ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
長編投下の際の注意
超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ!でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ・・・あの、お茶どうですかぁ?
基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。フフフ、僕とキョン君の恋愛話も大歓迎ですよマッガーレ
当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ・・・けど、今はほとんど皆無。別に気にしないで。
キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるの知ってるんだからね〜
ageるのもいいけど元気すぎるのと一文字作文は控えたほうがいいと思うのね
要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな。
自分で投下した長編はなるべく自分で編集すること、わかった!?
それじゃ、さっさと投下しなさいっ!いい?あたしを退屈させたら死刑だからねっ!
DAT保管庫
http://haruhiss.xxxxxxxx.jp/ 新まとめサイト
http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:07:26.44 ID:PUx9x5cIO
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:11:28.80 ID:XF8iT2CN0
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:15:04.05 ID:9Eo2xILbO
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:25:10.23 ID:lG4xxY8z0
ほしゅ
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:35:09.55 ID:1wfCb/+p0
☆
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:44:26.14 ID:9Eo2xILbO
保守
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:45:21.16 ID:PUx9x5cIO
星子
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:46:34.64 ID:DZhGDqam0
やっと、やっと見れた!!
前スレは何か見れなくなったけどね
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 19:54:53.12 ID:XF8iT2CN0
保守
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:00:48.14 ID:TtTrX6WT0
保守
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:11:15.66 ID:p2KGwEjQ0
前スレ埋まった保守
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:11:48.04 ID:PUx9x5cIO
みくる祭りかwwww
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:12:03.08 ID:gD6OJsFL0
保守
2年後の世界へ行こう!
/'⌒`ヽ、 彼女がいて童貞も捨てているハズ・・・
ヽ、┗ ノ __
`ーー' γ⌒ヽ /__\ /'⌒⌒ヽ、
,-ーー-、 .||~ ̄~|/-O-O-ヽ|. ( ┃ ⌒ヽ
/ ┃ ) || 6| . : )'e'( : . |9 \ ━┛ )
.(. ┃ ) || `‐-=-‐ ' \___,ノ
ヽ、__,ノ || _(つ¶¶と)__
/||'''''| 三 | |'(⌒)
/ '―――――`  ̄ \
`============'
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:17:52.63 ID:cXjUJJ/KO
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:22:32.22 ID:5Hg6izY20
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:35:04.20 ID:PUx9x5cIO
保守
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:36:19.75 ID:Qckydgx/O
保守だゴルァ!!(シャミセン)
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:36:44.81 ID:uUpTEIobO
保守
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:44:31.44 ID:XF8iT2CN0
保守
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:44:40.24 ID:ZNbt+02IO
保守
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:45:31.63 ID:GDHGEwXX0
保守
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:46:10.81 ID:PUx9x5cIO
さっきから保守のタイミングが被り過ぎな件ww
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:50:31.32 ID:yNlh+LjZ0
江美里「こってるわね有希。マッサージしてあげるわ。気持ちいいでしょ?」
有希「うん」
江美里「私にもやって。生徒会の仕事で重い物運んじゃってね」
有希「固い」
江美里「その部分が疲れてるってことなのよ。あ〜気持ちいい。やっぱりマッサージはいいわ〜。」
翌日
キョン「なあ長門・・・」
長門「何?」
キョン「お前自分が何やってるかわかってるのか?」
長門「マッサージ。固い部分は疲れてる箇所。こうやって揉みほぐすと疲れが取れる。気持ちいい?」
キョン「ハァハァ・・・」
長門「どんどん固くなってる。」
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:53:53.15 ID:K3lvrEHY0
みんな「長門有希が絶対言わないことスレ」に行って
過疎っている件
29 :
挙式の人 ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 20:58:35.35 ID:9TCd5at/0
よーし、せっかく新スレも立った事だし、景気付けに
中途半端なお話の続きでも投下しようか!
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:59:44.40 ID:uUpTEIobO
wktk
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:59:44.76 ID:Q5VP1a/zO
『仮面ライダーHARUHI』
カブト…ハルヒ
ガタック…キョン
ドレイク…みくる
サソード…古泉
ザビー(初)…谷口
ザビー(次)…国木田
ひより…長門
という電波を受信した
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:59:52.67 ID:1diBBU+x0
レ(゜□゜レ)カカッテコイwwwwwww!
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 20:59:56.90 ID:51Q18U2M0
バッチコーイ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:00:55.32 ID:PUx9x5cIO
wktk!
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:01:46.48 ID:p2KGwEjQ0
wktkwktk
36 :
挙式の人 ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:02:07.45 ID:9TCd5at/0
それじゃあ、お言葉に甘えさせて貰うよっ!
ただ悪いくせが出て、またズラズラと文量が伸びております。
今回も中途半端な所までしか書けてませんが、どうかお許しあれ。
では以下、前回までのあらすじ。
ハルヒの「古泉君のアルバイトって何やってるの?」発言から
広告モデルの写真撮影を見学しに来たSOS団。
しかし、連れてこられたのは結婚式場。全ては古泉の周到な罠だった。
「キョンタンの新郎姿は、僕に撮られるために築いてきたんですものね」
「こんな古泉なんかに…くやしい…でも感じちまう!(びくびくっ)」
今回はそんなお話(半分本当)。では11レスほど行きます。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:04:26.46 ID:PUx9x5cIO
wktk支援
38 :
月で挙式を(10) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:04:42.96 ID:9TCd5at/0
「いやはや、よくお似合いで」
いかにも好々爺といった感じのスタイリストさんの言葉に、
俺は、はぁ、と生返事を返す他なかった。
着せられたのは、形状はいわゆるダブルのフォーマルなんだが
とにかく全身真っ白な一揃え。スラックスも白、上着も白で
ベストもネクタイも白。白一色だ。こうして書くと
麻雀の役みたいだな。
あんまり白すぎて目がチカチカするぜ。まあ礼服の効果か、
鏡の中の俺はそれなりに大人びて見えるんだが。
馬子にも衣装って奴さ。あー、自分で言うのも虚しいな。
ヤケ気味な事を考えながら袖の金色のボタンを
指先で弾いていると、嫌味なほど爽やかな声が背中から
掛けられた。
「これはこれは。いや素材は良いとは思っていましたが」
猛烈に振り向きたくない気分だが、無視して余計な所を
突つかれても困る。というわけで振り向くと、古泉の野郎が
さも驚いたといった様相で微笑んでいた。
「素晴らしい紳士っぷりです。見事に化けられましたね」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:05:02.55 ID:XF8iT2CN0
wktk支援
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:06:06.75 ID:p2KGwEjQ0
支援
41 :
月で挙式を(11) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:07:59.46 ID:9TCd5at/0
「人をキツネかタヌキみたいに言うな」
ぎろりと睨んでやったのだが、奴はどういう感性をしてるんだか、
くつくつ愉快そうに笑いやがる。真性のマゾかこいつは。
古泉の方は、いわゆるタキシードという奴だ。首元の
黒い蝶ネクタイが、キザったらしい顔にお似合いだぜまったく。
つか、新郎役はお前一人で十分だろ。今日の俺は
ただの一般見学者だったはずだぞ。なんでこんな衣装に
着替えさせられてんだ。
「お分かりのはずですよ?
“涼宮さんがそう望まれたから”です」
くそ。予想はしてたが、ムカつく答えだ。俺はただ諾々と
振り回されてろって事かよ。
「まあまあ。そう深刻に受け止めずに、この状況を
楽しんでみてはいかがです?
お察しの通り、今回の件は涼宮さんを退屈させないための
『機関』主導の小芝居ではありますが、しかし
広告モデルのアルバイトである、というのは事実です。
それなりにバイト料ははずみますよ?」
そう言って、古泉は俺の耳元に口を寄せてきた。おい、
息が掛かってるぞ気色悪い。
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:08:20.67 ID:XF8iT2CN0
支援
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:09:49.42 ID:p2KGwEjQ0
支援
44 :
月で挙式を(12) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:11:03.04 ID:9TCd5at/0
と、そこまでは不機嫌だった俺だが、古泉の奴がささやいた
金額に、思わず奴に向き直っちまった。
「そんなに出るのか!?」
「ええ、まあこの程度が相場ですね。
こう言っては何ですが、冠婚葬祭というのはある種の
お祭り産業でして、利益還元率が高いのです。
有り体に言えば、中規模の披露宴の一件でも受注できれば、
我々のバイト代など余裕でペイできるでしょう」
「話としては分かるがな。だったらそれこそ、本職のモデルを
使うべきだろうに」
俺の質疑に、古泉の野郎は鼻先でふっと笑った。
「なまじっかなモデルよりは、涼宮さんたちの方が
よほどドレスが映えると思いませんか?」
「あ…まあ、それはそうかもな。写真だけならハルヒの
トンデモっぷりもバレやしないだろうし。
だが、いかんせん結婚式のモデルとしちゃ若すぎるだろ」
「そうでもありません。昨今は女性の社会進出から
晩婚化の傾向が強まっているそうですから。
若いモデルの採用は、そういった女性層を刺激する
意味合いもあります。この式場はお見合いの斡旋業なども
請け負っていますからね」
いかにもそれらしい古泉の解説に、俺はやれやれと
肩をすくめてみせた。
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:12:46.20 ID:XF8iT2CN0
しえん
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:13:14.85 ID:p2KGwEjQ0
支援
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:13:28.31 ID:GDHGEwXX0
支援
48 :
月で挙式を(13) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:14:11.22 ID:9TCd5at/0
「つまりは、歳若いモデルのウェディングドレス姿を
見せつけて、客を焦らせようって腹か」
「涙ぐましい企業努力、と言うべきでしょうかね」
ふふ、と笑う古泉に、俺はうんざりと顔をしかめちまったね。
奴の言ってる事は理解できる。企業運営ってのは
遊びじゃない。あの手この手で客を囲い込もうってのは
当然の戦略だろうよ。
だが、俺はまだガキなのかね。そういうアコギさに
どうしても抱いちまう嫌悪感があるのさ。それを大っぴらに
口にしない程度の分別は備えてるがな。
まあ、ハルヒの奴なら思いついたその先から、ズケズケと
言いたい放題言い放つんだろうが。
女子衣装室へ向かう際の、あいつの笑顔が脳裏をよぎる。
たかだかドレスに着替えるだけの何がそんなに嬉しいんだか、
やたらとはしゃいでたっけか。
こういう計算高い話は、それこそあいつには
聞かせるべきじゃねえよな、どうせロクな展開にならん。
などと埒もない事を考えていると、
古泉の奴がいつもの5割増しくらいのニヤケ顔で
俺に訊ねてきやがった。
「ひょっとして、涼宮さんの事でも考えてましたか?」
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:14:53.52 ID:XF8iT2CN0
支援
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:15:47.54 ID:wgEjiN+GO
支援
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:17:10.01 ID:7rl5NyX30
支援
52 :
月で挙式を(14) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:17:36.87 ID:9TCd5at/0
「…何の話だ」
「いやあ、そろそろ彼女たちの方も
撮影準備が整ったのではないかと思いまして」
おい、なんだそのしてやったりな笑みは。俺が図星を
突かれたとでも思ってんのか。
勘違いもはなはだしいぞ、このペテン師め。いかにも
それっぽい服を着てるから、余計にそう思えるぜ。
「なら、さっさと合流してさっさと済ませるぞ」
「ふふふ、そんなに急かさなくっても涼宮さんたちは
逃げたりしませんよ?」
「いちいち無意味な勘繰りを入れるな」
これでもかと古泉を睨みつけ、俺は男子の控え室を出る。
そして、すぐに途方に暮れる事になった。
「失礼ですが、この式場の部屋割りはご存知なので?」
「知るわきゃないだろ。今日初めて来たんだ」
「では、ご案内しましょう。女子の控え室はこちらです」
結局、俺はバカみたいに古泉の後ろに追随せざるを
得なかったよちくしょう。
まったく、その場の感情で動くとロクな事がないよな。
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:19:01.89 ID:XF8iT2CN0
しえn
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:19:53.86 ID:p2KGwEjQ0
支援
55 :
月で挙式を(15) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:20:10.51 ID:9TCd5at/0
廊下を2回ほど曲がった先で、ひとつのドアの横に
立った古泉は、俺に向かってにこやかに会釈してみせた。
「どうぞ。皆さんはこの中です」
「なんで俺に先を譲る?」
我ながら小心だとは思うが、こいつなら笑顔の裏で
平気でドッキリとか仕掛けかねないからな。
しかし古泉の野郎は、質問の意味が分からないとばかりに
小首を傾げてみせた。
「はて、あなたはそんな引っ込み思案な方だったでしょうか。
むしろ、僕が先に彼女たちの晴れ姿を拝見してしまうと
後で文句を言われそうだと思ったのですが」
そうして浮かべる愛想笑いがあんまり小憎たらしいので、
よほど言い返してやろうと思ったが、
俺は寸前でそれを止めた。どうせ時間の無駄だ。
それに、朝比奈さんの花嫁姿をいの一番に拝めるというのは
確かに悪くないぞ、うむ。ハルヒの奴はどうせ
チンチクリンだろうがな。
もちろん扉を開ける前にノックは忘れない。いつもそうだが、
今日の俺は特に紳士なのだ。コンコン、っと。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:21:01.03 ID:XF8iT2CN0
支援
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:21:02.29 ID:PUx9x5cIO
支援
58 :
月で挙式を(16) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:23:23.62 ID:9TCd5at/0
「すいません、失礼しま…」
「あっ、キョンね! かしこまってないで、さっさと
入ってきなさいよ!」
いちいち声の主を特定する気にもなりゃしない。ハルヒの
辞書には『情緒』って言葉は載ってないんだろうよ。
だいいち、今のはお前に対してかしこまったわけじゃない。
主に朝比奈さんへの配慮だ。勘違いすんな。
辟易とした気分でノブを回し、扉を開ける。するとはたして、
控え室の中では椅子に腰掛けたハルヒを真ん中にして
三人並んだきらびやかな花嫁たちが、俺らを迎えてくれた。
――のだが。
「えへへ…どうですかぁ、キョン君?」
「…………」
「なにボーッとしてんのよ、キョン。褒め言葉のひとつも
出ないわけ? 情けないわね!」
幾つかの言葉と視線が、俺に投げ掛けられる。しかしそれらは
全て俺の横を素通りして行った。
ノブから手を離す事も出来ず、扉を開けて部屋に一歩
踏み込んだ状態で、俺は固まっちまってたんだ。
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:24:05.80 ID:XF8iT2CN0
しえn
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:26:53.39 ID:jQBTJ3Jq0
あのポスターと同じ構図?
支援
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:27:27.68 ID:BZotgyaI0
62 :
月で挙式を(17) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:28:27.85 ID:9TCd5at/0
おい、ちょっと待て。待ってくれ。
なんだ? 何なんだ、これは?
体が動かない。視線が動かない。俺の中の神経たちが
一斉に職場放棄しちまったような感覚。
視界は良好で、多種多様な情報が網膜を通して
大脳皮質に飛び込んでくる。
だがそれも一向に像を結ばない。ハルヒの左隣にいる、
スカートのふわっと膨らんだオレンジのドレスの女の子が
たぶん朝比奈さんで、肩もあらわなスリムなラインの
紫のドレスを着ているのが、長門なんだろう。
目の前にいるのに「なんだろう」ってのもおかしいが。
そして、ハルヒ。いや、ハルヒだよな?
小さなブーケを持った両手を腿の上で揃えて、淑やかに
椅子に腰掛けてるその姿は、普段、団長椅子の上で
あぐらを掻きつつネットサーフィンなんぞに興じている奴と、
とても同一人物とは思えないぜ。見た目だけなら
どこの国のお姫様かって感じだ。ああ、見た目だけならな。
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:28:55.20 ID:BZotgyaI0
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:29:06.96 ID:XF8iT2CN0
支援
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:30:28.55 ID:PUx9x5cIO
支援
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:31:03.20 ID:7rl5NyX30
支援
67 :
月で挙式を(18) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:31:11.59 ID:9TCd5at/0
細い指先から二の腕の半ばまでを覆う、白の手袋。
脚のほとんどを包むロングスカートからちらほら見え隠れする、
エナメルの白いピンヒール。
こまやかな細工のレースがふんだんに使われた豪奢なドレスは、
光沢のある鮮やかな白。
俺の服と対を成すような白一色。純白という言葉で
言い表す事さえ陳腐に思えるほどの、白。一点の曇りもない、
清麗なる白き花嫁。
いや、違う。凄いのは衣装なんかじゃない。凄い事は確かに
凄いんだが、そうじゃなくて。
絹のヴェールの間から、上目遣いに俺の反応をうかがっている
ハルヒ。うっすらと化粧をしているのか、こいつ自身が
とんでもなく綺麗だったんだ。
そりゃ、こいつの事を「黙ってりゃかわいいのに」と
思った事は何度かあるさ。だが今日抱いた印象は、これまで
一度も感じた事のないもので、その鮮烈さが俺の心を
好き放題に切り刻んでいた。
インド人も朝倉涼子もビックリだな、これは。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:32:06.37 ID:XF8iT2CN0
支援
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:32:30.30 ID:p2KGwEjQ0
支援
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:33:00.45 ID:jQBTJ3Jq0
支援
71 :
月で挙式を(19) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:34:38.49 ID:9TCd5at/0
ハルヒの髪の中で、いつものカチューシャの代わりに…
ティアラっていうのか? 何やら宝石が幾つも散りばめられた
髪飾りがきらきら光る。それすらハルヒ自身の放つ
輝きの前では、文字通り引き立て役でしかない。
「なんとか言いなさいよ、キョン。ふふん、それとも
あたし達のあまりの麗しさに感激で言葉も出ないのかしら?」
俺をからかってるつもりなんだろうがな、ハルヒ、
少し眉根を寄せたお前は、どこか不安そうに見えるぜ。
着慣れない服で、一人前に緊張してんのかよ?
そう俺は軽口を返そうとする。だが意に反して、
俺の耳はひゅーっひゅーっという、かすれたような音を
聞くばかりだった。なんだ、この音は?
ぱくぱくと、俺の口が動いている。けれども声らしい声は
まるで出てこない。ただ息が漏れるだけ、それが
ひゅーひゅーと音にならない音になっていた。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:35:30.36 ID:rRLN2xkE0
キョンがかわいいわw 支援
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:36:01.52 ID:XF8iT2CN0
支援
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:36:38.60 ID:p2KGwEjQ0
支援だぜ
キョンモエスwww
76 :
月で挙式を(20) ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:37:56.19 ID:9TCd5at/0
舌の根が奥に引っ込んで気管を塞ぐ。ノドの筋肉が
首でも絞められてんのかってくらい独りでに縮み上がる。
背筋がびくびく跳ね回る。目の奥がツーンと痛くなる。
頬から手の平から、べたっとした脂汗がにじみ出て、
膝がガタガタと愉快そうに笑ってやがる。
おい、おい? なんだ、どうしちまったんだ俺?
ほら見ろよ、ハルヒの奴が不安を通り越して心配そうな
顔になっちまってるじゃねえか。
別になんでもないって、さっさと答え…なけりゃ…。
「キョン? ちょっとキョン! あんた顔色がひどく――」
そこから先は、もう聞き取れなかった。視界がぐるんと
勝手に上に回る。ハルヒたちからは、俺が白目を剥いたのが
よく分かっただろうよ。
そうして視界と一緒に、俺そのものが後ろへ倒れこむ。
ブラックアウトする意識の中で最後に見たのは、
クリーム色の天井と、俺を抱き止めて
上から「大丈夫ですかッ!?」と訊ねかけてくる古泉の
珍しい真顔だった。
なんてこった…こいつは悪夢だな…。いや、これから見るのが
悪夢なのか…? どっちにしたって最悪――だ、ぜ――。
つづく
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:39:12.38 ID:XF8iT2CN0
生殺し・・・!
GJ!!
続きwktk
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:39:21.20 ID:wgEjiN+GO
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:40:12.82 ID:wgEjiN+GO
ところで、コーヒーが入ったんだが
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:40:15.66 ID:p2KGwEjQ0
ここで生殺しかGJ!!
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:40:32.64 ID:PUx9x5cIO
乙!
続きwktk!
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:41:10.04 ID:p2KGwEjQ0
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:41:32.94 ID:HTBEPaxlO
何気絶しちゃってんのキョンwwwwwwwww
ともかくかなりwktk
84 :
挙式の人 ◆UW1cwqXO4. :2006/10/16(月) 21:41:33.28 ID:9TCd5at/0
今日もたくさんの支援、ありがとさんでした。感謝感謝です。
しかし、そんなにキョンに萌えて貰えるとは思わんかったw
>>60 どのポスターか分かんないけど、参考にしてる映像は
特にないです。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:41:52.72 ID:PUx9x5cIO
コーヒーktkr!
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:43:21.97 ID:HTBEPaxlO
このタイミングでコーヒーだなんて…恐ろしい子!!!!
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:44:15.52 ID:7rl5NyX30
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:44:20.74 ID:XF8iT2CN0
コーヒーか!!
wktkだぜ。
89 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/16(月) 21:46:19.46 ID:wgEjiN+GO
今週は第七話の一夜目・10レス程行きます!
昼休みの過ごし方は人それぞれと言えども、これほど部室に依存しているのは、おそらく俺くらいなものだろう。
まあ、部室備え付けの電気ポットの恩恵による、インスタントコーヒーがその理由に当たる訳なのだが。
そして今日も俺は、谷口や国木田との冴えない昼食を難無く終え、尽く部室へと急いでいた。
しかしながら、連日の冷え込みは体に堪える。早く熱いコーヒーを・・・
俺は部室の前に立つと、朝比奈さんの生着替を警戒しつつノック・・・しかけて手を止めた。
今は、昼休みだったな。
おそらく居るのは、長門くらいのものだろう。
いきなりドアを開けたところで何も問題な・・・
のわっ!な、何だこれ!
天井まで積み上げられた黒い箱の数々!
そして段ボール箱の山、山、山っ!
そして、埋もれる様に座っている長門・・・
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:46:51.28 ID:GDHGEwXX0
支援
ところでさ、そろそろ本気でVIPつぶす事考えないか?
1暇だから、寂しい等の理由で自分かまってスレ、全レススレを立てる女、中高生の増加
2↑にとともに沸いた、出会い系サイトからショボいガキだけ抽出したような出会い厨ガキの増加
3「w」の連打、「だお」「〜ス」をつけて安価でチャット会話みたいに馴れ合うのがVIPPERだと思っている
4女VIPPERの立てる自分のセックスや性癖、ナンパ系スレ。それに群がる出会い系のガキ
5専用板があるのに、かまってほしくてなんでもかんでもVIPでスレ立てて、ひたすら馴れ合う
6半年ROMという言葉も知らない厨房
7今日学校で・・・会社で・・・等のmixiの日記のようなどうでもいい日常報告スレ
8中高生のマジ恋愛相談スレの増加、彼氏が・彼女がという聞いてもいない恋愛報告
9何十・何百番煎じのネタをまだ引っ張ってる
10中高生びっぱあ大好き「安価で痛メール」
11「♀、○○才だけど」等の寒い年齢・学年・性別晒し
12大して特別な職業、役柄でもない、どうでもいい一般人の「質問ある?」
13ネタにマジレスの嵐
14(´・ω・`)や( ^ω^)、ぁぃぅぇぉ等、ギャル文字とVIP言葉が混ざった奇怪な言語の多用
15、OFF会大好き。びっぱあ同士で実際に会ったりVIP言葉でしゃべったりするのがクオリティ高い行為だと思っている。
16mixiやハンゲ等の他サイトにVIPノリ(wwwww・だお・ちょwwwおまwww・kwsk等)を持ち込む。
17安価で馴れ合い→「おごるよー」「会ってカラオケ、のみ会しよー」と、一番2chぽくない俗物ど素人な流れに→そして出会い系へ
18「VIPPER」であることを自慢にする、アイデンティティにするお子さま達
19「別に馴れ合ってもいいだろ」とか言い出す奴
20ネタでもなんでもない、素の相談事(他の専用板で立てると厨過ぎて叩かれるからVIPに立てる)
21女ですが、○歳ですが、とか書けばレスが伸びる
22、2chはVIPしか見ないお子様達
23アド、電話番号晒し、出会い目的のスレは、2chでは特定の馴れ合い板以外禁止だということを知らない
24ネタスレだろうが糞スレだろうが安価で馴れ合いチャット出会いチャット
25もうただひたすら安価で会話、安価で馴れ合い
素でいらないだろ、2chにこんなクオリティも糞もない、しょぼいネットミーハー厨房工房コミュニティ、常識的に考えて・・
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:48:16.59 ID:9TCd5at/0
支援〜
93 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/16(月) 21:48:24.31 ID:wgEjiN+GO
長門っ!?
-おい、長門!大丈夫かっ!?一体、これは何だ?
「・・・・。」
長門は無言のままに、その段ボール山脈の向こうを指差した。
モゾモゾと動く黄色いリボンの例の頭が見える・・・
ああ・・・なんとなく解ってたけど、やっぱりハルヒか・・・。
「ちょっと、キョン!あんた何処行ってたのよっ!」
-知らないうちに教室から消えてたのはハルヒだろっ!
「全く、女のアタシに力仕事させて!思い遣りの欠片も感じられないわねっ!」
-・・・人の話を聞け。
「まあ、いいわっ!放課後は、これ全部開けて整理して組み立てっ!わかったわね?」
-だから何だってんだ、それ!
「ふふん!バンドの機材よっ!」
-はい?
放課後、俺はあまりにも重い足取りを自覚しながら部室へと向かった。
まさか、本当にバンドをやる気だったとはな。
文化祭の後にハルヒがそれらしい事を言っていた様な記憶はあるものの、どうせいつもの思い付きだろうと判断した俺は「脳内ゴミ箱」に、その記憶を移動させちまって久しかった。
しかし、困ったもんだ。
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:49:51.32 ID:XF8iT2CN0
支援
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:50:18.00 ID:p2KGwEjQ0
支援
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:50:20.06 ID:PUx9x5cIO
支援wktk
97 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/16(月) 21:50:20.31 ID:wgEjiN+GO
俺はあまり人前で色々とやるのは得意ではない。
いや、この世界に生きる大多数の人間は俺と似たようなものだろうと思っている。
考えてもみて欲しい。
世界に生きる人々全てが、人前に出て色々とやる事に何の抵抗も持っていないとしたら、この世界は歌や音楽やパフォーマンスに溢れ、煩くて仕方がない。
そういうのは極少数の人々が担う事でいい。
そして俺は、生憎その極少数派では無い訳で・・・とにかく、困ったものだ。
部室に着くと、先程より状況は悪化していた。
段ボール山脈は崩壊もしくは倒壊し、足の踏み場もない。
その真ん中で、意気揚々とハルヒが指揮をとっている。
「さあっ!開梱よっ、開梱っ!古泉君、その黒くて丸いのはドラムセットの何とかだから優しく扱って!みくるちゃん?軽いものばかり選んでないのっ!女性の社会進出が常識の時代よっ!パワフルに行きなさいっ!ほらユキ?本読むのは後にして、それ組み立ててっ?」
今日は・・・先に帰るか・・・。
「あら、キョン!いいとこに来たわっ!この空段ボール、全部潰して?黒い箱は適当に片付けてね!」
-・・・はい。ところでハルヒ、何で今年もあと僅かのこの時期にバンドなんだ?
「それは後で!ほら、早くするっ!」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:50:34.93 ID:XK7wzRxz0
長門「キョンの馬鹿。あほ。死んでしまえ」
キョン「それは俺の胸にいて泣き顔のやつが言うセリフか?」
長門「うるさい」
100 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/16(月) 21:51:21.41 ID:wgEjiN+GO
数分後、我がSOS団のアジトもとい部室は軽音部の如き様相を博していた。
-ドラムセットにキーボード・・・マイクスタンドに譜面立て、これは・・・ギターアンプか?
「そうっ!すぐにでもバンドが始められるわ!」
-どこから持ってきたんだ?もしくは盗って来たんだ?
「人聞きの悪いこと言わないで!軽音部がね、機材の入れ換えなのよ。何年かにわたって部費の一部を積立てしておいて、古くなったら買い換えるんだって。昨日丁度それに出くわしたのよね!だから、処分に困ってるならウチで全部引き取ります!って言ったわ。」
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:53:14.43 ID:9TCd5at/0
支援
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:53:19.20 ID:p2KGwEjQ0
支援
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:54:28.36 ID:PUx9x5cIO
支援
105 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/16(月) 21:56:32.71 ID:wgEjiN+GO
-それで、これか。
「そう!じゃあ準備が整ったところで、早速パートを決めるわね!まずアタシがボーカルとベース!」
-ギターじゃ・・・ないのか?
「煩いわね!シド・ビシャスみたいにしたいのよ!」
-そうか。(まあ、『はなわ』と言わないだけ良しとするか。)
「古泉君は・・・ドラムでいい?」
「はい、心得ました。」
「みくるちゃんは、キーボードね!」
「ふえええ、私もやるんですか〜?」
「当たり前でしょ!で、ユキはギター!」
「・・・わかった。」
-俺は、無さそうだな。何も。(よかった、いや実によかった。)
「何、ホッとしてんのよ!無駄に解りやすくてイラつくわね!キョンにはふさわしいパートを用意してあるわ!
ね?六歳までピアノをやっていたキョン君?」
-うぼぁ!ハルヒっ!何でここでまた俺の黒歴史をここで暴露する?
ちなみに事実だが・・・泣きながら親に辞めたいとせがんだのも事実・・・ああ、ここから逃げ出したい気分だ。
「ほう?意外ですねえ?」
ほら!古泉がニヤついてるっ!長門ですら、少しだけ笑った気がしたぞ?畜生!ハルヒの人でなしっ!
支援
あと誤爆スマン
107 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/16(月) 21:58:09.20 ID:wgEjiN+GO
「でも、ピアノを弾く男の子って素敵!私、好きですよ。」
-朝比奈さん・・・。 いや、バイエルは一通りやりましたよ?・・・っ!?
瞬間、ハルヒの凶器的な視線を感じた俺は、全力で話題を変える事にする。
-あー・・・それで、どんな感じにするんだ?バンドは?それと、俺は何をやればいい?
「ふん!キョンはこれ!」
-ん?パソコンのソフトか?
「そう!これで、私達のパート以外の「全部」をキョンが作るのよ?ブラス、ストリングス、その他SE等々!」
-ようするに雑用か。まあ、裏方なら・・・
「もちろん、ステージにも立ってもらうわよ!」
-・・・。
ああ、なんという悲劇だ。
恥ずかしい過去を暴露されただけでなく、ステージに立つ事まで只今決定してしまった・・・トホホ。
「さて!パートが決定した所で、次は何を演るかね?古泉君!どんな音楽が好き?」
「そうですね、大体80'sを聴いてますよ?まあ、ほとんどAORですが。」
「ふんふん、なるほどね!キョンは?」
-あ、俺は・・・
「やっぱいい。」
-・・・。
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:58:35.91 ID:XF8iT2CN0
支援
109 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/16(月) 21:58:54.24 ID:wgEjiN+GO
ハルヒの奴がAORを把握しているかは不明だが、会議は続く。
「みくるちゃんは?」
「わ、私そういうの良く解らなくて・・・」
「じゃ、いいわ!ユキは?」
「・・・・・・スガ=シカオ。」
「・・・なるほどね!じゃあ、まとめると・・・・レーザーびんびん飛びまくりの曲締めで花火ドガーンのロックオペラって事で良いかしら!」
-どう・・・まとめたんだ?
とにかく、明日に続く。
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:59:19.81 ID:XF8iT2CN0
支援
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 21:59:31.37 ID:9TCd5at/0
お坊ちゃまなキョン支援
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:05:06.09 ID:XF8iT2CN0
支援
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:05:12.41 ID:PUx9x5cIO
さる?
俺のあだな
きょん
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:05:36.62 ID:wgEjiN+GO
支援、ありがとうございました。
よかったら、また明日続きを書かせて下さい。
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:06:18.73 ID:LPDgZvQP0
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:06:40.63 ID:4L9Cf/rD0
がんばれキョン。ピアノを弾ける男はもてるぞ保守
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:07:12.52 ID:9TCd5at/0
>>115 乙ですた。
バンド系の話は、以前の「涼宮ハルヒのロックバンド 」が
快作だっただけに配役とか難しいと思いましたが。こう来ましたかw
続きwktkしてます。
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:07:23.18 ID:PUx9x5cIO
乙!
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:11:59.68 ID:XF8iT2CN0
乙!
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:15:50.69 ID:GDHGEwXX0
乙ーん
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:27:11.74 ID:HTBEPaxlO
保守
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:29:53.38 ID:q0lJEASIO
最近投下減ったな
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:35:25.99 ID:PWucwWa70
>>124 疲れてんだよ。色々、作者とかこのスレ自体。
そして今は休憩時間⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ゆっくりいけばおk。
携帯で20万字オーバーした人とか投下しないのかな?
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:41:05.05 ID:q0lJEASIO
>>126 彼まだ完結してないんじゃね?したらまとめに投下するって言ってたような…
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:43:41.20 ID:9Eo2xILbO
確かwikiに直投下だったような…
俺は読めればそれで良いw
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:55:41.18 ID:QKI1ilSRO
月で挙式をとコーヒーの人乙です。続きにwktk(゚∀゚)
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 22:55:51.87 ID:q0lJEASIO
★
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:01:27.61 ID:rK8dtXfB0
>>109 >レーザーびんびん飛びまくり
ピンクフロイド!
>曲締めで花火ドガーン
KISS!
>ロックオペラ
THE WHO!
乙でした!
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:10:36.31 ID:9Eo2xILbO
保守
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:19:32.61 ID:PWucwWa70
保守す浮腫h
保守
保守
なぜ誰もいないんだ?
珍しいな
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:37:49.39 ID:s08uoeI30
危ない、430までいってる
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:38:00.16 ID:rK8dtXfB0
保守
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:39:06.47 ID:HTBEPaxlO
人少なすぎるな
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:39:17.18 ID:0r4e5XIg0
保守
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:43:53.03 ID:q0lJEASIO
★のタイミングだけは被るのな
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:44:27.26 ID:9Eo2xILbO
保守参加。
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:54:01.55 ID:9Eo2xILbO
保守
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:54:12.04 ID:ijOF9upx0
よそのスレで面白いことでもやってるのか?
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/16(月) 23:59:20.48 ID:9Eo2xILbO
俺はこのスレに居るのが一番楽しいんだがw
ある日
昼休みも終わりにさしかかり、特にすることもないので運動場を眺めていると「キョン君、ちょっと聞きたいことがあるのね」
何だ阪中?またルソーが変態宇宙生物にでも憑依されたのか?そういうことなら長門にでもあたってくれ。
そしてハルヒ。お前は授業中でもないのにシャーペンで背中を突っつくな。
「こういうプライベートなこと聞くのはどうかと思うんだけど……気になちゃって」
ハルヒ、シャーペン刺しすぎだ。まだ後2年も着なきゃいけないブレザーが穴だらけになるだろうが。
「昨日キョン君といた女の人って誰?すごく美人さんだったのね」
机が壊れるんじゃないかというくらい壮絶な音がすぐ後ろから聞こえる。
「キョン!!」
ひきつった笑顔の団長様が俺のネクタイを掴む。
「あんたどういうつもり?団長のあたしに許可も得ずに美人さんとデートですって?」
なんでお前に許可なぞとらねばならんのか。それとネクタイ引っ張り過ぎだ。それ以上は生命活動維持に関わるからやめろ。
「涼宮さん、みんながみてるのね……」
見ればクラス中ひそひそ話のオンパレードだ。どいつもこいつもあほばっかだな。
ハルヒと俺が痴話喧嘩してるように見えたなら早急に眼科に行くことをお勧めするね。
「キョン君と一緒にいたのって朝比奈さんかな?雰囲気似てたんだけど凄く、その……胸が大きかったのね」
「キョン!!!あんたねぇ、ものには限度ってものがあるのよ。13通りの罰ゲーム考えたから、覚悟はいいわね」
全く目が笑ってないハルヒをなだめるのに気が遠くなるような時間がかかったのは言うまでもない。
続かないし没ネタだから保守にはちょうどいい。
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:00:32.90 ID:htNuRsqg0
ハルヒ原作を読まずss読んで得た知識だけで短編書こうとするのは法外?
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:02:38.62 ID:EaSLW4QY0
住人だいぶ減ったよな
ハルヒの魔法が切れたり、スレの雰囲気の変化に対応できなかったりと理由は様々だろう
>>149 ハルヒ系スレ自体衰退の一途をたどってるな。これだけ放置プレイされればなぁ。ながるはとっとと新作作れよな
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:06:55.78 ID:45aWxUWYO
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:07:12.61 ID:XTLBLvlH0
ほす
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:08:14.03 ID:XYylytfSO
>>148 アニメだけ見たって人も居たからおkでしょ。
>>151 俺の携帯の送信ボックスの奥深くに眠ってたアホネタなんだぜ。書いたのが7月……俺がSS初投下した月だった。
違うの書いてるから許せ。
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:14:20.64 ID:htNuRsqg0
>>153 そうか。サンクス。
勝手に頑張ってみる。
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:14:32.01 ID:QBlH6k0eO
>147
ぜひとも続きを!!
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:15:14.41 ID:vBvQKt590
わっふるわっふる
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:24:10.98 ID:+p456yZsO
ほ
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:24:14.92 ID:vBvQKt590
わっふるわっふる
12レスほど投下していいですか?
