【君を】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【忘れない】
1 :
猪(ボーカル) :
2006/12/21(木) 00:06:11.55 ID:nDyJ13Ne0
2 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:06:36.13 ID:nDyJ13Ne0
・『原則「コテ」禁止』
コテハンの人の書き込みが悪いんじゃなくてコテを付いてるということが荒れる原因になりやすいので原則コテは禁止で。
・スレ・作品と関係ない雑談は控え、気に入らない作品や書き込みはスルーお願いします。
・非常時はまずWikiや雑談所で状況を確認してください。(本スレの消失など)
・投下するときは「○○ネタだから注意」とか「○○系につき苦手ない人スルーよろ」などと付けた上、さらにNGワード指定するなどの各自配慮をお願いします。
例:yuriyuri(百合) sinineta(死) uhouho(男色) guroino(グロ)
・長編でレスを大きくまたぐとき(前回の投下は
>>51 で今回は
>>462 とか)や前スレから の続きはタイトルやあらすじ、アンカー等付けると読者に優しい職人になれる。
・なるべく自分でWikiを編集できるようになりましょう。どうしても編集できない場合は雑談所の掲載状況スレで依頼しましょう。(簡単な説明の項目の通りである程度できます)
・性的描写はエロパロで。(投下するなら少年誌レベルぐらいまで)
・投下混雑時以外の「投下いいかな?」は不要。投下終了後の「やっぱグダグダだったorz=3」とかも不要。もっと自信持って投下しよう!
(目安として:投下ラッシュは大体22時前後。それ以外なら特に混む事は無し。)
・投下時、他の人と被るが嫌なら投下前のログの再取得は必須!
・未来アンカーやリレー小説はスレストの原因になったり投下し辛い空気にしたりするので控えてください。
・上記の他、Wikiの「簡単な注意事項」を読んだ上、分からない質問などは
>>1 のリンクから行ける雑談所やWikiでお願いします。
3 :
猪(ピーマンきらい) :2006/12/21(木) 00:06:41.51 ID:n3c6QGRE0
あそぶ
4 :
お年玉(現物支給) :2006/12/21(木) 00:11:20.10 ID:VA81Ie5lO
5 :
猪(♀) :2006/12/21(木) 00:14:06.01 ID:ckjP1ati0
6 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:14:06.92 ID:nDyJ13Ne0
さて、【夜空を駆ける】【流れ星】
>>308 の続き
幸〜FOREVER MEMORYS〜の続きを投下
NGワードはsinineta
感想下さった方々に感謝
そしてスペル違うんじゃ?という質問
スペル?何それうまいの?
スペル間違いなんて……気にしない
全然気にしない
スペル違うなんて半年以上も気にしてたりしないんだからっ!
7 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:14:28.55 ID:nDyJ13Ne0
>>6 第十六話 「魔」
「はぁ……」
正直、僕は暇である。
此処は病院、つい最近僕が入院した病院だ。
今は正午、誰もお見舞いに来れるような時間帯ではない。
水銀燈は僕と一緒に居たいとはいうものの
僕がいつ死ぬかわからず、その日まで学校を休むという訳にもいかない。
僕はもうすでに退学してある。
もう行けるような体じゃないからだ。
何か……面白い事でもないだろうか?
……無いな。
病院にそんなものがある筈がない。
僕は病院の廊下をひたすら歩く。
散歩の時間までもが最近は制限されている。
肺に負担をかけるからだと。
ほんとに厄介だなぁ……。
……いっそ白兎が見えるようになったら暇しないんだけどな。
白兎。
白崎さんが死に際に見たと言う者。
もうこんな体なのだから僕にも見えそうなんだけどな……。
8 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:14:55.04 ID:nDyJ13Ne0
>>7 自分の病室への帰路へつく。
散歩時間は非情にももう終わりだ。
全く、少しぐらい自由にさせて欲しい。
自分の病室、周りには重病患者ばかりが居るという。
自分と同じように癌の人やその他の病気の死に近い人が多いという。
最も、自分と同じ位の歳の子などは居なく
大体は中年や、或いはそれ以上の老人ばかりだ。
こんな若くてこんな所に居る僕は珍しいんだろうな。
……ん?
個室の病室のドアが看護婦によって開かれ
そこから一人の少女が見える。
髪は腰辺りまで伸びていて黒色。
体は細く、いかにも死にかけのような感じだ。
こんな子居たのか。
……この子ももうすぐ死んだりするのだろうか?
もしかしたら水銀燈の言っていた子かもしれない。
気になる、気になる。
水銀燈は僕が死ぬことを悲しんでくれる。他の友も悲しんでくれる。
けど、“死の恐怖がわかる人間は誰も居ない”。
その気持ちは同じく死に近い人しかわからない。
……ちょっと話してみたいな。
僕はそんな事を考える。
看護婦が出て行ったら……ちょっと入ってみるか。
見ず知らずの少女の部屋に入るなど普通なら言語道断だろうがこの際いいだろう。
9 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:15:16.98 ID:nDyJ13Ne0
>>8 看護婦が出て行く。
少し待つ、看護婦が遠くまでいくのを見て……よし。
僕は部屋に近付く。
ノックをする、返事は無い。
……入って良いのだろうか?
僕は考える。
ノックを無言で返されるという反応は初めてだからだ。
さて、どうすれば……。
「あなた誰?」
前を見る。
病室のドアを中から開けて一人の少女が出てきている。
さっき見た少女だ。
「看護婦さんなら返事が無くても入ってくるけど。君は入院患者?」
「え、あ、うん。この近くの個室に入院している」
一瞬驚いたような表情を少女は浮かべる。
そりゃそうだ、この辺のフロアは重症患者ばかりなのだから。
つまりは僕も重症という事が理解できるだろう。
少しきょとんとしたかと思うと少女は微笑む。
10 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:15:40.08 ID:nDyJ13Ne0
>>9 「入って、色々お話してみたい。私は柿崎メグね」
「あ、ぼ、僕は桜田ジュン。よろしく」
予想外にも自分の思い通りになる。
計算違いは相手から進んで僕を招き入れた事ぐらいだ。
まぁ結果オーライというやつか。
僕はそんな事を思いながら中へ入る。
質素な部屋、見舞い品のひとつもなくただの白に支配されている。
純粋、純白、まさにこの言葉が似合っていた。
「座って」
少女……柿崎さんが指差す小さな椅子に座る。
からからと点滴台を側に寄せる。
「なんで入院してるの?」
直球。
オブラートもくそもない。
このフロアの患者にそういう風に聞くなんて……。
まぁ、この子も同じフロアの患者だからいいか。
「肺がん、あと三ヶ月持てばいい方だって」
「……怖くないの?死ぬの」
11 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:16:01.74 ID:nDyJ13Ne0
>>10 「怖いな、ほんとに怖い。ほんと恐ろしい」
恐怖が消えることはない。
今尚、僕から死という恐怖は消え去る気配を見せなかった。
「へぇ、私はいつ死ぬかわかんないんだ」
「……と言うと?」
「心臓病、生まれた時からもうすぐ死ぬよとばっか言われてもうわからない」
……生まれた時から?ずっと?
「はぁ……いつ死ぬんだろうな、覚悟も何も出来ないんだよ」
限られた時で僕は必死に生きようとしている。
正確にいつ死ぬかはわからないがそれでも少しの間頑張る気にはなれる。
柿崎さんはそれさえも出来ないのか……?
「ジュンは恋人とか居るの?」
「……ああ」
「じゃあ悲しまない?恋人」
「とんでもなく悲しむな、……年甲斐もなく二人で泣いた事もあるし
「良い恋人だな」
「ああ、自慢の恋人だ」
12 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:20:49.86 ID:nDyJ13Ne0
>>11 「じゃあ悲しいでしょう?お別れ」
「……ああ」
「けど幸せだったんだよね?」
「……ああ、とても一杯幸せを貰った」
「少し、羨ましいな」
柿崎さんは笑ってる顔を少しゆがめてそう言う。
しかし、また笑顔となる。
悲しい、悲しい笑顔。
「私なんか君が初めてじゃないかな?」
「何が?」
「同じ歳ぐらいで話したの。
此処に来るのはおじいさんとかばっかだから」
確かに。
実際に平均年齢は五十以上あるかもしれない。
僕は異例だ。
まだ十代なのにこんな所に入院するなんて普通は無いだろう。
「恋人、友達、言葉でしか知らない」
「……」
「欲しいとは少し思うんだけどね、十何年間も思ってたね。
些細な願いだけど、どうせ死ぬんだから」
13 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:21:13.62 ID:nDyJ13Ne0
>>12 自分も死ぬ。
それは変わりはない。
けど、自分は“幸せ”を知っている。
“思い出”がある。
けど、柿崎さんにはない。
「柿崎さん」
「メグでいいよ」
「……メグは死ぬのは怖いのか?」
「全然」
あっさりと言いのける。
笑顔からは確かに恐怖が感じられない。
なにか違和感を感じるけど。
「けど寂しいな」
「と言うと?」
「少しくらい思い出作りたかったかも」
かも、とは言ってるけど本心なのだろう。
……ほんとにこの子は死の恐怖がない。
けど寂しさ、少しは残ってたんだろう。
14 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:21:45.93 ID:nDyJ13Ne0
>>13 「そうだ、初めて会ったけどジュンの事は覚えとくよ。
少しぐらい思い出欲しいしね」
僕とメグとは初対面。
ただ初めて会った相手との会話でさえ
そんな普通の人ならすぐ忘れるような事でさえメグは忘れないようにしている。
僅かでも思い出が欲しいから。
「……」
少しして、僕は口を開いた。
民謡か何かで聴いただけの曲。
それを口ずさんでいた。
「からたちの……花が咲いたよ……」
「……?」
「白い白い……」
少しして歌い終える。
“思い出の曲”。
確か……からたちの歌だったかな?
ただ童謡のようにリズムだけは覚えている、そんな曲。
15 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:22:16.64 ID:nDyJ13Ne0
>>14 「なにそれ?」
「からたちのうた、“思い出の曲”」
「へぇ……いい歌だね」
「だろう、ぱっとしない曲だけど頭によく残る。
良ければ“思い出”にしてくれ」
死に近い僕から死に近いメグへのプレゼント。
考えてみると変わってるな。
「ありがと」
メグは一言そう言った。
笑顔を浮かべて、どことなく嬉しそうな気がした。
少しはこれで寂しさが紛れるだろうか?
紛れるといいな。
「これで少しは寂しさがなくなるよ」
「そりゃよかった」
「ほんとありがとね」
メグはそう言うと僕に唇を重ねる。
ずっと入院しているせいか知らないけど
恐らく純粋なこれは感謝の気持ちだろう。そう思うものの僕は戸惑ってしまう。
16 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:22:46.55 ID:nDyJ13Ne0
>>15 「!!!」
「ほんとにありがとね」
……水銀燈としかキスした事無かったんだけどな。
ノーカウント。
そう言うことにしておこう。
水銀燈に知られてる訳ではないが勝手に自分の中でそう審判を下す。
「お、驚くよ……」
「なんで?」
「だって……」
そこで言葉が止まる。
状況が把握出来なくなったからだ。
この病室はメグと僕との二人きりの筈。
しかし、いつの間にかもう一人居る。
明らかに異質さを感じさせる黒のスーツにシルクハットと杖。
それだけでも怪しいが……顔は兎だ。
「お、お前……」
間違いない、白兎だ。
見えるようになるとは……体が弱ってる証拠だな。
17 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:23:42.18 ID:nDyJ13Ne0
>>16 「ラプラスさん」
メグがそう言う。
え?誰の事だと思い目線を追うと白兎に視線を注いでる。
なぜ見えるんだ?疑問を浮かべるがそれは案外早く解ける。
そうだ、この子も死に近いのには変わりないんだった。
見えるのは道理か。
「おやおや?少年とあなたが会うとは」
「ジュンも見えるんだね」
「え……と言うより今見えるようになったな」
「成る程成る程、その身向かうは冥土へと。
私が見えるようになりましたか」
「ああ……名前なんて無いんじゃないのか?
こいつはただの“思想”か何かだって」
「おや?よく知っていますね。名前無い故に全ての名を持つ。
まずで水のようでどの形にでも化けれるのです」
「つまり?」
「わたしがラプラスって名付けてるんよ。可愛い名前でしょ」
「……」
「あなたも好きなようにお呼び下さい」
……ラプラスね。
外見に合わずほんとに可愛い名前だ。
じゃなくて。
18 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:24:56.53 ID:nDyJ13Ne0
>>17 「お前は神様か何かか?」
「神、悪魔、光、闇、存在、色んな言い方で人は呼びますね」
つまりは何でもか。
……あの世の使いだっていうのだからこいつは悪魔。
悪魔だな、こいつは悪魔だ。
「悪魔か」
「そう思っていただいて結構」
「“ラプラスの魔”」
「ほう?」
「魔だ、魔。ラプラスの魔だお前は。あの世の使いだからな。悪魔だ悪魔、魔だよ」
「天使じゃなく魔だと?」
「生憎、天国に逝けるような柄じゃなくてね」
神様はどうも僕を嫌っている。
あの世があるかは知らないが
あって、行くとしたら間違いなく地獄だな。
つまり、こいつは“ラプラスの魔”だ。
こいつの嫌な性格にお似合いだな。
ラプラスの魔が死の原因という訳じゃない。
ただ僕は僕は怒りをぶつけたかった。
「変な名前になったねラプラスさん」
「結構、名を求める事はありませんので」
「はぁ……」
19 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:25:44.32 ID:nDyJ13Ne0
「“折角ですからあなたの身近な人の前では “ラプラスの魔”と名乗っときましょう” そっちの方が“後々”皆さん言いやすくなると思いますしね」 「後々?」 「ずっと後の事です、死んでからのお楽しみという事で」 「へ……よろしくお願いしますラプラスの魔」 「よろしく」 かなり嫌味ったらしく言ったがなんの反応も無しだ。 この悪魔……ラプラスの魔が見えるようになったという事は逆に 見えなくなくなる事も無いだろう、 目障り、という言葉が似合うな。 「そういえばジュンは結婚しないの?」 「……は?」 突如メグが言い出す。 いきなり過ぎて何を言ってるのか一瞬理解に困った。 「あ、あのさ……」 メグは詳しい法律とかも知らないのだろうか?
20 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 00:26:20.33 ID:nDyJ13Ne0
>>19 「生憎、まだ歳が足りないんだ」
「で?」
「で?と言われても……」
「関係あるの?」
「……」
「よく聞くよ、“愛は縛られない”って。
決まりとか関係あるの?
好きだったらするんじゃないの?」
「……」
愛は縛られない……本か何かで見たのだろうか?
何ともくさく甘い台詞だ。
けど、メグの言ってる事に反論できない。
正しいといえば正しい。
けど……けど……。
僕は素直にメグの意見に完敗した。
そして、メグの意見はもっともだと思った。
“愛は縛られない”
短く、重いその言葉は僕に一つの考えをもたらそうとした。
21 :
VIP皇帝 :2006/12/21(木) 00:26:56.90 ID:nDyJ13Ne0
此処までです。。読んでくださった方々に感謝
22 :
猪(加齢臭) :2006/12/21(木) 00:28:25.55 ID:HWtutxgPO
TBS 12/22(金) 26:59〜 ウィンターガーデン&ローゼンメイデンオーベルテューレ前編 12/23(土) 26:45〜 ウィンターガーデン&ローゼンメイデンオーベルテューレ後編
23 :
猪(禁欲中) :2006/12/21(木) 00:29:54.14 ID:ApqCSrRM0
>>1 乙&投下
「一つ屋根の下 第九十二話 JUMと玉子焼き」
カチャカチャと金属がぶつかり合う音がする。音の方を見れば、真紅姉ちゃんが丁寧にステーキをナイフで
切り、自分の口元に運んでいる。実に優雅だ。さすがは誇り高いローゼン家の娘だ。
誇り………
「はぐはぐはぐはぐはぐ!!!!もむもむもむもむ……うんうん、やっぱりお肉ですよね。」
「もきゅもきゅ……もきゅもきゅ……きらきー……食べすぎだよ……」
「ふふっ、今日は練習で疲れたから沢山食べないとねぇ〜。リミッター解除よぉ〜♪」
高い………
「あー!!翠星石ったらまたヒナが持ってきたの食べちゃったの!ひどいのひどいのぉ〜!!」
「細かい事をグダグダうるせぇですねぇ〜。まだ沢山あるじゃねぇですかぁ〜。」
「もう、翠星石ったら本当に横着なんだから。いいよ、僕が持ってきてあげるから。」
はずだよね、うん。さて、少し説明が遅れたが今はホテルの食事場に居る。
露天風呂で一騒動起きそうだったが、無事回避できて僕は一安心。
あの後、めぐ先輩が浴場の前に『露天風呂は混浴です』と書いてある看板を立て直していた。
どうやら、悪戯目的で外していたらしい。あやうく孔明…もといめぐ先輩の罠にかかる所だったわけだ。
「ふぅ……もう少し静かに食事を楽しむ事は出来ないのかしらね。はしたない……」
真紅姉ちゃんが溜息混じりに言う。いや、ごもっとも。何だか姉ちゃん達はナチュラルハイな気がする。
「そうかな。私はこういう雰囲気好きだけどね。折角みんなで御飯なんだから楽しい方がいいよ。」
めぐ先輩がニコニコしながら言う。まぁ、賑やかさが取り得でもあるしね。我が家は。
「ふんふ〜ん、玉子焼き〜♪玉子焼き〜♪おっさとうたっぷり玉子焼き〜♪」
と、逆隣を見ればカナ姉ちゃんがお皿に山盛りの玉子焼きを載せていた。
24 :
猪(禁欲中) :2006/12/21(木) 00:30:12.41 ID:ApqCSrRM0
>>23 「……ねぇねぇ、金糸雀。前から思ってたけど、貴方って本当に玉子焼き好きよね。」
そんなカナ姉ちゃんを見ながらめぐ先輩が言う。カナ姉ちゃんは口に入ってる玉子焼きを幸せそうに食べている。
「ん?玉子焼き?うん、大好きよ。」
「何でそんなに好きなの?確かに美味しいとは思うけど、ほらさ……もっと美味しいもの沢山置いてあるよ?」
めぐ先輩が料理置き場を指差しながら言う。言うまでもなく、今回の夕食もバイキングだ。
確かに、玉子焼きより遥かに美味しそうなものは山ほどある。肉とか肉とか肉とか。
「うん。でもね、カナはやっぱり玉子焼きが好きだから……」
カナ姉ちゃんはそう言って笑うと再び玉子焼きを口に運ぶ。他のも食べてはいるけど、比率的に少ない。
「ふぅ〜ん……あれかな?もしかして、何か思い入れがあったりしちゃう?しちゃう?」
めぐ先輩の目がキュピーンと光る。何か面白い話を聞けると思って期待してるんだろう。
「ええ!?な、何で分かっちゃうかしら?めぐってエスパー?」
いや、病気でもない限りカナ姉ちゃんの玉子焼きに何か思い入れがあるのは明白でしょうけども……
「きゃー、やっぱりやっぱり?聞きたいなぁ〜。」
「き、聞きたい?」
カナ姉ちゃんがモジモジしている。そうこうしてる内に、姉ちゃん達が皿に食事を積んで戻ってくる。
「あらぁ?面白そうな話してるじゃなぁい。聞かせなさいよぉ。」
銀姉ちゃんを初め、姉ちゃん達も結構興味津々そうだ。カナ姉ちゃんは一息吸うと、ゆっくり語りだした。
「じゃあ、話すかしら。あれはカナが小学四年生の時……後はJUMがニ年生の時の話かしら。」
あれ?もしかして僕が関係してたりするの?
25 :
猪(禁欲中) :2006/12/21(木) 00:30:27.87 ID:ApqCSrRM0
>>24 「うぅ、お腹すいたかしらぁ。何かないかな……」
ゴソゴソと戸棚を漁る少女。ローゼン家次女金糸雀、当時10歳。小学校が終わり家に帰ったはいいが、
どうやら空腹気味のようだ。ちなみに、今でこそ学年トップクラスの背の低さではあるが、当時は意外に高い方
だったようだ。要するに、伸びていない。髪形も前髪は普通に下ろしてあるし、普通の二つ縛りだ。
「あれぇ?おかしいかしら。ちょっと前にここにポッキーがあったはずなのに……」
「何探してるですか?カナねぇ。」
金糸雀が振り向くと、そのポッキーを口に咥えた三女翠星石がいた。
「翠星石……もしかしてそのポッキー…!」
「これですか?戸棚の中から出てきたです。もしかして、カナねぇのだったですか?」
「え!?えっと……ち、違うわ。だから翠星石食べちゃっていいわよ。」
食べようとは思っていたけど、自分で買った訳ではないから言い出せない金糸雀。
「そうですか。有難うですぅ、カナねぇ〜。」
翠星石はそう言いながらご機嫌にリビングへ向かっていく。一方、金糸雀はガクリとうな垂れてた。
「うぅ、カナが食べようと思ってたのに……ううん、カナはお姉ちゃんだもの。そ、それくらい我慢かしら!」
グッと拳を握り自分に言い聞かせる。同時に、グゥーとお腹の音が鳴り響く。
「うぅ、でもお腹は空くかしら……お父様まだ帰ってこないのかしらぁ〜……」
コテンと床に転がる金糸雀。今日はお手伝いさんもお休みだ。
「カナお姉ちゃん?どうしたの?」
と、転がってる金糸雀に声をかける少年。それこそ、当時ニ年生の桜田JUMだった。
「JUM……あ、あのね。カナちょっとお腹空いちゃってて。」
顔を赤くしながら金糸雀が言う。JUMはそうなんだ〜と言いながら提案した。
「じゃあ、僕が作ってあげるよ。」
26 :
猪(禁欲中) :2006/12/21(木) 00:30:45.24 ID:ApqCSrRM0
>>25 そうして、JUMと共に台所にやってきた金糸雀。しかし、彼女は心配そうである。何せ小学二年生だ。
「ね、ねぇJUM。カナ我慢するから無理しないでいいかしら。」
「大丈夫だよ。僕、今日調理実習だったんだ。簡単な物しか作れないけどね。えっと、卵と…お砂糖と…」
JUMが椅子を踏み台に卵と砂糖を取り出す。彼は、卵を二つほど割ると皿に入れてそれを溶く。
さらに、その中に砂糖を入れる。
「あれ?どれだけ入れるんだっけ……いいや、甘い方が美味しいよね。」
JUMは卵の中に砂糖をザザザッと入れる。それを混ぜる。箸とお茶碗がぶつかり合ってコチコチと音を奏でる。
「えっと……この小さいフライパンでいいや。火……わっ!!?」
ボッとコンロの火があがる。勢い良く付け過ぎたのかJUMはコンロから上がる火に少しびっくりする。
「だ、大丈夫?無理しないでいいかしら〜。」
「だ、大丈夫だよ。ほら、こうして火を弱くして……フライパンが温まったら、卵入れて……」
ジュワワワワワとフライパンが音を立てる。同時に、砂糖の甘い香りも漂ってくる。その匂いで金糸雀のお腹の
音は加速していく。「美味しそう……」それが今の金糸雀の頭の中の声だった。
「えっと…えっと…これをクルクル巻いて……あ、あれ?上手くいかない…よいしょ…よいしょ……」
JUMがフライパンの上に広がる黄色い卵と格闘している。どうやら、上手く形を整えているようだ。
「……出来た!!カナお姉ちゃんお皿持ってきて!!」
金糸雀は言われるままにお皿を二つ用意する。自分と……そして、JUMの分だ。JUMは完成品を二つ
に分けると、それを別々にお皿に盛り付けた。
「わぁ〜、美味しそうかしら。JUM、有難う!」
「うん!じゃあ、カナお姉ちゃん一緒に食べようよ。いただきま〜す。」
仲のいい姉弟が一緒に箸を完成品につける。それは、所々黒く焦げて、中の卵は固まりきらなかったせいか、微妙に半熟。お世辞にも見た目はいいとは言えないが、『玉子焼き』だった。
27 :
猪(禁欲中) :2006/12/21(木) 00:31:01.45 ID:ApqCSrRM0
>>26 「と、言う訳かしら。あの後は大変だったわ。よく考えたら油ひいてないからフライパンはちょっと焦げちゃってるし、
換気扇回してないから台所が甘い匂いで一杯になってたり。お父様にも少し怒られちゃったわ。」
そういえば、そんな事もあった気がする。包丁を持ち出さなかっただけマシだろうか。
「でもね。あの時の味は忘れられないの。ちょっと焦げてて、中は半熟で。見た目もグチャグチャ。
でもねでもね。凄く甘くて美味しかったの。きっとあれ以上の味には出会えないだろうなぁ〜。
温かくて、柔らかくて、美味しくて……お砂糖たっぷりの玉子焼き……」
カナ姉ちゃんが微笑む。僕にとっては些細な思い出だ。言われるまで思い出さなかった。いや、正直思い出せた
だけ奇跡的に近い。それでも……僕には些細でもカナ姉ちゃんにはきっと大切な思い出だったんだろうな。
「へぇ〜、何だかイイお話だね。じゃあ、それ以来金糸雀はソレを越える玉子焼きを探してるのね?」
「格好よく言うとそうかしら。カナは玉子焼きの探求者かしら〜。」
いや、格好いいかな?それって。
「懐かしい話ねぇ。あの時はリビングにいたら、急に凄い甘ったるい匂いがしてきてビックリしたわよぉ。」
「……あのポッキー、やっぱり食いたかったですか……」
「あったわね。あの日以来、お父様は必ずお手伝いさんを一人は必ず居る様にしたものね。」
姉ちゃん達が当時の思い出話に華を咲かせる。
そうだ、いい事考えた。帰ったら、カナ姉ちゃんに玉子焼き作ってあげよう。当時よりは絶対上手く作る自信
がある。もちろん、当時と変わらない部分もなくっちゃね。どこかって?それは言うまでもないでしょ。
僕が作るのは『お砂糖たっぷりの玉子焼き』さ。
END
28 :
婦警さんと初詣 :2006/12/21(木) 00:37:48.30 ID:IGbgk7v3P
あめぇwwww
29 :
初詣でかつあげされた :2006/12/21(木) 00:45:28.46 ID:rABUt4upO
>>21 いい感じに伏線ができてきてるな
続きwktk
>>28 なんだか目の付けどころが斬新だ
卵焼きに思いでがあるなんておもってなかったwww
30 :
お年玉(800円) :2006/12/21(木) 00:57:40.32 ID:Ksa7faLZO
>>21 いいねいいね。続きが気になって仕方ないよ。
>>28 いいな〜、幼年期のカナ。お姉さんぶるのがカワエエ。幼年期の髪型のカナ見てみたいなwwwwよし、卵焼き作ってくる。
31 :
猪(検問中) :2006/12/21(木) 01:09:50.97 ID:d2niVvQ00
>>28 カナ姉の乙女心カワイスwww
俺は明日初めて卵焼きに砂糖を入れる決心をした
32 :
猪(巨乳) :2006/12/21(木) 01:54:46.67 ID:KK8cBAIz0
保守
33 :
VIP皇帝 :2006/12/21(木) 02:41:12.68 ID:ckjP1ati0
34 :
小豆汁 :2006/12/21(木) 03:45:11.45 ID:/VUx4p7l0
保守
35 :
白菜 :2006/12/21(木) 04:10:53.19 ID:tvmO2dPF0
36 :
スルメ :2006/12/21(木) 05:27:56.65 ID:/VUx4p7l0
保守
37 :
おせち(12,000円) :2006/12/21(木) 05:33:21.66 ID:F/VjKZPvO
