怖い話しようぜ!!

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします

「歳火を見たヤツはな、全員発狂するらしいんよ」

僕がY県に引っ越してまだ間のない頃、この土地のあれこれを色々教えくれた人がいた。
下宿の隣に住んでいた人で、名前をチボシさんと言った。
千の星と書いて千星。
彼は僕と同じ大学の5年生で、随分と前から大学に通うこともなく日本のあちこちを
フラフラとしているらしい。
彼は僕にこう語った。

「お前は知らんやろうけどな、うちの市内の外れにN山林いうところがあるんよ。
お前も大学に行っとりゃあアレやコレや聞くこともあるやろうけど、ええか、
あそこにだきゃ絶対に近づくんやないぞ」

2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:35:07.67 ID:sc5okZtO0
「歳火を見たヤツはな、全員発狂するらしいんよ」

僕がY県に引っ越してまだ間のない頃、この土地のあれこれを色々教えくれた人がいた。
下宿の隣に住んでいた人で、名前をチボシさんと言った。
千の星と書いて千星。
彼は僕と同じ大学の5年生で、随分と前から大学に通うこともなく日本のあちこちを
フラフラとしているらしい。
彼は僕にこう語った。

「お前は知らんやろうけどな、うちの市内の外れにN山林いうところがあるんよ。
お前も大学に行っとりゃあアレやコレや聞くこともあるやろうけど、ええか、
あそこにだきゃ絶対に近づくんやないぞ」

3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:35:21.73 ID:qnu6rnil0
「歳火を見たヤツはな、全員発狂するらしいんよ」

僕がY県に引っ越してまだ間のない頃、この土地のあれこれを色々教えくれた人がいた。
下宿の隣に住んでいた人で、名前をチボシさんと言った。
千の星と書いて千星。
彼は僕と同じ大学の5年生で、随分と前から大学に通うこともなく日本のあちこちを
フラフラとしているらしい。
彼は僕にこう語った。

「お前は知らんやろうけどな、うちの市内の外れにN山林いうところがあるんよ。
お前も大学に行っとりゃあアレやコレや聞くこともあるやろうけど、ええか、
あそこにだきゃ絶対に近づくんやないぞ」
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:35:58.17 ID:QRVWOJt+0
普段はおちゃらけた千星さんだったが、この時ばかりはやけに神妙な顔をして、
いやそればかりか少し怯えの色さえ浮かべながら、僕にこう語ったのだ。

「なんでです?
N山林って、僕は初めて聞きましたけどなんかあるんですか?
ヤンキーの巣窟だったりとか」

僕は適当に笑いながら話を混ぜっ返そうとした。
しかし千星さんはなおも真剣な表情で言葉を繋ぐ。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:36:30.38 ID:YsKxAXgO0
続き
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:36:41.66 ID:sc5okZtO0
普段はおちゃらけた千星さんだったが、この時ばかりはやけに神妙な顔をして、
いやそればかりか少し怯えの色さえ浮かべながら、僕にこう語ったのだ。

「なんでです?
N山林って、僕は初めて聞きましたけどなんかあるんですか?
ヤンキーの巣窟だったりとか」

僕は適当に笑いながら話を混ぜっ返そうとした。
しかし千星さんはなおも真剣な表情で言葉を繋ぐ。
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:36:47.26 ID:QRVWOJt+0
「お前も、バカらしい思うかもしれんけど、真剣に聞けよ。
あそこにはのう、昔から『トシビ』が出るんよ」

「……トシビ?っすか?」

「そう。一歳二歳の『歳』に、ファイアーの『火』で『歳火』」

なんで火のところだけ急に英語になるんだよ、と思わず吹き出しかけたが、
千星さんの表情は相変わらず真剣そのものだったので話の続きに耳を傾けた。
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:37:30.97 ID:QRVWOJt+0
「いきなり歳火じゃ言われても、何のことかよう分からんやろうね。
お前も「人魂」とかは聞いたことあるやろ?まあ言うたら、その類やね」

「ヒトダマ、っすか」

「……まあ、歳火の方がもうちょい、いや、かなりタチが悪いんやけどな」

「え、どういうことっすか?」

「歳火を見た人間らぁはな、もうウツヨにはおれんくなるんよ」

「え?ウツヨ?なんすかそれ」

「お前、学のない奴やのう。ウツヨ言うんは…」

そう言って口を閉じた千星さんは、携帯を取り出すとカチカチとキーを打ち始める。
ちょっとして、その画面を僕に向かって差し出してきた。

「こう書くんや」


『現世』

9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:37:38.88 ID:qnu6rnil0
普段はおちゃらけた千星さんだったが、この時ばかりはやけに神妙な顔をして、
いやそればかりか少し怯えの色さえ浮かべながら、僕にこう語ったのだ。

「なんでです?
N山林って、僕は初めて聞きましたけどなんかあるんですか?
ヤンキーの巣窟だったりとか」

僕は適当に笑いながら話を混ぜっ返そうとした。
しかし千星さんはなおも真剣な表情で言葉を繋ぐ
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:37:42.92 ID:JhutcL72O
乳首さん、まで読んだ。
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:38:16.59 ID:QRVWOJt+0
「げんせ、じゃないですか」

「アホ、これで『うつよ』って読むんや」

「そうなんっすか。
で、どういう意味なんすか、その『ウツヨ』にいられなくなるってのは」

「うん、つまりやね、歳火を見てしまうと、持ってかれてしまうんよ」

「持ってかれて?」

「そう、心をな、カクリョに」

「カクリョ、っすか」

千星さんはまたも無言で携帯を弄り始めると、さっきと同じように僕に携帯を向ける。


『幽界』

12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:39:17.40 ID:QRVWOJt+0
「幽界、つまり魔物やら…まあ、普段はお目にかかることのないバケモンっちゅーか、幽霊っちゅーか、
そういうのがウジャウジャおるところに連れてかれるんよ」

「はあ……」

「でも、それは心、まあ魂言うてもいいけど、つまりそういう部分だけが持ってかれるだけで、肉体は残るんよ。やから、そいつ自信はもう現世にはおらんのやけど、外側、やから体だけは残っとるわけで、
俺らからしたらそれを見ると発狂したような状態に見えるってわけやね」

「はあー、怖いっすね。都市伝説ってやつっすか」

「都市伝説?
いや、違うんよこれが。
そんな安っぽい話やないんよ。
ま、確かに現世やー幽界やー言うとるんは俺らが
後付けで説明付けただけのもんかもしれんのやけど」

13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:39:42.05 ID:JhutcL72O
あなぁあ〜〜たと〜たぁゆぅたうっ!カクリヨまで〜〜〜
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:40:17.46 ID:QRVWOJt+0
そう言って千星さんは一拍置いた。
目には何やら少しだけの悲しみと、そして深い恐怖の色が挿した……
ような気がする。

「俺もここに住んでから長いんやけどなあ、
あそこに行ってから気ぃが違うようになった奴らが、知り合いに少なからずおるんよ。
一人くらいやったら、そりゃまあ偶然何かの弾みでおかしゅうなった、って片付け
られるんやろうけどな。
俺が知っとるだけで、これまでで五人。
五人もよ?偶然で片付けるには、どう考えてもおかしすぎるやろうが」

そう言って千星さんは僕の目をギョロリと覗き込む。
担がれてるのかな?とも思わないでもなかったが、
普段はチャラチャラしている千星さんがこんなにも真剣に話をしているというのは
どうにも珍しいことだ。嘘、と決め付けるには早計かもしれない。
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:41:05.30 ID:QRVWOJt+0
「まあそういう訳でやね、キミもこれからこの土地で住むんなら
この話を聞くこともあるやろうけれど、
絶対に興味本位でN山林には近寄らんことやね」

「はあ。分かりました」

それぎりこの話は打ち切られた。
これが実に2年前の話である。

16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:41:15.13 ID:BFondtkc0
すげえ見ずれえwww
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:41:56.54 ID:QRVWOJt+0
-----

僕は大学の三年生になっていた。
それなりに勤勉だった僕はこの二年間で大体必要な単位は取り尽くしており、
卒業はまず大丈夫だろう、という状態だった。

つるんでいる友達も大体そんな感じで、だから僕らは三年になると途端に暇を持て余した。
授業のない大学生は、ほとんどニートと同じなのだ。
寝て起きてバイトに行くだけの生活。
そして僕らは、そんな風に漫然と続いていく日々にいい加減倦怠していた。

ある日のこと。
珍しく大学の校内で集った僕らはラウンジでだらだらと時間を潰していた。

18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:42:28.16 ID:QRVWOJt+0
>>16

見ずらいですか?
改行増やした方がいい?
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:43:24.51 ID:xPSbPkrq0
>>18 この内容なら1レスに纏められるだろ
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:43:25.51 ID:QRVWOJt+0
「何か…面白いことねえかなあ」

メンバーの一人が、誰ともなしにそう呟いた。

他の人間も、声には出さぬものの彼とほぼ同じような心境なのだろう、

元気がないわけではないのだけれど、その表情は誰もが覇気のないものだった。

面倒くさそうにタバコをふかすヤツ、

どうでもいい女とのどうでもいい内容のメールのやりとりを繰り返すヤツ。

僕らは時間という檻に閉じ込められた家畜のようなものだった。


「そういえばさあ……」


口を開いたのは僕だった。

特に何かを考えて口を開いたわけじゃない。

けれど、漫然とした時間は思考ばかりを無駄に活発にさせ、

時に記憶の底で忘れられていたものまで掬い上げることがある。

この時がまさにそうであった。

21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:43:49.72 ID:QRVWOJt+0
>>19

いや、結構長いんですよ。
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:45:27.84 ID:xPSbPkrq0
>>21 無駄な情報多すぎて読んでても冗長で怖さが薄れる
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:46:45.61 ID:QRVWOJt+0
「N山林の話って、知ってる?」
「N山林?何それ」
「いや、なんか都市伝説の類らしいんだけど」
「面白そうじゃん。話してみろよ」

そう促され、少しだけ面倒だな、と思ったがどちらにしても時間は腐るほどある。
僕は居住まいを正して、千星さんから聞いた「あの」話を語り始めた。
僕が語りだしたことで、ゆるりだらりと流れていた空気は少しだけ緊張し始める。
なるべく正確に、なるべくリアルに。
僕は千星さんから教えられた話を寸分違わぬかたちで伝え聞かせた。

「…ていう話なんだよ」

5分ほどかけて喋り終わる頃には、喉がカラカラに渇いていた。

「…なんだか、どこにでもありそうな話ではあるよなあ」

と、ありきたりな感想を口にしながらそいつは隣にいる奴を肘で小突いた。

「お前、確か実家だろ?そんな話が伝わってんの、この辺だと」

24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:47:40.44 ID:QRVWOJt+0
メンバーで一人だけの地元民はそう問われ、うーんと首をかしげながら、
聞いたことがあるような気もするけど、うーん、と、ブツブツ一人ごちている。

「あんまり有名な話でもないのかもなあ」

と、自分でフォローするように僕は言った。
すると、端の方で一人携帯を弄っていた奴が急に立ち上がると

「いいじゃん、面白そうじゃない?

どうせ暇なんだし、俺らで見に行こうよ。その歳火ってやつを」

僕はこの話を始めた時から、内心こういう提案がなされるのを期待していたようにも思う。
いや、むしろ積極的に望んでいたと言ってもいいかもしれない。
それだけ暇が僕を蝕んでいるのを感じていた。

多少危険な衝動でも、今この虚無的な人生を変えてくれるのならば、大歓迎というものである。
他のメンバーの顔を見ると、みんなニヤニヤ笑ったり、無言で頷いたりしている。
反対の意を唱えるヤツは――どうやらいないようだった。
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:49:22.72 ID:QRVWOJt+0
その夜、僕ら6人は駅前で待ち合わせ、そのままメンバーの一人が乗ってきた
ワンボックスカーに乗ってA市郊外にあるN山林に向かった。
途中でビールを買ったりしつつ、運転手含めた全員でビールをちびりちびりと啜りながら
少しずつテンションを上げていく。
この辺りは夜になると極端に車の通りがなくなるので、警察と鉢合わせることもないだろう。

40分ほど車を走らせ、僕らはN山林に辿り着いた。
その日は曇り空で、周囲には街灯の一つもなく車のヘッドライトだけが辺りを照らしていた。
完全な暗闇が包んでいる。
空間にはたまに遠くで犬が遠吠えする声が聞こえるばかりで、だから光どころか、音すらも存在しない。

「…すげえ、不気味だな」

「ああ、確かにここなら、『出る』かもな」

そして僕がビールの最後の一口を飲んだ時のことだった。

ピリリリリリ

突然携帯電話が鳴り響いた。誰かがひっ、と声を上げる。
僕も思わず肩をビクンと震わせた。Gパンの尻ポケットから
携帯電話を取り出すと、僕は液晶の画面を確認した。
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:50:42.27 ID:Yws3GunuO
はやくー
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:51:10.43 ID:LfGRNJ6T0
wktk
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:51:47.54 ID:QRVWOJt+0
-----
着信
千星さん
------
「千星さん…?」

そう、あの日僕に歳火の話を語って聞かせてくれた千星からである。

彼はと言えば相変わらず学生を続けており、今では七年生になってしまったと聞いている。
放浪癖は相変わらずのようで、僕が尋ねる時はいつも隣の部屋にはいない。

「誰だよ?」

突然驚かされたのがよほど癇に障ったのか、先ほど声を上げてびっくりしていた
ツレが不愉快そうに僕に聞いてきた。僕はそれには答えず通話のボタンを押す。

「…もしもし?千星さんですか?」

「ああ…さっき電話くれたやろ?どうしたん?」

「えっ?」

「いや、俺の携帯に『着信アリ』になっとったんやけど。お前の名前で」

「え、電話してないですよ」

「ウソやん。自分の名前で着信履歴残っとったよ?」

29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:52:34.49 ID:QRVWOJt+0
「マジすか?おかしいな…んん、もしかしたらなんかの弾みで掛かっちゃったのかもしんないっすね。
すいません、特に何かあったわけじゃなかったんですよ」

「そっか。
ならええんやけど…ところで今何しとるん?暇やったらたまには酒でも飲もうや」

「えっ」

僕は言葉に詰まった。
千星さんからは、N山林には絶対に行くな、と口を酸っぱくして言われていたからである。
ここでバカ正直に
「実は今、N山林にいるので、ムリです」
などと言ってしまったら一体何を言われるだろうか。

「ん?どうしたん?」

「いや、その…」

「何か忙しかった?ていうか、自分様子おかしいやろ?どこおるん、今」
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:53:34.33 ID:Yws3GunuO
俺だったらこの時点で帰るなw
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:53:37.38 ID:QRVWOJt+0
僕は迷った。確かにこの雰囲気は恐ろしすぎる。
霊感の一切ない僕にも、ここが普通の場所とは違うことが、
今実際に山林を目の前にするとなんとなく分かる。
千星さんの言う通り、ここには近づくべではないのだろう。しかし…

僕は連れにチラリと目を遣った。
僕の電話が終わるのを苛立たしげに待っている様子がありありと伝わってくる。
彼らのことだ、今更「引き返そう」と言われて引き返すことはしないだろう。
そして僕も、確かに怖くないと言えば嘘になるが、本当はもう少しここで何かを待ってみたいのである。

少しだけ考えて、僕は口を開いた。

「…あの、千星さん。実は僕いまN山林にいるんっすよ」
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:54:51.38 ID:QRVWOJt+0
「…なんて?」

「今、友達と一緒にN山林の前にいるんです」

「……自分、何しとるんか!あれだけN山林には行くなって言ったやろうが!
アホか!さっさと帰れ!引き返せ!死にたいんか、自分!」

千星さんはものすごい勢いで怒りながら、次から次へと罵倒の言葉をまくしたてた。
当然だろう。親切で教えたことを、僕はあっさり無視したのだから。

とは言え僕もバカ正直に事実を伝えたわけじゃない。
実際、今回のことは千星さんに黙っていれば済むことだったのだけれど、
僕はあえて本当のことを告げた。
そうすることであの日聞けなかった更なる情報を手に入れようとしていたのである。
実際、僕らはN山林のことを、「歳火」のことを知らなさすぎるのだから。

そして千星さんは、案の定僕の張った網にかかったのである。
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:55:54.51 ID:QRVWOJt+0
「おい、まだ山林の中には入っとらんのやな?
やったら、まだ間に合う。
ええか、中には絶対入るなよ。
歳火は、中におる。
そっからは見えんやろうけどな、山林の真ん中にはでかい湖がある。
歳火が出るならそこやから、お前らは今はまだ安全じゃ。
それ以上は絶対に踏み込むな。
お前らがおるとこやったら大丈夫やけえ、さっさと帰れ!ええか!」

「はい、はい。分かりました。すいませんでした」

なおも、ホントだな、早く帰れとまくしたてる千星さんを適当にあしらい、
僕は電話を切った。


「長かったな。早く歳火ってのが出るの待とうぜ」

ツレはそう言って二本目のビールに手を伸ばしていた。
僕は携帯を再びポケットに押し込むと、彼らに向かった。
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:56:52.95 ID:QRVWOJt+0
「今電話で教えてもらったんだけど、どうもここからじゃあ歳火は見えないらしい」

「じゃあどこだったら見えんのよ」

「山林の中に湖があるんだって。歳火は、そこで見えるらしいよ」

山林の中、という言葉を聞いて、一同はたじろいだ。
ムリもないことだ、山林の外でさえこの異様な雰囲気だというのに、
中はどうなっているのかは推して知るべし、であろう。
一様に顔を見合わせて、どうしようか、というようなことを話し合い始めた。


「まあ、折角ここまで来たんだし……」

結論が出ないまま10分ほど曖昧に話しているとき、誰かが不意にそう言った。
その言葉を受けて、誰ともなしに次々と、そうだな、まあ行ってみますか、というような声が上がり始めた。

六人での山林探訪の始まりである。

ジャンケンに負けた奴が車から懐中電灯を取り出し、先頭に立った。
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:58:00.41 ID:QRVWOJt+0
山林、と名が付いているものの、実際には山のような勾配はなくなだらかな平地が続いている。
けれども整地は一切なされていないようで、足元には堆積した落ち葉や腐った木切れなどが
見渡す限りに茫洋と覆っていた。
相変わらず音は何も聞こえず、時たま足元に落ちていた木の枝を踏みつけたときに、パキ、と音がなるばかりだった。


