ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」

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1猪(入浴中)
長編投下の際の注意


・超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ! でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
・前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ……あの、お茶どうですかぁ?
・基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。フフフ、僕とキョンたんの恋愛話も大歓迎ですよマッガーレ
・当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ……けど、今はほとんど皆無。別に気にしないで
・キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるの知ってるんだからね〜
・台詞や呼称等もその人物にとって違和感がないようにしてくれたまえ
・1レスには最大30行、全角で2048文字まで入るのね。文章構成の参考にして欲しいのね
・要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな
・19時〜翌1時ぐらいまでにWikiを編集すると、重くて壊れたように表示されちゃうけど少し待てば直るから心配しないでね。じゃあ死んで
・自分で投下した長編はなるべく自分で編集すること、わかった!?
・それじゃ、さっさと投下しなさいっ! いい? あたしを退屈させたら死刑だからねっ!


DAT保管庫.    http://haruhiss.xxxxxxxx.jp/

まとめサイト     http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/

DATうpろだ    http://www.uploader.jp/home/harussdat/
雑談所(避難所) http://yy42.60.kg/haruhizatudan/
携帯用.       http://same.u.la/test/p.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/
2書初め(謹賀新年):2006/12/11(月) 00:01:36.30 ID:b1go7Uwv0
1乙
3猪(ギター):2006/12/11(月) 00:02:17.21 ID:XIwpVYuT0
      ┌─┐   ┌─┐
      │●│   │●│
      └─┤   └─┤
      _   ∩   _   ∩ <・・・
    ( ゚∀゚)彡  ( ゚∀゚)彡  <・・・
 ┌─┬⊂彡┌─┬⊂彡
 |●|    |●|
 └─┘    └─┘
4書初め(点滴必要):2006/12/11(月) 00:02:58.40 ID:7NZVDXdSO
>>1
5おみくじ(五回目でやっと吉):2006/12/11(月) 00:03:10.05 ID:piWeuNHG0
キョンがハルヒのおっぱいプリン食うエロスレかと思ってとんできました
6猪(汗かき):2006/12/11(月) 00:03:28.69 ID:GXH9U+Y00
>>1
おつかれ
7猪(酒乱):2006/12/11(月) 00:03:44.23 ID:+Bk6oPpOO
>>1
8書初め(遠山金さん):2006/12/11(月) 00:04:32.06 ID:O6SRfsq/0
ちょ、冬企画の分!
--------------------

【Wiki第2弾SS企画用アドレス】

・SS企画用検討スレ          http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1156605747/
・SS企画『冬』投下スレ・短編用   http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1165158602/
・SS企画『冬』投下スレ・長編用   http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1165158520/
投稿期限12月4日〜翌年1月14(21)日  発表1月中旬予定

文章のルールなどは、前回の企画のものを踏襲しておりますので、検討スレを参考にしてください。
また、質問・意見なども検討スレで受け付けております
9猪(過敏):2006/12/11(月) 00:08:31.89 ID:RAJt0aa+O
>>1>>8
10歯科助手と初詣:2006/12/11(月) 00:11:20.42 ID:UoVdWijpO
いちはちおつ
11 ◆XotCib3QB. :2006/12/11(月) 00:12:00.46 ID:6c7GvKt90
脱兎追加♥
12猪(ほろよい):2006/12/11(月) 00:13:32.76 ID:m8W5YtmwO
オーツ
13丸焼もち:2006/12/11(月) 00:14:11.62 ID:naI/7ztd0
>>1乙!

前スレ1000に超wktk↓


1000 :初夢(ピザった夢):2006/12/11(月) 00:10:55.49 ID:d/PdZaNT0
自分の中で最高傑作的なのができそうかもしれない
14猪(カビ):2006/12/11(月) 00:14:11.81 ID:33HKdzIx0
前スレ1000に

期待あげ!
15書初め(点滴必要):2006/12/11(月) 00:15:01.75 ID:B3y9x/xOO
>>1
>>8



そして前スレ>>1000に期待
16猪(酒乱):2006/12/11(月) 00:31:31.10 ID:+Bk6oPpOO
保守
17書初め(点滴必要):2006/12/11(月) 00:31:57.80 ID:7NZVDXdSO
保守
18寿老人(じゅろうじん):2006/12/11(月) 00:38:03.32 ID:jQuyZG1z0
>>1
もつ
19VIP皇帝:2006/12/11(月) 00:41:51.34 ID:EoW86RXJ0
保守
20書初め(遠山金さん):2006/12/11(月) 00:42:48.63 ID:O6SRfsq/0
さて、覚醒の人のも堪能したし。

前スレ1000の投下がまだなら、
ちょっと中途半端なところかもしれないけど、
投下しますぜ。

おのおの方、覚悟はいい?
21猪(ほろよい):2006/12/11(月) 00:43:58.75 ID:m8W5YtmwO
よろしくてよ
22猪(おまっ):2006/12/11(月) 00:44:58.67 ID:EoW86RXJ0
OKです
23猪(カビ):2006/12/11(月) 00:47:00.08 ID:33HKdzIx0
かかってらっしゃい
24親父と初詣:2006/12/11(月) 00:48:22.60 ID:ZBTquoQrO
私まつわ〜
25現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 00:49:02.35 ID:O6SRfsq/0
長門有希の報告、本編13話目です。

前回までの話は……
Wikiが直ったら、長編→長門有希→長門有希の報告と辿ってください。

ほな、行こか〜
26現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 00:50:01.24 ID:O6SRfsq/0
長門有希の報告
Report.13 長門有希の憂鬱 その2〜negotiation〜

午後の授業を見学しながら、朝倉涼子は喜緑江美里と遠隔通信で今後の対応を協議した。
喜『まずは、古泉一樹と朝比奈みくるに説明して、協力を求めるという方針で、問題ないと思います。』
朝『わたしはしばらく謹慎中で、人間社会から離れていたから、そう言ってもらえると助かるわ。』
喜『彼らは我々に協力的ではないものの、涼宮ハルヒが関係することとなれば、利害が一致します。
ひいては彼らの利益にもなることを納得させられれば、彼らも協力を惜しまないと思います。』
朝『そうね。朝比奈みくる……「未来人」勢力は禁則事項と既定事項に縛られてるから、
どう動くかはちょっと分からないけど、少なくとも古泉一樹……「機関」の協力は得たいところね。
長門さんの観測データによれば、彼は「人間の常識の範囲内への収束担当」といった役回りらしいし。』
喜『そうですね。彼ら「機関」の手のものは、私が今所属する生徒会を含めて既に多数、
この北高内に潜入しています。彼らはもともと、彼らが「閉鎖空間」と呼ぶ異空間内部で、
同じく「神人」と呼んでいる、涼宮ハルヒの「力」を狩り、閉鎖空間拡大を防止する目的で設立されました。
でも今は、むしろ閉鎖空間発生の予防に重点を置いているようで、
彼女に暇つぶしのネタを提供するなど、能動的に行動しているようです。』
朝『そんな活動の一環として、ハルヒ関連事件の後始末を担当してるってわけよね。』
喜『それが機関の総意なのか、古泉一樹個人の素質によるものかは分かりませんけどね。』
朝『いずれにせよ、彼の協力が得られれば、事前準備、進行、事後処理と、非常にやりやすくなるのは確かね。』
喜『我々の情報操作では、涼宮ハルヒに気付かれる恐れが払拭しきれませんからね。
長門さんも、彼の事後処理に期待して、活動を行っていた節もありますし。』
朝『やっぱり「操作」という面では、超能力以外は彼女と同じ、
「この時代の同じ人間」という事実は、大きな優位性だわ。』
27猪(ほろよい):2006/12/11(月) 00:50:39.00 ID:m8W5YtmwO
いこか〜
28猪(酒乱):2006/12/11(月) 00:51:24.51 ID:+Bk6oPpOO
支援
29現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 00:52:00.79 ID:O6SRfsq/0
喜『朝比奈みくるについては、どうします?』
朝『彼女は、もう完全にSOS団の「癒し」担当ってとこかしら?』
喜『そうですね。様々な意味で、SOS団の「癒し」を司っているみたいですね。』
朝『長門さんのログによると、長門さんでさえも、彼女に「癒されて」いるみたいだけど?
この件については、あなたの方が詳しいかしら。』
喜『いやー、あの場面は凄かったですね。その場面の映像を送りますね。』
涼子の記憶領域内に、ある映像が展開される。
朝『……わーお♪』
喜『長門さんにも言いましたが、例えるなら「天使と天女が仲良く眠る図」といった光景でした。』
朝『長門さん、こんな顔して眠るんだ……』
喜『かわいいと思いませんか?』
朝『……喜緑さん、あなた随分「人間的」な台詞を言うようになったのね。』
喜『有機生命体として人間社会で生活していると、やはり色々と影響を受けて変わっていくものなんですよ。』
これが謹慎中の自分と、ずっと人間社会で生活していた者との差なのかと、涼子は思った。
有機生命体には、時間の経過がきわめて重要な意味を持つ。
喜『もはや彼女も、涼宮ハルヒの中で大きな領域を占めています。
彼女を除いた形での涼宮ハルヒへの介入は、検討する価値もないですね。』
朝『彼女を突破口とするってことね。』
喜『それが今の涼宮ハルヒに対しては一番無難な導入かと思います。』
朝『わたしが表立って動くと目立つから、彼らへの交渉はお願いしちゃって良いかな?』
喜『ええ、良いですよ。』
朝『あ、でも、キョン君へは、やっぱりわたしからちゃんと話した方が良いかな?』
喜『んー、どうでしょう。彼にとってあなたは、完全に精神的外傷になってますからねえ。
彼の中では、あなたは完全に「殺人鬼」朝倉涼子です。』
朝『……』
涼子は沈黙した。ややあって、
朝『……イヤ。やっぱりそのままじゃイヤ。わたし、キョン君ときちんとお話したい!』
喜『彼は十中八九、拒絶すると思いますけどね。』
朝『それでも、イヤなの。彼に「殺人鬼」と思われたままでいるのは。』
30現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 00:53:00.84 ID:O6SRfsq/0
涼子も変わったと、江美里は思った。そもそも、彼女がキョンを殺害しようとした原因の一端は、
未熟ながら『感情』が宿りつつあったからなのではないかと思料された。
未熟な『感情』の暴走。
その結果、朝倉涼子はキョンを殺害しようとして、長門有希に消された。
そして長門有希は後日、感情の暴走により世界を改変、情報統合思念体をも消去した。
これは異時間同位体の長門有希自身と、キョン、朝比奈みくる及び2人の異時間同位体によって修正された。
江美里は言った。
『あなたがどうしてもそうしたいなら、止めはしませんよ。支援できるかは保証できませんけど。』
涼子が答える。
『うん、これはわたしの問題。出来る限りのことをやってみるわ。
ただ、2人きりで話すのはさすがに無理だと思うから……』
『でしょうね。私も同席しましょう。それから、彼らにも同席して貰えば良いのでは?』
話はまとまった。
古泉とみくるには、昼休みに江美里が持ち回りで説明して同意を得ることとなった。
やはり江美里が睨んだとおり、彼らはすぐに同意した。
『僕は一度だけ『機関』を裏切ってでも、SOS団の味方をすると約束した身ですからな。
それに今回は、『機関』としても、長門さんの消失を重く見ているようですわ。』
『あたし、どれだけお役に立てるか分かりませんけど、長門さんのために頑張ります!』
部活後、キョン、みくる、古泉の3人で、ハルヒのクラスの教室へ来ることになった。
31現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 00:54:00.94 ID:O6SRfsq/0
部活後。教室に向かう3人。キョンには古泉が、
『喜緑江美里さんが、部活後、僕達に話があるそうですわ。』
と説明した。
教室前では江美里が待っていた。
「さあ、中にどうぞ。」
江美里が、教室への入室を促す。
みくる、キョン、古泉、江美里の順に教室に入ろうとする。
しかしキョンは、教室内に彼女の姿を認めると、硬直した。彼はかすれた声で、搾り出すように言った。
「何で、お前が、ここに、いる……!」
夕日に照らされ、オレンジ色に染まる教室。その中に、同じくオレンジ色に染まった朝倉涼子が佇んでいた。
「遅いわ。」
いつかのように、同じ台詞を言う彼女。キョンは、硬直したまま、脂汗をかいている。
「ほら、キョン君。中、入ろ?」
みくるが入室を促すが、キョンは微動だにしない。
「……こら、相当なトラウマになっとるみたいですなあ。」
古泉は苦笑する。
「今日は、僕らも一緒やさかい、大丈夫でっしゃろ。ねえ、喜緑さん?」
「以前の彼女は、様々な複合要因から、あなたを殺害しようとしました。
でも今は、そのような命令も受けていませんし、その気もありません。
彼女は今、あなたに危害を加える存在ではありません。私が保証します。」
「そ、そんなもん!」
キョンは叫んだ。
「そんなもん、だ、誰が信じられるかっ!? 言わしてもらうけどなぁ! 俺は、こいつに……
2回も! 1度ならず2度までも、殺されそうになったんやぞ!? あれは本気の殺意やった!
それを今更『危害を加えない』なんて言われて、ほいほい信じられると思うか!?
そんな奴おったら、今すぐ連れて来い! 代わったるから!」
彼は半狂乱になりながら叫んでいる。同じ人物に2度も、むき出しの殺意を向けられ、
2度目は実際に死亡寸前にまで追い込まれたとあって、彼の拒絶反応は凄まじかった。
涼子はある程度予想はしていたものの、想定以上の絶対的な拒絶だった。
32現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 00:55:00.85 ID:O6SRfsq/0
「こんな状態じゃ、落ち着いて話も聞いてもらわれへんか。」
涼子は溜め息を1つつくと、寂しそうな声で言った。
そして、ゆっくりと入り口近くにいる彼らの方へ近づいていった。
「こら、やめろ、近づくな! それ以上近づいたら大声出すぞ!
って、おい、古泉、なんのまねや! 朝比奈さんまで! ちょっとどいて喜緑さん! そいつに殺される!」
逃げようとするキョンを、3人が取り押さえている。涼子は、彼らのすぐそばまで来た。
「くぁwせdrftgyふじおklp;!?」
もはやキョンは何を言っているのかすらわからない。混乱の極致。
「……やっぱり、信じてもらうんは無理やろうね……」
ぽつりと呟く涼子。心底寂しそうな表情で。
「それでも……それでもわたしは……」
大粒の涙を流し始める涼子。
「そ、そんな『女の涙』なんかに騙されへんぞ!?」
言いながらもキョンは、動揺を隠せない。
「わ、わたしのことなんか、ぐすっ、信じてくれへんでもいい、ひっく。
でも、話だけでも、うっ、聞いて……わたしがやったことは、謝るから!
どうか、話! 落ち着いて聞いて! これは……長門さんのためやの!!」
ぴたり、とキョンの動きが止まった。
「長門のためやと!?」
泣きながら、涼子は土下座した。
「あなたを、2回も殺そうとして、ごめんなさい! これはどんな言い訳もできません!
許して貰おうとも、許して貰えるとも、思ってません!」
驚き戸惑うキョン。
「わたしのことはどうでもいい! でも、これだけは聞いて!!」
涼子は、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を上げて、言った。
「長門さんを助けて!!」
33猪(ほろよい):2006/12/11(月) 00:56:38.96 ID:m8W5YtmwO
支援
34現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 00:57:16.59 ID:O6SRfsq/0
「や、やめてくれ。お前の気持ちは分かった。土下座なんかやめてくれ。」
キョンは涼子に言った。
「とにかく、話は聞くから。な?」
まだ泣き止まないながらも、涼子はのそのそと立ち上がった。
「ひっく、うっ……ごめんなさい、取り乱して……ひっく。」
「まず、これだけは確認させてくれ。お前はほんまに、俺に危害は加えへんのやな?」
涼子に問い掛けるキョン。
「ぐすっ、は、ひっく、はい……」
「私からも補足しますと、朝倉涼子は以前とは役割が違います。
以前、あなたを殺害しようとした、あの『インターフェイス』とは形が同じなだけで、
中身は別物と考えて差し支えありません。」
と、江美里が補足する。
「それで、さっき『長門さんのため』って言うたな。で、『長門さんを助けて』とも。」
涼子は、古泉が差し出したハンカチで涙を拭いながら言った。
「はい……話、聞いてくれる?」
「ああ。」
「やっぱりキョン君は……長門さんのこととなると、信じてくれるんやね。」
「俺にとってあいつは、命の恩人でもあるしな。」
「……」
寂しげな表情で沈黙する涼子。
「だいたいやな、」
キョンは続ける。
「俺は聖人でも君子でもないけど、いくら命を狙われたとはいえ、
土下座までして謝罪するような奴に辛く当たるほど、冷たい人間違(ちゃ)うつもりや。」
涼子はハッと視線を上げた。潤んだ瞳でキョンを見つめる格好となった。
「許して……くれるの?」
「正直、複雑な気分や。それでも、冷静に話を聞くくらいには出来るようになったと思う。」
「……ありがとう……」
35現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 00:59:25.44 ID:O6SRfsq/0
「それで、一体何がどうなってるんか、順を追って詳しく説明してくれるか。」
まずは江美里が説明を始める。
「単刀直入に言います。長門有希が消失しました。」
目を見開き驚くキョン。江美里は続けた。
「事の発端は、あの日。朝比奈さん、あなたも知っている『あの行為』を涼宮さんが長門さんに見られた日のことです。」
「ひっ!?」
突然名指しされたみくるは身体を強張らせる。
「その日の部活は、微妙に張り詰めた空気だったと思います。でも原因はそれではありません。
その日の部活後の出来事です。」
そして江美里は、その後の経過を説明した。皆が帰った後の部室での、
ちょっとした心のすれ違いが原因で起こったこと。それによってハルヒが非常に動揺したこと。
「その夜、涼宮さんはこう思ったんでしょうね。『有希に会いたくない』と。」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。そしたら、何か? ハルヒはちょっと恥ずかしいことがあって、
長門に会いたくないって思ったからって、長門の存在ごと消したって言うんか!?」
キョンが声を荒げる。
「そんな……そんな身勝手が許されるんか!?」
「あんまり涼宮さんを責めんといたって。」
涼子が諌める。
「涼宮さんだって、自覚してへんから、自分の力を完全に制御できてへんの。
これは無意識下で起こった現象。悪気があったわけちゃうの。だから、今回の件は、うまくすれば、涼宮さんに
『あまり悪いことは考えないようにしよう』って思わせられるかも知れへん。」
「……それで?」
不承不承ながら、キョンは先を促す。今度は涼子が説明する。
「情報統合思念体は、長門さんがすでに涼宮さんの中で大きな存在になってることを理解した。
だから、何とか再構成しようとした。でも、それは上手くいかへんかった。」
そこに涼宮ハルヒの力が介在したから、と涼子は続ける。
「このままではまずいと危機感を持った情報統合思念体は、代わりのインターフェイスを派遣することにした。
それがわたし。今のわたしは、長門さんの任務代行者。消えてしまった長門さんの代わりを務めるため再構成された、
まさしく『バックアップ』ってわけ。だから今のわたしの存在意義は『涼宮ハルヒの観測と保全』。
それにはもちろん、キョン君達も入っとぉで。だから今のわたしは、キョン君達の守護者でもある。」
36書初め(点滴必要):2006/12/11(月) 00:59:51.65 ID:7NZVDXdSO
声援
37現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 01:01:01.19 ID:O6SRfsq/0
「わたしが再構成された理由は、当面は長門さんの代理として、涼宮さんの観測を続けること。
でも、いつまでも代理を続けるわけにはいかへんの。わたしはここにおったらあかん存在やから。
それに何より、わたしでは、『涼宮さんにとっての長門さん』は務め切れへん。」
「なんでや?」
と問うキョン。涼子は言葉を選びながら、慎重に答えた。
「今の長門さんは、涼宮さんにとって……とても大切な『お友達』。ある『気持ち』を分かち合える存在。
『行為』だけなら、わたしでもできるけど……『心』を通い合わせるのは、たぶん無理。」
「どうも、要領を得ーへんな。なんか奥歯に物が挟まったような……具体的にどういうことなんや?」
「それは、」
涼子は指を組んで言った。
「禁則事項。」
「禁則事項て……」
「お察しください。頑張ってます。」
「……(まるでどっかのネットゲーム運営会社みたいな返答やな……)」
涼子は咳払いを1つすると、続けた。
「……とにかく、このままやと、涼宮さんの思いに阻まれて、長門さんを元に戻されへんの。
彼女、意地っ張りやから……彼女に心から、長門さんに会いたいと思ってもらわなあかんの。」
「それで、長門が戻ってくるためには、俺達の協力が必要なんやな?」
「そうです。私達長門さんを知る者全員の協力が必要です。」
と江美里が答えた。
「涼宮さんに、長門さんとまた会いたいって思わせる、要するに素直にならせる。
それが、長門有希の帰還のために必要な条件。そのためには、わたし達が協力して、
涼宮さんの思考をそのような方向に誘導せなあかんの。」
「それで、あたし達も呼んだんですね?」
みくるが声を上げる。
「そう。長門さんと涼宮さん、どちらとも縁が深いわたし達が、あくまで自然に誘導せなあかんの。」
こうして、5人は長門有希再起に向けて協調して行動することを確認。
涼子、江美里ら宇宙人勢力を中心に、協力していくことで一致した。
「私達5人、所属も立場も違いますが、長門有希の帰還のため、一致団結して行動しましょう!」
『おー!』
38現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 01:02:21.20 ID:O6SRfsq/0
「そういえば、」
キョンが思いついたように言う。
「俺達が協力して、長門が戻ったら、朝倉。お前はどうなるんや?」
涼子は視線を床に向けると、寂しそうに言った。
「わたしはあくまで長門さんの『バックアップ』。それに、以前の独断専行のかどでいわば『謹慎中』の身。
この問題が解決されれば、再び情報連結が解除されることになるわ……」
「……お前は、それでええんか?」
「……」
沈黙。しばらくの後、涼子は口を開いた。
「……わたしには、有機生命体の死の概念は理解できひん。でも、それに近い状態を経験した。」
涼子は顔を上げた。
「今なら分かる。『死ぬ』のはイヤ。」
『中身は別物と思って差し支えありません』
江美里の説明を思い出すキョン。
「でも、だからこそ、長門さんの気持ちが分かる。長門さんも同じ思いをしたはず。
だから、わたしは、なんとしてでも長門さんを元に戻したい。
それに、わたしが再構成されたのも、結局は涼宮さんがわたしのこと思い出してくれたからやの。
もし状況が違ってたら、わたしは再構成されへんかったかも知れへん。
今こうやって話をしてること自体、『奇跡』みたいなもんやねん。
もし涼宮さんが、わたしと一緒にいたいと思ったら、わたしはまたこうやって一緒にいられるかも知れへんけど、
どうなるかは……」
涼子は指を組みながら言った。
「人間の言葉で言うところの、『God knows』。」
彼女は今、自分の立場を理解している。用が済めば再び消される存在。
それでも彼女は、その任務を果たそうとしている。それが彼女の存在意義。
だが、それだけではない。彼女は、同じ境遇を経験した者として、『自らの意思』で行動していた。
彼女は自らの『運命』を受け入れ、それでも前向きに行動しようとしていた。
「やらなくて後悔するよりも、わたしはやって後悔しようと思う。」
涼子の顔に、迷いはない。
「現状を維持するままではジリ貧になるなら、わたしは何でもいいから変えてみようと思って行動する!」
39現地語版担当者 ◆eHA9wZFEww :2006/12/11(月) 01:03:00.90 ID:O6SRfsq/0
>26-38
以上です。
……冒頭部分、プロポーショナルフォントでは、ごっつ見にくいですね。申し訳ない。
今回は、朝倉さんの現地語訳に苦労しました。あんまり字面では変わってないように見えますがご容赦。
発音は間違いなく変わっていても、文字にすると同じになるんですよね……
喜緑さんは標準語のままですが、これは彼女が穏やかな丁寧語だから、です。
実際はイントネーション等が若干変化してますが、地域の人にしか分からんねorz
40書初め(蛙の子は蛙):2006/12/11(月) 01:06:00.04 ID:7NZVDXdSO
乙wktk!
41猪(ちょっと臭いあり):2006/12/11(月) 01:15:36.53 ID:TityhJlm0
おつ!
42書初め(蛙の子は蛙):2006/12/11(月) 01:17:00.15 ID:7NZVDXdSO
ちょっと質問、キョンが大学一年の時、妹は中学何年だ?
43猪(水着):2006/12/11(月) 01:17:55.42 ID:OTXquxbb0
2年生
44猪(発情中):2006/12/11(月) 01:18:08.61 ID:3C85i8QI0
>>42
厨煮
45書初め(蛙の子は蛙):2006/12/11(月) 01:18:43.27 ID:7NZVDXdSO
>>43
素早い解答ありがとうorz
助かる
46愛のVIP戦士:2006/12/11(月) 01:44:01.73 ID:lhe0oyzH0
47書初め(蛙の子は蛙):2006/12/11(月) 01:44:52.12 ID:7NZVDXdSO
過疎保守
48猪(浴衣姿):2006/12/11(月) 02:12:02.73 ID:PTAO97AA0
何でこんなに過疎なの
誰かいますかー?
49おせち(30,000ウォン):2006/12/11(月) 02:12:56.62 ID:P3f6Clk+0
>>48
50猪(2ch中):2006/12/11(月) 02:14:51.41 ID:gahkBKiXO
もしかして前スレに覚醒の人の投下あった?
51猪(進化系):2006/12/11(月) 02:15:03.88 ID:RAJt0aa+O

52猪(禁煙中):2006/12/11(月) 02:15:42.64 ID:3C85i8QI0
>>50
もしかしなくてもあった
53猪(2ch中):2006/12/11(月) 02:20:02.15 ID:gahkBKiXO
ノオオオォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
なんでだよ……なんでよりによって今日なんだよ…………

という訳で誰かDATをください。切実です。
54猪(2ch中):2006/12/11(月) 02:22:06.32 ID:gahkBKiXO
自己完結しました。すみません
55猪(ピーマンきらい):2006/12/11(月) 02:45:26.72 ID:n6KUWdk00
 
56猪(求職中):2006/12/11(月) 02:46:27.80 ID:cDJhxpmx0
ttp://freett.com/haru%5Fvip%5Fma/
涼宮ハルヒのなく頃にっていうSS面白かったけどbadエンドだった・・・
こんなに救いのないSS見たのは初めてだ
57凧(イナバウアー):2006/12/11(月) 02:48:08.87 ID:AUysAWLN0
ひぐらしのなく頃にがそんなストーリーなんだからしゃあないだろ
58猪(赤詐欺):2006/12/11(月) 03:13:12.04 ID:EoW86RXJ0
日ごろの感謝をこめて保守
59猪(しいたけ目):2006/12/11(月) 04:19:13.67 ID:oEQW/qkU0
保守
60猪(子持ち):2006/12/11(月) 04:51:04.73 ID:QLyRmZ6aO
保守しておきましょう
61猪(禁風呂中):2006/12/11(月) 04:58:59.93 ID:273kEAeJO
62年賀状(気があるってことなのか?):2006/12/11(月) 05:03:16.68 ID:NlV5vxPX0
このスレよく持つな
63猪(ようじょ):2006/12/11(月) 05:11:48.58 ID:QpARqgCx0
保守
64猪(vipper):2006/12/11(月) 05:16:41.29 ID:RQS0vO42O
質問。頭の中が混乱してきたから誰か詳しく説明して。
朝比奈みくるって未来から来たんだよな?
じゃあ、なんで外見が大じゃなくて小なんだ?
未来から来ても外見までは戻らないだろ?
だから小は自分は未来から来たことを知ってるということはおかしいのでは?
あー、混乱混乱コンフューズ。
誰かそこら辺kwskまとめて。
マジで頼む。
65猪(検便中):2006/12/11(月) 05:22:02.34 ID:273kEAeJO
例えばみくる(小)が2020年から2006年に飛んで来たとすれば、みくる(大)は2030年辺りから2006年に飛んで来たと考えてみる。
66猪(乱視):2006/12/11(月) 05:28:11.26 ID:TityhJlm0
 現在←―――――――
  ↓      .↑     ↑
 未来   みくる(小).   |
  ↓  成長(出世)↓   |
さらに未来      みくる(大)
67猪(巨乳):2006/12/11(月) 05:29:31.03 ID:yeCBauY/O
>>64
お前頭悪いな
68猪(検便中):2006/12/11(月) 05:31:18.88 ID:273kEAeJO
>>67
言っちゃった……
69猪(vipper):2006/12/11(月) 05:39:31.99 ID:RQS0vO42O
みくる大が未来から来たということは現在から数年内(みくる小がみくる大の外見になるまで)にみくる小は未来に帰るってことだよな?
70猪(背中が弱いの):2006/12/11(月) 05:40:45.61 ID:fCgbp/5u0
>>69
原作……ちゃんと読んだか?
71猪(vipper):2006/12/11(月) 05:43:27.54 ID:RQS0vO42O
スマン。読んでない。
どの巻読めば分かる?
72猪(巨乳):2006/12/11(月) 05:43:48.83 ID:yeCBauY/O
>>69
お前本当に頭悪いな
73猪(背中が弱いの):2006/12/11(月) 05:44:56.04 ID:fCgbp/5u0
1巻の憂鬱読めばすぐ理解できると思うぞ。
74猪(検便中):2006/12/11(月) 05:51:19.79 ID:273kEAeJO
お前の頭で果たして理解出来るかどうか…
75猪(検問中):2006/12/11(月) 06:36:17.64 ID:273kEAeJO
76猪(赤):2006/12/11(月) 06:41:38.54 ID:R/bluLqb0
前スレ688以降覚醒の人以外に投下あった?
77猪(2ch中):2006/12/11(月) 07:25:36.06 ID:2v/v/pYZO
保守
78猪(おまっ):2006/12/11(月) 07:41:58.30 ID:m8W5YtmwO
おはよう保守
79猪(泣き上戸):2006/12/11(月) 08:06:10.70 ID:H3nfijyTO
今日からは書き込み減るな・・・
FOXと言うウンコプリン野郎が埼玉にまた規制かけやがった・・・よっていつものように東京全域+その周囲が規制だぜ


保守
80猪(委員長):2006/12/11(月) 08:08:09.46 ID:+Bk6oPpOO
何で規制なんてかけるんだぜ?
81保母さんと初詣:2006/12/11(月) 08:15:39.21 ID:H3nfijyTO
5 : ◆rika./AgiE :2006/12/11(月) 04:37:21 ID:71bezVYn0
追加
★061207 突発OFF板 サザンのトリビア報告スレ
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1165483917/109
109 名前:ちょろ ★[] 投稿日:2006/12/11(月) 04:35:30 ID:???0
ipbf\d+marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp 規制


俺はこれのおかげで初めてこのスレを携帯でかきこんでるぜwwwwww
82猪(汗かき):2006/12/11(月) 08:29:24.26 ID:RAJt0aa+O
保守だな
83猪(加齢臭):2006/12/11(月) 09:10:11.80 ID:UoVdWijpO
保守
84猪(乱視):2006/12/11(月) 09:17:43.68 ID:ZIYimJs9O
ほし
85お年玉(落としちゃった!!):2006/12/11(月) 10:11:55.08 ID:7NZVDXdSO
アナル落ちてる保守
86お年玉(とられた):2006/12/11(月) 11:00:36.81 ID:7NZVDXdSO
勘違いだったorz
保守
87猪(近眼):2006/12/11(月) 11:06:50.30 ID:273kEAeJO
何故に規制?
88ちょっとキョン!あたしのプリン食べなさい!:2006/12/11(月) 11:44:48.44 ID:ifTGa0oG0
「今日はあんたのためにあたし自ら手作りプリンを作ってあげたわ!大きいプリンと中ぐらいのプリンと小さいプリンのどれが食べたい?」
などと二人きりの部室でハルヒは唐突に言い出した。
ハルヒのことだ、おそらくは大きいプリンはバケツプリン、小さいプリンは喫茶店のミルク入れで作ったような小さいヤツに違いない。
その手には乗らんぞ。
「大きいのは身に余る、小さいのはモノ足りそうにないからな。俺は中くらいのがいいな」
俺がそう言うと、ハルヒは冷蔵庫から大きめの皿を取り出し、俺の目の前に置いた。
「…………」
「何かたまってんのよ。早く食べなさいよ」
なんて視線を逸らしながらハルヒはそう言いやがるが……この目の前の物体はどう見てもな……
「おい、これはいったい何だ?」
「プリンよプリン。見て判んないの?」
「いや、一応判るが。この形はいったい何だ?」
確かに誰がどう見てもプリンだが、その物体はどう見ても『おっぱい』の形をしていた。
つまりおっぱいプリンというヤツだな。そして、その形状はあまりにもリアルすぎた。

まさか、実際に型を取って作った訳じゃないだろうなぁおい。つまり大中小のプリンは……
「ハルヒ……まさかこれはお前の――」
「バ、バカッ!そんなわけないでしょ!みんなの型を取ってキョンがどれを選ぶかなんて試そうなんてそんな事してないんだから!」
まったく、判りやすいなお前……
そう言うわけで、俺はハルヒの目の前でプリンを食べると言う羞恥プレイをさせられたのだが、中くらいのプリンはとてつもなく甘かった。


>>5を見て思いついた保守
89凧(100連):2006/12/11(月) 11:54:57.76 ID:IYf3DmLd0
小さいプリンは長門のおっぱいで大きいプリンはみくるのおっぱいかw
90猪(60才):2006/12/11(月) 11:56:59.57 ID:AUysAWLN0
いいえ、実は大きいプリンは古泉のケツでした
91猪(過敏):2006/12/11(月) 12:04:10.34 ID:mIUfs1oG0
小さいプリンは古泉のおっぱいでした
92おみくじ(やぶれた):2006/12/11(月) 12:05:14.50 ID:qZjWD6Qf0
長門のおっぱいで型を取ったプリンを食べたいと思ったのは俺だけですか、そうですか…
93猪(委員長):2006/12/11(月) 12:19:19.71 ID:RAJt0aa+O
三人の前で大中小を食べて味について評価する羞恥プレイ希望
94おみくじ(やぶれた):2006/12/11(月) 12:20:16.39 ID:qZjWD6Qf0
キョン妹のおっぱいで方を取ったプリンも食べてみたいな
95猪(ドラム):2006/12/11(月) 12:27:59.80 ID:2v/v/pYZO
鶴屋さんのおでこだろ
96猪(ドラム):2006/12/11(月) 12:55:35.44 ID:2v/v/pYZO
鶴屋さんのおでこだろ
97猪(ベース):2006/12/11(月) 13:02:56.93 ID:PRLIJVAaO
※選ばれなかったプリンはあとでスタッフがおいしくいただきました。
98猪(青詐欺):2006/12/11(月) 13:23:23.27 ID:+Bk6oPpOO
保守
99おみくじ(いいのこいっ):2006/12/11(月) 13:40:31.50 ID:qZjWD6Qf0
放課後の部室でのことだ。

俺が部室に行くと、そこには置物のように鎮座して読書する長門の姿があった。
「あれ、他には来てないのか?」
そう聞くと長門は、黒光りする瞳をこちらに向け、
僅かに首を縦に動かしただけだった。
「そ、そうか…」

正直に言おう。
俺はこの雰囲気があまり好きではない。
そりゃあ確かに、長門は役に立つし、何回も助けてもらった。
だが、やはりこの無口な有機アンドロイドと
2人きりになるというのは、慣れないものだ。

と、その時のことである。
100おみくじ(いいのこいっ):2006/12/11(月) 13:41:16.03 ID:qZjWD6Qf0
読んでいた本をパタンと閉じた長門は、
椅子から立ち上がり、冷蔵庫の前に立った。
そして、冷蔵庫の扉をパタンと開け、
中から大きな皿を取り出し、俺の目の前に出した。

「…食べて」
「これは?」
「…プリンと呼ばれる食べ物。涼宮ハルヒによって強制的に作らされた」
「そ、そうなのか…」
あの野郎<ハルヒ>、長門にもこんなことをさせていたのか。

言わずもがな、そのプリンもやはり、『おっぱい』と呼ばれる形をしていた。
ハルヒが作ったやつよりも小ぶりだった。

俺は長門に手渡されたスプーンを持ち、
そのプリンを食べた。
ハルヒの時と同じで、このプリンもとても甘かった。

>>88
パクってすまん
101猪(倉庫係り):2006/12/11(月) 14:02:44.63 ID:+Bk6oPpOO
保守
102猪(停学中):2006/12/11(月) 14:32:06.16 ID:m8W5YtmwO
保守
103猪(倉庫係り):2006/12/11(月) 14:50:10.33 ID:+Bk6oPpOO
保守
104おみくじ(既知):2006/12/11(月) 14:57:20.92 ID:qZjWD6Qf0
放課後の部室でのことだ。

部室のドアをノックすると、
「はぁ〜い」という朝比奈ボイスが聞こえてきた。
ドアを開けると、そこにはメイド姿がすっかり板についた朝比奈さんの姿があった。

「あれ、他にはまだ誰も来てないんですか?」
「そうみたいです〜あっ、お茶いれますね」

水が入ったヤカンをガスコンロに置き、
沸騰するまで待つこと数分。

と、その時のことである。
105猪(不倫中):2006/12/11(月) 14:57:53.39 ID:OTXquxbb0
と、ここでネタばらし
106おみくじ(きち):2006/12/11(月) 15:03:01.22 ID:qZjWD6Qf0
「あ、あのぅ…キョンくん…」
何故か頬を赤く染めながら、朝比奈さんは俺に問い掛けてきた。
「なんでしょうか?」
「た、食べてほしい物が…あるんです…」

…この展開、少なからず2回は経験してきたぞ。

すると朝比奈さんは、やはり冷蔵庫の扉に手を伸ばし、
中から大きな皿が出てきた。
その皿には、特盛のプリンが乗っていた。
どんな形だったかは言わせないでくれ、言わずとも分かるだろう。

「あの、ハルヒによって強制的に作らされたんですか?」
「えぇっ?な、な、なんで知ってるんですかぁ?」
「いや、ただの勘ですよ、勘」

ここは嘘を付いておくのが良いと思ったまでだ。

「もしよかったら、食べてくれましゅ…すか?」
「えぇ、いいですよ」

俺は朝比奈さんに手渡されたスプーンを持ち、そのプリンを食べた。
このプリンも甘かったという事は、まぁ…言わせるな。
107年賀状(配ってます):2006/12/11(月) 15:17:52.47 ID:ifTGa0oG0
>>99-100 >>104 >>106

すんばらしぃwww GJ!!
個人的に特盛りプリンをスプーンなしで食べあwsでrfgtyふじこlp;
108猪(病気がち):2006/12/11(月) 16:01:57.86 ID:m8W5YtmwO
今日は過疎りまくりだな
109おみくじ(汚れて読めない):2006/12/11(月) 16:19:58.04 ID:qZjWD6Qf0
鶴屋さんのおでこで型をとったプリンって、
まん丸or長方形みたいな形?
意見をくれ
110書初め(子孫繁栄):2006/12/11(月) 16:43:48.44 ID:8/El1RCR0
スモークチーズ型にきまってんだろ
111おみくじ(汚れて読めない):2006/12/11(月) 16:48:58.22 ID:qZjWD6Qf0
>>110
thx
気が向いたら鶴屋さんverも書いてみる
112お年玉(800円):2006/12/11(月) 16:51:10.00 ID:EclFRSkrO
>>111
実はこの>>110、仕掛人なのである
113書初め(子孫繁栄):2006/12/11(月) 16:54:33.59 ID:8/El1RCR0
。O(言えない!アナルと間違えたなんて言えない……!)
114猪(おまっ):2006/12/11(月) 16:55:52.21 ID:7r5CQ46rO
嘘だっ!!
115猪(青詐欺):2006/12/11(月) 17:04:56.48 ID:UoVdWijpO
>>111
朝比奈さん(大)と●のも希望
116おみくじ(大吉):2006/12/11(月) 17:06:29.69 ID:qZjWD6Qf0
>>115
承知
出来る限りのことはやってみる
117おせち(30,000円):2006/12/11(月) 17:08:10.72 ID:/Eb7O0Av0
朝比奈さん(大)の型を取った物だと思ったら実は●のケツ型だった
118おみくじ(大吉):2006/12/11(月) 17:13:46.73 ID:qZjWD6Qf0
鶴屋さん
朝比奈さん(大)
古泉
キョン妹

この4人でプリンSS作ってみるわ。
119おせち(8,000円):2006/12/11(月) 17:37:13.72 ID:sgJksbJXO
保守
120猪(大人):2006/12/11(月) 17:46:08.25 ID:+Bk6oPpOO
>>118
おぉ!
wktkだぜ。
121初夢(犯人だった):2006/12/11(月) 17:49:59.13 ID:d/PdZaNT0
今から推敲だぅい。
122かき初め(虚脱感):2006/12/11(月) 18:11:38.94 ID:qZjWD6Qf0
鶴屋さんて、キョンのことを何て呼んでだっけ?
ド忘れしちまったorz
123猪(カビ):2006/12/11(月) 18:11:38.92 ID:m8W5YtmwO
124猪(カビ):2006/12/11(月) 18:13:21.58 ID:m8W5YtmwO
>>122
キョン君っ って感じだったと思う
125おせち(8,000円):2006/12/11(月) 18:13:58.94 ID:2v/v/pYZO
松茸型プリン
126まるこむW ◆zPwnMOqY0c :2006/12/11(月) 18:13:59.23 ID:xINDkPks0
>>1
プリンなんて食べてなぃっすょ…
127かき初め(虚脱感):2006/12/11(月) 18:14:44.47 ID:qZjWD6Qf0
おぉ、マジでthx!
今から鶴屋さんプリンSS書くわ。

あんまり期待されても困るんだが、
まぁ、それなりのことはしてみる
128猪(もどき):2006/12/11(月) 18:14:47.38 ID:AUysAWLN0
鶴屋「ちょいと少年! いきなりはダメだよ!」
129ぬこと初詣:2006/12/11(月) 18:30:16.28 ID:brxGqcvf0
古泉は神人でとった型を
130猪(病気がち):2006/12/11(月) 18:32:38.77 ID:+Bk6oPpOO
谷口はチャ(ry
131猪(乱視):2006/12/11(月) 18:35:30.12 ID:VJP4ERK+0
前スレで出てたハルキョンの牢獄(監禁)物を書いてる途中なんだが、
長めにして描写を細かくするのと、30レス前後で収まる展開に留めるのと、
どっちが好まれるんだろうか。
大長編を書くだけの構想力が自分には無いけど、現状のまま投下しても
内容が煮詰まって無い感が否めない……。
長編の方が好まれるなら折角の機会だし挑戦しようとは思うけど。
132キョン:2006/12/11(月) 18:35:33.76 ID:qZjWD6Qf0
夜の8時を回った頃だろうか。
珍しくシャミセンが散歩に出たがっていたので、
俺も晩飯の腹ごなしついでとして、
シャミセンを散歩へと連れて行った。

シャミセンは、阪中のとこの犬のように、
さっさかと早く歩かないので、、
俺にとってはちょうどいいスピードだった。

そんな時のこと。

「おーいっ、キョン君っ!」

俺のことを誰かが呼んでいたので、
後ろに振り返ってみると、そこには元気印満点の鶴屋さんがいた。

「何してんだいっ、おっ、シャミセンじゃないかっ!」
「えぇ、シャミセンが珍しく散歩に出たがっていたので、連れて来たんですよ」
「へぇーっ、なるほどねっ。ところで、キョン君」
「なんですか?」
「みくると長門っちとハルにゃん特製のプリン、食べたでしょ?」
な、なんで知ってるんだ…
まさか朝比奈さんが言ったのか?
「いやいや、ハルにゃんが言ってきたっさー。」
またあのバカが、ベラベラと。
「んで、私もめがっさ頑張ってプリン作ってみたっさー。食べてくれるかいっ?」
「は、はぁ…」

やれやれ、文字通り「プリン体」にならないか心配になってきた。
133かき初め(虚脱感):2006/12/11(月) 18:36:34.48 ID:qZjWD6Qf0
「ちょろーんと待ってて!うち、すぐそこだからさ!」

どうやら、いつの間にか鶴屋邸の近くまで来てしまっていた。

鶴屋さんがプリンを持ってくるまでの間、俺はシャミセンと戯れていた。
こいつ、そろそろ帰りたがってるな…
そう思っていたとき、
「ごめんごめん、待ったかい?」
「いえいえ、そんなには待ってませんよ」
「それなら良かったっさー」
…鶴屋さん、手にしているそれは一体…
「あっ、これが例のプリンさっ!めがっさ頑張ったんだからね!」
いやいや、それ、プリンというかスモークチーズのような気がするんですが…
でもまぁ、形が今までの『おっぱい』と違ってて良かった。
もしこれが鶴屋さんの「特製おっぱいプリン」だったら、
近々俺の身に、何か悪い事が起きそうで嫌だったからな。

「ありがとうございます。後で美味しくいただきま…」
そうはいかなかった。
何故だろうなぁ。
なんてったって、鶴屋さんの手にはスプーンが握られていたからなぁ。
「へっへー、ここで食べて欲しいっさ!何だったら、うちにあがる?」
「い、いえ…ここで頂きます…」
134かき初め(虚脱感):2006/12/11(月) 18:36:58.80 ID:qZjWD6Qf0
パクりと一口だけ食べてみた。
…甘くない。
いや、むしろチーズ臭いぞ。

「味はどうだい、キョン君っ!」
「えぇ…とても美味しいですよ…」
「だろうねっ!なんて言ったって、
私の大好きなスモークチーズを加えたし、型は『おでこ』で取ったからねっ!」

…シャミセン、お前も食うか?
俺はシャミセンに熱い目線を送った。
みゃあーと鳴いてそっぽを向いたけどな。

おわり
135猪(ようじょ):2006/12/11(月) 18:40:35.48 ID:MOl9Q4Zl0
スモチプリン…
136猪(大人):2006/12/11(月) 18:53:21.00 ID:qwSa1hUGO
ほしゅ
137おせち(8,000円):2006/12/11(月) 18:53:32.64 ID:2v/v/pYZO
チーズ臭いプリンwwwwww
138猪(病気がち):2006/12/11(月) 18:57:19.39 ID:+Bk6oPpOO
GJ!

>>131
俺は完璧なのが読んでみたい。
139かき初め(虚脱感):2006/12/11(月) 18:59:52.91 ID:qZjWD6Qf0
「お話があります。昼休み、部室にきてください」

こんな手紙が下駄箱に入っていたのを確認したのは、
俺が長々と続く坂道を登り、学校に着いた時だった。
しかし、誰がこんな可愛い字で俺に手紙を書くんだ。
長門にしては可愛すぎる字だし、
ハルヒがこんな手紙を書くわけが無い。
となるとやはり、あの人しかいないだろう。

変に高揚した気分で午前の授業を受け、
昼飯の弁当を急いで食い終え、部室へと向かった。

部室のドアをノックする。
「はぁ〜い」

…やっぱりな。
あんな可愛い手紙を書く人は、
朝比奈さんということが相場で決まってる。
140かき初め(二回目):2006/12/11(月) 19:00:19.40 ID:qZjWD6Qf0
俺はドアを開けた。
だが、そこには見慣れている朝比奈さんではなく、
大きい方の朝比奈さんの姿があった。

「お久しぶりですね、朝比奈さん」
「えぇ、こちらこそお久しぶり」
「ところで、俺に何か御用が?」
「あ、あのぅ…キョン君…」
「…」
「食べて欲しい物があるの」

この展開は、ま、まさかな。
ハハハ、まさかな、まさかだよ、なぁ?

そのまさかだった。

朝比奈さん(大)は、部室にある冷蔵庫を開けた。
勘弁してくれ。
さすがに4日連続でアレを食べるのは、
お笑い芸人の伝説作りで十分じゃないのか、おい。

俺の願いも虚しく、朝比奈さん(大)が冷蔵庫から取り出したのは、
皿に乗った、そりゃもう大きな大きなプリンだった。
しかも、俺が昨日食べた朝比奈さんプリンよりも数倍、特盛だった。
141かき初め(二回目):2006/12/11(月) 19:00:44.02 ID:qZjWD6Qf0
「さ、食べて」

食べてと言われましてもねぇ…
結構ですと断れる度量は、あいにく持ち合わせていない。
仕方が無い、ここまで来たらどうにでもなれってんだ。
俺は朝比奈さん(大)から受け取ったスプーンを手にし、
特盛プリンを口に運んだ。

どうしてこんなに甘いんだよ、なぁ…
俺に代わってプリンを食べ続けられる奴がいたら、
迷わず挙手しろ。
代わってやる。

俺はなんとか特盛プリンを間食した。
それを見届けた朝比奈さん(大)は、
「良かった、喜んでくれたみたいね。じゃあ、またね」
と、そそくさと言い、未来へと帰っていった。

お陰で、5時限目に控えていた体育のマラソンで、
俺は最下位という結果で終わり、
谷口と国木田、そしてハルヒの笑い者にされちまったさ。
142猪(巨乳):2006/12/11(月) 19:07:37.65 ID:m8W5YtmwO
ぜひ代わりに食いてぇ
143長ネギ:2006/12/11(月) 19:12:04.51 ID:1aAPbkDx0
>>131
その場の説明に十分で、かつ細かい描画ってのが理想だと思うけど・・・
内容がに詰まって無い感じがして納得がいかなければ納得の行く形まで
書いたほうがいいと思う。
長編は結構好まれてる感じがあるし大丈夫なんじゃない?

