1 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:
ゆっくり投下します
2 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 13:31:22.41 ID:LTY7i6w30
感動した
3 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 13:33:23.26 ID:jknrd+eCO
4 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 13:37:25.72 ID:TadngVRr0
5 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 13:38:42.26 ID:jknrd+eCO
デニー・レインズは静かに憤慨していた。
レインズ「老いぼれ爺め…」
老いぼれ爺とはこの会社、ライブテンファンド社の社長である。
昔は尊敬もしていたし、今でも彼の功績は尊敬に値するものだ。しかし、歳を重ねるにつれて能力は衰えていった。
レインズは彼が社長になる前まで秘書をしていた。だからこそ今のていたらくぶりは目に余るものだった。
その社長から、警告を受けた。今回の件をしくじったらクビにするというサインだ。同時に命の危険も示唆している。
6 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 13:42:08.28 ID:gKhi1YfkO
2chを始めて五年、VIPにきて二年……
こんなに感動したのは初めてだ
ていたらくぶりって日本語としておかしい
ていたらく、だろふつう
8 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:01:52.61 ID:jknrd+eCO
レインズは知りすぎている。本来ならばレインズのような立場の人間は情報の漏洩の観点からみても将来を約束されているのだが。
レインズ「俺に恥をかかせやがって…」
今回は周りに恵まれなかった。捕まえたターゲットは逃す上に、他のターゲットの行方もわからなくなった。
CIAも手を引き始めていた。例え、後ろめたい事が明るみに出ても隠蔽工作は奴らの十八番だ。
レインズ「…あいつらに任せるか…」
レインズはある所に連絡を入れた。
9 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:05:24.48 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ」
('A`)「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
(´・ω・`)「でも済んだ事は仕方ないよ」
('A`)(えぇぇ………)
ハマーは調べたい事があると言ってタクシーを呼んでどこかへ行った。
10 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:08:40.13 ID:jknrd+eCO
ドクオはショボンに電話し、ショボンが武田邸に来る事になった。ツンたちからここに連絡が来るかもしれないという事を想定しての事だ。
(´・ω・`)「で、ハマーさんは僕の事も僕が来てる事も知らないんだよね?」
('A`)「あぁ。言わない方がいいと判断したんだが?」
(´・ω・`)「…それでいいよ。うん。それでいい」
ショボンは何やら思案している顔だ。
('A`)「どうするよ?これから」
(´・ω・`)「うん…僕の方も進展はないしね…」
11 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:12:54.57 ID:jknrd+eCO
('A`)「そうだ。モイヤーさんの件は?」
(´・ω・`)「おそらく消されたんだと思う」
('A`)「…そうか。それは気の毒だったな…」
(´・ω・`)「うん」
('A`)「………」
(´・ω・`)「それより、ツンだけが連れていかれたってのが気になるね」
('A`)「武田もだがな」
(´・ω・`)「あぁ彼ね。…そうか彼もか」
('A`)「まぁ…不自然だな」
(´・ω・`)「連れて行くべきドクオを連れて行かなくて、連れて行かなくていい武田君を連れて行った…」
12 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:15:36.11 ID:jknrd+eCO
('A`)「ハマーと俺を相手にするのがきつかったのか」
(´・ω・`)「それならそれで応援を要請すればいいだけの話だよ」
('A`)「デスヨネ」
(´・ω・`)「何か……引っ掛かるね」
('A`)「俺もなんか引っ掛かるんだよなぁ…」
(´・ω・`)「………」
('A`)「…テレビでも見るか」
一気に人数が減ったこの部屋の空気を変える為にドクオはテレビのスイッチを入れた。
13 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:20:27.54 ID:jknrd+eCO
チリリリリーン
それとほぼ同時に電話が鳴る。ショボンとドクオが思わず目を合わせ、ショボンがドクオに目配せをする。ドクオが意味を理解し受話器をとる。
('A`)「もしもし」
(`・ω・´)『その声はド……お前か!?』
('A`)「なんだシャ……あんたか」
お互い名前を呼び合わないようにする。
(`・ω・´)『なんだとはなんだ!』
(´・ω・`)「いいよドクオ。僕が代わろう」
('A`)「そうしてくれ」
(´・ω・`)「もしもし兄さんかい?」
(`・ω・´)『弟か。実は話さなきゃならん事があってな』
(´・ω・`)「…なんだい?」
ショボンは何度目か分からない嫌な予感がした。
14 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:20:49.96 ID:QbzQN7ImO
作者さん、内藤スレで会って以来待っておりました!
