ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」
1 :
VIP足軽p:
2 :
VIP足軽s:2006/12/01(金) 20:53:14.36 ID:359IfkqH0
3 :
棒またぎ姫:2006/12/01(金) 20:54:07.12 ID:el9mNjIhO
4 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 20:54:14.54 ID:AvWwou4pO
5 :
VIP足軽ktkr:2006/12/01(金) 20:56:31.01 ID:9mV0Le2d0
一桁おおい
6 :
VIP足軽p:2006/12/01(金) 20:56:49.29 ID:LBdkOw9V0
前スレの埋め参加者乙。
7 :
武器屋のじじぃ:2006/12/01(金) 20:56:51.89 ID:1BYLbyh70
1000 名前:VIP村人v 投稿日:2006/12/01(金) 20:56:10.13 ID:zuq6MwV90
これが1000なら俺……
今度ものすごい長編SS書くんだ
やったね!!
8 :
VIP賢者:2006/12/01(金) 20:56:54.78 ID:YBB+aKj90
9 :
VIP村人v:2006/12/01(金) 20:57:05.76 ID:zuq6MwV90
∩∩
| | | |
( ゚ω゚) <いち おつ
。ノДヽ。
bb
10 :
VIP村人q:2006/12/01(金) 20:57:15.18 ID:mEX4jrps0
DAT追加
Wii買ってくる
11 :
VIP足軽s:2006/12/01(金) 20:57:48.48 ID:359IfkqH0
12 :
棒またぎ姫:2006/12/01(金) 20:57:57.87 ID:el9mNjIhO
13 :
VIP足軽x:2006/12/01(金) 20:58:21.36 ID:LNOs4sM60
14 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:00:39.40 ID:7ja1Edng0
15 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:09:50.62 ID:5hHw01Jw0
16 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:12:51.66 ID:u6SFrGCgO
17 :
VIP勇者:2006/12/01(金) 21:14:52.52 ID:Rlrv/4iQ0
また定期のパートスレ潰しスレがあるな。
ココも載ってるべ。一応
sageでいきますかい?
18 :
VIP足軽q:2006/12/01(金) 21:17:20.56 ID:LBdkOw9V0
パート潰しスレがパート化しちゃ意味ねぇよなぁ・・・・・・。
まぁ、Sageでやっとくか
19 :
VIP皇帝:2006/12/01(金) 21:19:53.28 ID:QVqqDjAxO
投下いいか?
今日で最後なんだ…
20 :
VIP村人w:2006/12/01(金) 21:20:39.66 ID:zuq6MwV90
イイ.。.:*・゜゚・(´ー`).。*・゜゚・*:.。.
21 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:21:13.80 ID:7ja1Edng0
じゃあ…
敢えて言わせてくれ!
コーヒーが入ったんだが…
23 :
油売りの左暮:2006/12/01(金) 21:22:05.89 ID:AvWwou4pO
もう少ししたら荒らしが来そうな気がするけど
24 :
VIP足軽flash:2006/12/01(金) 21:25:22.99 ID:2rBLhL6k0
25 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:28:40.86 ID:el9mNjIhO
コーヒーwktk
26 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:30:52.00 ID:u6SFrGCgO
wktk
27 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:32:55.82 ID:7ja1Edng0
wktk
色々と思うところありまして、本日が最終回です。
詳細は…雑談室を御覧くだされば幸いです。
ただ…何度も言いますがSSを辞めるつもりは更々ありませんので御了承ください。
それでは…
今回の投下を、これまで俺の駄文に付き合って下さった皆様と「涼宮ハルヒのX-FILESの」の作者様に捧げます。
全30レス…四部構成にお付き合いの程を、、、
29 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:37:10.79 ID:7ja1Edng0
支援
30 :
VIP勇者:2006/12/01(金) 21:37:13.06 ID:Rlrv/4iQ0
あらされるかもだからあとにしたほうがいいかもね。
今はやめときー
31 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:38:16.07 ID:el9mNjIhO
10時頃に突撃あるかもな…
…━━━━━放課後、部室へ向かう廊下の途中…
ふくれっ面のハルヒが、俺の横を歩きながら不満げに口を尖らせる。
「あーあ、寒いっ!寒いわね!建物の中でも吐く息が白いって、どういう事かしらっ?」
「俺に文句を言ったって、しょうが無いだろうが!」
「それに…あのハンドボール馬鹿のホームルームは長いのよ!たいした内容なんて無い癖に…」
(お前だって、早々とホームルームを終らせて欲しい理由になる様な用事など、特に無い癖に…)
俺はふと、そんな事を思い付いて「最近、本当に何も無いな…」と改めて思う。
「何も…」とは…他でもない『閉鎖空間』やら『なんとか思念体』やらの事だ。
もう何事も無さ過ぎて、最近では長門や古泉や朝比奈さんが普通の人間に見えてきた…。
でも…まあ、それならそれでいい。
特に何事も無く今年はこのまま……
そうだな、ハルヒの立てた計画の通りに忘年会でもやって…無事に正月を迎えたいものだ━━━━━━…
【コーヒーふたつ最終話・SaveOurSouls】
━━━1日目━━━
別にハルヒの機嫌をとりたい訳では無いが、とりあえず俺は忘年会の話題に会話の内容をすりかえてみる事にする。
ハルヒも、まんざらでは無いようで「忘年会」と聞いた途端に、不機嫌な表情はそのままに目を輝かせながら喋り始めた。
「みくるちゃんとオッチャンには悪いけど、来来軒はパスね?」
「なんでだ?」
「座敷が無いもの!」
「座敷…ね」
「そう!でね?バス通りにある寿楽にしようかと思って!」
どうしてハルヒは中華料理屋ばかり…しかも、どちらかと言えば「ラーメン屋」の類ばかりを候補に上げるのか。
まあ、訊いたところで「安くてイッパイ食べられる」とかそんな返事が返って来るのは目に見えているが…
それでも俺は、とりあえず訊いておく事にする。
何故なら俺的には「忘年会」くらい「それらしい」場所でやりたいと考えていたりするから。
1年の締め括りがイキツケもしくは準イキツケのラーメン屋では、なんともお粗末な話だ。
「ところでハルヒ。何で候補が全部ラーメン屋なんだ?」
「え?…『少しくらい、お酒を飲んでも怒られなさそうだから』に決まってるじゃない!」
「………不良」
「あっ?何よっ、マジメぶって!高校生ともなれば誰だってビールの一本や二本くらい…」
「…一杯や二杯の間違いじゃないのか…?」
34 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:40:38.74 ID:u6SFrGCgO
支援
35 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:40:39.96 ID:el9mNjIhO
支援
36 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:41:10.68 ID:7ja1Edng0
「………っ!もういいっ!アンタとは一生お酒を飲んであげないっ!」
「………。(おいおい)」
やれやれ…だ。
万が一バレて大騒ぎになった時の事とか…
考えて無いんだろうな、ハルヒは。
だいたい、ハルヒが普段から酒を飲んでいるなんて話は聞いた事がない。
おそらく、毎度お馴染の「特盛の好奇心」から生まれたアイデアなんだろうが、そんなハイリスクなアイデアは御免被る。
それに俺だって、親父に付き合わされて飲まされた事くらいはあるが、あまり美味い飲み物だとは思わなかったぞ?
とりあえず……話の内容的に廊下ではマズいな。
「なあハルヒ、続きは部室でな?みんな居るかもしれないし、そのほうが都合が良いだろ?」
「それも…そうね!」
ハルヒはすっかり機嫌を直した様で、俺の一歩前に出ると「そうと決まれば善は急げよっ!」とばかりに、俺の手を引いて勢い良く歩き出した。
38 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:42:02.84 ID:u6SFrGCgO
支援
39 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:42:21.81 ID:el9mNjIhO
支援
40 :
VIP皇帝:2006/12/01(金) 21:42:52.07 ID:u6SFrGCgO
支援
意気揚々と辿り着いたハルヒとは対照的に、部室は期待外れの静けさに包まれていた。
俺はハルヒが「なーんだ」と落胆の声を出す前に「少し待てば、みんな来るさ」とドアに手をかける。
そしてドアを開け…
……すぐに閉じた!
(な…なんだっ?今のはっ?)
朝比奈さんと古泉が…何か『とんでもない事』になっているのが見えた気がしたが?
「キョン?どうしたの?」
「あ…いや!俺の目の錯覚だ!」
「え?何の事よ?」
「あ…ああ…何でもない」
何でもない訳が無かった。
確かに抱き合ってた…様な…。
俺はもう一度、そっとドアを開けて部室を覗きこむ。
すると…やっぱり朝比奈さんと古泉だ…。
しかも只今…ハリウッド映画顔負けのキスシーンの真っ最中ときたもんだ…。
まあ、二人にはそういう関係になる要素が皆無だったとは言い難いが…
42 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:43:08.84 ID:7ja1Edng0
支援
43 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:43:34.63 ID:7ja1Edng0
長門「支援」
44 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:43:46.47 ID:el9mNjIhO
支援
45 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:46:44.29 ID:u6SFrGCgO
支援
そうなった経緯がさっぱり解らん。
とか考えつつも…
覗いてる俺は只のスケベ野郎…………
あれ?
何か様子がおかしい…?
窓から差し込む光で、二人の様子は陰でしか知り得る事が出来ないが、キスを止めた朝比奈さんの唇が動くのが何と無く解る…
(サヨナラ…って言った…のか?)
そして…次の瞬間、朝比奈さんは………
消えた。
俺は、突然の事に暫し呆然としてしまったものの、先程まで側に居た筈のハルヒが居なくなっている事に気が付いて、慌ててその場からハルヒを探しに走り出した。
(まさか…『消えた』所を見ちまって、驚いて逃げた訳じゃないよな…)
俺はその「消える」事に対しては何と無く理解しているから大丈夫……
とはいえ、消えた『理由』は解らないんだが。
とりあえず、心あたりのある場所をハルヒを探して順番に走り回ってみる。
そして探し回る事、数十分…
俺は、駐輪場で俺の自転車の荷台にポツリと座っているハルヒを見付けた。
「なんだ…ここに居たのか」と声をかけ、恐る恐る「見たか?」と尋ねてみる。
ハルヒは、うつむいたまま「見たわよ…抱き合ってたわね…」と呟いた。
47 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:47:46.24 ID:el9mNjIhO
支援
(よかった、消えたトコは見てない様だ…)
俺は少し安心して話しを続けてる。
「まあビックリしたな…でも、意外だった。」
「何が?」
「いや、ハルヒなら…そのまま部室に踏み込んで『ああっ!見たわよっ?二人はそういう関係なの?いつから?白状しなさいっ?』くらい言うと思った」
「…バカ」
「すまん…」
「…ううん……そうしてやりたかったのはヤマヤマなんだけどね?なんか、力が抜けて…少しガッカリしちゃったのよ」
「なんでさ?」
「…それならそうと、みくるちゃん…何で団長のアタシに先に報告してくれなかったのかな…って」
ハルヒは多分、『何で友達のアタシに打ち明けて…』と言いたかったんだろうと思う。
なんとなく気持ちは解るが……
俺は仮に、谷口が今回の朝比奈さんの様な立場になっても、別段なんとも思わないだろう。
そこらへんは男と女の感情的な部分の構造の違いなのだろうか。
とはいえ…
柄にも無く落ち込んでいるハルヒを見ているのは少々辛い。
俺は「きっと落ち着いたら…詳しく話してくれるさ…」と笑って見せると、ハルヒを乗せたままスタンドを外して、自転車に乗って走りだした。
49 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:49:24.36 ID:el9mNjIhO
支援
50 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:50:55.37 ID:u6SFrGCgO
支援
51 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 21:52:11.99 ID:7ja1Edng0
支援
52 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:52:31.31 ID:u6SFrGCgO
支援
━━━2日目━━━
俺はハルヒを迎えに行きながら、朝比奈さんが消えた理由をボンヤリと考えていた。
まあ、学校に着いてから古泉にでも訊けば済む事なんだろうが、あまりにも突然だったし何やら悪い予感がする。
それに『サヨナラ』って…
朝比奈さんはもう学校に来ないのだろうか。
だとしたら、仮に古泉だけが事情を知っていたとして、俺や長門…そしてハルヒはどうすれば良いんだろう。
考えていても仕方が無いのは解っているが、どうも頭の中がスッキリしない。
そして頭の中がスッキリしないのは、待ち合わせ場所に現れたハルヒにとっても同じ事の様だった。
ただハルヒの場合は、俺よりも少し軽めの内容で考えこんでいると思われるが。
(まだ…昨日の事を気にしてるのか?
まったく、こっちはそれどころじゃ無いのに…)
俺は「おはよう」と挨拶をした直後から、暗い顔で無口なままのハルヒを少し疎ましく思ってしまう。
そして、昼休みにハルヒが言った思い掛けない一言に、思わずその気持ちを爆発させてしまった…。
54 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:53:59.52 ID:el9mNjIhO
支援
「ねえ…キョン…」
「なんだ?」
「アタシ…やめちゃおうかな…」
「何を?」
「SOS団」
「……ちょっと待て!そんな無責任で我儘な話があるか!」
「な…なによ…ムキになる事ないじゃない…」
「ムキにもなるさ!
大体、昨日の事を気にしてるんだろうがな?
オマエがそんなんだから、朝比奈さんだって何も打ち明けられなかったんじゃないのか!?
だいたいオマエは、いつもみんながついてきてくれる事に対して、ありがとうとか思った事が少しでもあるのかよ!」
「………偉そうに!もう、つまらないからやめるって言ってるの!
SOS団はアタシが作ったのよ?
そのアタシがやめるって言ってるのよ!
文句ある?」
「ふざけるな!いい加減にしろ!
今、俺がどんな気持ちでいるかも知らない癖に!」
少し…声がデカ過ぎたか…
ハルヒが目を丸くして固まっている。
そして、そのまま少し黙った後で静かに言葉を投げ掛けて来た。
「アンタの気持ちって…何よ?」
「…いや…それは…」
答えられる訳がなかった。
俺は迂濶な自分を殴りたい気分になる。
56 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:55:15.91 ID:el9mNjIhO
支援
57 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:56:04.79 ID:u6SFrGCgO
支援
そして、そんな気分に追い討ちをかける様に、ハルヒの瞳から大粒の涙がポロポロと溢れ始めた。
「アタシは…何も知らない…みくるちゃんの事も古泉君の事も…
キョンの気持ちも解らない…このままじゃ…多分ユキの事だって…」
「…ハルヒ」
「…アタシ…今日は帰る」
ハルヒはそう告げると涙で濡れた顔はそのままに、忙しく支度を済ませてから席を立った。
「さよなら…」
俺は何も言えず…ただ、走り去るハルヒの背中を見ていた……
ふと、気が付くと教室に居る殆んどの奴らが、こちらを見ている。
(やばい…な、これは)
俺は、とりあえず何事も無かったかの様に席についたものの…
居心地の悪さに耐えきれなくなって、ものの数分で教室を後にした。
なんとなく校舎の中をふらつきながら、少しだけ時間が気になって腕時計を見ると、とっくに授業の始まる時間を過ぎていることに気が付いた。
しかし…
今は慌てて教室に戻ろうという気にはならない。
(部室にでも行くかな…)
そう思い付いて俺は、結局SOS団の在る生活に心底ハマッちまったんだなと改めて感じる。
そして、おそらくその気持ちはハルヒだって同じ筈なんだ……
59 :
VIP足軽t:2006/12/01(金) 21:56:19.51 ID:359IfkqH0
4円
60 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:57:01.42 ID:el9mNjIhO
支援
そうだ、後でハルヒに電話をしてやろう。
別にメールでもいい。
そして明日、みんなを集めて忘年会の話でもしよう。
しかしそれには、朝比奈さんの事を古泉に確かめる必要があるがな。
俺は、我ながらまとまってきた胸の内に足取りを軽くしながら、部室へと向かった。
とりあえず昼寝でもして時間を潰す…
それから放課後にでも古泉に話を訊けばいい…
頭に浮かんだ予定を整理しながら、俺は部室のドアに手をかけた。
(ん…誰か居る…?)
中から微かに人の居る気配がする。
もしかしたら、ハルヒが待っててくれてるのかもしれない…
何故かそんな気がして、俺は慌ててドアを開けた。
「ハル… あれ?長門?」
部室の中に居たのは長門だった。
相変わらずの無表情を保ちながら窓際に座り、読みかけの本を片手にこちらを見ている。
62 :
だんご屋のはる:2006/12/01(金) 21:57:31.15 ID:el9mNjIhO
支援
63 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:58:28.75 ID:u6SFrGCgO
支援
64 :
VIP足軽t:2006/12/01(金) 21:58:58.45 ID:359IfkqH0
氏宴
65 :
VIP足軽t:2006/12/01(金) 21:59:24.57 ID:359IfkqH0
ぢえん
66 :
VIP奴隷:2006/12/01(金) 21:59:25.43 ID:u6SFrGCgO
支援
67 :
VIP勇者:2006/12/01(金) 21:59:45.34 ID:Rlrv/4iQ0
支援かな?
68 :
VIP皇帝:2006/12/01(金) 21:59:54.22 ID:359IfkqH0
ぢ宴
69 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:01:07.69 ID:u6SFrGCgO
支援
俺は「ごめんな、何でもないんだ」と告げると適当な椅子に腰を降ろした。
そして軽く眠る為に、机に伏せようと体の力を抜きながら前屈みになろうとした…
…その瞬間!
それまで窓際に居た筈の長門の存在が、俺のすぐ側にある事に気が付く。
驚いて顔を上げると、俺の右側にピタリと寄り添う様に長門が立っていた。
そして、顔を上げた俺を……
優しく抱き締める!?
「な…長門…!これは一体なんだっ?」
「動かないで」
「ちょっ…やめ……」
俺が『やめろ』と言い終わらないうちに、長門は自分の唇で俺の唇を塞いでいた。
(な……なんだっ……?)
突然の出来事に俺は混乱しまくる。
何が何だかさっぱり解らない。
そして…
長門は静かに体温の低いその唇を離すと「来る」と呟いてから再びキスを続けた。
俺は意味も解らずに、長門に唇を重ねられたまま部屋の中を見回す。
(何が来るってんだ?)
と、その時…
部室の出入り口のドアが勢い良く開いた!
そして同時に…
聞き馴染みのある声が聞こえる!
「キョン……ユキ?…何……やってんの?」
71 :
VIP足軽utu:2006/12/01(金) 22:01:45.07 ID:359IfkqH0
支援
ageはまだまずいか…
72 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:02:01.54 ID:el9mNjIhO
支援
声の主はハルヒだった。
長門は唇を離してそっと顔を上げると、何事も無かったかの様に窓際へと戻る。
俺はただ…
ハルヒの方を見るだけで精一杯だ…
ハルヒは声を震わせながら、俺を睨みつけている…
「何…よ。さっきは言い過ぎたと思って、教室に戻ったら居なくて…
ここに居るかなと思って来てみたら…
なんでこんなことになってるのよっ!」
「いや、ハルヒ…違うんだ…」
「………嫌いよ………キョンもユキも…古泉君もみくるちゃんも…
………全員死んじゃえっ!!!」
ハルヒはそう叫ぶと、部室から飛び出して行った。
俺は、とにかくハルヒを追いかけたくて立ち上がろうとする。
しかし…
体が思う様に動かない。
(まさか…これも長門の仕業なのか…?)
俺は振り替えって長門を睨みつけた。
「何で…こんな事を…!」
長門は何も言わずに、ただ俺を見ている。
そして開かれたその瞳から…
一筋の涙を流した。
「…長門?」
「…これでいい」
長門は、そう呟くとゆっくりと立ち上がり部室から出ていった。
74 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:03:05.09 ID:u6SFrGCgO
紫煙
75 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:03:29.86 ID:el9mNjIhO
支援
一体何なんだ…
昨日消えた朝比奈さん…
突然キスをした長門…しかもハルヒが来るのが解っていた様な感じだった…
それで…俺はハルヒに何て言えば良いんだ…?
「長門がいきなりキスを…」駄目だ…。
本当の事なのに、もの凄く嘘っぽい…。
しかも…
さっきの長門の涙の所為か、長門を悪く言うのは避けたいと感じる。
いっその事「オマエと揉めてて気が立っていたから、長門にキスを…」と嘘をついてしまおうか。
それで、全力で謝る?
無理だな…
ハルヒの前では、俺はいつだって嘘がつけないんだった…。
ついてもすぐバレるから。
色々と考えてるうちに、窓の外はすっかり暗くなっていた。
どうやら、古泉は今日は来なそうだ…。
(帰るかな…)
とりあえず、戸締まりの点検がてら部室の中を見回す。
長門のいつもの席…
ハルヒの机…
朝比奈さんの衣装…
古泉の机の上にあるオセロ…
一昨日までの日常が、昨日から突然訪れなくなった部室は、俺を言い様も無い位に寂しい気持ちにさせる。
そして、いつも隣で笑ったり悪態をついていたハルヒも今は居ない。
会いに行こうと思えば行ける…
けど、長門のキスの言い訳が全然思い付かない今は行っても無駄だ。
(やれやれ…明日から、どうしたもんかな…)
俺は電気を消すと、部室を後にした。
77 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:04:52.83 ID:u6SFrGCgO
支援
78 :
宿屋の女中:2006/12/01(金) 22:05:14.35 ID:m8+jjvxlO
パープル・ヘイズ
79 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 22:06:01.91 ID:7ja1Edng0
支援
80 :
VIP足軽utu:2006/12/01(金) 22:06:07.86 ID:359IfkqH0
shienn
81 :
VIP足軽utu:2006/12/01(金) 22:06:45.92 ID:359IfkqH0
支援
82 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:07:00.65 ID:u6SFrGCgO
支援
83 :
VIP足軽utu:2006/12/01(金) 22:07:10.73 ID:359IfkqH0
し
84 :
VIP足軽utu:2006/12/01(金) 22:07:35.95 ID:359IfkqH0
え
85 :
VIP足軽utu:2006/12/01(金) 22:08:01.69 ID:359IfkqH0
ん
さる?
86 :
VIP村人n:2006/12/01(金) 22:08:28.11 ID:NXWu+Hiw0
支援
━━━3日目━━━
家に帰ってからも、ダラダラと学校での出来事について考えていた俺は、全く眠れずに朝を迎えてしまった。
当然の事ながら…
何も答えなんて出ないし、出るわけがない。
ただなんとなく、学校に行く前にでもハルヒの家に寄ってみようとは思っていた。
今や電話もメールも拒絶されてしまったものの、直接会いに行けばどうにかなりそうな気がしたからだ。
しかし…
その僅かな希望も、学校へ行く支度を整えて、自転車を家の庭から引きずり出した時点で潰えた。
(ちっ、パンクしてやがる…しかも前後両方…)
仕方なく俺は、学校へと歩き始めた。
まったく…良くない事とは重なるものだな。
88 :
宿屋の女中:2006/12/01(金) 22:08:37.76 ID:m8+jjvxlO
支援
89 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:08:58.04 ID:u6SFrGCgO
支援
90 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:09:08.67 ID:el9mNjIhO
支援
91 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:09:43.20 ID:u6SFrGCgO
支援
92 :
VIP賢者:2006/12/01(金) 22:10:40.25 ID:Rlrv/4iQ0
最終回ってのは作者にとってもけっこう感慨深い。
コーヒーのペースでいいジャマイカ
93 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:11:28.60 ID:u6SFrGCgO
支援
家の前の路地から大通りへ出ると、同時に眩しい冬の朝の日差しが寝不足の俺の頭を直撃した。
色々とあった所為かそれだけで憂鬱になり、思わず今日は休もうかと思ってしまう。
だが…そうもいかないんだな。
古泉に会って、朝比奈さんの事を確かめなくてはいけないし、長門にだって昨日のキスの理由を確かめたい…
俺は半開きの眼差しのまま、背中を丸めつつ大通りを歩いた。
歩き始めてからしばらく…
俺は背後から迫ってくる車の音に気付き、それを避ける為に少し体を車道から遠ざけながら立ち止まった。
(危ないな…飛ばして来るなよ…)
しかし、そんな俺の気遣いもよそに、その銀色の車は俺の直ぐ側をかすめる様に通りすぎて行く。
そして…
俺を追い越したその場所から少し離れた場所で…停まった。
(な…なんだ?道でも尋ねるつもりか…)
俺は立ち止まったまま、その車に視線を向ける。
運転席のドアが開き、誰かが降りて来るのが見えた。
そして…その降りてきた人影に、俺は…愕然として思わず声をあげた…!!
「…っ…古泉!?」
運転席から降りてきたのは間違いなく『あの』古泉だ!
古泉はいつになく神妙な面持ちで、こちらに向かってくる。
95 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:12:17.49 ID:el9mNjIhO
支援
そして、俺の側まで来ると「すいません…とりあえず、乗って頂けませんか?」と引きつった笑みで語りかけてきた。
「な…なんだ?しかもお前…車の運転って…」
「時間がありません…早く!」
「あ…ああ…」
古泉の態度に唯ならぬものを感じた俺は、言われるままに車の助手席へ乗り込んだ。
そして俺がドアを閉めた瞬間、車は物凄い勢いで走り出した。
「古泉…これは一体…?」
「申し訳ありません…しかし…今は説明する時間すら惜しまれる…」
古泉は険しい顔のままハンドルを回しながら、呟く様に語る。
「……異常事態です。しかも…貴方がこれまでに経験したこの無い程の」
「………まさか、ハルヒの仕業か?」
俺は、昨日までの出来事を瞬時に思い出した。
そして…すっかり忘れていた事だが、ハルヒの今の状態は非常に『危険』だという事も。
待てよ…?
だとしたら、昨日の長門の行動はツジツマが合わない。
97 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:13:10.17 ID:el9mNjIhO
支援
長門だって、ハルヒがあの…「閉鎖空間」を作ってしまう事や「世界を改編する」のを防ぐ様な目的で、古泉や朝比奈さんと行動を共にして来たんじゃなかったのか?
明らかに昨日の長門は…ハルヒが来ることを知っていながら、俺にキスをした…。
どういう事だ… ?
必死で考える俺を横目に、古泉は話を続ける。
「とりあえず…現時点で言えることは、以前貴方が経験した『世界の改編』が全く別の形で始まってしまったと言う事……そして、それに合わせる様に別の『脅威』が発生してしまったという事です」
「別の…脅威?」
「ええ…そして、その脅威は貴方を狙っています」
「…………!?俺を?」
「以前僕は…世界の命運を貴方が握っているのかもしれない、と言った事がありましたよね?」
「え…?ああ…」
「つまり…そう考えているのは僕だけでは無いって事です。」
車は、気付かぬうちに学校へと近付いていた。
そして、校門の少し手前で古泉は車を停める。
「とにかく、キョン君は安全な場所に居てください。…そうだ、部室が妥当でしょう!」
「え?……ああ、解った…」
99 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:14:23.75 ID:el9mNjIhO
支援
100 :
壷ふりお京:2006/12/01(金) 22:15:49.87 ID:AvWwou4pO
これは…dkdkするぜ
101 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:16:02.05 ID:u6SFrGCgO
支援
「僕は仲間達と共に、事態の収拾に当たらなければなりません。
……ただ、必ず後で戻って来ますから」
そう告げると、古泉は俺を車から降ろして走り去ろうとした。
「…おい、待ってくれ!」
俺は、朝比奈さんの事を訊きそびれた事に気が付き、慌てて問掛ける。
「朝比奈さん…朝比奈さんは、一体どうしたんだ!?」
「朝比奈さん?」
「ああ…一昨日お前の前で消え………すまん、覗くつもりはなかったんだ」
「…………彼女は、緊急で連れ戻されました。つまり、今回の事態はそれほど深刻という事になります」
俺が「そうだったのか」と答える間もなく、古泉は走り去って行ってしまった。
仕方なく俺は部室へと向かう事にする。
そして歩きながら、ハルヒが昨日部室を出ていく時に叫んだ言葉を思い出し、少しだけ恐怖した。
『みんな、死んじゃえ』
まさか…今俺は、そのままの結末に向かっているわけじゃないよな…
畜生…せめて、あのキスの誤解さえ解ければ…
部室へ近付くにつれ、やりきれない思いで胸が一杯になる。
そして部室に辿り着いた俺は、そっとドアの内側に身を隠すと…
……声をあげ泣いた。
103 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:17:02.81 ID:u6SFrGCgO
dkdk支援
104 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:17:18.09 ID:el9mNjIhO
支援
105 :
VIP村人n:2006/12/01(金) 22:17:20.58 ID:NXWu+Hiw0
支援
しえん
107 :
宿屋の女中:2006/12/01(金) 22:18:52.03 ID:m8+jjvxlO
今回のコーヒーは、何やら、ただならぬ気配を感じる…
支援
108 :
VIP毒蛇:2006/12/01(金) 22:20:08.45 ID:SgaI0ni2O
ツエソ
試演
━━━0日目━━━
どれくらい時間が経っただろうか。
俺はいつもの席に座り、ただ刻が過ぎるのを待っていた。
素直に古泉の言う事を聞くのは少し癪だったが、俺は古泉が語った言葉に含まれる恐ろしさを、これまでの経験から痛いほど分かっていたし…
…こうする以外、今は何も出来なかった。
そして俺は壁に掛けられた時計を見て、針が動いていない事に気が付く。
恐らく、それは『電池切れ』なんていう生易しい原因によるものでは無い。
何かが…始まっちまったんだ…
思わず目を伏せて溜め息をついたその時…
部室のドアが『ガチャリ』と開く音がした。
「古泉か…早かったな…!」
俺は顔をあげ、思わず安堵の声を漏らす。
しかし、ドアの前に立っていたのは…
見覚えのある、かつてのクラスメイトだった。
「朝倉………か?」
朝倉涼子!かつて、俺を襲い…それを阻止するべく現れた長門に敗れて消えてしまった筈の彼女が今…此処にいる!
「お久しぶりね」
屈託なく笑う朝倉に、俺はあの時の恐怖を思い出す。
111 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:21:14.21 ID:u6SFrGCgO
支援
112 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:21:35.39 ID:el9mNjIhO
支援
それと同時に、さっき古泉が車の中で言っていた『脅威』と『異常事態』の事も思い出した。
「何をしに来た…」
「簡単よ…あなたを殺しに来たの」
「…今更…だな。もう…俺を殺した所でどうにもならない」
「何故?」
「よく…解らんが、世界は書き換えられはじめたんだ…」
「知ってるわ」
「…………!」
「でも…これじゃないの」
「何?」
「私『達』の望む結末は、これじゃない…だから、あなたを殺す」
そう言われた瞬間、俺は思わず朝倉の手元を見た。
(ナイフは…持って無い様だ)
しかし、そんな少しばかりの安心も次の瞬間には見事に打ち消された。
俺の体が…浮いている…。
朝倉が浮かしているのか…?
そして浮いている自分を自覚した直後…
114 :
散髪とめきち:2006/12/01(金) 22:22:35.93 ID:dv5DUshE0
支援
115 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:22:52.28 ID:el9mNjIhO
支援
俺は床へと物凄い速度で落下し、激突した!息も出来ない程の激痛が全身を支配する…
目眩と耳鳴り…嘔吐感…
それらの隙間から…朝倉の声が聞こえてくる。
「うふふっ…どう?痛い?」
答えられる筈がない…それなのに、朝倉は喋り続ける。
「ねえ、あと何回…これに耐えられるかしら…」
何回!?まさか…俺がくたばるまで続けるつもりかよ…
勘弁…してくれ!
「そうね…あんまり苦しめてもキョン君が可哀想だし…次で終らせてあげるね?」
再び、俺の体が軽くなっていく感覚を感じる。
そして体が浮きあがろうとしたその時…
俺の体に働いていた力が突然抜け、俺は床に倒れ込んだ。
「い…痛てえっ…」
なんとか声は絞り出せたものの、体が思う様に動かない。
今何が起きたのか…
どうにか確かめたくて、俺は起き上がれないままに必死に辺りを見回した。
すると…
俺の目の前に見覚えのある上履きが見えた…横に小さく名前の書いてある、あの上履き…
(長門…長門か?)
なんとか上を見て確かめようとするが、これ以上首が曲がらない。
117 :
花魁:2006/12/01(金) 22:23:32.86 ID:xHWuYIYG0
支援
118 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:24:09.34 ID:el9mNjIhO
支援
しかし、声だけは聴こえてくる…
間違いなく…
長門だ…
「朝倉涼子……何故…あなたが此処にいるの」
「そう望まれたからよ」
「………………。」
「丁度良いわ…長門さん?あなたもついでに殺してあげる。
本当の事を言っちゃうとね?この前…少し悔しかったんだ…」
「今から空間閉鎖をする気?」
「そんな面倒な事はしなくて良いのよ…。うふふっ…」
「……………?」
「もう全て終わってるの。だからアナタのセオリーは通用しない」
朝倉が言い終える…と同時に長門の体が宙に浮く。
そして、身動きがとれない俺の限られた視界をそのまま真横に滑る様に飛び、壁に激しく激突して止まった。
120 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:24:54.25 ID:el9mNjIhO
支援
そのまま長門は…まるで壁に貼りつけられた様に固まっている。
朝倉はそこに近付くと、蔑む様な声で長門に語り始めた。
「長門さん…あなたも不敏ね…」
「…………?」
「わざわざ…彼の唇まで奪って凉宮ハルヒを刺激したのに、凉宮ハルヒは彼との二人の世界を望むどころか……おそらく全ての消滅を望んだわよ?」
「…………!」
122 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:25:37.11 ID:el9mNjIhO
支援
123 :
南蛮ムキトス:2006/12/01(金) 22:25:38.84 ID:7FjzE3ZV0
支援
124 :
壷ふりお京:2006/12/01(金) 22:25:42.56 ID:AvWwou4pO
支援
125 :
花魁:2006/12/01(金) 22:26:20.12 ID:xHWuYIYG0
支援
126 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:27:13.66 ID:u6SFrGCgO
支援
127 :
VIP悪魔:2006/12/01(金) 22:28:11.73 ID:qroL6SoxO
支援
128 :
花魁:2006/12/01(金) 22:28:53.05 ID:xHWuYIYG0
支援
129 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:29:36.14 ID:u6SFrGCgO
支援
「まあ、おかげ様で私も予定通りここに来れたから良かったけどね。
あなたの狙い通りに、また凉宮ハルヒが彼を『取り込んで』アレを始めてしまったら、打つ手がなかったわ」
「……情報結合の解除を申請する」
「あはははっ!だから無理なのよ!もう、そんなのは終わってるの!
長門さん?あなただって薄々気付いているんじゃないのかしら?」
俺は昨日の出来事を思い出しながら、なんとなく朝倉と長門の会話の意味を理解しかけていた。
おそらく長門は知っていたんだ…
この…以前にも増して凶暴になった朝倉と、自分でもどうにも出来ない事態が訪れる事を…
そして…あの、夏の少し前の日の出来事と同じ状況を作り出す事で、迫り来る『脅威』から俺とハルヒを遠ざけようとした………?
しかし……だとしたら、あの涙の意味はなんだ…
「長門さん?まず、あなたから死になさいな」
俺が僅かばかりの思考を廻らせている間に、状況は悪化していた。
朝倉が長門の首に手をかけ絞め上げている!
俺は「やめろ」と叫ぼうとするが、声も出せず床にヘバリついたままだ。
「このまま…苦しみなさい?そしてゆっくりと、苦しいままの…あなたの『情報連結を解除』してあげる」
長門の喉元にある朝倉の手が爪を立てているのが見える。
そして、その爪先から幾筋の赤い血が流れているのが見えた。
もう…やめてくれ…
131 :
VIP皇帝:2006/12/01(金) 22:30:27.77 ID:el9mNjIhO
支援
声にならない声が、俺の口元から無様な呼吸音になって漏れた。
その瞬間…
「バタン」とドアの開く音が聞こえ、それと同時に物凄い爆発音が部室の中に鳴り響いた!
ズドン!
何が起きたのか判らない…
ただ…先ほどまで微笑みながら長門を追い詰めていた朝倉が、苦痛の表情を見せている…。
目を凝らしてよく見ると、それが背中に受けた攻撃によるものである事に気が付いた。
そして…その爆発音とともに朝倉に攻撃を仕掛けたのは…
…古泉だ!
古泉が手元に拳銃の様な物を構えて、朝倉を睨みつけている!
そして、睨みつけながら「お待たせしましたね…」と口元だけで笑った。
俺は必死に声を絞り出しながら、古泉を見る。
「古泉…来てくれたのか…」
133 :
花魁:2006/12/01(金) 22:31:12.74 ID:xHWuYIYG0
支援
134 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:31:24.78 ID:u6SFrGCgO
心拍数が上がって来た
135 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:31:32.46 ID:el9mNjIhO
支援
「遅くなりまして…それと、申し訳ありません。
貴方に部室に居てくれと言ったのは誤算でした。まさか、『脅威』の正体がコレだったとは…」
「べ…別に良い…それより、手に持ってるソレは…」
「ご安心ください、『本物』ですよ」
この世に、本物の銃を見せつけられて安心する人間が居たら紹介して欲しいものだ。
しかし今は…
古泉の持つソレは、朝倉の動きを止める一番有効な手段だと思う。
「機関から『有事の際に』とコレを渡された時は、正直困惑しましたがね?なるほど、こういう事態も有りうるという訳ですね…」
古泉は喋りながらも、銃口を朝倉から反らさない。
そして、朝倉は…
震えながら古泉に向かって何か呟いている…
「………ないわよ」
「なんです?朝倉さん?」
「邪魔するんじゃないわよ!このチンカス野郎!」
朝倉が叫んだ瞬間、古泉の体が宙に浮かんだ!
そして、天井高くまで浮かんだ古泉の体が、目で追えない程の早さで床へと叩き付けられる!
それも…一回や二回じゃない、何度も何度も…
やがて、何度も床に叩き付けられた古泉は、床に貼り付いたままピクリとも動かなくなった。
「もう…本当に腹立たしいわ…男子はこれだから嫌。ね?長門さん?」
朝倉は、動かなくなった古泉を見下ろしながら、壁に貼り付いた長門に微笑みかける。
そして、長門の腹に拳を突き立てながら喋り始めた。
「あーあ、なんだか本当に頭にきちゃった!
そうだ、長門さん?死ぬ前に私に辱められてみる?」
朝倉はそう言いながら、拳を長門の腹に食い込ませる…いや!長門の腹を拳で裂いている!
俺はあまりの惨状に反射的に目を閉じた。
「ねえ、長門さん?知ってる?私達のタイプの筐体はね、体内を掻き回されると気持ち良いんだって!」
138 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:33:25.72 ID:el9mNjIhO
朝倉…
この前の朝倉祭りとはえらい違いだ…
支援
139 :
壷ふりお京:2006/12/01(金) 22:34:10.27 ID:AvWwou4pO
緊張するw支援
140 :
南蛮ムキトス:2006/12/01(金) 22:34:56.22 ID:7FjzE3ZV0
えらいこっちゃ。えらいこっちゃ。よいよいよいよい。
141 :
VIP番長:2006/12/01(金) 22:35:05.99 ID:b+3xh+DNO
今日のコーヒーは無糖や……ブラックや……
142 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:35:07.58 ID:u6SFrGCgO
支援
143 :
宿屋の女中:2006/12/01(金) 22:35:39.69 ID:m8+jjvxlO
何か緊張し過ぎて支援するの忘れてた
もう手汗が凄すぎ…
支援
144 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:37:23.05 ID:u6SFrGCgO
手に汗握るとはこの事か!?
145 :
散髪とめきち:2006/12/01(金) 22:37:28.32 ID:dv5DUshE0
支援
目を閉じた俺の耳に「グチャグチャ」と気持ちの悪い音が聞こえる。
「どう?長門さん…」
「…あなたは…最低」
「そう…。でも、私の気分は今最高なの!それに、なんだかとても愉しいわ!」
恐る恐る目を開けると…壁に貼り付けられた長門と長門の腹に右腕を突き刺して動かしている朝倉が見えた。
そして…その朝倉の背後に、倒れながらも銃を構える古泉が居る!
「それ…ま…で…だ…今すぐ…長門さん…解放…しろ…」
瀕死の古泉が銃口を向けながら、朝倉に言う。
しかし…朝倉は「あははっ」と笑うと古泉に蔑む様に言い返した。
「あらあら…私の頭を狙ってるのは正解だけど…その距離でそんなものを私に当てたら、突き抜けた弾はどうなるかしら?」
朝倉の頭のすぐ向こうには、長門の頭がある。
弾が朝倉を貫通したとすれば…間違いなく長門にも当たる…。
古泉もそれが解るのだろうか…
狙いを定めたまま、微動だにしない。
「どう?古泉君?残念ね」
147 :
壷ふりお京:2006/12/01(金) 22:38:07.53 ID:AvWwou4pO
朝倉さん恐いよ…ガクガクブルブル
朝倉がそう言いながら微笑みを浮かべた時、長門が静かに呟いた。
「…ちなさい」
「あら…長門さん、何か言ったかしら?」
「…撃ちなさい」
「ん〜?なあに?」
「撃ちなさい!古泉一樹っ!!」
古泉の腕が一瞬ビクッとした!
その瞬間、再び先ほどの爆発音が部室に響きわたる…
そして……まるで、地面に落とした西瓜の様に朝倉の頭が吹き飛び…
壁から長門が落ちるのが見えた…
149 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:38:33.71 ID:el9mNjIhO
もう、携帯ビチョビチョ。
支援
それから暫く…呆然としていた俺は、慌てて足元に倒れていた古泉を揺すってみる。
しかし…古泉は冷たくなっていた。
そして…長門…
そうだ!長門なら、どうにか出来るかもしれない!
長門っ!
痛みを堪えて体を引きづりながら、長門に近付く。
そして少しだけ体を揺すると…長門がゆっくり目を開いた…。
頭にある傷は…先ほどのか…
「大丈夫か…長門…」
「……駄目」
長門はひと言だけ答えると、震えながら腕を伸ばして俺に指先を向けた。
その指先は…俺の口元に近付く…
「長門?」
そして、指先が俺の唇に触れた瞬間…
長門は微笑みながら、静かに目を閉じた。
151 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:39:47.83 ID:el9mNjIhO
支援
「長門!古泉!おい!おまえら何なんだよ!冗談じゃないぞ!
今、救急車を呼んでやるから!
こんなのは…冗談じゃない!」
俺は夢中でポケットから携帯を取り出す。
しかし無情にも、ディスプレイには『圏外』の二文字が踊っていた!
(畜生!)
俺は部室棟の入り口にあった公衆電話を思い出して、部室から出ようと体を引きづりながら、ドアを開けた。
すると…廊下の彼方から近付いてくる足音がある事に気が付く…
(今度は何だ…)
足音は近付きながら、その姿を徐々に現した。
そしてその姿を、俺は一番良く知っている事に気が付く…。
(ハル……ヒか?)
ハルヒだ!ハルヒが居る!ハルヒが来てくれたんだ!
俺は体を引きづりながら、ハルヒに近付く。
そして、ハルヒの足元にすがりつきながら、これまでの事を必死に訴えかけた!
153 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:40:37.83 ID:el9mNjIhO
支援
154 :
南蛮ムキトス:2006/12/01(金) 22:40:41.40 ID:7FjzE3ZV0
おいおい。この人の過去作品しらんのやけど、肉塊シリーズかいな……支援
「大変なんだ!古泉も長門も!死にそうなんだ!ヤバイんだ!」
「……………」
ハルヒは黙ったまま、何も言わない。
「ハルヒ………?おい、ハルヒ!何とか言えよ!ハルヒ…」
「…………ろう?」
「えっ?」
「帰ろう…?」
「ハルヒ?」
「一緒に…帰ろう?」
その瞬間…目に映るもの全てが白く輝き出し……俺とハルヒを溶かすよう包みこんだ…。
なんだ…この感じ……
もう…おしまい…なのか…………
それとも……
はじまるのか…
156 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:41:31.54 ID:el9mNjIhO
支援
157 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:42:40.46 ID:u6SFrGCgO
支援
158 :
VIP番長:2006/12/01(金) 22:42:57.90 ID:b+3xh+DNO
支援
159 :
花魁:2006/12/01(金) 22:42:59.40 ID:xHWuYIYG0
支援
160 :
内藤ホライゾン:2006/12/01(金) 22:43:11.57 ID:yeBQ5++10
…あれ?コーヒーってこんな感じだったっけ??
支援
161 :
姫:2006/12/01(金) 22:43:15.01 ID:gEGxaItUO
今追いついた支援
162 :
VIP女神:2006/12/01(金) 22:43:23.28 ID:S6O5LQDjO
(・ω・)/
163 :
VIP皇帝:2006/12/01(金) 22:44:42.57 ID:d2ASYQPU0
支援部隊
164 :
壷ふりお京:2006/12/01(金) 22:44:48.71 ID:AvWwou4pO
今日のコーヒーはブラック無糖 支援
━━━エピローグ━━━
気が付くと、俺は授業中の教室に居た。
辺りを見回すと、日常の光景が目の前に広がる。
そして…振り返ると、教科書にマンガを隠しながら読むハルヒの姿が見えた。
(…悪い夢を見ていたのか…)
いや!そんな事はない!
今感じているこの感覚…
眠りから醒めた感覚なんかじゃない!
俺は立ち上がると、夢中で教室の出口に向かって走り出した。
驚くハルヒの顔…
「どうしたんだ?」と叫ぶ教師の声…
ざわめくクラスメイト…
全てを振りきって俺は走る…!
やがて俺は部室棟へと辿りつくと、俺達の部室へと階段を駆け上がった。
俺達の…
SOS団の部室へと…
そして、遂にドアの前に立った俺は、思わず床に膝をつく。
(やっぱり…だ)
ドアには鍵がかかっていた。
そして…
166 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:45:33.55 ID:u6SFrGCgO
支援
167 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:45:53.73 ID:el9mNjIhO
支援
168 :
宿屋の女中:2006/12/01(金) 22:45:56.01 ID:m8+jjvxlO
みんなスマン!
