どうぞ
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/18(木) 02:52:24.33 ID:3hsACHxo0
師走タン登場↓
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/18(木) 02:58:53.46 ID:YJCfboAmO
期待を裏切りつつ寝るまえ保守
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/18(木) 02:59:54.62 ID:qAmDkQds0
スキマスイッチだな
5 :
保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/05/18(木) 03:05:37.10 ID:wV7DowqT0
俺の名前はヤンボー。
スタントマンだ。
俺は今ピンで活動している。主だった経歴であるところのヤンマーのCMは、今誰だったか知らない若造が張っている。
今は昔、経歴という事はつまり。
俺はクビになったということだ。
そしてまた俺には続ける意思がなかった。
そう、俺の隣で腕を組めるのは、史上一人しかいない。
あいつ以外の誰と、CMを作る気に離れなかった。
そう、そいつの名前は――――
6 :
保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/05/18(木) 03:11:58.85 ID:wV7DowqT0
簡単で安全な撮影のはずだった。
いつものようにどことも知れない危険がいっぱい潜んでいる荒れ道を進み、主に高所でピンチに遭遇。
俺がやばくなる事もあれば、あいつがやばくなる事もある。
だが大丈夫。僅かに余裕がある方が、
「ミクロなものからーーーーー!!」
と叫ぶ。そしてもう一方が
「マクロなものまでーーーーー!!」
と叫んで、その腕を取り、そしてオートターン。田植えも楽々。
そのセオリーに乗っ取った、至極単純なシリーズの一つのはずだった。
7 :
ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw :2006/05/18(木) 03:16:04.53 ID:pC8WRgKZ0
wktk
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/18(木) 03:20:51.69 ID:2tgVO4Sd0
9 :
保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/05/18(木) 03:33:44.27 ID:wV7DowqT0
その日はたまたま一度見て爆笑した、という理由で田植えガンダムのCM撮影だった。
ガンダムはもともと戦争に使われていたけど戦争がミミさんのスレ乱立で終わったから、その技術を生かして土木作業とかに使うロボ作ろうという事になったのでありますよ軍曹殿。
見切り発車で実用化されたそのガンダムの制御系を一手に担う脊髄回路、中央制御システムのソフトも、またCPUも、民間用はまだ開発されていなかった。
つまり、戦争で使われたものをそのまま使っているという、コスト的にも問題の大きい機体だったのだ。
10 :
ミミ to I eva 聴音器官 ◆8VM5xLK5jw :2006/05/18(木) 03:51:40.98 ID:pC8WRgKZ0
ho
11 :
保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/05/18(木) 04:10:46.40 ID:wV7DowqT0
が、株主やスポンサー、一部ガンダム自身に恨みを持つNPOの説得材料のために、PVとしての需要が望まれたため、撮影は強行された。
それがいけなかった。どれもいけなかった。なにひとつ、いい事なんてなかった。
武器さえ持たせれば戦場に遅れる期待は、多くの勢力の注目を集め。
俺がコンバインでチンタラ田植えをしている横を、スタイリッシュに勝つ最効率で田植えを事項していく田植えガンダム。
そういう構図だった。
また田植えという作業は作る作業で。
PVの題材としても、大変有効だったのだが。
泥や、炎天下の長時間作業に、果たしてこの精密機器が耐えられるのか?
そんな疑問が残った。
12 :
保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/05/18(木) 04:32:24.15 ID:wV7DowqT0
結果、熱により暴走を起こしたガンダムは制御系の不調により水田の中心で崩御。
身動きが取れなくなったガンダムを、どうにか速やかに動かさなければならないと焦ったディレクターは、
保守起動だけに機能を限定し、「とにかく動かす」ために最適な動作を取捨選択する自立型AIに、ガンダムを委ねた。
格好をつけるために、お飾りとして乗せられたままだった相棒は、苦笑いしながらも、これも仕事だからな、と言ってコクピットに上がった。
それが、俺があいつを直に見た最後だった―――。
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/18(木) 04:52:51.50 ID:2tgVO4Sd0
保守
14 :
保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/05/18(木) 05:08:06.80 ID:wV7DowqT0
AIのセキュリティは戦時下のものであり、終戦とともに流出した暗号コードからAIのハッキングが実行された。
それによりガンダムは暴走を開始。恐ろしい速度で田植えを終えると、どこへともない行軍を始めた。
がしゃん、がしゃん、がしゃん、がしゃん。
ガンダムはその後い一時間以上暴走を続け、中にいた相棒は酷い揺れと熱気でダウン。
このままでは生命が脅かされた。
しかし、それ以上に恐ろしい事が待っている。
ただガンダム歩かせただけではテロ―――そう、これはガンダムを乗っ取ったヤ○マーへのテロだった―――としては、危機性に弱い。
ガンダムの向う先は恐らく・・・
難民居住区だと推察された。
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/18(木) 05:39:55.93 ID:2tgVO4Sd0
保守
16 :
保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/05/18(木) 05:46:29.24 ID:wV7DowqT0
このまま難民居住区に突っ込めば多くの死者がでる。
これを止めたければ即刻スイス銀行にすぐには用意できないような額を払えというこが要求だった。
しかしすぐにそんな額を要求できるはずは無い。大体そういう額だしwww
ヤン○ーが打つ手もなく、また難民は来る危機と破壊に気が付く事もなく。
このまま、恐ろしい事態が怒るのをただ座視するしか、俺にできる事はなかった。
しかし、結局その大災害は起こらなかった。
相棒が。
なんとか意識を取り戻し、また状況を把握した俺の相棒は、助けてくれるものが何も無いその絶望的な状況で。
コクピット無いから手動で発動できる幾つかの機能を駆使してガンダムの静止に勤めた。
しかし結局止まる事はなく。
居住区から遠目にガンダムの姿が確認できるほどに近づいたとき、ついに相棒は最後の手段出でた。
すなわち、
セルフディストラクション。
自爆。
唐突にあがった火柱は、ファイトーーーー!!と伸ばされた手で。
だけど俺は、いっぱーーーつ!と伸ばせる手を持っていなかった。
17 :
保冷剤 ◆xl4B3i0CLs :2006/05/18(木) 05:52:29.63 ID:wV7DowqT0
こうしてカタストロフィは未然に防がれた。
しかし相棒を失い、働く気力もなくした俺に、企業と世界は冷たかった。
職を失い、行き場を失い、事実の隠蔽のため、相棒の死の真相、その最後を伝える事さえ禁じられた。
なぁ、マー坊。
おまえが命がけで守ったこの町は。
この居住区は。
何も無い状態から出発した、俺たちの故郷だったよな。
俺は今ここに帰って来た。
帰る場所は、ここだけは、おまえが守ってくれた。
遠く、ガンダムの自爆でできたクレーターを見ていた。
・・・・・・・・・・。
そろそろ、再就職先を探すかな・・・・・・。
ただし。
今度は、一人でもできる仕事に就こう。
完。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
どう見てもギャグだったのにこの落とし方は流石。
乙