15 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:24:10.03 ID:rYlHlT7I0
スレタイに「ようです」を入れると便利
検索ワード、殆どの読者が「ようです」だと思う
16 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:30:06.81 ID:jknrd+eCO
ξ゚听)ξ「ねぇ!内藤はどこに居るのよっ!」
ツンは声の限りそう叫んだ。だが返ってくるのはコンクリートにこだました自分の声だけだった。
ξ;;)ξ「お願い…内藤に逢わせて……」
この部屋に閉じ込められてから一気に不安が襲ってきた。
ついさっき運命を受け入れる覚悟をしたばかりなのに。
ツンは諦めてソファーに座った。
この建物についてからまず武田と別々にされ、この部屋に通された。
17 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:35:08.60 ID:jknrd+eCO
窓がない以外は普通の部屋となんら変わりのない部屋だった。冷蔵庫がありテレビがありオーディオがあった。
おそらくCIAの持ち物なのだろう。
ξ;;)ξ「うっ…うっ……しっかり…しなきゃ…」
なんとかして出られないだろうかと考え、試してみたがどうやら映画のようにはいかないらしい。
普通の部屋なのに何故これほど落ち着かないのだろう。頭がおかしくなりそうだ。
ξ;-)ξ「内藤は…今もこんな部屋に閉じ込められているんだもんね…」
実際はもっとひどい部屋だったのだが、ツンが知る由もない。
ξ゚听)ξ「よし!しっかりしなきゃ!」
振りだけでも気丈にすると気分も違うというものだ。
ツンはその勢いでテレビのスイッチを入れる事にした。
18 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:38:13.10 ID:jknrd+eCO
シャキーンからの電話は衝撃的なものだった。
内藤が死んだ。
いや、殺された。
しかし、冷静に考えてみればおかしな点もある。
シャキーンによると警察のガードが異様に固いらしい。探ってみても中々詳しい事は分からなかったみたいだ。
それはいくつかの憶測を考えさせる。しかし憶測は憶測にすぎない。
('A`)「…どう思う?」
ショボンは口を開かない。ショボンがこういう顔をする時は頭をものすごい早さで回転させている時だ。
19 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:41:30.93 ID:QbzQN7ImO
wktk
20 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:41:47.44 ID:jknrd+eCO
ドクオが出たとこ勝負の機転がきくのに対して、ショボンは理詰め、論理的に物事を考えるタイプだ。
だからこういう時はショボンに任せておけばいい。それが長い間付き合ってきてわかった事だった。
(´・ω・`)「…調べてみる必要がある。ドクオ、日本へ戻ってくれるね?」
('A`)「言うと思ったぜ。まぁ言われなくてもそうするつもりだったが」
(´・ω・`)「助かるよ。僕はこっちでツンの行方を探ってみるから」
('A`)「時々でいいから武田の事も思いだしてあげて下さい」
21 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:44:28.89 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「それから多分これからは連絡取るのも難しい。今のうちに話し合える事は話しとこうか」
('A`)「じゃあ一つ。さっきもそうだけど盗聴されてたら電話でお互いの名前を言わなくても意味なくね?」
(´・ω・`)「盗聴されてたらね。僕が心配してたのはエシュロンだよ」
('A`)「エシュロン?」
(´・ω・`)「元々はアメリカのNSA、国家安全保障局によって開発されたものだよ。簡単に言えば全世界の電話、メール、ネットワークその他の通信手段を全て記録しているんだよ」
('A`)「…おいおい」
(´・ω・`)「NSAやGCHQ、政府通信本部の処理能力はずば抜けているからね」
22 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:49:36.91 ID:jknrd+eCO
('A`)「って言ってもそんなの膨大な量になるだろう?」
(´・ω・`)「そうだよ。だから名前などで検索してそれから絞り込むのさ」
('A`)「なるほど」
(´・ω・`)「最近では声紋でも区別出来るという話もあるしね」
('A`)「なんか怖くなってきたぜ…」
(´・ω・`)「僕もCIAの話が出てきたから警戒したんだけどね。まぁ一応GCHQの管轄だからなんともいえないけどね」
('A`)「なんでお前はそんな事まで知ってんだよ…」
(´・ω・`)「聞くのかい?」
('A`)「い、いや、やめとく」
23 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:52:50.88 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「他には何かないかい?ほら、さっき何か引っ掛かるとかなんとか」
('A`)「あぁあれね…。そうだ。何か…」
(´・ω・`)「うん?」
('A`)「あ!思い出した!ツンが言ってたんだ。この事件を調べるように探偵に依頼した理由」
(´・ω・`)「聞いてないな」
('A`)「あぁ。アメリカの掲示板にスレがたったらしいんだ」
(´・ω・`)「………」
('A`)「えーと、ライブテンファンド社が俺らを買収するみたいなスレタイでな。すぐ削除されたらしいんだが」
(´・ω・`)「買収?」
支援
25 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:55:45.42 ID:jknrd+eCO
('A`)「らしいぜ」
(´・ω・`)「ふーむ。武田くんがいればなんとか調べれたかもしれないけど無理だね」
('A`)「買収ってのが引っ掛かるよな」
(´・ω・`)「ふむ。スレ立て人は内部の者か。でも買収ってほど穏やかじゃないし」
('A`)「なんなんだろうな」
(´・ω・`)「さぁ…。まぁでもすぐに削除されたってのはライブテンファンド社と掲示板の繋がりがあるからだろうけどね」
('A`)「あーあるある。俺らの時も大変だったもんな」
26 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 14:57:01.80 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「多分、そんなに気にしなくていいんじゃない?まぁただの買収だったら御の字だし」
('A`)「デスヨネ」
(´・ω・`)「さて、と。そろそろいいかな」
('A`)「俺もチケットとらなきゃ。ハマーに一言言ってからじゃないとな」
(´・ω・`)「いや、ハマーさんには僕から言っておくよ」
('A`)「ん?会うのか?」
(´・ω・`)「うん。状況が変わったし、一緒にツンを捜してみるよ。彼は頼りになりそうだし」
('A`)「そうか。じゃあ早いとこ俺は出るぜ」
(´・ω・`)「頼むよ。内藤はきっと生きてる」
('A`)「当然だな。あいつが自殺なんてするわけがない」
(´・ω・`)「気をつけてね。事態は複雑になってきてる」
('A`)「お前こそツンを頼んだぞ」
ドクオはタクシーを呼んで荷造りを始めた。
私怨