さっきの支援で緊張し過ぎてsage忘れたorz
いつだったか、ハルヒがマジックで書いた「SOS団本部」のプレートが無い。
ふと、頭の中を「書き換えられた世界」という言葉が駆け巡る。
(こういう事かよ…)
やりきれなくて…
悲しくて…
でも不思議と涙は出ない…
俺は立ち上がると、フラフラと教室へ歩き始めた。
170 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:46:46.79 ID:el9mNjIhO
支援
そのまま一日は、普通に過ぎていった。
気が付くと放課後になっていて、帰り支度を済ませたハルヒが席に座ったままの俺の横に来て微笑む。
俺も、それとなく微笑み返すと立ち上がり、コートをはおりながら鞄に手をかけて、ハルヒの手をとり歩き出した。
そして教室から出たところで、ハルヒが微笑みながら「寒いわね、何か暖かいモノを飲んでから帰ろう?」と言う。
俺は「買ってきてやるよ、何が良い?」と聞きながら、カフェオレ…とハルヒが答えるのを待った。
「やぁねぇ、いつもの…アンタと同じので良いわよ」
「……同じ…か?」
「な、なによ?同じじゃ駄目なのっ?」
「い、いや…なんでもない……」
俺は、昇降口の横にある販売機で紙コップに入ったコーヒーを2つ買う。
そして、それを手渡されたハルヒは美味しそうにカップを傾けて見せた。
「ふーっ、温かい!生き返るわね!」
「……そうか」
「さあて!キョン、行くわよ?」
ハルヒの「行くわよ」に、思わず「部室へ…だよな?」と言葉を返しそうになる。
しかし、ハルヒが俺の手を引いて向かったのは駐輪場だった。
172 :
VIP村人u:2006/12/01(金) 22:48:01.67 ID:CJjzz0tA0
支援
つまり…
そういう事なんだ…
ここにはもう…朝比奈さんも古泉も長門も居ない…
そして…
SOS団も…
俺はハルヒを荷台に乗せ、ボンヤリと自転車を走らせる。
これで良かったのかどうか解らないまま…
ただ…
ハルヒの家へと…
174 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:48:23.65 ID:el9mNjIhO
支援
175 :
姫:2006/12/01(金) 22:48:29.13 ID:SoSVa2kmO
wktk支援
176 :
VIP番長:2006/12/01(金) 22:48:44.09 ID:b+3xh+DNO
あ、俺もだ。反省はしている。
そして支援
177 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:48:49.72 ID:u6SFrGCgO
支援
「ちょっと、キョン!どっちに向かって走ってるのよ!」
「えっ?な、なんだ?」
「そっちじゃ無いでしょ?寿楽よ!寿楽っ!」
「な…」
「早く戻りなさいよバカキョン!みんな待ってるんだからね!」
…みんな?
みんな…って、どういうことだ?
「早くっ!」
俺はハルヒに急かされるままに今来た道を戻って、バス通りにある寿楽へと向かった。
そして、店に着き暖簾をくぐると…
…奥の座敷に見慣れた人陰が見える!
立ち尽くす俺を追い越して、ハルヒが先に座敷に向かう。
「みーんな!お待たせっ!」
「いえ…僕らも今来た所ですから…」
「うふふっ…鈴宮さん、お鼻が真っ赤ですよ?」
「………………。」
古泉!朝比奈さん!長門!
……おまえら…!
驚く俺に、古泉が語りかける。
179 :
VIP村人P:2006/12/01(金) 22:49:44.48 ID:d2ASYQPU0
支援
180 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:49:51.77 ID:el9mNjIhO
支援
181 :
VIP村人u:2006/12/01(金) 22:50:17.30 ID:CJjzz0tA0
支援
「本当に僕らは『今』ここに来たばかりなんですよ。…でも、これで良いのかもしれません。ね?長門さん?」
「………私もこれで………………これがいい」
「……………キョン君……黙って消えてしまってごめんなさい……でも、ただいま!……です」
俺は何か言葉を返そうと必死で考える。
でも…無理だ…
涙が止まらない……
そんな俺を見て…ハルヒが不思議そうに首を傾げる。
「あれ?キョン、なに泣いてるの?」
「う…煩い…自転車をこいでる時に…目にゴミが入ったんだ…」
「ふーん、まあいいわっ!それより…みんな見て!」
ハルヒは何やらカバンを開けてガサガサとやると、中からノートくらいの大きさのパネルを取り出した。
「はーい注目!我がSOS団の新しい表札よっ!ちなみに…古いのは昼休みに外して捨てちゃったからね!」
183 :
姫:2006/12/01(金) 22:50:33.99 ID:gEGxaItUO
俺も忘れてた支援
184 :
VIP女神:2006/12/01(金) 22:50:40.45 ID:S6O5LQDjO
もうちょっと詰めればレス節約になるんだぜ?
185 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:51:04.84 ID:el9mNjIhO
支援
186 :
花魁:2006/12/01(金) 22:51:09.90 ID:xHWuYIYG0
支援
187 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:52:17.00 ID:u6SFrGCgO
支援
あ、部室のドアのパネル…
「さてさて?みんな揃った所で…ちょっとアタシの話を聞いてくれる?」
全員の視線がハルヒに集まる。
そして、ハルヒが頬を赤くしながら喋り出した。
「みんな……あのね?いつもアタシに付き合ってくれて……ありがとう。
今年はもう少しで終っちゃうけど、来年も…これからもよろしくねっ!」
コーヒーふたつ・完
以上です…
支援…ありがとうございました。
190 :
VIP村人k:2006/12/01(金) 22:53:15.18 ID:27ZoYYH6O
鈴宮になってるところがありま支援
191 :
VIP村人x:2006/12/01(金) 22:53:37.78 ID:zuq6MwV90
お疲れー
また書いてね〜!!
192 :
花魁:2006/12/01(金) 22:53:57.26 ID:xHWuYIYG0
お疲れ様です!
193 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 22:54:03.04 ID:el9mNjIhO
GJ!
コーヒーシリーズお疲れ様っす!
次回作wktk
194 :
姫:2006/12/01(金) 22:54:29.35 ID:gEGxaItUO
乙!GJ!
195 :
壷ふりお京:2006/12/01(金) 22:56:29.39 ID:AvWwou4pO
コーヒーシリーズ乙ですた!
196 :
姫:2006/12/01(金) 22:56:34.55 ID:SoSVa2kmO
乙
いつも文章に引き込まれる!サンクス
197 :
VIP神:2006/12/01(金) 22:56:36.22 ID:u6SFrGCgO
乙です!
次のにも期待してます
198 :
VIP村人k:2006/12/01(金) 22:56:53.81 ID:27ZoYYH6O
(´ー`)y―┛~お疲れさん
最期は微糖コーヒーでしたなぁ
焼酎でよければ
つ森伊蔵
199 :
宿屋の女中:2006/12/01(金) 22:57:56.77 ID:m8+jjvxlO
/(^O^)\ナンテコッタイ
最終回は無糖ブラックとは、恐れ入った!!
誠にGJ!
200 :
VIP番長:2006/12/01(金) 22:59:20.29 ID:b+3xh+DNO
乙なんだぜ!?
201 :
武器屋のじじぃ:2006/12/01(金) 23:00:44.53 ID:m8+jjvxlO
またsage忘れた
死ね俺!
202 :
油売りの左暮:2006/12/01(金) 23:01:57.46 ID:el9mNjIhO
>>201 気にするなwww
突撃も無かった事だし。
203 :
VIP毒蛇:2006/12/01(金) 23:02:21.77 ID:qroL6SoxO
うおぉ乙!
204 :
VIP侍:2006/12/01(金) 23:02:27.96 ID:b+3xh+DNO
俺も死ね!氏ねじゃなくて死ね!
すまんかった。
205 :
猿回しの勘三:2006/12/01(金) 23:02:48.46 ID:7FjzE3ZV0
>>189 乙。だが〆が強引すぎやしないか? また書きなサラサラサラ…
コーヒーシリーズついに完結ですね。長い間の連載お疲れ様でした。
最終回にふさわしい締め方の内容だったと思います。
次回作の発表心から待っています。
しばらくアイデアチャージなどしてリラックスしてください。
さて、涼宮ハルヒのX-FILESですが、色々とごたごたがありましたが
無事、第4話<クリスマス・イブ>を完成させることが出来ました。
これも一重に励ましてくださったコーヒーさん、期待してくださった皆さんの
応援のおかげです。
この場を借りてお礼申し上げます。
すでに推敲・行数分割は終わりあとは投下するだけとなっています。
内容が無いようですので、あまりは約発表しちゃうとありがたみが無いかな・・・
と思い、来週ごろ投下予定です。
全28レスになっています。
詳しい投下日時はまとめ雑談所の投下予定スレにて近日中に報告いたします。
コーヒーさん、本当にお疲れ様でした。
皆様!暖かい感想の数々ありがとうございました!
では…調子に乗りつつ
ここらで予告編など…
208 :
VIP魔王:2006/12/01(金) 23:05:47.68 ID:d2ASYQPU0
>>206 内容が無いようですので、あまりは約発表しちゃうと
↓
内容が内容ですので、あまり早く発表しちゃうと
の間違いですw
209 :
VIP乙女:2006/12/01(金) 23:06:32.15 ID:AvWwou4pO
予告編キタ━━(゚∀゚)━━!
210 :
油売りの左暮:2006/12/01(金) 23:07:55.33 ID:el9mNjIhO
>>206 あんたを待ってたぜ!
夏休みからこのスレに居て、一回もSSを書いた事の無い俺にとっては職人さんは神なんだぜ?
だから俺はいつまでもwktkし続ける!
━━━━「ねえキョン、十年後のアタシ達って、どうしてるのかな」━━━━━━━━━
あの日のハルヒに見せてやりたい…
俺達は……
こうしてるんだって…
「ちょっとキョン!作業服のポケットに鼻かんだチリガミ入れっぱなしにしたでしょ!
オカゲで洗濯物全部、チリガミだらけじゃないのよっ!
どーすんのよ、これ!
アタシはもう洗わないからね!
アンタが責任持ちなさいよ?
ちょっとっ!聞いてるのっ?
まったく…携帯ばっかいじってんじゃないわよ、このバカ旦那!」
━━━━「あんたはヤりすぎ」「俺様設定」……叩かれまくってへこんでた癖に、懲りもせずまた妄想全開!なコーヒーの人が「まったり」と贈るホームコメディ━━━━━━━
【HOME…SWEET HOME】
次週より過疎な時間を狙って投下開始っ!
期待……しないでくださいorz
212 :
油売りの左暮:2006/12/01(金) 23:10:12.36 ID:el9mNjIhO
予告キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
なんか更に甘そうw
213 :
南蛮ムキトス:2006/12/01(金) 23:10:56.20 ID:9BCYffl10
期待させてもらうんだぜ?
214 :
VIP村人y:2006/12/01(金) 23:12:03.36 ID:zuq6MwV90
夫婦ネタか……
コーヒーらしくていいぜ
215 :
VIP皇帝:2006/12/01(金) 23:12:08.50 ID:AvWwou4pO
期待しちゃいますぅ
216 :
猿回しの勘三:2006/12/01(金) 23:13:22.21 ID:7FjzE3ZV0
おいおい『相棒』好きかよwwwww
プwwゲラッチョwwww
毎週見てます^^
217 :
VIP侍:2006/12/01(金) 23:13:30.97 ID:b+3xh+DNO
流れに乗って期待
>>210 ありがとう(;´д⊂)
涼宮ハルヒのX-FILES、全5話中やっと4話。
5話目はかなり力入れて書くつもりです(`・ω・´)
その後に関しては、最終回のあとがきに・・・
>>211 大いに期待させていただきますw
では今日はこれにて失礼します。
220 :
武器屋のじじぃ:2006/12/01(金) 23:17:55.40 ID:m8+jjvxlO
コーヒーの人の次回予告やばい…
家のツンデレ女房と同じ台詞吐いてやがるwww
こりゃ見逃せないな!
221 :
VIP足軽p:2006/12/01(金) 23:24:05.30 ID:JswDRvR40
保守
222 :
散髪とめきち:2006/12/01(金) 23:26:34.74 ID:1Rv6Mim30
>>211 >期待……しないでくださいorz
期待age
223 :
VIP番長:2006/12/01(金) 23:28:42.59 ID:S6O5LQDjO
で三者の人はまだかね?
224 :
棒またぎ姫:2006/12/01(金) 23:29:41.21 ID:EOSJs3vMO
ひょっとして
世の中のツンデレ女房は同じセリフをはくように
義務付けられているんですか?
うおっ!予告編にまで感想が………
泣けて来た……
俺…本当にSS書いてて良かったです
>>219頑張って!
>>220なるほど…我が家と同じですか…
もう…これは…
出し惜しみ無しの全開勝負で行きます!
226 :
VIP乙女:2006/12/01(金) 23:34:29.07 ID:AvWwou4pO
ツンデレって実際にいるんだな…
自分のまわりにはいないから三次には存在しないもんだと思ってたよ
227 :
愛のVIP戦士:2006/12/01(金) 23:36:00.92 ID:9ROfApOh0
戦場マダー(AAry)チンチン
228 :
籠屋の銀二:2006/12/01(金) 23:42:13.58 ID:3p3cUifmO
ほっしゃん
229 :
水汲みおしち:2006/12/01(金) 23:44:20.94 ID:C5bNNEJLO
聖杯の人来ないな
書くのやめちまったのか?
230 :
VIP番長:2006/12/01(金) 23:55:48.00 ID:S6O5LQDjO
長門之理
231 :
VIP村人k:2006/12/01(金) 23:57:30.69 ID:PJTjFwzj0
>>225 乙でした。たった今読ませてもらいました。
さすがとしか言い様がないです。ステキなSSでした。
みんなこういう長編の方が好きかね?
むしろ、長編と短編どっちがいい?
232 :
水汲みおしち:2006/12/01(金) 23:59:38.08 ID:C5bNNEJLO
スマン。上げてたようだ
233 :
VIP村人r:2006/12/02(土) 00:01:35.79 ID:pwEjFvWbO
長編
234 :
VIP村人v:2006/12/02(土) 00:02:17.42 ID:bP7NV9O7O
>>226 いるいるwwwww
ツンデレって言うと聞こえはいいが…
実は俗に言う典型的なB型女の悪い面を誇張した様な
物我儘で自己中でお天気屋でetc…
書いてると悲しくなるからやめた…orz
('A`)カァチャン ゴメンヨ
コーヒー乙!乙!乙!
次回予告もwktk
236 :
VIP村人o:2006/12/02(土) 00:05:11.62 ID:GYj1SM1RO
長編の方が読み応えあっていい
でもオチまでが綺麗にまとまってる短編も好き
優柔不断な俺orz
237 :
VIP足軽p:2006/12/02(土) 00:09:46.46 ID:Poavd/Z50
落ちまでまとまってる長編が一番良いだろ
238 :
VIP乙女:2006/12/02(土) 00:15:20.32 ID:JERFdu1K0
長編は好きだけど書くのは難しいー。コーヒーの人乙ですよ!!
あ、来週辺りまでに以前書いていた
ガール・ミーツ・ガールの続きらしき物を投下します。
239 :
VIP足軽t:2006/12/02(土) 00:16:51.29 ID:Z4xO0X000
長編って意見が多数だね。
了解しますた。
>>227 がんばっていますので少々お待ちください。
きっと明日の夜には投下できるはずです。
でも、せっかくの休暇をほとんど寝て過ごしてしまった……orz
241 :
VIP足軽MS:2006/12/02(土) 00:20:35.68 ID:hRETagBt0
ここで俺がALWAYS見ながら書いた短編を一つ
242 :
宿屋の女中:2006/12/02(土) 00:23:01.91 ID:QjKOC5+wO
コーヒーの人、もしかしてsubstantial?
243 :
駅前食堂のメグ:2006/12/02(土) 00:23:30.59 ID:tjDgj6kpO
wktk
244 :
武器屋のじじぃ:2006/12/02(土) 00:23:40.26 ID:LUADA18jO
245 :
VIP足軽MS:2006/12/02(土) 00:24:55.21 ID:hRETagBt0
まあALWAYS全然関係ないんだけどな、と先に断っておく
盛り上がりはないが勘弁な
――十二月十八日、早朝。
意識が覚醒する。
顔面に違和感を覚えた。……あの時外した眼鏡が、頭にあった。
わたしは今では煩わしさすら感じる眼鏡を外し――。
「…………」
彼と――。
もう一人の<わたし>がいるのを視認した。
【The Blank of 3 Days】
247 :
愛のセーラー戦士:2006/12/02(土) 00:28:02.09 ID:sSHPN38eO
支援
まずは今わたしが置かれている状況を理解することが先決だ。
「同期を求める」
目の前にいるもう一人の――わたしの異時間同位体である――<わたし>に言う。
……<わたし>は答えない。なぜ?
答えない“わたし”に、わたしは繰り返す。
「同期を求める」
「断る」
拒否された。……理解不能。
「なぜ」
「したくないから」
わからない。<わたし>はなぜそんな非効率的なことを主張する?
ふと、視界の端に驚く彼の顔が映った。
「…………」
<わたし>の視線はわたしをまっすぐに捉えたまま。
「…………」
射抜くような視線を感じながら、わたしは<わたし>の意図を理解できないでいた。
風が一陣、わたしたちを撫ぜるように過ぎ去った後、<わたし>が口を開いた。
「あなたが実行した世界改変をリセットする」
そうだ。思い出した。
わたしは、ほんの数分前にこの世界を改変したのだ。涼宮ハルヒの力を用いて。
わたしの内部に蓄積したエラーデータを、“わたしごと”削除するために。
249 :
VIP悪魔:2006/12/02(土) 00:28:23.74 ID:t1o2rmEh0
「了解した」
頷いてから、わたしは焦りのようなものを覚えた。
「情報統合思念体の存在を感知できない」
「ここにはいない」
<わたし>はわたしの思考を全て分かっているような口調で言う。
……それはそうだ。この<わたし>は未来から来たのだ。わたしを異常から復帰させるために。
「わたしはわたしが現存した時空間の彼らと接続している。再改変はわたし主導でおこなう」
「了解した」
どのみち、統合思念体と接続できないわたしでは、改変された世界を更に改変した上で修正することはできない。
「再改変後、」
再び<わたし>の視線がわたしを貫く。諭すような口調で、
「あなたはあなたが思う行動を取れ」
わたしは何故か分からぬうちに、彼の方を見ていた。
彼はわたしを見ている。
……なぜだろうか。わたしを見ている彼の顔を見たとき、わたしは安心感のようなものを覚えた。
……なぜなのだろう。なぜ彼は、あんなに優しい目をしているのだろうか――。
――十二月十八日、早朝。世界の再修正を完了。
251 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 00:31:02.05 ID:8ZV8BNwb0
>>240 作者さんからレスもらえるとは思わんかった
明日の夜wktkしながらスレに張り付いてるよ
――十二月十八日、正午。
彼と、涼宮ハルヒと朝比奈みくると古泉一樹と共に部室棟の階段を降りる。
涼宮ハルヒが上機嫌で何事か言い、古泉一樹が相槌を打ち、彼が文句を言い、朝比奈みくるはそれを苦笑しながら見ている。
――再改変後、
世界は再改変された。しかし、まだ完全に修正されてはいない。
わたしの仕事は、最終的な調整だ。
――あなたはあなたが思う行動を取れ。
そう。わたしは終わらせなければいけない。この世界の異常はまだ続いているのだ。
全てを終わらせるためには――世界は唯一であったという証明をしなければならない。
「…………」
この世界でただ一人、二通りの記憶を持ってしまうかもしれない存在。
わたしは、その記憶の多重化を防がねばならない。
そのためには――。
「――――」
わたしのすぐ横を、“何か”が通り過ぎる。
鈍い音がして、その“何か”は階段の踊り場に崩れ落ちた。
「――キョン!?」
涼宮ハルヒの叫ぶ声が聞こえる。
“何か”ではない、“誰か”。
それは、間違いなく彼だった。
「キョン、ちょっとキョン!」
涼宮ハルヒが血の気の失せた顔で彼の体を揺する。
「……くん!キョンくん!!」
朝比奈みくるが涙を流しながら彼の名を呼び続ける。
「…………」
古泉一樹がいつもの微笑を消してその様子を見つめている。
彼は動かない。
わたしが、“今ここにいる”わたしが取るべき行動は――。
「…………」
わたしは携帯電話を取り出して、119をダイアルする。
――ごめんなさい。
電話を終えてから、わたしは心の中で呟いた。
それは、彼に対する謝罪か、それとも――。
254 :
高校の女教師:2006/12/02(土) 00:34:25.21 ID:kH8J6Cf4O
支援
――十二月十八日、午後。
「後はあたしが見てるから……あんたたちは帰っていいわ」
涼宮ハルヒが思い詰めた様子で呟いた。
「……涼宮さん」
「朝比奈さん、行きましょう。長門さんも」
朝比奈みくるが涼宮ハルヒを心配そうに見つめるが、古泉一樹はその背中に声をかけて退場するよう促した。
「今は……そっとしておいた方がいい」
古泉一樹が朝比奈みくるの肩を取って病室を出る。朝比奈みくるは何度も振り返り、彼と涼宮ハルヒの姿を見ていた。
わたしも後を追うように病室を出ると、古泉一樹が疲れたような笑みで、
「……申し訳ありませんが、僕はこれで失礼します。少々ヤボ用ができたもので」
「古泉くん」
立ち去ろうとした古泉一樹を朝比奈みくるが呼び止めた。
「何でしょう?」
「キョンくん……だいじょうぶでしょうか?」
古泉一樹は幾分笑みを緩めると、
「心配いりません。必ず目を覚ましますよ。……涼宮さんがそれを望まないはずがありませんから」
それだけを言って、手をついと挙げることで挨拶とすると、わたしたちに背を向けて歩き去った。
「……長門さん」
朝比奈みくるがわたしを見る。彼女たち未来人の主張では、涼宮ハルヒに世界を改変する力はないということになっている。
それが理由なのかは定かではないが、彼女の不安を拭い去るには古泉一樹の言葉だけでは足りなかったのだろうか。
「心配ない」
彼は必ず目を覚ます。……その理由を、わたしは知っている。
彼が今の状況にある、その全ての理由を。
「きっと、だいじょうぶ」
それは身勝手な言い分。独りよがりな希望。
なぜ――なぜわたしは、こんなことを考えるのだろうか。
256 :
高校の女教師:2006/12/02(土) 00:36:10.06 ID:kH8J6Cf4O
支援
――十二月十九日、午後。
「少し休んだほうがいい」
「ありがと、有希……。さすがにちょっと疲れたわ……」
わたしの言葉に、涼宮ハルヒが応える。
いつの間に用意したのか、寝袋に入ってすぐに寝息を立て始めた。
……なぜだろうか。その姿を見て、わたしは少し――羨望にも似た思いを感じた。
わたしは彼の眠っているベッドへと歩み寄り、彼の顔を見る。
「…………」
完全に意識を失っているため、呼吸は最小限で寝息すら聞こえない。
決して苦しんではいない。その姿を見て、わたしはまた、安心感のようなものを覚えた。
……まただ。また身勝手なことをわたしは考えている。
わたしのために倒れた彼を見て、なぜわたしは安心してしまっている?
わたしはなぜ、ここにいる?
258 :
愛のセーラー戦士:2006/12/02(土) 00:37:15.23 ID:sSHPN38eO
支援
――十二月二十日、午後。
「分かっていても、何もできないというのは歯がゆいものですね」
そう呟いたのは古泉一樹だった。
「今度ばかりは僕にできることはなさそうです。残念ながらね」
「そんな、あたしだって……」
苦笑する古泉一樹に、朝比奈みくるは首を振って言った。
「あたし、時々この時間平面にいる意味が分からなくなる。どうして……あたしはこうなることを知らなかったんだろうって。知ってたら――」
「それは違うでしょう」
古泉一樹が朝比奈みくるの言葉を遮る。
「仮に知っていたとしても――逆に、もっと辛くなったのではないですか? もしもこれが、あなた方の言う<規定事項>なのだとしたら」
「それは……」
朝比奈みくるは古泉一樹を見上げた後、言葉を詰まらせて俯いた。
「……すいません。他意はなかったんですが」
「ううん……。いいんです」
謝罪する古泉一樹に朝比奈みくるがまた首を振った。
「古泉くんの言うとおり。知ってても何もできないのが、あたしだから……」
朝比奈みくるはそこまで言って顔を上げ、
「だから、早く……一人前にならないと」
「…………」
わたしと彼は知っている。彼女がいずれ、この世界を救う一翼を担うことを。
だけど、それは言えない。
未来に対する現在の自分の責任をわたしに教えてくれたのは、他ならぬ彼女だ。
だから彼女には――自分の意志と力で、全てを。
己を縛る<規定事項>と<禁則事項>を打ち破る術を。
それは――わたしも知りたいこと。
260 :
高校の女教師:2006/12/02(土) 00:39:59.62 ID:kH8J6Cf4O
支援
――十二月二十一日、深夜。
宿直の看護士以外は起きている者はいないであろう病院の病室に、わたしは立っていた。
彼に全てを伝えるために。
「すべての責任はわたしにある」
彼がいつにない真剣な顔で、わたしを見つめている。
「わたしの処分が検討されている」
彼は頭を抱え、大きく息を吸い込んだ後、その息を吐き出すように声を発した。
「誰が検討してるんだ?」
「情報統合思念体」
何かを考え込むようにして彼が口を閉ざす。暫しの間があって、
「だとしても」彼が口を開いた。「お前がバグることは三年前に解っていたんだよな。なら、いつでも俺に言えばよかったじゃないか。
文化祭の後でもいいし、何なら草野球以前でもいい。そうすりゃ俺だって十二月十八日の時点で素早く行動できたってもんだ。
さっさと全員を集合させて、三年前に戻ることができたのに」
彼の言うことは理解できる。しかし、
「仮にわたしが事前にそれを伝えていても、異常動作したわたしはあなたから該当する記憶を消去したうえで世界を変化させていただろう。
また、そうしなかったという保証はない。わたしにできたのはあなたが可能な限り元の状態のまま十八日を迎えるように保持するだけ」
「脱出プログラムも残してくれただろ。充分だよ」
彼がわたしを真っ直ぐに見つめて言う。
いや――。
彼が今、その鋭い視線で捉えているのは――。
「わたしが再び異常動作を起こさないという確証はない。わたしがここに存在し続ける限り、わたし内部のエラーも蓄積し続ける。
その可能性がある。それはとても危険なこと」
262 :
高校の女教師:2006/12/02(土) 00:42:49.55 ID:kH8J6Cf4O
支援
「くそったれと伝えろ」
彼がベッドに横たわったまま手を伸ばしてわたしの手を取った。
握られた手から感じる、彼の温もり。そして、彼の激昂。
「お前の親玉に言ってくれ。お前が消えるなり居なくなるなりしたら、いいか? 俺は暴れるぞ。何としてでもお前を取り戻しに行く。
俺には何の能もないが、ハルヒをたきつけることくらいはできるんだ」
彼の視線から、わたしは二つの意思を感じ取った。
一つはわたしに対する気遣い。そして、もう一つは――
「つべこべぬかすならハルヒと一緒に今度こそ世界を作り変えてやる。あの三日間みたいに、お前はいるが情報統合思念体なんぞは
いない世界をな。さぞかし失望するだろうぜ。何が観察対象だ。知るか」
統合思念体に対する、叱責。
なぜ――彼はこんなにも優しいのだろうか。
観察のための道具に過ぎないわたしのために、世界を作り変えることすらいとわないと、彼は宣言した。
わたしと統合思念体を全く異なる存在として、わたしを一人の人間として見ていることの証明。
「伝える」
彼の手の温もりを感じたまま、わたしは頷いた。
「ありがとう」
この日わたしは、初めて自分に対して観察すること以外の存在意義を見出した。
【The Blank of 3 Days】_fin
264 :
高校の女教師:2006/12/02(土) 00:45:36.15 ID:kH8J6Cf4O
GJ!
長門語り上手いな。
なんかもう一度消失読みたくなってきたぜ。
265 :
武器屋のじじぃ:2006/12/02(土) 00:45:57.87 ID:IZ0qCQ8yO
乙!GJ!
長門……
266 :
VIP足軽MS:2006/12/02(土) 00:46:44.62 ID:hRETagBt0
以上。支援ありがとう。
できれば土日のどちらかで【罪と罰】の第3話を投下したいと思う
いや、うん。誰も覚えてないとは思うが
267 :
高校の女教師:2006/12/02(土) 00:48:23.59 ID:kH8J6Cf4O
>>266 あんたか!
wktkだぜ。
さて、wiki行ってくる。
ノシ
268 :
愛のセーラー戦士:2006/12/02(土) 00:53:34.83 ID:sSHPN38eO
乙!
自分が存在する事の証明というか、理由?ってのがあると心の支えになるよな
消失読みながらそんなことを思った
269 :
高校の女教師:2006/12/02(土) 00:59:28.88 ID:kH8J6Cf4O
「罪と罰」思い出したぞ!
長いこと待った甲斐があったぜ。
270 :
愛のセーラー戦士:2006/12/02(土) 01:03:08.72 ID:CpkTJb6VO
あげ
271 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:08:49.78 ID:zZ6DqgLD0
今日はもう投下なしかな?
272 :
門番の娘:2006/12/02(土) 01:09:14.02 ID:IZ0qCQ8yO
恐いものなんてなかった。
あたしはいつでも恐れるものなんてなかった。
だけど今、初めて本気で恐がっている自分がいる。
「もういいって。僕は大丈夫だからさ!」
教室の端、怒りを全身から噴き出している人物に恐れを抱いてる。
「黙ってろ、国木田。……山根、これが最後だ。なぜ国木田を怪我させた?」
谷口の怒った所なら中学時代に何回か見た。今だって同じように怒っている。
でも、言葉を発しているのは別人だ。
「ひぃっ!ごめんなさい、ごめんなさいキョンくん!」
そう、本気で怒るキョンに、あたしは恐れを抱いた。
「……チッ。殴る気も失せた。終わりだ、谷口」
騒動が終わり、あたしの前で鞄を持った。いまから部活がある。
「行こうぜ、ハルヒ」
あたしは手を取られた……けど、その手を振り払った。
何故だろう。手が勝手に嫌がった。
あたしはキョンの彼女になれたのに、ほんとはうれしいのに振り払った。
「ハル……ヒ?どうした」
全部台無しになる言葉が喉から、勝手に出てくる。初めて感じた恐れは、あたしの中をグチャグチャにした。
「や、やだ……こんなキョン……違うよ。恐い……」
あたしは震えていた。
驚きと戸惑いの表情を浮かべてあたしを見つめるキョンに、明確な拒絶の言葉を投げ掛けてしまった。
「近付かないで……」
ってのを考えたが続かないという保守ww
274 :
悲しい一人暮らし:2006/12/02(土) 01:17:12.84 ID:sSHPN38eO
山根は何をしちまったんだwww
275 :
門番の娘:2006/12/02(土) 01:22:03.88 ID:IZ0qCQ8yO
>>274 俺の脳内設定では階段から突き落とすという陰湿な行為でキョンと谷口がマジギレって感じだ
続けようかな、キョンとハルヒの離れてく心みたいなテーマでww
276 :
門番の娘:2006/12/02(土) 01:30:20.22 ID:LUADA18jO
離れくのか〜
離れそうでやっぱ離れないってのは無し?w
>>275 ちょwww国木田死ぬってwww
そりゃ流石に怒るわ。
278 :
門番の娘:2006/12/02(土) 01:34:43.10 ID:IZ0qCQ8yO
だが続かないww
このネタ使えると思う?そうなら書いてくる
「離れそうで離れない」なら需要はあるかと。
280 :
門番の娘:2006/12/02(土) 01:42:56.65 ID:IZ0qCQ8yO
まぁオチは結局ヨリ戻るでも全然構わないよな、今考えてるしww
今日人少ないよな……orz
「キョン!やっぱりあたしはあんたが好きよ!」が大道だからな。
確かに人少ないな…
投下が終わって満足して寝ちまったかな?
282 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:54:42.02 ID:zZ6DqgLD0
じゃあ投下
ktkr
284 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:55:54.16 ID:zZ6DqgLD0
世界中の大多数の人間が翌日から待っているだろう休日に浮かれているだろう週末の金曜日の事である。
俺はいつものようにだらだらと先生の声を右から左に聞き流してようやくたどり着いた放課後SOS団が
占領している文芸部の部室で朝比奈さんの入れてくれたお茶を飲みつつ古泉とボードゲームをして時間をつぶしていた。
明日市内探索が無かったら妹と遊んでやるか、なにして遊んでやろうなどと考えていたら
いつものように凄まじい轟音と共にドアを勢い良く空けて登場したのはハルヒに他ならない。
「みくるちゃんお茶」と言ってドカッと団長席に腰掛け「今日はちょっとみんなに聞きたい事があるの。」と言った。
古泉はニヤケ面のまま、おや?っと言った表情を見せた。朝比奈さんは怯えの表情の中に好奇の表情が少し、ほんの少しだけ浮かんでる。
長門は・・・俺にもどういった表情なのか理解できない、と言うより聞いてなかったんじゃないかというくらいの無反応。
誰も何も言葉を発しないのでとりあえず聞いてみた。
「なにをだ?」「みんなは休日って何をして過ごしてるの?」
うむ、少しずつまともな思考を取り戻してきたみたいだな。もっととんでもないこと言われるのかと軽く警戒していたのだが。
「僕は普段はアルバイトしてますよ」とニヤケ面をこっちに向けて答えた。俺に答えるな。質問してるのはハルヒだ。
「ふ〜ん。みくるちゃんは?」
朝比奈さんをちょっと眺めて怯えの表情が減ってる事を確認してからハルヒに目をやると、ハルヒは古泉の発言と思われるをメモしてるように見えた。
「私はお茶を買ったり鶴屋さんとお話したりしてます」と、可愛らしい笑顔で答えた。その表情を独り占めしたいと思ったのは俺だけではなかろう。
「有希は?」「読書」即座に言い放つ長門と既に予測していたであろう解答である読書という文字をメモし終えたハルヒは江戸っ子だなと思うほどせっかちなんだろう。
「ふ〜ん、みんな予想通りね。」確かにな。これ以外の事をしている団員は想像できない。もちろんハルヒは除くが。
「で、キョンは?」「そうだな、俺は明日は妹と遊んでやろうと思っている。普段は家でごろごろしてたり谷口あたりと話してたりだな。」
「あんた本当につまらない人生送ってるわね!人生の3分の1は損してるわよ。SOS団に入れてあげた事を感謝してほしいくらいだわ。」
なぜ俺の時だけそんなに文句が出てくる。古泉だって将来嫌でも働かないといけないのに今からアルバイトは青春の無駄遣いだぞくらい言ってやればいいのに。
朝比奈さんはいいとして、長門だってせっかくの休日を部屋で過ごしてるのにはかわりないじゃないか。
なんてそんな事言える訳はなく、代わりに「お前は何して過ごしてるんだ?」とお茶を濁した。ハッキリ言えない自分の言葉で朝比奈さんの入れてくれたお茶も濁してしまった気がして後悔した。
285 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:56:21.08 ID:zZ6DqgLD0
ガタッ!! 「決めた!!」
そう言って立ち上がりなにやらくじの様な者をつくり始めた。くじと言っても探索の時のペア決めのアレみたいなヤツだ。というかアレそのものだ。
「おい、俺の質問に答えろよ。自分だけ答えないのは卑怯じゃないのか?」
「ちょっと落ち着きなさいよキョン!誰も答えないなんて言ってないじゃない!」
「じゃあ答えてもらおうか。もう一度言うぞ!ハルヒ、休日は何をしてすごしt」「ちょっと黙ってて!!」
くっなんてわがままな団長だ。教える気なんてないんじゃないのか?古泉を見るとむかつくニヤケ面で肩をすくめてやがる。
「やれやれ」と言って朝比奈さんに、鶴屋さんとどんなことしているのか聞いていると
「できた!」と叫んでみんなにくじを引かせた。
「なんのくじだ?説明しろ」と言いながらくじを引く俺。俺は下僕体質なのかな?
「決まってるじゃない!団員の休日を1日かけてレポートするのよ!」
「なぜだ?」「みんなの私生活に興味があるからよ!他に理由が必要かしら?」とニヤーっとした嫌みったらしい目つきで言ってくじを回収した。
「それにあたしが休日何をしてるのか気になるんでしょ?」と言ってくじを開封した。気になるなんて言ってない!聞かれたから聞き返しただけだ!
結果は
俺と朝比奈さん。
ハルヒと長門と古泉。
ハルヒの顔がちょっと曇ったが古泉の「素晴らしい考えですが、どうすればいいんですか?」という発言でハッとして元の表情に戻り、
「明日は土曜日だから一日かけてペアの私生活をレポートにまとめてきなさい!ありのままの生活を過ごすのよ!いい?デートじゃないのよ!うかれてるんじゃないキョン!わかった?」
なぜ俺にだけ言う、例えデートじゃなかろうとも朝比奈さんと2人きりだから浮かれてしまうのはしょうがないじゃないかなんて言える訳もなく「わかってるって。」と流しておく。
「それにあんた言ったわよね!明日は妹ちゃんと遊ぶんでしょ?みくるちゃん?ちゃんと妹ちゃんと遊んでるキョンをレポートしとくのよ!」という発言で2人きりじゃない事を再認識して微量のストレスが検知された。が、
「ふぁ〜い」なんて言ってたがとても柔らかい笑顔をしてたので俺のストレスは全て浄化された。今ならハルヒに「お前も朝比奈さんのように笑って見ろ」と言える気がする。言わないが。
「じゃあ午前中に朝比奈さんを観察しますので午後は俺の日常に付き合ってください」「わかりましたぁ」なんてやり取りをしてから
「ハルヒ達はどうするんだ?古泉なんてバイトじゃないのか?」「古泉くんバイトはサボれないの?もしくはバイトの見学は?」
「ええ、どうしてもと言うのでしたら明日のバイトは休みますが見学のほうはちょっと…」
「じゃあいいわ!バイトしてる古泉くんは見てみたかったけど無理して休む必要もないわ。じゃあ有希!明日はあたしに付き合ってもらうわよ!」…やれやれ。
「おいおい、長門の読書もちゃんとレポートしとけよ」と言ってからニヤケ面を軽く睨んだ。俺もバイトなんて言ったら押しかけてきそうだな。これも人徳のなさか。
その日は古泉がバイトという名目でサボった事に軽い憤りを覚えつつ朝比奈さんと一緒にいられる休日に優越感を覚え眠りに着いた。
支援
287 :
VIP皇帝:2006/12/02(土) 01:56:47.86 ID:Nc8Jbrx50
支援
288 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:57:38.43 ID:zZ6DqgLD0
翌日、土曜日俺はいつものように妹によって起こされた。
「そうだ、妹よ。今日のお前はヒマか?」「キョンくん遊んでくれるのー?」「ああ。もう1人いてもよければな。」「わーいだれー?」「秘密だ。後でのお楽しみ。」「えへっやったぁ!」
というやりとりを経て俺は待ち合わせのデパート前で妹と、朝比奈さんに会って三人でいる。
「こんにちは、妹ちゃん」「こら!走り回らない!あっ朝比奈さん、こんにちは」「こんにちはーえへっ」
「じゃあ早速買いに行きましょうか。たしかお茶の葉でしたよね?」「そうですぅ」「じゃあさっそく買いに行こー!」「こらこら、はしゃぐんじゃあありません!」
なんて話していると目的の店に到着した。「ちょっと待っててくださいね?」と言い残し店主と話しに奥へ行ってしまった。妹よ、お前は匂いを嗅ぎすぎだ!さて、お茶の店に居てもする事ないし妹と遊ぶか。
妹と遊んでいたらいつの間にか買い物を済ませたであろう朝比奈さんはまるで聖母のような笑顔で歳暮のような紙袋を抱えてた。ずっと見てたのだろうか。
この人の旦那さんになる人は幸せだろうななんて考えながら「すみません、妹がお茶に興味ないみたいで一緒に遊んでやってたら気づきませんでした。」と妹の部分を強調し言った。
そしてさりげなく荷物を持ってあげた。
「ごめんなさいキョンくん、奥で店主と話が盛り上がってしまって。」「いえいえ、ところで「次はなにするのー??」こら、俺のセリフをとるんじゃありません。
「うふふ。キョンくんと妹ちゃん、息がピッタリですね。」「だってキョンくんは━━━」こら、俺のポジションを取るんじゃありません。俺が会話に参加できないでしょう?
こうして俺は2人の会話にぎりぎり参加できない距離で後を追った。話を聞くと鶴屋さんに会うらしい。しかも妹の提案でアポなしだそうだ。
289 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:57:54.36 ID:zZ6DqgLD0
鶴屋邸に着いて朝比奈さんが鶴屋さんを呼ぶことになった。
「じゃあキョンくんおんぶしてー」なんて言って俺にまとわりついてくる妹を華麗にスルーしているとすぐに鶴屋さんが登場した。
「おやーみくるにキョンくんに妹ちゃん、まるで親子だねぇ!」とは鶴屋さんの第一声。朝比奈さんは俺と妹がいることを言ってなかったようだ。
鶴屋さんは俺たちを見ながら「みくると妹ちゃんは似てるし、親子でとおるっさ!今日からキミタチは夫婦だね!」そんな風に見てもらえるのはうれしいかぎりです。
気を良くした俺は思い出したように妹をおんぶすると妹はさっさと俺の背中で寝てしまった。
「キョンくんはいいお父さんになるにょろよ〜!みくる!キョンくんの事お父さんって呼んでみて」なんて言われて「えっ」なんて顔を赤くしてオロオロしている朝比奈さんを見ているとこの歳でお父さんになるのも悪くないんじゃないかという気がしてきた。
「でも、キョンくんはいいお父さんになりそうですね。キョンくんのお嫁さんも娘さんも幸せそうです。」なんて朝比奈さんに言われるなんて思ってもなかった俺は、「朝比奈さんの旦那さんになる人は幸せでしょうね。」と言っといた。
朝比奈さんは『あっ』っとでもいいたそうな顔をして顔を赤くした。
恥ずかしくなってきたので話を変えるために「玄関の前でお話してるのは迷惑じゃないですか?と聞くと」「じゃああたしは夫婦の水入らずを邪魔するのも悪いし帰るにょろ!じゃね!」なんていい残して俺たちに何かを言わせる暇もなく玄関に滑り込んでいった。
やれやれ。「じゃあどうしましょう?俺が妹と妹と居るところを見れたんでハルヒには言い訳着くから帰宅しますか?」と本当なら朝比奈さんと実質2人というシチュエーションを疲れによって放棄しようとしたら、
「あの…、キョンくんが家で、その、・・・妹ちゃんとどんなことしてるのか見たいんですけどキョンくんちに行っちゃダメですか?」ああそんな表情でそんなこと言われると俺は心の準備しなければいけないのか、なんて妄想をしてしまいますよ。
「なんにもないですしなんにもしてないですけどいいですか?」「はいっ」そんなにうれしそうに言われると古泉並みにニヤケそうです。
290 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:58:11.11 ID:zZ6DqgLD0
と言うことで自宅。自室。3人と1匹。妹は俺の膝の上でウトウトしている。シャミは朝比奈さんの横で寝ている。
朝比奈さんは妹に遊ばされて妹は勝手に疲れて俺の膝に乗ってきた訳だ。
「家に来てもなにもかわらないでしょう?」「そうですね。自然体でいいじゃないですか。」そんなもんなのかと考えてると、
「キョンくんは自宅でもお父さんみたいですね。」「そんなことないですよ。普段はSOS団の活動であんまりかまってやれてないですし。」
俺はいいお父さんよりあなたの旦那さんになりたいですよなんて思っていると「ううん、キョンくんはいいお父さんなの」なんて小声で言ってるのが耳に入ってきた。
「へっ?」「あっ…。」
一瞬の沈黙の後、落ち着こうと取りあえず膝の上にいる妹の頭を撫でてやると寝ていることが確認できた。
そして朝比奈さんをふとみると、何かを考えるようにしてから「そろそろ帰りますね」と言われたが気になったので、「わかりましたじゃあ送っていきます。話の続きは帰り道でしましょう。」と言って妹をベッドに寝させて家を出た。
帰り道で、朝比奈さんは無言だった。俺はなにも言ってはいけない気がして黙っていた。帰り道を数分ほど歩いてようやく朝比奈さんは口を開いた。
「妹ちゃんはキョンくんのこと本当に好きなんですね。」「そうなんですか?まあ俺なりに大切にしているつもりなんで好かれているならうれしいですが。」
「…。」無言。長門並みに無口になった朝比奈さん。
ふとこっちを見て「これは禁則事項かもしれないですけど」と前置きしてから
「女の子の初恋はお父さんなんです。いえ、みんなそうって訳じゃあないんですけど、私はそうでした。」
そうなのか?でも朝比奈さんがそういうならそうでしょう。
「でも、妹ちゃんの初恋の人はキョンくんなんです。」
「そうなんですか。ってなんで知ってるんですか?妹から聞いたんですか?」
「それは… …ごめんなさい禁則事項です。」
「えっ!??」禁則事項って事は未来絡み?
「覚えてますか?鶴屋さんちでの会話なんですけど・・・」ええっとおかしなところはあったかな?
