1 :
丸焼もち:
みんなで怖い話ししようぜ!!!
2 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 01:18:10.54 ID:RYmAIVIN0
3 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:18:44.45 ID:PV5NyoZO0
4 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:19:32.52 ID:PV5NyoZO0
110話
小学生二年生の頃、私にはとても大好きな同級生の男の子がいました。
私は何度も告白しようと彼に近づきましたが、結局顔が真っ赤になるだけで、
好きの一言すら言えませんでした。
とある夜、私は流れ星を見つけ、とっさにその男の子と両思いになりたいと願いました。
すると、なんとその男の子から逆に告白されてしまったのです。
嬉しくて、私は男の子に思い切り抱きつきました。
あの時の体温は今でも、はっきりと覚えています。
数ヶ月後、その男の子が引っ越しをすることになりました。
遠い遠い、東京への引越しでした。
私は空を見上げて、流れ星を探しましたが、星は流れてはくれませんでした。
結局、そのまま男の子は引越しをして、東京へと行ってしまいました。
私は抜け殻のようになってしまい、ただ流れ星を探す日々を過ごしました。
すると、家の近くにあった墓地に、ぽうっと光るものが見えました。
小さかった私は、流れ星がやってきてくれたんだ!と大喜びで願いました。
あの男の子にもう一度会いたい、会いたい、会いたい。
次の日、私の元に小さい箱で宅急便が届きました。生もの注意でした。
お肉かなと思って、私は母親に内緒で開いてしまいました。
たしかに、お肉でした。
バラバラにスライスされた男の子の詰め合わせセットでした。
くりぬかれ綺麗に並べられた目玉と、私の目が合いました。
人魂に願い事など、するものではありませんね。 110話完
5 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:19:59.12 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
6 :
猪(ベース):2006/12/15(金) 01:20:22.67 ID:et0gG2GoO
7 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:20:49.37 ID:PV5NyoZO0
8 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:21:46.98 ID:PV5NyoZO0
111話
俺の妹は小学生の時、恐ろしい体験をしたようだが、今回は関係ない。
今度は俺の話を聞いてもらう。
ムラサキカガミって知ってるか?
イルカ島とか、色んな種類があるみたいだが、
全部何歳までに忘れなきゃ死ぬって類の有名な怪談だな。
子供の頃に友達から教えられて、忘れなきゃいけない!
って必死になった記憶がある奴も結構いるんじゃないのか?
やっと忘れた頃になると友達がやってきて
「忘れたか?ムラサキカガミ」なんてふざけて言うもんだから、
どうしても忘れられなくて、まぁ俺はふざけて言ってたほうなんだけどな。
でもさ、なんで紫の鏡なんだろうな。
紫ババアとかもいたけど、紫に特別な意味でもこめられてんのかな。
でもな、俺が知ってるのは紫じゃなくて赤、なんだ。
ポストの色、ケチャップの色、信号の止まれの色、血の色だ。
イカとかは青いらしいが、今回は人だからな。無関係だ。
「赤イ色シタ腕時計」
これがこの怪談のキーワードだ。
よぉく覚えてくれよ。肝心な事なんだからな。
10回ぐらい唱えてくれてもいいぞ。
赤イ色シタ腕時計、赤イ色シタ腕時計、赤イ色シタ腕時計って。
覚えたか?本当に覚えたか?・・・よし、じゃあこの怪談を話してやる。
9 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:22:15.94 ID:PV5NyoZO0
ムラサキカガミとかって、結局20歳までに覚えていたら、死ぬんだよな。
ずいぶん気の長い話だとは思わないか?子供の怪談だろ、これって。
それに、20歳以上の人に教えても、意味がない。
もう賞味期限が切れちゃってる怪談、って感じだよな。
怖くもなんともないぞ。今となったら。
でもな、「赤イ色シタ腕時計」は違うんだ。
何歳だろうが関係ない。
とても単純で、恐ろしい言葉なんだ。
「赤イ色シタ腕時計」
この言葉を聞いてから三日後に、
「サカノシタ様」がそいつの家までやってきて、
生きたままカッターナイフでバラバラにされて、惨殺される。
どうだ。分かるか?
ムラサキカガミなんか、目じゃないんだよ。この怪談。
マジにやばいんだ。これ。
しかも、三日じゃ忘れられないだろ?これ。
いや、忘れても意味がないんだよ。
忘れたって、どうあがいたって、サカノシタ様は絶対にやってくる。
逃げられないんだよ。
ん、サカノシタ様って、誰だって?
サカノシタ様はな、とある神社に祭られていたお地蔵様の名前なんだよな。
確か、長野県だったかな、その神社があるのは。
お地蔵様っていってもな、俺達が想像するような地蔵じゃないらしいんだ。
髪の毛が生えてるって、変な地蔵さんらしいんだよ。
10 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:23:14.99 ID:PV5NyoZO0
赤色の髪の毛をしていてな、それがヒザまで伸びているんだと。
きっと、「赤イ色シタ腕時計」の赤ってのは、この事だと思うんだ。
・・・・・・でな。
三日目になると、この地蔵様が家までやってきて、
カッターナイフで体を・・・・・ってわけだ。
何故腕時計なのか。
何故カッターナイフなのか。
何故サカノウエ様は聞いてしまった人間を殺すのか。
それは知らないけどな。
ここで疑問。
何故俺は知っているのに生きているのか。
知りたいだろう。それ。
よくあるのが、同じ怪談を人に話すと助かる、とか、だけどな。
これもまた、「赤イ色シタ腕時計」は違うんだ。
まず用意するものがある。
一つは腕時計。どんな物でもいい。ただアナログがいいな。
もう一つが、塩だ。食塩。
最初に用意した腕時計の電池を抜いて、動かないようにするんだ。
そして、時間を「8時34分14秒」にセットするんだ。一秒でもズレたらダメだ。正確にな。
続いて、塩をひとつまみ、舌の上に載せるんだ。しょっぱくても我慢してな。
で、腕時計を腕に付けて、一気に塩を飲み込みながら、
11 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:23:44.17 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
12 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:23:58.37 ID:PV5NyoZO0
赤イ色シタ腕時計
サカノシタ様ニハ似合ワナイ
似合ワナイ物付ケル事ナラバ
私ガ代ワリニ付ケマショウ
貴方ノタメニ
私ノタメニ
東ノ月ト西ノ月ト
真ッ赤ナ時計ト
真ッ赤ナ月ト
今宵モ我ラノ時トナル
サカノウエ様
サカノシタ様
赤イ色シタ腕時計
って、唱えるんだ。
一文字でも間違えたら終わりだ。
間違えたとたんに、サカノウエ様がやってくるからな。
もしかしたら、この呪文の中に謎を解くヒントがあるのかもしれないが、
考えているヒマはないぞ。
これは本当の本当だ。本当の本当の本当だ。
サカノウエ様は、存在する。
あと三日。
間違えないで呪文を言うか、
それとも三日後に惨殺されるか。
または、間違えて惨殺されるか。
アンタはどれを選ぶ?
111話完
13 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:24:09.76 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
14 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:24:20.30 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
15 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:25:35.79 ID:PV5NyoZO0
>>11 そういや!事故なんだけど・・・・
慰謝料でVIPで釣りしてたwww
16 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 01:26:12.40 ID:RYmAIVIN0
呪文を覚えるとサカノシタ様がやってくる恐ろしさ
17 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:26:34.56 ID:PV5NyoZO0
112話
「あ・・・また聞こえる・・」
彼女は窓際に立ちながらそう呟くと、すぐさまカーテンをシャーーッと閉め、
私の方を向いて苦笑いを浮かべました。
「何が聞こえたの?・・・・霊感・・とか?」
私が聞くと、彼女はやっぱり苦笑いを浮かべて、違う違うと首を振りました。
そして、何かが通り過ぎるのを待っているように、しばらく彼女は黙りこんでしまいました。
何が聞こえているんだろう、と思い、私も耳をすませたのですが、
聞こえてくるのは車の音やら、遠くから聞こえる救急車の音のみでした。
彼女は私の友人の木野下洋子。同じ会社につとめている。
同期の社員で女性が私と洋子だけだったため、私達は自然と親しくなった。
会社以外でも一緒にショッピングや、部屋で遊んだりもする。
けれど、どんな時でも洋子は何かに怯えているように見えた。
「あ・・・もういいみたい」
洋子はゆっくりと外を窺うようにカーテンを開けると、恐ろしい体験を私に話しはじめた。
18 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:27:14.09 ID:PV5NyoZO0
それは洋子が会社に入社する、半年ほど前の出来事だった。
なかなか内定が降りず、数々の会社の試験を転々としている頃だったという。
洋子は疲れてしまい、ある会社の入社試験に行く気力もなくなり、
その日はキャンセルの電話を入れ、公園のベンチで寝転んでいたのだという。
都会の公園には灰色のハトがひしめきあい、羽音やら鳴き声、道路の車の音、
人の話し声、公園で遊んでいる子供の声、さまざまな音が洋子に届いていた。
その時、遠くから「ピィポォ、ピィポォ、ピィポォ」と救急車の音が聞こえてきたという。
最初はとても遠くから聞こえてたので、誰か怪我でもしたのだろうか、と思っていたけれど、
その音がだんだんと公園の方に近づいてきたのだという。
「あれ・・近くなのかな・・」
洋子は立ち上がると、公園の入り口から道路を覗きこんだ。
音はすぐ側まできていたという。
けど、「ピィポォ、ピィポォ、ピィポォ!」と大きな音が聞こえるのに、その姿はまったく見えない。
違う道路なのかな、と洋子が思っていると、突然鼻に異臭がしたという。
それは、死臭だったと洋子は言った。
「なにこの臭い・・・」
洋子が鼻をハンカチで押さえていると、目の前の道路を何かが駆けぬけた。
一陣の風が吹きぬけた。
耳をふさぎたくなるほどのサイレンの音が聞こえた。
19 :
VIP皇帝:2006/12/15(金) 01:27:25.75 ID:y3WkhFe30
20 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:27:46.56 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
21 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:27:56.74 ID:PV5NyoZO0
見えない救急車が、目の前の道路を通り過ぎたのだった。
遊んでいた子供の一人が叫んだ。
「あ、真っ赤な救急車だ!」
洋子は「えっ?」と子供の方を振り返った。
青色のジャングルジムのてっぺんで、男の子が道路を指差して、嬉しそうにしていた。
と、子供が突然、足を引っ張られるようにジャンジルジムの中に消えた。
「びぁぁギああギあぁぁぁぁぁ!!」
子供用の小さなジャングルジムの中で、バキバキと骨が折れる音がして、
青いジャングルジムの中から、大量の血液が外に向かってぶちまけられた。
「子供用のジャングルジムだから、ひとつの四角の輪って狭いから、
無理矢理引きずり込まれると、その枠にすぐひっかかってしまうの。
ひっかかったまま物凄い力で更に引かれると、子供の骨なんかすぐ折れてしまう・・。
私がかけつけた時、男の子はジャングルジムの一番下で、
は大きな手でグッと握り潰されたようにぐちゃぐちゃになっていた・・・。
腕は背中に回っていて、首は背中をじぃっと覗きこんでいたの。
足は体育座りを何重にもしているように、波状にくねくね折れていた。
顔は何が起こったのか分からないように、きょとんとしていて。
目は見開かれていたまま、ぴくりともしなかった。死人の目って・・本当に恐ろしいと思った。
でね、死体から・・死臭が漂ってきた。さっき嗅いだのと同じ臭い・・」
洋子はうつむき加減で、ぼそぼそ話していた・・。
私は気分が悪くなりながらも、話を聞くしかなかった・・。
22 :
猪(ベース):2006/12/15(金) 01:27:58.96 ID:et0gG2GoO
how to use it
・貼るとき、もしくは貼った後に何話目か記入する
・出来るだけ被らないようにする
・保守してくれた人と貼ってくれた人には精一杯の感謝と愛
・実体験でもおk
・貼れる人は出来るだけ貼る
携帯厨がでしゃばってサーセンwwwww
一応まとめのURL誰か貼っておいて欲しい
23 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:28:23.50 ID:PV5NyoZO0
「あの子が言った赤い救急車、私には見えなかった赤い救急車・・。
私、ちょっと調べてみたの。そうしたら、昭和の文献に気になる記事があった。
見えない赤い救急車が人の命を奪いにくるって、そういう話。
それは普通の人には見えないんだけど、ちょっとでも霊能力とかがあると、見えてしまうらしいの。
見えてしまうと、その救急車は見えてしまった人間を惨殺する。
その話を聞いてから、救急車の音が怖くて怖くてしかたがなくて・・・・。
だって、霊能力ってちょっとしたきっかけで現われたりするらしいから・・」
その時、また遠くから救急車の音が聞こえた。
そういえば毎晩毎晩、救急車の音は遠くから聞こえている。
もしも、そのどれかが、その赤い救急車だとしたら。
私は背筋に冷たいものを感じて、洋子より早くカーテンを閉めた。
112話完
24 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:28:50.33 ID:y3WkhFe30
25 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:29:01.00 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
26 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 01:30:03.34 ID:RYmAIVIN0
27 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 01:30:19.64 ID:GuBHTGMuO
28 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:31:49.73 ID:PV5NyoZO0
>>26 ちなみにこのサイト自力で見っけたwwww
あれは優奈がまだ頑張ってた時にwwww
29 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:32:19.21 ID:y3WkhFe30
30 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:33:21.34 ID:PV5NyoZO0
113話
ジャム、お好きですか?
私はジャムがあまり好きではありません。
トースターにはやっぱり、ピーナツチョコレートを塗りこめて、食べます。
夫は未だにジャムを塗って食べているようですが、私にはその神経が分かりません。
何故、あんな事があってからも、ジャムが食べられるのでしょうか。
・・・貴方も、この話を聞いてからも、ジャムを食べつづけるのでしょうか。
私達が神奈川から千葉のこの家に引っ越してきたのは、三年ほど前のことです。
仕事の都合でこちらに来ることになった私達は、
海外に住んでいるという夫婦から、この家を借りることになったのです。
月々に2万ほどの家賃でしたし、庭にはまだ緑色ですがカキがなっていて、
とても素晴らしい物件だと、あの時は感じました。
家の家具も、海外の物らしい素晴らしいものが揃っていましたし、
ベランダはパーティが開けるほどに広く、天井にはシャンデリアが光っていました。
まるで、セレブの家にお邪魔しているような気分でした。
幼稚園に通いだした娘も凄く喜び、お姫様になったみたい、と笑っていました。
家主の夫婦からは「庭のカキはお好きに食べてください」と言われていたので、
私達はカキが成熟するのを、心待ちにしていました。
渋柿のようでしたが、それでも干し柿にすれば関係ありませんし、
夫はどちらかといえば干し柿のほうが好みのようでした。
そして、夏が過ぎ秋になり、柿がオレンジ色を帯びてきた頃、
あの不気味な現象が、はじまったのです。
31 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:33:43.37 ID:PV5NyoZO0
やっと柿の収穫が終わって、私は干し柿の作り方をインターネットで調べていました。
夫はその日、終電に乗り遅れてしまったため、帰ってきませんでした。
すると、庭の方から「ぐちゃっ、ぐちゃっ」と、何かが潰れる音が聞こえてくるのです。
泥棒か、それとも柿を食べに来たカラスか何かか・・・。
私は恐ろしくなって、家中のカギを確認すると、ぐっすり眠っている娘の隣に入り込み、
そのまま朝を迎えました。
物音が聞こえないことを確認し、庭を覗いてみると、そこには無残な光景が広がっていました。
庭には無残にも踏みつけられ潰された柿と、それに群がる数匹のハエが飛んでいました。
それは、明らかに人が踏みつけたものでした。
不思議な事に、踏みつけられているのは私がカキを収穫した時にうっかり落としてしまったカキで、
木になっているカキの実はすべて無事なままでした。
それからというもの、夜になるたびに落ちたカキの実を誰かが踏みつけていくのです。
ぐちゃぐちゃに、ジャムのようになるまで。
私はあまりの気味の悪さに、暗くなる前に落ちているカキをすべて処分するのですが、
それでも熟したカキの実はちょっとした風で落下し、
誰かが「ぐちゃぐちゃ」と踏みつけていくのです。
夫にも調べてもらいましたが、音がしてすぐに庭をみても、誰もいないのです。
あるのは、踏み潰された果実のみ。
私は引越しを夫に薦めましたが、
こんないい物件は何もない、
カキの実ぐらいで引っ越すには惜しい、
これぐらい我慢しろ、
新しい家なんか見つかる物でもない、と拒みました。
警察にも相談しましたが、まったく相手にしてもらえませんでした。
32 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:33:58.01 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
33 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 01:34:04.32 ID:RYmAIVIN0
34 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:34:08.56 ID:PV5NyoZO0
秋が過ぎ、カキの実もすべてなくなった頃、私はやっと安心する事ができました。
そんな夜、珍しく夫と二人で眠っている時、
庭からまた「ぐちゃぐちゃぐちゃ」と、不気味な音が聞こえてきました。
もう実はないはずなのに、いったい何を。
私と夫は、バットや包丁を持って、庭を覗きこみました。
庭には、黒い、どす黒いな影がいくつも蠢いていました。
それらは、庭に転がっている何かを、何度も何度も踏みつけていました。
真っ赤な、ジャムのようなものかが飛び散るのが見えました。
見覚えのある、ピンク色の布が見えました。
娘のパジャマでした。
私達は絶叫しました。
バットと包丁で、黒い影に飛びかかりました。
すると、低い笑い声を上げて、影は消えていきました。
残ったのは、ジャムのようになった娘の無残な残骸だけでした。
あれからも、私達はこの家に住んでいます。
夫が目の前でジャムを食べています。
夫はジャムが好きなようです。
その隣で、真っ黒い影が動くのが見えます。
彼らもジャムが好きなようです。
最近、夫が時々黒い影のように見える時があります。
夫も、彼らの仲間になりたいようで、低い声で笑うのです。
113話完
35 :
猪(ベース):2006/12/15(金) 01:34:13.29 ID:et0gG2GoO
36 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:34:53.53 ID:PV5NyoZO0
>>22 これは?
クールに撃退は1話に含まれません!
37 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:35:50.22 ID:PV5NyoZO0
>>33 エロ奈!画像スレによく居るやつ!!
そういや、あいつも事故になってたなwww
38 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 01:36:30.62 ID:RYmAIVIN0
39 :
猪(ベース):2006/12/15(金) 01:37:03.17 ID:et0gG2GoO
40 :
猪(筋肉質):2006/12/15(金) 01:37:58.73 ID:IxNs9gF2O
41 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 01:38:32.05 ID:RYmAIVIN0
正確には反撃だけど
>>37 どう見ても人間でした、本当に都市伝説
42 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:38:37.83 ID:PV5NyoZO0
114話
俺が体験した話。
中学三年の時、墓場の近くで筆箱を拾った。
中にはよくある油性ペンが5.6本入っていて、消しゴムとかそういうのはなかった。
紙に書いたらインクがまだ出たから、友達数人に気前よくあげた。
普通の油性ペンより変な臭いがして、俺は使わなかったけど。
でも俺が油性ペンをあげた友達は結構使ってたみたいで、
「よく使えるよな、変な臭いしねえ?」って言ったら、
「普通の臭いじゃん」って言われて、俺は首かしげた。
で、ある日の休み時間に友達の一人が机で眠ってたから、
油性ペンあげた一人がふざけて、あの油性ペンで眠ってる奴の顔に落書きした。
おでこに「肉」って書いて、みんなで大笑いしてたら、
いきなり眠っていた奴が「痛い痛い痛い!!!」って大声で飛びおきて、
肉って書いてあるおでこを爪で引っかきはじめて、
呆然としてる俺達の前で奴は爪で顔の皮をバリバリ掻き毟って、
すごい血がおでこから流れて、肉の文字の書かれた皮膚がべりってめくれて、
中からピンク色の本物の肉が見えてた。
43 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:39:18.35 ID:PV5NyoZO0
「痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃぃぃ!!」って奴は叫びつづけて、
駆けつけた先生がなんとか取り押さえて、救急車で運ばれていった。
それから奴は学校に来なくなった。
噂では、今でも肉って文字がどうやっても消えなくて、
手術しても、すぐ皮膚に浮かび上がってくるらしい。
みんな怖がって、あの油性ペンを学校の裏に捨てたんだけど、
三日ぐらいして見にいったら全部無くなってた。
ちなみにあの油性ペン、人間の油で作られたって噂もある。
114話完
44 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:39:44.68 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
45 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 01:40:00.53 ID:GuBHTGMuO
46 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:42:08.19 ID:PV5NyoZO0
115話短いのを・・・
私は、落下する人を見たことがあります。
それは男性でした。
突然、家の二階あたりから、私の目の前の車庫に落ちていきました。
顔を恐怖で引きつらせ、物凄い形相でした。
あ、地面に落ちる。
そう思ったとき、男性は地面に吸い込まれるように消えてしまいました。
私は呆然と、地面を見つめました。
車庫の角、男性が落ちたはずの地面は、少し黒くなっていました。
幼稚園のころの思い出です。
47 :
猪(筋肉質):2006/12/15(金) 01:42:09.49 ID:IxNs9gF2O
48 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 01:43:40.15 ID:GuBHTGMuO
>>47 ひき逃げされてねwww
とりあえず、エロゲ買う参考になったwww
49 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:46:15.11 ID:PV5NyoZO0
116話
夜、私は飛行機に乗っている。
静かな機体。
聞こえていた子供の泣き声も、今はない。
ゴゥゴゥと僅かな空気が裂ける音。
窓の外、雲が途切れることなく続いている。
よって、地上は見えない。
地上と、どれだけの距離があるのか、見ることはできない。
よって、私は恐怖する。
最近ニュースで見かける、飛行機に関する物。
私の飛行機恐怖症を加速させる。
が、私は飛行機に乗ることを余儀なくされた。
拒否権は無かった。
ゴゥゴゥと僅かな空気が裂ける音。
私の神経も、裂けていく。
胃が軋んだ。
もう、寝よう。
寝て、忘れてしまおう。
私は無理やりに瞳を閉じると、眠っているかのような寝息を立てはじめた。
意識はまだこちらにあった。
だからこそ、後ろの座席の会話が聞こえてきたのだ。
50 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:47:36.77 ID:PV5NyoZO0
「サザエさんの最終回」
「そんなものがあるのかい?」
「あるある」
「どんな最終回なんだい?」
「海外旅行」
「旅行に行くのかい、あの一家」
「そう」
「どうして旅行に行くんだい」
「たしか懸賞」
「どうやって旅行に行くんだい」
「飛行機」
「僕達と一緒かい?」
「そう」
「サザエさんの最終回」
「どう終わるんだい?」
「落ちるの」
「何が落ちるんだい?」
「飛行機」
「落ちるんだ飛行機」
「落ちる」
「サザエさんはどうなるんだい?」
「海産物になる」
「おいしそうだね」
「おいしい」
「どうして海産物になるんだい」
「サザエさんだから」
「でも落ちたら死ぬんじゃないかい?」
51 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:47:58.61 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
52 :
猪(筋肉質):2006/12/15(金) 01:48:59.45 ID:IxNs9gF2O
>>48 ああ俺がひきにげされたんだ
覚えてないか・・・
53 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:49:05.65 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
54 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:49:26.00 ID:PV5NyoZO0
「飛行機海に落ちたから」
「僕達と一緒かい?」
「そう」
「はははははははは」
「はははははははは」
私は耐えきれずに、注意しようと瞳を開け、座席を振り返った。
が、思い出すと同時に確認する。
後ろの席には誰もいない。
ここは一緒に来るはずだった二人の友人の席。
突然、二人同時にキャンセルした友人の席。
・・・あの会話は夢だったのだろうか。
私は言い知れぬ不安を感じ、ポケットに入れてあった睡眠薬を急いで飲み込み、
不安から逃れるために、再び瞳を閉じた。
私が深い眠りに落ちたのと同時に、
飛行機は突然コントロールを失い、
地上へと落下を始めていた。
私の最終回。
116話完
55 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:49:53.05 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
56 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:50:03.40 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
57 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 01:51:12.38 ID:GuBHTGMuO
>>52 思いだしたwww
まさかこのスレに居るとはwwwww
運命の出会い?w
58 :
初詣でかつあげされた:2006/12/15(金) 01:51:50.79 ID:jKY7N2URO
なんかこのスレそのものが怖くなってきた…
59 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:53:11.64 ID:PV5NyoZO0
117話
引越しの準備をしている最中に、無くしたと思っていた物は顔を出すらしく、
私はその事を証明するように、箪笥の影から中学生の時に録音したカセットテープを見つけた。
ラベルが茶色に変色し、かなりの埃をかぶっていたが、
かろうじて<わたしのうた>と書かれた少々荒い文字を確認することができた。
昔から歌う事が好きだった私は、カセットテープに自分の歌をよく吹き込んでいた。
好きな歌を歌ったり、自分で作詞作曲した即興の歌を歌ったり。
思えば恥ずかしいことを中学生になってまでしていたんだな、と私は苦笑した。
まだまだ引越しの準備には時間がかかりそうだし、
私は準備をしている間のBGMがわりにと、
カセットテープをまだ包装していなかったラジカセに入れると巻き戻しボタンを押した。
キュルルルルルルルシュルルルルルルルキィーーーーーシュルルルルル。
長い間放置していたせいか、テープが切れてしまったと思うような音を立てて、
しばらくして、押し込まれていた巻き戻しのボタンが、ガチャンと跳ねだされた。
いったい私は、どんな気持ちでどんな歌を歌っているのだろう。
あの楽しかった中学時代を思い出す、同時に楽しさがこみ上げる。
私はドキドキする心を押し出すように、再生ボタンを押した。
60 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:53:41.86 ID:PV5NyoZO0
「ああ。
友達も、親も家族も先生も。
みんなみんな死んでしまえばいいのと思うの。
殺してしまえばいいと思うの。
だって、それが正解なんだもの。
ゴミのようにしてあげましょう。
心臓さくっといきましょう。
首をぐきっといきましょう。
ああ、楽しい楽しい楽しいと、みんな笑ってるから。
私は逃げることもしないで、逃がすこともしないで、
一人ずつ殺していけばいい。
殺してバラバラにして、八つ裂きにして。
ミキサーにかけて、ぐちゃぐちゃにぐちゃぐちゃに。
憎い啓太、義人、一樹、美由紀、坂下、向井、栄子、坂田、土屋。
矢部、岡田、植木、古田、良子、美穂、楓。
木野、橋野、今日子、獲月、勢田、岩下、大石、中田、神野上。
みんな死ね」
テープが終わった。
117話完
61 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:54:08.74 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
62 :
猪(ベース):2006/12/15(金) 01:54:13.25 ID:et0gG2GoO
課題20P以上あるのにこのスレに張り付いている俺のみらが怖い
63 :
猪(禁風呂中):2006/12/15(金) 01:54:15.55 ID:CDRC64iD0
チキンの漏れはこのスレに迷い込んだ事に激しく後悔しているよ・・(´・ω・`)
怖くて寝れなくなってもーた
64 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:54:18.94 ID:y3WkhFe30
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65 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:57:27.30 ID:PV5NyoZO0
119話
「強制終了の噂知ってる?」
「なにそれー」
「なんか、パソコンやってると、変な強制終了が出ることがあるんだって」
「致命的なエラーってやつ?」
「なんかね、呪って文字が並んでる変な強制終了なんだって」
「それ、閉じるボタン押すとどうなっちゃうわけ?死ぬの?」
「えー、聞いた話によるとー。呪われるんだって」
「なんだー、死ぬんじゃないんだ」
「でも、呪われると周囲に次々不幸が起こって、三日以内に死ぬんだって」
「不幸ってなに?」
「家族が死んだり、ペットが死んだり、お金落としたり、カレシと別れたり?」
「うわっ、最悪」
「なんか怖くね?」
「なんかパソコンやんの、すっげーヤになってきた」
「ヘーキヘーキ、ンなのでないって」
「だよねー」
「そういえばさ、教頭、最近見かけないよね」
「あれ、死んだんでしょ、教頭」
「マジ?美那子に続いて二人目じゃん」
「えーっと、たしか七人目じゃなかったっけ、なんか最近多くね?」
「多い多い、なんかパーティ全滅って感じしねぇ?」
66 :
猪(筋肉質):2006/12/15(金) 01:58:01.31 ID:IxNs9gF2O
67 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:58:20.91 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
68 :
丸焼もち:2006/12/15(金) 01:58:44.48 ID:PV5NyoZO0
「あはははははははは!それオモロイ!」
「はははははははははは!だしょだしょ?!」
「あれ、今なんか聞こえなかった?」
「聞こえた聞こえた」
「教室の方からしたよね」
「あ、悲鳴」
「こわっ・・・なに、誰か暴れてんの?」
「なんか・・・やっばい・・・」
「呪いとかなんとか言ってない?」
「パソコンの呪い・・・?」
「きゃっ!!」
「今の絶叫・・・なに・・・・」
「血まみれとか、声聞こえるんだけど・・・」
「また誰か死んだんかな・・・」
「八人目・・?」
「・・・・・・・・私、パソコンやめよ・・・・」
「私も・・・・・・」
119話完
69 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:59:05.99 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
70 :
一回休み:2006/12/15(金) 01:59:16.47 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
71 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:00:27.62 ID:PV5NyoZO0
120話
「って!!!」
畳がささくれて、どうやら刺さったらしい。
指先がほんの少し赤くなって、黄色の細いものが飛び出している。
頭にきて、俺はピンセットで棘を摘み、思い切り引いた。
が、恐ろしいことに棘は恐ろしいほど長かった。
チクチクした痛みを指先に感じさせながら、
数ミリだと思っていた棘はもう15センチほど指先から伸びている。
どうやってこんなに入ってたんだ。
などと思っていたら、100センチぐらいして、棘が指の中でひっかかった。
これで終わりか?と思い、俺は力のかぎり棘を引っ張った。
スポンっと拍子抜けする音がし、棘が引き抜かれた。
抜いた棘の先端はぷくっと膨らんでいて、顔のような物が浮かんでいた。
「ヤァ、ヒサシブリ!」
棘は嬉しそうに俺に向かって微笑んだ。
「って!!!」
畳がささくれて、どうやら刺さったらしい。
指先がほんの少し赤くなって、黄色の細いものが飛び出している。
頭にきて、俺はピンセットで棘を摘み、思い切り引いた。
すると、棘はシュルシュルと音を立てて糸のような物になっている。
ははん、これは引っ張りすぎると失明するってアレだな。
俺はその手には乗らないぞと思い、針に糸を結びつけると指の中にそれを押し戻した。
すると、目玉がポロッと両方、こぼれ落ちた。
72 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:01:21.00 ID:PV5NyoZO0
「って!!!」
畳がささくれて、どうやら刺さったらしい。
指先がほんの少し赤くなって、黄色の細いものが飛び出している。
頭にきて、俺はピンセットで棘を摘み、思い切り引いた。
が、なんと棘はヒュっと体の中に逃げ込んだのだ。
血管の中を泳いでやがる、俺はそう感じた。
だって、体中がチクチクチクチク痛いんだ。
こうなったら取り出してやる、と俺は針を持ってくると、
体中をグサグサと突き刺した。
百箇所ぐらい刺しただろうか。
突然、全身から痛みを感じたかと思ったら、
針を刺した穴すべてから、いっせいに棘が顔を出した。
「って!!!」
畳がささくれて、どうやら刺さったらしい。
指先がほんの少し赤くなって、黄色の細いものが飛び出している。
頭にきて、俺はピンセットで棘を摘み、思い切り引いた。
が、ものすごい力で、逆に俺は棘に引き込まれた。
棘が開けた小さな穴がギチギチと広がっていき、噴水のように血が噴出し、
俺は俺の中に入り込んだ。
73 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:03:03.40 ID:PV5NyoZO0
・・・・・ん。
変な夢をいっぱい見た気がする。
なんだっけな。
寝ぼけ眼で、俺は目を覚ました。
長い長い夢だったな。
なんて思いながら畳から体を起こした。
「って!!!」
畳がささくれて、どうやら刺さったらしい。
指先がほんの少し赤くなって、黄色の細いものが飛び出している。
頭にきて、俺はピンセットで棘を摘み、思い切り引いた。
120話完
74 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:03:15.58 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
75 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:03:26.16 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
76 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:04:16.81 ID:PV5NyoZO0
121話
ない。
ない。
ない。
ない。
ポケットの中の物、すべて取り出しても、やはり無い。
彼女から先日もらったばかりの懐中時計。
青色と赤色で綺麗にペイントされた、オリジナルの懐中時計だ。
中には彼女の名前、そして僕の名前が彫られていて、
大切にしようねと僕は彼女に、彼女は僕にそれをプレゼントした。
持ち歩くのは危ないと分かっていたけれど、彼女と一緒に居れる時間が少ないから、
せめて懐中時計とだけは一緒にしたいと思って、
ズボンのポケットの中にあるタグに懐中時計の鎖を結び付け、
絶対に落ちないようにしていたはずなのに。
ポケットの中にあったタグは、解れてしまったのかプッツリと切れていた。
中には彼女と僕の写真。
そして落としてしまったときのために
「これを拾った方、ここまでご連絡お願いします、謝礼します」とメモを入れてある。
誰か、親切な人が拾ってくれるように、僕は祈った。
僕は最近になって、すぐ落し物をするようになった。
ポケットの中に入れてあるもの、ついさっき確認したはずのものがない。
カギ、ティッシュペーパー、ハンカチ、サイフ・・・・。
前に切符をポケットの奥に入れ、さぁ電車に乗ろうと踏み出したとき、
急に嫌な予感がして振り返るとつい数秒前に入れたはずの切符が、ホームに落ちていた。
77 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:05:08.17 ID:PV5NyoZO0
ポケットの奥に入れたはずなのに、ポケットに穴は開いていないはずなのに。
ズボンが悪いのかもしれない、とお気に入りのズボンからガラの悪いズボンに履き替えても、
僕の奇妙な「おとしもの」の現象は止むことは無かった。
上着のポケットに入れても、カバンのポケットに入れても、いつのまにか物は無くなっている。
おかげで交番に毎週のように立ち寄って、自分の物が届いていないか確認するようになってしまった。
警官の怪しそうに見る視線が、毎回ながら痛い。
数日後、
運良く僕は懐中時計を取り戻すことができた。
親切な人に拾われた・・わけではなく、近所の中学生が拾って、謝礼目当てに連絡してきたのだ。
しかも茶髪のいかにも不良ですオーラが痛々しい中学生で、
サイフから五千円札を抜き取られてしまった。
が、五千円で戻ってくるならば安いものだと、僕は割り切ることにした。
もう絶対に落とさない。
僕はそう誓って、懐中時計を首からぶら下げることにした。
これなら鉄製の鎖が切れない限り落ちることは無いだろう。
落ちてしまってもすぐ分かるはず。
今日は久しぶりに彼女とのデート。
デートの最中に、落とすなんてことはできない。
僕は気合を入れて、映画館へと向かった。
首でシャンシャン、と懐中時計の鎖が鳴った。
「それで・・・なにがあったんです、まったく意味が分からない」
78 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:05:54.93 ID:PV5NyoZO0
取調室。
刑事数人と若い女性が向かい合って座っている。
彼女はある殺人事件の容疑者として、今ここにいる。
被害者は未松一和。22歳、会社員、男性。
「だから、私は殺してない・・・」
容疑者は未松と付き合っていた女性。相川みどり。21歳、OL、女性。
事件当日、彼女と未松が一緒に映画館でデートをしているところを数人が目撃している。
「とても楽しそうにしていました」
「首に懐中時計ぶら下げてた」
「殺しをするようには見えませんでした」
目撃者の証言。
が、事件は起きた。
未松一和は死亡。
他殺・・・おそらく他殺。
ベテランの刑事達も息を飲んだほどの、奇妙な他殺。
容疑は第一発見者の「相川みどり」にかけられた。
79 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:06:08.68 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
80 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:06:45.51 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
81 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:06:47.68 ID:PV5NyoZO0
「だから私じゃありません・・・。
彼・・・、最近いつも落し物するんだって、笑いながら、一緒に・・歩いてて。
首から私があげた時計が、揺れてて・・・。
夜道を歩いてて・・・、そのまま彼の家に泊まろうと思ってて・・・。
私、ハイヒールが外れちゃって・・彼、気づかずに先に行っちゃって・・・。
見たんです・・見ちゃったんです・・ああ・・怖い・・怖い・・」
そのまま彼女は口を閉ざした。
彼女は何を見てしまったのか。
刑事達は何度も取り調べを繰り返したが、
おびえきった彼女は、何も言うことは無かった。
その後、彼女の無罪は立証される。
同時に事件は迷宮入りとなった。
2006 11/24
東京新橋の路上で男性の他殺死体が発見される。
男性の胸には大きな穴が空けられており、
体の穴から心臓が取り出され、数百メートル先の路上に放置されていた。
また、心臓はトラックなどに轢かれたのか形状が・・・・・
121話完 霊酒作ってくる
82 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:07:08.97 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
83 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:07:29.23 ID:y3WkhFe30
おk
84 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:07:40.37 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
85 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:08:02.25 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
86 :
神主と初詣:2006/12/15(金) 02:08:08.34 ID:RYmAIVIN0
結構最近じゃないかああああ
87 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:09:52.15 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
88 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:10:10.99 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
89 :
VIP皇帝:2006/12/15(金) 02:12:05.29 ID:CDRC64iD0
こぇええええええええええええヽ(τωヽ)ノ
2時なんて一番幽霊が出る時間じゃねぇかよぉおおおおおおお
いま一人でここ見てる香具師、気をつけろよぉおおおおお!!!!111
90 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 02:12:42.85 ID:VBpQCAbd0
俺まだ読んでないんだけどやめたほうがいいかな?