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:29:20.57 ID:cNz9euj90
ワークテイアッー!
wktk
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:30:47.37 ID:+p456yZsO
驚いたことに、谷口に彼女ができたらしい。
日曜日の夜、国木田がメールで知らせてきた。まさに驚天動地といっていい。
一体どんな魔法を掛けたというのか。こっそり長門に恋のキューピットでも依頼したのか。
あまりにも驚いた俺は、ハルヒにメールを送ってしまった。
「なさけないわね〜」ハルヒはわざわざ電話を掛けてきた。
「なにがだ」
「あんたよ、あんた」呆れたような声。「谷口に出来たのよ?」
「しょうがねえだろう」
「まったく、古泉くんぐらいのルックスがあんたにあればね」
ハルヒのため息がなんとなく甘く聞こえてしまうのは、きっと夜だからでそれ意外の理由はないだろう。
「好きでもねえ女にきゃぁきゃぁ言われても嬉しくねえよ」
「まったくバカなんだから。そんなことじゃ好きな女の子にも振り向いてもらえないわよ」
などとハルヒはまくし立て始めた。しばらくそれに耳を傾けていると、心地よい眠りに誘われてしまう。
「ちょっと寝てんじゃないでしょうね!」ハルヒが大声を出した。
「もう駄目だ。寝る」
ハルヒがなんといったのか覚えていない。
翌朝、教室に入ってきた谷口は確かにいつもと違っていた。なんというか、晴れ晴れとしている。どこか変わったということはないのだが、顔付きが違っている。
まるで欲しかった宝物を手にいれたような顔付きになっている。
俺はそんな谷口に近寄り、肩を叩いた。
「よう、彼女できたそうじゃねえか?」
「早えな、キョン。誰に聞いたんだ?」谷口はニヤケ顔で答える。似合ってねえニヤケ顔と、その理由がムカつく。
「国木田からだがな」
「ま、そういうことだ。友達の紹介でよ」谷口は言葉を切った。なにか恐ろしいものをみたような顔になった。「なんで涼宮が怖い顔してにらんでんだ?」
「俺に聞くなよ」
「ま、おまえにゃ涼宮がいるんだ。おれにかまわず、あいつの相手してやれや」
振り返って見ると、確かにハルヒが怖い顔でこっちをにらんでいた。俺と視線があうやいなや、フンとそっぽを向いて、窓の外を眺め出した。
パンと谷口にて背中を叩かれた。「いってやれよ」
谷口に言われる筋合いはないし、ハルヒは別に関係ないが、俺の席はあいつの前にあるし、そろそろHRなので戻らねばならんな。
「よう、ハルヒ。元気そうだな」一応、あいさつは忘れない。
「まあね。で、谷口に彼女って本当だったの?」
「ああ、友達の紹介だってさ」
「ふうん、その友達もとんでもないやつね。悲劇を演出するなんて」
「まだ別れると決まった訳でもねえさ」
「ふん、どうだかね」ハルヒは外を眺めながら言った。「しかしムカつくわね、あのニヤケ顔」
「まったくな。しかし初めての幸せだ。ちょっとは我慢してやってもいい」
「あんた、谷口に負けてんのよ?悔しくないの?」ハルヒは呆れたような目で俺をにらんだ。「そろそろ彼女でも作ろうって気分にならないの?」
「恋愛は一種の精神病って持論の持ち主がなにいってんだ?」
「ばか。それとこれとは違う話よ。でもみくるちゃんと有希は駄目だからね」
「なんでだめなんだ」
「みくるちゃんはあたしのよ」ハルヒは人聞きの悪いことを平気で言った。「有希はおとなしいし、あんたみたいな鈍感男じゃ涙、涙の結末になりそうで不憫だわ」
朝比奈さんはラブリーな俺の天使ではあるものの、あまりにも神聖すぎてそういう気持ちにはなれない、長門は宇宙人。ま、なんかの間違いで人間になって、さらなる間違いが何個か重なればどうなるか分らんが、現時点でその可能性は0%だな。
あと残るは目の前のこいつだが………さて、どうだか。
「なに、黙ってんのよ」ハルヒが上目づかいに俺を見る。「どっちにするか考えてるの? やらしいわね」
「考えてねえよ」
「どうだか」
そこでチャイムが鳴った。ハルヒは窓の外を眺め、俺は前を向いた。
昼休み。3人で弁当を囲む昼食タイムである。ハルヒはチャイムがなると同時に姿を消した。ひょっとして瞬間移動の技を使えるようになったのかもしれん。
それはともかく、国木田の巧みな話術に引っ掛かり、谷口は彼女の写真を携帯に保存していることを告白してしまった。
「ちょっとそれ見せてみ」と俺は当然のように手を出した。
谷口は結構自信があるのだろう、すんなり俺の手に携帯を渡した。俺と国木田は、携帯の画面を注目した。
なかなかの美少女がそこには写っていた。結構可愛いじゃねえか。これ。
そうだな、雰囲気は今は亡き朝倉に近い。おでこの具合は鶴屋さんに近い。着ている物は朝比奈さんのそれに近く、瞳はなぜか長門に近いのが気になる。
「可愛い子だねえ」と国木田がいう。
「ああ」とそれしか言えない俺。確かに可愛いが……
「おまえ、涼宮ほどじゃねえとか思わなかったか?」谷口がきな臭い顔でいう。「思ってねえよ」と俺は携帯を谷口に返しながら言った。
「ほんとうに?」なぜ国木田が突っ込んでくるのだろうか。
「思ってねえって」
「谷口って、なにあれ、ちょっと彼女ができたぐらいでニヤニヤして」ハルヒが話題を変えた。
いまは二人肩を並べて部活棟に向かう廊下を歩いているところだ。
あっと言う間に放課後で、あっと言う間に一日が終わる。そうこうしているうちに、大人になって、あああのころはよかったと思うのだろうな。
「そうか?ま、初めての彼女だ。しばらくはしょうがないだろう」
「あんな奴に彼女ができて、くやしくないの?キョンは?」
「勝負してねえって」先を越されたのは事実だが、くやしいというのとは訳が違うしな。
「ところで谷口の彼女ってどうなの?写真みた?」
「ああ、結構可愛いかったな」俺は答えた。「ハルヒほどじゃないが」
一瞬ハルヒはキョトンとした表情をみせてから、ニヤリと笑った。
「それ、どういう意味?」
「そういう意味だ」ごまかしようがないので、そう言うしかない。
「ふ〜ん。まあいいわ」そしてハルヒは『あたしいいこと考えちゃった』という笑みを浮かべる。その笑みがなぜ浮かぶのか、俺には分からない。
「あのさぁ」ハルヒは立ち止まった。「一ついいこと思いついたんだけど」
「なんだ?」
「あんたにメリットがあり、谷口をへこます方法よ」
「谷口をへこます必要などないが…どんな方法だ?」
「条件次第で、あんたの彼女ってことにしてあげてもいいわよ」
「それでなんで谷口がへこむ?」
「あいつの彼女よりあたしのほうが可愛いわけでしょ?」ハルヒは満面の笑顔でいった。「そしてあんたはあたしを彼女ってことにできる」
「それで?」
「つまり、谷口はあんたより可愛くない彼女持ちってことになるわけよ」
正直、おれとハルヒがくっついたところで谷口的には規定事項のひとつでしかない。
しかも奴曰くランクDのハルヒを俺が彼女にしたところで、へこむといったことは考えにくい。
まさか、実は…
「おまえ、実は谷口のことを……」
突然ハルヒはケラケラと笑い出した。俺の肩に手をかけ、心底おかしそうにしばらく笑った。腹を押さえて笑っている。
「おっかしい。あんたの冗談で一番おもしろかったわよ」ハルヒは笑い過ぎて出た涙を指で拭いながらいった。
「で、条件。聞きたくない?」とハルヒは笑い過ぎて赤くなった顔で俺にたずねた。「悪い話じゃないわよ」
俺に選択の余地はなかった。
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:33:48.18 ID:cNz9euj90
谷口はやればできる子
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:34:47.23 ID:tJOylu7p0
いいなあこのふいんき!(ry
という支援
部室じゃなんだからと、ハルヒは俺を自販機コーナーに誘った。
といえば聞こえがいいのだが、実のところハルヒは俺の手首をつかんで歩きだし、着いたところが自販機コーナーだったというだけだ。
ハルヒは俺になんちゃってオレンジジュースを奢らせると、俺を待たずに空いているテーブルを確保しに向かった。俺はマイ定番であるカフェオレを買うと、ハルヒのいるテーブルに向かった。
「でね、条件なんだけど」
「ああ」
「1つ。部活終わった後に、あたしを家まで送って行くこと」
ボディガードか?最近物騒だからな。
「2つ。おはようとおやすみを、電話でもメールでもあたしに言うこと」
ほう、おはようからおやすみまでハルヒを見つめろということか?。一歩間違うと、ストーカーだな、それ。
「3つ。一日一回、あたしを褒め称えること」
おまえは北の将軍様か。
おもしろいフレーズがいくつか浮かぶけれども、それを言ってはハルヒが激怒しそうなので、あとでチラシの裏にでも書いておこう。
「4つ。みくるちゃんにデレデレしないこと」
デレデレなどはしていない。とびきり可愛い子にはやさしくしろと、俺の魂がささやくだけだが。まぁいい。
「5つ。あたしに優しくすること」
優しくしてんだろうが。いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも。
ま、5つ目は普段の行為がそれなので、1つめと2つめと3つめと4つめをクリアすればいいわけかって、ちょっと多くないか?
「いつ、あんたがあたしに優しくしたってのよ」
「さっきだって、そのなんちゃってオレンジジュース奢っただろう?」
「それは団員として団長をおもてなしする一環でしょう?」
ハルヒがバカだということを俺は忘れていた。最近、どうも忘れがちで困る。
「優しくしろったってなぁ」俺は空を仰ぎ見るふりをした。
「あたしを想う気持ちが大事ってことよ」
そのらんらんと輝く瞳が、俺の血を想ってうずうずしている吸血鬼に見えるぞ。
「んで、答えは?」不機嫌そうな表情を顔に張り付けたハルヒがいった。
「分かった分かった。とりあえず一週間な」
「ダイエット企画じゃないのよ!!」ハルヒの大声がとどろいた。
兎にも角にも一週間頑張ってみてそれからまた考えようという線でハルヒをなんとか納得させることに成功した。
二人ずいぶん遅れて部室に到着してみれば、驚いたことに誰もいない。
長テーブルに置き手紙があり、『用事ができたので帰ります』と書いてあるだけだった。
時計を見れば下校時間まであと1時間ないわけで、まあ無理もないだろう。
俺もハルヒも帰ることにする。
夕方にはまだ遠い呑気な秋空の下、肩を並べておしとやかで優しい女子と下校するという夢が潰えた今、ハルヒとの下校に楽しみを見いだすしかない。
もっとも、ハルヒと下校するのが楽しくない訳ではないのだがな。
「間抜け面して何考えてんのよ?」とハルヒは俺を軽く睨むように見上げた。
「ああ、別に」
「うそだ。なんか変なこと考えてたでしょ?」
「今晩の献立ぐらいだな、いま考えてるのは」
「子供みたい」
「ほっとけ」
こんなどうでもいい、くだらない会話が楽しいと感じるのは何故なんだろうな。
いつもの別れ道、俺は無意識に自宅への道を選んでしまった。
「どこいくのよ?」ハルヒがすっとんきょうな声を上げた。「あたしんち、こっちよ?」
ああ、忘れてた。家まで送って帰る約束だったか。
「忘れてたんじゃないでしょうねえ?」独特の粘り気のある視線を俺に注ぎながらハルヒがアヒル口で言う。「そんなだから、もてないのよ?」
「ほっとけ」
「ま、あたしの出した条件さえ守れば、どんな女の子もイチコロだから」
「そうかよ」俺は空を見上げた。
ちぎれた綿飴のような薄い雲が向こうに流れて行くのが見える。
それはハルヒの家の方角だった。
家に帰ると結構いい時間になっていた。あわてて晩飯を食らい、風呂に入り、家族でTVを眺めてという、まあいわゆるごくありふれた日常を過ごしていれば、寝る時間になる。
ああ今日もいつもと変わらない平凡な一日だったな、明日もこの調子で頼むぜと見知らぬ神様にささやきつつ、寝床に入った。
ふと、枕元の携帯を見れば着信があったようだ。
調べればハルヒであった。留守録は残っていない。が、一時間おきに電話があるのはなぜだ?
意味がわからんので、電話を掛けてみる。
「もしもし」
「あんた、どこにいるのよ?」ハルヒは意外にも静かな声でいった。
「家だ。もうじき寝ようと思ってな」
「あんた、また約束忘れてない?」
「覚えているぞ、電話してるだろう?」もちろん忘れていたのだが、そんなことは言えない。
「ほんとかしら?」
「ところで一時間おきに着信残したのはなんでだ?」
「あんたが忘れないようによ」
盛り上がらない話がくだぐだと続く。いつ終わるともしれない無駄話。ただ時間だけが過ぎていくだけ。
「じゃあ、そろそろ寝るね」
その言葉が寂しいと想う気持ちはどこからやってくるのだろうか?
明日、また会えるというのに。
翌朝、妹の目覚まし攻撃より早く起き、ハルヒに電話を掛けた。
「おはよう」ハルヒは完全に目覚めていた。
「いつもこれぐらいの時間に起きてるのか?」
「女の子の朝は早いのよ」ハルヒは妙に嬉しげな声でいう。「いろいろやんなきゃいけないことあるからね」
「そういうもんか」
「ほら、早く支度して、朝ごはん食べなさい。あたしと話してる余裕あんの?」
「ない。じゃ、学校で」
「うん。じゃあね」
じゃあねか。なんとなく、ハルヒが普通の女の子に感じられて仕方がない。
女は変わるというが、はてさて。
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:36:24.74 ID:F2iD+KMG0 BE:128624843-BRZ(1235)
バイさるかかるな支援
寝る
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:37:27.37 ID:XYylytfSO
支援
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:37:49.07 ID:cNz9euj90
支援しますね
あれから三日過ぎた。ようやくハルヒが言った条件に慣れてきたころだ。
ちゃんと一日に一回、褒めたたえることも忘れていない。
『洗い立ての子犬のようにつややかな髪』だとか、
『奈良の鹿にも勝るとも劣らない美脚』だとか、
『太刀魚のような手』だとかな。
最近、褒める言葉に困ってきている。思いつくたびチラシの裏に書いているのだが、そろそろ限界を感じつつある。
「立てば爆竹、座れば地雷、歩く姿は人間凶器」などというフレーズも思いついたのだが、さすがにこれをハルヒに言うのははばかるものがある。
「なんか涼宮さん、ここのところ機嫌いいですね」と朝比奈さんが俺に耳打ちをした。
ここは文芸部部室であり、ハルヒはPCをいじって、日課のサイト巡回をしているようだ。しばらく眺めて見たが、ハルヒの様子に変化は見られない。
「別に、変わらないような気がしますけど…?」
「そうですか?キョン君は涼宮さんにすごく近いからわかんないのかも」
「そうですかね?」どちらかといえばあなたとお近づきになりたい気持ちもありますが。などというと、七代祟られそうだけどな、ハルヒに。
長門はすみっこで本を読んでいる。今日は西遊記をよんでいるが、昨日は三国志だった。あさっては封神演義でも読むつもりかもしれない。
古泉は俺と定番のオセロに興じている。いまは古泉の番であり、微笑みを絶やさず長考している。まあ下手な考え休むに似たりを地でいっている状態だ。
朝比奈さんはなぜか袴姿だった。これは先週土曜日に行ったあるファミレスに行ったハルヒがインスパイアされた結果だった。
明治初期の給仕さんがイメージソースというが、まんまパクリとしか思えない。
「みくるちゃ〜ん。お茶ちょうだい」ハルヒはPCから目を離さず、湯飲みを突き出した。
「は〜い」笑顔で答える朝比奈さんはすたすたと歩いてハルヒの湯飲みを取った。
ふと、視線に気づくと古泉は笑みを浮かべていた。微笑みではない。本当ににんまりと笑っている。
「なんだ、その笑顔は?」
「いえ、このまま順調にいけばいいなと思っただけですよ」
なにが順調にいけばいいのかさっぱりわからんがな。
ここは古泉をやっつけて、そのもやもやを晴らすとするかね。
夜、ハルヒに電話を掛けるのはいいのだが、だんだん時間が早くなっている自分に気づく。
なぜ俺は、寝る時間には早い時間だというのにハルヒに電話を掛け、これといって盛り上がらない会話に精を出しているのだろうか。
明日は土曜日であるから、不思議探索の日だが、ハルヒはすっかり忘れているかのようだった。
「明日は不思議探索だろう?」
「ああ、明日は中止よ」
「そりゃどういう風の吹き回しだ?」
「ん?別に意味はないわよ」ハルヒは意味ありげな口調で言う。
「意味ないことないだろう」
「単に、三人が来れなくなっただけだから」
「そうか」ひさびさに怠惰な休日を過ごせるということか。
「……あんた、あたしに優しくする気はないの?」
「いつも優しくしてるじゃないか」
今日だってそうだ。奇異の目で見る三人を振り払うように、家まで送ったじゃないか。あくまでも俺が自主的にハルヒを送って行くという恥ずかしい事までしたじゃないか。
「あたし、明日暇なのよね〜どこか遊びに行きたいわねえ〜」
わざとらしい。が、面白いので黙っていよう。
「……」
「優しい人なら、あたしをどこか遊びに連れて行ってくれるはずよねえ」
「どこに行きたい?」
「あら、そういうのは誘う相手が考えることよ」
どこまでも、ハルヒはハルヒだった。
「……ピクニックはどうだ?。森林公園にピクニックだ」
「なにそれ、あたしにお弁当作れっていってんの?」
「そうはいってないが」
「しょうがないわねえ」ハルヒはわざとらしいため息を付いた。「ま、あたしは優しいから、作ってあげてもいいけど」
「…よろしく」
「よろしく、じゃないでしょ」
「お弁当、よろしくお願いします」
ハルヒの柔らかい笑い声が聞こえてきた。「いいわよ」
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:39:05.21 ID:cNz9euj90
>太刀魚のような手
なんか凄そうだな
翌日はよい秋晴れだった。降雨確率0%とTVの中の人も言っている。
俺はピクニックに必要そうな荷物をまとめ、朝飯を食うと出掛けた。
妹はまだ寝床でぐずぐずしていて、正直うらやましい。
珍しくハルヒより待ち合わせ場所に到着したが、早く着いてもやることはない。
しかたなく、長門から借りっぱなしの暇つぶし用文庫本を取り出した。
SFらしいのだが、状況説明の多い台本を読んでいるようでつまらない。しかし、暇つぶし用としては最高だ。
いつでも本が閉じられるからな。
「おまたせ」ハルヒの声が降ってきた。見上げるとパステルカラーのカーディガンに、白いワンピースに身を包んだハルヒがいた。意外にも裾は長めだ。
小さな帽子を頭に乗せて、籐でできた大きなランチボックスを手に下げている。
うーん、できすぎのピクニックスタイルだった。せいぜいジーンズにポロシャツのいわゆる汚れてもいい格好でくるものだと思っていたが。
「なにぽかーんと口空けてんのよ」
「いや、なんでもない」
「変なこと考えてたんでしょ、どーぜ」とハルヒは断定した。
森林公園にはバスが出ている。土曜日ではあるが、まだ早い時間でもあり、バスは空いていた。
ごとごとと揺られること十数分。森林公園に到着した。結構広い園内を散策し、腹が減ったら弁当を食い、また散策して家に帰る。
幼稚園児か小学生低学年の遠足のようだが。
森林公園には湖があった。定番の足こぎボートもある。30分1000円は相場のようにも思うが、単純に考えれば高いような気もする。
もっとも乗りたがっているハルヒを押さえ切れるものではない。
「30分で何週できるか勝負よ!」とハルヒはうれしそうに言う。
誰と勝負だ、誰と。
最初はぐるぐるまわっていたハルヒだったが、そのうち疲れたのか飽きたのか湖の真ん中に船を向けると、そこで停止させた。
風の音しか聞こえて来ない。木という木は冬に備えて模様替えの最中らしいが、緑だったり赤だったり黄色だったりと統一感がない。
紅葉を楽しむ場所じゃないからな。ここは。
「ね、楽しい?」唐突にハルヒがたずねた。視線ははるかかなたの木に注がれている。
「ああ、疲れたがな」足には心地よい疲労感が残っていた。
「ならいいけど」ハルヒはニヤリと笑う。
いらんことを言ったかなと、俺は思った。
ボートを返して、園内を散策する。ハルヒのランチボックスが重そうに見えたので変わってやったが、さほど重くはなかった。
「家にそれしかなかったのよ」
なるほど。ウチにはこんなもんないがね。
「お腹すいたわね、そろそろお弁当食べない?」
まだ早いんじゃねえか?
「11時回ってるわよ」
朝飯食べてないのか?
「食べたわよ、しっかり」
……分かったよ、適当なところで昼にしよう。
適当なところはすぐ見つかった。だだっぴろい草原が目前に広がった。その回りを大きな木が取り囲んでいる。木立の下にはテーブルがあり、食事ができるようになっている。
ハルヒはランチボックスを俺から引ったくると、駆け出した。おいおい、ワンピースで全速力かよ。こけるんじゃねえだろうな。
俺も慌てて走りだす。ハルヒにはなかなか追いつけない。逃げるハルヒに追う俺。どこのラブコメだ、これは。
本気で走ってやっと背中が近付くが、もう遅い。ハルヒは立ち止まり、テーブルの上にランチボックスを置いた。
そもそも俺はなんのために全力疾走したのだろうか。意味がまるでない。
「どうしたのよ、走って追いかけてきて」ハルヒも弾む息を押さえながら言った。
「そんな格好で走ってこけたら一大事だからな」
「ふーん」とだけハルヒは言った。
何事もなかったようにハルヒはランチボックスを開くと、弁当とポットが出てきた。なぜかフリスビーも出てきた。なんに使うんだ?これ。
「フリスビーでもやろうかなと思って」
ま、それはともかく。サンドイッチはうまそうだ。
四人前はありそうなサンドイッチの山を見ながら、俺はそう思った。
ハルヒはポットに紅茶をつめてきていた。不思議なことに砂糖もいれていないのに、甘く感じる。
そんな不思議な紅茶を飲みながらサンドイッチを平らげた。
「どう、おいしかったでしょう?」
「ハルヒは本当に料理がうまいね」
「ふふん、こんなあたしを彼女ってことにできるのよ、あんたは?」ハルヒは悪戯っぽい目で俺を見ながら言った。「感謝しなさい?」
「ありがとう」
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:40:44.30 ID:cNz9euj90
支援
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:42:00.18 ID:cNz9euj90
支援
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:42:33.53 ID:R94Undxx0
支援
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:42:34.68 ID:J9mbJ1Wq0
キョンのボキャブラリーは凄いなw
支援
ハルヒは一瞬きょとんとした表情を浮かべ、その後は何も言わずに後片付けを始める。くるくるボールにしたサランラップを広げて畳みなおしたりしているのはなにか意味があるのだろうか?
「紅茶、まだあるけど、飲む?」なぜ顔はそっぽ向いて、俺に紅茶をつぐのか意味がわからない。
おいしい飯もたらふく食い、おいしいお茶も飲めた。風はやさしく草原を渡り、芝生だかイネ科の植物の葉を揺らしている。太陽もまたやさしく輝いている。
横になったら、気持ちいいだろうねと思う。
「横になって、昼寝でもする?」ハルヒは笑顔でそう言った。ハルヒも眠くなったようで、このチャンスを逃したら、後は日没まで休むチャンスはなさそうだ。
「食後すぐは運動しない方がいいからね」
そんな訳で、俺はハルヒとともに寝転がった。やわらかな草の感触の下には堅くひんやりした土の存在を感じる。日なたの方がよさそうだ。
俺が両腕を枕に寝転がっている。ハルヒはそのとなりで、ひじを付いて頭を支えている。ふと見ると、ハルヒのリボンが風にゆられていた。
ハルヒはなにか言いたげで、しかしなにも言わない。俺はなにかいわなければならない気がしたけれども、言葉は何も浮かばなかった。
「ねえ、キョン」ハルヒの声が聞こえた。
「なんだ?」
「あんたさぁ……いいや、なんでもない」
「気になるな。最後まで言えよ」
「なんでもない」そういって、ハルヒは帽子を枕に寝転がった。
俺はハルヒの方に体を向けた。ハルヒの気の強そうな横顔は空を眺めていた。
どんな表情をしたらいいのかわからないような表情をしている。
「どうしたんだよ」
「あんたがいいなさいよ」
「あ?」
「あんたが言うべきよ」
「なにをだ?」
「わかってんでしょ?」ハルヒは空高く舞う鳥をにらみつけながら言った。「鈍感なふりしてんの、分かってんだからね」
まったく困ったもんだなぁ。最初から分かってるって。あんなもん見せられたら、俺だって気づくってもんだぜ。
まあ、この一週間楽しかったしな。最後を締めくくるにはちょうどいいよな。
「一寝入りしたら、フリスビーで遊ぶか」
「違う!!!」
ハルヒの大声はどこまでも届きそうだった。
「ホントあんた、ばか」と軽くなったランチボックスをぶらさげたハルヒは言った。「どうしてあそこでああいう事言うのよ」
夕日が沈みかける公園を後にし、二人バスを待っていた。
「いや、てっきり本気でフリスビーで遊びたかったのかと思ってな」
「馬鹿にも程があるわよ」
「ま、そういうな。言うことはちゃんといっただろう?」
「まあね」ハルヒはくすぐったそうに言った。「これで来週から谷口はへこむに違いないわ」
それだけは絶対にないと思うぞ、ハルヒ。
おしまい
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:47:15.61 ID:XYylytfSO
GJ!!
実にプリンスレ相応しい作品だった。
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:49:34.32 ID:tJOylu7p0
乙!
なんか安心して読めたよ
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:51:20.11 ID:cNz9euj90
乙
楽しかった
>雰囲気は今は亡き朝倉に近い。おでこの具合は鶴屋さんに近い。
>着ている物は朝比奈さんのそれに近く、瞳はなぜか長門に近い
なんか吹いた
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:52:45.80 ID:a4D6Ei/M0
相変わらずあんたの書くハルヒは可愛いね。面白かったよ
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:53:49.84 ID:lHzJH2FS0
乙でした!
この流れにのって
「聖杯」の第3章を投下させていただきたいのですがよろしいでしょうかね?
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:54:33.79 ID:augiL4UT0
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:55:04.32 ID:bwIqNMp+O
なんかとろけそうだぁ…GJだ!!
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:57:30.03 ID:XYylytfSO
wktk
しかし重い…
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:57:44.57 ID:qJiBIZanO
さっぱりとした甘さでいいね
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 00:59:47.71 ID:augiL4UT0
199 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜 ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:00:04.48 ID:lHzJH2FS0
このSSは『fate stay/night』というPCゲームとのクロスになってます。
基本的には設定を借りただけで、ハルヒのキャラ以外は登場しません。
20レスもあって深夜だとさる確実だと思われますんで、
ゆるーりと投下したいと思いますです。
200 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(1) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:01:02.33 ID:lHzJH2FS0
あの後、何とかセイバーと名乗る少女に剣を止めてもらった俺は、
驚きと共に怒りに打ち震えるハルヒにより、強制的に居間に連行された。
オイオイ、ハルヒよ、何をそんなに怒っているんだ?
それにオマエの傍らにいるその赤い男は一体誰なんだ?
そんな疑問も、今夜の出来事も、あの蒼い男のことも、セイバーと名乗る少女のことも、
居間でのハルヒのマシンガンのように連射される説明語りによって全てが解決をみた。
ハルヒが魔術師!?
「そう。隠してて悪かったわね・・・っていうかアンタも隠してたじゃない」
魔術師同士の戦争!?
「面白そうでしょ?」
目的は全知全能の願望器『聖杯』!?
「あたしは『世界をもっと面白くしてくれ』ってお願いするつもりよ」
召還される使い魔『サーヴァント』!?
「こっちの赤いヤツもさっきのあの蒼いヤツも、アンタが連れてるその子もそうでしょ」
しかもサーヴァントは英雄の霊!?
「そう。だからムチャクチャ強いのよ。ウチのは自分の真名を忘れてるけどね」
絶対命令権の『令呪』!?
「アンタの左手の甲にあるのがそうよ」
『セイバー』って何?
「サーヴァントのクラス名よ。アンタのは数多いクラスの中でも最強の剣使いね。羨ましいわ。
ちなみにウチのは弓使いの『アーチャー』、あの蒼いヤツはおそらく槍使い『ランサー』ね」
だいたい以上が、ハルヒの説明の中で俺が理解不明だった単語や事柄と、それに対するハルヒのお答えである。
しかし、これは本当に現実なのだろうか・・・。魔術師の戦争って・・・。確かに俺も魔術師だが・・・。
しかも人智を凌駕したサーヴァント!?俺は夢でも見てるんじゃ・・・。
頬をつねってみるがしっかり痛い。ああ、あとあの蒼い男にやられた傷もムチャクチャ痛い・・・。
支援
202 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(2) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:02:47.85 ID:lHzJH2FS0
一通り説明し終えたハルヒは満足げに手元の茶を啜っている。
ちなみにセイバーと名乗る少女は俺の横でちょこんと正座し、
アーチャーと呼ばれた赤い男は腕を組んで壁にもたれかかり、黙って事の成り行きを見守っている。
しかし・・・このアーチャーという男・・・セイバーを見つめる目が尋常じゃない。
何か信じられないものでも見ているような・・・例えると最初に俺が彼女を見たときのような、
隠し切れない動揺と驚きの眼差しを向けている。
「とにかく!説明することは以上よ!で、アンタどうするの?」
「どうするって・・・」
「だから!この聖杯戦争に参加するのかどうかってこと!」
そりゃあ、『戦争』だなんて銘打たれた血生臭いモンは遠慮願いたいところだが・・・。
隣に座るセイバーを窺うと、こちらは全くの無表情。
「セイバー・・・お前はどうしたい?」
俺が尋ねても、
「・・・あなたに任せる」
と答えるのみ。
仕方ないので、ハルヒへと視線を戻す。
「ハルヒ、お前は参加するんだよな?」
「勿論じゃない!『戦争』と名のつくものから尻尾を巻いて逃げ出すなんて、
魔術師として、そしてSOS団団長としてのあたしにとっては許しがたいことだわ!
ぜーったいに勝ち抜いてやるんだから!!」
何ともハルヒらしい答えだぜ。思わず笑ってしまう俺。
見るとあの赤い男もなぜか俺と同じように、そんなハルヒの威勢のよさに苦笑いを浮かべていた。
「何がおかしいのよ?」
ヘソを曲げるハルヒ。
「いや、なんでもない。そういうことならこの聖杯戦争、俺も参加させてもらうぜ」
俺に迷いはなかった。
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:03:37.62 ID:sE5m/eWE0
支援
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:03:54.16 ID:XYylytfSO
支援
205 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(3) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:04:00.54 ID:lHzJH2FS0
「いいの?アンタ、魔術師としては、てんで劣等生みたいじゃない。
そんなんじゃ死ぬかもしれないのよ?」
ついさっき死にそうな目にもあったしな・・・。しかし、
「それでもだ。ハルヒ、お前だけを危険な目にあわせるワケにはいかないだろう?
俺も団員として、せいぜい団長様の力になるだけさ」
俺の決意は揺るがない。
すると、ハルヒは一変、ブスッとした表情になる。
「アンタ、さっきの話聞いてなかったの?魔術師同士の殺し合いなんだから、
あたしとアンタは基本的には敵同士なのよ?」
俺は動じずに言い返す。
「ハルヒは俺を殺したいのか?」
「・・・・・・」
何も言わないハルヒ。俺は更に続ける。
「少なくとも俺はお前と戦う気はないぞ」
すると、ハルヒはニヤリと表情を変えた。
「アンタだったらそう言うと思ってたわ。安心なさい!
アンタもセイバーもこのあたしの忠実なる僕として、協力させてあげるから!
あたしとしてはサーヴァント中最強のセイバーを戦力に加えられるし、願ったり叶ったりよ!」
嬉しそうに言い放つハルヒ。最初からわかってはいたんだよな・・・コイツがこういうヤツだってことは。
「それじゃあ、同盟成立、だな」
「そうね」
俺達は固く握手を交わした。
206 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(4) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:05:15.86 ID:lHzJH2FS0
その後、ハルヒは、
「それじゃあ、参加者登録をしに、教会へ行かなくちゃね」
と言い出した。
何でも、この聖杯戦争を監督するのが教会の仕事らしく、参加する魔術師はその登録のため、
必ず教会に1度は足を運ばなくてはならない、という決まりがあるらしいのだ。
ちなみに戦争に伴う諸々の雑務の処理も教会は受け持っているらしく、
例えば、戦いによって破損した公共物の修復等々の一般人から戦争を隠匿するための事後処理、
サーヴァントを失ったり、降参したりしたマスターの保護等々の内部の事後処理を行うらしい。
うーん、教会に行くのは俺としては問題ないのだが・・・
「ちょっと待て、ハルヒよ。俺はさっきランサーとやらにボコボコにやられて、
身体が動かん。こんな状態で外に出るのは無理だ」
そう。ランサーから喰らった蹴りで俺のアバラは何本か骨が折れていてもおかしくないほど痛むし、
背中だって同様の状態だ。
「ったく仕方ないわね。じゃああたしが治療の魔術でもかけるわよ・・・。
こういうのは余り得意じゃないんだけど・・・」
そう言いかけたハルヒを押しとどめたのは、
「・・・待って」
というセイバーの一声だった。
「彼の治療なら・・・わたしに任せて」
そう言うと、セイバーは俺の腕を掴み、その小さな口を開けると、
かぷり、と噛み付いたのである。
「ちょ・・・セイバー・・・何を・・・!」
セイバーは数十秒の間、口を離さなかった。
ハルヒも赤い男も、唖然としてその光景を見ている。
今読み終わったGJ!よかった
ハルヒがあまり崩れてなくてよかった
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:06:58.79 ID:XYylytfSO
支援
209 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(5) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:07:27.01 ID:lHzJH2FS0
「負傷治療用のナノマシンを注入した。これですぐにあなたの傷は回復する。
今後同様に負傷しても、そのナノマシンの効力によりあなたの傷は自然治癒する」
と、セイバーは静かに言いのけた。
次の瞬間、痛みに痛んだアバラからも背中からも、ウソのように痛みが消えた。
「『セイバー』ってのはこんなことまで出来るもんなのか?」
俺はハルヒに尋ねてみる。
「・・・ここまで高レベルな治療術を持つセイバーなんて・・・聞いたことないわ」
どうやらハルヒも驚いているらしい。
俺はふと、思い当たる節があり、今度はそのセイバーに尋ねてみる。
「こんなことまで出来るだなんて凄いな・・・。セイバーって一体どこの英霊なんだ?
ほら、ハルヒが言ってた・・・『真名』ってやつか・・・。
もし良かったら教えてくれよ」
「・・・・・・」
セイバーは黙ったままだ。そこに、
「まあ言いたがらないのも仕方ないでしょうね」
と、割り込んできたのはハルヒ。
「サーヴァントにとって真名は己の能力、素性、弱点、全てを現すものだもの。
同盟関係とはいえ、あたしやアーチャーみたいな他の魔術師やサーヴァントの前で言うわけはないわ。
まあ、セイバーにいきなりそこまであたしを信用しろって言っても無理な話かもしれないしね」
そうなのか・・・と納得しかけた矢先、
「・・・長門有希」
セイバーは・・・その名を口にした。
そしてその時、俺やハルヒ以上にハルヒのサーヴァントである赤い男、アーチャーが、
一番の驚きの表情を見せていた。
210 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(6) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:08:45.45 ID:lHzJH2FS0
「長門有希・・・それがわたしの真名」
再度、静かに言い放つセイバー。
何だろう・・・初めて聞く名前のハズなのに・・・どこか懐かしい響き・・・。
「セイバー・・・あなた・・・自分の真名、そんな簡単に言っちゃってもいいの?」
ハルヒが問いかける。
「・・・いい。この戦争において・・・わたしの真名が知れたところで発生するリスクは皆無」
長門有希もといセイバーが答える。
ハルヒはイマイチ理解しかねるという顔をしている。
そしてそんなハルヒ以上にアーチャーと呼ばれる赤い男は、何やら考え込み、複雑な顔をしていた。
そんなこんなで教会へと足を運ぶ俺達。
ちなみにハルヒのサーヴァントであるアーチャーは霊体化とかいう便利な技で、今ここには実体がない。
所謂霊魂みたいな状態でくっついてきているらしい。
そして、セイバーだが・・・彼女はなぜか霊体化せず、そのままの格好で俺とハルヒについてきている。
幸いなことに白髪にハデな赤い外套に身を包んだアーチャーとは違い、セイバーの格好はただの制服。
しかもなぜか我が北高のものだ。なのでどこから見てもただの高校生の女の子にしか見えない。
そんなこんなしている内に件の教会へと辿り着いた。
しかし、この街に教会なんてあったことは初めて知ったのだが・・・。
そもそも街の外れに寂しく建っている教会だったので、俺が普段の生活を営む上では全く縁の無い場所だったというワケだ。
ハルヒは教会に来るのは、魔術教会の絡みから、初めてではないらしいが、
1年位前に新しい神父が赴任してきたらしく、それから来るのは初めて、とのことだ。
そしてゆっくりと扉を開けると・・・、
「こんな夜更けに我が教会を訪れるとは・・・迷える子羊などでは・・・ないようですね」
予想外の人物――古泉一樹がそこにはいた。
支援
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:10:07.57 ID:XYylytfSO
支援
213 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(7) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:10:22.58 ID:lHzJH2FS0
〜interlude1〜
俺はさっきから、世界がひっくり返りそうな驚きの連続の中にいる。
『アーチャーのサーヴァント』なんていうワケのわからないものとして、
『魔術師』ハルヒに召還されたと思ったら、なぜかこの世界にも『俺』が存在してて、
朝比奈さんも古泉も勿論いて、なのになぜか長門はいなくて・・・。
そんでもって古泉に似た蒼い槍使い『ランサー』と戦い・・・、
そのランサーを追った先、『俺』の家では、長門に似た少女のサーヴァント『セイバー』に剣を突きつけられる。
いくら不思議な出来事に耐性がある俺とはいえ、この目まぐるしい展開にはついていけない。
しかもこっちの世界の『俺』は両親も妹もいない天涯孤独の身で、
なぜか朝比奈さんとハルヒが通い妻状態、しかも未熟ながらも魔術師であるという・・・。
朝比奈さんが通い妻だなんてウラヤマシ・・・ではなく、以前の世界の俺とは全くその境遇が違うのだ。
そして一番の驚きは、長門もといセイバーの存在だ。彼女が自らの真名を『長門有希』と名乗ったことには本当に驚いた。
なぜ長門が『セイバー』なんかに・・・。まあ、『アーチャー』とやらになってしまった俺も人のことは言えないが。
ちなみに俺はつい先程、自分の真名については思い出している。
『キョン』――それが以前の世界での俺の名前だ。微妙に本名じゃないのは・・・ツッコむな。
もしかしたら長門もといセイバーは俺の正体に気付いているのではないか・・・。
以前の世界と同じように、無表情を貫く長門からはその真意は読み取れない。
まあいい。俺は自分の真名とともに以前の世界での最後の記憶――あの忌まわしい出来事についても思い出した。
そして俺がこの世界で『アーチャー』として成すべきことは1つ。『俺』――つまりは『キョン』の抹殺だ。
俺の心は既に決まっている。ハルヒや長門の邪魔が入ろうが関係ない。俺は目的を成す。
なぜなら、あの『俺』は、生きていてはならない存在だ。
今は静かにチャンスを窺う身――せいぜい聖杯戦争とやらに邁進するとよい――『俺』いや『キョン』よ。
さて、件の教会に着いたようだ。どんな神父が出てくるのやら・・・って古泉!?
どうやらこの世界は・・・本気で狂っているらしいな。
「やれやれ・・・」
以前の世界での『俺』の口癖が思わず出てしまう・・・。
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:10:26.24 ID:QUUcNcxmO
支援
215 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(8) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:11:29.39 ID:lHzJH2FS0
カソックに身を包む目の前の男は・・・間違いなく俺達SOS団副団長の古泉一樹だ。
ヤツがこの『聖杯戦争』を監督する神父だったなんて・・・。
「古泉君・・・ウソでしょ!?」
ハルヒも驚きを隠せない。
そんな俺達を尻目に、古泉はいつもの調子でゆっくりと喋りだす。
「まあ、人間誰しも人に言えない秘密があるものです。
それが僕の場合、たまたまそれがこの事だったというだけですよ」
「秘密って言ったってお前・・・」
「そうよ。まさか古泉君、あたしやキョンが魔術師だってことも・・・」
俺とハルヒの戸惑いに、古泉は冷静に返答する。
「無論、知っていましたよ。僕は1年前、聖杯戦争の舞台となるこの街についての下調べの任務と共に、
この街にやってきました。そして北高に転入した。
勿論、北高には何人かの魔術師がいるということも把握済みでした。
そして、ひょんなことからその1人である涼宮さん、あなたに誘われ、SOS団に入団したのです」
そんな古泉の流れるような説明に、ハルヒが食いつく。
「じゃあ、あたし達のこと、今まで騙してたってワケ?」
すると古泉は、「おやおや」と両手を掲げ、首を左右に振る。
「騙しただなんて人聞きの悪い。僕自身SOS団での活動は楽しくて仕方ありませんでしたよ?
それに、そもそも今回の戦争に涼宮さんには参加して欲しくありませんでしたし・・・」
「俺の名前が出なかったが、俺は別にいいって言うのか?」
思わずツッコむ。すると古泉は、
「実はあなたが魔術師だなんてことは予想だにしなかったんですよ。
これでも魔術を察知する能力には自信があったのですが・・・あなたの場合はかなり巧妙に魔力を隠していましたね?」
そんなことはない。要するに俺の魔力など微弱すぎて感知できなかったということだろう。
216 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(9) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:12:36.68 ID:lHzJH2FS0
「とにかく!あたしとキョンはこの戦争に参加するわ。既にサーヴァントも召還したしね」
ハルヒが前ににじり出て、威勢よく言い放つ。
「あなたならそう言うと思っていましたよ。涼宮さん。それで、あなたはどうなさるおつもりで?」
古泉は俺に視線を飛ばす。
「俺も参加する」
きっぱりと言い放つ。
「そうですか・・・正直、僕としてはあなた方が参加するのはいささか複雑な心境だったんですが。
わかりました。ただ今を持っておふたりの参加は正式に受託されました」
高らかに宣言する古泉。
そうそう、古泉に会ったならば、これを聞かなくてはならないだろう。
「そう言えば・・・俺はお前によく似た顔のサーヴァント・・・ランサーとやらに襲われた。
あれはどう見ても古泉・・・お前にクリソツだったんだが・・・覚えはあるか?」
俺は緊張感を持たせた声で古泉に尋ねる。もしかしたらコイツが・・・という疑いがあったからだ。
「ああ・・・確かにいましたね。僕に良く似たサーヴァント。正直自分でもびっくりしましたよ。
生き別れの兄かと思いましたね」
「そういうことを聞いてるんじゃない!」
俺は思わず怒気を孕んだ声で言い放つ。
古泉はまたもや「やれやれ」というジェスチャーをし、
「あなたの疑いはごもっともですが、それは誤解です。ランサーと僕は何の関係もありません。
ランサーのマスターが参加登録をしに来た時に、その顔を見て、驚いただけですよ。
それに僕は監督役ですよ?戦争に介入する権利は与えられていません」
「わかった・・・」
そこまで言われれば、とりあえずは受け入れるしかないだろう。
すると古泉はまだ言い残したことがあるようで、俺とハルヒを交互に見つめる。
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:12:57.14 ID:QUUcNcxmO
支援
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:13:58.32 ID:XYylytfSO
しえん
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:15:17.56 ID:gygZDk9M0
起きてた甲斐あったな。
面白かった。
いつも思うけど、表現力があるっていうか、
余裕があるね。
220 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(10) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:16:01.23 ID:lHzJH2FS0
「何度も言いますが、僕はあくまでも監督役、中立の立場です。あなた方の戦いに介入することは出来ない。
『SOS団副団長』の僕としては何とも心苦しいことですけれど・・・」
「その心配は無用の長物ってモンだわ!!」
ハルヒが叫ぶ。
「古泉君、あなたの気持ちは嬉しいけれど、あたしはこの戦争で必ず勝者になるって決めたの。
古泉君はここで監督役としてあたし達の活躍をゆっくりと煎餅でもかじりながら眺めていればいいわ」
相変わらず威勢のいいことだ。まあ、ハルヒからこの威勢を取ったら何も残らないかもしれないしな。
「頼もしいことです。それではしかとこの目で見届けさせていただきますよ」
古泉はいつものあのニヤケ顔で、最後にそう言った。
「まさか古泉が監督役だったなんて・・・な」
教会からの帰り道。思わずひとりごちる俺。
「ふん!関係ないわ!古泉君には古泉君の、あたし達にはあたし達の、やるべきことがあるんだから、
それをしっかりと全うするだけよ」
ハルヒもさっきまではメチャクチャ驚いていたはずなのに・・・何とも切り替えの早いやつである。
俺は仕方なく、後ろをちょこちょこついてくるセイバーに話を振ってみた。
「なあ、お前は古泉・・・って言っても知らないか。
あの神父のこと、どう思った?」
セイバーは液体ヘリウムのような瞳で俺を見つめ、ただ一言、
「・・・別に何も」
と呟いた。まあ、セイバーに聞いても仕方ないか・・・。
「考えても仕方ないの!とりあえず今はこの戦争を勝ち抜く方法を考えるのよ!
