時と場合によっては、大人にだってプレゼントする事もあります!
え?どんな場合かって?
そうですねぇ…例えば、こんな二人の様な━━━━…


【HOME…SWEET HOMEのChristmas】
特別編・「約束を守らない男は最低っ!」

582HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:15:08.91 ID:SmCqyBhnO


━ハルヒ AM9:23━

「ハルヒ!起きてっ!時間だよっ!」
「んんっ…煩いなぁ…もう少し寝かせなさいよ…バカキョン……」
「もうっ!何寝惚けてんのよ!ハ・ル・ヒ・お・き・て・よ・っ!」
耳元で叫ばれて、アタシはハッと目を開いた。
いつもと違う天井を背景に、ミズキさんの呆れた顔が視界に飛込んでくる。
そして、それと同時に今自分が居る場所が勤め先のオフィスで、今まで来客用の長椅子で仮眠をとっていた事をボンヤリと思い出した。
とりあえず起き上がろうと背中を浮かせる。

「痛っ…」

頭が…痛い。
それと腰も。
完璧に睡眠不足と…
この慣れない寝床の所為だ。

「あらあら、大丈夫?」
「うん…ごめんね?先に眠らせてもらって…」
「ううん、いいのよ。とりあえず残りは4曲ね?」
「ええ…?アタシが寝てる間に、もうそんなに仕上げたの?」
「まぁ…ね。以外とシンプルなのばかりだったから…でも、もう限界。眠たくて、ピアノの音がスティールドラムの音に聴こえるわ…」
「あ…後はアタシがやるから大丈夫!ミズキさんも少し寝たら?」
「そう?じゃあ…3時間位寝かせて貰おうかな」
「3時間でいいの?」
583猪(カビ):2006/12/24(日) 01:15:15.27 ID:ddvr8HRk0
支援
584猪(停学中):2006/12/24(日) 01:16:00.80 ID:XIjb0NDYO
特別編キター
支援
585HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:16:43.29 ID:SmCqyBhnO
「ええ。出来るだけ早く終らせて、今日こそ家に帰りましょう?クリスマスマスイブだし…シャワーも浴びたいし…ね?」
「ええ…そうね。分かった、じゃあ3時間後に起こすわよ?」
「そうして?じゃ…おやすみ…」

そう言うとミズキさんは、それまでアタシが仮眠をとっていた長椅子に倒れこみ、ものの数秒も経たないうちに寝息をたて始めた。

忙しい年末…
それはアタシのカラオケ制作の仕事にとっても例外ではない。
特に今年は、元請けの配信会社が早々と冬休みをとる事になったとかで、納期が通常より前倒しになってしまい、オフィスに泊まりこみで仕事をする羽目になってしまった。
ちなみに、泊まりこみを始めてから今日で3日目だ。

アタシは、寝息をたてているミズキさんに毛布代わりのコートをかけてあげると、自分のデスクの引き出しから栄養ドリンクの小瓶を取り出した。
そして、まだ頭の中にへばりついている眠気を取り去る為に、オフィスのベランダへと出ながら小瓶に挿した細いストローを「チューッ」とやる。
睡眠不足と業務用の暖房でほてった体には、外の冷えきった空気が丁度気持良い。
手すりにもたれて街を見下ろすと、あちらこちらにキラキラ光るモノが見える。
おそらくクリスマスツリーや、その類だ…

『今日は俺が晩飯作る日だからさ?もし、今日帰って来れるなら何か…そうだな、ビーフシチューなんかどうだ?』

不意に、今朝電話した時のキョンの声を思い出した。

今日は…帰らなくちゃね…

アタシは「空きカン、空きビン」と右上がりな文字で書かれたゴミ箱に空っぽになった小瓶を放りこむと、掌で頬を2回程パンパンとやりながらデスクへと戻った。



586猪(カビ):2006/12/24(日) 01:16:49.89 ID:ddvr8HRk0
支援
587猪(停学中):2006/12/24(日) 01:17:19.73 ID:XIjb0NDYO
支援
588ハマグリ:2006/12/24(日) 01:17:24.01 ID:cjYhnWws0
支援
589お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 01:18:18.74 ID:2bOdX1PdO
支援
590初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:21:25.80 ID:DqjFWYLC0
支援
591HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:21:34.97 ID:SmCqyBhnO
━キョン AM11:04━

「毎度ありがとうございます、中央ベル販売でごさいます。……え?いや…予定通り発送されている筈なんですが……ええ、申し訳ありません。確認出来次第、折り返しご連絡致します…」

つい先程から営業所中の電話が止まずに鳴り続けている。
本当に、つい先程からだ。
どちらかといえば、今日は暇だった。
各メーカーが凌ぎを削った毎年恒例の年末商戦も、クリスマスイブ前日である昨日には一旦は終焉を迎え、今日はやり残した出荷の手配や伝票の整理をしながら比較的ノンビリと過ごせる筈だった…のだが。
数分前にかかってきた一本の電話…
そして、それに釣られる様に次々と営業所中の電話が鳴り出して今に至る。
電話はどれも得意先の小売店からで、かかってきた電話の全てが「客注品(※お客様から小売店を通してメーカーに直接注文された品物)が昼近くになっても届かない」といった内容だった。
クリスマスイブの日の客注品は、その全てが「子供へのクリスマスプレゼント」と言っても過言では無い。
ましてや、今日はクリスマスイブ当日…
って、おい…どうするよ。

「ねぇ、キョン!何?この騒ぎは!」

出先から戻ったばかりの課長が、受話器を握り締めて頭を下げる俺に声を掛ける。
てゆうか…なんで電話中の俺に訊くんだよ。
全く…例のマッガーレの一件以来、何かにつけては「キョン!キョン!」って…
俺は受話器を置くと、振り返りながら素っ気無く答えた。

「つい、5分程前からですよ。小売店から客注品が届かないって問合せが殺到して…」
「何よ、それ!…物流に問合せは?」
「これからってところです。今までは電話を受けるので手一杯で…」
「わかった!物流にはアタシが電話する。キョンは課のみんなに、客注が未着になっている店舗をリストアップさせるのよ?解ったわねっ!」

課長はそう言うや否や、自分のデスクへ向かうと凄まじい勢いで電話を始めた。

592猪(カビ):2006/12/24(日) 01:22:08.44 ID:ddvr8HRk0
支援
593ハマグリ:2006/12/24(日) 01:22:52.58 ID:cjYhnWws0
支援
594HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:24:16.09 ID:SmCqyBhnO
「もしもしっ?中央のスズミヤですけど…ああ、その節はどうも…って、それどころじゃないのよっ!
ちょっと!ウチのエリアの小売店宛の客注が全然届いてないじゃない!
どうなってんのよ!
はぁ?出荷ミス?今対応してる?
寝言は寝て言えってんだ、このスカポンタン!」

どうやら、そのスカポンタンのミスで客注の出荷に何らかの手違いがあったらしい。

「マジかよ…」

課長のマジギレ電話を、俺の隣のデスクで聞いていた谷口が頭を抱えている。
勿論、俺も同じ気分だ。
とりあえず、店には何て言って謝ろう…
ああ…怒られるだろうな…
そんな事を考え始めた瞬間、突然立ち上がった課長が声を張り上げた!

595猪(カビ):2006/12/24(日) 01:24:34.99 ID:ddvr8HRk0
支援
596HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:24:47.03 ID:SmCqyBhnO
「ちょっと!ヘタレてんじゃないわよ!
急いで未着分の商品をウチの倉庫の在庫で対応出来るか確認して!
足りないモノはアタシがなんとかするわっ!」

本気か…?

課長の突然の「とんでも発言」にオフィス中が静まりかえる。
鳴り止まなかった電話すら止んでしまった様だ…

「ち…ちょっと、待って下さいよ!
商品を準備出来たとして、配送はどうするんです?今からじゃ業者の手配だって…」

慌てて止めにはいった俺を撥ね飛ばしながら、課長の発言は突っ走る。

「馬鹿ねっ!何の為の営業車よっ!『アタシ達』で運ぶのよっ!」
「でえっ?本気ですか?」
「当たり前でしょ?ほらっ、さっさと準備しなさいっ!」
「しかし…」
「しかしもかかしもないのっ!今日、新しい自転車に乗るのを楽しみにしている子供達…いいえ、お客様が待っているのよ!
アンタ達も営業マンのはしくれなら何とかするのよっ?全力で!解ったわねっ?」

やれやれ…とんでもない事になっちまった…
俺は溜め息をつきながら引き出しの中の在庫票に手を延ばした。




597猪(停学中):2006/12/24(日) 01:25:01.31 ID:XIjb0NDYO
支援
598猪(カビ):2006/12/24(日) 01:25:04.94 ID:ddvr8HRk0
支援
599初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:25:17.95 ID:DqjFWYLC0
支援
600初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:27:18.33 ID:DqjFWYLC0
支援
601HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:28:08.04 ID:SmCqyBhnO
━ハルヒ PM14:19━

「終わった〜っ!ハルヒ〜終わったよぉ〜っ?」
「アタシも終わった〜っ!なんとかなっちゃったねぇ…」
「うんうん!なんとか…さあ、片付けて帰ろう!」

3日前には山積みになっていた仕事が、たった今キレイに片付いた!
言うまでもなく、アタシ達の連日の泊まりこみの成果だ。
なんとも言えない壮快感の中、機材の電源を落としながらミズキさんが思い出した様に言う。
「そういえば…ハルヒは今夜は予定あるの?」
「んー?何で?」
「私さ、帰ってからケーキ焼くのよ。それで…帰ってからもし一人なんだったら、ウチで夕食でもどうかと思ってさ?まあ、煩いチビも居るけどね」
「ええっ?これから焼くの?」
「うん、帰りに材料買って帰る」

まったく、泊まりこみで相当疲れている筈なのに…母は強し!だ。
「ありがとう…でも、今夜は旦那が何か作るらしいんだ。
…ウチの旦那、クリスマス過ぎると暇でさ?
年末でもワリと帰りが早いのよ」
「あー!羨ましいんだっ?」
「えへへ…そうでもないわよ」

602お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 01:28:44.74 ID:2bOdX1PdO
支援
603HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:29:10.77 ID:SmCqyBhnO
アタシは少し照れながら、手元に散らかった文房具を引き出しの中に放り込んだ。
そして、パソコンの電源を手早く落とす。

「さてと…こっちは片付いたけど、ハルヒの方は?」
「うんっ、大丈夫」
「じゃあ、帰ろう!」
「ええ、また明日ね!本当に…お疲れ様!」

オフィスを出て車に乗り込んだアタシは、ふと「帰りにケーキでも買って帰ろうかな…」と思い付く。
でも…それと同時に、ここ数日間お風呂に入れなかった事を思い出して、やっぱりやめる事にした。
とりあえず家に帰ってお風呂!
それからじゃないと何も出来ない。
3日間もお風呂に入れないなんて、健全な成人女性にあるまじき事だわっ!

アタシは帰宅ラッシュ前の空いている大通りを、少し急ぎがちに我が家へと走らせる。
そして家にたどり着くと、早速バスタブにお湯を溜める準備を始めた。
給湯機のディスプレイが『あと10分でお風呂が沸きます』と告げている。

10分か…。

とりあえずソファーに体を沈ませて、久しぶりのお風呂が沸くのを待つ。

しかし…本当に疲れたわね。

体の底からとめどなく沸き上がる疲労感に、アタシは思わず目を閉じた。




604初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:29:22.72 ID:DqjFWYLC0
支援
605ハマグリ:2006/12/24(日) 01:30:04.63 ID:cjYhnWws0
支援
606おみくじ(中がよろし):2006/12/24(日) 01:30:06.75 ID:XIjb0NDYO
支援
607初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:32:15.60 ID:DqjFWYLC0
支援
608HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:32:21.70 ID:SmCqyBhnO
━キョン PM15:30━

俺はハンドルを握りながら、先程までの営業所での出来事を思い出していた。
未着分の客注品のリストアップ…
在庫と届け先の確認…
そして…
ウチで対応しきれない商品の手配…
その全てを、あの課長は1時間余りの間に全てやってのけた。
まあ、お店に届けてからでは配達が間に合わない商品に関しては、こうして直接お客さんのもとまで運ぶ事になってしまった訳だが。
それでも、課長の采配は紛れもなく神業だ。
流石にあの若さで…しかも女性でありながら、本社で管理職を任されているだけの事はあるな。


ナビの画面を横目で見ながら、あと配達先まで何分かかるかを考える。
ふと、大学の頃にやっていた配達のバイトを思い出して、思わず懐かしい気持ちになってみたり…
そんな感じでしばらく走っていると、突然ダッシュボードに釣りかけてあった携帯のディスプレイが鈍く光った。

『音声着信・谷口』

同時に左耳に着けっぱなしにしてあったイヤホンから「よお!順調かっ?」と声がする。
まったく…これだから自動着信モードって奴は…

609猪(カビ):2006/12/24(日) 01:32:37.06 ID:ddvr8HRk0
支援
610HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:33:02.10 ID:SmCqyBhnO

「ああ…お疲れ。まあ順調だ…と思う。
こんなのは初めてだからな。正直なところ、順調かどうかも判らん」
「まあな…だがよ、俺等が大学の頃にやってたバイトのさ?あんな感じで良いんじゃねぇか?俺なんか懐かしさすら感じたぜ」

谷口も同じ事を考えて居たとは…
ちっ、微妙な気分だぜ。
俺は「ああ、そうだな」と応えながら、ナビの音声の通りに交差点を左に曲がった。
谷口は続ける。

「しかし…あれだな!あの課長、サスガは物流部上がりだぜ?前に居た課長じゃ、あの采配は絶対無理だ」
「な…物流部!?」
「あれ?俺、話さなかったっけ?」
「聞いてないな」
「あの課長な、新卒で本社に入社したは良いが、新人研修の時に教務官だった人事部の部長を怒らせて…物流部に飛ばされたらしいんだわ」
「大卒で…しかも女で物流部か?新手のイジメかよ!」
「ああ。しかし、凄いのはそれからでな?
あの女は入社して1年も経たないうちに、出入りの運送業者の連中から一目置かれる存在になっちまったらしい。
中には『姐さん』って呼んで慕う連中も…」

611猪(カビ):2006/12/24(日) 01:33:20.59 ID:ddvr8HRk0
支援
612HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:33:34.04 ID:SmCqyBhnO
谷口が社内の事情に恐ろしく詳しいのは周知の事実だが、今は谷口が毎度毎度何処で情報を得てくるのかよりも、課長の型破りなプロフィールが気になる。
そんな俺の心の内を、まるで判っているかの如く谷口は更に続けた。

「しかし…当時の物流の上役連中はそんな課長の事を快く思わなかったらしいんだ。
そりゃあそうだろう?普段は自分達の言うことになんざロクに耳を貸さない運送屋の連中が、あの女の言うことはスンナリ受け入れるんだからな」
「で、どうなったんだ」
「物流の上役連中が裏で手を回してな、課長は完全に畑違いの営業部へ飛ばされたって訳さ」
「なるほど…な」
「で、そこから先がまた凄くて…」

いよいよ話が面白くなって来たその時、谷口の声を遮る様にナビの音声案内が『目的地100メートル手前です』と告げた。

「悪いな谷口、配達先に着いちまう」
「ああ…じゃあ、また後でな」

俺は携帯のディスプレイに『通話終了』と映るのを横目で見届けながら、耳からイヤホンを外す。
そして、ハザードを点灯させながら車を停めると、鞄から取り出した伝票を片手に車から降りた。

613初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:33:58.06 ID:DqjFWYLC0
支援
614HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:34:43.80 ID:SmCqyBhnO
伝票の宛て先の住所は、車を停めた場所のすぐ傍の家だった。

大きな家だな…

急いで後ろのハッチを開けて荷台から商品である子供用の自転車を取り出す。
そのまま家の玄関までそれを運び、少し咳払いをしてからインターホンを鳴らした。

「どちらさまですか」

615黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:34:50.99 ID:zBg/gadFO
眠いと言ったけど眠れなかった

支援
616猪(停学中):2006/12/24(日) 01:35:05.80 ID:XIjb0NDYO
支援
617ハマグリ:2006/12/24(日) 01:35:12.16 ID:cjYhnWws0
支援
618HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:35:32.43 ID:SmCqyBhnO
幼い女の子の声だ…

俺は「中央ベル販売と申します。自転車をお届けに上がりましたが…家の人はいるかな?」とおもいっきり声を丸くして話かけた。

「いません」

マジかよ…
しかし、持ち帰る訳にもいかんしな…

「あの…お嬢ちゃん、サインとか出来るかな?」

マズイかな…とは思いつつも、とりあえず訊いてみる。
この場合、不可抗力だ…

「できるよっ!いまドアをあけるから、ちょろっとまつにょろ」

にょろ…?どこかで聴いた言葉使いだな…
まあ、いい!助かった!
コレで次の配達先に行けるぜ!