91 :
初詣って何?:2006/12/15(金) 02:14:36.67 ID:jKY7N2URO
ラジオとテレビをフル回転させて見てる
92 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:14:49.67 ID:y3WkhFe30
>>90 このスレを開いた時点で・・・・
いや、なんでもない
93 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:16:00.59 ID:PV5NyoZO0
122話
貴方は夜道を歩いている。
帰宅途中の都会の道路。
虫の声が聞こえる。
ふと気配を感じて振り返る。
闇の中では何も見えない。
その闇の先に何がいるのか、貴方は知らない。
ふと足音が聞こえたような気がする。
こっちへ向かっているのだろうか。
誰が?
もしかして、私に?
不安に包まれる。
また足音。
こんどは間違いなく聞こえた。
あ、明かりが・・・
消えて行く・・・
そして・・・・
122話完www
94 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:16:21.85 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
95 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:16:33.95 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
96 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:17:28.71 ID:PV5NyoZO0
123話
よく流れる。
電車とホームの間の隙間に気をつけましょうと。
乗り込むときに足元をよく確認。
真っ暗な隙間が覗きこむ。
車体が影になってよく見えない。
誰かいても、誰がいても、誰かじゃない、何かがいても。
駅。とある駅。
ホームの隙間が大きく開いている駅。
体を半分切断された男と女がいる駅。
男と女は隙間の中で待っている。
隙間の上を通る人間達の中で、獲物になるべき人間を待っている。
獲物になるべき人間の条件?
ごく単純。
黒い靴。黒い靴を履いている人間。
黒い靴を履いている人間の左足を男が掴む。
黒い靴を履いている人間の右足を女が掴む。
体を半分切断された男と女が引き込む。
ホームの下で体を切断される。
まずは足の指からなんだ。
それから手の指なんだ。
体を分解するんだ。
97 :
猪(求職中):2006/12/15(金) 02:17:33.34 ID:OfqwseFn0
さる防止支援の人の名前欄が怖すぎる件
98 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:17:55.52 ID:PV5NyoZO0
人間の体がどうなってるか知りたいんだ。
だから生きたまま分解するんだ。
うごめく臓器を観察したいんだ。
でも切断していくと途中で止まってしまうんだ。
全部調べられないんだ。
だから次の獲物を探す。
男と女が見上げてる。
隙間の中から見上げてる。
人間の体の中身が知りたいよ。
人間の体の中身が知りたいよ。
駅の話をもうひとつ。
次の電車が来るのに時間がかかる。
でもずっと立っているのは疲れる。
ふと見るとベンチが空いている。
これはついている。
電車が来るまでベンチで座ろう。
ベンチが汚れていないことを確認して座る。
後ろのベンチにも誰か座っているようだけど気にしない。
読みかけの本を取り出してページを開く。
「ぼそぼそ・・ぼそぼそ」
あれ、声が聞こえる。
背後から声が聞こえる。
99 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 02:18:27.15 ID:VBpQCAbd0
やべええええええまだ2話しか読んでないけどこええええええええええええ
100 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:18:43.08 ID:PV5NyoZO0
背後に座っている人の声のようだ。
「ぼそぼそ・・ぼそぼそ」
何を言っているんだろう。
耳をすませる。
「・・・・・ころしてやる・・」
ゾッとしてベンチを立ち上がる。
同時に電車がやってくる。
助かった。そう思ってドアに歩き出す。
電車に乗り込む。
プシューー。
ドアが閉じる。
ダンダンダン!!!
ドアが激しく叩かれる。
見上げると、さっきの男が鬼の形相で立っている。
「くそ!!お前を殺そうと思っていたのに!!!」
123話完
101 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:19:02.13 ID:PV5NyoZO0
102 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:19:25.53 ID:y3WkhFe30
気が付かなかった
103 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:19:41.56 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
104 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:20:32.59 ID:y3WkhFe30
名前:おまえの番だよ
105 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:20:38.91 ID:PV5NyoZO0
124話
ひとみに関する怖い話を二つしましょうか。
周囲が水溜り広がる波紋のように歪む。
ああ、眠い。頭がくらくらする。
まぶたが降りていく。世界が閉じられる。
・・・眠ってしまおうか。
このまま変なところで眠ってしまうよりかは、
今眠ったほうがいいに決まっている。
でも、寝る前にふと考える。
眠ったあと、このまま目を覚まさなかったら。
まさか、そんな事。
そう思って目を閉じる。
墨汁を水に注ぎ込むように、
どろどろとした眠気が睡眠へと転移する。
そして、深い眠りに落ちる瞬間、声が聞こえた。
「人生おつかれさま」
目が乾いて私はまばたきをした。
ぱちぱちぱち。
まぶたを下ろす、上げる。
あれ、どうしたのかな。
106 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 02:21:03.86 ID:VBpQCAbd0
おい誰かいないのか!
107 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:21:39.43 ID:PV5NyoZO0
まばたきが止まらない。
ぱちぱちぱち。
ぱちぱちぱちぱち。
ばちばちばちばち。
ばちっばちっばちっばちっ。
びちっびちっびちっびちっ。
びちびちびちびちびち。
止めて止めて止めて止めて。
まばたきを止めて。
目が痛い痛い痛いいいいいいいいい。
いいい止めていいばちい痛いいいい。
いいいいいいまばたきいいいいいい。
いびちいいいいいいいいい止めてい。
びちゃっ。
大粒の涙が落ちた。
大粒の瞳が落ちた。
124話完
108 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:22:04.84 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
109 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:22:15.98 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
110 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:22:19.40 ID:PV5NyoZO0
111 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:23:45.01 ID:y3WkhFe30
112 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 02:23:46.41 ID:5GUk70eUO
113 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:24:46.31 ID:PV5NyoZO0
114 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:25:16.96 ID:PV5NyoZO0
125話
取り壊しが決まった無人マンションから子供達の声が聞こえてくる。
建築が予定された当初は満室を予想し、抽選の準備まで進められていたらしいが、
実際に封をあけてみれば立地条件や地元に伝わる黒い噂などのあおりを受け、
数世帯のみの契約となってしまい、当然のようにその数世帯も転居せざるおえなくなり、
誰も住む者のいない幽霊マンションと化してしまっている。
実際、このような幽霊マンションは少なくない。
外見は人が住んでいるような生活感を醸し出してはいるが、
ベランダの方から見上げてみれば一目瞭然。
晴れた日であっても洗濯物や布団はまったく干されておらず、
人影はおろかカーテンすらも窓にはひっかかっていない状態にある。
私の町にも二箇所ほど、そのような幽霊マンションは存在する。
土地がないといっても、マンションは土地の上に何世帯もの世帯が暮らしており、
かなりの都会であっても、その部屋が満室になることはそう多くないものだ。
それに立地条件などの悪条件が重なってしまえば、一気に人は魔術のように消える。
まるで沈みかけた船からネズミが逃げ出すように。
人が消えうせた建物からは生活感だけが残り、
その生活感に引き寄せられるように、浮浪者や犯罪者が集うようになる。
典型的な例が閉店したガソリンスタンドだ。
人がいなくなるとまず、若者が描いたようなスプレーの落書きが増え始め、
店舗内のガラスは悉く割られていく。
115 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:25:38.82 ID:PV5NyoZO0
中には雑誌や食べ物の食い散らした後が広がり、
夜中にはどこから集まってきたのか、不気味な者達が徘徊する。
引き寄せられるのは人だけではない。
食い散らかされた食べ物に吸い寄せられ、カラスやのら犬などがそれを漁る。
それにより衛生上においても危険な場所になっていくわけだ。
こうなると不のエネルギーがその場に溜まりやすい状況なっていく。
店が潰れる時点ですでにある程度蓄積されていたエネルギーに、
更にさまざまなエネルギーが吸い寄せられるように溜まっていき、
怨念や、それを吸収し力を得ようとする悪霊が増えていくのだ。
生活感はしだいに失われていき、外観も恐怖を植え付けるように変貌を遂げる。
こうなると、人は廃墟に誘いよせられるようになる。不のエネルギーが引き寄せるのだ。
恐怖を味わうために、恐怖に食われるために。
子供達がマンションで遊んでいる。
五人ほどだろうか、小学五年生ほどに見える。
探検ごっこや鬼ごっこに飽きたのか、かくれんぼをはじめているようだ。
「も〜おいいかぁ〜い」
「も〜おいいかぁ〜い」
鬼になったらしい子供が、マンションの中に声を響かせる。
116 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:26:13.93 ID:PV5NyoZO0
けれど、もういいよの声も、まだだよの声も聞こえてこないようだ。
「も〜おいいかぁ〜い」
「も〜おいいかぁ〜い」
けれど、どうしたのか他の四人の声はまったく聞こえない。
どこか聞こえない所に隠れてしまったのだろうか。
しかたなく、子供は立ち上がった。
「も〜おいいかぁ〜い・・・?」
最後に小さく、子供はつぶやいた。
「もぉ・・いいよぉ・・」
マンションの奥から聞こえてきた声は、
子供のそれではなかった。
125話完
117 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:26:48.07 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
118 :
猪(求職中):2006/12/15(金) 02:27:44.66 ID:OfqwseFn0
, -─- 、 , -‐- 、
,, -'" `V `‐、
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/ ヽ
./ / l ヽ
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| l. l / / / ./ .l | | l / / l l.〉
l、 | | l / / ./ ./ |. l | ./ ./ ./ | |./
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ヽゝ(ー| /| ´ \| ll ),l'ノ ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
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119 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:30:28.56 ID:PV5NyoZO0
126話
これは私が長崎にあるF老人ホームで介護士として働いていた時の話です。
当時の私は長い間続けていた父親の介護が、父親の死という終わりを遂げ、
空虚感の中、もっと苦しんでいる人達の介護をしたい、
その一心から介護の検定に合格し、資格を手にいれることができました。
そして、最初に私が働くことになったのが、F老人ホームだったのです。
最近は新しい老人ホームが次々と建てられ、
最新の設備と、最高のスタッフが集められたものが目立っていますが、
その裏で普通の宿舎のようなこじんまりとした老人ホームもあるのです。
最新の設備はないものの、そこに関わっている人達は暖かく、
最近の設備よりも安心がもてる、そうみなさんおっしゃってました。
ただ、やはり年代物の建物なだけに、問題になっているアスベストの除去やら、
地下のボイラー室の度重なる故障、人件費などに頭を悩ませていました。
だからといって、これ以上、この設備で多くのお金をとるわけにもいかず、
経営は行き詰まりを見せていました。
私達の困った雰囲気を感じ取ったのでしょうか。
ロビーで話をしているお年よりが、なにやら変な話をしているのを耳にしたのです。
「ここはお金がないんじゃあて」
「わしらからはとれんゆぅとったぁ」
「けどもぉ、このままじゃとつぶれてしまうて」
「だれか、でてけぇばいいんじゃなかろうか」
「先がながぁもんはおらんて、でていけんとぉ」
みんな心配してくれている。
120 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:30:59.29 ID:PV5NyoZO0
ここでは、みんなが家族なんだと、実感しました。
私達がなんとか頑張らないと、そう思って私はロビーを立ち去ろうとしました。
「だれか死ねばええんじゃぁ」
私の足は、止まりました。
振り返ると、お年より達の視線が私に注がれていて、
急にこわくなって、私は早足でその場所を立ち去りました。
その日の夜、一人の入居者が亡くなりました。
亡くなったのは小田さんで、入居者の中では一番元気なおじいちゃんでした。
苦しんでいる声が聞こえるというので私達が駆けつけると、
小田さんは喉をかきむしりながら、もう片手でベッドのシーツをつかんでいました。
視線は宙をいったりきたりしていて、時々目玉がぐりんと白目を向きました。
胸をばくんばくんと上下させて、それはもう苦しそうでした。
首をかきむしっている指には、首の皮膚と肉片がこびりついていて、
血が首かざりのように寝巻きを染めていきました。
「ぁあぁああぁあぁぁあぁ・・・ぎぃぎぃぎぃぃいぃぃいぃ・・・」
それが小田さんの最後の、言葉・・・というのでしょうか。
声、でした。
死因は窒息死と判断されましたが、
その原因となるものは、見つかりませんでした。
121 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:31:25.59 ID:PV5NyoZO0
気管には何一つ、呼吸をさまたげるようなものは発見されませんでしたし、
胃の中からも、外部からの締め付けのようなものも、何もありませんでした。
二人目の死者はそれから四日後。
今度はみんなから少し距離をおかれていた矢野さんでした。
彼女も同じように首をかきむしって亡くなったのですが、
やはり死因となりうる物は発見されませんでした。
彼女は風邪ぎみだったこともあり、他の入居者にうつらないように
部屋を他の入居者からはなしていたことから、発見が遅れてしまい、
駆けつけたときには彼女はもう、亡くなっていたのです。
彼女の首は、皺だらけの皮膚が幾重にもめくれあがり、
折れた爪がそのまま首に食い込んでいました。
そこから飛んだ血が壁に飛び散り、まさに地獄絵図のようでした。
二度も不審な死が続いて、警察や保健所も何度か調査に入りましたが、
結局原因となるものは何一つ発見されませんでした。
入居者の家族の方も、この現状に不安を覚えたのか、
少しずつこのF老人ホームから去っていきました。
私達も悩みました。
いくら人のためにやっていることとはいえ、給料がなかなか振り込まれない状態であり、
この先の見通しすらつかなくなっていたのですから。
看護士も少しずつ、その姿を消していきました。
122 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:31:51.29 ID:PV5NyoZO0
そして、三人目の死者。
・・・・それは所長でした。
彼の場合は自殺。首をつったことによる窒息死でした。
勢いよく首を吊ったせいでしょうか。縄が首に食い込んで擦り切れ、
死んだ老人達のように、首から出血し、ロ−プが赤く染まっていました。
結局、F老人ホームは閉鎖され、
私は別の老人ホームに移動することになりました。
この連鎖した死が何を意味していたのかはわかりません。
ただ、最後までF老人ホームに入居してくれていた佐竹さんの部屋から、
私は奇妙な紙きれを見つけたんです。
見たこともない達筆な文字が綴られていて、「死」と中央に描かれていました。
そういえば、「だれか死ねばええんじゃぁ」がと言ったのも、佐竹さんでした。
もしかして、佐竹さんは自分の住処を守るために、
この老人ホームを守るために、入居者を呪い殺していたのではないでしょうか。
結果、こうなってしまうとは知らずに・・・。
現在の佐竹さんは別の老人ホームで暮らしているそうです。
とても住み心地がよいと連絡が先日ありました。
その老人ホームの財政が傾かないことを、私は祈っています。
126話完
123 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:32:07.02 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
124 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:32:18.58 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
125 :
長ネギ:2006/12/15(金) 02:34:13.25 ID:t4nudTfu0
全スレの”ちょっと”怖い話ってタイトルにだまされて
しっかり読んでしまって寝れなくなった私がいます
126 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:35:50.14 ID:y3WkhFe30
127 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:36:32.71 ID:PV5NyoZO0
127話
よくある話。
その女と結婚すると死ぬとか、
その女と付き合うと不幸が訪れるとか、
実はその女が連続殺人犯人だったりとか、
財産目当てで相手を殺していくとか、
現実味はないけれど、幽霊とかそっち系の話に比べたら現実味はある方だと思う。
でも、今からお話する「女」は、それよりも現実味があるようで、ない。
それは「感染する女」だ。
別に性病を持ってるとか、そんなわけじゃない。
感染といっても、病気が感染するわけでもない。
それでも、感染る。感染する。
何がって、霊、霊、霊だ。
彼女にとりついている霊が、付き合った人間に感染するんだ。
その霊は彼女に恋心を抱いているんだ。
だから、近寄ってくる男がどうしても許せない。
霊は怒りに燃えて、男にとりつく。
でも、殺すわけじゃない。不幸にしていくだけ。
病気のように、じわじわと男に不幸がふりかかる。
128 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:36:51.31 ID:PV5NyoZO0
まず軽い風邪にかかったり、物をなくしたりする。
少し大きな怪我を負ったり、借金を負ったりする。
そして、知り合いが死ぬ。
親戚が死ぬ。
家族が死ぬ。
これらのことが少しずつ感染した男に訪れる。
追い詰めて、追い詰めて、精神を犯し、壊し、殺していく。
体もガリガリに痩せ細り、男は狂う。
そして、男は自殺する。
女はまた一人になり、新しい男を捜す。
新しい男も感染する。
新しい男も死ぬ。
いずれ、女も死ぬ。
霊は新しい女を捜す。
新しい女の男が死ぬ・・・・・・・・。
死んだ男達も新しい女を捜す。
死んだ女達も新しい男を探す。
彼ら彼女らもまた、新しい感染源となる。
これは永遠に続けられる死の物語だ。
永遠に増えつづける死の物語だ。
死の前には現実味も、必要ない。
127話完
129 :
猪(検便中):2006/12/15(金) 02:37:03.90 ID:CDRC64iD0
ドラゴンボールでも読んで気分転換して寝るわ(´・ω・`)ノシ
130 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:37:05.00 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
131 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:37:28.43 ID:y3WkhFe30
132 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:38:36.20 ID:PV5NyoZO0
133 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 02:40:33.11 ID:5GUk70eUO
134 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:40:50.95 ID:PV5NyoZO0
128話
「くぅ・・・・寒・・ッ!」
拓也は一気に服を洗濯籠に脱ぎ捨てると、
一目散に浴室に駆け込んで風呂の蓋をとっぱらうと湯船に飛び込んだ。
湯船の中から閉じ込められていた湯気が、亡霊のように解き放たれた。
夜中の二時。
風呂に入るには遅すぎる時間だったが、拓也にはこれが普通だった。
毎晩のように仕事が遅くまで続き、ようやく自宅に戻り、
あれやこれやと作業をしていると、必然的に風呂に入るのがこの時間になってしまうのだ。
はぁと息を吐けば寒さからか、家の中にいるにも関わらず息が白く変わる。
これでも外に比べれば暖かいほうなのだが、脱衣所に入ればほぼ外の気温と変わらない寒さである。
その中で裸になるのはかなりの勇気と決断がいる。
拓也も風呂が焚けたアラームが聞こえてから、風呂に飛び込むまでに数分を毎回要していた。
そのためか風呂に蓋をしているにも関わらず、湯気が漏れているのか
拓也が風呂に入るころには浴室の鏡が真っ白に曇っているのだ。
「ふはぁ・・・」
暖かい湯が体を包み込み、なんともいえない快楽を拓也に与える。
温泉に入らなくとも、今のこの湯船の中はどこぞの温泉よりも、
もっとすばらしい秘湯だと感じさせてくれる。
夢心地、本当に夢の中に飛び込んでしまったような気持ち。
お湯が底無し沼のように、拓也は深い深い快楽の中に沈んでいこうとしていた。
135 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:41:26.91 ID:y3WkhFe30
>>132 ザ・たっちぐらい
ちょっと!ちょっとちょっと!!
136 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:41:59.22 ID:PV5NyoZO0
あぶくが水面を跳ねた。
続けて、ばしゃばしゃと水面が跳ねる。
「あぶっ・・・!あー・・・・危な・・・・」
拓也は沈みかけていた顔を慌てて湯船の外に出した。
溺れかけたことで夢心地から一気に現に呼び戻され、
湧き上がっていた眠気もブラインドが下げられるように消えた。
「人間シチューはごめんだよな・・・」
都市伝説のひとつを思い出しながら、よく室内を見渡そうとする。
が、気がつけば浴室の中は濛々と湯気に覆われて、ほとんど視界が奪われていた。
浴室に設置されている換気口が知らない間に停止していたらしく、
息を吸い込もうとして、拓也は湯気にむせ返った。
「ごほっ・・・ごほっ・・・・ッ!」
涙と湯気が交じり合ったものを顔に浮かべながら、
さっさと風呂から出ようと、拓也は浴槽から体を乗り出した。
浴室内は暖かい湯気に覆われているためか、さほど寒さを感じることはなく、
拓也は浴槽から洗面器で一杯のお湯をかき上げると、
腰掛けの上に温かいお湯を注ぎ込んだ。
暖かいといっても、プラスチックで作られたそれは冷えやすく、
こうしておかなければ尻が冷たくて座っていられないためだ。
「ん・・・・」
それでも冷たいそれに腰をかけ、拓也は正面を向いた。
137 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:42:34.47 ID:PV5NyoZO0
湯気で真っ白に曇った鏡。
昔はよくこれに落書きをして遊んだものだと思い出す。
一度書いた落書きは、また息を吹きかけるなどして曇らせると、
同じ落書きが浮かび上がってくる。
今真っ白に曇っているということは、前に書いたものは消えてしまっているということ。
・・・大人になった今では落書きをすることなどないのだが。
拓也は手のひらで鏡の曇りをきゅっきゅっとふき取った。
それでも鏡の曇りはそう簡単に払われるものではなく、
自分の顔もよく見えないのが現状だった。
・・・しかたない。
拓也は妥協したようにシャンプーボトルの頭を押し、中身を手のひらに広げる。
手のひらである程度泡立たせ、それを頭に塗りこめる。
前に友達と風呂に入ったときに笑われたやり方ではあるが、
これは自分のやりかたなのだと思いながら、頭のシャンプーごしごしとあわ立てる。
・・・・・この間、人はまったくの視界ゼロといってもいい。
聞こえるのは頭の上で泡立てられるシャンプーの音や、
それを洗い流すためのシャワーの音。
外から聞こえてくる車の音。
視界が奪われたことにより聴覚が敏感になっているのか、
いろんな音が耳元でささやくかのように聞こえてくる。
そして、敏感になるのは第六感もそうである。
138 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:43:00.96 ID:PV5NyoZO0
背後に何かの気配を感じてしまう、そんな体験は誰でもあるものだ。
が、酒井は今、まったくといっていいほど、何の気配も感じていなかった。
ただ頭をわしわしと洗い、手を伸ばしてシャワーをひねる。
勢いよく飛び出してくる水流を頭で受け、シャンプーを洗い流すのみ。
不安も恐怖も感じることはない。
拓也は本当に、霊感など持ち合わせてはいない人間だった。
霊現象やUFOを信じることもないし、真っ向から否定してかかるタイプだった。
「ふは・・さっぱり・・・」
爽快感から拓也は顔を上げる。
シャワーの湯気のためか、先ほど曇りをふき取った鏡には、新しい曇りが浮かび上がっていた。
そこに大きな文字で「殺してやる」の落書き。
水滴が文字から垂れ、不気味さを際立たせている。
拓也は首をひねって考えた。
「あ、シャンプーしてる間に自分で書いたのか・・・」
あくまで霊現象は信じない彼であった。
文字の隙間の鏡から、大きな包丁を持った男が近づいていたとしても。
128話完
139 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:43:17.93 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
140 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:44:31.11 ID:PV5NyoZO0
>>133 ちょwwwマジかwwwwww
>>135 タッチくらい?
タッチ、タッチ、ここにタッチ?
霊酒作ってきます
141 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 02:46:40.87 ID:5GUk70eUO
>>140 え?さる防止支援の人はみんなにはお前の番だって見えてるんじゃないの?
おまいだけ違うみたいだが
142 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 02:47:33.72 ID:5GUk70eUO
143 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:48:13.51 ID:y3WkhFe30
>>140 おk
名前欄は今の前が一回休みだから
おまえの番だよ・・・かと
すごろくとかゲームの…たぶん
144 :
お年玉(Wii):2006/12/15(金) 02:48:22.09 ID:E6iifJCmO
空気嫁
ってことなんじゃないの?
145 :
ぬこと初詣:2006/12/15(金) 02:50:28.32 ID:C69FMUvTO
もう風呂入れない…
男でもいいから誰かに添い寝してほしいわwwww
146 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 02:50:55.14 ID:S34LMCE6O
今北。その前にさる防止って何よ
147 :
長ネギ:2006/12/15(金) 02:51:42.59 ID:t4nudTfu0
148 :
猪(カビ):2006/12/15(金) 02:52:16.45 ID:5GUk70eUO
>>140が管理人と初詣と言っていたから
すごろくのだってのは分かっていたが
149 :
猪(禁風呂中):2006/12/15(金) 02:54:10.09 ID:TMneh4fC0
150 :
おまえの番だよ:2006/12/15(金) 02:54:55.60 ID:y3WkhFe30
>>146 一人の人がそのスレ内で多数レスすると
さる規制になってしばらく書き込めなくなる
それを防止するためにレスする
151 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 02:55:00.29 ID:GuBHTGMuO
152 :
ぬこと初詣:2006/12/15(金) 02:55:11.33 ID:C69FMUvTO
>>147 ぬこ飼ってない…
隣に可愛いぬこがいる妄想でもするわ
153 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:55:56.32 ID:PV5NyoZO0
129話
私の通っていた中学校には新しい焼却炉がありました。
作られてから五年もたっていないような、サビひとつない焼却炉です。
先生にどうして新しいのかと聞いても、誰も教えてくれませんでした。
新しいのはいいんですけど、焼却炉、何か変な感じがしたんですよね。
なにか、ゴミを焼いていると変なにおいがするんです。
もちろん、焼いているのは紙のゴミばっかりですし、
変なにおいがするものは何もいれてないはずなんですけど、
まるでストーブで髪の毛を焼いた時みたいなにおいがたちこめて、
すっごく嫌な気分になるんです。
それでも私は美化委員会に入っていたから、
どうしても焼却炉の当番をやらなくちゃいけないんです。
先輩達は別の仕事にまわっちゃって、一年生は焼却炉の当番なんですよ。
私、あのにおいがどうしても嫌で、
ゴミが一通り集まってから燃やすようにしていたんですけど、
それでも焼却炉に火をつけた瞬間から嫌なにおいは出てきて、
私何度も先生に問いただしたんです。
あんな変なにおいが出るのはどうしてなんですか。
焼却炉は新しいのにおかしいじゃないですか。
それでも、先生は何も教えてくれませんでした。
それで、私センパイに聞くことにしたんです。
154 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:56:32.99 ID:PV5NyoZO0
センパイ達は「二年生になったら教える」とか言ってたけど、
私もう我慢できないから美化委員会やめますって言ったら、
ようやくセンパイ達、重い口を開いてくれたんです・・。
それは八年ぐらい前のことだったらしいです。
生徒達の間から、焼却炉の変な噂が立ったらしいんですね。
「焼却炉から女の人の声が聞こえる」
「ダンダンって、誰かが中から叩いてる」
「ゴミを焼くときにへんなにおいがする」っていう噂なんですけど。
先生達は気のせいだとか、変な噂を立てるんじゃないって聞く耳を持たなかったそうです。
学校は怪談とかよく流行する場所でしょう?
だから先生たちも迷惑をしていたらしいんですよね。
たとえば音楽室でへんな噂が立つと、音楽の授業に支障をきたすわけです。
もちろん音楽の先生もやりにくいですし、授業の準備などは一人でやらなくちゃいけないわけだから
先生も怖くなってしまうし。
それが焼却炉だったら、毎日ゴミは出るのに生徒がゴミを出さなくなってしまうかもしれない。
そうなると、先生がやらなくちゃいけなくなるわけですし、面倒ですよね。
だから、先生たちは頭ごなしに「噂など信じるな」と叱り付けたらしいんです。
先生の中でも、学年主任の島田先生は特に怒って、
「そんな噂を信じるやつは成績に関わるぞ」なんて脅したらしいんです。
もちろん問題にもなりましたが、学校側は見て見ぬふりをしていたんですね。
でも、叱りつけたり、無い無いって言いすぎると、返って生徒達は勘繰って
逆に何かあるんじゃないかって思っちゃいますよね。
155 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:57:32.43 ID:PV5NyoZO0
噂はどんどん広がって、ついに全校集会が開かれたんです。
集まった生徒達の前で、その島田先生が怒鳴り散らして、
「噂を信じるなこの馬鹿どもが、殺してやる」
なんて口走っちゃって、机をバーンっとけっ飛ばしちゃったものだから、
慌ててほかの先生が止めに入ったんですが、
こんどは止め入った先生をグーで顔面を殴ってしまって、全治三日の怪我を負わせちゃって・・。
島田先生は謹慎処分になってしまいました。
そして、その後島田先生は逮捕されることになったんです。
でも、どうしてこんなに島田先生がただが焼却炉でこんなことをしたのか、
それは生徒達には一切知らされることはありませんでした。
島田先生が逮捕された理由も、暴行から・・ということになりましたが、
あたり前です。生徒に教えられるワケがないんです。
島田先生の秘密は、二年前にさかのぼります。
当時、先生には付き合っていた彼女がいたんですけれど、
痴情のもつれから・・といいますか、
付き合っていた彼女を学校の校舎裏で殺してしまったらしいんです。
慌てた島田先生は死体を隠そうとしましたが、
学校の入り口にはその時、守衛みたいなものがいて、
どうにも死体を運び出せなかったらしいんです。
島田先生は車も持っていませんでしたし、どうにかしなくちゃいけないと思って、
死体を立ち入り禁止の当時使われていなかったボロ倉庫にこっそり隠したそうです。
けれど、日が過ぎれば死体は腐って、生徒達にみつかってしまうかもしれない。
そう考えた先生は、とんでもない行動に出たんです。
156 :
丸煮もち:2006/12/15(金) 02:57:59.08 ID:PV5NyoZO0
死体を調理室の包丁や、木工室のノコギリなどで、バラバラに切断して、
毎日生徒に出させているゴミの中に、毎日少しずつ混入して、
生徒に死体を焼かせていたそうんなんです・・。
何も知らない生徒達は、彼女の切断された内臓やら、指が入ったゴミ袋を持って
毎日のように死体処理の手伝いをさせられていたわけです。
生徒達に教えられるはずがありません。
当時の焼却炉は小型ながらかなりの高温が発生するもので、
死体も灰になるまで焼くことができたそうです。
こうやって島田先生は死体をすべて焼却炉で焼くことができたんですが、
焼き終わった直後から、生徒達の間でこの噂が立ち始め、
気が気で無かったのでしょうね。
噂をどうしても消そうと、ここまで追い詰められてしまったのです。
それから学校は噂をどうにか消そうと、
新しい焼却炉を購入したわけなのですが、新しくなっても噂は無くなりませんでした。
声が聞こえる、などの噂は消えたんですが、
今度は死体を焼くような変なにおいがたちこめはじめて・・。
もう事件が起こってから10年は経つのに、殺された女性の怨みは消えないのでしょうか。
殺された上に、バラバラに切断され、見知らぬ子供達に体を焼かれ・・・。
彼女の怨みはこの学校の生徒にも降りかかっているのかもしれません。
私は美化委員会を辞めましたが、
まだ何も知らない友達は、美化委員会でゴミを焼きつづけています。
死体のにおいがする、あの焼却炉で・・・。129話完
157 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 02:58:41.66 ID:S34LMCE6O
158 :
あがり:2006/12/15(金) 03:04:02.61 ID:y3WkhFe30
>>157 運営のコピペ
1) 一つのスレに
2) ある時間(H)内に
3) 最近の投稿(N)のうち沢山投稿(M回)したら
4) 「バイバイさるさん」になる
H N M は可変、
現在はcgiに直書き(必要だったらSETTING.TXTに)
実験中なので H M N は適当。
159 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:04:12.52 ID:5GUk70eUO
160 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:04:32.82 ID:PV5NyoZO0
130話
////年に突如として発生した<色失病>は、
あっという間に地球全土へと広がっていった。
感染者数は五百万人を超え、未だにワクチンの開発はおろか、
その原因や感染ルートすら解明はされていない。
<色失病>
体の色が、子供が色エンピツを一本ずつ無くしてしまうように、
少しずつ失われて行く奇病。
髪がしだいに白髪になり、肌の色も白へと変色していく。
化粧や髪染めを行おうとも、
<色失病>は侵食し、再び髪も肌も色が失われる。
更に末期症状になれば瞳の色と視力が奪われ、
最終的には赤血球の中にあるヘモグロビンの色素が失われる。
そうなれば、酸素供給がストップし、感染者は死に至る。
死んで初めて化粧や髪染めの効果が体に持続される。
感染者は命を失うことで、色を取り戻すのだった。
「・・可哀想な空・・」
一人の少女が窓際から、そっと外を眺めていた。
彼女の視線の先にはささくれた空が何も知らないように浮かんでいる。
空を見つめる透き通った、綺麗なガラス玉のような瞳。瑠璃色の瞳。
それは彼女の白い肌の中に、そっと置かれているようであった。
砂漠の中に落とされた宝石のようでもあった。
161 :
猪(加齢臭):2006/12/15(金) 03:04:40.96 ID:IxNs9gF2O
いきなり携帯の電源がおちたwwwww
この携帯俺より空気よめてるwwwww
162 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:05:12.66 ID:PV5NyoZO0
彼女の体は見るからに<色失病>に侵されていた。
おそらくは瞳の色と同じように美しい色を誇っていたであろう髪は白く、
石膏のように真っ白な肌は、痛々しくもある。
「そうだね・・」
その痛々しさを感じながら、彼はキャンパスに色を落とす。
彼・・彼女のベッドの横に座り、絵を描いている少年の事だ。
彼が描くキャンパスには美しい少女が一人、体に色をちりばめて笑っている。
暖かい色を潜めた肌。美しい群青色の髪。
一見すれば誰か分からないそれは、空を見つめる少女、それだった。
色が失われる前の、<色失病>が発症する以前の少女の絵。
少年は少女にまたひとつ、ひとつとキャンプスに色を落とす。
失われた色を甦らせるかのように、彼女に色を落とす。
それが、二人の約束。
<色失病>は蝕みを躊躇することはなかった。
少女の体から色は失われてゆき、
瑠璃色をした瞳の宝石は・・砕かれ、その色は消え去った。
少年は慌てた。絵には瞳の色はまだ描かれていなかったのだ。
「僕は・・君の瞳を思い出すことはできない・・」
「あの透き通る瞳を、僕は再び浮かべることはできない・・」
少年は視力を失った少女が眠るベッドの横で、空を見上げる。
空はいつものように、くすんだ色にまみれていた。
163 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:05:52.00 ID:PV5NyoZO0
世界から色が急速に失われて行ったのはいつからだったろうか。
自然破壊や汚染によって、世界から鮮やかさが失われたのは・・。
森の緑も、空や海の青も今や過去のものとなり、
世界は古びた写真のように<色失病>のように、その姿を変えてしまった。
同じように、目の前にいる少女もほとんどの色を失っていた。
感じることのできた僅かな色すらも失ってしまった。
少年の頬に涙が流れる。色を持たない、透明な涙が流れる。
「大丈夫…。貴方は私……私は貴方……だから…描いて……」
少女はかほそい声を上げ、見えない瞳で、彼を“見た”。
あれから何年の月日が流れたのだろうか。
<色失病>は数年前、突然終息を迎え、
世界は今、再び静けさを取り戻していた。
二組の瑠璃色の瞳が再び空を見上げている。
一つはあの少女、もう一つはあの少年。そして少年は少女に囁く。
「僕の中の君へ、僕は“君の色”を見るよ…」
少女は語らない。語れない。
キャンパスに描かれた瑠璃色の瞳の少女は語ることはできない。
164 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:07:52.68 ID:PV5NyoZO0
ただただ、色に溢れた世界を眺めるだけ。
同じ瞳の色を持った少年、その少年の瑠璃色の瞳をもって…。
風に吹かれ、
少年の、兄の手から色エンピツが転がり落ちる。
人々から奪った色彩によって色鮮やかに蘇った世界。
兄は逝ってしまった妹の存在を、色をその中に感じ、
瑠璃色の瞳から透明な涙を流す。
群青色の空がその涙に映され、優しく涙を拭き取ったように見えた。
130話完
165 :
あがり:2006/12/15(金) 03:08:19.21 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
166 :
あがり:2006/12/15(金) 03:08:29.96 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
167 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:09:28.79 ID:PV5NyoZO0
168 :
塩ザケ:2006/12/15(金) 03:09:33.96 ID:t4nudTfu0
怖かったけど全俺が泣いた
169 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:09:45.27 ID:5GUk70eUO
ちょ
怖い話のスレじゃないっけ?
170 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:10:27.33 ID:5GUk70eUO
171 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:11:09.77 ID:5GUk70eUO
172 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:12:38.57 ID:PV5NyoZO0
131話
手 冷たいと 寒い 寒い
木枯らし吹いたか知らないが 寒い空気に撫でられて
まるで吹雪に晒される そんな感じで 震えます
足 冷たいと 寒い 寒い
お日様逃げたか知らないが 凍える日差しを浴びせられ
まるで冷水浴びされる そんな感じで 震えます
顔 冷たいと 寒い 寒い
焚き火消えたか知らないが 冷たい服を着せられて
まるで流氷やってくる そんな感じで 震えます
体 冷たきゃ 寒い 寒い
心臓止まった知らないが 鋭い刃で貫かれ
まるで死神現われる そんな感じで 震えます
魂 冷たきゃ 寒い 寒い
お前がやったか知らないが 誰でもいいから八つ裂きに
まるでミンチの材料だ そんな感じで 殺します
寒い 寒い ああ 寒い
暖かい血を 分けてくれ
ひたすら願って 見つめます
131完
173 :
あがり:2006/12/15(金) 03:13:07.88 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
174 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:13:32.59 ID:PV5NyoZO0
>>169 怖い話しばっかだったら、怖さになれるから!
