( ^ω^)ブーンが戦い、川 ゚ -゚)クーが護るようです
1 :
ex17落とさないでね:
代理代理うっほっほ
2 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:33:38.76 ID:J6PhgTje0
>>1 代理ありがとうございます
今回は第七話です
・・・ちなみに少し短めです
では、のんびりといきましょう
3 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:35:48.95 ID:wDGs2MNXO
復活してからずっと待ってたぜ
4 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:36:27.92 ID:KWCCRDd+0
おお、ちょうど思い出して検索かけたらグッドタイミング
5 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:37:26.14 ID:J6PhgTje0
第七話 『巡らずのすれ違い』
寂れたバー、『バーボンハウス』。
おそらくもう既に彼らにとっては行き着けになったであろう、その場所で
( ,,゚Д゚)「どういうことか、説明してもらおうか」
問い詰めが始まっていた。
(´・ω・`)「いきなりどうしたいんだい? 何か情報に不具合でも?」
酒を出しつつ、主は戸惑いながら問い返した。
しぃが嬉しそうに酒に飛びつき、飲み始める。
( ,,゚Д゚)「情報自体は合っていたさ」
だが
( ,,゚Д゚)「その情報、敵も入手していたぞ」
(´・ω・`)「敵だって馬鹿じゃないし――」
( ,,゚Д゚)「同時期に、同じ情報を得、同じ行動を起こしたんだぞ?
しかも向こうは、俺達が情報を得ていることを知っているかのようだった」
(´・ω・`)「同時期に……?」
6 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:38:00.94 ID:7iS3zU69O
イラネ
おもしろくないもん
7 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:38:37.09 ID:ptk4nENjO
wktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktkwktk
8 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:39:37.27 ID:J6PhgTje0
( ,,゚Д゚)「裏切り者か?」
(´・ω・`)「いや、それはありえない……」
でも、と主は付け足す。
(´・ω・`)「心当たりなら、ある」
( ,,゚Д゚)「……それは?」
(´・ω・`)「うん、実を言うと……情報は僕自身が集めてるわけじゃないんだ」
( ,,゚Д゚)「情報提供者がいるのか?」
(´・ω・`)「っていうか、このバーの部屋の奥で仕事をしてもらってるんだけどね。
彼が情報を集めて僕が売る、っていう役割なんだよ」
と、上げた親指で背後の扉を指す。
( ,,゚Д゚)「それが、どうした?」
(´・ω・`)「もしかしたら、ハッキングを受けたのかもしれない。
彼の仕事は全てPCでするから」
(;,,゚Д゚)「おいおい……」
9 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:41:39.10 ID:J6PhgTje0
(´・ω・`)「いや、決して悪い腕じゃないんだよ?」
ただ、と付け足す。
(´・ω・`)「彼は、この世で勝てない相手が一人いるって言ってたんだ」
( ,,゚Д゚)「勝てない相手……?」
(´・ω・`)「『どう足掻いても勝てない……彼は流石だ』ってね」
言葉と同時にカラン、とギコの酒に入った氷が鳴った。
10 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:43:35.91 ID:J6PhgTje0
『VIP』の本拠地である廃ビルの一室。
兄者に与えられた部屋は、質素な部屋だった。
明かりはほとんど無く、その暗闇の中で兄者はPCを操っていく。
結局、先日ジョルジュが殺してしまった荒巻が生き返ることはなかった(当然だが)。
とりあえずどうしようかという話になり、暫定リーダーに選ばれたのが兄者だった。
ジョルジュは馬鹿で、ツーも馬鹿で、クックルは問題外。
兄者が選ばれるのは、ある意味必然だった。
もちろんそれを口に出すことは無かったが。
( ´_ゝ`)「これが荒巻の持っていた資料……」
荒巻の目的を知るために、兄者は彼の集めた資料を解析していた。
ほとんどは合成獣に関する資料だったが、その中に一つ二つ興味深い資料を見つける。
( ´_ゝ`)「『最強』の生物、か」
クルト博士の最終結論。
人間こそが最強の種。
一応、兄者はこの意見に賛成だった。
知能で人間に勝る生物はいない。
知能があれば、何だって可能だ。
キターと思ったら
荒巻死んだのかよwwwwww
12 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:46:00.00 ID:J6PhgTje0
ただ、攻撃力や体力という点においては劣る。
だからウェポンという攻撃力を与えるための武器を作り上げた。
ここまでは納得出来る。
だが――
( ´_ゝ`)「体力、という点が完全に抜けている……?」
攻撃力はウェポンで補える。
だが、体力は?
その補う方法は資料に載っていなかった。
または資料自体が足りないのか。
兄者は、何かを見落としていると感じる。
( ´_ゝ`)「……体力を補うにはどうすればよいか、か」
おそらくクルト博士も同じ疑問にぶつかっただろう。
彼はどうやってその壁をクリアしたのか。
まさか諦めたわけではあるまい。
彼はそういう人間ではないはずだ。
13 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:47:39.11 ID:KWCCRDd+0
兄者メインキャラww
14 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:48:09.96 ID:J6PhgTje0
( ´_ゝ`)「ドーピング、か?」
薬物で身体を強化する。
確かにそれは可能だ。
だが、それは一時的なもので、しかも副作用があるモノの存在する。
リスクが高い。
それに、いちいち用があるときにドーピングしていたら、時間と金の無駄だ。
更に言うならば、そんなもの『最強』の生物ではない。
偽りの『最強』だ。
( ´_ゝ`)「では、何をした……クルト博士……」
思考。
と、その時だ。
兄者の頭に、ある単語が浮かんだ。
『奴』が頻繁に言っていた言葉。
(:´_ゝ`)「……まさか」
いや、ありえないことはない。
そして、それを荒巻が利用しようとしているのならば――
(;´_ゝ`)「まさか……まさかクルト博士、アンタは――」
結論が出てしまう。
それは、とても恐ろしいことだった。
15 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:50:35.75 ID:J6PhgTje0
(;´_ゝ`)「何を、何を考えていたんだ、荒巻は……!?」
机を叩く。
こんなもの、『VIP』の利益にはならない。
そもそも何故、奴は組織など作り上げた?
ジョルジュやツーのような馬鹿を、何故に仲間に入れた?
戦闘力が高いから?
ウェポンを使いこなせるから?
そうだ。
戦闘力が高く、ウェポンを使いこなせるからこそ――
(;´_ゝ`)「だとすれば、まだ調べる必要があるな……。
行くべきは『全ての始まりの地』か」
席を立ち、部屋を出る。
急がねば。
兄者は自分の探究心を抑え切れなかった。
たとえそれが、己の身を滅ぼす道だとしても。
16 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:53:12.65 ID:J6PhgTje0
ギコ達が去ってから数時間後。
ここ、『バーボンハウス』
の客席には人影が無かった。
(´・ω・`)「いくら情報屋のカモフラージュにバーやってるからって
これはカモフラージュにすらなってないよね……」
小さく呟く。
やがてやることが無くなり、ボーっとしていた時だ。
ドアが音を立てて開く。
(´・ω・`)「ようこそ、バーボンハウスへ」
川 ゚ -゚)「…………」
黒いロングコートの女性。
そのコートはもはや漆黒ではなく、土や埃でボロボロだった。
彼女は黙ってカウンターの席に座る。
こういう客は慣れっこだ。
17 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:54:49.19 ID:T9fnji9sO
wktk
18 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:55:05.04 ID:wDGs2MNXO
しえん
19 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:55:19.26 ID:J6PhgTje0
(´・ω・`)「やぁ、何か飲むかい?」
川 ゚ -゚)「私は20歳を過ぎてはいないから、酒は飲めない」
(´・ω・`)「え、じゃあ、何でここに来たんだい?」
川 ゚ -゚)「ある男が落としていった紙に、ここのことが書いてあった」
淡々と語る女。
その表情に感情も生気も無かった。
目は濁り切り、どこを見ているのかさえも解らない。
危険だ、と若い主は思った。
(´・ω・`)(誰に紹介されたか知らないけど
これは丁重に扱わないと後々大変なことになりそうだね)
川 ゚ -゚)「…………」
沈黙。
おそらく、彼女はここに『来る』のが目的であって、それからのことは何も考えていないのだろう。
(´・ω・`)「はい、どうぞ」
グラスに入ったオレンジジュースを差し出す。
?
21 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:56:49.74 ID:Q0mkJrwIO
wktk
22 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:57:16.12 ID:SQvVEkRUO
11の今後の扱いが気になる
23 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:57:39.05 ID:J6PhgTje0
川 ゚ -゚)「これは……」
(´・ω・`)「サービスだよ。 何も出さないわけにはいかないからね」
川 ゚ -゚)「…………」
彼女はしばらくグラスを見つめていた。
ふと、手に取り口につける。
川 ゚ -゚)「……美味しい」
(´・ω・`)「それは良かった……まぁ、そこらへんで売ってるようなジュースだけどね」
ところで、と彼は続ける。
(´・ω・`)「何か悩み事があるなら、ここで吐くのも一つの手だよ。
僕でよければアドバイスだって出来るだろうし」
川 ゚ -゚)「…………」
(´・ω・`)「まぁ、話したくなったら話してよ。
僕はいつでも暇だしね」
若い主は特にすることもないのか、座って読書を始める。
彼女は結局、その後一時間ほど口を開くことはなかった。
24 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 21:57:43.83 ID:yspXk+QZO
誰かまとめうp汁
25 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 21:59:16.08 ID:J6PhgTje0
26 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:01:47.72 ID:J6PhgTje0
主が2冊目の本に手を伸ばそうとした時に、ようやく彼女は語り始める。
川 ゚ -゚)「……殺して、しまったんだ」
(´・ω・`)「……誰をだい?」
本を置き、ようやく口を開いた彼女の前に歩いていく。
川 ゚ -゚)「子供を……私が、巻き込んでしまったんだ」
(´・ω・`)「そう……」
追加のオレンジジュースを継ぎ足しながら、答える。
川 ゚ -゚)「私は、弱いんだ。
私は、情けないんだ。
私は、失敗作なんだ。
私は、欠陥品なんだ」
淡々と、機械的に言葉を並べる。
自虐ともいえる言葉の羅列を、若い主は一つ一つ受け止めていく。
27 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:04:25.51 ID:QBwRIF9yO
wktk
28 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:04:31.04 ID:J6PhgTje0
(´・ω・`)(この女性……)
失敗作、という言葉に聞き覚えがあった。
あれは奥の部屋の彼も口にしていた気がする。
(´・ω・`)(まさか、ギコやクルト博士の関係者?)
川 ゚ -゚)「私は……誰も護れないんだ」
(´・ω・`)「どうして、そう思うのかな?」
川 ゚ -゚)「護れなかったから」
(´・ω・`)「その子供を?」
川 ゚ -゚)「自分だって、内藤だって護れやしないさ」
吐き捨てるように呟く。
その言葉の中に、かつての友の名があったことに彼は驚いた。
(´・ω・`)「君……内藤を、内藤ホライゾン君を知ってるの?」
川 ゚ -゚)「……あぁ」
意外だった。
彼がクルト博士の遺産騒動に巻き込まれたとは知っていたが、彼女と共にいたとは。
29 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:06:39.95 ID:J6PhgTje0
(´・ω・`)(ギコの言っていた良いパートナーとは、この人のことだったのか)
ならば
(´・ω・`)(なおさら見捨てるわけにはいかないよね)
川 ゚ -゚)「貴方も内藤を知っているのか?」
(´・ω・`)「かつての友達だよ」
川 ゚ -゚)「……どういった関係だったんだ?」
(´・ω・`)「彼が原因で、僕はここの主になった。
彼のお陰で、僕はここの主になった」
川 ゚ -゚)「…………」
(´・ω・`)「高校入学当時のことだよ」
主は淡々と語り始めた。
30 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:09:04.41 ID:J6PhgTje0
当時、若い主は気弱だった。
小学・中学時代は友達がおらず、イジメの対象で9年間過ごした。
高校入学したときは、正直、不安だらけでどうしようもなくて――
しかし、そんな時に話しかけてくれたのがブーンとドクオだった。
「ショボン! 一緒に弁当食べるお!」
「おい、ショボン、お前マジ頭いいじゃん」
二人はよくショボンに構ってくれた。
確かにテンションが高すぎるブーンを疎ましくは思ったこともあるが
クールなドクオがそれを中和しているような感じがした。
彼らは誰が見ても良い親友同士だった。
なら、自分は彼らにとって何なんだろう?
ふと、疑問に思った。
それを聞いたのが、歯車が狂う原因であり始まりであった。
31 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:11:17.63 ID:L5IqqSn00
(´・ω・`)wktk
32 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:12:40.08 ID:J6PhgTje0
「ねぇ」
「何だお?」
「僕って、君達にとって何?」
「……どういう意味だお?」
「君達は、僕のことどう思ってるの?」
「は? 意味がわかんねぇ」
「だから――」
「友達だお! ショボンとドクオは、大事な大事な友達だお!」
「おい、馬鹿……んな照れくさいこと堂々と言うなよ」
「…………」
「どうした、ショボン?」
「本当に……本当に、僕は君達の友達なの?」
33 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:14:48.57 ID:J6PhgTje0
当時、主は相当に人間不信だった。
小学生・中学生時代はイジメの連続だった。
それこそ自殺も考えた。
でも、死ぬ勇気なんて無かった。
高校でも、それが続くんじゃないかって思っていて……
そうなることが運命なんじゃないかって、そんな小説に出てきそうなフレーズを頭に思い描いていた。
馬鹿だった。
最低だった。
「……ねぇ、本当のところはどうなのさ?」
「おい、ショボン……?」
「君達も、アイツらみたいに僕に近寄ってさ……イジめるつもりなの?」
「そ、そんなことしないお!」
「金を奪って、ストレス解消に僕を殴って、影でコソコソ悪口言って……」
そして
「僕を裏切るつもりなの?」
裏切ったのは僕だった。
彼らは純粋に僕と友達になりたかっただけなのに。
僕はそれを踏みにじるようなことをしてしまった。
34 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:16:31.62 ID:wDGs2MNXO
('A`)(´・ω・`)( ^ω^)
35 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:17:27.89 ID:J6PhgTje0
「そんなことしないお!」
「ブーン、そんなキレるなって」
「あ……ショボン……ごめ――」
「や……やっぱり、君達は僕を騙してたんだね!?」
「ショボン、おい、お前おかしいぞ!」
「おかしい!? おかしいのはお前らだろ!?
