( ^ω^)ブーン達の災連は終わってなかったのかもSIRENね
1 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:37:28.96 ID:0VS1BXYM0
(´・ω・`)<代理なんだ
2 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:38:29.35 ID:KHlK5rtP0
代理乙だお(^ω^ )
3 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:38:36.65 ID:vKMB8/lj0
4 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:40:23.19 ID:XuWTAkUW0
5 :
◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:40:26.42 ID:E7LtvMAk0
6 :
◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:41:30.24 ID:E7LtvMAk0
7 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:43:00.56 ID:E7LtvMAk0
《 五章 祭りの終わる日 》
『ソレ』は、薄れゆく私の意識を満たし支配する。
そして、それだけでは飽き足らずに体の表面に染み出すと、
私自身を、ベッドを、部屋を、家全体を包み込み、そして更には……
そのときの私は、『ソレ』が何なのか分からなかった。
いや、その存在から目を背け見ようとすらしなかったのだ───
8 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:45:07.54 ID:E7LtvMAk0
【8月15日】
(*゚ー゚) 「ゆっかたーだ ゆっかたーだ うれ(*゚ー゚)なぁ〜♪」
ξ ゚听)ξ 「ほーら、あんま動かないの。テレがやりにくいでしょ?」
(*゚ー゚) 「はぁいっ」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「もう少しで終わるからね。はい、深呼吸して〜」
タイミングを見計らい、テレがしぃの浴衣の帯をギュッと締める。
(*゚ー゚) 「むー、テレさん苦しいぃ〜」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「ちょっと我慢してね。こうしないと、すぐ着崩れしちゃうからね」
(*゚ー゚) 「はぁい・・・」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「はい、おしまいっと・・・。うん、かわいい、かわいい」
(*゚ー゚) 「ホントっ? ありがとう、テレさん!」
しぃは姿見の前で浴衣の袖を掴むと、その場でクルクルと回りだす。
それを見た私は、帯を引っ張る仕草をする。
(゚ー゚*三*゚ー゚) 「あ〜れぇ〜、おやめください〜」
ξ ゚ー゚)ξ 「うっひっひ。よいではないか、よいではないか」
|lノ;゚ヮ゚ノリ 「・・・二人とも、なにやってるの?」
9 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:48:31.00 ID:E7LtvMAk0
薄い青色地にかすみ草の花柄が施されたその浴衣は、しぃによく似合っていた。
うん、私のお古にしては悪くない。
ちなみに私の浴衣は山茶花(さざんか)柄で、テレのは様々な色のアサガオだ。
ξ ゚听)ξ 「ふざけるのはこれくらいにして、と・・・これで準備オッケーかな?」
|lノ ´ヮ゚ノリ 「ツンちゃん、忘れてるわよ」
テレが片目をつむり、自分の左耳を指で示す。
そこには、あの天使のイヤリングが揺れていた。
ξ ゚听)ξ 「・・・あ」
最後に着けようと思ってて、つい忘れてた。
私は机の上に置いてあるイヤリングをつまむと、素早く右耳に着ける。
もう鏡を見なくても着けられるようになった。
浴衣にはちょっと似合っていないような気もするが、
テレが一緒に着けたがっているし、まぁいいか。
10 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:49:57.68 ID:KHlK5rtP0
猿去る支援(^ω^ )
11 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:50:14.36 ID:E7LtvMAk0
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「じゃあ着付けも終わった事だし、そろそろ行きましょうか」