わざと投下したwww
175 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:16:55.74 ID:PV5NyoZO0
132話
理解してはいけません
メ・木・八・又・ス
これを見て、理解した方は会いにいきます。
132話完
176 :
あがり:2006/12/15(金) 03:17:07.40 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
177 :
あがり:2006/12/15(金) 03:18:00.99 ID:y3WkhFe30
178 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:19:07.43 ID:PV5NyoZO0
133話
私はその日もいつものように家から駅に続く路地を歩いていました。
時刻は・・朝の11時ごろだったと思います。
よく晴れた水曜日で、太陽が眩しくて、私は手で光をさえぎりながら歩いていました。
駅に向かう道の途中には大きな坂があって、
下から見ると大きな木の頭の部分だけが見えていることから、
木の頭【きのがしら】坂と呼ばれていました。
大木は坂の上にあるお寺のご神木で、町の人からありがたがられていました。
坂を登りきると、もう目と鼻の先に駅があります。
大木とお寺を避けるように商店街が広がっていて、
最近は大きなデパートも出来たので活気があふれています。
女の一人歩きは危険だっていうけれど、私が出社するときも帰るときも、
いつも町はにぎやかで、恐怖を感じることなんてありませんでした。
街灯も明るくて、暗くなければ怖い目になんかあわない、そう信じていました。
坂は結構ゆるやかで、ただ少し長い坂になっています。
私はまだ時間もあったので、ゆっくりと坂を登っていました。
すると、「おぎゃあ、おぎゃあ」と赤ん坊の声が聞こえてきたんです。
あ、どこかで赤ん坊が泣いているって思って、きょろきょろ見ましたが、
そこはお寺と商店街が並んでいるような場所で、
複雑になっているのでどこから聞こえているのか分かりませんでした。
私は子供を見るのが好きで、よくあかんぼうを見つけては頭をなでたりしていました。
くったくのないかおの赤ん坊。
179 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:19:12.05 ID:5GUk70eUO
>>175みたいな短いやつも好きだな個人的に
もうちょい長くてもいいが
180 :
塩ザケ:2006/12/15(金) 03:19:42.68 ID:t4nudTfu0
>>177のせいでなにかが会いに来ることが確定したんだが
181 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:19:59.00 ID:PV5NyoZO0
私の仕事はなんだか、心が痛むようなことが多いので、それが安らぎでした。
だからその日も、あかんぼうの顔がみたくて、探したんです。
でも、声はするんですがどこにいるのか分からないんですね。
残念、って思って坂を登っていくと、大木の姿が少しずつ見えてきました。
と、当時に深く帽子をかぶった女の人の頭が、同じように見えてきたんです。
その女性は、坂の上に立って、乳母車をの中を覗きこんでいるようでした。
「おぎゃあおぎゃあ」
乳母車の中から赤ん坊の声が聞こえてきました。
よかった、見つけたって思って、私は少し急ぎ足で坂を登りました。
すると、女性の姿がはっきりと見えてきました。
彼女は紫色の服を着て、帽子が大きくて顔がよく分かりませんでした。
乳母車も紫色で、どこか不思議な雰囲気がありました。
赤ん坊をあやしているのか、彼女は乳母車の中をじっと覗きこんでいました。
なにか不思議な人かもしれない、そう思いながらも、
私はその女の人に近づくと、「乳母車の中、見てもいいですか?」と声をかけたんです。
女の人はこく・・と返事をせずに小さく頷きました。
私はあの可愛いあかちゃんの顔が見れる、そう思って、わくわくしながら乳母車を覗きました。
私は、ぴたりと動きを止めました。
乳母車の中には、赤ん坊はいなかったのです。
確かに声はしていたのに、乳母車の中には首のとれた人形が何個も押し込まれているだけでした。
なにこれ、普通じゃない。私は背筋がぞっとするのを感じました。
だって、この女性はずっとこの乳母車を覗きこんでいた。
彼女は首のとれた人形を見て、何をしていたんだろう。
そう思ったら、もう逃げ出したい気持ちでいっぱいになって、顔を上げました。
182 :
あがり:2006/12/15(金) 03:20:30.05 ID:y3WkhFe30
183 :
猪(ドラム):2006/12/15(金) 03:20:42.12 ID:ydhJ0QnkO
その後、
>>177の姿を見たものは居なかった・・・
184 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:21:07.99 ID:PV5NyoZO0
すると、彼女が私のことをじっと見ているんです。
帽子で隠れていた顔が、ちらりと見えました。
きれいな女性でした。普通の女性でした。
でも、何か変なんです。
私は「ごめんなさい!」ってお辞儀をして、その場を立ち去ろうとしました。
駅のほうに向かって駆けだそうとしたんです。
「おぎゃあ、おぎゃあ」
後ろから、彼女のいた場所から赤ん坊の声が聞こえました。
赤ん坊なんかいなかったのに。
私は、少し距離もあるし、昼間だし、まわりに人もちらほらいるから、大丈夫。
そう思って、ゆっくりと彼女の方向を振り返りました。
「おぎゃぁぁ、おぎぃああぁあ、おげぁあぁぁ」
あの女性が、アゴが外れるほど大きく口を開いて、声をあげていました。
声の主は彼女だったのです。
あのきれいだった顔は、口を大きくあけていることから、大きくゆがんでいました。
口はスイカがはいってしまうほど、大きく大きく開かれていて、
目や鼻が完全に上に寄っていました。
「ギャーーーーーーーーーッッ!!!」
私は悲鳴を上げて、人のいるほうへと逃げ出しました。
すると、あの女の人が乳母車を押しながら、大きく口を開けながら、
私をものすごい速さで追いかけてきたんです。
「おぎぃあぎぁぃおぎぃいぁあぁ」
狂ったように赤ん坊の声をあげて、彼女は突進してきました。
185 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:21:53.41 ID:PV5NyoZO0
殺される、そう思いました。
周りにいた人も「きゃぁぁっ!!!」「うわぁあっっ!」と悲鳴を上げて、
ただただ立ちつくしていました。
「助けて・っ・誰か!!」
私は叫びながら交番に逃げこみました。
唖然としている警官を尻目に、私は慌てて交番の扉を閉めました。
「おぎゃあぎゃあぎゃあぎゃああああああああ」
あの赤ん坊の女が、声をあげながらバンバンとドアに体当たりをしてきました。
警官達も恐怖から悲鳴を上げて、急いでドアが開かれないように手伝いをしてくれました。
女はその後も何度も体当たりを繰り返して、
そのうち諦めたのか、乳母車を押しながら、交番から遠ざかって行きました。
警官が安全を確認して、慌てたようにその女性のあとを追いかけていきました。
私は怖くて怖くて、交番の中で震えていました。
結局、彼女は捕まりませんでした。
どこの誰かも分からず、本当に人間だったのかも、わかりません。
ただ彼女の姿は二十人以上の人が目撃しています。
それだけは事実です。
私、あれから昼間でも外に出るのが怖いんです。
昼間でも、いっぱい人がいても、恐怖は関係ないって分かりましたから。
いつ、あの女が私を狙って、またやってくるかも知れません。
そうなったら、私はどうなってしまうんでしょうか・・・。
133話完
186 :
あがり:2006/12/15(金) 03:22:00.85 ID:y3WkhFe30
いるよ・・・あなたの上に
だが上を見てはイケナイ
187 :
あがり:2006/12/15(金) 03:22:26.17 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
188 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:23:16.41 ID:PV5NyoZO0
>>179 短いやつは前に沢山投下してネタが切れたwww
みんながガイシュツおkなら投下する!
189 :
猪(加齢臭):2006/12/15(金) 03:25:08.83 ID:IxNs9gF2O
190 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:25:14.48 ID:5GUk70eUO
191 :
186:2006/12/15(金) 03:25:55.97 ID:y3WkhFe30
192 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:27:21.28 ID:PV5NyoZO0
俺が好きなやつから・・・・
134話
最近はよく知らないけど、俺が若い頃は三ノ宮でナンパして六甲山までドライブし、
そこで女がセックスに同意しないと山の中に女を下ろして帰る事を、「六甲おろし」と言ってた。
昔の話だが、走り屋の男2人組みが夜中に六甲山を走っていたら女の子が道の真ん中に突っ立っていた。
「ほう、これが噂の六甲おろしか!?」
って、車のスピードを落として可哀想な女の子をピックアップしてやろうと思った。
すると助手席の男が、「あれは幽霊だ。そのまま突っ切れ」と言うもんだからドライバーは動転した。
確かに近づくと女の子は体が半透明だったが、幽霊でも跳ね飛ばして行くのは躊躇する。
スピードを緩めて女の子をかわそうとすると助手席の男は怒鳴った。
「あの女はオトリだ。バックミラーを見ろ!」
バックミラーにはどう見ても死んでる女が今にも車に飛びつこうとしている姿が映っていた。
完
193 :
186:2006/12/15(金) 03:27:55.59 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
194 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:29:30.42 ID:PV5NyoZO0
195 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:30:14.35 ID:g82kWGiJO
196 :
猪(加齢臭):2006/12/15(金) 03:30:40.70 ID:IxNs9gF2O
197 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:32:25.77 ID:5GUk70eUO
>>192 これはイイwwwww
怖いわwwwww
怖いの好きなんだよな
>>194 自作のも読んでみたかったが
俺もなんか書いてみるかな
198 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:32:35.29 ID:PV5NyoZO0
135話
とあるサラリーマン氏が出張で地方のホテルに宿泊した時のこと。
寝つきが悪いのでビールを一缶開けて、どうにか眠りにつくと不気味な夢を見てしまった。
それはロングヘアーで血まみれの生首がサラリーマン氏の体を目がけてどんどん天井から迫ってくる悪夢。
あまりの怖さに夢の中で絶叫しながら目覚めた。
ここで普通ならすぐに目を見開くのでしょうが、
「目覚めたら本当に生首が天井からぶら下がっていた」
と言う話を聞いたことがあるので、必死で気持ちを落ち着けて目を瞑ったままベットサイドの
ルームライトのスイッチを探った。
確かこの辺だと指を這わせると、誰か別の人の手と接触。
それは恐ろしく冷たい女性の手でした。
完
199 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:32:59.58 ID:VBpQCAbd0
トイレ行ってくr
200 :
VIP皇帝:2006/12/15(金) 03:33:32.34 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
201 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:33:44.11 ID:5GUk70eUO
>>195 このサイト最低だなwwwww
他のサイトリンクしてるだけかよwwwww
202 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:34:04.67 ID:PV5NyoZO0
203 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:35:58.37 ID:PV5NyoZO0
ID:y3WkhFe30も居るので!交互に投下でおk?
204 :
塩ザケ:2006/12/15(金) 03:36:18.28 ID:t4nudTfu0
205 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:37:17.26 ID:PV5NyoZO0
>>204 洒落怖からコピペは一回しかしたこと無い!!!!!
って事で投下します
206 :
あがり:2006/12/15(金) 03:38:18.24 ID:y3WkhFe30
207 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:38:44.42 ID:PV5NyoZO0
136話
「あ、急がなくちゃ。じゃあ塾に行ってくるね」
少年はキッチンの方に声をかけ、カバンを持って外へ走り出す。
時計の針がコチコチと進む。そのリズムより早く足は進む。
塾につけば少年は参考書を取り出し、ノートを取り出し、
心配そうに見つめる塾の先生達を尻目に必死に勉強する。
指にはタコができている。エンピツの握りすぎだろうか。
何時間もの学習の時間が終わり、少年は帰路につく。
けれど、自宅に帰れば、また勉強が待っているのだ。
少年は必死に机に向かう。
心配する父親を尻目に、勉強に没頭する。
「やらなくちゃ、お母さんが怒るんだ」
少年の心の中には、鬼のような顔をした女性が浮かんでいた。
少年の母。少年を勉強に駆り立てる母の顔。
父親はため息をついて、階段を降りる。
「お前はいつまであの子を苦しめるんだ?」
和室に座り込んで父親は母親に投げかける。
母親はにっこりと笑って、モノクロ写真の中にいる。
線香の香りがふぅと家の中を漂い、
少年の操るエンピツの芯が前触れもなく折れた。
完
208 :
女装して初詣:2006/12/15(金) 03:39:04.74 ID:C69FMUvTO
ぬこふかふかしててかわええ…
ふと思ったけどぬこーとか独り言言ってる俺も端から見たら怖いなwwwww
209 :
あがり:2006/12/15(金) 03:39:12.28 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
210 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:39:53.32 ID:PV5NyoZO0
>>206 常連じゃねえ?いつからVIPの怖いスレに居る?
211 :
塩ザケ:2006/12/15(金) 03:40:06.45 ID:t4nudTfu0
212 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:40:54.54 ID:5GUk70eUO
213 :
あがり:2006/12/15(金) 03:41:27.05 ID:y3WkhFe30
214 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:42:41.10 ID:PV5NyoZO0
215 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:43:12.97 ID:PV5NyoZO0
137話
彼女とドライブに出かけた時のこと。
街道沿いに梅木通りと記してあって、梅の木がズラリと植えてあるのかと少し車のスピードを下げた。
しかし梅の木らしき樹木は一向に見当たらない。
すると珍しいことに、温厚な彼女が、「車のスピードを上げて!」と叫ぶように言った。
そして気分が悪いと言い出したので、喫茶店で一息入れることした。
彼女がトイレに入っている間、マスターが心配そうな顔でコーヒーを運んできた。
「彼女、調子悪そうだけど、もしかして梅木通りを通った?」
頷くとマスターは、やっぱりね、という顔で言った。
「ガールフレンドは霊感あるでしょ?あそこは梅木通りなんて道路標示しているけど、
昔はね、呻き通りって言ったんですよ。江戸時代に首切り場があってね。見通しはいいのによく事故が起こるし、
地元の人間はあそこを避けて通るんですよ」
再び車を走らせ、彼女も調子を取り戻したので、さっき喫茶店で聞いた話をした。
すると、彼女は眉間にしわを寄せて言った。
「呻き声って言うかね、足元から、乗せてくれ〜乗せてくれ〜!って聞こえたの」
完
216 :
あがり:2006/12/15(金) 03:43:33.74 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
217 :
猪(委員長):2006/12/15(金) 03:44:32.91 ID:g8swNKqZO
キンタマ痒いって言ったら分かってもらえるだろうか・・・・・
(`・ω・´)b
218 :
あがり:2006/12/15(金) 03:45:13.44 ID:y3WkhFe30
219 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:45:38.41 ID:PV5NyoZO0
220 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:45:58.63 ID:PV5NyoZO0
138話
俺が以前勤めていた会社は猛烈に忙しくて、毎年大量に採用してはどんどん辞めて行き、
使える奴だけが生き残るという実に過酷な会社だった。
それでも5年も頑張れば、どこの会社でも通用するだけのスキルを身につけることができた。
あの時、俺は既に3ヶ月間は休み無しで働いていた。夜中の3時に仕事を終えてエレベーターに乗ったが、
途中で忘れ物に気づいて3階で降りると再び昇りに乗り込んだ。
すると会った事のない40才くらいの社員と乗り合わせた。
「ごくろうさまです」と声をかけて、古い形の社章だと彼の胸元辺りを見ていると、いきなり停電になった。
5秒ほど経っただろうか、再び明るくなると彼の姿は消えていた。
「ああ、幽霊なんだな」、と思ったが、その時は精神的にも肉体的にもあまりにも疲れていて、
恐いという意識はなかった。
翌日、上司と便所で隣あわせになった時、昨日の幽霊のことを話すと、上司はニンマリと微笑んだ。
「あの人な、俺も一度見たよ。以前社長が交代した時に密かに霊能者を呼んだらしくてな。
その時に、かつて飛び降り自殺した男の魂が今も飛び降りを繰り返してエレベーターに昇り込んで来ると
言ったらしいしぞ」
上司は机に戻ると、俺を呼んで有給をしばらく取れるように計らってくれた。
「あの人が見えたら、さすがに精神的に限界なんだよ。リフレッシュして来い。お前には期待しているぞ」
死人が見えるようになるまで自分を追い込んで、初めて一人前の評価。
つくづくコワイ会社だった。完
221 :
女装して初詣:2006/12/15(金) 03:46:08.13 ID:C69FMUvTO
>>211 新聞くるか明るくなるまで起きてるwww
>>212 じゃあきっと霊も気味悪がって近づかないなwwwww
222 :
あがり:2006/12/15(金) 03:46:55.34 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
223 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:47:15.87 ID:PV5NyoZO0
139羽
目覚し時計が寝坊した。
よって私も寝坊した。
「っと・・っあ・・!」
慌てて私は幸いにも昨日まとめておいた書類をカバンに詰め、
寝巻きを脱ぎ捨て、かけてあったワイシャツとスーツを羽織る。
時計を腕に巻きつけながら残り時間を確認する。
最悪、八時五分の電車に乗らなくては遅刻は確実だ。
家から駅まで自転車でおもいきり飛ばして五分。
つまりあと・・十分で準備を完了して出かけなくてはいけない。
待った、駅の中も走らなくちゃいけない。
駅の階段を駆け登って、ポケットからスイカを取り出して、
改札を抜けたら六番線のエスカレーターを駆け下りる。
二分か三分かかるかもしれない。
すると残り時間はもうあと七分しかない。
細かい計算を必死に頭で組み立てながら、スーツのボタンを閉め終わる。
今度はネクタイを締めようとするが、諦めてポケットにしまった。
あと電車の中で締めるしかない。
朝食を取っているヒマもない、髪も整髪剤で整えている時間はない。
私はボサボサの頭を何とか手ぐしで整えながら、私は部屋を飛び出した。
224 :
あがり:2006/12/15(金) 03:47:43.94 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
225 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:47:51.95 ID:PV5NyoZO0
廊下を真っ直ぐ進み、角を曲がる。
すると正面に大鏡が見える。
まだかなりボサボサの頭が、とてもみっともない。
私は自分の姿をよく確認しながら、散歩ほど踏み出した。
右手には階段、左手には壁、正面には鏡。
私はもうちょっと余裕があるかもと思い、髪に手を当てた。
その時、鏡に変なものが映った。
左手の壁の部分から、真っ黒い手のようなものが、しゅるると生えたのだ。
あっ、と思った時には、私はその黒い手に突き飛ばされて、階段の上を飛んでいた。
子供のころに聞いたことがある。
鏡は、階段の上に立った場所から見える所に置いてはいけない。
でないと悪霊に突き落とされる、と。
軽い弱い木が激しく砕かれるような音を立て、
私の体は何度もねじられながら落ちていき、
その形状を変えていった。
139話完 霊酒作るの忘れたwww
226 :
猪(委員長):2006/12/15(金) 03:48:14.86 ID:g8swNKqZO
227 :
あがり:2006/12/15(金) 03:48:20.39 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
228 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:49:27.89 ID:PV5NyoZO0
>>226 おまいスレ立てただろwwww
名無しで投下してたんだぜwww
229 :
猪(巨乳):2006/12/15(金) 03:49:29.75 ID:5GUk70eUO
>>221 変態な幽霊とか来たらどうすんだwwwww
230 :
猪(委員長):2006/12/15(金) 03:52:14.12 ID:g8swNKqZO
>>228 (`・ω・´)bそれは乙w
鏡系は怖いな。
部屋の姿見とか怖い。
231 :
猪(加齢臭):2006/12/15(金) 03:52:24.88 ID:IxNs9gF2O
232 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:53:27.40 ID:PV5NyoZO0
140話
今日の昼食は私の得意なお好み焼き。
さっき八百屋で買ってきた山芋を加えて、フライパンの上にトロリと流し込む。
お肉やキャベツを加えた生地が、いい音を立てて焼きあがっていく。
かつやぶしや青海苔も準備は完了。
後少ししたらひっくりかえして、また少し焦げ目がつくぐらいまで焼く。
出来上がったものにソースをかければきっといい匂いが漂ってくる。
マヨネーズも混ぜて、暖かいお好み焼きが口の中で広がる。
その様子を踊りながら羨ましそうにかつおぶしが見つめる。
一人暮しの私には最高の贅沢。
が、まだひっくり返してもいない状態。
ちょうどいいあたりでひっくり返したい、私は集中する。
が、その時、タイミング悪く電話が鳴った。
トゥルルルル。トゥルルルルル。
まるで私の邪魔をするように、音が大きく鳴り響く。
早く取れ、早く取っておこのみ焼きを失敗しろ。
なんて言われている気分になって、私はフライパンを持つ手に力が入った。
「今、手が離せないの!」
と叫んでみたが、それで電話が鳴り止むはずがない。
233 :
猪(休職中):2006/12/15(金) 03:53:43.28 ID:OfqwseFn0
鏡って怖いよな。
一気に現実に引き戻されるから。
234 :
あがり:2006/12/15(金) 03:53:58.48 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
235 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:53:59.03 ID:PV5NyoZO0
トゥルルルル。トゥルルルルル。
それでも取れ、取って失敗しろ。はやくしろ。
電話の音は私の耳の中でそう変換され、私を更にいらだたせる。
無視よ、無視。そう言い聞かせて私はフライパンの上に集中した。
トゥルルルル・・・・・。
私のこの気迫に圧倒されたのか、電話は突然静かになる。
勝った。
私はくすっと小さく笑うと、
お好み焼きをひっくり返そうと器具を下に差し入れた。
と、部屋の中から子供の声がした。
「水口さんって人からお電話だよ〜」
・・・・誰?
私のお好み焼きが床に落ちた。
140話完
236 :
あがり:2006/12/15(金) 03:54:09.61 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
237 :
女装して初詣:2006/12/15(金) 03:54:23.61 ID:C69FMUvTO
>>229 変態な幽霊ってどんなだよwwwww
生前ぬこ萌えな人の幽霊とかかw
238 :
あがり:2006/12/15(金) 03:54:52.26 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
239 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:54:55.34 ID:PV5NyoZO0
141話
一軒家に引っ越したばかりの頃の話。
親が仕事で遅くなるって言うから、私は友達と遊んで9時に家に帰った。
玄関を開けるとびっくりする程のボリュームでテレビの音が聞こえていた。
リビングのテレビはオフだったので姉の部屋を覗くと、なんとプロ野球中継を見ている。
もちろん姉はルールをまったく知らないので、なに?なに?なんで?って部屋に入った。
普段おしゃべりな姉はやけに真剣にテレビを見てて何もしゃべらない。
「まじ、どうした?」
と姉の顔を見ると、目線はちらちらと窓の方を見ていた。
「ん?」
私が窓を見ようとすると、姉が小声で言った。
「見るなっ!」
二階にもかかわらず、小さな女の子が中を覗いていた。
完
>>230 ぎゃはははははははは
ちょっと間をおいてみたら予想通りの反応だなw(ぷぷっ
いろいろと、ご く ろ − さ ー ん w
真性の馬鹿って、こういうのを言うんだろーな。
241 :
あがり:2006/12/15(金) 03:55:19.99 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
242 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:55:22.83 ID:PV5NyoZO0
142話
彼氏の運転でドライブに出かけた時のこと。
高速道路を走っていると前の車に追いついた。
前の車がちょっとスピードを上げて、追い越すにはちょっと速いような、
後ろを走るにはちょっと遅いような微妙なスピードの状態が続いた。
目の悪い私は、ワゴンタイプの前の車からこっちを覗いている女の子をボンヤリ見ていて、
あることに気がついた。
「あの子、小さすぎる…」
変に目を凝らす私を見た彼氏が、「メガネかけろよ」って言ったけど、
「いいから、前の車、追い越してよ」って頼んだ。
その車を追い越して、しばらくして他の車に近づいたんで安心してメガネをかけて、彼氏に言った。
「ねえ、さっき追い越した車の後ろ窓見た?異常に小さい女の子が覗いていたでしょ」
すると彼氏は言った。
「今、前を走ってる車の後ろから覗いている女の子くらいか?」
私は怖ろしくて、メガネすぐに外した
完
243 :
あがり:2006/12/15(金) 03:55:45.35 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
244 :
VIP皇帝:2006/12/15(金) 03:55:56.20 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
245 :
お舞の晩だよ#:2006/12/15(金) 03:57:00.05 ID:izTK+Bqr0
246 :
しょうゆ出汁:2006/12/15(金) 03:57:45.41 ID:PV5NyoZO0
143話
仲間七人でスキーに出かけた帰りのこと。
車二台に四人、三人と分かれスキー場を後にする。
メンバーの中に別れたばかりの元彼女がいたけど、
そもそもスキーツアーを計画したのはラブラブだった頃の二人なので、
仕方なく二人そろっての参加。別れたことはまだ友達には内緒だったし。
俺は後ろを走る車を運転していた。助手席には元彼女がいたけど、
心ここにあらずって感じで、静かに重い空気を漂わせていた。
何も知らない後ろに乗っている二人は疲れて爆睡。
街に戻って来て、友達と元彼女を順番に下ろしていき、
自宅に着いた所でもう一台の車を運転していた奴に電話を入れた。
「無事にみんなを送り届けたか?」
そいつは、「ああ…」とだけ言うと沈黙してしまった。何かあったか?と聞くと、
ここだけの話だぞ、と念を押して口を開いた。
「お前、彼女と別れただろ?あの子はモデル並に美人だけど、
ちょっと陰な所があるから俺は苦手だったし、お前には合わないと思っていたよ」
「実はつい最近別れたんだけど、もともとツアーは俺と彼女で企画したから参加しない訳にもいかなくてな」
「ここから先は、誰にも言うなよ…」とそいつはもう一度念を押した。
「あの子な、お前の車の助手席に乗っていただろ。実は俺の車の後ろの席にも座っていたんだよ。
途中で気づいたんだけどな…。
とりあえず、他のメンバーは気づいてないからな。絶対内緒だぞ…」
電話を切った後、元彼女から着信があったけど、俺は電話に出る勇気がなかった。完
247 :
あがり:2006/12/15(金) 03:58:23.70 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
248 :
塩ザケ:2006/12/15(金) 03:58:45.45 ID:t4nudTfu0
>>237 うーん、結論としては
ぬこ萌えの幽霊に添い寝してもらえばいいんじゃね?
249 :
猪(2ch中):2006/12/15(金) 04:00:53.31 ID:5GUk70eUO
250 :
猪(2ch中):2006/12/15(金) 04:02:00.93 ID:5GUk70eUO
>>237に今気付いた…
例えばあらぬ性癖をおもちの幽霊さんとかwwwww
251 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:02:29.47 ID:PV5NyoZO0
144話
バラエティ番組を見ようとして、集団自殺のニュースが目に飛び込んだ。
車の中、一酸化炭素中毒で発見された七人の男女。
見ず知らずの人間と死を共にした七人の男女。
僕はとても怖くなって、すぐさまチャンネルを変えた。
テレビの音がにぎやかなのか、
僕の部屋が静かすぎるのか、
孤独を感じてしまう。
「そんなことない」
僕は口にする。否定する。
そうなのだろうか、僕は本当に孤独ではないのだろうか。
本当は寂しい。孤独なのにそれを否定している。
「ちがう」
口と心は別々の考えを持っているように、噛み合わない。
僕の中にいる二人の他人。
僕自身はどちらの味方なのか。
それとも僕自身は二人の他人ともまた違った、三人目の他人なのだろうか。
他人と他人、自分と自分。
一番近くにいるのに、僕は他人。
この他人と一緒にいれば、僕は孤独ではないのかもしれない。
でも僕は他人であり、他人は僕だから、
結局僕は一人でしかない。
252 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:03:03.43 ID:PV5NyoZO0
僕は一人、孤独なまま、ただ孤独を否定しているにすぎない。
テレビ画面の中では仲良さそうに笑っているバラエティ番組の出演者。
彼らは孤独なのだろうか。それとも孤独ではないのだろうか。
僕は普段、学校で多くの友達と笑っている。
中沢、石川、田辺、吉川、背水、結城・・。
でも今は僕は一人だ。
自宅の自室の中で一人ぼっちだ。
学校にいる自分と、今ここにいる自分が他人のように、
まったく他人のように感じられるのは何故だろうか。
あれも僕と違う、もう一人の他人なのだろうか。
僕はいくつの他人を心の中に持っているのだろうか。
答えてくれる人はいない。僕は孤独なのだろうか。
人間は、自分以外に自分を知らない。
心を同化させることはできない。
永遠に一時も離れずに誰かと存在することはできない。
人は誰かといる時間より、一人でいる時間の方が長いのかもしれない。
みんな孤独なのかもしれない。
僕は虚空を見つめる。
そこには誰もいない。
見えるはずのない、もう一人の自分を探してみても、
虚空には舞い上がったホコリが形を示すこともしてくれないまま、
霊魂のように漂っているだけだった。
253 :
猪(おまっ):2006/12/15(金) 04:03:27.45 ID:g8swNKqZO
ゲシュタルト崩壊
254 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:03:42.31 ID:PV5NyoZO0
心と心は繋がれない。
人と人は分かり合えない。
孤独だから。
人は孤独だから。
僕は深い深い中に落ちていく。
たった一人で落ちていく。
涙は出ない。
暖かい毛布に包まり、僕は落ちていく。
眠りの中に。
孤独の夢の中に。
おやすみなさい・・・・・・・。
夢の中で、僕は車の中にいる。
見知らぬ男女がまわりに座っている。
中心で炭のようなものが焚かれている。
みんな一人ぼっちな顔をしている。
頭がぼーっとしている。
声は出ない。
「死のう」
「死のう」
「死のう」
順番に一人ずつ、言葉を発している。
「死のう」
「死のう」
「死のう」
「・・・・」
僕の順番がきた。
255 :
御雑煮:2006/12/15(金) 04:03:43.57 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
256 :
初詣で痴漢:2006/12/15(金) 04:03:55.29 ID:C69FMUvTO
>>248 ねーよwwwww
幽霊が怖いからぬこの妄想してるのに意味ねーじゃねーかwwwwwww
お好み焼きの話で腹減ったw
明日お好み焼き食おうかな…
257 :
御雑煮:2006/12/15(金) 04:04:16.40 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
258 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:04:30.78 ID:PV5NyoZO0
みんな、俯きながらも僕を濁った目で見ている。
僕も言わなくちゃいけないのだろうか。
言ったらどうなるんだろうか。
みんな死ぬのだろうか。
僕は、みんなと一緒に死ぬのだろうか。
それは、孤独からの開放なのだろうか。
分からない。
分からない。
でも、分かりたくない気がする。
死ぬのは、いやだ。
孤独でも、孤独よりも、もっと深い闇が見えた。
僕は・・・・・「死にたくない・・・」・・・・。
みんなが、ゆっくりと顔を上げる。
僕のことをもっと、じっくりと見ている
「孤独なんでしょ」
「死んだら楽になれる」
「みんな一人じゃなくなる」
「みんな繋がれる」
「死はすばらしい」
「生は苦しい」
「とても気持ちのいい世界に行こう」
「天国が待っている」
「もう一人じゃないんだ」
「僕達は仲間なんだ」
「一緒に死のう」
「怖くないから」
「みんな一緒だから」
259 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:05:09.75 ID:PV5NyoZO0
「死のう」
「死のう」
「死のう」
「死のう」
「死のう」
「死のう」
「死のう」
「いやだ」
目がさめた。
毛布に、涙が染みていた。
一人ぼっちの部屋。
テレビ画面はカラーバーが表示され、機械音を発している。
その日の朝、吉川が死んだと電話があった。
両親が布団の中で冷たくなっている吉川を見つけたらしい。
死因は一酸化炭素中毒だった。
だけど、部屋からは一酸化炭素を発生させるものは、出なかったらしい。
そういえば、見知らぬ男女の中に、
僕は吉川の顔を見たような気がした。
吉川も孤独だったんだろうか。
だから、彼らに連れていかれたのだろうか。
僕は孤独だ。
人は孤独だ。
けれど、孤独だから何だというのだ。
僕は孤独でも、こうやって生きているんだから、きっと僕は幸せなんだ。144話完
260 :
御雑煮:2006/12/15(金) 04:05:21.82 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
261 :
猪(おまっ):2006/12/15(金) 04:05:22.97 ID:g8swNKqZO
あわわわ
262 :
猪(2ch中):2006/12/15(金) 04:05:26.97 ID:5GUk70eUO
263 :
御雑煮:2006/12/15(金) 04:05:32.38 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
264 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:06:54.22 ID:PV5NyoZO0
1日=40話
10日=400話
25日=1000話
約1ヶ月か・・・・・
265 :
御雑煮:2006/12/15(金) 04:07:41.34 ID:y3WkhFe30
ですよね
266 :
猪(おまっ):2006/12/15(金) 04:08:17.11 ID:g8swNKqZO
土日も休み無しか
267 :
初詣で痴漢:2006/12/15(金) 04:08:22.20 ID:C69FMUvTO
>>250 スカトロが好きな幽霊とかいやだなw
朝起きたら部屋が排泄物だらけに…
268 :
猪(給食中):2006/12/15(金) 04:08:23.79 ID:OfqwseFn0
おいお前ら、ちょっと時計見てみろ・・・
269 :
猪(2ch中):2006/12/15(金) 04:09:26.88 ID:VBpQCAbd0
270 :
猪(2ch中):2006/12/15(金) 04:09:37.97 ID:5GUk70eUO
271 :
猪(アイドル):2006/12/15(金) 04:10:12.96 ID:IxNs9gF2O
深夜になると異常に幽霊、グロ、ブラックジョーク関連のスレがみたくなるよな
272 :
御雑煮:2006/12/15(金) 04:10:37.13 ID:y3WkhFe30
さる防止支援
273 :
猪(2ch中):2006/12/15(金) 04:12:01.71 ID:5GUk70eUO
一人暮らしの時幽霊より怖い体験とかあったけど
文才がもっとあったらな〜
274 :
蛸:2006/12/15(金) 04:12:09.67 ID:dapJGTXb0
275 :
猪(アイドル):2006/12/15(金) 04:12:12.76 ID:IxNs9gF2O
>>270 洒落怖にそんなような話があった気がする
276 :
猪(2ch中):2006/12/15(金) 04:14:01.39 ID:5GUk70eUO
>>275 mjd?wwwww
レズの幽霊さんとウハウハしてぇ
277 :
初詣で痴漢:2006/12/15(金) 04:15:22.80 ID:C69FMUvTO
>>262 \(^0^)/
あらかじめ出来上がってるのを買ってこよう…
>>270 それは別の意味の恐怖じゃないのかwww
ぬこからなんでそんな幽霊が発生するんだよwwwww
278 :
猪(vipper):2006/12/15(金) 04:16:24.66 ID:GuBHTGMuO
279 :
イクラ:2006/12/15(金) 04:23:53.03 ID:t4nudTfu0
ID:PV5NyoZO0
が居ないと変態さんの集まりだと言う事が・・・
え?俺?いや、おれもだけどさ
280 :
御雑煮:2006/12/15(金) 04:25:31.94 ID:y3WkhFe30
281 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:25:56.23 ID:PV5NyoZO0
>>279 怖い話しなんだが・・・・俺も変態だぜwww
手枷と足枷棒つきを普通に持ってるしwww
282 :
猪(アイドル):2006/12/15(金) 04:27:19.49 ID:IxNs9gF2O
可愛い幽霊と付き合いたい
283 :
イクラ:2006/12/15(金) 04:29:09.50 ID:t4nudTfu0
>>281 うん、怖さの質がピンク色にだんだん変わってきたね
284 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:30:10.62 ID:PV5NyoZO0
145話、最後の投下!
まただ。
目がさめると僕は毎朝のように憂鬱な気分になる。
寝起きではっきりしない頭の中に流れる、どんよりとした篭った気。
原因は「人形」の「指」。
僕の部屋の窓際には、小さな女の子の人形が置いてある。
別にそういう趣味じゃなくて、
女友達から預かってくれと言われてしかたなく置いているんだけれど、
この人形、どこに置いても、朝にあるとある一点を指差しているんだ。
僕のベッドの真上の天井を。
非常に気味が悪い。
これならまだ、髪が伸びてくれたほうが嬉しい。
おしいれにしまいこめばいいとも思うだろうけれど、もっと気味が悪いのだ。
部屋のクローゼットにしまいこむと、朝になるとクローゼットが少しだけ開いていて、
その隙間からドロリと指を出しているんだから。
部屋の外においても、朝になるとドアの隙間から指を指している。
カギをかけた箱に入れても、朝になると開いているんだ。
捨ててしまえばいい、とも思うけれど、友達からの預かり物だし、
「大切にしてね」と念を押されているから、それもできない。
だから、僕はしかたなく人形を窓際に置いている。
寝ている間に動き回られるより、指だけ動いているほうがまだ気が楽だ。
少しだけだが。
285 :
味噌出汁:2006/12/15(金) 04:31:32.17 ID:PV5NyoZO0
それにしても、人形は何を指差しているのだろうか。
これは何かの警告なのだろうか。
僕は天井を見上げる。
何ひとつ変哲のない天井。
シミひとつない、きれいなきれいな天井。
それなのに、僕は寒気を感じてしまうようになった。
数日後、謎はあっけなく解かれた。
パトカーのサイレン。
野次馬の騒ぐ声。
足音がドンドンと響く。
上の部屋で男女七人の他殺体が発見されたのだ。
人形は、これを僕に教えようとしていたんだと分かった。
彼らの霊が、早く発見してくれと人形に乗り移り、天井を指差させていたのだろう。
僕は切ない気持ちになり、人形をそっと抱きしめた。
人形の指がギギギと動き、
僕の瞳の中へぐちゃぐちゃとめり込んだ。
そういえば、七人の死体には小さな手の跡があったとか。
145話完!終了。。。
みんな乙、今日昼に投下するかも?
286 :
御雑煮:2006/12/15(金) 04:32:13.17 ID:y3WkhFe30
287 :
猪(アイドル):2006/12/15(金) 04:33:36.29 ID:IxNs9gF2O
288 :
イクラ:2006/12/15(金) 04:34:00.69 ID:t4nudTfu0
289 :
初詣で痴漢:2006/12/15(金) 04:38:32.35 ID:C69FMUvTO
>>285 お疲れ!
怖いけど楽しかったおwww
また覗きにくるよー
新聞もきたことだし俺も寝るかな…
290 :
猪(vipper):2006/12/15(金) 04:46:23.38 ID:GuBHTGMuO
みたな!