僕に近付いて、信頼を裏切って何が楽しいんだよ!」
「ふ……」
「お、おい、ブーン?」
「ふざけんなお!!」
「うあっ!」
「ちょ、待てって、ブーン!」
「離すお、ドクオ! ショボンは、ショボンは――」
36 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:19:29.07 ID:J6PhgTje0
「……は、はは……やっぱりそうだ。
気に入らなければすぐ暴力に走る。
最低だな、お前は!」
「最低!? 最低なのはどっちだお!」
「馬鹿、二人ともやめろって!」
結局、二人ともボロボロになるまで――
って、そんな青春的な結果にはならなかった。
ブーンは武道をしていたから、僕なんかが太刀打ち出来るわけがない。
結果、キレたブーンによって僕は全治2週間の怪我を負った。
その後、僕は学校に行かなくなった。
そして――
川 ゚ -゚)「そして?」
(´・ω・`)「色々考えたさ。
でも、僕はもう彼の目の前に姿を現す資格なんてなかった。
だから都市ニューソクから引っ越して、違う高校に通うことにしたんだ」
川 ゚ -゚)「…………」
(´・ω・`)「結局、向こうの高校でも僕は上手くいかなかった。
引き篭もりになって、両親には見放されて……」
川 ゚ -゚)「…………」
(´・ω・`)「そんな人生が嫌になってさ、家を飛び出したんだ。
でも高校生が移動できる範囲なんて知れてるし
そもそも引き篭もりだった僕が、社会の波に乗れるわけが無かった」
川 ゚ -゚)「それで……?」
(´・ω・`)「僕はまたこのニューソクに戻ってきた。
とりあえずの目標は、人の役に立ちたい、だった。
人の気持ちを理解して、アドバイスして……。
二度と僕のような人を出したくないと思ったんだ」
でも
(´・ω・`)「そんなカウンセラーみたいな仕事に、僕が就けるわけがない。
だから、未成年でこんなバーを、違法だけど開いたんだ」
38 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:24:02.14 ID:wDGs2MNXO
39 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:24:29.72 ID:J6PhgTje0
川 ゚ -゚)「……客足はどうなんだ?」
(´・ω・`)「いや、それがまったく」
若い主――ショボン――は苦笑する。
(´・ω・`)「でもね、そのお陰で色々と考えることが出来たよ。
あの後、ブーンがどんな気持ちだっただろうか、とか
一般人と喧嘩したブーンは、道場で叱られたんだろうな、とかさ」
川 ゚ -゚)「……そうか」
(´・ω・`)「僕ばかり語って悪かったね。
何か言いたいことはあるかな?」
川 ゚ -゚)「彼に……内藤に会ったら、どうしたい?」
(´・ω・`)「はは、いきなり難しい質問だね」
彼は笑顔で続ける
(´・ω・`)「うーん……正直、彼とはまだ会いたくないんだ」
40 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:26:36.65 ID:J6PhgTje0
川 ゚ -゚)「何故?」
(´・ω・`)「なんて言うか、気まずくてさ。
それに何て言っていいのか解らない。
気持ちの整理がついてないんだ」
川 ゚ -゚)「…………」
(´・ω・`)「弱いだろ、僕も」
川 ゚ -゚)「そんなこと……ないと思う。
貴方は立派だ」
(´・ω・`)「どこがさ?」
川 ゚ -゚)「自分で考え、自分で決め、自分で行動して……。
それが出来るということは、とても強いことなんだと思う」
(´・ω・`)「そうかな?」
ショボンは予想外の返答をする。
41 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:27:41.59 ID:QBwRIF9yO
面白いぞがんがれ作者
42 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:28:44.97 ID:J6PhgTje0
(´・ω・`)「自分で考えることが普通なの?
自分で決めることが正しいの?
自分で行動することが素晴らしいの?」
川 ゚ -゚)「それは……」
(´・ω・`)「人間に定義なんてないんだ。
弱い、強いなんて、所詮は他人の評価だよ。
受け止めることはあれ、それを気にしちゃいけない」
川 ゚ -゚)「しかし、私は――!」
つい、語気が強まる。
そんな様子の彼女に対し、ショボンは真実を用いた。
(´・ω・`)「うん、確かに君は護れなかったよ」
川 ゚ -゚)「だったら!」
(´・ω・`)「『かつて』と『これから』は違うんだ。
『かつて』の君がどんなだったのかは知らないけど
『これから』の君は、君自身が作っていくんだよ」
43 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:31:02.36 ID:J6PhgTje0
未来は自分で作る、とはよくいったものだ。
その言葉を聞いた彼女はうつむき
川 ゚ -゚)「私は……忘れることが出来ないんだ。
護れなかったことを、不甲斐ない自分を」
(´・ω・`)「それは、むしろ忘れちゃいけないよ。
忘れれば、それは最低な人間の出来上がりさ」
だって
(´・ω・`)「人間はそれを糧に成長するんだから」
川 ゚ -゚)「私は……人間ですら……」
(´・ω・`)「誰がどう見ても君は人間だよ。
感情を表し、自分で動いて、そして悩む。
これのどこが人間じゃないんだい?」
川 ゚ -゚)「…………」
(´・ω・`)「君が何故、失敗作と呼ばれるかは知らないけど
それは他人が勝手に言っているだけだろう?
君は失敗作として生まれることを望んだのかい?」
川 ゚ -゚)「それは……違う」
44 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:32:47.72 ID:sql6Zx8iP
wktk
45 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:32:57.70 ID:Q0mkJrwIO
今続いてるブーン系の中でこれが一番好きだお
wktk
46 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:33:12.45 ID:J6PhgTje0
(´・ω・`)「だったら、君が望む人間になればいい。
あまり強くは言えないけどね。
僕だって自分が望む人間になれた覚えはないし」
まぁ、と彼は付け足した。
(´・ω・`)「諦めたわけじゃないけど」
苦笑。
(´・ω・`)「今では何の因果か、情報屋なんてものをやってるわけだけどね。
気が合う友人が出来たんだ」
と、カウンターの奥の扉が開いた。
中からは長身の男。
(´<_` )「ショボン、例の情報……どうやら当たりだ」
(´・ω・`)「ありがとう、弟者さん」
(´<_` )「ん、客がいたのか……邪魔してすまない」
(´・ω・`)「いや、いいんだ。 それに――」
47 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:33:59.93 ID:OgP2Qv1U0
ちょwww弟者wwwww
48 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:35:32.06 ID:J6PhgTje0
彼はクーの方をチラリと見る。
川 ゚ -゚)「?」
(´・ω・`)「もしかしたら、彼女は僕らと良い関係になれるかもしれない」
(´<_` )「どういうことだ?」
川 ゚ -゚)「??」
疑問符を頭に浮かべる彼女に、ショボンは
(´・ω・`)「ねぇ、君は……元いた場所に戻る気はあるかな?」
問いかけた。
対する彼女は、オレンジジュースが入ったグラスを持つ手に力を入れながら
川 ゚ -゚)「いや……正直、まだ気持ちの整理がつかない」
(´・ω・`)「だろうね……だから僕はここで君に提案したい」
川 ゚ -゚)「何をだ?」
49 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:37:52.02 ID:J6PhgTje0
(´・ω・`)「僕らと共に、しばらく一緒に仕事をしないかな?」
それは、彼女にとって意外な申し出。
川 ゚ -゚)「仕事……?」
(´・ω・`)「僕は情報の売り役、弟者さんはPCでの情報収集をしてるんだけど
現地で情報を収集する役がいなくてね」
川 ゚ -゚)「それを、私に?」
(´・ω・`)「色々経験したり見たりする良い機会になると思うけど、どうかな?
もちろん強制はしないけどね」
川 ゚ -゚)「…………」
呆けたような顔をするクー。
まさかここまで話が進むとは思っていなかったのだろう。
(´・ω・`)「まぁ、すぐに結論は出さなくていい。
オレンジジュースのおかわりはいくらでもあるからね」
(´<_` )「何気に逃がす気ないのか」
50 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:38:57.65 ID:sql6Zx8iP
wktk
51 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:40:41.15 ID:J6PhgTje0
(´・ω・`)「何を言っているのか解らないね。
僕は彼女に時間を与えただけだよ」
(´<_` )「喰えない奴だな、相変わらず」
川 ゚ -゚)「……本人の前で堂々と話す内容じゃないと思うが」
それを聞いた弟者が笑う。
(´<_` )「はは、確かにそうだな」
(´・ω・`)「で、どうするか決めたかい?」
彼女はふと、考える素振りを見せる。
数秒。
顔を上げ、出した結論は
川 ゚ -゚)「私は――」
52 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:42:51.17 ID:J6PhgTje0
( ´ω`)「クー……一体どこに行ったんだお」
ブーンは部屋で一人、ベッドに横になってため息を吐いていた。
( ´ω`)「あのメール以来、連絡もないし……一体、どうしちゃったんだお」
寝返りをうつ。
もう何度もしている行為。
( ´ω`)「クー……早く帰ってきてほしいお」
本心だった。
頼れる味方のクー。
自分を支えてくれるクー。
彼女がいないと、どうにも落ち着かない。
いつの間に、こんなに彼女のことを思うようになったのだろうか。
この戦いに巻き込んだ張本人なのに。
53 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:45:53.79 ID:J6PhgTje0
そうだ、確か――
( ´ω`)(あの瞳が、どうしても気になったんだお……)
時折見せる、寂しそうな目。
あの目がどうしてもブーンは気になっていた。
おそらく、たびたび何故か『失敗作』と呼ばれることに理由があるのだろう。
ブーンはそれを知りたいと思う。
知って、彼女の気持ちを理解したいと思う。
彼女がブーンに力をくれたように、自分も彼女の力になりたいと思う。
強く、思った。
54 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:48:22.73 ID:J6PhgTje0
川 ゚ -゚)「私は――」
私は、弱い。
私は、情けない。
私は、失敗作。
あの時、それが私の全てだと感じた。
絶望した。
失敗作でも、欠陥品でも、何とかやっていけるのではないかと思っていたのに。
違った。
情に流され、結果あの少年を殺してしまった。
私は失敗作。
でも、それは勝手に決められたこと。
だから――
川 ゚ -゚)「私は――」
55 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:51:25.13 ID:J6PhgTje0
答えを出す。
川 ゚ -゚)「――私で、良ければ」
その言葉を聞いた二人は、顔を少し輝かせた。
(´・ω・`)「おぉ、そりゃありがたいよ」
(´<_` )「これで我々の仕事率もアップというやつだ」
ショボンと弟者が同時に握手を求めてくる。
川 ゚ -゚)「…………」
ここには自分を必要としてくれる人がいる。
今の彼女には、それだけでも充分な動機だった。
56 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:51:47.63 ID:wDGs2MNXO
しえん
57 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:53:08.11 ID:2QmUP3LW0
端折るの好きだな
58 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:53:48.77 ID:J6PhgTje0
闇がある。
夜の作り出す漆黒の色。
場所は、おそらく室内。
その暗闇の中でふと、小さな明かりが灯る。
フーッ、と息と共に白い煙が吐かれた。
煙草だ。
( ・∀・)「…………」
煙草の主は、藍色のスーツの内ポケットから携帯電話を取り出す。
操作し、通話ボタンをプッシュ。
耳に当てる。
しばしの沈黙。
( ・∀・)「……私だ」
煙草の煙を吐きながら、男は続ける。
( ・∀・)「そちらに、『牙猫』が来ていたと聞いたが?
ん? …………言い訳のつもりかね?」
59 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 22:55:55.34 ID:J6PhgTje0
( ・∀・)「……ハハ、君は面白いことを言う。
だが、私に報告が無いのは契約違反じゃないのかね?
…………。
なるほど、ね……まぁ、その程度の理由なら構わないよ。
こちらとしては『牙猫』の位置を補足出来れば文句は無い。
では、このナンバーに送っておいてくれ」
と、男は数字とアルファベットが混ざった妙なナンバーを告げていく。
相手は了承した。
( ・∀・)「あぁ、あぁ、頼むよ……ショボン君」」
電話を切る。
携帯電話を懐に入れながら、男は笑い出した。
( ・∀・)「フフ、ハハハハ……彼もなかなかの策士だね。
すっかり出し抜かれた気分だ。
だが――」
表情が一変。
それは猛獣を狩る、鋭い猟師の顔。
( ・∀・)「勝つのは、私だよ」
60 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 22:58:18.26 ID:QBwRIF9yO
モララーて悪役多いよな
61 :
◆BYUt189CYA :2006/11/11(土) 23:00:42.42 ID:J6PhgTje0
第七話、これで以上です
そろそろ物語的に低空飛行に入ったなぁ、と思っています・・・
おそらく今話に対して、色々と疑問があってイライラしたかもと思いますが
いや、ホント未熟ですいません・・・精進します
いつか・・・いつか、物語的に上空へ飛ばせたらとも思います
とりあえず、次話から色々と物語が動き出しますので
少しは読みごたえが・・・出るといいなぁ
読んでくれた方々、ありがとうございます
次回は、明日の9時〜10時の間に投下開始したいと思います
では、おやすみなさい
62 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:01:48.32 ID:Q0mkJrwIO
乙!明日も期待してるお
63 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:02:30.03 ID:g3/nMZsuO
乙
64 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:02:52.57 ID:KWCCRDd+0
O2
展開が読めない
65 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:03:54.51 ID:9RsEUA3n0
乙
66 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:04:21.30 ID:wwCGPl4DO
ひさびさにいいもんみつけたぜ
67 :
ex17落とさないでね :2006/11/11(土) 23:05:03.38 ID:ELMCyZ190
乙
68 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:05:52.92 ID:QBwRIF9yO
乙!
