文才無いけど妖精と一緒なら小説書けます

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1VIP将軍
ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
※※※お題をもらわないでの小説投下はスレの主旨と違いますのでご遠慮下さい※※※

各まとめ入口:http://bnsk.jf.land.to/
初心者の方は掲示板を一度ご覧下さい。小説を書く際の禁則やテクニック等が具体例付で説明されています

まずは安価でお題をもらいましょう。基本的に過疎スレなので↓でもらうと良いです
→人のお題を使って書くのもありです。作品がたくさん投下されればスレも盛り上がります

▽投下の際の注意点
・他の作者が投下中は投下完了まで待って下さい。投下前にはリロードを忘れずに。投下宣言するのもありです
・投下する人は最後に「終」「完」「了」など、投下完了の合図をお願いします
・できれば名前欄に『「タイトル or お題」 現在のレス数/総レス数』のように書いて下さい
・作品を投下する際は、テキストエディタで仕上げてからまとめて投下して下さい

▽読み手の方へ
・感想は書き手側の意欲向上に繋がります。感想や批評はできれば書いてあげて下さい

▽保守について
・創作に役立つ雑談や、保守を兼ねての書き下ろし投下は大歓迎です
・落ちた場合は立てれる人が新スレを立てて下さい。人がいる時間を目安に
2VIP将軍:2006/12/07(木) 23:57:42.67 ID:qmfip/o90
▲週末品評会
毎週木曜日の夜〜土曜日の午前中に、お題が出されます
作品は土曜日の0:00から日曜日の24:00までの間に投稿してください
その後それぞれに評価をして頂き、月曜日の0:00から火曜日の24:00まで投票を受け付けます

▽作品投稿
・ジャンルは自由、時間を過ぎての投稿も選考外ではありますがまとめサイトに掲載します
・スムーズな流れを保つため、メモ帳等の機能を使って全部書き終わってから投下するようにお願いします
・優勝時の本人確認のため、週末品評会参加者は出来れば酉を付けて下さい(酉は名前欄に#と自由な文字列)
→毎回同じコテや酉で出続けると周囲にわかりやすいです

▽投票
・本スレへの書き込みでお願いします(複数選択可)
・ぜひ書き手の方も他の人への感想や投票を行って下さい
・簡単でよいので、感想、批評等書いて下さい。書き手の次への糧になります!
・投票は投票用テンプレを使うか、【投票】と書いて書き込んで下さい

▽優勝者特権
・投票で一番支持を得た作品の作者の方には、次回品評会のお題決定権が与えられます
・投票数が同数の場合は、気になった作品の投票数の差で決定します
・お題の発表時間は優勝者に一任されますが、遅くても土曜日の午前中には提示して下さい
3VIP将軍:2006/12/07(木) 23:58:30.06 ID:qmfip/o90
879 ◆bsoaZfzTPo New! 2006/12/07(木) 22:48:16.06 ID:bLsjLiSG0
十時半に投下するとか言っておいて、遅くなってすいません。
文才無いのに小説書いててごめんなさい。
今は反省している。でもまたやると思う。
そういうわけで、今回のお題を発表に来ました。許してくれ。
お題は

           「謝罪」

難しく言ってみましたけど、要は謝るってことです。いきがって申し訳ない。
で、今回の縛りなんだが

レス制限:5レスまで
使っちゃいけない言葉:「謝罪」と「ごめんなさい」

で行ってみようと思う。無茶を言って悪いな。
つまりは、ありきたりな表現以外を目指してみて欲しいと思ったんだ、すまん。

お題投下:2006/12/7(木) 22:48:16.06

規制事項:投稿レス数は最大5。
投稿期間:2006/12/9(土) 00:00 〜 2006/12/10(日) 24:00(23:30宣言締め切り)
投票期間:2006/12/11(月) 00:00 〜 2006/12/12(火) 24:00
4VIP足軽wktk:2006/12/07(木) 23:59:20.64 ID:h1mEWhGV0
将軍様乙
5コテ助 ◆/k2qhxXLnU :2006/12/07(木) 23:59:36.96 ID:EMTWtmgh0 BE:803967168-DIA(50073)
                   _ -‐  ̄  - _
                 /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.ヽ、
               /:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.lヽ、:.:.:.:.:.ヘ7、
                 /:.:./:.:./:.:.:.l:.:.:.:.:l:l.  ` ‐、彡O、',
              l:.:./:.:./:.:.:.:.l:.:.:.:.:ll:|     ヘ:.:.L.l:l
              l:.:|:.:.:.|:.:.:.:..|:.:.:.:.:|N -‐‐ 、 ',:.:.:.:.:l
               〉:.─ --‐──        l:.l:.:.:.l
                /:.:r‐l r=ミ    r=ミ、  レl:.:.:.:l 5〜はコテ助のゴォ〜♪
              l:.:.l:l . l      ,      / .l:.:.:.:ハ
              |:.:.l:.:`-、    r‐─ォ    /-‐l:.:.:.:.:ヘ
              |:.:.l:.:.l:.:.:.ヽ、  ヽ_ ノ , イ:.:.:l:.:ヘ:.:.:.:.:.:〉/ l二ヽ
              ヘ:ヘ:.:l:.:.l:.:.:.:.:`i.‐-‐ ´|.::.l:.:.:..l.:.:.ヘ:.:.:.//.し─ 〉
               ヘ/ ̄_/\___/\_ ̄ ̄ヘ/ l. l 二 /
                / /::/ヘ /l__lヘ / l:::l l\    l    /
                / l /::/  V l::l V  l:::l.l. ヘ.  l   l
               /  ll:::l.    /::l ___.l:::ll   ヘ.  l.  l
              l  |. l:::l.   /:::/ |   l:::l   \l   l
             /  l l:::l    /:::/l. l    l:::l     l.   l
             \   l:::l   l:::::l:::l  ヽ_ l:::l     l   l
            / \. l:::l   l::::::l::::l     l:::l  __l.   l
          /   /l:::l   l:::::::l:::ハ      l:::l∠ !    /
   __     /   / |::l:::l l   l::::::::l::::::〉     l::l  \__/
  / r、` ' -‐'´   /  .ヒ/ ヘ  ヘ::::/ヽ/ // \l
 ⊂二    _  - '´     ヽ_r-‐─.V───‐‐-ォ′
   ` ´  ̄          /            \
6VIP足軽mp3:2006/12/08(金) 00:01:51.16 ID:naWjEW550
乙。
7以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/08(金) 00:01:56.05 ID:VGjXL/3j0
一乙

さてアイデア練るか……
8VIP村人t:2006/12/08(金) 00:02:52.71 ID:GOILgJRM0
1000 名前:VIP将軍[] 投稿日:2006/12/07(木) 23:59:59.06 ID:qmfip/o90
1000ならみんな幸せ



さて……
9VIP村人xxx:2006/12/08(金) 00:02:56.12 ID:YFLvUyMT0
乙ですよ
10VIP村人xxx:2006/12/08(金) 00:03:51.54 ID:YFLvUyMT0
前スレの>>977
うーん……ちょっと考えたんだが兄を女っぽい名前にして
双子にでもしたらよかったのかもしれんね?
で、最後にお兄ちゃん。これだったらセーフか?
文体的には合格だと思う。この手の話は軽くないと爽快感がない
11VIP村人c:2006/12/08(金) 00:07:14.33 ID:UST2QyCW0
『謝罪』拝命。

「謝罪」と「ごめんなさい」なしでどこまで謝れるか!
相手に誠意はつたわるのか?
っていうか、最近長いのになれてしまったからだが
5レスに押さえることができるのか?

さて。
12VIP村人t:2006/12/08(金) 00:07:14.93 ID:A5lX1j9E0
    __________
   (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;( )
    |:::::| ̄ ̄8 ̄ ̄8 ̄ ̄|:::::|
    |:::::|  /    /゙     |:::::|   新スレです
    |:::::| /∧∧ /゙ チンポ |:::::|     楽しく使ってね
    |  ,(´・ω・`)     |:::::|    仲良く使ってね
    |  O   O)     |:::::|
   _| _/(_(_ /)_      |:::::|
  (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;( )彡  |:::::|
   ̄| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄    .|:::::|
.....,,,.,. |  |,,,.,.,.....,,,.,.,.....,,,.,.,...,.,|;;;::|,,,.,.,.....,,,.,.,...
13VIP村人t:2006/12/08(金) 00:07:19.31 ID:GOILgJRM0
スレタイに対してまで馴れ合いか、馴れ合いじゃないかを持ち出すってのはやりすぎな気もするけどねぇ。
14VIP村人x:2006/12/08(金) 00:16:15.88 ID:n/JWaEEXO
まぁ空気は馴れ合いっぽかったかな
15VIP村人t:2006/12/08(金) 00:17:53.16 ID:A5lX1j9E0
馴れ合いかどうかが問題じゃなくて
知らない人間でも面白いかどうかが重要じゃね?
このスレの主旨からいくと。

↓まあお題を下さい。
16VIP村人k:2006/12/08(金) 00:18:24.69 ID:AeS5pSa90
時間
17VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:18:35.37 ID:3aXSgKP70
おいしいごはん
18VIP村人c:2006/12/08(金) 00:18:44.15 ID:UST2QyCW0
なれ合う人も、それを止める人もいるだけにバランスが取れているスレだなあ、と
最近思う。
19VIP乙女:2006/12/08(金) 00:18:48.86 ID:b+HAvkOQ0
つ 連れ合い

俺にもお題ください↓
20VIP足軽i:2006/12/08(金) 00:18:57.17 ID:QysjBDzS0
品評会のお題についてだけど
「謝罪」「ごめんなさい」っていう文字列をつかったら駄目なの?
それとも、その意味を持つ言葉自体、駄目なの?

前者なら言い回しでどうとでもなるような気がする
21猿回しの勘三:2006/12/08(金) 00:19:17.79 ID:EY6Fpl0O0
馴れ合いの時点で新しい人は入りづらいだろ
22VIP村人c:2006/12/08(金) 00:19:29.42 ID:UST2QyCW0
>>19
本屋さんの店員さん

とか、どう?
23VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:19:36.07 ID:3aXSgKP70
>>19
コード
24VIP村人t:2006/12/08(金) 00:20:09.40 ID:A5lX1j9E0
>>16,17,19
せぁんくs
25VIP村人c:2006/12/08(金) 00:20:12.11 ID:UST2QyCW0
>>20
それ、悩むところですな。
26暴れん坊VIPPER:2006/12/08(金) 00:20:39.03 ID:T2YRGe6V0
>>20
言い回しで逃げるのも腕。
全く使わないのも腕。
出題者が直接禁止したのは「謝罪」と「ごめんなさい」だけだから他の言葉は使っていいことになる。
それを封印するか、あえて使うかは作者しだいって所だね
27VIP村人t:2006/12/08(金) 00:22:03.20 ID:A5lX1j9E0
>>21
新規の人でもすんなり入って来れるような馴れ合いならいいんじゃね?



無限ループって怖くね?
28VIP乙女:2006/12/08(金) 00:22:54.04 ID:b+HAvkOQ0
>>22>>23
ありがとう

>>20>>25
腕のある人とMの人は類語も使わずに挑戦すれば良いって言ってた
29VIP村人c:2006/12/08(金) 00:23:28.52 ID:UST2QyCW0
>>26
かなり試されてる感じするなあw
まあ、ハードルは高い方がいい。
けど、越えられるかどうかってのが問題。
30VIP足軽i:2006/12/08(金) 00:23:36.81 ID:QysjBDzS0
>>25
うむ・・・
>>26
言い回しで逃げたら、文才が無いみたいな見方されないかな?
それって純粋に作品を見れなくね?
31暴れん坊VIPPER:2006/12/08(金) 00:25:25.70 ID:T2YRGe6V0
>>30
正直全く使わずに表現してくる人の方が少ないと思うぞ?w;
32VIP足軽neet:2006/12/08(金) 00:25:27.25 ID:6dMpD/iq0
「謝罪」も「ごめんなさい」も無しっていうのは
あくまでも言葉だけじゃないのかい。どうなんだい。

彼女は彼氏に、あの夏の日の忌まわしき事件を告白する。
「ごめんなさい、貴方の弟と浮気しちゃった」
    ↑
これはダメだけど


彼女は彼氏に、あの夏の日の忌まわしき事件を告白する。
「貴方の弟ってとんでもない早漏だよねー。
 あ、浮気したのバレタwwwwwサーセンwwww」
                    ↑
  これはいいってことなのかい、どうなんだい。
33猿回しの勘三:2006/12/08(金) 00:26:14.24 ID:EY6Fpl0O0
>>27
そんな馴れ合い見たことない
って言ったらそんな馴れ合いにすればいいじゃないとか言うんだろうね
この手の話題は決着つくことはないから、しょうがないけど
34VIP村人k:2006/12/08(金) 00:26:15.91 ID:AeS5pSa90
>>32
いいと思うよ
35VIP足軽neet:2006/12/08(金) 00:26:47.25 ID:6dMpD/iq0
というか、そもそも文才の無い人のスレだから問題ないって
36VIP村人t:2006/12/08(金) 00:27:11.44 ID:A5lX1j9E0
>>32
上はルール上ダメ。
下はルール上はおk。
縛りたければ自分で縛ってもよいよと主催者は仰せです。
37VIP足軽i:2006/12/08(金) 00:27:28.36 ID:QysjBDzS0
>>31
全く使わなかった人が有利に立てそうで怖い・・・
>>32
事件じゃねえじゃねえかww
38VIP村人c:2006/12/08(金) 00:27:29.31 ID:UST2QyCW0
ああ、楽しいなあ。
地の文でも言い回しで逃げなかったら、
それなりに考えないといけない。

で、しかもそれが「謝罪」になってないといけない。

かつ、面白くないとだめwwww
39VIP足軽neet:2006/12/08(金) 00:28:05.36 ID:6dMpD/iq0
自分で縛るって、とんでもないMだなオイ。
俺的には誰かに優しく縛ってもらうほうが好きだぞ。
40VIP足軽v:2006/12/08(金) 00:28:42.21 ID:6nlxcLZe0
こいつは面白い縛りだな。
謝罪か・・・

オラ、わくわくしてきたぞ!
ここ二回品評会に出してすらいないが。
41VIP村人c:2006/12/08(金) 00:29:13.59 ID:UST2QyCW0
>>39

『おにいちゃん、類義語もぜーんぶつかっちゃだめ、ね?』

こんなかんじ?
42VIP村人xxx:2006/12/08(金) 00:29:21.77 ID:kq+0z69dO
携帯からの投稿でも大丈夫ですか?
大丈夫ならお題ください( ^ω^)
43VIP村人x:2006/12/08(金) 00:29:32.57 ID:n/JWaEEXO
前回出した三バカをもっかい出すかどうかで悩んでる
44VIP魔法使い:2006/12/08(金) 00:29:41.81 ID:UKqgcBhO0
今北
暇だし書いてみよっかな
45VIP村人c:2006/12/08(金) 00:30:00.32 ID:UST2QyCW0
>>42
冬の雨

とか、どう?
46VIP足軽e:2006/12/08(金) 00:30:07.41 ID:sajzi2dx0
最悪、使っても選外になる訳じゃないから好きに書けばいいんじゃね?
47VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:30:09.94 ID:3aXSgKP70
>>42
構わない。
お題「とぶ」
48VIP足軽i:2006/12/08(金) 00:30:28.38 ID:QysjBDzS0
私は彼に、謝罪しなければいけないのだ。
私は彼に、謝らなければいけないのだ。

なんていうか硬さ少しが変わるだけじゃね?
49VIP村人t:2006/12/08(金) 00:30:43.11 ID:A5lX1j9E0
>>33
お兄さんはそういう賢い子は大好きだぞ
50猿回しの勘三:2006/12/08(金) 00:30:46.55 ID:EY6Fpl0O0
使っても選外にならないってのがなんとも不思議
51VIP足軽neet:2006/12/08(金) 00:30:54.63 ID:6dMpD/iq0
そりゃまあ、ツンデレとか出して
素直に謝れないとかそういう話書けば良いんじゃないのか。
そうすれば、まあ、なんだ。

あの時も言えなかった言葉は、彼の唇で塞がれた。

とか何とかして、ごめんなさいと言わせなきゃいいじゃねーの。
そういえばあのタトゥーもGOMENNASAIとかいう曲出してるよな。
52VIP村人c:2006/12/08(金) 00:31:05.55 ID:UST2QyCW0
>>43

……なっきー?
53VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:31:10.20 ID:4/VrDfKc0
前スレでお題もらったやつ
投下島
背中ね
がんばってシリアス書こうと思ったんだけど・・・・
5442:2006/12/08(金) 00:31:16.05 ID:kq+0z69dO
では先に>>45さんから

みなさんお題ありがとうございます
55VIP村人k:2006/12/08(金) 00:31:54.95 ID:AeS5pSa90
つまり、ツンデレキャラを出せば誰かと被る危険性大ってことだな
56暴れん坊VIPPER:2006/12/08(金) 00:32:14.28 ID:bBRQX/Um0
もともと品評会って腕試しでしょ?
とことんできるとこまで試してみたらいいじゃない
できないならできないでそれもいいじゃない
57VIP村人c:2006/12/08(金) 00:32:22.63 ID:UST2QyCW0
>>55
みんなが敬遠するかもしれないよ?
58VIP乙女:2006/12/08(金) 00:32:51.15 ID:b+HAvkOQ0
>>43
キスケに期待w
59背中 1/3:2006/12/08(金) 00:32:56.52 ID:4/VrDfKc0
背中

背中が好きだった。
その頼りない背中が。
それでも俺を引っ張ってくれた小さな背中が、何よりも好きだった。
愛しかったのだ。
でも、コレは伝えることの出来ないものだ。
彼女はきっと困るから。

放課後の教室。鮮やかな金色の光が、優しく照らしている。
「どうしたの?こんな時間に」
 ふいに声がかけられた。好きな声だった。
「まあ、旅立つ前に挨拶でも、と思って」
「ええ? そんな改まらなくてもいいのに。いいよぅ、笑ってサヨナラしようよ!」
俺は思わず苦笑した。そういうところはまるで変わっていない。
何一つとして、変わっていないのだ、彼女はーーーーーーーー。
60暴れん坊VIPPER:2006/12/08(金) 00:32:58.82 ID:T2YRGe6V0
>>44
紙飛行機で
61VIP足軽i:2006/12/08(金) 00:33:29.89 ID:QysjBDzS0
>>57
そか、じゃあツンデレ出そうか
62背中 2/3:2006/12/08(金) 00:33:46.63 ID:4/VrDfKc0
彼女に初めて会ったのは、とても昔のことだった。
記憶は霞がかったように不明瞭で、とても曖昧だ。
それでも、覚えている。
俺を救ったのが誰で、何から俺を救ったのかを。

イジメ。対抗するすべを持たない俺。引きこもり。忘れられていく俺。とてもありがちな組み合わせのピース。
そのピースをねじ曲げて、強引にはまってしまった変わった形のピース。
いっそ、そのまま忘れられてしまえば良かったと思ったこともあった。
それでも彼女は、勇敢に立ち向かった。
圧倒的に不利な構図。
たくさんの子供たちと、たった一人の子供。それを傍観しておきながら、見ていないと主張する他人。
そこに割って入ったのは昨日まで傍観者だった、彼女だった。
歪んだ構図。
たくさんと一人と、彼女。
彼女はりんとしていた。かっこ良かった。その背中に、俺はあこがれを抱いた。
弱いものを守る、上に立つ者のそれ。
やがて、たくさんの子供たちは去っていった。そうさせるだけのものを、彼女は持っていた。
それから、たくさん遊んだ。初めて知った。人と遊ぶのが、こんなにも楽しいものだなんて。
そうして一日の最後には、
「また明日!」
手を振って、笑って別れた。

その日から、俺は救われていたーーーーーーー。
63VIP足軽neet:2006/12/08(金) 00:33:52.25 ID:6dMpD/iq0
>>41
そういう意味じゃなくて、こうロープでだな。
手と足だけ縛って体育座りとかそういう人質っぽい
縛り方がいいんだな。

ツンデレがダメなら喋れない女の子出せばいいんだ。
64背中 3/3:2006/12/08(金) 00:34:32.60 ID:4/VrDfKc0
「引っ越し、明日だっけ?」
「いや、今日。都合が変わった」
「そっか」
取り留めのない会話。たくさん話したかった。
やがて。
訪れる、長い沈黙。
伝えたい言葉があった。それは同時に、伝えなくてはならないものだった。
逡巡を幾度も巡らせる。
彼女は黄昏を見つめていた。
そうして、最後に。
俺は言葉を絞り出した。
「あのさ」
「うん」
期待に染まる彼女の顔。
「ありがとう」
「・・・・・・うん」
少し失望したような、彼女の顔。と感じてしまうのは、うぬぼれだろうか。
「それじゃ」
彼女は笑顔で。
「サヨナラ、だね」
何も言えなかった。その笑顔の前では。
「そう、だな」
俺が少し手を伸ばせば、隣に立つことは出来たのだろうか。
並んで歩くことは出来たのだろうか。
彼女はきびすを返し去ってゆく。
その背中はやっぱりかっこ良くて。

あの日のものと、何一つ変わっていなかったーーーーーー。

65VIP皇帝:2006/12/08(金) 00:35:12.85 ID:QysjBDzS0
>>63
ではおまいには「手足を縛られ身動きできない上、目の前で外人と妹がチョメチョメ」
の刑に処する
66猿回しの勘三:2006/12/08(金) 00:35:36.78 ID:qrq14MaT0
ツンデレでロリで魔女っこでエルフでマッチョなボクッ子なら被らないだろう



問題はどうやってそんなモノを出すかと言うことといずれかの要素を忘れてしまわないかと言うことだ。
67VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:37:31.45 ID:4/VrDfKc0
>>66
2・3個抜いてもかぶんねーよwwwwwww
68VIP足軽q:2006/12/08(金) 00:37:54.92 ID:JCWEoeNU0
前スレ>>932のお題「夜」がかけたので投下します。
69VIP足軽neet:2006/12/08(金) 00:38:33.36 ID:6dMpD/iq0
あとは謝罪という概念がない人間を出すとか。
自分の行動に罪の意識がないとかいう人間だな。
で、あきらかに謝罪が必要な場面に出くわして
そいつに罪の意識と言うものが芽生えて
初めて味わうその感覚に戸惑いつつも
不器用に謝罪しようとする様子を書くとか。

>>65
なんでそこで外人が出てくるのかがわからない。
欧米か
70VIP乙女:2006/12/08(金) 00:39:33.78 ID:b+HAvkOQ0
>>59
良い感じの話。
できればいじめっ子と対決する場面を一個挟んで欲しかったかも
誰かが言うと思うけど「ーー」は「――」が正しい使い方
あと、あんまり多用するのはお勧めしない
ここは使わないわけにはいかんだろう! というこだわりの一箇所に使って欲しい
71暴れん坊VIPPER:2006/12/08(金) 00:39:51.53 ID:T2YRGe6V0
はい、俺のネタ一個つぶれたーwwww
72VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:39:58.74 ID:4/VrDfKc0
>>69
いい設定だな。少し借りるぞ
73VIP村人c:2006/12/08(金) 00:39:59.01 ID:UST2QyCW0
>>66
ついでにガトリング砲とか装備したらなお良し。
741/4:2006/12/08(金) 00:40:09.68 ID:JCWEoeNU0
 真夜中、私は玄関チャイムが鳴る音で目を覚ました。今日は使用人たちも休みをとっている。一回のチャイムで私が目覚めたのは、訪問者にとっては運が良かったといえるだろう。もっとも、私にとっては快い眠りを妨げられ、とても気持ちのいいものではなかったが。
 地面を叩く雨のノイズが聞こえる。外は余程の大雨なのだろう。冬の大雨ほど冷たいものはない。
 唐突に、訪問者を待たせていることを思い出し、私は慌てて身を起こした。傍にあったガウンを手に取り無造作に着込んだ。ベッドの温もりを惜しみながらスリッパに足を引っ掛け、部屋を横切った。
 部屋を出る瞬間に反射的に時計に目をやった。時計の針は2時30分を指して蒼白く光っていた。

「どちら様ですか」
「俺だよ」
 ドア越しの男の声に、私は思わず首を捻る。咄嗟に思いあたる人物がいなかったのだ。それとも、酷い雨音が声を掻き消しているせいだろうか。様々な人間の顔が浮かんでは消えるが、どれもしっくり来ない。
 もう一度声を聞くために、私は再び、遠慮がちに声をかけた。
「あの……すみません、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」
 沈黙。
 ――不意に、訪問者は声を立てて笑い出した。
 突然の笑い声に、私はびくりと震えた。それが突然のものだったから、という理由では済まないほどの震え。雑音の中、その笑い声だけが異様にはっきりと聞こえた気がするのは私の錯覚だろうか。
「忘れたのか? ……はっ、そうだろうな。あんたは俺とお袋を捨てたんだからな」
 訪問者の言葉を頭の中で繰り返したとき、私はすでに反射的にドアを開けていた。

 ずぶ濡れの少年が立っている。
75VIP足軽i:2006/12/08(金) 00:41:03.66 ID:QysjBDzS0
会えて自分が考えたネタをここで晒して
被ってる人を蹴落とすのもいいかもしれないね
762/4:2006/12/08(金) 00:41:09.39 ID:JCWEoeNU0

「……遼……」

 私は――彼を知っている。

 ドアが開かれたことに気付いたのか、遼は笑うのをやめ、その切れ長の瞳で私を鋭く見据えた。研ぎ澄まされたナイフのようなその視線が、真希のそれを彷彿とさせる。
 濡れて額に張り付いた前髪を鬱陶しそうに払う彼を見て、私ははっと我に返った。思い出したようにまた、激しい雨音が聞こえだした。
「……と、とにかく中に入りなさい、そんな格好じゃ風邪を……」
 薄手のロングコートを一枚羽織っただけの遼の姿を一瞥し、私はドアを全開にする。一月の真夜中、傘も差さず冷たい雨を全身に浴びてここまでやって来たのだ。意図はまだわからないが、少なくとも寒くないわけがない。
 中に入るよう促したが、遼は何をするでもなく暗闇と灰色の豪雨をバックに、冷たく私を見つめ続けるだけだった。
 どこかから遠雷が聞こえる。
「……が……」
 それに掻き消されそうなほどのか細い声が、辛うじて私の耳に入った。
 タオルを取りに行こうとしていた私は、ふと後ろを振り返った。やはり、遼は私を真っ直ぐに見つめ続けている。いくら血縁とはいえ、ここまでされると不気味だった。
「――どうした?」
 私が訝しげに問うと、遼は再び唇を動かした。激しい雨音に掻き消されそうな小さな声で、彼は短い言葉を口にした。
77猿回しの勘三:2006/12/08(金) 00:41:22.91 ID:qrq14MaT0
ツンデレでロリで魔女っこでエルフでマッチョなボクッ子が銃器ぶっ放すのか…


何となくビスケとトリエラを融合したらできそうなキャラだな。
783/4:2006/12/08(金) 00:41:44.21 ID:JCWEoeNU0

「さっき、お袋が死んだよ」

 耳を疑った。
「何……だと?」
「お袋が死んだ。何度も言わせるな」
 真希が――真希が死んだ?
「どうして……」
 うろたえているのが自分でも分かる。一瞬の間に様々な思考が頭を駆け巡るが、そのどれひとつをとっても、私は理解していなかった。
 そして断片的に過ぎっていくのは、真希の顔。最後に彼女を見たのは、一体何年前になるのだろう。そして最後に遼を見たのは――。
 雨が、開けたドアから室内に吹き込んでくる。霧吹きで湿したかのように、私のガウンをしっとりと濡らす。
「妙な病気に引っ掛かったらしい」
 先程の笑い声が嘘のように、その言葉には感情の欠片すら感じられなかった。
 ――嘘。そう、嘘ならいい。これがすべて嘘であってくれれば。
 ふと、呆然と立ち尽くす私から視線をそらし、遼は私の家の中を覗き込んだ。興味深く、という訳ではないらしい。その視線はむしろ、品定めに近かった。
「……家族を捨てて、金と女が手に入るなら安いってか?」
 空になってしまった私の心に、彼の言葉が鋭いナイフとなって突き刺さる。無駄な感情をすべて排除し、鋭く鋭く磨き上げられたナイフとなって。

 真希の死を悼む資格が、私にあるのか?
 遼は私を恨んでいるだろう。
 真希だってそうに違いない。
 なら何故、遼は私に真希の死を報せたのだろう。

 そして気がついた時、私は鈍く光る銃口を目にしていた。

 雨が激しくなる。
79VIP乙女:2006/12/08(金) 00:42:09.34 ID:b+HAvkOQ0
>>50
たぶん試されてるんだよ
覚悟とか向上心とかじゃなくて、M度をw
804/4:2006/12/08(金) 00:42:43.09 ID:JCWEoeNU0
 呆気無い。
 眉間から血を噴き出しゆっくりと倒れていく男の姿を見ながら、俺はぼんやりとそう思った。「男」というのは、正確に言うのならば俺の「元親父」なのだが、
生憎俺には、この男に捨てられた瞬間から「親父」と呼べる存在がなくなっている。
 それにしても意外だったのは――お袋が、ここまで来てもこの男を愛していたということだった。
 長い闘病生活のせいで、もう既に精神が壊れてしまっていたからなのかも知れないが……それでもお袋は、確かに、死の間際にこう言った。

『あの世であのひとに逢いたい』
 俺は、お袋の最後の願いを叶えるためにここに来た。
 そして俺は、お袋の最後の願いを叶えてみせた。

 雨がこんなに激しかったのは、運が良かったのかも知れない。今の銃声も、雨音に掻き消され、俺自身にもあまり聞こえなかった。
もっとも、こんな閑静な森の傍の屋敷になど、誰もわざわざ足を運びはしないだろうが。。
 死体に背を向け、ほとんど水に浸したような状態になったコートのポケットに銃を突っ込む。
 未だ雨の降りしきる道へと歩き出そうとした時……不意に、ポケットの中の手に“何か”が触れた。

 ジャックナイフ。

 もしあいつに銃を向けて抵抗されていた、ナイフで不意を突いて殺すつもりだった。別に抵抗されたというわけでもなかったので、このナイフは使わずに終わった。
 だが本音を言えば……俺はこれで殺したかった。
 あの男が俺とお袋を捨てる少し前、もう5年ほど前になるが、あの男の書斎でこれを見つけた時は、近いうちに殺されるのではないかと思った。
あの男に別の女がいるということは薄々感付いていたので、まさかこれで俺とお袋殺して――という想像をした瞬間には、背筋が凍りついた。
 俺がこっそりとナイフを隠した三日後、あの男は消えた。

「墓標でも立ててやるか」
 ナイフを取り出し、眺めながらふと呟く。

 男の胸にナイフを突き立て、俺は振り返らずに雨の中へと歩き出した。
81以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/08(金) 00:43:19.50 ID:VGjXL/3j0
謝罪の言葉を唇で止めるとかも無しな
82VIP足軽q:2006/12/08(金) 00:43:57.23 ID:JCWEoeNU0
>>74 >>76 >>78 >>80
「夜」は以上です。
よければ批評お願いします><
83VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:44:17.59 ID:4/VrDfKc0
>>70
ーーーーーーーは回想を区切る意味で使ったのです。
テンプレのサイトに書いてあったんですが、どの表記が正しいのかいまいちよく分かんなかったので・・・・・・・

シリアスむずいなあ・・・・
84VIP村人xxx:2006/12/08(金) 00:44:54.18 ID:YFLvUyMT0
>>59
とりあえず一時間で書いてきたお前に乾杯。
読者は駄目な主人公には無意識的に人間的成長を期待する
法則があるので、背中を強調するのはいいが
告白はしたほうが良かったのではないか?とは思う。
彼女をあえて具体的に描写しなかったのは良かった
85VIP村人c:2006/12/08(金) 00:45:23.79 ID:UST2QyCW0
>>59
すっきりよめました。いい話だなあ。
安易に告白しちゃわないところとか。

引っかかるとしたら、2レス目の2段落目かな。
イジメと、助けてくれた彼女の関係を書いている所だけど、
ちょっとわかりにくい感じがあるかもしれない。
この雰囲気も良いと思うんだけど、抽象じゃあなくて、
具体的に誰がどうした、というのをもう少し書いてしまっても
いいかもな、とは思いました。
86VIP村人c:2006/12/08(金) 00:47:16.35 ID:UST2QyCW0
>>84
ああ、そういう意味をもたせられるか……<告白
しまった浅かった。
87VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:51:50.36 ID:4/VrDfKc0
>>82
かっこいい話だった。
うーん、あまり難しいことは言えないけど、視点が変わったとこで一瞬戸惑った。
でもすぐ分かったからいいのかな。
主人公が誰なのかよく分かんなくて置いてけぼりくらった気分になった
88VIP村人xxx:2006/12/08(金) 00:52:48.87 ID:YFLvUyMT0
>>86
見事に俺との意見の真逆を言ってるwwww

……とまぁ、人の意見はそれぞれだということがわかってもらえると
いいんじゃないのか?……作者混乱するだろうなwwwww
89VIP村人s:2006/12/08(金) 00:53:37.26 ID:koMGXCl00
>>59
良い話だと思った
ただ、パズルのピースのくだりでは「強引にはまった」じゃなくて「すっぽりと居心地よくはまった」のほうがいいんじゃない?
直前のフレーズが「ありがち」なんだから、そのほうが抗えなかった感が出るような気がするぜ
90VIP乙女:2006/12/08(金) 00:54:44.13 ID:b+HAvkOQ0
>>74
割り込んですまん

抵抗せずに殺された男は、やっぱ妻と子のことに罪悪感持ってたんだろうなあ・・・
うーん、男の一人称で始まったから、子どもよりも男に感情移入してしまうw

続いて違和感。金持ちらしさが足りないです。
使用人を雇うような家のチャイムが主人の寝室まで届くのか?
監視カメラとマイク付きのインターホンくらいついてそうなもんだがどうなのか?
そもそもそれだけの邸宅に門も何も無くいきなり入り口のドアまで客が来るのって良いの?
などなど
また、息子さんに銃を使わせた意味もわからない。銃って高いよ?
少なくとも金のために妻と子どもは見捨てられたのだから、この二人は貧乏なはずなのでは
総じて、リアリティが薄くなってしまっています。

4レスという長さで一人称の主体を変えるくらいなら、
初めから三人称で書いたほうが混乱しなくて良いと思う。
91 ◆Xenon/nazI :2006/12/08(金) 00:56:14.31 ID:iIoK3gn40
過去スレ、過去ログ倉庫ともに更新完了。

htmlで見たい人 →
ttp://bnsk.jf.land.to/log/

zipで欲しい人 →
ttp://bnsk.jf.land.to/zipsouko/pastlogs.html

bnskアワード準備中 →
ttp://bnsk.jf.land.to/wiki/bnskaward2006/index.php
92暴れん坊VIPPER:2006/12/08(金) 00:58:26.16 ID:T2YRGe6V0
>>91
運営お疲れ
93VIP乙女:2006/12/08(金) 00:58:52.88 ID:b+HAvkOQ0
>>91
乙ー

というか、初期の品評会優勝作品のクオリティがありえないくらい高い
セブンスターにさようならとか良い話すぎるw
伝説の旅人とかも語り手のおっさんが魅力的ですばらしいw
94VIP足軽MS:2006/12/08(金) 00:59:13.83 ID:4/VrDfKc0
>>84 >>85
批評トンクスコ
精進します


まじめな話は書いてて頭痛くなるorz
もいっちょお題カモン
95VIP村人c:2006/12/08(金) 00:59:14.60 ID:UST2QyCW0
>>88
うはwwww
最終的には作者が見せたいもの、主張したいこと、印象づけたいものが
何か、によってどっちに流すかは決まってくるよね。

たぶん、今、学生の人に向けて、であれば、確実に成長させた方が
カタルシスがあるから、>>84さんのいう、告白して、って方が良いだろうし、
学生ではない読者に向けるなら、多分、イジメよりも過去の思い出ちっくな
部分にフォーカスするだろうから、じんわりした印象を残して終わって、
告白はしなくてもOKかと。

このスレはいろんな人がいるからなあwwww
96VIP村人d:2006/12/08(金) 01:00:43.11 ID:UST2QyCW0
>>91
乙ー。

職場から2chはブロックされていてみれないんですが、
このサイトのおかげでとても助かってます。
97牛のふん:2006/12/08(金) 01:01:01.90 ID:b+HAvkOQ0
>>94
眼鏡の委員長
98VIP足軽wktk:2006/12/08(金) 01:02:20.44 ID:4/VrDfKc0
>>97
そのワード自体が懐かしい・・・・・・
俺めがね大好き好き好き大好き!
99VIP足軽wktk:2006/12/08(金) 01:04:10.04 ID:4/VrDfKc0
>>97
うはwwwwwwwテラナツカシスwwwwwwww
最近じゃそんな設定見なくなったもんな・・・
三つ編み・メガネ・ドジっこ・委員長と来たら昔は定番だったのになぁ・・・・・・
100VIP村人u:2006/12/08(金) 01:04:43.02 ID:1POWkhBM0
言葉じゃない謝罪の形ってやたら限られるな。
これは相当の捻りを入れないと駄目っぽ。
101VIP足軽wwwww:2006/12/08(金) 01:05:20.20 ID:6nlxcLZe0
>>99
余りにも記号化されすぎて、使われなくなったんだろうな・・・
そのうち金髪ツインテールツンデレとかもそんな物になるんだろうか。
102北町奉行:2006/12/08(金) 01:06:21.34 ID:EY6Fpl0O0
>>99
すもももももも読め
ただしその属性にウマ仮面が加わるが
103VIP足軽roop:2006/12/08(金) 01:06:35.09 ID:JCWEoeNU0
>>87
ありがとう。
視点は変えようと思ってたけどどうやって変えれば良いかわかんなかったから
男が死ぬ、情景描写、息子にチェンジって風にしてみた。
やっぱり分かりにくかったみたいだから反省します。
あと一応主人公は男、訪問者に殺されるって形で書き進めました。

>>90
設定の違和感ですか…。かなり甘かったみたいですね。
次からは設定で違和感や矛盾がなくなるように…したいですね。
三人称で書く場合はよく書籍であるみたいにいったんなんかで区切ってから、
視点を変えれば良いんですよね?
これも練習不足だな。
精進します。批評ありがとう。
104VIP村人d:2006/12/08(金) 01:07:00.32 ID:UST2QyCW0
>>99
おいらが、こないだ読んだ本に出てきた委員長は、
三つ編み・メガネ+デスメタル好きだったw
105牛のふん:2006/12/08(金) 01:09:32.50 ID:b+HAvkOQ0
>>95
反応で年がばれるわけだな?w

しかしまあ、本当にいろんな人いるよな
昨日落語の元演者がいたりしてびっくりしたw
・・・まさか文才溢れる本職、こっそり批評に来て無いだろうな?
106VIP村人P:2006/12/08(金) 01:10:06.62 ID:YFLvUyMT0
ここで今思いつく限りの言葉じゃない謝罪方法書いたら
殺されるんだろうなwwwwww
107VIP村人u:2006/12/08(金) 01:11:09.61 ID:A5lX1j9E0
謝罪というか懺悔になりそうだ
108牛のふん:2006/12/08(金) 01:11:40.60 ID:b+HAvkOQ0
>>98
男とも女とも書いていないのにwwww
ズバリ、まるおの立場がないでしょうwww

当然、そばかすもつけてくれるんだろうな? 三つ編みの委員長には
109VIP村人d:2006/12/08(金) 01:12:23.85 ID:UST2QyCW0
>>105
ああ、ばればれさw

読む人のことを考えると、何をテーマに据えるか、とかはある程度
考えなきゃなあ、って最近思ったところ。
110VIP村人d:2006/12/08(金) 01:13:43.13 ID:UST2QyCW0
男の委員長なんて、保険医が男くらいミスキャストだ。
111北町奉行:2006/12/08(金) 01:15:23.38 ID:EY6Fpl0O0
男が委員長なら、その委員長は仕事をまったくせず、仕事を全部、眼鏡っ娘の副委員長に押し付けるって展開だな
112VIP足軽j:2006/12/08(金) 01:16:34.16 ID:QysjBDzS0
正直、男の委員長は、男子の策略で無理やり推薦された可哀想な子
113VIP足軽v:2006/12/08(金) 01:17:02.57 ID:sfa28KsS0
委員長の話題で盛り上がっているところだがお題をもらいたい
114牛のふん:2006/12/08(金) 01:17:06.74 ID:b+HAvkOQ0
>>110
お前は今グリーンウッド好きな俺を敵に回したw
115VIP足軽roop:2006/12/08(金) 01:17:07.72 ID:JCWEoeNU0
>>110
それなんてハレgry
116VIP村人P:2006/12/08(金) 01:17:34.66 ID:YFLvUyMT0
目立ちたい奴や内申目当てで立候補する奴も居る
117VIP村人P:2006/12/08(金) 01:18:10.21 ID:YFLvUyMT0
>>113
人類総コテハン宣言
118牛のふん:2006/12/08(金) 01:18:33.30 ID:b+HAvkOQ0
>>113
屋上で授業をサボる不良
119VIP足軽v:2006/12/08(金) 01:20:17.10 ID:sfa28KsS0
>>117 >>118 把握
とんでもないものができそうな悪寒だぜ
120VIP村人P:2006/12/08(金) 01:21:22.21 ID:YFLvUyMT0
>>119
すまん、調子のりすぎたwww
しかし期待している
121VIP足軽v:2006/12/08(金) 01:22:23.30 ID:sfa28KsS0
テスト勉強の気晴らしにぱぱっと書いてくるお
出来は期待しないでくれ
12242 冬の雨:2006/12/08(金) 01:23:07.53 ID:kq+0z69dO
「寒い…」

彼はそれだけ、呟いた。
言葉と同時に白い息が吐かれ、そして消えた。

今日は雪でも降るんじゃないか。
手が悴んで気持ちが悪い。体の先端の感覚がなくなって、芯から凍えてしまいそうだ。

それでも、なぜか目頭の熱はとれない。



――彼との二年間は今日、過去になる。
12342 冬の雨:2006/12/08(金) 01:23:27.93 ID:kq+0z69dO
彼との始まりは雪の日だった。

今日と同じくらい寒い日で、バイトが終わったら二人で肉まんでも食べようかと話していた。

バイトが終わり外へ出ると曇り空で、決してロマンティックとはいえない天候。
目的は肉まんだから、最初から色気なんてないのだけれど。

ただ、少しだけでもデートのような雰囲気があっても良いのではないかと。

ふと神様にお願いしてみた。
12442 冬の雨:2006/12/08(金) 01:24:47.88 ID:kq+0z69dO
「寒いねえ」

コンビニの前に、迷惑だと分かっていながら座り込んだ。
買ったばかりの肉まんが入っている袋からはもくもくと湯気が出ている。

彼は熱いうちに食べないともったいないと意気込んで、私に差し出してくれた。

一口かじって、予想外の熱さに唇を開いた。

「すげえ。息すごい白い」

彼は嬉しそうに報告してきた。
そんなの見ないで欲しかったけど、彼の笑顔を見たら何もかもどうでもよく感じられた。
12542 冬の雨:2006/12/08(金) 01:25:26.22 ID:kq+0z69dO
「今日、雪降ると思う?」
「どうだろう。でも、降りそうだね」
「降ると良いなあ…」

降ったらもっと寒くなっちゃうよ。

私は言って、失敗したなあと思った。
さっき自分で願ったのに。彼の気持ちは少しだけ理解していたはずなのに。

少し黙って彼は言った。

「あったかくしてくれる人が側にいる」

頬が、焼けたかと思った。



雪がひらりと舞い散る。
12642 冬の雨:2006/12/08(金) 01:25:53.14 ID:kq+0z69dO
十八歳の私たちは十九歳になった。
相変わらず私たちは同じバイト先で働いていた。

変わったのは、関係だけ。



私が二十歳になった時、嬉しいことが起きた。

彼の就職が決まったのだ。

大手、とは言えない。中堅、とも言えない。
けれど場所も近い、そこそこの会社。

頑張って働いて来る、と言って出て行った彼の背中はなぜか大きく感じた。
12742 冬の雨:2006/12/08(金) 01:26:20.27 ID:kq+0z69dO
冬になった。

私たちはだいぶ変わってしまっていた。

彼の会社はだいぶ軌道に乗っているらしく、来る日も来る日も残業だった。

私は私で、大学卒業に向けての論文完成のために日々を費やしていた。

彼とたまに会っても楽しくなかった。楽しんじゃいけないような気がした。

学生の私と、会社員の彼。

負担の量が圧倒的に違う。
追われるものの量が違い過ぎる。

彼に無理やり暇を作らせてはいけない。私のために無理をさせてはいけない。

そう思ったら、いつの間にか笑えなくなっていた。
12842 冬の雨:2006/12/08(金) 01:26:42.20 ID:kq+0z69dO
母からの電話。
なかなか仕事の見つからない母からの気遣いだった。

地元の保育園が保育士を募集しているとのこと。
しかもそこは母が出たところで、少しだけ顔が効くと。

だから、戻ってきなさい。



迷いはなかった。

もう笑い合う日々はない。

お互いの抱えるものが多くなって、分けられなくなった。与えられなくなった。



帰ろう。
12942 冬の雨:2006/12/08(金) 01:27:05.48 ID:kq+0z69dO
「別れましょう」

言葉は案外すらりと出て来るもので自分自身驚いてしまう。
二年間の日々を終わらせる覚悟が本当にあるのか、自分でも分からない。

彼は寒い、と一言だけ。

私はさようならと、逃げるみたいにその場を去った。



そうじゃないでしょう。
寒い、じゃないでしょう。

期待していた。
止めてくれるんじゃないかって。
腕にある重さを忘れて、私を抱き締めてくれるんじゃないかと。

現実は違う。
ねえ、私がいなくなって良かったなんて思っていないよね?
私といた日々に、何でもいい、意味があったと思って欲しい。
13042 冬の雨:2006/12/08(金) 01:27:27.53 ID:kq+0z69dO
空気が自分を裂こうとしているんじゃないかと思う。

歩く度にあまりの寒さに目をつぶりたくなる。

でも止まれない。

止まらない。



頬を何かが伝った。
私は勢いよく空を見上げる。



雨だった。
131VIP下手人:2006/12/08(金) 01:27:32.67 ID:bBRQX/Um0
さるさけ
13242 冬の雨:2006/12/08(金) 01:27:47.16 ID:kq+0z69dO
神様は最後の最後にチャンスを与えてはくれなかった。

攻め立てるような音を立てて雨は落ちて行く。

その場にしゃがみこめば、背中に降り注ぐ冷たい雨。



あなたはどうか寒さに負けないで。

いま思うのはそれだけ。



あの暖かさは、もうない。
13342:2006/12/08(金) 01:28:54.28 ID:kq+0z69dO
>>132で「冬の雨」終了です
スレ汚しすみませんでした

もし良ければ感想などいただきたいです
134牛のふん:2006/12/08(金) 01:39:29.79 ID:b+HAvkOQ0
>>122
しんみり。良い話。面白かった
心理描写が良くできてる。お題も上手く使えていると思う。

気になった点
改行に頼りすぎている感がある。
確かに、改行使うと間とかを手軽に表現できるけど、文章がぶつ切りになってしまう
場面転換や時間の経過など、必要な時だけ一行空けを使うようにしたい

>なかなか仕事の見つからない母からの気遣いだった
「私への」が抜けてるwこれだとお母さんが無職
135VIP下手人:2006/12/08(金) 01:40:50.80 ID:T2YRGe6V0
>>133
非常に感情移入しやすい話だった。
というか、会社員と学生というのは俺の傷口…死ねる。
改行に頼りすぎな印象を持った。
改行で行間に含みを持たせるのはよくある手法なんだけど、これはやりすぎ。
ここぞ、って所だけ開けた方がいいと思う。
136VIP足軽j:2006/12/08(金) 01:41:40.34 ID:QysjBDzS0
謝罪の話を書こうとすれば
謝罪の場面が訪れる。
ああどうしよう。どうしよう
137VIP村人u:2006/12/08(金) 01:43:02.86 ID:A5lX1j9E0
>>122-
未完成の魅力があるね
磨くべき場所は見つかるけど、そこを磨くとくすんでしまいそうな
もっと短く書けるのにもったいない、
と思ってしまうのはこのスレになれ過ぎたせいかな。

熱の描写に着目してるのはとてもいい。
ただその二つの対比が分かりづらいと思った。
>>122の「目頭の熱はとれない」
>>132の「あの暖かさは、もうない」
これは同じ時間にある描写だよね?
形容が互いに矛盾してるような気がして最後で引っかかった。
138VIP村人P:2006/12/08(金) 01:44:01.52 ID:YFLvUyMT0
>>95
お題もクリアしてるし、失恋話なのはいいけど、ただそれだけだね。
彼のどこが好きだったのか?
長いこと付き合って別れたくないと思ってるのに
どうして縋りつかないのか?
このままじゃ綺麗に別れましたというだけの話になってしまう
……と、恋愛ものをまともに読まん奴が言ってみる
あ、それと改行は少なめに
139VIP村人u:2006/12/08(金) 01:45:49.49 ID:A5lX1j9E0
>>137
>その二つの対比
と書いたのは熱と寒さの対比のことです。
イージーミスすまん。
140VIP皇帝:2006/12/08(金) 01:46:11.78 ID:YFLvUyMT0
>95じゃなくて>>122だよ
何やってんだ、俺
14142:2006/12/08(金) 01:50:24.06 ID:kq+0z69dO
みなさまレスありがとうございます…(´;∀;`)

