【麗しき】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【乙女たち】

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
このスレはもしもローゼンメイデンが普通の女の子だったらという妄想を垂れ流すスレです

ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki
ttp://www9.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/

ローゼンメイデンが普通の女の子だったら画像保管所@Wiki-トップページ
ttp://www9.atwiki.jp/nanasi/

女子高スレ練習用wiki@幼稚園
ttp://www9.atwiki.jp/rosen_kindergarten/

ローゼンメイデンが普通の女の子だったら(仮)@雑談所
ttp://yy36.60.kg/nanasi/
携帯からは↓
ttp://yy36.60.kg/nanasi/i/
前スレはどうなったの?なんて言う時は・・・・・
2ch RozenMaiden過去ログ倉庫
ttp://rozen-thread.org/
2富士 ◆ZEROXN4nOk :2006/05/12(金) 23:18:23.43 ID:XV1ajUJA0
3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:21:07.35 ID:h0upNpvY0
何時の間に落ちた・・・orz
4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:21:24.63 ID:ZBP7HHH6O
>>1
でもまた落ちるとはねぇ……。
5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:22:25.49 ID:8IloJsx80
・スレ、作品と関係ない雑談は控えてください。

・『原則「コテ」禁止』
 コテハンの人の書き込みが悪いんじゃなくて
 コテを付いてるということが荒れる原因になりやすいので原則コテは禁止で。

・気に入らない作品や書き込みはスルーお願いします。

・今の所・・・

 ドールズは人形ではなく普通の人間。
 スレタイが女の子なので基本的に10代〜20代前半かな?

・長編でレスを大きくまたぐとき(前回の投下は>>51で今回は>>462とか)や前スレから の続きはタイトルやあらすじ、アンカー等付けると読者に優しい職人になれる

・投下するときは「○○ネタだから注意」とか「○○系につき苦手ない人スルーよろ」などと付けた上、さらにNGワード指定するといいかもしれない

例:yuriyuri  sinineta  uhouho  koizumi  guroino

・なるべく自分でWikiを編集できるようになりましょう。
 どうしても編集できない場合は雑談所の掲載状況スレで依頼しましょう。
 (簡単な説明の項目の通りである程度できます)

・エロはエロパロで。どうしても投下したいのであればテキストで投下するか大人の時間に。

・投下混雑時以外の「投下いいかな?」は不要。
 もっと自信持ってよいんだよ?

・投下が終わったあととかに「やっぱりグダグダだったorz=3」とかは馴れ合いと呼ばれ る事もあるので注意。
6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:23:20.06 ID:8IloJsx80
0分、20分、40分に圧縮とのことだがこの時間帯は15分保守を心がけよう
7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:26:27.76 ID:AcRkvjF/0
>>1
乙。
最近圧縮が不安定なようだ…
8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:26:26.00 ID:ZBP7HHH6O
承知した。ノシ
9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:31:39.19 ID:bNazEwQQO
>>1
10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:33:56.07 ID:GKkbGlHu0
>>1
11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:34:48.03 ID:i7zFzbh+0
すみません。ちょっと手間取ってた。
誘導してくれた方、ありがとうです。
12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:37:46.12 ID:2dtcnzRl0
     ,..-::':::::::::::::::::::-..、
   .r::;r、:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   i::r'   `""'' ‐''"  ヽ::::::i
.  li!          ,: i:::::l
  .lir       ,. _  r'::::;!
   ミ ,r:_:、:. ' .:::::;:_:ヽ.: l::/-
   ll! ´`.':  :::、:`.'ヾ:: Y  !
   li  .: .:: :::、:::`::'   / '/
. ̄ ̄ l.    、__ノ :.   i` ´
  r' l  ,___  ;   ! ` ー-
  i  ヽ       `  ,:l!
 .l   ヾ 、 .T  _,  /!
 l.    ヽヽ´` , r' ;':!
 l      ヽ.' ̄ヽ  l

  イチオッツ[M. Yiziotts]
  (1927〜1988 ドイツ)
13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:39:26.39 ID:ue2WJAtKO
落としたorz
14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:46:44.94 ID:hz8YRmumO
愛が足りなかったのか・・・
15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:46:50.92 ID:wMUIUo1/0
>>1
16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:49:28.46 ID:LlOP3WHe0
17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:56:33.65 ID:33C8bGlFO
18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:01:12.96 ID:VWLpMEnj0
>>1
落ちるとは思わなかった。
まぁ投下。

3スレ前の>>752
〜プロローグ〜
物語は突然はじまるものだ。いや、正確には無駄なところを省いているからそう思えるだけかもしれない。
だが、私、桜田ジュンの物語は人為的に唐突にはじまったものだ。

〜チビ蒼星石とチビ翠星石〜

本当にすべては突然だ。
両親が帰ってきたと思ったら次の日には外国へ旅たった。蒼星石と翠星石の双子をおいて・・・。
姉は合宿でいなくなり、両親が予約をとっていた温泉にいき、その後、真紅と水銀燈に双子のことを言ったことにより未来は見えてきたが・・。
このあとは、どうなるのだろうか・・・・。
19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:01:37.43 ID:Cjcs90z70
書き込もうとしたら落ちてた('A`)
20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:01:38.42 ID:VWLpMEnj0
>>18
〜チビ蒼星石とチビ翠星石〜目的は遊園地・・・No1

