【白銀の】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【如く】
1 :
VIP村人e:
2 :
VIP村人e:2006/12/01(金) 20:57:20.14 ID:bW64dNeY0
・『原則「コテ」禁止』
コテハンの人の書き込みが悪いんじゃなくてコテを付いてるということが荒れる原因になりやすいので原則コテは禁止で。
・スレ・作品と関係ない雑談は控え、気に入らない作品や書き込みはスルーお願いします。
・非常時はまずWikiや雑談所で状況を確認してください。(本スレの消失など)
・投下するときは「○○ネタだから注意」とか「○○系につき苦手ない人スルーよろ」などと付けた上、さらにNGワード指定するなどの各自配慮をお願いします。
例:yuriyuri(百合) sinineta(死) uhouho(男色) guroino(グロ)
・長編でレスを大きくまたぐとき(前回の投下は
>>51で今回は
>>462とか)や前スレから の続きはタイトルやあらすじ、アンカー等付けると読者に優しい職人になれる。
・なるべく自分でWikiを編集できるようになりましょう。どうしても編集できない場合は雑談所の掲載状況スレで依頼しましょう。(簡単な説明の項目の通りである程度できます)
・性的描写はエロパロで。(投下するなら少年誌レベルぐらいまで)
・投下混雑時以外の「投下いいかな?」は不要。投下終了後の「やっぱグダグダだったorz=3」とかも不要。もっと自信持って投下しよう!
(目安として:投下ラッシュは大体22時前後。それ以外なら特に混む事は無し。)
・投下時、他の人と被るが嫌なら投下前のログの再取得は必須!
・未来アンカーやリレー小説はスレストの原因になったり投下し辛い空気にしたりするので控えてください。
・上記の他、Wikiの「簡単な注意事項」を読んだ上、分からない質問などは
>>1のリンクから行ける雑談所やWikiでお願いします。
3 :
VIP足軽b:2006/12/01(金) 21:04:19.58 ID:XD0VmBzG0
4 :
宿屋の女中:2006/12/01(金) 21:04:57.08 ID:c/VsygZ7O
乙
5 :
VIP遊び人:2006/12/01(金) 21:06:08.46 ID:2GLyQ6XOO
乙
スレ立て早いなwwwww
6 :
VIP足軽hentai:2006/12/01(金) 21:06:13.77 ID:GQ1zszFN0
乙です
7 :
姫:2006/12/01(金) 21:12:26.34 ID:5/EPeC7E0
8 :
VIP村人f:2006/12/01(金) 21:43:33.67 ID:bW64dNeY0
ほしゅ
9 :
VIP足軽dca:2006/12/01(金) 22:05:04.06 ID:jB3fju7O0
10 :
武器屋のじじぃ:2006/12/01(金) 22:13:08.21 ID:DaHvGsN4O
11 :
宿屋の女中:2006/12/01(金) 22:48:40.32 ID:fPJ1xtWYO
ほし
12 :
VIP盗賊:2006/12/01(金) 23:10:52.96 ID:2GLyQ6XOO
ほ
13 :
VIP下手人:2006/12/01(金) 23:20:18.60 ID:hubX4sHBO
る
14 :
壷ふりお京:2006/12/01(金) 23:34:53.82 ID:3nZytsl6O
ま
15 :
VIP女神:2006/12/01(金) 23:34:55.02 ID:yohnmF/3O
16 :
VIP村人f:2006/12/01(金) 23:56:26.22 ID:gNso9SEG0
保守
17 :
VIP足軽a:2006/12/01(金) 23:56:53.25 ID:RrnX2P7U0
お久しぶりの妖怪話です。此処のあたりから微妙に六話第二部。かも。
一部に引き続きまして、NGワードは相変わらずyuriyuriです。
前回は【恋は終わり】【愛を注ぐ】の304〜309
スレ跨ぎにつき、あらすじより。
子供の頃から様々な憑き物に悩まされていた大臣の姫。
そんな彼女の目の前に、ある日突然落っこちてきた矢ガモならぬ矢烏。
無様にもがくその烏を、ちょいとした気まぐれで助けた姫であったが、
ところがどっこいその矢烏、実は烏に化けた烏天狗だった!
そんな事実を知った後も、姫はひるみすらせず烏に迫る。
結局押し切られて、ある約束をさせられることになる烏であるのだが、
それが実行されるはずであった満月の晩、とうとう烏の正体が他の人間にもばれてしまった!
その場の勢いで名乗ってしまった挙句、姫を抱えて逃げた烏。
そんな緊迫した状況であるにもかかわらず、とても楽しげに抱えられていく姫。
二人の今後は一体どうなってしまうのか!
烏は人一人抱えたまま、無事目的地まで飛べる事が出来るのか!?
姫の体に秘められた秘密とは一体!!
狼禅百鬼夜行 六つ目の話 都姫狗妖話 第二部!請う御期待!
そんなわけで。はじまりはじまり〜 チョンチョンチョンチョンチョン……(拍子木)
18 :
VIP足軽a:2006/12/01(金) 23:57:38.62 ID:RrnX2P7U0
朝の光に照らされた、小さな村の小さな社。
前に広がる泉のほとりで、欠伸をするのは一人の青年。
「あ〜……今日も天気がいいな。
此処しばらくは雨降らせないほうがいいって話だし、しばらくはこんな日が続くかな……」
澄んだ泉に手を差し伸べて、すくった水で顔を洗う。
秋にもなると随分と水も冷たく感じるが、しかしその分すっきりと目がさめる気がする。
今一度大きく伸びをした所で、其処へ、不意に大きな風が吹く。
昇り始めた日とは反対の西のほうから吹くその風は、
赤く染まった落ち葉の他に、大きな荷物をこの泉へと送り届けることになる。
それは……
「ちょっと!其処を退いて!退きなさぁい!」
「お?」
風とともに響く声。森の方へ目をやったが、しかし森から何かが出てくるという訳でもない。
「聞こえないのぉ!?JUM!!ああ、もぉうっ!!」
名前まで呼ばれて、改めて首をかしげたその青年が、少し視線を上に向けたところで、目が合った。
それは存外に目の前で。
「うおっ!!!?」
慌てて避けようと身を硬くした時点で、空から突っ込んできた何かは青年の真横を通り過ぎていった。
直後にずぅん、と腹に響く音。
しばらくして、なんの衝撃も来ないことを不審に思った青年がやっと振り返ると、そこには。
19 :
VIP足軽a:2006/12/01(金) 23:58:53.75 ID:RrnX2P7U0
>>18 「何の音なの!?」
丁度その時、社の近くに建てられた民家の扉が開かれる。
其処から慌てて現れたのは、赤い着物に黄金の髪が美しく映える一人の少女。
彼女の瞳にまず映ったのは、呆然と向こうを見る青年の姿。
自然にその視線を追っていけば、まず見えたのは大銀杏。
社付近では一番の大きさであるその木は、黄色い葉も少々匂う実も存分についた立派な大木だった。
そんな銀杏の根元、太い根と根の間の辺りに、人が二人。折り重なるように倒れていたのだった。
「一体どういう状態なの、これは」
呆れた顔で、金の髪の少女が近寄っていく。青年も、我に帰ったようにその後を追った。
傍まで寄ってまず判ったのは、上に覆い被さった少女。
彼女はまるで貴族のように豪華な衣を羽織っており、見た所怪我も無くいたって無事であるようだ。
「……?此処は……?」
赤い少女と青年が傍まで近づいてきたとき、その上の少女がむくりと起き上がる。
しかし小さくつぶやいたあとは、ぼんやりと座り込んだまま立ち上がる様子も無い。
目をこすり、眠たげな表情で辺りを見回しているのを見ると、
もしかしたら今の今まで寝ていたのかもしれない。
気になるのは、彼女が何気なく姿勢を変えるたびに下から聞こえるうめき声。
見かねた青年が手を差し出すと、上の少女は素直に引かれて立ち上がった。
そこで、やっと下敷きにされていた方の様子が見えた。
背中の黒い羽を見る限り、正確に言えば人ではないのであろうが。
ともかく、そちらの方は惨憺たる有様、というのが一番正しいだろうか。
20 :
VIP村人r:2006/12/01(金) 23:59:08.59 ID:B9tvWZk60
保守す
21 :
VIP足軽a:2006/12/01(金) 23:59:51.51 ID:RrnX2P7U0
>>19 上に乗った人間をかばったのか肩、背中側からの着地である上に、
落ち葉の積もったやわらかい地面とはいえ、そこに着陸跡が出来るほどの速度で突っ込んだのだ。
おかげで服は泥だらけで、さらに運が悪い事に、倒れているのは銀杏の根元。
もちろんこの木は雌木であって、地面には落ちた実が大量に……ともかく、大惨事だった。
そんな悲惨な状況にある相手の顔を改めて確認し、赤い少女は眉をひそめる。
見下ろすように腕を組んでから、声をかけた。
「今度は一体何をしに来たのかしら?水銀燈……」
見た目はにこやかに見せかけつつ、その実怒りを押し殺したような響きの声がとても怖い。
対して、大銀杏に寄りかかった“悲惨な方”は、見上げて軽く片手を挙げる。
「おはよう、真紅。とりあえず寝かせて。布団で」
それだけ言って、そのままガクリと力尽きるように目を閉じた。聞こえてくるのは安らかな寝息。
ため息をついたのは、真紅と呼ばれた赤い少女。
「JUM。この馬鹿をとりあえず泉に叩き込んでおいて頂戴」
「いいのか?そんな事して」
「こんな銀杏まみれを家に上げたいと思う?」
「……わかった」
青年も案外と酷かった。
しばらく後、泉には悲鳴とともに大きな水柱が上がったと言う。
「南無三!せめてもの供養として姉ちゃん呼んでくるから!」
「ちょ、がぼっ待ちなさいよぉ!寒っ!冷がぼっ!!」
22 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 00:00:34.82 ID:3ys6K86j0
>>21 後ろの声は聞こえない振りをしつつ、きびすを返して脱兎の勢いで家へと走る青年だった。
それから半刻ほどが経ち。
「あとは、服の方も乾かしたらにおいも取れると思うから、一寸我慢してね?」
「あ、ありがとぉ……」
ガクガク震えながら布団をかぶって火鉢を占拠。
苦笑しながら、そんな水銀燈を見守る青年の姉、のり。
「真紅ちゃんも、だめよ?いくら銀杏まみれだからって泉に放り込んだりしちゃ」
「こんな馬鹿、そのくらいで丁度いいのだわ。人んちの庭に突っ込んで、
拾う前だった今年の大銀杏の実を台無しにした挙句、第一声が布団を貸して、よ!?」
言いながら水銀燈を睨みつける真紅。隣に座ったJUMは、どうした物かと様子を見守る。
「そ、そういわれたってぇ、一日以上、人一人抱えて飛びつづけてたのよぉ。
そんなときに目的地が見えたら気も抜けて眠くもなるわぁ」
「非力ね。そのくらい、私なら楽勝なのだわ」
「馬鹿力なあなたと一緒にしないでぇ!」
そんな何時までも終わらない口論にため息をついて、JUMがとうとう口をはさむ。
「で、結局今日はどうしてここに来たんだ?」
「そうよ!最近は天候も特に問題は無いはずだわ」
「あー、今日はその話じゃなくってねぇ。私今そっちの担当じゃないし……っくしょい!」
23 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 00:01:11.06 ID:3ys6K86j0
>>22 くしゃみして、ずびっと鼻をすすりながら、水銀燈が横を見る。
其処には、すやすやと幸せそうに布団で眠る少女、めぐ。
「この子なんだけどぉ」
「その子がどうかしたの? まさか都から攫って来たとか言うんじゃないでしょうね」
「まあ、それは置いておいてぇ」
「置いておかないで頂戴!もし村に迷惑をかけたりしたら、承知しないのだわ!」
「あはは、大丈夫よぉ。……多分。
ともかくこの子ね、随分と霊やらなにやらに憑かれやすい性質らしくってぇ」
文句をさりげなく流しつつ、水銀燈は続けていく。
「その体質を何とかする方法、何かわからなぁい?」
言われた真紅は、眉をしかめつつ答える。
「そのくらい、里まで連れて行って調べればいい事じゃない。
長老連なんて私よりもずっと長く生きているのでしょう?」
しかし、その答えには首が振られた。
「そんな人達が、こんな下っ端の烏天狗の願いなんて、聞いてくれると思う?」
「思わないわね。貴方みたいな天狗の里では特にね」
「わかってるんじゃなぁい。で、他に聞いてくれるうちで一番知ってそうなのがあなたなのよぉ」
24 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 00:01:49.22 ID:3ys6K86j0
>>23 苦笑しながらも、真剣な目で真紅を見つめる水銀燈。
布団かぶって鼻をすすって股火鉢、なんて格好のおかげでその真剣さも台無しだが、
一応気持ちは伝わったらしい。真紅はため息をついて答えた。
「わかったわ。まさか貴方が人間のためにこんなに動くなんて思わなかったわね。
その驚きに免じて、今回は特別に貸し一つでね」
「あはは、免じた上で貸し一つなのぉ?ケチねぇ。」
軽口を叩きながら、目線は隣の布団の方へ。
「まあ、今回のは単なる気まぐれよ、気まぐれ。特に大きな意味も理由もないわぁ」
「そうなの?ならなおさらびっくりね」
肩をすくめて、真紅は改めて人間の少女めぐを見下ろした。
「……あら、この子」
「何かわかったぁ?」
早速わかったのか、と期待の視線を向ける水銀燈。
しかし、返ってきたのはとても意外な言葉だった。
「人間じゃないわ」
―――
25 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 00:02:19.02 ID:3ys6K86j0
今は此処まで。
ちょいと此処までで長くなりすぎてしまったので、
ページを分ける意味も含めて第二部という事に。
次も早いうちに投下できることを祈って。
26 :
VIP足軽x:2006/12/02(土) 00:09:59.67 ID:IlqsPtNj0
>>25 百鬼夜行今日明日くらいには来るんじゃないかと、楽しみに待ってました!