69 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:07:12.03 ID:ptk4nENjO
乙
70 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:09:31.44 ID:KuvvVSml0
展開が強引なのが端々に見える、と一応釘刺しとく。wktkばかりに過信して欲しくないからね
でも、必ず最後まで読むよ。乙
71 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:11:22.26 ID:L5IqqSn00
乙
72 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:16:56.95 ID:V1+WrBK2O
何か今まで、食わず嫌いしてたが結構おもろいジャマイカ!!!
>>1乙wwwwwwwww
73 :
ex17落とさないでね:2006/11/11(土) 23:26:55.17 ID:ySOkLhaEO
今のVIPの状況で投下しようとする勇気がすげー
乙 良かったよ
74 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 00:32:15.36 ID:5+SYd+duO
乙
75 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 00:43:37.62 ID:A0WdUUUHO
乙!
76 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 02:00:30.60 ID:CfpsYkWbO
ほ
77 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 02:31:07.82 ID:/i8Va2t3O
しゅ
78 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 02:48:48.73 ID:U8r5xWyM0
まとめないのー?
79 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 02:50:16.97 ID:ovIzhsa10
80 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 02:51:01.57 ID:U8r5xWyM0
おk!!
dクスw
81 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 03:40:42.39 ID:/i8Va2t3O
ほ
82 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 08:21:20.78 ID:ga3Sq3iIO
☆
83 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 09:09:43.11 ID:5HAy25tTO
てか佐賀県きえとるな
結局何だったんだ
84 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 09:51:05.26 ID:7ht6+nnsO
ほ
85 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 10:22:35.35 ID:HqS1qkuHO
(´・ω・')保守
86 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 10:41:13.39 ID:WScw/H5z0
ほ
下げほす
88 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 11:50:31.62 ID:kAr2CByEO
今のVIPの状況で投下する作者の心意気に脱帽
鯖の状態を気にするVIPなんてVIPじゃない
今のVIP〜とか言う奴はなんなのwwwwwwwwwww
91 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 12:36:43.50 ID:999kfO17O
ほす
92 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 13:28:18.06 ID:ga3Sq3iIO
>>91 おまいのID、カンストしてるなwwwwwwwwwwwwwww
93 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 15:01:53.50 ID:323eNcRv0
ふゃ!
94 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 15:31:45.85 ID:HqS1qkuHO
保守
95 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 15:39:28.39 ID:JZgHNASAO
ほ
96 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 16:43:24.43 ID:uotWULnCO
へ
97 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 16:59:35.56 ID:RCTgD+BFO
ふ
98 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 17:41:02.24 ID:0p+gRBa90
ひ
99 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 17:41:13.76 ID:HqS1qkuHO
保守
100 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 18:20:59.84 ID:JZgHNASAO
ほ
101 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 19:24:16.83 ID:Wv8DUlTXO
ま
102 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 19:42:07.42 ID:7ht6+nnsO
ほ
103 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 19:54:11.07 ID:JZgHNASAO
ほ
104 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 20:16:50.02 ID:HqS1qkuHO
し
105 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 20:32:03.57 ID:uotWULnCO
た
106 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 20:40:18.46 ID:sm4ws05HO
ほしゅ
107 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 20:52:55.42 ID:d2iKSpY90
うわ、スレが残ってるなんて初めての経験ですよ
なんか無駄に感動しました
今回の投下はここからでいいんですかね?
108 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 20:54:49.88 ID:GAgBQsow0
降臨キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
109 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 20:54:51.83 ID:uotWULnCO
もちろん
110 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 20:55:05.85 ID:buV/ZlsHO
来たよ、来たよ、来ちゃったよコレwwwwwwww
111 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 20:55:29.20 ID:uotWULnCO
作者北――――――――――
もちろん
112 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 20:56:55.70 ID:d2iKSpY90
了解しましたー
んじゃ、のんびりといきますー
113 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 20:58:52.44 ID:HapbMI6vO
キャッホォオオイ
114 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:00:41.61 ID:d2iKSpY90
第八話 『存在の意味』
午後五時。
ニューソクの外れの夕日が射す森の中。
そこにクルト博士の元・研究所があった。
数年前から誰も使っておらず、壁はツタだらけ、窓ガラスも割れており
とてもじゃないが人がいるような雰囲気ではなかった。
その廃墟とも言える少々規模が大きな研究所に、一人の影。
クーだ。
川 ゚ -゚)「……また、ここに戻ってくるとはな」
一人呟く。
自分の存在が定義付けられた因縁の場所。
失敗作と呼ばれ、ここを出て以来一度も来ていない場所。
二度と、来たくは無かった場所。
川 ゚ -゚)「…………」
無言で足を進めていく。
今の彼女に躊躇はない。
彼女は、『これから』強くなろうとしているのだから。
115 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:03:09.87 ID:d2iKSpY90
――遡ること、四時間前。
『バーボンハウス』で過ごすようになって数日が経った。
仕事にも慣れつつ、少しずつ心の氷を溶かしていくようにも見えた彼女に
一つの仕事の依頼が舞い込んできた。
依頼主は、弟者。
(´・ω・`)「ちょっと、ここに行ってきてほしいんだ」
ショボンが詳細を書いた紙を差し出す。
受け取った彼女の表情が、青ざめるように一変した。
川 ゚ -゚)「私に……ここへ行け、と?」
(´・ω・`)「うん、申し訳ないと思うんだけどね。
でも三人の中で、そこに一番詳しいのは君なんだよ」
川 ゚ -゚)「確かにそうだが……」
(´・ω・`)「駄目かな?」
川 ゚ -゚)「…………」
嫌だから仕事から断るのは、どうなのだろうか。
嫌だからといって、避けることの出来る仕事なのだろうか。
それは、相手にとても失礼ではないのだろうか。
116 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:04:22.60 ID:GAgBQsow0
支援
117 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:06:19.27 ID:d2iKSpY90
クーの頭に様々な疑問が浮かぶ。
そして、ふと苦笑。
自分の常識の無さを、今さらながらに痛感する。
川 ゚ -゚)「……解った、私に任せてくれ」
(´・ω・`)「ありがとう。
帰ってきたら、オレンジジュース奢るよ」
川;゚ -゚)「いや、別に私はオレンジジュースが特別好きなわけでは――」
(´・ω・`)「じゃあ、何が良いかな?」
川 ゚ -゚)「あ、いや……わざわざ注文するつもりもない。
オレンジジュースでいい」
(´・ω・`)「そう?」
――それが四時間前だ。
今、彼女はクルト博士の元・研究所にいる。
仕事のためとはいえ、いつかは来なければならなかった場所。
過去の自分に決着をつけるために。
118 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:08:42.32 ID:d2iKSpY90
川 ゚ -゚)「しかし……荒れ放題だな」
中は凄惨の一言だ。
机は倒れ、椅子は破壊され、棚は無惨にも倒れ、本や資料はバラバラ。
まるでわざと荒らしていったかのような光景だ。
だが――
川 ゚ -゚)「…………」
クーは見つけた。
床が見えぬほど荒れているそれに、足跡と見える泥がついていることに。
点々と、一定の方角を目指して続いていた。
つまり、誰かがここを通っていったことになる。
しかも最近に、だ。
川 ゚ -゚)「……用心するか」
隠していた刀を腰に差す。
点々と続くそれは、ある部屋に入っている。
ドアを少し開き中を伺うが、人の入る様子はない。
川 ゚ -゚)「……?」
足跡と思われるそれは、そこで途切れていた。
部屋の中は相変わらず乱雑としているが、床が見えることはない。
119 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:10:28.62 ID:5HAy25tTO
私怨
120 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:11:53.60 ID:d2iKSpY90
川 ゚ -゚)「どこへ――」
( )「動くな」
男の声と、カチャリという音と共に、クーの後頭部に硬い何かが押しつけられる。
冷たい感触の正体はおそらく拳銃だろう。
川 ゚ -゚)「…………」
( )「……名乗れ」
川 ゚ -゚)「クー、だ」
( )「クー……? あの、失敗作か?」
その言葉は、今の彼女にとっては禁句だった。
瞬間、クーの身体から殺気が溢れる。
背後の男の視界から消えるように、膝を折りしゃがむ。
( )「!?」
121 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:14:15.52 ID:d2iKSpY90
銃口を下に向けようとした時には、既にクーの腕が男の腕を捕らえていた。
(;´_ゝ`)「クッ……!」
その見覚えのある顔に、クーは目を見開いた。
川;゚ -゚)「お、弟者……さん?」
続いて男も目を見開く。
(;´_ゝ`)「え?」
川;゚ -゚)「え?」
122 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:15:02.22 ID:uhRWsVpAO
しえん
123 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:16:31.97 ID:d2iKSpY90
ブーンの部屋にメロディが響く。
それは、ブーンの携帯から鳴っていた。
( ^ω^)「お?」
取り出し、通話ボタンを押す。
聞こえてきた声は――
( ,,゚Д゚)『内藤か』
( ^ω^)「ギコさん?」
意外な相手に、ブーンは戸惑う。
ギコはそんなブーンに構わず話を続けた。
( ,,゚Д゚)『話がある。 今、時間はあるか?』
( ^ω^)「はいはい、いつでもどうぞですお」
そうかと言い、しばしの沈黙。
確認するような口調で
( ,,゚Д゚)『……クーはそちらに戻っていないな?』
(;^ω^)「え、いや、その……はいだお」
124 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:17:26.25 ID:u/b4Cvnz0
125 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:17:47.44 ID:5HAy25tTO
紫煙
126 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:18:15.31 ID:ga3Sq3iIO
続きktkr!!!紫煙
127 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:19:11.57 ID:d2iKSpY90
( ,,゚Д゚)『焦るな……事情は知っているからな』
(;^ω^)「どこにいるか知ってるんですかお!?」
思わず、声を荒げる。
( ,,゚Д゚)『知ってはいるが……教えることは出来ん。
彼女はまだお前とは会えない』
(;^ω^)「ど、どういうことですかお……?」
( ,,゚Д゚)『いずれ解る時が来る。
それよりも――』
( ^ω^)「?」
( ,,゚Д゚)『お前……強くなる気はあるか?』
(;^ω^)「え? どういう――」
( ,,゚Д゚)『答えろ』
128 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:21:23.48 ID:d2iKSpY90
( ^ω^)「……はい、ありますお」
( ,,゚Д゚)『なら、今からニューソクの……お前らが『キタコレ山』と呼ぶ山の頂上に来い。
ついでにドクオとやらにも聞いて、ついて来ると言うならつれて来い』
(;^ω^)「い、いきなりどうしたんですお?」
( ,,゚Д゚)『伝えておきたいことがある。
それも、指輪に関してだ』
(;^ω^)「わ、解りましたお……んじゃあ、今から行きますお」
( ,,゚Д゚)『待っている』
通話が途切れる。
ブーンは携帯でドクオの番号を出しながら思った。
( ^ω^)(よく解んないけど、強くなれるっていうなら頑張るお。
皆を、自分を、クーを護れるように……)
私怨
130 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:23:34.27 ID:d2iKSpY90
静寂が支配する空間。
乱雑した部屋の椅子に座るのは、二つの影。
先ほど出会った、兄者とクーだ。
( ´_ゝ`)「そうか……弟者を知っているか」
川 ゚ -゚)「貴方は彼の兄なのか。
彼が唯一適わないと言っていた――」
その言葉に兄者は笑みを浮かべた。
( ´_ゝ`)「アイツ、そんなこと言ってたのか」
双子、というヤツだろうか。
その笑顔も何もかも、あの弟者と瓜二つだった。
川 ゚ -゚)「貴方は何故、ここに?」
( ´_ゝ`)「おそらくアンタと同じような目的だ。
クルト博士の研究資料の捜索……しかも依頼主は弟者、だろ?」
川 ゚ -゚)「あぁ」
( ´_ゝ`)「さて、どうする? 俺を殺すか?」
川 ゚ -゚)「…………」
131 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:24:28.38 ID:/i8Va2t3O
キター!wktkwktk
132 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:24:28.77 ID:uhRWsVpAO
wktk
133 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:25:52.52 ID:d2iKSpY90
( ´_ゝ`)「気付いているんだろう? 俺が『VIP』の一員だということに。
あの病院の一件で、荒巻達とお前が同時期に遭遇したのも
俺が弟者のPCをハッキングして情報を得たからだと、気付いているんだろう?」
兄者はベラベラと真相を語っていく。
川 ゚ -゚)「確かに、許せんな」
( ´_ゝ`)「ならどうする?」
川 ゚ -゚)「以前の私なら問答無用で切り殺していたかもしれんが……今はそんな気分じゃないんだ。
後は勝手にしてくれ」
(;´_ゝ`)「え? あ……おい!」
クーは背を向け、部屋を出ようとする。
予想外だった返答に兄者は戸惑いながら、彼女を呼び止めた。
( ´_ゝ`)「俺、敵なんだけど?」
川 ゚ -゚)「だが、弟者の兄だろう?」
あっけらかんとした返答。
134 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:28:10.02 ID:d2iKSpY90
( ´_ゝ`)「おいおい、まさかそんな理由で――」
川 ゚ -゚)「悪いか?」
( ´_ゝ`)「…………」
兄者は腕を組み、少し考える素振りを見せる。
( ´_ゝ`)「アンタ……随分とイメージと違うな」
川 ゚ -゚)「何のイメージかは知らんが、私は私だ」
( ´_ゝ`)「自我を確立した、のか?」
川 ゚ -゚)「……貴様に何が解る?」
己への呼び方が変わったことで、兄者はクーの逆鱗に触れてしまったと気付く。
慌てるように
(;´_ゝ`)「あ、いや、悪気があって言ったんじゃないんだ」
川 ゚ -゚)「……時間の無駄だ。
捜索するなら勝手にしろ……ただ、私の邪魔はをするな」
135 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:30:39.26 ID:d2iKSpY90
再び背を向けるクー。
(;´_ゝ`)「お、おい、だから待てって」
再び呼び止める兄者。
二度目の振り返った彼女の顔には、少しの苛立ちが見えた。
川 ゚ -゚)「……まだ何か用か」
( ´_ゝ`)「まぁな。 これ、見てみなよ」
兄者がファイルを投げて寄越す。
受け取ったクーはそれを怪訝そうな顔で開く。
もちろん兄者への警戒は忘れない。
だが、そのファイルを見ていく彼女の表情が、みるみる変化していく。
川;゚ -゚)「これは……」
( ´_ゝ`)「実に興味深い内容だとは思わんか?