ただ、あまりにも長い場合は前編・後編とかで分けて投下したほうが
いいかもね。
あまり長いと支援も大変だし・・・

ところで、短めで30レスってことは、描画細かくして煮詰めると50レス
とかになるの?
144猪(病気がち):2006/12/11(月) 19:31:43.25 ID:qwSa1hUGO
>>141
GJ!
145猪(ミニスカ):2006/12/11(月) 19:41:47.17 ID:VJP4ERK+0
>>143
たぶんそれくらいになる。その場合は前後偏2回にする予定。
話のコンセプト上時間をかけたほうがじっくりと味が出せそう。
ただ、読み手から見てダレてると思われない範囲にするのが難しい……
必然的に心理描写の部分が増えちゃうのもあるし
とりあえずもう少し手直ししてみる事にする
……他の未完作品も書かないとなorz
146長ネギ:2006/12/11(月) 19:50:05.96 ID:1aAPbkDx0
>>145
ガンガレ!
147おみくじ(既知):2006/12/11(月) 20:00:06.68 ID:uYEJ60XCO
あげ
148猪(2ch中):2006/12/11(月) 20:19:46.39 ID:m8W5YtmwO
ほすゅ
149凧(一人身):2006/12/11(月) 20:21:05.60 ID:PyRwR3dn0
三日ぶりくらいにきた
リハビリ用にネタプリーズ、
150書初め(冠婚葬祭):2006/12/11(月) 20:26:42.92 ID:8/El1RCR0
つ【MadTeaParty】
151猪(停学中):2006/12/11(月) 20:26:49.69 ID:RAJt0aa+O
一つ質問
喜緑さんの住まいって明らかになってる?
152おみくじ(既知):2006/12/11(月) 20:28:02.88 ID:233o5OAfO
なってない
153初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/11(月) 20:30:11.07 ID:IlKJrWBg0
まとめwiki雑談室より。

wiki管理人さん:申し訳ないですが、今月はもうろくに対処できません。

ということらしいんで、黙ってるとまとめwikiにはもう上がらないらしい。
http://yy42.60.kg/haruhizatudan/#3
SS職人さんはここ↑で明示的にまとめ依頼しないとまとめてもらえないかもよ。

という保守。
154おせち(200円):2006/12/11(月) 20:31:16.40 ID:oGwRz9U60
なぜか部室に居るキョン妹の
「キョン君は誰が一番好きなの?」
の一言で戦争が巻き起こる電波受信した
もろちん途中でいろんな人を巻き込み拡大化w



誰かかいてくれ…
155愛のVIP戦士:2006/12/11(月) 20:41:25.53 ID:OBTeDOg00
まとめサイトとかないんですか?
156愛のVIP戦士:2006/12/11(月) 20:42:14.42 ID:OBTeDOg00
ごめん忘れて(∩A∩)
157初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/11(月) 20:44:05.84 ID:IlKJrWBg0
>>155
http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/
最近、めちゃんこ重いよ。あと、このスレの先頭を見てね。そういうことは
先頭に書いてあるもんなんだよ。一般に
158”管理”人と初詣:2006/12/11(月) 20:47:42.57 ID:ZBTquoQrO
管理人さんも大変だな保守
159”管理”人と初詣:2006/12/11(月) 20:48:48.27 ID:ZBTquoQrO
管理人が被ったw
160書初め(樹木希林):2006/12/11(月) 20:49:20.77 ID:wBl52qtn0
長門と補修
161書初め(今年書くぞー):2006/12/11(月) 20:51:59.15 ID:hw3Hyknz0
とりあえず何にも考えないで初めて書いてみたんだが投下してもいいのかな?
エロでもなく落ちがつくこともなく、プロローグみたいなもんのみな上、
続きを書く気もないんで暇つぶしにもならないかも知らんが。
とゆうかハルヒ自体一回読んだだけの俺だけど。
162猪(子持ち):2006/12/11(月) 20:55:37.46 ID:qwSa1hUGO
wktk!
あとエロはエロパロかと
163書初め(冠婚葬祭):2006/12/11(月) 20:55:55.23 ID:8/El1RCR0
こいや。
リレー形式でつなぐSSもないわけじゃないんだぜ?
164”管理”人と初詣:2006/12/11(月) 20:56:08.93 ID:ZBTquoQrO
イインダヨ
165猪(カビ):2006/12/11(月) 20:58:31.80 ID:+Bk6oPpOO
wktk
166涼宮ハルヒの平日:2006/12/11(月) 21:05:46.84 ID:hw3Hyknz0
「いい!キョン!!」
よくはない。
大体からして俺がこんな状態にいるのも全てはこいつのせい
に違いはないんだが、なんだってこいつはこんなに張り切って
るんだ。あぁ、突然こんなこと言われたってわからないだろうけ
ど、目下ハルヒの周囲、俺たちのいる学校の屋上から見える
景色は一面瓦礫の山だ。生存者は俺たち二人のみ。そして全
てはハルヒの引き起こしたくだらないジレンマの爆発の結果に
過ぎないわけだが、世の中が退屈だというまさにそれだけで
ジレンマを起こすんだからその理由は本当にくだらない。
しかし、理由がくだらないからといって結果までそうとは限らないわけで、
俺はハルヒとこの終わった世界で瓦礫の王様とお姫様を気取るしかない現況に大いに悩んでいるわけだ。
どちらが王かは言うまでも、ない。もっとも王は王でも修飾語に裸がつく可能性が高いが。
なんにせよこの状況は全くもってこいつの責任に違いないわけだが、
なぜ一介の女子高生に過ぎないこいつにそんな責任があるかなんて、
わかってるだろう?その辺は。そしていくらかは俺にもあるらしい。
「…空は青いのにな」
なんだって残ってるのは俺だけなんだ。
長門も朝比奈さんも、主に長門も。誰もいないなんて。
もう一人いた気はするが思い出す必要はないだろう。少なくとも俺はもう忘れた。
「だから!!キョン!あたしの話を聞いてたの!?
そんなアホ面引っさげて空を見上げたって見てくれるのはもうあたしだけよ!
そしてあたしはそんなもの見たくない。わかる?だからあたしの話を聞きなさい!!」
だからこいつはこの状況でなんでこんなに張り切っているんだ。
167書初め(謹賀新年):2006/12/11(月) 21:07:20.09 ID:hw3Hyknz0
「悪い。これっぽちも聞いていなかった。もう一度説明してもらってもいいか?」
「ふん!世の中がそんなに甘いと思ったら大間違いなんだけどね。でもここで言う世の中はあたしとキョン二人だけのことね。そしてあたしはあんたみたいなアホをほっておけないくらい優しいの。だからもう一度だけ説明してあげるわ」
そうしてもらえると本当に助かる。
「あたしたちは今まで世の中に隠された異常事態を探してきたわ!でもその異常事態はもう起こってしまった!なぜだかはわからないけどこの学校、しかもあたしとあんたを残して全てが灰塵に帰すなんてこんなこと普通では考えられないことよね!?」
全く、本当に、普通じゃ考えられないな。
「いつまでもうだうだ言ってるんじゃないわよ!起こってしまったことは仕方がないわ!!
この異常な状況であたしたち残されたSOS団にできることをしましょう!」
「もっともなことだが、それで具体的にはどうするんだ?」
「ばかね。周囲が異常ならあたしたちは平凡になる以外ないじゃない。
いい?秩序の存在しない世界では日常こそ最も異常なことなの!
それこそ団意に叶うってことでしょう!!あたしたちは学生。
つまりこれからなにか普通の部活をやりましょう!!」
「学生なら普通は勉強じゃないのか?」
まぁ、俺だって全然そんなことはやりたくはないが、一応な。
このSSはPTAに優しくできています、と。
「勉強は・・・あっあたしは!夜・・やる・・わ。あっあんたもよ!!
しゃくだけどあんたに教わりたいこともあるし」
なぜそこで顔を赤らめるのかはさっぱりわからないが、
これで俺はPTAだけじゃなく倫協にまで菓子折りをもって行かなきゃいけなくなるわけだ。
下ネタはほどほどにね?
ありがとう。デンコちゃん。
168猪(巨乳):2006/12/11(月) 21:07:29.23 ID:+Bk6oPpOO
支援
169書初め(謹賀新年):2006/12/11(月) 21:09:05.17 ID:hw3Hyknz0
「とっ!とにかくエロキョンの意見は、い・ま・は!却下よ!!」
全くもって予想外の形容詞が名前に付けられたことで受けた俺の精神的なダメージは長門なら
「惑星ソラリスにおけるコミュニケーション成立の可能性に相当」
なんて言うだろうほどだが、まぁ、つまり、ないに等しいわけで。
なんてどうでもいいことはこの際放って置こう。重要なのはハルヒが普通になると言っていることだ。
もしこれからいわゆる普通のことにハルヒが専心していって、
万に一つにもあいつに日常を楽しむ心が芽生えるようなことがあれば、
その時はあいつの望む通りに今まで通りの退屈な生活が帰ってくるんじゃないか。
俺の愛すべきあの生活が。
それは部室の隅で長門が本を読み、朝比奈さんは涙目になりながら露出過多なコスプレを迫られる。
当のあいつはそんなことをしながら楽しそうに、でもどこかつまらなそうに時々俺のほうを見る。
それはあいつの望む起伏の激しい日常じゃなかったかもしれないが、あいつの中に必要な何かを積み上げていく生活ではあったはずだ。
そして何よりあの紙一重の退屈、あれが俺の日常なら、それは取り戻さなきゃいけないだろ?
170猪(巨乳):2006/12/11(月) 21:09:48.08 ID:+Bk6oPpOO
支援
171書初め(焼肉定職):2006/12/11(月) 21:10:39.32 ID:8/El1RCR0
ちょ、ソラリスwwwwwwwww
SF好きっすかwwwwwwww
172書初め(謹賀新年):2006/12/11(月) 21:10:53.43 ID:hw3Hyknz0
俺にできることはとにかくハルヒを普通にすることだ。
瓦礫だらけのこんな世界でどれだけ普通のことができるのかと思うと泣きたくもなるが、
選択肢は初めからないに等しい。俺は長門も朝比奈さんも見捨てることができない。
そして、今度こそ俺を助けてくれるやつは誰もいないだろう。
とにかく俺に提示できるのはこの選択だけだ。ハルヒと遊ぶ。それも普通に。
それが俺にできる最善のことでやるからには楽しんではいけないわけがないとは思う。
いずれにせよ、こいつと一生二人っきりなんてのも、普通の生活の上でならそれなりに楽しめるかもしれないだろうし、
それ以前にそうならないならばそれは地獄以外のなにものでもないだろ?
振り回されるのは俺一人じゃ身が持たない。
長門にも朝比奈さんにもまだまだ付き合ってもらわなきゃな。
まぁいいさ。
とりあえず何の部活にするか考えようか?
なぁハルヒ?
とにかくこれから始まるだろ。
間違いなく、おまえから望む初めての、涼宮ハルヒの平日、が。

「いい!!世界がないくらいで、うだうだ言ってる暇はないわよ!」

はい。終わり。
173猪(巨乳):2006/12/11(月) 21:12:09.51 ID:+Bk6oPpOO
乙!
良いねぇ。
続き読みたいぜ。
174おせち(3,000円):2006/12/11(月) 21:13:18.36 ID:oGwRz9U60
昨日だか投下あったらしい覚醒の人のSSってタイトル何?
175書初め(焼肉定職):2006/12/11(月) 21:13:41.27 ID:8/El1RCR0
ある意味ここで完結してるな……むしろエンディングの気がするw
良いと思うぜ?
176猪(巨乳):2006/12/11(月) 21:14:48.67 ID:+Bk6oPpOO
>>174
カオス・ザ・ワールド
177猪(ミセブラ):2006/12/11(月) 21:18:15.25 ID:RsOZqzaGO
こん中で

続き読みたかたったらフェルエリア・フォン・エターナリティ

って俺がいつ書いてたか知ってる人居ないかい?内容ミヨキチなんやけど
178おせち(3,000円):2006/12/11(月) 21:18:38.88 ID:oGwRz9U60
>>176
wikiにでてないの?
179書初め(謹賀新年):2006/12/11(月) 21:20:08.80 ID:hw3Hyknz0
どこまで続くかわからないけど続きとか書いてみる?
とゆうか正直な話、一回呼んだだけなんで他のキャラの感じがわからない。
古泉にいたっては名前が思い出せなくて書くのやめたしww
そんなんでいいならw
180初夢(声優とデート):2006/12/11(月) 21:23:36.85 ID:IlKJrWBg0
>>176
でてない。管理人さんが
>>153
なんで。雑談所で「読みたいからあげて」と言ってみたら?作者or有志があげてくれるかもよ。
181おせち(3,000円):2006/12/11(月) 21:25:19.74 ID:oGwRz9U60
他の人の手を煩わせるのもなんなんで
読みにくいけどdatファイルhtmlになおしてみてみます
182猪(巨乳):2006/12/11(月) 21:30:29.45 ID:+Bk6oPpOO
>>177
覚える。
183猪(巨乳):2006/12/11(月) 21:31:38.43 ID:+Bk6oPpOO
>>182
ゴメン。
間違い。
184愛のVIP戦士:2006/12/11(月) 21:52:44.88 ID:VR9HIupO0
http://kunekune.breeze.jp/up/uploader/src/up2942.txt
涼宮ハルヒの終焉第五章
間あいてすまん
テスト期間中でずっと書けなかった

てかこれいつになったら書きおわんの?
185VIP皇帝:2006/12/11(月) 21:52:50.51 ID:RBx/LWHTO
保守
186おせち(30,000円):2006/12/11(月) 21:53:22.50 ID:sgJksbJXO
187VIP皇帝:2006/12/11(月) 21:57:15.37 ID:IlKJrWBg0
>>184
まとめwikiにはあげないの?
今日はまとめwikiは重くないから禁制時間帯の1:00を過ぎれば大丈夫そうだよ。
188愛のVIP戦士:2006/12/11(月) 22:04:06.99 ID:VR9HIupO0
>>187
やり方がわからない
すまん
189黒豆(百粒):2006/12/11(月) 22:04:20.45 ID:cwkpHSR70
>>153
アドレスガチが微妙にちがうー
しかし、いい提案だね。まめにアナウンスしていこうか


====================
           業務連絡
====================

まとめwikiの管理人さんが多忙の為、まとめ作業が遅れます。
せめて長編だけでも負担にならないように、SS作者は自分でまとめていきましょう。

また、SS作者の方で自分ではまとめるスキルがない、携帯だからまとめられない、
夜間はwikiが重くて編集出来ないと言う方は

まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッドに
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153863162/ PC用 
http://same.u.la/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1153863162/ 携帯用

1、作品のタイトル :
2、作品のスレ番号 : (わからなければ現行スレ前スレでもOK)
3、種類 : (短編、長編−キョン、長編−ハルヒ等とか)
4、掲載した場所 : (スレ名とアンカー、面倒な場合はこちらで検索します。抜けがあってもご容赦を)

を書き込んでください。

まとめ要請がないと、まとめボランティアの人たちも手出しは出来ません。
管理人さんの負担を減らす為にも是非よろしくお願いします。
190初夢(ホスト修行中):2006/12/11(月) 22:05:03.60 ID:IlKJrWBg0
>>177
2006/12/04/  月 12:38:46.92
だよ。
191初夢(ホスト修行中):2006/12/11(月) 22:07:24.12 ID:IlKJrWBg0
>>188
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153863162/
に行って、

http://kunekune.breeze.jp/up/uploader/src/up2942.txt
涼宮ハルヒの終焉第五章

をまとめwikiにあげてくれ、といえば誰かやってくれる。
192愛のVIP戦士:2006/12/11(月) 22:07:50.71 ID:VR9HIupO0
>>189
把握
193初夢(ホスト修行中):2006/12/11(月) 22:08:55.97 ID:IlKJrWBg0
>>189
これって、テンプレに加えた方がいいんじゃね?
194猪(2ch中):2006/12/11(月) 22:18:04.47 ID:+Bk6oPpOO
>>184
乙!
なんだか恐ろしい方向に…
しかし、最初にあんたが言った言葉忘れないぜ。

続きwktk
195猪(2ch中):2006/12/11(月) 22:22:10.94 ID:+Bk6oPpOO
アナル、期限切れです。
196猪(病気がち):2006/12/11(月) 22:24:30.96 ID:RAJt0aa+O
>>152
ありがとう
原作読み直して確認はしたんだが自信が無かったんだ
197愛のVIP戦士:2006/12/11(月) 22:25:42.56 ID:VR9HIupO0
>>194
結局さ
ネタバレすると


誰か来たわ
198ex17落とさないでね:2006/12/11(月) 22:26:21.77 ID:zABGnGx90
>>195
●<アナルに賞味期限なんて存在しませんよ。いつでもドントコーイ!
199初夢(熱湯風呂):2006/12/11(月) 22:33:23.86 ID:mU9hPwPr0
アナル立てといたよ
200猪(給食中):2006/12/11(月) 22:33:49.32 ID:AUysAWLN0
201書初め(大願成就):2006/12/11(月) 22:35:15.73 ID:+sg3ng1D0
おつ
202初夢(熱湯風呂):2006/12/11(月) 22:35:16.79 ID:mU9hPwPr0
>>200
うrl張り忘れてた
ありがと
203黒豆(五粒):2006/12/11(月) 22:54:22.04 ID:qGsI0/TS0
●<…
204結びコンブ:2006/12/11(月) 22:55:23.69 ID:1aAPbkDx0
人いなさそうだからゲリラ投下するかな・・・
205覚醒の人 ◆0qzco1.0p6 :2006/12/11(月) 22:55:51.97 ID:y58BZ1o7O
>>181
ごめん、申請しといたよ。
……ただあれで良かったのか‥。
206VIP皇帝:2006/12/11(月) 22:55:59.41 ID:+Bk6oPpOO
ktkr
207おせち(5,000円):2006/12/11(月) 22:58:54.47 ID:oGwRz9U60
>>205
dクス
実はまだ見てなかったり(´Д`;
上げられてたら明日授業中にでもみてみまw
208覚醒の人 ◆0qzco1.0p6 :2006/12/11(月) 23:00:21.19 ID:y58BZ1o7O
すまん、投下は無い。
俺、土日の人だから。
今度の土日のどちらかに後編投下するよ。
しかしアナルのバカ長門にやられた…あれに勝てる自信は無い‥orz
209Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:01:28.55 ID:1aAPbkDx0
前に予告したMissing Ringの第一話をゲリラ投下。
準備できたら投下します。
210黒豆(三粒):2006/12/11(月) 23:03:00.59 ID:y58BZ1o7O
wktk
211猪(vipper):2006/12/11(月) 23:03:20.88 ID:+Bk6oPpOO
>>208
まさか覚醒の人が敗北宣言とは…

俺的にはどっちも甲乙付けがたいぐらいのハイレベルなんだが…
212ex17落とさないでね:2006/12/11(月) 23:03:52.22 ID:zABGnGx90
>>208
代わりにレス番号あげておいたです。
213猪(vipper):2006/12/11(月) 23:04:47.43 ID:+Bk6oPpOO
>>209
投下レス数教えてくれたら支援しやすいです。
214凧(一人身):2006/12/11(月) 23:06:26.64 ID:d/PdZaNT0
>>208
どっちも笑ったぜwwww自信持てwwww
215Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:09:44.42 ID:1aAPbkDx0
>>213
あ、1話だいたい10レス前後なので多分支援要らないかも。
今回は9レスです。
全8話予定。それではいきます。
216Missing Ring(1/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:10:27.97 ID:1aAPbkDx0
『Missing Ring -失われる7日間-』



【第一話−12/04】
 現在12/04午前0時、全身を覆うフードを着た1人の男が北高の屋上に
立っていた。男は天高く右腕を上げるとその手にもつ指輪を掲げた。
指輪は一瞬鋭い光を放ちそして沈黙した。その行為を行った後、男は指輪を
地面に置き去っていった。男は去り際に一言言った。

「一週間か・・・・・・」

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 俺は今猛烈に急ぎながら北高前の心臓破り坂を走っている。いつも
だったら起こしに来る妹が今日は何故かお越しに来ず、その結果油断
して寝坊してしまったのだ。まあ、この調子で急げばギリギリ間に
合うか・・・などと思いつつ走っていた。北高の門に入る寸前、門の近くに
全身を覆うフードを着た男が一瞬見えたが・・・おっと、急がないと遅れて
しまう。
 俺は何とかHRに間に合うようにクラスに入って席に着いた。
席に着くなりハルヒから、

「今日はいやに遅かったじゃない」
「妹が起こしに来ないもんだから油断して寝過ごしてしまったんだ」
「あんた未だに妹ちゃんを目覚まし時計代わりにしてるの?」
「別に俺がそうしているわけじゃないんだがな」
「まったく、団員が遅刻魔だと団長として情け無いわ」
「へいへい」
217猪(vipper):2006/12/11(月) 23:10:52.41 ID:+Bk6oPpOO
9ならぎりぎり要るか要らないかぐらいだな…
218Missing Ring(2/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:11:04.12 ID:1aAPbkDx0
 そんな話をしていると岡部が入ってきた。

「よーし。今日もハンドボール日和だな。さて、HRはじめるぞー」

 その日の午前中も特に日常と変わりなく、時折後ろからハルヒに
シャーペンで突付かれるといった事があるくらいだった。そうこうして
いるうちに午前中の授業も終わり昼休みになった。俺は谷口と国木田の
2人と弁当を食べていた。

「キョンは俺らなんかより奥さんと愛妻弁当食えよ」
「奥さんて誰だよ」
「谷口君は涼宮さんって言いたいみたいだよ」
「あのなあ、勝手にハルヒを奥さんにしないでくれ」
「既に『ハルヒ』と下の名前で呼び捨てにしてる時点で付き合ってる
ようなもんだぞ」
「だね。谷口君の言うとおりだと思うよ」
「まあ、お前は”この星と涼宮どちらをとる”と聞かれたら迷わず
涼宮って答えるんだろうな」
「おまえらはわからんかもしれんが、ハルヒは怪物だ。ハルヒと付き
合うとなると恐ろしい程のパワーがいるぞ。俺にはそんなパワーは
ない。あと、谷口チャック開いてるぞ」

 そう話していると谷口と国木田の視線が俺の後ろに固定されていた。
そして、

 「誰が怪物ですって〜」
 「げっ、ハルヒいたのか」
 「いたのかじゃないわよ。人がいないことをいいことに言いたい
  ことを言ってくれたじゃない」
219Missing Ring(3/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:11:43.49 ID:1aAPbkDx0
 「ま、まあこれは言葉のあやでだな・・・・・・」
 「あんたは団長様を怒らせたいみたいね」
 「いや、そんなことはないぞ。おっと用事があったんだ失礼する!」
 「あ、待てキョン!」

 俺はハルヒから逃げるために一目散に屋上へと向かった。屋上には誰も
おらず閑散としていた。しばらくうろついていると、地面に指輪が落ちて
いるのに気がついた。

「誰かの忘れもんかな・・・・・・それにしても高価そうだが・・・・・・」

 その指輪はサファイアと思われる青い宝石が埋め込まれ、リングは
蛇が丸く一周して自分の尻尾を食べているデザインのものだった。俺は
落し物として後で届けようと思い、上着のポケットにその指輪を仕舞った。
と、同時に予鈴が鳴り、俺は急いで教室へと戻っていった。

 キョンがいた近くでは全身を覆うフードを着た男が隠れてキョンの
様子を見ていた。男はキョンが指輪を持っていくのを見届けると、満足げ
にその場から姿を消した・・・・・・

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 午後の授業中はハルヒから精神攻撃とも言えるほどの小言が聞かされた。
まあ、最後には何とか機嫌を収めてくれたようでホッとしている。授業も
終わり放課後になり掃除当番だった俺は掃除を済ますと部活へと向かった。
既に俺を除く全員が揃っており、各自いつもの通りの行動をしていた。
俺が部室に入ると古泉は、
220Missing Ring(4/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:12:17.28 ID:1aAPbkDx0
「どうです? 今日は何か新しいゲームでもしましょうか?」
「そうだな。それよりみんなに見てもらいたいものがあるんだ」
「なんでしょうか?」

 俺は昼休みに拾った指輪をみんなに見せた。

「わあ、綺麗ですね」

 朝比奈さんは目を輝かせながら純粋に指輪の綺麗さに感動している。

「なかなかユニーク」

 長門は・・・・・・まあ、いつも通りだな。

「ちょっとキョン、これどうしたのよ」

 ハルヒは”綺麗”とかそういうこともいうことなく出所だけが興味が
あるようだ。

「いや、昼休みに屋上で拾ったんだ」

 俺は本当のことを話した。ってかそれ以外無いしな。最後に古泉が、

「確かに美しい指輪ですね。ただ・・・・・・リングの外観はウロボロスの輪に
似てますね・・・・・・何かの儀式的な指輪でしょうか」

 と、意味深なことを言った。
221猪(vipper):2006/12/11(月) 23:12:20.29 ID:+Bk6oPpOO
一応支援
222Missing Ring(5/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:12:53.77 ID:1aAPbkDx0
「ウロボロスの輪?」
「ええ、古代ギリシャで生まれた「無限」「永遠」を意味する象徴の
ことです」
「そんな大層な意味があったのか・・・・・・」
「まあ、この手の指輪は結構あると思いますよ。ただ・・・・・・」
「ただ?」

 古泉は俺にしか聞こえないように小声で、

「この指輪には何となく力みたいなものが感じられます。ただ、
”空っぽの力”というべきでしょうか」
「”空っぽの力”?」
「ええ、魔力的に言えば精気を吸い取る・・・・・・そんな感じです」
「おいおい、物騒なこと言わないでくれよ」
「まあ、今のはたとえ話です。恐らく本当に精気を吸われるという
ことは無いでしょう」

 古泉との話中に今度は長門が小声で、

「この指輪は解析不能な物質で出来ている。私の知る限りではこの
次元に存在しない。宝石と思われるものも同じ」
「お前でもわからないほど不思議な物質なのか?」
「そう。それに古泉一樹が言うように何かしらの力を秘めていると
思われる」
「これはとんでもないものかもしれんな・・・・・・」
「力を吸い取るような感じがある以上、あなた以外がこれを持つのは
危険かもしれません」
「じゃあ、俺が預かっておいた方がいいな」
「それが最良かと」
223Missing Ring(6/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:13:26.46 ID:1aAPbkDx0
 俺たちが小声で話し終えると、ハルヒが目を輝かせて、

「当然これは団長のあたしが持つべきよね」
「何言ってるんだ。これはよそ様のものだろ。明日にでも遺失物と
して職員室に届けるつもりだ」
「あんたじゃ無くしそうじゃない。それにこの綺麗さは団長の私に
ふさわしいわ」

 パクるき満々じゃねえか。

「あのなあ、レンタル品ってわけじゃないんだから、そう身につける
もんじゃないだろ。それに俺はちゃんと厳重に保管しておく」

 そこに古泉の助け舟を出してくれた。

「涼宮さん、彼の言う通りですよ。それに拾った人が保管して
おいた方が届け出る時の説明も明確に出来ます。ですから彼が
持っていたほうがいいでしょう」
「ま、そうね。これ高そうだから落した人も困ってそうだし。それに
しても何となく不思議な指輪ね・・・・・・」

 そういいながらハルヒは指輪を持ち、まじまじと見ている。よほど
気に入ったのか、よほど不思議な点があるのか・・・・・・俺には普通の、
ちょっと変わった指輪にしか見えないけどな。そう思いつつハルヒから
指輪を受け取り上着のポケットに再び仕舞った。

「それじゃ、今日はもう何もやることも無いし解散にしましょ」

 ハルヒの一言で今日は解散となった。下校途中の坂道を降りて
いると、前を歩いているハルヒがなぜか気になってしょうがなかった。
224Missing Ring(7/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:13:58.40 ID:1aAPbkDx0
「おや、やっと自分の気持ちにお気づきですか?」

 古泉が俺の表情を見てニヤケ面で言う。

「気持ちってなんだよ」
「涼宮さんに対する気持ちですよ。ご自分でもお気づきだと
思いますが」
「あいにく、そんなことを考えてたんじゃねえよ」
「では何を?」
「いや・・・・・・なんというか不思議な感じがな・・・・・・」
「不思議な感じ・・・・・・ですか?」
「ああ・・・・・・ハルヒが指輪を見ていたときからな」
「なるほど・・・・・・やはり何かあるのかもしれませんね」

 そう話していると前の方からハルヒが、

「歩くのが遅いわよキョン!置いてっちゃうからね!」
「へいへい」

 そうこうして雑談などしながら歩き、各自家の方へとバラバラに
散っていった。ハルヒと分かれる際、俺はなぜか、

「ハルヒ、明日もまた会えるよな」

 と言っていた。
225Missing Ring(8/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:14:29.24 ID:1aAPbkDx0
「当たり前じゃない。別に明日は休みってわけでも無いんだし」
「そうだよな。何言ってるんだろうな、俺」
「ちょっとしっかりしなさいよ。今日は朝から変よ」
「ま、そういう日もあるさ。じゃあなハルヒ、気をつけてな」
「あんたもね。じゃあね」

 そんな会話をしてハルヒと別れ家に向かった。

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 家では普段と変わりなく夕食・風呂・シャミセンとのベット争いをし、
平凡に一日が過ぎようとしていた。

「さて、今日は寝るかな」

 俺はシャミセンを床に下ろし寝床に入った。寝ている間不思議な夢を
見た。ハルヒが徐々にこの星のなかに溶け込んで、最後には消えてしまう
というものだった。

「ハルヒ!」

 俺はその光景を見て飛び起きた。時計は午前0時少し過ぎた時間を
指していた。

「夢・・・・・・か」

落ち着くためしばらく起きていると、しばらくして携帯電話の着信音が
鳴った。発信者は古泉だった。
226Missing Ring(9/9) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:14:59.90 ID:1aAPbkDx0
「もしもし、古泉か。今何時だと思って・・・・・・」
『申し訳ありません、緊急事態なもので』
「なにかあったのか?」
『大変なことになりました。涼宮さんが地上から消えました』
「なん・・・・・・だって!」
『こちらの方ではいま大混乱になっています。何か心当たりは
ありませんか?』
「いや、俺には特に心当たりはないが・・・・・・そうだ、閉鎖空間は
発生していないのか?」
『幸いなことに閉鎖空間は発生していません。逆にそのことが
混乱の原因となっています』
「そうか・・・・・・」
『とりあえず詳しい話は学校でしましょう。お休みのところ
失礼しました』
「ああ、わかった。学校で他のメンバーとも一緒に話そう」

 そういうと俺は電話を切った。ハルヒがこの地上から消えた? 
何かの間違いじゃないのか? 俺の下校時の不安が的中したって
いうのか? どうやらただ事で無いことが起きている事だけは
確実のようだ。

 ハルヒ、無事でいてくれ・・・・・・


───Missing Ring -失われる7日間- 第一話 終
227猪(vipper):2006/12/11(月) 23:15:06.79 ID:+Bk6oPpOO
支援
228猪(vipper):2006/12/11(月) 23:16:38.83 ID:+Bk6oPpOO
乙!

続きwktk
229Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:17:06.14 ID:1aAPbkDx0
今回はここまでです。
一応既に5話出来ているから、またゲリラするかも・・・w
230嫁と初詣:2006/12/11(月) 23:17:13.17 ID:wDCjQnS50
ここのSSにはまり過ぎて
原作とかTVの内容を忘れつつある自分がいる
231黒豆(万粒):2006/12/11(月) 23:17:53.59 ID:E2sauhPy0

今年中には投下完了できそうですか?
232年賀状(気があるってことなのか?):2006/12/11(月) 23:18:12.55 ID:1nDOWorj0
>>229


国木田は谷口君とは呼ばないな
233猪(vipper):2006/12/11(月) 23:19:22.51 ID:+Bk6oPpOO
ちょうど良いレス数だな。
ゲリラされて無問題だ。
234Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:20:32.35 ID:1aAPbkDx0
>>231
もう既に第6話〜最終話までの詳細なプロットが出来ているので、
このペースなら年内には確実に終わります。
一応1話10レス程度ですが、最終話近くはもしかすると20レスいくかも。
235黒豆(万粒):2006/12/11(月) 23:21:56.12 ID:E2sauhPy0
>>234
dクス
まったりまってます
236Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:21:57.10 ID:1aAPbkDx0
>>232
あ、そうだったのか。
今後のは直さないと・・・
ありがとうございました。
237猪(ほろよい):2006/12/11(月) 23:23:42.69 ID:OTXquxbb0
3点リーダ使え
238Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:26:33.71 ID:1aAPbkDx0
>>237
どうやら三点リーダーの意味を勘違いしていたようで…
次からは直します。
ありがとうございました。
239初夢(犯人だった):2006/12/11(月) 23:29:15.13 ID:IlKJrWBg0
>>238
まとめwikiに載せてくれと言わないと載らないよ、今は。
>>189
参照。
240Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/11(月) 23:32:56.58 ID:1aAPbkDx0
>>239
あ、それはすでに管理人さんが多忙なので、X-FILES第4話以降
すでに自分で申請しています。
ご忠告ありがとうございました。
241書初め(合格祈願):2006/12/11(月) 23:38:10.51 ID:hw3Hyknz0
続き書いてみました。
面白いか不安。投下してもいい?
242初夢(見るの忘れた):2006/12/11(月) 23:39:53.28 ID:O6SRfsq/0
>241
面白いかどうかは、歴史が判断してくれる。
さあ、歴史の1ページに刻みなされよ。
243平日続き:2006/12/11(月) 23:42:43.34 ID:hw3Hyknz0
おーい。誰か説明してくれー。
この世の中には常識では計り知れないことが多々あるわけで、
現在その内の比較的地味な一事象に遭遇している俺にはそれを第三者に伝える義務がある。
ただ破壊力は抜群だ。全く迷惑な話だ。
それでもこの当事者特有の混乱を沈めるために、それが少しでも役に立つって言うなら振り返ってみようじゃないか。
馬鹿みたいなこの状況を。

なるほど、こうして混乱から立ち直ってみると日常を取り戻すって試みは中々いいアイディアかもしれない。
とりあえず落ち着いてハルヒと話ができる。
向き合ってみると長い睫毛が不安げに揺れているのまで見て取れる。
そうだ。こいつは案外普通の女の子なのかもしれないな。
こうゆうか細い態度が意外なほど俺の保護欲をくすぐるってことこいつは知ってるんだろうか。
なぁハルヒ、混乱するのはわかるが少し落ち着こう。
「キョン!野球をやるわ」
「はぁ?」
「あたしは野球こそが部活動の王道だと思う。この状況なら王道を行くのが一番異常なことに違いないわ。
でも丸刈りはかんべんね。あんただけなら止めはしないけど。とりあえず甲子園を目指しましょう!
そして優勝。控えめに言って来年には大リーグね!!わくわくするわ」
俺だって丸刈りはかんべんしてほしい。
いやいや、おまえは誰と大会を開く気なんだ?
なぁそもそも俺のあのおまえに対する好意的な見方は全くの無駄だったのか?
不安げだったおまえはかなりかわいかったぞー?おーい?
「不安?確かに不安ではあったわね。野球には道具が必要だから。でもここは屋上そんなの問題にもならないわ」
おいおい俺のあのときめきを返してくれ。
「よく考えたら・・・屋上なんだから・・・んっ・・煙草とドラッグにしか興味がないアホどもが・・・
気に入らない後輩を・・・大差ないくせに自分たちで・・・あったわ!!」
その手には金属バットが二本握られていた。
「はぁはぁ・・・んっ・・・ふう。この通り、ヤキ入れる?ための道具くらいあるわけよ」
そんな馬鹿な。間違いなくハルヒの力が働いたんだろうってことくらいしか俺にはわからないが、とりあえずつっこんでおこう。
244書初め(合格祈願):2006/12/11(月) 23:44:10.03 ID:hw3Hyknz0
そんな馬鹿な。間違いなくハルヒの力が働いたんだろうってことくらいしか俺にはわからないが、
とりあえずつっこんでおこう。
「で、バット二本でおまえは何をする気なんだ?」
「野球ね」
「確かおまえと一度やった覚えがあったと思ったんだがな。その時と今と違いを比べられないのか」
「男の癖に細かいことにうるさいのね」
全然細かくはない。少なくとも、雑巾野球を正式に野球と呼ぼうという法案に賛成するくらいにはおおらかに見守ってるつもりだが。
「ユキ」
はっ?
「・・・呼んだ?」
「なっ長門!?」
なに普通に出てきてるんだ。おまえも。
「ほんとに、小さい男ね。ユキ。あたしたちが二人でこの道具だけでできる野球を今すぐ提案しなさい」
馬鹿な、むしろ俺のは大きいほう・・・じゃなく、
「わかった」
おい。
245書初め(合格祈願):2006/12/11(月) 23:46:33.32 ID:hw3Hyknz0
ここまでがさっき起こったことだ。信じられないことだが、長門が出てきた。
あれは本当に長門なのか。できればそうであってほしい。だが、
「なんだこれは?」
俺の前には持ち手をそれぞれ逆のほうに向けられたバットが二本並んでいる。
そして俺の座る対面にはハルヒが不敵な面構えでこっちをみている。
「ジャンケンバンバン叩いてポン。ジャンケンをして勝者が敗者を叩く。敗者はそれをバットで防ぐ。回数無制限。サドンデス」
ポンてのは脳みそから出る擬音のことか?
「面白そうじゃない!やるわよ!ユキ!ジャッジお願い!!」
「わかった」
「ちょっと待て長門!!死んじまうぞ!こんなことしたら!!」
「それはあなた次第」
いやいや、なぁ?そんなこと本気じゃないだろう?長門?おい!長門!!
「ジャンケンバンバン叩いてポン。あ、ジャンケンポン」
「パーよ!!!」「長門!!」
拳を握り締めて長門を睨む。って・・あっ・・・。
「パーとグー。あなたの負け」
「よっしゃあぁぁぁぁ!!!」
「ふざけんなぁぁぁぁ!!!」
ハルヒの振り下ろしたバットを俺は額の直前で何とか受け止めた。
ギーンという機械の振動音のような音が響き渡る。
「惜しい」
長門が呟いた。
「惜しいじゃない!!くっ!」
そのままハルヒとの鍔迫り合いが始まる。おい。ジャンケンはどうした。
「臨機応変、機をみたら逃さないこと・・・ね!!」
まずい、こいつ殺る気だ。力任せにハルヒを突き飛ばすがあいつはそれをうまく受け流してしまう。
246書初め(家内安全):2006/12/11(月) 23:48:06.23 ID:qZjWD6Qf0
4日前ははハルヒ(>>88氏を参照)
一昨日は長門、
昨日は朝比奈さんと鶴屋さん、
そして今日の昼に朝比奈(大)と、
計5人の特製プリンを食べ続けた。
正直、もうプリンしばらく食べたくない。
そんなことを思いつつ、俺は帰宅した。

「ただいま」
「あっ、キョン君おかえりー!シャミー、キョン君が帰ってきたよ!」
妹の元気な声が聞こえてくる。
俺は自分の部屋に入り、まずベッドに寝転んだ。
まったく…ハルヒは一体、何を望んでんだ。
おっぱいプリンなんて市販されているやつを買うだけでも恥ずかしいってのに、
あいつは全ての工程を自分で作ったってどういうことなんだ。
ハルヒだけならまだしも、
長門、朝比奈さん、鶴屋さん、そして朝比奈さん(大)
の他4人までもが「おっぱいプリン」という、
とてもつもなく恥ずかしいお菓子を作るなんて。

「やれやれだ」
溜息交じりの独り言が、俺の部屋に響く。

と、そんな時のことだ。
247書初め(合格祈願):2006/12/11(月) 23:48:51.49 ID:hw3Hyknz0
「チッ!」
引きざまにハルヒは身をかがめバットを横なぎに払った。クソ!!狙いは足か!
俺は飛び上がりその斬撃をかわした。着地際を狙われるとまずい!
落下の勢いを足してそのまま袈裟切りに切りかかる。
「おらぁぁ!」
「クッ!」
またもや鈍い金属の音が響き渡る。
俺の重さの乗った攻撃をハルヒはとっさにバットの両端に持ち両手を持ち変えることで何とか防いだ。
力と力の拮抗がまたもや始まる。震える両手の間にあるハルヒの額から一筋赤い血が垂れている。
「やるわね」
「おまえもな」
って、違う!!
「馬鹿!!こんなこともうやめるぞ!!」
「何言ってるのよ!!二人で甲子園目指そうって!あれほど言い合ったじゃない!こんなとこで諦める気!?」
ハルヒの目が妖しく光っている。くそっ!こいつはもうダメだ!聞きやしない!他には!
「長門!!なんとかしろ!」
「わかった。でも虚弱貧弱無知無能なあなたの面倒を見るのはもううんざり。
いいえ。それ以前に涼宮ハルヒともうイチャつかないでそんなものは見たくない」
これがいちゃついてるように見えるのか?俺には見えない。
少なくとも気を抜いたら金属バットが脳天に迫ってくるネッキングなんて俺はごめんだ。
ハルヒが隙を突いて俺を押し返す。そのまま頭めがけて金属バットを突き出す。
「攻守交替っ!!」
「ちっ!」
首をひねって交わすが軽くその一撃が額をかすった。血が流れてくる。二撃目は横なぎ。
バットを立ててそれを防ぐ額がくっつくほど顔を近づけて、押し合いがまた始まる。
いいかげんにしろ!鈍い音が響き渡る。何合も何合も俺とハルヒは切り結んでいる。それは一撃一撃が必殺の気合をまとっている。クソ!!どうにかするしかない!!
248書初め(家内安全):2006/12/11(月) 23:49:18.37 ID:qZjWD6Qf0
「えっ?!」
…やっぱりな。
俺はこの4日間で、あまりにもおかしすぎる体験をしてきたんだ。
ちょっとやそっとのことじゃ驚かないぜ。

「んで、俺に何を作ってくれたんだ?」
「えーとね、うーんとね…プリン作ったの」
「プリン?」
「そう、プリン!キョン君がね、喜んでくれると思ったから、頑張って作ったんだよ!」
そう言うと妹は、「じゃあ、今からとってくるね」と言いながら台所へと走っていった。

待つこと数分、妹はプリンが乗ったお皿を俺の部屋に持ってきた。
形はやはり「おっぱい」
長門の胸…いや、「長門のプリン」といい勝負かもしれないな
と、不覚にも思ってしまった。
249書初め(家内安全):2006/12/11(月) 23:49:34.08 ID:qZjWD6Qf0
「えへへー、食べて!」
「その前に。どうしてプリンなんて作ろうと思ったんだ?」
「だからー、キョン君が喜んでくれるかと思ったからだよ」
「俺はプリンが大好物という訳でもないんだぞ?」
「んー?でも古泉君が言ってたんだよ?」
この「プリン事件」の真犯人は、あのスマイル野郎だったのか。
「ねぇ、どうしたのキョン君?」
「え?あぁ、なんでもない。このプリン、頂くよ」

甘い甘い甘い甘い!!
今までのよりも甘すぎるぞ、コレ。
これじゃあ、糖尿病を患っちまう。
でもいい、これも今日までだ。
明日は、この事件について問いただしてやる。

おわり
250猪(子持ち):2006/12/11(月) 23:51:08.61 ID:RAJt0aa+O
殺し愛とおっぱいプリン支援
251書初め(家内安全):2006/12/11(月) 23:51:14.54 ID:qZjWD6Qf0
>>246>>247の間に、下記の文章を追加して読んでくれるとありがたい。

「キョン君、あのねぇ…」
妹がノック無しで俺の部屋に入ってきた。
「ノックしないで入るんじゃありません」
「あのねぇ…あのねぇ…」
腕にシャミセンを抱いたまま、妹はただ、あのねぇ…と呟くだけだった。
こんな妹もたまにはいいかなと思ったのだが、
やはり元気ハツラツな妹の姿の方が見慣れているので、
俺はヒントのような一言を、妹に言った。
「なんか食べさせたいものがあるのか?」
252書初め(合格祈願):2006/12/11(月) 23:51:37.19 ID:hw3Hyknz0
「長門!」
「苦痛志向。私は傷みを欲しがったか?否。私はそれを持たないはず。
しかし涼宮ハルヒとあの人が一緒にいるのを見ると・・・胸が・・・痛い」
「長門!!」
「この傷みを私はなんと呼ぶべきか知らない果たしてこれをは恋と呼ぶべきものだろうか?
そもそも情報統合思念体の地球圏における人間型インターフェイスに過ぎない私は、
それは言ってみれば人間とゆう生物に置ける手足のようなもの、あるいは目や耳に他ならない」
「長門!!」
「そうであるならば、独立した自我をその作業特性に合致するという理由のみで持たされているとはいえ
私という存在に生物特有の感情の中でも高次な段階に属する恋というものが発現するということはいかなることか。
その価値は?恋をする目や耳ほど滑稽なものはない。しかし私の目や耳は私の意志を離れあの人を追うことをやめない。
しかし人間に残された最後の処女地である精神の手綱を握られそれを意のままに操られる可能性を否定できない
私という存在の恋は恋に対する冒涜。この胸の痛み、それが私のものであることは否定できないそれは私だけの・・・」
「長門ぉぉぉ!!!!」
「うるさい!!黙れ黙れ黙れだまれぇぇぇ!!!長門ビィィィム!!!!」
253書初め(家内安全):2006/12/11(月) 23:52:10.86 ID:qZjWD6Qf0
うわ、また間違えた…
>>246>>248の間に付け加えてくれ。
本当にスマン
254書初め(合格祈願):2006/12/11(月) 23:53:07.73 ID:hw3Hyknz0
その瞬間時間が止まった。脳天に振り下ろされるハルヒのバットとそれを防ごうとする俺のバット。
それを根元から両断する長門のビーム。
あぁ終わったな。そんな声が聞こえた瞬間。

暗転。

俺の世界は火花と闇に落ちていった。

終わり。

なんかかぶちゃったので投下まとうかと思ったけどこれで終わりなので。
255給食のおばさんと初詣:2006/12/11(月) 23:54:00.19 ID:brxGqcvf0
苦痛志向ってティプトリーか?
256書初め(家内安全):2006/12/11(月) 23:57:03.20 ID:qZjWD6Qf0
>>254
GJ!
こっちが流れを無視するような投下をしてスマン
以後、気をつける
257巫女と初詣:2006/12/12(火) 00:00:09.22 ID:Mn9+PlI20
>>255
そうそうww
>>256
いや俺初めてで新参だしこっちが遠慮するべきかなと思うよ。
そっちもGJ!
258年賀状(お年玉つきでよろ):2006/12/12(火) 00:04:31.86 ID:MxuTQJSg0
>>257
やはりかwwマニアめwww
シュールでブラックでおもしろいぜ。乙!
259書初め(注意一生):2006/12/12(火) 00:09:02.83 ID:jfbEVpux0
うーん、戦闘シーンを見ると、俄然燃えてしまう自分ガイル……

また熱き女の戦いでも書こうかな? 今度はラブラブで。
260凧(バイヤー):2006/12/12(火) 00:09:10.75 ID:v296ti+10
かち合うことをさけるために次からは投下前に、一度投下すると宣言しよう。

それと、もしかち合ってしまったら、先に投下したほうが優先なので、
先に投下した人がおわるまで待ちましょう。
261猪(泣き上戸):2006/12/12(火) 00:20:02.69 ID:5EhWSFUOO
平日とプリンGJ!