前回の予告どおり現れた紅い少女と少年、とても懐かしいですね。
銀杏の臭いがすごそうw銀様に幸あれwww
最後のめぐが人間で無いってのはどういうことなのでしょう?
続きも楽しみにしてます!
27 :
VIP村人r:2006/12/02(土) 00:10:51.77 ID:qxk4JEn7O
久々の真紅達きたあああ
物語がリンクしてるのは本当にいい
しかしめぐが人間じゃないとは……?
続きwktk
wiki40万HITおめ
28 :
VIP足軽orz:2006/12/02(土) 00:19:05.62 ID:dsGym+IE0
真紅たちの元に辿り着き、ホッとしたのも束の間……
めぐの素性とは? なぜ水銀燈ほどの者が今まで気付かなかったのか?
むうぅ、ナゾは深まる。
早く続きが読めるといいなっと。
wktkしてますので頑張ってください。
29 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 00:31:41.24 ID:3ys6K86j0
>>25 感想どうもありがとうございます。
投下時期がわかっていたなんて、それなんてエスパー!?
銀様は、銀様だけに銀杏まみれということで。 ちょ、いし、いしなげないd
>>26 物語のリンクは、折角だから出したいじゃないか、とかそんな胡乱げな理由が8割。
残りの2割はちょっとふわふわしたまぁるい何かです。
続きwktkありがとうございまっす!
>>28 wktkどうもありがとうございます!
謎が謎を呼んで行く展開!きがついたら、回収してないフラグを机の中から大量に見つけちゃったどうしよう!
そんな わ ぁ い な事態を巴投げしながらwktkに答えられるよう頑張って逝きたいと思います。
加速装置加速装置!
そしてWiki40万Hitおめ!!
30 :
VIP足軽y:2006/12/02(土) 01:06:20.31 ID:IlqsPtNj0
時系列的にカナの登場はなしか。
ほし
31 :
VIP村人q:2006/12/02(土) 01:12:04.71 ID:r/LIQYN0O
「新説JUN王伝説〜序章〜」外伝
これは黒王号がジュンに仕える数日前のお話…
その日、薔薇雪華邸に一頭の黒馬がやって来た…
薔「いらっしゃい…黒王号…今日からここが貴方の家…」
黒『…』
雪「どうしたのでしょうか?あまり元気がないようですけど…」
薔「きっと疲れてるだけ…ね、黒王号?」
だが黒王号と呼ばれたその馬はそれから数日経っても食事を一口にもしなかった…
薔「黒王…貴方のために取り寄せた最高級の国産有機無農薬の人参だよ…」
黒『…』
雪「駄目ですわ…北海道から取り寄せた干し草も一口も口にしていませんわ…」
薔「黒王号…このままじゃどんどん弱ってっちゃうよ?お願いだから…何か食べて…」
黒『…』
雪「ばらしーちゃん…」
その姿を物陰から見つめる影がひとつ…
ラ「くうぅ…新入りのくせにお嬢様方にあんなに心配されてッ…私などあんないい人参食べたことがないのに…
悔しい…嫉妬の炎がメラメラと燃えておりますぞおぉおおおっ!!」
32 :
VIP村人q:2006/12/02(土) 01:13:00.30 ID:r/LIQYN0O
>>31 その日の夕方…
ラ「黒王殿!ちょっとお話があります!!」
黒『…何だ?ウサギ如きが…貴様と話すことなど私にはない…早く失せろ。』
ラ「貴方にはなくとも私にはあるのです!!だいたい貴方…新入りの癖に態度がでかすぎですぞ!?」
黒『…何だと?』
ラ「貴方は今日もお嬢様方の差し出してくれた食事を無碍にした…私ですらお嬢様方にあんなに良くされたことはないのにッ!!」
ラプラスは只でさえ赤い目から血の涙を出しそうな程の勢いで黒王号に叫んだ
黒『…要するに…私に嫉妬しているのか?』
ラ「なっ!?」
黒『どうやら図星のようだな…流石はウサギ、気の小さきことよ…』
ラ「や…やかましいですぞ!?だいたい貴方はお嬢様方の何が不満だと言うのです!?」
ラプラスは逆ギレ気味に黒王に疑問を投げかけた
黒『…違うのだ…』
ラ「は?」
黒『あの二人は確かに庶民とは一線を違えている…だがあの二人は私の主となるべき器ではない…』
33 :
VIP村人q:2006/12/02(土) 01:13:47.61 ID:r/LIQYN0O
>>32 黒王は小さな声でラプラスの疑問に答えた…だがラプラス自身はその答えにいたくご立腹になったようであった…
ラ「ぬぅおおおぉおおぉおお!!さっきから黙って聞いていれば好き放題ほざきおってからにいいぃぃい!!
もう許しませんぞ…この家でお嬢様方に最も愛されるべきはこのラプラスなのですぞ!?決して貴方のような新入りではございませんぞぉおおッ!?」
黒『おい…何か大半が私怨ではないか?』
ラ「問答無用!!こうなればこの家でどちらが上か実力で解らせてあげますぞ!!
では…行きますぞ!?」バッ!!
ラプラスが構えを取る
ラ「はああぁあぁああ…さぁ、とくとその目に焼き付けなさい!!
これが数十年間このお屋敷にお仕えしたこのラプラスが長年をかけ会得した秘拳…『咬兎…』へぶぢゅッ!!」
『メキャア…!!』
黒『すまん…隙だらけだったものでついな…』
ラプラスが台詞を言い終わる前に黒王の蹄がその顔面にめり込んだ
ラ「む…無念…がくっ…」
ラプラスはそのまま崩れ落ち地面に這いつくばった…
34 :
VIP村人q:2006/12/02(土) 01:14:50.00 ID:r/LIQYN0O
>>33 黒『ふぅ…弱者を手に掛けるのはあまり良い気はしないな…』
その時であった…
薔「黒王号、大丈夫?」
いつの間にか近くに来ていた薔薇水晶が心配そうに黒王号に駆け寄る
黒『ふん…貴女と話すことはない…帰ってくれ…』
黒王号が薔薇水晶に背を向けた時であった
薔「黒王…そんなこと言わないで!!」
『げしっ』
ラ「へぶぅ!!」
薔薇水晶が倒れたラプラスの上に立ち黒王に話し掛けた
黒『なっ!?貴女はもしや…私の言葉が…』
薔「うん…これがあるから…」スッ
薔薇水晶は左手の指にはめた指輪を黒王号に見せた
薔「プレシャス…“ソロモン王の指輪”…うちの宝物庫で見つけたの…これで貴方と話せる…さぁ、貴方が心を開かない理由を教えて…」
黒『…』
黒王号は真実を静かに薔薇水晶に語り始めた
35 :
VIP村人q:2006/12/02(土) 01:15:49.92 ID:r/LIQYN0O
>>34 黒『私の血筋は代々その時代の覇者…「拳王」に仕える血筋なのです…』
薔「拳…王?」
黒『はい…拳王とは混沌の世に蔓延る悪を裁き、弱き者達に光を与える存在…人でありながら天の道に君臨される唯一無二の存在…私はその器となるべき者を探しているのです…』
薔「つまり…私やお姉ちゃんはその器じゃないって言うの?」
黒『残念ながら…』
薔「そうなんだ…でもね?黒王…」
黒『?』
薔「私もお姉ちゃんも貴方を大切に思ってるの…無理に私を主なんて思わなくていい…だからせめてその拳王になる人が見つかるまで生きて…このまま何も食べないままだと貴方は死んでしまう…」
黒『薔薇水晶殿…』
黒王は薔薇水晶の右目に滲んだ涙を見た
黒(この方は…本当に私のことを心配してくれている…)
薔「だから…貴方が本当に仕えたい人が見つかるまでここにいていいんだよ…私も協力するから…」
黒王に薔薇水晶の優しさが突き刺さる…それと同時に意地を張っていた自分への恥ずかしさがこみ上げてきた…
黒『……ご心配を掛けて申し訳ありません…少々空腹になりました…宜しければ何か食べ物を頂けませぬか?』
黒王は少し照れくさそうに薔薇水晶に言った
36 :
VIP村人q:2006/12/02(土) 01:16:44.45 ID:r/LIQYN0O
>>35 薔「黒王…」
薔薇水晶の表情がぱぁっと明るくなる
薔「…うん♪少し待ってて…」
しばらくして薔薇水晶は両手にありったけの人参を抱えてきた
薔「はい、いっぱい食べてね…」
黒『いただきます…』
黒王は軽く会釈するとその人参を食べ始めた
薔「美味しい?」
黒『はい…とても…』
薔薇水晶は黒王号が人参を平らげる様子をずっと笑顔で眺め続けていた…
数日後…
薔「やばい…遅刻しそう…」
寝坊をした薔薇水晶が慌てて家を出る
黒『薔薇水晶殿、もし宜しければ私に乗って行きませんか?そこらの車より速い自信があります故。』
薔「本当?じゃあお願い…」
黒『御意…しっかりお掴まりください!!』ヴン!!
薔「きゃあっ!!」
刹那、黒王号は弾丸の如く疾走し、本当にあっと言う間に薔薇水晶を学校まで運んだ
薔「ふぅ…びっくりした…黒王号…速すぎ…」
黒『そうですか?ゆっくり走ったつもりでしたが…』
薔「むー…あ!ジュンだ…」
黒『ジュン?』
薔「私の大事な人…ジュン、おっはー…」
ジ「なぁ、朝っぱらから随分な登場してくれるなぁ…」
薔「…馬に乗ってきちゃいけない校則はないよ…?」
37 :
VIP村人q:2006/12/02(土) 01:17:32.52 ID:r/LIQYN0O
>>36 ジ「ま…まぁ、そりゃそうだが…」
黒『!!…このお方はもしや…』
黒王がジュンに近付き全身を見回す…
ジ「な…何だよ?」
薔「珍しい…黒王号が初対面の人に懐くなんて…」
黒『間違いない…この方こそ我が主となるべきお人…拳王となられる器だ!!』
そしてこの日…新たなる拳王の伝説が幕を開けるのであった…
「新説JUN王伝説〜序章〜」本編へ続く…
38 :
VIP足軽y:2006/12/02(土) 01:37:10.55 ID:IlqsPtNj0
すさまじい過去が展開されてますなwww
39 :
VIP村人b:2006/12/02(土) 02:08:48.54 ID:zJx4z92C0
>>38 カオスwwww
夜中に空き時間が出来てしまったので人いればSSのリクエストでもしてみる。
とりあえず三時までになかったら寝ることにするさ。
40 :
VIP村人r:2006/12/02(土) 02:11:53.23 ID:r/LIQYN0O
『ピンポーン…ピンポーン…』
翠「は〜い、どちら様ですか〜?」ガチャ…
薔「…おっはー。」
翠「薔薇水晶…一体何の用ですか?」
薔「うちの家庭菜園でできたお野菜…お裾分け…」
翠「へぇ、そりゃ結構なことです。…どれど…ひいぎゃああぁあぁああああぁあああ!!」
薔「…どうかした?」
翠「ど…どうしたもこうしたもねぇですぅ!!な…何ですかその卑猥な形の人参はあぁあ!?(///)」
そこには全て人の股関の如く枝分かれした人参があった
薔「…さぁ?偶然全部こうなった…名付けて『セクシャルキャロット』。」
翠「い…い…いらねえですぅ!!とっとと帰りやがれですぅ!!」バタン!
薔「あ…折角作ったのに…くすん…」
翌日…
翠「ふあぁ…月曜の朝はかったりぃですぅ…ん?何ですか、あの人だかりは…」
校門に出来た人だかり…それに気になった翠星石がそこで見たものとは…
翠「なっ…何ですかこりゃああぁああぁあ!?」
そこにはダンボール一杯に昨日のセクシャルキャロットが詰まれ、傍らに「私が作りました♪」という文字が書かれた翠星石の写真が置いてあった…
41 :
VIP村人r:2006/12/02(土) 02:12:44.87 ID:r/LIQYN0O
>>40 蒼「翠星石…君はいつの間にこんな…」銀「ぷぷっ…なかなか笑わせてくれるじゃなぁい♪」
紅「破廉恥なのだわ…(///)」
金「どうやったらこんな形ばかりになるのかしら…?」
雛「翠星石はエロエロなの〜♪」
翠「あ…あぁ…ご…誤解ですぅ…」
ジ「翠星石…お前、本当に植物育てるの上手いんだな…」
翠「ジ…ジュンまで!!