表現したかったのは「熱」なのですが、読み取ってくださった方もいらっしゃったようで、嬉しい限りです

改行のし過ぎにははっとしました。
今までこれで良いのかと思っていたもので

表現の部分にも詳しく解説してくれて…(´;ω;`)ウッ

客観視してくださるというのはとても貴重なことなんだなあと思いました

文ミスも多くてすみません
母さんが無職はきついw

みなさま、ありがとうございました
142北町奉行:2006/12/08(金) 01:51:34.77 ID:EY6Fpl0O0
品評会作品できた\(^o^)/
143VIP下手人:2006/12/08(金) 01:52:00.98 ID:T2YRGe6V0
>>142
はえーよwwww
144VIP足軽flash:2006/12/08(金) 01:52:55.45 ID:sajzi2dx0
はえーなw
145VIP足軽wwwww:2006/12/08(金) 01:53:26.70 ID:6nlxcLZe0
>>142
その速筆に嫉妬
146VIP村人P:2006/12/08(金) 01:53:30.94 ID:YFLvUyMT0
>>142
謝ったのか?
147以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/08(金) 01:53:49.24 ID:VGjXL/3j0
>>142
今すぐ投下だ!!
148VIP下手人:2006/12/08(金) 01:54:43.66 ID:T2YRGe6V0
>>147
ちょwwww対象外になるwwwwwwww
149VIP足軽v:2006/12/08(金) 01:55:03.65 ID:sfa28KsS0
>>147凄いトラップに噴いたwwwww
150愛のVIP戦士:2006/12/08(金) 01:55:10.46 ID:kej9QOzL0
お題><
151VIP下手人:2006/12/08(金) 01:55:41.21 ID:T2YRGe6V0
>>150
海賊
152VIP足軽flash:2006/12/08(金) 01:56:02.26 ID:sajzi2dx0
つ冤罪
153VIP村人P:2006/12/08(金) 01:56:11.16 ID:YFLvUyMT0
>>150
世界の中心
154北町奉行:2006/12/08(金) 01:56:35.90 ID:EY6Fpl0O0
>>146
謝ってる言えば謝ってる。
謝ってないと言えば謝ってない。
って感じ
155愛のVIP戦士:2006/12/08(金) 01:56:40.93 ID:kej9QOzL0
>>151
把握wwww
156VIP足軽p:2006/12/08(金) 01:56:48.17 ID:0xgRE0b00
委員長投下島
眠くて変な話になってしまった・・・・
どうしよう、でも一応晒していきますね。
157VIP足軽p:2006/12/08(金) 01:57:54.08 ID:0xgRE0b00
眼鏡っ娘委員長万歳

 頭いてぇ。バファリン飲むか。
 そう思い立ちあがったのは、すでに午前の二時を過ぎたときのことだった。
 私は委員長。しかも眼鏡。今では絶滅危惧種に指定されている、あの眼鏡委員長である。
 品位方向、成績優秀、人望厚いみんなのリーダーである私に一切の妥協は許されない。
 プレッシャーである。いい意味で。
 適度な重圧は、時として実力以上のものを発揮させる。
 まじめな私は、バファリンを飲み終えると今日の反省をすることにした。
 勉強飽きたし。
 ラジオの電源を入れる。深夜にも関わらず、やたらテンションの高いDJが喚き散らしている。何言ってるか分かんねえよ。
 彼の駆使している言語を理解できるものが、果たしてこのJAPANに何人いることだろう。とてもエキゾチックである。
 意味分かんねえよ。
 駄目だ。夜が更けるにつれ、私のブレインもあまり機能を果たさなくなってきている。急いで反省しないと。
 時間との勝負である。
 しかし、よくよく考えると私は時間と勝負しているつもりになっているが、時間の方は私と勝負する気などないのではないだろうか?
 ・・・・・・・・・・・・。
 おそらく、行きたくもない飲み会のメンバーに自分が知らないうちに出席することになったような気分なんだろうな。
 ちょっぴり不憫。
「時間・・・お前も大変なんだな、いろいろと」
 きっと、そこには計り知れない苦労があるのだろう。
 私は時間に同情的だった。
 しばし、思いを巡らせる。
158VIP村人P:2006/12/08(金) 01:58:15.59 ID:YFLvUyMT0
>>155
バカ、お前ここは世界の中心で海賊が冤罪だと叫ばせないとww
159VIP足軽p:2006/12/08(金) 01:58:56.34 ID:0xgRE0b00
 何やってんだ、私。
 
 今日は、何もなかったなあ。コレといって。平和なのはいいことだ。
 ・・・・・・・・・・・・。
 反省しなくても良かった。
 なんか問題起こせよ、うちのクラスも。
 クスリとか、イジメとか、性同一性障害とか、想像妊娠とか!他にもいろいろあるだろう!!
 がっかりだ。うちのクラスにはユーモアのかけらもない、ゴルジ体より役に立たない奴らがうじゃうじゃいる。 
 ここは私が手本を見せねばなるまい。リーダーとして!
 奇抜なファッションで、町中の視線を独り占めにしてやるぜ。
 とりあえず、眉を整えた。
 どうだ、不良っぽいだろう。いい出来だ。
 しかし、左右で微妙に形が違う。微調整をくわえた。
 
 二十分後。私の眉は帰らぬ人となっていた。
 ショッキングだった。人は眉がなくなるだけで、こんなにも変われるものなのか。
 感動すら覚える。
 鏡に向かってメンチ切る。マジこえぇ。
 え、もしかして私絶体絶命?
 ヤバい。しかしまだ間に合うはずだ。私は油性ペンを取った。
 
160VIP足軽p:2006/12/08(金) 01:59:18.26 ID:0xgRE0b00
 三十分後。平安美人爆誕。
 私は激怒した。なんで人生とはこうも思い通りに行かないもなのだろうか。理不尽だ。
 私はもうすべてをあきらめた。期待して裏切られるのがイヤになったのだ。
 それになんか、現代の世に颯爽と舞い降りた平安美人。問題児と呼べるような気がしないでもない。
 考えるのがめんどくせえ。
 ラジオのDJは相変わらずうるさい。ムカついたからアンテナへし折った。
 とても後悔した。
 私は自分を捨てることにした。
 眼鏡を取って、床に叩きつけた。髪を切り落とす。ざっくばらんに。剃り込みを入れたらはい完成。こんにちわ新しい自分。
 時計を見るとすでに三時を回っている。こんな時間までなんかやってんのが馬鹿らしくなってきた。寝よ。

 親は、泣いた。
 友達は、いなくなった。
 私は、今夜も原チャリで夜の都会をかけ巡る。

161VIP足軽q:2006/12/08(金) 02:00:33.09 ID:0xgRE0b00
タイトル入れんの忘れたorz
もう眠いよおやすみ
162VIP皇帝:2006/12/08(金) 02:07:34.51 ID:b+HAvkOQ0
>>157
品位方向→品行方正な、たぶん
地の文から全然優等生なイメージを受けないのが致命的
敬語にする必要はまったくないけど、せめて丁寧な言葉遣いをして欲しかった
いや、平安美人爆誕とか吹いたけどw

睡眠不足でナチュラルハイになっていく様を、すこしずつ出していけたら良かったと思う
最初からテンションマックスなのは、もったいない
163VIP村人z:2006/12/08(金) 02:43:03.86 ID:n/JWaEEXO
過疎は前触れもなくやってくる
164VIP足軽wwwww:2006/12/08(金) 02:44:32.94 ID:sfa28KsS0
一応いるぜ お題を書いてる
165VIP足軽wwwww:2006/12/08(金) 02:50:19.02 ID:sfa28KsS0
以下投下するぜ
166告白 1/4:2006/12/08(金) 02:52:44.06 ID:sfa28KsS0
 「時代は変わった。」
ステージ壇上の気力を漲らせた男が腕を上げながら、強い口調で断言した。
「前世紀からインターネット上では様々な活動が行われてきた。 例を挙げると数え切れないほどだ。
それらは技術の発展途上、言うならば通過点。 だが我々は様々な通過点から完成へと至った。
この報告を皆様に出来ることに感動を禁じ得ません。
我々はつい人間を電子世界に住まわせる実験に成功しました。
我々は老いも若きもない新世界へと足を踏み入れたのです。」
今まで絵空事、金持ちの虚言と謗っていた人々は手の平を返し、一斉に彼らを讃え始めた。

 そんなニュースを見たのも三年前。 
そして今日ついに電子世界への移住が可能になった。
原理をワイドショーで説明しているが司会者、コメンテーター、観客、誰も理解できていないようだった。
電子世界への移住で問題になったことに
現実の自分の身体、自己同一性、電子世界での匿名性から予想される治安の悪化などがあった。
電子世界の移住に向けて、冷凍保存が金になると踏んだ会社が出てきて、冷凍保存技術は急上昇。
今や顧客のパイを争う巨大市場へと化した。
自己同一性については実に多用な意見が出てきて、まだまだ討論の余地があるが見切り発車の感がある。
電子世界の匿名性についての問題は移住の際に自分の好きなHN(ハンドルネーム)を固定して
登録するという電子世界内の人類総コテハン姓を実施するということで解決。
万が一の場合は電子世界内での警察が追放を行う場合もあるらしい。
「いや、しかしまるでSFの世界ですなぁ。
電子世界での生活など古人の想像上でしかなかったのに、それが」
もったいぶって話していた知識人の姿は消えた。  
167VIP足軽c:2006/12/08(金) 02:52:53.18 ID:TF/N2Uw60
お題ってなにかきゃいいの
168告白 2/4:2006/12/08(金) 02:53:06.35 ID:sfa28KsS0
俺の目に映るのは乱暴に閉じられたノートパソコン。
俺は文句を言おうとすると
「現実と戦わなくちゃ。電子世界なんてどこがいいんだよ」 
悪態を吐く男が光を遮る。
「あのな。人間が快適に暮らすことが出来るっていうのに何が不満なんだよ」
「快適っていうのは……そう、ただの堕落だよ。」 
珍しい。こいつはいつもはもっとふざけた奴なのに。 
授業をサボって屋上での会話。このシチュエーションを考えると青春真っ只中。
奴も何かそれっぽいことを言ってみたいのか。 そんなことを考えていると、アキは寝転んだ。
「大体俺ら一般人にゃよく分からない理論の世界に行くって怖くないのか? 俺なら怖いね。泥舟に乗るようなもんだ」
「その泥舟はみんな乗るしな、何より偉い人の理論っていう防水加工済みだ。 安心だろ」
アキは唇を左側に異様に吊り上げ鼻で笑う。
「偉い人の自信ほど当てにならないものはないさ、まぁあのシステムにゃ多くの穴があるさ」
そう言って彼は寝息を立て始めた。    
169告白 3/4:2006/12/08(金) 02:53:40.36 ID:sfa28KsS0
 高校、大学を順調に卒業して会社勤めをしていた俺は女のストーカーに好かれて、逃げるためという口実で電子世界に移住した。 
古い時代に生きた俺の親は最後まで大反対だったがストーカーから逃げるという口実で押し切った。
俺は冷凍保存の永久契約をして、電子世界への登録をした。 
電子世界は現実世界とはあまり変わっていなかった。
まぁ電子世界を構築した開発者も人間だし当然か。そう思いながら割り振られた家へと行った。
俺は家に入って驚いた。前までの安月給で何とか暮らしていた家とは大違いだ。
空調設備は勿論、広い浴槽のバスルーム、豪華なソファーなど生活に必要と思われるものは全て揃っていた。
自己同一性を崩壊させないためにこの世界にも仕事も一応ある。 
だが仕事をしなくても月に定額の給料(電子世界内での通貨)がもらえる。これだけでも食うだけなら困らない。
俺は三ヶ月くらい自堕落な生活をしていたが、唐突に空虚感に襲われた。
仕事がないということがこれほどの苦痛とは思いもしなかった。
仕事斡旋所へと足を向けると様々な職業があり、手軽に選択できるようになっていた。
カウンターの女性へと声を掛ける。
「仕事を探してるんだが」
「そうですか。どのような仕事を所望ですか?」
「あぁ、まだ考えてなかったんだがね、何かお勧めとかあるかな」
「えぇとそうでしたら、こちらの二ヶ月職業体験コースなどどうでしょうか? これは二十もの職業を三日間ずつ体験できるので適正を見つけるのにうってつけですよ」
「じゃぁそれを斡旋してくれ」
「ではこちらの用紙に必要事項を記入してください」
記入して女性に提出した。仕事の斡旋は二日後になるらしい。
そして仕事斡旋所を後にして町に繰り出すと、目の前にはストーカー女がいた。
170告白 4/4:2006/12/08(金) 02:54:43.37 ID:sfa28KsS0
 驚く俺を見て、彼女は形容しがたい邪悪な笑みを浮かべた。
そして彼女の言葉は俺をさらに驚かせた。
「私と付き合ってくれないなら殺してやる」
この電子世界においても殺人はもちろん犯罪――電子世界からの追放という最上級の刑罰を下される。
「馬鹿なことを言うな。俺はお前と付き合うつもりはない、勿論殺される気もだ」
下を俯いたままの彼女は病的な笑みを浮かべた。
カバンの中から取り出した包丁を持ち私に走り寄ってくる。
ここで殺されても、電子世界の追放なのか? 頭に浮かんだ疑問はそのままに全力で横に飛び回避する。
「冗談じゃない」 俺は振り返りもせず逃げ出した。
三十メートルを走ったころか、右足に鋭い痛みが走る。右足が上がらないせいで俺は無様に脚をもつれさせ転げた。
「逃げないで、逃げたら殺しちゃうんだから」
彼女が私の横へと座る。
「ここで殺されてもいいなんて思ってる? 殺されたら現実世界で目が覚めるなんて思ってるんでしょ。残念ね、現実世界では目が覚めないわよ。
だって私が貴方の身体を引き取ってバラバラにしてあげたんだから。だからここ死んだらおしまいよ。」
彼女は私の頭を上げて、彼女の膝へと導いた。 
「う、嘘だ!!冷凍保存してもらってるはずだ。いくらなんでもお前なんかに引き取れるはずが……」
「安印鑑持っていったら解約の手続きは簡単だったわよ。選んだ企業が適当だったわね。私にとってはこの上ないラッキーだけど。
もう一度聞くわ。私と付き合ってくれないかしら?」
アキの指摘が頭の中に蘇った。 確かに軽率だった。
私は後悔しながらも頷いてしまった……


お題に振り回されてしまった感じがある。
感想批評などありましたら感謝
171VIP足軽MS:2006/12/08(金) 03:14:43.14 ID:1hGC9Qpu0
>>170
良い批評できないけど、してみる。
なかなか作りこまれていて面白かったです。難を言えば、2-3の流れが少し変だった
ような気が……。でも、ほんとに面白かったですよ。好きです
172以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/08(金) 03:28:30.03 ID:VGjXL/3j0
ほしゅ
173VIP村人XL:2006/12/08(金) 03:29:53.73 ID:n/JWaEEXO
エレクトロスフィア思い出した
174以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/08(金) 03:43:25.74 ID:VGjXL/3j0
俺も品評会作品完成しそう保守
175VIP足軽p:2006/12/08(金) 04:55:45.08 ID:KZPycYUQ0
保守
176VIP村人xxx:2006/12/08(金) 05:02:32.82 ID:n/JWaEEXO
保守ついでにちょっと前に貰ったお題消化するわ
177:2006/12/08(金) 05:07:25.88 ID:n/JWaEEXO
ある日、少年が道を歩いていると、道のど真ん中に缶が落ちていました。
少年は缶をくずかごに捨てようと、ひょいっと缶を拾いあげました。
すると、缶からもくもくと煙が出てきました。
その煙はだんだんと人の形をなしていき、ついには小さな女の子になりました。
そしてその女の子は、声高々に言いました。
「ぱんぱかぱーん! あなたは心の清い人だと認定されましたー! よってあなたの願いを一つだけ――」
と、そこまで聞いたところで、少年は手にした缶を思いっきりぶん投げました。
缶はきれいな放物線を描いて飛んでいき、川にとぷんと着水しました。
缶はそのまま、下流へとながされていきます。
そして流れ去る缶を見つめながら、少年はつぶやきました。
「勧誘お断りだ。……しかし最近のダイレクトメールは凝ってるな。この手のは初めてだ……」

〈缶〉
178VIP村人xxx:2006/12/08(金) 05:10:36.29 ID:n/JWaEEXO
つまらなくても石は投げないでください
179VIP村人xxx:2006/12/08(金) 05:54:28.86 ID:n/JWaEEXO
明るく、楽しく、仲良く保守しましょう。

〈BNSK広報部〉
180ヨンタ:2006/12/08(金) 06:24:40.59 ID:IPTyNZl7O
保守
181サンタロウ:2006/12/08(金) 07:46:27.95 ID:n/JWaEEXO
保ぉー守ぅー
182サンクス:2006/12/08(金) 07:47:00.15 ID:IPTyNZl7O
オレのスレスト力は異常。

↓お題くれたら書くかも知れないってばっちゃんが
183プレゼントはPSX:2006/12/08(金) 07:50:55.74 ID:7plRZfJU0
祖母
184:2006/12/08(金) 07:52:12.27 ID:IPTyNZl7O
おばあちゃん……把握
185そり:2006/12/08(金) 07:56:44.77 ID:n/JWaEEXO
名無しのパターンが変わったのか
186ニタ:2006/12/08(金) 08:13:19.01 ID:n/JWaEEXO
そういえばもうクリスマスシーズンですか。早いものですね。

どうでもいいですが今月24日は日曜日です。
これがなにを意味するか、聡明な諸君らにはわかるでしょう。
つまり、そういうことです。
187:2006/12/08(金) 08:16:16.81 ID:AeS5pSa90
  ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ       /ヽ
        ,.‐'       ヽ:::::::/         ゝ‐;----// ヾ.、
       [          }二          |.r-'‐┬‐l l⌒ | }   24日が日曜日……
        ゙l         リ ̄ヽ         |l:::::::::::!ニ! !⌒ //    日曜日……
.         i        ソ;;:..  ヽ、._     _,ノ':::::::::::::::::ゞ)ノ./      日曜……
         ` ー==--‐'´(__,.   ..、  ̄ ̄ ̄  :::::::::::::::::i/‐'/       そうか! 人類は滅亡する!
          i:::::::::::::      .:::ト、  ̄ ´     ::::::::∪::::::l、_/::|
          !::::::::::::                :::::::::::::::::::::|:::::::::::|
             ヽ:::::::::::   --───--   :::::::::::::::::: !::::::::::::ト、
18842:2006/12/08(金) 08:19:56.38 ID:kq+0z69dO
昨晩投下させて頂いた42です。
もう一つ頂いたお題、「とぶ」が完成しましたので投下します。
18942 とぶ:2006/12/08(金) 08:20:50.52 ID:kq+0z69dO
あははははははは!気持ちいい、気持ちいい!!
全身が風を受け止める。すごい力だ。だが負けない。進むべき方向へ俺は狂いなく『飛んで』いる。
そうさ俺は飛んでいるんだ。周りの奴等はでかい鉄の塊に頼らなきゃ飛ぶことなんて出来ない。否、座っているだけなのだから飛ぶという定義をつけることさえもおかしいだろう。
昔から人は飛ぶことに憬れていた。そして、俺は飛んでいる。
戻ることなんてするものか。このまま一直線に進んで風を味わおう。
そうさ俺は飛んでいる。ほうら、今目が合った奴相当驚いているよ。目を真ん丸にしちゃってさ。ははははは愉快愉快。
見下された俺が見下す側になったんだ。

あははははははは!
俺は飛んでいるんだ。ずっとずっと、俺は――



ぐしゃり。

その音と一緒に俺の意識も消えた。
その瞬間、俺は永遠の飛行を赦された。

190そり(GT):2006/12/08(金) 09:32:46.66 ID:EUyx4Z/HO
延髄前頭断面・保守
191五面鳥:2006/12/08(金) 09:46:36.44 ID:IPTyNZl7O
>>189
決まり事が守られていなかったのが気になった。段落の初めは空白で開ける事。
例)
 あはは!!気持ちいい!!

あと、!の後に文が続く場合も空白。
例)
 あはは! 気持ちいい!

天ぷらに為になるリンク集があるから見てきましょう。
あと、オチが読めてしまったのが残念。


……お題小説のネタが思い付かなかったからヤケクソで酷評してしまった。反省はしていない。
192六面鳥:2006/12/08(金) 10:57:30.14 ID:IPTyNZl7O
落ちちゃらめぇ


過疎り過ぎだ
193七面鳥:2006/12/08(金) 11:04:41.77 ID:IPTyNZl7O
書き込みを増やす為の伏線を張ればいいんじゃね?


今から10分間書き込みが無かったら妖精さんはオレの物
194十面鳥:2006/12/08(金) 11:05:30.41 ID:6UfaGNb60
阻止
195そり(ミニ四駆):2006/12/08(金) 11:07:06.33 ID:T30CQpSkO
ワロスwwwww
196:2006/12/08(金) 11:09:26.92 ID:QysjBDzS0
名前欄がクリスマス風味になってるのな
197七面鳥:2006/12/08(金) 11:13:27.81 ID:IPTyNZl7O
一分と保たないだなんて……悔しいッ!!
198サンタ:2006/12/08(金) 11:35:20.53 ID:/kSujOLz0
>>196
ならばそれはなんだwww
199VIP蛸王:2006/12/08(金) 11:43:38.04 ID:XfoJ64+50
なんだ?
200そり(カブリオレ):2006/12/08(金) 12:02:39.71 ID:T30CQpSkO
雑談保守。
雑談のお題↓
201そり(四駆):2006/12/08(金) 12:06:40.80 ID:EUyx4Z/HO
じゃあ、かっこいいペンネームの決め方
202サンダ:2006/12/08(金) 12:13:17.00 ID:/kSujOLz0
清涼飲料水という言葉をじっと眺めれば何か思いつくかもしれない
203一面鳥:2006/12/08(金) 12:14:43.56 ID:6UfaGNb60
よくありそうだけど、なぜか印象に残る名前がベターじゃね? 常識的に考えて。
204ツリー:2006/12/08(金) 12:26:39.99 ID:HowEJHAYO
くたばってしまえ!
205:2006/12/08(金) 12:27:49.45 ID:H7F1I8iB0
小説って
あはははははははは

とかって表現が許されるんだな、そいつは初耳だぜベイベ
206サンダ:2006/12/08(金) 12:28:15.11 ID:/kSujOLz0
>>204
確かに一度聞いたら忘れないペンネームだよな、あれは……
207サンダ:2006/12/08(金) 12:28:56.59 ID:/kSujOLz0
>>205
時と場合と作品と空気と力量と発言者の性格による。
208一面鳥:2006/12/08(金) 12:29:40.84 ID:6UfaGNb60
>>205
一応広いくくりでは芸術表現なんで、何でもアリっちゃアリ。
問題は、読んで楽しいかどうか。基準はなく主観がすべて。
209ツリー:2006/12/08(金) 12:30:13.18 ID:HowEJHAYO
>>206
つうかエピソードのインパクトがな。
氏の作品読んだことないけど、確か口語体の先駆者だっけ
210お雑煮:2006/12/08(金) 12:30:47.66 ID:ZzvPJr0I0
お題クリオネア
211サンダ:2006/12/08(金) 12:34:26.81 ID:/kSujOLz0
億万長者
212サンク:2006/12/08(金) 12:55:20.12 ID:SVwn6bbU0
寝る前に色々ネタ思いついたのに起きたら全部忘れてた
213サンダ:2006/12/08(金) 13:08:07.37 ID:/kSujOLz0
>>212
あるある。寝る前に思いついたときは適当でもいいからメモっておいた方がいいよ。
214八面鳥:2006/12/08(金) 13:08:24.70 ID:RRevbbS3O
ペンネームなんて、たいした思い入れもなく付けられただろう名前が多いよな
その場の思いつきの、語呂合わせや言葉遊びや
215そり(AWD):2006/12/08(金) 13:15:19.01 ID:T30CQpSkO
インパクトのあるペンネームって言ったら
日日日であきら
西尾維新(NISIOISIN)とかかな。
本名のアナグラムとか出来たら楽しそうだが俺の本名では無理だorz
216サンダ:2006/12/08(金) 13:18:25.46 ID:/kSujOLz0
まぁ実力ないのにペンネームだけあっても切ない気がするから、俺はもうちょっと実力ついてから考えることにするw
217ヨンタ:2006/12/08(金) 13:18:48.30 ID:VSZB29W1O
お題をくれないか?
218サンダ:2006/12/08(金) 13:21:06.30 ID:/kSujOLz0
219ヨンタ:2006/12/08(金) 13:21:35.84 ID:VSZB29W1O
把握
220八面鳥:2006/12/08(金) 13:21:43.97 ID:RRevbbS3O
あっちのスレにあったけど、
江戸川乱歩(エドガー・アラン・ポー)や、半村良(イーデス・ハンソン)みたいな、
外国人の名前をもじったのも面白いよな。
221七面鳥:2006/12/08(金) 13:23:21.72 ID:A/HLXl0G0
お題をもらいたい
222プレゼントはPSX:2006/12/08(金) 13:23:32.94 ID:sItWof0c0
インパクトじゃないが、乙一はたった二画の名前wwwww
最初は「乙」か「一」のどちらかだけにする気だったとか。
223サンダ:2006/12/08(金) 13:23:43.67 ID:/kSujOLz0
おさいふ
224七面鳥:2006/12/08(金) 13:24:04.03 ID:A/HLXl0G0
>>223 把握
225 ◆InwGZIAUcs :2006/12/08(金) 13:24:11.81 ID:1LkLfC5I0
創英社第六回だめぽでしたorz
所詮俺も偶然ボーイ……
226サンダ:2006/12/08(金) 13:25:39.33 ID:/kSujOLz0
>>225
乙。第六回は出なかったんだよなぁ。
ってか全体の投稿数増えすぎワロタw
227 ◆InwGZIAUcs :2006/12/08(金) 13:33:27.22 ID:1LkLfC5I0
>>226
創英社への投稿数がですか?

ちょっとマシに書いたつもりだったのでショックといえばショックorz
こんどがんばろうと思うけど、10日締めかw無理ww
228靴下左:2006/12/08(金) 13:36:41.02 ID:/ccKmCkp0
よし、その作品をおじさんにみせるんだ
229そり(AWD):2006/12/08(金) 13:37:09.18 ID:T30CQpSkO
>>◆魔女っ子氏
イラストマダー?
230 ◆InwGZIAUcs :2006/12/08(金) 13:44:01.15 ID:1LkLfC5I0
>>228
時間なかったんで、31回品評会のをもう少し推敲したり追加したりして投稿しました。

>>229
ぶw
覚えてる方がいたw
ちょっと忙しくて、品評会に参加するので一杯一杯ですorz
いつかは描くけどw
231靴下左:2006/12/08(金) 13:51:43.09 ID:/ccKmCkp0
>>230
じゃあ、次はそろそろ大きめなところで、ポプラの2000万円狙おうか
締め切りは2月28日だから、今からならまだ間に合う
232 ◆InwGZIAUcs :2006/12/08(金) 13:54:26.69 ID:1LkLfC5I0
>>232
とても大きすぎる件についてw
なんかもう週末品評会やってたら無理だなあorz
そろそろ長編書いてみるか……
皆はSS以外に長編も書いたりするのだろうか?
233そり(AWD):2006/12/08(金) 13:54:48.00 ID:T30CQpSkO
2000万はでかいよな……常識的に考えて……。
234ゴタ:2006/12/08(金) 13:56:02.86 ID:tHOgBvrC0
お題もらって書いてるうちに投下できないくらい膨らんでしまったのが、
2000万に化けないかなぁwww
235サンク:2006/12/08(金) 13:57:10.63 ID:SVwn6bbU0
>>232
最近1レス以上かけなくて困る
236ゴタ:2006/12/08(金) 13:58:53.32 ID:tHOgBvrC0
>>232
脳内設定だけ膨らみすぎるタイプだから、長編が好き
237 ◆InwGZIAUcs :2006/12/08(金) 14:02:26.22 ID:1LkLfC5I0
これといった長編を書いたことがないから困る。
描き始めようorz
しかしいつぞや世界観の話題がでてたけど、
SSで世界観の設定をつめるのは、とても難しいと思う。
といわけでSSはファンタジーにやさしくない!と思う今日この頃
238サンク:2006/12/08(金) 14:05:14.36 ID:SVwn6bbU0
最長で5レスの俺には長編なんかとてもとても
239靴下左:2006/12/08(金) 14:08:34.61 ID:/ccKmCkp0
>>237
逆に考えるんだ。
ひとつの作品に詰め込むんじゃなくて、数々のSSを書き連ねて、
ひとつの壮大な世界観のファンタジーを表現するんだ、と。


・・・あ、書きたいものが違うって?
そりゃ、どうもすいません
240サンダ:2006/12/08(金) 14:09:19.86 ID:/kSujOLz0
>>227
10締めなのに今ようやく原稿用紙12枚だ。駄目くせぇ。
241四面鳥:2006/12/08(金) 14:28:57.73 ID:0+MmJ3tt0
やばい、謝罪のテーマで徹頭徹尾はムズイw

何かしら別の内容を孕んでしまうのはなぜだぁあ!
242ツリー:2006/12/08(金) 14:35:41.46 ID:pNKTNC7b0
謝罪に使いたいと思うのでお題をください
243サンダ:2006/12/08(金) 14:37:26.77 ID:/kSujOLz0
お祭
244七面鳥:2006/12/08(金) 14:43:45.77 ID:6d8huDwT0
じゃあ俺も使うんでお題くさい
245八面鳥:2006/12/08(金) 14:47:40.91 ID:n/JWaEEXO
スルー
246サンク:2006/12/08(金) 14:52:44.16 ID:4+rhmnOy0
★◆【調査】糞vsゲームvs出会いvsうpvsアニメ◆★
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1165555830/
247八面鳥:2006/12/08(金) 15:00:43.25 ID:6d8huDwT0
よし。
では改めて今日のお題くれ
248サンク:2006/12/08(金) 15:01:34.64 ID:SVwn6bbU0
ナチュラルハイ
249九面鳥:2006/12/08(金) 15:02:59.00 ID:A/HLXl0G0
忘れ物
250一面鳥:2006/12/08(金) 15:05:33.35 ID:eruJ4dr8O
↓お題を貰うんだな
251サンク:2006/12/08(金) 15:06:17.51 ID:SVwn6bbU0
夢を乗せて銀河へ
252九面鳥:2006/12/08(金) 15:06:26.71 ID:n/JWaEEXO
サプリメント
253十面鳥:2006/12/08(金) 15:06:36.77 ID:NjgDQugW0
254そり(ターボ):2006/12/08(金) 15:08:30.76 ID:T30CQpSkO
>>232
自己レス乙w

長編かぁ……書きたいんだけどなぁ。
255八面鳥:2006/12/08(金) 15:12:37.21 ID:6d8huDwT0
軒並みbnskの人間で埋め尽くされたりしてなw
256:2006/12/08(金) 15:18:27.12 ID:H4kn/OGf0
避難所に長編用の投下スレでも作ったら……駄目なのかね?
個人的に時々思うのは、ここに投下された通常作の批評を基にした
推敲後を読みたいんだが。一度投下したらどうでもいいのかな?
257八面鳥:2006/12/08(金) 15:24:52.46 ID:6d8huDwT0
長編か。

読む人いるかな?
258:2006/12/08(金) 15:30:57.95 ID:H4kn/OGf0
最初の一レス目にジャンルとか、物凄く簡単なあらすじでも
載せれば『長編読むのメンドクセ』って奴でも
好きなジャンルなら読むと思うんだけど。
品評会の作品も数が増えるごとにジャンルで分けてくれって
しみじみ思う
259十面鳥:2006/12/08(金) 15:33:55.39 ID:NjgDQugW0
ちょっとでも長ければ、最初の三行くらいで読むか読まないか判断するな。

内容なんか度外視で、文章が重かったり、癖が強かったりすると、それだけで読まない。
語り口と導入は大事だな。
260煙突(四角):2006/12/08(金) 15:39:58.18 ID:Zq9W9LO20
好きな作者なら長編読むな。
だからまずはこっちのSSででファン増やしていけば、長編も読者増えるんじゃないだろうか。
261九面鳥:2006/12/08(金) 15:41:07.03 ID:n/JWaEEXO
長編いいなー書きたいなー
書ける能力があればの話だが
262:2006/12/08(金) 15:43:32.65 ID:H4kn/OGf0
そう言えば人間の集中力はもって3分で
それが文字数でどれくらいかと言うとちょうど原稿用紙1枚分だとか
言ってたなぁ。我慢してそれなんだから3行くらいなのは仕方ないのか

短編がうまい奴と長編がうまい奴は、大概両方うまいって事ないけどな
263八面鳥:2006/12/08(金) 15:44:06.27 ID:6d8huDwT0
みんなそんなに作者追いかけてるの?
俺とかぜんぜん鳥とか確認しないんだが。
264ニタ:2006/12/08(金) 15:44:33.11 ID:qrq14MaT0
本のカバーにあるようなあらすじをまず書いてみたら?
265四面鳥:2006/12/08(金) 15:45:40.44 ID:6UfaGNb60
長編だったら連載可能なこっちでやってみては?
【移動も】小説書いてみませんか?【ありかも】
http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1165405677/
bnskほど「向上を目指す」と言う感じではないけど、結構感想とかももらえるみたい。
266モスチキン:2006/12/08(金) 15:46:49.63 ID:pISMOFUY0
>>256
まとめ掲示板はここのまとめだから、あちら独自のスレを立てるのは賛成できないな。
このスレで展開できない長編なら、他でスレを立ててやって欲しい。
そもそも、その長編がお題を活かしているのか、疑わしいし。

推敲後はともかく、リライトした作品は、まとめの一般作M館で晒せばいいんじゃね?
そのためのM館だと思うし。
267モスチキン:2006/12/08(金) 15:50:04.20 ID:pISMOFUY0
>>263
追いかけちゃいないが、暇なときにいじるために記憶から呼び起こされるときがある

俺はこのスレに関しては、好きな作家とか、固定はいないな。
みてるのは、そのときの作品だけだから
268九面鳥:2006/12/08(金) 15:52:22.17 ID:n/JWaEEXO
ここで有名な作家さんって誰だろう
妹の人とシュール氏くらいしか思い付かない
269煙突(四角):2006/12/08(金) 15:54:16.22 ID:Zq9W9LO20
あと魔女っ子の人とか。
あと運営関連の人はよくトリつけて発言するから、トリがもう頭にこびりついて離れない。
270:2006/12/08(金) 16:08:57.93 ID:H4kn/OGf0
>>266
そう言えばあそこまとめ掲示板だったんだよな。すっかり忘れてたわ
お題を生かしきれるかは長編も短編もあんまり関係ないと思う
別スレで出来そうな雰囲気じゃないから妥協案を出したつもりだったんだが。

リトライものはM館に晒したら、流れぶった切ることになるから
逆に見辛いんじゃないか?
271VIP皇帝:2006/12/08(金) 16:22:12.99 ID:A/HLXl0G0
話を聞いてたがM館って一体何なんだ?
よければ教えてくれ
272そり(ガス欠):2006/12/08(金) 16:24:31.53 ID:T30CQpSkO
酉でわかるのは運営各人、◆妹氏、◆魔女っ子氏、シュール氏(酉ないけどw)、◆Q氏、◆2L氏……くらいかなぁ。
馴れ合いは敬遠される傾向にあるからあまり名前を出すのもあれだけど。
リライト作品は此処に投下してもいいんじゃないかと思う。
長編に関しては微妙……かな。
読んでみたい気持ちはあるけどね。
273そり(ガス欠):2006/12/08(金) 16:29:04.01 ID:T30CQpSkO
>>271
テンプレのまとめ入口から掲示板に行けばそこにあるよ。
携帯からなんでアドレス貼れなくてごめん。

品評会で得票ゼロのやつが……ってのと通常作品まとめ……ってののどっちでもおk。
274三面鏡:2006/12/08(金) 16:31:55.69 ID:d5Iq2hll0
自分もお題欲しいんだが……品評会じゃなく投稿するかもしれんが
新参なんでなんか勘違いがあったら悪いが。誰かお題宜しく頼む↓
275五面鳥:2006/12/08(金) 16:37:35.27 ID:6UfaGNb60
>>274
品評会って言うのは、木曜あたりにお題提示されて、それを書きたい人が書く(日曜24:00までに)。
それから投票により一位を争うもの。
一般的に「お題くれ」っていうのは、これとは別の通常営業。
時間制限なし。どうしても無理ならスルーも可。まず初めは通常営業で慣れてくといいと思われ。

というわけで、っ「お題:降り立つ」
276三面鏡:2006/12/08(金) 16:42:17.40 ID:d5Iq2hll0
>>274
品評会のお題で書くけど品評会には出さないっていうのはアリ?

とりあえず「降り立つ」書いてきます。
277三面鏡:2006/12/08(金) 16:42:43.88 ID:d5Iq2hll0
>>274>>275

自己レス乙orz
278煙突(穴だらけ):2006/12/08(金) 16:44:14.28 ID:Zq9W9LO20
>>276
それはアリだろうけどもったいなくね?
279五面鳥:2006/12/08(金) 16:45:11.12 ID:6UfaGNb60
>>276
アリかと思うよ。通常お題を横dするのもアリだし。
280三面鏡:2006/12/08(金) 16:47:08.98 ID:d5Iq2hll0
>>278-279
うーん、5レスで収まったら出す……かも。

親切に有難う、じゃあ逝ってくる
281一面鳥:2006/12/08(金) 17:25:43.39 ID:n/JWaEEXO
この時間の過疎は……危険だ!
282そり(夏タイヤ):2006/12/08(金) 17:44:10.62 ID:T30CQpSkO
さっきまでちょっと面白そうな議論してたんだけどなぁw
283吊りー:2006/12/08(金) 17:44:53.72 ID:HowEJHAYO
しまった!このスレは過疎だ!
さあ、俺が保守している間に早く逃げろ!!
284ユダ:2006/12/08(金) 17:47:41.36 ID:pISMOFUY0
>>272
リライト物をここに投下するのは、過去にも例があるし構わないけど、
頻度の問題として、皆が始めてしまうと収集がつかなくなる可能性がある。

ましてリライトものなら、批評・感想レスをつけるときに、
過去の作品を読んだ人が中心になるべきものとなる。
初見の人が何かに気付いて指摘しても、「それ前も言われたわ」ときりかえされては、
なんのために読んで、感想つけたんだか?ってなるだろうから。

「投下は自由。空気を嫁」というレベルなら、今までとなにも変わらんから、適当にやればいいと思うけど。
285三太九郎:2006/12/08(金) 17:48:49.78 ID:SVwn6bbU0
とりあえず適当でいいよ。VIPなんだし
286そり(AWD):2006/12/08(金) 17:58:07.62 ID:cYULzLtXO
「鹿」って10回言ってから下を読んでくれ



















サンタクロースが乗っているのは何?
287三太九郎:2006/12/08(金) 17:58:39.68 ID:SVwn6bbU0
>>286
ソリ
288七面鳥:2006/12/08(金) 18:02:47.67 ID:6UfaGNb60
>>286
おかあさん!
289相手がいない:2006/12/08(金) 18:04:04.64 ID:H4kn/OGf0
>>287
そり(AWD)
290相手がいない:2006/12/08(金) 18:05:28.32 ID:H4kn/OGf0
ああ、>287じゃなくて>>286だった
リライトをリトライと書いてしまうし
俺、今日駄目だ
291靴下右:2006/12/08(金) 18:17:04.92 ID:6dMpD/iq0
>>286
俺の嫁!
2921/2:2006/12/08(金) 18:22:05.46 ID:d5Iq2hll0
「降り立つ」

「神が地上に降り立ったのはね、天上の世界に退屈したからじゃないかと思うんだよ」
 大仰に腕を広げながら、演説するように彼が言う。
 私がこうして聞いているのだから、するようにというよりはしているといった方が正し
いのかもしれない。だが彼は私に語っているわけではない、彼は「独り言」をしているの
だ。今の話を始める前に彼自身が言ったのだから間違いない。――僕は君に何かを説こう
とか教えようとかしているのじゃない、無論語ろうとしているわけでもない、僕は独り言
がしたいだけなのだ、だから、放っておいてくれ――と。
 人に聞かす気がないのなら勝手に一人で喋っていればいいではないか。狭い部屋に閉じ
篭って、ぶつぶつと、神の話だろうがなんだろうが、好きに呟いていればいい。元々人の
話を聞くのはあまり得意でない人間なのだ、私は。それなのに彼はいつも私を呼びつけて
は、意味のないような話を延々とする。幼馴染とはいえども、勘弁して貰いたい。
 文句を言いながらも毎回律儀に付き合っているという事実は、賞賛に値するのではない
か。A型だからか知らないが、私はなかなか生真面目な性格らしい。彼がB型だという事
を考えると、私と彼との相性はけして良くないだろう、意外というかやはりというか。血
液型なぞいう根拠のない統計論を持ち出しては、また彼に嫌味を言われてしまうのだろう
が。
「お前はキリスト教徒じゃなかったか?」
 問い掛ける。彼の家はキリストを信じていたはずだが、少なくともこの口振りからは彼
が純粋な信者であるようには見えない。要するに神は暇人で気紛れであったという内容を
独りごちているのだから、偏った見方をすればそれはつまり、信ずる神への偏見、侮辱な
のだとも言える。
「そうだけれど、……神はね、必ず僕らを救ってくれるんだ、だから」
 一応耳は腐っていなかったようで、彼は眉を潜めて返事をしたが、またすぐに視線を逸
らしてしまった。はぐらかし、唐突にそれらしい事を言い始める、まるで詐欺師か何かの
ようだ。
2932/2:2006/12/08(金) 18:22:47.60 ID:d5Iq2hll0
「だから?」
「君はノストラダムスは好きかい?」
「特には」
 やれやれ、とでもいうように彼が肩を竦めてみせる。そういう態度をとられる覚えはな
いので憤る事もないのだろうが、かといって全く癇にさわらないかといえば、そうでもな
く、むしろ非常に苛立たしい。
「だからどうした、そんな事は」
「僕がノストラダムスだったら、どうする?」
 口に出した文句を遮って彼が言う。先程まで翼のようにしていた腕をしっかりと組み、
私の顔を真っ直ぐに見る。一瞬鼓動が高鳴ったような気がしたが、錯覚だろう、今ここで
私が呼吸を乱すような理由が存在しようとも思えない。
「特には」
「そうだろうね」
 つまらなそうに彼が眼鏡を押し上げて、窓の方へと顔を向ける。彼が何を言いたかった
のかは正直なところよくわからないが、そもそも彼は不可思議な人間である。だから突然
に神の降り立った理由を説明し出したり、自身がノストラダムスであったらという妙な仮
定をしてみるのも、それこそただの「気紛れ」、「暇人」による暇潰しだったのかもしれ
ない。私はまたしても彼の遊び道具になってしまったのかもしれない。
 ノストラダムスの大予言、千九百九十九年七の月、恐怖の大王が降ってくる――そうい
えば恐怖の大王とやらも天から降り立ってくるものだった。
 もしかしたらここに彼の言葉の真意が隠されているのでは、とも思ったが、考えている
内に面倒臭くなってしまったので、私は鞄を肩にかけると静かに教室を後にした。


異常に微妙な出来になった
294三面鏡:2006/12/08(金) 18:30:14.41 ID:d5Iq2hll0
補足としては「私」は女で
295ニダ:2006/12/08(金) 18:42:20.99 ID:jUQnPsKN0
今帰ってきたけど、もう品評会書き上げてる人いることに絶望した。
せっかく一番駆けを狙ってたのに……
296 ◆CRITIC/G1Y :2006/12/08(金) 18:43:59.28 ID:B4vvpbVb0
>>長編投下予定の方
txtでうpしてみては?
297一面鳥:2006/12/08(金) 18:48:53.62 ID:twO5OGcF0
いちおう品評会のアイデアは浮かんだ
あとは書くのみ

それが問題なんだけど
298トナカイ(八頭だて):2006/12/08(金) 18:54:21.07 ID:AVjVzpR+0
今回のお題難しい。
まとめられねぇぇぇぇ。上手く謝罪にもってけねぇぇぇぇ。
299一面鳥:2006/12/08(金) 18:58:49.92 ID:twO5OGcF0
縛り? 関係無いね
謝罪 と ごめんなさい だけ避けるさ           スマン
300十面鳥:2006/12/08(金) 19:01:37.56 ID:Q9O30LrB0
結末だけは思い浮かんで、書き出しからそこに持っていくまでが浮かんでこない。こんな難産久々だ。

どこまで「謝罪」を縛るかで迷っている俺にも問題有りか……
301煙突(小さめ):2006/12/08(金) 19:03:27.38 ID:sajzi2dx0
アイデアは浮かんだけど、筆が進まない。タッチタイピング覚えようかな…
302悲しい一人暮らし:2006/12/08(金) 19:08:08.91 ID:tHOgBvrC0
「ごめんなさい」をいれずに謝罪するのって難しいよな…
303トナカイ(雄):2006/12/08(金) 19:15:46.10 ID:SVwn6bbU0
>>292
なにが言いたいのかよくわからなかった。
話が発展するのかなと思いながら読んでたらそのまま終わった印象。
あと補足で「私」は女と書くくらいなら作中でそう思わせれるようにすればよかったんじゃないかな。

ごめん。俺もなにが言いたいのかよくわからん文章になっちゃった。
感想下手だからごめんね。
304一面鳥:2006/12/08(金) 19:26:38.62 ID:d5Iq2hll0
>>303
勢いで書き始めたらオチが思い浮かばなかったんだぜ
いつもこうだけど orz

「私」が女だって事はときめきドッキュンで仄めかしたつもり。
ただ見様によってはホモじゃなーい?と感じたので一応補足しといた。
305ニタ:2006/12/08(金) 19:36:18.44 ID:GYcCYqFT0
今日も今日とてお題plz
306トナカイ(雄):2006/12/08(金) 19:39:59.42 ID:SVwn6bbU0
>>305
ワインドアップ
307ニタ:2006/12/08(金) 19:43:08.53 ID:GYcCYqFT0
>>306
把握
野球のアレね
一瞬分からんかった
308四面鳥:2006/12/08(金) 19:44:55.48 ID:RRevbbS3O
流れを読まずにすまんけど、長編ってどのサイズを指しているんだ?

普通、原稿用紙200枚程度じゃねーの?
30レスやそこらじゃ、長編とはいわなくね?

それを超えるサイズを読んで、感想くれっていうのなら、まともな賞に応募して、まともな講評もらった方がよくね?
少なくても、まともな意見がもらえると思って投下するのは、読み手に期待しすぎだろ
309三面鳥:2006/12/08(金) 19:57:08.18 ID:n/JWaEEXO
んなこと言ったら3レスくらいじゃショートショートにもなんねーよ
310三面鳥:2006/12/08(金) 19:58:15.13 ID:VbDsvojP0
http://human5.2ch.net/test/read.cgi/wmotenai/1163028997/l50

超美少女が顔とおっぱいうpしてる!!!!!!!!