ξ ゚ヮ゚)ξ 「よし、行こう!」
(*゚ー゚) 「行こうっ!」
三人同時に手を伸ばしてハイタッチする。
今日は年に一度のお祭り、『白蛇祭り』の日だ。
この日ばかりは本土や本島に出稼ぎに行ってる人達や大学生などが帰島し、村は大いに盛り上がる。
とはいえ元々が人口の少ない村なので、その規模はしれたものなのだが。
毎年、本島から花火師を呼んで、最後に花火を観賞する事になっている。
今年の花火はどんなんだろう? 楽しみだ。
テレの部屋を出ると玄関でゲタを履き、三人一緒に表へ飛び出した。
12 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:52:17.36 ID:E7LtvMAk0
※
すっかり暗くなった道を、私達は村外れの海岸近くにある朧神社へと向かっていた。
そこで例の三人組みと待ち合わせているのだ。
肝試しで痛めた足首は、歩くだけならもう問題ない。
製材所のほうから歩いてきた作業服姿のミンナさんが手を上げ、私達に声をかけてくる。
( ゚д゚ ) 「やぁ、こんばんは。君達も今からかい?」
(*゚ー゚) 「ミンナさん、こんばんはー」
ξ ゚听)ξ 「あれ? 今、仕事終わったんですか?」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「お祭りの日まで大変そうですね」
( ゚д゚ ) 「ウチはいつも人手不足だからねぇ」
(*゚ー゚)ξ ゚听)ξ|lノ ゚ヮ゚ノリ 「・・・・・・」
( ゚д゚ ) 「ん、なんだい? じっと見て」
(*゚ー゚)ξ ゚听)ξ|lノ ゚ヮ゚ノリ 「こっちみんな」
(;゚д゚ ) 「これはひどい」
そんな感じで、道すがら大勢の村人達と挨拶を交わす。
皆、このお祭りの起点となる神社へと向かっているのだ。
13 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:54:27.73 ID:E7LtvMAk0
※
白蛇祭りは朧神社からお社までの道程を、火を灯した二本のロウソクを持って歩いて行く、
というのが儀式(という程のものでもないが)になっている。
白いロウソクが白蛇、炎が命を表しているらしい。
この『お社参り』は、お祭りが終わるまでに個々で済ませればいいので、それ以外は好きにしてて構わない。
※
桐のゲタをカランコロン鳴らしながら歩いていくと、しばらくして神社の鳥居が見えてくる。
その鳥居の前は、様々な出店と大勢の人とで賑わっていた。
( ^ω^)ノシ 「あっ、ツンちゃん達だお。おーいおーいだお!」
ブーンが人ごみの中から目ざとく私達を見付けて手を振る。ドクオとショボンも一緒だ。
それぞれが、タコヤキやヤキソバやお好み焼きやらが乗った紙皿を持っている。
( ^ω^) 「ずいぶん遅かったお、はむはむ、やっぱりヤキソバは、はむはむ、ペヤングが一番だお」
(`・ω・) 「ペヤングって、もぐもぐ、日本初の、もぐもぐ、カップヤキソバ、もぐもぐ、なんだよ」
('A`) 「おめーらおせーよ、はふはふ、こづかい全部、はふはふ、使っちまったじゃねーか」
ξ ゚听)ξ 「はいはい、お待たせお待たせ。
つか、そんなもんばっか食べてるとメタボリックシンドロームになるわよ?」
私は、なるべくドクオの顔を見ないように素っ気なく言う。
肝試しの一件以来、なんとなく目を合わせづらかったからだ。
どうしてなんだろ? 今までこんな事、一度もなかったのに……
14 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:55:37.11 ID:XuWTAkUW0
メタボリックシンドロームは嫌いだけどストックホルムシンドロームは大好き
15 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:56:47.67 ID:E7LtvMAk0
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「待たせちゃってごめんね。着付けに時間かかっちゃって・・・」
('A`*)(*^ω^)(*´・ω・) 「・・・・・・」
三人は口を動かすのを止め、ポカンとした顔で私達の浴衣姿に見入っている。
今日は浴衣に合わせて、私達は髪を結い上げている。
普段は見慣れない髪型も、三人の目には新鮮に映るのだろう。
まぁどーせ、テレとしぃしか見てないんだろうけど。
('A`*) 「ツン・・・おまえ、浴衣姿似合ってんな」
ξ(゚、゚*ξ 「え? な、なによ、急に・・・」
いきなりの予想外発言で、うろたえてしまった私はそっぽを向く。
まさか、ドクオの口からこんな言葉が聞けるなんて……
('A`) 「馬子にも衣装とはよく言っ・・・」
バ キ ッ !