お…うぉのれえええぇええ!!あンのお馬鹿水晶めええぇええぇ〜!!ぶっ殺してやるから出て来やがれですううぅ〜!!」
翠星石は叫び声を上げながら如雨露を振り回し校舎へ消えて行った…
薔「…にやり」
42 :
VIP村人b:2006/12/02(土) 02:37:04.92 ID:zJx4z92C0
>>41 あるあ・・・ねーよwwww
不憫な翠星石カワイス
43 :
VIP村人x:2006/12/02(土) 03:53:09.69 ID:15mjc4aXO
保守
44 :
VIP村人xxx:2006/12/02(土) 05:04:34.76 ID:1Uz7itCVO
保守
45 :
VIP村人xxx:2006/12/02(土) 05:47:03.73 ID:1Uz7itCVO
保守
46 :
VIP足軽utu:2006/12/02(土) 06:15:08.05 ID:dsGym+IE0
例によって激しくスレまたぎ。
寝る前に投下しときます。
タイトル未定、第五話。
前々スレ【ここより】【永久に】209-215 の続きになります。
三行あらすじ
蒼星石は、巴と話をしてみた。
気が合うし、仲良くなれそう。
あれ? な……なんでやねん。
一応 NGワード:yuriyuri
47 :
VIP足軽utu:2006/12/02(土) 06:15:40.69 ID:dsGym+IE0
横に並んで歩き、塀の陰に消える二人の背中が、目の奥に焼き付いている。
校舎と校門は、かなり離れていた筈なのに――彼女たちの笑顔は、ハッキリ見えた。
瞬きをする度に、その光景が頭の中でフラッシュバックする。
どうして、あの二人が?
蒼星石の頭を占めているのは、その疑問だけ。
双子の姉妹という間柄、姉の友好関係は熟知しているつもりだった。
けれど、翠星石と柏葉巴が友人という憶えはない。
彼女たちは、蒼星石の知らないところで交流があったのだろうか?
翠星石ならば、有り得そうだった。可愛らしい姉は、男女を問わず人気者なのだから。
しかし、それなら今日、巴との会話の中で、翠星石の話題が出ても良さそうなものだ。
(それが無かったところから察して、つい最近の付き合いなのかな。
昨日、姉さんが体育館にいたのも、柏葉さんと今日の約束をしてたのかも――)
なんだか除け者にされたみたいで、蒼星石の気持ちは重く沈んだ。
隣を歩く水銀燈が、彼女の浮かない表情を盗み見ていたことにも、気付いていなかった。
第五話 『もう少し あと少し…』
48 :
VIP足軽utu:2006/12/02(土) 06:16:29.77 ID:dsGym+IE0
>>47 「ねえ――」
何を話しかけても、生返事しかしない蒼星石に焦れて、水銀燈は彼女の前に立ちふさがった。
が、俯いたままの蒼星石は、それにすら気付かず歩き続け……
水銀燈の肩に、こつんと額をぶつけた。
「あ…………」
「ちょっとぉ。さっきから、なぁに冴えない顔してるのよぉ」
「……ごめん。考え事してた」
「私と居るのは、退屈ぅ?」
「ち、違うよっ! そんなつもりじゃ――」
不機嫌そうに眉を顰める水銀燈に、蒼星石は頭と手を、ブンブンと横に振って見せた。
そして、自分の軽挙妄動を恥じて、歯がみした。
正直なところ、翠星石と巴の関係は、気になって仕方がない。
けれども、それを引っ張り続けていては、誘ってくれた水銀燈に失礼と言うものだ。
蒼星石は笑顔を作って、ムリヤリに気分をすり替えた。
「ホントにごめんね、水銀燈。さあ、気を取り直して、どこかでお昼にしよう」
「……そぉねぇ。いい加減、お腹すいちゃったわぁ」
「じゃあ、駅前のファミレスに行こっか。お詫びに奢るよ」
「あぁら……食べ物くらいで、私が許してあげるとでも思ってるぅ?」
さりげなく怖いことを口にする水銀燈。彼女の場合、どこまで冗談なのか分からない。
しかし、見た限り表情は穏やかで、満更でもなさそうだった。
49 :
VIP足軽utu:2006/12/02(土) 06:17:02.98 ID:dsGym+IE0
>>48 蒼星石と水銀燈は、女子高生とは思えないほどの量を食べたばかりか、
デザートにパフェまで注文して、舌鼓を打っていた。
同い年の娘たちなら、カロリーに配慮したり、ダイエットに気を遣うのだろうが、
この二人には、あまり関係のないコトらしい。
人間の身体には、余剰のエネルギーを脂肪として蓄える『脂肪細胞』なるモノがある。
この細胞は思春期くらいまでに総数が決まってしまい、以降は殆ど増えることがない。
子供の頃から痩せ形体型だった彼女たちには、この脂肪細胞が少ないため、
結果的に“食べてもあまり太らない”体質になっていたのである。
「水銀燈って、スタイル良いよね。食事は三食しっかり摂ってるんでしょ。
なのに、目立って太ってるワケでもないし、痩せすぎてもないんだもの」
「そう言う貴女だって、イイ線いってるわよぉ。
お爺さんたちと暮らしてると、生活が規則正しくて、食事を抜く事ってないでしょぉ?」
「ボクの場合は、食べなかったり、おかず残したりすると、ひどく心配されるんだよね。
どこか身体の具合が悪いのかー! ってさ。お陰で、好き嫌いがなくなったよ」
「あー。なぁんとなく、光景が目に浮かぶわぁ。
お爺さん達よりも、翠星石の方が大騒ぎしてそうねぇ」
水銀燈は、珍しく無邪気に笑いながら、眩しげに細めた目で蒼星石を見つめた。
「でもぉ、それを疎ましく思うのは贅沢というものよ。
心配されるってコトは、とっても大切に想われてるって証拠だもの。
正直、羨ましいわぁ」
50 :
VIP足軽utu:2006/12/02(土) 06:17:38.55 ID:dsGym+IE0
>>49 そう言った水銀燈の顔に、ほんの僅か……うっかり見落としかねない影がさす。
一瞬の変化だったにも拘わらず、蒼星石は見逃さなかった。
そして、彼女の家庭環境を思い出し、得心した。
水銀燈の両親は共働きで、以前から、あまり家には居ない方だった。
だから、なのだろう。彼女は普段から物憂げで、勝手気ままに振る舞っている。
干渉されることを嫌い、とてもではないが、部活動に精を出すような気質には思えなかった。
しかし、現に水銀燈は剣道――個人競技を選ぶところが彼女らしい――に勤しんでいる。
昨日の練習風景から推測して、技量も高いようだ。
それに、自分に似た娘……柏葉巴とも、なかなか気が合うらしい。
(やっぱり、寂しいのかな)
一匹狼みたいに過ごしていても、水銀燈だって、多感な年頃の女の子。
眩しそうに細めた目も、実のところ、羨望の眼差しだったのかも知れない。
思った途端、蒼星石は、胸に妙な息苦しさを感じた。
そして、急に、さっきの翠星石と巴の姿を思い出して、寂しい気持ちになった。
(キミも、ボクと同じだね。脆い心に鎧を着せ、必死に護ってる、さびしん坊なんだね)
親近感が興味へと変わる。蒼星石は、もうちょっとだけ水銀燈と一緒に居たいと思った。
彼女は「同情なんて――」と嫌悪感を露わにするかも知れない。
でも、それは寂しさを覆い隠すための、強がり。
51 :
VIP足軽utu:2006/12/02(土) 06:18:13.49 ID:dsGym+IE0
>>50 だったら――――似た者同士で、傷を舐め合うのも、たまには良いだろう。
校門で見た光景を忘れたくて、蒼星石はテーブルに身を乗り出し、水銀燈に詰め寄っていた。
「よかったら、これから……ちょっと遠くに出かけない?」
「えっ? なぁに、いきなり」
水銀燈が、怪訝な顔をする。当然だろう。いくらなんでも、突飛に過ぎた。
眉間に刻まれた縦皺が、躊躇のほどを窺わせる。
「遠くって、どこまで行く気よぉ」
「海を見に行こうかなって。なんとなくね、今、そんな気分なんだ。
心配しなくても、夜までには帰ってくるつもり」
「こんな晩秋に? 物好きねぇ」
「意外に、いいものだよ。人っ気が少ないから、くつろげるし」
ふぅん……と相槌を打った水銀燈の瞳に、酔狂な光が宿る。
潮風に吹かれながら、閑散とした浜辺を当て所なくブラつくのも悪くない。
彼女の眼差しが、そう語っていた。
「そぉねぇ。たまには、面白いかも知れないわぁ」
「うん。じゃあ、行こうか」
言って、二人は同時に腰を浮かせる。
奢りの約束どおり、蒼星石が纏めて会計を済ませ、彼女たちは駅へと足を向けた。
52 :
VIP足軽utu:2006/12/02(土) 06:18:47.70 ID:dsGym+IE0
>>51 土曜日の午後、昼休みも終わった時間帯。
人も疎らな電車の中で、蒼星石と水銀燈は、並んでシートに座った。
窓を透して射し込む陽光に背中を炙られ、ちょっと暑い。
「目的地はまだ何駅も先だし、向かいの席に移る?」
蒼星石の気遣いに、水銀燈は欠伸を堪えながら、気怠そうに答えた。
「別にいいわよぅ。こっちの方が、あったかいしぃ」
彼女が構わないのなら、蒼星石にも異論はない。黙って電車に揺られていた。
――いくらか経って、ふと、肩に感じる重み。
見れば、瞼を閉じた水銀燈が、寄り掛かって寝息を立てていた。
お腹がいっぱいになって、程良い揺れに身を任せながらの、ひなたぼっこ。
眠気を催すのも、当然の環境だろう。
いつもの、少し険のある自信家な表情からは想像も付かないほど、無邪気な寝顔だ。
期せずして、水銀燈の意外な一面を見られて、ちょっと得した気分の蒼星石だった。
がたん――
列車が大きく揺れて、水銀燈がヒッ! と息を呑み、目を覚ます。
「んぁ…………着いたぁ?」
「ううん。もう少しだよ」
「そう……じゃあ、あと少し……」
言って、水銀燈は再び、蒼星石の肩に体重を預けてくる。
蒼星石は、そんな彼女を可愛いと思った。「寝てていいよ、起こしてあげるから」
53 :
VIP足軽utu:2006/12/02(土) 06:19:31.29 ID:dsGym+IE0
第五話 おわり
三行で【次回予定】
海を見に行こう。口を衝いて出た、突然の気紛れ。
無意識の内に、わだかまる寂しさを、海に捨ててしまおうと思ったのだろうか。
砂浜を踏み締めながら、彼女たちは素直な気持ちを曝け出す。
次回 第六話 『心を開いて』
巴「もう少し――」
翠「あと少し――」
銀「愛されたいわぁ。お姉さまぁ♪」
蒼「次回【乙女はボクに恋してる】第六話 お楽しみにねっ!」
蒼「…………なんて言うワケないでしょっ! ボク、女の子なのに……」
翠「女の子を自称するなら、も少しカワイイ服とか着るですぅ〜♪」
銀「私たちが、魅力的な女の子に改造してア・ゲ・ル・わぁ♪」
蒼「えっ? うぁっ……そんな、あひゃぁ――っ!!」
巴「//// わ……凄い。えっと……どうなったかは、各人で妄想してね」
54 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 08:21:36.42 ID:KyIl1DAGO
保守
55 :
VIP村人t:2006/12/02(土) 08:33:41.15 ID:LumDLDg5O
>>53 なんかすごく安心した
これからどうなるのか続きwktk!
それにしても寝る銀様はかわいいwwww
56 :
VIP村人t:2006/12/02(土) 08:54:00.03 ID:LumDLDg5O
ほ
57 :
南蛮ムキトス:2006/12/02(土) 09:43:25.85 ID:zn/kZ3zw0
保守
58 :
VIP村人b:2006/12/02(土) 09:48:49.41 ID:IlqsPtNj0
>>53 銀様が明るく、自分勝手に振舞うのは寂しさを隠すためですか。
蒼い子は自分と同じ苦しみを分かち合いたいのだろうけど、果たしてそれがうまくいくのか…
59 :
VIP商人:2006/12/02(土) 11:01:01.08 ID:KyIl1DAGO
保守
60 :
宿屋の女中:2006/12/02(土) 11:31:05.22 ID:o189rt+/0
ほ
61 :
武器屋のじじぃ:2006/12/02(土) 12:13:03.64 ID:o189rt+/0
ほ
62 :
門番の娘:2006/12/02(土) 13:05:57.89 ID:o189rt+/0
ほ
63 :
VIP魔王:2006/12/02(土) 13:06:06.25 ID:qxk4JEn7O
蒼に寄りかかる銀様カワイスw
お互い寂しいのですね……
しかし
>乙女は僕に恋をする
誰がうm(ry
64 :
VIP村人P:2006/12/02(土) 13:26:33.69 ID:hy+OuVaB0
蒼「いまさらいえないよね」
蒼「翠星石と区別してもらうために髪の毛短くしてカラーコンタクトして瞳の色変えてるなんて…」
蒼「はふぅ…」
65 :
VIP奴隷:2006/12/02(土) 13:41:59.61 ID:ntuOkg7tO
66 :
VIP村人P:2006/12/02(土) 13:47:38.49 ID:hy+OuVaB0
>>65すまん
ノリでやってしまった
反省している
67 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 14:07:29.97 ID:a5zLPqvGO
保守
68 :
VIP足軽l:2006/12/02(土) 14:19:05.02 ID:QBv0mNGx0
ほ
69 :
VIP魔王:2006/12/02(土) 14:31:10.16 ID:hy+OuVaB0
保守
70 :
門番の娘:2006/12/02(土) 15:06:37.47 ID:M6IOpyqy0
J「なぁ金糸雀」
金「あ、JUM華死羅」
J「え?」
金「ん?何華死羅ー」
J「いや・・・」
金「変なJUM華死羅ー」
J(俺が変なのか?)