お前ら集合だぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

女神を崇めようぜ!!!!!!!!!!!!!!
311二十面相:2006/12/08(金) 20:01:13.05 ID:tHOgBvrC0
>>308
読むのに疲れる量=長編
で良いんじゃね
312三面鳥:2006/12/08(金) 20:02:09.24 ID:twO5OGcF0
>>308
本格的に長編書いても誰も批評くれない気もする
それでも書きたいなら自由に書けばいいと思う
313ゴタ:2006/12/08(金) 20:18:40.39 ID:HowEJHAYO
眠い
314三面鳥:2006/12/08(金) 20:20:53.55 ID:twO5OGcF0
>>313
寝れば
315VIP皇帝:2006/12/08(金) 20:28:14.75 ID:HowEJHAYO
仕事帰って寝るだけなんて味気ないんだよ
だから品評会や通常お題考えつつ保守してんだよ
316二十面相:2006/12/08(金) 20:39:33.68 ID:tHOgBvrC0
>>315
じゃあ二日間こねくりまわして行き詰った俺の投下に
感想でも書いてくれれば光栄です。

投下します
317二十面相:2006/12/08(金) 20:40:15.55 ID:tHOgBvrC0
 今からおよそ三百年前。人類は地球という偉大な親のすねを齧りつくし、宇宙へ繰り出す事を余儀なくされる。
そして始まる宇宙開発の黎明期、新たな住処を築いた星の多くは地球とよく似ていた。しかしそれは資源も地球と
似通っているという事で、未熟な星間航行技術に必要とされるレアメタルの類が圧倒的に不足していたのだ。
 そこで目を付けられたのが所謂『資源惑星』や『鉱星』と呼ばれる星々である。多くの出稼ぎ労働者が集い、
地に落ちた砂糖菓子に群がる蟻のごとく資源を巣へと運び出す。僅か百年足らずのうちに穴だらけになり打ち捨て
られた星々。その空白を埋めたものは奪われた物と正反対の不必要な物、産業廃棄物であった。
 労働者が生活する最低限の居住施設とそれを多い尽くす不法投棄されたゴミの山。いつしかそこには人が住み
始める。彼らもまた、社会や時代から捨てられた者達だった。
「この星は、何もかもを受け入れる。この街は、誰であっても受け入れる。お前が何を捨てたのか、お前が何に
捨てられたのか。それを問うつもりはない。ただ、ここにはここのルールがある。何も奪うな、何も求めるな。
それが捨てたもの、捨てられたものの定めだ」
 この街の長老とされる老人は、干しぶどうみたいな顔で目だけが異様にギラついていた。
「了解、バァさん。でもさ、食い物を求めるのも駄目かい? 腹が減ったんだが」
「外にナナシがおる。お前を拾ってきた娘だ。その子に聞け」
 呆れたような溜息と共に差し出された枯れ枝みたいな指先を追う。薄暗い小屋の外は嫌味なくらいの快晴だ。
「よう、君の名前はナナシってんだな」
 ボロ布の扉をくぐった先に、赤い目の娘がいた。着陸、というか墜落したポッドの中で意識が朦朧としていた
俺を、この街まで引きずってきてくれた子だ。
「ナナシは、私だけじゃない」
「うん?」
「ここで暮らす親のいない子は、みんなナナシ」
 なるほど。名付ける親がいない捨て子なんかをナナシって呼ぶのか。まぁ何で親がいないのかは聞かないのが
ここの流儀であろう。彼女はトコトコと歩き出すとこちらを振り向き、また歩き出しては振り向く。どうやら
着いて来い、という意味らしい。
「あなたは?」
 歩幅の違いからすぐに追いつき並んで歩いていると、彼女はこちらの顔を見ずに聞いてきた。
「俺か。俺は――ノーベルだ」
 苦笑を浮かべながら告げる。我ながら気の利いたジョークだ。
「……地球の、偉い科学者の名前と同じ」
318お題「放棄」2/3:2006/12/08(金) 20:41:49.71 ID:tHOgBvrC0
 驚いてまじまじと彼女の顔を見る。顔立ちこそ整っているが浅黒い肌と漆黒の髪は垢に塗れて薄汚れ、決して
上等教育を受けているようには思えない。
「よく、知ってるな」
「私の父が詳しかったから。他にも地球の事は、色々知ってる」
 自慢げというか誇らしげ、そして楽しげな顔。皮肉を交えた冗談なだけに少し後ろめたい気持ちにさせられる。
「着いた」
 しばらく歩いた先、ぴたりと立ち止まった彼女の前にはビニールハウスがあった。とはいっても支柱は錆びた
鉄パイプを針金で縛って継ぎ足したものだし、覆いのビニールは所々穴が開いている。が、しかし。
「美味そうなトマトがなってるなぁ」
 素直に感心してしまった。ほとんど廃棄物の再利用で、作業ロボットに頼らず農作物を栽培するとは。
「食べよ」
「ああ」
 十分に熟して真っ赤になったトマトをもぎ、雨水をろ過した飲料水で洗って齧る。ジュワリと溢れる果汁は、
今まで食べたどんな料理よりも美味しく感じられた。
「ノーベル」
「……うん?」
 自分のことを呼んでいるのだと気づくまでに一瞬の間が開く。
「地球の、ノーベル、知ってる?」
「――ニトログリセリンの実用化やダイナマイトの開発により、岩盤破壊などの工事を効率化する。しかし爆薬は
兵器にも転用され、それを悲しんだ彼の死後、遺言に従い平和、科学技術、文学など五分野に貢献した人物を
たたえるノーベル賞が設立された」
 アカデミーで習ったことをそのまま口にした。俺の恩師は彼を引き合いに出してよく言った。大きな力は大きな
光を生み、同時に大きな闇も生む。それが我々研究者に課せられた業なのだと。
「あなたは、彼がダイナマイトを作らない方が良かった、と思う?」
 赤い目が俺を覗き込む。その宝石のような目に、まるで心の中を見られている気分になる。
「開発して良かった、と多くの人は言うだろうね。でも、彼自身はどうだったのだろう。間接的にとはいえ自分の
せいで人が死ぬ。それに対する自責の念は彼を苦しめたんじゃないだろうか。それを思うと、俺は簡単に良かった
と言えないな」
 力は扱う者次第で、守る力にも奪う力にもなる。それが僕は怖い。
319お題「放棄」3/3:2006/12/08(金) 20:42:36.42 ID:tHOgBvrC0
「ふふふっ」
「どうした?」
 赤い目を嬉しそうに細められ、彼女は笑う。猫みたいだな、と何故か思った。
「あなたは、優しい。そして、臆病」
 一瞬にして頭に血が上った。お前に何が分かるのだ、と。だがしかし、彼女の目を見た瞬間に同じ速さで頭が
冷えた。赤い目は、全てを見通している。そんな有無を言わせぬ力があった。
「あなたは、ここにいる人達と違う。ここの人達は捨てた人達。全てを捨てて、ただ生きる事の喜びだけを生きる
糧にする人達。あなたは違う。まだ捨ててない。逃げてるだけ」
「逃げるのはいけない事か? 自分の身を守るために逃げちゃいけないか?」
 子供相手に何をムキになっている、そう理性が訴える。それでも彼女の前ではあらゆる感情をさらけ出しても
許される。何故かそんな気がしていた。
「時には逃げるのも良い。でもあなたはまだ戦える。逃げる事に逃げてるだけ。全力で頑張るのは大変だから、
最初から諦めている」
 打ちのめされた気分だった。こんな子供に何もかもを見抜かれて、たしなめられている。これじゃあどっちが
子供か分からない。だが惨めな気持ちと共に、どこか喜んでいる自分に気づく。
「……全力で頑張っても駄目だったら?」
 他人に理解してもらえる。自分の辛さも弱さも。それがたまらなく嬉しかった。
「その時は、トマトの世話係に任命します」
 にこり、と笑う彼女の目は、俺の母を思い出させた。

「行ったか」
 少女の傍らに老婆が立つ。
「行きました」
 夕焼けの空に一本の煙の線があった。
「この街は、捨てるもの、そして拾うものの街。お前は何を拾ったんだい?」
 老婆の問いかけに少女は微笑む。
「未来を」
 赤い目が赤い空を映し出す。
「頑張ってね、パパ」
 赤い世界に溶け込むように、少女の姿は消えていった。           完
320二十面相:2006/12/08(金) 20:44:32.38 ID:tHOgBvrC0
どうしても脳内設定が多すぎて、うまくまとめきれない…
感想や「ここがおかしい」という点を挙げていただければ幸いです。
321四面鳥:2006/12/08(金) 21:03:39.27 ID:twO5OGcF0
保守しとく
322そり(ターボ):2006/12/08(金) 21:05:17.08 ID:OctFruPjO
暗い気分を吹き飛ばすような、あっかるーいお題を求む
323四面鳥:2006/12/08(金) 21:05:48.12 ID:twO5OGcF0
フラッシュ
324ゴタ:2006/12/08(金) 21:06:48.21 ID:1+gnrPK30
>>322
俺がお前でお前が俺で
325ゴタ:2006/12/08(金) 21:10:03.24 ID:HowEJHAYO
>>320
読んだ。SFって食わず嫌いであまり読んだことない人間ですが。
まず、オチの詳細を求む。
少女の父親は主人公?主人公は将来少女を捨てるのか?
そうでなく、少女が未来から現在の主人公(過去の父親)を助けに来たのか?
前者ならオチの意味が一気にひっくり返るけども、
後者ならば、薄汚れた少女の描写が何となく引っ掛かる。

ああ、書いてて分かった。
少女は父親(未来の主人公)に捨てられ、どうにかしてSF的に過去の父親(現在の主人公)に会う。
そして逃げるばかりの過去の父親の未来を変えたことで、少女は消えてしまった。

うわ、切ねえ。ちょっと泣きそう。
こんなだけ推測しといて全部的外れだったら恥ずかしい。
正解だったらネタばらしてマジごめん。
でも気になるからレスするよ。

あと、トマトを食べる描写が素敵です。
美味そう。
326ヨンタ:2006/12/08(金) 21:13:09.42 ID:naWjEW550
>>317-319
粗探ししかできない俺ですが、いくつか。

親の居ない子がナナシならば、長老が「娘」と限定するのはおかしかないか? あんまり違和感無いけれど。
あと、主人公が舞台の惑星に来た原因がわからん。「逃げてきた」とはいうが、なんかの研究からか?
なんだかよくわからないうちに自己完結して終わった感じ。説明と言うより伏線が足りない、と言うべきか。
327二十面相:2006/12/08(金) 21:23:51.69 ID:tHOgBvrC0
>>325-326
描写不足、というか伏線を削りすぎた為に分かりにくくなってしまったorz

一応は主人公(俺)がタイムマシンちっくな物を開発した、という設定です。
その悪用を恐れて逃げる→その街に住み着き娘が生まれる、という未来を
娘が過去に戻り父親を変える→娘は消える、という流れなんです。
娘に父親のことを語らせたりしておくべきだったと反省。

本来であれば作品内で全てを語るべきところを、追記しなくてはならない自分が悲しい…
328ゴタ:2006/12/08(金) 21:29:46.84 ID:1+gnrPK30
>>327
それを話に組み込んだとしてさ?
タイムマシンは結局親父がここで作ったわけ?逃げてきたのに?
それとも後生大事に持ってきたのか?危険なのに
それとも娘が作ったのか?随分若いが。
親父と奥さんは幸せじゃなかったのか?とか疑問が色々残る
329三面鳥:2006/12/08(金) 21:40:45.15 ID:A5lX1j9E0
品評会作品書いてたら
物語の収集がつかなくなりつつあってとても楽しい
キャパを超えるか超えないかくらいの状態ってなんか嬉しいな
330二十面相:2006/12/08(金) 21:46:56.72 ID:tHOgBvrC0
>>328
逃げ出した事への葛藤を抱き苦しむいた父親を見て育った娘が、その父を救うために
父の研究記録などからタイムマシンを作ってきた、とか書こうか悩んだんですが…
ただ中途半端に付け足すくらいなら読み手の想像に任せてみる方が良いのか?
などと自分のまとめる能力の無さを転嫁してしまいましたwww

自分の視点だけでなく、読む側の考える子ともも意識しないと駄目だ、という教訓にします。
331四面鳥:2006/12/08(金) 21:48:47.88 ID:twO5OGcF0
文章は分かりやすく、を最優先と思ってる
332トナカイ(ドーピング):2006/12/08(金) 22:02:47.56 ID:/LL99KXK0
このスレを見つけて、面白そうだから俺も書いてみたくなった。
お題くれるんだって? 何かひとつ頼む。
333ゴタ:2006/12/08(金) 22:04:37.88 ID:1+gnrPK30
>>332
足音
334トナカイ(ドーピング):2006/12/08(金) 22:06:06.56 ID:/LL99KXK0
>>333 ありがとう。上手くいくかな?
335四面鳥:2006/12/08(金) 22:09:54.48 ID:A5lX1j9E0
うまくいくかどうかより
自分で納得できるかどうかが大事
ってばっちゃが
336煙突:2006/12/08(金) 22:13:32.24 ID:Zq9W9LO20
過去の品評会作読んだんだが、
「妹クッキー」の「コ――」のあとに続く言葉って結局正解は出たの?
337ヨン様:2006/12/08(金) 22:40:53.95 ID:iIoK3gn40
>>336
結局◆妹氏に逃げられたので結論は――いや、そうだな……結論は出ている。
そう、それはみんなの心の中に。
338三面鳥:2006/12/08(金) 22:45:29.19 ID:z/YI3eTu0
>>93が嬉しすぎて汁が出た。
339ゴタ:2006/12/08(金) 22:53:15.75 ID:7plRZfJU0
>>338
また期待してるんだぜ?
340トナカイ(ネナベ):2006/12/08(金) 22:54:12.10 ID:SVwn6bbU0
>>337
逃げたとは失敬な。戦略的後退だ!
って妹氏がさっき言ってた
341サンタ:2006/12/08(金) 22:58:23.58 ID:GYcCYqFT0
ワインドアップできました
なんか無駄に長くなってしまった
投下島
342ワインドアップ 1/4:2006/12/08(金) 22:58:57.40 ID:GYcCYqFT0
ワインドアップ 

 なぜか、ピッチャーをすることになってしまいました。
 
 正直、とても困る。
 野球なんかやったことないし。ルールもわからない。
 ただテレビで試合の中継を見たこともあるし、なんとなく分かる気もする。
 おそらく、ひとつのボールをめぐって争い、バットで殴りあったりする競技なのだろう。
 とてもデンジャラスだ。 
 それを、周りを囲んだ観衆共が囃し立て、挑発し、時に大きな武力衝突を引き起こすこともあるという。
 無論、被害は甚大である。
 野球は貴族のスポーツだと誰かが言っていたような気がするのだが。
 とすると、昔の貴族はそれほどワイルドだったのだろうが?
 もしかしたら、ワイルドピッチという単語はそこから来ているのかもしれない。
 立ち向かう相手を粉砕する、必殺投球。
 恐ろしい...一体どんな球なのだろうか......。 
 そんな、ともすれば死にかねない、史上最も危険な球技。いや、すでに球技とは呼べないだろう。
 格闘技だ。それも、生死をかけた。
 選手もよっぽど勝ちに貪欲なやつらばかりなのだろう。

 しかし自分はそれほど勝負事に対しハングリーではない。
 事なかれ主義万歳。日和って何が悪い。
 なにか問題があるたび、セセイセイの精神で乗り切ってきた。
 目立たず、それでいて角を立てず、人は俺のことを世渡り上手という。
343ワインドアップ 2/4:2006/12/08(金) 22:59:22.99 ID:GYcCYqFT0
 発端は、二ヶ月前。
 俺の双子の弟が死んだ。奴は天才だった。野球において。
 確かに、野球という競技は奴に向いていたように思える。 
 自己中心的、傍若無人、協調性ゼロ。
 だが恐るべき闘争心だった。
 昔から、自分の欲しい物は力づくでも手に入れていた。
 ところがどっこい、そこへ来て不慮の交通事故。 
 重体、意識不明、昏倒、心配停止、ご臨終。


     昇     天 

 
 死に顔はきれいだった。ほんとに死んでんのかよ。
 で、双子だということでお前がやれ、と。
 ふざけんじゃありませんよ。
 ヒロインの見分けがつかないアレじゃあるまいし。
 しかし、周囲の反応はなぜかHotだった。
 死んだ弟の変わりに兄がマウンドに立つ。うーん、実にドラマティック。タイフーン。
 しかも弟はエース。その上ホープ。否が応にも期待は高まるだろう。
 双子だしね。
 でも現実はそんなに甘くない。
 しかしかりんとうは甘い。
 俺はかりんとうをむさぼり食いながらイメージトレーニングをしていた。
 来るべき、明日の試合に向けて。
 そうなんです、実は。
344ワインドアップ 3/4:2006/12/08(金) 23:00:01.31 ID:GYcCYqFT0
 翌日。
 俺の体調は万全だった。コンディショングリーンとも言う。
 みなぎる力を感じる。今ならこの俺を取り巻くギャラリー全員の期待にこたえることができるだろう。
 俺はベンチで入念なイメージトレーニングをしていた。
 ああきたらこう打つ。こうきたらああ打つ。間接の極め方を何度も脳内で反芻する。
 やがて、俺はグラウンドの上に投げ出された。
 ナインが口々に励ましの言葉をくれる。そして解散。
 すげえ、言いたいことだけ言って去っていきやがった。
 俺の話は聞いてくれなかった。
 
 俺の数メートル先にヤンキー座りで構えてるのがキャッチャー。とりあえず俺はそいつに向かってボールを投げればいいらしい。
 で、何様か知らないがその横に突っ立っているのがバッターだ。奴の手にはヒト一人を容易に撲殺せしめる破壊力を持ったバット。
 なるほど、バットを持っているからバッターか。つまらんジョークだ。
 ナインが位置につくとキャッチャーが声を張り上げた。
「しまっていこーう!」
 しまる? 何のことだ。
 ケツのことか?
 俺はお尻にえくぼを作った。キュッと。
 ............。
 誰一人として、気づいてくれなかった。
 そうこうしてるうちに、キャッチャーの後ろに立っているおっさんが「プレイ」といった。誰だよお前。
 同時に割れんばかりの歓声。
 ギャラリーからだった。狂ってる。人の命が懸かってるんだぞ?
 緊張が高まる。ああ、奴らは俺たちの命など考えていないのだ。
 ゲーム感覚。チェスの駒と同じ。
 瞬間、恐怖が体中を駆け巡った。かつてこれほどまでに死を意識したことがあっただろうか? いやない。
 しかし、同時に今までに感じたことのない興奮を覚えた。
 瀬戸際の感触。一歩踏み外せば即死。それが、人々を駆り立てる。
 それは、俺もまた同じ。
345ワインドアップ 4/4:2006/12/08(金) 23:01:23.14 ID:GYcCYqFT0
覚悟を決めた。キャッチャーを見据える。
 と。
 なにやってんだ、あいつは。
 見ればキャッチャーは股間の前でピースを決めていた。
 何の儀式だろう。
 とりあえず、俺も股間の前でピースを決める。
 キャッチャーは唖然とした。
 なんだ違うのか? 
 もしかしてあれはチョキなのか?
 俺はパーを出した。わざと負けてあげたのである。
 キャッチャーは大きくかぶりを振った。
 俺は大きく振りかぶった。もうなんかどうでもよかった。
 ワインドアップ。それは、弟の投法だった。
 キャッチャーめがけて投げ込む。全力で。
 しかし素人の放る球が正確なはずもなく。
 結果。 
 ボールは、バッターのボールにヒットした。
 崩れ落ち、悶えるバッター。致命傷だった。周囲からは、「ああ、やっちまったよ...」という雰囲気が流れた。
 そして、ゆっくりと起き上がるバッター。顔には歪んだ怒りの表情が張り付いている。
 それに向かい、俺はゆっくりと左手の中指をたて卑猥な形を作る。
346ワインドアップ 5/4:2006/12/08(金) 23:01:36.77 ID:GYcCYqFT0
 したたかに、罵声を浴びせかけた。
 逆鱗バッター。ヒョコヒョコといった足取りでこちらに向かってくる。俺は迎撃体制に入った。
 全身を大きくひねり、全体重をかけた拳を放つ。
 テンプシーロール。
 きれいに決まった。バッターは吹っ飛んだ。
 瞬間沸騰。
 すべての選手が俺に向かい走ってくる。ドイツもコイツも鬼みたいな顔してやがる。
 上等だ。全員殺してやる。 
 試合、開始――――――――――――。

 
 やがて。
 俺はキャッチャーの後ろに立っていたおっさんに、退場を言い渡された。
 なにがいけなかったのだろう。相手のピッチャーの関節を決めてしまったことだろうか?それとも止めに入ったナインの一人にアルゼンチンクローバーホールドをかけてしまったことだろうか。
 疑問は尽きない。野球、とても奥が深い。
 
 俺がその後、マウンドに立つことはなかった。
 
347六面鳥:2006/12/08(金) 23:01:50.56 ID:2KxWkL1M0
>>317
話の内容については>>325以下の流れを見てようやく理解した
不足なく読者に伝えられていればとても良い話になってたと思う

日本語の時系列に気をつけて書きたい
例えば一行目「およそ三百年前〜余儀なくされる」とか、ここは「された」が正しいと思う

近未来設定は良いけれど、わざわざ宇宙開発時代にした意味が出ていない
発明がタイムマシンだというなら、地球のお話でも十分成り立つはず
宇宙開発がらみの説明をばっさり切り落として、削った伏線を入れると良かったかも

娘の年齢、もう少し高くしたほうが良かったんじゃないかな、俺の趣味だけどw
精神年齢が高すぎるし、タイムマシン自分で作ってきたなら、せめて学生くらいの年齢が必要かと

しっかりとした設定を作りこむ力があるのだから、
それを必要なだけ読者に与える練習をすれば、いっきに面白くなると思うよ
348五面鳥:2006/12/08(金) 23:04:26.13 ID:d5Iq2hll0
お題「謝罪」で書いたんですが投下してもいいでしょうか……
品評会に参加する自信はまだないなあ、というかなんというか内容が微パロだったりで微妙なので。
349六面鳥:2006/12/08(金) 23:05:03.42 ID:twO5OGcF0
>>346
野球と言うものを履き違え過ぎだw
なんも知らない危険人物が野球やったらこんな感じかww

でも ヒロインの見分けがつかないアレ とか知ってるしなぁwww

結構好き。そしてこんな感想しか言えない俺が嫌い
350六面鳥:2006/12/08(金) 23:05:55.28 ID:twO5OGcF0
>>348
まだじゃない?
土曜日になってからどうぞ
351九面鳥:2006/12/08(金) 23:06:30.76 ID:hcQQjk2o0
>>348
あと一時間待とうぜ
あと題名とトリップ用意しとけよ
352トナカイ(八頭だて):2006/12/08(金) 23:07:08.50 ID:SVwn6bbU0
日が変わったらすぐ投稿していいの?
運営の開始宣言後のほうがいいの?
353九面鳥:2006/12/08(金) 23:08:39.17 ID:hcQQjk2o0
宣言待つのは紳士のたしなみ
354五面鳥:2006/12/08(金) 23:09:15.62 ID:d5Iq2hll0
5レスで収まるかどうかが微妙……なんとかなるかな

>>350-351
うん……じゃあ頑張ります……
355九面鳥:2006/12/08(金) 23:10:27.86 ID:hcQQjk2o0
だれかアイデアちょうだい
356六面鳥:2006/12/08(金) 23:11:31.11 ID:twO5OGcF0
>>355
品評のかな?
357六面鳥:2006/12/08(金) 23:12:23.58 ID:2KxWkL1M0
>>342
阿呆かwwwとりあえず、この設定で行くなら野球中継は見たこと無い方が良いかな

ところどころに入る敬語が、不自然。焦っている時だけ敬語になるっていう手法は
よく見るけど、この話ではただ統一感が無いように見えた

ワインドアップって言葉は知ってるのに、サインは知らないの?
兄の野球に対する知識が不自然

とりあえず、尻にえくぼを作ったのには笑ったww
358五面鳥:2006/12/08(金) 23:12:37.12 ID:A5lX1j9E0
アイデアと言われて最初に思いついたのが
渋いヒゲ男にメロメロになる幼女
俺ヤバスwwwwwwww
359九面鳥:2006/12/08(金) 23:14:00.88 ID:hcQQjk2o0
>>356
そうそう。
ネタが出なくて困ってるんだ
360トナカイ(八頭だて):2006/12/08(金) 23:14:07.21 ID:SVwn6bbU0
>>342
俺が出したお題だわ。難しかったかな。
主人公が知っている知識がチグハグな感じがした。
知ってることと知らないことがなんか不自然。
話自体はありがちだけど、面白かったです。
361VIP皇帝:2006/12/08(金) 23:15:33.82 ID:twO5OGcF0
>>359
過去のトラウマを呼び起こしてみた
謝罪したい事があったもんで
362トナカイ(八頭だて):2006/12/08(金) 23:17:20.66 ID:SVwn6bbU0
>>358
その幼女に「パパ」と呼ばれて照れてる渋いヒゲ男を想像した
363六面鳥:2006/12/08(金) 23:18:06.81 ID:twO5OGcF0
>>363
なんとなくスネークを思い出した
364六面鳥:2006/12/08(金) 23:21:14.34 ID:2KxWkL1M0
>>359
人にあげれるほどネタが浮かんでいたら、今頃俺だって・・・
なんだっけ、昨日は武士が切腹してあやまるとかいうネタがあがってたけど
365:2006/12/08(金) 23:21:42.32 ID:XQ6c/zPZ0
>>349
>>357
>>360

感想&批評thx

野球のことをよく知らなかったから馬鹿話に持ち込むしかなかった。。。。
主人公の知識が不自然なのも、そこからきているとオモ
敬語はなぜか使ってしまう
癖かな。直そう
366六面鳥:2006/12/08(金) 23:22:43.00 ID:twO5OGcF0
>>364
なんかツンデレが切腹するっていうのもあったよな
367九面鳥:2006/12/08(金) 23:24:14.34 ID:hcQQjk2o0
>>364
逆転ホームランなネタを思いつきました。ありがとう。
この恩は2〜3日忘れないよ!
368六面鳥:2006/12/08(金) 23:24:21.07 ID:6d8huDwT0
おk。

お題くれ。
369六面鳥:2006/12/08(金) 23:24:56.44 ID:twO5OGcF0
八方塞がり
370トナカイ(八頭だて):2006/12/08(金) 23:25:07.39 ID:SVwn6bbU0
インフィールドフライ
371トナカイ(まくり):2006/12/08(金) 23:26:02.21 ID:/LL99KXK0
>>333 アイディア振り絞って書きました。推敲もしたつもりです。つまらないかもですが、投下します。
372時の交差点 1/2:2006/12/08(金) 23:26:38.82 ID:/LL99KXK0
――誰?
また、誰かがついてくる。私が感じたのはわずかな恐怖。
いつのころからか会社から家への道のりで、毎晩のように誰かの足音を聞くようになった。
今までに何度後ろを振り返ったことか。
私は仕事も順調で、家族にも恵まれ、とても充実した日々を送っていたことは覚えている。
いつのころからか、足音は満たされた私を恐れさせた。
私はこのことを誰にも言わなかった。

 気のせいか、足音は日を追うごとにはっきりと聞こえてくるようになってきた。
命の危険は感じなかったが、気味が悪いということは確かだ。
そして遂に足音が聞こえる気がするという感覚は、足音が聞こえるという感覚に変わった。
その日、私は初めて足跡に問いかけた。
「お前が私をつけまわす目的はなんだ?」
姿も見えない相手に話しかけるなど、馬鹿馬鹿しい。
しかし、なぜか私は返答が返ってくると確信していた。
「ない」
聞こえた……
目的がないという返答は予想外だった。しかしそれ以上にその声のの幼さに驚いた。
「お前は誰だ?」
私は足音の主に最も知りたかったことを尋ねた。しかし声はそれ以降全く聞こえない。
この日を境に、足音は次第に小さくなり、もはや私の記憶からも消えつつあるのかもしれない。
373三面鏡:2006/12/08(金) 23:26:50.21 ID:tHOgBvrC0
>>347
>わざわざ宇宙開発時代にした意味が
言われてみて愕然とした。廃棄物の街、という設定を作りたいが為に冒頭にかなり
無駄があるなぁ、と痛感しました。
娘の年齢は趣味です。無理がある?愛があれば大丈夫。
374時の交差点 2/2:2006/12/08(金) 23:27:17.92 ID:/LL99KXK0
――誰?
また、誰かが逃げていく。僕が感じたのはわずかな興味。
いつのころからか家から学校への道のりで、毎朝のように誰かの足音を聞くようになった。
今までに何度追いかけた。
僕は勉強もそこそこで、家族にも恵まれていたが、とても平凡な日々を送っていたことは覚えている。
いつのころからか、足音はからっぽの僕を惹きつけた。
僕はこのことを誰にも言わなかった。

 気のせいか、足音は日を追うごとにはっきりと聞こえてくるようになってきた。
楽しみは期待しなかったが、気になるということは確かだ。
そして遂に足音が聞こえる気がするという感覚は、足音が聞こえるという感覚に変わった。
その日、僕は初めて足跡に問いかけられた。
「お前が私をつけまわす目的はなんだ?」
聞こえた……
目的を聞かれたのは予想外だった。しかしそれ以上にその声の低さに驚いた。
「ない」
姿も見えない相手に答えるなんて、面白い。
しかし、なぜか僕はもう返答は返ってこない気がした。
「君は誰?」
僕は足音の主に最も知りたかったことを尋ねた。しかし声はそれ以降全く聞こえない。
この日を境に、足音は次第に小さくなり、もはや僕の記憶からも消えつつあるのかもしれない。
375三面鏡:2006/12/08(金) 23:28:24.94 ID:tHOgBvrC0
リロードせずに割り込んでしまい、真に申し訳ありませんorz
376六面鳥:2006/12/08(金) 23:35:40.57 ID:2KxWkL1M0
>>367
それは良かった。
じゃあ、2〜3日後で俺に関心票入れてくれよ、約束だぞっ! なっ?

>>372
うん、うん、うーん。もう1レス使って、オチを持ってきて欲しかったかも
読者の想像に任せるっていうのは確かに手段の一つだけど、
情報が少ないままだと、意味が分からないってことになる

えーと、幽霊が幽霊の足音を聞いていたって事で、良いんだよ、な?
子どもと男の対比は面白いけれど、それだけで終わってしまっている
そのたった一言の邂逅で、お互いに何かを得て、何かを残して欲しかった
377時の交差点:2006/12/08(金) 23:36:51.88 ID:/LL99KXK0
そういえば大切なことを忘れてたな。
では改めて、「完」
378トナカイ(まくり):2006/12/08(金) 23:38:33.34 ID:/LL99KXK0
>>376 そうか。やっぱり明確にオチをつけたほうがよかったか。すまなかった。
379ヨンタ:2006/12/08(金) 23:40:39.93 ID:v4+/t8mB0
>>372 >>374
叙述トリックっていうの?こういうのって
とりあえず好きな話。坪
これはタイトルから察するに子供時代の主人公と大人の主人公の話と解釈していいのかな
もうひと味欲しいと思った。設定がいいし、もったいない
380六面鳥:2006/12/08(金) 23:41:21.23 ID:twO5OGcF0
>>374
実は二人は同一人物とか深読みしてみる
余韻は残るけど謎も残りまくりな印象
381六面鳥:2006/12/08(金) 23:41:42.95 ID:2KxWkL1M0
>>365
よく知らないことを書くために、よく知らない人の一人称にするっていうのは上手い方法
そういう方法を使うなら、観戦者の役柄を与えた方が、より曖昧な知識でも書けると思う

でも、本当は知らないことなら下調べしてから書いた方が、痛い目を見なくて済むよ
382四面鳥:2006/12/08(金) 23:44:14.90 ID:mpn3YinY0
>>379-380
成る程ね。しかしそうなると、何でこんな現象が起きたのか?
と言う素朴な疑問が残ってしまうぞ?
383トナカイ(まくり):2006/12/08(金) 23:44:17.11 ID:/LL99KXK0
>>379 難しい用語は知らないけど、とりあえずひらめいたんだ。

これはタイトルから察するに子供時代の主人公と大人の主人公の話と解釈していいのかな
↑俺はこういうつもりで書いたんだよな。だけどやっぱり説明不足か。じっくりと味付けしたほうがいいな。

まぁ、生まれて初めて書いた物語を褒めてくれて光栄の限り。
384六面鳥:2006/12/08(金) 23:44:36.18 ID:l6RyGwWA0
>>372,>>374
このスレではこういうタイプの衒いを見せる作品は少ないから、対比のギミックは好印象
ただやっぱ、オチがやや弱いかな。もう一押しって感じ
もっとぶっ飛んだ叙述浸かってんのならそれだけで短編成り立つんだろうが、
このギミックだけじゃ流石にパワー不足か。

とここまで書いて、>>379のレスを読んだんだが時の交差点ってそういうことか。
うーん、そうするともっと掘り下げた話を作れば良かったんじゃないかと思える。
正直タイトル以外でそのことを匂わす描写とか無くね? あれ、俺の読解力不足かもしかして
385トナカイ(まくり):2006/12/08(金) 23:45:40.79 ID:/LL99KXK0
>>382 あら、非現実的な話はタブーだった?題名の「時の交差点」がヒントになると思ったんだがなぁ。
386六面鳥:2006/12/08(金) 23:45:45.62 ID:2KxWkL1M0
>>379>>380
ああ! なるほど!
幽霊話だと思ってた俺読解力なさすぎだろうorz
387ヨンタ:2006/12/08(金) 23:46:14.60 ID:v4+/t8mB0
>>381
やっぱり知識は必要かぁ・・・・・・
小説家とかめっちゃ博識だもんな


というわけでもいっちょお題カモン
優しい奴で頼むぜ!
388トナカイ(八頭だて):2006/12/08(金) 23:46:38.80 ID:SVwn6bbU0
未来の自分
389六面鳥:2006/12/08(金) 23:46:57.52 ID:twO5OGcF0
つ テスト
390六面鳥:2006/12/08(金) 23:47:28.52 ID:2KxWkL1M0
>>387
初孫ができた爺さん
391トナカイ(まくり):2006/12/08(金) 23:47:29.62 ID:/LL99KXK0
>>384 いやー俺の未完成さがアウチだったっぽいね。

――いつからVIPの名無しは鶏肉だらけになったんだ?
392トナカイ(八頭だて):2006/12/08(金) 23:48:30.09 ID:SVwn6bbU0
優しいお題ってどんなのがいいんだろうか
俺はわけのわからないお題でも、星とか海とかでもダメなものは全然ダメだ。
お題もらった瞬間にひらめかなかったらなかなか出来ない。

>>391
クリスマスだからな
393ヨンタ:2006/12/08(金) 23:49:11.66 ID:v4+/t8mB0
>>388 >>389 >>391
まじかよ・・・・まあ頑張ってみる
394六面鳥:2006/12/08(金) 23:49:15.97 ID:l6RyGwWA0
>>391
ぶっちゃけ俺より才能あると思うんだぜ。お前はきっと磨けば光るんだぜ?


さて、誰か俺にお題をくれないか
395トナカイ(まくり):2006/12/08(金) 23:49:57.02 ID:/LL99KXK0
>>394 鶏肉
396四面鳥:2006/12/08(金) 23:51:02.77 ID:mpn3YinY0
>>385
いや、非現実な話自体はいい。
だけど非現実的な現象が起きてもおかしくない状況じゃないと
説得力がないと言うか……主人公に納得してもらうか
全く関係ない人物に納得してもらうかしないと、読者が置いてけぼり
397六面鳥:2006/12/08(金) 23:51:42.68 ID:twO5OGcF0
>>385
その題名しかヒントになってないのが難かも
一つの結末に二つ以上は伏線を出しといた方がいいと思うんだよね
伏線を一つ読み飛ばしちゃってもいいように。
別にテストの問題作って読み手を引っ掛け様としてるわけでもないし

まあ素人意見なのでこれも読み飛ばしちゃってくれても全然いいわけで
398九面鳥:2006/12/08(金) 23:51:44.54 ID:hcQQjk2o0
>>376
じゃあトリを晒しておくれ
399トナカイ(まくり):2006/12/08(金) 23:52:37.54 ID:/LL99KXK0
>>396 なぁるほど!世界観がどうのこうのってことか。
ちょっと難しそうだが、たまにこのスレを訪れて参考にさせてもらうよ。
400トナカイ(まくり):2006/12/08(金) 23:55:21.59 ID:/LL99KXK0
>>387 ふせん(なぜか変換で出ない)か。そうだな、改めて見るとふせんを入れたらいい感じになりそうだな。

――全部返信してるけど、俺邪魔か?
401六面鳥:2006/12/08(金) 23:55:47.69 ID:2KxWkL1M0
トリ晒したら冗談で済まなくなるじゃないかw
大丈夫、心の目で見てくれれば、きっと俺の作品がわかるさっ
俺は待ってるからなっ! からなっ!
402ゴタ:2006/12/08(金) 23:57:31.62 ID:7plRZfJU0
俺も待ってるからなっ! からなっ!


403六面鳥:2006/12/08(金) 23:57:58.69 ID:2KxWkL1M0
>>400
全返信>>>超えられない壁>>>過疎
だから問題ないと思うよ
もうすぐIDも変わるしw
404六面鳥:2006/12/08(金) 23:58:57.16 ID:twO5OGcF0
>>400
ふくせん で変換してみ
405九面鳥:2006/12/08(金) 23:59:05.48 ID:hcQQjk2o0
>>401
じゃあクオリティ高いのひとつ、頼むぜ!
406四面鳥:2006/12/09(土) 00:00:53.73 ID:8XBJ7rt10
>>405
任せておけ

ハラキリでシグルイな感じの作者から票が入ってなかったらひっそりと呪っておくからw
407サンク:2006/12/09(土) 00:01:56.10 ID:NPQ9Ud290
>>404 だせーwwwwwwwwwwwwwwww
俺今までの生涯で「伏線」のことをふせんって読んでたwwwwwwwwww
だせーwwwwwwwwwwwwwww
408 ◆BNSK/DqMrY :2006/12/09(土) 00:02:32.00 ID:yvj6bdxU0
週末品評会36th『お題:謝罪』

879 ◆bsoaZfzTPo New! 2006/12/07(木) 22:48:16.06 ID:bLsjLiSG0
十時半に投下するとか言っておいて、遅くなってすいません。
文才無いのに小説書いててごめんなさい。
今は反省している。でもまたやると思う。
そういうわけで、今回のお題を発表に来ました。許してくれ。
お題は

           「謝罪」

難しく言ってみましたけど、要は謝るってことです。いきがって申し訳ない。
で、今回の縛りなんだが

レス制限:5レスまで
使っちゃいけない言葉:「謝罪」と「ごめんなさい」

で行ってみようと思う。無茶を言って悪いな。
つまりは、ありきたりな表現以外を目指してみて欲しいと思ったんだ、すまん。

お題投下:2006/12/7(木) 22:48:16.06

規制事項:投稿レス数は最大5。
投稿期間:2006/12/9(土) 00:00 〜 2006/12/10(日) 24:00(23:30宣言締め切り)
投票期間:2006/12/11(月) 00:00 〜 2006/12/12(火) 24:00

bnskアワードにノミネートされる回数も残り僅かです。
今週も、張り切ってどうぞ。
409 ◆v3rMGliNoc :2006/12/09(土) 00:03:18.81 ID:WhVYqLRX0
じゃあ一番手行きまーす
410黙ってこれを受け取って。(1/5) ◆v3rMGliNoc :2006/12/09(土) 00:03:35.37 ID:WhVYqLRX0
 遅くなったね。ちょっと道が混んでたもんだから。
 いやぁ、寒くなったね。元気? 風邪とかひいてない? そう、良かった。
 え、うん。僕は元気だよ。まあちょっと忙しくて、ぜんぜん顔そっちに出せないけど。
 あ、僕もコーヒーホットで。
 そうだね。もう十二月だもんな。街もなんか無駄に人が多くってさ。嫌になるよね。
わざわざ出てきてもらってホント、ありがとう。
 達彦、元気? そう。それならいいんだ。今日は一人で置いてきたの? あ、そう。
お母さんに預けて来たんだ。泣いてなかった? ふーん。ちょっと前までは君と離れ
るだけで大泣きしてたのにな。え? あ、やっぱりちょっとグズったのか。達彦には
悪い事しちゃったな。ふーん。で、ハンバーグ作っておいてきたんだ。そっか。あいつ
はハンバーグさえあればご機嫌だからな。はは。
 はあ。達彦には何にもしてやってないな。ドライブに連れていってやるって言って、
そのまんまだし。幼稚園のお遊戯会も約束してたのにな。
 え、ああ。うん。話、ね。そう。
411四面鳥:2006/12/09(土) 00:03:47.32 ID:lk6tfUVR0
えへへ、五スレにするのに二回書き直した

俺にとっては五スレ縛りのが辛いw
412黙ってこれを受け取って。(2/5) ◆v3rMGliNoc :2006/12/09(土) 00:03:46.74 ID:WhVYqLRX0
 今日呼び出したのは他でもないんだ。うん。
 これ。
 少ないけど、取っておいて。色々頭下げてかき集めてきたんだけど、それくらいしか
集まらなくってさ。三百万入ってる。
 えっとさ。君がまだ会社に来てた頃経理部の部長してた黒沢さんっていたでしょ。
あの人、今常務になってるんだ。会社の上の方でごたごたがあって、そう遠くないうちに
専務にもなると思う。黒沢さんが専務だよ。あのハゲ頭の黒沢さんが。はは。
 で、さ。黒沢さんに娘さんがいるんだって。うん。二十四歳。今うちの人事部にいる。
その子とさ、今度結婚する事になった。
 うん。いや、僕も色々言ったよ。やんわり断ったりしたんだ。でも黒沢さんが是非にって
言って。君との事は会社でも内緒だったからね。君の退社の理由も、誰も知らないんだろ。
黒沢さんだって知らない。だから黒沢さんは僕に。
 そ、そんな事、そんな言い方。いや確かに、そう思われても仕方ないよな。会社での出世
レースに残るために君と籍入れなかったんだって言われたら、僕には返す言葉がないよ。
でも君も納得してくれたじゃないか。達彦の事だって、僕の事だって、みんな君は納得して
くれたじゃないか。
413黙ってこれを受け取って。(3/5) ◆v3rMGliNoc :2006/12/09(土) 00:04:03.09 ID:WhVYqLRX0
 …。大きな声出しすぎた。泣かないでくれよ。な。僕にできる事があったら
なんでもする。何でも言ってくれ。できる限りの事をするから。だから、もう
泣かないでくれ。で、その封筒を黙って受け取って欲しい。面倒もみる。
養育費も払う。だから、これが最後のわがままだと思って納めてくれないか。
 ああ。わがままだっていうのは分かってる。ずるいっていうのも分かってる。
なんといわれても仕方ないのは、自分が一番よく分かってる。分かってるんだ。
だけどしょうがないじゃないか。黒沢さんに乗っかるしかないんだ、上に行くためには。
 だからこの通りだ。頼む。
414黙ってこれを受け取って。(4/5) ◆v3rMGliNoc :2006/12/09(土) 00:04:22.43 ID:WhVYqLRX0
 え、何。それは? 達彦が? うん。見せてくれ。
 …。ははは。『パパえ』、か。幼稚園で書いたのか。似顔絵。はは。
幼稚園の先生びっくりしたろうな。母子家庭のはずの達彦がパパの
似顔絵書いたらさ。
 パパえ、か。
 なんでこんなもの見せるんだよ。決心が鈍るじゃないかよぉ。
 え? ああ。あの去年のクリスマスに買ったクマのぬいぐるみ。うん。
はは。確かにちょっと僕に似てるかもしれないな。パパ。ははは。パパか。
あのぬいぐるみに、毎日そういってるのか。はは。はははは。
 そんな、そんな決心が鈍るような話、するなよ。
 泣かないでくれよ。僕だって泣きたいんだ。いや、うん。そりゃ、僕が泣ける
立場にないって事は十分分かってるけど。
 いや。それは、それだけは受け取ってくれ。その封筒を受け取ってもらわないと
僕は帰れないよ。いや、哀れみとかじゃなくてさ。その、なんと言うか、気持ちなんだ。
うん気持ち。他にどうしようもないから。何も君を傷付けるために持ってきたんじゃないんだ。
そんな意地悪しないでくれ。受け取って。な。
 どうしても受け取ってくれないか。そっか。
415黙ってこれを受け取って。(5/5) ◆v3rMGliNoc :2006/12/09(土) 00:04:33.52 ID:WhVYqLRX0
 じゃあわかった。やめるよ。
 結婚も、会社も、全部。
 いや、分かってたんだ。自分には無理だって事。派閥争いみたいなのも、
政略結婚みたいなのも、さ。
 君に甘えてたんだな。君には無茶を言ってもどこかで許してもらえるん
じゃないかって、勝手に甘えてたんだ。はは。
 守らなきゃいけないもの、間違ってた。守らなきゃいけないものは僕の
立場じゃなかった。君と達彦だ。
 会社には明日、辞表を出してくるよ。黒沢さんに頭下げてくる。許されるか
どうか分からないけど、ほっぽり出して逃げるわけにはいかないもんな。
それから三人で僕の田舎に帰ろう。三人でなら暮らしていけると思う。
それまでもうちょっと君たちを待たせる事になるけど、それを許して欲しい。
 な、泣くなよ。はは。なんかみっともないじゃないか。
 そうだ。今からお母さんと達彦呼んで飯を食いにいこうか。達彦にハンバーグを
食べさせてやろう。え? はは。どうせこのいらなくなった三百万使えばいいじゃないか。
ふ。まあ、三百万円でハンバーグは豪勢過ぎるよね、確かに。
                                                    <了>
416 ◆BNSK/DqMrY :2006/12/09(土) 00:04:37.74 ID:NYkeuQYL0
36回品評会「謝罪」すたぁーとっ、だよ
お兄ちゃんたちの妄想、いっぱいいっぱい垂れ流してね☆
417 ◆v3rMGliNoc :2006/12/09(土) 00:05:22.76 ID:WhVYqLRX0
以上です。

あと、>>411は俺にアナルを差し出すように。
418ゴタ:2006/12/09(土) 00:05:30.26 ID:cNwglE6k0
あ、そういえば1レスって省略されないようにまとめないとダメかな……?やべえ
419ヨンタ:2006/12/09(土) 00:05:55.42 ID:yvj6bdxU0
>>411
5スレ = 5000レス
1レス30文字だから、5000*30=150,000行。
超大作だなwwwww
420四面鳥:2006/12/09(土) 00:07:04.43 ID:WhVYqLRX0
>>419
お前もなんかテンパってるぞww
421ヨンタ:2006/12/09(土) 00:07:09.69 ID:PaEdj7oS0
一番乗り…取られた。
もうちょい推敲してくっか。。。
422本当にすいま――(1/1) ◆ThH5IIjnMM :2006/12/09(土) 00:08:01.24 ID:myiTcMi10
「まったく、どう責任取ってくれるんだ」
 上司はカンカンに怒っている。正直、なんでそこまで怒っているのか。責任どうこう言
われるようなことはしていない。ただちょっと上司に言ってあげただけだ。「ずれてますよ」
って。それで自分の威厳がなくなったとか、みんなの笑い者になったとか言われても知っ
たことじゃない。でもまあこのまま怒らせといても面倒なだけなので、適当に謝っておく
ことにする。
「本当にすいま――」
「君は本当に事の重大性がわかってるのかね」
「はい。わかっています。もうしわ――」
「本当に本当にわかっているのかね? そんな態度で人にわかってもらえるとでも?」
 なに。なんなの。この親父。私が謝ろうとしてるのにわざと邪魔してるわけ?
「はい、はい。わかっています。本当に本当にもうし――」
「大体だね。君には誠意と言うものが足りないんだよ。分かる? 誠意だよ。誠意」
 さっきより私の言葉を遮るタイミングが早くなったのはなんなの。「わ」くらい言わせな
さいよ。「わ」くらい。
「わかっています。ちゃんと誠意は持っているつもりです。本当にすい――」
「もういい。君に謝る気がないのはよーくわかった。さっさと席に戻って仕事してなさい」
 このハゲ親父が、人の話聞いてないのはどっちだよ。もう無理。もう限界。もう我慢で
きない。もうどうなってもいい。
 私は席には戻らず上司の席の後ろにある窓を開けた。
「君、なにしてるんだね。早く仕事に戻りなさい」
 上司の言葉を無視して、私は上司の頭の上にあるブツを掴む。それを私は思いっきり窓
の外に放り投げた。
 放り投げたそれは高く高く空に舞い上がった。

 その日、私は職を失った。空にかつら舞う冬の始まりのことであった。

423八面鳥:2006/12/09(土) 00:08:03.69 ID:78BbWPCBO
>>411
5スレはすごいなwww
424 ◆ThH5IIjnMM :2006/12/09(土) 00:08:28.16 ID:myiTcMi10
品評会作品です。
一番乗り狙ってたのに失敗した
425四面鳥:2006/12/09(土) 00:08:55.12 ID:lk6tfUVR0
>>417
)*(      マジデスマン

>>419
またそのミスしてしまったwwwwww
426ヨンタ:2006/12/09(土) 00:09:18.67 ID:yvj6bdxU0
1レス30文字って何だwwwwwアホか俺wwwwwwwwww
427二面鳥:2006/12/09(土) 00:10:24.56 ID:JOysoy9c0
別の意味でカオスだなwwwww
428四面鳥:2006/12/09(土) 00:11:09.66 ID:8XBJ7rt10
開始早々カオスに陥るおまいらが大好きだw
429ゴタ:2006/12/09(土) 00:11:34.74 ID:cNwglE6k0
1レスってやっぱり省略なしですk(ry
なしだったら普通に投稿しまふ
430四面鳥:2006/12/09(土) 00:11:37.27 ID:WhVYqLRX0
今回のスタンスは「やられる前にやってしまえ」だからな、俺w
431サンクス:2006/12/09(土) 00:12:51.32 ID:myiTcMi10
>>429
省略ってなにを?
432サンク:2006/12/09(土) 00:14:19.72 ID:NPQ9Ud290
品評会も面白そうだな。トリさえつければ誰でも参加していいんだよね?
433ゴタ:2006/12/09(土) 00:14:24.05 ID:cNwglE6k0
>>431
こう、スレがダーッって表示されてる時に「全て見るには〜」とか出るやつ
434ヨンタ:2006/12/09(土) 00:15:20.15 ID:yvj6bdxU0
正確にはしらんけど、空改行があったら省略される気がする。
435四面鳥:2006/12/09(土) 00:17:03.90 ID:8XBJ7rt10
>>432
必要なのは、トリと文才無くても小説を書き続ける覚悟だけさ・・・

>>433
30行フルに使っておk
一行は60文字くらい入るんだったかな、たしか
40〜50文字くらいで改行する人が多いよ
436サンクス:2006/12/09(土) 00:17:33.26 ID:myiTcMi10
>>433
そんなこと気にしたこともわかったわ
ずっと専ブラ使ってるからなぁ
437ゴタ:2006/12/09(土) 00:18:08.79 ID:cNwglE6k0
1レスで30行まで書き込めるんだっけ?
有難う
438:2006/12/09(土) 00:20:12.36 ID:ebZVr3/20
さて品評会も始まったことだし
官能小説書くからお題くれ
439ヨンタ:2006/12/09(土) 00:20:22.17 ID:yvj6bdxU0
携帯で見たら↓

435 :四面鳥 2006/12/09(土) 00:17 8XBJ7rt10
>>432
必要なのは、トリと文才無くても小説を書き続ける覚悟だけさ・・・

>>433
30行フルに使っておk
一行は60文字くらい入るんだったかな、たしか 省8

だった。それより長くても省略されてないのもあるし、別に気にする必要は無いと思う。
どうせ専ブラだしwww
440イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 00:23:43.07 ID:nICL6bjM0
まずは一つ目投下します。
441四面鳥:2006/12/09(土) 00:24:01.02 ID:8XBJ7rt10
>>438
コンビニ弁当