「何も、ねえな…」

どこまで行っても、木、木、木。
林は思ったよりも広く大きく、懐中電灯が照らす明かりは
永遠と同じような風景を映し出しているような錯覚を醸し出す。
歩けど歩けど道は開けない。
僕らはいつしか時間感覚も失い、いつまでも同じところをグルグルと回っているだけなのではないか、
と猜疑の念を抱き始めた。
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 16:58:58.80 ID:QRVWOJt+0
「おい、そろそろ疲れたんだけど…」

メンバーの誰かが不意にそう言った。
その言葉を端に、次々と俺も疲れた、足だりい、などの声が続く。

それもそのはずで、考えてみれば現在既に僕らが山林に入ってからゆうに1時間は経過していた。
普段運動などしない僕らがそれだけ歩けば、疲れない方がおかしいというものである。
それでなくてもこんな不気味な場所なのに。

「そろそろ帰ろうぜ」

「あっ」

二つの声はほぼ同時に重なった。
短い声を上げたのは、先頭を歩いていた奴だった。

「どうしたんだよ?」

「あそこに、何かある」

そう言って懐中電灯の明かりを照らす。
なるほど、確かにその先には何かがあった。
僕らはとりあえずそこまでは行ってみよう、
ということで重い足をようよう運んだ。

37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:00:09.99 ID:QRVWOJt+0
そこには、一つの祠が祭られていた。
僕らの膝程度の高さしかないその祠はずっと雨風に晒されているのだろう、
天井部分には青くコケがむしており、端々には亀裂が入っていて劣化の具合が激しい。

いや、実のところそういった程度の外面的機微は大した問題ではなかったのである。

その外壁の部分が異様だった。


幾百、幾千もお札……

いや、これはおそらく「呪符」というものだろう、
おどろおどろしい色で古い漢字が書き殴られた紙が
祠の周りにびっしりと貼り付けられていたのである。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:01:33.61 ID:QRVWOJt+0
「これ…やべえよ……」

不意に誰かが呟いた。
その時である。
ざざざ、と急に大きな音を立てて激しい風が吹き始めた。
突風は木々を揺らし、先ほどまで静寂に包まれていた『そこ』は、
木の葉がこすれあう激しくそして乱雑な音に一気に包まれた。

その嬌声にも似た木々のさざめきはまるで叫び声のようでもあり、
また僕らを歓迎する歌のようでもあり、
僕らは身じろぎしつつじばらくその場を動けないでいた。

すると突如、ぴたり、と音を立てたかのように風が止んだ。
身がすくんで動けなかった僕らも、ようやく風が止んだことで何か封印が解けたかのように
体から力が抜けた。

周囲は相変わらず暗闇に包まれているが、僕は少しだけ安堵した。
その時同時に、祠の様子がおかしいことに気付いたのである。



祠の扉が、開いている。


39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:02:40.25 ID:QRVWOJt+0
いや、そもそも呪符であれだけ覆われていた祠である。
扉が存在していることすら知らなかった。
しかし、どうしたことだろう。
突然風が吹き、そして突然止んだ今、存在を隠していた祠の扉が開いているではないか。


「おい、ちょっと懐中電灯貸せよ!」

そう言って半ばもぎ取るように懐中電灯を手にした僕は、膝を付いて祠の扉の方を窺った。
他のヤツらも僕の行動の意味に気付いたようで、みんなそろそろと膝を付き、祠の中を窺おうとする。
僕は少し、いや実際のところかなり嫌な予感がしたのであるが、
それでも得も言われぬ何かに突き動かされるようにして懐中電灯を祠の中に照らした。

予想に反して祠の中には何も祭られておらず、中はがらんとしていた。
なんだよ、という空気が流れる。

「ま、こんなもんだよな、実際は」

「この符だって、誰かがイタズラで貼ったんじゃないの?」

違いねー、と誰かがカラカラと笑ったときである。

コトン、という音が祠の中から聞こえてきたのだ。

束の間にほころんだ空気は、一息に緊迫した。
お、おい、今の、と仲間の一人が僕に対して目で訴える。
僕は、こくり、と頷くともう一度祠の中に光を当てた。

40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:03:42.12 ID:QRVWOJt+0
するとそこには、先ほどまでそこには確かに存在しなかった「もの」があった。
平たく、長細いそれは―――僕は、かなり躊躇ったが実際に手に取って調べることにした。


それはかまぼこ板のような、古びた木板だった。


なぜこんなものが?
さっきまでは確かになかったはずなのに…。
様々な疑問符が頭を駆け巡る。
とにかく、生首なんかが出てこなくてよかった、
と僕は見当外れの安心感を抱きながら立ち上がった。

「なんか、木の板があるだけだったよ。驚いて損した。ほれ」

そう言って僕はその板を仲間の方に見せつけた。
なんの変哲もない板である。
僕は薄笑いを浮かべながら、なんだかなあ、と呟いてメンバーの様子を窺った。


誰も、何も喋らない。いや、喋れないという雰囲気だった。


41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:04:37.94 ID:QRVWOJt+0
顔色は暗闇に溶け込んで見ることができなかったが、この様子は、間違いなく戦慄しているそれである。

どうして?ただの木の板じゃないか。そう思った時、僕はあることに気付いた。



僕は、板の片面しか見ていない。

彼らは、僕の見ていない面を見ている。




体中の筋肉が収縮していくのを感じる。
そう、彼らは僕が見ていない「何か」を見、
そして今、戦慄しているのである。

僕は、丘に上げられた魚のようにパクパクと口を動かしながら、板をゆっくりと翻した。
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:05:12.11 ID:QRVWOJt+0


      「  六 人
        揃 イ テ
        去 ネ  」




43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:06:07.90 ID:QRVWOJt+0
血のような顔料で、べったりと書かれていた。

ひっ、と僕は声を上げ、反射的に板を投げ捨てた。
興味だけで突き動かされいた僕らの表情は完全に恐怖一色に染まり、
しかしこの暗闇である、誰もがその場を動けずにいた。

その時のことである。
僕のポケットから携帯の振動が伝わってきた。
もしや、と思い僕は急いで携帯のディスプレイを覗き込んだ。


-----
着信
千星さん
-----


僕は急いで電話に出ようとしたが、全員が過度の緊張状態にある今、
あまりに興奮した様子で電話で話すのは彼らをヘタに刺激することにもなりかねず得策ではない
と思った。僕はメンバーに気付かれないようそっと携帯を取り出すと、
一、二歩離れた場所で通話ボタンを押した。
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:06:13.31 ID:mrtW1fsl0
怖い話しようぜ!っていうか>>1の独壇場じゃん
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:06:53.71 ID:QRVWOJt+0

「…もしもし」

僕は囁くような声で通話口に声を発する。

「…お前、まだ帰っとらんやろ」

「……」

「中、入ったんか」

「……はい」

「…いま、どこや」

「……祠が、あります」


その言葉を聞いて千星さんは、喉の奥で絞り出すような声で、
ほこらか、と呟いたように思う。
この人なら、あるいは何か知っているかもしれない、
僕は密かにそんな期待を抱いた。


「……ええか、よう聞けよ。お前は今祠の前におるんやの?」

「は、はい」

「やったら、そっから左右に道が分かれとるはずやろう。違うか?」
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:07:27.07 ID:QRVWOJt+0
>>44
100もいかずに終わりますから。
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:08:44.69 ID:QRVWOJt+0
僕は周囲を見渡した。確かに、来た道を正面に据えて、祠からは左右に道が伸びている。

「…あります」

「よし、やったらここから間違うなよ。
お前らは祠に向かって右、ええか、右やぞ。
右にずっと行け。
したら、何もなく林から出れるはずじゃ。
来た道と、左には絶対に行くなよ。ええか、絶対ぞ」

「わ、分かりました」

その言葉を聞いて僕は携帯を切った。
ほんの短いやり取りではあったが、幾分恐怖もやわらいだし、
何より帰路への光明が見えた。
僕は早速仲間を促すと、右に向かって懐中電灯を照らして歩き始めた。

「…おい、来た道じゃなくていいのかよ。こっちであってんのかよ」

仲間の一人が不安そうな声を上げる。
僕は黙って、大丈夫だ、と呟くとそのままずんずんと歩き始めた。
確かにこちらの道は、先ほどまでのそれと比べると幾分踏みしめられたような跡があり、
獣道のような風情が漂っている。
それほど足を取られることもなくスムーズに歩くことができた。
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:09:35.17 ID:QRVWOJt+0
けれど道の雰囲気はそれとは反対にどんどんと暗いものになっていく。
それもそのはずで、どうも先ほどよりも木の量が増えたように思う。
これまでもうっそうとした雰囲気ではあったが、今首を上げると先ほどまでは
僅かばかり見えていた空すらも、もう見えなくなっていた。
それほどまでに木の量が増えている。

僕らは黙って歩き続ける。誰も声を発する者はいない。
そうしてそのまま20分ほど歩き続けた頃だった。
ついに仲間の一人がしびれを切らし声を上げた。


「おい!いい加減にしろよ!どこにも出ねえじゃねえか!」

「知らねえよ!俺だってこっちって聞いたから歩いてんだよ」

「聞いたっておま」

「あっ、おい!あっち、視界が開けてんじゃねえの?!」

罵倒の言葉は遮られ、僕らは示された方向を見た。
そう、確かに声の通りに木々が開け、これまでの視界とは様子を異にしているような場所が目に見える。
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:10:42.07 ID:QRVWOJt+0
「やった!やっぱこっちでよかったんだな!」

「さっさと抜けようぜ!道路に出ればなんとかなるだろ!」

そういって次々と駆け出していく。
僕も内心不安だったから、安堵の息を漏らしながらそれに続いた。
と、その時である。僕はさっきまで口論していたヤツに、腕をグッと掴まれた。


「おまえ、聞いたって、それ、誰から聞いたんだよ」

「いや、知り合いから…」

「その知り合いは、なんで祠からの道順を知ってたんだ…?」

「え?そりゃあ、黙ってたけどさっき携帯で聞いたんだよ…」

そういうと彼は凍りついたように口を閉じた。
どうしたというのだろう、僕が黙っていたことを怒っているのだろうか。

「お前、怒ってんの?
そりゃあ説明もせずにスタスタ歩かせた俺も悪かったけど、
こうやって無事に出れたから良かったじゃ」

「……い」
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:11:34.49 ID:RFqbSvfV0
wktk
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:11:41.53 ID:QRVWOJt+0
「は?」



彼は唇をわなわなと震わせながら、こう呟いた。





「・・・がい・・・この、林・・・ずっと・・・・圏外・・・・・・」





僕は一瞬、彼が何を言っているのか理解できなかった。
圏外?そんな馬鹿な話があるはずない。
僕はポケットから慌てて携帯電話を取り出すと、画面を開いて電波の状態を確認した。





圏外


52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:12:38.00 ID:QRVWOJt+0
うわあああああああああああああ!!!

不意の叫び声が森を切り裂く。

僕らは、その刹那に恐怖を忘れ、弾かれたように駆け出した。
もつれる足を懸命に持ち上げる。わずかに開けたその場所に向かって、
僕らは全力で走った。

がさっ、という音とともに、僕らは林を抜けた。
そこには仲間の4人が、腰を抜かしてへたり込んでいる。
どうした、と声をかけようとしたが、よく見ると彼らは一様にぶるぶると震える腕で
何かを指し示していた。
僕は顔を上げてその方向を見る。






視線の先には―――






湖があった―――
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:12:45.05 ID:Yws3GunuO
死亡フラグ
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:13:30.04 ID:QRVWOJt+0
――エピローグ


『超常現象?!大学生六人集団失踪の怪』


先日、Y県A市のM××大学に通う大学生6人が集団で消え去った。
目撃証言によると、失踪の当日、その6人は大学構内で集まっていることが確認された。
彼らの近くで話を聞いていた知人は、彼らがN山林に向かうことを計画していたようだった、
と話してくれた。

警察はその証言を受けN山林周辺を捜索、山林の外でメンバーの一人が運転していた
と思しき車が発見され、彼らがN山林に踏み入ったことは確かなものと思われる。
しかし、捜査員は数十名規模で山林に分け入ったのであるがついに彼ら6人が見つかることはなかった。事件から既に一ヶ月、以前大学生の足取りは掴めぬまま捜査は続いている。


「うん、これでいいんじゃねえのかな。印刷所に回しとけ」
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:14:10.50 ID:LRal5HoW0
>>1
チセの火を見たものはな

まで読んだ
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:14:20.08 ID:QRVWOJt+0
稿から目を上げ、男はタバコを乱暴に揉み消した。
この手のネタは三流ゴシップ誌である彼の雑誌が得意とするところである。

それにしても…と彼は考える。
大学生が6人も集団でいなくなるか?普通。
海沿いで拉致された、とかならまだ考えられるし、あるいは金銭のトラブルで山に埋められた、
というのも、まああり得るだろう。

しかし、当日までの彼らにはなんら事件の匂いはない。
いや、噂を聞くに、どちらかといえば模範的な学生たちだったようだ。
それなのに、前後の文脈なくして彼らは突然に姿を消しているのである。
そう、まさに煙のように。これは一体どうしたことなのだろう。

そういえば、と彼は思った。先日、ある情報筋から聞いた話だ。
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:15:31.60 ID:QRVWOJt+0
確かに彼らの姿は見つからなかったのだが、唯一、その内の一人の持ち物と思しき
携帯電話が見つかったというのだ。

携帯電話自体には、事件前後に一緒にいたと思しき知人との連絡を取った形跡しかなかったそうで、
これという手がかりはなかったらしいのだが、その中に一つ、奇妙なメールが残っていたというのだ。

それは着信したメールでもなければ、送信したメールでもなく、作成途中のメールだったという。


「いや、それがね、まったく意味をなしてないメールでしたからね、
少しばかり気になっちゃいましてね」

そういって男は、調べてきた(作成途中の)メール本文を俺に見せてきたのである。

そこにはアルファベットで、こう書かれていた。

       Tiboshi
       
       Toshibi

       Shibito
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:16:27.10 ID:QRVWOJt+0
「なんのこった、これは」

「そうなんですよー。全く意味が分からなくって」

俺は何のことかさっぱりわからないメモを手にし、ボリボリと頭をかきながら

「じゃ、ま、これは一応頂いておくよ」

と男に声を掛けて、その場は別れたのである。

そのメモを片手に、もう一度それを声に出して読んでみる。

チボシ、トシビ、シビト…

「なんのこっちゃ」

相変わらず体をなさないメモを机の奥に押し込むと、彼は再び校了の作業に取り掛かった。
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:17:09.27 ID:QRVWOJt+0
-----

春…新入生がまたこの地に訪れる。
彼は、間取りや立地からすれば格段に安い物件を見つけることができた。

それにしても安い。相場からすれば、実に半値ほどである。
彼は訝しがって、不動産に強く問いただした。

すると不動産屋はついに諦めたように、彼に対して真実を教えてくれた。

「いやね、何年か前にこのあたりで失踪事件があったんですけどね、
実は以前ここに住んでいた人ってのが、その時失踪した人なんですよ」

なんだ、そんなことか。馬鹿らしい。
そんな理由で安くなるんだったら、むしろ願ったり叶ったりである。

「ああ、いいですよ。僕、そういうの全然平気ですから」

そうですか、と若い不動産屋の社員は顔をほころばせた。
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:17:56.56 ID:QRVWOJt+0
「で、一応住む上で聞いておきたいんですが、僕の隣に住んでる人ってのは…」

「ああ、アナタが住む部屋は角部屋ですから」

「え、でも一軒は隣に部屋があるはずですよね?」

「そこなんですけど、どういうわけか昔からずっと借り手がおりませんで。
まあ、やはり角部屋の方が人気がありますからね。
基本的にはあなたのように角部屋を勧めてるんですよ」

ふーん、そういうもんか、と思いながら、でも隣に住んでる人がいないのなら
気兼ねしなくていいな、と思った。

不動産屋の車が街を走っていく。
窓から吹いてくる爽やかな春の風が、彼の鼻をくすぐった。

(終)
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:20:23.47 ID:vYpajwt6O
納得いかねぇなぁボウズ(´_ゝ')y-~
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:24:11.54 ID:3WbWdHz00
俺も納得いかないなお嬢ちゃん
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:27:26.30 ID:qbkCBRdtO
奇遇だなぁ俺も納得いかねぇぜ坊ちゃん
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:30:18.46 ID:3WbWdHz00
結局のとこ千星はなんだったのか
歳火はなんなのか
教えてくれよコナンくん
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:33:40.49 ID:9gfG3X7y0
>>57で終わるのが筋ってもんじゃあねえのかい?
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:36:59.84 ID:QRVWOJt+0
>>64

千星はつまり死人(シビト)で、いわゆる歳火のとこにつれてくツアコンみたいなもんですね。
けれど、彼自身の手で5人も魂抜いたからいい加減あのあたりで不審な噂が立ち、なかなか仕事ができなかった。
そこで彼に目をつけ、それとなくN山林の話を伝えて、網にかかるのを待つ。
まあ、大学生あたりが好きそうな話ですから。
そこで、食いついてきたところで『行くな』と止める。
そしてある程度知ってる風を装って情報を与える。
するとそれ以降は何も言わなくとも千星に従うようになる。
彼が一番恐れていたのは祠。
あれを見ると大抵の人間は踵を返すから。
そこで引き返されては、意味がない。
だから祠からさらに奥に進むように仕向ける。
判断能力を失った彼らは、それに従う。
で、湖に辿り着いたところで…ウマーー!