ξ#゚-゚)ξ 「殴るわよ?」
('A(::) 「もう殴ってね?」
ξ#゚-゚)ξ 「殴ってないわよ。私に殴らせたらたいしたもんよ」
どうせこんなことだろうと思った。
怒ったふりをしながら、私は心の中でどこかホッとしていた。
─── 今まで通り、そしてこれからも変わらない関係。
16 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 22:59:15.37 ID:E7LtvMAk0
|lノ;゚ヮ゚ノリ 「まぁまぁ、二人とも・・・。今日はお祭りなんだし、ねっ?」
('A(::) 「いや、オレは別に何も」
ξ#゚听)ξ 「何よっ、私が悪いっての!?」
私はドクオに向かって拳を振り上げる。
|lノ;゚ヮ゚ノリ 「ツ、ツンちゃんってば。そんなに動くと着崩れしちゃうわよ?」
テレが私とドクオの間に割って入る。
う、そうだった。せっかくテレが着付けてくれたのに。
ちょっと調子に乗り過ぎちゃった。
ξ ゚听)ξ 「・・・ごめん、テレ」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「ううん、いいの。ツンちゃんの浴衣姿、とってもステキよ。ドクオ君も照れくさいだけよ、きっと」
ξ ゚听)ξ 「テレ・・・」
テレが私の浴衣の襟元を直す振りをしながら、耳元でそうささやく。
……なんて気配りのできる子なんだろう。私の妹にはもったないくらい。
そんな私達の隣りでは、ショボンとしぃが二人だけの世界を作っていた。
(*´・ω・) 「その・・・しぃちゃんの浴衣姿、すごく似合ってるよ」
(*゚ー゚) 「ホントっ!? ありがとう、ショボン君!」
(*´・ω・) 「う、うん・・・」
ξ ==)ξ 「ぢぃ〜・・・・・・」
17 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:01:17.02 ID:E7LtvMAk0
あー、若いなぁ。これが若さか……
私のねっとりとした視線に気付いたのか、ショボンが慌てて言う。
(;´・ω・) 「あっ、そうだ! みんな、なに食べたい? ボク買ってくるよ」
(*゚ー゚) 「わたし、綿菓子がいい!」
ξ ゚听)ξ 「あ、私は杏飴がいいな」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「じゃあ、あたしも同じの。ごめんね、ショボン君」
(´・ω・) 「うん。それじゃ、ちょっと行ってくるね」
お金を受け取ったショボンは、すぐに人込みの中に飲まれていった。
しばらく待っていると、不意に肩を後ろからたたかれる。
振り返ると、そこにはショボンによく似た風貌の青年が立っていた。
(`・ω・´) 「やあ、ツンちゃん久しぶり。テレちゃん、ドクオ、ブーンも。あと、しぃちゃんだったかな?」
ξ ゚听)ξ 「あ、シャキンさん!」
(*゚ー゚) 「えと・・・こんばんはっ」
( ^ω^) 「久しぶりだお、シャキンさん」
('A`) 「ちーす。正月ぶりっすね」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「シャキンさん、いつ戻られたんですか?」
(`・ω・´) 「うん、今朝の船でね。・・・ところでショボンは?」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「あ、ショボン君はちょっと買い物に・・・」
18 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:04:16.09 ID:E7LtvMAk0
シャキンさんはショボンのお兄さんで、お医者さんの卵だ。
今は本土で研修医をしているのだが、後々はこの島の常駐医師になるのが目標だそうだ。
研修医というのは相当大変なようで、最近は島に帰ってくる暇もなかなか取れないらしい。
(´・ω・) 「あ、兄さん!」
ほどなくしてショボンが戻ってきて、全員揃ったところで近況報告や昔話に華を咲かせた。
ショボンも、いつも以上に楽しそうだった。
彼にとっては尊敬する兄であり、目標でもあるのだから。
('A`) 「だからあそこはしゃがみ小キックで・・・」
ξ ゚听)ξ 「そうじゃなくて、その前にBダッシュで・・・」
( ^ω^) 「違うお。テニムがカチュワを見捨てて・・・」
(´・ω・) 「あの場面はタィラント戦に備えて自らT-ウィルスに・・・」