平日の長門は良いなw

プリンは…エロス!
262ナースと初詣:2006/12/12(火) 00:27:50.72 ID:iuENELAJ0
プリン最終章投下
予想では2〜3レスかと思われ
263ナースと初詣:2006/12/12(火) 00:28:15.75 ID:iuENELAJ0
妹のプリンを食べた翌日。
俺は登校し、真っ先に古泉のいる一年九組へと向かった。
だが、あいつの姿は無かった。
仕方なく俺は自分のクラスに入り、午前・午後の授業を受けた。

さて放課後だ。
俺はハルヒよりも先に部室へと向かった。
部室のドアをノックする。
返事は無かったので、俺はドアを開けた。

そこには、一人オセロをして遊んでいる古泉がいた。
「おや、どうしたんですか?随分と気が荒れていらっしゃるようですが」
「話がある。あのおっぱ…プリンを、ハルヒや長門や朝比奈さんに作らせたのはお前なんだろ?」
「おや、もうバレてしまったのですか。それは残念です」
「残念ですじゃない。何故あんなことをさせたんだ?」
「あなたの喜ぶ顔が見たかったからですよ」
「俺はあんなもんを貰って喜ぶような輩ではない!」
「しかしですが、あなたもあの方々の胸には少なからず、興味があったのではないですか?」
無い…とは言い切れないのが男の性だ。

「そうでしょう?」
古泉は満面のスマイルをこちらに向けてくる。
「あなたが女性の体に興味があるのは分かりました。では、こちらはどうでしょう?」
すると古泉は、イスから立ち上がり、冷蔵庫に手を伸ばした。

「もしよろしかったら、こちらの方もお食べになってみませんか?」

止めてくれ、古泉。
お前の気持ちはよくわかった。
だからこそ止めてくれ、頼むから…
264ナースと初詣:2006/12/12(火) 00:28:39.27 ID:iuENELAJ0
俺の願いはやっぱり届かなかった。
あいつも冷蔵庫から「プリン」を取り出してきた。
それも、思いっきりデカくて、食うのはおろか、見るのも嫌なやつがな。
「さぁ、どうぞ召し上がれ」
俺は古泉によって強制的にスプーンを持たされ、そして口へと運ばされた。
「美味しいですか?フフフ」
「ぐはぁっ、げほっげほっ…」
「まだまだいっぱいありますからね、フフフ…」
意識が遠のいていくのが分かる。

ハルヒ、長門、朝比奈さん!
助けてくれ!!
265ナースと初詣:2006/12/12(火) 00:30:33.26 ID:iuENELAJ0
「…く…キョ…ん?…だ…朝…よ…!」
誰かが俺の体をさすってる。
これは誰だ、一体…
「キョン…朝だ…君!」
聴き覚えのある声だ。
「ねぇ、キョン君!朝だよ、おーい!」

俺は自分でも驚くぐらいの早さで起き上がった。
俺を起こしてくれたのは妹だった。

「キョン君、何ボソボソと言ってたの?寝言をいっぱい喋ってたよ!」
「なぁ、何て言ってたんだ?」
「えーとね、『助けてくれー』って言ってた。」

それを聞いて俺はホッとした。
と同時に、ケータイの着信音が鳴った。
「もしもし…?」
「バカキョンっ!!」
ハルヒの大声を聞いた俺は、一瞬にして目が覚めちまった。
「あんた今何時だと思ってんのよ!遅刻もいいところよ?!」
「あぁ?今日は何かあるのか?」
「何かあるのか?じゃないわよっ!早く駅前に着なさい!」
分かった、と言おうとした途端に切れちまった。
しかし、あのプリン事件が夢で本当に良かった。
もしかしたら、俺は長いこと眠ったままのか?
だが、カレンダーの日付は、俺が寝た日と一日しか違っていない。

「まったく、やれやれだ」
おわり
夢オチというベタ過ぎる手法でスマン!
266猪(泣き上戸):2006/12/12(火) 00:31:48.33 ID:5EhWSFUOO
まさかの夢オチwww

いや、十分だぜ。
GJ!
267猪(お手伝い):2006/12/12(火) 00:33:30.90 ID:I+xTqkjL0
古泉はプリンちん

そしてコレは・・・
ttp://www.takamagahara.com/printin/
268年賀状(お年玉つきでよろ):2006/12/12(火) 00:33:48.32 ID:MxuTQJSg0
夢オチwwww
269おみくじ(犬吉):2006/12/12(火) 00:45:26.22 ID:KEn9QuvA0
>>265
そしてキョンはプリン恐怖性に……
270猪(甘党):2006/12/12(火) 00:48:20.89 ID:0fBvo8neO
不覚にも>>246-247の流れで笑ってしまったwwwww
271ナースと初詣:2006/12/12(火) 00:52:33.24 ID:iuENELAJ0
それからのことを少し語ろうと思う。
まず俺はプリンを食べる事も、見る事も嫌になってしまった。
(>>265の書き込みを参考にした。thx!)
SOS団の集合場所である喫茶店で、
ハルヒは珍しくプリンを注文した。
その瞬間、俺は「ひぇっ!?」と、自分でも情けない声を出してしまった。
それをハルヒに知られてからの日々がこれまた地獄。
俺がハルヒの意見に反対すると、
まるで呪文のように「プリン!」と唱えるもんだから、
俺は仕方なく、ハルヒの意見に賛同しなければならなくなった。

それからもうひとつ。
古泉のスマイル顔を見ると、体がブルブルと震えてしまう。
これも困ったものだ。
「おや、どうかしましたか?」などと問い掛けてくると、
俺はその場から立ち去りたくなる。
あの夢は本当に「悪夢」だった。

助けてくれ、長門…
272ナースと初詣:2006/12/12(火) 00:53:37.19 ID:iuENELAJ0
うわ、また間違えたorz...
>>265じゃなくて、>>269の書き込みを参考にしたんだ…
273猪(泣き上戸):2006/12/12(火) 00:56:29.77 ID:5EhWSFUOO
ドジッ娘乙!
274ナースと初詣:2006/12/12(火) 00:58:43.50 ID:iuENELAJ0
まとめwikiに載せさせて頂きたいんだが、
こんな作品でも大丈夫だろうか?

というか、>>88氏に許可を得ずに、「続編的」な感じで作っちゃったからなぁ…
275猪(汗かき):2006/12/12(火) 01:05:33.12 ID:Wdi6eZenO
>>265の一行目が一瞬キョンの妹があえいでるのかと勘違いしちまったよ…
276猪(ほろよい):2006/12/12(火) 01:15:00.87 ID:5EhWSFUOO
>>274
どうだろう…?
一応保守ネタで投下だからなぁ…

本人が出て来てくれれば一番なんだが。
277ex17落とさないでね:2006/12/12(火) 01:17:28.53 ID:yD/CiWsf0
まあ、次スレまで余裕もあることだし、
あせらずに今は>>88氏が来ることを期待して待つのがよろし。
278猪(禁煙中):2006/12/12(火) 01:58:05.95 ID:Nn5M9s1VO
ほしゅん
279巫女に初詣:2006/12/12(火) 02:07:56.57 ID:iuENELAJ0
保守
自分で書いたプリンSS、
読み返してみると話がまとまってないのに気づいたorz...
鶴屋さんは「おっぱいプリン」じゃなくて
「おでこプリン」を作ってるじゃないか…

俺、マジでドジっ子じゃないか…
280年賀状(裏も表も印刷のみ):2006/12/12(火) 02:08:53.02 ID:MxuTQJSg0
ひゃ〜い
281VIP皇帝:2006/12/12(火) 02:10:50.32 ID:w5NqaZvC0
ひゃ〜い
282妹と初詣:2006/12/12(火) 02:34:55.51 ID:Mn9+PlI20
わー平日の続き書いた。投下していい?
283黒豆(四粒):2006/12/12(火) 02:36:34.11 ID:w5NqaZvC0
ひゃ〜い
284猪(ようじょ):2006/12/12(火) 02:38:17.02 ID:ZpKxaeaSO
ハ「ねえ、キョン」
キ「なんだい」
ハ「・・・なんでもないわよ」
キ「そうかい」
ハ「・・・・・・」



続く沈黙 二人は分かりあっている・・・。










フヒヒ イチャイチャ物いいよイチャイチャ物
285黒豆(四粒):2006/12/12(火) 02:38:27.47 ID:w5NqaZvC0
支援
286巫女に初詣:2006/12/12(火) 02:40:30.66 ID:iuENELAJ0
保守

>>282
おk
ばっち来い
287平日続き:2006/12/12(火) 02:40:39.57 ID:Mn9+PlI20
意識が目覚める。暗い海の底から光を目指すように。
落ちてくるのは輝き、煌きの粒子たちで、それが増えていくにつれて俺は自分の身体が浮かび上がって行くのを感じた。
そうしてそれは、あの光に満ちた水面へと到達する。そうすれば目覚めるはずだ。
何度も繰り返してきたこと。あぁ気持ちいい。
「起きましたか?キョンくん?」
「ん、朝比奈さん?・・・どうして・・・っ!!」
俺は立ち上がって屋上の外の街を見上げようとして頭痛にそれを妨げられた。
「あぁ〜まだ動いちゃだめです」
顔は見えなかったがそれが朝比奈さんであることは確認するまでもなかった。
今まで膝枕をしていてくれたんだろうか。
そう、見上げても顔が見えないこと、そして俺の視界を妨げているこの顔に当てられた気持ちのいい膨らみが、
これが朝比奈さん以外の何者でもないことを示している。このまま死んでもかまいません。朝比奈さん。
「あの、朝比奈さん。ハルヒは?俺はあいつに殴られて・・・それに朝比奈さんはなんでここに」
「涼宮さんなら」
そう言って朝比奈さんは背後を振り向く。あぁ胸が。胸で、見えません朝比奈さん。
「ふん!いやらしい。みくるちゃんももっと酷い目にあわせてやる必要があるわね」
ああ。その発言だけでやっぱりおまえだってのがわかるよ。
「涼宮さんは妬いてるんですよ。ふふ、かわいいですね」
そういうあなたはもっとかわいいです。朝比奈さん。
「あの朝比奈さん・・どうしてここに?街は・・街はどうなってるんですか?」
朝比奈さんの人差し指が俺の口に当てられた。
「おちついてください。焦りんぼうは嫌われますよ〜」
そう言って再び胸が顔に押し付けられる。いや、挟まれたということか。
あなたはどうして瞳にそんな淫靡な光をたたえているんですか?
抱えた俺の背中、背骨の辺りを朝比奈さんは指でなぞっていく。
朝比奈さんがやると、これだけのことが酷く倒錯的に思えてくる。
欲情を通り越して俺は身震いをした。
288黒豆(四粒):2006/12/12(火) 02:41:38.04 ID:w5NqaZvC0
支援
289巫女に初詣:2006/12/12(火) 02:42:18.49 ID:iuENELAJ0
支援保守
290妹と初詣:2006/12/12(火) 02:43:01.98 ID:Mn9+PlI20
カチリとなにかスイッチを入れた音がした。
「もういいですよ〜」
「もごもご」
「はい?」
「もごもご」
「あっ・・・そんな・・・キョンくん・・・ん」
顔が火照ってきている朝比奈さんはこのまま見続けていたいんですが。
すいません。死にそうです。何とか胸の間から抜け出す。
「ふう。街はいつも通りなんですか?あなたはどうしてここに?」
「キョンくん・・すごかった・・・へっ!?あたしはいつもどうりですよ!?」
微妙な混同のおかげでどちらにも答えてない辺りいつも通りみたいですね
「ふぇ?」
いえ、こっちの話です。
「キョンくん。いまなにが起こっているかわかりますか?」
「詳しくは。ハルヒが暴走してって、こんなことあいつのまえで言って平気なんですか?」
「だいじょぶです。カチリと鳴ったのを聞きませんでしたか?
あれはあたしとキョンくんの時間平面場における意識の歩みをこの瞬間に固定した音です。
現実には時は流れていますが、それはあたしがこの固定をとくまで意識に反映されません。
少なくともあたしたちの意識上はですが、簡単に言うと時間停止の状態です。
そして私たちにとっての外界は意識の反射に過ぎませんから。何をしゃべってもだいじょぶです。安心してください」
さっぱりわからなかったが。まぁいい。街を見渡す。
「とりあえず、あいつは暴走したんですね?街を見ればわかります。
さっきまで長門がいたんですが見ませんでしたか?それと俺はあいつらに殺されかけて・・・」
「長門さん?あたしが一番に起きました。長門さんはいませんでした。
むしろテクノコア、あっと、情報統合思念体たちの干渉さえないですね。
キョンくんが起きたのは最後ですからキョンくんが涼宮さんたちに何かされるということはありえませんよ」
そんなばかな。それじゃアレは一体なんだったんだ?白昼夢、いや起きてさえいない。ましてや寝てもいない間に起こる夢?
291巫女に初詣:2006/12/12(火) 02:44:52.92 ID:iuENELAJ0
支援保守
292妹と初詣:2006/12/12(火) 02:44:58.53 ID:Mn9+PlI20
「それよりもあたしたちが大変なんです!!」
朝比奈さんが悲鳴を上げる。
「どうしたんですか!?」
「いいですか、あたしとキョンくん少なくとも今この二人に対して、おかしな現象が起きています。
本来ありえない現象だということを覚えていてください」
「えぇ」
おれは怪訝な顔をする。俺と朝比奈さんだけ?
「今現在あたしたちの身に起こっている現象は、命名するならば平面の重ね合わせといったところです。
本来交わらないはずのあたしたちのいる全ての時間平面が重ね合わせられようとしています。これは異常なことです。
つまりもしこの現象が完全に成立してしまえば、あたしたちは時間的な束縛を意識に受けながらも、
過去現在未来に対する偏在を獲得することになります。本来そんなことはありえません。
前に歴史の修正力の話をしたのを覚えていますか?ここからは仮定に過ぎませんが、
もしこの現象が成立するならば、その力があたしたちに適用される恐れがあります」
「つまり?」
「端的にいって、存在自体を抹消されます」
「それってどういう?」
「つまり死や生などではなくこの世に存在したというあらゆる痕跡が消されることになり、
最後には消されたというその事実さえなかったことになるでしょう。もしこう言っていいなら、
すでにして、かつても、あたしたちは存在していない、ということになるでしょうね。こう話している今も」
「そんなこと!?なにか手はないんですか?」
考え込む朝比奈さん。俺には何か手はないのか。
293黒豆(四粒):2006/12/12(火) 02:45:25.92 ID:w5NqaZvC0
支援
294妹と初詣:2006/12/12(火) 02:46:34.21 ID:Mn9+PlI20
「一つだけ、可能性は低いですが」
「それは何です!?」
「意識の時間層転移・・・です」
くそ。さっぱりわからない。俺にはなにもできることがない。
いや、事態の理解、解決策の理解さえおぼつかない俺に何かを救うなんて不可能なんだろうが。
それでも朝比奈さんのために何かしたいと思うのに。
「それは・・・今あたしたちの時間平面はここに折りたたまれようとしているわけです。
順々に、ならばそれが完成する前に一つ先の時間軸にある私の体に意識を飛ばします。
もちろんすぐはじかれることでしょう。次の瞬間にはその時間軸も重ねられてしまうでしょうし。
でもその時にはあたしたちの意識は次の時間軸にはじかれて移行しています。
こうしてたたまれていく途中の紙たちの上を渡り歩いていけば、少なくとも寿命分の時間は稼げるはずです。
その間になにか解決策が見つかるかもしれない。もちろんこれは仮定に過ぎません。
意識だけこんなことをするのはこれが初めてですし多分成功の確率は万に一つ、がいいところでしょうか?
失敗すれば、意識体が欠けるわけですから、まず間違いなく廃人同然でこれから先の未来をわたることになるでしょう。
それでもいいのならということです今このままでいても、体感で四、五日は持つかもしれません。
なにもわからないのですが。その四、五日を捨ててもいいのなら、ということです」
「・・・・まかせます」
俺にはそれしか言えなかった。悔しい。
295妹と初詣:2006/12/12(火) 02:47:43.64 ID:Mn9+PlI20
「そんな顔しないでください」
そう言って朝比奈さんは俺の手を取り上げ胸元で優しく包み込んだ。
「この鼓動が聞こえますか?」
それは壊れるんじゃないかってくらいに早かった。
「さっき、キョンくんを抱きしめてた時、あたし嬉しくてしょうがなかったんです」
朝比奈さんの顔が少し決意したような顔になった。
「重ね合わせのせいなんでしょうかね?未来のあたしの気持ちが少しづつ入り込んできてる。それはいまのあたしよりもずっとずーっとキョンくんを好きなあたしの気持ちなんです。こうしているだけであったかくって」
少し笑って
「ドキドキする!」
「この気持ちがなくなってしまうのがつらいの。だからあたしはこんなことしたくはないんです。
でもそうしないとこの気持ちがなかったことにされてしまう。それだけはいやなんです。
そうして、あたしが踏ん切りをつけるためには、キョンくん?あなたが一緒に行ってくれることが必要なんです」
役に立たないなんてことはないんですよ。
そういって朝比奈さんが笑ったから俺はこの手に乗ってみようと思った。
「それじゃ時間を戻します。」
「えぇ」
「戻ったら、くちづけ・・・してくださいねそれだけは、現実にしておきたいんです」
「わかりました」
そして時は動き出す俺たちは多分最初で、最後のキスをしながら層転移のスイッチを入れた。
296黒豆(四粒):2006/12/12(火) 02:48:22.69 ID:w5NqaZvC0
支援
297妹と初詣:2006/12/12(火) 02:49:27.03 ID:Mn9+PlI20
はずだった。
「どうして俺の肉体がどろどろになってるんです?」
「ふぇーん!・・・間違えて物理的な層転移のボタンを押しちゃったんですぅ」
「それどうなるんです?」
俺はそんなこともわからない。
「物理的層転移とは固体→液体、液体→気体などのことですからその〜」
「それじゃあこのまま溶けていくわけですね?」
なんだそりゃあ。何だってそんなとこで間違えるんだ。
朝比奈さんらしいといえばらしいが。
てことはこのまま俺は死ぬのかな。
一つ心残りがある。

「最後に一つだけ、なぜ、あなたは、平気なんです?」

朝比奈さんはにやりと笑って答えた。
「禁則事項です」

暗転。
298妹と初詣:2006/12/12(火) 02:51:06.74 ID:Mn9+PlI20
えっとこんな感じで終わり
299黒豆(四粒):2006/12/12(火) 02:52:06.64 ID:w5NqaZvC0
300年賀状(気があるってことなのか?):2006/12/12(火) 03:06:53.09 ID:MxuTQJSg0
ちょwwwテクノコアwww
次は古泉か?
301彼女と初詣:2006/12/12(火) 03:09:15.02 ID:Mn9+PlI20
>>300
そうだねできれば。
ここまで書いたし一応ストーリー作ろうかなと思ったんだけど
気力の問題です。
302妹と初詣:2006/12/12(火) 03:13:27.56 ID:iuENELAJ0
乙そしてGJ!!
303猪(ドラム):2006/12/12(火) 03:27:43.59 ID:RNPTBLCB0
数ヶ月ぶりにきたぜい・・・
304猪(検便中):2006/12/12(火) 04:22:52.16 ID:Nn5M9s1VO
305猪(ボーカル):2006/12/12(火) 04:45:37.16 ID:GiCSfacl0
 
306カラスと初詣:2006/12/12(火) 04:59:09.86 ID:MxuTQJSg0
ほし
307猪(巨乳):2006/12/12(火) 05:30:14.15 ID:9IqtHDF9O
保守なのね
308一人で初詣:2006/12/12(火) 06:14:18.88 ID:MxuTQJSg0
保守
309一人で初詣:2006/12/12(火) 06:31:10.98 ID:MxuTQJSg0
保守
310猪(友達がvipper):2006/12/12(火) 07:28:23.09 ID:tDgLrbGTO
311お年玉(とられた):2006/12/12(火) 07:39:36.66 ID:NYOOkx35O
ちょっと振りにVIPに来たが、いつから名前欄クリスマスから正月に変わったんだwww
312猪(委員長):2006/12/12(火) 07:58:03.76 ID:5EhWSFUOO
保守
313初詣でかつあげされた:2006/12/12(火) 08:23:02.46 ID:eqLQAuJ2O
モーニング
314婦警さんと初詣:2006/12/12(火) 08:59:32.80 ID:AApgwiIYO
sage
315おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:12:32.04 ID:Mn9+PlI20
平日ラスト書いたんだけど投下OK?
316猪(おもらし君):2006/12/12(火) 09:13:58.51 ID:bARBLHiD0
ハルヒが長門を「ユキ」って呼んでるのならダメ
317おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:15:37.30 ID:Mn9+PlI20
ハルヒでてこないからOK?
てか長門のことなんて呼んでた?名前じゃないんだっけ・
318猪(おもらし君):2006/12/12(火) 09:16:08.66 ID:bARBLHiD0
有希だ、ならおk
319おせち(8,000円):2006/12/12(火) 09:16:53.21 ID:N/o7qqMVO
wktk
320おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:17:34.95 ID:Mn9+PlI20
闇の中に青白い火が輝いている。ゆらゆらとそれは俺に近づいてくる。あの火に溶け込めたなら――
俺はそう思っていた。
「できれば、それは御免こうむりたいですね」
古泉か?
「やあ、どうも」
なんだか前にもこんなやり取りをしたな。そう言って、音もなく笑う。
音も無く?そういえば声もでていない。
「あなたには発声器官もありませんからね。ぐずぐずに溶けてしまって」
朝比奈さんとのあれは、現実だったのか?
「ふむ。そう言ってもいいかもしれません。いずれにしろ灰は灰に。起こったことは変えられない。
これだけが、ここの摂理です。それがなくなってしまえば、ここは何の価値もなくなってしまう」
そうだ。ここ、それが知りたい。ここは何処なんだ?
「難しい問いですが、僕の見解でよければお答えしましょうか?」
頼む。
「殊勝ですね。まぁ無理もないですか。ここは世界の記憶です。
幾度と無く繰り返されてきたものたちのむくろが眠る地です。
前に話したでしょう?この世界は、もしかしたら何度もやり直されているのかもしれないと。
僕たちはその記憶たる場所のようなものを最近見つけましてね。それであなたをお連れしたわけです」
そういえばそんな話もあったかな。あの時は半信半疑だったが、
それで、なんでこんなところに連れてきた?俺は帰れるのか?
おい、苦笑するな。
321おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:20:18.46 ID:Mn9+PlI20
「失礼。こちらの話です。ご容赦を。
それで、帰れるかということでしたね。イエスでもあり、ノーでもあるということです」
どういう意味だ。
「一時的にならば、あなたは帰ることができるでしょう。しかしまたここに戻ってきてしまう可能性は否めない。
今まで見てきた、二人のあなたのように。あれは過去の、あるいは未来の、そしてひょっとしたら現在のあなたです。
彼らが何一つ誤ったことをしたとは思いませんが、それでも世界の崩壊を守ることを任とする僕たちからすればいわゆる、
道を誤ったあなたということになるのでしょうか」
それで、ああはなるなと?
「いえ、そこまでは言いません。ただあれらの世界は起こりうるものであり、起こったものであり、
起きつつあるものかもしれないということを知っておいて欲しかっただけです。
結末を選ぶのはあなたの役目ですから」
俺はああはなりたくないがな。
「それはよかった。役目の話をもう一つ。あなたは(つなぐもの)です。
長門さんや、朝比奈さん、そして僕は(呼び出されたもの)。
涼宮さんは(呼び寄せるもの)とでも言えばいいでしょうか。
本質的に、僕たち(呼び出されたもの)はこの世界の破壊者たる資質を備えている。
それが彼女の望みですからね。そして僕らと涼宮さんをつなぎ、平衡を保つことを望まれているもの、
それがあなたですから。あんな世界が起こりうる可能性は十分ある、ということを知って欲しかったんです」
長門も、朝比奈さんも、俺を殺したりはしない。おまえはどうだか知らんが。
「それは意識レベルでの話です。
本質的には、僕たちはお互いの生存のために取引しているに過ぎないのですよ。
そして、その本質ゆえに、破壊の危険性を常に孕んでいるわけです。
僕なんかは破壊的な資質があろうとも、能力的には修復者ですからね。
実は一番安全なんですよ。この世界にとってはという意味ですが」
よくわからないな。
322おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:21:45.29 ID:Mn9+PlI20
「あなたの役割はライ麦畑の捕まえ手なんですよ。
涼宮さんが僕たちというライ麦畑から落ちないように、
それでいて僕たちも消えないように、理解ある態度で、
夢を持った大人に涼宮さんを育てて欲しいんですよ。
夢に食われた世界は狂気が支配しますし、
夢が無くては僕たちは楽しく生きられませんからね」
どうだかな。俺はおまえが好きになれそうにないし。
「僕もです。近親憎悪というやつですね。しかし、僕があなたと似ているというのも事実です。
現に、あれらの壊れた世界には僕は存在していなかったでしょう?そういうことです」
あれが幻でないという証拠もないがな。
「まだそんなこというんですか。はぁ。あきれた人だ。僕もこんなことしたくはないんですが。
長門さーん!!」
323おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:23:42.10 ID:Mn9+PlI20
そう古泉が呼びかけると暗闇の中に長門が現れてきた。そして呟きが始まる。
「涼宮ハルヒを観察してきた結果わかったことがある。
私の観察はその比重があの人に置かれつつあるということだ。
それは私にはどうにもならないことだ。私の身体はあらゆるものが手順に従って動くものだと思っていた。
そう心までも。少なくとも私は地球人類一般に見られる心なるものの存在をその言葉の意味では許容していなかった。
それらは脳内におけるニューロンの発火に過ぎず、それらは真に機械的だからだ。しかし私は困惑している」
おいなんだこれは。こんなことは・・・。
「これは長門さんの心です。少し呼び出して話をしてもらっています。
これはあらゆる世界の共通項のみを語りますから今の世界の長門さんとも
それはほとんどイコールで結ばれると思いますよ」
長門は呟き続ける
「そう私の行動はまさに機械的なものでありそれは涼宮ハルヒに対する観察という至上目的のために全てが向けられている」
こんなことはするな!おい!!古泉!こんなことは長門に対する侮辱だ!!
324おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:25:27.70 ID:Mn9+PlI20
「しかし、それらの行動に最近になって誤作動が生じ始めた。
私の目や耳はあの人を優先的に追うようになり、それらの注意を引くように行動することを願い始めた。
それは矛盾である。しかしこの矛盾は心地いい。
心地いい?《完全な真空》そうであった私の心には今矛盾が生まれ、
それらの矛盾たちの競合により一つの暖かいものが生まれつつある。
それは真に人の心とよべるものだ。その心は私に語りかけるのだ。
私だって呼んでみたいんだ。
キョンくん、キョンくん、キョンくん、キョンくん。
キョンくんと話がしたい。同じクラスになりたい。気にかけてもらいたい。
今や理解した。そう告げるこの気持ちだけが私と呼べるものなのだと」


「そして声は告げる」


「あの女が憎い。
あそこは私の場所。
あの人の隣。
暖かくなる場所。
あの女は邪魔。
あの女。
あの女は・・・・・・・・涼宮ハルヒ」
もうやめろ!!わかったからやめてくれ!!俺の叫びとともに長門は再び闇に戻った。
32588:2006/12/12(火) 09:26:42.60 ID:5ZEg0EKN0
>>274
ちょwww起きてみたら
いつの間にこんな大作にwww
全然構わない、まとめに乗っけちゃってください。
つーかむしろお願いしますOrz
326おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:28:09.23 ID:Mn9+PlI20
「ふむ。朝比奈さんの話も聞きたくはありませんか?まぁ似たり寄ったりではありますが」
いやいい。わかったことがある。おまえは最低だ。
「その気持ちを彼女たちに対しても向けていてくれれば文句はありませんよ。油断さえなさらなければ」
ふざけるな!!
「おっと。そろそろお別れの時間です。また週末に会いましょう。
最もあなたは覚えてらっしゃらないでしょうが」
何の話だ?
「あなたはただ目覚めればいいんです。あなたの日常に。
僕もたまにこの行為が全くの徒労であることに絶望することもあるんですがね」
おい!!
「それでも打てる手は全て打っておきたいんですよ。僕は臆病だから。
たとえあなたがこれを忘れたとしても、やらないよりはいい」
何を?どうしてそんな悲しそうな顔するんだ!!おまえは悪人であってくれるんだろ!!
「悲しそう?僕が?もう慣れたと思っていたんですが」
「さようなら」
暗転

光点
鳴り止まない目覚ましを止めると俺はもぞもぞと布団から起きだした。
○月××日、月曜日。今日からまた長い平日が始まるわけだ。
起き抜けに誰かの悲しげな顔が浮かんだ。
頭を振る。
気を入れなきゃな。これからまた五日間ハルヒの日常が始まるわけだ。
それは綱渡りみたいな毎日なんだが、綱から落ちないためにいろんな努力が行われてるのかもしれない。俺の知らないところでも。
まぁいいさ。なんにせよ、積み重ねていくしかないんだからな。
この退屈な日常がいつまでも続くように。
歌おう。感電するほど退屈な平日を。
とはいっても先は長い。気は重い。
終わり。
327年賀状(来なかった):2006/12/12(火) 09:39:34.50 ID:5ZEg0EKN0
>>326
GJ!!長門が怖いよwww
328おみくじ(中がよろし):2006/12/12(火) 09:44:31.59 ID:Mn9+PlI20
>>327
ありがとうww反応がないのがこれほど恐いとはww

これで寝れます。

なんか今日は起きてる時間の五割くらいは書いてた気がするwww
329猪(おもらし君):2006/12/12(火) 09:46:16.72 ID:bARBLHiD0
乙、これは心理学だよね。ロボットとかの。GJ
330猪(ギャンブラー):2006/12/12(火) 10:20:43.80 ID:5EhWSFUOO
保守
331初夢(アフリカのシマウマだった):2006/12/12(火) 10:44:11.45 ID:Q/LGPbRa0
ほっしゅ
332猪(赤詐欺):2006/12/12(火) 11:18:58.74 ID:5EhWSFUOO
保守
333猪(赤詐欺):2006/12/12(火) 11:54:43.43 ID:5EhWSFUOO
保守
334猪(青詐欺):2006/12/12(火) 12:20:30.99 ID:5EhWSFUOO
ほし
335Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:21:02.40 ID:lSKbZRRU0
保守代わりにMissing Ringの第二話をゲリラ投下。
今回は8レスなので多分支援要らず。
お暇な方はご覧下され。
では投下します。
336Missing Ring-2(1/8) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:22:13.35 ID:lSKbZRRU0
『Missing Ring -失われる7日間-』



【第二話−12/05】
 ハルヒがこの地上から消えた? そう古泉から深夜に電話を
受けた。『機関』は常にハルヒを監視しているからガセなどでは
ないだろう。ハルヒに何かあったのに閉鎖空間が発生していないと
いうことは一体どういうことなんだ? そんなことを考えながら
俺は眠りについていた……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 俺は結局その晩はよく眠れなかった。というより一睡もできな
かったという方があっているかもしれない。俺はいつも通りに
学校へ向かうと、ハルヒのことは間違いであってほしいという
気持ちと共に席に着いた。結局HRまでにハルヒは現れず、また、
午前中も現れることは無かった。途中谷口が、

「涼宮が来てないようだが何かあったのか?」
「さあな、俺にはわからん。風邪かなんかだろ」
「その割にはお前の顔が深刻なんでな、ちょっと聞いてみただけだ」
「そうか」

 どうやら俺のハルヒへの心配は顔に出てしまっているらしい。まあ、
そうだろうな。急にあんなことを聞かされてはな。そして昼休みになり
俺は弁当も食べず古泉に事情を聞くべく1年9組へ向かった。と、古泉も
俺に会いに来る予定だったのか途中で顔をあわせた。
337Missing Ring-2(2/8) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:22:55.45 ID:lSKbZRRU0
「大変な事態になりました」
「だろうな」
「今まで経験したことの無い事態です。上の方は”世界の終わり
がきた”と真剣に言ってますよ」
「だが、まだ世界は終わってない……この状況を打開する術が
あるっていうことだ」
「そういうことになります」
「ところで、ハルヒが消えた時の状況を知りたいのだが……」
「ああ、実はそのことであなたにお伺いしたいことがあったのです」
「なんだ?」
「あなたは昨晩10時頃涼宮さんの自宅に行かれましたか?」
「いや、俺は学校から帰った後は1度も外出していない。」
「そうですか……変ですね」
「何が変なんだ?」
「実はこっちの調べによると昨晩の10時頃、あなたが涼宮さんの
家に行き、涼宮さんと一緒にどこかに出かけたというのです」
「なんだって……」
「で、その後涼宮さんの足取りがつかめなくなりました。それで
昨日、いえ今日の夜中でしたね、あなたに何か心当たりが無いか
どうか電話で問い合わせをしたわけです」
「と、いうことは俺の偽者がハルヒを連れ去ったということか?」
「失礼かと思いますが……本当に昨晩は涼宮さんとはお会いに
なってないのですね?」
「ああ、それは間違いない。家族に聞いてもらっても分かる」
「わかりました。実は涼宮さんのご家族が捜索願を警察に提出して
いるのですが、その事情聴取の際にこの話をされたのです。ですから
本来であれば警察があなたのところに事情聴取に行くことになります
が、このままでは最悪容疑をかけられて連行される恐れがあります。
ですので、こちらのほうで警察の方はある程度抑えておきます。」
338女装して初詣:2006/12/12(火) 12:23:05.04 ID:eqLQAuJ2O
だが支援
339Missing Ring-2(3/8) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:23:33.31 ID:lSKbZRRU0
「そうしてもらえると助かる。今の時点で誤解から拘留なんてされたら
たまったもんじゃないからな……」
「それにしても妙なのはたとえば誘拐だとして姿を消したにせよ閉鎖空間
が発生していないのです。閉鎖空間は涼宮さんの精神と直結しています
から、何かあれば出現するはずなのですが……」
「ふむ……それは妙な話だな……」

 などと話しているうちに昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った。

「ではまた放課後に」
「わかった」

 俺は古泉と別れ自分のクラスへ戻っていった。午後の授業中も
ハルヒのことを考え授業の内容など頭に入らなかった。それにしても
気になるのは俺の偽者のことだ。ハルヒに偽者と気がつかれずに、
そして一緒について行くほど安心させられる者……一体誰なんだ。
放課後になり、俺は早速部室へ向かった。部室に入るなり朝比奈
さんが俺に抱きついてきて、

「キョン君、涼宮さんが、涼宮さんが……」

 と涙をこぼしていた。

「落ち着いてください、朝比奈さん。ハルヒは絶対に見つかります。
いや、絶対に見つけてみせます」
「そうですよね、見つかりますよね、キョン君だったら絶対に見つけて
くれますよね」

 そういうと朝比奈さんは落ち着きを取り戻し、
340Missing Ring-2(4/8) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:24:10.47 ID:lSKbZRRU0
「あ、お茶を入れますね」

 と言って離れていった。

「長門、古泉はまだ来てないのか?」
「まだ来てない」

 俺は長門にもハルヒが消えた原因を聞いてみた。

「私にも解らない」

 それが最初に出た言葉だった。

「涼宮ハルヒが消えたことによって情報統合思念体は絶望している。
自立進化の鍵を失ったと……」
「まだハルヒが完全にいなくなったわけじゃない!」
「でも今現在この地上に涼宮ハルヒが存在している確率はほぼ0%」
「0じゃなければきっと見つけてみせる」
「確かに。あなたなら出来るかもしれない」
「長門は今回の現象をどう見てるんだ?」
「私は新しい世界が創造され、そちらに涼宮ハルヒが移ったのでは
ないかと推測している」
「でもこの世界は終わってないだろ?」
「そこが謎。そして、涼宮ハルヒを連れ去ったあなたの偽者も謎」
「そうだ、その偽者に心当たりは無いか?」
「無い。というより私ですらその存在に気がつかなかった」
「長門でも存在に気がつかないほどのヤツなのか……」

 そう話している時に古泉が遅れてやってきた。
341Missing Ring-2(5/8) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:24:50.90 ID:lSKbZRRU0
「遅くなりました」
「何かあれからわかったか?」
「いえ……残念ながら。ただ、涼宮さんが最後に向かった場所は特定
できました」
「どこだ、そこは」
「公園です。我々がいつも行っている」
「そこに行けば何かつかめるかもしれないな……みんな行ってみよう」
「あのぅ……お茶入りましたけど……」
「あ、頂きます。話し続けていて丁度喉も乾いていたんで」
「ありがとう、キョン君……」
「ところで朝比奈さん、ハルヒが消えた件にについてなにか心当たりは
ありませんか?」
「ごめんなさい、私にも解らないです。それに、解っていたとしても
禁則事項になっているかもしれないし……」
「そうですか……」

 俺は朝比奈さんのお茶を一気に飲み干し、みんなが支度出来た後、
全員で公園へと向かった。

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 公園についた俺たちは徹底的にハルヒに関する痕跡が無いかどうか
調べた。が、一向に手がかりと思えるようなものは無かった。

「手がかりなし……か」
「長門さん、この公園内で次元転送などを行った跡とか見つけること
は出来ませんか?」
「調べてみた結果そのような痕跡は見当たらなかった」
「そうですか……」
342Missing Ring-2(6/8) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:25:31.95 ID:lSKbZRRU0
「確かに昨晩ついたような足跡がいくつかありますが、この公園から
出て行ったような痕跡は見当たりませんね」
「その足跡のなかに涼宮ハルヒが履いている靴と同様の靴の足跡が
みられる」
「じゃあ、やはりこの公園には来た、しかし移動はしていないかも
しれないってことか」
「そういうことになりますね。超能力者が一緒に空間移動などしない
限りは。しかし長門さんが言うにはその痕跡は無いということですし
……」
「超能力者がいるとすれば俺の偽者だな」
「そういうことになるでしょうね」
「しかし、現時点で情報統合思念体でも涼宮ハルヒの痕跡をこの
星のいかなる場所からも見つけることが出来ない」
「午後10時に家を出てここに来て……何時にハルヒは消えたんだ?」
「情報統合思念体に問い合わせたところ午前0時丁度」

 午前0時!?俺が夢でハルヒのことを見た時間だ。思い出した俺は
夢のことをみんなに話した。

「それって涼宮さんからのヘルプメッセージじゃないんですか?」

 朝比奈さんが俺に向かって言う。

「どうだろう……何も言ってなかった気がする」
「この星に溶け込んでいく……ですか。それなら確かに次元転送など
ではないので痕跡も残りませんが……・でも、可能なんでしょうか」
「高次元エネルギー体で無い普通の涼宮ハルヒでは不可能。また、その
ようなエネルギーに変換することも不可能」
「そうすると、ただの”ハルヒがいなくなる”という予知夢だったのか」
343Missing Ring-2(7/8) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:26:13.11 ID:lSKbZRRU0
「どうでしょうか。恐らく涼宮さんにとってこの星で一番つながりの
深かったのはあなただったと思います。そのあなたがそのような夢を
見るという事は何らかの意味があったとみて間違いないと思います」
「意味……か」
「なんにしろ手がかりの一つではあるでしょう」

 その後も公園内をくまなく捜索してみたが手がかりは得られなかった。
そうこうしているうちに夜が更けていった。

「時間も遅くなりましたし、今日はこの辺にしましょう。後は我々の
ほうで引き続き調査しておきます」
「わたしも情報統合思念体と連絡を取りながら情報を収集する」
「ありがとう、みんな」

 俺たちは各自に自宅へと帰ることにした。ただ、朝比奈さんは鶴屋
さんとこのあと会う予定があるとかで鶴屋さんの家に向かっていった。

 SOS団の者たちが捜索をしている時、遠くから全身を覆うフードを着た
男がその様子を観察していた。その気配は誰にも悟られることも無く、
万能宇宙人の長門有希にすら気配を感じ取ることが出来なかった。男は
皆が帰るのを見届けるとその場から姿を消した……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 俺は家に帰ってくると捜索疲れでぐったりしていた。それでも飯など
を済ませると、倒れるようにベットに寝っころがった。

「ハルヒ……今お前は一体どこにいるんだ……」
344Missing Ring-2(8/8) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:26:47.91 ID:lSKbZRRU0
 ハルヒのこと、今日の捜索のこと、昨日の夢のこと、それらを考えて
いるうちに俺はいつの間にか寝てしまっていた。寝ていると突然携帯電話
の着信音が鳴り響いた。起きて時計を見ると午前0時を過ぎた時間だった。
午前0時……嫌な予感がする。そう思いつつ電話を取った。発信者は
長門だった。

「もしもし、長門か。どうした」
『たった今大変なことが起きたのであなたに報告する』
「なにがあったんだ!?」
『朝比奈みくるがこの地上から姿を消した』
「なに……」
『正確には午前0時に朝比奈みくるはこの地上から姿を消した』
「ハルヒと同じ手口なのか?」
『わからない』
「そうか……わかった。また学校で話そう。たぶん既に知っているとは
思うが古泉にも連絡してやってくれ」
『わかった』
「よろしく頼む」

 そういうと俺は電話を切った。ハルヒに続いて朝比奈さんまでこの
地上から消えた? 何か因果関係があるのか? いったいどうなって
るんだ……そう考えながら俺は呆然としていた……

 いったい……何が起こっているんだ……


───Missing Ring -失われる7日間- 第二話 終
345Missing Ring ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 12:27:46.70 ID:lSKbZRRU0
今回は以上です。
また夜とか明日以降もゲリラするかも。
346女装して初詣:2006/12/12(火) 12:28:33.96 ID:eqLQAuJ2O
みくるまで消えたのかw
乙!続きwktk!
347猪(ベース):2006/12/12(火) 12:41:19.95 ID:mAlqUiZQO

wktk
348初夢(ホスト修行中):2006/12/12(火) 12:43:42.18 ID:avuu7LLB0
ゲリラ乙
349猪(青詐欺):2006/12/12(火) 12:57:15.78 ID:5EhWSFUOO
ゲリラktkr

乙!
350猪(停学中):2006/12/12(火) 13:11:45.24 ID:Wdi6eZenO
ゲリラ乙!
351おみくじ(既知):2006/12/12(火) 13:32:26.76 ID:becEA/S50
ゲリ乙!
352ぬこと初詣:2006/12/12(火) 13:33:26.68 ID:U3Ciwjd10
ゲ乙!
353お年玉(すずめの涙):2006/12/12(火) 13:37:53.97 ID:qHviqnTAO
乙!
休日の公園は家族連れで溢れている。冬の寒さに家族の笑い声が暖かさが響く。それを聞きながら二人隣同士でベンチに座る。公園に来る途中で俺はココアと、物凄く怪しい'ちゃんこ四十八手'と書かれた飲み物のうっちゃり味を好奇心で買って持ってきた。
「どっちが良い?」
俺は二つの缶を見せる。ミヨキチはやや考え込んで
「ココアを下さい」
と遠慮がちに言った。俺はココアを渡した。ミヨキチは缶を開けると一口ココアを小さな口で啜った。そして柔らかい顔をする。ふむ。良い顔だ。ミヨキチは俺の視線に気付いたらしくちらりと俺を見ると少し顔を赤くして俯いた。可愛い奴だ。
さて、俺は自動的にこのうっちゃり味の謎の飲み物を飲む事になった。それを開けると湯気とともに何かちゃんこっぽい何かの匂いが鼻を貫く。ヤバいと第六感が叫んでいるのが解る。とりあえず一口、飲み干す。
―――ごくっ。
その途端に大鵬が見えた。俺は何故か大鵬につっぱりを加えて押していく。そして土俵際まで追いやったその時、うっちゃりを食らった。そこで意識が戻ってきた。
「・・・」
これは、何だ。飲み物なのかどうかも怪しい。何をしてるんだ、このグループの飲料部門は。
「どうしたんですか?」
ミヨキチが心配して俺の顔を伺う。
「何でもないよ」
本当は口直しにミヨキチのココアが欲しいのだが情けない姿を晒すわけにもいかず、俺は笑顔を作ってうっちゃり味のそれを一気に飲み干した。
そしてマッハで大鵬のうっちゃりを食らった気分に襲われた。視界が暗転する。
ふと気付くと川のせせらぎが聞こえてきた。その音を辿ると向こう側から白装束の老人が手を振っていた。俺は無意識を川を渡ろうとした。
しかし、突如現れた大鵬にうっちゃりを掛けられて思いっ切りぶっ飛んだ。
そこで意識が復活した。ミヨキチが目の下が腫れた泣き顔で俺の顔を見ていた。
「だ、大丈、ぐすっ、夫ですか・・・え゛ぐ・・・?」
「あ、あぁ、だ、大丈夫だ!」
俺は慌てて頷いた。
ふぅ、危うく大鵬のせいで天に召されるところだった。助けてくれた大鵬に感謝するとしよう。ん?危うくしたのも助けてくれたのも大鵬か。意味が解らん。
わざわざ助けてくれるならわざわざ殺さないでくれ。っつかお前まだご存命の筈だろう。三途の川に出現した理由が解らん。
「良かったです・・・無事で良かったです・・・」
「何をそこまで泣いてるんだ。俺は大丈夫だよ。ね?」
「だって・・・だってぇ・・・ぐすっ」
俺はその後、ミヨキチを宥めるのに三十分以上を掛けた。俺があの世に居る間、俺はどんな顔をミヨキチの前でしていたのか。何か気になるが聞かない方が良さそうだ。
「さて、どっか行こうか」
気を取り直して俺は言った。
「はい」
ミヨキチも微笑みを浮かべて頷く。
「何処に行きたい?」
「えっと・・・カラオケってとこに行ってみたいです。行った事、無いので・・・」
「そうか。よし。解った。じゃあ、行こうか」
俺達は立ち上がるとカラオケに向かって歩き始めた。
まだ俺達は笑顔だった、その時は、お互いに何も未来の事が解らなかったからだ。
それは確かに、静かに、微かに、浸食を開始していた。
それは未来も観測し得ない出来事。時間的なバグである。
ひっそり。とある'少女'が望んだ世界が現実に浸食し事実を変化させる。


「一つ独りで悲しきや。二つ蓋を無くした心の中。三つ見る目を喪失す。さて・・・楽しみましょうか。殺人ゲームを」



ネタ考える為に省略されました。続きを読みたい場合はフェルエリア・フォン・エターナリティ!と静かにお叫び下さいまし。
357ぬこと初詣:2006/12/12(火) 13:53:30.35 ID:U3Ciwjd10
●<フェルエリア・フォン・エターナリティ
358初夢(勝ち組だった):2006/12/12(火) 14:16:29.04 ID:avuu7LLB0

フェルエリア・フォン・ヱターナリティの前編ってどの作品?
359猪(ピーマンきらい):2006/12/12(火) 14:17:33.10 ID:bARBLHiD0
そんなの無い
3601000ならクリスマス中止:2006/12/12(火) 14:22:18.27 ID:NR2lQJi90
361年賀状(配ってます):2006/12/12(火) 14:27:28.96 ID:5ZEg0EKN0
>>358
短編に収録されてる

http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/1973.html 
この下の方のヤツかな?
362おせち(3,000円):2006/12/12(火) 14:27:58.46 ID:jB1pJyRjO
ゲ!
363おせち(200円):2006/12/12(火) 14:35:48.23 ID:9IqtHDF9O
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン!
364猪(スポーツマンタイプ):2006/12/12(火) 14:42:13.79 ID:c1UMeXVEO
>>361
うん、それです。わざわざありがとうございます。
365恵比須(えびす):2006/12/12(火) 14:52:35.12 ID:rGvFjSzc0
●<フェルエリア・フォン・エターナリティ
366猪(停学中):2006/12/12(火) 15:27:29.12 ID:5EhWSFUOO
保守
367プリンSS:2006/12/12(火) 15:36:21.18 ID:iuENELAJ0
>>88氏もとい>>325
ありがとうございます!
それでは、>>88氏のプリンSSもまとめて、
まとめwikiの方に投稿させて頂きます。

そして保守age
368おみくじ(汚れて読めない):2006/12/12(火) 15:42:33.12 ID:iuENELAJ0
ところで、「プリンSS」のタイトルは何がいいんだろ。
なにかあったらお教え願う。
是非とも参考にしたい。
369ダイコン:2006/12/12(火) 15:44:27.43 ID:lSKbZRRU0
>>368
「食べて、私の甘い胸の思い」 とかどう?w
370猪(禁欲中):2006/12/12(火) 15:47:58.20 ID:c1UMeXVEO
>>368
ぐれーとおっぱい・おぶ・ぷりん
371猪(マヨラー):2006/12/12(火) 15:49:52.11 ID:bARBLHiD0
「甘いプリンの秘密は形だったのか!」

いや、スルーしてくれ
372猪(停学中):2006/12/12(火) 15:54:38.64 ID:5EhWSFUOO
「甘いプリンの秘密」
373猪(禁欲中):2006/12/12(火) 15:55:17.25 ID:c1UMeXVEO
>>368
おっぱい・おぶ・ぐれーとぷりん
374猪(マヨラー):2006/12/12(火) 15:55:21.53 ID:bARBLHiD0
「一番甘い胸はどれだ!?」
375猪(禁欲中):2006/12/12(火) 15:59:18.84 ID:c1UMeXVEO
>>368
おっぷりん
376おみくじ(汚れて読めない):2006/12/12(火) 15:59:30.32 ID:iuENELAJ0
>>372
それ頂きますwww
キョンの長編ってことでいいのかな?
377猪(過敏):2006/12/12(火) 16:00:41.39 ID:bARBLHiD0
「仲のいい兄妹はアソコまで進んでたのか…」
378猪(大人):2006/12/12(火) 16:23:34.73 ID:5EhWSFUOO
保守
379猪(大人):2006/12/12(火) 16:52:21.92 ID:5EhWSFUOO
ほし
380猪(大人):2006/12/12(火) 17:06:11.70 ID:H/Yb3pndO
381姉と初詣:2006/12/12(火) 17:10:19.47 ID:cIuZctXS0
ほし