71 :
花魁:2006/12/02(土) 15:42:08.05 ID:zn/kZ3zw0
保守
72 :
門番の娘:2006/12/02(土) 16:04:59.16 ID:vcRR788b0
保守
73 :
門番の娘:2006/12/02(土) 16:05:25.98 ID:vcRR788b0
sageてたorz
74 :
暴れん坊VIPPER:2006/12/02(土) 16:34:58.25 ID:KyIl1DAGO
保守
75 :
VIP村人Ecup:2006/12/02(土) 16:36:15.10 ID:LumDLDg5O
76 :
VIP村人xxx:2006/12/02(土) 17:12:09.65 ID:LumDLDg5O
ほ
77 :
一生足軽:2006/12/02(土) 17:15:41.38 ID:n7DHSdVO0
78 :
VIP村人k:2006/12/02(土) 18:15:33.02 ID:IlqsPtNj0
ほ
79 :
VIP村人P:2006/12/02(土) 18:43:50.33 ID:LumDLDg5O
ほ
80 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 18:49:07.82 ID:TYLURNKL0
81 :
油売りの左暮:2006/12/02(土) 19:19:39.29 ID:zn/kZ3zw0
保守
82 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 19:58:18.51 ID:wjqFDSvbO
ほ
83 :
北町奉行:2006/12/02(土) 20:12:23.10 ID:wjqFDSvbO
人いないな保守
84 :
北町奉行:2006/12/02(土) 20:16:56.28 ID:HmhE18LGO
一つ屋根の人は最近来てる?
85 :
VIP足軽p:2006/12/02(土) 20:37:50.88 ID:o8YCJ2j7P
ある日、真紅が隣で寝ているジュンを起こして尋ねた。
「ねえジュン。もし私が死んだらあなたは再婚するの?」
「何だよ、人を起こしておいて藪から棒に。」
怒り心頭のジュンだったが、真剣な表情の真紅を見て考え直す。
「・・・いや、そんなことはしないよ。もし君が死んだら僕も後を追うかも知れない。」
「そんなことはしないで。私なんかのためにあなたが不幸になることは無いのだわ。
そのときが来たら、あなたはあなただけの幸せを見つけるのよ。」
「・・・真紅・・・。」
ジュンは悲しい表情を作る。
「ごめんなさい。少し気になってしまったの。」
真紅は、自分が本当に愛されていると実感し、絶対に浮気なんかしないと心に誓った。
「それで・・・もしも、もしもよ?あなたが再婚するとしたら、この家はその人にあげてしまうのかしら。」
「再婚するんだから、そうなるんじゃないか?あげるというより、共用だろうな。」
86 :
VIP足軽p:2006/12/02(土) 20:39:05.73 ID:o8YCJ2j7P BE:52866465-S★(104445)
「なら、このベッドも共用のものになるのかしら。」
「たぶんそうなるのかな」
「そう考えると寂しいわね。」
「真紅、どうしてそう不安がるんだ。君が死ぬ原因なんて、事故死と寿命くらいじゃないか。
君は死なないよ。死なせるものか。」
「ジュン・・・ありがとう。」
真紅は心が暖かくなった。もう彼女の顔に暗いところはない。
「ふふっ。これで最後にするわね。これは単なる興味。
再婚相手に結婚を申し込むとき、あなたは何をあげるのかしらね。指輪?」
「ははっ。まったく同じじゃつまらないな。」
「なら、意表をついて、この前買った車かしら。」
「車?いやいやあれはあげられないな。」
「あら、どうして?」
「だって彼女は運転免許を持ってないもの。」
87 :
北町奉行:2006/12/02(土) 20:44:30.25 ID:wjqFDSvbO
88 :
VIP村人m:2006/12/02(土) 20:46:55.06 ID:IlqsPtNj0
89 :
VIP遊び人:2006/12/02(土) 20:51:06.90 ID:LumDLDg5O
>>86 ナイスジョークwwww
アメリカ人って日本人に無いセンスを持ってるよね
90 :
VIP村人b:2006/12/02(土) 20:53:09.84 ID:9M/CT1RM0
保守
なあ、「愛の行く末」はどうなったんだ?親友
91 :
VIP悪魔:2006/12/02(土) 21:05:05.98 ID:r/LIQYN0O
俺たちはただ信じて待つことしかできないのさ…
92 :
VIP乙女:2006/12/02(土) 21:31:59.72 ID:zn/kZ3zw0
保守
93 :
◆JUMurE5PIQ :2006/12/02(土) 21:46:49.65 ID:mTNt5ypQ0
おいすー|////| ( ^ω^)ノ |////| ウィーン
ばいばい|////| ( )ノ |////| ウィーン
94 :
暴れん坊VIPPER:2006/12/02(土) 21:53:47.48 ID:wjqFDSvbO
このスレ用に、とイラストを描いたが、なんだかロックバンドの方が合う気がしてきた…
95 :
VIP神父:2006/12/02(土) 21:56:55.40 ID:LumDLDg5O
96 :
暴れん坊VIPPER:2006/12/02(土) 21:58:58.12 ID:wjqFDSvbO
97 :
VIP村人v:2006/12/02(土) 22:04:26.88 ID:zJx4z92C0
98 :
VIP下手人:2006/12/02(土) 22:07:40.27 ID:wjqFDSvbO
普段着シリーズとかやろうかな、と思って描いた
後悔はしてない
99 :
VIP毒蛇:2006/12/02(土) 22:13:54.57 ID:r/LIQYN0O
ここは普通の女の子なんだし全然OKでしょ♪
100 :
VIP毒蛇:2006/12/02(土) 22:14:09.44 ID:xvAlroiQ0
>>96 イイ!普段着シリーズなら尚更こっちで書いて欲しいぜ!!
101 :
VIP盗賊:2006/12/02(土) 22:19:13.54 ID:PkzehRAy0
>>80 だったら何故ローゼンスレに来たwwwww
102 :
VIP下手人:2006/12/02(土) 22:19:14.04 ID:wjqFDSvbO
103 :
VIP下手人:2006/12/02(土) 22:46:41.11 ID:wjqFDSvbO
ほ
104 :
水汲みおしち:2006/12/02(土) 23:07:17.02 ID:+2zu0XVtO
オーベルデューレまであと3週間!
カウントダウンでもするか
105 :
VIP侍:2006/12/02(土) 23:10:44.20 ID:UZ+OMMeL0
ほすう
106 :
VIP遊び人:2006/12/02(土) 23:12:52.34 ID:w5WIPvWn0
※薔薇水晶が保守するみたいだよ
「ご多忙のところ、亡き夫のためにお集まりくださいまして、まことに――」
「ジュン。私とこの子を残して、どうして。よよよよ」
「いや、いや。そんな。ジュンの遺影の前で。ジュンが見てるのにー」
「ああ、許してジュン。ばらしーだって女なの。からだの火照りが抑えられない。あふん」
「薔薇水晶、いろいろと問題がある」
「むう。うけたまわります」
「まずその1行目は保守じゃない。『喪主』だ。ボケるにしても酷すぎる」
「しっぱいしっぱい」
「そして2行目からは喪主ですらない。ただのメロドラマな喪服妻じゃないか」
「さーびすさーびす」
「あとここ大事だから聞け。勝手に僕と結婚しない。そして殺さない」
「……銀ちゃんは女の子。だから籍を入れられない。だからジュンと結婚する。これは運命」
「前提条件その他何から何までおかしいっての」
「はっ。でも喪服妻マニアなジュンの願望を叶えるには、ジュンを殺すしか。なんてジレンマ」
「そろそろツッコミにも疲れたわけだが」
「だけど殺るより や る ほうがきっとずっとハッピー。けもの偏の方向でご検討願い――」
「逃げられた」
「……」
「ふつうに言えたら、言ってるよ」
107 :
VIP村人p:2006/12/02(土) 23:16:32.15 ID:IlqsPtNj0
108 :
VIP村人i:2006/12/02(土) 23:51:01.73 ID:tinrGxxb0
hosyu
109 :
VIP女神:2006/12/02(土) 23:53:18.72 ID:xvAlroiQ0
「一つ屋根の下 第八十八話 JUMとホテル」
ゆさゆさゆさゆさ……ゆさゆさゆさゆさ……
「………がれですぅ〜!!……M!……ですぅ!!」
体が揺れる。耳に声が入る。ん〜……変な感覚。ああ、そういえば……僕はスキーに来てるんだったな。
それで、バスの中で寝てて……椅子はリクライニングで倒してあるけど、座りながら寝てるから違和感あるのか。
「JUM!!さっさとおきやがれですぅ!!大変なんですよぉ!!ええい、かくなる上は……起きろです!!」
ビッターン!!そんな激しい衝撃音と、痛みが頬に走る。
「うぎゃ!?ううっ……ふぁぁ…何だよ翠姉ちゃん?」
「大変なんですよ!!真紅が居ないんですぅ!!!バスの中から消えたんですよ!これは事件です!!
密室です!トリックですぅ〜!!」
混乱して意味不明なことを言い出す翠姉ちゃん。とりあえず落ち着いてください。
真紅姉ちゃんがいない?そんな事はないでしょう。だってさ、真紅姉ちゃんは……
「あふ……朝から騒々しいわよ翠星石。私がどうしたの?」
「し、真紅ぅ!!って……なんでJUMの腕からヒョッコリ顔出してるんですかぁ〜!?」
僕の腕の中で寝てたんだから。前話を読めば分かるけど、昨日の夜僕は真紅姉ちゃんを抱っこしたまま眠った
訳で。んで、防寒用に毛布も大きい、モフモフした奴だったから小柄な真紅姉ちゃんが布団に包まってて
分からなかったんだろうな、と。真紅姉ちゃんは息苦しくなかったんだろうかね。
「何でって…決まってるじゃなにの。私は昨日JUMに抱っこされて眠りについたのだから。」
翠姉ちゃんの額にピクピクと血管が浮き出てる気がする。相変わらず気の短い人だ。
「おはよ〜……あららららら、私お邪魔だったかなぁ〜?愛を育む際はご近所に聞こえないように、ね♪」
めぐ先輩が、僕と真紅姉ちゃんを見ながらニヤニヤして言う。そのめぐ先輩の言葉が着火となり、とても
短い翠姉ちゃんの堪忍袋の導火線は、油でも塗ってあったかのように燃え上がった。
「〜〜〜〜っ!!JUMの……JUMの……JUMの馬鹿〜〜〜!!」
翠姉ちゃんダッシュ。真紅姉ちゃんが「騒がしい子ね。」とか言ってたけど、原因は貴方なんですがね。
110 :
VIP足軽s:2006/12/02(土) 23:53:33.03 ID:sxSew44A0
h
111 :
VIP女神:2006/12/02(土) 23:53:42.96 ID:xvAlroiQ0
>>109 「わ〜、真っ白〜!!雪なの雪なの〜!!ねぇねぇ、遊ぼうよぉ〜!!」
かくして、騒がしい朝を越えて僕らを乗せたバスは、遂にスキー場へ到着した。あたり一面は白銀の雪景色。
「うえぇ、さっぶぅ。スキー場なんだから当然なんだろうけど……」
矢張りというべきか、当然というべきか。スキー場は寒かった。元気に駆け回ってるのは、ヒナカナコンビと犬
くらいではなかろうか。
「はいはい、ヒナちゃんも金糸雀も。先ずはホテルの部屋行こうね。遊ぶのはそれからだよ〜。」
めぐ先輩が、すでに雪まみれのヒナカナコンビをなだめて、僕らをホテルへ先導してくれる。
「JUM、私の荷物持って行きなさい。」
「JUM!!翠星石の荷物も持ってけですぅ!!中身覗いたら殴るですよ?」
「あらぁ、じゃあ私もJUMに荷物持ちお願いしようかしらぁ?」
「あのな……僕は持つなんて一言も言ってないぞ。」
が、そんな僕の言い分を聞いてくれるわけなく、姉ちゃん達は僕の前へ荷物を置く。僕はヤレヤレと溜息を
つきながら荷物を持とうとする。が、その瞬間僕の手は伸びてきた白い手と触れた。
「あっ……」
その手の主は柏葉だった。寒さのせいか、頬を赤く染めている、
「ご、ごめんね。でも、桜田君大変そうだから私も手伝おうかなと思って。迷惑だった……かな?」
「い、いやそんな事ないけど。あ、ありがとう……柏葉って優しいんだな…」
「そ、そんな事ないよ……」
自分で言うのも何だけど、無駄に初々しいやり取りをしてしまう。そんな僕らを見て、何故か姉ちゃん達は
結局自分で荷物を持って行った。めぐ先輩が笑いっぱなしだったけど、何がそんなに面白かったんだろうか。
112 :
VIP女神:2006/12/02(土) 23:54:02.16 ID:xvAlroiQ0
>>111 「へぇー、なかなかいい所ねぇ。何階なのぉ?」
僕等はエレベーターでホテルの上へと向かっていた。エレベーターは硝子張りになっていて、外の景色が
綺麗に見えた。こんな朝から滑ってる人もいるし、元気な事だなぁ。
「はい、ついた〜。ここ最上階が丸々一部屋なの!!いいでしょいいでしょ??」
めぐ先輩が少し興奮気味に説明してくれる。エレベーターを降りて、部屋のドアをくぐると、そこは大きな部屋
だった。確かに、この広さなら最上階を丸々一部屋ってのも頷ける。たださ……一個だけ疑問が……
「あの、めぐ先輩?一部屋なのはいいんですよ。綺麗な部屋ですし……それで、僕の部屋は?」
「ん?ないよ。だって、JUM君私達と一緒に寝たいんでしょ?」
平然な顔で返された。ちょっと待ってくれ。何ですか、それ?