という設定です。
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:37:40.93 ID:vYpajwt6O
じゃぁ次は僕が…と言いたいとこなんだけど、今大学から帰宅中で携帯なんだよね(´・ω・`)
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:43:32.69 ID:3WbWdHz00
じゃ祠は味方だったんだー
祠はなんなのコナンくん><
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:47:26.09 ID:QRVWOJt+0
>>68

祠は人工物ではなく、あれは一応「この世に存在するはずのないもの」です。
それゆえ幽界の者が呪符でガチガチに封じてるわけです。
ただ、時たま大きな風が吹くことにより呪いが風で雲散し、本来あるべき扉がその時だけ開く。
そしてその時、現世の魂が間違った方向に行かぬように啓示を与える、という役割なんです。
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:51:43.72 ID:3WbWdHz00
納得したよおじぃちゃん
次wktk
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:55:55.96 ID:c3XRIJdp0
面白かったGJ
シナリオ分岐させればゲームになりそう
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 17:59:54.52 ID:0meLlrakO
次の話まだ?
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:16:59.06 ID:0Ha2O5+UO
保守
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:24:38.78 ID:QRVWOJt+0
>>47
祠の前での分岐、引き返した場合。


僕はしばらく考えたが、やはりこれから更に進むというのには気が引けた。
迷う可能性はあったけれど、来た道を引き返すのが一番無難だと考えたのである。

「どうしたんだ?」

ツレの一人が僕に声をかける。
僕は、なんでもないよ、という風に曖昧に笑うと携帯をポケットに収めて皆のところに戻った。

びゅう、とまた風が吹いた。
ただ、今度の先ほどのように風は長く続くそれではなく、一吹き、
僕らをからかうように吹き抜けていっただけだった。

「なあ、どうするよ…」

ツレが暗い顔で呟く。
疲れ、怯え、そして恐怖。
肉体的な疲れはさるものながら、精神的な疲労もかなりのものだった。
千星さんの言葉を信じないわけではないが、これ以上知らない道を進むよりは
今進んできた道を引き返すほうがまだ精神的に楽だと言えるだろう。

「戻ろう」

僕は皆にそう告げた。
誰も言葉を発しないが、同意していることはなんとなく伝わってくる。
僕は懐中電灯を握り締めると進んで先頭にたち、来た方向に向かって歩き始めた。
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:25:02.93 ID:1eiL5FA00

 ね

 ね
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:25:26.94 ID:QRVWOJt+0
僕が二、三歩進んだ時、再び携帯が震えていることに気付いた。
確認するまでもない、着信の主は千星さんだろう。
僕はディスプレイも見ずに電話に出た。

「…もしもし」

「自分、どこに向かっとるん?」

「ええ、道路を目指して」

「いや、祠から右に行っとらんやろ?」

「え?」

「俺、言うたやん。祠に向かって右に進めって言うたやん」

「いや、それは…」

「何してんの自分?!死にたいんか!!」

瞬間、電話の向こうで千星さんが尋常ならざる絶叫を上げた。
思わず携帯から耳を離す。
これほどまでに千星さんが狼狽しているということは…
やはり僕らの進む方向は間違っているのだろうか。
僕は携帯を片手に持ったまま、進路を相談するために後ろを振り向いた。
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:26:16.26 ID:QRVWOJt+0
「なあ…」

仲間たちは、僕の顔をまるでバケモノでも見るかのような目で見つめている。
ある者は腰を抜かしそうになっており、またある者は歯をガタガタと震わせていた。

(まさか、歳火が…)

と思って僕は周りを見渡したのだけれど、視界はなんら変化するところはなかった。

「一体、どうしたん……」

そして僕は気付いた。
彼らが恐怖しているのは僕以外の何かへではなく、間違いなく僕自身を恐れているということに。

「ちょ…ちょっとなんだよ!一体どうしちまったんだよ!何に怖がってるんだよ!」

僕は慌てて問いただした。
俺をバケモノとでも思ってるのか?
冗談じゃない。僕は正常だ。
いや、もしかして…まさかこいつら、知らない間に歳火を見てしまったのか?
それで既に発狂したのか?
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:26:52.96 ID:1eiL5FA00
おじゃま○草
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:27:21.48 ID:QRVWOJt+0
考えたくなかったことだ。
しかし、この異常な状況では何が起きてももはや不思議ではないような気すらしてくる。
彼らが発狂しているかもしれない。
その考えは少なからず僕へも恐怖を伝播し、僕はカタカタと震えながら彼らに問うた。

「おまえら、もしかしてもうと」

「・・・・・・がい」

質問は途中で遮られ、ツレが何かを喋りかけた。
なに?と俺は聞き返す。

「・・・がい、だよ?この林・・・入ったときからずっと・・・圏外なんだよ・・・・・!!!」

「おまえ・・・誰と、何を喋ってたの・・・・??!!!」

全身から、血の気が引いた。
ここが圏外?
そんな、そんなことは…僕は慌てて握り締めていた携帯に目を遣る。
そこには『通話中』文字が躍っていた。
そしてその左上、アンテナ表示の部分には――

圏外
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:28:32.95 ID:QRVWOJt+0
「…ああああああうあああああああ!!!」

僕は思わず叫び声を上げて携帯を地面に叩きつける。
そして何度も、何度も踏みつけた。
ガッ、ガリッ、バキッ。
折りたたみ式の携帯は二度三度踏みつけると完全に真っ二つに割れた。
そして僕らはお互いの手を握り合うと、小枝で顔を擦ることすら気にせず来た道を一気に駆け戻った。

どれくらい走っただろうか。
途中で何度もコケたり転んだりしてボロボロになりながら、ようやく国道を見つけたのは
うっすらと東の空が白んでいた頃だと思う。
道路を見つけた僕らは、歓声を上げる気力すらもなく、6人揃ってヘナヘナと道路の脇に座り込んだのだった。

そこで、ようやく電波を取り戻した携帯電話を使って、僕らは警察に連絡を入れた。


警察に保護された僕らは、私有地に立ち入ったことをひどく咎められた。
無理もない、僕らの行為は不法侵入である。
ただ、そんな微罪で検挙するほど警察も暇ではないらしく、僕らは口頭での厳重注意ということで見逃してもらえた。

しかしひとつ警察は気になることを言っていた。
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:29:27.04 ID:QRVWOJt+0
「にしても、お前らよくあそこに入って無事だったよなあ」

「ああ、言い伝えのようにならなくて良かったですよ」

「言い伝え?何のこった」

「え?だからこの辺りに伝わる歳火のはなし…」

「トシビ?なんだそれ。そんなんじゃなくて、ここ何年かであそこに立ち入った人間が急に発狂する事件が相次いでたんだよ。言い伝えなんて大げさなもんじゃないよ。
ホント、ここ数年の話だからな」

「……」


そういえば、ここに昔から住んでいるツレもこの歳火の話は知らなかったようだ。
というか、この話をしていたのも、よく考えたら千星さん以外にはいなかったことに僕は気付いた。
いや、そうだ。そもそも千星さんはなぜ電話をかけることができたのか?
なぜ圏外にいたはずの携帯に電波が届いたのか?

82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:29:55.53 ID:wPnuHHY/0











夕方。 日の光が沈んだ数分後、
 
人気のない十字路を東に40メートル進んで振り返って後ろを見ろ
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:29:59.19 ID:c8yGnc3Q0
ひぐらしのなく頃に
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:30:13.70 ID:QRVWOJt+0
(彼に聞くべきことは、どうやら山ほどありそうだな)

そう考えながら、僕は方々の体で下宿に戻った。
角部屋に位置する僕の部屋。東向きで日当たりもよい。
家賃はそれなりに張るけれど、間取りも広くていい物件だと思う。
僕は自分の部屋に帰るより先に千星さんの家のチャイムを鳴らした。

ピンポーン

返事は、ない。

(旅にでも出たのだろうか?)

いや、そんなはずはない。
昨日の今日である。
それにあんな電話をかけているくらいだ、いくらなんでも僕のことを心配してるだろう。

ピンポーン

もう一度チャイムを鳴らす。しかし、相変わらず返事はない。

「千星さん!いないんですか千星さん!僕です!いるんなら出てきて下さいよ千星さん!」

「どうしたんですか?」
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:30:53.47 ID:vYpajwt6O
くねくねしってる!
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:31:58.81 ID:QRVWOJt+0
声に振り返ると、そこにはどこかで見た顔があった。
誰だ?昔どこかで会ったような…僕は記憶を必死で掘り返す。
『…ちょっと値は張りますがね、いい物件ですよ、ここ』
そうだ、この人は2年前僕にこの物件を紹介してくれた不動産会社の従業員だった。
実に2年ぶりである。記憶の隅に引っ掛かったのが奇跡的なほどだ。

「どうなさいました?」
訝しげな顔で僕の方に近づいてくる若い従業員。
僕は彼の方に向き直りながら口を開いた。

「ちょっとこちらに住んでいる方とお話がしたくて…どうもご不在のようですけどね」
そう言って僕はバツが悪そうに笑った。
従業員は相変わらず訝しげな表情を崩さない。

「あ、いえ。ほら、僕は角部屋に住んでる者ですよ。覚えておいででないですか?」

「ああいえ、あなたのことは覚えてるんですが」
僕は取り成すように言葉を繋いだが、どうやら彼は僕を不審に思っているというわけではないらしい。

「あ、そうですね。あんまりどんどん叩いてたら近所に迷惑ですもんね…アハハ、すいません」
「いえ、そうではなくてですね」

彼は首をかしげながら、あのう、と呟いた。

「お隣の部屋、あなたが入居したときから、誰も住んでいないのですけれども」


(終)
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:36:32.95 ID:3WbWdHz00
>>86
そっちの終わりの方がなんだかすっきり
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:37:37.59 ID:nfJdVM4E0
誰か星を見上げる少女をお願いします。
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:45:28.48 ID:GsV+cp3f0
正しいエンディングだな

ていうか話おもしろいよage
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:46:16.60 ID:gnBLMD1lO
誰かスレ保存してくださいまし。
PCが壊れて……orz
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:46:18.11 ID:QRVWOJt+0
今、左ルート書いてます。
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:51:11.23 ID:gnBLMD1lO
期待age
これは、最近読んだ中でも一番純粋に怖くなった
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:52:47.89 ID:xNYYLzenO
YOUゲーム作っちゃいなYO
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 18:52:51.88 ID:DPLSyez00
恐いっていうか神秘に近い何かを感じた
文のな。
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:05:05.35 ID:gnBLMD1lO
あげ
ゆっくりでいい。
が、ちゃんと書いてくれ
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:10:46.89 ID:CW0944KY0
どうして「僕」は失踪したのにこんな話が出てくるのかと。
作り話なら仕方ないか。
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:11:09.17 ID:QRVWOJt+0
>>96

そこはまあ、お約束といいますかね・・・。
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:15:02.06 ID:CW0944KY0
>>97
そうやねごめん。
実話ものが好きなんで。
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:22:05.04 ID:QRVWOJt+0
>>98

いえいえ。八時までには上がると思います。
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:25:57.33 ID:GG5lj0Yf0
面白いよ

ゾワッとした
101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:26:03.17 ID:FMPdEhlJ0
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F電子マネーに交換したらGEMを購入しましょう。
 GEM購入画面で「電子マネー払い」を選択してプリペイド番号を入力これで購入完了です。
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
☆みなさんの質問☆(みなさんからの質問を掲示しました)
Qどうして無料でGEMを購入できるのですか?
Aそれは、懸賞などをしているスポンサーが懸賞応募のお礼 にお金をだしてくれているからです。
Q子供でもやっていいのですか?
A何歳でもできます。
Qやりたいのでアドレスのコピーの仕方を教えてください
Aコピー…「Ctrl」+「C]
 貼り付け…「Ctrl」+「V]

Qアドレスはフリーアドレスではだめですか?
AフリーアドレスでももちろんOKです。
Qなぜ親切に紹介しているのですか?
Aそのサイトからわずかですが紹介ポイントが私にもらえる からです。紹介された人ももらえます。
Qポイントが早く貯まる方法ありますか?
A「即」というところで応募・登録をやりまくると短時間で 多く貯まります
102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:33:09.04 ID:ggefuAshO
期待age
103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:39:55.04 ID:CW0944KY0
104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:41:26.52 ID:Cymq7AijO
期待保守
105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:49:07.23 ID:ah3Gk0RzO
とりあえず保守
106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:56:02.62 ID:NH3C6CEHO
コピペで盛り上がってる奴らのスレより

全然おもすれーぞw
107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:57:35.16 ID:QRVWOJt+0
すいません、八時は少し回りそうです。ちょっとでも投下しますか?
108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 19:58:47.50 ID:3WbWdHz00
御飯食べてる間に落ちませんように・・・
109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:04:12.23 ID:GG5lj0Yf0
ほしゅ
110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:12:46.97 ID:AvZvypmMO
完成後投下でヨロ
111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:13:48.43 ID:4yCDUHrn0
おかずマダー?
112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:14:14.39 ID:gnBLMD1lO
完成してからて構わないです。
どうせ暇なんだ…… うう……
113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:17:25.49 ID:QRVWOJt+0
もう少し、もう少しで・・・!!
114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:20:40.91 ID:Cymq7AijO
期待保守
115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:21:26.06 ID:NH3C6CEHO
>>1ってさ

一昨日にひとつの話を貼るのに
5時間かかってた奴?
116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:22:27.58 ID:QRVWOJt+0
>>115

人違いだと思いますよ。スレ立てたの久しぶりだし。
117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:23:53.35 ID:NH3C6CEHO
>>116
人違いか

その彼の話も面白かったから
もしかしたらと思って…
118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:26:36.81 ID:jhsdCeC3O
保守
119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:31:43.74 ID:jhsdCeC3O
本当にあったら怖い話↓
120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:32:17.07 ID:QRVWOJt+0
あたし、生理、こないの
121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:32:25.59 ID:GG5lj0Yf0
>>119
かーちゃんがVIPPER
122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:33:44.42 ID:gnBLMD1lO
hoshu
123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:34:02.75 ID:jhsdCeC3O
>>120>>121
両方怖いな
かーちゃんがうpスレ立ててたら・・・
124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:34:39.81 ID:4yCDUHrn0
7がつ7か
きょうはねんがんのいもうとがうまれるひだ
おかあさんががんばってる
がっこうがおわったらおみまいにいこう
たいいんしたらいもうととなにしてあそぼうかな?

8がつ10か
ぼくはいもうととあそんでいる
ちょっとつみきでたたいてみた
おかあさんにおこられた
ちょっとだけさみしい

9がつ1にち
さいきんおかあさんもおとうさんもぼくにかまってくれない
いもうとにばっかりかまってる
さみしい
どうやればかまってもらえるだろう?

9がつ25にち
きょうはぼくがカレーを作ろう
だからまずやさいをきった
おにくもきった
ほねがあったけどうまくとりのぞいた
ちょっときりにくかったけどじょうずにきれた
あとはぐつぐつにこんでおわりだ
おとうさんとおかあさんがあわててる
カレーはおとうさんとおかあさんよろこんでくれるかな?
125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:35:28.01 ID:QRVWOJt+0
できたー!!投下しやんす。
126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:36:50.74 ID:4yCDUHrn0
>>125
たのしみにしてるぜ
127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:37:01.42 ID:QRVWOJt+0
>>47の続きですね。


しかし、僕にはなぜだか右に進むことがひどく躊躇われた。
霊感が云々が、という話ではない。
動物としての、本能のレベルで右に進むことを嫌悪したのである。
それに―――

(なぜ千星さんは、右が安全だと分かっていたのだろう)

そう、まさにそこなのである。あまりにも異常な状況で冷静な判断能力を失いそうではあったが、
よく考えるとなぜ千星さんは右が正しいと、いや…どうしてここに祠があると知っているのだろう。

「おい、ずっとここにいる気かよ!!」

仲間の言葉に、はたと我に返った。
そうだ、このままここにいても、何らの解決にはならない。
進むにせよ、退くにせよ、どちらかは選ばなければならないのだ。
128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:37:57.89 ID:QRVWOJt+0
右か、左か、来た道を帰るか。
いや、来た道を引き返すといっても、来た通りに戻れるかどうかは保障できない。
それどころか更に迷い込む可能性もある。

大体が、ここには祠を祭ってあるくらいだ、それでなお道が二股に分かれているということは、
その先が出口である公算は非常に高いのではないだろうか?

僕は決心した。

「左に、行こう」

その言葉を受けて、体育座りで放心していたツレの一人が顔を上げた。

「戻んねーの?」

不満たっぷり、といった口調で僕に食いかかってくる。
ムリもない、さらに知らない道を進めというのである。
そこに確かな保証があるわけではない。だけど――

「お前、この道来た通りに戻れる自信あんの?」

「……」

反論はそこで立ち消え、彼らはぞろぞろと僕の進む方向に向かう。
誰も、責任を背負いたくはないのだ。
その点僕の言に従っておけば、いざという時に僕だけを攻めれば済む。
それに、もはや僕らには口論をする体力も尽きかけていた。
129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:39:04.58 ID:GG5lj0Yf0
wktk
130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:39:05.10 ID:QRVWOJt+0
ざっざっざっ…僕らの足音だけが木霊する。
誰も喋ろうとはしない。
ただ、ただ無言で足を運んで行く。
この道を、この道さえ抜ければ僕らは国道に出られる。
何ら確信のないその思いだけをよすがに、僕らは懸命に歩き続けた。

しかし、おかしい。
これまでの道には少しもなかった勾配が、徐々に生じ始めているのである。
いや、それは決しておかしなことではない。
というのも、元々ここの名称はN『山』林であって、N林ではない。
山のような形状をしていても不思議はないだろう。

それに、山を登るということはこの先には湖はないということだ。
逆に山のふもとであればこそ、湖が存在する可能性が高くなる。
ということはやはりあの時右を行っていれば…

「おい、やべえんじゃねえの、この道」

ぜえぜえと息とつきながら、誰かが口を開いた。

「いや、これでいいはずだ、山を登ってさえいれば、湖は見えな」

「だから、それがやべえっての」

「…どういうこと?」

「いいか、俺らは今、よく分かんねえけど山を頂上に登ってるらしい。それは確かだよな?」

仲間たちはその言葉に声もなく頷く。
131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:39:51.61 ID:QRVWOJt+0
「…ということはだな、もし上りきった時に、頂上で視界が開けた時に、
眼下に湖を眺めてしまう可能性が高いんじゃねえか、ってことだよ」

僕は、あっと声を上げた。そうして千星さんの言葉を思い出す。

『歳火を見たら、発狂する』

そうなのだ。
千星さんは何も湖に近づくな、と言っているわけではなかったのだ。
あくまで『歳火を見るな』。
そのために湖に近づくな、というだけのことであったのだ。
僕はそのことを完全に失念していた。

「ヤバい…のか?」

誰かが不安気な声を上げる。
ヤバいのか、ヤバくないのか。
それは分からない。誰にも。
132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:40:06.33 ID:/w7HGALZ0
電気代、ガス代ともに2ヶ月滞納
今の所持金107円
133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:40:38.05 ID:QRVWOJt+0
「クソッ…もう歩きたくねえよ…いい加減疲れた」

そう言って次々と腰を下ろし始める。
正直言って、僕自身ももう限界だった。
僕は腰をへなへなと地面につき、懐中電灯を乱雑に投げ出した。
光がデタラメな方向に乱舞する。
刹那に光は木を照らし葉を照らし地面を照らし、建物を照らす。

(建物…?)