金曜日
〜桜田家〜
蒼星石「ジュンくん。明日はがっこう、休みだよね?」
ジュン「うん。そうだけど・・・どうかしたのか?」
蒼星石「明日さ、遊園地につれてってほしいんだけど・・・。だめ?」
ジュン「別にいいけどさ・・・あいつらもか?」
そういってジュンが指差した先には・・・
翠星石を膝の上におき、髪を梳いてる水銀燈。先程ジュンが入れた紅茶を飲みながらくんくんを見ている真紅。
それにくんくんの1シーン1シーンで悲鳴を上げたりしながら騒いでいる雛苺と金糸雀。
蒼星石「いやなの?」
ジュン「嫌ではないが・・・騒がしくなりそうだなって思って。」
蒼星石「僕もそう思ってるけど・・・仲間外れにするのって嫌なんだ。」
ジュン「蒼星石は優しいな。(なでなで」
蒼星石「え・・・そんなことないよ・・(///////」
ジュン「・・・まぁいいや。考えるのめんどくさいからいろんなことは明日考えよ。」
蒼星石「うん?」
ジュン「行くとなると明日は早めに起きないといけないから今日は早めに寝ないとな。」
蒼星石「そうだね。」
ジュン「じゃああのチビたちには蒼星石が言ってくれないか?明日早めに家に来るように。」
蒼星石「わかったよ。」
21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:02:01.36 ID:VWLpMEnj0
>>20
ジュン「明日、遊園地に行くことになったんだけど・・・」
水銀燈「あらぁ、誘ってくれるのぉ?」
真紅「私は行くのだわ。明日は特に予定はいってないし。」
水銀燈「私もいくわぁジュンから誘ってくれるなんて初めてかもぉ」
ジュン「別に僕から言い出したわけじゃないんだけどな。」
水銀燈「別にいいのよ。そんな気分になれば明日が楽しみになるでしょぉ。」
真紅「まったく。単純なのだわ。」
水銀燈「じゃあ真紅はいかなくていいのねぇ」
真紅「だ、誰がそんなこと言ったの?行くのだわ。」
ジュン「・・・・あー。つまりまとめると二人とも行くってことでいいか?」
水銀燈「いいわよぉ」
真紅「いいのだわ。」
22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:02:18.56 ID:zg/e1o8O0
>>21
蒼星石「明日、遊園地に連れてってくれるって。」
翠星石「良いっていったんですぅ?」
雛苺「いくの〜」
蒼星石「でも明日だいじょうぶなの?」
金糸雀「明日はみっちゃんが『きゅうじつしゅっきん』だからひまなのかしらー」
雛苺「うにゅ〜。パパとママに聞いてみないとわからないの〜」
翠星石「じゃあチビ苺だけ仲間はずれですぅ。」
雛苺「うにゅ〜。ヒナはいきたいの〜・・・ぐすっ・・・うぇぇぇぇん」
翠星石「泣き出しやがったですぅ。」
水銀燈「どうしたのぉ?」
雛苺「すいせいせきがいじめるの〜」
翠星石「別にいじめてないですぅ」
蒼星石「・・・・雛苺が明日来れるかどうか分からないんだって」
水銀燈「そう。なら今日、ヒナちゃんのパパさんとママさんにいってみたらぁ?」
雛苺「でも・・・パパとママが駄目っていったらどうするの〜」
水銀燈「そんなときは私からも頼んでみるわぁ。」
雛苺「うにゅ〜。うれしいの〜。水銀燈だいすきなの〜」
水銀燈「わぁ〜うれしいわぁ〜。」