うん、わざとだw
442ヨンタ:2006/12/09(土) 00:24:19.35 ID:yvj6bdxU0
>>438
ごめん
つ『お題:非エロ』
443贖罪の騎士 ◆XQ8cxZvOos :2006/12/09(土) 00:24:21.92 ID:nICL6bjM0
 それは、まだ私が幼い子供の頃のお話です。
 ある日、私の住む村に流行り病がやってきました。
 その上、その年の村はみぞれといなごのせいで作物がほとんど駄目になってしまっていて、
流行り病を押し返す元気のある者はほとんどいませんでした。
 最初はお年寄りから倒れていき、次に年端のいかない赤子が次々と息絶えてゆきました。
 冬が訪れを告げる頃には、村中の家という家は戸を閉め切ってしまい、外を歩くものはいなくなってしまいました。
 ひもじさと寒さと恐ろしさから皆生きる力を失ってしまい、来年のことを考えるものは誰もおらず、
ただ安らかに死んでいけるようにと神様にお願いするばかりでした。

 そんな時です。あの凛々しい騎士様が私の村を訪れたのは。

 私が騎士様に出会ったのは、村のはずれの泉でした。
 家族の中でまだわずかに元気のあった私が水を汲むために雑木林を抜けていくと、いつもと違う不思議な雰囲気が
辺りに漂っているとことに気がつきました。
 それがなんであるかはすぐに分かりました。
 寒い冬の最中であるのに、薄い衣のみを身に纏ったお姿で水浴みをする騎士様がそこにいらっしゃったからです。
 越冬のために立ち寄った白鳥たちとたわむれる騎士様はまるで絵の中から抜け出てきたみたいで、
とても、そう、とても綺麗な佇まいでした。
 騎士様は私の姿をお認めになると、薔薇のように優しげな微笑で私に話しかけてくださいました。
「君はそこの村の子だね?」
 せっかく騎士様が親しげに言葉をかけてくださいましたのに、幼さゆえに不調法であった私は、
失礼な態度で答えてしまいました。それはそう、こんな感じです。
「そう。でも、もうすぐ村はなくなっちゃうの」
 私の無礼な返事にお気を悪くした素振りも見せず、騎士様は重ねてこう問われました。
「それは……どういうことかな? もし良かったら僕に話してくれないかい」
 騎士様の力強い語調に勇気付けられて、私は包み隠さずすべてをお話しました。
 村を襲う飢饉と病のこと、村の人々は未来を夢見ることを忘れてしまったこと、まもなく私たちは死んでしまうこと。
 私の拙い説明を聞き終えた騎士様は、非常に厳しい面持ちで囁きました。
 それはまるでご自分に言い聞かせていらっしゃるようで、うっかりすると聞き逃してしまいそうでした。
「ここにもまた……未来を打ち消す災厄がはびこっているのか。許せない──!」
444四面鳥:2006/12/09(土) 00:24:51.22 ID:WhVYqLRX0
>>438
団地幼な妻
445贖罪の騎士 ◆t/jiB.Bjyw :2006/12/09(土) 00:25:12.75 ID:nICL6bjM0
 そして騎士様は私の肩をお掴みになると、私にこう申し付けられました。
「君、済まないが……今から僕が言うものを用意してくれないかい?
 まず、村で一番古いお墓の土塊を小瓶に詰めたもの、、君の家の竈に積もる灰を一掴み、
 牡山羊の顎鬚を一房、そして火打石。頼めるかな?」
 村一番のへそ曲がりであった私でも素直にこっくり頷いてしまうほど、それは威厳と優しさに満ちたお声でした。

 申し付けられたものを揃えた私は、騎士様がお待ちになる村の鐘楼の元へ急ぎました。
 小高い丘の上に立てられた鐘楼の前に立つ騎士様を見つけたとき、私は思わず息を呑んでしまいました。
 泉で拝見した涼やかなお姿とは打って変わって、銀に輝く甲冑を身に付けていらっしゃて、
とても真っ直ぐな眼差しで空を見上げていました。
 私もつられて首を上に向けましたが、そこには代わり映えのない曇り空があるだけでした。
 騎士様は私に見えないなにかを見ていらしたのでしょうか。それは今でも分かりません。
 私が件の品々を騎士様にお渡しすると、騎士様は私の頭を撫でて労ってくださいました。
「ありがとう。よく揃えてくれたね。さあ、始めようか」
 私が「なにをですか?」とお聞きしますと、騎士様はいっとう凛々しいお顔で教えてくださいました。
「君たちの心に未来を取り戻すのさ」
 私がお持ちした数々のものを、騎士様は実に様々な有様でお使いになりました。
 土塊は瓶ごとお足元に埋められ、灰はお腰の剣に塗されて、顎鬚は風へ。
 そして最後に火打石を高く、より宙に放り投げられ、そして火打石にこうお命じになられました。
「万物の根源よ! 黄金の欠片よ! 我が呼び声に応え、昏き理を照らせ!」
 なんと不思議なことでしょう、騎士様の雄叫びに応じるようにつむじ風が吹き荒れ、
空に掛かる暗雲が一点に集まり始めたのです。そして辺りは霧に包まれ、不気味に蠢いて恐ろしげないななきを立てていました。
 黒い霧は瞬く間に騎士様のすぐ目の前に固まり、そして形を変えて──。
 世にも禍々しい怪物の姿となりました。
 一目見て、すぐに分かりました。この怪物こそが、私の村を滅ぼそうとしてる悪意そのものなのだと。
 騎士様のおっしゃる『未来を打ち消す災厄』なのだと。そして──
「顕したな、プロオンに仇なす暗黒の眷属!」
 そう叫ぶや否や、騎士様はお腰の剣を抜き、金色に光る長いお髪をたなびかせて、その怪物に斬りかかりました。
446贖罪の騎士(3/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 00:26:11.63 ID:nICL6bjM0
 まるで、夢を見ているようでした。御伽噺や詩の中にしか登場しない怪物と互角に、
いえ、それ以上に渡り合う騎士様のお姿は、見るものの心に染み入るような気高さがありました。
 そのお側で立ち尽くすしか出来ない自分が、とても不甲斐なく思えました。
私は騎士様のお名前すら知らないのに、そんな私の村を守るために、騎士様は戦っていらっしゃるのですから。

 騎士様の美しい剣に喉を裂かれ、怪物は苦しげに呻きました。
 次の瞬間には、怪物は大きく息を吸い、そして燃え盛る業火を口から吐き出したのです。
「騎士様──!」
 私は思わず騎士様の前に立ちふさがりました。騎士様をお守りしたかった気持ちもありますが、それ以上に、
あんなにもお美しいお髪が炎に焼かれるところを見るのが嫌だったのです。
 熱い空気が私の頬を焼き、私は騎士様の盾になれたことを嬉しく思いながら死を覚悟しました。ですが──
「なんて無茶を……」
 騎士様は私を抱えるように怪物に背を向けておられました。騎士様の胸に包まれて、
私は炎よりも熱い騎士様の魂に触れたような気持ちになりました。
 怪物はなおも火を吐いていました。その炎が止まない気配を察してか、騎士様は私にお命じになりました。
「僕の懐から小さな筒を取り出すんだ! そしてあの怪物の方に向けて!」
 私は訳のわからないまま、その通りにしました。
「神聖なる灯心、オオウイキョウの筒よ! 汝の主、プロオンの御名に於いて命じる! 禍つ蝿を匣へ還せ!」
 すると激しい轟音と共に風が吹き荒れ、乾いた地面に、杭を打ち込んだような穴が一つ開きました。
 小さな筒は私の手を離れ、宙で眩い光を放ち、その光に当てられた怪物はおぞましい断末魔の悲鳴と共に
地面に穿たれた穴へと吸い込まれていきました。
「この世の暗黒よ、我が名を称えよ! 我は汝らの王! プロオンの影を踏む者! あらゆる具物を備えし供物なり!」
 怪物の姿が掻き消えると同時に、筒も輝きを失い、ぽとりと地面に落ちました。
 私をお胸に抱いたままの騎士様は、ゆっくりとかがむと筒をお拾いになりました。
「兄様……兄様のお力で、また一つ世界から苦しみを取り除くことが出来ました。
 僕はいつまでも兄様をお慕いしております。ですから、どうぞこれからも僕をお守りください」
 愛しげに筒を額に押し当てる騎士様を見て、私は訳もなくその筒を羨ましく思ったものです。
 空を覆っていた雲は晴れて、お日様が顔を覗かせました。丘には爽やかな風が吹き、暖かな春の訪れを告げています。

 こうして、この村は救われたのです。
447贖罪の騎士(4/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 00:26:46.32 ID:nICL6bjM0
 村の人たちが元気になるのを待たず、騎士様は再び流浪の旅に発つとおっしゃいました。
 私がどんなに引き止めても、悲しげに首を振るばかりです。
「でも、まだ十分にお礼もしていません」
 私がそ言って追いすがりますと、騎士様はとても怖いお顔でこうお答えになりました。
「僕にお礼を言ってはいけない。僕にはその資格がないんだ。だから、二度とそのようなことを言わないでくれ」

 そして騎士様は私に昔話をしてくださいました。
 それはとても悲しいお話でした。

「遥か昔、世界は平和だった。老いもせず、苦しみも悲しみもなかった。
 だが、ある愚かな女が秘められし災厄のすべてを世に解き放ってしまった。
 その女には未来を見通す力が無かった。その行為がどんな結果をもたらすか考えもしなかった。
 それ以来、この世には死と病と憎しみが蔓延するようになった。
 僕はその愚か者の償いをするために、世界中のあらゆる場所を巡って、飛び散った災厄を集めているんだ。
 ──その過ちは決して許されるものではない。いや、許しを請うことすら浅ましい。
 その最悪たる愚行がなければ、すべての人々は幸せでいられた。君もその家族も、こんなに苦しむことはなかった。
 そして……僕の大切な兄様も、その咎を追われて暴力と権力の虜になってしまった。
 今このときも、兄様は腸を掻き毟られる苦しみに耐えている。あんなにも聡明で心優しいお方だったのに、すべては僕のせいなんだ。
 だから僕は、僕は……その女の愚かさを、今でも許すことが出来ない」

 そう語る騎士様はとても痛ましく思われて、私は身の程も弁えずに騎士様に意見を致しました。
「でも、私、幸せ者です。その女性の行いのことはよく分かんないですけど、でも、そのお陰で貴方と会うことが出来ました。
 生きていれば辛いことや苦しいこともあります。でも、それでもいいんです。私、今とても幸せです。
 いつかきっと、お兄様の苦しみも晴れます。貴方が、私から苦しみを取り除いてくれたように。
 だから、その女性のこともあまり責めないであげてください。
 その女の人と同じで、私にも未来を見通す力はありません。でも、未来を信じることは出来ます。
 きっと、いつかみんなが幸せになれるって、そう信じてます。信じて、これからも生きていきます」
448贖罪の騎士(5/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 00:27:45.37 ID:nICL6bjM0
 愚にもつかない私の言葉でしたが、騎士様はまるで眩しいものを見るように目を細められてじっと耳を傾けていらっしゃいました。
「僕は、その女を今でも
 そして、私の額にそっと口付けして、こうおっしゃってくださったのです。

「黄金のごとき気高き魂を持つ君よ、どうかいつまでも、その輝きを喪わないで欲しい。
 いつかこの世からあらゆる苦しみが消え去ったとき、僕は再び君の元を訪れるだろう。
 そのとき、僕は君に言うべき言葉がある。
 自らの罪を畏れるあまり、夫君にも、兄様にもついぞ言えなかった、たった一つの言葉を──」

 そうして、騎士様は私に別れを告げて、朝日の向こうへと去ってしまわれました。
 そのお別れの最後に、私は彫像のようなお背中に向かってこうお尋ねしたのです。
「騎士様、貴方のお名前は?」

「──パンドラ」
449七面鳥:2006/12/09(土) 00:28:28.97 ID:nICL6bjM0
トリが乱れたけど、以上です。

さて、二つ目に取り掛かるか……。
450以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/09(土) 00:29:05.67 ID:c5a9IJn+0
二つ目はえーw
451:2006/12/09(土) 00:30:15.14 ID:ebZVr3/20
>>442
>>444
エロを知らない団地幼な妻の調教
把握した
452二面鳥:2006/12/09(土) 00:31:22.95 ID:JOysoy9c0
>>451
コンビニ弁当は無視かよ?
453VIP皇帝:2006/12/09(土) 00:33:07.03 ID:nICL6bjM0
>>448
>「僕は、その女を今でも
ここを脳内デリートして読んでください。

俺こんなんばっかだorz
454:2006/12/09(土) 00:34:13.45 ID:ebZVr3/20
>>441
>>452
すまんwww普通に見落としたwww

エロを知らない団地幼な妻の調教(コンビニ露出編)
改めて把握した
455ゴタ:2006/12/09(土) 00:37:23.18 ID:cNwglE6k0
やべえ微妙に足りないw調整しないとw
456四面鳥:2006/12/09(土) 00:38:34.80 ID:8XBJ7rt10
>>454
なんか普通にエロそうなタイトルにっw
457:2006/12/09(土) 00:38:55.43 ID:BY2mRvT+0
おもしろそうなんでちょっとロムってた者です
小手調べになにか書きたいのですがお題くだされ
458以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/09(土) 00:39:42.18 ID:c5a9IJn+0
男の性
459三面鳥:2006/12/09(土) 00:40:34.73 ID:XIM4YtKK0
丸氷
460二面鳥:2006/12/09(土) 00:40:44.68 ID:JOysoy9c0
>>457
振袖
461:2006/12/09(土) 00:42:08.49 ID:BY2mRvT+0
おk、把握
462ゴタ:2006/12/09(土) 00:44:53.83 ID:cNwglE6k0
11111111111111111111111111111111111111111111111111111111111
↑60文字テスト
463二面鳥:2006/12/09(土) 00:45:03.64 ID:JOysoy9c0
男の性に丸氷に振袖って
明らかに女装好きなウホッの店くらいしか思いつかないんだが……
464ゴタ:2006/12/09(土) 00:47:24.59 ID:cNwglE6k0
一応まとまった……!ので投下してもいいですか?

諸注意として
・「絶望ハンバーグ工場」系のスレが元ネタ
・微グロ?ですん。
465:2006/12/09(土) 00:47:47.54 ID:ebZVr3/20
初詣の帰りに、ちょっと大人な雰囲気のお店で
強いお酒を飲ませて、酔った勢いでやるのは男の性ってもんだ
466四面鳥:2006/12/09(土) 00:49:50.65 ID:8XBJ7rt10
>>463
初詣でにぎわう神社で丸氷舐めながら振袖娘ウォッチングにいそしむ受験生とか
467:2006/12/09(土) 00:50:31.58 ID:ebZVr3/20
>>464
おkじゃね?
468二面鳥:2006/12/09(土) 00:51:17.82 ID:JOysoy9c0
>>465
成る程、初詣の帰りか……って、結局エロじゃねぇか!!
>>466
それならセーフ

>>464
品評会の作品か?
469とある従業員の話(1/5) ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 00:51:50.56 ID:cNwglE6k0
 ぺちぺちこねこね

 今日も俺はハンバーグを作る。ミンチ肉をこねて丸める。こねて丸める。こねて丸める。その繰り返しが俺に唯一与えられた仕事
だ。こねて丸める。この工場に入ったのは一ヶ月程前、三年勤めた会社をクビになり彷徨っていた頃の事だった。

 ――ハンバーグ作りませんか? 0**-5**4-*127――

 電柱に無造作に貼られた従業員募集の広告。あまり怪しすぎるそれは、以前の俺であれば見向きもしなかっただろうが、何分その
時は腹が減っていた。どうせ解雇された身だ、もうどうなってもいい、という自棄な思いもあり、俺は黄の紙に黒文字という毒々し
い広告に引き摺られるよう、携帯を取り出して番号をプッシュし始めた。
 それからは面接して、受かって、くすんだ色の制服に腕を通して(そういえばあの時は書類の一つも出さなかったし、要求も一度
としてされなかった。名前を聞かれ、動機を語らされ、それだけだ、この時世に風俗か何かかと思う程の簡素さだが、そういうとこ
ろもきっとあるのだろう、そしてここが偶然その「そういうところ」だったというだけだろう、多分)、工場を案内された。泊まる
予定の部屋から(全寮制だった)作業場まで、くまなく見せられたように思うが、どこかを抜かしていたような気もしなくもない。
 この工場で作られるハンバーグを食べたのは、あの時が最初で最後だ。副工場長は案内を滞りなく済ませた後、私を食堂に連れて
きて、これから君も作っていく物だから、是非とも食べてみたまえ、と言ってにこやかに皿を差し出したのだった。
 空腹だったせいもあるだろうが、それを置いても自信を持って勧めるだけあって、ハンバーグは確かに美味しかった。だが、同時
に何ともいえない違和感があったのを覚えている。その原因は今でもわからない、薄れた記憶では最早理由を見つける事は不可能だ


 そうして俺は仕事の手順を教え込まれ、持ち場につき、今に至る。

 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 コンベヤーに乗せられてくるミンチ肉をこねて丸める。ハンバーグの形にする。肉がどこから流れてくるのか、教えて貰ったはず
なのに覚えていない。肉がどこへ向かっていくのかも、教えて貰ったはずなのに覚えていない。教えて貰ったはずなのに覚えていな
い。
 肉は絶える事なく送られてくる。どれだけこねて丸めても、けして尽きる事はない。ここの肉はやけに生臭い気がする。とはいえ
俺は元々肉より魚、魚より野菜な人間だから、はっきりとは言えない、俺が大げさに感じているだけで、生肉なんてこんな物なのか
もしれない。それにも最近は慣れてきた。
470とある従業員の話(2/5) ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 00:52:49.23 ID:cNwglE6k0
ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 仕事は深夜になってようやく終わった。


 次の日も俺はハンバーグを作っていた。ミンチ肉をこねて丸める。こねて丸めて、こねて丸めて、どこかに送る。今日は同僚の一
人が何かに気付いたらしく、仕事中だというのに興奮した様で俺に話しかけてきた。

「なあ、俺すごい物見つけちゃったんだけど」
 ぺちぺちこねこね
「大きな声じゃ言えないんだけどさ」
 ぺちぺちこねこね
「聞いて驚くなよ、さっき肉の中から……」
 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 同僚の声が途中で止まる。俺は手を休めずに視線だけをそちらに向ける。副工場長が同僚の方を叩いていた。顔面蒼白になった同
僚が、微笑む副工場長に連れられていく。
 そこまで見て、俺は慌ててコンベヤーへと目線を戻した。見ないでやると形が崩れる。ちゃんと綺麗に丸めなくては、こねて、丸
めて、こねて、丸めて。

 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 今日は昨日よりも仕事が長引いた。何故だか肉の量がいつにも増して多かったからだ。


 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 次の日も俺はミンチ肉をこね、丸め、こねてはまた、丸めていた。普段と変わらないハンバーグ作りだが、何でも今日は新米が入
ってくるらしい。仕事仲間が増えるというのは嬉しいものだ。
 しばらく作業をしていると、元気な声が響いてきた。新米だ。
471とある従業員の話(3/5) ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 00:53:25.39 ID:cNwglE6k0
「今日からお世話になります、新米です! この工場にまつわる怪しい噂を色々聞いて、どうしても気になったので勤務を希望しま
した! 皆さん宜しくお願いします!」

 雇われた時も思ったが、新参者には随分と寛容な工場である。
 工場の噂というのは何だろうか、それより何より、今日の副工場長はどうしてあんなに張り詰めた雰囲気があるのだろう。

 ぺちぺちこねこね


 次の日。俺は相変わらずハンバーグを作っている。新米の姿が見当たらないが、別の部屋に配属されたのだろうか。もしかしたら
風邪か何かで休んでいるのかもしれない、そう考えるといささか心配だ。

 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 それにしても今日は騒がしい、何かあったのだろうかと不審に思っていると、この間いなくなった同僚の代わりに俺の隣に来た奴
が、青白い、神妙な顔をして語りかけてきた。

「知ってます?」
 ぺちぺちこねこね
「ライバル社のスパイと新聞記者が潜り込んでたらしいですよ」
 ぺちぺちこねこね
「物騒ですよね、片方ならともかく両方なんて」
 ぺちぺちこねこね


「それで今工場長室に呼ばれてるらしいんです、……あ、新しい肉が流れてきましたよ」

 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

「最近の肉は新鮮ですね」
472とある従業員の話(4/5) ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 00:54:12.77 ID:cNwglE6k0
 俺は適当に相槌を打ち、過酷さを増す作業に没頭した。こねて丸める。こねて丸める。こねて丸める。単調な作業だ。こねて丸め
る。それでいて体力を使う。こねて丸める。
 その日床に就くのは予想以上に遅くなった。


 次の日も俺はハンバーグを作っていた。こねて、丸めて、こねて、丸める。今日は何も起こらない、平穏な日だ。

 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 来た時と帰る時で従業員の人数が微妙に違った気がするが、ただの錯覚だろう。


 次の日も俺はいつもと変わらない作業をしていた。
 立入検査だとかで数人の警察が訪れた。俺も彼らが入ってくるところを見たが、彼らが出ていくところは見ていない。
 
 ぺちぺちこねこね
 
 今日はミンチ機か何かが故障したそうだが、肉はむしろ平均より多く流れてきていた。


 次の日も俺はミンチ肉をこね、丸め、こねて丸め、こねては丸めしていたが、その最中に一種異様な物を見つけた。
 砕けた肉の中に、指が埋もれていた。
 俺は反射的に指を摘み上げ、隣の奴のポケットに滑り込ませた。奴は相変わらず青白く、今にも死にそうな顔をしている。そんな
人間に身代わりをさせるというのも随分と卑劣な考えだが、所詮人は我が身が一番可愛いものだろう、私は端から善人というわけで
はないのだ。

 何事もなかったかのように肉をこねて丸める。
 ぺちぺちこねこね
 さっきの物は見なかった事にしよう。
 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね
473とある従業員の話(5/5) ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 00:54:58.36 ID:cNwglE6k0
 真実を知った者が消える。
 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね
 私は何も知らなかった、知ったのは、あいつだ。
 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺち
ぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 ぺちぺちこねこね(こねて丸める)
 ぺちぺちこねこね(こねて丸める)
 ぺちぺちこねこね(こねて丸める)

 その内に奴の肩を副工場長が叩き、奴は益々蒼白になって連れていかれた。俺は見ないふりをしてミンチ肉をこね続けた。こねて
は丸める。こねて丸める。ハンバーグを作る。真実など知らなくてもいい、俺は、俺達はただハンバーグを作ればいいのだ。
 程なくして、変に血の臭いが強い肉が運ばれてきた。こねて丸める。こねて、丸める。

 ぺちぺちこねこねぺちぺちこねこねぺちぺちこねこね

 ぺちぺちこねこね

 仕事を終え、俺は隣の奴が元いた場所をじっと眺めた。作業が途中で放ったままになっているのを見ると、罪悪の念に居た堪れな
くなってしまう。――すまない事をした。
 俺は飴の一つも持っていないかとポケットの中をまさぐったが、目当ての物を見つける前に突然後頭部に衝撃を受け、それどころ
ではなくなってしまった。
 意識が薄れていく。倒れる途中に工場長の笑顔を見た気がする。ひたすらにこねて丸めていればよかったのではないのか、俺は、
何がいけなかったのだろう、結局真実を知ってしまったからいけなかったのか、だからといって何をしようというわけでもないのに

 ああ、それでも、見てしまった俺が悪かったのだ。
 こねて丸める。こねて丸める。こねて丸める。
 こねて丸める。こねて丸める――

 遠くでミンチ機が唸る音を聞いた気がした。
474 ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 00:56:43.29 ID:cNwglE6k0
><

いざ投下してみたら異常に恥ずかしい件


一応お題「謝罪」でした
475 ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 00:59:46.52 ID:cNwglE6k0
改行が全体的に微妙な……
476プレゼントはPS:2006/12/09(土) 01:11:18.71 ID:10d+ORTB0
怖かった・・・・・・
バイオハザードが苦手な俺はそれ以上の感想が思いつかない・・・
477以下、過疎県庁にかわりまして過疎県民がお送りします:2006/12/09(土) 01:11:49.31 ID:c5a9IJn+0
過疎
478 ◆BNSK/DqMrY :2006/12/09(土) 01:12:10.91 ID:yvj6bdxU0
↑此処までまとめ完了
No.1の2レス目の名前欄ミスってるけどそこはスルーでよろ。
479三面鳥:2006/12/09(土) 01:14:04.81 ID:JOysoy9c0
>>478
中の人、乙ですよ
俺もいい加減なんか書くかな
480靴下右:2006/12/09(土) 01:16:38.93 ID:gYNU+6Wt0
人のを読んでて気付いたんだが
言葉を使わない『謝罪』って読み手によっては
『感謝』になってしまう…。
481 ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 01:21:24.62 ID:cNwglE6k0
>>476
怖いと言って貰えて嬉しいです

>>478
仕事速い!乙です


ではROMに帰還。皆さんお休みなさいノシ
482ヨンタ:2006/12/09(土) 01:30:10.19 ID:yvj6bdxU0
なんて酷い過疎。
483ゴタ:2006/12/09(土) 01:33:34.39 ID:0zqJVhml0
みんな今頃心の中で色々な「ごめんなさい」を唱えてるんだろうなあw

や、おいらもだけど(w
484六面鳥:2006/12/09(土) 01:40:08.64 ID:sIxz3zWD0
「ごめんなさい。縛りありじゃどうしても書けません」





っていうネタで書いてるやついそうだな
485:2006/12/09(土) 01:43:46.10 ID:ebZVr3/20
>>484
君のIDは妙にエロいな
セクロスを連想させつつ、真ん中おっき
486ゴタ:2006/12/09(土) 01:44:27.51 ID:0zqJVhml0
プロットとかまとめるのに、テキストエディタ以外使ってる人とかいる?

ソフトじゃないんだけど、こないだ本屋でみかけたマインドマップってのが
ちょっとまとめやすそうだなあ、とか思ったんだけど。
487トナカイ(妊娠中):2006/12/09(土) 01:53:16.79 ID:Pp7Irpp7O
↓お題くださいな
488プレゼントはPS:2006/12/09(土) 01:53:22.57 ID:10d+ORTB0
よし、過疎だな!今がチャンス
テストと将来の自分と初孫を持った爺さんのやつ投下島ヘ( `Д)ノ
489ゴタ:2006/12/09(土) 01:53:44.74 ID:0mX5tepZ0
>>486
普通にメモ帳使ってる俺、品評会初参加させていただきます

投下します
490以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/09(土) 01:53:51.70 ID:qU1upad00
訪問販売
491プレゼントはPS:2006/12/09(土) 01:54:16.30 ID:10d+ORTB0
>>487 
タイミング
492○○禁止令1/3 ◆BLOSSdBcO. :2006/12/09(土) 01:56:20.99 ID:0mX5tepZ0
 とある小さな国に、小さな王様がいました。どのくらい小さいかというと、電車が無くても困らないくらい
小さな国で、電車のつり革につかまれないくらい小さな王様です。
 王様はとても頭が良く、とても我がままです。どのくらい頭が良くて我がままかと言うと、馬に乗れないのに
隣国の王子の馬が欲しくて戦争を起こし大勝するくらい、頭が良くて我がままです。
 そんな王様には困った趣味がありました。それは国民に何かと理由を付けて無理難題を課し、慌てふためく
様子を観察して楽しむというものです。ちなみに前回は『子供と大人がお互いを理解しあうため』と称して、
一週間もの間大人と子供の生活を逆転させました。当然大きな混乱が起こり、子供のいたずらならぬ大人の
いたずらによる被害総額は大変な額になりました。
 それでも王様に逆らえる者はおらず、今日も街には新たなお触れが張り出されます。
「今回は、王様にしては優しい方じゃないか?」
「前回のは酷かったもんな。多少は反省してるんだろ」
「これなら何とかなりそうねぇ」
「えと、どうしよう、私には無理かも……」
 張り紙を見た人々は様々な反応を示しましたが、その多くは安堵していました。今まで突拍子も無いことを
命令されてきただけに、普通なら面倒な事でも乗り越えるタフさを身に付けていたのです。

 それから数日間、街は比較的平和でした。特に大きな事件も起こらず、また王様の命令に逆らっても気づかれ
なければ問題ない、という実体がその平和を支えていたのです。
 ですが、そんな平和に満足できない人がいました。そう、命令を出した王様です。
「おいリザベッタ、命令を守らない者に刑罰を与えろ」
 王様はメイド長であり秘書の役割も果たしているリザベッタに命じます。
「お断りします」
 しかし無表情のまま彼女は即答しました。
「内容は――そうだな、新たな命令が下されるまで禁固刑だ」
 王様は人の話を聞きません。リザベッタは内心で呆れかえりながらも顔色を変えず、
「対象は一般国民だけですか?」
 と問いかけます。重臣や王様自身も禁固刑になるような事は避けたいとの意図からでした。
「いや、それではつまらん。国内にいる全ての者だ。例外は認めん!」
 リザベッタは王様に聞こえないように溜息をつき、手配しますと答えて部屋を後にしました。
493○○禁止令2/3 ◆BLOSSdBcO. :2006/12/09(土) 01:57:45.76 ID:0mX5tepZ0
 さらに数日後。国内は大変な騒ぎになっていました。ついうっかり命令を破ってしまうものがたくさん牢屋に
入れられ、命令を破っていない者でも密告によって逮捕され、まるで中世の魔女狩りを髣髴とさせます。
 さらに牢屋に入れられた者の中には国政の重要な位置にいる者や他国からの旅行者なども含まれ、国交の
面でも大きな問題になり始めていました。
 それでも誰も王様には逆らえません。逆らえば一族郎党皆殺し、とはいかないまでも国家反逆罪という重大な
犯罪を犯したことにされてしまうのです。
 この事態に大臣達は頭を抱え、胃に穴を開ける者まで出る始末。そこで彼らは、唯一王様に意見を言える人物、
王様が信頼するリザベッタに何とかしてくれと頼み込みました。
「何とか、いたします」
 いつものように無表情で、それでいて頼もしく頷く彼女に大臣達は安堵の溜息をつく事が出来ました。

「王様」
「なんだ、リザベッタ」
 次の日の午後。逮捕された人々の一覧を眺め幸せそうな顔をする王様に、リザベッタは問いかけます。
「今回のお触れの目的を今一度、お聞かせ願います」
 彼女の言葉に含まれた意図、自分の楽しみを邪魔しようという意思に王様は顔をしかめました。
「ふん、良いだろう。今回の命令はだな、安易に自分の非を認めることにより争いを回避しようとする軟弱な
精神を叩きなおすためだ。自分が正しいと強く主張し論理的に相手に認めさせる能力、それを磨く事で激化する
競争社会に生き残れる国民にしたいのだ」
 この人の自己正当化と言い訳と屁理屈の才能をもう少しだけ役に立つ方向に使ってほしい、そう願いながら
リザベッタはさらに問います。
「では己の正当性を主張し認めさせる課程において、裁判官や傍聴者のような人物がいたほうが効果的だとは
思いませんか?」
「なるほど、客観的な判断基準は必要だろうな」
 何が言いたいのだ、という顔をしながら王様はリザベッタを睨みつけます。
494○○禁止令3/3 ◆BLOSSdBcO. :2006/12/09(土) 01:58:23.76 ID:0mX5tepZ0
「そこで一つ提案があります」
「申してみよ」
「私は国内でその能力が最も優れているのは王様だと思います。ですから理想的な姿として、王様の言いわ――
もとい正当性を認めさせる技術を、裁判のような形で国民に公開してはいかがでしょう」
「ほう……」
 なるほど、と王様はほくそ笑みます。リザベッタはその場で王様を論破し、王様に反省を促そうとしている。
そう王様は看破しました。
「面白い。やってやろうではないか」
 しかし王様には自信がありました。誰であろうと口論で自分にかなう者はいない、そう確信していたのです。
「して、何について裁判をするのだ?」
 王様が問うと、いつも無表情なリザベッタにしては珍しいほどの笑みを浮かべ、
「王様のオネショの正当性についてです」
 と答えました。

「おい、聞いたか?」
「ああ、お触れが解かれたらしいな」
「良かった、これでうちの旦那も牢屋から出られるんだね」
 夕暮れ、街には人々の喜びの声が溢れていました。
「そうだ、この前は悪かったな」
「いや、こっちこそ」
 そしてそこかしこで人々は頭を下げあっていました。
「やはり悪い事をしたと思ったらするべき事は一つですね、王様」
 いつもの無表情でリザベッタは言います。
「分かった、分かったから蒸し返すな」
「では言ってもらいませんと」
 しかし無表情ではあっても、その声には困った弟を諭す姉のような優しさが含まれていました。
「むぅ……ご、ごめ――」
 傍に立つリザベッタにやっと聞き取るくらい小さな声で呟く王様の顔は、歳相応の可愛いものでした。
495五面鳥:2006/12/09(土) 01:59:02.27 ID:WhVYqLRX0
>>486
windows noteはペン入力できればかなり使えそうな気がするが、結局は紙でやるのが一番。
496ゴタ:2006/12/09(土) 02:00:15.14 ID:0mX5tepZ0
完、付け忘れました。

>>487
お題募集を邪魔してスマソ
497トナカイ(ドーピング):2006/12/09(土) 02:00:58.58 ID:Pp7Irpp7O
訪問販売タイミング把握
498テストと自分の将来と初孫を持った爺さんと 1/5:2006/12/09(土) 02:01:11.35 ID:10d+ORTB0
テストと将来の自分と初孫ができた爺さんと

 テスト終了。
 一番後ろの席に座った人間が、テストを回収していく。
 あとにはただ屍のみが残った。
 それは、私も同じ。
 私はもう、死んでいた。
 しかし、そんな苦痛も今日まで。テストはもう終わった。我々は、ついに平和を掴み取ったのだ!
 浮かれた気分で今日の予定を立てる。何をしようか。ダイナミックに遊びたい気ぶんだった。
 
 で、私は商店街に立っていた。
 何も思いつかなかった。
 自分という人間の小ささを思い知らされる。
 だが、過去は振り返るまい。
 とりあえずゲーセンで豪遊していこうか。
  
 そして私はデパートの屋上にいた。
 金がなかったのだ。仕方あるまい。
 この屋上は普通従業員以外入れない。私は普通じゃないので入れた。
 .......まあ、こっそり入っただけなのだが。
 視線を空へ向ける。
 すでに陽を落としつつある空が、眼前に迫る。巨大パノラマ。  
 私の、好きな風景だった。
 茜色の雲。私の名前と同じ。
499四面鳥:2006/12/09(土) 02:02:58.17 ID:JOysoy9c0
>>486
自分でHTMLでテキスト欄作って、見やすい様に加工して
適当に使っているが
5002/5:2006/12/09(土) 02:04:23.44 ID:10d+ORTB0
後方で扉が開く気配。ちょっと焦る。勝手にいるのがばれたら怒られるかもしれない。
 今までここに私以外が入ってきたのを見たことがなかったから、よけい驚いた。
 隠れよう! どこに?
 周りを見渡す。開けていた。隠れられるものはなかった。
 とりあえず、伏せた。頭を抱えて。避難訓練でも頭を守るのは大事だと教えられたし。実践する機会もないだろうと思っていたが、まさかこんなところで役に立つことになろうとは。
 教訓は活かされた。 
「何やってんの?」
 しかし私は見つかった。
「いえね、コンタクトを落としてしまって.....」
 そのとき、私の頭脳は奇跡的な回転速度を見せた。一秒あたり七千四百rpmぐらい。
 コンタクトを落としたと虚偽の申告をする。相手は手伝う。私はいつの間にかいなくなっている。
 完璧。完全な壁だから完璧だ。少しの隙間もない。
501サンク:2006/12/09(土) 02:04:42.76 ID:NYkeuQYL0
品評会作品は投下する前や後に何か一言付けてくれると、
通常営業作品と判別がつきやすくなってまとめし易いです><
502イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 02:08:26.35 ID:nICL6bjM0
二作目出来たので投下したいんだけど、まだ掛かりそう?
5033/5:2006/12/09(土) 02:08:32.70 ID:10d+ORTB0
 足音が近づいてくる。
「あ、手伝ってくれるんですか。すいませ.....」
 何があっても手伝わせるつもりだった。しかし
「あ」
 それは顔見知りの犯行だった。
「茜さん、だよね」
 ウチの学校の制服。私の名前を知っているという事は、クラスメートだろうか。
 人の顔を覚えるのは、苦手だった。
「うん、こんなとこで会うなんて、奇遇だね」
 とりあえず名前を出さない方向でいこう。
「うん、まさか俺もここで茜さんに会うとは思ってなかった」
「『関係者以外立ち入り禁止』って張り紙してあるしね」
「関係者以外」
 真剣な顔で私を指さした。
「関係者以外」
 負けじと、真顔で指さしかえしてやった。
 破顔。笑い声がこぼれる。
「茜さんは、よくここに来るの?」
「うん、まあたまに」
「へぇ」
 知らない同士だけに会話がうまくいかない。
 少しの沈黙。無意識のうちに二人して空の方を向いていた。
「いい、景色だね」
「私もそう思う」
 それについては全く同感だった。
 それだけを言うと、彼はまた黙ってしまった。
5044/5:2006/12/09(土) 02:10:43.36 ID:10d+ORTB0
どうしよう、とても気まずい。沈黙に耐えかねた私は、とりあえず共通の話題を提供した。
「テスト、どうだった?」
 それは、私にとっての古傷だった。直りかけてはいたが、触れたくはなかった。
「うん、まあまあかな」
 本当にまあまあだったやつはそんな事いわない。
 殺すぞ。
「へぇ、頭いいんだ」
 本心を隠して言葉をどうにかこうにか絞り出した。
「そんなことないよ、普通だよ」
 本当に普通なやつはそんな事いわない。
 それは私への当てつけなのか? だとしたら私は決して彼を許さない。
「ねぇ、国語の問題でさ」
 彼の方から話を振ってきた。しかもあまり楽しくなさそうな。
「『未来の自分について書け』ってやつあったよね」
「ああ、一番最後の作文ね」
 あのめんどくさいやつだ。あれだけのために解答用紙の裏面を使うなんて、馬鹿げていると前の学期に忠告してやったのに、愚かな教師め。同じ過ちを二度も繰り返しやがった。
 私は、したくもない話のせいで少々気が立っていた。
 いや、まあ私が最初にテストの話をしたのだけど。
「あれ、なんて書いた?」
 ......。なんて書いたっけ?
 考えるのも面倒だったから適当に埋めた気がする。
確か最後の方ではハリウッドのスターダムに上り詰めた私が、運命的な出会いをした歌手の夫を謎の組織に殺され、薬を飲まされ子供になってしまった私が単身組織の本拠地であるアウシュビッツにのり込むとこまでいった気がする。
そして締めくくりに「物語のエンディングはあなただけのものだ」とサインをした。
「女優になりたいって書いた」
 私は嘘をついた。
「女優! すごいね」
 彼は大仰に驚いてみせる。
「君は? なんて書いたの?」
 逆に聞いてみる。
「俺? 俺のはそんな、大したもんじゃないよ」 
5055/5:2006/12/09(土) 02:11:45.37 ID:10d+ORTB0
乗り気ではないような口調だが、聞いて欲しいのだろう。私はつついてやった。
「ずるーい。私も教えたんだから教えてよ」
 少し、照れくさそうに彼ははにかんだ。
「この町で暮らしたい」
「この町で?」
「うん」
 そう話した彼の目は、空の茜相まってとてもきれいな色をしていた。
「この町が、好きなんだ」
 上機嫌なのだろう。彼は話し続けた。
「でさ、商店街に店を建てるんだ。そこで色んな人と関わったりしながら、暮らしていきたい」
 きっと、この町に特別な思い入れがあるのだろう。でも深く聞こうとは思わなかった。 それほどに、彼の目は雄弁に語っていたから。
「初孫ができた爺さんになるのは、この町って決めたから」
「......そう」
 彼の目は遠くを見ていた。私は取り残された。
 三度訪れる沈黙。しかし、それは不快なものではなかった。
 何も言う必要はなかった。
 私は空を見上げる。大好きな、茜色の空を。彼もそれに倣った。
 やがてやってくる別れの時。そんな大層なものでもないけど。
 空から視線をはずし、彼は言った。
「じゃ、俺はそろそろ帰るよ。さよなら」
「うん、また明日」
5066/5:2006/12/09(土) 02:12:02.35 ID:10d+ORTB0
 私の発した言葉に対して、何故か彼は苦笑した。
 強く風が吹いた。思わず振り向く。赤に染まる雲が、流れていった。
 後ろで扉の閉まる音。
 再び振り向くと、彼はすでにいなかった。
 行ってしまった。
 行ってしまった? 
 そう感じたという事は、私の中に別れを惜しむ気持ちがあったという事だろうか?
 その意味を考えたとき、私は顔に熱を感じた。 
 でもそうかもしれない。居心地は悪くなかった。
 いくら論理的に言い聞かせても、頬にはしった熱は引かなかった。
 飽きるほど繰り返した行為なのに、私は飽きもせずまた空を見上げた。
 茜色の空を。
 私の顔もまた、その色に違いなかった。
 それは空が染めている色なのか、それともーーーーーーーーーー。
 
 空は、きっと知っているだろう。
 
「..............あ」
 名前、聞いておけば良かった。
 まあいいや。どうせ明日あえるし。
 少しうきうきした。
 少しうきうきしたなどと言いつつも、端から見た私はとても浮かれているに違いなかった。


 それから、私が彼に会うことはなかった。
 風の噂で聞いた、デパートの屋上に出るという幽霊の話。
 夕暮れ時に出る、変わったやつらしい。
 それを聞いて、私は苦笑した。

507BNSKツンデレ講座vol.25(1/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 02:12:11.98 ID:nICL6bjM0
 皆様、ごきげんよう。『BNSKツンデレ講座』のお時間です。
「お姉さま、お姉さまー!」
 あらあら、どうしたの吹雪さん。はしたないわよ。
「ふえ、ご、ごめんなさい! でも、でもでも、あたし陽介とケンカしちゃったんです!」
 まあ、また? 原因は?
「え、それは……あの、あたしが陽介のイチゴ大福食べちゃって、しまったって思ったんですけど、
でもあたし『うっさい! 男のクセにイチゴ大福ごときでうるさいのよ!!』って言っちゃったんです!」
 はあ……吹雪さん、それは貴女が悪いわよ?
「はう……だ、だって……考えるより先に言葉がポーンって……さすがに言い過ぎたとは思ったんですけど、
手のひら返すのも恥ずかしくって……」
 今からでも遅くないから、仲直りしてきたら? 真心を込めて、今みたいに言えばきっと許してくれるわよ?
「ダ、ダメですう! そんなことしたら、あたしがアイツの好きだって……バ、バレちゃうじゃないですか。
お姉さま、お願いします! こーゆーときはなんて言ったらいいか教えてください!」
 まったくもう、しょうのない子ね、吹雪さん。
 ……それじゃあ吹雪さん、テレビの前の皆様と一緒に練習してみましょうか。
「はい!」
508BNSKツンデレ講座vol.25(2/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 02:12:49.46 ID:nICL6bjM0
case1
『自分は悪くないいけれど、気が咎めるとき』


 これなら簡単でしょう。吹雪さん?
「あ、こーゆーこと、ありますあります。
 この間も陽介のヤツ、せっかくあたしが作ってあげたお弁当をしょっぱいだの焦げてるだの言うから、
こっちもつい『なによ、文句あるなら食うな! もう金輪際アンタのために弁当なんか作るか! 水でも飲んでろ!!』
とか言っちゃったんですよ。そしたらあのアホ急にしょぼんとするから、気まずくなっちゃって」
 ふーん。陽介くんも災難ねえ。それで、吹雪ちゃんはそれからなんて言ったの?
「『……ま、どうしても許して欲しいっていうなら、綺麗さっぱり水に流して許してあげるわ』って」
 なかなかいい答えよ、吹雪ちゃん。
「えへへ、そうですか?」
 いい? ツンデレは簡単に自分の非を認めてはいけないの。
 塩をブチ込みすぎてほぼ猛毒の卵焼きや、焦げてるっつーかむしろ炭みたいな鮭を目の前に突きつけられても動じてはダメよ。
 あくまで許しを請うのは向こう。たとえ『美味しいって言ってもらえるように料理の勉強しよう』って思っても、それとこれとは別問題なの。
 分かったかしら?
「はい! 料理の本は自室に鍵かけてこっそり読みます!」
 では、おさらいね?
『許してあげるわ』
 はい、ではテレビの前の皆様も吹雪ちゃんとご一緒に。

「し、しょーがないから許してあげるわ!」

 よく出来ました。
509BNSKツンデレ講座vol.25(3/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 02:13:32.85 ID:nICL6bjM0
case2
『どっちも悪いと感じるとき』


 この場合はどうかしら、吹雪ちゃん。
「えーっと……あの、実は」
 ん? なにかしら。
「こないだ、陽介と……い、行ったんです、その、ホ、ホテホテホテルに」
 あらあらまあまあ。そこまで進んでたの?
「や、その、違うんです! 気の迷いってゆーか、あの中ってどうなってるのかなー、なんて、あははは!」
 で? やることやろうとして失敗したとか?
「だ、だってぇ……怖かったんですぅ。あんなの入らないですよぉ」
 入るわよ?
「は、入りません! 絶対絶対ぜぇーっっったい、入りませんから!!」
 これだから処女は……コホン、あら失礼。話を進めましょうか。
 こういうときはね、相手を罵倒しつつフォローするの。
「え? 難しくないですか?」
 吹雪ちゃん。ツンデレの心得の三を言ってみて。
「は、はい。──『ビバ・温度差』!」
 そう。相手を攻撃した直後に励ますことで生み出される神秘の温度差が、殿方のハートをがっちりキャッチするの。
「ま、マジですか!?」
 マジよ。さ、言ってみて。

「えーと、じゃあ。『さ、最低! そんなにあたしに魅力がないってゆーの!? この馬鹿!!』」
 それだけじゃただの罵倒よ?
「あ、そっか。『あ、あたしだって精一杯の勇気だしたんだから! つ、次はちゃんとやってよね!』
 ……こうですか?」

 ええ、上出来よ。
 テレビの前の皆様も、この用法はぜひとも覚えてくださいませね。 
510BNSKツンデレ講座vol.25(4/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 02:14:27.70 ID:nICL6bjM0
case3
『どう考えても自分が悪いとき』


「あ、これですよ! あたしが知りたいの!」
 そんなに焦らないで。これ、とっても大事なところよ? 今週のツンデレワードだから。
「あ、ご、ごめんなさ──」
 ストップ。それじゃダメよ、吹雪ちゃん。
「はい?」
 本音を素直に打ち明けるっていうのは、ツンデレの最後の切り札なの。その言い方にも最大限の気を配るべきだわ。
「あー、そうですよね」
 ポイントは……『明瞭に発音しないこと』、よ。そうねえ、ゴマメのマからmを抜くような感じかしら?
「ゴ、ゴメ……」
 それから、Ξのuを外す気持ちで。
「っさい……?」
 いい感じよ。繋げて言ってみて。あ、間にaを挟むのよ?
「ご、ごめ……んぁ、っさい」
 パーフェクトだわ!
「でもこれ……相手に伝わりますか?」
 吹雪ちゃん、気持ちを伝えるときは言葉だけに頼ったらダメよ。
 顔を真っ赤にするとか、涙目上目使い、スカートの裾をつかむ、などを併用するの。
「なるほど、さすがお姉さま!」
 それでは、テレビの前の皆様もご一緒に。

「ご、ごめ……さい」

 それじゃ応用問題よ。それでも相手が『え? 今なんて言ったの?』と聞いてきたらどうする?
「『こ、こんな恥ずかしいこと二度も言わせるなあ!』」
 素敵よ吹雪ちゃん! やれば出来るじゃない!
「えへへ」
511BNSKツンデレ講座vol.25(5/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 02:14:52.88 ID:nICL6bjM0
 どう? 陽介くんと仲直りできそう?
「はい、頑張ります!」
 それでは残念ながら『BNSKツンデレ講座』、お時間ですのでまた来週。

 来週のツンデレワードは『今日、パパもママも家にいないの』です。

「べっ、別に見たくなかったら観なくていいけど……観なかったらブッ殺すから!!」
 それではごきげんよう。
「フ、フン! またね!」
512九面鳥:2006/12/09(土) 02:16:11.51 ID:nICL6bjM0
以上す。

>>506
急かしてスマソ。
さっきから家人が「パソ明け渡せ」ってもの凄いプレッシャー掛けてくるんだわ……orz
513プレゼントはPSX:2006/12/09(土) 02:18:30.28 ID:10d+ORTB0
すいません
なんか、無駄に長くなっちゃいました

>>512
いやこちらこそスマソ
なんか何度コピペしても改行多すぎんだよ!っていわれてちょっと焦ったorz
514 ◆SenpaiXN.E :2006/12/09(土) 02:19:04.76 ID:1cjx/e0u0
さて、投下の流れに乗って品評会作品投下しますお