28 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:02:09.45 ID:jknrd+eCO
朝の目覚めは最悪だった。神経がたかぶって眠れなかったせいもあるが、元々いつもと違う環境では寝付けないタイプなのだ。
それに加えてここの所の疲労が肌にも出てくるようになった。
ξ゚听)ξ「はぁ…。私も歳かな」
備え付けの冷蔵庫を覗いてみる。そういえば昨日から何も口にしていない。
29 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:04:41.16 ID:jknrd+eCO
ξ゚听)ξ「何か食べようかしら」
とりあえず牛乳とコップを手にして、テーブルへ向かう。
ξ゚听)ξ「アレ?」
テーブルの上には新聞が置かれていた。昨日はなかったと思ったが。
ξ゚听)ξ「日本の新聞のようね」
ツンはぱらぱらと新聞に目を通した。日本の新聞など久しぶりだったが、相も変わらずくだらない政治問題に殺人事件の記事が載っていた。
その中の一つの小さな記事にツンの目は奪われた。
30 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:08:56.41 ID:jknrd+eCO
ξ゚听)ξ「…え………」
ガシャン、とコップが手から滑り落ちる。床に当たって割れたコップの破片が足元にたくさん散らばったが気にもならなかった。
『無職男性が自殺か』
『警察の発表によると、男性は多量の睡眠薬を摂取し、宿泊していたビジネスホテルで自殺を図ったとみられている』
『その後、チェックアウトの時間を過ぎても男性が現れなかった為、ホテルの従業員が部屋に入った所倒れていた男性を発見、救急車を呼ぶも手遅れだった』
『男性が所持していた身分証明書によると男性の身元は本名、内藤ホライゾンだとみられている』
『またこの男性は、某巨大掲示板の元マスコット的存在でもあり現在は無職であった』
『その他にも……………』
ξ゚听)ξ「ぁ……ぁ………」
ツンは言葉を忘れる程、頭が真っ白になっていくのが自分でもわかった。
31 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:10:50.96 ID:jknrd+eCO
(´<_` )「いつまで寝ているつもりだ、兄者」
( ´_ゝ`)「いつまでも寝ているつもりだ、弟者」
(´<_` )「仕事が入ったんだよ、兄者」
( ´_ゝ`)「またつまらん仕事じゃないだろうな、弟者」
(´<_` )「レインズ氏の仕事だ」
( ´_ゝ`)「ほぅ、それは少しは期待できる」
兄者、弟者と呼び合う二人の男は自分達のアジトにいた。
32 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:13:36.33 ID:jknrd+eCO
アジトと言えば、うす暗くて目立たない地下室ような場所を想像するだろう。しかし、ここはある高層マンションの最上階にあるとびきり大きな、そして洒落た部屋だった。
詰まるところ、二人が住んでいる家なのだ。だが、殺し屋としてのプライドなのかアジトと呼ぶ事で統一している。
(´<_` )「だが兄者、今回は殺しはなしだ」
(#´_ゝ`)「馬鹿にしているのか、弟者!」
(´<_` )「その代わり報酬はいつもの三倍だ」
(#´_ゝ`)「三倍がなんだ!人の命は金で買えないんだぞ!!」
(´<_` )「普通それは命を奪われる人が言う台詞で奪う人が言う台詞じゃないぞ、兄者」
33 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:17:25.78 ID:jknrd+eCO
( ´_ゝ`)「ふん。まあいいだろう。で、俺達の餌食になる標的は?」
(´<_` )「三人の男と一人の女」
( ´_ゝ`)「裏の奴らか?」
(´<_` )「微妙な所だな。男の中の二人は……まぁ…やるらしい」
( ´_ゝ`)「微妙というのはどういう事だ、弟者」
(´<_` )「日本の某巨大掲示板の奴らだ」
( ´_ゝ`)「なんと!ショボンとドクオか!?」
34 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:18:23.59 ID:jknrd+eCO
(´<_` )「知っているのか、兄者?後は内藤とツンだ」
( ´_ゝ`)「あぁ。ショボンとドクオの名は聞いた事がある。中々のやり手だと」
(´<_` )「だが所詮は表の人間。我らの敵ではないだろう」
( ´_ゝ`)「それは勿論だ」
(´<_` )「どうやらやる気が出てきたようだな、兄者」
( ´_ゝ`)「殺しが駄目なら半殺しにしてやるまで。はっはっはっはっはっ!!!」
(´<_` )「それにしてもこの兄者ノリノリである」
35 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:20:39.88 ID:ma+FKRRBO
作者さんまってたよ!><
36 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:21:26.56 ID:jknrd+eCO
さる回避休憩
37 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:37:21.94 ID:jknrd+eCO
どれくらいの間、泣き続けていただろうか。
涙は枯れ、鼻をかみすぎた為鼻が真っ赤になり感覚がない事から相当な時間泣いていたことが分かる。
心底思い知った。
アイツがどれだけ自分にとって大切な存在だったのか。愛おしい存在だったのか。
長い間会っていなくてもアイツは確かに自分の心の中に居た。それを拒絶していた時期もあった。忘れようとした事だって一度や二度じゃない。
38 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:39:27.32 ID:jknrd+eCO
例えば、笑っている顔とか
例えば、泣いている顔とか
例えば、カッコつけてるつもりでも全然様になっていない顔とか
例えば、自分を本気で怒ってくれている顔とか
まるでメールの保護がかかってるように忘れられなかった。
それはとても自分を苦しめる時もあれば、救ってくれる時もある。
そして今が苦しめる時なんだ。
いや
多分これからずっと
39 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:41:46.93 ID:QbzQN7ImO
試演
40 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:42:37.48 ID:jknrd+eCO
夕方からは何故か武田が部屋に居た。
いつ入ってきたのかなんて知らない。
意識は何処かへ行ったまま戻ってくる事はなかった。このまま戻ってこなかったら苦しむ事もないのだろうか。
だったらそれでいい。
なんて。
だとしたら今こんな事を考えれる筈ない。意識とか感情とか、それはきっと永遠に私から離れてくれないのだろう。
41 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:45:18.29 ID:jknrd+eCO
そもそも私って何なんだろ。
あぁ…
イライラする。こんな事を考えてウジウジするのは内藤の役目なのに。
ムカつくなぁ。
思いっきりひっぱたいて、すっきりするまで文句言ってやりたいのに
もう言えないなんてね
ムカつくなぁ
武田「なに泣いてんの?キモい顔になってるよ?」
……は?
42 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:48:00.85 ID:jknrd+eCO
うん。これはカチンときた。
バッチーン!!!