「おまたせっ!」

中から出てきたのは、髪の長い5、6歳くらいの女の子だ。
俺の足元にある自転車をみつけて、目を輝かせている。

「こちらの品物でよろしいでしょうか?」
「うん!もちろんさっ!
わたしがサンタにたのんだのはこれ!」
「じゃあ、ここにサインしてくれる?」
619初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:35:39.03 ID:DqjFWYLC0
支援
620黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:36:25.75 ID:zBg/gadFO
支援
621猪(停学中):2006/12/24(日) 01:37:06.61 ID:XIjb0NDYO
支援
622初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:38:34.99 ID:DqjFWYLC0
支援
623HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:39:32.88 ID:SmCqyBhnO

「はいよっ」

女の子はニッコリ笑うと、俺からペンを受け取ってサイン欄に文字か絵の様な何かを書いて見せた。

「これでいいっかな?」
「結構ですよ。品物はどちらに運びますか?」
「うーん、おにわにおねがいするさっ」
「はい、承知しました」

自転車を持ち上げ、その家の庭へと運ぶ。
そして、女の子は俺が庭に置いた自転車に嬉しそうに跨って俺に微笑みかける。

「どうだい?これ!
めがっさにあってるとおもわないっかなぁ?
どうにょろ?」
「ええ…素敵ですよ」
「ありがと。ところで、おじさんはサンタさんかい?」

お…おじさんて言われた…
思わず、地面に片膝を着いてしまいそうになりながらも笑顔で答えてやる。

「ん?なんでかな?」
「だって…クリスマスのひにプレゼントをもってきてくれたじゃないか」

瞳を輝かせながら問掛ける女の子の姿を目の前にしながら、俺は不意に今朝の課長のセリフを思い出した。

『新しい自転車に乗るのを楽しみにしている子供達…いいえ、お客様が待っているのよ!』

624HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:39:55.63 ID:SmCqyBhnO
そうなんだよな…
俺達はなにも、店の人間や注文書や在庫票を相手に仕事をしてる訳じゃないんだ。
いつだって、その先にはお客さんが居る…

俺は「そうだね、そうかもしれないね」と答えると「では、ありがとうございました」と丁寧に頭を下げた。




625猪(カビ):2006/12/24(日) 01:39:57.97 ID:ddvr8HRk0
支援
626黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:40:03.99 ID:zBg/gadFO
支援
627おみくじ(太吉):2006/12/24(日) 01:40:29.72 ID:qCd9pBXCO
支援にょろ〜
628HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:40:40.29 ID:SmCqyBhnO
━ハルヒ PM20:02━

「あれ…今何時?」

目を覚ますと部屋の中は真っ暗だった。
キッチンの横の壁に、青白く光る給湯器のディスプレイが見える。

『お風呂が湧いています・保温中』

そうだ…アタシは、お風呂が沸くのを待ってたんだっけ…

慌てて部屋の明かりをつけると、壁に掛けられた時計はもう8時を回っていた。
完璧に寝過ごした…
ケーキ屋は8時までだから、もう間に合わない。
アタシはうなだれながら、ふとキョンがまだ帰っていない事に気が付く。

(今電話すれば、帰りに買って来てくれるかな…)

とにかく電話をしてみる事にする。
どうせ、いつもの通りに中々出ないんだろうけど…

「もしもし?ハルヒか?」

出た!しかもワンコールも鳴らないうちに!
ちょっとビックリしながらも、アタシは不機嫌な声で応えてみる。

629猪(カビ):2006/12/24(日) 01:40:53.02 ID:ddvr8HRk0
支援
630HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:41:07.54 ID:SmCqyBhnO
「ハルヒか…じゃないわよっ!遅いじゃない!何やってんのよっ!」
「いや、あのな…おっと、配達先に着いちまった!後でかけなおすから…」

電話は突然切れた…。ていうか…配達先って何?
ウチの旦那は、いつから宅急便屋さんになったのよっ!?
訳が解らない…
ただ、帰って来れない事は良く解ったけどさ。

まあ、いいか…
アタシも寝過ごした訳だし。
とりあえず、お風呂でも入ろう…

立ち上がって服を脱ごうとすると、お腹が「ぐう」と鳴った。
そういえば、今日はお昼はおろか朝ご飯も食べてないんだった。
だいたい、キョンが夕飯は何か旨いモノを作るとか言って期待させるから…

そうだっ!ビーフシチュー!
ビーフシチューはどうなったの!?

もう一回電話を鳴らしてみる!




出ない。

バカ。キョンのバカ…
今、何処に居るのよっ!
631黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:41:16.45 ID:zBg/gadFO
支援
632HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:42:24.85 ID:SmCqyBhnO
電話くらい出なさいよっ!
お腹が空いたよ!


…つまんない…よ


一人でぼやいていてもしょうがない。
今はお風呂に入るんだ。
そして夕飯は…仕方がないから、後でコンビニでも行こうか。
こんな事ならミズキさんの家に呼ばれておけば良かったとつくづく思う。

「まったく、最悪のクリスマスイブだわね…」

一人っきりの部屋で、アタシは静かに呟いてみた。


633猪(停学中):2006/12/24(日) 01:42:43.95 ID:XIjb0NDYO
支援
634スルメ:2006/12/24(日) 01:42:53.91 ID:VcNnVm260
支援
635黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:43:09.82 ID:zBg/gadFO
支援
636HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:43:36.91 ID:SmCqyBhnO

━キョン PM22:10━

営業所に近付くと、俺の営業車以外の全ての営業車が駐車場に停まっているのが見えた。
どうやら、俺が一番最後らしい。
まあ、最後の配達を終えたのが九時近かったから仕方がないか。
車を駐車場に収めて、鞄と上着を片手に持ちながら車から降りる。
そして車に鍵をかけながら、配達中にハルヒから電話を貰った事を思い出した。
ポケットから携帯を取り出しながら、一体何の用事だったのか少し考えてみる。

…っ、そうだ!

晩飯、作ってやる約束してたんだっ!
忙しくて、すっかり忘れてたぜっ!
今、電話したら怒られるだろうな…やっぱり。
どうしよう…
ひたすら謝って許してもらうか?
いや、駄目だ!クリスマスイブだぜ?簡単に許してはくれないだろうな…。
637黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:44:46.32 ID:zBg/gadFO
支援
638初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:44:48.07 ID:DqjFWYLC0
支援
639お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 01:45:27.30 ID:2bOdX1PdO
支援
640HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:46:50.83 ID:SmCqyBhnO

ここはひとつ、早く帰って何かプレゼントでも渡しながら……

………駄目だ、この時間じゃ店なんざやってねぇよ…

途方に暮れながら営業所への中へ入ると、既にみんな帰ったらしく誰も居なくなっていた。
俺はデスクの上にカバンの中身を広げて、帰る支度を始める。
すると、机の右端にメモが貼りつけてある事に気が付いた。

『駅前の居酒屋に来いよ!課長のオゴリだぜ!』

ああ、谷口の字だ…。しかし谷口よ、俺はそれどころじゃないんだ。
本当にヤバい…
何か、約束していたビーフシチューの代わりになる様なモノを考えなくちゃ…
何か…


ああ…駄目だ。
何も思いつかない。
とりあえず、コンビニでケーキでも買って帰るか…

俺は憂鬱な気持ちのまま、営業所を後にした。



641猪(カビ):2006/12/24(日) 01:47:00.68 ID:ddvr8HRk0
支援
642黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:47:13.20 ID:zBg/gadFO
支援
643初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:48:03.66 ID:DqjFWYLC0
支援
644ハマグリ:2006/12/24(日) 01:48:37.14 ID:cjYhnWws0
支援
645おみくじ(太吉):2006/12/24(日) 01:48:56.18 ID:qCd9pBXCO
このあたしが支援してあげるんだから感謝しなさい!!

あ、あの、支援…ですぅ……(良かったちゃんと言えた)

……支援…
646HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:51:09.17 ID:SmCqyBhnO
━サンタクロース PM23:00━

さてさて、いよいよ私の出番です!
いやぁ、今回は苦労しました。
旦那さんがスーパーに寄ると特上の松坂牛が100グラム198円で買える細工に、奥さんがケーキを買いに行くとクリスマスキャンドルをたくさん貰える細工…
うまく行っていれば今頃、美味しいビーフシチューを食べながら、キャンドルライトでムード満点…

…の筈が、旦那さんは仕事に夢中で約束忘れちゃうし、奥さんは寝ちゃって起きないし。

ぜーんぶ無駄になっちゃいましたよ!
最後に二人がバッタリと出会う様にセッティングしたのは、殆んどサービスみたいなもんです!
この時間じゃ、コンビニくらいしかありませんけどね。
まあ、素敵な時間なんてものは結局二人次第って事で…
何?それじゃあ、アンタが居る意味ないだろ?
…ほらそこ!静かにっ!
そろそろ、二人がやって来ますよ…

二人の家の一番近くのコンビニに…



「あれ…キョン?」
「あ…ハルヒ…」
「あ…じゃないわよっ!後でかけなおすから…なんて言っておいて全然電話くれないし!
それに、何でこんなに帰りが遅いのよっ!
ビーフシチューは?お腹空いたわよっ!」
「いやあの…すまない…」
647猪(カビ):2006/12/24(日) 01:51:57.99 ID:ddvr8HRk0
支援
648初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:53:03.12 ID:DqjFWYLC0
支援にょろ〜
649初夢(熱湯風呂):2006/12/24(日) 01:53:04.49 ID:PGma/k7l0
支援
650黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:53:12.06 ID:zBg/gadFO
支援
651HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:53:26.56 ID:SmCqyBhnO
「だいたい『配達』って何よっ!
なんかあったら、すぐに電話する約束でしょ?約束破る男は最低よっ!あ〜もうっ最低最低最低最低最低っ!」
「………おい、そりゃ言い過ぎだ」
「言い過ぎな訳無いわよっ!アタシが『お腹が空いてる』のと『つまらなかった』のと『キョンが心配だった』のに比べれは全然っ言い過ぎなんかじゃないっ!」

あーあ、こりゃ駄目だ…
しょうがない、もうチョットだけサービスしますか…

よいしょっと…


「………なあ、ハルヒ」
「何よっ!とぼけて誤魔化そうったって無駄だからねっ!」
「…違う。空…見てみろ」
「もうっ、何なのよっ…


…あ…雪だ…」
「ああ………ホワイトクリスマス…だな。何年ぶりだろ……」
「どうりで寒いと思った………でも…綺麗ね」
「ああ。…………なあ、ハルヒ…」
「何よ………」
「……本当に……ごめんな?」
「べ…別に…


……アタシも言い過ぎたわよ…… ゴメン」
「なあ、何でも好きなも買ってやるから許せ。………コンビニだけど」
「……ふん、300円のアイスを全種類買うわよ?」
652猪(カビ):2006/12/24(日) 01:53:34.35 ID:ddvr8HRk0
しえn
653黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:54:13.51 ID:zBg/gadFO
支援
654HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:54:16.14 ID:SmCqyBhnO
「うん」
「おでんも…全種類買うわよ?」
「いいぞ」
「肉まんもピザまんもあんまんも全部買うわよっ?」
「…いいけど…食べきれるのか?」
「う…………まあ、良いわ!許してあげる!それと…ケーキとワインも買うからねっ!」
「勿論さ!」


やれやれ…

まったく、手間のかかる二人だこと…

さて、お二人さんが仲良く買い物を始めたところで、私も次の仕事に向かうとしましょう。
こう見えても今夜は忙しいんですよ?

それではお二人さん、メリークリスマス!

そして…

このお話を最後まで読んでくれた皆様にも…
…メリークリスマス!


おしまい
655HOME…SWEET HOME@X'mas ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 01:54:47.76 ID:SmCqyBhnO
以上です。お粗末でした。
656凧(赤):2006/12/24(日) 01:55:05.81 ID:KuNUdDKc0
ttp://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1166878546/l50
クリスマス撲滅にご協力を
657初夢(熱湯風呂):2006/12/24(日) 01:55:12.27 ID:PGma/k7l0
寒いのになぜか目から汗が…
658猪(カビ):2006/12/24(日) 01:55:23.10 ID:ddvr8HRk0
GJ!
良い夫婦だなw
659お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 01:56:10.73 ID:2bOdX1PdO
乙GJ!
甘いんだよぉおおお!
660ハマグリ:2006/12/24(日) 01:56:37.23 ID:cjYhnWws0
GJ!
乙であります。
毎年クリスマスが中止の私には甘すぎる話だ…w
661初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 01:57:03.54 ID:DqjFWYLC0
>>655
GJ!!!
662お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 01:58:18.58 ID:KHkChRXaO
明日はバイトの子達と飲みに行く俺は勝ち組
663恵比須(えびす):2006/12/24(日) 01:58:20.15 ID:6j4rMe9v0
GJ!!
やっぱり『二馬力』は大変なんだなあ。
お互いに激務だったら、なおさら……

今年結婚した同期たちの末永い幸せを祈る……
664黒豆(五粒):2006/12/24(日) 01:58:27.08 ID:zBg/gadFO
GJ!
ハルキョンもさる事ながらサンタがいいな。

でもクリスマスに特別な予定のない俺にはちと甘すぎる
665津田沼の仕事人:2006/12/24(日) 02:02:02.56 ID:V86g8kBR0
GJ!!

クリスマスは仕事ですよ、仕事。恋愛なんて一種の精神病ですからね(笑)
666お年玉(がっぽり):2006/12/24(日) 02:04:18.41 ID:2bOdX1PdO
イヴだけど甘さのかけらも無いのを投下していいかな?
667猪(巨乳):2006/12/24(日) 02:04:55.71 ID:ddvr8HRk0
家紋
668全てが歪んだ日 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:07:00.78 ID:2bOdX1PdO
じゃあ行きます。
矛盾点ばかりなので先に謝っときます。すいませんorz


 本気でハルヒを好きになってしまった。だからこそ気付いたのかもな。
 ……はじめっから何もかもを監視されてしまっていたことにな。


 気付いたのは探索の日、ハルヒとペアになった日のことだ。
 傍若無人さに振り回されながらも、幸せを感じながらハルヒについて行っていた。
「キョン! ちょっとジュース買って来なさい! 10秒以内!」
 やれやれ……わかったよ、ちょっと待ってろ。
 この時、10秒以内ってのを忠実に守ろうとしたのが転機だった。
 走って自販機まで向かった時、俺の視界の端にある物を捉えた。
 それは、俺達と逆側を探索しているはずの3人の姿だった。
 何故あいつらがここにいる? しかも……ビデオカメラをハルヒに向けながら。
 俺はその時、ある仮説を抱いたんだ。
『あれは、機関に報告するための映像で、それはずっと昔からやっていることだ』
 ……違うか? 古泉。
「……さて、何のことでしょうか?」
 あくまでもシラを切り通すつもりらしい。
 あの日から何度も問い詰めているが、この調子だ。
669 ◆2xLpx6qEVE :2006/12/24(日) 02:07:49.13 ID:SmCqyBhnO
改めまして、暖かい支援と感想ありがとうございました。

それと…甘くてごめんorz

本編は新年から再会させます。
みくるに古泉、長門も絡んできます…

良かったら暇潰しに読んでやってください。
670全てが歪んだ日 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:07:53.48 ID:2bOdX1PdO
 しかしだ、古泉。ネタは上がっている。フェアじゃないってことで喜緑さんに情報提供をしてもらったんだよ。
 古泉は一瞬だけ眉をしかめ、少し余裕の消えた笑みで答えた。
「情報統合思念体の穏健派ですか……。あなたもなかなか策士ですね」
 誤魔化すな。早く全てを語れ。
 一つ息を吐き、古泉はゆっくりと語りだした。
「ええ、あなたの言う通りです。ついでにあの大規模な閉鎖空間が発生した後は、あなたも監視しています」
 ハルヒだけじゃなくて俺もか。まったく……嫌な野郎だぜ。
「あなたが僕達を見つけた日は、他の二人も同様の任務を受けていたため、あのような行動を取りました」
 ……長門に……朝比奈さんもか。
 俺はここまで聞くと、心を決めた。
 今日、俺は、全てに抵抗を始めてやる。ハルヒを普通に愛する為に。
 機関だろうが、情報統合思念体だろうが、未来人だろうが、俺とハルヒに関わる奴等に抵抗してやる。
「すみません、謝ります。あなた達に不快な思いをさせるつもりはなかったんです」
 謝らなくていい。……代わりに、抵抗するなよ。
 古泉に向かってナイフを突き付けた。
「な、何を……?」
 ふざけるな。俺もハルヒも、お前等に監視されることを望んでいない。
 いいか、俺は今日ハルヒに告白する。普通の学生として、自分の下心しかない告白をだ。
 涼宮ハルヒの《鍵》なんかじゃない、ただ一人の《キョン》としてだ。
 そんなシーンを貴様らに見られてたまるか。刺されるのが嫌なら、機関をハルヒから遠ざけろ。
 古泉はすでに笑顔を浮かべられない状態で後退りをしていた。
「や、やめてください! それに、機関を涼宮さんから遠ざけるなんて上が許すわけが……」
 じゃあ、刺されろ。
671猪(巨乳):2006/12/24(日) 02:08:38.76 ID:ddvr8HRk0
支援
672お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 02:08:46.71 ID:SmCqyBhnO
支援
673全てが歪んだ日 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:09:47.88 ID:2bOdX1PdO
 俺は古泉の腕にナイフを突き立てた。
 悲痛な悲鳴が響く。人通りのない場所だから問題は無いがな。
「はぁ、はぁ……や、やめてください……うぐぅっ!」
 次は腹の辺りを刺した。生命に関わらない位置を狙って刺す。
 古泉は地面に尻をつき、ガタガタと震えていた。
 ……友達のよしみだ、殺しはしない。次に機関の連中から何かあったりしたら、全てをぶち壊す。
 ハルヒにあること無いことを言ってでもな。それが嫌なら……上を必死で説得するんだな。
 最後に思いっきり頬を拳で殴り飛ばして、その場を去った。
 あと二人か、邪魔な奴等は。
 ナイフの血を拭き取り、電話で長門と朝比奈さんを呼び出し、学校の部室へと足を進めた。