題名「窓の外から」
総レス数1
515六面鳥:2006/12/09(土) 02:19:05.53 ID:WhVYqLRX0
二作目、NGワードがいきなり入ってる気が…。
516窓の外から(1/1) ◆SenpaiXN.E :2006/12/09(土) 02:19:32.25 ID:1cjx/e0u0
「人を雇う費用が、この方法でどれだけ削減できるか分かったろ」
 大通りに面した喫茶店の窓際に、ケンと俺は向かい合って座っている。
「今度の商売は間違いない。この方法で必ず当たるはずだ」
 ケンはコーヒーカップを置いてそう言った。
 いや、お前はこの間もそう言っていたんだけど。
「頼むよ兄貴、この通りだ。もう二百……いや、百でいいから貸してくれよ」
 俺はコーヒーカップを持って、窓の外を見やった。ため息が出たかもしれない。
 俺にその気の無いのをその仕草から感じ取ったらしく、ケンは慌てて身を乗り出してきた。
「こないだ借りた金を返せないのは確かに俺が悪い。すまん、この通りだ」
 ケンは両の手のひらを合わせて、テーブルに額をこすりつけんばかりになっている。
 大通りを歩く人がケンを指差してクスクスと笑っているのが横目で見える。
 確かに、今日は以前貸した五十万円を返してもらうはずの日だ。
 もちろんあてにしていたわけではないけれど。
「でも、この商売が軌道に乗ったらすぐに返す。しめて百五十万のところを百七十万で返す」
 この野郎はよくもいけしゃあしゃあと。
 まったく、我が弟ながら一緒に座ってるのが恥ずかしく思えてくる。
「なぁ、頼むよ、これだけ雇用を削減して望むんだ、成功するのは分かるだろ」
 頭を下げるケンから目線を再び大通りに戻す。
 窓の外に立ち止まっているカップルの会話が聞こえてくるようだ。


「なぁ、オッサンがバニーガールの格好して頭下げてるぞ」
「何あれ、ホントキモイ」

   おわり
517 ◆SenpaiXN.E :2006/12/09(土) 02:20:13.33 ID:1cjx/e0u0
以上、投下終了です

↓以下何事もなかったかのような流れ
518 ◆vHEmKrF2Yo :2006/12/09(土) 02:20:37.95 ID:NPQ9Ud290
じゃあ俺も投下する……
って、少し「謝罪」からかけ離れてる上に「ごめんなさい」に近い言葉が入ってるが。
519winter is being ◆vHEmKrF2Yo :2006/12/09(土) 02:21:01.83 ID:NPQ9Ud290
 日本は四季に恵まれた、とても美しい国です。
春、夏、秋、冬には、それぞれをつかさどる神がやどっています。
神達は順番に日本を訪れ、四季を起こしていたのです。
春が命を生み、夏は命を育て、秋は命に実りをもたらせることで
人間を助けることを自らの喜びにしていました。
四季の神はそれぞれ人間に感謝されていました。

 ある時、夏の神は言いました。
「冬の神よ、お前は人間に何を与える?
私達は協力して人間に恵みを与えるが、お前は厳しい寒さを与えるだけだろう。
お前がいなくなれば、人間はもっと豊かになれる」
冬の神は答えました。
「父は人間のために意味の無い者を創るか?
私はきっと人間のためになっているはずなのだ」
春の神はすぐに返します。
「しかしお前は自分の役割すら知らない。
お前がわからないのなら私達がお前の役割を知るはずがない」
秋の神も言いました。
「お前がいなくなってみろ。そして知るがいい。
人間は今よりも豊かになり、私達に感謝するだろう」
「私は人間のために何ができただろう。存在する者全てに意味があるのではないか?
もしも私が意味のない者なら、私は存在をなくそう。それが人間の望むことなのか。
ああ、なぜ私は生まれてきたのか……」
冬の神は嘆きながらはるか北の国へ旅立っていきました。
520winter is being 2 ◆vHEmKrF2Yo :2006/12/09(土) 02:21:33.06 ID:NPQ9Ud290
 一年を三つの季節がめぐるようになりました。
春に芽吹き、夏に育ち、秋に実る自然の恵みに人間は喜びました。
しかしなぜでしょう。年を追うごとに作物はあまり採れなくなってきたのです。
一度は豊かになった人間の暮らしは苦しくなり、
神の怒りだと思い、毎日のように神に許しを請う儀式を行いました。
それを見た三つの神は人間たちに申し訳なく思いました。
しかし神達にも、何が起こったのかわからなかったのです。
春の神はいいました。
「私が土に呼びかけ、命を宿そうとするのに、土は答えない」
夏の神はいいました。
「私が土に呼びかけ、命を育てようとするのに、土は答えない」
秋の神はいいました。
「私が土に呼びかけ、実りをもたらそうとするのに、土は答えない」
三つの神は土に原因があると思い、大地の神のもとを訪れました。
「私達は人間のためを想って恵みを与えるためにお前に呼びかけている。
なぜお前は私達に答えない」
秋の神の問いかけに大地の神は力なく答えました。
「私の力がなくなっている……お前達はある年から突然私に休息を与えなくなった……」
三つの神は知りました。土は疲れていたのです。
春の神は申し訳なさそうに言いました。
「お前の力は無尽蔵ではなかったのか。人間から母と慕われるお前の力にも限界があったのか。
私達はお前に頼りすぎた。しかし、何がお前に休息をもたらす?」
「冬の神の訪れが私に休息をもたらしていた……」
大地の神は冬に眠りにつき、力を蓄えていたのです。
神々はそのことに初めて気付きました。
そして、冬の神に投げかけた言葉の残酷さにも気付きました。
521VIP皇帝:2006/12/09(土) 02:22:00.50 ID:cNwglE6k0
>まとめのお人
えっと、迷惑をかけてごめんなさい(言ってしまった)
まとめの方に元ネタ表記(↓)を入れて下さると有難い……かもです。

元ネタ:「絶望ハンバーグ工場」系のスレ

我侭みたいな物なので、余裕があったらで構いませんー。
522winter is being 3 ◆vHEmKrF2Yo :2006/12/09(土) 02:22:06.44 ID:NPQ9Ud290
 三つの神は冬の神のもとを訪れました。
夏の神は言いました。
「私達は自分の力に自惚れていた。私達の力だけでは恵みをもたらすことができない。
お前の存在に気付いた。人間のためを想うなら、また私達と共にきてほしい」
冬の神は答えました。
「私を必要としてくれるのか? 人間のためなら、私はまた働こう」
そこに太陽の神が舞い降りました。そして言うのです。
「冬の神の清らかな心はお前達を許してくれる。
しかしお前達が感謝の心を忘れたままなら、私はお前達を許さない」
三つの神は口々に懺悔を始めました。
「父よ、私達は謝らなければならないのですね。
冬の神よ、人間達よ、大地の神よ、許しておくれ」
太陽はそれを聞くと、大地に力を与え、また天に昇っていきました。

 人間が土地という空間を分け合うように、四季も一年という時を分け合って協力しているのです。

おわり
523 ◆9JKeusI8nA :2006/12/09(土) 02:22:40.90 ID:cNwglE6k0
トリ忘れ……連投切って申し訳無いorz
524 ◆vHEmKrF2Yo :2006/12/09(土) 02:23:08.67 ID:NPQ9Ud290
正直「1/3」とかのやつつけるの忘れたんだが、ごめんなさい。以上。
525:2006/12/09(土) 02:24:43.90 ID:ebZVr3/20
ちょwwwwなにこのスタートカオスwwww
526ヨンタ:2006/12/09(土) 02:25:03.84 ID:yvj6bdxU0
>>515
よく気付いたねwww
まぁ、もう修正きかないからそのまままとめるけどw
527トナカイ(雌):2006/12/09(土) 02:25:33.04 ID:NPQ9Ud290
そうなん?俺このスレ初めてだからわっかんなーいww
528靴下右:2006/12/09(土) 02:25:48.31 ID:gYNU+6Wt0
ここまでで解った事
・謝罪の言葉は意外と使われている
・途中まで言っちゃってる
・縛り強力すぎる
529ゴタ:2006/12/09(土) 02:26:46.75 ID:0zqJVhml0
>>489
メモ帳、どこの端末でもあるから便利ではありますねえ。

>>495
One Noteって奴ですかね。へえ。こんなのあったんだ。
とはいえ、紙に勝る物は無しかあ。

なるほど。さんくー。参考になった。
530靴下右:2006/12/09(土) 02:27:11.99 ID:1cjx/e0u0
とりあえず、謝罪とごめんなさいの「文字列」がなければおkと自己判断した
531九面鳥:2006/12/09(土) 02:27:48.81 ID:bI3DBN8z0
ゴッメーン! サーセン! モーシワケナーイ!

よしすっきりした。さて書こうかね。
532四面鳥:2006/12/09(土) 02:29:17.77 ID:JOysoy9c0
縛りはきついがおかげでお題をおろそかに出来ないのは
良かった点じゃないかとも言える
533靴下右:2006/12/09(土) 02:31:06.42 ID:gYNU+6Wt0
縛りにかかってる作品っていうのは
どういう立場で扱うの?
534ゴタ:2006/12/09(土) 02:31:51.33 ID:0zqJVhml0
>>533
かかっていても別に投票の対象外にはしない、って話じゃなかった?
535 ◆BLOSSdBcO. :2006/12/09(土) 02:33:08.40 ID:0mX5tepZ0
初品評会作品に脱字と矛盾発見orz
しかし品評会は感想が貰えなさそうで怖い…
536以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/09(土) 02:33:32.89 ID:qU1upad00
>>534
要するに投票する側に判断はゆだねるってこと?
537ゴタ:2006/12/09(土) 02:35:21.78 ID:0zqJVhml0
>896 名前: ◆bsoaZfzTPo [] 投稿日:2006/12/07(木) 22:57:51.90 ID:bLsjLiSG0
>>>891
>できれば本文、タイトル共に使わない方向で挑戦してみて欲しいです
>実はみんなが使う表現に逃げるなっていう、自分への戒めでもあるんだw
>まとめ掲示板にちらっと書いたけど、昔読んだ小説作法でそんな感じの
>アプローチがあってな。面白そうだったからお前らを巻き込んでみたw

>あ、NGワード使ったからって選考外って事にはしなくて良いであります>運営の方々

って、◆bsoaZfzTPoさんがいってた。

投票する人に判断はゆだねるって事でOKなんじゃマイカと。
538九面鳥:2006/12/09(土) 02:35:25.59 ID:bI3DBN8z0
>>535
むしろ感想がもらえない方がまれ
安心しな

感想はすべてが終わってからだよー
539ゴタ:2006/12/09(土) 02:36:38.50 ID:0zqJVhml0
>>535

大丈夫
感想も、批評も、否応なくもらうことになると思うwwwww
540ゴタ:2006/12/09(土) 02:36:55.57 ID:0mX5tepZ0
>>538
感想がすぐもらえないのは、他の人の評価に影響しない為、なのかな。
噂のM館が楽しみwww
541チキンナゲット:2006/12/09(土) 02:37:37.30 ID:HEBAUWGd0
お題ください
542靴下右:2006/12/09(土) 02:38:01.56 ID:gYNU+6Wt0
伝説の木
543 ◆BNSK/DqMrY :2006/12/09(土) 02:38:04.25 ID:yvj6bdxU0
↑此処までまとめ完了
544四面鳥:2006/12/09(土) 02:38:08.61 ID:JOysoy9c0
>>541
夕立
545六面鳥:2006/12/09(土) 02:40:32.94 ID:WhVYqLRX0
運営氏乙であります。

ではおやすみなさい。
546ヨンタ:2006/12/09(土) 02:42:24.96 ID:3jkWLgnH0
今北

すみません今、謝罪ってテーマのやつ書いてるのですが
期限はいつでしょうか?
あと、使っちゃいけないの言葉はなんですか?
547 ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 02:42:28.81 ID:8gqdplRSO
「吹雪ちゃん」で統一するの忘れてたー!
さすが校正の出来ない男ベストジイヤー!
548ゴタ:2006/12/09(土) 02:44:02.92 ID:0zqJVhml0
>>546

>>3を見ると詳しく書いてあるよー
549ヨンタ:2006/12/09(土) 02:44:07.84 ID:yvj6bdxU0
まだ3時にもなってないってのに既に8作品ってwwwww
お前らそんなにネタ被りが怖いのかwwwwwwwwwww


>>521
まとめ掲示板は修正きかないから、今から入れる事は出来ないんだ。済まない(´・ω・`)
斬り捨ての中の人に頼んだら、そっちにはやってもらえると思うけど……。
個人的には元ネタの素性はしらせなくてもいいんじゃね? って感じだけどね。


>>546
期限は日曜24時まで。
禁止ワードは「謝罪」と「ごめんなさい」。


>>547
それ以前に、「ごめんなさい」が一個あったんだぜ?wwwww
550:2006/12/09(土) 02:44:48.79 ID:ebZVr3/20
>>546
期限は、日曜の24時まで。
ただし、投下宣言は23時30分までにしなくてはいけない。

使っちゃいけない言葉は
「謝罪」と「ごめんなさい」
551ヨンタ:2006/12/09(土) 02:45:12.88 ID:3jkWLgnH0
>>548
とってもありがとう
552九面鳥:2006/12/09(土) 02:48:04.88 ID:8gqdplRSO
>>549
きゃぁぁぁ!
なかったことにできませんか。無理そうですね。吊って来ます。
553ゴタ:2006/12/09(土) 02:49:47.25 ID:0mX5tepZ0
昨日通常の推敲してから品評会書いて、さらにレポート書いてたら…

 鼻 血 が 出 た www
554ヨンタ:2006/12/09(土) 02:50:27.95 ID:yvj6bdxU0
>>553
エロいな。
555ゴタ:2006/12/09(土) 02:50:59.18 ID:0zqJVhml0
>>553

えっち。
556ゴタ:2006/12/09(土) 02:51:45.04 ID:0mX5tepZ0
哲学のレポートでプラトンに鼻血だす俺。大人しく寝るか。
557サンタロウ:2006/12/09(土) 02:56:30.58 ID:KqyB4U9f0
すでに投下された作品とネタがちょっとかぶってる俺がいる。
558九面鳥:2006/12/09(土) 02:58:43.90 ID:8gqdplRSO
あー、どうしてこうなんだろう。自分のアホさが嫌になる。
スーパーマリオでも1-1でなんの迷いもなく落とし穴にB-DASHしちゃうし。
凹んできた。
559ヨンタ:2006/12/09(土) 02:59:46.70 ID:yvj6bdxU0
>>558
そのスピードは感嘆に値するけどなwww
見直し、推敲は大事だって良い例だwwwww
560十面鳥:2006/12/09(土) 03:02:58.55 ID:8gqdplRSO
なあに、かえって免疫力が付く。
まだ時間はあるし新しいの考えようっと。
561ヨンタ:2006/12/09(土) 03:04:20.88 ID:yvj6bdxU0
>>560
ちょwwwww立ち直り早いwwwwwwwwww
その上まだ書くのかよwwwww
562以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/09(土) 03:06:43.44 ID:qU1upad00
>>560
三作目突入てwww
563ゴタ:2006/12/09(土) 03:12:15.02 ID:0zqJVhml0
>>560
その早さ……何食べてます?
564夕立(1/2):2006/12/09(土) 03:16:04.80 ID:HEBAUWGd0
 「自殺の可能性が高いです。」
電話越しの警官は言った。
「彼女の部屋にあなたと写った写真があったので…ここ数日彼女に何か気にかかったことはありませんか?」
警官は他にも色々と質問してきたが、私にはさっぱりわからなかった。
なぜなら彼女と私は同じ大学に通っていたのだが、挨拶をする程度で親しくはなかったからだ。
それどころか、ここ1年ほどは顔も見ていなかった。
私が知る限り彼女は「写真が好きな子」だった。それだけだ。
ことある事に写真を撮っていたので、一緒に警官から連絡が来たのも私だけではないのだろう。
こんな時に涙も出ない私はきっとダメなんだろうな。
彼女に一体何があったのか、それはきっと私には永遠に分からないことだ。
外は秋晴れの良い天気だ。私はふと彼女に初めて会った時を思い出した。
  
565十面鳥:2006/12/09(土) 03:18:18.30 ID:8gqdplRSO
>>563
ダブルスキップサンド

とは言うものの、さすがにしばらくはネタが出てこなそうだし、風呂入って寝る。
今夜の失態はこの場にいる人だけの秘密だ。
約束だぞっ☆
566ゴタ:2006/12/09(土) 03:29:19.20 ID:0zqJVhml0
>>565
サンド……サンドかあ。うどんじゃないのか。

って。げ。
作ってたプロットが崩壊したwww
567546:2006/12/09(土) 03:30:45.47 ID:3jkWLgnH0
すみませんが私にはみなさんのような文才はないようですwwww
自分でもびっくりするくらい厨な文章

完成してもはずかしいから書き込まないかもww
568夕立(2/2):2006/12/09(土) 03:31:29.52 ID:HEBAUWGd0
 2年ほど前、私は大学進学のため上京した。半年ほど経ち、学生生活にも馴れてきた頃、駅で声をかけられた。
「ちょっと写真撮らして。雨と駅のホームとあなた。絵になってるから。」
いきなり何だと思ったけど、大学って変わった人もいるからとでも思って撮らせてあげた。
それから名前、学部、将来の夢とか軽く談笑した。カメラマンになりたいって言ってたな。
「記念に。」
そう言って彼女は私と写真を撮った。私は何だか照れくさかった。
「じゃあ、私反対側の電車だから。ありがとね。」
そのままササっと彼女は反対のホームに走っていった。
気がつくと雨は止んでいた。急に降って急に止むんだなぁ。
 電車を待っていると、反対ホームに彼女の姿があった。
目が合ってふっと私に微笑みかけた時、勢いよく電車が目の前を横切って何も見えなくなった。

569煙突:2006/12/09(土) 03:39:40.34 ID:vVbAwRsc0
>>567
最初は皆そう。
その恥ずかしさが後に快感に変わるwwww
570以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/09(土) 03:53:56.72 ID:qU1upad00
ほしゅほしゅ
571ヨンタ:2006/12/09(土) 04:04:44.21 ID:3jkWLgnH0
>>569
快感ですかwwwww

ちょっと休憩します
572 ◆DWDMFPPpRw :2006/12/09(土) 04:11:35.75 ID:i87s0tXV0
おーし、出来たので投下しますね。
573品評会用『ぼくはわるくない』1/1 ◆DWDMFPPpRw :2006/12/09(土) 04:12:59.50 ID:i87s0tXV0
 どうしよう。壊れてしまった。
 どうしたらいい。壊してしまった。
 こんなに簡単に壊れるとは思ってなかった。
 確かに、壊すために落としたんだけど。
 でも、こんなに簡単に壊れるなんて思ってなかったんだ。
 お父さんは怒るかな。きっと怒るだろうな。
 いつもいつも、とても大切そうにしてたから。
 だから、壊したんだから。
 これがウチに来てから、お父さんは僕に構ってくれなくなった。
 いつもいつも、こればかりに笑顔を向けていた。
 だから、壊したんだ。僕のことだけ見て欲しくて。
 お父さんは、僕にもこれを大切にしろと言ったけど。
 僕の居場所を奪ったこれを大切になんかできるわけない。
 そうだ、僕は何も悪くない。悪いのはお父さんだ。
 いや、悪いのはこれだ。これがあるからいけなかったんだ。
 だから、壊したんだ。僕は何も悪くない。
 素直に話せばきっとお父さんは分かってくれる。許してくれる。
 僕が落として壊れたそれは、中身をこぼして床を汚している。
 床を汚すと怒られるんだ。だから怒られるのはこれで、僕じゃない。
 そうさ、正直に言えば許してもらえるんだ。

「お父さん」
 お父さんの部屋に行って、呼びかける。お父さんは椅子に座って背中を向けていた。
「アルか。……何だ? リズはもう眠ったか?」
「うん、そのことなんだけど──」
574サンダル:2006/12/09(土) 04:14:09.99 ID:i87s0tXV0
一レスとか初体験だぜ…。まあ、ゲームやりたいからなんだが。
575ヨンタ:2006/12/09(土) 04:16:05.88 ID:3jkWLgnH0
がんばれー
俺も執筆中
576以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/09(土) 04:39:05.29 ID:qU1upad00
ほしゅうお
577以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:2006/12/09(土) 04:54:06.81 ID:qU1upad00
最終保守
578ヨンタ:2006/12/09(土) 05:01:08.06 ID:3jkWLgnH0
579 ◆gJmjtc7Vdg :2006/12/09(土) 05:21:42.46 ID:NkAiM8z60
品評会作品投下します↓
580半熟(1/4) ◆gJmjtc7Vdg :2006/12/09(土) 05:24:52.68 ID:NkAiM8z60
 背を曲げて前かがみになる父親を、これで何度見ただろうか。
 子供の頃の僕は、余りに幼く稚拙だった、両親も呆れるほどに。
 腕白な子供にはよくありがちなことだが、同級生の友人としばしば殴りあいの
喧嘩をした。比較的腕力に秀でていた僕は大抵相手の少年を泣かしてしまい、後
日父とその子の家に頭を下げに行くことがほぼ毎月のように起こっていた。
 僕の横で父が腰を低くしているのを見て、僕は情けなく思っていた。何に対し
てか。それはぺこぺことしている惨めな父と、そんなことを父に強いながら決し
てそれに倣わなかった自分に対してだ。
 僕は頑として頭を下げることを拒んだ。大した理由などは無い。ただのつまら
ない意地だ。今となってはよく分からないが、そのときは父のようにすることが
恥ずかしいと思っていた気がする。そうしてそっぽを向いている僕の頭を父の大
きな手が無理やり下げさせることで、毎回一応の決着を見せる。僕としても、自
分で下げたのではなく、父によって無理やり下げさせられたということで、下ら
ない矜持を保っていた。本当に下らない矜持である。
 そんな帰り道、父は決まって僕を公園に連れて行った。父はいつも同じベンチ
に腰かけ、僕もその隣に静かに座る。暫くして父は立ち上がり、僕もその後につ
いて帰宅する。その日も定例の如くだった、途中までは。
 僕と父は何も喋らずにじっと公園で遊ぶ子供達を見ていた。気まずさのために
 僕からは何も話せずにいると、父はやおら僕の方を見て言った。
「なあ、透。謝るのは嫌か?」
 さすがにこう何度もやらかしていては温和な父にも怒られるだろうと思ってい
た僕は、その突然の言葉にどきっとして父の方を見た。顔は怒っていないように
見えた。
581半熟(2/4) ◆gJmjtc7Vdg :2006/12/09(土) 05:26:01.20 ID:NkAiM8z60
 僕は何も答えずに、父の視線に負けて俯いた。
「そうか……。好きな人なんていないか」と父は軽く笑った。
 僕は俯いていた視線を上げ、仄笑う父を見た。
「だけどな、透。もし透が少しでも悪いと思ったのなら、ちゃんと謝らないとい
けないぞ。そうしないと……そうだな、もう少し大きくなったら分かるかな」
 父は微笑んでそう言った。十年たった今でもそのときのことを鮮明に覚えてい
る。けれど覚えているだけだ。

「だから」
 俺は強い調子で叫んだ。声音には思いよりも不満が先走っていた。
「確かに嘘をついたのは俺だけど、お前にだって非はあるだろう」
 同棲相手の女に詰め寄って、俺は声高に相手を非難した。虚ろな中身を隠すた
めのほとんど虚勢に近かった。
あれから十年、二十歳を過ぎた俺はあのときの父の教訓を全く生かせていなか
った。今回の些細な喧嘩も、発端たる要因は俺のほうにある。が、そうと分かっ
てはいるもの、素直にそう言えない俺は、あの頃から少しも変わっていない。悪
いとは思っているのだ、悪いとは。だがそれを言葉にして表すことには多大なる
抵抗があった。糞ほどの器量しか持たない自分に、自分でもほとほと愛想が尽き
る。ただ一言謝ることもできない、弱い自分。それから目を逸らすかのように俺
は声を張り上げた。
「お前があのとき何も言わないで出てったから、俺だって仕方なく――」
「仕方なく? 仕方なく何? 仕方ないから嘘ついても良いって言うの?」
 女も俺に負けぬ強い声で言い返してきた。彼女の名は真由美といった。

「本当に申し訳ありません」
 母は九十度に背を曲げた。その後姿は滑稽だった。
582半熟(3/4) ◆gJmjtc7Vdg :2006/12/09(土) 05:26:52.86 ID:NkAiM8z60
 警察署の待合室のようなところで、椅子に座って私は母の後姿を眺めていた。
 家出と窃盗などの小さな犯罪を繰り返していた私は、しばしばこうして警察の
厄介になっていた。そうすると決まって迎えに来たのが母だった。母はいつもの
ように平身低頭して警官に温情の礼を述べ、それにほだされた警官が私と母を出
口へと案内する。そして母がまた頭を下げて二人は家に帰る。今日も同じような
具合だった。
 警官に呼ばれた私は、やっと家に帰れると喜びつつも、母の迎えの遅さに苛立
ちを覚えていた。それは完全なる逆ギレだったが、そのときの私は本当にそう思
っていたのだから愚かとしか言いようがない。けれど、そんな私も母が何度も頭
を下げている姿を見ると、胸にずきんと痛む思いを抱いたのはやはり子供だから
だろう。
 それに母はこう何度も私に振り回されながらも、何一つ小言を言う事はなかっ
た。いつも私を迎えにきて、警官に謝って、二人で家に帰って、何事もなく日常
を始める。私が再び何か愚行を犯すまで。
 警察署を後にした私達は、連なって帰路に着いていた。無言で歩く二人だった
が、ある角を曲がったところで母が二度三度咳をした。その音に母の顔をちらと
覗いてみると、いささか顔が赤い気がした。
 私は非常な努力をもって声をかけてみた。声は小さなものだった。
「風邪でもひいてるの?」
 母は驚いたように私のほうを見て、小さく首を横に振った。
「ううん、大丈夫よ」と笑った母はどこか弱弱しかった。
「真由美、そんな格好じゃ寒いでしょ。これ着なさい」
 そう言って、母は自分の着ていたコートを私の肩にかけようとした。私の格好
は確かにこの肌寒い夜道にはそぐわなかったが、私は慌ててそれを制止した。
「いいよ、そっちのほうが寒そうじゃん」
 母は少し悲しそうな表情をした。お母さんと言えず、そっちと言ってしまった
ことをちょっと後悔した。
「お母さんは大丈夫だから」
583半熟(4/4) ◆gJmjtc7Vdg :2006/12/09(土) 05:27:46.83 ID:NkAiM8z60
 母は押しとどめようとする私の手を無視して強引にそれを羽織らせた。私もそ
れ以上は言えず黙ってそのコートを羽織っていた。急激に湧き上がってきた愚挙
への悔恨が母の顔を見させてはくれなかった。そんな思いを抱きつつも言葉には
出来ない私は、自分が嫌いになった。ありがとうの一言すら言う事も出来ずに、
私は母と暗い路地を家まで歩いた。

 あれから三年、私は何の成長もしていない。
「あんたが嘘さえつかなきゃ何だってなかったんだから」
 私は同棲相手の男を睨んだ。
「あんたがそんなだから、こんなことになるのよ」
 それは嘘だ。結果としてそうなっただけで事実は違う。元々は私が無断で家を
出たことから、こうなっている。それさえなければ現在のような事態にはなって
いないのだ。そうと分かっていても私は自分の非を認めることができずに、相手
を責めることで自己を正当化しようとしていた。ただ一言謝りさえすれば、こん
なふうに透を怒らせることもないのに。
「あんたっていっつもそうだよね。自分が悪いって認めないでさ、ちっとも謝ろ
うとしないし。これからもずっとそうなら――」
「それはお前だって同じだろ。お前が謝ったところなんて、今まで一度も見た事
無いぜ。お前みたいな強情な女初めてだ」
 睨み合う時間が続き、だがそれが意味のないものだということは、多分向こう
も分かっているのだろう。私達はどちらかともなく喧嘩を中断し、床に就いた。
一人用のベッドに二人は身を縮め、背を向け合って横になる。自分の非を認め
るたったの一言を言うことができずに。そして翌日には、気まずいながらも何事
も無かったかのように一日を送ることになる。お互いの影に触れないように注意
しつつ、贖罪の気持ちから幾らか低姿勢になって。

584ユダ:2006/12/09(土) 05:37:16.38 ID:w7+Ylf2b0
今沖田産業、品評会前の準備運動になにかお題prz
585:2006/12/09(土) 05:44:36.84 ID:WLYP9xt40
体操
586君のネコは美味しかったよ。 ◆8/MtyDeTiY :2006/12/09(土) 06:30:04.92 ID:WhVYqLRX0
  謝って赦される事じゃないのはよくわかってるんだ。君のネコを食べてしまったのは僕なんだから。
  罪は、うん、どんな形でも償うよ。何なら警察に突き出されてもかまわない。器物損壊罪じゃ、償うには罪が軽すぎる気がするけど。
  ご飯を丸三日食べてなかったんだ。そしたらさ、そこに君のうちのネコ、アレックスって言ったっけ? 彼がとことこ歩いてきたんだ。
  めちゃくちゃ美味しそうに見えるんだよな。特に空腹の時には。うん。でも美味しかったよ、
君んとこのネコ。餌が良いのかな。え?ただのネコマンマ?あ、ネコマンマはあんまりネコには良
く ないみたいだよ。塩分濃度がネコにとってはきつ過ぎるみたい。ま、君のところのネコはそんな事気にしなくて良くなっちゃったけど。
  さ。もう泣き止んで。ね。君がどれだけ泣いたってもうアレックスは帰ってこない。僕が食べちゃったから。ああもう泣かないで。
  いまさらこんな事言っても信じてもらえないだろうけど、ホントに反省してるんだって。あ、でも最後にこれだけ言わせて。

  ねこ大好物。
587プレゼントはPS2:2006/12/09(土) 07:46:55.40 ID:JIJCgdSP0
保守
588ヨンタ:2006/12/09(土) 08:18:06.71 ID:GXQXkiX30
朝起きてスレ見てみたら……なんだこの投下の早さは
589ヨンタ:2006/12/09(土) 08:40:25.89 ID:tKqPh4X10
今日、土曜だよな・・・
なんでこんなに投下されてるんだ
なんでこんなにネタが被ってるんだ俺
・・・・・・だからかorz
590サンク:2006/12/09(土) 08:51:08.76 ID:zI9BvWXe0
寝しなにネタを思いついたのだが
メモらずそのまま寝てしまった。
起きたら綺麗サッパリ忘れていましたよ!
591そり(年代物):2006/12/09(土) 09:59:09.64 ID:Pp7Irpp7O
保守
592そり(ミニ四駆):2006/12/09(土) 10:14:53.52 ID:Szkz1wfEO
空気を読まずにアンケートをしてみます。

お題は昨日の昼間にもちょっと話題になった『長編作品に関して』です。

1.長編作品を書いてみたい/既に書き上げた作品を読んで欲しい人はいますか?(書き手の人数調査)
a)書いてみたい
b)読んで欲しい
c)どうでもいい

2.長編作品を読みたい人はいますか?(読み手の人数調査)
a)読みたい
b)どうでもいい

3.長編作品を投稿するとして、その場所はどこがいいですか?
a)まとめ掲示板(掲示板管理人許可済み)
b)新たに場所を設置(まとめ掲示板と同じ形式)
c)新たに場所を設置(何か違う形式)
d)VIPでやれ(本スレ以外)

基本的に本スレでやろうとは思ってないですが、意識調査のために答えてくれると嬉しいです。
593ヨンタ:2006/12/09(土) 10:34:21.94 ID:tKqPh4X10
>>592
保守ついでに

1:a
お題を主題に持ってくるのが難しそうだけどね

2:a
ただし、あんまりにもあんまりな出来だったら
最初しばらく読んで「読者を話に引きこめてない、読むのが辛い」
とか感想つけると思うけど

3:aかc
昨日も言われてたけど、ろだがあるんだし、txt形式で上げるのもありだと思う

最低限忘れちゃいかんと思うのは、お題をもらって書くという基本ルールかな
こんな長編書いたよ、見てーっていうなら相応しい場所に行くかHP作るなりした方が良いかと
594ゴタ:2006/12/09(土) 10:43:48.81 ID:0mX5tepZ0
>>592
1.a
脳内設定をフルに書いてみたいとは思う。挫折しなければwww

2.a
当然読みたいと思える作品だけになるだろうが…

3.aかd
長編も可のスレがあるはずだけど、まとめにあれば時間のある時に
読んで感想も言えるかな、と

運営の方、乙です
595トナカイ(ネカマ):2006/12/09(土) 11:06:43.41 ID:oED0zWFW0
596煙突:2006/12/09(土) 11:07:37.24 ID:EFj+6S9l0
>>592
1:c
書けない

2:b
縦書きは長時間読めるけど
横書きは長時間読めない
気が向いたら読む

3:a
チェックする場所が増えるのはめんどい
597そり(カブリオレ):2006/12/09(土) 11:14:09.65 ID:Szkz1wfEO
今のところアンケートに答えてくれてる人たちありがとう。
個人的な構想ではスレッドタイプの掲示板一個置いて作者(作品)毎にスレ立て、
感想などは感想用のスレを立てて作品用のスレでは作品だけを書く、みたいな形式にしたいかなとか。
やっぱりbnskである以上はお題をもらってそれに沿った小説を書ければいいんだけど、長編では難しそうなのが悩み所。
あとは、読む人が少なそうってのと書く人も少なそう……。
598ゴタ:2006/12/09(土) 11:28:07.06 ID:0mX5tepZ0
>>597
個人的な意見ですが、お題をもらって本スレに投下出来ない長さになった場合に
「まとめの長編用スレに投下します」宣言をするくらいで良いんじゃないでしょうか。
作品用スレ・感想用スレと立てるとかさばるのもありますし、長編専用として隔離
してしまうと余計に書く人・読む人が少なくなりそうな気もします。
599 ◆BNSK/DqMrY :2006/12/09(土) 11:29:24.23 ID:vVbAwRsc0
>>586
これも品評会作品ですよね?
IDからすると一作目と同じ作者さんかな?
とりあえずまとめに追加しますが、万が一作品数が40超えるような場合にはどっちかに絞ってもらうかもしれないです。
ご了承を。
600五面鳥:2006/12/09(土) 11:50:45.34 ID:WhVYqLRX0
おはようございます

>>599
シャレで作ったものなんで、どっちかにしろといわれたら最初のでお願いします。
601八面鳥:2006/12/09(土) 11:57:23.63 ID:4UwXP3mYO
1:a
2:a
3:a

ここで無理なら
「ライトノベル作法研究所」とか「作家でご飯!」
とかに投稿したらいいと思う
602 ◆7wdOAb2gic :2006/12/09(土) 12:10:43.47 ID:RlZt9Dza0
品評会作品投下させていただきます
603無抵抗主義1/2 ◆7wdOAb2gic :2006/12/09(土) 12:12:24.80 ID:RlZt9Dza0
一着しか持ってないスーツが汚れるのもかまわずに、ゆっくりと跪いた。両足を折りたたみ
両手を地面に着いて、深々と頭をさげた。呼び出された夜の公園。あたりに人通りはない。

「そんなことされてもさー、こっちは一文の得にもなんないんだよね」

知性のまったく感じられない高木の声が、はるか頭上から降り注いできた。
高木には私の頭が丸見えのはずだ。最近抜け毛が増えてきたので、頭頂部の毛髪の薄さに
気づかれたかどうか気になった。

「今日中に耳をそろえて返すって約束しただろ」

高木の声音は徐々にイライラを帯びてきたようだ。
少し目をあげると、高木の履いている黒い革靴が目に入ってきた。全然手入れされていない
安物。ちゃんと足元まで気をつかわないと、女にもてないよとからかいたくなった。

「おい、聞いてんのかよっ!」

ようやく怒鳴り声までステージが進んだ。
とりあえずビクッと身を震わせ、亀のように首をひっこめておいた。鼻がつきそうなほど
近づいた地面の上を、真っ黒い蟻が自分の身体の二倍はあろうかと思われる、死んだ羽虫を
運んでる姿が目に入ってきた。がんばって働いて俺みたいになるなよと、心の中でエールを
送った。
604無抵抗主義2/2 ◆7wdOAb2gic :2006/12/09(土) 12:13:29.96 ID:RlZt9Dza0
「お前なめてんのか、なんとか言えよ」

高木の飽きあきとしてきた感じが、はっきりと聞いて取れた。
なんとなく、地面に着いている手を5ミリほど、空中に浮かしてみた。まさか私の手が地面に
着いてないとは、上から見てる高木にはわかるまいと思うと、じわじわ優越感がわいてきた。

「一週間後にまた来っから、キチンと用意しとけよ」

やりました。ビクトリー。ま、最後くらいよくがんばった高木君に私の声を聞かせてあげよう
ではないか。

「は…はい」

高木の足音が公園から完全に聞こえなくなったのを確認してから、そろそろと立ち上がった。
ズボンにくいこんだ小石を手で払い落とした後、しびれる足をひきずりながら、軽やかに
口笛を吹きつつ、家路に着いた。

                   完
605九面鳥:2006/12/09(土) 12:38:26.91 ID:a5xcrcc20
今回は作品多い感じがする
606七面鳥:2006/12/09(土) 13:02:26.10 ID:lk6tfUVR0
また一つ目の構想がボツになったw
607靴下左:2006/12/09(土) 13:14:59.23 ID:vVbAwRsc0
時代背景って難しいねぇ
608七面鳥:2006/12/09(土) 13:16:09.67 ID:WhVYqLRX0
>>606
いいから、二回書き直した最初の奴をうpする作業に戻るんだ!
609七面鳥:2006/12/09(土) 13:21:02.59 ID:lk6tfUVR0
>>608
なぜそれをww
610十面鳥:2006/12/09(土) 13:21:54.14 ID:a5xcrcc20
>>609
ヒント:ID
611品評会『ただ一言を』 ◆6F74IPNEuU :2006/12/09(土) 13:22:25.04 ID:Ajkf9aQk0
戦争を起こした。
資源枯渇というありがちな理由から隣国Aの資源を奪うために侵略し、一年かけて
我が国の領土とした。
しかしその数年後に我が国から新たなエネルギーが発見され、国内の批判の声も
あって奪った領土を隣国Aに返還した。
勿論私は身勝手な理由から戦争を起こした者として、復興までの物資と人員を
惜しむことなく与えた。彼らが食料を求めれば食料を与え、彼らが更に人を求めれば
軍隊を派遣し、かつて奪った資源も彼らに返した。
それでも彼らのわたしへの恨みの声は途絶えず、私は更に彼らに与えた。
ひたすら与える、与える、与える。
それが10年も続くと隣国Aも元の姿を取り戻し、自立できるほどとなった。
まだ恨みの声は多く、隣国Aの国民は私を責め続けたが、私は出来ることはやった。
私はそれ以上の恨みの声はどうやっても無くならないだろうと諦め、最後の物資を
彼らに与える承認の書類に判を押すと、この日の仕事は終え、私室で休んだ。
「覚悟ッ」
カーテンから剣を持った青年が現れ、ベッドに横たわろうとする私の胸を貫く。
白い髪に褐色の肌。その容貌はまさしく隣国Aの国民の特徴を現す。
私は突然の理不尽さに「何故」と息も絶え絶えにつぶやくと、青年は怒りを露に怒鳴った。
「何でたった一言が言えなかったんだ!」
剣は引き抜かれ、もう一度突き刺される。
私はなるほど、と理解した。
私が彼らに与えるべきは物資でも人員でもなく、たった一言、6文字の…。
「○○○○○○」
この言葉こそ私の隣国Aに行った過ちを認める、一番初めに言うべき言葉だったのだ。

612十面鳥:2006/12/09(土) 13:22:46.59 ID:+8NFnUfN0
スレタイを見て車輪を思い出したのはおれだけか?www
613靴下左:2006/12/09(土) 13:25:10.17 ID:EFj+6S9l0
>>564>>568
かなり遅いけど

基本ルールは
http://wing2.jp/~bnsk/index.php?%A5%B3%A5%E9%A5%E0%2F%B4%F0%CB%DC%A5%EB%A1%BC%A5%EB
ここ読むと良いと思う。

雰囲気は良かった。
>こんな時に涙も出ない私はきっとダメなんだろうな。
このセリフ(?)と、文章の雰囲気はとてもマッチしてる感じが良かった。
けど、知人が死んだ、そんな人もいたなで終わってる感じがする。
オチ云々を言うつもりはないけど、伝えたいことははっきりさせると良いと思う。
プロローグだけって感じがしました。

>一緒に警官から連絡が来たのも私だけではないのだろう。
ここは、「一緒に」ではなく「同じように」とかの方が違和感ないと思う。

>大学って変わった人もいるからとでも思って撮らせてあげた。
「とでも思って」は「と思って」じゃないかな?
「とでも」は他人の事を表す時に使うもんじゃないかと思う。

基本的に書き手ではないのですが、気になったとこだけ上げてみました。
614ニタ:2006/12/09(土) 13:59:30.84 ID:ftioQNXC0
1+1=保守
615ゴタ:2006/12/09(土) 14:12:54.19 ID:0mX5tepZ0
品評会作品も投下したし、何かお題をもらえないか?
6161000ならクリスマスは中止:2006/12/09(土) 14:14:42.81 ID:RIT5gXUd0
>>615
貧弱勇者
617ゴタ:2006/12/09(土) 14:40:50.66 ID:0mX5tepZ0
>>616
把握。オチが一瞬で浮かんだからサクっと書けそうだ
618ツリー:2006/12/09(土) 15:07:51.60 ID:6sVeNpm40
品評会に昔投下した作品のリメイクを出してもおkですか?
619三面鳥:2006/12/09(土) 15:40:49.08 ID:0zqJVhml0
>>618
品評会に?
620ゴタ:2006/12/09(土) 15:54:10.59 ID:txd/Z7s50
なんでこのカオスは?
621ツリー:2006/12/09(土) 15:54:31.05 ID:6sVeNpm40
一般作品で書いたものを品評会にです。
622そり(ガス欠):2006/12/09(土) 15:57:23.25 ID:Szkz1wfEO
なんか>>619の返しに意味もなくワロタwwwww

別に品評会のルール守れてればいんじゃね?
623四面鳥:2006/12/09(土) 16:01:53.42 ID:0zqJVhml0
>>621
どうなんだろうね。わかんね。

おいらは面白ければ何でも良い畑の人だから、
結果的に面白い作品であれば、いーんじゃねー?とか思うけど、
他の人々はどう思うかなあ?

ただ、「一般作で投下しました」ってのを明示しとかないと
いらんつっこみは来そうだね。「どこそこで投下された作品
と似てる」とか。
624ゴタ:2006/12/09(土) 16:05:20.56 ID:txd/Z7s50
>>592
ちょっと遅れたけど


1:a  
  このスレでは長文が敬遠されがちなので


2:a
  1に同じく。ただ、時間に余裕があれば。

3:aかb
正直読みやすかったらなんでもいい。
625そり(ガス欠):2006/12/09(土) 16:12:12.30 ID:h3F0x3qP0
>>621
コピペだとさすがに問題あると思うけど、
リメイクなら別にいいんじゃね?
626ヨンタ:2006/12/09(土) 16:15:47.84 ID:HhWkrDk60
お題をもらって書くことで文才をきたえるスレなのに、
違うお題で書いた作品を使いまわすってのはどうかと。
627VIP皇帝:2006/12/09(土) 16:19:14.03 ID:zwDtiw53O
一晩置いて見たら誤字に気付いたwwアホスw

orz
628ヨンタ:2006/12/09(土) 16:31:38.91 ID:tKqPh4X10
お題発表された時に、謝罪で一作書いてるって人いなかったっけ?
その人じゃね?
629ヨンタ:2006/12/09(土) 17:01:51.78 ID:tKqPh4X10
縛りがきついよ保守
630靴下右:2006/12/09(土) 17:45:02.34 ID:vVbAwRsc0
>>628
それ俺w
あれはごめんとか謝罪とか連発してるからリメイクしても到底無理wwwww
631五面鳥:2006/12/09(土) 18:16:49.44 ID:oXBJ/Ea80
お題が無いと死んでしまう俺にお題頂戴よ
632VIP皇帝:2006/12/09(土) 18:17:39.16 ID:a5xcrcc20
子孫
633靴下右:2006/12/09(土) 18:17:39.85 ID:vVbAwRsc0
>>631
634九面鳥:2006/12/09(土) 18:17:40.01 ID:T//X6qFY0
635:2006/12/09(土) 18:20:27.96 ID:nnUKJeBO0
便乗してお題をもらう
636五面鳥:2006/12/09(土) 18:20:37.90 ID:oXBJ/Ea80
>>632-634
シュール題d
637靴下右:2006/12/09(土) 18:22:44.35 ID:vVbAwRsc0
>>635
フォーク
638九面鳥:2006/12/09(土) 18:35:27.11 ID:T//X6qFY0
今回の品評会のNGワードって、禁止ってわけじゃないんだよね?
できるだけ使わないでいきましょう、ってことでおk?
639靴下右:2006/12/09(土) 18:36:23.80 ID:vVbAwRsc0
>>638
ん〜・・・どっちかって言うと禁止の度合いの方が濃いのかな。
使っても投票対象外にはしないけど、使わないでください。
ってな感じかな
640九面鳥:2006/12/09(土) 18:37:42.53 ID:T//X6qFY0
>>639
懲戒。むずいな。
641ヨンタ:2006/12/09(土) 18:41:21.20 ID:3jkWLgnH0
あの〜一応「謝罪」ってテーマで書いたのですが、
本当に厨な文章でも笑わないでしょうか?
VIPだから叩かれそうで、決心がつきません。
642九面鳥:2006/12/09(土) 18:43:23.48 ID:T//X6qFY0
>>641
ルールさえ守っていれば、叩かれるということはまず無い。
643靴下右:2006/12/09(土) 18:43:24.92 ID:vVbAwRsc0
>>641
文章の中身については叩かれることは無いと思うよ。
約物の使い方はちゃんとしてるか、とか、誤字脱字は無いか、とかそっちで叩かれることはあるかもしれないけど。
不安だったら、>>613のリンク先とか見ると吉。
644ゴタ:2006/12/09(土) 18:45:54.14 ID:txd/Z7s50
>>641
ここはvipらしくないってよく叩かれてるから
645641 ◆qCmNg7NQIE :2006/12/09(土) 18:50:25.59 ID:3jkWLgnH0
わかりました、恥ずかしいけど書き込みます
初作品ってのは言い訳になるけど、ひどい文章構成力です。
感想がないとさびしいので感想お願いしますねwwww
646品評会「感情」1 ◆qCmNg7NQIE :2006/12/09(土) 18:54:47.84 ID:3jkWLgnH0
よく寝た。時計を見て僕はチャンネルを取った。夕方四時のニュース番組が始まった。
初めに目についたのはぶさいくなニュースキャスター。
なんだこの女、さっさと辞めちまえ汚い顔しやがって。声には出さないが、心の中で毒を吐いた。
和歌山県知事談合事件? 税金の無駄づかいか死んじまえ、
九州で地震かぁ、マグニチュード6か、いい気味だ。まぁどうでもいいんだけど。

――昨夜未明、滋賀県大和市で、       プツッ

電源を切った。続きは多分あのことだ。昨日のことが夢ではないことを確認し、
これでよかったのだと自分に言い聞かせた。一瞬、体中を妙な悪感に襲われたが水を飲んだらすぐにおさまった。
空気が悪いな。気分を変えるため公園にいった。
中央に大きな池のある公園。学生の多いこの時間、普段なら何があっても避けるだろうが、下を向いて歩いた。
とても静かだ。
647品評会「感情」2 ◆qCmNg7NQIE :2006/12/09(土) 18:57:08.68 ID:3jkWLgnH0
僕は中学卒業まで特別養護施設で過ごした。あの頃の僕は何を考えていたのだろう。
あるはずもない期待を胸に普通高校に入学した。入学式、周囲の興味を引いた。
理由は左目にあった。僕の左目は自動車事故でつぶれた、そのため義眼を入れていたのだ。
目の周りにも隠しきれない傷がある。顔を見られることが何よりも苦痛だった。
廊下ですれ違うたびみんなに見られている、自意識過剰だったかどうかは真ではない。
いじめはなかった。同時に、僕はいない存在だった。完全な無視というのはいじめよりつらいかもしれない。
一ヶ月も経つ頃にはしゃべり方を忘れてしまった。深い孤独の世界に追い込まれていった。
夏休みが終わるちょっと前、退学届を提出した。僕はこの世界から逃げた。
「色々つらいこともあるだろうけど、がんばってね」担任からの最後の言葉はこれ以上ないというほど他人事だった。


それからの記憶はあまりない。世の中の全てがモノクロに見えていた。
喜怒哀楽という人間にあるはずの感情も極限までしぼんでしまった。
それでも外にはよく出かけた。帽子を深くかぶって。バスや電車が好きだ。
知らない場所まで行けるから。見たことの無い景色は、唯一、僕に高揚感を思い出させるものだった。
648品評会「感情」3 ◆qCmNg7NQIE :2006/12/09(土) 18:58:34.00 ID:3jkWLgnH0
 昨日であの湖を見るのは何度目だろう。僕の一番のお気に入りスポット。
帰り際、喉が渇いてコンビニに入った。もし違うコンビニだったら。運が悪い。
店内には、女子高生が2人いた。制服で自分の通っていた高校だとわかった。
横を過ぎていくときちらっと顔を見られた。気分が悪くなる。
奥で、声が聞こえた「あっ、あいつ義眼」「誰それ?」「1年の時退学したやつだよ、気持ち悪っ」
時間が止まった気がした。止めろ。目が回ってるような少し酔ってしまったような気分になった。
自分の怒りを静めようとしたが上手くできない。心拍数がかつてないほど高くなる。
目の前には商品の包丁があった。気付くと僕はそれを握っていた。
早歩きで近づくと、女の後頭部に刺しこんだ。
しばらく自分でも状況がわからなかった。もう一人の女の悲鳴を聞き、走って帰った。
649品評会「感情」4 ◆qCmNg7NQIE :2006/12/09(土) 19:00:35.59 ID:3jkWLgnH0
 瞼の裏で、この光景が何度も繰り返される。
近づいて刺す感触をまだ覚えている。切っ先にふれたかと思うと、ズゥッと吸い込まれた包丁。
隣にいた子には一生のトラウマになるだろうな。
ところで僕が逮捕されるのはいつだろう。逃げられるかな。まぁ無理な話だ。
目撃者もいる。これって懲役どれくらいだ? 二十周くらい歩いたな。
一旦家に帰ろう。調べてみると下手に逃げたら懲役が伸びるらしい。
どうせ十年くらいだろ。僕は馬鹿じゃない。自首するのが一番の選択肢だ。
近くの交番まで歩いて十分。さて出かけよう。出所したら何しよう。
そうだ、あの教師も殺しにいこう。今度はばれないように、しっかり計画してね。