武田「ゴバァハッ」
ξ゚听)ξ「破裂して死ねっ!」
武田「……。どうやら元気出たみたいだね」
ξ゚听)ξ「…え…?じゃあわざとあんな事を…?」
武田「フッ。なんか君があまりにも元気gっ!ゴバァハッ!!!」
ξ゚听)ξ「分をわきまえろ、キモピザ」
武田の眼鏡が破壊されるのはハマーに続いてこれで二度目だった。
43 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:51:59.65 ID:jknrd+eCO
武田「ハァハァ。まぁ冗談はさておき、その記事は信憑性は薄いと思うけどね」
武田は新たな境地に目覚めつつある自分を片隅に感じながらそう言った。
ξ゚听)ξ「………気休めならいらないわ」
武田「そんなんじゃないよ。うん。もっと怒らせたいぐらいだもの。性的な意味で」
ξ゚听)ξ「……」
武田「まぁとりあえずそれは置いといて。内藤君だっけ?ビジネスホテルで発見されたんだよね?」
ξ゚听)ξ「それが?」
紫煙
45 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:54:09.24 ID:jknrd+eCO
武田「もし敵が殺したとして、なんでわざわざ見つかるような所で殺すのさ?」
ツンはずきんと胸が痛むのを感じるが、ここは武田に付き合ってみようと思った。
ξ゚听)ξ「きっと見せしめよ。私達に警告してるんだわ」
武田「敵は君達の身柄が欲しいんだよ?もし恐れをなして逃げ回ったら敵にとったら逆効果だ」
ξ゚听)ξ「じゃあ私達が報復をしに来る事を狙っているのよ!」
武田「落ち着きなよ。そんな賭けの為に内藤君を殺すとは思えない。もっといいおびき寄せ方があるさ」
46 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:57:18.00 ID:jknrd+eCO
ξ゚听)ξ「もう!回りくどいわね!」
武田「推測ってのは回りくどいものだよ。どうも僕には内藤君が殺されたとは思えないんだ。かと言って、君らから聞いた話だと本当に自殺したとも思えない」
ξ゚听)ξ「…いい加減な事言ったら承知しないわよ」
武田「…確かに憶測の域を出ないけどね。まぁいいよ。違う事を考えようか」
ξ゚听)ξ「なによ?」
武田「ジュディさんは何者なんだい?」
ツンは唐突な質問に少したじろいだ。この武田という男は案外凄い人なのかもしれない。
47 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 15:58:59.97 ID:QbzQN7ImO
武田
48 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:00:59.37 ID:jknrd+eCO
ξ゚听)ξ「ドクオはあなたに言わなかったのね。彼女は…ジュディは…おそらくCIAよ」
武田「やっぱりか」
二枚目ぶっている台詞に殺意を覚える。だが、我慢しよう。
ξ#゚听)ξ「で!?」
武田「OK。彼女がCIAで、ライブテンファンド社と繋がりがあるとして…なぜ僕らはまだここに居る事が出来るんだろう?」
ξ#゚听)ξ「もうすぐ連れて行かれるんじゃないの!?」
武田「そうかな。ライブテンファンド社にとってみたら僕はともかく君には早く会いたい筈だよ」
49 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:04:04.14 ID:jknrd+eCO
ξ゚听)ξ「そういえば何であんたも来てるのよ?それと、この部屋にはどうやって来たの?」
武田「とばっちり。別の部屋に入れられたんだけど、さっきジュディがこの部屋に案内してくれた?」
ξ゚听)ξ「ジュディが?」
武田「うん。あ、まだ話し長くなりそうだし、とりあえずコーヒーでも入れようか?」
ξ゚听)ξ「え?あ、あぁそうね。私が作るわ」
武田「それはどうも」
ツンはなんだかんだ言いながらも武田の存在に少し感謝をし始めていた。
ξ゚听)ξ「内藤……」
武田の話は難しかったが、僅かながらも希望があるような気がした。
生きていて欲しい。
切にそう願った。
50 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:07:10.10 ID:jknrd+eCO
――――――――――――
('A`)「やっぱ日本ってのはいいなぁー」
同じ空気でもアメリカとはどこか違う。五臓六腑に染みるとはまさにこの事だろう。
('A`)「っと、そんなにのんびりしてらんないんだったな」
最近は禁煙が流行っているのか空港内で喫煙所を見つけるのも一苦労だ。
それに隔離されたような密室空間で吸うのは煙草をまずくさせる、と常々思っていたので外へ出て吸う事にした。
51 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:12:03.69 ID:jknrd+eCO
('A`)「嫌煙厨うぜぇw」
内藤の死の真相。
ドクオがこうして慌てずにいられるのも内藤は死んでいないと確信しているからだ。
憶測、推測はいくつか考えられるがそのどれもがありそうでなさそうなものだ。結局、真相に近付くにはある程度の事実がないと不可能なのだ。
('A`)「ヘイ、タクシー!」
とりあえずドクオはシャキーンの元へ行ってみる事にした。
52 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:15:29.58 ID:jknrd+eCO
(`・ω・´)「いらっしゃーい!!ってなんだドクオか」
('A`)「文句あんのか」
(`・ω・´)「さぁ!サクサクっと話したい事を話せ」
('A`)「声でかい…。内藤の事だが」
(`・ω・´)「おぅ!やっぱりな!だがそれほど話す事はないんだ」
('A`)「っていうと?」
(`・ω・´)「俺も調べてはみたんだが、どうも情報が出てこない」
('A`)「……やはり隠蔽工作か」
(`・ω・´)「可能性は高い…。が…」
53 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:20:00.51 ID:jknrd+eCO
('A`)「何の為にかが分からない?」
(`・ω・´)「その通り。ライブテンファンド社がやったとは考え難い。だが内藤の身柄を確保していたのはライブテンファンド社だ」
('A`)「それは間違いない」
(`・ω・´)「だとしたら、何か不測の事態が起きたに違いない。あぁそうだ。ここに来るまでに尾行は?」
('A`)「ないみたいだ。この店には?」
(`・ω・´)「ついこないだまでは居たんだがな。今は居ない」
54 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:23:41.14 ID:jknrd+eCO
('A`)「…何故だ」
(`・ω・´)「わからんが、やはり何かトラブルがあったのかもしれんな」
('A`)「あぁ。考えられる可能性はいくつかある。内藤が本当に自殺したという可能性は捨ててもいいだろう」
(`・ω・´)「ライブテンファンド社が内藤を殺したという可能性もないことはないぞ」
('A`)「さっきは考え難いって…」
(`・ω・´)「故意じゃなく、ということだ。例えば拷問中に…」
55 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:28:32.35 ID:jknrd+eCO
('A`)「やめてくれ」
(`・ω・´)「…例えばの話だ」
('A`)「やめろと言っている」
(`・ω・´)「…お前はそういう所が甘い。見たい物しか見ないのはお前の悪い癖だ」
('A`)「気持ちの問題だ」
(`・ω・´)「逃げてるだけだな」
('A`)「…お説教ならごめんだ」