「え、ちょ……僕はそんな事一言も……」
「そうなの?水銀燈に聞いたら、JUM君も同じ部屋でいいって言うから……水銀燈に聞いてないの?」
一言たりとも聞いておりません。いやさ、本当にやばいです。姉妹なら百万歩譲ってまだいい。んでもさぁ……
「い、いいわけないじゃないですか!それに、今回はめぐ先輩や柏葉もいるんだし……」
「やだなぁ、JUM君。そんな事?私は別に構わないよ?」
「あ、私も桜田君なら……ゴニョゴニョ…寧ろ同じベッドでも……」
「う、や…と、とにかく僕は廊下ででも……」
「あ、それは止めた方がいいよ。多少は暖房入るけど、リアルで凍死しても知らないよ?」
場所が場所だけにリアルすぎて怖い。もう、学習しない僕が悪いって事にするしかないんだろうなぁ。
「はぁ……分かりましたよ。」
「あははっ、観念したね。でも、大丈夫だって〜。私JUM君の事信じてるから同じ部屋で寝れるんだし。」
めぐ先輩が言う。信頼……かぁ。それなら、悪くはないかな。
「だってさ、JUM君未だにチェリーでしょ?あんな可愛い姉妹が8人もいながら。私や巴ちゃん襲う甲斐性
ないの分かってるって〜!!」
うわぁ……嫌な信じられ方だなぁ……僕、人間不信になっちゃいそう……
113 :
VIP女神:2006/12/02(土) 23:54:17.89 ID:xvAlroiQ0
>>112 「さぁて、荷物も置いたし早速滑りに行くですよぉ〜!!」
さて、この部屋は最上階を丸々一部屋にしただけあって、部屋の中でも扉である程度仕切られてる。
ベッド用の部屋があったり、みんなが集まれる大部屋があったり。ベッドの部屋でウェアに着替えた翠姉ちゃん
は、すでに滑る気満々で出てきた。緑のカラーを基調として、頭にはニットを。すでにゴーグルも頭にセット済み。
「待ってよ、翠星石。ほら、めぐちゃんがくれたフリーパス。」
続けて蒼姉ちゃんも出てくる。翠姉ちゃんと同じようにブルーを基調のウェアだ。ニットの色は二人とも
同じ色だ。この二人は、毎年何回かスキー行ってるみたいだし、ガンガンすべりまくるんだろうなぁ。
「雪……綺麗ですわね……私、同じ字が名前に入ってて、何だか嬉しいですわ。」
「きらきー……苺シロップ持ってスキー場の雪食べたらダメだよ?」
キラ姉ちゃんと薔薇姉ちゃんが出てくる。そういえば、キラ姉ちゃんの名前『雪華綺晶』ってさ、全部綺麗な
モノを連想させる字で出来てるような。まぁ、ご本人様も綺麗だしね。名前負けはしてないな。
「トモエ〜!かなりあ〜!早く行って遊ぼうなの〜!!」
「ふふっ、はいはい。沢山遊ぼうね、雛苺。」
「全く、ヒナはお子様ね〜。カナは淑女らしくシットリ行くかしら。」
続けてきたのは、ヒナ姉ちゃん。カナ姉ちゃん。そして柏葉だった。
ピンクのウェアで可愛らしさ前回のヒナ姉ちゃん。そんなヒナ姉ちゃんに付き添うような柏葉。
海の時の使いまわしだろうか、相変わらず全く似合ってないサングラスをしてるカナ姉ちゃん。
なんとも愉快な面々だ。この三人は、ホテル近くで雪合戦とか、雪だるまとか平気で作りそうだ。
でも、そんな光景を想像すると何だか随分微笑ましい。
114 :
VIP女神:2006/12/02(土) 23:54:38.64 ID:xvAlroiQ0
>>113 「あら、JUM。貴方は行かないの?」
赤のウェアに身を纏った真紅姉ちゃんが出てくる。
「ん、行くよ。銀姉ちゃんとめぐ先輩は?」
「まだ部屋よ。何だか知らないけど、水銀燈がヤケに行くのを渋っているの。まぁ、めぐ先輩に色々脅迫されて
渋々ウェアに着替えているようだけれど……」
銀姉ちゃんが行くのを渋ってる?随分旅行楽しみにしてた気がするけど……なんかあるんだろうか。
「おっまたせ〜!ほらほら、水銀燈〜?」
「引っ張らないでよぉ〜、ちゃぁんと行くからぁ〜……はぁ……」
と、そんな事思ってるとお揃いの黒のウェアを着ためぐ先輩と銀姉ちゃんがやってきた。確かに銀姉ちゃんの顔は
何故だか浮かない感じだ。
「銀姉ちゃん?調子悪いの?」
「そぉいうわけじゃないけどぉ……他の姉妹はもう行った?」
「ん?ああ、姉ちゃん達ならもうスキー場じゃないかな。特に翠姉ちゃんと蒼姉ちゃんはすでに滑ってそう。」
それはもう、リフトとかで山頂まで行ってそうだ。ちなみに、あの二人はボード派らしい。
「そぉ……まぁ、少しはマシねぇ。それじゃあ、行きましょうかぁ〜。」
そう言ってイマイチ元気なさげに銀姉ちゃんはエレベーターに乗る。僕らも、鍵を確認してからエレベーターに
乗った。グイーンと音を立てながらエレベーターは1階へ降りていく。硝子張りの外を見ると、下でヒナ姉ちゃん
達が雪合戦をして遊んでるのが見えた。
「私も雪合戦でも混ぜてもらおうかしらぁ……」
「?何か言った?水銀燈。」
「な、何でもないわぁ。ほ、ほらもう着くわよぉ?」
さっきから妙に挙動不審な銀姉ちゃん。エレベータが開き、フロントを経由してスキー場出る。
白銀の雪が、太陽に照らされて眩い輝きを放っていた。さて、久々に滑ろうかな。
END
115 :
VIP足軽y:2006/12/03(日) 00:05:38.53 ID:MyTkTI7M0
>>114 JUMに軽く殺意…てのはいつものこと。
雪にシロップ…きらきーならマジでやりそうだwww
それに、なんで銀様が行くのを渋ってるのか…その辺が楽しみですw
116 :
悲しい一人暮らし:2006/12/03(日) 00:19:02.82 ID:T1OTl4HYO
>>114屋根来ないかな〜と思ってたらキターーー!
相変わらずジュンは美味しいなwwww
氏の書く元気なめぐは結構はっちゃけキャラで好き。鶴屋さんみたいなイメージかな。
銀ちゃん雪似合いそうなのに、嫌いなんかなあ?続き何時までも待ってます。
117 :
VIP村人m:2006/12/03(日) 00:46:27.49 ID:ZCF8XVxfO
>>114 屋根GJ!
俺も雪合戦参加したいwwwww
118 :
VIP魔王:2006/12/03(日) 00:48:30.51 ID:Iu2bGQZy0
むしろ全力で雪ぶつけられたいよ俺は
119 :
VIP村人h:2006/12/03(日) 00:52:57.81 ID:9Xoj748n0
むしろ踏まれる雪で良いよ俺は
120 :
VIP村人d:2006/12/03(日) 01:02:13.92 ID:MKfucAho0
ほ
121 :
VIP足軽t:2006/12/03(日) 01:15:43.25 ID:spVhXFw30
122 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 01:23:17.13 ID:+2c1wnrh0
保守
また銀はめぐに弄られるのかw
123 :
武器屋のじじぃ:2006/12/03(日) 01:27:30.44 ID:bWVzDmFR0
パートスレ(笑)
124 :
荒巻スカルチノフ:2006/12/03(日) 01:54:49.23 ID:BrvAt5TB0
保守
125 :
一生足軽:2006/12/03(日) 03:05:11.10 ID:+VbaqQJ00
h
126 :
VIP神父:2006/12/03(日) 03:30:09.36 ID:4UM2mCLM0
保守
127 :
VIP村人z:2006/12/03(日) 04:05:50.28 ID:5H+0DR7cO
保守
128 :
VIP村人x:2006/12/03(日) 06:36:16.23 ID:YjblJ5ypO
保守
129 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 07:30:59.62 ID:ZCF8XVxfO
ほ
130 :
VIP遊び人:2006/12/03(日) 08:27:54.24 ID:E7wyxc8NO
ほ
131 :
VIP侍:2006/12/03(日) 08:58:27.60 ID:/SNFYI1g0
ほ
132 :
VIP村人z:2006/12/03(日) 09:12:38.29 ID:hsX5h+xMO
『焼きたてじ○パン』
「…っち!!くだらねぇ…」
「どうした?闇パンマン…」
「邪夢おぢさん…いえ、この本…あまりにもパンを馬鹿にしやがって…面白くねぇ…」
『ポイッ』
「くっくっく…闇パンマンよ、実は儂もそのじ○パンとやらを試作してみたのだよ…ほれ。」
「…ッ!?こ…このパン全体から立ち上る邪悪なオーラは何だ!?」
「くっくっく…これぞ邪夢特製…『邪パン1号』よ!!裏のルートから仕入れた数種の薬品を配合…強い依存性と中毒性を持っておる…これを世の中に広めるとどうなると思う?」
「…そうか…流石は俺の生みの親だ、あんた最高にイカレてるぜ!!」
「くっくっく…イカレてるとイカしてるはいつもきわどいもの…だがこの世界で唯一絶対なものがある…それは…」
「金…だろ?」
「そうだ…くっくっく…ふははははははははははっ!!」
「ひゃはははははははははははははっ!!」
薔「…やっぱ闇パンマンは面白いなあ♪」
ジ「…もう何も言うまい…」
133 :
VIP足軽c:2006/12/03(日) 09:22:40.31 ID:BLcJM1jp0
134 :
VIP村人z:2006/12/03(日) 09:28:57.02 ID:YwJx7hYa0
邪夢といえば、甘くないのを思い出す俺ナッシュ。
135 :
VIP神父:2006/12/03(日) 09:29:08.51 ID:nXglm+NkO
>>132 子供には……てか放送出来んwwwwwww
136 :
VIP無職:2006/12/03(日) 09:54:24.36 ID:E2mfpXCeO
保守
137 :
宿屋の女中:2006/12/03(日) 10:07:29.36 ID:/SNFYI1g0
138 :
宿屋の女中:2006/12/03(日) 10:49:19.36 ID:/SNFYI1g0
ほ
139 :
VIP商人:2006/12/03(日) 10:50:04.56 ID:xJmKfOskO
保守
140 :
VIP奴隷:2006/12/03(日) 11:05:32.45 ID:ptJifrtKO
>>132 製作を京アニにして月曜〜金曜の昼の一時から二時を放送時間に
141 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 11:41:17.39 ID:xJmKfOskO
保守
142 :
VIP皇帝:2006/12/03(日) 11:54:01.76 ID:BrvAt5TB0
レースのカーテンを擦り抜けてきた朝日に頬を撫でられ、彼は目を覚ます。
スプリングの効いたベッドの中で、可能な限り、小さく身を捩る。
あまりゴソゴソと動いては、いけない。
なぜならば、それが毎朝の約束事なのだから。
そぉ……っと、ベッドランプの下に腕を伸ばす。
手探りで求めるのは、この間、新調したばかりのメガネ。
程なく、冷たい金属のフレームに指が触れた。
再び、静かに手繰り寄せたソレを耳に掛けて、首を僅かに傾けると――
そこには、いつもどおり、愛しい人の寝顔があった。
彼は、三度、吐息する。
ひとつは、起き抜けの小さな欠伸。
ふたつめは、今朝も隣に彼女が居てくれたことへの安堵。
そして、みっつめは――
「おはよう……今日も素敵だよ」
彼女の寝顔の美しさに魅せられた、感嘆の溜息だった。
『褪めた恋より 熱い恋』
143 :
VIP足軽i:2006/12/03(日) 11:54:41.11 ID:BrvAt5TB0
>>142 柔らかな朝日の中で、彼女は幸せそうに微睡んでいる。
メガネを外した素顔は、いつもながら息を呑む可愛らしさだ。
昔のアニメソングではないが、彼女の目元を飾るそばかすだって、彼のお気に入り。
普段は結い上げているストレートの黒髪も、今は解かれ、彼女の背中へと流れていた。
まだ充分に瑞々しい肌の一点……
胸元には、昨夜、彼が付けた愛のあかしが、幾つもアザとなって残っている。
彼は時計を一瞥して、彼女の肩に触れて、そっ……と揺り起こした。
「んっ…………あ、ジュンジュン……おはよ〜」
「おはよう」
ねぼけ眼を、こすりこすり。
欠伸を堪えながら、草笛みつはムニャムニャと挨拶して、また眠ろうとする。
彼――桜田ジュンは、そんな彼女に優しい眼差しと苦笑を向けて、肩を竦めた。
毎朝の事ながら、彼女は寝起きが悪い。
週末ならば、そのまま眠らせてあげるのだが、今日は平日。
だから、ジュンはいつもどおりに、彼女を叩き起こす。
滑らかな頬を両手で包み込んでの、フレンチキス。
これで彼女が起きなかったことは、一度としてない。
今朝も例外なく、みつはパッチリと目を覚ましてくれた。
144 :
VIP足軽i:2006/12/03(日) 11:55:05.39 ID:BrvAt5TB0
>>143 二人が同棲を始めてから、早くも半年が過ぎていた。
高校を卒業した彼と、念願かなって自分の店を開いた彼女。
丁度いい契機とばかりに、よく考え、話し合って決めたことだった。
以来、ジュンは彼女のマンションで家政夫のような生活を送る傍ら、
服飾のデザインを独自に研究して、愛する彼女をバックアップしている。
みつが店に行っている日中は独りきりだが、その程度の孤独は、
引きこもり時代で慣れている。
実際、ジュンは寂しさよりも、みつの為に尽くせる喜びを強く感じていた。
朝食は、簡単なシリアル。
向かい合って、雑談を交わしながら食事するのが、いつものスタイルだ。
ジュンは、彼女の服装に目を留めて、わざとらしく首を傾げた。
「今日は、10月にしてはあったかいのに、タートルネックのセーターなんだな」
「…………バカ」
みつは耳たぶまで真っ赤に染めて、もじもじと肩を竦めた。
メガネの奥のつぶらな瞳には、咎めるような色が、ありありと浮かんでいる。
「普通の服じゃあ、首筋の……が見えちゃうんだってば」
145 :
VIP足軽i:2006/12/03(日) 11:55:28.42 ID:BrvAt5TB0
>>144 玄関で出勤する彼女を見送った後、ジュンは家事を始める。
変遷の中の不変……全ては、いつもどおり。
何かもが巧くいっていた。まさしく順風満帆。
『人間万事、塞翁が馬』というけれど、今の彼らにとっては、
遠い外国の他人事みたいに思えていた。不幸など無関係だ、と。
仮に、ちょっとの不幸に見舞われたところで、二人なら乗り越えられる。
そして、ずっと、このまま満ち足りた生活が続いていくのだと信じていた。
――年が明けて、いろいろ落ち着いたらさ……籍、入れないか?