 ……待ったか?
「いい」
 相変わらず、本を読みながらそいつは居た。
 いつまでその余裕が続くのか楽しみだ。
 お前さ、探索の時に俺達をつけてたんだよな?
「………………」
 返ってくるのは無言だけ、か。予想通りだが。
 裏切られた気分だぜ。四六時中お前と、古泉の機関と、未来人に監視されてたなんてな。
 長門の表情が少し変わった。
「どうしてそれを?」
674猪(巨乳):2006/12/24(日) 02:10:00.60 ID:ddvr8HRk0
支援
675全てが歪んだ日 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:10:33.21 ID:2bOdX1PdO
 ……今は血だらけになった古泉が丁寧に教えてくれたよ。
 言うや否や、長門が飛び掛かって来た。……速すぎるっての。
「あなたの精神が異常になっている。改変を施す」
 長門が少し口を開いた瞬間、俺は呟いた。
『ジョン・スミス』と。
 思念体ごと、お前も消すぞ?
「ならば、記憶の改変も施させてもらう……むぐっ」
 喋り終えた一瞬のスキを突き、口にハンカチを押し込んだ。それをさらにタオルで押し出せないように縛った。
 俺が考えた、長門の呪文対策だ。……効くかは知らんが。
 口を塞ぎ、手を縛った。ということで長門は足で攻撃をしてきたが……やはり普通の女だ。
 小柄な体だからパワーも無い。
 放たれた蹴りを掴むと、長門を地面に叩き付けた。
 もがきながら、顔を苦痛に歪ませている。痛みに苦しむ長門を見るのは初めてだ。
 ともかく、こいつは喋れる状況にするのはヤバい。逃げられても困る。
 そう考えた俺は、ナイフを取り出し、両足に順番に突き立てた。
 喉の奥からくぐもった叫びが聞こえる。情報操作が出来ないと痛覚も消せないんだな、この宇宙人は。
 とはいえ、女をいたぶるのは趣味じゃない。
 体をバタバタとさせる長門を引き起こし、椅子に座らせた。
 生かしてやる。その代わり、二度と俺とハルヒに手を出せないようにするがな。
 事前に調べた声帯の位置を確認して、そこだけにナイフを突き立てた。
 あまり深くしたわけじゃないから、言葉が出なくなっただけだろう。
「………………っ!!」
 声にならない叫びをあげ、のたうち回り、椅子から落ちた。
「…………え?」
 最後の一人が来たようだ。未来から来ているそいつは、目を丸くしていた。
676猪(巨乳):2006/12/24(日) 02:10:48.39 ID:ddvr8HRk0
支援
677全てが歪んだ日 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:12:43.01 ID:2bOdX1PdO
「キョ、キョン……くん? 何して……るんですか?」
 見てわかりませんか? ……そういえば、あなたも俺達の行動を見てたんでしたっけ?
 一歩、二歩と近付いて行くと、腰を抜かしたのか、その場に座り込み動けなくなっていた。
「い、いや……殺さないで……」
 大丈夫ですよ、殺しませんから。
「ほ、ほんとで……「ただ、俺達に干渉したくなくなるように痛めつけるだけです」
 はいつくばったまま、手だけで逃げようとし始めた。まったく惨めだな。
 手を思いっきり踏み付けると、俺の足にすがりついてきた。
「ごめんなさいごめんなさい! 嫌だ、痛いのは嫌だよぉ! もう干渉しないように上に伝えますからぁ!」
 ……物分かりがいいですね。わかりました、許しますよ。
 ただ……《上》とやらに伝えといてください。未来を崩すのは簡単ですよと。
 例えば、あの少年を殺す……とかね。
 踏み付けている足に全体重を乗せた。メキメキと手が音を立てた。
「う……あぁ……」
 朝比奈さんはすでに涙を流し放心状態になっていた。
 これで、邪魔する奴や監視する奴はいなくなった。
 あとはハルヒの所に行くだけだ。……と思った時、ドアから人影が覗いた。
「有希! みくるちゃん! キョン、あんた何を……」
 ハルヒ、待ってたぞ。どうしてもお前に伝えたいことがあったんだ。
「な、何よ! それより救急車……えっ?」
 長門の止血をするハルヒを抱き締めて、キスをした。もう好きすぎて止まらん。
 俺だけを見てくれ。お前のことが大好きなんだ。こいつらはずっと俺達を監視してた。それが許せなくてやったんだ。
「か、監視って……みくるちゃん?」
678猪(巨乳):2006/12/24(日) 02:12:53.51 ID:ddvr8HRk0
支援
679全てが歪んだ日 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:14:30.47 ID:2bOdX1PdO
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! もうしませんから、もうしませんから許してぇ!」
 さっきのが堪えたのか、あっさりと謝りやがった。
 ハルヒ、お前とちゃんとした恋愛をしたい。誰にも監視されてなくて、いつも二人でいたいんだ。
 ジッと見つめると、目が合った。頼む、俺だけを見てくれ……。
「うん、ありがとう。あたしもキョンが大好きよ。……でも、有希やみくるちゃん達が怪我してるのも放っておけない!」
 ハルヒは俺から目を逸らし、長門の止血作業を再開しだした。
 ……ハハハ、前が霞んで見えねぇよ。
 気がつくと、ハルヒの後ろに立ってナイフを振り上げていた。
「す、涼宮さん!」
 朝比奈さんの声が響くと、ハルヒは振り向いた。
 俺はこの手を、こいつに振り下ろすつもりなのか? ……出来るわけないだろ。


 心臓に刺さる異物感。結局、俺は自分にナイフを突き立てた。
「キョン! キョン! どうして……どうしてよ!」
 知らねぇ……よ。最期までお前だけを見れてよかった……。
「いやだ! せっかく告白してくれたんじゃない! 最期なんて言わないでよ!」
 もし、もし認めたくなかったら……全部なかったことになるように祈ってくれ。
 面白いことが起こるかもしれないぞ。
 ……じゃあな。
 そこで俺の視界は暗くなった。
 最期までハルヒを愛せた。それだけで俺の人生は満足だったさ……。


おわり
680 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:15:40.80 ID:2bOdX1PdO
というまとまりのない救いようの無い話。
駄作ですみませんと支援ありがとうございましたorz
681お年玉(すずめの涙):2006/12/24(日) 02:16:05.18 ID:SmCqyBhnO
GJ!俺はこういうの大好き!

前半でレスが被ってすまなかったorz
682猪(巨乳):2006/12/24(日) 02:16:12.94 ID:ddvr8HRk0
乙!
眠気も覚める見事なヤンデレ!


キョンのヤンデレって初めてじゃね?
683書初め(今年こそ素人デビュー):2006/12/24(日) 02:18:28.20 ID:TQU5Cy8w0
乙!

キョンヤンデレはキョンハルだと始めて見たかも。
684初夢(競馬あたった):2006/12/24(日) 02:18:37.57 ID:DqjFWYLC0
>>682
アナルでならあったと思う。
685 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:18:42.68 ID:2bOdX1PdO
一応こういう終わり方が苦手な人用のオチもあるんですが……投下すべき?
686猪(巨乳):2006/12/24(日) 02:19:17.70 ID:ddvr8HRk0
あるなら投下!
687大黒(だいこく):2006/12/24(日) 02:21:02.42 ID:6j4rMe9v0
エクセレント!

ハルキョンでキョンをヤンデレにするためには、
中ボス(三大勢力)を3人も倒さないといけないから、
一般人であるキョンにどのような対策を採らせるか難しいですよね。

分岐END wktk
688猪(72才):2006/12/24(日) 02:21:25.37 ID:CCcRmuaN0
wktk
689全てが歪んだ日 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:22:05.59 ID:2bOdX1PdO


 こんにちは、喜緑です。
 あの日、世界は涼宮さんによって改変されました。
 というより、探索の日まで戻されたと言うのが適切でしょうか。
 彼が死んだことや、彼が仲間を傷つけたのを全部否定したかったのでしょう。
 私はその全てのことを、改変後に情報統合思念体から教えられました。
 また、同じ過ちを犯さないように止めろとの指令を受けましたので。
 このことは、もちろん長門さんは知りません。
 ……あ、そろそろ時間です。クジを操作しに行かなくちゃ。
 どうせなら、長門さんを彼と二人にしてあげようかしら……うん、そうしましょう。

 ……あ、長門さんの表情が少しうれしそうになりましたね。……よかった。
 さぁ、それじゃあ私も会長と出かけなくちゃ!
 全てが歪んだ日が、幸せな日に変わりますように……。

おわりのおわり
690猪(巨乳):2006/12/24(日) 02:23:15.54 ID:ddvr8HRk0
喜緑さんktkr

更に乙!
691 ◆mtod1dSyOc :2006/12/24(日) 02:23:31.01 ID:2bOdX1PdO
あんまり救われてないかもだけど以上です。

普通のヤンデレ物で止めたい人は追加はスルーでお願いします。
692大黒(だいこく):2006/12/24(日) 02:25:14.12 ID:6j4rMe9v0
>追加シナリオ
喜緑さんのポジションが絶妙ですね。

そして、勝手に第3のENDを受信してしまった罠。
693おせち(3,000円):2006/12/24(日) 02:44:27.45 ID:5KaUDQuTO
694おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 02:56:32.25 ID:LjXNl/6OO
今日は素晴らしかったです、みなさん本当にに乙です

特にハロウィンの人、神すぎる
695猪(停学中):2006/12/24(日) 03:10:41.76 ID:lXYsNkifO
いやぁ、ハロウィン!の人は良い作品沢山書いてるね…
後で全部読ましてもらうよ。

キョンハル夫婦はなんか理想の夫婦像だな。
仲が良いって素早い!

ヤンデレキョンは新鮮だな…
新しいキョンを見せて貰ったよ。


最後に皆さんGJ!です。
696ほうれん草:2006/12/24(日) 03:13:37.30 ID:3t83gMYb0
ジョン・スミスを悪役に据えたSSを書こうとしてる俺は間違いなく異常
697猪(♂):2006/12/24(日) 03:14:32.55 ID:CCcRmuaN0
前にもあった希ガス
wktk
698黒豆(二粒):2006/12/24(日) 03:24:47.96 ID:xmtxpeCt0
クリスマスの雰囲気の中空気を読まず、さっきまで長門描いていました。
プリンスレの皆様に見てもらおうと

http://www.uploader.jp/user/harussdat/images/harussdat_uljp00028.jpg
メリークリスマス!!
699ほうれん草:2006/12/24(日) 03:28:48.58 ID:3t83gMYb0
>>698
GJと言わざるを得ないだろう
700愛のVIP戦士:2006/12/24(日) 03:29:14.69 ID:OYXHiGAm0
>>698
うめぇwww俺なんかより全然うめぇwww俺の絵幼稚園児www
花火?
701猪(停学中):2006/12/24(日) 03:32:15.73 ID:lXYsNkifO
>>698
やべぇwww上手すぎwww
702ほうれん草:2006/12/24(日) 03:33:34.07 ID:3t83gMYb0
いかに読んでて腹の立つキョンもといジョン・スミスを表現するか試行錯誤中
703698ですにょろ:2006/12/24(日) 03:39:25.53 ID:8x3YZ7NaO
おっ
パソコンから携帯にチェーンジ( ^ω^)

花火を見てる長門っちにょろ〜
同じ姿勢でいたから肩が痛いなり
704お年玉(なし):2006/12/24(日) 03:54:22.09 ID:8lTGx3qR0
>>698
銀色の宇宙人のお面をつけてて欲しかった。
705書初め(大器晩成):2006/12/24(日) 04:05:46.70 ID:zcHgGO5F0
>>704
お前のセンスの良さは神がかり的
706お年玉(げんこつ):2006/12/24(日) 04:12:44.70 ID:Tvv3YEVp0 BE:405046679-2BP(1)
保守
707猪(マヨラー):2006/12/24(日) 04:41:57.29 ID:GZQvIeKO0
10日かかってやっと出来上がったけど
冗長すぎて\(^o^)/オワタ
708書初め(大器晩成):2006/12/24(日) 04:57:21.33 ID:zcHgGO5F0
>>707
まあよくあることorz

保守
709書初め(遠山金さん):2006/12/24(日) 05:02:28.99 ID:O5nbHxOO0
11月の終わりから書いてるのにまだ終わらないわけだが
710書初め(子孫繁栄):2006/12/24(日) 05:34:43.81 ID:zcHgGO5F0
>>709
一度離れると帰ってこれなくなるもの
それがSS書き                保守
711年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/24(日) 05:45:06.10 ID:M76mh4yf0
sleeping beauty
712猪(今日もカップラ):2006/12/24(日) 05:51:33.88 ID:9MIRxlLBO
白雪姫
713おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 07:18:51.01 ID:oBOlhhDtO
714コンニャク:2006/12/24(日) 08:02:51.29 ID:cjYhnWws0
>>710
この時期は忙しくてSS書こうにも書けない人が多いと思われ。
1月入ればまた活気つく・・・といいな。
715書初め(注意一生):2006/12/24(日) 08:13:31.72 ID:RoJ/gDVW0
昨日の夜このスレ見つけて、やっつけで書いたSSがあるのですが、
投下してもよろしいでしょうか?
716猪(でぶ):2006/12/24(日) 08:14:51.17 ID:MEcKypCe0
OK
717 ◆Sz4bb3Z2Rw :2006/12/24(日) 08:21:56.87 ID:RoJ/gDVW0
えー、本日は晴天なり。
去年とは打って変わって暖冬のため、雪も降らなければ電車も止まらない。
よって、道も白くは無いしそりだって走れない。
裏山にいけば未だに時期外れの紅葉も拝めるし、俺んちもまだコタツすら出していない。
いやー・・・、過ごしやすい季節だ。
「何で!?何で降らないの!?」
・・・。
「雪よ!!ゆ・きっ!」
「知るか。お天道様に聞け。」
「あ〜っもうこの馬鹿!!雪の無いクリスマスイブなんて、みかんの無い炬燵よりも
 性質(たち)が悪いわ!何とかしなさいよっ!」
えー、繰り返す、本日は晴天なり、本日は晴天なり。
降水はおろか、雲すら拝める気配は無い。
半月近い展示に耐えられず、グレーに変色した繊維の塊が道端の刺々しい円錐に纏わり付いている。
そして俺は、冬休みが始まったばかりだと言うのに何故か学校に居る。
しかも部室棟の四階に、スリッパ持参でだ。
「で、あとのメンバーはどうした。約一名はバイト、約一名はコスプレの却下か?」
「・・・・・・・・・。」
・・・恐らく、長門には連絡すら付かなかったと見える。
後は、自分に都合の悪い時は100%バイトが入る自称超能力者に、最近やっとハルヒの扱い方を心得始めて
過激な格好をさせられる事の減った朝比奈さん。
先輩なんだから、こいつに対してはもっと横暴に接してもらっても良い様に思うが・・・。
だがしかし、数少ない俺の部室のオアシスが遠のいて行く・・・。
ああ、ナース服が恋しい木枯らしの校庭・・・。
「まあ、良いわ。どーせあいつらにはたいした期待もして無いし・・・。」
休みの日に朝っぱらから叩き起こしといてなんちゅー言い草だ・・・。
断言しよう、俺がここに居なかったら、間違いなく「あいつら」の中の最上位に俺の顔がある。
7182:2006/12/24(日) 08:22:13.68 ID:RoJ/gDVW0
「・・・、じゃあ、一区切り付いたところで、こんな日に俺を叩き起こして、半ば強制的に
 心休まる自宅からカオス理論真っ盛りの部室に引っ張ってきた理由は何だ?」
「決まってるでしょ!今日はクリスマスイブよ!」
「・・・だから?」
あああああああああ・・・、もう言わずとも良い良い・・・。
こいつの思考回路の基板のパターンが手に取るように伝わってくる。
大方今日しか仕事をしない、日給=年収の赤服親父、
「サンタクロースをヒッ捕らえるのよ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・時に落ち着け。いくらお前でもそれだけは言ってはならぬ、言ってはならぬぞ。
 あんな赤服親父、今日中に見つかるわけがn
「サンタクロースは、昔から何故か空飛ぶトナカイに引っ張られたソリに乗ってやってくるって事になってるわね?」
・・・聞いちゃいねえ。
「あれって、何処かおかしいのよ。キョン、分かる?」
「いーや。」
おかしいのはお前の脳みそだ。
「だって、そもそも飛行能力があるのはトナカイだけなのよ?ソリには何の仕掛けも無いの。
 ソリに何らかの機構があって、重力に反発する能力があるってんならまだ話は早いわ。
 でもそうするとわざわざトナカイに引っ張らせる意味が無い」
7193:2006/12/24(日) 08:22:23.80 ID:RoJ/gDVW0
「トナカイの速度が、猛烈に速いんだろ。」
「そうするしかないわ。実際、ソ連軍が秘密裏に撮影した超高性能カメラに写ったサンタと見られる
 未確認飛行物体も、音速に匹敵する速度で飛んでいたわ」
・・・・・・そんな無駄なことやってるからソ連は崩壊したに違いない。
「ただ、空気抵抗でソリが浮かび上がるほどの超高速で、恰幅が良くてそれ自身が協力ん抵抗を生むサンタが
 正常な状態で移動できるわけが無いの。」
「よーするにお前は、あの赤服親父をUMAに仕立て上げたいわけだな。」
「違うわ。」
一発で跳ね返された。
こいつ、今日は相当来てる。
意味も無いのにPCの椅子から立ち上がり、背筋でS字を描き、手を腰に当てる。
開いた右手で俺を『ビシィッ!』なんて音が聞こえてきそうな勢いで指差すと、勝ち誇ったような声で断言するのだ。
「サンタは十中八九ほぼ間違いなく、・・・・・・極秘に開発された世界偵察用のスパイアンドロイドなのよ!」
7204:2006/12/24(日) 08:22:44.51 ID:RoJ/gDVW0
そんなわけで、俺は今このクソ寒い商店街でそろそろ冷めてきたおでんをほおばりながら時間を潰している。
時刻は3時、待ち合わせの時間まで、後1時間もある。
両親には帰りが遅くなる事を見越して「ちょっと、女友達と会う予定がある」なんて匂わせぶりな台詞を
吐いてきたからまず問題ない。
後はもう散々冷え切った心と体とお財布を、何処で守りきるかだ。
頑張れスネーク。
頑張れ俺。
なんて事を考えながら待ち合わせ場所の駅の待合室でぼんやり投げやりに外を眺めていると、
「全く、何なのよあいつらは。」
いかにも不機嫌と言った表情で、見覚えのあるオレンジのリボンのツインテールがどかどか現れる。
時刻は3時半。
待ち合わせ時間までは、後30分。
奴にしては諦めが早い。
7215:2006/12/24(日) 08:22:55.20 ID:RoJ/gDVW0
そのまま近くのベンチにどかっと腰を下ろすと、少し内股にした膝の上にある両手を握り締めて・・・。
待て。
仮にも女子高生がである。
夕方の駅前のベンチである。
木枯らしが吹く中である。
俯いて、口をへの字にして。
肩を震わせて。
・・・・・・泣いてる・・・、のか?
サンタが居ないことを悟って駅前の商店街で泣き崩れるハルヒの図。
シュールだ。
いやいやそんな事はどうでも良いのだ。
断じて、俺には何の下心も無ければ、ほんの一瞬でさえハルヒを愛しく思ったりはしない。
断じてしない。
しかしこの状況は・・・うーむ・・・。
7226:2006/12/24(日) 08:23:15.95 ID:RoJ/gDVW0
「赤服のターミネーターは見つかったか?」
「・・・・・・・・・。」
「諦めろ。ソ連軍が血眼になって探しても捕まらなかったサンタが、お前ごときに半日で発見されるわけが無い。」
「・・・・・・・・・。」
「邪鬼眼でも無い限り無理だ。」
「・・・・・・・・・。分かってる。」
「・・・は?」
「分かってるのよっ、そんな事!」
こいつが捜索に行ったのは大通り方面、商店街と違ってこの時期ともなればカップルが多数出没する。
そんな中、独りで半ば存在しないことを認めている赤服親父を必死になって探し、
足を棒にしているハルヒの姿が目に浮かぶようだ。
うん、コレはコレで絵になるかもしれない。
「でね・・・、ズッ、私、何で独りでこんな事してるんだろうって・・・、ずっ、サンタなんか居るから、
 私がこんな目に逢ってこんな事しなくちゃならないんだって・・・、ずぅ。」
「・・・・・・・・・。」
出たっ、必殺『責任転嫁』っ!
7237:2006/12/24(日) 08:23:29.03 ID:RoJ/gDVW0
「そしたら、何かもう全部どうでも良くなっちゃって・・・、ずっ・・・、寒いし・・・、ズッ・・・、もう・・・、
 ひっ・・・、イヤになってぇ・・・、ひっ・・・。」
コレは少々まずい兆候かも知れない。
そんなところで泣くな、オトナゲない。
沈下した肩を震わせ、決して目線を上げようとしないハルヒに、俺は多分、こうするしかなかったんだと思う。
俺は、普段なら信じられないことかもしれないが、ビービー泣いてるくっちゃくっちゃの顔を、抱きしめていた。
「仮にも女子高生が、こんなところで泣くな。小ッ恥ずかしい。」
手入れの行き届いた髪の毛は、何かこう、いい匂いだ。
ああ、旗から見たら俺たちもバカップルの仲間入りか・・・。
もうそんな事はどーでもいい。
ああ、どーでもいいとも。
そうだ、何だかんだ言って俺はこいつが嫌いではない。
どちらかと言えばもっとプラスな部類に入る方だと思っている。
ああ、良いじゃないかもう、まどろっこしい!
ああそうだとも、俺は泣きながら駅前に入ってきたこいつに何らかの感情を抱いていたし、震える肩はホントに
ホントに可愛かった。
全く、俺の中のツンが消えていくのがここまではっきり分かるとは。
7248:2006/12/24(日) 08:23:41.34 ID:RoJ/gDVW0
あーはいはい、そうだな、俺はもうこいつの手の中に落ちましたとも。
そんな思考が頭の中でループしてるのを体して広くも無い頭の隅に押しやって、俺はハルヒの前にしゃがみこむ。
俯いて、口をへの字に、眉をハの字にして、涙がこぼれないように大きく目を見開いた顔を覗きこんだ。
「おでん、奢るぞ。」
いろんな液体でぐしゃぐしゃの顔が、微かに上下運動したのを俺は見逃さなかった。
7259:2006/12/24(日) 08:23:51.15 ID:RoJ/gDVW0
結局、ハルヒが涙をごまかすように上を向いて大量にかっこんだコンビニのおでんのせいで、
俺のなけなしの所持金は遂に二桁に突入したし、その後待合室であいつが
「泣いてる女を独りにしないでよ・・・。」
なんて言い出すもんだから俺達は、ハルヒの肩に手を置いてあいつが満足するまで二人して通行人を眺める事になった。
全く、俺の休みを返せ、と。
しかし翌日の今日、俺は朝から駅前に居る。
今朝のハルヒからの呼び出しは
「来なかったら今度奢りなさいよ。」
という今までのなんちゃって死刑判決よりは可愛らしい物だったし、最初に今日の予定を聞くという、
素晴らしくあいつらしからぬワンクッションをおいていたにもかかわらず、だ。
俺はここでケータイ片手に涼宮ハルヒを待っている。
昨日の事は、実は俺としても何を考えていたのか良く分からない。
あいつが道行くカップルに「うわーあいつら何だよ羨まちー。」なんて事を考えたせいか、
はたまた俺の本心か。
72610:2006/12/24(日) 08:24:10.63 ID:RoJ/gDVW0
んま、今日こうして居られるって事はあいつが俺の事を殺そうとしているか若しくは「のわっ!?」
「キョーン!」
見ると、ハルヒが俺の肩にしがみ付く様な格好で纏わり付いている。
どうやら、昨日の毒気は抜けたようだ。
鼻歌なんか歌っちまいやがって。
まあ、俺としても今日はまだ悪い気はしない。
強いて言うなら、俺の左腕に絡み付いた割りかし細めの腕の付属品のせいで、やや歩きにくいが・・・。
コレで、とりあえず世界は安泰、なのか?
今日のハルヒの顔には憂鬱の百の字も見当たらない。
・・・別にどうでも良いか・・・。
流石に、いっぱしの高校生の初デートでの振舞いに、世界の命運がかかっているとも思えない。
いや、ホントはそうなのかもしれないけど。
しかしながら、俺の手首ではなくしっかりと手を繋いでいる今のうちは恐らく問題無いのだろう。
「で、ハルヒ、何処行くんだ?」
「決まってるでしょ!?商店街の福引で、特賞の旅行券当てて、サンタの寝込みを襲いに行くのよ!」
「・・・。」
「それと、あいつに昨日のお礼もしたいしね。」
・・・・・・あぁ、間違ってもペアなんて当ててくれませんように。
727終わりです:2006/12/24(日) 08:25:19.42 ID:RoJ/gDVW0
えー、とりあえずやっつけなので細かい設定に矛盾するものがあるかもしれません。
各自脳内保管お願いしますです。
728おみくじ(汚れて読めない):2006/12/24(日) 08:33:09.97 ID:lXYsNkifO
GJ!
729あがり:2006/12/24(日) 08:40:14.03 ID:UzJlgkHN0
GJ,本当にはじめて?
>>3 みてまとめ要請よろしく。
730神所謂ゴッド:2006/12/24(日) 08:44:48.61 ID:t6lN/qIx0
>>729
空気嫁や
一々うざいぞ
731書初め(冠婚葬祭):2006/12/24(日) 09:02:14.61 ID:RoJ/gDVW0
>>728,729
えと、駄文ですいませんです・・・。