幸いにもコッチにはサーヴァントが2体、しかも最強のセイバーまでいるんだから、
絶対に他のマスターには遅れを取らないはずよ!」
ハルヒの言葉はもっともだ。あの蒼い男との戦いを見てもわかる通り、セイバーは強い。
余程の相手でもない限り・・・と考えていた俺が甘かったということが、次の瞬間思い知らされた。
221 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(11) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:17:15.79 ID:lHzJH2FS0
「ねぇ、お話はもう終わり?」
響くのは鈴の音のような・・・幼い幼い声。
その声がする方を見る――
月光に照らし出された坂道の上には、1人の小さな女の子と――
絶対的な暴力の化身が――立ちはだかっていた。
「・・・ウソ・・・何アレ・・・」
ハルヒがそういうのも無理はない。『アレ』はありえない存在だ。
その小さな女の子の傍らにいるのは・・・
体長にして2メートル、いや3メートルはあるだろう巨大なケモノ。
狼とか虎とかライオンとか、そんな次元じゃない。
あたかも神話やRPGゲームに出てくるケルベロス・・・それのアタマがただ1つのヤツとでも言おうか。
とにかく、アレは・・・アリエナイくらい危険なモノだ。
そんな規格外のバケモノの傍らで、幼い少女は無邪気な笑みを浮かべ、
「こんばんは、キョンくんにハルにゃん!今日はいい夜だね!」
「ウソ・・・あの子なんであたし達の名前を・・・!」
俺も驚いた。初対面のはずの女の子は、俺とハルヒをまるで兄とその友人かのような気軽さで呼んだのだ。
「あっれ〜?もしかしてキョンくん、私のこと知らないの〜?」
知らない・・・はずだ。しかし、どこか遠い遠い記憶の中で・・・見覚えがあるような・・・。
答えない俺に少女はムスッとした表情になる。
「ひっど〜い、キョンくん。わたしのこと忘れちゃったんだ〜。
もういいもん!『お兄ちゃん』なんかキライ!」
『お兄ちゃん』・・・その単語に思わずビクッとする。
「そんな意地悪なキョンくんもハルにゃんも・・・死んじゃえばいいんだ!
やっちゃえバーサーカー!」
「グオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーン!!!!!!」
無邪気に叫ぶ少女に呼応するかのように、四つんばいのバケモノが咆哮する!!
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:17:43.33 ID:XYylytfSO
しえん
223 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(12) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:18:54.26 ID:lHzJH2FS0
振り下ろされるバケモノの腕、その鋭い爪が迫る。
あんなの喰らったらひとたまりもないぞ・・・!身体がもげちまう・・・!
「アーチャー!!」
ハルヒの叫びに呼応して、霊体化していたアーチャーが姿を表す。
「・・・!セイバー!頼む!」
こちらも遅れじとセイバーを呼ぶ。瞬時に、さっと俺の前に立つセイバー。
迫り来る爪を間一髪で交わす。
そして、最初に斬りかかったのはセイバー、目にも留まらぬ速さでバケモノに突進し・・・、
サシュッ!!
と、鋭い音と共にバケモノの右腕を切り裂く。
「よし!!」
思わず声をあげてしまう俺。これであの馬鹿でかい腕は使い物にならないはず・・・だったが、
「グルルルルルルル!!!」
バケモノはビクともしない。まるで斬られたこともわかっていないかのように咆哮する。
「何よアレ、反則じゃない・・・」
思わずハルヒが嘆く。その気持ちはよくわかる。あんなの・・・どうやって倒せって言うんだ・・・!
「あの子・・・さっき『バーサーカー』って言ってたわよね・・・」
呆然とするハルヒが、ふと呟く。
すると、その小さな女の子は、二カッと年相応の無邪気な笑みを浮かべ、言い放つ。
「さっすがハルにゃん、よく気付いたね〜。この子が『バーサーカー』、
わたしがそのマスターだよ」
まるで同年代の友人に語りかけるように、絶望的な事実を述べる少女。
「あんな小さな女の子がマスターって・・・どうなってんだよ?」
思わず漏らす俺。
「知らないわよ・・・!
アーチャー!セイバーの援護をしなさい!」
ハルヒは赤い男、アーチャーに指示を飛ばす。
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:19:20.86 ID:1muLQ2mg0
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:19:57.04 ID:QUUcNcxmO
支援
226 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(13) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:20:22.00 ID:lHzJH2FS0
さっきから全く状況が変わらない。
あのケルベロスみたいなバケモノの周りを、まずはアーチャーが素早く動いて撹乱し、
隙が出来たところをセイバーが斬りつける、という攻撃パターン。
しかし、いくら斬りつけられてもあのバケモノ、『バーサーカー』はビクともしないのだ。
あのバケモノ・・・タフすぎるだろ・・・!
「こうなったら・・・心苦しいけどあのマスターの方を狙うしかないわね」
ハルヒが静かに呟く。しかし、あんな子供を狙うのは気がひけるが・・・、
「仕方ないでしょ!それ以外に方法はないわ。
今ならセイバーとアーチャーに気をとられてるから・・・」
そう言うとハルヒは目を瞑り、何やら呪文を唱え始める。
「・・・喰らえっ!」
ハルヒは腕を掲げ、野球ボール大の魔力弾を放った。
さすが有能な魔術師と自負していただけのことはある。凄い魔術だ・・・!
そして、弾がマスターの少女にぶつかろうとしたその時・・・、
あろうことか少女はまるで蚊を叩くかのように容易に、その魔力弾をはたき落としてしまった。
「ウソ・・・」
信じられないといった面持ちのハルヒに少女は語りかける。
「わたしだって一応魔術師だもん、これくらいは出来るよ〜。
それにしても不意打ちなんて、ハルにゃん卑怯だよ〜」
「何よ!アンタのサーヴァントの方がよっぽど反則よ!
あの『バーサーカー』一体何者よ?」
ハルヒの気持ちももっともだ。あのバケモノはもはや、英霊とかそういう次元すら超えているように思える。
何か反則技を使ったとしか思えないタフさと凶暴さだ。
すると、女の子が・・・無邪気に言い放つ。
「わたしのバーサーカーが強いのは当たり前だよ〜。あの子は『シャミセン』だもん」
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:20:53.45 ID:XYylytfSO
しえん
228 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(14) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:21:45.56 ID:lHzJH2FS0
〜interlude2〜
一度は認めかけたこの世界、しかし今ではやっぱり夢なんじゃないかとつくづく思えてくる。
教会の神父にして戦争の監督役がなぜか古泉だったのは百歩譲ってまだいい。
以前の世界でもヤツはワケのわからない『機関』とやらに属する超能力者だったしな。
問題は教会からの帰り、俺達の前に立ちはだかったバケモノとそのマスターの幼い少女だ・・・。
・・・ってその少女・・・どう見ても俺の妹なのだ。
ああ、今こうして『アーチャー』となってしまった俺には勿論妹などは存在しない。
そしてこの世界の『俺』は天涯孤独の身らしいから、右に同じくだ。
しかし、アーチャーになる前、以前の世界の俺には確かに妹がいた。
小学6年生なのに低学年にしか見えない容姿で、毎朝人の腹にヒップドロップをかまし、
兄である俺を『キョンくん』というけったいな名で呼んでいたあの妹である。
なぜそんな妹がこの世界では『バーサーカー』なるバケモノを引き連れているのか。全くもって理解不能だ。
そしてこのバーサーカーとかいうバケモノ、強すぎる。
さっきから俺と長門・・・いやセイバーか、で剣撃を繰り返しているにもかかわらずビクともしやがらない。
反撃してくるあの大きな爪にかすりでもすれば一撃であの世行きだ。
しかも・・・妹もといマスターの少女が言うには、このバーサーカーには、
『シャミセン』という立派な立派な名前がついているらしい・・・ってシャミセン!?
あの妹によーく懐いていた珍しい雄の三毛猫で・・・
映画の撮影ではハルヒのトンでもパワーで渋いテノールで哲学的なセリフを吐いていて・・・
そんでもって古泉主催の推理大会や阪中が持ってきた幽霊騒動なんかでは大活躍して・・・
でも、家では飯食ってゴロンと寝っ転がってるだけだった・・・あのシャミセン!?
どうやったらあんなただの怠け者の三毛猫が、こんな破壊の化身のようなバケモノになるっていうんだ!?
やっぱり本気でこの世界は狂ってる・・・。
あ・・・そんなこと考えてる内に、また『シャミセン』の攻撃がやってくる・・・。
とにかく今は・・・この状況を何とかするしかない・・・!
今日、ようつべで始めてハルヒを見た俺が支援
230 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(15) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:23:00.17 ID:lHzJH2FS0
『シャミセン』と謎の名で呼ばれたサーヴァントは、相も変わらず攻撃の手を緩めない。
その大きな腕と鋭い爪が振り下ろされる度、アスファルトにはクレーターが出来上がってしまう。
しかし、あの少女といい、『シャミセン』という名前といい、初めて見聞きした気がしない・・・。
「いっけ〜!シャミ!セイバーとアーチャーをボコボコにしちゃえ〜!」
少女が一層高らかに宣言したかと思うと・・・何と少女の体が眩しく光る。
そしてそれに呼応するかのように・・・
「グオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーン!!!!!」
雄たけびと共に、更に暴れまわるバーサーカーことシャミセン。
「・・・!まさか・・・まだ狂化してなかったっていうワケ?」
「どういうことだ?ハルヒ?」
「バーサーカーのクラスには、そもそもそれほど強くないはずの英雄が割り当てられるの。
それを狂戦士として『狂化』させることで圧倒的なパワーを得るのだけれど・・・」
つまりは・・・アレが今からもっと凶暴に、そして強くなるってワケか。それは・・・マジで反則だ。
そして、ついにその鋭い爪が、セイバーを捉える!
グシャ!!!
鈍い音共に宙に舞うセイバー・・・!
「セイバー!!!」
「長門!!!」
思わず叫んでしまう俺。そして何故か、真名の方を叫んでいるアーチャー。
アスファルトに叩き付けられたセイバーはピクリとも動かない・・・まさか・・・。
「あははは〜、キョンくんのセイバーよわ〜い」
無邪気に笑う少女。
そして駆け寄る俺は衝撃的なものを目にする。
それは、夥しい流血をものともせず、苦悶の表情を浮かべながらも、
その『見えない剣』を支えに、懸命に立ち上がろうとするセイバー、いや1人の少女の姿だった。
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:23:12.03 ID:agQmRAlj0
支援
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:23:23.73 ID:XYylytfSO
支援
233 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(16) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:24:20.78 ID:lHzJH2FS0
どうしてここまで・・・いくらサーヴァントとはいえ・・・ただの女の子がどうしてここまでする必要がある!
駆け寄る俺は、そんな理不尽な気持ちでいっぱいだった。
しかし、そんな俺を尻目に立ち上がり、なお剣を構えんとするセイバー。
「セイバー!?」
「・・・だいじょう、ぶ。問題、ない・・・」
「その傷のどこが大丈夫だって言うんだ!?ここはいったん・・・」
撤退するべきだ、という言葉は出なかった。いや、出すことが出来なかった。
俺を見つめるセイバーの瞳、その瞳が、初めて彼女と出会った時と同じような、
何もかもを見透かしてしまうかのようなキレイに澄み渡った、それでいてどこかで、
確固たる決意を秘めた、そんな瞳だったからだ。
「だいじょうぶ・・・あなたは・・・わたしが守る」
そう言うと、セイバーは己の剣を高く高く空に掲げる。
それと同時に、信じられないくらいに膨大な魔力がそこへと吸い寄せられるのがわかる。
「キョン!!セイバーは宝具を発動させるつもりよ!離れなさい!
アーチャー!アンタ弓使いなんだから、距離を取って射撃して隙を作りなさい!」
ハルヒの声にハッとする俺。そういえばハルヒが言っていたな・・・
宝具――それはサーヴァントの持つ武装であり、象徴であり、奥の手。
己の持つ武具から、己の持つ最高の必殺技を発動させる。
あの蒼い男、ランサーがセイバーに放った『ゲイ・ボルグ(刺し穿つ死棘の槍)』もその宝具の一種らしい。
つまりは、セイバーはここに来てついに自分の必殺技を発動させる、ということだ。
仕方なくセイバーから距離を取る俺。
目を凝らすと、今まで隠れていたセイバーの『見えない』剣が、徐々にその輪郭を現す。
そしてその剣に向け、大気中の魔力という魔力が、大きなつむじ風と共に吸い寄せられる。
234 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(17) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:25:56.94 ID:lHzJH2FS0
そして肝心のバーサーカーはアーチャーの弓による遠距離攻撃で、上手いことセイバーから注意がそれている。
機は熟した――ついにセイバーの宝具が発動する・・・!
マスターの少女はその只ならぬ雰囲気を察知したのか、顔を引きつらせている。
しかし――もう遅い。
セイバーの光り輝く聖剣――その真名が開放される!
「――エクスカリバー(約束された勝利の剣)――」
真名を開放するその声は――相変わらずの抑揚のない、静かなもの。
しかし、放たれる光は確実にバーサーカーの巨体を包み込む。
「グオーーーーーーーーーーーーー!!!!」
断末魔の叫びが響き渡る。
・・・。
・・・。
・・・。
辺りを包んでいた眩しい光が消える。
そしてそこには、力尽きて横たわる巨大なケモノ、バーサーカーの姿があった。
「倒した・・・のか?」
呟く俺。身体中の力が一気に抜けたような錯覚を覚える。
「・・・みたいね」
ハルヒですらもその余りの威力に呆然とし、そう呟くのが精一杯なようだ。
しかし、すぐにいつもの威勢を取り戻し、
「どうやらあたし達の勝ちね!あなたのバーサーカーは見ての通り戦闘不能よ!
さあ、お子様はお子様らしくさっさと降参しなさい!そうすれば命までは取らないわ!」
と、少女に向かって言い放つ。
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:25:57.96 ID:bwIqNMp+O
支援
重くて繋がりにくいがwktkするぞ
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:26:26.78 ID:XYylytfSO
支援
237 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(18) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:27:15.96 ID:lHzJH2FS0
少女はしばらく、横たわる己のサーヴァントを呆然として見つめていたが、
「さすがだね、セイバーは。わたしのシャミを『3回』も殺してみせるなんて」
それは随分と不思議な言い分だった。もうあのバケモノは戦闘不能だ。ほっとけばすぐに息の根が止まるだろう。
それなのに『3回』殺したとは・・・意味がわからない。
すると、横たわるバケモノ、バーサーカーは何事もなかったかのように起き上がった。
エクスカリバーを喰らったことによる身体中にあった無数の傷も、みるみる内に塞がる。
「そんな・・・まさか・・・」
ハルヒは信じられないといった面持ちだ。
「へっへ〜ん、驚いてるみたいだね、ハルにゃん!じゃあ教えてあげるねっ!
シャミセンの宝具は『ゴッドハンド(十二の試練)』なんだよ!ここまで言えばハルにゃんならわかるでしょ?」
そんな少女の言葉に、ハルヒは更に驚きの表情を見せる。
「いや・・・俺は全くわからないんだが・・・」
要領を得ない俺にハルヒは、
「つまり、バーサーカーは12回殺されない限り死なないのよ。所謂蘇生魔術の重ねがけってやつね」
何と・・・あのバケモノは12回までなら殺されようが勝手に生き返るっていうのか・・・。
反則もここまでくると言葉にならない・・・。
しかも、最強のセイバーの必殺技を持ってしてもたった3回しか殺せなかったというのか?
残りあと9回・・・気が遠くなるような数字だ。
「グルルルル・・・!」
完全に蘇生したバーサーカーは既に臨戦態勢だ。
セイバーは先程のダメージと宝具を開放した消耗で、立っているのがやっとという状態だ。
まともに動けるアーチャーはいるものの・・・1人では・・・、
そう絶望しかけた矢先、少女は意外な言葉を発する。
「今日は何かもう飽きちゃったな、帰ろ、シャミ。
キョンくんにハルにゃん、また遊ぼうね!その時はちゃんと殺してあげるから!」
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:27:26.35 ID:+LU0S66D0
しえん
239 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(19) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:28:40.74 ID:lHzJH2FS0
え・・・と思う暇もなく、少女はシャミと呼ばれたバーサーカーの肩にちょこんと乗ると、颯爽と闇の中へと消えていった。
何とも気まぐれなマスターだことで。しかし、今回に限っては幸運だったと言う他ない。
「どうやら・・・助かったみたいね」
「ああ・・・って、そうだ!セイバー!」
俺は、傷を負い、消耗しきったセイバーの下に駆け寄る。
セイバーは、
「だい・・・じょう・・・ぶ」
と、呟くと力をなくし、アスファルトに再び倒れ込んでしまう。
「まずいわね、セイバーの魔力はもう空っぽ寸前よ。とにかくアンタの家まで運びましょう!」
ハルヒに促され、俺はセイバーをおんぶする。
帰途に着く俺達を見ているのは月だけ。どうか今夜はもうあんな怪物みたいなのとやりあうことはないように。
そして、俺の背で眠る少女、セイバーが無事であるように、とただそれだけを願っていた。
そして、そんな俺にやけに視線を飛ばしてくる赤い男、アーチャー。
まだ会って数時間ではあるものの、なぜだろう、俺はこの男が他人のような気がしないのだ。
そして、アーチャーもアーチャーで、やたら俺のことを凝視してくるような気配を醸しだしている。
そしてそれと同じくらいに、俺が背負うセイバー、いや長門有希という少女のことを見つめている。
もしかするとこの2人は面識でもあるのだろうか・・・。
とにもかくにも俺とハルヒの聖杯戦争、最初の夜は、こうして終わりを告げたのである。
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:28:52.79 ID:XYylytfSO
支援
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:29:38.50 ID:bwIqNMp+O
いやいやいや妹ちゃん怖いよ((((;゜Д゜)))
242 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜(20) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:29:58.77 ID:lHzJH2FS0
〜interlude3〜
セイバー、いや長門の活躍により、俺の妹に良く似たマスターとシャミセンと呼ばれたサーヴァントは、
一時撤退を強いられた。
俺達は何とか九死に一生を得たというわけである。
しかし、俺が気になってしょうがないのは長門が宝具を開放する前に、この世界の『俺』、
つまりは『キョン』に発した言葉だった。
『だいじょうぶ・・・あなたは・・・わたしが守る』
あの時の長門を見て、俺は以前の世界での数々の出来事を思い出す。
例えば朝倉涼子に襲撃を受けた時、閉鎖空間で巨大カマドウマに襲われそうになった時――
どんな時でも俺の窮地を救ってくれたのは長門だった。
そして、この世界でもまた、長門は『俺』の窮地を救ってくれると言うのだろうか?
長門よ、どこまでお前は俺に尽くしてくれるんだ・・・?
そして俺は・・・この世界の『俺』を殺すという決意をますます固めることになる。
なぜならばいくら長門が『俺』を守ってくれようとも――
この世界の『俺』では――長門のことを守ってやることが出来ないからだ。
俺はその時を静かに待つ・・・。
第3章 完
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:30:10.22 ID:yLd5mWdsO
支援
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:31:54.86 ID:EynikcNX0
日常が忙しくて・・・数日ぶりにこのスレにきた
皆さん乙。そして支援
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:31:58.11 ID:XYylytfSO
GJ!!
シャミセン強すぎだろ…
続きwktk
246 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第3章〜 ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 01:32:23.95 ID:lHzJH2FS0
以上です。
interludeはアーチャーキョンの視点になっています。
妹がバーサーカー(シャミセンwww)のマスターとして登場します。
次回もマスターもしくはサーヴァントとして新たなハルヒキャラが登場予定です。
それでは支援ありがとうございました。
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:33:39.81 ID:+LU0S66D0
残りの配役が気になるな…
一番気になるのは某魔女さんな訳だがw
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:34:37.83 ID:y80Ho8jX0
>>187 今更だけどなんかまったりした
このスレっぽくていいね
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:39:39.82 ID:sE5m/eWE0
シャミセンwwwwww
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:40:29.43 ID:SI8WonyX0
さすがGハンターのシャミさんだな。
納得の強さだwwwwww
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:46:32.57 ID:mCGtLoUu0
しえん
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:47:21.93 ID:QUUcNcxmO
ほ
し
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:54:53.06 ID:SI8WonyX0
の
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 01:57:19.38 ID:mCGtLoUu0
せ
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:05:57.89 ID:agQmRAlj0
ん
257 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:14:17.03 ID:qJiBIZanO
い
258 :
148:2006/10/17(火) 02:16:11.36 ID:htNuRsqg0
前半のみ完成。甘めだが投下していいか?
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:17:08.26 ID:qJiBIZanO
(・∀・)イイ!
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:18:08.72 ID:dB2APlSY0
お願いしますwktk
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:19:38.44 ID:mCGtLoUu0
ktkr
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:20:27.06 ID:htNuRsqg0
注意※多分の糖度を含んでいる事が予想されます。糖尿病にはご注意ください。
「ねぇ、キョン?」
とある秋の一日。
4限目の授業が中盤に差し掛り、俺が睡魔と空腹という二匹の魔物を相手に何とか互角に渡り合っていた最中である。
俺の後ろの席の女子生徒、つまり我らがSOS団団長・涼宮ハルヒが、
いつもの様に俺の背中をシャーペンで突いてきた。
団長様はまたトンデモ計画をお考えになったらしい。
(やれやれ…)といつもの様に思いながら
「なんだ?ハルヒ」
そう言っていつもの様に振り返る。
だがそこから先はいつもとは違った。
俺が身を捩り、ハルヒの方を向いたその刹那、
「ガタッ」という椅子の動く音と共に、ハルヒの顔が急接近してくる。
「なッ――」
俺が驚き声を出そうとしたその時、ハルヒは俺に――
…キスしていた。まうすとぅまうすだ。
さて…人間が緊急事態に対処するにはどうすればいいんだっけか。
そうだ、まずは落ち着くことが大切だったな。
そしてもちつくには杵と臼と…もち米が必要だな。…いや待て違う。違うぞ俺。
落ち着くには…まずは状況整理だ。
263 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:21:55.02 ID:htNuRsqg0
1.ハルヒ俺を突く
2.俺振り返る 順番に箇条書きしてみました。
3.ハルヒ俺にキス
なんだコレ?…ハルヒが俺にキス?
俺は幻覚を見てしまうようなアブナイ物には手を出してない。誓ってだ。
とか考えていると、ハルヒが上目遣いで顔を真っ赤に染めながら
「好き…」とか言ってきやがったな。
ここで俺はやっと事態を認識し、はっとクラスに目を向ける。
教師を含めクラス全員がこっちを向いて口を半開きにしている。
谷口に至っては上も下も全開じゃないか。
「返事…くれないの?」後ろから声。
俺はまたはっとなり、か細い声の主へと顔を向けた。
今にも泣きそうな顔をしたハルヒの姿がある。
「ハルヒ…?今、何て言った…?」
訊ねた途端、目の前の完璧な美少女(性格除)はムッと不機嫌顔になり、
「だから、『好き』って言ったのよ!さぁ、返事を聞かせなさい!10秒以内!」
と言い放った。さっきまでの表情が嘘のようだ。
何故このタイミングでいつものハルヒに戻ったのかも永遠の謎だ。
264 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:23:29.82 ID:htNuRsqg0
「10…9…8…」
しかし、ハルヒは俺をそんな風に思ってくれていたのか。
…俺はどうなんだ?
確かに今となっちゃハルヒの居ない日々は考えられないかも知れない。
でもそれは恋愛感情とは別だろう…
「5…4…3…」
いや、本当は俺自身で気付いてたんだろうな。素直になれなかっただけだ。
ハルヒの気持ちを知ってやっと素直になれそうだ…というかさっきの上目遣いはマジで可愛かったな。
「2…1…」
「あぁ、俺もハルヒが…その…す、好きだ」
「…ほんと?…じゃ、決定ね。つ、付き合いましょう」
誰か俺を世界を救う勇者だと崇めてくれ。今の俺ならりゅ○おうもシ○ーも倒せただろう。ゾ○マはちょっとキツイが。
なんたって授業中の急な告白にその場で応えたんだからな…って、授業中?
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:23:51.34 ID:qJiBIZanO
早甘!
wktk
続きを期待!!
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:24:33.95 ID:htNuRsqg0
俺は再びクラスの方を見た。
そこにはさっきよりも美しい表情でこっちを見つめる連中の顔が並んでいた。
…いや、怖いから。絵的に。
そんな連中を見てもハルヒは全くお構いなしで、薄い赤に染まった笑顔をこちらに向けていた。
「やれやれ…」
キーン…コーン…カーン…コーン
そうして、何だか半信半疑な状態のまま、幻覚のような4限目の授業が幕を閉じた。
つづく。
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:25:53.27 ID:J9mbJ1Wq0
谷口wwwwwwww
ちょwwwwwww
続きがNEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!
てか谷口ワロス
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:27:45.53 ID:htNuRsqg0
初めてで文章ガチガチかも知れない。
おかしい所とかあったら指摘してくれると嬉しい。
あとハルヒは原作読んでない所かアニメも見てない…
こんな分際で勝手に書いてスマソ
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:29:10.38 ID:bwIqNMp+O
なんだこれ。もうガムシロップ100%じゃないか。wktkするしかねぇよ!!!!
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:32:18.66 ID:yQQRYOW80
保守
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:34:09.88 ID:htNuRsqg0
続きは明日にでも書こうと思うので、
mktkして待っててくれたら俺は泣いて喜ぶ。
明日一限からゼミの発表があるのに俺をこんなにwktkさせる文章を書いて寝かせ無い
>>273は卑怯
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:36:19.96 ID:htNuRsqg0
ムクムクテカテカ?
なるほど。
>>273は文章の投稿を待ってる俺らを想像しながら…な訳か
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:41:12.20 ID:Y47b6eGb0
さてこちらも最初の小説しか読んでないが、投下よろしい?
オチも山もないが。
おk
待ってるぜ
280 :
幸せの定義 1/16:2006/10/17(火) 02:45:41.90 ID:Y47b6eGb0
「キョンって子供は何人欲しい?」
湯呑みへと液体が注がれる独特の音色を耳にしながら、鼻腔を擽る何とも「和」らしい匂いを感じ碁盤を睨みつける。
暖房器具があろうとも貴金属は一定の温度を保ち、触れればひんやりとしたものを感じさせ、恰も冬らしい冬を演出している。
たまに乾燥した部屋を換気させるために開ける窓から訪れる寒気に身震いするのも、冬の一幕。
各々が変わらぬ、何時もと同じ日常を過ごしている時に、その一言はやってきた。
「なんだその質問は、意図が解らん。」
唐突なのは、別段変わりない事。
その内容は何時だって驚かされるものなのに、その驚かされるという事に慣れているというのは矛盾も良いところだ。
「別に、暇だから。あるでしょ、人生設計みたいなの。」
ただ、今回は驚きの内容も少し勝手が違う。
何というか、ハルヒから驚かされる事は、正常な人間ならば到底理解出来ない理ばかり。
非日常的なものを求めるが故の非日常的行動、そういう風に思える節だってある。というか実際そうだ。
それ故に、今回の質問には少々驚かされる。
何となくだが、唐突にこの質問をされても戸惑いはあるだろうが、日常内ではあってもおかしくない質問だと思う。
言うなら常人がそれを聞いてきても別段おかしくない内容だけにハルヒには似合わない、なんて思うわけだ。
「唐突という点を除けば、お前らしくない質問だ。」
「何ソレ?」
吊り上げられる目と眉。
少々の不機嫌さを表しながら、「理由は?」と無言で語り掛けてくる。
「一般人ならしそうである質問だからな、お前らしいとは思えなかった。」
281 :
幸せの定義 2/16:2006/10/17(火) 02:46:29.68 ID:Y47b6eGb0
別段隠す理由も無いので、きっぱりと思うがままに口から零す。
「日常的とか非日常的とかじゃないでしょ、こういうのは。」
勿論そんなものは解っているが、何分お前さんとこうして付き合い始めたらその当然の常識が欠落していくのだ、と心の中で返事をするが
口にするだけで色々と面倒そうなので結局は心の中だけで言う。
「『幸せ』を求めるが故の妄想。『幸せ』になる為への道標。
人生設計ってのは、自分がこうしたい、こうでありたいという自分だけの『幸せ』の定義の産物。」
何となくその説明口調が長門っぽい。
透き通る声で、感情が目一杯詰まってるというところ以外だけだが。
「そんな自分だけの『幸せ』に、日常も非日常もないのよ。
誰も馬鹿に出来ないし、してはいけない。それはその人の『幸せ』の定義なんだから。」
それがハルヒの考えなら否定もしないし肯定もしない。まぁ、どちらかと言うなら肯定できる。
ならば、そうやすやすと質問するのもどうかとは思ってしまうのは捻くれているからとかではないと思う。
「何も馬鹿正直に全てを語れ、って言わないわよ。
あんたにだってあるでしょ、『結婚したら子供は何人ぐらい欲しい』とか考えたことぐらい。」
真剣にでは無く曖昧にではあるが、似たようなことなら考えたことはある。
どちらにせよ、そんなものは恥ずかしくて誰にも語る気はしないが。
「些細な夢の未来の欠片を教えて欲しいって言ってるの。」
ことん、と静かに置かれた湯呑み。
置くタイミングを計っていたのだろう。朝比奈さんは、実にキリの良いところでお茶を提供してくれた。
可愛らしい「どうぞ。」という声に笑顔付きで。
282 :
幸せの定義 3/16:2006/10/17(火) 02:47:04.45 ID:Y47b6eGb0
まぁ、無理とは解っているがタイミングを計るということぐらいはハルヒにもできてほしいものだ。
そんなありもしないことを願いながら順々に湯呑みを置いていく朝比奈さんを眺め、ごくりと一口茶を啜る。
「で、あんたは何人ぐらい子供が欲しいの?」
何時ものことに比べれば、幾分答えられやすい質問だ。
しかし、子供ねぇ。曖昧としか考えてなかっただけに少し頭を捻ってしまう。
ハルヒにとってもただ、他人はどう思ってるのか不意にちょっとした好奇心で疑問に思ったのだろう。
話題を振られたということもあるだろうが、幾分自分にもその好奇心が植え付けられているのだから。
だから、自分にもう少し考える時間を持つことと、他人の答えを聞きたいが為に、その質問を別の人間へと移す。
「古泉は、どうだ、考えたことあるか?」
突然自分に話題を振られたにも関わらず、動揺もせず、何時もの笑顔を貼り付けたまま口を開く。
何となくそのにこにこ顔が何時もよりも強めに出ているのは気のせいにしても、早く次の手を打って欲しいものだ、勝負が再開されない。
まさか、こちらの遣り取りを見ている方がおもしろいからという理由で、何もしてなかったのではないだろうな。
「僕ですか?んー、そうですね・・・、やはり一人は欲しいと思いますよ。」
まぁ、何が基準になっているのか自分でもさっぱりなのだが、それが妥当だろうと思ってしまう。
「性別は?」
「強いて言うなら・・・女の子でしょうか。特に理由はありませんけど。」
成る程、どこまでも有り勝ちでどこまでも普通の答えなのだが、詰まらないとは思わない。
他人の人生設計が垣間見えるというのは、適切な言葉ではないだろうがおもしろいものだ。
「朝日奈さんは?」
283 :
幸せの定義 4/16:2006/10/17(火) 02:48:06.45 ID:Y47b6eGb0
全員に茶を配り終えた朝比奈さんは質問をされるとは思っていなくとも、自分の中でそれなりの設計をしていたのだろう。
考える素振りも見せぬまま、すらすらと答えてくれた。
「そうですね、子供って可愛いですし、たくさん欲しいって思っちゃいますね。」
現実ではそのたくさんというのは経済的に無理があるだろうが、良い答えだ。
その答えも朝比奈さんらしいとさえ感じてしまう。
ただ、それを想像するとお母さんよりも保母さんの方が朝比奈さんには似合っていると思うのは失礼なのだろうか。
「長門は?」
今までと何も変わらず、これからも変わることはないだろう。いや、変わるとすれば読んでいる本ぐらいか。
こんな話になろうとも読書に耽たまま、取り留めて関心や興味を惹かれることもなく、ただ淡々と文を読んでいる。
それが解っているだけに、こうやって長門へと質問をぶつけるのはどうかと思うし、答えも淡白なもんだろう。
別段何かを期待しているわけじゃないし、それが長門という存在なのだ。
「ふたり」
ぼそり、とそれだけを何時もの長門の口調で答える。
単調な答えではあるが、俺の個人的意見としては長門なら、いらない、やら、興味ない、などそんな答えが返ってくるとばかり思っていた。
いや、普段の長門を知っているが故の意見だ。悪意があってのことではない、ということだけは理解して欲しい。
そんな長門がこうやって明確な定義を答えてくれている。
古泉と同じく性別なども詳しく聞きたいと思う欲求はあったが、何となくやめておくことにした。
それにしても、全てが本気でのことにないにしろ、皆それぞれ曖昧ながらの考えは持っているものなのだな。
他人のそれに触れることは何となしではあるが、くすぐったい暖かさを感じるがどこか寂しさも感じる。
先へと進む為、それをするが為の考えだからだろうか。
「で、あんたは?」
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:48:25.27 ID:KvJn7ESp0
朝日奈→朝比奈に直しといた方がいいぜ? 気にする人もいるから
285 :
幸せの定義 5/16:2006/10/17(火) 02:48:49.47 ID:Y47b6eGb0
そんな風に心で哀愁を噛み締めていた自分に、その質問を答える順が回ってきた。
考える時を得る為に回した質問だったが、他人と自分の違いに関心ばかり抱くだけで、肝心の自分の考えを纏めていない。
「あー、いやまぁ、そうだな・・・。」
真剣に考える必要性はないのは解っているのだが、どうも適当に答えるわけにもいかない気がする。
変な緊張感に襲われながらも、曖昧ではあるものの自分の定義とやらを答えてみる。
「うむ、やはり1人は欲しいよな、やっぱり。」
どちらかで答えるなら子供は好きだ。妹がいるということもあってのことだろう。
小さい頃から妹の面倒は良く見ていた方だとは思うし、可愛がっていたつもりだ。
それが自分の子供となれば、まだ理解できない感情ではあるが、愛せないわけがない。
「へぇ、性別は?」
「んー・・・、どっちでも。」
「ふーん。」
興味があるのか無いのか、良く解らない答え。
まぁ、俄然興味が無い答えなのだろうが、自分から始めた質問なのだから、もっとこう、喰いついてくるなりなんなりするのが言い出した者の責任ではないかと思う。
「二人とか三人じゃ嫌?」
そんな俺の心の声が届いたのか、はたまたただの気紛れか、どちらにせよ、質問の考案者らしく、話題を膨らませる追加の質問がやってきた。
「いや、多ければ多いほど良いとは思う。子供は好きだしな。」
「じゃあ、何で一人なのよ?」
286 :
幸せの定義 6/16:2006/10/17(火) 02:50:13.42 ID:Y47b6eGb0
「現実を思えばの結果だ、やはり子育てというのは大変だろうからな。」
その答えがハルヒ的にはよろしくなかったのだろう、ぶちぶちと、現実とか考えるな、と不機嫌さを配慮させることなくこちらへと投げ掛ける。
まぁ、何時ものことだが。
「それじゃあ、そんな現実家なキョン君は一体どんな家に住みたいのかしら?」
まいった、どうやら先ほどの答えのお陰で罰が自分に下ることになったようだ。
まぁ、普段のものに比べれば心にも財布にも優しいので、少々の羞恥心ぐらいなら喜んで我慢し、答えられる範囲で答えさせて貰おう。
勿論、範囲が広い逆鱗に触れないように、現実的に考えず。
「在り来たりだが、白い庭付き一軒家。」
「王道ですね。」
透かさず入る的確な突っ込み。ちょっと期待していただけに、突っ込んでくれた古泉に感謝してしまう。
「王道だから良いんですよねー、お庭でぽかぽかお日様に照らされながらお昼寝とか。」
「ですね。両隣に奥さんと子供が一緒にとなれば更にモアベターです。」
ちょっと想像してみた。
が、自分の想像という概念のボキャブラリーの少なさが仇となり、もやもやとした妄想部屋で広がる絵はSOS団の面々が仲良く日向ぼっこなんかしている図。
まぁ、これはこれで良い絵だな、とは思いつつ、少し照れてしまう。
「その隣にいる奥さんはやっぱり美人?」
なるほど、一問一答形式の罰、か。
こんなので罰になるのかねぇ、と思ってしまうが、もしハルヒと出会う前の自分なら小っ恥ずかしくて言わない、の一点張りだっただろうな。
いやはや、慣れとは本当に恐ろしい。
287 :
幸せの定義 7/16:2006/10/17(火) 02:50:54.35 ID:Y47b6eGb0
「そんなものは俺の『幸せ』の定義には関係ない。俺の奥さんというポジションにいるなら、それはどんな人であれ俺が愛する人だ。」
言ってから自己嫌悪。本音と言えば本音なのだが、あれだ、臭すぎる。
なーに、言ってくれちゃってんの、俺は。
これも慣れによる羞恥心の弱体を露にしているのかね、それはとても重要な懸案事項だぞ。
しかし、まぁ、ハルヒの質問に少し苛立ちを覚え、一気に捲くし立てた感もある。
その質問はどれほどの頻度かは解らんが、有り勝ちな部類の質問だ。
それに対して、胸が大きい人が良い、やら、超美人じゃないと嫌だ、とか答える者もこの昨今多いことだろう。
だがそこにいるのは妻というポジション、つまりは自分の確固たる愛を授ける人だ。
何時の時代も、自分の好みと反する人が自分の隣で笑っている、という事態があってもおかしくない。
それをあーだこーだと自分色の『もの』を、想像という原理内でも造り出すのは如何なものか。
勿論、そんな答えもそれぞれ己の定義なので反論はしない。属にイメージされる宇宙人姿の奥さんは誰だって嫌だろうし。
が、納得はしない。
だから納得がいかなくとも俺の定義にも反論してほしいものではない。
なので、この場合文句を言えるのは俺だけの特権。
臭いったらありゃしない。馬鹿じゃなかろかね?