ウェポンに関しての情報もそうだが……って、全部揃ってないけど
それ以外の情報……特に最後の資料はどうだ?」
136 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:31:50.17 ID:ga3Sq3iIO
兄者の今後の立ち位置が気になるな
137 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:32:11.27 ID:uhRWsVpAO
さるさる
138 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:32:45.74 ID:d2iKSpY90
川;゚ -゚)「これを、どこで?」
( ´_ゝ`)「荒巻が集めていた資料だよ」
川 ゚ -゚)「荒巻の? よく手に入ったな……」
その言葉を聞き、兄者は思い出したように顔を上げた。
( ´_ゝ`)「あぁ、そうか……アンタは知らないんだな」
川 ゚ -゚)「何をだ?」
( ´_ゝ`)「荒巻は死んだよ」
川;゚ -゚)「……え?」
兄者は適当に、あの時起こった事を話した。
( ´_ゝ`)「まぁ、ぶっちゃけると俺にとっちゃどうでも良かったけどな。
クルト博士の研究成果を知りたいと思って、『VIP』に接触したわけだし」
139 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:32:50.76 ID:uotWULnCO
しーましえーん
140 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:35:25.75 ID:OrbEYRxVO
クーって最初からこんな性格だったっけ・・・?
141 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:35:40.12 ID:d2iKSpY90
川 ゚ -゚)「じゃあ、貴方は――」
( ´_ゝ`)「もう『VIP』って名乗る気は無いってことだよ。
後に残ったのは馬鹿と馬鹿と馬鹿だからな」
ジョルジュとツーとクックルのことだろう。
そして彼らが荒巻という司令塔無しで、連携して動くようには見えなかった。
むしろ好き勝手に暴れ出すに違いない。
それはそれで問題だが。
川 ゚ -゚)「それで……この情報を私に見せて、何がしたい?」
( ´_ゝ`)「いや、アンタは知るべきだと思ってね」
川 ゚ -゚)「?」
( ´_ゝ`)「俺の勘なんだが……アンタは、アンタが思っている以上に『重要』な存在だ」
川 ゚ -゚)「重要、だと?」
( ´_ゝ`)「勘だから確証は無いがな。
けど、アンタにクルト博士の情報は見せるべきだと思った」
川 ゚ -゚)「私は失敗作だぞ? 何故、重要だと思う?」
( ´_ゝ`)「今まで、おかしいとは思わなかったのか?」
142 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:37:58.60 ID:d2iKSpY90
( ´_ゝ`)「アンタ……何で生きてるんだよ?」
143 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:39:55.19 ID:/i8Va2t3O
な…なんだってー
144 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:40:17.03 ID:d2iKSpY90
意外な問いかけ。
クーはつい言葉をなくしてしまう。
川;゚ -゚)「…………」
( ´_ゝ`)「俺は一応、科学者の端くれだから解るんだが
失敗作や欠陥品ってのはな……本当に役立たずでクズだから、そう呼ぶんだ。
そしてそんな失敗作は、すぐ廃棄か分解さ。
存在が無駄だからな」
川;゚ -゚)「それはつまり――」
( ´_ゝ`)「アンタが生きているってことは……
クルト博士にとって、何らかの意味があるんだと思わないか?」
川 ゚ -゚)「私に……意味?」
( ´_ゝ`)「だってそうだろう。
あの鎖馬鹿も言っていたが、優秀作だの失敗作だの……所詮はサンプルに過ぎない」
145 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:42:43.82 ID:d2iKSpY90
川;゚ -゚)「まさか――」
( ´_ゝ`)「あるんだよ、『完成品』ってヤツがな。
優秀作のジョルジュ、失敗作のアンタ……そして何かの完成品が、な」
川;゚ -゚)「だが、何故サンプルであるジョルジュと……特に失敗作の私を生かす必要が?」
( ´_ゝ`)「そこまでは解らん。 だから、俺はここまで来た」
川;゚ -゚)「…………」
( ´_ゝ`)「俺は既に『VIP』ではなく、そしてお互いにクルト博士の情報を得に来た。」
だから
( ´_ゝ`)「俺と組まないか? もちろん、この研究所内だけという限定で構わんが」
川 ゚ -゚)(最近の私は……選択を迫られてばかりだな)
だが、悪くない提案だ。
自分はここを知ってはいるものの、専門知識は皆無だ。
兄者と一緒に行動することで、知れる情報が増える可能性がある。
川 ゚ -゚)「……解った、少しの間一緒に行動しよう」
( ´_ゝ`)b「OK、把握した」
146 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:45:12.29 ID:d2iKSpY90
(;^ω^)「ふぅ、疲れたお」
('A`)「久しぶりに登ったな、ここ」
この山は、二人にとってとても懐かしい場所だった。
お互い一緒には遊んだことは無かったが、幼少の頃からの遊び場だった。
頂上までの近道を通り、草木を掻き分け進む。
キタコレ山の頂上に着くころには、既に夕日は沈みかけていた。
一面草原。
頂上には木は生えていない。
昔はこの広大な草原で、サッカーや野球をやったものだ。
よくボールを無くしたが。
( ,,゚Д゚)「来たか」
その草原の中央付近で、ギコとしぃが待ち構えていた。
( ^ω^)「こんばんわだお、ギコさん、しぃさん」
('A`)ノシ「こんちゃーす」
( ,,゚Д゚)「さて……早速話をしようか」
147 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:45:38.43 ID:5HAy25tTO
支援
148 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:46:45.74 ID:uhRWsVpAO
兄者が心強く思えてきたww
149 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:47:09.97 ID:d2iKSpY90
挨拶もそこそこに話を切り出すギコ。
その彼の台詞に、ブーンはふと疑問を持った。
( ^ω^)「ギコさん……何か急いでいるのかお?」
( ,,゚Д゚)「……まぁな」
('A`)「?」
(*゚ー゚)「…………」
少しの沈黙。
ギコが、それを破るように口を開く。
( ,,゚Д゚)「で、話の続きだが……お前らは強くなりたいからここへ来たのだろう?」
('A`)「でも、そう簡単に強くなれるもんなんスかね?
漫画とかじゃ、ちょっと修行するだけでメッチャ強くなったりするけど」
( ,,゚Д゚)「簡単なようで簡単じゃない。
本人の素質と、指輪の相性次第だ」
( ^ω^)「素質と相性?」
150 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:48:23.59 ID:bxCxREgMO
wktk
151 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 21:49:21.08 ID:d2iKSpY90
( ,,゚Д゚)「指輪に擬似的な精神が宿っていることは知っているな?」
('A`)「あるのは知ってるッスけど、その存在はよく解んないッスね」
( ,,゚Д゚)「その存在を、今からお前達に知ってもらう」
( ^ω^)「……知ると、どうなるんですかお?」
( ,,゚Д゚)「指輪を知ることは、更に力を貸してくれるという意味に繋がる。
つまり――」
('A`)「それが更に強くなる方法、ッスか?」
( ,,゚Д゚)「あぁ、そうだ。
そしてこれを『OVER ZENITH』と呼ぶ」
( ^ω^)「おーばーぜにす……?」
覚えがあった。
確か始めて戦ったときに、ジョルジュが言っていた言葉。
その言葉を言った直後、彼の持っていた鎖が巨大化したのを憶えている。
保守
153 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 21:58:11.74 ID:ga3Sq3iIO
さっきまでスクライドスレを見てたから、
ブーンのウェポソがシェルブリットに思えて生姜ないwwwwwwwwwwww
154 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:00:58.93 ID:LRw8ehV50
( ^ω^)
155 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:05:09.80 ID:uotWULnCO
バーボンかな?
あれがそうなら――
( ^ω^)「ブリーチで言う卍解みたいだお!」
( ,,゚Д゚)「ばん……?
何やらよく解らんが、理解したならそれでいい」
( ^ω^)「卍解っていうのは、刀と会話して――」
( ,,゚Д゚)「さぁ、とりあえず始めよう。
二人とも、指輪を出せ」
( ^ω^)「…………」
押し黙る親友の肩を、ドクオが叩きながら
(;'A`)「ブーン、お前、何ていうか……ドンマイ」
157 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:09:07.93 ID:d2iKSpY90
クルト博士の元・研究所の調査は思いの外、順調に進んでいった。
元々ここにいたというクーと、科学者の端くれである兄者。
この二人が組んで調査すれば、仕事が速いのも当然であるが。
しかし――
川 ゚ -゚)「……無い、な」
( ´_ゝ`)「あぁ、おかしい」
二人の調査は、それこそ無駄が無い完璧なものだった。
そこそこ価値のある資料も手に入ったのだが
川 ゚ -゚)「見付からない……」
( ´_ゝ`)「完成品の情報……ここに無ければおかしいのだが」
手に入った情報は三つ。
一つ目は、クルト博士の経歴。
二つ目は、3rd−Wの情報。
三つ目は、クーとジョルジュについての資料。
158 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:09:34.74 ID:5HAy25tTO
さるだったか…
もっと支援せねば
159 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:09:56.09 ID:uhRWsVpAO
さる
160 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:11:42.55 ID:lbN9cyvz0
しえん
161 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:11:51.19 ID:d2iKSpY90
一つ目は特に重要では無い。
二つ目は割と重要だ。
3rd−Wの場所が記されている。
『ミーディ=アストクルフ』という人物に、指輪を託したらしい。
この情報はショボンの方へ送っておいた。
三つ目は更に重要だ。
クーとジョルジュについての資料。
何故、クーとジョルジュが失敗作・優秀作と呼ばれるかの理由が詳細に書かれていた。
(;´_ゝ`)「これは……!」
川;゚ -゚)「……!」
それは、兄者の疑問を解決……いや、予想を確定する内容だった。
攻撃力はウェポンが司る。
では、体力は?