ジュン「つーことで雛苺以外は参加確定か。」
蒼星石「そうだね。でも雛苺だけ仲間外れって嫌だよ。」
ジュン「僕からも頼んでみるから大丈夫だって。」
蒼星石「そう?・・ありがとう」
23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:02:37.17 ID:VWLpMEnj0
>>22
〜雛苺家・玄関〜
雛苺の父「え?明日うちのヒナを遊園地にですか。」
ジュン「ええ、ご迷惑でなければ一緒に連れて行きたいのですが・・・」
雛苺の母「ヒナちゃんはいきたいの?」
雛苺「いきたいの〜」
雛苺の父「・・ならご迷惑をかけるかもしれませんがお願いできますか?」
ジュン「あ、はい。こちらこそ迷惑をお掛けしてすいません。」
雛苺の父「いえいえ、雛苺のこんなにいい笑顔は久しぶりに見ましたよ。明日はよろしくおねがいします。」
ジュン「こちらこそよろしくおねがいします。それでは今日はもう夜が深まってきたので」
雛苺の父「そうですね。では明日の朝にちゃんと連れて行きます。」
ジュン「ご迷惑をお掛けします。」
雛苺の父「いえいえ、それでは。」
ジュン「それじゃあおじゃましました。」
金糸雀「ヒナよかったかしら。ばいばいかしら〜」
水銀燈「よかったわねぇ。じゃあねぇ」
真紅「よかったのだわ。さよならなのだわ。」
翠星石「じゃあ寝坊するなよですぅ」
蒼星石「雛苺、よかったね。おじゃましました。」
雛苺「ばいばいなの〜」
24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:03:05.12 ID:VWLpMEnj0
>>23
〜金糸雀家・玄関〜
みっちゃん「ちょうどよかったわ。明日ちょっと仕事が入っていてね。」
ジュン「じゃあいいんですね。」
みっちゃん「いいけど、はい。これ」
そういって取り出したものはデジタルカメラ・・・なんだ?
みっちゃん「これでカナのいろんな姿をとってくださいな。」
ジュン「え?あぁ、はい。わかりました。」
みっちゃん「あと、はい。これも・・・」
そういって渡されたものは予備バッテリー2本とメモリースティック2本・・・全部とってこいと?
ジュン「あのー、全部ですか?」
水銀燈「一つに何枚入るのかしら・・・」
みっちゃん「全部じゃなくてもいいのよ・・・でも最低でも半分は・・・」
ジュン「あ〜。はい。わかりました。じゃあこれは明日、金糸雀にもたせてもらって良いですか?」
みっちゃん「いいわよ。じゃあ明日早いらしいから」
ジュン「そうですね。では。おじゃましました。」
翠星石「ばいばいですぅ」
蒼星石「おじゃましました。」
水銀燈「じゃあねぇ」
真紅「さよならなのだわ。」
25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:03:24.95 ID:VWLpMEnj0
>>24
水銀燈「いいの?ジュン。あんなに写真とることになって。」
ジュン「別に・・・嫌っていえる状況じゃなかったし・・・」
真紅「それにしてもジュン、見直したのだわ。あんなに目上の人に対して言葉遣いがよかったなんて」
ジュン「そうか?普通にやっただけだけど・・・」
翠星石「ふつうにやってちゃんとできてるなら・・・翠星石がほめてやるですぅ」
蒼星石「すごいね、ジュンくん。見習いたいぐらいだよ・・」
ジュン「・・・ありがとうな・・・(なでなで」


〜さて夜は更けていって、明日は遊園地に行くことになりました。そこなにがおこるのでしょうか・・・〜

〜続く〜
26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:04:51.43 ID:VWLpMEnj0
今回の投下は以上です。
本当に久々の投下になりました。
なんかこのままいくとネタがつきて、マンネリ気味になってしまうのではないかと危惧しております。
それでは次回の投下で・・・。
27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:05:57.48 ID:EirOtbLl0
ちびかわいいよちび
28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:06:48.09 ID:UlEEsjis0
みんなで遊園地とな
テラナゴミス
29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:07:26.64 ID:Cjcs90z70
イイヨイイヨーw

乱入スマソ
30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:09:36.19 ID:tDzxCUyCO
ロリコンではないけど子供はいいなあ
31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:17:56.64 ID:+/A5eT2H0
32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:19:15.01 ID:p3/i5ePw0
亀になったけど>>1乙!
33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:27:57.79 ID:Cjcs90z70
保守!
34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:34:31.41 ID:IP6VXP8+0
みっちゃんwwwwwwwwwイイ!
35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:45:34.41 ID:p3/i5ePw0
『退魔の戦乙女達』 〜世界樹を育む巫女と戦いの乙女〜

世界樹、それは断片的な世界と世界を繋ぐもの。
その枝は弧を描く蒼穹となり、根は地平の彼方よりも続く大地となる。頂に上れば世界の凡てを知ることが可能とも言われている。

 J「やっぱり大きいなぁ…こんなの上ろうだなんて誰も思わないだろ。」

大樹を見上げて世界にとって僕らはどれだけ小さいかを思い知らされる。暫くねを越えながら歩いていると何か歌声のようなものが聞こえた。

 「健やかに〜、伸びやかに〜」

栗毛のとても長い髪を心地よい風になびかせ華やかな意匠の施された如雨露から世界樹の根に水をやっている美しい少女がいた。
少女の顔は驚くほど蒼星石にそっくりだった。しかしよく見るとオッドアイが逆で右目が赤で左目が緑色をしていた。
ふと、水やりをしていた彼女と目が合った。

 J「あ、えっと…」
 「ひっ!?」

少女の顔が青ざめたかと思うとすぐさま世界樹の根に隠れてしまう。僕ってそんなに怖い顔とかしてるのか…?

 J「オイ、そんなあからさまに避けなくっても…」
 「だ、誰です?ど、どどどどうしてお前みたいな魔物がこんなところにいるですか?
  も、もしも世界樹を狙ってるんだったらこ、この翠星石が黙っちゃいねぇーです!」

物陰からちょっこりと顔だけ出してやや震えながら口調だけは強く出ている。
取り敢えず僕は此処へ来た経緯を話した。
36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:46:43.78 ID:p3/i5ePw0
>>35

 翠「お、お前が真紅と契約をした魔物…ですか。………思ったよりチビです(ボソ)」
 J「ち、チビって言うな!そういうお前こそ僕と殆ど背が変わらないだろう!?」
 翠「翠星石は女の子なのですからこれが当たり前ですぅ。そんなこともわからんのですかこのチビ盗賊は。」
 J「お、お前…言わせておけば…」
 翠「や、やるですかぁ?翠星石に手を出したら蒼星石が黙っちゃいねぇーですよ!?」