「素敵な答えですね。僕には考えるどころか思い付きもしませんでした。」
普段の笑顔より少々軟らかい雰囲気を持ちながら、感嘆的な感想。
いつも思うのだが、本当に古泉がここにいてくれて良かったと思う。今の発言をしたから余計に。
割合的に女性の方が多いこの団で、ぽろりと無意識に零す臭い台詞は何だか好かれようとしての発言と思われてしまいそうだ。
簡単に言えばポイント稼ぎってやつだな。
それを同姓のコイツがいるお陰で何となしではあるが中和されている感はある。
まぁ、結局のところ、自分がそう思うことで安堵感を得たいだけなのだが。
288 :
幸せの定義 8/16:2006/10/17(火) 02:51:29.99 ID:Y47b6eGb0
でも、色々な面でお前がいてくれて良かったよ、ほんと。むかつくからそんな事言ってやらんけどな。
「キョン君らしいです。そんな風に想われたら幸せなんだろうなぁ・・。」
薄っすらと目を細めてどこか遠くを見ているかのように瞳の焦点を合わせぬまま、思い耽っているのだろう。
貴方が望むなら何時だって俺はそう思いますよ。ええ、想いますとも。
「ま、72点ってところかしら。ギリギリ合格ね。」
そんな強い希望を胸に秘めた俺に、どこか冷めた口調でそんな事を言われる。
なんの採点だ、なんの。
訳が解らないうちに点数を付けられて不愉快ではあったが、70点が合格ラインだというのだけは理解できた。
「で、愛情溢れるキョン君は、奥さんには何を求むの?」
なんだよ、まだあんのかよ。
どうせ拒否したところで無駄なのは解っているが、精一杯の抵抗として溜め息の1つは漏らさせて貰う。
そうだな・・・、と一言だけ零し暫し考える。
どこか期待というか楽しみにしているというか、目を輝かせて俺の言葉を待つ朝比奈さんと古泉は自分らでその質問を自分に例えて考えているのはやめたようだ。
何となく白状だと感じる。
長門は長門でいつもどおり興味無し、と言わんばかりにぺらりぺらり、と一定のタミングでページを捲りどこか現実離れしている音を奏でている。
「愛してくれること。浮気しないこと。俺よりも先に死なないこと。」
如何で御座いましょう、ハルヒ嬢?
貴方が嫌ってやまない、普通の条件が出揃って御座います。
雑用係の私としましては、これでも精一杯のことなのです、故に私はまだまだ一般人の部類でしょう。
つまり何が良いたいかと申しますと。こん畜生、死ぬほど恥ずかしいぞ!ってことなのです。
289 :
幸せの定義 9/16:2006/10/17(火) 02:52:13.34 ID:Y47b6eGb0
「なにあんた?女の子みたいなこと言っちゃって。」
ケラケラとそれはもうおもしろそうに笑う姿。
人様の情事にこうも笑えるものかと、憤慨しそうになるが、確かに自分の言った事柄は全て、乙女が言いそうなこと。
何、馬鹿正直に答えちゃってんの?
そんな言葉が頭でリフレインし、なぜか「はははは」と口から笑いとも取れない言葉だけが零れてくる。
「いやいや、強ち馬鹿にしたものじゃないですよ?どれも大切なことではあります。」
「簡単に言えることだからこそ難しいものですもんねぇ。」
フォローするかの如く、2人がやんわり相槌を打ってくれる。
が、さすがにこれは似合わなかったのだろう、心成しか2人とも肩が時折、ビクッと震える。まるで笑いを堪えるように。
長門に到っては、見た目は普段と変わらないが一向に本のページを捲ろうとしない。
ええい、忌々しいったらありゃせん。
「愛して貰えないとやっぱり不安?」
まだ笑みを壊さず、玩具を玩ぶかの如くまたまた質問を投げ掛ける。
正直、精神的に苦痛を強いられるものだが、如何せん、何かが吹っ切れてしまった。
後は野となれ山となれ、だ。
「相思相愛を望んで何が悪い。」
うんうん、と呼吸ぴったりに古泉と朝比奈さんが頷く。
そのポジションにいる古泉を妬ましく思うものの、ハルヒの止まらぬ投げ掛けに、余計な考えはできそうにもない。
「ほー、アンタからそんな単語を聞けるなんて、明日は槍でも降りそうね。じゃあ、やっぱり浮気されたらショック?」
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 02:55:05.32 ID:R94Undxx0
支援
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:00:07.83 ID:l53SkhDhO
支援
292 :
幸せの定義 10/16:2006/10/17(火) 03:00:42.20 ID:Y47b6eGb0
「へこむ自信はある。というか立ち直れんかもしれん。」
「意外にも硝子のハート?あんたの心には毛でも生えてると思ったのに。」
貴様だけには言われとうないわ!!
声を大にして言いたいことが、これほどまでにあっただろうか?
ま、当然ではあるがこんな言葉を言ってしまえば、恐ろしい目に合うので、これまた心の中に収めておく。
今まで収めてきたものを見ることができるなら、そりゃあもう俺の中は満員御礼のぎっしり状態だ。
俺がそのうち閉鎖空間を生み出しても何の疑問もないぞ。
「で、愛する人の死に際は見たくないってわけ?」
「先に逝かれたら、これまた立ち直れる自信がない。」
「それは相手も一緒じゃないの?それってアンタの我が侭なんじゃない?」
「だろうな。2人同時にぽっくりと、というのが理想だ。」
「何の理想だか。」
やれやれ、とでも言いた気に両手を出して溜め息を漏らす。古泉の真似でもしてるつもりか?
「やれやれ。」
で、言ってるし。
「キョンにこんな事聞いても仕方なかったわね。ま、ちょっとした退屈しのぎにはなったわ。」
あれだけの質問をしておいて良く言うもんだ。
取りあえずは、自分への質問はこれにて終了、ということに安堵するべきなのだろうな。
293 :
幸せの定義 11/16:2006/10/17(火) 03:01:41.87 ID:Y47b6eGb0
結局何時ものハルヒに振り回されるぐらい疲れた。たまんねぇよ。
で、そこでふと思い立った。
この中で何1つ質問に答えていない奴がいるんじゃないか?
というか答えてない。
まぁ、発案者だから、と言うことで何となしに除外していたが、少なからずある興味心と逆襲のつもりで、自分が問われた言葉をそのまま返す。
「ハルヒは何人子供が欲しいんだ?」
「答える必要はないわ。」
あっさり終了。おい、こら、それアリか?
今までSOS団として盛り上がってた会話――もっぱら俺の回答で楽しんでるだけだったが――だぞ。
団長様がそれに乗らなくてどうするよ?別に、ゲームを遣り込んでいるかどうか聞いてるんじゃない。なんだ、必要はない、って。
正直、予想していたがな。
「と、言いたいところだけど教えて上げないこともないわよ。」
理不尽なハルヒ法律に憤りを感じている所に、意外にもハルヒらしからぬ答えが返ってきた。
それは周りの3人も同じだったらしく、古泉はおや?と言いながらニコニコ顔をして、朝比奈さんは大きく目を見開いて何度も瞬きしている。少々、驚きすぎだ。
長門に到っては、表情は変わらずとも、本から目線を外して、ハルヒに向けている。
「何よ、みんなして。」
そんな各々の態度が気に喰わなかったのだろうか、不機嫌さを表すように頬をぷくっと膨らませ、怒っていることをアピールする。
ふん、そんな姿が可愛いとは言ってやらんし、思ってもやらん。
「だったら聞こうじゃないか、子供は何人欲しい?」
「お願いします、は?」
294 :
幸せの定義 12/16:2006/10/17(火) 03:02:34.61 ID:Y47b6eGb0
おい、今直ぐ俺に優秀な弁護士を雇ってくれ。
この独裁者、涼宮 ハルヒを日本社会に置ける正規に則った制度で、清く正しく罰せられるべきだ。
強いてはどんな相手だろうと指先を突きつけて「異議あり!」なんて叫ぶ弁護士が良い。
コイツの証言に何回突っ込むことになるか解らんが。
「ほらほら、お願いします、は?」
殊更、嫌みったらしい笑顔を見せ付け、っつーか顔を持ってくるな、気持ち悪い。近いんだよ。
って、待て。
俺か?俺が言わないといけないのか?
そんな理不尽な事があってたまるか、それならば俺の全ての暴露に対して1つ1つ「オネガイシマス」と土下座付きで今からでも言うべきだ。
なんて、至極当然のことを思っていたのだが。
ギラリ、と光る6つの瞳。
未来人、宇宙人、超能力者の2つずつの瞳が俺を捕らえて離さない。
嘘でしょ?なんて懇願の目をくるりと6つの瞳に向けるが、駄目、の一言が書かれた瞳で返される。
今ほど力が欲しいと思ったことがない。後々、力が勝手に暴走することになってもかまわないから。
「・・・・・オネガイシマス。」
しかし、SOS団唯一のしがない一般高校生の俺には何の術もなく、結局のところこうやって三つ指付きながらぺこり、と頭を下げている。
間違いない、今日『も』仏滅だ。明日『も』仏滅だ。
そんな俺の態度にお嬢様はお気に召されたようで。
椅子を引き、仁王立ちしたかと思えば満面の笑みですらすらと述べていく。
「その耳の穴かっぽじってよーく聞きなさい。子供は1人!私は何人でも良いけど相手があんまり面倒見てくれなさそうだからね。
家は、まぁ、相手が不甲斐ないし庭付きの一軒家で許すとしても、私を毎日退屈させないこと、毎日『好き』と言うこと、浮気なんてその場で打ち首獄門、読んで字の如く地獄を見せるわ。
で、絶対に何時までも一緒にいてくれること!」
295 :
幸せの定義 13/16:2006/10/17(火) 03:03:31.75 ID:Y47b6eGb0
述べていく、というか一気に捲くし立てられた。
ハルヒらしいと言えばハルヒらしいんだが、ぶっちゃけ恥じらって欲しかった。
ハルヒが少しでも、ほんの少しでも、鉋で削ったほどでも、鰹節ほどでも恥じらいを見せてくれさえいれば、少しは自分が救われた。
これじゃあ、あの反応をした俺が乙女ではないか。
キョン、行くわよ?ええ、良くってよ、なんて言い合いながら駆け出すか?何処に?あの世だな、俺だけ。
「ふふん!」
で、言いたいことを言ってのけました、と豪快に鼻を鳴らし、どうだ!と言わんばかりの勝利を確信した表情。
さっきの点数といい何を競ってんだ、コイツ?
さてさて、さきほどの早口言葉を、脳から取り出すのが不可能になる前に整理してみるか。
子供は1人。まぁ、妥当だな。
家は庭付き一軒家。王道だ。
相手に望む条件は、退屈させないこと。ハルヒらしいわな。
毎日『好き』ということ。恋愛感情は一種の精神病と言ってた癖にしっかり乙女してるじゃないか。なんだ、忌々しい。
浮気は打ち首獄門。どこの時代劇だよ、久しぶりに聞いて驚いたぞ。しかもどんなことをするのが打ち首獄門か知らないが、コイツならやりそうだ。否、やるな。
で、最後は何時までも一緒に。思いっきり乙女じゃないか。これをもう少し恥じらいを込めて頬でも染めてたら二重丸をくれてやったぞ。
ふと、思った。
おい、ちょっと待て。
これほとんど俺が言ったやつと一緒じゃないか。妙な違和感はそういうことか。
あれか、あれですか。
てめぇに教える答えはねぇ!ってやつですか?
久々にキレちまった、グランドに行こうぜ。
勢い良く立ち上がり抗議の声を高らかと、宣言するかのように叫ぼうとした。
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:04:13.23 ID:EynikcNX0
sienn
297 :
幸せの定義 14/16:2006/10/17(火) 03:04:21.51 ID:Y47b6eGb0
だが、そこにはまたしても6つの瞳。
その瞳達は1億6千万の瞳を圧倒するほどのパワーをひしひしと感じる。現に立ち上がれないのだから。
で、馬鹿にされた自分にどうしてこんな仕打ちをされないといけないのかほとほと疑問だ。
それぞれの瞳には、なにか言うべきことがあるだろう、なんて圧力も込められているし。
一体全体何だって言うんだ?
取り合えず、ハルヒが言った事柄はほとんど全て俺のもの、だ。
となれば、否定なんてせずに、ここは肯定的意見を述べておくのが一番だろう。
「中々、良いんじゃないか?」
こんなことしか言えないが、今回は憂鬱にならずにすみそうだ。
当然だろう?本来なら怒るべき場面で、それ以外の事をコメントしなければならないのだから。
但し問題なのはこのコメントで正解だったのかどうかと言うことだが。
「でしょ〜?」
どうやら正しいコメントだったようだ。
ほっ、と一安心し、6つの瞳にこれで良いんだろう?と目配らせをする。
なんでしょう、この冷めた目線。
はぁー、と大きな溜め息を漏らされるわ、がっかりです、と言わんばかりの目で睨まれるわ、ぼそりと、幻滅、なんて言われるわ。
もうどうしたら良いんだよ。訳が解らん。
がっくりと頭を項垂れて自分の不幸を味わっていると、1人テンションの高い、嬉々とした声が頭上から聞こえてくる。
「そういえば、もう1つ質問あったの忘れてたわ。」
なんだ、まだあったのか。
298 :
幸せの定義 15/16:2006/10/17(火) 03:05:01.23 ID:Y47b6eGb0
正直なところ、その質問が有り難いと思ってしまう。
だって、そうだろ?こんな居た堪れない状況で、それを打破できる可能性があるのだから。
「なんだ?」
にやっ、と猫が笑うとこんな感じなんだろうな、と思わせる笑顔で指先を突き出してこう言った。
「プロポーズするならどんな言葉?」
もはや反論する気も起きない。こんな質問を有り難いと思ってしまった自分を呪うね。心底。
ま、でも、ここは真剣に答えるものでもないし、元々そんな言葉用意していない。
ならば、在り来たりだが一番解りやすいもので今は妥協するのが一番だろう。
「無難に『愛してる、結婚しよう』みたいなもんだろうな。」
それを聞いた途端、ハルヒは目頭に手をやりほんとに困ったもんだ、と言わんばかりに眉を吊り上げる。
器用なやつだ。
「ほんと困った奴ね。」
で、言うんですね、やっぱり。
「ぜっんぜん足りない!『俺にはお前しかいない。世界で唯一お前しか愛さない。どうか、一生、いや、永遠に俺の隣にいてくれないか?』ぐらいは欲しいわね!」
あらやだ、ハルヒさん、だっいたん。
しかし、なんだ足りないというのは?
別に本当にこれを使うわけでもないし、ハルヒに基準を決められるものでもない。まぁ、女の子の意見は貴重なので有り難いことにはなるが。
この場合、ハルヒっていうのがなぁ。しかし、結構真ともなことも言っている。
っつーかそれってお前の願望じゃないのか?それを俺に押し付けるのはどうかと思うぞ。
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:05:38.75 ID:lHzJH2FS0
支援
300 :
幸せの定義 16/16:2006/10/17(火) 03:05:49.14 ID:Y47b6eGb0
そんな言葉がもう喉元まで出掛けていたのだが
パタン、と。
お決まりの閉会式が行われ、本日の団はこれにて終了と相成った。
って、もうそんな時間か?
「さーて、それじゃあ帰りましょうか!」
晴れ晴れと、すっきりとした表情で両手を腰に当てながら不適に笑う。
対する俺は、言い掛けたことを言えないままもやもやとした気持ちを残したままである。
帰り支度をしながら、先ほどとは違い、まぁ、それが貴方らしいですよ、と三者三様の目線を向けられ部室を後にする。
それが余計にもやもやとした気持ちがしこりとなって大きくなる。
結局、3人が求めてた答えはなんだったのか解らないし、教えてもくれないだろう。
ま、これからも知る術はないんだろうな。
すい、と目を外に向ければカラスがアホー、と言いながら羽ばたくにはお似合いの紅い夕焼け。
どれだけ夢中になってたんだか。
ま、でも相も変わらず楽しめましたよ。それだけは確か。
非日常の中の日常か、はたまた日常の中の非日常か。
どちらにせよ、これからもこうやって続いていくんだろうな。それもまた確か。
なーんて、哀愁漂わせる俺にハルヒはベシッ!と背中を大きく叩き、今日一番の輝く笑顔で言ってくれた。
「ほら、何ボサッとしてんのよ!さっさと行くわよ!」
そんな、悪くない笑顔を見ながら曖昧にも、ああ、と答えながら、唐突に、本当に唐突だが
1人目の子供は奥さん似の可愛い女の子が良いな、なんて思ってしまった。
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:07:49.00 ID:Y47b6eGb0
>>284 すまん、1つだけ見落としてた。ちゃんと見直しはしてたんだが。
これはマジですまんかった。
それにしてもやっぱりさる喰らったな。
とにかく支援してくれた人も読んでくれた人もありがとう。
精進して、また新しいの書いてきます。
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:11:23.43 ID:R94Undxx0
ここまでキョンの鈍感さを感じさせてくれるSSは久しぶりに読んだ!
次回もwktkして待ってるよ〜。
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:12:36.02 ID:KvJn7ESp0
>>301 乙。上手くなる可能性がある作者さんだ。次は期待してます
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:22:02.13 ID:yQQRYOW80
保守
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:31:04.90 ID:lHzJH2FS0
hosyu
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:40:04.37 ID:IsWZbLk10
「そんなものは俺の『幸せ』の定義には関係ない。俺の奥さんというポジションにいるなら、それはどんな人であれ俺が愛する人だ。」
この台詞に作者の非凡な才能を感じる。次回作がおおいに期待できるな。
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:45:32.71 ID:dB2APlSY0
俺の中のキョンは鈍感優柔不断ではないけれど、このキョンは何かいいな。
GJ!!!
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:49:32.37 ID:a4D6Ei/M0
俺もキョンはここまで鈍感ではないと思う。
ただ文章はいいしセンスを感じるから、是非原作を全部読んでからまた書いて欲しいね
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:51:19.18 ID:+LU0S66D0
キョンの場合鈍い以上にさ
明らかにフラグ量産しすぎだろ…空気読み違えたら修羅場確定だし
SOS団の男子団員はフラグ立てまくってるからな……
タイプは別だが
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 03:58:41.47 ID:H9x4yNH0O
古泉も死亡フラグ立てまくってるからな
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 04:08:13.85 ID:dB2APlSY0
限界だ。寝る保守
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 04:15:08.70 ID:QBlH6k0eO
保守する
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 04:25:47.49 ID:+LU0S66D0
保守
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 04:44:03.80 ID:QBlH6k0eO
保守
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 05:08:35.72 ID:yQQRYOW80
保守
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 05:16:44.58 ID:sStOOs3M0
ほしゅー
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 05:51:51.79 ID:yQQRYOW80
保守
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 06:25:10.48 ID:GZLSZXScO
「ちょっと、キョン!なんでアレだけしたのに朝勃ちしてんのよ!」という保守
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 06:25:35.29 ID:b3KKJmimO
おはよー
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 06:35:08.55 ID:WJP5hghuO
おはよう保守
深夜投下の人乙でした!
途中までだけど俺も投下していいかな?
ダメー(゚Д゚ )
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 06:39:22.19 ID:WJP5hghuO
ダメかよorz
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 06:40:50.47 ID:yQQRYOW80
おはよう。そしておやすみ・・・
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 06:42:54.46 ID:WJP5hghuO
またしばらくしたら出直してくるorz
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 07:20:34.24 ID:+p456yZsO
落ちるぞ
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 07:21:52.37 ID:XB3nxfSt0
329 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 07:35:28.54 ID:WJP5hghuO
また来たww
投下して去ります、一応途中まで。
キャラの性格が出てないかもしれませんが悪しからず
〜キョン視点〜
本日は晴天なり。今は午後の市内探索だ。
俺はハルヒと二人きりで街を練り歩いている。
今日のハルヒはやけにご機嫌のようだ。草むらの中、河原、住宅街辺りをくまなく歩き回り俺の足を棒へと変えようとしている。
だが、俺はこいつといるそんな日常が大好きだ。
「キョン。少し休むわよ、そこに公園あるし!」
やれやれ、やっと休めるぜ……。
「あたしは先に休んでるからあんたは何か飲み物買って来なさいよ!」
……こんな事を言ってくるが、俺はそんな傍若無人なハルヒが好きだった。
「おっそいわよ!あたしはこっちね!!」
と言って、俺の手にあるウーロン茶を奪った。
「おいおい、そりゃ俺のだ。お前のはこっち……」
言い終わる前に栓を開けて、口を付けていた。
「うんっ!冷たくておいしっ!……なんか言った?」
俺はしょうがなく、手に残ったオレンジジュースの栓を開けて、飲むことにした。
冷たいが、渇いた喉には少ししつこい100%オレンジだ。
「ねぇ、キョン。…少し交換しよっか?」
なんだ?いきなり。……まぁ、俺としてはそっちを飲みたかったわけで助かるのだが。
330 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 07:36:41.07 ID:WJP5hghuO
俺はハルヒからウーロン茶を受け取り、口を付けた。
「あんた……間接キスよ、それ。」
ブフッ!!
「あはははは!動揺して噴いちゃった?あんた気にしすぎよっ!!」
ハルヒはそう言うと、けらけらと笑いながらもオレンジジュースを口に含んだ。
「んっ!おいし!」
まったく……今日のこいつのテンションはやたらと高すぎるぞ。
ハルヒはベンチの上に立ち上がって、遠くを見始めた。
ちなみにこの公園は高台になっていて、上から街を見下ろせる良い風景になっている。
「ん〜っ!風が気持ちいいわ!!……ねぇ、キョン。あたしね、こんななんでもないけど楽しい時間が続くことがうれしいかも。」
ハルヒは遠くを眺めながらそんなことを言いだした。いつも不思議な事、怪しい事とか言っているハルヒらしくない物言いだ。
「じゃあ、あれか?もう不思議やら宇宙人やらは用無しか?」
こっちを振り向き、俺に指を差してきた。
「それとこれとは別よっ!…だけどねあんた達とならこんなのも悪くないなって思ったの!」
そう言うとまたハルヒは遠くを見始めた。
その横顔は綺麗で、見ている俺は不思議と目を離せなかった。
「まぁ俺はどんな状態のお前でも好きだけどな。」
小声で呟く。
「え?今……なんてったの?」
ハルヒが顔を無駄に近付けて聞いてきた。こりゃ近すぎるぞ、唾が当たってる。
「な、なんでもねーよ。ほら、時間だ、戻るぞ。」
恥ずかしさに赤らむ顔を背けて、俺はベンチから立ち上がって歩きだした。
「こら、逃げるなっ!待ちなさいよ!!」
後ろから走って追いかけて来るハルヒの足音を聞きながら、俺は『こんな時間を続けれたら幸せだな…』とか思いつつ、喫茶店へと向かった。
331 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 07:38:47.37 ID:WJP5hghuO
次の日、授業中に窓からの素晴らしい陽射しを浴び俺はウトウトと言うより、熟睡に近い状態で3限から4限を消化していた。
「……痛っ!」
反射的に声をだしたが、授業中だったのでそのまま軽く寝たフリ。
しばらく経ったあと、原因の後ろの席を振り向いた。
「まったく…なんなんだよ、今度は。」
ハルヒは悪びれもせずに答えた。
「ちょっと用事があるからさ、昼ご飯食べたら屋上に来てくんない?……てゆーか来なさい、絶対だからね。」
ほんとになんなんだ?こいつが俺を呼び出して話なんて珍しすぎるにも程がある。
俺は4限の残りの授業を窓の外を眺めて過ごし、谷口と国木田と一緒に飯を食べ、屋上へと向かった。
屋上へ向かう前に、俺はウーロン茶とブラックのコーヒーを買った。
……そういえば、昨日のあれ聞こえてたのか?聞こえてたらメチャクチャ恥ずいな。
まぁ、いいか。
なんなら今からでももう一度言ってやるさ。
俺は3階から屋上へ向かう階段を登った。
人の気配がする……ハルヒか、待たせたら死刑だよな。
俺が少し駆け足気味で階段を登ると……そこには顔を赤らめて古泉に抱かれているハルヒがいた。
332 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 07:39:50.54 ID:WJP5hghuO
〜ハルヒ視点〜
もうキョンは来てるかな?
昨日あたしは公園でキョンが言った言葉を思い出して、ウキウキしていた。
『まぁ俺はどんな状態のお前でも好きだけどな。』って言ったはず、たぶん聞き間違いじゃない。
ほんとにキョンがあたしの事好きなら付き合ってくれるわよね?
もう精神病にかかってもいいわ。……キョンと一緒ならそれで構わない。
そんなことを考えつつも、あたしは階段を登って行った。……誰か、いる?もうキョンが来たのかな……不覚を取ったわ。
そこに居たのは、我がSOS団、副団長の古泉くんだった。
「こ、古泉くん!?なんでこんな所に!?」
「おや、涼宮さん。奇遇ですね。」
あたしは階段を登り、古泉くんに近付いた。古泉くんはあくまでも笑顔で続けた。
「実はですね、此処の景色はとても良いのでたまにですが息抜きに来るんですよ。」
そうなんだ。
……じゃあ、あたし達が邪魔しちゃ悪いわね。
「じゃあ、あたしは邪魔しちゃ悪いから行くわ。」
「それは残念ですね。それより、涼宮さんも何か此処に用事があったのでは?」
ま、マズい。キョンを呼び出したなんてバレたらなんかマズい気がする。
「な、なんでもないわ!そ、それじゃっ、古泉くんまた……キャッ!」
あたしは階段から足を踏み外した。ヤバい、落ちる!
……………って、あれ?
「危ない所でしたね、気をつけてくださいよ。」
古泉くんの声が耳のすぐそばから聞こえてきた。どうやら、古泉くんに抱き留められて助かったみたい。
「あ、ご、ごめんね?」
古泉くんはニッコリと微笑んで「良いですよ。」と答えた。
その顔は、とてもかっこよくてあたしの顔が赤くなるのがわかった。
カンッカンッ!
……なんの音かしら、何かが落ちた音?
333 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 07:42:04.87 ID:WJP5hghuO
あたしが目を向けると、そこにはキョンがいつも飲んでいるコーヒーと、あたしが昨日飲んだウーロン茶が落ちていた。
嫌な予感がした。…まさか、キョンが来てた?
「ごめん!古泉くん、また放課後ねっ!!」
あたしはジュースを拾い上げ階段を駆け降りて行った。
しかし、何処にもキョンの姿を見つける事が出来なかった。
…別の人だったのかな。うん、たぶんそうだわ。
予鈴がなり、あたしが教室に戻るとキョンは自分の席に居た。
「あ、悪いな、ハルヒ。岡部に呼び出しくらって行けなかったんだ。」
よかった…やっぱり、キョンじゃなかったんだ。
「まったく…しょうがないわね!また、部活の後でいいわ!!」
心の中の心配を悟られないようにいつものあたしの声で答えた。
「……あぁ、わかったよ。ハルヒ、それ……?」
キョンが指をさした先には、コーヒーとウーロン茶を持っているあたしの手があった。
「あ、こ、これっ?これはね……「俺が来た時用に準備しててくれたのか。…まぁ飲まないのは勿体ないから貰っとくよ。」
と言って、あたしの手からコーヒーを取り机の端っこに置いた。
「……二倍がえしを期待してるわよ。」
334 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 07:43:47.38 ID:WJP5hghuO
そう言うと、自分の席に座って窓の外を見る事にした。
放課後、あたしは掃除当番だった。キョンは先に部室に行っている。
部活の後、キョンにどんな言葉で告白しようかな…。
そんなことを考えながらも素早く掃除を終わらせ、早足で部室へと向かった。
静かな旧校舎なある部室。
あたしは一目散にSOS団の部室に行き、ドアを勢いよく開けた。
「みんなっ!げん…き……」
あたしは目を疑った。
ドアを開けたあたしの見た物。それは、俯いて頭を抱えて座っているキョンと、後ろから何かを言いながらキョンを抱いていたみくるちゃんの姿だった。
「は、ハル…ヒ?」
「す、すす涼宮さん!?」
そんな二人の声を背中に受けながら、あたしは部室のドアを閉めて出ていった。
一応ここまでです。
起きた時の目覚ましにでも読んで頂ければ幸いかとww
乙!
修羅場ktkr!wktk!
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 07:47:47.51 ID:RBscVl1sO
なんだ、この懐かしい感じのする展開は!
続きwktk
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 07:56:28.49 ID:XYylytfSO
GJ!
朝から修羅場とは…
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 08:09:48.57 ID:XYylytfSO
保守
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 08:14:15.62 ID:GZLSZXScO
>>334 GJ!朝から乙!
心地よい刺激を頂いたので、俺も仕事しつつ昨日の続きを書くっ!
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 08:20:15.14 ID:WJP5hghuO
学校行く前最後保守
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 08:50:06.81 ID:45aWxUWYO
あげ
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 09:02:38.67 ID:yedGYAqOO
保守
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 09:34:03.99 ID:OjgKhtSrO
おちろ
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 09:45:50.28 ID:VjOXEPKP0
カトンボ
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 09:58:19.61 ID:+p28vnAg0
>>280 乙でした。 この話でキョンが鈍いとか言われてるけど、こんな話を毎日のように数人でやってると
感覚が鈍ってるのか俺にはキョンの反応が普通に思えってしまった。
>>329 続き!続き!
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 10:21:16.60 ID:qJiBIZanO
wktk
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 10:43:56.87 ID:45aWxUWYO
や ら な い か ?
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 10:45:20.07 ID:opvnsJvM0
未来からの電波受信完了保守
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 10:48:17.57 ID:/3uNS5hi0
あれだな
長門のキャラソンのSELECT?ってボーカルオフにして聴いてもいいな
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 10:52:20.29 ID:IwzbX2qqO
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 10:53:30.92 ID:E1ctpRiA0
まあ、保守かな
352 :
対戦するっさ対戦!:2006/10/17(火) 10:59:46.60 ID:xdyTj6HF0
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 11:03:41.47 ID:opvnsJvM0
薬じゃね?
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 11:16:35.45 ID:opvnsJvM0
精神安定剤のテパスかよwww
Orzマジで下さいおながいしmす
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 11:24:56.77 ID:QBlH6k0eO
保守
保守
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 11:35:16.07 ID:E1ctpRiA0
って、何saegてるよ俺
359 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 11:49:44.57 ID:ZzVp8OAK0
ほしゅ
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 11:55:03.60 ID:y80Ho8jX0
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 12:03:22.39 ID:E1ctpRiA0
保守
362 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 12:23:17.13 ID:Fet9wkxi0
●
363 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 12:23:30.35 ID:yedGYAqOO
保守
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 12:23:33.13 ID:opvnsJvM0
保守
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 12:27:25.41 ID:dB2APlSY0
おはホシュ
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 12:32:43.47 ID:yedGYAqOO
「………」
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 12:46:20.45 ID:WJP5hghuO
昼休み学校から保守
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 12:52:44.40 ID:k++YCuSpO
保守
369 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 13:05:37.13 ID:45aWxUWYO
保守だらけだあああああああああああ!!
orz
370 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 13:05:40.26 ID:XYylytfSO
保守
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 13:11:56.99 ID:dB2APlSY0
追いついた。
>>334乙!
続きwktk!!
ほしゅ
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 13:30:35.22 ID:opvnsJvM0
ほしゅっ!
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 13:45:20.47 ID:yr7uDc/v0
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 13:52:41.22 ID:yedGYAqOO
今Wiki見てたら、何気なく1レス書いたのが掲載されてて驚いたw
うpしてくれた方に感謝しつつも、調子乗って書いた事をお詫びします。
嬉しい反面、自分が載るなんておこがましいですね。
自己嫌悪です…
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 14:17:22.77 ID:+p456yZsO
人いねぇ
376 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 14:21:46.46 ID:UTh5nvvHO
>>307 自衛隊のいるところが、非戦闘地域です。みたいだな
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 14:35:46.35 ID:t82x9JW5O
保守
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 14:51:07.27 ID:mCGtLoUu0
保守
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 15:06:56.37 ID:QBlH6k0eO
・・・保守する
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 15:23:39.56 ID:XYylytfSO
保守
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 15:30:10.23 ID:+p456yZsO
シャナ読み終わった保守
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 15:38:53.21 ID:XYylytfSO
保守
古田
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 15:46:43.27 ID:XYylytfSO
保守
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 15:55:32.63 ID:XYylytfSO
ほし
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 15:58:25.93 ID:qJiBIZanO
シャナのこういうスレが欲しいな
387 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 16:04:40.26 ID:+p456yZsO
改変物書こうとしてシャナ買ったんだが……これはちときついな。
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 16:15:02.33 ID:XYylytfSO
保守をNGワードにしたら、ほとんど見えないだろうな…w
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 16:17:52.46 ID:x2VEv/FT0
保守
東
中
392 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 16:27:44.79 ID:opvnsJvM0
涼
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 16:27:48.34 ID:yedGYAqOO
長門「過疎…」
あ、あきらめないんだからね!
東
条
英機
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 16:39:10.89 ID:5JOImiJSO
捕手
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 16:45:04.91 ID:xSD+ThB6O
>>387 ネタのために買ってくるとはやるなwww それならドクロちゃんにしとけ!
……てそれだとアナル行きだな。
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 16:57:04.17 ID:+p456yZsO
>>398 シャナ→ハルヒ
悠二→キョン
アストラール→長門or情報統合思念体
吉田→朝比奈さん
池以下雑魚キャラ→谷口国木田
フリアグネ→古泉
でプロット書いてたんだが……きついんだこれが
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:03:16.18 ID:J9mbJ1Wq0
>>399 どうでもいいが
アストラール→アラストールじゃなかったか?
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:09:22.18 ID:+p456yZsO
>>400 ★<間違えちゃいました♪話変わるけどたった今電波受信しちゃいました。お馬鹿作品になりそうでしゅ。
>>147終わらしてからシャナ改変物書くでしゅ。
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:25:34.88 ID:agQmRAlj0
保守
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:26:39.61 ID:yedGYAqOO
みくる「ふえぇぇぇ過疎ですぅぅぅぅぅ」
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:34:25.56 ID:dB2APlSY0
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:35:24.18 ID:XYylytfSO
●<ホッシューレ
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:38:41.14 ID:SOcyEDyf0
SSを見ていると谷口のチャックが開いているという
ネタがよく使われますがあれはいつ頃できあがった物なんですか?
公式設定ではそんなの全く使われていませんが。
407 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:43:25.96 ID:2g9Ip0v20
涼宮ハルヒ×星新一の中の人です。
前回の作品の出展忘れてたんで貼っておきますね。
つ【涼宮ハルヒの憂鬱 meets 星新一 第二部 「カード」】
つ原作:星新一「どこかの事件」に収録 「カード」
じゃあ、投下するとしますか……
408 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:44:23.30 ID:2g9Ip0v20
プロローグ
「あすありと 思う心の あだ桜」
とか申しまして、世の中、次の日何がどうなってしまうものか、さっぱり見当がつかない。
このごろのように、科学が進んだり、すごい武器ができたりすると、なおさらのこと。
朝になって目が覚めてみると、夜のうちにミサイルが命中し、自分は死んでいた、なんて…。
………なんか俺らしくないな。何言ってんだろうな俺。
まあ、それが現実に起きることも当然なく、いつものように平穏な朝を迎える。
俺は、またいつものように毎日を過ごしていくだけである。
でも、それでよかった。
いつものように古泉や朝比奈さん、長門にハルヒがいて、そいつらとバカやってる毎日が楽しいし、それでいいのだ。
そして今日も、そんな平穏な日々を迎える…はずだった。
409 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:45:35.99 ID:2g9Ip0v20
ベランダに下り、とりあえず顔を洗おうとそのまま洗面所へと直行しようとした俺だが、
テレビの声に、思わず足を止め、耳を疑った。
<やい、その辺のおいぼれや、くたばり損ないの野郎ども。この薬を買いやがれ。
この一粒をてめえのバカみたいに開けた口に放りこみゃ、からだんなかに、馬鹿力や、くそ力がわいてくるてえもんだ………>
なんだこのCMは。おかげで目がいっぺんに覚めてしまったではないか。
俺は思わず、自分の頬をつねった。しかし、頬は見事に反応し、これは夢ではないことがはっきりした。
しかし、俺だって伊達にあの涼宮ハルヒと今日まで過ごしてきたわけじゃない。
ちょっと考えてみると、何とか俺の脳内を冷静に対処できた。
ははあ、ついにこんなCMも出るようになってきたか。競争が激しくなると、こんな奇想天外なものも出るわけだろう。
俺は、そういう結論を出した。
しかし、そう思ってきた矢先。俺の脳内に、セカンドインパクトなるものが走った。
どうやらテレビでは百科事典のCMをやっているらしいのだが……。
<うすのろのガキを持て余している、そのへんのおっかあどもよ。こいつのひとそろいを、買ってみやがれってんだ。
そうすりゃあ、手のつけようのないうすのろも、半馬鹿ぐらいにゃあ浮かびあらあ……>
410 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:46:51.25 ID:2g9Ip0v20
なんてこった。どうなっているんだこれは。
チャンネルを変えても、口調に変化はない。となると、なんかのはやり言葉か。いずれにせよ、この異変について何かの報道があるはずだ。
俺はそれに期待した。しかし、その報道番組もこんな調子だった。
<ガ○ナ共和国の親玉が子分を引きつれ、飛行機で空港に着きやがった。
そして、そのいいぐさがいいや。こんないい国、見たことないってぬかしやがって……>
―――( ゚д゚ )
あまりの衝撃にうつつを抜かす俺に構うことなく、その番組は天気予報となる。
<高気圧なんて、なまいきな野郎が、張り出していやがる。みやがれ。温暖前線はこんなざまだ。ふん。
だがな、こんな高級なことは、てめえらとんちきには、分かるめえ。早くいやあ、おてんとさまカッカだが、どうかすると雲がのさばりやがる。
ところにより、にわか雨なんて、愚にもつかねえものが降りやがるかもしんねえ。てめえら、ぼろ傘でも持って出たほうが、気がきいてるってものさ……>
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:47:32.65 ID:XYylytfSO
投下ktkr
支援
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:47:38.81 ID:sWEGo3Ro0
wktk支援
413 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:48:06.34 ID:2g9Ip0v20
俺は、妹に注意されるまでは、テレビに見入ってしまっていた。
いけないいけない、遅刻しちまうな。とか思ったが、妹もこんな調子だった。
「よう、そこの、とうのたった、とんちき坊やのキョンめ。
なんだい、いつもは、せっせせっせぱっぱぱっぱと、ありんこみてえにくそせわしく支度しやがるのにさ。
寝ぼけ面で、きょろきょろなんて、見ちゃいられんよ、あほたれ。まあ、しっかりやんな…」
どうなっているんだ。
俺の知らないうちに、またハルヒのやつがなんかしでかしたか。
ということは、今俺の家は、軽い閉鎖空間になってしまっているのか。ちょっと古泉に聞いておくことにしよう。
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:49:34.21 ID:sWEGo3Ro0
支援
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:49:43.25 ID:XYylytfSO
支援
416 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:50:17.97 ID:2g9Ip0v20
しかし学校に出かける途中、俺の周りのやつは、みんなぞんざいな言葉遣いをしていた。
最初は「頭おかしいのか」とも思えたが、こう圧倒的に変人の数が多くなってくると、とても太刀打ちできない。
俺は、ビクビクしながらやっと学校へと着いた。断じてくやしいわけじゃないぞ。
そして、俺は真っ先に古泉のもとへ向かい、今日のことを話そうとした。決してくそみそするわけじゃないぞ。
しかし、それは無駄だった。なぜなら古泉も……
417 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:51:22.16 ID:2g9Ip0v20
ああ、何でこう変人が多くなってしまったのか。
谷口や国木田たちまでおかしくなっている。
おかげで授業なんてまったく頭に入らなかった。
そんな昼休み、「あいつ」が話しかけてきた。
「キョン。なんか顔色悪いわね」
ほっといてくれ、ハルh………ってうおおおい!?
「なーにそんなに驚いてるのよ。
…まあ、あんたがそうなる理由も分からなくはないけど」
な、何で、お前はみんなと話し方が……。
「フフフ、謎は放課後、文芸部室で明かされるわ!!」
そう声高らかに言うと、ハルヒはどこかへ行ってしまった。
しかたねえ、いっちょ行ってみるとしますか。
ワクテカ
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:52:13.99 ID:XYylytfSO
支援
420 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:52:28.90 ID:2g9Ip0v20
放課後、文芸部室で俺を待ち受けたのは、ハルヒと長門と無数のカビっぽいものだった。
…な、何だ、これは?
「……わたしと彼女が今まで作った菌類の数々」
「あたしたちね、今まで皆には内緒で細菌の研究をしてたの。
有希と一緒に、いろんな細菌の組み合わせを試していたわけ」
で、それが今日の『あれ』と何の関係が?
「どうやら、その内の一種が、うっかりして外部に広まってしまったみたいなの」
「名をネチラタ菌といい、伝染性が強く、あっという間に広がる。
幸い、人畜無害ということは実証済み」
「でも、あたしたちも、その細菌の症状は分からずじまいだったの。
でも、今日ではっきりしたわ。あの菌は、言葉つきがぞんざいになるものだったのよ!