May 16, 1998
昨日、この屋しきから逃げ出そうとしたほるほすが一人、射さつされた、て はなしだ。
夜、からだ中 あついかゆい。
胸のはれ物 かきむしたら 肉がくさり落ちやがた。
いったいおれ どうな て
May 19, 1998
やと ねつ ひいた も とてもかゆい
今日 はらへったの、おんな のち すう
May 21, 1998
かゆい かゆい ジョセフきた
ひどいかおなんで ころし
うまかっ です。
4
なじむ
うり
292 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 04:50:59.68 ID:b71WWrrN0
|A`) IDを追ってきた
293 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 04:56:41.96 ID:b71WWrrN0
|A`) 呼ばれたから来たんだが…
用は無いんですか…
294 :
おみくじ(太吉):2006/12/15(金) 04:58:25.78 ID:VXsQ0nfm0
295 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 04:59:41.39 ID:b71WWrrN0
>>294 |A`) つい今しがたちょっと上のレスの人に呼ばれたんだけど…
296 :
猪(友達がvipper):2006/12/15(金) 05:00:34.44 ID:GuBHTGMuO
297 :
猪(しいたけ目):2006/12/15(金) 05:01:30.33 ID:IxNs9gF2O
298 :
猪(友達がvipper):2006/12/15(金) 05:01:36.63 ID:GuBHTGMuO
299 :
おみくじ(犬吉):2006/12/15(金) 05:02:48.75 ID:VXsQ0nfm0
300 :
猪(筋肉質):2006/12/15(金) 05:02:52.33 ID:xiAw8qaKO
どっくんktkr
301 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:02:54.47 ID:b71WWrrN0
|A`) この時間に言われても…
もう寝るから数話だけなら
てかもうどれが貼られたかわからんけどそれでもいいなら
302 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:03:09.90 ID:b71WWrrN0
303 :
猪(友達がvipper):2006/12/15(金) 05:05:43.20 ID:GuBHTGMuO
私担当ですw
数話でいいからお願いします
304 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:08:53.55 ID:b71WWrrN0
>>303 |A`) 了解した
でもまあガイシュツとか思ってがっくりすると思うよ
305 :
猪(友達がvipper):2006/12/15(金) 05:12:24.18 ID:GuBHTGMuO
いいよw
WKTKしてる
306 :
猪(しいたけ目):2006/12/15(金) 05:14:06.73 ID:IxNs9gF2O
wktk
307 :
猪(友達がvipper):2006/12/15(金) 05:18:06.25 ID:GuBHTGMuO
ワクワク
308 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:19:43.93 ID:b71WWrrN0
これは、自分が就職と同時に入った社宅に住んでいた頃の話です。
その頃は一人暮らしで、その日も私しか家にはいませんでした。
その当時、ある個人的な事情により
私は就職してから4年近く住んでいたその社宅を引っ越すことになり
その準備に日々追われていました。
そう、丁度今ぐらいの時期だったと記憶しています。
ある日、仕事から帰ってくる早々に引越しの荷物をまとめていた私は
当時ローンで買ったばかりの一眼レフを見つけ
「そうだ、折角だから思い出に何枚か写真を撮っておこう」
と急に思い立ち、幸いカメラの中に数枚フィルムが残っていたので
ついでに使い切るつもりで部屋の中をあちこちと撮影し始めたのです。
その時はもう夕日もほとんど沈んで、辺りもさすがに暗くなってきていました。
一通りリビング(のようなもの)を撮影したあと
今度は廊下(+台所)に出て風呂場とかも撮影しようとしました。
その時に、あの異変は起きたのです・・・。
それまで普通に作動していたシャッターが急におりなくなったのです。
(あれ、おっかしいなぁ。ついさっきまではちゃんと動いてたのに?)
最初は暗すぎるからダメなのかと思い、ストロボに設定したのですが全くダメ。
何度撮影しようとしても今度はうんともすんとも言わなくなってしまったのです。
ふと、気がつくと、いつの間にかその空間の闇だけが濃くなって
空気も違ってきている事に気がつき
何か嫌な予感がした私は仕方なくそこの撮影は一旦中断し
リビングに戻って再度挑戦してみたのです。
309 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:20:04.94 ID:b71WWrrN0
・・・ところが、条件は何も悪くないし
電池もまだしっかりとある、作動音もしている。
なのに、全くシャッターはおりないし、何も見えない。
ファインダーを覗いても真っ暗・・・。
指でレンズを塞いでる訳でもなければ、覗き窓(?)が汚れているわけでもない。
「おっかしいなぁ、何だコレ・・・!?」
頭によぎる悪い予感を振り払うように、わざと声を出して悪態をつきながら(?)
いろんな角度からカメラを眺めてみるが、どこにもおかしな所は見当たらない。
半ばパニックになりながら、もう一度ファインダーを覗いてみました。
すると今度は、ファインダー一杯の人間の眼が見えたのです。
「おいおい、何で自分の眼が移るんだよ。壊れたんかな?」
「・・・て、待てよ・・・えぇ!?」
その事に気付いた瞬間、
私は思いっきり肝を潰して反射的にカメラから顔をのけました。
・・・そう、私の持っているカメラの構造上
そんな事はありえないのです!
つまり、「カメラの前に誰かが立っている」以外には・・・
絶対にありえない話なのです。
310 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:20:15.06 ID:b71WWrrN0
飛び退いた瞬間、それまで動かなかったシャッターがおりたのです。
その写真には何が写っていたのでしょうか・・・?
実を言うと、現在でも謎です。
理由はその後多忙のため現像に出し損ねてしまい
引越しのドサクサでネガを紛失してしまったからです。
そして本音を言うと、もしそこに本当に何かが移っていたらと思うと
正直怖くて二の足を踏んでしまったからです。
だって、考えても見てくださいよ。
もしそんなもの見ちゃったらその家に帰りたくなくなっちゃいますよ。
仕事から帰ってきてそいつが玄関にでも立っていたら・・・。
いくら引っ越し間近といっても・・・ねぇ。
ちなみに、そのボロ社宅は今でも建っております。
311 :
猪(友達がvipper):2006/12/15(金) 05:22:05.47 ID:GuBHTGMuO
投下キタ
312 :
おみくじ(犬吉):2006/12/15(金) 05:22:23.13 ID:VXsQ0nfm0
さる防止支援
313 :
猪(友達がvipper):2006/12/15(金) 05:25:00.33 ID:GuBHTGMuO
どっくんグッドwww
314 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:26:54.24 ID:b71WWrrN0
読むだけではなにかと思ったので、足跡を残しておきます。
高校1年の時の話です。
学校までは40分ぐらいで行けるのですが、当時吹奏楽部に所属していて、
朝練のために朝はやくに起きていました。
ちょうど3月の後半だったと思いますが、愛用の目覚ましが壊れてしまっていた時期がありました。
そんなある日の事です。
夢を見ました。
はっきりと覚えていますが、あれは夢だとおもいます。
夢の中で僕は寝ています。
そこへ同じ制服を着た男子生徒が近づいてきて、
「××先輩!!もう6時っすよ!!早くしないと朝練に遅れるっすよ!!」
というのです。
夢の中の僕は「おぅ、××っち、サンキュー」というのですが、
どうもその男子生徒に見覚えがなく、××っちと言うあだ名にも覚えがないのです。
そんなことが2,3日に1回は続きましたが、あまり気にせず、新学期を迎えました。
そのころにはもう目覚ましも直っていて、
見知らぬ男子生徒が僕を起こしに来ると言う事は無くなっていました。
そして何週間かたった後、新入部員の自己紹介のときにぼくはすごく驚きました。
なんと新入部員の中に夢の中に出てきた男子生徒がいるではないですか。
姿、形、声までいっしょでした。
それだけではなく、高校を卒業してから何気なくそのことを話してみたら、
なんと彼も寝ている知らない先輩を起こしに行く夢を何度か見たことがあり、
しかもその先輩が僕そのものだったというではないですか。
いまでも何であのような夢を見たかはぜんぜん分かりませんが、
とりあえず言えることは、彼はいまでは後輩ではなく、マブダチってことです。
315 :
猪(しいたけ目):2006/12/15(金) 05:28:56.36 ID:IxNs9gF2O
316 :
猪(友達がvipper):2006/12/15(金) 05:29:54.48 ID:GuBHTGMuO
317 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:31:38.49 ID:b71WWrrN0
>>316 |A`) スレ見て気が向いたら…
それとこの話もう貼られてそう…
お互いにメモリから消したはずの電話番号。
そのディスプレイには別れた彼女からの電話を示しす番号があった。
なんだろうと思い、通話ボタンを押して聞えてきた声は、
彼女の母親のしわがれた声だった。
死を伝える、電話だった。
一週間前、俺と彼女・・・井上かおるの仲は終わった。
性格の不一致だった。
俺のやることになんでも反論して、結局楽しいデートはほとんどできなかった。
お互いに忘れた方がいい、俺はそう告げると、彼女の前から姿を消した。
彼女は何も言わず、ただコーヒーをすすった。
涙を見る事は、結局一度もなかった。
母親は告げた。彼女の死を告げた。
彼女が、かおるが自殺した。バスに飛び込んだんだ。
即死だった。
母親は俺とかおるが付き合っている事を知っていて、
けれど別れた事を知らなかった様子で、
泣きながら「かおるに会いに来て」としきりに頼んでいた。
俺は、急いでアパートから飛び出した。
318 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:32:50.70 ID:b71WWrrN0
あの強気なかおるが、自殺。
あまりの事に、俺は信じられなかった。
何かの冗談だろうか。
間違い電話だったのかもしれない。
聞き間違えだったのかもしれない。
電話などなかったのかもしれない。
もしかしたら、夢だったのかもしれない。
けれど、そのすべては携帯に残された着信履歴が打ち消した。
夢じゃない、その証拠だった。
消したい、消し去りたい。
けれど、俺は消せないまま、バスに揺られていた。
彼女の家に行くときに、必ず利用していたバスだ。
彼女は、このバスに飛び込んだのだろうか。
俺との思い出に飛び込むように。
俺は、ゆっくりと彼女の笑顔を思い出そうとした。
けれど、何故か一度も見た事のない彼女の泣き顔が浮かび、胸が痛んだ。
319 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:33:03.92 ID:b71WWrrN0
「となり、よろしいですか?」
「あ、どうぞ・・・」
右側の通路から女性の声がした。
俺は顔を上げる事もせず、一言返した。
真っ赤なクツを履いた足が見えた。
彼女に買ってあげたのと、同じクツだった。
彼女は「こんなの似合わないよ」なんて言っていたけれど、
どんな時もこのクツを履いてくれていた。
「どうか・・されたんですか?」
「いえ・・・・」
俺は顔を上げた。
目の前に、彼女がいた。
俺は、やっぱり夢だったのかと思った。
「かおる?」
いや、彼女は死んだ。死んだんだ。
けれど目の前にいる彼女は、かおるとうりふたつだった。
これは、なんだろうか。
偶然。なのだろうか。
俺は彼女としばらく話しこんだ。
彼女の名前は「如月ケイコ」
東京に出てきたばかりで、現在就職活動中とのことだ。
かおるの事を訊ねてみたが、まったく知らない人だという。
彼女は「同じ顔の人間が世の中には何人かいるっていいますから」
と笑って答えた。
俺は、半分信じられないまま、彼女の顔をまじまじと見た。
すると、彼女も俺の顔をまじまじと見つめて言った。
「私も貴方とそっくりの人、知ってるんだ」
320 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:34:16.53 ID:b71WWrrN0
ある夜。
あるカップルが、
それぞれ違うバスに飛び込んで、
心中した。
お互いの親に仲を認めてもらえず、
悩んだ末の自殺だった。
二人は今も、それぞれ違うバスに乗り、
お互いの存在を探している。
もう一度、許されるならば、ともにありたいと願って。
321 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:36:25.50 ID:b71WWrrN0
これは僕が小学校4年生のときに入院した時の事です。
退院を3日後に控えた午前2時過ぎ、ふと目が覚めました。時間を確認し、
眠ろうとすると誰かが部屋に入って来たのです。
看護婦さんだと思い、目を閉じると、再び足音がするのです。
そんなに長い間一つの部屋に居ませんので起きてみてみると誰も居ません。
ほんの数秒前まで居たはずなのに誰も居ないなんて・・・。
部屋から出て廊下を見回しても足音さえ聞こえません。
寝ぼけていたのだと思いベッドに横たわるとまたすぐに聞こえるのです、カツン、カツン、という足音が。
その足音は病室に何人居るか確認するように歩き回っているのです。
必死になって眠ろうとしますが、逆に意識は冴え渡ってしまいはっきり聞こえるのです。
暫く歩き回り、足音が消えホッ、としていたのも束の間、今度は声が聞こえるのです、
聞こえる筈の無い天井から。始めは小さな声で、それが徐々に大きくなっていくのです。
それはまるで地獄の底から響いて来るような低くてドス黒い笑い声でした。
当時、御経など知らない僕は頭から布団を被り「消えて下さい」と必死に念じました。
それが良かったのか笑い声がパタッ、と止んだのです。
322 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:36:37.62 ID:b71WWrrN0
今度こそ大丈夫かと思い恐る恐る布団から頭を出してみると、
それを待ちかねていたかのように頭の直ぐ上で「窓をごらん」と女の人の声が言うのです。
その言葉通り窓を見た僕は次の瞬間気を失いました。
地上4階の窓の外一面にそれこそ無数の手首と、
恐らくは声の主であろう血塗れの女の人の顔が映っていたのです。
その話を朝食の時間に看護婦さんにしました。
すると、同じ病室にいた当時中学1年のお兄さんが「オレも同じ経験をした」
というではありませんか。時間からその内容まで全く一緒だったのです。
ただ違うのは何度となくナースコールのブザーを押し続けたこと。
でも、その看護婦さんは言いました。
「その時間ナースセンターにいたけど何処からもコールは無かったわよ」と・・・。
323 :
小豆汁:2006/12/15(金) 05:36:38.87 ID:PV5NyoZO0
324 :
猪(おもらし君):2006/12/15(金) 05:36:56.97 ID:D9oltlT60
名無しに喧嘩を売る糞コテがいました。
これはヒドイ・・・
227 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/12(火) 08:48:35 ID:???
あ?名無しの分際で驕るな
301 名前:はじめまして名無しさん[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 18:17:38 ID:???
ろんりー ◆Lonely.K5c 2006/12/13(水) 18:13:09.23 ID:Mw3zfxSxO
あれ?
俺って花レベルに邪魔コテじゃね??
俺ってネットでもリアルでも要らないコじゃね????
312 名前:ろんりー ◆Lonely.K5c [sage] 投稿日:2006/12/14(木) 00:55:42 ID:???
>>296 あーちょっと困るよー困るよチミ!!!!
コテつけて活動するってのはなああああああ個人情報垂れ流しでネット上をさまよってるって事なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
1日限りの単発IDのいち名無しとは背負ってるリスクがちげーんだYOこのマヨネーズがwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
俺たち結構頑張ってルンDAKARAコテを蔑ろ(ないがしろ)←ふりがな にしちゃ駄目だぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
つまり何が言いたいかってYOUと、特定とか本当怖いんで勘弁してくだしあwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
なんでかっつーと名無しよりコテの方が偉いから!!!!わかったら日本中の年末ジャンボ買い占めて来いやwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
それじゃあお前らwwwwwwwww良いお年をwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
http://life7.2ch.net/test/read.cgi/intro/1161622413/l50
325 :
小豆汁:2006/12/15(金) 05:37:27.16 ID:PV5NyoZO0
投下が殆ど一人状態だからツライ
326 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:39:43.40 ID:b71WWrrN0
|A`) 気が向いたら…
てか話を選びながら投下するのに時間かかるんだけど時間が足りない…
土曜日の深夜ならいくらかはやれそうだ
327 :
小豆汁:2006/12/15(金) 05:43:25.50 ID:PV5NyoZO0
>>326 来れるときはきてくれ!
俺はいつでも待ってる
328 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:46:14.33 ID:b71WWrrN0
>>327 |A`) わかりました
あの時、こうすれば・・もし、こうしていれば・・・
こんな思いをしたことは、誰にでもあると思います。
東京都内の運送会社に勤める、私は
まさに、こんな思いをし、後悔した一人です。
「明日は、長距離だから今日は早く帰って休めよ!」
こんな社長の声を背中に聞きながら午後7時に事務所を出ました。
私の会社の勤務体系は、いわゆる関東を離れ東北や北陸、中部や関西といった地方に荷を運ぶ
長距離と呼ばれるシフトと、関東だけを回る短距離の2種類のシフトがあります。
出勤時間も先方の都合でまちまち、早朝出勤もあれば、午後からの出勤もあり、運転手に負担がかからないよう、これらのシフトを社長自らが、コントロールしています。
明日は、長距離のシフトです。
4時に出勤が決まっていた私は社長の言うとおり早々に自宅に帰って休む事にしました。
長距離ドライバーの最大の敵は寝不足ですから・・・
季節は春、夜風は未だ少し肌寒い、4月の半ば頃、事務所までは自宅から自転車で15分程度、駅前を抜けて、住宅街を程なく走れば我が家でした。
途中一軒のコンビニがあります。
いつもだったら立ち寄った事の無い、コンビにですが、何故か今日に限って、ふらっと目的も無く、店に入ってしまいました。
これが、初めの後悔でした。
欲しい物は無いのですがコンビニの中をぶらぶらしていた時後ろから声をかけられました。
久しぶりに会った友人に酒を誘われ、しこたまのんでしまったのでした。
後悔しました。コンビニに寄らなければ・・・。
329 :
猪(しいたけ目):2006/12/15(金) 05:46:35.43 ID:IxNs9gF2O
330 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:46:45.84 ID:b71WWrrN0
3時30分けたたましい目覚ましの音で目が覚めました。
頭が痛いし、おまけに吐きそうでした。
それでも、身支度をして出勤しました。
「おはようございます。」
「何だ!お前、酒臭いじゃないか!」
「すみません、少し深酒してしまいました。」
「お前が、深酒なんて珍しいな〜今日の長距離は無理だな」
「いや、少し休めば・・」
「ばか!そんな状態で・・。4時には出発するんだぞ!」
「は、はい・・」
「午後の短距離と変われ」
社長にこっぴどく叱られ、同僚にシフトを代わってもらう羽目になりました。
今日の短距離は夕方から、早朝にかけての物でしたので、一旦自宅に帰り、眠る事にしました。
夕方、何とか体調が戻り、出社してトラックに荷を積み、午後5時30分に出発しました。
途中2件ほど寄り、最後の一軒は埼玉です。時刻は深夜になっていました。
高速を使わず一般道で走行し、遅めの夕食を取って、再びトラックを走らせました。
何度か通いなれたコースでした。
4トン車には、きつい近道があります。
ココを通らず迂回すれば、20分ほど余計に時間がかかります。
いつもは迂回するのですが、この時に限ってこの近道を行ってみようと思ってしまったのです。
道は狭く、深夜と言えど慎重なハンドルさばきを要求されました。
(こんな事なら、いつもの迂回路を通っておけばよかった)
331 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:47:03.68 ID:b71WWrrN0
慎重に車を走らせ、ようやく少し広めの道幅になった時今度は、踏切が目の前に現れました。
まるで私を待っていたかのように、遮断機が降りはじめました。
(まったくついてないな〜)
時刻は1時10分・・・
最終なのか、こんな時間に踏み切りに引っかかるなんて本当についてないと思いました。
ぼーっと電車が通り過ぎるのを待っていました。
と!
車がゆっくり前に動いているのに気が付きました。
!!
慌ててブレーキを、が、さっきから右足はブレーキペダルに乗ったままです。
思い切り、右足を踏ん張り、急いでサイドブレーキをかけました。
!!!
それでも車はゆっくりと、前進しています。
(どお言うことだーー!)
電車が踏み切りを通過し始めました。恐ろしく遅い速度で・・
貨物列車のようでした。
尚も、車は前進しています。
このまま行けば・・・
「やばい!!」
パニックになりかけた私は、これ以上どうする事も出来ず、必死に両足でブレーキペダルを踏みました。
ふと、サイドミラーに目が行きました。
!!
運転席側のサイドミラーに後ろの光景が写ります。
332 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 05:47:18.97 ID:Daf1AU6JO
これからのは実話です。
俺が友達と遊ぶのに大阪に行った時の事です。
カラオケでオールをした俺達は眠いのを我慢し朝方梅田の地下街をうろついていました。
俺は唐突に腹が痛くなりトイレに行きました。
やはり早朝。出社途中のサラリーマンで混雑していました。
しかし、おかしいもので2つある個室の内一つの方にしかサラリーマンは並んでません。
俺は眠く思考が止まっていて故障か用具いれだと思い順番を待っていました。
自分の番が来て個室の中に入ると壁には黒いシミが・・・。
汚いな・・・どうせ煙草押し付けたんだろ。
そう思い用を足しました。スッキリし、ふと壁のシミを改めて見ました。
それはシミではなく穴だったのです。何故こんな所に穴が・・・??
俺は覗きこみました。
すると・・・目。目がある?自分の目が何かに反射しているのか??
違う。そうじゃない!!
誰 か が 覗 い て い た ん だ ! !
だから隣の個室は誰も並んでいなかったんだ。ずっと空かなかったから
333 :
小豆汁:2006/12/15(金) 05:47:20.54 ID:PV5NyoZO0
wktk
334 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:48:06.08 ID:b71WWrrN0
なんと、髪の長い女が、荷台に左腕をかけ押しているような姿が、写ったのです。
「えーーーー!!」
(何なんだあの女はーー)
まさか!と思いました。
何気なく見た左のサイドミラーにも、何と同じ光景が移っているのです。
つまり、二人の同じ女が左右後方から片腕で、4トンもあるトラックを押しているのです!!
「そんな・・ばかな・・・!」
車は相変わらず前進しています。
踏切から、5メートルほど手前で止まったはずでしたが、今は、遮断機に付きそうな距離です。
(もうだめだーー!)
目をつぶった瞬間、幸運な事に電車が踏み切りを通過しました。
同時に、車は止まったのです。サイドミラーにも先ほどの女の姿はありません。
「何だ、今のは」
念のためエンジンを切り、私はトラックの後ろに急ぎました。誰も居ません・・・。
あたりを注意深く探しました、もちろん車の下も荷台も・・・。
先ほどの女の姿はもちろん、猫の子一匹、探す事は出来ませんでした。
(何と言うことだろう?)
なんとなく胸騒ぎを覚えた私は、急いで車に戻り、この場を立ち去らなくては、と思いました。
あせってエンジンをかけたのですが、セルが空回りして、スタートしません。
(おい!どうした!!)
何度やっても、むなしくセルが回るだけ・・・
(!!!)
目の前のフロントガラスに何か動く物があります。
(!!!)
ゆっくりと何かが上がってきます!
???
段々上がってきたそのものは・・・・!!!
女です!
女の顔がフロントガラスの下のほうから・・
少しづつ這い上がってきました。
335 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:48:38.04 ID:b71WWrrN0
もはや、声を出す事も、身動きする事も出来ません。
ただじっと、段々上がってくる女の顔を見ているしかありません。
体は硬直して、その顔を凝視しています。
女の顔が、私の顔の高さまで来た時!!!
な、なんと!首から下がありません。
おまけにその顔は、青白く、髪の毛がびっしょり濡れており前にたらした髪の間からは、異様なほど大きな目がつり上がってこちらを見ています。パクパク動く口元が何かを言っているようで、私は恐怖のあまり目を閉じました。
ドン!
いきなり運転席側の窓に何かが当たりました。
驚いて、横を見ると、な!なんと、目の前の同じ顔が今度は、横の窓にも現れたのです。
この時分かったのですが、びっしょり濡れている髪・・・
これは、真っ赤な血でした!!
髪が窓をこする後に、その血がべっとりと道筋を作っていました。
私は、なだれ込むように、助手席側に飛び移り、この恐怖から逃れようとしました。が!
今度は、助手席側のフロントガラスにも、下からゆっくりと上がってくるのです・・・顔が・・・・・
もはや、恐怖はピークです!
ドン!今度は、助手席側の窓です!!
合計4つの同じ生首に、ぐるっと囲まれた私は、そのまま気を失いました。
336 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:48:48.50 ID:b71WWrrN0
ドンドン!ドンドン!
誰かが、窓を叩く音で意識が戻りました。
「おい!こんなところでなにやってるんだ!」
後続車の運転手でした。
「す、すいません・・」
先ほどの恐怖が残っていた私は、恐る恐る車内を見回しました。
何の異常もありません。先ほどの顔や、血の跡は・・・・
あと形も無いのです。
(いったい・・なんだったんだ?)
「早くどかせー!」後続車の運転手が怒鳴りました。
私は慌ててエンジンをかけました。
不思議な事に、今度は一発でエンジンが始動しました。
車をスタートさせ、急いで踏み切りを通過しかけたとき「ざんねん!」
耳元で女の声が聞こえました。
「!!!」
全身に鳥肌が立ち、身が縮まる思いでした。
「きっと・・さっきの・・・」
(これ以上はもう何も考えないようにしよう)
時計は、1時20分。わずか10分程度の出来事でした。
あの時、コンビニに寄らなければ・・・
迂回路を通っていれば・・・
さまざまな、選択肢が私たちの日常にはあります。
あの時、こうしていれば・・あくまでも、結果があってのことです。
必ずしも、悪い結果ばかりとは限りません。
いつもと違う、選択をした時・・・
その先に待っているのは・・・・安堵のため息?
それとも・・・・・?
337 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:49:45.01 ID:b71WWrrN0
|A`) こういう話が好きなんだけどなかなか無い…
338 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:51:31.91 ID:b71WWrrN0
>>329 |A`) うれしいけど他の人に期待するほうがいいぞ…
私は学校で先生に呼び出され、姉が死んだ事を知らされた。
葬儀の後、私は姉が買ったばかりだった人形を母からもらった。
黒髪の可愛い女の子のお人形。
背中にスイッチがあって、押すと「うふふふ」って楽しそうに笑うの。
でも私には気味が悪くて、私は本棚の隅に人形を置いていた。
それよりも姉が突然いなくなってしまったのが悲しくて、
私は夜になると、涙を止めることができなかった。
あれから一年が経って、やっと私は・・・泣くのを止めることができた。
「うふふふふふ」
突然、笑い声が聞えた。
本棚の隅に一年間おきっぱなしになっていた、あの人形の笑い声だった。
私には姉が「よく頑張ったね」と笑いかけてくれたように思えて、また泣いてしまった。
もう大丈夫だよ、お姉ちゃん、って私は人形をだきしめた。
その夜、私は階段から落ちて、左足を骨折した。
339 :
小豆汁:2006/12/15(金) 05:52:36.53 ID:PV5NyoZO0
340 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:52:42.80 ID:b71WWrrN0
それから、あの人形が笑うとろくな事がない。
「うふふふふふふふふふ」
車にあやうく撥ねられる所だった。
「うふふふふふふふふふふふふふ」
インフルエンザにかかって、死にかけた。
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
通り魔に包丁で刺された。
私は、人形が私に不幸を知らせているのだと分かった。
姉が私に危険を教えてくれている。
姉がいつも私を見守ってくれている。
私は、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
「あははははははははははは!!いひひひひひひひひひひひひ!!」
人形がある日、けたたましく笑った。
ものすごく楽しそうに。
ものすごい悪意をこめて、笑った。
その日、父と母が死んだ。
341 :
毒男 ◆B.DOLL/gBI :2006/12/15(金) 05:54:09.24 ID:b71WWrrN0
|A`) がっかりしただろ?
いろいろ限界なんで寝ます…
342 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 05:54:49.40 ID:Daf1AU6JO
>>339俺のはある意味怖い話だけどアッーな話だからなww
343 :
小豆汁:2006/12/15(金) 05:54:55.31 ID:PV5NyoZO0
>>341 ガイシュツがあったけど!乙です。
楽しかったよ!またよろしく
344 :
おみくじ(犬吉):2006/12/15(金) 05:55:16.73 ID:VXsQ0nfm0
345 :
猪(メイド服):2006/12/15(金) 06:01:31.78 ID:vG9PjqVHO
去年近くの神社に肝試しに出かけたら丑の刻参りに出くわした。よく話に聞くような白装束にハチマキ、手には太い釘と木槌。
そいつが「見られたおしまいだ見られたおしまいだ」とか呟きながらこっちに走ってきたので慌てて逃げた。
青白い顔しててかなり不気味だった。
半年前にバイト辞めてすぐ別のとこで働き始めた。
上司がその丑の刻参りしてた奴だった。
346 :
猪(ボーカル):2006/12/15(金) 06:02:55.77 ID:GuBHTGMuO
wktk
347 :
猪(メイド服):2006/12/15(金) 06:05:46.85 ID:vG9PjqVHO
あっちは気付いてなかったみたいだけど俺はしっかり覚えてた。
一カ月後、そいつは車に牽かれて死んだ。
348 :
猪(ボーカル):2006/12/15(金) 06:06:48.79 ID:GuBHTGMuO
寝る ノシ
349 :
おみくじ(人吉):2006/12/15(金) 06:08:02.32 ID:VXsQ0nfm0
350 :
おみくじ(中がよろし):2006/12/15(金) 07:05:51.25 ID:VXsQ0nfm0
寝る前に保守
351 :
猪(ドラム):2006/12/15(金) 08:02:16.55 ID:GuBHTGMuO
お
れ
た
352 :
ナースと初詣:2006/12/15(金) 09:14:33.32 ID:TsSSo0sSO
ポシュ
353 :
初詣って何?:2006/12/15(金) 09:15:30.72 ID:RYmAIVIN0
寝落ちってサーセンwww
保守
定期保守
356 :
神所謂ゴッド:2006/12/15(金) 11:26:23.66 ID:ruhZqMye0
357 :
ぬこと初詣:2006/12/15(金) 11:30:54.04 ID:RYmAIVIN0
358 :
恵比須(えびす):2006/12/15(金) 12:21:52.56 ID:t4nudTfu0
うし、まだ落ちてない
保守
359 :
VIP皇帝:2006/12/15(金) 12:27:15.88 ID:sOwSFLsQ0
あれ、ちょっと怖い話の最初のスレ立てたの俺なんだが
いつの間にこんなに進展してんだよwwwまとめサイトできてるしwww
360 :
女装して初詣:2006/12/15(金) 12:34:39.81 ID:RYmAIVIN0
>>359 たまに現れるなwwww
どうだ?自分の作ったものが一人歩きする気分は?
361 :
親父と初詣:2006/12/15(金) 12:50:49.61 ID:sOwSFLsQ0
>>360 最近夜中にVIPにきてないから知らなかったんだw
5月ぐらいからずっといるからな。
ここまで進展するのは初めてじゃないか?
そういう意味では嬉しいが。
362 :
女装して初詣:2006/12/15(金) 12:57:56.37 ID:RYmAIVIN0
363 :
親父と初詣:2006/12/15(金) 12:59:02.30 ID:sOwSFLsQ0
364 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 13:06:03.75 ID:Aso2+ClTO
怖い話してると霊が集まるて聞くけどここに書き込んでるやつで生きているのは何人いるのだろう
365 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 13:14:12.47 ID:/geU837hO
昨日の夜、リビングのソファでうたた寝していた時、何か違和感を感じで目が覚めた
目を開けると、そこには風呂上がりでバスタオル(頭にタオル)を巻いただけの母親が、ジーパンの上から股間を優しく撫で回してた
今まで生きてきた中で一番怖かった
発狂しそうになった
366 :
一人で初詣:2006/12/15(金) 13:16:29.89 ID:sOwSFLsQ0
>>365 怖いな・・・もしかしたらコトを済ませた後かも知れんぞ・・・
367 :
初詣で痴漢:2006/12/15(金) 13:16:43.86 ID:RYmAIVIN0
368 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 13:22:43.09 ID:/geU837hO
>>366 いやそれはない
と思う…
>>367 すまん、書き方が悪かった
体にバスタオル巻いて、頭にはタオルだ
369 :
家出娘と初詣:2006/12/15(金) 13:50:43.36 ID:jKY7N2URO
あれ、ここオカルト板?
370 :
おせち(3,000円):2006/12/15(金) 13:58:31.76 ID:5GUk70eUO
(°∀°)
寝てた_| ̄|○
371 :
書初め(遠山金さん):2006/12/15(金) 13:58:34.43 ID:9rWJfcar0
372 :
初詣でころんだ:2006/12/15(金) 14:00:39.01 ID:jKY7N2URO
>>371 もしかしたらその夜中の俺は……いや、なんでもない
373 :
書初め(注意一生):2006/12/15(金) 14:01:19.40 ID:9rWJfcar0
374 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 14:05:03.94 ID:sOwSFLsQ0
375 :
書初め(注意一生):2006/12/15(金) 14:05:25.35 ID:9rWJfcar0
>>372 あっ!本当だ・・・・
あなたのうしろにもう1人いるね
376 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 14:10:15.56 ID:5GUk70eUO
え担当て何何
377 :
書初め(注意一生):2006/12/15(金) 14:13:21.24 ID:9rWJfcar0
378 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 14:13:22.56 ID:sOwSFLsQ0
>>376 あれ?気づいてないのか。
あなたの後ろに担当が・・・
379 :
あしたこそ初詣:2006/12/15(金) 14:14:26.73 ID:RYmAIVIN0
>>376 何言ってんですかー
た ん と う さん?
380 :
書初め(注意一生):2006/12/15(金) 14:17:51.62 ID:9rWJfcar0
>>376 ID:GuBHTGMuO
ID:PV5NyoZO0
が担当さん
381 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 14:20:22.05 ID:5GUk70eUO
ちょwwwww
勝手に担当にされた俺wwwww
>>377 おまwwwww
>>378-379 俺の後ろには担当というよりMGO中のスネークがいるわけだが
382 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 14:21:38.87 ID:5GUk70eUO
>>380 トンクス。
てか担当って何する人?
漫画家の担当とか思い出したwwwww
383 :
金魚と初詣:2006/12/15(金) 14:23:32.05 ID:sOwSFLsQ0
ただ怖い話貼り付けまくってる怖い人です><
384 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 14:25:08.07 ID:5GUk70eUO
385 :
書初め(注意一生):2006/12/15(金) 14:28:25.86 ID:9rWJfcar0
>>382 コテの由来は分かりません
最近、名無しで怖い話を投下するので
IDを間違えた・・・正直スマンカッタ!!
386 :
おせち(1d):2006/12/15(金) 14:35:04.13 ID:ezFgL75E0
387 :
おせち(5,000円):2006/12/15(金) 14:35:18.35 ID:5GUk70eUO
388 :
書初め(注意一生):2006/12/15(金) 14:35:59.18 ID:9rWJfcar0
389 :
おせち(30,000円):2006/12/15(金) 14:43:58.45 ID:5Gexk764O
390 :
あしたこそ初詣:2006/12/15(金) 14:55:10.64 ID:RYmAIVIN0
>>389 恐らく大多数の住人が知ってると思うが、thx
なんせ、クールに反撃スレの住人もいるんだからなwww
391 :
猪(双子の兄):2006/12/15(金) 15:00:41.08 ID:guWv+PPx0
霊酒ってなにか3行で
392 :
神主と初詣:2006/12/15(金) 15:03:20.94 ID:sOwSFLsQ0
393 :
あいつと初詣:2006/12/15(金) 15:04:16.91 ID:RYmAIVIN0
>>391 前スレ966より<酒霊、または霊酒>
怖い話しする前に、お酒をおチョコに入れて!そばにローソクを置く!
火をつけて、1話終わったら火を消しておチョコに入ったお酒を
瓶の中に入れる。これを繰り返す!っで瓶に満杯になったら完成!
394 :
猪(双子の兄):2006/12/15(金) 15:07:19.36 ID:guWv+PPx0
395 :
のびたと初詣:2006/12/15(金) 15:39:06.13 ID:C69FMUvTO
霊酒は術力回復アイテムだよ!
396 :
毘沙門(びしゃもん):2006/12/15(金) 15:42:00.23 ID:t4nudTfu0
さて、ぬこ萌え幽霊と寝た人も来た事だし
後は担当さん待ちか
397 :
おせち(8,000円):2006/12/15(金) 15:47:58.19 ID:5GUk70eUO
398 :
のびたと初詣:2006/12/15(金) 15:48:24.15 ID:C69FMUvTO
脅かそうとしても無駄だぜwwww
今日はまだ明るいから勇気百倍です><
399 :
姫初め:2006/12/15(金) 15:57:54.59 ID:Cqh8bZ8j0
>>398 あと30分もすれば今日も闇夜が訪れるぜ・・・負ヒヒ
400 :
布袋(ほてい):2006/12/15(金) 16:06:05.27 ID:t4nudTfu0
ちょw30分てwねーよwww
401 :
黒豆(一粒):2006/12/15(金) 16:15:53.77 ID:ezFgL75E0
夕方の薄暗い頃も逢う魔が時と言って…
いや、なんでもない・・・・
402 :
姉と初詣:2006/12/15(金) 16:19:39.43 ID:C69FMUvTO
403 :
黒豆(一粒):2006/12/15(金) 16:26:46.75 ID:ezFgL75E0
>>402 スマンカッタ…このスレの皆に注意をと思って・・・
だから、俺を呪ったらダメですよ
404 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:31:05.78 ID:Cqh8bZ8j0
>>402 さあ漆黒の闇があなたを襲い始めましたよ・・・負ヒヒ日ひいひいヒヒ費wwwwww
405 :
姉と初詣:2006/12/15(金) 16:37:20.49 ID:C69FMUvTO
>>403 明日一日中体がぬこ臭くなる呪いかけといた
>>404 おなぬー中に母親の顔を思い出す呪いかけといた
その笑い地味に怖いからやめてくれwwww
406 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:38:55.40 ID:Cqh8bZ8j0
>>405 頼む、呪いを解く方法を教えてくれ!!!!!!!
407 :
布袋(ほてい):2006/12/15(金) 16:41:00.20 ID:t4nudTfu0
>>405 お前は魔王かwww
っと・・・もう黄昏時じゃのう
408 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:42:13.88 ID:Cqh8bZ8j0
>>407 もう黄昏どころか真っ暗なんですがwww
409 :
おせち(10,000円):2006/12/15(金) 16:44:05.37 ID:5GUk70eUO
>>408 おまいはどこのやつなんですかwwwww
まだ明るいぞwwwww
410 :
黒豆(一粒):2006/12/15(金) 16:45:34.05 ID:ezFgL75E0
>>405 アチャー!そんなあなたに、この言葉をw
人を呪わば穴2つ・・・
411 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:45:44.74 ID:Cqh8bZ8j0
412 :
姉と初詣:2006/12/15(金) 16:47:01.17 ID:C69FMUvTO
>>406 カーチャンをおかずにすればいいじゃないwww
こっちも結構真っ暗だ…
413 :
布袋(ほてい):2006/12/15(金) 16:47:33.75 ID:t4nudTfu0
>>411 関東では黄昏時なのよん
うーむ、誰か怖い話をうpする勇者はおらぬか!