僕が少し怒っただけで彼女はずっとこの調子だ。どうやらこの子は人見知りが激しい方らしい。それに加えて怖がりでもある。
なんだか小動物みたいな奴だなぁ…などと思ってしまう。話すことがなくなった僕と翠星石は沈黙する。彼女は思い出したように世界樹とその根に咲く花や根付く木の水やりに戻る。

 J「なぁ…この辺に咲いてる花とかは全部お前が世話してるのか?」
 翠「そうですよ、偶に蒼星石が手伝ってくれるですけれども世界樹の管理は『緑薔薇』である翠星石の仕事なのですよ。」

得意げに、そして誇らしげに彼女は言った。きっと元々植物の世話が好きなのだろう。女の子っぽい一面もあるんだなぁなどと感心してしまう。
彼女の水やりは優雅なものだった。水をやった部分に一時的にではあるが何もない場所から花が咲き誇ったり如雨露の水がまさしく雨の如く草木に降り注ぐと緑色の光を発する。
そんな幻想的な景色の中で水をやる彼女はまるで神楽を踊る巫女のようだった。
僕は暫く彼女に見惚れてしまっていた。長く綺麗な栗毛と水を振り撒きながら翠星石は楽しそうに舞っている。
やがて僕の視線に気付いた翠星石は再び物陰に隠れてしまった。

 J「そ、そんなに僕が怖いのか…」
 翠「ま、魔物は怖いから大嫌いですぅ…」
 J「そうか…」

翠星石の言葉を聞いて最近忘れていたこと、自分が魔物であることを思い出す。どうして忘れてたのだろう。きっとアイツが僕のことを軽蔑せずに接してくれたからだろう。
魔物である僕に対してアイツはいっつも命令口調であれをしろ、これをしろと言って来た。
退魔士だからだと言われればそれでお終いだが僕はアイツの性格であると信じたい。
37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:48:10.34 ID:p3/i5ePw0
>>36

その頃、私はずっとお父様と意見をぶつけていた。私以上に頑固なことは重々承知していたので長期戦の覚悟はしていた。
しかし、中々お父様の意見は動かない。どうしたものかと考えていたところ、突如として大きな揺れが『赤薔薇の園』を、いや『nのフィールド』を襲った。

 「一体これは…まさか世界樹に何かが!?」

床から無数もの緑の蔓が現れる。蔓は鞭のようにしなっては建物の中を壊し始める。やがて蔓の一つが真紅の父親めがけて振り下ろされた。
真紅は蔓をステッキで斬りそのほかの蔓をしなる前に全て掴み取り斬り離した蔓で結んで纏め上げた。
身動きの取れなくなった蔓は陸に上がった魚のように跳ねてどうにかしようとしている。
次に纏めた蔓を再び掴み一気に引き抜くと球根のような物が地面から引き抜かれた。
球根は緑色をしておりその上のほうには同じく緑色の人間の上半身があった。

 真紅「ドライアド…?どうしてこんな所に…」

地上に引きずり出されたドライアドはその屈辱に激昂し新たな蔓を伸ばそうとする。しかしそれを真紅が許すわけもなく近場にあった蝋燭を投げつけ花弁を纏った風を送り込み一気に燃やし尽くした。
ドライアドは黒こげになり絶命する。

 真紅「お父様、私は世界樹を見て来ます、後のことは頼んだわ!」
 「お、おい…」

娘の名前を呼ぼうとするが記憶にフィルターが掛けられ口から出て来ない。そう、娘の名前はあいつが『真紅』の名を継いだときに誰の記憶からも消去されたのだ。
心配をしても娘の名前を呼ぶことが出来ないのがとても歯がゆい。
結局、止める術もなく娘はそのまま屋敷を後にした。
38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:49:38.50 ID:p3/i5ePw0
>>37

外が騒がしい気がする。気配を察するにどうやら魔物がこの聖域に紛れ込んだらしい。
私は膝枕にしていたお父様の膝から頭を離す。

 「魔物…」
 「どうやらそうらしいね。無粋な…君の力で蹴散らして来るといい。そして見せてやるんだ、他の退魔士達に。」
 「ハイ…では行ってきます。」

左目に眼帯をつけ紫の退魔士のコートを羽織って、屋敷を出ようとする。玄関でお父様が見送りをしてくれた。
お父様は私の右目にキスをして奨励してくれた。私は滅多に変えない表情を微笑みに変え紫の薔薇園に躍り出る。
薔薇園では4体のドライアドが既に待ち構えていた。地面に根を張り巡らしていたらしくいたる所から蔓が襲い掛かる。
自分を中心として波状に魔力を解放する、魔力に続いて薔薇園は紫の水晶の苑へ姿を変えた。
根を張っていたドライアド達はその醜い姿を晒し悪あがきにもまだ抵抗する。短い溜息を吐いて飛び込んできた蔓を左手で掴み引き寄せる。
勢いよく此方に飛んでくる本体に向けて右手を翳し水晶の雨を当てる。
此方へ近づくたびにドライアド自身はボロボロになり最終的には全身に水晶が突き刺さった針鼠のような姿になった。
残りのドライアドは玉砕覚悟でまとめて此方へ特攻をしかける。針鼠となった息絶えたドライアドをまるでモーニングスターのように振り回し残りの三体も駆逐する。
更にドライアド達に突き刺さった水晶に魔力を送り込むと水晶達は細かな粒子となって破裂し本体達も光となって朽ち果てた。