(`・ω・´) 「まだまだだな、ショボン。あの状況ならダンボールをかぶるのが・・・」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「ですよねー。あのシーンの選択肢は『実木元さんの脈を……』かしら・・・」
∩(*゚ー゚)∩ 「上上下下左右左右BAだよっ。どかーん!」
時間を忘れて話しをしていると、シャキンさんが腕時計に目をやって申し訳なさそうに言う。
(`・ω・´) 「ゴメン。ボクは約束があるから、もう行かなきゃ」
ξ ゚听)ξ 「あ、すみません。引き止めちゃって」
(`・ω・´) 「いやいや。君達も早くお社参りを済ませとかないと、ゆっくり花火が見れないよ?」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「そうですね。じゃあ、これで」
(`・ω・´) 「うん、楽しかったよ。じゃあまた」
19 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:06:19.41 ID:E7LtvMAk0
シャキンさんは手を振ると、人込みに消えていった。
その後ろ姿を見送りながら、私は形容しがたい違和感を覚えていた。
なんだろう、この感じ……
そうだ。クー先生や、大蛇島のデパート店員に感じたものと同じなんだ。
まるで魂が存在しないかのような虚ろな感じ。
私の知っているシャキンさんには間違いないんだけど……
(´・ω・) 「ツンちゃん、どうかした? ロウソク貰いに行こう?」
気付かない内に、皆は移動を始めていたらしい。
その場で考え込んでいた私に、ショボンが声をかけてくる。
ショボンにその事について聞いてみたいと思ったが、考え直す。
自分の兄に魂が抜けている感じがする、と言われても困惑してしまうだけだろう。
ξ ゚听)ξ 「・・・シャキンさん、頑張ってるみたいね」
(´・ω・) 「仕事はかなりきついらしいけどね」
ξ ゚听)ξ 「ショボンは精神科医になりたいんだっけ?」
(´・ω・) 「うん。もしなれたら、この島の診療所で兄さんと一緒に働きたいんだ」
ξ ゚ヮ゚)ξ 「きっとなれるわよ、あんたなら」
(´・ω・) 「・・・ありがとう、ツンちゃん」
ξ ゚听)ξ 「さ、もう行きましょ。急がないと置いてかれちゃうわ」
(´・ω・) 「うん、そうだね」
そこで話しを切り上げると、私達は足早に皆の後を追った。
20 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:07:18.83 ID:KHlK5rtP0
虚ろな猿回避
21 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:09:04.44 ID:E7LtvMAk0
※
二本一対のロウソクは神社の拝殿前で配られていて、それに宮司様に火を灯して頂く。
それを消さないようにお社まで持っていけばいいのだ。
もし火が消えてしまったら、最初からやり直さなくてはならない。
ロウソクの回りには大きい紙コップのような風防があるので、そう簡単に消えたりはしないのだけど。
私達は火の灯った一対のロウソクを片手に持ち、村を抜けてお社へと向かう。
さすがにお社参りの途中は、物を食べたり飲んだりは厳禁なのだが、
おしゃべりは自由なので、気楽なものだ。
私達以外にもたくさんのグループや家族連れがいて、皆楽しそうに話しながら歩いている。
昼間の暑さはすっかりなりを潜め、山麓を吹き抜ける夜風が肌に心地好い。
私は足を止め、雲一つ無い満天の星空を仰いだ。
('A`) 「なぁ、ツン。そういえばおまえ、足はもう大丈夫なのか?」
横に並んだドクオが急に話しかけてきたので、私は顔が火照るのを自覚して顔を逸らした。
月明かりとロウソクの火、そして足元を照らすための懐中電灯以外に光源の無い、
この暗い夜道で気付かれるはずもないのだが。
ξ(゚、゚*ξ 「へ、平気よっ。見ればわかるでしょ?」
('A`) 「あっそ、ならいーんだけどよ。・・・なーんか今日のおまえ、ツンツンしてね?」
ξ(゚Δ゚#ξ 「ヵツゥーーーンッ!」
私はロウソクとは逆の手に持った懐中電灯で、ドクオの顔を照らす。
ξ#゚听)ξ 「うっさい黙れ」
Σ ('A`;) 「うおっ、まぶしっ!」
ドクオがロウソクを持った手で顔を覆う。
|lノ;゚ヮ゚ノリ 「ちょっ、ロウソクの火が消えちゃうわよ?」
('A`) 「あ、忘れてた」
|lノ*゚ヮ゚ノリ 「もう・・・やり直しになったら、一緒に花火見れなくなっちゃうんだからね?」
('A`) 「へーへー」
二人が話している隙に、私は少し足を速めてその場を離れる。
ふぅ……まだ心臓がドキドキしてる。なんでだろう?