その疑問の答えが、クーとジョルジュだったのだ。
つまり、クルト博士のとった手段とは――
162 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:12:50.02 ID:5HAy25tTO
紫煙
163 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:14:07.53 ID:ga3Sq3iIO
・・・ゴクリ。
164 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:14:17.80 ID:Qb/Ea/ao0
私怨
165 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:14:38.96 ID:d2iKSpY90
『一から人間を作り出すこと』
(;´_ゝ`)「人造人間……!?」
川 ゚ -゚)「その失敗作が私で、優秀作がジョルジュ……」
何を以って失敗・優秀とするのかも、そこには書かれていた。
クルト博士が作り出した人造人間は、ただ体力が優れているだけではなかった。
ウェポンとの適合適正が調整されているのだ。
その点で失敗したのが、クー。
そして成功したのが、ジョルジュ。
成功したジョルジュには、更なる改造を進めていく。
そしてあの9th−W・ユストーンを使いこなす個体が出来上がったというわけだ。
最後に注釈がある。
戦闘能力を上げすぎ、その分知性を失ってしまった、と。
その結果、あの戦闘狂が出来上がってしまったのだろうか。
対するクーには、ウェポンの適正が無かった。
故に戦闘力強化もされることなく、しかし何故か廃棄されなかった。
クーは、己が失敗作だとは聞いてはいたが、その理由を知るのは初めてだった。
166 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:17:05.22 ID:5HAy25tTO
さる回避
167 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:17:46.54 ID:d2iKSpY90
川 ゚ -゚)「…………」
資料は更に続く。
そこには、失敗作・優秀作・完成品の定義が記されいた。
失敗■(女性■) 能■は低い。
完全な失敗作である。
し■■■■■■■■■、■■■■■。
優秀作(男■型) 能力が高■、ウェポン適正■一番の反■を示■。
が、改造を重■た結果、情■が欠け落ちている故に■■■■■■。
完成品(■■■) 能力が非■に高■、ウェポン適正も完■。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。
川 ゚ -゚)「ふむ、読めんところが多いな……」
168 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:18:07.42 ID:OrbEYRxVO
やっぱどうしても武装錬金をイメージしてしまうわ。色々と
169 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:20:58.56 ID:d2iKSpY90
隣にいる兄者に資料をまとめて渡す。
受け取った彼は、額に汗を浮かべながら
(;´_ゝ`)「しかし……一から人間を作り出すなど……
ありえんことではないが、よくやる気になったものだ」
川 ゚ -゚)「……うむ」
( ´_ゝ`)「この読めない部分……研究所内にバックアップとかあるのだろうか?」
川 ゚ -゚)「それは考えにくい。
全て、私と貴方で完璧に捜査したからな」
( ´_ゝ`)「そうだな……」
川 ゚ -゚)「そして、一つ疑問がある」
( ´_ゝ`)「疑問?」
川 ゚ -゚)「これほどの研究……特に人造人間やウェポンの開発はどこでしていたのだ?」
( ´_ゝ`)「そういえば……」
各階、各部屋を調査はしたが
そんな大規模ともいえる研究・開発をするための部屋や機械類が、まったく見当たらなかった。
170 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:23:10.98 ID:5HAy25tTO
しえーん
171 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:23:44.66 ID:d2iKSpY90
川 ゚ -゚)「……隠されている、とでも言うべきか。
探す必要があるな」
( ´_ゝ`)「あぁ、おそらくそこに――」
川 ゚ -゚)「完成品とやらがある、か」
( ´_ゝ`)「考えられる場所は?」
川 ゚ -゚)「地下だな。
それでなければ……時空が歪められた部屋、とかな」
(;´_ゝ`)「いや、時空が歪んでって……そんな非科学的なこと、無いだろ」
川;゚ -゚)「……気付け、冗談だ」
ぷいっと顔を背け、部屋を出て行くクー。
その微かに見えた耳は赤かった。
一瞬、笑いが込み上げてきた兄者だが、殺されるのは勘弁なので慌てて黙って後を追った。
172 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:26:32.39 ID:d2iKSpY90
( ^ω^)「…………」
('A`)「…………」
二人は草原の中で座っていた。
それぞれの手には、指から外した指輪。
彼らはジーッとそれを見つめている。
( ^ω^)「ドクオ……何か聞こえたかお?」
('A`)「……いんや」
( ^ω^)「僕も聞こえないお」
先ほどからやっているのは、指輪との意思疎通だ。
詳しい方法をギコが教えてくれなかったので
二人はとりあえず指輪とコンタクトをとるために、ジーッと見つめていたのだが……。
('A`)「うーん、やっぱこういう方法じゃ駄目なんじゃね?」
( ^ω^)「そうかお……」
('A`)「だってさ、考えてもみろよ。
ジーッと見つめられて、友好的だと判断するヤツっているか?」
(;^ω^)「それは無いお……むしろ不審者だお」
173 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:27:48.75 ID:uotWULnCO
しえーん
174 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:29:34.54 ID:d2iKSpY90
('A`)「ギコさんはあの調子だし……どうするよ?」
ドクオが振り返る。
その視線の先には、やはり草原に座ったギコとしぃだ。
二人は寄り添い、しぃの手の中にある一つのものを見つめていながら、会話をしている。
( ^ω^)「何してるんだお、あれ?」
('A`)「さぁ……」
とりあえずアドバイスは聞けそうに無いので、違う疑問の議論に入る。
( ^ω^)「そもそも、おーばーぜにすってどんなんだお?」
('A`)「何かガシーンってなって、グシャーンってなるんじゃね?」
(;^ω^)「意味が解んないお」
('A`)「お前、一回発動見てるんだろ?
それの真似するのはどうよ?」
( ^ω^)「おっお、やってみるお」
175 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:29:57.96 ID:5HAy25tTO
支援
176 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:32:26.88 ID:d2iKSpY90
立ち上がり、指輪を装着。
( ^ω^)「8th−W『クレティウス』! 発動!」
いらぬ言葉、そして発光と共に、ブーンの両手に白いグローブが装着された。
その様子を見ながら、ドクオが
('A`)「そうやって発動出来るってことは、見捨てられてはいないんだよなぁ」
今以上の力を欲したとき、何を見せれば良いのか。
今以上の力を欲したとき、何を聞かせれば良いのか。
今以上の力を欲したとき、何を感じさせれば良いのか。
( ^ω^)「えーっと、ジョルジュがやってたのは――」
思い出す。
あの男は鎖を手元に引き寄せ、『OVER ZENITH』と叫んだ。
( ^ω^)「じゃあ、僕も――」
グローブをはめた手を、眼前に持っていく。
177 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:35:22.87 ID:d2iKSpY90
深く息を吸い、発した。
( ^ω^)「OVER ZENITH!!」
ゼニス……
ゼニス……
ニス……
響いた声の後は、虫が鳴く音と風によってざわめく草原の音のみだ
(;'A`)「見事に無視されたな」
(;^ω^)「ちょっとショックだお」
あーあ、と言い、ドクオが草原に寝そべる。
('A`)「全然駄目じゃん……どうすりゃいいってんだよ」
つられてブーンも隣に寝そべる。
( ^ω^)「……指輪が、僕達に更なる力を与える理由、かお」
うーん、と二人で唸るが答えは出ない。
178 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:36:35.32 ID:uotWULnCO
しえん
179 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:38:10.97 ID:d2iKSpY90
と、そんな時だ。
( ^ω^)「お、流れ星だお」
('A`)「マジ?」
ブーンが指を指す。
その方角の空には、動いている光点があった。
( ^ω^)「クーが戻ってきますように、つよきす大好き、強くなれますように――」
念仏、もしくは早口のような口調でブーンが呟く。
(;'A`)「同じ願いを3回、だろ。
それに何か間にノイズが入って――」
ドクオの言葉が止まる。
( ^ω^)「……どうしたお?」
(;'A`)「お、おい……アレ、流れ星なんかじゃねぇぞ?」
( ^ω^)「え?」
180 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:38:44.29 ID:5HAy25tTO
支援
181 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:39:40.85 ID:i2OmIT100
つよきすかよwwwww私怨
182 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:40:54.57 ID:d2iKSpY90
見れば、先ほどと同じ位置に微かに揺れ動く光の点があった。
それはみるみる大きくなっていく。
否――
(;^ω^)「ち、近付いてる……?」
(;'A`)「なぁ、あれ……ヘリじゃねぇか?」
(;^ω^)「お?」
耳を澄ませば、断続的なヘリ特有の音が響いてくるのが解った。
流れ星と思っていたのは、ヘリのライトだったというわけだ。
しかし――
(;^ω^)「なんでこっちに近付いてきてるんだお?」
(;'A`)「お、俺が知るかよ……」
思わず立ち上がり、向かってくるヘリを見つめる。
ふと視線をズラせば、ギコとしぃも立ち上がりヘリを見ていた。
( ,,゚Д゚)「来たか……」
呟く。
が、その声もヘリの奏でる爆音でかき消された。
183 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:43:40.09 ID:uotWULnCO
ほあああああああ
保守
185 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:53:19.12 ID:LRw8ehV50
( ^ω^)
ヘリが、とうとうブーン達の頭上まで達し、移動が止まった。
(;^ω^)「い、一体何事だお……」
(;'A`)「嫌なヨカーン」
ヘリが巻き起こす風と音が、ブーンとドクオの動きと声を止める。
と、ヘリの側面のドアが開いた。
(;^ω^)「お?」
淵には人が立っていた。
藍色のスーツを着込んだ、利発そうな男。
その睥睨するような鋭い視線は、ギコを見ていた。
('A`)「誰だ、ありゃ……」
声と共に動きがあった。
スーツの男が飛び降りたのだ。
いくら低空を飛んでいるといえど、その高さは10m前後はある。
(;^ω^)「あ、危ないお!」
人影が地面に墜落するが、すぐに畳んだ身体を広げ、立ち上がる。
どうやら無傷で着地したようだ。
驚くべき運動神経である。
187 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:55:44.60 ID:5HAy25tTO
さるか…そろそろ解除かな
188 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:56:05.23 ID:LRw8ehV50
( ^ω^)
189 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:56:15.73 ID:LRw8ehV50
( ^ω^)
190 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:56:51.47 ID:LRw8ehV50
(=゚ω゚)
191 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 22:57:04.03 ID:diwEWUgz0
【裁判】「ツンデレ」の定義巡って刑事裁判が紛糾し休廷・・・東京 [10/14]
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/wall/1060067604/ 東京地裁で1日、アニメショップから大量のセル画を盗難したとして起訴されている男性被告(41)の刑事裁判が開かれた。
ところがこの裁判で、前代未聞の珍事が発生したのだ。
弁護士が「ツンデレ属性」というオタク用語を使って被告を弁護したところ、検察側から「『ツンデレ』の定義がおかしい」と異議が唱えられたのである。
この弁護士、中央大学のあるアニメ同好会に所属していたことのある大のアニメ好き。
片や、異議を唱えた検察官も、東京大学の美少女フィギュア研究会で副会長を務めていた筋金入りのオタク。
双方ともに独自の「ツンデレ観」を持っていたのだ。
弁護側が「エヴァのアスカはツンデレの元祖」と言えば、検察側が「いやいや、らんま1/2のあかねちゃんこそ元祖」と反論するといった展開。
双方ともに1時間以上に渡ってツンデレの歴史や定義を延々と主張し合い、裁判続行が困難になった。
この事態を見かねた裁判長が休廷を命じ、裁判は後日再開されることとなった。
192 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 22:58:35.15 ID:d2iKSpY90
ふと、男が腕を上げた。
それを合図とするように、ヘリが高度を上げる。
一陣の風と爆音と男を運んだヘリは、星が輝く夜の闇へと遠ざかっていった。
残るは静寂。
そして降り立ったスーツの男。
彼が見ているのは、ブーン達ではなくギコの方だ。
対するギコは、鋭い視線で男の視線と向き合っている。
ヘリの音が聞こえなくなった頃、男が口を開いた。
( ・∀・)「久しぶり、とでも言うべきかね?」
( ,,゚Д゚)「……二度と会いたく無かった」
( ・∀・)「おやおや、手厳しい。
だが、それにしては広い場所を確保しておいてくれているではないか」
( ,,゚Д゚)「アイツらの修行のためだ、お前のためじゃない。
来るのは解ってはいたがな」
ギコが指だけを、ブーン達の方向へ指した。
スーツの男がつられるように視線を移す。
193 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:00:17.49 ID:LRw8ehV50
( ^ω^)
194 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 23:02:05.63 ID:d2iKSpY90
(;^ω^)「…………」
(;'A`)「…………」
( ・∀・)「ふむ……彼らも適合者かね」
( ,,゚Д゚)「だが、彼らは俺達とは関係ない。
そして……彼らが手を出すまでも無く、俺が勝つ」
何故なら
( ,,゚Д゚)「俺はあの時とは違うからな」
対する男は右手をポケットに手を入れ、何かを取り出す。
それを左手に移しながら
( ・∀・)「君は昔から少しばかり結論を急ぐ癖があるね?
少しは落ち着いて物事を判断した方がいい」
スーツの男が、左手を掲げる。
その人差し指には、黄色の指輪。
195 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:03:36.81 ID:LRw8ehV50
>>
196 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:04:22.87 ID:5HAy25tTO
四肢
197 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 23:05:18.73 ID:d2iKSpY90
途端、ギコの青い指輪が共鳴を開始した。
(;,,゚Д゚)「なっ……?」
( ・∀・)「懐かしいね。
君と対峙するのは、これで二度目だ」
男は優雅に両手を広げ、天を仰いだ。
( ・∀・)「一度目は君が逃げを決め、我々の元を去った。
さぁ……今回はどうかね? ん?」
( ,,゚Д゚)「……共鳴を起こしたという事は」
( ・∀・)「そう……君にとって最高の相手が、2nd−Wを持ったようだね」
まるで他人事のように話す男。
その様子を気に入りはしないのか、ギコの口調と視線は厳しい。
198 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:07:41.97 ID:5HAy25tTO
しえ
199 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 23:08:40.48 ID:d2iKSpY90
( ,,゚Д゚)「…………」
(*゚ー゚)「ギコ君……」
( ,,゚Д゚)「下がっていろ、しぃ……俺はここでやられるつもりはない。
そして、お前を一人にするつもりもない」
( ・∀・)「そこの彼女は誰かね? 当時の君の側にはいなかった女性だが……」
( ,,゚Д゚)「貴様には関係ない」
ギコが、右手を前方に突き出す。
瞬間、青光。
まず柄が現われ、青く太い刀身が伸びていく。
完成されたのは巨剣。
片手でそれを軽く振り回し、肩に担う。
( ・∀・)「やはり美しいよ、1st−W『グラニード』は。
私が最も気に入っていたウェポンであったことを知っているかね?」
( ,,゚Д゚)「美しいの後に能力が高い、を付け足し忘れているぞ」
( ・∀・)「私にとっては能力など在って無いようなものだよ」
200 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 23:12:03.46 ID:d2iKSpY90
男が、指輪をはめた手をポケットに突っ込む。
片方の手でネクタイの位置を調整しながら
( ・∀・)「能力に頼ってばかりではいけない。
それは自身の停滞といい、そして君は立ち止まってしまった男だ」
( ,,゚Д゚)「貴様の定義は貴様のものだ。
俺に勝手に適用するな」
( ・∀・)「相変わらず現実的だね、君は。
好きだよ、そういうところは」
( ,,゚Д゚)「吐き気がする」
( ・∀・)「そうかね。
何なら嘔吐用の袋を用意するが?
あの飛行機とかに用意されてるアレだよ、アレ」
( ,,゚Д゚)「……くたばれ、クソ野郎」
( ・∀・)「ふふふ……君に言われるのなら、その度にゾクゾクするよ」
201 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:13:55.65 ID:5HAy25tTO
私怨
202 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 23:15:23.08 ID:d2iKSpY90
月下。
怒りを露わにするギコと、肩を揺らし笑う男。
見事に対照的な二人は、しかし似たような気配を匂わせ始める。
それは強者という猛獣特有の気配だ。
呼応するように風がざわめき、草原を揺らす。
普段の様子とは違う彼に、ブーン達は戸惑いを隠せない。
(;^ω^)「きょ、今日のギコさん……何か怖いお」
(;'A`)「っつか、俺達完全に蚊帳の外だな……」
とりあえず座って観戦することにした。
コイツら、何気に余裕である。
( ・∀・)「さぁ、そろそろ始めようか?」
( ,,゚Д゚)「何をだ」
( ・∀・)「ははは、グラニードを構えて言う台詞じゃないね?