 「弱い…」

気配から察するに世界樹の方から不穏な空気が流れているのがわかる。早急に敵は殲滅しなければ世界樹に影響を与えてしまう。
紫の退魔士は戦場へ躍り出て行った。
39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:51:34.05 ID:p3/i5ePw0
短いけど今回は此処まで…一応後編に続きます。
次ぐらいに翠が大暴れする…かも?
40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:56:03.91 ID:mOArt8hi0
gj!翠小動物ww
41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 01:19:52.76 ID:i10Dkbd80
続きを期待しながら保守
42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 01:34:12.07 ID:IP6VXP8+0
早速落ちそうなので保守
43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 01:52:16.82 ID:ExoqRMzv0
念のため保守
44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 02:09:48.31 ID:IP6VXP8+0
ほしゅ
45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 02:23:09.00 ID:Fs4WpLl50
保守
46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 02:48:13.08 ID:ojsAA9/9O
保守
47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 03:10:46.17 ID:kvRW78pp0
48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 03:36:01.57 ID:O16+v0wyO
保守
49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 04:29:58.77 ID:BiH8IYgY0
ほし
50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 04:43:38.05 ID:O16+v0wyO
保守
51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 05:11:07.54 ID:+2WDz8yK0
捕手
52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 05:42:11.24 ID:Z6FQ8WvD0
保守
53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 06:04:25.63 ID:f14eEEF3O
ほーしゅ
54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 06:45:59.66 ID:tDzxCUyCO
保守
55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 07:16:42.73 ID:v0g5lJdsO
補朱
56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 07:42:53.68 ID:tDzxCUyCO
薔「ジュン…起きて…」
ゆさゆさとジュンの体を揺らす
ジ「……zzz」
薔「…起きなさい」
ぺしぺしとジュンの顔を叩く
ジ「ん……zzz」
薔「………」
ぎゅっとジュンの鼻を摘む
ジ「んが……?」
薔「……ちゅ」
ジ「んん……?」
鼻を摘んだままキスをする
薔「………」
ちゅー
ジ「ん…んん……ん!?」
ガバ
ジ「ぷはぁ!…はぁ…はぁ…苦しかった…」
薔「…おはー」
ジ「……一体何した?」
薔「…ジュンが起きないのが悪い…学校遅れる」
ジ「今日は休みだぞ」
ゴソゴソ
ジ「お、おい、なに人の布団に入り込んで来るんだ?」
薔「…休みだから…一緒に寝よ…?」
ジ「はあ!?」
薔「………いや?」
ジ「べ、別に嫌じゃ…」
薔「じゃあ…一緒に寝よ?」
ジ「はあ……わかったよ…おやすみ」
薔「えへへ…おやすみ♪」
57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 07:47:43.62 ID:UlEEsjis0
俺も今日は休みだというのに早く起きてしまったが朝から糖分摂取できたから良し
58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 08:07:44.54 ID:Z6FQ8WvD0
保守
59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 08:27:37.40 ID:/beMru/jO
>>56
薔薇しぃー、おっちょこちょいだな〜www


まさか確信犯か!?
60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 08:41:40.04 ID:Z6FQ8WvD0
保守
61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 08:43:55.57 ID:CrL2DsUEO
保守
62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 09:04:03.77 ID:tDzxCUyCO
今日は授業参観日
ジ(別にこなくていいのに…)
の「おはようございます」
槐「おはようございます」
薔「…………」
先「じゃあ授業を初めるぞー」
先「教科書57ページ…えーと…桜田、読んでくれ」
ジ「はい…Bは自分の大切な人を守るために…(略」
先「はい、そこまで…じゃあこのBの大切な人とは誰の事でしょうか…薔薇水晶」
薔(…Bの大切な人…薔薇リンの大切な人…薔薇リンの大好きなジュン…)
薔「…私の大切な人はジュン……」
一同「……………」
先「……文中の登場人物のBの大切な人は誰でしょう?」
薔「ああ…このAっていう人…」
先「はいよろしい…じゃあBがAを思うようになったのはどんな出来事の後だったかな…えーと誰か…」
薔(BがAを思うようになったきっかけ…薔薇リンが大切な人を…薔薇リンとジュンがラブラブになったきっかけ…)
薔「先月…私とジュンが体育館倉庫に閉じ込められた時に繋がっ」
先「ブレイク!ブレイク!」
の「………………」
槐「………………」
ジ「ここからが本当の地獄だ…」
63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 09:20:31.29 ID:Z6FQ8WvD0
保守
64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 09:26:32.92 ID:BiH8IYgY0
>>62
桃色薔薇水晶wwww
65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 09:51:01.06 ID:Z6FQ8WvD0
10時前保守
66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:17:51.87 ID:hWVRaUPwO
保守
67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:19:31.16 ID:msc0fWe80
おい!2ちゃんねらがホレられてんぞ
「2ちゃんねるに詳しかったり」
ttp://maosblog.blog64.fc2.com/
68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:37:49.17 ID:tDzxCUyCO
保守
69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:49:45.91 ID:UlEEsjis0
>>62
ちょwwwwwww親の前でそれはねえよwwwww
70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:57:13.35 ID:4vbeRTW/0
>>62
ブレイク、ブレイク、スターボード!!
71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 11:18:22.87 ID:tDzxCUyCO
保守
72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 11:33:01.47 ID:f14eEEF3O
ほしゅ
73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 11:40:08.42 ID:qEnCWLty0