――夜八時のニュースが始まった。
昨日、女子高校生が殺害された事件です。本日犯人が逮捕されました。
犯人は殺害された女子高校生の元同級生と見られ、その犯行理由は現在まだわかっておりません。
交番に「僕がやりました。反省してる」と自首をし、調べにも、冷静に答えているようです。


650ゴタ:2006/12/09(土) 19:03:10.29 ID:txd/Z7s50
>>645

感想は原則に月曜まで待機だから
それまでお待ちを
651 ◆qCmNg7NQIE :2006/12/09(土) 19:03:16.51 ID:3jkWLgnH0
酷評でも、良い感想でもお願いしますwwww
一応、フィクションも入っていて、モデルにしている人もいます。

652ヨンタ:2006/12/09(土) 19:04:13.30 ID:3jkWLgnH0
すいません ノンフィクションの間違いです
653一面鳥:2006/12/09(土) 19:06:18.89 ID:8+bNzgKA0
品評会用の作品を投稿するときって、トリつけたらいいんかな?
654煙突:2006/12/09(土) 19:07:07.42 ID:kReRxlHG0
>>653
イエス
655 ◆qVkH7XR8gk :2006/12/09(土) 19:10:01.26 ID:8+bNzgKA0
それじゃあ品評会用作品投下します
656たった一言 (1/4) ◆qVkH7XR8gk :2006/12/09(土) 19:13:18.65 ID:8+bNzgKA0
 病院の一室で分厚いハードカバーの本を読んでいる少女は、まったく生という言葉から程遠く、たまに思い出したようにページをめくる動きが無ければよく出来た石膏像のようだった。白磁のように真っ白な肌が余計にそう思わせるのかもしれない。
 薄い布団の端からはチューブやケーブルが何本か伸び、部屋の隅で鈍く音を立てる機械に繋がっている。
 部屋の隅に作りつけのクローゼットがあるだけで、家具らしきものは見当たらない。壁に絵が掛かってるわけでもなく、ベッドの脇のサイドボードの上には本が乱雑に積み上げられているだけで、テレビもラジオも無い。
 サイドボードの上の本は随分と分厚い本ばかりで、文学作品から学術書まで、てんでばらばらなジャンルのものが散らばっている。
 ぱたん、と音を立てて分厚い本が閉じられる。月に一度、見舞いに来てくれる母が差し入れてくれる数冊の本だけが楽しみだったが、最近では半月も掛からずに読みつくしてしまえた。今閉じられた本も、既に一通り読み終えてあった。
 幸いなことに、今日がその見舞いの日だった。

 次に来る時にはもう少し多く持ってきてもらおう。
 窓の外の景色をぼんやりと眺めながら少女はそんなことを考えていた。十年近くもの間毎日一度は見ている景色は、代わり映えの無いものにしか見えない。誰かが気を利かせて毎年植え替えてくれる花壇の花が咲くのを心待ちにしていた時期もあったが、
最近はもうどうでも良いようにしか思えなかった。
 母が今日持ってきてくれる本がどんなものかと考える。どこから持ってきているのかそのジャンルは多岐に渡っていた。医学の専門書を持ってくることもあって、少し困った覚えがあった。
 ふと考えるのを止めて、母が見舞いに来てくれることよりも、新しい本が読めることを喜んでいる自分が居て、少し可笑しくて笑った。
 五年ほど昔からだ、自分がここまで本の虫になったのは。母が来るなり今日は何を持ってきてくれたのかと、開口一番言うようになっていた。それまではニ、三時間も他愛も無いお喋りをして母を困らせていたというのに、
以来そそくさと掃除など部屋の中を軽く世話して帰るようになっていた。
 疲れたような顔をして無理に浮かべた微笑みで娘と話す母。体調はどうだとか、何かほしいものは無いかとか、およそ母子の会話とは縁遠い会話。
 来るたびに少しずつ痩せていく母親。特にこの一年ほどで見違えるほどに頼りなさげになった。
 来るのが負担なら、毎月本だけ送ってくれれば良い。そう母の身を気遣う一言でも掛けようと思って窓の外に意識を戻すと、病院の庭先に小さく猫背で視線を落として歩く初老の女性が見えた。
657たった一言 (2/4) ◆qVkH7XR8gk :2006/12/09(土) 19:13:53.31 ID:8+bNzgKA0
「先生……娘は…………そうですか」
 閉じた扉の向こうから、病室の中に少しだけ母と主治医の会話が漏れ聞こえてくる。いつもそうだった。ただ、今日は母の声が一段と沈んで聞こえる。
 自分の体のことかと思うと、少し気分が落ち込む。
 少女は生まれつき体が弱く、物心付いた頃には病室のクリーム色の壁を眺めていた。母の話だと、生まれて半年ほどで病院暮らしとなり、六歳までに片手で数え切れないほどの転院をしたという。
 十七年も生きていられたのは奇跡のように思えていたし、その分いつ人生に終わりが来てもいいように思っていた。
 人並みの――といっても、彼女には普通の十七歳の少女がどのような生活を送るものなのか想像も付かなかったし、ロマンス小説にあるようなむず痒い体験は所詮空想だと分かりきっていた。人並みの人生を送りたかったなんていう心残りは、少女には無かった。
 ただ、ここまで自分の世話をしてくれた母のことを思うと、いつ死んでも良いなどとは言い出せないでいた。

「少し遅くなったかしら」
「そんなことないわ。特に何もやることも無かったし」
 時計が無い部屋で、少女に母がどれだけ遅れたかなんて知りようも無かった。それに、時間だけは有り余っていたから、何も気にならない。
「今日は――ちょっと先生とお話があるから、こっちに泊まっていくの。何かして欲しいこととか、ある?」
 先ほどの廊下での会話はそれなりに深刻なことだったようで、そう言う母の顔は微笑んでいるものの、少し陰りが見えた。
「じゃあ、久しぶりに母さんに髪でも切ってもらおうかしら。そろそろ伸びてきた頃だと思うの」
「ええ、良いわよ。それじゃ、夕食の後にでもまた来るわね」
 本の入った紙袋をベッドの脇に置くと、母は部屋を後にした。
 いつもなら母が部屋を出て行く前に袋から本を取り出して品定めをするのに、少し考えるように俯くと、少女は溜息をこぼした。
658たった一言 (3/4) ◆qVkH7XR8gk :2006/12/09(土) 19:14:25.46 ID:8+bNzgKA0
 夕食をいつもどおり簡単に済ませ、少し気乗りしなかったが紙袋から本を適当に取り出すとページをめくり始めた。母親が来るまでの時間つぶしにでもなればいい、と思って開いたが、十ページも読まないうちに母がドアを開けた。
「その本、読み終わるまで待ちましょうか?」
「いいのよ、母さんが来るまでの暇つぶしにでもなればいいと思って、今読み始めたところだから」
 本を閉じると、サイドボードの上に適当に置いた。
 随分と疲れた感じのする母が、ベッドの脇にある椅子に腰を掛けた。娘の髪を切ろうというのに、はさみも櫛も何も手にしていなかった。
「母さ――」
 少女の言葉をさえぎって、母が一言だけポツリと呟く。
「――ありがとね」
 慙愧の念をごまかすための、およそ場に似つかわしく無い言葉だった。
 その言葉の本当の意味を知ろうと、娘が胸の内で反芻――する間もなく、母は娘の体から無数に伸びたチューブの先に繋がる機械のスイッチを押す。とたん、電子音が病室に鳴り響いた。
 少女はすこし驚いてナースコールに手を伸ばそうとするが、ずっと目線を逸らしたままでいる母の顔を見ると、腕を引いた。
 悲痛な面持ちで娘の顔を見まいとする母を、じっと見つめる。
 やつれた顔。小さくなった母の姿。左手の薬指でふと目が止まる。先月までは確かにしていた、父との結婚指輪を外していた。
 思えば昔はもう少し着飾っていた母は、随分と簡素な身なりをしていた。革のバッグを布の手提げ袋に変え、父からのプレゼントだと言っていたネックレスを外し、タクシーで来ていた病院にもいつしか歩いて来るようになっていた。
659たった一言 (4/4) ◆qVkH7XR8gk :2006/12/09(土) 19:14:40.80 ID:8+bNzgKA0
「ありがとう、母さん」
 自分に死という結末を強いた母に微笑みかける少女。世間なんてものを知らなくても、母が苦労を重ねたことは容易に想像が付く。
 その微笑は少女が出来る、せめてもの感謝の気持ちだった。
 ハッとして、母は慌てて機械のスイッチを戻そうとする。はずみで床に置いた手提げ袋を倒し、中のものがこぼれる。ころころと転がる薬瓶。
 スイッチに手が触れたところで、不意に振り向いた母と、ただ笑みを浮かべた顔で母を見る娘の目が合う。
 伸ばした手をためらいがちにおろし、もう一度娘の顔を見る。
 少女が母の方へすっと手を伸ばした。
「手、握っててくれないかな?」
「ええ」
 そっと手を重ねる。言いたい事はいくつもあったかもしれない。でも、二人の間には、それ以上は何もいらなかった。
 少しずつ眠るように意識が薄れていくのを感じながら、少女は母の手のぬくもりを感じていた。もう少し早く母の苦悩に気づいていればと、何か言おうとした時には体が動かなかった。
 手を繋いでいれば、何が言いたいのか分かるような気がした。何もいわなくていい、とでも言うように母は首を横に振る。二人の目には堰を切ったように涙が溢れている。
 ありがとう、の短い一言に全ての感情を詰め込んで、何度も胸の中で繰り返す。
 眠るようにゆっくりと目を閉じた少女。ベッドにもたれ掛かるようにして眠る母。手はしっかりと繋がれたまま。
 静かに息を止めた二人は、まぎれもなく親子だった。
660靴下右:2006/12/09(土) 19:15:00.21 ID:vVbAwRsc0
「先生……娘は…………そうですか」
 閉じた扉の向こうから、病室の中に少しだけ母と主治医の会話が漏れ聞こえてくる。いつもそうだった。ただ、今日は母の声が一段と沈んで聞こえる。
 自分の体のことかと思うと、少し気分が落ち込む。
 少女は生まれつき体が弱く、物心付いた頃には病室のクリーム色の壁を眺めていた。母の話だと、生まれて半年ほどで病院暮らしとなり、六歳までに片手で数え切れないほどの転院をしたという。
 十七年も生きていられたのは奇跡のように思えていたし、その分いつ人生に終わりが来てもいいように思っていた。
 人並みの――といっても、彼女には普通の十七歳の少女がどのような生活を送るものなのか想像も付かなかったし、ロマンス小説にあるようなむず痒い体験は所詮空想だと分かりきっていた。人並みの人生を送りたかったなんていう心残りは、少女には無かった。
 ただ、ここまで自分の世話をしてくれた母のことを思うと、いつ死んでも良いなどとは言い出せないでいた。

「少し遅くなったかしら」
「そんなことないわ。特に何もやることも無かったし」
 時計が無い部屋で、少女に母がどれだけ遅れたかなんて知りようも無かった。それに、時間だけは有り余っていたから、何も気にならない。
「今日は――ちょっと先生とお話があるから、こっちに泊まっていくの。何かして欲しいこととか、ある?」
 先ほどの廊下での会話はそれなりに深刻なことだったようで、そう言う母の顔は微笑んでいるものの、少し陰りが見えた。
「じゃあ、久しぶりに母さんに髪でも切ってもらおうかしら。そろそろ伸びてきた頃だと思うの」
「ええ、良いわよ。それじゃ、夕食の後にでもまた来るわね」
 本の入った紙袋をベッドの脇に置くと、母は部屋を後にした。
 いつもなら母が部屋を出て行く前に袋から本を取り出して品定めをするのに、少し考えるように俯くと、少女は溜息をこぼした。
661 ◆qVkH7XR8gk :2006/12/09(土) 19:15:53.77 ID:8+bNzgKA0
以上です
662靴下左:2006/12/09(土) 19:16:27.90 ID:EFj+6S9l0
>>660
先生誤爆してます><
663靴下右:2006/12/09(土) 19:16:37.67 ID:vVbAwRsc0
しもたwwwwww
664一面鳥:2006/12/09(土) 19:17:17.05 ID:8+bNzgKA0
>>663
ドンマイw

締め切り前に書き上げた解放感から一作書いて見たいからお題plz
665靴下左:2006/12/09(土) 19:17:56.83 ID:EFj+6S9l0
つ 繰り返し
666煙突:2006/12/09(土) 19:18:15.88 ID:kReRxlHG0
「お前はいいよなあ、どうせ俺なんか」
667一面鳥:2006/12/09(土) 19:18:45.40 ID:8+bNzgKA0
>>665
把握
668一面鳥:2006/12/09(土) 19:19:22.52 ID:8+bNzgKA0
>>666も一緒に混ぜてみることにするw
669VIP皇帝:2006/12/09(土) 19:29:46.42 ID:EFj+6S9l0
そういや、今年の年末年始は
ちょうど、週末だけど、年末年始にかけて品評会やるの?
670靴下右:2006/12/09(土) 19:30:56.67 ID:vVbAwRsc0
予定ではねw;
人が居なかったらお休みかもしんない
671釣りー:2006/12/09(土) 19:34:18.06 ID:00c6JNUl0
郵便局バイトの都合が良かったら絶対参加するだぜ!
672煙突:2006/12/09(土) 19:36:14.23 ID:kReRxlHG0
投下はできるが、作品読む時間がないw
673一面鳥:2006/12/09(土) 19:37:55.43 ID:8+bNzgKA0
>>671
元郵便局非常勤職員だった俺が来ましたが?

年末は法定ぎりぎりまで残業して年賀状の仕分けをしていた現実
年末年始のバイトすら残業してたからなぁ
ムリして時間つくらないと厳しいかと

年越しの予定なんてずっと一人な俺はBNSKに貢献することができるなw
674釣りー:2006/12/09(土) 19:42:26.78 ID:00c6JNUl0
>>673
今年電子辞書買う為にバイトしようと思って、でも今からど素人ができるようなバイトっつったらそれしかなくてな
675靴下左:2006/12/09(土) 19:42:55.30 ID:EFj+6S9l0
懲戒
年末カオス楽しみにしてます><
676プレゼントはCcup:2006/12/09(土) 19:46:44.54 ID:isfFKwQ20
ブレーカー落としちゃったwwww

ちなみに、年末にはBNSKアワード2006の授賞式(単なる結果発表)もありますのでw
677一面鳥:2006/12/09(土) 19:48:20.82 ID:8+bNzgKA0
受賞できるわけもないと思いつつ、BNSKアワードは楽しみにしてますw
678 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/09(土) 19:58:48.28 ID:2Q9O0FKk0
やべ、できた。5レス超えてないかチェック。
679煙突(小さめ):2006/12/09(土) 20:00:31.16 ID:yT5mqdqYO
680サンクス:2006/12/09(土) 20:04:32.62 ID:jmsOzFl00
今までに何作出た?
681プレゼントはFcup:2006/12/09(土) 20:06:18.83 ID:isfFKwQ20
今回早くも15作出てます。
682靴下左:2006/12/09(土) 20:06:29.95 ID:EFj+6S9l0
>>676
名前がCcupなだけに
ブラジャー落としちゃったwwww
に見えた。
ブしかあってねえwwwwww俺の目腐ってる……_/>。

>>680
15作品だと思う。
683サンクス:2006/12/09(土) 20:11:33.03 ID:jmsOzFl00
>>681-682
ありがつー。

15かー……多いなww
なんかこれからも増えそうだな……

今回は見送ろうかね。ネタないし。
684ゴタ:2006/12/09(土) 20:13:26.24 ID:txd/Z7s50
中々のハイペースだよな。
685サンクス:2006/12/09(土) 20:15:58.54 ID:jmsOzFl00
ネタ被り回避と5レスという短さが合わさってフュー! ジョン! はっ! さらに倍!
って感じなんだろうな
686ゴタ:2006/12/09(土) 20:20:59.77 ID:txd/Z7s50
超サイヤ人の状態で
界王拳20倍 うはwww
って感じか
687そり:2006/12/09(土) 20:21:22.95 ID:jtytdEYM0
さて、未だかつて無いほど香ばしいのが出来たよ。投下おk?
688:2006/12/09(土) 20:22:12.40 ID:DZVx8aCw0
やったれ
689指輪は買ったけど・・・:2006/12/09(土) 20:28:35.59 ID:00c6JNUl0
がんがんいこうぜ
690品評『ご、ご名答』1/5  ◆K0pP32gnP6 :2006/12/09(土) 20:29:13.78 ID:jtytdEYM0
 悪魔を名乗る怪しい奴に出会ったのは昨日。
 俺にしか見えないそいつは、俺の願いを叶えてくれるらしい。
 その代償に、三日間、《謝る》という行動をしてはいけない。誤って謝れば俺は死ぬそうだ。
 けど、俺には謝り癖とかも無いし、三日くらいなんてことない。そう思っていた。 

 謝れない一日目。俺はコンビニに向って歩いていた。その後ろを悪魔が三センチほど浮遊しながら憑いて来る。
『おい、あの女。お前の事ずっと見てるぞ』
 悪魔が突然前方を指差した。俺と同じ高校生くらいの女の子。なんとなく見覚えがある。
 俺が内心ドキドキしながらすれ違おうとすると、声をかけられた。
「あ、もしかして佐藤君! わたし、小六の時同じクラスだった、ユキだよ」
「もしかして」
 小学校の時の同級生に再会。四年ぶりに会ったが、変わらずかわいい。
 彼女の名前は、中島ユキといった。人の名前を覚えるのが苦手な俺でも未だに覚えている。

 名前と同時にトラウマがよみがえる。
 忘れもしない小六の二月一四日。小学校の下駄箱に手紙。ラブレターというやつだった。
 送り主は中島ユキ。小学生ながらかわいい女の子だな、とは思っていた。心で小躍りしたね。
 しかし、何を考えたか俺はその手紙を無視した。
 本当に今思えば何を考えてたんだか、もったいない。
 ……じゃなくて、なんてひどいガキだっただろう?
 その後、小学校卒業と同時に中島ユキは遠い所に転校。
 以来、会う事は無く、謝る事も出来なかった。

「中島?」
「正解! 久しぶりだねっ」
 ここは死んでも謝っておくべきだろうか。四年間俺のせいで男性不信とかになっていたらどうする?
 いや、でも四年間も気にしている方がおかしいだろ? でも万が一気にしてたら。
「あの時は、その……」
「あの時って?」
 きまずい沈黙。よし、向こうから手紙の話をだしたら死んでも謝ってやる。
691品評『ご、ご名答』2/5  ◆K0pP32gnP6 :2006/12/09(土) 20:29:42.13 ID:jtytdEYM0
「もしかして、手紙の事?」
 覚えてた。死んで謝ろう。
「それ。ご、ごめ、ご名答!」
 何言ってるんだろうね、俺。やっぱり死ぬなら謝れない。
「本当にそれだったんだ。それがどうかしたの?」
 中島は真面目な表情。
「な、何でもない。ところで、何でここに?」
 
 休みを利用して叔母の家に遊びに来ている、そうだ。
 その後、十分くらい世間話をした。
「それじゃ……そろそろ行くね」
 中島はさみしそうな表情。やっぱりかわいい、ってアホか、俺は。
「あ、ああ」
『このまま行かせちまって良いのか? もう一生会わないかもしれないぞ?』
 この悪魔、俺の痛いところをついてきやがる。やっぱり命奪う気か。
「ちょっと待って。明後日とか、暇?」
 俺がそう言うと、中島は驚いたような表情。
「明後日は、無理、かな。明日なら」

 というわけで俺の一日かけて心の準備をしようというもくろみは失敗。
 明日会う事になった。謝らずしてどう謝るか。
 これはもう相手を楽しませるしかないね。

 翌日。謝れない二日目。
 最近、駅前に出来たショッピングモールに行く事にした。
 待ち合わせ場所には三十分前に行く、予定だった。が、見事に遅刻。時計が壊れていた。
 十分遅れで到着すると、中島が手に持った鞄をぶらぶらさせながら立っていた。
「待った? ごめ、五面打ちしてたら遅れた」
「少しだけね。ところで五面打ちって何?」 
 それほど怒ってはいないようなので一安心。
692品評『ご、ご名答』3/5  ◆K0pP32gnP6 :2006/12/09(土) 20:30:01.74 ID:jtytdEYM0
「えーと、将棋とか囲碁で、同時に五人相手すること」
 何言ってるんだろうね、本当に。
「ふーん。まあいいけど。まずどこ行くっ?」

 午後まで本屋とか服屋とかを見ながらブラブラした。昼飯はお好み焼き屋。
 昼飯の後も特に変わった事は無く、普通にショッピングモールを見て回っただけ。

「あー、もう叔母さんの家に帰らないと。もう少し時間あればなぁ」
 謝る事無く解散となりそうだ。正直、あんまり楽しませた自信は無い。
「あのさ、明日ってやっぱり無理?」
 我ながらしつこい男ですよ。
「十時くらいに飛行機出ちゃうんだ。残念だけど」

 結局、楽しませる事も、死んで謝る事も出来ずに帰宅。
 もう寝てしまおうと、ベッドに寝転んだ俺に悪魔は言った。
『空港に見送りに行く事くらい出きるんじゃないのか?』
 悪魔らしくない優しいセリフを吐くもんだ。いや、俺に謝らせたいだけか。

 謝れない最終日。
 俺は朝っぱらから空港に来ていた。来ちゃった。
 ていうか、明日なら謝れるのに。この野郎。
 悪魔の方に拳を突き出してみた。すり抜ける。
『残念ながら効かないな』
 悪魔の言葉を無視して、三回ほど拳を突き出していると、中島がやって来た。
 俺を見つけたのか、中島は驚いたように駆け寄ってきた。
「さ、佐藤君! なんでここに?」 
「実は、言っておきたい事があって」
 俺は死を覚悟して息を吸った。ていうか、謝ったら死ぬ、って想像もつかない。
「ごめんなさい!」
 大声でそう言った、のは中島だった。
693品評『ご、ご名答』4/5  ◆K0pP32gnP6 :2006/12/09(土) 20:30:31.69 ID:jtytdEYM0
 俺があっけに取られていると中島は続けた。
「あの手紙の事でしょ? 四年間も悩ませちゃったみたいで。私は大丈夫だからっ」

 そう言って中島は走って行ってしまった。
「あ、ちょっと待って!」
 俺の言葉を無視して走りつづける中島。追ってはいけない空気。
『チッ、失敗か。上手くいくと思ったんだがな』

 翌日。謝り解禁日。
「ごめんなさい」
 おはよう、と言う代わりにつぶやいてみた。死なない。
『私の負けだ。空港に行かせるあたりまでは良かったと思うんだがな』
 悔しそうに悪魔は言った。
「ああ、中島が先に謝らなきゃ俺が謝ってた」
 謝れなかった自分が不甲斐無い。中島は、俺を悩ませたんじゃないか、と悩んでたようだし。
『さて、三日間堪えたお前の願いを聞いてやろう』

 俺は、中島にもう一度会わせろ、と悪魔に要求した。
『少し目を瞑っていろ』
 周りの空気が変わった。目をあけるとそこは見なれぬ道。
「どこだ、ここ」
『まあ、待ってろ。そこの角からあの女が出てくるぞ』
 数十秒後、本当に角を曲がって中島が現われた。
「あの時は、ごめん!」 
「ん? うわっ。佐藤君」
 信じられないと言う顔。まあいるわけのない人間がいるわけだからな。
「あの時って手紙の事? あれならもういいよ。悪戯だったんだしっ」
「そうなの? ふーん。それじゃ、またね」
 黙って俺はその場を後にした。
694品評『ご、ご名答』5/5  ◆K0pP32gnP6 :2006/12/09(土) 20:31:05.96 ID:jtytdEYM0
 目からしょっぱい水。なんだろうね、これ。
『かわいそうだな、お前』
 悪魔になぐさめられたくない。
『そうか、ところでお前どうやって帰るんだ? 金持ってきて無いだろ?』
 所持金は財布に入ってる千四百円だけ。
『さて、次は何を我慢する?』

<了>

695そり:2006/12/09(土) 20:31:48.43 ID:jtytdEYM0
五レス制限のせいで最初が説明くさくなりすぎたと言うのはいい訳
696VIP皇帝:2006/12/09(土) 20:43:17.37 ID:jtytdEYM0
やっべ、NGワード使ってた_/>。
697:2006/12/09(土) 20:47:45.58 ID:aLnCq+oY0
5レスが短いとか
昔は2〜3レスが普通だったのに
698そり(偽者):2006/12/09(土) 20:47:50.70 ID:Y802IkkG0
お題下さい↓
699プレゼントはFcup:2006/12/09(土) 20:48:42.21 ID:isfFKwQ20
>>698
壊す
700そり:2006/12/09(土) 20:49:28.11 ID:jtytdEYM0
苦手なジャンルの話を書くと長ったらしくなる

え? 毎回長いじゃないかって? 
701そり(偽者):2006/12/09(土) 20:49:37.32 ID:Y802IkkG0
>>699
把握。
702 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/09(土) 20:54:32.39 ID:2Q9O0FKk0
よし、投下するかな。5レスの予定。
703その先にあるもの 1/5 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/09(土) 20:59:05.39 ID:2Q9O0FKk0
「本当に、申し訳ございま」
 全員が言い終わらぬうちに、バシャバシャバシャと耳障りなフラッシュの音。
 言葉の最後のほうはきっと誰の耳にも届いちゃいないだろう。
 きっちり60゚に折り曲げた腰をゆっくりと上げ、俺は会見場に大挙して押し寄せたマスコミ連中を見据える。
 あくまで無表情。反省してますよ、という感じがうっすらと顔に出ていれば、なお良い。
「この件に関して、責任は誰にあるとお考えですか?!」
 そんなマスコミ連中から、いかにも善良ぶった質問が来る。
 だがそれに答えるのは、俺の役目じゃない。
 俺は左へと目配せする。しっかり教えたはずなのに、さっき50゚に腰を曲げた冴えないオヤジが、哀れな目で俺に応えた。
 一応、この会社の重役らしい。が、俺にとってはどうでもいい。
 そのオヤジが椅子から立ち上がり、暗記していたであろう答えをマスコミ連中に向かって喋る。
「その件に関しましては、しかるべき対応を……」
 そう、質問に答えるのは、俺の役目じゃない。
 それは、不祥事だか何だかをやらかした、この会社の奴らの仕事なのだ。
 俺の仕事は、ただ「適切な謝り方を教え、実践させる」こと。
 誰かに対して、出来るだけ好印象を持たせたまま謝りたい。
 そんな要望に応えるのが俺の仕事。
「消費者の皆様に対しては、誠に申し訳無く思っている次第で……」
 さっきの冴えないオヤジが予定調和的な問答を繰り返している。
 俺はひたすら黙ってこの下らないマスコミ向け会見が終わるのを待つ。
 その現場に俺が同席することも、同席しないこともある。
 今回は同席のケースだったが、まあしょうがない。
 今となっては、こんな会見にも慣れてしまった。
704その先にあるもの 2/5 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/09(土) 21:01:08.83 ID:2Q9O0FKk0

 会見を終えて会社との報酬の手続きを済ませ、俺は道場に戻った。
 秘伝陳謝道場。
 住宅街のはずれに立っている、おんぼろの建物だ。
 一階建てで、その中はひたすらに畳を敷いただけの稽古場。
 もう何十回も何百回も来たはずなのに、中に入るたびに高校の柔道場を思い出してしまう。
 ここで俺は、「適切な謝り方」を極めるべく、師匠とともに鍛錬の日々を送っている。
 齢にして七十に近い、髭の立派な師匠は、頑固な爺さんといった風貌だ。
 四十年前に、師匠は一人でこの道場を立ち上げたのだという。
 これまで弟子もとらずに来たそうだが、この歳になってとうとう弟子を取ろうと決意したらしい。
 その弟子が、この俺だ。
 高校を卒業して大学へも行かず就職もせず、体たらくな日々を送っていた二年前の俺。
 そんな俺を、窓からここを覗いたという理由だけで「お前、わしの弟子になれ」だ。誰でもよかったのだろう。
 そんなこんなで二年間。俺はここで修行を積み、今では客を抱えるまでになっている。

「……ただいま戻りました」
 横開きの道場の戸をがらりと開ける。
 いつもと変わらぬ俺の仕草。
 無駄に広い稽古場の真ん中には、いつものように師匠が――
 ――俺は、息をのんだ。
 稽古場の真ん中で、師匠は音もなく地面を蹴る。そのまま彼は、垂直に二メートル近く飛び上がったのだ。
 そして最も高く飛び上がったところで師匠は膝を曲げ、体を屈めた。
 あれは――紛れもなく、土下座の姿勢。
 日本人にとって最も屈辱的であると考えられている土下座。それを師匠は、空中でやってのけた。
 彼はその姿勢のまま、当然のことだが落下し始める。
 二メートルの高さから、土下座の姿勢のまま、地面へ。
 それは刹那の出来事。だが俺には、限りなく永遠に近いように思えた。
 そして、師匠は――音もなく、床に降り立った。土下座のままで。
「……ついに、見られてしまったかの」
 師匠は立ち上がり、静かに俺を見据えてそう言った。
705その先にあるもの 3/5 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/09(土) 21:02:36.05 ID:2Q9O0FKk0
「い、今のは一体」
「跳躍落下無音土下座」
 師匠が口にした九つの漢字を、頭の中で思い浮かべる。
「わしが十年かけて開発した奥義じゃ」
 十年前といえば、そのころの俺は何も知らないただのガキだった。友達や妹と毎日遊ぶだけの、ただのガキだった。
「この奥義そのものに、意味などは無い。ただ、成し遂げることに意味がある」
 そう言い残して、師匠は玄関で立ち尽くす俺の横を抜け、どこかへ行ってしまった。
 俺がこの奥義を体得するまで戻ってこないつもりなのだろう。そのことが、俺には直感でわかった。
 その晩、大好物のプリンを自宅から道場へと持ち込み、俺は泊まりこみで猛特訓を始めたのだった。


「……やはり、わしが見込んだ男じゃ」
 一週間。俺が特訓を始め、師匠が戻ってくるまでの時間。
 俺は誰にも会っていない。だが師匠は、きっかり一週間後に、戻ってきた。
 それはつまり――
「奥義、見せてもらおうかの」
「はい」
 畳を敷き詰めた道場の真ん中。そこで俺は、地面を蹴る。音は無い。
 垂直に飛び上がること、二メートルと五十センチ。膝を曲げ、体を屈める。
 そしてそのまま――地面に向かって落下。
 畳が迫り、その網目のひとつひとつが見えたその瞬間。

 ――そこには、無音があった。

「もう、教えることは、無いようじゃな」
 師匠の言葉だけが、広い稽古場に響く。
 だが俺は……満足していなかった。
 何かが、何かが物足りない。奥義はできるようになった。だが……それだけだ。
 一週間の猛特訓で、俺の中にはある気持ちが芽生えていた。
 この奥義の先にあるものを、見つけ出したい。
706その先にあるもの 4/5 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/09(土) 21:04:04.32 ID:2Q9O0FKk0

「ヘイ! ユーは本当にオーケーなのかい?」
 奥義を体得したその翌日、家にも帰らぬまま、俺は小さなプロペラ機の中にいた。 
 師匠のつてを頼ったのだが、今更になって師匠の偉大さに気付かされた。
「シショー様が言うから初心者のユーを乗せたケド、本当にうごぺぎゃっ」
 さっきからうるさいジョンとかいう男をプロペラ機の扉から突き落とす。パラシュートを背負ってたから大丈夫なはずだ。
 そう、パラシュート。今、俺もパラシュートを背負って、四千メートル上空を飛ぶプロペラ機の中にいるのだ。
 さっきのジョンはスカイダイビングのコーチらしい。だがそんなもの、今の俺には必要ない。
 俺はただ、奥義の先を見出したいのだ。スカイダイビングをやりに来たのではない、謝りに来たのだ。
 開け放たれた扉の外はひたすらの青、青、青。はるか下の方には本当にちっぽけな住宅街が見える。
 機長からのゴーサイン。
 それに頷いて、俺は無音で飛び出した。
 ごうごうと、耳元で風の切る音。重力は感じない。
 小さな雲がいくつも下から上へ飛び去っていく。
 左手には、遠くの方に海が見える。日常では味わえない感動に囲まれて、俺は思わず笑い出しそうになった。
 高度計が千メートルを切ったところで、俺はパラシュートを開く。
 それからポケットから携帯電話を取り出し、ボタンを押した。
「もしもし、俺だ。元気だったか」
「お、お兄ちゃん?! 今までどこにいたの! それに……」
 予想通り妹が電話に出る。時間が無いので妹の話は無視する。
「話はあとだ。外に出て玄関の前に立ってろ。じゃぁな」
 通話終了ボタンを押す。もうすぐ地上だ。家々がずいぶんとはっきり見える。
 俺の家は……見つけた。妹が玄関から外に出てきた。
 地上まで五十メートル。そこで俺は――パラシュートを切り離した。
 妹が上を見上げ俺に気付き驚愕の表情。
 俺は空中で膝を曲げ体を屈める。五十メートル。俺ならやれる。
 地上がどんどん迫る。見上げる妹の目が鼻が髪が口がはっきりと見える。
 手と足に神経を集中。体の力を抜き、無心。
 俺の顔が妹の顔の前を通り過ぎそして――
707その先にあるもの 5/5 ◆2LnoVeLzqY :2006/12/09(土) 21:06:13.72 ID:2Q9O0FKk0

 無音。
 ただ立ち尽くす十六歳の妹と、その正面で土下座をする二十歳の兄の姿が、そこにはあった。
 俺を中心に風が起こり、妹のスカートをめくり上げる。
「……プリンを無断で食って、本当に、済まなかった」
 一週間の奥義の特訓で俺の腹を満たした妹のプリン。俺は妹に、謝らなくてはいけないのだ。
「そのことなら、怒って、ないから」
 驚きの表情が、その顔にまだ見て取れる。
 だが妹はただ一言、俺に向かってそう言ったのだ。


 師匠、俺は今、大事なことがわかった気がします。
 謝るということは、形だけが全てではないと思うのです。
「……妹よ。いちごではなく、今日はくまさんのパンツか。大進歩だぞ」
 謝るということは――
「お、お、お兄ちゃんの馬鹿ーっ!」
 ――謝るということは、喜びなのです。



 <缶>
708その先にあるもの ◆2LnoVeLzqY :2006/12/09(土) 21:07:57.51 ID:2Q9O0FKk0
>>703-707
以上5レス、品評会作品でした。
批評、感想お待ちしています。


それでは創英社用の執筆に戻るとします。
709プレゼントはミンミン:2006/12/09(土) 21:08:04.39 ID:isfFKwQ20
>>707
てめえwwwwwwww
まとめてあげましたよwwwwww
710:2006/12/09(土) 21:28:11.91 ID:aLnCq+oY0
なんという妹。俺の出番がなくなってしまった
711モスチキン:2006/12/09(土) 21:31:13.17 ID:00c6JNUl0
ラノベっぽいのを書くにあたって、!?を使いたいんだけど、これご法度だよな?
はぁ!? みたいなセリフを表現する方法が見あたらないんだ……。
712煙突:2006/12/09(土) 21:35:22.24 ID:kReRxlHG0
俺は「!?」は使ってもいいと個人的には思うけどな。
まあ他の人に注意される可能性覚悟で使うのはアリかと。
713プレゼントはミンミン:2006/12/09(土) 21:35:35.51 ID:isfFKwQ20
まぁ、絶対使うなってことも無いと思うよ。
記号化されて周囲が理解できる状態ならそれは使っていい言葉なわけだし。
縦書き出版の時には使いづらい程度に理解してれば、ここで使う分にはかまわないんじゃない?
714一面鳥:2006/12/09(土) 21:36:12.82 ID:IRcAXdAY0
地の文で勝負してみては?
715七面鳥:2006/12/09(土) 21:42:29.39 ID:zwDtiw53O
個人的にいいと思うよ
ネット小説にはネット小説ならではの技法があるし、それを活用するのも技術の一つ
716プレゼントはミンミン:2006/12/09(土) 21:46:57.36 ID:isfFKwQ20
まぁ、作品にあわせろってことだね。
リアル志向の戦争物で背景とか凝ってるのに、
セリフで「貴様は馬鹿者か!?」って来たらそこで読むのやめますw

ライトな感覚を狙っているならいいんじゃないかな。
717二面鳥:2006/12/09(土) 21:50:15.94 ID:2Q9O0FKk0
みんな執筆に集中できる時間帯っていつごろ?
718プレゼントはミンミン:2006/12/09(土) 21:51:18.74 ID:isfFKwQ20
神様が来てるとき。いつ来るかは向こう次第。
719私は河童である ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/09(土) 21:52:54.04 ID:ftioQNXC0
品評会作品を投下します
720私は河童である1/2 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/09(土) 21:53:58.93 ID:ftioQNXC0
 私は河童である。
 頭に皿を乗せ、緑色のビニールのような皮を持ち、口の先に黄色い口ばしを付けた河童である。
 なら鳴き声は「くぁ」とか「くわ」だと思うだろう。
 残念ながら違う。私の鳴き声は「ボキュ」である。
 それは、水道管がつまったような音に似ているらしい。
 いや、そうなのだ。水道管のつまった音は私の鳴き声。
 つまり私は、水道管の中に潜んでいる。
 川で見かけたことのある河童は、きっと流されてしまったのだろう。
 ん、河童が人間を襲う?
 そんなはずは無い、とは言い切れないが。
 安心したまえ、私は襲ったりしない。
 人間は私たちのご主人様のようなものなのだ。
 いや、そのものである。人間は水と共存している。河童も同じだ。
 人間が水を使うことは、私たちに水を与えてくれると同等のことなのだ。
 水道管。私の住む場所。
 他の河童もほとんど同じ。たまに川にすき好んで住んでいる河童もいるけれど、それはほんの一部。
 そのほんの一部が人間を襲ったりしているのだろう。
 ん、水道管に住めるのかって?
 私の体長は二十五センチ。幅は十七センチ。スタイル抜群。
 地下道じゃ、河童界のカリスマ美少女と呼ばれているくらい。
 というか、体の大小はコントロールできたりする。
 あ、私は雌である。女の子。一歳。目はくりくりで、足がよちよちの子どもである。
 萌えた?
 ……世間の目は厳しい、か。はいそこ。井の中の河童って言わない。
 うーん、ぼきゅ。てへへ。
「おい、か、河童?」
 え、誰、見つかった?
 早く体を小さくしなきゃ!
 その前に捕まった。
「うお、河童だ。大発見だぜ、こりゃぁ」
721私は河童である2/2 ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/09(土) 21:54:31.16 ID:ftioQNXC0
 ちなみに、体を捕まえられた瞬間、大小変化をすることが出来なくなるのである。
 人間、この家の住人。私のご主人様。
 そのご主人様の指が……ど、どこさわってんのよばかぁ。
 力が入らない。身動きできない。それが今の状況である。
「ぼきゅ、ぼきゅ(はなして、はなして)」
「どうしよ。というか、何でパイプから河童が出てくるんだよ。何か詰ってるなと思ったら」
 うぅ、どうしよ。あ、はなしてくれた。
「うおぁ、手がすべっちまった! 待て!」
 追いかけてくる。待てといわれて待つか!
 それにしてもどうやって逃げよう。
「あぁ、それはそれはそれは、近づくなー!」
「ぼきゅ?(え?)」
 私より大きい、何かで作られた城の模型だった。
 ぐしゃぁ。城は崩れた!
「なんてことを! て、それにも近づくな!」
「ぼきゅ?(え?)」
 床にはパズルがあった。私の足にくっつく。ちょっと不愉快。
 もっとぐしゃぐしゃにする。パズルは崩れた!
「母さん、父さん、助けてください。僕はたった一匹の河童に泣かされそうです」
 少年は私を追いかけることをやめて、そして泣きそうになっていた。
 悪いことしたのかな。どうしよう。
 ここは河童流の贖罪!
「……ん? M字開脚?」
 やーん、恥ずかしい。ご主人様が初めて。
 私は誰にもこの格好をしたことがないのである。
 これは、私が今までの罪を償う、という構えだ。
「ふざけるな河童!」
 捕まって、頭から床に、垂直に落とされた。
 皿が割れたような気がした。死んで詫びろってこと、か。
 ぼきゅ。
722私は河童である ◆e3C3OJA4Lw :2006/12/09(土) 21:55:17.20 ID:ftioQNXC0
以上です。すみません。「了」を付け忘れました。
723四面鳥:2006/12/09(土) 21:57:20.17 ID:XIM4YtKK0
了はべつに必須ではないからダイジョウビ
724三面鳥:2006/12/09(土) 22:01:12.33 ID:2Q9O0FKk0
>>718
あるあるwwwww
神様がこないときは、どうがんばってもペンが進まないんだよなぁ。
ちょうどトイレに座ってふんばっているけど何も起こらないときの感じに似てる。
725サンクス:2006/12/09(土) 22:03:11.30 ID:jmsOzFl00
いくらネタに詰まってもクスリは絶対ダメだからね☆
726八面鳥:2006/12/09(土) 22:04:02.29 ID:zwDtiw53O
>>717
夜中〜明け方が一番書きやすいかな

>>718
あるあるwww全然書けない時ってあるよなw
727サンタロウ:2006/12/09(土) 22:04:45.94 ID:FvEzZfF50
クスリとも笑えない冗談だぜ
728ユダ:2006/12/09(土) 22:05:40.38 ID:00c6JNUl0
>>712-716
試しに使ったままでやってみることにするよ。
全身全霊をかけて書くから、待っててくれ。
どっからどうみてもライトノベルにしか見えない、ショタ小説をな……っ!
729五面鳥:2006/12/09(土) 22:08:30.09 ID:XIM4YtKK0
俺のクスリを受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
730プレゼントは江戸川区:2006/12/09(土) 22:10:29.24 ID:isfFKwQ20
>>729
シャブで逮捕のたとえもあるぞ?
731サンクス:2006/12/09(土) 22:10:53.47 ID:jmsOzFl00
今の俺には神の存在が信じられない

神などいない! 神などいない! 神などいない!