「私、『キョンくんはいいお父さんになりそうですね。』って言った後『キョンくんのお嫁さんも娘さんも幸せそうです。』って言ったんです。」
ん?言いたいことがよく分からない。なんて考えていると朝比奈さんは、「じゃあわたしはここからは1人で帰りますね。」と言った。
「家まで送りますよ。」もう少し詳しく聞きたかったし、とは言わなかったが「いいの。キョンくん、変なこと言ってごめんなさい」と言って帰ってしまった朝比奈さんを追いかけることはなく、俺は朝比奈さんの言った意味を考えていた。
291 :
VIP番長:2006/12/02(土) 01:58:14.09 ID:Nc8Jbrx50
支援
292 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:58:24.76 ID:zZ6DqgLD0
家に着くまで俺は、ハルヒじゃなくて朝比奈さんと結婚するのか?とか、なぜハルヒがでてくるのかなんて考えていた。
家に帰って妹のいなくなったベッドに寝転がって考えていると一つの結論に達した。
『未来人』の朝比奈さんは『キョンくんのお嫁さんも娘さんも幸せそうです。』と言った。なぜ娘だと言ったのか。息子の可能性だってあるのに。
もしかしたら人づてに聞いただけなのかも知れないが、そうするとそ帰りになぜ俺に言ったのかわからない。
ならば朝比奈さんは俺か…妹の娘なのだろうか。確証はないが、それが正解な気がしてきた。
そしてわざわざ初恋の話を俺にしてきたって事は、もしかしたら俺の娘じゃないかという気がしてきた。
もちろん真相はわからない。考えるのが面倒になってその日は眠りについた。
293 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 01:58:34.40 ID:zZ6DqgLD0
日曜日はさんで月曜日。すっかり土曜の事を忘れていつものように部室をノックしてはいる。
「あれ?朝比奈さんだけですか?ハルヒは掃除当番ですけど、古泉はともかく長門がいないのはめずらしいな。」
「あっ昨日買ったお茶いれますね、お父さん」
「あ、ありがとうございます」なんて普通の返事をしたあと「って俺がお父さんだったんですか?」
「気づいてなかったんですか?」いやいや、なんとなくそんな気はしてたけどまさか本当にそうだなんて。
俺の勝手な妄想だったと思ってたのに。
「昨日の禁則事項は、本当は禁則事項じゃなかったんです。ただ、そう言った方がキョンくんはしっかりと考えてくれると思って。」
まあ確かに禁則事項という言葉があったから考えたんだが。
「そろそろお母さんも来ますよ」
「えっ?それってもしかs「やっほーーー!!!」
こいつなのか…やれやれ、規定事項ってヤツか。
「みくるちゃんお茶!!それと、今日は土曜日のこと詳しく聞かせてもらうから!!!」
こいつはなにかいいことあったのだろうか。長門の意外な一面を見たとか?
まあいい。高校生の分際で自分の娘と親子水入らずで過ごした俺はちょっとのことでは文句は言わないぜ。
「キョン!ちょっときなさい!!」へいへい。将来結婚したら尻に敷かれるんだろうななんて恋人ですらないコイツとの将来を想像してみる。
ハルヒ
なによ?
将来はもう少しでいいから優しくしてくれよ?
終われ
支援
295 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 02:00:21.48 ID:zZ6DqgLD0
もうねたぎれです
296 :
VIP侍:2006/12/02(土) 02:01:27.10 ID:Nc8Jbrx50
乙!
GJ!
良いね。
タイトルはどうする?
298 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 02:03:20.88 ID:zZ6DqgLD0
299 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 02:05:02.58 ID:zZ6DqgLD0
ごめん、俺空気読めてなかったね
もう寝ます
300 :
VIP足軽x:2006/12/02(土) 02:05:21.37 ID:xqrMcmRO0
ハジメテノヒト
エロイか
>>300 なんかエロいが、良いんじゃないか?
意味深だしw
302 :
VIP村人q:2006/12/02(土) 02:30:22.87 ID:mVBd/QzU0
遅くなりましたが、コーヒーの人、お疲れ様でした。
まさか最終回が肉塊バイオレンスアクションとは……!
それから、『長門有希の報告』について、前スレで指摘してくれた人、ありがとうございます。
現在は台詞の後の地の分で、誰が話したかを書いていますが、
台詞の応酬の時は、確かに分かりにくいかも。
元のキャラの口調から性格を考え、それに基づいて翻訳してるつもりですが、
難しいですね、やっぱり。
303 :
愛のセーラー戦士:2006/12/02(土) 02:41:44.84 ID:kH8J6Cf4O
ここいらでアゲ。
304 :
VIP侍:2006/12/02(土) 02:42:17.94 ID:Nc8Jbrx50
保守保守
COOL EDITION聞いていたら変なSSが出来つつある・・・。
306 :
VIP村人u:2006/12/02(土) 04:04:55.41 ID:ZPcwuCw+O
元気長門が出てきたときはともかく、読んでれば普通に誰の発言かわかるぜ>現地語
明日から神戸入りか…もうネルポo(-.- )Zzz
307 :
VIP毒蛇:2006/12/02(土) 04:39:13.60 ID:pznoQne/0
要らんかもしれんが保守する。
308 :
VIP村人w:2006/12/02(土) 05:02:27.45 ID:pwEjFvWbO
ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
309 :
VIP村人m:2006/12/02(土) 06:11:33.66 ID:p3F6H8Lf0
1時間保守なしってマジかwww
310 :
愛のセーラー戦士:2006/12/02(土) 06:40:52.48 ID:nq5dSgzYO
出勤前保守
311 :
VIP村人n:2006/12/02(土) 07:17:25.31 ID:p3F6H8Lf0
h
312 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 07:25:55.46 ID:kH8J6Cf4O
おはよう保守。
また寝るけどw
313 :
VIP村人y:2006/12/02(土) 07:30:45.08 ID:hmU0Gsa8O
全スレの「涼宮ハルヒの交換」がまだwikiに無い件
314 :
VIP足軽i:2006/12/02(土) 08:07:12.66 ID:UemnZNxD0
保守
315 :
VIP商人:2006/12/02(土) 08:42:50.35 ID:sSHPN38eO
保守
316 :
VIP村人g:2006/12/02(土) 09:00:04.64 ID:hRETagBt0
よし、パンジーをキョンの息子にする方法を何となく思いついたかもしれない保守
317 :
宿屋の女中:2006/12/02(土) 09:21:04.02 ID:w/pDVEfj0
それだとスターウォーズ並みに親子確執物語だなw
318 :
VIP村人XL:2006/12/02(土) 09:44:28.70 ID:pwEjFvWbO
ハル
319 :
VIP足軽e:2006/12/02(土) 09:48:48.52 ID:JERFdu1K0
投下OK?
320 :
南蛮ムキトス:2006/12/02(土) 09:50:57.93 ID:LnGf9LVZ0
カモーン
全力で支援する
321 :
南蛮ムキトス:2006/12/02(土) 09:52:35.16 ID:LnGf9LVZ0
って俺しか居ない?(゜Д゜;)
322 :
VIP村人x:2006/12/02(土) 09:53:58.17 ID:mVBd/QzU0
>321
そのような事実は一切ございません。
「さあ、今日もジョンを探しに行くわよ!」
涼宮さんは今日も元気にそう宣言したの。
涼宮さんの思いつきで始まったSOS団なる団体の活動の、えっと、これで何回目だったか
しら。
そうそう、涼宮さん達の目の前で消えちゃった男の子を探すのが目的なのよね。
SOS団は一応『世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団』を略したもののはずだけど、こ
れだとまるで『スミスを探すために大いに奔走する涼宮ハルヒの団』って感じかも。
まあ、そんなことはどうでもいいんだけど。
「ほらほら、皆元気出してっ。特に有希ちゃん、あなた元気なさすぎよ!」
「う……、うん。ごめん」
涼宮さんに指摘された長門さんが頭を下げる。
長門さんって涼宮さんの前だと何時も萎縮してばかりよね。涼宮さんが居なくてもあんま
り変わらないといえば変わらないんだけど、涼宮さんが居るとまるで当社比3割増って感じ
ね。
「謝っても仕方ないでしょ。……もう、まあ良いわ、早く行きましょう」
涼宮さんが元気に歩き出す。
そう言えば今日は、皆で郊外まで行くんだっけ。
どうしてそれが人を探すことと関係あるのかしら……。最近は何だか手段と目的が逆転し
ている気がするわよね。あたしとしては、それはそれでかまわないような気もするんだけど。
「大丈夫、長門さん?」
「……うん」
電車に乗り込んだあたしは、隣に座っている長門さんに声をかけた。
長門さん、体調悪そう。……大丈夫かなあ、大丈夫だとは思うんだけど。
「ごめんね、朝倉さん、つきあわせちゃって」
「あら、そんなこと気にしなくて良いわよ」
そう、そんなこと気にしなくて良いの。
そんな細かいことは、ね?
あたしはその男の子、えっと、ジョンって言わせて貰おうかしら。
ジョンが消えた場所には居合わせてなかったんだけど、あたしは彼のことを覚えていたか
ら……、SOS団って名の着く団体に居た四人以外で彼のことを覚えていた唯一の人物があた
しだったのよね。
だからあたしは今、この場所に居るの。
報われない願いと叶わない目的を知りながら、一緒に居るの。
電車を三回ほど乗り換えた田舎の駅から伸びるハイキングコース。
この中腹辺りの場所が、宇宙と交信するのに良いスポットだって涼宮さんは言っていたけ
ど、そんな理屈で行こうと思う涼宮さんも、納得して着いて来る長門さんや朝比奈さんや古
泉くんもどうかと思うわ。
元々何も知らない涼宮さんはともかくとして、この世界では、他の三人もただの人間なの
にね。
「大丈夫ですか?」
古泉くんが、遅れがちな長門さんを気遣っている。
この世界の長門さんはただの女の子。それも体力的には平均以下って感じだから、遅れち
ゃうのも仕方ないことなのよね。それに今日は、体調もあんまりよく無さそうだし。
「う、うん……」
「余り無理しないでくださいね」
「……うん」
でも、長門さんは自分からは弱音を言わないから。
こうして他の人が気遣ってあげないといけないのよね。……それだけ庇護欲をそそる存在
ってことなのかしら?
まあ、古泉くんも朝比奈さんもそういう風に気を遣ってあげるのが全然気にならないタイ
プみたいだけど。女の子に優しい優等生と人当たりの良い上級生だもん、当然と言えば当然
よね。
あたしは……、あたしは、どうかしら?
一応あたしも優等生タイプってことになっているけど、長門さんの前でのあたしがそうで
ないといけない理由なんて、どこにも無いのよね。
「古泉くん、こっち来て」
「あ、はい」
長門さんの方を、ううん、長門さんのことばかり気遣っている古泉くんの方を何度かちら
ちらと振り返るようにして見ていた涼宮さんが、ちょっと不機嫌そうな口調で古泉くんのこ
とを呼びよせた。
何だか、とっても分かりやすい反応よね。
あたしは思わず朝比奈さんと顔を見合わせちゃう。どうやら彼女もあたしと同じことを思
っているみたい。朝比奈さん、おっとりしているけどこういうことには結構鋭いから。
「気をつけてね。足元がごつごつしているから」
「……はい」
朝比奈さんが長門さんの手を引いてあげている。朝比奈さん、良い人よね。
でも、長門さんは何だか心ここに非ずって感じで、前を行く二人を気にしている感じなの。
この二人、最近結構良い感じなのよね。
元々古泉くんは涼宮さんが好きだったみたいなんだけど、最近は涼宮さんもまんざらじゃ
なさそうだし……、周りに女の子が増えて、危機感が出てきたせいかしら?
二人とも具体的なことは何も言ってないみたいだけど、後は時間の問題とか、きっかけ次
第ってところじゃないかしら。
長門さんがそれを気にしているのは……、やっぱり、そういうことなのよね。
まあ、古泉くんは優しい男の子だもんね。長門さんが古泉くんを好きになっても、そんな
におかしくは無いと思う。
だってこの世界では、長門さんの初恋の人にはもう会えないんだし。
でも、変なの。
この形を望んだのは、長門さん自身のはずなのにね。
326 :
南蛮ムキトス:2006/12/02(土) 09:55:48.18 ID:LnGf9LVZ0
wktk支援
その日の活動は、勿論何の進展も無いまま終わっちゃったけど、涼宮さんはそういうこと
は全然気にしてないみたい。楽しかったから良かったってことなのかしら。
大抵は集合場所の駅前で別れるんだけど、あたしと長門さんは同じマンションに住んでい
るから、そこからも二人一緒なのよね。
今日も、あたしは長門さんと一緒の帰宅。
「ねえ、長門さん」
「何?」
「長門さん、もしかして古泉くんのことが好き?」
「……」
やっぱり、答えてはくれないみたい。
でもね、そんな風に顔を赤くしていたら、答えているのと同じだと思うんだけど。
「でも、古泉くんは涼宮さんが好きなのよね」
古泉くんは誰にでも優しいし、あからさまにどうこうって言うのは無いんだけど、あたし
達に出会うまでの経緯を考えれば、先ずそうとしか考えられないわ。
注意深く見れば、それらしいところも無いわけじゃないしね。
「……うん」
「涼宮さんも、最近じゃ古泉くんのことを結構意識しているみたいだし」
多分、涼宮さんも分かっているんじゃないかしら。
この世界ではもうジョンに会えないことを。
ジョンが居なくても、楽しい日々が過ごせるってことを。
運命的な出会いをした異性が居たけれど、その人とは一緒に居ることが出来なくて、以前
から傍に居た人の大切さに気付いて……、なんて、良くある話じゃない?
「……」
「ねえ、長門さん。……これで良いの?」
とられちゃって、いいの?
一度ならず二度までも、なんて。
……本当に、それでいいの?
328 :
ただの戦士:2006/12/02(土) 09:56:20.18 ID:nq5dSgzYO
支援
「……」
「ねえ、長門さん。……本当に、良いの?」
「……わたしじゃ、涼宮さんには勝てないから」
長門さんは、静かに敗北宣言を口にした。
向こうの世界ならともかく、こっちの世界なら、涼宮さんと対等になれるかも知れないの
に……、どうして、自分からその権利を放棄しちゃうのかしら?
「そんなこと無いと思うけど……」
「……」
あたしは否定してみるけれど、長門さんは何も答えてくれない。
あんまり具体的なことは口にしたくないのかしら?
それとも、あくまで漠然とそう思っているだけなのかしら?
「ねえ。……今日の晩御飯、一緒に食べない?」
「……うん」
あたしの提案に、長門さんが頷く。
それから、あたしだけが一方的に喋るようなお喋りをしてから、乗り込んだマンションの
エレベーターであたしだけが少し先に降りる形であたし達は一旦別れた。
あたしはエプロンを手にして、夕食の準備を始めた。
長門さんは多分出来上がる頃にやって来るから、それまでは一人で居られる。
「あーあ、この世界は……、そんなことのためにあるはずじゃないのになあ」
楽しそうに話しながら帰っていった涼宮さんと古泉くんのことを思い出しながら、あたし
は思わず呟いちゃった。
それは確かに、長門さんが望んだ形なんだけど。
でも……、そのために、この世界があるわけじゃないのよね。
ねえ、そうでしょう?
330 :
VIP足軽t:2006/12/02(土) 09:57:02.60 ID:EUw5nFAe0
思念
準備が終わった頃に長門さんがやって来て、それから、二人で一緒に晩御飯を食べた。
「もっと食べなきゃ駄目だよ」
ちっとも食が進んでない長門さんに向って一応そう言ってみるけれど、あんまり効果は無
いみたい。長門さんって本当に小食なの。身体も小柄で細身な方とはいえ、よくこれだけで
生きていけるなあ、と感じるくらいなのよね。
「……」
ちまちまと大根を箸で切りながら食べる長門さんを見ながら、あたしは去年の暮れの辺り
に長門さんの部屋でおでんを食べた日のことを思い出す。
ジョンと、長門さんと、あたしと。
そのときの長門さんは、多分ジョンのことが好きだったんだと思う。
でも、ジョンは長門さんを選ばなかった。
ジョンは元の世界に帰っちゃって、長門さんはここに取り残された。
……それで、何もかもが終われば、まだ、良かったのかもね。
そうしたら、長門さんがもう一度苦しむことも無かった。
あたしが、こうしてここに居ることも無かった。
あたしは……、あたしは、ただの付属物。
恋も出来ない愛されることも無い、長門さんを守るためだけの存在。
本当、馬鹿馬鹿しい話。
でも、今のあたしは、この馬鹿馬鹿しい状況にただ従うだけの存在。
332 :
ただの戦士:2006/12/02(土) 09:57:22.58 ID:nq5dSgzYO
支援支援
333 :
ただの戦士:2006/12/02(土) 09:58:09.79 ID:nq5dSgzYO
仕事中支援
「……ごめんね、朝倉さん」
長門さんは何に謝っているのかしら。
今日のこと? ご飯のこと?
そんなこと、気にしなくて良いのに。
そんな小さなこと……、謝るなら、もっと大事なことがあるんじゃないの?
……もっとも、ここに居る長門さんは、そんなことを知るわけも無いんだけど。
「気にしないで、あたし達友達でしょうっ!」
「朝倉さん……、ありがとう、朝倉さん」
本当、こういうところは素直なのね。
そういう笑い方は嫌いじゃないけど……、でも、本当に、これで良いのかしら。
やらないで後悔するより、やって後悔する方が良いのにね。
「じゃあ、また明日ね」
「……うん、また明日」
明日からはまた学校。
何の代わり映えもしない日常が、また始まるの。
長門さんは、どう思っているのかしらね。
大好きな人には会えないけど、その人が他の娘と仲良くしているのも見なくてすむわけだ
から、それはそれで良いって思っているのかしら。
本当、後ろ向きな考えよね。
ねえ、長門さん。
本当に、それで良いの?
335 :
ただの戦士:2006/12/02(土) 09:58:53.60 ID:nq5dSgzYO
更に支援
以上です。
COOL EDITION聴きながら書いた話・・・、
古泉朝倉を目指していたはずが、内容が斜め上にとんでいきました。
337 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 10:00:27.15 ID:LnGf9LVZ0
消失世界のその後の話か
朝倉が全てを知っているという切り口は新しいな!
GJ!!
338 :
VIP村人y:2006/12/02(土) 10:04:24.57 ID:mVBd/QzU0
消失朝倉は、改変世界の付属物であるという発想は新鮮。
GJ!
339 :
武器屋のじじぃ:2006/12/02(土) 10:04:59.36 ID:w/pDVEfj0
朝倉の記憶が残されたってことは、宇宙人能力を頼られていた自分に自信があるとか未練があるってことだよな。
そう考えると改変した長門の心情はどんなものだったのか――
もう少しハルヒや長門が古泉を好きになった理由があればな。そしてここでもみくるは空気……
340 :
水汲みおしち:2006/12/02(土) 10:07:45.24 ID:bvrxL4ws0
なんかすごくいいな。
内容といい文章表現といい。
GJでした!
341 :
VIP勇者:2006/12/02(土) 10:12:54.30 ID:LUADA18jO
乙
続きが読みたくなるね
342 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 10:19:29.67 ID:FKOSaRjg0
気の早いクリスマスをネタにしたSSを書いてみた
投下しても大丈夫だろうか
比較的短時間で作ったんで話が荒いのは仕様だと思ってorz
343 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 10:21:41.37 ID:LnGf9LVZ0
バッチコーイ
wktk
345 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 10:32:15.98 ID:FKOSaRjg0
346 :
VIP村人y:2006/12/02(土) 10:32:25.18 ID:mVBd/QzU0
>339
又は、能力の消失がやはり怖かったか。
人間に例えれば、手かせ足かせ付きで放り出されるようなもんかも知れない。
リンクなしでは、死の可能性も待ってるだろうし。
時は12月の24日。世間がクリスマスイヴだと賑やかになり、
幸福に過ごす者、それに嫉妬する者、働くことに追われる者。
様々な人たちがいる。そして今、俺は珍しく昼から街に出ている。
つい1週間と少し前、晴れて恋人となった人と歩いているからだ。
俺と腕を組んで満面の笑顔を浮かべている美少女、涼宮ハルヒである。
「繋ぎとめる想い」
「ねぇ、キョン。次はどこ行こうか?」
満面の笑顔を浮かべながらハルヒが聞いてくる。
昼に会ってからこの調子でずっと連れまわされている。
「あ、ちょっと見てキョン!あれ面白そうじゃない?」
とハルヒが指差したのは置時計だ。中からサンタが出てくる仕掛けらしい。
随分と期間限定でしか使えない感じの時計だが、売れるのだろうか。
しかし、腕を組みながらあっちこっち歩き回るその様は目立つカップルである。
ついでに女の方はとびきりの美少女である。
何やら嫉妬のような嫌な視線をいくつも感じたのは被害妄想ではあるまい。
俺にしてみても二人でいるときのハルヒは普段と見違えるようだった。
満面の笑みを俺に向けるハルヒを心底可愛いと思ったのは初めてだ。
そんな笑顔を独り占めできている事実に、俺はけっこう浮かれていた。
とりあえずは今ポケットに入っているこれを渡すタイミングでも探すか…。
構築されかけた新世界が砕けたあの日の後、古泉から呼び出しがあった。
寒さを感じる季節だというのに、部室では言えない様な事なのか。
一体何の用だ。
「世界を救ってくれたあなたには、何かお礼が必要だと機関が考えたもので」
いつものスマイルを向けてくる古泉。嬉しくはないな、裏があるんじゃないと思うだけだ。
しかし古泉は持っていた鞄から封筒を差し出しただけだ。
これは?
「今後資金が必要になる場面もあるでしょう。是非お使い下さい」
ちょっと見た感じ諭吉さんがそこそこの人数を揃えている。
怖くて受け取れないなこれは
「そう仰らずに。我々一同の気持ちですよ」
まだ怪訝そうにする俺をよそに古泉はもう帰宅する準備をしていた。
待てよ古泉。まだ俺は受け取るとは一言も…
「あなたならそれの使い道もお分かりになっているのでは?」
いや、まぁそれはそうだが…
「涼宮さんを喜ばせていただければ我々の仕事も減ります。つまる所依頼ですよ」
「そういう形ならあなたも納得していただけるでしょう?」
「僕個人としても涼宮さんとあなたには上手く行ってて欲しいんですよ。では」
やれやれ…言うだけ言って本当に帰りやがった。
確かにあって困るものでもないが…なぁ。
とりあえずそれまでの俺からすれば大金だ。とりあえず自分の鞄にしまう。
クリスマスと世間で言われる日が近づいている今日この頃。
古泉たちの意図を読むのは簡単だ。
要するにこれで何かしらのプレゼントでも用意しろって事なんだろ?
確かにそれで閉鎖空間の発生なりが減ったりすれば向こうも助かるんだろうが。
一つの組織の意見を聞くと他の組織の意見も聞いてみたくなるのが世の常だ。
セカンドオピニオンってやつ。そんな訳で後日のSOS団活動にいつもより早く行き、
部室に居た長門に聞いてみた。
なぁ長門、ハルヒは俺が何かをプレゼントしたりしたら喜ぶと思うか?
「涼宮ハルヒはあなたから物を受け取る事によって大きな効用を得る可能性が高い。
そして人々の間で慣習化されたタイミングであれば、相乗効果によってより大きなものになる」
ようするにクリスマスに渡すって事ね。特に問題は無いわけだな。
「ある」
あるのか?何だ?
「涼宮ハルヒだけにその機会が与えられるのは不公平」
そう言うと長門は俺に視線を向けた。
あのー、長門さん?いったい何を仰ってるんですか?
「…なんでもない、忘れて」
いや、そうは言っても…
「忘れて」
わかったよ、そうする。
350 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 10:35:05.32 ID:LnGf9LVZ0
支援
そうしていると朝比奈さんが来た。何てタイミングがいい。
朝比奈さん?
「ふぇ?あ、キョン君おはよう」
おはようございます。近いうちにハルヒに何かプレゼントでもって考えてるんですが…
「ふぇぇ!?キョン君、アツアツですねぇ〜」
最近「アツアツ」なんて言い方は久しく聞いていないな。と思ってると
「いいと思いますよ〜。涼宮さんも喜びます」
どうやら問題は無いらしいな。いや、すっかりその気になってた俺は
仮にまずいからやめろって言われてもやったかもしれないが。
程なくして古泉とハルヒも来た。何で一緒に来ないかって?
普段からベタベタしてたら周囲から何言われるかわからん。
学校、それもグラウンドのど真ん中で抱き合ってキスしただけでも軽く事件なのだ。
どれだけの人間が知ったかは解らないが学校が始まっても平穏が続くとは限らない。
いや、今までハルヒに連れまわされた日々だって決して平穏じゃなかったが。
それにハルヒは普段はSOS団団長だからと言ってベタベタしない。
俺はと言うと実際それくらいで丁度いいと思っているのだ。
たまーにしか見せない一面があるから人っていうのは輝くものなのさ。
なんだかんだ言ってもハルヒだって、年頃だ。恥じらいの一つや二つあるだろうさ。
帰り道では割とベタベタしてるのはそういった意味じゃ思い切ってる。
今週の土曜も不思議探索はしないらしい。ハルヒは24日にデートをするって話に
なっていたので、今日に予定を入れる事も無かった。
少し間を空けたほうが気分が出るし、探し物もできる。好都合だ。
そうして俺は今何をプレゼントしようか悩みながら街中をブラブラしていた。
ベタにアクセサリーの類にしてみるか。ハルヒは変わったもの好きだが、
プレゼントに「変わった物」なんて要素を組み込むのは簡単じゃない。
そういった意味じゃなんともやりにくい相手ではある。
別にハルヒと付き合ったことを後悔してるわけじゃない。
やりにくい中にある駆け引きを俺もどこかで楽しんでいるからだろう。
俺は近くにあったアクセサリー店に入ってみる。店員が愛想良く迎えた。
適当に品物を見ていると値段に高低差に驚愕する。高い方を買う奴の気が知れん。
店の一角にふと何かを見つける。ショーケースに入っていない物があったのだ。
俺のその視線に気付いたのだろう。店員が俺のほうに来た
「あちらの品に興味が?」
ええ、あれは何ですか?と適当に受け答えする。
「こちらはJewel Snowと言うペアのネックレスです」
そう言うと飾ってあったそのネックレスを持ってくる。ペアと言うには一つしかないが。
「このJewel Snowには面白い仕掛けがありまして」
そう言うと店員が雪の結晶を模した宝石部分に何かをしている。
形容し難い音が少ししたかと思うと雪の結晶は2枚になった。
「これは2つの結晶が重なってひとつになるんです」
なるほどね。それがペアたる所以か。
「でも、それだけでは無いんですよ」
まるでカラクリアクセサリーだな。なんて事を俺は思う。
「この結晶が重なっている時に光を当てると…」
そう言うと店員はライトの下に結晶を持って行く。
そこで俺は自分の目に写ったものに驚愕した。
あの陽を反射した世界の破片と同じ輝きがそこにはあった。
同じ物で出来ているはずは無いだろう。偶然同じ光の屈折が起きるだとか、
名前もわからんこのガラスか宝石かが同じような輝きを放っているに過ぎない。
だが、幻想的で美しい光。正直に言うと見惚れていた。
「この様に光るのは重なった時だけです。屈折の関係なんですよ」
店員が説明を続けているが耳には入っていなかった。
気が付いたら俺はこう聞いていた。これ、いくらですか?
「値札はあちらになります」と店員が指したのはその結晶が元あった場所だ。
値札を確認してみる。古泉に貰った資金に少し足せば買える金額だった。
俺一人ではどう足掻いても届かなかった代物だ。お前に初めて感謝しそうだ。
俺は店員にそれを買う旨を伝えた。店員が包装の準備をする。
ハルヒがあの雪の意味を知っているはずは無い。
だが、これは気に入るはずだ。俺には妙な確信があった。
これでプレゼントは揃った。あとは日を待つばかり…か。
おかげでまた財布には冬が訪れる事になりそうだが。
24日のデートまで節約しないとな。
354 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 10:40:20.09 ID:YE9WbKNCO
支援
355 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 10:41:03.95 ID:LnGf9LVZ0
支援
そしてやってきたのが今日だ。
あちこち歩き回った為に、精神的には満たされつつも肉体は着実に疲れを貯めていた。
なぁハルヒ、どこかで少し休まないか?
「何よキョン、もう疲れたの?しょうがないわね」
可愛らしい微笑を向けてハルヒが答えた。
いやホント可愛いな。普段の破天荒さは何所へ行ったのやら、
こうしていると本当に普通の美少女である。今日限定かも知れん。永久保存版ってやつだ。
普遍的な事を嫌いながらも今日と言う日にハルヒも浮かれているのだろうか。
そんな事を考えながら歩いていたらベンチを見つけた。ハルヒと相談し、そこで休む事にする。
「今日はいろんな物見たわね。どれが良かった?」
そうだな、さっき商店街を歩いていたサンタの一団は印象深かったな。
「でもあれは不気味よ。赤い服が集団で歩いていたらまるで犯罪者じゃない」
随分極端な理論だ。しかしその言葉にいつものような棘が無い。
言ってることこそとんでもないが、悪意も不満も無く、ただ思ったって感じだ。
あの雪の日以降、ハルヒは急激と言ってもいい程に棘が無くなった様に思える。
恋心は人を変えるとはよく言ったものだが、これは極端じゃないか?
それが俺と付き合う事になった結果なのか、何かの過程に過ぎないのかはわからない。
もしかしたらあの時砕けた世界にハルヒを構成していた棘が含まれてたのか?
あれからSOS団の活動も平常通りのままだ。何も思いついてないのだろうか。
この時何が問題だったのか、「ハルヒらしくない」という認識が俺の中に生まれる。
今のハルヒは大切に思っているし、この可愛らしさが続けば俺も輝ける学生生活を送れる事だろう。
だが、人とは悲しくも慣れてしまうのだ。超常現象の数々に出会った俺には、
今の生活にどこか張り合いの無さを感じているのも事実だった。
なぁ、ハルヒ…
「ん?どうしたのキョン?」
ハルヒは笑顔のまま俺の声に振り向いた。
お前、変わったよな
「そうかな?キョンが言うならそうなのかも」
いや、変わったよ。大人しくなったって言うか…
「そうね。確かに色んな事をしなくてもいいって思うようにはなったわ」
「だって…今はキョンと居たい。二人で」
そう言うと少し照れたように顔を伏せる。俺はと言うと複雑な心境だった。
「どうしたの?いきなりそんな事言い出すなんて」
いや、なんでもないさ。ふと思っただけだよ
「でも…今のキョン、何か考えてる顔してる」
驚いた。ハルヒが俺の顔をじーっと見ている。
その表情にさっきまでの明るさが残っているが、曇りはじめてきている。
俺がそんな顔をしていた事もそこそこに驚いたが直ぐに見抜いたハルヒに驚いた。
「何か心配事でもある?例えば来年の進級とか?」
ハルヒが少し不安を浮かべながら聞いてくる。そう言って欲しいのだろうな…。
大丈夫。本当になんでもないんだ
その回答にハルヒは頷いた。しかしその顔には明確に不安の色が浮かんでいた。
358 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 10:44:29.74 ID:LnGf9LVZ0
そろそろサルか支援
支援
そろそろ行こうか。という俺の言葉で俺たちは席を立ち、また歩き出す。
しかし今度はハルヒが腕を組んでくることはなかった。
「あたし…行きたいところがあるんだけど、いい?」
ああ、いいぞ。表情を作り直しつつ答える。
ハルヒに付いていくように歩くと公園についた。
日が日なのでそこそこに人が居る。
外灯のある場所の下に座れそうな場所があったので、ハルヒはそこに座った。
この公園に何かあるのか?
「ううん、別に。ただ、あんなに人が多いのが嫌だっただけ」
表情を曇らせたままハルヒが答える。俺はとりあえずハルヒの隣に座る。
「ねぇ、キョン」
ハルヒが俺の方を見て言った。
「話してよ。さっき何を考えていたの?」
いや、だから大したことじゃ…
「嘘よ、だってキョンあの時残念そうな顔してた」
そんな顔してたのか。俺は。
「あたしとこうやってデートするの、楽しくないの?」
いや、それは見当違いだ。あれが楽しくないなんて思う奴がいたらここに来い。
思いっきり殴ってやる。
361 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 10:45:27.09 ID:YE9WbKNCO
支援
いや、楽しいさ。本当に楽しいと思ってる
「じゃあ、どうして…」
隠さないほうがいいな。とこの時に確信した。
俺はな、ハルヒ。人の話も聞かないで勝手に引っ張るお前も好きだったんだ。
今のハルヒはこの上なく可愛らしいし、そんなハルヒと居られるのが嬉しい。
だが、いつものようなハルヒじゃないとどこか空虚な感じになるんだ。
勝手な話だよな。今までだってお前が何かを言い出せば反対してたのに。
ハルヒは黙って俺の話を聞いていた。考えているのか、一言も発しない。
しばらくの沈黙の後、ハルヒが口を開いた。
「キョンは…あたしにどうして欲しいの?」
それが問題なのだ。今のハルヒは魅力があると思う。だがいつものパワーも持っていて欲しい。
言ってしまえば相反する要素だ。共存させろなんて無理な注文だとわかっている。
俺自身も解らないんだ。だから考えていたのさ。
「そっか…」
それっきりまたハルヒもだんまり。
あぁ、なんだってこんな日にこんな暗いムードになってしまうのだ。
俺のわけわからない矛盾がハルヒに伝わり、それでこんな状況になった。
最低だ。俺は。
363 :
VIP勇者:2006/12/02(土) 10:47:46.26 ID:nq5dSgzYO
支援支援支援
すまん、ハルヒ
「え?」と俯いていたハルヒがその一言で俺を見る。
ちょっと頭冷やしてくる。そう言って立ち上がった。
正直どこに行くか全く考えてはいないのだが、これ以上ハルヒと居て
ハルヒの気分を損ねるわけにも行かない。
だが、数歩歩いた時に後ろから声が飛んできた。
「待ってよ、キョン!」
その声に少し驚いて俺は振り向いた。ハルヒも立ち上がってる。
ついでに泣きそうな顔をしている。俺の罪悪感はそこで3割増くらいになった。
「キョンがそう思うのも、仕方ないわよ…あたしは…今までキョンを引っ張ってきたんだもん…」
「でも今はキョンと居たいって気持ちがあるから…あたしが勝手に引っ張るんじゃなくて」
「キョンが自分であたしと居る事を選んで欲しかったから…」
そこまで言って、ハルヒの目から涙が落ちた。
本当にごめん。ハルヒ
「あたしはキョンが来なかったあの1週間、毎日待ってた」
「待つだけの事なんてしたくなかったのに、何もできなかった」
「本当にキョンが死んでいるって思うのが怖かったから」
「今も怖い…キョンが離れてる感じがする。もう…待ちたくない…」
「行かないで……」
365 :
VIP勇者:2006/12/02(土) 10:48:09.52 ID:nq5dSgzYO
支援
今俺の目の前に居るのは弱弱しい女の子の姿だった。
そうだ。いくら力があったって、普段人を無理やり引きずるようなハルヒだって、
女の子なのだ。誰にも頼ることなく生きてきたハルヒが初めて頼った相手、それが俺だ。
俺はそんな事を考えず、身勝手な不満で今を楽しむことすらも忘れていた。
何を悩んでいたんだ。俺のバカ。
今まで何を言っても自分を曲げなかったハルヒだ。俺はそれに今まで付き合ってきた。
これからだってそれが変わるわけじゃない。ハルヒが出来ない時には、俺が手伝う。
それでいいじゃないか。ハルヒが思いつかないなら俺が考えればいい。
何でそんな事も思いつかなかったんだ。
俺はハルヒの方に戻った。俯いて泣いているハルヒを抱きしめる。
「………キョン?」
すまん、ハルヒ。俺がバカだった。
「バカ……わかればいいのよぉ」
そう言うとハルヒも俺に抱きつく。
いつぞやの展開と似ている気もするが、気のせいだろう。
自分に学習能力が無いとは認めたくないしな。
俺はハルヒが泣き止むまでその頭を撫でていた。
ハルヒも泣き止み、俺たちはさっきまで座っていた外灯の下に戻った。
「いいの?キョン。あたしはどうすればいいかまだわからない…」
いいんだ。二人で考えればいいんだって気付いた。
「キョン……」
時間ならあるじゃないか。慌てて何かを求めたってしょうがない。
最初から解ってればよかったんだけどな。
そう言うと俺は自分がおかしくなった。ふっと笑い声が漏れる。
「…バカキョン」
そう呟いたハルヒにも笑顔が戻っていた。
…やっぱり笑ってるのが一番だよ。ハルヒ。
「うん。ありがとう…」
「でも、あたしを悲しませたんだから、埋め合わせはしないとダメよ!」
あ、ああ…どうすればいいかな?
ハルヒはその質問に答える代わりに俺のほうに顔を向けて、目を閉じた。
一応、ここ人通りあるところなんだが…
「ダメ、あたしを泣かせた罰よ」
いたずらっぽくハルヒが言う。わかったよ
俺も目を閉じ、ハルヒと唇を重ねる。
そう、今の俺にはそこにある幸福だけでも十分だ。
これ以上を求めるなんざ天罰が当たる。
どれくらいの間唇を重ねていたかはわからない。
お互いに頃合だと思ったのか、ほとんど同時に唇を離す。
ハルヒの顔には笑顔が戻っていた。涙の跡が少し残っていたが、
それはそれで可愛さを引き立てるものだった。贔屓目じゃないぞ?
「…それじゃ、行きましょ!キョン!」
そう言ってまたハルヒは俺の腕に組み付く。
でも、その前に重要な事があるんだよな。俺には。
ちょっと待ってくれ。そう言って俺はポケットに手を入れて、
包装紙にくるまれた物を取り出し、ハルヒに差し出す。
ハルヒはそれを受け取ると期待と嬉しさをブレンドした特上のスマイルを俺に向けた。
「開けてもいい?」
俺が頷くと包装紙を丁寧に解いていく。中から出てきたのは箱だ。それも開ける。
中には二つの雪の結晶が付いた二つのネックレスがあった。
「これって…ペアって事?」
俺は店員から得た知識を有効に使わせてもらった。
ただのペアじゃないのさ。これは一つでも中々綺麗なもんだが、
重ねて光に当てると…
そう言って俺は結晶を重ねると、頭上の外灯にそれをかざす。
その結晶が放つ光にハルヒは見惚れていた。
「すごい…」
しばらくかざすとまた二つに戻し、片方をハルヒに渡す。
「こういう時は彼氏が彼女にかけてあげるものでしょ」
ハルヒが笑いながら言ってくる。俺はその通りにした。
その後、ハルヒが俺の首にネックレスをかける。
正直俺には過ぎたもののような気がするのだが。
「あたし、とっても嬉しい…こういう時、何て言えばいいのかな?」
嬉しさのあまりなのか、ハルヒも混乱気味なのか?プレゼント効果とでも名づけよう。
さぁ、ハルヒが思うまま言えば良いんじゃないか?
「うん…ありがとう…キョン。あ、そうだ。あたしからも渡さないとね」
そう言ってハルヒは持っていた紙袋からごそごそと何かを探した。
今日ずっと持ってたのはそのためだったのか。
ハルヒが取り出したのはマフラーだった。そこ、ベタって言うな。
ハルヒが俺の首にマフラーをかける。かけた後にふっと笑ってこう言った
「これじゃせっかくのペアネックレスが隠れちゃうね」
かまわないさ。人に見せるためにこれはあるんじゃないからな。
俺たちの繋ぎとめる想いを誓う為の物。それがこのJewel Snowの役割だ。
これからもハルヒを大切にしていこう。俺は自分の首にかかっている結晶にそう誓うと、
ハルヒの手を握って、俺はまた歩き出した。二人の未来に向かって―――
FIN...
370 :
VIP賢者:2006/12/02(土) 10:57:33.92 ID:FKOSaRjg0
以上です。こんな駄作に支援感謝!
ほとんど勢いだけで書いたらどうにもまとまりのない話にorz
自分に続きものは書けないのだと痛感した
いっそ大きく削って短編にすればよかったかな…
371 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 10:58:57.60 ID:LnGf9LVZ0
ぐはあぁぁぁぁ
あまいです……
この時期には殺人的に甘いです……
GJ!!
372 :
VIP村人z:2006/12/02(土) 11:01:24.53 ID:GYj1SM1RO
甘い
GJ!
373 :
VIP村人xxx:2006/12/02(土) 11:02:33.69 ID:W1LoWNlX0
これはGJせざるを得ない
374 :
VIP村人y:2006/12/02(土) 11:03:59.86 ID:4P8ZG+SQO
wiki更新無いけどなんかあった?
375 :
VIP村人n:2006/12/02(土) 11:07:57.02 ID:B3gi4Lla0
誰かが編集中かもな。
数分で直るはず
376 :
北町奉行:2006/12/02(土) 11:14:51.42 ID:LnGf9LVZ0
377 :
VIP村人i:2006/12/02(土) 11:19:46.36 ID:hRETagBt0
ま、自分でするのが一番なんだろうけどな
378 :
VIP村人n:2006/12/02(土) 11:31:02.72 ID:B3gi4Lla0
俺は投下するのがいつも夜だから次の日の朝編集しようと思ってるんだが、
気づくと朝方に勝手に誰かにまとめられてる。
まあ、ありがたいっちゃありがたいがときどき困る。
379 :
北町奉行:2006/12/02(土) 11:36:39.99 ID:LnGf9LVZ0
>>378 朝なら管理人さんだな
管理人さんが朝に昨日の不掲載のをまとめてくれているみたいだから
投下前にでもまとめは自分でやると宣言していないとダメだな
保守
381 :
VIP村人P:2006/12/02(土) 12:34:10.73 ID:pwEjFvWbO
な
382 :
南蛮ムキトス:2006/12/02(土) 12:35:06.69 ID:kH8J6Cf4O
今沖田。
GJ!
寝起きに甘いのは恐ろしい程に目が覚めるぜw
383 :
VIP足軽MS:2006/12/02(土) 12:39:48.76 ID:jH79sYGJ0
age
384 :
VIP足軽flash:2006/12/02(土) 12:53:45.14 ID:rp5bFAqL0
ほ
385 :
南蛮ムキトス:2006/12/02(土) 13:19:55.64 ID:tjDgj6kpO
も
386 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 13:32:25.21 ID:zZ6DqgLD0
こ
387 :
VIP魔法使い:2006/12/02(土) 13:35:05.66 ID:3DpZNHiQO
午前中の全ての投下に今更ながらGJ
しかし…人居ないね…
今夜あたりどうなんだろう…
保守用に何か書いとこうかな…
388 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 13:45:21.80 ID:kH8J6Cf4O
寝てるんだろうw
このスレ夜行性だし。
389 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 13:52:06.54 ID:zZ6DqgLD0
「気がついた!!」
唾を飛ばすな。
「どうしてこんな簡単な事に気付かなかったのかしら」
「何に気付いたんだ?」
「ないんだったらつくればいいのよ!」
「何を」
「子どもよ!」あたしとあんたの。
頭が痛いのは机にぶつけだけではなさそうだ。
「そうか。そりゃよかったな。ところでそろそろ手を離してくれ」
「なに?その反応。もうちょっとあんたも喜びなさいよ、この発見」
「その発見とやらは後でゆっくり聞いてやる。場合によってはヨロコビを分かち合ってもいい。ただ、今は落ち着け」
「なんのこと?」
「保守中だ」
390 :
VIP神:2006/12/02(土) 14:05:47.78 ID:bP7NV9O7O
最強パレパレードを聞きながら保守。
C/Wの運命的事件の幸福の方が好きかも。
話は変わるけど、アニメのEDで、みくるの視線があさっての方向に向いてるのは、
振り付けのカンペを見ながら踊っているという意味なのでしょうか。
392 :
北町奉行:2006/12/02(土) 14:46:04.15 ID:kH8J6Cf4O
保守
保守
394 :
北町奉行:2006/12/02(土) 15:23:59.10 ID:tjDgj6kpO
「朝比奈さん!」
目の前に突然現われた人に声をかけた。
「キョン君!」
朝比奈さんはゆっくりとこちらに走りよってくる。
俺はしっかりと彼女を抱き締める。
「俺は朝比奈さんと離れたくない!もう未来には帰らせません!」
朝比奈さんはその潤んだ瞳から涙をとめどなく流していた。
「わたしも……キョン君とずっと……」
「わかってます……わかってますから……これから一緒に暮らしましょう」
一瞬キョトンとした顔を見せたあとまた泣きながら朝比奈さんは言った。
「……はい!」
……………
…………
………
……
…
以下回想。
嘘です。続きません。
395 :
VIP村人P:2006/12/02(土) 15:32:03.76 ID:mVBd/QzU0
>394
こらー!w
思いっきりずっこけたっちゅうねん。
396 :
VIP村人r:2006/12/02(土) 15:34:21.34 ID:B3gi4Lla0
アナル3日規制で落ちた
(´;ω;`)ブワッ
アナル落ちたね。
398 :
VIP村人y:2006/12/02(土) 15:37:37.38 ID:HRwCpwRg0
アナルで堕ちましたね…。
399 :
VIP村人i:2006/12/02(土) 15:39:18.65 ID:LEuPgZF30
アナルで堕ちる(笑)
400 :
VIP村人r:2006/12/02(土) 15:44:08.62 ID:B3gi4Lla0
アナルがないからこっちでアナル。
古泉「右手でポテチを食べながら、
左手でポテチを取り……食べる!」
キョン「勉強しろ!」
401 :
北町奉行:2006/12/02(土) 15:47:27.50 ID:tjDgj6kpO
アナルとプリンは水と油。アナルたてなおすか避難所にでも投下してください。
402 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 15:47:33.14 ID:T7QPGu9y0
403 :
VIP村人a:2006/12/02(土) 15:47:59.03 ID:CWRhny+s0
古泉「右手でポテチを食べながら、
左手でポテチを取り……食べる!」
古泉「勉強しろ!」
古泉「おやおや、何もデスクワークだけが勉強ではありません。
こちらの勉強もたまにはどうですか?」
古泉「おっ、おい!古泉バカやめろ・・・、うっ・・・」
キョン「いいからそれしまえ」
404 :
VIP村人P:2006/12/02(土) 15:51:35.70 ID:mVBd/QzU0
>403
古泉「おやおや、本当にそんなことを望んでいるのですか?」
キョン「早くポテチの食べかすを片付けてくれ。ノートが置けないだろうが……」
古泉は、しぶしぶ掃除を始めた。
405 :
VIP足軽v:2006/12/02(土) 16:26:26.53 ID:bKA/tp/C0
保守かな
406 :
VIP下手人:2006/12/02(土) 16:34:11.06 ID:kH8J6Cf4O
アナル立ったね。
407 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 16:44:53.91 ID:zZ6DqgLD0
「どうしてこんな簡単な事に気付かなかったのかしら」
「何に気付いたんだ?」
「ないんだったらつくればいいのよ!」
「何を」
「SSよ!」
今から書いてくる
408 :
南蛮ムキトス:2006/12/02(土) 16:45:43.87 ID:klBxxwc3O
ANAル勃つ
409 :
猿回しの勘三:2006/12/02(土) 17:14:51.87 ID:klBxxwc3O
あ
げ
410 :
VIP奴隷:2006/12/02(土) 17:16:18.24 ID:pwEjFvWbO
さ
げ
411 :
VIP足軽c:2006/12/02(土) 17:17:40.84 ID:2VJ7IiDm0
マゲ
は
げ
413 :
VIP足軽flash:2006/12/02(土) 17:43:47.08 ID:2rcwEeUn0
な
げ
ほしゅ
415 :
VIP盗賊:2006/12/02(土) 17:56:10.78 ID:Mp2JGEsPO
416 :
北町奉行:2006/12/02(土) 18:02:57.73 ID:IZ0qCQ8yO
SS書くから何かお題ください。
おながいしますorz
417 :
VIP村人u:2006/12/02(土) 18:04:10.12 ID:B3gi4Lla0
キョンがハゲる
418 :
VIP足軽wwwww:2006/12/02(土) 18:04:30.80 ID:HjaZZJ5A0
初心に帰って「キョン×ハルヒ」結婚ネタ。
419 :
油売りの左暮:2006/12/02(土) 18:04:32.46 ID:77LYQ/5j0
「平安キョン鋭利やん」
ここから自由自在に妄想を膨らませて。
420 :
VIP神:2006/12/02(土) 18:10:32.36 ID:pwEjFvWbO
キョン長門ハルヒ
421 :
北町奉行:2006/12/02(土) 18:14:14.56 ID:IZ0qCQ8yO
>>420 3人を絡めて作ってみる
レスくれた人達ありがとうorz
422 :
VIP奴隷:2006/12/02(土) 18:19:23.68 ID:K2Bl4YzQ0
423 :
VIP神:2006/12/02(土) 18:39:59.96 ID:pwEjFvWbO
穴子
424 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 18:48:24.71 ID:TYLURNKL0
425 :
VIP足軽p:2006/12/02(土) 19:10:05.04 ID:7sjhKZq60
上昇
426 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 19:10:31.78 ID:zZ6DqgLD0
保守
427 :
VIP足軽b:2006/12/02(土) 19:25:13.38 ID:n7DHSdVO0
ありゃ、WIKIのアイコンがまた長門に。
429 :
VIP足軽p:2006/12/02(土) 19:38:19.66 ID:7sjhKZq60
●
430 :
VIP村人b:2006/12/02(土) 19:40:01.30 ID:zG6JhhLA0
431 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 19:41:58.55 ID:zZ6DqgLD0
保守代わりに投下
432 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 19:44:17.69 ID:zZ6DqgLD0
「やっぱりねぇ、やりたい事やってこそ人生よね」
いつも通りの部活中のハルヒのトンデモ発言から始まった。
「おまえはいつもやりたい事全部やってるだろ。まだ他にやりたい事あるのか?」
「みくるちゃん?何かやりたい事ある?できないことでもいいからいいなさい?」無視か?