胸の中に湧き上がるこの感情がなんなのか、そのときの私には分からなかった。
もうあと少しでお社だ。
そういえば、前にも懐中電灯を手にお社に向かった事があったような気がする。
お社参りではなく、もっと恐ろしい状況だったような ━━━ ジジジ、ジジッ ━━━
_, ._
ξ;--)ξ 「ツッ・・・!」
また、あの耳鳴りがした。同時に耳の奥に鋭い痛みが走る。
私は目を閉じて、痛みを飛ばすように頭を振った。
最近、多いなぁ。病気じゃないといいんだけど……
23 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:14:44.30 ID:E7LtvMAk0
※
お社に着いた私達は、受付の人にロウソクを手渡す。
手渡したロウソクはお社の外陣へと運ばれ、燃え尽きると処分されるようになっているのだ。
(´・ω・) 「ふぅ、今年のお社参りも無事に終わったね」
( ^ω^) 「残るは花火だお」
(*゚ー゚) 「花火、楽しみ〜。どっかーん!」
私は皆から一人離れ、草むらを懐中電灯で照らしていた。
確か、ここらへんで『深淵』を見たんだけど……
もちろん今いるはずもないし、いた痕跡も見当たらない。
あれはやはり白昼夢だったのだろうか?
私は長い溜息をつく。
耳鳴り、深淵、そしておかしな視線─── 自分はどうかしてしまったのではないのだろうか?
近いうちに一度、診療所で診てもらったほうがいいのかもしれない。
額に手のひらを当てていると、テレが小走りに近寄ってきて顔を覗き込む。
|lノ;゚-゚ノリ 「ツンちゃん、どうしたの? 気分でも悪い?」
ξ ゚听)ξ 「・・・ううん、そうじゃないの。ごめん」
|lノ ゚ヮ゚ノリ 「そう? 良かった。じゃ、行きましょ。早くしないと花火始まっちゃうわ」
ξ ゚听)ξ 「うん・・・」
24 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:17:08.84 ID:E7LtvMAk0
テレは私の手を握ると、先に立って歩き出す。
その手に引っ張られながら、私は沈んだ心が軽くなっていくのを感じていた。
やっぱりテレと手をつないでいると落ち着く……
※
朧神社まであと少しというところで突如、大きな破裂音が島中に響き渡る。
ヒ ュ ル ル ル ル 〜〜〜 ッ …… ド ン ッ! ド ド ー ン!!
音と共に、夜空に極彩色の光の粒が生まれては消えていく。
それは星々の放つ輝きとは、また違った美しさだ。
ξ ゚听)ξ 「あ、始まっちゃった・・・」
私達は今、村外れにいる。
急けば花火が終わらない内に神社に戻れるかもしれないけど……
私が思案していると、しぃが今戻ってきた道の先を指差す。
(*゚ー゚) 「ツンさん、あそこ! あそこで見ましょ?」
道から少し逸れたその場所は小高い丘になっていて、辺りに視界を遮るような物も無い。
確かに花火を見るにはちょうどいいかもしれない。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:17:31.87 ID:MEMiw1pO0
支援
26 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:19:24.61 ID:E7LtvMAk0
ξ ゚听)ξ 「そうね、あそこにしよっか。あんた達もいい?」
( ^ω^) 「僕はいいお」
(´・ω・) 「ボクも構わないよ」
ξ ゚听)ξ 「・・・あれ、テレとドクオは?」
辺りを見回すが、近くの人達の中に二人の姿はなかった。
しぃが待ちきれないといった様子で、ぴょんぴょん飛び跳ねる。
(*゚ー゚) 「早くしないと良い場所取られちゃう!」
回りの人達も神社に戻るのを諦めたのか、その丘に向かってぞろぞろと歩き始めていた。
ξ ゚听)ξ 「ねぇ、テレとドクオ見なかった?」
(´・ω・) 「あれ? さっきまでボクらの後ろを歩いてたんだけど・・・」
( ^ω^) 「僕は見てないお」
(*゚ー゚) 「みんな早く、早くっ!」
ξ ゚听)ξ 「じゃあ、あんたたちは先に行って場所取ってて。私は二人を探してくるから」
(*゚ー゚)ゞ 「らじゃっ!」
私は皆から少し離れると、念の為もう一度辺りを見回す。
ドクオは背が高いから、いれば一目で分かるのだが……
? 「どうかしたか、ツン?」
ξ;゚听)ξ 「の゙っ!」
27 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:21:22.40 ID:MEMiw1pO0
しええん
28 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:21:56.46 ID:E7LtvMAk0
突然背後から声をかけられ、私はちんぽっぽのようにぼいんっと飛び上がる。
振り向くと、そこにはクー先生が立っていた。
ξ;゚听)ξ 「ク・・・明石先生!」
いつも通りのパンツスーツ姿で腕を組んでいる。
川 ゚-゚) 「人を探しているようだが?」
ξ ゚听)ξ 「あ、はい。テレとドクオを見ませんでしたか?」
川 ゚-゚) 「うむ、見たぞ。二人で学校のほうに向かったようだが」
ξ ゚听)ξ 「学校・・・ですか? ありがとうございました」
お礼を言ってその場を離れようとすると、クー先生は意味ありげに微笑んだ。
川 ゚ー゚) 「・・・急げよ、ツン」
ξ ゚听)ξ 「え?」
川 ゚ー゚) 「急がないと花火が終わってしまうからな・・・」
ξ ゚听)ξ 「あ、そうですね。失礼します」
学校ならばここからすぐだ。
トイレにでも行きたくなったのだろうか?