水銀燈と金糸雀は吸血鬼のようです(番外編) 「ハァ…最近昔みたいに上手いこといかないわねぇ…」 「かしらー…」 「貴女たち…まだ人間たちに復讐なんてしようとしてるの?」 「あ、貴女わぁ…」 「真紅ー!久しぶりかしらー!」 「久しぶりね」 「ちょっと真紅ぅ…貴女は西洋担当の吸血鬼でしょぉ?その貴女がなんで日本にいるのよぉ?」 「む…何よその目は?私はただ日本に遊びに来ただけなのだわ」 「そーなのかしらー?」 「えぇ。ところで…前から聞きたかったんだけど、どうして貴女たちはそんなに人間たちに復讐したいの?」 「え……」 「それは…」 「ちょっと……貴女たちどうしたの?」 「貴女…ホントに聞きたいのぉ?」 「…聞いたら絶対後悔するかしらー」 「……(ゴクリ)」
38 :
おせち(12,000円) :2006/12/21(木) 05:34:08.83 ID:F/VjKZPvO
「昔は私たちも人間たちとは友好的だったわぁ…」 「そんなあるとき、カナと銀ちゃんは道で困ってるおばあちゃんを見つけたのかしらー」 「そのおばあちゃんはどうやら荷物を運んでる途中で腰を痛めちゃったみたいなのよぉ…」 「見過ごせなかったカナたちはおばあちゃんの家まで荷物を運んであげたのかしらー」 「そしたらそのおばあちゃんにものすごく感謝されちゃってねぇ…『お礼がしたいからあがってくれ』って言われたのよぉ…あ、もちろん最初は断ったわよぉ?でもおばあちゃんが『どうしても』って言うからお言葉に甘えることにしたのぉ…」
39 :
おせち(12,000円) :2006/12/21(木) 05:36:43.08 ID:F/VjKZPvO
「正直ウキウキしながら待ってたら、しばらくしておばあちゃんがでっかいお盆を持ってきたのかしらー」 「そのお盆に乗ってたのはぁ……」 「の、乗ってたのは…?」 「餃子、ペペロンチーノ、ニンニクの丸焼き、ガーリックライス……その他大量のニンニク料理だったのぉ……」 「ヒッ、ヒイィ!?」 「ニコニコしながら私たちを見るおばあちゃんの手前、全部食べざるをえなかったわぁ…うっ、思い出しただけで吐き気が……」 「あんな優しそうな顔して、なんて恐ろしいおばあちゃんだったのかしらー…きっとあのおばあちゃんは教会の使者に間違いないかしら!カナたちを殺そうとしたに決まってるかしら!」 「確かに…誰かが教会の人間に情報を流したのかもしれないわね…」 「と・も・か・く!私たちはそれ以来人間を憎むようになったのよぉ」 「そ、そうなの…人間…なんて恐ろしい…」
40 :
初夢(二日酔い) :2006/12/21(木) 07:31:57.84 ID:Ksa7faLZO
保守
41 :
猪(給食中) :2006/12/21(木) 07:50:44.40 ID:gvvAQ3+T0
42 :
猪(赤詐欺) :2006/12/21(木) 08:13:49.71 ID:0lVIE2gHO
前々スレ【マツケン】【サンバ】の >371より続き ジ「でも多いな。15本はあるぞ。こんなに飲めないよ」 翠「ぷはー。おいしいですぅ」 ジ「意外とイケるクチなんだな」 翠「ほら、暇ですからトランプでもするですぅ」 ジ「自信たっぷりだな。だが負けないぞ」 翠「手加減しませんからね?」 ジ「2人でするのならやはりタムズゲームだろ。早く決着するしな。ジョーカーは抜きでな」 翠「は?なんですかそれ?」 ジ「え?えっと……スピードのことだよ」 翠「翠星石は超得意ですよ。何もかけないのはつまらないですね」 ジ「(いくら得意としていても酒が入っているんだ。手元がふらつくはずだ)じゃあ、5回勝負で先に3勝したほうが勝ちで、敗者は勝者の言う事を一つきくってのはどうだ?」 翠「ベタですがそれでいいです。後悔しろ!ですぅ(何をさせましょうかねぇ)」 ジ「自分こそ後悔しても知らないからな(言ったはいいものの何にしようか考えてなかったな)」 ルールは長ったらしくなるので省略。
43 :
猪(赤詐欺) :2006/12/21(木) 08:16:45.77 ID:0lVIE2gHO
>>42 ジ「よし、せーのでカードを出すからな」
翠「了解ですぅ」
ジ・翠「せーの!」
<ゲームの内容は割愛>
翠「勝ったですぅ〜。これで1対0ですぅ」
ジ「ちょっ、お前はコンピューターか!?」
翠「何をわけのわからないこと言ってんですかぁ〜?翠星石の勝ちは変わりませんよ〜」
ジ「いや、半分も残ってんだけど」
翠「だから超得意って言ったじゃないですか」
ジ「勝てる気がしないんですけど」
翠「翠星石の不戦勝でもいいですよぅ?」
ジ「それは駄目だ。なんとしてでも勝つ!」
ジ(とは言いつつも勝てる気がしないんだよな。酒は意味なかったのかよ)
翠「さーて次いくですよ!」
ジ「望むところだっ!」
ジ・翠「せーの!」
<ゲームの内容はかt(ry
翠「フフフ、今回も翠星石の勝ちですぅ〜♪早くもリーチですぅ」
ジ「僕も自信あったんだけどな。手も足も出ないってのはこの事か」
翠「降参しますかぁ〜」
ジ「いやしない。今までは少し運が悪かっただけだ。次こそはっ!」
翠「ストレート勝ちしてやるです」
44 :
猪(赤詐欺) :2006/12/21(木) 08:19:07.51 ID:0lVIE2gHO
>>43 <ゲームn(ry
ジ「よっしゃあ!僕の勝ちだ!」
翠「手札事故ですぅ。引き運が悪かったですぅ」
ジ「うーん。確かにね。だが敗けられないんだ!(こいつが何言ってくるかわからないからな)」
翠「ですが!こっちも敗けないです!」
ジ「運も実力のうちだ」
翠「運より実力はあるんですか?」
ジ「これでも強いほうだったんだよ」
翠「チビはチビらしく低レベルな戦いをしていたようですねぇ」
ジ「今から巻き返してやるからな!」
ジ・翠「せーの!」
<g(r
ジ「ちっくしょう!敗けた(スピードがこんなに疲れるもんだとは知らなかった)」
翠「イーッヒッヒッヒ。何をさせましょうかねぇ」
ジ「炎を出せとか空を飛べとか無理なものはできないからな」
翠「うーん、何にしましょう」
ジ「別に今じゃなくてもいいぞ(それで忘れてくれると有り難いんだけど)」
翠「……じゃあそうするです。ちなみにジュンはなにを言うつもりだったんですかぁ?」
45 :
猪(赤詐欺) :2006/12/21(木) 08:23:04.42 ID:0lVIE2gHO
>>44 ジ「今考えたけど夕ご飯を作ってもらおうかなと思った。でもやめる」
翠「どうしてですか?」
ジ「3年前の家庭科の調理実習の時は悲惨だったからな」
翠「なっ!」
ジ「あのときばかりは本当に蒼星石がいてよかったと思ったよ」
翠「そんなことなら作ってやるです!名誉挽回してやるです!」
ちなみに汚名は返上である。
ジ「え?いやいいよ」
翠「わたしの料理は食えないと言うんですか!?××料理人と言われたからですか!?じゃあ今度からジュンの弁当は作ってきてやらんですぅ!」
ジ「なに!あれお前が作ってきてたのか?てっきり僕は蒼星石がやってくれてるものだと……」
翠「失礼な奴ですね!礼儀の欠片も持ってませんねぇ」
ジ「実習のインパクトが強かったからな」
翠「3年も前の話ですよ?そういうことばかり覚えてるんですか」
ジ「いやまさか、卵をレンジに入れるとは思わなかったからね」
46 :
猪(赤詐欺) :2006/12/21(木) 08:24:58.20 ID:0lVIE2gHO
>>45 翠「あれから3年ですぅ。伊達に花嫁修業してないです」
ジ「今の時代に花嫁修業って……でも、あんなうまい弁当が作れるんだから期待しようかな。」
翠「素直にそう言いやがれですぅ」
ジ「じゃ、この冷蔵庫の中にあるもの勝手に使っていいから」
翠「冷やご飯が沢山あるですね」
ジ「ああ、この頃昼飯が作ってもらえるようになったからな。そのせいだろ」
翠「じゃあちゃっちゃと作ってやるです。座って待っとけですぅ」
ジ「ああ、テレビでもみてるよ。酒を飲んだから少し気を付けろよ」
翠「そんなこと百も承知です」
47 :
猪(赤詐欺) :2006/12/21(木) 08:28:07.88 ID:0lVIE2gHO
>>46 翠「〜♪〜〜♪〜♪」
ジ(飯作ってるだけなのになんであんなに機嫌良いんだ?それはそうと今日あいつらみんな弁当食ってたな。いつも多めに持ってきてる雪華綺晶ならわかるが他のは……?意味がわからないな)
翠「ほら〜できたですよ〜」
ジ「はやっ!さすがにはや過ぎやしないか?」
翠「手っ取り早く冷蔵庫の中のご飯を使ってチキンライスにしたですぅ」
ジ「じゃあ……早速」
翠「……どうですか?」
ジ「くっ……」
翠「なんとか言いやがれですぅ」
ジ「……参りました。完敗です。とってもおいしいです」
翠「ふふふっ。良かったです。少しは見なおしたですか?」
ジ「かなりね。うまい飯食って風呂入って今日はもう寝るか」
翠「ちゃんとビデオ持ってきたから寝る前に観るです」
ジ「そういえばそんなこと言ってたな」
48 :
猪(赤詐欺) :2006/12/21(木) 08:31:56.48 ID:0lVIE2gHO
ここまで。全員を良い方向に持っていこうとすると長ーくなる。だが、後悔は……
49 :
猪(倉庫係り) :2006/12/21(木) 08:56:42.65 ID:Iw4tTkzk0
保守
50 :
初夢(猿の夢) :2006/12/21(木) 09:19:38.36 ID:VA81Ie5lO
保守
51 :
VIP皇帝 :2006/12/21(木) 09:25:22.26 ID:Iw4tTkzk0
「えっとさぁ。」 二人しかいない図書館。その静かな空間でジュンは話しかける。 時刻は夕暮れ時。一瞬で過ぎ去るその緋色の瞬間のはじまり。 基本的に無表情の少女-巴-は新作のラノベをテーブルに積み上げ淡々と読み進めている。 ふとそのジュンの声が耳に入り、その方向へと視線を向ける。 「何?」 その声は落ち着いていて澄み切った音。 このシチュエーションに感謝しながら、ジュンは一つの御願いをする。 「ちょっと、笑ってみてくれない?」 笑顔をみたい、とストレートにいうと一寸アレらしく ワンクッションをはさんで頼む。言いたいところは一緒だが。 その言いたいところを察知したらしく、巴は一瞬戸惑い乍らも頷いた。 「え、まあ・・・いいよ。」 そして、次の瞬間。 ずきゅーん。 ジュンの心臓を打ち抜く。巴が浮かべたのは何か含みを持たせたオリエンタルスマイル。 それが直撃したらしい。 「これでいい?」 と表情を元に戻すと巴は再び本へと視線を落とす。 ジュンの思考回路はというと所々がショートし、復旧操作をしているところだった。 [プログラム復旧まであと5%] [4] [3] [2] [1] [0.プログラム完全復旧。エラー無し。] 現実に帰ったジュンはキョドりながらお礼を述べる。 「あ、・・・ありがとう。」 いや、いいけど。と巴は返す。―二人きりだからできるようなお願い。 こんな状況下でもなければ巴は頷かなかった。
52 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 09:26:24.39 ID:Iw4tTkzk0
―再び静かな空間。 ペラペラ、と頁をめくっていた巴はふと手を止め、深呼吸をしていたジュンに、本から目線を外さず尋ねた。 「私の御願いも聞いてもらっていい?」 不意に話しかけられ再びびくり、としたジュンだったが、そこは平静を装い相手の反応を伺った。 「ちょっと、耳貸して。」 誰もいない空間ゆえに、そんなことをする必要はないのだが―と感づくのが普通ではあるが 鈍いジュンにはそれがわからなかった。 外は太陽が消える蝋燭の直前のように紅く燃え上がり、どこまでも空を緋色に染めていた。 ジュンが言われたとおりに巴に近づくと 「っ!」 お互いの唇が触れ合っていた。外は濃い緋色が広がり太陽は沈もうとしていた。 再びジュンの思考回路が9割方ショート。思わず肩を押して離れると、巴の顔にはしてやったりの笑みが浮かんでいた。 強引にジュンは思考を現実へと引き戻すと"ああ。勝てそうにないや。"と心の奥底で呟く。 最初は望んでいたこととはいえ、本当にやられるとこうも驚くものか、と。 ―ジュンは気づいていなかったが、巴が読んでいた本のページには。 空は緋色から紫へと、そして蒼から黒へと色を変えていく。 冬の一時。その帰り道にて。 「そうだ。もう一つ御願い聞いてもらっていいかしら?」 そういうと。 ―――仄かに漂う暖かさ。 ―End―
53 :
黒豆(八粒) :2006/12/21(木) 09:52:38.55 ID:aZ/CPv7q0
「第二章〜衝突・ルベール会戦〜」 −−−水銀帝国軍、動く。 その報にアイゼンガルドが揺れた、先の海戦の敗北など何とも無いかのように水銀帝国軍は首都・ベルリアから出発した。 翌日には翠公国と水銀帝国の国境線にあるリィーヌ要塞を陥落させ最終防衛線パリア城へと軍を進めた。 皇帝・水銀燈率いる3万5千の軍勢はその日の夜の内にパリア城を徹底的に包囲しコレを攻めた。 水銀帝国軍動くの報を受けた真紅は1万2千の兵を率いてリィーヌ要塞北方のダンケインに上陸、リィーヌ要塞を奪回しルアーノに集結していた翠蒼連合軍1万5千と合流した。
54 :
黒豆(八粒) :2006/12/21(木) 09:53:58.26 ID:aZ/CPv7q0
真「遅くなったのだわ、リィーヌ要塞の伏兵に思わず時間を取られて合流が遅れたのだわ」 翠「ふぇ〜ん!!真紅〜ありがとですぅ!!」 そう言って真紅の(無い)胸に飛び込む翠星石、JUMはその様子を幕舎の入り口付近で黙って見ていた。 これで公爵が勤まるのか?そう思うも自分は一介の騎士、そんな事口には出来ない。 蒼「ん?君は誰だい?」 真「あぁ、紹介が遅れたのだわ・・・彼の名前は桜田JUM、私の近衛隊長よ」 翠「こんなチビに真紅の護衛が務まるのですかぁ?」 蒼「失礼だよ翠星石、この人はきっと強い・・・だって僕と同じ臭いがするもの」 真「あら?蒼星石、貴女が他人を褒めるなんて珍しいのだわ」 蒼「そんな気がしただけだよ、明日の戦いで君の戦いぶりを見させてもらうよ♪」 J「御意・・・」 結局翠星石・蒼星石の両名は全軍の指揮権を真紅に委譲しその指揮下に入る事で合意した。 JUMは幕舎を出るとホゥと溜息を付いた、目の前の暗闇・・・明日はきっと雨が降るだろう、JUMはそう呟いて夜空を眺めた。 今−−−戦いの夜が明けようとしていた。
55 :
黒豆(八粒) :2006/12/21(木) 09:54:19.94 ID:aZ/CPv7q0
翌早朝、両陣営の軍楽隊のラッパや太鼓がリィーヌに鳴り響いた、大地を埋め尽くす両陣営の軍団。 風向きが変わり紅王国の旗・翠公国の旗・蒼公国の旗・水銀帝国の旗、四つの旗が一斉に反対方向に翻った。 両陣営とも軍団が動き出し、ついに目と鼻の先まで来たそこで両陣営の進軍は停止する、ここである儀式的な事が行われるからである。 その時黒の軍団から黒き馬に乗りし一人の騎士が飛び出してきて自軍の旗を大地に突き立てた、そして敵軍団に向かって大声で吠えた。 『紅王国の騎士・桜田JUMはいるか!!過日の約束を果たす時が来たわ!!騎士として勝負に応じなさい!!』 聞き覚えのある声、是非も無しそれは3日前に真紅の命を狙いJUMと死闘を繰り広げた女騎士・柿崎メグその人だった。 JUMはちらりと真紅を見る、真紅はJUMの顔を見つめると黙ってこくりと頷く。 JUMは愛馬に跨ると味方の間を押しのけて両陣営の間に出る、そう両陣営で名うての騎士同士による一騎打ちである。 J「柿崎メグ・・・まさか貴女が出てくるとは思ってもいなかったぞ」 メ「今日はアサシンとしてでは無く・・・騎士として正々堂々勝負を挑むわ」 J「ふむ、受けよう・・・」 JUMは嬉しそうに微笑むと自軍の旗を地面に突き刺す、旗が風に靡くたびにソレがはためく、まるでそこだけ時が止まったかのように・・・。 両陣営固唾を呑んで見守る中−−−ついに決着を付ける時が来た。
56 :
黒豆(八粒) :2006/12/21(木) 09:54:46.23 ID:aZ/CPv7q0
メ「参ります!!」 J「いざ!!」 メグが愛馬の馬腹を蹴って勢いよく馬を駆けさせる、JUMもそれと時同じくして愛馬を駆けさせる。 互いに互いのエモノは把握している、エクスカリバーとゲイボルグ・・・。 エクスカリバー・・・イングランドの伝説的英雄・アーサー王が所有していた聖剣、かつてアーサー王が騎士道に反して人を殺めた際に折れた剣の代わりとして湖の貴婦人より授けられた、アーサー王の死後にその剣は湖の貴婦人に返却されたと言う伝説を持つ名剣。 ゲイボルグ・・・ケルト神話においてクー・フーリンが使用されていたとされる魔槍。 投げれば千の棘に刺され絶命する槍などいろいろな話があるが共通することは 全ての話に心臓を貫くという行があるということである。 間合いから言えばゲイボルグを持つメグに軍配が上がるが、相手は百戦錬磨の騎士・桜田JUM当然それの対応策を練っていた。 JUMは懐に手を入れ掴んだソレをメグ目掛けて投げ付けた、なんの変哲も無いただの短刀だ。 メ「小癪な!!」 そう言ってメグはゲイボルグの柄でそれを弾く、そのほんの些細な一動作がメグの瞳孔を開かせた。 柄で受けてしまったばっかりに穂先の軌道が逸れる、その一瞬の隙をJUMは衝いた、また自分の愚かさをメグは恥じた。 馬に鞭を入れて更に加速する、魔力を供給して穂先を曲げる時間はもう無い−−この勝負貰った!! だがメグはそれを読んでいたかの如く石突き(穂先の逆、柄の根本)でエクスカリバーの一撃を辛うじて弾く。 弾かれてもなおJUMはメグに体当たりを食らわせる、その衝撃で両者共々馬から崩れるように落ちた。 二人は着地する瞬間後ろに飛び退き間合いを取る、その一連の動作はまるで大河の雫が河の上流から下流に流れるが如く自然な物であった。
57 :
黒豆(八粒) :2006/12/21(木) 09:55:17.11 ID:aZ/CPv7q0
その直後間髪入れずにメグがゲイボルグを繰り出す、しかしJUMは慣れた手つきでそれを弾き続ける。 刃と穂先がぶつかり合う度にゲイボルグは火花を散らし軌道を変えて再び目標に襲いかかる、まるで其は汝の死の宣告が如く逃げられないとでも言いたいように。 およそ100合近く打ち合ったが決着はつかない、両者の実力は互角・・・否、徐々にだがJUMがメグを防御に回らせる回数が増えていく。 JUMは既にその聖剣を己が手足の如く扱えていた、手に馴染む感覚−−−今や剣は彼の体と一体化していた。 戦いの息吹、それは鉄と鉄・命と命がぶつかり合う音だが今となってはそれすら二人の耳には届いていない。 −−−二人は今、武の聖域に立っている。 己の息づかいと相手の息づかいが壮大な合唱曲となって己が耳に届く、その合唱曲を聞きながらJUMは常日頃思っていた事を思い出した。 −−−誰かに負けるのはいい、また己(剣)を鍛え直せばいいだけ・・・だが自分に負ければ鍛えるべく己(剣)が折れてしまう、それは騎士としてあってはならない!! JUMは雑念の一切合切を頭から振り払いエクスカリバーを構える−−−これが最後の勝負所だ。 JUMの気迫を感じ取ったメグもゲイボルグを構え心臓を貫く姿勢を見せる、今両者の心には後悔なんてものは無い。 己の全てを賭けても勝てるか解らない好敵手、それが今目の前にいることが堪らなく嬉しかった。 J・メ「いざ、参らん!!!!」 一陣の風が戦場に吹き荒れる−−−黒き騎士と紅き騎士、今決着の時が到来する!!
58 :
黒豆(八粒) :2006/12/21(木) 09:55:41.52 ID:aZ/CPv7q0
<<次回予告>> 新緑萌える五月、緑の絨毯を敷き詰めた草原を踏み歩くのは黒の軍団と紅・翠・蒼の軍団。 黒の騎士団長・柿崎メグと紅王国第一近衛騎士団長・桜田JUM、両者の一騎打ちはついに終結の時を迎える。 次回、薔薇乙女大戦・・・「第三章〜終結・約束された勝利の剣〜」・・・この戦いの勝利も壮大なサーガの一ページに過ぎない・・・。
59 :
黒豆(九粒) :2006/12/21(木) 10:24:54.18 ID:aZ/CPv7q0
んじゃ、学校行ってきま
60 :
猪(今日もカップラ) :2006/12/21(木) 10:48:25.71 ID:jmVvcHTs0
ジュン「ん?どうしたんだ薔薇水晶?珍しく眼帯を外してるじゃないか」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 薔薇「ジュンか…」 ジュン「あ、ああ」 っく、何なんだこの凄まじいまでの殺気、チャクラ、覇気、気、オーラ、霊圧、etcの渦は!! これは薔薇水晶が発しているのか!? 薔薇「なぜ、眼帯を外しているのかってきいたの?」 ジュン「ああ」 重い!!身動きすらできない!! 薔薇「それは…」 ジュン「それは?」 薔薇「はたけカカシ!!」 ジュン「は?」 薔薇「先週のジャンプで奴は敵キャラの術をかわした!それに問題は無い!! しかし!!その術の名は!!風遁・『圧害』!!アッガイと名のつくものは!! 史上最高最強最大にして無敵なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!! その上、火遁・『頭骨苦』(ズコック)までかわしてぇぇぇぇぇ!!!!!! あんな奴と同じ眼帯をはめている自分が許せなかったんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! だから、はずした。それまでのこと。」 ジュン「わかった。」そんなことかよ。でも薔薇水晶の性格考えたらそうなるか 翠「はぁー、カカシ先生かっこいいですぅー」 このタイミングでジャンプを読みながら登場するなぁぁぁぁぁぁ!!! 薔薇「…汝、消え去るべし」 ドドドドドドドドドドド、ズゴッズガッドシャッ 翠「何がどうなっているんですかぁぁぁぁぁぁぁ」 ジュン「アッガイ純銀型モデル造ってやるからゆるしてぇぇ」 薔薇「わかった」 それから、薔薇水晶の前ではナルトは禁句になった
61 :
猪(今日もカップラ) :2006/12/21(木) 10:51:38.20 ID:jmVvcHTs0
今日から冬休み!いやっほう オーベルテューレ、親と暮らしてるから見れないかな 蒼「君の事情はわかった。早く保守だ」 保守
62 :
猪(大人) :2006/12/21(木) 10:58:00.46 ID:bZpoCEZAO
63 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 11:22:11.45 ID:0lVIE2gHO
>>47 ジ「ご馳走様でした。ありがとうございました。」
翠「わかればいいんですよ」
ジ「風呂沸いてるから先に入れよ(後から入れるようにして部屋のなか荒らされたり、いきなり乱入とかされたら非常に困るからな。酒が入っているときは油断ができない。いつもと変わらないけどさ)」
翠「じゃあ先に失礼するですぅ」
翠「〜〜〜♪♪」
ジ「先に二階に上がっとくから、終わったら言いにこいよ」
翠「わかったですぅ〜」
64 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 11:23:52.25 ID:0lVIE2gHO
>>63 ジ「さて、見つかってまずいものは天井裏に隠しておくか」
ジ(特にベジータがいつも置き忘れるアレな本。見ないって言ってるのに何故か持ってくるんだよな。絶対わざとだろうね。まあ、あいつは学校一の不思議な奴だと思う。
僕が言うのもなんだけど、ここの偏差値は意外と高い。それなのに中学では下から数えたほうが早かったのにこの学校に合格してたし、
高校でも寝てばっかりで、テストの結果も悲惨なものなんだが、なんでか知らないけど留年していない。本人は『蒼嬢への愛だ』と言っている。意味不明だろ。
僕はこんなやつと一応親友なんだよね。中学の頃からの。結構気さくで……)
ジ(……じゃなくて、とっとと終わらせないと)
翠「気持ち良かったですぅ〜。ジュン次どうぞですぅ」
ジ「ああ、わかった(ふう、間一髪)。くれぐれも漁るなよ?」
翠「わかってるですよ」
65 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 11:24:23.23 ID:0lVIE2gHO
>>64 《JUNサイド》
ジ(さて不安要素がたっぷりあるわけだからさっさと入って寝ることにしようか)
ジ「ああ〜気持ちいい〜。極楽だ〜。リラックスリラックス」
J翠(あれ?ここは?また寝ちゃったのかな?)
?「キャーーー!いいわねいいわね〜!やっぱり私の見込み通りにあうわね〜」
J翠(?シャッターの音か?)
?「はは、それはどうも」
金「ジュンはとっても綺麗かしら〜」
J金「ははは、すごく微妙な気分だけどね」
金「でもカナだって負けてないかしら」
J金「僕が勝ってもあまり嬉しくないような気がする」
J翠(ちょっ!さすがの僕でも女装はしないよ!つかさせるな!)
金「みっちゃんのセンスはいいかしら」
み「そうよねそうよね〜!」
J金「ちょ……うわああ!僕の頬が摩擦でまさちゅーせっちゅー!」
金「カナのほっぺもまさちゅーせっちゅー!」
J翠(…これはコントですか?ツッコミ要素満載だ。金糸雀の家には行きたくないな。つか戻るべし)
ジ「……こんなもの見るのならおちおち寝てもいられないな」
66 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 11:25:33.31 ID:0lVIE2gHO
>>65 《翠星石サイド》
翠(ヒヒヒッ、行ったようですねぇ。まずは机でしょうか)
机―→なんの変哲もない。上にパソコンが乗っている。
机の引き出しを漁り始める翠星石
翠「あれ?これは何ですか?」
翠(……中学の時の集合写真ですか。懐かしいですねぇ。あの頃はわたしよりもジュンのほうが背が低かったんですがねぇ)
翠「もっとあるかもしれねえです。探すです!」
妙な気合いが入っている。やめる気はないようだ。
67 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 11:26:40.10 ID:0lVIE2gHO
>>66 翠「これは?……翠星石と蒼星石とジュンが写ってるですぅ。のりと一緒にキャンプに行ったときですねぇ。ほとんど3人で写ってるですね。でもいつかは2人で……」
翠(って何考えてるですか!…もう30分は経ちましたね。元に戻しておきましょうか)
翠「遅いですぅ。もう寝ちまうですよ」
翠(あぅ〜このベッドジュンの匂いがするですぅ〜)
ゴロゴロゴロ
68 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 11:28:05.81 ID:0lVIE2gHO
>>67 ジ「すっ……!って!」
そこには枕を抱くようにして布団の中でゴロゴロしている翠星石の姿があった。
ジ(すんごく幸せそうだな。いつもあんなことしてんのかな)
翠「ーーー♪〜〜ひゃに?」
ジ(こっち見てるね。うん)
ジ「お楽しみのところ邪魔して悪かった。じゃっ」
翠「こっ、こら!勝手に入って勝手に覗いて勝手に出ていくな!ですぅ」
ジ「いやなんかな、極上の幸福顔で遊んでたからね。邪魔だと思って」
翠「せめてノックぐらいしろですぅ!」
ジ「ちょ、ここ僕の部屋」
翠「うるさいうるさいです!」
ジ(この状況なんとかしないと)
ジ「ほ、ほら……ビデオでも観て機嫌なおしてくれよ」
翠「……」
ジ「だ……だめか?」
翠「…そうでしたね。観てやるです。もちろん一緒にですよ?」
ジ「ようし、じゃあ観ようか。何か持ってきたんだろ?」
翠「ええと……これですぅ!」
ジ「ビデオじゃなくてDVDだな。ここで観るかそれとも下で観るか?」
翠「ここでいいですぅ」
ジ「わかった」
69 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 11:29:24.46 ID:0lVIE2gHO
>>68 ジ(普通に恋愛ものだな。やっぱり女の子はこういうのが好きなのかな)
翠(作戦Α‐3実行ですぅ。いい雰囲気になって……)
カパッ
ジ(!!!これは生物災害!どうみたって〇゛イオハ〇゛ードです。本当に……じゃなくて、パッケージはダミーか!意外と策士なのか?)