どう、キョン?面白いでしょ」
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:53:28.09 ID:sWEGo3Ro0
支援
バイオハザード支援
423 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:54:00.64 ID:2g9Ip0v20
…それはいいんだが、どうするんだよ。元に戻す方法はあるのかよ。
「問題ない。この菌の症状を打ち消す作用を持った、タラチネ菌というのを広めれば、人々の言葉遣いは元通りになる」
なるほどね。でも、何でお前らは…
「前から菌をいじってるから、免疫になっているんじゃない?」
じゃあ、俺はなんで……
「うーん、なんでだろうね。有希はどう?」
「……分からない」
……まあいいか。言葉遣いが変にならずに済むだけましだしな。
じゃあ長門、早いとこそのタラなんとか菌というのを……
「そう焦ることはない。今のところ、それは明日でも問題ないだろう」
「こんなチャンス、二度とないわよ。今日はネチラタ症状の人を観察してみましょ」
だがなあ、俺はなんだか……
「団員は口出し無用!…有希。タラチネ菌をばらまくのは明日ね」
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:54:11.45 ID:XYylytfSO
支援
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:54:28.04 ID:yedGYAqOO
支援
426 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:55:06.60 ID:2g9Ip0v20
そうこうしてるうちに、朝比奈さんが来た。
言葉の調子こそおかしいが、それ以外はなんともない。
いつものようにとろける笑顔でお茶を淹れてくれる。
俺は、ハルヒや長門に話しかける朝比奈さんを、笑いをこらえながら見ていた。
そして、朝比奈さんが俺のところに来た。
「よおあんちゃん。相変わらずまぬけ面してやがんなあ。
おい、茶が入ったぞ。ざまあみろ。とっとと呑みやがれ」
ネチラタ症状による現象と分かっていても、今俺の前でその現象を見せているのは朝比奈さんなのだ。思わず恐縮してしまう。
そして俺は、震える唇を押さえつつ、「ありがとうございます」と、やっと相手に聞こえるほどの声で言った。
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:55:30.90 ID:opvnsJvM0
shien
428 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:56:01.24 ID:2g9Ip0v20
しかしその直後。
朝比奈さんは、お盆を落としてしまった。ショックで顔が青ざめている。
「わたし………わたし………………こんなこと………」
!?ど、どうしたんですか?
「こんなひどいこと言われたの………初めてです………」
まもなく朝比奈さんは、大粒の涙をぽろぽろと流してしまった。
ネチラタ症状にあるも関わらず、言葉遣いがきれいになっている。
「わたし………キョン君が……………エグッ…………このような………ひどい方だとは…………ヒック……思っても………みませんでした。
……ヒック………グスッ……………………さ、さよなら!」
そういうと朝比奈さんは、部室を出て行ってしまった。
俺はしばらく狐につままれたような気分だったが、長門やハルヒに教えられて気がつき、反省し、赤面する。
ネチラタ症状になっている人に向かって、丁寧な口を利くことは、この上なく失礼な、ひどいことなのだ。
すなわち、下品きわまる悪口雑言。そして、ネチラタ症状の人から、丁寧な口調で話しかけられるというのも、また……。
429 :
◆ZkQJyPyhCs :2006/10/17(火) 17:57:52.32 ID:2g9Ip0v20
【涼宮ハルヒの憂鬱 meets 星新一 第三部 「ネチラタ事件」】
原作:星新一「ちぐはぐな部品」に収録 「ネチラタ事件」
今回はなんか短かった………
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:58:33.47 ID:sWEGo3Ro0
乙です
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:58:46.38 ID:yedGYAqOO
支援
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 17:59:41.44 ID:dB2APlSY0
おもしろかった。べらんめぇ言葉ってやつ?
GJ!!!
『夢振るラビット・タウン』にも似たようなネタがあったな。
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:00:57.08 ID:opvnsJvM0
ワラタ GJ!
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:02:20.98 ID:sWEGo3Ro0
15レスほど借りてもおk?
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:02:48.64 ID:opvnsJvM0
よしゃこい!
436 :
尾行大作戦?の1 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:03:36.84 ID:sWEGo3Ro0
それでは
それは俺の誕生日も近いある日の出来事。
朝、いつも通りに妹に叩き起こされ、いつもと同じ音痴な歌を聴き、
いつも通りにたるい坂を上りながら、いつも通りの教室に入った俺が見たのは、
いつも以上に上機嫌なハルヒだった。
「よう」
「あ、キョン。おはよー!」
そんなに朗らかに言われても違和感ありまくりなんだが。
「今日は機嫌がいいな。なんかあったのか?」
「あったじゃなくてあるのよ。これから」
これから?それで、ハルヒが上機嫌。
……はあ。またひと騒動もふた騒動もあるのか。
「今度はなにすんだ。できれば、あんまり疲れないやつがいいんだが」
「あ、あんたはいいわ。何もやらなくて」
はい?なんて言った?俺は何もやらなくていい?
まてまて、余計に不安だ。こいつが俺を巻き込まないでやることとはなんだ?
どうせよからぬことを企んでるに相違ない。
「何よ、その目は?」
「お前のことだ、また厄介ご……もとい、面白いことを企んでるだろうと思うとな」
ものすごい目で睨まれて訂正した俺である。情けねえ。
「ふふん、そりゃあ当然よ!あたしが関わった時点で面白いことは決まってんの!」
ところで、気になってたんだが。
「何をするつもりだ?」
えらそうに腕組みをしてハルヒが言い放つことには。
「今のあんたには関係ないわ。でも、そうね。ヒントだけは教えてあげてもいいわよ」
ヒント?
437 :
尾行大作戦?の2 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:04:07.10 ID:sWEGo3Ro0
>>436 「そう、ヒント。今のあたしは精神病にかかってるような物だわ」
こっちを向いてにやりと笑うハルヒ。
「精神病ね。そうだな、古泉辺りにいい精神科医でも紹介してもらったらどうだ?」
「……」
冗談だ、冗談。頼むから獲物を前にしたメスライオンの目で睨むな。
「お前が?」
「そう、あたしが」
あのハルヒが――その、何だ――恋をしたと?
「というわけで、今日の放課後は活動は無し!古泉君に伝えといて」
放課後?所謂”でーと”ですか、ハルヒさん。
「長門や朝比奈さんには言わなくていいのか?」
「二人にはチョーッと頼み事してあるのよ。どっかのバカがついてくるといけなからねえ」
そういってニヤニヤ笑うハルヒである。
ああ、そうかい。そんなに楽しみですか。いいよ、いいよ。楽しんでこい。
俺は一人涙にまみれた夜を過ごすからさ。
なんて感傷に浸っている場合ではない。参ったな。
正直に言おう。俺はハルヒが好きである。
だから、相手の野郎に(誰だかは知らないが)殺意がわく。
今の俺ならひと睨みで人を殺せそうだ。
どうしたもんかな。
「キョン?どうしたのー、難しい顔して?そんなに気になる?」
認めるのはしゃくだな。
「いいや」
そういうと一層ハルヒのニヤニヤが拡大する。口が裂けるんじゃないだろうか?
「無理しない、無理しない。ま、そのうちあんたにも分かるから」
438 :
尾行大作戦?の3 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:04:39.86 ID:sWEGo3Ro0
>>437 放課後。いつもより重い足を引きずって部室に来る。
中には朝比奈さんはいないと分かってはいるがノックをせずにはいられない俺である。
「どうぞ」
野郎の声なんか聞いても嬉しくないわい。
「おう、古泉か」
「やはりあなたでしたか。涼宮さんは?」
「あいつは今日は来ないぞ。ついでに長門や朝比奈さんも来ないんじゃないか」
「それは、また珍しいですね」
「それがな、こういうわけなんだよ、古泉――」
「ふむ。つまり涼宮さんはデートで来ない、と」
そういうわけだな。
「はて、見込み違いでしたか」
何がだ。
「いえ、こちらの話です。ところで、気になりませんか?」
だから、何がだ?
「お相手ですよ。涼宮さんの」
気になるかって聞かれたら、そりゃ、気になるさ。
「ならば行動あるのみです。考えていても何も始まりません」
乗ってもいいんだが、
「行き先の見当はついてんのか?」
「フフフ、機関を甘く見てはいけませんよ。一般人の後をつけるなんてことは朝飯前です。
ちょっと、お待ちください」
電話をどこかにかける古泉。
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:05:05.01 ID:yedGYAqOO
乙です。
世にも奇妙な物語をハルヒのキャストでやりましたって感じで中々いいね
個人的にこのシリーズ好きだ
440 :
尾行大作戦?の4 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:05:12.19 ID:sWEGo3Ro0
>>438 一分も立ってないだろうが、電話を切った。
「だいたい分かりましたよ」
どこだ!?
「そんなに慌てないでください。まだ学校からそんなには慣れていません。
今から出れば追いつけますよ」
そうか、じゃあ行くか。
「そうですね、でもちょっと待ってください」
何を待つ必要がある?
「いえね……」
古泉はそういうとそっと扉の前にたち、ノブを握った。
そして、扉を開けた。と、同時に部屋の外に走り出す。
それから少し遅れて扉の向こうから別の人影が逃げ出す。
しばらくすると古泉が人を連れてもどって来た。
それは、
「谷口?何やってんだお前」
「どうやら僕たちの会話を盗み聞きしていたようですね。扉越しに気配がありましたよ」
……古泉、おまえ、すごいやつだな。
「い、いよう。キョン」
「何してた?」
「いやあ、ぐ、偶然部室前を通りかかってな、あははははは……」
乾いた笑い。
――おい、古泉。
――分かりました
まさしく以心伝心。谷口を締め上げる古泉。
441 :
尾行大作戦?の5 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:05:42.18 ID:sWEGo3Ro0
>>440 「グエ、苦しい、苦しい……。分かった、本当のこと言うから、ちょっと、手を……」
よし。
「いや、今朝お前と涼宮の会話を聞いてな、それで慰めてやろうかと」
友達思いだねえ(棒読み)、谷口君。
まあいいさ。
「古泉、こいつも連れて行くが、いいか?」
「僕は構いませんよ。時間もありませんしそろそろ出ましょうか」
「へ?どこ行くんだ」
じきに分かるさ、谷口。
「なあ、本当にこんなことしていいのか?」
こんなことってのは何だ、谷口。
「いや、どう見ても尾行じゃん。涼宮たちの」
「お前が気にすることじゃない」
「わかったよ」
それから俺たちはしばらくの間ハルヒたちの後をつけていった。
しばらくして。
「有希、みくるちゃん。手はず通りに頼むわよ」
「……」
「は、はい!」
そういうと別れる三人。
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:05:44.04 ID:a6o06oeH0
>>429 流行性ネコシャクシビールスみたいだな
という支援
443 :
尾行大作戦?の6 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:06:57.78 ID:sWEGo3Ro0
>>441 「で、誰が誰をつけるんだ?」
「決まってる、ハルヒを三人で、だ」
「朝比奈さんや長門有希は?」
今回の作戦においては完全におまけだ。下手したら障害ですらある。
「放っておく」
「ちえ、残念」
「残念でもしょうがありませんよ。彼の目に映るのは今は涼宮さんだけですから」
「そうかい、そうかい。お熱いことで……。ところでキョン。俺たち三人だよな?」
何を今更。
「そうだ」
「お前と、古泉と、俺だよな?」
「そうだ」
「それで、キョンの前にいるのは、古泉だよな」
いい加減にしてくれ、何が言いたい。
「そうだぞ」
444 :
尾行大作戦?の7 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:07:41.85 ID:sWEGo3Ro0
>>443 「……じゃあ、さ。俺の、か、肩に、お、置いて、ある、手は、い、一体、誰のだ?」
はあ?お前の肩にある手?知らねえよ。怪談話の季節じゃねえだろう。
「いよお、キョン君たち、元気かい?」
……あれ?この声は、もしかして、
「……鶴屋、さん?」
「いやあ、こんなとこで奇遇だね」
絶対、奇遇じゃない。ハルヒに頼まれてここにいるのは間違いない。
「谷口君、一体何をしようとしてたのかな?」
「あえ!?いや、別に。俺たちは、涼宮の後をつけてるわけじゃ」
はい、バカ一人。
「ふうん。お姉さんデバガメは感心しないなあ?
こ っ ち へ お い で」
「うわあぁぁぁぁ……!!!」
引きずられてく谷口。
「さあ、キョン君、一樹君。谷口君が心配なら学校に帰った方がいいよ?」
くそ、バカ谷口!人質になんかなりやがって。
「すまん、キョン。古泉」
「ああ、いいさ。谷口」
「本当か?こんな俺のために、涼宮の尾行を諦めてくれるのか?」
「「それでこそお前を連れて来た甲斐があった!」」
ハモる俺と古泉。
「というわけで、鶴屋さん。お先に失礼します」
「すいません。今の彼には他者を顧みる余裕はないんですよ。
ああ、谷口君ならどうぞお好きに。戦場では所詮一兵卒の命なんて軽い物ですから」
445 :
尾行大作戦?の8 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:08:25.47 ID:sWEGo3Ro0
>>444 「古泉、キョン……」
「アチャー。駄目だったか。自信あったんだけどなあ」
「そ、それじゃあ、俺は帰っても……」
「谷口君。お姉さん、頭ひねってだした作戦が見事に失敗しちゃってさあ。
このままでは引き下がれないのさ。
この恨み誰かにぶつけなきゃ気が済まないっさ……」
「ぎゃあぁぁぁぁ……」
響く断末魔の叫び。
哀れ谷口に合掌。
「いやあ、あなたがあそこまで非道なお方だとは」
「ふん、身から出た錆だろう。あいつの場合」
しかし問題は。
「後はおそらく朝比奈さんと長門さんが警戒に当たっている物と思われますが」
そうなんだよな。
「朝比奈さんはともかく、長門はなあ」
「そのときはどちらかが振り切れるってことに賭けて、別々に逃げるしかありませんね」
「そうだな」
446 :
尾行大作戦?の9 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 18:09:10.42 ID:sWEGo3Ro0
>>445 そして、そのときは意外と早く来た。
おいおい、長門さん?ラスボスってのは一番最後に出てくる物じゃないの?
「予想外ですね。こんなに早いとは」
「同感だ。朝比奈さんを最後にする理由が分からん」
「いえ、それは簡単ですよ。きっと
『所詮は男。みくるちゃんに言い寄られればイチコロよ』って考えているのでしょう」
おお、見事な鳥肌が立っている。
「気持ち悪いぞ、古泉」
「すいません」
軽口をたたき終わった俺たちの顔はマジだ。真剣だ。
「ご武運を」
「お前こそ」
「では」
「おう」
タイミングを合わせて、全く別方向へ走り出す俺たち。
それにあわせて長門の高速移動が来る。はずだったんだが……。
「無駄。ここは通さな……痛っ」
はて?ものすごい音がしたんだが、なんだ?
古泉も俺も一旦停止して音の方を見る。
そこには石につまずいて盛大にこけた長門がいた。
「……なあ、古泉」
「……最後まで言わない方がいいと思いますよ」
「……だよな」
不覚にもドジッ子長門に萌えてしまったではないか!
……いかん、いかん。俺はハルヒ一筋!
こうしてあっさりと最大の難関を突破した俺たちだった。
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:12:29.46 ID:fQsA1enl0
支援
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:13:30.28 ID:SOcyEDyf0
>>445 谷口よ・・・・・永遠に・・・・・
そして支援
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:15:02.52 ID:opvnsJvM0
支援
支援
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:16:17.94 ID:yedGYAqOO
支援
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:17:02.51 ID:bwIqNMp+O
ナガトォ萌えたじゃねぇか支援
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:19:27.48 ID:bwIqNMp+O
さるか
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:20:57.53 ID:ZtmziA5F0
そもさん
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:23:28.33 ID:fQsA1enl0
支援
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:23:48.29 ID:bwIqNMp+O
さる解除ほぼ連投支援
457 :
尾行の人:2006/10/17(火) 18:26:13.79 ID:5zD6wIQpO
さるった後に親の雷が落ちた
ほんとすいません、また出直して来ます
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:26:45.08 ID:fQsA1enl0
wktkして待ってるぜ
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:27:31.00 ID:bwIqNMp+O
うわああああああいき殺しだああああああああ
wktkしてるぜ。
なんて生殺しな親
ドンマイ保守
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:31:16.99 ID:yedGYAqOO
/(^O^)\ナンテコッタイ
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:31:27.18 ID:fQsA1enl0
保守
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:32:54.14 ID:WJP5hghuO
星新一の人乙!
毎回楽しみにしてますぜ!
尾行の人wktkして待ってる!
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:36:21.08 ID:fQsA1enl0
保守
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:45:59.59 ID:opvnsJvM0
いきごろしいいいいいヽ(`Д´)ノウワァァァン
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:47:15.04 ID:dB2APlSY0
親よ、空気よめ…ないよな、普通。
続きwktk!
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:49:08.47 ID:XYylytfSO
追い付いた…!
と、思ったら生殺しか…
続きwktk
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:50:52.10 ID:OjgKhtSrO
キョンハメられてる
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 18:55:54.33 ID:yedGYAqOO
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:01:07.47 ID:777Kvp5mO
ドジっこユッキーでも書いてみようかな…べ、別に壮大にこけた長門に萌えたわけじゃないんだからね!?
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:04:51.76 ID:WJP5hghuO
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:05:33.60 ID:a6o06oeH0
>>471 せっかくですのでハイテンション版と華麗な融合をしてみたらいかがでしょうか?魅力的はカオスになるとおもうのですが
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:12:27.68 ID:777Kvp5mO
うはwwwwwwwwww俺のIDwwwwwwwwwwラオウクル―――――(゚∀゚)―――――!?
>>473 ハイテンションも合わせようかと思ったけど…やはり寡黙なドジっこが俺的にきちゃったwwwなんにしても俺は寡黙少女が好きなのwww
見捨てちゃうんだ
いつも世話になってるのに…
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:13:38.94 ID:zgUeAOqYO
ほしゅ。今更ながら初めてテレビ版みてるよ。
ちゅるやさん、髪ながっ!
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:20:51.69 ID:yedGYAqOO
>>471 これを描いてくれる絵師居ないかな?
寡黙なドジっ子モエス
(;´Д`)ハァハァ
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:25:59.04 ID:WJP5hghuO
質問、キョンって部室に入る時ノックの後なんて声かける?
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:30:18.48 ID:777Kvp5mO
みんなに質問。北高の体育祭っていつあったっけ?
480 :
尾行の人:2006/10/17(火) 19:31:01.16 ID:5zD6wIQpO
さっきは失礼しました。
携帯からになりますが、再開していいですかね?
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:32:14.44 ID:s4h0WYro0
おっしゃこい!
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:32:57.09 ID:zgUeAOqYO
wktk
484 :
尾行の10:2006/10/17(火) 19:34:29.73 ID:5zD6wIQpO
では
最後は朝比奈さんか。
「キョン君、古泉君、止まってくださあい!」
朝比奈さんのやけくそ気味の悩殺ポーズ
俺は平然としている。しているんだが、
古泉が……あの古泉が見とれている。
「そんな馬鹿な!お前はガチだと思っていたのだが、違ったのか!」
「すいません。僕(の理性)はもう、もちません。どうか、ご無事で」
古泉、お前の犠牲は無駄にはしない!
「すまん、古泉。恩に着る!」
…………………
朝比奈みくるににじり寄る古泉一樹。しかしその背後に、影が迫る。
「ああ、どうも、鶴屋さん」
「なんで君は後ろの人がわかるんさ……。
まあ、そんなことより、何しようとしてるのかなあ?
答えによっちゃあ……」
「べつに、なにも」
古泉一樹は慌てたように言う。
「その割りには汗ダラダラっさ!」
目が笑っていない鶴屋さん。
「ところで鶴屋さん。その手に持ってるのは?」
古泉一樹が指差した物体。元は生きていたのだろうか?時々動いている。
「ん、ああ。谷口君だよ!こうなりたくなかったら、みくるからちょいと離れな!」
「はい……」
「よし、それでいいっさ!」
この人に逆らってはいけないと強く確信した古泉だった。
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:34:45.69 ID:WJP5hghuO
>>481 うぃ〜す、か。使うよ、サンキューww
wktk!
486 :
尾行の11 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 19:37:26.46 ID:5zD6wIQpO
いない!いない!どこだ、ハルヒ!
「くそ、さっきからずっと探してるってのに、なんでいないんだ?」
しょうがない、最後にあそこの店でも見て終わりにするか。
もう辺りはまっ暗だし。
「ありがとうございました」
入ろうとした店から誰かが出てくる。
「あれ、キョンじゃない?どうしたの」
いや、どうしたも何もない。
「ふーん、結局ついて来ちゃったんだ」
それは、ものすごく気になったからな。
「気になる?せっかちねえ、あんたも」
おかしいぞ?会話がかみ合ってない。
「せっかちって、お前今日『デート』じゃなかったのか」
馬鹿を見たような顔をしていやがる。
「あたしが、いつ、そんなこと言ったのよ?」
朝、それっぽいこと言ってたじゃないか!
「はあ、勘違いもいいとこ」
その後何かに気づいたらしくにやりと、これまた嫌な感じで笑うハルヒ。
「それに、もしそうだとして、あんたに関係があるの?
あたしが誰と付き合おうがあたしの勝手でしょう?」
そう、確かにお前の勝手だ。それでもしかし!
「俺が、ハルヒを好きだからだよ!」
ユッキーは
「やっほーお待たせー」
だと思うよ★プリプリプリ
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:37:55.48 ID:yedGYAqOO
支援
489 :
尾行の12 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 19:39:54.58 ID:5zD6wIQpO
沈黙。
あー、うん。勢いに流されすぎな、俺。
落ち着け。深呼吸だ。
直球ど真ん中にもほどがある。あー、今すぐ拳銃が欲しい。
「……ハルヒ?」
「へ?え、ああ、何?」
なんでお前まで固まってるんだよ。
「別に、いいでしょう!」
「で?」
「で、って?」
いや、お前空気読めない痛い子だったか?
そういや、そうだったな。
「返事は?」
「ああ、返事ね」
心臓が破れんばかりだ。
「やっぱ、やめ。気分が出ないから今日はここまで」
ぎゃあ、生き殺……、じゃなくて、生殺しぃ!
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:40:59.37 ID:s4h0WYro0
生き殺しキタ-支援
491 :
尾行の13 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 19:41:07.03 ID:5zD6wIQpO
次の日。結局一睡もできなかった俺。
重ーい、重ーいからだを引きずって坂を上っている。
と、目の前にどっかで見たようなやつがいる。
「よう、谷口」
「ひいぃぃぃ、ごめんなさい、ごめんなさい。もうしません、もうしませんから。
鶴屋さん怖い、怖い……」
いや、おまえ昨日、鶴屋さんに何された?
「な、何だ、キョンかよ。脅かすなって」
いや、脅したつもりはないんだが。
「で、昨日はどうだった」
「どうもしねえよ。おっと……」
谷口のさらに前にハルヒがいた。
「じゃな、谷口」
「おう」
492 :
尾行の14 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 19:42:45.04 ID:5zD6wIQpO
「よう、ハルヒ」
「ん」
何だ、今日はやけにテンション低いな。
「はい」
何だこれ?
「プレゼント」
プレゼント?
「あんた、ぼけてんの?今日誕生日でしょ」
ああ、そういえば、そうだったな。
「てことは昨日は……?」
「そ、プレゼント探してたの」
なるほど。
「あ、そうそう。今日あんたの誕生日パーティーやるから、放課後ちゃんと来なさいよ」
分かった。でも、意外だな。
「お前ならサプライズパーティーでもやってくれると思ったんだが」
「最初はそのつもりだったんだけど、やめたの」
「これ返しとこうか?」
「なんでよ?」
「そういう場で渡された方がいいと思うんだが、プレゼントって」
「いいの、いいの。もっとすごい物が待ってるんだから!」
なんか、怖いな。
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:44:13.00 ID:1jfl9mjF0
sien
494 :
尾行の15 ◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 19:44:56.12 ID:5zD6wIQpO
そして、放課後。
盛り上がりも最高潮に達した頃。
「それじゃ、ここでプレゼント贈呈!」
古泉、長門、朝比奈さんからプレゼントをもらった俺。
待てよ、古泉が用意しているってことは。
「お前、昨日のこと全部知ってたな?」
「分かりましたか?ですよね」
ふう、なんか嫌な気分だ。
「さて、そろそろ」
席を立つ古泉。
「じゃあ、がんばってください」
と、朝比奈さん。
「……」
と、極めつけに長門。
「どうしたんだ?」
その問いには誰も答えてくれない。
古泉はにこやかに笑いながら、朝比奈さんは遠慮がちに手を振って、
長門は無言のまま、それぞれ部室を後にした。
つまりここに残ったのは俺と、ハルヒ。
「よーく聞きなさい、キョン。あたしからのプレゼントはね」
「なんだよ」
突然近寄って来て俺の耳元に口をよせてハルヒは言う。
俺の誕生日のプレゼント。
一番のプレゼントは、ハルヒの一言だった。
それだけで他は何もいらないと思えるような、そんな言葉。
夜道を一緒に歩く俺とハルヒ。
つないだハルヒの手は温かかった。
fin.
495 :
◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 19:46:34.82 ID:5zD6wIQpO
以上です。
支援どうもでした。
途中ほんとにすいませんでした。
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:46:54.68 ID:WJP5hghuO
乙!GJ!
最後の甘さが……
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:47:14.05 ID:ibwq1LIG0
乙!
甘いぜ・・・
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:48:09.33 ID:yedGYAqOO
何て言ったんだー!
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:48:21.56 ID:1jfl9mjF0
G・J!!!
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:49:02.95 ID:x2VEv/FT0
乙&GJ!!
501 :
◆EqlMeG/bH. :2006/10/17(火) 19:49:44.34 ID:5zD6wIQpO
あと、wikiには自分であげときます
ていうか、もう少し変な感じに
なる予定だったんですけどね。
精進しますorz
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:50:00.93 ID:6Qsvh+Z00
GJ!
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:50:18.38 ID:s4h0WYro0
ハルヒの言葉をあえて書かなかったのはいいな。
GJ!!
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:50:51.68 ID:h5dEju0GO
Z
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:54:19.53 ID:SOcyEDyf0
谷口何されたんだ・・・・
あと最後の甘さは結構いい!!
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:55:54.65 ID:dB2APlSY0
ZGJ!
最後いいな!!!
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:56:16.72 ID:+p28vnAg0
13レス程お借りしていいですか?今回の投下で半分です。
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:58:14.24 ID:s4h0WYro0
どんと来い!
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:58:43.24 ID:WJP5hghuO
出かけるから支援出来ないがwktk!!
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 19:58:54.19 ID:+p456yZsO
>>507 ダメ……なわけないでしょ!!!さっさと投下しなさいよ!!
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:02:57.05 ID:yedGYAqOO
長門「早く…」
512 :
これからの私1/13:2006/10/17(火) 20:03:45.94 ID:+p28vnAg0
皆さんこんにちは。喜緑です。
今私はSOS団の部室にお邪魔させていただいてます。
長門さんと情報統合思念体と私の間で日々行われている情報伝達の齟齬を是正する目的を果たす為
部室のドアを開け、無害な次元プログラムを仕掛ける手筈だったのですが
実は内部に入る事は想定していませんでした。
部室にお邪魔するまでの顛末を少しだけお話させていただこうかと思います。
─────────────────────────────────────────
全校の授業が終わって20分程が経過した頃、私が生徒会発行の諸活動団体に向けた
報告書の作成願いをするべく、持ち歩いていた書類を届けに彼らの部室に伺ったときのことでした。
プログラムはこのペーパーに仕掛けられています。長門さんの権限では感知不可能なものです。
ただ長門さんにはドアを開けた瞬間に齟齬の是正をする事は伝えてありますが。
513 :
これからの私2/13:2006/10/17(火) 20:04:37.63 ID:+p28vnAg0
部室のドアを2度ノックすると中から
「いらっしゃい。開いてるわよ!」
…彼女は何故、部外者の来訪であると気が付いたのでしょうか。
瑕疵を嫌う・・・ありのままの情報でないと意味が無いという理由で
長門さんが彼らに教えるという事はないと思いますし、これも彼女の能力なのでしょうか。
「失礼します」
「あっ、なんの様かしら?」
少し身構えた涼宮さん。来訪者が私である、という事までは分からなかったようですね。
すると間髪をいれずに古泉さんが私を牽制するように言いました。
「や、これはこれは・・・こんにちは。今日はどういったご用件でしょうか」
彼は今でこそ私に対して人間的な、ある程度肩の荷を降ろしたような対応をしますが
以前のそれはまるで無機質な人形を観るがごとく我々に対応していました。
今見せている笑顔が氷のようなものから少しずつ前者に推移していくのを感じます。
514 :
これからの私3/13:2006/10/17(火) 20:05:14.27 ID:+p28vnAg0
「こ、こんにちわぁ。ふぁ、いつぞやはどうもぉ。」
最初に見せたのは恐怖でしょう。そして少しづつ舞い降りてくる笑顔。
無垢という言葉を彼女はこの年齢まで持ち合わせ
裏ではひたむきに、重い任務という現実に向き合っている。
天使というのはまさにこの人の為の言葉ではないでしょうか。
「今日は諸活動団体に向けた書類をお持ちしました」
「…そうなの。わざわざありがとうね!ええと、喜緑さんだっけ?
有希がいないから代わりに活動に加わりなさい。なんとなく有希に似てるところあるし」
涼宮ハルヒとの直接的な接触の少ない私ですが、正直申し上げまして驚きました。
そもそも断れませんし。私は苦笑してしまいました。
古泉さんと朝比奈さんも同じようですね。
彼女のお誘いがトリガーになりました。統合思念体に許可を申請。
私は自分の属する派閥が許容する行動範囲の広さに感謝しつつ彼女の誘いを快諾しました。
「お言葉に甘えさせていただきます。お邪魔しますね」
─────────────────────────────────────────
515 :
これからの私4/13:2006/10/17(火) 20:05:59.64 ID:+p28vnAg0
「貴方はそこの、有希の席にどうぞ〜」
私は促されるままに長門さんの指定席に落ち着くことにしました。
朝比奈さんと古泉さんのほうへ会釈すると、柔らかな笑みを持って迎え入れてくれました。
私は皆さんの反応が情報生命体の一件、あの時と違う事が確認できました。
長門さんの報告と私の保有データ及びプロセスにあった齟齬を少しづつ解消していきます。
時間の経過と、彼らの成長や慣れが私に対する障壁を緩めてくれていると予測し、接触する事で
その情報精度を高めて是正するつもりでいたのですが十分条件ではないと判断できました。
やはり彼が全てに関わっていますね。今日はいらっしゃらないのでしょうか。
「とてもいい団体になってきましたね。」
ちょっと偉そうですが、皆さんそれぞれに思う節があるようで、肯定の意を示してくれます。
「お茶はいかがでしょうか?お口に合えばいいんですけど…」
「いただきますね。ありがとうございます」
長門さんはコンピューター研究部にお邪魔しているようですね。少し長門さんの方にコンタクトを取ると
「涼宮ハルヒの依頼によりあるソフトウェアの開発に取り掛かっている為今日は観察対象より少々離れる」
とのこと。彼女自身が楽しんでいるとしか思えない抑揚のある波形を捉えました。
実は彼女の行動の半数は独断専行なのですが、それを踏まえた上で私は
全対象への観察、適時の干渉を仕事としています。今回はどうなるのでしょうか…
516 :
これからの私5/13:2006/10/17(火) 20:06:30.48 ID:+p28vnAg0
「爽やかな味ですね。ええと…レディグレイでしょうか」
「ふぇ…喜緑さん!」
長門さんとの差異に驚かれているのでしょうか。
「お詳しそうですね。紅茶は種類が多すぎて…僕はただただご相伴に預かるばかりでしたよ」
古泉さんは肩を竦めながら笑顔をこぼしています。
「へぇ〜。喜緑さん紅茶派なの。丁度いいわ。みくるちゃんの1日教育係として任命するわ!」
「私、日本茶ばかりだったから紅茶の知識があんまりなくて…あの…入れ方とか教えてもらえませんか。」
カップを机に戻すと朝比奈さんの、カップより暖かい両手が私の右手を包みました。
彼女はたぶん涼宮さんの言った事をほとんど聞いていなかったように見えます。綺麗な瞳の強い意志ですね。
「ええ、お邪魔させていただいてますし、そんな事でよろしければ」
「わぁ!ありがとうございます〜」
この場所でできそうな紅茶のおいしい入れ方や、茶葉の種類の話をしていると
本当に熱心にメモを取る朝比奈さん。今度、彼女の淹れる日本茶をいただいてみたいと思いました。
「爽やかな味ですね。ええと…レディグレイでしょうか」
「ふぇ…喜緑さん!」
長門さんとの差異に驚かれているのでしょうか。
「お詳しそうですね。紅茶は種類が多すぎて…僕はただただご相伴に預かるばかりでしたよ」
古泉さんは肩を竦めながら笑顔をこぼしています。
「へぇ〜。喜緑さん紅茶派なの。丁度いいわ。みくるちゃんの1日教育係として任命するわ!」
「私、日本茶ばかりだったから紅茶の知識があんまりなくて…あの…入れ方とか教えてもらえませんか。」
カップを机に戻すと朝比奈さんの、カップより暖かい両手が私の右手を包みました。
彼女はたぶん涼宮さんの言った事をほとんど聞いていなかったように見えます。綺麗な瞳の強い意志ですね。
「ええ、お邪魔させていただいてますし、そんな事でよろしければ」
「わぁ!ありがとうございます〜」
この場所でできそうな紅茶のおいしい入れ方や、茶葉の種類の話をしていると
本当に熱心にメモを取る朝比奈さん。今度、彼女の淹れる日本茶をいただいてみたいと思いました。
「これさ…昨日キョンが私によこしたのよ。「ほれ、お茶っ葉」とかいいながら。
1ヶ月も前に頼んだのに今頃持ってきてさ。あいつじゃ部屋のその辺にほっぽりだしてそうだし
ちょっと調べてくれないかな。」
そういって一つの小さな木箱を差し出してきました。確かに、少し薄汚れてて・・・これは・・・
「なんかキョンがみくるちゃんと──ふ──た──り──で買い物に行った事が発覚してね。
しかも、あたしに──な──い──しょ──にしてたから買ってこさせたんだけどね。
今更持ってきて何様のつもりよ全くねぇぇえ、みくるちゃぁああん」
朝比奈さんが震えていますね。椅子ごと震えてらっしゃいます。
古泉さんも心なしか挙動がおかしいですね。
そういえば涼宮さんの台詞が形成した波動は、確か第9惑星をからに19万光年離れたところに存在する
惑星の情報生命体亜種のそれと酷似していました。さすがは涼宮さんといったところでしょうか。
「そういう事だから、これの鑑定よろしく。お茶だとは思うんだけど」
私はその箱と中身がどういったものなのかすぐに分かりました。
この場をどう収めましょうか…正攻法がいいのでしょう。古泉さんは手のひらを上に向けそれを
差し出すそぶりをしました。私に一切の進行を任せるということでしょう。
「あの、朝比奈さん。」
「ひゃい?!な、なんでしょうか?」
「彼は本当に1ヶ月前にこれを購入したんですか?」
「ううん、あの時色々選んで、試飲したりして、キョンくんがこれだっていうのを決めたの。
でもそれは品切れであきらめて帰ったんです。私は今淹れたお茶を買ったんです」
「あれ?そうなのみくるちゃん」
「あ、ええ、キョンくんが忘れちゃってるんじゃないかと思って一昨日確認してみたんです」
「…それで急いで適当な物を持ってきたのね…あのボケェ…玉露のボケ防止効果も
当てにならないわねぇ…みくるちゃぁん」
「朝比奈さん、1ヶ月前、彼はどんな理由でお茶を選ばれてましたか?」
「しゅ、す、涼宮さんが喜びそうな物にしようって2人で決めてました。」
「喜緑さんそれはどういった品物なんでしょうか」
古泉さんがこちらへ近づいて一言告げると、また私に役割が戻ってきました。
「これは、ダージリンのマイカバリですね。セカンドフラッシュに該当するようです。
ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコと呼ばれるクラスの物ですね」
「へ?・・・な、なんか辞書の単語を適当にとってつけたようなインチキ臭い感じに聞こえるわね」
「有体に言えば高級茶葉なんですが、ここに表記されているFTGFOP、そしてロゴ。
私もまだ購入した事は無いのですがこれは間違いなく正規の商品です。そして
これはたぶん予約しないと買えない様なものではないでしょうか」
「最近の製品は最上クラスを謳う文句が掲げられる事を良くみますが」
古泉さんはおっしゃいました。
「確かにそういう商品はたくさんありますよね。ただこれは購入に抽選を伴う茶葉なはずです」
「なんだか気味が悪くなってきたわ・・・毒でもはいってるんじゃないかしら」
思わず構成情報の確認をしましたがそれらしい成分は無く、やはり極上の茶葉と…
「茶葉はワイン等とは違って、極度の熟成を待つようなことはしないんです。
という事は箱の汚れは原産地できちんと精査され、開封される事なく輸入された際に付着した
証拠だと思います。そういった許可を受けられる商品は原産地がインド
そして、箱に入れて輸送という条件がありますし、非常に貴重だと思います。」
少し独断専行に係る行動をしている自分に気が付きました。過度な刺激は避けたいところ。
私には非常に判断の難しいところです。古泉さんはそれに気が付いていたようです。
私は長門さんにも急いで連絡をしました。
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:09:29.89 ID:sE5m/eWE0
支援
「涼宮さん、僕はご自宅に持ち帰られてから楽しんだほうがよろしいのではと思います。
そのお茶を僕らが一緒にいただく事に少々抵抗があるのですが…」
「そうですよぉ、涼宮さん」
「私も同じように思います。」
「うーん、なんかキョンって私の事、高級ブランド好きのバカ女だと勘違いしてるんじゃないかしら。
早く来ないかしらね。その間違いを完膚なきまでに叩き込んでやるわっ、あっ有希」
音も無く開いたドアから長門さんが入ってきました。
「……作成しているソフトウェアの事で少し確認してもらいたい事がある。付いてきて。」
涼宮さんの袖をつまんで退室を促しています。彼がやってくる前にこの場から一度離れていただき
彼女への、これ以上の干渉を避ける為にここから離れなくては・・・
・・・えっ?
─────────ハルヒ、長門にまかせてほっぽりだしはまずいだろう、あれ?」
長門さんの脇から出てきた彼に遮蔽系のフィールドが施されていた事にはどういう意味が…
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:11:07.25 ID:7ng1FkN1O
5と6が被ってりんぐ支援
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:11:58.00 ID:1jfl9mjF0
しえん
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:17:46.59 ID:yedGYAqOO
支援
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:18:39.91 ID:ibwq1LIG0
支援
527 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:19:34.24 ID:ibwq1LIG0
もういっちょ支援
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:20:18.16 ID:XYylytfSO
支援
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:20:55.88 ID:ibwq1LIG0
支援
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:22:05.34 ID:bwIqNMp+O
この間にもっかい読んでちゃんと内容を把握する支援
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:22:08.23 ID:XYylytfSO
しえん
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:22:36.85 ID:ibwq1LIG0
更にしえn
533 :
これからの私6/13(差替分すんません:2006/10/17(火) 20:24:04.27 ID:+p28vnAg0
「うちの家族も紅茶党なのよねぇ…」
「涼宮さんはご自分でお茶を淹れたりすることはあるんですか?」
「うーん…結構適当にいれちゃうわねぇ」
「そんなことないんですよ!涼宮さん、すごく上手なんですぉ」
「そういえば、以前淹れていただいたことがありましたねぇ。僕も鮮明に覚えていますよ」
「…あいつは味とか全然分からないのよね。そういえば。お弁当もあんなに美味しいもの作って
貰ってるのに、それに気が付いてないんじゃないかしら。お母さんも気の毒だわぁ」
朝比奈さんと古泉さんは肩で笑いを殺しています。涼宮さんて彼のお弁当食べちゃってるんですね。
「そうだ!ねね、喜緑さん、貴方これがどういうものだか分かる?」
涼宮さんが何かをとりに冷蔵庫のほうへ歩いていきました。古泉さんが少し強張ったのを確認。
私も最悪のケースを想定しプランを申請・・・する必要はなかったようです。
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:24:15.33 ID:yedGYAqOO
新ジャンル「支援」
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:24:16.64 ID:ibwq1LIG0
支援
536 :
これからの私11/13:2006/10/17(火) 20:25:13.01 ID:+p28vnAg0
すかさず統合思念体への連結をして処置の確認をしようとすると長門さんが傍受する形で何かを伝えてきました。
『あのままでは私に付いてくる前に彼女は携帯型端末で連絡を取っていたはず。逆にあの場所に
彼がいなければ貴方は絶対に逃げられなかった。・・・2人にじゃれててもらう。大丈夫。許容範囲』
『なるほど。長門さん…ありがとうございます。でも遮蔽フィールドはいただけませんね』
『…ごめんなさい』
改めて統合思念体へ一連の流れを報告し、私と長門さんにお咎めの無い事を確認しました。
「喜緑さん?こんに「クォルァ、バカキョン!私を下品な女だと思ってるでしょ!」」
「なんなんだ突然。俺が何か「質問にこたえろーーー!」」
お前、今自分がしてる行動をどう思うよ」
「何よ!」
「それは……、まぁいい。つうか、いきなり来て斜め上から怒鳴られてもわからんつの」
「お茶よ!お茶!」
「…っへ?ああ、あれは俺がじっくり吟味して選んだ一品だ」
「それよ、それ!あんた私の事なんだと思ってるの?」
「そ、そんなに酷い味だったのか?って!あれをここで開けたのか?持って帰れって言っただろう!」
「まだ飲んでないわよ!ってそんな事いってたかしら・・・」
「・・・お前さ、今日は仏滅です。さてブラジルにお住まいのシウヴァさんの飲んでいるコーヒーは
どんな種類でしょう?みたいな謎掛けはやめてくれないか」
「飲んでるコーヒーはモカマタリね。わからないのあんた?」
「・・・正解に近づけろとは言ってない。ふん、まぁたぶん正解だ。今頃シウバと名の付く人全員が
モカマタリ飲んでろうんだろうよ」
唖然としていると、私は2人の会話にまったく付いていけてないことに気が付きました。
ちょっと困ってしまって皆さんの顔を見回すと、笑ってますね。たぶん・・・私も。
「このような状況が茶飯事でして・・・いや、お見苦しい所をお見せしてすみません」
「ほんと、なんか私ももう慣れてきちゃって…はぁ…いいなぁ…」
「…何故モカマタリが正解なのか」
538 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:28:02.80 ID:sE5m/eWE0
支援
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:28:12.49 ID:IjIWBivc0
モカマタリはシティローストで支援
「いつもこのような綱渡りをしてるんですか?彼らも、貴方達も。一応観察と長門さんの報告は
受けていましたがこれでは・・・」
「彼女の暴走を止めるには非常に効果的なんですよ。彼にまかせれば我々としても莫大な
費用捻出を避けられますしね・・・そろそろ沈静化しますね」
すると長門さんが改めて彼女に近づいていきました。
「有希!なに?今忙しいあっ!あんたら2人で何かしてたぁのかしらぁああ!」
「コンピューター研究部に一緒に来て。彼には少し意見を貰っていただけ。私だけでは
貴方の納得するものを作成する事ができないと判断したから」
「…………キョン、あんたも来なさい、ダメ出し大会を始めるわ」
「おいちょっと喜緑さんにあいさ───────連れて行かれました。
思念体からはもう少し接触を続ける指示が出ているため、私は今の出来事を少し反芻しながら
彼らの戻りを待つことになってしまいました。恐らく私はあの箱の中身の事を伝えなければならないでしょう。
木箱の中の1枚のカード・・・・・・
私はエラーを起こすかもしれない。でも、許可が出た。彼らなら・・・きっと大丈夫だと思うから。
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:29:38.65 ID:bwIqNMp+O
紅茶はアールグレイとレディーグレイとダージリンしか知らない支援
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:29:46.38 ID:ibwq1LIG0
しえn
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:30:10.84 ID:IwzbX2qqO
支援
544 :
これからの私:2006/10/17(火) 20:31:31.17 ID:+p28vnAg0
また明日にで続きを投下させていただければと思います。
支援と誤投下の指摘ありがとうございました。
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:32:08.87 ID:ibwq1LIG0
乙!