私は浴衣の裾を持ち、小走りに学校へと向かった。
29 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:25:10.49 ID:E7LtvMAk0
※
カッ カッ カッ カッ カッ ……
私は誰もいない真っ暗な林道を、高らかにゲタを鳴らしながら学校へと急ぐ。
背後ではひっきりなしに花火の音が聞こえてくる。
急がないと終わっちゃう。皆で一緒に見たいのに……
しばらくして懐中電灯の明りの先に、見慣れた学校の校門が見えてきた。
さて、ここからが問題だ。
探すといっても校内はそれなりに広い。ぼやぼやしていたら花火が終わってしまう。
ξ;゚听)ξ 「どこから探そう。やっぱ一階のトイレからかな・・・」
私は一人つぶやくと、校門をくぐった。
そのとき背後で大きな花火が上がり、校庭全体をおぼろげな光で照らす。
一瞬、校庭の隅に二つの人影を見た気がした。
テレとドクオかな? でも、なんで校庭なんかに……
私はなんとなく懐中電灯の明りを消すと、人影が見えたとおぼしき場所へと近づいていった。
30 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:28:11.53 ID:E7LtvMAk0
※
校庭の端に植えられた桜の木づたいに、気配を消しながら歩く。
草と土を踏むわずかな足音は、花火の音が消してくれた。
私、なんでこんな事してるんだろ……?
普通に近づいて声をかけて、もし二人じゃなかったら謝れば済む事なのに。
だが内心とは裏腹に、私は隠れるように人影に近づいて行く。
また大きい花火が上がった。
今度ははっきりと、その二つのシルエットが浮かび上がる。
間違いない。テレとドクオだ。
ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ……
脈が急に速まる。
こら、静まれ。胸が高鳴る理由なんか……ない。
十メートル程の距離まで近づいた。二人が気付く気配はない。
何かを話しているようだが、距離と花火の音が邪魔になって聞き取れなかった。
31 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:31:12.14 ID:E7LtvMAk0
もうこんな覗き見のような真似は止めたほうがいい。
ここから出ていって、普段通りに二人に話しかけるのだ。
そして、その後で皆で花火を見て……
しかし思いとは逆に、足はピクリとも動かない。
感覚の全てが目と耳に集中する。
会話が止まった。
無言で見つめ合う二人。
ドクオの手がテレの肩に伸びる。
そんな、これってもしかして……
ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ……
花火の音はもう耳に入ってはこない。鼓動の音だけがやたらと耳障りだ。
ド ド ー ン ッ! パ パ パ ァ ッ !!