神様来て下さいよぉ……
732サンタロウ:2006/12/09(土) 22:11:47.82 ID:FvEzZfF50
神は死んだ
733サンクス:2006/12/09(土) 22:12:28.65 ID:jmsOzFl00
クリスマスは中止だ
734 ◆GWoAF55M4I :2006/12/09(土) 22:13:56.02 ID:0EKdc37V0
品評会作品を投下しま〜す!
735三面鳥:2006/12/09(土) 22:13:57.65 ID:2Q9O0FKk0
>>733
なぁ、クリスマスって何だい?俺そんなの聞いたことねぇよ、教えてくれよ。
736タブーに乾杯を(1/3) ◆GWoAF55M4I :2006/12/09(土) 22:14:23.09 ID:0EKdc37V0
 あの時、制服を着た彼女は俯いて涙を流しながら言った。
「あなたのこと、嫌いになったわけじゃないの。でも、その……」
 俺は呆然と立ち尽くし、ただ彼女の声に耳を傾けるのが精一杯だったが、結局続く言葉が彼女の口から漏れることはなく──。

 ……ソファにもたれていたずらに煙草を吸っていたら、懐かしい記憶が頭をかすめた。煙草を灰皿に押し潰しながら、意図せずため息にも似た笑みがこぼれる。昔の事を思い出すなんて、歳は取りたくないものだ。
「何を笑ってるの?」
 声の方向に顔を向けると、ベッドから上半身を起こした彼女が気だるそうに俺を見ていた。
「起きたのか」
「一人で起きて笑ってるなんて、趣味が悪いわ」
 裸身を隠すためにシーツを胸元まで引き上げながら、言葉とは裏腹に彼女が笑う。俺は眉を片方吊り上げて、肩をすくめてみせる。
「趣味のつもりはないんだけどな」
「じゃあ、性格が悪いんだわ」
「あえて否定はしないよ」
 言って俺は立ち上がると、キッチンからワインとグラスをテーブルへ運んだ。彼女がシーツを体に巻いて、ソファまで移動してくる。
「それで、何がおかしかったわけ?」
「ちょっと昔を思い出しただけさ」
「……女?」
「まあね」
 白いワインを二つのグラスに注いで気安くうなずくと、年甲斐もなく彼女がむくれる。
「面白くないわね」
「面白くないのはこっちさ。十年前に君に振られた時のことなんてな」
 できる限り冗談めかして言ったが、それでも彼女の顔にはわずかに困惑の色が浮いた。
「あの時は……」
「いいんだ、わかってる」
 グラスを彼女のほうに滑らせると、中でワインが踊った。それを見ながら、俺はまた過去を振り返る。
 俺と彼女が交際して三ヶ月も経った頃、彼女の家は崩壊の危難に襲われ始めていた。両親の離婚話なんてありふれた原因は、高校生の彼女にとって耐えられない問題ではなかったが、中学に入ったばかりの妹には厳しすぎる現実だった。
 そんな妹を守るために両親の間に立って離婚の解消を進める役目を背負った彼女に、家族以外の誰かに時間を割くほどの余裕があるわけもない。それだけでさえ、彼女の限界を越えようとしていたのだから。
 そうした事情を抱えて、別れ話はやってきた。
 俯いて説明しながら次第に嗚咽が混じり始めた彼女に、高校生の俺は何もしなかった。優しい言葉の一つもかけられなかったし、彼女を抱きしめて癒してもやれなかった。ひたすら無力を痛感し、馬鹿みたいに突っ立っていた。
 俺にかろうじて出来たのは、最後まで彼女の言葉に耳を澄ますことだけだった。そして、だからこそよく覚えている。彼女があの言葉だけは一度も言わなかったことを……。
737タブーに乾杯を(2/3) ◆GWoAF55M4I :2006/12/09(土) 22:14:54.90 ID:0EKdc37V0
 差し出されたグラスを前にいまだ戸惑いの瞳に揺れる彼女の手に、俺はそっとグラスを握らせて、そのまま両手で包み込む。
「そんな顔するなよ。俺はただ、昔も今も君以外の女のことなんか考えてないって言いたかっただけだ」
 優しく微笑んで見つめると、根負けしたのか、彼女が諦めたように笑った。
「いつもそうやって口説いてるの?」
 微笑みながらも、どこか挑発的に俺を睨む。俺は彼女の視線に導かれるように、ゆっくりとテーブルに身を乗り出す。
「俺が気にかける女性は、君だけさ」
「嘘つきね」
 包む両手から彼女の熱が伝わる。彼女も俺に手を握られたまま腰をあげ、その綺麗な首をわずかに傾けた。桃色の薄い唇が、艶めかしく俺を誘っている。
「でも今だけは、嘘じゃない」
 唇は自然と重なった。互いに体液と熱を奪うように、時間を掛けて求め合う。
 ここに確かに彼女がいることを唇で実感しながら、俺は思う。
 突然の再開は、連絡を取ったわけでも、約束をしていたわけでもない。それは本当に偶然でしかなかったが、すぐに今の関係になったのは、少なくとも俺にとって決して偶然ではない。
 十年前、彼女は最後まであの言葉だけは口にしなかった。
 それは二人の交際が過ちであったことを意味するものであり、俺と彼女のどちらか──あるいは両者に、何らかの非があることを認めてしまうものでもあった。「別れよう」よりも「さよなら」よりも、二人を完全に断絶してしまう言葉だった。
 しかし彼女は言わなかった。二人の正しさを残したまま、俺と彼女は別れることができた。いつかまた出会うなんてことは夢にも見なかった。彼女の両親が結局は離婚したように、現実はそこまで甘くないのだとわかっていた。
 それでも、もし何かの偶然で再開したのなら──。
 正しかった二人が正しい関係に戻るのは、必然だった。
 唾液の糸を引きながら唇が離れる。テーブルに身を乗り出したまま、しばらく恍惚とした視線を絡ませた。やがて余韻も消え去った頃、彼女はぽつりと「ありがとう」と、それだけを呟いてソファに座った。手に握られたままだったグラスを、嬉しそうに眺めている。
 俺は彼女から視線を逸らし、聞こえない振りをして腰を下ろした。感謝する理由はあっても、される理由なんかどこにもない。何かを誤魔化すように新しい煙草を取りだし火をつける。
「せっかくのワインが、ぬるくなったな」
「良いワインは温度を選ばないのよ?」
 そう言ってグラスを揺らして香りを楽しむ姿は、なかなか絵になっていた。
「じゃあ、安心して飲むといい」
「そうね……」
 ところが彼女はグラスをじっと見つめて、ワインを味わおうとはしなかった。それどころか、どこか不満そうな顔を上げて俺を睨んだ。
「どうした?」
「ねえ、グラスは二つあるのよ」
「おまえと、俺のぶんだ。それが?」
「どこまで言わせる気? せっかくだから、一緒に飲みたいじゃない」
 頬を膨らませて拗ねる彼女に、そっと笑みをこぼす。大人になった彼女のどこにこの幼さは同居しているのだろうと思うと、その意外性が素直に微笑ましかった。
738タブーに乾杯を(3/3) ◆GWoAF55M4I :2006/12/09(土) 22:15:23.22 ID:0EKdc37V0
「そうだな、一緒に飲もう。ちょっと待ってくれ」
 最後の一息を味わってから、吸い始めたばかりの煙草を灰皿に擦りつける。煙草を消しながら、ふと気になることが頭に浮かんだ。
 そういえば彼女は最後の最後に何かを言い淀んだ。結局は飲み込んだそれは、果たしてどんな言葉だったのか。あの言葉だったとしたら、彼女はわかっていたのだろうか。それが二人の関係を崩壊させるものだと、彼女も気がついていたのだろうか。
「なあ……」
「うん?」
「…………いや、やっぱり何でもない」
「何よ、気になるわ」
「いや、どうでもいいことだ」
 そうだ、再開した今となっては実にくだらない瑣末な問題だ。彼女は言わなかった、それだけであの頃の俺には救いだったし、今の俺だって満たされている。
 それに俺はまだ若い自分が惜しい。昔をこれ以上掘り返して、わざわざ歳を取ってやることもないだろう。どうせ放っておいても、学生時代を懐かしむのにふさわしい時期は勝手にやってくるはずだ。
 今はただ余計な事を考えずに、彼女と過ごす時間だけをしっかり楽しめばいい。
 灰皿の中ですっかり沈黙した煙草からグラスに持ちかえる。
「さあ、乾杯しようか」
「何に?」
「そうだな……十年前、君に振られても諦めなかった僕に」
「あなた、やっぱり性格が悪いわ」
「冗談さ。とにかく、乾杯しよう」
「……まあいいか。じゃあ、乾杯」
「乾杯」
 二つのグラスが軽くぶつかって、乾いた音が部屋に心地良く鳴り響いた。
 ワインを味わう彼女を眺めながら、俺は心の中でそっと呟く。
 君と俺との二人の偶然の再開に、
 ──そして、最後まであの言葉を口にしなかった君に。

 乾杯。


<END>
739 ◆GWoAF55M4I :2006/12/09(土) 22:15:45.42 ID:0EKdc37V0
以上です、ありがとうございましたッ!
740五面鳥:2006/12/09(土) 22:17:48.51 ID:XIM4YtKK0
>>730
人生足泥酔?
741ヨンタ:2006/12/09(土) 22:19:37.53 ID:gYNU+6Wt0
今回は5レスだし全批評しようと思っていたのに
この作品の多さにビビり始めてる俺がいる。
742サンクス:2006/12/09(土) 22:21:51.02 ID:jmsOzFl00
>>735
ケーキが安くなる日だよ。
743プレゼントは江戸川区:2006/12/09(土) 22:24:34.96 ID:isfFKwQ20
>>740
なんで二人で上手いこと言ってんだよwwww
744五面鳥:2006/12/09(土) 22:29:00.57 ID:XIM4YtKK0
>>743
うめぇwwwwww
745ゴタ:2006/12/09(土) 22:42:07.13 ID:0J22XyY+O
落ちるっってんだろ!!
746VIP皇帝:2006/12/09(土) 22:45:42.19 ID:XIM4YtKK0
↓筆が止まってしまったので息抜きにお題くれ。
747サンタロウ:2006/12/09(土) 22:46:13.32 ID:FvEzZfF50
748五面鳥:2006/12/09(土) 22:48:17.39 ID:XIM4YtKK0
>>747
一度書いたことあるな
坊主が肉食う話だったような

↓べつのちょうだい
749三面鳥:2006/12/09(土) 22:48:41.45 ID:2Q9O0FKk0
二番目
750煙突(四角):2006/12/09(土) 22:48:52.04 ID:h3F0x3qP0
751相手がいない:2006/12/09(土) 22:49:20.17 ID:aLnCq+oY0
汎用人型決戦兵器
752五面鳥:2006/12/09(土) 22:49:42.71 ID:XIM4YtKK0
>>749-751
thx
まとめてもろたよ
753三面鳥:2006/12/09(土) 22:50:06.44 ID:2Q9O0FKk0
>>750-751が圧倒的に矛盾を見せている件w
754サンタロウ:2006/12/09(土) 22:57:45.71 ID:FvEzZfF50
ヒント:兎人参化
755イロハ ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 22:58:44.85 ID:nICL6bjM0
ヤター三作目できたよー
756相手がいない:2006/12/09(土) 22:59:11.62 ID:aLnCq+oY0
どんだけだしw
757:2006/12/09(土) 23:00:09.45 ID:nICL6bjM0
と思ったら改行で引っ掛かった。微調整します。
758涙の代償(1/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 23:00:57.45 ID:nICL6bjM0
 俺の恋人、月島蛍にはある意味致命的な欠陥がある。それは──。

「蛍、そこのペットボトル取って」
「あ、うん。どうぞ」
「サンキュ」
「ご、××××××!」
「え、今なんで謝ったの?」
「そ、その、手、触っちゃったから」
「あのさあ、俺たち恋人同士なんだから、それくらいで謝るのってどうかと思うぞ」
「……××××××」
「いや、だから」
「××××××」
「うん。分かったよ。俺はなにも気にしちゃいないさ」
「××××××……」

 そう、この病的とも言える腰の低さだ。土下座社会の島国根性が生んだ、奇跡の言霊使いなのである。
 なにがそんなに申し訳ないのだろうか。子供の頃にひどい虐待でも受けていたのだろうか、
人類発祥以来の原罪をすべて背負ってでもいるのだろうか、
或いは実は彼女は秘密のサイボーグで、その六文字のシラブルが彼女の心臓を動かすパスコードなのだろうか。
 ……などと意味不明な想像すらしてしまうほどのものなのである。
 どちらにせよ、言ってる本人はそれで気が済むのだろうが、それを毎朝毎晩おはようからおやすみまで、
てゆーかおはようとおやすみの代わりに聞かされる身にもなって欲しい。
ま、それを言ってみたところで蛍はどうせ「××××××」と返してくるのが目に見えてるので口に出すつもりはないが。

 そもそも俺と蛍の出会いからしてそんな感じなのである。
 当時、俺は付き合ってた彼女を交通事故で亡くした。
 通夜から始まって葬式、四十九日までのお決まりのセレモニーを終えて、
気の抜けたように空っぽになった俺の部屋に残る彼女の遺品を整理しているその真っ最中に蛍は現れた。
「××××××」
 開口一番、蛍はそう言った。
759涙の代償(2/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 23:01:29.19 ID:nICL6bjM0
「……なにが?」
 彼女を失ったショックで少々混乱していたとはいえ、この疑問は極めてもっともなものだと今でも思う。
 なにが悲しくて玄関口に突っ立ってる見ず知らずの女の口から「××××××」を聞かされにゃならんのか。
「あの、お姉ちゃんのことです。私、月島小雪の妹です。……××××××」
 こうして蛍は俺の前に現れ、その日、蛍は二十三回「××××××」を口にした。
 やはりと言うかなんと言うか、去り際の台詞もそれで締めた。
「こんな優しい彼氏がいて、お姉ちゃんも幸せだったと思います。
 ××××××。私の勝手な思い込みですよね。
 ……あの、もしよかったらまた会ってくれませんか。お姉ちゃんのこと、もっと聞きたいです。
 迷惑だったらいいんです。××××××」

 そんな馴れ初めで、俺は蛍と付き合うようになった。
 そして今に至る。
 その二年にも及ぶ付き合いの中で、蛍が何度「××××××」と言ったか、それは分からない。
今までに食べたパンの枚数を数えるようなものである。
 まー、なんつーか、色々神経を使う相手ではあるが、それが蛍の口癖だと割り切ってしまえば、
それは単なる日常の一部になる。例えば朝起きて顔を洗うのは面倒だが、生活とは切り離せない日課なのだから仕方がない。
そんな感じだ。

「そう言や、小雪の命日ってもうすぐだよな」
 ある日の夜、食後に蛍の淹れてくれたお茶を飲みながらテレビを眺めていた俺は、なんの気なしにそう呟いた。
「……うん」
「喪服ってどこにしまったけな。知らないか?」
「……知らない」
 いつになく沈みがちの蛍だったが、常日頃からダウナー型のやつだし、
去年もその前の年も小雪の命日が近づく頃にはどっぷり沈んでいたのを思い出したので、
その暗い声に対して何かを言うことはしなかった。
760サンタロウ:2006/12/09(土) 23:01:53.74 ID:FvEzZfF50
三作目てwww
761涙の代償(3/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 23:02:01.48 ID:nICL6bjM0
 仕方ないので、俺は消えた喪服のありかを考えながらテレビに視線を戻した。
 しばらくは二人の間に静かな空気が流れていたが、無口低反応の蛍と付き合っていれば時単位の沈黙など苦にもならない。
 しかし、そこで俺の予想を裏切る展開が発生した。
 蛍のほうから沈黙を破ってきたのだ。
「……私、行かないから。お姉ちゃんの三回忌」
 ちょうどドラ焼きを口に入れようとしていた俺の手が止まり、上の皮が床に落ちた。
「なんで」
「お姉ちゃんのこと、嫌いだったから」
 蛍にしては強い言葉を使っている。「しない」とか「嫌い」とか、その類の語彙からは縁の遠いやつだと思っていたのだが。
 しかしそれでも、それは俺にとって聞き捨てのならない言葉だった。
「お前さ、死んだ人間のことまで嫌うことないだろ。それにお前の姉ちゃんじゃねーか」
 蛍はくっ、と小さくうめくが、それでも大きく息を吸って、
「どうしてお姉ちゃんの肩なんか持つの? あの人はもういないの、死んじゃったの、お墓の中なの。
 私よりも死んだお姉ちゃんのほうが大事なの? 生きてるのは私なの。私を見てよ。
 今あなたのそばにいるのは私、私なの」
 なにを言っているかよく分からなかった。
 まるで俺が小雪の思い出を引きずって、蛍をないがしろにしているような口ぶりではないか。
 そうでなければ、俺が小雪の面影を蛍に求めているような。
 だが、だがそんなことはない。決してない。
 初めて蛍と出会ったとき、小雪の妹だとは気がつかなかった。それだけ二人は違う人間なのだ。
 そして俺は、小雪と過ごした日々を吹っ切って蛍と一緒に歩む道を選んだ。
そしてそれを口には出さねど常に態度で示してきた。
 小雪のような明朗さやさっぱりした気性やすぐキレる導火線の短さは無いが、
蛍には線の細い可憐さや優しさや強迫観念的な滲み出る神経質がある。
 俺は蛍が好きなのだ。そこには一点の疑いもない。
 ……それなのに、なぜ?
762涙の代償(4/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 23:02:35.31 ID:nICL6bjM0
 冷静になるべきだと思った。しかし、俺には出来なかった。
 俺の蛍への気持ちが、蛍自身に裏切られたような気がして──。
「言っていいことと悪いことがあるだろ!」
 俺が怒鳴ると、蛍は見る見るうちに目に涙を溜め、まるで小動物のように身体を小刻みに震わせた。
「──っ」
 そして身を翻して部屋から出て行った。
 取り残された俺は気持ちの落とし所に悩んでしばらく部屋の中をぐるぐる回っていたが、
「ええい、まったくもう!」
 ジャケットを着込むと小脇に蛍のコートを抱え、さっきの蛍の三倍のスピードで部屋から飛び出した。
 あいつにしては珍しくの長広舌だったのに、ただの一度も、時に耳障りとも感じるあの言葉を
一言も発しなかったのに気が付いたからだった。

 蛍は近くの空き地にいた。
 かちかちと歯を鳴らしながら膝を抱えるように地面にへたり込んでいた。
 俺がコートをかけてやっても、蛍はこちらを振り返ることなく、じっと冷たい土を睨んでいた。
 それから三分くらい過ぎただろうか。三十秒かもしれないし三時間かも知れない。どっちでもよかった。待つことには慣れていた。
 俺が声を掛けるのを待っているのかとも思ったが、その小さな背中はそれを力いっぱい拒否しているように見えた。
 ──ようやく蛍が口を開いた。
「──だったの」
「ん?」
「好きだったの、あなたのこと。初めて見たときから。ううん、二年前じゃない。もっと前。
 一度だけ、遠くで見かけたの。あなたがお姉ちゃんとデートしてること。そこから先はもう一直線だった。
 知ってた? お姉ちゃん、家ではあなたのことばかり話してたの。
 それを聞いてるうちに、私もあなたのことをよく知ってるつもりになって、でもそれはやっぱり嘘のことだから、
 本当のあなたを知りたくて、それでお姉ちゃんに『会わせて』って頼んだの」
763サンクス:2006/12/09(土) 23:03:10.36 ID:4QGy2mWr0
764涙の代償(5/5) ◆7CpdS9YYiY :2006/12/09(土) 23:03:14.35 ID:nICL6bjM0
 そこで蛍はやっと俺を見上げた。頬から流れる涙が雫になって顎から落ちていた。
「お姉ちゃん、分かってたんだね。きっぱり断られたわ。考えてみれば当たり前のことなのに、私、馬鹿だったから。
 ……言っちゃったの。『お姉ちゃんなんか死んじゃえ』、って」
 ふと気が付いた。今夜はそれほど寒くない。それでも蛍は歯の根が噛み合っていなかった。
「そ、そそそしたら、おね、お姉ちゃん、次の日に、死、んじゃ、たの。
 じ、事故だって分かってるけど、でも、それでも」
 俺は膝を折って蛍の肩を抱いた。蛍の悪癖の、あの何度も繰り返される言霊の、その意味が今やっと理解できたからだ。
「わ私、ひどっ、ひどい、やつなんだ。お姉ちゃん、死んじゃった、のに、私、そ、あなたと」
 俺は蛍を胸に抱いて、頭を軽く叩いてやった。。
「いいんだよ。小雪のやつ、そんなこと気にするタマじゃない。お前だって、知ってるだろ」
 蛍はそれが信じられぬように俺を見つめ、視線を宙にさまよわせ、口元をわななかせ、
「ご、ごめ、ごめ──」
 そして火がついたように泣き出した。赤子にも負けない勢いで泣きじゃくりながら、うわごとのように繰り返していた。
 

「××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、
 ××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、
 ××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、
 ××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、
 ××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、
 ××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、
 ××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、
 ××××××、××××××、××××××、××××××、××××××、××××××──」

「大丈夫、大丈夫だ。なにも心配いらない──」
 涙で俺の胸を濡らす蛍の頬を優しく撫でながら、俺は天国の小雪に祈った。
(天国に逝けたのかははなはだ疑問だし、そもそも俺は天国なぞ信じちゃいないが)

 この重荷と涙に釣り合うだけの、両手いっぱいの幸せがこいつの元に訪れますように、と。
765サンク:2006/12/09(土) 23:09:07.69 ID:i87s0tXV0
>>710

       ____  
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\
  /    (__人__)   \
  |   ヽ |!!il|!|!l| /
  \    |ェェェェ|     /
766VIP皇帝:2006/12/09(土) 23:10:28.62 ID:aLnCq+oY0
>>765
おせえよw
767靴下右:2006/12/09(土) 23:12:31.46 ID:tLBlaxJr0
>>766
愛されてんなぁwwww
768サンク:2006/12/09(土) 23:15:49.51 ID:i87s0tXV0
>>766
今来たんだw

これやらないと落ち着かないからな…
769六面鳥:2006/12/09(土) 23:17:08.28 ID:XIM4YtKK0
BGMにクラシック流しながら書いてたら
音楽への感度が妙に上がって
ふとした盛り上がりで胸がいっぱいになってしまうから困る
770一面鳥:2006/12/09(土) 23:20:45.75 ID:0zqJVhml0
BGMにBlackLagoonのオープニングをエンドレスで
流してたら、妙にキャラクター達が暴力的に。
771サンク:2006/12/09(土) 23:25:34.17 ID:i87s0tXV0
>>770
あるあるwwwwww
…と言いたいところだが、歌流してると書けないんだよな、俺。羨ましいぜ。
772四面鳥:2006/12/09(土) 23:26:22.81 ID:2Q9O0FKk0
曲流すと聞き入っちゃうな。そのまま1時間とか。
773:2006/12/09(土) 23:29:31.20 ID:DZVx8aCw0
BGMがユニコーンの「大迷惑」な俺
そのままカオスに突入
774六面鳥:2006/12/09(土) 23:31:54.57 ID:nG6ey1bl0
ユニコーンのおかしな二人を聞いてる俺がいる
775靴下右:2006/12/09(土) 23:32:29.15 ID:tLBlaxJr0
なにこのユニコーン人気はwww
昭和かwwww
776サンタロウ:2006/12/09(土) 23:33:46.13 ID:FvEzZfF50
むしろ平成生まれはいるのかここに?
777一面鳥:2006/12/09(土) 23:35:28.38 ID:0zqJVhml0
なんだなんだ、みんな言うほど新しかぁねえな?w
778:2006/12/09(土) 23:35:43.45 ID:BY2mRvT+0
ノシ

おれっちへーせー2年うまれだぜぃ
779六面鳥:2006/12/09(土) 23:36:20.03 ID:nG6ey1bl0
すまない 俺は高校生なんだが…
奥田民生→ユニコーンとはまった。
そんな俺は流行の曲が分からない
780プレゼントはPS:2006/12/09(土) 23:38:15.53 ID:aLnCq+oY0
ほとんどアニソンしか聞かない
今も幸せの虹聞いてるしw
781靴下左:2006/12/09(土) 23:38:20.56 ID:kReRxlHG0
若さってなんだろうな・・・
782四面鳥:2006/12/09(土) 23:38:37.29 ID:2Q9O0FKk0
振り向かないことさ
783:2006/12/09(土) 23:40:02.10 ID:BY2mRvT+0
愛ってなんだ?
784サンク:2006/12/09(土) 23:40:24.84 ID:i87s0tXV0
ギャバンって何だ?
785一面鳥:2006/12/09(土) 23:40:41.99 ID:0zqJVhml0
平成二年……新型!完成していたのか!
786靴下左:2006/12/09(土) 23:40:57.48 ID:kReRxlHG0
宇宙刑事のことさ
787七面鳥:2006/12/09(土) 23:41:01.31 ID:WhVYqLRX0
>>782
おっさん乙w

平成生まれとは分かり合えない永遠に希ガス
788四面鳥:2006/12/09(土) 23:42:59.83 ID:2Q9O0FKk0
>>787
おっさんって言われた……
789二面鳥:2006/12/09(土) 23:45:30.09 ID:0zJaX4KV0
>>788
どんまいおっさん
790:2006/12/09(土) 23:45:46.38 ID:rZi2Ikj70
男なんだろ。ぐずぐずするなよ♪

そんな俺はギリギリ昭和
791ゴタ:2006/12/09(土) 23:46:07.42 ID:txd/Z7s50
>>776
ID変わるから言うけど

平成3年ノ
792九面鳥:2006/12/09(土) 23:46:16.85 ID:zwDtiw53O


自分も平成。何かにつけて平成言われてちょっと切ない
793サンク:2006/12/09(土) 23:46:40.98 ID:i87s0tXV0
楽曲のみとかゲームのサントラしかないから、何か書いてるときはそればっかりだな…。

つか俺昭和生まれだけどユニコーン知らないよ…。無知なだけか。
794四面鳥:2006/12/09(土) 23:46:51.01 ID:2Q9O0FKk0
おっさんと平成生まれしかいないスレになりました
795九面鳥:2006/12/09(土) 23:46:53.69 ID:zwDtiw53O
>>791
同士か
796靴下右:2006/12/09(土) 23:47:01.39 ID:tLBlaxJr0
一つの指標だからね。後10年もすれば、中心が平成一桁生まれになって、昭和生まれは型落ちと言われるようになるさw
797ヨンタ:2006/12/09(土) 23:47:07.86 ID:512g+3Xx0
>>787
平成元年生まれの弟がカラオケで歌うから世界は広い。

ネタを思いついた!と思ったらある小説のそのまんま。
数ヶ月前の通常お題やってしまおうかしら……
798サンクス:2006/12/09(土) 23:47:46.01 ID:jmsOzFl00
串田アキラいいよね。
ナンジャーマンとか聴いてたらさぶいぼがたつっつーの

そんな俺は昭和生まれ
799プレゼントはPS:2006/12/09(土) 23:48:17.29 ID:aLnCq+oY0
>>798
串田アキラいいよね。そんな俺はギリギリ昭和生まれ
800:2006/12/09(土) 23:48:17.75 ID:rZi2Ikj70
>>797
お題やって、無理やりあやまるシーンをつければおk
801:2006/12/09(土) 23:49:07.84 ID:rZi2Ikj70
聖飢魔Uとかいいよね!
いいよね!?
802一面鳥:2006/12/09(土) 23:49:15.36 ID:0zqJVhml0
>>787

まあまあ。気にしなさんなw
おいらも確実に平成生まれからみれば
おっさんだしー。
803ゴタ:2006/12/09(土) 23:49:20.93 ID:txd/Z7s50


, '´  ̄ ̄ ` 、
 i r-ー-┬-‐、i
 | |,,_   _,{|
 N| "゚'` {"゚`lリ
  ト.i   ,__''_  !
/i/ l\ ー .イ|、

平成生まれでも品評会で優勝できるよ
804プレゼントはPS:2006/12/09(土) 23:49:51.15 ID:aLnCq+oY0
>>801
蝋人形してやろうかー!
しか知らない
805サンクス:2006/12/09(土) 23:51:01.56 ID:jmsOzFl00
>>801
カラオケで熱唱した彼のあだ名を閣下にしました

ぶん殴られた
806一面鳥:2006/12/09(土) 23:51:27.34 ID:0zqJVhml0
>>801
Fire After Fire
とか
The End of the Century
とか、
エルドラド
とか、
地獄への階段とか。
807:2006/12/09(土) 23:52:20.04 ID:BY2mRvT+0
>>801
同意
デーモン小暮の歌唱力は異常

地獄への階段とか地獄の皇太子は二度死ぬが好き
808九面鳥:2006/12/09(土) 23:53:16.24 ID:zwDtiw53O
>>803
優しいな

なんだかID変わる前になると喋ってしまう。自分だけ?
809:2006/12/09(土) 23:53:30.89 ID:rZi2Ikj70
>>804
正直蝋人形微妙w
>>805
熱唱できる人すげーってww
810靴下右:2006/12/09(土) 23:53:37.80 ID:tLBlaxJr0
>>807
閣下って呼べよ
811ゴタ:2006/12/09(土) 23:54:04.02 ID:txd/Z7s50
>>808

俺もだよwwww
812:2006/12/09(土) 23:54:45.47 ID:BY2mRvT+0
>>810
これはとんだ失礼を!
813プレゼントはPS:2006/12/09(土) 23:55:25.77 ID:aLnCq+oY0
閣下がNHKに出てて吹いたw
814靴下右:2006/12/09(土) 23:55:30.97 ID:tLBlaxJr0
デーモン小暮「閣下」までが名前だからなwww
815VIP皇帝:2006/12/09(土) 23:55:44.12 ID:rZi2Ikj70
>>806
fire after fierはいいね。
殺しの現場とか、好きなんだけど。マイナーすぎて困る
>>807
地獄の皇太子っ!!        は二度死ぬ!
「その歌唱力は、悪魔の契約によるものなんですか?」
ってインタビュアーに聞かれた閣下が
「いえ、がんばって練習しました」
って答えたのは伝説
816:2006/12/09(土) 23:57:10.47 ID:rZi2Ikj70
>>812>>814
小暮閣下に「閣下」をつけないのは
清少納言を「清」って呼んでるようなものだ!

あれ?ちがう?
817九面鳥:2006/12/09(土) 23:59:25.81 ID:zwDtiw53O
この前閣下がヘキサ○ンで高得点取ってて感動した
さすが長生きだな
818ゴタ:2006/12/10(日) 00:00:45.35 ID:fQoj8VBE0
なんだ、悪魔崇拝スレかここw
819ニタ:2006/12/10(日) 00:00:45.64 ID:OSWeeeIT0
閣下の頭の回転の速さは人間離れしている
820煙突:2006/12/10(日) 00:01:43.38 ID:Cu8SA8B10
作品投下していいんだぞwwww
ちなみに、半分経過した時点で20作品なので、このペースで行けば40作品を越えますwww
821:2006/12/10(日) 00:02:09.43 ID:77tXrkXU0
>>819
OSウェェェェェェェェェイト
822二面鳥:2006/12/10(日) 00:03:00.92 ID:Sf/YJ/Bu0
俺って地の文は大得意だけど、会話文が絡むと途端に下手になることに気が付いた。
823五面鳥:2006/12/10(日) 00:03:36.05 ID:Nq6DUQP10
閣下は早稲田卒だからな。
824:2006/12/10(日) 00:03:48.80 ID:77tXrkXU0
>>822
どっちも下手な俺はどうすればいいんだ?
825:2006/12/10(日) 00:04:18.79 ID:77tXrkXU0
>>823
さらにキコクシジョだからな
826:2006/12/10(日) 00:05:20.01 ID:I2k49xcC0
閣下は世界制服してるからな
827ゴタ:2006/12/10(日) 00:06:20.39 ID:fQoj8VBE0
……悪魔だから、じゃないの?
828煙突:2006/12/10(日) 00:06:42.59 ID:Cu8SA8B10
>>823>>825
その辺は世を忍ぶ仮の姿だ
829:2006/12/10(日) 00:10:31.37 ID:77tXrkXU0
>>828
人間界に降りてきてからの話じゃなかったけか?
10万歳からの
830くそみそ小説家:2006/12/10(日) 00:11:11.98 ID:P7Ml1XQ70
    〃                 i,        ,. -‐
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈    /
    !  :l      ,リ|}    |. }   /    .く  お
.   {.   |          ′    | }    l
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<    |    れ  題
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    |
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|   |     な  を
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ     |
.    }.iーi       ^ r'    ,'    ノ    い
     !| ヽ.   ー===-   /    ⌒ヽ
.   /}   \    ー‐   ,イ       l    か
 __/ ‖  .  ヽ、_!__/:::|\       ヽ
831二面鳥:2006/12/10(日) 00:11:28.15 ID:Sf/YJ/Bu0
公園
832ニタ:2006/12/10(日) 00:11:47.43 ID:OSWeeeIT0
吹いたw
833:2006/12/10(日) 00:11:48.34 ID:rAW/7fQR0
露出
834:2006/12/10(日) 00:11:58.50 ID:77tXrkXU0
>>830
悪魔
835サンダル:2006/12/10(日) 00:12:37.02 ID:P7Ml1XQ70
>>831>>833>>834
全て把握
836四面鳥:2006/12/10(日) 00:12:42.01 ID:TIztbmeh0
とりあえずお題仕上げたんで投下するよ
837ゴタ:2006/12/10(日) 00:12:57.82 ID:TvuqqvWx0
>>831 >>833 >>834
www
838ウィニングショット 1/2:2006/12/10(日) 00:14:01.85 ID:TIztbmeh0
 やってやる。 今日はあいつには負けない。
そう思いつつ、僕はネクストサークルに足を踏み入れた。
右手、左手の順にバットを握り感触を確かめる。
いつもと同じ手触り。それを確認して、
マウンドの敵――長い手を生かし高い地点でのリリースポイントを持つエースを睨みつける。
練習試合じゃ討ち取られたが今日だけは討ち取られるわけにはいかない。
この三年の夏、弱小チームの俺には最後の試合になるかもしれないんだ。
知らず握る手に力が篭る。 
この試合で最後にはしたくない。
「俺があいつに無駄球を投げさせてくる」
そう言ってベンチから出て行った三番打者の裕太は球をしっかり見極め、粘っている。
向こうのチームはあのピッチャーの一枚看板、
そのエースは制球力が無い弱点は克服できていなかったのか。
これなら一泡吹かせることも夢じゃない。そう思いながら裕太を見つめる。
裕太は選球眼はいい。そして球に対する反応も練習で鍛えられている。
下手したら四球で歩かされるかもしれないな。 
ピッチャーからしたら一番嫌な打者だろう。
キャッチャーから返球された球をキャッチして一呼吸、
ピッチャーの雰囲気が変わった。 裕太もそれを感じ取ったのだろう。バットを握りなおす。
大きく足を挙げ、長い手を弓のようにしならせて高い部分からストライクゾーンぎりぎりの低めへと投げられた。
裕太の腰は捻られ、バットは遠心力の力を持ったまま回転する。
バットとボールが当たる様に見える瞬間、ボールは急激に落ちてキャッチャーのミットへ収まった。
「ストライク! バッターアウト!!」 審判の無情な、心なしか嬉しそうな声を上げる。
これだ。これがあいつのエースたらしめるウィニングショット。
高い地点から落ちるような投球をするのに、まだ落ちるフォーク。
俺に打てるか? 打てる! 打たなくちゃならない。
「俺が仇を討ってやる」
そう言って裕太の肩を叩く。 
「任せたぜ 四番打者」 裕太は親指を立てながら微笑んだ。
839二面鳥:2006/12/10(日) 00:14:12.24 ID:Sf/YJ/Bu0
ちょっとまて、俺の出したお題で噴かれる覚えはないぞw
840ウィニングショット 2/2:2006/12/10(日) 00:15:08.83 ID:TIztbmeh0
 バッターボックスに入る。
気合十分、さぁ来い。弱小チームとはいえ仮にも四番を背負ってるんだ。
第一球目から決め球は無い、そう思いながらも疑惑が払えない。
そこまで考えたところで笑みがこぼれた。
来た球全て打っちまえばいいんだよ。 
そしてあいつが振りかぶった。
凄いスピードで投げられた球は俺の肩に当たり激痛を与えた。
あぁ、これが俺の高校最後の打席か……
地面が迫りつつある中俺はそう思った。



お題はフォークでした
感想、批評などありましたら感謝
841ゴタ:2006/12/10(日) 00:16:54.20 ID:TvuqqvWx0
>>839
アッー!
842ヨンタ:2006/12/10(日) 00:17:37.58 ID:q7h/gnx50
品評会作品投下しますノ
843ゴタ:2006/12/10(日) 00:19:10.92 ID:fQoj8VBE0
うぃ
844品評会用「言葉に愛を紡ぎたい」(1/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/10(日) 00:20:36.80 ID:q7h/gnx50
 近所に新しい一家が越してきたという。
本当にどうでもよかったのだが、なんと俺の親戚だという。
 何故こんなところに越してきたかって、
大人の事情とやらが渦巻いているらしいのだが、
それに興味を持たなくて良いのは子供の特権。
 正直、俺にはこれっぽちも関係ない話だと思っていた。
 まさか、こんな面倒なことになるとは……。

 俺の前に立っているのは、華奢な体型で色白な童顔。
いや実際に幼いのだが、年齢は俺と一つか二つほど下だと思う。
 不思議な印象を受けた。同級生とは違う、何故これほど神秘的なのか。
吸い込まれそうな深い瞳のせいかとも思う。どこか憂いて、物寂しい。

「ここに来て、日も経ってないし友達もいないから、この子と仲良くしてあげてね」
叔母が言う。やれやれ、要するに子守りだ。折角の冬休みだというのに面倒だ。
 こいつなんか生まれてからずっとここにいるのに、ろくに友達もいないわよ。
と母がからからと笑った。我が母とはいえ何と腹立たしい。
「ああ……わかったよ。おい、よろしくな」
 こいつに挨拶をしたが、ろくに返事もしない。
一体どういう了見だ、とまた煮えくり返りそうになったときに、叔母が言う。
「ごめんね。この子生まれつき病気で……口がきけないのよ」
可哀相な子なの。というニュアンスが含まれているようで、
とても重たかった。気楽な毎日を返してくれ。
「あんた、この子と仲良くしなさいよ!」
返事するのも面倒で、母の台詞も適当に聞き流した。

 自室に戻ろうとする。すると、何故かこいつがついて来る。
何でお前、ついてくるんだ。おい、こいつ、え――なんだ。
「叔母さん! この子の名前何ていうの?」
 どうやら、『優』というらしい。立派な名前じゃないか。
845品評会用「言葉に愛を紡ぎたい」(2/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/10(日) 00:21:30.49 ID:q7h/gnx50
「えっと……優? 俺、部屋でゲームするけどお前も来るか?」
 優は、小さく頷いた。

 部屋でゲーム機の用意をしながら、質問をする
「お前、何歳だっけ?」
返事は返ってこない。そうだ、喋れないんだった。
 優の方を向くと、指を曲げたりして俺に突きつけてくる。
「……何やってんだ?」

 俺に伝わらないのが腹立たしいのか、俺の顔の真ん前まで持ってくる。
一体何事だ。何の儀式だ、それは。混乱している俺に、一つの良案が浮かんだ。
 これだ。取り出したるはペンと紙。さあ筆談の始まりだ。
優に持たせると、呆れつつも素早く書き始めた。中々の達筆である。似たようなことが何度もあったのだろう。
 紙の真ん中には堂々と十四歳と描かれていた。ほら、俺と一つしか変わらない。
「おお。年近いじゃん」
俺が、はしゃいでいると、優は、また俺に紙を突きつけてきた。
『手話って知ってる?』
なんだ、さっきの儀式のことか? その単語を聞いたことくらいはあるが、
正直言って全く分からない。興味も無いし、覚える気も無い。
 そう告げると、ため息をついて俺を見た。蔑んだ目で見るな、このガキ。
 とりあえず、二人で遊べそうなゲームを探し出す。
妙なキャラクターがブラウン管の向こうで白熱したテニスを繰り広げる、というものがあったがどうだろうか。
これにするか? と言って渡すと、恒星よりも目を輝かせて、嬉しそうな顔をしている。
 これがいいのか。中々見る目があるじゃないか。
俺と好みが合ったことで気を良くする。
それから3時間ほど白熱した試合を繰り広げることになる。
846品評会用「言葉に愛を紡ぎたい」(3/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/10(日) 00:22:07.19 ID:q7h/gnx50
「優。帰るわよ」
 居間の方から叔母の声がする。外を見ると薄暗くなっていた。
俺たちは目も頭も疲れていた。しかし、まあまあ有意義な時間を過ごすことができたと思う。
 声が出ないので、喧しいことも無い。反応も薄いのは、しょうがないのだが。 
厄介者で相手をするのも面倒だと踏んでいたので、良い意味で予想を裏切られた。
「おい、優!」
 俺が声をかけると、ゆっくりと振り返る。
またいつでも来いよ。と、言うと嬉しそうな顔をして頷いた。
中々可愛いところもあるじゃないか。

――しかしまさか、毎日来るとは。
冬休み明けから学校が始まるらしい。友達もいないから暇なんだろう。
 別にかまわないさ。優は、他の俺のゲームも気に入ってくれた。
 確かに俺も、友人が少なくて暇をしていたから、結構楽しい。
でもな、分かっているか? 俺、今年受験なんだぞ?
 そんなこともお構いなしなこいつは、以前よりももっと表情豊かに、
よく笑って、よく怒って。声が出なくても感情を伝えてくる。
 何考えているか分からない健常者。もとい同級生よりも、
ずっと気が置けない奴になった。冬期講習もとらないで、毎日戯れている俺たち。
 だがしかし、俺の手話の能力は全く向上しなかった。
儀式を行うと、すぐにペンと紙を渡すのだ。そんな時優は不快そうにする。

 その日は、数少ない友人の一人と久しぶりに出かけていた。
「ふわあ。」
 俺は、大きな欠伸を一つ。もし彼女とのデートなら張り倒される。いや、いないけど。
「なんだ眠そうだな」
「ああ、例のいとこが来てからろくに勉強してないし。昨日も夜遅くまでゲーム三昧」
「はあ……まあ、また一人友達ができて良かったな」
 学校入って友達作られる前に、いっぱい遊んでもらえよ。と、こいつは失礼なことを平気で抜かす。
847品評会用「言葉に愛を紡ぎたい」(4/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/10(日) 00:22:55.20 ID:q7h/gnx50
 そんなことだから、ろくに友人ができないんだ。ああ、俺は言える立場じゃなかったな。
 もしかして、本当に優が去っていけばどうだろう。
ちょっと寂しいかもしれない。いや結構悲しいかもしれない。
 軽い鬱になりながら、とぼとぼと歩く。
「おい、そんなに落ち込むなって。ん……?」
友人は車道の向こうに何かを見つけた。
「なんか、お前のことずっと見てる奴がいるぞ。あ、ほら手振ってる」
 ああ、優だ。こんなところで恥ずかしい。
ここはお前が前に住んでいた田舎とは違う、と今度説教してやらねば。 
 俺を見つけて、嬉しそうに、こっちの歩道へ走って渡ってくる。
 
 瞬間。俺の心臓が凍りついた。視界には、確かに鋭く走る軽自動車。

「馬鹿っ!」

 反射的に、体が動く。
 風を切って。優を、右手で、突き飛ばす。
体育祭でもこの速さで走れたら英雄だったろう。
そして次は俺が自動車に突き飛ばされる番。
 耳障りなブレーキ音と、俺の骨が軋む音。 
 痛い……。目が霞んでくる。良く分からないけど、友人が叫んでいる気がする。
優の顔がすぐそばにあった。泣いているのか?
 良く分からないが、胸の前で右手を握り必死に円を描いている。
何かを請うように。必死に。ひたすら。何度も、何度も、円を描く。


 馬鹿。だから手話なんか分からないって言ったじゃないか。

 
 優が、泣かないように小さく微笑んだ。
848品評会用「言葉に愛を紡ぎたい」(5/5) ◆/7C0zzoEsE :2006/12/10(日) 00:23:23.20 ID:q7h/gnx50
 冬休みが明けると、心なしか暖かくなったような気がする。
これから、冬の一番寒い時期に入るというのに。
 でも、錯覚じゃない。心が弾むから、暖かく感じるのだ。
「走るなよ、こけるぞ」
 俺は松葉杖をつきながら、優に声をかける。
捻挫と打撲。痛々しい、俺。 
 あの時、寝不足がたたって気絶した。というより、仮眠状態だったらしい。
救急車に運ばれたのに、たいしたことは無かった。無論、脳波に異常も無い。
 泣いてた優も、格好つけた俺も、何故か無性に恥ずかしかった。
 友人は、微笑みながら『馬鹿』とけなしてくれた。

 優が、大丈夫か? と俺に寄り添ってくれる。
こいつに会って、結構経つのだが、一つ大切なことが分かっていない。
 もしかすると、また不味い要素が増えるかもしれない。
ただでさえ、親戚で年下だと言うのに。絶対大丈夫だと自信はあるが……念のため。 
 確かめるしか無い。
しかし、直接訊くのは危険すぎる。失礼すぎる。ここは、反応を確かめる。

 優の肩に手をまわし、胸らしきところを、ぎゅっと掴む。
さあどうだ? 顔を真っ赤にしている。OK、問題無し。
 ただの貧乳だ、良かった。俺は張り倒された。
 どうやら当然、怒ったようで、顔を真っ赤にして早足になっている。不味い。
「おい、ゆ…優! 冗談だよ。怒るなって」
必死に呼び止める。泣いているかのような声をだして。
 優は優しいから、許そうか許すまいか悩んだ表情でこっちを向いた。
そして少し驚き、微笑む。俺は、胸のところで右手を握り、円を描いた。

「なあ、いとこ同士って結婚できるらしいぜ」
 優はまた俺に寄り添ってくれている。唇を確かに『馬鹿』と動かし、
右手の親指と人差し指を開いて、顎にあて、斜め前に出しながら指先を付け合わせる。  (了)
849ヨンタ:2006/12/10(日) 00:24:01.47 ID:q7h/gnx50
以上っす
では引き続き皆様頑張ってください。
850サンク:2006/12/10(日) 00:25:27.87 ID:f1VXlmAv0
俺も品評会4レス投下します
851そこから見える景色(1/4) ◆Pkxepa4jRE :2006/12/10(日) 00:26:13.32 ID:f1VXlmAv0
 窓ガラス越しに見える駅前広場は、冬の寒さに身を震わせて歩く人々で溢れていた。皆
ポケットに手をつっこみ、マフラーに口を埋めている。
 私は、広場が見渡せる駅前ビルの二階にあるファミリーレストランから、その景色を眺
めていた。
 私はこの眺めが好きだ。駅前は常に人が行き来している。絶えず変化するこの景色は、
ずっと見ていても飽きが来ない。
 視界に映るこの何十人という人々は、皆私とは違う人生を歩んできている。私の知らな
いところで、私の知らない人々と出会い、私の知らない物を見てきているのだ。
 このことは、世間の広さ、ひいては世界の広さを私に実感させてくれる。
 世界の広大さを感じたときの、このなんともいえない高揚感。
 一ヶ月前。私は仕事の息抜きでたまたまこの場所にやってきた。そして、この感覚を体
験し、虜となった。
 ここからの眺めが私に与えてくれるものは、この高揚感だけではない。
 私の職業は物書き。つまり小説家だ。
 ここから見える風景は絶えず変化している。行き交う人々の様子を見ていると、私は唐
突に小説に関する良いアイディアを思いつくことができるのだ。
 これらのことが理由で、この一ヶ月の間に、私はちょくちょくこの場所を訪れるように
なっていた。
 私は、視線を広場にある時計台へと向けた。時計台の下には女が一人立っていた。おそ
らく誰かを待っているのだろう。携帯電話をしきりに見ては、メールを送っているようだ。
私はあまり目が良くないので、その表情をはっきりと確認することはできないが、彼女の
機嫌が良くないのは雰囲気で分かった。
 女の年齢は多分十九歳かそこらだろう。見た感じ、あまり良い印象は得られない。不良
そうな女だ。
 援助交際をしていそうだな。私は漠然とそう思った。
 その女の前を一人の少女が通った。不良女とは正反対で、純情そうな少女だ。腰まで届
きそうな黒髪は美しく輝き、歩き方からは気品を感じ取ることができた。
 少女は女の前を通り過ぎ、そのまま駅へと入っていった。
852そこから見える景色(2/4) ◆Pkxepa4jRE :2006/12/10(日) 00:27:29.23 ID:f1VXlmAv0
 私は不良女に視線を戻した。見ると、彼女の許に一人の男が頭をぺこぺこと下げながら
近寄ってきていた。不良女は近づいてくる男に気づいて、まくし立てるように何かを言い
出した。男は手のひらを合わせて、さらに深く頭を下げた。
 おそらく、デートの約束をしていたが男が遅刻したのだろう。私はそう見当をつけた。
 しばらくの間、不良女の方が一方的に騒いでいたが、男がずっと頭を下げていたおかげ
か、不良女は騒ぐのを止めた。そして、二人はその場を離れ商店街の方へと歩いていった。
 二人が見えなくなると、私は次の観察対象を探した。目が留まったのは、ひょろりとし
たサラリーマンだった。
 サラリーマンは広場の隅で、携帯電話で話しながら何度も頭を上下させていた。彼が立
っているところは、比較的私のいるビルから近かったため、私は彼の表情を見ることがで
きた。
 サラリーマンは四十台後半くらいに見えた。彼は焦った顔をしながら、電話の相手に向
かって頭を下げていた。そんな彼を、道行く人が奇異の目で見ているが、彼は通行人の視
線を無視して、必死になって電話相手に何かを話していた。
 言い訳をしているのだろうか。
 サラリーマンの奮闘は五分ほど続いた。サラリーマンがようやく電話を切ると、そこに
一人の男が現れた。サラリーマン同様スーツ姿のそいつの登場に私は顔をしかめさせた。
 サラリーマンの許へ歩いて良く男は、おそらく彼の上司なのだろう。男に向かって、サ
ラリーマンは膝に顔が付くくらいにまで頭を下げた。
 上司は、それを無視してサラリーマンの頭を叩いた。そして、口を大きく開けて叫ぶよ
うに何かを言い出した。
 彼らの近くを通る人達が、例外なく彼らの方を見た。それだけ上司の声が大きいのだろ
う。残念ながら、建物の中にいる私にまでは、その声は聞こえなかったが、サラリーマン
が上司に相当怒られているということだけは分かった。
 上司は、サラリーマンの襟首を掴み、引っ張るように線路を挟んで向こう側、オフィス
ビルの並ぶ都心の方へと向かって行った。
853トナカイ(妊娠中):2006/12/10(日) 00:27:36.73 ID:d74BiZND0
854そこから見える景色(3/4) ◆Pkxepa4jRE :2006/12/10(日) 00:28:04.41 ID:f1VXlmAv0
 時刻は四時を十分ほど過ぎ、日も大分傾いてきていた。広場とそこを歩く人々は夕日の
橙色で染められ、どこか哀愁漂う景色となっていた。
 そろそろ私も帰ろうか。そう考えていたとき、広場に見覚えのある男が現れた。私はし
ばらく考え、それが昼にみた不良女の彼氏であることを思い出した。
 男は一人だった。不良女はいない。もうどこかで分かれたのだろう。
 男は、不良女が彼を待っていたのと同じように時計台の下に立つと、腕時計を見た。
 これから誰かを待つのだろうか。
 答えはすぐに出た。男は駅のほうを見ると、何かに気づき、ここだよー、といった感じ
で右手を掲げて左右に振った。
 男の視線の先――駅出口を見ると、そこにはこれまた見覚えるのある人物が立っていた。
こちらは見てすぐに思い出した。あの腰まで届く黒髪は、不良女の前を通り過ぎた少女の
ものだ。
 少女は男に気づいたらしく、手を振り返して駆け足で男の許に向かった。男の前に立つ
と、少女はぺこりと頭を下げた。
 男の妹……という風には見えなかった。どう見ても、二人はカップルだった。
 二股というやつだ。不良女はこのことを知らないのだろうか。いや、それよりもあの少
女がかわいそうだ。自分が二股をかけられていることなど、純情そうな彼女はきっと知ら
ないのだろう。
 二人は、手を繋いで住宅街の方へと歩いていった。
 二人の姿が見えなくなってしばらくして、私はまた見覚えのある姿を見た。不良女だ。
 不良女は広場の時計台のところへと向かっていた。私はちらりと時計台の下を見てみた。
すると、そこにはあのサラリーマンの上司が立っていた。
 不良女は上司の後ろに立つと、肩をちょんちょんと叩いた。上司は振り向き、不良女と
二言三言会話を交わすと、いやらしい手つきで不良女の肩を抱き、広場の北にある道路を
渡って行った。あちらにはラブホテルが多数並んでいるはずだ。
855そこから見える景色(4/4) ◆Pkxepa4jRE :2006/12/10(日) 00:28:36.11 ID:f1VXlmAv0
 さて……
 時計を見れば時刻は四時半となっていた。私もそろそろ帰って夕飯の支度をしないと。
 と、その前に私はポケットから携帯電話を取り出した。電話帳から母さんの名前を検索
して、通話ボタンを押した。数回のコール音の後で、もしもし、と母さんの声が聞こえた。
 私が母さんに告げ口することで、あの浮気癖のある馬鹿親父がどうなろうと、私には関
係ない。
 前浮気がばれた時は、確かダイヤの指輪を買ってあげることで話はなかったことにして
もらったらしいが、援助交際はどうやってなかったことにするのだろうか。
 私は、馬鹿親父が顔面に青痣を作りながら母さんに土下座をする姿を想像しながら、伝
票を取り、席を立った。


おわり


以上です。
856ニタ:2006/12/10(日) 00:33:27.73 ID:fUkRDk830
今回は作品が多いな
857四面鳥:2006/12/10(日) 00:37:35.90 ID:U8CbDfeZ0
>>838-
うむ?
なんだか唐突に終わってしまったな、って感じ

「そしてあいつが振りかぶった。」
まではけっこう好きなんだけどな
その次がさ、なんか意識が飛んでるような。
大事な打席なのに集中してないみたいだ。
858ゴタ:2006/12/10(日) 00:39:50.97 ID:fQoj8VBE0
>>838
全体的に視点がぐるぐる変わってしまっている気が。
野球用語とあいまって、考え考え読まないと、どれが
誰の行動なのか解りにくいかも。

オチにかなり深く絡む高校最後の打席、ってのが最後の
最後になって出てくる。これ、冒頭あたりにも出して、
主人公が敵の球を打ちたい、っていう動機付けに
もっとつかった方が盛り上がるし、とってつけたような
印象が無くなると思う。
859くそみそ小説家:2006/12/10(日) 00:44:08.18 ID:P7Ml1XQ70
ところで俺の小説を見てくれ
860:2006/12/10(日) 00:45:52.75 ID:77tXrkXU0
>>859
すごく…早漏です
861「支配からの卒業(1/2)」くそみそ小説家:2006/12/10(日) 00:46:41.73 ID:P7Ml1XQ70
 腕時計をチラリと見る。
「ヤバイ、まにあわないかもしれない」
 予備校にむかって全力疾走している僕は、かなりあせっていた。
 目覚し時計が鳴らなかったなんて、あの悪魔みたいな先生には通じないに決まってる。
「たるんどる!」
 とか言われて、ガツーンとぶん殴られるのがオチ。
「ああ、絶対ヤバイよぉ〜!」
 住宅街を抜けたら、通りでタクシーを拾ってもいいけど、それまでは走るしかない。
 今はとにかく走る以外に方法がないのが…………待てよ?
 そういえば、この近くに封鎖された公園があるじゃないか。
 遊具に問題があったとかで、入り口から入れないようにした公園が。
 その公園を横切るとかなり近道になるって、封鎖される前に友人が言っていたような。
 でも封鎖されていて通れるのか?
 悩んでる間にも、時間は迫ってきている。
「ああもう! 行くしかないよな!」

 公園の中には思ったより簡単に入れた。
 が。
「う、なんだよ、これ……」
 僕は目の前の光景に、言葉がなかった。
 その公園のなかには先客がいたのだ。
 それもたっぷりと。男だけが。ほぼ全裸で。
 ベンチに、ブランコに、すべり台に、あらゆる遊具に露出野郎がいた。
 おまけに木陰にちょっと目を向ければ、どいつもこいつもお盛んだ。
「マジかよ……信じられねえ……」
 封鎖された空間を利用して、好き勝手やってやがる。
 こんな中を突っ切っていくのか? ホモでもない僕が?
「冗談じゃねえよ!」
862「支配からの卒業(2/2)」くそみそ小説家:2006/12/10(日) 00:47:12.34 ID:P7Ml1XQ70

「僕だって、露出したいんだ!」
 すぐさま服を脱いで生まれたままの姿になると、僕は公園を走りまわった。
「ヒャッホー!」
 もう予備校なんてどうでもいい!
 ナニがびちびちと太ももにあたる感覚が最高ゥ!
 僕は──自由だあッ!