(`・ω・´)「忠告だ」
56 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:29:00.36 ID:QbzQN7ImO
支援
57 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:29:19.19 ID:jknrd+eCO
('A`)「なら有り難く受け取る。だが内藤は死んでいないぜ。……単なる勘だけどな」
(`・ω・´)「いや、事実を見ても生きてるとは思う。だが、いい状況か悪い状況かはわからん」
('A`)「どっちにしろ助け出して見せるさ」
(`・ω・´)「助けが必要だったらすぐに連絡しろ。いつでも行ってやる」
('A`)「あぁ。頼む」
ドクオは椅子から立ち上がり、代金を払おうとしたが断られた。
良く似てる兄弟だと苦笑しながらドクオは店を後にした。
これじゃ主人公が誰なのかわからんな
59 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:34:22.16 ID:jknrd+eCO
ドクオが日本へ戻った後、ショボンはハマーを待たずに武田邸を後にした。連れ去られたツンや武田から連絡があるかもしれないが、その可能性は低い。
そう判断して、ショボンはある場所へ向かった。
その家は中々、趣のある家で彼らしいな、と思った。
ふと脇を見るとお爺さんが家を覗くような感じで見ていた。ショボンに気付くとお爺さんは一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにそこから立ち去った。
変な人だな、と思ったが気にしないことにした。
60 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:38:23.16 ID:jknrd+eCO
>>58 …ギ……ギギ…気にしてる事を…。
ていうか手直ししたい部分は沢山あるんだが、ありすぎてとりあえず終わらせちゃえと思ってる。
61 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:39:40.52 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「こんにちは」
ショボンはその家のドアをノックして声をかけた。もちろん英語である。
「はいはい」
気品のある穏やかな女性の声が中から聞こえて来た。
「えーと、どちら様かしら?」
ドアが開くと、白髪のおばあさんが顔を覗かせた。
(´・ω・`)「こんにちは。突然すいません。私はショボンといって、生前モイヤーさんにお世話になった者です」
「あらまぁ、あなたがショボンさんね。主人からよく聞いてましたわ」
62 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:42:14.85 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「そうでしたか。…ご主人の事は本当にお気の毒でした」
「…えぇ、本当に。…とにかくお上がりになって」
どうも、とショボンは言い上がる事にした。
リビングにはモイヤーの写真が沢山あった。そしていつも隣に写っているのは今、ショボンの為にお茶を用意してくれている人。モイヤーの奥さんだ。
Mrs.モイヤー「さっきも言ったけど、あなたの事は主人からよく聞かされたわ」
彼女は座っているショボンの前にお茶を出しながらそう言った。アメリカの家には不釣り合いな湯呑みから湯気が立っている。日本好きだったモイヤーが買いあさった品の一つだろう。
63 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:45:25.26 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「そうなんですか。何と言ってたか興味ありますね」
Mrs.モイヤー「フフフ。凄く純粋な奴だって」
モイヤー夫人は口元を綻ばせて微笑んだ。顔には歳相応のしわもあったがショボンが見る限り、彼女の笑顔にはとても魅力があった。
(´・ω・`)「純粋…ですか。意外だなぁ」
Mrs.モイヤー「こうも言ってたわ。自称腹黒の潔癖人間」
(´・ω・`)「あれれ、見抜かれてますね。よく子供扱いされてましたよ」
実際、モイヤーから見たら子供なのだがショボンはあまり気分が良くなかった。
Mrs.モイヤー「フフフ。あなたの理想論は嫌いじゃなかったらしいわよ」
(´・ω・`)「理想論…ね」
ショボンは苦笑した。モイヤーはどこまで夫人に話しているのか気になって仕方ない。
64 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:48:32.13 ID:jknrd+eCO
実際、モイヤーとショボンは幾度か議論をぶつけ合った事がある。店じまいをした後に二人して度の強い酒を煽り合っては政治、軍事などについて議論した。
その度に、ショボンはモイヤーから理想論を吐くケツの青い餓鬼と言われた。
ショボンはモイヤーの事を親のように慕い、友達のように接した。モイヤーは良くも悪くもリアリストだった。ショボンからしてみればそれこそ稚拙で幼稚でご都合的な考えのように思えた。
大人が理想を語らなくて誰が語るのか。少なくとも子供ではない。子供には何の力もないのだから。
ショボンは昔モイヤーにそう言った事をふと思い出していた。
65 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:52:13.21 ID:jknrd+eCO
Mrs.モイヤー「何か…聞きたい事があって此処にいらしたんじゃないの?」
夫人が切り出すように言う。
(´・ω・`)「えぇ。ご主人の事で」
やっぱり、と夫人は小声で呟くように言った。
(´・ω・`)「ご主人が亡くなった事について何かご存知なんですか?」
Mrs.モイヤー「…残念ながら私は何も知らないわ。私が知ってるのは主人はドラッグなんてやるような人じゃないって事だけよ」
(´・ω・`)「…同感です」
一気に部屋の酸素濃度が薄くなったような気がする。こういう時にはいつも言葉の重さを思い知る。同時に人間の存在の重さも。
66 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:56:13.46 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「いい…家ですね。彼の匂いがします」
話題を変える。夫人の傷をえぐるような真似は出来るだけ避けたい。
Mrs.モイヤー「ありがとう。彼の夢だったのよ、この家」
許可を貰って、色んな部屋を見て歩く。歩いている内に子供の居ない夫人一人には広すぎるだろうなと思った。
そして彼の書斎に入る。そこには彼の昔の写真があった。写真の中の彼は若くてハンサムだったがショボンの気を引いたのは別の事だった。
67 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:57:29.38 ID:QbzQN7ImO
支援
68 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 16:59:30.86 ID:jknrd+eCO
彼は白衣のようなものを着て写真に写っている事が多かった。背景から想像するに医者ではないと思った。
Mrs.モイヤー「昔は研究員だったのよ」
不意に後ろから声を掛けられ驚いた。書斎のドアに夫人がもたれかかっていた。
(´・ω・`)「研究員…?」
Mrs.モイヤー「初耳みたいね。あの人はあまり言いたがらなかったから…」
(´・ω・`)「何の研究を?」