ジ「こんなもんお前観るのか?」
翠「失礼ですね!これでも翠星石は女の子ですよ」
ジ「そ、そうか(男女の関係があったとは知らなかったな)悪かったよ」
翠「そうですよ」
ジ「と言って何故に腕を絡ませてきてるのでしょうか?」
翠「普通こうやってみるもんなんですよ。知らなかったですか?」
ジ「そうとは知らなかった」
ジ(いつもの恨み辛みで僕への逆襲かなんかで怖がらすつもりだろうけど今度は負けないぞ)
翠(ジュンと一緒に観るですぅ♪)
70 :
猪(黒板係り) :2006/12/21(木) 11:35:18.92 ID:0lVIE2gHO
ここまでにしておく。またあとでくる。 ではでは
71 :
猪(禁風呂中) :2006/12/21(木) 12:53:09.56 ID:dhMoXFjr0
ho
72 :
猪(停学中) :2006/12/21(木) 13:04:43.68 ID:C4b/7JIwO
保守
73 :
親父と初詣 :2006/12/21(木) 13:52:40.74 ID:+MIsr8YG0
十六作目 J「冬休みの宿題の読書感想文は何書くんだ?」 ベ「俺はもちろんこれだぜ!」 つ【ノベル版ローゼンメイデン「黒い風」】 J「ちょwwww」 作「奇遇だなベジータ! 俺も同じ本だ! 俺の友人はシャナやってきたこと有るぞ!!」 ベ「お、お前は作者! そしてシャナバロスwwwwww」 J「念のため言うとこのSSの作者ってことだから ついでに実話らしい」 作「説明ご苦労JUN」 ベ「この作者、作者登場好きだからな・・・」 J「JOJOも好きだよな」 梅「そして好きなオチは・・・・」 アッー! 作「これまで間違えてたよ アーッ!じゃなくてアッー!なんだな すまんかった」
74 :
過疎ってるから燃料投下 :2006/12/21(木) 14:15:50.07 ID:sKyvMUGQ0
薔薇の蔓がひらひらと伸びていた。 上に。下に。右に。左に。奥に。手前に。広がっている。 ――操っている私でさえ、その数を忘れてしまうほどに多い。 私が今いる世界は乳白色の水晶のようなものと、それらで満たされていた。 水晶はぴくりとも動かない。薔薇はうねうねと疼くように波打っている。 ここには私しかいない。 私の事など誰も、もちろん彼女らも知らない。 私だけが、鏡の中から彼女らを覗き見ている。 他人に見せないような瞬間も、この虚ろな眼に収めている。 ある夜に、服を脱いだ少年を見た。 少年と言うには華奢なからだ。 ほら、肋骨が軽く浮き出ている。筋肉も少ない。 蛍光灯に照らされてはっきりと影が浮き出ている、悪く言えば貧相なからだだった。 「ジューン、ヒナも一緒にお風呂に入るのー」 少し距離を置いた先からお姉さまの声が聞こえる。 どうやら、彼があの桜田ジュンらしい。 三体のドールのミーディアム。 真紅の外れた腕を縫合したマエストロ。 ヒキコモリ。 彼を形容する言葉を思い浮かべてみた。 そして先程見た細いからだが脳裏にまざまざと甦る。 それは、おそらく私が初めて見たであろう男性の裸体。 面白い。 実体の無い私でも抱けてしまいそうにくびれた腰。 幼さの残る顔つき。 姉に対してのやや反抗的な態度。
75 :
猪(♀) :2006/12/21(木) 14:16:30.00 ID:sKyvMUGQ0
>>74 とても、実に、面白い。
――面白い、だって?
ふと自問する。
だけど、こんなにも私は笑っているから。
それは面白いと言うことなのだろう。
薔薇に生えた棘を一本、一本と自らの手で抜いていく。
そこに苦しみは無い。ただ自己満足の為に。
ぷちん、ぷちんと抜いていく。
誰も来ることの無いフィールドの片隅で、一人ぼっちの少女が棘を抜いていた。
自己満足の為?――では、ジコマンゾクとは、何だ。
その気になれば、いとも容易く棘の無い蔓が現れるだろう。
理解していても、私は黙々と手を動かしていった。
そして、その日は23本の蔓が裸になった。
しばらく経った、ある日の事。
気晴らしに私は無意識の海に遊びに出た。
"何かがいる"と感じたのがきっかけではあるのだが。
ゆらり、ゆらりと水を掻き分けて進んでいく。
そこにあったのは黒い服を着た誰かと、生まれたままの姿の誰か。
お姉さま――愛すべき、水銀燈が彼と供にいた。
水銀燈が彼に抱きついて、会話、と言うより独白に近いものが始まった。
その憂慮、苦悶、愛。
しっかりとその記憶を己に焼き付ける。
彼女が、彼をお父様でないと気付いた、そのときだった。
76 :
猪(♀) :2006/12/21(木) 14:16:58.26 ID:sKyvMUGQ0
>>76 ごおっ。激流が、彼らを呑み込んでいく。
彼はお姉さまを手放すまいと力強く手を握る。
しかしその努力の甲斐も無く、流されていった。
現実世界と無意識の海の狭間に立っている。
奇妙な感覚だった。
今の私には無意識の海で彼が蒼星石と必死に会話している様子も見られるし、彼の帰ってくる部屋の様子も見えている。
水に部屋の中の何もかもが浮かび揺らめいている。
本棚、机、怪しい人形、彼が寝ていたであろうベッド。
そして、真紅。
私は今、真紅の頭上にいる。
「あなたは……誰?」
少し戸惑ったようにお姉さまは私に尋ねた。
本当に、目の前の人形が誰だか分からないという口振りで。
「あなたは、だれ……」
こだまのように、返す。
「……私は……だぁれ……?」
――きっと。
きっとあなたは、私のことなんて知らなかったでしょう――
だから、そう言ってやった。
その日も棘を抜く。
棘の無い蔓は、これで丁度100本。
次の朝から、彼のことを観察することにした。
彼のみではなく、水銀燈のミーディアムと私自身のミーディアムもだが。
数限りない、トラウマを見る。
対して、少なすぎる喜びと、それを糧に生きようとする彼を見る。
77 :
猪(♀) :2006/12/21(木) 14:17:15.03 ID:sKyvMUGQ0
>>77 やはり、面白い。
彼も、病気に伏せる少女も、いずれは私の物になるのだ。
それにしても、面白い。
その日、彼は笑った。
その日、彼は涙を見せた。
その日、彼とおしゃべりをする姉達を見た。
私の中で、イメージが固まっていく。
蔓が108本になった夜。
何故この数にしたのかは自分でもよく分からない。
分からないまま、蔓と蔓を束ねていく。
一本の軸に何本も、何本も長い蔓を巻きつけていく。
それらは幾つもの螺旋を描き、幾つもの層を作り、やがて四肢のような形を成した。
それは少しずつ蔓から別のものへと変わっていく。
腕のようなものには指が生え、脚のようなものは水晶で出来た床から分離していた。
深い緑色だったそれは次第に人肌のような色へ薄まっていった。
末端部から、中心にかけて。
肘、こむら、肩、膝、胸板、股関節、そして首と顔とおなかと――男性器。
ヒトの身体そのもの。
それの顔は、まるでどこかのミーディアムにそっくりだった。
桜田、ジュンに。
私はそれに近寄り、抱きしめる。
暖かい。
私が、一本一本棘を抜いて作った、ただの蔓の寄せ集めで出来た人形。
否、それは、彼だった。
眼鏡の無い彼の顔が微笑む。
78 :
猪(♀) :2006/12/21(木) 14:17:31.98 ID:sKyvMUGQ0
>>78 私は、強引に唇を重ねた。
突然の出来事に戸惑ったような彼の表情。
やがて彼も私も眼を瞑った。
唇を押しのけ歯茎を舌で舐る。
くすぐったかったのであろうか、顎の力が抜けた隙に口腔へと侵入する。
私の手は彼の後頭部と、下顎を掴んでぐい、と私に押し付ける。
足りない。まだ、足りない。
唾液が唇の隙間から漏れて、顔がべとべとになっても決して口を離さない。
「ぷはっ……」
名残惜しいが、ほんの少しだけ息継ぎ。
間髪をいれず口付け。
彼の表情が困惑に揺れる。
それが、私をどこまでも掻き立てていった。
……どれだけの時間が経ったのだろう。
私は飽きもせずに彼の口を犯している。
どこまでが私の唾液で、どこからが彼の唾液なのかも分からないほどに喰らい続けている。
たまらない。
全身が火照っている。無意識にもぞもぞと両脚を擦り合わせている自分に気が付いた。
不意に、彼の手が私の胸に伸びる。
「……っ」
僅かに隆起した胸を両指で吸うように揉まれる。
薄いドレスの上から与えられる刺激。
確実に、私を昂ぶらせていく。
「お返しだ」
いつのまにか私は口を離していたのか、彼がささやく。
「……ア……ゃぁっ……」
79 :
猪(♀) :2006/12/21(木) 14:17:57.68 ID:sKyvMUGQ0
>>78 下から寄せ上げられ、出来上がった膨らみを崩さないように、常に力を入れられている。
びり。邪魔なドレスが引き裂かれた。
「……意外に、可愛い声なんだな」
今の私は彼と同じ全裸ではないにしても、ドレスの腕部分とブーツのみを身に着けている状態だった。
むき出しになった女性特有の部位に彼の手が伸びる。
乳頭には触れないように、周囲のみを弄られる。
熱が、三つの局所に集まっていった。
「……んっ……あぁ」
彼の舌が私のからだを這い回る。
首筋と鎖骨をなぞって、左胸へ。
周りから円を描くようにして、やっと彼は私の乳首に触れてくれた。
「あっ……はぁ……」
触れられただけで頭の中が真っ白になった。
舌先で突かれ、唇で吸われ、歯で甘噛みされる。
空いた右胸は彼の左手で強く揉みしだかれた。
「……い、いたっ……ああ……」
千切れそうに痛いと感じる反面、若干の気持ちよさが脊髄を駆け抜けていった。
左は優しく。右は乱暴に。そうやって生まれた快感が私の脚を濡らしている。
もどかしい。
触れてほしい。
そうしたら、私はもっと高いところへ登りつめてしまうだろう。
息が、漏れる。
行き所の無い力が私に両脚を擦らせる。
気が狂ってしまいそうだった。
「おい」
突然彼が私への攻撃を止める。
思わず私はこてん、と床に尻餅をついてしまった。
「こいつをどうにかしてくれ」
80 :
猪(♀) :2006/12/21(木) 14:18:13.12 ID:sKyvMUGQ0
>>79 そう言って、彼は私の目の前に勃起した男性器を突きつけた。
そうすることが当然であるかのように、私は両指をそれに絡めて、舐めた。
「いいぞ」
彼が私の頭を撫でる。
嬉しく感じて、私は手の上下運動をより早くした。
少し厚みのある皮がするすると動く。
鈴口からは透明な粘液が溢れている。
私は手をそれから離して彼の腰を掴み、口の中にいちもつを招き入れた。
「ん……んぅ……ん、ん……」
頭をゆっくりと上下させる。
しかし次第に動きを早めて、尚且つ舌を絡ませていった。
ぴちゃ、ぐちゃ、と水音が響く。
舌を皮と亀頭の隙間に差し込み、舐る。
「……ん……ぷあ」
根元から先まで、彼のものが私の唾液で包まれてから、彼は私の顔を引き剥がした。
と同時に仰向けだったからだをうつ伏せにさせて、私の腰を掴む。
「いくぞ」
亀頭が秘所に押し当てられた。
液まみれのそこにぴったりと当てられている。
「あ……ああッ」
それだけで、私は達してしまった。
彼による初めての愛撫を受けて、私は言いようの無い興奮に満たされていった。
「あ、ああんっ」
ずず、と彼のいちもつが侵入する。
膜の裂けた音。
潤滑剤以外の、生暖かいものが私の膣で混ざっている。
「……ッ……ンッ……」
遠慮なく、彼は私の臀部を掴み、繰り返し力強く突く。
81 :
猪(♀) :2006/12/21(木) 14:18:46.37 ID:sKyvMUGQ0
>>80 ぱちゅん、ぱちゅん、と水の音と肌の音。
ぐちゃぐちゃに掻き回されている。
膨張した男性器は私を埋め尽くし、私はそれを逃すまいと締め付けた。
「うあ……いいぞっ……気持ちいいっ」
犯す彼。犯される私。
登りつめていく。全ての思考が破棄されていく。
まっしろな、頭だけがそこにあった。
「ジュンッ……ジュンッ……!」
私のナカで、彼は跳ねた。
そっと、鏡の中から覗く。
お姉さま達は見えない。眼鏡を掛けた少年が、風呂場に入っていく姿だけは見られた。
私のことは誰にも気付かれていない。
私だけが、彼らの暮らしの、他人にあまり見せない一部分をこの眼に収めている。
――あなたを、何時手に入れましょうか。
そっと、誰にも聞こえないのにも関わらず小さな声で呟いた。
蔓の人形から出来た、彼の模造品しか、私は持っていない。
/おわり
82 :
おみくじ(汚れて読めない) :2006/12/21(木) 14:22:23.36 ID:bZpoCEZAO
>>81 お前…たしかエロパロで見かけたな…
こんなとこで何やってんだ?
83 :
猪(加齢臭) :2006/12/21(木) 14:26:55.32 ID:Ce7tlJwu0
ガチエロ書くんじゃねえ。テンプレも読めんのか。
84 :
一人で初詣 :2006/12/21(木) 14:31:39.73 ID:+MIsr8YG0
>>81 ・性的描写はエロパロで。(投下するなら少年誌レベルぐらいまで)(
>>2 より)
85 :
一人で初詣 :2006/12/21(木) 14:34:55.38 ID:+MIsr8YG0
こんなにガチエロ投下されたら直前の俺の
>>73 も同類に見えるジャマイカ
86 :
猪(巨乳) :2006/12/21(木) 14:50:30.48 ID:bZpoCEZAO
てか、
>>81 って無断転載っぽくね?
何も反応返さないし
てか、書いた本人にしろ違うにしろ何か反応してくれよ…
反応がないなら無断転載とみなします。死んでください
本人だとわかってもスレ違いです。僕の胸の中で死んでください
87 :
黒豆(万粒) :2006/12/21(木) 14:52:53.10 ID:aZ/CPv7q0
>>81 エロパロ逝け
べ、別にこのSSでおっきしてた訳じゃないんだからね!!
88 :
一人で初詣 :2006/12/21(木) 14:55:24.78 ID:+MIsr8YG0
>>86 同意
スレのルールも謝り方も知らないやつがこんな文書けるわけない
89 :
黒豆(万粒) :2006/12/21(木) 14:55:29.49 ID:aZ/CPv7q0
と言いつつ流れをスルーして投下する 「第三章〜終結・約束された勝利の剣〜」 自然に口から大地を揺るがすが如き咆哮が出る、まるで自分の持つ力を全て出し切るが如く。 ギャイン!!その音を背に聞き交差する両者、互いに後ろは振り返らない−−−勝負は決した。 背後で人が倒れる音がする、その音を聞いてJUMは初めて剣を鞘に納めた、そう勝利の女神はJUMに微笑んだのだ。 メ「完敗よ・・・さぁ、好敵手よ・・・私の首を持って勝利を叫びなさい」 J「それだけは断る・・・」 メ「何故?女は斬れないとかそんな野暮な事を言う人じゃないわよね?」 J「無論、この手が動けばそなたの首を取るのは容易き事だが・・・生憎、もう僕の手は剣も握れぬほど痺れているという事にしておこう」 メ「変わっているのね・・・貴方」 J「それはお互い様だろう、好敵手」 メ「うふふふ・・・負けたのに清々しい気分よ」 J「あぁ・・・楽しかったぞ好敵手、それではまた闘り合おうぞ・・・メグ」 メ「えぇ、また何時の日かね・・・JUM」 両者は互いに手を差伸べ堅い握手を交わした、ソレは騎士としての再戦の約束・・・そして互いを認め合った強敵”友”として。 J「では、さらばだ!!好敵手よ!!」 そう叫びJUMは愛馬に跨りその場を風と共に去りゆく、そこに残るのは闘いの熱と再戦に燃える黒の騎士だけが残った。
90 :
黒豆(万粒) :2006/12/21(木) 14:56:04.60 ID:aZ/CPv7q0
味方の歓声と勝利の雄叫びが本陣へと颯爽と駆けるJUMを出迎える、その熱は戦場を包み込み更に軍の士気を向上させる。 蒼「真紅、JUM君の一騎打ちは何とも天晴れな物だったね、僕も彼と手合わせしたくなったよ」 翠「うぅ〜・・・悔しいけど認めてやるですぅ」 真「そうね、まさにあの人は天に愛されたが故にその加護を受けた男なのだわ」 蒼「うん!!まさにその通りだよ真紅!!征こうか!!」 翠「さぁ〜て!!ちゃっちゃとこのつまんねー戦いを終わらせるですぅ!!」 真「えぇ、全軍突撃なのだわ!!」 真紅が剣を抜いて叫ぶ、人を殺す剣は嫌いな彼女だが号令を下す時に抜く剣は好きだ何とも言えぬ感覚に酔いしれソレが脳髄を貫く。 一方の水銀帝国軍は一騎打ちの敗北のせいか、目が覚めた時に鬼の形相をした嫁が立っているのを見たように顔から血の気が引いて行った。 意気消沈−−−まさにコレ以外に今の水銀帝国軍を表す言葉は無かった。 紅翠蒼連合軍の猛攻を支えるにも先の一騎打ちで連合軍に勝利の女神の加護があるのでは錯覚した水銀帝国軍は総崩れになりたちまち蜘蛛の子を散らすように退却していった。 連合軍はなおも追撃を続けるも水銀帝国軍が翠公国領を出た瞬間にその追撃の手はピタリと止まった、殿を務めるメグの鬼神が如き力もあったがとりあえずの目的は達したのでこれ以上の犠牲を出すのは愚策であった。
91 :
黒豆(万粒) :2006/12/21(木) 14:56:53.59 ID:aZ/CPv7q0
そして3日後、真紅・翠星石・蒼星石は戦勝軍を纏め勝利に酔いしれる翠公国の首都・オルレアーノに勝利の歓声を受けて凱旋した。 花吹雪が大通りを舞い勝利の音楽が鳴り響く、笑顔で出迎える市民達を見てJUMはどこか恥ずかしくなり思わず顔を俯かせた。 真「JUM、胸を張りなさい・・・この人達の笑顔は貴方が守ったのだから」 J「ぎ、御意・・・」 真「いい子ね、JUM・・・」 真紅はそう微笑み、空を見上げた雲一つ無い晴天の日差しと空を舞う花びらが真紅の頬を撫でた。 流れるような長い金髪に蒼空の如し蒼き瞳、誰の足跡も無い雪原のように白い肌、そして美味な果実の如き淡い朱の唇−−−美しい。 JUMはそれを横目で見ながら感嘆の溜息を付いた、彼女を守る事はこの上なき名誉な事なのだとJUMは思った。 その晩は王宮で勝利の宴が翠星石の主催で執り行われた、市民達にも酒や肴が振る舞われ音楽が鳴り響いていた。 さすが芸術の都と呼ばれるに相応しき独創性溢れる物でロイエンタールではなかなか耳にする機会が無かった。 翠「あるぇ?JUM〜どこ行くですか〜?」 J「少し・・・風に当たりに・・・」 翠「テラスならそこを右に曲がった突き当たりにあるですぅよぉ?」 J「有り難うございます、翠星石公爵様」 頻りに酒を勧める蒼星石やその他将軍達から逃げるようにその場を後にするJUM、祭り事は好きだがあぁも飲まされれば真紅の護衛など出来やしない。
92 :
黒豆(万粒) :2006/12/21(木) 14:57:41.10 ID:aZ/CPv7q0
蒼「ちっ・・・逃げられた・・・」 翠「・・・(ちょww蒼星石の目が座ってるですぅ・・・)」 蒼「翠ー星ー石ーぃ!!」 翠「は、はいですぅ!!」 蒼「今日は徹底的に飲むよ!!」 翠「はい?いや、あの蒼星石・・・樽は止めるですぅ!!そんなに飲めな(ry」 遠く翠星石の悲鳴を聞いたような気がしたがJUMは全く気にしない、JUMはテラスの戸を開けるとそこには既に先客がいた。 青白い月を背に立つ紅の少女、如何なる画家や詩人でもこの美しさを表す言葉や筆は無いであろう。 真「あら?JUM、貴方も風に当たりに?」 J「はい、少し酒が過ぎまして・・・」 真「そう・・・貴方もそこに立ってないでここに座ればいいのだわ」 そう言って真紅がテラスに置いてあったベンチをペチペチと叩いて自分の隣に座るように命じた、どこが見たようなデジャブにJUMは襲われたが気にしない。 J「はっ、では失礼します・・・」 真「ん、素直でよろしいのだわ」 春の夜風がJUMの頬を優しく撫でるその心地よい風と城下や王宮から聞こえる音楽にJUMは酒とは違う酔いにかかった。
93 :
黒豆(万粒) :2006/12/21(木) 14:58:16.91 ID:aZ/CPv7q0
その時ふと真紅の手がJUMの手に重ねられた、JUMは驚いて真紅を見ると少し酔ってるのか虚ろで涙ぐんだ瞳が自分の瞳をまっすぐに見つめられていた。 J「し、真紅様?」 真「JUM、今からする事はあくまで酒に酔った戯れだと言う事にするのだわ、いい?」 J「はっ、御意にございます」 鼻を突く目の前の少女の薔薇の香り、徐々に近づく少女の顔、耳にその少女の息づかいが・・・そして−−−唇と唇が重なった。 それはどれくらいの時間だっただろう、少なくともJUMにはソレが永遠に感じられた−−−この時間が永遠に続けばいいのに。 そして唇が離れ、紅潮した頬を見られたくないと言わんばかりにその少女は顔を背ける、そしてその少女は名残惜しそうにポツリと呟く。 真「少し・・・飲み過ぎたのだわ」 J「そのようで・・・寝室までお連れしましょうか?」 真「いえ、いいのだわ・・・それくらい自分の足で歩けるのだわ、それより貴方・・・もう少し風に当たったほうがいいわ、まだ顔が紅いのだわ」 J「ッ!?・・・御意」 JUMは自分の顔に手を当ててその熱さを実感した、そして消え入るような声で呟き俯いた。 −−−・・・一時の平和な夜は更けていく・・・。
94 :
黒豆(万粒) :2006/12/21(木) 14:58:36.58 ID:aZ/CPv7q0
<<次回予告>> ルベールの会戦は終わった−−−騎士には休息を、魔術師には平穏を−−−今は只、謳歌すればいい。 だがその一時の平和ですら戦乱の騒音にかき消される、遙か西方−−リンボンにて戦乱の火種が起きようとしていた・・・。 次回、薔薇乙女大戦・・・「第四章〜勃発・リンボン叛乱事件〜」・・・例え修羅道に落ちようとも貴女は私が守り抜く・・・。
95 :
一人で初詣 :2006/12/21(木) 14:59:30.12 ID:+MIsr8YG0
100
96 :
金魚と初詣 :2006/12/21(木) 15:08:44.79 ID:+MIsr8YG0
十七作目 ベジータ編 ほ、掘られる! 梅岡だ! し、しまった梅岡dらめぇ ゆ、ユンケルで増強した梅岡にアッー!
97 :
猪(2ch中) :2006/12/21(木) 15:28:20.34 ID:bZpoCEZAO
>>94 なんとGJな描写、この二人のキスシーンはなんと甘美な事か…
この話の行く末が楽しみでならない
>>96 ベジータ編というかもう梅岡編でいいよwオチ要員編でも可w
98 :
金魚と初詣 :2006/12/21(木) 15:37:49.32 ID:+MIsr8YG0
99 :
神主と初詣 :2006/12/21(木) 16:18:18.57 ID:+MIsr8YG0
十八作目 梅岡編 ほ、ホモだから何だ! し、下ネタだから何だ! ゆ、百合よりうほっいい男
100 :
神主と初詣 :2006/12/21(木) 16:29:13.51 ID:+MIsr8YG0
100げttttっとおおおおう
101 :
神主と初詣 :2006/12/21(木) 16:42:39.96 ID:+MIsr8YG0
十九作目 蒼星石編 ほ、ほうじ茶美味しいね し、真紅は飲まないのかな? ゆ、夕方はくんくんの時間だったか
102 :
角焼もち :2006/12/21(木) 16:50:48.63 ID:aZ/CPv7q0
割り込みだったらゴメス 蒼「小さいね」 翠「極小ですぅ」 薔「小さい」 真(イジメ?イッペン死んでみr(ry) J「どうしたお前ら?」 水「これ小さすぎると思わなぁい?」 J「ん?どれどれ?やっぱ小さいな〜」 真(そんな・・・JUMまでっ!?) 真「ちょっと貴方達!!どう言うつも・・・」 J「ん?どうした真紅、ワカサギの天ぷら喰う?」 真「え?えぇ、頂くのだわ」 雛&金「保守(なの〜/かしら〜)」
103 :
神主と初詣 :2006/12/21(木) 16:54:19.97 ID:+MIsr8YG0
二十作目 J「人稲杉だね・・・・」 ベ「だな・・・・」 梅「先生が一肌脱ぐぞー☆」 J「先生、男で☆はまずいです」 ベ「やめろ梅岡こっちくんなこっちみんなズボン脱ぐなアッー!」 J「誰か来てベジータを助けてやってください」
104 :
角焼もち :2006/12/21(木) 16:55:14.65 ID:aZ/CPv7q0
105 :
美容師と初詣 :2006/12/21(木) 16:58:05.88 ID:JLw/1RSG0
>>103 ほられるのでイヤです。
しにたくないです。
ゆるしてください。
106 :
牧師と初詣 :2006/12/21(木) 17:05:07.36 ID:+MIsr8YG0
二十一作目 ベ「やっとそこそこ人が来たぜ・・・」 梅「人目もあるしベジを○○○するのは止めるか」 J「先生が自分から辞めるとは珍しい」 梅「止めるのではない 乗り換えるのだ」 J「ちょwwww」 梅「ベジを○○○するのは止めると言ったが お前にしないとは言ってない」 ベ「頑張れJUN」 J「アッー!」 銀「って感じになるだろうから今のうちに初めては貰っとくわぁ」 J「アッー!」
107 :
かき初め(二回目) :2006/12/21(木) 17:16:46.74 ID:bZpoCEZAO
108 :
牧師と初詣 :2006/12/21(木) 17:23:08.49 ID:+MIsr8YG0
>>107 最後で誰に襲わせるかは携帯掲示板で未來安価で決めますた
109 :
黒豆(六粒) :2006/12/21(木) 17:23:46.79 ID:F/VjKZPvO
長編の続き書いてる間に小ネタ 「雛苺…DNAってなんの略だっけ?」 「うー…『ど(D)う、似(N)てるでしょ?あ(A)んたの子』だと思うのー」 「しっ、紳助っ!?」 「うよ?」 勢いでやった。今は少し反省している(´・ω・`)
110 :
牧師と初詣 :2006/12/21(木) 17:31:12.37 ID:+MIsr8YG0
社会科(特に地理)の教科書はSSネタ元の宝庫 因みに俺の作品には○○作目とか書いてあるけど基本一話完結だから
111 :
多胡 :2006/12/21(木) 17:34:30.57 ID:CkHsLc0A0
初めて投下ですよろしくおねがいします 「ご飯はちゃんと食べましょう」 ジリリリリリリ ガチャッ 薔薇「んー・・・・」 今日も真っ青な空 薔薇「ふぃー・・・・」 ベッドから起きて階段で下へ降りてくと雪華お姉ちゃんがいた 雪「やっと起きたの薔薇水晶」 薔薇「おはよぅ、お姉ちゃん・・・ふぁ〜」 雪「貴方はいつも眠そうね、何時間寝ればいいの?」 薔薇「うぅ・・・」 ガチャ 玄関のドアが開く音が聞こえた 水「あらぁ?薔薇水晶珍しく早いわねぇ?」 薔薇「おはようございます水銀お姉さま・・・」 水「おはよう、てその呼び方はやめてっていったでしょう・・・・」 水銀お姉さまは姉妹ではなく尊敬している方で勝手に呼んでるだけ
112 :
多胡 :2006/12/21(木) 17:37:14.85 ID:CkHsLc0A0
>>111 雪「水銀燈おはよう」
水「おはよう雪華綺晶、貴方の妹ほんとに寝ぼすけねぇ」
薔薇「あぅぅ・・・・・・」
水「そろそろ学校行かないといけないわ、早く着替えてらっしゃい」
薔薇「はぃー・・・・・・」
-それから数分後
水「それではいきましょう」
雪「はい」
薔薇「はいー」
薔薇「朝ご飯また食べ損ねたからお腹減った(´・ω・`)」
お姉ちゃんはしっかり者だなあと改めて思った
113 :
多胡 :2006/12/21(木) 17:40:12.11 ID:CkHsLc0A0
>>112 -学校
水「おはよー」
雪「おはようございます」
薔薇「おはよう」
J「おはー」
真紅「おはよう」
翠「おはようですぅ」
蒼「おはよう」
雛「おはようなのー」
金「おはようかしらー」
笹「おはよう」
梅「笹塚ー廊下立ってろー」
笹「早くねえか・・・・」
笹塚君はそのまま廊下に出て行った
114 :
多胡 :2006/12/21(木) 17:42:09.78 ID:CkHsLc0A0
続いてベジータ君が来た ベ「やあシスターズ!おh・・」 バキッ! ベ「いいパンチ・・・・だ」 ドサッ 翠「いい加減そのシスターズという挨拶はやめるですぅ」 蒼「ちょっとやりすぎじゃないか翠星石」 翠「こんな変態の肩は持たないほうがいいですぅ」 いつもよく見る光景 だけど ぐぅぅ〜 薔薇「お腹減ったよぅ・・・・・」 その後授業に集中できず昼をとにかく待った
115 :
多胡 :2006/12/21(木) 17:44:18.11 ID:CkHsLc0A0
アーッ!アンカー付け忘れた_|−|○
>>114 は
>>113 の続きです
>>114 の続き
-昼
水「さてと弁当タイムよぉ 私は相変わらずヤクルトだけど」
雪「お腹をそれで満たせるのかと小一時間問い詰めたいわ・・・」
薔薇「お弁当♪お弁当♪」
薔薇「・・・・・」
水「どうしたの?」
薔薇「お弁当忘れた」
雪「そういえば私も忘れた」
薔薇&雪「( ゚д゚)」
薔薇&雪「( ゚д゚ )」
水「こっち見るなぁ」
そして学校を終えて帰宅した
薔薇「燃え尽きたぜ・・・・真っ白にな・・・」
雪「・・・・お弁当とりあえず食べるか・・・・」
薔薇「うん・・・・・・」
しっかり者みたいなお姉ちゃんだけどやっぱり私とどこか似てるんだよね
おしまい♪
116 :
友達と初詣 :2006/12/21(木) 18:25:53.14 ID:+MIsr8YG0
二十二作目 JUN編 ほ、ほっとくかベジータは し、しなびてるよベジータ 梅岡のせいで ゆ、ゆっくりと今梅岡がこっちに何するやめくぁwせdrftgyふじこlp
117 :
猪(ボーカル) :2006/12/21(木) 18:42:13.97 ID:8bEYRiUoO
>>115 ばらしー萌えた(´∀`*)
これからもがんばれ
118 :
黒豆(八粒) :2006/12/21(木) 18:46:14.04 ID:7YenOfZ5O
そーせいっ
119 :
猪(禁煙中) :2006/12/21(木) 19:04:19.72 ID:ckjP1ati0
保守
120 :
凧(ひもなし) :2006/12/21(木) 19:08:43.85 ID:ugIE6vs40
『言葉』遊び Kapitel7 投下 くっそう、何なんだ一体・・・ どこの誰だよ・・・こんな手の込んだいたずらするやつは・・・ しかも、昼休みに僕らにだけメールまで送ってくるご丁寧さ また危うく巴に命を奪われそうになったし・・・ 〜放課後の屋上にて〜 「とにかく、真紅が休みだとばらしようもないしな・・・」 「真紅の家に連絡してみたんだけどぉ、体調が悪いから部屋から出てこないんですってぇ」 「ひょっとしてばれたなんてことはねーですよねぇ」 「わかんないよ姉さん、真紅は馬鹿じゃないから」 「うーん、天才策士のカナでもそれは予測はつかないのかしら・・・」 「うにゅー、うにゅー」 「お見舞い」 「JUM様、ばらしーちゃんの言うようにお見舞いに行ってみませんか?」
121 :
凧(ひもなし) :2006/12/21(木) 19:12:29.06 ID:ugIE6vs40
>>120 とりあえず、真紅の家にみんなで行ってみようか・・・
少なくとも真相がばれているのであれば、真紅は元気だろうし・・・(後が怖いが・・・)
ピンポーン
「すみません、桜田ですけど」
「あら、JUM君ね、ちょっとまってね」
ゴゴゴと門扉が開く。
真紅の家は薔薇水晶や雪華綺晶の財閥ほど大きくは無いが、昔からある地元の名士の家だ
真紅のお母さんが出てきた。
「あらあら皆さんおそろいね〜薔薇ちゃん雪華ちゃんお久しぶり」
「「ご無沙汰してます」」
「さ、なんですから、とりあえず中に入ってくださいな」
ご好意に甘えて真紅の家へ
応接間に通された僕達は真紅の母から
「あの子ねぇ、青ざめた顔で帰ってくるなり、食事もとらずずっと部屋で篭っているのよ
朝も紅茶も飲まずに、体調が悪いから学校を休みたいなんていうから・・・」
122 :
凧(ひもなし) :2006/12/21(木) 19:16:00.44 ID:ugIE6vs40
>>121 「そうですか・・・」
「ところでJUM君」ニコニコ
あの、お母さん?ニコニコしてる割には何故おでこにピキマークがあるんでしょうか?