 (完)
863二面鳥:2006/12/10(日) 00:47:39.34 ID:Sf/YJ/Bu0
これはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
864:2006/12/10(日) 00:49:43.25 ID:LB4PZq2L0
アーッ
865ゴタ:2006/12/10(日) 00:51:30.90 ID:TvuqqvWx0
wwwwwwww
866:2006/12/10(日) 00:54:12.47 ID:77tXrkXU0
嫌なジャンルが来たものだなww
867ニタ:2006/12/10(日) 00:54:37.23 ID:OSWeeeIT0
タリウム吹いたwww
868:2006/12/10(日) 00:58:06.52 ID:77tXrkXU0
嗚呼…
全裸でブランコに乗っている男が、頭に張り付いて取れない。
869ヨン様:2006/12/10(日) 00:58:27.21 ID:zSMmBHmq0
これは実にウホッな小説ですね
870四面鳥:2006/12/10(日) 00:58:44.20 ID:U8CbDfeZ0
>>861-
>ホモでもない僕が?
>「僕だって、露出したいんだ!」
ここになんか違和感。
ホモでもない僕がこんな中を突っ切っていくのは冗談じゃねぇのに露出したい?

それに急に壊れ過ぎじゃね?
ボケだけでツッコミがないから余計に気になるんだろうけど。

>僕は――自由だあッ!
犬井ヒロシを想像した。
念頭になかったならごめんね。
871サンダ:2006/12/10(日) 00:59:49.20 ID:nCwq+uwQ0
ホモじゃないけど露出狂ってことか。だが行き着く先は…アッー
872靴下右:2006/12/10(日) 01:03:50.72 ID:v9ZrRA5k0
ガチホ桃太郎思い出した。バロスwwwwwwwwww
873ゴタ:2006/12/10(日) 01:04:18.97 ID:fQoj8VBE0
>>861
うーん、露出とか詳しくないんであれなんですけど、
こういう状況で露出しても嬉しいもんなのかなあ?周囲が全員露出
していたら、ヌーディストビーチとかと変わらないと思うんだけど。
ああ、「露出する」ことだけが目的だったらいいのかな。「きゃー!」
とか、そういうのが無くても満足な人とか。

で、タイトル。「支配から卒業」してるか、というとちょっと微妙で。
どっちかっていうと、卒業じゃあなくて「脱出」とか「楽園の発見」
っぽいよね。
「卒業」にしないと冒頭の予備校とかの要素が働かないって
話もあるけれど、ぶっちゃけ、その辺ギミックでしかないような印象も
あるので。「卒業」で通すなら卒業式の後、教室に戻ってみたら、とかに
してもいいのかもしれない(男子校のみだけど)
874五面鳥:2006/12/10(日) 01:05:08.68 ID:U8CbDfeZ0
みんなは楽しめてるのか
う〜んなんか悔しいぞ
寝る
875くそみそ小説家:2006/12/10(日) 01:05:37.14 ID:P7Ml1XQ70
>>870
>>871のような解釈をしてくれると助かる。
ついでに受験のストレスと露出の欲求が、
一気に弾けちゃったってことで許してくれ。

あと犬井はよくわかんない。
876五面鳥:2006/12/10(日) 01:09:27.35 ID:TIztbmeh0
>>857
オチのデッドボールを上手く表現できなかったのは俺が一番分かってるんだ…
転から結へ着地失敗ってことか
>>858
視点変えてるつもり無いが、確かに主人公キョロキョロしすぎだな。
ピッチャーだけに絞った描写のほうがすっきりしたかもといまさら思う

リベンジにお題をもらいたい
877ヨン様:2006/12/10(日) 01:10:18.96 ID:zSMmBHmq0
>>876
セーフ
878サンダ:2006/12/10(日) 01:11:51.12 ID:nCwq+uwQ0
>>876
掃除機
879五面鳥:2006/12/10(日) 01:12:24.71 ID:TIztbmeh0
>>877
>>878 把握 
880サンダ:2006/12/10(日) 01:12:49.85 ID:nCwq+uwQ0
やべ、リロ忘れてたorz

まあ、バカ作品はバカ作品として楽しめばいいんじゃね?と俺は思う。
881VIP皇帝:2006/12/10(日) 01:18:19.18 ID:jwEFBYwz0
なぁ、
気づいたら積み上げてるの進行形のストーリーじゃなくて、
過去のストーリー(つまり設定)だった。
ってことない?
882ゴタ:2006/12/10(日) 01:20:12.65 ID:fQoj8VBE0
>>881

あるある。で、その設定を盛り込もうとして四苦八苦して
批評で
「詰め込みすぎ」
って言われるw
883二面鳥:2006/12/10(日) 01:23:32.95 ID:jwEFBYwz0
というか、ただの回想小説になってて進行形のストーリーはヤマなしオチなし意味なしになってたりorz
884ゴタ:2006/12/10(日) 01:25:29.39 ID:fQoj8VBE0
うは…オチがないのは痛いねえ……
885サンタ:2006/12/10(日) 01:32:50.12 ID:TvuqqvWx0
ここにくるとVIPなのに真面目になってしまう

皆面白えwww
886また来年お会いしましょう:2006/12/10(日) 01:35:03.64 ID:IHnTk4R80
前もらったお題が思いのほか長引いて品評会ネタにかかれない件


巧遅どころか拙速でもなく拙遅だから困るwwwwww
887サンタ:2006/12/10(日) 01:37:45.46 ID:zSMmBHmq0
>>886
そんな問題を解決する方法がある。
山積したお題に一気にケリをつけ、すぐさま品評会ネタに取りかかれる素敵な方法だ。




・・・もらったお題、諦めようぜ!
888また来年お会いしましょう:2006/12/10(日) 01:38:35.43 ID:Nq6DUQP10
貰ったお題の中で無理やり謝って5レスにまとめちまえば・・・!
889サンタ:2006/12/10(日) 01:38:40.15 ID:TIztbmeh0
噴いた
890また来年お会いしましょう:2006/12/10(日) 01:40:09.21 ID:LQgIm4pd0
たった今品評会作品の山部分を思いついて思わず叫んでしまった
こんな夜中にだ。

迷惑なやつだな俺って
891また来年お会いしましょう:2006/12/10(日) 01:40:18.57 ID:jwEFBYwz0
それより、今日なんか半固形(ゲルってかゼリー状?)の精子でた。
なにこれ、病気? 溜めすぎ?
マジでちょっとチンコの上に盛り上がってたんだけど。
892また来年お会いしましょう:2006/12/10(日) 01:41:12.71 ID:jwEFBYwz0
誤爆orz
893また来年お会いしましょう:2006/12/10(日) 01:41:43.97 ID:OSWeeeIT0
精子をかけた決戦
894また来年お会いしましょう:2006/12/10(日) 01:41:47.88 ID:fQoj8VBE0
誤爆乙w
895くそみそ小説家:2006/12/10(日) 01:42:08.86 ID:P7Ml1XQ70
>>891
やらないか
896:2006/12/10(日) 01:46:54.33 ID:rAW/7fQR0
>>891
ゼリー状静止なんて普通じゃね?
897:2006/12/10(日) 01:48:35.47 ID:vf6915qI0
ああ、俺一番最初オナニーしたときそれだったかも
898:2006/12/10(日) 01:50:09.90 ID:jwEFBYwz0
って言うか名前欄……
899次は何シリーズにする?:2006/12/10(日) 01:52:19.00 ID:I2k49xcC0
クリスマスも終わったことだし
900886:2006/12/10(日) 01:54:06.50 ID:yDrdoGuk0
>>887
そこそこ自信のあるネタが書けてるからタチが悪いwww棄てらんねwwwwww
珍しく良いプロットが浮かんだのに筆力が付いてこねぇ


って名無しネームがwwwww
901クリスマスも終わったことだし:2006/12/10(日) 01:55:47.91 ID:Nq6DUQP10
マジレスすると、一般作は品評会後に投下したらいいじゃない
9025555555555(5/5) ◆PZGoP0V9Oo :2006/12/10(日) 02:04:52.49 ID:77tXrkXU0
test
903:2006/12/10(日) 02:05:16.46 ID:P7Ml1XQ70
正月ネタかと思ったが、たこオンリーか。
904黒豆(六粒):2006/12/10(日) 02:17:38.64 ID:A9ZJWYGeO
書き終わったはいいんだが題名がつけられない
今回って題名に関して縛りあったっけか
905初夢(こんなにもてていいの?):2006/12/10(日) 02:20:47.16 ID:fQoj8VBE0
896 名前: ◆bsoaZfzTPo [] 投稿日:2006/12/07(木) 22:57:51.90 ID:bLsjLiSG0
>>891
できれば本文、タイトル共に使わない方向で挑戦してみて欲しいです

って書いてあったから、まあ、できれば、でいいんじゃね?
906黒豆(六粒):2006/12/10(日) 02:23:42.48 ID:A9ZJWYGeO
>>905
ぬう
分かった
そろそろ投下するから覚悟しとけよ
907おせつ:2006/12/10(日) 02:24:51.11 ID:nCwq+uwQ0
短いのが多いけど、如何せん多いな。作品数。
908おせち(15,000円):2006/12/10(日) 02:25:30.83 ID:OSWeeeIT0
今週作品が多いのは何故か、産業で説明してくれw
909おせち(15,000円):2006/12/10(日) 02:30:05.00 ID:fQoj8VBE0
・お題の取り組みやすさ
・短い最大レス数
・テスト前(w
910初夢(見るの忘れた):2006/12/10(日) 02:30:49.87 ID:P7Ml1XQ70
>>909
縛りはあるが
書いてみると
意外にいける
911 ◆5GkjU9JaiQ :2006/12/10(日) 02:31:54.98 ID:A9ZJWYGeO
>>908
制限燃える
総量減るから感想書き易い
けど作品増えすぎワロタwwwwwwwwww

さて、品評会作品投下致します。
912おせち(3,000円):2006/12/10(日) 02:32:46.34 ID:TvuqqvWx0
>>909
自分はテスト終了の開放感でw
後縛り燃え 萌えじゃなくて燃え
913雪見障子 1/4 ◆5GkjU9JaiQ :2006/12/10(日) 02:34:06.80 ID:A9ZJWYGeO
「じいちゃ、あのね」
「ユウタ」
 低く、重い声で謙蔵が言った。ユウタは虚をつかれ、その場に固まってしまう。
「座りなさい」
 有無を言わさぬ口調だった。普段の優し気な祖父からは想像もつかない厳しい表情に、
ユウタは脅える。少しの間を置き、謙蔵はため息混じりにその場に座った。
「何で破ったんだ?」
 そう言って謙蔵は障子の方に顔を向ける。自慢の雪見障子が、派手に破られていた。ユ
ウタは中途半端に口を開くが、そこからは何の言葉も出てこない。
 孫の目が潤んだのを見て少々怯んだが、謙蔵はうつ向いて首を振る。
「……じいちゃんはな、ユウタはそんな子じゃないと思っていたんだが」

ユウタの表情がくしゃくしゃに歪む。謙蔵が目を閉じるのと、ユウタが大声で泣き出すのはほぼ同時だった。
914雪見障子 2/4 ◆5GkjU9JaiQ :2006/12/10(日) 02:34:51.79 ID:A9ZJWYGeO
 使い古された石油ストーブの上で、やかんがかたかたと音を鳴らし始める。昨日まで
の賑やかな雰囲気は、もうそこにはない。どこか落ち着かない空気に、謙蔵は居心地の
悪さを感じていた。
 謙蔵の妻、則子がやかんの音を聞き付けてそいそと台所から現れる。
「あんた、良かったのかい?」
 布巾越しにやかんを持ち上げた則子がしかめ面で言うが、謙蔵は何も答えずに新聞を
見下ろしている。
「たかが三歳の子供のちょっとしたいたずらじゃないか。折角遠くから来てくれたのに、帰すこともないと思うんだけどね」
 分かっている。――分かっている。
 無言で頷く謙蔵。則子はその挙動に対して小さく溜め息をつき、台所に戻っていく。
 親の躾がなっていない、そう言って息子夫婦ともども帰らせたのだ。一度意固地にな
ると、てこでも動かない。齢六十にして、自覚しつつも未だ曲げられぬ性分。明日から
始まる大掃除ともなれば、障子紙など嫌でも張り替える。しかし障子云々よりも、ユウ
タの口から、一言。ただの一言だけが謙蔵は欲しかったのだ。
「……めがねがなくても読めるのかい」
 振り向くと、則子が老眼鏡のケースを片手に後ろに立っていた。
 ばつが悪くなり、謙蔵は唸りながらそっぽを向く。
915雪見障子 3/4 ◆5GkjU9JaiQ :2006/12/10(日) 02:37:01.65 ID:A9ZJWYGeO
 その夜は音もなく雪が降り積もっていた。謙蔵が白い息を吐きながら縁側の雨戸を閉
じようとすると、電話が鳴る。あ、と思う間もなくベルは鳴り止む。居間にいた則子が
取ったようだった。
 せがれだろうか。
 続いて頭に浮かんだ孫の顔に、謙蔵は何となく気恥ずかしくなる。
「あんた」
 則子の呼び掛けに、謙蔵は咳払いを一度挟んで、居間に向かう。


「ああ、いや。うん。分かった。……それで、ユウタは」

謙蔵がそう聞くと、息子は代わるよと言う。少しの間が空き、幼い声が受話器から響いた。
「じいちゃ、怒ってない?」
ユウタだ。謙蔵は微笑んで小さく頷く。
「ユウタか。もうじいちゃんは怒ってないよ。けどね――」
「あのね、じいちゃがね、暗くて読めないって言ってたから、ユウタね、開けたの」
916雪見障子 4/4 ◆5GkjU9JaiQ :2006/12/10(日) 02:37:51.85 ID:A9ZJWYGeO
 はて、何のことか。
 そう思ったが、すぐにぴんときた。昨日の晩に、息子と冗談で話していたのをユウタ
は聞いていたのだ。
 老眼が酷くなってきて、また眼鏡を変えた。
 昼間でも部屋の灯かりだけじゃ新聞を読むのに心許ない。いっそのこと障子紙は外し
てしまおうか、と。

「そうか」
謙蔵は至極真面目に頷いた。元はと言えば、俺が悪かったのか。
「じいちゃんのためにやってくれたんだな」
「うん。んっとね――」

 舌足らずなユウタの言葉に、一々相槌をうつ謙蔵。ふと自分の部屋を見ると、雪見障
子から白く染まり始めた庭が見えた。

「ユウタのおかげで、明るいよ」
 謙蔵は呟く。
 年が明けたら、こちらから出向こう。そして、ユウタに求めていた言葉を自分から。
 則子が横から微笑みながらお茶を出す。
 謙蔵は、照れながらそっぽを向いた。

―了―
917雪見障子 ◆5GkjU9JaiQ :2006/12/10(日) 02:39:21.93 ID:A9ZJWYGeO
うい、お疲れさんです。
批評感想諸々受付ておりますよ。

あと、一応コラムに則って改行してみたんだけど
これって読みにくい?読みやすい?
意見求む。
918雪見障子(お題:謝罪) ◆5GkjU9JaiQ :2006/12/10(日) 02:41:09.60 ID:A9ZJWYGeO
名前欄にお題書いとくの忘れた。
まとめさん申し訳ない。
919黒豆(一粒):2006/12/10(日) 02:43:56.74 ID:Cu8SA8B10
品評会作だということがわかってれば問題ないよw
っつーことで俺も品評会投下します><;

題:謝罪 タイトル:「振り下ろされる手刀」 1レス 
920振り下ろされる手刀 (1/1) ◆qygXFPFdvk :2006/12/10(日) 02:44:53.16 ID:Cu8SA8B10
 握り締めた手が汗で滑る。背中や脇の下もびっしょりだ。鼓動はどんどん速くなり、息
が詰まる。――落ち着け、落ち着くんだ。息を深く吸って、相手を良く見るんだ……

 俺が今対峙している相手は、熊でも殺人鬼でもない。極めて可憐な、周りの子と比べて
もさらにか弱くみえるような女の子である。今から俺は、彼女に愛の告白をしようという
のだ。一世一代の大舞台。緊張するのは当然なのだ。
 彼女と知り合ったのは大学のキャンパスだった。一目見ただけで惚れてしまった。はじ
めは知らなかったのだが、彼女には生まれつきのハンデがあった。耳が不自由なのだ。
よって、意思の疎通は手話が中心になる。
 しかし、彼女はそのハンデを全く感じさせない生き方をしていた。常に明るく、彼女が
いるだけで雰囲気がよくなる。そんな女の子だった。その生き方に共感した。ずっと一緒
に居たいと思った。そして、告白しようと決めたんだ。そうだ、告白するんだ……。

 意を決した俺は、ついに声を絞り出した。音が聞こえない彼女には届かないことはわか
っている。だが、精一杯の声で告げた。
「俺、お前のことが好きだ。愛してる。付き合ってくれ」
 告げると共に、手話も付け加える。喉のあたりで右手の親指と人差し指を少し広げ、そ
の二本の指を下ろしながらくっつける――好きです。握った左手の甲を、右手でなでる――
愛してる。付き合ってくださいは、勉強したけどわかんなかった。でも前の二つで思いは
伝わったはずだ。しばらくは相手の顔を見ていたけど、堪らなくなって頭を下げた。

 永遠とも感じられる時間が流れる。いや、実際にはほとんど時間なんて経っていないの
だろう。返事が返ってくるまでの時間のなんと長いことか――。
 そのとき、空気が動いた。彼女が近づいてくるのを感じる。彼女は俺の肩に触れた。頭
をあげる。赤い顔の彼女が何か言おうとした。唇が動くが、声は聞こえてこない。
 彼女が手を動かす。手でOKマークを作る。
 そしてゆっくりとおでこに付けて……手刀を振り下ろした。

 あれ? これって……
                                        <了>
921neverland(1/2):2006/12/10(日) 02:46:57.35 ID:4MLaj+xP0
「君は雨が嫌いなのかい?」
ジョンは雨に打たれながら空を見る僕に、そう言った。
「・・・そうかもしれない。」
しれない、というのは、雨は別に嫌いではなかった。
それに、雨音はなんとなく静かで、僕は好きだった。
「雨の日は、ガーゴイルが空を飛んでるんだ。
あれは、不幸の象徴だからね。」
するとジョンは少し吹き出しながら、皮肉?と微笑んだ。
「別に。」と、僕はジョンの黒い透き通るような羽を見ながら言った。
ジョンはその羽を大きく広げると、何度かばたつかせた。
「ねえ、」
「なんだい?」
「どうしてジョンは旅をするの?」
一瞬、不思議そうな顔をすると、ジョンは言った。
「俺は、他のガーゴイルから色々な話しをさせられたんだ。
それから俺も色々な景色を見てみたいと思ったんだ。
それだけさ。」
「そうなんだ。」
僕は、時々時計塔のガーゴイルの絵を描いていた。
僕もいつか、絵描きになって色々な国に行ってみたいと思っていた。
922「古河さん、コーヒー、俺」(品評会作品)1/1 ◆hemq0QmgO2 :2006/12/10(日) 02:51:52.16 ID:IyoP4gt9O
座り心地の良いソファ。窓の外から木犀の匂いがする。古河さんの部屋にいた。
セックスの後、新聞紙みたいな味のするインスタントコーヒーを挟んで、二人共煙草を吸っていた。
ねえ、と古河さんがしびれを切らしたように口を開く。
「佐久間くん、どうしてそんなに怖い顔してるの。不埒なコトに向いてないんじゃない?」
「そんなことないよ。顔は生まれつきだし、別に不埒でもない」
正直に答えた。機嫌が悪いわけでも、道徳や良心に怯えてるわけでもない。
「でも、楽しくはないんでしょう?」
「まあ…確かに楽しくはないよ」
正直に答えるべきか否か。俺には判らない。そもそも楽しい必要があるのかすら、判らないのだ。
「古河さんは楽しいの?」
「勿論。自分より若い男の子と関係する機会なんて、そうそうあるモンじゃないもの」
灰皿に煙草を押し付けながら、茶化したような口調で喋る古河さんを、可愛いと思った。
本当に、阿呆だと思われるかもしれないけれど、それだけで幸せだったのだ。
携帯電話が鳴る。間抜けな着信音は間違いなく不幸の使者だ。
「彼女でしょう?」
「いや、まあそうなんだけど。アイツ、今日は無理だって言ったのに」
帰ってよろしい、と古河さんは言った。俺が二の句を継げずにいると
「うーん、私ちょっと疲れちゃったのよねえ、歳だから」
と言って、ふふ、と笑う。
「いいのよ、所詮2号なんだから」
自嘲にも自棄にも聞こえるような科白だけれど、古河さんは相変わらず優しく笑っていた。
入口でも出口でもある場所で靴を履いて立ち上がる。
「今日は本当に」
「いいのよ、言いっこなし。彼女によろしくね」
「はは、よろしくって。冗談キツいなあ」
ドアを閉める時まで、古河さんは可愛らしい笑みを浮かべていた。
徒歩で府中駅に向かう途中、俺はどんなことを考えていたっけ?
ただ、木犀の甘い香りが、薄く漂っていたことは、はっきりと覚えている。(了)
923書初め(合格祈願):2006/12/10(日) 02:57:45.22 ID:sUeOhaqj0
この1レス作品の多さは異常
924neverland(2/2):2006/12/10(日) 02:59:21.36 ID:4MLaj+xP0
「ねえ、」
「なんだい?」
「次はどこに行くか決めてるの?」
「次は西に進んでいくつもりさ。
ちょっとばかり、この町に長く居すぎたから。」
それを聞くと、僕は少しだけ寂しい気持ちになった。
「また、会えるよね?」
僕がそう言うと、ジョンは驚いた顔をした。
ガーゴイルに会うと不幸がくると人々から信じられているのをジョンは知っていたんだろう。
「またきっと会えるよ。」と、ジョンは微笑んだ。とても幸せそうな、穏やかな表情だった。
雨はいつのまにか柔らかく降っていて、それがとても心地良かった。
雲の隙間から朝日が光っていた。
「そろそろ旅に出るよ。」
そういうと大きなはねを広げて、ガーゴイルは飛んでいった。
925922 ◆hemq0QmgO2 :2006/12/10(日) 02:59:42.95 ID:IyoP4gt9O
流れ切って本当にスミマセン。リロードするの忘れてました。
携帯厨ですが品評会作品投下しました。一応、お題に違反してない…かな?
926猪(赤ら顔):2006/12/10(日) 03:03:09.46 ID:Cu8SA8B10
>>924
えっとこれは何の作品?品評会?
927neverland:2006/12/10(日) 03:03:53.45 ID:4MLaj+xP0
終わりです
初めてぐらいにちゃんと書きました
928金魚と初詣:2006/12/10(日) 03:07:48.60 ID:Cu8SA8B10
>>927
えっと、品評会作品だったら、IDが変わらないうちにトリップを一回だけ付けてください。
通常作品だったら、出されたお題を書いてくれると感想が書きやすいです。
929neverland:2006/12/10(日) 03:09:03.20 ID:4MLaj+xP0
>>926
品評会ではないです・・・
930neverland:2006/12/10(日) 03:12:22.71 ID:4MLaj+xP0
>>928
お題ですか
ファンタジー系とかが書きたかったという感じです・・・
931給食のおばさんと初詣:2006/12/10(日) 03:13:10.01 ID:2MiuBKGAO
今回えらい多いな

此度は辞退しようっと。次回に期待してね。
932初夢(またバイトか):2006/12/10(日) 03:23:52.14 ID:zSMmBHmq0
思いつくままに書いていったら、主人公の独白ばっかりになってしまい、
周囲の描写が甘いことに気づいた・・・


さあて、書き直すとしようかorz
933書初め(一人身脱却):2006/12/10(日) 03:34:21.95 ID:5wmR6WiJ0
品評会諦めた恵まれない子供達のためにお題をお恵みください……
934猪(48才):2006/12/10(日) 03:36:23.40 ID:P7Ml1XQ70
>>933
戦争孤児
935VIP皇帝:2006/12/10(日) 03:38:45.66 ID:5wmR6WiJ0
こりゃまた重いお題だな……やってみます。
936巫女に初詣:2006/12/10(日) 03:48:37.83 ID:dzf7BcCC0
今日は人多いな。とりあえずお題もらっとくか↓
937妹と初詣:2006/12/10(日) 03:49:04.76 ID:5wmR6WiJ0
巫女
938初詣で痴漢:2006/12/10(日) 03:49:49.06 ID:TvuqqvWx0
銀河鉄道
939初詣で痴漢:2006/12/10(日) 03:50:31.35 ID:TvuqqvWx0
すまんリロし忘れた

名前欄が初詣シリーズw俺だけ痴漢w
940初夢(みんなと仲間だった):2006/12/10(日) 03:52:10.14 ID:dzf7BcCC0
>>937-8
?ォ しかしまた食い合わせの悪そうなのが並んだなw
941猪(48才):2006/12/10(日) 03:53:52.74 ID:5wmR6WiJ0
>>940
すまん、つい巫女に食指が動いた。
942婦警さんと初詣:2006/12/10(日) 04:02:27.22 ID:7kBupmTd0
こんなスレあったのか。
俺も書くのに参加したんだが、とりあえずどうすりゃいいんだ?
943おみくじ(汚れて読めない):2006/12/10(日) 04:04:47.12 ID:5wmR6WiJ0
>>942
1.テンプレをよく読む。
2.お題をもらう
3.書く

品評会でもおk。
944猪(進化系):2006/12/10(日) 04:12:30.03 ID:7kBupmTd0
把握した。
とりあえず品評会に参加してみるよ。
945年賀状(配ってます):2006/12/10(日) 04:57:58.41 ID:5wmR6WiJ0
保守
946振り出しに戻る:2006/12/10(日) 05:24:10.52 ID:YdpWzuax0
 
947 ◆NA574TSAGA :2006/12/10(日) 05:28:35.22 ID:OSWeeeIT0
保守がてら品評会作品投下します。
948旦那と初詣:2006/12/10(日) 05:29:51.81 ID:e+mcpWmAO
  /\___/\ +
+/"""   """:\
|(●), 、(●)、|
| ノ(、_,)ヽ、 :|
|  `-=ニ=-′::|
+\  `ニニ′_/ +
 (`ー―――/ )|
+| チト | ヽ|
  ヽノ   ヽ ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
949危急存亡の秋(1/3) ◆NA574TSAGA :2006/12/10(日) 05:29:52.96 ID:OSWeeeIT0
 その作家の男は悩んでいた。
某月刊誌に抱える連載の締め切りが、明日の朝に迫っていた。
にもかかわらず、原稿は一向に完成の兆しを見せない。
「あぁー……、どうすればいいんだ」
男はパソコンの前で頭を抱えるばかりで、何の解決策も見出せない。
夕暮れ時の秋空は、カラスの鳴き声で埋め尽くされている。
それはまるで、男の作家人生の終焉を暗示しているかのようであった。

 男が抱える連載とは、「ザ・サバイバル!」という企画内での短編小説だ。
毎月編集部から出されたお題に則して数人の作家が作品を書き、
そのつど行われる読者投票の結果で次回作品のページ数が決まるという形式である。
投票で一位を取ればページ無制限で書くことができ、逆に最下位なら即連載終了となってしまう。
ちなみに先月、男の作品は下から二番目の人気であった。
この連載が現在唯一の仕事である男にとって、まさに絶体絶命の事態。
しかも今週割り当てられたページ数はたったの一ページ。
長編を得意とする男にはあまりにも不利な条件だ。
950危急存亡の秋(2/3) ◆NA574TSAGA :2006/12/10(日) 05:30:41.53 ID:OSWeeeIT0
 数時間経っても状況は好転せず、男の先行きは暗雲に包まれたままであった。
「『剛志は紀子に向かって深々と頭を下げ、』……駄目だ、違う!」
男はたった今書いた一文を消してしまう。
そして再び頭を抱え、思考の波へと飲まれていく。
場面はクライマックス。だがここ数日ずっとこんな調子で、話が進行していない。
男がこんなにも苦労しているのには、ページ数の制限以外にも理由がある。
今月実験的に導入された「お題を示す言葉を作品内で用いてはいけない」という規則だ。
「ったく、急にそんなこと言われたって対応できるかってーの!」
夜食のカップ麺をすすりながら、男は乱雑にキーボードを叩く――が、結局またすぐに消してしまう。
時刻はすでに午前零時を回っている。
――間に合わない。
そんな言葉が男の脳裏に浮かびはじめ、同時に襲ってきた睡魔とともに正常な思考をさまたげる。
男は重い目をこすりながら自問自答し、そしてある決意をする。
―― 一時間だけ仮眠を取ろう。焦ってもうまくはいくまい。
目覚ましをセットし、デスクに顔をうずめる。
だんだんと意識が薄れていく――

 窓の外から聞こえる鳥のさえずり。
止められた目覚まし。
客の来訪を伝えるチャイムの音で目を覚ました男は、手元の時計をしばし見つめる。
「ああああああああああああああああああああああ!!」
驚愕と絶望に満ちた声が四畳半の部屋にこだまする。
窓から差し込む朝日が、放心状態の男を照らしていた。
締め切りまで、あと十分――。
そう伝える編集者の非情な声に反応し、男は「こうなりゃヤケだ」と言わんばかりのスピードでキーボードを叩いた。
951危急存亡の秋(3/3) ◆NA574TSAGA :2006/12/10(日) 05:31:59.90 ID:OSWeeeIT0
 結果的に最後の悪あがきが功を奏し、後日発売されたその雑誌の投票で、男の作品は一位を獲得した。
「お詫び」と題されたその作品は、たった一行で締められた短いものであった。



『作者急病のため、休載します』





952 ◆NA574TSAGA :2006/12/10(日) 05:33:31.57 ID:OSWeeeIT0
以上です。

「秋」を「とき」と読むのだと今になって知りましたw
953振り出しに戻る:2006/12/10(日) 05:42:12.40 ID:YdpWzuax0
まとめに追加してみるぜw
ミスったらゴメンw
954 ◆NA574TSAGA :2006/12/10(日) 05:47:48.18 ID:OSWeeeIT0
>>953
おつ
955振り出しに戻る:2006/12/10(日) 05:49:39.32 ID:YdpWzuax0
てかもう26作!
三十半ばは行きそうだなw
おいらもお昼過ぎに投稿しよっと!
956おみくじ(既知):2006/12/10(日) 06:09:58.20 ID:OSWeeeIT0
最終保守
957”管理”人と初詣:2006/12/10(日) 06:38:29.28 ID:P6t25BzP0
保守
958おみくじ(太吉):2006/12/10(日) 06:44:32.18 ID:5wmR6WiJ0
だめだ、戦争孤児じゃ一行も思いつかん……
ごめん、なんかもうちょっと書きやすいのをください orz
959猪(筋肉質):2006/12/10(日) 07:17:50.24 ID:3+DMniMFO
>>958
カップ麺
960おみくじ(犬吉):2006/12/10(日) 07:19:23.75 ID:5wmR6WiJ0
>>959
ありがとう、頑張るわ。
961猪(停学中):2006/12/10(日) 07:36:04.21 ID:q7h/gnx50
うはwwwww全感想が全く追いつかねえwwwwww



嘘みたいだろ……カオスまだなんだぜ、これ。
962猪(進化系):2006/12/10(日) 07:52:02.16 ID:1CbaS8re0
参加してみたいのですが、お題もらってもいいですか?
963凧(♀):2006/12/10(日) 07:54:52.10 ID:dzf7BcCC0
つ煙草の燃え殻
964猪(進化系):2006/12/10(日) 07:56:17.53 ID:1CbaS8re0
>>963
ありがとう。書いてみます。
965あがり:2006/12/10(日) 08:54:17.14 ID:YdpWzuax0
ほし
966おせち(200円):2006/12/10(日) 09:33:20.58 ID:IyoP4gt9O
保守
967旦那と初詣:2006/12/10(日) 09:52:35.96 ID:9QWjBuPuO
968猪(vipper):2006/12/10(日) 10:07:54.28 ID:fQoj8VBE0
今日のカオス。どれほどのモノになるのか……恐ろしい。
969ニンジン:2006/12/10(日) 10:07:56.86 ID:bpNtdIW30
みんな、1000はしっかり名前をみて取るんだぞッ!!
9701000ならクリスマス中止:2006/12/10(日) 10:10:36.51 ID:lauOfN9R0
(´・ω・`)
971ニンジン:2006/12/10(日) 10:21:21.88 ID:bpNtdIW30
>>970
そう、君だ
972猪(でぶ):2006/12/10(日) 10:22:31.86 ID:V1ztpvnW0
名前欄変り過ぎww
973猪(泣き上戸):2006/12/10(日) 10:28:34.06 ID:1CbaS8re0
1000近い場合は次スレまで作品投下待つべき?
タイミング悪かったかなあ
974猪(赤ら顔):2006/12/10(日) 10:30:47.11 ID:i9jrEMRs0
>>970には是が非でも1000を奪取していただきたい
9751000ならクリスマス中止:2006/12/10(日) 10:31:40.75 ID:lauOfN9R0
(`・ω・´)
976ニンジン:2006/12/10(日) 10:44:54.39 ID:bpNtdIW30
>>973
より多くの人に読んでもらいたいなら、その方が良いとオモ。
ただ流れが遅いから投下しても大丈夫か…?
977猪(泣き上戸):2006/12/10(日) 10:53:52.89 ID:1CbaS8re0
んじゃあ、右も左も分かって無いけど投下させてもらおうかな
お題: 煙草の燃え殻
978古いいつかの歌を背に(1/4):2006/12/10(日) 10:55:22.30 ID:1CbaS8re0
 指先でグラスをつついてみると、古臭い歌謡曲に合わせるようにして、中の氷が小さく踊った。
 こじんまりとした店内には、煙草の煙と酒の匂いがまだ漂っている。私の他に客はおらず、残っているのはさ
えない顔の店主と、ラストオーダーで頼んだ日本酒くらいだった。
 少し椅子を引いただけで壁にぶつかる酒場だが、何故か多い常連客は情緒があるなんて口を揃える。私に言わ
せれば、貧乏臭いだけなのだけど。
 グラスを傾けると、いつにも増して目つきの悪い自分の顔が映った。何度目かのため息をつくと、それらをま
とめて一気に飲み干す。テーブルに置いたグラスが思いの他大きな音を立てたせいで、店主がびっくりした顔で
私の方を向いた。
「どうしたのさ。アキちゃん、荒れてるねえ。……ああ、またフラれたのかい?」
「……私の方からフッてやったのよ」
 その言葉を信じているのかいないのか、いつものように笑う彼の表情からそれは読み取れない。まあどうせ、
後者なのだろうけれど。
「アキちゃんは理想が高すぎるからなあ」
「別に高くは無いわよ」
 私の理想は高いというより特殊なのよ、そう続けようとした言葉を飲み込みながら、腐れ縁が続いている彼の
横顔を眺める。大学時代に知り合い、共に時を過ごし、そしてただの友人に戻った男。付き合っていた頃は癇に
障っていた性格や仕草が、振り返ってみれば何故だか好ましく感じるようになっていた。
979古いいつかの歌を背に(2/4):2006/12/10(日) 10:56:04.84 ID:1CbaS8re0
 そんな事をぼんやりと考えていたせいだろうか。不意に合った彼の視線から逃れるように慌てて話題を変える。
「そんな事よりさ、いい加減この趣味の悪い曲流すのやめてくれない?」
「何言ってんのさ。これがいいんじゃない」
「酒がまずくなるんだけど」
「あいにくそんな事で味が変わるほど、上等な酒は置いて無いさね」
 これもまた、いつものやり取り。昔からコイツは私の言葉なんて聞き入れたためしが無い。だが、そんな事さ
え好意的に捉えてしまう私は、どこか倒錯してしまっているのだろう。
「アキちゃんさあ、いつまでも変なこだわりなんか持ってると婚期逃しちゃうよ?」
「いいのよ、どうせ私のやる事なんかいつも遅いんだから」
「まあたそうやって自虐的になる。せっかくいい女なのに勿体無い」
「仕方ないじゃない。事実なんだから」
 私はそう言いながら、カウンターのテーブルに額をつけて小さく呻く。何をするにしても、私はタイミングの
遅い事が多かった。いかにコイツが好きだったのか、どれだけ相性が良かったかに気がついたのは、コイツの後
に付き合った4人目の男と別れた時だったし、その頃にはコイツはもう結婚してしまっていた。
「……私の事心配するのもいいけどさ、アンタ奥さんとうまくいってんの? 最近店に手伝いに来ないじゃない」
980古いいつかの歌を背に(3/4):2006/12/10(日) 10:56:43.59 ID:1CbaS8re0
「まあ、子育てとかもあるからねえ」
「昔からアンタ、女の気持ちなんて分かった試しが無いからね。心配だわ」
「あー……、いや、それを言われるとなあ。アキちゃん今日は手厳しいなあ」
 そう言って彼は力無く笑う。だが、その表情に寂しさが混じっているのを私は知っていた。無理して笑うとき
に出来る左頬のえくぼ、それはきっと、彼自身ですら気づいていない微妙な癖。
「それならさ」
 そんなことで同情したわけではなかった。きっと少し酔っているのだろう。そうでなければ、今更こんな言葉
は出てこない。
「いっその事、また付き合わない? 私達」
 下手糞なフォークソングが終わり、一瞬の静寂が店内を包む。口をついた言葉が、私自身信じられなかった。
 それは何をするにも時期の遅い、間抜けな女の告白。
 新しい曲がスピーカーから流れ出し、店内はまたいつもの辛気臭い空気へと戻っていく。彼は困ったように微
笑むと、一言こう言った。
981古いいつかの歌を背に(4/4):2006/12/10(日) 10:58:02.54 ID:1CbaS8re0
「その言葉に従ってさ、頷くような男でアキちゃんは満足するのかい?」
「……しないでしょうね」
 あの頃よりいくらか年月を重ねた顔を付き合わせ、私達は大きな声で笑い合う。そう、私は女の言葉に簡単に
従うような男は大嫌いなのだから。
「……ご馳走様。お勘定ここに置いておくわね」
「毎度あり。また今度なあ」
 コートを羽織り、立て付けの悪い引き戸を開ける。夜の空気が頬に染み込み、思わず体を震わせた。
 理想の男なんてものはなかなかいない。今のアイツだって、理想とは程遠い。
 カウンターの中にあった灰皿には、今日も煙草の吸殻が無かった。昔あれだけ私が言ってもやめなかったヘ
ビースモーカーの癖に、奥さんに言われてあっさりやめてしまったらしい。
 そんな男なんかより、よっぽどいい男を見つけてやろう。遠ざかっていく古い歌を背に、そんな事を思いなが
ら空を見上げていた。

<了>
982角焼もち:2006/12/10(日) 11:02:45.44 ID:lauOfN9R0
1時間経ったから名前欄かわった\(^o^)/オワタ
983黒豆(五粒):2006/12/10(日) 11:03:28.04 ID:eLcF09H90
984白菜:2006/12/10(日) 11:18:16.65 ID:bpNtdIW30
>>978-981
店主の台詞で「ねえ」「なあ」が多くて、オカマっぽく感じたwww
あと日本酒のグラスに氷は入れないかな。
そんな程度しか違和感を感じない、綺麗にまとまった作品だと思います。
985白菜:2006/12/10(日) 11:38:39.93 ID:bpNtdIW30
過疎り過ぎだ保守
986猪(ほろよい):2006/12/10(日) 11:39:38.99 ID:1CbaS8re0
>>984
拙作ながらお読み頂きありがとうございます。
たしかにオカマっぽいwww 方言喋らせてたのを直したせいで引っ張られたかなあ。
それに日本酒ロックをちょっと勘違いしてたようで。素直にブランデーにしとけばよかったorz

しかし短くまとめるの難しいですね。読み辛くなかったなら幸いなのですが。
最後に、重ねて多謝!
987 ◆.vhsqlU7Ps :2006/12/10(日) 11:44:47.21 ID:Nq6DUQP10
このスレ最後?の品評会投下いくよー
988代償(1/4) ◆.vhsqlU7Ps :2006/12/10(日) 11:45:30.39 ID:Nq6DUQP10
 この店はいい肉を出すと聞いてやって来た。
 街外れのステーキレストラン。まったく流行らなそうな店構えではあるが、
それは見かけだけであると私は確信している。
 クチコミというものは侮れない。私が持つ、とある情報ルートから入ってくる店の噂話は、ほとんど的中する。
この店だって、そのルートから絶大な支持をもって推薦されたのだ。外れであるはずがない。
 車が大量に止まっている店の脇の駐車場に車を停め、暗く怪しげな店構えから分かりにくい入り口を探し出し、扉を開けた。
店の中は、今流行の、という風ではない。が、外観から与えられるイメージほどには暗くも怪しくもない。
普通の大衆料理店といったような雰囲気である。
 本当にここで、うまい肉を食べさせるのか。少しだけ私の心に疑念がわいた。
 「いらっしゃいませ。どうぞカウンターに」
 店主と思しき男がにこやかに招きいれた。どうぞカウンターにもなにも、この店にはカウンター席しかない。
店の外側の大きさからは考えられないほど狭いのだ。店の外観からはファミリーレストランくらいの広さを想像していたのだが、
実際にはカウンター席だけだ。どう多く見積もっても十五席ほど。なんとも変な構造をしているものだ。
989代償(2/4) ◆.vhsqlU7Ps :2006/12/10(日) 11:45:56.39 ID:Nq6DUQP10
 「ここで、いい肉を食べさせると聞いてきたんだ」
 私は席に着き、ビールを注文ながら店主らしき男に言った。時間が早いからなのか、客は私以外にいない。
店主も気さくに応対してくれた。
 「そうですか。噂になるというのはありがたい事です」
 「予約も何もせずに来てしまったのだが、私が食べる分の肉はあるのかな」
 「はいございますよ」店主が微笑む。「というより、うちはいつ来ていただいても良いお肉を提供させていただきます」
 「いや、気を悪くしたらすまない。この店の肉の供給について不安だといったわけじゃないんだ。
ただ、私の聞いた情報ルートでは激賞されていたものだから、肉は取り置きしてもらわないと
食べられないのではないかな、と思っただけなんだ」
 私が弁解をすると、店主は声を上げて笑った。
 「いえいえ、気になさらないでください。私もそのような意味合いで言ったわけではありません」
ビールサーバからビールを注ぎながら店主は続ける
「お肉というものは皆さん、捌きたてが一番美味しいと思われているようですが、そうではありません。
寝かせたほうが美味しいんです。ですから当店も、お客様が何時いらっしゃっても召し上がっていただけるように、
十分な量の在庫を倉庫のほうで寝かせてあります。」
 「でも、いくら在庫があるったって、客が本当に沢山来たら大変だろう」
 「いえ。ご覧の通り当店はカウンター席しかございませんのでそもそも大量にお客様をお招きできませんし、
例えひっきりなしにお客様がいらっしゃっても、それでも大丈夫なような量は確保してございます。
肉が足りないという事だけは絶対にありえません。なんといっても当店はステーキレストランですから。
 当店にいらしたとき、外は大きいのに中はカウンター席しかないなんて、おかしいと思ったでしょ。実は、
在庫のために大きな倉庫を作っちゃったからなんですよ。それでお店のスペースがあまり取れなくて、
こんな広さのお店になってしまったんです」店主は笑った。
990代償(3/4) ◆.vhsqlU7Ps :2006/12/10(日) 11:46:34.40 ID:Nq6DUQP10
 「ところでお客様、この店には何でお越しですか?」
 「ああ、車だが」
 「ではビールをお出しするわけにはいきません。申し訳ございませんね」
 うっかりしていた。車で来ていては酒を飲む事は出来ない。
そういえば、この店の駐車場には沢山車が停まっていた気がするが、この店には私一人しか客がいない。
ははぁ、きっと車で来た事を忘れてつい酒を頼んで飲んでしまった人が、車を置いて帰ったのだな。
 「私も車を置いて帰る事にするよ。酒なしに肉なんて、なんだかもったいない」
私がそういって車のキーを預けると、店主はにっこり微笑んでビールを差し出してくれた。

 店主にお勧めの肉を頼んだ。しばらくして出てきたのは、噂に違わぬすばらしい肉だった。
 「これはうまい。肉がとろける!」
 大げさな表現ではなかった。霜降りというやつであろう。外に肉汁が流れ出しているわけではない。
切る前はその内部にうまみを保ったままであるのに、口に入れた瞬間閉じ込められた美味さが溢れ出し、
肉が解け始めるのだ。
 「美味しいお肉は脂身にその秘密があるといいます。筋肉質ではなく脂質が重視されるわけです。
人間で例えると、スポーツマンよりも、日ごろから運動不足で車に依存した生活を
送っていらっしゃるような方が美味しいようですね。」
 「噂は間違いではなかった。本当に自分の語彙で説明しきれないのが口惜しいほどにたまらない味だよ」
 「お褒めいただきありがとうございます。良いお肉は、たとえば牛などでもビールを飲ませて
飼育するそうでございます。贅沢に飼育したものこそ贅沢な味わいがだせるというものです」
991代償(4/4) ◆.vhsqlU7Ps :2006/12/10(日) 11:46:53.44 ID:Nq6DUQP10
 私は出された肉をぺろりと平らげた。おかわりを頼み、それをも自分が恥ずかしくなるくらい
あっという間に食べてしまった。
 二食分を食べた私は十分満足し、口コミ元にやはり噂は正解であったということを伝えようとおもった。
 「ふう。美味かった。本当にお世辞でなく美味かった。私も皆にこの美味さを伝える事にするよ」
 「ありがとうございます」
 「お会計をしてくれないか。このお肉はいくらなんだ」
 「はい。お肉は時価ということにさせて頂いていますが、お客様の場合、そうですね…
二人前で一億ドルとさせていただきます。キャッシュ即金でお願いいたします」 
 「ちょ、ちょっと待ってくれ。一億ドル? しかもキャッシュを即金で? そんなバカな。そんな肉がどこにある」
 「当店で扱っております」
 「いや、ここ以外でそんな法外な値段をつける店はないだろう。クレジットでも無理だが、
キャッシュで一億ドル持って肉を食いに来る客だっていやしない」
 「しかし、現にお客様は当店のお肉を召し上がりました。金額を確認もせずに召し上がったのはお客様です。
お支払いください」
 「いや、しかしそれは無理だ。そんな金持ってるわけがない。なんとかならないのか」
 「なんともなりません。お客様が召し上がったのは事実ですから。お支払いにならない以上、
帰っていただくわけにはいきません」
 「帰さないつもりか! この店は客に法外な金を要求して、その上帰さないつもりか! 
どうするんだ。俺をどうする。皿洗いでもさせる気か? 一億ドル分の皿洗いっていったら、
一体何年やりゃ良いんだ? え? 十年か? 百年か? 来世でも皿洗いしろってか? え? どういうつもりなんだおい!」
 「皿洗いなんかしていただくことは考えておりません」
 「じゃあ、一体俺をどうするつもりなんだ!」
 「ただ、今まで払っていただけなかったお客さまがたと同様、ちょっと食材になっていただくだけです。
それがまあ、一億ドル分の贖罪といったところでしょうか」
992猪(ベース):2006/12/10(日) 11:47:37.06 ID:TEtJVN99O
1000なら>>1はプリンを買いに行く
993 ◆.vhsqlU7Ps :2006/12/10(日) 11:48:00.07 ID:Nq6DUQP10
アッー!<缶>書くの忘れたアッー!
994猪(ベース):2006/12/10(日) 11:48:34.58 ID:aFUbm/S6O
1000
995猪(浴衣姿):2006/12/10(日) 11:48:55.06 ID:TkDu2SJrO
1000なら
996猪(ベース):2006/12/10(日) 11:49:16.13 ID:TEtJVN99O
1000ならみんなプリンを買いに行く
997白菜:2006/12/10(日) 11:49:51.81 ID:bpNtdIW30
>>1000ならクリスマスに品評会の票がたくさんもらえる
998猪(ベース):2006/12/10(日) 11:49:52.11 ID:TEtJVN99O
1000ならみんなローソンにプリンを買いに行く
999猪(ベース):2006/12/10(日) 11:50:18.02 ID:TEtJVN99O
1000ならみんなはプリンを買いに行く
1000猪(体操着):2006/12/10(日) 11:50:43.08 ID:Jx9HvsGy0
1000

10011001
 *     +    巛 ヽ
            〒 !   +    。     +    。     *     。
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   *     +   / /   イヤッッホォォォオオォオウ!
       ∧_∧ / /
      (´∀` / / +    。     +    。   *     。
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      / ュヘ    | *     +    。     +   。 +        このスレッドは1000を超えました。
     〈_} )   |                                次スレも…VIPクオリティ!!
        /    ! +    。     +    +     *         http://ex17.2ch.net/news4vip/
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 ガタン ||| j  / |  | |||
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