新一まんまコピーで登場人物だけハルヒキャラに改変wwwwwwwwwwww
382猪(カビ):2006/12/12(火) 17:26:26.96 ID:Wdi6eZenO
ほすゅ
383黒豆(九粒):2006/12/12(火) 17:27:16.52 ID:L93uVJ6MO
保守
384おせち(15,000円):2006/12/12(火) 17:31:33.63 ID:v+u+boQ90
wikiのサーバーが不安定でまともに過去の話が見れない
鶴屋さんの話見せろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
385書初め(遠山金さん):2006/12/12(火) 17:44:23.31 ID:B/W+8Yoa0
長編Wiki短編Wikiって分けないとまずいのかもな。量が多すぎて
386猪(巨乳):2006/12/12(火) 18:19:01.74 ID:Wdi6eZenO
ほすゅ
387猪(巨乳):2006/12/12(火) 18:54:39.33 ID:Wdi6eZenO
過疎りすぎwww
388猪(カビ):2006/12/12(火) 19:00:03.34 ID:5EhWSFUOO
冬企画でみんな唸ってるんじゃない?
389猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:07:51.85 ID:H/Yb3pndO
最近SS書いても途中で手が止まるんですよ
電波もなかなかこないし
390カラスと初詣:2006/12/12(火) 19:16:02.97 ID:5ZEg0EKN0
>>389
ドッペンケルガー発見。ハルヒ様に報告するっぺよ
391Missing Ring@作者 ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:17:56.68 ID:lSKbZRRU0
保守がてらにMissing Ring第三話をゲリラ投下。
ちなみに、Missing Ringは連続ゲリラSSに決定しましたw
今回は10レスになります。
準備出来次第投下します。
392Missing Ring-3(1/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:20:18.21 ID:lSKbZRRU0
『Missing Ring -失われる7日間-』



【第三話−12/06】
 ハルヒに続いて朝比奈さんまでもがこの地上から姿を消したと長門
から連絡を受けた。正直信じられない心境だ。ハルヒだけでも信じられ
ないのに、朝比奈さんまでも消えてしまうとは……一体どうなって
いるんだ……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 俺は憂鬱な心境で学校に着いた。もちろん昨日から俺の後ろの席の主
ハルヒはいなくなったままだ。その上朝比奈さん前でも消えたとなると
俺の心境はますます重いものになった。そんなわけで午前中の授業など
まったく頭に入らず、ただただ時が過ぎていくだけだった。昼休みになり
弁当を食べようとすると、国木田が、

「キョン、お客さんだよ。鶴屋さんが来てる」
「鶴屋さんが?」

俺はすぐに廊下に出て鶴屋さんを見つけた。

「あ、キョン君。ちょっと聞きたいことがあって来たんだけど、時間
空いてるかなっ」
「ええ、大丈夫ですよ。恐らく見当はついてますから……とりあえず
ちょっと静かなところへ行きましょうか」
「そだね。ちょっと移動しようか」
393Missing Ring-3(2/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:21:05.07 ID:lSKbZRRU0
 俺と鶴屋さんは屋上に移動した。相変わらず屋上には人がおらず
閑散としていた。まあ、重要な話をするにはもってことだが。

「で、鶴屋さんお話は朝比奈さんのことですか?」
「うん、そうなんだにょろ。今日みくる学校に来てないけど何が
あったか知らない?」

 俺は迷った。確かに俺は朝比奈さんが消えたことを知っている。それを
”さあどうなんでしょうね”などとごまかしていいものか……。鶴屋
さんは『機関』のスポンサーの家の人間でもあるし感が鋭い。この際
正直に解っていることを話すことにした。

「鶴屋さん、落ち着いて聞いてください」
「やっぱりなにかあったにょろ?」
「今日の深夜に知ったんですが……朝比奈さんはこの地上から姿を
消した、いわゆる行方不明になったそうなんです」

 俺がそういうと鶴屋さんは今までの元気スマイルから一転して真剣な
顔になった。

「みくるが行方不明って……何かの間違いだよね?」
「残念ながら……本当です。信頼の出来る情報です」
「うそ……」

 鶴屋さんは驚きを隠せない。恐らくハルヒのこともいずれ知ることに
なるだろうと思い、ハルヒのことも話すことにした。
394Missing Ring-3(3/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:21:44.19 ID:lSKbZRRU0
「実は……ハルヒも昨日から行方不明になっています」
「え……ハルにゃんも……」
「ええ。色々手を尽くして探してはいるんですがまったく手がかりが
ありません」
「えっ?」

 そういうと鶴屋さんはちょっと驚いた顔をした。

「どうしました?」
「あれ?キョン君昨晩うちに来てみくるに何か言ってたんじゃなかった?」
「すいません、それはどういうことですか?」

 俺はまったく身に覚えの無いことを言われ混乱した。

「あのね、昨日はみくるが泊まっていく約束で遊びに来たんだけど、
昨晩の10時頃にキョン君が来て”偽者の正体がわかったんです。みんなも
来ているので朝比奈さんも来てください。”って言って、みくるを連れて
行ったよね?」

 俺が会いに行った……? それはまさしく……。

「鶴屋さん、そのときの俺は俺じゃありません、それは俺の偽者です!」
「嘘……今見ているキョン君とまったく同じ姿で偽者だなんて全然
わからなかったよ? 本当に来てないの?」
「ええ、神に誓ってもいいです。しかもそれはハルヒが行方不明になった
時とまったく状況が同じです。俺の偽者が現れて、ハルヒ・朝比奈さんを
連れて行ったことに……」

 なんてことだ。朝比奈さんが消えた状況もハルヒのときとまったく
同じだなんて!俺は鶴屋さんに詳しい状況を聞いた。
395Missing Ring-3(4/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:22:20.77 ID:lSKbZRRU0
「その俺の偽者なんですけど、なにかほんの些細なことでもいいんで
違いとかありませんでしたか?」
「そういわれても玄関先でちょこっと見ただけだし……あたしも
みくるもキョン君だって全然疑わなかったよ」
「そうですか……」

 そこまで話しているうちに午後の授業の予鈴が鳴った。

「ハルヒと朝比奈さんは必ず見つけ出します。必ず」
「うん、キョン君なら絶対に見つけ出してくれるって信じてるっさ」

 鶴屋さんは再び元気スマイルで俺を励ましてくれた。内心、朝比奈
さんのことで心配だろうに……気丈な人だ。

「それじゃ午後の授業あるから戻るにょろ」
「そうですね」

 俺と鶴屋さんは一緒に校内に入り、そして別れた。俺の偽者……
ハルヒと朝比奈さんの失踪を結びつける唯一の点。鶴屋さんの話では
まったく瓜二つという……。結局、今日の午後の授業も頭に入らず、
ただ時間が過ぎるだけの時となった。放課後、俺はすぐに部室へと
向かった。そこには既に長門・古泉がいた。

「待ってましたよ、あなたを」
「なにかわかったか?」
「はっきり言って我々の想像以上のことが起きているようです」
「と、いうと?」
「この地上から未来人が全員姿を消しています」
「朝比奈さんの他の未来人まで行方不明になったということか?」
396お年玉(少々):2006/12/12(火) 19:22:35.65 ID:TwHOO//r0








いい加減VIPから消えろって何度言わせるんだよキモヲタ









397猪(ベース):2006/12/12(火) 19:22:58.10 ID:hbabd4vT0
まさかアナル世界のキョンが…
398Missing Ring-3(5/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:23:05.53 ID:lSKbZRRU0
「はい、そうです。我々は長門さんのようなTFEI端末や朝比奈さんの
ような未来人と他にもコンタクトを取っています。それが今日を境に
全員姿を消しました」
「全員が未来へ帰ったってことは?」

 俺の問いには長門が今度答えた。

「それはありえない。情報統合思念体によると時空移動の痕跡がまったく
みられない」
「長門はなぜ朝比奈さんが消えたのがわかったんだ?」
「わたしは常にSOS団全員をモニターしている」
「そうなのか……」

 ってことは俺のあんなこともこんなこともモニターされていたのか。
今度長門にはプライバシーってものを教えておこう。まあ、今はそれ
どころではないが。

「ところで今日の昼に鶴屋さんに聞いたんだが、やはり昨晩俺の偽者が
現れて朝比奈さんを連れて行ったらしい」
「まったく涼宮さんの時と一緒ですね」
「恐らくその偽者が今回の鍵を握っていると思われる」
「この事態から察するに、涼宮さんも誘拐されたというわけでは無い
ようですね……」

 俺はその古泉の言葉に最悪の事態が頭に思いつき恐怖に駆られた。

「それじゃあ、ハルヒや朝比奈さんはもうこの世にはいないってことか!?」
「その可能性もある」
「しかし、殺害されたとは限りません。もしかすると何らかの手段を用いて
次元の狭間などに幽閉されている可能性もあります」
399お年玉(少々):2006/12/12(火) 19:23:48.83 ID:TwHOO//r0












いい加減VIPから消えろって何度言わせるんだよキモヲタ










400Missing Ring-3(6/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:23:52.02 ID:lSKbZRRU0
「でも長門の話では特にそういう現象の痕跡は見られなかったんだろ?」
「そこが謎なのですが……」
「長門、前にお前が行ってたお前の親玉の親戚みたいなヤツの仕業という
可能性は無いか」
「それは無いと思われる。その場合には情報統合思念体が感知する」
「そうか……」
「どうでしょう、昨日と同じように今日も偽者が現れた現場に行って
みては?」
「そうだな。そうすると、鶴屋さんの家ってことか」
「家まで行かなくてもその近くでも痕跡探しは可能でしょう」
「よし、とりあえず行ってみよう」

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 俺たちはとりあえず鶴屋さんの家の近くまでやってきた。

「地面をスキャンした結果確かに朝比奈みくると思われる足跡の痕跡が
みられる」
「俺の偽者の痕跡はどうだ」
「それに関してはまったくみられない」
「鶴屋さんの話だと特に変わった点が無かったと言っていたから、靴を
履いていないってことは無いはずなんだが……」
「もしかしたらその偽者というのは表面上はあなたにそっくりですが、
実際には実体の無いいわば風船みたいなものなのかもしれません」
「地面からギリギリ浮いているから足跡がつかないってか?」
「まあ、足跡を残さないように移動する手段はいくらでもありますが
……朝比奈さんが何の疑問も無くついていったということはそういう
小細工はしていなかったと思いますね」
「どうだろうな……あの人は慌てるとまわりが見えなくなるからな」
「まあ……そうですが」
401のびたと初詣:2006/12/12(火) 19:24:20.66 ID:B8cUvG13O
支援
402Missing Ring-3(7/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:24:31.25 ID:lSKbZRRU0
 古泉は苦笑した。

「長門、朝比奈さんはどこに向かっていったかわかるか?」
「足跡を追ってみれば可能」
「よし、追跡してみよう」

 俺たちは長門の後について朝比奈さんが移動したと思われる場所まで
たどり着いた。そこは、ハルヒが消えた公園だった。

「まさかまたこことは……」
「ベンチに座ったあとが見られる。ただし1人分」
「恐らく朝比奈さんが座っていたんだろう。多分俺の偽者も」
「昨晩の10時に鶴屋家に現れ、そしてここに来た。その後午前0時まで
ここで過ごしそして朝比奈さんは消えた。そう考えるのがベストですね」
「ハルヒのときもそうだろうな。いわば時間稼ぎの場ってことか」
「そんなところです」
「ハルヒ、朝比奈さん、これで繋がるものは……」

 長門が意外なことを口にした。

「恐らく宇宙人・未来人・超能力者」
「ということは、僕や長門さんも狙われる可能性があるわけですね」
「そういうことになる」
「だが、お前達2人は既に俺の偽者の存在を知ってるし用心深い、大丈夫
なんじゃないか?」
「そうとはかぎりませんよ」
「と、いうと?」
403Missing Ring-3(8/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:25:10.34 ID:lSKbZRRU0
「あなたの偽者が午後10時に現れて連れ出したというのは、おそらく
涼宮さんの家族や鶴屋さんに怪しまれないギリギリの時間だったから
ではないでしょうか。そうなると、家族のいない長門さんや深夜でも
活動している僕などは消える午前0時に目の前に現れてもおかしく
ありません」

 確かに古泉の言うとおりだ。午後10時以降となると遅すぎて逆に
家族などに怪しまれる。それ以前だと午前0時まで時間がありすぎて
引き止めておくことが出来ない。が、それだったら午前0時に寝室に現れて
さらっていけばいいのではないだろうか? などと考えていると、

「この2回の誘拐はあなたの偽者がその存在をアピールするためにこんな
回りくどいことをしている可能性がありますね……」
「つまり、俺が何か関係しているってことか?」
「そうかもしれませんし、あなたに対して自分の存在を教えるためなの
かもしれません」
「ううむ……心当たりはまったく無いんだがなぁ……」
「本当にあなたの身の回りで何か変化が起きた事はありませんか?」
「ハルヒの夢以外は特に無いな」
「と、するとこれから起きる可能性もあるわけですね」
「そうならないことを願うばかりだ」
「とりあえず我々も用心しますが、あなたも気をつけてください。
最終的なターゲットはあなたかもしれません」
「わかった」

 そう話した後、一通り公園内を探索してみたがやはり収穫は無かった。
日が落ち暗くなってきたので俺たちはそれぞれ家に帰る事にした。
404お年玉(少々):2006/12/12(火) 19:25:37.75 ID:TwHOO//r0













いい加減VIPから消えろと何度言わせるんだキモヲタ












405Missing Ring-3(9/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:25:46.05 ID:lSKbZRRU0
 キョンたちが鶴屋家の近くから公園まで探索している間、全身を覆う
フードを着た男が遠くからその様子を観察していた。キョンたちが帰るの
を見届けると男は、

「やっと気がつき始めたか……でもまだだな」

そういうと男はやがてその場から姿を消した……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 今日も収穫なし。悲嘆にくれながら俺は家に帰ってきた。家に帰ると
妹が出迎えてくれた。

「なんか元気ないねぇ、キョン君」
「いろいろあるのだよ、妹よ」

そんな会話をし、飯など一通りを済ませると俺は自分の部屋で色々と
考え込んでいた。ハルヒが消えたこと、朝比奈さんが消えたこと、そして
長門・古泉の話では俺たち全員がターゲットの可能性があるということ。
ではなぜこの時空に滞在していた未来人が全員姿を消したのか? 俺たち
だけがターゲットならそれは余計な行動なはずだ。

「うーん、わっかんねえな」

 俺はそういうと布団に入り眠りについた。午前0時の連絡が来ないこと
を祈りながら……しかし、その願いは虚しくも崩れ去った。午前0時を
若干過ぎた頃、寝ていたところに携帯電話の着信音が鳴り響いた。発信者
は古泉。と、いうことは……と思いつつ電話に出た。
406Missing Ring-3(10/10) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:26:16.36 ID:lSKbZRRU0
「もしもし、古泉か」
『はい。やはり恐れていたことがおきました』
「お前が電話してきたってことは……長門になにかあったんだな!?」
『お察しの通りです。長門さんがこの地上から消えました』
「なんてことだ……」
『まだ正確な情報ではありませんが、他のTFEI端末、喜緑江美里なども
消えたと思われます』
「わかった……詳しいことは学校でまた話してくれ」
『わかりました。では失礼します』

 俺は失意のうちに電話を切った。ハルヒが望んだ者たちが1人ずつ
消えていく。これは俺の偽者の仕業なのか? それともハルヒが新しい
世界を望んでいるのか? そう考えると寝ようにも寝付けなかった……

 今度は誰が消えるんだ? 古泉かそれとも俺か……


───Missing Ring -失われる7日間- 第三話 終
407のびたと初詣:2006/12/12(火) 19:26:54.56 ID:B8cUvG13O
GJ
408Missing Ring@作者 ◆nP5OmqcjZw :2006/12/12(火) 19:27:38.95 ID:lSKbZRRU0
今回はここまでです。
残ったのは古泉とキョンだけになりましたね…w
次の話も明日辺りゲリラ予定。
409猪(カビ):2006/12/12(火) 19:28:37.88 ID:5EhWSFUOO
乙!

続きwktk
410猪(ノーパソ):2006/12/12(火) 19:32:25.49 ID:c1UMeXVEO
めがっさ乙!

この二人が残った?ま、まさか


ウホッ
411猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:33:03.85 ID:H/Yb3pndO
つまりこのまま三人をほっといて古泉とキョン二人の恋愛が始まるってことですね!
412”管理”人と初詣:2006/12/12(火) 19:33:07.58 ID:eqLQAuJ2O
古泉とキョンだけが残った世界…

いや、なんでもない
GJ!
413看護士と初詣:2006/12/12(火) 19:33:14.56 ID:U3Ciwjd10
乙!

続きが気になるぅぅぅぅ!
414猪(停学中):2006/12/12(火) 19:36:05.46 ID:ea9G8nCNO
ガチホモルートか・・・
415おせち(30,000ウォン):2006/12/12(火) 19:39:41.83 ID:v+u+boQ90


過去の話見れneeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!1
キャラ別に話を見たいのに……
検索からだと見れるのだが、それだと関係無い物まで出ちゃうしなぁ……
416猪(カビ):2006/12/12(火) 19:58:06.06 ID:5EhWSFUOO
ほし
417ニンジン:2006/12/12(火) 20:11:52.79 ID:BQVpqEQM0
●<…
418黒豆(千粒):2006/12/12(火) 20:25:48.46 ID:L93uVJ6MO
保守
419猪(大人):2006/12/12(火) 20:43:48.40 ID:AApgwiIYO

フードをかぶった男がダース・シディアスとダブってしまう俺がいる…orz
420猪(vipper):2006/12/12(火) 21:02:24.01 ID:M+N/heikO
書き込みたい
421猪(巨乳):2006/12/12(火) 21:10:27.59 ID:/f6lC3IQO
>>420
書き込んじまえ
422猪(水着):2006/12/12(火) 21:15:27.66 ID:c1UMeXVEO
>>420
wktkwktkwktkkrtk
423猪(病気がち):2006/12/12(火) 21:27:16.82 ID:AApgwiIYO
あげ
424おせち(30,000ウォン):2006/12/12(火) 21:39:34.48 ID:tDgLrbGTO
そろそろ猪から変わりたい
425猪(友達がvipper):2006/12/12(火) 21:43:16.42 ID:Wdi6eZenO
>>424
おめでとうww
426凧(中華風):2006/12/12(火) 22:07:51.70 ID:wc1DKIJJ0
保守
427初夢(二日酔い):2006/12/12(火) 22:13:51.45 ID:qHviqnTAO
キョン妹が運動部に入るなら何部だと思う?
428焼き豆腐:2006/12/12(火) 22:16:05.12 ID:agBcmRrC0
柔道部
429パティシエと初詣:2006/12/12(火) 22:18:31.60 ID:cIuZctXS0
ラクロス部で、ミヨキチと白と黒で悪者と戦うのはどうだろう。
ミヨキチは科学部な?
430給食のおばさんと初詣:2006/12/12(火) 22:20:57.91 ID:MxuTQJSg0
卓球部
431猪(音速):2006/12/12(火) 22:21:36.36 ID:MigKU3ru0
fack you部
432初夢(二日酔い):2006/12/12(火) 22:21:47.90 ID:qHviqnTAO
どこにでもある柔道部もらって行くよ、ありがとうorz
433VIP皇帝:2006/12/12(火) 22:24:01.77 ID:agBcmRrC0
>>432
ちょwww冗談だったのにwwwww
434猪(濡れシャツ):2006/12/12(火) 22:24:39.66 ID:c1UMeXVEO
ソフトテニス部は?
435猪(音速):2006/12/12(火) 22:24:43.00 ID:MigKU3ru0
おちつけ。キョン妹ならイラスト部か猫研究部だろ
436猪(ボーカル):2006/12/12(火) 22:25:04.02 ID:Wdi6eZenO
陸上部とかテニス部っぽい
437初夢(二日酔い):2006/12/12(火) 22:27:18.04 ID:qHviqnTAO
テニス系多いな。
柔道はあんまだからソフトテニスにするかな。

>>435
今書いてるやつ的には運動部のが都合がいいんだ
438給食のおばさんと初詣:2006/12/12(火) 22:30:28.25 ID:MxuTQJSg0
いやテニスよりは柔道のほうが萌えないか?
439初夢(二日酔い):2006/12/12(火) 22:32:28.64 ID:qHviqnTAO
運動部なら何でもいいけどなww
440おせち(1d):2006/12/12(火) 22:33:44.56 ID:wJfzNg+dO
水泳という手もある
441黒豆(五粒):2006/12/12(火) 22:34:25.41 ID:N/o7qqMVO
柔道ってwww
足の裏ガサガサになったキョン妹を望む奴がいるんだな
442黒豆(二粒):2006/12/12(火) 22:35:30.56 ID:50FX6V6YO
そこでまさかの吹奏楽部
443おせち(150j):2006/12/12(火) 22:37:15.27 ID:tDgLrbGTO
弓道は?一応運動部だが……消防がやるもんじゃないな
444初夢(二日酔い):2006/12/12(火) 22:37:44.67 ID:qHviqnTAO
設定的に厨房の予定だ。
445おみくじ(既知):2006/12/12(火) 22:37:54.33 ID:AApgwiIYO
うちのPCがアクセス規制くらってるorz
446コンニャク:2006/12/12(火) 22:38:11.60 ID:ZWvNwA2V0
ここで体操部とか言ってみる
447初夢(二日酔い):2006/12/12(火) 22:40:52.65 ID:qHviqnTAO
まぁそんなに重要じゃないからソフトテニスくらいにしとくよ、サンクスorz
448黒豆(二粒):2006/12/12(火) 22:41:46.08 ID:01Sn/1Tl0
保守
449黒豆(二粒):2006/12/12(火) 22:45:12.50 ID:01Sn/1Tl0
>>445

今なら大丈夫のはずだぜ!!
なんせ俺が規制解除されて書き込めてるぐらいだ!
でも





熊本はだめかもしれんね・・・
450初夢(二日酔い):2006/12/12(火) 22:46:49.94 ID:qHviqnTAO
>>449
携帯からだからわからんが……熊本なんかあったのか?
451おみくじ(既知):2006/12/12(火) 22:54:38.89 ID:AApgwiIYO
うちのPCはT-こむなんだが
どうやら一部のDQNのせいで全鯖規制がorz
452黒豆(二粒):2006/12/12(火) 22:59:25.35 ID:01Sn/1Tl0
>>450

最初はmarunouchi.tokyo.ocn.ne.jpアク禁
そしてsouka.saitama.ocn.ne.jpアク禁
さらにfunabasi.chiba.ocn.ne.jpアク禁
すると規制人のミスでsasajima.aichi.ocn.ne.jpアク禁(この時同時に
obiyama.kumamoto.ocn.ne.jpアク禁)
しかも、sasajimaとsaitamaを間違えてsaitamaアク禁解除←俺これwwww


たぶんそろそろ愛知&熊本と埼玉が逆転する(´・ω・`)
453猪(ドラム):2006/12/12(火) 22:59:29.61 ID:tZF5t1eq0
>>451
規制@全サーバ No.5

t-com.ne.jp 規制
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2ch/1073646690/63
.t-com.ne.jp (規制)

これか…荒らしの再犯率高すぎだからBANしないとダメだよな
っと、規制されると思う
細分化による巻き添え削減は賛否両論だけど…プロバイダはBANしないからな
454黒豆(三粒):2006/12/12(火) 23:00:42.89 ID:01Sn/1Tl0
>>451

T−comだったのか・・・スマソorz
455初夢(筋肉痛):2006/12/12(火) 23:01:09.50 ID:s+PUR8FzO
ソフトペニス
456初夢(筋肉痛):2006/12/12(火) 23:04:39.98 ID:qHviqnTAO
>>452
ちょww俺帯山だwwww
携帯でよかった
457婦警さんと初詣:2006/12/12(火) 23:09:03.95 ID:cIuZctXS0
電車の中で携帯とかならわかるが、ほんとにPC持たずに携帯で2chしてる奴っているんだな…
458猪(進化系):2006/12/12(火) 23:10:03.76 ID:MigKU3ru0
珍しくplalaが無くて感動した
459白菜:2006/12/12(火) 23:10:50.34 ID:KhSuDmZ50
>>458
あるある。
ヒヤヒヤしてるんだぜ・・・
460猪(ベース):2006/12/12(火) 23:13:24.43 ID:tZF5t1eq0
>>458
昨日は三重辺りが規制されてたな

まあ、plalaだと土曜に規制開始して木曜か金曜まで規制続いた事あったから
1日くらいじゃ早い対応だと思えてしまう俺って…orz
461お年玉(なし):2006/12/12(火) 23:15:05.35 ID:vEIeo1o10
泣きたいのはこっちだっつーの
462猪(カビ):2006/12/12(火) 23:22:25.55 ID:AApgwiIYO
規制で投下出来ない作者さんいるんだろうな……きっと

そーいやこの中にTコムの人どのくらいだろ?
463黒豆(三粒):2006/12/12(火) 23:25:51.07 ID:01Sn/1Tl0
462 :猪(カビ):2006/12/12(火) 23:22:25.55 ID:AApgwiIYO
規制で投下出来ない作者さんいるんだろうな……きっと



http://ttsearch.net/s.cgi?k=%83%8C%83X%91%E3%8Ds&o=r
464多胡:2006/12/12(火) 23:27:01.21 ID:v7ojV0iL0
「あたし、あなたのことが、好きだったよ。知ってた?」
「ちゃんと言えなかったこと、すごく後悔してたんだよ。知ってた?」
「誰にも渡したくないって、今でも思ってる。知ってた?」
「じゃあ、さよなら。もう逢えないけど。…これは知ってたでしょ?」
465黒豆(三粒):2006/12/12(火) 23:28:40.66 ID:01Sn/1Tl0
>>464
それなんて成年コミック?
466おみくじ(いいのこいっ):2006/12/12(火) 23:36:48.22 ID:gj2U72Yc0
戦場の続き期待age
467猪(ミセブラ):2006/12/12(火) 23:39:39.46 ID:q3gMTf6dO
戦場の続きは今日投下?
468猪(カビ):2006/12/12(火) 23:51:47.88 ID:AApgwiIYO
保守
469涼宮ハルヒの戦場  ◆8oOW4uaK9Q :2006/12/12(火) 23:52:38.30 ID:qSkVVIqA0
明日の夜に
・ その6
・ エピローグ

の投下予定であります。

……アナル読んで笑っている場合ではないですねorz
470猪(友達がvipper):2006/12/12(火) 23:54:23.75 ID:5EhWSFUOO
>>469
予告スレに投下予定時間を書いてくれたら支援しやすいです。
471おみくじ(きち):2006/12/12(火) 23:55:01.83 ID:AApgwiIYO
明日ですね
了解です
472涼宮ハルヒの戦場  ◆8oOW4uaK9Q :2006/12/12(火) 23:55:55.24 ID:qSkVVIqA0
>>470
了解です。
473猪(泣き上戸):2006/12/13(水) 00:04:52.16 ID:XeGdsnjvO
474初夢(競馬あたった):2006/12/13(水) 00:05:38.88 ID:UqP4Yvue0
つーかコミケの原稿をあげなきゃいかんのだが
こういうときに限ってSSのネタでんぱを受信してしまう駄目な漏れ

半分現実逃避なところもあるが(w
475黒豆(二粒):2006/12/13(水) 00:07:15.75 ID:s/e+2bTY0
―――好きな子を携帯の待ち受け画面にして、3週間隠し通したら想いが叶うんだって

(中略)

ハルヒ「キョンに何かしようって言うの? やめてくれる? そういうこと」
みくる「ふふっ、やだなぁ。キョン君に最初に何かしたのは涼宮さんじゃないですか。
    キョン君を寝取ったりなんかして」
ハルヒ「なっ……! 寝取ってなんk」
みくる「寝取ったじゃないですか。わたしが付き合ってるのを知っててキョン君を誘惑して、
    キョン君が涼宮さんの色仕掛けに騙されたから今があるんじゃないですか。
    ああいうの、寝取るって言いません?」
ハルヒ「色仕掛けなんてそんな……」
みくる「わたしだって自分の恋人が寝取られた光景なんて思い出したくないです」
ハルヒ「……」
みくる「そうそう、どうしてキョン君に近づくかでしたよね。
    わたし素直になる事にしたんです。だって、今もずっとキョン君が好きですから」
ハルヒ「え……」
みくる「涼宮さんは今キョン君の彼女のつもりかもしれませんけど……わたし、負けませんから」
ハルヒ「……っ!」
みくる「甘くないお茶……買いに行きます?」
ハルヒ「え、ええ。 行くわ!」
みくる「私、先に戻りますから、ゆっくり買いに行ってくださいね」
ハルヒ「なっ!?」
みくる「購買から部室までの往復時間くらいハンデくださいね。私ブランク長いですから」

(以下略)
ごめんなさいゴメンナサイほんの出来心です。 でもはまり過ぎだと思いました。

長門「妻です」
476猪(進化系):2006/12/13(水) 00:15:53.80 ID:TFFHF1tyO
((((;゚Д゚))))
477猪(泣き上戸):2006/12/13(水) 00:16:31.87 ID:XeGdsnjvO
478初夢(筋肉痛):2006/12/13(水) 00:22:10.12 ID:zY8rRZsc0
電波だけは受信して作品の候補は増えてるのにちっとも作成が進まない……
「朝倉涼子の再会」の後半部分を今書いてるんだけど、
大して長い作品じゃないから投下終わったら一個にまとめてwikiに出そうと思うんだが、
今のうちに前編を読みたいって人は……居るかな?
479保母さんと初詣:2006/12/13(水) 00:24:55.41 ID:w4xfCjJ5O
俺がいるぜww
480猪(汗かき):2006/12/13(水) 00:25:45.35 ID:fv5Ck5zmO
そう言われると、読みたくなるw
481初夢(ゴキとの思い出):2006/12/13(水) 00:36:48.12 ID:ALjv3ZKk0
>>474
自分は逆にコミケ原稿終わってちょっと気力抜け気味
リハビリ用に軽めに書けるネタが欲しいよ。

本当は新しい長編ネタがあるんだけど
未完がまだあるから・・・。
482書初め(あの子にアタック):2006/12/13(水) 00:55:00.11 ID:gmO5Oa8rO
そろそろか保守
483長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 00:57:16.93 ID:533JsfOu0
投下いいですか?

家人が来た場合は投下中止あり

です。
484猪(ほろよい):2006/12/13(水) 00:57:41.96 ID:xqaT6C/aO
カモン
485初詣って何?:2006/12/13(水) 00:57:58.07 ID:UkcZ3w3E0
やっちまえ
486猪(2ch中):2006/12/13(水) 00:58:01.49 ID:NI3FmjfV0
ゴキとの思い出
   ↓
あの子にアタック
そしてー!!!!



これに続かない名前だったらごめんなさいorz
487長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 00:58:04.44 ID:533JsfOu0
長門ふたり

プロローグ

我々は情報統合思念体。宇宙を統べるもの。全ての時間と空間を超越し、全存在の
上位に位置する。我々は無誤謬であり決して間違いを犯さない。ごく少数の例外を
除いては....。

第一章 ある日、突然に。

授業が終わってから教室で宿題をやった後、僕は団室に向かった。団室に行くのも
なかなか難しいタイミングが必要だ。一番理想的なのは最後に部屋に入るというパターン。彼や涼宮
さんがすでにその日のパターンを作ってくれているから、それに乗ればいい。
ただ、このパターンの場合、部屋の扉を開けたときに何が起きているか解らないから
とっさの対応が難しい場合もある。あの5月の日、世界が消滅の危機に瀕した日の前日、
部屋に入って行くと涼宮さんがバニーガール、朝比奈さんがメイドの格好、そして
なんか険悪な雰囲気、僕は
「今日は仮装パーティの日でしたっけ」
などととっさにボケてみた。間違ってもここで「なぜ、そんな格好をしているんですか」
などと突っ込んではいけない。もっとも、その僕の努力も報われずに世界は消滅の
危機を迎えてしまったわけだが。

僕は機関の中でも最前線に位置するわけで、いろいろと責任が重い。唯一の
救いは、SOS団のメンバーが非常に魅力的な面々で構成されていることだ。
涼宮さんは言うに及ばず、非人間の長門さん、未来人の朝比奈さんの挙動は
常人離れしていて実に飽きない。彼も普通人にしては本人が思っている以上に
488猪(ほろよい):2006/12/13(水) 00:58:53.70 ID:xqaT6C/aO
wktk支援
489長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 00:59:17.75 ID:533JsfOu0
個性的だ。彼の友人の、御世辞にも賢いとはいえないあの谷口くん風の
言い方を借りるなら
「涼宮ハルヒに声をかけられた時点でおまえはもう普通の高校生じゃねえよ」
ってところだろうか。美少女3人と彼の間の「四角関係」も実に見ていて飽きない。
もっとも、任務から言えば、こういう関係は涼宮さんの精神の安定を
壊す可能性があり、あまり歓迎はできないのだが。
さて、と。今日は中はどうなっているのかな?ドアをノックすると
「どうぞ」
という抑揚の無い声。今日はどうやら長門さんしかいないようだな。
ドアを開けると、いつもの窓際の左隅で長門さんが本を読んでいる。
とりあえず、今日はとっさの対応を迫られなかったな、と安心しつつ、
扉を閉めて振り返った時点で僕は不覚にも3秒程凍り付いた。
長門さんは窓の右隅で本を読んでいた。問題なのは、
左隅にもやっぱり長門さんがいることだった。
「これはいったいどうしたことでしょうか?」
ととりあえず、聞いてみた。左隅の長門さんが答える。
「情報統合思念体のミス」
右隅の長門さんが引き取る。
「ヒューマノイドインターフェースの耐用年数は1000年。
耐用年数に達すると新しいユニットを作ってデータをコピーして
取り換える」
「情報統合思念体はミスを犯して私が耐用年数に達したと
誤認して新しいインターフェースを作成した」
「そうでしたか。それはそれは。でこれからどうされるつもりですか?」
「特に問題は無い。我々は完全に同期している」
というと二人の長門は読書を再開した。
いや、問題は無いのかも知れないが、ここに涼宮さんが入って来たところを
490猪(しいたけ目):2006/12/13(水) 01:00:20.47 ID:zpu9MiZ40
支援
491長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:00:29.59 ID:533JsfOu0
想像すると
........
....
..
「おまったせー」
入って来る涼宮さん。長門さんが二人いることに気づいて....
...
....
.........
あまり考えたくない。鶴屋さんじゃないんだから、朝比奈さんの異時間同位体が
出現したときに「朝比奈みちる」だと言って彼がごまかしたような時の様な
わけにはいかないだろう。
涼宮さんはもう一人が「長門早紀」だとかいう説明を受け入れるとは思えない。
「申し訳ありませんが、長門さん」
二人は同時に顔を上げた。
「どちらか、一方は私といっしょに来ていただけませんか?」
左隅の長門さんが答える。
「なぜ?」
「今は説明している時間はありません。とにかく、来てください」
長門さんは二人とも立ち上がった。
「いえ、どちからかおひとりだけ」
「それは不可能」
「私達は一心同体」
「自分では選べない」
仕方ない。僕は右隅の長門さんの手をとると
左隅の長門さんに
492猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:00:31.47 ID:xqaT6C/aO
支援
493長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:00:57.81 ID:533JsfOu0
「長門さんはここにいてください」
右隅の長門さんが席に戻ろうとする。
あー、面倒だな。
とにかく、長門さんの手をとると部屋を出る。もう一人の長門さんは椅子に
座り直したのがちらっと目の隅に入る。
とにかく、この長門さんをどこかに連れて行かないと。
廊下を歩いていると
「古泉君」
心臓が飛び出しそうだった。よりによって涼宮さんに見付かった。
後ろから声をかけられて、必死に笑顔をとりつくろって振り返る。
「おや、涼宮さん、これから団活ですか?」
「そうよ。古泉くんは?」
「いえ、長門さんが気分が悪いと言うので保健室におつれしようかと」
「へえ、有希が体調不良なんて珍しいわね。じゃあ、先言ってるから」
やれやれ。
「それにしても古泉くんが有希と手つないで歩いてるなんて珍しいから
何かと思っちゃったわ」
慌てて手を放す
「いえ、これは長門さんの足元がおぼつかないようでしたので」
「ま、いいわ。じゃあ有希をよろしくね」
ああ、危なかった。そうだ、団室にいる長門さんはうまくやってくれるかな?
「大丈夫。今、同期した。問題は無い」
いや、助かった。とりあえず、一目につかないところに行かなくては。
「どちらかが、『帰る』ことはできないのでしょうか?」
「それは可能」
「では、なるべく早くどちらかにお帰り頂きたいのですが」
494猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:02:14.18 ID:xqaT6C/aO
支援
495長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:02:23.35 ID:533JsfOu0
「了解した」
ふう、これはなんとかなりそうだな。

そのまま団活が終わる時間まで待っていると、もう一人の長門さんがやってきた。
「どうでした?」
「問題ない。誰も気づいていない」
「そうでしたか。では早速で申し訳ないのですが、どちらかにお帰り頂きたいのですが」
「わかった」
二人の長門さんは異口同音に告げた。いや、大事に至らなくて良かった。
....
5分後。
「あの、何をしておられるのですか? 」
二人の長門さんは異口同音に言った。
「彼女が帰還するの待っている」
二人とも、相手を指さしている。
「いや、そうじゃなくて、どちらかに自主的にお帰り頂きたく」
返事は無い。
「それでは、僭越ながら僕が指名させてもらいます」
僕はもとからこの部屋にいる長門さんにお願いしてみた。
「お帰り頂けますか?」
「断る」
「じゃあ、そちらの長門さん..」
「断る」
さあ、困った。こういう事態は想定外だな。
「しかし、お二人がここにおられるところを涼宮さんに目撃されると
非常に困ったことになります」
496猪(しいたけ目):2006/12/13(水) 01:03:14.84 ID:zpu9MiZ40
支援
497猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:03:17.92 ID:xqaT6C/aO
支援
498長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:03:45.24 ID:533JsfOu0
「それでは、お互いを消去しあうことにする」
「理解した」
突然、教室は見たことの無い異空間に変化した。
「★×◯◎□αβγ...」
「★×αβγ◯◎□...」
ふたりの長門さんは突然、呪文を唱え始めた。
教室の机や椅子が槍に変形すると飛び交い始めた。
僕はあわてて床に伏せる。
「わ、わかりました。どちらもお帰り頂かない方法をこれから考えますから!」
ふいに教室は元に戻った。
僕は埃をはらいながら立ち上がった。
「それでは、と。お二人が帰りたくない理由をお聞かせ頂けますか?」
答えない。
「ひょっとして彼が問題ですか?」
依然として答えないが、二人の長門さんはお互いに顔を見合わせてから
再び、僕の方に視線を戻した。YESってことだなこれは。
彼も罪作りなことだ。
「わかりました。それではこうしましょう。
お二人には交代で登校してもらいましょう。
登校しない方は人目に晒されないように、マンションでおとなしくして
頂く。いかがですか?」
「異存無い」
「異存無い」
ふう、第一関門は突破だな。
「さて、では、今日はどちらが残られますか?
決めて頂けますか? ジャンケンでもして」
499猪(しいたけ目):2006/12/13(水) 01:04:29.55 ID:zpu9MiZ40
支援
500猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:04:28.33 ID:xqaT6C/aO
支援
501長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:04:54.27 ID:533JsfOu0
「ジャンケンは不可能」
「私達は完全に同期している」
溜息が出た。面倒なことだ。
「それでは、と。僕がコインを投げます。
表が出たらこちらの長門さん、裏が出たら、
こちらの長門さんに残って頂きます。
よろしいですか?」
二人の長門さんは全く同じしぐさでかすかにうなずいた。

学校からの帰り道。とりあえず、心配だったので、
はずれの長門さんといっしょに帰宅してマンションまで送って行くことにした。
僕と長門さんが肩を並べて歩いていても不審がるものはいまい。
もう一人の長門さんは団室。人間、異なった場所に同一人物が
いることを認識することは難しいから、万が一、何か問題が起きても
「思い違い」で済まされる。要するに、二人の長門さんが同じ場所にいる時間を
なるべく短くすることだ。それにしてもl、
あの好奇心旺盛な涼宮さんがこの事態をいつまでもきづかないとはとても思えない。
長期的にはこの事態をなんとかしなくては。
「こういうことはしょっちゅうあるのですか」
「わりと」
「どれくらいの頻度で」
「百万体に一体」
めまいがするな。
「どちらかがお戻り頂くわけにはいかないのですか?」
「その点についてわたしは異存無い。どちらがもどるべきかを
決しようとしたのにとめたのはあなた」
502猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:05:38.16 ID:xqaT6C/aO
支援
503長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:06:04.32 ID:533JsfOu0
それはそのとおりだが、戦わないと決められないのだろうか。
マンションの入口につき
「それでは」
と帰ろうとすると長門さんは
「入って」
と言う。そういえば、長門さんの部屋に二人っきりというのも
一度もなかったな。通常なら
「いえ、せっかくですが失礼します」
と固辞するところだが、状況が状況だけに、
ちょっと心配だ。ちょっとだけ様子を見て行くか。
「それでは、御言葉に甘えて」
部屋に入るまでの間、ずっと長門さんは無言だ。
部屋にはいってこたつに座ると長門さんはお茶をいれてくれる。
「頂きます」
と飲み干すと
「おいしい?」
と聞くので
「ええ、たいへん、結構なお点前です」
と答えておく。彼だったら「長門がうれしそうだった」とか
いうところなのだろうが、残念ながら、僕にはさっぱり解らない。
更に二杯程ごちそうになったあとこちらから切り出す。
「わたしは帰りたくない。もう一人の長門を送還したいので協力して欲しい」
来れは」面倒なことになったな。
「しかし、そう言われましても僕にはお二人の区別が全くつきません。
協力したいのはやまやまですが」
長門さんは呪文を唱えた。
504猪(しいたけ目):2006/12/13(水) 01:06:06.38 ID:zpu9MiZ40
支援、
微妙な閉鎖空間出現したな
505長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:07:03.79 ID:533JsfOu0
「◎□★×αβγ◯...」
「あなたの脳に改変を加えた。これであなたは私達ふたりを識別できる」
確かに。何をやったのか知らないが、今は区別できる。
ややこしいから、今、目の前にいる長門さんを長門さんA、
今、団室にいる方を長門さんBとしよう。
「これで問題はない。協力して」
「ですが...」
まずいなあ、軽率に「協力したいのはやまやまですが」などと言うんじゃなかった。
「あなたはさっき、『協力したいのはやまやまですが』と明言したはず」
「前言をひるがえした場合はどうなりますか?」
ととりえあず、聞いてみる。長門さんAは答えない。
答えずに黒檀の様な目で僕をじっとみつめる。
僕は二人の長門さんが戦い始めた時の異空間を思い出した。
とびかう机や椅子が変形した槍...
「わかりました。協力しましょう。それでは本日はこれで」
いやー、面倒なことになった。これからどうすればいいんだ。

====

以上です。支援ありがとうございました。
506猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:09:35.72 ID:xqaT6C/aO
乙!
長門意外とわがままだなw
そして長門×古泉は何故か落ち着いて読めるw
507長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:10:43.18 ID:533JsfOu0
>>506
感想ありがとうございます。感謝感激!
508初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/13(水) 01:12:03.83 ID:ALjv3ZKk0
乙!
我侭な長門さんがいいね。
けど、古泉が長門の表情を読めなかったり
部室を団室って言うのはちょっと違和感が有ったかも。
509書初め(今年こそデート):2006/12/13(水) 01:12:12.33 ID:gmO5Oa8rO
乙!
長門古泉か……落ちが嫁内wktk!
510長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:14:00.43 ID:533JsfOu0
>>508
古泉って、長門の表情よめるのかな?
>>509
おちは...これから考える!という危険なわざ。
511初夢(二日酔い):2006/12/13(水) 01:14:15.75 ID:+M8W4z0L0
オツ!長門さんと古泉くんの組み合わせって、×にしろ+にしろマイナーだけど好きだなあ。
ていうかふたりいるならどっちか自分にくれ!
512初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/13(水) 01:17:57.92 ID:ALjv3ZKk0
>>510
古泉が、というより
キョン以外の部員三人も長門の表情はそれなりに読めているんじゃないかなー、
と原作を読んでいると思う。

でも、この話の場合だったら、
古泉が本当は長門の表情を読めないのにキョンの前でだけ
それらしい素振りをしているとかいう解釈でも全然OKかとw
513☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:18:15.77 ID:As5sbG+i0
ど〜も。
少し長いけど投下いいですか?
514長門ふたり ◆D5lhsNR6PY :2006/12/13(水) 01:19:22.65 ID:533JsfOu0
>>512
トンクス。
>>513
いいよ!
515猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:19:43.64 ID:xqaT6C/aO
カモン
516犬と初詣:2006/12/13(水) 01:20:05.53 ID:UkcZ3w3E0
少なくとも嫉妬モード入ってるハルヒは長門の表情読んでそうだな。
517☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:20:32.00 ID:As5sbG+i0
プロローグ
(*゚ー゚)「おいでおいで」
うるさい、声をかけるな。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
いやだ。俺は行きたくない。
(*゚ー゚)「こっちの世界は楽しいわよ」
お前のような気持ちの悪い生物がいる世界の、どこがいいんだ。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
な!?か、体が………勝手に…………。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
ひ、引き込まれていく……助け………。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
う、うわぁーーーーーー………………………。
518初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:20:55.36 ID:533JsfOu0
>>516
するどい!
519猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:21:10.16 ID:xqaT6C/aO
wktk支援
520☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:21:30.62 ID:As5sbG+i0
             本編
…………鳴り響く目覚ましの音。
気がつくと、俺はベッドの上にいた。
どうやら、ここは自分の部屋らしい。とすると、あれは夢だったのか………。
しかし、俺もまだまだ子どもだな。化け猫に声をかけられる夢を見るなんて、どれだけ精神年齢が低いんだ。
5月に見たあの夢といい、まったく俺も変な夢をよく見るもんだ。
フロイト先生が見たら、すぐに俺は先生の夢観察対象になってしまうだろう。

寝ぼけ眼で、俺は洗面所へと向かう。
俺が朝一番にすることは、まず顔を洗うことだ。俺の一日はここから始まっていると言っても過言ではないだろう。
谷口なんかは、朝はまずトイレに行くとか言ってたが、朝一番に俺が排泄欲を欲することはあまりない。
国木田は、歯を磨くと言ってたが、それは朝食の後にするものだろう。
そんなことを考えながら、俺は階段を下りていく。微かな朝日の光がまぶしい。
521猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:22:13.15 ID:xqaT6C/aO
支援
522☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:22:50.71 ID:As5sbG+i0
「あ、キョン君おはよ〜」
ああ、おはよう。
「キョン君今日は一人で起きれたね」
その言い方、バカにされてるようにしか思えないのだが。
「そんなことないって。あ、……フフ」
お前、やっぱりバカにしてんのか!?
「いいから、早くお顔洗っちゃいなよ」
言われなくても分かってるよ、やれやれ……。

俺は洗面台の前に立ち、適当に水で顔をぬらした後、石鹸を探そうとして鏡の周囲を見回した。
そのときに鏡に映された俺の顔をふと見ると、とんでもない発見をしてしまった。
俺の頭には、寝ぐせどころじゃない、とんでもないものが立っていた。
それは、一般的に言う、猫耳だったのだ。

「キョン君、お顔もう洗ったの〜?」
そんなことはどうでもいい。お前にちょっと話がある。
「な〜に?」
お前、いつの間にこんな悪戯を仕掛けたんだ?
「え……わ、わたし何もしてないよ」
とぼけたって無駄だ。今正直に話せばお兄ちゃんは許してやろう。
「だって、キョン君今日は自分で起きたでしょ?わたし、今日はキョン君の部屋にはまだ入ってないよ」
な……じゃあ、なぜ俺の頭に猫耳がついているんだ!?
「知らないよ。キョン君が寝てる間に生えてきたんじゃないの〜?」
523初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:23:13.90 ID:533JsfOu0
shien
524猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:23:30.50 ID:xqaT6C/aO
支援
525☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:23:39.79 ID:As5sbG+i0
妹よ、覚悟しておけ。お兄ちゃんはもうキレたからな。
まずはこの忌々しい耳をはずして……あれ?どうなっているんだ?
俺の頭に生えた猫耳は、何度引っぱってもはずれない。それどころか、痛みさえ感じる。
いやな予感がして、俺は本物の耳のある場所を撫ぜてみた。

……ない。俺の、俺の耳がない!
どうやら、この猫耳は人為的につけられたものじゃないらしい。
いや、本来あるべき人間の耳が、猫耳に変化した、と言うべきだろうか。
とにかく、俺の身体に異常事態が発生していることは確かだ。

しかし、親に学校を休ませくれと言う俺の訴えは、見事にスルーされた。
どうやら、体調が悪くなったわけでもないのに学校を休むのはおかしい、という考えらしい。
身体の一部は、すでにおかしくなっているんだがな。
まあとにかく、俺は学校へ行かなければならないようだ。
さすがにこの耳を露出するのは気が引けるので、帽子を被って登校することにした。
526猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:24:36.73 ID:xqaT6C/aO
支援
527☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:24:47.62 ID:As5sbG+i0
教室に入り、机にかばんを置くと、すぐさま俺は岡部を探した。
いくら猫耳とはいえ、授業中に帽子を被ることが許されないのは分かっている。
だから、俺は岡部に頼んで、先生方から特別に許しを受けてもらおうと判断したのだ。
こういう場合に頼れるのは、なんだかんだで担任しかいないからな。
しっかし、こんな時の頼みの綱があのハンドボールバカだとは、まったく頼りないものだなあ。

先生。ちょっとお話があるのですが。
「どうしたキョン。お前から話を持ちかけてくるなんて珍しいな」
実は、しばらくの間俺が学校生活で帽子を被っているのを許してもらえませんか?
「理由を聞こう。それは何故だ?」
えと……その……実は………。
「どうした?答えられないのか?」
…………それは、こちらの都合でちょっと……勘弁させてもらえませんか?
「ダメだ。お前の勝手な都合で簡単に特別措置を取るわけにはいかんな。ちゃんとした理由がなければ」
実は……俺……こんなんなってるんです!