おまいら 久々の通報祭りですぞ

http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1147481906/

>>1がWinXPの脆弱性を突いたスクリプトで釣りをしています
犯罪撲滅の協力を頼む。



========罪状===========
   電子計算機損壊等業務妨害罪

人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、
若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、
又はその他の方法により、電子計算機に使用目的を沿うべき動作をさせず、
又は使用目的に反する動作をさせて、
人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する
74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 11:52:51.42 ID:IP6VXP8+0
>>62
砂糖水と鼻血吹いたwww
75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:14:44.75 ID:tDzxCUyCO
保守
76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:24:03.91 ID:i10Dkbd80
今なら行けるっ! 書き上がったら即、投下〜。

  翠×雛の『マターリ歳時記』

―睦月の頃 その3―  【1月5日  小寒】


やけに冷え込む朝だった。
まだ冬休み中とは言え、朝の早い祖父母に合わせて朝食を摂るために、
早起きの習慣がついているのだ。
翠星石は寝惚けつつ、枕元で喧しく鳴り続ける目覚まし時計を黙らせるべく、
布団の中から右腕を伸ばした。

しかし、一度では時計を捉えられず、二度、三度と腕が宙を彷徨う。
漸くにして目覚まし時計のアラームを切った時には、彼女の右腕は、
すっかり冷え切っていた。

(んん……なんてぇ寒さですかぁ。起きたくねぇですぅ)

ベッドの中に冷えた腕を引っ込めて、もそもそ……と寝返りを打つ。
右腕が体温を取り戻していくにつれて、翠星石は再び、眠気に襲われていた。
とろん、と微睡む感じが、どうしようもなく心地よい。
二度寝の誘惑に些かも抗おうとせず、翠星石は緋翠の瞳を閉じた。

(……ぬくぬく♪)

根拠と呼べるほどの理由は無いが、なんだか、幸せな夢が見られそう。
そんな気分だった。

(蒼星石に会えたら……良いな……ですぅ)
77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:24:50.13 ID:i10Dkbd80
>>76

うとうと、と……。
双子の妹を想いながら、翠星石の心は眠りの世界へと落ちていく。
瞼の裏に、ぼんやりと人影が浮かんできた。
背を向けて立っている、小柄な人物――あれは、誰だろう?
輪郭がハッキリしないが、青系の服を着ている事は判る。

(う〜ん? もうちょっと、近付いてみるです)

夢の中で、翠星石は歩き始めた。
割と近くに居る筈なのに、人影との距離は一向に縮まらない。
もどかしい。逸る気持ちに衝き動かされて、翠星石は走り出した。
徐々に、距離が狭まる。
人影の正体が、さらさらの栗毛をショートカットにした娘だと判ってくると、
翠星石は胸がキュンっとなるのを感じた。

(蒼星石っ! 会いたかったですっ。昼も夜も、寝ても醒めても、私は――)

走りながら、腕を伸ばす。
あと僅かで、この手が届く。蒼星石の華奢な身体を、包み込んであげられる。
そう思っただけで、翠星石の心臓は、はしたないほどに躍動した。

翠星石の指が、蒼星石の肩に触れた。
喜びのあまり、妹の肩を目一杯の握力で掴んでしまった。

――が、蒼星石は何の反応も示さない。「痛いよ」と文句を言いもしない。
不審に思った翠星石は、肩を掴んだ手を放すことなく、妹の前へと回り込んだ。

彼女が、蒼星石だと確信していた人影は――精巧な造りのマネキン人形だった。
78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:25:34.73 ID:i10Dkbd80
>>77

「蒼星石ぃっ!」

叫びながら、翠星石は布団を撥ね除けて半身を起こした。
心臓が、早鐘のように脈打っている。耳の奥で、鼓動が聞こえた。

「……酷い夢。それに……酷い妹です」

両手で顔を覆って、翠星石はポツリと呟いた。
その囁きは、涙声。

「こんなに私を悲しませるなんて、ホントに酷いヤツですぅ」

やるせない気持ちを宥めるように、翠星石は、少しだけ泣いた。


寝覚めは最悪。
洗面所に赴いた翠星石は、心なし腫れぼったい目元を、ぬるま湯で丹念に洗った。
こんな事なら、二度寝なんかするんじゃなかったと、僅かに後悔しながら。

暖められた台所に行くと、石油ストーブの臭いと、味噌汁の匂いが渾然一体と
なって翠星石の鼻腔を刺激した。

「おはようですぅ」

努めて明るく挨拶した彼女に、祖父は読んでいた新聞をちょっとだけ降ろして、
挨拶を返した。
79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:26:13.25 ID:i10Dkbd80
>>78