「ふぇ?そうですねぇ…。世界で一番おいしいお茶入れてみたいです。」あなたのお茶は既に世界一ですよ?少なくとも俺にとってはね。
「そう。古泉君は?」「僕は、そうですね、世界平和ですか?」
「有希は?」「秘密」「キョンは?」「秘密」「バカじゃないの?」なぜ俺は秘密が許されないのだ?
「じゃあ、一度でいいから桃色の学園生活を「バカじゃないの?」人のセリフを遮るな。2度言うな。
「やれやれ、お前はまだやりたい事あるのか?」
「そうねぇ」
「じゃあ誰かにやってほしい事はない?」人の話を聞け!会話の流れを読め!
「みくるちゃん?誰かにやってほしい事ある?」
「ふぇ?え〜っと…」朝比奈さん、顔赤いですよ?何を想像してるのですか?
「ハッキリしないわね!古泉君は?」俺でもわかる。ハルヒはイライラしてきてる。
「そうですね、ありえないことかもしれませんが」
そしてこの前置きの後コイツは爽やかな笑顔でとんでもない事を言い放った。
支援
434 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 19:47:26.38 ID:zZ6DqgLD0
「雑用と団長の禁じられたラブシーンを見て見たい、というかしてほしいですね。」
ハルヒ、意識飛んでる!朝比奈さん、顔が赤くなりすぎですよ!長門、今日最初の反応が不機嫌そうな表情のそれか?古泉、死んでくれ。
「俺は今猛烈に古泉に死んでほしい。」
「殺人だけは勘弁してほしいですね。他にはないのですか?」うん、それ無理。だってあたしは本当にあなたに死んで欲しいのだもの。とか誰かの真似をしようとしたが辞めた。
「そうだな。」と俺が考えていると、
「じゃあ第一回団員ストレス解消大会するわよ!」顔を真っ赤にしたまま、意識をようやく取り戻したハルヒが言った。
「なんだ?それは。」「団員のストレスを解消するために、やってほしい事をこの紙に書いて、順番に叶えていくのよ!」
やれやれだ。「それはいい考えですね。」なんて言って満足そうな古泉に「さっきのような事を書いて見ろ。毎日夜中にハルヒに嫌がらせして閉鎖空間の中でお前を過労死させるからな!」
と呟いて、朝比奈さんの真っ赤な顔を見たら朝比奈さんに何をしてもらおうか妄想で意識が飛びそうになった。
「ちょっとキョン!何ニヤニヤしてんのよ!」ハッとした俺は
「あ〜朝比奈さん?それに長門?たまには断ってもいいんだぞ?」
「ふぇ?」「みくるちゃん?」ギロリ「ふぇ〜やります〜」脅すな!長門は、と長門を見ると
「問題ない。」「さすが有希ね!じゃあ決定!!」おい俺の意見はなしか?
とりあえず、2人に何かをやってもらうという事で決定した。
つまり、俺はハルヒ、古泉、朝比奈さん、長門の中で2人選んで何かをしてもえるということ。他のみんなも同様だ。
「じゃあ明日の放課後部室でね!それまでに考えて紙に書いておくこと!」「わかった。その代わりあまりにも無茶なのはやらないからな?」と今さら同意してみた。
435 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 19:47:48.31 ID:zZ6DqgLD0
「雑用と団長の禁じられたラブシーンを見て見たい、というかしてほしいですね。」
ハルヒ、意識飛んでる!朝比奈さん、顔が赤くなりすぎですよ!長門、今日最初の反応が不機嫌そうな表情のそれか?古泉、死んでくれ。
「俺は今猛烈に古泉に死んでほしい。」
「殺人だけは勘弁してほしいですね。他にはないのですか?」うん、それ無理。だってあたしは本当にあなたに死んで欲しいのだもの。とか誰かの真似をしようとしたが辞めた。
「そうだな。」と俺が考えていると、
「じゃあ第一回団員ストレス解消大会するわよ!」顔を真っ赤にしたまま、意識をようやく取り戻したハルヒが言った。
「なんだ?それは。」「団員のストレスを解消するために、やってほしい事をこの紙に書いて、順番に叶えていくのよ!」
やれやれだ。「それはいい考えですね。」なんて言って満足そうな古泉に「さっきのような事を書いて見ろ。毎日夜中にハルヒに嫌がらせして閉鎖空間の中でお前を過労死させるからな!」
と呟いて、朝比奈さんの真っ赤な顔を見たら朝比奈さんに何をしてもらおうか妄想で意識が飛びそうになった。
「ちょっとキョン!何ニヤニヤしてんのよ!」ハッとした俺は
「あ〜朝比奈さん?それに長門?たまには断ってもいいんだぞ?」
「ふぇ?」「みくるちゃん?」ギロリ「ふぇ〜やります〜」脅すな!長門は、と長門を見ると
「問題ない。」「さすが有希ね!じゃあ決定!!」おい俺の意見はなしか?
とりあえず、2人に何かをやってもらうという事で決定した。
つまり、俺はハルヒ、古泉、朝比奈さん、長門の中で2人選んで何かをしてもえるということ。他のみんなも同様だ。
「じゃあ明日の放課後部室でね!それまでに考えて紙に書いておくこと!」「わかった。その代わりあまりにも無茶なのはやらないからな?」と今さら同意してみた。
436 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 19:47:59.06 ID:zZ6DqgLD0
「じゃあ次は古泉君ね!」帰りたい。ああ帰りたい。帰りたい。自宅と平和とコタツが一番。なんて考えてると、
「有希!古泉君の要望で今日は一日本を読んじゃだめよ!」俺はわかる。長門は確実に機嫌を損ねた。
「いえ、本を読んでいない長門さんを見て見たかったものですから。」古泉、長門に息するなと言ってるのも同意だぞ!長門は俺を見つめるのをやめろ!
「古泉、お前のもう一つの要望はなんだ?」「ああ、諸事情で最後にまわしてもらいました」諸事情ってなんだ?もう早く帰りたいからちゃっちゃと進めてくれ。
「次はキョンよ!」お、俺か。ほらよ、と紙を渡してやる。俺が書いた内容は「ハルヒが一日怒らないこと」「長門が笑った顔を見て見たい」の2つだ。
「いい。」と言ったのはもちろん長門で、俺はハルヒに「今日はもう怒るなよ?特に俺には」と言って長門の方を見た。
「…」 いや、こまった顔を見たいんじゃなくて笑った顔をみたいんだぞ?なんて思ってると手まねきされたので近寄ることにする。
「あなたにだけ、他の人は見てはいけない」と言い、ハルヒ達に見えない角度で意識が飛びそうな笑顔を見せてくれた。ああ、今日はいい日だなぁ。
「ハルヒ、この企画を思いついてくれてありがとう」と言ってしまうくらい満足な瞬間だった。
古泉と朝比奈さんは羨望というか、そんなまなざしを俺に向けている。
ハルヒは怒った顔でプルプルしていたので「今日は怒らないでくれよ、お前は今日は笑ってないとダメだ」なんて上機嫌に言うと、どう解釈したのかはわからないが機嫌を直してくれたようだ。
「じゃあ次は有希ね!」コクリと頷いてハルヒに紙を渡すとハルヒは怒った顔で俺を見た。
「今日は怒らないでくれよ。」というと「うぐぐっ」そう聞こえる効果音をだした。古泉は笑顔の中にあせりが見える。閉鎖空間でも発生したか?朝比奈さんはオロオロしてる。
ん?どうした長門。「座って」ここに?「そう。」と地べたに座らされた。そしたらすぐ俺の膝、正座じゃないから少し角度がある太ももに頭を乗せて「頭を撫でてくれることを所望する」なんて言い出した。
古泉、携帯なってないか?朝比奈さん、俺にはその表情を理解できません、わかるのは顔が赤いことくらいです。ハルヒ、おちついてくれ。
まあ長門にはいつもお世話になってるからと、恥ずかしさをガマンして頭を撫でていると、長門は言った。
「古泉一樹。」「なんでしょう?」さすがの古泉も少し笑顔に引き攣りが見える。朝比奈さん、そんな恥ずかしそうにされたら余計恥ずかしくなりますよ。ハルヒ、落ち着け。お前にはそれしかいえない。
「あなたの真顔が見てみたい」「目を開けて真顔になって」
ふ、不覚にも噴いてしまった。長門がそんなこと言うなんて。
「ええ、わかりました。一瞬だけですよ?」なんて言うとキリっとした表情になった。がすぐニヤケ面に戻った。
「満足していただけましたか?」「…」無言の長門に対しなぜか朝比奈さんが満足そうな表情をしている。
ハルヒは、そういえばさっきから一言もしゃべってないな。
支援
438 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 19:49:21.60 ID:zZ6DqgLD0
ハルヒは不気味な笑顔でこう言った。
ニヤリ「さて、次はあたしの番ね」恐いですよ、ハルヒさん。
「あたしは約束通り怒ってないから安心して」だいぶご立腹じゃないですか。朝比奈さんが震えてらっしゃいますよ。古泉はおいといて、今平穏なのは長門だけでは?
長門はなんでこんなに幸せそうな顔してるんだよ…
「じゃあ有希、どきなさい。」長門は少し名残惜しそうに俺を見てからゆっくり俺から離れてった。
離れ際に「また」と言ったのは聞き間違えか?また、何だ?それよりは今目の前にいる問題をどうにかしないと。朝倉並みの威圧感を持ってることに間違いはない。
「お、俺に何か要望でも?」「殴らせなさい!」「へっ?」「一発でいいから殴らせなさい!あたしは優しいし怒ってもいないから他の人には何も要望はないわ」
か、勘弁してくれ。ちょっと泣きそうだぞ俺。古泉はそれで済むなら殴らせてあげろ、とアイコンタクトしてきた。朝比奈さんは完全にびびってる。長門は俺を見ているが表情は読めない。
俺は起き上がり、「ちょっと待て、おちt」クイっと胸倉つかまれて歯を食いしばり目を瞑った瞬間
『ボスッ』と腹にコブシがめり込んだ。顔を殴られると思ったから腹に力を入れてなかったため、もろくも膝から崩れ落ちた。
テンカウントたった頃に、ハルヒは満足そうな顔をして「今日はこれで解散!」と言い放った。
俺は、もう2度とこんなことするか、と思いながら帰り支度をした。
朝比奈さんが着替えを追えて古泉と談笑しながら帰りの坂をみんなでくだってやっと帰れる、と安堵した俺に最初の追い討ちを掛けたのは長門だ。
「次のストレス発散いつ?」なんてハルヒに聞いていた。「まて、長門!次はやらんぞ!」腹痛を堪えて声を出すと、俺にぎりぎり聞こえる小さな声で「ストレスはエラーと同意。また世界を改変しないために必要な行為」
なんて言いやがった。俺は返す言葉もなくハルヒを見ると、「そうね、またいつかやりましょ!」なんて言ってたな。そんなこと、次の追い討ちによって心の隅に追いやられた訳だが。
「では、最後にと言っていた僕の要望を聞いてもらいましょうか。」ゲッ!忘れてた。
「涼宮さん、今日は彼と手をつないで帰ってください。これが僕の要望です。」ここに来て言うか?もう帰りも分岐点だぞ?
「ですからあなたが涼宮さんを自宅まで送っていくのですよ」ニヤニヤするな!まあ、さっきの肉体的損傷に比べれば精神的損傷のほうがらくだ、
なんて思ったのは予想外にハルヒのボディーブローが痛かったせいではなく、ハルヒと帰ることに恥ずかしい反面ヨロコビを感じている自分がいるからだとは自分では考えてもいないがな。
ハルヒは今日一番の笑顔で「わかったわ!古泉君!じゃあキョン行くわよ!」と言って、今日は手首ではなく手をつかんで、ちょっと指を絡めて、ちょっと赤面しながら走っていくハルヒを追いかけた。
やれやれ。今日は長かったな。
そうして落ちもなく面白くもなくこの物語は終わるのでした、という保守
何とも甘い保守。
440 :
暴れん坊VIPPER:2006/12/02(土) 19:56:31.79 ID:IZ0qCQ8yO
乙GJだがタイトルは?
乙
まさか無題とかいったら
●を召喚するぞ
442 :
VIP足軽y:2006/12/02(土) 20:09:25.14 ID:YZGcXohq0
GJなんだが
434と435がかぶってて1レス抜けてるっぽいな。
朝比奈さんの要望がない、まああんまり違和感ないのはもともと空気だからかw
443 :
VIP下手人:2006/12/02(土) 20:19:20.23 ID:aKtaYfF70
>>391 確認したら確かにそうだな。
一人目線が違うw
444 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 20:20:57.89 ID:zZ6DqgLD0
>>441 適当にストレス解消大会とかつけてみたり。
445 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 20:22:05.45 ID:zZ6DqgLD0
>>442 今気付いた。
>>434 翌日。今日は短縮授業だったので昼には全員部室にそろっていた。
「さあストレス発散するわよ!じゃあみくるちゃんからね!」と言って朝比奈さんの紙をハルヒが読み出した。
明らかにストレスが溜まってる顔をしている。
「ふん!いいわ!キョンと古泉くんちょっとでてって!」やれやれ。
部室の外で古泉にちょっと聞いてみた。
「お前は俺を指名しないよな?」「さあ、どうでしょう」殴るぞ?閉鎖空間ださせるぞ?
「冗談ですよ。それに僕が指名しなくても他のお三方があなたを指名する事を懸念したほうが良いのでは?」
確かに。俺が一番不安なのはハルヒだ。どんな突飛な要望が飛び出すかわかったもんじゃない。なんて考えてると、
「どうぞ〜」とエンジェルボイスが聞こえてきた。
部室に入ると、制服の朝比奈さんとメイド服のハルヒがいた。
「涼宮さんと立場を交換してみたかったんですぅ」なんて恐ろしい事を…。
「何か言いなさいよ!」と言われたので似合ってるぞ、と言ったら古泉も「おや、本物のメイドさんかと思いましたよ」なんて言ってやがる。それはほめ言葉か?
ハルヒは「みくるちゃんの要望だから」なんてゴニョゴニョ言ってる。
「じゃあキョンくん、ここに座ってください」と朝比奈さんのとなりに座らされた。
古泉が「やっぱりあなたでしたか。」と言ったことで朝比奈さんが赤くなり長門は…変わらず、ハルヒが不機嫌になったことは気付かないフリだ。
「で、俺は何をすればいいんですか?」と言うや朝比奈さんは「あ〜ん」と言ってお弁当からから揚げを俺に差し出してくる。
「へ?」なんて間抜けな声を出している半開きな口にホールインワンしたから揚げを意識が半分飛んだまま食べてると、「うふふ、一度やってみたかったんですよ」なんて真っ赤な笑顔で言ってる。
「ほら!みくるちゃん!もう終わりよ!」とどっかの団長の怒鳴り声で意識は完全に覚醒した。
>>436 ということにして
446 :
VIP神:2006/12/02(土) 20:23:59.65 ID:04N3901VO
「カメラ目線とは現在を見つめる視線。
彼女は今に存在していても、今を見ていない
彼女は今ではない時間を見ている」
と言う電波
447 :
VIP足軽q:2006/12/02(土) 20:25:06.40 ID:7sjhKZq60
紫煙
448 :
VIP毒蛇:2006/12/02(土) 20:32:09.59 ID:pwEjFvWbO
支援
449 :
棒またぎ姫:2006/12/02(土) 20:33:41.47 ID:tjDgj6kpO
>>442 いちいち空気悪くする発言はやめろよ。きもち悪い。アンチスレでやればいいだろ
450 :
VIP神:2006/12/02(土) 20:35:45.67 ID:04N3901VO
あれ?投下中か?支援
451 :
VIP下手人:2006/12/02(土) 20:38:12.43 ID:aKtaYfF70
抜けた所を追加しただけっしょ。
452 :
VIP足軽orz:2006/12/02(土) 20:48:22.85 ID:U1tf8s2e0
あげ
453 :
VIP足軽p:2006/12/02(土) 21:10:23.48 ID:U1tf8s2e0
人いないのかな(´・ω・)
454 :
姫:2006/12/02(土) 21:12:53.55 ID:aKtaYfF70
居るぜ。
まぁ保守回数が減ったからな・・・
455 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 21:23:33.03 ID:zZ6DqgLD0
これからバイト行かないといけない俺は保守代わりにつくってたの投下してから出発しようと思う。
途中までだし駄文で難しいとは思うが続きを書いてくれる香具師はいないか?
456 :
VIP奴隷:2006/12/02(土) 21:24:18.59 ID:4P8ZG+SQO
いつもwikiで読んでるから辛いな
457 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 21:27:05.94 ID:zZ6DqgLD0
じゃあバイトから帰ってから書くか。
保守代わりなんで期待しないでくれ。ついでに毎回似たような内容なのは気にしないでくれ。
458 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 21:27:45.22 ID:zZ6DqgLD0
家族
「じゃあ今から役割を決めるわ!」なんのだ?
「決まってるじゃない!」だからなんのだ?
「ホントあんたはバカキョンね!人の話を理解できないなら最後まで聞いてから質問しなさい!」はいはい。
ここはSOS団のアジトで時は放課後。
今ここにいるのは俺とハルヒと窓際で本を読んでる長門だけど。
ハルヒはホワイトボードに『キャスト』『父1』『父2』『母1』『母2』『子ども』と書き
「じゃあまず子役からね」ちょっとまて!なぜ子役がでてくる?
「あたしは有希がいいと思うんだけど、みくるちゃんがいい?」
「キャスティング以前に質問だ!今回のコンセプトはなんだ?」
「しょうがないわね、説明するからしっかり聞きなさい!」やれやれ。
「あたしはSOS団と言ったら家族のようなものだと思うのよね。実際家族だったらどんなんだろうって思ったわけ。」
まあある意味家族のような付き合いをしてなくもないが。
「だけど考えても自分ちの家族以外に家族なんていまいちわからないから、なりきってみようって訳。」
なるほどね、具体的には何をするんだ?
「そうね、明日一日家族っぽく過ごすの。呼び方も変えるわ。完全になりきるのよ。で有希が子どもでいい?」
「問題ない。」無口な子どもだな。とりあえず朝比奈さんにも聞いてみろ、と言うが早いかちょうど朝比奈さんのエンジェルフェイスと古泉ニヤケ面が同時に目に入った。
「おや、面白そうなことをしてますね。」「今度はなにやるんですかぁ?」なんて息ピッタリに言うから
「あんたたち息ピッタリね、まるで夫婦みたい!」古泉は笑っている。俺は怒っている。朝比奈さんは顔を赤くしてオロオロしながら照れている。長門は無反応。
「決めた!じゃああんたたち夫婦Bね!あたしとキョンで夫婦Aにするわ!」
「なにするんですかぁ?」まだ照れてる朝比奈さんがハルヒに聞く。
「キョン!説明しなさい!」やれやれ。ため息を大げさに吐いてから説明してやった。
459 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 21:28:31.52 ID:zZ6DqgLD0
「ほう、それは素晴らしい考えかと。」「私と古泉君が夫婦ですかぁ?」こいつら、狙ってるんじゃないかってくらい同時にしゃべりやがる。
古泉がこっちをみてニヤニヤしてるのが気に食わない。こっちを見るな。むこう向いてれば許してやらんこともない。
「我々よりもあなた達のほうが夫婦に見えますよ」訂正。今すぐ視界から消えてくれ。こいつとはもう話さん。
「問題は有希ね!どっちの子どもにするか決めましょう」ドラフト会議でもするのか?
「長門さんに決めてもらってはどうでしょう?」こいつはまだいたのか。だがなかなかの意見だったのでさっきの狼藉は一部許してやることにする。
「じゃあ有希、どっちの夫婦の子どもになりたい?」
長門は本をパタンと閉じて俺の袖をひっぱり「お父さん」と言い放ったので今年のドラフトは涼宮ファイターズが長門を引き当てた。
「じゃあ決定ね!明日一日やって夫婦っぽくなかったほうが罰ゲームよ!あたしのいないところでごまかしてたら罰金に罰ゲームしたあと死刑だから!」
やれやれ。明日を想像すると今からクラスの視線が痛いぜ。空気を読まない谷口なんか休まないかな。
「ちゃんと夫婦っぽい呼び方するのよ!わかった?」はいはい、俺がお前をハルヒって呼ぶことに変わりはないだろ?
「あのぉ、わたしは古泉くんの事『一樹くん』って呼ぶんですか?『あなた』って呼ぶんですか?」ああ、あなたは墓穴を掘ってることに気付いてないんですね。
「『あなた』って呼びなさい!」「ひぇぇ。」朝比奈さん、自業自得ですよ?しかしできることなら俺の事を『あなた』と呼んでほしいものだ。
「おや、では僕は朝比奈さんの事をなんと呼べばいいのですか?」
そうだ、『あなた』と呼ばれるのはこいつなんだ。それだけは阻止しないといけないので取りあえずハルヒを説得し、お互い妥協して『一樹くん』にさせた。
うらやましい事に変わりはないが今はガマンだ。
「わかりました。それで、僕は朝比奈さんの事を…「『みくる』って呼びなさい!」正直、俺に朝比奈さんを『みくる』と呼ぶ度胸はないのでハルヒとペアでよかったと思ってしまった。
「わかりました。」
460 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 21:28:51.73 ID:zZ6DqgLD0
「俺は『ハルヒ』のままでいいんだよな?」「他に何かあるの?」ない。あっても呼びたくない。
「じゃあハルヒは俺の事をなんて呼ぶんだ?」「キョンよ!」変わらずか。楽でいいねコレは。
じゃあ長門は俺たちと『お父さん、お母さん』って呼ぶのか?「そうよ!『パパ、ママ』でも可よ!」
「パパ」長門、袖をひっぱるな。「おんぶ」辞めなさい!古泉夫婦がニヤニヤしてるでしょう!
「ちょっとキョン!『長門』じゃなくて『有希』よ!『有希ちゃん』でもいいわ!」
はぁ。ため息しかでない。やれやれだ。
「パパ」なんだ?「有希がいい」はいはい。わかったよ。ただし、明日一日だけな?「そう」
「涼宮さん、一つ質問よろしいでしょうか?」「どうしたの?古泉くん」
「あなた方が夫婦という事は同じ名字になりますが、『涼宮さん』と呼ぶのはいいのでしょうか?」なるほど。一理ある。
「じゃああなたたちはあたしのこと『ハルヒ』と呼ぶことを許可するわ!」「わかりました、ハルヒさん。」
「って事は、俺も『みくるさん』って呼ばないといけないのか?」「もちろんよ!」まあ古泉さんところの奥さんとか呼ばないで済むだけましか。
「じゃあ心の準備も必要だから今日はもう解散しないか?」「しょうがないわね!じゃあ今日は解散にするから明日ははりきっていきましょう!」
そうして俺は、長門に「明日古泉に会ったら『おじちゃん』ってよんでやれ」と言い残して帰った。
461 :
壷ふりお京:2006/12/02(土) 21:29:23.44 ID:sSHPN38eO
支援
462 :
愛のVIP戦士:2006/12/02(土) 21:30:12.44 ID:zZ6DqgLD0
だれも続けてくれなかったらこの先考える。
今日は以上です。
463 :
VIP悪魔:2006/12/02(土) 21:33:43.89 ID:04N3901VO
あんたが書く続きがみたい。
頑張って仕事行ってら
464 :
壷ふりお京:2006/12/02(土) 21:38:06.57 ID:sSHPN38eO
やっべ、長門カワユス
465 :
姫:2006/12/02(土) 21:48:05.00 ID:jJ92+/uGO
俺が書いても面白くならないだろう。それは他の住人にも言える事だ。
これはお前が続きを書いた方がいいんじゃないか?
お前が続きを書く事は……ふん、既定事項だ。
保守
466 :
姫:2006/12/02(土) 21:49:01.74 ID:aKtaYfF70
乙。
続きが読みたいね。
仕事がんがれ。
続きを読むために4時ぐらいまでゲームでもするかな。
468 :
棒またぎ姫:2006/12/02(土) 22:08:18.64 ID:GDzjE6aB0
深夜まで起きてられないが
明日の朝までこのスレ残ってっかなぁ…
で、あげておく
469 :
花魁:2006/12/02(土) 22:11:09.51 ID:aKtaYfF70
新鯖になってから、落ちることはまず無いだろう。
3日規制はキツイけどね。
470 :
VIP侍:2006/12/02(土) 22:15:58.41 ID:4hTHNGjPO
日常物
投下おk?
471 :
内藤ホライゾン:2006/12/02(土) 22:16:18.01 ID:77LYQ/5j0
wktk
472 :
VIP村人r:2006/12/02(土) 22:17:51.44 ID:nL8PTMyn0
(・∀・)
473 :
籠屋の銀二:2006/12/02(土) 22:18:23.95 ID:xHzK5j6k0
wktk
474 :
花魁:2006/12/02(土) 22:20:08.39 ID:aKtaYfF70
wktk
22レス程になる予定。短編物。三部構成。
一度でいいから、木枯らし吹く並木道、そんな寒空の元を親族以外の女の子と一緒に、何をするでもなく徒然なるままに歩を進めてみたい、なんて思うことはないだろうか。
いや、そんな微々たる甘酸っぱさを残す最大公約数的な事を健全な男子の脳組織が電気信号へと変換しないなんてことは―――自信を持って言える―――まず、ないだろう。
もちろん、絶対とは言い切れないのがこの世の常である。身近な反例を挙げるとすれば……言わずもがな、割愛させて頂く。
さて、ここで話は冒頭に戻る。
今日の俺はまさに世の中の男子が羨むそんな状況の真っ直中にいた。
さらにだ。
そいつら全員がその羨望のあまりに襲いかかってきてもなんら不都合はない、という形容節を俺が今置かれている状況に付け加えたとしても、なんら不都合がなかった。
もっと簡潔に表せと言うなら、たったの四文字で表現できなくもない。何故なら、俺は相応たる諺を知っていたからだ。
『両手に花』
「ここまで引っ張っておきながらそれはないだろ……常識的に考えて……」とか、そんな抗議は一切受け付けない。
さて、いい加減脳内語りにも飽きた。そろそろ、本題の不思議探しとやらに精を出すとしようか。
Haruhi.S×Mikuru.A
「なかなかないわねぇ」
「そうですねぇ……ないですねぇ……」
「……みくるちゃん?あんた本気で探してるの!?全然やる気が見られないわ」
「ふぇっ!?さ、探してますよぉ!」
「SOS団きっての萌えキャラであるみくるちゃんが頑張らないでどうするのよ!?
萌えと不思議と言ったら三親等くらいの血縁関係があると言っても過言ではないわ」
「えぇー?でも、何すればいいんですかぁ?」
「そうねぇ……とりあえず上半身裸になってラジオ体操とかしてみればいんじゃない!?」
「そ、そんなの無理ですー!」
「いいからいいから♪やらないで後悔するよりやって後悔したほうが今後の為にもなるわ」
「や、やめてくださーい!」
さて、そろそろ何か発言をしなければ俺の存在が忘れ去られる危険性大な上に、朝比奈さんが公衆の面前でうらやま……いや、恥ずかしい思いをする危険性も大なので、
この茶番劇に終止符を打つことにしよう。
「アホか」
俺はハルヒの首根っこを掴み、朝比奈さんを魔の手から救出した。
「何すんのよアホキョン!」
「お前こそ朝比奈さんに何しようとしてたんだよ」
「決まってるでしょ!?脱がせるのよ」
478 :
花魁:2006/12/02(土) 22:23:47.10 ID:aKtaYfF70
支援
「脱がせるつったてなあ―――」
俺は久しぶりにハルヒに一般常識について語ってやった。
朝比奈さんはその間、ハルヒのせいでもみくちゃになってしまった洋服を整えつつ、
捨てられた子犬のような眼差しで俺とハルヒを見つめていた。
「ふん!分かったわよ」
どうやら、朝比奈さんの野外ストリップショーは回避できたようだ。
朝比奈さんも安堵の吐息を漏らしている。
「その代わりに、あんた何か代案出しなさいよね!あたしの提案を却下しといてヤリ逃げは許さないんだからね!」
もっともな意見を宣うハルヒだが、そもそもこいつが出した提案を提案と呼ぶことさえおこがましい。
どうせ出しても廃案になるだろうし、思い付きもしないものはどうしようもない。
俺は朝比奈さんに話をふってみることにした。
「うーん……何かありませんかね、朝比奈さん?」
「ふぇ!?あたしですか!?うーん……」
いきなり話をふられて戸惑う朝比奈さんであったが、律儀にもそのこぢんまりとした頭を斜めに傾けながらハルヒ出題俺転嫁の無理難題に取り組み始めた。
「うーん……えーと……」
俺とハルヒの視線は朝比奈さんに注がれている。
「うーん……えーと……あっ!」
480 :
花魁:2006/12/02(土) 22:24:45.66 ID:aKtaYfF70
支援
そう言うと同時に、キョロキョロしていた朝比奈さんの視線はある一点で留まった。
俺とハルヒがその視線の先を望むと、それは焼き芋と書いてある幟を掲げた一台の軽トラだった。
「……もしかしてみくるちゃん、焼き芋食べたいの?」
「えっ?いや、そういうわけじゃ……」
ここでハルヒの顔に不気味な笑みが浮かぶ。
「あらそう。それじゃあ……あたし達だけでも食べちゃいましょうか。ねっ、キョン!?」
終始チラチラと俺にアイコンタクト送ってくるハルヒ。
相手が朝比奈さんでなければこの時点で失敗してしまいそうな作戦に俺は乗ることにした。
「……ああ、そうだな!俺も少し小腹がすいきたし、ちょっと買ってくるか」
「それじゃキョン!大きいの二本持ってきなさい!ほら、ダッシュダッシュ!」
「あ、あのぉ、えと、そのぉ……やっぱり」
「どうかしましたか、朝比奈さん?」
「えと、そのぉ……あぅぅ、なんでもないです……」
朝比奈さん、それは最早「自分の分も買ってこい」と叫んでいるようなもんですよ。
「ほらキョン!早く行かないと行っちゃうわよ!」
「ああ分かった分かった」
そうこぼしながら俺は焼き芋カーへと小走りで向かった。
482 :
花魁:2006/12/02(土) 22:25:27.05 ID:nq5dSgzYO
支援
483 :
花魁:2006/12/02(土) 22:25:51.74 ID:aKtaYfF70
支援
「でかしたわキョン!それにしても本当にでかいわねぇ」
「アチチチッ!ほらよ、ハルヒ」
「あぁ……」
ハルヒ、俺、朝比奈さんの順での焼き芋に対する第一声。
「……うん!やっぱり秋と言ったら焼き芋よね!」
「ああそうだな。秋に食う焼き芋は格別だ」
「あ、あのぉ……涼宮さん」
「なあに、みくるちゃん?」
「そんなにたくさん食べきれないんじゃ……」
「安心してみくるちゃん!これくらいの量で泣きを見るあたしの胃袋じゃないわ!」
「……そ、そうですか……じゃあ、キョン君は……」
「へ?」
「あぁ……」
俺はなんと、この短時間で焼き芋一本を丸々平らげていた……ように見せた。
朝比奈さんが見ていない間に半分に折って紙袋に戻しておいたのだ。
「キョン君……それ……はふぅ」
空気が抜けるように朝比奈さんがよろめく。
「あ、朝比奈さん!?大丈夫ですか!?」
「ちょっとみくるちゃん!?どうしたの!?」
かろうじて朝比奈さんの肩を掴み、支えることに成功したが、
「あのぉ……朝比奈さん?大丈夫ですか?」
「……あぅぅ……すみませんでした……もう大丈夫です……」
よろめきながらも俺の支えを拝辞した朝比奈さんは、どうみても大丈夫ではない。
「……プッ!あははははっ!ダメ!我慢できない!」
キョトンとする朝比奈さんを後目に、ハルヒはバカみたいに大声で笑い始めた。
つられて俺も笑ってしまう。
「もういいわキョン!みくるちゃんに例のものをっ……くっ」
そう言ってまた笑い出すハルヒ。いくらなんでも笑い過ぎだろ。
「朝比奈さん、これ」
俺は朝比奈さん紙袋を渡す。
「え?これって……あぁ!」
紙袋の中身を見てびっくりやら嬉しいやら少し怒っている感じもする表情は、朝比奈さんらしいと言えば朝比奈さんらしかった。
「これ……あたしの分……ですかぁ?」
「いらないんだったらあたしが食べてあげr」
「だ、ダメです!あたしが食べます!」
「そう。でも、みくるちゃん?」
「な、なふでふか?」
「団長に嘘ついた罰は受けて貰うわよ?いいわね?」
「そ、そんなぁ……わかりました……ふぅ(でも焼き芋おいしいな)」
俺はそんなハルヒと朝比奈さんのやり取りを微笑ましく眺め、俺が全額負担した焼き芋代を憂いつつも、こういう子供じみた茶番劇もたまには悪くないなとしみじみと感じるのであった。
486 :
花魁:2006/12/02(土) 22:27:23.66 ID:aKtaYfF70
支援
「そう言えばハルヒ?」
「何よ?」
「お前そんなに食ってふとらnうげ!」
「うるさいわね!余計なお世話よ!」
「……(やっぱり焼き芋おいしいな)」
Fin
とりあえず一部完です。
Yuki.N×Mikuru.A
「……」
「……」
「……」
いやぁ、実に空気が重いなあ!
この組み合わせは肉体的には全然疲れないのに精神的疲労はなかなかに手強いものがあるんだよな、いつも。うん。
俺が一人で納得していると、この空気の間接的な原因である―――もちろん彼女にはこれっぽっちの非もない―――一少女がその理由を尋ねてきた。
「どうかした?」
「あぁ、いや何でもない」
「そう」
会話終了。この無駄を一切許さないといった感じのしゃべりは、言わずもがな、長門有希。
「ふあ!?……あっ」
「……大丈夫?」
「あぁっ!はいっ!えと……ごめんなさい!」
「何故謝る?」
「えと、そのぉ……な、何でもありません……」
「そう」
落ち着いて「ありがとう」と微笑みかけるだけで十分なのに何をそんなに焦っているのか、もどかしくも微笑ましいのは朝比奈みくるさん。
対長門に関してはスイッチが入ったようにおっかなびっくりな態度しかとれないでいる。
今もそう。
朝比奈さんがあわや地球にヘッドバットかと思われたところを、この世の物理法則を完全に無視した動きで長門が防いだのだ。
「右手に持っていた花が一瞬で左手に移った」と言えば位置関係その他諸々もお分かり頂けるであろう。
とかくまあこんなふうにちょくちょくボディタッチを重ねているにもかかわらず、朝比奈さんの長門への態度は見事なまでの一貫性を保ったままである。
そろそろこの関係に終止符が打たれても良さそうなものだが……っと、いい加減に何か発言しなければ三点リーダーだけで終わってしまう。
「……」
「……」
「……うーん……暇ですねぇ」
気の利いた事一つ言えない自分の才能を恨む。
「はい……暇ですね……」
ああまずい、このままでは再び三点リーダーがこの場を支配してしまう……ん?何だこの音は?それにこの匂いといったら、
「もしかして……やっぱりか」
それは簡単に見つかった。
やけに響きわたる音、香ばしい匂い、もくもくと吐き出される白い煙、その全てを携えた軽トラと言えば、そう。
「どうしたんですか?」
朝比奈さんが首をちょこんと傾げて尋ねてくる。
「長門、朝比奈さん、……焼き芋食べませんか?」
「「やきいも?」」
二人の声はぴったりと重なった。
「はい、焼き芋です。未来には無いんですか?焼き芋」
490 :
花魁:2006/12/02(土) 22:31:18.10 ID:aKtaYfF70
支援
「?……あっ!焼き芋ですかぁ。焼き芋なら未来にもありま……あっ、いえ、禁則事項ですぅ……」
どうやら未来でも焼き芋は健在らしい。
焼き芋屋は何故潰れないのか、なんてタイトルで日本の経済について書きつづってみれば一発当たるかもしれん。
俺は書かないがな。
「長門はもしかして焼き芋知らなかったりするのか?」
「しない」即答。
「食べたことはあるか?」
「ない」これまた即答。
「食べてみたいか?」
長門はほんの数秒考えるそぶりを見せて、
「食べる」
と答えた。
「朝比奈さんも食べますよね?」
「あっ、はい、食べます」
「それじゃあ俺が買ってくるんでここで待ってて下さい」
「あっ、あのぉ、あたしも一緒にぃ……」
「いえ、朝比奈さんは長門と一緒にここで待っててください」
「で、でもぉ……あぁぅ……」
俺は朝比奈さんの反論を華麗にスルーして小走りで焼き芋カーへと向かった。
まあこれだけで朝比奈さんの長門に対する苦手意識が改善されるなどとはこれっぽっちも思っちゃいないが、
きっかけくらいにはなって欲しいもんだと思いつつ焼き芋を買う俺であった。
「おじさん、焼き芋三本」
492 :
花魁:2006/12/02(土) 22:32:52.77 ID:aKtaYfF70
支援
「あいよ、あんた学生さんかい?一人で三本も食うのかい?」
俺は自分が北高生である旨を伝え、微妙な空気をまとう美少女二人組を示す。
焼き芋選びに夢中だったおっさんはそれを見て全てを理解したかのように頷いた。
「ほおー……」
何やら意味ありげな感嘆詞だがここはスルー。
「それじゃあサービスして500円だ」
ああどうもと俺は素っ気ない返事をし、その場を立ち去ろうとしたがここでおっさん。
「兄ちゃん、女っつーのは怖い生き物だからな。後ろから刺されない様に気い付けなよ」
何の心配をしているのやら見当違いも甚だしいと言って差し上げたいくらいの物言いだったが、
あながちおっさんの言ってることも間違っちゃいないように思えたので、
「そうですね、おじさんも気をつけてください」
苦笑するおっさんに俺はさらにこう加えた。
「特に宇宙人の女はタチガ悪いですよ」
おっさんはポカーンとしていたがとりあえずほったらかしにして、俺は二人の元へと急いだ。
「すみません、待たせちゃいましたか?」
「あっ、いえ、全然大丈夫です」
「……」
傍目から見てあの雰囲気は全然大丈夫じゃなかった気もするが……まあそれはいいだろう。
494 :
花魁:2006/12/02(土) 22:33:24.45 ID:aKtaYfF70
支援
「ほら長門、これが焼き芋だぞ」
「形状は既に記憶している」
「熱いから気をつけろよ。朝比奈さんも」
焼き芋を長門と朝比奈さんに手渡す。
「あっ、はい、ありがとうございます!あのぉ……お代のほうは」
「あぁいや気にしないでください」
「でも」
朝比奈さんの言葉を遮って、
「実はまけてもらったんで大丈夫なんですよ」
「そうなんですかぁ。それじゃあ……お言葉に甘えていただいちゃいます!」
にっこりと微笑む朝比奈さんのお顔で目を潤してから久しぶりの焼き芋を味わおうとしていたその時、
早すぎる冬の到来を感じさせなくもない視線が俺を貫いている事に気がついた。
「どうしたんだ長門?」
「……食べ方が分からない」
「こんなの丸かじりでそのまま食べるだけだぞ」
「……」
長門は俺に向けていた視線を朝比奈さんに向ける。
「……朝比奈みくるの食べ方は何?」
「あー、これも間違った食べ方ではないな」
見ると朝比奈さんは親の仇でも討つかの様に焼き芋の皮をいそいそと剥いでいた。俺らの会話にも気づかないくらいに集中しているらしい。
「そう。……何故皮を剥く?」
「うーん、朝比奈さんに直接訊いてみたらどうだ?」
496 :
花魁:2006/12/02(土) 22:35:04.27 ID:aKtaYfF70
支援
長門は作業に熱中する朝比奈さんの傍までより、
「……朝比奈みくる」
と、呼びかけた。もう少し声を出さなきゃ気がつかないんじゃないのか?それにそんな言い方だと……
「……朝比奈みくる」
「……」
「……朝比奈みくる」
「ふゃい!?」
朝比奈さんはすぐ横で自分の名前を連呼する長門にビクつき、せっかく半分まで皮を剥いた焼き芋を落としそうになる。
「え!?あっ!?あのぉ、そのぉ、……何でしょう?」
「……何故皮を剥く?」
「皮ですか?何の」
「焼き芋」
「あっ、すみません……えぇと、あたし皮のちょっと苦いのが苦手だからです」
「そう」
とだけ呟いてじっと朝比奈さんの焼き芋を見つめる長門。二人の間には言いしれぬ空気が漂う。
助け舟でも出してやるか。
「長門、結局どっちの食べ方で食べるんだ?」
長門は朝比奈さんの焼き芋に視線を固定して、
「……朝比奈みくるの方」
と言い、焼き芋の皮を剥き始めた。
自分が選ばれなかったことにそこはかとなくがっかりしたが、俺は焼き芋を食べるのを一時中断し長門の様子を見守ることにした。
朝比奈さんもどうやらそれにならうらしい。
俺と朝比奈さんは焼き芋の皮を剥く長門 の姿を見つめていた。
498 :
花魁:2006/12/02(土) 22:35:52.99 ID:nq5dSgzYO
支援支援
499 :
花魁:2006/12/02(土) 22:35:55.93 ID:aKtaYfF70
支援
かれこれ5分は経っただろうか。
長門の作業の具合のほうはと言うと、これまた驚くほど芳しくない。
四分の三くらいか?まだ皮を被っているのは。
長門は正確無比に皮と実を分離させていたが、いかんせんスローペース過ぎる。
せっかくの焼き芋が冷めてしまうではないか。
「長門、もう少し適当にやってもいいんだぞ。そんなんじゃ焼き芋が冷めちまう」
「……」
何故ここで沈黙なんだ?と思っていると、
「あ、あのぉ、長門さん」
朝比奈さんが長門に声をかけていた。
「何?」
「よ、良かったら、これ……どうぞ!」
と、初恋の人にいきなりラブレターを渡すかのような仕草でおそるおそる長門に焼き芋を捧げだす朝比奈さん。
朝比奈さんの焼き芋は持つところを残して四分の三ほどが裸になっている。ほくほくと湯気を出す黄色がまぶしいね。さっさと食いたいぜ。
「……」
長門は沈黙……かと思いきや、
「……感謝する」
と、朝比奈さんの焼き芋を受け取り、自分の焼き芋を朝比奈さんに手渡す。
朝比奈さんは聖母のような微笑みを長門にかけ、
「はい!」
と応える。
うーん、いまいち状況が把握できないのは俺だけか?