「真紅に何かしたの?」ピキピキ
あ、疑ってらっしゃるですか・・・
「・・・JUMぅ?」「かしらー」「チ、チビ人間・・・」「JUM君・・・」「うにゅ〜?」「アッガイ」「JUM様・・・」
う、周りの目線が痛い・・・
「ち、誓って何もしていません・・・」
周りの目線を吹き飛ばすような鋭い目線・・・真紅母の目線が突き刺さる。
「ん〜嘘をついている目じゃないわねぇ・・・」
信じてもらえた・・・のか・・・
「ま、あの子は明日には嫌でも登校させるから心配しないで頂戴ね、さあ、遅くなる前に
帰らないと」
123 :
凧(ひもなし) :2006/12/21(木) 19:19:42.17 ID:ugIE6vs40
>>122 ・・・
自宅に戻って通販めぐりをしているJUM、どうも気が乗らないらしい
駄目だ駄目だ駄目だ・・・朝の手紙とメールが気になる。
ふと気になって検索エンジンを開く
ポチポチ・・・『鰐淵機関』・・・と カチャ
・・・
な、なんだよこれ・・・
[Google宛に送られた法律に関するリクエストに応じて、検索結果の全件を削除しました。
必要に応じて ChillingEffects.orgで削除が発生したことに至った苦情を確認できます。]
苦情ってなんだよ・・・ええい、苦情のリンクをクリック・・・
124 :
凧(ひもなし) :2006/12/21(木) 19:23:49.54 ID:ugIE6vs40
>>123 ・・・
[エラー420 日本国内の法律においてこのページを表示することができません]
ならばっ、多段串を使って・・・
[The access to this URL is prohibited based on the law in a Japanese country.
There is a possibility that it is prosecuted by the request of a Japanese country
by FBI when not leaving at once. ]
(このURLへのアクセスは日本国の法律に基づき禁止されています。直ちに立ち去らない場合は
日本国からの依頼によりFBIにより訴追される可能性があります。)
くそぅ!なんだよ、意味わかんねーよ・・・
だめだ・・・今日はもう寝よう。明日考えよう・・・
(GOTO NEXT)
ではまた明日ノシ
125 :
書初め(今年書くぞー) :2006/12/21(木) 19:39:29.58 ID:bZpoCEZAO
>>124 やべぇwwwマジでwktkがとまんねぇwww
期待しても…いいんだよな…?
126 :
猪(ミセブラ) :2006/12/21(木) 19:56:59.23 ID:d2niVvQ00
>>94 素直に燃えた!
これからの展開が楽しみ
>>124 先が全く読めない……
真紅は何か知ってるのか非常に気になる
127 :
蛸 :2006/12/21(木) 19:58:46.40 ID:CkHsLc0A0
>>117 ありがとうございます!
色々これから書くと思いますのでよろしくおねがいします
>>124 ワクワクテカテカ
128 :
猪(禁風呂中) :2006/12/21(木) 20:13:51.84 ID:gvvAQ3+T0
129 :
猪(乱視) :2006/12/21(木) 20:19:21.29 ID:dhMoXFjr0
>>124 これからどうなるのか…期待しちゃうぜ!
130 :
黒豆(百粒) :2006/12/21(木) 20:41:10.44 ID:kq9De81qO
ほ
131 :
猪(水着) :2006/12/21(木) 20:44:57.36 ID:d2niVvQ00
132 :
黒豆(九粒) :2006/12/21(木) 20:49:39.39 ID:F/VjKZPvO
>>131 うぉっ、超セクスィwwww
作者カンゲキwwww
133 :
美容師と初詣 :2006/12/21(木) 20:56:35.74 ID:rABUt4upO
134 :
黒豆(九粒) :2006/12/21(木) 20:59:07.18 ID:F/VjKZPvO
「長編制作の合間に作ったネタがこんなに愛されてるとはねぇ…」 「とっても嬉しいのかしらー」 二人からの伝言を預かって来ました。
135 :
書初め(謹賀新年) :2006/12/21(木) 20:59:32.40 ID:bZpoCEZAO
136 :
猪(ミニスカ) :2006/12/21(木) 21:03:42.11 ID:dhMoXFjr0
137 :
初夢(ピザった夢) :2006/12/21(木) 21:05:34.99 ID:iTRdwWXL0
138 :
黒豆(十粒) :2006/12/21(木) 21:06:55.83 ID:F/VjKZPvO
しかし絵師がいるだけでこうも盛り上がるものなのなw
139 :
焼き豆腐 :2006/12/21(木) 21:26:06.90 ID:KAZFKzRF0
>>131 巧いww!しかも塗りがキレイすぎ
もうね、GJとしか言えない
140 :
初夢(ピザった夢) :2006/12/21(木) 21:52:09.55 ID:iTRdwWXL0
ほし
141 :
黒豆(万粒) :2006/12/21(木) 21:59:55.38 ID:RD+2QOW/O
Rozen Maiden-Endless nightmere- 番外編:ちょっとしたブレイクタイム… 水銀燈は機体の整備をしています 水銀燈「全くぅ…やってらんないわよぉ…」 白崎「機体の整備をちゃんとやんないと、ああなりますよ」 アストナージ「よし、ボス! 次の戦闘もボロットで自爆してもらうぞ!」 ボス「なんでなのよお〜ん!」 アストナージ「機体の整備をやらないアホは、自 爆 要 員 決 定 自爆したくなかったら機体の整備を や れ」 水銀燈「…」 白崎「真面目に整備した方が良いですよ」 水銀燈「反省するわぁ…」 水銀燈は現実の厳しさを知ったようです
142 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/21(木) 22:09:37.93 ID:RD+2QOW/O
>>141 番外編はまだまだ続きます
金糸雀は強化パーツの設計をしています
金糸雀「ここをこうして、こうするかしら〜」
カミーユ「金糸雀さん…なにやってるんですか?」
金糸雀「強化パーツの設計かしら〜」
カミーユ「どれどれ…
あ、ここにはこのパーツをつけた方が良いんでは?」
-十分後…
金糸雀「アストナージさん、これを私の機体に装備してほしいかしら〜」
-戦闘中
金糸雀「この機体で、ズルして賢くいただくかしら〜」
-ピチュン ピチュン
金糸雀「アッー! ラー・カイラムからくすねてきた核ミサイルに被弾したかしら〜」
-ドーン
金糸雀は宇宙のチリになりました。強化パーツの開発は計画的にやりましょう
143 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/21(木) 22:16:30.38 ID:RD+2QOW/O
>>142 翠星石は何かを企んでいるようです
翠星石「この回路を切ってしまえば雛苺は発進出来ないはずです」
雛苺「翠星石〜何してるの〜?」
翠星石「あっ、雛苺」
-プチッ
雛苺「翠星石…雛苺の機体の回路を切ってしまったの〜」
翠星石「あ…いやこれは…事故ですぅ」
雛苺「もう怒ったの〜
覚悟するの〜」
翠星石「すまねぇですぅ、謝るから許してほしいですぅ」
雛苺「問答無用なの〜
ケハハ」
翠星石はこの日以降、誰かにイタズラする事はなくなったそうです
144 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/21(木) 22:17:07.29 ID:RD+2QOW/O
>>143 とりあえず此処まで
ネタが思いついたらまた投下しますわ
145 :
保母さんと初詣 :2006/12/21(木) 22:41:38.94 ID:ZCJjRkOEO
保守
146 :
美容師と初詣 :2006/12/21(木) 23:11:19.14 ID:ZCJjRkOEO
保守
147 :
猪(48才) :2006/12/21(木) 23:28:02.74 ID:CkHsLc0A0
>>131 ときめきトゥナイトのED思い出して吹いた
148 :
ハマグリ :2006/12/21(木) 23:32:10.33 ID:aZ/CPv7q0
第四章〜勃発・リンボン叛乱事件〜 ルベール会戦は終わり一時だけの平和が訪れた、しかしそれも直ぐに西方は雛伯国からの緊急を告げる伝令によって平和は踏みにじられた。 所は変わって雛伯国、別名『傭兵国家』と言われる程この国では国家認定傭兵派遣業が盛んな国であった。 また首都・リンボンは貿易商業都市としても知られ世界中の商船が訪れる一大貿易港もあり商業の盛んな国でもあった。 それを統治するのはローゼン家第六姫・雛苺伯爵である、彼女は大賢者・荒巻スカルチノフより魔術の薫陶を受けた希代の魔術師でもあった。 当初国家の存続が危ぶまれるほど国内情勢は不安定で各地の土着貴族や諸勢力が度々叛乱を起こしていた。 それらを平定し国内安定に貢献し尽力したのが雛苺の側近であり宰相の柏葉巴である、彼女はその類い希なる軍略で叛乱を次々に鎮圧し別名『鉄血宰相』とまで呼ばれた名臣である。 雛苺・柏葉巴の二人によって雛伯国は長年平和を謳歌していた、しかしこの平和な雛伯国にも戦乱の火種が飛び火してきたのである。
149 :
ハマグリ :2006/12/21(木) 23:32:37.71 ID:aZ/CPv7q0
−−−雛伯国にて叛乱の気配あり。 この報告を聞くや否や真紅はJUMと共に1000名にも満たない僅かな軍勢を連れてロイエンタールを出航し雛伯国の首都・リンボンへと南下した。 入港を明日に控えたJUMと真紅達、丁度その頃リンボン城を脱出する一団があった。 青白い三日月とこの世の財の2割を集めたと言われるリンボン城を背に脇目もふらずに脱出する一団、供は僅かに十名弱。 かつて万を超える軍勢を所有していた人物からは想像もつかない程落ちぶれた一団、それでもなお忠義を誓い死出の旅とも知れない逃避行に付き従う者達もいた。 彼らが傷つき一人一人と脱落してまで守り抜こうとするこの国の至宝。 ローゼン八姉妹の中で今現在最も栄達と転落を味わった者・雛苺とその重臣・柏葉巴の両名である。 騎士A「巴様・雛苺様!!今度は我らの番にございます!!先に黄泉の国にてお待ちしておりますが故!!御免!!」 巴「すまない・・・」 雛「バイバイなの〜・・・」 騎士B「勿体ないお言葉に存じます!!ではこれにて!!どうかご無事で!!」
150 :
ハマグリ :2006/12/21(木) 23:34:15.19 ID:aZ/CPv7q0
そう言って最後の騎士達がエモノを手に速度を落とし足止めの為の人柱になっていく、二人に最後まで付き従ってきた騎士達はローゼン帝の時代から二人に仕えてきた古参”戦友”達ばかりである。 だが多勢に無勢、如何に精強な騎士達と言えどもたちまち反乱軍に刺され突かれ死んで行った、足止めになったのはわずか二分弱、彼らの命と引き替えに得た時間はわずか二分弱でしかなかった。 −−−悔しい・・・。 巴はやがて聞こえなくなってきた剣戟の音を耳に血が滲む程唇を噛み締めた。 その血は私達を守るために散っていった友達に捧げる哀悼の意であると言わんばかりにその僅かな血を大地に落とした。 雛「うぅ・・・トモエ、ヒナ怖いのぉ〜・・・」 巴「ご安心ください雛苺様、微力ながら私がいる限り例え修羅道に墜ちようとも雛苺様に指一本たりとて触れさせはしませんっ!!」 雛「うん!!トモエがいてくれたらヒナ、怖くないの〜!!」 巴「有り難き幸せ・・・御者!!このまま市街地を抜けろ!!そこから港に出れば奴らを撒けるかもしれん!!」 御「ははっ!!」 巴は御者にそう命じると馬車の外を眺めた−−−もうすぐ夜が明け血の如く紅き黎明を迎える。
151 :
ハマグリ :2006/12/21(木) 23:34:30.81 ID:aZ/CPv7q0
<<次回予告>> 雛苺一行は真紅達が待つ港までの逃避行を始めた、一人一人と戦友達が闇夜に消えていく。 悲劇の一夜が明け、血のように紅き黎明を迎える、市街地を抜け港へと向かう一行。 夜が明けると同時に港に入る真紅達、だがそこで待ち受けていたのは・・・。 次回、薔薇乙女大戦・・・「第五章前編〜血染めの黎明〜」・・・何故、貴女がここにいるの?・・・。
152 :
ハマグリ :2006/12/21(木) 23:35:22.65 ID:aZ/CPv7q0
今日はここまでっと・・・
153 :
美容師と初詣 :2006/12/21(木) 23:46:18.91 ID:ZCJjRkOEO
>>152 荒巻かよwwwwwwwwwwwwww
雛と巴はどうなるのか!?
wktkっっ(・∀・)
154 :
猪(ちび) :2006/12/21(木) 23:47:31.40 ID:d2niVvQ00
>>144 相変わらずあのゲームのウィンドウで見てる感じになるテンポだwww
作者がどれだけやりこんでるか解る、GJだw
>>152 だんだん規模が大きくなっていく……
雛と真紅は合流できるのか?この先の展開が楽しみだ。
155 :
猪(ちび) :2006/12/21(木) 23:48:03.01 ID:d2niVvQ00
156 :
美容師と初詣 :2006/12/21(木) 23:56:01.37 ID:ZCJjRkOEO
>>155 めちゃくちゃ可愛いwwwwwwwwwwwwwwwwww
GJ!!!!!!!!!!
157 :
書初め(交通安全) :2006/12/21(木) 23:58:00.33 ID:8bEYRiUoO
>>155 かーわーいーいー!!
なんだこの異常な可愛さは
158 :
猪(背中が弱いの) :2006/12/22(金) 00:00:53.06 ID:ExuyXnzu0
>>155 うはwwwテラカワユスwww髪型も文通りですげええええええ!!
159 :
旦那と初詣 :2006/12/22(金) 00:10:17.25 ID:GQTgUG4A0
>>155 これが思わずまさちゅーせっつしたくなるほどのカナか!
160 :
おせち(10,000円) :2006/12/22(金) 00:13:43.37 ID:Et7Mv5GnO
161 :
しょうゆ出汁 :2006/12/22(金) 00:14:45.40 ID:u3XsawJs0
>>155 かわいいなー。それしか言うこと思いつかないねんw
162 :
猪(委員長) :2006/12/22(金) 00:28:28.62 ID:Sh0xHaVXO
>>155 なんだよ、みんなが可愛い、可愛い言ってるから何かと思えば…
テラカワイイじゃねえかwwwwwww
163 :
年賀状 :2006/12/22(金) 00:30:01.30 ID:AbKBTeDE0
>>152 元ネタは知らないが、それでも素晴らしい描写に惹き込まれるよ。テンポも良いですし…。
何度も読み返して、研究し尽くさせてもらう。そして自分の文章技術に反映させてもらうよ。
とにかくGJ!!次回も楽しみにしてます。
164 :
姫初め :2006/12/22(金) 00:50:50.94 ID:hvYZVVZSO
>>155 スレ見たらやたら可愛いカナキターーー!玉子焼き焦げてるのもいい感じだぜ。
165 :
凧(赤) :2006/12/22(金) 00:59:01.68 ID:C+PR7af80
166 :
家族で初詣 :2006/12/22(金) 01:22:00.41 ID:41TujV1dO
保守
167 :
小豆汁 :2006/12/22(金) 02:21:29.97 ID:kN8/qQMR0
保守
168 :
おせち(15,000円) :2006/12/22(金) 03:25:04.70 ID:3Ylnx4IzO
保守
169 :
VIP皇帝 :2006/12/22(金) 04:37:22.18 ID:bP5HHeJrO
保守
170 :
おせち(30,000ウォン) :2006/12/22(金) 05:52:48.64 ID:3Ylnx4IzO
保守
「どうした?」 急に真紅から電話がかかってきて すぐに家に来てとの事だった。 一体、どういう事なのだろう? 「……一緒に寝て」 「へ?」 予想外で思わず間抜けな声を出してしまう。 一緒に寝て……だなんて、一体いきなりなんで……。 そう思っていると真紅が腕を引っ張って強引に家へ入れる。 一体何なんだ? そんな事を思う僕を思う僕をお構いなく真紅は自分の部屋の方へと引っ張る。 ……ん? 「真紅、どうしていきなり家に呼ぶんだ?」 そう言う僕の顔は恐らく少しにやけているだろう。 疑問に思っていた事は解けたのだから。
>>171 「どうでもいいでしょ」
「じゃあこれは?」
僕がDVDデッキの取り出しボタンを押すと
真紅はくわばった表情を浮かべる。
中から出てきたのはホラー映画のDVD。
「怖くなったんだろ?」
「……なんでわかったの?」
「パッケージ出しっぱなし」
机の上にはディスクが入っていたケースがある。
「怖くなったんだろ?」
「……」
「怖くなったんだろ?」
しつこく言う僕に対して真紅はツインテールビンタ。
直接的なダメージはほとんど無いが
髪の毛が目に刺さって痛い。
>>172 「……」
「ご、ごめん言い過ぎた」
真紅は珍しく泣きそうな顔をしている。
しかし、真紅は涙を堪える。
そして僕の方に向かってくると……抱きついた。
「え……」
「もう……」
それだけ言うと真紅は更にきつく抱きしめて来た。
「……」
「……」
「寝ようか?」
「……ええ」
僕は真紅を抱っこする。
膝の裏側に手を通し持ち上げる。
俗にいうお姫様抱っこというやつだ。
そしてそのままの状態でベッドに運びベッドに真紅を入れて自分も入る。
>>173 「しかし……何で一人で見ようとしたんだ?」
「……ひ、一人で見るぐらい平気なのだわ」
「はは……今度から一緒に見てやるから」
「……」
真紅は顔を赤らめるとそのままそっぽを向いてしまった。
ああ、こんな様子までほんと可愛いやつだな。僕は真紅の頭をそっと撫でる。
「じゃあ寝ようか」
「……ええ」
真紅は僕に撫でられると、直に……眠った。警戒心の全くないその寝顔は僕しか見られない。
「ほんと可愛いな」
僕はそう言うと軽く口付けして目を瞑った。
「好きだよ」
最後に一言そう言った。
「私もなのだわ」
小さくそう聞こえた気がした。
175 :
黒豆(八粒) :2006/12/22(金) 08:32:53.72 ID:9gngHcyi0
>>163 元ネタは無いんだすまない。
>>174 アンマーイ、いつか俺もこんなに甘い物を書いてみたいぜ
176 :
おみくじ(やぶれた) :2006/12/22(金) 09:04:28.85 ID:Sh0xHaVXO
177 :
お年玉(落としちゃった!!) :2006/12/22(金) 09:24:56.35 ID:wRmiQmv70
178 :
猪(ドラム) :2006/12/22(金) 10:40:02.16 ID:41TujV1dO
アマーー!!保守
179 :
黒豆(一粒) :2006/12/22(金) 11:08:22.35 ID:PNZ34ctFO
甘すぎて砂糖吐いたw こんな真紅いいなぁ…
>>174 甘い、甘すぎるよ!真紅が可愛く見えます。
GJ!!
181 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 11:41:20.94 ID:9gngHcyi0
「第五章前編〜血染めの黎明〜」 真紅達は水平線の彼方から日が昇ると同時にリンボンの港に入り錨を降ろした。 真「JUM、市街地に500の兵を進めて雛苺と巴の安全を確保しなさい、私はここで退路を確保するのだわ」 J「御意、敵は任意に排除してよろしいのでしょうか?」 真「目的遂行の為であれば許可するのだわ」 J「はっ!!御意!!」 JUMはエクスカリバーを抜き自ら先頭に立って朝靄の立ちこめる市街地へと突入して行った。 商業都市だと言うのに人の姿は無い・・・まるで死の都の如く人っ子一人いなかった。 この広い街でたった二人の人間を捜すのは針の山から金の針を見つけ出すような物である、だがJUMは迷いもなくドンドン先に進んでいく。 戦士故の直感と言うべきか自分が進む度に血の臭いが強くなっていく、そしてこの臭いの場所に−−−彼女たちはいる。 そうJUMは確信していた、戦場で頼りになるのは−−−己の直感と腕のみ!! そして臭いが最も強い場所に辿り着いた時JUMは己の直感が正しかった事を確信した。 武装した兵と思わしき者達に囲まれた絶体絶命の二人のいと哀れな少女達−−−。
182 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 11:41:48.34 ID:9gngHcyi0
一人の少女は小さな少女を守る為に綺麗な夜空の如き黒き髪を結い上げし剣士、その端正な顔を更に際だたせるように目の下の泣き黒子。 その少女に守られる幼い少女、真紅と同じ金髪だがその顔は対照的に幼い・・・そうまるで川辺で遊ぶ子供達のように幼い、されど今は恐怖に顔が崩れ瞳に涙を浮かべている。 傭兵A「雛苺伯爵!!大人しく例の物を渡せ!!そうすれば命だけは助けてやろう!!」 雛「い、いやなの〜!!コレは渡せないなの〜!!」 傭兵B「構うこたぁねぇ!!血祭りに上げてからでも構わねぇだろう!!」 傭兵C「そうだ!!やっちまえ!!ヒャッハー!!」 巴「雛苺様!!お下がりください!!」 傭兵D「お?なんだぁこのアマ?やる気か?」 傭兵E「まずはこの女からだ!!」 巴「雛苺様の御前にて血を見せるのは本望ではありませぬが・・・」 そう言って黒髪の少女は棒・・・否、それは剣であった−−−だがあれは剣であって剣に非ず。 その剣を見た瞬間JUMは全身の毛が総毛立った、黒い刃・・・まるで光そのものを拒絶するが如く黒い。 傭兵F「へへへ、姉ちゃんよ・・・持ち慣れない物は持つもんじゃねぇぜ?」 巴「・・・戯れ言は・・・それまでか!!」 傭兵F「ワタパァ!!」 黒髪の少女がその剣で屈強そうな傭兵を一刀のもとに切り伏せる、否切り伏せると言う表現はおよそ似つかわしくないだろう−−−まるでバターに刃を通すが如く半分に切り裂いた。 傭兵A「っ!!このアマああああ!!」 巴「!?」 一人切り伏せた所でその黒髪の少女の側面から今まさに斬りかからんとする傭兵、だが剣を上に振り上げた所でその手は止まる。
183 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 11:42:12.73 ID:9gngHcyi0
J「やれやれ、同じ男として情けない限りだ・・・女性に手を挙げようとし、あまつさえ幼子の前にて血を見せようとは・・・万死に値する輩共だ」 JUMは傭兵Aに突き刺した短剣を引き抜き、ソレに付着した血を地面に倒れている傭兵Aの服で拭き取った。 巴「貴方達は・・・?」 J「紅王国第一近衛騎士団長・桜田JUM、真紅様の命によって参上仕った」 雛「うよ?真紅の騎士さん?」 J「御意に雛苺様、柏葉!!雛苺様をお連れして速く港へ!!ここは我々にお任せあれ!!」 巴「いえ・・・もう仲間達が死ぬのを見るのはたくさん!!私も貴方と共に残ります!!」 J「・・・好きになされよ、おい!!雛苺様を連れて先に港へ行け!!」 兵A「はっ!!ささ、雛苺様こちらへ・・・」 雛「うぃ〜・・・トモエ〜・・・」 雛苺は味方の兵に守られて港へと護送されて行った、今この場に残るのは二人の忠義の剣士と欲に駆られた裏切り者達だけである。 J「ふん、こんな数一人で十分だと言うのに・・・物好きな女だ、女は戦うべきでは無いと思うんだがね」 巴「こんな雑魚達は私一人で十分よ・・・貴方は先に逃げたらどう?」 J「抜かせ・・・女に背中を預けるのはこれが始めてだ」 巴「そう、じゃあ貴方の背中は私が守るわ・・・」 J「よろしい、じゃあ僕は貴女の背中を・・・」 巴「巴って呼んで欲しいわ・・・」 二人共に背中を預け圧倒的多数に立ち向かう、圧倒的多数に囲まれようとも二人には絶対生き残る自信があった、戦士故の直感である。
184 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 11:42:35.24 ID:9gngHcyi0
『そう?じゃあ誰が私の背中を守ってくれるのかしら?』 どこかで聞いた声がJUMの耳に入る、その直後昇る血のような朝日を背に−−−屋根の上に一人の騎士が立っていた。 見間違う事も聞き間違える事も無い、その声の主こそJUMが唯一の強敵”友”と呼んだ者である。 J「メグ!?何故お前がここに!?」 メ「あ、勘違いしないでね?こんな雑魚共に貴方達を殺させるのは忍びないわ・・・それに言ったでしょ?貴方は私が殺すってね♪」 巴「柿崎・・・」 メ「あら、巴じゃないの♪お久しぶり♪」 J「知り合いか?」 巴「えぇ・・・ちょっとね」 メ「世間話は後にしましょ?今はコイツらを片づけましょ?」 J「あぁ、賛成だ」 巴「勿論・・・」 J・メ・巴「征くぞ!!」 集うは3人の騎士達、互いに互いの背中を合わせ圧倒的多数と対峙する−−−。
185 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 11:42:52.76 ID:9gngHcyi0
<<次回予告>> かつては共に命を賭けて殺し合った強敵達、故に今はこれ以上心強い味方は無きにて候−−−。 獣の血を呼び覚ますは紅き黎明、今血に染まりし3人対多数の生き残りを賭けた死闘が幕を開ける−−−。 次回、薔薇乙女大戦・・・「第五章後編〜三人の騎士〜」・・・・・・。
186 :
猪(メイド服) :2006/12/22(金) 12:09:32.14 ID:41TujV1dO
>>185 うおぉぉぉぉ!!待ってましたぁーー!!