ナイスジョークだよ」
( ,,゚Д゚)「貴様は昔から何を考えているか解らんからな。
後で後悔しないよう、聞いておきたい」
203 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:16:19.42 ID:/i8Va2t3O
支援
204 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:17:05.70 ID:JJZdyHKo0
しえん
NICE JOKE
モララーを応援してしまう俺がいる
206 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 23:18:33.08 ID:d2iKSpY90
( ・∀・)「ならば言おう。
目的は、グラニードの回収だ」
( ,,゚Д゚)「それだけか」
( ・∀・)「組織としては、ね。
私個人としては、君と決着を付けたいと思っている」
( ,,゚Д゚)「それは都合がいい」
( ・∀・)「何故かね?」
( ,,゚Д゚)「貴様を叩き伏せたいと思っていた……!」
ギコの身体から殺気が噴き出す。
少し遠くまで離れているブーン達にも明確に感じ取れるほどだ。
対する男は涼しい顔をしている。
が、その目つきは刃のように鋭い。
因縁の二人が対峙する。
『1st』と『2nd』の戦いが始まろうとしていた――
207 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:19:49.22 ID:Wv8DUlTXO
支援
208 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 23:23:43.11 ID:d2iKSpY90
以上で第八話を終わります
まだ時間は浅いですが、続きはまた明日ということで・・・
っていうか、ゆっくりと『悪魔憑き』が見たいわけでしてw
読んで下さった方々、本当にありがとうございます
次回はまた明日の9時〜10時からの予定です
感想や疑問、批評など、遠慮せずに書いて下さいね
読者の感想ほど良質な糧はないと思ってますから
では、もうしばらく起きてますが・・・おやすみなさい
209 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:25:39.67 ID:Wv8DUlTXO
乙
210 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:26:20.78 ID:XzwFaeBQO
乙
211 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:28:06.52 ID:OrbEYRxVO
なんかクーのキャラクターに疑問を持ってしまったなぁ
乙
212 :
◆BYUt189CYA :2006/11/12(日) 23:47:03.62 ID:d2iKSpY90
クーのキャラクターですか・・・こればかりは自分でもよく解らないんですよね
前のを読み返して比べて研究してみます
あと、武装錬金・・・いや、しかし・・・あ、何か似てますね、これ('A`)
構想練ってる時には頭に無かったんだけどなぁ・・・よく考えたら似てるなぁ
とりあえず寝ながら考えますか・・・
では、おやすみなさい
213 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:54:37.09 ID:OrbEYRxVO
何の見込みも無いなら何も言わないから、俺は。なんか偉そうで悪いけど
とにかく、ガンガレ。おやすみ
214 :
ex17落とさないでね:2006/11/12(日) 23:57:49.12 ID:uhRWsVpAO
乙
215 :
ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:34:22.51 ID:N5F0J0xpO
( ^ω^)
216 :
ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 00:50:12.63 ID:HfzQW7OjO
だいぶ人増えたな保守
217 :
ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:21:07.39 ID:MnzANz2hO
ほ
218 :
ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 01:22:01.47 ID:SLIKaFXLO
乙
219 :
ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 02:12:46.90 ID:wSInS0MTO
これだけ放置で落ちないとは……
スレ保持数ばんじゃい
220 :
ex17落とさないでね:2006/11/13(月) 03:23:20.66 ID:nC59Fth1O
FOXに感謝
ホモ
221 :
ただの戦士:2006/11/13(月) 06:26:31.04 ID:mm9FCE3AO
ほす?
222 :
悲しい一人暮らし:2006/11/13(月) 07:16:58.46 ID:iCmjaM+iO
保守
223 :
VIP皇帝:2006/11/13(月) 08:18:53.94 ID:tpZojhVA0
ほ
224 :
高校の女教師:2006/11/13(月) 08:25:35.94 ID:4RyBxtwW0
携帯厨が多い馴れ合いスレ死ね
225 :
VIP盗賊:2006/11/13(月) 09:57:26.32 ID:tpZojhVA0
ん?
226 :
VIP足軽p:2006/11/13(月) 09:59:55.80 ID:xYiQ7XsQO
保守
227 :
VIP村人l:2006/11/13(月) 12:01:59.55 ID:c139ejE4O
一つだけ言わせてくれ。
「ZENITH」の読み方はジーニスなんだ。
228 :
VIP村人i:2006/11/13(月) 12:07:50.18 ID:nGB4rymrO
(´・ω・`)や ら 内科
( ∩ミ ブンブン
| ωつ,゙
し ⌒J
229 :
VIP村人XL:2006/11/13(月) 12:17:19.92 ID:VmMe/iFZ0
兄者と弟者がコンビじゃないのって珍しいな
とりあえず俺は純粋に面白いと思えるので、応援するぜ
230 :
散髪とめきち:2006/11/13(月) 13:05:24.51 ID:qpaa6Q8nO
オーバーペニスだろ
231 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 13:06:55.97 ID:ZOApOUty0
ジーニスショック! (;´Д`)
232 :
VIP足軽e:2006/11/13(月) 13:11:28.29 ID:bHEWcKac0
何この厨スレ
233 :
VIP奴隷:2006/11/13(月) 13:33:56.68 ID:RJKwxk5NO
>>232 VIP自体が腐って、クオリティも無くしてしまったのか悲しいね
234 :
VIP村人x:2006/11/13(月) 13:39:26.17 ID:JHMyuGZw0
235 :
宿屋の女中:2006/11/13(月) 13:56:05.09 ID:oHCR30IzO
ほ
236 :
VIP村人o:2006/11/13(月) 14:11:28.99 ID:SLIKaFXLO
ほ
237 :
VIP足軽orz:2006/11/13(月) 15:58:41.11 ID:Bb1ftL3TO
ほ
238 :
VIP番長:2006/11/13(月) 16:23:22.98 ID:R+m4g7/3O
ホシ
239 :
VIP女神:2006/11/13(月) 17:05:20.00 ID:mm9FCE3AO
ほしゅる
240 :
VIP村人o:2006/11/13(月) 17:50:10.53 ID:MnzANz2hO
ほ
241 :
VIP下手人:2006/11/13(月) 18:13:11.40 ID:qpaa6Q8nO
渡辺さんはいつでるんじゃ
242 :
VIP村人n:2006/11/13(月) 18:17:01.11 ID:55S7Dz15O
へ
243 :
VIP足軽v:2006/11/13(月) 19:14:28.87 ID:MGMpkFZvO
ほす
244 :
VIP村人r:2006/11/13(月) 20:02:02.77 ID:5KWj1OXNO
あけ
245 :
門番の娘:2006/11/13(月) 20:22:43.56 ID:hq5mAQDeO
保守
246 :
VIP村人x:2006/11/13(月) 20:41:35.68 ID:r8l4VEAiO
ほ
247 :
VIP足軽v:2006/11/13(月) 21:02:28.24 ID:NVmpA3u20
ふぇ
248 :
VIP村人w:2006/11/13(月) 21:16:08.69 ID:7/H0pGntO
さて
249 :
VIP村人s:2006/11/13(月) 21:18:56.16 ID:F+NyZXvDO
ほ・・・シュッ!!!
250 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 21:34:53.96 ID:fa3uZeUT0
ふと気付けば、もう九時半ですよ
251 :
VIP足軽i:2006/11/13(月) 21:37:16.49 ID:9lPN5w+10
投下来るー!?
252 :
水汲みおしち:2006/11/13(月) 21:38:06.61 ID:hq5mAQDeO
キタ━уー(゚∀゚)ー∵━ン
253 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 21:40:59.23 ID:fa3uZeUT0
んじゃー、今日は第九話ということで
のんびりといきます
254 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 21:47:05.24 ID:fa3uZeUT0
第九話 『依存はただの停滞だ』
クルト博士の元・研究所。
夜の闇に閉ざされ、光さえ届かない空間に、二人の男女が立っている。
空間の名は『クルト博士の私室』。
川 ゚ -゚)「ここ、か」
( ´_ゝ`)「ここしかあるまい」
二人の前には本棚があった。
他の棚が全て倒れているのに、この本棚だけは倒れずその姿を保っている。
怪しいと思わない方がおかしい。
おそらくは隠し扉なのだろうが、肝心の開け方が解らない。
だが――
( ´_ゝ`)「こういう扉は、本がキーになってるパターンが多いぞ」
川 ゚ -゚)「そういうものか。
だとすれば、どの本だろうか」
( ´_ゝ`)「クルト博士の作りし隠し扉。
それはつまりクルト博士とその密接な関係者くらいしか
入ることの出来ない空間だろう」
255 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 21:51:03.33 ID:fa3uZeUT0
川 ゚ -゚)「それで?」
( ´_ゝ`)「だとすれば、そこらへんにある汎用な本をキーにするはずがない」
川 ゚ -゚)「と、なると――」
( ´_ゝ`)「たとえば、これだ」
兄者が、奥に設置された机に向かう。
おそらくはクルト博士が使っていたと思われる机だ。
机上にはいくつかの書物と書類、そして文房具が散らばっている。
その中の一つを兄者は持ってきた。
川 ゚ -゚)「それは?」
彼の右手に握られていたのは、少し分厚いハードカバーの本だ。
全体は赤く、金と銀の装飾が施されている。
( ´_ゝ`)「……クルト博士の日記帳だよ」
川 ゚ -゚)「なるほど……確かに近しい者しか触れることさえ出来ぬキーだな」
うむ、と言いながら兄者は本棚へ向かう。
256 :
VIP毒蛇:2006/11/13(月) 21:51:50.06 ID:ciapKixP0
キテター!
257 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 21:55:22.14 ID:fa3uZeUT0
不自然に空いているスペースにそれを入れ込んだ。
カチリ、と音が鳴る。
川 ゚ -゚)「む」
( ´_ゝ`)「ぬ」
声を発したのは同時。
そして本棚が動き始めたのも同時。
ゴゴ、と重い音を立てながら、本棚が二つに割れるように開いていく。
川 ゚ -゚)「これは――」
階段だ。
向かう先は地下。
光が無いため、数メートル先は闇に閉ざされ奥を確認することは出来ない。
が、その闇の奥から得体の知れない何かを感じる。
川 ゚ -゚)「……行くか」
( ´_ゝ`)「OK」
二人は同時に足を進める。
男女の身は、何も見えぬ闇の中へ吸い込まれるように消えていった。
258 :
VIP村人t:2006/11/13(月) 21:56:14.38 ID:2RRKiUpyO
支援
259 :
VIP村人s:2006/11/13(月) 21:56:43.93 ID:F+NyZXvDO
バイオハザードなトラップktkr!!!