414 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:48:21.76 ID:Cqh8bZ8j0
>>412 後ろに常に誰かいる呪いかけときましたぜ旦那
415 :
おせち(10,000円):2006/12/15(金) 16:48:28.85 ID:5GUk70eUO
>>411 飛行機で今から行ってやる
こっち四国だがwwwww
416 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:48:58.32 ID:Cqh8bZ8j0
417 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:49:32.61 ID:Cqh8bZ8j0
418 :
おせち(10,000円):2006/12/15(金) 16:50:52.35 ID:5GUk70eUO
419 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:51:37.93 ID:Cqh8bZ8j0
420 :
布袋(ほてい):2006/12/15(金) 16:52:00.96 ID:t4nudTfu0
>>416 イインダヨー
っていうかもともと”ちょっと”怖い話っていうスレタイだったもん
421 :
姉と初詣:2006/12/15(金) 16:53:36.22 ID:C69FMUvTO
>>410 つまりふたなり化ですかwwwww夢がひろがりんぐwww
>>414 ちょwwwwお風呂入れなくなるだろwwww
ぬ…ぬこ神さまが守ってくれるから怖くないんだぜ?
422 :
猪(青詐欺):2006/12/15(金) 16:56:21.38 ID:TsSSo0sSO
ところで365のオチを真剣に知りたいと思っているのは俺だけか?
423 :
おせち(10,000円):2006/12/15(金) 16:56:48.84 ID:5GUk70eUO
>>419 最短で明日の9:55に着くらしいんだがwwwww
424 :
初夢(見るの忘れた):2006/12/15(金) 16:58:22.48 ID:Cqh8bZ8j0
425 :
おせち(12,000円):2006/12/15(金) 17:02:34.58 ID:5GUk70eUO
426 :
初夢(蛇の夢):2006/12/15(金) 17:03:30.35 ID:Cqh8bZ8j0
427 :
おせち(12,000円):2006/12/15(金) 17:05:17.37 ID:5GUk70eUO
428 :
女教師と初詣:2006/12/15(金) 17:05:59.22 ID:C69FMUvTO
こうして一組のカップルが誕生したのであった
429 :
初夢(蛇の夢):2006/12/15(金) 17:06:26.69 ID:Cqh8bZ8j0
めでたしめでたし
430 :
黒豆(二粒):2006/12/15(金) 17:10:22.82 ID:ezFgL75E0
431 :
初夢(蛇の夢):2006/12/15(金) 17:11:59.56 ID:Cqh8bZ8j0
432 :
おせち(12,000円):2006/12/15(金) 17:12:48.55 ID:5GUk70eUO
>>430 今俺が書いてるんだぜ?
長くてつまらんからやめようかと思ってきた
433 :
福禄寿(ふくろくじゅ):2006/12/15(金) 17:14:42.83 ID:t4nudTfu0
434 :
黒豆(二粒):2006/12/15(金) 17:16:09.87 ID:ezFgL75E0
435 :
初夢(蛇の夢):2006/12/15(金) 17:19:47.97 ID:Cqh8bZ8j0
まぁ全く怖くないから期待しないでね
436 :
おせち(12,000円):2006/12/15(金) 17:22:22.80 ID:5GUk70eUO
実体験って怖くないよな…
しかも文才ナッシング
437 :
友達と初詣:2006/12/15(金) 17:23:44.28 ID:sOwSFLsQ0
だが霊体験よりも
リアルの人間がやったことのほうが怖いことはあるな。
それこそハッピータッチのような話。
438 :
福禄寿(ふくろくじゅ):2006/12/15(金) 17:24:33.07 ID:t4nudTfu0
よし、全く怖くない発言!
皆の者!うpが近いぞ!
439 :
初夢(蛇の夢):2006/12/15(金) 17:29:44.68 ID:Cqh8bZ8j0
就学旅行で沖縄へ行った時の話
沖縄へ行くのはお察しの通り戦争の学習という名目で行くんだか
その一環として防空壕に入ったんだよね。
で、中で黙祷的をするために広場になってるところに全員集合した。
みんなの前にその担当だった委員的な奴が2人立ち挨拶的なことを始めた。
程なくして俺と一緒にいた数人が騒ぎ出した。すぐにその理由が俺も分かった。
いや、と言うよりは分かっていたけど気づかないふりをしていたと言ったほうが正しいかな。
440 :
初夢(蛇の夢):2006/12/15(金) 17:35:13.33 ID:Cqh8bZ8j0
「なあ・・・あの2人の間に誰かいるよな?」
友人の一人が口を開いた。
「うん・・・いるな。」
俺は即座にそう返した。
何かは分からないけど確かにいるんだよね、そこには。
はっきり人の形をした白いもやのような「もの」が。
そのうち近くにいた女子が突然失神したりいきなり泣き出す奴が出たりと
なかなか香ばしい体験をした訳なんだが・・・
441 :
黒豆(二粒):2006/12/15(金) 17:38:34.79 ID:ezFgL75E0
442 :
初夢(蛇の夢):2006/12/15(金) 17:40:08.08 ID:Cqh8bZ8j0
そんなこんなでその日は何とかホテルに帰りほっと一息ついた。
翌日からもまだ数日間沖縄に滞在していたんだがその間はとにかく不思議な体験が絶えなかった。
が、不思議なことに沖縄から次の目的地へ行った途端にピタリと治まったんだよ。
基本的に霊的なものは全く信じてない俺だけどその時ばかりは信じざるを得なかったというお話。
443 :
福禄寿(ふくろくじゅ):2006/12/15(金) 17:41:55.16 ID:t4nudTfu0
多分これで155話目なんだぜ?
444 :
黒豆(二粒):2006/12/15(金) 17:42:09.44 ID:ezFgL75E0
スマン・・・後日談あったのね
445 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 17:43:40.14 ID:GuBHTGMuO
ごめ、今沖田w
お腹空いたから飯食ってくる
446 :
黒豆(二粒):2006/12/15(金) 17:49:24.91 ID:ezFgL75E0
447 :
おせち(30,000円):2006/12/15(金) 18:14:04.96 ID:GuBHTGMuO
そういやゴルフ月曜日ある
練習してくるwww
ってなわけで今日も夜にwwwww
448 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 18:26:22.24 ID:5GUk70eUO
東京都杉並区西武新宿線沿いの急行が止まらない駅に住んでた頃の話。
私は当時TV局の仕事をしていた。
色々なスタジオや局を行き来しなくてはならなかった為交通の便がいいように
まさに駅のまん前のマンションを借りてた。
新築で一、二階が白○屋。
私は不動産屋に「3階の角部屋」と、
その丁度上の上にあたる「5階の角部屋」この二部屋が空いていると言われ、
更に5階なら敷金礼金が1:1、
家賃も1.1万円引きの7.7万円でいいからと勧められ、
その部屋に住むこと決めた。
マンションはオートロックで、
一階のロビーみたいなとこで鍵を差し込まないと開かないようになってたのもいいと思ったんだよね。
ある日私が仕事を終えて夜10時頃にマンションに帰宅した時の事。
一人暮らし用のマンションだった為かあまり人に会うこともなかったし、
会っても若い女の人が多かったのでいつも挨拶だけしてエレベーターに乗り込んでいたんだけど…
その日は少し違った。
ロビーの所に、
上から下まで真っ黒い長いコートみたいなものを着ている人が佇んでる。
449 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 18:27:21.88 ID:5GUk70eUO
身長は180くらい?
私はさして気にせず鍵を開けてエレベーターへ
ところがその人は鍵が開くのを待っていたかのように私の後ろから入り込んで来る。
(住人じゃなかったらどうしよう…入れていいのかな…)
と思ったけど、
がっくりと首をうなだれたままエレベーターまで乗り込んできたので何も言えなかった。
私は気味が悪くなって5階のボタンを押さずに4階を押した。
その人妙なんだよね。
普通エレベーターに乗ったらドアを向いて立つじゃない?
反対側がガラス張りになって外が見えるとか鏡だとかなら分かるんだけど、
普通に壁になってるのに…
その壁に向かって というか壁にくっつきそうなくらい近付いて立ってるんだよ。
すぐに4階のランプがついてエレベーターのドアが開いた。
私は降りて横にある階段から5階に早足で掛け登った。
その時は確かエレベーターは4階で止まったままだったと思う。
部屋に戻り2時間くらい経ってから、
お腹が空いたんでコンビニに行こうと部屋を出た。
450 :
寿老人(じゅろうじん):2006/12/15(金) 18:28:20.74 ID:t4nudTfu0
451 :
寿老人(じゅろうじん):2006/12/15(金) 18:28:51.37 ID:t4nudTfu0
しまった!もう投下が始まっていた!
452 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 18:29:32.67 ID:5GUk70eUO
エレベーターの前に行くと1階で止まってたんで、
ちょっと安心しながら1階を押して待つ。
1...2...3...4...
登ってきたエレベーターの箱が見えた時
… 中 に い る!!!!!!
さっきの黒づくめがさっきの格好のまま居る。
怖いのでドアが開く前に私は横の階段から一気に一階まで駆け下りた。
(ずっと居たのかな??もしかして…変質者???)
コンビニに行った後もエレベーターにまだその人がいるような気がしてマンションには戻れず、
ビデオ屋に行って時間をつぶしてから様子を見に一旦エレベーターホールに戻った。
エレベーターは一階で止まっており、
ホールに丁度6階に住んでる大家さんの妹がいて
(よかった…一緒に乗れば怖くないや)と胸をなで下ろしてた。
453 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 18:30:23.67 ID:5GUk70eUO
「こんばんは」と声をかけると「あ、…こんばんは…」 と言いながらも
エレベーターの方をチラチラと気にしてる。
「どうしたんですか?」と聞くと
「ううん、なんでもないなんでもない」
ちょっとよそよそしいな…と思ったけど、
上のボタンを押して二人でエレベーターに乗り込む。
454 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 18:30:49.69 ID:5GUk70eUO
5階に着くと「お休みなさい」と言ってエレベーターを降り、
自分の部屋の方を見た。
廊下の突き当たり。間違いなく自分の部屋のドアの前に
さ っ き の 黒 づ く め の 人 が … !!!
しかもうなだれた頭をドアスコープにぴったりくっつけたまま!
エレベーターに戻ろうと思ったら時既に遅し、
扉は閉まって上へ動き出していた。
中に居た大家さんの妹さんと目があった私は目で訴える。
音を立てないようにエレベーターのボタンを何回も押して
(早く来い早く来い早く来い!!!!!)
ふと部屋の方に目をやると黒づくめの人がまだドアに張り付いている。
多分数秒の事なのにやたら時間が経ったように感じた。
私は大家さんの妹を乗せて戻ってきたエレベーターに急いで乗り込み、
「変な人が…!」
と訴え、とりあえず1階に戻って近くの交番の人
(本当に近い所。大家さんの妹はよく知ってるらしくて携帯から交番に直接電話していた)
に電話をして警官を待った。
警官はすぐに到着した。
455 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 18:31:51.76 ID:5GUk70eUO
事情を説明すると私の部屋の前に行き(何故かもういなくなっていた)
何事もない事を確認してから
「また何かあったら交番に連絡するように」
というような事を言ってから電話番号を教えて戻っていった。
(おいおい…それだけかよ!しかも一人しか警官こないんだ…)
部屋に戻りしっかり鍵を閉めてからのんびりしてたら、
しばらくしてふっと思い出した。
(そういえばあのホールを通らないと外に出れないよなぁ…
警官が来るまで私たちがホールに居たから…)
まだ黒づくめはマンションの中にいる?
考えてからゾッとしてその考えを消し去るように
(いやいや…もう居ないだろ流石に…)
と考えるのを無理矢理やめた。
部屋を暗くして床に入った。いつの間にか眠っていた。
456 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 18:32:23.62 ID:5GUk70eUO
次の日は休みだったから遅めに起きた。
玄関のげた箱の上に植木鉢を置いていたので、コップに水をくんで持っていく。
(…あれ?)
ドアに鍵がかかっていないことに気付く。
(かけたはずなのに…)
はっとした。
もしかして…昨日コンビニに行った時部屋に鍵をかけ忘れたんじゃないか?
風呂場へ行くと、床の湿った部分にくっきりと大きな靴跡が残っていた。
457 :
黒豆(三粒):2006/12/15(金) 18:55:23.65 ID:ezFgL75E0
さる規制?って聞いてもレスできないよね
458 :
おせち(15,000円):2006/12/15(金) 18:57:15.55 ID:5GUk70eUO
>>547 すまん…
後の話間違って消したから今急いで打ってる
459 :
VIP皇帝:2006/12/15(金) 18:57:45.88 ID:5GUk70eUO
460 :
黒豆(四粒):2006/12/15(金) 19:02:50.47 ID:ezFgL75E0
461 :
おせち(30,000円):2006/12/15(金) 19:24:50.56 ID:5GUk70eUO
警察を呼んで調べると、私が寝てたベッドの周りに薄く足跡が大量についてた。
マジで怖かったけど、その後は何もなかったから私はその部屋に住み続けていた。
仕事で夜中に帰る事も多かったからビビってたんだけど、
1ヶ月くらいしたら結構慣れた。
ある日の夜。9時頃だったと思う。
「ピンポーンピンポーン」
(誰かな?誰も来る予定ないんだけど…)
インターホンの受話器を取る。
訪問者は一階のインターホンをまず鳴らして、
オートロックを中の住人に解除させないと入れない。
「はい」というと
「ピンポーン」
とまたインターホンが鳴る。
!!!!!????
…一階じゃなくて、このドアの前のチャイムを鳴らしてるんだ!
462 :
おせち(30,000円):2006/12/15(金) 19:25:25.29 ID:5GUk70eUO
一気に前回の事を思い出して心臓がバクバクしながらも、ドアスコープを覗く。
真っ暗だ。
(もしかして…またドアにくっついてたりして…)
なんて思ってたらドアノブがガチャガチャガチャガチャと暴れ始めた。
(開けようとしてる!)
鍵はかかっていたけど、急いでチェーンをかけてから警察に電話しようと思った。
まずい。携帯はあるが充電がない…しかも充電器を仕事場に忘れた。。。
463 :
おせち(30,000円):2006/12/15(金) 19:25:59.03 ID:5GUk70eUO
どうしようもないので部屋の隅で丸まって音が止むのを待っていたら
結構すぐに止んだのでまたドアスコープを覗いた。
誰もいないのを確認してゆっくりとドアを開いて急いで6階に階段でかけ上がった。
(エレベーターは一階に止まってたし、使うの怖かった…。一階に居たら嫌すぎ)
また大家さんの妹がいて、警察に連絡してくれた。
今度は10分くらいで警官が2人来て(でも適当くさい対応だった)
とりあえず部屋の中やマンションの中を見て回ってから
今日は友人の家に行くように勧められた。
行きたいのはやまやまだったけど、近所にそんな友達はいないから仕方なく部屋に戻った。
警官は夜中見回りしてくれると言っていたがあまり頼りなかったな…
でもその日は後は何事もなく終わった。
464 :
おせち(30,000円):2006/12/15(金) 19:27:08.30 ID:5GUk70eUO
んで、結局その黒づくめの男は後日捕まったんだけど
一度も会ったことがない大家さんだった。
大家さんの妹は知っていて警察に言わなかったらしい。
何故捕まったかというと、3階の部屋に入居した女の人に怪我をさせたとか…。
近所付き合いがないから知らなかったが、
大家さんは前から変わってる人で有名だったらしい。
警察に事情を聞かれた時に何枚か写真を見せられたんだけど、
その写真の中に私の部屋にあった捨てようと思っていたセーターを
着ている写真があって気持ち悪かった…。
ピチピチを通り越して生地が透けてた。
その時に聞かされたんだけど、
大家さんはマスターキーを持っていていろんな部屋に勝手に入っていたらしい…
だから女しか住んでなかったのかここ…
それからすぐに引っ越した。
465 :
おせち(30,000円):2006/12/15(金) 19:30:23.62 ID:5GUk70eUO
やっぱりつまんないんだぜ
てかやたら長くて_| ̄|○スマン
466 :
神所謂ゴッド:2006/12/15(金) 19:33:37.46 ID:t4nudTfu0
467 :
猪(停学中):2006/12/15(金) 19:34:35.31 ID:qSMpZPcvO
ハッキリ言ってオチも微妙だ!
468 :
おせち(30,000円):2006/12/15(金) 19:42:58.39 ID:5GUk70eUO
>>466 トンクス
>>467 オチと言われても本当にあった話だからどうしようもない
でも留守中ちょくちょく入られてたかと思うとマジで怖かったんだぜ
しかもその後別のマンションでストーカーにあったから
今はそのせいでインターホン外してるんだぜ…
チャイム恐怖症
469 :
黒豆(五粒):2006/12/15(金) 20:00:21.44 ID:Uz5HnHRrO
ほす
470 :
黒豆(五粒):2006/12/15(金) 20:03:23.46 ID:ezFgL75E0
471 :
黒豆(二粒):2006/12/15(金) 20:03:42.11 ID:21npbcznO
保守
472 :
トリマーと初詣:2006/12/15(金) 20:23:09.52 ID:C69FMUvTO
幽霊も怖いけど人間も怖いね…
473 :
2Get!!:2006/12/15(金) 20:40:43.82 ID:t4nudTfu0
保守!
このままだと俺の文才の無さでgdgd文を投下するのもそう遠くあるまい
474 :
おせち(30,000ウォン):2006/12/15(金) 20:59:08.14 ID:5GUk70eUO
475 :
年賀状(来なかった):2006/12/15(金) 21:01:32.17 ID:t4nudTfu0
投下しようとまとめてるけど時間かかりそうなんだぜー!
476 :
黒豆(五粒):2006/12/15(金) 21:08:42.43 ID:bt2oWNGW0
保守は任せろ!
477 :
おせち(150j):2006/12/15(金) 21:33:50.85 ID:5GUk70eUO
ほしゅ
478 :
おせち(150j):2006/12/15(金) 21:57:44.70 ID:5GUk70eUO
保守
479 :
黒豆(五粒):2006/12/15(金) 21:58:04.66 ID:bt2oWNGW0
まだかのう
480 :
年賀状(二枚):2006/12/15(金) 22:13:50.81 ID:t4nudTfu0
>>479 ごめん・・・、
遅筆ってレベルじゃねーんだ・・・。
俺は気付くと見知らぬ部屋に立っていた
ボーとした頭で周囲を見回してみる
ドアも窓も何もない、誰もいない
不思議と恐怖心は沸かず
なんとなく、そう、なんとなくコレは夢だと思った
何の確証もないがとにかく俺はコレが夢だと言う事を確信していた
(今ごろ俺の体はのんきに寝返りでも打ってやがるんだろうな、戻ったらほっぺたつねってやる)
などという馬鹿なことも考えたりする
だってコレは夢なんだ、いつかは覚めるんだから慌てる必要もない
壁の隅っこに座り込みひたすら夢が覚めるのを待つ
・・・どれくらい経ったのだろう
ただボーっと座っていた俺の耳に”コツ、コツ、コツ、コツ”という規則正しい音が小さく聞こえてきた
そのとき俺は
(ああ、きっと目が覚めてきたから枕もとの時計の音が聞こえてるんだろうな)
等と楽観していた。
そして数分が経ち
”コツコツコツコツコツ”
”カツカツカツカツ””コツンカツンコツンコツン”
音が激しくなったとき、ある事実を思い出してしまった
(思い出した・・・、俺の時計は今故障していて動かないんだった)
今まで恐怖心を感じなかった分が今に回ってきたのではないのかと言うぐらい心臓が早鐘を打ち、背中が氷のように冷たい
気付いた瞬間からさっきまで時計の音だと思っていた音が明らかな【足音】となって俺に近づいてくる
481 :
黒豆(六粒):2006/12/15(金) 22:18:57.78 ID:bt2oWNGW0
482 :
初夢(ゴキとの思い出):2006/12/15(金) 22:44:04.85 ID:++aWPRmpO
今日は進みが遅いのぅ
483 :
年賀状(二枚):2006/12/15(金) 22:45:21.33 ID:t4nudTfu0
ふと気付くと目の前に和服を着た二人の少女がとても嬉しそうな、それでいて悲しそうな顔で
「「ねぇ?お兄ちゃん死んじゃうよ?ねぇ?お兄ちゃんしんじゃうよ?ネぇ?オニイちゃんシンじゃうよ?」」
二人で同時に同じことばを呟きながら迫ってくる
「・・・ひっ!」
逃げようとしたが腰が抜けて情けない悲鳴が出るだけでその場から一歩も動けない
「「ここに居れば死なないよね?ここに居ても大丈夫だよ?ココにいるでショ?ココがイイヨネ!」」
そして、さっきから変わらない表情で迫ってくる少女たちは俺の右手と左手を押さえ
「「アソぼうヨ!オニイちゃン!」」
「うわぁぁぁ!」
絶叫すると共にだんだん意識が薄れていく
(ああ、よかったこれで現実にかえれる・・・)
484 :
年賀状(二枚):2006/12/15(金) 22:45:32.24 ID:t4nudTfu0
束の間の安堵感に浸っていると
「「ネぇ?オニイちゃんそっちへ行くとシンじゃうよ?」」
バサッ!
「うわぁぁぁぁぁあぁ!」
いままで羽織っていた布団を跳ね上げ即座に電気をつける
(ふぅ・・・、嫌な夢だった)
そして、現実を確認しようと周囲を見回すが
(いや、まだ夢の続きを見ているみたいだな)思い直す
そう、夢でなければこっちに銃を突きつける男なんて俺の部屋には居ないはずだ
「はっ!この家の奴全員殺したと思ってたんだがまだ居たんだな!」
ズドン、バス
男は嬉しそうに僕の心臓にむかって引き金を引き、見事に僕の体を鉛弾が貫通する
(何故だろう夢なのに胸ががとても痛い)
薄れ行く意識の中
「起きてこなければ見つかんなかったのによ!」
と笑いさけぶ男の声の後に
「「オニイちゃん死んじゃった!アハハハハハッハハハハッハハ!ウフフフフフフフ!」」
そして、
最後の瞬間
少女と男の声が混ざる
「「「おやすみ、お兄さん」」」
485 :
年賀状(二枚):2006/12/15(金) 22:46:15.43 ID:t4nudTfu0
いかんな、整合性が保たれてない・・・。
486 :
初夢(ゴキとの思い出):2006/12/15(金) 22:52:04.29 ID:++aWPRmpO
乙
夢とか風呂とか一日の過程でほぼ確実に通過するものの話は怖さ激増
487 :
年賀状(二枚):2006/12/15(金) 22:58:10.80 ID:t4nudTfu0
終わった!157話目完!
その、なんだ、言い訳なんだが、完全即興文章だから遅くなったんだ
保守してくれた人に感謝
488 :
黒豆(七粒):2006/12/15(金) 23:02:22.99 ID:bt2oWNGW0
ねぇ?お兄ちゃんしようよ?に自動変換して事なきを得た
489 :
年賀状(♂だらけ):2006/12/15(金) 23:16:20.94 ID:t4nudTfu0
490 :
猪(ベース):2006/12/15(金) 23:18:37.37 ID:g8swNKqZO
まだあったこのスレwww
(`・ω・´)b
491 :
黒豆(九粒):2006/12/15(金) 23:19:45.35 ID:et0gG2GoO
ここでひとまずぬるぽ
492 :
年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/15(金) 23:24:27.74 ID:xhDgrgs60
493 :
黒豆(一粒):2006/12/15(金) 23:32:50.85 ID:GuBHTGMuO
今から家に帰る
打ち過ぎて皮ムケたwww
494 :
おせつ:2006/12/15(金) 23:41:31.27 ID:5GUk70eUO
投下。
こたつでうとうとしていたら足が何かに触った。
いつも洗濯物を入れていたりするんでまた洗濯物だと思ってほっといたんだが
ガサッ
とそれが引っ込んだんで中を覗いたら
自分の足の横あたりに、
顔は普通の人くらいあるのに体が顔くらいしかない裸で(顔が)50くらいの
オッサンがかがんてこっちを見て座ってた。
目が合ったら凄い勢いで両腕をブンブン振り回してた。
もの凄い笑顔で。
完
495 :
ほうれん草:2006/12/16(土) 00:08:11.97 ID:Hg29+t5m0
>>493 きんたまの人ゴルフ連乙+おかー
>>494 (おっさんに)勝った!158話目完!・・・でいいのか?
496 :
猪(カビ):2006/12/16(土) 00:13:57.44 ID:FqiDLLURO
金玉の人?
またネットが繋がらないwww
497 :
猪(子持ち):2006/12/16(土) 00:18:57.63 ID:08v7sfqAO
岩手県に慰霊の森ってとこがある。
そこで心霊スポットオフしようと思ってある掲示板で募集かけたんだ。
そしたら結構メールが来てさ、全部で50通くらいあったんだけど
メールの中身見てビビった。
全部
「行かない方がいい」
「やめた方がいいよ」
「行った友達後日死んだんだ」
「行って怖い目にあった」
「あそこはヤバい」
「死ぬよ」
そんなメールばっかりで、結局参加者が集まらなかった。
仕方なく友人と二人、車で行ったんだけど
なんか行ったらそこだけ空気が違う感じがするんだ。
それにすぐに帰ろうとしたんだが、車に戻ってもエンジンがかからない。
帰り際耳元で
「だから言ったのに」
って大勢の声が聞こえてマジ洒落にならなかった。
岩手の人、慰霊の森には行かない方がいいよ。
498 :
ほうれん草:2006/12/16(土) 00:22:33.76 ID:Hg29+t5m0
499 :
初夢(ゴキとの思い出):2006/12/16(土) 00:27:41.47 ID:YVVPLZ5U0
>>497 これは怖い(( ;゚Д゚))ガクガクブルブル
500 :
猪(子持ち):2006/12/16(土) 00:37:32.89 ID:08v7sfqAO
もう159か!次で160だな。wktk
担当者はいないのかな?
501 :
おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/16(土) 00:41:44.96 ID:Jwj8ETUu0
502 :
家族で初詣:2006/12/16(土) 01:01:16.85 ID:m6fqeKaQO
G女目死分
503 :
猪(カビ):2006/12/16(土) 01:07:45.36 ID:08v7sfqAO
504 :
長ネギ:2006/12/16(土) 01:11:11.95 ID:Hg29+t5m0
505 :
家族で初詣:2006/12/16(土) 01:12:22.33 ID:m6fqeKaQO
506 :
猪(カビ):2006/12/16(土) 01:20:26.88 ID:08v7sfqAO
507 :
長ネギ:2006/12/16(土) 01:23:23.61 ID:Hg29+t5m0
さていい具合にgdgdしてきたから
>>480ぐらいの文章でよければ即興で書くお?
508 :
書初め(今年こそ素人デビュー):2006/12/16(土) 01:23:57.72 ID:M1KKbOQX0
>>506 GIZAの女は目が死んでるからすぐ分かる
・・・CDTVの実況でGIZAに所属するアーティストが出ると書きこまれる。
509 :
猪(カビ):2006/12/16(土) 01:25:57.41 ID:08v7sfqAO
>>507 待ってたんだぜ!
>>508 行ったことないから分からないんだが
GIZAとはなんぞや?
510 :
書初め(子孫繁栄):2006/12/16(土) 01:30:32.19 ID:f0X3q34a0
>>509 CDTVの提供元がGIZA studio
511 :
年賀状(二枚):2006/12/16(土) 01:32:27.80 ID:Xb5xIvDO0
最初のスレ立てたもん(ry
知らない間に発て(ry
さて、今日は夜中もしっかりいますよと(´・ω・`)
512 :
猪(カビ):2006/12/16(土) 01:39:40.18 ID:08v7sfqAO
513 :
猪(巨乳):2006/12/16(土) 01:43:54.74 ID:FqiDLLURO
くそ〜、繋がらないwww
あれ、誰か居る?
514 :
年賀状(二枚):2006/12/16(土) 01:44:57.68 ID:Xb5xIvDO0
誰も居ないよ
515 :
猪(ドラム):2006/12/16(土) 01:46:12.19 ID:PCQThOfD0
ゲヘヘ
516 :
猪(巨乳):2006/12/16(土) 01:48:20.19 ID:FqiDLLURO
どうしよう繋がらない(;ω;)
517 :
猪(巨乳):2006/12/16(土) 01:51:06.30 ID:FqiDLLURO
ROMりながらエロゲしてようかな
ひぐらしみっけwww
518 :
猪(カビ):2006/12/16(土) 01:51:32.30 ID:08v7sfqAO
519 :
猪(泣き上戸):2006/12/16(土) 01:52:57.51 ID:fxN5OUct0
ひぐらしはエロゲーじゃアリマセーン、ユウギボーイ!
520 :
即興ハードゲイ:2006/12/16(土) 02:02:33.31 ID:Hg29+t5m0
一昔前の雨の日、ある怖い話を書くのが好きな人の元に一人の男がボロボロの身なりで尋ねてきた
どこから来たのか聞いても男は口をつぐんでいる
少し怪しく思いもしたが、雨の中をさ迷っていたのではかわいそうだと主人は男を丁重にもてなした
そして、食事を済ませた後しばらくして、男は低い声で語り始める
「アンタは優しいから教えてやる、これは忠告だ
これから絶対に怖い話を作るときには架空の地名は使ってはいけない
なぜかって?
だって変だとは思わないか?
その話を作ろうと思う数分前、お前の頭の中には話のあらすじすらなかったはずだ
なのに話はどんどん出来上がっていく
何故だと思う?
答えはお前の近くにいる”そのお話を実際に体験して死んでいった”霊がお前に語りかけてるからなんだ
気付いてないだろうがまず、お前が話を作りたいと思った時点であいつらは話し掛けてくる
これだけならまだいい、無視するなりなんなりまだ間に合う
しかし、地名だけは設定してはいけない、いやさせられてはいけない
地名設定をすると言う事を起点にそいつはお前に取り付くのだから」
正直言ってとても胡散臭い話だったが男の妙な説得力に押されて信じてみる気になり更に突っ込んだ質問をしてみた
「じゃぁ、そこまで幽霊のことに詳しい貴方はいったい何者なんです?」
男軽く笑いながら立ち上がり
「ははっ、柳川村出身のただの物好きだよ。 ・・・ちょっとトイレを借りるぜ」
そうして男はふすまを開け部屋から出て行き、主人はあることに気付き青ざめる
”柳川村は昨日書いた私のお話の舞台だ・・・”
急いでふすまから出て男の姿を探すが見当らない、変わりにこう文字がかかれた紙切れが一つ
(こんなにもてなされるのは死ぬ前にも後にもこれだけだろうな、ありがとうよ・物好きより)
・・・そしてその後主人が書くお話には地名に関する話題が一つもなかったそうだ
521 :
即興ハードゲイ29:2006/12/16(土) 02:03:50.54 ID:Hg29+t5m0
終わった!160話完!
微妙とか言うな!がんばったんだ!
522 :
猪(2ch中):2006/12/16(土) 02:04:40.32 ID:FqiDLLURO
>>518 PCは壊れてないから多分問題はルーター?
>>519 ば、バカあの怖さがエロいんだよwww
523 :
猪(巨乳):2006/12/16(土) 02:08:33.88 ID:08v7sfqAO
>>520-521 ここであえて地名ネタの怖い話を…ねーよwwwwww
さっきから地名出しまくりの俺はどうしたら(´・ω・`)
524 :
猪(巨乳):2006/12/16(土) 02:10:04.08 ID:08v7sfqAO
>>522 ネットが繋がらないのか
今携帯?
まぁ、接続に関する知識はもってないから助言できん(´・ω・`)スマソ
525 :
塩ザケ:2006/12/16(土) 02:10:39.46 ID:Hg29+t5m0
>>523 いや、実際の地名ならいいのさ
ただし雛見沢村は死亡フラグ
526 :
猪(2ch中):2006/12/16(土) 02:19:05.33 ID:FqiDLLURO
>>524 今日投下するの楽しみにしてたが繋がらない(;ω;)
今日の分明日投下するぜ!
明日繋がったらなwww
>>525 綿流し編こえ〜よ
527 :
猪(巨乳):2006/12/16(土) 02:19:48.07 ID:08v7sfqAO
>>525 地名といえばサラダってとこ発見したよ
凄いよな…
「俺サラダに住んでる」
とかそんな感じ?
528 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 02:23:44.70 ID:Hg29+t5m0
>>527 俺サラダの中のトマトに住んでるんだぜ!
>>528 トマトとかだっせwww
俺、キャベツだぜ?w
530 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 02:28:55.99 ID:Hg29+t5m0
>>529 うるせぇよこの青虫野朗が
とかいう喧嘩が勃発しそうだから困る
531 :
年賀状(♂だらけ):2006/12/16(土) 02:29:06.65 ID:Xb5xIvDO0
俺、セロリなんだけど・・・
532 :
猪(巨乳):2006/12/16(土) 02:30:02.12 ID:08v7sfqAO
533 :
猪(巨乳):2006/12/16(土) 02:31:23.26 ID:08v7sfqAO
534 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 02:36:55.76 ID:Hg29+t5m0
よし、セロリに凸かけてから
怖い話再開するお!
535 :
猪(2ch中):2006/12/16(土) 02:37:21.72 ID:FqiDLLURO
ある山奥の話し
そこにはおじいさんとおばあさんが住んでた
ある日おばあさんが起きるとおじいさんが居ない
その日は気にしないで寝たのだが
次の日もその次の日もおじいさんは居なかった
ある日の夜、おばあさんはおじいさんのあとをつけて見ると
おじいさんは鎌を持って何かをしている
536 :
猪(2ch中):2006/12/16(土) 02:39:30.13 ID:FqiDLLURO
月明かりで見えたおじいさんは、芝を刈っていた
何でこんな時間に芝を刈ってるのかわからなかった
その時、おばあさんはオナラをしてしまった
おじいさんは芝を刈らずにクサかったwww
537 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 02:49:25.38 ID:Hg29+t5m0
538 :
猪(2ch中):2006/12/16(土) 02:51:52.01 ID:FqiDLLURO
>>537 あまりの面白くなさにみんな居なくなったと思ったwww
539 :
年賀状(♂だらけ):2006/12/16(土) 02:56:24.15 ID:Xb5xIvDO0
(´・ω・`)`)なんかさっきから後ろが重たいんだ
540 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 02:57:04.01 ID:Hg29+t5m0
んじゃ、ま
流れで野菜関係の怖い話なんぞを一個書きたいと思うのでしばらくROMるぜい
541 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 02:58:07.02 ID:Hg29+t5m0
542 :
猪(メイド服):2006/12/16(土) 03:00:38.28 ID:PCQThOfD0
しばらく見ない間に違うスレになってるなw
543 :
猪(甘党):2006/12/16(土) 03:08:16.86 ID:tP3YWD070
んじゃ、ここで一発。
いまから書くからちょっち待ってくりゃれー
544 :
猪(vipper):2006/12/16(土) 03:15:02.98 ID:FqiDLLURO
田舎の子供達は遊ぶ方法があまりない
川で魚釣ったり、山で木登りして遊んだりしていた!
たまには肝試しを
この田舎には絶対に入ってはいけない土地がある。
聖地として、入ってはいけない。
その聖地にはいつも野菜がなっていた
トマトとかいろいろな野菜が
子供はみんなで入って行った。
中に入った子供達はみんな野菜をとっていた。
545 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 03:28:27.72 ID:Hg29+t5m0
お盆の日仏壇に載せる野菜の馬は可愛らしいものがあると思います
・・・しかし、死者の乗り物であると言う事実を決して忘れてはいけないと思うのです
昨年、私の息子が祖父と祖母の仏壇のそれを壊してしまった事がありました
しかし、去年のお盆はなかなかに忙しくとてもそんな馬の事なんて気にしている暇はなく
結局馬は簡単な修復ですまされるにことになりました
そして、その晩私の夢に祖父が出て
「完全に成仏する最後のお盆にこんな馬を迎えによこすとは何事だ!帰るまでには治しておくように!」
また、その影から祖母も出てきて
「悪いけれどお願いできるかしら?主人のご機嫌が斜めみたいだから」
そして、それから少し祖父と祖母と雑談していたら急に目が覚めました
「・・・そうだ新しく馬を作る材料を買ってこなきゃ」
忙しいのをおして大急ぎで馬を作り上げて仏壇に乗せます
・・・それから数日・・・
お盆も最終日・・・、また祖父と祖母が夢に出て
祖父は
「あんなに急に馬作ってよっぽど早く帰って欲しいんだな?」
等と憎まれ口を叩き野菜の馬に乗り向こうへと先に帰っていきました
そして祖母も
「これで私たちは完全に成仏しますからお盆にも野菜の馬は必要ありませんよ」
といい馬にまたがります
そして去る間際
「絶対に来年からは馬は作らないでくださいね!!」
とさけび向こう側へと去っていきました
・・・そして現在・・・
私は祖母の忠告を忘れ仏壇に馬を置いてしまったのです
去年のように馬はちゃんと役割を果たしてちゃんと死者を連れてきました
そして、夢の中でその赤の他人の死者は私に向かってこういったのです
【お招きいただきありがとう、長い付き合いになりそうですね】
546 :
猪(vipper):2006/12/16(土) 03:31:04.10 ID:FqiDLLURO
野菜を取り家に帰って食べると夜に変な夢を見た。
でも、朝起きたら覚えていない。
その朝1人の子供が死んだ。
頭をぐちゃぐちゃに潰されて
次の日にまた1人子供が死んだ。
胴体が斬られていた
次の日、また次の日、野菜を取った子供達が次々と死んで行った。
子供達は野菜の祟りにあってみんな死んでしまった。
547 :
猪(甘党):2006/12/16(土) 03:36:09.61 ID:tP3YWD070
多分、あまりにも有名なはなしだから、みんな知ってると思う。
舞台は某県のある峠にあるトンネルの話し。
そのトンネルは以前から怪談関係では有名な場所で、今となっては別の新しい道が出来て、
使われることもほとんどなかった。
しかし、その道路がまだ現役だった頃、トンネル入り口付近で殺人事件があったらしい。
そのはなしを聞いた、わたしの友人は友達を誘って自動車で肝試しに行ったらしい。
そのメンツには自称ではあるが、霊感体質だという人も含まれていた。
最初はみんな、他愛もないはなしをしていたが、トンネルが近づくにつれ、その霊感体質の人の様子がおかしい。
全身から汗をかいていて、落ち着きがなくなってきた。
548 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 03:36:57.69 ID:Hg29+t5m0
というわけで
161・162話完!