昨夜、夕食を終えて、くつろいでいる時、ジュンは切り出した。
今までだって新婚生活みたいなものだったし、あまり気にはしていなかったのだが、
姉、桜田のりに「ちゃんとしなきゃダメよぅ!」と叱られたのだ。
便宜上。ジュンにしてみれば、その程度だった。
籍を入れようが入れまいが、みつと一緒に居られれば幸せだったのだから。
けれど、それが男女の考え方の相違というものらしい。
ジュンの言葉を聞いた彼女は、優に五分は呆然としていた。
そして、いきなり泣き出してしまった。
みつの嗚咽を聞いていたら、何故かジュンの胸も熱くなって……
気付けば、彼女の肩を抱き寄せて、彼も涙していた。
146 :
VIP足軽i:2006/12/03(日) 11:55:53.17 ID:BrvAt5TB0
>>145 (幸せすぎて泣けるってこと、あるんだなぁ)
カーペットに掃除機をかけつつ、昨夜のことを思い返す。
嬉しくて、幸せすぎて、床に就いても眠れなかった。
愛し合い、疲れ切って眠ったのは、午前五時くらいではなかったか。
思い出すと、つい頬が緩む。しかし、それはすぐに引き締められた。
こんなに全てが順調で、いいんだろうか?
その内に、幸福の代償を請求されはしないか?
今まで、こんなにも幸せを感じた試しがなかったジュンは、
巧くいきすぎることが却って不安だった。
ある日、突然に、この生活が破綻してしまうことを、何より恐れていた。
「……バカだな、僕は。そんな映画みたいなコト、滅多に起きるわけないだろ」
独りごちて、掃除機のスイッチを切った。
これで、家事はあらかた終わり。洗濯は少ないから、明日にでも纏めてやればいい。
ジュンは自室兼作業場に入って、スケッチブックを手に取った。
閃くままに走り書きした数々のアイディアは、その殆どが具現されている。
さながら、予言書といったところか。
ページを捲る指が、真っ白な紙面を引き当てて、止まる。奇しくも最終ページだった。
(今は、彼女のためにドレスを創ろう。この不安を焼き尽くすほどの、熱い想いを込めて)
ジュンは一心不乱に、スケッチブックにペンを走らせ始めた。
147 :
VIP足軽i:2006/12/03(日) 11:56:14.22 ID:BrvAt5TB0
>>146 一時間ほどデザインを考えていたが、どれもイマイチで、しっくりこない。
描けば描くほど、マンネリに見えて苛立ちが募った。
どれもこれも、既視感ばかりが目立ってしまう。
「あー……ダメだ。ちょっと休憩するか」
睡眠不足による為か、それとも気負い過ぎなのか。
とんと素晴らしいアイディアが湧いてこない。
こう言うときは、気分転換が1番の妙薬だ。
「ひと眠りしてもいいけど……シリアルとか、いろいろ切らしてたよな。
散歩がてら、近くのコンビニでも行ってくるか」
小腹も空いたし、ついでに菓子パンと、栄養ドリンクでも買ってこよう。
ジュンは外出着に着替えて、玄関に向かった。
ドアノブを回して、きちんと施錠されているのを確かめ、エレベータまで歩を進める。
午前10時過ぎ。
この時間、大概の家庭では夫や子供を送り出して、主婦が家事に勤しんでいる頃だ。
ドアが並ぶ通路に、擦れ違う者は居ない。
秋の陽気の下、遠くからゴミ収集車の暢気なメロディが聞こえてくる。
148 :
VIP足軽i:2006/12/03(日) 11:56:37.86 ID:BrvAt5TB0
>>147 体育祭シーズンも過ぎたし、この分だと年末なんて、あっと言う間だろう。
そんな取り留めないことを考えている内に、エレベータに辿り着いた。
しかし、その扉はピッタリと閉ざされ、貼り紙がしてある。
「定期点検中? しまった、今日だったか」
みつの部屋にも、エレベータの点検作業を報せる紙片が投函されていた。
それは、ジュンも目にしていたし、承知しているつもりだった。
けれども、あくせくと時間に追われない生活を送っている彼は、
規則正しく暮らしている人たちに比べて、曜日や日付の感覚がルーズになっている。
ゴミ出しの曜日を間違えることも、しばしばだった。
とにかく、ここで文句を呟いていたところで、定期点検が早く終わるワケでもない。
ジュンは動かないエレベータの前を離れ、階段まで歩くことにした。
前方から歩いてくる人影が目に映ったのは、その時だった。
向こうも彼に気付いたらしく、あ……と微かな声をあげて、口元に手を翳した。
「……よ……よお」
「あ……えと…………おはよう、かしら」
ジュンのぎこちない挨拶に答えるのは、同じ階の住人にして、高校時代の級友。
彼の下駄箱に、ラブレターを投函したこともある娘だった。
149 :
VIP足軽i:2006/12/03(日) 11:57:01.45 ID:BrvAt5TB0
>>148 あの頃の自分は、精神的に幼かったと、ジュンは思う。
疎ましく思うあまり、彼女の想いを拒絶することに、罪悪感など抱かなかった。
みつと過ごしてきた時間が、ジュンを良い方に変えてくれたのだろう。
恋愛の対象とは見なしていないのは、今も変わらないけれど、
以前のように、目の前に佇んでいる娘を否定するつもりは無かった。
「こんな時間に逢うなんて、珍しいな。寝坊したのか、金糸雀」
「なっ! 違うかしら。今日は講義が無いから、二度寝してただけかしら」
「二度寝と寝坊って、違うものなのか?」
「似て非なるものかしら。トカゲとイモリみたいなものかしら」
「例えがミョーだけど……ま、いいや。僕はコンビニ行くから……じゃ、またな」
「ええ、また――」と、いかにも名残惜しそうに、金糸雀は寂しげに目を伏せる。
そんな彼女の脇を、ジュンは大きな欠伸をしながら擦り抜けて、階段を目指した。
今日は、いつになく眠気が強い。やはり、早めに買い物を済ませ、仮眠しよう。
ドレスのデザインは、納得がいくまで、じっくり仕上げればいいのだ。
そう思った直後、ジュンは突如、急激な墜落感に襲われて、思案を中断した。
世界が目まぐるしく回り、腕と言わず足と言わず、身体中に激痛が走る。
そして、トドメと言わんばかりに、ジュンの後頭部が強打された。
自分の身に何が起きたのか理解しようと目を見開くが、視界が霞んで何も判らない。
徐々に暗転してゆく視界に、黒い人影が駆け込んできた。
「ジュンっ! しっかりするかしら、ジュンっ! いま救急車を――」
懸命に呼びかける金糸雀の声も、ジュンの遠退く意識を引き戻すことは出来なかった。
150 :
VIP足軽i:2006/12/03(日) 11:58:35.00 ID:BrvAt5TB0
とりあえず、ここまで
続きは書き上がり次第ってコトで。
151 :
VIP村人f:2006/12/03(日) 12:05:34.23 ID:MyTkTI7M0
>>150 幸せいっぱい順風満帆だったんじゃないのかよ…
JUMに何が…続きが気になる…
152 :
門番の娘:2006/12/03(日) 12:30:08.91 ID:/SNFYI1g0
>>150 甘いなぁ
と思ってたら・・・・・・
どうしたジュン!!
153 :
VIP足軽t:2006/12/03(日) 13:08:02.46 ID:JVpWqhTv0
保守
154 :
VIP村人xxx:2006/12/03(日) 13:18:48.65 ID:c8YKPPmG0
J「う〜ん…休日は家でごろ寝するに限るね〜……はぁ……」
翠「JUM〜、ちょっと邪魔するですよ〜」
J「いきなり不法侵入ですか。とりあえず邪魔なんで帰ってくださーい^^」
紅「こんな気持ちのいい休日に寝てるなんて…駄目な下僕ね。ちなみにのりが通してくれたわ、
だから不法侵入じゃないわ。失礼ね。」
J「僕の休日の過ごし方にケチつけないでください。それに、今、のりは出かけてて家にいませーん。
家に通す許可が出るわけないよね〜?速やかに帰ってくださーい^^あ、それとも黄色い救急車呼びます?」
雛「JUM登りなの〜。」
J「帰れ。」
翠「まあまあ、落ち着けですぅ。実はJUMにお願いがあって来た訳で…いいですか?」
J「帰れよ……まあ、いいや。で、何だよ?」
翠「お願いを聞いてくれるんですか!?何か寝てるとこ悪いですね〜wでは早速……。」
J「いや、聞くとは誰も……って、3人とも何で服を脱ぎ始めてるんですか?
いきなり4Pですか?まあ、僕はそれでもかまわないけど…。」
155 :
VIP村人xxx:2006/12/03(日) 13:19:47.02 ID:c8YKPPmG0
>>154 紅「なっ!?何言ってるの!!///…着替えないと見せられないじゃない。そんな事もわからないの?本当に駄目な(ry」
J「…まず一つ質問。用件って何?」
翠「実はですね〜翠星石たちの家の奥に祖母が着ていたドレスがホコリを被って眠ってたわけですよ。
それを翠星石たちはえらく気に入ってしまったんですよ〜。」
J「…で?」
翠「翠星石たちは何を着ても似合うとは思うんですけど〜流石に昔の古いドレスとなるとねー、
だから異性の目から見て素直な感想が聞きたくなった訳ですよ。」
J「つまり、着替えた格好を評価すればいいんだな?」
翠「そういう事ですぅ。」
J「…じゃあ、もう一つ質問。何で僕の前で着替えてるんですか?」
翠「?何を言ってるですか?今更見られて恥ずかしいって関係でもないですよ?」
J「うん、爆弾発言だね。そこらへんはうやむやにしとこうか。
とりあえず、後ろ向いとくから着替えが終わったら呼んでくれ。」
翠「は〜いですぅ。」
156 :
VIP村人xxx:2006/12/03(日) 13:20:50.90 ID:c8YKPPmG0
>>155 ─10分後─
翠「おいJUM〜、着替えが済んだからこっちを振り向いていいですよ〜。」
J「はいよ〜……へぇ〜、緑のドレスか…これは中々…。」
翠「……どうですか?変じゃないですか?」
J「うん、お世辞抜きにすごく似合ってるよ。可愛いね、マジで。///」
翠「そう言われると何か照れくさいですね〜…///」
J(あ〜やべっ…み な ぎ っ て く る)
雛「JUMデレデレしすぎなのー!次は雛の番なのよー。」
J「どれどれ…うん、可愛いリボンだね。」
雛(おい、リボンなんていつもしてるだろーが!!それになんだ!?ドレスについて一言もなしかよ!!
それはあんまりじゃないか!?おい!!…だが、ここでキレたら私のイメージが変わっちゃうし…
ここはグッと堪えて…)
雛「ワーイ♪JUMに可愛いって褒められたー♪」
翠(雛苺にしてはよく我慢できたですね〜…エライですよ…)
157 :
VIP村人xxx:2006/12/03(日) 13:21:59.73 ID:c8YKPPmG0
>>156 紅「最後は私ね。」
J「どれどれ……ふーん赤いドレスか、真紅にピッタリだね。似合ってるよ。」
紅「……それだけ?」
J「え?今のじゃ不満か?…う〜ん、そうだな〜…真紅のドレスは赤いな〜、それじゃあまるで…」
紅「まるで?」
J「まるで…血の赤だ……。」
紅「……ふふふふふははは!!そう!そうよね!私もそう思ってたのよ!!これなら返り血浴びても
目立たないしねええぇ!!!流石JUMねっ!!血液が沸騰しそうだわ!!本当に!!!」
翠「真紅っ!!おっ落ち着くですっ!!髪!髪が逆立ってるですっ!!」
翠(このバカJUMっ!!そのセリフは死亡フラグが立つセリフで有名ですぅ〜!!)
J「用件は済んだな?じゃあ、僕はもう一眠りするんで帰ってくれ。」
紅「〜〜〜!!?…もうあったまきた!!JUM、今からゲーセンに行くわよ!!ついて来なさい!!」
J「はあ〜!?いきなりだな。イヤだよ。」
158 :
VIP村人xxx:2006/12/03(日) 13:23:03.54 ID:c8YKPPmG0
>>157 紅「お黙り!!いいからついて来なさい!!私は今、むしょうにパンチングマシーンがしたいのよ!!
それともJUMを殴れば点数がでるかしら!?でるならJUMが代用でも私は構わない!!