「おはよう、翠星石。なにか、厭な夢でも見たのかい?」
「なんで、そう思うです?」
「いやなに……ちょっと、不機嫌そうに見えたんでのぉ」

翠星石がムスッとした態度で応じると、祖父はバツ悪そうに顔を伏せ、
新聞に視線を戻した。世間一般の、年頃の娘を持つ父親とは、こんな感じかも
知れない。気難しくなった娘に、どう対処して良いか判らなくなるのだ。
こういう時は、女心の機微が解る分、母親もしくは祖母の方が有利だった。

「おはよう。早くお座りなさいな」

祖母に促されるまま、翠星石は食卓に着き、祖母が装ってくれた味噌汁に口を
付けた。たっぷりのモヤシに卵を落としただけの、簡素な作りだ。

「そうそう、今日はヒナちゃんがお勉強しに来るって言ってたわねえ」
「午後からです。冬休みの宿題を、一緒に済ますですよ」
「おやつは何が良いのかしら?」
「取り敢えず、苺に関連した物なら何でもオッケーですぅ。
 あいつは苺に含まれるストロベリノーゼという麻薬物質の中毒患者ですから」
「あらあら……実は、苺の過食って怖いのねぇ」

勿論、口から出任せで言った事なのだが、祖母はすっかり信じ込んだらしい。
祖母が近所で、こんなガセビアを吹聴して回ったら困りものだけれど、
翠星石は敢えて、放っておくことにした。

「おいしかったぁ。ごちそうさまですぅ」

自分で使った食器を洗い桶に浸して、翠星石は身支度を整える為に、自室に戻った。
80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:26:45.19 ID:i10Dkbd80
>>79

午後になり、完全防寒装備の雛苺が柴崎宅を訪れた。
もこもこに着膨れた様子は、さながらダルマである。
一目見るなり、翠星石は吹き出し、腹を抱えて笑い転げた。

「もう! いきなり爆笑するなんて失礼なのよー!」

暖房を入れたばかりで、未だヒンヤリとしている翠星石の部屋に入った途端、
雛苺が憤懣を炸裂させた。

「あぁ……済まなかったですぅ。まさか、あんなに丸々と……くくっ」
「あっ! またぁ」
「いやいや、笑ってねぇですよ? 変な言いがかりは止すですぅ」
「……んもぅ。でも、今日はホントに寒いのよ」
「そりゃあ冬だし、暦の上では『小寒』ですからねぇ」

小寒とは、24節気(太陽の黄道を24等分したもの)のひとつ。
冬至の後の15日目を指している。一般に、寒さの厳しい時期とされていた。

「ショウカン?」

聞き慣れない言葉だったのだろう。雛苺は首を傾げた。
翠星石は、いつものように悪ノリして、雛苺に出任せを教えた。

「今日は一年に一度、冬将軍と呼ばれる赤い服を着たジジイがやってきて、
 使い魔の雪女を召喚する日なのですぅ」
「う……うょ」
「召喚された雪女は、午前零時に成るまで、夜中に独りぼっちで歩いている者を
 ガッチガチの氷漬けにして回るですよ。ひぃーっひっひっひぃ!」
81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:27:23.54 ID:i10Dkbd80
>>80
「……そ、それで、氷漬けにされちゃった人は、どうなるの?」
「冬将軍の保存食になるです。頭から痛快丸囓り。
 ムシャラムシャラと喰われちまうですぅ」
「あうぅ〜。は、早く宿題を片付けちゃうのよ〜」

翠星石のヨタ話を信じたらしく、日暮れまでに帰りたいという思いが、
ひしひしと伝わってきた。

冗談もそこそこに、二人は宿題を始めた。
時に教え合い――英語は雛苺の方が得意だった――どちらか先に終わった方が、
家庭教師役となった。無論、この時ばかりは翠星石もウソを教えたりしない。

おやつの時間には、祖母が紅茶と、切り分けた苺のタルトを持ってきてくれた。
翠星石は愉しく語らいながら、雛苺の頬に付いたホイップを指で拭ってあげたり、
何かと彼女の世話を焼いている自分に気付いて、ハッとなった。
今朝は寝覚めが悪くて不機嫌だったのに、今では全く気にならない。
癒されている。妹のような雛苺に、蒼星石の居ない空虚を満たして貰っている。
それが、実感できた。

結局、宿題は日暮れまでかかってしまい、翠星石は雪女の影に怯える雛苺を、
自宅まで来る羽目になってしまった。口は災いの元……と言うところか。
雛苺を無事に送り届けて、寒々とした冬の夜空の下を、独り歩く。
低く垂れ込めた雲が、尚のこと気分を消沈させる。
雪でも降りそう……。
そう思った矢先、翠星石の鼻先に、白い物が舞い降りてきた。嘘から出た真か。

その晩、翠星石は日本より北緯の高い国に居る蒼星石に、メールを送った。

【恋人よ、そちらも今日は、雪ですか?】
82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:28:22.99 ID:i10Dkbd80
>>81

