515 :
88式vs90 1:
「畜生チクショウちくしょう!!!!福岡って大都会じゃなかったのかよ!!なんだこの光景はぁっ」
息を殺しながら一人で悪態をついてみる
とうにガラスの無くなった窓からは下の道路ガラスの破片を撒き散らしたビルやアメの様に歪んだ信号機が見える
その風景は俺が写真やテレビで見た福岡とは大分違っていた
大都市と呼ばれた福岡だが、韓国人以外の人間は見る事はなく、ゴーストタウンになっていた
土地勘のない俺にはここが何処なのかも分からない
地図を持ってた分隊長は戦車の砲弾で文字通り砕け散ってしまって、
俺も含め、爆風から逃れられた特別召集自衛官は士気を喪失して逃げ出した
俺は無我夢中で走って見つけた小さなビルの4階に逃げ込んだ
それが8時間ほど前の事だ
元はバーだったのだろう、棚にはいろいろなビンが並んでいる
ここは朝鮮人の興味が沸かなかった、それともこの場所を見つけられないのか…酒も残っていた
俺が隠れ続けられるのだから後者なんだろうな
「こんなもんで戦わせやがって…」
手に握った銃を憎憎しげに睨み付けてみた
1942という刻印と99式という文字と、刃物で傷つけられた皇室のマーク
俺の知識では登場時には既に時代遅れと評された銃だ
入隊して直ぐにこの銃を渡され、操作法と匍匐前進を少ししただけで俺たちはここに連れてこられた