そして俺は、帽子を脱ぎ、猫耳を岡部に見せた。
「これ……本物なのか…?」
引っぱっても取れませんよ。
「どれどれ………?お、本当だ」
いてて……そんなに引っぱると痛いですって。
「す、すまん。さて、どうしたものか………」
528初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:24:56.75 ID:533JsfOu0
shien
529女教師と初詣:2006/12/13(水) 01:25:06.03 ID:tiODfcEq0
支援
530☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:25:41.88 ID:As5sbG+i0
岡部はしばらく考えた後、先生の一存では決められない、お前はここで少し待ってろ、と言い残しクラスへと向かった。
先生の一存では、ということは…ほかの先生と相談するのか?
やめてくれ、これ以上俺の恥ずかしい耳のことを人に知らせないでくれ。
せめて校長先生とだけで相談してくれえええぇぇぇ……………。

そんな俺の願いもむなしく、俺は職員会議にかけられることとなった。
全職員の前で猫耳を見せる俺の顔は、おそらく国産リンゴのどれにも劣らない位の顔色になっていたことだろう。
耳を引っぱられ、本物だという証拠まで見せてしまった。
はてさて、俺はどうなるのかねえ……………………。

教師1「うーん、どうしたものか……」
教師2「第一に、あの猫耳が知らないうちに生えていた、ということが怪しい」
教師3「おい君、どうやってその耳を創りあげたのかね?」
え………い、いや俺はただ……。
教師4「君の母親は、育毛に関する職業に就いていないかい?」
教師2「いや、育毛のノウハウを応用してこれを創ったとは考えがたい」
教師5「校長先生はどう思われますか?」
校長「うーん、真相は分からないが…問題なのは、彼が帽子をつけなかったとして、授業などに影響が及ぶかどうかだ」
教師5「生徒や教師の、授業に対する集中力がなくなるかもしれませんね」
教師3「しかし、そんなもんは数日もすれば慣れるだろう」
教師5「確かに、そうかもしれません。しかし、彼が笑いものにされる可能性も…」
教師1「高校生といっても、もう大人ですから、そこらへんは大丈夫でしょう」
教頭「じゃあ、○○君が帽子を被って学校生活を送ることを許す、という懇願は却下の方向でいいですね」
教師一同と校長「「「「「「そうですね」」」」」」
531初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:26:14.69 ID:533JsfOu0
題名無いのか?支援。
532☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:26:28.10 ID:As5sbG+i0
結局、俺はみんなに猫耳を晒すという結論で職員室を出た。
クラスに着くなり、みんなが俺の、いや俺の耳のほうに注目した。
しかし、今は休み時間。この時間をそれぞれが有効活用をしようと、みんなの視線はすぐ元に戻った。
もっとも、それが当てはまらない奴も二、三人いた。誰って、まあ察しはつくでしょ。

「よおキョン。お前どうしたんだその髪型」
うるさい谷口。俺も好きでこんなにしているんじゃないんだ。
「なんか可愛いねこれ。本物の肌なの?」
「うっわ、国木田お前キョンに欲情してんのか?言うまでもなくやめたほうが…」
お前のその妄想をいい加減やめにしてもらいたいんだがね、俺は。
「ははは、冗談だよ二人とも」

「キョン。どこ行ってたのよ今日の朝」
あれ?岡部から話は聞かなかったか?
「HRの時はたいてい寝てるわよ、ふつう。それよりあんた、その耳どうしたの?」
え?あ、いや、これはだな…………。
「見たところ本物のようね……いつつけたの?」
断じて自分ではつけてない。朝起きたら、こうなっていたんだよ。
「そう………あんたにも、こんな萌え要素がつくなんてね……」
今、なんか言ったか?
「な、何も言わなかったわよ」
533☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:27:10.36 ID:As5sbG+i0
結局、その日は授業の注目の的だった。生徒と先生からの。
放課後の文芸部室でも、長門以外の全ての人の視線が俺の耳へと注がれていた。
………あの、朝比奈さん、そんな羨ましそうな目で見られると困るんですけど。
なんともいたたまれない気分で、家に帰る。
もうこの時間になってくると、どうでもいいや、という感じになってくる。
いちいち人の眼を気にしていたら、あまりの人の数の多さに、気が狂ってしまいそうだからだ。
開き直った、とでも言うべきかな。

あれから数日が経った。
あの猫耳は、いまだに俺の頭上でその存在感を示している。
少し小さく、ちょこんと佇んでいる二つの耳。国木田が可愛いと言っただけのことはあるな、と妙に感心してしまった。
しかし、職員会議での予想に反して、みんなが俺を見る目つきは変わらなかった。
534猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:27:13.77 ID:xqaT6C/aO
支援
535猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:28:04.27 ID:xqaT6C/aO
支援
536☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:28:24.73 ID:As5sbG+i0
(*゚ー゚)「おいでおいで」
うるさい、声をかけるな。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
またかお前は。俺は行きたくないと言っているだろう。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
ん?な、何だこの風は!?
(*゚ー゚)「おいでおいで」
く……………うまく立てない…………吹き飛ばされる………。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
ぎゃあああぁぁぁーーーーーー………………………。

………
………………はっ!!
なんということだ。
またも、あの夢を見てしまった。
同じ夢を二度も見るなんて、そんなに俺は猫が嫌いなのか?
それとも、数日前にやってきたこの猫耳のせいなのだろうか?
困惑している俺に、妹が俺を呼ぶ声は当然聞こえるはずもなかった。
537初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:28:39.54 ID:533JsfOu0
shien
538☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:29:10.13 ID:As5sbG+i0
その日の、体育の授業。
俺たちは、新しい単元として長距離走をすることになった。
俺は短距離は苦手だが、長距離は意外にいけるほうだと思う。ゆっくり走れるところが俺に向いているような気がする。
しかし、今日は散々なものだった。何しろ、少し走ると足が滑って、こける。
ほかのみんなが悠々と走っている中で俺は一人、バカみたいにこけ続けていた。

当然、擦り傷の数は、養護の先生を呆れさせるほどに多かった。
消毒液の刺激が皮膚にくる。頼むから早く絆創膏貼ってください先生。
右腕の擦り傷の処置をしている最中に、俺は左手でなんとなく足の裏を触ってみた。
すると、そこはまるで低反発クッションのような弾力があった。正直、気持ちいい。
しかし、これはいったいどうなっているんだ……?
何故俺の足の裏が柔らかくなっているんだろう?

あの足の感触に慣れると、また新たな発見を俺はしてしまった。
どうやら、俺の走る速度は格段に速くなってしまったらしい。
ハルヒに「30秒以内で」と言って買出しを命じられても、本当に30秒以内で帰ってこられたのはびっくりしたね。
たぶん、今の俺は学年でも一、二を争う足の速さの持ち主だと思う。自分で言うのもなんだが。
ここで普通の人なら、陸上部などにでも入るだろう。だが俺はそうしない。
大体、朝比奈さんが所属していた書道部を勝手にやめさせたあの団長様がいる時点で、無理な話ではないか。

そして、俺がSOS団の買出し係になったことと、ハルヒの時間規制が厳しくなったのはまた別の話である。
539初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:29:54.60 ID:533JsfOu0
shien
540猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:30:03.43 ID:xqaT6C/aO
題名は投下後に。

支援
541初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/13(水) 01:30:13.07 ID:ALjv3ZKk0
しえん
542☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:30:24.38 ID:As5sbG+i0
(*゚ー゚)「おいでおいで」
うわ、またお前かよ。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
気味が悪い。俺をもう呼ばないでくれ。
(*゚ー゚)「おいでおいで」
んっ?な、何だこの糸は?
(*゚ー゚)「おいでおいで」
引っぱられていく……チクショウ、離せ!
(*゚ー゚)「おいでおいで」
ああああぁぁぁぁーーーー…………。

……
…………っっ!!
気がつくと、やはり俺はベッドの上にいた。腕や足の傷がうずく。
それにしても、なんだこの気持ちの悪さは。
2回ならまだしも、3回も同じような夢を見て同様に驚くとは。
そういえば、夢が現実に影響するという小説はいくつもあったな。まさか、それが現実になってしまうのか…?
543猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:31:04.39 ID:xqaT6C/aO
支援
544女教師と初詣:2006/12/13(水) 01:31:07.71 ID:tiODfcEq0
ネコキョン支援
545☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:31:10.62 ID:As5sbG+i0
その日の俺の身体は、明らかに変調をきたしていた。
いつもどおり、朝食を食べようとしたが、箸がうまく掴めない。
箸を使って無理に食べようとすると、箸が食べ物もろとも落ちてしまうのだ。
箸だけではなく、俺は手で物を掴むのが苦手になっていた。
手のひらが異常に柔らかくなっているらしい。なぜこうなったんだ?

さらに、身体の変調はこれだけではない。
俺が登校する途中に、なにやら焼き芋の匂いがした。
この辺りを見回しても、焼き芋を売っているところはない。何故だろうと思っていると、遠くから焼き芋屋が見えたのだ。
他にも、その日の谷口の弁当のメニューを全て言い当ててみることもできた。
どうやら俺は、嗅覚がものすごく良くなってしまったらしい。

そのほかにも、肉より魚がおいしく感じられたり、熱いものを食べると舌が火傷してしまう、いわゆる猫舌になっていた。
これらの特徴をざっと見て、気が付いた人もいるだろう。
……もしや、俺は猫になりつつあるのでは…………………?
546初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:31:13.41 ID:533JsfOu0
>>540
トンクス。なんでしってんの?支援
547☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:32:08.17 ID:As5sbG+i0
その夜は、眠れなかった。いや、眠りたくなかった、と言ったほうが正しいんだろうか。
またあのいやな夢を見て、身体が猫に似てくるというのはごめんだからな。
しかし、朝まで何をするかという当てもなく、ただボーっとしていた。
ボーっとしていると眠りそうになるので、とりあえず勉強をすることにした。
しかし、それは逆効果だった。どの教科に取り組んでも分からないことだらけだったからだ。
次第に、まぶたが重くなり、とうとう俺は夢の世界へ行ってしまった……。

ここは……どこだ?
夢の世界にしてはあまりに周りのものがリアルだ。少し気味が悪い。
この感じは…例えて言うなら、閉鎖空間だろうか?またハルヒかよ。
早くここから出していただきたいものだ。

などと俺が思っていると、後ろから声がした。
(*゚ー゚)「やっと来てくれたわね」
突然の、しかもあまりに聞き慣れている声がしたことに、俺はびくりとする。
と言っても、その声は現実のものではないことは分かっていた。
お気づきの人もいるだろうが、それはあの夢の中の化け猫の声だったのだ。
……いや、実際に見たことはないんだが。
とにかく、俺がそのときからこの空間に戦慄を覚えたのは確かだ。
いったい俺はどうなってしまうのだろうか。
548初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:32:41.37 ID:533JsfOu0
支援
549猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:32:56.78 ID:xqaT6C/aO
>>546
結構な数投下されてる職人さんだからね。
いつも最後に題名書く方なんですよ。

支援
550☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:33:13.19 ID:As5sbG+i0
そのとき。俺の肩を何かが叩いた。
(*゚ー゚)「こんにちは」
うわっ!………………って、あれ?
俺の前に立っている物体は、化け猫などではなく、人間の形をしていた。
ただ普通の人間と違うことは、彼女の頭には俺と同じく猫耳が付いていたことだ。
さらに、尻のほうにはシッポらしきものが伸びていた。

あ、あなたは……………?
(*゚ー゚)「わたしはこの世界の創造主。ここから新しい世界が出来上がるのよ」
な、何言ってんだ?するとここは……。
(*゚ー゚)「新しい世界の一部よ。まだここまでしか広がっていないけど」
………………。
(*゚ー゚)「あら、わたしのこと信用してない?…まあそりゃそうよね」
(*゚ー゚)「こんな話急にされて、すぐに信じられる人はいないものね」
いや………それより、どうして俺はここに?
(*゚ー゚)「現実の世界から、最もここにいるのにふさわしい人をわたしが選んだのよ」
………少し、一人で考えさせてもらえませんか?
(*゚ー゚)「ええ、いいわよ。また来るわね。それと、あなたと同じ境遇にいる人はあと2人いるわよ」

猫人間がいなくなってから、俺は考えた。
新しい世界?どういうことだ。まるでハルヒじゃないか。
あの猫人間が、ハルヒと同じ力を持っているのだろうか。
それにしても、何故俺が現実世界から連れて来られたんだ?見たところ、あの人と俺との接点はなさそうだが。
そして、最後の言葉。あと2人って誰だ…?
あらゆる謎を並び立ててみたが、それらが俺に解けるはずもなかった。
そのとき後ろから、さっきとは違う声がした。
551猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:34:12.63 ID:xqaT6C/aO
支援
552☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:34:19.97 ID:As5sbG+i0
「おや、あなたもここにいたんですか」
振り返ると、そこには俺のあまりにも見慣れすぎた顔があった。
それより古泉。ここは今どうなっているんだ?
「できるだけ簡潔に説明しましょう。実は、世界が改変されようとされています。
それも、涼宮さんの力ではない、別の力で」
別の力?すると、あの力を持っているやつが他にいるのか?
「そうです。しかし、涼宮さんとその人との違いは、自分がそういう力を持っている、と自覚しているかです」
すると、あの話は本当だったのか……。
「あ、あなたはその人と出会ったのですか?」
まあな。しかし、やばいことになっちまったな……。
「我々も、こういうことは予想外でした………」

ところで、この世界はどのように変わっていくのか?
「彼女の趣味からして、おそらくは……猫の世界を創るのでは」
ね、猫の世界!?だからこんな………。
「猫耳以外にはどこが変わったんですか?」
手や足が柔らかくなったり、足が速くなっていたり、猫舌になったり…って何言わせるんだ。
「まあまあ。しかし、なぜこのような変化が現実世界にも……」
だが、ここは猫の世界なんだろう?お前はなぜ、俺みたいにはならないんだ?
「…僕の力を知っていますか?機関から通報があったので僕はここに来たんです」
そうか。
………ここが猫の世界だと簡単に信じてしまうあたり、俺も末期だな……。
553猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:35:13.29 ID:xqaT6C/aO
支援
554初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/13(水) 01:35:31.52 ID:ALjv3ZKk0
ねこしえん
555☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:35:34.65 ID:As5sbG+i0
そうだ古泉。あの人…つまりこの世界の創造主は、俺達の他にもう一人の人間がいると聞いたが?
「しかし、僕のほかには機関の仲間は来ていないはずですが」
「………………………」
うお、長門!?お前いつからそこに?
「……探してた、あなたたちを」
「どうやらもう一人の人間とは、長門さんだったようですね」
「それよりも、あなたたちに話したいことがある。これは異常事態」
まあ確かに異常だが…詳しく教えてくれ。
「時間がないので簡潔に言う。涼宮ハルヒの力とは違う力がこの世界に働いている」
それは古泉から聞いたが……。
「問題なのは、この世界の創造主、つまりこの力の持主の意思が働いていないこと」
「つまり、この世界の創造主は誰かに操られている、ということですね」
「……………そう」
ま、マジかよ!……じゃあ、その操っている人って誰なんだ?
「地球に存在する有機生命体にはこの行為は不可能。わたしが推測するには、この力を操作しているのは…朝倉涼子」
あ、朝倉だと!
「あら、もうバレてしまったのね。なんだかつまんないけど、さすがは長門さんね」
556初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:36:08.39 ID:533JsfOu0
支援
557猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:36:10.14 ID:xqaT6C/aO
支援
558☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:36:18.90 ID:As5sbG+i0
その声と共に、さっきの人が出てきた。
(*゚ー゚)「なんだ、キョン君と古泉君もおでましだったのね」
「あなたが操作している有機生命体への負担は増大している。力を悪用するのを直ちにやめるべき」
(* ー)「フフフ、あたしがあれから成長していないとでも思ってるの……」
そしてその人の影は薄れ、代わりに朝倉が出てきた。
「……長門さん。あたしはついに涼宮ハルヒの力に触れるのはやめた。何か文句でも?」
「あなたに地球を征服する権利はない。わたしがさせない」
「そう言われても、ここは本当にわたしの世界。あなたの力も、及ばなくってよ」
「情報総合思念体は直ちにその力を本部に帰還させることを望んでいる」
「それはあなた方の考え。急進派には、そんな古臭い考えなど通用しないわ」

「じゃあ、もう時間だし、おしゃべりはここまで。あなたたちには、消えてもらうわよ」
そう言うと、朝倉はさっきまでそこで喋っていた人の姿に戻った。
(*゚ー゚)「実は、わたしも猫が好きなのよ。この子と同様にね」
そして、朝倉のいる方向からたくさん猫が飛んできた。
(*゚ー゚)「キョン君知ってる?ネコ科の動物は、獲物を捕まえるのがうまいのよ」
俺たちに向かい牙を立てる猫は、数え切れないほどいた。
きっとすぐに、四方八方猫に囲まれる――――とかのんきに考えている場合じゃねえ!
俺は、向かい繰る猫を間一髪のところで避けながら何とか命を取り留めていた。
559猪(ギャンブラー):2006/12/13(水) 01:36:31.04 ID:O0tp6ftM0
朝倉の趣味かよwwwwwwwwwwwwwwww
560☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:37:19.33 ID:As5sbG+i0
古泉もこれには成す術もなく、ただ逃げるばかりであった。
古泉よ、ここは閉鎖空間なんだろう?お前の超能力は使えるんじゃないか?
「僕だって攻撃していますよ。しかし、こうも数が多いとねえ……」
よーく見てみると、確かに赤い玉が時々どこかから放出されている。
しかし、一回の攻撃に付き一匹の割合でしか倒せないらしい。
ある意味、神人より厄介なものだな。

長門を見てみると、通常の三倍、いやそれ以上の動きでよどみなく猫たちを倒している。
しかし、あまりの猫の多さに少々てこずっているのは俺にも分かった。
(*゚ー゚)「あらあら、長門さん。そんな攻撃じゃすぐに食べられちゃいますよ」
朝倉が操っている人は、不気味な笑いとともに猫を次々に召喚していく。
(*゚ー゚)「わたし、この人と波長が合うのかしら。今日は楽に召喚ができるわ」
これじゃ、俺たちは本当に朝倉に殺されてしまうのではないか………?

気づくと、長門が俺のそばに近づいていた。
「あの生物の弱点としているものを教えて」
猫の弱点……それを知って何になるんだ?
「それをこの世界に召喚し、あれらの生物を撃退する」
「なるほど。……僕が思うに、猫は犬を苦手としているのではないでしょうか」
「犬…それは有機生命体?」
「そうです」
(*゚ー゚)「こんなところで無意味な会議をするより、自分の命を守るほうが先決じゃない?」
「……犬の属性情報を入手。直ちにここへ召喚を望む」
561初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:37:42.85 ID:533JsfOu0
支援
562猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:37:51.25 ID:xqaT6C/aO
支援
563☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:38:01.42 ID:As5sbG+i0
「………召喚、開始」
長門が現実世界から呼び出した犬は、ゴールデンレトリーバーだった。
……こいつは呼び出す犬を間違えたか?シェパードあたりなら心強かったんだが。
しかし、ゴールデンレトリーバーといえども、犬は犬だ。
それが近づいていくたびに、猫は恐れをなして、次々と姿を消していく。
とうとう、4匹目の犬を呼び出した直後に、朝倉は降参した。

(*゚ー゚)「………分かったわ、長門さん。あたしの負け。もう手は出さないわ。
    しかし、猫が犬に弱いのは盲点だったわね」
いやそんなこと分かるだろ常識的に考えて……。
(*゚ー゚)「彼女の力についてはもう触れないわ。もちろん涼宮さんにも。
でも、わたしはまだ諦めたわけじゃないから」
「…………」
(*゚ー゚)「じゃあ、キョン君。また会う日まで………」
そういい残し、朝倉は去っていった。と同時に、さっきまでの光景も薄れていた。
564猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:38:44.85 ID:xqaT6C/aO
支援
565☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:38:45.49 ID:As5sbG+i0
「……閉鎖空間の解除と現実世界への帰還を実行する」
長門がそう告げると、足元が一瞬大きく揺れた。
そして、今までの灰色空間がなくなり、情景は俺の部屋へと変わった。

「やっと終わりましたね」
ああ。どうやら、あの猫耳も消えたらしい。
「それは良かったですね。まあ、あなたのあの姿をもう見られないのは、少し残念な気もしますが」
そんなことを言うのはやめてくれ。…それより、帰りはどうするんだ?
「一応、機関からヘリコプターは出ているはずです。あ、長門さんは僕が送っていきましょう」
「……その前に話しておきたいことがある。現実世界への帰還の途中、エラーが起こった」
エラーって?この通り、俺たちはちゃんと戻ってきているじゃないか。
「………あなたの体に異変が起こっている」
異変?そんなものにはどこにも………。
そう言いながら俺が体のラインをなぞると、その異変に気づいてしまった。
体は以前よりふくよかになっていて、特に胸には弾力と膨らみを感じられたこと。
そして、下のモノも見事になくなっていること。
俺は、猫耳を元に戻したかわりに、女になってしまったのだった。
566初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:38:48.99 ID:533JsfOu0
しえん
567初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/13(水) 01:39:38.25 ID:ALjv3ZKk0
猫の次は女の子かw
キョンも大変だな。
568書初め(佳作):2006/12/13(水) 01:40:06.39 ID:BAzwDEk60
ちょwwwwwwwwwww
569猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:40:11.99 ID:xqaT6C/aO
支援
570女教師と初詣:2006/12/13(水) 01:40:45.22 ID:tiODfcEq0
支援
571猪(検問中):2006/12/13(水) 01:41:04.34 ID:UbuAGrgFO
TSかよww
572☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:42:58.96 ID:As5sbG+i0
【涼宮ハルヒの憂鬱 meets 星新一 第十二部 「猫耳」】
原作:ねーよwwwwwwwwww

日曜日に「SS作者のオリジナリティーがない」と俺の作品を叩かれ、
「SS作者という自覚はない」とかわしながらもむしゃくしゃした俺がいて、
オリジナルショートショートを作ったが、どうみても長いです本当(ry

まあ、アニメで言えばサムデイインザレインみたいなものです
どうか笑い飛ばして呼んで下さいなwww
573初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:43:06.41 ID:533JsfOu0
サルかな?
574初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:44:02.52 ID:533JsfOu0
>>572
乙!これってこれで完結?
575猪(筋肉質):2006/12/13(水) 01:44:35.92 ID:xqaT6C/aO
おっ!オリジナルか!
俺は意外と好きだったんだけどねw

GJ!
576初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/13(水) 01:45:19.24 ID:ALjv3ZKk0


ってここで終わるのかよ!
577初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:45:50.64 ID:533JsfOu0
まとめwiki、今は軽いよ!
578書初め(佳作):2006/12/13(水) 01:46:01.05 ID:BAzwDEk60
>572
乙wwwwwwww
面白かったぜwwwwwwwww

でも、叩いた人間も案外お前さんの脳から出たネタが見てみたかっただけかもしれないんだぜ
ちょっとあの騒動は心配だったけど書いてくれて有難う
579書初め(今年こそデート):2006/12/13(水) 01:46:24.84 ID:gmO5Oa8rO
>>572
オリジナルでも全然イイ!
むしろオリジナルだけで勝負すればよいのでは?
580猪(検問中):2006/12/13(水) 01:46:59.21 ID:UbuAGrgFO
ここで終わりかよ!wktkさせといてこの野郎〜・・・フェルエリア・フォン・エターナリティ!!!!


でもGJ!
581猪(vipper):2006/12/13(水) 01:48:43.73 ID:NI3FmjfV0
>>572
GJ!

ちゃんとハルヒの世界観をキープするって考えも間違ってないしな
何を隠そう俺は結構好きだったぜ!
582☆ ◆ZkQJyPyhCs :2006/12/13(水) 01:49:52.02 ID:As5sbG+i0
参考までにあげときます

猫耳キョン[AA]

                r'⌒ヽ                  ,r'⌒,゙;
                 i.,;" ヽ..\              /..,r' ';i
                 i.,;   ヽ \           / ,r'   .;i
                 i.,;      `、ヽ, --─ ──- ,r'_,r' . .,,, ...i
                 i.,;  '"_,..-''"´           `` ー-"' .i
                 i ,;,.-'"                   `ヽ.i
                /                         ヽ
                ノ  / /  l.l   {  ィ   |  l   }   l  l   ',
              ー=-イ / /   i ',  .∧ l !   !  ハ  ハ  ,'  !  l ヽ、_
                { i l l   l ト、 l l | ',  ハ / .l / l /  /  j ,ゝ´
                   l l l l  ハ | ヽ! ヾ ヽ./ |:/  |' _j/l  /  /./
                 } .ハ ,l ヽ |ヘlニ;--,.._ ' ` 、',.-;‐;二__  l /  /./
                ノ'" l.ヘ. ト、! '弋赱!~ ,     ' 'T心!_ イ   j l′
                      |rヘ lヽ    ´     `     l  / ノ
                   ヽヘ l        i           l  /'´
                    `l | ',、j      |         j /
                     jハ. ヘ      ヽ!       /! /ヽ
                      !ヘ ハ、   ,__,...、   /|/` ‐ヽ
                       i!ヘl\ ゝ-‐ニ‐-' ,. イ从'
                      , ィ' ヽ \    /  ノ ヽ、
                     / /   `ヽ ヽ- '´  r'   ', ヽ
                   /   l    /iーヘ   rニ' ヘ   l   ゙ヽ
                 , -イ   l   /`ヽOヘ  / /-''ヘ.   l   ヽ‐、
              _.. - ´ /    {  ,.ヘ、_>'^''< _..−ヘ.  l    ',  ` ‐、
          _.. − ´     /   , -i!/ ヽ    ',    /    ヽ |\    ヽ    ` ‐ 、
      , -''''´        /  /  l   `   ゝ− /   _ -' `!   \   \     `ヽ
583初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:50:28.16 ID:533JsfOu0
584初夢(見るの忘れた):2006/12/13(水) 01:50:54.78 ID:533JsfOu0
>>582
うますぎ。
585猪(検問中):2006/12/13(水) 01:51:57.81 ID:UbuAGrgFO
>>582
キメェwwwwwwwwwwww
586お年玉(げんこつ):2006/12/13(水) 01:55:59.55 ID:XexIP98Z0
イイ男の人かと思った
587初夢(二日酔い):2006/12/13(水) 01:57:59.01 ID:+M8W4z0L0
>>572
ちょwここで終わりwwwおんなのこキョンの受難も読みたい。
が、それだとショートショートじゃなくなるよなあ…
588猪(汗かき):2006/12/13(水) 02:05:46.88 ID:xqaT6C/aO
>>582
こりゃ目立つわwww

でも何故違和感無いなwww
589猪(ピンク):2006/12/13(水) 02:06:50.18 ID:8laN/gpx0
晴レ晴レを完璧に踊れる俺が来ましたよ
590猪(委員長):2006/12/13(水) 02:14:49.98 ID:zpu9MiZ40
男のネコミミ


某ゲームのネコm
現在放送中の赤と青と黒に迫られてる陸君しか浮かばん…
591猪(甘党):2006/12/13(水) 02:17:23.22 ID:gdaoCEHBO
VIPPER馬鹿にやつを痛い目に合わすんだお⊂二二(^ω^)二⊃ブーン

http://school5.2ch.net/test/read.cgi/juku/1165296359/

536:名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/12/13(水) 01:50:20 ID:7OwshlyuO
VIP厨うざすぎwはやく死ねばおれら安泰(´,_ゝ`)
592猪(泣き上戸):2006/12/13(水) 02:19:03.34 ID:1Nxf8BBcO
集えハルヒ信者!
2位以下突き放して伝説作ろうぜ!w投票宜しく
http://www.efeel.to/survey/anime/
593年賀状(気があるってことなのか?):2006/12/13(水) 02:43:45.34 ID:nlJCFvIT0
猫耳案外違和感ないなwww
594猪(子持ち):2006/12/13(水) 03:05:28.13 ID:5VyYUCpq0
hosyu
595お年玉(落としちゃった!!):2006/12/13(水) 03:51:32.50 ID:DsLKuRAn0
保守
596猪(黄色):2006/12/13(水) 04:19:44.23 ID:QwGM7GZy0
hosyu
597親父と初詣:2006/12/13(水) 04:48:56.06 ID:nlJCFvIT0
保守
598猪(vipper):2006/12/13(水) 05:33:48.21 ID:RVuH9RkQO
保守
599猪(友達がvipper):2006/12/13(水) 06:22:47.47 ID:RVuH9RkQO
ハルヒかわいいよハルヒ
600猪(貧乏):2006/12/13(水) 06:55:04.86 ID:QwGM7GZy0
Wiki軽いこの時間に熟読しちまったwwww
601黒豆(六粒):2006/12/13(水) 07:05:03.03 ID:gNaGuTxF0
>>572
乙、こういうオリジナルネタは大歓迎だぜ
もう他人のネタ使うのはやめた方がいいぜ
602おせつ:2006/12/13(水) 07:53:36.50 ID:dxyXYCumO
603給食のおばさんと初詣:2006/12/13(水) 07:56:56.38 ID:UkcZ3w3E0
軽くネタが浮かんだが文才ないので忘れて寝る。
604猪(ばくち打ち):2006/12/13(水) 08:05:27.58 ID:xqaT6C/aO
>>603
残念だが、おやすみ。
605猪(赤詐欺):2006/12/13(水) 08:23:43.93 ID:fv5Ck5zmO
おはよう保守
606猪(アイドル):2006/12/13(水) 08:24:03.30 ID:DvLVm1seO
ゲーム世界に入り込んだSOS団ってネタを閃いたが具体的なゲーム名とかキャラ名とかは出したらヤバいか?
607猪(イタ電中):2006/12/13(水) 08:30:11.44 ID:e+8AwKGg0
別にいいんじゃない?
608猪(ミニスカ):2006/12/13(水) 08:32:36.11 ID:UbuAGrgFO
>>606
あっ、被った・・・orz
まぁ。別にええんでねぇ?
609猪(ばくち打ち):2006/12/13(水) 08:59:21.30 ID:xqaT6C/aO
保守
610猪(しいたけ目):2006/12/13(水) 09:02:37.09 ID:DvLVm1seO
>>608
年内に書き上げるのは多分無理だからお先にどうぞwww
611定期アナウンス:2006/12/13(水) 09:30:02.52 ID:tC8k7ycu0
====================
       業務連絡
====================

まとめwikiの管理人さんが多忙の為、まとめ作業が遅れます。
せめて長編だけでも負担にならないように、SS作者は自分でまとめていきましょう。

また、SS作者の方で自分ではまとめるスキルがない、携帯だからまとめられない、
夜間はwikiが重くて編集出来ないと言う方は

まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッド
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153863162/ PC用 
http://same.u.la/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1153863162/ 携帯用

にまとめ要請を書き込んでください。

まとめ要請がないと、まとめボランティアの人たちも手出しは出来ません。
管理人さんの負担を減らす為にも是非よろしくお願いします。

612定期アナウンス:2006/12/13(水) 09:47:28.34 ID:tC8k7ycu0
ちなみに、まとめwikiに未載の3レス以上の長編作品は

96スレ目
649 朝倉涼子の再会
720 若草色のハンカチ
815 ◆aU/GQqP0Gw氏 無題 (雪合戦)
833 無題 (長門有希と雪だるま)
845 雪と湯たんぽ
886 あたたかなもの

97スレ目
119 ◆aU/GQqP0Gw氏 無題 (みくるの告白)
321 【罪と罰】第3話
493 幸せは猪突猛進と
576 ◆aU/GQqP0Gw氏 無題 (長門とお酒)

98スレ目(このスレ)
>>28  長門有希の報告
>>116 涼宮ハルヒの平日
>>356 無題(フェルエリア・フォン・エターナリティで続きって言ってた奴)
>>517 涼宮ハルヒの憂鬱 meets 星新一 第十二部 「猫耳」

以上がまだwikiに未載ですので心当たりのある作者様は
まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッドにまとめ要請をお願いします

http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153863162/ PC用 
http://same.u.la/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1153863162/ 携帯用
613年賀状(二枚):2006/12/13(水) 09:51:30.09 ID:tC8k7ycu0
>>612
レス番間違えた

98スレ目(このスレ)
>>26  長門有希の報告
>>166 涼宮ハルヒの平日
>>356 無題(フェルエリア・フォン・エターナリティで続きって言ってた奴)
>>517 涼宮ハルヒの憂鬱 meets 星新一 第十二部 「猫耳」

以上がまだwikiに未載ですので心当たりのある作者様は
まとめ要請とまとめ人たちの報告スレッドにまとめ要請をお願いします

http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153863162/ PC用 
http://same.u.la/test/r.so/yy42.60.kg/haruhizatudan/1153863162/ 携帯用
614 ◆eJJHNx3Bi6 :2006/12/13(水) 10:13:02.35 ID:zY8rRZsc0
朝倉涼子の再会の未申請で手間かけたようで申し訳ない。
やっと後半完成したから、時期見て投下したらまとめて自分でwikiに上げる予定。
615年賀状(♂だらけ):2006/12/13(水) 10:23:33.86 ID:tC8k7ycu0
>>614
こちらこそ催促したみたいですみません
自力でうp出来る方かどうか判らないものですから列挙してしまいました
616 ◆aU/GQqP0Gw :2006/12/13(水) 10:43:31.82 ID:y67Z3bS40
もう載せられるの?俺が投下したときは重くてできなかったorz
617猪(ギャンブラー):2006/12/13(水) 10:51:14.61 ID:BThh5IQjO
ところで消失の日ってなんかあんの
618年賀状(♂だらけ):2006/12/13(水) 10:51:18.81 ID:tC8k7ycu0
>>616
この時間なら大丈夫っぽい
619 ◆aU/GQqP0Gw :2006/12/13(水) 10:53:06.20 ID:y67Z3bS40
>>618
今あげます。そしてROMに戻ります
620Missing Ring@作者 ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:43:53.17 ID:nMha64x70
お昼の保守代わりにMissing Ring第4話を投下。
今回は7レスです。
お暇な方などお読みくだされ。
621Missing Ring-4(1/7) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:44:37.26 ID:nMha64x70
『Missing Ring -失われる7日間-』



【第四話−12/07】
 どうやら今回のハルヒの失踪は単なる1つの事件では無いらしい。
ハルヒに続き朝比奈さん・長門までもこの地上から姿を消した。俺の偽者、
それが全てを握る鍵なのか? 残されたのは俺と古泉の2人。最終ター
ゲットが俺ならば次に消えるのは……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 今の俺は、もはや学校に行くのは勉強のためというよりも今回の事件
を解決するための待ち合わせ場所としてしか機能していなかった。現に
午前中の授業は頭に入らず。消えていった3人のことしか頭に無かった。
授業中の合間の休み時間、谷口が俺のところへ来て話しかけてきた。

「涼宮は今日も休みみたいだな。何かあったんじゃないのか?」
「ああ、実は前にお前から聞かれた後解ったんだが風邪をこじらせて
しまったらしいんだ」
「へぇ……あの涼宮がねぇ……。それよりキョン、朝比奈さんも
休んでるって本当か?」
「ああ、ハルヒの風邪がうつったらしい。あの狭い部室だからな。
風邪が蔓延しても不思議じゃないだろ」
「お前は元気そうだし、移されなくてよかったな。あ、いや移された
ほうが愛情のおすそ分けか?」
「そんな愛情はごめんだ」
622Missing Ring-4(2/7) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:45:17.91 ID:nMha64x70
 アホの谷口はケタケタ笑いながら話していた。今俺が抱えている苦労も
知らずに…・・そうこうしているうちに昼休みになった。古泉に会おうと
したが情報収集などで忙しいのかまだ1年9組には来ておらず、しょうが
ないのでクラスに戻って弁当を食うことにした。考えたらここんところ
昼飯抜きだったな……などと考え暗い気分で弁当を食べた。

 午後の授業も上の空、授業中に問題をあてられたこともあったが全く
答えられなかった。まあ、成績がいいほうじゃないし教師のほうもSOS団
の面子だからしょうがないかといったような顔で許してくれたわけだが。
まあ、今回のことが無くても答えられない問題だったから結局は同じこと
だが。放課後になり、さすがに部室に古泉はくるだろうと思い部室に向かう
ことにした。部室を空けるとそこはもぬけの殻。まるで使われていない
部屋のような感じだ。俺は自分でお茶を入れるとパイプ椅子に座って今回の
ことを色々と考えていた。ふとそのときハルヒが消えた日に拾った指輪の
ことを思い出した。上着のポケットに入れていたので、取り出してみた。
そして指輪を見てみると……おかしい、確か拾った日にみたときは指輪に
ついていた宝石の色は青だった。ところが今見ている宝石の色は限りなく
真紅に近い。

「どうなってるんだ……色が変わるなんて。まさか温度で変わる特殊な
宝石じゃないだろうな」

 俺は指輪を水につけたりお湯につけたりしてみたが色は変わらなかった。
そんなことをやっているうちに古泉が部室にやってきた。

「遅くなりました。情報収集に追われて結局今日は授業に出られませんで
したよ」

 疲れ顔のスマイルで小泉が言う。
623Missing Ring-4(3/7) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:45:53.84 ID:nMha64x70
「ハルヒや朝比奈さん、そして長門のこと何か分かったか?」
「残念ながら収穫ゼロです。それどころか電話でお話したとおりTFEI端末が
全員地上から姿を消しています。現に喜緑江美里も学校に来ていません」
「そうか……」
「実は昨日我々が分かれた後、長門さんと2人でもう一度会い、お互いに
何かあったときのために緊急連絡装置を持ち合っていました。」
「で、お前が持っていた装置が鳴ったのが午前0時……と」
「そうです。場所は長門さんの部屋からでした」
「今回は外に連れ出していないのか」
「やはり前の2回現れたのはその存在を我々にアピールするためでしょう」
「で、その必要もなくなったから直接いったというわけか」
「でしょうね」
「実は古泉、見てもらいたいものがあるんだ」
「なんでしょう?」
「ハルヒが消えた日に拾った指輪なんだが……」

 そういうと俺は指輪を小泉に見せた。

「おや、たしか前回見たときには宝石は真っ青だったはず……」
「そうなんだ。ところがさっき思い出して見てみたらこの有様。真っ赤に
なってたんだ」
「ただ、完全に赤……というわけではなさそうですね。まだ青い部分が
かすかに残っています」
「これは今回の事件と関係があるのだろうか?」
「どうでしょう……変色する宝石なのかもしれませんし、長門さんの
話ではこの星に存在し得ない物質のようですし……」
「とりあえず遺失物として預けず俺がまだ持っていたほうがいいな」
「そのほうが懸命だと思います」
624Missing Ring-4(4/7) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:46:30.28 ID:nMha64x70
「現場百回というが……長門の家に行ってみないか?」
「そうですね。長門さんなら何か手がかりを残しているかもしれません」
「でもあそこオートロックなんだよなぁ」
「その点はご心配なく。こちらのほうで手配します」
「わかった。行こう」

 俺と古泉は急いで長門の家に向かった。途中古泉は電話で新川さんに
なにか指示をしていたようだ。そのおかげか、長門のマンションには
すぐ入れ、管理人から合鍵を借りることが出来た。

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 俺と古泉は長門の部屋に入るとまず周囲を見回した。争った形跡など
は無く普段の部屋そのものだった。

「しかし、長門ほどのものが簡単にさらわれるとはな……」
「そうですね。相手は相当のものと思って間違いないでしょう」
「連れ出さなかったところをみると午前0時ギリギリに現れ、そして長門を
さらったようだな」
「連れ出さなかったのはもうひとつ理由があるのかもしれません」
「と、いうと?」
「長門さんに正体がばれる可能性があったからです」
「なるほどね。近距離ならその正体が明るみになる可能性が大きいか」
「む、見て下さい、あそこに何か紙があります」

 古泉が指差す方向、長門がいつも部屋にいる時の定位置に何か紙が
落ちていた。俺はその紙を拾い上げるとその紙を見た。何かが書いて
ある。
625Missing Ring-4(5/7) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:47:03.56 ID:nMha64x70
「これは確かに長門の字だな……」
「ええ。しかしこの意味は一体……」

 その紙にはこう書かれていた。

『彼はあなた。力』

「偽者は俺?」
「力……と書いた後まだ続きを書こうとしてる最中にさらわれたよう
ですね」
「しかし、既に俺の偽者ってことはわかっているからこの”彼はあなた”
という意味は何か別のもののように思える」
「そうですね。あと気になるのが”力”ですね」
「前にお前が言ってた偽者の正体は実は何かの力で出来ているとかか?」
「そうかもしれません」
「そうなると、背後には俺の偽者を作った者がいるかもしれないってことか」
「そうですね……ただ、我々の調査ではそのような組織は確認できて
いません。もっとも、個人でひっそりと事を進めていたのであればわかり
かねますが」

 その後も何か手がかりが無いかどうか長門の部屋をくまなく見たが、
その紙以外見つけることが出来なかった。

「恐らく長門さんだからこの手がかりを残せたんでしょう。僕がさらわれて
いた場合はここまで迅速に対応できません」
「これでお前がさらわれたら俺1人になっちまうな。そうなったらもう
お手上げだ」
「そんなことを言わないでください。長門さんのメッセージの”彼はあなた”
というところを期待すればあなたでないとこの事件は解決できない」
「だといいんだが……」
626Missing Ring-4(6/7) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:47:39.12 ID:nMha64x70
 俺と古泉はこれ以上手がかり無しとして家にもどることにした。長門の
書いた紙は『機関』で分析してもらうため古泉に預かってもらった。古泉は
このまま『機関』へ行き、そのまま午前0時を迎えるという。

「『機関』の建物内は厳重なセキュリティ下にあります。それに人目につく
ところで待機するようにしますので何かあればすぐに周りの人間によって
防ぐことも出来るでしょう」
「そうだな。くれぐれも気をつけてな」
「あなたもお気をつけください。では」

 そういって古泉と別れた。内心、長門がかなわなかった相手だ、普通の
人間にかなうはずが無い……と思った。恐らく古泉もそう思っているに
違いない。多分何かしらの手がかりを自分を犠牲にして残すつもりだろう。
そう考えながら俺は家路についた。

 キョンたちが長門のマンションを出るまで全身フードで覆った男がその
マンションを影から観察していた。キョンたちが帰るのを見届けると、

「あともう少しだな……」

 と言い残し姿を消した……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 公園ほどの探索で無かったとはいえ俺は精神的にクタクタだった。
それでも家族に心配を悟られまいと飯や風呂など普段と変わらぬ生活を
して、寝る準備をした。それにしても”彼はあなた”とはどういう意味
なのだ? そして”力”とは? それに変色した指輪の宝石。これらは
全て点と線で結ばれているような気がする。俺は眠れず、午前0時を
待った。午前0時を過ぎた頃やはり携帯電話に電話がかかってきた。
627Missing Ring-4(7/7) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:48:28.52 ID:nMha64x70
発信者は未登録だ。早速俺は電話に出た。

「もしもし」
『夜分申し訳ありません。森園生でございます』
「あ、森さんお久しぶりです。森さんが電話をかけてきたということは
古泉に何かあったんですね!?」
『はい。古泉より何かあった場合すぐにあなたに連絡するようにと伝言を
受けておりましたので』
「古泉は……つれさらわれたんですね?」
『それがその…・・つれさらわれたというのは少々意味が違います』
「と、いうとどういうことですか?」
『我々は古泉を護衛し監視しておりました。そこに午前0時直前にあなた
そっくりの者が現れ、午前0時丁度に古泉と一緒に消えてしまったのです。
まさに一瞬の出来事でした』
「消えた……」
『さらにそれと同時に機関に属する超能力者全員が行方不明になりました』
「他の超能力者も……」
『引き続き捜索をしますが何か分かればお知らせします』
「わかりました。ありがとうございました」

 そういうと俺は電話を切った。まさに予想していた通りの展開となった。
それにしてもセキュリティの高い場所に対して楽々現れ、そして一緒に
消える……並大抵の相手じゃない。俺はそんなヤツと戦わなければ
ならないのか、1人で。俺はまるで悪夢を見ているようだ。そんな思いを
胸に疲れ果てて寝た。

 まさか、俺だけになるなんて……


───Missing Ring -失われる7日間- 第四話 終
628猪(青詐欺):2006/12/13(水) 11:49:59.87 ID:xqaT6C/aO
乙!
629Missing Ring@作者 ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 11:50:25.31 ID:nMha64x70
今回はここまでです。
残るはキョンだけ…アナル界のウホ泉の仕業か!?(それはありませんw)
次はまた夜あたりに…
630巫女と初詣:2006/12/13(水) 11:53:43.15 ID:942CU3TGO
続きwktk
楽しみにしてます!
631猪(倉庫係り):2006/12/13(水) 12:18:44.60 ID:xqaT6C/aO
保守
632猪(停学中):2006/12/13(水) 12:19:22.54 ID:fv5Ck5zmO
乙!
古泉も消えたか……
633年賀状(ユニクロからだけ):2006/12/13(水) 12:23:30.37 ID:tC8k7ycu0
GJ!!
禿げ上がるほど続きwktk
634猪(黒板係り):2006/12/13(水) 13:02:17.65 ID:xqaT6C/aO
保守
635猪(黒板係り):2006/12/13(水) 13:48:09.32 ID:xqaT6C/aO
保守
636猪(赤):2006/12/13(水) 14:11:09.74 ID:CbazVSxJ0
まとめサイトの普通短編とシュールが重過ぎる。
なんとかしてくだしゃい><
637猪(停学中):2006/12/13(水) 14:13:43.40 ID:xqaT6C/aO
wiki全体的に重いんだが…
638猪(赤):2006/12/13(水) 14:19:45.86 ID:CbazVSxJ0
全体的にも重いけど普通とシュールなんかまったく開かないんです><
短編用と長編用とでwikiって分けれないんですか?
639 ◆tanPCCmJUs :2006/12/13(水) 14:23:34.32 ID:ANOEutb5O
>>606>>608とネタかぶった・・・
今日の五時あたりプロローグ前編投下しようと思ってる。
でも題名決まってない・・・
プロローグはゲーム要素ない予定
640猪(停学中):2006/12/13(水) 14:35:56.69 ID:xqaT6C/aO
>>639
歌詞引用ネタが潰れたようなもんだからかな…?