長門は焼き芋にパクつき、
「おいしい」
と素直な感想をもらす。
朝比奈さんはそれを聞いてほっとしたようだ。
優しい目つきで長門を一瞥してから二度目の皮剥きに取りかかろうとする。
このままでは機を逸してしまうこと明らかなので俺は訊いてみることにした。
「あの、朝比奈さん?」
「? 何でしょう?」
「さっきのは一体何だったんですか?」
朝比奈さんは「ふぅん?」といった感じで首を傾げる。
「長門との焼き芋のやり取りですよ」
「あっ、そのことですかぁ。えーとですね、」
朝比奈さんは長門に視線をやり、
「構わない」
と、長門が言うのを確認してから語り始めた。
「焼き芋の皮って結構剥きづらいんです。あたしも最初のころは上手に剥けませんでした。それでもしかして長門さんもそうなんじゃないかなぁと思って」
なるほどね。こりゃ驚いた。朝比奈さんが俺以上に長門を分析できるなんてな。
俺が納得したのを見て朝比奈さんは作業
に取りかかる。
黙々と皮を剥き始めた朝比奈さんに対し、
「……朝比奈みくる」
「ひゃあ!?あっ、はいっ、何でしょう?」
「おいしかった。ありがとう」
「!」
「……どうしたの?」
502 :
花魁:2006/12/02(土) 22:38:14.63 ID:aKtaYfF70
支援
「あっ、いえ」
朝比奈さんはしばしの間を開けて、
「どういたしまして♪」
と、神々しいほどの微笑みで応じた。
ていうか長門、食べるの早すぎないか?
SOS団の中で唯一不安を覚える関係の二人だったが、この分なら心配には及ばないのかもしれん。
おっと、そろそろ焼き芋食わなきゃな。冷たい焼き芋なんて谷口の自慢話並に需要曲線下がりっぱなしだ。
……あのおっさん何て仕事しやがる。焼き芋なんてレベルじゃねぇぞ!美味すぎる。
おっさんに「GJ!」と言ってやりたいところだったが焼き芋カーはすでにいなくなっていた。少し残念だ。
見ず知らずのおっさんの粋な計らいと微笑ましい長門と朝比奈さんの姿に心暖まり、この冬もなんとか乗り切れそうだなと思う俺であった。
「ふぅー、やっと剥けました!……むぐ、おいひいですこのやきひも!」
「朝比奈さん、もう少し落ち着いて食べなきゃ……」
「むぐっ!?」
「あー、ほらだいj」
「大丈夫?」
「ケフケフ……ご、ごめんなさ……いえ……ありがとう!」
「そう……どういたしまして」
Fin
第二部終了
504 :
花魁:2006/12/02(土) 22:39:38.81 ID:aKtaYfF70
腹減ってきた。
Haruhi.S×Yuki.N
「全然ないわねぇ、不思議」
「そうだな」
「何よそのものぐさな言い方?ちゃんと真面目に探してんの!?」
「お!ハルヒ、あれって焼き芋カーじゃないか?」
「え?あ、ほんとだ。焼き芋ねぇ……って、話をすり替えるな!」
「何だ?食いたくないのか?」
「もう、あんたはあたしたちが何のために探索してると思ってるの?
あたしたちはね、この探索でこの世の不思議を見つけなければならない使命を背負ってるんだからね!
焼いた芋なんかに構ってられないわ」
「ふーん、そうなのか」
「そうなの!」
団長様は焼き芋を所望でないと。なるほどね。
さて、ここで俺はこの偏った発言比率を是正するためにSOS団随一の無口キャラに話を振った。
「長門、お前はどうだ?焼き芋食べたくないか?」
長門はほんの数秒考えてから、
「焼き芋に関する情報は既に様々把握している」
「そうか」
長門も食べたくないのか、俺一人で食べるのには抵抗があるんだよなぁ、と落胆していると、
「だが焼き芋に関する情報の内一つだけ欠如しているものがある」
「何だそりゃ?」
「味」
「長門……焼き芋食べたいのか?」
俺の問いに数ミクロン首を縦に動かして長門は応えた。
「という訳だハルヒ。ちょっと焼き芋買ってくる」
「有希が食べたいんなら仕方ないわね」
「ああ、それじゃ行ってくる」
「……あたしも行く」
「ん?そうか、それじゃ行くか、長門」
俺は長門とともに焼き芋を搭載しているであろう軽トラを目指そうとしたが、
「ちょ、キョン!待ちなさい!」
ハルヒによって待ったがかけられる。
「何だハルヒ?」
「あ、あたしも行くわ!」
「……お前結局焼き芋食いたいんじゃないか。ならそうと始めかr」
「そ、そんなんじゃないわよ!」
「そうかい」
ふう、素直じゃないな、まったく。……まあいいか、その分俺の財布が傷つかないですむ。
とまあそんな訳で、俺たち三人は焼き芋カーへと向かうことになった。
「あいよぉ!いらっしゃい!」
やけに威勢のいいおっさんだな。
「あー、おじさ「あんたら高校生?いいねー若いってのは!」
聞いちゃいねぇ。
「焼き芋二「えーと、三本で良かったかな!?よし、それじゃ学生割引で五百円ポッキリだ!」
あー、ダメだこりゃ……まあ三本五百円なら意外と安いから別にいいか。
「はいよっ!……ところで少年!ここだけの話、どっちなんだい?」
「はい?」
507 :
花魁:2006/12/02(土) 22:41:55.15 ID:aKtaYfF70
支援
「だから、どっちが彼女なんだい?」
「あー……」
ここだけの話も何も本人たちの目の前じゃねえか。それに俺はそんな泥沼三角関係を築いているわけじゃない。
すぐさま否定しても逆に怪しさが増すだけなので、俺は二人の様子を見てみることにした。
長門は至って平凡、いつもと変わらず眩しいくらいの無表情っぷりだ。
ただ、俺の目を穴が開くほど真っ直ぐに見つめているのは何故なんだろうね。
ハルヒに至ってはよく分からん。
こいつの地獄耳がさっきのおっさんのやかましい戯言を捉えていないわけがないと思うのだが、
どうやら聞こえなかったふりをしてそっぽを向いているらしい。
髪の間から覗くハルヒの横っ面が何とも言えない色に染まっているのは、寒い日特有の現象だろう。
「それで?どっちが本命なんだい?」
おいおっさん、質問が変わってるぞ。
「えーと、」
俺が口を開くと視界の隅でも二人がピクついたのが分かった。
「そうですね、どちらも良いお友達です」
「そんなわけな「いえ、そういうわけです。焼き芋ありがとうございました」
と言い残し、俺は強引に長門とハルヒを連れて焼き芋屋を後にした。
なんだか古泉臭さが残るな……えぇい、忌々しい。
509 :
花魁:2006/12/02(土) 22:42:49.68 ID:aKtaYfF70
支援
「ほら長門、熱いから気をつけろよ。ハルヒもほれ」
長門は黙って焼き芋を受け取るが、
「あ、あたしは食べないって言ったでしょ!」
「……素直じゃないな。じゃあなんで着いてきたんだ?」
「そ、それは……」
「ほら、せっかく学割してもらったんだし、お前も食えよ」
「……鈍感」
「あぁ?何だって?」
「何でもないわよ!このアホキョン!」
と叫んで俺の手から紙袋ごと焼き芋をかっさらうハルヒ。
「おいこら、俺の分をよこせ!紙袋はゴミになるからくれてやる」
ハルヒはじとっとした目で俺を睨み、そのまま俺に背を向けて何やらガサゴソし始め、さらに数歩歩いて振り返る。
何がしたいんだこいつ?と呆けていたのも束の間、ハルヒは俺に何だかよく分からん塊をちらつかせた。
くしゃくしゃになっているがあれは……紙袋?
「キョーン!行くわよー!ちゃんと受け取りなさーい!」
おいおいまさかその中身は俺に食される運命にある焼き芋ちゃんじゃあないのかね!?
「いっくわよーっ!とーう!」
「……!」
俺の予想とは裏腹にその塊は見事な山なりアーチを描いてちょうど俺とハルヒの中間地点に……て、ちょっと待ったぁ!
「お前、この卑怯者!」
511 :
花魁:2006/12/02(土) 22:43:29.52 ID:aKtaYfF70
支援
そう叫ぶや否や俺は予測落下地点へと飛び込んでいた。
間に合え!ズサァー!
パスッという音とともに俺の手のひらに舞い落ちる紙袋。
……ふぅ……ん?こ、この手応えのなさは一体……はっ!
「お前!謀ったな!」
そう、俺が必死こいて地面との衝突から救ったのは紙袋そのものだった。
ハルヒはそんな俺の様子を見てふっふーんと鼻を鳴らし、
「騙されるほうが悪いのよ♪それ!」
と、ハルヒはまたもや何かをポーンと投げる。
天高く舞うあの紫色の物体はー……って、ちょっとー!本体だってばー!
落下地点は……もうちょい前!うおぉぉー!
などという心内語とともに俺は芋虫みたいに落下地点を目指す。
焼き芋と芋虫が上手くかかってるって?誰がうまいことを言えと(ry
間 に 合 え ー !
パシッ!
……ふぅう……つ、つかれた……。
焼いた芋ごときにこんなに振り回されるとは……。
その焼いた芋とともにその中心に位置し俺を振り回していた張本人はゲラゲラ笑っていやがる。
……ハルヒの笑う顔にはどうやらα波を分泌させる効果があるのかもしれない。
こいつの笑顔を見ていると「まあいいか」と楽観的な気持ちになってしまう俺がいた。……重傷だなこりゃ。
513 :
花魁:2006/12/02(土) 22:44:07.87 ID:aKtaYfF70
支援
これは一体どういうプラシーボ効果なんだろうなと俺がぼけーっと考えていると、
…クス。
ハッ!
ものすごい速度で振り返るも……そこにいるのは無表情のアンドロイド。
今確かに笑い声が……気のせいか?
「ほら、いつまで転がってんのよ!さっさと起きなさい!」
「はいはい、分かったからそう足でつつくな。汚いだろ……常識的に考えて……」
何はともあれ、これでやっと落ち着いて焼き芋が食べられる。
って、長門まだ食ってなかったのか?
「食べ方を知らない」
「そのままかじりつけばいいと思うぞ」
「そう」
ふとハルヒを見ると、もう既に三分の二程を食べ終えていた。鬼速いな。
さて、俺もそろそろいただくとしよう。
……あのおっさん、見かけによらずいい仕事してるな。性格は糞かもしれんが腕だけは確かだ。
おっさんの作った石焼き芋に軽く感動しつつ、いろいろあったけど不思議という不思議はなかった……いや、ちょっとはあったかもしれないなとぼんやり思う俺であった。
「長門」
「何?」
「さっき笑ってなかったか?」
「えー!?有希笑ってたの!?」
「……」
「あーん、見たかったー!ねぇ有希、笑って!」
「……また今度」
Fin
515 :
花魁:2006/12/02(土) 22:46:35.27 ID:aKtaYfF70
GJ!
日常良いね。
古泉が居ないのが気になるがw
以上を持ちまして投下は終了とさせていただきます。
支援に鬼感謝。さるさんなかったです。
517 :
籠屋の銀二:2006/12/02(土) 22:48:22.71 ID:tjDgj6kpO
GJ!焼き芋食べたくなった!ちなみに俺は皮むく派
518 :
VIP悪魔:2006/12/02(土) 22:49:49.27 ID:GYj1SM1RO
いいねえ、こういうの
GJ!
ああ、焼き芋食いたいなあ……
519 :
◆xQ2oC2wonc :2006/12/02(土) 22:53:24.63 ID:4hTHNGjPO
>>515 不思議探索のくじ引き結果
キョン×女子軍二人
になったシチュエーションを想定しました。
え?キョン×古泉?……ごめん、それ無理。
ちなみに俺はかぶりつく派です。
まとめは要請板に頼んでくるんで。
520 :
籠屋の銀二:2006/12/02(土) 22:54:58.71 ID:xHzK5j6k0
GJ
焼き芋とか数年食ってないな
521 :
花魁:2006/12/02(土) 22:56:25.71 ID:aKtaYfF70
>>519 そうゆう設定か。
確かに野郎二人で焼きいもは悲しいしなw
522 :
VIP毒蛇:2006/12/02(土) 22:59:11.27 ID:04N3901VO
……あんた、経済学部じゃねぇか?
いや、気になっただけで意味はない
ともかくGJ
523 :
VIP侍:2006/12/02(土) 23:03:39.26 ID:pwEjFvWbO
只今本音スレ改革議論中。ふるってご参加お待ちしております。
524 :
VIP将軍:2006/12/02(土) 23:03:42.29 ID:4hTHNGjPO
>>522 法学部を目指す受験生だ。
政経はそれとなく得意。
525 :
VIP足軽s:2006/12/02(土) 23:05:44.31 ID:JERFdu1K0
>>519 乙、GJ!
ところで、物悲しい男二人バージョンを書いちゃ駄目かね?
いや、どう書いても物悲しくなると思うんだがw
526 :
VIP女神:2006/12/02(土) 23:11:11.40 ID:04N3901VO
>524
そっちだったか。用語がそんな匂いしてたんでつい、な
次回があれば楽しみだ
527 :
ウィキ”管理”人 ◆9wIWhQmhwg :2006/12/02(土) 23:11:47.65 ID:T7QPGu9y0
只今まとめ雑談所の本音スレ改革議論中でございます。
ふるってご参加お待ちしております。
528 :
VIP毒蛇:2006/12/02(土) 23:12:29.41 ID:mVBd/QzU0
>525
作者の許可が下り次第、やっちゃえ!
ちなみにわたしは焼き芋は剥き、蒸かし芋は丸ごと行きます。
焦げた皮はイヤン……
529 :
焼いた芋作者 ◆xQ2oC2wonc :2006/12/02(土) 23:19:41.22 ID:4hTHNGjPO
>>525イインダヨー!
次回作は未定。
何分受験生なもんで
530 :
VIP奴隷:2006/12/02(土) 23:20:18.37 ID:3LBdqmsY0
531 :
VIP足軽s:2006/12/02(土) 23:21:02.96 ID:JERFdu1K0
>>529 許可ありがd
じゃあちょっと作者様の文体を目指して書いてみますね。
532 :
VIP侍:2006/12/02(土) 23:24:34.94 ID:pwEjFvWbO
533 :
VIP奴隷:2006/12/02(土) 23:27:26.56 ID:T7QPGu9y0
久しぶりにグロ踏んじまったい……
534 :
VIP侍:2006/12/02(土) 23:37:31.45 ID:pwEjFvWbO
みんなが議論している間保持
535 :
VIP村人z:2006/12/02(土) 23:44:13.50 ID:B3gi4Lla0
久々の蓮画像にちょっと興奮しちゃった俺ガイル
536 :
棒またぎ姫:2006/12/02(土) 23:48:34.20 ID:LUADA18jO
この位の画像では怯まなくなってしまった
537 :
VIP将軍:2006/12/02(土) 23:55:16.98 ID:4hTHNGjPO
>>531 一つだけ注文。
プロローグの時点で『両手に華』と明言しちゃってるんで、
プロローグを別に作るか完全に別枠にするかとかして欲しい。
538 :
VIP足軽s:2006/12/02(土) 23:57:50.78 ID:JERFdu1K0
>>537 了解。
女子視点で+男二人で『両手に花』とかも考えたけど
男二人で行くわ・・・あー、それとも両方書くかも。OK?
539 :
VIP将軍:2006/12/02(土) 23:59:41.70 ID:4hTHNGjPO
おk
540 :
ただの戦士:2006/12/03(日) 00:06:07.10 ID:0dl1hJjb0
541 :
高校の女教師:2006/12/03(日) 00:20:38.56 ID:wNmDSv/tO
保守
542 :
VIP村人s:2006/12/03(日) 00:22:29.81 ID:MNv3oEZMO
原作準拠難しいな……どうしても妄想大爆発するんだが
543 :
VIP皇帝:2006/12/03(日) 00:24:31.89 ID:8Q2MD9CH0
自分はギリギリの線だけ守りながら書いているな。
触れてないの間違いじゃないかって気もするが。
544 :
VIP村人d:2006/12/03(日) 00:29:03.63 ID:EFaVJsma0
原作準拠よりも少しずれたキャラが好きな人もいる。
問題はキャラがきちんと立っているかどうかだと思うよ。
面白い作品はみんなきちんとキャラ立ちしてる。
545 :
高校の女教師:2006/12/03(日) 00:30:46.02 ID:wNmDSv/tO
その話題は本音スレでどうぞ。
546 :
VIP村人s:2006/12/03(日) 00:32:36.69 ID:MNv3oEZMO
昔は原作準拠できたんだがな……ネタ切れだな。まぁとりあえずこの妄想大爆発 を文書化するか。
547 :
門番の娘:2006/12/03(日) 00:38:19.17 ID:Qdk3B+zv0
ダメだ、本音スレに着いて行けねぇw
548 :
VIP村人s:2006/12/03(日) 00:42:52.74 ID:MNv3oEZMO
ほす
549 :
牛のふん:2006/12/03(日) 00:43:07.84 ID:8Q2MD9CH0
本音スレが盛り上がっている所悪いんだが、
>>525で言っていた焼き芋が出来たんだが投下OK?
550 :
VIP足軽t:2006/12/03(日) 00:43:28.05 ID:UJi1ysY+0
wktk
551 :
門番の娘:2006/12/03(日) 00:45:44.85 ID:Qdk3B+zv0
wktk
では投下します。
作者許可済み別人作、プロローグからは続いてないってことでお願いします。
(※作者許可済み別人作、男二人なんでプロローグからは続いていません)
kyon×Ituki.K
「暇だな」
「暇ですね」
「なあ、どうしてこの組み合わせなんだろうな」
「さあ? 理由は僕にも分かりかねます。しかし僕はこの組み合わせが一番平穏ではないか
と思っているんですよ。何せ涼宮さんが機嫌を悪くする理由が一切無いと言っても過言では
無い上、万一あなたが涼宮さんの、」
「お前は平穏かもしれんが俺はつまらん」
休日に男二人なんて楽しいわけも無い。
これで俺達に女友達が一切居ないとか言うのならまだ話は別だが、SOS団の俺達以外の面
子は皆女子、それも美少女揃いときている。
まあ、女子達もお前に負けず劣らずの曲者揃いと言えば曲者揃いだけどさ。
「良いじゃないですか、つまらないかも知れませんが、少なくとも何らかの事件に巻き込ま
れる可能性は皆無と言っても差し支えないのですから」
「……俺はお前のその発想が嫌だ」
「そうは言われましても、人間、危機意識というものはですね、」
「おい古泉、あれって焼き芋カーだよな」
「焼き芋カーですね。ってあなた今人の話を、」
「食うか?」
「あなたの奢りでですか?」
「一日に二回も奢るか馬鹿」
俺が自発的にそんなことをしたくなるのは朝比奈さんだけだ。
ハルヒと長門は……、食欲魔人の二人に一日に複数回も奢ったら俺の財布が持たない気が
してならないな。
「良いじゃないですか、話を振ったのはあなたなんですから」
うるさい奴だな。
結論。
結局二人でジャンケンをして負けた方が奢るってことになった。
それぞれ自分の金で買うって発想が無い当たりが馬鹿だと思うね。
そして古泉よ、お前勝負事はとことん弱いくせにこういう時だけは違うんだな。
くそ、忌々しい。
「ごちそうになりますね」
「……何で一日に二度も男に奢らにゃならんのだ」
「僕は嬉しいですよ」
お前の耳に嫌味は通じないのかよ。いや、大抵の嫌味は通じないみたいだけどさ。
まあ、負けたからには約束通り奢るさ。
ここで約束を反故にしたら男が廃る、というわけでも無いが、そういうことをするのはあ
んまり気分がいいものじゃないし、後で言いふらされる可能性も有るからな。
古泉にちょっと冷たくしたせいで後から他方面からしっぺ返しを食らうなんてのは、正直
勘弁願いたい。
555 :
門番の娘:2006/12/03(日) 00:50:04.67 ID:Qdk3B+zv0
支援
「おじさん、焼き芋三本」
「あいよ、あんた学生さんかい? 一人で三本も食うのかい?」
「連れが居る」
俺は少し後ろで突っ立ったままになっているはずの古泉を振り返りもせずに手だけで指し示す。
「二人で三本? 半端だな?」
「俺が二つで連れが一つだよ」
子供っぽいことは承知の上だが、俺が奢る側なんだからそのくらいのことはしたって良い
だろう。
しかし、自分の方がたくさん持って見せつけてやるなんて、まさにに子供の発想だよな。
「ほー、向こうのでっかいあんちゃんの方が少食なのか」
古泉が少食がどうかは知らんが、食欲に関してはSOS団の中じゃ下から数えた方が早いだ
ろう。男子高校生としては平均かそれ以下辺りなんじゃないか?
そういや、体格はともかく食欲って意味じゃ朝比奈さんと似たり寄ったりくらいな印象し
かない気もするな。
……はて、そんな奴相手に焼き芋の数を見せつける意味なんて有るんだろうか?
「けど、育ち盛りはちゃんと食った方が良いぞ。ほら、二つおまけしてやる、600円で良い
か?」
焼き芋屋のおっちゃんは、そう言ってひょいひょいと五本の芋を用意してくれた。
育ち盛りも何も、古泉の体格をこれ以上大きくする必要は全く無いと思うし、俺だって一
応平均程度の身長はあるはずなんだが、おじさんにとってはその辺りのことはどうでもよく、
男子高校生なるものはすべからく成長期という認識なのだろう。
俺は包まれた焼き芋を見つつ、おいおい、そんなに食えるかよ……。と思ったりもしたが、
包んで貰った後に反論するわけにも行かないので大人しくそれを買うことにした。
まあ、5本で600円ならかなり安いしな。
557 :
門番の娘:2006/12/03(日) 00:50:58.16 ID:Qdk3B+zv0
支援
「ほらよ」
「……あなた一人で四本も食べるんですか?」
「多分二本が限界だな」
おじさんが渡してくれた焼き芋は、どれも思っていたよりでかかった。
「僕は一本半が精々ですよ?」
お前本当に体格の割に食わないよな。
まさかお前、ハルヒか長門辺りからエネルギー供給を受けて動いているんじゃなかろうな?
いやいやいやまさかそんなわけは……、無いよなあ。
「……」
「……」
凄いな、俺と古泉の間で三点リーダ合戦なんて!
いや、そんなことに感心している場合じゃないんだが、無いんだが……、さて、どうする
かね。
どうするも何も、食べないと話にならないわけだが、俺達はハルヒでも長門でも鶴屋さん
でも無いので、この量を二人で消費しきるのにはちょっと無理があるような気がしないでも
無い。
まあ食えないことは無いと思うんだが、今日はこの後全員で長門の家で夕食をご馳走にな
るっていう予定があるんだよな。
「でも、何で五本も、」
「おじさんがおまけしてくれたんだよ」
見せびらかしの件については伏せておこう。
言ったら多分馬鹿にされるからな。
「ああ、なるほど」
「とりあえず食え、ありがたく食え、俺の奢りなんだ」
「ええ、ありがたくいただきますよ」
そう言って古泉は、ちまちまと焼き芋の皮を剥き始めた。
559 :
門番の娘:2006/12/03(日) 00:51:41.13 ID:Qdk3B+zv0
支援
560 :
ただの戦士:2006/12/03(日) 00:51:42.01 ID:TKBzyzF30
sien
……遅い。
皮を向く速度自体が遅いわけじゃないが、剥いたり食べたりの繰り返しの、食べたり、の
部分が遅い。
焼き芋がまだ熱いからってのも有るだろうが、それだけが理由でも無いだろう。
「お前少食だよなあ」
「そうですか、普通だと思いますよ?」
「いや、少食な方だって……。つーか、ここに長門かハルヒがいて欲しい所だよな。鶴屋さ
んでも良いけどさ」
「それは同感かも知れませんね」
「お前、二本目いけるか?」
「一本半が限界ですってば」
現時点で古泉が漸く一本目の半分まで食べた辺り、俺が二本目を数口齧った辺りだ。言っ
ておくが俺の速度が平均であって、古泉が遅いのである。
しかし、焼き芋は美味いが、道のりは遠い。
まあ、美味いから苦行ってほどじゃ無いが……、しかし古泉の奴、ただの焼き芋だっての
に、やたら丁寧な手付きで食べているよな。
でも、焼き芋にそれは不釣合いじゃないか?
「お前さあ、何か、栗鼠みたいだよな」
「……は?」
「いや、ちまちま食っているからさ。ま、こんな図体のでかい栗鼠は居ないけどさ」
「は、はあ……。けほっ、やめてくださいよ……」
思わず俺が軽く背中を叩いてやったら、古泉はむせ返った挙句抗議してきた。
あー、こいつ、こういう時は意外とストレートな反応なんだな。
「良いから食え、ありがたく食え」
「……分かってますよ」
抗議を受け流しつつ言ってやったら、古泉はちょっとむくれた顔で言い返してきた。
こいつ、本当に俺の奢りだってこと分かっているのかね?
562 :
門番の娘:2006/12/03(日) 00:52:23.94 ID:Qdk3B+zv0
支援
まあ、奢りだからと言って食欲が増大するってものでも無いだろうが。
しかし本当にちまちま食うよなあ。もうちょっと時と場合を……、と言っておきたかった
が、やめておくことにした。
言っても無駄だろうし、そんな風にからかっている暇があったら、今はとりあえず一口で
も食べ進まないと話にならないからな。
結局俺達は、古泉が最初に言った通り一本半、残りを俺が食べるという形で焼き芋という
課題を何とか消化しきった。けど何で俺が自分より図体のでかい男の二倍以上も食べる羽目
になるんだよ……、何か間違ってないか?
それとも何か、朝比奈さんを除いたメンバーにはSOS団には体格と食欲が反比例する法則
でも有るのか?
……まあ、焼き芋が美味かったのが救いといえば救いだけどさ。
結局焼き芋を食うだけで午後のかなりの時間を消費した俺達は、長門の料理をどうやって
消費するかという新たなる課題を抱えつつ帰路ならぬ駅までの道のりを歩いていた。
fin
作者さん許可d
物悲しいかどうかは分かりませんが男二人編終わっておきます。
余裕があったらみくる視点でキョンみく古をまた明日あたりにでも。
565 :
門番の娘:2006/12/03(日) 00:54:14.34 ID:Qdk3B+zv0
GJ!
意外としっくりくるね。
566 :
VIP足軽p:2006/12/03(日) 00:55:46.47 ID:B9HBYWk80
寂しさがにじみ出ていてGJだぜwwww
あー、kyonの最初の文字が小文字なのはミスです。
あと
>それとも何か、朝比奈さんを除いたメンバーにはSOS団には体格と食欲が反比例する法則
でも有るのか?
は
>それとも何か、朝比奈さんを除いたSOS団メンバーには体格と食欲が反比例する法則
でも有るのか?
が正解です・・・。
568 :
悲しい一人暮らし:2006/12/03(日) 00:58:54.92 ID:tZ/QWxXFO
男二人だけのむなしさが あるあるwwwwって感じだったww
GJ!
569 :
VIP村人s:2006/12/03(日) 00:59:48.12 ID:MNv3oEZMO
なんでこんなに速く書けるのか小一時(ry
570 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 01:15:56.68 ID:tZ/QWxXFO
保守
571 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:20:49.16 ID:Xy1aGzEP0
投下していいですか?22レスくらい
572 :
VIP村人a:2006/12/03(日) 01:20:56.40 ID:5pApsgOh0
573 :
VIP村人q:2006/12/03(日) 01:21:57.14 ID:iCORoyk00
wktk
574 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:22:05.04 ID:Xy1aGzEP0
誰もいないかな?
wktk
576 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:22:28.55 ID:Xy1aGzEP0
ダーク・サイド
プロローグ
その力の存在を知っているものの数は多くはなかったが、ごく少ないと言うわけ
でもなかった。最初にその力の存在を感知したのは全宇宙を統べる全知全能の存在で
それが観測したのは情報爆発だった。次に、時の旅人達がその力を時間の流れに穿たれた
頑強なる壁として認識した。最後に、ごく少数の超能力者を含む、命限りある
人間の集団がその力を認識した。この3つの組織は、それぞれに監視者を送り込み、
様々な僥倖に助けられて、これらの監視者を成功裡に配置し、ある程度、
その力を制御することさえできている自負するようになった。
だが、その力(力の所有者ではなく)そのものに「意志」があることにはまだ
誰も気づいてはいなかった。それは非常に致命的な....。
第一章 ハルヒ
俺がまたまた懸案事項を抱えこんだのは、あのハルヒがほどほどに落ち着いて来て、
哀れな古泉が出張神人駆逐サービスに勤しむことも間遠になったとある日のことだった。
下駄箱にちぎったレポート用紙がむきだしでいれてあり、
激しく支援
578 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:23:12.34 ID:Xy1aGzEP0
今日、17:00、5組の教室にくること
とだけ書いてあった。その字には見覚えが無いわけでもないが、誰の字かは
ちょっと思い出せず、かといってどうも女の字のようであった。
その日もいつもどおりSOS団の活動は有り、おきまりのまったりとした日常が過ぎ、
長門の本を閉じる音と共に団活は終わりをつげ、ぞろぞろと雁首を並べての
下校とあいなった。で、俺は途中で
「忘れ物をした」
といういいわけで谷口よろしく教室にとってかえしたわけだ。
勿論、俺も馬鹿ではないから、昼休みに文芸部室に趣き、
目論見通り一人ぽつねんと本を広げている長門をみつけると切れ端を見せておいた。
長門は
「あなたは行くべき」
とだけ言って本に視線をもどした。長門がそういうからには朝倉2号が舌なめずりを
しながら俺を待ち構えているというわけでもなさそうだったので、とりあえず、
行ってみることにした。なんかあったら長門が助けてくれるんじゃないかと
勝手に期待していたのは言うまでもない。
教室の扉を開けるとそこには一人の女生徒が待っていた。が、おそらく、
そこにいたその人物は俺の予想をもっとも覆す存在だったのは間違いない。
「ハルヒ?」
579 :
VIP村人x:2006/12/03(日) 01:25:21.22 ID:1f6E/n/dO
支援シマス
580 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:25:34.80 ID:Xy1aGzEP0
「キョン、おそかったわね」
わけがわからない。俺はついさっき、校門のところでハルヒと別れたばかりだ。
俺を出し抜いて先に戻って来るなどできそうもなかったが。
「お前、何してるんだこんなところで」
「あんたに聞きたいことがあってさ」
おいおい、朝倉もまず、そう言って話を始めたよな。まさか、お前も同じ展開なんじゃ..
「キョン、あたしとしたい?」
「な、何いってんだ、お前!」
と一応、とぼけてみたもの、こういう状況下で「したいか?」と聞くことが
何を意味しているかいくらなんでも想像できないほどは鈍くない。
しかし、意味が解ったことにしてしまうと何か答えなくてはならないが、
はい、も、いいえ、も同じくらいまずい答えであるのはいうまでもない。
「ねえ、あたしがきらい?」
といいながら俺のそばについっとよって来ると、すっと両手を俺の首のまわりに回し、
ぐいっとばかり俺の顔を引きよせて...
と思わず、反射的に俺は身を引いてしまった。
「そんなことは軽々しくするもんじゃあ」
「へえ、でもあの時は軽々しくしたんじゃない?」
確かにそうかも...ってお前なんでもあれが夢じゃないってしってるんだ。
お前、ハルヒじゃないな?
「あら、ひどいこと言うのね。じゃあ、確認してみる?」
というといきなりハルヒは制服を脱ぎ始めた。
俺はあわてて視線を逸す。
581 :
VIP村人q:2006/12/03(日) 01:26:37.50 ID:iCORoyk00
焦って投下伺い出さなくて良かった。
支援
582 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:26:58.42 ID:Xy1aGzEP0
「どうして目を逸すの?あたしの下着姿なんて見慣れてるでしょう?」
絶対、どうかしている。この状況はなんだ。目の前にいる人物は
姿形こそハルヒだが、行動はハルヒとは思えない。
「お前は誰だ」
と顔を背けながら詰問する俺の目線の前にそのハルヒはぽいっと
ブラとパンティを投げ捨てて見せた。おいおい、じゃあ、いまハルヒは...
「私は涼宮ハルヒよ。良く見てよキョン。正真正銘のハルヒよ」
これはやばい状況だ。逃げ出すのが穏当だが、しかし、ここに
この状態のハルヒを置いて出て行くのは正しいことなのだろうか?いろんな意味で。
う、やめろ、こっちに来るな!
そのとき、がらっと教室の扉が開く音が聞こえた。
最低だ。こんどはAマイナーの美少女を床から抱きあげていたわけではない。
見た目だけならAA+の美少女とふたりっきりで教室にいて、その美少女は
あられもない...。俺の頭は素早く回転して、ありうるいいわけを素早く
考えようとしたが、まあ、どう考えても無理だな。さようなら、俺の平穏な
高校生活。退学か、はたまた、と思いながら入って来た人物を見たとき
俺の安堵バロメーターはあっさり針が振り切れた。
「長門!」
「あー、またあんたなの有希。あんたが来たんじゃしょうがないわね。
代参するわ」
ハルヒは脱いだ服を拾いあげて前を隠しながら出ていった。
「またね、キョン!」
「おい」
583 :
VIP足軽q:2006/12/03(日) 01:27:39.43 ID:B9HBYWk80
wktk支援
584 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:27:51.67 ID:Xy1aGzEP0
と俺は慌てて教室からでたが、廊下には誰もいなかった。
「長門、これはどういうことだ、説明してくれ」
「ここではまずい」
後刻、長門のマンション。
「あのハルヒはハルヒではない」
「まあ、それくらい、俺でも解る。あれはなんだ?」
「あれは涼宮ハルヒの力が人格化した存在」
「何?」
「最近、涼宮ハルヒは落ち着いて来て、力の発動が減少している。
つまり、消えかけている。力は消えることを好まない。そこで
人格化してこの現実世界に出現した」
「それがもし、本当だとして、あれはなんであんなことをするんだ?」
「あなたとハルヒの平穏な関係を破壊して、波風を立たせるのが
あの力の目的。もっとも簡単な方法はあなたを籠絡すること」
おいおい、「もっとも簡単な」は失礼じゃないか(あたっているとは思うが)。
が、あのハルヒが俺の誘惑に成功しても結局、俺はハルヒに誘惑されただけで
ハルヒがそれを怒る必要はないんじゃないか?
「その場合、涼宮ハルヒは自分の力を認識するしか無い。それが力の目的」
なるほど。俺が誘惑に負けて、それがハルヒにばれれば、ハルヒには一切の
事情が明らかになるわけだ。うまい手だな。
「そう。だからあなたは決して彼女の誘惑に負けてはならない」
いや、それは大丈夫だよ。俺だってそこまで獣じゃない。
585 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 01:28:43.79 ID:MNv3oEZMO
退散ジャマイカ支援
586 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:28:56.61 ID:Xy1aGzEP0
「あなたは状況を理解していない。あのハルヒはどこにでも
出現できる。あなたを徹底的に誘惑する。あなたに安らぎの時はなくなる。
あなたが誘惑に負けるのは時間の問題」
ひどいこと言ってくれるな長門。じゃあ、俺はどうすればいい。
「なるべく長く耐えて。その間に対応策を協議する」
そうか、よろしくな、長門。
ところでひとつだけ聞いときたいんだが、あそこで俺が誘惑に
負けてことに及んでたらどうなったんだ?
「どうにもならない。通常と同じ。その事自体には何も異常は無い。
ただ、気持ちいいだけ」
ただ、気持ちいいだけって、まがりなりにも見た目が女子高生の奴が口にする
セリフじゃないぞ、長門。
俺が家に向かって歩いているとふいに右腕をとる奴がいる。
ふりほどいてにらみつけると、ハルヒだ。
「おい、もうこっちはお前の正体をしってるんだぞ」
「そうみたいね。でも、あきらめないからね。よろしく」
そういうとハルヒはふっといなくなった。
第2章 ダークサイド
587 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:32:19.76 ID:Xy1aGzEP0
その日はそうそうに食事をし、風呂に入りベットに入った。かなり精神的に
疲れたからだ。
「キョン?キョン?」
ゆめうつつな俺を誰かが呼んでいる。ハルヒの声みたいだな。
また閉鎖空間に連れ込まれたのか?
目を覚ました俺が寝ているのは俺のベット。俺がいるのは俺の部屋。
そこまではOKだが、いっしょにベットに寝ている奴がいる。
そいつは明らかに何も身に付けてない上に、おれのジャージの下に手をつっこんで胸に
手を回したりしている。
俺はあわてて飛び起きてベットから出て灯りをつけた。
ベットから起き上がったのはハルヒ。有り難いことにこんどは毛布で
前を隠してくれているから面と向かって話せる。
「出て行け」
「どうして?」
「お前と仲良くするつもりは無い」
「ハルヒとならいいってわけ」
混乱する。はい、という、べきか、いいや、というべきか。
どっちもまずい。
「とにかく出ていってもらおう。出て行かないなら、俺が出て行く」
「わかったわ」
とそのハルヒはベットから出たので俺はまた目を背ける破目に。
「じゃあね」
支援
589 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:33:28.31 ID:Xy1aGzEP0
その晩、俺は更に3回、ハルヒが添い寝しているのに気づいて飛び起きなくては
ならなかった。最後には寝るのを諦めてしまった。
確かにおれは状況を理解していなかったよ、長門。これは長くはもたないな。
早くなんとかしてくれ。
眠い目をこすりながら登校した俺は別の問題があることに気づいた。
まず、教室に入ってハルヒがいつもの笑顔で俺に突進してきたとき、反射的に
身を引いてしまった。
「何よ、キョン、なんで逃げるのよ!」
とハルヒにくってかかられた。これ以降、目の前にいるのが「どっちの」ハルヒか
よく考えないといけないわけだ。まあ、朝っぱらから衆人環視の前でいくらなんでも
あれは始めないだろうから、今は大丈夫だけどな。学校だからと言って
安心はできない。つかれる話だ。
次に、ハルヒをまともに見れない。それはそうだろう。いくらことに及ばなかったとは
言えつい数時間前まで(おそらくは)生まれたままの姿で添い寝してたであろう
少女と冷静に会話などできない。いくら、厳密には別人格としてもだ。
「何よ、ちゃんとこっちみて話しなさいよ。どうして視線を背けるのよ」
ゆるせ、ハルヒ、慣れるようにするから。今日はちょっと無理だ。
それから気もそぞろなまま、昼休みに長門に昨夜の状況を報告し、
緊急に対処してもらうことを考えておいてくれと頼み
(長門は「努力する」と言った。頼りないなあ)、なるべく普段通り振る舞って
団活を終え(いつもより、ハルヒの視線がきつかったのはいうまでもない)、
支援
591 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:34:00.58 ID:Xy1aGzEP0
幸いにももうひとりのハルヒにはその日は会わないまま、帰宅した。
食事をしてからさっさとシャワーを浴びて寝ようと風呂場に急いだ。
なにせ、昨晩はろくに寝ていないのだ。とは言っても只寝たので
は昨晩のくり返しだろう。どうしたものか。寝るまでには考えねば。
勿論、俺は考えが甘かった。
着ているものを脱ぎ、考えながらシャワーを浴びていると、いきなり、
後ろから抱きつかれた。明らかに若い女性の肉体だ。
俺はいそいで身をふりほどくと、せまい風呂場でなるべくそいつから体を
放し、同時に視線を背けた。
「でていけ」
「いいわよ、でも、本当に出ていっていいの?」
一人息子がシャワーを浴びていると思ったら、そこから全裸の美少女が
息子と一緒に出てくる。いや、待て待て、それはまずいぞ。
「そうでしょう? 出て行くわけには行かないわよね?」
とそのハルヒはこっちによって来た。
「来るな」
「どうしてそんなに拒否するのよ。あたしのこと嫌いじゃないでしょ?
自分で言うのもなんだけど、顔もスタイルも人並以上よ」
寒気がする。本物のハルヒはそんなことは口が避けても言わない。
「そうかもしれないけど、いつまでも我慢できると思う?
理性がいつまでももつ?それに今はどうするつもり?この状況は?」
確かにまずい、とんでもなくまずい。どうする?
支援
593 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:34:53.50 ID:Xy1aGzEP0
俺はいきなりハルヒに襲いかかって首を絞めた。
首をつかんだ後は必死に目をつぶる。
もがくハルヒ、しばらくすると不意に手の中が軽くなる。目を開けるともう
ハルヒはいなかった。俺は慌てて風呂をでると着替えて、携帯の
スイッチを入れた。
「古泉?」
「なんでしょう、こんな時間に電話とは珍しいですね」
「これから長門のマンションに行く」
「こんな時間にですか?いくら長門さんが相手でも、
相手は未成年の女子生徒ですからあまり望ましくないと思いますが」
「緊急事態だ。で、俺の親にはお前のうちに言って泊まると言うから
口裏をあわせてくれ」
「はい、ですが...」
俺は携帯を切ると親に
「古泉の家へ行って泊り込みで勉強する」
と宣言した。親は、なんで急に、とか、あきらかにおかしいと思っているようだが、
無視して家を出た。長門の携帯にかける。
「長門」
「何?」
「お前が正しかった。手に終えない。お前のところに行きたい。いいか?」
「構わない」
長門のマンションで俺は全てを話した。
支援
595 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:35:23.52 ID:Xy1aGzEP0
「しばらく、ここで暮らさせてくれ」
いくら相手が長門でも、女子だからこれは強烈な申し出のはずだが、
向こうも断るのは難しいと思ったのだろう。
「いい」
としか言わなかった。とりあえず、長門とふとんを並べて寝た。
別の部屋で寝るべきだったかもしれないが、それでは
ハルヒが来たときに対応ができない。
長門は気にもしないようで、ただ
「おやすみ」
というと寝てしまった。
うれしいことに朝までハルヒが来たりすることは無かった。
朝、長門と肩を並べて登校した。
朝食の間に長門は説明を始めた。
「あれはハルヒのダークサイド」
「ダークサイド?」
「そう。人格化するときにハルヒの能力を全て受け継いだが、意志は
邪悪な部分を受け継いだ」
「じゃあ、あれと同じ意志をオリジナルのハルヒも持っているって言うのか」
「そう。ただ、涼宮ハルヒはダークサイドを凌駕できるよい面をたくさん持っている。
だから、通常はダークサイドは発現しない」
考えただけでぞっとする。ハルヒの頭脳、身体能力、常識しらずの奇抜な
発想をすべて受け継いだ、冷酷で利己的な部分だけを採り入れたハルヒ。
支援
597 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:36:08.26 ID:Xy1aGzEP0
冗談抜でこっちには勝ち目はなさそうだ。大体、俺の理性がもたない。
「ずっとわたしの家にいればいい。団活中も問題ない。それ以外の時間が問題」
それ以外って授業中かよ?いくらなんでも授業中にあれができるとは思えないが。
それにしてもずっと長門の家で暮らしたら、別の意味でまずい。
ハルヒが知ったらどう思う?
「それは大きな問題」
ってそれだけかよ。解決策は無しか?もう死にたい。
第3章 攻勢
校門で長門と別れ、教室に向かう。ぶすっとしたハルヒが座っている前の席に座る。
「なんで避けるのよキョン」
避けちゃあいない。ただなあ、あまりにも生々しい。
「何か隠してるでしょ」
勘のいいハルヒのことだから、いずれこうなるのは解っていた。
「なんでもない」
これじゃあ、「はい、私は隠し事をしています」と白状しているのとあまり変わらない。
「ちょっと来なさい!」
ネクタイをつかまれて、お決まりの屋上前の踊り場に連れて行かれる。
「白状しなさい。何隠してんの?ここなら他に人はいないから」
いやー、一番聞かれちゃまずいのはお前なんだ。困ったな。
「どうしてこっちをみないのよ」
いや、だからさ、昨日風呂場でちらっと目の片隅に入っちまったお前のさ、
C
支援
600 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:36:34.49 ID:Xy1aGzEP0
生々しくって、ちょっと直視できない。
「ちょっと、聞いてんの?」
まずい、非常にまずい。誰れか助けてくれ。助けは意外な方からやってきた。
「古泉くん!」
「いえ、涼宮さんに用事があって教室にいったんのですが、彼と
出ていったと伺いまして、おそらくここだろうと」
「用って何?」
「いえ、次の休みの合宿の企画の件ですが」
「もう、そんな時期?」
「そうですね、早い方が....」
などといいながら二人は階段を降りていった。ふう、助かった。
しかし、去り際に肩越しにギロリと睨みつけたハルヒの視線は
「これで終わったと思ったら大間違いよ!」と言っていた。とりあえず、
対決が引きのばされただけで何も解決はしていない。
授業の間の休み時間ごとに、ハルヒは刺す様な視線をこっちに向けて来たが、
1時限目と2時限目の休みには朝比奈さんが、2時限目と3時限目の休みには
長門が、3、4限目の休みにはなんと鶴屋さんがやってきてなにごとか
ハルヒと相談して帰って言った。昼休みになると、合宿の緊急相談ということで
SOS団全員、団室に集合になり、午後の休憩時間も古泉が来てハルヒといろいろ
相談したために結局、俺とハルヒが面と向かって話す機会は無く、
放課後の文芸部室での集合となった。
ハルヒは朝の続きを俺に問い詰めたくてうずうずしていたようだが、
支援
602 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:37:51.37 ID:Xy1aGzEP0
いつの間にか、このまま長門の部屋になだれこんで、パーティー+合宿の
相談をすることになっていて、そのまま慌ただしく団室を出た。
道すがら、ハルヒはじとっとした目で俺を睨みながら
「白状しなさいよ」
とか言っていたが、
「何の話だ?」
ととぼけて済ませた。長門の家に着くと、俺の携帯に着信があった。
「古泉です。外に出て頂けますか?」
俺は、ハルヒ達に、ちょっと長くなりそうだから、と断って部屋を出た。
廊下には古泉が待っていた。
「長門さんから事情は伺いました。ずいぶんとうらやましい状況に置かれているようですね」
「冗談のつもりか。なぐるぞ」
「失礼しました。この件に関する限り、方法はひとつしかありません。
とりあえず、絶対に一人にならないことです。ずっと長門さんの家に泊まるのでは、
涼宮さんにばれたときにいいわけがききません。とりあえず、今日からは
ホテルに泊まって頂きましょう。適当な機関員を同宿させます。
事情は理解していますから、問題ないでしょう」
なんだかよく解らないし、親をどう説得したかも不明なまま、
長門の家でのパーティーが終了後、長門と二人で古泉の指定したホテルに向かった。
ひとりで来るのはあぶない、と古泉が言ったからだが、女の子に送ってもらうのも
この上なく情けない。
「すまん」
「いい。だけど、あなたがいなくなるのは残念」
支援
604 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:38:35.11 ID:Xy1aGzEP0
そうか?しかし、俺は長門と同棲していると言う噂をたてられるのはちょっと困る。
特に、ハルヒがどう思うかと思うと...