続きwktk
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:32:17.20 ID:45aWxUWYO
自然
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:33:24.79 ID:yedGYAqOO
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:33:40.16 ID:WJP5hghuO
乙!
紅茶は分からんがwktk!
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:34:32.44 ID:GZLSZXScO
>>544 乙&GJ!
ストーリーも魅力的だし、すごく勉強になった。
あの・・・良作の後ですまないんだが、俺のネスなカフェでよければ入れようか?
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:35:04.98 ID:bwIqNMp+O
乙!!wktkがまた一つ増えるぜ!!
でもちょっと状況が把握し辛かったのは俺の読解力が低いだけなんだろうか
551 :
○:2006/10/17(火) 20:35:24.47 ID:s3vGhJFN0
●
552 :
○:2006/10/17(火) 20:37:24.25 ID:s3vGhJFN0
●
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:38:08.19 ID:6Qsvh+Z00
554 :
○:2006/10/17(火) 20:39:23.87 ID:s3vGhJFN0
●
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:39:25.73 ID:WJP5hghuO
ネスなカフェktkr!
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:41:02.28 ID:bwIqNMp+O
>>549 眠気覚ましにブラック飲んでるが、カモオオォォォン!!!!
557 :
○:2006/10/17(火) 20:41:24.14 ID:s3vGhJFN0
●
558 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/17(火) 20:42:20.28 ID:GZLSZXScO
第七話の第二夜です。前回は
>>100くらいから。
全10レス程お借りします。
『じゃあ、明日の放課後までに演る曲を用意するわね!一週間後には、お披露目といきたいところだわ!それでは今日は解散っ!』
昨日の「緊急発表」から一夜明け、俺は・・・やはり憂鬱だった。
とりあえずハルヒを迎えに、いつもの公園に向かうものの体が鉛の様にダルい。
今まで映画制作や草野球、夏の合宿など様々な事でハルヒには振り回されて来たが、今回は正直言うと荷が重いのだ。
昨日あの後、ハルヒは家に着くまで終始上機嫌で、音程の外れたGET IT ONを鼻唄で歌ったり、膝を叩いてリズムを刻んだりしていた。
それは、まるで新しいオモチャを買って貰ったばかりの子供の様で、おそらく俺はハルヒのこういうところに、毎度の我儘を許せてしまうんだろうな。
まったく困ったもんだ。
559 :
○:2006/10/17(火) 20:43:23.85 ID:s3vGhJFN0
●
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:43:59.12 ID:lHzJH2FS0
T-REXキタコレ支援
561 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/17(火) 20:44:05.84 ID:GZLSZXScO
いつもの待ち合わせ場所に着くと、ハルヒは颯爽と俺の自転車の荷台に跳び乗り、背中越しに腕を回して俺の右耳に何かを突っ込んだ。
-うおっ?な、なんだ?
「ねえ!これ聴いてみて?」
耳に突っ込まれたのはステレオイヤホンの片側だった。
ハルヒは、もう片方のイヤホンを自分の右耳に挿しながら続ける。
「いくわよ?よく聴いてて!」
-あ、ああ。
俺は、ペダルを踏み出しながら耳を澄ます。
しばらくすると、イヤホンから音楽が流れて来た。
ロック・・・と言うよりはR&Bか?ボーカルの女の子、声量凄いな。演奏も完璧だ。
そして・・・心地よい疾走感がある・・・
-おい、ハルヒ?まさか、これを演るのか?
「あら、キョンにしては鋭いわね!その通りよ。いい曲でしょ?」
-しかし・・・難しいんじゃないか?昨日の様子を考えると、朝比奈さんがこのピアノを弾きこなすとは到底思えんし、古泉だってドラムなんか初めて触る筈だぞ?まあ、ハルヒと長門は別として・・・
「何よっ!やってみなけりゃ判んないでしょ!」
-まあ、それはそうだが・・・
やれやれ、だ。
ハルヒが持って来た曲は確かに良い曲ではあるし、昨日言ってた『レーザーびんびん飛びまくりの曲締めで花火がドガーン』の様なものでは無かったものの、高校生がバンドを組んで演奏出来る様な代物ではなかった。
素人の俺が聴いても、瞬時に『巧い』と判断出来る演奏。
これを初心者集団の俺達に「やれ」と言うのは、いくら長門やハルヒの様な特殊な人間がメンバーに居たとしても到底無理だろう。
それに、ハルヒだってこの複雑なベースを弾きながら歌を歌うのは難しい筈だ。
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:44:19.66 ID:x2VEv/FT0
sisisi支援
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:44:35.80 ID:bwIqNMp+O
ktkt支援
なんで古泉がいっぱいいるんだ?
565 :
○:2006/10/17(火) 20:45:23.51 ID:s3vGhJFN0
●
566 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/17(火) 20:46:20.24 ID:GZLSZXScO
昨日はシド・ビシャスがどうのこうの言っていたから、てっきりパンクでもやるのかと思っていた訳だが、この曲を演るとなると話は変わって来ると思う。
そもそも、それだけ大変なのを承知でハルヒがバンドをやり出そうとしてる理由は何だ?
ただ、機材を貰ったからって理由では無さそうだな・・・。
-ところで・・・なあ、ハルヒ。そろそろ話してくれても良いんじゃないか?
「ん?何よ。」
-何でバンドをやろうと思い付いた?
まあ、バンドをやるというのは良いとして、何故急いで形にしようとしてる?
「・・・ENOZが解散するって言うのよ。」
-ENOZって、あの・・・軽音部の、か?
「そう。昨日アタシ、機材が貰えるかもしれないって聞いて、軽音部の部室へ飛んでいったのよ。そしたら中西さんが居て・・・」
聞けば、ENOZは最近メンバー同士の関係が、しっくり行ってなかったらしい。
中西さんが受験の為に、なかなか活動に参加出来なくなってしまった事が原因の様で、年明けに予定していたライブすらキャンセルしようとしているとの事だった。
「アタシはENOZが好き。解るでしょ?あのバンドは普通じゃない!たとえば・・・プロになったとしても十分やっていけるバンドだと思うの!もったいないじゃない?ここで辞めちゃうなんて。」
-ああ。それで、どうした?
「アタシ、賭けをしないか?って言ったのよ。アタシがバンドを組んで一週間後に一曲でも完璧に演奏出来たら、ENOZは解散を取り止める。」
-できなかったら?
「SOS団を解散する。」
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:47:37.62 ID:bwIqNMp+O
ID:s3vGhJFN0が嵐なのか支援なのか判断しかねる。
バンドォ支援
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:47:59.84 ID:+p28vnAg0
支援
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:49:47.48 ID:bwIqNMp+O
予想外支援
570 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/17(火) 20:49:49.63 ID:GZLSZXScO
-! 本気かっ!?
「女に二言は無いわ。」
-しかし・・・な、ハルヒ?
「・・・ねえ、キョン。」
-ん、何だ?
「・・・アタシ、今回の賭けの事ね?半分は思い付きだけど、半分はそうじゃないの。」
-どういう事だ?
「アタシ・・・ENOZのみんなに思い出して欲しいのよ!バンド・・・いや、誰かに音楽を聴かせてあげられる事が、どれほど素晴らしい事かって!」
-ハルヒ・・・
「今、聴かせた曲ね?難しいって事、良く判ってる!でも、これくいの事はやってやりたいのよ!」
-・・・わかった。とりあえず、みんなに聴かせてみてからだ。な?
「・・・! うんっ!」
さてさて、忙しくなりそうだ。
571 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/17(火) 20:50:44.34 ID:GZLSZXScO
放課後、部室へ向かおうとした途中の廊下で古泉とバッタリ出会う。
珍しい事もあるもんだ。
話題は自然とバンドの話になった。古泉もそれなりに考えているんだろうか。
「昨日、駅ビルの中にあるカルチャースクールのドラム教室に上手く潜りこめましてね?二時間程、触らせて貰いましたよ。」
-ほう?どうだ、出来そうか?
「はい、真似事程度なら。キョン君はどうです? ピアノでしたっけ?」
-殴るぞ。
「失礼、冗談ですよ。そうそう、もう曲は聴かせてもらったんじゃないんですか?」
-ああ、難しいぞ。おそらく、お前の好みではあるだろうがな。
「そうですか。まあ、『好きこそモノの上手なれ』なんて言葉もある程ですからね!ここは一つ張り切ってみましょう。ところで・・・」
-なんだ?
「いや、ピアノの音が聞こえませんか?」
-お前、まだ言うかっ!
「いや、本当に!少しだけ、耳を澄ませてみてください!」
-本当だ・・・。
「ウチの部室からですよね?」
-みたいだな。ハルヒか?いや、アイツはまだ教室に居た筈だ・・・。
「行ってみましょう!」
俺達は、部室棟の階段を駆け上がった。
どうやら、ピアノの音は本当に俺達の部室から聞こえて来ている様だ。
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:51:47.52 ID:bwIqNMp+O
sien
573 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/17(火) 20:52:02.58 ID:GZLSZXScO
「戦場のメリークリスマス、でしたよね?この曲・・・。」
-ああ、そうだな。
俺達は、ドアの前に立つと静かにドアノブを右に回した。
-! 朝比奈さん!?
ピアノの音の主は、なんと朝比奈さんだった。
俺が不意に声をかけ驚かせてしまったせいか演奏を止め、こちらを伺いながら眼を潤ませてる。
ピアノは、昨日ハルヒが貰って来た電子ピアノ・・・か?
「ふええっ、す、すいませええん!置いてあったから、ちょっとだけ弾いてみたくなっちゃって・・・」
-いや!謝る事じゃないですよ!
それより、弾けるんですね?ピアノ!
「あ、はい。無理矢理ですけど、習わされていましたから。今でも、たまに弾きますよ?」
「ふふん、やっぱりね!」
背中から聞こえる声に振り返ると、ハルヒが立っていた。
何か、たくさん書類を抱えている。
-何が、やっぱりなんだ?
「本当はね、みくるちゃんにはタンバリンでも持たせておけば良いと思ってたのよ!
でも、昨日気が変わった。」
-なんでだ?
「みくるちゃん、手を見せてみて!」
574 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/17(火) 20:53:22.00 ID:GZLSZXScO
ハルヒに言われるままに、朝比奈さんは掌を差し出してみせる。
「見て!この爪と指先。綺麗に整えられている上に指紋が薄くなってるでしょ?ピアノを習慣的に弾く手よ!」
-ハルヒ、まさかそれに気が付いて・・・
「そう!ところで、みくるちゃん?ユキは?」
「あ、あのぉ・・・隣に何か取りに行ったみたいですけど・・・。」
「もうっ!この忙しい時になんでコンピ研に遊びに行ってんのよっ!」
「ふええっ、す、すぐ帰って来ると・・・あ!長門さん!」
ハルヒに続いて、部室へ入って来たのは長門だ。抱えているのは・・・キーボードか?
「・・・USBケーブルでPCに繋げる事が出来る。あなたには必要な筈。」
-あ、ああ。ありがとうな?長門。
「・・・。」
長門は黙って頷くと、いつもの場所に腰を降ろした。
全員集合、だな。
そして、ハルヒが声を張り上げる。
「さあ!いよいよ始めるわよっ!今から譜面とMDを配るわっ!
アタシが聴いて書き出したから完璧よ!
そんでもって明後日まで各自練習っ!」
いよいよ始まったところで、次回に続く。
575 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/17(火) 20:55:15.81 ID:GZLSZXScO
以上です。予測より省レスできました。
支援、ありがとうございました。
また、明日やらせて頂きます。
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:55:53.11 ID:6Qsvh+Z00
コーヒー乙!
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:56:18.07 ID:bwIqNMp+O
乙!!
学校でのバンドの流れは乗り遅れたなぁ…
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 20:56:42.26 ID:ibwq1LIG0
乙!!
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:06:16.30 ID:IjIWBivc0
ここは保守でいくしかない
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:06:20.66 ID:ibwq1LIG0
さて・・・
あの沢山の古泉は何だったんだ?
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:12:22.00 ID:lHzJH2FS0
582 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(1) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:14:37.48 ID:lHzJH2FS0
あのバーサーカーなる忌まわしきバケモノとの対峙の後、
俺達は倒れてしまったセイバーを連れ、俺の自宅へと一時帰還していた。
セイバーが倒れてしまった原因についてハルヒは宝具の使用を挙げた。
「あのバーサーカーみたいなバケモノを『3回』も殺すような強力な技だもの。
それだけ魔力の消費が激しいってことね」
と、語ってくれた。
つまり、いくら強力とはいえ、セイバーにあの技を使わせるのはなるべく控えさせた方がいいってことだな。
さて、俺とハルヒ、そしてハルヒのサーヴァントであるアーチャーは、
居間に集まり、今後の方針について話し合っている。
さしあたっては、あのバーサーカーとそのマスターである少女についてであるが・・・、
俺には1つ、思うところがあった。
「ハルヒ、俺思うんだけどさ・・・あのバーサーカーのマスターの少女、
俺にはあの子がどうしても悪いヤツには思えないんだ」
それを聞いたハルヒは目を見開いて、
「あんなに危険な目にあったのに?あの子だって立派な魔術師よ?
そんな油断をするのはキケンだわ」
と、反論する。しかし俺には確信めいたものがあった。
「いや・・・あの子は・・・きっと話せばわかる子だ。
特に俺の言うことなら聞いてくれそうな気がするんだ。
まあ、根拠のない予感ではあるんだがな。
それに何より、俺はあの子を殺したりしたくないんだ」
俺の語りが余りに真剣だったためか、ハルヒは、
「キョンは甘いわね・・・まあ、わかったわ。それについては要検討ってことで」
と、最大限の譲歩をしてくれた。
「どっちにしろ・・・あのバーサーカーにこっちから戦いを挑むには愚の骨頂よね」
あの圧倒的な戦闘力。そしてあと『9回』も残っている命。
いくらセイバーの宝具があるとはいえ、こちらの劣勢は免れないだろう。
そういう意味では、ハルヒの言うことは的を得ている。
583 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(2) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:16:30.30 ID:lHzJH2FS0
「そしたら、まずはそうね、他のマスターとサーヴァントの殲滅ね。
あんなバーサーカーみたいな反則じゃなければ、何とかイケそうだしね」
「他のマスターとサーヴァントって・・・目星はあるのか?」
俺の疑問にハルヒはニヤっと笑みを浮かべ、
「あるわよそりゃ。情報戦を制することが戦いにおいては何よりも重要だもの。
アーチャーを召還する前から、街中歩き回って既に召還されたサーヴァントの動向を探っていたしね」
情報戦とはこれまた・・・ハルヒは典型的な猪突猛進型だと思っていたのだが、意外に慎重な所があるんだな。
「で、さしあたっては?」
「そうね、この街の神社におそらく『キャスター』のサーヴァントが根城を築いてるわ。
コイツ、そこを拠点に街中に結界を張り巡らせて、一般人から少しずつ生気を吸い取ってるみたいね」
一般人に危害を加えているのか・・・?確かにそれはほっとけないな。
「ただ、本当に少しずつだから、おそらく普通に生活してる分には皆気付かないでしょうね。
いつもよりちょっと疲れやすいとか身体がダルいとか、そのくらいにしか感じていないはずよ。
でも、いつかはこの街の住人の生気が吸い尽くされるのも時間の問題ね。とんだ外道だわ、全く」
ハルヒにはどうもそういった外道な行為は許しがたいものがあるらしい。
さっきから啜っているお茶の湯のみをガンと乱暴に机に叩きつける仕草からも、それが窺える。
「勝算はあるのか?」
「モチのロンよ。キャスターは魔術の腕はサーヴァント中最高だけれども、それ以外の能力は最低ランクだわ。
こっちには最強のセイバーもアーチャーもいるんだし、2人がかりなら楽勝よ。
それにセイバーの魔術耐性はサーヴァント中最高なのよ?あたしの魔術じゃ傷ひとつつかないだろうし、
キャスターの攻撃だってきっと何ひとつ利かないわ」
なるほど。その話を聞けば、確かに勝算はありそうだ。しかし凄いんだなセイバーって。
「当たり前じゃない。アンタみたいなヘボ魔術師にはもったいないくらいよ」
厳しいこって。まあ事実だし、反論は出来ないんだがな。
そうするととりあえず次の目的地は街の神社か・・・。
そう言えばあそこって去年SOS団の映画の撮影で使ったよな・・・確かハトにエアガン乱射したんだっけ・・・。
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:18:24.91 ID:ibwq1LIG0
wktk支援
585 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(3) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:18:27.41 ID:lHzJH2FS0
「まあ今後の方針はそんなところね。アーチャー、アンタもそれでいいわよね?」
ハルヒは壁にもたれかかって一部始終を見守っていた己のサーヴァントに声をかける。
アーチャーは、両腕を組み、目を閉じたまま、
「問題ない。ハルヒに任せる」
とだけ言った。
そういやコイツ、ハルヒのこと下の名前で呼ぶんだな。何か違和感があるというか・・・複雑な気分だ。
「そういえばアーチャー、アンタ自分の真名思い出したの?
真名がわからないままだと宝具も使えないし、困るのよ?」
ハルヒはなじるようにアーチャーを詰問する。
そう言えばアーチャーは記憶喪失で自分の真名を思い出せていないらしい。
アーチャーは表情を変えず、
「いや、まだ思い出せていない。しかし、自分の能力については少しずつ思い出せてきている。
だから、戦闘において不利になることはそうそうないさ」
と、静かに言い放った。
しかし、やはりこのアーチャーという男、見ているとどこか違和感を感じる・・・。
・・・。
・・・。
・・・。
しかし、今日は長い夜だった。時刻は既に12時を回り、日付は変わってしまっている。
ハルヒは既に寝てしまった。ちなみに俺の家には客用の部屋(もっとも、昔に俺の両親が使っていただろう部屋だが)があり、
1人や2人くらいの宿泊客なら寝床には困らないし、ハルヒや朝比奈さんが泊まっていくこともたまにある。
(勿論、ヘンな意味ではなく、夕食のついでとかでだ。ホントだぞ?)
ただ、俺の部屋ではセイバーが休んでいるはずなので、俺は仕方なく居間で寝ることになる。
しかし、慣れない部屋だったのが災いし、なかなか寝付けない。
仕方なく、俺は庭に出て、1人夜風に当たっている。
すると、そんな俺に近づいてくる1つの人影・・・それはアーチャーだった。
586 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(4) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:19:58.83 ID:lHzJH2FS0
「何か用か?」
俺は赤い外套に身を包んだその男に声をかける。
アーチャーはしばらく黙ったまま俺を見つめていたが、1つ息をつくと、ゆっくりと話し出す。
「ハルヒがよくこの家に通っているというのは本当か?」
「本当だが・・・」
何だコイツ?まさか嫉妬でもしてるのか?
「お前の部活の先輩も通っているらしいが?」
「朝比奈さんのことか?それも本当だ」
アーチャーはまた少しの間黙りこくったかと思うと、
「お前はそれで、そんな状況についてどう思ってるんだ?」
「はぁ?」
コイツは何が言いたいのだろうか?
まさか「カワイイ女の子が2人も通い妻なんてそんなエロゲーみたいな展開は認めん!!」
とか、そんな説教を垂れるつもりだろうか?
「だから、2人についてどう思ってるんだという話だ」
俺はいつからラブコメ漫画の主人公になったのだろうか。
これじゃ放課後の屋上で、1人の女性を巡るライバルに問い詰められる主人公の図、みたいじゃないか。
俺は至極冷静に答えを返す。
「あのなあ、誤解しているようならアレだが、俺はハルヒとも朝比奈さんとも別にそういう関係ってわけじゃないし、
考えたこともないぞ。2人とも俺が1人暮らしだからって世話を焼いてくれるだけさ。
ああ、勿論ありがたいとは思ってるがな」
すると男は「チッ」と1つ舌打ちをしやがった。
何か今の答えに気に入らないことでもあったのか?
サーヴァントとやらの思考回路は理解できん・・・。
587 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(5) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:21:27.13 ID:lHzJH2FS0
「質問を変える」
アーチャーはそう言うと、
「なが・・・いや、セイバーのサーヴァント、彼女に見覚えはあるか?」
「いや・・・ないな」
アーチャーはまた何かを考え込むように沈黙する。そして、数刻後、また口を開く。
「お前、あのセイバーについてどう思う?」
「どう思うって・・・」
「セイバーはどうやら初対面の面識もないお前みたいな男を身を挺して守るつもりらしい。
それについてどう思うかだ」
何やらトゲのある言い方だ。ムッとした俺は思わず語気を強める。
「嬉しいとは思うし、頼もしいとは思うさ。
ただ、あんな華奢な女の子に守られる男ってのもどうかと思うがな。
まあ、セイバーにはなるべく無理をさせずに済むようにしてやりたいと思うがな」
アーチャーがその答えに満足したのかどうかはわからない。
なぜなら矢継ぎ早に次の質問をしてきたからだ。
「最後の質問だ。
ハルヒにその朝比奈先輩とやらに、なが・・いや、セイバーに・・・その3人がお前に恋心を抱いてたとしよう。
その時、お前はどうする?」
はぁ?ホントにサーヴァントとやらは思考回路はイカれているのだろうか?
どうしてそんな谷口みたいな何でも色恋沙汰につなげたような質問をしてくるのかね?
俺は呆れながらも答える。
「どうするも何もそんな仮定がまずあり得ない。ハルヒが俺のこと好きなワケなんてないし、
朝比奈さんは・・・少々遺憾ではあるものの右に同じだ。セイバーに至っては今日初めて会ったばかりだぞ?
考えられるわけないじゃないか」
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:22:40.87 ID:ibwq1LIG0
支援
589 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(6) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:22:49.05 ID:lHzJH2FS0
その答えにアーチャーは「フン」と鼻を鳴らし、俺に背を向け、
「予想通りの甘っちょろい考えだな。聞いた俺が馬鹿だった。
まあ精々そのガキ臭い『理想』とやらを貫いて、
この戦争で死なないよう、努力することだな」
と言い放ち、消えてしまった。
何だって言うんだ。自分からヘンなこと聞いた来たクセに、ムカつくヤツだな・・・。
アーチャーのせいで気分が悪くなった。
余計眠気が覚めてしまったし、フザケンナって話だ。
そんな胸糞悪い気分だった俺の前に、新しい人影が現れる。
今度は・・・何とセイバーだった。
「お前・・・もう大丈夫なのか・・・?」
俺の問いかけにセイバーはコクンと小さく首肯することで答えた。
もう自分の足でしっかり立っているし、傷もすっかり塞がったようだった。
「そうか・・・良かった。
それにしてもセイバーって強いんだな・・・。見た目はただの女の子なのに・・・」
「・・・・・・」
セイバーは答えない。
「何だっけアレ、宝具って言うのか?エクスカリバー!!・・・って」
「・・・・・・」
尚も無言。埒があかない。仕方ないので質問を変える。
「なあ、セイバーも聖杯に願いたいことがあるんだろ?それって何なんだ?」
これもハルヒから聞いた話ではあるのだが、サーヴァントが魔術師の召還に応じ、
その戦いに協力するのは、サーヴァント自身も聖杯で叶えたい願いがあるため、らしい。
でなきゃ過去の大英雄の霊なんかが、一介の魔術師に従属するわけはないとか。
ということは、セイバーも勿論叶えたい願いを持っているワケで。
590 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(7) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:23:39.97 ID:lHzJH2FS0
しかし、そんな俺の質問にもセイバーは黙して語らない。
仕方ない、最後の質問だ。
「なあ、セイバーは何で俺のこと・・・あんなに傷ついてまで助けてくれたんだ?
ランサーの時もそうだし・・・さっきのバーサーカーの時だって・・・」
しかし、セイバーはひとつも表情を変えることなく、淡々と答える。
「わたしはあなたのサーヴァント。サーヴァントがマスターを守るのは、当然のこと」
俺は、そういう答えが聞きたかったわけじゃないのだが・・・。
まあ、今日のところはそれでよしとするしか・・・ないのかな。
そんな歯に物が詰まったような俺の表情に気付いたのか、セイバーは小さく呟いた。
「それに・・・あなたはわたしにとって大切な人、だから」
「え・・・」
「・・・・・・」
またダンマリになってしまう。
ん?今なんて言った?
セイバーはまた、液体ヘリウムのような視線を向けてきたかと思うと、
「・・・あなたも今日は早く休んだ方がよい。わたしはもう大丈夫。
だからあなたも、もう自分の部屋に戻っていい」
と、それだけ言い残し、立ち去ってしまった。
それにしても・・・なぜだろう・・・俺はセイバーとやっぱりどこかであったことがあるような・・・そんな気がする。
考えても埒があかない・・・とりあえず眠って疲れた身体を癒すとしよう。
それにしても・・・俺のベッドではさっきまでセイバーが寝ていたんだよな。
それを考えると・・・うーん・・・。何か少しイケナイ気が・・・。
仕方なく俺は、部屋の床で就寝することにしましたとさ。
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:24:25.24 ID:ibwq1LIG0
支援
もとの勢いに戻ったじゃないか!!!
593 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(8) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:25:34.16 ID:lHzJH2FS0
「アンタいつまで寝てんのよ!起きなさい!」
翌朝、俺を目覚めさせたのは威勢のいいハルヒの声だった。
「何だよ・・・まだ6時じゃないか」
寝ぼけ眼をこすりながら、備え付けの時計に目をやる俺。
というかハルヒ・・・結局泊まっていったのか。
「朝食がもう出来てるわ。あたしが直々に腕によりをかけて作ってあげたんだから、感謝なさい!」
何と、ハルヒが朝食を作ってくれるとは。俺の家によく通ってはいるものの、
普段は殆ど朝比奈さんが料理するだけで、ハルヒはめったに料理はしない。
しかし、コイツは勉強もスポーツも、勿論家事も出来る万能選手であり、料理も上手いのだ。
台所に足を運ぶと、なぜかセイバーがちょこんとテーブルに座っている。
「あれ・・・セイバーが何で?」
するとハルヒは、
「せっかくだからセイバーにも一緒に食べてもらおうと思ったの。本来サーヴァントに食事は必要ないんだけど、
なんかセイバー自身も興味持っているみたいだしね。ウチのアーチャーはいらないとか言ってどっか行っちゃったけど。
まあ、霊体化して外で見張りでもしてるんじゃないかしらね」
と、この状況について的確な説明をくれた。
うーん、まあ確かにこうしてみると北高の制服を来ていることもあり、セイバーはサーヴァントには見えない。
普通に朝飯食っても別に問題はないだろう。
「うし、それじゃあ食うか」
腹が減っては戦は出来ぬ。とりあえずハルヒ特製の朝飯でも頂きますか、と箸を手に取ろうとした矢先、
「おはようございます〜。今日も頑張って朝食を作っちゃいますよ〜」
いつもだったらこの上ない極上の癒しであるはずの、しかしこの状況ではキケンを告げるサイレンのような、
甘〜い、甘い、エンジェルボイスが、廊下から聞こえてくる・・・!
しまったーーーーー!!!!朝比奈さんのことを忘れていたーーーーーー!!!
594 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(9) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:26:38.07 ID:lHzJH2FS0
「あれ〜涼宮さんももう来てるんですか〜?キョンくんももう起きてるみたいですね〜?」
朝比奈さんはまっすぐに台所に入ってきてしまった・・・!
うん?どうしてそんなに慌てるのかって?
そうさ、確かに俺とハルヒがいるのは朝比奈さんにとって何ら不思議なことではないだろう。
だがしかしですよ?今テーブルには俺とハルヒともう1人、
なぜか、並んだ朝食をじっと興味深そうに見つめているセイバーさんがいるわけですよ?
あーそう言えば、とっさにアーチャーみたいに霊体化してもらえばよかったかな?って言ったって後の祭りですよ?
「その人・・・誰ですか?」
あーあ、とうとう朝比奈さんにツッコまれてしまったよ・・・。ハイ、修羅場決定。
しかし、そんな軽く諦めかけていた俺に救いの手を差し伸べたのはハルヒだった。
「あー、みくるちゃん、この子はね、昨日北高に転校してきた『長門有希』ちゃんよ」
セイバーの真名をバラしちゃっていいのかとも思ったが・・・ナイスフォローだハルヒ。
「この子、我がSOS団に入団希望らしくてね。せっかくだから団員の紹介も兼ねて、
こうして、団長のあたしの好意で、キョンの家で朝食に招待してあげたってワケ」
どことなく無理があるような気がしないでもないが、幸いなことにセイバーは我が北高の制服を着ているのだし、
多少は説得力がある言い訳だっただろう。
セイバーもそんなハルヒの言葉に呼応するかのように、コクコクと頷いている。
「そうだったんですか・・・」
朝比奈さんも納得してしまっているようだ。
安心した・・・。
その後、いつものように皆で揃って朝食を食べる。
ただいつもと違っていたのはセイバーがいたこと、そしてセイバーが意外に大食だったことだ。
白米のお茶碗はものの数秒で空になるし、味噌汁のお椀も右に同じだ。
その度ごとに、小さくポツンと、
「おかわり」
と呟き、朝比奈さんが慌てて、それをよそう光景は、ちょっと微笑ましくもあった。
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:27:34.80 ID:ibwq1LIG0
しえn
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:31:18.20 ID:XYylytfSO
支援
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:31:44.53 ID:ibwq1LIG0
さるか?
支援
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/17(火) 21:32:12.34 ID:Uue6+Pr70
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:32:15.75 ID:IOcrjUSZ0
wktkしえん
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:33:51.14 ID:ibwq1LIG0
支援
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:35:55.31 ID:ibwq1LIG0
支援
602 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(10) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:36:39.25 ID:lHzJH2FS0
しかし、そんな微笑ましい朝の光景に、爆弾を落としたのはハルヒだった。
「ああ、あたしとキョン、ついでに有希も、今日は学校行かないから」
いきなり朝比奈さんに対し、そんな宣言をかましたのである。
そういえば確かに、今日はキャスター攻略の作戦を立てるため、俺もハルヒも学校は休むということにしていた。
「え・・・そうなんですか・・・?」
と、戸惑う朝比奈さんに対し、ハルヒは更なる爆弾を投下する。
「それとみくるちゃん、あなたはしばらくここに来ない方がいいわ」
驚いた。発言の内容も勿論だが、ハルヒが朝比奈さんに対し、ここまで冷たく言い放つなんて。
「・・・それはどういうことですか?」
しかし、朝比奈さんも動じない。真っ直ぐにハルヒを見つめ返す。
え・・・また修羅場ですか・・・?
「あたしとキョン、それに有希は、しばらくやらなくてはならないことがあるの」
「そんなの・・・理由にならないと思いますが」
「あら、立派な理由よ?なぜならみくるちゃん、あなたは『このこと』をするに当たっては、
正直足手まといなの。詳しいことは話せないけど、それは確かだわ」
「そんな・・・」
いくらなんでもキツく言い過ぎじゃなかろうか・・・。
ほら見ろ、朝比奈さんは俯いてしまったぞ。
「・・・わかりました」
そう言い残し、朝比奈さんは帰っていってしまった。
「オイ、ハルヒ、いくらなんでもあんな言い方はないだろう」
俺は思わずハルヒをなじってしまう。しかし、
「キョンもわかってないわね。これは戦争よ、殺し合いなのよ?何も知らないみくるちゃんを巻き込むつもり?
あたし達と一緒に行動していれば、絶対に危険な目にあうはずよ?」
そう考えると・・・確かに・・・。俺はそれ以上何も言えなかった。
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:36:51.55 ID:6Qsvh+Z00
残りのメンバーの配役予想しながら支援
604 :
涼宮ハルヒの聖杯〜第4章〜(11) ◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:38:14.28 ID:lHzJH2FS0
――そして夜がやってくる。
「準備はいいわね、キョン?」
俺とハルヒは、ついに今夜キャスターの根城である、街の神社へと攻め込む。
俺達が立てた作戦は単純明快。
セイバーを前に出し、キャスターの魔術を封じ、スキが出来たところをアーチャーが仕留めるというものだ。
魔術に長けた英雄が割り振られるクラスであるキャスター。その魔術の威力は強力にして想像を絶するだろう。
俺やハルヒじゃ、まず歯が立たない。そこで魔術耐性最強のセイバーを表に出すことで、キャスターを封じ込めるのである。
ちなみに俺とハルヒは、キャスターはセイバーとアーチャーに任せ、マスターを叩く、という段取りになっている。
神社へと続く長い長い階段は静まり返っている。
ここ一帯は、辺りが雑木林に覆われており、頼りになる光は月明かりのみ。
「いくわよ。セイバー、先頭でお願い。アーチャー、アンタは最初は後方から支援よ」
ハルヒの指示を受け、セイバーが俺達の前に出る。
「さあ、待ってなさいね、キャスター。アンタみたいな外道はボコボコのギッタンギッタンにしてやるんだから」
その刹那――
そんな気合の入るハルヒを嘲笑うかのように――暗闇に響く声。
「ようこそ。私の領域(テリトリー)へ、歓迎するわ」
ふと、見上げた先、遥か続く階段の中腹辺りに、それはいた。
「こんばんは。キョン君も涼宮さんもはじめまして、かな?」
ふわふわと宙に浮かぶ黒い物体・・・。
「私がキャスターのサーヴァント――」
それは・・・真っ黒なローブに身を包んだ魔女――否、俺達と同い年くらいの少女。
「『朝倉涼子』よ」
少女はそうして――どこかで聞き覚えのある、己の真名までも宣言した。
第4章 完
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:40:18.64 ID:ibwq1LIG0
GJ!!
続きwktk
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:40:30.15 ID:6Qsvh+Z00
キャスター朝倉!!!
607 :
◆rDAy9jYT0M :2006/10/17(火) 21:41:26.07 ID:lHzJH2FS0
以上です。
キャスターは朝倉さんでしたwww
一番『悪女』ってイメージが自分の中にはあったので・・・。
そうすると・・・もう1人気になるサーヴァントが出てきますが・・・それは次回に。
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:43:17.64 ID:6Qsvh+Z00
残るはライダーとアサシンか…
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:45:57.84 ID:4YWuVctjO
そういえば
初めてGod knows...を聞いたが
ビジュレベルだな
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:47:05.21 ID:htNuRsqg0
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:48:29.64 ID:6Qsvh+Z00
みんな休養してただけなんだね。
wktk!!
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:51:38.84 ID:WJP5hghuO
聖杯の人乙!
続きwktk!
俺も書かなきゃな……
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:51:46.05 ID:htNuRsqg0
>>267のつづき。甘党狙い。
キーン…コーン…カーン…コーン
四限目の授業が終わった。
俺は未だに状況を把握し切れないまま、魔物の内一匹(それも途中で増えたが)を倒す準備に入る。
だが、これから襲ってくるであろうモノが何なのかを俺が予想するのは簡単だった。
そう。俺はこの昼休み、クラスメートの冷やかしに耐えなければならないのだ。
というか既に絶頂だ。
さて、予想通りだが谷口がニヤニヤしながら弁当を持って俺の席に近づいてくるのが見える。しかしそこは谷口。
「キョン、やるなお前!!見損なったぞ!」
お前に空気を読んでそっとして置くなんて芸当を望んだ俺が間違いだった。
タイミングの悪さ、ありきたりな日本語ミス。すべて完璧だ。
しかも以前自分をフッた奴が関わっているというのにニヤついてると来た。
谷口…恐ろしい子…!とか言いたくなる。
「キョンなら応えられないと思ってたんだけどなぁ」
そう言って国木田までもが笑顔で俺の席に着く。
…何か俺のこと少し見下してないか?
「やれやれ…」
俺は今日何度目になったか分からないその言葉を呟きながら、机にかけてある鞄から弁当を取り出す。
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:51:53.85 ID:GfAYIJi/0
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:52:57.08 ID:htNuRsqg0
「キョン…」
…この世に神なんて居ないな。うん。
後ろから俺を呼ぶハルヒの声。いつに無くしおらしい声だった。
今俺とハルヒが話すと会場の冷やかしムードが全盛期を迎えるだろうに。
「どうした?」
振り向くと、頬を赤らめたまま上目遣いなハルヒ。
(それは反則だと思うぞ…)
おまけに、視界の端で谷口が思いっきりニヤニヤしている。
古泉とはまた別の意味で気持ち悪い。やめろ、やめてくれベストフレンド。
「お…お弁当作ってきてあげたから。の、残さず食べなさいよ!」
ハルヒはそう言って俺の目の前に異常なデカさの弁当箱を突きつけた。
待て待て。幾らなんでも準備が良すぎだろう。いや、嬉しいが。
戸惑ったのか、俺はこんなことを口走っていた。
「ちょ…お前これ量多すぎじゃないか?」
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:54:39.31 ID:6Qsvh+Z00
支援だぜ。
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:54:56.57 ID:htNuRsqg0
…しまった。スマン古泉。バイトが増えるかもしれん。
何で今日に限って頭の回転が悪いんだ、俺。
それを聞いてハルヒは泣きそうになる。
「な、何よ…!折角あたしがキョンの為にたくさん作ってきてあげたのに…」
横で谷口が「何てことを!」という表情で口(勿論上下だ。もう注意する気にもならん)を空けたまま俺を見ていた。
国木田も「何やってんの…キョン…」という目で俺を否定している。
…これは謝った方がよさそうだ。
「あー…ハルヒ」
「…何よ」
ハルヒはいつもの様に俺を睨んだつもりらしいが、その表情にはどこか寂しさが見え隠れした。
「その…すまなかった」
「………」
ハルヒはまだ俺を睨んでいる。しかしその眼には涙が溜まっていた。
「弁当、貰っていいか?」と大勝負に出る。
「……当たり前でしょ…食べないと死刑なんだから…」
そう呟くと、ハルヒはそっぽを向いてしまった。
この後、クラスメートの放つ凍てつく波動を俺が全身で受け止めたのは言うまでもない。
つづく。
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:56:00.75 ID:htNuRsqg0
あぁ、何かネタが少なくなる度に文が乱れていく俺に嫌悪。
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:56:25.50 ID:ZcuZir8d0
sien
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:57:19.25 ID:6Qsvh+Z00
622 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:57:19.71 ID:ibwq1LIG0
乙。
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:58:50.81 ID:5zD6wIQpO
乙です。
それで、5レス弱借りてもいいですか?