wikiってコレ勝手に投稿する仕様ですかね?
732御雑煮:2006/12/24(日) 09:08:00.41 ID:UzJlgkHN0
>>730
お前が嫁

>>731
自分で投稿できるならベスト。以前は、管理人さんが
まとめてくれてたのですが今は多忙になってしまったので
自動的にはあがらないです。
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153863162/
に要請すればあげてくれますよ。
733初夢(ホスト修行中):2006/12/24(日) 09:09:19.99 ID:/ZOAzlTM0
GJ、乙!

>>731

http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153863162/
でまとめ要請してもいいし、
http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/
に直接、うpしてもいいです。

>>730
というわけで知らない人も多いわけで「一々うざい」というのは
俺もそう思いますが、「知っているか知らないかは解りようが無い」から
いちいち >>729 みたいにお願いするしかないのでは?

どうしてもうざい、やめてほしい、というなら雑談所で問題提起しては
いかがですか?



734書初め(冠婚葬祭):2006/12/24(日) 09:12:54.03 ID:RoJ/gDVW0
>>732,733
どーもすいませんです・・・。

えっと・・・、まとめ要請するのは投下した本人なんですか?

一応、wikiの方見てみましたが、正直理解出来たかは微妙なんでorz
735猪(2ch中):2006/12/24(日) 09:29:29.58 ID:lXYsNkifO
まとめ要請は本人が望ましいね。
736御雑煮:2006/12/24(日) 09:31:09.29 ID:UzJlgkHN0
>>734
いまのところ、作者さん本人が要請するようになってます。
このスレでは出来れば管理人さんと作者さんが協力していく
という体制があるので。
まとめてほしくない場合は、まとめ不要の旨を
レスに書いているケースが見られました。
737書初め(冠婚葬祭):2006/12/24(日) 09:33:55.33 ID:RoJ/gDVW0
>>735,736
了解です。

さてと、後はタイトルをどうするか・・・。

つーかここってsage推奨になってるんですかね?

だとしたら今まですいませんです(´・ω・`)
738猪(やせ):2006/12/24(日) 09:35:56.71 ID:x/WGc0lr0
むしろage進行かと。
739初夢(ホスト修行中):2006/12/24(日) 09:38:11.91 ID:/ZOAzlTM0
>>734

まとめwikiはなれないと編集が難しく、失敗することもあります。
本人の意志と無関係にwikiにあげて失敗すると険悪なムードになります。
しかし、失敗してはいけないとなると練習もできないわけで、
まとめが出来る人が減ってしまいます。
というわけで、本人まとめ要請があった方がいいだろう、ということです。
管理人さんは慣れているし、間違っても直す権限があるので、
本人まとめ要請無しでもまとめwikiにあげていいことになっています。
740初夢(ホスト修行中):2006/12/24(日) 09:40:34.52 ID:/ZOAzlTM0
>>737,738
このスレの使い方はあきらかにVIPとはずれているわけで自治厨の攻撃対象になります。で、
目立たない方がいいな、というのでsageていますが、一方でsage続けていると新規参入もないわけで
じり貧です。どっちを優先するかは状況によりけりですね。
741おみくじ(いいのこいっ):2006/12/24(日) 09:50:40.05 ID:Kf70O2c90
先日から良作が並ぶ中で申し訳ないけど、
「Break the World」三話がようやっと書きあがった……ので投下したい。
今大丈夫だろうか……。スレ汚しにならないといいけど
742御雑煮:2006/12/24(日) 09:53:53.68 ID:UzJlgkHN0
おk
743書初め(冠婚葬祭):2006/12/24(日) 09:55:38.40 ID:RoJ/gDVW0
>>741
おながいしますです。
744初夢(ホスト修行中):2006/12/24(日) 09:56:07.55 ID:/ZOAzlTM0
>>741
wktk!
745 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 09:59:13.16 ID:Kf70O2c90
それでは、投下させてもらいますね。
今回も10レス程お借りします。

前回までのお話↓
http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/2064.html
746Break the World(第三話)1/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:00:36.29 ID:Kf70O2c90
第三話 ― 悲愴 ―

 待て待て、とりあえず考えろ、俺。
 大体こんな極端な二択しかないってのがバカげてる。
 ハルヒのとんでもパワーだったら少しどころか大いに我が侭を通せるはずだろ。
 自分達の住んでいた世界をハルヒが否定でもしない限り……
 そこまで考えて思い当たった。そうだ。こいつは否定する奴だ。
 かつて閉鎖空間に閉じこもったのは、自分の望まない世界を否定した結果らしいし、
 その中で俺だけは一緒にいたいと願われたからあの場所に呼ばれた。 
 俺と自分以外の世界は「要らない」って深層心理では思っていたって事だ。
 つまり、ハルヒと力は今繋がりが無くなりかけていて、
 力の暴走の結果もまた、ハルヒの願望なのだ。俺と二人で生きるという願望。
「なあ、ハルヒ」
「なに」
「世界を壊してまで、お前は俺を選ぶのか……?」
「…………」ハルヒは黙ってる。
「……答えてくれよ。俺にそこまでの価値なんて……、」
「あるわよ」
 ハルヒの突発的な回答に俺の方が言葉に詰まった。
 本気で思ってる。ハルヒの目はマジだと言っていたからな。
「あたし、きっと内心ではそう思ってる。キョンだけいればいいって」
「どうしてだよ。古泉や、長門や、朝比奈さんは?」
「皆良い人だし、大事な仲間だとは思うわ。でも、キョンには替えられない」
 どうやら、俺の優先順位は世界とSOS団よりも高いらしい。
 普段の扱いからはとても想像のできない結果なんだがな。
 それはそうと、このままここに居てもしょうがなさそうだ。
747Break the World(第三話)2/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:01:08.50 ID:Kf70O2c90
 俺はとりあえず自分の家に行ってみたいと思った。
 ハルヒにそう言うと、ハルヒは自分も行くと言い出す。
「お願いよ……最後の時間くらい、一緒に過ごしたい……」
 まるでドラマの展開だ。こんなベタなのが最も嫌いなんじゃなかったか?こいつはよ。
 とりあえず移動しようと思ったが、その時また目の前が眩しくなり、立ちくらみがした。
 目を開けたら家の前に居た。そうやら瞬間移動みたいな能力も付いたらしい。
 最後のサービスってか。余計なお世話だ。
 どうやら物理法則は俺達に通じないらしく、ドアをすり抜けて家に入れた。
 中で見たのは、ひたすらに泣く母親とぼんやりとする妹、俯いている父親だった。
 妹はたぶんわかっていないのだ。兄が今後二度と喋らない事の空虚さを。
 それを知るのはもう少し時間が経っての事なのだろう。
 そう思うと自分が死んだことを実感させられる。正直泣きたい気分だ。
「キョン……大丈夫?」ハルヒが俺の腕にすがりついて声をかけてくる。
「ああ、そんなに酷い顔してたか?」
「うん……まるで死んだみたいな顔だった……」
 実際に死んでるからな。なんて冗談を飛ばす余裕は無かった。
 俺はそこに居るのが耐えられず、来たばかりなのに家を出た。
「親父、お袋……あと妹よ……先立つ不幸を……許してくれ」
 家に向かってそれだけ言うのがやっとだった。
 最後なのに、自分でも意外と思えるほどに執着が無い。
 本来なら死んだ時点で終わりだし、案外とそんなものなのかも知れないな。
「ハルヒは……どうする?家族の顔くらい見たいんじゃないのか?」
「そうね……でも怖くなってきた……」
「いや、行った方がいい。最後になるかもしれないんだ」
「……わかった」
 また目の前に光。気付くと見知らぬ場所。そういえばハルヒの家に行った事は無い。
 ハルヒが俺の手を引いて歩いて行く。
748Break the World(第三話)3/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:01:52.54 ID:Kf70O2c90
 家の中に入ると、やはり似たような状況だった。こちらは夫婦共に泣くような事が無かったが、
 内心泣きたいのであろう事は表情からわかる。今にも崩壊してしまいそうな顔だ。
 俺はここに居ていいのかわからなくなってきた。俺は何も考える余裕は無かったが、
 ハルヒはハルヒなりにかけたい言葉があるのかも知れない。
「俺は外に出てようか?」と聞いたが
「ううん、傍に居て……」と返された。
 だが、ハルヒは意を決したのか、両親の元に歩いていった。
 手を引かれた俺も必然とそこに立ち会う事になる。
「お母さん、お父さん。あたし、死んじゃったみたい……ごめんね」
「今まで育ててもらったのに、こんな突然に別れて……」
 謝罪を述べるハルヒの頬を涙が伝わる。
「あたし……何も出来なかった…………」
「今までいろいろしてくれたのに……」
「でもね…………あたし、今幸せなの」
「好きな人と一緒に居られて、あたしとっても幸せ」
 ハルヒ……。俺はハルヒの言葉の中に込められた俺への感情が垣間見えた。
 ハルヒが思い続けていた事……。こいつはこんなに……。
「もう行くわ……ごめんね……」
 それだけ言うと、ハルヒは家を後にした。

 家から出て、少しの場所に公園があった。
 どこでも良かったのだが、俺は何故かここで休みたかった。
 ハルヒもそれを了承した。座ろうか悩んでいる時にハルヒが切り出す。
「キョン……あたし……」
 ハルヒはあれだけ俺を想ってくれていた。なのに俺はなんて答えた?
 気持ちは嬉しい?出来れば応えたい?ふざけるな。
 今すぐさっきの俺をぶん殴ってやりたい。何をごまかしたんだ。俺は。
 照れくさかった?この肝心な時にか。どこまでバカなんだ。
 もう迷いは無かった。俺は残された時間だけでもハルヒと過ごしたい。
749Break the World(第三話)4/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:02:15.13 ID:Kf70O2c90
「いいんだ……俺もお前が好きだ。だから何も言うな」
 俺はハルヒを抱きしめた。そうするのが自然だと思えた。
 途端にハルヒはダムが決壊したみたいに大声で泣き出した。
 夜空にハルヒの泣き声だけが響いていく。

「あと1日もしないで世界が消えるなんて、信じられないわね」
「ああ」
 俺とハルヒは寝転がって夜空を見上げていた。星が良く見える。
 表面的には何も変わったように見えない町並み。
 誰も世界のタイムリミットなんて知らないで過ごしている。
 明日が当たり前に来ると信じている。もうその中に俺達は居ない。
「この星を見るのも、今が最後なんだな」
「そうね……でもキョンと一緒で良かった」
 二人で横になって星を見ている中、俺はふとハルヒの横顔を見た。
 さっきまで泣いていたこともあって、少し赤い。
 俺の視線に気付いたのか、ハルヒも俺に視線を向ける。
「どうしたの?キョン」
 微笑みながらハルヒが俺に問いかける。
「いや、お前の顔を見れるのも、あと少しかもしれないと思ったらな」
「そうね……もっと早く言えば良かった……」
 残念そうに、本当に残念そうにハルヒは言った。
 こうしてみると本当に可愛い顔立ちをしている。
 俺は今までこいつのこんな笑顔をどう思っていただろう。
 不吉の予兆くらいにしか思っていなかった。なんてバカだったんだ。
 今目の前にいるのは神でもなんでもない、一人の女の子だった。
 お互いにしばらく目線を合わせていたが、恥ずかしくなったのかハルヒが目をそらした。
750Break the World(第三話)5/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:02:37.47 ID:Kf70O2c90
「ねえ、キョン」
「なんだ」
「あの灰色の世界って、本物だったの?」
「そうだ。次元の隙間みたいなものらしい」
「じゃあ、あの時キョンとキスしたのも?」
「……ああ、本当におきた事だ」
 それを聞いてハルヒは再び俺に目線を合わせてきた。
「それじゃあ、ファーストキスはとっくに済んでたのね……」
「あーいや、あれはだな……」
「ふふ、何慌ててるのよ」
 俺が視線を何所に移そうか考えていると、ハルヒがくっついてきた。
「あれ、夢じゃなかったんでしょ?」
「ああ……」
「そっか……」
 何やら含みのある言い方だ。だが、特に追求はすまい。
「あたしね……きっとあの時からキョンが好きだったんだと思う」
「結構……前からだったのか」
「最初から意識はしてたけど、男としてって感じじゃなかった」
「あれがきっかけになったのか」
「そうね……あの時はとっても嬉しかった」
「当時の俺は正直に言うとちっとも嬉しくはなかったな」
「勢いだったの? それ結構酷い話よね」
 そう言いながらもハルヒは笑っていた。
 それから俺とハルヒは多くの話をした。
 今まで出来なかった、色々な話を……。
751初夢(犯人だった):2006/12/24(日) 10:03:13.59 ID:/ZOAzlTM0
shien
752なまはげ(悪い子はいねがー):2006/12/24(日) 10:03:49.66 ID:UzJlgkHN0
支援
753初夢(犯人だった):2006/12/24(日) 10:05:03.07 ID:/ZOAzlTM0
サルったかな?
754Break the World(第三話)6/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:05:29.12 ID:Kf70O2c90
 気が付いたら眠ったらしい。こんな状態でも眠くはなるのか。
 と、呑気な事を考えていた。ハルヒはどうしたんだ?
 横にいるはずのハルヒを見る。ハルヒはまだ眠っていた。
 俺の腕を枕代わりにして、安らかな表情で寝息を立てていた。
 眠っているハルヒはいつもより二倍くらい可愛かった。
 その寝顔をもう少し見ていたかったが、やらなきゃいけないこともある。
「おい、ハルヒ」
「ん……」
「起きろ。どうやら寝ちまったらしい」
「え……あ、うん……」
 目を擦りながらハルヒがゆっくりと体を起こす。
「どれくらい寝たかわからないが……きっと時間はそんなに残されてないだろうな」
 その言葉でやっと状況を思い出したらしい。「あ……」と声を漏らした。
 太陽が空高く昇っている。だが、具体的な時間はわからない。
「とりあえず、部室に行くか」
 何で部室なのかはわからない。だが、なんとなく部室がいいような気がしていた。
「そうね……」ハルヒも同じ気持ちらしかった。
 俺が部室の光景を思い浮かべると、また目の前が眩しくなる。
 何度やっても慣れないな……と思ったが、とりあえず部室には着いた。
 もう世界の命運は僅かの間に決まってしまうらしい。その選択権が俺達にある。
 もう一度自分に問いかける。
「お前は、世界の命か、自分達の命か、どっちを取るんだ?」
 何度考えたって正しい答えなんてわからない。地球の60億といるかもわからない宇宙の命を全部足して、
 俺とハルヒ2人の命と釣り合うかなんて理解できない。だってそうだろう?
755初夢(犯人だった):2006/12/24(日) 10:05:42.47 ID:/ZOAzlTM0
しえん、大丈夫だったか。
756Break the World(第三話)7/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:05:52.08 ID:Kf70O2c90
 どんなに多くの命だって、俺達が救ったことを理解する術はない。
 味わうものがいなければ世界を救ったってしょうがない。
 だが、俺達が二人の世界を優先してしまったら?ここは消えて無くなる。
 家族や、SOS団の皆や、クラスの連中や、見知らぬ人たちの命まで巻き添えにして。
 自分を想ってくれる一人の女と、自分自身が生きる為の代償がなんでそんなに高いんだ?
 だが、代弁者は言ってた。程なくして慣れるだろうと。
 周囲の人間が居ない事が当たり前の世界。傍にはずっとハルヒが居てくれる。
 あいつの言う通りだ。人なんて簡単に慣れてしまう。最初は心を痛めても、
 次第にそんな世界があった事すらも忘れて、俺とハルヒは暮らしていくのだろう。
 そこから始まる世界だってあるのだ。この世界を残せば、新しく生まれるであろう歴史も殺す事になる。
 自分と言う存在の証を、消す事になる。この世界を残したって俺を覚えているのは今生きている皆だけだ。
 永遠に語りづがれる存在じゃあるまいし、皆俺達の事を忘れていく。
 自分を残せない世界。自分達が作っていく世界。どっちが正しいかなんて、俺には分からない。
 分かるはずが無い!