260 :
VIP村人v:2006/11/13(月) 21:57:12.39 ID:HfzQW7OjO
しえん
261 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 21:59:40.46 ID:fa3uZeUT0
風が鳴る。
月が、星が光り輝き、草原という戦場を照らす。
月下に人影。
対峙するは二人の男。
片方は青い巨剣を肩に担う、茶色のロングコートを着込んだ男。
片方はその手をポケットに突っ込んだ、藍色のスーツを着た男。
二人の視線は、種類は違えど鋭く冷えている。
動きは無い。
互いの出方を見るかのように、視線だけを絡ませる。
262 :
VIP村人t:2006/11/13(月) 22:01:28.24 ID:F+NyZXvDO
ヒュオォォ・・・。(SE)
263 :
内藤ホライゾン:2006/11/13(月) 22:02:31.81 ID:fGkH6qozP
wktk
264 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:03:09.37 ID:fa3uZeUT0
( ,,゚Д゚)「やる前に、一つ言っておく」
( ・∀・)「何かね?」
それは、かつてブーンにも放った言葉。
( ,,゚Д゚)「死んでも恨むなよ」
途端、状況が動く。
ギコが地を蹴り、男の元へ疾駆を開始した。
対する男は不敵な笑みを浮かべたまま微動だにしない。
距離が縮まる。
二人の猛獣が接触――
( ,,゚Д゚)「!」
しなかった。
スーツの男が、大きなステップで後退する。
男がいた空間を巨剣が薙いだ。
( ・∀・)「やはり、目の前にすると怖いね……グラニードと君は」
( ,,゚Д゚)「戯言を――」
265 :
駅前食堂のメグ:2006/11/13(月) 22:03:57.69 ID:hq5mAQDeO
支援
266 :
VIP無職:2006/11/13(月) 22:05:11.95 ID:mlvpuyEm0
支援
267 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:06:32.73 ID:fa3uZeUT0
( ・∀・)「次は私の番だ」
ギコの言葉を遮るように、男が宣言する。
動きは同時。
バックステップした衝撃を地面に流し、反動で前へ飛び出した。
対するギコは巨剣を振りかぶり、迎撃の姿勢。
男は右手をポケットから出し、握る。
接触。
空気を弾くような音が響いた。
ギコの頬に、男の拳が直撃している。
が、ギコは巨剣を振るってはいなかった。
( ・∀・)「その心意気、感嘆に値するよ」
ヒュッと風を切りながら背後の空間へ飛ぶ男。
その足先を、横薙ぎに巨剣が通り過ぎていく。
( ・∀・)「打撃を入れ、安心したところでカウンターかね。
解っていても実行することは難しい……流石はギコ君だ」
言いながら着地。
268 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:09:44.15 ID:fa3uZeUT0
頬を殴られたギコは、血の混ざった唾を吐き捨てながら
( ,,゚Д゚)「お喋りが過ぎるぞ」
( ・∀・)「勘違いしないたまえよ。
私はこの戦いを楽しんでいるのだから」
( ,,゚Д゚)「侮辱か」
( ・∀・)「まさか……むしろ賛美だよ」
言葉と共に、男が再度ギコの元へ向かう。
その速度は高速。
身を低くしながら、獣の如く走る。
今度は両手を解放し、しかし握り締めていた。
( ・∀・)「ふっ!」
腹部を狙った打撃だ。
しかし回避される。
続いて、ギコのカウンターが――
269 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:13:40.46 ID:fa3uZeUT0
( ,,゚Д゚)「!?」
行動を開始する前に、胸部に打撃。
出鼻を挫かれる。
( ・∀・)「君は解っていない」
連打を続けながら、男は語る。
( ・∀・)「確かに君のグラニードは強力だがね。
攻撃の回転数は拳の方が圧倒的に勝るのだよ」
打突。
熊手。
裏拳。
肘打。
四連撃が、ギコの身体の各部にめり込む。
270 :
内藤ホライゾン:2006/11/13(月) 22:14:38.08 ID:fGkH6qozP
wktk
271 :
駅前食堂のメグ:2006/11/13(月) 22:14:41.25 ID:hq5mAQDeO
支援
272 :
駅前食堂のメグ:2006/11/13(月) 22:15:43.16 ID:emPfFmdJO
273 :
VIP村人t:2006/11/13(月) 22:16:27.55 ID:F+NyZXvDO
俺のモララー CV:白鳥哲(スクライドの無常
274 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:17:14.45 ID:fa3uZeUT0
( ,,゚Д゚)「ッ……!」
思わず声が出かけるが、歯を噛み押し留めた。
その際に生じた身体の力を、剣先に篭める。
振り下ろす。
動きは相手を脳天から両断する唐竹割りだ。
( ・∀・)「遅いよ?」
が、横に軽くステップされるだけで回避される。
直後、地面に巨剣が叩き込まれた。
刀身の三分の一程度が地にめり込み、一瞬ギコの動きが硬くなる。
( ,,゚Д゚)「ちっ!」
動きが取れないギコに、今度は蹴りを混ぜた嵐のような打撃が襲い掛かった。
音は一つ。
だが、打の数は七つ。
横からまともに喰らったギコは、剣を地から抜きながらも軽く吹き飛んだ。
宙で体勢を整え、着地。
275 :
VIP村人r:2006/11/13(月) 22:19:53.54 ID:55S7Dz15O
つまんね
〜FIN〜
276 :
VIP足軽j:2006/11/13(月) 22:20:19.65 ID:9lPN5w+10
あれ?ギコってかまs(ry
277 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:21:57.59 ID:fa3uZeUT0
顔を上げれば――
( ・∀・)「どうしたのかね? 君らしくもない」
男が真正面から迫る。
ギコは巨剣を正面に構え、盾代わりに構えた。
ウェポンは存在自体が非常に強力だ。
生身で殴れば、その皮膚は裂け、最悪骨が砕ける。
しかし――
キン、という金属音が響いた。
疑問に思う間もなく、構えた巨剣の位置が横にズラされる。
視界から外れていく刀身の影からは、笑みを浮かべた男の顔。
巨剣の刀身に触れているのは、左手にはめた指輪だった。
( ,,゚Д゚)(指輪を用いた接触――!?)
( ・∀・)「言ったろう? 能力にとらわれていては、それはただの停滞だと」
言葉と共に、右半身を前にした男が蹴りを放った。
足刀。
言葉の通り、鋭く貫く強力な足技だ。
それがギコの腹に当てられた。
一瞬、二人の動きが止まる。
278 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:27:18.02 ID:fa3uZeUT0
( ・∀・)「破ッ!!」
男が気合の声を発した瞬間、畳まれていた足が伸び切り、ギコの内臓を圧迫する。
貫く衝撃はギコの身体を蹂躙し、遂には背中から抜けていった。
轟、という強烈な波動の音。
男が足を引く。
後に残るは、背を曲げ、虚ろな表情で地を見るギコだ。
一時的な意識の剥奪という、強力な一撃。
それがギコの意識と動きを完全に失わせた。
( ・∀・)「停滞した者に強さは得られないよ」
更に衝撃。
ギコの下げられた顎先に、真下からの男のつま先が直撃した。
そのまま蹴り上げられる。
ギコの身体は、弾け飛ぶように身を仰け反らせながら飛んだ。
279 :
VIP足軽v:2006/11/13(月) 22:27:19.60 ID:Bb1ftL3TO
追い付いた……wktk
280 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:31:05.51 ID:fa3uZeUT0
放物線を描くように飛ぶギコに対して、男が背を向ける。
( ・∀・)「君の敗因は……そのウェポンに依存する慢心と停滞。
そして――」
ギコの身体が地面に直撃する音と共に
( ・∀・)「私を、調子に乗らせたことだ」
果たして聞こえなかったのか、それとも耳には入ったが意識には届かなかったのか。
ギコはそれに答えることも反論もすることも無く、落ちたままの姿勢でピクリとも動かない。
(;^ω^)「ギ、ギコさん!?」
あれほどの強さを誇ったギコが、何も出来ずに沈んだ。
動きを一通り見ていたが、あの男の格闘能力はとんでもない。
おそらくブーンでも一撃さえ入れられず、そして一撃でも防げないだろう。
( ・∀・)「ウェポンなんて使わなくても、イケるところまではイケるのだよ」
両手を軽く振りながら、男は淡々と語る。
その息は乱れてさえいない。
281 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:34:08.74 ID:fa3uZeUT0
(;'A`)「と、とんでもねぇぞ、アイツ……」
ドクオ
が声を震わせながら呟く。
あれほどの男が、次に自分達に牙を剥いたら?
そう考えただけで、ドクオは勝手に身体が震え始めた。
( ・∀・)「さて、と」
男は背後に振り返る。
ギコの姿勢は先ほどと変わらない。
うつ伏せに、身を丸くして倒れている。
( ・∀・)「結果は呆気なかったが、事実は事実だ。
1st−W・グラニード……返してもらおうか」
ザッ、ザッ、と短く生えた草を踏みしめる音。
倒れた巨剣の剣士を真下に見据え、彼は少し悲しそうな表情を浮かべる。
( ・∀・)「能力にとらわれた停滞、か。
君がまさかそうなるとは思わなかったのだがね」
その目が見るは、ギコの右手の中指にはめられた青い指輪だ。
手を伸ばす。
282 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:37:37.70 ID:fa3uZeUT0
( ・∀・)「ん?」
その手を止める動きがあった。
右方向を見れば、しぃの手が男の腕を止めている。
(*゚ー゚)「やめて……!」
( ・∀・)「何かね、君は」
(*゚ー゚)「これ以上、これ以上ギコ君を苦しめないで!」
( ・∀・)「はは……まるで私が悪役のようだね、これは」
(*゚ー゚)「それ以外に何があるの!?」
しぃは涙が浮かんだ目で、男を睨みつける。
( ・∀・)「ならば言わせてもらおうか。
本当の悪はね……ギコ君なんだよ」
(*゚ー゚)「え……」
( ・∀・)「何も聞かされてはいないのだね……哀れだよ、君は本当に哀れだ」
283 :
VIP村人n:2006/11/13(月) 22:38:34.81 ID:e4QRtDcB0
∧_∧ _ _ .' , .. ∧_∧
( ・∀・)_ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( ギコ )
ヽ-'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ /
/ ,,-―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i
/ ノ\\ . | / ノ |
/ / \\ , ー' /´ヾ_ノ
レ ノ ヽ_つ / , ノ
/ / ./ / /
/ /| / / ,'
( ( 、 / /| |
| |、 \ !、_/ / 〉
. | / \ ⌒l |_/
| | ) /
ノ ) し'
(_/ -==≡≡≡===-
284 :
VIP村人t:2006/11/13(月) 22:39:02.27 ID:F+NyZXvDO
!?
285 :
VIP足軽j:2006/11/13(月) 22:39:09.92 ID:9lPN5w+10
トv'Z -‐z__ノ!_
. ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く`
,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、:. ,
rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|::: ,.、
、 ,ェr<`iァ'^´ 〃 lヽ ミ ∧!::: .´
ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf:::: ~
286 :
VIP村人w:2006/11/13(月) 22:39:16.09 ID:HfzQW7OjO
しえん
287 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:40:48.59 ID:fa3uZeUT0
その言葉に、しぃが顔を怒りに染める。
華奢な両手で男を突き飛ばした。
(*゚ー゚)「ふざけないでよ!
ギコ君が……ギコ君が悪なわけないじゃない!」
押された男はフラリとよろめき、しぃと少し距離をとった。
( ・∀・)「では問おうかね。
君はギコ君の何を知っていると?」
(*゚ー゚)「何をって――」
( ・∀・)「知らぬなら教えよう。
私が構える会社がある都市で、強盗などの凶悪犯罪――
更には殺人を犯したギコ君を拾ったのが私だ」
(*゚ー゚)「ッ……!?」
( ・∀・)「彼はいわゆる死刑犯というヤツでね」
ニューソクとは異なる、しかし巨大な都市。
その郊外にあるスラム街でギコは育つ。
両親は最初からいなかった。
捨てられたからか、そうでないのか、今になっては解らない。
その汚い世界で育ったギコ。
青年といわれる歳になる頃には、その名を知らぬ者はいないというほどの大量の犯罪を犯していた。
強盗、窃盗、脅迫、誘拐、暴行、殺人……金になることなら何でもやった。
しかしその犯罪劇も幕を閉じることとなる。
仲間のミスで、己だけ警察に捕まってしまったのだ。
裁判は異例な速度で進んでいき、言うまでもなく死刑が確定。
死を待つだけの牢獄での毎日が始まった。
それに目をつけたのが、スーツの男だった。
男の正体は『フィーデルト・コーポレーション』社長。
営業内容は武力関係。
ヤクザやマフィアとは違う、しかし武力を主とした正義を振りかざす会社。
警察からの要請があれば兵を貸し出し、軍から依頼があれば武器を売る。
スーツの男は、ギコのその戦闘力……そして行動力を買う。
そして初めて出会ったのは牢屋越しだった。
289 :
駅前食堂のメグ:2006/11/13(月) 22:44:15.77 ID:hq5mAQDeO
支援
290 :
VIP足軽j:2006/11/13(月) 22:44:58.36 ID:9lPN5w+10
ヤムチャっていうレベルじゃねーぞ!おい!
291 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:47:06.25 ID:fa3uZeUT0
( ・∀・)「やぁ、君がギコ君かね」
( ,,゚Д゚)「…………」
( ・∀・)「外に出たくないかね? ん?」
( ,,゚Д゚)「……別に」
( ・∀・)「正直な返事をありがとう……でもぶっちゃけると、私は君という人材が欲しいんだ」
( ,,゚Д゚)「……何故?」
( ・∀・)「我らは正義の名の元に、武力という裁きの鉄槌を下す集団でね。
君にぴったりな仕事がいくつかあるんだが、どうだね?」
ギコは少し黙り、そして重々しく口を開いた。
( ,,゚Д゚)「そこは……自由か?」
( ・∀・)「心は皆、平等に自由だと思うのだが? ん?」
( ,,゚Д゚)「……解った」
後は金が解決した。
巨大な都市ほど、汚い政治家や警察官は多い。
死刑囚のギコを引き取るのに、さほど苦労は無かった。
292 :
VIP足軽c:2006/11/13(月) 22:48:52.52 ID:CeB0QGkB0
なんか色々な少年漫画的要素が詰まってる感じ
293 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:49:25.24 ID:fa3uZeUT0
(*゚ー゚)「そんな……」
しぃが愕然とした表情で男を見る。
( ・∀・)「彼がね……私の会社へ入って、初めてしたことは何だと思う?」
(*゚ー゚)「…………」
( ・∀・)「かつての仲間の始末だった」
己が捕まる原因となった元・仲間。
ミスとはいえ、当時のギコにはそんな分別や良心など皆無だった。
( ・∀・)「その後スッキリしたのか、彼は順調に仕事をこなしていったよ」
しかし
( ・∀・)「彼の反抗期は割と早めに来てしまってね」
294 :
水汲みおしち:2006/11/13(月) 22:51:52.35 ID:nC59Fth1O
しっ、支援なんてしてあげないんだからっ
295 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:52:11.06 ID:fa3uZeUT0
クルト博士が死亡したというニュースを聞いたスーツの男は
その遺産とも呼べるウェポンをいち早く集め始めた。
理由は、単純な興味。
武力を主とする会社の社長としては、そのウェポンという武器に興味があったのだ。
金と人脈を巧みに利用し、男の手に入ったのは1st−W『グラニード』。
だが、グラニードは男を主とは認めなかった。
兵士全員に試したところ、適合したのは意外にもギコだった。
男は喜ぶ。
ウェポンを間近で見れ、しかもそれが己の部下にいることに。
だが、その歓喜の時間も長くは続かなかった。
ギコが、グラニードを持って脱走したのだ。
理由は解らない。
彼は、死ぬはずだったところを助けた男を裏切り、1st−Wを持って逃げた。
一度は追い詰めるところまでいったのだが、一瞬の隙を突かれて逃げられる。
それが男の言う、一度目の対峙だ。
296 :
VIP村人u:2006/11/13(月) 22:52:13.01 ID:2RRKiUpyO
しえん
297 :
愛のVIP戦士:2006/11/13(月) 22:53:12.45 ID:8Z53dXHiO
今北しえん
298 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:54:26.71 ID:fa3uZeUT0
月下。
スーツを着た男は、淡々と過去を語っていく。
( ・∀・)「あの時の、そしてその後の彼に何があったかは知らないが
随分と幸せにやっているようだね?」
(*゚ー゚)「嘘よ……ギコ君は、そんなことしない!」
( ・∀・)「何故、そうと言える?」
(*゚ー゚)「だって、だって――」
しぃが理由を告げようとしたときだ。
( ・∀・)「!」
男は気付いた。
しぃの背後の空間。
ギコの姿が、無い。
一瞬我が目を疑う男。
が、その疑いは次の瞬間に晴れることとなった。
299 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 22:56:58.58 ID:fa3uZeUT0
「死ね」
声が頭上から聞こえた。
首を上げる時間も煩わしい。
男は一瞬でバックステップを踏んだ。
直後。
( ・∀・)「ッ!」
男が元いた位置に、青い稲妻とも言える一撃が降り立った。
壊と破と砕が混ざった凄まじい音、そして衝撃波。
その吹き荒れるような衝撃に、男としぃは地にしがみつく様に耐える。
( ・∀・)「今のは――!」
前方に巻き上がった砂煙を見る。
誰だ?