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:59:03.54 ID:WJP5hghuO
乙!さらにwktkして待つ
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:59:19.94 ID:IOcrjUSZ0
イインダヨ
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 21:59:36.67 ID:6Qsvh+Z00
ラッシュktkr!!
627 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:00:00.49 ID:ygm29PuJ0
グリーンダヨ
628 :
だーれだ?の1:2006/10/17(火) 22:01:33.81 ID:5zD6wIQpO
それでは。
尾行の後の話です。
短いんで支援入らないとおもいます。
それはある日突然訪れた。
不意に暗転する視界。
――なんだ?何が起きた?
そして、耳元で響く声。
「だーれだ?」
おお!この声は、地上に下り立った天使(正しくは現代にやって来た未来の美少女だが)
朝比奈さんのものではないか!
なんて昔の俺なら思っただろうがな。今の俺は前ほど喜ばないのさ。
なぜって?俺にはハルヒがいるから。
「突然なんですか?朝比奈さん」
「そうよ、みくるちゃん。何やってんのよ!」
「と、特になんでもないですよぅ。ただなんとなく……」
「ふうん。ま、一回までなら許すわ」
心の広いことで。
629 :
だーれだ?の2:2006/10/17(火) 22:02:39.87 ID:5zD6wIQpO
「一回までならいいの?」
こら長門。まさかお前までやりたいとか言わないだろうな?
「では、ぼ……」
「黙れ、古泉」
「冗談ですよ」
いや、目がマジだった。
長門が本を閉じ、今日の活動は終了。
そしてなぜだか集団下校のはこびとなった。
そして、また暗くなる視界。
「だ〜れだ!」
「ハルヒだろう?」
「ブー、惜しい。あんたをすきな涼宮ハルヒよ!」
「ああ、俺の大好きなハルヒか」
何も言うな。恥ずかしすぎることは分かってるんだ。俺にも。
だが、それ位好きなんだ。
630 :
だーれだ?の3:2006/10/17(火) 22:04:34.56 ID:5zD6wIQpO
……やっぱ、恥ずかしい。だれか、俺がすっぽり入れるぐらいの穴を知らないか。
「……バカップル」
「何か言ったか、長門?」
「別に」
そうそう、歩きながら本読むのは……
「ッ!」
遅かったか。近ごろドジッ子化してるな、長門。今時電柱にぶつかるやつなんて、そうはいないぞ。
「有希ったら、馬鹿ねえ。怪我してない?」
「へいき」
「そ。ならいいんだけど。ところで、古泉君は?」
あれ、あいつはどこ行きやがった?
と、猛烈に背筋が寒くなり、俺は反射的に叫んでいた。
631 :
だーれだ?の4:2006/10/17(火) 22:06:21.95 ID:5zD6wIQpO
「だ……」
「よるな、古泉!」
そう、背後には古泉がいた。
「なんで分かったんですか?」
俺の危機察知信号が真っ赤に点灯したものでな。
「古泉君。さすがに男同士は引くわ」
同感。
「嫌だなぁ。軽いジョークですよ?」
ジョークだって言えば済むと思ってないか?
「滅相もない」
ある意味地獄な状況を回避し、俺たちはそれぞれの家路を辿った。
もっとも、俺はハルヒを家まで送ってからわが家に帰るわけだが
632 :
だーれだ?の5:2006/10/17(火) 22:08:06.82 ID:5zD6wIQpO
いや、今日は疲れた。こんな日に夜更かしは禁止だな。さっさと寝よう。
俺は、ベットに潜り込んで、目を閉じた。
視界が暗くなる拍子に聞こえて来たのは、今日散々聞いた台詞。
それは俺のよく知ってる声。
「ダーレダ?」
fin.
633 :
だーれだ?:2006/10/17(火) 22:09:24.83 ID:5zD6wIQpO
以上です。
落ちが分かりづらいのは俺の力量不足です。orz
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:10:16.45 ID:ibwq1LIG0
乙!!
長門・・・w
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:11:41.51 ID:6Qsvh+Z00
どじっ子長門ww
乙!
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:12:36.42 ID:bwIqNMp+O
乙!!
最後は妹チャン?
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:14:21.28 ID:WJP5hghuO
乙!GJ!
みんなが長門に萌えてるからみくる萌えwwww
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:17:14.37 ID:htNuRsqg0
otu!!
じゃあ俺はあえて古泉m(ry
639 :
だーれだ?:2006/10/17(火) 22:17:56.47 ID:5zD6wIQpO
解説カッコワルイケド
最後は長門です。
「だれだ」ってやりたかったんだけど出来なかったから
自分の力で声をキョンのとこに飛ばしたという感じ。
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:19:04.46 ID:6Qsvh+Z00
なるほどそうきたかwww
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:20:58.36 ID:htNuRsqg0
巧いなぁ。
キャラが活きてる。
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:25:09.96 ID:XYylytfSO
最後は長門らしくて良いねぇ…
GJ!!
643 :
だーれだ?:2006/10/17(火) 22:25:26.51 ID:5zD6wIQpO
長門有希は自室のベランダに立っている。
今日一日のことを思う。
自分が出来なかったことを思う。
それを悔しがることはエラーと認識する。
それでも、悔しい、残念だ。
だから、自分にわがままを許した。
普段は情報統合思念体のために使う情報操作。
それを自分のために使う。
些細な想像。彼の後ろに立って、目隠ししてこういうのだ。
「だーれだ?」
――この声が届きますように。
こんな感じ。
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:26:02.88 ID:bwIqNMp+O
そういうことかwww
正直ドジっ子長門より、だーれだ?ってするみくるに萌えた。
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:26:28.16 ID:RYR9WeAEO
最後はシャミセンだと思った
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:31:25.98 ID:+p456yZsO
★
647 :
618:2006/10/17(火) 22:35:45.76 ID:htNuRsqg0
短く切って少しずつ投下させて貰ってもいいかい?
「投下しすぎだゴルァ」「お前は推敲って言葉を知らんのかモルァ」等突っ込まれるのは俺が悪い。
でも急なアイディアだからラストまで早く突っ走りたいんだ…。
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:37:11.80 ID:+p456yZsO
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:38:02.55 ID:azSvJt230
投下してる人みんな乙です。夜に帰ってきてからここを覗くささやか幸せ。
喜緑書いてくれた人、たぶん変に気を使って状況描写削ったんじゃなかろうか。あわよくばwikiで加筆してくださいませんか。
おながいします。 保守
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:38:33.35 ID:8Lys7PFJ0
テカテカ
651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:39:22.24 ID:6Qsvh+Z00
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:39:53.37 ID:WJP5hghuO
wktk
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:40:08.98 ID:azSvJt230
>>647 次に投下する人が来たら気を使えばいいんでないかい?
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:40:12.93 ID:777Kvp5mO
IDが777のうちにドジっこ長門を完成させたかったが…意外と時間がかかるな…てか誰かドジっこの萌え要素を教えてください><
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:41:03.37 ID:htNuRsqg0
>>618の続き
俺がハルヒの弁当を受け取り、谷口と国木田の方を向く。…居ない。
二人のベストフレンドは非常に爽やかな笑顔で俺の席を遠くで眺めていた。迅えぇ…。
…なんだ?これはつまりアレか…?
できればそういう気遣いはして欲しくないんだが…。
まぁこうなると半ば覚悟してしまっていた俺は、ハルヒの方に向き直る。
「…!…何よ。まだ何か用?」
いや待てハルヒ、それが数分前にできた恋人に言う台詞か?
まぁ十分有り得るが。
「よかったら弁当…い、一緒に食わないか?」今日は俺も変みたいだな。
「…ほんと?」
「え?…あぁ」
ハルヒは急に太陽の様に輝く笑顔になった。
なんだ?コイツはこれを言って貰えなくて拗ねてたのか?
「どう?あたしなりに上手くできたとは思うけど」
だろうな。普通に美味い。性格以外完璧なだけはある。
「美味いよ。ありがとな」
「…そ」
お、照れてるなw
かくいう俺も相当恥ずかしいんだが。
「じゃあこれから毎日作ってきてあげるわ。感謝しなさいよね…」
「あ、あぁ…すまんな」
「いちいち気にしなくていいわよ…馬鹿」
そういうハルヒの笑顔は、今までで一番可愛かったように見えた。
まだ続く。
ユッキーはドジじゃないよ★ 危なくなったらマジックでぴょーんだから♪
でも朝起きるのだけはカンベンして…
657 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:42:57.91 ID:A/XEVnnp0
>>654 本人は本気なのに失敗ばかりしてる娘のことじゃない?
長門だったら、メガネを再構成しようとしてサングラスを再構成しちゃったみたいな
658 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:45:14.63 ID:qfdWagoQ0
>>655 そろそろタイトル付けたらどうだ?それとも前に付けてたっけ?
659 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:47:08.14 ID:6Qsvh+Z00
そういえば付いてないな。
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:48:22.85 ID:htNuRsqg0
>>658 いや、良い感じなタイトルが頭に出てこない。
見易さという点で仮タイトルでも付けた方がいいかな?
661 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:49:58.60 ID:qfdWagoQ0
いや、たんにまとめる時管理人さんが楽だと思ったから、無題はあんま増やしたくないみたいだし。
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:51:34.17 ID:6Qsvh+Z00
>>660 仮でもとりあえず付けといた方がいいと思うよ。
>>660 流石に1レスは……せめて2、3レスまとめて投下できないかな?かな?
664 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:52:13.20 ID:htNuRsqg0
あぁ、なるほど。
結構マジになって考えると出てこないな。
665 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:53:37.07 ID:htNuRsqg0
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 22:54:14.90 ID:777Kvp5mO
>>656 ハイテンション乙。それだけ書けるんならSSかいちゃいなよw
>>657 なるほど。俺のと少し違うな…とりあえずガンガルか。
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:05:07.70 ID:+p456yZsO
★#
669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:06:08.88 ID:A/XEVnnp0
>>666 あれ「萌える」って読んでなかったorz
萌えるってなると別になるからな。
ある程度典型パターンはあるだろうけど、訊いちゃつまんない。わかんないから面白いんだ。
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:08:52.28 ID:A/XEVnnp0
前から訊きたかったんだけど、ここの最重要テーマはキョンとハルヒの恋愛ってことだよね?
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:11:00.30 ID:6Qsvh+Z00
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:11:13.73 ID:wTh1WbWD0
>>657グラサンはギャグで萌えじゃなくね?w
俺もうまく言えないけど
「めがねの再構成し忘れた…すぐに再構成する」
「……長門?メガネ出てこないな」
「もう少し、すぐにできる」
「……」
「(高速コード詠唱中)」
「……」
「できた。どう?」
「……メガネ無いな」
「そんなことは無い」
「いや、かけてないぞ」
「そんなことは……ない」
「長門、ちょっと泣いているのか?」
「そんな、ことは…ないグスッ」
「長門、俺はメガネ属性はない、かけてない方がかわいいぞ」
「……そう」
「さぁ、帰るぞ」
「……ありがとう」
こんな感じですか?わかりません!><;
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:13:30.69 ID:A/XEVnnp0
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:24:36.26 ID:6Qsvh+Z00
>>673 投げやりな返答してすまんかったけど、
自分の書きたいやつ書けばいいと思うよ。
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:26:06.21 ID:bwIqNMp+O
>>674 ハイテンションのSSってことで出してんだろ。
ドジっ子ねぇ…本を読みながら階段を登って(降りて)、登りきった(降りきった)のにもう一段分踏み込んで調子が狂ってコケそうになるとか?
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:27:40.36 ID:dB2APlSY0
帰ってきたら投下ラッシュ。
皆さんZGJ!!!!
678 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:28:34.00 ID:WJP5hghuO
ドジっ子長門の話の途中すまんが、投下していいか?
679 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:30:38.02 ID:2fJztbeR0
イインダヨ
>>676 こういうことか?
長門「ありのままに今起こった事を話す。
『わたしは本を読みながら階段を登っていたと思ったら、いつの間にか降りていた』。
あなたは今わたしが何を言っているのか、理解できていないと予想される。
……わたしも何をされたのかわからなかった……。
頭がどうにかなりそう…TPDD、超能力等の能力とは明らかにかけ離れている。
それはもっと恐ろしいもの……。
その片鱗をわたしは体感させられた……」
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:31:13.41 ID:6Qsvh+Z00
24時間受け付けてるよ。
682 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 23:34:37.35 ID:WJP5hghuO
>>680 ちょwwポルナレフwwww
じゃあ投下します。
前回は
>>329-334 〜キョン視点2〜
あ〜、なんだってんだ畜生。ハルヒに呼び出し食らったと思ったら、あんなシーンを見せられるとはな。
正直、精神的に効いた。朝倉に刺された時より効いたかもしれん。
まぁ、俺が一人で舞い上がって勘違いしてたんだろうな。……恥ずい。
でも、あんなのを見せられた後でもまだハルヒの事を想っている俺がいた。
なんらかの拍子にあの状態になったとか……実は古泉が無理矢理抱いたとか……。
その辺はハルヒの態度を見れば分かるよな。
予鈴が鳴る。
ハルヒが俺が買ったコーヒーとウーロン茶を持って教室に入ってきた。
そういえば、あまりのショックに落としたのも気付かなかったのか。
「あ、悪いな、ハルヒ。岡部に呼び出し食らって行けなかったんだ。」
こんな感じなら不自然はないだろう。顔も引きつってない、たぶんいつもの顔が出来てるはず。
「まったく…しょうがないわね!また、部活の後でいいわ!!」
ハルヒは普段通りの顔で返事をしてきた。
見られた事に気付いてないのか?……それより、隠そうとしてるんじゃないか?
683 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 23:35:52.19 ID:WJP5hghuO
俺の頭の中に、不信感が渦巻いてくる。しかし、このまま普段通りの自分を演じなければいけない。
「……あぁ、わかったよ。ハルヒ、それ……?」
俺はハルヒの持っている飲み物に強引に話題を変えた。……そうでもしないと自分が保てそうになかった。
「あ、こ、これっ?これはね……「俺が来た時用に準備しててくれたのか。…まぁ飲まないのは勿体ないから貰っとくよ。」
ハルヒの口から出る言葉を遮り、コーヒーを取った。
何故なら、ハルヒが嘘をつくであろう事が何故かわかったからだ。
「……二倍がえしを期待してるわよ。」
もともと俺が買ってきたやつだ。やっぱり、こいつは古泉と抱き合ってたのを俺に見られてないと押し通そうとしてる。
何でだ、何でだよ。
やっぱり俺は一人で舞い上がってただけなのか?
そこからは、午後の授業にまったく身も入らず、淡々と放課後になるのを待った。
部室の前、俺は一人で来ていた。いつもは横にいるハルヒは今日は掃除当番らしい。
ノックをする……返事は無い。どうやら長門だけか。
長門なら、話聞いてくれるよな……。
「うぃ〜す。」
俺がドアを開けて中に入ると、長門は本を閉じた。
「おいおい、まさかもう帰るのか?」
俺が尋ねると、長門は少し頷いた後答えた。
「そう。あなたは、いま精神がとても昂っている。何かのいざこざを誰かに聞いてもらいたがっている。」
お見通しかよ。
「わたしが聞いてもろくに返事を出来ない、あなたを怒らせるだけ。」
俺は心の中を全て読まれたことに逆上したのか、少し声を荒げて言った。
「長門、今日は少し口数が多いな。俺を避けたいのか?」
「その態度、それがあなたらしくない。……わたしは帰る。」
そう言うと長門はドアに向かい歩き出した。
それを俺は壁に押しつけて止めた。
支援
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:37:19.66 ID:XYylytfSO
wktk支援
686 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 23:38:50.07 ID:WJP5hghuO
「何でだよ!話くらい聞いてくれたって……「……苦しい、離して。」
長門のあくまでも平坦で、冷静な表情と声。
瞬間、俺は正気を取り戻した。
「あ……、長門…悪い…。」
「……いい。また、明日。」
そのまま、長門は出て行った。俺は一人椅子に腰掛け頭を抱えた。
俺は最低だ。一人で勘違いして舞い上がって、八つ当たりまでしちまった。
誰かに殴られたいくらいの気持ちだ。
「キョンくん?どうしたんですか?」
気がつくと、朝比奈さんが目の前に居た。どうやら俺は入って来たのにも気付かなかったらしい。
「俺…ダメな人間ですよね。心は狭いし…長門にも八つ当たりなんてしちまったんです……。」
そこまで言うと、俺は再び顔を手で覆いうなだれた。
すると、暗闇の中で後ろから暖かい感触。
「大丈夫です。……何があったのかはわからないけど、きっとみんなわかってくれますから。」
バンッ!!!
「みんなっ!げん…き……」
「は、ハル…ヒ?」
「す、すす涼宮さん!?」
ハルヒは何も言わずにそのまま出て行った。
「ごめんなさい、朝比奈さんっ!!」
俺はすぐに追いかけて、ハルヒの肩を掴まえた。
「……何よ。」
687 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:39:50.48 ID:XYylytfSO
支援
688 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:39:56.07 ID:htNuRsqg0
wktk
689 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 23:40:11.85 ID:WJP5hghuO
俺は何て声をかければいい?勢いだけで飛び出したから言葉なんて考えてなかった。
「ち……違うんだ!」
こんな稚拙な言葉しか出ない自分の頭がうらめしい。
「何が違うのよ。あたしはあんた達が何してようと知らないわ。……昼休みだって、来てくれなかったし。」
「あ、あれはなっ!……」
先に言葉が続かない。しかし、このままハルヒを諦めたくない。
「あれは何よ。あんたなんか……あんたなんかみくるちゃんとベタベタひっついてデレデレしてればいいのよ、バカキョン!」
さすがにそこまで言われて黙っていれる程、俺はヘタレじゃなかったらしい。
思考を経由せずに口が勝手に動き出した。
「なんだよ…それ。お前だって……俺を呼び出しといて古泉と抱き合ってたじゃねーか!!」
「っ!!あんた……見てたの?」
ハルヒはかなり動揺した顔をしていた。しかし、俺はそのままの勢いで言葉を継いだ。
「その後も何もなかった様に振る舞いやがって……お前はあのシーンを俺に見せたかったが為に俺を呼び出したのか!?ふざけるな!!俺が……俺がどんだけお前の事を……。」
俺は言い終わらない内に、走って部室棟から出て行った。
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:41:44.01 ID:XYylytfSO
支援
支援
692 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 23:42:58.65 ID:WJP5hghuO
〜ハルヒ視点2〜
キョンには、全部バレていた。
あたしが古泉くんに抱き留められた事、その後のキョンに嘘をついて隠していたこと……。
それでも、キョンは我慢して昼休みまではあたしに変わらず接してくれていた。
みくるちゃんとキョンがイチャついていないのだってわかっていた。あれは多分落ち込んでたキョンをみくるちゃんが励ましてたんだと思う。
それを…キョンの優しさをあたしがほんの少しの嫉妬と苛立ちで台無しにした。
……一番悪いのはあたしじゃない。キョンも、みくるちゃんも、古泉くんも何も悪くない。
全部あたしが悪いのに…。
部室から無言で去ったあたしをキョンは追いかけてくれた。あたしは……あたしはキョンを追いかけて良いのかな?
そんな資格……ないかな。
部室棟の廊下の真ん中に立ち尽くしていると、みくるちゃんが目の前に来た。
「あ、あの…涼宮さん。話だけでも……聞いてくれませんか?」
頷いて、二人で並んで部室に入った。
団長席ではなく、さっきまでキョンがうなだれていた椅子に座っていると、みくるちゃんがお茶を持って来てくれた。
「ありがと…。」
声に元気が出ない、キョンにキツく言われて参ってるみたい。…自業自得だけどさ。
「涼宮さん、よかったら先に何があったかだけでも……聞かせてもらえませんか?」
あたしは、昨日の探索から、今日の昼休み、そして今の会話まで全てをみくるちゃんに打ち明けた。
「ごめんなさい……、わたしがあんな事しちゃったせいで……。」
「ううん、みくるちゃんは悪くないわ。あたしが勝手に勘違いして、イライラしてあんな態度取っちゃったんだもん。……でも、よかったらキョンに抱きついてた理由、教えてくれない?」
693 :
すれ違いの恋 ◆mtod1dSyOc :2006/10/17(火) 23:43:54.98 ID:WJP5hghuO
そこであたしが聞いた事は少なかった。
みくるちゃんが来た時にはキョンはあの状態で、有希に八つ当たりした事で凄く自己嫌悪をしていたという話だった。
「だから…ちょっとだけ、支えてあげようと思ったんです…。」
みくるちゃんはキョンの心配をしていた。もちろん、あたしが原因であんな風になったキョンを。
話を聞き、全てを頭で整理するとあたしの頭を渦巻く自己嫌悪。
何でこんな風になっちゃったんだろ。
あたしはキョンが好きで、キョンもあたしが好き。……いや、キョンはあたしを好き《だった》になったかもしれない。
まだ……取り戻せるかな?いや、取り戻したい。キョンとの楽しい時間を、あたしが最高の笑顔を見せることが出来る時間を。
「みくるちゃん、ありがと。……あたし、キョンと仲直りしてくる。たまにはあたしから謝るのもありよねっ?」
あたしの問い掛けにみくるちゃんは頭をブンブンと振って反応した。
「は、はいっ!素直が一番ですっ!」
そんなみくるちゃんに笑顔で別れを告げて、あたしは駅前公園に向かった。
キョンを呼ぶためにメールを打つ。
《よかったら、話を聞いて。駅前公園で待ってる。……ずっと、待ってるから。》
あたしは送信ボタンを押すと、携帯をポケットにしまい、早足で駅前公園に向かった。
午後22時、駅前公園。
あたしの座っているベンチは、一人あたしだけしかいない。
何で来てくれないの?もう、元には戻れないの?
目からは、涙が滲んできた。制服の袖でそれを拭い、あたしは呟いた。
「早く……来なさいよ、バカ。」
「…バカで悪かったな。」
後ろを振り向くと、そこにはコーヒーとウーロン茶を持ったキョンがいた。
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:44:32.68 ID:XYylytfSO
支援
695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:44:43.67 ID:WJP5hghuO
また、途中までっす。
サーセンorz
支援等、ありがとうございました!
生殺しwwwwww
697 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:46:07.34 ID:htNuRsqg0
698 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:46:33.51 ID:6Qsvh+Z00
ちょwwwここで生き殺し!?
699 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:46:46.99 ID:XYylytfSO
乙!
甘い続き期待してますぜ。
乙!GJ!
ただ、視点切り替えすぎな感が否めない。
だけど内容は俺のハートにズキューンなので良しとする。
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:50:50.28 ID:WJP5hghuO
やっぱり視点切替え過ぎですかね?
二人の両側からの気持ちを表現する方法あったら教えてくれませんかね?wwww
702 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:52:11.35 ID:R94Undxx0
703 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:52:28.48 ID:dOLKnQvH0
>>701 三人称
いや、このジャンルでは鬼門な気もするが
704 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:53:30.69 ID:6Qsvh+Z00
>>701 自分的にはいいんじゃないかと。
切り替えるときにちゃんと分かりやすくしてるし。
705 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:55:27.69 ID:WJP5hghuO
三人称……
文才が無いのと原作っぽさが出なくなるのが問題ww
特に文才の無さorz
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:56:21.33 ID:dOLKnQvH0
文才っつーか。
三人称で「キョン」って単語が出てくるとどうも間抜けと言うか、
何かこー、読む気が挫かれる感じがする・・・いや、人それぞれだとは思うが。
707 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:59:06.99 ID:bwIqNMp+O
>>695 い……き……ご……ろ…………し…………
視点切り替えについては、分かりやすければそれはそれで良いと思う俺ガイル。
強いて言えば、先にキョン視点で完結させて、後でハルヒ視点を書く…なんてメンドクサイ手も有るな…なんて思ったくらいだ。
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/17(火) 23:59:47.62 ID:777Kvp5mO
とりあえず途中までだけど投下します。ヤバい。意外と長くなりそうだorz誰か俺に無駄なものは無駄と判断できる力を下さい…
#目標としてはドジっこユッキー。だけど何か違うものがあるかも知れない。そこら辺は俺の腕不足故に…
ID777のうちにとりあえずできる限り行きます。
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:00:05.59 ID:ZIFRC5x50
とりあえず現時点で、今週の生き殺し王はYOU。
710 :
本日ハ晴天ナリ<一>:2006/10/18(水) 00:01:42.73 ID:mYhnMqOuO
え〜、マイクテス。マイクテス。ホンジツハセイテンナリ。ホンジツハセイテンナリ。
校長がマイクで言ったこの言葉。確か一番最初に電話で話した言葉がこれなんじゃなかったか?あくまで曖昧な記憶の中にある、
どうでもいい無駄知識の一遍だ。間違ってても俺を責めないでくれ。多分間違っているかも知れない。もし暇があって調べてみたら教えてみてくれ。
さてこんなどうでもいい事を考えてしまう程、今日は静寂で、極々ふつーな一日で終わると思っていた…が。
そこは高校に入って以来全くと言っていい程謎の現象に巻き込まれてきたこの俺だ。そんな平凡に終わってくれないのは、
運命とかいてさだめと詠むかの如くもう当たり前のことなのかも知れない…
そんな人生を呪おうとも思ったが、こんな生活を結構気に入っている自分がいて…だが…流石に今回は…困った。色んな意味で…
秋の陽気も麗らかに、だが木々の葉はまだ緑の割合が多く含まれていている。やっとわりかし色が抜け始めた葉もたまに見かけるぐらいだ。
本日ハ晴天ナリ。
まさに今日のような日には絶好な天気だ。気温もそんなに高くは無い。だが流石にこれからあんまりしていない運動をするのは気が引ける。
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:01:56.91 ID:np6lr60ZO
生殺してるつもりはないんだが、ハルヒ視点の区切りがタイミングよ過ぎてwwww
ってなわけで777じゃなくなった人にwktk!!
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:02:02.40 ID:huSqqZ+eO
コテで777つければいいじゃんと思ったり
713 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:03:06.26 ID:4byDFTSx0
777じゃなくなっても支援するぜ!!
714 :
本日ハ晴天ナリ<二>:2006/10/18(水) 00:04:55.05 ID:mYhnMqOuO
今日はいわゆる、体育祭だ。こんな大々的な学校を我らが素敵な素敵な団長様が見逃す筈が無く。
昨日高らかに部室で宣言したのは、まぁ予想はしていたが負けてはいけないという釘を刺すものだった。天下一品の負けず嫌い、此処に在り。
ちなみに、しっかりと罰ゲームも設定されている。SOS団の中で一番個人成績が悪かった者にハルヒが考えた罰ゲームが直々に下される。
ほとんど俺が罰ゲーム確定みたいなものじゃないか…あっ、あの人がいたか。あの人?
はて?どこかの農場に売られてしまうような人だよ。あの乳牛。なら大丈夫じゃないか。安心して怠惰な体育祭を過ごせるね。
また今年も去年のようにハルヒと長門の二人舞台だろうな。なんで陸上部に勝つんだよ。長門は兎も角、ハルヒだよ。
「キョン!今日はわかってるわよね!?SOS団の一員として、あんたが負けることは許可されていないわ!」
朝っぱらから騒々しい。あって第一声がこれなのは、相当ハルヒはテンションが上がっている証拠だ。一年と半年も付き合えばわかるさ。ちなみに負けていいという許可証は誰に貰えばいいんだ?
「そんなの持ってきたとしても、即刻ビリビリに破いてからもう一度紙を作って山羊に食べさせてやるわ!」
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:04:59.62 ID:Hp7mwAye0
私怨
wktk
717 :
本日ハ晴天ナリ<三>:2006/10/18(水) 00:06:38.38 ID:mYhnMqOuO
そんなめんどくさい事しないでそのまんま食べさせてやった方が山羊が腹を空かせて待たせない分、山羊にも優しいと思うんだが…まぁ俺に拒否権が無いのはわかった。今更ではないしな…
そんなどうでもいい会話をスルーさせて、もう一人のクラスメートに声をかけることにした。
「よう。調子はどうだ?」
「………」
顔も上げずに、ひたすら分厚い書物を読みながら微妙にわかるような角度で首を縦に傾ける。寡黙な読書少女はいつもと変わらないようなしぐさだった。
半年前に同じクラスにやって来た時は心底驚いたが、話を聞くと、同じクラスで観察していた朝倉が居なくなり、近くで観察する人が居なくなったため、変わりに長門が来たらしい。
「これで今年はうちのクラスの学校行事での優勝はまず無くなってしまいましたね。」
古泉が肩を竦めて見せたのも何故か印象に残っている。お前に同情をする気は無いが、まぁ他のクラスの皆々様には気の毒には思うな。まず勝ち目が無くなった訳だからな。
そんなこんなでほんのり暖かい日差しを浴びながら、長ったらしい話を聞くところまで戻る訳だ。
これが夏なら速攻で校長のカツラを剥いでいた所だが、今日の日差しはそこまで殺人的では無いから許そう。
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:07:29.23 ID:np6lr60ZO
支援
寝る
やっと無駄に長ったらしい話も終わり、いざ競技にやっと入る。やる事自体は中学校時代とそんなに変わらない。流石に玉入れとかいう幼稚なものはやらないみたいだがな。
玉入れを幼稚と思ってしまうのは偏見なのかもしれない。そこら辺はどうでもよい。
さて、俺らに関係がある最初の競技は二学年の個人対抗による、150メートル走だ。いきなり運動不足の俺の体力を無きものにせんとする競技だな…これは誰の陰謀だ…
最初に走るは古泉。コイツは一切微笑みを崩さないまま圧倒的差をつけて見事一位。コイツは顔もよければ運動神経もいいなんてなんで神様はこうも理不尽な世の中にしてくれたんだ。
続いて俺が第二レーンに立つ。何気に好ポジションな訳だが…結局は体力が保つかが問題だ。
「キョン〜!あんた、負けたら承知しないからね!?」
ハルヒに駄目押しのお言葉がかかる。わかってはいるが俺はそんな自身は無い。まぁなんとかビリにはならないよう努力の限りを尽くしますか…
………意外と俺はいけるもんかも知れない。自惚れなんて言うなよ。なにせ一位になってしまったんだから。まぁギリギリではあったが、それでも結果的には最高の出来ではないか。これでハルヒに文句は付けられない筈だ。というかつけるな。
721 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:11:02.87 ID:h7W6z+ZB0
SIEN
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:12:20.75 ID:v3wYnIAZ0
sien
723 :
本日ハ晴天ナリ<五>:2006/10/18(水) 00:12:59.58 ID:mYhnMqOuO
「ふ〜ん。あんたにしちゃなかなかやるじゃない。今度から雑用係から飛脚にでも役職を変えてあげましょうか。」
そんな最高なお褒めのお言葉を受け取り、ハルヒはさらに捨て言葉を吐き捨てた。
「あたしの華やかしい勇武を口をあんぐり開けて、よだれをダラダラ垂らしながら見てなさいよ!」
そんな汚い真似するか。そういうやつがいたらおしゃぶりでもくわえさせとけよ。少しはましになるんじゃないか?
言うだけ言うと、満足したのだろうか?男子が走るのが終わった後にある自分の番のための準備へと向かった。
ちなみに、ハルヒが走るレース。そこには長門もいた。どうやら誰かがハルヒと長門の因縁の対決が見たかったらしいな。
ちなみに…このレースには掛け金が設定されている。気の毒だなハルヒ。お前は競馬扱いだぜ。
レートとしては、割合長門の方が人気があった。まぁ実際なら長門が勝つんだろうが、ハルヒを負かすと色々不具合が生じるだろうな。
もう結果がわかっているならハルヒにでも金をかければよかったな…後悔した…まぁバレたら何されるかわかったようなもんだしな。巻き込まれる前にその要因に加わらなければいい。
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:13:09.45 ID:4byDFTSx0
キョンけっこうやるな。
支援
725 :
本日ハ晴天ナリ<六>:2006/10/18(水) 00:14:47.34 ID:mYhnMqOuO
位置について…用意…パンっ…
スターターの爆竹音とともに今レースが始まった…ってあれ!?
信じられないような光景がそこには在った…正直、今回ばっかりは自分一人だけでは状況を理解することは出来ないようだ…いや今回だけでは無いが…
長門が…スタートと同時に、今にもコテン、というような擬音が聞こえそうなぐらいに…可愛らしく…というか…とりあえず。こけた。
だが一度転んでも尚立ち上がって見せた…が。もう一度こけた。やはりコテン、という擬音と供に。
皆一様に唖然としている。ハルヒは一着でゴールしてから、何故か居ない長門の姿を探して、やっと見つけたと思ったらこんな状況で驚いているように見える。
とりあえず、俺は保健委員のポジションを利用して長門を連れ出した。あの超常の能力をもった長門が全くという程機能していない。なんかこれは一大事な気がする。
「膝擦りむいてるな…大丈夫か?」
「………へいき。」
とりあえず膝に消毒液を吹きかけながら長門に問いかける事にした。
「なんで超常的能力が機能していないんだ?」
転んだだけでこう決めつけるのは、まず長門が転ぶ事が普通に考えられないから。それだけ。勘ではあるが、確証はあるぞ。
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:14:50.55 ID:UcC+pXTbO
支援
727 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:14:56.34 ID:ZIFRC5x50
キョン君はやれば出来る子
728 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:15:57.54 ID:hdGyT3UE0
支援
729 :
本日ハ晴天ナリ<七>:2006/10/18(水) 00:16:37.17 ID:mYhnMqOuO
「………情報統合思念体との交信が途絶えている。」
ほら来た。一大事じゃないか。なんで急に繋がらなくなったんだ…もしかしたらあの情報統合思念体と敵対しているとかいうあいつらの仕業じゃ…
「違う。原因は涼宮ハルヒにある。」
ハルヒが?ハルヒが何をしたって言うんだ?
「恐らくこう願ったのでは無いですか?正々堂々、今日だけは謎の宇宙的、未来的、超能力的力無しに戦って勝つ。ほら、あなたがコンピ研と対峙したときに申したように。」
なんで古泉がいるんだよ…ストーカーか?そんなに俺が大好きか?俺は即刻に断りをいれたいんだがな。
「それは残念。まぁそれはさておき、僕は涼宮さんの専門心理学者ですからね。それと、状況説明役という役割を確立させたいわけです。」
「まぁそんなにやりたいんなら今回だけは大人しく状況説明役というのをやらせてやろう。それで、何故そんなにピンポイントで的を射止めるような願いをかけたんだ?」
「ただの妄想から来たんじゃないんでしょうか。きっとその変な力を使って涼宮さんを妨害せんとする輩が出てくる妄想でもしてたのではないかと。」
なんか無理やりな気がするぞ?まぁハルヒだしな。無理やりもクソも無いか。むしろそうしてくれ。色々とこちらの都合もあるんでな。
730 :
本日ハ晴天ナリ<八>:2006/10/18(水) 00:18:06.21 ID:mYhnMqOuO
「とりあえず長門さんには頑張って貰わないといけない訳ですが…涼宮さんはあなたを今回の体育祭でのライバルだと思っているみたいですからね。」
「わかった。」
長門は自分の膝に絆創膏を貼ろうとしたが…ねぇ長門さん?どうやったらそんな所に絆創膏を貼れるの?いくら手が滑ったレベルじゃないよ?
ちなみにどこに貼ったか…それは俺の口からは言えない。下手をすれば18禁だ。それはエロパロで。
長門は自分で貼った絆創膏をまじまじと眺めてから、それを剥がしてもう一度貼ろうとしたが、またやってしまうかも知れないので俺が貼る事にした。正直、さっきの…たまりません。
その後、何故か変に間違える長門を連れて運動場へと戻ろうとした。よく考えれば、長門は情報統合思念体の力が無けりゃ普通の人間みたいだな。それはそれでいいことなのかも知れない。変態的能力の一切無い、普通の少女…
とてん。
………この真っ平らな廊下のどこに転ぶ要因があるのだろう…顔面うってるし…おい長門?平気か?
「………へいき。」
いやいやいやいや長門さん?目が潤んでるって。それに鼻血出てるから!それは一女の子としては致命的ですって!…戻ろう長門。古泉はハルヒに事情説明頼んだ。
731 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:18:21.99 ID:UcC+pXTbO
支援
732 :
本日ハ晴天ナリ<九>:2006/10/18(水) 00:19:53.53 ID:mYhnMqOuO
「………へいき。」
ガン。
あっ…。次は壁か…しかもさっきと同じ所うってるし。鼻血の量が結構半端じゃないし!?もう緊急事態だ!
「長門!大人しくしてろよ!」
そのまま長門の顔を上に向かせてお姫様抱っこで保健室までダッシュ。これは体育祭にピッタリな競技だと思うぜ?かなりキツい。いくら長門が軽いとはいえ、そのまま長い廊下を走り抜けるのは相当堪えるって。
保健室に舞い戻り、長門に脱脂綿を詰めさせて仰向けで寝かせた。なぁ…なんとなく気づいたんだがさ…これ…普通の女の子じゃないよな?いわゆるその…なんだ…ドジっ娘ってやつじゃないか?
なんでもこなせるスーパーユーティビリティプレイヤー、長門有希。その仮面を剥いだそのの正体とは………!ざわ………!ざわ………!なんと………ドジっ娘!ざわざわ………!
正に正反対。プラスとマイナスの関係か、黒か白の関係か…だがそのギャップがなかなかどうしていいかもしれない…まぁここで今までの恩を返しておくのもいいかもしれない。この機を逃すと、もう恩を返す宛が無くなる気がする。
なんとか鼻血が止まった長門を引き連れやっとまた今度こそグラウンドへ戻るための道を進んだ。
733 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:21:19.91 ID:np6lr60ZO
支援
734 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:21:54.38 ID:UcC+pXTbO
支援
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:22:06.54 ID:Hp7mwAye0
「へいき」がテラカワユスw
736 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:23:36.41 ID:dWfkEOFo0
アナルまた落ちたwwwwwwwwww
支援
737 :
本日ハ晴天ナリの人:2006/10/18(水) 00:24:03.48 ID:mYhnMqOuO
とりあえずここまで。まだプロット的には半分いくかいかないか…誰かいらないものはちゃんと捨てられるようにしてくださいorz
多分根性で明日(もう今日か?)までには完成させたいな。てかドジっこってこんなんで大丈夫なの?実に微妙なのですが…
ID777で投下出来なかったorz
738 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:24:43.77 ID:Q2peUyfI0
連続で保守するのもどうかと思ってたら落ちた…ちくしょう……
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:24:53.50 ID:np6lr60ZO
乙!
続きwktk!
もっと萌えさせてくれ
740 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:25:31.48 ID:UcC+pXTbO
GJ!
長門…可愛いぞw
続きwktk
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:26:28.60 ID:4byDFTSx0
自分は寝ます。
あとよろしく。
742 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:27:40.78 ID:JlmnIX/r0
アナル落ちてる?保守
743 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:28:22.72 ID:kEp6KuLrO
長門「♪タンタンターヌキーのキン○マは〜〜〜」
キョン「……。」
長門「♪ラ〜〜〜ラララ〜〜〜ララ♪」
キョン「……。」
長門「♪ズータズタ〜〜♪」
キョン「な…何があったーーー!?」
保守
744 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:28:46.97 ID:yWQxajs80
銀座線で乗客の大量殺害計画が明るみに東京地下鉄の犯行行政も黙認
行政の中の人「石綿が危険だってみんながうるさいから排除汁」
東京地下鉄の中の人「いあー石綿取り除くんだったら地下鉄止めないといかんかもね」
東京地下鉄の中の人「そんなことしたら売上げが下がってしまうジャマイカ」
東京地下鉄の中の人「別に止めなくてもよくね?石綿で死ぬのって30年後ぐらいだろ?」
東京地下鉄の中の人「別に乗客が死んだってシラネーヨ 金が入ってくれば無問題 金は正義。」
東京地下鉄の中の人「法律には告知するようにって書いてあるんだけども」
東京地下鉄の中の人「そんなのメンドクセ。それにそれで乗る人減ったら困るジャマイカ」
東京地下鉄の中の人「告知しないでおけば 乗客は金払って 死ぬのは30年後 よってバレナイ」
東京地下鉄の中の人「コレ最強」
行政の中の人「シラネーヨ」
((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
http://www.geocities.jp/vipper_orz_jp/ginzasen_satujin/
ちなみに、<八>での絆創膏がどこに貼ったかですが…絆創膏 だ け で 隠すがヒントです。あまりにでもうやむやにし過ぎたのでw
そんなシチュが大好きだwww
746 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:31:09.22 ID:aEu5dmZb0
長門可愛いwww
立てておいた
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:37:25.93 ID:Ka/ABdTHO
ほ
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:43:04.04 ID:h7W6z+ZB0
しゅ
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:44:11.30 ID:9d7SVVTsO
保守
752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:47:24.67 ID:0ptY4GWiO
「…眼鏡の再構成を忘れた」「……その頭にのっかってるのはなんだ」
「……………うかつ」
こうですかわかr(ry
という保守
保守ついでに質問です。長編はどのくらいの長さまで許容範囲ですかね?