まさかメグまでくるなんて…!
wktkが止まらないぃぃ!!
187 :
親父と初詣 :2006/12/22(金) 12:50:30.10 ID:o0Mn4ntm0
二十二作 ベ「お、蒼じょ」 蒼「JUN君、保守でもする?」 ベ「・・・・なあ銀じょ」 銀「JUN、新ジャンルヤクルト保守よぉ」 J「なんだそれwwww」 ベ「・・・・・・・保守」 銀「なにするのよぉベジ」 蒼「割り込みは良くないよ」 ベ「オマエモナー」 ベ「あれ? 梅岡オチじゃないのか?」 作「ああそのようだ」
188 :
”管理”人と初詣 :2006/12/22(金) 13:15:18.29 ID:41TujV1dO
以下ベジータに代わりまして名無しが アッー!! 保守
190 :
一人で初詣 :2006/12/22(金) 13:28:31.05 ID:o0Mn4ntm0
二十三作 蒼「いよいよ特別編放送だね」 J「予約録画おk」 蒼「水銀燈が主役なんだって?」 J「らしいね」 銀「呼んだぁ?」 J「噂をすれば・・・」 蒼「でも見られる地域限られてるみたいだね」 J「しかも深夜三時って微妙だよな」 銀「早起きには早すぎるし、夜更かしには遅すぎるものねぇ」 J「でもまあ地域の問題は、すぐ解決すんだろ ようつべが有るし」 蒼「まあそうだね」 銀「この流れだとオチ無いわねぇ」 梅「やっぱり僕が・・・うほっ」 ベ「 」 アッー!
191 :
猪(巨乳) :2006/12/22(金) 13:31:45.97 ID:Sh0xHaVXO
nのフィールド=体育館裏という構図が出来上がりました
192 :
初詣で痴漢 :2006/12/22(金) 13:33:07.01 ID:57+DKjuA0
べ「やれやれ、終業式も終わったのに、なんで俺だけ補習なんだよ」 梅「それはね。成績が悪かったから、君だけの愛の補習なんだよ」 ベ「ちょ!? ここからが本当の」 梅「愛の補習さ」 アーッ! ! 187にインスパイアされて書いた。反省はしていない。 そんな保守。
193 :
一人で初詣 :2006/12/22(金) 13:34:24.55 ID:o0Mn4ntm0
194 :
初夢(猿の夢) :2006/12/22(金) 13:35:08.18 ID:h7w6OCQW0
「ねえ、ジュンや。」 「・・・おまえがそういう場合はいい予感がしないんだ。ばらしぃよ。」 「突然だが最近の私は肉に飢えている。」 「知るか。」 「そして今日はローゼンの日ときている。」 「厳密には明日だけど。」 「というわけでジュンの腕の肉を」 「やめろ食べ物じゃnギャー!!!」 ===***=== 「・・・・・・・はぁ・・・・・夢か。」 「ところがどっこい。」 「ぎゃー!!!!」 がんばれジュン!ばらしぃに気に入られてるだけおまえの未来は明るいぞ!(声:麦人) …煩悩渦巻いた。
195 :
一人で初詣 :2006/12/22(金) 13:59:52.30 ID:o0Mn4ntm0
HOSHU
196 :
黒豆(四粒) :2006/12/22(金) 14:39:47.32 ID:PNZ34ctFO
作品作りが思うように進まない… 保守
197 :
神主と初詣 :2006/12/22(金) 15:04:05.68 ID:o0Mn4ntm0
198 :
神主と初詣 :2006/12/22(金) 15:31:20.86 ID:o0Mn4ntm0
保守
199 :
黒豆(四粒) :2006/12/22(金) 15:47:25.32 ID:qarZ0uAyO
正直どの乙女にも萌え、特別編には萎え (#^ω^)フヒヒヒwww@名古屋
お邪魔いたします
* 12月22日
【金曜日】
-TBS【特別番組/2日連続】「ローゼンメイデン・オーベルテューレ (前編)」(
ttp://www.tbs.co.jp/rozen-maiden/ )
0 1 2 3
|------l------|------l------|------l------|------l$.3:30-4:02 TBS. ローゼンメイデン・オーベルテューレ (前編)
0 1 2 3[等幅フォント用]
予約は今の内に・・・
2:59からのウインターガーデンが同枠内です
201 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 16:04:41.26 ID:Oo34Gl/u0
>>200 てめえ映んない地方の俺に喧嘩売ってんのか
202 :
角煮もち :2006/12/22(金) 16:09:57.16 ID:9gngHcyi0
203 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 16:11:20.10 ID:PNZ34ctFO
204 :
猪(巨乳) :2006/12/22(金) 16:12:50.59 ID:w27C9nFkO
>>69 二人とも腕組んでくっつきあって傍からみれば仲睦まじいのだが、みているのがヴァイオじゃムードの欠けらもない。
翠(あれ?こんなオープニングでしたっけ?)
ジ(あんまり恐くなさそうだな)
翠(あうぅ…これ翠星石が持ってきたのと違うやつですぅ。でも恐くて声がでねぇです)
ジ(震えてる?雰囲気だすためか?さすが策士。だが負けん)
翠「ぁぅぅ……ぅぅ(早く……止めるですぅ)」
ジ(まだまだっ。負けてられない)
意思の疎通など全くできてない二人。仕方ないといえば仕方ないかもしれない。
205 :
猪(巨乳) :2006/12/22(金) 16:14:10.53 ID:w27C9nFkO
>>204 『ギャアァァァァァァァァァ!!!』
翠「ひぃぃぃぃぃぃ!!」
ジ「うわあぁぁ!」
ジ(くそう、翠星石の声で負けた)
翠「ぅぅ……ヒック……グスッ……ぅぅっ……ック」
ジ「あ、あれ?何泣いて?もしかして恐かったか?」
翠「ぁぁぅ……ック……ぅぅ」
無言で泣きながら首を縦に振る翠星石。DVDを止める。
ジ「気付かなくって悪かった。ごめん」
翠星石を抱き寄せる僕。確かこうやれば安心できるんだっけ?あれ?寂しいときだったっけ?まあ、いいや。
206 :
猪(巨乳) :2006/12/22(金) 16:15:26.28 ID:w27C9nFkO
>>205 ジ「――少しは安心したか?」
翠「………」
ジ「うーん、落ち着くまでこのままで待っとくよ」
翠「はいです……」
ジ「そうだ、下に行って温かいお茶でも飲もうか?温かいもの飲むと落ち着くかも」
季節的には一応秋。残暑がまだ残ってはいるものの、涼しくはなっている。夜なので寒い日もたまにある。
翠「もう少し……このままでいるですぅ」
ジ「そうか……。わかった」
翠(幸せですがいつまでもこうしてられませんよね……。でも、もう少しだけ…こうやって…)
207 :
猪(巨乳) :2006/12/22(金) 16:16:55.31 ID:w27C9nFkO
>>206 翠「……ありがとうです。もういいです」
ジ「そうか。それはよかった。じゃあ、ちょっと待ってて」
翠「どこに行くですか?」
ジ「自分が寝る布団を取りに行くだけだよ。5分もかからないと思うけど」
翠「嫌ですぅ!ここにいるです」
ジ「いやでも、僕寝るところないし……」
翠「………るです」
ジ「え?悪い、聞こえなかった」
翠「翠星石と一緒に寝るです!」
ジ「ええ!?いや、それはさすがにまずいかと」
翠「たとえジュンが布団で寝ようとも、潜り込んで寝るからいいです」
ジ「……わかった。けど妙な事するなよ」
翠「男であるジュンが言うなですぅ」
208 :
猪(巨乳) :2006/12/22(金) 16:18:09.23 ID:w27C9nFkO
>>207 翠「もうちょっと詰めないと落ちるです」
ジ「あまり無茶言うなよ」
さすがにシングルベッドに大人2人分は小さかったようだ。
翠「いい考えがあるです」
ジ「なんだ?」
翠「さっきのようにだっこするですぅ」
ジ「布団の中でか?まあこの際しょうがないか」
翠「えへへ〜」
ジ「なんだ?どうかしたか?」
翠「朝までジュンとこのままですねぇ」
ジ「暖かいから風邪を引くことはなさそうだな」
翠「翠星石は幸せですよ〜」
ジ「そうか、僕もだよ」
翠「なら翠星石とジュンは相思相愛ですねぇ〜」
ジ「ああ、そうだな」
翠「え?」
ジ「あれだ、酔った勢いってやつだ。気にするな」
翠「翠星石は本気だったんですが」
ジ「そうか。奇遇だな」
翠「はい?」
ジ「ほら、明日は学校なんだから早く寝るぞ」
翠「今、なんて……」
ジ「おやすみ翠星石」
209 :
猪(巨乳) :2006/12/22(金) 16:20:38.23 ID:w27C9nFkO
ここまで。
>>200 を見て悲しくなるのは俺だけか。
地方にも放送してほしかった。
210 :
角煮もち :2006/12/22(金) 16:39:48.67 ID:9gngHcyi0
「第五章後編〜三人の騎士〜」 血の黎明、三人の騎士達はそれぞれが生き残るべく道を剣や槍で切り開く、是即修羅道也。 騎士達は生ける屍が如く貪欲に血路を開く、生き残りたい・守りたい人がいる・友のためと三者三様の思惑を旨に三人は市街地を血に染めて走り抜ける。 J「うぉぉぉぉ!!退けえええい!!」 先頭を走るJUMがただひたすら剣で道を切り開く、エクスカリバーもJUMも返り血で真紅に染まり紅き鬼となっていた。 巴「邪魔をするな!!命が惜しければ退け!!」 それに釣られて巴も刃を振るう、JUMが殺し損ねた死に損ない共に刃を振り下ろす、その黒き刃は更に血を吸うように赤黒く染まって行った。 メ「うふふふ♪死を踊りなさい♪」 メグのゲイボルグが唸りを挙げて次々と襲いかかる下郎共を弾き飛ばし・貫き通し・薙ぎ払い・叩き付ける、槍を振るう度に血が飛び散り市街地の壁を真紅に染めていく。 そんな鬼のような三人を反乱軍に止める術も無くただただ死の壁にぶち当たり次々と屍を晒して行った。 ざっと一人当たり百人以上は斬った、それでも三人は止まることを知らないまさに騎兵が歩兵を蹂躙するが如く死の道を作っていく。
211 :
角煮もち :2006/12/22(金) 16:40:09.96 ID:9gngHcyi0
三人が通った後には血の大河と屍の山が出来るだけでそこを歩く生者の姿は無かった、恐らく地獄と言う物があるとすればきっとソレはこれと同じ光景なのだろう。 これ以上の犠牲は好ましくないと判断した反乱軍上層部は直ちに市街地から全軍を撤退させリンボン城に篭もった。 それから三人が港に姿を見せたのは、陽が丁度真上に到達した時である、誰一人として傷を負わず誰一人として血を浴びなかった者はいない程血に染まっていた。 後に紅王国の兵士の一人が手記に『その時俺は本当の死神を見た』と記す程三人はボロボロになっていた。 真「JUM?」 J「真紅様・・・役目無事に果たしました・・・」 JUMが血に濡れたエクスカリバーを振るって血を払い落とす、だがすっかり固まってしまった血までは落とす事が出来なかった。 雛「トモエ?怪我したの?」 巴「いいえ、雛苺様・・・巴はどこも傷ついてはおりませんよ」 雛「良かったの〜!!ヒナねヒナね!!真紅の所に『ぼーめー』するの!!真紅、トモエも来ていい?」 真「えぇ、構わないのだわ・・・それで?貴女は何をしにきたのかしら?」 血に染まった巴の姿を見て怯えきった雛苺に優しく微笑み、安心させるかのようにその頭を優しく撫でた。 真紅は雛苺を説得し紅王国内に亡命政権を立てていつの日か国を取り戻す時には協力する事を条件に雛苺を 説得していたのだ。 メ「真紅様、これを陛下から預かってきております・・・真紅様に直接手渡すようにと・・・」 メグは鎧の中から黒い獣の皮に包まれた袋を取り出して真紅に手渡した。
212 :
角煮もち :2006/12/22(金) 16:40:25.45 ID:9gngHcyi0
それには水銀燈直筆で書かれた密書が入っていた、真紅はソレを取り出すと少しの間ソレを眺めてから懐にしまった。 真「メグ、これは他の姉妹にも?」 メ「はい、雪華綺晶様・薔薇水晶様・翠星石様・蒼星石様・金糸雀様にも同じ物を・・・」 真「そう・・・解ったのだわ、この返事は追って公文書としてそちらに送るのだわ」 メ「はい、ではこれにて・・・」 自分の仕事を終えたメグは真紅と雛苺に深々と頭を下げてその場を立ち去ろうとした。 J「メグ・・・今日は、助かった・・・礼を言う」 メ「あら?感謝されるような事はしてないわ、私は戦いたいから戦っただけだから」 J「そうか、でも礼を言わせてくれ・・・ありがとう」 巴「私からも言わせて貰うわ、ありがとう・・・」 メ「ふふふっ♪変なの・・・まぁいいわ、今日は私も楽しかったから・・・それじゃ」 J「あぁ・・・またな」 三人は不器用ながらも少ない言葉を交わした、騎士にとって言葉とは所詮それでしかない、ましてそれ以上でもそれ以下でも無かった。
213 :
角煮もち :2006/12/22(金) 16:42:06.23 ID:9gngHcyi0
真「JUM」 J「は、何でしょうか・・・」 真「お帰りなさい・・・」 J「・・・はい、真紅様・・・ただいま戻りました・・・」 海から吹く潮風に長く綺麗な金髪を揺らしながら真紅はニッコリ微笑んだ、それを見たJUMは少し恥ずかしそうに鼻の頭を掻くとそう言って笑った。 血の黎明は終わった、JUMは新たな嵐の予感を感じつつも大海原へと戻っていく−−−やがてその予感は現実の物となる
214 :
角煮もち :2006/12/22(金) 16:43:12.64 ID:9gngHcyi0
<<次回予告>> 血の黎明もやがて明ける、後に残りしは物言わぬ屍と其”屍”の山を乗り越えし三人の生者。 真紅とJUMの絆はより深まる、友情でも無ければ敵意でも無い−−−そう言いしれぬ絆が・・・。 次回、薔薇乙女大戦・・・「幕間〜不器用な二人〜」・・・私にとって貴方は・・・。
215 :
おみくじ(既知) :2006/12/22(金) 17:06:35.17 ID:Rvqp0Plk0
愛知なのにやらないのは泣いた
216 :
VIP皇帝 :2006/12/22(金) 17:35:46.12 ID:9mukG1AG0
大阪ですらやらんとは泣ける 泣きながら保守
217 :
黒豆(九粒) :2006/12/22(金) 17:54:52.83 ID:ls5LVGGCO
218 :
嫁と初詣 :2006/12/22(金) 18:07:40.74 ID:o0Mn4ntm0
俺が見られるのが逆に嬉しくなくなってきた
219 :
かき初め(虚脱感) :2006/12/22(金) 18:41:35.20 ID:9mukG1AG0
220 :
初夢(虫なった夢) :2006/12/22(金) 18:43:00.43 ID:NNQUUBb70
朝、新聞のテレビ欄を見たとき目当ての文字が見つからなくて目から汗が出た
221 :
初夢(宝船の夢) :2006/12/22(金) 19:24:43.73 ID:wRmiQmv70
お通夜並みのテンション保守
222 :
猪(ドラム) :2006/12/22(金) 19:37:09.91 ID:Sh0xHaVXO
嵐の前の静けさってやつだな保守
223 :
黒豆(九粒) :2006/12/22(金) 19:57:11.18 ID:PNZ34ctFO
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピ「カチッ」 「ふあ〜…朝か…今日も1日頑張るか…」 さっと制服に着替えて、眠たい目をこすりながら朝ごはんと弁当の準備をしようと一階に降りていく。 金糸雀が料理を全くできないので(できることはできるのだがオススメはできない)、朝ごはん・弁当・夕ごはんは僕の担当。去年までは姉ののりがやってくれてたんだけどね。 しかし体験してみてわかる、料理の大変なこと大変なこと……のりが帰ってきたら夕ごはんくらいは作ってやるか、うん。 男が料理をするのは少し珍しいかもしれないが、まぁいつもの光景だ。 途中で姉の部屋(今は金糸雀が使ってるんだけど)を通るとボソボソ聞こえてくる愛する金糸雀の寝言。 「ジュ…ン……好き…かしら…」 とっても恥ずかしいけどこれもいつもの光景。 金糸雀の寝言に多少ドキドキしつつ階段を降りて台所へ入ると、目についたのはいつもと違う光景。 「あっ、ジュンジュンおはよー。朝早いんだねぇー」 何が起きたのかわからず一瞬思考が停止したが、すぐに目の前の光景が理解できた。 「あぁ…そういえばみっちゃんさん帰ってきてたんでしたっけ…」
224 :
黒豆(九粒) :2006/12/22(金) 19:57:52.63 ID:PNZ34ctFO
「そーだよー?あ、もしかして忘れられてた?悲しいなぁー…よよよ…」 「あ、あははは…すいません…」 「いーよいーよー。いきなり押し掛けちゃった私にも原因あるしねー…あっ、ところでジュンジュン、カナは?」 「金糸雀なら…まだ夢の中です」 「ハァ…あの子のねぼすけも相変わらずなのかぁ…」 「そんなとこです…」 そしてここで今まで気になっていた素朴な疑問をぶつけてみた。 「ところでみっちゃんさんはこんな朝早くに何を?」 「何をって…見てわかんない?お弁当作ってるのよー」 なんと。これは非常にありがたい…しかし何か申し訳ないな… 「あ、それくらいなら僕が…」 「いいのよー。カナに聞いたんだけど、毎日ご飯作ってくれてるんでしょ?たまにはゆっくりしてよ♪これでも主婦だから、まずくはないと思うよっ♪」 「じゃぁ…お言葉に甘えますね」 「はいはーい」 僕が台所に来たために中断していた弁当の準備にとりかかるみっちゃんさん。 改めて見たらやっぱり若いなぁ…高校生の娘がいるとは思えない…「20代です」って言っても全然通用するな。 そんなことを考えていると、ふと話しかけられる。 「ねぇ、ジュンジュン…」 「はい?どうしました?」 「カナ…最近どう?」
225 :
初夢(ゴキとの思い出) :2006/12/22(金) 19:58:26.96 ID:YMiziWPD0
226 :
黒豆(十粒) :2006/12/22(金) 20:04:08.56 ID:PNZ34ctFO
すまん、
>>224 を訂正
「そーだよー?あ、もしかして忘れられてた?悲しいなぁー…よよよ…」
「あ、あははは…すいません…」
「いーよいーよー。いきなり押し掛けちゃった私にも原因あるしねー…あっ、ところでジュンジュン、カナは?」
「金糸雀なら…まだ夢の中です」
「ハァ…あの子のねぼすけも相変わらずなのかぁ…」
「そんなとこです…」
そしてここで今まで気になっていた素朴な疑問を弁当用の鮭を焼いているみっちゃんさんにぶつけてみた。
「ところでみっちゃんさんはこんな朝早くに何を?」
「何をって…見てわかんない?お弁当作ってるのよー」
なんと。これは非常にありがたい…しかし何か申し訳ないな…
「あ、それくらいなら僕が…」
「いいのよー。カナに聞いたんだけど、毎日ご飯作ってくれてるんでしょ?たまにはゆっくりしてよ♪これでも主婦だから、まずくはないと思うよっ♪」
「じゃぁ…お言葉に甘えますね」
「はいはーい」
僕が台所に来たために中断していた弁当の準備にとりかかるみっちゃんさん。
改めて見たらやっぱり若いなぁ…高校生の娘がいるとは思えない…「20代です」って言っても全然通用するな。
しかも料理の手際も素晴らしい…ホントに金糸雀のお母さんなんだろうか?
そんなことを考えていると、ふと話しかけられる。
「ねぇ、ジュンジュン…」
「はい?どうしました?」
「カナ…最近どう?」
227 :
黒豆(十粒) :2006/12/22(金) 20:04:59.10 ID:PNZ34ctFO
「え、どうって…相変わらずですよ?勉強はやたらとできるし、バイオリンはすごいし、クラスでは人気者だし…」 「んー…私が聞きたかったのはそーゆーのんじゃなくて…」 「じゃぁ…」 なんです?と言おうとすると、後ろでドアの開く音がした。 「ふぁ…みっちゃん…ジュン君…おはよう…」 金糸雀はまだ少し寝ぼけているらしく、お気に入りの黄色いパジャマのままで目をこすりながら入ってきた。 「きゃー!寝ぼけてるカナも可愛いーっ!」 「み、みっちゃんっ!?朝からまさちゅーせっちゅっ!」
228 :
黒豆(十粒) :2006/12/22(金) 20:05:38.25 ID:PNZ34ctFO
「あ、あの…金糸雀にまさちゅーせっちゅするのはいいんですが…」 「どーしたのー?あ、もしかしてジュンジュンもまさちゅーせっちゅしてほしいのかなぁ〜?」 「いや、そうじゃなくて……鮭」 僕の目には網の上で炎上して今にも炭になろうとしてる鮭が見えた。 「え?きゃー!!」 前言撤回…やっぱりこの人は金糸雀のお母さんだ。
229 :
黒豆(十粒) :2006/12/22(金) 20:06:03.64 ID:PNZ34ctFO
とりあえず一旦ここまで。続きは後ほど投下するよ
230 :
初夢(ピザった夢) :2006/12/22(金) 20:08:31.47 ID:wRmiQmv70
支援 OT見れんし、続きwktk。
231 :
黒豆(十粒) :2006/12/22(金) 20:10:56.95 ID:PNZ34ctFO
再びすまん、
>>226 を訂正
「そーだよー?あ、もしかして忘れられてた?悲しいなぁー…よよよ…」
「あ、あははは…すいません…」
「いーよいーよー。いきなり押し掛けちゃった私にも原因あるしねー…あっ、ところでジュンジュン、カナは?」
「金糸雀なら…まだ夢の中です」
「ハァ…あの子のねぼすけも相変わらずなのかぁ…」
「そんなとこです…」
そしてここで今まで気になっていた素朴な疑問をぶつけてみた。
「ところでみっちゃんさんはこんな朝早くに何を?」
「何をって…見てわかんない?お弁当作ってるのよー」
なんと。これは非常にありがたい…しかし何か申し訳ないな…
「あ、それくらいなら僕が…」
「いいのよー。カナに聞いたんだけど、毎日ご飯作ってくれてるんでしょ?たまにはゆっくりしてよ♪これでも主婦だから、まずくはないと思うよっ♪」
「じゃぁ…お言葉に甘えますね」
「はいはーい」
僕が台所に来たために中断していた弁当の準備にとりかかるみっちゃんさん。
改めて見たらやっぱり若いなぁ…高校生の娘がいるとは思えない…「20代です」って言っても全然通用するな。
しかも料理の手際も素晴らしい…ホントに金糸雀のお母さんなんだろうか?
そんなことを考えていると、弁当用の鮭を焼いているみっちゃんさんにふと話しかけられる。
「ねぇ、ジュンジュン…」
「はい?どうしました?」
「カナ…最近どう?」
232 :
黒豆(十粒) :2006/12/22(金) 20:16:42.56 ID:PNZ34ctFO
何度もすまん…
これは【夜空を駆ける】【流れ星】スレ
>>272 の続きで、
僕だけの特権 第3話(後編)
です。
233 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/22(金) 20:36:32.85 ID:eDHuO5Ap0
『言葉』遊び Kapitel 8 朝、真紅は学校に来た。 しかし予鈴がなって梅岡がやってくる直前だったため、話をすることができない。 (くそ、こんな日に限って、なんで1時間目が国語なんだよ・・・) 真紅はなんだか元気が無いようだ・・・他のクラスメイトが話しかけても上の空で・・・ 休み時間はすぐにどこかへ行ってしまい、授業開始直前に戻ってくる。 真相を話すことができない・・・ 昼休み、それも5時間目になろうかというころ、ようやく真紅を見つけた 「真紅、待ってくれ大事な話があるんだ」 「・・・何?」 「あの、そのなんだ真紅、わにb『その話はやめるのだわ!』 震えのかかった怒号 真紅は少し青ざめた顔をして教室に入っていく
234 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/22(金) 20:39:40.44 ID:eDHuO5Ap0
>>233 ・・・
放課後、逃げ帰るかのように教室を去っていく真紅。
何とか保健室の前で真紅に追いつく
「聞いてくれ真紅」
「嫌よ!」
翠星石と水銀燈も追いつき説得するが聞いてくれそうも無い。
「真紅聞いてくれ!『鰐淵機関』ってのは嘘なんだ」
「そんな話信じられないのだわ!」
とうとうその場にしゃがみこんでしまった真紅
「駄目、震えが止まらないのだわ」
そのままうずくまる
さすがに廊下であの光景は後々大変なので保健室へと真紅を連れて行く。
30分後、ようやく落ち着きを取り戻した真紅。
「下僕の前であんな姿をさらすなんて、恥辱の極みなのだわ」と軽い冗談まで
言えるようになってるならもう大丈夫だろう
235 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/22(金) 20:42:26.89 ID:eDHuO5Ap0
>>234 「でも、これは貴方達でも信じてもらえないのだわ・・・」
「とりあえず話を聞かせてくれ・・・」「そうよぉ」「ですぅ」
「おとといの事なのだわ・・・」
おとといの帰り道で突然「貴女、これ以上は関わらないほうが身のためよ」という
声を後ろからかけられる。振り返るとそこに一匹の黒い猫。
猫は「猫がしゃべるわけ無いなんて思ったんじゃなくて貴女」と喋りだす。
さらに「真紅、これは忠告よ。『私達の組織』を詮索するのはやめなさい」と言い残し
闇夜に消えてしまったという。
昨日はあまりの出来事にショックを隠しきれず部屋に閉じこもることしかできなかった。
今日登校が遅くなったのは、おととい声をかけられた場所を避けて遠回りをした為とのこと。
真紅は嘘を言う事は無いので、だとすると・・・
(何がどうなっているんだ、「鰐淵機関は架空の組織」じゃないのか?)