投下終了。翠×雛っぽさを少し意識してみたら、こんな感じに・・・。
それでは、本編と微妙にリンクしつつも関係ない番外編コーナー、いきます。

『保守がわり番外編  勉強の合間に・・・』

「ねえねえ、翠ちゃん。タイトルではマターリって言ってるケド、
 ちっともマターリな雰囲気じゃないと、ヒナは思うの」
「それは・・・確かに。しかしです、マターリの定義とは、なんぞや・・・ですぅ」
「ヒナに訊かれても解ら・・・あ! マターリときたら平安貴族でおじゃる、なの!」
「・・・おバカ苺。そこまで退化して、どうするです?
 退化の改新とかヌカしたら、ヌッ殺すですよ」
「うょ・・・や、やぁなの〜。そんなコト、言うハズないのよー」
「とか言いながら、妙な間が空いたのは何故です? 額には変な汗も・・・」
「ちょっと心肺停止しただけなのー。それより、対策を講じるのっ」
「マターリ・・・う〜ん・・・閃いた! 老人の日常生活って、マターリな感じがするですぅ!」
「!? 翠ちゃん、天才なのっ! ノーベル物理化学賞ものなのーっ!」
「そ、そうですかぁ? も・・・もっと褒めやがれですぅ」
「じゃあ早速、翠ちゃんのお爺さんに突撃リポートなのっ」

ドドドドドドドド

「おじじ――――っ!」
「どうしたんじゃ、翠星石? そんなに慌てて。トイレなら今、婆さんが使・・・」
「おじじっ! マターリの定義を教えるですっ。
 400字詰め原稿用紙5枚以内で説明しやがれですっ!」

・・・書き切れなくなったので次回に続く。
83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:32:23.62 ID:EirOtbLl0
>>82
二人らしかったです。次回も待ってますよ。
心肺停止てwwwwwwww
84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:34:40.26 ID:tDzxCUyCO
おじゃる丸かwwwwww
85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:38:48.67 ID:UlEEsjis0
翠星石のうそとそれを信じてしまう雛苺がすごい二人らしいですね


ノーベル物理化学賞って違wwwwwwwwww
86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:40:59.18 ID:DQJwwoX9O
なんとも言えぬマターリ具合……
87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:54:01.59 ID:IP6VXP8+0
ストロベリノーゼ吹いたwwwGJ
88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 13:18:24.21 ID:EirOtbLl0
保守
89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 13:26:56.08 ID:LlqD0CSsO
保守
90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 13:41:40.25 ID:of8sai5Q0
ho
91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 13:59:04.47 ID:tDzxCUyCO
保守
92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:09:07.44 ID:qVHAdsLZ0
>>82
もうほとんど前提としてGJ。
ときどきセンテンスや単語の組み立て方にトドメを刺される……
僕にもお味噌汁よそってください。
93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:24:45.02 ID:YFiiyMOQO
ほす
94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:26:42.11 ID:NODtDxmxO
最近の保守続きは異常
95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:38:43.15 ID:tDzxCUyCO
保守
96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:50:51.21 ID:nqri+OVe0
「あー、何かエロいことしてぇ」
「……え?」
「いや、何かこう、エロいことを、したい」
「それは、えっちってこと?」
「いや、エロいこと」
「何となく言いたいことはわかったんだけど……てっきり、誘ってるのかと」
「あー、ないない。そーいうのは一切ないから安心していいよ」
「(かっちーん)ふ、ふぅん? そうなんだ、ジュンは、私なんかもう、どーでもいいと?」
「えー、いや、そういうわけじゃないけど、何つーか、これは衝動みたいなものだから、気にしないで」
「どんな衝動よ」
「エロいことしたくなる衝動」
「……あ、何かキレた。もう我慢しなくていいや」
「?」
「ってワケで問答無用でいっただきまーす♪」
「てい」
「……ついに慌てなくなるどころか、ツッコミまでいれるようになったのねぇ」
「いや、だって、エロいことしたいから」
「ん? それ、もしかして私に言ってる?」
「え、……うーん、どうだろう。そうかも」
「そうなの!?」
「そんな目をキラキラ輝かされても。いや、なんというか、薔薇水晶たちとはエロいことをするという感じじゃないんだ」
「私ならいいのかしら。それはそれで、すごくムカつくんだけど」
「いやだから、衝動だから、水銀燈に言ったわけではなく。ああ、でも、水銀燈なら、何となくOKかも」
「……うぅ、これで喜ぶ私は、やっぱりどこか壊れているような気がするわぁ」
「?」
「ま、いいけど――それじゃ、ジュン?」

「エロいこと、する?」
97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:53:54.48 ID:nqri+OVe0
続かない。っていうか、皆戻ってくるまで保守がわりに短編頑張るよ。いや、決して長編のネタがないわけじゃないんだ。うん。そうなんだよ、やっぱたまには短p(ry
98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:58:58.50 ID:EirOtbLl0
もうど真ん中ストレートですねwwwwww
99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 15:03:22.12 ID:UlEEsjis0
ストレートktkrwwwwwwwwww
100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 15:05:02.94 ID:tDzxCUyCO
これはまたエロい話ですね