ともあれwktkですぜ。
641姉と初詣:2006/12/13(水) 14:38:55.64 ID:UGdrw+320
>>638
googleで
cache:http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/85.html
cache:http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/255.html
を検索すると一週間前くらいのキャッシュがみられるよ。
くわしくは
http://yy42.60.kg/test/read.cgi/haruhizatudan/1153824480/341
まああんまり役にたたないかもね。
642猪(大人):2006/12/13(水) 15:13:57.53 ID:xqaT6C/aO
保守
643姫初め:2006/12/13(水) 15:53:34.95 ID:gmO5Oa8rO
644おせち(10,000円):2006/12/13(水) 16:10:31.98 ID:IaqVb+8rO
(・ω・)/
645黒豆(九粒):2006/12/13(水) 16:22:58.32 ID:dxyXYCumO
星湯
646白菜:2006/12/13(水) 16:39:36.90 ID:nMha64x70
>>637
なんか、WiKiに広告が乗り出してからやけに重くなったように感じる。
それに、最初は文字だけだったのにいつの間にか画像もくっつくようになったし…
それにデータ量の多さが相まって重さが増してる感じ。
ゴールデンタイム辺りからはここのWiKi以外にもアクセスが多発しているからか
異様に重くなるし…
なんとか「普通」にみられるようにならないのかなぁ。
647おせち(10,000円):2006/12/13(水) 17:00:04.37 ID:2wfvpHQxO
1000いかないかな
648猪(カビ):2006/12/13(水) 17:00:34.05 ID:vrMsTkU/O
保守
649おせち(12,000円):2006/12/13(水) 17:04:17.88 ID:RVuH9RkQO
安西先生…wikiが見たいです…
650おせち(12,000円):2006/12/13(水) 17:06:04.52 ID:IaqVb+8rO
携帯だと普通に見れるけど
651凧(赤):2006/12/13(水) 17:12:23.98 ID:ALjv3ZKk0
>>629
遅レスだが乙!
だが個人的には一人称のところと三人称のところの切り替えが
もうちょっと分かりやすいと嬉しいかもしれない。

>>612
湯たんぽとあたたかなもの、は私のだ。
これはあとで加筆してから自力でwikiにあげるよ。
652猪(病気がち):2006/12/13(水) 17:26:34.80 ID:XeGdsnjvO
ほしゅ
653VIP皇帝:2006/12/13(水) 17:28:59.56 ID:ALjv3ZKk0
何時もながらにネタ募集
キョンハルにチャレンジしてみたいんだが何か無いかな。
654Missing Ring@作者 ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 17:33:39.85 ID:nMha64x70
>>651
アドバイスありがとうございます。m(__)m
読み手に読みやすくと心がけてはいるんですが、なにぶん、
まだまだ未熟なもので…
今後もっと精進いたします(`・ω・´)
655猪(進化系):2006/12/13(水) 17:36:19.84 ID:yQMXl14i0
>>653
ハルヒが絶望して屋上から飛び降りたら下に偶然オナニーしてたキョンの童貞を奪ってしまう


何書いてんだ俺……
656年賀状(気があるってことなのか?):2006/12/13(水) 17:38:06.98 ID:tC8k7ycu0
>>653
ミニスカサンタ
クリスマスケーキ
24日は仕事


俺もハルキョンの短編を今書いて居るんだが
そろそろ死にたくなってきたorz
657凧(赤):2006/12/13(水) 17:41:04.46 ID:ALjv3ZKk0
655はちと無理そうなので656のどれかで行ってみるね。
658長ネギ:2006/12/13(水) 17:41:41.25 ID:nMha64x70
>>655
それ、アナル向けな内容な気がする・・・w

>>656
まだまだあなたは大霊界に行ってはいけません。
もっともっとSS書かないといけない使命なのです。
659長ネギ:2006/12/13(水) 17:57:25.09 ID:nMha64x70
保守
660凧(一人身):2006/12/13(水) 18:09:54.13 ID:ALjv3ZKk0
保守
661おせち(150j):2006/12/13(水) 18:12:38.22 ID:npHO7NeMO
ハルキョンネタが頭に沢山浮かんできたのに休みがない=書けないorz


この会社は私に死ねと言ってるのかな……
と愚痴保守


ああまだ仕事だ……
662初夢(宝船の夢):2006/12/13(水) 18:15:58.12 ID:gmO5Oa8rO
>>661
ガンガレ

投下していいかな?
663猪(2ch中):2006/12/13(水) 18:17:02.07 ID:fv5Ck5zmO
バッチコーイ
664看護士と初詣:2006/12/13(水) 18:17:57.87 ID:POjykPCm0
>>662
いいともー
665猪(カビ):2006/12/13(水) 18:20:13.19 ID:xqaT6C/aO
wktk
666兄妹愛……? ◆mtod1dSyOc :2006/12/13(水) 18:20:34.01 ID:gmO5Oa8rO
じゃあ投下します。時期はキョンが高三です。
小学生の純粋無垢でかわいい妹が好きな人はスルーしてくださいorz


「うりゃあぁぁ〜!」
 ぐふっ!
「キョンくん! おっはよー!」
 いつもの朝。妹のボディプレスをくらい起床。
 そして……妹が俺の布団に潜り込み、添い寝。
 そんな所から俺の休日は始まるのさ……。


「えへへ〜、キョンくんと一日一緒にいれるのは久しぶりだなぁ……」
 おいおい、お前部活はどうした?
「お休みだよ? だから今日はずっとこう出来るの!」
 妹は添い寝状態から俺の背中に抱き付いてきた。
 ちなみに俺は高三、妹は中一だ。
 妹は添い寝状態から俺の背中に抱き付いてきた。
 ちなみに俺は高三、妹は中一だ。
 妹は去年からグングンと成長して、今やハルヒと変わらない様な体付きをしている。
 そんな妹が抱き付いてくるということは……あれだ。背中に柔らかい感触を感じるわけだ。
 まぁ、妹属性がほとんど無い俺には拷問ですらないわけだが。
「今日はずっと家にいるんだよね?」
 あぁ、今日は一日いる。だから耳元で囁くな、くすぐったい。
「ドキドキするでしょ?」
 するか。早く起きて飯に行くぞ。
 妹を背中から剥がし、階段を降り始めた。
667兄妹愛……? ◆mtod1dSyOc :2006/12/13(水) 18:21:13.00 ID:gmO5Oa8rO
 最近、ハルヒが家に妹と俺の家庭教師がてら勉強をしにくるんだが、その度に妹に妙な知識を仕込んでいる。
 そのせいか、スタイルだけでなく性格まで少し似て、昔の妹の清純さがなくなってしまったわけだ。
 正直、今の妹にボディプレスで起こされる度に体がミシミシと言うのだが、これは兄妹の絆ということで受けいれようじゃないか。
 食事を済ませ、再び自分の部屋へと戻った。
 さて、今日は探索も休みだし何をしようかな……。
「キョンくん! わたしと一緒に二度寝しよう!」
 ……何故に二度寝だ、妹よ。
「だって久しぶりにずっと甘えたいんだもん! ほら、わたし達付き合って……」
 ない。断じてない。お前はまだそんなバカなことを言ってるのか?
「バカじゃないもん! わたしはキョンくんと結婚するんだもん!」
 兄妹の絆が行き過ぎるとこうなるのか?
 体が成長して、女としての自覚が出てきたかと思うとこいつはこんなふざけたことを言い出した。
 ふざけたことと言っても、本人はいたって真面目らしいが。
 ハルヒや長門、朝比奈さんに俺の目前で堂々とライバル宣言したり、異常なまでに俺に接近してきたり……。
 ともかく、俺にはそんなつもりは無い。
 こいつは大事なかわいい妹であり、それ以上でも以下でもない。
 だから他人を好きになるという真っ当な道に戻してやらなきゃならないんだ。
 ……しょうがないから甘えさせてくらいはやるが。
 布団を被り、目線を合わせないようにして、俺は口を開いた。
「俺は二度寝をする。だから誰かが入って来ても気付きはしないだろう」
 少し端っこの方に横たわった。俺はなんて妹想いの優しい兄なんだ。
 ……そんな俺の優しさを台無しにされた。
「キョンくんが近くてドキドキする〜」
668猪(カビ):2006/12/13(水) 18:21:16.78 ID:xqaT6C/aO
wktk支援
669兄妹愛……? ◆mtod1dSyOc :2006/12/13(水) 18:22:52.46 ID:gmO5Oa8rO
 端っこに寄せたスペースの、狭い方に潜り込んできやがった。
 しかも、逃げられないように両手でガッチリと俺の体をホールドしてだ。
 顔と顔が近い、胸が当たってる。離れろ。
「キョンくんのエッチ〜! やっぱりそんなことばっかり考えてるんだね〜」
 やっぱりって何だよ……。俺は妹にそういう目で見られてるのか? お兄ちゃんは少しショックだぞ。
 ともかく早く離れないとこいつが調子に乗りだす。
 無理矢理引き剥がそうとしたが、なかなかに強いソフトテニス部に所属している妹は意外に離れない。
 三分程頑張っていたが、離れようとしないため、諦めて妹の頭を撫でながら寝ることにした。
「えへへ〜、わたしの勝ちっ!」
 もうそれでいいさ。
 瞼を閉じて、暖かい妹の体を感じながら二度目の眠りについた……。


「ちょっと! バカキョン、起きろ!」
 俺の安眠を妨げたのは、よく聞くバカうるさい声だった。
 ……ん、ハルヒ、おはよう。
「おはようじゃないっ! あんたどんな状態で寝てんの!」
 あぁ、そういえば妹に抱かれて寝てたんだったか。完全に忘れてたぜ。
 妹の頬を軽く叩いて起こす。……しかし起きない。
「早くベッドから降りなさい! あんた妹萌えだったの!?」
 残念ながら俺には妹属性は無い……はず。
「いいから早くしろっ!」
 しかし、妹が起きないため、自分の体ごと妹の体を引き摺ってベッドから落ちた。
「痛いっ! うぅ……キョンくん、寝相悪過ぎ……。あ、ハルにゃんおはよう!」
 朝一番からハルヒがいることに違和感を感じないのか? こいつは。
 ……っておい。ハルヒ、何故お前がここにいる。
「そ、そりゃ……ほら、ちょっと暇だったし……」
「ダメだよ! 今日はわたしがキョンくんと遊ぶんだからっ!」
670兄妹愛……? ◆mtod1dSyOc :2006/12/13(水) 18:23:33.66 ID:gmO5Oa8rO
 ハルヒ対妹。一昨年はこんな光景が見れることになるとは思いもしなかったな。
 あの頃は妹は誰にでもくっついてたからな……。
「もういいわ。今日は譲ってあげる。そこの妹萌えなお兄ちゃんにかわいがってもらいなさい」
 おい、ちょっと待て。俺にそんなつもりは無『バタン!』
 ……という音と共に、ハルヒは不機嫌そうに出て行った。
 これでまた学校に行った時にいろいろとどやされるわけか……やれやれ。
「……やっぱりハルにゃんとがよかった?」
 俺の考えが顔に出ていたのか、妹はかなり心配そうに尋ねてきた。
 いや、そんなことはない。今日はお前と一緒にいるって約束したからな。
 俺からの返事を聞くと、妹は機嫌を直して抱き付いてきた。
 とりあえず二度寝は終了だな。邪魔が入ったせいで眠くなくなった。
 なぁ、何かやりたいことあるか?
「ん〜とね……何もない! キョンくんとベタベタしときたい!」
 結局それに落ち着くわけか。どこまでが本気か本当にわからん。……まぁ、断るがな。
 それから数時間、妹とゲームやら何やらをしていた。
671猪(カビ):2006/12/13(水) 18:23:52.77 ID:xqaT6C/aO
支援
672兄妹愛……? ◆mtod1dSyOc :2006/12/13(水) 18:25:09.29 ID:gmO5Oa8rO
 いろいろとやり尽くし、遊ぶのにも飽きた頃に妹はまた一緒に寝たいと言い出し、暑苦しいながらもベッドに入ることになった。
「幸せだなぁ……」
 胸の中で見せる人懐っこい笑顔に俺の心は揺れた。
 このままではマズい。こんな距離だといつかは何かの間違いを起こしそうだ。
 俺だって兄という立場と同時に男だ。
 妹とは言え、かわいくてスタイルが良い奴が引っ付いてくると……な。
 ……もう終わりだ、離れろ。
 出来るだけ冷たく、傷つけないように口を開いた。
「……何で? 嫌だよ、まだ今日は終わってないもん」
 もう、終わりだ。一緒の布団に入るのも無し。早く兄離れしろ。
「……わたしを、わたしを一人の女として見てよ。兄離れとかじゃなくて、ほんとに好きなんだよ?」
 こういう話をする時の妹は、かなり本気な顔をする。
 まるで、俺に正体を明かした時の長門や、朝比奈さんのような、真っ直ぐで本気な目だ。
 いいか、俺達は兄妹だ。何があっても兄妹だから、気持ちには応えられん。
「関係ない! ……どうしてわたしが『キョンくん』って呼ぶか知ってる?」
 それが呼びやすいからだろう?
673鶏肉:2006/12/13(水) 18:25:41.94 ID:bOFXtNRj0
支援龍
674兄妹愛……? ◆mtod1dSyOc :2006/12/13(水) 18:25:42.89 ID:gmO5Oa8rO
「『お兄ちゃん』って言ったら、キョンくんのことを諦めることになっちゃうから。 《兄妹》で固定されちゃうから……」
 自己嫌悪に陥った。こんなにも真面目に俺を想っている妹に、誠実な態度で接してやれなかった自分への嫌悪感でいっぱいになった。
「どんな結果でも構わないから一人の女として扱ってよ……キョンくん」
 ここまで言われたら真面目に応えるしかないだろう?
 それが妹を悲しませるとしてもな。
 ……悪いが、お前の気持ちには応えられん。俺はたぶんハルヒが好きだ。
 あいつはどう思ってるか知らんが、この気持ちが一番強い。
 妹の顔を伺うと、泣きながら笑っていた。俺には出来ない器用な真似。
 そもそも泣くくらいなら言わせるなよ。
「バカぁ……お兄ちゃんならもっと妹に優しくしてよね……」
 ……すまん。
「あ〜あ、わかってたんだけどねぇ。早くハルにゃんの所に行ってあげなよ。朝、帰る時さみしそうな顔してたよ?」
 妹にもう一度『すまん』と言って部屋を飛び出した。
 ハルヒに電話をかけ、駅前に待ち合わせをした。
 ……俺は何をしに行くんだ?
 妹を傷つけ、正直な気持ちを口に出した。その勢いで告白しろってか?
 違う。そんなのは俺の求める関係じゃない。
 様々な気持ちを抱え、まとまらないまま駅前に着くと、すでにハルヒは立っていた。
「遅い! 罰金!」
 そんなにうれしそうに罰金宣告するなよな。……思わず微笑んでしまうだろ。
 そこから二人で喫茶店に行くという、いつもの週末のような行動を取った。
 だからといって、とりわけ何をするでもなく、ただ雑談をしながらコーヒーを啜って過ごした。
 ……何をやりたいんだろうね、俺は。
675初夢(またバイトか):2006/12/13(水) 18:26:14.65 ID:F3wmcBgJO
精進したまえ
676兄妹愛……? ◆mtod1dSyOc :2006/12/13(水) 18:27:58.25 ID:gmO5Oa8rO
「キョン、誘ってくれてありがと。じゃね」
 『誘ってくれてありがと』なんて言葉が聞けるとは思わなかったな。
 しかし、ハルヒのことも《好き》と言うよりは《友達》って感じだな。
 ますます自分の頭の中がわからなくなってきた。
 結局、ハルヒに会って得たのはさらなる混乱だけか。
 気持ちを整理しきれない自分に対して溜息をつきながら、家へと帰った。……やれやれ。


「うそ……キョンくんはおバカさんだね。あれだけ背中押したのに何も変化無しって……」
 うるさい、俺にもよくわからんから黙って勉強でもしとけ。
「そうだね、宿題でも終わらせてこよっ! また後でね、キョンくん!」
 あることに気がついた感じがするな……。
 ちょっと待て、お前は何故まだ俺を『キョンくん』と呼ぶ。諦めたんじゃないのか?
 妹はイタズラっぽくニヤニヤしながら返事を返してきた。
「だってまだハルにゃんと付き合ってないならチャンスはあるじゃん! わたしが完全に諦める日まで『お兄ちゃん』は言わないから!」
 言い終わると同時にやかましく足音をたてながら階段を降りて行った。
 まったく……いつになったら兄と呼ばれる日が来るのだろうか。
 やれやれ。


おわり


以上です、支援ありがとうございました。
話がメチャクチャだし、迷走してるorz
677猪(2ch中):2006/12/13(水) 18:29:00.79 ID:fv5Ck5zmO
これなんてエロゲ?
678猪(カビ):2006/12/13(水) 18:29:08.06 ID:xqaT6C/aO
GJ!
何とも新しい関係だ。
679保母さんと初詣:2006/12/13(水) 18:29:42.71 ID:UkcZ3w3E0
kneg?
680初夢(宝船の夢):2006/12/13(水) 18:31:29.61 ID:gmO5Oa8rO
>>677>>679
言われると思ったww
個人的に純愛にしたかったんだ。
681猪(甘党):2006/12/13(水) 18:34:51.06 ID:yQMXl14i0
乙、これは兄弟愛じゃないな
682のびたと初詣:2006/12/13(水) 18:36:41.37 ID:zH5nyu8hO
>>中一でハルヒ並の身体付き…

成長はぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
683凧(一人身):2006/12/13(水) 18:41:03.49 ID:ALjv3ZKk0
>>656を全部混ぜてみた話が出来たんだが投下OK?
684猪(カビ):2006/12/13(水) 18:42:25.50 ID:xqaT6C/aO
wktk
685黒豆(二粒):2006/12/13(水) 18:43:17.63 ID:Nt3ZJQ9yO
>>682
俺小6の妹いるけどCカップぽいよ
今の餓鬼は栄養とかたくさん取れるから無駄に体つきだけは一人前で
ゆとりのせいで頭は半人前以下なんだよな
686初夢(宝船の夢):2006/12/13(水) 18:43:51.97 ID:gmO5Oa8rO
wktk
687猪(甘党):2006/12/13(水) 18:43:56.44 ID:yQMXl14i0
小学生は普通に半人前以下だろ
688サプライズ・クリスマス01/04 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 18:44:38.12 ID:ALjv3ZKk0
 唐突だが今年の12月24日は仕事、いや、バイトだ。
 貧乏大学生の身の上ではバイトをしなければ生きていけないのは当たり前として、何故そ
んな日にバイトになってしまったかといえば、店長に泣きつかれたからに他ならない。
 そもそもクリスマス前が忙しいのが当たり前のバイトを選んだ時点でどうかって気もする
んだが、何せこのバイトを始めたのはもう何ヶ月も前のことなんで、そのときはクリスマス
の時期の事なんてちっとも考えてなかったんだよな。
 え、何のバイトかって?
 お菓子関係、というか、ケーキ屋だ。
 笑うなよ。俺だって中学か高校の頃の自分から見たら笑えるんじゃないかって気がするが
……、まあ、とにかく俺はケーキ屋でバイトをしている。
 今はクリスマス前なんで、サンタの格好でケーキを販売中だ。
 サンタ姿ってのもどうかと思うが、高校時代にやらされたトナカイよりは何ぼかマシだな。
「こんにちは、良く似合っていますね」
 慌しく販売作業に従事していたら、人が居なくなった合間に知り合いがやって来た。
「似合っているなんて言われても嬉しくねえよ。というかお前、何しに来たんだよ」
 たまたま他の客が居ない時間だったので、自然と俺の口調も営業モードから通常モードに
切り替わる。古泉相手に営業用スマイルを浮かべてやる必要なんぞ無い。
「ケーキを買いに来たんですよ。おかしいですか?」
「やっほー、キョンくんっ、お仕事疲れさんっ」
 古泉が笑顔でさらりと言うのに少し遅れて、入り口からまた知り合いがやってきた。
 そしてそのお知り合いは、当然のように俺の目の前で古泉にぴったりと抱きついていらっ
しゃる。俺に話し掛けるか恋人にくっつくのかどっちかにして欲しいと言いたいところだが、
まあ、この人にそんなことを言っても仕方が無いだろう。
 ああ、それにしても、真冬なのにお熱い事だな。
「こんにちは、鶴屋さん」
「クリスマスなのにバイトなんて偉いねー、ハルにゃんが寂しがってそうだけどさっ」
 はい、全くもってその通りです。
689サプライズ・クリスマス02/04 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 18:45:03.14 ID:ALjv3ZKk0
 しかしまあ、ハルヒも一応納得はしてくれて……、るんだよなあ。
 ちょっと口喧嘩になりかけてそのままって状態だからな、あとで埋め合わせできれば良い
んだが。
「で、どれを買うんだ?」
 放っておくと何時までもどこまでも喋りそうな組み合わせだったので、俺はとりあえずこ
の二人には早々にお帰りいただくため、さっさと選んでもらうことにした。
 あんまり話していると営業に差し障りそうだからな。
「そうですねえ……」
「んー、どれも美味しそうだなあ」
 俺の見ている前でイチャイチャモード全開でああでもないこうでもないと話し始めるお二
人さん。
 いっそ悩むくらいなら全部買っていってくれと言いたいね。古泉はともかく鶴屋さんの胃
袋ならそのくらい楽勝だろうし、お店としてもその方が嬉しい。
「何時まで悩んでいるんだよ……」
 他の客が途切れている時間だからいいものの、ものには限度が、

「ちょっとキョン、お客さん相手にその態度は問題ありよ!」

 なんて思っていたら、後ろの方から聞きなれた声が聞こえた。
 反射的に振り返ったら、そこには、ミニスカサンタ姿のハルヒが立っていた。
「ハルヒ……」
「ああ、涼宮さん、良く似合っていますね」
「ハルにゃんかっわいい〜」
 驚くやら呆れるやらという状態の俺を他所に、古泉も鶴屋さんもまるでそれが当たり前の
事であるかのような感じだった。
690サプライズ・クリスマス03/04 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 18:45:29.81 ID:ALjv3ZKk0
 二人とも、分かっていたんだろうか……、いや、分かっていなくてもこの反応だろうって
気もするが、きっと分かっていたんだろうな。
「で、どれにするの? どれもお勧めだけど、迷うなら一番オーソドックスなやつか、それ
か、クリスマスにしか並ばない物が良いと思うわよ」
 ハルヒは口調こそ何時も通りだったが、喋っている内容はちゃんと営業用のものだった。
 それにしても、ミニスカサンタ姿がやけに似合っているな……。いや、見惚れている場合
じゃないんだが。
「ああ、そうだねえ、普通のケーキは何時でも食べられるもんね。じゃ、このブッシュ・ド・
ノエルが良いかな。一樹くんもそれで良いよね?」
「ええ、かまいませんよ」
 というわけで、古泉&鶴屋さんという熱々カップルは、ブッシュ・ド・ノエルを買って去
っていった。
 幸せそうだよなあ。……ここで俺の隣にハルヒがいなかったら恨み言の一つでも言ってや
りたい所だな。ハルヒが居るから言わないけどさ。
「なあ、ハルヒ、お前、」
「無駄話は後、ほらほら、次のお客さんよ」
 どうしてお前が、という当たり前の質問を口にしかけた俺をハルヒが制した。
 ちょうど、次の客が店に入って来る所だった。

 それから俺達二人は、夜遅くまで二人でケーキを売り続けた。
 のんびりしていたのは古泉と鶴屋さんが来ていたあの時間帯くらいだったし休憩は交代だ
ったので、俺達が個人的な話をするような時間なんて全然無かった。
 そんな俺とハルヒが漸く解放されたのは午後も10時を過ぎた頃だった。
「はい、お疲れさん」
 去り際に店長が売れ残ったケーキを持たせてくれた。
 二人で食べるには結構でかいケーキだが、ハルヒが居ればあっという間に食べ終わること
だろう。
691サプライズ・クリスマス04/04 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 18:45:50.26 ID:ALjv3ZKk0
「なあ、ハルヒ、お前なんで、」
「一緒に居たかったの」
「……」
「クリスマスだから、一緒に居たかったのよ……。でも、キョンはバイトだって言うじゃな
い。ケーキ屋さんだもの、この時期忙しいのは仕方ないし……、だからね、あたしも臨時で
雇ってもらえるように店長さんに頼んだの。幸い住所と電話番号は知っていたしね」
「……そっか」
 何せ人手不足だったからな、店長も二つ返事でOKしたことだろう。
 けどさ、それなら何で俺に知らせてくれなかったんだよ。
「驚かせたかったのよ。……悪い?」
 ハルヒが、途端に悪戯っぽい表情になった。
 こういうところは、高校時代とあんまり変わってないよなあ。
「いや、こういうサプライズなら大歓迎さ」
 ミニスカサンタ姿のハルヒは可愛かったし、バイトとはいえ、24日をハルヒと一緒に過ご
せたんだからな。
「それなら良かったわ。……じゃ、これから二人でクリスマスパーティね! プレゼント、
忘れてないでしょうね?」
「……ちゃんと用意してあるって」
「んじゃ、働いた分だけ楽しみましょう!」
 ハルヒはそう言って、大きく手を振り上げた。
 この元気な笑顔があれば、さっきまでの疲れも、冬の寒さも、なんでもないことのような
気がしてくるから不思議だよな。
 こういうクリスマスも、結構良いもんだな。


 終わり
692 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 18:46:44.48 ID:ALjv3ZKk0
ハルヒ→キョンはともかく
キョン→ハルヒになってる話を書いたのは初めてだからあんまり自信がない・・・。
キョンハルってこんな感じなんだろうか。
693猪(カビ):2006/12/13(水) 18:49:36.13 ID:xqaT6C/aO
GJ!
良いねー。
お互いデレデレな所が特に良い!
694おせち(12,000円):2006/12/13(水) 18:50:41.00 ID:2wfvpHQxO
乙…ちくしょう
695初夢(宝船の夢):2006/12/13(水) 18:52:50.26 ID:gmO5Oa8rO
乙GJ!
甘いな
696焼き豆腐:2006/12/13(水) 18:53:12.57 ID:nMha64x70
GJ!
でも、今年のクリスマスは中止に(ry
697カラスと初詣:2006/12/13(水) 18:59:08.66 ID:tC8k7ycu0
>>676
妹が欲しい……心からそう思いました
GJ!!

>>692
ぐはああぁぁぁぁぁあ!
お題を出した俺が想像した以上のものが出来上がっているじゃないか!
GJ!!!!
698姉と初詣:2006/12/13(水) 19:00:14.74 ID:zH5nyu8hO
>>696
そうそう
今年から廃止なっ(ry
699猪(酒乱):2006/12/13(水) 19:00:22.76 ID:yQMXl14i0
なんか痛いな
700黒豆(千粒):2006/12/13(水) 19:18:28.23 ID:dxyXYCumO
保守
701 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 19:20:03.74 ID:ALjv3ZKk0
レスくれた人d
もうちょっと時間が有るのでもう一回キョンハルでネタ募集したいんだけど良いかな?
702おせち(150j):2006/12/13(水) 19:23:51.89 ID:H+iXDES10
>>701
妹と長門とみくると朝倉さん(復活)と鶴屋さんと古泉が全力でキョンを誘惑してハルヒを憂鬱にさせる
703書初め(遠山金さん):2006/12/13(水) 19:25:45.47 ID:y67Z3bS40
忘年会

年越し

しりとり
704 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 19:26:56.85 ID:ALjv3ZKk0
キョン争奪戦みたいな話はどうやっても無理なんで
>>703で行かせていただきます。
705おせち(150j):2006/12/13(水) 19:28:13.67 ID:VJg4SDjbO
ネタ募集とかして見る
706書初め(遠山金さん):2006/12/13(水) 19:30:46.12 ID:y67Z3bS40
>>705
長門がいい。長門らしい長門をギブミー
707親父と初詣:2006/12/13(水) 19:31:12.79 ID:tC8k7ycu0
>>705
振り袖
羽子板
バツゲーム
708書初め(焼肉定職):2006/12/13(水) 19:31:20.58 ID:BAzwDEk60
101匹ながとん大行進
709おせち(150j):2006/12/13(水) 19:31:26.62 ID:H+iXDES10
>>705
ある日突然キョンがモテモテになってハルヒが嫉妬
710コンニャク:2006/12/13(水) 19:31:36.93 ID:nMha64x70
盗んだバイクで走り出す
谷口
ナンパ
失恋
711お年玉(げんこつ):2006/12/13(水) 19:34:06.94 ID:1iwehWGl0
瓶詰SOS団
712おせち(150j):2006/12/13(水) 19:34:27.53 ID:VJg4SDjbO
>706-707
この二つをいただく
713 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:36:58.88 ID:tC8k7ycu0
推敲をろくにしていないけど、これ以上するとマジで死にそうだから投稿する

8レスほど行きます
714神様とサンタクロース 1/8 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:37:42.63 ID:tC8k7ycu0
 赤や緑や白色が町中を飾り付け、クリスマス定番の賛美歌が何処からともなく
響いてくる、何となく楽しい気分になるそんな季節。

 偶然、二人きりになった学校の帰り道に、あたしは歩きながら何気なくキョンに聞いてみた。

「ねえキョン。あんた神様っていると思う?」
「野球の神様とか、サッカーの神様とか言われる人なら居るだろ」

 と、いつものようにとぼけた風にキョンは答える。

「あたしが聞いているのはそんな例えられた神様じゃなくて、
 この世界を造った創造主とか何でも願い事を叶えてくれる全知全能の神とか、
 そんなの神様の事よ。あんたはいると思う?いないと思う?」

 きっとキョンは「居るわけ無いだろ」なんて答えると思ったのに
珍しく考え込んでいるような素振りを見せた後、少し間があってポツリと
漏らすように言った。

「お前がいると思うなら、居るんじゃないのか?」
「何でそう思うわけ?理由も答えなさいよ」
「さあ、何でだろうな。何となくそう思った、それだけのことさ」

 理由になっていない理由。キョンらしいその態度と答え。
そしてそれにあたしは不満を感じる。

「ふん。あたしは神様なんて信じてないわよ。
 神様が居るっていうなら、とっくにあたしの願いを叶えてくれて居るはずだしね。
 叶っていないのは神様がよほどのドケチか、この世界には居ないかのどちらかね。
 ドケチな神様なんて居ないのと同じよ」
715神様とサンタクロース 2/8 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:38:19.58 ID:tC8k7ycu0
「意外だな。宇宙人や未来人や超能力者を信じている割には神様は信じないのか?」

「それとこれとは別よ!宇宙人未来人超能力者は居ても神様はいないのよ!
 それともなに? あんたは神様に知り合いが居るって言うの?
 居るなら信じてあげないこともないわね」

 あたしがそういうとキョンはいつもの優しい笑みを浮かべた。
 その笑顔を見るたびに胸のあたりで焼けるようなそれで居て心地よい痛みを感じるが、
いつものように素っ気ないふりをして視線を逸らす。

「ハルヒがそう思っているなら神様は居ないんだろさ」

 あたしの隣でキョンはそう答える。

 面白くない答えにますますあたしの中の不満が募る。
 そのイライラを振り切るように、あたしは早足で歩き始めた。
 キョンも黙ったまま歩調を早める。

 あたしはキョンになにを期待しているって言うの?

 昔、宇宙人や未来人や超能力者が居るって言ったあの七夕の時のように、
 神様も居るって言って欲しかったの?

 でも……
716神様とサンタクロース 3/8 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:38:58.41 ID:tC8k7ycu0
 キョンはそのことを知らないふりをする。
 あたしも気づいていないふりをする。
 あたしもキョンを無理矢理引っ張っていく。
 なのに、キョンはあたしにいつも付いてきてくれる。

 あたしはSOS団団長で、
 アイツは団員その一で雑用係。

 近くもなく遠くもない、そんな距離で二人は歩く。
 きっといつまでもこんな感じの二人なんだろう。
 これからもずっと……。

 あたしは、沈黙がつらくなり別の話を振ってみた。

「そうだ!ねえキョン!今年もまた鍋パーティーをクリスマスイブにやるわよ!
 鶴屋さんは当然だけど、準団員の面々も呼んであげるのもいいかもね!
 こういう事は大人数でパーッとやった方が楽しいわよね」

それを聞いたキョンが顔を曇らせる。

「そのことなんだがな、二十四日は日曜日だし、朝比奈さんや鶴屋さんも受験で忙しい
 らしいんだよ。だから俺からの提案なんだが、もう少し前か、二十二日の終業式の日に
 去年と同じように部室でパーティーをしないか?」

「イブにパーティーをしなくてどうするのよ!受験なんかそんなの気合いで何とか――」

 そう言いかけたあたしは止めた。
 キョンがいつもの厳しい表情を浮かべたからではない。
 みくるちゃんや鶴屋さんは受験生。本当ならSOS団に付き合っている暇なんか無い
はずなのにいつもあたし達に付き合ってくれている。
717神様とサンタクロース 4/8 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:39:30.47 ID:tC8k7ycu0
そのことがふと頭に浮かんだから、それ以上なにも言えなくなってしまった。

「――そうね。やっぱり、考えておくわ……」

 あたしはそういいながら、再びキョンから目を逸らした。
 そのままあたし達は無言で坂道を下り続る。

 坂道の途中の道ばたのあるショップを通りかかったとき、赤や緑に飾られた
クリスマスのイルミネーションがあたしの白いコートを照らした。

 ショップのショーウインドーには白いライトが光の結晶を形取り、
冷たくなさそうな雪を積もらせている。
その雪の中で機械仕掛けのサンタクロースが、楽しそうに踊りながら歌っていた。

 ふと、あたしは立ち止まり、そのサンタを見つめる。

 楽しそうに踊っているだけ。
 本当は無理矢理踊らされているだけ。
 あたしの胸の奥の方で、冷たい何かが流れ始めていた。
 
 ずっと、みんなと一緒に入れるだけで幸せだと思っていた。
 そう思いたかった。
 でもきっといつか離れてしまう。

 今はSOS団という形のないものだけがあたしとアイツをつないでいるけれど、
 それが無くなったとき、アイツはきっと離れてしまうかもしれない。
 あたしがいくら神様にお願いしても、いつか無くなってしまうSOS団という絆。

 そして離れていくアイツとの距離。
718神様とサンタクロース 5/8 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:39:59.74 ID:tC8k7ycu0
 あたしの行きたい方へ引っ張っていこうとしても、
 この硝子の向こうにある作り物の雪の世界のサンタのように、
 きっといつか手が届かなくなる。

 忘れたはずの寂しさ……
 一人きりで過ごしたあの3年間……
 神様に祈っても、誰も助けてはくれない孤独……

 どうしようもない焦燥感にさいなまれ、灰色が心を覆う。
 あの夢で見た巨人がどこかで咆吼する。

 ミンナ、アタシノソバカライナクナルナラ……ミンナキエチャエバイイ……
 アタシガ、アタラシイセカイノ『カミサマ』ニナレバ……
 きょんトフタリキリデ、ズットイッショニ……
719神様とサンタクロース 6/8 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:40:55.28 ID:tC8k7ycu0
「――おい!ハルヒ!」

「ひゃぃ!」

 キョンの冷たい手が、後ろからあたしの両頬にそっと触れていた。
あたしは、その冷たさに思わず変な声をあげてしまう。 

「な、なにすんのよバカキョン!!」
「ボーッとしてどうしてるからだろ。どうしたんだ?このサンタが欲しいのか?」
「そんなわけないでしょ!」

 あたしは怒ったふりをして、再び歩き出した。
キョンの触れた所が再び熱くなるのが自分でもわかる。鼓動が早くなる。
アイツはまたさっきの距離にいるのだろうけど、あたしは顔を見せないように背けた。

 遠すぎず、近すぎない距離。
 きっと、さっきのあの笑顔であたしを見ているのだろう。
 でも今のあたしは、その顔を見ることが出来ないでいる。

 そんなあたしに、キョンは優しい声で話しかけてきた。
 
「なあ、ハルヒ」
「なによ!」
「神様の居場所は知らないけどな、サンタクロースなら知り合いに一人いるぞ」

 あたしは思わず、キョンのほうをふり返る。

「えっ?うそ!」
「なんだ?神様は信じない癖にサンタクロースは信じるのか?」
 キョンはまた茶化したようにそういった。
720神様とサンタクロース 7/8 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:41:41.46 ID:tC8k7ycu0
「ち、違うわよ!あんたの知り合いにいるなら、信じてあげてもいいってことだからね!
 そのサンタに合わせてくれるんでしょうね!」

 詰め寄るあたしに、あたしの大好きな包み込むような微笑みを見せた。

「そうだな。24日にならサンタに合わせてやるよ」
「本当でしょうね!」
「ああ、本当だ。二人きりで会わせてやる」
「イブに会わせてくれるのね。約束よ!偽物だったりしたら即刻死刑よ!」
「ああ、絶対約束だ。偽物でもないぜ」

 キョンがサンタクロースが居ると言った。
 きっと本当にいるに違いない。宇宙人や未来人や超能力者が居たように。
 さっきまで灰色に支配されていた心がウソのように晴れる。

「ねえキョン!そのサンタクロースの正体ってじつは宇宙人じゃないの?
 あたしが睨んだ所によると、鍵がかかっている部屋に音のも無く進入できるなんて、
 きっと宇宙人、もしくはそれに準じる何かだと思うのよ!
 それとも超能力者かしら?ねえそこの所どうなの?」

 キョンは可笑しそうに吹き出した。

「さあてね。それは教えられないな」
「なによ?」

 キョンは急にまじめな顔になってあたしの目を見つめる。
 また、頬が熱くなっていくような気がする。
721神様とサンタクロース 8/8 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:42:13.92 ID:tC8k7ycu0
「ところでな……
 そのサンタがお前にプレゼントを用意したいらしいんだが、何を送っていいのか
 迷っているらしい。お前はクリスマスプレゼントはなにが欲しいんだ?」

 そこであたしはようやく気が付いた。

 ――目の前にいるサンタクロースの存在を――。

「…………」

「どうした? 何がほしいんだ? ハルヒ……」

「バカ……」

 あたしは小さく呟くと、キョンを睨み返した。

「そんな事言ったサンタを後悔させてあげるわ!あたしが欲しいのものはね――」

 睨んでいるつもりだけど、きっと嬉しそうな顔でキョンを見ているのだろう。
あたしの欲しいものに困惑するキョンの顔を笑い飛ばしながら、あたしは駆けだした。

 遠くからまたあの歌が響いてくる。

 あたしは一人じゃない……

 神様は居ないかもしれないけど……

 ずっと側にいてくれる人がいる……

fin
722 ◆KYonSETz12 :2006/12/13(水) 19:43:21.92 ID:tC8k7ycu0
いじょう

ちょっと電飾ケーブルで吊ってくるわ
723書初め(遠山金さん):2006/12/13(水) 19:44:17.93 ID:y67Z3bS40
>>722
おまえがつるなら俺もつる

そんくらいGJ
724書初め(焼肉定職):2006/12/13(水) 19:44:19.31 ID:BAzwDEk60
だがそのケーブルはシャミがじゃれてズタズタだぁー!

GJ!
725コンニャク:2006/12/13(水) 19:44:31.46 ID:nMha64x70
GJ!
甘くてサンタの出る出番がなさそうですなw
726初夢(ピザった夢):2006/12/13(水) 19:47:15.27 ID:gmO5Oa8rO
実は俺がサンタ
乙GJ!
727猪(ドラム):2006/12/13(水) 19:49:20.21 ID:AxkczB8b0
GJ!
甘まままままm・・・・・
728Missing Ring@作者 ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 19:50:22.22 ID:nMha64x70
甘いの連続のところコーヒーブレークの変わりにゲリラ投下。
Missing Ring第五話です。
今回は6レスなのでちょっと短め。
729Missing Ring-5(1/6) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 19:50:57.98 ID:nMha64x70
『Missing Ring -失われる7日間-』



【第五話−12/08】
 ついに残されたのは俺1人になった……ハルヒは消え、宇宙人・未来人・
超能力者はいなくなってしまった。やはり最終ターゲットは俺なのか?
長門の残した”彼はあなた”そして”力”この2つと謎の指輪。これらが
全て合わさった時、事件は解決する。そんな気がする……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 俺はもう学校に行く気力も無くなりつつあった。だが引きこもるわけ
にも行かず、事件の手がかりが何かあるかもしれないという思いを持ち
気力で学校に行っているようなものだった。ハルヒたちのいない学校、
それがこんなにもつまらないものだとは、いなくなって初めて感じた
ことだった。

「最初は当事者にもなるのも嫌で、SOS団も嫌々だったのにな」

 そんなことを小声で言いつつ学校に着いた。HRも始まり教室に岡部が
やってきた。

「今日もいい天気だな。ハンドボールをやるには絶好の日和だ。それに
クラス全員揃っているしな」

 クラス全員が揃っている? 変だ、ハルヒは現にまだいない。その
証拠に俺の後ろの席は空いている。俺は岡部に、
730Missing Ring-5(2/6) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 19:51:28.69 ID:nMha64x70
「先生、ハルヒがいませんよ」
「ハルヒ?誰の事だそれは?」
「涼宮ハルヒですよ、忘れたんですか?」
「涼宮ハルヒ……いや名簿には載って無いぞ。キョンの気のせいだろ。
さあ、授業の始まりだみんなしっかりな」

 そういうと岡部は教室から出て行った。ハルヒの名前が名簿に無い?
どういうことだ? 何かの間違いではないかと思いつつ午前中の授業が
始まった。授業の合間の休み時間に谷口がやってきた。

「キョン、朝のありゃ何だ?」
「何って……俺の後ろのハルヒが未だに休んでいるだろうが」
「お前の席の後ろの席はいつも誰も座ってなかったじゃないか。それに
涼宮ハルヒなんてこのクラスにはいないぞ」

 俺の席の後ろはいつも空席……そんなバカな!いつも俺の後ろはハルヒが
陣取っていた。現に今も。

「そういえば涼宮って名前には聞き覚えがあるなぁ……」
「お前と同じ中学だったんじゃないか?」
「そうそう、よく知ってんな。そうだよ涼宮ハルヒって確かに中学の時
一緒だったぜ。電波女で有名だったしな。」
「中学出た後はこの北高に入学したろ?」
「いや、たしか3年前に行方不明になったって聞いたな」
「3年前に行方不明……?」
「おっと予鈴だ。また昼休みな」
731Missing Ring-5(3/6) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 19:51:58.27 ID:nMha64x70
 谷口の話では中学には確かにハルヒはいたらしい。ところが3年前に
行方不明になっているという。これはいったいどういうことだ? それで
入学していないから他の人間にハルヒの記憶が無いのか? などと考えて
いるとあっという間に午前中の授業が終わり昼休みなった。谷口と国木田が
やってきて、

「キョン、飯食おうぜ」
「悪い、ちょっと用事があるんだ」
「なにかあったのキョン?今日は朝からおかしいよ?」
「ちょっとな。それじゃ」

 俺はもしやと思い長門・古泉・朝比奈さんのクラスへ向かい、クラス
メイトが覚えているかどうかを聞いた。案の定、だれもその3人は覚えて
おらず入学してきた形跡すらないという。朝比奈さんのクラスから帰る
とき偶然廊下で鶴屋さんに出会った。俺は鶴屋さんに、

「鶴屋さん、朝比奈さんことを覚えてますか?」

 と言った。そうすると意外な言葉が返ってきた。

「君誰にょろ?」
「え?キョンですよ。SOS団で朝比奈さんと一緒に活動している」
「君にも見覚えないし、朝比奈さん?だっけ、その人もしらないにょろ」
「そうですか……」
「誰かと勘違いしているのかもね。ま、気を落とすな少年!」

 鶴屋さんは変な励ましをしてくれた後クラスへと入っていった。

「そうか、朝比奈さんの記憶が無いから俺に繋がって無いんだ。だから
俺の記憶もないのか……」
732Missing Ring-5(4/6) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 19:52:33.35 ID:nMha64x70
 そう考え込みながらぶつぶつ小声で言っていると午後の予鈴が鳴った。

「今日も昼飯抜きか……」

 俺は午後の授業に出るためクラスへと戻った。午後の授業中俺は今
置かれている状況について考えていた。まず、ハルヒは3年前から行方
不明で北高には入学せず。他の3人も入学・転校してきた跡もなし。
そして消えた関係者を通じて俺を知った人は俺のことを覚えていない。
なんとも最悪な状況だ。まさに孤立無援。いつもだったらなにかしらの
手助けがありそうなものだが今回はそれも無いようだ。そう考えている
うちに放課後となり部室へと向かった……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

「な、どうなってるんだ!」

 俺が部室の前に行くといつも張ってある「SOS団」のプレートが
無かった。そして中に入ってみると、SOS団が出来る前の物置部屋の
ようなただの文芸部室だった。無論長門もおらず無人だ。俺はパイプ
椅子に座るとあらゆる手がかりがなくなったことに落胆した。

「これが俺に対する精神攻撃だったら褒めてやるぜ」

 俺は独り言を言った。まさに本音だが。俺はふと指輪のことを思い
出し、上着のポケットに入れていた指輪を出してみてみた。すると、
驚くことにもはや青い部分はなく、真紅の宝石の指輪へと変貌していた。

「どうなってるんだ……やはり何かの力を吸っているのか?」
733Missing Ring-5(5/6) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 19:53:07.31 ID:nMha64x70
 力を吸う? 確か長門の書き残したメモには”力”とあった。では
どんな力を吸っているんだ? 俺の体には異常は無い。と、いうことは
俺以外から力を吸っていることになる。ではどこから? そんなことを
考えながら指輪を見ていると突然指輪が一瞬眩しく光った。と、同時に
俺の頭のなかに、

”キョン……キョン!”