と必死に冷静に考えようとするJUM、昨日の検索結果の件もあり頭の中はパニック寸前である。
236 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/22(金) 20:45:10.21 ID:eDHuO5Ap0
>>235 「それはそうと、JUM 貴方さっき嘘といったわね、嘘というからには根拠があるのかしら?」
「怒らないで聞いて欲しい。その・・・実はだな・・・」と告白する。
ピキマークが浮かび怒りに震えている真紅。
(あの・・・真紅さん・・・両手にナックルを装備するのはご遠慮いただきたいのですが・・・)
ゴゴゴゴゴ・・・と地鳴りの音が聞こえる気がする・・・
巴が「悪鬼羅刹」なら真紅は「邪神」といっても過言ではない
「真紅待t(ボコ)、僕が悪かt(バキ)、聞いてくr(ドカ)」だんだん意識が遠のいて・・・
ふと横を見ると水銀燈と翠星石が抱き合って恐怖に震えている
「イテテ・・・真紅、頼むから聞いてくれ!」
とにかく、真紅同様に僕らにも変わった出来事が起きていることを伝える。
「・・・ということがあったんだ。だました件は正直悪かったよごめん、でも猫の件は
ホントに知らないんだ」
「じゃあ、誰の差し金だというのだわ」
237 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/22(金) 20:48:02.51 ID:eDHuO5Ap0
>>236 「あら、なんだか大変そうね」
隣のカーテンが開き、少女が顔を出す。
「めぐぅ・・・」
「ふわぁ・・・良く寝たわ」
すぅっと水銀燈の制服の襟口から手をいれ胸を触りだすめぐ
「あらあら、ちょうどいい大きさのボタンがあるわね、ぽちっとな♪」
「らめぇっ・・・/// じゃなくて、ちょっとぉ〜めぐ、怒るわよ・・・」
「うふふ、冗談はさておいて・・・と」
真剣なまなざしになるめぐ
「JUM君、さっき『鰐淵機関』は架空の組織といってたよね」
「そうだけど、あれが嘘じゃなければなんだというのさ」
「じゃあ聞くけど、誰か『鰐淵機関』を架空の組織であると証明したの?」
「そ、そんなの、元が嘘なんだから」
「架空だというからには誰かが『鰐淵機関は存在しない』ことを証明しないといけないよね?」
238 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/22(金) 20:50:48.88 ID:eDHuO5Ap0
>>237 「『悪魔の証明』というわけね」と話に割って入る真紅。
「そうよ、私が言いたいのは貴方達が架空の組織だと思っていた『鰐淵機関』が実は本当に
存在していたとしたら・・・」
・・・あの、めぐさん、おっしゃることはごもっともなんですが・・・真剣な顔をしていても、
水銀燈の胸を揉みながらだと・・・説得力が無いって言うか・・・
「めぐぅ ///」
「うふふ、ご馳走様、水銀燈♪」
(存在していないと思っていた組織が存在・・・そんなまさか・・・ね・・・)
そうこうしている間にも下校時刻になったため、保健室を後にする。
ほかの薔薇乙女も集まってきたので、皆でうちに集まって話をまとめようと言うことに
239 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/22(金) 20:53:29.34 ID:eDHuO5Ap0
>>238 おや?あれは薔薇水晶とベジータ・・・の後ろに梅岡・・・
「・・・!・・・・・・♪」
「・・・・・・ー!」
遠くて何を言っているかわからないが、やっぱりというか恒例というか、
ベジータが梅岡にお持ち帰りされたが見なかったことにしよう。
ニヤニヤとほくそ笑んだ薔薇水晶が駆けてくる。
「やほー、みんな集まったね、じゃあJUNの家でみんなでJUMを・・・」
「な、何を言ってんだよ薔薇水晶!!!」
いや、待ってください皆さん・・・目が真剣なんですが・・・
(GOTO NEXT)
240 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/22(金) 20:56:02.37 ID:eDHuO5Ap0
>>239 (おまけ)
帰り道、遠くで聞こえる救急車のサイレン、あの方向からだと大通りみたいだね。
しかし、そんなこととは関係なく
「だからぁ、真紅は(ピー)なのよぉ」
「お黙りなさい水銀燈、貴方こそ(ピー)なのだわ」
「ほぉら雛苺・・・早くしねーと翠星石が食べちゃうですよ〜♪」
「やーの!返して欲しいの〜」
ワイワイガヤガヤ・・・ペチャクチャペチャクチャ
はぁ・・・「女三人かしましい」というが、「女八人騒音公害」という諺は無いのでしょうか?
「「「「「「「「何か言った?」」」」」」」」
いーえ!何も言ってませんよ!何も・・・(地獄耳・・・)
なんか、おいらの名前欄凧ばっか ではまた明日ノシ
241 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/22(金) 21:03:07.31 ID:Prze+4uHO
Rozen Maiden-Endless nightmere- 第5回 -マエストロ 食堂 雪華「ジュン君…」 薔薇「久しぶりだね…ジュン」 ジュン「本当に久しぶりだな」 朔夜「おやおや、この鑑の艦長さんと知り合い?」 薔薇「…うん…そんなもん…」 ジュン「…彼は?」 雪華「紹介が遅れましたわ 彼は七瀬朔夜さんですわ」 薔薇「…聞いて驚き、実はネオ・ジオンの中佐さんなのだ…」 朔夜「死人扱いされてますがね」 ジュン「ですがあのエルトバイルは…」 朔夜「ああ、あれは貰ってきたんですよ」
242 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/22(金) 21:09:19.63 ID:Prze+4uHO
>>241 ジュン「貰ってきた…」
朔夜「ええ、少々強引でしたが…」
薔薇「強引って…」
朔夜「なぁに、ちょいとティターンズの格納庫が“偶然”爆発してね…その中の一機を貰っただけだ」
雪華「そうですk…
(゚д゚)」
朔夜「こっち見るなwwwwwwwwwwwwwwww」
ジュン「…」
薔薇「…何でアッガイ持ってこなかったんだろう…朔夜…」
ジュン「それはちょっと違うぞ、薔薇水晶」
243 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/22(金) 21:17:13.19 ID:Prze+4uHO
>>242 入れ忘れたNGワード:original
デュオ「成る程、だからティターンズは血眼になって探してるんだな」
薔薇「彼は…?」
ジュン「デュオ・マックスウェル君だ」
凱「久しぶりだな、デュオ」
デュオ「そっちも元気そうじゃねぇか」
凱「外の奴らは?」
デュオ「ヒイロ達は月に向かってるぞ」
凱「月に…」
朔夜「そういえばプルツーが月に侵攻するって聞いてたな…」
デュオ「おやおや、とても情報通な兄ちゃんだな」
薔薇「流石元ネオ・ジオン軍中佐」
朔夜「誉められても困るがな」
244 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/22(金) 21:28:12.53 ID:Prze+4uHO
>>243 デュオ「あのエルトバイルは兄ちゃんの機体だったんだな?」
朔夜「ま、そういう事だ」
巴「桜田艦長!」
ジュン「巴、どうした!?」
巴「光子力研究所より入電が入りました!
恐竜帝国とミケーネ帝国が侵攻、至急救援に来て欲しいとのことです!」
ジュン「分かった!
僕達はこれより、光子力研究所へ向かう!」
朔夜「艦長、私は…先に向かいます」
ジュン「分かったが…さっきの戦いを見る限り、君の機体は活躍してないようだな」
薔薇「…大丈夫だよ…ジュン」
ジュン「薔薇水晶…」
雪華「七瀬さんの腕は私達が保証しますわ」
245 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/22(金) 21:34:32.91 ID:Prze+4uHO
>>244 ジュン「…許可しよう」
朔夜「ありがとうございます」
ジュン「だが、薔薇水晶…君にも先に向かって貰う」
薔薇「ジュン…任せて…」
巴「パープルストームにクリスタル・カノンを装着したわ」
ジュン「薔薇水晶…君の任務は七瀬中佐の後方支援だ」
朔夜「艦長、私は既に死人扱いです。中佐なんてつけなくて良いですよ」
ジュン「例え死人でも、中佐は中佐だ」
薔薇「じゃあ、パープルストーム出るよ…」
朔夜「じゃあ私も出るか…」
七瀬と薔薇水晶は、単身で光子力研究所へ向かうようです
続く
246 :
1000ならクリスマス中止 :2006/12/22(金) 21:34:54.34 ID:Prze+4uHO
247 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 21:48:40.19 ID:PNZ34ctFO
>>228 からの続き
そんなこんなで非常に慌ただしく6日間が過ぎた。なんてったって金糸雀が二人いるようなもんだからね…まぁ金糸雀本人は家にいるときも学校モードだったからそれほどドジはしなかったけど。
問題はみっちゃんさんだ。金糸雀みたいに砂糖と塩を間違うなんてまだ可愛い方。
みっちゃんさん…一体どうやったら砂糖と胡椒を間違えるんですか…?
「はぁ…明日にはみっちゃんがまた海外に行っちゃうのかしら…」
「そうだな…なんだかんだ言ってもあの人がいなくなると寂しくなるな…」
「かしら…」
リビングで金糸雀が残念そうにポツリと漏らす。
ちなみに今みっちゃんさんはお風呂タイムだ。
「ジュン…カナは…カナはね、みっちゃんのこと大好きかしら」
「うん、知ってる…」
「ホントはみっちゃんにもジュンみたいにいっぱい甘えたいかしら…でも…カナは『いい子』でいなきゃいけないのかしら…カナがみっちゃんにワガママ言って困らせちゃいけないのかしら…」
「金糸雀……」
しばしの間、静寂がこの空間を包む。それを断ち切ったのは
「カーナー!次お風呂入ってー!」
というみっちゃんさんの声。
248 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 21:49:14.63 ID:PNZ34ctFO
「わかったー!すぐ行くわー!」 パタパタと風呂場へ向かう金糸雀。 …甘えモードからの切り替えが早いこと早いこと… 「ふぅ…いいお湯だったわー…」 金糸雀と入れ違いにみっちゃんさんがリビングに戻ってくる。 風呂上がりのためにほんのり赤くなった肌が妙に色っぽく感じて思わず目をそらしてしまう。 「ねぇジュンジュン」 そんなときにいきなり話しかけられたもんだから僕の心臓は文字通り飛び上がった。 「はっ、はいっ!なんですかっ?」 「なんでそんなにキョドってるのよぅ…あ、まさか風呂上がりの私を見てコーフンしちゃった!?いやー、まだまだ私も捨てたもんじゃなかったのねー♪」 くっ…何故この人はこうも図星をついてくるのか… 「そっ、それで…何か?」
249 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 21:50:50.93 ID:PNZ34ctFO
「照れちゃってー♪ジュンジュン可愛いなぁ♪」 そう言ってほっぺをツンツンついてくる。 ちょっと気持ちよく感じたのは内緒だ。 「あ、何の用か…だったわね。」 みっちゃんさんが真剣な顔になり、椅子に座る。 やっと本題突入か…長かったな… 「あのね、カナのことなんだけど…あの子…なんか無理してない?」 「…どういうことですか?」 「ほら…ジュンジュンも知ってるとおり、高校入学までのカナってすごく甘えん坊だったじゃない?」 いや、今でも十分甘えん坊なんですが…という言葉をぐっと飲み込む。 「えぇ…高校生になってから急にしっかり者になった…って感じですね」 「あの子が高校生になってから私の海外の仕事が増えて家を開けっぱなしにすることのが多くなっちゃったから…自然とあの子も『しっかりしなきゃ』って思ったんだろうねー…」 「で…何で金糸雀が無理してるって思うんですか?」 「そんなの見りゃわかるわよー。伊達にあの子の親やってないんだからさー」 「はぁ…」 「本当は甘えたいんだけど甘えられない…『自分はいい子でいなければいけない』って思い込んじゃってるんじゃない? 周りが期待すればするほどその思いはどんどんあの子を締め付けちゃう…それでさらに『いい子』になろうとする…まさに悪循環ね。体にも心にもすごい負担がかかってるんでしょ?」
250 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 21:52:10.05 ID:PNZ34ctFO
「そこまでっ…」 「『わかってるのに何故金糸雀を助けてあげない?』」 「…」 「そうね…『仕事が忙しい』なんて言い訳でしかないわよね。本当なら私が一番あの子を支えてあげなきゃいけないのに…」 「みっちゃんさん…」 「そんなことわかってる…人の親なら自分の子供を何より優先しなきゃいけないって… 私はあの子に甘えてたのよ…『あの子がしっかりしてるから自分は好きな仕事をやれている』…その考えがあの子の心をさらに締め付けてたなんてことに気付かずに…ごめんねジュンジュン…私って親の資格ないよね…」 うなだれるみっちゃんさん…僕は何も言い返せなかった。 二人の間に流れる気まずい沈黙……それは風呂上がりの金糸雀の一言で断ち切られた。 「ふぅ…いいお風呂だったぁ…ジュン君どうぞ♪」 「あ、あぁ…」 僕が立ち上がると同時にみっちゃんさんも席を立つ。 「ふぃー…じゃぁ私はそろそろ寝るかなー。あ、ジュンジュン?私がいないからってカナとあんなことやこんなことするんじゃないわよー?」 「ちょっ、ちょっとみっちゃん!何を…//」
251 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 21:53:11.85 ID:PNZ34ctFO
「あははー♪カナったら可愛いー♪それじゃおやすみなさーい」 バタン 「うぅ…みっちゃんにも困ったものかしら…//ねぇジュン?」 「……」 「ジュン?どうしたのかしら?」 「……え?い、いや…なんでもない。じゃ、じゃぁ僕も風呂入ってくるよ…金糸雀はどうする?」 「カナはジュンを待ってるかしらー」 「うん、わかった。それじゃぁまた後でな」 「はいなのかしらー」 浴室に入り、湯船につかりながら一人呟く。 「……みっちゃんさん…泣いてたな…」 自分の子供の苦しみをわかってやれなかった…一人の親として、どんなに自分が許せないことだろう… 「僕には…僕には何もできないのか?みっちゃんさんのために…金糸雀のために…」 …しばらく考えてからあることを思いつく。 「やっぱり…これしかないか」 僕は一つの思いを秘め、浴室を後にした。
252 :
黒豆(百粒) :2006/12/22(金) 21:53:33.67 ID:PNZ34ctFO
再び中断。 続きは後ほど投下します
253 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:55:01.93 ID:JlzrndU10
>>20 の続き
幸〜FOREVER MEMORYS〜の続きを投下します
NGワードはsinineta
感想下さった方々に感謝
それではどうぞ
254 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:55:22.18 ID:JlzrndU10
第十七話 「涙」 ――次の日 僕は金糸雀を呼んだ。 ただ、呼んだといっても水銀燈と時間が被らないように 本来なら学校のある真昼間に呼んだ。 いきなり学校サボって病院に来てくれないか? などという無茶な注文に答えてくれた金糸雀に感謝しよう。 ……そろそろ来るかな? そう思った時、ノックの音が聞こえる。 十中八九、金糸雀だろう。 「入っていいよ」 「かしらー」 その声と同時に金糸雀が部屋に入ってきた。 見るのも久々だ。 最近は週一で水銀燈以外の皆が来る。 逆に言えば、週一でしか皆には会わない。 皆が自分達よりも恋人の水銀燈と長く居た方がいいとの事で 水銀燈と二人きりになる時間を長くしたのだ。 「金糸雀久しぶり……元気かい?」 「それはこっちの台詞かしらー!そんなに痩せこけてかしらー!」
255 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:55:44.90 ID:JlzrndU10
>>254 金糸雀が怒るのも無理は無い。
大して美味しくも無い病院食をずっと食べて
点滴を打って、死に近付いていくせいで
体から段々と肉が削げ落ちている。
……見た目だけならもう死人みたいだな。
もうすぐほんとに死人になってしまうが。
そんな事を思いつつ、僕は金糸雀を掴んだ。
また、涙が流れていた。
「金糸省……お願いだ……協力してくれ……」
僕は説明した。
昨日メグに言われて思いついた事。
“結婚したい”
無論、僕は僕は十七歳。
水銀燈はあと一ヶ月近く後の誕生日で十七を迎える。
結婚は無理だ、法律的にはだ。
もう死ぬんだ。
法律なんて関係ない。
だから決意した。
例え、国に認められないだろうと結婚したい。
せめて形だけでも。
「その為にも……OKをもらえたら水銀燈とすぐに結婚したい。
……だけどどうすればいいかわからなくて……」
256 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:56:09.11 ID:JlzrndU10
>>255 認められなくても結婚したい。
ただ、思いつきだけでは何も出来ない。
僕は方法を考えてなかった。
「そ、そんなの策士の私が考えてやるかしらー!」
「金糸雀……」
「友の門出に協力するのは当たり前かしらー!良いのを考えてやるかしらー!」
「金糸省……ありがとう……」
目頭が熱くなり思わず泣きそうになる。
「も、もう泣くのはやめるかしらー!ジュンに涙はあわないかしらー!」
そう言いつつ、卵色のハンカチで僕の涙を金糸雀は拭き取って行く。
ちょっと、自分が情けない気がした。
「何かを伝えたいなら……哀しみは伝えてはいけないかしら。
だから泣いちゃ駄目かしら、あなたなら出来る筈かしらー」
……愛は伝えなければならない。
けど、愛に悲しみはいらない。
悲しみの愛なんて伝えたら駄目……か。
「……そうだよな、泣いてたら駄目だよな」
僕は金糸雀の手を払いのけた。そして自分で涙を拭う。
257 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:56:32.68 ID:JlzrndU10
>>256 「もう……泣かないよ」
そんな事出来るかな?
また泣いちゃうのでは無いのだろうか?
けど、涙は流しちゃいけないんだ。流さないように……するんだ。
「プロポーズするのは確定事項だけど……結婚するだけなら書類提出だけだけど……。
出来るなら結婚式を挙げたいなって思ってて……」
書類提出しても無駄だ。だが、出しとこうと思う。
感情論で結婚出来る訳が無い。けれども、気分だけでも味わいたくて。
「成る程かしらー、それでどのようにしたいのかしら?」
「兎に角普通の結婚式はしたくないんだ」
「どういう事かしら?」
「生憎神は信じてなくてね、もし神が居たとしても神は僕と意見が合わない。
そんな嫌いなものに僕は愛を誓いたくないんだ」
言い切ると僕は金糸雀の後ろの方にいる人……いや、ラプラスの魔を睨みつける。
金糸雀は無論、気が付いていない。
「ふ〜んなんか意味有り気かしら。何か理由があるの?神嫌いな」
「それは秘密」
258 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:57:06.13 ID:JlzrndU10
>>257 ……こんな若い内に死ぬ運命を定めるような神様を好きになんかなれないさ。
「そろそろ水銀燈が来るな……」
今の時間はちょうど学校が終わる時刻。
水銀燈は学校が終わるとすぐに来るのでそろそろ金糸雀を帰さないと厄介だ。
「じゃあカナは退散するかしらー」
「すまないな。んで今日は有難う」
「どういたしましてかしらー!度々お見舞いに来るかしらー!」
「ふふ・・・あ、来た!」
看護婦の怒る声に掛け声。
そして看護婦に軽く謝っている声は水銀燈だ。
「早く行かなきゃ、そうかしら」
金糸省は持っている傘を広げ窓を開ける。一体、何を考えているんだ?
「落ちるといっても空気抵抗でゆっくり落ちるかしらー!」
金糸雀は窓から飛び降りりようとする。
259 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:57:30.15 ID:JlzrndU10
>>258 「ちょ……おまっ……」
「I can fryかしらー!」
そう言うと金糸雀は威勢良く窓から飛び降りた。
傘をさしながら。
無論、パラシュートのような事が起きる事はない。
傘は空中分解していた。
それと同時、悲鳴が聞こえ少し鈍い音が聞こえる。
大丈夫なのか?
僕は急いで窓の外を覗こうとする。
しかし、ドアの開く音がして元の位置に戻る。
「やっほぉ♪乳酸菌とってるぅ?」
「あ、ああ……」
死んでないだろうな?あいつ。
僕は水銀燈と話しててもそればかり気になっていた。
260 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:57:57.12 ID:JlzrndU10
>>259 「こんばんわ」
「お前か」
挨拶してくるのはラプラスの魔。どうも気に食わない奴だ。
「今日来た子は妙な子でしたね」
「妙って……?」
「矛盾、方向性がないと申し上げましょうか?
自分を見失っていますね。哀れ哀れ」
「何言ってんだ……?」
「あなたにはわからないでしょう。
最も、あの子自身にも理解できてないでしょうが」
「……?」
「今夜はちょっと、“現の第一世界”から離れ
少し夢の中の散歩にでも行きましょうか。
少々、お話をしに……」
「何言っているんだ?」
「死んだらわかる事ですよ」
そう言うとラプラスは消えた。
ラプラスの居た場所は今では何も無かったかのように見える。
しかし、何を言っていたんだ?全く理解が出来なかった。
まぁ、考えるだけ無駄だろう。
もう寝る事にしよう、体にも悪いし。
261 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:58:20.66 ID:JlzrndU10
>>260 暫くの間、金糸雀は時々学校を抜け出しては僕に会いに来てくれたりした。
最も、水銀燈は水銀燈で学校をサボって来たり
早退したりして見舞いにきたりしている。
あまりサボるなとは言っているのだけどね。そして、今日は皆が来る休日。
面会開始時間より一時間あけた時間に皆、僕の病室に来てくれる。
水銀燈はというと皆と会う日だけは皆と一緒にジュンと話したいという事で
二人きりになる事は無かった。
特に皆は待ち合わせもしてないのでばらばらに来る。
その空白の一時間で金糸雀と結婚の話をする時もある。
今、金糸雀は来た。けれでも様子がおかしい。
走ってきたようで息をきらしている。
肩で息をして何かに必死だ。
「ジュン!」
「大丈夫か?」
「大丈夫かしらー。ジュンに伝えたい事があるかしらー。」
金糸雀の真剣な表情にジュンは思わず息を呑む。一体……なんだ?
「カナは今までずっとあなたを友達として祝おうと“努力”してきたかしら。
でもホントは違った、自分の本当の気持ちを隠してあなたの為に“努力”してたかしら。
ホントはホントは。
あなたの事がずっと好きで好きでしょうがなかったかしらー!
カナの“友への祝い曲“はいつしか歪んであなたへの叶わない恋の哀しさを出してたかしら……。
カナはいつしか“愛してる人への祝い曲“を奏でてたかしら……。
カナは友達としてではなく好きな人の為に頑張ってたかしら……」
262 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:58:44.48 ID:JlzrndU10
>>261 絶句。言葉が出なかった。
ずっと僕を祝福してくれた金糸雀からいきなりの告白。
金糸雀の様子から本気だとわかる。
「だからっ……ヒック……私はここであなたと約束……ヒック……したいかしら……」
「金糸雀……」
「告白の返事は……ヒック……最初から決まってるから……ヒック……いらないかしら……。
カナはあなたを……これからは……ヒック……“大好きな友達”として……祝福するかしら……ヒック……。
だからジュンは……必ず……ヒック……幸せに……なって……かしら……」
金糸雀は涙を流してた。
ムードメーカーでいつもテンションが高い金糸雀。
涙を見せる事なんて無い金糸雀。
元気な元気な金糸雀。
その金糸雀は目の前で涙を流していた。
僕はその金糸雀の手を……握った。
「金糸雀……ありがとう……そして御免な……。
約束する……僕は幸せになるよ……“努力“する……」
だから……金糸雀も……幸せになって……!」
今の自分が言える、必死の言葉だった。
涙を堪える事が出来なかった。
僕も涙を流していた。
止める事なんて出来なかった。
263 :
黒豆(六粒) :2006/12/22(金) 21:59:09.01 ID:JlzrndU10
>>262 「ほんと……あなたは……人に優しいかしら……」
金糸雀は僕に抱きついてきた。
僕はただ、抱きしめた。
口付けなど無かった。
彼女は大切な“友達”だったから。
……。
金糸雀はあの後、僕の病室から出て行って
皆が揃い始めた頃に雛苺を連れていつものように来た。
まるで告白なんて無かったの如くいつも通りだった。
“友達からよりより友達に変わっただけだったから”
金糸雀は皆と笑っていた。
何時ものように、迷いも無く。
「おやおや、今日は色々あったようですね」
ラプラスの魔が喋りかけてくる。
こいつは見て無くても物事など把握できる。
流石は“魔”だという所だ。
「矛盾が無かったですね。
迷いが無くなり道を見つけたようですね」
「……何かしたのか?」
264 :
黒豆(七粒) :2006/12/22(金) 22:00:03.09 ID:JlzrndU10
>>263 前に金糸雀の事を喋っていた時には
夢に出かけるなんて言ってどこかに行ってしまった。
「ちょっと囁いただけです」
「……夢ってのは?」
「人間は寝てる時、夢を見ます。
夢とは死の世界の象徴なのですよ。
いや、生とは死、死は生、夢は現、現は夢。
全てはメビウスの輪。
故に、私はどの世界も渡り歩ける」
「……言ってる事はよくわからんが金糸雀に夢の中で何かしたという事か?」
「ええ、夢ですので忘れてるとは思いますが
もしかしたら覚えてるかもしれませんね」
「……」
……どうあれ、こいつは結果的に手助けしてくれたという事か。
嫌だが、感謝すべきか?
「なんでそんな事をしたんだ?」
「おもしろそうでしたので」
まぁいい。
今回は感謝しておこう。
少なくとも、僕も金糸雀も悲しみは無いのだから。
265 :
黒豆(七粒) :2006/12/22(金) 22:00:57.76 ID:JlzrndU10
>>264 「で、あなた達は……?」
困惑している。
学校サボるときはいつもは一人で来る金糸雀だが
今日は年上の女性と男性を連れていた。
一体誰だ?全く覚えが無いのだが。
「草笛みつでーす!」
やけに元気な人だ。
……この人が金糸雀のお姉さんか。
ローゼンメイデンの制服を作った。
「槐だ」
もの静かなこの人。
お兄さんかなんかだろうか?
「カナのお姉ちゃんにお姉ちゃんのお店の店長かしらー!」
お店?
そう言えば……金糸雀のお姉さんは服飾店で働いているとは聞いたけれども。
266 :
黒豆(七粒) :2006/12/22(金) 22:01:23.21 ID:JlzrndU10
>>265 「ちなみに、薔薇水晶と雪華綺晶の親だ。
娘が世話になってるね」
「は、はぁ……どうも」
薔薇水晶と雪華綺晶のお父さんなのか……。
若い人だな。
しかし、何でこんな人が此処に?
「協力してもらう為に来てもらったかしら」
「と言うと?」
「ウェディンドレス作れるなんて幸せー!」
「……は?」
ウェディングドレス?
「僕も協力さしてもらう」
「一体全体、何でこういう事に?」
「病室である程度、服飾の手伝いをする事ならジュンでも出来る事かしら。
だからウェディングドレスを作ろうという事にしらかしらー!」
いきなりすぎる。
「けど……」
「けど?」
267 :
黒豆(七粒) :2006/12/22(金) 22:01:45.75 ID:JlzrndU10
>>266 「けど何かしら?」
「いや……」
……断る理由は無いか。
僕が生きてる間に出来る唯一の事なら……やるしかないか。
「服飾なんて全くやった事はありませんが……よろしくお願いします」
「ああ」
「よろしくねー!」
……もう時間も無いんだ。
泣いてる暇も無いんだ。
早く、早くやらなきゃ……。
268 :
VIP皇帝 :2006/12/22(金) 22:02:27.65 ID:JlzrndU10
此処まで ようやく結婚式のところまできた。。 もうすぐ終わりですね。。 読んで下さった方々に感謝
269 :
丸焼もち :2006/12/22(金) 22:07:05.67 ID:Oo34Gl/u0
ずっとFOREVER MEMORYSって何だろうとか思ってたらこれか よくわからんからスルーしてたぜ wikiで見直してこよう
270 :
初夢(二日酔い) :2006/12/22(金) 22:09:24.36 ID:wRmiQmv70
>>268 JUMの悲壮な決意が…哀しい。
すぐそこに迫る最後の時までwktkして待ってます。
271 :
妹と初詣 :2006/12/22(金) 22:19:41.82 ID:I+e2CQKk0
>>268 結末がわかっているだけに哀しいな・・・
wktkしてます。
272 :
黒豆(千粒) :2006/12/22(金) 22:47:04.37 ID:PNZ34ctFO
>>251 の続き
リビングに戻ると、金糸雀が今にも寝てしまいそうなくらいウトウトしていた。
このまま寝ると風邪をひいてしまうな…かわいそうだけど起こすか。
「金糸雀ー…起きろー」
軽くほっぺを叩いてみる。
ぺちぺち……
「…ん…あやうく寝ちゃうとこだったのかしら…それもこれもジュンのお風呂が長いからかしらー!」
手をパタパタさせながらむくれる金糸雀。
「罰としてカナを抱っこするかしらー//」
「ごめんごめん…ほら、これでいいかい?」後ろから抱きしめる。
「ふにゃー…ジュンの体ポカポカかしらー♪」
僕の腕に包まれ、気持ちよさそうに甘える金糸雀。
うん、やっぱり彼女は『いい子』でいるよりこうやって甘えてるほうが断然可愛い。
みっちゃんさんも本当の自分を隠した金糸雀よりこっちの金糸雀の方が好きに決まってる。
「(よし…)」
心の中で決意して、僕は先ほど浴室で思ったことを金糸雀に伝えることにした。
273 :
黒豆(千粒) :2006/12/22(金) 22:47:45.62 ID:PNZ34ctFO
「なぁ金糸雀…」 「ん?どうしたのかしらー?」 「もうさ…『いい子』でいる必要なんか…ないと思う」 「え…?」 「ほら…金糸雀さっき言ってたじゃないか。『自分はいい子でなきゃいけない。ワガママを言ってみっちゃんを困らせてはいけない』って」 「え…あ、うん…そうかしら…カナは『いい子』でいなきゃいけないのかしら…みっちゃんに迷惑かけるわけには」 「なぁ金糸雀」 「いかな…ふえ?」 「僕はそうは思わないな。無理して演じている『いい子』の金糸雀とありのままの甘えん坊な金糸雀…一人の親として、みっちゃんさんはどっちの金糸雀の姿を見るほうが嬉しいと思う?」 「そ、それは…」 そのままうつむいてしまった金糸雀…当然か。今までの自分を否定されたも同然なのだから…
274 :
黒豆(千粒) :2006/12/22(金) 22:48:14.85 ID:PNZ34ctFO
そんな今にも泣き出してしまいそうな金糸雀をもう一度強く抱きしめる。 「ジュン…」 「みっちゃんさんな、悩んでたんだ。『自分のせいで金糸雀に無理をさせている』って。すごく後悔してた」 「みっちゃんが…?」 「うん」 「そっか…カナが『いい子』であればあるほどみっちゃんを苦しめてたのかしら…カナはおばかさんかしら…」 「金糸雀…」 「ジュン…ありがとうかしら」 「い、いや…僕は何も…」 「ううん…ジュンは大切なことを気付かせてくれたかしら。カナはカナなのであって、無理して『いい子』になる必要なんてないのかしら……そうよね、ジュン?」 「あぁ…そのとおりだよ金糸雀」 「ふふっ♪んー…なんかスッキリしらまた眠くなってきたかしらー…」 「ははは。じゃぁそろそろ寝るか?」 「はいなのかしら♪あ、ジュン……?」 「ん?どうした?」 「うー…あのー…今日は一緒に寝てほしいかしら…ダメ?//」 あぁっ…だからいつも言ってるようにその上目使いは反則… 「も、もちろんだよ//」 「やったー♪じゃぁさっそくジュンの部屋に行くのかしらー♪」
275 :
黒豆(千粒) :2006/12/22(金) 22:49:02.82 ID:PNZ34ctFO
そして翌日の朝早く…僕と金糸雀はみっちゃんさんを見送るために玄関まで来ていた。本当は空港まで見送りに行きたかったんだけど、「空港まで着いて来られると別れが辛くなるからここまででいいよー」とのこと。 「じゃぁカナ、ジュンジュン…そろそろ行くねー」 「えぇ。またいつでも帰ってきてくださいね?みっちゃんさんも僕の家族ですから」 「…ありがとうジュンジュン」 「ほら、金糸雀もみっちゃんさんに言いたいことあるんだろ?」 僕の隣で恥ずかしそうに下を向いていた金糸雀の背中をポンと押してやる。 「あ、あの…みっちゃん…」 「カナ、どーしたの?」 すると金糸雀はいきなりみっちゃんさんに抱きついた。 「うぅっ…みっちゃん…ごめんなさいなのかしら…」 「か、カナ…貴女…!?」 「カナのせいで…カナのせいでみっちゃんに辛い思いをいっぱいさせちゃってたのかしらっ…ごめんなさいかしら…」 「カナ…ううん、私のほうこそ…ごめんね…?」 「みっちゃん…うぅっ…ぐすっ…」 「ほらほら、もう高校生なんだから泣かないの。ね?」 ボロボロ泣きながら自分をきゅっと抱きしめている金糸雀の頭を優しくなでるみっちゃんさん。 「みっちゃんだって…みっちゃだって泣いてるかしらー…」 「ふふっ…そうね…」 「みっちゃん…カナはみっちゃんのことが大好きかしら…」 「私も…カナのことだーいすきよ♪」 「えへへへ…♪」 「ふふっ……さてと、名残惜しいけどそろそろ行くね?」 金糸雀の体を引き離し、残念そうに呟くみっちゃんさん。しかしその顔は昨日のように沈んだものではなく、とても晴れ晴れとしている。それはもちろん金糸雀も同じだ。 「うんっ!ばいばいなのかしらー!」 ぶんぶんと笑顔で手を振る金糸雀。 「体には気をつけてくださいね?」 「二人ともありがとう…それじゃぁねー♪」
276 :
黒豆(千粒) :2006/12/22(金) 22:49:55.92 ID:PNZ34ctFO
「金糸雀…よかったな」 「うんっ!」 「さて…それじゃぁ朝ごはんにしようか?」 「はいなのかしらー♪おかずは何かしらー?」 「そうだなぁ…金糸雀の大好きな甘ーい玉子焼きいっぱい作ってやるよ」 「ホ、ホントかしらー?ジュン大好きかしらーっ♪」 「おわっ…飛び付くなってば…」 「へへへ♪イヤなのかしらー♪」 僕にひっついたまま嬉しそうに笑う金糸雀。 この笑顔はもう僕だけのものじゃなくなっちゃったな…ちょっと寂しいかも… でも、こんなに嬉しそうな金糸雀を見てたらそんなことはどうでもよく思える。 「ジュンー?どうしたのかしらー?カナお腹減ったのかしらー…」 「…あぁ、ごめんごめん。すぐ支度するよ」 「じゃぁ早くこのまま台所へれっつごーなのかしらー♪」 だって…僕は愛する人のこの笑顔を見れるだけで幸せなんだから。
277 :
黒豆(千粒) :2006/12/22(金) 22:50:30.60 ID:PNZ34ctFO
これで終わりです。ではノシ
278 :
初夢(二日酔い) :2006/12/22(金) 22:56:18.53 ID:wRmiQmv70
>>277 甘いあま〜いお話でした。GJ!