そう、それは一瞬のことではあったが、確かに僕の網膜に建物のイメージが焼きついた瞬間があった。
僕は慌てて懐中電灯を拾い上げると、建物を見たと思しき方向に向かって懐中電灯を照らし出す。

それは、あの祠をそのまま大きくしたような建物だった。
どっしりとした石造りで、まるで……そう、あれはアンコールワットの遺跡によく似ている。

(それにしても、こんなところにどうして)

気付けば、仲間も僕のところに寄ってしげしげとその建物を眺めていた。
不気味なのだけれど、不思議と嫌な感じはしない。
僕らは示し合わすともなしにその建物の方に歩いて行った。
134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:40:38.14 ID:9xpt6lEe0
>>1-1000
うわぁぁああああ!!!!!!こええええ!!!!!!1
135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:40:40.92 ID:4yCDUHrn0
>>132
なんだかこっちの方がリアリティがあって怖いなw
136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:41:33.28 ID:QRVWOJt+0
もしや、とも考えたが建物には祠と違い呪符が貼っていなかった。
つるり、とした不思議な材質の石で、コケの一つもむしていない。
それにしてもどうしてこんなところにこのような建物があるのだろうか。

「おい、こっちに入り口みたいなのがあるぞ」

そんな声が聞こえたので、僕はそちらに向かって歩みを進める。
見ると、確かにそこだけ木枠で出来た扉が存在していた。

「入れる…のか?」

ツレの一人がコンコンとドアを叩いて、扉の感じを調べているようだ。
もしこれが神社などであれば、中に祭られているのは神、ということになろうが、
見たところ司祭的な様相はどこにも見当たらなかった。

「引き戸か…」

そう言って扉に手をかけると、するりと扉は開いた。
さすがにカビくさい臭いが鼻につく。
もう何年も開けられていないのだろう。
当然の如く電気は通っていないのだけれど、どうしたことだろう、
壁全体がぼんやりと光っているようにも見える。
夜目に馴れてきただけなのだろうか。
137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:42:36.19 ID:QRVWOJt+0
開けてはみたものの、さすがに中に踏み入ることは躊躇われた。
大体が、どうしてこんな建物がここにあるのかも分かっていないのである。
これだって、言ってみれば歳火に関係した何かなのかもしれない。
というか、その可能性の方がずっと高いのだ。
とは言えこれ以上進んでも逆に湖を見てしまうかもしれないこと、
既に疲労がピークであることを考えると、ここでしばらく休んでいくことが望ましいのも明らかだった。

「……もーいいよ、発狂してもなんでも。俺はここで休むぞ…」

と言って建物の中にバッタリと倒れこむツレ。
火照った体には石畳がひんやりと気持ちいいらしく、倒れこんだ彼は、
ああー、と気持ち良さそうな声を上げた。

それを受けて残った僕らも続々と建物に足を踏み入れていく。
窓の一つもない建物だった。
僕は一番最後に建物に入ると、扉を元の通り閉めた。

「おーい、ちょっと懐中電灯貸してくれよ」

奥から声が聞こえた。意外とこの建物は広いらしい。

「どうした?」

僕は懐中電灯を手渡しながらツレに声を掛けた。
するとツレは懐中電灯を受け取ると、黙って壁の一部を光で照らす。
そこには、石で出来た壁の中、1m四方くらいの大きさで木の板が嵌めこまれていたのである。
138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:43:13.52 ID:QRVWOJt+0
「なんか、手触りがおかしくてな。それで照らしてみたら、これだよ」

「なんだろうね、これ」

僕は不思議な既視感に囚われた。
これは、そう、どこかで見たことがある。
この木の感じといい、色といい、これはどこかで…。

「あ…」

そうだった。あの祠で見た木と、大きさこそ違えどよく似ているのだ。
気付くと、呼ぶともなしに他のメンバーも木の周りに集まっている。
僕らは更に注意深く木を見つめた。

「…おい、ここ……」

「ん……?」

「なんか、書いてあるぞ?」

それは、書いてあるというよりも、何かが『掘り込まれている』状態だった。多少読み取りづらいが、どうやら日本語のようだった。

「ホントだな。小さい字だけど…読みづれえな、これ」

「ちょっと懐中電灯貸せよ、俺が読む」
139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:43:31.13 ID:QRVWOJt+0


『幽界ノ 幽ハ 腹スカス
幽界ニ 贄ハ 見当タラズ
ケレドモ 現世ハ 耐エ難ク
存在 デキヌト 幽嘆ク

其レデモ 幽ハ 腹スカス
死人ヲ 遣イテ 人ヲヨブ
呼バレタ 人ハ 魂抜カレ
憐レ 現世ニ 暇告グ』


140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:43:37.02 ID:/w7HGALZ0
ああ、どうしよう。マジで首吊るしかないのかな・・・・・・・・
141以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:44:21.03 ID:QRVWOJt+0
僕は声に出して読み上げた。

「かくりょのゆうは はらすかす」
「かくりょに にえは みあたらず」
「けれども うつよは たえがたく」
「そんざいできぬと ゆうなげう」
「それでも ゆうは はらすかす」
「しにんをつかいて ひとをよぶ」
「よばれたひとは こんぬかれ」
「あわれうつつに いとまつぐ」

「なんだこれ?」

一同はこの奇妙な記述を読んで一様に首をかしげた。

「そういえばさあ、あんまり考えなかったけどさ、さっきの祠がもし歳火と関係あるんなら、
むしろ俺たちを湖の方に呼んだんじゃねえの?
なんかそういうのと関係ありそうだな、これ」

それはもっともな意見だった。
もし、歳火が僕らをまどわせようとするのであり、あの祠が歳火と関係した何かであるのなら、
あそこで『去れ』とは言わないだろう。
ということは、やはりあれは僕らを助けようとする存在だったのだろうか。
それにしても…
142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:45:02.58 ID:4yCDUHrn0
>>140
つ「バイト」
143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:45:17.20 ID:QRVWOJt+0
「かくりょの…うつよ…」

ツレの一人が何やらブツブツと呟いている。

「にしてもさあ、これが歳火に関係あるんだとしても、一つも歳火の字が出てこないのっておかしくねえ?
ちょっとくらい触れるだろ、普通」

それもそうだった。
確かにここには『幽界』や『現世』という言葉は出ているものの、歳火に関する記述は一切ない。
やはりこれが歳火と関係しているというのは、想像力を働かせすぎというものだろうか。

「確かに、どこにもないよなあ」

「……いや、書いてるよ」

そう言い切ったのは、先ほどからブツブツと何事か呟いていたツレだった。

「どういうこと?どこにも書いてないじゃん」

「いや、書いてるんだ…違うな、そうじゃない。
元々最初から歳火なんてものは存在しないんじゃないか、と言った方が正しいのかもしれない」

僕らは彼の言葉に首をかしげた。
歳火が元々存在しない?一体それはどういう意味なんだろうか。
144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:45:54.13 ID:AGiBrzWzO
http://rankru.com/user/freepage.php?no=5&id=laktm

さっきエロ動画みてたんだけどAUのやつここの12番目のみてみて
145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:46:27.75 ID:QRVWOJt+0
「何度もね、この詞を読んでいたら気付いたんだ。
どうも、引っ掛かる部分があるって…それは、ここ」

そう言って彼は『死人』の部分に指を指した。

「しにん?死人がどうかしたってのか」

「いや、そうじゃないんだ、死人じゃなくて、いや、ああ、死人なんだけど…
これ、別の読み方もできるよね?例えば、そう、【しびと】ってね」

確かにその通りだった。
当たり前のように僕は死人を「しにん」と読んでいたけれど、確かに「しびと」とも読めるものである。

「ああ、確かにな。けど、それがどうしたんだ」

「でね、僕は【しびと】って読んだ時に、何か違和感というか…
まあ、そこまでハッキリとしたもんじゃないけど、どうにも喉に小骨が引っ掛かるような何かを感じたんだよ。
しびと、どうもこの文字を既に何度も聞いているような、そんな違和感を」

彼が何を言いたいのか、僕は話の先が少しも見えなかったが、彼は構わず続けた。

「それで、ずっと考えたてたんだ。
君が話してくれた元々のN山林にまつわる話があったよね。
その時のキーワード…幽界と現世、それがハッキリとここに書かれているのに、
それに対応する【歳火】がどこにも書かれていない。
これはどう考えてもおかしい。偶然、と片付けるのも不自然すぎる」
146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:47:44.47 ID:QRVWOJt+0
なるほど、むべなるかな、である。
それにしても普段は無口な彼がここまで雄弁に語るとは、人は見かけによらないというものだろう。

「するとここで浮くのはね、【しびと】だけなんだよ。
それで考えたら、すぐに分かった。
まあ、【しにん】だと考えてる時は気付きもしなかったんだけど…」

「なんだよ、何が分かったってんだよ」

僕は持って回ったような言い方をする彼の言葉に苛立ちながら、話の続きを求めた。
彼は、こほん、と一つ咳払いをすると、重々しく口を開いた。

「【しびと】、この言葉を入れ替えてみたら、【としび】になるんじゃないの?
「しびと」と、「としび」…「死人」と「歳火」…」

僕らは思わず息を飲んだ。

「…おそらく、なんだけど、キミにその話をした人は何らかの意図を持って【しびと】の存在を隠したかったんじゃないかな。
大体が「死人」だなんて、噂レベルの話にしてもあんまりにも生々しいからね。
それよりも、あまり聞きなれない言葉の方が都市伝説的で、僕らも興味を惹かれる。
そういう狙いがあったのかもしれない」

そう言われてみると、そうであるような気もする。
それにしても、どうして…。

「そして問題は、どうしてその話をした人が」

ピリリリリ
147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:48:32.41 ID:GG5lj0Yf0
kた
148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:48:40.62 ID:QRVWOJt+0
突然、空間にけたたましい携帯の着信音が鳴り響いた。
おかしい、先ほど僕はマナーモードに切り替えたはずである。
いつの間にか解除されたのだろうか?
僕はポケットから携帯を取り出そうとした。

「……ちょっと待てよ。どうしてお前の携帯が鳴ってんだよ!」

ツレの一人が叫ぶように大声を上げた。
どうして?なぜこいつは「どうして」などと言っているのだろう。
携帯は鳴るもんじゃないか、と思った瞬間、僕は血の気が引いた。

この山林に入ってから、僕以外の誰も、携帯が鳴っていない。
僕は、偶然の出来事かと持ていたけれど、それは偶然なんかではなく、
いや、鳴っていなかったのではなく、「鳴ることが有り得なかった」のではないか?

「もしかして……」

「最初っから、ここの山林に入ってから、ずっと圏外だったじゃねえかよ!!!」

もう一度叫ぶような声を上げたと同時に、携帯は留守番電話に切り替わった。
しん、と静まり返る室内。機械の音声が、主の留守を告げている

『…ニナッタ電話ハ、電話ニデラレマセン。ピーットイウ発信音ノ後ニ、メッセージヲ入レテ下サイ』
149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:49:41.11 ID:QRVWOJt+0
「……千星やけど。帰りがおそいから、電話しました。
もしかして、道に迷うたん?
もしかして、左の方に進んだ?
それやったら非常にまずいわ。
すぐに引き返した方がええよ。
そっちに行ってしもうたら、とんでもないことになるから。
引き返して、右の方に進まんといけんよ」

ねっとりと絡みつくような声が、スピーカーから漏れ出している。
さっきまでは頼りにしていたはずの声なのに、どうしてだろう、今は遠く、もはやこの世のものではないようにも感じられる。
なぜなのだろう、それは彼の言葉に従わなかった罪悪感からなのだろうか。

「……おい、この人の名前、何ていうんだ……?」

「え……千星だよ。千の星って書いて、【ちぼし】」

「ちぼし……」

「なあ、それが何か関係あんの」

「チボシ…チシボ…いや、違う……」

彼は再び何かをブツブツと呟き始めた。何か思いついたのだろうか。
すると今度はメールが届いた。案の定千星さんからであった。
150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:50:23.26 ID:QRVWOJt+0
差出人 千星さん
本文  ええか、右やで、右に行くんやで。
    間違っても変な建物に入ったらいけんよ。

「……どうしたの?」

「いや、千星さんからメールが」

「ちょっと見せて!」

というと、彼はひったくるように僕の携帯を取り上げた。

「これ……」

彼は画面を見たままワナワナと震えているようだった。
時折、そうか、そうだったのか、と呟いている。
どうしたのだろうか、あの文章に殊更不思議な点はなかったようにも思えるのだけれど。

「どうした?なんか気になる文章だったの?
それとも圏外だからって驚いてんの?もうそれは今更驚かなくても」

「違う!文章じゃない。アドレスが…」

アドレス…?そう言って僕は差出人のアドレスに目を落とした。

From:[email protected]

151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:50:29.27 ID:4yCDUHrn0
ノリがかまいたちの夜2だな
152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:51:26.49 ID:QRVWOJt+0
「…これが、どうにかしたの?」

「……アナグラムだよ。
いいか、お前はおかしいと思わないのかそのアドレス?」

「え?どういうことだよ」

「お前、小学校でローマ字習っただろう」

急に何の話をし始めるのだろう、と僕が不思議な顔をしていると、
彼は構わず話を続けた。

「いいか、お前、ローマ字の「ち」は何て習った?
chiだろうが。
それなのに、この人は何でtiboshiにしている?
普通ならchiboshiのはずだ」

「いや、まあそうかもしんないけどさ、でも単純に登録が重複してただけかもしれないじゃん」

「確かにそうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
ハッキリ言って僕だって普段ならそんなこと気にしないよ。
けどね、彼はtiboshiじゃないとダメだったんだ。
tiboshiじゃないといけない理由があったんだよ。
いや、というより千星という人は、どこにも存在しない。
そして存在しないからこそ、その名前を名乗る必要があったんだ。
彼の本当の姿を隠すために、だ」

僕は彼が何を言っているのかサッパリ理解できなかった。
けれども、彼が何か確信を得ていることは、僕にも伝わってきた。
153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:53:51.34 ID:QRVWOJt+0
「だから、どういうことなんだよ。分かりやすく説明してくれよ」

「だから、アナグラムなんだよ。いいか、tiboshi、これを並び替えるんだ。
したらどうなる?さっきの死人と歳火と同じ話だよ。今回はアルファベットだけどね。
ここから、出て来るんだよ、死人も、歳火も!」

「どういうことだよ?」

「死人は、いいかい、shibitoだ。そして歳火はtoshibi。分かるだろ?
ここで使われてるアルファベットは全部同じなんだよ」

「あ・・あ・・・・」

「死人も、歳火も、そして、千星も……全部、全部同じ、一つのものだったんだよ。
そう考えれば、君にN山林の話をしたのも合点が行く。
大体が最初からおかしいといえばおかしかった。
この人が『湖が危ない』だなんていわなければ僕らは湖に向かわなかったわけだし。
注意を促すなら、むしろ具体的な情報は与えないはずだろう?
それなのに、この人は僕らを意図的に湖にリードするような発言をした。
なぜか?それはこの人が」

「千星さんが、歳火で、死人だから、なのか…」

僕は彼の言葉を遮って、言葉を繋いだ。
154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:54:20.36 ID:QRVWOJt+0

『其レデモ 幽ハ 腹スカス
死人ヲ 遣イテ 人ヲヨブ
呼バレタ 人ハ 魂抜カレ
憐レ 現世ニ 暇告グ』

「だから、俺らを…」

「おい、あっちの方、何か光ってんぞ!」

言葉に、僕らは窓に駆け寄る。
林の奥、遥か彼方の方角…確かに、その一部が薄ぼんやりと光っている。

ピリリリリリ

三度、携帯がけたたましく鳴り響いた。
僕は画面を開く。


着信:千星さん


僕は、そっと通話ボタンを押した。
155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:55:35.35 ID:QRVWOJt+0
「なあ、何しとるん?

自分、どこおるん?

なして右行かんかったん?

俺、怒られるやん。

幽さんに怒られるやん。

あの人ら、腹減ってんねんで?