「ねえ……キョン」
 ハルヒが声をかけてきた。その言葉で俺は深く沈んでいた思考から引き揚げられた。
「キョンは、どうしたいの?」
 俺は考えている最中だった。誰か客観的意見が出せる人が欲しいくらいだ。
「あたしはね……」
 そうだ。ハルヒはどう思ってるんだ。俺と同じように世界と自分の命を天秤にかけられて、
 理不尽な選択肢を迫られた状況で、ハルヒは何を考えたんだ?
757初夢(犯人だった):2006/12/24(日) 10:06:10.86 ID:/ZOAzlTM0
しえん
758なまはげ(悪い子はいねがー):2006/12/24(日) 10:06:11.49 ID:UzJlgkHN0
支援
759Break the World(第三話)8/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:06:16.52 ID:Kf70O2c90
「あたしは……キョンと一緒に居たい」
 俺はそのまま意識を失いそうな気さえした。ハルヒはもう決めている。
 この世界の数多の命よりも、俺と居る世界を選んだのだ。
 確かに、そんな想いがあったからかつての世界の改変も起きたんだろう。
 自分と、俺以外の全てを否定したあの灰色の世界。
 あの時と違うのは、元の世界に変える場所が無いって事。
「確かに家族や、皆の命を犠牲にしちゃうのは嫌だけど……でも」
「あたしは……それでもキョンと居たいの……」
「それは勢いとかじゃないのか?俺は世界の命を犠牲にしてまで必要なんかじゃ……」
「必要なのよ……。あたしには……キョンの方が大事……」
「ハルヒ……」
「新しい世界に行けば、ずっとキョンと居られるんでしょ? あたしは……その方がいい」
 自分をそこまでハルヒは想っている。世界の命よりも、自分の存在を選んでいる。
 それだけで俺は十分だった。ハルヒを抱きしめる。
 ハルヒも涙を流しながら、俺に抱きついてきた。これが生前だったらどんなに良かっただろう。
「ハルヒ……すまん」泣きながら、俺は告げた。
「え……?」ハルヒが一言だけ声を出す。
「俺は、やっぱりこの世界を残してやりたい」泣きながら、俺の想いを伝える。
「俺だってハルヒと一緒に居たい。消えちまうなんてまっぴらだ」
「世界のためだって言って自分の命を割り切れるほど俺は強い人間じゃない」
「だが、それでも俺が居たこの世界を消すなんて……俺にはできないんだ」
「キョン……」
 俺達は抱き合ったまま泣いていた。
760Break the World(第三話)9/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:06:36.02 ID:Kf70O2c90
「本当に……本当にすまん……ハルヒ」
「キョン……バカァ……どうしてよぉ……」
 理論的に説明なんてできなかった。確かに俺がそこに戻れないのは残念だ。
 まだまだやりたかった事だってあるし、せっかくハルヒと通じた想いも消えてしまう。
 それだけでも耐え難い苦痛ではあった。だが、ハルヒと二人の世界のために、
 俺が今まで楽しく過ごした人生の拠り所を壊してしまうのは、自身の否定とも思えた。
「でもな、ハルヒ……決めるのはお前に任せるよ」
「え……?」
「いつだって決めるのはお前だったろう?」
「キョン……」
「俺はこの世界を残したい。でもお前が新しい世界に生きたいなら、俺は黙ってついていくよ」
「あ、あたしは……」
「いいんだ。お前がやりたいように……やってくれ」
「でも、それじゃ」
「お前が決めることが、俺の決定だよ。俺は自分の考えを言っただけだ」
「キョン……キョン……」
 俺を抱きしめる腕に力が入る。
 それでいい。俺はあの時だって、結果としてはハルヒの願望より元の世界に引き戻すことを選んだ。
 世界の為なんて大それた事は言わない。あれはほとんど俺自身のためだった。
 ハルヒにしてみれば自分の理想を壊された事だとも言えた。あれがハルヒの望んだ世界なのだったら。
 だから、今回はハルヒに任せよう。責任放棄と思われるかも知れないな。
 実際俺には選びかねる選択だ。結果を受け入れる事だって覚悟だろう。
 今回ばかりは万能宇宙人の長門にすら干渉できない世界だ。俺一人で出来ることなんて無い。
 ハルヒと二人で、選べる未来は結局一つなのだから。
761初夢(犯人だった):2006/12/24(日) 10:06:43.64 ID:/ZOAzlTM0
しえん
762Break the World(第三話)10/10 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:07:00.11 ID:Kf70O2c90
「本当に……あたしが選んでいいのね?」
「ああ、お前が選ぶ結果なら、きっと正しいさ」
「ありがとう……キョン」
 そう言って笑顔を作るハルヒはやはり愛おしかった。
「しかし、間もなく世界崩壊って感じが全然無いな」
「そうね、まるで嘘じゃないかって思うわ」
 部室の窓から校舎を見ると、ポツリポツリと生徒が見える。
 今日は天気も良いし、気温も中々暖かいと言えるくらいだ。
 平凡な日常が目の前にはある。世界が壊れる前だってのに。
 もっと地震が起きてるだとか、空が変な色だとかって状況だと、
 また感じるものも違うのだろうにな。なっても困るか。
「とりあえず、決めたらあの爺さんを呼べば良いらしいが、どうやってやりゃいいんだ?」
「あたしに言われてもわかんないわよ。キョンこそ何か知らないの?」
「いや、あんなのが出たこと事態初めてだしな」
「ちょっと!! 人がせっかく腹括ったんだから! 出てきなさい!」

「そんなに大声を出さずとも、ちゃんと届いているよ」
 また後ろから声がした。振り返るとそこには"代弁者"が居た。
「何よ、居るんだったらさっさと出てくればいいのよ」
「心に迷いがあるといけないのでね。……その様子だと、心は決まったのだね?」
「ええ、決めたわ」
「……良かろう。それでは聞かせてもらおうじゃないかね」

「君達二人の命を代償にして、君達の居た世界を残すか」

「君達二人の居た世界を代償にして、君達の新しい世界を創るか」

 ……ハルヒの選択に、世界の命運がかかった瞬間だった。
763初夢(犯人だった):2006/12/24(日) 10:08:15.92 ID:/ZOAzlTM0
乙! まだ読み終わってない.....。
>>3 みてまとめ要請お願い。
764なまはげ(悪い子はいねがー):2006/12/24(日) 10:08:38.13 ID:UzJlgkHN0
くぅ〜寸止めGJ!続き気になる・・・
765初夢(犯人だった):2006/12/24(日) 10:10:12.16 ID:/ZOAzlTM0
GJ! 続きwktk!
うまい!
766初夢(二日酔い):2006/12/24(日) 10:10:37.32 ID:2bOdX1PdO
乙!
そこまできたら最後まで……orz
767Break the World ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/24(日) 10:10:49.11 ID:Kf70O2c90
ここまでです。支援感謝!
勢いで作成開始したは良いけど、中身を付けていく度合いがわからなくなったorz
なんかgdgdになりかけている作品だけど、最後まで頑張るorz
あと一話で完結するけど……どうやって話まとめようか……

(自分を追い込むための)次回予告
遂にハルヒが運命を選ぶときが! ハルヒの選択は?
キョンの思いは? 世界はどうなるんだ!?
次回「Break the World」第四話 ― 笑顔 ―
その笑顔は誰が為に! 心の隅で期待してくださいorz
768書初め(焼肉定職):2006/12/24(日) 10:17:45.82 ID:RoJ/gDVW0
>>767
GJ!
これからしょっちゅう覗きこみに来る事に決めますた。
769おせち(150j):2006/12/24(日) 10:25:27.60 ID:ftta0S66O
保守
770猪(ドラム):2006/12/24(日) 10:35:16.77 ID:HZQUKPds0
>>740
Noが500超えたら保守ageすればいいと思うよ
普通にVip内でハルヒ検索すれば出てくるのは10スレぐらいだし…
771初夢(二日酔い):2006/12/24(日) 10:37:37.53 ID:2bOdX1PdO
ていうかsage進行にするならテンプレに入れたがいいんじゃないか?

ageでも構わないと思うが
772書初め(焼肉定職):2006/12/24(日) 10:56:26.14 ID:RoJ/gDVW0
保守。
773猪(ドラム):2006/12/24(日) 10:57:51.54 ID:HZQUKPds0
>>771
定期的に荒らし沸くからなぁ…
そのときはsage進行にしたりはするけど

まあ、非常時以外はどっちでもいいけどな
環境によりsageの方がやりやすい(専ブラのsage仕様)
とかもあるから好きな方でいいと思う
774初夢(犯人だった):2006/12/24(日) 10:59:18.80 ID:/ZOAzlTM0
>>770,771
このあたり、議論が分かれるなら雑談所で議論しないとなあ。
勝手にテンプレに書くと反発食らうよ。ここはわりと
「民主的に運営しましょう」ってスレだからさ。
たとえば、

Noが500まではsage進行
Noが500超えたら保守ageする

とテンプレに書くという提案をするとか。
まあ、俺は「500」って数はよくわかんないけどな。
>>740 に書いたようなジレンマはあるわけだし。

775初詣でころんだ:2006/12/24(日) 11:14:11.65 ID:XDVeXvRA0
hosyu
776猪(ギター):2006/12/24(日) 11:29:37.83 ID:XIjb0NDYO
保守
777書初め(給料倍増):2006/12/24(日) 11:43:44.17 ID:RoJ/gDVW0
ほしゅ。
778猪(ボーカル):2006/12/24(日) 12:03:19.00 ID:lXYsNkifO
保守
779おせち(200円):2006/12/24(日) 12:04:59.88 ID:DLMpzrBk0
ハルヒシリーズ新作2作同時発売「疾走」「煩悶」
http://vippers.no.land.to/mtbbs2/test/read.cgi/x/1162998910/l50
780おみくじ(既知):2006/12/24(日) 12:07:12.12 ID:4amlgKTdO
長「…わたしの住居に無断で侵入しようとした赤い服をきた老人を捕縛した」
キョ「!?」
長「どうすればいいか指示を」
781書初め(点滴必要):2006/12/24(日) 12:09:30.01 ID:RoJ/gDVW0
キョ「ハルヒの元へ連行しろ。後の指示は彼女から仰げ」
782猪(子持ち):2006/12/24(日) 12:21:49.99 ID:4amlgKTdO
長「了解した」

-ハルヒ宅-
長「…というわけなので指示を」
ハ「でかしたわ有希!!で、現物はどこなの!」  長「そこ。どうしたらいい?」
783おみくじ(既知):2006/12/24(日) 12:22:53.68 ID:4amlgKTdO
あっすまん
ここはプリンだったか
保守ついでとおもってくれ
784ナースと初詣:2006/12/24(日) 12:24:42.13 ID:RQ0wc8o00
エログロじゃ無きゃ俺は許す
785歯科助手と初詣:2006/12/24(日) 12:28:37.24 ID:XDVeXvRA0
支援
786 ◆04fRh0UG7U :2006/12/24(日) 12:56:36.16 ID:B0WyKAk50
久々ですが短いのいっときますよ。
今日はイヴですねぃ
787猪(入れ歯):2006/12/24(日) 12:57:48.80 ID:x/WGc0lr0
wktk
788プリン作戦 ◆04fRh0UG7U :2006/12/24(日) 12:59:18.59 ID:B0WyKAk50
「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

 今日はクリスマスイブ。
 ってわけで今年も去年と同様、盛大なクリパが行われていたのだが。
 なんだ? 俺が食ったのは、今日お前が買ってきたクリスマスケーキだけだぞ?

「違うわよ! ケーキの上に小さなプリンが乗ってたでしょうが!
 その部分を食べたでしょって言ってんの!!」
 
 まだ半分以上残っているケーキを指差しつつ、さっきより声を荒げるハルヒ。
 フォークに刺していたケーキの欠片が床に落ちてしまったことにも気づかず、
 朝比奈さんは困ったような顔をして、俺達を交互に見ている。

 ああ、あれか、確かに食ったな。うまかったぞ。

「うまかったぞ、じゃないわよっ! あれはあたしが最後に食べようと
 楽しみに取っておいたのに!」
 そうだったのか、それは悪い事をしたな。
 だがまだ残ってるじゃないか、それを食べればいいだろ?

「何言ってんの! あたしはあのプリンの部分が食べたかったのよっ!」
 あ〜もうっ! どうしてくれんのよ!」

 頭を掻き毟りながら俺をにらみつけてきた。
 どうでもいいが、そうやっている間にも、長門がどんどん残りのケーキを平らげていっているぞ。
「わかったわかった、どうすればいい?」
789猪(ボーカル):2006/12/24(日) 12:59:51.54 ID:lXYsNkifO
wktk
790プリン作戦 ◆04fRh0UG7U :2006/12/24(日) 13:00:25.19 ID:B0WyKAk50
 ハルヒは考えるそぶりも見せず、即答してきた。
「食べに行くわよ」

 ……これから、か?
「当たり前じゃない! あんたのせいなんだからね!?
 これを買った店まで行くわよ! もちろんあんたのオゴリでねっ!」

 やれやれ……

 座っていた席を立ち、俺は外に出る準備をしながら、
「わかったわかった、それじゃあさっさと行くぞ」

 そう言うとハルヒは一応納得したのか、
「それじゃあ、みんな行くわよっ! 支度しn……」
「ちょっと待て。ケーキが食べたくて困ってるのはお前だけだろ?
 だったら俺とお前だけで行ってくればいいだけの話だろうが。第一、俺の財布がもたん」

 そう言い放ち、さっさと部屋を出る俺。
「ちょっとキョン! 待ちなさいよ! 団長を置いていくなんて団則違反なんだからねっ!」

 そんな声が聞こえたが、聞こえないふりをする。
 そうやって階段のところまで進んだあたりで、後ろから大きな足音がしてきて、俺に追いついてきた。
791書初め(今年書くぞー):2006/12/24(日) 13:01:34.86 ID:lXYsNkifO
支援
792プリン作戦 ◆04fRh0UG7U :2006/12/24(日) 13:02:52.90 ID:B0WyKAk50
聞こえなかったのあんた!? 耳遠いんじゃないの!?帰ったらちゃんと耳掃除しなさいよね」

 けっこうひどいことを言いながら俺と歩を合わせるハルヒ。
 よく考えたら俺はハルヒが買ってきたケーキ屋の場所を知らないわけで。
 道案内よろしくな。

「わかってるわよ! ちゃんとついてきなさい、バカキョンッ!」
 肩を並べて夜の通学路を歩く俺とハルヒ。

 そろそろ付き合いも短くない、お前がプリン好きなのは、実はお見通しだ。

 ……ちょっと強引だったが、まぁいいだろ?
 
 作戦、成功!ってやつだ。



 おしまい。
793猪(ギター):2006/12/24(日) 13:04:07.07 ID:lXYsNkifO
GJ!

甘いねぇ…
794おせつ:2006/12/24(日) 13:05:21.80 ID:+YHTYUCG0
そしてプリンより甘い物を食らわせるということですね
795 ◆04fRh0UG7U :2006/12/24(日) 13:06:44.70 ID:B0WyKAk50
以上です。
ベタベタな感じもしますが、まぁ、クリスマスってことで……

短いですが支援ありがとうでした。
みなさん いい聖夜を。

聞こえなかったのあんた!? 耳遠いんじゃないの!?帰ったらちゃんと耳掃除しなさいよね」

↑コピペミスです
「聞こえなかったのあんた!? 耳遠いんじゃないの!?帰ったらちゃんと耳掃除しなさいよね」
796禁断の初詣:2006/12/24(日) 13:20:26.26 ID:XDVeXvRA0
>>795
GJですた!
797書初め(蛙の子は蛙):2006/12/24(日) 13:20:55.78 ID:RoJ/gDVW0
GJ!
こーゆーの好きだw
798猪(2ch中):2006/12/24(日) 13:21:59.83 ID:iP9uxCRwO
799初夢(正月からアニメ):2006/12/24(日) 13:43:30.49 ID:/ZOAzlTM0
>>795
乙、GJ!
>>3 みてまとめ要請よろ!
800 ◆04fRh0UG7U :2006/12/24(日) 13:46:48.14 ID:B0WyKAk50
>>799
了解です、いつもボランティア様任せですみません。
スキルがないもので……
801初夢(正月からアニメ):2006/12/24(日) 13:52:36.80 ID:/ZOAzlTM0
>>800
いえいえ、書く方が大変ですから。
まとめにあげるのは作業なんで。また投下、お待ちします。
802シイタケ:2006/12/24(日) 13:57:15.27 ID:V0ZhLSmK0
唐突に、冬休みに暇をもてあましているがまとめwikiが重くて作品一覧が開けない!
とお困りのそこのあなた!