今なら新記録がでそうだしねええぇぇ!!!」
J「お供いたします。お嬢さま。」
紅「さっさと行くわよ!!ほら、早く!!」
J「てか、着替えてから……アッー!!」
翠「……行っちゃったですね〜」
雛「……行っちゃったの〜」
翠「……翠星石たちもついてきますか〜?」
雛「真紅があのドレスのままだし〜、一緒にいたら仲間だと思われちゃうからやなのー」
翠「…そうですね、家でおとなしくして待っときますか。」
雛「うい〜。」
おわり
159 :
VIP足軽gif:2006/12/03(日) 13:53:53.55 ID:BLcJM1jp0
雛が黒いwww
160 :
VIP毒蛇:2006/12/03(日) 14:54:12.62 ID:ptJifrtKO
161 :
XVI :2006/12/03(日) 15:36:23.93 ID:Q7lblD3L0
間隔が空き過ぎです本当にありがとうございました、と生存表明。
【call down it,】
波の立たない海が広がっている。
いつの日からか淀み始めて、今はもう、湖のように平たい。
明るい健康的な空がかえって違和感を湧かせていた。
風に揺らされる葉も無く、舞う砂塵も無く、切り取られたように景色はそのままだった。
一人の少女が一つ区切りを迎える前からずっと。彼が訪れてからも、ずっと。
その青は浜の白に突き上げられる。
その白は空の青に押し潰される。
美しいのか、おかしいのか。自然なのか、不自然なのか。爽快なのか、苦悶なのか。
どちらが正しいのだろう。きっと、どちらも――
浜辺から海岸線に沿って進んだ先に、その町はあった。
防波堤をしっかりと組んで波止場を作り漁業で成り立っている小さな港町。
見渡せど見渡せど水平線の彼方には何も見えない。ただ青い海が広がっている。
立つことのできる全ての海岸から目を凝らしても何も変わった物は見えない。ただ青い海が広がっている。
その町は一つの島だった。
大陸というにはあまりにも規模の小さい、土の塊。
多くの生物を養う偉大な資本。
ゆっくりと、それは死につつある。
人らはそれが何故かが分からない――理由は確かに存在するのに。
彼がその町に辿り着いたのは夕暮れの終わる頃だった。
磯の生温い風が鼻腔を衝いている。
あの岩と岩の隙間には二枚貝が眠っているのだろうか。
珊瑚の森が広がっているのかもしれない。
162 :
VIP村人p:2006/12/03(日) 15:37:01.34 ID:Q7lblD3L0
>>161 そして、残念な事にこの香りはまるで腐り水のようだ、と彼は心の中でまとめた。
かつて、二人の少女がその町の中に住んでいた。
一人は髪の短い、しっかりとした少女。
一人は髪の長い、活気にあふれた少女。
二人は双子だった。
必然的に互いを照らし合わされる二人。
とても似ている二人。
根本的に違っている二人。
それでも、彼女らは同じであろうと願い、異なるものであろうと望んだ。
全ては、戯言。
一人はいなくなってしまったのだから。
ちょっとした言い伝え。
海を穢す者に罰を与える海の使いのお話。
その爪で肉を貫き、その顎で骨を噛み砕き、その死骸でもって海を肥やす。
誰が恐れ始めたのだろう。
誰が恐れるのだろう。
誰が恐れることを止めたのだろう。
恐れなくてはいけない。
何のために?
それの存在のために。それの存在を確かにするために。
たとえ、あなたが餌になっても。
それを恐れなさい。
163 :
VIP村人p:2006/12/03(日) 15:37:45.93 ID:Q7lblD3L0
>>162 彼は日が落ちてしまう前になんとか宿を見つけて、ベッドの上に腰を下ろす。
宿の主は主人というよりは女将に近く、女将というよりも娘さんという呼称が相応しい、そんな、長髪の少女だった。
若いのに大変だな、と思いつつも、三十秒でその思考を停止した。
夕食はパンを食べて水を飲むだけで手早く済ませてしまう。
腹はあまり膨らまない。しかし食欲よりも睡魔が勝ったのか、気が付けば彼はうとうとと目を細めていた。
視界がぼやけていく。
彼は耐えかねて、肩を毛布に落とした。
瞳を閉じ、次に起きたときの予定を考える。
……ふと、気が緩んだ隙に彼はあっけらかんと眠りに落ちた。
心地よい眠りだった。
貯蔵された全ての思考を沈めていくような――
深い深い、眠りだった。
ざわわ、ざわわ、ざわわ。
生暖かい潮風が絶え間なく防砂林に流れ込む。
それに伴って、木の葉が互いにぶつかり合い叫んでいる。
丸い月が雲に隠れた夜。
海の表層のみが波立ち、微かに海岸線を狭めていく。
じわり、じわりと、侵食するように。
その場所に、それは立っていた。
雲の隙間から僅かに漏れる月光に照らされている。
荒れ狂う風のうねりを物ともせず道を歩き、進む。
――それは、幻想のようであり、空想の産物のようであり、しかし確かにそこに存在していた。
164 :
VIP村人p:2006/12/03(日) 15:38:11.79 ID:Q7lblD3L0
>>163 こん、こん、と木製のドアが手の甲で叩かれる。
夜は少しずつ更けつつあった。
人が食後の談話を終え、就寝に向けて身体の調子を切り替える時間帯。
こん、こん。再度、ノックの音。
催促ではなく、あくまでも家人の反応を伺うような弱いノック。
家の内に音が響く。
その音は家主に伝わり、睡魔から彼女を呼び覚ました。
眼を擦り、軽く衣服を整える。
彼女はちょっとした焦燥感に駆られて脚を急がせた。
同じように、彼もベッドの上で目を覚ます。
身に着けたままだった眼鏡の位置を整え、外を眺めた。
上に目を向けると、所々に散らばっている雲の塊。
僅かに覗く黄色い月。
下に目を向けると、一人の客人。
誰だろう、と彼は思った。
しばらくして、玄関の扉を開けた。
そして、彼女が呟く。
ぽっかりと口を開けて。信じられないとでも言いたげな目つきで。
「蒼星石っ……」
目の前の少女の名を、呼んだ。
帰ることの出来ない場所に、あなたはいる。
165 :
VIP皇帝:2006/12/03(日) 15:40:32.60 ID:Q7lblD3L0
>>164 今回はここまで。
年内までに続きを書きたい。でもWiiでゼルダやりたい。
166 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 16:15:29.55 ID:uVhRwp1AO
ほ
167 :
VIP奴隷:2006/12/03(日) 16:38:13.69 ID:m+NdiZUNO
>>165文章が幻想的ですごいな……
憧れてしまう
(´・ω・`)ゼルダウラヤマシス
168 :
はぐれVIPPER:2006/12/03(日) 16:39:55.68 ID:/SNFYI1g0
>>165 GJ!
うめぇwwww
文章が綺麗だと情景とか色んな物が綺麗に想像できる。
169 :
VIP番長:2006/12/03(日) 17:06:43.53 ID:lxHh9ARXO
保守
170 :
姫:2006/12/03(日) 17:32:45.88 ID:xJmKfOskO
保守
171 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 17:56:55.51 ID:uVhRwp1AO
172 :
悲しい一人暮らし:2006/12/03(日) 18:16:16.98 ID:/SNFYI1g0
173 :
VIP村人xxx:2006/12/03(日) 18:27:11.15 ID:iWeSoOdz0
>>171 すげぇ
その微妙な内股がどうしようもなく素敵だw
いい仕事してますね!
174 :
荒巻スカルチノフ:2006/12/03(日) 18:36:11.17 ID:ASAw9k1e0
175 :
籠屋の銀二:2006/12/03(日) 18:43:08.44 ID:T1OTl4HYO
うほっ、いい絶対領域!
176 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 19:03:27.83 ID:Q7lblD3L0
ほ
177 :
VIP村人y:2006/12/03(日) 19:27:24.51 ID:T+gwxpNp0
178 :
VIP神:2006/12/03(日) 19:45:55.81 ID:YwJx7hYa0
179 :
暴れん坊VIPPER:2006/12/03(日) 20:14:04.38 ID:qFr+YyFAO
J「なぁ薔薇水晶」
薔「…なに?」
J「最近お前のアッガイ、シウマイ好きなのが忘れられてないか?」
薔「…周りが忘れただけ」
J「と、いうと?」
薔「…JUM、私のこと見てない。」
J「はい?」
薔「……私、学校のお昼のお弁当、シウマイ弁当だよ?」
J「( ゚д゚ )」
薔「…こっち見ないで。
ね、JUMが見てないだけ。それに毎日シウマイだよ?」
180 :
VIP村人i:2006/12/03(日) 20:14:54.84 ID:qFr+YyFAO
J「じゃ、じゃあアッガイは?」
薔「……私、家に帰ったらアッガイのプラモ作ってるよ?それに、時々一人で帰るのはアッガイのプラモの為。……今も鞄の中にプラモあるし、鞄とか携帯にアッガイストラップついてるし……」
J「( ゚д゜)」
薔「…こっち見ないで。
ね?みんなが見てないだけ。けどJUMが見てくれてなかったのは悲しい。」
J「…薔薇水晶」
薔「じゃあ、罰として買い物についてきて。」
J「わかった。」
薔「……みんなも忘れちゃやだよ?」
181 :
悲しい一人暮らし:2006/12/03(日) 20:24:48.00 ID:AP7J+K1Y0
ほ
182 :
VIP神父:2006/12/03(日) 20:34:49.69 ID:ZCF8XVxfO
>>180 文章じゃ語られないところでしっかり機能してるんだよなwwww
183 :
VIP悪魔:2006/12/03(日) 20:53:24.66 ID:YwJx7hYa0
>>180 俺の脳内ではすでに薔薇しーの好物=アッガイ&シュウマイの図式が出来上がってるから
安心してくれ!
184 :
暴れん坊VIPPER:2006/12/03(日) 20:58:16.04 ID:qFr+YyFAO
185 :
VIP足軽の子:2006/12/03(日) 21:25:02.20 ID:JVpWqhTv0
保守
186 :
VIP盗賊:2006/12/03(日) 21:46:48.04 ID:ZCF8XVxfO
ほ
187 :
名無し:2006/12/03(日) 21:56:50.60 ID:n0+hS7jn0
一つ屋根の下はマジ最高だと思うぜぅ
188 :
油売りの左暮:2006/12/03(日) 21:58:06.84 ID:UMx+flTgO
「ねえジュン君僕思うんだ、たぶん僕に接近戦で勝てる者は居ないと」
そんな事を真剣な顔で言い出した蒼星石を見て、あー妄想癖も此処まで来ると天才だなと思った
「真紅の拳の威力には負けるんじゃないか?」
「それはあれさ………えーと……そうそう!彼女は例えるならソウルゲインなんだで僕はヴェイローズだよ」
何が“で”なのかさっぱりわからん
とりあえず明日のデートは目的地を映画館から病院へ変更しなくていけないようだ
「だから僕の鋏みの間合いに入れば薔薇水晶だって、水銀燈だって、雛苺でもあっと言う間に」
「言ったわね」
「柏葉」
「巴ちゃ」
「黙れ!そして聞け、我こそは柏葉巴。雛苺の剣なり!!」
おいおいおい何か怒りで我を見失っている御様子だぞ!?
「お、おい!助けろなんとかローズ!」
「む、む、無理!シールド事叩っ切られるよ!」
「わけわかんないし、使えないな!自称最強!」
柏葉の闘気のせいなのか
「竹刀がとてつもなくでかく見えるんですが!?」
「チェースト!!」
衝撃の中、薄れていく意識でああ、絶対に病院連れってやると決――
189 :
VIP足軽j:2006/12/03(日) 21:58:47.15 ID:lDwYXiHV0
190 :
VIP奴隷:2006/12/03(日) 22:02:44.48 ID:ZCF8XVxfO
GJ!
正直、巴のことは忘れてた俺がいる
191 :
姫:2006/12/03(日) 22:17:05.45 ID:uVhRwp1AO
ほ
192 :
VIP村人p:2006/12/03(日) 22:54:24.12 ID:MyTkTI7M0
し
193 :
VIP番長:2006/12/03(日) 23:05:32.26 ID:hsX5h+xMO
芋
194 :
姫:2006/12/03(日) 23:31:23.69 ID:wlReqPjkO
ほ
195 :
内藤ホライゾン:2006/12/03(日) 23:37:59.31 ID:T1OTl4HYO
保守
196 :
VIP足軽utu:2006/12/03(日) 23:42:17.25 ID:BrvAt5TB0
>>149 の続きを、書けた分だけ投下。
気付いたときは、病院のベッドの上だった。
目を覚ましたジュンの顔を、目を泣きはらした、みつの顔が覗き込む。
彼女の後ろには、心配そうな金糸雀や、姉のりの泣き顔もあった。
金糸雀から連絡を受けて、二人とも取るものも取り敢えず駆けつけたのだろう。
みつに対しては店の経営が軌道に乗り始めていただけに、申し訳ない気持ちで胸が痛んだ。
(ごめんな……心配かけちゃって)
謝らなければいけない。
そして、仕事の方を優先してくれと、頼まなければならない。
今が大事な時だというのに、見舞いや看護で、店をなおざりにしては駄目だ。
しかし、ジュンは返事を出来なくて、愕然とした。まったく声を出せない。
ばかりか、身体を……指の一本も動かせなかった。
一体、何がどうなったというのか。
焦って全身を動かそうとするも、できるのは、せいぜい瞬きすることくらいだった。
脊椎や頭部強打による、神経伝達系の損傷……医者は、そう言った。
運動神経になんらかの障害があって、横紋筋の随意性が著しく疎外されているらしい。
内臓器は不随意筋である平滑筋のため、影響が出ていないが、
随意筋の方は、瞼や心筋などが、辛うじて動かせる状況とのことだった。
197 :
VIP足軽utu:2006/12/03(日) 23:42:45.46 ID:BrvAt5TB0
>>196 みつはワナワナと震えながら医者に詰め寄り、治る見込みについて訊ねた。
だが、返答は鉄槌の如く、彼女の希望を砕く。
「あなた、医者でしょうっ?! なにか……なんとかしてよ!」
「みっちゃん、落ち着いて! お願いだから、冷静になるかしらっ!」
半狂乱になって喚く彼女の腕を、のりと金糸雀が両脇から抱え込んだ。
みつは、そんな二人を突き飛ばしかねない勢いで捲し立てる。
金糸雀は懸命にしがみつき、涙声を振り絞って、押し止めようとしていた。
その騒ぎを聞きつけ、病室の入り口に、看護士や入院患者たちが集まりだす。
(……止めてくれっ!)