どうして、言う通りにして
    お前らは
       こなかったん
だって
    聞いてる
   ん
    だよおおおおおお
     オオオおおおおおオォォ
ォォォぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
!!!!!!!!
         !!!!!!!!!!!1111 
111111!!!!!!!!!!!!」

その叫び声はスピーカー越しでありながらすぐ傍にいるかの如き絶叫であった。
ビリビリと入り口の窓が揺れる。
窓の外を見ると、光はひときわ大きくなり、まるで洪水のように林からあふれ出そうとしていた。
156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:56:28.92 ID:QRVWOJt+0
その瞬間のことであった。
天井から、その入り口をすっぽりと覆い隠すような木の板が落ちてきたのである。

どすん、と音を立てて入り口を塞ぐ。
僕らは寸でのところでそれをよけた。

「危ねえ…大丈夫か?!みんな」

僕はきょろきょろと見渡したが、怪我をしている者はいなかった。
僕はやれやれ、といった感じで息をつくと、一体何が落ちてきたのか、と入り口の方を電灯で照らした。


『決シテ 幽光 見ルベカラズ』


そこには、やはり小さい文字でそう書かれているのだった。

157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:57:02.88 ID:QRVWOJt+0



一夜が過ぎ…



158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:58:11.64 ID:QRVWOJt+0
そして朝を迎えた僕らは、そっと板に手をかけると板はすんなりと外れ、入り口はまた元のように姿を現した。
僕らはがらりと扉を開ける。鮮烈な空気が肺を満たす。
朝日があんまり眩しくて、僕は思わず目を瞑った。

「さて、と。こんだけ明るけりゃ、もう大丈夫だろ」

「そうだな、早く家に帰りたいわ……」

僕らは思い思いのことを口にしながら、建物を後にした。

「まあ何にせよ、こいつに助けられたのかな…」

「かもな…」

結局、この建物は何だったのだろう?幽界と仇をなす存在だったのだろうか?
だからこそこうして迷い込んだ人間を助けて…。

ダメだ。寝不足の頭では何も考えられそうにない。
考えるのはあとにしよう。今はゆっくり休んで…

「おい!こっちに国道があるぞ!」

「マジか?!」

「つーか、すぐ裏手じゃん…」

「全く気付かなかったよな」
159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:58:39.13 ID:QRVWOJt+0
そう、僕らが夜を共にした建物のすぐ裏手、そこが国道だったのである。
それにしてもいくら疲れていたからといってこんな近くにある道を見逃すだなんて…
まあいい、ともかくも今は無事に帰れる喜びを味わおう。

「にしても、車はどこにあんのかな…」

「しゃーねーだろ、とりあえずは街に戻るしか…ん?」

「どうした?」

「あれ、人じゃねえか?」

そう言って指差した方向には、確かに人らしき影があった。
ふらふらと、こちらに向かって歩いて来ているようだ。

「そうだよ、人だよ!助かったな、どっか道教えてもらうべ!」

そう言って僕らはおーいおーいとその人に向かって叫んだ。
その人はふらふらと、ふらふらと僕らの方に向かってくる。

ふらり、ふらり。

一歩一歩、踏みしめるように。

そしてついに近くに来たとき、その人に話しかけようとした。
160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 20:59:41.45 ID:QRVWOJt+0
「あの、すいませ……」

その人の目には、既に尋常な人間の持つ光は失われていた。
フヒ、フヒヒヒヒと小さな笑い声を上げ、だらりと涎をたらしながら
僕らのことなどまるで認識していない様子で、そのままふらり、ふらりと歩いていった。

「…なんだ、あれ」

「まあ、季節の変わり目だからな」

「そういうもんか…でも道分かんねーよ、これじゃあ」

「あれ、また人来たんじゃね?」

「うっそ、どこ?」

「あれ。…あれ?なんか一人じゃないかも」

「うん?」

そうして見上げた視線の先、坂の上からは……

一人、二人、

三人四人…

道に一杯の人影があらわれ、ふらり、ふらりとゆっくりとした足取りで、こちらに、ふらり、と向かってきているのであった。


(終)
161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:00:33.00 ID:QRVWOJt+0
終わりです。
ご愛読ありがとうございました( ^ω^)

確かにかまいたち2っぽいすね('A`)
162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:00:37.58 ID:4yCDUHrn0
163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:01:25.12 ID:jhsdCeC3O
164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:01:44.99 ID:GG5lj0Yf0
乙〜
165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:03:56.49 ID:GG5lj0Yf0
つか、最後gdgdじゃね?
166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:05:10.69 ID:QRVWOJt+0
>>165

知らんがな( ´・ω・`)
167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:07:09.64 ID:gnBLMD1lO
どうしても、謎解き=説明的だから、仕方がないかも。
でも、面白かった。乙〜
168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:10:08.75 ID:wk9A0iv2O
マジで面白かった

最後の話は「魂を抜かれなかった学生」の代わりに「他の人が魂を抜かれた」ってこと?
169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:11:18.36 ID:NH3C6CEHO
単純にスゲーと思った。
怖い話としてじゃなくても全然面白い。

文章に全く無駄な描写が無くて読みやすい
170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:13:40.11 ID:E4fwcz1C0
トリックスターとして謎のヒロインを登場させた
真バージョンをきぼんぬ
171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:13:43.85 ID:GG5lj0Yf0
>>168
幽光が溢れ出して、街の人達大勢がみちゃったって事じゃねーの?
172以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:13:50.72 ID:QRVWOJt+0
>>167

そうなんですよ( ´・ω・`)

>>168

そうそう。感じ的にはベルセルクの贄です。
予定した奴らが来なかった結果、幽光大暴走、みたいな・・。

>>169

( ^ω^)ありがとうお。
173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:14:17.66 ID:QRVWOJt+0
>>170

ねーよwwww

>>171

さすがですお( ^ω^)
174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:16:47.62 ID:E4fwcz1C0
最後は大勢じゃなくて6人の人影でもおもしろかった
既に携帯からの「光」で全員が魂の状態になってたっていうオチとか
175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:18:04.58 ID:QRVWOJt+0
>>174

なるほどー。そいつは思いつきませんでした( ´・ω・`)
176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:18:31.62 ID:wk9A0iv2O
なるほどねー、ベルセルクか…

ということはゴッドハンドがもう1人増えたのか
177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:19:27.93 ID:NH3C6CEHO
このスレの後の展開が気になる
178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:20:47.95 ID:QRVWOJt+0
>>176
漠然と参考にしただけですよwww
幽界とか、まんま出てくる単語ですから。

>>177

どうなるのでしょうか。
179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:24:57.12 ID:wk9A0iv2O
いや、お世話を言う訳ではないが、
読んでる最中、頭の中にイメージが明瞭に浮かんだ

文章的にイイセンスしてると思う

機会があったらまた違う話を書いておくれ
180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:26:11.70 ID:QRVWOJt+0
>>179

どうもです( ^ω^)こっそり色々書いてはおりますよ。
181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:26:55.90 ID:NH3C6CEHO
スゲー

>>19は天才
>>19は天才
>>19は…
182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:33:28.34 ID:cjAq8XWBO
あー怖かった……
おつ
183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:33:59.61 ID:k9MPfGisO
ガクブルしながら読ませてもらった

いいモン読ませてくれてありがとう!
184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:36:37.59 ID:QRVWOJt+0
こっそりと


こちらにまとめました
http://2949.seesaa.net/article/20026241.html
185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:40:36.47 ID:wk9A0iv2O
1人生き残った学生が千星に復習する話をキボン



テメェを倒すために地獄から戻ってきたぜッ!!

みたいな感じでwww
186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:44:00.26 ID:96d6LDu40
>>184
やっぱ肉欲さんだったんか。相変わらずやるなぁ。
187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:44:01.97 ID:QRVWOJt+0
>>185

ワロスwwwww
酒飲んだから即興でやろうかしら( ^ω^)
188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:55:25.41 ID:GsV+cp3f0
すごくおもしろかった
189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:59:10.65 ID:6BT87el30
なにこの戦慄
190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 21:59:32.18 ID:aD+bZOIO0
エイプリルフールの話の人かwwwwwwww
流石だなこれはwwwwwwwwww
191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:04:16.25 ID:3WbWdHz00
スレ残ってたー
面白かったよ>>1凄いわ
最初何かの小説のコピペかと思ったけど違うんだな
もっと他のも読みたいわー
192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:05:43.98 ID:6BT87el30
小説版弟切草みたいな糞とは比べ物にならんね
1932949:2006/06/29(木) 22:06:26.65 ID:QRVWOJt+0
>>191



一応人気があったのはコレですお
( ´・ω・`)つhttp://2949.seesaa.net/article/15944715.html
194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:07:30.55 ID:KWy4tpuS0
今最初の話読み終わった
どっかのコピペだと思ってたら>>1が作ってたのかwwwwwwwwwwww
すげぇwwwwwwwwwwwwww
195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:07:34.55 ID:9LepV/CMO
話は大丈夫でも俺はどうかなhttp://ex15.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1151584098/
196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:20:19.63 ID:4/bB8FbQO
今読んでる途中。携帯調子悪くてちびちびしか読めないから
落ちる前に保守
197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:22:44.14 ID:3WbWdHz00
エイプリルフールも今見てきた
これはイカン>>1才能蟻過ぎ
198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:32:07.35 ID:A0oyPUYaO
なるほど、肉欲さんの作品なら納得。
相変わらずおもすれー。

祠から「右」「左」「引き返す」の他に、「おもむろにセックス」ルートは無いんですか?
199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:37:32.48 ID:4/bB8FbQO
読み終えた。

オモスレー(^ω^ )
いつものちょっとした小話かと思ったら、意外と長かった…。
でもサウンドノベルっぽくて良かった!!こりゃゲーム化だね。
あと間にも入ってたけど、
http://kowa-i.com/vl/n56.htm
ここの「くねくね」っぽいね>歳火
200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:37:59.83 ID:QRVWOJt+0
>>198

志村、それ盲点!
201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:44:17.07 ID:4/bB8FbQO
>>198
それなんてBL小説?
202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:53:45.71 ID:QRVWOJt+0
ちょっと「弁護士のくず」が終わって悲シスなんで、BLで書いてみます。
書き終わるまでに残ってたら。
203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:57:19.31 ID:4/bB8FbQO
>>202
ちょwwwwチャレンジャーwwwww
204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 22:59:13.30 ID:QRVWOJt+0
祠を目の前にして、僕は考えた。
右か、左か、それとも戻るか。

(そんな既成概念に囚われて、その先にあるものって一体なんなんだろう)

確かに箸を持つ手は右手だ。だけど、それを「右」であると観念したのは所詮先人である。
右は、別に「右」でなくてもよかったはずだ。
だからこそ、右は「ミギ」と決定された時から「右」でしかなくなってしまったのである。

これを悲劇と言わずして、何と言うだろうか。
205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:00:12.05 ID:xDTblqOM0
ワッフルワッフル
206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:02:26.09 ID:QRVWOJt+0
「…おい、懐中電灯持ってんのお前なんだからさ、いい加減どうするか決めてくれよ」

「分かったようなこと言わないでよ!!」

パシーン。乾いた音が静寂を切り裂く。
僕が平手を打った音だった。

「ちょ・・てめえ!何すんだよコラ!」

激昂している。彼の頬が赤く染まっていくのが分かる。
男として産まれたからには、確かにいきなり平手を張られては苛立たしいというものだろう。
しかし、僕は…そんな彼を見てこう思ったんだ――。

「ちょ…何よアナタ!

『ナニすんだよ』ですって?!イヤッ…ケダモノ……!!!
恥を知りなさいっ…!!!」
207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:02:57.26 ID:A0oyPUYaO
ちょwwww肉欲さん正気かwww

wktk
208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:03:32.56 ID:4/bB8FbQO
>>1の中の人は仕事早いな。裏山
209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:05:15.92 ID:QRVWOJt+0
ひゅるり、ひゅるりララ。
聞き分けのない、ゴンタです。
乾いた風が僕らの間を吹き抜ける。

「ア・・?テメエ何わけのわかんねえこと言ってんだコラ・・・?」

その時、僕の視界に呪符に包まれた祠が目に入った。
祠、ほこら、ホコラ、コラ、コーラック、便秘、スカトロ。

「アンタ…アンタの性欲は・・・まさに天井知らずね!!!」

バチコーン。乾いた音が林に響き渡る。
僕の崩拳が華麗に彼に決まった瞬間でもあった。

210以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:06:10.04 ID:wk9A0iv2O
>>193
えー!この話の作者さんなんですか!?

ちょっと前に読んで、怖いというか不気味だったのを覚えてるお…
(´;ω;`)
211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:08:18.61 ID:A0oyPUYaO
やべえwwwww
このカオス感www
212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:09:09.45 ID:Ep54twS1O
>>1
すんごい面白かった。
ほんと乙。
213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:10:29.79 ID:QRVWOJt+0
「キャオラ!」

『BAKI』チックな悲鳴を上げて、彼は10里の彼方へ飛び去った。
無事だといいのであるが・・・。
いや、この際彼の安否は二の次だろう。
今は…今はそう、この危難を何とか潜り抜けることが先決なのだから。
僕は丙虎の方向に向かい手を合わせると、ゆらり、というオノマトペがふさわしいくらいのゆったりとした所作で
一同に向き合った。

         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは奴の前に崩拳を打とうと思ったら
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        いつのまにか誰かに崩拳を打たれてた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも 何をされたのか わからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \   催眠術だとか超スピードだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったぜ…
214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:11:30.34 ID:QRVWOJt+0
    、__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__人__,
    _)                                                (_
    _)  ナ ゝ        ナ ゝ  /   ナ_``  -─;ァ              l7 l7   (_
    _)   ⊂ナヽ °°°° ⊂ナヽ /'^し / 、_ つ (__  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ o o    (_
    )                                                (
    ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
 /   , ,ィ ハ i、 、     !   /''⌒ヽ-─‐- 、     、ー'´         \ .イ   , ,ィ ハ i 、 .   |
 /イ  ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 |   ゝ ,、.___,  \  >       ,       !  | ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
  イ /r >r;ヘj=:r‐=r;<ヽ│  「 ./       u \  |  ≧  , ,ィ/ハヽ\   |   |/゙>r;ヘ '-‐ァr;j<`K
  r、H   ┴'rj h ‘┴ }'|ト、  |./        ヽ |  1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 ! .ry   ┴ 〉   └'‐ :|rリ
  !t||u`ー-‐ベ!` ` ー-‐' ルリ r|´゙>n-、ヽ-rj='^vヽ _レ「゙f.:jヽ ーT'f.:j'7`h |t|.   ヾi丶     u レ'
  ヾl.     fニニニヽ  u/‐'  :|r|  ー "j `ー ′ h゙リ {t|!v ̄" }  ` ̄  !リ ヾl u  iニニニヽ   /|
    ト、  ヽ.   ノ u,イl.    ヾ! v  ヾ__ v イ‐' ヾl   ヾ_  v ./'    ト、  、__丿u ,イ ト、
   ,.| : \  `ニ´ / ; ト、    ト.、u L_ フ , ' |.    ト、u ヾー `> /.|.   ,| ::\     / ; / \
-‐''7 {' ::   ` ー '  ,; ゝ:l`ー- ⊥:`ヽ. __ / ,' |    | :\   ̄ /,' ト、_ /〈 ::  ` ー '   ,'/   「
  /  \ ::       , '/  :|     `'''ー- 、 , ' '>-,、.._ノ ::  `ー '   /,.イ   \::     /      |
 /     \    /     |        | ヽ-‐'´ _,.ヘ<  _::   _,. イ/ |     ,.へ、 /´\       |


215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:12:36.77 ID:A0oyPUYaO
>>212
まだ終わってないぞ。
むしろここからが本番。
216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:14:46.27 ID:JVJqIYIR0
何このカオスwwwwwwww
217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:14:59.86 ID:QRVWOJt+0
1、2、3、4、ポルナレフ。
そう、人数に矛盾はない。
>>1は少しだけ安堵の溜息をつきながら話を続けた。
「つまり、だ。まずは事実をまとめよう」

そう言った僕は、懐からおもむろにザウルスを取り出すとタッチパネルに図を描き始めた。

「まず、柳沢がこの位置にいた、それは間違いないな?」

「ええ、でもそれがどうしたって…」

「ノストラダムスだよ!!」


    ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
     cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・


  / ̄\   / ̄\   / ̄\
  │    |  │    |   │    |
  \  /   \  /   \  /
   |  |_    |  |_    |  |_
218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:17:26.53 ID:Ep54twS1O
>>215
おk
ハイクオリティを期待して待つ
219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:18:44.00 ID:QRVWOJt+0
「ちょ、ちょっと待て!!お前ら落ち着いて>>217を見るんだ!!」

そう叫んだのは頭脳は子供、体は大人、江戸川マイラールだった。

「おかしいじゃないか。さっき崩拳でぶっ飛ばされた奴は確かにいた。
有体にいうなら

『俺、発売前にPS3ゲットしたぜ!』

とかってフカシこく、そう、3組のタカシみたいな奴がふっ飛ばされたのは確かだ」

そう、マイラールの言葉に偽りはなかった。
確かに、超スピードみたいな勢いでふっ飛ばされたのはこの目で僕も確認した。
というか、僕が吹っ飛ばしたのであるが、それはハッキリ言って言わぬが花、というものであろう。
僕は世阿弥が大好きなのだ。
秘すれば花、秘すれば花なるべからざる。
その詩を思い出しながら、僕の心は遠く、そう、スペインの赤い空へと馳せながら・・・。
220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:22:23.44 ID:QRVWOJt+0
「それなのに、さっきの>>217のAAだと更に一人減ってるじゃないか!」

コギト・エルゴ・スム。
そんな高尚な言葉遊びをしていた僕の頭脳プレイを邪魔したのは、そんなマイラールの下らない言葉だった。

「それがどうしたっていうんだよ!」

僕は大きくかぶりを振りながら、手に持っていた『加藤鷹自伝〜僕、どちらかと言えばショタです〜』をかなぐり捨てて叫んだ。

『5人が4人になった…この異常な状況の中で、それにどんな意味があるって言うんだよ…」
221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:23:26.16 ID:QRVWOJt+0
ちょっとこれ誰か見てるのwww
222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:24:53.03 ID:E4fwcz1C0
きさまっ
見ているなっ!!
223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:25:20.30 ID:NH3C6CEHO
>>204辺りから>>1の姿が見えない
224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:25:48.30 ID:JVJqIYIR0
ごめん、何か違う世界に迷い込んだみたいだ
225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:26:01.30 ID:4/bB8FbQO
読んでるけどwwwww把握出来ないwwwwwwカオスwwwwww
226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:28:23.75 ID:A0oyPUYaO
もう「怖い話」でもなんでもねぇwwww
227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:34:42.53 ID:QRVWOJt+0
ごめ、電話してた。続き書くお。
228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:37:29.94 ID:QRVWOJt+0
ピリリリリ

静寂を切り裂くようなデジタルの叫び。
僕の携帯電話が、臀部で強烈にバイブしていた。

僕は嫌な予感がしつつ、ポッケから携帯を取り出す。
そうだ、ここは圏外のはずだ。
それなのに、なぜ携帯電話が鳴るのだろう?
僕は期待と不安で胸を躍らせながら通話のボタンに指を当てた。
その通話口に向こうにいたのは…


>>229
229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:39:27.26 ID:4/bB8FbQO
チボシ「あ…、もっ、もっと右よおぉぉぉ」
230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:40:05.42 ID:JVJqIYIR0
再びカオスの予感
231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:40:58.12 ID:jAmKCL44O
ドグラ・マグラっぽくておもしろい(`・ω・´)
232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:43:05.71 ID:QRVWOJt+0
「あ…、もっ、もっと右よおぉぉぉ」

声の主は千星さんだった。
右、この人は相変わらず右にこだわる。
右、そう、右である。
僕の脳裏に遠い日の追憶が蘇る。

1915年、呉服屋の父山田庄七と母つるの間に長男として生まれるが、両親が3年後に離婚し、姓が母の旧姓大鹿になる。
その後は女手一つで育てられた。1926年につるが再婚し、横井姓となる。学卒後は約5年間愛知県豊橋市の洋品店に勤務する。
そして1935年に第一補充兵役に編入、日本軍入り。4年間の兵役の後、洋服の仕立て屋を立ち上げる。1
941年には大東亜戦争のため再召集され、満州を経て1944年からはグァム島に配属。歩兵第38部隊伍長として兵役する。
戦争が激化し、同年8月にグァム玉砕、戦死広報が届けられた。