「どう思うかしらね?」
とみると、ハルヒが道の脇の電柱によりかかってこっちを上目使いで見つめていた。
思わず、長門の後ろに隠れてしまう自分が情けない。
「彼には手を触れさせない」
「今日は何もする気はないわ。あなたと対決するのも面倒だし。
でもね、涼宮ハルヒはたった今、あんた達が布団を並べて寝たことに気づいたわ。
彼女はなんで自分がそれをしっているかは解らないけど、
それが事実だということをしっている。だって、私が教えたんだから。
どうなるかしらね?」
「キョン!」
振り返ると本物のハルヒが俺たちをにらみつけていた。
「有希と二人でどこに行くつもり」
電柱の脇にいたもう一人のハルヒはは見事に消え失せていた。
俺が何か言おうとしたとき、驚いたことに有希が口火を切った
「彼は悪くない」
「そう、じゃあ悪いのはあんたってわけ、有希?」
ハルヒの目はつり上がっている。にらまれただけで昇天しそうな目つきだ。
「そうではない。悪いのはあなた」
「なんですって、どういうつもりよ?昨夜、あんたんちでキョンと何をしたのよ!」
「何もしてはいない。いっしょの部屋で寝ただけ」
ついにハルヒは切れたようだった。
605 :
VIP足軽q:2006/12/03(日) 01:38:40.05 ID:B9HBYWk80
黒ハルヒktkr支援
606 :
VIP皇帝:2006/12/03(日) 01:38:46.60 ID:uzuNcvbGO
支援
607 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:39:01.65 ID:Xy1aGzEP0
「一緒の部屋で寝たのに、何もしてないっていうの?で、悪いのはあたし?
何様のつもりなの!」
「冷静になって。あなたに説明すべき事がある」
有希は驚いたことに、一昨日、偽ハルヒが出現してから、
偽ハルヒが俺としたこと、俺としようとしたことを(偽ハルヒの正体をのぞいて)
全部説明し始めた。おいおい、それはまずいんじゃないか。
信じてくれなければ、火に油を注ぐ。信じた場合には、それはそれですごくまずい。
ハルヒはなぜか、有希の話を黙って聞いていたが、有希が話を終えるとこういった。
「有希、あんた、それまじめに話してるの?それともおちょくってるだけ?」
ハルヒの眉はぴくぴくけいれんしている。爆発寸前である。
「信じる、信じないは、あなたの自由。しかし、私が話したことは事実。
彼に聞いてみるといい」
「キョン!」
「全部、本当だ」
「で、冷静に考えて、今の話を信じられると思う?」
「彼には助けが居る」
「どういう助けよ」
「これは精神病の一種。彼の前に現れるあなたの偽物は彼の精神が作り出した幻影に
過ぎない。しかし、彼にとっては実体」
おいおい、今度は俺をきちがいにするのか?勘弁してくれ。
「しかし、それは同時にあなたの潜在意識が具現化した物でもある」
「どういう意味よ?私が本心ではキョンとあんなことやこんなことをしたいと思ってるとでもいうの?」
「本心ではない。潜在意識。あなたは自覚的には理解していない」
支援
609 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:39:45.61 ID:Xy1aGzEP0
「いい加減にしないと」
「彼はこれから、古泉一樹が用意したホテルに宿泊する。監視者が付けられるので
何も出来はしない。それより、彼にはあなたの助けが居る」
「どう言う意味よ?」
と、そこにまるで申し合わせたように黒塗りのタクシーが通りかかる。中に乗っているのは古泉。
「後のことは長門さんに任せて乗ってください」
タクシーに乗る俺。発車してから振り向くと、ハルヒと有希がにらみ合っているのが見える。
「大丈夫か?」
「大丈夫です。やはり、向こうは攻勢をかけてきましたね。あなたが我々の
保護下に入ると手を出せないと思ったのでしょう。あぶないところでした。
昨晩、長門さんの家へ行ったのはうかつでしたね」
「これからどうなる?」
「偽ハルヒは一種の集団幻想であるということにします。集団幻想なので
涼宮さんにも見える。いずれ対決していただきます」
「対決ってハルヒとハルヒがか?それはまずいだろう?」
「他に方法はありません。あれは涼宮さんの力が具現化した存在です。
涼宮さん自身でしか解決できません」
「うまく行くのか?」
「わかりません、しかし、向こうが攻勢に出てきた以上、ただ、ずっとあなたを守るという戦略を続けていては
情勢は悪化します。涼宮さんに気づかれないようにことを
進めるのは難しい。危険ですが最後の手段です」
「しかし」
タクシーはホテルの前に止まった。
支援
611 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:40:14.47 ID:Xy1aGzEP0
「おまえは降りないのか?」
「別の機関員が待っています。あとはそっちにおまかせするんで」
「でも」
「あなたが知っている方ですよ。ご心配なく」
タクシーを降りた俺を待っていたのはメイドの森さん。もちろん、いま、メイドの
格好をしているというわけではない。
「さ、こっちです」
森さんはあいさつもそうそうに俺を誘うとホテルのツインルームの一室に入り、
鍵をかけた
「鍵には意味がないんですけどね。一応」
「森さん、これから俺はどうすれば」
「シャワーを浴びて寝てください」
「森さんは?」
「私はここにいます」
「俺が寝ている間ですか?」
「そう。シャワーを浴びているときにあれがきたら、私を呼んでください」
「え」
「驚かないで。あれはあなたが一人きりの時しか来ません。わたしが行けばいなくなります」
「でも、なぜ、森さんが?」
「本当に聞きたいのはなぜ、女性が?でしょう?あれがしようとしていることの性質上、
いっしょにいるのは女性の方があれは出現しにくいのですよ」
そうかもしれない。おとなしくシャワーを浴びて寝ることにした。
森さんが見張っていては寝られないかと思ったが精神的に疲れていた俺はすぐ寝てしまったようだった。
支援
613 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:40:46.95 ID:Xy1aGzEP0
第4章 ハルヒ対ハルヒ
次の朝、目覚めると、森さんがとなりのベットに
腰かけてほほえんでいる姿が目に入った。かなり恥ずかしい。
「気にしないで。仕方ないですから」
一睡もしかなったんですか?
「大丈夫、私は後で休めますから」
森さんとホテルを出て、適当なところで朝食を済ませると長門がやってきた。
「長門、あれから」
「黙って。時間がない。説明する」
俺達はほほえむ森さんと分かれて、学校に向かって歩き出した。
「今夜、あなたとハルヒを二人だけにする」
「え、俺は見捨てられるのか?」
「そうではない。本当のハルヒとあなたを二人だけにする」
「そうか」
「そこにもう一人のハルヒもやってくるはず」
「それはまずいのでは」
「まずくはない。涼宮ハルヒは私が説得した。偽ハルヒが何を言っても彼女は
信じない。それより、あなたと彼女で偽ハルヒを撃退しなくてはいけない」
「どうやって?」
「涼宮ハルヒが偽ハルヒよりあなたを信じれば、勝ち。そうでなければ負け」
支援
615 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:41:16.34 ID:Xy1aGzEP0
「負けたら?」
「世界は終わる」
って簡単にいってくれるなよ長門。
その日は、ハルヒは俺と一言も口をきかなかった。
団活もなく、授業が終わると、古泉がタクシーを呼び、俺とハルヒを乗せて
件のホテルに連れていき、昨日泊まったツインルームに案内すると
「それでは健闘を祈ります」
と言って帰っていった。
あいかわらず沈黙を守るハルヒに俺は話しかけた。
「ごめん」
「なんであんたがあやまるのよ」
「でも、俺のために」
「有希はこれはあんたとあたしの問題だっていったわ。
集団幻想だからあたしにも見えるはずだって。つまり、
あんたを正常に直すにはあたしの協力が必要だって」
「すまん」
「いいのよ。はっきりいって、あんたが幻想で見ているものは我慢できないわ。
直ってもらわないと困るし」
「何を直すのかしら?」
俺は本物のハルヒが驚きのあまり息を飲むのが解った。
多分、半信半疑だったのだろう。本当に自分のそっくりが出現するとは
思っていなかったんだろう。偽ハルヒがハルヒの座っているベットに腰かけると
支援
617 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:41:46.92 ID:Xy1aGzEP0
ハルヒはあわてて立ち上がって距離を置いた。
「あんた誰れよ」
「あたしはあんたよ。涼宮ハルヒ。あんたが本当にしたいと思っていることをしているところが違うけどね」
と言いながら偽ハルヒは俺の方に流し目をくれた。
ハルヒの顔は真っ赤だ。
「そんなことしたいなんてあたしは全然思ってないからね」
「ふーん、そうなの。じゃあ、なんでキョンが有希の家に泊まったと聞いたときに
あんなにかんかんに怒ったのかしら」
「それは団長として団員間の不純異性交遊を...」
「よく言うわね。じゃあ、不純じゃなきゃいいわけね。有希とキョンが「本気」
だったら異義はないわけだ」
「それは」
「どうなの?」
「...」
ハルヒは答えなかった。
「良くないわよね。嘘ついてもダメよ。あたしはあんたなんだから、ばればれよ」
「勝手なこと言わないで。あたしはあんたなんか認めない」
「あ、そう。じゃあ、あたしはまぼろしに過ぎないんだから、
キョンと何をしようと自由よね?」
偽ハルヒはいきなり服を脱ぎ始めた。
「キョン、見ないで」
ハルヒはあわてて俺の目を手で隠した。
「何やってんのよ、あんた。あたしは幻なんでしょう?だったら、
支援
619 :
VIP村人g:2006/12/03(日) 01:42:06.31 ID:3gkVhvHW0
支援
620 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:42:22.30 ID:Xy1aGzEP0
キョンがみたって構わないでしょう?あんたがはずかしがることなんかないじゃない」
「でていけ」
「それは無理よ。幻をみているのはあなたとキョン。キョンとあんたが変なこと
考えてるからあたしが見えるの。本当はあんたたちがしたいと思っていることを
しているだけ」
「うそよ、うそうそ。認めない」
「いいわ、じゃあ、キョンはどうかしら?キョンは本当に嫌なのかな?」
まずい展開だった。
「キョンがこれを望まないってことはキョンはあなたに好意を持ってないってことよね」
「何いってんの。あんたはあたしじゃないでしょ。あんたを拒否したからって
キョンがあたしに好意持ってないってことにはならないでしょ」
「ふーん、じゃあ、あんたがやったらキョンは拒否しないわけね?
じゃあ、やってみてよ、キョンが拒否しないかどうか」
「う」
ハルヒ、おまえ相手のペースに乗せられてるぞ、まあ、自分なんだからしょうがないか。
「さあ、どうなの、口ばっかりでやる勇気は無し?」
「わかったわ」
おいおい、本物のハルヒが服を脱ごうとしているぞ。ばかなことはやめろ、ハルヒ。
「なんでよ、キョン。あんたがはっきりしないからこういうことになってるんでしょうが」
どうしようもないな、こりゃ。
二人のハルヒが睨み合っている状態で俺は自分がこう言ってるのを聞いた。
「本物のハルヒなら拒否しない」
「へ?」
支援
622 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:42:52.87 ID:Xy1aGzEP0
「え?」
俺は顔が真っ赤になった。本物のハルヒもだ。
偽物のハルヒがどんな顔色かは顔を背けているから解りようがない。
「負けたわ」
偽ハルヒは言った。
「今日のところはわたしの負けね。引き下がるわ。でもこれで終わりと思ったら大間違いなんだから」
気配が消えた。
「行ったか?」
「行ったみたい」
俺はようやく顔を背けるのをやめて部屋を見渡した。
「あの、さっきの発言は聞こえなかったから」
ハルヒの顔は耳まで真っ赤だ。
「ああ、そうしてくれ」
エピローグ
あれ以来、俺のところにはあのハルヒが来ることは無くなった。しかし、
古泉や長門の意見では、またいつか出現してもおかしくないと言っている。
俺は思うんだが、結局、あれはハルヒの潜在意識が俺に態度をはっきりさせるために
仕組んだ狂言だったんじゃないかと思う。
「本物のハルヒなら拒否しない」
623 :
VIP村人g:2006/12/03(日) 01:43:05.21 ID:3gkVhvHW0
森さん大変だな支援
624 :
VIP足軽q:2006/12/03(日) 01:43:43.77 ID:B9HBYWk80
支援
625 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:43:50.48 ID:Xy1aGzEP0
と俺に言わせることに成功した以上、目的は達したんじゃないか。
勿論、俺としてはあれは「あれを追い払うための方便」だったことにしたい
と思っている。ハルヒが本当はどう思ったか、聞くわけにはいかないんだけどね。
====
以上です。支援ありがとうございました。
まとめwikiには自分で載せておきます。
GJ!
627 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:46:19.29 ID:Xy1aGzEP0
>>626 ありがとうございました。たくさん支援いただきました。
628 :
VIP足軽q:2006/12/03(日) 01:47:41.59 ID:B9HBYWk80
原作通りのハルヒとキョンをうまくデレさせれるよ!
GJ!!
629 :
VIP村人q:2006/12/03(日) 01:48:46.33 ID:iCORoyk00
そういえば、黒ハルヒって、初めて見た気がする。
GJ
630 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:51:59.62 ID:Xy1aGzEP0
>>628-629 ありがとうございました。まとめwikiにも掲載しました。
カテゴリからのリンクはまだですが。
631 :
VIP村人q:2006/12/03(日) 01:54:51.01 ID:iCORoyk00
そういえばそろそろ、Wiki編集解禁時間ですね。
先の投下もまだ掲載してないのに、次の投下をしようか迷っている自分がいる。
Wikiの編集は、前回でちょっとトラウマに……
632 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 01:56:14.88 ID:T68OCpWQ0
いい!流れがスムーズで一気に読めた!俺はやっぱこういう中篇が好きだわw
633 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:57:59.45 ID:Xy1aGzEP0
>>631 まだちょっと重いようですね。本文はwikiにおけましたが、カテゴリからの
リンクを張るのはまだ無理なようです。
投下はどんどんしていいのでは。まだ600番台だから、dat落ちはまだまだ
先ですし、管理人さんが暇であれば後でwikiにあげてくれますよ。
634 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 01:58:46.64 ID:Xy1aGzEP0
>>632 ご支援ありがとうございました。深く感謝します。
635 :
駅前食堂のメグ:2006/12/03(日) 02:06:48.22 ID:8oWUi8HEO
>>630 面白かったです
ハルヒの力の出現は、世界の改変とかが
多いから、こういうピンポイントな出現は
新鮮でした。
636 :
ダーク・サイド ◆D5lhsNR6PY :2006/12/03(日) 02:09:03.99 ID:Xy1aGzEP0
>>635 ありがとうございました。こんなに
感想が多かったのは初めてです。
光栄です。
それでは、もう寝ますので。
おやすみなさい。
637 :
姫:2006/12/03(日) 02:12:35.72 ID:VJVWnDAX0
638 :
VIP村人r:2006/12/03(日) 02:29:42.94 ID:iCORoyk00
夜が明けてから、推敲して投下します。煮詰まってしまったorz
ガール・ミーツ・ガール(GMG)は、今夜でしたっけ?
639 :
姫:2006/12/03(日) 02:31:16.21 ID:VJVWnDAX0
かしましだっけ?
宮城は放送地域じゃないぜ・・・orz
640 :
VIP村人r:2006/12/03(日) 02:33:41.70 ID:iCORoyk00
今見返したら、GMGの人は来週までに、でした。
日曜夜は「朝倉涼子の世界」の人ですね。
ぼろぼろだ……もう寝ます
確か「X-FILE」は水曜だったかな…?
予告スレは便利だな。
642 :
VIP商人:2006/12/03(日) 02:47:50.74 ID:at3f5XyW0
昔に古泉物「さよなら」ってのを書いたんだけど、それを自分自身でリメイクしてみた。
というか、あの時はお題貰って書いたやつで推敲もなにもなかったから。
てことで、投下しても良いのかな? それともwikiのを書き直したほうがいいのか>
643 :
VIP村人u:2006/12/03(日) 03:06:40.29 ID:o/70PB5uO
投下wktk
まとめはリメイク前後で分けた方がいいかも
いや、作者さん自身の作品だから書き直しちゃっていいのかな
644 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 03:09:35.79 ID:uzuNcvbGO
>>642 wiki書き直しで良いんじゃないかな?
改めて投下するとダブってwikiに載りそうだし。
645 :
VIP村人u:2006/12/03(日) 03:19:42.73 ID:xYIxOL2jO
ネルポo(__*)Zzz
今日は神戸泊なんで、明日西宮行ってみようかな?
646 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 03:23:22.69 ID:at3f5XyW0
投稿してるのに、変わらないのだがorz
647 :
VIP悪魔:2006/12/03(日) 03:25:20.89 ID:mv9XzsrD0
wiki長編のところだけが見れないorz
648 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 03:26:26.82 ID:at3f5XyW0
スマン俺のせいかもorz
649 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 03:27:14.66 ID:uzuNcvbGO
>>646 重いだけでは?
朝、何も変わってないようだったら失敗したとしか…
650 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 03:28:44.89 ID:uzuNcvbGO
あぁ、編集中の閲覧か…
それならいずれ直るよ。
651 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 03:29:03.97 ID:at3f5XyW0
ま、いいや。焦らず、寝よ。寝る前に読む人、妨害してすまんorz
652 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 03:32:33.84 ID:uzuNcvbGO
>>651 たまたまタイミングが悪かっただけさ。
気にする事はない。
投稿したなら言っておこう。
乙!
653 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 03:35:35.87 ID:at3f5XyW0
また昼頃wiki投下しに行くよ。前のより半分ぐらい付け足したから、本スレ投下でもいいかとも思ったんだけどね
ほしゅ
655 :
VIP村人y:2006/12/03(日) 03:52:42.81 ID:WJpusxSEO
微笑は何度よんでもグッと来る件
涙腺よわいんかな俺
656 :
棒またぎ姫:2006/12/03(日) 04:26:09.18 ID:VJVWnDAX0
保守
657 :
VIP毒蛇:2006/12/03(日) 04:43:14.23 ID:mv9XzsrD0
>>647は俺だけど長編見れました
やっと作品を更新できた……
ちなみに星新一の作者なんだが、こないだの作品のおまけってどうする?
1、【涼宮ハルヒの憂鬱 meets 星新一】第十部 「求人難」にまとめてwiki更新
2、短編のところに更新
3、【涼宮ハルヒの憂鬱 meets 星新一】におまけとして別のページで更新
どっちがいいと思う?意見お願いします
658 :
VIP村人w:2006/12/03(日) 04:56:57.85 ID:T68OCpWQ0
無難に1かな。2はややこしいよ。
こんな時間まで起きて無茶しやがって俺…orz
皆さんが暮れるであろう意見は明日参考にします
おまけ投稿するのは明日ということでよろしくお願いします
660 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 05:16:48.37 ID:VJVWnDAX0
661 :
VIP村人XL:2006/12/03(日) 05:54:23.17 ID:1C8OuvrOO
ほしゅ
662 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 06:55:40.97 ID:TZzFCE3Y0
保守
663 :
VIP村人z:2006/12/03(日) 07:13:33.07 ID:MNv3oEZMO
もはよう
664 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 08:03:04.87 ID:tZ/QWxXFO
有希が積もった保守
665 :
VIP村人XL:2006/12/03(日) 08:03:44.03 ID:MNv3oEZMO
今俺しかいない
666 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 08:12:45.18 ID:tZ/QWxXFO
だがしかし
667 :
VIP村人r:2006/12/03(日) 08:16:47.78 ID:mShtCado0
───うーん苦しい。
まるで頭の上にモフモフ大福が乗っかっている気分だ。
あと、おなかの部分がバンバン叩かれているような気がする・・・
って目覚めると俺の頭の上にはシャミセンがどっしりと乗っていた。
「おっきなーい、おっきなーい、キョン君は寝ぼすけー」
しかも新しい曲を歌いながら妹が腹の部分をバンバン叩いていた。
俺はシャミセンをどけてベットの下に下ろすと、
「こら、俺を殺す気か。」
「だってー、キョン君なかなか起きないんだもーん。」
「今日は日曜日だからゆっくり寝たいんだよ。」
「だめだよキョン君、休みの日だからって寝てばかりいちゃ。
もうご飯出来てるよ。」
「わかったわかった、今から行くから先に行ってなさい。」
「はーい。シャミーいこー。」
シャミセンは『俺もまだ寝たいんだが』と言う顔をしながら
妹に引きずられて部屋から出て行った。
そうだよな、シャミセンよ、休日はゆっくり寝たいよな・・・と
一瞬思ったがこいつはいつも寝てるか。
さーて、朝食でもとってその後ゴロゴロ過ごしますかね。
そう思って部屋を出ようとしたとき、携帯の着信音が鳴った。
はいはい、今日はけたたましいね。
『ちょっとキョン、どうせ今まで寝てたでしょ!プリンスレには
休息なんて無いのよ!朝ご飯を食べたらさっさと保守しなさい!』
ああ、神様俺には休日と言うものが無いのですか・・・
『スレが落ちたらまろやかプリン10個おごりの刑だからね!』
そういうとハルヒは電話を切った。
やれやれ、今日もプリンスレは保守と投下で忙しくなりそうだ。
───という保守、おはよう
668 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:27:35.24 ID:TZzFCE3Y0
ならば俺が朝から投下で忙しくしてみようか?
669 :
VIP村人XL:2006/12/03(日) 08:32:21.58 ID:MNv3oEZMO
wktk
670 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:35:42.83 ID:TZzFCE3Y0
>>458の続きだが、あえて最初から投下しなおしておk?
671 :
VIP村人r:2006/12/03(日) 08:41:13.75 ID:Va4/SGXB0
加筆修正があるならいいと思うけど無いなら
あまり無駄にレスと容量消費しないほうが気がする
672 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:43:07.47 ID:TZzFCE3Y0
理解した。じゃあ、続き。
673 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:43:30.73 ID:TZzFCE3Y0
翌朝俺は教室にて、とんでもないものを目にした。
『一日奥様』と書かれた腕章。
やれやれ。SOS団員以外にはあまり知られたくなかったんだがな。うるさいヤツがいるし。
席に着く前にさっそく絡まれた。
「ねえキョン、涼宮さんの旦那は一日だけなの?」どういう意味だ国木田。
「キョン、お前はやっぱり涼宮と…」うるさい黙れ谷口。
直接言ってくるのはこの2人くらいだが、クラスのあちこちでうわさになってるのは鈍感な俺でもわかる。
もちろん他のクラスから見学に来てるのには気付いてない、ことにしておこう。
ハルヒに軽く挨拶して席に着くと、ハルヒに聞いてみた。
「なあ、それはなんだ?」
「腕章よ。」…不機嫌そうだな。
「それはわかるがなんd」「キョン、こいつらこそこそうるさいわね。黙らせてきなさい」ムリだ。
「腕章はずせばみんな静かになるんじゃないか?」
「いやよそんなの。まるであたしが負けたみたいじゃない。」そうだった。こいつは異常な負けず嫌いだった。
はぁ、とりあえず機嫌治してもらわないと。
「気にするなハルヒ。みんな自由に生きてるお前がうらやましいだけだ。」
「なによそれ。バッカみたい。」失敗か。
岡部の登場によってクラスと俺の心に静寂が戻った。
674 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:43:51.49 ID:TZzFCE3Y0
ハルヒの不機嫌は思ったよりも軽度で、俺はあまり気にしないようにしていたらいつの間にか昼休みになっていた。
どうやら熟睡してたみたいだな。
「キョン!!!」うおっ!!?がしっ!「部室行くわよ!!」待て!俺は今起きたばかりだ!
「知らないわよそんなの!寝てたあんたが悪いんじゃない!」
「せめて弁当だけでも」持って行かせてくれ「そんなのいらないわ!あたしが作ってきたから!!」
ああ、その気持ちはすごくうれしいがクラス中の視線が痛い。
「愛妻弁当よ!ありがたく食べなさい!有希には言っといたから!さあ行くわよ!」と掴んだ俺の右手を荷物を運ぶかのように引っ張っていった。
ああ、みなさん今日だけですので気にしないでください。なんてムダだよなもう。とりあえずカバンは掴んだが、俺の弁当はハルヒのいないところで食おう。
675 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:44:25.27 ID:TZzFCE3Y0
「ごめーん有希!待った?あんたのお父さんがぐずるから遅れちゃった!」まあここはSOS団員以外は誰もいないだろうから何を言われても平気だ。
「おや?キョンくん夫妻じゃあないですか。」ニヤケ面で古泉が「みくるさんももう来ますよ?考えてる事は同じなんですね。」とハルヒの荷物に目をやった。
「じゃああたしはみくるちゃん予呼びに行ってくるわ!」言うと同時にいなくなったハルヒを見届けると、古泉も弁当を食べにここに来たことに気付いた。
朝比奈さんの手作り弁当をこいつは食うのか。腹が立つ。そして腹が鳴る。
「昨日帰りにお昼ご飯は用意してくれる、と言われましてね。大変恐縮ですがありがたくいただくことにしたのですよ。」
もうお前の境遇の全てが嫌いになりそうだ。
「そういえばあなた方夫婦のうわさは聞きましたよ」ああそうかい。こっちは噂話でハルヒの機嫌が悪くて大変だったんだぞ。
「涼宮さん…おっとハルヒさんは今日は不機嫌ではありませんよ?」なぜだ。ハルヒは周りがうるさいのを気にしてたぞ?
「ハルヒさんは照れてるだけですよ。」もういい。
「長門」「有希」「…わかった、有希」「なに?」「こっちに座らないか?」「わかった。」
まるで親子とは思えない会話だな。
「おまたせ!!」この笑顔を見てると確かに不機嫌じゃあない気がしてきた。
「さっそく食べるわよ!」ああ、はらぺこだ。
なるほどハルヒの弁当は大量で、そのくせ味は一流だった。
ハルヒと長門が高速でたいらげて俺はあまり食べれなかったが教室には弁当がもう一つあるので気にしないことにした。
676 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:44:37.88 ID:TZzFCE3Y0
「長門」「有希」「そうだった、有希」「なに?」「口の周り汚れてるぞ?」「わざと。」
ああ、拭いてくれってことか。ハンカチでさっと拭いてやる。「感謝する、お父さん。」調子に乗って頭を撫でてやる。
「本当の親子みたいですね」うるさいニヤケ面。一応勝負だって覚えているのか?
「一応じゃないわよ!れっきとした勝負よ!!」お前は口を挟むな!何て言えたらどれだけ楽か。
「うふふ、キョンくんもう尻に敷かれてますね。」俺はあなたのような人と結婚したいですよ。
「一樹くん、食後のお茶はどうですか?」「ああすみません。ではいただきましょうか、みくるさん。」
一樹くんにみくるさん、幸せそうですね。くそ、朝比奈さんはともかくこのニヤケ面は許せん。復讐だ。
長門にアイコンタクトをする。長門はわかってくれるか。
「おじちゃん、ニヤニヤしてる。」と言ったのは長門。「有希、目を合わせたらダメだ。あのおじちゃんは危ない人だからね」
「ニヤニヤしてる。」「指をさしたらダメだ。あのおじちゃんは危ない人だからね」
「おじちゃん」「話しかけてもダメだ。あのおじちゃんは危ない人だからね」
「おや?何があなた達の気に障ったのでしょう?おじちゃんと呼ばれる年齢ではないのですが。」「おじちゃんの境遇の全てだ。」
ハルヒは爆笑してる。朝比奈さんも笑ってる。古泉は苦笑いしてる。
「有希、よくできました」といってまた頭を撫でてやる。
そんなやりとりをしていたら昼休みの終わる時間になっていた。さて、教室に戻るか。
「有希、また後でな。おじちゃんとお姉さんにあいさつしなさい。」
「おじちゃん、お姉さん、またね。」さて、我が家じゃなくて教室に帰るか。「そうね!帰りましょ!」
教室に戻った俺はハルヒとなんでもない会話を少しした後眠りについた。
677 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:45:08.64 ID:TZzFCE3Y0
「起きて。」もう少し寝させてくれ。「ダメ。起きて、お父さん」 がばっ!!「起きた。」「長門か」「有希。」「そうだ、有希か。」ここは学校だよな?
今は休み時間らしい。クラスの視線が一層痛い。ハルヒはもう気にしてないみたいだが俺は今さら気になってきた。
「どうしたんだ?有希。」「忘れもの。」ああ、部室にカバン忘れたのか。俺は何しに学校にきてるんだろう。
「ありがとう」と素直に礼を言うと、長門はじっとこっちを見ている。なんだ?何かあるのか?
ハルヒはニコニコ顔で言った。「頭撫でてほしいんじゃないの?お父さん」「そう。お父さんは鈍感。お母さんは迷惑している。」そうか、悪かったな。ナデナデ。
「まったくよ!キョンはどうしてこんなに鈍感なのかしら。」周りの視線には敏感だけどな。
「悪かった。お父さんは疲れてるんだ。ハルヒのところへ行きなさい。」「そう。」
この会話で取りあえずクラスメイトは俺とハルヒの子どもが長門で理解したような会話が聞こえる。もう寝るしかないな。おやすみ。
「キョン!あんたは本当に寝てばっかね!起きなさい!」「ハルヒか。今何時だ?」「もう放課後よ!部室行って勝負を決めるわ!」やれやれ。
「やるからには、勝つ。お母さんが言ってた。」と長門が言うと「あんたよりこの子の方がわかってるわね!行くわよ!」と教室をでた。
俺は谷口以下数名教室に残ってこの会話を聞いていた生徒の顔を忘れないだろう。
678 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:45:23.74 ID:TZzFCE3Y0
みんなで帰る道すがらハルヒに聞いてみた。
「どうだった?」「そうねぇ。思ったよりは普通だったわ。あんたは?」
「ハルヒとのやりとりはほとんど普通にしてたからな。よくわからん。」
「それは普段から夫婦のようなやり取りをしてるからですか?」断じて違う。
「そうなのかもね。」こら、同意するなハルヒ。
「じゃあキョンくんは長門さんの事も子どもみたいに思ってるんですか?」「どうでしょう。そうなのかも知れません。」ただし、俺より頼りになる娘ですが。
「…。」「すまん有希。子ども扱いするつもりはないんだ。ただ自分の子のように可愛がってるってことだ。」「いい。それにやぶさかではない。」
「そうか。まあ俺はハルヒにも、有希にも普段通り接してただけなんだがな。正直、特にあまり家族を意識しなかった。」
「無意識でそれだけ夫婦らしければ実際に夫婦になってはどうでしょう?」意味がわかりかねる。
「僕たちはあなた方に負けてしまったのでこんな者を用意させていただきました。」ん?なんだこれは?
「婚姻届けです。」あほか?「どうぞ、涼宮さん。いえ、奥様。」ハルヒに渡すな!受け取るな!
「貸して」有希!お前だけは信じてたぞ!って何している!
「筆跡を真似て印鑑も偽造する。これはあなたが作成した物と同じ扱いを受ける事が予想される。」そこでハルヒに渡すな!
「じゃあキョン、あんたが18歳になったら出しにいくわよ!」お前はなんてヤツだ。
「それから、」「なんだ?」「よろしくね!」やれやれ。
おわる
679 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 08:45:39.57 ID:TZzFCE3Y0
むしろ、終われ。そんな保守END
680 :
ただの戦士:2006/12/03(日) 08:56:44.12 ID:ywX7yf/GO
いいね、GJだ
681 :
VIP村人s:2006/12/03(日) 09:02:45.31 ID:Va4/SGXB0
乙!GJ!
671の二行目、いい気がする、だったよ……ゴメン
やっぱ徹夜はいかんね。
保守がてらに報告
ハロウィン!ですが、テスト前ってのと妄想を上手く文章に移せなくなっちまったので
しばらく続きを書けそうにないです
二週間以上空くかもしれない
もし、千万が一待ってる人がいるなら申し訳ないorz
まあ、忘れた頃にやって来ます
683 :
VIP勇者:2006/12/03(日) 09:33:32.40 ID:m4KE4JsXO
>>682 ●<いつでも掘り起こしてあげますよフフフ…
684 :
VIP村人s:2006/12/03(日) 09:35:32.40 ID:mShtCado0
>>682 とりあえず目前のテストに全力投球を。
ひっかかりが取れれば自然と文章になるようになりますよ。
寒くなってきていますので体を大事にして頑張ってください。
保持
686 :
VIP商人:2006/12/03(日) 10:09:25.25 ID:wNmDSv/tO
谷口ものなら少しぐらい暴走しても文句はこないよね?
687 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 10:46:50.53 ID:uzuNcvbGO
良い夫婦だ。
GJ!
688 :
VIP番長:2006/12/03(日) 11:00:06.55 ID:WsY+voei0
>>686 むしろ、多少暴走しないと面白くない。
たぶん。
保守
保守
691 :
VIP村人XL:2006/12/03(日) 11:20:26.98 ID:iCORoyk00
ちょっと聞いてみたいのですが、
投下されたものを読むとき、タイトルでネタバレしてるものって
やっぱりよろしくないですか?
最後まで読んで初めて意味が分かる、
っていうタイトルにはいつも驚かされてるのですが、
そういう良いタイトルが思いつかなくて。
692 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 11:31:34.98 ID:wNmDSv/tO
>>688 ならいいんだけど。とりあえず一度見直すか……
693 :
VIP村人P:2006/12/03(日) 11:40:51.46 ID:MNv3oEZMO
>>691 前やって叩かれたんだぜ?ここじゃないけど
694 :
653:2006/12/03(日) 12:00:33.65 ID:8Ps2h4cT0
更新されてた。長編・古泉物「さよなら」。よかったらどうぞ。
695 :
VIP魔王:2006/12/03(日) 12:14:57.18 ID:MNv3oEZMO
保守保守保守
696 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 12:21:16.83 ID:TZzFCE3Y0
「保守」
697 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 12:33:15.09 ID:TZzFCE3Y0
長門「私も他の人なんか知らない。みんな死んじゃっても知らない。私もキョンだけを守る。私も、キョンだけのために戦って、キョンのためだけに死ぬ。」
キョン「イリヤの空?」
長門「長門の空。」
ハルヒ「おっくれてるぅーーーーーーっ!!!!!!」
「部長!!」
というわかりにくい保守
>694
よかった。
ただね、一つ苦言を。
……涙で視界がにじんで、よく見えない。どうしてくれるんですか。
わたしに古泉を動かす力がないことを痛感した昼下がりだった。
――保守人の憂鬱・完
699 :
愛のVIP戦士:2006/12/03(日) 12:44:24.95 ID:TZzFCE3Y0
長門「おーとのーないせーかーいにー まーいおーりーた I was snow」
みくる「おーとのーないせーかーいにー しーとしーとと I was rain」
ハルヒ「おーとのーないせーかーいにー てーりつーけーるI was sun」
キョン「おーとのーないせーかーいにー なーまえーない I was kyon」
古泉「おーとなーのーせーかーいにー そーびえーたーつ I was ●」
という保守
700 :
682:2006/12/03(日) 12:54:08.29 ID:rRhEE9VhO
701 :
門番の娘:2006/12/03(日) 13:03:32.87 ID:uHjjNAqk0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
|保守に来ました。 | |板をきれいに |
|__ ________| |__ ___|
,_∨_______ γ===============┐.. V
. γ;二二二, ll .__/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄// \______/ )\ゥアア・・
. _ // ∧_∧ |.|| | .| ボロ市 .l l,,,,,,,,,,,,,,,,,,\____/ /__\
[_].//( ´∀`).| || | .| ヽヽ丶 |8|| ̄ / / ̄ヽ |6|
.└/l__/__ ).| || .|__| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽヽ ヾ-ー「:l|_/ /__∧ ヽ ||
| (_/ [||| --|_________ヽヽ ゞ |.:ll ./ /;´Д`) ミ. ∧_∧ ポイッ
lフ ,------|.l_|二二l_l/ ̄ ̄/l /γ二二..ヽヽ __ヾ |.:|/. \ヽ⊂(∀` )ミ
[ll三// ̄ヽ\|.\===l二二l__l /// ̄ヽ\~ヽヽ_匚|]二||二二二||_.(⊂ )
└--l .※ ..l ..凵=======| .※ ..|
702 :
門番の娘:2006/12/03(日) 13:04:26.07 ID:uHjjNAqk0
ごめん誤爆orz
703 :
VIP無職:2006/12/03(日) 13:15:29.12 ID:Is79LElmO
チビを連れて健康ランドから保守
小学校の入学式には北高の制服を子供服バージョンで着せてやろうかな…
で…頭には黄色いり
すまん吊ってくる
704 :
門番の娘:2006/12/03(日) 13:29:02.65 ID:uHjjNAqk0
そろそろageしておく
705 :
VIP無職:2006/12/03(日) 13:36:45.58 ID:Is79LElmO
やばいんじゃないか?
706 :
内藤ホライゾン:2006/12/03(日) 13:46:42.60 ID:AuNUmo8W0
ページには 赤い● 現れて踊りだす〜
707 :
VIP村人z:2006/12/03(日) 13:49:56.80 ID:ra1JRrmY0
hoshu
708 :
VIP足軽b:2006/12/03(日) 13:58:32.96 ID:efsOFQUT0
掘られそう〜だと〜 思うなんて どうか してるけれど
>>703 こんなトコに来てまで携帯ばっかいじってんじゃないわよ!このバカ旦那っ!
710 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 14:23:40.50 ID:Qdk3B+zv0
「さよなら」・・・良いね。
また泣かせて貰ったよ。
GJ!
sage継続でいいのかな。
保守
712 :
高校の女教師:2006/12/03(日) 14:35:03.58 ID:mv9XzsrD0
すごく亀だが
>>658dクス
いまからwikiに投稿してきます
713 :
VIP商人:2006/12/03(日) 14:52:36.54 ID:Is79LElmO
>>709 ちょ…それwww
コーヒー予告編wwwww
噴いた
714 :
一生足軽:2006/12/03(日) 15:14:42.42 ID:AuNUmo8W0
色が無い世界で 見つけたの You are ●
推敲やってて、調整地獄に陥ってました。
そろそろ投下しようと思いますが、人いるかな?
716 :
花魁:2006/12/03(日) 15:33:33.53 ID:tZ/QWxXFO
いますよ〜ノシ
718 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:40:08.86 ID:Qdk3B+zv0
カモン
長門有希の報告
Report.12 長門有希の憂鬱 その1
「うりゃあぁぁぁ! 今日もみくるちゃんは可愛いなっ! 胸もまたおっきくなったんちゃう!?」
「わひいぃぃ!?」
涼宮ハルヒが朝比奈みくるの胸を揉む。みくるはいつもなら嫌がるが、今日はあまり嫌がっていない。
「はふぅ……涼宮さん、ほんまに胸揉むん好きですね……しかも妙に上手いし……」
頬を上気させて、荒い息をしながらみくるは言った。
「いや〜、みくるちゃんの胸はほんまに揉み応えがあって癖になるわ。」
ようやくみくるを解放したハルヒは、一仕事終えたかのような表情で言った。
「うふ。じゃあ、こういうのはどうですか?」
そう言うとみくるは、ハルヒの頭を抱きかかえた。
「むー、むー……この程よい窒息感、イイ……」
ややくぐもった声で、ハルヒが答える。
「更にはこんなこととか。」
みくるはハルヒの後ろに回ると、彼女の頭に胸を乗せた。
「おおお、この重量感! 信じられへん……」
「涼宮さんて、ほんま胸好きですね。大きいのが良いんですか?」
「いやいやいや、決してそういうわけちゃうんよ。大事なのは形と実用性!
そして何より……『その人の胸』ってのが重要やねん!」
「ふぁ……それって、『あたし』の胸やから、ってことですか!?」
ハルヒはみくるに向き直って言った。
「ファイナルアンサー?」
「ふぇ!? フ、ファイナルアンサー……」
ハルヒは眉をしかめながら、長い溜めに入った。
「……正解!」
ハルヒはみくるの胸を、前からパン生地をこねるように弄んだ。
「それじゃご褒美! うりゃうりゃうりゃうりゃ……」
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
「……けだもの。」
その時、平坦で冷静な声が2人に浴びせ掛けられる。
わたしはとっくに部室に入っていた。いちゃついていた2人の動きが止まる。顔が引きつっている。
わたしはそれ以上何も言わず、いつもの席に着くと、本を読み始めた。
今日は『新明解国語辞典』。この辞書は、解説がユニーク。
『……』
3人分の3点リーダが部室を支配する。
「こほん!」
ハルヒはぎこちなくみくるの胸から手を離すと、わざとらしく咳払いを1つした。
「あー、みくるちゃん! お茶お替りお願いっ!」
「は、はい!? ただいま!」
みくるは、服の乱れを直すのもそこそこに、慌ててお茶の用意をする。
「は、はい涼宮さん!」
「あ、ありがと!」
お茶を机に置くみくる。ハルヒの声は微妙に、みくるの声は明らかに、上ずっている。
「は、はい長門さん!」
わたしのそばにお茶が用意される。普段ならわたしは、少しだけ視線を上げて謝意を表明するが、
このときは、何もしなかった。したくなかったから。
先ほど、わたしは思わず声を掛けた。普段なら、何も言わず観測に徹していたはずなのに。
なぜか、声を掛けずにはいられなかった。
人間の感情に例えると、それは『おもしろくない』というものだった。
わたしの好きな人同士が、乳繰り合っている光景。
それが面白くなかった。なぜ?