ひときわ大きな花火が夜空を彩り、一つになった二人の影を地面に映し出す。
二人の顔がゆっくりと近づいた、そのとき───
32 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:34:11.58 ID:E7LtvMAk0
( ^ω^) 「どうかしたかお、ツンちゃん?」
ξ;゚听)ξ 「くぁwせdrftgyふじこlp!!」
いつの間にか、ブーンが私のすぐ後ろにいた。
ドクオとテレが体を離し、私達のほうを見て驚いた声を上げる。
|lノ;゚-゚ノリ 「ツ、ツンちゃんっ!?」
('A`;) 「ブーン! おまえらどうして・・・!?」
二人の慌てた様子にブーンも驚いたらしく、しどろもどろに説明する。
(;^ω^) 「ぼぼぼ、僕はツンちゃんの後を追って、肛門じゃなくて校門の所で見つけて、それで・・・」
ブーンは私を心配して追ってきてくれたのだろう。全く気付かなかった。
花火と私のゲタの音で、足音と気配が掻き消されていたのだ。
(^ω^;三;^ω^) 「おっおっおっ。み、みんなどうしたんだお?」
私はテレとドクオから視線を逸らし、頭に浮かんだ単語をただ並べて口に出す。
_, ._
ξ;゚听)ξ 「わ、私は・・・あんた達を探してて、クー先生が学校に向かったって・・・」
('A`;) 「ツン、おまえ・・・」
33 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:36:12.28 ID:KHlK5rtP0
私怨
34 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:36:45.07 ID:E7LtvMAk0
見下ろした地面が、視界がグニャリと歪む。
_, ._
ξ ;凵G)ξ 「・・・それで、みんなで花火を見れたらいいなって・・・・・・あれ・・・?」
気がつくと頬に涙が伝っていた。
え、なに? なんで私、泣いてるんだろう。悲しくなんか全然ないのに……
だが、涙はとめどなく溢れてくる。
ξつ凵G)ξ「や、やだっ、私ったら。違うのこれは・・・ご、ごめんなさい。その、邪魔しちゃって・・・」
|lノ;゚-゚ノリ 「・・・ツンちゃん」
ξつ凵シ)ξ 「私、帰るっ。ごめんね!」
|lノ;゚o゚ノリ 「ツンちゃん、待って!」
私はその場を逃げるように駆け出す。
少しでも早くこの場からいなくなりたかった。
一人になりたかった。
背後からテレとドクオの声が聞こえたが、それを振り切って走り続けた。
治りかけの足首が鈍く痛んだが、それも気にならなかった。
35 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:39:13.65 ID:E7LtvMAk0
※
どのくらい走ったのだろうか。
ゲタが地面を蹴る音だけが聞こえ続けていた。
ガ ッ!
_, ._
ξ;><)ξ 「キャアッ!!」
慣れないゲタと浴衣のせいで、地面の窪みに足を取られ転んでしまう。
勢いがついていたので、手のひらを擦り剥いてしまった。
_, ._
ξ ;凵G)ξ 「いたた・・・なにやってんだろ、私・・・」
地面に倒れているとなぜか惨めな気持ちになってしまい、なかなか起き上がる事ができなかった。
しばらくしてヨロヨロと立ち上がると、浴衣は着崩れ、砂と埃に塗れてしまっていた。
_, ._
ξ T儺)ξ 「あぅ・・・せっかくテレが・・・着付けてくれたのに・・・うっうっ・・・」
止まっていたはずの涙が、また零れ出す。
擦り剥いた手のひらがズキズキと痛む。
私は痛みのぶり返した右足を引きずりながら歩き出した。
いつのまにか花火は終わっていた───
36 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:41:21.12 ID:xzJoIQK0O
wktk
37 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:41:35.21 ID:E7LtvMAk0
※
やっとの思いで家へと帰り着く。
窓の明りは全て消えている。
祭りに出かけた両親も、まだ帰ってきていないのだろう。
少しだけホッとした。こんな酷い格好を見られずに済むのだから。
私は自分の部屋に戻ると明りもつけずに、ベッドにうつぶせに倒れ込む。
汚れた浴衣もそのままだ。着替える気力すら出ない。
様々な思いが頭の中を駆け巡り、
そしてようやく一つの結論にたどり着いた。
ああ、そうか。多分、私はドクオの事が好きなんだ……
そんな風に考えた事もなかったので実感は湧かないが、そういう事なのだろう。
でもドクオはテレが好きで、テレもドクオの事を……
喜ぶべき事じゃないの、ツン。大切な妹と幼なじみが両想いだったんだから。
真っ暗な部屋の中で、私は自分にそう言い聞かせる。
テレは可愛いし、性格も良い。料理だって上手い。
私なんかとは大違い。
ドクオがテレを選ぶのは当たり前だ。
38 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:44:03.49 ID:E7LtvMAk0
だがそう思ってはみても、胸の内の苦しみが消え去る事はなかった。
むしろ一層、その激しさを増してくる。
そして時が経つにつれ、苦しみは次第に別の感情へとすり替わってゆく。
私自身が自覚する事無く。
─── なんで二人は私に内緒にしていたんだろう?
