教室の中にもハルヒの姿はいなかった。
クソ、居たらいたで迷惑極まりない奴だと思っていたのに、居なくなっちまうとどうしてこうにも・・・
「寂しいんだ・・・」
拭い去れない喪失感、自分の犠牲で世界が助かるなら、そういって走り出したハルヒ。
とめる事ができなかった、ただ、ハルヒの背中だけを眺めて、気の聞いた一言を言ってやることもできなかった。
と、ここで、俺の頭の中に一つの疑問符が浮かび上がる。
「なぜハルヒは自分が閉鎖空間を形成できると知っていたのだ?」
授業なんてまったく聞いてられなかった。
放課後、俺は今まで一番急いでだあろう足取りで、
団長不在のSOS団本部である文芸部部屋へと向かった。