そんなあなたにクリスマスプレゼント!
外部メニューを用意しましたので是非ご利用ください

http://haruhino.yu.to


機械的に抽出してhtml化しただけなので
検索機能はありませんのであしからず
803猪(イタ電中):2006/12/24(日) 13:59:25.63 ID:RLTWvVmQ0
>>802
おおこれすげえ、乙
804猪(ドラム):2006/12/24(日) 14:06:26.29 ID:lXYsNkifO
>>802
おぉ!乙です!
805書初め(点滴必要):2006/12/24(日) 14:07:22.90 ID:TQU5Cy8w0
今からクリスマスでキョン有希な話を書こうと思うんだが
誰か何かネタがあったらおくれ
806猪(スポーツマンタイプ):2006/12/24(日) 14:09:04.35 ID:RLTWvVmQ0
プレゼント

給料3ヶ月
807猪(vipper):2006/12/24(日) 14:12:17.36 ID:iP9uxCRwO
平日
図書館
服選び
808初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 14:15:24.75 ID:jJl5peub0
>>805
喧嘩

寝言
809初夢(猿の夢):2006/12/24(日) 14:18:46.79 ID:NWac8uie0
ロープ
蝋燭
網タイツ
810書初め(点滴必要):2006/12/24(日) 14:21:59.20 ID:TQU5Cy8w0
>>806-809
d
適当に組み合わせて書いてみるよ。
811おまえの番だよ:2006/12/24(日) 14:23:44.07 ID:fVU9QCGN0
>>810
をどう組み合わせるかwktk wwwww
812811:2006/12/24(日) 14:24:21.00 ID:fVU9QCGN0
安価ミス。
×>>810
>>809
813猪(ドラム):2006/12/24(日) 14:32:58.67 ID:lXYsNkifO
すげぇ作品になりそうだなwww

期待してますw
814クワイ:2006/12/24(日) 14:35:43.34 ID:V0ZhLSmK0
>>809-810
ちょwwwwクリスマスにどう組み込むんだよ!
wktkがとまらねえ
815 ◆2vQ3kRafwI :2006/12/24(日) 14:38:03.88 ID:BySWBb+i0
短いの投下していい?

クリスマス仕様の劇甘なやつ
816猪(おもらし君):2006/12/24(日) 14:39:25.17 ID:x/WGc0lr0
バッチ来い!
817VIP皇帝:2006/12/24(日) 14:39:39.89 ID:HZQUKPds0
>>814
IF世界に取り込まれて朝倉辺りに調教…される
って展開になりそうだ…


しかしこれは…プリンの守備範囲ではない希ガス
818 ◆2vQ3kRafwI :2006/12/24(日) 14:39:49.91 ID:BySWBb+i0
俺はハルヒに呼び出されて今日は日曜日だというの学校までやって来たのだが相変わらずこの坂はきついな。
一体何の用だ?クリパなら一昨日みんなでこの部室でやったしな……。
しかしあいつは今日この日に異性を呼び出すという事が世間一般ではどう受け止められるかわかってんのかね?
まぁあいつのことだ世間の常識なんかどうでもいいって感じかなんだろうかね?
おっと部室に到着だ、今日は一体何があるんだ。
サンタを捕まえるためにどこぞで張り込むとかそういう話だったら遠慮したいんだが……。
どれっと、デフォルトでノックしてしまう自分がかなしいね。

「キョンなの? ちょっとまってて」
ん? なんかごそごそやってるな。
「いいわよ、はいって」
あぁってハルヒよなんだその格好は……

ttp://www.asosbrigade.com/

「ばかねぇ、サンタに決まってるじゃない!」
サンタねぇ、ミニスカでヘソだしてセミビキニでウサミミ付けてか……。
一体何を考えてるんだこいつは……。

あぁハルヒそれで今日は一体何をするんだ?
「ちょっと話があるのよ、そこに座って」
その前に上着を脱いでいいか、どれと俺は椅子の背に上着をかけた。
で話ってなんだ? サンタを張り込むとかなら勘弁して欲しいんだが。
「となりいい?」
あぁ、って随分隣過ぎないか? なんだかハルヒの体温が感じられるくらいだし
それにこれだとハルヒの胸の谷間がその……こいつ結構胸あるんだよなぁ
やばい落ち着け俺、理性を保て……そうだ歴史の暗唱だ
三皇五帝、夏、殷、周、春秋戦国、秦、前漢、新、後漢、三国、東晋、南北朝、隋、唐、五代十国……
819 ◆2vQ3kRafwI :2006/12/24(日) 14:41:01.71 ID:BySWBb+i0
ハッハルヒあれだ、ちょっとくっつき過ぎじゃないかな?
「いいじゃない、だっだって寒いだもん」
だったら上になんか着ろ、大体なんでそんな格好なんだ?
「そんなの人の勝手よ……」
ってなんかさらに体を寄せてきたぞ、一体なんだんだ? ってハルヒはやわらかいなってやばい、落ち着け俺。
家康、秀忠、家光、家綱、綱吉、家宣、家継、吉宗、家重、家治、家斉、家慶、家定……

そっそれで話ってなんだ?
「えっ話? そう話よね。……おかしいわね、ミニスカサンタならキョンもイチコロだっていってたのに」

んっなんだいまのは? 俺がイチコロってどういうことだ? ここは天下一武道会の試合場か?
おい今の俺がイチコロって一体何の話だ?
「きっ聞こえてたのキョン……」
聞こえるも何も一体どうしたんだ? 今日のハルヒはおかしいぞ。どうしたんだ?ちゃんと話してみろ。

「……一昨日のクリパでアンタが寝てる時に谷口達があんたの好きなタイプを話しててアンタがミニスカサンタに超萌だって
 そうしたら古泉君がクリスマスの部室でミニスカサンタさんと二人っきりなんて男の夢とかいいだすし
 鶴屋さんは鶴屋さんであたしがミニスカサンタを着ないんだったらみくるちゃんに着せてアンタをとっちゃうっていうし……
 キョンったら有希とみくるちゃんとか他の子のことばかっりみてて……、そのあたしはアンタを他の子にとられたくなかったから……」

それで今日その格好な訳か? どこから突っ込めばいいんだか……やれやれだな。
どうりで俺が目覚めたあとのみんなの反応が微妙だったわけだ。
泣くなハルヒ、可愛い顔が台無しだぞ。
820初夢(猿の夢):2006/12/24(日) 14:41:20.59 ID:NWac8uie0
ちょww冗談だたのにw

>>815
甘〜いのを頼むぜ
821 ◆2vQ3kRafwI :2006/12/24(日) 14:42:17.96 ID:BySWBb+i0
あぁ……なんだハルヒ、お前はみんなに担がれたんだよ。
俺はミニスカサンタに超萌なんかじゃないしミニスカサンタ絡みの変な夢ももってないぞ。

「ちょっとそれどういうことよ、みんなあたしのこと騙したのね!」
まぁまぁハルヒそういうな、お陰で俺の夢がかなったんだからみんなにはお礼をいわないとな。
「なによそれさっぱりわかんない、あんたミニスカサンタ萌じゃないんでしょ」

ハルヒ、俺の夢はなクリスマスに好きな女の子から告白されるってやつなんだ。
どうやらさっきその夢がかなったらしい。ほら涙を拭け可愛い顔が台無しだぞ。
「そっそれって……」

ハルヒさっきの俺の夢には続きがあってな、告白のあと部室でその子とキスをするんだ。

「キョン……」

こういうときは目は瞑るもんだぞ、ハルヒ。

「んっ……」

二度目のキスは涙のせいかかなりしょっぱかった。

− お わ れ
822初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/24(日) 14:47:48.89 ID:2bOdX1PdO
GJ甘い!
823猪(ドラム):2006/12/24(日) 14:48:11.11 ID:lXYsNkifO
甘ぁぁぁぁぁぁい!

GJ!
824書初め(あの子にアタック):2006/12/24(日) 14:49:19.83 ID:RoJ/gDVW0
GJ!
甘酸っぱいw
825トリマーと初詣:2006/12/24(日) 14:50:11.28 ID:dhj3kivO0
おわれwwwwwww
826 ◆2vQ3kRafwI :2006/12/24(日) 14:53:28.93 ID:BySWBb+i0
リンクしてある画像が切れちゃうと話の意味がなくなっちゃうんでクリスマス期間限定ってことでヨロ。
wikiはあげなくていいっさ。
827初夢(猿の夢):2006/12/24(日) 14:55:49.58 ID:NWac8uie0
甘いなこりゃ
つーかハルヒ健気w
GJ
828のびたと初詣:2006/12/24(日) 14:59:12.94 ID:XDVeXvRA0
ハルにゃんかわいいよハルにゃん
829書初め(家内安全):2006/12/24(日) 15:02:26.19 ID:lXYsNkifO
wiki掲載無しか…

まぁ脳内保管で悶々としておこうwww
830猪(アイドル):2006/12/24(日) 15:05:11.58 ID:GZQvIeKO0
>>818にある動画クソワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
831810:2006/12/24(日) 15:07:04.64 ID:TQU5Cy8w0
2レスの短編だけど投下していいー?
あんまり盛り込めてないけど
832猪(ベース):2006/12/24(日) 15:13:44.36 ID:lXYsNkifO
カモン
 恋人の居る男なら、いや、女の人でもそうだと思うが、一度くらい恋人に渡すクリスマス
プレゼントを何にするか迷ったということがあるだろう。
 しかも付き合って一年目となれば尚更だ。
 加えて言うと俺の彼女さんはちょっと特殊な属性持ちと来ているので、普通の女の子が喜
びそうなもので喜んでくれるかどうかという意味では結構疑問があった。
 ちなみに下策と承知しつつ本人に訊ねてみたりもしたんだが、
「特に何も」
 という味気ない返答が帰ってきただけだった。
 味気なさの裏に何か別の感情が潜んでいたような気がしたんだが、残念ながら長門の表情
を読むのに長けてきたこの俺であっても、そのわずかな変化から完璧な正解を見出せるほど
の鋭い勘の持ち主というわけではなかった。
 というかそんなものが有ったら最初から迷ってなんかいないな。
「いや、何もってことは無いだろう」
「何も」
「いやだから、何かこう、」
「何も」
「そう言わずに……」
「……何も」
 ヤバイ、長門の声が少しずつ鋭くなっている。
 これはちょっとまずかっただろうか……、うーん、長門がこうなるとこれ以上聞き出すっ
てのは難しいよなあ。ああしかし、クリスマスプレゼントのことで喧嘩になるなんて馬鹿み
たいだよな。いや、喧嘩というより長門が一方的に不機嫌になっているだけのような気もす
るんだが。
「長門……」
「今日はもう寝る。あなたも寝るべき。……寝てから改めて考えるべき」
 長門さん、あなた今口調はともかく声の響きがすっごく命令調な気がするんですが?
 とまあ、そんなわけで俺達は寝ることになった。
 長門の家であるマンションに俺が泊まるって形なんだが、寝るのは同じ部屋だ。
 仲良く並べられた二つの布団。そう、二つの。
 今のところ俺達にそれ以上の進展は……、いやまあそのなんだ、人生焦っても仕方ないよ
な!
「なあ、長門。……って、寝ちまったよなあ」
 すやすやと聞こえてくる規則正しい寝息を聞きながら、俺は小さくため息を吐いた。
 そのため息には幸福と、所謂『やれやれ』みたいな感じが半々、いや、7:3くらいで詰
まっていると思ってもらえればよろしいだろう。
「……ん、うん……」
 吐息の合間から、寝言めいた言葉が聞こえる。
 こういうときの長門は可愛いよなあ。
「……ん、給料三か月分」
 まて、長門、それは本当に寝言か?
 大体給料って言ったって俺はまだ大学生の身の上だからバイトしかしていないし、そもそ
も給料三か月分ってのはクリスマスではなくてだな、
「の、図書カード……」
 ……。
 ……。
 ……いや、もう、なんていうか、ツッコミどころ満載過ぎて突っ込めないってのはきっと
こういう時のことを言うんだろうな!
 本当、これ以上ないくらいの長門らしい要求だよな……。しかし給料三か月分なんて単語
はどこから出てきたんだろうな。やっぱりあれか、あれなのか? 
 いやいやまさか、俺達はまだ大学なわけだし……、まあ、そんな先のことは良いか。
 今はとりあえずプレゼントだな。しかしバイト代三か月分……、6桁かよ。
 大学生にとっては荷が重い数字だが、仕方ない、ここは頑張って工面してやるか。
 可愛い長門のためだもんな。

 終わり
835 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/24(日) 15:17:02.33 ID:TQU5Cy8w0
プレゼントと給料三か月分と喧嘩と寝言しか消化できてないけど、まあ、こんな感じで。
タイトル決まらなかったのでどなたかつけていただけると嬉しいです。
あと、wikiには自力であげておきます。
836猪(ベース):2006/12/24(日) 15:19:26.54 ID:lXYsNkifO
GJ!

図書カードw
長門らしいぜwww
837コンブ:2006/12/24(日) 15:23:09.29 ID:V0ZhLSmK0
>>821 
甘々だぜGJ!!


>>834
給料三ヶ月分のケーキ噴いたwww 
838年賀状(配ってます):2006/12/24(日) 15:23:17.68 ID:6j4rMe9v0
GJ!!

長門有希の要求
とか?
839 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/24(日) 15:29:35.70 ID:TQU5Cy8w0
>>838
かぶるタイトルはないみたいなのでそれ貰っておきますー。

残りのネタの分とか、他カプとかは、
書けそうだったらまたあとで投下しに来ます。
840猪(ベース):2006/12/24(日) 15:50:27.17 ID:lXYsNkifO
wktk保守
841おせち(3,000円):2006/12/24(日) 16:09:05.35 ID:XIjb0NDYO
保守
842猪(メイド服):2006/12/24(日) 16:41:58.31 ID:lXYsNkifO
保守
843寿老人(じゅろうじん):2006/12/24(日) 16:43:11.77 ID:80UIpDgt0
844福禄寿(ふくろくじゅ):2006/12/24(日) 16:48:27.47 ID:UzJlgkHN0
>>843
な長門ぉぉぉぉ!!!!!


ありがとう・・・・
845黒豆(四粒):2006/12/24(日) 17:03:51.27 ID:bn2EdMB6O
みくる「暇です」
846年賀状(あたり):2006/12/24(日) 17:14:13.85 ID:6j4rMe9v0
DQ5って、時間移動を生かしたストーリーが出てくるね。
今更思い出した。
847看護士と初詣:2006/12/24(日) 17:21:31.39 ID:X2Kbl1JO0
ギップルに殺意が沸いた保守
848猪(メイド服):2006/12/24(日) 17:23:07.52 ID:nN73LcOBO
ホモは同性愛者の総称、ゲイは男の同性愛者を指すでいいんだよね?
849猪(右利き):2006/12/24(日) 17:26:25.34 ID:RLTWvVmQ0
アナルで聞けば専門科が教えてくれる


あとレズは女の同性愛者で
850凧(帰省中):2006/12/24(日) 17:28:06.89 ID:/ZOAzlTM0
>>826
画像は
http://www.uploader.jp/user/harussdat/images/harussdat_uljp00029.gif
にuploadしましたが。著作権もろ違反なんでまずいと思ったら削除してください。
パスワードはharuhiです。
で、なんだったら、この画像へのリンク込みでSSをwikiに上げていただいてもいいのでは....


かってなこといってすみません....。
851猪(右利き):2006/12/24(日) 17:29:39.23 ID:RLTWvVmQ0
パスワードは無いな
852凧(帰省中):2006/12/24(日) 17:31:55.99 ID:/ZOAzlTM0
>>843
おもしろい!乙!

853凧(帰省中):2006/12/24(日) 17:33:26.45 ID:/ZOAzlTM0
>>851
削除は
http://www.uploader.jp/home/harussdat/
へ行き、右下の
delete No. pw
で行います。
854猪(右利き):2006/12/24(日) 17:35:20.73 ID:RLTWvVmQ0
ああ削除のパスか、悪い
855年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/24(日) 17:48:12.19 ID:QmzVsVpV0
うん?まとめwikiの長編→キャラごとのページが表示されない?
856凧(帰省中):2006/12/24(日) 17:52:49.77 ID:/ZOAzlTM0
>>855
重いからね
>>802 をみてね。代替手段。
857年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/24(日) 17:53:57.39 ID:QmzVsVpV0
>>856
d!前100レス程度はログを読むべきだったな すまん
858おせち(30,000円):2006/12/24(日) 18:13:50.96 ID:ddvr8HRk0
保守
859おせち(8,000円):2006/12/24(日) 18:30:12.23 ID:XIjb0NDYO
保守

きょうは人が少なくなるんだろうか
860黒豆(六粒):2006/12/24(日) 18:33:48.45 ID:ftta0S66O
俺はそろそろ名駅に逝かねば…保守任せたぞ
861年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/24(日) 18:35:54.01 ID:6j4rMe9v0
今夜中に投下できるよう、鋭意書いてます。
……ひとりでワインあけて、ケーキ食べながら。

そんな保守。
862おせち(8,000円):2006/12/24(日) 18:39:07.23 ID:XIjb0NDYO
wktk

保守と支援ならまかせろ
863お年玉(現物支給):2006/12/24(日) 18:45:18.90 ID:pCJXthil0
Amazoneのオタクストアが酷すぎる件
864猪(ギター):2006/12/24(日) 18:49:09.90 ID:dDTXm2CB0
konozamaか・・・・
どうせ

萌ぅえ〜♥

とか書いてあるんだろ
865おせち(3,000円):2006/12/24(日) 18:56:48.36 ID:lXYsNkifO
酷いな…
866猪(ドラム):2006/12/24(日) 19:04:22.01 ID:dDTXm2CB0
ハルヒワロタwwww
867おせち(10,000円):2006/12/24(日) 19:18:41.92 ID:XIjb0NDYO
保守
868おせち(5,000円):2006/12/24(日) 19:38:36.07 ID:lXYsNkifO
今日、覚醒の人来るかな?