特にテレ。
同じ屋根の下で暮らしているのだから、話す機会も時間も十分にあったはずだ。
それなのにそんなそぶりすら見せなかったという事は、わざと隠していたのだろうか?
そう……きっとそうだ。そうに違いない。
ならば、なぜ隠していたのだろう? 私達はこんなにも仲の良い姉妹なのに。
もしかして、そう思っていたのは私だけだったのだろうか?
テレはそうは思っていなかったのだろうか?
実は私が、ドクオと仲良くする事を快く思っていなかったのではないか?
本当は、私の事が邪魔だったのではないか?
39 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:46:48.44 ID:E7LtvMAk0
それにドクオの事だけじゃない。
テレは、私からしぃをも奪おうとしている。
川遊びの帰り、お社での雨宿りのとき、テレはまるでしぃの母親のような態度をとっていた。
そんなの許せない!
しぃの母親役に相応しいのは、私のほうなのに!
しぃの母親になれるのは、私だけなのに!
そんな邪推と猜疑心と嫉妬とが、心の奥底からじわりと染み出してくる。
白い紙に落とされた、一滴の黒いインクのように。
そしてそのドロドロとした負の感情は、みるみる内に私の心を満たしてゆく。
テレにこんな感情を覚えたのは、これが初めてだった。
抱きしめた枕に強く顔を押し付けていると、
廊下の床板を踏む足音が、閉じられたふすま越しに微かに聞こえてきた。
私はベッドの上で体を硬直させる。
着けたままのイヤリングが、耳元で小さく揺れた。
しばらくして、ふすまが遠慮がちにたたかれる。
続いて消え入りそうなテレの声。
40 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:49:06.55 ID:E7LtvMAk0
テレ 『あの、ツンちゃん・・・?』
私はベッドにうつぶせになったまま動かない。
テレ 『その・・・少し話したい事があるんだけど・・・いいかな?』
枕を抱えたまま、ピクリともしない。
テレ 『・・・・・・じゃあ、また明日にするね・・・。おやすみなさい・・・』
寂しそうな声がして、テレの気配がふすまの向こう側から消えた。
そして遠ざかっていく足音。
私はその後もしばらく、ベッドの上で息を殺し続けていた。
テレは一体、私に何が言いたかったのだろう。
今まで黙っていた事の言い訳だろうか?
それとも、また嘘を重ねようというのだろうか?
これ以上、私の大事なものを奪おうというのか?
もう騙されない! 何を言われても信じない!!
心の中で何かが弾けた。
何よ、こんなもの!
私はやにわに立ち上がると耳のイヤリングを毟り取り、それを部屋の隅に投げ捨てる。
カツン、と小さな音がした。
41 :
本文 ◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:51:53.92 ID:E7LtvMAk0
ニ、三度大きく肩で息をした後、再びベットに倒れ込む。
イヤリングをしていた耳たぶが少し痛んだが、ほどなくして睡魔が襲ってきた。
私はその誘惑に身を委ねる。
薄れゆく意識と無意識の狭間で揺られながら、ぼんやりと思う。
目が醒めたら何もかもが無かった事になってればいいのに、と。
元通りの私達の関係に戻っていればいいのに、と。
私はそう願いながら眠りについたはずだった。
次の朝、いつもの日常は終わりを告げていた───
( 五章 終 )
42 :
◆SiRen.KDYA :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 23:52:26.20 ID:E7LtvMAk0
本日はこれにて終了です。
読んで下さった方、さる支援して下さった方、ありがとう&お疲れさまでした。
今回で【日常編】はおしまいで、次回からは【異変編】に移ります。
まだしばらく眠い展開が続くかもしれませんが、よければお付き合い下さい。
明日はいつもより遅めで、23時30分以降にスレを立てます。
43 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:
>>42 wwwwwwwwwwww把握したww
ついに異変かwww
タノシミス