少し間が緊張感を漂わせる。
69 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:03:19.43 ID:jknrd+eCO
Mrs.モイヤー「軍事兵器よ」
(´・ω・`)「……」
軍事兵器。
背中がゾクッとした。
ライブテンファンド社は軍事の分野にも手を出している。この奇妙な接点は何だろう。考えすぎか。
(´・ω・`)「夫人、夫人は…デニー・レインズという男をご存知ですか?」
Mrs.モイヤー「聞いた事ないわ。その人がどうかしたの?」
(´・ω・`)「いえ、店の昔の常連さんでね。親交があるのかなと思いまして」
Mrs.モイヤー「そう…。あまり家に仕事の事を持ち込まなかった人だから」
(´・ω・`)「そうですか」
資縁
71 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:07:51.97 ID:jknrd+eCO
Mrs.モイヤー「あなたは…主人の事件どう思う?」
突然の質問に戸惑う。やはり自殺だとは思っていないのだ。
(´・ω・`)「…わかりません。ただ…………」
Mrs.モイヤー「いえ、ごめんなさい。あなたに分かる訳ないわよね。…本当にごめんなさい」
(´・ω・`)「…」
何も言えない。そんな自分に腹が立つ。
(´・ω・`)「正直に言います。僕はご主人が自殺だとは思っていません」
夫人が驚いた顔でショボンを見る。
72 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:13:06.85 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「事情があって今は何も言えませんが、もしかしたら僕も僕の友人もこの事件に関わっているかもれません」
(´・ω・`)「実際に一人の友人の行方がわかりません。だから僕はこの事件を調べたいと思っています。もちろんご主人、モイヤーさんの為にも」
Mrs.モイヤー「……」
(´・ω・`)「今は何も言えませんが、全てが終わったら…必ずここへ来ます。そして全てをお話しします」
Mrs.モイヤー「…約束してくれるのね…?」
(´・ω・`)「はい。お約束します」
Mrs.モイヤー「もう一つ。…あなたは死んだら……駄目よ」
夫人の目から涙が溢れる。悔しいのだろう。悲しいのだろう。つらいのだろう。それを一人で背負うには彼女はあまりに歳を取りすぎている。
(´・ω・`)「…お約束します」
涙を拭って笑顔を作る彼女を見て、ショボンは必ずここへ戻って来ようと決心した。
73 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:16:02.33 ID:jknrd+eCO
その頃
日本、某巨大掲示板。
ここである一つのスレが立った。
『ちょwww面白いニュース見つけたwwwwwwwwwwwwwww』
そこの1にはある新聞社のソースが貼ってあった。
糞コテが馬鹿の一つ覚えのように2getをしているのは他のスレとなんら変わりがない。
3以降には色々な書き込みがあった。
紫煙
75 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:17:57.29 ID:jknrd+eCO
「内藤って誰だよwwwwwwwwwwwwwww」
「また自殺wwwwwwwwwwwwwww」
「つまんねーよ。1氏ね」
「新参ばっか」
「古参うぜー」
「内藤ってアレだろ。昔のプーンとかいう奴だろ」
「あいつ死んだんだwwwwwwwwwwwwwww乙wwwwwwwwwwwwwww」
内藤の知名度など今はこれくらいのものだった。ドクオ達も同じだ。
結局レスが20くらいついてそのスレはdat落ちした。
湯煙
77 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:21:05.44 ID:jknrd+eCO
('A`)「ったく…」
ドクオは広い公園のベンチに腰をかけて煙草を吸っていた。
昔馴染みの情報屋に当たってみたが、内藤の情報を出てこなかった。しかし、一つだけ確かな事が分かった。公安が内藤の情報を制限している事だ。
これでもうこの一連の事件に公安が関わっている事は間違いない。そして事態を複雑にしている事も。
内藤の身柄を拘束していたのはライブテンファンド社。内藤の自殺を偽装しているのは公安。
78 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:24:47.04 ID:jknrd+eCO
シャキーンの言葉が脳内再生される。シンプルに考えると、シャキーンの言う通りライブテンファンド社が不測の事態で内藤を殺害してしまい、公安が後始末をした。これで構わない。
しかし、そう考えるとおかしな点がある。
内藤の遺体は出ていないのだ。
内藤には家族は居ない。そういった場合、ある施設で火葬した後、遺骨はお寺に渡る。
ドクオはなんとか連絡をとろうとしたが無理だった。おそらく遺体など初めからない、というのがドクオの出した結論だ。
79 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:26:05.36 ID:TadngVRr0
80 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:28:19.63 ID:jknrd+eCO
('A`)「だとしたら…」
ライブテンファンド社は殺してなどいない。しかし実際に公安は偽装、隠蔽した。ドクオ達をおびき寄せる罠の可能性もある。だが、尾行はおろか気配もない。
ショボンが言っていた事も気になる。CIAは敵か味方かわからないと。
CIAと日本の公安は繋がっている。そうなると公安も敵とは限らない。
ただ味方でもない事は確かだ。CIAらしいジュディはツンと武田を拉致した。公安は内藤の自殺を偽装した。
('A`)「クソッ…あと少しなんだ、あと少し…」
あと、一つか二つのピースがあれば全ての疑問が気持ち良く解けそうな気がした。
81 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:32:47.44 ID:jknrd+eCO
( ´_ゝ`)「あれは確かにドクオだ」
(´<_` )「流石兄者。記憶がいい」
二人は公園に生い茂っている木々の隙間からドクオをのぞき見していた。
( ´_ゝ`)「日本に来て正解だったな、弟者」
(´<_` )「全く、兄者の勘は凄いな」
( ´_ゝ`)「俺達の情報網の前にはプライバシーという言葉は存在せん」
(´<_` )「全くだ。レインズのような脆い情報網とは訳が違う」
82 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:35:52.11 ID:jknrd+eCO
流石兄弟と呼ばれる二人の男はアメリカからはるばる日本までやってきた。
ターゲットのドクオ達には独自の情報網がある。しかしそれも一流のプロである流石兄弟にはいとも簡単に見破られた。
後はその情報屋を張ってればいつかドクオ達が接触するはずである。そう考えた流石兄弟は実行して、今に至るという訳である。
この方法は言うは簡単だがやるのは危険だ。情報屋を張るなどリスクの高さは半端ではない。
( ´_ゝ`)「流石だよな俺達」
(´<_` )「これでこそ流石兄弟だよな」
83 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:39:10.72 ID:WrZN0USaO
シェン
84 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:40:14.15 ID:jknrd+eCO