保守
869凧(100連):2006/12/24(日) 19:52:22.74 ID:/ZOAzlTM0
しらん内に冬企画短編に投下が。
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1165158602/9-11/
作者自らバラしているがこの設定はのSSはどっかでみたことあるな。
どこだか忘れたけど。いずれにせよ、GJだぜ!
870おせち(12,000円):2006/12/24(日) 20:02:01.53 ID:XIjb0NDYO
保守
ほんとに人がいねえ…
871おせち(8,000円):2006/12/24(日) 20:04:12.33 ID:lXYsNkifO
まぁ昨日保守を任されたからね。
872凧(ひとりぼっち):2006/12/24(日) 20:05:40.31 ID:/ZOAzlTM0
クリスマスだからなあ。
873年賀状(来なかった):2006/12/24(日) 20:09:28.44 ID:UzJlgkHN0
保守
874おせち(8,000円):2006/12/24(日) 20:10:37.08 ID:lXYsNkifO
それに休日も重なってるしね…

まぁ残りレス数が少ないっとのもあるかもしれないけど。
875猪(青詐欺):2006/12/24(日) 20:14:58.65 ID:mB4ial9n0
名無しに喧嘩を売る糞コテがいました。
これはヒドイ・・・

227 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/12(火) 08:48:35 ID:???
あ?名無しの分際で驕るな

301 名前:はじめまして名無しさん[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 18:17:38 ID:???
ろんりー ◆Lonely.K5c 2006/12/13(水) 18:13:09.23 ID:Mw3zfxSxO
あれ?
俺って花レベルに邪魔コテじゃね??
俺ってネットでもリアルでも要らないコじゃね????

312 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/14(木) 00:55:42 ID:???
>>296
あーちょっと困るよー困るよチミ!!!!
コテつけて活動するってのはなああああああ個人情報垂れ流しでネット上をさまよってるって事なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
1日限りの単発IDのいち名無しとは背負ってるリスクがちげーんだYOこのマヨネーズがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺たち結構頑張ってルンDAKARAコテを蔑ろ(ないがしろ)←ふりがな にしちゃ駄目だぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
つまり何が言いたいかってYOUと、特定とか本当怖いんで勘弁してくだしあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんでかっつーと名無しよりコテの方が偉いから!!!!わかったら日本中の年末ジャンボ買い占めて来いやwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それじゃあお前らwwwwwwwww良いお年をwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

http://life7.2ch.net/test/read.cgi/intro/1161622413/l50
876パティシエと初詣:2006/12/24(日) 20:24:32.82 ID:XDVeXvRA0
仕事オワタ\(^o^)/
877おせち(12,000円):2006/12/24(日) 20:34:08.06 ID:XIjb0NDYO
保守
878覚醒の人 ◆0qzco1.0p6 :2006/12/24(日) 20:34:41.76 ID:eqpw/gk0O
>>868
ごめん……無理。
クリスマスなのに仕事だよ……チクショウ。
年内には続きを投下したいな…。
879おせち(8,000円):2006/12/24(日) 20:40:12.83 ID:lXYsNkifO
>>878
仕事なら仕方ないさ。

wktkして待っておきますよ。
880おせち(15,000円):2006/12/24(日) 21:01:10.64 ID:XIjb0NDYO
保守
881猪(メイド服):2006/12/24(日) 21:10:27.14 ID:dDTXm2CB0
人生\(^o^)/オワタ
882書初め(蛙の子は蛙):2006/12/24(日) 21:11:07.14 ID:XsymINA/0
はじまってすらいねぇよ
883巫女と初詣:2006/12/24(日) 21:12:17.78 ID:hmE0BGE8O
明けましておめでとう
884黒豆(万粒):2006/12/24(日) 21:12:28.09 ID:RvMb1AzN0
始まる前に終わってやがるぜ
ホント地獄
885猪(メイド服):2006/12/24(日) 21:14:09.50 ID:dDTXm2CB0
このまえの発想か
886黒豆(九粒):2006/12/24(日) 21:16:07.24 ID:ftta0S66O
うはwwクリスマスイブに別れ話ktkrwwwオワタwwww
887お年玉(げんこつ):2006/12/24(日) 21:16:30.97 ID:TQU5Cy8w0
ネタに詰まった・・・今からキョンみくクリスマス短編を書くんで
誰かもしよければネタプリーズ
888おせち(8,000円):2006/12/24(日) 21:20:26.75 ID:nN73LcOBO
手作りケーキ
889書初め(蛙の子は蛙):2006/12/24(日) 21:23:32.53 ID:XsymINA/0
860 名前:黒豆(六粒)[sage] 投稿日:2006/12/24(日) 18:33:48.45 ID:ftta0S66O
俺はそろそろ名駅に逝かねば…保守任せたぞ

886 名前:黒豆(九粒)[sage] 投稿日:2006/12/24(日) 21:16:07.24 ID:ftta0S66O
うはwwクリスマスイブに別れ話ktkrwwwオワタwwww


3時間の間に天国から地獄へ
890婦警さんと初詣:2006/12/24(日) 21:27:21.84 ID:XDVeXvRA0
>>887
逆に考えるんだ、新たな出会いの始まりだと考えるんだ
891猪(メイド服):2006/12/24(日) 21:27:26.73 ID:dDTXm2CB0
オワタwwwwwwwwwwww
892猪(おもらし君):2006/12/24(日) 21:27:54.17 ID:Mr46uPkA0
ID:ftta0S66O カワイソス(´・ω・`)
893”管理”人と初詣:2006/12/24(日) 21:28:10.05 ID:2j09fpe70
>>887
手編み
眼帯
ろうそく
894おせち(12,000円):2006/12/24(日) 21:28:18.56 ID:z65KdbjsO
>>886
どんまい………
895婦警さんと初詣:2006/12/24(日) 21:28:24.77 ID:XDVeXvRA0
うはwwwwwww安価ミスwwwwwwwwwwwwwwwwww

>>886
896旦那と初詣:2006/12/24(日) 21:29:34.34 ID:uNcqyMGN0
ハルヒ画像来てる

http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1165602199/71-

みんな、サンタさんにお礼のコメントよろしく
897お年玉(げんこつ):2006/12/24(日) 21:32:24.30 ID:TQU5Cy8w0
>>888
>>893
d
ちょっと用事が入ったので遅くなるかもだが、今夜中には投下できると思う
898黒豆(九粒):2006/12/24(日) 21:33:50.28 ID:ftta0S66O
>>887
ツリー飾り付け




>>890>>892>>894
d…クリスマスプレゼントのネックレス無駄になっちまったぜ。谷口のこと笑えないな…w
899お年玉(げんこつ):2006/12/24(日) 21:35:32.73 ID:TQU5Cy8w0
>>898
それも貰っておこう
みんな何時もありがとな。

あんたも大変そうだけど、頑張れ。
900書初め(蛙の子は蛙):2006/12/24(日) 21:46:04.97 ID:wZj4U3Rr0
ho
901猪(おもらし君):2006/12/24(日) 21:48:54.53 ID:Mr46uPkA0
ho←尻尾立てた猫に見える
902おせち(10,000円):2006/12/24(日) 21:51:11.26 ID:lXYsNkifO
ID:ftta0S66O
●<僕が慰めてあげましょう。
903黒豆(八粒):2006/12/24(日) 21:51:41.08 ID:bn2EdMB6O
どどんまいwwwwwwww
904お年玉(Wii):2006/12/24(日) 21:53:03.13 ID:RoJ/gDVW0
>>901
鬼才wwwww
905家出娘と初詣:2006/12/24(日) 22:02:53.92 ID:2j09fpe70
sage
906白菜:2006/12/24(日) 22:10:08.47 ID:zBg/gadFO
15レスくらい借ります。
907家出娘と初詣:2006/12/24(日) 22:10:56.40 ID:2j09fpe70
支援
908おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:12:18.04 ID:lXYsNkifO
wktk
909キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:12:43.73 ID:zBg/gadFO
季節外れの怪談物、かな?
バッドエンドです。
では。

 蝉の声が少しうっとうしく感じる七月の中旬。
 あたしは今度の夏休はどこへ行こうか、なんて考えながら部室に向かっていた。
 部室前に着き扉を開けて中に入ると誰もいなかった。
 んー、よく考えるとあたしが一番乗りって珍しいわね。
「キョンは掃除当番だからいいとして、みんなどうしたのかしらね?」
 つぶやきつつ部室を見渡すと目が本棚に吸い寄せられた。
 そこにあったのは一冊の雑誌。なんて事はない見た目だけどあたしは手に取ってみた。
「『怪談スポット・今日之村』?
有希がこんな本を読んでいた記憶はまったくないわ」
 あたしは団長席に座ってページをざっとめくってみた。


 中身はよくあるオカルト話だった。
その今日之村って廃村で幽霊を見たとかそんな感じの。
 でも記事によるとこの村、ここから近いみたい。
 そうね、今度の旅行はここで百物語なんてどう?
 うん、それに決定!
「ところで、なんで誰もこないのかしら?」
「それは君が『あっち』から『こっち』に紛れ込んできたからだよ」
 突然、後ろで声がする。
 男とも、女ともつかない声。
 誰? いつこの部屋に入ってきたの?
910おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:13:23.47 ID:lXYsNkifO
支援
911キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:14:03.29 ID:zBg/gadFO
「その村、気になってるみたいだね」
 その声の位置があたしの横に移動する。
 まだ動いてる。このままだとあたしは声の主の顔を見なければいけなくなる。
 その事になぜか言い様もない恐怖を覚えたあたしは思わず目をつぶった。
「来たいならば来ればいい。そうすればきっと……」
 とうとう声はあたしの前から聞こえるようになった。
「タノシイヨ」
 あたしは目を開いてしまった。声がキョンのものに変わったから。
 目を開いたあたしの目の前にいたのは……。
 背中から血を流して、笑いながらナイフをあたしに向けているキョンだった。

――絶叫。

 そしてあたしは『目を覚ました』。
 目の前にはあたしの顔を覗き込んでいるキョンがいた。
「目が覚めたか、ハル……いでっ!」
 あたしはあの夢の中のキョンを重ねてつい目の前のキョンを殴ってしまった。
 我に帰って周りを見ると呆然とした顔のみくるちゃんに、
 ほんの少しの驚きの表情を見せる古泉君に、いつもと変わらぬ有希がいた。
「いてぇな。突然なんだ」
 立ち上がったキョンがあたしを見ながら言った。
 あたしは正直に悪夢を見ていたことを話して謝ろうとした。
912おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:14:43.03 ID:lXYsNkifO
支援
913キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:15:03.10 ID:zBg/gadFO
「ふん、あんたが人の寝ている隙によからぬことを企むからよ」
 あれ、なんで思ってる事と反対の事を言ってるんだろう?
「誤解だ」
 心外だといった顔でキョンが抗議する。
「じゃあ、なんで寝てるあたしの顔を覗き込んだのよ!?
あわよくば、って考えてたんでしょ、このエロキョン!」
 本当はそうだといいんだけど、この鈍いキョンに限って、ね。
「何もやましいことなんかない。ハルヒがうなされてたから気になっただけだ」
 あたし、うなされてたんだ……。
「ふーん。まあ、そういうことにしといてあげるわ」
 あたしのこと心配してくれたみたいだし。
「ところで、涼宮さん。その雑誌は?」
 古泉君が机の上にある雑誌を指差す。
「これ? これは今度の夏合宿の候補地よ!」
 古泉君が少し意外そうな顔をしていた。
「企画なら言ってくれればやったのですが」
「いいのよ。ここ、ものすごく面白そうなのよ!」
 キョンがゲンナリしている。全くこいつはいっつもこんなのなんだから……。
「異論ある人はいる? 夏休明けなら聞いてあげるわ」
 キョンは溜め息をつく。なによ文句あるなら言ってみなさいよ。
「夏休明けにな」
 要するに賛成ってことで良いのよね。
914書初め(外に出たい):2006/12/24(日) 22:15:45.89 ID:lXYsNkifO
支援
915キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:16:45.30 ID:zBg/gadFO
「『賛成』以外の俺の意見がお前に採用されたためしがあるか?」
 確かに前例はないけど、ないんだったら作れば良いのよ。頑張りなさい。
「へー、へー」
「気の抜けた返事ねぇ。
じゃあ、夏休み初日からかっ飛ばして行くわよ!」
 こうしてあたしたちの夏休みは始まった。


「遅い、罰金!」
 夏休みの初日。やっぱり最後に来たのはキョンだった。
 本当にこいつはやる気あるのかしら?
「いつも通り喫茶店で奢りか?」
「そんな時間が勿体ないことはしないわ。駅弁で許してあげる」
 キョン小声でやれやれって言ってる。
「ところで、俺たちが行く所は廃村なんだよな? 宿はどうするんだ?」
 そんなことあんたに言われなくてもちゃーんと分かってるわよ。
「大丈夫よ。一泊二日・徹夜で百物語ツアーだから!
それに、古泉君に寝袋持って来てもらってるから空き家で寝ればいいでしょ」
「……は?」
 キョンの間の抜けた声が聞える。
 みくるちゃんはが首をかしげながら訊く。
「あのー、百物語って?」
「知らないの?」
「ええ、知りません。千一夜物語の親戚ですか?」
「全然違うわ。百物語はね……」
「あー、取り込み中悪いんだが、俺たちは何やらひどくワイルドな一夜を過ごす予定なのか?」
916おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:17:52.58 ID:lXYsNkifO
支援
917キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:18:23.35 ID:zBg/gadFO
 当然じゃない。
「やれやれ」
「あんた、布団じゃなきゃ眠れないなんてこと言わないわよね」
 そんな甘ったれた根性だったらあたしがたたき直してあげるわ。
「別にそんなわけじゃない」
「ならいいじゃない」
 長期休みには必ず何かあったから、きっと今度も何かあるわ。
「さあ、みんな。出発よ!」


 いよいよ目的の村に到着……なんだけど。
「なあ、ハルヒ」
「うるさいわね、何よ!」
「これのどこが廃村なんだ?」
 それはあたしが訊きたいぐらいよ! 責任者は誰?
 分かったらただじゃおかないから!
 なんで普通に人がいるのよ!?
「まあ、少し村の人に話を訊いてみませんか?」
「わかったわ」
 んー。……あ、あそこのおばあちゃんにしよう。
「すいません」
「何かようかい?」
「ここって今日之村ですよね?」
「そうさね」
 おばあちゃんが年の割に鋭い目であたしたちを見ている。
「見たところ学生さんみたいだが、こんな何もない所に何しに来た?」
「この近くに心霊スポットの廃村があるって聞いて来たんです」
 そう言うとおばあさんの眼光が一段と鋭くなる。
「ほう、奥の村に行くのか」
「奥の村?」
918おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:18:59.56 ID:lXYsNkifO
支援
919キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:19:41.19 ID:zBg/gadFO
 おばあさんが指で指し示した所には大きな鳥居と深い森があった。
「あの中にあった村の事だよ。……悪いことは言わないから、帰りなされ」
 そんなこと言われて引き下がれるわけないじゃない。
「その村には何かあるんですか」
 古泉君が横から話しにはいってきた。
「あそこは場所が悪い。正気の者は近付いてはいかん場所じゃよ」
 不思議を前に引き下がる気なんてこれっぽっちもないわ。
「お嬢ちゃん。この村の名前の由来を知っとるかね?」
 唐突におばあさんがあたしに訊く。
 今日初めて来たあたしがそんなこと知ってるわけないじゃない。
「昔は別の字を当てていたんじゃよ」
 そう言って落ちていた木の棒で地面に一つ文字を書いた。『境』と。
「この村はもともと奥の村と外の世界との境界の役目をしていたんじゃよ。
なぜか分かるか?」
 あたしたちは首を横に振った。
 おばあさんがふうと一息つく。
「あそこが狂っている場所だからじゃよ」
 そう言ってまた別の一字を地面に書いた。
「『狂之村』。それが奥の村の正しい名前じゃよ。
あそこでは狂っていることが正しくて、理性的であることが狂気と見なされる。
例えば、」
 古泉君を指差す。
920凧(中華風):2006/12/24(日) 22:20:16.17 ID:/ZOAzlTM0
shien
921キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:20:48.61 ID:zBg/gadFO
「そこの坊主がお嬢ちゃんを好きだったとしよう。でも、」
 そう言いながら今度はキョンの方を指した。
「お嬢ちゃんはこっちの坊主と付き合っていた」
「そんなこと……」
 あたしが思わず反論するとおばあさんが遮った。
「例えじゃよ。
外の世界ではそっちの坊主が身を引くんだろうが、あの村では違う。
あの村では彼氏を殺してでもお嬢ちゃんを奪おうとする。
そうなったときお嬢ちゃんはどうすると思うかね?」
 顔をくしゃくしゃにして笑うおばあさん。
「こう言うのさね。『そこまであたしを思ってくれてるのね、嬉しい』と。
そして二人は幸せに暮すんじゃよ。横たわってる死体と一緒に」
「……」
 冗談じゃないわよ。狂ってる。
「言ったじゃろあそこは狂った場所だと。それでも本当に行くのかね?」
 なかなか怖いじゃない。これは本当に何か起こるかも。
「行くわ! だってあたしはそんな不思議を求めて来たんだもの」
「あれは不思議ではない。ただの狂気じゃよ。
どうしてもと言うなら一つだけ忠告じゃ」
 そう言っておばあさんはあたしたちを見た。
「こっちの世界で理性的な者ほどあの村では狂いやすい。
そうだな、坊主が一番危ないの」
922凧(中華風):2006/12/24(日) 22:20:54.33 ID:/ZOAzlTM0
shien
923キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:22:06.72 ID:zBg/gadFO
 古泉君を見ながらそう言った。
「一人目が狂えば二人目からはあっと言う間じゃよ。
誰か狂い始めたら、その子はおいて逃げなされ。それがあんたら全員のためじゃ」
 あたしはそんな薄情な真似はしないわ!
「……そこまで言うんだったら止めんよ」
 おばあさんはまるで誰かみたいにやれやれと言った。


「ねえ、みんな。さっきの話しどう思う?」
「よくある民間伝承だろ」
 とは、キョン。あんたってどうしてそんなに無感動なの?
「非常に興味深い話です。
なぜ、その村は狂気を理性と呼ぶのか。そもそも何をもって狂っていると言うのか……」
 と、延々と語り続けそうな古泉君。
「……」
 と、歩きながら本を読む有希。
「涼宮さん……、帰りませんかぁ? この森気味が悪いですよぉ」
 と、早くも半泣きのみくるちゃん。
「何言ってんのよみくるちゃん。まだ予定の一パーセントもこなしてないのよ!」
 ふと、あたしの目に古びた鳥居が映った。
「あれが入口でしょうか」
 古泉君があたしの言いたかったことを口にした。
「そうみたいだな」
 どこか緊張したようにキョンが言った。