心の中で、ジュンは叫ぶ。
苦痛に歪む、みつの顔を見るのが辛かった。
悲痛に打ち震える彼女の嗚咽を聞くのが、すごく苦しかった。
自分のせいで、親しい人たちの人生を狂わせてしまうことが、とても悲しかった。
(お願いだ! みんな…………もう止めてくれよっ!)
胸に渦巻く、やるせない想いを、声に出したい。
大声で叫んで、この喧噪を鎮めたい。
なのに、ジュンは唇を開くどころか、身体を起こす事すらできなかった。
涙さえ、溢れることはなかった。
198 :
VIP足軽utu:2006/12/03(日) 23:43:14.64 ID:BrvAt5TB0
>>197 それからの日々は――
ジュンにとって、絶望の連続だった。
――僕は、人形になってしまったんだ。
いや……人形ならば、まだマシだ。食事も、排泄の心配も、しないでいいのだから。
呼吸をする必要もなければ、眠らなくたっていい。
誰も居ない部屋で独り、日当たりの良い窓辺に座って過ごす日常。
移ろう季節を横目に、ぼんやりと主人の帰りを待っているだけが、生活の全て。
……ああ。
いっそ、そうなれたなら、どれ程か幸せだろう。
今の状態は、苦痛しか生み出さない。
生きる上で必要不可欠な食事ひとつとっても、そう。
内臓に問題が無いため、点滴だけに頼らず、流動食も摂らされるのだ。
自分の意志で顎を動かせないから、喉にチューブを押し込まれて、流し込まれる。
それは食事ではなく、餌付け。無理矢理に、エサを食べさせられているに等しい。
ジュンの心は屈辱にまみれ、自由にならない身体に憤った。
鬱積した黒くドロドロした感情は、彼の理性を、光の射さぬ深淵に引きずり込んでいく。
そして、彼の精神は闇の中で縮こまり、例えようのない深い哀しみに啜り泣くのだった。
199 :
VIP足軽utu:2006/12/03(日) 23:43:36.05 ID:BrvAt5TB0
>>198 そんな、ある日のこと。
茫乎とした眼差しを、秋晴れの空に彷徨わせていたジュンの耳に、
どこからか、女の人の澄んだ歌声が流れ込んできた。
筋肉は動かせずとも、鼓膜さえ震えれば音は聞こえる。
どうやら、開け放した窓の外から、届いてくるようだった。
(歌か……いいな。歌えるほど元気なら、もう退院が近いんだろう)
そう思った直後、不意に歌声は止み、程なく、言い争う声に変わった。
どうしたと言うのだろう?
気になって耳を澄ましたジュンは、なんとか、幾つかの単語を拾う事ができた。
(めぐ……って名前なのか? 治らないとか……死ぬとか言ってたな)
病院とは、なんとも厭な空間だ。死が日常的すぎて、現実よりも身近に感じられる。
ジュンもまた、めぐという女性の言葉に感化され始めていた。
(このまま治らないなら…………いっそ、死にたいな)
生きていながら、死んでいるに等しい今の状態は、自分のみならず、
周囲の人々も不幸に陥れている。
心から愛している彼女――草笛みつを苦しめている。
自分は、みつの幸せな未来を遮る壁になっているのだと思うと、死んで詫びたくなる。
けれども、今のジュンは、自分の舌を噛み切ることすら出来ない、無力な人形。
200 :
VIP足軽utu:2006/12/03(日) 23:44:02.06 ID:BrvAt5TB0
>>199 みつは毎日、欠かすことなく病院を訪れては、ジュンの世話をしていく。
時に、汚物の付着したおむつさえも、彼女は厭な顔ひとつせずに変えてくれる。
その度に、嬉しさと同時に、自分の存在が足枷でしかない事実を思い知らされ、
ジュンは気が狂いそうになった。
――悔しかった。ただただ、口惜しかった。
死にたいとすら思うのに、麻痺した身体では、自殺も叶わない。
自力で彼女の元から離れていけない自分がもどかしくて、呪わしくて――
それなのに、ジュンの双眸から感情が溢れることはない。
相も変わらず、電池じかけの人形みたいに、瞬きと呼吸を繰り返すだけ。
口内に溜まる唾液すら自力で飲み込めず、機械で吸い出していなければ窒息する。
人間としての尊厳もない、この状況は、はたして生きていると言えるのだろうか。
(僕は、いつになったら……死ねるんだ。早く死なせてくれよ)
生気のない目を外の景色に向けていたジュンの耳に、めぐの歌声が飛び込んできた。
いつもながら綺麗な声だ。最近では、この歌を聴くのが心の慰めになっている。
死にたがりの女性が、気紛れで奏でる歌。
そこに癒しを求めるのは、同病相憐れむ、というやつかも知れない。
ジュンが瞼を閉じて聞き入っていると、不意に、歌声が止んだ。
だが、いつものような苛立ちの声は聞こえない。
201 :
VIP足軽utu:2006/12/03(日) 23:44:33.89 ID:BrvAt5TB0
>>200 代わりに、驚くほど優しい声が、誰かに話しかけていた。
「いらっしゃい、水銀燈。
ねえ……知ってる? この病院の10階に、眠り姫が居るんだって。
死んだら鳥になりたいと思っていたけど……ずぅっと眠り続けるのも素敵よね」
聞いて、ジュンは『本当に、そうなのか?』と思った。
楽しい夢を、終わることなく見続けていられるのなら、そんなに幸せなことはない。
だが……その夢が、耐え難い悪夢だったとしたら?
丁度、彼が置かれているような、酷い状況だったなら、同じ事が言えるだろうか。
ジュンは心の中で、声しか知らない女性に、話しかけた。
(傲慢だな、君は――
綺麗な声で歌うことが出来る。自由に動き回ることが出来る。
今みたいに、親しい誰かと言葉を交わして、笑い合うことも出来る。
その気になりさえすれば、僕の首を絞めて、殺してくれることだって出来るのに。
なのに! 君は『死にたい』だなんて言う! 傲慢すぎるよ!)
めぐに向けた憤りは、深い哀しみとなって彼自身に跳ね返ってくる。
そして、ジュンは誰にともなく祈った。
(お願いだ――せめて、涙を流させてくれ。行き場のない感情を、吐き出させてくれ)
202 :
VIP足軽utu:2006/12/03(日) 23:46:00.08 ID:BrvAt5TB0
取り敢えず、ここまで。
風邪ひいたらしく、アタマ痛い・・・。
なので、続きは明日。
203 :
VIP足軽b:2006/12/03(日) 23:47:45.07 ID:M82BsTmV0
>>202 。・゚・(ノД`)・゚・。
明日と言わずしっかり治してから改めてがんがってくれ
つ【ビタミンC】
204 :
VIP村人q:2006/12/03(日) 23:59:37.14 ID:MyTkTI7M0
ちょーーっと待った!心筋は横紋筋の一種だが、不随意筋だ。
横紋筋≠随意筋なのに注意。
まあ、職業柄なつっこみはこの辺にしておいて…
意識があるのに体が動かないってどれだけ辛いのだろう。
さらに、それが愛する人の足枷となっているのであればなおさらですね…
続きが気になるところですが、今は何よりお体お気をつけください。悪い風邪が流行っているようですし。
205 :
VIP村人s:2006/12/04(月) 00:20:23.54 ID:cewij7HFO
>>202 体は大事にね
でも何とかハッピーエンドを頼みたい!
206 :
VIP皇帝:2006/12/04(月) 00:34:36.49 ID:q5+iTavc0
207 :
VIP悪魔:2006/12/04(月) 00:36:24.38 ID:3bnoPL0b0
なぁ、過去ログ見てたんだが一つ屋根の下の87話って投下されてるのか?
208 :
VIP足軽s:2006/12/04(月) 00:52:09.27 ID:q5+iTavc0
前スレになかったか?
209 :
VIP無職:2006/12/04(月) 01:10:10.40 ID:r9FRb1gZ0
>>208 wikiで見てみたら
この前の88話の直前の話が86話になってる
211 :
VIP足軽t:2006/12/04(月) 01:29:37.41 ID:q5+iTavc0
>>209 内容は繋がってるからたぶん作者が話数を間違えたんだろう。
212 :
暴れん坊VIPPER:2006/12/04(月) 02:09:57.98 ID:b4IF1PJZ0
保守
213 :
VIP村人y:2006/12/04(月) 02:48:12.04 ID:dmN5NNm9O
保守
214 :
VIP村人w:2006/12/04(月) 03:43:50.21 ID:YwkaXF+eO
(´・ω・`)
215 :
ただの戦士:2006/12/04(月) 03:49:31.56 ID:zGGpZpJpO
216 :
VIP村人y:2006/12/04(月) 05:22:47.71 ID:YwkaXF+eO
⊂ニニニ(´・ω・`)ニニ⊃
217 :
VIP村人y:2006/12/04(月) 06:03:21.15 ID:cewij7HFO
保守
218 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 06:31:19.51 ID:H0ny4SUaO
ほ
219 :
VIP魔法使い:2006/12/04(月) 07:42:17.43 ID:6myk1xvMO
保守
220 :
VIP神父:2006/12/04(月) 08:27:42.76 ID:coLmEEUpO
星湯
221 :
VIP商人:2006/12/04(月) 09:15:22.56 ID:6myk1xvMO
保守
222 :
散髪とめきち:2006/12/04(月) 10:48:23.63 ID:6myk1xvMO
保守
223 :
VIP村人y:2006/12/04(月) 11:05:51.87 ID:H0ny4SUaO
ほ
224 :
VIP村人Ecup:2006/12/04(月) 11:28:33.82 ID:wca1zn5W0
翠「うぅ〜…寒いですぅ〜…JUMの部屋、寒すぎですぅ〜…。」
J「…朝起きたらこれだもんな…これじゃ布団からでれないな…。」
翠「ヒイィィッ!いっ息まで白いですぅ〜!!このままじゃ凍え死んじゃうですぅ!」
J「それは大げさだろw確かに寒いけど。」
翠「JUMは翠星石が凍え死んでもいいと思ってるんですか!?この人でなし!!」
J「あーハイハイ。死ね、ギュッとしてあげるから僕の胸の中で死ね。」
翠「もうっ!!…しゃ〜ね〜からJUMの胸の中で死んでやるですぅ!!///」
J「ハイハイw可愛い奴めwwww」
翠「うっさいですっ!!///……はうぅ〜…あったかいですぅ…。」
J「そりゃ良かったな。……そろそろ暖房つけるか?」
翠「そうですね〜…もう少しこのままでいたいですぅ〜…///」
J「そっか……ま、翠星石が満足するまでこうしてるのもありかもな。」
結局、二人が布団からでたのは日が沈んでからだったとさ。
おわり
225 :
VIP村人g:2006/12/04(月) 12:26:40.37 ID:Zz1lQURh0
226 :
VIP村人a:2006/12/04(月) 12:40:39.70 ID:qCWkNVOXO
そして遅刻か
227 :
VIP村人XL:2006/12/04(月) 13:16:47.06 ID:H0ny4SUaO
>>224 一日のほとんどをそれに費やしたわけだ
うらやましいwwww
228 :
暴れん坊VIPPER:2006/12/04(月) 14:15:15.47 ID:6myk1xvMO
保守
229 :
VIP足軽neet:2006/12/04(月) 15:23:33.93 ID:z8bmPk9W0
保守
230 :
VIP侍:2006/12/04(月) 16:21:15.42 ID:coLmEEUpO
星湯
231 :
VIP番長:2006/12/04(月) 16:25:59.23 ID:rYMCkdoIO
保守
232 :
VIP村人l:2006/12/04(月) 17:05:03.42 ID:Zz1lQURh0
ほ
ん
234 :
VIP奴隷:2006/12/04(月) 17:41:49.84 ID:XdeLM6pGO
マグロ
235 :
花魁:2006/12/04(月) 17:50:42.22 ID:iq8mar/QO
あげ
236 :
VIP女神:2006/12/04(月) 17:56:06.26 ID:R7tcyZinO
保守ゥ保守ゥ
237 :
一生足軽:2006/12/04(月) 18:09:17.59 ID:XujvXPcy0
保守
238 :
VIP無職:2006/12/04(月) 18:52:59.31 ID:py31LoRj0
保守
239 :
VIP皇帝:2006/12/04(月) 18:53:03.99 ID:XdeLM6pGO
このスレもあと2時間ちょいか…
240 :
VIP足軽b:2006/12/04(月) 19:43:00.19 ID:GiBNPQii0
保守
241 :
宿屋の女中:
保守