原稿用紙100枚越えとかは無謀ですか?
754 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:50:42.16 ID:np6lr60ZO
あんまり長過ぎるのはまとめに直接が良いかと。
保守
755 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:51:36.65 ID:UcC+pXTbO
>>753 おkでしょ。
夜中に投下されたら困るけどねw
756 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:51:48.40 ID:HH4ZUfRG0
10月8日が俺の中では最長SSだったかな。
あれは原稿用紙100枚超えていただろう。
757 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:52:15.76 ID:Q2peUyfI0
原稿用紙100枚程度ならいいんじゃない?
40000万字でしょ?
大体70〜80レスぐらいかな
758 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:52:22.04 ID:dLVeVjY60
>>737 ギャグなのはわかるがキョンがみくるを
馬鹿にするのにすごい違和感を感じた
759 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:54:09.42 ID:ZIFRC5x50
マイスイートエンジェル乳牛朝比奈さん
こうですかわかr(ry
という保守
サンクスです。ちょっと考えてみます。
>>757 >40000万字でしょ?
つっこめばいいですか!?
わかりません!
761 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:54:23.32 ID:Hp7mwAye0
長門転倒シーン
「ッ!」(つまづく)
「長門!!」
ドゴォン(壁にヒビ割れ)
「…な、長門」
「…少し力が入った」
とかどうだい?
762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:54:55.22 ID:UshmIAUC0
原稿用紙100枚って長いかな?
自分がこの間書いたのは130Kだったが・・・ええっと、これって何枚分だ??
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:55:22.16 ID:fVOGdYIs0
長くなるなら、区切りのいいところで分けて毎日投下、ってのも嬉しい。
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 00:59:47.50 ID:p2TNu+zE0
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:00:09.75 ID:UshmIAUC0
ちょっと計算してみた。
原稿用紙100枚=つめつめで4万文字。
空いている部分があるだろうから3万文字強くらいか?
テキストで60Kだね、そんなに長くないと思うよ。
原作の短編一本くらいかな。
767 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:02:37.74 ID:fVOGdYIs0
俺が前に投下したのは、250Kで原稿用紙251ページ分だった。
原稿用紙100枚越えなら全然平気じゃないかと。
768 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:05:44.97 ID:Q2peUyfI0
てゆうか、みんな原稿用紙で書いてるの?
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:07:15.96 ID:UshmIAUC0
んなわきゃない、と思う。
自分はパソじゃないと書けないタイプだ。
ラノベの賞の応募既定とかが300枚とか400枚だから
それを超えると流石に長いなあ、と思う。
学校の読書感想文なんかは3枚でいやになったのになあ
771 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:10:08.89 ID:GYEFiEEg0
>>768 パソコン上で原稿用紙が使える奴もあるぞ。
772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:10:40.15 ID:np6lr60ZO
携帯の俺はメール10000字に詰めて書いてる
あれ?
4万ってそんなに多くないなww
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:11:51.37 ID:Q2peUyfI0
今卒論書いてて150Pぐらいだけど、ここまで書くのに4週間かかったからな。
やる気がまったく出ない。
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:17:52.14 ID:Hp7mwAye0
字数で盛り上がってる時に悪い。
>>655だが、しつこくも続きができてしまったんだ…。
投下してもいいかい?
776 :
涼宮ハルヒの恋人(仮):2006/10/18(水) 01:21:21.51 ID:Hp7mwAye0
>>655の続き。仮タイトル決定。
そんなこんなで、初々しい雰囲気で昼食を食べ終え、今担任の岡部によるホームルームが始まったところだ。
(そういえば今日は個人懇談で四限で終わりだったか…)
この際昼休みの存在などにツッコむのはマナー違反だ。誰にでもミスはある。居直りだ。
心なしかHR中もクラスの連中がこっちをチラチラと見ている。恥ずかしいったらないな。
しかし冷やかしも幾分大人しくなり、安堵と共に再び眠気との激闘が幕を開ける。
「ねぇ、キョン…?」
えーと………デジャヴ?
四限目に聞いたような気がする声。
「なんだ…ハルヒ…?」
眠気を押し退けつつ訊ね返す。
777 :
涼宮ハルヒの恋人(仮):2006/10/18(水) 01:22:50.44 ID:Hp7mwAye0
「…キスして」
どうやら俺はおかしな夢を見ているらしいな。
一応空模様を確認した――青い。閉鎖空間ではないみたいだな。一安心だ。
「すまん寝ぼけてた。もう一回言ってくれ」
「バカキョン!キスしてって言ったの!今すぐ!」
クラスの動きが止まり、教室は静寂の空間に変わる。
ハルヒが何やら叫びやがったな…内容は…あー…
―――!!!
「な、なな何言ってんだハルふぃ!」
噛み噛みだちくしょう。
「…嫌…?」
…急に大人しくなりやがった。台詞だけ見た奴は長門と勘違いするかも知れない。
ハルヒは本日三度目の反則技で俺に挑んできたが、ここは男らしく華麗にサラリと受け流す作戦で行こう。
「大概にしろ!…今はHR中だろ」
少しキツかったかもしれない、しかし現状打破にはこれしか無いんだ。スマン古泉。
(お詫び次第では許してあげない事も無いですね)
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:23:02.20 ID:VdJRm9LB0
支援
779 :
涼宮ハルヒの恋人(仮):2006/10/18(水) 01:23:46.79 ID:Hp7mwAye0
…何か幻聴が聞こえたがこれも勿論無視だ。…というかどういう意味だ。
「じゃ、放課後ならいいのね!!?」
どうやら俺の作戦は全て裏目に出てしまったらしい。
今やハルヒは調子を取り戻し、恥ずかしいことを平気で大声に出している。
脅すような裏のあるニッコリが俺を捕らえて離さない。
「…まぁとにかく、その話は後だ」
辛うじて返した言葉がこれだ。しっかりしろ俺。
「先に帰ったら殺すわよ」
あー涼宮ハルヒさん?脅してまで唇を奪う…もとい奪わせるのはどうなんでしょう?
「お前ら、イチャつくのは構わないが、大声を出すのは感心しないな」
笑い声が起こる。岡部にまで冷やかされてしまった。
明日からの授業を想像しただけで恐ろしいが、今更どうしようもない。やれやれ…。
続く。
乙です!!
何か人いないな
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:25:18.32 ID:UcC+pXTbO
乙!
デレデレなハルヒ…良いねw
782 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:26:56.51 ID:np6lr60ZO
乙!
先の展開にwktkだなww
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:29:00.52 ID:fCsIHWC2O
この展開はすげぇ良いんだよ。なんか脳味噌溶けるくらい好きなんだよ。
でももうちっと一回の投下量を増やして欲しい。それだけ。
784 :
涼宮ハルヒの恋人(仮):2006/10/18(水) 01:30:42.76 ID:Hp7mwAye0
>>783 要望サンクス。次回の参考にする。
…というか五話がほぼ完成してから投下したから、五話もすぐ投下できる。
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:30:59.66 ID:iiIytzWK0
砂糖で出来た世界で死ねるなら本望。
wktk!!
786 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:32:08.92 ID:ZIFRC5x50
生き殺し軍曹の称号を贈りたい
787 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:32:47.45 ID:Ao5Tpu0a0
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:34:52.50 ID:Hp7mwAye0
…だがまだまだ続きそうなんだ。
溜めて一気に爆撃するか否か。
789 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:35:58.52 ID:Np1VqV/80
wikiへの投下をする場合、長編、キョンならそこのページまでいって<新しいページ>の所をクリックして
ワープロモードを選択、章分が必要なければタグとかページ説明の欄は空欄でいいのかな。
790 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:39:07.14 ID:UcC+pXTbO
>>788 溜めての方がいいな…
生殺しなんて嫌ぁぁぁぁぁ!
791 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:40:27.65 ID:Hp7mwAye0
792 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:44:36.63 ID:Q2peUyfI0
>>789 長編キョンにいったら、新しいページじゃなくて編集をクリック。
タイトルを打ち込んで投稿を押すと『タイトル(仮)』?と出るからそれをクリックすると、Wikiモードかワープロモードか選べるからそうするのが多分一番楽。
ただし、ワープロモードの場合メモ帳やWordから文章を写すとタグ情報がなくて、改行がおかしくなるからスレからコピペするか容量が足りるならWikiモードが推奨。
>ばタグとかページ説明の欄は空欄でいいのかな。
基本的にそこは空欄で構わない。
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:45:54.42 ID:fCsIHWC2O
>>791 ガンガレ!!!!
さて、一段落したところで一旦落ちるかな
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 01:51:14.81 ID:Np1VqV/80
>>792 ありがとう。 なんかいつも管理人さんとか保管してくれる人任せになっちゃってるんで色々調べてたんだ。
795 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:00:37.30 ID:sN5de1bJO
保守
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:08:31.75 ID:i70Dyior0
ホシュ
797 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:16:50.77 ID:i70Dyior0
誰もいない?
798 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:18:59.01 ID:np6lr60ZO
いるぜww
執筆中だ
799 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:19:06.26 ID:9R3G5sDIO
お前一人だけだ
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:20:39.69 ID:fVOGdYIs0
一人でもガンバレ
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:32:03.52 ID:np6lr60ZO
いつも最後で詰まる保守
今日も皆さん乙でした。続きを楽しみにしています。よって捕手
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:35:35.60 ID:v3wYnIAZ0
どうしよう・・・明日学校なのに起きられるかな?
保守しゅ
804 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:41:59.60 ID:i70Dyior0
明日は何かで学校休みだ・・・明日ってか今日だな
805 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:43:31.59 ID:fCsIHWC2O
>>803 今更そんな心配しねぇよ…
徹夜モードで★ュ
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:53:39.04 ID:i70Dyior0
もう寝るわ後頼む
807 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 02:58:10.14 ID:dWfkEOFo0
寝る前に
保守
808 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 03:05:22.43 ID:fCsIHWC2O
こ、このスレの為に徹夜してるんじゃないんだからねっ////
809 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 03:19:13.80 ID:kA2y6CEl0
余裕で保守
810 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 03:34:29.68 ID:kA2y6CEl0
ほしゅ
・・・って、誰もいないのか?
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 03:39:27.26 ID:fCsIHWC2O
後は頼んだぞ。俺は勉強せねばならん
812 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 03:43:37.52 ID:v3wYnIAZ0
補修
813 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 03:54:22.09 ID:iiIytzWK0
ねるほしゅ
814 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 04:11:33.51 ID:aEu5dmZb0
さすがにもう睡魔が保守
815 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 04:12:07.99 ID:PbZYYwHNO
・・・保守する。
816 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 04:15:38.19 ID:kA2y6CEl0
・・・あ、あとは頼んだぞwwwwwww
817 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 04:26:18.07 ID:fCsIHWC2O
マジかよwwww
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 04:43:29.87 ID:dLVeVjY60
保守
819 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 04:44:21.22 ID:PbZYYwHNO
保守するんだからね!!!
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 04:54:25.28 ID:dLVeVjY60
保守
821 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 05:19:48.08 ID:j39SKNVFO
おはようの保守
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 05:36:35.45 ID:fCsIHWC2O
あと30分で学校に着く保守
823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 05:43:11.25 ID:3cf11HwxO
保守党
おはよーほしゅ
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 06:01:16.49 ID:8WWO1pAaO
おはよう保守
ハルヒ「ちょっとキョン、あたしのプリン食べたでしょ!?」
みくる「私が食べた」
ハルヒ「…え?」
みくる「食べたのさ。私がな。私が食べたのだ。食べたのは私だ」
ハルヒ「そうなんですか」
みくる「そうなんです」
小泉「うんこ」
終
827 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 06:19:37.98 ID:v3wYnIAZ0
828 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 06:36:15.79 ID:j39SKNVFO
保守
829 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 06:39:40.87 ID:8WWO1pAaO
ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!」
キョン「俺は食ってねぇぞ」
長門「……わたしが食べた」
ハルヒ「!有希が……プリンを?」
長門「正確には違う。このスレッドにおいてプリンとは隠語。この場合は彼の事を意味する」
キョン「……意味が分からんぞ?」
長門「要約すると彼との昨晩の行為を示している」
キョン「は?」
ハルヒ「有希ぃ、あたしには分かったわよ……」
キョン「(昨晩?なんかしたっけか?)」
長門「そして食べた、というのは一方的に事象を済ませたと言う事」
ハルヒ「え?……嘘……」
長門「嘘ではない。深夜彼の眠りが深くなる時間帯を見計らっての行動」
ハルヒ「……まさか」
キョン「(まったく話の流れが掴めん。分からん)」
長門「わたしが行為の後処理を確実にしたので気付かれていないはず」
ハルヒ「……」
長門「……彼は中に……熱かった」
キョン「(何の話をしてるんだろうな)」
という保守
_ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩.
( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡
( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡
_ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩. _ _∩.
( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡 ( ゚д゚ )彡
( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡. ( ⊂彡.
| | | | | | | | | | | | | |
し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J
831 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 06:55:02.37 ID:OUhoIjqE0
IDがうほな俺が来ました
832 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 07:04:07.31 ID:j39SKNVFO
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 07:08:12.93 ID:np6lr60ZO
今起きた保守
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 07:18:42.57 ID:nbvee6Hi0
おはよう保守
835 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 07:22:36.62 ID:huSqqZ+eO
836 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 07:30:18.49 ID:DGWPwucg0
>>830 こっちみんなwwwwwwwwwwwww
837 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 07:45:55.53 ID:UcC+pXTbO
おはよう保守
838 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 07:57:06.78 ID:UcC+pXTbO
保守
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 08:09:12.76 ID:UcC+pXTbO
保守
840 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 08:20:59.08 ID:HuFZYVYTO
ほす
841 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 08:29:45.34 ID:Ka/ABdTHO
保守
842 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 08:55:30.07 ID:kNSjHFeIO
保守
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 08:56:18.39 ID:5dy0AZBfO
保守
844 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 08:57:51.92 ID:j39SKNVFO
>>835 とりあえず、お気に入りに追加した。
初心者の俺には、大変お勉強になるな^^
845 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 09:14:51.16 ID:np6lr60ZO
朝の間に投下しようとオモタけど無理だったww
遅ればせながら学校イテクル保守
ユッキーも「保守」としか言えないとさびしいよ…☆
847 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 09:22:33.06 ID:eaejg2N10
イテラ保守
848 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 09:24:25.11 ID:IIs3Nf5/O
849 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 09:44:57.00 ID:VKmXyOweO
やれやれ…
850 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 09:46:19.67 ID:kNSjHFeIO
保守
851 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 09:51:35.52 ID:0ptY4GWiO
保守
852 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 10:18:34.37 ID:j39SKNVFO
、、、、
ミ・д・ミ<ほっしゅ
""""
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 10:44:52.34 ID:eaejg2N10
ふぉっしゅ
854 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:02:38.57 ID:VKmXyOweO
ほーしゅ
a
856 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:13:05.35 ID:kA2y6CEl0
ほしゅ
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:15:02.45 ID:Si1tpiw90
858 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:29:06.60 ID:eaejg2N10
保守代わりに没プロットでも公開して良い?保守
859 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:35:20.80 ID:j39SKNVFO
860 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:35:21.26 ID:VKmXyOweO
うぷ!うぷ!
861 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:38:17.91 ID:eaejg2N10
ここで発表されたのとなんだか内容がかぶっているので急にやる気がなくなって
プロット作成途中で放棄した。
気に入ったら誰か拾ってやってくれ。
タイトルは、リメンバーズアゲイン
高校を卒業しすでに6年が経過しようとしていた。
人を好きになるということはただの精神病の一種だと切り捨てるハルヒとなかなか進展しないキョン。
肉体的関係を持つこともあったが、あくまでも一時的なモノでしかなかった。
普通の生活にも慣れ、いろんな女性と出会い、色々言い寄られたりもするが全て断るキョンに対して社内で
ガチホモでないかとか噂されたりもすることに、いらだちを覚えたり、
普通の恋人らしい生活を送りたいキョンにとって、二人の関係はいろんな意味で限界であった。
しかし、生まれ持っての意地っ張により決してハルヒにそんなことは言えず、
こんなパターンは逆だろとか思いながらも、いつもの喫茶店でハルヒに久しぶりに会い
「会社内の女の子に言い寄られて困っているから、そいつとつき合うことにする」
とハルヒにいうキョン。
「あっそう。あんたの好きにすれば」
の一言ですませるハルヒにらしくもなくぶち切れるキョン。そのまま、喫茶店を出て行く。
キョンは過去のことを思い出しながら車で暴走する。
やっぱらしくねえと、思い返したとき、目の前の大型トレーラーが横転し、巻き込まれる。
燃え上がる車内で最後に撮ったSOS団のメンバーとの写真を握りしめキョンは意識を失う。
目が覚めるとそこは見たことのない平原であった。天国かと思いさまようキョン。
うさ耳の少女が草陰から現れ、唐突にキョンの前に現れた大樹の中に消えてしまう。
その木に触れた瞬間木の中に引き込まれるキョン。
862 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:39:04.33 ID:eaejg2N10
再び目を覚ますと、丘の上に見慣れた北校の校舎があった。
しかし、廻りの風景は現世とは違うファンタジーとも時代劇ともS世界とも言えない奇妙な世界が広がっていた。
町中にはロボや動物耳付き人間、古典的な宇宙人や、RPGの世界から出てきた魔法使いや騎士達などが
闊歩する世界だった。
夢だと思いながらも物陰から出て、道行く犬耳付きのお姉さんに話しかけるキョン。
お姉さんは突然悲鳴を上げる。
それと同時にあたりから、緑色のゼリー状の人間が現れ、キョンを追いかけてくる。
絶体絶命の危機に現れたのは古泉であった。
聖人を光球で倒す古泉。
キョンを見て生きていた事を喜ぶ古泉。
キョンは一体ここが何時で何処なのかと古泉に問いかけるが、その質問に笑う古泉。
「ここが何処で何時なんか誰にもわかりません。明日になればまた世界が代わり、人々の記憶も変わる。
日付の概念すらない。例えば今こうやって僕と会っているとする。でも明日になればあなたは居なくなる。
しばらくあっていない人に声を掛けたら、昨日会ったばかり言われる、そんな個々の時間が無茶苦茶なんですここは。
つまり、人間は群れをなすことも、思い出を共有することも出来ない。
友だちや家族、恋人や絆そんなものはとっくの昔に消え去った世界なんです」
ただ、先ほどであった緑色のゼリー状の人間《聖者》達が人間達をことごとく消滅させようとしているらしい。
何故そいつらがそうしているのか解らないが、明らかに異能な奴らには近づかず《聖者》どもから必ず逃た
ほうがいいと教えてくれる。
突然物音がしふり返るキョン。再び古泉をふり返ると古泉は消えていた。
863 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:41:00.65 ID:eaejg2N10
元の世界がこのように変貌を遂げていたとしたら、それが出来るのはハルヒただひとり。
しかし、ハルヒがこのような世界を望むとは思えない。
背広のポケットからタバコを取り出し。一息入れようとするキョン。
そのポケットには、意識を失う前に握りしめていたSOS団のみんなで撮った思い出の写真があった。
絆のない世界。思い出の共有出来ない世界。そんなことがあっていいのか?と
こんな世界はいやだ。俺はもう一度みんなに会いたいと、決意し再び歩き出すキョン。
とにかく人間を捜し出すことをはじめるキョンであったが、猫耳の朝比奈さんらしき姿を見つけて追いかける。
しかし彼女はこの世界の住人であった。
再び《聖者》に囲まれる。その危機を救ってくれたのは、なんとハルヒであった。
ここから先は、朝倉が出てきたりする。
落ちは、この世界はもし朝倉がキョンの殺害に成功していて、ハルヒの情報爆発によって作り出された平行世界
ツー落ちだったんだがもういいや(´・ω・`)
864 :
過汚痢:2006/10/18(水) 11:42:23.19 ID:BO1a/f/H0
865 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 11:47:54.69 ID:VKmXyOweO
866 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 12:00:38.29 ID:eaejg2N10
>>865 だから作ってないがな(´・ω・`)保守
867 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 12:14:25.95 ID:dLVeVjY60
昼休み保守
869 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 12:26:32.06 ID:RT6Px4dg0
特盛り!!
保守
870 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 12:33:22.76 ID:iiIytzWK0
おはほしゅ
871 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 12:40:14.45 ID:VfIWGSkS0
数年後。病院にて
看護士「元気な男の子ですよ。おめでとうございます!」
キョン「ハルヒ!よくやった」
ハルヒ「この子の名前は総司で決まりね!総司、私の言う事だけはよく聞きなさいよ」
そんな保守
872 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 12:56:18.02 ID:v3wYnIAZ0
hosyuuu
873 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 12:56:26.39 ID:UcC+pXTbO
保守
874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 13:11:39.99 ID:UcC+pXTbO
保守
875 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 13:16:05.62 ID:drQ5Tag/O
保守
876 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 13:35:23.94 ID:iiIytzWK0
ほしゅ
877 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 13:52:41.46 ID:mYhnMqOuO
「お前今日中に仕上がるのか?」
「………へいき。」
「………そうか。」
ゴッ…
「………へいき………。」
「鼻血出しながらそんなこと言われても説得力ありません。ほら泣くな。」
そんな保守
878 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 13:53:48.73 ID:j39SKNVFO
ハルヒ「このあたしに保守させるなんて、いい度胸じゃない!罰金よ!」
879 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 14:11:53.38 ID:9R3G5sDIO
保守
880 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 14:25:17.00 ID:nDXeIvaH0
hosyu
881 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 14:25:42.25 ID:53XnPDyFO
ほも
882 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 14:27:15.75 ID:eaejg2N10
長門「SELECT シリアルコード FROM 2chデータベース WHERE news4vip ORDER BY 1160993176.dat HAVING
スレッドネーム『ハルヒ「ちょっとキョン!あたしのプリン食べたでしょ!?」』。該当対象のdat落ち防止保守を申請する」
883 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/10/18(水) 14:41:14.37 ID:byvp1rVv0
ほ
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 14:41:38.79 ID:i70Dyior0
ほshU
885 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 15:01:23.83 ID:iiIytzWK0
ほしゅっ!!
みくる「ひゃ〜い。わ、わたしだって、一人で立派に保守できま〜しゅ。ポンコツなんかじゃありましぇーん」
887 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 15:20:26.84 ID:UcC+pXTbO
保守
888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 15:26:54.57 ID:j39SKNVFO
長門「…保守」
889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 15:39:54.51 ID:UcC+pXTbO
保守
890 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 15:49:49.85 ID:UcC+pXTbO
保守
891 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 15:49:58.61 ID:0ptY4GWiO
保守
キョン「はぁ…なんで俺が…」 捕手
保守
894 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 16:07:15.49 ID:j39SKNVFO
谷口「いけね!また開いてる」保守
895 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 16:21:35.91 ID:UcC+pXTbO
保守っ!
岡部「俺と一緒にハンドボールやりたいやつは保守…じゃなかった挙手してくれ」
897 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 16:44:43.91 ID:UcC+pXTbO
このまま次スレ立つまで保守か?w
898 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 16:52:34.00 ID:mmAHs4cm0
次スレが立ったくらいに生殺し系の連載陣が来るんじゃね?
899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 16:57:41.17 ID:UcC+pXTbO
だと良いんだが…
まぁ「聖杯」の投下もあるだろうし、それまでwktkしとくかな。
今日もこの時間は過疎か
901 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:16:17.79 ID:j39SKNVFO
キョン妹「早くハルにゃんのお話ききたいな」
902 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:17:23.07 ID:nHHkfqZW0
中途半端だからね
18:00から人が戻ってきて
20:00辺りに投下が始まるのがお約束
な気がするのは俺だけかな?
903 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:18:59.96 ID:+Y/wWkor0
>>882 宇宙でも使ってるDBはオラクルなんだろうか・・・保守
904 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:19:29.97 ID:dWfkEOFo0
>>902 そんな感じじゃないか?
帰宅時間と重なるから
905 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:28:27.11 ID:UcC+pXTbO
じゃあ今は学生の保守タイムか。
保守
907 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:34:58.57 ID:wY/O+Tll0
マッガーレッ
908 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:35:46.53 ID:Ka/ABdTHO
保守
909 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:51:10.08 ID:53XnPDyFO
保守
910 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:52:43.21 ID:S0F09qpfO
阪中「保守しとくのね」
2ヶ月ぶりにこのスレ来た
久々にSS書いてみる
保守
912 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:58:34.91 ID:eaejg2N10
913 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 17:59:24.62 ID:UcC+pXTbO
>>911 って事は1日1スレの時ぶりぐらいか…?
作品wktkだぜ。
914 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:17:13.87 ID:UshmIAUC0
保守しつつ
次スレの>>1には字数制限行数制限も一応書いた方が良いのではと言っておく。
915 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:23:03.91 ID:fVOGdYIs0
17時間、なんのSSも投下なしか。
今日は静かだ。
916 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:24:49.76 ID:ygRNZZSe0
917 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:28:42.33 ID:eaejg2N10
>>914 長編投下の際の注意
超長編(もしくはSS職人)の場合はコテトリ付けようっ!でも住人の空気もよく読まないとだめにょろよ?
前の文章とレスが離れてしまう場合は、文頭に安価つけてくださぁいですぅ・・・あの、お茶どうですかぁ?
基本はお題フリーです。しかし、主に恋愛系(特にハルヒ)が人気の様ですよ。フフフ、僕とキョン君の恋愛話も大歓迎ですよマッガーレ
当初の題目は「キョン×ハルヒ」結婚ネタ・・・けど、今はほとんど皆無。別に気にしないで。
キョン君、過度な性的描写はやめようね〜、タンスにエロビデ隠してるの知ってるんだからね〜
ageるのもいいけど元気すぎるのと一文字作文は控えたほうがいいと思うのね
1レスには最大30行、全角で2048文字まで入るのは規定事項だが、これ以上は、ふん、禁則だ
要するに気楽に投下してくれ。メモ帳にまとめて投下、ってのがお勧めだな。
自分で投下した長編はなるべく自分で編集すること、わかった!?
それじゃ、さっさと投下しなさいっ!いい?あたしを退屈させたら死刑だからねっ!
DAT保管庫
http://haruhiss.xxxxxxxx.jp/ 新まとめサイト
http://www11.atwiki.jp/xgvuw6/ こんなかんじかいっ?サルさんのことも入れた方がいいのかい?
918 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:29:50.11 ID:j39SKNVFO
鶴屋「皆さん保守めがっさお疲れ!」
919 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:30:11.28 ID:dHrpA5Z3O
あ、あのー
少し早いんだが、コーヒーはどうだ?
920 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:32:58.29 ID:np6lr60ZO
wktk!
921 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:34:25.43 ID:VD9g9oyF0
ktkr
922 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:38:07.73 ID:dHrpA5Z3O
少し早いですが、ラッシュになる前に第7話の3夜目、やらせて頂きます。
全10レス程お借りしますね。
そして、また朝が来た。
ハルヒの「バンド結成宣言」から2日が過ぎた事になる。
予定通りに行けば、あと4日後にはお披露目か・・・。
俺は授業中にも関わらず、窓の外を見ながらボンヤリと考える。
あれほど憂鬱だったバンド活動も、ハルヒのENOZに対する熱い想いに影響された為か、最近は心なしか楽しく思えてきた。
朝比奈さんがピアノ経験者だった事が発覚したり、古泉がワリと乗り気で自分なりに練習してたり・・・と、なんとなくバンドの形が見えてきた事も、その原因かもしれない。
それと・・・昨日、ハルヒから渡されたこのスコア!(※楽譜の意)正直、驚いた。
俺は、譜面を一目見てどんな曲かを理解出来る程のスキルを持ち併せてないので、帰宅後にパソコンに譜面を入力して実際に音に変えてから気が付いたのだが、
入力したパートとそれを再生する為に打ち込んだ暫定的なリズムのみを聴いただけなのに、
劇的にアレンジが変えられているのが解るのだ。
(これを、全員で演ったら一体どうなるんだ?)
嬉しい意味で、まったく予想がつかない。
そして、ハルヒの持つ才能の奥深さに思わず感嘆の溜め息をつく。
923 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:38:45.58 ID:UshmIAUC0
>>917 良い感じなんじゃないだろうか。
サルはどーだろうね・・・。
924 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:39:25.17 ID:dHrpA5Z3O
ハルヒはENOZを「あのバンドは普通じゃない」と賛じていたが、ハルヒも十分普通じゃない。
おそらく、俺以外のメンバーに渡したスコアにも、それ相当のアレンジが確実に施してあるだろう。
考えるだけで、たまらなく胸が騒ぐ。
ちなみに、俺が引き受けたのはキーボードパートの2とSE(※効果音等々の意)で、キーボードパートの1は全編ピアノを使用する為に朝比奈さんが受け持つ事になった。
ハルヒからスコアとともに手渡されたメモによれば、「ストリングス(※弦楽器同士の複合的な音の意)は必ず手弾きにしないと死刑よ」と書いてあった。
(手弾きって事は・・・俺がステージでコレを弾くって事だよな。)
ステージに立つことには未だ抵抗を感じているものの、今はとにかくみんなの音が聴きたいと思う。
だから、昨日は既にモノ置き場と化していた自宅のアップライトピアノ(※一般的な御家庭にみられる箱型のピアノ)の蓋を開け、軽く練習までしてしまった。
若干調律が狂っている気もしたが、予想以上に動かせる自分の指に「ピアノ・・・辞めなきゃ良かったな」と本気で後悔した程だ。
そんな事を色々と考えているうちに、早くも昼休みになった。
925 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:40:14.65 ID:dHrpA5Z3O
弁当を取り出そうと鞄をアサっていると、後ろの席でハルヒが机にへばりついているのが見える。
-おい、何やってんだ?
「んー?作詞。」
-ん?今度演る曲って、コピーだろ?
「そうよ。でも、英語詞でしょ?伝わらないのよ。だから書き直す。」
-訳すだけじゃ駄目なのか?
「どうせなら、アタシの言葉で歌いたいじゃない?」
-まあ、な。
「ほら、邪魔しないのっ!放課後までには仕上げるから、そしたら見せてあげるわよ!」
放課後・・・か。
思えば高校に入ってこの方、これほど放課後が待ちどおしいと思った事なかったな。
926 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:41:01.20 ID:dHrpA5Z3O
そして放課後、急ぎ足で部室に向かうと、入り口に近付く随分手前からドラムを叩く音が聴こえてきた。
(古泉か。やってるな・・・)
部室に入ると、もう秋も終わりだというのにTシャツ一枚で汗をかきながらドラムを叩いている古泉の姿があった。
その横には、ヘッドホンを頭に被りキーボードを確かめる様に弾いている朝比奈さんも居る。
二人は俺の姿に気が付くと、手を止めた。
-すごい汗だな、古泉 。
「いや、結構なスポーツですよ?これは!涼宮さんのくれた楽譜はシンプルで、初心者の僕としては助かったんですが、なにしろ随所に『力強く』と書いてあって・・・」
-なるほどな。
「そうだ、ちょっと聴いてみて貰えます?」
927 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:45:15.71 ID:dHrpA5Z3O
そう言うと、古泉は朝比奈さんに目配せをした。朝比奈さんが頷いてそれに答える。
なんか、羨ましいぞ。
「では、いきます!!123・・・」
古泉のカウントとともに、朝比奈さんが指を鍵盤に「叩きつけ」る!
普段の朝比奈さんからは想像もつかない姿に一瞬呆然とさせられる。
そして、古泉が繰りだす正確なスクエアビートに朝比奈さんの奏でるピアノの音色が飛び乗った!
(す、凄いっ!)
ビートは更に加速し、そこにある筈のない風を生む・・・
そして、しばらくそれは続いた後ピタリと止んだ。
「如何ですか?イントロの部分だけ合わせてみましたが?」
-い、いや・・・言うまでもない・・・。最高だった!
驚いた!ピアノとドラムだけでもそれなりの事が出来るもんだ。
しかも、古泉の奴・・・なかなか上手いぞ?
-ち、ちょっと待っててくれないか?
俺も準備するから!
俺は慌てながらパソコンにキーボードを繋ぎ、別に用意してあったシンセ(※シンセサイザーの略。自分の好みの音色を作る事が出来る)にモニターを繋いだ。
928 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:45:51.31 ID:np6lr60ZO
支援だわい
929 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:46:26.92 ID:dHrpA5Z3O
あと少しで準備完了!というところで、部室の入り口から煩い声がする。
「あれえっ?みんな居るじゃないっ!」
声の主はハルヒだった。そして・・・長門も居る。
「アタシ昨日、明後日まで各自練習!って言っちゃったでしよ?だから今日は誰も来ないかと思ってたわよ!」
-道具がここにあるんだから、来ない訳無いだろう?
「それは、そうね!うん・・・仕上がり順調みたいね?その様子だと。」
-ああ。どうだ?試しに・・・
「合わせてみる?」
こうして、明日の筈だった全員揃っての演奏練習の予定は見事に前倒しになった。
しかし、当然悪い気はしない。
俺は高鳴る気持ちを抑えつつ、準備をすすめる。
古泉も、さすがに今日はニヤけていない様だ・・・。スネア(※小太鼓みたいな奴ね)やキック(※バスドラムの意)を数回鳴らして感触を確かめている。
朝比奈さんも普段から考えられないような、キリッと引き締まった表情でピアノとアンプのボリュームを合わせる。
ハルヒと長門も、各々のアンプにギターとベースを繋ぎ終え、チューニングを始めた様だ。
「ちょっと、キョン!いや、みくるちゃんでも良いわ!Eの音(※ドレミのミの音)ちょうだい?」
「あ、はいっ!これで・・・良いですか?」
930 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:47:33.65 ID:Q2peUyfI0
>>917 いいと思うけどageについての1行はいらないだろ。
931 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:48:10.64 ID:dHrpA5Z3O
ハルヒは二、三度軽く弦を鳴らしペグ(※ギターの弦の張りを調節する部分)を回した。
「うんっ!ありがと!ユキは大丈夫?」
「・・・・準備完了。」
そして、ひと通り準備が終わると、部室の真ん中に立ち説明を始める。
「えっと・・・みんな、聞いて!大体解ってもらえてるみたいだけど、今回アタシ達が演る曲ね?アタシが元曲にアレンジを加えて、歌詞も書き変えちゃったの!実際に演奏してみて、意見や気付いた事があれば遠慮なく言ってね!あと・・・キョンと古泉君、アレの準備は良い?」
『アレ』とは俺と古泉の耳にヘッドホン越しに聴こえるメトロノーム音の事だ。
俺の用意したパソコンが自動的に演奏する部分のパートと、全体の演奏の間に「ズレ」が生じない様にする為のモノで、ハルヒ曰く「アタシの考案よっ!」との事だが、多分本人の勘違いだと思う。
「OKね?じゃあ、行くわよ!」
俺は古泉に軽く目配せをして、手元のエンターキーを押した。
鳴り響くSE!
その瞬間、古泉がキックを鳴らす。
続けて朝比奈さんのピアノがハジけながら走り出す・・・
スタート成功っ!
932 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:48:57.12 ID:dHrpA5Z3O
弾む様なベースラインを奏でながらハルヒが飛びはねている。
その横で、長門が丹念に折り重ねる様にギターでリズムを刻む。
(これが・・・バンドか!)
俺は息を飲みながら、自分のプレイに集中する。
そして・・・ハルヒが歌い始めた!
♪━━━真っ直ぐに受けとめてよ
目の前にいる ただ ありのままのアタシを━━━
━━独りきり 立ち尽くす 蒼い光の海
生まれ落ちた ミネルバ━━━
♪━━━決める時は 決めなきゃ駄目だよ?
躊躇っているうちに 撃ち抜かれる━━━
♪━━━心折れない 足を止めない 傷付くのは怖くない
私の心には 君がいるから━━━
♪━━目をそらさない 痛み避けない 希望きっと捨てない
変われるさ 今日から 光輝くアタシを見てよ━━━━
933 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:50:07.73 ID:vTi/YiGt0
最近同じ作者ばかりだな
いや、コーヒーがつまらないと言ってるわけじゃないぞ?面白い。
だがコーヒーだけじゃなくてカフェオレとかオレンジジュースとか、ビールなんかも飲みたいぜ。
934 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:50:42.25 ID:np6lr60ZO
支援
935 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 18:51:26.47 ID:dHrpA5Z3O
力強いボーカルが、部室全体を揺さぶり・・・心地よい速度で回り始めた・・・
そして・・・ただひたすら、譜面を追いながら鍵盤を叩く俺を飲み込んでいく。
♪━━━心折れない 足を止めない 傷付くのは怖くない
私の心には 君がいるから━━━
♪━━目をそらさない 痛み避けない 希望きっと捨てない
変われるさ 今日から 光輝くアタシを見てよ━━━━
936 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:53:08.57 ID:UcC+pXTbO
支援
937 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:56:37.30 ID:np6lr60ZO
猿か?
支援
938 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:57:08.55 ID:UcC+pXTbO
支援
939 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:57:42.84 ID:eaejg2N10
サル解除支援
940 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 18:58:30.38 ID:j39SKNVFO
支援
941 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:00:10.07 ID:np6lr60ZO
スパーが7時をお知らせする支援
942 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:00:27.48 ID:UcC+pXTbO
支援
943 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:01:19.62 ID:drQ5Tag/O
支援
944 :
コーヒーふたつ7 ◆2xLpx6qEVE :2006/10/18(水) 19:01:31.25 ID:dHrpA5Z3O
本当に、瞬く間の出来事だった。
歌い終えたハルヒが、肩で息をしているのが見える。
古泉が目を閉じて深く息をする横で、朝比奈さんが恐る恐る部室の中を見回す。
長門の額に少し汗が光っている・・・
-どうだ?ハルヒ・・・
「・・・バッチリっ!イメージ以上よ!!みんな最高っ!!!」
不意にみんなの顔から笑顔が溢れる。
俺も、気付かないうちに笑っていた。
ハルヒは続ける。
「もっと・・・もっと練習しよう!アタシ達、もっと凄い事ができるかも!」
つづく
【参考曲】REAL YOU/山田優 2006
以上です。支援ありがとうございました。
さる食らった〜orz
945 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:02:22.59 ID:D6A4VtwO0
946 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:02:55.15 ID:bDjfi30z0
乙!!
続きwktk
947 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:03:48.26 ID:np6lr60ZO
乙!GJ!
続きwktkなのね。
948 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:07:05.34 ID:bDjfi30z0
949 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:07:39.28 ID:j39SKNVFO
コーヒーンの人乙です
バンド物いいねぇ
950 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:08:26.11 ID:j39SKNVFO
951 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:09:35.28 ID:eaejg2N10
REAL YOU を歌う平野綾がなぜだか想像出来んが
しかし続きwktk
952 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:16:45.71 ID:UcC+pXTbO
953 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:17:41.44 ID:e9vq0WpNO
埋める?
954 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:18:41.97 ID:np6lr60ZO
埋めるか。
次スレ立ったし
955 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:20:09.17 ID:e9vq0WpNO
では産め
956 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:21:16.88 ID:+Y/wWkor0
ハルヒのプリンを校庭に埋め
957 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:22:30.50 ID:np6lr60ZO
あと少しでSS書き終わる埋め
958 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:23:41.12 ID:e9vq0WpNO
なんもなし埋め
959 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:27:10.60 ID:iiIytzWK0
960 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:28:07.73 ID:v3wYnIAZ0
次スレってたてるん??
961 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:28:26.95 ID:bDjfi30z0
うめ
962 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:28:36.57 ID:fVOGdYIs0
963 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:29:18.53 ID:iiIytzWK0
産め
964 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:29:28.35 ID:UcC+pXTbO
埋め
965 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:29:49.84 ID:+Y/wWkor0
校庭のなかに埋めたプリンのなかに古泉埋め
>>1000 1000は始めてか?力抜けよ。
マッガーレ埋め
967 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:33:14.16 ID:UcC+pXTbO
埋め
968 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:33:39.21 ID:+Y/wWkor0
埋めた古泉のアナルにカマドウマ埋め
969 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:34:04.54 ID:np6lr60ZO
過去に1000のみくる祭り開催が無視されている埋めww
970 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/10/18(水) 19:37:05.88 ID:e9vq0WpNO
欝もしくはヤンデレktkrという埋め
971 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
埋め