>>231の続き
修学旅行2日目 昼 日本司法博物館
内「ここは何?」
恋「…またマニアックな」
俺「知ってるのか、恋敵?」
恋「まあ、ただの博物館なんだけど、変わった展示があるんだ。ついてきて」
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恋「(今日は俺くんと二人ってのは難しいか…)ここね」
俺「川島芳子記念室。…誰だ、川島芳子って?」
内「…東洋のマタハリ」
恋「内気くん、正解。男装の麗人とも言われた戦時中の、まあ、スパイね」
俺「ふーん、ああ、結構美人じゃん」
恋「男装の理由の一説として、養父に関係を迫られたから、という話もあるくらいだしね」
内「かっこいい人だなあ…」(男装の写真を見つめる)
俺「なかなかに激動の人生を歩んだ人なんだな」(説明を読みながら)
恋「清王朝、満州国、関東軍、時代に翻弄された不運な人でもあるよね」
内「…この人、男の人と結婚したりしたんだ」
恋「…確かに結婚したり、離婚したり、同棲したりしていたみたいだけど…」
俺「…そこ、気になるところか?ちょっとズレてないか、内気」
内「あ、ご、ごめん。男装してるっていうから、女であることを隠してたのかとか、
それであの時代を生きてたら大変だろうなとか、そう思ってたから…」
恋「内気くーん、いくら男装って言っても限界があるでしょ。そんなの隠せるのは物語の中くらいだって」
内「あはは…。(いま隠してるんだけど)」
俺「ま、男装してるって言っても女なんだから、好きな男と一緒になりたいのは普通だろ」
内「…うん、そうだよね」
俺「仮に俺が女装しても、やっぱり彼女は欲しいしな、はは」
恋「何気持ち悪いこと言ってるの。…変な話になっちゃった。出ようよ」
俺「おう」
内「ごめんね、変なこと言い出して」