「横井庄一、恥ずかしながら右ながらえて帰ってきましたぁぁ!!」

そんな声が、僕の頭にこだました。
233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:46:08.73 ID:4/bB8FbQO
カオスにするならみさくら語にしとけば良かったか…
234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:48:08.87 ID:QRVWOJt+0
しかしながら僕のPHSは月に1000円まで!とお母さんと硬く約束を交わしていたため、
何やら千星さんが「幽光が…」とかなんとか言ってたけど貨幣経済の前には勝てない。僕は
「あ、ゴメス。ちょっと電波が悪いみたい」
という一言の下、冷静に通話を遮断した。
おあつらえ向きに携帯は圏外になった。天が運を味方しているようだ。

さて、僕は居住まいを正して三人の方に向き直った。

「それにしても、これからどうしたらいいんだろう…」

重い表情でツレの一人が呟いた。
ジュルリ。僕の股間のデラウェア火山は、ハッキリ言ってもうボルケーノ寸前であったことは論を待たない。
235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:49:46.61 ID:QRVWOJt+0
ダメだwwwこのまま落として下さい( ´・ω・`)
糸が切れた・・。
236以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:52:18.38 ID:A2B2c/CD0
俺実は・・・・・







 ニ ー ト じ ゃ な い ん だ

237以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:53:24.15 ID:4/bB8FbQO
落ちないのかwwwww
乙wwww
238以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:54:09.79 ID:E4fwcz1C0
ご覧のスレッドは・・・

       ヾツ/
  ハァハァ  lミ|_      さきっぽ!!さきっぽだけでいいから!!
      ,( =) =)
    へ´;"∀"i/^ =3 =3
      ヽ,,_,,ノ
      _> く_

・・・の提供でおおくりしますた
239以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:54:19.33 ID:Je5vsx2k0
>>236
嘘付けよ・・・・・・
お前はもうとっくに・・・・・・・・
240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:55:20.43 ID:A0oyPUYaO
千星「らめえっ!おちんぽ歳火でちゃいましゅうううっっ!!」

そこで僕の目が覚めた。
全身が汗ばんでいる。肌に貼り付いたTシャツが気持ち悪い。

僕はおもむろに股間へ手を伸ばした。

グチュ…

「千星さんで…夢精…」
滅びろ世界。
241以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:55:39.34 ID:CCdzzjh70
肉タンはホント、カオス書かせたら天下一品だなw
242以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:57:03.67 ID:xUAaQP4t0
フシアナトラップに引っかかってホストさらした奴が
神戸市水道局を名乗って”22時”に削除依頼
騙りでも本当でも祭りの予感


削除依頼スレ↓
神戸市水道局
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku2ch/1151586036/

フシアナで晒したスレ↓
【神戸市水道局】A
http://society3.2ch.net/test/read.cgi/koumu/1146685173/206-
ここの220熟読してくれ
243以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/29(木) 23:58:46.44 ID:4/bB8FbQO
>>240
お前が続き書けばいいよwwwww
244以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:01:26.18 ID:01V3QtuEO
みずき事件って何ですか?
245以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:02:39.99 ID:Mq5Um0LAO
今北産業
246240:2006/06/30(金) 00:02:59.92 ID:o0AgaLTaO
>>243
携帯厨に無茶言うなwww
247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:04:46.65 ID:5YsbXX2B0
>>246
携帯も
 やればできると
       信じてる
248以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:06:09.83 ID:bpA1hVwt0
>>246

きみは やればできるこだと きいているよ!!
249以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:07:23.41 ID:+Uz+1RuqO
>>246
俺も君ならできると思うよ
250以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:08:10.26 ID:AoIhqPR5O
続きが読みたくてたまらないんですが
251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:08:46.11 ID:V4BGxj73O
>>246
おまえなら きっと てんかをとれる
252以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:15:20.80 ID:o0AgaLTaO
わかった。オナニー終わるまでちょっと待て。
253以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:16:20.03 ID:5YsbXX2B0
>>252
保守して待つYO
254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:18:08.17 ID:V4BGxj73O
携帯でガンガル>>246に期待
255以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:18:35.73 ID:bpA1hVwt0
「俺はさ、一つだけ思うことがあるんだよ」

僕はそう言って、おもむろに懐に手を入れた。

「そう、あれは何の本だったかな…僕は、いつか何かの本でこんな台詞を目にしたんだ」

ざざ、と木々が声を上げる。どうやら、また風が吹き始めたようだ。
風の音は、好きじゃない。何か泣き声にも似たようなそんな音がするから。

「明日って、今さ」

僕は風の音に少なからず動揺しながらも、言葉を継いだ。

「いい言葉だと思わないか?」

その言葉を受けた彼は、それでも僕の言葉が分からない、といった雰囲気で首をかしげている。

「分からないかい?アナグラムだよ・・・」

僕はそういいながら、懐からバイブヌンチャクを取り出した。


「明日・・・あした・・・アシタ・・・ashita・・・」

これは特注のヴィトンのバイブである。

「ashita・・・anal・・・アナルファック」

全ては、だから、そういうことだった。
256以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:21:46.15 ID:bpA1hVwt0
「そうか・・・だから祠は・・hokoraで・・・」

彼は僕の言葉を聞くとブツブツと何やら呟いている。
しかし、今では全てが遠くに響くばかりだ。

「かゆ うま」

右を見ると、友人が…いや、友人「だった」ものが、何やらのたうちまわりながら地面を這っていた。
もうダメかも知れない…そう思った僕は後ろを振り返った。
友は、最後まで見捨てない、それが俺のジャスティス。
一人でも、無事な奴がいるのなら・・・僕はそいつと添い遂げる!!


「ギギギギギ」


僕は暁に向かって一目散に駆け出した。
257以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:21:54.61 ID:V4BGxj73O
>>255
無理矢理だwwwww
wktkwktk
258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:24:04.28 ID:bpA1hVwt0
はあ、はあ、はあ。

野良犬のような吐息が僕の鼓膜にまとわりつく。

はあ、はあ、はあ。

うるさいな、誰の息だよ。

はあ、はあ、はあ。

いや、そうだ、これは。

はあ、はあ、はあ。

僕の吐息だ。

僕は、もつれる足をそのままにしてずっ、と地面にひれ伏した。

「大丈夫かい?」

そんな地を這うミミズのような僕に声を掛けてくれたのは――

「コロッケ、食べるナリか?」

コロ助だった。
259以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:24:07.77 ID:jVMgiMlTO
日本にある話から考えると
歳火=鬼火(人魂)ですかな?
ただ見たら死ぬってことは無いですがね。
伝えによると鬼火は黄緑がかった青い火の玉らしいです。

科学的検証によると日本は火葬のために
人体に含まれるリンという物質が燃えると黄緑がかった青い火が出るそうな。
もう一つがプラズマ。
大気中の電子が何らかに反応してプラズマ化するんだそうです。

鬼火は人の魂と考えられ火葬儀、墓場、深夜などに多くみられるとのこと。

他に怪談の火といえば狐火。
狐が狐油(油揚げの油という説も)というものを口に含み吹き出し火付け石で火を付け吹く。
天気雨には狐の嫁入りがあると伝えられてますが、その時に火を吹くんだそうです。
妖狐には九尾の狐、くだ狐などがいます。

思ったんですが動物が妖怪化すると尾が増えるんですかね?
猫の妖怪の猫又(ねこまた)も尾が増えるし…
260以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:26:41.99 ID:bpA1hVwt0
「コロ…助…」

そう、そこにいたのはかつてブラウン管の向こうで熱い声援を送ったコロ助その人だった。

「どうして…こんな…」

僕は半ば絶句しながら、しかしコロッケから滴る熱い肉汁に心奪われたのだろう。
次の瞬間には理性も失い、差し伸べられたコロッケを頬張っていた。

「ふふ・・・まるで乳飲み子ナリね…」
261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:29:59.55 ID:bpA1hVwt0
僕は思うさまにコロッケを食べつくすと、ようやくと人心地付いた。
コロ助は僕がコロッケを食べるまで、聖母のような微笑をたたえながら見守ってくれた。
僕は乾いた喉を尿、いわゆる聖水で潤しながら、やっと言葉を継げるようになっていた。

「すいません、コロ助さん。僕みたいなもんに、こんな…」

「いいナリよ。困った人を助けるのが、英国紳士の務めなり」

英国――イギリス。
不意に耳をくすぐったその単語が、僕の暗い過去を蘇らせた。
262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:31:39.41 ID:n93JbZW70
なんてカオス・・・っ!
263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:32:56.79 ID:bpA1hVwt0
僕はあの日、本場の紅茶を学ぶために単身、渡英した。
しかしそこで待っていたのは、凄惨なる修行の日々だった。
朝は8時に起きなければならない。
インターネットは日に4時間まで。
ネオニートだった僕には、決して耐えられるプログラムではなかった。


結果、僕は発狂した。
紅茶なんて…紅茶なんてものがこの世にあるから…僕はこんな…!!

「ウウウ…オアアアアア!!!」

チュン・・チュンチュン・・・。
小鳥が囀る爽やかな目覚め。
僕の隣には、サッチャー首相(当時)がカワイイ寝息を立てていた。
264246:2006/06/30(金) 00:34:17.78 ID:ABEI+CoN0
わざわざネットつながってる研究室まで移動したのにwwww
久々にバイブヌンチャクって単語見た。
やはり肉欲さんはモノが違う・・・
265以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:35:33.60 ID:bpA1hVwt0
「それで・・・こんな・・・」

語り終わった僕のペニスに、コロ助は国連軍のお株を奪うようなすさまじいバキュームフェラを行っていた。
チュパチュパ。チュパカブラ。
僕のスペニは、あの日英国に置いてきた蛮勇を取り戻し、まさにB29のような勇ましさを誇っていた。

「お前、相当のスベタだな…」
「いやっ・・・言わないで・・・!!」

そう言ってコロ助は頬をあからめる。

(愛おしい・・・)

これが、僕が始めて抱いた愛、だったのである。
266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:36:16.30 ID:bpA1hVwt0
>>264

そんなアナタのIDはABE「アッーーーー!!」
267以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:36:22.43 ID:V4BGxj73O
ところどころにちりばめられているエロス。
これがBLというものの力か…!!
268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:37:11.98 ID:/hLmiU1u0
本当に洒落にならないくらい
知ったら危ない話張るのはマズいよね?
かしまさんとか
269以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:39:42.04 ID:bpA1hVwt0
「コロちゃん・・・」

「誰だぁ!!」

ビシッ!唸りをあげる戦いのDNA。僕は声の方向に手裏剣【税込み198円】を投げつけた。

「ふふ、やるダスな」

不敵な笑みを浮かべながら、茂みから一人の冴えない男が現れた。

「コロちゃん、浮気はいけないダスよ」

田中ベンゾウ。

「ベンゾウさん・・・」

後の三都主である。
270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:40:10.80 ID:V4BGxj73O
>>264
さっきの携帯の人かwwww乙wwww
また別ルート書いてみればいいんじゃないかな?かな?
271以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:41:27.12 ID:bcsPc6Yw0
>>268
問題ない
272以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:43:36.61 ID:V4BGxj73O
>>271
まて、問題ある







俺がトイレに行けなくなるだろ!!
273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:44:32.24 ID:bpA1hVwt0
「それにつけても…」

また、新しい登場人物の声だ。

「これはなかなか複雑なことになったでゴザルなあ」

服部肝臓。通称ハットリ君。
僕のアヌスから勢いよく這い出してきた。

「よっと、いやいや、争いはいかんでゴザルよ」

そういいながら服部はやおら日本刀『越乃影虎』をぬらりと引き出した。

「これも運命…」

ズバ、刹那に閃光が走る。

「ああああああ!!」

そこには、変わり果てた千星の姿があった。
274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:50:01.54 ID:bpA1hVwt0
「千星!くそ、一体誰がこんなことを!」

「…グホッ!ガハガハ…うう、仙崎大輔……」

「喋るな!今ハイパーレスキューがここに来る!」

「フフ、もう、いいんだよ。俺は、もう、いい」

ゴポッ、ゴポッ。千星の口から鮮血が溢れ出る。

「バカ言ってんじゃねえよ…お前は助かるんだよ!助からなきゃダメなんだよ!!!」

そう言って僕は懸命にマウストゥマウスを繰り返した。
必死で蘇生を試みる。

3分経って…。

「…ざき……んさき……」

千星が、息も絶え絶えになりながら、何やら喋りかけてくる!

「喋るなよ!喋るなって・・・頼むから・・・」

僕は、泣きながら人工呼吸を繰り返していた。

「・・・お前との初キス、悪いもんじゃなかったぜ・・・?」

そう呟いて、千星は絶命した。

「ちぼしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
275以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:50:41.77 ID:AoIhqPR5O
>>268
お前が危ない目にあったんだろうな?
重要なのは来たか来てないかだ
276以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:52:38.66 ID:bpA1hVwt0

「ヤツは、死んだ。そう、勇敢に死んだんだ・・・」

「・・・ハットリ・・・」

「いいインディアンは、死んだインディアンだけナリよ・・・」

「・・・コロ助・・・」

「突然ボールが来たからビックリしたんだよ・・・」

「柳沢・・・そうだよな・・・」

「そうでゴザルよ!」

「そうナリ!」

「そうなんだよ!」

「「「「俺たちのW杯はこれからだ!!」」」」


(おもむろにセックス編 終)
277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:53:01.16 ID:V4BGxj73O
死人タソもこうなってはあれですなwwwww
278以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:53:20.64 ID:cCgHZVYA0
「いい加減にしてくれないか。」

Lはそう言うと、頭をボリボリ掻いた。

「俺だって好き好んでこんな場所に来ているんじゃない。 依頼されたからしょうがなく、だ。」
「なのに君は」

僕をまっすぐに指差す。

「どうしてそんな格好をしているんだ?」

僕の格好?

バニーガールだけど。

「あのなぁ、これは潜入するからと言って、逆に目立つ服装をしていたら意味がないだろう?」

ああ、確かに男がガールってのは無理があるな。

「そうじゃない。 もっと、周りに溶け込むような地味な服装、もっとシンプルにしてもらえないか?」

シンプルに?

「そう、シンプルだ。 だから俺は今日はこの格好なんだ。 君も見習ったらどうだ。」

水着はマズいと思うけど……

「水着の何がいけないんだ!」

とりあえず 女性用のはやめた方がいいと思う。
279以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 00:57:32.84 ID:V4BGxj73O
第二部はデスノートかwwwまたカオスwww

>>1の中の人乙ノシ
280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:01:18.93 ID:cCgHZVYA0
「まずいっ!」

何がだ。

「録画を忘れた!!」

ああ、今日の『フレディ vs ジェイソン』か。 あれは名作だったから惜しいことをしたな。

「違う。 FBIの会議だ。」

盗撮か?

「"調査"と言ってくれないか。」

それより、探偵が録画ミスってどうするんだ?

「それは……その……アレだ。」

は?

「………………ワタリ、指示を。」

逃げるなよ。
281阿部(仮):2006/06/30(金) 01:05:41.46 ID:ABEI+CoN0
肉欲さん乙でした。
ちょっとカオスから離れ、実体験の怖い(?)話しますね。

犬鳴峠って皆さん知ってますでしょうか。
福岡に住んでる人なら多くの人が知っている心霊スポットです。
実は、僕の住んでるアパートからほんの10kmなんですよね。犬鳴峠。

そこに友人と行った時の話をします。
282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:06:05.80 ID:cCgHZVYA0
「たった今情報が届いた。」

依頼人の背景がこれで分かるな?

「4−1だ。」

…………は?

「ブラジル戦だ! くそぅ……これほどの屈辱は受けたことがない。」

なんでサッカー? ていうか今さらかよ。

「俺は……探偵失格だ……」

元からじゃないのか。

「ところで、そろそろ本題に入りたいのだけど、いいですか?」

どうしたんだ急にかしこまって。

「いえ……作品中のLはもともとこういう話し方だったという事を忘れてました……」

……??

「まあ、全てはこの文章を打っている人間に責任があると思います。」

激しく同意
283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:08:17.68 ID:o3Uzu9X60
今北なんだけど、、、ここは、、>>1の小説スレですか、、、?
284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:09:40.49 ID:cCgHZVYA0
「ところで、ちょっとパソコンで文章を打ってくれますか。 目的の企業へメールを送ります。」

例のあのメールを打つんだな。 よし。 ……いまLのパソコンしかないからそれを使ってもいいか?

「かまいません。」

よし…… えっと……   ……Lっ!!!!

「ど……どうしました!?」

ちょっと説明をしてもらおうか。

「どうしたんです? そんなに怖い顔をして……」

"こ"を打つと変換で一番最初に"娘"が出てくるこのパソコンは、一体なんなんだ。

「あぁ、それは私用のパソコンです。」

そんなもん持ってくるなよ。

「クロアチアにも勝てなかった!」

いきなりなんだよ。しかもなんでタイムスリップしてるのさ。
285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:13:28.27 ID:bpA1hVwt0
>>281

wktk
286以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:14:25.49 ID:aN9FyHiW0
>>283
その通り。
怖い話は他でw
287優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 01:15:08.97 ID:dWrq+oNK0
追いついた(・∀・)
wktk
288以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:15:50.02 ID:cCgHZVYA0
「ちょっと小腹がすきましたね……」

ビニコン行くか。

「ビニコン……? ビニールコンプレックスの略ですか?」

随分と偏った趣味だな。  違う、コンビニエンスストアの略称の造語だ。

「そんなものをいちいち造語で言わなくてもいいでしょう。 私は天才ですよ? 言葉遣いには注意して欲しいです。」

いや別にコンビニって言ってもいいんだけどさ。

「知ってますか? コンビニエンスストアはその名前の由来が不確かで、確かに"便利"という意味でのコンビニエンスは」

ちょっと待て。俺は野郎と二人でコンビニの呼び方について議論をする趣味は無い。

「あ、」

どうした?

「足が滑った!」

痛ぇっ!? 何すんだ!!