問うまでもなく――
300 :
VIP村人v:2006/11/13(月) 23:00:14.00 ID:kuyp1NCM0
ああ、ギコはヤムチャでもない、月島さんみたいなものだったのか。
301 :
VIP足軽ktkr:2006/11/13(月) 23:00:42.48 ID:9lPN5w+10
月島さんwwwwwwwwww
302 :
VIP足軽ktkr:2006/11/13(月) 23:04:01.40 ID:9lPN5w+10
さる?
303 :
VIP村人v:2006/11/13(月) 23:06:50.30 ID:GfZv6fUQO
支援
304 :
VIP村人x:2006/11/13(月) 23:08:42.59 ID:UfXbfYeMO
しえ
( ,,゚Д゚)「…………」
青い巨剣を肩に担いだ、ギコだった。
先ほどと変わらない姿で――
( ・∀・)(いや、あれは……?)
青い巨剣。
その刀身の周囲が歪んでいる。
まるで陽炎のようだ。
( ・∀・)「しかし……今のは何かね? 初めて見る一撃だったが」
( ,,゚Д゚)「悪いが話す余裕も、意思もない」
言いながらギコが接近してくる。
男は迎え撃つように構えた。
横から、薙ぐような一撃が迫る。
刀身の長さと速度から、男は回避は難しいと判断。
ならば方法は一つ。
左手に装着した指輪。
それを向かってくる青い刃に向かって突き出した。
306 :
VIP皇帝:2006/11/13(月) 23:10:26.27 ID:8Z53dXHiO
支援
307 :
VIP村人v:2006/11/13(月) 23:12:31.21 ID:2RRKiUpyO
支援
308 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 23:13:28.01 ID:fa3uZeUT0
金属音、そして衝撃。
押さえた、と男は判断。
巨剣の弱点は、その重量ゆえの遅さだ。
つまり一撃をかわすか防御すれば、あとはカウンターを入れ放題。
しかし――
( ・∀・)「!?」
左手で刃を押さえ、右手で打撃を入れようとした瞬間に気付く。
ギコが、ギコの手が、ギコの振りかぶった姿勢が、先ほどとは違い全て『逆』を向いていることに。
見れば左手の指輪に既に刃は無く、更にギコの再攻撃は始まっていた。
来る。
青い斬撃。
( ・∀・)「ッ!」
青の線がスーツの胸部を切り裂き、その奥にある皮膚をも狙う。
しかし判断は男が早かった。
カウンターを入れようとしていた右腕を無理矢理引き、その反動で背後へ身を投げたのだ。
まさにギリギリというタイミングで、青い刃が胸部の皮膚をかする。
砂埃を上げながら後退。
309 :
荒巻スカルチノフ:2006/11/13(月) 23:14:18.30 ID:Monl3XOYP
さる支援
310 :
VIP足軽x:2006/11/13(月) 23:14:30.36 ID:NVmpA3u20
tgf
311 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 23:16:34.16 ID:fa3uZeUT0
( ・∀・)「その速度……」
ふと頬を冷や汗が伝う。
見れば、胸の位置で真一文字にスーツが裂けていた。
少しでも遅ければ、おそらく胸部の皮膚を切り裂かれ、心臓や諸々をぶちまけていただろう。
( ,,゚Д゚)「これが、何だか解るか?」
ギコが青い巨剣を片手で振り回す。
陽炎のようなものが追従するようについていく。
そこで男は気付いた。
( ・∀・)「その陽炎……熱によるものではないな。
思うに重力や引力関係だね?」
( ,,゚Д゚)「ご名答」
ブオン、と巨剣を風車の如く眼前で回転させる。
( ,,゚Д゚)「グラニードの能力は『刀身に対する引力操作』。
言い換えるならば、引力強弱を自在変更可、か」
312 :
高校の女教師:2006/11/13(月) 23:17:54.86 ID:hq5mAQDeO
支援
313 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 23:20:45.42 ID:fa3uZeUT0
( ,,゚Д゚)「殺れると思ったんだがな……。
最初の攻防で、この巨剣が重く攻撃が遅いという事を
貴様の脳に叩き込んだつもりだったが」
( ・∀・)「なるほどね……先ほどの頭上からの攻撃は
刀身に対する引力をプラス化し、落下威力を上げた一撃。
そしてその後の攻撃は、逆に刀身に対する引力をマイナス化して刀身を軽くし
私の反撃よりも速く剣を振れた、か」
( ・∀・)「正直、危なかったよ……見たまえ、スーツが破れてしまった」
言いながら、男は左手を掲げる。
黄色の閃光。
現われたのは薄い黄色の長い柄だ。
先端に、鉄の塊ともいえる頭部が付属する。
その形は、ハンマーもしくは鉄槌と呼ばれるものだった。
ハンマーの柄の中間部分を持ち、フォン、という高い音を立てながら回転していく。
そしてピタリ、とその動きを止めた。
( ・∀・)「使わせてもらうよ……『2nd−W・ロステック』を」
( ,,゚Д゚)「構わん。 そうでもしないと貴様に勝ちはない」
314 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 23:24:11.59 ID:fa3uZeUT0
対峙している二人とは少し離れた場所。
先ほどのギコの反撃に、ブーン達は開いた口が塞がらなかった。
ギコの過去もそうだが、グラニードのその能力の使い勝手の良さに驚愕したのだ。
(;^ω^)「な、なんか僕のクレティウスがとても貧弱に見えるお」
(;'A`)「お前なんてまだいいよ。
俺のガロンなんて、ただ光の弾撃つだけだぜ?」
理不尽だー、と二人で同時に声をあげた。
そんな二人に、ギコが声を掛ける。
( ,,゚Д゚)「お前ら、見ておけよ」
( ^ω^)「お?」
( ,,゚Д゚)「これが俺の『OVER ZENITH』だ」
315 :
VIP村人XL:2006/11/13(月) 23:24:33.24 ID:r8l4VEAiO
wktk
316 :
VIP村人u:2006/11/13(月) 23:24:39.92 ID:F+NyZXvDO
ギコがかませ化したのかとオモて焦ったze
wktk
317 :
VIP足軽x:2006/11/13(月) 23:27:06.95 ID:P4Z1onBPO
さる支援
318 :
VIP村人x:2006/11/13(月) 23:27:14.41 ID:UfXbfYeMO
真のかませはブーンとドクオなんだぜ
319 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 23:28:27.33 ID:fa3uZeUT0
瞬間、ギコが真上に高く飛んだ。
巨剣を振りかぶり、叫ぶ。
( ,,゚Д゚)「『OVER ZENITH』……!!」
途端、青い光が巨剣を包む。
その光の強さは、発動時の発光とは比べ物にならない。
( ・∀・)「見せてくれたまえ……君の力を!」
モララーが地上で迎撃の姿勢を取る。
( ,,゚Д゚)「おおおおぉぉぉぉあああぁぁぁ!!」
1st−W『グラニード』。
誇り高きその青の巨剣が、吠えた。
大気が震える。
『OVER ZENITH』とは、限界突破の意。
限界を超えた攻撃が月下で発動する。
320 :
VIP村人u:2006/11/13(月) 23:30:16.00 ID:F+NyZXvDO
>>318 ちょwwwwwwwww主人公wwwwwwwwwww主人公wwwwwwwwwwww
まぁ、何かピッコロさんvsフリーザ様の戦いを見学しとるご飯と栗を連想させるのは確かw
321 :
VIP村人XL:2006/11/13(月) 23:31:14.51 ID:r8l4VEAiO
スーパーマリオZ
322 :
VIP村人Ecup:2006/11/13(月) 23:32:14.88 ID:s+DGTGDs0
Ecup!!!!
323 :
◆BYUt189CYA :2006/11/13(月) 23:32:47.57 ID:fa3uZeUT0
以上で第九話を終わります
さてさて、誰が一体かませ犬なのやら・・・
個人的にはキャラ全てを活かしたいと思ってるんですが
どうしても強弱の差って出るんですよね
困ったものです
読んでくれた方々、本当にありがとうございました
次回も明日の9時〜10時に出現する予定です
ではでは、おやすみなさい
324 :
VIP村人u:2006/11/13(月) 23:34:08.95 ID:F+NyZXvDO
325 :
VIP皇帝:2006/11/13(月) 23:34:59.94 ID:mcUXIVFVO
乙。はやく続きよみたいお
326 :
高校の女教師:2006/11/13(月) 23:36:30.86 ID:hq5mAQDeO
乙
327 :
水汲みおしち:2006/11/13(月) 23:37:35.43 ID:Bb1ftL3TO
乙!
クー兄者組も気になるなあ
328 :
籠屋の銀二:2006/11/13(月) 23:39:38.01 ID:qpaa6Q8nO
瞬間、ギコが真上に高く飛んだ。
巨剣を振りかぶり、叫ぶ。
( ,,゚Д゚)「ソニックブーム……!!」
329 :
VIP村人y:2006/11/13(月) 23:47:35.37 ID:7/H0pGntO
おっおっお
330 :
VIP足軽になりたい:2006/11/14(火) 00:35:51.86 ID:T/Leb0oPO
331 :
VIP村人Ecup:2006/11/14(火) 01:57:25.36 ID:DA7t1DALO
保守
332 :
VIP村人a:2006/11/14(火) 02:43:59.65 ID:qBy5HUBkO
333 :
VIP村人y:2006/11/14(火) 02:46:39.40 ID:egiGdY9xO
まとめどこ
334 :
VIP村人f:2006/11/14(火) 05:29:33.19 ID:qjxtZb+4O
ほ
335 :
VIP村人g:2006/11/14(火) 05:57:06.70 ID:DFpVa9ZQO
336 :
VIP村人l:2006/11/14(火) 07:31:02.19 ID:ulHGRqcz0
ほ
337 :
VIP悪魔:2006/11/14(火) 08:26:53.91 ID:nEfpXY2xO
おはようベジータ
338 :
VIP村人x:2006/11/14(火) 08:48:03.74 ID:9BvXHFtB0
卍解じゃなくて限界突破だったか……ブーンの予想結構当たってたなwwww
339 :
VIP村人XL:2006/11/14(火) 08:48:56.90 ID:sv8ShITd0
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
西日本風俗情報てんこもり!!
BodyGuideをよろしく
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風俗オーナーさん 目を覚まして下さい!!今 掲載しているサイトは無駄使いですよ
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340 :
VIP村人Ecup:2006/11/14(火) 10:12:01.84 ID:H61+JSUP0
(っ´▽`)っ ・・・
341 :
VIP番長:2006/11/14(火) 11:20:37.26 ID:y7cml//BO
ほ
342 :
VIP村人h:2006/11/14(火) 11:57:58.46 ID:boCB71wwO
ほ
343 :
VIP村人n:2006/11/14(火) 12:36:44.34 ID:1BxbuMsRO
しゅ
344 :
VIP村人o:2006/11/14(火) 13:22:07.30 ID:1BxbuMsRO
っゅしっほ
345 :
一生足軽:2006/11/14(火) 15:07:01.06 ID:UmYeIX6X0
保守
346 :
水汲みおしち:2006/11/14(火) 15:12:21.95 ID:fC92m1czO
え、今全部落ちてなかったか?
この鯖はまだまだ謎が多いな
347 :
VIP将軍:2006/11/14(火) 16:48:32.04 ID:aRgTa0xqO
保守
348 :
前進タイツ:2006/11/14(火) 16:53:14.66 ID:n796rUjR0
保守。
349 :
魔法使い:2006/11/14(火) 17:00:56.08 ID:h2zglEDTO
ほ
350 :
前進タイツ:2006/11/14(火) 17:19:41.45 ID:n796rUjR0
保守
351 :
VIP村人s:2006/11/14(火) 17:48:55.78 ID:jSQJOI13O
ほ
352 :
VIP村人p:2006/11/14(火) 17:58:10.12 ID:qBy5HUBkO
ほ
353 :
VIP村人t:2006/11/14(火) 18:17:02.31 ID:jSQJOI13O
ほ
354 :
VIP足軽gif:2006/11/14(火) 18:24:32.06 ID:ClI4k1zl0
保
355 :
前進タイツ:2006/11/14(火) 18:47:03.64 ID:n796rUjR0
ほ
356 :
VIP村人w:2006/11/14(火) 18:48:48.72 ID:XnNcyDqGO
し
357 :
宿屋の女中:2006/11/14(火) 18:56:19.08 ID:5zXh/G/GO
の
358 :
VIP村人v:2006/11/14(火) 19:08:33.96 ID:uE57UBFZO
あ
359 :
VIP村人u:2006/11/14(火) 19:43:04.21 ID:jSQJOI13O
な
360 :
VIP足軽wwwww:
う