二人は褒め合いながら、せっせと準備に取り掛かっていた。一流のプロは何かしら自分の得意とする武器を持っている。この流石兄弟の場合は兄者が爆弾、弟者が狙撃だ。
二人の本拠地はアメリカである。アメリカは銃を持つ事も認められているから仕事がやりやすい。本来はアメリカでの仕事をやりたかった。
日本ではもちろん銃などは禁止されているし、そういった意味では仕事はやりにくい場所だ。
85 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:42:45.25 ID:jknrd+eCO
特に弟者は狙撃が得意なので銃は欠かせない。しかし日本に銃を持ち込むのは中々難しい。調達は割と苦労せずに出来るのだが、弟者にはこだわりもある。
そこで今回は兄者の爆弾で仕事をやる事にしたのだ。爆弾なら日本でも十分作る事が出来る。もちろん、兄者の技術があってこその話だが。
(´<_` )「準備は出来たか、兄者?」
( ´_ゝ`)「あぁ、サポートを頼むぞ、弟者」
(´<_` )「ターゲットは隙だらけだな」
( ´_ゝ`)「わからんぞ、広くて見渡しのいい場所を陣取っているからな」
(´<_` )「フン、全くの素人ってわけでもないみたいだな」
( ´_ゝ`)「しかし我らが流石兄弟の敵ではない」
(´<_` )「勿論だ。そろそろ行こうか、兄者」
( ´_ゝ`)「ガッテン承知」
兄者は一見してそれとは分からない細工をされている小型の爆弾を手にし、ジリジリとドクオに近付いていった。
86 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:44:53.98 ID:jknrd+eCO
――――――――――――
モイヤー夫人の許可を得て、沢山の資料を持って帰ってきた。この中に何かの手掛かりがあるかもしれない。
(´・ω・`)「ん…?」
ショボンは先ほど借りてきたレンタカーで武田邸に戻って来た。
外から見て、特に家に変化はないが何か人の気配がする。ハマーだろうか。
(´・ω・`)「とりあえず入ってみるか」
警戒しながらも玄関を開け中に入る。
87 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:48:19.41 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「ハマーさん、居るんですか?」
いきなり撃たれてもたまらないので声を掛けてみる。
(´・ω・`)「ドクオとツンの友人です」
玄関からリビングに繋がるドアがそっと開く。
ハマー「あんたがショボンかい?」
まだハマーの顔は見えない。
(´・ω・`)「そうです。ドクオは日本に帰りました」
ハマー「そうか。まぁ上がってきな。といっても俺の家じゃないがな、HAHAHA」
88 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:50:03.10 ID:QbzQN7ImO
私怨
89 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:51:42.72 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「それじゃあどうも」
ショボンがドアを開け、入って行くととても大柄な、いかにも屈強といった男が立っていた。
ハマー「知ってるみたいだが俺はハマーだ。よろしく」
(´・ω・`)「ショボンです。よろしくどうも」
二人は握手を交わした。二人ともどこか動作がぎこちなかった。
ハマー「いつからアメリカに?」
(´・ω・`)「ついこの間です」
ハマー「そうか…」
二人は少しの間会話を続けた。今の状況や情報。内藤の事も話した。
少し会話をしただけで、ショボンはハマーが優秀な人間だと悟った。
90 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:53:00.08 ID:jknrd+eCO
ハマー「ふむ、それでだ。これからどうするつもりだ?」
(´・ω・`)「とりあえず、ツンの居場所を何とか突き止めたいと」
ハマー「そうだな」
ハマーもどこに連れていかれたのかは見当がつかないらしい。
(´・ω・`)「ジュディはCIAだと思っていいんですね?」
ハマー「あぁ。そうじゃないとあんな真似はしないだろう」
(´・ω・`)「確かに」
91 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 17:54:14.55 ID:jknrd+eCO
ハマー「それから俺は独自にあたってみたいと思っている」
(´・ω・`)「その方がいいみたいですね」
ハマー「君は携帯電話持ってるか?」
(´・ω・`)「いえ」
ハマー「そうか。まぁいい。これは俺の携帯の番号だ。何かあったら連絡するんだ」
ハマーは、小さな紙に番号を書いてショボンに差し出した。
(´・ω・`)「それはどうも」
wktk支援
93 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:00:50.35 ID:jknrd+eCO
ハマー「じゃあ俺はさっさと行くかな。あんたも気をつけるんだな」
(´・ω・`)「あの…ハマーさんは何でそこまでしてくれるんですか?」
ハマー「カーターの仇……とでも言っておこうか。それに、ツンもドクオも、それからあんたもいい奴みたいだからな」
(´・ω・`)「…そうですか。感謝します。日本に来る事があったらテキーラでも奢らせて下さいね」
ハマー「HAHAHA、そいつはありがたいね」
ハマーはそう言うと家から出て行った。
(´・ω・`)「なるほどね…」
ショボンもモイヤー夫人から借りた資料を持って、武田の部屋に行く事にした。
94 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:06:45.02 ID:PAaOu4cW0
ien
95 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:08:46.20 ID:jknrd+eCO
重いな…。ちょうどいいからさる回避休憩。
wktk
97 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:18:32.20 ID:jknrd+eCO
ほ
ぬ
99 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:32:06.42 ID:QbzQN7ImO
ホセ
る
101 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:40:41.05 ID:jknrd+eCO
うどん保守
102 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:57:37.87 ID:jknrd+eCO
ほ
103 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:05:07.01 ID:QbzQN7ImO
そうはいかんざき!
104 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:13:12.85 ID:QbzQN7ImO
ほし
105 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:15:21.28 ID:jknrd+eCO
('A`)「…チッ」
嫌な感じがする。ねっとりとした視線が背中に張り付く。
('A`)「…とうとうおいでなすったか」
身体の筋肉が緊張する。
不自然さを相手に気付かせてはいけない。
複数か?