答えは簡単に出た。理由は一つ。そこにわたしがいないから。
わたしは『嫉妬』していた。
やがて彼と古泉一樹が部室に姿を現し、いつものように活動が始まった。
しかし、完全に普段どおりとはいかなかった。
ハルヒとみくるは、しきりに視線を交わしては、慌てて視線をそらしている。
そのたびにわたしからは、彼の表現を借りれば『透明オーラ』が立ち上るような気がした。
微妙に張り詰めた空気を察知して、男子2人も気が気ではない様子だった。
何となく気まずい空気に包まれながらの活動も終了し、皆は帰途に付く。
わたしは、部室の整理をすると言って部室に残っていた。確かめたいことがあったから。
『団長』と書かれた三角錐が置かれた、ハルヒの席。そのそばに、丸めた紙くずが落ちていた。
わたしは活動中から何となく気になっていたその紙くずを開いてみる。
そしてわたしは硬直した。
『キョン……あたしの有希を取らないでよ!!』
人間に例えると、『頭が真っ白になった』という状態。わたしの情報処理機能が停止していた。
「有希……?」
その時ハルヒが入ってきた。声を掛けてくるまで気付かなかったとは。以前のわたしなら考えられない出来事。
「なに見てんの……!? そ、それは!?」
わたしは未だに動けないでいる。
「な、何を……何を見てんの!!」
叫んで猛然とわたしに向かってくる彼女。ものすごい勢いでわたしから紙を奪い取る。
「何よ何よ何よ何よ!!! なんで見てんの!!」
「あ……」
わたしは声すらもまともに出せない。
「わ、わたしは……不要なら捨てようと思って……大事なものでないか確認しようと……」
「うるさいっ!!」
彼女に突き飛ばされる。わたしはまともに本棚に叩き付けられた。何冊か本が落ちてくる。
「何で人の、プライバシーを覗いとぉ!」
「違う……わたしはただ……」
その時、額に何か液体が垂れてきた。血。
みるみる青ざめていく彼女の顔。『やってしまった』という表情。
「……信じて。」
「あ、あたしは悪くないんやからね! 有希が人の書いたものを勝手に見てたのが悪いんやから!!」
彼女はそっぽを向いて……わたしが血を流している姿を見ないようにしながら言った。
「き、気分が悪いから帰る! ……あ、あんたも、保健室行っときや!」
そう言い捨てると彼女は、バツが悪そうに足早に立ち去った。
彼女を怒らせてしまった。不手際。
だが……なぜあの時わたしは、まともに行動できなかったのだろう。
722 :
VIP下手人:2006/12/03(日) 15:43:51.98 ID:uzuNcvbGO
支援
彼女があれほど激昂したのは、この紙片が原因であることは間違いない。
彼女が立ち去ってから、改めてその紙片を観察する。
そして、その紙片が落ちていたあたりに、ほかにもいくつか同じように丸めて捨ててある紙片を見つけた。
今度は彼女がこの部室に近づいていないことを確認してから、他の紙片も確認する。
それには、『キョン』――『彼』や、わたし、みくる、一樹への、屈折した思いの丈が書き殴られていた。
思い当たることがある。
最近彼女は、Webサイトを閲覧しながら、時々紙に何かを書き付けていた。
最初は、何か気に入った情報をメモしているように思われたが、それにしては様子がおかしかった。
それを書いているときの彼女は、非常に不機嫌だった。そのときに書いていたのが、これらの紙片だろう。
こうすることで、彼女は自分のイライラを静めていたということか。
人間には、心の中に、他人には知られたくない、『触れられたくない』と考える情報が存在する。
他人へ寄せる好意、悪意等も、そのような情報である場合が多い。ハルヒもそうなのだろう。
そんな彼女の……最も他人に触れられたくない領域を、わたしは侵してしまったことになる。
「……うかつ。」
この不手際、どう埋め合わせをするか。重大な懸案事項を抱えてしまった。
しかし、ことはこれだけでは済まなかった。もっと重大な事態が発生したから。
その夜、小規模ながら、情報フレアが観測された。発生源は涼宮ハルヒ。
今回は以前と違って、ごく限定的な範囲に圧縮した情報の奔流が見られた。
以前は、ほぼ無秩序に世界を書き換えてしまう形での、文字通り『爆発』であった。
しかし今回は違う。限定的・選択的に情報を書き換えるという、高度に制御された情報操作。
力の主は、力の使い方を無意識的にでも、『肌で感じている』のかもしれない。
わたしが部屋で1人、夜を過ごしている時のことだった。
わたしは、彼女を怒らせてしまった不手際をどう埋め合わせするか検討していた。
そんな時、突如、わたしの肉体、ヒューマノイド・インターフェイスとしての有機情報連結体が、
その形状を保てなくなった。瞬く間に、煌めく砂のような粒子になって崩れていくわたしの身体。
それはいつかの、朝倉涼子の姿と同じだった。
わたしは、なすすべも無く、空気に溶けていくわたしの身体を見ているしかなかった。
……朝倉涼子は、どんな気持ちで、この光景を、自分の身体が崩れていく様子を見ていたのだろうか。
今回引き起こされた現象は、わたし――『長門有希』の消失。
724 :
VIP村人y:2006/12/03(日) 15:45:25.64 ID:mShtCado0
支援
725 :
VIP下手人:2006/12/03(日) 15:45:29.90 ID:uzuNcvbGO
支援
『長門有希』は、消失した。
個体としての特異性を失い、無個性な情報生命体として、涼宮ハルヒとその周辺に『漂って』いた。
彼女達に働きかける手段を持たない、ただ観測するだけの存在。
情報統合思念体は、個体・長門有希の復元を試みたが、それは徒労に終わった。
大きな力――涼宮ハルヒの意思が介在した。
『有希に会いたくない』
その思いが、長門有希の再生を許可しなかった。
情報統合思念体は、長門有希が消失した現状を維持しながら、観測を継続することにした。
長門有希の不在については、人間の意識に無理なく理解される形に情報が操作された。
観測そのものは、肉体を失った長門有希を通してでも可能。
しかし、それはあまり意味を成さない行為。
既に情報統合思念体は、ヒューマノイド・インターフェイスなしで直接、
人間を観測できる程度に有機生命体たる人間の情報を把握していた。
それならば、わざわざインターフェイスを置く必要はない。
それでもインターフェイスを使っていたのには理由がある。
それは、『肉体』というフィルターを通して見た世界という情報の入手のため。
情報を直接扱う情報統合思念体にとって、肉体を纏った有機生命体が処理する情報は、
甚だしく不完全で無価値なものと思われた。しかし、それは違っていた。
様々なノイズに影響される肉体ゆえの、『揺らぎ』。
その『揺らぎ』は情報を変質させ、時に予測不可能な大きな変革をも生み出す。
情報統合思念体は、この『揺らぎ』に興味を抱いた。
そこで『長門有希』を通して、この『揺らぎ』についても観測を続けていた。
肉体を通さない観測では、『揺らぎ』を観測することはできない。
また、涼宮ハルヒの中で、長門有希という個体に関する情報は、既に大きな領域を占有していた。
よって、このまま長門有希を廃棄する事も出来ない。どのような影響があるか予測不可能。
したがって、代替インターフェイスを配置する必要があると認められた。
この時点で、涼宮ハルヒはある人物を思い出していた。それは、『朝倉涼子』。
朝倉涼子は、元々は長門有希のバックアップとして、涼宮ハルヒと同じクラスに配置されたインターフェイス。
しかし、異常動作による独断専行により、重要観測対象である通称『キョン』を殺害しようとした。
そしてそれを阻むために行動した長門有希により、情報連結を解除されていた。
727 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:46:53.35 ID:Qdk3B+zv0
支援
朝倉涼子の、インターフェイスとしての性能は、長門有希と遜色ない。
そして、涼宮ハルヒの近くに配置しても問題が少ないという、数少ないインターフェイスでもある。
長門有希の再構成は未だ不可能。情報統合思念体は決定した。
長門有希の『バックアップ』、朝倉涼子を再構成し、長門有希の任務を代行させる。
つまり、『バックアップ』としての役割を果たさせる。
――再構成、パーソナルネーム・朝倉涼子
――辞令、長門有希任務代行・朝倉涼子
朝倉涼子が帰ってきた。涼宮ハルヒを観測する任務を帯びて。
「謹慎がようやく解けたと思ったら、ただの仮出所か……」
朝倉涼子の任務は、あくまで『長門有希任務代行』。長門有希が元に戻れば、涼子の任務は終了する。
「所詮わたしはバックアップかあ。長門さんが元に戻ったら、すぐにわたしは消えてしまうんやなあ。」
涼子は、情報統合思念体の自分に対する扱いに、やや不満を抱いていた。
「そういえば、前も再構成されて、結局同じことをして、また消されたっけ……扱い悪いなあ。」
復元された場所は、長門有希の部屋の中。涼子は鏡を見る。
自分が明らかに不満そうな表情を浮かべていることを視認する。彼女は両頬を軽く手で叩いた。
「ま、一端末がごちゃごちゃ言うてもしゃあないか。仕事仕事!」
すぐに表情を笑顔にする。彼女は優秀だった。
「涼宮さんに、長門さんにまた会いたいって思わせる必要があるわ。
やっぱり、学校行くのが一番有効かな。」
久しぶりに元・1年5組の人たちにも会いたいしね、と涼子は準備に取り掛かる。情報操作。
「時間の流れを無視した記憶改変は危険、というのが、長門さんの暴走で得られた教訓。」
操作の範囲が広がる分、記憶の整合性に注意しつつ十分な時間範囲に改変を行うことは、極めて煩雑。
しかも、そこまで行っても、涼宮ハルヒと彼女に近い人間には、違和感に気付かれる恐れがある。
涼子は最小限の改変で済むよう、注意深く改変箇所を選定した。
「……操作完了。やっぱりこうするのが一番合理的かな。
……キョン君は、わたしのことは信用してくれへんやろうけど……」
『自業自得』と呼ぶには、彼女にも酌むべきところはある。彼女は任務に忠実だった。
しかし事情は、殺害されかけたキョンにとっても同じであることを、彼女は理解していた。
それはこれまでの観測による、人間心理の考察によるところも大きい。
彼女は優秀だった。
729 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:48:21.23 ID:Qdk3B+zv0
支援
朝倉涼子は私服で北高に登校した。
彼女は、転校先のカナダから一時帰国したことになっている。
既に北高に籍は無いので、授業には参加しない。本来なら校内への立ち入りも難しい。
しかし、元・北高生で、急な転校であったこともあって、
特例として校内への立ち入りと、一部授業の見学を許可された。
彼女は涼宮ハルヒとキョンがいるクラスの授業を中心に見学した。
そのクラスには、元・1年5組の生徒が多かったこともあって、朝のHRから登場し、挨拶を行った。
「えー、今日はみんなに紹介する人がいます。
このクラスは元・1年5組の人が多かったから、覚えてる人もおるかもしれません。」
そう言うと担任教師は、廊下にいる人物に、教室への入室を促した。教室に彼女が入ってくる。
「おはようございます。初めての人は、はじめまして。覚えている人は、お久しぶり。
去年、1年5組にいた、朝倉涼子です。父の仕事の都合で、カナダに転校しました。
親族での用事なんかがあって、今は日本に一時帰国してます。それで、せっかくなので、
北高に来させてもらいました。短い間ですが、よろしくお願いします。」
教室にどよめきが起こった。ハルヒは目を輝かせ、対照的にキョンは真っ青な顔をした。
涼子は、彼らへの対応を最優先させる必要があった。
なお余談であるが、『見学』ではあるものの、
設定上『英語』という言語を使用するカナダという国へ転校したことになっているので、
英語の授業では、例文の朗読係として重宝された。
「うん、さすがは生の英語に触れてる人間の発音やな。完璧や。というか、正直、教師を超えてるな……」
「いえいえ、まだ1年ほどですから、そんなには……」
731 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:50:14.16 ID:Qdk3B+zv0
支援
732 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:51:19.32 ID:ywX7yf/GO
支援
733 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:51:59.98 ID:ywX7yf/GO
支援
挨拶を行ったHR後、さっそく元・1年5組の女子に囲まれ、質問攻めに遭う涼子。
その輪の中にいながら、彼女の接近を認めると、涼子は視線を彼女に向ける。
「久しぶりやね、朝倉。」
「お久しぶり、涼宮さん。」
周りを囲んでいた女子達も、彼女達の会話に注目している。
「急に転校して、あの時はびっくりしたで。あの日すぐにあんたのマンション行ってみたんやけど、
もう荷物とか何もなかったわ。えらい引っ越しの手際がええなー思てた。」
涼子は答える。
「詳しいことはよぉ知らへんけど、会社のほうで何もかも手配済みやったらしくて、
わたしが学校行ってる間に、片付けは終わってたみたい。わたしもびっくりやったわ。
おかげでろくに挨拶もできひんで。みんなごめんな?」
涼子は周囲の女子達を見回しながら謝罪する。予鈴が鳴った。涼子は職員室へ向かう。
校長室で校長への挨拶等をしたり、職員室の応接室で教師達と談笑したりするうちに、昼休みとなる。
そろそろ昼食を、と思うと同時に、応接室の扉が勢い良く開いた。
「朝倉ー! 一緒にごはん食べよー!!」
涼宮ハルヒはやっぱり涼宮ハルヒだった。後ろには、ネクタイを掴まれて引きずり回されたであろうキョンの姿もあった。
彼女達は外のベンチに陣取った。キョンは弁当、ハルヒと涼子は学食から持ち出してきた。
「ここの学食の料理を食べるのも久しぶりやわあ。」
涼子はしみじみと感想を述べる。ハルヒが答えた。
「残念ながら、全然味はおいしくなってへんけどね。」
涼子は、にこにこしながら言った。
「それにしても、涼宮さん。しばらく見いひん間に、結構変わったね。」
「何が?」
きょとんとした顔で、ハルヒは答える。
「クラスの人とも打ち解けてるみたいやし、何より、表情が変わったわ。」
「そうかな? よう分からへんけど。」
「変わった変わった。前はすごかったんやで? まるで『寄らば斬る』っていう雰囲気やってんから。
『SOS団』、やったかな? 涼宮さんが作った部活。その活動が楽しいんかな?」
「まあ、楽しくない言うたら嘘になるかな。」
ハルヒは、学食から運んできた日替わり定食の唐揚げを食べながら答えた。
735 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:52:31.39 ID:Qdk3B+zv0
支援
736 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:53:35.43 ID:ywX7yf/GO
支援
「ところで、キョンの様子が朝からずーっとおかしいねん。
あんたの顔を見てから、急に顔色が真っ青になって、何聞いても上の空で。」
それは間違いなく、涼子が原因。過去2回も、彼は涼子に殺害されかけている。
そんな相手が目の前に現れたら、平静ではいられないだろう。
「なんか心当たりある?」
「うーん、しばらくぶりに帰国した早々言われても……」
涼子は、困った顔をして答えた。もちろん理由については大いに心当たりがあるが、それを口にするわけにはいかない。
「あんたが転校する前に、キョンと何かあったとか?」
「えー、それはないと思うな。」
涼子はそう答えながらも、複雑な表情をしていることに、ハルヒは気付いていた。
だが、その理由をこの場で問いただすことは何となく憚られたので、その点については触れないでおいた。
キョンは終始、憔悴しきった顔で無言を貫いていた。
彼にはきちんと説明しなければならない。涼子はそう痛感した。
彼の協力を得られなければ、任務は達成できない。
だが彼女が単独で、彼に接触して冷静に話を聞いてもらうことは、不可能に近い。
彼にとって『朝倉涼子』は、完全に精神的外傷となっていた。
それに、ハルヒの周辺にいるのは、彼だけはない。朝比奈みくる、古泉一樹。
未来人と超能力者の勢力からそれぞれ派遣された人員。彼らにも協力を要請する必要がある。
そのためには、まず派閥が違うとは言え、同類である宇宙人の勢力で話をつけておく必要がある。
涼子は、別の派閥に属する対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスに通信を試みる。
『派閥が違うのは重々承知の上で、お願いするわ。喜緑江美里。協力を要請します。』
『このままでは、うちの派閥にとっても、ひいては情報統合思念体にとってもまずいことになりそうなので、
私も出来る限り協力しますよ。』
『感謝します。』
宇宙人勢力の協力は取り付けた。次は人間勢の協力が必要。
だが、3人同時にハルヒから離すことは危険。ただでさえ彼女は今、『朝倉涼子』の登場で興奮状態にある。
そして『長門有希』は今、そばにはいない。どんな反応をするか、正確に特定できない。
(これまでの観測データによると……古泉君の協力が得られれば、根回しが自然にできる……ふむ。)
まずは古泉一樹と朝比奈みくる。2大勢力の協力を取り付けよう。そう考えながら涼子は、素うどんを食べ終えた。
午後は忙しくなる。適当に授業の見学名目でハルヒを観測しつつ、江美里と打ち合わせを行わなければならない。
738 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:54:26.89 ID:Qdk3B+zv0
支援
739 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:54:27.65 ID:ywX7yf/GO
支援
>719-737
以上です。
今回は、いよいよ朝倉涼子(本人)の登場です。そして三人称。
途中で注記もなく視点変更してるのは、わざとです。分かりにくくてすいません。
741 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:56:03.40 ID:Qdk3B+zv0
乙!
742 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:56:22.55 ID:ywX7yf/GO
支援
743 :
VIP村人n:2006/12/03(日) 15:56:46.43 ID:SM16RXYJ0
乙!
そしてアナル死亡?
744 :
南蛮ムキトス:2006/12/03(日) 15:58:38.99 ID:ywX7yf/GO
おっと失敗。
乙です!
745 :
VIP下手人:2006/12/03(日) 16:01:19.56 ID:wNmDSv/tO
続けて投下いいですか?15レスほどです
746 :
VIP足軽p:2006/12/03(日) 16:01:53.74 ID:5wjt0aiJ0
>745
わっしょいわっしょい
747 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 16:02:12.12 ID:EFaVJsma0
エロい話ならなんでもOK
俺の名は谷口。みんなには谷口と呼ばれてる生粋のナンパ野郎だ。
このまえ俺の心の師と認めていたカリスマナンパ師『サンジ』さんが捕まってショックを受けたのは秘密だぜ!
おっと自己紹介はここまでだ。俺には今狙っている女性がいる。
その名も朝比奈みくるさん。
性格、容姿ともに完璧で俺のランクではSランク。単独トップだ。
彼女には不特定多数のファンが校内に存在する。
ファンクラブもあり水面下で活動を行っているようだ。
まさに北高のアイドルと言うべき存在だろう。
ん?何だって?……ああ、わかってるさ。彼女をおとすのは至難の業だろう。
彼女に告白した人はことごとく振らてきたんだ。むしろ不可能に近いと言っていいくらいだぜ。
しかし!!!
だからこそ男谷口!挑戦する意味があると、こう思うんだ!
難関不落の女を落とす!これにこそ夢があるぜ!
国木田に言ったら笑われたな
「ははは。谷口。きみには一生無理だよ」
ってね。大爆笑してたぜ。
もともと同意してもらおうなんて思ってねぇ。
これは俺流の決意表明なんだ!
キョンのやつにも話してやろうと思ったが、あいつはSOS団ってわけのわからん団体の活動で忙しいみたいだからな。
それに朝比奈みくるさんはなんとそのわけわかめな団体に所属しているんだ!
どちらしろ言わなくて良かったのかもしれない。
…………
………
……
…
もう準備は万端だ。今日、手紙を下駄箱の中に入れてきた。
彼女のまわりにはいつも鶴屋さんって人がいてなかなか告白するチャンスがないからな。
噂によるとあまりしつこく付き纏うと鶴屋さんに×××されるらしい。
この鶴屋さんもかなり魅力的なんだがな。それは置いといて……
ちなみに手紙の内容はこうだ
――――――――――――
〜麗しの朝比奈みくるさんへ〜
初冬の頃、いかがお過ごしでしょうか?
さて、この度こうしてあなたにお手紙をお渡したのにはあるわけがあります。
あなたにお話したいことがあるのです。
この手紙を書いている今も胸のときめきを抑えられません。
どうか放課後、体育館の裏に来ていただけないでしょうか?
written by WAWAWA
――――――――――――
完璧だぜ。このためにありとあらゆる恋愛雑誌を読み尽くしたんだ。
わざわざ国語の先生に相談してみたりもした。これ以上のものは誰にも書けないだろう。
ラブレターの究極体だ。
髪は…………OK。制服は…………OK。それと……………チャックOK。
今日の俺は決まってるぜ!
あとは待つのみだ。
…………
………
……
…
なぜだ!?なぜ朝比奈さんは来ないんだ!?
時間はもう六時を過ぎてるぞ!いい加減きてもいい時間だろ!
なぜなんですか朝比奈さん!?
ハッ!まさか、告白を聞くにも値しないってことか!
聞くだけ時間の無駄だとでも言いたいんですか!?
752 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:08:46.52 ID:ywX7yf/GO
支援
………いや、それはない。朝比奈さんの性格なら必ずくるはずだ!
それ以前にあの手紙を見れば誰でも来てみたくなるはずだ!
たとえあの涼宮ハルヒや長門有希でさえも!
………
……
…
ん?あれは………朝比奈さんか!?
あの姿……俺のセンサーが反応してる!朝比奈さんだ!間違いない!
「お、遅れてすいませーん」
状況を立て直そう。調子は狂ったがまだまだいける。
俺は奇跡を呼ぶ男、TANIGUCHIだ。
「ほ、ほんとにごめんなさい!忘れ…………ううん、用事があって……」
今すごく傷つく言葉が聞こえた気がするがそこは華麗に無視だ。
754 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:09:16.11 ID:ywX7yf/GO
支援支援
755 :
VIP皇帝:2006/12/03(日) 16:09:58.07 ID:ywX7yf/GO
支援支援支援
ああ、近くで見るとさらに可愛い。会ったのは文化祭のとき以来か……
思えばあのときから恋に落ちていたのかもしれない。
「あれ?……確かあなたは……誰……ですか?」
くっ!さすがSランク!いきなり攻撃がきついな!
これは一筋縄じゃあいかないぜ。
「SOS団で野球にでたときや、文化祭で会ったじゃないですか。わかりませんか?」
これでいい。あくまで紳士な態度でいくんだ。
「ああ!思い出しました!あのときの……
確かキョン君の友達のかたですよね?
国木田君ですか?」
757 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:10:34.38 ID:ywX7yf/GO
支援
758 :
VIP足軽p:2006/12/03(日) 16:11:18.65 ID:5wjt0aiJ0
谷口ぃ!!??
支援
ま、まさかここまでとは……予想外。まったく容赦がない攻撃の嵐だ。
耐えてくれよ、俺の心。
「谷口ですよ!た・に・ぐ・ち!国木田は小さいほうです」
それでも朝比奈さんは首を傾げている。
どうして国木田は覚えているのに俺は忘れているんですか……?
ん?朝比奈さんが俺を凝視している。いや、正確には俺の下半身を!
もっと正確に言えば股間を!
これはキタのか!そんなとこを見るってことはかなりキテル!?
よっしゃぁぁぁぁぁ!この勝負もらったぁぁぁぁ!!!
朝比奈さんは真っ赤になって俯いている。恥ずかしいんですよね?
760 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:12:18.24 ID:Qdk3B+zv0
支援
「………谷口君……わかりました……あのときも開いてました……」
何のことですか?まあいいか!そんなこと!
俺は今ものすごく幸せな気分だ!
「あのー、話したいことって何ですか……?」
おっと浮かれすぎて本来の目的を忘れるところだった。もう半分成功したようなものだけどな。
確か本によると……壁によりかかって、下めにまっすぐ前を見る。そして
「俺……」
ここで朝比奈さんに顔を向ける!
「あなたのことが……」
体を朝比奈さんに向ける!
「好きなんです!」
絶叫だ。これ以上ないってぐらいの大声をだした。
朝比奈さんはさらに真っ赤になってらっしゃる。
ここまでやれば完璧だろう。届けこの想い!
「ごごごごめんなさい!」
………………………………………えっ??
うっそだー。そんなわけない。
「すいません。よく聞こえなかったのでもう一度いいですか?」
「ごめんなさい!」
終わった。またか。また失敗か。だめだな……俺。
よく考えると成功したことが一度もないんだよな……。
そりゃ当然か……。
763 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:13:55.34 ID:ywX7yf/GO
社会の窓支援
764 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:13:59.63 ID:Qdk3B+zv0
チャックwww
支援
「いや、いいんです」
早くここから立ち去ろう。俺はもうだめだ……
ガッ
いってぇぇ。ここまで来て転けるのはさすがにかっこ悪すぎるぜ、俺。
「ひっ!!」
朝比奈さんまでまきこんで倒しちまった。ってなんでそんなに怯えてるんだ?
「そこの少年!ちょっと待てぇぇい!」
この声は鶴屋さんか?おっそうだ!次は鶴屋さんに告白すればいいんだ!
ドカッ
766 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:15:19.46 ID:ywX7yf/GO
玉砕支援
767 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:15:58.83 ID:Qdk3B+zv0
死亡フラグktkr
支援
いやいやいや鶴屋さん何やってるんですか!?なんで俺を……
「いくらみくるがかわいいからって襲うのはだめにょろよ」
襲うって……ハッ!倒れる朝比奈さん、近くにいる俺、怯える朝比奈さん。
かなり怪しいシチュエーションじゃねーか!
しかもさっきは鶴屋さんの妄想をしてにやにやしてたかもしれない!
とりあえず誤解はとかなければ
「ち、違うんです!転けたらたまたま朝比奈さんに……」
「言い訳は見苦しいさっ」
だめだぜんぜん聞いてない。
769 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:16:32.61 ID:Qdk3B+zv0
支援
770 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:17:06.62 ID:ywX7yf/GO
勘違い支援
ああ、鶴屋さんに捕まった人の話が脳内にリフレインしてきた
Aさん「やめてくれ!その話をするな」
Bさん「ひぃぃぃぃ」
Cさん「おまえ……あまり深入りしないほうがいいぞ」
Dさん「鶴屋家のあの部屋に入ったら終わりだ……」
Eさん「アッー」
やばい。体中から汗が噴き出してきた。
これはけっして暑いからでる汗じゃない。
逃げだそうにも腕を背中のほうで抑えられ倒されてるから抵抗できない。
!!あれはキョンじゃねーか!ちょうどいい助けてもらうか。
!!!キ、キョンおまえ何やってるんだ!
なんで朝比奈さんと抱き合ってんだよ!お前たちはそうゆう関係だったのか!?
772 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:17:48.59 ID:Qdk3B+zv0
支援
「谷口見損なったぞ……おまえは最低限守ることは守るやつだと思ってたのに……」
だから何もしてないっつーの!
「団室で朝比奈さんに手紙を見せてもらったとき差出人がWAWAWAに
なってたからもしかして谷口かって思ってたんだ。
朝比奈さんがくるのが遅いから来てみたらこんなことにってるとは……」
「それは誤解だ!それよりキョン、お前裏切ったな!
俺はキョンだけは俺と同じ冴えないやつだと信じてたんだぜ
なのに……なのにお前ってやつは……」
「話はすんだかい?そろさろ連れていかせてもらうにょろよ?」
774 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:18:29.99 ID:ywX7yf/GO
死亡確定支援
775 :
VIP足軽になりたい:2006/12/03(日) 16:18:30.79 ID:hJ+bYk4u0
しえん
776 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:18:50.00 ID:Qdk3B+zv0
支援
おいおい、こいつら誰だよ!黒服サングラスって明らかに怪しいだろ!普通学校に入ってこれねぇよ!
「キョン!助けてくれ!」
「俺だって辛いんだ………谷口!鶴屋さんどうぞ連れてってください!」
「キョォォォォォォォォン!」
……………
…………
………
……
…
778 :
VIP皇帝:2006/12/03(日) 16:19:03.63 ID:MNv3oEZMO
お前ら谷口物だと食いつきよいなww
支援
779 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:19:58.90 ID:ywX7yf/GO
さよなら谷口支援
<翌日>
キョン俺はお前を許さない。裏切るなんて最低だぜ。昨日で俺はもう!!
……いや、これは誰にも話さない……話せないと言ったほうが正しいか。
とにかく目的はできた。
俺のやることはただ一つ
――復讐だ!!
(けっきょく誤解はとけました)
―To be continue THE谷口〜谷口の復讐〜に続く?―
781 :
VIP足軽p:2006/12/03(日) 16:20:32.13 ID:5wjt0aiJ0
まさかの続き物!
GJ!
782 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 16:20:58.53 ID:EFaVJsma0
谷口いいキャラだわ。GJ!
783 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:21:13.24 ID:Qdk3B+zv0
GJ!
谷口良いなwww
続きwktk
なにこのアンジャッシュwwwwwwwwww
乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
785 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:21:51.36 ID:ywX7yf/GO
是非続きを!GJ!
786 :
猿回しの勘三:2006/12/03(日) 16:22:51.14 ID:m4KE4JsXO
あなたの相手なら僕がしてさしあげますよ
787 :
VIP下手人:2006/12/03(日) 16:23:19.20 ID:wNmDSv/tO
終わりです。つまんなかったらすいません
続くかは………続いても生徒会の陰謀の劣化ぽくなるかもしれないから書かないかもしれない。
788 :
VIP村人xxx:2006/12/03(日) 16:25:37.64 ID:6wjsyeqN0
ハーレム物好きだから華の続きを待ってるんだけど、まだかなぁ〜?
789 :
VIP奴隷:2006/12/03(日) 16:41:10.89 ID:MNv3oEZMO
よう、保守
790 :
VIP足軽ktkr:2006/12/03(日) 16:55:11.48 ID:pbLD2Ige0
保守
791 :
VIP神:2006/12/03(日) 17:26:54.63 ID:MNv3oEZMO
落ちるぞ
792 :
VIP奴隷:2006/12/03(日) 17:32:20.50 ID:v/VqhC+70
ほす
793 :
北町奉行:2006/12/03(日) 17:49:37.30 ID:Qdk3B+zv0
保守
794 :
籠屋の銀二:2006/12/03(日) 18:00:29.93 ID:tZ/QWxXFO
WAWAWA
795 :
VIP神:2006/12/03(日) 18:11:05.21 ID:v/VqhC+70
忘れ物〜
796 :
VIP悪魔:2006/12/03(日) 18:13:04.95 ID:MNv3oEZMO
うおっ!!!
797 :
VIP魔王:2006/12/03(日) 18:13:56.60 ID:6wjsyeqN0
すまん
ごゆっくりー
799 :
VIP皇帝:2006/12/03(日) 18:29:22.96 ID:MNv3oEZMO
面白い人
800 :
VIP村人xxx:2006/12/03(日) 18:30:34.80 ID:m/AU08lf0
どうすっかなー><
801 :
VIP侍:2006/12/03(日) 18:32:03.13 ID:kZwTR4DOO
…なに?
802 :
VIP足軽mp3:2006/12/03(日) 18:41:32.33 ID:pbLD2Ige0
保守
803 :
VIP村人Ecup:2006/12/03(日) 18:42:55.01 ID:kaI4NlAI0
まかせて。保守と情報操作は得意。
804 :
壷ふりお京:2006/12/03(日) 18:45:01.27 ID:qio/yKK80
マジでくたばる5秒前
805 :
VIP悪魔:2006/12/03(日) 18:58:11.02 ID:MNv3oEZMO
えー大変残念なことだと先生も思う
806 :
VIP商人:2006/12/03(日) 18:59:50.97 ID:OnQOwCzI0
807 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 19:01:38.70 ID:uzuNcvbGO
808 :
ウィキ”管理”人 ◆9wIWhQmhwg :2006/12/03(日) 19:02:37.66 ID:6wjsyeqN0
>>806 自殺乙
というわけで昨日に引き続き本音スレの議論と企画についての話を雑談所でしますので出来ればご参加下さい
809 :
VIP毒蛇:2006/12/03(日) 19:22:26.39 ID:MNv3oEZMO
長門長門長門長門長門長門長門長門長門長間長門長門長門長門長門長門長門長門
保守
810 :
VIP足軽neet:2006/12/03(日) 19:39:57.47 ID:pbLD2Ige0
保守
811 :
VIP足軽flash:2006/12/03(日) 19:56:06.32 ID:8wI5HDftO
携帯復活の保守
812 :
姫:2006/12/03(日) 19:58:26.69 ID:6EXRGRiv0
先日投下した「繋ぎとめる想い」がwikiに上がってた。
誰かがまとめてくれたみたいだね。サンクス
そして保守
813 :
VIP毒蛇:2006/12/03(日) 19:59:36.04 ID:MNv3oEZMO
ハルヒ
814 :
VIP番長:2006/12/03(日) 20:10:30.53 ID:I6EOa69RO
テラ谷口ww
>>787 充分おもしろいお!!またかいてくれ!!
815 :
壷ふりお京:2006/12/03(日) 20:17:45.37 ID:fv7SNX/10
「人間はさあ、よく『やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがいい』 って言うよね。 これどう思う?」
そんな人生の教訓を残してくれた彼女はもういない。
816 :
はぐれVIPPER:2006/12/03(日) 20:28:23.16 ID:WsY+voei0
「人間はさ、よくヤらなくて後悔するよりも、ヤって後悔した方がいいって言うよね」
「いや、もうそのネタ既出過ぎて飽きたから」
「…・・・・・・じゃあ、死んで」
「Why なぜっ!?」
817 :
VIP女神:2006/12/03(日) 20:33:25.47 ID:MNv3oEZMO
谷口ってなんでああバカなんだw
818 :
姫:2006/12/03(日) 20:33:58.12 ID:Qdk3B+zv0
朝には続スレかな・・・?
819 :
姫:2006/12/03(日) 20:40:17.23 ID:ywX7yf/GO
「なあ」
「しょっぱなの自己紹介のアレ、どのへんまで本気だったんだ?」
「自己紹介のアレって何」
「いや、だからSSの作者がどうとか」
「あんた、SSの作者なの?」
「……違うけどさ」
「違うけど、何なの」
「……いや、何もない」
「だったら話しかけないで。保守の邪魔だから」
820 :
VIP女神:2006/12/03(日) 20:47:26.69 ID:MNv3oEZMO
保守
821 :
VIP足軽e:2006/12/03(日) 21:01:15.88 ID:k2gq5cdb0
ほ
822 :
花魁:2006/12/03(日) 21:07:09.59 ID:jqXSZOyF0
今の瞬間、
wiki落ちてない?
823 :
VIP村人b:2006/12/03(日) 21:08:13.58 ID:iX05hpUB0
wikiが吹っ飛んでる
824 :
VIP侍:2006/12/03(日) 21:09:22.44 ID:cxqcNYla0
過疎だなぁ…
投下があれば明日の朝には次スレは行ってそうだが
てゆうか行ってるな…
825 :
牛のふん:2006/12/03(日) 21:10:11.57 ID:SHimSAGX0
復帰したっぽい
やたらと重いみたいだね
826 :
花魁:2006/12/03(日) 21:11:17.11 ID:Qdk3B+zv0
今夜投下あるぞい。
11時頃だったかな?
827 :
VIP侍:2006/12/03(日) 21:11:25.49 ID:cxqcNYla0
誰か編集してんじゃない?
828 :
VIP侍:2006/12/03(日) 21:12:25.00 ID:cxqcNYla0
雑談所の投下予告スレ見ようね
830 :
ウィキ”管理”人 ◆9wIWhQmhwg :2006/12/03(日) 21:17:05.11 ID:6wjsyeqN0
831 :
VIP番長:2006/12/03(日) 21:34:49.30 ID:MNv3oEZMO
(((゜д゜;)))
832 :
牛のふん:2006/12/03(日) 21:36:17.14 ID:3Puu8+3v0
乙女朝倉さんの続き読みたい・・・
投下まだかな
もうちょっとで投下できるはず……あと少し修正して準備するだけです。
アナルスレで遊びすぎた。
一応予定通り11時に投下するつもりです。
834 :
VIP魔王:2006/12/03(日) 21:43:50.73 ID:Va4/SGXB0
>>833 ちょwwwwwあんた、ああいうのも書けるのかwwwww惚れたwwwww
835 :
籠屋の銀二:2006/12/03(日) 21:44:02.98 ID:wNmDSv/tO
836 :
VIP番長:2006/12/03(日) 21:44:27.49 ID:MNv3oEZMO
重
837 :
VIP侍:2006/12/03(日) 21:49:38.59 ID:cxqcNYla0
age
838 :
牛のふん:2006/12/03(日) 21:54:18.55 ID:3Puu8+3v0
紛らわしくてスマン
「あたしの世界が終わるまで」の朝倉さんだ
もちろんこっちのも楽しみにしてる
839 :
棒またぎ姫:2006/12/03(日) 22:02:44.58 ID:Fbm6Sdq+O
かなり短編投下していいかな?
支援いらずのまとまりのない日常物だが。
お久しぶりです!『a unique solution』を書いた者です。
(忘れ去られていると思いますが……)
先週一段落したと思ったら結局仕事が立て続けに入ってSS書けなかった状態でした……
で、突然ですが本日10時半頃投下したいと思います。
ハルヒ視点……じゃなくて、なんと阪中視点です!
全力でゴメンナサイ!!
雑談所のスレにも書いたんですが、当日なのでここにも予告しておきます
841 :
VIP侍:2006/12/03(日) 22:03:21.42 ID:MNv3oEZMO
VIPも重いwikiも重い
842 :
壷ふりお京:2006/12/03(日) 22:03:43.04 ID:uzuNcvbGO
カモン
843 :
悲しい一人暮らし:2006/12/03(日) 22:04:26.95 ID:WsY+voei0
あのねのね
844 :
ゆずれない ◆mtod1dSyOc :2006/12/03(日) 22:05:32.63 ID:Fbm6Sdq+O
じゃあ投下がある前にささっと行きます。
かなり短いからすぐ終えますんで。
「有希とキョンと一緒か……なかなかない組み合わせよね」
くそう、古泉の奴め。朝比奈さんと二人きりとは実に羨ましい。
こっちは宇宙人とトンデモ団長との三人旅だってのに。
「さ、行くわよ!二人とも早くするっ!」
俺はとりあえず会計を済ませ、先を歩く二人の背中を追いかけた。
「どっちに行こうかしら。西側?それとも東側?二人ともどっちがいい?」
どうせどっちに行っても何も見つかりゃしないんだ。楽な道が多い方を選ぶか。
そう思って俺が口を開こうとした時だった。
意外な人物がハルヒを怒らすような台詞を吐いたのだ。
「図書館」
長門よ……頼むからゴタゴタだけはやめてくれ。
「ほほーう、有希。あんたいい度胸してるじゃない。図書館にどんな不思議があるのか今すぐ言いなさい」
ハルヒは少し怒っているようだ。そういえばハルヒが長門に怒ることは珍しいな。
「不思議はない。だけど読書で知識を得ることと、心の平穏を得ることは大切」
言ってることは間違ってないが、やってることは間違いだ。ハルヒに対しては火に油なんだよ。
「何でよ、有希。いつもはあたしについてきてくれるのに、なんで今日はそんなにわがまま言うのよ!」
少し考える様子を見せた後、長門はゆっくりと口を開いた。
「……彼がいるから」
俺って長門に頼りにされてるんだな。うれしいもんだ。
……だからそんなに睨まないでくれよ、ハルヒ。
「……だってさ。どうすんのよ、キョン。どっちでもいいからあんたが決めなさい」
どっちの機嫌も損ねない方法があったら教えてくれ。
まったく……しょうがない、ハルヒには後で埋め合わせするとしよう。
845 :
ゆずれない ◆mtod1dSyOc :2006/12/03(日) 22:06:15.15 ID:Fbm6Sdq+O
とりあえずは図書館に行こう。そこでハルヒは俺と不思議を探すぞ。それじゃダメか?
「……しょうがないわね。今日だけは有希に特別サービスしてあげるわ」
これにて、一件落着。
三人で図書館に入り、すぐさま長門は大量に並べてある本の山へと足を進めて行った。
「あ〜あ、あんたって本当に有希には優しいわよねぇ。……あたしには気を遣ってくれないくせに……」
ん?最後の方が聞こえなかったんだが……。
「聞こえないように言ったのよ」
そうか。長門に優しいのは……なんだか世話したくならないか?あいつ見てるとさ。
「なによ、あんたどこのお父さんよ」
じゃあお前がお母さんか?
「ば、ば、バカ!……確かに有希はかわいいし、面倒みたくなるわよね」
だろ?だから今日は許してくれよ。何でも言うこと聞いてやるからさ。
「ふぅん……何でも?」
出来る範囲でな。
「じゃあ、今日の夜に二人で探索やり直しね」
よ、夜って何時だよ。
「九時からでいいわ。また駅前に集合ね」
やれやれ、これも自業自得って奴か。
まぁいいだろう。たまには星空の下で散歩ってのも悪くない。本当に何か出てきそうな気はするがな。
846 :
ゆずれない ◆mtod1dSyOc :2006/12/03(日) 22:07:35.61 ID:Fbm6Sdq+O
しかし……読書と探索か。二人とも譲れない物を持ってるんだな。
俺にもいつかそんな物が出来るだろうか。
「キョン、有希。そろそろ時間だから戻るわよ!」
俺と長門の腕を取り、晴れやかに笑うハルヒ。
とりあえずはこの笑顔を曇らせたくないってのが俺の譲れない物だな。
……なぁ、ハルヒ。
「なによ、バカキョン」
夜の探索、楽しみにしてるぜ。絶対に何か見つけだそうな。
「……あったり前じゃない!少しでもダラけたら……死刑だからねっ!」
改めてハルヒの笑顔を見て、俺は微笑み返した。
図書館から外に出ると、季節など関係無しに太陽光が照り付けてきた。
まるで、ハルヒの笑顔のようだな……。
「ほらっ!バカキョン!早くしないと置いてくわよ!」
何がうれしいのか、満面の笑みで長門を引っ張って猛ダッシュをしている。
そんな二人を見て、幸せな気持ちと、大切な物に気付いた晴れた日の午前なのだった。
おわり
以上。スレ汚しスマソorz
847 :
壷ふりお京:2006/12/03(日) 22:09:20.35 ID:uzuNcvbGO
乙!
そういや、「夜に探索」ってのは初めてのセリフだな。
848 :
散髪とめきち:2006/12/03(日) 22:10:04.96 ID:lHWJzQA/0
>>846 お母さんハルヒとお父さんキョンと娘長門は大好物です!!
癒された
GJ!!
849 :
VIP村人u:2006/12/03(日) 22:11:39.09 ID:SM16RXYJ0
むす古泉
851 :
棒またぎ姫:2006/12/03(日) 22:23:27.84 ID:Fbm6Sdq+O
『 the other equations for a unique solution ──Sakanaka──』
「涼宮さん」
一年九組の前で突然声を掛けられた。わたしの隣りにいた『涼宮さん』が。
音楽の授業が終了して教室に戻る道中は、わたしが涼宮さんと話すことができる数少ない機会。
話す、といっても彼女がSOS団の活動内容を面白そうに──というか嬉しそうに話しているのがほとんどなんだけど。
でも一学期の頃の頑なな涼宮さんの態度と比べたら、この一見スムーズにみえないコミュニケーションさえわたしは心地好く感じていた。
だからそのおしゃべりを遮った一言に少なからずわたしは落胆した。
今日はいつもより話せてない。物足りないし、一抹の寂しさがよぎる。
この場所からして声の主はSOS団の古泉一樹君かな。でも彼ってこんな声だったかしら。
声がした方を振り向くと、見知らぬ男子生徒がいた。あ、人が良さそうなカンジ。
その至って温厚そうな男子生徒は、涼宮さんと面識があるみたいで「ちょっといいかな」と来た道の方を指差した。
そう言われた涼宮さんの顔が心持ち緊張してるように見えて、わたしは少なからず驚いた。だって珍しいよ、涼宮さんが誰かに対して緊張するなんて。
涼宮さんは「ええ」と短く答えて、隣りいたわたしに何も告げずその男子の後について行ってしまった。
もはやしょきのなごりなんてたいとるぐらか。。。
「ねえねえ、涼宮さんどうしたの?」
今まで五歩ほど先を歩いていたクラスメイト達が、取り残された形となったわたしに近付いてきた。
わたしは「さあ……」と答える他ない。わたし自身聞きたいくらいだから。
その返事は彼女達にとって事実どうでもいいらしく、今度はなにやら勝手に憶測して笑いあっている。あまり感心しないなそういうの。
話には参加せずぼんやりクラスメイト達を眺める。笑いさざめく彼女達の向こうにこちらを気にしている榊君の姿が見えた。目が合った途端彼はすぐに目を逸らし足早に教室に向かう。
やっぱり気になるのかしら。
彼は文化祭で涼宮さんがバンドの代役を努めた頃から、音楽の授業中に涼宮さんに話しかけるようになった。
涼宮さんが授業でソロで歌い上げた時なんか褒め称えていて、榊君に想いを寄せている女子の様々な視線が側にいたわたしまで痛かったくらい。
でも当の涼宮さんは「当たり前じゃない」とか「あっそ」とか当然ながらにべもない様子で、最近はまた疎遠になりつつあったんだけど……一度気に掛けた女子が他の男子と二人きりでどこかに消えていく様子は内心穏やかじゃいられないのかな。
──わたしもだけど。正直、気になって仕方がない。
『彼』はどうなんだろう。
教室に戻ると『彼』は自分の席で谷口君や国木田君と話していた。でも目は教室に戻ってきたクラスメイトに注がれている。いつものことだ。
──涼宮さんを待っているのね。
どうしよう、さっきのこと言うべきかな……
でも急にこんな話するの変だよね。でも「言わなくちゃ」と何かが背後からわたしを急きたてている。
どうしよう、どうしよう……
もどかしい気持ちを抱えながら、無意識に『彼』の方を見つめていた──
と、突然彼と目が合った。『彼』は榊君のように目を逸らさなかった。寧ろ目標を発見したという顔。
わたしを認めるや否や、
「ハルヒは?」
一瞬わたしは言い澱んだ。いざ言う機会が与えられたら、本当のこと話していいのかどうか迷った。
でも次の瞬間わたしは、背後の何かに後押されたかのように口を切った。
「あのね、教室に戻る途中九組の前でクラスの子に話しかけられてついて行っちゃったのね。──誰だったのかな、あの人」
いつもあまり変化がない『彼』の表情に衝撃が走ったような気がした。この状況説明だけで。何か知っているのかな?
「──そうか」
『彼』は席を立った。真剣な顔。何かを決意した、そんな表情。
「あれキョン、鞄置いたままどこ行くの?」
国木田君の問いに短く「便所」とだけ答え、『彼』は教室の扉にいつもの歩調で向かっていった。
そして、
廊下に出た途端、凄い勢いで走り出したのがわたしのいた場所からも見えた。
彼の姿が見えなくなって、わたしは残されたクラスメイトである男子二人を振り返る。
谷口君は「どうしたんだ、アイツ?」と怪訝そうな顔をしていた。
谷口君の疑問はごもっともだと思う。『彼』があんなに慌てる姿なんてなかなか見かけないもの。
国木田君は何か思い当たる節でもあるのかな?
──だって『彼』が消えてっいった扉の方を眺めながら無言で微笑んでいたから。
結局謎は謎のまま、わたしは部活に向かった。音楽室へまた来た道を戻る。
と、少し先の廊下に見知った後姿を見つけた。長身の男子。
「古泉君」
思わずわたしは彼の背中に声を掛けていた。どうしてだろう。いつもだったら会釈する程度なのに。
彼は振り向いてわたしの姿を認めると如才なく、
「ああ阪中さん、でしたね。これから部活ですか?」
「うん、そうなの。古泉君は?」
「僕はこれからバイトがあるので、団のほうはお休みさせていただきました」
と肩を竦めて微笑んだ。「そっか」とわたしはうわ言のように呟く。そして半拍おいて、古泉君の姿を見たときから聞きたくて喉の奥で詰まっていた言葉たちが勢いつけてわたしの口をついて出てきた。
「あのね、さっきね、音楽の授業終わって教室に戻る途中なんだけど、九組の前で涼宮さんが知らない男子に話しかけられてね、そのままどこかに行っちゃったんだけど……古泉君知ってる?というか見てたかな?」
「──いえ、知りませんでしたね」
きっぱり否定されてしまった。
でも、
本当は知ってるんだ、古泉君。いつも穏やかな目が一瞬だけ堅くなったもの。でもわたしには話せない、そういうことなのね……
わたしはそのまま会話を途切らせるのがなんだか気まずくて、今日謎に思ったことその二を話し出した。
「それでね、教室に戻ったあと、『彼』──キョン君にもそのこと話したら、真剣な顔になってね、で、慌てて教室飛び出していって……古泉君?」
大して親交もない、しかも学年でも人気が高い男子生徒に思わず怪訝な声をかけてしまった。だってわたしが話してる途中で顔を俯けて、終いには肩を震わせてはじめたんだもの。
どう見ても笑いを堪えているようにしかみえない。わたし変なこといったかなあ……
「いえ、すいません、阪中さん──あなたのせいではないんです」
不安そうなわたしの表情を読みとってか、古泉君は呼吸を整えながらフォローを入れてくれた。ちょっと安心したけど、それじゃ何がそんなツボに入ったのだろう。
「いや、そうですね、なんと言うか『彼』の行動が──ええと、慌てて教室を飛び出だして?」
「うん……というか廊下出るまでは平静だったんだけど、廊下出た途端凄い速さで走っていったの……」
わたしは流されるままにさらなる詳細な状況説明をすると、古泉君はとうとう堪えきれなくなって吹き出した。「いやはや参りました」と言いながらくつくつ笑っている。
……ごめんキョン君、余計なこと話しちゃったかも。
当惑するわたしを置いてきぼりにして一頻り笑ってから、古泉君は改めて「阪中さん」と向き直った。わたしもちょっと畏まる。
古泉君は微笑んで言った。
「ありがとうございます」
その微笑みはいつもと大差ないようで、でもすごく嬉しそうに見えた。ああ、さっきの国木田君もこんな感じの笑顔だったな。
古泉君は満足げな顔で「ではまた」と足早に去っていってしまった。廊下にぽつんと取り残されるわたし。
なんで古泉君がわたしにお礼を述べるのだろう。さらに謎が深まった気がしたけど、一方で古泉君の笑顔でわたしの中の何かが解決した。
わたしがしたことは正解だったんだ。『彼』にとっても、涼宮さんにとっても、そして古泉君、もしかしたら国木田君にとっても。
──わたしにとっても。
自然と笑みがこぼれてくる。
今日は涼宮さんとそんなに話せなかったけど、いつもよりずっとずぅっと気分がいい。
明日涼宮さんが笑顔だったらいいな──ううん、絶対太陽が十個重なったみたいな笑顔でいる。そうに違いない。
そして『わたし達』はその笑顔を見てもっと嬉しくなるのだ。
わたしは鼻歌を歌いたいのを堪えて、でも足取り軽やかに音楽室に向かった。
──終わり
以上です。
ハルヒ視点を書くといいながらすみません。仕事が落ち着いたと思ったら阪中が突如降りてきたので、彼女を先に書きました。
しかしハルヒがなかなか降りてきてくれません。降りてこないと甘いの書けないんですがね(笑)
あと予定としては長門視点も書けそうです。予定は未定なのでなんとも言えませんが……
しかし仕事がこれから修羅場ってくるので投下はかなりの亀になると思いますorz
Wikiの編集は火曜日の朝にでも自分でします。
これから明日にかけて嫁ぎ先に行かなくてはならないので……
860 :
壷ふりお京:2006/12/03(日) 22:36:51.06 ID:uzuNcvbGO
乙!
仕事がんがれ。
861 :
棒またぎ姫:2006/12/03(日) 22:38:12.89 ID:Fbm6Sdq+O
乙GJ!
私生活ともどもガンガレww
ゆっくり考えて良い作品を書いてくれ。期待してるぜ
>>860-861 ありがとうございます。
投下と言いつつ短くてスミマセン。
精進しますorz
そうでもないと思うからいいんじゃない
864 :
武器屋のじじぃ:2006/12/03(日) 22:55:18.30 ID:/SLhB8ZLO
敬愛の人乙です!
雑談所見て飛んで来たよ!
阪中視点なかなか興味深いっす!!
お仕事も乙です!嫁にいってもたまにでいいから書いてください!
865 :
VIP足軽s:2006/12/03(日) 23:04:14.90 ID:+jrWJGHO0
●<マッガーレ
誰でも一度は願うだろう。
自分も漫画やアニメの主人公のような生活が送ってみたい!、と。
かわいい女の子と一緒に肩を並べて登下校する。
一緒に部活動をしているうちに二人の距離が縮まっていく。
別の女の子が現れて自分を取り合う。
そんなありふれた恋愛ドラマの主人公になることを拒絶する人間がこの世にいるだろうか。
いや、そんなヤツがいたら異世界人だね。きっと。
この世で一番幸せな高校生というのはおそらくきっとそういう高校生のことを言うのだ。
特に俺は子供の頃好きだったある漫画のような青春を送るのが夢だった。
不運にも交通事故で亡くなった双子の兄の代わりに、
高校野球で全国制覇して、
「○○達也は××南を愛しています」
なんて愛の告白を発するほどの熱くて未熟な青春物語の一端でいいから味わってみたいなどと願ってみたりもした。
しかし、現実ってのは意外と厳しい。
実際のところ俺には不運に交通事故で死ぬはずの双子の兄もいなければ、
野球どころかスポーツの才能もこれっぽっちもないし、
なによりかわいい幼馴染のお隣さんも最初からいないのだ。
世の中の物理法則がよく出来ている関心しつつ自嘲しつつ、
いや、よく考えると物理法則と何の関係も無いなと思い返しつつ、
俺はいつしかそんな青春にあこがれるような気持ちを持たなくなっていた。
たいていの現実の青春はそんなもんだ。
そんなことあるワケねー……でもちょっとはあって欲しい、
みたいな最大公約数的なことを考えるくらいにまで俺は成長したのさ。
868 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:05:45.84 ID:uzuNcvbGO
wktk
中学校を卒業する頃までには、俺もそんなガキな夢をみることからも卒業して、
自分の青春の普通さにも慣れていた。
せめて高校を卒業するまでには彼女の一人くらいは作っておきたい。
かわいくなくてもいい。普通の女の子と一度でいいからそういうしょっぱい青春を味わうだけ味わってみたい。
そんなことを頭の片隅でぼんやりと考えながら俺はたいした感慨もなく高校生になり、
奇遇にも、俺の好きだったその某野球漫画のヒロインと同じ苗字を持つ──、
朝倉涼子に出会った。
『朝倉涼子の観測』アナザーストーリー
──朝倉涼子の世界──
第一話:世界の分岐点
870 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:06:43.50 ID:uzuNcvbGO
支援
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたらあたしのところに来なさい、以上」
それはたまたま最初に俺の後ろの席に座っていたやつが、
最初の発言でいきなり素っ頓狂な自己紹介をして、
教室に沈黙の妖精を30秒程飛ばしたときから始まった。
長くて真っ直ぐな黒い髪にカチューシャをつけて、
クラス全員の視線を傲然と受け止めるこの人物の顔はこの上なく整った目鼻立ちをしている。
かなりの美人である。
こんな子が今の発言を口にしたのか?
それとも俺の聞き間違いだったのか?
その女は喧嘩でも売るような目つきでゆっくりと教室を見渡すと、
ニコリともせず着席した。
「ここ笑うとこ?」
そろらくクラスの全員の頭の中にこのような疑問符が浮かんでいたことだろうが、
結果から言うとそれはギャグでも笑いどころでもなかった。
涼宮ハルヒは常に大マジだったのだ。
だが、俺がそのことに気づくのはもう少し後のことである。
俺は変わった子がいるもんだな、と思いつつも、
少しくらいの変人なら、関わらなければ別にどうということはないとタカをくくっていたのである。
涼宮ハルヒは実は少しどころかとてつもない変人だった。
徐々にではあるが、その奇矯な変人ぶりの一端を見せ始めていた。
まずその一つ目として、髪型が毎日変わる。
曜日によって法則性があるらしい。
次に体育の授業での着替えの際に、男子がいる前でいきなり着替えだしたりする。
なので俺達はいつも体育の授業の時間になると、
朝倉に追い出されるようにして急いで教室から出ないといけなくなる。
三つ目は休み時間になると必ずどこかへいなくなり、放課後もすぐにどこかへ行ってしまう。
放課後はてっきり真っ直ぐ帰宅しているものとばかり思っていたが、
どうやら毎日違う部活に仮入部していたのだという。
その変人ぶりに「今年の一年に変な女がいる」という噂が瞬く間に学校中に響き渡ることになった。
いつしか涼宮は触らぬ神にたたりなし的な存在となり、
涼宮のやることについては誰も口を出さないという暗黙の了解が、クラスの中で出来上がっていた。
873 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:07:34.76 ID:uzuNcvbGO
支援
それでもクラスの何人かの女子は、
いつも不機嫌そうに眉間にしわを寄せ、唇をヘの字にしている涼宮ハルヒに、
わざわざ何やかやと話しかけてみたりもしていた。
だが、どんな風に話を振っても
「うるさい。あたしに話しかけないで。時間の無駄」
の一点張りでクラスの輪の中からあえてはみ出そうとする行動を取るのであった。
涼宮は常に何かにイラついているような様子だった。
ものすごい焦燥感に追われて、いつも体を動かしていないと気がすまないような生き方なのだろう。
「あの涼宮ってヤツは頭の中がかなりおかしいんだ。
お前、前の席にいるからって、声を掛けるのは絶対にやめとけよ」
俺の向かい側で一緒に飯を食っているコイツの名前は谷口。
なんでもあの涼宮と3年間同じクラスだったらしい。
なんでも谷口の話ではあの涼宮という女は、
ツラがいいことも手伝って、中学時代はそれはそれはモテたそうだ。
だが、付き合った男達はすぐに別れるの繰り返し、
長くて一週間、最短で5分で別れたヤツもいたそうだ。
俺にはどうしてその5分のヤツが自分からそのようなことをバラすのか、あまり理解できなかったが、
よくよく考えるとこの谷口が一番怪しく思えてくるのは気のせいか。
とにかく中学時代の涼宮の奇行は、かなり痛いヤツとしかいいようのないものだったそうだ。
校庭に石灰で変な絵文字を書いたり、
朝教室に行ったら机が全部廊下に出されていたり、
校舎の屋上にペンキで星マークを書いたり、
学校中に変なお札を貼り付けたりとそれはもう散々なことをやっていたらしい。
875 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:08:38.61 ID:uzuNcvbGO
支援
876 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:08:46.22 ID:Xy1aGzEP0
shienn
「いくらツラがいいって言ってもあれじゃあなぁ……
悪いことはいわん。後悔するだけだから涼宮だけはやめとけ」
やめとけも何も俺は最初っからそんな気はサラサラ無い。
「俺だったらそうだな、このクラスでのイチオシはあいつだな、朝倉涼子」
そう言いながら、谷口はたくさんの女子に囲まれながら談笑するクラス委員長の方に目線を送った。
クラスの中でもひときわ目立つ存在だ。
なんでも谷口いわくあの朝倉は美人な上に性格もよく、頭もよく、
谷口的ランキングではAAランク+なんだそうだ。
美人であるという点に俺は完全に異論はなかった。
長くて真っ直ぐ伸びた髪に、整った目鼻立ち。
歩く姿にも一ミリも乱れはなく、いつもしなやか。
そしていつも笑顔を絶やさないその姿。
性格がいいというのもうなずける。
朝倉はクラスの誰もがやりたがらないであろうクラス委員長に自ら立候補し、
まだ入学式からわずか数日しかたっていないにも関わらず、
クラスみんなの心を掴み取り、あっという間にクラスの中心的存在へとなっていた。
誰だって彼女に選ぶなら朝倉を選ぶだろう。
だが、谷口にとってはどうみても高嶺の花だし、
万一にも俺と付き合うということも想像がつかない。
だいいち余りに清潔すぎて話が合わなさそうだ。
「たしかに朝倉さんはキョンとはウマが合わないかも……
だって昔から変な女が好きだったからね」
横から俺の昔の話を出したこいつの名前は国木田。
中学時代からの俺の友人だ。
ちなみにキョンってのは俺のあだ名だ。
中学時代からのあだ名だが、こんなあだ名が俺についた理由はここでは省くとする。大して面白い話でもないからな。
「誰が変な女好きだ」
「朝倉さんが実は変な人だといいね」
国木田がからかうように俺のことを見て笑った。
878 :
VIP侍:2006/12/03(日) 23:09:26.50 ID:o/70PB5uO
しえん
879 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:09:48.52 ID:Xy1aGzEP0
shienn
880 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:09:57.07 ID:uzuNcvbGO
支援
実をいうと俺はこの涼宮に本気で声をかけてみようかどうか何度か迷っていた。
俺の趣味が変な女好きだという、誤解を生みそうな国木田の説明とはなんの関連は無い。
単なる好奇心とでもいっておこう。
それにはっきりいってこいつはなかなかの美人だ。
後ろの席にそういうかわいい子がいたら、
誰だって少しは声を掛けてみたくなる誘惑に心をかられるだろう。
ましてや、涼宮はクラスから孤立し始めていた。
普通の人間であればものすごく心細い心境なのでは無いか。
少しくらい声を掛けてあげた方が本人も嬉しいのではないか。
だが、谷口の助言のように救いようのないほど頭のおかしい人間だったらどうしようか。
そのような葛藤が頭の中をかけめぐり、
結局のところなかなか声をかけられずにいた。
そんなある朝、たまたま少し早めに教室についた俺は、
後ろの席でいつものとおりのムスッとした美人が一人佇んでいるのを見て、
なんとなく今日こそは声を掛けてみようと思った。
人間は誰しもやらないで後悔するより、やって後悔したほうがいいという。
別に声を掛けるくらいで俺が何かに困るような事態に陥ることはあるまい。
そして俺が声をかけようと口を開きかけたその瞬間──。
「ねえ、この前自己紹介のあれってどこまで本気なの?」
なんと俺のほかにこの涼宮に自ら声をかける奇特な少女がいた。
谷口的このクラスのナンバー1美人AAランク+。
朝倉涼子だ。
882 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:10:46.09 ID:Xy1aGzEP0
shienn
883 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:10:46.34 ID:uzuNcvbGO
支援
「自己紹介のあれって?」
「宇宙人がどうとか……」
「あんた、宇宙人なの?」
涼宮は憮然とした態度で朝倉のほうを見て
少し間をおいて答えた朝倉の返事は驚くべきものだった。
「そうよ。実はわたし宇宙人なの」
ぶはあっ!!
思わず吹いたね。
こんなまじめそうな顔した美人で性格もいいクラス委員長が、
まさかこんな冗談まで言うことのできるユニークな人だとは思わなかったからだ。
「んな……!」
涼宮のほうは朝倉の発言をひどい冗談と受け取ったのか、
あるいは自分のことをバカにされたと思ったのか、
顔を真っ赤にして激昂した。
「なにわけわかんないこといってんのよ!
宇宙人がそんな簡単に人前にホイホイ出てくるわけじゃないでしょ!
そんなんだったら誰も苦労しないわよ!」
いや全くその通りだが、
お前の言動は完全に矛盾してるな。
お前がこの中に宇宙人がいたらここに来なさいと言ったから、
宇宙人の朝倉さんがここに来たのかもしれないぞ?
まあ、そんなバカげた話はありえないんだが。
これでダメだったらもしこのクラスに宇宙人がいたらどうしてほしかったんだ?
結局お前には話しかけられないと思うぞ。
涼宮はそれっきり、そっぽを向いて拗ねるように口を尖らせて黙りこくった。
885 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:10:58.68 ID:Xy1aGzEP0
shienn
886 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:11:14.60 ID:uzuNcvbGO
支援
きっかけ。なんてのは大抵どうってことないものではなんだろうけど、
まさしくこれがきっかけになったんだろうな。
涼宮は朝倉に対して何らかの意識をするようになっていったのだろう。
涼宮は休み時間や放課後にになると教室からはすぐにいなくなるんだし、
声を掛けるなら朝のHR前の時間だけが朝倉にとっての涼宮との接触チャンスだったに違いない。
朝倉はそれからも何かにつけて、
クラスから孤立しがちな涼宮に積極的に働きかけていた。
いつのまにか朝のHRの前に時間を見つけては必ず涼宮に話しかけるのが朝倉の日課になっていた。
朝倉が朝の挨拶と共に涼宮に話しかける。
一言二言涼宮が返事をする。
そして涼宮が勝手に何かにキレて会話終了。
そんなことが繰り返されるのがこのクラスでの朝の日常風景になっていった。
しかし朝倉はめげなかった。
それからも朝倉の涼宮に対しての積極策は変わらなかった。
俺としては別にこの二人の会話に興味があったわけではない。
ただたまたま俺が涼宮の前の席に座っていたため、嫌でも二人の会話は聞こえてくるのだ。
「ねえ、曜日によって髪型を変えるのはなんで?」
「気づいてたの?」
そりゃ俺だって気づくわ。
気づいていてもわざわざお前に話しかけたりしないだけだ。
「あたし、思うんだけど、曜日によって感じるイメージって異なるような気がするのよね。
色でいうと月曜は黄色、火曜は……って何くだらない話させんのよ」
惜しい、後もう少しで初めて涼宮と長い会話を成功させることが出来そうだったところだ。
「あたしこの前の火曜日の涼宮さんのポニーテール。とっても似合ってると思うわ」
「これ以上話しかけないで。時間の無駄だから」
888 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:11:36.07 ID:Xy1aGzEP0
shienn
こんな何気ないやりとりが、少しずつ涼宮の行動に影響を与え始めていることに俺は気づかなかった。
朝倉自身もそのことに気づいていなかったに違いない。
だから次の日、涼宮が腰にまで届こうかという長かった髪をばっさり切って登場したときは驚いた。
「どうして髪切っちゃったの? すごく似合ってたのに……」
「うるさい」
「わたしが変なことを言ったせい? 気にしちゃった?
もしそうだとしたら本当にごめんなさい」
「うるさい」
朝倉さんはすごいね。
こんなふざけた態度のヤツにここまで付き合ってあげるとは。
こんな女神様のような存在に対してこの涼宮のなんと傲慢な態度であることよ。
はぁ〜、これでおんなじ人間だなんて信じられない話だねえ。
890 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:12:31.24 ID:uzuNcvbGO
支援
891 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:12:37.03 ID:Xy1aGzEP0
雑談所で冬企画が決まったようだよ支援
そんなこんなをしながら──もっとも、そんなこんなをしていたのは涼宮だけだったが、
5月に入り、ゴールデンウィークも明け、
このクラス最初の席替えの時間がやってきた。
やっとあの変な女と離れることが出来るチャンスを得たのだった。
委員長朝倉お手製の四つ折りにされた紙片のクジを引くと、
俺は窓際後方二番目というなかなかのポジションを獲得した。
その後ろ、ラストグリッドについたのが誰かというと、なんてことだろうね、
涼宮ハルヒが虫歯をこらえるような顔で座っていた。
なんでそんな顔をしているのかというとこの人物が原因だろう。
「涼宮さん、今度は席が近くなったわね。これからもよろしく」
朝倉はちょうど俺の右隣、涼宮にとって右斜め前の席に移動してきた。
朝倉が挨拶をすると涼宮はそっぽを向いて鼻をフンと鳴らした。
それがコイツ流の挨拶なんだろうか。
「よろしくね、キョンくん」
朝倉が満面の笑みで俺にも笑顔を振りまいてきた。
朝倉も俺のことキョンくんと呼ぶのか……。
しかし、この席替えが俺、そして朝倉の運命を大きく揺さぶるきっかけになっていたとは、
運命の女神様さえまだ知る由もなかったことだろう。
893 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:13:02.39 ID:Xy1aGzEP0
shienn
894 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:13:20.13 ID:uzuNcvbGO
支援
そんなある日、いつもの日常風景である涼宮に対しての朝倉の朝の会話から事は起こった。
「涼宮さんっていろんな部活に入ってるのね」
「今は入ってない」
「え? じゃあ、全部やめちゃったの?」
「そうよ! この学校にある部活全部に仮入部してきてやったわ。
なのにそれがどうよ!」
涼宮が机をドン!と叩く。
机がかわいそうだ。
「どこの部活もありきたり、当たり前のことしかやってない。
陸上部は陸上しかしないし、バレー部はバレーしかしない」
そうじゃなかったら何をしろというのだ。
陸上部でサッカーやってたらそれこそ問題だ。
きっと涼宮はそういう部活を望んでいるのかもしれないが、
そんな部活があったとしたらそれは廃部寸前の代物だ。
「ミステリ研究会なんてのもあったのよ。それが入ってみたらどうよ。
今まで一度だって事件らしい事件に出くわしたことが無いっていうのよ。
単なるミステリー小説オタクの集まりじゃない」
そういうもんだろ。
「超常現象研究会にはちょっと期待してたんだけど。
ただのオカルトマニアの集まり」
それで何が間違っているというのだ。
「あー、もう、つまんない! どうしてこの学校にはもっとマシな部活動がないの?」
「ないならそれで我慢するしかないじゃない」
朝倉はしょぼくれて不貞寝する涼宮の肩に手を置きながら、慰めるように語りかける。
「結局のところ自分が満足できるものなんて自分で作るしかないのよ。
どんなことでもそう。
でもそれは物凄く難しいことなの。
そんなにいい部活がないんだったら自分で作ってみたら?
自分でやってみようとすると実際その難しさがわかるものよ。」
896 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:13:48.21 ID:Xy1aGzEP0
shienn
897 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:14:21.58 ID:uzuNcvbGO
支援
「作るって?」
涼宮の声が少し高くなった。
初めて朝倉の話に興味を示した瞬間だった。
「え……だから部活を作る……」
「それよ!!」
また机をドン!と思い切り叩いて涼宮が立ち上がった。
勢いで涼宮の椅子が後ろに倒れる。
「えっ?」
朝倉がキョトンとした表情で涼宮のことを見つめていた。
朝倉も軽い冗談のつもりで言ったのだろうな。
涼宮にこんな反応が出来る人間だとは思ってもいなかったようだ。
涼宮は白鳥座α星くらいに輝いた目を朝倉に向けていた。
こんなに輝いている涼宮の表情は初めてだった。
「なんでこんな簡単なことに気づかなかったのかしら!」
涼宮はとてつもない大声で叫んだ。
クラスの全員が何事かと二人の方を向いた。
一瞬にしてクラスの空気がシーンと静まり返った。
だが涼宮はそんなことお構いなしに朝倉の腕を引っ張り廊下へと出て行った。
谷口の言ってたことの意味がようやくわかってきた気がする。
涼宮に声を掛けなくてよかった。
何をするのかわからんが、きっとあいつの思いついた出来事なんぞに巻き込まれていいことなんてあるはずがないのだ。
1時間目の授業の始まる鐘が鳴り、教師が点呼を取る寸前になってようやく戻ってきた涼宮は、
俺達に始めてみせる超特大級の明るい笑顔を作っていた。
朝倉の方はなんかマズイことを教えてしまったかのように苦い肝を噛み潰したような顔をしていた。
後ろの席についた涼宮は一人で「よーし、やるわよー」と小声で叫び、鼻息を荒くしていた。
いったい何をやろうというのか、
なんとも対照的な二人組みの誕生した瞬間であった。
899 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:15:03.76 ID:Xy1aGzEP0
shienn
900 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:15:15.05 ID:uzuNcvbGO
支援
数日後。
俺はいつものように何ともつまらない授業を終え、
義務的な用事もなくなった学校からオサラバしようと校門へ向かっていた。
そこでとんでもないものに出くわした。
目を疑った。
あのまじめな朝倉が、赤いバニー姿でチラシをまいていたらそりゃ誰だって驚くだろう。
大胆に開いた胸元からは想像通りのナイスバディーがはみ出さんばかりのエロスをかもし出し、
すらっとした長い足にハイヒール、頭の上に乗っかったウサギのヘアバンド、
お尻についたかわいい尻尾が、なんともいけない想像を張り巡らせるような風体であった。
「な、なにやってんだ朝倉……」
「あ、キョンくん。これはね、涼宮さんの命令で……
あ、わたしたちSOS団をよろしくお願いしま〜す。
不思議なこと、なんでも受け付けます。もし、自分が宇宙人でお悩みの方、
いらっしゃいましたら速やかにSOS団までよろしくお願いしま〜す」
朝倉は少し困った顔をしながらも通る人全てにきちんとチラシを渡していた。
チラシを手渡す際に相手のことを見つめながらしっかりと両手で握手するのも忘れない。
それにしてもこの朝倉ノリノリである。
涼宮は黒いバニーを着こなし、
こちらもかなり目のやり場に困るほどのグラマーな肉体を見せ付けていた。
涼宮の渡し方は相手に思いっきり顔を近づけ、
相手がそれを拒むように出した手に無理やりチラシを押し付けるというものだった。
902 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:15:32.30 ID:Xy1aGzEP0
shienn
903 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:15:50.01 ID:uzuNcvbGO
支援
うしろに更にもう一人小柄な少女がいて、
こちらはメイド服の衣装に身を包みながら一緒にチラシ配りをさせられていた。
とてもかわいらしい女性だが、谷口の1年美人ランキングに入っていないところを見ると上級生だろうか。
顔はとても幼い顔つきで、とても高校生には見えない容姿なのだが、
スタイルは大人でも敵わないほどの超グラマラスだ。
バニー服はこの人にこそ着せるべきではないだろうか。
いや、メイド服もそれはそれは大変お似合いではあるのだが。
チラシを受け取った男どもは皆相応に顔を赤くするか、
顔の形が崩れるか、のどちらかの反応を示してその一団の様子を見守っていた。
うちのクラスの山根が写真撮影は出来るかどうかと涼宮に交渉している。
その気持ちはたしかにわからなくもない。
焼き増しすればきっと高い値がつくに違いない。
俺も写メで撮影したくて心の中ではうずうずしていた。
いろいろすったもんだがあったあげく「5枚までよ」の発言と共に指を一本立てた涼宮が、
山根から1000円札を受け取ろうとしたところで、
職員室から出てきた岡部達数人の教師によって涼宮の企みは中断させられた。
涼宮と朝倉ともう一人の上級生らしき生徒は岡部たちにその場から引き剥がされ、職員室へと連行されていった。
あのまじめな朝倉の内申がこれで悪くなってしまわないか少し心配である。
905 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 23:16:42.09 ID:8oWUi8HEO
支援
906 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:16:44.87 ID:Xy1aGzEP0
shienn
907 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:16:46.00 ID:uzuNcvbGO
支援
誰もいなくなった校門の前に何枚かのチラシが風に吹かれて舞っていた。
チラシを一枚拾って広げてみると汚い文字でこう書かれていた。
『SOS団結団に伴う所信表明。
我がSOS団はこの世の不思議を広く募集しています。過去に不思議な経験をしたことのある人……』
これ以上は読む気がしなかった。
あの暴走機関車女は朝倉をも巻き込んでこんなことをしていたのか。
何の略かは知らないがあの朝倉もSOS団とやらの一員になっているらしい。
少し気の毒な人だ。
やれやれ。
そしてだんだんと涼宮のとんでもない奇行ぶりが、
学校のそこかしこ中で噂されるようになった。
そもそもそのSOS団とやらは文芸部の部室を勝手に占拠して活動しているらしく、
コンピ研からパソコンをふんだくったり、
新しくうちの学校に転校してきたばかりの生徒を無理やり拉致り、
強制的に自分の団員にしてしまったり、
なんと部室内に本物のメイドさんまで連れ込んでいるという噂まであった。
数えたらきりが無いほどの暴走振りだ。
909 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:16:58.68 ID:Xy1aGzEP0
shienn
910 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:17:12.82 ID:uzuNcvbGO
支援
ある休みの日、
俺が街中での買い物の帰り際、朝倉を見かけた。
朝倉は昼下がりの喧騒の中、ただ無言で立ち尽くしているだけであった。
こんなところで何をしてるんだ?
「あら、キョンくん、こんにちは。
不思議を探しているって言ったらわかるかな?」
全くわからん。
話を聞くと、どうやら涼宮の提案で街中不思議パトロールというものを、
SOS団のメンバーと共にやっている最中なんだとか。
休みの日までわざわざ涼宮に付き合ってあげるなんて、
朝倉もとことん人のいい性格である。
朝倉の隣にもう一人少女がいることに気づいた。
余りの存在の薄さにそこにいることにすぐには気づかなかったが、
眼鏡を掛けた少し小柄なこの少女は、
今日は休みだというのにわざわざいつもの制服を着ている。
レンズの奥から暗い瞳をこちらに向けて俺を見上げる。
その表情からは無感情という感情すら一ミリも発していない、
ただこちらを見るという行動のみが顔をこちらに向けているだけだった。
「長門有希」
ぽつりと小さな声で一言だけもらし、すぐに目線を外した。
「それで、これから何をするところなんだ?」
「うーん、それを考えていたところなんだけど……
この辺りで不思議な現象が起きそうなところってどこかあるかしら」
そんなこと言われても至ってまじめな普通人の俺にはそんな場所など想像もつくわけが無い。
不思議といえば涼宮自身が不思議の塊みたいな存在なんだから、
自分一人で鏡でも観察してればいいのにな。
912 :
VIP将軍:2006/12/03(日) 23:17:34.88 ID:MNv3oEZMO
村人と乙女しか支援してないww
支援
913 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:18:09.46 ID:Xy1aGzEP0
shien
914 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:18:10.43 ID:uzuNcvbGO
支援
「じゃあ、せめて時間の潰せそうな場所とか知らない?
この長門さんも一緒に楽しめるようなところがいいんだけど……」
会ったばかりの俺にはこの長門さんとやらの趣味がどんなものであるかは知る由も無い。
具体的に何がしたいのか言ってもらわないことには見当もつかない。
「……本が読みたい」
それなら普通は図書館だろ。
「図書館?」
長門と一緒に朝倉も不思議そうに初めてその場所を聞くかのような表情を見せた。
おいおい、朝倉が知らないわけがないだろう。
「でもどこにあるものなのかわたしにはわからないわ」
この街に長く住んでりゃ結構誰でも知ってると思うんだけどな。
駅前の行政開発でこのすぐ近くに新しい図書館が出来たのは割りと最近の話だ。
「そうなんだ。でもわたし達そんなに昔からここに住んでるわけじゃないの。
この長門さんもそうなんだけど、3年前にこの街に引っ越してきたから。
わたしたち同じマンションに住んでるのよね」
朝倉の話しかけに、長門は返事もうなづきもしない。
ただじっとこちらを見つめ、俺の動きを観察しているようだった。
仕方ないな。
俺も別に忙しくはなかったので一緒に図書館に付き合ってあげることにした。
実をいうとこの図書館に入るのは俺も初めてのことだった。
館内には当然だが無数の本棚がびっしりと両側を埋め尽くしていた。
長門はまるで夢遊病患者のようなステップでふらふらとその本棚に向かって歩き出した。
朝倉もそれに続いて後からついて行った。
俺はというと別にこのまま帰ってもよかったんだが、
「へぇーこんな本もあるのか」と、適当に興味をそそられた本を取って、
数ページ読んだところでうとうとと眠ってしまった。
916 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:18:31.59 ID:Xy1aGzEP0
shienn
917 :
VIP足軽s:2006/12/03(日) 23:18:33.46 ID:+jrWJGHO0
紫煙
918 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:18:41.48 ID:uzuNcvbGO
支援
──…
「長門さん、もう行きましょ? ね? いい子だから」
なにやら駄々っ子をあやすような甘い声が聞こえて俺は眠りから目を覚ました。
もう4時か。結構長い時間寝てしまったな。
見ると朝倉が本棚の前の長門を引っ張って連れて行こうとやっきになっていた。
長門は床に根を生やしたように動かなくなっていた。
「長門さん、もう集合時間だから行かなきゃいけないの。
涼宮さん怒ってるかもしれないでしょ? それはあまり得策とは言えないと思うの。
だからこの本はもう置いて帰りましょ。
また今度一緒に来てあげるから。ね?」
俺は自分の読んでた……いや、実際には枕代わりにしていた本を元に戻し、
そんな二人の間に割って入るように声を掛けた。
「そんなに読みたければ借りればいいじゃないか。
家に帰っていくらでも読めるだろ」
「え? そうなの?」
朝倉が不思議そうな表情でこちらを眺めた。
意外なことに朝倉は結構普通の常識を知らない人らしい。
カウンターへ長門を連れて行き、貸し出しカード作成用の用紙をもらう。
「ほら、ここに名前と住所を書いて。
ここで貸し出しカードを作ってもらえばいくらでもタダで本は借りられるぞ」
時間がなくて焦る朝倉を尻目に、長門は何がなにやらさっぱり理解できていない表情だった。
その間に朝倉は何度も掛かってきた電話にいちいち応対しながら謝っていた。
きっともう集合時間とやらはとっくに過ぎちまったんだろうな。
なんとか本を借りるにはこれが必要であると説明し、長門に貸し出しカードを作らせ、
朝倉はようやく長門を図書館から引き剥がすことに成功した。
「ありがとね、キョンくん」
朝倉は俺に向かって軽くウィンクしながら長門の手を引いて駅前へと向かっていった。
長門は分厚い哲学書らしき本を大切そうに抱えながらこちらを見て、
ほんの少しだけ頭を俺に向かって下げたように見えた。
920 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:19:21.67 ID:Xy1aGzEP0
shienn
921 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:19:30.87 ID:uzuNcvbGO
支援
週明けの朝、俺の後ろの席にいる涼宮と朝倉がいつものように話しあっていた。
涼宮は今日は特に不機嫌そうな顔で、ぐったりと顔を机につけながら朝倉に向かって、
腹に溜まった不満を吐き出すようにつぶやいていた。
「ビラも配ったし、ホームページも作った、萌えキャラも謎の転校生も入団させた、
わざわざこっちから不思議を探しにも出かけた。
なのに何も起こらないのは何故なのよ。
あああ、そろそろパアッと事件の一つでも発生しないかな」
「ねえ、涼宮さん。やっぱりそうそう簡単には変な現象なんて起きないものなのよ。
そんなことに面白さを見出そうとしても確率的にはずっと低くなっちゃうわ。
もっと高校生らしい普通の生活を送ってみたらどうかしら。
無理に不思議なことを探さなくてもきっと面白い生活を見つけることは出来ると思うの」
「たとえばどんな生活よ」
今日は声にも潤いが無い。
「たとえば……そうね、休みの日にはかっこいい男の子とデートして、
映画を観たり、遊園地で遊んだり、おしゃべりしたり。
涼宮さんがもしそういうことを望んでいるならわたしがいい男の子を紹介してあげるから。
だって涼宮さんモテるんだから、もったいないわよ」
朝倉の言うことはもっともである。
きっと涼宮が普通の生活を望むのであれば、きっと人並み以上のいい生活を送れることは間違いないのだ。
わざわざそういう生活を捨ててまで、今のような奇人変人の茨の道を歩くのは極めて不自然である。
しかし涼宮はそんな朝倉の気遣いを余計にうるさく感じたのか、さらに不機嫌そうな顔になった。
923 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 23:19:45.36 ID:zeDIKRHdO
多分村人じゃない俺が支援
924 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:20:08.38 ID:uzuNcvbGO
支援
「ふんだ。男なんかどうでもいいわ。恋愛感情なんてのはね、一時の気の迷いよ、精神病の一種なのよ」
「そんなことないわよ。探せばかっこよくて優しい男の子だってきっと見つかるわ」
「そんなことなくない。
少なくてもあたしは何人かとは付き合ったことあるからわかるもの。
休みの日にぶらっと遊んで、食事して、話して、はいさようなら。
どこのカップルも同じよ。
結局のところ行き着く先はみんな同じなの。
よく飽きないわね、あんなありきたりの普通のことしてて何が楽しいの?
そんなこというんだったらね、涼子、あんたこそ男作って遊んでみればいいじゃない。
あんたモテるくせに一度も男と付き合ったこと無いんでしょ。
一度もそういうことしたこと無い人に言われたくはないわ」
涼宮の口から発したそれは意外な情報だった。
きっとクラスの数人の男達みんなが涼宮の話に聞き耳を立てていたのだろう。
クラスで男達の会話だけが一瞬止んでいた。
『あの朝倉はまだ男と付き合ったことが無い』
朝倉を清純派と信じて疑わなかった山根が左手でガッツポーズを作っていた。
学校中の男達の間でいろいろな憶測が飛び交った。
朝倉ほどの女となると男達はみんな自分と不釣合いだと感じてなかなか告白することができないのではないか。
だから実は朝倉は今まで告白されたことが無いのではないか。
実は男性恐怖症なのではないか。
926 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:20:15.38 ID:Xy1aGzEP0
shienn
「いや、実はもう好きな人はいるんだよ。
でも朝倉は奥手だからなかなか相手に思いを伝えられない。
ああ、その相手こそ罪深き俺のことだったのだ。
言ってくれれば俺はいつでもオーケーなのによ!」
これは谷口の言い分だ。
「実は本当はレズだったりして、キャー!」
これは阪中説だ。
しかしどのような噂でも、
まだ誰の女になったこともない超清純派の美少女であるということは
朝倉の株を余計に吊り上げることになった。
朝倉を巡る舞台裏での壮絶な男達の熱いバトルが繰り広げられる中、
さまざまな波紋を呼ぶことになったこの騒動は、
俺の下駄箱に一通の手紙が入っていたことで事態が急変するのである。
第2話「涼宮ハルヒの出方を見る」へつづく。
928 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:21:09.58 ID:Xy1aGzEP0
shienn
以上です。
支援お疲れ様でした。
930 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:22:04.04 ID:Xy1aGzEP0
931 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:22:28.80 ID:uzuNcvbGO
乙!
それにしても素晴らしい才能だなあんたはw
アナルといい、朝倉といい。
続きwktk
932 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 23:24:22.88 ID:Fbm6Sdq+O
乙!
あんまり動きがないから次からがwktk!
933 :
VIP足軽v:2006/12/03(日) 23:30:56.55 ID:o2HKgOJV0
谷口が実にらしくていいねw
934 :
VIP将軍:2006/12/03(日) 23:33:03.50 ID:MNv3oEZMO
保守
あと頼んだ
935 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 23:38:08.63 ID:zeDIKRHdO
「ちょっと!なによこれ!?」
「何って、見てわからないか?チョコだよ」
「そんなもんわかってるわよ!なんでこんなにあんのか聞いてんの!」
「だって……いっぱい食べたいだろ?」
「買い過ぎよ!幾つあんのよ!?」
「そうだなぁ。多分5kgはあるんじゃないか?」
「5kg!?あんたバカじゃないの!?」
「むっ!失礼な。俺はバカではない。確かにテストの点数は悪いが、バカとは自分の過ちに気付かない奴の事だ」
「じゃああんたはバカじゃないの!!」
「なんだよさっきから一々五月蠅いな。……もしかしてお前、食べたいのか?」
936 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 23:42:57.23 ID:zeDIKRHdO
「いらないわよバカ!」
「またまたぁ。ほら、ダースのホワイトチョコやるよ。それ旨いんだぜ」
「人の話を聞け!」
「いいからいいから。ほら、口開けろ。あーん」
「なにす!もがっ!……あ、おいしい」
「だろぉ?それと、そうじゃないぞ。『おいすぃ』だ」
「『お、おいしぃ』?」
「ノンノン。『オイスィー!!』」
「『オイスィー!』」
「もっと声を出して!『オィスィィイ!!!』」
「『オィスィィイ!!!』」
「うん、よく出来ました。ほら、これも食うか?ガーナだぜ?」
「へへへ〜。食べる食べる♪」
「なんですか?あれ……」
「甘いですね……」
「というより、ウザイ」
「「『オィスィィイ!!!』」」
チョコ(゚д゚)ウマー
937 :
だんご屋のはる:2006/12/03(日) 23:43:04.22 ID:8oWUi8HEO
支援
938 :
VIP神:2006/12/03(日) 23:43:41.35 ID:ci8GS/P70
939 :
VIP村人x:2006/12/03(日) 23:44:01.46 ID:0QTtOeBW0
「ちょっと!なによこれ!?」
「何って、見てわからないか?プリンだよ」
「そんなもんわかってるわよ!なんでこんなにあんのか聞いてんの!」
「だって……いっぱい食べたいだろ?」
「買い過ぎよ!どんだけあんのよ!?」
「そうだなぁ。多分5gはあるんじゃないか?」
「5g!?あんたバカじゃないの!?」
「むっ!失礼な。俺はバカではない。確かにテストの点数は悪いが、バカとは自分の過ちに気付かない奴の事だ」
「じゃああんたはバカじゃないの!!」
「なんだよさっきから一々五月蠅いな。……もしかしてお前、食べたいのか?」
940 :
VIP乙女:2006/12/03(日) 23:52:53.32 ID:uzuNcvbGO
チョコ5キロとかプリン5リットルってどっから持ってくるんだよw
941 :
VIP足軽t:2006/12/03(日) 23:54:37.04 ID:8Q2MD9CH0
SS書いてて疑問に思ったんだが、
ハルヒの世界って12/16が月曜日の年だよな?
16〜20が学校だから。
すみません。一昨日の夜に今日の夜に投下するなんて言っちゃいましたが、
予想以上に苦戦してまだ投下できる段階に持って行けていません。
明日の夜に投下したいと思います。すみませんでした。
943 :
VIP村人XL:2006/12/03(日) 23:57:21.94 ID:EFaVJsma0
944 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:57:26.55 ID:Xy1aGzEP0
>>941 2001年から2010年で12/16が月曜は2002年しかないな。
945 :
VIP村人t:2006/12/03(日) 23:58:32.44 ID:Xy1aGzEP0
946 :
内藤ホライゾン:2006/12/04(月) 00:00:55.74 ID:TlYgaEoe0
>>944 うん。
でもその年は7/7が日曜なんだ。
だから、現実にこんな年はありえない、ってことになる。
947 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 00:02:48.59 ID:a4kpTtG2O
谷川もそこまで深く考えてないから
>>942 焦らなくてイーンダヨ。
そろそろスレ埋まるしね。
949 :
VIP足軽MS:2006/12/04(月) 00:03:20.49 ID:roXcywfN0
950 :
愛のVIP戦士:2006/12/04(月) 00:03:42.95 ID:ihIInlpR0
>>942 俺が見逃したのかと思って焦ってたぜ
超wktk
951 :
牛のふん:2006/12/04(月) 00:06:50.41 ID:buYoX8/N0
ところで
いつからsage進行になったんだい?
952 :
水汲みおしち:2006/12/04(月) 00:07:08.70 ID:1nWkXRL1O
>950
次スレよろ
953 :
内藤ホライゾン:2006/12/04(月) 00:07:54.01 ID:TlYgaEoe0
>>943 d
どうやら条件を全部飲み込める年度自体が存在しないみたいだね。
深く考えないのが一番なんだろうか。
954 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 00:08:10.42 ID:a4kpTtG2O
>>951 俺はデフォでsageだからな……突撃対策じゃね
いや、sageは何となくだ。
最近パートスレ潰しが多いのも関係あるかと思うが。
956 :
VIP村人b:2006/12/04(月) 00:12:31.35 ID:qrjApBzJ0
957 :
愛のVIP戦士:2006/12/04(月) 00:13:22.69 ID:ACEOxwDyO
ここまで深く考察されると作者も油断できないなwww
958 :
VIP足軽MS:2006/12/04(月) 00:14:49.06 ID:roXcywfN0
959 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 00:14:56.94 ID:a4kpTtG2O
>>956 21日……センターがあるんだぜ?俺は無理だ
960 :
VIP足軽MS:2006/12/04(月) 00:16:13.40 ID:roXcywfN0
センター試験かぁ…
やっべw進路決まってねぇやw
962 :
ウィキ”管理”人 ◆9wIWhQmhwg :2006/12/04(月) 00:20:53.33 ID:OcG8x70A0
964 :
愛のVIP戦士:2006/12/04(月) 00:23:56.13 ID:ACEOxwDyO
管理人さんいつも乙です
仕事も忙しいだろうに
965 :
VIP村人c:2006/12/04(月) 00:25:03.48 ID:WiRAr3av0
管理人様に何かおごってやりたい気分だぜ
966 :
VIP村人s:2006/12/04(月) 00:27:25.98 ID:QpKIKkQc0
ハルヒ「
>>965その言葉、二言はないわよね? キョン?」
967 :
愛のVIP戦士:2006/12/04(月) 00:34:29.97 ID:ACEOxwDyO
飲み会から帰ってきた。今日なに投下されたの?
969 :
VIP足軽MS:2006/12/04(月) 00:42:16.37 ID:roXcywfN0
970 :
駅前食堂のメグ:2006/12/04(月) 00:45:16.28 ID:uXMYF5LV0
971 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 00:47:28.14 ID:a4kpTtG2O
972 :
VIP足軽MS:2006/12/04(月) 00:49:47.81 ID:roXcywfN0
誰か、新しいスレたてろよ。もうまずいだろ。
973 :
ex17落とさないでね:2006/12/04(月) 00:50:05.15 ID:Bcu2+8pQ0
sage進行ならVIP外でやればいいのに
974 :
駅前食堂のメグ:2006/12/04(月) 00:53:25.48 ID:uXMYF5LV0
976 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 00:54:11.67 ID:a4kpTtG2O
埋め
978 :
VIP足軽MS:2006/12/04(月) 00:55:35.69 ID:roXcywfN0
埋め
980 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 00:55:55.74 ID:a4kpTtG2O
981 :
駅前食堂のメグ:2006/12/04(月) 00:56:57.49 ID:uXMYF5LV0
貼った梅
982 :
VIP足軽MS:2006/12/04(月) 00:57:37.17 ID:roXcywfN0
テンプレ前に割り込んでスマン。
埋め
984 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 00:58:18.77 ID:a4kpTtG2O
埋め
986 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 00:59:24.22 ID:e2MKVUdqO
987 :
VIP村人s:2006/12/04(月) 00:59:50.43 ID:QpKIKkQc0
そぉい!
埋め
梅
埋め
ume
1000ならハルヒは俺の嫁
993 :
高校の女教師:2006/12/04(月) 01:01:11.02 ID:uXMYF5LV0
産め
994 :
VIP下手人:2006/12/04(月) 01:01:26.47 ID:rAZU3Z+b0
梅
996 :
VIP村人x:2006/12/04(月) 01:01:45.34 ID:PLAHK1ZHO
うめ
997 :
VIP村人d:2006/12/04(月) 01:01:46.96 ID:WiRAr3av0
どうぞ
or2
梅
うめ
1000 :
VIP村人t:2006/12/04(月) 01:01:53.31 ID:QpKIKkQc0
1000なら書きかけのを
今日中に書き上げて明日投下する。
1001 :
1001:
* + 巛 ヽ
〒 ! + 。 + 。 * 。
+ 。 | |
* + / / イヤッッホォォォオオォオウ!
∧_∧ / /
(´∀` / / + 。 + 。 * 。
,- f
/ ュヘ | * + 。 + 。 + このスレッドは1000を超えました。
〈_} ) | 次スレも…VIPクオリティ!!
/ ! + 。 + + *
http://ex17.2ch.net/news4vip/ ./ ,ヘ |
ガタン ||| j / | | |||
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