 村に入った後は適当なぼろやに荷物を置いて、昼食の準備をした。
924おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:22:47.01 ID:lXYsNkifO
支援
925家出娘と初詣:2006/12/24(日) 22:22:49.93 ID:2j09fpe70
支援
926凧(中華風):2006/12/24(日) 22:23:04.24 ID:/ZOAzlTM0
shien, ハロウィン!の人か。よくそう続けてかけるなー。
927家出娘と初詣:2006/12/24(日) 22:23:06.20 ID:2j09fpe70
支援
928キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:23:23.84 ID:zBg/gadFO
「野外炊飯なんて何年ぶりだろうな」
「ええ、全く同感です」
 上手に包丁を扱う古泉君と、調理係りから早々に離脱して火を起こすキョン。
 プロ顔負けの包丁さばきの有希に、やっぱりお茶担当のみくるちゃん。
 賑やかなのはいい事だわ。


 和やかに午後の時間が過ぎて行き、日も暮れ始めた頃あたしたちは夜の準備をしていた。
「なあ、本当にろうそく百本でやるのか?」
「当たり前じゃない!」
 やるからには王道を貫かないとね。
「単純計算で一人あたり二十話だぞ? そんなに話の持ち合わせはない」
 本当に情けない奴ね。
「じゃあ、有希に聞いときなさい。あの子なら怪談の百や二百は知ってるでしょ」
 そう言うとあっさり引き下がるキョン。入れ替わりに古泉君が、
「涼宮さん、ろうそく立て終わりましたよ」
「ありがと、古泉君。後は夜に備えといて」


 そして、深夜十二時。百物語が始まったわ。一番手はとーぜんあたし!
「皆さんは知っていますか、鏡にいるもう一人の自分の事を……」
 さすがに百個全部羅列するわけにもいかないから割愛するわ。
 有希の淡々とした口調で語られた怪談が一番秀逸だったって言っておくわ。


 「……終わりです」
929おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:23:53.40 ID:lXYsNkifO
支援
930家出娘と初詣:2006/12/24(日) 22:24:06.75 ID:2j09fpe70
鬱もの弱い俺があああああああああああああああああ!!
支援
931キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:24:40.28 ID:zBg/gadFO
 今の古泉君ので九十九話目。ろうそくは後一本。トリを飾るのは、
「それじゃ、最後は俺か」
「あんたが? ……ちゃんと怖い話じゃないと駄目よ」
「……ひぃっ」
 もう完全に参っちゃってるみくるちゃん。
「安心しろ。とっておきだから」
 そう言って咳払いするキョン。
「それはある夏の日の出来ごとだった……」
「私は彼とある村に泊まることになりました」
 みくるちゃん……?
「そこで俺は同郷の友人に出会った」
 キョンとみくるちゃんが交互に、
「彼の友人と私は一時期、交際していました」
「その友人が言ったんだ」
 突如、古泉君が話に加わる。
「この村にはある言い伝えがあります。森を抜けた先には狂気の土地がある、と」
「そこは待っている」
 さらには有希までも。
「理性の国から人が迷い混んで来ることを」
「入り込んだが最後もう誰も出られない」
「あなたもその一人」
 四人があたしを囲む。ちょっと、いつの間にこんな打ち合わせしたのよ?
932凧(中華風):2006/12/24(日) 22:24:55.40 ID:/ZOAzlTM0
乙、GJ,常連だから言うこと無いと思うけど
慣習にしたいからいっとく。
>>3 みてまとめ要請よろ!
933キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:25:43.26 ID:zBg/gadFO
『ようこそ狂之村へ』
 突然百本のろうそくに火がともる。
 その火に照らされた四人は……。


「イヤァァァァァッ!」
 あたしは声の限り叫んだ。誰かが肩の辺りを叩いている。
「……です……だい……やさん、大丈夫ですか? 涼宮さん?」
 あたしは体を起こした。いつの間にか日が差していた。
「良かった、目が覚めたみたいですね」
 そこにいたのはいつも通りの古泉君だった。
「あたし……?」
「九十九話まで話し終えたと思ったらお前が寝てたんだよ」
 隣りからキョンの声が聞こえる。
 あれは……、夢?
「随分、うなされてたな。さっき水汲んで来て裏に置いてあるから顔でも洗って来い」
「うん」


 あれは夢? やけに生々しかったわ。思い出しただけで寒気がする。
 顔を洗って帰ろうとすると、途中で古泉君にあった。
「もう大丈夫ですか?」
「ええ」
「良ければ、どんな夢を見ていたのか教えていただけませんか?」
 それはちょっと無理。
「そうですか……」
 残念そうに言う古泉君。
「あなたを苦しめる物なんてあってはいけませんよ」
 ニコリと笑う古泉君。なのに背筋を何かがかけ上がった。
934凧(中華風):2006/12/24(日) 22:25:50.93 ID:/ZOAzlTM0
すまん、終わりと勘違いした。
935キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:26:46.01 ID:zBg/gadFO
「僕はあなたを守りたい。あなたを苦しめる物は全て排除してみせますよ」
 ちょっと、古泉君?
「気付いたのですよ。僕はあなたが好きだ。あなたはどうなのですか?」
「そんなこと、突然言われても困るわ」
 キョンの間抜け面が浮かぶ。
「……やはりそうですか。彼なのですね。あなたが好きなのは。
そうだ! 彼がいなければ僕を好きになってくれますか? なってくれますよね?
……ふふふ、ここで待っててください。すぐ済みますから」
 ぶつぶつつぶやきながら走り始める古泉君。その手にはナイフが握られていた。
 今更になってあたしはあのお婆さんの話が真実であることを悟った。
 キョンが危ない。


 あたしが古泉君に追いついた時、もう古泉君はキョンのすぐ後ろにいた。
 振りかざされるナイフ。あたしはさけんだ。振り向くキョン。あたしは目を閉じた。
 何の音もしない。


 次に目を開けた時に見たのは、二人のあいだに入った有希だった。
「古泉一樹、何をしている?」
 古泉君からナイフをもぎ取る有希。その場に崩れ落ちる古泉君。
「長門、ありがとう」
 どうにか最悪の事態は避けられたみたい。
「どどうしたんですかぁ?」
936凧(中華風):2006/12/24(日) 22:26:58.62 ID:/ZOAzlTM0
しえん
937キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:28:11.15 ID:zBg/gadFO
 かけて来るみくるちゃん。
 あたしは早めにここを立ち去ることをみんなに提案した。
「そうだな。古泉のこの様子じゃ、あの婆さんの話も嘘じゃないらしい。
出るなら早いに越したことはない」
「古泉君、ここ出れば治るかな?」とみくるちゃん。
 あたしもそうであって欲しいわ。
「残念ながらそれはないな。なにせこいつはここを出られないからな」
 吐き捨てるキョン。
「どういうこと?」
 キョンはあたしの方を見てとても爽やかでおぞましい笑顔を見せた。
「俺はハルヒが好きだ」
 突然の告白。あたしの頭は真っ白になった。
「……だから、ライバルは減らさないとな」
 何て、言ったの?
「それにこいつは俺を殺そうとしたしな」
 有希の手からナイフを奪うと古泉君に襲いかかるキョン。
 有希は素早くキョンを後ろから押さえたあとあたしに言った。
「逃げて」
「長門、はなせ」
 わめくキョンを無視する有希。
「でも……」
「二人はわたしが対処する。あなたは……」
 後ろに人の気配。
「涼宮さんはいいなあ。キョン君にそこまで思われてて……」
「みくる、ちゃん?」
 いつものほんわかとした声でみくるちゃんは言った。
938凧(中華風):2006/12/24(日) 22:28:18.73 ID:/ZOAzlTM0
しえん
939キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:29:14.39 ID:zBg/gadFO
「涼宮さんがいなければきっとキョン君はあたしを見てくれますよね?」
 みくるちゃんもなの? もう、嫌……。
「村を出れば元に戻る。急いで」
 決して強い口調ではないのに説得力のある有希の台詞。
 あたしは駆け出した。
「逃げないでくださいよぅ」
 ナイフ持ったみくるちゃんって怖い!


 あたしは走った。体力には自信があったけどもうへとへとになっていた。
 しかも後ろからは息一つきらさないでみくるちゃんが追いかけて来る。
「どうなってんのよ!?」
 そんな鬼ごっこももうすぐ終わる。目の前に鳥居が見えた。
 気が緩んだあたしは後少しの所で石に躓いた。
「ふふ、追いつきましたよ」
 振りかざされるナイフ。


 けどそれが振りおろされる事はなかった。
 突然倒れるみくるちゃん。後ろにはキョンと古泉君を担いだ有希がいた。
 どうやったか知らないけど二人を担いでココまで走って来た上に
 みくるちゃんを気絶させたみたい。
 すっかり安心したあたしはその場で意識を失った。


 次にあたしが目を覚ました所は古びた家屋の中だった。
「お、起きたな」
 キョンの声がする。
「ここはどこ?」
940凧(中華風):2006/12/24(日) 22:29:21.74 ID:/ZOAzlTM0
しえん
941牧師と初詣:2006/12/24(日) 22:29:53.90 ID:zwcPOzrV0
支援
942キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:30:41.85 ID:zBg/gadFO
「あの婆さんが奥の村って言ってた所だな。到着するなりお前が気絶したんだ。
喉乾いてないか? 水でも持ってきてやるぞ」
「ありがと、お願い」
「じゃ、ここで待ってろ。……おい、長門。水あるか? え? いや、いいって。取りに行くから」
「有希、何だって?」
「水を持ってくるっていってた。お前にも聞こえるくらいの声だと思ったけどな」
 あたしには有希の声が聞こえないのにキョンには聞こえるらしい。妬ましい。
「長門に任せっ放しも何だし俺が持ってくるよ。ちょっと待ってろよ」
 立ち上がるキョン。
――行かないで。

「何か言ったか、ハルヒ?」

 行かないで、あたし以外の女の所に。
 有希やみくるちゃんの所に。
「何を言い出すかと思えば……。すぐ戻ってくるって」
 嫌よ。
「少しおかしいぞ、ハルヒ。嫌な夢でも見たんだな」
 キョンがあたしに背を向けて言う。
「……そうね。でもあんたがどうしてもあたしから離れて行くって言うなら――」
 視界の端にナイフが見えた。
「あんたを殺してでも止めるわ」
 背を向けたキョンにナイフを突き刺した。
「あんたはあたしから離れちゃ駄目なのよ?」
 倒れていくキョンに一言、一言、言い聞かせた。
943凧(中華風):2006/12/24(日) 22:30:59.59 ID:/ZOAzlTM0
しえん
944おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:31:07.14 ID:lXYsNkifO
支援
945キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:31:34.90 ID:zBg/gadFO


 ココは狂之村――。
 狂気こそが唯一の理性である所。
 一人の少女が今日も幸せそうに笑っている。
 物言わぬ亡骸のかたわらで……。
FIN.
946凧(中華風):2006/12/24(日) 22:32:07.07 ID:/ZOAzlTM0
GJ,乙、あんた、多才だな。。。。
947書初め(外に出たい):2006/12/24(日) 22:32:57.70 ID:lXYsNkifO
うわぁぁぁぁ!

乙です…
ヤンデレ…なのか…?
948ナースと初詣:2006/12/24(日) 22:33:15.29 ID:XDVeXvRA0
koeeeeeeeeeeeeeeeee!

でもGJ!
949巫女に初詣:2006/12/24(日) 22:33:16.00 ID:hmE0BGE8O
世にも不思議な物語みたいだなw
乙!
950牧師と初詣:2006/12/24(日) 22:33:25.51 ID:zwcPOzrV0
951950:2006/12/24(日) 22:34:07.14 ID:zwcPOzrV0
次スレ立ててくる!それまでごゆっくり〜
952キョウノムラ ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:34:13.94 ID:zBg/gadFO
以上です。
支援ありがとうございました。
なんて言うか、テスト、クリスマスとイライラがたまっていたらしい。反省はしてるorz

wikiには後で自分であげときます。
953家出娘と初詣:2006/12/24(日) 22:34:26.55 ID:2j09fpe70


鬱は俺苦手だorz
954凧(中華風):2006/12/24(日) 22:35:25.94 ID:/ZOAzlTM0
>>952
クリスマスがいらいらのもととは。青春だな。
......
そろそろ、次のスレたては?
955牧師と初詣:2006/12/24(日) 22:39:37.32 ID:zwcPOzrV0
956おせち(12,000円):2006/12/24(日) 22:41:51.52 ID:lXYsNkifO
埋めますか
957 ◆EqlMeG/bH. :2006/12/24(日) 22:42:36.88 ID:zBg/gadFO
>>932
分かりづらくてすいません。
投下した後に勘違いされるかもと思ったが後の祭りでしたorz


感想感謝です。
あと、鬱物嫌いな人達ゴメンよ。
俺テストの後は嫌いだけど書きたくなるんだよ、鬱物。
どうみても八つ当たり(ry
958書初め(大器晩成):2006/12/24(日) 22:42:41.77 ID:XIjb0NDYO
>>952
GJ! バッドエンド系のやつは久しぶりに見たからなんか新鮮だったぜ
959黒豆(四粒):2006/12/24(日) 22:43:15.85 ID:OYXHiGAm0
あー、ひたすらキョンが黒かったり病んでるSSが読みたい
こんな俺は病気ですか?
960牧師と初詣:2006/12/24(日) 22:46:20.63 ID:zwcPOzrV0
>>959
よぉ!!俺!某SS職人さんのヤンデレ見てると黒キョンは見てみたくなるよな
プレイボーイなキョンがいい
961凧(中華風):2006/12/24(日) 22:46:35.06 ID:/ZOAzlTM0
>>959
ここにいるやつは多かれ少なかれみんな病気。
たとえば、誰かが児童虐待とかしてそいつがここの常連だったりしたら、
一発で「SS書き=精神病」ってことなるぞ、きっと....。
962姫初め:2006/12/24(日) 22:48:27.43 ID:pCJXthil0
お前ら今日明日とカップル板行ってみろ。目から汗が出てくるぜ
963年賀状(♂だらけ):2006/12/24(日) 22:50:55.58 ID:UzJlgkHN0
>>962
こんな時間にカプ板にいる奴らもVipperじゃないかなぁ・・・
964書初め(大器晩成):2006/12/24(日) 22:52:09.58 ID:XIjb0NDYO
カップル板が本領発揮するのはクリスマスが終わった26日以降だぜ……
965猪(左利き):2006/12/24(日) 22:53:53.17 ID:RxGpQ5V70
>>964
俺たちと違って
現実世界で用事が有る連中の
巣窟だからな。
966おせち(200円):2006/12/24(日) 22:54:10.79 ID:dDTXm2CB0
いまだにそんなこといってるのかお前ら
967姫初め:2006/12/24(日) 22:57:44.02 ID:pCJXthil0
>>966
諦めたらそこで試合(人生)終了ですよ
968猪(倉庫係り):2006/12/24(日) 22:58:03.18 ID:mfqpWb7u0
異性系以外ならなんでもござれの俺にとって
この程度鬱でもなんでもないぜ
969おせち(3,000円):2006/12/24(日) 23:01:10.18 ID:dDTXm2CB0
ホモ乙
970おせち(15,000円):2006/12/24(日) 23:04:54.30 ID:lXYsNkifO
埋めね?
971おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 23:06:16.89 ID:XIjb0NDYO
埋めようか
972初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 23:06:24.66 ID:sHTu7iqDO
諦めたらそこで
                ヘ(^o^)ヘ 人
                   |∧   
                  /
                        /
                   (^o^)/ 生
                  /(  )
                / / >
   
          (^o^) 三
          (\\ 三 シュッ
          < \ 三

    \
    (/o^) オワタ
    ( /
    / く チクッ!
   △△△△

             ◎
    
         ◎     ◎
            ◎
     ◎    ◎  ◎    ◎
            ◎
       ◎     

            ◎
   
      ティウンティウンティウメ
973おせち(1d):2006/12/24(日) 23:07:02.15 ID:HZQUKPds0
埋め立て埋め立て
974おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 23:07:26.51 ID:XIjb0NDYO
うめ
975おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 23:08:00.80 ID:XIjb0NDYO
うめ
976おせち(15,000円):2006/12/24(日) 23:08:08.54 ID:lXYsNkifO
埋め
977おせち(15,000円):2006/12/24(日) 23:08:29.43 ID:lXYsNkifO
埋め
978おせち(15,000円):2006/12/24(日) 23:08:50.32 ID:lXYsNkifO
埋め
979書初め(子孫繁栄):2006/12/24(日) 23:08:54.63 ID:XIjb0NDYO
うめ
980巫女と初詣:2006/12/24(日) 23:08:55.61 ID:XDVeXvRA0
981おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 23:09:22.58 ID:XIjb0NDYO
うめ
982書初め(大願成就):2006/12/24(日) 23:09:29.31 ID:lXYsNkifO
埋め
983おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 23:09:53.91 ID:XIjb0NDYO
うめ
984書初め(大願成就):2006/12/24(日) 23:10:10.56 ID:lXYsNkifO
埋め
985猪(24才):2006/12/24(日) 23:10:29.09 ID:n1fXpbKm0
うめ
986初夢(声優とデート):2006/12/24(日) 23:11:03.89 ID:2bOdX1PdO
今更乙GJ!
ヤンデレってか怪談か?

埋め
987初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 23:11:24.72 ID:sHTu7iqDO
988おせち(15,000円):2006/12/24(日) 23:11:57.01 ID:lXYsNkifO
埋め
989おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 23:12:15.33 ID:XIjb0NDYO
梅うめえ
990おせち(15,000円):2006/12/24(日) 23:12:22.11 ID:lXYsNkifO
埋め
991初夢(声優とデート):2006/12/24(日) 23:13:43.37 ID:2bOdX1PdO
埋め
992初夢(見るの忘れた):2006/12/24(日) 23:13:52.96 ID:pCJXthil0
苺たけぇ
993初夢(勝ち組だった):2006/12/24(日) 23:14:06.75 ID:sHTu7iqDO
994おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 23:15:18.38 ID:XIjb0NDYO
ヴァー
995巫女と初詣:2006/12/24(日) 23:15:51.95 ID:XDVeXvRA0
うめ
996猪(体臭きつめ):2006/12/24(日) 23:16:22.97 ID:AvAJpWkf0
a
997初夢(声優とデート):2006/12/24(日) 23:16:31.66 ID:2bOdX1PdO
1000ならクリスマス気分払拭投下
998おせち(30,000ウォン):2006/12/24(日) 23:16:42.05 ID:XIjb0NDYO
1000
999初夢(見るの忘れた):2006/12/24(日) 23:16:45.56 ID:pCJXthil0
1000なら一人でも大丈夫
1000猪(黒板係り):2006/12/24(日) 23:16:46.96 ID:mfqpWb7u0
1000なら古泉は鶴屋家の婿養子
10011001
 *     +    巛 ヽ
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   *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ!
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        /    ! +    。     +    +     *         http://ex17.2ch.net/news4vip/
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 ガタン ||| j  / |  | |||
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