 というハルヒの声が聞こえたような気がした。周りを見渡したがハルヒ
の姿は見えなかった。そうすると、もしかして全ての消えた人たちはこの
指輪に……

・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・  ・・・・・・──・・・・・・

 俺は今日は早めに帰ってきた。というのも情報も何かを探す場所さえ
ないからだ。いつも通り飯などをすませ自分の部屋で休んでいた。手がかり
といえばこの指輪ひとつ。もしこの指輪の謎を解明できればみんなを救える
かもしれない。しかしどうやって解明する? 俺は一般の高校生に過ぎない。
魔力や超能力などの類は持ち合わせていない。とすると唯一の方法は、
持ち主から聞きだすしかない。と、考えていると携帯電話の着信音が鳴り
響いた。発信者は出ていない。古泉の記憶が人々から消えている以上
森さんで無いことは確かだ。俺は意を決して電話に出た。

「もしもし」
『感謝する。指輪は大切に持っていてくれ』
「おい、あんた誰なんだ?」
『既に俺のことは知っているだろう。手がかりで姿を現しているはずだ』
「それは俺の格好でだろう?本当のお前は何者なんだ?」
『それもすでに知っているはずだ』
「とにかく、みんなを元に戻せ。いや、戻してくれ」
734Missing Ring-5(6/6) ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 19:53:33.84 ID:nMha64x70
『……』

 電話は突然切れた。やはりこの指輪が鍵なのか。そして古泉が言っていた
通りハルヒ・朝比奈さんを誘い出すという行為は俺へのアピールだったのか。
しかも話し方から察するにどうやら俺たちを常に監視していたようだ。
それに電話の声はどこかで聞いたことがあるような声だった。と、いうことは
俺の知っているヤツの仕業なのか? そんなことを考えつつ、明日への英気を
養うため寝ることにした。今夜はもう電話はかかってきまい。

 みんなは絶対に救い出してやる……


───Missing Ring -失われる7日間- 第五話 終
735おせち(150j):2006/12/13(水) 19:54:13.49 ID:H+iXDES10
736Missing Ring@作者 ◆nP5OmqcjZw :2006/12/13(水) 19:54:26.05 ID:nMha64x70
今回は以上です。
次回は明日の昼と夜の予定。
737親父と初詣:2006/12/13(水) 19:55:10.75 ID:tC8k7ycu0
>>734
wktkが止まらない
一体どうなる続きwktk
738猪(ベース):2006/12/13(水) 20:00:34.92 ID:AxkczB8b0
乙!
続きが激しく気になる・・・
739初夢(猿の夢):2006/12/13(水) 20:03:51.10 ID:gmO5Oa8rO
乙!
続き……早く!
740猪(病気がち):2006/12/13(水) 20:16:14.67 ID:DvLVm1seO
乙でございます
741 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 20:16:43.56 ID:ALjv3ZKk0
>>736
乙!
続き楽しみにしているよ。

さてこっちはこっちで>>703が出来たんだが投下して良いかな?
742一人で初詣:2006/12/13(水) 20:18:11.79 ID:tC8k7ycu0
>>741
はやっ!
カモンレッツ投下ベイベー
743名前でしりとり01/05 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 20:19:17.28 ID:ALjv3ZKk0
 忘年会を31日にやろう、と言い出すハルヒにツッコミを入れるような気は無いのだが、
話がどういう風に転がったらそれが俺の家で、ということになるんだろうか。
 反論する間もなくあっという間に予定が決められ、俺の親もあっさり承諾したって辺りが
何とも言えないよな。まあ、この時期に秘境探索へ、とかいうことになるよりは良いけどさ。
 というわけで今俺の家にはハルヒ以下SOS団+準団員扱いの鶴屋さん、谷口、国木田、
そして俺の妹という総勢9名が居る。ちなみに両親は親戚の家に出かけていて不在だ。
「そろそろ飽きてきたわね」
 持ち込まれたゲームを延々やっていたわけなのだが、似たような事をやり続ける状況に飽
きてきたのか、ハルヒがそんな事を言い出した。
「飽きるも何も、さっきから負け続けだからじゃねーのか」
「そんなんじゃないわよ」
 谷口の軽口にハルヒが反論する。
 まあ、負け続けというか、さっきから長門が連続で一位を取っているのは確かなんだが。
それにしたってハルヒは大体2位か3位をキープしてはいる。ブービー争い常連の谷口にそ
んなことを言われたくはあるまい。ちなみに最下位が誰かは大体決まっているので言う必要
も無いだろう。
「何か無いかしら……」
「はいはい、あたし、しりとりがしたい!」
 空気を呼んでいるのか居ないのか、妹が唐突にそんな事を言い出した。
「しりとりね、じゃあそれで良いわ」
 ハルヒがあっさりと承諾し、こうして、俺達はしりとりをする事になった。
 ハルヒから順に右回り、ハルヒ、長門、古泉、鶴屋さん、俺、谷口、国木田、朝比奈さん、
妹って順番だ。
744名前でしりとり02/05 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 20:19:37.12 ID:ALjv3ZKk0
「んじゃあたしからよ。そうね、先ずは『雪』。次は有希よ」
 どういう始め方なんだそれは。
「……『喜緑江美里』」
「人の名前? んー、まあ良いか。じゃあ次は古泉くんね」
「『理屈』ですかね」
「んじゃあたしは『鶴屋』だねー」
 名前がOKということで、自分の名前を答える鶴屋さん。
「や……『山根』」
 深い意味は無い、名前がOKということで思いついただけだ。
「誰それ?」
「去年のクラスメイトだ」
「ふうん。まあ良いわ。じゃあ次は谷口ね」
 ハルヒの『雪』は『有希』でもありじゃないかって考えると、ここまでの時点で古泉以外
の誰も名前以外の単語を口にしてないってことになるな。いや、そんなことはどうでもいい
事のような気がするが。
「ね、ね……『鼠』」
「じゃあ『宮本武蔵』」
 別の方向に行きそうになったのに国木田があっさりと修正しやがった。
 おいおい、このまま名前しりとりになるんじゃないだろうな?
「ほえ、宮本武蔵って誰ですかー?」
「あらみくるちゃん、そんなことも知らないの」
「あ、はい……」
「ふうん。まあいいわ、あとで教えてあげるから、今はとりあえずしりとりよ。『し』だか
らね」
「ええっと『し』ですか……。うーん。あ、じゃあ、『清水』で。そういう苗字の人が居る
って聞いた事があるんです」
 いやだから名前しりとりじゃ……、もう良いか。
745名前でしりとり03/05 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 20:19:55.49 ID:ALjv3ZKk0
「『ず』えーっと、『す』でも良いのー?」
「OKよ」
「『す』……んー、『好き』!」
 こうなると誰が空気を読んでいて誰が読んでないのかすら分からない気がするな。
 とりえあず妹の回答は誰の名前でも苗字でもなかったんだが。
「き、き……」
 まだ二周り目だというのに、何故か考え込むハルヒ。
 何だ何だ、どうしたんだ。
 古泉と鶴屋さんがにやにや顔のまま顔を見合わせているし、国木田と谷口も似たり寄った
りだが……。
「どうしたんだ、ハルヒ?」
「な、なんでもないわよ。……そうね。『キョン』よ!」
「……『ん』が着いたからお前の負けな」
 どういうわけか顔を真っ赤にして叫んだハルヒに対して、俺は出来るだけ冷静な振りをし
て切り返してやった。
 なあハルヒ、まだ二周目なんだぞ。
 というか名前はともかくあだなってどうなんだよ……。
「あっ……」
 ハルヒが滅茶苦茶恥ずかしそうな顔をしている。
 そりゃあ、この時点で自爆だもんな。さすがのハルヒでも恥ずかしいか。
「で、どうする、もう一回やるのか?」
「……」
「おい、ハルヒ」
「……い、良いわ、しりとりはもう良いわ! それより年越し蕎麦よ年越し蕎麦! あ、あ
たしは準備してくるからね、みくるちゃん、手伝ってちょうだい」
「あ、はーい」
 勢い任せに話を切り替えるハルヒと、連れ去られていく朝比奈さん。
 何かまあ、何時も通りというか……。
746名前でしりとり04/05 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 20:20:17.83 ID:ALjv3ZKk0
「さっきのハルにゃん、真っ赤だったね〜」
 突っ立ったままの俺に真っ先に話し掛けてきたのは、鶴屋さんだった。
 まあ、後ろに居る俺以外の男性陣も全員似たり寄ったりな感じだけどさ。
 お前等なあ……。
「……あだなってのはどうかと思いますけどね」
「それだけ恥ずかしかったという事なんでしょう」
「だろうねえ」
 割り込んできて混ぜっ返すな古泉! 鶴屋さんも頷かない!
 大体ネタが尽きた辺りならともかく、二周目で『ん』で終わる単語を言い出すなんて、完
全な自爆もいいところじゃないか。
「ねえねえキョンくーん」
「何だ?」
「じゃあキョンくんは、他の人の名前でも良かったの?」
 そういや、ハルヒに『き』で着く単語を振ったのは妹だったな。
 こいつ、もしかして分かってやっていたのか?
 いやいやまさか……、まさか、なあ?
「……別に名前でしりとりしていたわけじゃないだろ」
「ふうん……」
 妹は珍しく微妙な表情でそういうと、それ以上のことは何も言わず俺から離れて台所で準
備をしているハルヒ達の所へ行ってしまった。
 何だ何だ、一体何なんだ。
 ハルヒの行動も良く分からないが、妹の行動パターンも謎過ぎるぞ。
747名前でしりとり05/05 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 20:20:45.17 ID:ALjv3ZKk0
「キョンくんも罪作りな男だよねえ」
「ええ、本当に」
 鶴屋さんが妙なことを言い出し、古泉が頷く。
 二人とも何が言いたいんだよ。
「別に、何もー。ねっ、一樹くん」
「そうですね、鶴屋さん」
 二人は俺の訴えを無視し、しりとりの前までにやっていたゲームで散らかりっぱなしのこ
たつの上を片付け始めた。何なんだよ……。
「まあキョン、お前も頑張れよ」
「そうだね、頑張ってよ」
 谷口と国木田でさえこれだ。
 俺は仕方なく何時も通りだんまりモードの長門を見たが、長門はといえば
「……迂闊」
 と謎の一言を呟いただけだった。
 本当にわけが分からないな。

 そうそう、ハルヒと朝比奈さんが用意してくれた年越し蕎麦は滅茶苦茶美味かった。
 美味い物を食べたら余計な事は忘れるってわけでも無いが、わいわい良いながら年越し蕎
麦を食べていたら、さっきまでのことはあんまり気にならなくなってきたな。
 まあ、恥ずかしそうな顔をしたハルヒってのも、案外悪くなかったし……、まあ、そうい
うことにしておこう。

 終わり
748 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 20:21:06.09 ID:ALjv3ZKk0
色々煮え切らないけどこんな感じで終わっておきますー。
749猪(ベース):2006/12/13(水) 20:22:59.94 ID:AxkczB8b0
GJ!
仕事はやいな・・・
750初夢(猿の夢):2006/12/13(水) 20:24:34.58 ID:gmO5Oa8rO
乙GJ!
ハルヒに萌えたww
751一人で初詣:2006/12/13(水) 20:27:31.28 ID:tC8k7ycu0
>>748
ニヤニヤが止まらないGJ!!
752一人で初詣:2006/12/13(水) 20:30:59.97 ID:tC8k7ycu0
しかしキョンの語りがすごく自然なのにこんなペースで書けるのがすごくうらやましいぞ
コンチッキショーメ
753結びコンブ:2006/12/13(水) 20:38:03.38 ID:nMha64x70
GJ!
最後の長門の無念そうなのがいいw
754涼宮ハルヒの戦場  ◆8oOW4uaK9Q :2006/12/13(水) 20:55:57.97 ID:ry/YCQIL0
こっちにも告知を

ようやく書き上げられましたので、

・ 涼宮ハルヒの戦場 その6 12/14(水) 22:00〜
・ 涼宮ハルヒの戦場 エピローグ 12/14(水) 23:00〜

で投下しようと思います。よろしくお願いします。
755猪(ベース):2006/12/13(水) 20:57:22.49 ID:AxkczB8b0
待ってました!
756猪(右利き):2006/12/13(水) 21:08:01.15 ID:kP9s1yzg0
wktk
757カマボコ:2006/12/13(水) 21:09:37.63 ID:nMha64x70
スレ落ち大丈夫かな…4日で落ちるんだっけ?
758カマボコ:2006/12/13(水) 21:11:00.93 ID:nMha64x70
保守
759猪(緑):2006/12/13(水) 21:13:41.22 ID:Cj+FGl/Z0
あと3時間で落ち
760猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:14:25.54 ID:AxkczB8b0
そうか・・・落ちるの日付変わってすぐか・・・
761カマボコ:2006/12/13(水) 21:15:18.22 ID:nMha64x70
1000は無理か…無念w
762初夢(またバイトか):2006/12/13(水) 21:16:31.89 ID:DsLKuRAn0
12/14(水) 22:00〜
12月14日で水曜日になるのは何年だっけ?
763給食のおばさんと初詣:2006/12/13(水) 21:17:41.37 ID:nlJCFvIT0
おつおつ。
>>721は歌詞ネタなんだなwうまい
764涼宮ハルヒの戦場  ◆8oOW4uaK9Q :2006/12/13(水) 21:21:20.68 ID:ry/YCQIL0
>>762
NO!
やってしまった!

・ 涼宮ハルヒの戦場 その6 12/13(水) 22:00〜
・ 涼宮ハルヒの戦場 エピローグ 12/13(水) 23:00〜

でした。すみません。
765猪(右利き):2006/12/13(水) 21:24:02.54 ID:kP9s1yzg0
>>764
どどんまい
766書初め(蛙の子は蛙):2006/12/13(水) 21:24:27.23 ID:vXMil5M40
・・・あれ? ただの甘モノ書いてたつもりがいつの間にR指定になってるんだ?
767初夢(二日酔い):2006/12/13(水) 21:24:38.60 ID:gmO5Oa8rO
>>764
今日か?
なら少し早めにした方が落ちる前に読める人が増えるんじゃないか?
768初夢(熱湯風呂):2006/12/13(水) 21:25:11.87 ID:j+/t1UG10
>>764
投下はうっかりをなくそうな。と言いつつwktk
769凧(100連):2006/12/13(水) 21:29:26.49 ID:ALjv3ZKk0
投下は日付変わったあとになりそうだけど
ちょっとネタ募集してみます。
えーっと、珍しくカップリング指定でいってみようかと。
770書初め(点滴必要):2006/12/13(水) 21:32:23.98 ID:BAzwDEk60
>769
指定はレスが決めるのか?

じゃあ喜緑さんと↓
771涼宮ハルヒの戦場 はるはるはるひ:2006/12/13(水) 21:33:25.29 ID:ry/YCQIL0
>>767
あー、スレの期限は考えていなかったです。
そうですね。では9:40〜から投下開始しようと思います。
772猪(緑):2006/12/13(水) 21:35:06.05 ID:Cj+FGl/Z0
トリバレしちゃってないか?
773猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:35:18.10 ID:AxkczB8b0
酉・・・
774初夢(二日酔い):2006/12/13(水) 21:35:57.57 ID:gmO5Oa8rO
>>771
wktk!
……トリ晴れ?
775涼宮ハルヒの戦場  ◆8oOW4uaK9Q :2006/12/13(水) 21:36:07.93 ID:ry/YCQIL0
>>772
なかったことにしてくださいorz

落ち着け俺!
776書初め(点滴必要):2006/12/13(水) 21:38:00.61 ID:BAzwDEk60
>775
一応ID生きてるうちにトリ変えたら?
777涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:39:07.87 ID:ry/YCQIL0
>>776
了解です。とりあえずトリップ変更。
投下はこれで行きます。
778書初め(蛙の子は蛙):2006/12/13(水) 21:39:17.83 ID:vXMil5M40
>>776
同意
779猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:40:01.13 ID:AxkczB8b0
>>777
了解
780初夢(二日酔い):2006/12/13(水) 21:41:12.34 ID:gmO5Oa8rO
>>777
ラッキーナンバー取ったことだし投下wktkだ!
781涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:41:13.92 ID:ry/YCQIL0
時間が来ましたので投下開始します。
その6は20〜30レス程度になります。



涼宮ハルヒの戦場  http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/pages/1806.html

管理人さん、まとめをしてくれた人、ありがとうございます!
782涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:41:54.98 ID:ry/YCQIL0
 俺がハルヒの元に戻って数時間。長門の反撃に驚いたのか、敵はめっきり攻撃してこない。
しかし、またいつ襲ってくるかわからないので、俺たちは結局前線基地で銃を構えてぴりぴりしなけりゃならん。
これがゲリラ戦って奴なんだろうな。
 ここに戻ってきてからはすっかりハルヒに見張られるようになっちまった。
度重なる命令違反にさすがにぶち切れたらしく、さっきから便所に行くのにもついてこようとしやがる。
せっかく長門に礼を言おうと思っているのに、それも適わん。
「全く少しでも目を離そうとするとどっかに行こうとするんだから。まるで落ち着きのない子供ね」
 またオフクロみたいな事をいいやがるハルヒ。
 俺は嘆息しながら、仕方なくまた正面の住宅地帯を眺める。古泉のUH−1ミニガンですっかりぼろぼろになった民家を見ると、
ここが本当の戦場なんだろうと思ってしまう。
 もうすぐ日が落ちる。辺り一面がオレンジ色に染まりつつあった。あと数時間で2日目も終了だ。
人生の半分以上の情報量がこもっているんじゃないかと思うほどに濃い二日間だったな。
身の回りでこれだけの人が死に、谷口や鶴屋さん、国木田まで命を落とす。
たとえ3日間を乗り切ればすべて元通りといわれても本当かどうかわからないし、実際目の前で死なれて、
ショックを受けない方がどうかしている。こんな現実は二度とゴメンだし、本当の現実にさせるわけにも行かない。
敵はこれからいよいよ本腰をあげて俺たちを叩きにかかるだろう。古泉の予想なら、これからハルヒに
学校への撤退を決断させるような動きを見せるはずだ。今まで以上の凄惨な展開が待っていることになる。
「キョン、ご飯よ。見張り交代してあげるからとっとと食べなさい」
 そう言ってハルヒは昼と同じ缶詰を投げてきたので、俺はあわててキャッチする。
って、これだとまるで飼い犬に飯をやっている図みたいではないか。
 俺はヘルメットを取って缶詰のブルトップを開けようとしていたが、
「ちょっとキョン、その頬の傷どうしたのよ?」
 ハルヒの指摘に俺は頬をなぞる。耳の横あたりをふれたとたん、ピキッと痛みが走った。
ん? ああそういやこんな怪我していたんだっけ。大した怪我じゃない。飛び散ったコンクリートの破片がかすった程度だ。
783猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:42:05.71 ID:AxkczB8b0
支援
784涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:42:15.89 ID:ry/YCQIL0
「ダメよ。ばい菌でも入ったて化膿したらどうするつもり? ほら、拭いてあげるから」
「おい――ちょっとま――うぷぷっ」
 俺の意志も無視して、ハルヒはどっかから持ってきていたぬれタオルで強引に俺の顔を拭く。
力任せに拭くもんだからめちゃくちゃ痛い。
「これでよしっと。ちゃんと自分の身体は自分で管理しなさいよ。他のみんなもね。戦闘が始まってからじゃ遅いんだから」
 ハルヒの言葉に周りの生徒たちが頷く。なんだかんだで部下思いな奴だ。
 と、そこでハルヒに無線が渡された。長門からの連絡らしい。
「有希? あ、さっきの件調べてくれたんだ。ありがと」
 ハルヒは長門と無線機越しに会話しながら、またあのメモ帳に名前を書き加え始める。
死んだ生徒と負傷した生徒の確認。指揮官の務めといえばそれまでかもしれないが、
ハルヒなりにけじめをつけているのかもしれないな。
「うんうん……ありがと。じゃあまたね」
 そこでハルヒは無線連絡を終了。ぱたむとメモ帳を閉じた。そして、ハルヒは力ないほほえみを浮かべ、
「ついに死者が100人越えちゃった……」
 それはあまりに痛々しい表情だった。つい抱きしめてやりたくなるほどに。
 俺は何か言ってやりたかったが、どうしても言葉にできなかった。慰めや励ましをしても意味はない。
だったら一体何を言えば良いんだ?
「あと……………………いいんだろ」
 ぼそっとハルヒの口から言葉が漏れる。ただ俺は聞き返そうとは思わなかった。
なぜかって? どう見てもただの独り言だし、俺に向けていった言葉ではない。だったらもう一度言わせるなんて野暮だろ。
 ハルヒは自分の頭をこづき、
「あーもう、どうしても暗くなっちゃうわね! 何か楽しいことはないかしら! ちょっとキョン。何か漫才しなさい」
「できねえよ、芸人でもないし」
 使えない奴ねとハルヒは俺をにらむが、正直このくらい唯我独尊一直線なハルヒの方が見ていて気分が良い。
普段、もっと落ち着けよと散々思っているというのに。
785 ◆Gzo5DAjIoE :2006/12/13(水) 21:42:17.71 ID:ALjv3ZKk0
>>770
はい、そういう形式でお願いしたく。

何か無いですかね?
あ、カップリング以外にもちょこちょこっと指定とかキ―ワードとかあると嬉しいです。

>>777
ドンマイ、ラッキーセブンなんだし頑張ってくださいね。
786猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:42:34.51 ID:AxkczB8b0
支援
787涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:42:36.67 ID:ry/YCQIL0
 さて、のんびりモードも終了しハルヒは銃を構えて、周辺の警戒に復帰する。俺もすっかり忘れていたが、
手に持ったままの缶詰を開けてがっつき始めた。まだまだこれからだからな。今の内に腹をふくれさせておこう。
 とっとと缶詰を平らげた俺はハルヒの横につき、
「また攻撃を仕掛けてくると思うか?」
「……あたしの予想じゃ、日が落ちるまでは攻撃してこないんじゃないかと思う」
 長門の情報改変をしらないハルヒが意外な予想をしてきた。
「何でだよ?」
「バカね。夜になってみなさい。昨日の夜の様子じゃ街灯は点灯するみたいだけど、それでも辺りは真っ暗だわ。
あいつら全身真っ黒だし見えづらいから古泉くんのヘリからの援護も難しくなるし、
夜間にヘリを飛ばしっぱなしってもの危ないし。どっから攻撃されるかわかりにくい上、学校への着陸も難しくなるわ。
ライトか何かで校庭を照らせばいいけど、それじゃ的にしてくれって言っているようなものよ」
 なるほど。確かに月明かりと街灯の明かりだけでは、上空の古泉の支援は難しくなるだろう。
そろそろ長門の砲撃の再開も考えなけりゃならん。ただ、あれはヘリと同じほどの切り札だから、
最後の最後まで使い切らないようにしないとな。
 だが、敵の動きは予想を完全に裏切った。風を切るような音が聞こえたかと思ったら、強烈な衝撃が
俺たちのいる建物を揺さぶる。天井からバラバラと小さい破片が落下し、あまりの威力に立っていた生徒の数人が床に転がる。
「――みんな無事!? 怪我した人が言ったらすぐに言って!」
 ハルヒは真っ先に周りの生徒たちの様子を確認する。幸い負傷者はいなかったようだ。
 俺は辺りを見回しながら、
「今のはなんだ? RPGとは威力が桁違いだったぞ」
「そうね……ん! 何か来るわよ!」
 ハルヒが正面の住宅地帯を走る道路を指さす。そこには荷台がめらめら燃えたトラックがこちらに向かって――
 俺は理由はわからんが、とっさに何が起ころうとしているのか悟った。きっとテレビのニュースか何かで
見ていた記憶がこんなところで役だったのだろう。
788涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:43:02.41 ID:ry/YCQIL0
「――特攻だ! 隠れろ!」
 俺の声が早いか遅いか。ほぼ同時に炎上トラックが前線基地前で大爆発を起こした。
俺たちのいる建物の一部が倒壊し、破片と砂煙が辺りに蔓延する。
さらに遙か上空まで上がったトラックの破片が次々と俺たちの頭上に降りかかってきた。
 そんな中ハルヒは片目だけ開けて微動だにしなかった。あれだけのショックに耐えるなんてとんでもない奴だ。
だが、こいつのとんでもなさはそれどころではない。
「ぎりっぎりだったわね……!」
 って、まさか建物にぶつかる前に爆発したのは、お前がやったのか!? どうやって!?
「火を噴いているところに一発お見舞いしただけよ。そしたら爆発したってだけの話!
そんなことより、最初の一発目の奴の正体がまだよ! 気を抜かないで!」
 ハルヒの言うとおりだ。神業に感心するのは敵を黙らせてからにしよう。
 さて、この状況になればいつもの通り、正面の民家から次々と敵が姿を現し始め、こちらに銃撃を開始する。
ワンパターンな奴らだと思いつつ、違うのが一つ。最初の一発目の衝撃の正体だ。
 敵弾!という声が響き、俺はあわてて身を隠す。そして、俺たちの隣の建物にそれが直撃して壁の一部を吹き飛ばした。
どっから何を撃ってきやがるんだ!?
 俺はとにかく見えない攻撃を放って、窓から顔を出す敵に向けて撃ちまくる。
さすがに敵の動きにも慣れてきたのか、的確に一発一発シェルエット野郎に命中させられるようになっていた。
あまりうれしくない技能取得だが。
 とハルヒの元に一人の生徒が駆け寄る。どうやらさっきからの正体不明の攻撃は、
前線基地前方の週宅地対の路上にいる武装トラックから放たれているものらしい。
はっきりとはしないが、無反動砲のたぐいのようだ。距離が遠い上に周りの攻撃が激しくて、
発射阻止ができない状況に追いやられている。
789猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:43:10.31 ID:AxkczB8b0
支援
790涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:43:25.81 ID:ry/YCQIL0
「古泉くんのヘリを早く呼んで! 上空から片づけるしかないわ――くっ!」
 ハルヒが指示を飛ばしている最中にもまた無反動砲による攻撃が続く。
今度は応戦していた3人の生徒の真正面に着弾し、衝撃で彼らが吹っ飛んだのがはっきりと見えた。
近くで難を逃れた生徒たちが、やられたものたちを救出にかかる。
 俺はひたすら屋根やら窓から飛び出し続ける敵を撃ち続けた。しかし、いくら命中させても次から次へと飛び出してくる。
当たらないモグラ叩きよりも、終わらないモグラ叩きの方が遙かにたちが悪い。
 とようやくここで古泉のUH−1が登場だ。辺りはすでに薄暗くなりつつあるとはいえ、
まだ日が落ちきっていない。今なら無反動砲を備えた武装トラックも視認できるはずだ。
「古泉くん! やっちゃって!」
『任せてください』
 ハルヒの指示で古泉は目標の位置を探り始める。だが、しばらくしてから、
『……うまい具合に死角に入り込んでいますね、ただ、攻撃可能な角度もあるようです。回り込んで掃射します』
 古泉はそう言うと、ヘリを移動させ始める。
 ハルヒはM14で迫ってくる敵をひたすら撃ちながら、
「全く敵の考えがよくわからないわね! 夜になってから攻撃してくると思ったのにさ!
無反動砲なんて持ち出してきたけど、ヘリの餌食になるだけだわ! 相当アホな奴が指揮官やっているんでしょうね!」
 ハルヒが怒っているんだか笑っているだか、区別しがたい口調で叫ぶ。だが、俺はその言葉に強烈な違和感を覚えた。
なんだ? 何かが変だ。
 俺は古泉のUH−1を見上げる。今、無反動砲トラックを攻撃できるポジションを探して、上空を旋回している。
 そもそもどうしてこのタイミングで無反動砲なんていう代物を持ち出してきた? ハルヒの言うとおり、
日が落ちてからやれば効果絶大だ……いや、違う。北山公園の時を思い出せ。敵は軍事的優位を必要としない。
連中の目的は効果的にハルヒに精神的苦痛を与えることだからだ。ならば、今ハルヒ――俺たちにとって、
もっともダメージの大きいことは何だ? 頼りにしている者が倒れることだろう。
なら頼りになる者とは? さっきからの展開を考えれば古泉様々だな。だったら、今古泉のヘリが撃墜されでもしたら、
ハルヒはどれだけのショックを受けるんだ……
791書初め(点滴必要):2006/12/13(水) 21:43:33.87 ID:BAzwDEk60
しえんー
792涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:43:43.44 ID:ry/YCQIL0
 俺はぞっと寒気が全身を駆け抜ける。敵の目的は今もっとも頼りにしている古泉――UH−1をハルヒの目の前で
撃墜することかもしれないんだから!
 即座に無線機を奪うように取ると、
「古泉っ! 戻れ! 今すぐ学校に戻るんだ! 早くしろ! それは――」
 俺は最後まで言い切れなかった。すでに遅かったからだ。今までとは質の違う発射音が辺りになり響く。
無反動砲トラックがあるだろうと思われた地点から、弾道がしっかりと見えるほどの砲火がヘリに向けられる。
対空砲火だ。今までのRPGやAKでの攻撃とは違う、完全にヘリを落とすための攻撃方法。
「古泉くんっ!」
 ハルヒの絶望的な呼びかけもむなしく、UH−1は対空砲を受け続けぼろくずのようになっていった。
俺たちを北山公園に誘い込んだときと同じ手だ。無反動砲を持ち出し、ヘリをおびき出す。
そして、対空砲を用意しておき、のこのこと現れたところを狙って攻撃。くそっ! どうして同じ過ちを繰り返しているんだ俺は!
 ぼろぼろになりつつもまだ跳び続けているUH−1。そして、こんな状態だというのに古泉からの無線連絡が入る。
『は……はは……してやられましたね……』
「古泉くんっ! 古泉くんっ! 早く逃げて!」
 ハルヒの必死の呼びかけ。しかし、古泉には聞こえていないのか、一方的な話し方で続ける。
『後ろの生徒も隣の生徒もみんなやられて……しまいました。僕ももう持たないでしょう……。
ですが、このままでは終わりません……!』
 急にUH−1が猛烈な勢いで高度を下げ始める。あいつまさかっ!?
『また……部室で会いましょう……!』
 そのまま住宅地帯に墜落した――いや、あえてそこを狙って落ちたのだろう。無反動砲と対空砲があったと思われる場所に。
793猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:43:50.00 ID:AxkczB8b0
支援
794涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:43:59.59 ID:ry/YCQIL0
「古泉っ!」
「古泉くんっ!」
 俺とハルヒの呼びかけに古泉は答えることはなかった。あれで生きていられるわけがないだろう。
何がまた部室でだ! 最期まで格好つけやがって! バカ野郎が!
 墜落のショックで無反動砲の砲弾が爆発を始めたらしく、轟音が鳴り響く。しかし、俺は耳をふさぐこともなく、
呆然と空を見上げたままだった。いつもスマイルでハルヒのイエスマン。いけ好かないところや、
いまいち信用ならないところもあった。だけど、最近ではSOS団に思い入れのあるようなことを言うようになっていた。
あの古泉が死んだ。そう――死んだ。
 俺は呆然としている自分に気がつき、あわてて意識を取り戻す。何をやっているんだ! 古泉が自らの命をかけてまで、
敵を叩いたんだ! それをただ呆然と見ているか!? しっかりしろ俺!
 はっと俺はハルヒの方に振り返る。あれだけ頼りにしていた古泉の死だ。ハルヒにとっても耐え難いことのはず――
「…………!」
 俺が見たのは、血が流れるほどに強く唇をかみ、必死に叫び声を上げまいと耐えるハルヒだった。
不安定な呼吸からかすかに声も漏れてくる。
 俺は意を決して、
「ハルヒ!」
「……何よ!」
「負けねえぞ!」
「当たり前よ!」
 ――もう完全に日が落ち、夜が辺りを支配しようとしていた――

795凧(100連):2006/12/13(水) 21:44:26.49 ID:ALjv3ZKk0
支援しつつ邪魔してごめんなさい的謝罪orz
796涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:44:27.27 ID:ry/YCQIL0
 UH−1撃墜からすでに3時間。俺たちはひたすらノンストップ戦闘を続けている。前回までとは違い、
今回の攻撃はやたらとしつこく、叩いても叩いても敵が飛び出し、たまに武装トラックが現れるという繰り返しだ。
古泉の支援がなくなったことも原因だろうが。代わりに北高からの砲撃を再開しているが、
こっちも砲弾の残りが少ないためにちまちま撃つ程度になってしまっているため、効果は薄い。
 もう辺りは完全に真っ暗になって、今では街灯と満月の月明かりだけが敵の位置を知らせてくれる。
幸い、シェルエット野郎はどうも薄く発光しているらしく、暗闇の中でも昼間ほどではないが視認することができた。
変なところでサービスしやがるな。
「本当にしつこいわね!」
 ハルヒはいったん銃を撃つのをやめると、水筒の水をがぶ飲みし始める。ハルヒが愚痴を言いたくなるもの仕方がない。
何せ、さっきから延々と戦闘が続けられているからな。いい加減うんざりしてくるぜ。
「きっと敵は調子に乗っているのよ。古泉くんのヘリを撃墜してここで一気に決めようとしているんだわ!
そうはさせるかってもんよ!」
 ハルヒは口をぬぐってから、またM14を片手に敵めがけて撃ち始める。
 今の状況は消耗戦だ。敵は無限に出現しやがるが、こっちははっきり言って人員不足がひどくなりつつある。
北高側の稼働を考えると、もう前線基地に持ってこれる生徒はいない。しかし、こっちは延々と撃ち合っている間に、
どんどん負傷者や死者が増える一方。前線基地をこれ以上守るのは不可能な状況になりつつあった。
 しかしだ。こうやって敵の目的がハルヒに学校までの撤退を決断させる状況に追い込むことなのは俺でもわかる。
わざわざ奴らの目的通りに動くなんてあまりに腹立たしい。何とか出し抜いてやりたいが……
 と、ここでハルヒに無線機が渡される。長門からの連絡らしい。ハルヒは物陰に入り、
「有希、またこっちに補給は送れる? え、人員は良いわ。これ以上、そっちは減らせないし、
こっちだけで何とかやりくりするつもりよ。大丈夫だって。何が何でも守りきってみせるから」
 こっちには長門の声は聞こえないが、どうやら弾薬の補給を要請しているらしい。
しばらくそんな会話が続いたが、やがて、
「ありがと。じゃあね、有希」
797猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:44:38.19 ID:AxkczB8b0
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798涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:44:49.28 ID:ry/YCQIL0
 そう言ってハルヒは連絡を終了する。ただ――最後のじゃあねはなんだか聞いていて辛くなるような口調だった。
が、ハルヒは俺の方に無線機を向け、
「キョン、有希やみくるちゃんに言いたいことがあるならいっときなさい。今の内にね」
「…………」
 俺は無線機を受け取り、敵から見えないように物陰に引っ込む。代わりにハルヒがM14を持って銃撃を再開した。
『聞こえる?』
「ああ」
 長門からの声。なんだかすごく懐かしい気分になった。さっきから銃声音しか聞いていなかったからだろうか。
「そっちの様子はどうだ? 今の展開じゃ、北高側への攻撃が始まってもおかしくないけどな」
『大体の状況は把握している。古泉一樹のことも』
「そうか……」
 俺はまた脳裏にUH−1が撃墜された光景がフラッシュバックする。ぼろくずのようにされて地面に落下していく姿。
そして、古泉の最期の台詞。思い出したくもないのに。
 しばらく、沈黙してしまった俺だったが、長門はその空気を読んだのか、
『あなたの責任ではない』
 めずらしく慰めの言葉をかけてきた。が、続けて、
『事実。この疑似閉鎖空間を構築した者たちに逆らうことは不可能に近い。想定外の行動で攪乱するだけでも上出来。
彼らは私たちを好きなときに消すことができる。例え、古泉一樹抹殺のための罠だと気づいても、別の方法が実行されただけ』
「……そうかい」
 長門なりの励ましなのかもしれないが、あっさりと敵の罠にかかったショックは大きい。
そして、俺たちがいくら努力しても所詮は、創造主様の手のひらで踊っているにすぎないって言う事実もそれに拍車をかける。
 しかし、敵の襲撃を受けている中でいちいち落ち込んでいる場合でもない。
「こっちは、恐らくそろそろ北高に戻ることになりそうだ。敵の思惑通りといったところで腹が立つが、仕方がない。
それからが勝負――」
799涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:45:08.09 ID:ry/YCQIL0
『涼宮ハルヒが前線基地を放棄して、北高に撤退することはあり得ない』
 何? それはどういう意味だ?
『先ほど話したことで確信を得た。涼宮ハルヒは北高へ撤退しない。一人になってもそこから動かない。
生命活動が停止するまでそこで抵抗を続ける』
 俺はハルヒの方に視線だけ向ける。必死な表情で一目散に敵めがけて撃ちまっているこいつの姿は――
『限界が近い。このままでは3日という期限前に、これを仕組んだ者の目的が達成される』
「目的だと? それはどういう――」
『待って』
 俺の質問を遮り、突然長門の声が遠ざかった。一瞬、ついに北高への攻撃が始まったのかとどきっとしたが、
無線機からかすかに流れてくる長門と喜緑さんの声を拾う限り、そうでもなさそうだった。
 やがて、長門がまた戻ってきて、
『聞こえる?』
「ああ、聞こえるぞ」
『今、情報操作権限の一部を私の制御下に置くことができた』
「は?」
『情報操作権限の一部を私の制御下に置くことができた』
 長門は淡々と語っているが、それって実はとんでもないことなんじゃないか?
800猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:45:09.20 ID:AxkczB8b0
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801涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:45:21.49 ID:ry/YCQIL0
『正確に言うと、この空間に置ける――CREATEの実行権限を私の制御下に置いた。
UPDATEとDELETEはまだ不可。時間はかかるが、順次こちらの制御下に置くようにする。
 淡々と語るのは良いが、具体的に何ができるようになって何ができないのかを教えてくれ。
『現在、私はこの世界の物質を構築することができる。そして、仕組んだ者はそれができない。
だから、これ以上あなたたちの生命活動を停止させるべく作り出されている敵性戦闘物体はこれ以上増えない』
 俺は一気に歓喜の声を上げようとしてしまうが、ぎりぎりで飲み込む。ハルヒに気がつかれるとまずいしな。
 さらに長門は続ける。
『ただし、現在この世界にすでに存在しているものに対し、改変・消去は不可。その権限は持っていない』
「ようは、今俺たちに襲って来ている連中はそのままだが、これ以上増えることはないって事なんだな」
『そう。しかし、それを見越していたのか、この世界に置ける敵性戦闘物体の総数はかなり多く構築されている。
そこから数キロ北方には、前線基地周辺にいる以上の戦闘能力を備えたものがすでに配備されていた。
これらが南下を開始した時点でこちら側に勝ち目はない。現状に置いて圧倒的不利は変わっていない』
「……手放しには喜べないって事か。おっと!」
 また武装トラックが出現して、12.7mm機関銃の乱射が開始された。ハルヒが口からつばを飛ばして反撃の指示を出している。
『だから、CREATE権限を最大に利用して、敵性戦闘物体への反撃を行いたいと考えている。
短時間かつ広範囲に対してダメージを行う方法を採用するつもり』
「具体的に何をする気なんだ?」
 俺の問いかけに、長門はしばし考えるように沈黙して、
『航空機による空爆を実施する』

802涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:45:37.09 ID:ry/YCQIL0
 思わずくらっと来たね。まさか、長門から空爆なんて言う地球人類的な発言が出るとは思っていなかったがとか
そんなことはどうでもよくて、敵が一網打尽にできるなら反対する理由なんてどこにもない。
 俺は長門との無線連絡を終了すると、ハルヒの元に行き、
「おいハルヒ。長門からの報告だ。すごい攻撃方法を実行するって言っていたぞ!」
「すごいって何よ!?」
「空爆だとよ!」
「すごいじゃない! 何でも良いから早くやっちゃって!」
 ハルヒは俺の言ったことを理解しているのしていないのか、もはや何で今頃なんて考える余裕すらないのか。
まあ、深く考えてくれない方がこっちとしても好都合だ。
 だが、ここに来て敵の攻撃が苛烈さを極めてきた。どうやら、これ以上、シェルエット野郎を増産できないことに
感づいたらしい。残っている戦力だけでこっちをつぶしにかかってきたみたいだな。
「キョン! 撃ちまくって敵を後退させるのよ!」
「言われんでもわかっているさ!」
 とにかく動いているものにめがけて撃つ。俺はそれだけを考えて引き金を引きまくった。
だが、敵も必死なのか今まで以上の命中精度で俺たちに銃撃を加え始めた。あっちこっちで銃撃を受けた生徒たちの悲鳴が上がる。
 ハルヒもだんだん焦りだして、
「有希の言う空爆ってまだなの!?」
「もう少しだろ! 今はあいつを信じて待つしかない!」
 そう俺が怒鳴り返したときだった。何かのエンジン音みたいなものが銃声音の隙間から聞こえてくることに気がつく。
雲一つない満月の夜空を見上げると、飛行機が2機俺たちの頭上を飛んでいるのが目に入った。
満月とはいえ、さすがに夜ではシェルエットしか確認できないが、テレビとかでよく見る戦闘機に比べて、
主翼が直線にのびる翼で、尾翼の前にターボエンジンぽいものが2つ乗っかるようにある。なんだありゃ。
地球的デザイン+宇宙人的センスが混じったような変な機体だ。いや、でも今俺があれを見てなんなのか理解できないって事は、
敵が俺の頭の中にねじ込んだ知識の中にはないって事、つまり想定外のものが出現したって事だ。ざまあみやがれ。
803猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:45:49.23 ID:AxkczB8b0
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804涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:45:54.53 ID:ry/YCQIL0
 しばらくその変な飛行機は俺たちの上空を飛び回っていたが、いっこうに攻撃を開始しようとはしない。
 と、長門からの連絡が俺に入る。
『予定通り攻撃機の構築は完了した。しかし、問題が発生している』
「どうしたんだ?」
『あなたと涼宮ハルヒのいる位置と敵のいる位置の境界線が不明。このままではあなたたちを誤射する危険がある』
 そりゃ勘弁してほしいね。ここまで来て味方に吹っ飛ばされたら無念どころではすまないだろうからな。
『正確に言えば、あなたと涼宮ハルヒの位置は完全に確認している。この世界を構築した者の視認モードでは
涼宮ハルヒ本人とそれに関わりのある人間はどこでも捕捉できるようにされていた』
 なるほどな。だから、ハルヒも俺も今までろくな怪我もせずにいたってわけか。意図的に俺たちから狙いを外して。
そして、逆に殺害の時間が来たらきっちり確実に仕留めると。
『だから、あなたたちを誤って攻撃する可能性はない。しかし、その他の生徒たちは敵性戦闘物体と
認識レベルが同等になっている。今の情報制御状態では、それを判別することはできない。
地図から入手している情報で誤射の確率は限りなく低いが、ゼロにはならない状態』
「誤射する可能性はどのくらいあるんだ?」
 長門は考えているのかしばらく沈黙した後、
『3%以下』
「……そうか。ならやめておいたほうがいいな」
『やめてたほうがいい』
 俺はしばし考える。たかが3%とはいえ、それが見事的中してしまえばしゃれにならない事態だ。
ハルヒにかける精神的負担も今までの比ではない。わざわざ敵の目的に荷担するようなものである。
「まだ時間があるが、日が昇るまで待つってのはどうだ? それなら確認もしやすくなるはずだ」
『無理。敵性戦闘物体は攻勢を強めている。今のままではあなたたちは朝まで持たない。確実に全滅する』
 長門の言葉を証明するように俺の近くにいた生徒が銃撃を受けて倒れる。一体この数時間でどれだけの生徒がやられた?
ひょっとしたらもう俺とハルヒぐらいしかいないんじゃないか。どのみち、このままでは持たないのは確実だろう。
ならばどうにかして長門に攻撃位置を知らせる必要があるが、激戦状態の前線基地に来させるわけにもいかない。
805涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:46:12.79 ID:ry/YCQIL0
「……待てよ。俺とハルヒの位置は確実に特定できるんだよな」
『そう』
 俺はぴんと来て、長門に作戦の概要を説明する。長門は少し考えるように黙った後、
『わかった。あなたに任せる』
 そう了承した。さてと、問題はハルヒだな。
「おいハルヒ」
「有希は何か言っていたの!? はやく、空爆でも何でも良いからやってくれないとこっちが持たないわ!」
 M14をひたすら撃ちまくりながらハルヒ。俺はとりあえず長門が攻撃できない理由を端的に説明してやる。
ハルヒは眉をひそめて、
「それじゃ仕方ないわね。あーうまくいかないもんだわ! また別の手を考えないと!」
「そこで一つ提案があるんだが」
「何よ?」
 ハルヒが疑惑の目を向ける。今までハルヒ総大将の意向を無視してやりたい放題だったおかげで
すっかり警戒されちまっているな。
「俺が敵の位置を知らせるために、敵の居場所につっこむ。そこで銃を上空に向けて長門に位置を知らせる。
そして、俺が戻った後に長門がそこにめがけて攻撃するってわけだ」
「ダメよ! ダメに決まっているじゃない!」
 やっぱり反対しやがった。
「どーしてもそれしかないってなら、あたしが行くわ! それならいいけど!」
 俺はいきり立って眉毛をつり上げるハルヒの頬をそっとなでてやると、
「お前は総大将だろう? ここにいて他の連中を守ってやる義務がある。こういう突撃役は俺みたいな下っ端の仕事さ。
心配すんなって。死ぬつもりはねぇよ。お前の援護次第だがな」
 俺の言葉にハルヒは口をへの字に曲げて抗議の表情を見せていたが、
「わ、わかったわよ……! 任せるからしっかりやりなさい! こっちもしっかり援護するから!」
 なんだかんだで了承するハルヒだ。他に方法がないことを理解しているのだろう。
806涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:46:26.14 ID:ry/YCQIL0
 俺は無線機を背中に背負う。目的地に到着次第、長門に連絡しないとならないからな。
「ハルヒ! こっちはいつでもいいぞ!」
「わかったわ! いいみんな! 合図とともに一斉射撃よ。とはいってもでたらめに狙っても意味がないわ!
屋根の上とか窓とかにいる敵を確実に仕留めなさい! いいわね!」
 了解!と周りの生徒たちが返事する。頼もしいぜ。
「行くわよ――キョン行って!」
 ハルヒとその他生徒たちが一斉に前面の民家に向けて射撃を開始する。窓やら屋根やらにいたシェルエット野郎が
次々に飛散していった。それを確認すると俺は前線基地の建物から飛び出し、前方の住宅地帯に飛び込む。
 俺は叫びながらひたすら路地を突っ走った。とにかく、敵の注意をこっちに引きつけなけりゃならん。
そうすりゃ長門の空爆もやりやすくなるってもんだ。
 そこら中から放たれる銃弾を奇跡的にもかわし続け、俺は住宅地帯の真ん中あたりに到着し、
適当な民家の中に飛び込む。どたどたと中にいた敵が驚いて撃ちまくってくるが、俺は的確にそいつらを仕留める。
やれやれ、ずいぶん射撃もうまくなっち待ったもんだ。
 俺は敵がいなくなったのを確認すると無線機を取り、
「おい長門! 目的についたぞ。俺の位置は把握できているか?」
『問題ない。はっきりと確認できている』
「よかった。じゃあ、ハルヒのいる位置と俺のいる位置がわかるな? そこが味方のいる位置で、
俺が敵のいる位置だ――と!」
 また一人のシェルエット野郎が民家に乗り込んできたので射殺する。長居はまずい。
「ハルヒのいる位置から俺のいる位置の間は攻撃するな。敵はいるが味方に近すぎで誤射の可能性がある。
俺よりも北側ならどれだけ攻撃しても良い。派手にやってくれ!」
『わかった。即刻そこから涼宮ハルヒのいる位置まで戻って』
「言われんでもわかっているさ!」
807猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:46:38.54 ID:AxkczB8b0
支援
808涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:46:45.36 ID:ry/YCQIL0
 俺は無線を終了させると、外に飛び出そうとするが――
「うわっ!」
 俺は悲鳴を上げて、民家の中に逃げ戻った。何せ民家の窓、路地の陰から俺にAKを構えているシェルエット野郎が
見えたからだ。それも数十人規模で。ほどなくして、俺にめがけて乱射が開始される。
 必死に頭を抱えて室内の壁に身を寄せて、銃撃に耐えるもののこのままじゃいずれ民家内に侵入される!
「どっちみちかわらねぇなら……!」
 俺は無線を取り、
「長門! 俺の位置ははっきりとわかっているんだな!?」
『わかっている。だから早く逃げて』
「すまんが、今のままじゃ逃げられそうにねぇな。だから、俺に構わず撃て。といっても俺に当たらないようにな!」
『……危険すぎる。できない』
「いいからやれ! このままじゃやられるだけだ!」
『…………』
「おまえならできるさ。十分信頼できると思っている。だからやってくれ」
 長門はしばらく黙っていたが、やがて絞り出すような声で、
『わかった。今から空爆を実施する』
「ああ、悪いな」
『有希、待ちなさい!』
 突然割り込んできたのはハルヒの声だ。こいつ、盗み聞きしてやがったな・
『やめて有希! キョンが……キョンが死んじゃう!』
『大丈夫。当たらない。絶対に当てない』
『無理よ! こんな乱戦じゃ!』
「ハルヒ!」
 俺の一喝でハルヒの叫び声が止まる。
「……長門を信じてやれ」
809涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:46:59.54 ID:ry/YCQIL0
 そう言ったが、ハルヒはこれ以上何も言ってこなかった。俺はそれを了承と受け取ると、
「長門、頼む」
『了解』
 長門からの返事とともに敵からの銃撃がやんだ。そして、一瞬辺りが静まりかえったと思いきや、
突然、耳をえぐるようなブオオオオという回転音ようなものが響く。
「――うおぁ!?」
 情けない声を上げてしまったが勘弁してくれ。何せ窓から見えていた隣の民家が根こそぎ吹っ飛ばされたんだからな。
爆弾じゃないぞ。何だ今のは!?
 疑問に思っている暇もなく、また同じ轟音が響き今度は別の民家が消し飛んだ。あれに当たったら12.7mmどころじゃない。
跡形もなく消し飛ぶぞ!
 しばらく長門の空爆らしき攻撃が続いたが、
『あなたの周辺の敵は一掃した。今の内に前線基地まで戻って』
「助かった。ありがとうな!」
 俺は長門に礼を言うと民家から飛び出して、
 ――愕然とした。何せ俺のいた民家の周りの家がことごとく木っ端みじんに粉砕されているからだ。
長門の奴、なんて容赦のないものを持ち出してくるんだ。
 しかし、それでも敵はしつこい。がれきになった民家の陰からしつこく銃撃を加えてきやがる。
俺はそれに撃ち返しつつ、前線基地に走り出す。見れば、また俺の頭上を1機のあの奇妙な飛行機が飛んでいった。
そして、息も切れ切れになりながら、ハルヒのいる建物に飛び込む。
 そのまま大の字で仰向けに酸素補給活動をしていたが、隣にハルヒが立っているのに気がついた。
ああ、あの眉間のしわ寄せ具合を見ればどれだけ頭に来ているのか、すぐわかるな。
「この――バカ!」
 ハルヒの罵倒がなぜか心地よかった。

810歯科助手と初詣:2006/12/13(水) 21:47:14.35 ID:EVDRtKveO
投下はやいなw
支援
811涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:47:16.97 ID:ry/YCQIL0
 さて、帰ってきたとはいえまだまだ戦闘は継続中だ。前線基地周辺にいる敵は長門の空爆対象外だからな。
こっちでつぶさなきゃならん。ちなみに空を飛ぶ攻撃機はしばらくガトリング砲らしきものを撃ちまくっていたが、
続けてミサイルやら爆弾の投下が開始された。
「その調子よ、有希! 徹底的にやっちゃって!」
『了解。しかし、補給が必要。攻撃機の入れ替えを行う』
 さすがに弾切れを起こしたのか、2機の攻撃機があさって方向に飛び去っていった――と思ったら、
今度は8機出現だ! 長門の奴、本気で容赦する気ねぇな。
『敵の新手が何かしてそちらに向かっているのを確認した。これから攻撃機の半数はそちらの迎撃に向かう』
「新手!? 今度はいったい何なのよ!」
『……確認した。T−72戦車数十両』
 長門の報告に顔を見合わせるハルヒと俺。やつら、切り札を残してやがったな。
「冗談じゃねえぞ。そんなもんがここに来られたら対抗手段がねえ」
『任せて、あなたたちのところへは一両も到達させないから』
 長門航空部隊の半数が北上し、ミサイルなどで敵の戦車部隊がいると思われる場所へ攻撃を開始した。
しかし、敵も猛烈な対空砲火で応戦を開始する。攻撃機と戦車のガチンコ勝負だ。身近でみたいとは思わないが、
かなり痛快なシチュエーションだろう。
「ちょっと有希大丈夫なの!? あんなに攻撃を受けたら撃ち落とされるんじゃ――」
『大丈夫。この機体は数十発程度の被弾では落ちない』
 長門、おまえ一体何を持ち出してきたんだ? とにかく、そっちは任せるぞ。
 俺たちはしつこく迫るシェルエット野郎に応戦を続ける。しかし、こっちの負傷者増大でもはや限界だ。
長門の空爆で敵の戦力は格段に落ちたが、それでもまだ向こうの方が有利だ。
増援がほしいがこれ以上は無理と来ている。
「ハルヒ! もう持たないぞ! どうするんだ!?」
「…………」
812猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:47:18.19 ID:AxkczB8b0
早い