「今のは足が勝手に滑った不可抗力です。 訴えますか? 無理ですね。 裁判にする場合は加害者の一方的な」

うるせぇ!
289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:20:16.17 ID:cCgHZVYA0
怖い話に戻りそうなのでROMします。 >>281 wktk
290阿部(仮):2006/06/30(金) 01:21:43.47 ID:ABEI+CoN0
僕と友人(二人とも霊感無し。童貞)は自転車乗りだったので、犬鳴へは自転車で行きました。
ぶっちゃけ今月の頭の事で、天気は良かったです。
犬鳴峠への道自体は普通の山道で、交通量もそこそこありました。
旧道に入ってからも別に心霊現象は無く、先輩の「あそこヤンキーが出るから気を付けろ」
という言葉の方が気になっていました。

そして旧道のトンネル(心霊スポット)に着いたのですが、トンネルは入れないようにされてました。
無理すれば入れそうでしたが、やめてそのまま帰りました。

291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:22:13.24 ID:n93JbZW70
生真面目なものだけじゃなくてネタ交じりのカオスも書ける>>1の才能に嫉妬
292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:25:44.77 ID:bpA1hVwt0
>>290

ちょwww童貞関係ナスwktkwwww
293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:28:08.33 ID:/WjkemjV0
今日のはコピペスレじゃないんだな
スゲーコエーと思ったのに途中からバロスwwwwwwwww
294優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 01:32:50.98 ID:dWrq+oNK0
>>293 しばらくコピペスレ立てないようにする。需要あるまで
295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:33:25.35 ID:5YsbXX2B0
疲れた
296以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:35:27.48 ID:ABEI+CoN0
山から下りて友人と「確かに気味悪いけど、ヤンキーの落書きの方が気分悪いよな」
なんて話してその日は解散したんです。

そして先々週の土曜に、一緒に犬鳴行った友人(仮にH)を含め、友人5人で居酒屋に飲みに行きました。
(居酒屋の名前は伏せときます)
そこで、犬鳴峠行った話をしたんですよ。
そしたらたまたま隣のテーブルで飲んでた人達が「あんたら、犬鳴は危ない、あそこは本当にやばいからやめておけ」
って言うんですよ。俺たちの話聞いてたんですね。
そしたらちょうど店員が料理持ってきて、「えっ、犬鳴峠ですかー。やめておいた方が良いですよ」
なんて、『まだ俺達が犬鳴に行ってない』というのを前提にしたような口ぶりで話すんですよ。
297毒男 ◆B.DOLLQelE :2006/06/30(金) 01:36:11.50 ID:AoIhqPR5O
>>294
|A`) 再開を待ってる。
298以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:42:45.43 ID:/WjkemjV0
安部の続きはマダカナー
299以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:46:49.61 ID:ABEI+CoN0
そこで、誤解を解くために「いや、もう犬鳴行ったんですよ」と説明しました。
それなのに隣のテーブルの人達が「やめとけ」って何度も言うんです。
その人達はそんな酔ってる感じも無かったし、その時は「話聞けよこのコンジローム野郎」
くらいにしか思ってなかったんですよ。

結局その店で3時間くらい飲んだ後、カラオケ行きました。
カラオケのフロントで受け付けしてる時に、友人Hとまた犬鳴の話してたらフロントの人が
「犬鳴峠は本当に出ますから止めておいた方が…」って言うんです。
300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:54:29.75 ID:ABEI+CoN0
さすがに少し気味が悪くなって、
「もう犬鳴峠行ったんですよ」ってはっきり説明しました。
そしたらさすがに分かってくれたようだったんですが、最後に
「もう、行かない方がいいですよ」って言われた時には何かこうぞっとしました。

話はここで終わりです。単に周りの人が俺達の話をちゃんと聞いていなかったせいかもしれませんが、不気味な体験でした。
遅筆、乱文、そしてあんまり怖くない事をお詫びします。
また機会があったら犬鳴峠に行ってみたいと思います。
301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:55:57.66 ID:56fge9F50
ウワーン!何かキモチ悪い!

コワス・・・・・
302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 01:59:05.45 ID:AoIhqPR5O
犬鳴に対する先入観でもあったんだろうか
ちょっとおかしな体験談乙。
303優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 02:01:00.99 ID:dWrq+oNK0
>>300 乙です
ちなみに俺が初めて犬鳴き行った時はバイクと乗用車が事故ってて
トンネル内で待機させられました
304以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 02:01:02.42 ID:CKdZZexT0
今戻ったら>>1の別シナリオ出てたとは…しかもクオリティ高いし

完全に別の話になるよりどっちのルートも行かないと
謎が解けない感じだと個人的にやる気でるからいい感じ。
カオス編は一本ぐらいならありだと思うけど
305以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 02:07:25.47 ID:5YsbXX2B0
俺眠い ノシ

       by担当
306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 02:15:51.48 ID:AoIhqPR5O
>>305
俺も眠い ノシ
307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 02:17:52.00 ID:8hBbsEKiO
もう肉欲さんのカオスは出尽しちゃったのかな?
なんにせよ乙
308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 02:29:49.68 ID:ABEI+CoN0
>>302
先入観というか・・・
福岡の人間は多くが犬鳴の話知ってるから、「犬鳴行った」って話すと大抵、
「どんな感じだった?」みたいに体験談聞いてくるんですよ。
「犬鳴には行くな」ってのもよく言われますが、『既に行ってきた人』には普通言いません。
そのため不気味な感じがしました。

ってスレが眠りに就きつつあるな。
誰か怖い話貼ってくれい。
309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 02:38:26.94 ID:/WjkemjV0
うはこええ
310優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 02:47:13.22 ID:dWrq+oNK0
それにしても>>1は尊敬に値する
次の作品も是非お目にかかりたいものだ
311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 02:55:20.44 ID:ABEI+CoN0
>>310
同意。普段のネタも面白いが、たまに出る真面目モードでの文章がたまらん。
男の俺でも濡れるわ。
)*(  <ばっちこーい
312以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:23:31.58 ID:ABEI+CoN0
無駄に保守。

怖い話します。
研究室で深夜にYouTubeで「練金3級まじかる?ぽか〜ん」を見てた時の事です。
「阿部(仮)サーン・・・」
誰もいないはずの研究室!いきなり背後から俺を呼ぶ声!

・・・留学生のKさんでした。
この後、Kさんに「まじぽか」について30分説明する事に。
313優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 03:29:11.50 ID:dWrq+oNK0
保守

このスレがもし職人の一品モノ高級有田焼なら
怖い話スレはさしずめダイソーといったところか。
比較はしないでくれwwww
314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:32:53.21 ID:V4BGxj73O
今日(もう昨日だけど)ダイソー行ってきたばっかり。
ダイソーだっていいじゃない。ダイソーないと困るもの







今更だが、>>1の才能に嫉妬
315以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:41:21.64 ID:uO7ghUMdO
ほっす
316以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:53:29.63 ID:K+oe6ZIpO
な、なに?>>1のおちをはじめに聞かせてよ、頼む!!まじやばい
317以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:54:52.00 ID:ABEI+CoN0
>>316
千星さんの特技がバキュームフェラ
318以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:55:53.38 ID:K+oe6ZIpO
お願い、誰か…
319以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:56:40.41 ID:K+oe6ZIpO
真面目に頼む…助けて
320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:57:20.97 ID:bibX/v270
犬鳴って治外法権の村じゃないの?
ちがうとこかな。
321以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 03:58:22.61 ID:K+oe6ZIpO
怖いさはどれくらいかだけでもいいから…
322以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 04:05:39.30 ID:qcc1l9yXO
すげーよ!!弟切草より数倍おもしれー!
323以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 04:16:25.99 ID:ABEI+CoN0
>>321
怖さよりも、話の展開が「巧い」と感じる方が先に立つ。
後を引くようなじっとりとした怖さではない。
「なるほど!うお!怖え!」ってな感じ。
ちなみに>>204以降はカオスwwww
324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 04:18:13.40 ID:ABEI+CoN0
>>320
治外法権ネタのある所。合ってるよ。
325以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 04:59:56.47 ID:mlFHF2aIO
朝月のAh Ah 向日黄楊櫛 古りぬれど fall in down 何しか君が I forget oh my god Let's get みれど飽かざらむ you can run
いにしえの oh NO! 神の時 NOW より 会ひけらし in Love 今のこころも spare me More you love me More ?
Anytime会えず 常忘らえず I don't wait. I want shout 愛・哀・I miss you 天地と いふ名の絶えて あらばこそ so so
汝(いまし)とわれと 逢ふこと 止まめ 春雨の 止まず 降る 降る heart降る わが恋ふる wonderful. call my name
人の目すらを 現世(うつしよ) 相みせなくに 霊世(かくりよ)な世界(くに)
素直になれない もてあます emotion 読み人知らずの唄 時を越えてヒメゴト伝える I got lost
326以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 06:14:40.72 ID:o0AgaLTaO
327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 06:39:42.56 ID:x9R5oC1C0
悪魔のクッキー
328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 06:53:24.31 ID:aN9FyHiW0
期待あげ
329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 07:05:41.40 ID:NHysY6HK0
すげーおもろかったよ>>1の才能にShit
ゲーム化マダー?
330以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 07:48:27.07 ID:Mq5Um0LAO
保守
331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 08:01:50.69 ID:bpA1hVwt0
ちょwwww残ってやがったwwww
今から講義に行ってきますが…
残ってたら何か書こうか…
332以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 08:27:48.64 ID:o0AgaLTaO
>>331
マスかいて終わりってのは無しだぜハニー
333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 09:32:05.69 ID:bcsPc6Yw0
ほし
334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 10:17:20.65 ID:K+oe6ZIpO
335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 10:32:26.88 ID:7LhwdXHjO
336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 10:50:30.51 ID:nHAA5D2+0
kのすれまだあったwwwwwwwww
337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 11:05:29.37 ID:iHVtdnsu0
読み返すと>>22がいかに見当違いの指摘をしてるかよく分かるな。
338以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 11:37:38.93 ID:7LhwdXHjO
ほす
339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 12:00:51.27 ID:uvh0t/GL0
340以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 12:22:16.98 ID:8sD98KZcO
保守
341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 12:26:01.76 ID:fl65xUWgO
チャリ乗りながらVIP見てたらベントレーのミラーに腕がぶつかって
逆に曲がった

ダッシュで逃げたwwwww
ばれたらヤバイ
342以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 13:00:38.32 ID:+NWtbzbR0
343以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 13:04:36.39 ID:YeLka8KV0
ほほ
344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 13:05:40.13 ID:te1jw2LNO
345以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 13:56:18.44 ID:7LhwdXHjO
ほしゅッ!!
346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 13:56:53.36 ID:y1uth7tD0
347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 14:16:21.66 ID:o0AgaLTaO
348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 14:33:49.71 ID:QdhXkfeQ0
どうも>>1です。保守ありがとうございます( ゚∀゚ )
えーと、3時過ぎくらいに新しい話を投下します。
でも、あまり期待しないで待っててくださいね( ´・ω・`)
ではノシ
349優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 14:43:40.43 ID:dWrq+oNK0
wktk.。゚+.(・∀・)゚+.゚
350以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 15:25:34.62 ID:7LhwdXHjO
ほっしゃん
351以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 15:48:35.32 ID:o0AgaLTaO
352優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 16:01:17.84 ID:dWrq+oNK0
>>1 ・・・生きてますか?
353以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:05:42.89 ID:QdhXkfeQ0
>>352

生きてます( ^ω^)
354優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 16:24:27.93 ID:dWrq+oNK0
>>353 PCの前で1時間ほどwktkしっぱなしなんですがどうしたらいいですか?
355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:28:21.29 ID:QdhXkfeQ0
>>354
もうすぐですごめんなしあ><
356以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:28:44.45 ID:V4BGxj73O
休憩保守

バイトが終わる8時杉までみなさん保守ガンガッテオネガイ
新作wktk
357以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:28:59.95 ID:kB/R3T6/0
>>1

早く早く!!!!!!!!!!!!!!!!!11

すんげーーーーーーーーーーーまってるんだよーーー!!!!
358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:29:28.38 ID:TWeqZ46WO
>>1さんの怖い話って四月一日と歳火以外ないですか?
359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:30:05.19 ID:QdhXkfeQ0
投下します。
360以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:30:50.13 ID:QdhXkfeQ0
昨日、僕は唯一の友達と家で話していた。

「よう」
「相変わらず不健康そうだな」
「お互い様だろ」

こいつと僕とは、境遇が良く似ている。
僕らは根本的に社会生活を営めない、典型的な引きこもりだ。
今はもう親のスネを齧れる歳でもないから、かなりグレーな方法を駆使して生活保護を受けて暮らしている。
日がな家でゴロゴロして暮らすだけの、ぬるい生活。
何も生み出さず、何も考えず、ただ生きている人生。

「お前さあ、先月の振込みあった?」
「いや、ない」

そう、なぜだか先月から急に振込みが止まってしまったのだ。
もともとかなりイリーガルな形で生活保護を受けていたのである。
もしかするとそれが露見してのことかもしれない。
361以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:31:22.57 ID:QdhXkfeQ0
「どうするよ」
「どうしようか」

こうして会話をするのは、彼だけだ。
彼もまた同じようなものらしい。
僕らは26にもなって、人間関係を築けずにいる。

「まあ、別にこのまま死んじゃってもいいしな…」
「まあ、そんなに楽しいことがあるわけでもないし…」
「あの、さあ」
「なんだよ」
「お前、最後に家出たのって、いつ?」
「最後は…半年前かな。どうして?」
「いや、俺も今日お前の家に来たのを除いたらそんなもんなんだけどさ、半年前から今まで、誰かと会った?」
「あー、いや、ないな、そう言えば」
「うん、俺もお前と会っただけなんだよな」
362以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:32:15.31 ID:CKdZZexT0
まだネタがあるのかこりゃぁwktk
363以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:32:34.25 ID:QdhXkfeQ0
僕らが半年も誰とも会わない、とは不思議に思われるかもしれないが、
僕らが今住んでいる土地は生活保護の受給の関係でひどく辺鄙な場所である。
人通り自体少なく、だから人と会うまいと思えば本当に会わずに済んでしまうのだ。

「それがどうしたの?別に大したことじゃないじゃん」
「いや、ま、そうなんだけどさ…」

普段から挙動不審なヤツだけど、今日は特別に変だ。

「あのさ、ウチ、電気止まっちまって」
「あ、ウチも」

そう、生活保護の金が入らなかったというのもあるが、僕は電気代などの公共料金
を滞納してしまい、ついに先月からそれらが止まったてしまったのである。
幸い家からは川も近くにあり、必要とあればそこから汲んできていたので
水に関しては大して問題はなかった。

人間、水さえあれば案外なんとかなるものである。
364以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:33:18.29 ID:QdhXkfeQ0
それにしても、こいつまで同じような状況だったとは。
やはり、社会性のない人間に極端な形とはいえ社会生活を営ませるのは
無理なのかもしれないな、と僕は漠然と考えていた。

「どうした?それで様子が変なの?」
「いや、ま、それもあるんだけどさ…その、なんというか」

そこまで言って彼は口をもごもごとし、言葉を濁す。
どうしたのだろう、と思ったが、僕にしてもいくらこいつが友達とはいえ他人は他人なので
そこまで興味はなかった。

僕はぼうっと久しぶりに見る空を眺めながら、長いあくびを一つした。

三十分ほど経ったころだろうか、僕は少しだけうとうとしながら縁側に座っていると、
彼はようやくと口を開いた。
365以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:34:02.43 ID:QdhXkfeQ0
「なあ、俺って、俺らって、生きてるのかな」
「え?」

彼は突然そんなことを言い出した。
僕は彼の意図することが何も分からず、口をぽかんと開けて彼を見つめた。

彼は相変わらず口をもごもごさせながら、たどたどしく言葉を続けた。

「いや、俺、思うんだけど、確かに俺ら、今こうして喋ったり、呼吸したり、水飲んだり、してるよ。
けどさ、だからってさ、生きてるって、言えるの?
ていうかさ、もしかしたら、俺らって、俺らが気付いてないだけで、
もしかしたらもうずっと前に死んでるんじゃないの?
だから、誰にも会わないし、誰とも関わらないでもやっていけてるんじゃないの?

そういう風に思ったこと、お前、ないわけ?」

「…なに言ってんだよ、お前…」

そう言って僕は笑い飛ばそうとしたが、口からは少しの笑いも漏れなかった。
366以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:34:30.99 ID:QdhXkfeQ0
「俺、電気が止まった時に思ったんだ。
これは、金を払ってないからとかいうよりも、もう俺が死んでるから止まったんじゃないのか、って。
死んだ人間に電気を送っても、意味がないからじゃないか、って。
それ以来、俺、怖いんだ。
自分が、もう死んじゃってるんじゃないのか、って。
だから誰とも会わないし、会えないし、話もできないし」

「待てよ!待てって。落ち着けよ。
いいか、お前は、今俺と話してる。そうだろ?
だからそんな風に思いつめても」

「だから、お前も死んでるんだよ、きっと。
だったら、辻褄が合うもの」

彼はそう言うと自分の言葉に対してうん、そうだよな、と首を縦に振った。
正直、どこがどう辻褄が合っているのか分からなかったが、しかし僕はそれ以上何も言えなかった。
なぜならば、僕もずっと以前から、彼と同じように考えていたからである。
367以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:35:05.82 ID:QdhXkfeQ0
人間は社会に生きる動物である、と誰かが言っていた。
では、社会と隔絶した僕らは、もはや人間ではないのだろうか。
いや、もはや生きてすらいないのだろうか。

手を握って、開いてみる。
手は拳になり、そして掌を露わにする。
世界は何も動かない。
仰向けになったまま、ごろりと体を反転させてみる。
視線はカビた天井からぼろぼろになった木枠の窓に向けられる。
世界に動静はない。
あああ、と何もない空間に向かって声を出してみる。
世界は何も答えない。
彼は世界に何も及ぼさない。
世界は彼に何も及ぼさない。

では、僕はいま、生きているのだろうか。

彼はしばらく考えたが、どうにも答が出なかったので力なく瞼を閉じた。
368以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:36:18.36 ID:QdhXkfeQ0
遠い景色が蘇る。
夕景、僕はあぜ道を通って家路を急ぐ。
じっとりと汗で滲む額をランニングシャツでぐいと拭い、虫かごを片手に砂利道を駆けている。

背後には大きな山々が聳え立っていた。
夕焼けを背に、山は緑をその身に隠し、ただひたすら黒く、そこにあった。
大きく、暗く、どこまでいっても相変わらず「そこ」に存在する名も知らぬ山。
僕は夕刻の山が嫌いだった。

畏怖していた。
 
ばあちゃん、僕、あのお山が怖い

戦利品であるオニヤンマの入った虫かごを祖母に見せながら、僕は祖母の膝にすとんと腰を預けた。
祖母は虫かごの中のトンボに向かい人差し指をくるくると回す。
そのまましばしトンボと戯れたあと、思い出したように口を開いた。

お山さんにはなあ、ヤマビコさんがおるけえねえ

369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:37:28.78 ID:QdhXkfeQ0
「ヤマビコ」が「山彦」となって僕の頭で結びつくのは、
それから何年かしてからのことだった。


おばあちゃん、ヤマビコさんってなに?お化けなん?