カナはやっぱかわええよ!
279 :
彼女と初詣 :2006/12/22(金) 23:09:58.64 ID:I+e2CQKk0
280 :
角煮もち :2006/12/22(金) 23:20:26.20 ID:Prze+4uHO
保守
281 :
おせつ :2006/12/22(金) 23:21:28.93 ID:mELEGbfU0
282 :
書初め(給料倍増) :2006/12/22(金) 23:49:00.95 ID:/301cSUs0
はやめほしゅ
283 :
スルメ :2006/12/22(金) 23:57:23.63 ID:9gngHcyi0
オーベルテューレが見れない鬱だ、寝よう
284 :
猪(双子の妹) :2006/12/23(土) 00:19:01.68 ID:fNEWJe1j0
「薔薇水晶。何ふてくされてるんだ」 「クリスマスが退屈です。しのいでください」 「退屈か。二夜連続の深夜アニメがどうとか言ってなかったっけ」 「なに言ってるのジュン? あれは都市伝説。実在しない企画」 「……なんか今凄いこと言ったな」 「見れない番組なんて都市伝説とおんなじだよ。ひどいなと思いました」 「勝手に都市伝説にするな。世界はお前を中心に回ってるわけじゃない」 「関東を中心に回ってるわけでもないもん。なにテレ東っておいしいの」 「いやテレ東じゃないから。少し落ち着け」 「ごにょごにょしてもどうせすぐにno longer availableだろうし。最悪」 「何のことだかさっぱりだ」 「とぼけるな。おとなはきたない。ジュンはきたない。……ジュンはおとな」 「その三段論法はおかしい。そしてなんで頬を赤らめるんだお前は」 「どうせ年明けには地方局でもやるだろ」 「それじゃだめ」 「……」 「みんなといっしょに、見たかった。だから」 「……」 「ジュン?」 「ちょっといい話にしてオチつけようというその姿勢がけしからん」 「ふひひ。じゃあ、ぐだぐだでおしまい。保守」
285 :
妹と初詣 :2006/12/23(土) 00:57:39.21 ID:8hNOArjRO
>>284 ワロスwwwオヌシの心境が手に取るようにわかるw
ほら…これで目から垂れてる汁を拭いて…
つ ハンカチ
286 :
黒豆(万粒) :2006/12/23(土) 01:35:23.53 ID:cWRV5Woy0
鬱物の修行をしてみんとて、するなり。思い立ったが仏滅。 構成上、名前欄を書き換えますが、コテではないのでご了承を。 死にネタを含みますので、「そんなSS嫌や」という方は、あぼーんして下さい。 NGワード:sinineta
287 :
めぐ :2006/12/23(土) 01:36:20.60 ID:cWRV5Woy0
「ねえ……」 病室のベッドに身を横たえたまま、私は窓辺の椅子に座っている女の子に話しかけた。 ガラスを透り抜ける穏やかな初春の日射しをいっぱいに浴びて、眠たそうな彼女。 なだらかな肩を流れ落ちる銀色の髪が、眩しいくらいに輝いている。 「……なぁに?」 とろんとした目を私に向けて、気怠そうに訊ねる仕種は、猫を彷彿させた。 彼女の名は、水銀燈。私にとって1番の親友だ。 長い長い入院生活で、世間に疎くなった私にだって、友達と呼べる人は居るのよ。 とは言っても、水銀燈を含めて二人だけなんだけど。 「あの子、今日は来てくれないの?」 「知らなぁい。用事があるって言って、私より先に家を出たから」 「……そう」 あの子――というのは、水銀燈の妹の、雪華綺晶のこと。 私の、二人目の親友。彼女も毎日、私の元を訪ねてくれる。 よく気が利く子で、看護士さんの目を盗み、こっそりお菓子を差し入れてくれるのだ。 それが楽しみだったりするんだけど、今日はまだ顔を見せてくれなかった。 ちょっと寂しい。
288 :
水銀燈 :2006/12/23(土) 01:37:00.79 ID:cWRV5Woy0
>>287 ベッドに横たわったまま、眩しげに私を見つめる、長い黒髪の女の子――柿崎めぐ。
私にとって、彼女は1番の親友だ。
子供の頃から、ずっと変わらずに……。
「あの子、今日は来てくれないの?」
憂いを湛えた瞳を、ひたと私に向けて、めぐが訊ねてきた。
あの子とは、私の妹、雪華綺晶のことだろう。
雪華綺晶もまた、めぐとは幼少の頃からの付き合いだ。
彼女にとって、数少ない友人の一人であることは間違いない。
知らない、と告げたら、めぐの表情に影が差した。
この娘は寂しがり。
たまに『死にたい』だなんて戯れ言を口にするのも、構って欲しいから。
だって、そうでしょう?
本当に死にたいのなら、迷わずに、そこの窓から飛び降りる筈だもの。
要するに、甘えたい気持ちを、素直に表現できないへそ曲がりなのよ。
――でも、私は、そんな『ちょっとひねくれ者』な彼女が大好きだった。
まぁ、類は友を呼ぶ……というヤツね、きっと。
「あの子は気紛れだから、その内ひょっこり顔を見せに来るわよ」
微笑みかけてフォロー入れると、めぐは安堵したらしく、相好を崩した。
私の前では、こんなにも素直に振る舞えるのに……本当に不器用な子ね。
289 :
めぐ :2006/12/23(土) 01:37:45.97 ID:cWRV5Woy0
>>288 「あの子は気紛れだから、その内ひょっこり顔を見せに来るわよ」
水銀燈は、にこやかに言った。実際、彼女の言うとおりなのよね。
雪華綺晶という娘には、たまに何を考えているか解らない時があるの。
電波系……とは、少しニュアンスが違う。いわゆる『不思議ちゃん』かな?
意識がどこかに飛んでっちゃったみたいに、ぽーっと物思いに耽る姿を、
私は何度も目にしている。
でも、根は正直でいい子よ。容貌も端麗で、とっても可愛いし。
それにね、私と彼女って、血液型とか体質的な点で、いろいろと似ているのよ。
だから、なのかな。私は彼女のことを本当の妹みたいに思って、雪華ちゃんと呼んでるの。
こういう心理って、変かしらね?
病室の時間は、凪いだ海のように、ゆるゆると穏やかに流れていく。
そんな中で、私は白い天井を見つめながら、雪華綺晶の白く長い髪を思い浮かべた。
深く澄んだ琥珀色の瞳を、頭の中に思い描く。
あどけなさを残す、丸みを帯びた輪郭。折れてしまいそうなほど、ほっそりとした首。
お人形さんみたい……という言葉が、ぴったりと当てはまる女の子。
でも、脳裏で完成しつつあった彼女の虚像は、突如として起きた電子音に掻き乱された。
聞き慣れたメロディー。水銀燈の携帯電話が、着信を報せているのね。
水銀燈は煩わしそうに眉を顰めながら、鳴り止まない電話を開いた。
「ママから? なんなのぉ?」
怪訝そうに通話を繋いで、ちょっと言葉を交わすや否や……
水銀燈の端正な表情が、見る間に曇り、強張っていった。
290 :
水銀燈 :2006/12/23(土) 01:38:28.20 ID:cWRV5Woy0
>>289 雪華綺晶が、交通事故に巻き込まれた。
どういうこと? 意味が、よく分からなかった。
でも、電話の向こうから届くママの涙声は、同じ言葉を繰り返す。
瀕死の重傷だと言う。救急車で、この病院に向かっている真っ最中らしい。
「どうかしたの、水銀燈?」
「…………めぐ。あ、あの……ね」
「? よく分かんないけど、急用だったら、早く帰った方がいいわよ。
私のことなら気にしないで。いざとなれば、ナースコール使うから」
陽気に笑って見せるのは、めぐなりの気遣いなのだろう。
私が後ろ髪ひかれずに、帰れるように……と。
彼女の優しさに感謝しながら、私は病室を飛び出した。
救急搬送口で待っていると、程なくサイレンを鳴らした救急車が滑り込んできた。
ストレッチャーの上には、夥しい量の血にまみれた人の姿。
それは間違いなく、妹の雪華綺晶だった。
右目の辺りは鮮血に染まって、何がなんだか解らなかった。
私は堪らなくなって、搬送されるストレッチャーに駆け寄り、妹に呼びかけた。
雪華綺晶は僅かに左目を開いて、唇を戦慄かせる。
耳を寄せると、妹は虫の息で、譫言のように呟いていた。
「…………痛いの。……身体が……痛い。助けて……お姉さま……」
私には、何もできない。
勇気づける言葉もかけてやれないまま、震えながら、遠ざかるストレッチャーを見送っていた。
291 :
めぐ :2006/12/23(土) 01:39:06.97 ID:cWRV5Woy0
>>290 思いがけない早さで、水銀燈は病室に戻ってきた。
しかも、いまだ嘗て見たこともないほど、沈鬱な面持ちで。
私はもうビックリして、即座に問い質していた。
「一体どうしたのよ、水銀燈っ!」
長い沈黙の後、やっと彼女が喋った内容は、私を激しく動揺させた。
雪華綺晶が交通事故に巻き込まれて、瀕死の重傷であること。
緊急手術を施してはいるが、破裂した臓器の代わりがないこと。
その他にも、水銀燈がもたらす情報は、どれも暗澹たるものばかりだった。
雪華綺晶は助からないの? こんなにも早く、彼女の命に幕が降ろされてしまうの?
そんなの、あんまりだと思う。不条理すぎる。
似たような境遇に置かれている私には、とても他人事とは思えなかった。
なにか……どうにかして、雪華綺晶を救う手だては無いのかしら?
元々あまり良くない頭をフル回転させて考える。
そして、ひとつの可能性に賭けてみようと決断した。
医者じゃないから、巧く行くかどうかなんて解らないけど……
私にできる事と言えば、このくらいしかない。
「水銀燈…………私を…………殺して」
水銀燈は息を呑んで、大きく目を見開いていた。まあ、当然の反応よね。
逆の立場なら、私だって、そうしただろうし。
私は、絶句している彼女に向けて語り続けた。
292 :
水銀燈 :2006/12/23(土) 01:39:48.40 ID:cWRV5Woy0
>>291 「私は、死にたかったんじゃない」
めぐは真剣な眼差しで私を見据えて、言った。「殺して欲しかったのよ。貴女の手で」
そして、実に晴れ晴れとした笑顔を浮かべた。
迷いも未練も一切ない、天使のように無垢な微笑みを。
私には解る。それが、めぐの偽らざる本心なのだと。
だからこそ、出来るものならば、叶えてあげたいと思う。
出来るものならば――
「…………そんな…………やぁよ」
でも、やっぱり嫌。めぐを失いたくない。ましてや、私の手で殺すなんて出来ない。
私に限らず、殆どの人はNOの返事をする筈だ。
めぐは、私の答えなど百も承知だったのだろう。
「困ったなぁ」と顎に人差し指をあてて、まるで駄々っ子を見るような目で、私を眺めた。
「それじゃあ、私も雪華綺晶も救われないね」
「……ど、どうしてぇ?」
「だって、このままじゃ私、死ぬまで苦しみ続けなきゃならないもの。
私が死んで、私の臓器を移植しなければ、雪華綺晶も死んじゃうもの」
それは詭弁。科学的な根拠に裏打ちされない、夢物語。
仮に、めぐの臓器を移植したところで、雪華綺晶が助かる保証はどこにもない。
にも拘わらず、めぐはそれを望む。馬鹿じゃないかと、本気で腹立たしくなるわ。
「大好きな人の手で、全ての苦痛から解き放たれ、永久の眠りに就くのよ。
それって、とても詩的で、美しいと思わない?」
293 :
めぐ :2006/12/23(土) 01:41:03.10 ID:cWRV5Woy0
>>292 そう言ってみたけれど、水銀燈は硬い表情のまま、私を睨み付けている。
当然の反応ね。でも、私だって我を折るつもりなんてない。
人生で最後の望みだからこそ、絶対に押し通したかった。
「そーうだ。取り敢えず、遺言とか残しておかないとね。私の臓器を使って……ってさ」
「めぐっ! いい加減にないと、本気で怒るわよ!」
「いいよ。怒れば? でも、ムダよ。私だって本気なんだから」
水銀燈は「……バッカじゃないのぉ?」と吐き捨てて、それっきり口を噤んだ。
私は構わずに、メモ用紙にボールペンで、簡単な遺言をしたためた。
あ、そう言えば捺印されてないと無効なんだっけ?
困った……私、印鑑なんか持ってないわ。
まあ、いいわ。三文判の代わりに、拇印で済ましちゃおう。
小物入れから縫い針を取り出し、私は一寸の躊躇いもなく、自分の親指を刺した。
針を引き抜いた途端、深紅の体液が玉となって、みるみる膨らんでいく。
狼狽えた水銀燈が「何してんのぉ?!」なんて叫んだけど、キニシナイ。
まんべんなく血を塗りつけた親指を、遺言状の名前の下に押し当てた。
「これで良しっと。さぁ、始めましょうか、水銀燈」
「は、始めるって……何をよぉ」
「誓いの儀式に決まってるじゃない。立会人も用意しよっか?」
ナースコールのボタンを押して、私は小物入れから、ある物を取り出した。
隠し持っていた注射器だ。勿論、中に薬剤なんて入ってないわ。
私は迷わず、自分の手首……動脈に、注射針を突き入れた。
動脈に大量の気泡を注入してしまえば、私は――――
294 :
水銀燈 :2006/12/23(土) 01:42:25.84 ID:cWRV5Woy0
>>293 「これで、準備完了。はいっ、水銀燈」
めぐは満面に笑みを湛えて、私に注射器の刺さった腕を差し出した。
「水銀燈の手で入れちゃって。ひと思いに」
「や、やぁよ! 絶対にイヤっ!」
こんな馬鹿げた茶番は、もうたくさん。いちいち翻弄される、こっちの身にもなって欲しい。
私は、めぐの手首から注射器をもぎ取るべく、彼女に飛びかかった。
けれど……そんな私の行動すらも、めぐにとっては、予測の範疇だったらしい。
注射器に伸ばされた私の手は、あろう事か、めぐの動脈に空気を押し込んでいた。
声にならない悲鳴を放って、飛び退いた私に、めぐは――
「ねえ、水銀燈。悲しまないでね。絶対に、自分を責めないで」
この期に及んで、無理な注文をしてくれる。
悲しむな、ですって? 自分を責めないで?
バッカみたい。そんなこと、出来っこないじゃない。貴女の死因は、私が作ったのよ。
なのに、めぐは笑いながら言う。
「大丈夫よ。雪華綺晶は、必ず私が助けるから。
それにね……例え『死』であっても、私たちを分かつ事なんて出来ないの。
だから、貴女まで後追い自殺なんかしたらイヤよ」
「誰が、してやるもんですか」と言ったら、めぐは「ありがとう。楽しかったわ」と笑った。
今までで最高の笑顔を、私の記憶に焼き付けて……めぐは静かに……眠るように頽れた。
ナースコールを受けて、看護士が駆けつけるまでの間――
私は、ただ立ち尽くして、泣くことしか出来なかった。
295 :
水銀燈 :2006/12/23(土) 01:43:20.29 ID:cWRV5Woy0
>>294 その後のことは、恥ずかしいけれど、よく憶えていない。
めぐは自殺と判断され、彼女の臓器をもらった雪華綺晶は、辛くも一命を取り留めた。
事の顛末は、ただ、それだけのことだった。
めぐの居なくなった病院に、私は今日も足を運ぶ。
今度は、雪華綺晶を見舞うために。
朝日の射し込む病室を訪れると、可哀相な妹は、昏々と眠っていた。
この子の負った傷は深い。右目は完全に失明。心にも、大きな爪痕が残った事だろう。
妹の頬に、寝汗で髪がまとわりついている。
それを払い除けてあげようとした時、私の爪が、彼女の肌を軽く引っ掻いてしまった。
雪華綺晶の左目が、パッチリと開いて、私の顔を捉える。
そして、起こしてしまったことを私が謝るより早く、掠れた声で囁いた。
「おはよう、水銀燈」
雪華綺晶は、確かにそう言った。『お姉さま』ではなく『水銀燈』と。
驚愕のあまり硬直して、目を見開いた私の様子を愉しげに眺めながら、彼女は言葉を続ける。
「知ってた? 人の記憶ってね、臓器にも残ってるものなのよ。
言ったでしょ。『死』であっても、私たちを分かつ事なんて出来ないって。
雪華ちゃんには悪いと思うけど、早い話が居候ね」
私は口元に手を当てて、漏れ出しそうになる声を押し止めた。
それでも、胸いっぱいに満ちた感情は、涙となって瞼から溢れてくる。
雪華綺晶の姿を借りためぐは、再び、私の記憶に眩しい笑顔を焼き付けた。
「でも、こうして私が出られるのは、雪華ちゃんの意識が眠ってる時だけみたい」
>>295 指で涙を拭った水銀燈は、「ちょっと不便ね」と戯ける彼女に、ぎこちなく微笑み返した。
「おかえりなさい…………私の大好きな、おばかさん」
「ただいま…………泣きむしな天使さん」
《終わりダス》
まとめ人さんにお願い。
Wikiには掲載しないでちょーだい。
297 :
猪(メイド服) :2006/12/23(土) 02:22:42.75 ID:H9AARFOG0
>>240 実にミステリアスだしメグが可愛くてイイ!