ようやく本来の雰囲気が少し戻ってきた希ガスw
549 :
初夢(すべてが夢):2006/12/16(土) 03:37:04.78 ID:YVVPLZ5U0
ちょwwwwwカオスwwwww
550 :
猪(甘党):2006/12/16(土) 03:37:58.70 ID:tP3YWD070
その人はヤバイから帰ろうと言い出したが、他の人は何も感じる事もなく、ただの気のせいと言う。
そして、実際にトンネルが見えてきた。そのトンネルの南側入り口の左側には、公衆電話のボックスがある。
そこを通り過ぎた瞬間、助手席に乗っていた別の友人が、電話ボックスの中に誰かいなかったか?と訪ねたが、
誰もが気のせいと言う。
そして、トンネルの中に入ると、霊感体質の人はとうとう気を失ってしまった。
ここで、いくらなんでもソレはないだろうという感じで、他の人もやや危機感を募らせていった。
結局、何事もなくトンネルを抜けて、出たところのちょっとした拾い場所にクルマを止めてみんないったん外に出た。
そして、数分雑談をした後に再度自動車に乗って、帰ろうということになった。
そこで、ドライバーだった、友人の先輩がボンネットの上に掌の形が残っていることに気づく。
そのことを他の人に尋ねても、誰も触ってないという。
まぁ、以前に誰か触ったのが残っていたのだろうと思って、そのまま再び出発した。
551 :
おせち(3,000円):2006/12/16(土) 03:38:13.03 ID:e83dLN/bO
552 :
猪(甘党):2006/12/16(土) 03:38:42.46 ID:tP3YWD070
再度トンネルに入って、中頃を過ぎた辺りだった。
トランクのほうで「ドンッ!」という、重いものが落ちてきたような音がした。
自動車の中に沈黙が広がる・・・
そして、屋根の上を這うような音が聞こえる・・・
車内が混乱する中、先輩が急ブレーキで落とす!といって、ブレーキを踏むが、ブレーキが効かない・・・
次の瞬間、フロントガラスの前に血まみれになった女性が落ちてきた。
恐怖に包まれて誰もが目を閉じ、自動車はトンネルの壁にこすりながら停車した。
それから戦々恐々と目を開けると、自動車の周りは何事のなかったかのようだった。
結局、また自動車を走らせてからトンネルを抜けたところで停車し、全員降りて自動車を調べてみた。
ボンネットもトランクも何もない。しかし、再度車に乗ろうとしたとき、全員が気づいた。
天井の上に掌のあとがびっしりと付いていたらしい。
はなしによると、その峠のトンネルに入るときの公衆電話ボックスに女性が見える人と、見えない人がいるらしい。
そのなかで総じていえることが、「ボックスの中に女性の影が見えた」人は何らかの恐怖があったらしい。
553 :
猪(vipper):2006/12/16(土) 03:39:15.36 ID:FqiDLLURO
そんな事があり、その聖地は閉鎖され誰も入れないようにされた。
これで終わった。
次の日、はじめに死んだ子供の親が原因不明の死でなくなった。
そしてまた1人、1人となくなっていて村から人が居なくなってしまった。
161話終わり
554 :
猪(vipper):2006/12/16(土) 03:40:05.70 ID:FqiDLLURO
携帯面倒なので今日はROM
555 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 03:40:54.44 ID:Hg29+t5m0
え・・・、161話・・・
まぁ、いいです
今のところ全部で163話!1000物語も夢ではない!(かも)
556 :
猪(甘党):2006/12/16(土) 03:42:54.76 ID:tP3YWD070
557 :
即興HG29 ◆cG6tzjB5KA :2006/12/16(土) 03:46:24.20 ID:Hg29+t5m0
あえて言わせてもらおう!
>>554 >>556 G J で あ る と !
それに比べて俺は・・・、なんか数え間違いとか多くなってきたり
クオリティ低くなってきたんでちょっと寝ますよ・・・。
558 :
556:2006/12/16(土) 03:50:49.96 ID:tP3YWD070
あ、実際にあるトンネルなんだけど、
友人がふざけてそこに行って、トンネルのなかで車がエンコしてマジでびびったらしい。
559 :
猪(vipper):2006/12/16(土) 03:52:36.38 ID:FqiDLLURO
フランケンフィッシュ!
グロwwwwww
560 :
猪(甘党):2006/12/16(土) 03:58:01.65 ID:tP3YWD070
では、もう一発。
少々お待ちをー
561 :
VIP皇帝:2006/12/16(土) 04:11:16.19 ID:FqiDLLURO
はいよ
562 :
年賀状(二枚):2006/12/16(土) 04:12:02.62 ID:EORJrRIi0
563 :
VIP皇帝:2006/12/16(土) 04:12:29.48 ID:tP3YWD070
コレは、わたし自身が体験したはなしです。
わたしの実家は空海が建立した33番目の霊場が近くにある島です。
その寺社から見て島の橋(ほぼ陸続きともいえる)がちょうど北東の方角にあります。
ある日、わたしがいつものように学校から帰っていると、その橋を渡ってすぐのところの上り坂で、
行脚をしてるお坊さんに会いました。
その人に挨拶を交わすと突然、「この坂道、いっぱいいらっしゃいますねぇ。何かこの奥にあるんですか?」
わたしはこの坂の頂上辺りに例の寺社があることと、道の終点に石だらけの海岸があることを教えました。
そのお坊さんは「そのお寺が霊場で、海岸が三途の川になるんだねぇ」と、冗談とも取れないことをのたまわった。
三途の川の岸には賽の河原があり、そこで親より早く死んだ人が家族が浄土に行けるように石をひたすら積み続ける。
というはなしがあるのを知っていた。
564 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:12:47.18 ID:tP3YWD070
わたしは以前、その海岸で溺れかけた経験があった。
いまはもう他界した爺さんに連れて行ってもらって、その海岸で泳いでいた。
すると突然足が重くなる。なんとか岸まで泳ごうとしたが、重くなったどころか引っ張られる感じまでしてきた。
わたしは爺さんに助けを求めなんとか、陸まで引き上げてもらった。
その時わたしははいていた靴(牡蠣殻が多かったので、怪我防止のため)が片方脱げていたので、それをみせると、
爺さんが帰ろうと言ったので、わたしは帰ることにした。それから、シャワーを浴びて着替えると、
なぜかそのままお寺に連れて行かれてお払いをしてもらった。
コレを思い出したわたしは、そのお坊さんにこの体験を話した。
お坊さんは「助かってよかったねぇ〜。もうちょっとで一緒に行くところじゃったのか。」と。
今思い出しても、あのときの体験は恐怖を呼び起こします。
565 :
猪(友達がvipper):2006/12/16(土) 04:18:31.54 ID:FqiDLLURO
人の話し聞くの面白い
566 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:20:59.02 ID:tP3YWD070
ちなみに、この橋に関して、もう一つあるんだけど、
あんまり面白くない・・・
567 :
猪(友達がvipper):2006/12/16(土) 04:22:42.01 ID:FqiDLLURO
568 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:23:59.21 ID:tP3YWD070
いやwww wktkされても非常に困るwwwww
569 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:24:48.89 ID:tP3YWD070
じゃぁ、面白くなるように事実(本筋)に脚色して書くおー
570 :
おせち(200円):2006/12/16(土) 04:32:47.72 ID:PCQThOfD0
*この物語は事実を元に再構成されたものです。
実在の人物、団体、地名とは一切関係ありまくりんぐ
テラノンフィクションwwww
572 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:37:07.26 ID:tP3YWD070
いやぁ、今書いてんだけど、書いてよさそうなものか、少々不安になってきたわ・・・
573 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:38:25.40 ID:tP3YWD070
まぁ、ウチの近所っつーか、周りは自殺やら殺人事件やら、発狂死やらおるからなぁ。
574 :
ひみつの文字列さん:2025/01/10(金) 19:39:06 ID:MarkedRes
日本国またはアメリカ合衆国、もしくはその両方の著作権法に触れる内容であると疑われることから表示できません。
575 :
書初め(一人身脱却):2006/12/16(土) 04:44:37.50 ID:lJMgM+Hj0
576 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:48:02.92 ID:tP3YWD070
先ほどの坂の始まり付近には橋があって、そこから左に曲がりながら昇る急カーブがある。
ちょうど、そこの左側を崩して工場が建っています。
そして、道を挟んで当時爺さんが一人で住んでた家が一軒あり、そのよこにお地蔵様がいます。
わたしが中学生の頃でしたか、土曜日の半日の授業も終わり、家路に付いてる途中でした。
いつもの橋を渡ったところに人だかりが出来ている。
なんだろうと思いながらいつものペースで歩いていき、その人だかりに紛れ込んだ。
ちょうどそのとき同じ島に住むおさななじみがいたので、捕まえてから何が起こったか尋ねた。
彼女が言うには、速度を出した車が曲がりきれずに工場の敷地内の、道路側の壁に激突したらしいとのこと。
そのカーブは、ぱっと見ではよくわからないが、上りながらカーブしているためにあまり急に見えないが、
実際には結構な角度があるカーブだ。
わたしは30分ほどその人だかりの中にいたが、新しい展開がなかったため、そのまま家に帰った。
午後のニュースでその交通事故を報道していたが、その車に乗っていた若い男女二人はそのまま亡くなってしまったらしい。
577 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:48:39.07 ID:tP3YWD070
しばらくして、その事件を忘れた頃にその近くの民家の爺さんが最近ちょっとオカシくなったらしいとのはなしを小耳に挟んだ。
それは、夜中に急ブレーキの音がして眠れないと、警察に苦情を出しているというのだ。
当然、警察としてはその苦情を処理するために現場へ向うわけだが、タイヤの屑どころか痕さへ見つからない。
結局、その苦情は爺さんの申そうということで片付けられてしまった。
が、アノ事件がまた頭の中でリフレインするわたしとしては一抹の不安もよぎる。
結局、その爺さんはそのまま、親戚の手によって病院に連れて行かれたが何の回復もなく暮らしていたが、
ある日の夜中、その道路にフラっと出てきたところを車に轢かれてしまったらしい。
そのまま時間が過ぎ、次の年の春になった。事件の記憶も薄れ、その橋を渡るときでさえ思い出さなくなっていた。
しかし、その事故を思い出させる一方がわたしの耳に入ってきた。
学校の先生が家庭訪問に私が住む島に来て、その帰りだったという。
その坂を下って、橋に差し掛かったとき突然人が道路に出てきて、轢いてしまったと思い、
車を止めてから確認してみても何事もなかったという。
それ以来、その橋に花束が時々添えられるようになり、家は完全に閉じられるようになった。
わたしはいま東京在住だが、春に実家を出てくるときは、まだその家は現存していた。
578 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:50:10.64 ID:tP3YWD070
コレ、9割事実ねw
579 :
猪(ドラム):2006/12/16(土) 04:53:09.45 ID:MXAN7u750
580 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:53:19.25 ID:tP3YWD070
ちなみに、わたしの周りでの人死に事例。
実家の周り
殺人事件:2件
自殺:2件
発狂死:1件
いままでの仕事周り
自殺:5件
事故死:1件
うはwwwww死にすぎwwwwwwww
581 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:54:10.07 ID:tP3YWD070
>>579 一割がフィクションっつーか、ちょっとした脚色。
582 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:57:13.80 ID:tP3YWD070
もう一つあるんだが、さすがに寝ずに学校行くのは辛いから寝る!
583 :
書初め(一人身脱却):2006/12/16(土) 04:58:04.14 ID:lJMgM+Hj0
584 :
猪(酒乱):2006/12/16(土) 04:59:53.77 ID:tP3YWD070
あぁ、学校のグループ内で留学制度があるんだけど、
その留学試験に合格して、今日はその留学費用の一部免除をかけた戦いがある!
俺は
>>582じゃないがむしろ俺は今までの人生で土曜が休みだった事ないんだが。
逆に言いたい。
土曜が休みなのが異常なんだこのゆとり野郎!!
586 :
猪(泣き上戸):2006/12/16(土) 05:02:30.89 ID:tP3YWD070
まぁ、そりゃそうだわな。
わたしも同感で、土曜は仕事or学校があるのが当然と思っている。
が、その論議は別スレでやろうぜ、兄弟!!!!
587 :
猪(泣き上戸):2006/12/16(土) 05:06:51.15 ID:tP3YWD070
じゃ、寝るー。
スレのこってたら、最後の一個も書くわ。
みんなも風邪引かないように気をつけてねー
588 :
おせち(3,000円):2006/12/16(土) 05:07:57.52 ID:PCQThOfD0
俺は留学時土日休みで水曜半日授業だったがな
はいはいゆとりゆとり
589 :
猪(メイド服):2006/12/16(土) 05:35:20.66 ID:iP3XD0PuO
保守
保守するの〜
591 :
おせち(12,000円):2006/12/16(土) 07:12:44.81 ID:iPGIGXjlO
保守ぬるぽ〜
592 :
初夢(ろうそく熱い):2006/12/16(土) 07:14:47.04 ID:YVVPLZ5U0
>>591 ∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ガッガッガッ
( / ̄∪
593 :
猪(ドラム):2006/12/16(土) 08:39:05.46 ID:08v7sfqAO
いつの間にか寝てた(´・ω・`)
周りの人の死に方で
三年前くらい、うちの実家が営んでる会社の前の専務が約4000万円ほど横領してて
どうにもならなくなって会社の車で川に突っ込んで自殺したな…
あと近所の人は今時切腹してた
切腹怖杉
俺の周りはガチでこんなんばっかだわ…
594 :
おせち(5,000円):2006/12/16(土) 11:01:33.24 ID:TT6orNXdO
ほし
595 :
猪(2ch中):2006/12/16(土) 11:19:33.85 ID:F2XoI2eG0
諸星大二郎先生の講演聞いてくる
596 :
猪(ばくち打ち):2006/12/16(土) 12:06:28.05 ID:ekrwPmsH0
ほ
597 :
◆HARUHI0376 :2006/12/16(土) 12:46:03.65 ID:ai7Zd/eG0
598 :
コンニャク:2006/12/16(土) 12:46:40.87 ID:ai7Zd/eG0
165話
枯れた木が寂しげな影を広場に落とし、僕は光を遮る手を天に掲げる。
その動きでバランスが崩れたのか背中に背負っていたバッグが傾いたが、
柔らかい手がさっと下から、それを押し上げてくれた。
「ちょっとだいじょぶ?寝ぼけたままなんじゃないの」
にかっと明るい顔をバッグの下から覗かせたのは友達の桜だ。
「まだ太一寝てたりして」
と桜の後ろから楽しそうな声をかけたのは和也。
そして太一は僕の名前。
「馬鹿、起きてるよ、ちゃんとかっきりな」
僕は押し上げてもらったバックをよいしょと背負いなおし、
和也に向かってデコピンをする動作をした。
こんな風に学校に向かっている僕達三人は、同じ教室で勉強する友達グループだ。
毎日のように笑いながら僕達は出会ってから一年間、ずっとこうして仲良く学校に通っている。
時にふざけ合い、時にしょんぼりと、それでも一日も離れることがないほどに、仲良く。
いつものように笑顔を振りまきながら、僕は横目でこっそりと桜の顔を見る。
599 :
コンニャク:2006/12/16(土) 12:47:13.81 ID:ai7Zd/eG0
ドキリと心を反応させる可愛らしい顔立ち、さらりと羽毛のように軽く風に吹き上げられる黒髪。
隠し切れないほどに、僕の中で彼女のことが大きくなっている。それが分かる・・愛している。
「また変な顔して、太一ったらどうしたの?ほんとに眠いの?」
「あっ、いや!ははははははは・・・」
気づかれちゃまずい。僕は何も考えていなかったように振舞った。
・・こうやって僕は、毎日、桜への気持ちに気づかれないかと心配している。
変なの、といった様子で桜と和也は互いに顔を合わせた。
きらり。
僕の視界の中で何かが光った。
“あれ”だ。
恋心が気づかれやしないか、の他に心配している、もう一つの悩み。
桜の胸に光を反射し煌いているバッジ。髑髏のバッジだ。
目を見開いたような人間の頭蓋骨、歯を並べ笑っている口。
見ているだけで気分が悪くなるようなその形状。
何で桜があんな気持ちの悪いものを身につけているのか・・・。
心配する僕を尻目に、桜はもっと不可解な行動を僕達に見せはじめた。
「あ、私・・今日“習い事”があるから・・ごめん!」
放課後<一緒に帰ろう>と誘うと、桜は頭を下げて足早に教室から出て行った。
髑髏のバッジをつけてからはいつもこうだ。桜は授業が終わると僕達から距離を置く。
遊びに誘っても、一緒に帰ろうとしても、桜は足早に去ってしまう。
600 :
コンニャク:2006/12/16(土) 12:47:40.42 ID:ai7Zd/eG0
そのたびに桜が胸につけている髑髏のバッジが、笑ったように見えるのだ。
「習い事って、なんの習い事なんだよ」
と僕達は聞くのだが、桜は「秘密だから・・・ダメ」と絶対に答えてはくれなかった。
桜の後を追いかけても、桜の両親に話を聞こうとしても、
どんな習い事をしているのか、何一つ分かることはなかった。
そうしている間にも、桜は放課後どころか日常でも僕達から少しずつ距離を広げていった。
いつもならば授業の合間の休み時間に三人でこっそりとゲームをしたり、
学級文庫を三人で順番に読んだりしていたのだが、
桜は最近、一人で持ってきた不気味な本を隠れて読んでいたり、
理解できない不思議な言葉をぶつぶつと呟いていたり・・・、
僕はそんな桜を見るのが、とても辛かった。
バランスが崩れていく桜と日常を、寂しげに見守ることしか出来ない自分が、歯痒かった。
「こうなったら俺に任せとけ太一・・絶対に桜の習い事突き止めるから・・!」
だからこそ、和也は耐えきれなくなり、桜の後を追い教室から駆け出していったのだろう。
あれから一週間。
僕は一人ぼっちで、枯れた木のように寂しげな影を広場に落とし、
学校へと向かう道をとぼとぼと歩いている。
僕の後ろには可愛らしい笑顔を見せる桜も、楽しそうな笑顔を見せる和也も、もういない。
あの日、胸に髑髏のバッジをぶら下げて和也が登校してきたあの日から、
僕は一人ぼっちになってしまったんだ。
601 :
コンニャク:2006/12/16(土) 12:48:08.22 ID:ai7Zd/eG0
和也と桜はコソコソと教室の隅で密談をしはじめ、
耳をすませても意味の分からない会話が聞こえるだけになり。
僕や他の友達ともまったく会話をしなくなり、干渉しなくなり、冷たくなり。
近づいても逃げるように距離を開き、またぶつぶつと会話をはじめ、
バッグの中からは見たこともないような本を取り出し、先生に隠れて読み漁る。
そして・・僕は見てしまったんだ。
二人が校舎の裏で隠れて、動物に残酷な行為を・・しているのを。
飛んできたハト達を桜が無理矢理に捕まえて、和也がその頭を・・・。
僕は、こみ上げてくる吐き気を押さえて、その場から逃げ去った。
まるで違う世界の住民になってしまったようで、僕の目には二人の姿が恐ろしく映った。
僕の恋焦がれる桜が、あんなことをする姿を見て、僕は震えが止まらなかった。
『話したいことがあるから、今から“小岩中学校”に来てくれる・・・?』
それは久しぶりに聞いた桜の声。
夜中に僕のケータイにかかってきた、桜からの電話の声だった。
時計の針は夜中の十二時を回っていたけれど、
何か、何か取り戻せるかもしれない・・
そう考えれば夜中の“学校”も怖くはない、なんて僕は思った。
普段なら強烈な恐怖にかられる夜中の中学校。
僕は震える体を押さえながら校門をよじ登り、通路をまっすぐに進んで行くと、
肩を寄せるように待っている二人の姿を、僕はすぐに見つけた。
二人の胸で、髑髏のバッジが光った。
「なぁ太一、もう抜け出そうじゃないか」
しばしの沈黙をもって、最初に言葉を発したのは和也だった。
602 :
コンニャク:2006/12/16(土) 12:49:43.24 ID:ai7Zd/eG0
「太一、私達と一緒に着ましょう・・?きっと幸せになれるから・・・ねぇ?」
暗がりにいるからだろうか、手を伸ばした桜の顔が急に恐ろしくなって、僕は二歩ほどあとずさる。
そして僕は察する。二人とも、あの習い事を・・僕に勧めに来たのだと。
「い・・いやだ!な・・なんでそんなわけの分からないものに入らなくちゃいけないんだよ・・!」
「いいかげん気づけよ、異常だぜ、あんな所。普通じゃないって。
なんで分からないんだよ、俺達はおまえが心配なんだよ。
どうにかなりそうなお前を見てられないんだよ・・」
「そう・・私達心配なの。ね、普通に戻りましょう・・?太一、太一・・・!」
何かに取りつかれたような目と鬼気迫る表情で二人は僕に近づいてくる。
「いやだ・・・!!僕はそんな髑髏のバッジなんかつけないぞ!!
お前達・・だまされてるんだよ!!なんでわかんないんだよ!桜!和也!」
僕はがくがくと震える足で、なんとか逃げ道を確保しようとあたりを見渡す。
もしかしたら、あの髑髏の・・習い事のメンバーが潜んでいるのかもしれない。
そう考えると、気が気でなくなる。震えが止まらなくなる。
僕は、僕はこの二人のようには絶対になりたくないんだ・・・!
ハトを・・ハトの頭を・・笑顔で撫でるような・・そんな残酷なことは・・したくないんだ!!
だって、ハトは人間の楽しみとして殺されるべき動物なのに。
なんで二人は人間を扱うみたいに撫でるなんて行為が出来るんだ。ありえないよ!
「目を覚まして太一!あそこは本当の学校なんかじゃないの・・!!」
「あそこはヤバい宗教の実験場なんだよ・・!
俺も桜に言われてやっと分かったんだ!あそこは普通じゃないんだよ・・!
心を壊して、洗脳して、いいように操れる人間を作り出す、いわば工場なんだ!」
603 :
コンニャク:2006/12/16(土) 12:50:13.61 ID:ai7Zd/eG0
「うるさいッッ!!僕をこんな恐ろしい場所に呼び出して、よくそんな事が言えるよな!
ここは先生が言っていた恐ろしい小岩中学校じゃないか!
通っている人間はもう人間じゃない!化け物だって先生も言っていたじゃないかッ!!」
そうだ。
ここは恐ろしい場所なんだ。
髑髏が紋章の、恐ろしい場所なんだ。
ほら、校舎の上にある紋章も髑髏だ。
みんなの胸にあるのと同じ髑髏だ。
先生が教えてくれた髑髏を敬っている恐ろしい場所なんだ。
・・・・まさか。それじゃあ・・・。
あの二人、桜と和也が通っていた習い事って・・ここだったのか・・?
じゃあ、二人は・・化け物、化け物になってしまったのか・・?
「これは中学校の校章バッジだよ!学校では髑髏だって教わったけど・・ウソなんだよ!」
和也、どうしてお前は僕の心が読めるんだ?
僕は口に出していないはずだ、なのにどうして読めるんだ。
それに、中学校・・そうか、やっぱりお前達は・・・・化け物・・・化け物めぇぇえッ!!
僕は、胸に隠していた包丁を取りだし、力のかぎりに和也の胸に突き入れた。
「ぃぎぁあぁっ!!」
軽い衝撃があった。でもそこまで重くない。
包丁は化け物の胸をえぐり、そこからボタボタと真っ赤な血みたいな液体が流れ出してくる。
突き入れた時に引き千切られた肉片が赤い液体を伴ってべちゃりと地面に落ちた。
化け物も痛みを感じるのか絶叫を上げて手足と頭をばたばたと動かして暴れている。
まだ足りない。化け物退治にはまだ足りない。足りない。足りない。
604 :
コンニャク:2006/12/16(土) 12:50:55.47 ID:ai7Zd/eG0
足りない。<にぐっ>足りない。
足りない。<ぐちぃ>足りない。
足りない。<ごきぃ>足りない。
足りない。<みちッ>足りない。
足りない。<ぎちぃ>足りない。
<にぐっぐちぃごきぃみちッぎちぃにぐっぐちぃごきぃみちッぎちぃ>
和也、化け物の形状が失われていく。めちゃめちゃにしていく。
僕の体に返り血が飛ぶ。僕の体が染まってく。
「やめ・・て・・・・いや・・和也くん・・・」
振り返れば顔を真っ青にして、桜が、僕の愛する桜が腰を抜かしている。
そうだ、今こそ、僕の思いを桜に伝えよう。
たとえ桜が化け物でも、僕の思いは変わらないよ、桜。
先生が教えてくれたんだ。
<愛する気持ち>とは、相手に対する強烈な<殺意>だって。
僕がこんなに桜に対してドキドキするのは、桜を殺したくて殺したくてたまらないからなんだよ。
さぁ、桜。僕の気持ちを受け取ってくれ。
隠し切れないほどに僕の中で大きくなっていた、この殺意を。
ドキリと心を反応させる可愛らしい恐怖におびえた顔立ち、
さらりと羽毛のように軽く闇風に吹き上げられる黒髪。
「愛してるよ・・・桜ぁ・・」
僕は嬉しさのあまり精一杯の笑顔を顔全体に広げ、
桜の眉間に向かって、血にまみれた包丁を思いきり叩きつけた。 165話
605 :
結びコンブ:2006/12/16(土) 13:27:15.44 ID:ai7Zd/eG0
166話
【ギャーーーーーーーーーーーッッ!!!】
今日も悲鳴がこだまする。
どこからともなく、風に乗るように聞こえてくる。
激痛を伴った絶叫ほど恐ろしいものはない。
けれど、もう誰も警察を呼んだりはしない。
ここ一帯では、もう普通のことなのだ。
最初の悲鳴が上がったのは三ヶ月前だった。
とんでもない絶叫がこの一帯に響き渡った。
絶対に何か恐ろしいことがあったのだと、警察に通報したが、
結局、悲鳴を上げた人間も、どこで悲鳴をあげたのかも分からなかった。
ここ一帯は私の家を含めて、数件しか建っていない場所であり、
悲鳴が聞こえるのもその数件のみとなっている。
人通りの少ない場所で、森に囲まれてそれ以上声が出ないのだ。
つまり、何かあってもこの数件以外には伝わらない。
ある意味、陸の孤島となっている場所なのだ。
そんな中で悲鳴が聞こえれば、誰であれ不安になる。
一週間後、また悲鳴が聞こえた。
今度は女性の声。
私はやはり不安になり警察に通報すると、
隣の家の奥さんがすでに通報したあとだった。
606 :
結びコンブ:2006/12/16(土) 13:28:05.91 ID:ai7Zd/eG0
だが、やはり悲鳴を上げたのは誰で、何があり、どこで悲鳴を上げたのか、
何一つわからないまま、警察は「死体が出れば捜査します」と言い残して帰っていった。
「そんな言いかたってないでしょう、ちゃんと捜査してください」と頼み込んだが、
「あなたが死体になれば捜査します」とにやりと笑われてしまった。
警察は信用できない。
だが、見回りをしようにも人数が足りない。
私達の地域は住宅地から離れているために、
町内会の見回りも、面倒だからといって来てくれないのだ。
「あなた達の場所は町内じゃないから」と町内会長は顔をそむけた。
誰一人として、私達の味方はいなかったのである。
また一週間後に悲鳴が響く。
今度も女性の声で、「いやぁあぁあぁあぁぁ!!!」と闇を引き裂くような声。
私は一応警察に通報したが「死体ありましたか?」とだけ返されて、電話は切られてしまった。
もう誰も味方してはくれない。誰も力になってくれない。
私と妻、隣の中村夫婦、そして向かいの瀬戸夫婦。
六人で私達は自分達の身は自分で守らないと、と道路に集まり、
悲鳴が聞こえてきたらしい、正面の森の横にある道へと足を踏み入れたのだ。
揺れる懐中電灯の光。
夫にしがみつくようにおびえる妻。
手には武器として、カマが握られていた。
ざわざわと木々が揺れて、何かの泣き声のようにも聞こえる。
607 :
結びコンブ:2006/12/16(土) 13:28:48.79 ID:ai7Zd/eG0
道路は人通りが少ない上に、抜け道としても利用できないめにジャリ道のまま、
歩くたびに石が脚の下でバランスを崩そうと音を鳴らす。
ジャッジャッジャッ、ざわざわざわ。
六人いれば大丈夫だと思ったが、それでも恐ろしいものは恐ろしい。
私達はおしくらまんじゅうをしているかのように、体を寄せ合い、暗い道を歩いた。
「誰も通らないのだから電灯はいらないでしょう」と市が電灯をつけてくれず、
真っ暗で治安も悪いと噂されるこの道。
最悪の条件の下で、私達は住んでいるのだと実感する。
「あれは・・・」
何かを見つけた声をあげて、中村さんの奥さんが懐中電灯を森の中に向けた。
そこに浮かび上がったのは・・古ぼけた電話ボックスだった。
傾いているようにも見える、電話ボックスが道路もない道の中に放置されているのだ。
どこかの業者が放置したのだろうか、
この付近にはそういえば、ゴミが散乱していた。
町内の主婦が捨て忘れたゴミをこっそり捨てに来ることもよくあり、
注意しても「ゴミ捨て場にすればいいじゃない」と逆に怒鳴られる。
私達の自由も尊厳も、この地域にはないのだろうか。
608 :
結びコンブ:2006/12/16(土) 13:29:42.61 ID:ai7Zd/eG0
私達は何か、どうしようもなく脱力感を感じてしまった。
「もういいんじゃない・・?悲鳴を上げてるの、私達じゃないんだから・・」
中村さんの奥さんが言った。
「そうだな、私達をこんな風に扱ってるみなが悪いんだ・・。
悲鳴を上げているのもそんな奴らなんだ・・絶対」
「ゴミを捨てるやつも、捜査しない警察も、電灯をつけない市も、
見回りをしてくれない町内会も、みんな悲鳴を上げればいい・・」
「そうよ、みんな・・みんな・・」
私達は一致団結した。
誰が悲鳴を上げているのか、そんなことはもうどうでもいい。
私達に被害がないのなら、もうそれでいい。
死体が出ない限り、私達ももう、何もしないのだ。
「ひギィーーーーーーーーッ!!」
今日も悲鳴がこだまする。
どこからともなく、風に乗るように聞こえてくる。
激痛を伴った絶叫ほど恐ろしいものはない。
けれど、もう誰も警察を呼んだりはしない。
ここ一帯では、もう普通のことなのだ。
先日、町内会長が行方不明になったらしい。
その前はあの警察の人。
市の職員も数人いなくなっているらしい。
ゴミを不法に捨てていた主婦達も、根こそぎ消えたらしい。
私達はようやく分かったのだ。
この悲鳴は、私達への、神様のくれたおくりものだと。
私達は、ここに住むことができて、とても幸せです。 166話完
609 :
おせち(8,000円):2006/12/16(土) 13:43:56.45 ID:FqiDLLURO
雨降ってるのにゴルフorz
610 :
おせち(10,000円):2006/12/16(土) 14:11:24.32 ID:FqiDLLURO
ほ
611 :
牧師と初詣:2006/12/16(土) 14:15:57.39 ID:hyZMLuEO0
何か前2スレの雰囲気が好きだった俺には
合わなくなってきた気がして哀しいぜ…
創作は創作で良いんだろうけどな…
612 :
おせち(10,000円):2006/12/16(土) 14:46:33.64 ID:FqiDLLURO
ほ
613 :
毘沙門(びしゃもん):2006/12/16(土) 14:47:37.41 ID:Hg29+t5m0
>>611 同意なんだぜ・・・
俺みたいなのが話つくったりするより
やはり担当さんがガンガン怖い話を貼り付けてくれたほうが張り合いがあるんだぜ?
614 :
おせち(12,000円):2006/12/16(土) 14:48:13.66 ID:TT6orNXdO
ほし
615 :
おせち(10,000円):2006/12/16(土) 14:49:06.53 ID:FqiDLLURO
>>613 俺居るよwww
ネット繋がったから今日投下おk
616 :
毘沙門(びしゃもん):2006/12/16(土) 14:55:12.02 ID:Hg29+t5m0
ネットきたきたきた!
というわけで私は引っ込んでROMに徹するんだぜ?
617 :
焼き豆腐:2006/12/16(土) 15:03:37.89 ID:4Xhfvuua0
>>616 ROMりながら創作すればイイ…
担当さんも他の人の怖い話
聞きたいと思ってるよ・・・・たぶん
618 :
おせち(12,000円):2006/12/16(土) 15:50:45.73 ID:FqiDLLURO
>>616 創作でもいいじゃないか!
俺は聞きたいからwktkして待ってるよ
619 :
牡蠣:2006/12/16(土) 16:28:26.20 ID:ai7Zd/eG0
保守 167話
夜中に道路を歩いている。
静かな夜。
物音ひとつ聞こえない。
誰もいない。
死んだような町。
誰もが寝静まったころ。
僕は散歩をしている。
なに、気晴らしだ。
普段から騒音に悩まされ、
僕の精神は草臥れていた。
だから、僕は夜中出歩く。
町を放浪する。
静かな町は、とても居心地がいい。
吸い込む空気も、どこか綺麗に感じられる。
都会の空に星は見えないけれど、
見えるような気分にもさせてくれる。
夜の町はそういうものだ。
都会といっても、繁華街から離れていることから、
車がとおることもあまりない。
信号機は点滅する。
真夜中の町。
620 :
嫁と初詣:2006/12/16(土) 16:29:26.78 ID:hyZMLuEO0
621 :
牡蠣:2006/12/16(土) 16:31:56.86 ID:ai7Zd/eG0
ふと、人影を見る。
こんな夜中に、何をしているんだろう。
電信柱に向かって立っている。
僕と同じく、夜の町を楽しんでいるのだろうか。
暗くて、よく分からない。
僕は目をこらして、その人影を見る。
女性だ。
短髪の女性が、ぼうっと立っている。
電信柱に向かって、ただただ立っている。
なんだろう。
おかしな人なんだろうか。
通りたくない。
でも、この道を通らなくては、
僕のお気に入りの場所には行けない。
夜の公園。
広い公園。
その中にあるブランコ。
一人、そこに座ってブランコを揺らす。
キィキィと小さく軋むブランコ。
感じるささやかな風。
今日も、それが目当てで出てきたのだ。
ここは通りたい。
僕は気づかれないように、足早に女性の横を通りすぎようとした。
622 :
牡蠣:2006/12/16(土) 16:32:43.46 ID:ai7Zd/eG0
「ああああああああああ」
女性の声がした。
甲高い声だ。
けれど、なんだろう。
何を言っているのだろう。
あ、と聞き取れるような声。
その連呼。
「ああああああああああああああああああ」
やっぱり、おかしな人だ。
気にせずに通りすぎよう。
僕は更に足早になる。
「ああああああああああああああああああああああああああ」
声が遠ざかる。
やれやれ。
僕は公園にむかって、またゆっくりと歩き出した。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
声が大きくなった。
なんだ。
僕のことを追いかけているのか。
やばいかもしれない。
僕はまた早足になる。
「ああああああああああああああああああああああああああああ」
623 :
牡蠣:2006/12/16(土) 16:33:17.44 ID:ai7Zd/eG0
声は遠ざからない。
どれだけ急いでも声は一定の大きさを保っている。
足音は聞こえない。
僕の足音しか聞こえない。
けれど、女は追いかけてきている。
どうして、どうやって。
気になる。
けれど振り向くのが怖い。
僕はもう、恐ろしくて本気で走り出した。
女の声が、さすがに小さくなっていく。
精一杯。
精一杯。
走る。
走る。
走る。
走った。
走りぬいた。
声はもう聞こえなかった。
朝。
僕は近くの友達の家に泊まりこんで、朝を迎えた。
暗い中、家に戻るのが怖かった。
明るくなって、人通りが出てきてから僕は家に向かった。
走った景色を、明るい中で確かめて、
僕はあの女が立っていた場所を通る。
いろんな人が通りすぎて行く。
624 :
牡蠣:2006/12/16(土) 16:33:41.33 ID:ai7Zd/eG0
昼は人通りが多い場所。
その中央にある電信柱。
ふと見ると、何かが打ち込まれている。
人形だ。
気味の悪い人形が、クギで打ち込まれている。
しかも、五寸釘だ。
うしのこくまいり。
丑の刻参り。
そうか、最近は緑も少なくなってきたし、
電信柱にやっていたのか、あの女は。
嫌だな。こういうの。
僕は気分が悪くなり、打ち込まれていた人形を掴んだ。
「ああああああああああああああああああ」
人形が気色悪い声をあげた。
167話完
625 :
牡蠣:2006/12/16(土) 16:34:48.78 ID:ai7Zd/eG0
626 :
嫁と初詣:2006/12/16(土) 16:36:05.12 ID:hyZMLuEO0
627 :
おせち(15,000円):2006/12/16(土) 16:38:25.43 ID:FqiDLLURO
>>626 おk、でおまいは参加する?