支援
813涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:47:45.54 ID:ry/YCQIL0
 ハルヒはあからさまに苦悩の表情を浮かべて迷っていた。学校まで戻るか、それともここで徹底抗戦か。
前者ならもう少し粘れるかもしれないが、学校への直接攻撃を許すことになる。
おまけにここにいる負傷者を回収するのは無理だ。置き去りにするしかなくなる。しかし、後者ではもう持たないのだ。
 と、そこでまた長門からの連絡が入る。
『そちらに新しい戦力を送った。3人ほど。操縦が可能な車両も供与してある』
 3人? 何でそんな中途半端な増援なんだ?
 しばらくすると猛スピードでジープぽい車両が俺たちの前に現れた。そして、その座席から現れたのは、
「森さん? それに新川さんも」
 ハルヒが素っ頓狂な声を上げる。そう現れたのは古泉と同じ「機関」なる組織にいる二人だ。
どうしてこんなところにいるんだ?
 そんな俺の疑問にも答えず、迷彩服に身を包んだ森さんは、
「救援としてやって参りました。古泉のことは聞いています。彼の代わりとしてあなたたちを援護します」
「短い付き合いになりますでしょうが、できるだけの事はしますので。指示をお願いできますかな」
 新川さんも同調する。いや、もう何でとかはどうでもいい。長門が何とかしたんだろということにしておこう。
とにかく、今は乗り切る方が最優先だ。ハルヒも特に深く追求するつもりはないらしく、
森さん新川さんにせっせと指示を出している。ところで、やってきた車両の銃座で12.7mm機関銃を撃ちまくっているのは誰だ?
 どうも女性らしいその人はさっきからハルヒの方をしきりに気にしつつ、近くにいなくなったことを確認してから
俺の方に手を振った――って、朝比奈さん(大)かあれ!
「キョンくん、こんにちわ」
 くいっとヘルメットを持ち上げて見せたその顔は間違いなく朝比奈さん(大)だった。
あの長い髪の毛をヘルメットの中にしまっているらしく、全然気がつかなかった。
「驚きました。だって、全然こんなことをやった覚えがないんですから」
「……どうやって、ここに来たんですか?」
814涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:47:56.43 ID:ry/YCQIL0
「それは禁則事項です」
 とまあいつもの秘密主義者ぷりを発揮すると、また12.7mmを撃ちまくり始める。全く何がどうやっているのやら。
 北方での長門航空部隊と敵戦車部隊の死闘はさらに激しさを増しているらしい。
いつのまにやら10機以上に増大した攻撃機が爆撃を続けている。
 一方の俺たちは、何とか3人の増援を手にしたおかげで少しばかり――どころか圧倒的に状況が改善した。
特に森さんと新川さんがすごい。どこかで特別な訓練でも受けているのか、狙った獲物ははずさないモードだ。
次々と敵を打ち倒していくんで俺のやることがなくなったほどだ。ちなみに朝比奈さん(大)は
とにかく12.7mmを撃ちまくっているんだが、いっこうに敵に命中しないのはらしいと言ってしまって良いのかな?
 それから数時間、激闘が続く。眠気すら起きず、汗もだくだくで俺はひたすら撃ちまくった。
ハルヒも森さん、新川さん、朝比奈さん(大)、そしてその他の生徒たちも。
 そして、もうすぐ日が上がろうと空が黒から青に変わろうとしていたとき、
『敵性戦闘物体の完全消滅を確認。同時にこちらはUPDATEとDELETE権限を確保した。
もう攻撃してくるものは存在しない』
 長門から入った連絡。それを聞いたとたん、俺は力が抜けて座り込んでしまった。終わりか。やっと終わりなんだな。
 ハルヒもM14をほっぽり出して、地面に大の字になる。他の生徒たちもがっくりと力尽きたように座り込み始めた
「キョン、ねえキョン」
「何だ?」
「……終わったのよね」
「ああ、もう終わりだ」
「そう……」
 ハルヒは呆然言った。なんてこった。何かをやり遂げた後は大抵爽快感とか達成感とかが生まれるもんだと思っていたのに、
今の俺たちにはただ終わったという感想しか生まれてこなかった。ただ――虚しいだけだった。

815涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:48:10.84 ID:ry/YCQIL0
 学校が見える。何かやたらと懐かしく見える北高の見慣れた校門だ。
 俺たちは前線基地からようやく学校に戻って来れた。何せ、負傷者やらなんやらを担いでの移動だ。
さすがに時間がかかる。おっと、トラックを使わなかったのは、全員歩きたかった気分だからだ。特に深い理由はない。
 そして、そんなぼろぼろな俺たちを校門で迎えてくれたのは――
「キョンくーん!」
 真っ先に俺に抱きついてきたのは朝比奈さん(小)だ。俺に抱きついて泣きじゃくり始める。
「ふえっ……よかったです。古泉くんまで……死んじゃってキョンくんまで……ふえええ」
「何とか乗り切れましたよ。朝比奈さん」
 俺がいくら言葉をかけてもひたすら泣き続ける朝比奈さんだった。
 ふと、長門と喜緑さんがいることに気がつく。
「よう長門。助かってぜ。ありがとな」
「……そう」
 相変わらずリアクションの少ない奴だな。
「ところでだ。森さんや新川さんとあ――は何で突然この世界に出現したんだ? って、あの3人もういねえし!」
 振り返ってみれば、森さん、新川さん、朝比奈さん(大)の姿が完全になくなっていた。
まさか、あれは全部俺の妄想とかいうオチじゃないよな?
816涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:48:20.95 ID:ry/YCQIL0
「あの3人は、この世界に入ろうと試みていた。だから、私が招き入れた。絶対的な人員不足を解消するためには、
少しでも人手が必要だったから」
 長門の淡々とした説明を聞く。全く風のように現れて、あっという間に去っていったな。昔のヒーロー番組かよ。
ま、おかげで乗り切れたからいいけどな。
 代わりに目に入ったのは、ふらふらと力なく歩く一人の人間――涼宮ハルヒだった。あの威勢のいい早歩きの面影もなく、
まるで水も食料もなく沙漠をさまよってはや数日な状態の歩き方だ。
「おいハルヒ。どこにいくんだよ」
「……ゴメン。一人にさせて」
 それだけ言うと、ハルヒは校庭の方に去っていってしまった。精神的負担は想像以上なのかもしれない。
その背中は真っ白になって力尽きてしまっている。大丈夫なのか?
「この空間から元の世界に帰還できるまでしばらく時間がかかる。今は負傷者の手当を優先すべき」
 長門の言葉に俺はうなずく。ハルヒのことも心配だが、今はけが人からなんとかしなきゃな。

817猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:48:38.63 ID:AxkczB8b0
支援
818涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:48:42.61 ID:ry/YCQIL0
「飲んで」
 俺は長門から差し出されたペットボトルの水を飲みほす。
 すっかり日が高くなり大体負傷者の手当も終わった。死者117名、負傷者75名。
これが俺たちが出した最終的な犠牲者の統計だ。ようやくこれ以上数えなくて良くなったことはうれしいが、
これだけの生徒たちが傷ついたんだから、手放しで喜べるわけもなかった。
 校庭に降りる階段に座り込んでいる俺の隣では朝比奈さんがすーすー寝息を立てている。
何でもこの異常な世界に放り込まれてから、一睡もしていなかったらしい。
この狂気の世界じゃ眠る気にもなれなかったのだろう。
「で、いつになったら俺たちは元の世界に戻れるんだ?」
 俺の質問に長門は、
「もうすぐ。この世界との情報連結状態の解除が完了する。第1段階として、涼宮ハルヒたちに関わりの薄い生徒たちから
元の世界に帰還することになる」
 そう言いながら長門も俺の隣――朝比奈さんの反対側に座り込んだ。そして、続ける。
「それが完了次第、次に私たちが帰還を開始する。現在のところ問題ない」
「……犠牲になった生徒たちは?」
「問題ない。生命活動が停止した時点で元の世界へ帰還されていた。この世界で起こったことの記憶をすべて消去した上で」
「そうかい」
 俺はすっと空を見上げた。雲一つない快晴だ。この世界で唯一まともだったのはこの青空ぐらいだったな。
「結局、こんなばかげたことをしでかした奴の目的は何だったんだ?」
「はっきりとは不明。ただ、当初予想していたように涼宮ハルヒに対して精神的負荷をかけることが目的だったのは確実」
「やっぱりそうなんだろうな」
「相手のシナリオはこう。1日目は涼宮ハルヒに近い人間には手を出さず、関わりの薄い人間への攻撃を強める。
2日目午前、いったん危機的状態に追い込む。この時点で近い人間を殺害する」
819猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:48:55.73 ID:AxkczB8b0
支援
820涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:48:57.53 ID:ry/YCQIL0
「そりゃ鶴屋さんのことか? しかし、実際には鶴屋さんはハルヒの命令を無視して戦死してしまったけどな」
「そう。そのためある程度の軌道修正を加えたと思われる。だから、2日目午前の攻撃は規模が大きくなかった。
そして、午後あなたの生命活動を停止させない程度の負傷を追わせた後、古泉一樹を殺害する」
「……前線基地の最西端に俺が移動したのも敵の思惑通りだったてのか。全く陰険な連中だぜ。
んで、古泉は予定通りヘリごと撃ち落としたと。まるで敵の手のひらで踊っていただけじゃねえか」
 長門は少しだけ首を傾けて、
「仕方がない。主導権のすべてを握られていた。抗うことはまず不可能。その後、3日目朝にあなたたちを学校まで撤退させてから
戦車部隊で攻撃開始。そこで、朝比奈みくるとわたしが生命活動停止状態になる。
あとは、期限直前にあなたを殺害し、残るのは涼宮ハルヒ一人だけになるはずだった」
 後半はほとんど敵のシナリオ通りにならなかったな。長門が超パワー発動で戦車を片っ端から撃破してくれたし、
俺たちも森さん、新川さんの活躍で――ああ、朝比奈さん(大)もな――敵を打ち負かせた。
「長門さんが情報操作能力を取り戻すことは明らかに想定していなかったんですね」
 背後から聞こえてきたのは喜緑さんの声だ。長門は彼女に振り返ろうともせず、
「感謝している。一人では不可能だった」
「いえ、お互い様です」
 礼を言いながら決して顔を合わせないところを見ると、どうもこの二人には決定的な溝があるらしい。
今回の一件では共同戦線を取ったが、あくまでも利害が一致したという理由から何だろうな。
今後二人が衝突なんて言う事態にはなってほしくないんだが。
 と、喜緑さんが俺の前に立ち、
「そろそろ時間のようです」
 そう言って校庭で疲れ切って寝そべっている生徒たちを指さした。彼らはまるで原子分解されるかのごとく、
霧状に身体が飛散し始める。
「帰還の第1段階が始まった。これが終了次第、わたしたちが続くはず」
「はず?」
 長門の言葉に違和感を覚えた。まるでそうならない可能性が存在しているみたいじゃないか。
821猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:49:10.30 ID:AxkczB8b0
支援
822涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:49:15.15 ID:ry/YCQIL0
 そんな頭の上にはてなマークが浮かぶ俺に、喜緑さんはいつものにこにこ顔で、
「最後に一つだけ問題が出ているんです。それはひょっとしたらこの世界を構築した者の目的が達成しているという可能性です」
「んなバカな。長門や喜緑さんのおかげで敵のシナリオは完全に狂ったんだろ? さぞかし、敵もあわてただろうよ。
目的が何だったか知らんが、これじゃ完全にご破算に決まっているじゃないか」
 俺が抗議の声を上げると、今度は長門が立ち上がりながら、
「この世界から【彼ら】が去ったときに少しだけ意志を感じ取れた。間違いなく【彼ら】は目的達成を確信している」
「負け惜しみか、ただの強がりなんじゃねえか?」
 俺の反論に喜緑さんは首を振りながら、
「今、帰還の第1段階が終わりました。続いて第2段階に入ります。ですが」
「わたしたちは帰還プロセスが開始されているが、あなたには適用されていない」
 はっと気がついた。今、長門と喜緑さん、そして隣で寝息を立てている朝比奈さんは、
先ほどと同じように身体が霧状に飛散し始めていた。だが、俺の身体には全く変化がない。これはまさか……
「今、この世界の制御権限はわたしにはない。別の人間によって完全に制御下に置かれている」
 その長門の説明で俺は確信を持った。ハルヒだ。あいつが何かしでかしている。この後の及んで何を考えてやがるんだ――
「――そうか。そういうことか」
 俺は唐突に理解した。こんな最悪な世界を作り俺たちを放り込んだ連中の目的をだ。どこまでも陰険な奴らなんだよ……!
「あなたに賭ける」
 ちりちりと消えつつある長門はいつぞやと同じ事を言った。あの時は何の事やらさっぱりだったが、今ではわかる。
やらなきゃならんことをな。そして、それは俺の意志でもあるんだ。
 俺は隣で眠っている朝比奈さんを抱えると、長門に預け、
「朝比奈さんを頼む。それから元の世界に戻る過程で俺たちの記憶も消去されるんだろ?」
 俺の問いかけに長門はこくりとうなずく。
823涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:49:27.86 ID:ry/YCQIL0
「それはありがたいね。こんなばかげた記憶なんて頼んででも消してもらいたいぐらいだったし。
あと、長門自身の記憶も消去されるのか?」
「する。ただし、帰還後に何らかの形で情報統合思念体よりここであったことの情報共有が行われる可能性がある。
それをわたしが拒否する権限はない」
「拒否しちまえよ。何よりもお前の意志を最優先に考えればいいさ」
「…………」
 長門は何も答えない。そんなに単純な話じゃないんだろうな。だが、聞きたくないことに対して耳をふさぐぐらいの権利は
認めてもらって当然だと思うぜ? ああ、それから、
「あと、万一元の世界に戻っても俺が違和感とか記憶の断片とかが残っていて、長門に何があったとか聞いていたら、
教えないでくれないか? ここの事を知って入ればの話だけどな。ま、俺がそう言っていたと言ったら、
そのときの俺も納得するだろ。こんなことは中途半端に知ってもつらくなるだけだからな」
「わかった。そうする」
 もう長門の身体は完全に消えようとしていた。そして、最後にかけられた言葉。
「また部室で」
 それだけ告げると、長門、朝比奈さん、喜緑さんは消滅した。
 全く、鶴屋さんはまた学校で。古泉はまた部室で。長門もまた部室で、か。
 俺は辺りを軽く見回して見たが、他には誰もいなかった。今この世界にいるのは俺と――
「ハルヒだけか。とりあえず、あいつを捜すとするかな」

824猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:49:37.81 ID:AxkczB8b0
支援
825書初め(点滴必要):2006/12/13(水) 21:49:44.48 ID:BAzwDEk60
支援
826涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:49:51.33 ID:ry/YCQIL0
「ハルヒ」
 学校の屋上で呆然と立ちつくすハルヒを発見できたのは、学校探索を開始してから数十分後。
全く滅多に来ないような場所にいるもんだから見つけるのに時間がかかっちまった。
 俺の呼びかけにもハルヒは答えようともせず、こちらに背を向けてただ学校周辺を見ていた。
とにかく、こっちから近づくしかないな。
「なにやってんだよ」
 俺はハルヒの横に立つ。だが、ハルヒは顔を背けてしまった。屋上をなでる風が髪の毛を揺らした。
 しばらく、そのまま時間が過ぎた。ハルヒはたまにしゃくりあげるように肩を動かしていたが、
決してこちらに顔を向けようとはしない。俺は嘆息して、
「なあハルヒ。辛いことはたくさんあっとは思うが、もう終わったんだ。これ以上ここにいたって意味ないだろ?
とっとと元の世界に帰ってまたSOS団で楽しく――」
 俺が口を止めたのは、唐突にハルヒがこちらに顔を向けたからだ。それは――なんというか――

 ……なんて表情してやがるんだ……

 絶句するしかなかった。ハルヒのこんな表情なんて見たこともなかった。言語なんぞで表現できるわけもない。
それほどまでに絶望的に染まった顔だった。
 くそっ……忌々しい。ああ忌々しいさ! こんなばかげた舞台を作り上げた奴らが勝利を確信するわけだ。
ハルヒのこんな顔を見れば誰だってそう思うさ。なんて事しやがったんだ!
 ハルヒはしきりに俺に向かって何かを言おうとしているようだった。しかし、言葉にならないのか、
何かの思いが口の動きを阻害しているのか、口を動かそうとしてはまた手で押さえるという動作を繰り返した。
そして、ようやく口にできた言葉は、
「……自分が許せない……」
 無理やりのどからひねり出した声。あまりに痛々しいそれは聞くだけでも苦痛を感じるほどだ。
だが、一つ言葉をはき出せたせいか、次々と口から声がこぼれ始める。
827猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:50:03.55 ID:AxkczB8b0
支援
828涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:50:03.54 ID:ry/YCQIL0
「死者117人。負傷者75人。これだけ犠牲を出しておきながらあたしは傷一つ負っていないなんて!
あたしは何で無傷なのよ……」
 ハルヒが背負ったのはSOS団のメンバーだけじゃない。クラスメイトの生徒どころか、この世界に放り込まれるまで
名前も顔も知らない生徒の命まで背負っていた。俺たちみたいに頭の中をいじくりまわされていたならさておき、
素のままだったハルヒが背負った重圧はどれほどのものだったのか。想像することすら適わない。
「最初はみんなを守れるって思っていた! でも途中から守りたいになって――そのうちできないんじゃないかとか、
何でこんな事やっているんだろうとか、最後には自分がバカみたいになってきて……!」
 ハルヒの独白に俺はただ黙って聞いていることしかできなかった。
「これだけの犠牲を出しておいて、元の世界に戻った後にどんな顔をしてみんなに会えばいいのよ!
できるわけないじゃない! あれだけ――あれだけ信頼してくれていたのにあたしは……あたしは!」
「ハルヒ」
 とっさに錯乱寸前のハルヒを抱きしめた。それはもう強く強くだ。
 俺自身も耐えられなかった。こんなに苦しむハルヒを見続けたくなかった。
 抱きしめてもハルヒは全く抵抗もしなかった。ただ俺に身を預けてしゃくり上げ続けている。
俺は落ち着かせるようにハルヒの背中をさすりながら、
「もういい。もういいんだ。終わったんだよ。全部終わりだ。こんな悪夢を見続ける必要なんてない。
いい加減、俺も疲れたしお前も疲れただろ? そろそろ目を覚まそうぜ。起きれば、また何もかも元通りさ。
こんなバカみたいな悪夢なんてすぐに忘れるほどに遊べばいい。不思議探索ツアーでも何でもしよう。
俺はまだまだSOS団の一員でいたいんだ」
 すっと俺とハルヒの身体が発光し始めた。そうだハルヒ、それでいい。帰ろう。またあの部室に。
「また……また、一緒に……」
「わかっている。もう何も言うな……」
 意識が暗転し始める。ようやく終わってくれる。この地獄の3日間が――

829書初め(蛙の子は蛙):2006/12/13(水) 21:50:10.08 ID:vXMil5M40
早いな・・・支援
830猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:50:14.04 ID:AxkczB8b0
支援
831涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:50:21.85 ID:ry/YCQIL0
 これを仕組んだ者の目的。それは涼宮ハルヒという人間を精神的に追いつめ、この世界に閉じこめること。
それもハルヒ自らがそう望むようにし向けることだったんだ。今まで閉鎖空間を作り出し、
その中であの化け物を暴れさせていた時は、ストレスを外側に向けていた。だから、何かを破壊するという行動になっていた。
だが、今回はじりじりとハルヒは追いつめられていった。世界や他人に絶望する前に、まず自分に絶望するようになった。
最後にハルヒがたどり着いた先は元の世界への帰還拒否。こんなダメで無能な自分のせいでたくさんの人が傷ついたのに、
どうして無傷な自分が帰れるのか。一体どんな顔をして仲間たちに顔を合わせればいいのか。
そんな考えに陥れば、誰だって帰りたくなくなるさ。
 その後に奴らが何を考えていたのか知りたくもないし、どっちみちもうわからないだろう。
 …………
 でもな、甘いんだよ。ハルヒが帰ってこないと困る人間だっているんだ。俺はまだハルヒと一緒にいたい。
あのときに味わったような喪失感は二度とご免だ。どんな手段を持ってもハルヒを連れて帰る。
 ――それが俺の意志だ。

〜つづく〜
832猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:50:36.46 ID:AxkczB8b0
支援
833涼宮ハルヒの戦場 その6 ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 21:50:59.77 ID:ry/YCQIL0
とりあえず、その6はここまでです。
22:30ぐらいからエピローグを投下します。
8341000ならクリスマス中止:2006/12/13(水) 21:51:04.92 ID:dxyXYCumO
支援
835猪(メイド服):2006/12/13(水) 21:51:09.02 ID:AxkczB8b0
乙。

しかし早いな。
836書初め(点滴必要):2006/12/13(水) 21:51:30.44 ID:BAzwDEk60
さるっち待ったら元もこもねぇ。お題は待ってくれw;
しえん
837書初め(蛙の子は蛙):2006/12/13(水) 21:52:37.13 ID:vXMil5M40
2〜3分くらいに1レスがちょうどいいと思うんだが・・・
ともかく乙
838書初め(点滴必要):2006/12/13(水) 21:53:40.83 ID:BAzwDEk60
うは、終わってたw
乙!
8391000ならクリスマス中止:2006/12/13(水) 21:55:14.78 ID:dxyXYCumO
支援
840凧(ひとりぼっち):2006/12/13(水) 22:00:36.25 ID:ALjv3ZKk0
乙です
単行本一冊分くらいあったよね・・・
841凧(ひとりぼっち):2006/12/13(水) 22:01:49.16 ID:ALjv3ZKk0
あ、戦場の人のエピローグまでの間にネタ募集して良いかな?
投下は多分明日以降だけど・・・。
842おせち(200円):2006/12/13(水) 22:02:06.08 ID:AxkczB8b0
今更だが、せめて30秒に1レスにしてくれ・・・
843涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:03:14.15 ID:ry/YCQIL0
>>837
>>842
む、了解しました。さすがに少し早すぎたと反省しています。
844猪(vipper):2006/12/13(水) 22:04:28.04 ID:XeGdsnjvO
>>841
みくるとお茶
845VIP皇帝:2006/12/13(水) 22:06:21.50 ID:H+iXDES10
>>841
ハルヒキック
846おせち(200円):2006/12/13(水) 22:06:33.98 ID:AxkczB8b0
>>841
カップリングは長門×キョン

あとは任せたw
847初夢(筋肉痛):2006/12/13(水) 22:06:43.10 ID:gmO5Oa8rO
乙!
しかしサルにならないからすごいなww
早くても読みやすくはある
848凧(ひとりぼっち):2006/12/13(水) 22:08:16.89 ID:ALjv3ZKk0
>>844-846
d
出来る範囲で頑張ってみます。
849おせち(200円):2006/12/13(水) 22:10:50.77 ID:AxkczB8b0
>>848
出来るのかw

wktkして待ってます。
850721:2006/12/13(水) 22:11:37.06 ID:H+Jw+EP90
>>763
歌詞ネタじゃないお
歌詞ネタっぽくしたオリジナルだwww


>>戦場の人
GJだっぜ!!
851結びコンブ:2006/12/13(水) 22:14:23.31 ID:cEcpNdTX0
やべぇwwwwwwwww
スニーキングスーツ着てFAMAS撃ちまくる新川さんが脳内に出てきたwwwwwww
852猪(vipper):2006/12/13(水) 22:17:08.75 ID:XeGdsnjvO
スネェェェェェェク!!
853婦警さんと初詣:2006/12/13(水) 22:18:06.34 ID:UkcZ3w3E0
ダンボール新川しか思い浮かばないオレは病んでいるwww
854書初め(あの子にアタック):2006/12/13(水) 22:18:53.36 ID:vXMil5M40
そうは言うがな大佐、性欲を持て余す
ははは、ほうら言ったとおりだ


って新川さんが
855おせち(1d):2006/12/13(水) 22:23:15.77 ID:IaqVb+8rO
ポスター撃ち抜いて爆発させる新川さん
856猪(ギター):2006/12/13(水) 22:24:25.87 ID:fv5Ck5zmO
>>843
かなり軍事物(って言うのか?)に詳しいですね
857白菜:2006/12/13(水) 22:24:50.66 ID:KURxy0R40
タンカー編の機関室で兵士が双眼鏡で見てたグラビアポスター乙
858涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:25:48.08 ID:ry/YCQIL0
>>856
いえ、全然全くです。かなりおかしな部分が大量にありますが、ご容赦をorz
859おせち(1d):2006/12/13(水) 22:29:37.30 ID:IaqVb+8rO
タンカー編で敵兵士のケツだけ打ち抜いて殺してたなww悶絶するんだよなw
860涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:31:36.88 ID:ry/YCQIL0
時間になりましたので、投下開始します。
30秒に一レスぐらいの速度で投下します。
10レス以内には終わるかと。
861おせち(200円):2006/12/13(水) 22:32:36.74 ID:AxkczB8b0
待ってました!
862涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:32:43.99 ID:ry/YCQIL0
 翌日の朝。自室のベッドの上で目を覚ました俺を襲ったのは、恐ろしいほどの肉体的疲労感と精神的脱力だ。
なんなんだこれは。立って起きあがることすらできねぇ。まるでフルマラソンか、トライアスロンに訓練なし、
準備体操なしで突撃敢行後のようだぞ。
 近くでじりじりと鳴っている目覚ましを止めようと手を伸ばすが、それすら適わない。
「まずい……このままだと……」
「キョンくーんー、あさーさーさーさーあさー♪」
 いつものようにノックなしで訳のわからん歌とともに俺の部屋に現れたのは我が妹だ。。
「起きない遅刻するよー。早く早くー」
 とまあ、布団に潜りっぱなしの俺に乗っかってドカドカと騒ぐもんだからまるで拷問だ。
いつもなら寝ぼけてあまり気にならないが、今日は変に意識がはっきりとしている上に全身筋肉痛っぽいので、
痛くてたまらん。だが、それでも身動きもできないんだから、俺の身体は一体どうなっちまったんだ。
 いつまでたってもベッドから出てこないことに業を煮やしたのか、ついに我が妹は最終手段を行使した。
布団を強引にまくり上げ床に放り落とす。そして、仰向けになっていた俺の顔面に迫ってきたのは……シャミセンのケツだ!
「うおわ!」
 火事場の馬鹿力ってすばらしい。俺は布団から飛び起き、部屋の隅に逃げ出す。危機一髪だった。
危うくおはようのキスをシャミセンのケツで完了しかねなかったぜ。いつもそんなものをしてくれる人はいないけどな。
「あーキョンくん起きたー。シャミはすごいねー」
「にゃあ」
 全く脳天気な会話してくれるもんだ。一気に目は覚めたけどな。
 だが、全身の疲労感がなくなったわけがない。こんな状態でこれから学校に行かなきゃならんのか。果てしなく憂鬱だ。

863涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:33:32.69 ID:ry/YCQIL0
 何とか歯を磨き、朝食を取り、ブレザーを着込み、学校に向かって出発だ。自転車を一漕ぎするたびに
身体が悲鳴を上げるぜ。さすがにだるそうな俺を見てオフクロが休めば?なんて言ってくれたが、
不思議と学校に行かなきゃならん気がするんで、登校を決行中だ。学校まで無事につければいいが。
 ぜいぜいと息を切らしながらチャリンコロードを完了し、最後の早朝ハイキングコースに入る。
「ようキョン」
 後ろから声をかけられて振り返ってみれば、谷口がいた。
「よう谷口」
「何だよ元気ねえな。風邪か?」
 風邪だったらまだいいんだが……しかし、何だろうか。この感情は。ついつい谷口の顔を見つめてしまう。
これは――感激か!? 何で谷口の顔を見て感激しなければならないんだ!? おかしいだろ俺!?
「おはようキョン。どうかしたのかい?」
 今度は国木田が登場だ。って国木田の顔を見ても同じ感情が生まれてきたぞ。なんだなんだなんだ。
 しばらく、黙って谷口を見つめていた俺に不信感を抱いたのか、
「おいキョン、どうかしたのか? 普段から変わっているところがあるが、今日は格別に変だぞ――まさかっ!?」
 谷口は大仰に声を荒げて、
「まさか俺に惚れたとか……!?」
「誰が惚れるかバカ!」
 反射的に俺は怒鳴り返す。いいか、俺はれっきとしたノーマルなんだぞ。朝比奈さんを見ていれば身体がぽかぽかしてくるしな。
ん、これこないだも言わなかったか?
 しかし、谷口は疑惑の目線で、
「いいやわからねえ。何せあの超強力電波発信源・涼宮の連れだからな。どんな電波を受信しているかわかったもんじゃない」
「まあまあ、谷口。キョンも何だか疲れ気味みたいだから、あまりからかうと悪いよ。
そういう本質的な話はまた後でってことで」
 おい国木田、それだとフォローになってないぞ。
 そんな馬鹿話をしつつ、俺たちは学校に向かう。昨日も同じ事をやっていたはずなのに、今はこんな当たり前の日常が
たまらなく楽しかった。
864涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:34:17.22 ID:ry/YCQIL0

 何とか学校にたどり着いた俺がまず確認したのはハルヒだ。正直、教室の向かうまで姿がなかったりとか、
席そのものがなかったりとか、しかし、なぜ俺はこんな心配をしているんだとか、と内心はらはらしていたが、
 ――いた。いつものように窓際最後尾の席でだらんと力なく机に寝そべっている。
 俺はほっと胸をなで下ろし、次席に座った。すると、ハルヒは顔だけを上げて、
「おはよ、キョン」
「ん? ああ、おはようハルヒ」
 ハルヒから挨拶をしてくるとは珍しい。ハルヒはまた机に顔を埋めると、わざとらしいほどの大きなため息をつき、
「あー、今日は学校を休めば良かったわ。何だかわからないけどものすごく疲れた感じがするのよね」
「何だ、おまえが疲れるなんて天変地異の前触れじゃないのか?」
「しっつれいね! あたしだって疲れるときぐらいあるんだから」
 ま、ハルヒがこれだけな状態になっているんだから、何かあったことは確かだろう。
何一つも覚えていないが、恐らく昨日の夜から今日の朝にかけて。
 俺はだらーと壁に背中を預けると、
「なあハルヒ」
「何よ」
「疲れたな」
「……そうね。本当に疲れた……」

865猪(ギター):2006/12/13(水) 22:34:49.02 ID:fv5Ck5zmO
支援
866涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:34:57.85 ID:ry/YCQIL0
 午前の授業終了後、俺は一限目から爆睡中のハルヒを放って教室から飛び出した。
かく言う俺も授業の半分近くは居眠りしていたおかげで、少し体力が改善している。
だから、今の内に顔を見ておきたい人の残りを確認しに行くってわけだ。
未だに何でこんな事をしようと思うのかさっぱりわからないが。
「あ、キョンくん」
「キョンくん、やーっほーっ!」
 2年の教室前であったのは朝比奈さんと鶴屋さんだ。いつもながらお美しい朝比奈さんに会って感動するのは当たり前だが、
それ以上に感情を揺さぶったのは鶴屋さんの方だ。くそ、谷口の時は意地で押さえ込んだがもう限界だこりゃ。
「え、え、え?」
「おおっとと、ど、どうしたんだいキョンくん? あたしなんか悪いことでもしちゃったっけ?」
 二人があわてるのも無理もない。ついにこらえきれなくなった俺の目からぽろぽろと涙がこぼれ落ち始めたからだ。
理由はさっぱりわからんが、とにかく今は泣きたい気分になっている。
「ああ、いえ、ちょっと寝不足なんであくびをかみ殺しただけですよ」
「あーなんだいなんだい。驚かせないでくれっさ!」
 ほっと一安心の表情を浮かべる鶴屋さん。全く今日の俺はどうかしている。いきなり泣き出すなんて、
端から見ると情緒不安定で青春まっしぐらな若者みたいじゃないか。
「やあ、これは皆さんおそろいで」
 このタイミングで背後から急接近してきたのは古泉だ。俺は必死に目をこすって涙を吹き上げてから振り向く。
こいつにまで涙を見せたら、周りから本気で誤解されかねないぞ。
「なんだ古泉か。こんなところに何の用だ?」
 俺は必死に感激していることを悟られないように言う。古泉は肩をすくめて、
「ちょっと朝比奈さんに用がありましてね。いえ、そんなに大したことではありません。
ちょっとした疑問を確認したいだけです。いいでしょうか? 少し人目のない場所の方がありがたいんですが」
「え? あ、はい。わかりました」
867涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:35:39.05 ID:ry/YCQIL0
 こら待て古泉。朝比奈さんを人気のないところに連れ込んで何をするつもりだ。
朝比奈さんもこんな野郎の口車に乗ってはダメですよ。
 俺が古泉に抗議の声を上げようとするものの、鶴屋さんに止められる。ウインクして来るところを見ると、
どうやら任せてといっているようだ。鶴屋さんがそばにいるなら、まあ安心か。
 とりあえず、俺はこの場を退散して、次の目的地に向かう。
「あいつなら何か情報を持っているだろうしな」
 向かったのは部室だ。俺とハルヒの疲労現象。その原因を唯一知っていそうなのは長門ぐらいだ。
「長門いるか? ちょっと聞きたいことがあるんだが」
 そう言いつつ部室にはいると目前に長門が出現した。俺が来ることを予測していたのか、
出入り口の前に立っていたようだ。
「来ると思っていた」
「そ、そうか。なら話が早い。昨日から今日の朝にかけてだが――」
「いわない」
 きっぱりと言い切る長門。ここまではっきりと意志を示すのは初めて見た。そして、長門は続ける。
868涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:36:18.54 ID:ry/YCQIL0
「あなたがそう言っていたと聞いている。わたしもその時の記憶は存在していないため、はっきりとしたことは不明。
情報統合思念体から送られてきた情報から得たことによる判断。あなたは自分がそう言っていたと伝えれば、
納得するだろうと言っていた模様。中途半端に思い出しても辛くなるだけだと」
 何だよ、俺まで宇宙人・未来人・超能力者的秘密主義者の仲間入りかい。
俺自身にも言えない事っていったいなんなのやら。かえってきになるだけじゃねえか。
 そんな俺に長門は一歩顔を近づけ、
「ただ、これだけは言える。そこでのあなたは勇敢だった。何ら恥じることはない」
 ……どうやらとんでもないことがあったようだな。それこそ思い出さないほうがいいぐらいなことが。
俺自身がそう考えて言っているようだし、それで納得しておこうか。気にはなるが、知ってしまった方が後悔しそうだ。
 俺はふっと笑みを浮かべると、
「ありがとな長門。何だかすっきりしたよ」
「わたしはあなたからの伝言を伝えただけ」
「でも、ありがとな」
「……うん」

869おせち(200円):2006/12/13(水) 22:36:20.70 ID:AxkczB8b0
しえn
870涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:37:04.82 ID:ry/YCQIL0
 教室に戻ると、俺を待ちかまえていたのはクラスメイトの阪中である。
いかん、昨日のハルヒ球技大会参加要請をすっかり忘れていた。
 もじもじと不安ありありな表情で俺に昨日の返事について聞いてくる阪中だったが、
「あーすまん、昨日ハルヒに参加を打診したんだが、つれない返事しかかえってこなかったよ。
あれじゃまず無理だろうな」
 俺の言葉にどんどん落胆の表情になっていくのを見ると罪悪感にちりちりと苛まれる。
とはいっても、昨日のハルヒの感じじゃ参加なんてとても……
 俺はまだ机に寝そべっているハルヒの方をちらりと見る。昨日のハルヒだったら確実に返事は同じだろうが、
なぜか今日のハルヒからは別の返事が返ってくるような――根拠も何もないんだが、そんな気がした。
「ハルヒに直接聞いてみたらどうだ? 結構気が変わりやすい奴だからいい返事が返ってくるかもしれないぞ」
 そう言って阪中をハルヒの元に行くよう促した。
 ハルヒのそばに立ったもののなかなか言い出せない阪中だったが、やがて意を決したようにハルヒに球技大会以来を
お願いした。端から見ていても痛くなるほどにお願い口調で頭まで下げている。
「いつもクラスの中で浮いているんだから、たまにはこういう行事に参加しろよな」
871涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:37:45.67 ID:ry/YCQIL0
 俺も援護するが、ハルヒは完全無視状態だった。眠っているわけではないようなので、こりゃダメか?
 しばらく沈黙が続いた俺たちだったが、やがてハルヒがすっと上半身を机からあげると、
「……ま、いいわよ。参加してあげる。何かスポーツでもしてすっきりしたい気分なのよ。運動不足なのか疲れ気味だし」
 昨日とは正反対の言葉を返してきた。言い訳がましい事まで言って、全く素直じゃない奴だ。
「でも!」
 ハルヒはこっちを振り返り、
「いい? やるなら優勝よ。一位以外はあり得ないわ! ふふん、今日の放課後から早速特訓だからね!
いっとくけど、あたしの訓練は厳しいわよ! 覚悟してなさい! あと、キョンもボール拾いとして参加すること! いいわね!」
「何で俺まで」
 と抗議するが、喜びを爆発させた阪中に遮られた。なんというかもう、ハルヒの手を握ってお礼を乱発し、
俺に向かっても頭を下げまくる。一体何がそこまでさせるのやら。
 ――ただ俺も内心ではかなりうれしいことがあった。参加を了承したときのハルヒの顔。
自信満々で言った後に見せた100Wの笑顔。とんでもなく久しぶりに見たような気がしたからだ。

 ……これからもよろしく頼むぜ、ハルヒ……


872涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:38:32.46 ID:ry/YCQIL0
『涼宮ハルヒ』
 疑似閉鎖空間に入れられた後、北高生徒を率いて激戦を指揮し続けた総指揮官。
 最後までSOS団にかかわらずすべての生徒たちを励まし、思いやり続け戦い抜いた。
 一方で、鶴屋さん戦死直後と1日目の夜間に自らに向けて引き金を引きそうになるが、ぎりぎりのところで耐えている。
 しかし、キョンが死んだ場合、3度目の衝動に駆られても止めることはできないだろうと確信していた。
 精神的に消耗する中、SOS団とキョンの存在だけが彼女を支えていた。

『長門有希』
 ハルヒから任命された副指揮官。実際には前半戦は砲撃隊指揮官で、後半は喜緑江美里ともに情報操作戦を続けた。
 疑似閉鎖空間に閉じこめられた後、かつてないほどの【絶望】の感情に陥ったが、
 喜緑江美里から与えられたヒントで希望を取り戻し、敵との情報操作戦に勝ち抜いた。

『朝比奈みくる』
 癒し系担当などという不明な任務についていたが、実際には負傷者の看護を行った。
 凄惨な傷を目撃するたびに失神していたが、献身的な看護を行い、多くの生徒たちの命を救った。

『古泉一樹』
 古泉小隊指揮官。後にUH−1のパイロット。
 的確な指示と援護により、大きな戦果を続けた。
 同じクラスである9組の生徒たちを巻き込んでしまったことを激しく後悔し続け、
 また、涼宮ハルヒに無関係な生徒多数を巻き込んだ敵に対して人知れず感情をあらわにすることもあった。
 敵の策略によりUH−1を撃墜されて戦死する。

873おせち(200円):2006/12/13(水) 22:39:09.05 ID:AxkczB8b0
しえn
874涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:39:12.25 ID:ry/YCQIL0
『鶴屋さん』
 鶴屋さん小隊指揮官。
 涼宮ハルヒの撤退命令を拒否し続け、北山公園の敵砲撃地点の制圧を続行し、見事困難な作戦を完遂した。
 実際に涼宮ハルヒの影響が低いと言うことで、小隊に配属されていた生徒たちは彼女の命令を拒絶することが可能だったが、
 30名中26名が戦死した激戦でも、彼女の姿勢に異を唱えるものは一人としていなかった。
 鶴屋さん自身は敵の罠であることを承知の上でこの作戦を了承し、ここで散る覚悟だった。
 「今あたしたちが敵を制圧できなければ、敵は学校への攻撃を続行し犠牲者はますます増えるんだ。
 だから、どんな犠牲を払っても敵をやっつけないといけないのさ。これが最後。みんなには犠牲を強いてごめんなさい。
 一斉射撃後にあたしが先陣を切る。少しでもあたしがひるめば遠慮なく後ろから撃っていい。行くよっ!」
 突撃の際に敵の銃撃を受けるが、決して止まることなく制圧を完了した。そのときの傷が元で戦死。

 戦場で戦った生徒:272名
 死者:117人
 負傷者:76人。
 この戦場を駆け抜けたすべての生徒たちを讃える。


〜おわり〜
875涼宮ハルヒの戦場 エピローグ ◆LEcaojha/Q :2006/12/13(水) 22:39:53.40 ID:ry/YCQIL0
これで完結です。お付き合いいただき本当にありがとうございました!
876凧(ひとりぼっち):2006/12/13(水) 22:40:16.82 ID:ALjv3ZKk0
お疲れさーん。
読んでて精神的にきつい所も有ったが面白かったよー。
877おせち(200円):2006/12/13(水) 22:40:27.38 ID:AxkczB8b0
めがっさGJ!

素晴らしい出来だぜ!
878書初め(あの子にアタック):2006/12/13(水) 22:40:52.91 ID:vXMil5M40
この終わり方は新しい
乙!
879初夢(筋肉痛):2006/12/13(水) 22:42:41.53 ID:gmO5Oa8rO
乙GJ!
長い間楽しませてもらった!
880猪(ギター):2006/12/13(水) 22:44:12.97 ID:fv5Ck5zmO
めっちゃ乙!
感動した!
881猪(左利き):2006/12/13(水) 22:44:24.91 ID:kP9s1yzg0
お疲れ様でした!
882あしたこそ初詣:2006/12/13(水) 22:48:11.92 ID:oGQ7vYaN0
乙でした。

しかし新川さんの正体はやっぱスネークかな?
883黒豆(一粒):2006/12/13(水) 22:50:58.86 ID:H+iXDES10
乙。
鶴屋さん…
884角焼もち:2006/12/13(水) 22:51:41.63 ID:dxyXYCumO
乙でした!
885結びコンブ:2006/12/13(水) 22:54:24.37 ID:cEcpNdTX0
乙!

エピローグを夢で終わらせない聞きながら読んだら泣きそうになったwwwwwww
886しょうゆ出汁:2006/12/13(水) 23:03:48.09 ID:oKcSn5IY0
あと1時間
887おせつ:2006/12/13(水) 23:05:39.20 ID:RVuH9RkQO
ここのスレの寿命は3日なのか…知らなかった
888猪(ノーパソ):2006/12/13(水) 23:06:38.06 ID:kP9s1yzg0
次スレの季節

テンプレは>>1以降に修正があったのかな
889黒豆(八粒):2006/12/13(水) 23:06:50.74 ID:XVbQekFC0
俺も始めて知った
890恵比須(えびす):2006/12/13(水) 23:09:17.39 ID:jTkcWnt80
1000
891凧(♀):2006/12/13(水) 23:10:12.14 ID:ALjv3ZKk0
後一時間で100は無理だよな。
とりあえずキョン長門書き中。
892ミツバ:2006/12/13(水) 23:10:27.95 ID:H+Jw+EP90
うわーn!感動した!
なんつかもうね!
GJ!しか言いようがない!
戦場GJ!!!
893黒豆(八粒):2006/12/13(水) 23:11:34.92 ID:XVbQekFC0
期待してますわ、がんばってね
894しょうゆ出汁:2006/12/13(水) 23:11:59.31 ID:oKcSn5IY0
がんばって1000に行かしたい

そぉい!
895猪(ノーパソ):2006/12/13(水) 23:13:59.22 ID:kP9s1yzg0
加速します?
896猪(はげ):2006/12/13(水) 23:15:33.31 ID:kqB/8JIW0
音のない世界に
897ミツバ:2006/12/13(水) 23:15:59.38 ID:H+Jw+EP90
そぉい!!
898しょうゆ出汁:2006/12/13(水) 23:17:41.67 ID:oKcSn5IY0
ksk
899ミツバ:2006/12/13(水) 23:17:46.62 ID:H+Jw+EP90
俺のID
ハルヒ+ジョンw+エピソード90www
900黒豆(一粒):2006/12/13(水) 23:17:46.68 ID:p/whci9P0
ksk
901猪(ドラム):2006/12/13(水) 23:21:40.12 ID:Q7N/X3Hf0
ksk
902凧(ぱしり):2006/12/13(水) 23:22:34.30 ID:UCNcEYwd0
ksk
903凧(ぱしり):2006/12/13(水) 23:23:48.40 ID:gcamIzAt0
ksk
904黒豆(一粒):2006/12/13(水) 23:23:48.00 ID:p/whci9P0
ksk
905犬と初詣:2006/12/13(水) 23:23:54.23 ID:uEIChK700
kskするなら次スレ立ててからにしようぜ
906猪(ノーパソ):2006/12/13(水) 23:23:59.69 ID:kP9s1yzg0
次スレはいつ立てれば良いのだろう
907猪(ドラム):2006/12/13(水) 23:24:28.79 ID:fv5Ck5zmO
ksk
908黒豆(一粒):2006/12/13(水) 23:24:59.52 ID:p/whci9P0
ksk
909猪(ノーパソ):2006/12/13(水) 23:25:08.56 ID:kP9s1yzg0
立てていいなら立ててくるけど

テンプレは>>1のまま修正なし?
910黒豆(一粒):2006/12/13(水) 23:25:18.70 ID:p/whci9P0
ksk
911猪(ボーカル):2006/12/13(水) 23:25:22.50 ID:xqaT6C/aO
このペースなら落ちる5分前とか?
912凧(ぱしり):2006/12/13(水) 23:25:31.42 ID:gcamIzAt0
903 名前:凧(ぱしり)[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 23:23:48.40 ID:gcamIzAt0
ksk

904 名前:黒豆(一粒)[sage] 投稿日:2006/12/13(水) 23:23:48.00 ID:p/whci9P0
ksk


閉鎖空間発生
913猪(ドラム):2006/12/13(水) 23:25:43.14 ID:fv5Ck5zmO
次スレは950位でも大丈夫じゃない?
914黒豆(一粒):2006/12/13(水) 23:26:06.98 ID:p/whci9P0
>>911

00:00に落ちる
915猪(水着):2006/12/13(水) 23:26:40.18 ID:5GIDk8h1O
戦場超GJ!!
最初と最後しか読んでないからこれからwikiに行って全部読んでくるぜ
916猪(友達がvipper):2006/12/13(水) 23:27:08.64 ID:w4xfCjJ5O
ksk
917猪(ノーパソ):2006/12/13(水) 23:27:34.65 ID:kP9s1yzg0
ksk
918ミツバ:2006/12/13(水) 23:27:58.85 ID:H+Jw+EP90
ksk団
919猪(水着):2006/12/13(水) 23:28:06.63 ID:5GIDk8h1O
あと30分なら1000行けるだろksk
920猪(ドラム):2006/12/13(水) 23:28:30.72 ID:fv5Ck5zmO
ksk
921猪(ドラム):2006/12/13(水) 23:28:56.38 ID:fv5Ck5zmO
ksk
922猪(ドラム):2006/12/13(水) 23:29:22.70 ID:fv5Ck5zmO
ksk
923女医さんと初詣:2006/12/13(水) 23:29:27.48 ID:nlJCFvIT0
ksk
924角煮もち:2006/12/13(水) 23:29:36.69 ID:dxyXYCumO
ksk
925猪(ドラム):2006/12/13(水) 23:29:46.87 ID:fv5Ck5zmO
ksk
926黒豆(一粒):2006/12/13(水) 23:29:57.18 ID:p/whci9P0
ksks
927黒豆(一粒):2006/12/13(水) 23:30:11.07 ID:p/whci9P0
ksk
928猪(ノーパソ):2006/12/13(水) 23:30:13.91 ID:kP9s1yzg0
ksk
929猪(ドラム)
ksk