しかし読んでると消されるんじゃ……ちょっとインターフォンなったから行って来る
>>246 こういうテンポよくてさくさく読めるのは好きだけど
先にまとめてから投下する方がいいんじゃないかなと思う
>>269 幸〜FOREVER MEMORYS〜は
連作中長編にある〜MEMORYS〜シリーズの一つで
他の全部の物語と繋がっているのでそちらを読む事を勧めます
>>277 家族の関係のねじれ、それが解けた時は
とても幸せでしょうね。。。
甘くていい話
>>296 再会できてほんとによかった……
泣きそうになるから困る
こういう死後の再会みたいなの大好きだ
298 :
猪(もどき) :2006/12/23(土) 02:28:05.23 ID:fNEWJe1j0
>>296 ふつう他人が書いたやつはあまりつっこまないんだけど。
臓器移植の適合性チェックに触れてなかったのが
プロットが破綻するって意味でいちばんきつかったかな。
描写の過不足のなさとか、スムースな流れとかは見ててすごいな、と思う。
結末に救われた気分だが、これからの3人がどうなるのかも気になるところ。
前に誰かから丁寧なコメントもらった影響でつい長文に。失礼。
299 :
猪(もどき) :2006/12/23(土) 02:33:59.69 ID:fNEWJe1j0
伏線あったね。読みきれてなかったけど。 今度こそ失礼。
300 :
おせち(30,000ウォン) :2006/12/23(土) 03:16:07.24 ID:Ix9WNln8O
保守
301 :
猪(赤詐欺) :2006/12/23(土) 03:34:41.17 ID:8hNOArjRO
は じ ま っ た な
302 :
おせち(12,000円) :2006/12/23(土) 04:04:48.29 ID:sgX8XiOfO
保守
303 :
おせち(150j) :2006/12/23(土) 04:10:09.38 ID:Ix9WNln8O
ジュン「カナブン保守」 金糸雀「カナブンじゃあないかしら〜」
304 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/23(土) 04:24:32.15 ID:dh74KU/H0
「暗躍組織:1日目「痴漢は撲滅せよ」」 なぜだろうか 最近よくわからない事が身の回りで起こるのだ 電車で通学してたときの事だった ざわざわ・・・ざわざわ・・・ 水「ほんとに人が多くて困るわねぇ」 いつも通学に使ってる電車はほとんどの人が使用してるため椅子に座るのは不可能である 更に人の密度がすごいため痴漢とかも多発している 水「痴漢とかはまあいないよね」 そう思っていた、が お尻のほうに何か変な感触を感じてしまった 水「え・・・・もしかして」 水銀燈は体のスタイルは正直言うとトップクラスだった バストもなかなかで形も良い 誰もが触りたくなってもおかしくない体つきだった が本人は痴漢されるとは思ってなかった
305 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/23(土) 04:28:27.22 ID:dh74KU/H0
水「ちょっと・・・誰?触ってるの」 と振り向こうとしたとき ガタッ 何かが倒れた音がした 改めて振り向くと 男性の人が倒れてた だが白目を向いていた歳は30代ぐらいだと思われる 多分痴漢を働いたものと思われるがなぜ白目を向いて倒れてるのか分からなかった とりあえず目的の駅まで着いたので 電車から降りて痴漢と思われる男性をひきずって警察へ突き出した 水「すいませんー電車でこの人に痴漢あったのですが」 すると取り調べが始まり なにやら頭部に鈍器みたいなもので殴られたものを発見した 水銀燈は事情を話し交番を後にした 水「にしてもだれが殴ったのかな・・・・」 幸い交番の近くに学校があったためか遅刻はせずに済んだ 教室に入りクラスの友達にさっきのことについて話した
306 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/23(土) 04:29:26.24 ID:dh74KU/H0
J「へえ・・・そんなことあったんだ」 水「まあ、私の体は誰もが触りたくなるのは分かるけどねぇ」 真紅「水銀燈、貴方ちょっとは自分の身の心配ぐらいしたらどうなの?」 蒼「だけど誰が痴漢した人を鈍器でなぐったんだろうね」 水「周りの人は見てたとは思うんだけど・・・・ほんと誰なんだろ・・・・・」 翠「まあそんな不届き者には制裁は当たり前ですぅ」 蒼「だけど鈍器で頭部を殴るのはやりすぎだと思うんだけど・・・・・・」 J「まあとにかく帰り道とかも気をつけたほうが良さそうだな」 この日の帰り道は特に何も無かった ただひとつ気になるのは 「誰が鈍器で痴漢を殴ったのか」 ということだった その頃商店街通りの裏で携帯を片手にとある学生が話していた ???「こちら党員No.0012、商店街通り異常ありません」 ???「わかった、引き続き尾行してくれ」 ???「サー!」 ???「フフフ・・・愛しの銀嬢!俺はいつも見守ってるぜ・・・・!」 続く
307 :
凧(ひとりぼっち) :2006/12/23(土) 04:43:25.84 ID:dh74KU/H0
308 :
おせち(30,000ウォン) :2006/12/23(土) 04:57:10.47 ID:c9A77cE7O
309 :
凧(帰省中) :2006/12/23(土) 07:00:38.66 ID:V6AHgDBS0
J 「ふー、ふふふふんふふー。」 銀「…君を抱いていたいー。」 J 「…・・・何だよ。人の鼻歌聞くなよ。」 銀「別にぃ。聞こえて来ただけよぉ。それにしても懐かしい曲ねぇ。」 J 「ああ、昨日ラジオで流れてたから、何となくな。」 銀「ふーん。」 J 「あー、明日の今頃はー」 銀「ねぇ、JUN。」 J 「ん?」 銀「あなたが旅立時なら、一晩ぐらい抱かれても良いわよぉ。」 J 「はぁ?」 銀「ふふ、一晩の慰みよぉ。」 J 「はいはい。」 銀「あら、つれないわねぇ。」 J 「後が怖そうだから遠慮しとく。」 銀「そんな事無いわよぉ。でもそうねぇ。旅に何か出れないくらい骨抜きにしてあげるわぁ。」 J 「……本末転倒じゃん。」 銀「ふふふ、そうかもねぇ。」 梅「あー明日の今頃はー、僕は君の中ー。」 ベ「アッー!」 笹(明日の今頃も僕は廊下なんだろうなー。)
310 :
多胡 :2006/12/23(土) 07:08:00.49 ID:TwgbqXiR0
311 :
黒豆(一粒) :2006/12/23(土) 08:23:19.63 ID:xcPOdKbPO
ほ
312 :
おせち(12,000円) :2006/12/23(土) 08:28:17.86 ID:H9AARFOG0
313 :
保母さんと初詣 :2006/12/23(土) 09:09:24.80 ID:8g6RAXB/0
雛「ねぇねぇジュンージュンーぷりーずヘルプみーなのー」 ジ「どうした」 雛「うにゅーがね、なくなったのー」 ジ「何処でなくしたんだ」 雛「そんなの知ってたら苦労はしねぇよなのー」 ジ「食べたんじゃないのか?」 雛「うゆ?食べたのよー」 ジ「僕には君が何を考えてるのか解らないよ」 雛「御託はいいからさっさとその股間のうにゅーを出しやがれなのー」 ジ「年頃の乙女が男の人の股間を笑顔で指指すんじゃありません」 薔「フフフ・・・雛苺・・・残念・・・・それは私のおいなr」 ジ「出てくんな」
314 :
黒豆(千粒) :2006/12/23(土) 10:08:54.38 ID:u6ETqGLD0
手動保守
315 :
年賀状(♂だらけ) :2006/12/23(土) 11:18:56.33 ID:WyDg+eU80
ho
316 :
おみくじ(やぶれた) :2006/12/23(土) 11:32:07.81 ID:cYUcDkG9O
銀様は処女
317 :
猪(求職中) :2006/12/23(土) 12:43:56.82 ID:L7Q/cxmz0
ほしゅ
318 :
おせち(5,000円) :2006/12/23(土) 13:36:15.35 ID:4PIbvujM0
保守
319 :
おせち(8,000円) :2006/12/23(土) 14:24:39.02 ID:4PIbvujM0
ほしゅ
320 :
おせち(10,000円) :2006/12/23(土) 15:14:09.83 ID:4PIbvujM0
ほ
321 :
おせち(12,000円) :2006/12/23(土) 16:06:48.77 ID:4PIbvujM0
しゅ
322 :
おせち(15,000円) :2006/12/23(土) 17:01:05.31 ID:4PIbvujM0
保守
323 :
嫁と初詣 :2006/12/23(土) 17:16:04.91 ID:yUlZ23nO0
ネタが思いつかない保守
324 :
猪(休職中) :2006/12/23(土) 17:16:33.01 ID:vNVNPH9F0
ほしゅ
325 :
黒豆(八粒) :2006/12/23(土) 17:27:08.09 ID:LmxUH/10O
『罪』 私の名は雪華綺晶。人間でなく、雪女。 横で眠っているのは私の愛する人…桜田ジュン様。 私が雪女と知りながらも愛してくれた貴方。そして…雪女の私が初めて愛した人間の貴方…… 寿命の違う人間と雪女の恋など、残された者が辛いだけ…私は彼が死んだあと、長い長い時間を一人で生きなければいけない。 しかし…それでも私たちは幸せだった。貴方と過ごす時間は凍りついていた私の心を徐々に溶かし、私に「笑顔」を教えてくれた。 この時が永遠に続けばいい……そう思っていた。 あるとき私は山神さまから直々のお呼び出しを受けた。 「雪華綺晶…一体何の用なんだ?山神から呼び出しなんて…」 「わかりません…でもご安心ください。山神さまはジュン様の思っているほど恐ろしい方ではありません。食事の用意をして待っていてください」 「あ、あぁ…」 「では…行ってまいります」
326 :
黒豆(八粒) :2006/12/23(土) 17:28:12.41 ID:LmxUH/10O
私は二人で暮らしている山小屋を出て、山神さまのおられる有栖山の祠に向かった。 ジュン様にはああ言ったが、呼び出しの理由などわかっている…おそらく私とジュン様のことだろう。 ジュン様には秘密にしていたのだが、雪女と人間が愛し合うことは最大の禁忌なのだ。 …自分の罪がとても深く、許されることはないとわかっている。 それでも…それでも私はジュン様を愛している。 「山神さまも鬼ではない。話せば…きっとわかってくださるはず…」 そんな淡い期待を胸に秘め、私は祠の前まで来た。
327 :
黒豆(八粒) :2006/12/23(土) 17:29:04.29 ID:LmxUH/10O
「山神さま…雪華綺晶、参りました」 「ん…よく来たわねぇ」 「…はい。ところで…本日はいかなるご用件でございますか?」 「…わざわざ聞かずとも、貴女もわかっているんじゃなぁい?」 「…」 「人間と愛し合うこと…それは貴女たち雪女が犯してはいけない最大の禁忌…知らないとは言わせないわよぉ?」 口調こそおだやかだが、そのお声には優しさは微塵もない。その恐怖から自分の体が震えるのを感じた。 「それは十分承知しております。しかし…」 口をつむごうとした瞬間、山神さまの口から最も聞きたくなかったお言葉を聞かされた。 「殺しなさぁい」 「……はっ…?」 「聞こえなかったのぉ?殺しなさいって言ったのよぉ」 「ど、どうか…どうかそれだけは…!私はあの方を…!」 「そんなことわかってるわぁ。あの人間が貴女のことを本当に愛していることもねぇ…」 「だったら…!」 「雪華綺晶」 突然、山神さまの口調が冷たいものに変わった。
328 :
黒豆(八粒) :2006/12/23(土) 17:30:04.24 ID:LmxUH/10O
「掟は掟。罪を犯した者の勝手な行動がこの山に住む全ての精霊や物の怪たちを滅ぼすことになる。それは貴女が生まれたときからずっと教えてきたはずよ。違う?」 「……そ、それは…」 「貴女は愛する人と一緒にいられて幸せかもしれない。でもこの山に住む他のモノたちはどうなるの?貴女はその責任をとれる?」 「……」 「わかったなら今すぐにでもその者を殺しにいきなさい」 …理屈はわかっている。私一人のせいで皆の命を奪ってしまう…わかっているのだけど…… 「……申し訳ありません山神さま…やはり、やはり私には…」 愛する彼を殺すなんて…できるはずがない。 「……そう言うと思ったわ。これだけは使いたくなかったけど…仕方ないわね」 そう言うと山神さまは私の方に歩みよって来て、私の頭を掴む。 「な、なにを…あっ…くうっ…」 掴まれた頭の痛みと共に、次第に視界が暗くなってゆく。 「ごめんなさい雪華綺晶……」 今にも消えそうな視界の中に見えたのは、悲しそうな山神さまの表情…それを最後に私の意識は飛んだ。
329 :
黒豆(八粒) :2006/12/23(土) 17:30:57.52 ID:LmxUH/10O
気がつくと私は小屋の前にいた。 …なんだ?体が勝手に動く…? 私はそのまま小屋の戸を開け、中に入ってゆく。 「雪華綺晶…おかえり。遅かったね?」 ジュン様が出迎えてくれた。 嬉しくて嬉しくて抱きつきたいのに、体は動いてくれない。 「…」 「どうした?そんなとこにつっ立って…ほら、こっち来いよ?」 ポンポンと自分の横を叩くジュン様。 私はジュン様に言われるまま横に座り… その首を締めた。 「う…ぐぁ……っ!?」 な、私は何故こんなことを…!? 手を離そうとしても思うように動いてくれない。その間にもジュン様の首はどんどん絞まってゆく… 「…き、雪華綺晶…ど、どうして……」 やめて!私はこんなことしたくない…! 「き、ら…き……」 苦しそうに私の名前を呼びながら、彼の目がゆっくり閉じられ…床に倒れた。同時に私の体の自由が戻る。
330 :
黒豆(八粒) :2006/12/23(土) 17:31:53.06 ID:LmxUH/10O
「じゅ、ジュン様っ!目を…目を開けてくださいっ…!」 彼の体を抱き寄せて何度も呼び掛けるが返事はない。 「…私は…私はなんということを……うぅ…あぁっ…」 「ジュン様…」 愛しい人の体をそっと横たえる。 「どうして…どうしてこんなことに…」 そうか…これが禁忌を犯した者への罰…ならば… 「ジュン様…これが貴方を殺してしまった私の罪の証です…」 貴方を殺めた指を自ら落とす。しかしこの氷の身は痛みを感じることもできない… 私はこのまま命を絶つことも許されず、二つの罪と雪の化身として生まれた業を背負いながら永遠にも似た年月を生き続けなければいけない。 愛する貴方を抱きしめることさえ叶わない。そんな孤独を生きるなら…せめて燃えさかる業火でこの身を焼かれ、地獄に堕ちたい… 雪はどこまでも白く降り積もる。 それは…まるで終わりなき罰のように。 「ねぇ雪華綺晶…」 「なんですか?ジュン様」 「僕らはずっと一緒だよ…例え君が雪女でも、僕は君を一生愛してみせる…」 「ジュン様…ならば私も…永遠に貴方を愛してみせます…」 いつか結んだ二人の契りは、固い氷の楔と成りて… -終-
331 :
猪(禁酒中) :2006/12/23(土) 17:50:39.53 ID:6mOzen930
>>330 GJ!
なんだか心打たれた。
鬱だからこそ伝わるものもあるんだな・・・・・・
332 :
黒豆(九粒) :2006/12/23(土) 18:00:36.41 ID:LmxUH/10O
ごめん…「shinineta注意」っての忘れてた…
333 :
おせち(5,000円) :2006/12/23(土) 18:02:08.40 ID:ynWIvgGgO
わやわああやたやさまや 友達欲しい
334 :
おせち(30,000円) :2006/12/23(土) 18:54:15.15 ID:4PIbvujM0
ほしゅ
335 :
書初め(家内安全) :2006/12/23(土) 19:01:22.22 ID:8hNOArjRO
>>330 もしかしてあれの続編っすかね?勘違いだったらスマソ
こういうの大好きでヤンス
336 :
黒豆(十粒) :2006/12/23(土) 19:02:34.49 ID:LmxUH/10O
337 :
書初め(家内安全) :2006/12/23(土) 19:24:25.20 ID:8hNOArjRO
>>336 いや、短編でキラキーの雪女ネタを見た事があったんだよ
その中でJUMとキラキーは結婚したから、もしかしたらそれの続編かと思っただけですよ。ハイ
338 :
黒豆(十粒) :2006/12/23(土) 19:49:56.87 ID:LmxUH/10O
339 :
美容師と初詣 :2006/12/23(土) 20:14:22.33 ID:5cFD3WyX0
今日の朝…ドール達がアリスゲーム放棄と共に壊れ 遺伝子研究者として転生していたローゼンにコーディネタイトベビーとして 作られ、人間としてアリスゲームが始まるという恐ろしい夢を見たぉ
340 :
犬と初詣 :2006/12/23(土) 20:26:27.93 ID:igDckqHw0
>>339 伏線が多すぎて回収できそうにない話になりそうだな
341 :
おせち(1d) :2006/12/23(土) 21:10:07.53 ID:4PIbvujM0
保守
342 :
スルメ :2006/12/23(土) 21:11:01.94 ID:u6ETqGLD0
手動保守
343 :
黒豆(六粒) :2006/12/23(土) 21:34:37.77 ID:RitjtBReO
散々なメリークリスマス 今宵はクリスマスイブ。ジュンの家にはいつものメンバーが集っていた ジ「買い出し行ってきたぞ。うぅ…寒かった…」 蒼「ありがとうジュン君。」 雛「お疲れ様なの〜♪」 ジ「あぁ、しかしこの短時間でよく飾り付けたよな。」 いつものリビングには見事なツリーと様々な装飾が飾られていた 翠「そりゃあ翠星石にかかりゃこんぐらい朝飯前ですぅ。」 銀「ちょっとぉ、飾り付けたのは貴女だけじゃないでしょ?おばかさぁん…」 紅「そうなのだわ、まったく…」 翠・銀「紅茶飲んでただけの真紅にだけは言われたくない(ですぅ)(わぁ)!!」 紅「なっ!?私は今夜の紅茶のテイスティングを…」 蒼「はいはい、わかったから喧嘩はよしてね?」 雪「そうですわよ?今夜はクリスマスですもの♪喧嘩などしてはせっかくのご馳走が台無しですわ。」 ジ(そこかよ…) 薔「ぢゃ〜ん…ジュン見て見て…」 ジ「薔薇水晶…ってその格好は…」 薔「ミニスカサンタ…せくしー?」 ジ「わ、わかったからポーズを取るな…(///)」 翠「くぉらジュン!何鼻の下伸ばしてやがるですか!?」
344 :
黒豆(六粒) :2006/12/23(土) 21:35:02.21 ID:RitjtBReO
雪「ばらしーちゃんも、クリスマスでハイテンなのはわかりますがまだ下ネタ解禁時間は先ですわよ?」 蒼(…下ネタに解禁時間ってあるんだろうか?) 薔「…だって今夜は『性夜』だって…」 一同『ねーよ!!』 薔「(´・ω@`)」 真「ところで…さっきから金糸雀の姿が見えないようだけどまだ来てないのか?」 蒼「あぁ…言われてみれば…」 雛「すっかり忘れてたのー。」 雪「鳥らしく自らグリルの中にでも入っってるのではないでしょうか?」 ジ「それは七面鳥だろ?何気にグロいこと言うなよ…」 するとドアが勢い良く開き元気な声が部屋に響いた 金「お待たせかしらー♪」 そこにはトナカイの着ぐるみに全身を包んだ金糸雀がいた 一同『……』 金「…あれ?みんなリアクション薄いかしらー。」 ジ「いや…その…」 蒼「何て言うか…」 薔「…トナカナ?トナリア?」 銀「まさか貴女家からその格好で来たのぉ?」 金「ふぇ?そうだけど…あったかかったかしら。」 一同『そういう問題じゃねーよ!!』 金「かしら?」
345 :
黒豆(六粒) :2006/12/23(土) 21:35:25.07 ID:RitjtBReO
数時間後… 翠「ケーキできたですよ〜♪」 ジ「お、美味そうだな。」 雛「うわ〜い♪ケーキケーキ〜♪」 蒼「料理も盛り付け終わったよ。」 雪「はぁ…はぁ…もうたまりませんわ…早くいただきましょう!!」 銀「料理は逃げないから落ち着きなさぁい…」 紅「ではみんな…席につきましょう。ジュン、グラスを配って頂戴。」 ジ「へぃへぃ…」 薔「電気…消すね。」 そして部屋の電気が消されいつものリビングはキャンドルの灯りだけが残る幻想的な雰囲気となった ジ「では…みんなグラスを取って。」 席に座る全員がグラスを取り… 一同『メリークリスマス!!』 全員の掛け声と同時にグラスが合わさりカチンという音が響いた その時だった… 金「あわわわわ…」 身長の低い金糸雀が乾杯しようと精一杯身を乗り出したためバランスを崩し… 金「きぃやあぁああぁ!!」 『ガタァ!!…グシャ!』 一同『あっ…』 前のめりに転んだ金糸雀の顔面が見事にケーキに埋もれた… 金「ぷはぁっ…うぅ、思わぬ誤算かしらー……ってあれ?」 顔を上げた金糸雀が見たものは無表情でこちらを見つめる友人たちの姿であった
346 :
黒豆(六粒) :2006/12/23(土) 21:35:48.27 ID:RitjtBReO
雪「あ…あぁ…ケーキが…私のケーキが…」 雪華綺晶に至っては無残にへこんだケーキを見つめ涙を流している… 金「いや…えと…あの…これは…」 その時、金糸雀の広いお凸についたクリームが机に落ちた 金(そ…そうかしら!ここは頭脳派のカナのナイスな一言で収束させれば…) 金「いや〜、これが本当の凸レーションケーキかしら〜。あははははは♪」 一同『……』 この一言がマズかった… 銀「いや〜、貴女なかなか面白い事言うわねぇ…ちょっと来なさぁい!!」ガシィ… 紅「少しばかりおイタが過ぎるようね…」ガシィ… ジ「すまん、これは僕でもフォローできない。」 蒼「お別れだね…逝ってらっしゃい、金糸雀。」 金「えぇ!?ちょっ!痛いかしら、引きずらないでかしら〜…って外!?何処に連れて行くつもりかしら〜!?」 『ズルズルズルズル…』 金「かしら〜!!」
347 :
黒豆(六粒) :2006/12/23(土) 21:36:41.63 ID:RitjtBReO
数時間後… 金「びええぇええぇええぇええぇん!!下ろしてかしら〜!!」 紅「うっさいのだわ!!」 銀「しばらくそこで反省しなさぁい!!」 金糸雀は駅前に置かれた高さ10mはあるモミの木の頂上付近に吊されていた… 金「びええええぇぇん!!みっちゃあぁぁああん、助けてかしらぁあぁあ〜!!」 紅「生憎みっちゃんさんは会社の忘年会で今日は戻らないそうよ。」 銀「よかったわねぇ、一晩中クリスマス気分を独り占めじゃなぁい♪」 金「ちっとも嬉しくないかしらぁあぁあ〜!!」 紅「じゃあ私達はジュンの家に帰るのだわ。」 銀「じゃあばいばぁ〜い♪」 金「えぇ!!ちょっ…待っ…本当に行っちゃったのかしら…」 子供「ママ〜、トナカイさんがいるよ〜。」 母親「しっ!見ちゃいけません…」 女性「きゃはは、やだぁ〜。」 男性「写メ撮っとくか♪」 金「ちょっ…見せ物じゃないかしら〜!!あっち行くかしらぁあぁあ〜!!」 クリスマスの駅前はカップルや親子連れで幸せな気配が満ちていた…だがその中で吊された不幸な少女が独り…彼女が救助隊に助けられたのはツリーが片付けられる二日後のことであった… 終
348 :
初夢(二日酔い) :2006/12/23(土) 21:43:34.83 ID:eFzagqdC0
>>330 愛し合うことが決して許されない関係…
ひと時の幸せが、せめてもの救いでしょうか。
>>347 トナカナwwwww
不憫なカナ…だがそれもいい。
349 :
おせち(200円) :2006/12/23(土) 21:44:45.50 ID:8hNOArjRO
>>347 ハゲワロタwwwww
これは良いwww
あとトナカイカナとサンタコスのばらすぃーを見たいのは俺だけじゃないはずだ!
うpしかないだろwww
350 :
猪(音速) :2006/12/23(土) 21:49:17.48 ID:o17PDWiD0
「一つ屋根の下 第九十三話 JUMとソリ」 さてさて、スキー旅行も早くも二日目。そして冬休みも二日目。要するに、12月24日だ。 時間もすでにお昼過ぎ。昼食を食べた僕達はそれぞれゲレンデで時間を過ごしていた。 めぐ先輩によると、今日の夜はクリスマスパーティーやるから早めに切り上げるそうだ。 そんな僕が今ドコにいるかと言えば、昨日もいた初心者練習場である。最も…… 「ひゃあー!はや……ちょっと早すぎる…ですぅ……」 面子は昨日とは全く違うわけだけどね。 「こんな緩い坂でも結構スピードが出るのですね。結構楽しいですわ。」 僕の隣でキラ姉ちゃんがソリを持ってニコニコしている。そして、ソリを雪の上に固定するとそれに座り込み、 シャーっと颯爽と滑っていく。 「銀ちゃん……今頃ビシビシかな……真紅…厳しいから……」 「まぁ、いいんじゃないかな。水銀燈から練習に付き合って欲しいって言ってたし。」 薔薇姉ちゃんと蒼姉ちゃんがソリを持って登ってくる。そう、今ここにいるのは翠姉ちゃんに蒼姉ちゃん。 そしてキラ姉ちゃんに薔薇姉ちゃんと、昨日とまるで正反対のメンバーなのであった。 午前中、一番距離が短いリフトに乗って、ようやく普通のゲレンデデビューをした銀姉ちゃん。 昨日からの練習の甲斐があってか、初級コースくらいなら難なく滑れるようになっていた。 しかし、銀姉ちゃんの目標はあくまで、全員で山頂から滑る事。僕らは明日の夜に帰るので、残された 時間は少ない。その時間を無駄にしなように、赤鬼教官の真紅姉ちゃんと練習してるようだ。 でだ。滑れる面々も、折角だし他の事で遊びたい!って事でソリと。まぁ、そういう訳だ。
351 :
猪(音速) :2006/12/23(土) 21:49:37.01 ID:o17PDWiD0
>>350 「ボードも面白いですけど、最近のソリもなかなか面白いですねぇ。」
「うん、スピードも結構あるし。何より、ボードより遥かに視点が低いから意外にスリルもあるよね。」
ソリは昨日、カナ姉ちゃんとヒナ姉ちゃんが使ってた奴だ。ちなみに、二人と柏葉も銀姉ちゃん達と一緒に
練習中である。まぁ、あれであの二人はソコソコ滑れるんだけどね。
「JUM……滑らないの?」
「ん?ああ。じゃあ僕も滑らせて貰おうかな。」
僕がそう言うと薔薇姉ちゃんが持っていたソリを置いてくれる。僕はそれに座る。そして出発……と思った
所で背中に違和感。背中にモサモサしたウェアの感触。そして嗅ぎ慣れたシャンプーの香りがする髪。
「え!?薔薇姉ちゃん!?」
「れっつらごー……」
シュパッと頬を風が切る。
「ちょ、ちょっと薔薇しー!!抜け駆けなんてズルイですよぉ〜〜!!」
上から翠姉ちゃんと思われる声が聞こえる。しかし、風の音が耳に突き刺さるせいで断定はできない。
「は……はやっ……」
「体重二人分だから……」
ボソッと背中から声がする。成る程、一人で乗ったときより体重が増えてるから速度も増えてるわけね。
って、そんな冷静に分析してる場合じゃない。予想もしてない速さで僕は混乱気味だ。
「……か〜ぶ……」
「へ?うおあっ!?」
薔薇姉ちゃんが重心を左に傾ける。僕の体も一緒に傾けるせいで、ソリは左に曲がっていく。
転ぶ!転ぶって!!あと少し体重が左に乗れば、そのままひっくり返りそうです。いや寧ろ、ひっくり返りそうと
言うより……
「うわああああああああああああ!!!」
「きゃー……」
ゴロゴロゴロゴロと視界が目まぐるしく回転する。雪の白と空の青が交互に視界に入る。
ああ……やっぱり転んだか。
352 :
猪(音速) :2006/12/23(土) 21:50:00.05 ID:o17PDWiD0
>>351 「〜〜〜〜かい!?〜〜君!!〜〜すいしょ〜!!」
坂の上から僕を呼ぶ声がする。多分蒼姉ちゃんだろう。正直なところ、大丈夫とは言い切れそうにない。
「っつつぅ……薔薇姉ちゃん?」
未だに頭の中がグルグル回ってる気がするが、とりあえず気合で意識を維持。付近を見回す。僕らが乗っていた
と思われるソリは近くでひっくり返っていた。そして、その近くで……
「JUM……埋もれちゃった……」
薔薇姉ちゃんが新雪の中に埋もれて、雪の中に体を沈めていた。手足は出てるけど、体が完全に
埋まってるようで手足をバタつかせてる。正直、自業自得だと思う。
「あ〜あ〜……出れそう?」
「ん〜…んっ!ふっ!!……無理そう……」
薔薇姉ちゃんはジタバタするが、もがくほど雪に埋もれてる気がする。やれやれ、仕方ない。
「JUM……手を貸して……」
「はいはい。言われなくてもそうするよ。」
僕は薔薇姉ちゃんに近づき、スッと手を差し伸べる。後は、手を持ち上げれば万事OK。
しかし、薔薇姉ちゃんは僕の手を握るとニヤリと笑い、思い切り僕を引き込んだ。
「へへぇ……道連れ〜……」
「うわあああっ!??」
思いも寄らない出来事に完全に不意をつかれる。薔薇姉ちゃんに引き込まれた僕は、薔薇姉ちゃんに馬乗り
のように覆いかぶさった。
「キィイイイイイイ!!!こ、こんな公衆の面前で何やってやがるですかぁ!!離れやがれですぅ!!」
坂の上から翠姉ちゃんの怒号が響く。いや、完全に不可抗力なんですけど。しかし、薔薇姉ちゃんは
さらに企み顔で言い放った。
353 :
猪(音速) :2006/12/23(土) 21:50:20.33 ID:o17PDWiD0
>>352 「JUMったら大胆……動けない私に……でも、JUMなら……雪の上もロマンチック……」
普通に雪の上だと寒いんでは。そんなどうでもいいツッコミは置いておこう。
「ばっ、なっ、薔薇姉ちゃんが僕を引っ張り込んだんじゃないか。」
「うん……でも、転んだのは偶々だよ……だから、先にクリスマスプレゼント……折角神様がくれた機会…」
薔薇姉ちゃんはそう言うと、少しだけ頭を持ち上げる。ヒンヤリと冷たい感覚が僕の唇に当たる。
「ちょ、薔薇ねえちゃ……」
「JUM……好き……」
薔薇姉ちゃんはそう言うと、僕の抗議をまるで受け付けるつもりはないようで、僕の頭の後ろに腕を
回し、そのまま僕の顔を自分の顔に押し付けた。雪のせいか、冷たい。
「何をしているの?貴方達。」
ビクッと僕の背中が震える。何で貴方様の声が聞こえるんでしょうか?
僕がギクシャクと顔を上げると、真紅姉ちゃん。そして銀姉ちゃん達もいた。
「あれ?もしかしてお邪魔だったかな?でも、愛を育む時は他の人に迷惑かからないようにね。」
めぐ先輩が何だかとんでもない事を言う。
「ち、ちがっ!!ソリで滑ってたら転んで、薔薇姉ちゃんが雪に埋もれて。それを助けようと……」
「助けようとしたら、ムラムラしちゃって動けない薔薇しーちゃんに襲い掛かったって事だよね?」
「違うって!!そしてら薔薇姉ちゃんが僕の手を……」
必死に弁解を計る僕。しかし、そんな僕を地の果てに落としたのは薔薇姉ちゃんだった。
「JUM……雪の中なのに、熱かったよ……」
瞬間、僕は死を覚悟した。ほら、ある程度の覚悟があるとダメージが減るって言うじゃない。
でも僕は思う。オーバーダメージなら意味ないよね……と。
354 :
猪(音速) :2006/12/23(土) 21:50:38.63 ID:o17PDWiD0
>>353 「もうこんな時間だったんだ……知らなかった。」
「知ってたら……何だと言うのかしら?」
僕は赤くなった頬を擦りながら部屋へと戻っていた。隣にはプリプリして真紅姉ちゃん。
「別に。どうだった?銀姉ちゃんは。」
「そうね。まぁ、明日の帰るまでには何とかなると思うわよ。明日は、全員で山頂行きたいわね。」
山頂か。今日の午前に多少は滑ったけど、山頂までは僕もまだ行ってないな。最悪、ゆっくり滑れば
麓まで戻れるだろ。そんな事を思いながら部屋のドアを開ける。
「あ、お帰りなさい二人とも。もうすぐ準備できるよ。」
部屋の中は、どこから持ってきたのかクリスマスツリーが飾ってある。チカチカと電球がついたり消えたり。
雪に見立てた綿も飾られている。
「そうみたいだね。蒼姉ちゃんも三角帽子なんて被っちゃって。」
「あはは、こういうのは雰囲気も大事だからね。」
パーティー用の三角帽子を被って笑う蒼姉ちゃん。冒頭で言ったが、今日はクリスマスイブだ。
折角部屋も広いんだし、部屋でパーティーやろうか〜とめぐ先輩が手配してくれていたようだ。
テーブルには七面鳥やケーキなど定番の食べ物。そして、シャンパン等も置かれている。
「あ、お帰りJUM君と真紅ちゃん。後は二人だけだったんだよ。それじゃあ、はじめよっか。」
めぐ先輩がそう言いながら僕と真紅姉ちゃんにクラッカーと三角帽子を渡す。僕は、とりあえず帽子を
頭に乗っける。そしてクラッカーを用意。
「よしよし。えー、大変お待たせしました。それでは、クリスマスパーティーをはじめちゃいま〜す!!」
めぐ先輩が宣言する。同時に、その開幕を祝うようにクラッカーの破裂音が鳴り響く。
雪に囲まれた薄暗い部屋。その部屋を微かに照らす豆電球。そんな中で、聖夜を僕は迎えた。
END
355 :
黒豆(七粒) :2006/12/23(土) 21:52:02.36 ID:6Dwn1JvnO
>>347 これだよコレ!この雰囲気が好きなんだよぉ俺はぁ!
とにかくGJ!
>>349 賛成に一票!
356 :
初夢(二日酔い) :2006/12/23(土) 21:54:58.46 ID:eFzagqdC0
>>354 ばらしーは相変わらずマイペースw
みんなで集まってのクリスマスパーティも、おつなものでしょうね。
357 :
初夢(競馬あたった) :2006/12/23(土) 22:13:34.94 ID:xIfOs0nUO
>>347 凸レーション吹いたwwwwいいギャグだな。
>>354 次回はクリスマスの話wktkだ!お決まり過ぎるイベントにどんな甘甘な話しを展開してくれるのか。
屋根の人の腕なら……きっと何とかしてくれるっ!
358 :
黒豆(万粒) :2006/12/23(土) 22:30:11.09 ID:LmxUH/10O
>>347 カナカワイソスwww
カナスキーなオレだが、これはワロタwww
とりあえず誰かトナカナうp希望ノシ
>>354 やっぱり屋根はえぇなぁ…適度に甘く、適度にドタバタがあって素晴らしい(・∀・)
359 :
角煮もち :2006/12/23(土) 22:40:32.35 ID:Ix9WNln8O
ジュンは真紅に文句を言っているようです 真紅「ジュン、紅茶をいれて頂戴」 ジュン「また紅茶っスかwwwwwwwwwwwwwwww」 真紅「四の五の言わず、早くいれるのだわ」 ジュン「そんなこと言ってるから紅茶ジャンキーって言われるんスよwwwwwwwwwwwwwwwwサーセンwwwwwwwwwwwwwwww」 真紅「(#^ω^)ビキビキ」
360 :
黒豆(一粒) :2006/12/23(土) 22:51:36.66 ID:mjtE0gon0
>>354 そういえば真紅や水銀燈とディープキスする話は書いてないね
別にどうでもいいねんけど
361 :
1000ならクリスマス中止 :
2006/12/23(土) 23:00:20.72 ID:LmxUH/10O