いや、一人…二人…か。
106 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:17:33.63 ID:oIYMXb4X0
wktk
107 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:20:55.61 ID:jknrd+eCO
('A`)「来るなら来やがれ」
小声で自分を奮い立たせる。
腰を上げて広い所まで走った方がいいのだろうか
このまま座ってるだけでは撃たれたら終わりだ。ベンチも盾になりもしないだろう。
('A`)「…行くか」
とドクオが走り出そうとした時だった。
ドォンと腹に響く音、その衝撃でパリンと音を立てて割れ弾ける街灯。
('A`)「なっ……」
ドクオは熱い爆風を身体に感じた。
108 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:22:56.94 ID:jknrd+eCO
――――――――――――
警察と消防車のサイレンの音が喧騒を更に増幅させる。
ドクオはその公園から少し離れた場所から様子を見守っていた。
周りには普通の日常に飽きて、非日常に憧れる野次馬達で一杯だった。
野次馬じゃなくても気になるのは確かだ。何せ都会のど真ん中で爆弾が仕掛けられ爆発したのだから。
('A`)「狙われたのは俺…だろうな」
実際に爆発したのはドクオが座っていたベンチではなく、広場を挟んで離れた向かいのベンチだった。
幸いにもそこには誰も座っていなかったが、一歩間違えば大惨事だ。もちろん今日のニュースではトップニュースとして報じられるのだろう。
('A`)「穏やかじゃねーな、おい。殺しにかかってきたのかよ…」
ドクオは周りに気を配りながらそこから離れることにした。
109 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:26:17.09 ID:jknrd+eCO
(´<_` )「流石だな、兄者」
( ´_ゝ`)「当然の事だ、弟者」
(´<_` )「これでターゲットも気付いただろう、フェアな精神だ」
( ´_ゝ`)「フフフ。これで心置きなく任務をこなせるというものだ」
流石だな俺達、と二人同時に言い高らかな笑い声を上げながらその兄弟は去っていった。
110 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:30:40.34 ID:jknrd+eCO
(´・ω・`)「奴らが僕らを狙う理由はこれか…」
ショボンはモイヤー夫人から借りた資料と数時間睨めあってていた。
そこに書かれていたのは、モイヤーとレインズ、レインズとライブテンファンド社、ライブテンファンド社と自分達を繋げるものだった。
モイヤーはアメリカとロシアとのハーフだった。その昔、モイヤーが研究員として働いていたのはアメリカではなくロシアだった。
そしてその研究とは核爆弾の研究だった。
111 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:35:48.16 ID:CJTXSdpAP
ktkr待ってた。
さる回避
113 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:39:41.37 ID:jknrd+eCO
今から約10年前、2006年。世界は核問題で揺れていた。北朝鮮と呼ばれていた国は各国の制止を、条約を無視し核実験へと踏み切った。
日本では核武装すべきか非核武装を貫くかの議論で国が割れた。現在では日本も核武装、核保有国として存在している。もちろん、そうなるまでには紆余曲折があったが。
当時、アメリカ、ロシアが恐れていたのは核実験そのものではない。憂慮すべきは核拡散だったのだ。経済的に力のない国が、なけなしの金で核を買う。そして核を武器にして外交をこなし、発展する。
114 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:42:47.58 ID:jknrd+eCO
そこには本来あってはならない力が存在してしまう。「世界の警察」を自認するアメリカにとっては国を揺るがし兼ねない問題だ。
一方、ロシアは核の売買が国レベルではこびっていた。しかし、それは売買で使うのはあくまでも数世代前の核であった。その為、核の研究は世界の中でも進んでいる方だった。
その中でモイヤーも一員として働いていた。
彼がそこを辞めたのは約15年前と記録にある。
ショボンと出会うわずか5、6年前だった。
そして、デニー・レインズ。モイヤーとレインズの出会いはやはり店の『ヘヴン』ではなかった。
モイヤーが研究員として働いていた頃の写真が数枚ある。その中には若いモイヤーとレインズも写っていた。二人は同僚だったのだ。
しかしモイヤー夫人はレインズの名を聞いた事もないと言っていた。同僚なら家に連れてきたりはあるだろう。当時、モイヤーは既に結婚していたのだから。
(´・ω・`)「スパイ…だったのかな」
レインズはアメリカのスパイで研究員になりすましたのではないか。そしてレインズはモイヤーにその事を打ち明けたのではないか。ハーフである彼の協力を見込んで。
116 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:47:42.86 ID:CJTXSdpAP
117 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:47:49.80 ID:jknrd+eCO
そうだとしたら、レインズとモイヤーのただならぬ関係とはこの時から始まっていたと推測出来る。
それが何らかの理由でモイヤーを殺さなければならなくなった。
(´・ω・`)「それよりも驚くべきはこっちだね」
モイヤーの同僚にレインズとは別に思わぬ人の名前があった。
そしてその人をショボンは知っている。ショボンだけでなく内藤もドクオもツンも…。
その名前は
『荒巻スカルチノフ』
118 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:55:22.73 ID:jknrd+eCO
ξ゚听)ξ「それにしても何であんたまで連れてこられたのかしら?」
武田「うーん。ジュディさんも何やら切羽詰まってたみたいだからね」
ξ゚听)ξ「電話…かしら」
武田「電話ってなんだい?」
ξ゚听)ξ「ジュディが私達を連れて行く前、彼女が誰かと電話していたのよ」
武田「どんな内容だったの?」
ξ゚听)ξ「それがよく聞こえなかったのよ」
119 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 20:02:36.58 ID:QbzQN7ImO
し
120 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 20:12:07.55 ID:PAaOu4cW0
え
121 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 20:23:52.53 ID:jknrd+eCO
まだかな
武田「おそらく上からの指令じゃないかな。態度ががらっと変わったからね」
ξ゚听)ξ「そうだとしたら、ドクオも連れて行くはずじゃないかしら。あんたじゃなくてね」
武田「確かにね」
ξ〃凵V)ξ「…わ、悪かったわね…その…巻き込んでしまって…」
武田「気にすることないよ。最近、運動不足で太りぎみだったしね」
ξ゚听)ξ(気にしてるんだ…)
123 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 20:28:42.61 ID:jknrd+eCO
武田「…君は……いや、何でもない」
ξ#゚听)ξ「言いたい事あるんなら言いなさいよ」
武田「わかったよ。君はジュディさんの事をどう思ってるんだい?」
ξ゚听)ξ「…カーターを殺したのがジュディなら…許せないわ」
武田「…そう。そうだよね」
ξ゚听)ξ「……そうよ」
時計の針は夜の10時に差し掛かろうとしていた。
そして…ベッドは一つ。
二人はいつしか身を寄せ合い…
ξ゚听)ξ「ねーよ」
武田「………」
124 :
◆P.U/.TojTc :佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 20:33:21.04 ID:jknrd+eCO
とりあえず今日はここまでにします。読んでくれた人ありがとうございました。乙です。
125 :
以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします:
おつかれー