今の時間は保守って形で投下しますwww
628 :
VIP皇帝:2006/12/16(土) 17:09:25.25 ID:N6QGC3o40
629 :
寿老人(じゅろうじん):2006/12/16(土) 17:18:51.01 ID:Hg29+t5m0
なんだ
>>620って今日だったのか
ちょっと参加してみたいかも
630 :
ゴボウ:2006/12/16(土) 17:24:50.42 ID:ai7Zd/eG0
保守のついでに 168話
あれは一年ちょっと前だったろうか。
僕と恋人の葵は両親に結婚の報告をした後、
二人で最近買ったマンションへの帰路を、葵の黄色い自動車で走っていた。
時間は夜の十時ぐらいだった。
両親は都会の近くに住んでいたため、その時間、高速道路は渋滞しかかっていた。
時折、前の車のスピードが落ちて、なかなか前にすすめない。
葵が「近道ないの?」と聞いてきたが、高速道路に近道も何もない。
途中で降りることもできたが、カーナビのついていないこの車では、
降りた後の帰路がまったく分からなくなってしまう。
ゆっくりとしたペースでも、高速道路を走るしかなかった。
反対車線をびゅんびゅんと空気を切り裂くように通り過ぎて行く車。
自分達のスピードとの違いにいらだちながらも、
それでも両親に結婚を見つめてもらったことから、幸せがあった。
最初は葵との出会いが合コンだったことや、
僕の仕事があまり順調でないことを指摘されたが、
僕達の真剣さを両親に伝えることができ、葵のことも気に入ってもらえたようだった。
あとは僕がしっかりすれば、それでいい。
隣を見れば葵が嬉しそうに笑っているのが見えた。
彼女の幸せが、見て取れた。
きっと、僕達は世界一幸せになれる。そう確信したんだ。
631 :
ゴボウ:2006/12/16(土) 17:25:17.20 ID:ai7Zd/eG0
ふと、車の動きが止まる。
エンストしたわけでも、ガソリンが切れたわけでもない。
今度こそ渋滞にひっかかってしまったようだ。
車のライトがクリスマスツリーの装飾のように連なっているのが見える。
「まいったな、これじゃあと二時間はかかるかもしれない」
「そうね、でも、二人きりの時間が増えた・・かも」
葵が僕の方を見て笑顔を見せる。
その笑顔に車のライトがあたり、じゅんとするほどの感動を僕に与えた。
車のライトが本当にクリスマスツリーのように見えて、
もう一月を過ぎているというのに、クリスマスの気分が押し寄せる。
幸せの絶頂とは、きっと今のようなことを言うのだろう。
僕は彼女に負けないほどの笑顔を、彼女にかえした。
三十分が過ぎただろうか。
車は相変わらず、なかなか前にはすすまない。
これだけ渋滞しているのは連休の最終日だからだろうか。
前の車ではしゃいでいる子供の影が見える。
それを見つめている葵、子供がほしいと言っていた事を思い出す。
右を見れば、相変わらずスピードを上げて進んでいく車がすれ違う。
反対車線に入れれば、早く家につくのにな、と冗談を心でささやく。
これなら本当に近道として、高速道路を降りたほうがいいのだろうか。
これほど長く渋滞につかまっていると、そうも思いたくなる。
632 :
ゴボウ:2006/12/16(土) 17:25:58.20 ID:ai7Zd/eG0
左を見れば同じように渋滞につかまっている車。
青色をしたスポーツカーのようだ。
若い男がヘッドフォンで音楽を聞きながら、体でリズムをとっている。
僕もあれほど余裕があればいいのにな、と小さく笑った。
と・・・、スポーツカーが前に少し進む。
左側だけ少し進んだようだ。
僕のいる右側はなかなか進まない。
もしかしたら、この渋滞の原因は事故なのかもしれない。
連休帰りの交通事故、よくテレビや新聞で見かける。
狙ってましたといわんばかりに、燃え盛る車を撮影するスタッフ。
嬉しそうに「燃えています」と実況するアナウンサー。
きっと炎の中には苦しんで燃えている人がいるというのに、
アナウンサーは炎の凄さや、かけつけた消防隊員らしき人を実況し、
時にはその邪魔をしているように見えた。
運良く生き残った、脱出した人に無理矢理マイクを押し付けて感想を聞く。
死にかけた人間を、もっと痛めつけるように、そのマイクは凶器に見えた。
今度はボンと爆発する車に向かって、「爆発しました」と嬉しそうにまた実況する。
きっとこれを見ている人も、楽しそうにこの光景を見ているのだろう。
そう思うと寒気がした。人は恐ろしいものを見たがる。それが僕は怖い。
人の視線が求めているものが恐ろしい。
・・・渋滞の中や、ヒマなときに、僕はよくこういうことを考えている。
何か物事を考えていると、気がつけばそういう方向へと考えが向かっていた。
はぁ、嬉しいはずなのに幸せなはずなのに、そんな時でも考えてしまう。
どうしてなのだろうか。
633 :
ゴボウ:2006/12/16(土) 17:26:33.51 ID:ai7Zd/eG0
僕は小さい息を吐いて、また右を見る。
偶然か、通り過ぎていく車はなかった。
左を見る。
黄色いスポーツカーは一車体分前に進んでいて、
今度は黒いワゴン車が隣にぴったりとつけていた。
運転席の中は黒いガラスで見えない。
「あ、なんだろ」
葵が左側の窓に顔をぺたりと張り付かせるように、外を見た。
何かを見つけた子供のように、楽しそうな声をあげている。
「おい、あんまりじろじろ見ると失礼だぞ。
こっちからはあっちは見えてないけど、あっちからは見えているんだから」
僕はハンドルを握っている手を片手だけはずすと、葵の肩をぽんと叩いた。
「でも、なんかキラキラ光るものがあの車の中に見えたんだって、なんだろうね」
葵は窓から離れることなく、じーっと外を見つめている。
そういえば葵は光るものが好きだった。宝石とかよくねだられな。
結婚指輪、そろそろ買わなくちゃいけないな。
僕は虚空を見つめるように、前の車を見つめた。
さっきまで見えていた子供の影はなかった。
もう十一時前、眠ってしまったのだろうか。
「あ、また見えた」
634 :
ゴボウ:2006/12/16(土) 17:29:15.22 ID:ai7Zd/eG0
葵がぺちっと窓に手をついて真剣そうに外を見ていた。
と、左側の車が少し前に動く。また向こうだけ進んだようだ。
「あー、行っちゃう・・・あ、また見え・・・え・・?」
葵が反発するように窓から離れた。
くるりと体を反転させて、僕の方を向く。
僕はぎょっとして、思わずハンドルから手を離した。
先ほどの幸せそうな笑顔は、今度は恐怖で引きつって僕を見ていた。
カタカタと歯を鳴らして、助けを請うように僕を動かない眼球で見つめていた。
「稔ちゃん・・・私・・み・・見ちゃった」
「なに・・・を・・・?」
葵は両手で自分の体を抱きしめ、暖めるようにずりずりと擦っている。
そしてつぶやくように、見ちゃった見ちゃったと呟いている。
「私・・見ちゃった、ちゃった・・・あの車のね・・車の運転手・・、
運転手の目・・目が・・私を見て・・・目が・・見ちゃった・・私見ちゃった・・」
葵がガタガタと激しく震えだし、目から蛇口をひねったような涙が毀れる。
「どうしたんだ葵・・!!」
僕は慌てて彼女の震えを止めようと、葵の肩を両手で掴んだ。
「ギャーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」
635 :
ゴボウ:2006/12/16(土) 17:29:37.66 ID:ai7Zd/eG0
葵が、絶叫した。
恐ろしい顔で、絶叫した。
そして、バァン!と、すぐ目の前で何かが破裂する音がした。
目の前が真っ赤になった。
体中に、血が、血がとびちっていた。
血だけじゃない。肉やら、骨やら、何かよく分からないぶよぶよしたものやら、
まだぴくぴくと動いている、神経のようなものやら、白くて丸いものやら、
そういうものが、僕の体にへばりついていた。助けを求めるように流れていた。
前を見た。
葵がいた。
頭のない葵がいた。
「ヒィーーーーッッ!!!」
僕は情けない声を上げて、車から飛び出した。
血まみれで出てきた僕を、車から顔を出して見つめる人の視線。
視線、視線、視線。
視線。
僕は視線の中を泳ぐように、高速道路の真ん中で、悲鳴を上げつづけた。
何分か経って、都合よくかけつけたマスコミが僕の車を映している。
僕は警察に保護されて、車の近くでガタガタと震えていた。
そのうち、無理矢理、アナウンサーらしき人が近づいてきて、
636 :
ゴボウ:2006/12/16(土) 17:31:44.89 ID:ai7Zd/eG0
「どうして殺したんですか」
「どうやって殺したんですか」
「反省していますか」
「どう責任とるんですか」
「どうして頭をこんな風にしたんですか」
「みんな知りたいんですよ」
「あなたのような人間のことを知りたいんですよ」
「人殺しのくせに」
「私達はあなたのような人間をさばくためにいるんですよ」
「さぁ答えなさい」
「答えないとあることないこと、全部ばらまきますよ」
「捏造なんて簡単なんです」
「私達が報道すればみんな信じるんですよ」
「さあ答えなさい答えなさい」
「私達の視線の餌食になりなさい」
そんな事を言われた気がした。
だから僕は、僕は・・・。
僕は・・・あれは一年ちょっと前だったろうか・・。
僕と恋人の葵は両親に結婚の報告をした後、
二人で最近買ったマンションへの帰路を、葵の黄色い自動車で走っていた。
時間は夜の十時ぐらいだった・・・。
168話完
637 :
おせち(30,000円):2006/12/16(土) 17:53:37.23 ID:FqiDLLURO
実際に起こった事ってないので語り手としては
参加できないな〜
638 :
おせつ:2006/12/16(土) 17:54:19.87 ID:iP3XD0PuO
>>636 すまん。
俺には展開が理解出来てないんだぜ?
639 :
猪(大人):2006/12/16(土) 18:00:01.46 ID:EOX21jjoO
俺も最後よくわからん
640 :
ミツバ:2006/12/16(土) 18:08:45.15 ID:ai7Zd/eG0
>>638-639 説明しにくいwww
パニック状態になり、アナウンサーから追い討ちをかけられて
ウソの内容を最後に言うって感じじゃないかな?
創作おkなんだなwww
でも創作じゃ面白くないから、あれ使うか・・・・・
最後のはアナウンサーに対しての嘘なのね
dクス
642 :
ミツバ:2006/12/16(土) 18:18:53.08 ID:ai7Zd/eG0
>>641 精神が狂ったって考えもできる!
こっちの方が妥当かな?w
643 :
サトイモ:2006/12/16(土) 18:21:12.92 ID:HGArXmiz0
本当にあった怖い話
もこが牛乳を飲もうと冷蔵庫を開けると誰かの生首が入ってました。
もこはビックリして思わず冷蔵庫のドアを閉めてしまいました。
きっと今のは何かの見間違いであろうと、思い直し再び冷蔵庫を開けると
なんとそこには誰かの生首が白目を向いていたのです。
もこは思わずドアを閉めましたが、きっと疲れていて見えもしないもの見てしまった
のだと思い直し覚悟を決めて改めて冷蔵庫を開けました。
するとそこには何者かの生首が白目を向いてほのかにほくそ笑んでいるのです。
もこはビックリして冷蔵庫のドアを閉めましたが、きっと幻覚を見たに違いない、
最近あまり寝てないから見えもしないものが見えてしまったのだと思い直し、
冷蔵庫を開けました。するとそこのには白目を向いた生首が入ってたのです。
驚いたもこは気がつけば冷蔵庫の扉を閉めていましたが、気のせいだと思い直し
再びドアを開けると、やっぱり白目を向いた生首がほのかに笑っているのです。
思わず扉を閉めてしまいましたがきっと幻覚に違いありません、最近寝てなかったから。
と、思い直し冷蔵庫を開けると、やっぱり誰かの生首が入ってるのです。
思わず冷蔵庫を閉めたもこでしたがこれは何かの間違いに違いない。
疲れているから見えもしない者が見えたのだと思い直し冷蔵庫を開けると
そこにはなんと白目を向いた生首が・・・、うわっと思い冷蔵庫を閉めましたが
きっと疲れのせいで幻覚を見たに違いない、と自分に言い聞かせ再び冷蔵庫を開けると
なんと誰かの生首が白目を向きながら笑っているのです。思わず冷蔵庫の扉を閉めましたが
きっと気のせいで、何かと見間違えをしたのだと自分に言い聞かせ、扉を開け直すと
なんとそこには何者かの生首が白目を向いて笑っていたのです。
644 :
VIP皇帝:2006/12/16(土) 18:25:51.22 ID:EOX21jjoO
確かにそうかも
それだったら、最初から狂ってって殺したのはこの男だったりするかな
645 :
神所謂ゴッド:2006/12/16(土) 18:30:05.00 ID:Hg29+t5m0
>>643 いままで散々見たけどやっぱり吹いたwww
開け閉めしすぎだバーローwww
646 :
ミツバ:2006/12/16(土) 18:38:52.99 ID:ai7Zd/eG0
169話
本物の人体模型知ってるかい。
前にどこかで公開してるってテレビでやっていたね。
そういえば堕胎された赤ちゃんの頭を使った芸術作品なんてのもあったね。
人は怖い怖いといいながらも、死体を見たいのかもしれない。
でもさ、本当はもっといろんな所で僕達は死体を見ているのかもしれないよ。
デパートにあるマネキン。
テレビのサスペンスとかで流れる死体。
道端で横になって眠っている人。
本当に、死体じゃないって言いきれるかな。
理科室にある人体模型。
あれも、本当に作り物だって言いきれるかな。
この話は、それらのモノが疑わしくなる話。
僕が小学校にいた時の話なんだけど、
学校に本物の人体模型があるって噂が流れたことがあったんだ。
本物の死体を使った人体模型。
小学生ってほら好奇心旺盛だから、すぐに調べようって言い出すやつがいて、
でも言い出したやつは探しにいかないで、誰かが調べるのを待っていたりするんだよね。
いつも威張ってるけど怖がりなやつ。それがこの話の犠牲者「西沢」だったんだ。
西沢は噂が流れ始めた当初から「調べようぜ!」って騒いでは、
自分のクラスだけじゃなくて、他のクラスにも乱入していって、
先生や下級生にまで「本物の人体模型がある」って噂を流したんだ。
647 :
ミツバ:2006/12/16(土) 18:41:56.55 ID:ai7Zd/eG0
あたりかまわず噂を流すもんだから、
その人体模型を一目見ようって休み時間には理科室は人だかりができていた。
でも肝心の西沢は理科室にはいかないで、
実際はどうなのか、その噂が流れるのを教室でじっと待っていたんだ。
けれど、いつまで経っても本物なのか、違うのかの噂が流れない。
みんなまだ子供だったし、その辺の判別は分からなかったんだね。
ただ見に行って、理科室の人体模型を眺めるだけだったんだ。
西沢はいつまでもこない結論にイライラして、
今度は噂を流すほうじゃなくて聞くほうに回ったんだ。
同級生や先生、下級生に用務員のおじさん。
誰彼かまわずに人体模型の噂を聞きまわった。
けど、誰も真相なんか知ってやいなかったんだよ。
同級生や同級生は知らなくても、大人なら・・とも思ったんだろうけど、
逆に大人は好奇心もないし、ウソみたいな噂を調べる気にもならなかった。
だから、結局、西沢の好奇心を満たしてくれるような話はひとつもえられなかったんだ。
西沢はもっともっといらついていった。
あの人体模型は本物なのか、ニセモノなのか。
頭の中がそれだけになっていったんだ。
体を開いたときにみえる内臓は本物なのか。
心臓は、筋肉組織は、皮膚は、髪の毛は、目玉は。
本物だとしたら誰の死体なんだろう。
どうしてこの理科室に置いてあるんだろう。
頭の中がぐるぐるになってしまうほどに西沢は考えつづけた。
それで、ついに西沢は自分から確かめる事にしたんだ。
人体模型が本物なのかどうかを。
648 :
ミツバ:2006/12/16(土) 18:49:38.97 ID:ai7Zd/eG0
放課後、人が少なくなった時間帯。
一人で誰にも見つからないように、西沢は理科室にもぐりこんだ。
西沢には考えがあったんだ。
人体模型が本物かどうかを確かめる方法。
そのためには、誰かに見つかるわけにはいなかった。
西沢が思いついた方法。
それは・・・人体模型の体をカッターナイフで切ることだった。
本物の死体を使っているのなら、皮膚の下はプラスチックじゃなく、
本物の筋肉やら血管が通っているはず。
それを確かめることができれば、本物かどうかすぐ分かる。
震える西沢の手には、彫刻刀が握られていた。
理科室はしんとしていて、夕方も近くなっていたために薄暗かった。
薬品みたいな匂いが微かに鼻を刺激して、
なにか学校じゃない別の空間に入り込んでしまったような、そんな錯覚も生まれる。
そんな空間の奥に、どこを見るわけでもなく立っている人体模型があった。
薄暗さから顔にできた影は、不思議な迫力があった。
西沢は一瞬ためらったけれど、まだ学校には先生や児童が遊んでいるし、
理科室の窓からも外で遊んでいる児童たちが見えて、西沢は安心したんだ。
もしも何かあれば、大声さえ出せば誰か助けにきてくれる。
大丈夫、怖くない、ってね。
震えていた手も、ようやく落ち着きを取り戻して、
西沢は人体模型のの前に立ったんだ。
649 :
ミツバ:2006/12/16(土) 18:51:12.01 ID:ai7Zd/eG0
近くで見る人体模型はクラスでも背が高い方の西沢より
少し背が高く作られていて、彼の頭の鉢を見ているようだった。
まあ西沢も、人体模型と目があわせる事がなくてほっとしたのか、
息をふうと吐いて、人体模型の腕を持ち上げた。
ギギッガッギッ。
人体模型の腕は思ったより硬くて、間接部分から嫌な軋みの音が響く。
まるで人体模型が歯軋りをしているような音で、体中がぞくっとする。
ギギッギッギッ。
それでも西沢はなんとか垂れ下がっていた腕を上に持ち上げ、
彫刻刀をそこに押し当てたんだ。
あとは力をこめて皮膚を傷つければ、知りたかった真相がわかる。
が、もしも本物だったらどうしよう。
警察に通報したほうがいいのかな。
先生に教えてあげたほうがいいのかな。
それとも、黙って一人だの秘密にしておこうか。
でも、本物じゃなかったら?
人体模型傷つけた事が知られたら、先生はきっと怒るだろう。
犯人探しとかになって、自分がやったことが知られたら、
きっと酷く怒られるに決まっている。
やはり、やめたほうがいいのかな。
650 :
ミツバ:2006/12/16(土) 18:52:17.21 ID:ai7Zd/eG0
彫刻刀を押し当てた瞬間に、知りたいという欲求で押さえられてきたものが噴出した。
ぜぇぜぇと緊張からか息がもっと荒くなっていく。
止めるなら今。
やるなら、今。
・・・・・・・・やろう。やってやろう。
西沢は決心した。
力が抜けかかっていた彫刻等を握る手に、もう一度力をこめて、
西沢は、人体模型の皮膚に、彫刻刀を差し込んだんだ。
一瞬、西沢には何が起こったのかわからなかった。
腕に鋭い痛みが走っている以外、頭の中がすべての現象を理解できなかった。
目の前にぼんやりと見えるのは少年。
体はまったく動かない。
視線を動かそうとしても、まったく目玉が動こうとしないんだ。
助けを呼ばなくちゃと声を出そうにも、それすらできない。
心の中でただ「助けて助けて」と呟くことしかできないんだ。
「 ア リ ガ ト ウ 」
誰かの声が聞こえる。
どこかで聞いたような声が聞こえる。
まさか、この声は・・・・。
< いやだぁああああああぁぁぁあッ!! >
西沢は心の中で絶叫した。
651 :
ミツバ:2006/12/16(土) 18:52:51.86 ID:ai7Zd/eG0
西沢は犠牲者となったんだ。
人体模型の犠牲者。
今でも、その人体模型は、その小学校にある。
前よりはちょっと背が低くなったけれど、それを気にする人はいなかった。
西沢と同じぐらいの背丈になったって事なんかね。
西沢?
彼は今では大学に通っているんだ。
あの日を境に、彼は性格が一変してしまってね。
とてもいい奴になったんだよ。
もう変な噂を流して、誰かに確かめさせようなんかさせない。いい奴にね。
そう、僕みたいないい奴に・・。
僕みたいないい奴、僕は西沢、西沢征夫。
そう、話に出てきた西沢征夫だよ。
本物のね。
なんなら、僕の体に彫刻刀でもいれて確かめるといい。
真っ赤な血が流れ出る事を確かめればいい。
そうそう。
最近ではその人体模型、放課後になると呟くそうだよ。
「返してくれよぅ、体を返してくれよぅ、助けてよぅ、おとうさん、おかあさぁん」
怖いよね。気味が悪いよね。でも可哀想だよね。
僕の、西沢征夫の両親は何年も前に事故死してしまった事を知らないなんて・・。
ふふっ。ははっ。あははははっ。
169話完
652 :
おせち(150j):2006/12/16(土) 19:39:32.34 ID:FqiDLLURO
ほ
653 :
VIP皇帝:2006/12/16(土) 19:41:05.02 ID:1gzNCv270
突然すまんが、前に手紙ってゲーム
を見つけてプレイしているうち
に怪奇現象が起きてっていう
スレのログの場所かスレタイ教えてくれないか
654 :
おせち(1d):2006/12/16(土) 20:05:53.67 ID:FqiDLLURO
655 :
クワイ:2006/12/16(土) 20:12:39.49 ID:ai7Zd/eG0
656 :
おせち(200円):2006/12/16(土) 20:15:38.79 ID:1gzNCv270
いや、俺本人は見たことないから知らないんだ
すまない
657 :
クワイ:2006/12/16(土) 20:16:00.05 ID:ai7Zd/eG0
658 :
おせち(200円):2006/12/16(土) 20:18:03.63 ID:1gzNCv270
トン!
659 :
おせち(200円):2006/12/16(土) 20:19:37.93 ID:1gzNCv270
見れないワロタ
スレタイ教えてくれ
頼む
660 :
おせち(1d):2006/12/16(土) 20:36:09.33 ID:FqiDLLURO
661 :
おみくじ(犬吉):2006/12/16(土) 20:56:33.05 ID:8dKJ1BPw0
662 :
おせち(3,000円):2006/12/16(土) 21:26:12.73 ID:1gzNCv270
たぶんそれだ
トン
スレ汚しすまそ
663 :
年賀状(二枚):2006/12/16(土) 21:48:38.14 ID:Hg29+t5m0
アレは俺が中学三年生の頃
「私の事・・・、覚えてる?」
ある日の学校の帰り道で下校中、今まで話した事のない、去年俺のクラスメイトだった女子が急に話し掛けてきた
「あ・・・あぁ、覚えてる、去年一緒のクラスだった○○だろ?」
本当に急に話し掛けられたので少し戸惑いながらも返事を返す
すると彼女は安心したかのような表情を浮かべて
「良かった覚えててくれたんだね、話し掛けて良かった」
とポツリと呟いた
それからしばらく雑談した後、俺はあることに気付き質問する
「なぁ、どうしてお前はここに来れたんだ?入院中のはずだろ?」
そうなのだ、結構重い病気で彼女はここ半年学校どころか外にもでれない状況と聞いたんだが
そして彼女はその質問には答えず悲しげな顔で
「ちょっとのあいだだけど楽しかったよ・・・うん、コレ君にあげるから出来れば大切にして欲しいな。」
と言い、自分の二つの髪飾りの一つを俺に渡すと身を翻して走って俺から離れていく
納得がいかない俺は彼女を追いかけて走り出した
やがて、追いつき彼女の腕を掴もうとしたが、なぜか指が腕を通り抜けてしまい掴めない
彼女はそのまま少し走りつづけ俺から10メートルぐらい離れた所でこちらを振り向き
「君の事が好きだった!さよなら!」
と泣き声でしかも大声でさけび、すうっと消え去った
その彼女が病院で息を引き取った事と死の寸前に彼女の髪飾りが一つ消えたということを・・・、
俺が学校で知ったのはその数日後の事だった・・・。
第170話完
664 :
年賀状(二枚):2006/12/16(土) 21:50:40.33 ID:Hg29+t5m0
たまにはあまり怖くない話もいいカナと思った、今は反省している
うーむ、なんか過疎ってるけどオカ板の百物語に流れてるのかな?
665 :
おせち(1d):2006/12/16(土) 22:25:49.95 ID:0RSvzuYt0
オカ板って相手を否定してプライドを満足させたい奴ばかりいて
盛り上げるVIPとは逆に盛り下げてばかりで嫌になる
666 :
年賀状(♂だらけ):2006/12/16(土) 22:32:47.68 ID:Hg29+t5m0
>>665 ”オカ板のスレ荒らして遊ぼうぜwwww”
とかいう糞スレを立ててるのもvipperなんだ・・・すまない
667 :
美容師と初詣:2006/12/16(土) 22:37:09.18 ID:m6fqeKaQO
保守してやんよ
∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ババババ
( / ̄∪
668 :
初夢(声優とデート):2006/12/16(土) 22:40:09.29 ID:3tla6sh70
669 :
年賀状(♂だらけ):2006/12/16(土) 22:53:30.76 ID:Hg29+t5m0
>>667のヌクモリティに惚れた!
・・・が、もうほぼネタ切れ
誰か怖い話投下しても良いって香具師いない?
670 :
初詣でころんだ:2006/12/16(土) 22:54:36.92 ID:E+bhAfid0
671 :
おせつ:2006/12/16(土) 23:12:12.99 ID:0RSvzuYt0
3行で済む様な実体験しかないぞ
672 :
年賀状(♀から沢山):2006/12/16(土) 23:26:06.55 ID:Hg29+t5m0
>>671 構わないと思いますぜ
担当さんがくるまでどんどん書いてちょ
673 :
猪(vipper):2006/12/16(土) 23:27:35.65 ID:yRjoOoSJO
674 :
黒豆(一粒):2006/12/16(土) 23:37:13.59 ID:08v7sfqAO
∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ババババ
( / ̄∪
675 :
猪(子持ち):2006/12/16(土) 23:39:21.86 ID:tP3YWD070
>>670 ksg!!!!!!不覚にもビビッタじゃネェカ!!!!!
676 :
長ネギ:2006/12/17(日) 00:24:54.38 ID:h+LcRbL00
保守!
677 :
白菜:2006/12/17(日) 01:14:14.52 ID:1x2UiuOG0
夜道で車を走らせていると前方に老婆が歩いているのが見える。
こんな時間になぜ老婆が一人で?
ふと疑問に思いながらも、そのまま老婆を追いぬいて車は走りつづける。
しばらく走った後、ふとバックミラーを覗くと車の背後から何かがものすごいスピードで接近してくる。
それはなんと、先ほどの老婆であった。
猛スピードで走る老婆はたちまち車に追いつき横に並んだ。
老婆は運転手と目が合うとにやりと口元に笑みを浮かべ、次の瞬間対向車にはねられた。
678 :
初夢(すべてが夢):2006/12/17(日) 02:47:10.02 ID:jf9wvMWw0
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ /" `ヽ ヽ \
//, '/ ヽハ 、 ヽ
〃 {_{ノ `ヽリ| l │ i|
レ!小l─ ─ 从 |、i| ほしゅ〜
ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
/⌒ヽ__|ヘ j /⌒i !
\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
/:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
679 :
イクラ:2006/12/17(日) 02:55:44.25 ID:h+LcRbL00
>>677 第171話完!乙!
それに似たような話でジェット婆さんとかブーメラン婆とか聞いた事あるぜ!
しかし、オカの100物語が終わるまで過疎が続きそうだな・・・
(←オカと掛け持ちしてる人)
680 :
猪(泣き上戸):2006/12/17(日) 04:04:23.45 ID:JR4yTjtv0
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ /" `ヽ ヽ \
//, '/ ヽハ 、 ヽ
〃 {_{ノ `ヽリ| l │ i|
レ!小l─ ─ 从 |、i| ほしゅ〜
ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
/⌒ヽ__|ヘ j /⌒i !
\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
/:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
681 :
書初め(今年こそデート):2006/12/17(日) 05:01:36.61 ID:zDXTgQ7g0
ほ
682 :
お年玉(すずめの涙):2006/12/17(日) 05:55:31.68 ID:BIBz7oJ9O
し
683 :
一回休み:2006/12/17(日) 05:57:26.63 ID:h+LcRbL00
ゅ
684 :
猪(ドラム):2006/12/17(日) 06:54:21.01 ID:LdkU5NauO
!
685 :
あがり:2006/12/17(日) 07:38:34.63 ID:h+LcRbL00
!
686 :
初夢(競馬あたった):2006/12/17(日) 08:49:23.39 ID:nFRs1iot0
あの世からほしゅ!!
687 :
猪(48才):2006/12/17(日) 09:14:36.60 ID:THLCCynb0
オカ板のひ百物語終了した・・・
何も起きない
688 :
なまはげ(悪い子はいねがー):2006/12/17(日) 09:18:57.69 ID:h+LcRbL00
689 :
猪(求職中):2006/12/17(日) 09:19:27.31 ID:dW+ILKy00
690 :
書初め(遠山金さん):2006/12/17(日) 09:52:06.26 ID:EfP0s2jg0
ほ
691 :
おせち(150j):2006/12/17(日) 10:37:24.25 ID:vrnnkAD8O
里崎
692 :
おせち(1d):2006/12/17(日) 11:45:30.98 ID:vrnnkAD8O
城島
693 :
おせつ:2006/12/17(日) 12:02:33.41 ID:JmS3TfLFO
炭谷
694 :
猪(青詐欺):2006/12/17(日) 12:21:16.79 ID:c+gsTOoM0
コナン
695 :
おせつ:2006/12/17(日) 12:50:16.74 ID:vrnnkAD8O
=新一
696 :
黒豆(一粒):2006/12/17(日) 13:15:02.14 ID:vrnnkAD8O
古田
697 :
おせち(10,000円):2006/12/17(日) 14:02:50.65 ID:TznTAHHbO
∧_∧
( ・ω・)=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ババババ
( / ̄∪
698 :
書初め(点滴必要):2006/12/17(日) 14:48:37.58 ID:EfP0s2jg0
ほsy
699 :
女装して初詣:2006/12/17(日) 15:43:45.29 ID:qLIUOrWG0
700 :
愛のVIP戦士:2006/12/17(日) 16:04:58.76 ID:IF82XEX50
701 :
のびたと初詣:2006/12/17(日) 16:07:57.91 ID:uz9jbNMZO
追いついた。流石に4スレ目だから皆ネタ切れになってるな。余談だが1000話目より444話目の方がなんか起きそうだよな
702 :
黒豆(五粒):2006/12/17(日) 17:14:33.48 ID:vrnnkAD8O
阿部
703 :
猪(子持ち):2006/12/17(日) 17:51:27.76 ID:LT1tBO9iO
捕手
704 :
おせち(30,000ウォン):2006/12/17(日) 18:36:40.46 ID:OS5zyGjLO
城島
705 :
黒豆(二粒):2006/12/17(日) 18:46:46.44 ID:9SCLeQRdO
茂
706 :
猪(ギター):2006/12/17(日) 19:18:53.26 ID:5wL60Eb7O
山
707 :
女教師と初詣:2006/12/17(日) 19:50:01.73 ID:yb8xaTFzO
怖い話じゃないけど怖い話のサイトで見つけたから保守ついでに
よく喧嘩したな
ジェリーが大人になった頃トムはもうこの世にいませんでした。トムは自分の命の終わりがすぐ傍まで来ているのを知ったとき、
こっそりジェリーの前から姿を消しました。ジェリーの前で弱って涙もろくなった自分を見せたくなかったのです。
トムはジェリーの心の中ではずっと喧嘩相手として生きつづけたかったのです。
トムがいなくなったのに気づいたときジェリーは悲しみはしませんでしたが、退屈になるなと思いました。
トムとの喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから。胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、それが何なのか、
ジェリーにはよくはわかりませんでした。トムの願い通り、ジェリーの心の中でトムはいつまでも仲の悪い喧嘩相手でした。
そんなある日ジェリーの前に一匹の猫が現れました。トムよりのろまで体も小さい猫です。喧嘩相手のトムがいなくなって寂しかったジェリーは、
今度はこの猫を喧嘩相手にしようと考えました。そこでジェリーは、穴のあいた三角チーズが仕掛けられたねずみ取りを利用して、
その猫に罠をかけることにしました。いつもトムにしていたように。
ジェリーは物陰に隠れて、ねずみを求めて猫がねずみ取りの近くに来るのを待っていました。そして思惑通り猫が罠に向かって近づいてきます。
ジェリーはしめしめと思いました。いつものように、自分がねずみ取りにひっかかるふりをして、逆に猫をねずみ取りにかけてやるんだ。
うふふ。手か尻尾を挟んだ猫の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です。
でも、その猫はトムではありません。猫はチーズの近くまで来たとき、ジェリーが出てくるより早く美味しそうなねずみの匂いに気づき、
目にもとまらぬ速さで隠れていたジェリーに襲いかかってきました。ジェリーはいつもトムから逃げていたように逃げましたが、
トムよりのろまなはずの猫にすぐに追いつかれてしまい、体をガブリと噛まれました。ジェリーも噛みつき返しましたが、
トムより体が小さいはずの猫は平気です。
血まみれのジェリーは薄れ行く意識の中で、本当は鼠が猫と喧嘩して勝てるわけがないことと、いつもトムはジェリーに「してやられた」ふりをして、
わざとジェリーを捕まえないでいたことを、そのとき始めて知ったのです。トムの大きな優しさと友情に気づいたのです。
そしてトムがいなくなった時の胸の奥のチクチクの正体にも気づきました。かけがえのない友を無くした悲しみでした。
ジェリーの魂が体を抜けた時、空の上には優しく微笑みジェリーを待っているトムがいました。
「また喧嘩ができるね」
「のぞむところさ、今度こそは捕まえてやるぞ」
708 :
年賀状(二枚):2006/12/17(日) 20:31:21.82 ID:h+LcRbL00
709 :
彼女と初詣:2006/12/17(日) 20:51:36.30 ID:M2bcLrNr0
千夜一夜物語か
いつ頃だったかはっきり覚えてないけど10年も前じゃない。
まあ4・5年前って感じ。
不景気でリストラによる首切りが横行してた時代に、
リーマンでも年配層がこぞってパソコンを習い始めてた。
無理矢理にでも資格取らないといつ辞職に追い込まれるかわかんないから。
苦戦しながらも簡単なHP作成ならできるようになった一人のおじさんの話。
なんとか職場にはしがみつくこともできたので個人的にもスキルいかそうと、
よくある同窓生のコミュニティサイトを作ろうとした。
振〜り〜向くなよ〜♪振り向くなよ〜♪という歌詞の歌が流行ってた頃に青春時代をすごした年代。
リクエストもあってサイト名は「振り向くなよ」とした。
むずかしいことは後回しにしてまずTOPページの作成に取り掛かった。
いつもコツコツと深夜にパソコンの勉強してたツケが回ってきたのか、
タイトルバナーを設置しただけの段階で急な脳梗塞で亡くなったらしい。
乱雑になったパソコンデスクに突っ伏した状態で死んでるのを、翌朝奥さんが発見したそうな。
作りかけのHP、残ってるんだよ。今も。
礼儀知らずなヤツが勝手に別のとこへ移植しちゃったんだよ。
てゆうような話は一気に広まるもので「死者が作ったHP」として一部で有名になった。けれど。
いくら探してもなかなか見つからないらしい。深夜にネットサーフィンしてるとたまたま行き着くことがあるだけ。
暗い中、ディスプレイには 「 振 り 向 く な よ 」 とだけ。
よく覚えておいてほしい。そこにたどりついても、その時絶対振り向いちゃいけない。振り向いたら……
711 :
初夢(ゴキとの思い出):2006/12/17(日) 21:06:46.93 ID:FvmnyJIp0
振り向いたら・・・・
あなたも・・・・
完
712 :
おみくじ(ひく金ねー):2006/12/17(日) 21:07:42.96 ID:M2bcLrNr0
だ〜るまさんがこ〜ろんだ♪
713 :
猪(友達がvipper):2006/12/17(日) 22:18:37.70 ID:F8lwv8r+O
保守
714 :
鯛:2006/12/17(日) 22:41:13.32 ID:zzUQT3vT0
参上!今日は行けるぜwwww
174話
目覚めると顔に不快感が走るんだ。
なんだろうと思って顔に触れると、小さい痛みが走るんだ。
それはにきびのでっぱり、ふきでもの。
むず痒く、潰せば痕を残すやっかいなもの。
でも、潰したい。ぷちゅっと潰したい。指先で潰したい。
そう思うことはないだろうか。
自分のはいやでも、そうたとえば友達のにきび。
遊んでいて、ふと友達の顔ににきびをみつけてしまい、
気になって気になってしかたない。
いっそのこと、指でぷちゅりと潰してしまいたい。
中に蠢いている膿やら血をぶちゅりと取り出してあげたい。
痕が残ろうと関係ない。潰したい潰したい。
そう感じること、ないだろうか。
僕の中学校の時の友達「神谷」はそうだった。
自分の顔にできたにきびは触ろうともしないくせに、
人の顔ににきびができれば、かまわずそれを潰そうとするんだ。
痕が残るからってみんな嫌がるんだけど、神谷はそんなこと考えもしない。
ただ自分が気になるから、潰したいから潰しにかかるんだ。
715 :
鯛:2006/12/17(日) 22:42:16.16 ID:zzUQT3vT0
「にきびの中にぎゅうぎゆうに詰まった膿をとってあげるんだ。
そのままでいたら、どんどんどんどん大きくなって、
しだいに顔より大きなにきびになるんだ。
そとからみえるようになるんだよ、中の膿が蠢いているのが。
ぐちゅぐちゅって蠢いているのが分かるようになるんだよ。
そうなるのは嫌だろう。とっても嫌だろう。
僕はそうならないように手助けをしてあげているんだ。
君をすくうためなんだから、僕ににきびを潰させておくれ」
神谷はこう言って、にきびができてしまった友達に近づいてくる。
どれだけガードしても、授業中や休み時間、体育の授業や放課後、トイレ。
気が緩んでときに顔に指を伸ばして、ぷちゅ。潰すんだよ。
そしてね、飛び出した膿を指先でこねくりまわして、嬉しそうに笑うんだ。
顔の形が変わるぐらいに、にやぁって。
でもある日、事件が起こった。
神谷がにきびを潰した女の子の顔に、痕がくっきり残ってしまったんだ。
それはまるで髑髏のような形の痕になっていて、
思春期だし、ショックだったんだと思う、その子は自殺してしまった。
当然、みんなは神谷をここぞとばかりに責めた。
人殺し。人の顔を何だとおもってるんだ。
おまえなんか人間じゃない。
おまえこそにきびみたいなもんだ。
ふきでもの!にきび!
716 :
鯛:2006/12/17(日) 22:42:46.10 ID:zzUQT3vT0
普段から言いたくてもなかなか言えなかったこと、
それが怒りといっしょに、神谷にぶちまけられたんだ。
さすがの神谷もショックだったんだろう。
それから、学校も休みがちになって、一言も口をきかなくなってしまったんだ。
落ち込んだ神谷の顔には、ストレスからだろうか、小さなにきびがいくつも浮かび上がっていた。
しかもそれは、少しずつ、神谷の顔に広がっていったんだ。
日を追うごとに、神谷の顔のにきびは増えていった。
神谷は学校にくるたびに、鏡でにきびをみながら、薬を塗りつけていた。
休み時間は顔を清潔にしようと、何度も石鹸で洗っていた。
それでも、にきびは減らなかった。増えていった。
誰かが言った。あれは神谷に殺された女の子の呪いなんだと。
確かに、神谷のにきびは普通じゃなかった。
広がりつづけるそれは、周りにも感染しそうで、神谷の周りには人が寄り付かなくなっていった。
まさに、呪いだった。あれは、呪いだったんだ。
そうとしか思えなかった。
神谷の顔は、一ヶ月もしないうちに、にきびでぼこぼこになってしまったんだから。
あれはもう、人間の顔じゃなかった。
まぶたから、唇から、鼻から、耳から・・膿が溜まったにきびが浮き上がって、
顔が膿の、あの黄色い色で埋め尽くされていたんだ。
もう、化け物だったよ。
717 :
鯛:2006/12/17(日) 22:43:24.03 ID:zzUQT3vT0
そして、神谷はしばらくして死んだ。
学校のトイレで、便器に顔を突っ伏して死んでいた。
トイレの壁には神谷の膿と血がぶちまれられ、とてつもない異臭を放ち、
顔のにきびはめちゃくちゃに潰れて、十本の指が何センチもめり込んでいた。
神谷は、耐えきれなくなり、自分の顔のにきびを、ぜんぶ潰したんだよ。
この話を聞いた君にお願いがある。
今すぐ鏡を見て、にきびがあるがどうか、確認してほしい。
もし、顔ににきびがあったら、すぐにバンソウコウか何かで隠すんだ。
神谷が来る、来るんだよ。
顔がぐちゃぐちゃになり、膿と血をぼたぼたとたらしながら、
呪われた神谷がやってくるんだ。
にきび、潰させてくれって。
174話完
718 :
鯛:2006/12/17(日) 22:45:35.90 ID:zzUQT3vT0
175話
「おかーさーん、おやまできたよ!」
私の娘が手を大きく振る。
汚れた手から、まるで煙のように砂が舞う。
砂場には、砂で出来た脆くも可愛らしい山が三つ。
子供も三人。私の娘と、近所の子供達。
毎日のように砂場に集まっては砂の山を作り、
その大きさを競いながら、楽しそうに笑っている。
そして、私は娘達を見守りながら、静かな笑顔を送るのだ。
風が吹く。
乾いた砂が宙を舞う。
「風が強くなってきたみたいだから、帰りましょう、美穂ちゃん」
私は娘に声をかけ、砂にまみれた手を取る。
「ばいばーい」
719 :
鯛:2006/12/17(日) 22:45:57.71 ID:zzUQT3vT0
二人の子供達はまだ砂場に残り、砂山にさらに砂をかけている。
私は横目でその様子を見ながら、娘と手をつなぎ、家に戻った。
二人の変死体が発見されたのは翌朝のこと。
公園の隅にゴミのように投げ捨てられた、二人の死体。
娘は泣きじゃくり、私に抱きついている。
私は娘をぎゅっと抱きしめる。
娘の頭をぎゅっと抱きしめる。
娘の首をぎゅっと抱きしめる。
娘の首をねじり切る。
砂場に埋まる、あれが見つかってしまう前に、殺しておくの。
175話完
720 :
鯛:2006/12/17(日) 22:58:11.99 ID:zzUQT3vT0
176話
昔、流行ったよね。
覚えてる?名前占い。
ほらほら、電卓に自分の名前を数字に直して入力するんだよ。
僕の名前だったら「ちばらいた」を数字に直すんだ。
「ち」は「た行」の「二番目」だから「2」
「ら」は「ら行」の「一番目」だから「1」
こうやって変換していくと「21121」になるよね。
それに、相性を確かめたい相手の名前を変換した数字を足して、
出来た数字を今度は「÷2」していくんだよ。
あとは100〜50までの数字になるまで割りつづけて、
その数字が相性のパーセントになるってやつ。
中学校のとき、けっこうはやったよね。
でもさ、あれって実はこっくりさんと同じぐらい、危険らしいって知ってた?
死んじゃった人、いっぱいいるんだよ。
名前ってさ、本人が思ってるよりも、もっと大切なものなんだよね。
だって名前って生まれた瞬間、最初に与えられるものでしょ。
そうやって魂との結びつきがもっとも強くなるのが名前なんだ。
名前は魂とつながり、肉体を支配するんだよ。
721 :
鯛:2006/12/17(日) 22:58:42.28 ID:zzUQT3vT0
ほら、他人から名前を呼ばれるときってドキッとしないかな。
あだ名とかならともかく、本名を呼ばれると、くるよね。なにか。
あれは魂と結びついた名前が反応し、結果魂も揺さぶれるからなんだよ。
大切な大切なもの、それが名前。
名前は大切にしなくちゃいけないよね。
守っていかなくちゃいけないよね。
でも、そんな大切な大切な名前を占いに使って、いいのかな。
もちろん、いいわけあるもんか。
知ってる?
人を呪わば穴二つって言葉。
呪いは呪術者本人にも返ってくるものだし、危険なんだけど、
呪術と占いは、ほとんど同じといっても過言ではないんだよ。
だからね、人を占っている人間にも、同じように返ってくるんだよ。
よくないものがね。
更に言わせてもらうけど、単純な儀式ほどそれは返って着やすいんだよ。
牛の刻参りだって、きちんとした方法をとらないと危険だし、
こっくりさんなんか、十円玉の上に指を乗せるぐらいでしょう。
簡単であればあるほど、自分を守るべきものが少ないってことなんだよ。
素人が手をだしちゃいけないものなんだよ。
そうなると、この名前占いなんてどうなのかな。
一番魂につながっている名前を、電卓を打つだけの占いに使うなんて、どうなのかな。
危険に決まってるよね。
722 :
鯛:2006/12/17(日) 22:59:12.06 ID:zzUQT3vT0
だから、だから死んだ人も出てるんだよ。
みんな危険を知らないから、魂をズタズタにしちゃうんだよ。
今まで何人死んだか分かってないんだよ。
なんで分からないんだろう。
危険なのに。どうして。
みんな死にたいのかな。
自分の未来を占いたいのに、みんな死にたいのかな。
あなたは違うよね。絶対違うよね。
こんな占いしたことないよね。
人に占いをしてもらったことないよね。
単純な占いをしたことないよね。
花占いとか、そういうのももちろんないよね。
花の命を奪いながら、自分の未来を占ったりしないよね。
ないよね、ないよね。
あったら死んじゃうよ。死んじゃうよ。
死ぬって言ってんだよ。
176話完
723 :
黒豆(三粒):2006/12/17(日) 23:08:32.77 ID:LdkU5NauO
支援
724 :
黒豆(三粒):2006/12/17(日) 23:12:09.66 ID:LdkU5NauO
百物語のせいか人が居ないwww
725 :
年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/17(日) 23:17:46.71 ID:h+LcRbL00
>>724 百物語終わったってw
・・・担当さんが帰ってきたのかな?カナ?
726 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:20:42.59 ID:zzUQT3vT0
727 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:22:14.44 ID:zzUQT3vT0
177話
え、不思議な話ですか?
突然そんな事言われても、ちょっと難しいですよね。
別に怖くなくていいなら、ひとつだけあるんですけれど。
いいですか、ありがとうございます。
これはですね、僕が本当に小さかったころに体験した話なんですよ。
小学校か、もしかしたら幼稚園に通っていたころかもしれません。
記憶があいまいなんですよね。ほんと昔の話なんで。
覚えているのは、その体験と、その体験をしたのがこの辺りだって事だけです。
あ、僕は小さいころ、この辺に住んでいたんです。
今は引っ越して、別の場所に住んでいるんですけど、偶然ですね。
この場所から、そう、ちょっと進んだところにある角を曲がって、
おおきなデパートがありましたよね。確か。
僕、そのデパートの下を、父親に連れられて歩いていたんです。
大きな建物って、小さいともっと大きく見えますよね。
まるで、そう、今の僕が東京タワーを見ているよりも、もっと大きく見えていたんでしょうね。
今とは違う世界に、僕はいたんですね。
だから僕が体験したことも違う世界の出来事だったのかもしれません。
突然のことでしたよ。
目の前を歩いていた人が、突然、「うぐっ」って声をあげたんです。
そして、僕の方を振り返って、口から血を吐き出したんです。
728 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:22:55.05 ID:zzUQT3vT0
僕は突然のことでしばらく、目を点にして、そして大声で泣き出してしまいました。
すると「どうしたんだい?」と父が僕の頭を大きくなでて、
僕は父の反応が信じられなくて、もういちど前を見ると、その人は消えていなくなっていました。
血のあとも、人影も、気配すらも、あとかたもなく。
僕はワケがわからずに、ずっと泣きつづけましたよ。
あれから十数年。
僕は思うんですよ。あれは幽霊の類じゃなかったって。
あれはね、きっと本当に人間だったんじゃないかって。
そういえば・・・言ってもいいのかな。
その、血を吐いて倒れた人の服装が、今日の貴方の服装にそっくりなんですよね。
177話完
729 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:27:23.25 ID:zzUQT3vT0
178話
<自分達の町を自分達で守ろう>
それは当然のことだ。
自分達が住んでいる町なのだから、自分達で守らなくてはいけない。
私はそう呼びかけ、町内会長にも手回しをし、
ようやく町内会自衛団を結成するに漕ぎ着けた。
メンバーは休日や平日に時間のある男性18人。
自分の子供が襲われてもいいのか。
自分の妻が殺されてもいいのか。
何かあったらお前のせいだと言えば、しぶしぶながら参加してくれた。
正義のためだ、少しの脅しは仕方ないだろう。
メンバーが集まったら、次は制服を作らなくてはいけない。
警察のようなかっこいい制服がよかったが、似すぎるとまずいらしい。
が、正義のための町内会自衛団なのだから、それなりのものがよい。
私は妻に命令し、手作りの制服を18着作らせた。
もちろん妻は喜んで自分から作ってくれた。私が数回殴っただけで。
制服もそろったら今度はルールを決めなくてはならない。
この町のルールだ。
730 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:27:50.04 ID:zzUQT3vT0
破ったものには鉄拳制裁もしかたない。
昔は悪いことをした者にはこれが一番だった。
今は口で注意するのも少なくなってしまって、なさけない。
自分に逆らった者を殴って何が悪いというのだ。
本当なら殺してしまいたいが、殴るだけで簡便してやろう。
まずはゴミを捨ててはいけない。
ポイ捨てをしたら鉄拳制裁だ。もちろん顔を殴る。
歯が数本折れるまで殴るしかない。それが罰というものだ。
歯が抜けない場合は無理やり抜いてしまうのもしかたがない。
やはり形に残るものが欲しい。
自分が裁いたという証拠というものを所持したいものだ。
刑罰コレクション、なんて響きのいい言葉なのだろうか。正義の匂いがする。
次にスピード違反をしてはいけない。
もし破ったら、石を投げつけるのも仕方のないことだろう。
車だったらばフロントガラスに金属バットで殴りつけるのもいいだろう。
それで事故を起こして死んでしまっても、スピード違反をするのが悪いのだから。
自転車ならば乗っている人間を引き摺り下ろして、鉄拳制裁だ。
歯を全部抜いてしまいたいぐらいだが、歯だけではつまらない。
耳をそいでしまったらどうだろうか。人の言うこともきけないならば、耳などあっても仕方がない。
もちろん片方だけだが、もう一回何かしたらもう片方もそいでしまおう。
片耳をそがれた人間がいたら、それだけで罪を犯した者だと分かりやすい。
よし、それがいい、そうしよう。正義のためだしかたがない。
731 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:28:11.14 ID:zzUQT3vT0
不審者がいたらどうしようか。
ニュースでは警察に通報し、危険なので自分からは近寄らないようになどと言っていたが、
危険な人物をほおって置くわけにはいかない。
そうだ、町内会自衛団には全員に武器の所持をさせておいたらどうだろうか。
耳をそぐためにも包丁が必要だし、歯を抜くためにペンチは必要だろう。
他にもハンマーやナイフをもって、不審者がいたらとりあえず殴りつけてしまおう。
疑わしいものには罰を。実際に罪を犯そうとしていたのならば、死を。
自分の町は自分で守らなくてはいけない。そうだ。そうなんだ。
もちろん、メンバー内のルールもきっとりしなければいけない。
パトロールをしなかった者はきっと犯罪者と関わりがある者に違いない。
そういうときは家族を殺してしまおう。きっと泣き叫んで許しをこうだろう。
その頭上からハンマーを振り下ろしてしまおう。正義は勝つのだから正義は勝つのだから。
完璧だ。完璧な町内会自衛団だ。町内会自衛団はここに成立される。
町内会自衛団が町を救うんだ。我々町内会自衛団に栄光あれ、町内会自衛団に栄光あれ。
732 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:31:53.36 ID:zzUQT3vT0
怖い話は、やはり、霊的なものがいいかな?
733 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:39:03.51 ID:zzUQT3vT0
179話
学校から足を引きずるように帰宅した毅は、すぐさま冷蔵庫に飛びつき、
中からキンキンに冷えた麦茶のボトルを取り出すと、喉をならして、それを飲み干した。
毎日夕方まで続く部活のトレーニングに毅は少々疲れを覚えていた。。
友人にとても面白いからと薦められて入った部活であったが、面白いことは何一つなかった。
毎日毎日、させてもらえることといったら玉ひろいばかり。
口ごたえすれば先輩達から怒鳴られる上に、友人からも白い目で見られる。
こんなものが楽しいとおもえるわけがなかった。
上下関係のマナーをここできっちりつけさせてやる、と先輩は言う。
だが、結局は自分達が優位に立って、下の者をこき使う快楽に溺れているだけだ。
こういう人間は中学を卒業し、高校に入れば立場の逆転に耐えられない。
今まで下をこき使って楽しんできた後に、再び下になれるはずがないからだ。
今のうちに楽しく王様気分を味わっていればいい。毅はほくそえんだ。
毅は上下関係に屈しない男だった。
どれだけ先輩から怒鳴られようが、毅は自分の意見はきちんと言った。
不条理な命令にうなづくこともなかったし、
先輩からのいじめのような扱いにも凛として反抗した。
顧問の先生にも何かあれば逐一報告をし、自分の立場を守り通していた。
そのため、先輩達も容易には毅に手を出すことが出来なかったし、
それなりに大きい体をしている毅に肉体的攻撃をしかけることもなかった。
が、その態度が気に入らないのは先輩達だけではなかった。
734 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:39:36.07 ID:zzUQT3vT0
同じ一年生の仲間に先輩達のとばっちりが来るようになり、
結果的に毅はその部活から浮いた存在になっていたのだ。
楽しいからと誘っておいて、毅はそんな仲間達にもあいそがつきていた。
それでも毅がこの部活を続けているのは、ある意味、報復でもあった。
自分が辞めれば先輩達は喜ぶだろう。
自分が辞めれば仲間達も喜ぶだろう。
ならば辞めるわけにはいかない。
続けることが、彼らの苦痛になるのならば続けてやろう。
反抗し、孤独になろうとも、続けてやろうと毅は思った。
ルルルルルルルル。
ルルルルルルルル。
突然、二階に置かれている電話の子機が鳴り響いた。
飲み干した麦茶のボトルをコンロの横に転がせると、慌てて毅は受話器を拾い上げる。
が、耳に当てた受話器からは、何の音も聞こえない。
おかしい。毅はそれに気づいた。
子機が鳴っているのならば、この本体も鳴りだすはずだ。
なのに、鳴っているのは子機だけ。
耳に押し当てた受話器からは、ツーツーと機械音だけが響く。
思わず天井を見上げる。この上に置かれている子機の方を向く。
735 :
猪(双子の兄):2006/12/17(日) 23:39:51.04 ID:cHL7RJ/50
怖い話スレめっけた
736 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:40:09.72 ID:zzUQT3vT0
ルルルルルルルル。
ルルルルルルルル。
子機は未だに鳴りつづけている。
まさか、子機だけに電話が掛かってきているというのだろうか。
毅はゆっくりと音を立てないように本体の受話器をおろすと、階段の真下へと足を進めた。
早く来い、早く来いと笑っているように、子機はやはり鳴っている。
階段を上り、右側の部屋。そこに子機は置かれている。
毅は迷っていた。
子機をとりにいくべきなのだろうか。
それとも、ここは無視すべきなのだろうか。
本体が壊れているだけなのかもしれないが、機械音はきちんと聞こえていた。
もしも、何かやばい電話だったら、
この背筋に感じるものが霊気なのだとしたら、
やはりとらないで置くべきものなのかもしれない。
毅は子機を睨みつける。
悩んでいる間に、とりあえず子機の前まできてしまったようだ。
まるで孤独を訴えるかのように、子機はやはり鳴っている。
───逃げるのは嫌だ。
毅は意を決して、子機を持ち上げ、耳に押し当てた。
737 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:40:37.55 ID:zzUQT3vT0
毅は部活を辞めた。
部員は喜んだようだったが、数日後に彼らは試合に向かったバスが事故にあい、
7人が死亡、14人が重軽傷を負い、その中の3人は未だに意識が戻らない。
毅はそのことを報告する。自宅でしか通じないはずの子機を持ち歩き、報告する。
さびしいよぅ。
つらいよぅ。
もう大丈夫だよ。
大丈夫だから一緒にいよう。
さびしくないよぅ。
あったかいよぅ。
よかったね。
ありがとうね。
いっぱい、ともだち、ふえたよぅ。
179話完
738 :
黒豆(三粒):2006/12/17(日) 23:41:13.00 ID:LdkU5NauO
739 :
猪(双子の兄):2006/12/17(日) 23:45:02.29 ID:cHL7RJ/50
このSS集をipodに入れて通学時間読むことにした
740 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:49:47.79 ID:zzUQT3vT0
180話
今日も駅のエスカレーターにはぞろぞろと人が群がっています。
高校生、大学生、OL、サラリーマン、子供連れ。
平日のエスカレーターはそれはもう混雑し、両方の段を人が歩いていきます。
立ち止まろうとする者がいれば、後ろから敵意がぶつけられ、
無理やり前へと押しやられていく。
明らかなルール違反なのですが、今回はこのルールは関係ありません。
本当に恐ろしいルールとは、もっと別のものなのです。
13階段、知っていますか?有名な怪談ですね。
死刑台の段数と同じ13階段。
普通はその段数にならないようにされていますが、
時に間違いなのか意図的になのか、13階段にされているものがあるという。
その階段を上ってしまった者には、恐怖と死が待っている、というものです。
昔は本当に階段の数には気をつけられて作っていたようですが、
最近は色々な問題もあって、あまり気をつけられていないらしいです。
ほら、最近もニュースで耐震偽装とかあったでしょう?あれと同じです。
気づかない間に、13階段、上ってしまっているかもしれませんね。
けれど・・・本当に気をつけなければいけないのは階段ではありません。
エスカレーターの13階段なのです。
741 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:50:58.16 ID:zzUQT3vT0
動いているエスカレーターに段数があるか、それは問題ではありません。
問題は「13番目を踏んでしまうか」なのか、です。
あれは動いていて、13段目が常に移動している状態なのですが、
普通にとまっていれば、その13段目を踏むことはまずありません。
踏むのは一段目だけで終わりますからね。
けれど、エスカレーターを歩いている人はどうなのでしょうか。
たとえそのエスカレーターが13段でなかったとしても、
歩くことによって、踏む段数は変わってしまいます。
急いでいれば10段ぐらいですむかもしれない。
ゆっくり歩けば20段ほどあるかもしれない。
そして運が悪ければ、それは13階段になってしまうのです。
恐怖と死を呼び込む、13階段にね。
駅ではさまざまな事件、事故が起こります。
通り魔事件。
衝突事故。
飛び込み自殺。
痴漢。
武装スリ団。
スプレー乱射。
最近もあったでしょう。いろいろと。覚えていませんか?
どうしてこう、駅にはこんなに様様な不幸が起こるのでしょうか。
貴方には、もう分かっているでしょう。
742 :
鶏肉:2006/12/17(日) 23:51:27.14 ID:zzUQT3vT0
かつて、最も恐れられたとされる禁忌。13階段。
ルールは、破るものではありません。守るべきものだということが。
ところで余談となりますが、
貴方は誰も乗っていないエスカレーターに一人で乗ったことはありますか?
ぐぉんぐぉんと機械的な音を立てる床。
その時ふと、背後に気配を感じてしまう、そんな経験はありませんか。
振り返っても誰もいない。けれど気配はひしひしと感じる。
機械的な動きをしていた床が、ギシ、ギシと奇妙な振動をはじめる。
まるで、誰かが後ろから歩いてきているような。
それは、貴方がエスカレーターの13番目に立っているため。
先ほどの歩いて発生する13階段より危険はありませんが、
あまり振り返らないことをお勧めいたします。
180話完
743 :
黒豆(三粒):2006/12/17(日) 23:52:18.29 ID:LdkU5NauO
744 :
猪(双子の兄):2006/12/17(日) 23:53:54.61 ID:cHL7RJ/50
とりあえず今北産業だからこのスレの趣旨を教えておくれ
745 :
黒豆(三粒):2006/12/17(日) 23:57:19.91 ID:LdkU5NauO
>>744 千物語をやれば百物語の数倍凄い事が起きる?
貼れる人はどんどん怖い話し投下
残念な事にあなたももう巻き込まれてます
746 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:00:21.67 ID:d7GGCmyd0
181話
私の担任するクラス「3年4組」には時々変わった遊びが流行することがあります。
先週はノートの切れ端に小さな文字をびっしり書き、自慢して遊んだり、
五円玉の穴に糸を通して、首飾りにする遊びが流行ったりもしました。
いろんな表情のてるてる坊主を作ったり、練りけしと呼ばれるものに色をつけたり、
ボンドをいろんな所に塗りつけ、ぺりぺりはがすことが流行ったりもしました。
私はそのたびに注意をしたり、どこが面白いのか首をかしげたりしていましたが、
最近子供達の間で流行っている物は、私は理解できると思いました。
この学校の裏には小さな小川が流れており、
ひざのあたりまでの深さと浅く、流れもゆるやかなために子供達の遊び場となっています。
夏場には生徒の半数が遊んでいるほどの人気スポット。
森に囲まれた田舎の学校ならではの、まったりとした空間。
そこで子供達は、きれいな小石を集めては筆箱の中にコレクションしているのです。
色々な形をしているそれは、まるで宝石のように綺麗に見えました。
「ねぇ、先生もその小石、集めてみたいな、どのへんにあるの?」
私は自分でも集めてみたくなり、子供達にそう尋ねることにしました。
すると、子供達は「いいよ、先生なら」と笑顔で答え、
10人ほどのグループと一緒に小川に行くことになりました。
747 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:01:20.55 ID:d7GGCmyd0
「あっちにあるんだ」
「みんな掘って集めてるんだよ」
「あ、隣のクラスのみんながもう来てる、そろそろなくなっちゃうかも」
子供達がはしゃぎながら私の手を引き、残りの子供達が小川の向こうに走って行きました。
小川の向こうには森で影になっている場所があり、
大きめの岩が数個転がっていて、かなり入りにくくなっています。
私は、絶対にそこには近づいてはいけませんと言ってあったはずなのに。
危ないから入っちゃいけませんと、しかってあったはずなのに。
いくつも<立ち入り禁止>の看板が立ってあるのに。
私は手をひかれるままに、そこを潜り抜けてしまいました。
「ほら、先生、あれから取るんだよ」
私は<あれ>を見ました。
横たわっている三体の人間の死体。
蝿のように死体に群がっている十数人の子供達。
子供達は硬い木の枝や、とがった石で死体をザクザクと抉り、
小さい手を死体に空いた穴にもぐりこませ、中から骨を抉り出していました。
「あっ、でけぇ!」
「いいなぁ、オレこっちもらうからな」
「ずっけぇ!ずっけぇ!オレもほしいって!」
楽しそうな子供達。
748 :
猪(ドラム):2006/12/18(月) 00:01:26.72 ID:E3znZhpe0
749 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:01:47.68 ID:d7GGCmyd0
一人の子供が、死体の口を開き、歯をガツガツと石で叩いています。
三人の子供が、死体の腕を引き千切ろうと頑張っています。
二人の子供が、死体の爪を引き剥がしています。
「せんせい?」
いっせいに子供達が、私の方を振り向きました。
みんな、どうして・・・あ・・・ぁ・・・。
181話完
750 :
塩ザケ:2006/12/18(月) 00:04:33.26 ID:+7Dfk30T0
さる規制防止
751 :
猪(2ch中):2006/12/18(月) 00:05:16.77 ID:wkKnXF+3O
752 :
猪(ドラム):2006/12/18(月) 00:05:59.26 ID:E3znZhpe0
>>751 怖いのが起こるの苦手なので勘弁したいところだが、
参加してしまったのならしょうがないな。
753 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:09:07.79 ID:Ziarz+VO0
182話
半年ぐらい前の話になるんですが、
もしかしたら知っている人がいるかもしれません。
当時、ニュースを少しにぎわせた事件でしたし。
けれども真相を知っている人は、あまりいないのではないでしょうか。
ニュースでは霊や呪いの存在など口にしませんからね。
このような非科学的な話は真実であれ語られることはありません。
「不可解な死」「連続猟奇殺人か」「糸口未だ見えず」
このような言葉が並べ立てられたあのニュース。
<品川区OL変死事件>
品川区で発生した変死事件。
被害者はショック死。
その死がアレの痛みからなのか、
何か恐ろしいものを見たからなのかすら分からないまま、
事件は迷宮入り・・・思い出しませんか?当時のことを。
その真相を、今、僕が教えてさしあげましょう。
被害者の名前は「石垣美代子」さん。
彼女は近くにある会社に勤めるOLでした。
別に特別な事をしていたわけでもありません。
呪われるよな事をしていたわけでもありません。
754 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:09:32.51 ID:Ziarz+VO0
問題は爪です。彼女の爪です。
彼女、爪を伸ばしていたんですよ。
別にマニキュアを塗るためだとか、そういうわけではありません。
ただ、面倒だったんでしょうね。爪を切るのが。
貴方もよくありませんか?
気がついたら手足の爪がいつもより伸びてしまっていること。
彼女もそうでした。気がついたら伸びてしまっていたんですよ。
そんな小さな事が彼女にとっての不運のポイントとなるとは、誰が考えたでしょうか。
会社から帰ってきたのが夜中の11時。
疲れていたんでしょうね。
帰ってきて水を一杯飲んだ後、すぐにベッドに横になりました。
ベッドの柔らかさ、布団のいい香り、そして疲れ。
彼女はあっというまに眠りへと吸い込まれていきました。
痛みが、走りました。
鋭い、とても鋭い痛みです。
ひぃっ、と声が上がるような痛みです。
彼女は思わず身を捻り目を開きました。
755 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:10:12.76 ID:Ziarz+VO0
するとね、いるんですよベッドの側に、真っ白い顔をしたおばあさんが。
痛みはまだまだ続いていて、だんだんはっきりとした、輪郭のある痛みにかわっていきます。
同じように輪郭がはっきりとしていくおばあさんの顔。
おばあさんはね、笑っているんです。すごく楽しそうな笑顔なんですよ。おばあさん。
彼女の目をじぃっと見て、顔全体でにっこりと笑うんですよ。
「ギャアアアーッッ!!!」
彼女は悲鳴を上げました。恐怖から?いえ違います。
痛みからですよ。痛みから。気づいたんですよ。痛みを。原因を。
目の前のおばあさんがしている事を。行動を。
爪。
爪。
爪です。
爪をね。爪にね。爪の間にね。
ピン・・というんでしょうか。それとも長い針の方がいいですか?爪の間に入れるなら。
どっちがいいでしょうか。あなたの好きな方でご想像ください。
貴方が選んだ方、それをね、爪の間に入れてるんですよ。おばあさんが。
楽しそうに楽しそうに、爪の間に針を差し込んでいく。
ズッ。ズッ。ズッ。
爪と皮膚の間に入り込んで行くソレ。
音は聞こえません。けれど、聞こえるような感覚。
背筋がゾッとする以上に震え上がる。
756 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:10:43.03 ID:Ziarz+VO0
開いた穴から丸みを帯びたように張力した血が膨らみ、形を崩す。
「あ・・あ・・・ぎ・・・あぁぁ・・やめてぇ・・・・」
彼女が恐怖でゆがんだ顔でおばあさんをみると、手がぴとりと止まりました。
一瞬、止まりました。
「あひひひひひひ!!ひひひひひひひひひ!!」
おばあさんは笑いました。もっともっと楽しく笑いました。
ぐじゅっ、ぐじゅっ、ぐじゅっ。
湿り気のある音が何度も何度も聞こえました。
女性の本当に苦しそうな、恐怖の声が響きました。
ちゅうちゅう。ちゅうちゅう。
そして、何かを吸い出すような音です。
何を吸い出しているのでしょうか。どこから吸い出したのでしょうか。
それは、分かりますよね?
757 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:11:28.41 ID:Ziarz+VO0
そして彼女は死体になったんです。
<品川区OL変死事件>
品川区で発生した変死事件。
被害者はショック死。
その死がアレの痛みからなのか、
何か恐ろしいものを見たからなのかすら分からないまま、
事件は迷宮入り・・・思い出しませんか?当時のことを。
私は貴方にいくつかの質問をしましたね。
爪に異常はないか。
爪に入れられたものはどちらなのか。
どこから何を吸い出したのか。
では、最後にひとつ、質問をさせていただきます。
爪、伸びていませんか?
伸びているなら・・・今すぐ爪を噛んで下さい。
758 :
猪(2ch中):2006/12/18(月) 00:12:11.95 ID:wkKnXF+3O
759 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:15:37.34 ID:Ziarz+VO0
183話
イルゾって知ってる?
違う違う、それは愛知万博のキャラクターでしょうが。
言っておくけれど、海の可愛いキューーーットな生物でもないわよ?
イルゾってのはアレよ。
ゲゲゲとか、ネコ娘とか、そういう類の妖怪。
人間じゃない怪物のアレよ。妖怪妖怪。
ああ、つまんないシャレとばしてないで、私の話聞いてくれないかな?
私の用はそれだけなんだから、なんのために呼んだと思ってるの?
怪談よ怪談。あんたが怖い話聞きたいっていうから来たのよ。
人がせっかく着てやってるんだから茶化すんじゃないの。
私は怪談が好きなんだから、茶化されたり馬鹿にされると気分悪いの。
大体人が好きとおもっていることにゴチャゴチャ言うもんじゃないのよ。
自分の知識ひけらしたいんだか、自分の感想言いたいのか知らないけど、
ホント黙っててくれる?ウザいのよ。
ちゃんと聞くのよ?今度邪魔したら帰るからね。
帰った後で、イルゾが出てきても、知らないから。
イルゾっていうのは妖怪なの。
妖怪って個性豊かよね。
首なが女は首がながいし、カッパはキュウリが大好きだったり。
このイルゾってのも、それに負けないくらいの個性をもった妖怪なの。
とっても恥ずかしがりやでね、でも寂しがりやの妖怪なの。
760 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:16:07.28 ID:Ziarz+VO0
一人ぼっちではいられない。誰かと一緒じゃないといられない。
だから、そこらにいる人にかたっぱしから取り付いて、一緒にいようとするの。
それだけなら、害は別にないんだけどね・・・・・。
インターネットで調べてみたら、色々出てきたんだけど、
前にイルゾに取り付かれてしまった女の子がいたの。
名前は・・そうね。鈴木香織さんって事にまずはしておくかな。
鈴木さんは別に何かをしたわけでも、特別だったわけでもない。
ただ、寂しがりやのイルゾに目をつけられてしまっただけなの。
鈴木さんは友達も多くてね、魅力的だったから狙われたかもしれない。
けどそれもまったくの偶然なんでしょうね。
でも偶然であっても、彼女は取り付かれてしまった。
取り付かれてしまったの。
イルゾに取り付かれた人間はね、一見何も変わらないように見える。
けど、けどね、気配は感じるんだって。
何かがいるような、近くに何かがいるような、そんな気配を感じてしまうの。
アンタもあるでしょ?一人でいるのに気配を感じること。
それって、偶然イルゾに取り付かれてしまったから起こる事かもしれないよ。
イルゾって結構、数多いんだから。
でね、鈴木さんも毎日、誰かに見られているような視線を感じたり、
近くに何かがいるように感じたりと、変な感覚に陥ってたらしいの。
気になりだしたら人間おかしなもので、どんどん感覚が鋭くなっていくのよね。
鈴木さんもそうだった。
761 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:20:27.30 ID:Ziarz+VO0
一人で部屋にいると、もう必ずといっていいほど視線を感じるようになってしまった。
怖くなってあたりを見渡すんだけど、誰かいるはずがない。
まさか妖怪の仕業だなんて思わないしね。
普通なら、ああ、なにやってんだろう、で終わるはずだったんだけど・・・。
あのさ、もしかして今、イルゾ可愛いかも、なんて思ってないかな。
恥ずかしがりやで、でも寂しがりやなんて聞いて、可愛いもの想像してないかな。
違うよ、ぜんぜん違うよ。
イルゾは妖怪。とっても恐ろしい妖怪なの。
勘違いしちゃダメ、油断しちゃダメ。
イルゾはとても寂しがりや。
もし自分を可愛いとおもってくれる人なんか見つけたら、そこに行っちゃうよ。
気を許したらダメ、イルゾは怖いの、恐ろしいの。
でも、それを鈴木さんは知らなかった。
そしてね、鋭くなった感覚が、ついに聞いてしまったりの。
「イルゾ・・イルゾ・・」
それは人間の声とは思えないような、なにか引っかかる声だったわ。
そう、それはイルゾの声だった。
普段は小さな小さな物音としか聞こえないけれど、それはイルゾの声。
イルゾは寂しがりやだから、いつでも自分を主張しているの。
762 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:20:58.28 ID:Ziarz+VO0
そこにいる人に呼びかけているの。イルゾって。だからイルゾなの。名前。
声に気づいてしまった鈴木さんはね、ぞくぞくって背筋に冷たいものを感じたの。
そりゃそうよね。一人きりの部屋から声がするんだから。
「イルゾ・・イルゾ・・」
鈴木さんは恐ろしくなって、声がどこから聞こえてきているのか、部屋を見渡したわ。
そしてね、声がテレビの裏側から聞こえていることに気づいたの。
鈴木さんは震える体をゆっくりと進めて、声がしているテレビの裏側を覗いてしまった・・・。
そこにイルゾがいたわ。
恥ずかしがりやで、寂しがりやのイルゾがいたわ。
「ギャーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!」
鈴木さんは悲鳴を上げた。その恐ろしい形相に悲鳴を上げたわ。
その瞬間、イルゾは鈴木さんに飛び掛っていった。
だって恥ずかしがりやだもの。顔を見られて恥ずかしくてしかたなくて、
どうにかして顔を見るのを止めさせたかったんでしょうね。
鈴木さんの顔めがけて、その大きな口を広げて、噛みついたの。
イルゾの噛む力はすさまじいものだった。
763 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:21:31.50 ID:Ziarz+VO0
一瞬で彼女の顔の大部分がザクロのように割れて、イルゾの口に入っていったわ。
目も、鼻も、口も、全部一気に噛みきられてね、
くりぬかれたスイカみたいに、彼女の顔に大きな穴があいて、
そこから血がぼたぼたと果汁のようにしたたり落ちていった。
「ギャーッギャーッギャーッ」
イルゾはなんとか恥ずかしいのを無くすことができたけれど、
今度は寂しくなってしまってね、部屋から暗闇の外へと鳴きながら飛び出していったわ…。
ねぇ。今気配を感じるようなら、絶対に探してはいけない。
「イルゾ・・イルゾ・・」なんて声が聞こえても、絶対に探してはいけない。
イルゾが寂しくなってどこかへ消えてしまうまで、目をつぶってじっとしていて。
イルゾは貴方が見える場所に隠れている。
見渡せば、きっと貴方はイルゾを見てしまう、恥ずかしがりやのイルゾをね。
183話完
764 :
しょうゆ出汁:2006/12/18(月) 00:22:14.71 ID:Ziarz+VO0
>>757で爪を噛んだ方!今から行きます。。。
182話完
765 :
猪(2ch中):
誰も居ないけど保守変わりに投下(;ω;)