僕は、見たこともない「ヤマビコ」を、何か鬼や化け物のようなものとして想像し、
祖母の膝の上でぶるっと震えた。
そんな僕の様子を見て、祖母は僕の頭を優しく撫でながら言葉を継いだ。


ヤマビコさんは、ヤマビコさんよ。
怖あないよ。
私も死んだらヤマビコさんになるんやけえ。


祖母はそう語りかけてはころころと笑った。
僕は結局祖母の言葉の意味を掴みかねたが、
祖母がおかしそうに笑うのを見て少しだけ安堵を覚えたのだった。
370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:38:27.64 ID:QdhXkfeQ0
「…あ、なあおい」

「…ん」

友の声に目が覚めた。太陽が眩しい。どうやら少し眠っていたようだ。
心配そうに僕を覗き込む友人。
その怯えを讃えた瞳の色がなぜか、追憶のあの日山を怖がった自分の姿と重なった。

「俺らは、ヤマビコさんになってしまったのかもな」

「え?何?ヤマビコさん?」

「うん。あのさあ、俺、大学にいるときに民俗学を専攻してたんだけど――」

そう前置きして、僕は彼に祖母から聞いた話を説明した。

僕の故郷では、死んだ人間はヤマビコという妖精になり、
天国にも地獄にも行くことなく未来永劫山に閉じ込められる。
そしてヤマビコは、人間の言葉を木霊させるだけのために存在していく。
何でも、大昔に彦という男が山の神の怒りを買ってしまい、
それ以来ヒトは天国にも地獄にも行けなくなってしまったのだそうだ。

「だから、俺たちはもうヤマビコになってんのかもな」
371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:39:22.73 ID:QdhXkfeQ0
説明し終えた時、自分でも下らないこと言ってるよな、と自嘲的に笑った。
しかし友人は少しも笑っていない。
しきりに、そうか、そうだよ、と頷いている。

「おい、他愛もない民話だぞ、本気にするなよ」
「いや、でもさ、天国でも地獄でもない場所ってどこ?それって今俺たちが生きてる世界ってことだろ?だったらさ、俺らが死んだまま今こうしてやり取りしてても、全然おかしくないってことじゃない」
「作り話だよ」
「そうかな。でも、お前はじゃあどうしてそんな話を俺にしたの?」
「それは……」
「お前だって本当は、生きてるか、死んでるか、不安に思ってるんだろ?」
言い当てられて、僕は狼狽した。
「行こうよ」
彼は、僕の返事を待つことなくすっくと立ち上がった。
「行くって、お前、どこに行くんだよ」
「山だよ。山に登ろうよ」
「山って、どうしてそんな…」
372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:40:35.31 ID:QdhXkfeQ0
「もし、俺らがヤマビコになってるんだったら、俺らにはもうヤマビコは響かないはずだろ?」
「…どういうこと?」
「『ヤマビコは人間の言葉を木霊させるだけのために存在する』、だったら人間以外の言葉は木霊しない、
そして俺らがもうもう死んでたら、山でいくら叫んでも、ヤマビコは答えない」

それだけ言って彼はすたすたと歩き始めた。山の方に向かって。

「おい……おいちょっと待てよ!」

僕も、その後に続いた。

「山なんて登るの……いつぶりかな……」

ぜえぜえと肩で息をしながら友人は山を登っていく。

「知らないよ……10年は登ってないけど……」

僕もはあはあと口で息をつきながら、懸命に足を上げる。
正直、かなりしんどい。
登山のための山ではないのだろう、山道はおざなりな整備が施されているばかりで、
素人が楽に歩けるようなものではなかった。
373以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:41:42.01 ID:QdhXkfeQ0
「……こんな風にキツイのも……錯覚なのかな……」
「だったら……さっさと覚めて欲しい……よ俺は…」

元々少ない二人の口数は、疲れも手伝って更に少なくなっていく。

砂利で足をとられながら、急な勾配を呪う。

どうして俺はあんな話をしてしまったのだろうか。
あんな話をしなければ、今頃――

(今頃…?)

今頃、どうしていたというのだろう。

電気も、水道も、ガスも通じていない家で、食料も尽きかけていたような我が家で、
一体何をしたというのだろう。

話す相手もおらず、語る言葉も持たず、寝て、起きて、また寝て。

(生きてない、のかな、やっぱり)

そう思って彼の背中を見上げた。

彼は随分辛そうだったが、一歩一歩ゆっくりと、懸命に、着実に山を登って行った。
374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:43:08.03 ID:QdhXkfeQ0
「なあ……何で俺らはさ……」

「え……なんだって……?」

「何で俺らはさ……死んでないか……確かめようとしてるんだろうな……」

「……」

「別に、生きてても……死んでても……どっちでもいいって思ってた……」

「……うん……」

そう言って、僕らは同時に腰を下ろした。
少々、無理をし過ぎたようだ。
Tシャツで額の汗をぐいと拭うと、僕らはどちらともなしに語り始めた。

「最初に社会が嫌になったのは……」

「いつかな…」

375以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:43:30.75 ID:QdhXkfeQ0
「俺は、いつかはよく分からない。

いつかは分からないけど、いつの間にか誰に対しても、何に対しても興味が持てなくなってた。

小さいことが色々積み重なったのかもな。

努力しても認められなかったり、平気で人から裏切られたりして。

最初はさ。やっぱりこんなんじゃダメだな、って思ってた。

頑張らなきゃいけない、って。

でも、何に対して頑張ればいいのか分からなかった。

でも、それでも、頑張ろうって思ってた。

朝起きて、頑張ろうって思う。

昼から、頑張ろうって思って、昼になったら、ご飯食べてから頑張ろうって思って、

ご飯食べたら、ちょっと昼寝してから頑張ろうって思って、目が覚めたらもう夜で、

それだったら、明日から頑張ろうって思って」
376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:44:11.51 ID:QdhXkfeQ0
「……」

「でも、その『頑張ろうとした明日』は、いつまで経っても来ないんだ。

頑張ろうとしても、頑張れないんだ。

その内、なんで頑張らなきゃいけないんだろう、って思った。

誰のために、何のために頑張らなきゃいけないんだろう、って。

生きることって、どうしてこんなに複雑なんだろう、って。

昔の人は自分の、自分のためだけに生きてたはずだな、って考えたんだ。

そう思ったら、もう、社会には居れなくなった。」

「……分かるよ」

僕は手元にあった木切れを拾うと、誰もいない空間に向かってひゅっと投げつけた。
377以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:44:49.31 ID:QdhXkfeQ0
「でもさ、俺は今こうして山を登って、ちょっと分かったんだ。
山は、たぶん100年も、1000年も前から山なんだよな。
変わることなく、ずーっと山。
でも、人間は100年経てば結構変わるし、1000年経てばすごく変わる。
だって、人間は頑張ってるんだから。
頑張らなくても生きていけるのに、頑張って進んでるんだから。
それって、もしかしたらすごいことなんじゃないの?」

「かもな……」

「だからさ、俺、頑張らなくても生きていけるって、そんな風に嘯いて、
今の暮らししてたけどさ、本当の最初の部分は、やっぱり頑張りたいって、
そう思ってたはずなんだよね。
だけど、それは思うだけで、すぐに行動には移さなくて、ただ頑張ろう、
明日から頑張ろう、ってそんな風に、うん、逃げてたんだよ。
自分の心が弱かったから、頑張りたいのに頑張りたくなくて、頑張れなくて、
その責任を社会に押し付けて…」

彼は、静に泣いているような気がした。
378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:45:32.21 ID:QdhXkfeQ0
「……僕は、逃げてたんだよ」

「…何言ってんのか、よく分かんねえよ……」

「ごめん……」

「いいよ、別に……」

いいよ、別に。分かんないけど、ほんとは僕にも、よく分かるから。

「ダメだったんだな、俺たち……」

「うん……」

「生きたい、よな…生きてたいよ、俺は……」

「うん…うん……」

「生きてたらさ、もう一回、戻ろうな……」

「うん…戻ろう……」

ガササッ、と音を立てて木が揺れた。
僕らは音のした方向に揃って目を向けた。
青い空には、トキのような鳥が大きく舞っていた。
379以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:46:14.71 ID:QdhXkfeQ0
僕らはぜえぜえ言いながらゆっくりゆっくり山を登っていた。

お互いもう喋ることはない。

あとは山頂に辿り着くのを目指すだけだ。

そこに何があるのか、そこで何が待っているのか。

それは分からない。

ただ、今は山を頂上に目指して登るだけである。

「着いた……」

名も知らぬその山に辿り着いた時には、少し日も傾きかけていた。

眼下に広がる青々とした森。木。土。

僕らは確かにこの足で、自らの足でこの山を登りきったのである。
380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:46:33.61 ID:QdhXkfeQ0
「着いたな」

「うん、着いた」

「ヤマビコ、試してみろよ」

「え、いや、それは」

「ん?おい、ちょっとあれ」

「え?」

「あれ、人じゃねえの?」

「え…あ、ホントだ!人だよ!」

視線の先、向かいの山には人らしい影があった。
381以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:47:13.73 ID:QdhXkfeQ0
「おい、あれ、結構人いるな」

「そうだね、もしかして、あの山は登山の名所なのかな」

「かもな…にしても、数が多すぎない?」

「今日って休日だったっけ?」

「さあ…知らない」

向かいにそびえる山には、確かに普通では考えられないくらいの数の人間がいるように見える。
とは言え登山なんてとんと縁のない生活を送っていたため、登山というものに関してどれくらいが
適正な数なのかは分からないのだから、案外あのくらいは普通の数なのかもしれない。

「あ、そう言えば」

と彼が言うと何やらポケットをゴソゴソし始めた。

「これ、持ってたんだよ」

彼はオペラグラスを手にしていた。
382以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:48:14.42 ID:QdhXkfeQ0
「どうしたの?それ」

「いや、俺さあ、たまにこれで空眺めるのが好きだったんだ。星見たりとか」

知らなかった。そう言えばいつかコイツが星の話をしていたような気もする。
彼が高校の時の部活はなんだったっけ…。

「あ、見える見える。うん、人だね、確かに人。やっぱり結構いるよ」

「どれどれ、俺にも見せろよ」

そう言ってオペラグラスを覗くと、視界の先には確かにたくさんの人間がいた。
千人?一万人?いや、もしかするともっと?

意外なことにそこには外人と思しき人たちも混ざっていた。少しではなく、沢山。

本当に観光の名所なのかもしれない。

「ん?」

「どうしたの」
383以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:49:57.34 ID:QdhXkfeQ0
「いや、あの山の人たち、皆揃って何か口をパクパクさせてるんだよね」

「ヤマビコ試してるんじゃない?」

そう言って彼はクスクスと可笑しそうに笑った。

「そうか…にしても、案外声って届かないもんなんだな」

「そうなのかなあ…」

「うん、これ見てる限りだと。だからどっちにしてもヤマビコは響かないんじゃ」

すると彼は、急に大きな声を出して、やっほーーー、と叫んだ。

僕は少し驚いて、持っていたオペラグラスを地面に落としてしまった。

少しの間が空いて…

『やっほーーー』

「……返ってきたね」

「…所詮、作り話だからな」

僕らは顔を見合わせると、照れくさそうに笑い合った。
384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:50:52.08 ID:QdhXkfeQ0
さて、と僕は息だけの声で呟くと、彼の方に向き直った。

「じゃあ、明日から……ああ、いや」

「今日から、ね」

「うん、頑張ろう。山を降りたら、すぐにでも」

「だね」

僕らは、何か吹っ切れたように弾む足取りで山を降り、その足で街に向かった。
385毒男 ◆B.DOLLQelE :2006/06/30(金) 16:50:58.43 ID:JGkYaX9J0
|∀`) wktk
386以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:51:22.26 ID:QdhXkfeQ0
街は、静かだった。

「静だな……」

「うん……」
387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:51:54.58 ID:QdhXkfeQ0

街には、誰もいなかった。

「誰もいないな……」

「そうだね……」

388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:52:28.85 ID:QdhXkfeQ0
街は、とても静かだった。


「……おーーーい!!!!」

『おーーーーい!!!!』


ただ、ヤマビコだけが木霊していた。


(終)
389毒男 ◆B.DOLLQelE :2006/06/30(金) 16:55:08.84 ID:JGkYaX9J0
|A`) って終わったし
    乙。今から読んでくる
390以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:58:22.82 ID:bcsPc6Yw0
乙です><またまた読解力のない俺に教えてコナンくん!
向いの山に居たたくさんの人たちは何してたの?ヤマビコだったの?
なんで街中でヤマビコが響くのは何故だぜ?
391以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 16:58:58.28 ID:CKdZZexT0
トゥルーENDかね?雨の音がいいBGMになって更新押しまくってたGJ
392以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 17:03:56.63 ID:QdhXkfeQ0
>>390

『人間=社会で生きる動物』と定義すると、『社会と隔絶した彼ら≠人間』となっていた。
そして、ある日山の神が人間以外の動物を全て亡き者にした。
(このエピソードを裏付ける『彦』の話があったのですが、長すぎて割愛しました)
けれども彼らは人間ではなくなっていたため、命を救われた。
そして、亡くなった人たちは『ヤマビコ』となって山に存在していた。
彼らが見たのは、彼ら以外の全世界の人たち(だから、外人もいた)。

つまりこの話は、社会性を失ったことで自然に生かされたのだけれど、
社会性の大切さを取り戻した時には社会が消滅していた、という何とも救いないお話だったりします。
蛇足すいません( ´・ω・`)
393以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 17:04:45.89 ID:QdhXkfeQ0
>>392
違う逆でした。

>人間以外の動物を全て亡き者にした



○ 人間以外の動物を残して、全て抹殺した

です
394優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 17:14:39.96 ID:dWrq+oNK0
乙です
>>1の話は2度楽しめるから好き
395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 17:15:07.21 ID:QdhXkfeQ0
>>394

どうもだお( ^ω^)
待っててくれて嬉しかったお( ^ω^)
396以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 17:20:00.22 ID:bcsPc6Yw0
なるほど
面白かった ありがと
次とかあるならネットネタの怖いのとか読みたいです><
2ちゃんねるとかを題材にしたのとか
ダメっすか
397以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 17:21:35.98 ID:QdhXkfeQ0
>>396

NETっすか( ´・ω・`)
おもしろそうですね( ^ω^)
閃くことがあったらまたスレ立てますね。
思いつきじゃないと書けないもので・・・('A`)
398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 17:25:12.25 ID:bcsPc6Yw0
閃いたら是非
wktkして待ってます
399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 17:46:13.78 ID:o0AgaLTaO
やっぱ面白えー!


次回作も期待しております。
400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 18:03:20.86 ID:IhTKFltIO
ホシュ
401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 18:29:21.32 ID:ro8G8loBO
面白かった
402こんにちトマト(o・v・o) ◆TOMAS.MBKM :2006/06/30(金) 18:30:32.40 ID:YUAX+uDvO
こういうスレは幽霊が書き込みしてるよ
403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 18:31:30.24 ID:JWwZIkhA0
>>402
そういえば昔幽霊が書き込んだスレあったな
404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 18:33:57.12 ID:haJGhv8L0
     











                                    'A`
405以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 18:45:02.13 ID:DhrK/idLO
うはwwwwwスレめっけwwwwwww
ネット題材の怪談、自分も激しく希望しますお( ^ω^)

そういや、昔見た怪談で呪いのサイトってのがあったなぁ…
リングも確か最終的にはコンピュータウィルスの話だったっけ?
ネタは山ほどあるですよ。
ネットは広大だわ。
406優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 18:56:54.17 ID:3n03K1pp0
「赤い部屋」とか「顔」は有名だよね
407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 19:07:53.79 ID:QT6N8C2sO
すげえ面白かった!
408以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 19:38:46.29 ID:o0AgaLTaO
>>405
素子乙
409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 19:49:47.27 ID:TWeqZ46WO
>>406
赤い部屋?顔?どんなの?
初めて聞いた!どっかそれ置いてるサイトとかないんですか?
410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 19:56:46.15 ID:haJGhv8L0
411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 20:05:31.87 ID:cCgHZVYA0
すげぇおもしれえ!!!
思わず3回くらい読み直した。>ヤマビコ
412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 20:06:12.06 ID:bcsPc6Yw0
あと箱庭だっけ?それ用のHPまで作った手の込んだやつ
あれも面白かったな
413優奈 ◆300xolyFtE :2006/06/30(金) 20:11:12.01 ID:3n03K1pp0
414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 20:12:23.35 ID:haJGhv8L0
415以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 20:15:53.17 ID:fKlqpNiRO
416こんにちトマト(o・v・o) ◆TOMAS.MBKM :2006/06/30(金) 20:28:00.45 ID:YUAX+uDvO
>>403
詳しく!!!!
417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 20:52:19.19 ID:V4BGxj73O
今帰って北保守

これから読むぞー
418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 21:17:37.20 ID:DhrK/idLO
保守

新作を待つ(`・ω・´)
419以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 21:19:52.37 ID:TWeqZ46WO
>>410 >>413
ありがとう

おかげでビビって風呂入れなくなっちゃったよ(´Д⊂グスン
420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 21:30:13.20 ID:S5dONq5K0

421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 21:31:21.77 ID:7jvpzw9X0
こんにちトマトがこういうスレは〜以外の書き込みしてるの初めて見た
422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/06/30(金) 21:48:22.09 ID:V4BGxj73O
読んでたら腹痛ktkr保守
423以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします