【麗しき】ローゼンメイデンが普通の女の子だったら【乙女たち】
1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:21:07.35 ID:h0upNpvY0
何時の間に落ちた・・・orz
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:21:24.63 ID:ZBP7HHH6O
5 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:22:25.49 ID:8IloJsx80
・スレ、作品と関係ない雑談は控えてください。
・『原則「コテ」禁止』
コテハンの人の書き込みが悪いんじゃなくて
コテを付いてるということが荒れる原因になりやすいので原則コテは禁止で。
・気に入らない作品や書き込みはスルーお願いします。
・今の所・・・
ドールズは人形ではなく普通の人間。
スレタイが女の子なので基本的に10代〜20代前半かな?
・長編でレスを大きくまたぐとき(前回の投下は
>>51で今回は
>>462とか)や前スレから の続きはタイトルやあらすじ、アンカー等付けると読者に優しい職人になれる
・投下するときは「○○ネタだから注意」とか「○○系につき苦手ない人スルーよろ」などと付けた上、さらにNGワード指定するといいかもしれない
例:yuriyuri sinineta uhouho koizumi guroino
・なるべく自分でWikiを編集できるようになりましょう。
どうしても編集できない場合は雑談所の掲載状況スレで依頼しましょう。
(簡単な説明の項目の通りである程度できます)
・エロはエロパロで。どうしても投下したいのであればテキストで投下するか大人の時間に。
・投下混雑時以外の「投下いいかな?」は不要。
もっと自信持ってよいんだよ?
・投下が終わったあととかに「やっぱりグダグダだったorz=3」とかは馴れ合いと呼ばれ る事もあるので注意。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:23:20.06 ID:8IloJsx80
0分、20分、40分に圧縮とのことだがこの時間帯は15分保守を心がけよう
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:26:27.76 ID:AcRkvjF/0
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:26:26.00 ID:ZBP7HHH6O
承知した。ノシ
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:31:39.19 ID:bNazEwQQO
10 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:33:56.07 ID:GKkbGlHu0
11 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:34:48.03 ID:i7zFzbh+0
すみません。ちょっと手間取ってた。
誘導してくれた方、ありがとうです。
12 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:37:46.12 ID:2dtcnzRl0
,..-::':::::::::::::::::::-..、
.r::;r、:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
i::r' `""'' ‐''" ヽ::::::i
. li! ,: i:::::l
.lir ,. _ r'::::;!
ミ ,r:_:、:. ' .:::::;:_:ヽ.: l::/-
ll! ´`.': :::、:`.'ヾ:: Y !
li .: .:: :::、:::`::' / '/
. ̄ ̄ l. 、__ノ :. i` ´
r' l ,___ ; ! ` ー-
i ヽ ` ,:l!
.l ヾ 、 .T _, /!
l. ヽヽ´` , r' ;':!
l ヽ.' ̄ヽ l
イチオッツ[M. Yiziotts]
(1927〜1988 ドイツ)
13 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:39:26.39 ID:ue2WJAtKO
落としたorz
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:46:44.94 ID:hz8YRmumO
愛が足りなかったのか・・・
15 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:46:50.92 ID:wMUIUo1/0
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:49:28.46 ID:LlOP3WHe0
乙
17 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/12(金) 23:56:33.65 ID:33C8bGlFO
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:01:12.96 ID:VWLpMEnj0
>>1乙
落ちるとは思わなかった。
まぁ投下。
3スレ前の
>>752 〜プロローグ〜
物語は突然はじまるものだ。いや、正確には無駄なところを省いているからそう思えるだけかもしれない。
だが、私、桜田ジュンの物語は人為的に唐突にはじまったものだ。
〜チビ蒼星石とチビ翠星石〜
本当にすべては突然だ。
両親が帰ってきたと思ったら次の日には外国へ旅たった。蒼星石と翠星石の双子をおいて・・・。
姉は合宿でいなくなり、両親が予約をとっていた温泉にいき、その後、真紅と水銀燈に双子のことを言ったことにより未来は見えてきたが・・。
このあとは、どうなるのだろうか・・・・。
書き込もうとしたら落ちてた('A`)
20 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:01:38.42 ID:VWLpMEnj0
>>18 〜チビ蒼星石とチビ翠星石〜目的は遊園地・・・No1
金曜日
〜桜田家〜
蒼星石「ジュンくん。明日はがっこう、休みだよね?」
ジュン「うん。そうだけど・・・どうかしたのか?」
蒼星石「明日さ、遊園地につれてってほしいんだけど・・・。だめ?」
ジュン「別にいいけどさ・・・あいつらもか?」
そういってジュンが指差した先には・・・
翠星石を膝の上におき、髪を梳いてる水銀燈。先程ジュンが入れた紅茶を飲みながらくんくんを見ている真紅。
それにくんくんの1シーン1シーンで悲鳴を上げたりしながら騒いでいる雛苺と金糸雀。
蒼星石「いやなの?」
ジュン「嫌ではないが・・・騒がしくなりそうだなって思って。」
蒼星石「僕もそう思ってるけど・・・仲間外れにするのって嫌なんだ。」
ジュン「蒼星石は優しいな。(なでなで」
蒼星石「え・・・そんなことないよ・・(///////」
ジュン「・・・まぁいいや。考えるのめんどくさいからいろんなことは明日考えよ。」
蒼星石「うん?」
ジュン「行くとなると明日は早めに起きないといけないから今日は早めに寝ないとな。」
蒼星石「そうだね。」
ジュン「じゃああのチビたちには蒼星石が言ってくれないか?明日早めに家に来るように。」
蒼星石「わかったよ。」
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:02:01.36 ID:VWLpMEnj0
>>20 ジュン「明日、遊園地に行くことになったんだけど・・・」
水銀燈「あらぁ、誘ってくれるのぉ?」
真紅「私は行くのだわ。明日は特に予定はいってないし。」
水銀燈「私もいくわぁジュンから誘ってくれるなんて初めてかもぉ」
ジュン「別に僕から言い出したわけじゃないんだけどな。」
水銀燈「別にいいのよ。そんな気分になれば明日が楽しみになるでしょぉ。」
真紅「まったく。単純なのだわ。」
水銀燈「じゃあ真紅はいかなくていいのねぇ」
真紅「だ、誰がそんなこと言ったの?行くのだわ。」
ジュン「・・・・あー。つまりまとめると二人とも行くってことでいいか?」
水銀燈「いいわよぉ」
真紅「いいのだわ。」
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:02:18.56 ID:zg/e1o8O0
>>21 蒼星石「明日、遊園地に連れてってくれるって。」
翠星石「良いっていったんですぅ?」
雛苺「いくの〜」
蒼星石「でも明日だいじょうぶなの?」
金糸雀「明日はみっちゃんが『きゅうじつしゅっきん』だからひまなのかしらー」
雛苺「うにゅ〜。パパとママに聞いてみないとわからないの〜」
翠星石「じゃあチビ苺だけ仲間はずれですぅ。」
雛苺「うにゅ〜。ヒナはいきたいの〜・・・ぐすっ・・・うぇぇぇぇん」
翠星石「泣き出しやがったですぅ。」
水銀燈「どうしたのぉ?」
雛苺「すいせいせきがいじめるの〜」
翠星石「別にいじめてないですぅ」
蒼星石「・・・・雛苺が明日来れるかどうか分からないんだって」
水銀燈「そう。なら今日、ヒナちゃんのパパさんとママさんにいってみたらぁ?」
雛苺「でも・・・パパとママが駄目っていったらどうするの〜」
水銀燈「そんなときは私からも頼んでみるわぁ。」
雛苺「うにゅ〜。うれしいの〜。水銀燈だいすきなの〜」
水銀燈「わぁ〜うれしいわぁ〜。」
ジュン「つーことで雛苺以外は参加確定か。」
蒼星石「そうだね。でも雛苺だけ仲間外れって嫌だよ。」
ジュン「僕からも頼んでみるから大丈夫だって。」
蒼星石「そう?・・ありがとう」
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:02:37.17 ID:VWLpMEnj0
>>22 〜雛苺家・玄関〜
雛苺の父「え?明日うちのヒナを遊園地にですか。」
ジュン「ええ、ご迷惑でなければ一緒に連れて行きたいのですが・・・」
雛苺の母「ヒナちゃんはいきたいの?」
雛苺「いきたいの〜」
雛苺の父「・・ならご迷惑をかけるかもしれませんがお願いできますか?」
ジュン「あ、はい。こちらこそ迷惑をお掛けしてすいません。」
雛苺の父「いえいえ、雛苺のこんなにいい笑顔は久しぶりに見ましたよ。明日はよろしくおねがいします。」
ジュン「こちらこそよろしくおねがいします。それでは今日はもう夜が深まってきたので」
雛苺の父「そうですね。では明日の朝にちゃんと連れて行きます。」
ジュン「ご迷惑をお掛けします。」
雛苺の父「いえいえ、それでは。」
ジュン「それじゃあおじゃましました。」
金糸雀「ヒナよかったかしら。ばいばいかしら〜」
水銀燈「よかったわねぇ。じゃあねぇ」
真紅「よかったのだわ。さよならなのだわ。」
翠星石「じゃあ寝坊するなよですぅ」
蒼星石「雛苺、よかったね。おじゃましました。」
雛苺「ばいばいなの〜」
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:03:05.12 ID:VWLpMEnj0
>>23 〜金糸雀家・玄関〜
みっちゃん「ちょうどよかったわ。明日ちょっと仕事が入っていてね。」
ジュン「じゃあいいんですね。」
みっちゃん「いいけど、はい。これ」
そういって取り出したものはデジタルカメラ・・・なんだ?
みっちゃん「これでカナのいろんな姿をとってくださいな。」
ジュン「え?あぁ、はい。わかりました。」
みっちゃん「あと、はい。これも・・・」
そういって渡されたものは予備バッテリー2本とメモリースティック2本・・・全部とってこいと?
ジュン「あのー、全部ですか?」
水銀燈「一つに何枚入るのかしら・・・」
みっちゃん「全部じゃなくてもいいのよ・・・でも最低でも半分は・・・」
ジュン「あ〜。はい。わかりました。じゃあこれは明日、金糸雀にもたせてもらって良いですか?」
みっちゃん「いいわよ。じゃあ明日早いらしいから」
ジュン「そうですね。では。おじゃましました。」
翠星石「ばいばいですぅ」
蒼星石「おじゃましました。」
水銀燈「じゃあねぇ」
真紅「さよならなのだわ。」
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:03:24.95 ID:VWLpMEnj0
>>24 水銀燈「いいの?ジュン。あんなに写真とることになって。」
ジュン「別に・・・嫌っていえる状況じゃなかったし・・・」
真紅「それにしてもジュン、見直したのだわ。あんなに目上の人に対して言葉遣いがよかったなんて」
ジュン「そうか?普通にやっただけだけど・・・」
翠星石「ふつうにやってちゃんとできてるなら・・・翠星石がほめてやるですぅ」
蒼星石「すごいね、ジュンくん。見習いたいぐらいだよ・・」
ジュン「・・・ありがとうな・・・(なでなで」
〜さて夜は更けていって、明日は遊園地に行くことになりました。そこなにがおこるのでしょうか・・・〜
〜続く〜
26 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:04:51.43 ID:VWLpMEnj0
今回の投下は以上です。
本当に久々の投下になりました。
なんかこのままいくとネタがつきて、マンネリ気味になってしまうのではないかと危惧しております。
それでは次回の投下で・・・。
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:05:57.48 ID:EirOtbLl0
ちびかわいいよちび
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:06:48.09 ID:UlEEsjis0
みんなで遊園地とな
テラナゴミス
イイヨイイヨーw
乱入スマソ
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:09:36.19 ID:tDzxCUyCO
ロリコンではないけど子供はいいなあ
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:17:56.64 ID:+/A5eT2H0
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:19:15.01 ID:p3/i5ePw0
保守!
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:34:31.41 ID:IP6VXP8+0
みっちゃんwwwwwwwwwイイ!
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:45:34.41 ID:p3/i5ePw0
『退魔の戦乙女達』 〜世界樹を育む巫女と戦いの乙女〜
世界樹、それは断片的な世界と世界を繋ぐもの。
その枝は弧を描く蒼穹となり、根は地平の彼方よりも続く大地となる。頂に上れば世界の凡てを知ることが可能とも言われている。
J「やっぱり大きいなぁ…こんなの上ろうだなんて誰も思わないだろ。」
大樹を見上げて世界にとって僕らはどれだけ小さいかを思い知らされる。暫くねを越えながら歩いていると何か歌声のようなものが聞こえた。
「健やかに〜、伸びやかに〜」
栗毛のとても長い髪を心地よい風になびかせ華やかな意匠の施された如雨露から世界樹の根に水をやっている美しい少女がいた。
少女の顔は驚くほど蒼星石にそっくりだった。しかしよく見るとオッドアイが逆で右目が赤で左目が緑色をしていた。
ふと、水やりをしていた彼女と目が合った。
J「あ、えっと…」
「ひっ!?」
少女の顔が青ざめたかと思うとすぐさま世界樹の根に隠れてしまう。僕ってそんなに怖い顔とかしてるのか…?
J「オイ、そんなあからさまに避けなくっても…」
「だ、誰です?ど、どどどどうしてお前みたいな魔物がこんなところにいるですか?
も、もしも世界樹を狙ってるんだったらこ、この翠星石が黙っちゃいねぇーです!」
物陰からちょっこりと顔だけ出してやや震えながら口調だけは強く出ている。
取り敢えず僕は此処へ来た経緯を話した。
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:46:43.78 ID:p3/i5ePw0
>>35 翠「お、お前が真紅と契約をした魔物…ですか。………思ったよりチビです(ボソ)」
J「ち、チビって言うな!そういうお前こそ僕と殆ど背が変わらないだろう!?」
翠「翠星石は女の子なのですからこれが当たり前ですぅ。そんなこともわからんのですかこのチビ盗賊は。」
J「お、お前…言わせておけば…」
翠「や、やるですかぁ?翠星石に手を出したら蒼星石が黙っちゃいねぇーですよ!?」
僕が少し怒っただけで彼女はずっとこの調子だ。どうやらこの子は人見知りが激しい方らしい。それに加えて怖がりでもある。
なんだか小動物みたいな奴だなぁ…などと思ってしまう。話すことがなくなった僕と翠星石は沈黙する。彼女は思い出したように世界樹とその根に咲く花や根付く木の水やりに戻る。
J「なぁ…この辺に咲いてる花とかは全部お前が世話してるのか?」
翠「そうですよ、偶に蒼星石が手伝ってくれるですけれども世界樹の管理は『緑薔薇』である翠星石の仕事なのですよ。」
得意げに、そして誇らしげに彼女は言った。きっと元々植物の世話が好きなのだろう。女の子っぽい一面もあるんだなぁなどと感心してしまう。
彼女の水やりは優雅なものだった。水をやった部分に一時的にではあるが何もない場所から花が咲き誇ったり如雨露の水がまさしく雨の如く草木に降り注ぐと緑色の光を発する。
そんな幻想的な景色の中で水をやる彼女はまるで神楽を踊る巫女のようだった。
僕は暫く彼女に見惚れてしまっていた。長く綺麗な栗毛と水を振り撒きながら翠星石は楽しそうに舞っている。
やがて僕の視線に気付いた翠星石は再び物陰に隠れてしまった。
J「そ、そんなに僕が怖いのか…」
翠「ま、魔物は怖いから大嫌いですぅ…」
J「そうか…」
翠星石の言葉を聞いて最近忘れていたこと、自分が魔物であることを思い出す。どうして忘れてたのだろう。きっとアイツが僕のことを軽蔑せずに接してくれたからだろう。
魔物である僕に対してアイツはいっつも命令口調であれをしろ、これをしろと言って来た。
退魔士だからだと言われればそれでお終いだが僕はアイツの性格であると信じたい。
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:48:10.34 ID:p3/i5ePw0
>>36 その頃、私はずっとお父様と意見をぶつけていた。私以上に頑固なことは重々承知していたので長期戦の覚悟はしていた。
しかし、中々お父様の意見は動かない。どうしたものかと考えていたところ、突如として大きな揺れが『赤薔薇の園』を、いや『nのフィールド』を襲った。
「一体これは…まさか世界樹に何かが!?」
床から無数もの緑の蔓が現れる。蔓は鞭のようにしなっては建物の中を壊し始める。やがて蔓の一つが真紅の父親めがけて振り下ろされた。
真紅は蔓をステッキで斬りそのほかの蔓をしなる前に全て掴み取り斬り離した蔓で結んで纏め上げた。
身動きの取れなくなった蔓は陸に上がった魚のように跳ねてどうにかしようとしている。
次に纏めた蔓を再び掴み一気に引き抜くと球根のような物が地面から引き抜かれた。
球根は緑色をしておりその上のほうには同じく緑色の人間の上半身があった。
真紅「ドライアド…?どうしてこんな所に…」
地上に引きずり出されたドライアドはその屈辱に激昂し新たな蔓を伸ばそうとする。しかしそれを真紅が許すわけもなく近場にあった蝋燭を投げつけ花弁を纏った風を送り込み一気に燃やし尽くした。
ドライアドは黒こげになり絶命する。
真紅「お父様、私は世界樹を見て来ます、後のことは頼んだわ!」
「お、おい…」
娘の名前を呼ぼうとするが記憶にフィルターが掛けられ口から出て来ない。そう、娘の名前はあいつが『真紅』の名を継いだときに誰の記憶からも消去されたのだ。
心配をしても娘の名前を呼ぶことが出来ないのがとても歯がゆい。
結局、止める術もなく娘はそのまま屋敷を後にした。
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:49:38.50 ID:p3/i5ePw0
>>37 外が騒がしい気がする。気配を察するにどうやら魔物がこの聖域に紛れ込んだらしい。
私は膝枕にしていたお父様の膝から頭を離す。
「魔物…」
「どうやらそうらしいね。無粋な…君の力で蹴散らして来るといい。そして見せてやるんだ、他の退魔士達に。」
「ハイ…では行ってきます。」
左目に眼帯をつけ紫の退魔士のコートを羽織って、屋敷を出ようとする。玄関でお父様が見送りをしてくれた。
お父様は私の右目にキスをして奨励してくれた。私は滅多に変えない表情を微笑みに変え紫の薔薇園に躍り出る。
薔薇園では4体のドライアドが既に待ち構えていた。地面に根を張り巡らしていたらしくいたる所から蔓が襲い掛かる。
自分を中心として波状に魔力を解放する、魔力に続いて薔薇園は紫の水晶の苑へ姿を変えた。
根を張っていたドライアド達はその醜い姿を晒し悪あがきにもまだ抵抗する。短い溜息を吐いて飛び込んできた蔓を左手で掴み引き寄せる。
勢いよく此方に飛んでくる本体に向けて右手を翳し水晶の雨を当てる。
此方へ近づくたびにドライアド自身はボロボロになり最終的には全身に水晶が突き刺さった針鼠のような姿になった。
残りのドライアドは玉砕覚悟でまとめて此方へ特攻をしかける。針鼠となった息絶えたドライアドをまるでモーニングスターのように振り回し残りの三体も駆逐する。
更にドライアド達に突き刺さった水晶に魔力を送り込むと水晶達は細かな粒子となって破裂し本体達も光となって朽ち果てた。
「弱い…」
気配から察するに世界樹の方から不穏な空気が流れているのがわかる。早急に敵は殲滅しなければ世界樹に影響を与えてしまう。
紫の退魔士は戦場へ躍り出て行った。
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:51:34.05 ID:p3/i5ePw0
短いけど今回は此処まで…一応後編に続きます。
次ぐらいに翠が大暴れする…かも?
40 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 00:56:03.91 ID:mOArt8hi0
gj!翠小動物ww
41 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 01:19:52.76 ID:i10Dkbd80
続きを期待しながら保守
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 01:34:12.07 ID:IP6VXP8+0
早速落ちそうなので保守
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 01:52:16.82 ID:ExoqRMzv0
念のため保守
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 02:09:48.31 ID:IP6VXP8+0
ほしゅ
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 02:23:09.00 ID:Fs4WpLl50
保守
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 02:48:13.08 ID:ojsAA9/9O
保守
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 03:10:46.17 ID:kvRW78pp0
ほ
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 03:36:01.57 ID:O16+v0wyO
保守
ほし
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 04:43:38.05 ID:O16+v0wyO
保守
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 05:11:07.54 ID:+2WDz8yK0
捕手
保守
ほーしゅ
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 06:45:59.66 ID:tDzxCUyCO
保守
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 07:16:42.73 ID:v0g5lJdsO
補朱
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 07:42:53.68 ID:tDzxCUyCO
薔「ジュン…起きて…」
ゆさゆさとジュンの体を揺らす
ジ「……zzz」
薔「…起きなさい」
ぺしぺしとジュンの顔を叩く
ジ「ん……zzz」
薔「………」
ぎゅっとジュンの鼻を摘む
ジ「んが……?」
薔「……ちゅ」
ジ「んん……?」
鼻を摘んだままキスをする
薔「………」
ちゅー
ジ「ん…んん……ん!?」
ガバ
ジ「ぷはぁ!…はぁ…はぁ…苦しかった…」
薔「…おはー」
ジ「……一体何した?」
薔「…ジュンが起きないのが悪い…学校遅れる」
ジ「今日は休みだぞ」
ゴソゴソ
ジ「お、おい、なに人の布団に入り込んで来るんだ?」
薔「…休みだから…一緒に寝よ…?」
ジ「はあ!?」
薔「………いや?」
ジ「べ、別に嫌じゃ…」
薔「じゃあ…一緒に寝よ?」
ジ「はあ……わかったよ…おやすみ」
薔「えへへ…おやすみ♪」
57 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 07:47:43.62 ID:UlEEsjis0
俺も今日は休みだというのに早く起きてしまったが朝から糖分摂取できたから良し
保守
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 08:27:37.40 ID:/beMru/jO
>>56 薔薇しぃー、おっちょこちょいだな〜www
まさか確信犯か!?
保守
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 08:43:55.57 ID:CrL2DsUEO
保守
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 09:04:03.77 ID:tDzxCUyCO
今日は授業参観日
ジ(別にこなくていいのに…)
の「おはようございます」
槐「おはようございます」
薔「…………」
先「じゃあ授業を初めるぞー」
先「教科書57ページ…えーと…桜田、読んでくれ」
ジ「はい…Bは自分の大切な人を守るために…(略」
先「はい、そこまで…じゃあこのBの大切な人とは誰の事でしょうか…薔薇水晶」
薔(…Bの大切な人…薔薇リンの大切な人…薔薇リンの大好きなジュン…)
薔「…私の大切な人はジュン……」
一同「……………」
先「……文中の登場人物のBの大切な人は誰でしょう?」
薔「ああ…このAっていう人…」
先「はいよろしい…じゃあBがAを思うようになったのはどんな出来事の後だったかな…えーと誰か…」
薔(BがAを思うようになったきっかけ…薔薇リンが大切な人を…薔薇リンとジュンがラブラブになったきっかけ…)
薔「先月…私とジュンが体育館倉庫に閉じ込められた時に繋がっ」
先「ブレイク!ブレイク!」
の「………………」
槐「………………」
ジ「ここからが本当の地獄だ…」
保守
10時前保守
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:17:51.87 ID:hWVRaUPwO
保守
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:19:31.16 ID:msc0fWe80
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:37:49.17 ID:tDzxCUyCO
保守
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:49:45.91 ID:UlEEsjis0
>>62 ちょwwwwwww親の前でそれはねえよwwwww
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 10:57:13.35 ID:4vbeRTW/0
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 11:18:22.87 ID:tDzxCUyCO
保守
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 11:33:01.47 ID:f14eEEF3O
ほしゅ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 11:40:08.42 ID:qEnCWLty0
おまいら 久々の通報祭りですぞ
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1147481906/ >>1がWinXPの脆弱性を突いたスクリプトで釣りをしています
犯罪撲滅の協力を頼む。
========罪状===========
電子計算機損壊等業務妨害罪
人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、
若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、
又はその他の方法により、電子計算機に使用目的を沿うべき動作をさせず、
又は使用目的に反する動作をさせて、
人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 11:52:51.42 ID:IP6VXP8+0
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:14:44.75 ID:tDzxCUyCO
保守
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:24:03.91 ID:i10Dkbd80
今なら行けるっ! 書き上がったら即、投下〜。
翠×雛の『マターリ歳時記』
―睦月の頃 その3― 【1月5日 小寒】
やけに冷え込む朝だった。
まだ冬休み中とは言え、朝の早い祖父母に合わせて朝食を摂るために、
早起きの習慣がついているのだ。
翠星石は寝惚けつつ、枕元で喧しく鳴り続ける目覚まし時計を黙らせるべく、
布団の中から右腕を伸ばした。
しかし、一度では時計を捉えられず、二度、三度と腕が宙を彷徨う。
漸くにして目覚まし時計のアラームを切った時には、彼女の右腕は、
すっかり冷え切っていた。
(んん……なんてぇ寒さですかぁ。起きたくねぇですぅ)
ベッドの中に冷えた腕を引っ込めて、もそもそ……と寝返りを打つ。
右腕が体温を取り戻していくにつれて、翠星石は再び、眠気に襲われていた。
とろん、と微睡む感じが、どうしようもなく心地よい。
二度寝の誘惑に些かも抗おうとせず、翠星石は緋翠の瞳を閉じた。
(……ぬくぬく♪)
根拠と呼べるほどの理由は無いが、なんだか、幸せな夢が見られそう。
そんな気分だった。
(蒼星石に会えたら……良いな……ですぅ)
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:24:50.13 ID:i10Dkbd80
>>76 うとうと、と……。
双子の妹を想いながら、翠星石の心は眠りの世界へと落ちていく。
瞼の裏に、ぼんやりと人影が浮かんできた。
背を向けて立っている、小柄な人物――あれは、誰だろう?
輪郭がハッキリしないが、青系の服を着ている事は判る。
(う〜ん? もうちょっと、近付いてみるです)
夢の中で、翠星石は歩き始めた。
割と近くに居る筈なのに、人影との距離は一向に縮まらない。
もどかしい。逸る気持ちに衝き動かされて、翠星石は走り出した。
徐々に、距離が狭まる。
人影の正体が、さらさらの栗毛をショートカットにした娘だと判ってくると、
翠星石は胸がキュンっとなるのを感じた。
(蒼星石っ! 会いたかったですっ。昼も夜も、寝ても醒めても、私は――)
走りながら、腕を伸ばす。
あと僅かで、この手が届く。蒼星石の華奢な身体を、包み込んであげられる。
そう思っただけで、翠星石の心臓は、はしたないほどに躍動した。
翠星石の指が、蒼星石の肩に触れた。
喜びのあまり、妹の肩を目一杯の握力で掴んでしまった。
――が、蒼星石は何の反応も示さない。「痛いよ」と文句を言いもしない。
不審に思った翠星石は、肩を掴んだ手を放すことなく、妹の前へと回り込んだ。
彼女が、蒼星石だと確信していた人影は――精巧な造りのマネキン人形だった。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:25:34.73 ID:i10Dkbd80
>>77 「蒼星石ぃっ!」
叫びながら、翠星石は布団を撥ね除けて半身を起こした。
心臓が、早鐘のように脈打っている。耳の奥で、鼓動が聞こえた。
「……酷い夢。それに……酷い妹です」
両手で顔を覆って、翠星石はポツリと呟いた。
その囁きは、涙声。
「こんなに私を悲しませるなんて、ホントに酷いヤツですぅ」
やるせない気持ちを宥めるように、翠星石は、少しだけ泣いた。
寝覚めは最悪。
洗面所に赴いた翠星石は、心なし腫れぼったい目元を、ぬるま湯で丹念に洗った。
こんな事なら、二度寝なんかするんじゃなかったと、僅かに後悔しながら。
暖められた台所に行くと、石油ストーブの臭いと、味噌汁の匂いが渾然一体と
なって翠星石の鼻腔を刺激した。
「おはようですぅ」
努めて明るく挨拶した彼女に、祖父は読んでいた新聞をちょっとだけ降ろして、
挨拶を返した。
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:26:13.25 ID:i10Dkbd80
>>78 「おはよう、翠星石。なにか、厭な夢でも見たのかい?」
「なんで、そう思うです?」
「いやなに……ちょっと、不機嫌そうに見えたんでのぉ」
翠星石がムスッとした態度で応じると、祖父はバツ悪そうに顔を伏せ、
新聞に視線を戻した。世間一般の、年頃の娘を持つ父親とは、こんな感じかも
知れない。気難しくなった娘に、どう対処して良いか判らなくなるのだ。
こういう時は、女心の機微が解る分、母親もしくは祖母の方が有利だった。
「おはよう。早くお座りなさいな」
祖母に促されるまま、翠星石は食卓に着き、祖母が装ってくれた味噌汁に口を
付けた。たっぷりのモヤシに卵を落としただけの、簡素な作りだ。
「そうそう、今日はヒナちゃんがお勉強しに来るって言ってたわねえ」
「午後からです。冬休みの宿題を、一緒に済ますですよ」
「おやつは何が良いのかしら?」
「取り敢えず、苺に関連した物なら何でもオッケーですぅ。
あいつは苺に含まれるストロベリノーゼという麻薬物質の中毒患者ですから」
「あらあら……実は、苺の過食って怖いのねぇ」
勿論、口から出任せで言った事なのだが、祖母はすっかり信じ込んだらしい。
祖母が近所で、こんなガセビアを吹聴して回ったら困りものだけれど、
翠星石は敢えて、放っておくことにした。
「おいしかったぁ。ごちそうさまですぅ」
自分で使った食器を洗い桶に浸して、翠星石は身支度を整える為に、自室に戻った。
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:26:45.19 ID:i10Dkbd80
>>79 午後になり、完全防寒装備の雛苺が柴崎宅を訪れた。
もこもこに着膨れた様子は、さながらダルマである。
一目見るなり、翠星石は吹き出し、腹を抱えて笑い転げた。
「もう! いきなり爆笑するなんて失礼なのよー!」
暖房を入れたばかりで、未だヒンヤリとしている翠星石の部屋に入った途端、
雛苺が憤懣を炸裂させた。
「あぁ……済まなかったですぅ。まさか、あんなに丸々と……くくっ」
「あっ! またぁ」
「いやいや、笑ってねぇですよ? 変な言いがかりは止すですぅ」
「……んもぅ。でも、今日はホントに寒いのよ」
「そりゃあ冬だし、暦の上では『小寒』ですからねぇ」
小寒とは、24節気(太陽の黄道を24等分したもの)のひとつ。
冬至の後の15日目を指している。一般に、寒さの厳しい時期とされていた。
「ショウカン?」
聞き慣れない言葉だったのだろう。雛苺は首を傾げた。
翠星石は、いつものように悪ノリして、雛苺に出任せを教えた。
「今日は一年に一度、冬将軍と呼ばれる赤い服を着たジジイがやってきて、
使い魔の雪女を召喚する日なのですぅ」
「う……うょ」
「召喚された雪女は、午前零時に成るまで、夜中に独りぼっちで歩いている者を
ガッチガチの氷漬けにして回るですよ。ひぃーっひっひっひぃ!」
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:27:23.54 ID:i10Dkbd80
>>80 「……そ、それで、氷漬けにされちゃった人は、どうなるの?」
「冬将軍の保存食になるです。頭から痛快丸囓り。
ムシャラムシャラと喰われちまうですぅ」
「あうぅ〜。は、早く宿題を片付けちゃうのよ〜」
翠星石のヨタ話を信じたらしく、日暮れまでに帰りたいという思いが、
ひしひしと伝わってきた。
冗談もそこそこに、二人は宿題を始めた。
時に教え合い――英語は雛苺の方が得意だった――どちらか先に終わった方が、
家庭教師役となった。無論、この時ばかりは翠星石もウソを教えたりしない。
おやつの時間には、祖母が紅茶と、切り分けた苺のタルトを持ってきてくれた。
翠星石は愉しく語らいながら、雛苺の頬に付いたホイップを指で拭ってあげたり、
何かと彼女の世話を焼いている自分に気付いて、ハッとなった。
今朝は寝覚めが悪くて不機嫌だったのに、今では全く気にならない。
癒されている。妹のような雛苺に、蒼星石の居ない空虚を満たして貰っている。
それが、実感できた。
結局、宿題は日暮れまでかかってしまい、翠星石は雪女の影に怯える雛苺を、
自宅まで来る羽目になってしまった。口は災いの元……と言うところか。
雛苺を無事に送り届けて、寒々とした冬の夜空の下を、独り歩く。
低く垂れ込めた雲が、尚のこと気分を消沈させる。
雪でも降りそう……。
そう思った矢先、翠星石の鼻先に、白い物が舞い降りてきた。嘘から出た真か。
その晩、翠星石は日本より北緯の高い国に居る蒼星石に、メールを送った。
【恋人よ、そちらも今日は、雪ですか?】
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:28:22.99 ID:i10Dkbd80
>>81 投下終了。翠×雛っぽさを少し意識してみたら、こんな感じに・・・。
それでは、本編と微妙にリンクしつつも関係ない番外編コーナー、いきます。
『保守がわり番外編 勉強の合間に・・・』
「ねえねえ、翠ちゃん。タイトルではマターリって言ってるケド、
ちっともマターリな雰囲気じゃないと、ヒナは思うの」
「それは・・・確かに。しかしです、マターリの定義とは、なんぞや・・・ですぅ」
「ヒナに訊かれても解ら・・・あ! マターリときたら平安貴族でおじゃる、なの!」
「・・・おバカ苺。そこまで退化して、どうするです?
退化の改新とかヌカしたら、ヌッ殺すですよ」
「うょ・・・や、やぁなの〜。そんなコト、言うハズないのよー」
「とか言いながら、妙な間が空いたのは何故です? 額には変な汗も・・・」
「ちょっと心肺停止しただけなのー。それより、対策を講じるのっ」
「マターリ・・・う〜ん・・・閃いた! 老人の日常生活って、マターリな感じがするですぅ!」
「!? 翠ちゃん、天才なのっ! ノーベル物理化学賞ものなのーっ!」
「そ、そうですかぁ? も・・・もっと褒めやがれですぅ」
「じゃあ早速、翠ちゃんのお爺さんに突撃リポートなのっ」
ドドドドドドドド
「おじじ――――っ!」
「どうしたんじゃ、翠星石? そんなに慌てて。トイレなら今、婆さんが使・・・」
「おじじっ! マターリの定義を教えるですっ。
400字詰め原稿用紙5枚以内で説明しやがれですっ!」
・・・書き切れなくなったので次回に続く。
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:32:23.62 ID:EirOtbLl0
>>82 二人らしかったです。次回も待ってますよ。
心肺停止てwwwwwwww
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:34:40.26 ID:tDzxCUyCO
おじゃる丸かwwwwww
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:38:48.67 ID:UlEEsjis0
翠星石のうそとそれを信じてしまう雛苺がすごい二人らしいですね
ノーベル物理化学賞って違wwwwwwwwww
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:40:59.18 ID:DQJwwoX9O
なんとも言えぬマターリ具合……
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 12:54:01.59 ID:IP6VXP8+0
ストロベリノーゼ吹いたwwwGJ
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 13:18:24.21 ID:EirOtbLl0
保守
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 13:26:56.08 ID:LlqD0CSsO
保守
ho
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 13:59:04.47 ID:tDzxCUyCO
保守
>>82 もうほとんど前提としてGJ。
ときどきセンテンスや単語の組み立て方にトドメを刺される……
僕にもお味噌汁よそってください。
ほす
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:26:42.11 ID:NODtDxmxO
最近の保守続きは異常
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:38:43.15 ID:tDzxCUyCO
保守
「あー、何かエロいことしてぇ」
「……え?」
「いや、何かこう、エロいことを、したい」
「それは、えっちってこと?」
「いや、エロいこと」
「何となく言いたいことはわかったんだけど……てっきり、誘ってるのかと」
「あー、ないない。そーいうのは一切ないから安心していいよ」
「(かっちーん)ふ、ふぅん? そうなんだ、ジュンは、私なんかもう、どーでもいいと?」
「えー、いや、そういうわけじゃないけど、何つーか、これは衝動みたいなものだから、気にしないで」
「どんな衝動よ」
「エロいことしたくなる衝動」
「……あ、何かキレた。もう我慢しなくていいや」
「?」
「ってワケで問答無用でいっただきまーす♪」
「てい」
「……ついに慌てなくなるどころか、ツッコミまでいれるようになったのねぇ」
「いや、だって、エロいことしたいから」
「ん? それ、もしかして私に言ってる?」
「え、……うーん、どうだろう。そうかも」
「そうなの!?」
「そんな目をキラキラ輝かされても。いや、なんというか、薔薇水晶たちとはエロいことをするという感じじゃないんだ」
「私ならいいのかしら。それはそれで、すごくムカつくんだけど」
「いやだから、衝動だから、水銀燈に言ったわけではなく。ああ、でも、水銀燈なら、何となくOKかも」
「……うぅ、これで喜ぶ私は、やっぱりどこか壊れているような気がするわぁ」
「?」
「ま、いいけど――それじゃ、ジュン?」
「エロいこと、する?」
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:53:54.48 ID:nqri+OVe0
続かない。っていうか、皆戻ってくるまで保守がわりに短編頑張るよ。いや、決して長編のネタがないわけじゃないんだ。うん。そうなんだよ、やっぱたまには短p(ry
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 14:58:58.50 ID:EirOtbLl0
もうど真ん中ストレートですねwwwwww
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 15:03:22.12 ID:UlEEsjis0
ストレートktkrwwwwwwwwww
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 15:05:02.94 ID:tDzxCUyCO
これはまたエロい話ですね
これまたウッピョウ!な話ですね
何か今、ど真ん中がブーム。次の水銀燈もこんな感じにしようかしらー。
そんな保守(?)。
ほ
ほ
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 15:52:17.54 ID:tDzxCUyCO
「トォモエー最近、暑くて眠れないの…」三日前、雛苺がそんなことを言い出した。
「いいじゃない、眠らなければおねしょしないで済むし」と言ったら雛苺は泣いてしまった。
それから今日まで雛苺は全く笑わない。
とっておきの苺大福を与えてもくすりともしなかった。
雛苺は三日間ちっとも寝てないようだった。
その割にシーツは毎日濡れていたのだが…。
どうしたものかと考え込みながら大通りを歩いていると、 向こうから茶色いローブを着た老人が歩いてきた。
老人は私の顔を見るなり、一枚の図面をくれてこの通りに作れと言った。
図面にあったのはベジータ型の扇風機のようだった。
扇風機なら作らずとも家にあったが、あの老人の目は真剣だったので作ってみることにした。
夕食後直ちに作り始めて、完成したのは夜中の二時過ぎだった。
完成したのはやっぱりベジータ型扇風機だった。
ベジータ型とは不愉快な…そう思い始めた所へちょうど雛苺が水を飲みに起きてきた。
私は雛苺を呼ぶと、できたての扇風機のスイッチを入れた。
ベジータ型扇風機は天井をぶち破り夜空に向かって飛んでいった。
雛苺が笑った。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 15:53:34.66 ID:UlEEsjis0
(゚Д゚)
>>105 ちょwwwwww老人何者wwwwwwwwwwwww
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 16:22:08.45 ID:EirOtbLl0
hoshu
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 16:26:26.85 ID:tDzxCUyCO
薔薇水晶の未来計画
今日 現在ジュンと友達
明日 猛アタックの末付き合うことに
来週 些細なことで喧嘩し単身渡米、FBIに
二週間後 任務で活躍し戦闘機のパイロットに
三週間後 優秀すぎるのでMA乗りへ
一ヵ月後 天才すぎるのでいきなりMSへ
二ヵ月後 アムロも真っ青の革命的MS戦闘術を編み出す
三ヵ月後 超伝導量子コンピュータ搭載MSの開発大量生産に成功
四ヵ月後 アムロを押しのけエースパイロットり
五ヵ月後 カミーユを押しのけラーカイラムへ
六ヵ月後 αナンバーズに入隊
七ヵ月後 全世界地底帝国連合の80%を撃破し地球の情勢を安定化
八ヵ月後 宇宙に上がりシャア・シロッコ・ラウを同時撃破
九ヵ月後 31原種などを殲滅
十ヵ月後 宇宙縮小問題と別星系問題を解決する為にマクロスに乗り外宇宙へ
十一ヵ月後 戦力増強のため外宇宙で発見した未確認物質ローザミスティカで高性能MS「アッガイ」を開発
一年後 次元連結システムを応用した長距離ワープ装置を開発
一年一ヵ月後 熱気バサラのコンサートに参加
一年三ヵ月後 バックフランと戦争→説得に成功
一年八ヵ月後 バックフランと仲直り、イデの無限力回避
二年後 宇宙怪獣の群れの中でV2爆弾を起動、片羽の妖精と対決
二年二ヵ月後 V2爆弾の影響で数億年の未来に跳躍
二年七ヵ月後 生物兵器バイドをアッガイの究極波動砲で撃破、バイドの爆発の影響で再び跳躍
二年十一ヵ月後 108次元に居た梅岡神と対決→究極ヘルアンドサンレムリアマゴロク烈風冥王スペースバスターハイメガフィン光子ディストーションゴーアカシック月光縮退ブレストグレートストナーイデチャクラゴットボイスハンドフィンガーアッガイパンチで撃破
三年後 梅岡神を下僕にしてその力で地球に帰還
三年後の今日 ジュンと仲直り、結婚
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 16:30:15.51 ID:UlEEsjis0
これはいいカオスですね
>究極ヘルアンドサンレムリアマゴロク烈風冥王スペースバスターハイメガフィン光子ディストーションゴーアカシック月光縮退ブレストグレートストナーイデチャクラゴットボイスハンドフィンガーアッガイパンチ
ここに君のスパロボ好きさを感じた
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 16:36:45.64 ID:uwH0+qKM0
17:00乱立注意
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 16:46:55.22 ID:UlEEsjis0
保守
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 16:58:47.93 ID:cTUC2U+j0
保守
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 16:59:43.31 ID:R6YAJy4d0
スレタイ:ブーンにライバル登場!!!
時間:17:00
内容:
ギーン兄弟:口癖は〜だど
/⌒ヽ
⊂二二二(メ`ω´)二⊃
| / ギーン
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
↑
兄貴:消費単位キムチ
顔のメは以前ブーンとの戦いで出来た傷跡
/⌒ヽ
⊂二二二<ヽ`ω´>二⊃
| / ギーン
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
↑
弟:生産単位キムチ
主に情報戦を得意とする、PCに詳しい。以前某国の有名サイト「2ちゃん」で荒らしをしていた
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 17:06:46.20 ID:tDzxCUyCO
保守
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 17:10:03.32 ID:MGMXuNtt0
ほs
あ スレ間違えた
ごめんなさい
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 17:17:16.92 ID:UVHQ9vGx0
JUM×蒼派ってのは全体から見ると少数派なんだよなぁ…
蒼「遅いなぁ、ジュン君…」
蒼星石は窓からすぐそこのJUMの部屋を見ていた。
空はもう暗くなってきているというのにJUMの部屋にはまだ明かりがついていない。
JUMがまだ帰って来ていない証拠だ。
蒼星石がそうやってJUMの部屋をじーっと見ていると、不意に明かりがついた。
蒼「あっ」
それを見た蒼星石は、すぐに窓を開けて外に出てJUMの部屋の窓を叩いた。
しばらくしてカーテンが開き、顔を覗かせるJUM。そして窓も開く。
J「どうした、蒼星石?」
蒼「…入っていいかな?」
J「ああ」
蒼星石が部屋に入ったあと、窓をカーテンを閉めるJUM。
J「で、なんのよ――う…?」
JUMが振り返った途端、蒼星石がJUMに抱きついて匂いを嗅ぎ始めた。
蒼「…ジュン君の匂いだけだね」
J「何やってるんだ?」
蒼星石はJUMの顔を見上げる。
蒼「今日のジュン君遅かったから、もしかしたら他の女の子の匂いがついてないかと思って…」
J「…なんだよ、それ。今日はちょっと笹塚に付き合ったから遅くなっただけだ、僕が浮気するわけないだろ?」
蒼「…ジュン君にその気がなくても、女の子の方が無理矢理って事も考えられるし」
現にそういうことをする女の子の心当たりが、蒼星石にはいくつかあった。
J「とにかく、もういいだろ? そろそろ着替えさせてくれ」
蒼「…まだダメ」
そう言って、蒼星石はJUMを引っ張ってベッドまで連れて行き、そのまま押し倒した。
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 17:17:52.81 ID:UVHQ9vGx0
>>119 J「っ、蒼星石…?」
蒼「……」
蒼星石はそのまま無言で自分の身体をJUMに擦り付け始めた。
J「うわっ、ちょっ、何やって…!/////」
蒼「…ジュン君に他の女の子が寄って来ないように、僕の匂いをつけてるの」
J「匂いって、そんな犬じゃあるまいし…/////」
蒼「いいから、じっとしてて。ジュン君は僕のものなんだから…」
それを聞いたJUMはため息をついて観念した。
J「…そうだな、僕は蒼星石のものだ」
蒼「そうだよ… ほら、体の中も…」
J「んっ…」
ちゅっ…
それからしばらく蒼星石の匂いつけは続きましたとさ。
/終わり
ついでに落書き
http://rozeen.rdy.jp/up/vipww8281.png
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 17:22:04.71 ID:tDzxCUyCO
匂い(*´Д`)
相変わらずテラアマスwwwwww
アマシw
J×蒼は結構いると思う
ほら、ここにも
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 17:31:41.84 ID:UlEEsjis0
>>120 アンマ・・・落書きのJUMが非常にかっこいい、怖い件
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 17:48:26.78 ID:UlEEsjis0
保守
保守
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:11:47.84 ID:s5NsCsxC0
保守
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:18:54.98 ID:s5NsCsxC0
カラコロ
金「飴玉美味しいかしら。」
カラコロ
薔「…美味しい。」
金「あら?薔薇水晶も舐めてるかしら。」
薔「…うん。」
金「薔薇水晶のは何味かしら?因みにカナは黒飴かしら。」
薔「…私のは味しない。」
金「ん?何故かしら?」
薔「…ビー玉だから。」
金「……。」
薔「……。」
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:20:20.50 ID:s5NsCsxC0
薔「…あ、ビー玉飲んじゃった。」
金「え!早く吐き出すかしら!」
薔「…うっそぴょーん。」
金「……。」
薔「……。」
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:20:26.35 ID:trkRghON0
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:27:40.18 ID:UlEEsjis0
ちょwwwwwwww
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:41:40.38 ID:BwmQsk2FO
保守
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:50:29.87 ID:RiuyuYsR0
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:55:23.77 ID:UlEEsjis0
一瞬筋肉にみえたぞwwwwwwwwwwwww
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 18:58:06.76 ID:kvRW78pp0
激しく同意
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 19:06:15.61 ID:EirOtbLl0
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 19:22:23.43 ID:UlEEsjis0
保守
球体関節子あかん!
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 19:32:02.88 ID:CrL2DsUEO
>>137 ちょwwwwいきなり何をいいだすwww
140 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 19:46:16.01 ID:2hIJyOA/O
ほす
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:05:14.07 ID:tDzxCUyCO
保守
142 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:21:59.00 ID:kvRW78pp0
火垂るの墓に影響を受けた俺が来ましたよ。注意:sinineta
僕と薔薇水晶はいわゆる戦災孤児だった。
父は出征して、そのまま戦死。母は空襲で全身を焼かれ、死んだ。
親戚の世話でなんとか僕達は生きられていた。
親戚と言えど、所詮他人ということだろうか。
悪化する戦況。僅かしかない食料。積もる心労。
叔母の僕達を見る目は日に日に険しいものになっていき、なっていって―――
僕達は 家を飛び出した。
廃棄された壕の中での生活。
今までよりも苦しい生活。頼れるものなど何も無い。
菜園から野菜を盗んだこともあった。砂利の混じったトマトの味も、二人一緒なら笑い飛ばせた。
とある日の夜。
火垂るを壕の中で放ち、その淡い明かりの中で、笑いあった。
母が死んでからこれほど幸せになった夜は無いと思う。
まだ、僕達は生きているのだと実感した。
世界でいちばん幻想的で、優美な灯が、一つ、一つと消えていくのに気付かないまま。
その日、妹と僕は笑顔で眠っていた。眠って、いた。
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:22:20.79 ID:EirOtbLl0
☆
144 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:23:12.15 ID:kvRW78pp0
朝。
火垂るは一匹残らず輝きを失い、絶えていた。
その姿は、今思えば妹とそっくりだった。
明るく、この上ない幸せの後の、静寂。
薔薇水晶は 笑顔のまま 二度と動かなかった。
―――あれから二日。
僕は、何をしているのだろう。
妹から離れようともせず、無計画に一日を過ごす。
周りには何も見えない。焦点が合わない。
身体に力が入らない。妹の上に倒れこむ。
冷たい。妹も、僕も。何もかもが、僕の中から消えていく。
何も、かも。何、も、かも、が―――
「お兄ちゃん、早くしないとお父さん達行っちゃうよ?」
辺り一面に広がる花畑で、妹と、父さんと、母さんが手を振っている。
「待ってよ、みんな。」
僕は走り出す。会いたかったみんなの下へ。帰りたい場所へ。
「ちょっと見ない間に大きくなったなぁ。」父さんこそ髭が伸び放題じゃないか。
「お弁当を作ってきたのよ、あの木の下で食べましょう?」あはは、母さんの料理なんてここ一年食べてない気がする。
「お兄ちゃん、競走しよ!」絶対に負けないぞ、薔薇水晶。
みんなの、笑い声。とても、とても しあわせなひととき。
―――ただいま、みんな。
fin.
145 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:31:08.56 ID:tDzxCUyCO
ホタルの墓か…
(つД`)
146 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:31:11.47 ID:zTFYK9YR0
147 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:35:16.26 ID:EirOtbLl0
>>144 なぜかちいちゃんのかげおくりを思い出した(´;ω;`)
148 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:35:50.70 ID:2/L1U+6M0
哀しすぎる(´;ω;`)
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:36:29.29 ID:Gzi53eaT0
節子…それ、ドロップやない、オハジキや
1 名無しにかわりましてVIPがお送りします 2006/04/30(日) 16:32:29.31 ID:m0gc1V5k0
「知ってる」節子はそう呟くと、銃口を清太の胸へ向けた。
その表情は、「この距離ならば外さない」そういっているように見えた。
「どうして」
「どうして?」下らない質問に苦笑する。元々自分の兄はあまり頭がよくないことは節子自身よく知っていたが、ここまで愚かだったとは。
「誰のせいでこうなったと思ってるんや」
「――それは」
「あんたのせいや」清太の言葉を遮って断言した。「あんた以外誰がおるん」
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:37:33.78 ID:msc0fWe80
152 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:40:32.53 ID:kvRW78pp0
>>149 清田「だからお前は『対応者』なのだッ!
このオレを殺すのは漆黒なる殺意のみ!」
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:41:22.66 ID:NODtDxmxO
スレ違い
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:53:43.89 ID:tDzxCUyCO
保守
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 20:56:09.01 ID:S7TYfM5o0
ベ「愛してる!愛してる!愛してる!あいしてる!(以下100万回まで」
蒼「さっきからうるさいな〜」
J「蒼星石どうした?」
蒼「あ、ジュンくn、ベジータが愛してる愛してるってうるさいんだ」
J「またゴミクズがわめいてるのか・・・」
べ「だまれ!ジュンいち!愛してる気持ちを伝えたいだけだ!伝えるのに何が悪い!」
J「おまえはわかってないなぁ・・・それだからゴミクズだんだよ・・・」
ざわ・・・ざわ・・・
べ「な・・・ならどうしたら愛が伝わるんだ!」
蒼「まだ分からないの?」
J「100万回の愛してるなんかよりも一度ギュッとだきしめたほうが早いだろ」
ギュ
蒼「ジュン君あったかいナリ・・・」
J「俺みたいな恥ずかしがりはこんな伝え方しか出来ないけどいい?」
蒼「いいよ・・・僕はジュン君が入ればいいよ」
べ「そうだったのか!では俺もまざr・・・」
梅「(ny」
べ「コレ本当(ry」
BGM Aqua Timez 「等身大のラブソング」
END
これ聴いて作りたくなりますた(^^ω)
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:05:54.82 ID:UlEEsjis0
>蒼「ジュン君あったかいナリ・・・」
吹いたwwwwwwww
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:10:36.81 ID:kvRW78pp0
まだ書ける。テスト前だが まだ書ける。保守がてら投下。
翠「翠星石は森の番人ですぅ。」
蒼「じゃあ僕は貴族の息子。」
雛「ヒナは遊牧民なのー!」
銀「私は色的に殿下ねぇ。」
金「カナは旅芸人かしらー。」
雪「私は貴族の息子の姉でしょうか。」
薔「私は…邪神の妹さん…」
ジ「使えねぇだろうが。」
紅「じゃあ私は…」
全員「「「「「「「「バルハル族の女戦士。」」」」」」」」
紅「………orz」
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:16:38.09 ID:UlEEsjis0
ちょwwwwwwwwロマサガwwwwwwww
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:23:22.82 ID:1JPXJRYt0
シフカワイソス(´・ω・)
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:28:22.77 ID:kvRW78pp0
>>155 蒼「ネムレナイヨーォルゥ…キミノセイダヨーォオ…」
ジ「落ち着け。」
(中略)
蒼「ヤッタ ヤッタ ヤターヨォッ!アァーーァアォウ ハジメテーノォ」
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:39:16.87 ID:UlEEsjis0
保守
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:47:55.27 ID:VWLpMEnj0
保守がてら投下。
>>25 〜チビ蒼星石とチビ翠星石〜水銀燈の恋愛講座・・・No2
土曜日
〜桜田家〜
ジュン「・・・・来てないのは金糸雀だけか。」
雛苺「カナ遅いの〜ヒナは今日頑張って早起きしたの〜」
蒼星石「金糸雀の家に電話してみたら?」
ジュン「しようと思ったんだけど・・・電話番号が分からなくて・・・」
水銀燈「どうしようもないわねぇ。」
真紅「焦り過ぎるのも良くないのだわ。ジュン、紅茶をついで頂戴。」
ジュン「そうだけどさ・・・ほら、紅茶。」
真紅「ありがとうなのだわ。」
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:48:11.77 ID:VWLpMEnj0
>>162 ピンポーン
金糸雀「お、遅れてすまないかしら〜」
翠星石「おそいですぅ。置いていくところだったですぅ。」
雛苺「どうかしたの〜」
ジュン「いや・・・・多分、着替えに時間かかったんじゃないか?」
金糸雀「そうなのかしら。よくわかったのかしら。」
水銀燈「これは・・・わかるんじゃなぁい?」
金糸雀はいつもの服ではなく、『みっちゃんがオークションでおとしたもの』っていうような感じの服だった。
真紅「多分、3着くらい着替えさせられて一番良いので来たんでしょうね。」
金糸雀「よ、よくわかったかしら〜。皆、エスパーかしら?」
ジュン「いや、昨日のあの雰囲気から考えると」
水銀燈「自然にその答えは出てくるわぁ」
真紅「まぁ愚痴ってても仕方ないし、早速行くのだわ。」
雛苺「うぃ〜」
そんなこんなで遊園地へ
164 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:48:34.48 ID:VWLpMEnj0
>>163 〜遊園地〜
蒼星石「わぁ〜。すごーい。」
翠星石「いろんなものがあるですぅ」
雛苺「たのしみなの〜」
金糸雀「はじめはジェットコースターにのるのかしら〜」
水銀燈「・・・まだまだ子供ね・・・」
真紅「そうね。でもいいんじゃない。子供のときに変に大人ぶっているより」
ジュン「つーかしょっぱなからジェットコースターに行くのか?」
水銀燈「まぁいいんじゃない?いったところで乗れないと思うしぃ」
真紅「そうね。まぁ行ってみましょう。」
〜ジェットコースター前〜
翠星石「どうしてダメなんですぅ?」
雛苺「楽しみにしてたの〜」
金糸雀「身長が足りないって何故かしら〜」
蒼星石「・・・・」
水銀燈「予想通りねぇ」
真紅「まったくなのだわ」
ジュン「まぁしょうがないよ。」
蒼星石「ジュンくん・・・」
ジュン「僕に言われてもさすがに無理だね。・・・別のにいこう。(なでなで」
蒼星石「う、うん。」
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:49:14.07 ID:VWLpMEnj0
>>164 〜メリーゴーランド〜
翠星石「ジュン!一緒にのるですぅ」
ジュン「え?あぁいいけど・・・」
蒼星石「(いいなぁ・・・)」
雛苺「ヒナは真紅と乗るの〜」
金糸雀「カナも真紅の乗るのかしら〜」
水銀燈「なら蒼星石ちゃんは私とねぇ」
蒼星石「・・・(いいなぁ、翠星石」
水銀燈「・・・ジュンと翠星石ちゃんのことね。」
蒼星石「え!?」
蒼星石はびっくりした。自分の考えていたことが見抜かれていたからだ。
水銀燈「ふふっ。お姉さんの超能力はどう?」
蒼星石「え?・・・え?」
水銀燈「うそよぉ。・・・蒼星石ちゃんの思いつめた顔見てたら誰でもわかるわよぉ」
蒼星石「・・・・(しゅん」
水銀燈「蒼星石ちゃんはジュンのこと好きぃ?」
蒼星石「え?・・」
水銀燈「私は好きよぉ・・・多分真紅も翠星石ちゃんも金糸雀ちゃんも雛苺ちゃんもジュンのこと好きなんだと思うわぁ」
蒼星石「僕は・・・うん。ジュン君のことが好き・・・・」
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:49:33.21 ID:VWLpMEnj0
>>165 水銀燈「素直ねぇ。・・・私も本当はジュンと一緒に乗りたいわぁ」
蒼星石「・・私『も』?」
水銀燈「蒼星石ちゃんもでしょぉ?あと真紅も雛苺ちゃんも金糸雀ちゃんも多分一緒に乗りたいんだと思うわぁ。」
蒼星石「じゃあどうして?」
水銀燈「それはねぇ、翠星石ちゃんを押しのけてまで一緒に乗れるほど人間ができてないわけじゃないからねぇ。」
蒼星石「・・・うん。僕もジュンくんと一緒に乗ってるときは邪魔してほしくないし・・・」
水銀燈「そうねぇ、だから譲ってあげたのぉ。あとジュンは優しいから断ろうなんて考えないしねぇ」
蒼星石「・・・・うん。」
水銀燈「そんなに暗い顔してたらジュンが心配しちゃうわよぉ」
蒼星石「・・・うん。」
水銀燈「しょうがないわねぇ・・・じゃあとっておきでその暗い顔なおしちゃうからぁ」
蒼星石「とっておき?」
水銀燈「そうよぉ・・・ちょうど終わりね。降りましょ」
蒼星石「うん。」
水銀燈「あと、このことは誰にもいっちゃだめよぉ。乙女の秘密だからねぇ」
蒼星石「わかったよ。」
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:50:04.10 ID:VWLpMEnj0
>>166 水銀燈「たのしかったわねぇ」
真紅「そうでもないのだわ。雛苺と金糸雀があの上で騒ぐから落ちそうになったのだわ」
ジュン「別に落ちなかったんだから良かったじゃん」
真紅「そういう問題じゃないのだわ」
翠星石「ジュン、のどが渇いたですぅ。」
雛苺「雛苺もカラカラなの〜」
金糸雀「カ、カナは大丈夫かしら」
ジュン「じゃあ金糸雀はジュースいらないのか」
金糸雀「い、いるかしら。大丈夫なんて嘘かしら。本当はカラカラかしら〜」
ジュン「蒼星石は?」
蒼星石「・・・・・・」
ジュン「蒼星石?」
蒼星石「え?あ・・・うん。」
ジュン「大丈夫か?」
水銀燈「ジュ〜ン。蒼星石ちゃんはジュンと一緒にメリーゴーランドまた乗りたいらしいわぁ」
ジュン「そうなのか?」
蒼星石「え?あの・・・・・うん。」
ジュン「じゃあまた乗るか?」
蒼星石「うん。」
ジュン「お、笑顔が戻ったな。蒼星石は笑顔でいたほうがいいよ。」
蒼星石「あ、ありがとう・・・(/////////」
ジュン「水銀燈、サイフ渡すからジュースとか買っててくれ。(水銀燈に財布を渡す。」
水銀燈「わかったわぁ。じゃあジュースかってそこらへんのベンチで待ってるわぁ」
ジュン「ああ、わかった。じゃあ行くか。」
そういってジュンが水銀燈に背を向けた時、蒼星石は水銀燈のウィンクを見た。
蒼星石には『頑張りなさいよぉ。応援してるからぁ』と伝えられたように見えた。
〜そういってジュンは蒼星石とまたメリーゴーランドに乗った。蒼星石はできるだけジュンにくっつき離れようとしなかった。〜
〜続く〜
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:51:20.41 ID:kvRW78pp0
イイ!
169 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:51:48.57 ID:VWLpMEnj0
今回の投下は以上です。
毎度のことながら蒼よりな話になってしまいました。
どうにかして、金糸雀とか雛苺とかからませてみます。
では次回の投下で。
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:52:44.58 ID:UlEEsjis0
いいなぁ・・・ほんと和むよこれは
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:53:03.47 ID:NODtDxmxO
うむ和んだ
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:55:16.54 ID:UVHQ9vGx0
>>169 ちび蒼星石可愛いなぁww
次回もwktk
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 21:55:43.27 ID:2hIJyOA/O
水銀燈が見事な年上の女性だな GJ!
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 22:00:51.40 ID:tDzxCUyCO
銀様マジ大人
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 22:15:07.06 ID:PrBElEXm0
hosyu
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 22:19:15.91 ID:EirOtbLl0
>>169 蒼い子いいなぁ。子供はもっとわがままでもいいんだよ!
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 22:29:14.54 ID:PrBElEXm0
落ちるの怖い。保守
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 22:38:09.52 ID:sdV8r15L0
ホシュ
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 22:44:09.61 ID:2hIJyOA/O
ほす
180 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 22:52:51.01 ID:UlEEsjis0
保守
怖いな保守w
182 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:05:51.20 ID:EirOtbLl0
保守
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:06:21.24 ID:FjgLqU0y0
長編投下です。ちっと長いですすみません
途中2〜3分止まっちゃったらごめんなさい……
184 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:06:40.64 ID:FjgLqU0y0
五月に入って、ここ数日は晴れ渡った空も顔を潜めている様子だ
った。少し早い梅雨入りという訳ではないのだろうけど、まだ暫く
はこの天気も続きそうな雰囲気。
何処までも広がる曇天に、霧のような小雨粒が宙を舞っている。
ひとによっては、雨そのものを憂鬱の象徴のように捉えてしまうら
しいが、私はそれほど嫌いでは無い。
靄のように空間を満たす雨は静けさを増してくれるような気がし
たし、庭の薔薇も潤してくれるから。
ジムノペディをかけた。ボリュームは大きくしない。屋根をうち
つける雨粒が響く音と同じくらいか、ほんの少しだけそれを上回る
程度にしておく。
サティのピアノの旋律が、静かに踊る。こんな穏やかな午後には、
香りたつ紅茶がよく似合うものだ。
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:06:44.30 ID:ac2LyQui0
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:07:07.83 ID:FjgLqU0y0
「ジュン、紅茶を淹れて頂戴」
「ん……そろそろ三時か。お茶請けもいるか?」
「お願いするわ」
「了解」
彼が部屋を出て行った。なかなか気が利くではないか。なんという
か、私も一応女の子だ。甘いものもたまには食べたくなる。
「女の"子"っていう程、可愛らしくもないだろ」
「ちょ、ちょっと! いきなり現れて思考を読まないで頂戴!
もう準備は出来たの!?」
「もうちょい。すぐ持ってくるから」
「全く……」
また部屋を出て行く彼。さっきは壁から出て行ったが、今は床を
直接すり抜けていった。
最近向こうにも余裕が出てきたのか、たまにこうやって私をから
かうような場面も見られるようになってきた。館の主としては甚だ
不本意ではあるのだけれど。
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:07:42.05 ID:FjgLqU0y0
>>186 暫くして、彼が紅茶を持ってきた。
「菓子の方は適当に見繕ったからな」
「構わないわ」
うん。適当とか言っておきながら、結構よく考えているものだと
思う。何故なら、彼が持ってきた御菓子はフィナンシェで。それに
合わせられた紅茶はアッサムティーだったから。
フィナンシェは香りが強い御菓子だから、紅茶もそれに負けない
程に香り立つものを選ぶべきなのだ。彼が今回選んできたものや、
あるいはアールグレイといったものが望ましい。
もっとも、それを教えたのは私だったのだが。なかなか飲み込み
は早いようだ。
「ん、美味しい……ありがとう、ジュン」
「どういたしまして」
「あなたもお茶に付き合えれば良いのだけれど」
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:08:04.31 ID:FjgLqU0y0
>>187 「ま、それは言いっこ無しということで」
「そうね……ごめんなさい」
「お前が謝ることじゃないだろ」
こんな風にして二人で過ごす午後は、やっぱり静かだった。もう
私もこんな状況には慣れたもので、彼とお茶を飲みながら談笑する
のは一つの楽しみになってきている。
「雨、やまないな」
「そうね」
「僕は雨は嫌いじゃないけど」
「そうね、私もよ」
フィナンシェを一口食べると、蜂蜜の甘さが口に広がっていった。
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:08:21.19 ID:FjgLqU0y0
>>188 「僕はそろそろ行くよ。今日はあまり気配がしない」
「そう。ところで、ジュン。まだ力は足りているの?」
「そんなに使ってないから、まだ大丈夫だと思うけど」
「ま、いいわ。あって困る訳でも無いでしょう。手を出しなさい」
「まあ、僕としては有難いけど」
「私にとって必要だからよ。余計なことは考えないで頂戴」
彼が苦笑気味の表情を浮かべる。私も私で素直ではないと思うの
だけど。なんといっても、彼が私の頭の中を覗こうとすれば造作も
無い訳で。
もっとも、彼のいいところは。私をからかおうとする目的以外の
時は、滅多なことで心を読もうとはしないことであるのだけれど。
私は、彼の左手に付けられている薔薇の紋様があしらわれた指輪
に口付けた。それに呼応するようにして、私の左手の指輪も熱くな
る。
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:08:39.27 ID:FjgLqU0y0
>>189 「ん……」
少しだけ、力が抜けていく感覚。部屋の中に小さな光が広がって、
暫くすると消えていった。
「……」
ちょっとふらつき、深くソファに座り込んだ。
「大丈夫か?」
「心配には及ばないのだわ」
「……そうか」
彼が少し、心配そうな顔をしてこちらを見ている。それこそ余計な
心遣いと言うものだ。この場合は、彼はやさしい"ひと"として認知
しても良いものなのだろうか?
「心配しなくても。とりあえずまた、紅茶を淹れて貰うこともある
んだから。ずっとここに居ればいいじゃない。私はここから出る
ことは出来ないし、話し相手がいると退屈しないで済むのだわ」
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:09:03.51 ID:FjgLqU0y0
>>190 「お前はそれでもいいのか?」
「あら。あなたこそ、それでもいいの?」
「「……」」
暫し、無言。私達は、ともすれば確かな関係など何も無い。この
指輪の繋がりだって、そう。
私達は、虚ろだ。私だって彼だって、存在そのものが虚ろなのだ。
だから私達は深い話をしない。正しい答えなんて、いくら考えても
この状況下で出るとは思えない。
「正常の基準なんて、誰も計ることなんて出来ないのだわ」
「ま、確かに。しょうがないから居てやるかあ」
「何ですって?」
「たっ、いたたたたたた! わかった、悪かった真紅! 悪かった
から耳引っ張るな!」
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:09:24.34 ID:FjgLqU0y0
>>191 私は左手を彼の耳から離す。
「まったく、どんだけ非常識な」
「あなたに言われたくないのだわ」
「……くそう」
普段通りのやりとりだ。普通なら、これは痴話喧嘩とも呼んで
良いものなのだろうか?
まあ。普通のひとが"私達"のやりとりを見た場合、私が"一人
芝居"をしているようにしか見えない筈なのだ。あるいは、頭が
おかしくなったと見られるか。
「んじゃ、とりあえず僕は休む」
「ええ、それじゃ」
そういい残して彼は居なくなる。私は独り、部屋に残されて。
もう温くなってしまっていた紅茶に改めて口をつけた。
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:09:42.90 ID:FjgLqU0y0
>>192 サティのピアノはまだ部屋に響いている。私自身、こんな状況
が果たして正しいのかどうかはわからない。
でも。さっき自分が言った通り、正常の基準など誰が保証して
くれる訳でもないし、それならば自分が居心地の良い方向に流れ
ていくのも悪くないと考えている。
勿論犯罪に走るだとか、一般的な倫理に悖る行為をするつもり
は更々ないのだけれど。
「倫理、ねえ」
自分で言ってて、これまた笑ってしまう。世の中、自分の信じ
ている世界は狭く、そして崩れやすい。この場合の"世界"は、頭
の中にある観念により形成されているものである。
状況に対応する能力が、大事だと思う。どれだけ受け入れられ
るか、ということ。それだけで、心の余裕が大分違ってくる。
私が何故、ここまでうだうだと考えているのか。そもそも、そ
ういう風な思考自体が、私らしくないというのに。その原因は、
現在私に降りかかっている"運命"とかいうもののせいかもしれな
いし、先程までこの部屋に居た"彼"の存在もそれに一役買ってい
る。
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:10:01.43 ID:FjgLqU0y0
>>193 先程からいきなり現れたり、壁だの床だのすり抜けたりしてい
る彼、桜田ジュンは。
ここ最近私の住んでいる屋敷が"幽霊屋敷"などとこれまた不本意
な名前を冠せられる原因となっている男である。
その。つまり。彼そのものが、幽霊だ、と言う訳で。
幽霊と言ってしまうと語弊があるかもしれないが、その
在り方を見る限り、それ以外の言い方が見当たらない。
強いて表すなら。
彼は私を守ってくれる、守護的な存在。
【ゆめまぼろし】 第一話 真紅
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:11:16.55 ID:FjgLqU0y0
>>194 雨は相変らず降り続いていた。時折晴れ間も見られるものの、基
本的に灰色の雲が空を覆っている。そんな状態が、もう一週間は続
いている。
「そういえば、庭師の二人はどうした?」
「あの二人には休んで貰ってるのだわ。世間的にはゴールデンウィ
ークでしょう。働いてもらってばかりでも悪いし。
ここ一ヶ月は、本当に忙しかったでしょう」
いきなり話しかけられても、特に動じなくなってしまった。全く
以て、慣れとは恐ろしい感覚だと思う。
「確かにね。じゃあ、今は実家に帰ってるのか」
「そうね。まあ、実家といってもすぐ近くなのだけど」
「不健康な空間だからなあ、ここも」
「あなたに言われたくはないのだわ」
「生憎だね。僕は健康とは別に関係ない」
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:11:35.89 ID:FjgLqU0y0
>>195 「そうね。こんな生き生きとした幽霊だなんて、聞いたことがな
いのだわ」
お陰様で、退屈はしていない。相手の存在がどうであろうと、
まともに(?)話が出来るというのは有難いものだ。私も随分と図
太い神経の持ち主のいうことか。
庭師の姉妹ははじめ当惑していたようだが、今となっては慣れ
たものである。姉妹の姉の方に至っては、よく彼を追い掛け回し
て如雨露で叩いたりしている始末。
……幽霊って、実は立場が弱いのだろうか?
『僕は肉体を持たない。それだけの話』
能天気というか、何というか。そんなことをのほほんと語る彼
は、自分が幽霊になる前の記憶を全く持っていないという。
『ただ、今こうなってるってことは。これが僕の運命だったんだ
と思う』
その辺りを疑わないでいるというのも、私はひとがいいのかも
しれない。
けれど、彼の過去そのものは今の私達の関係に何か影響を及ぼ
すという訳でもないし。仮に彼が話したがらないだけだったとし
ても、それは彼の意志なのだからそれで良いと思う。
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:12:02.77 ID:FjgLqU0y0
>>196 現実の世界が正常な流れと言うのなら、私は異常ということか。
夢か幻を見ているのかもしれない。
ただ。現に彼はここに居て、話をしている。それだけは確かな
ことであり、また事実だ。
私は読んでいた本を閉じた。
「"経験や感覚が、私を騙そうとする"……」
私がそう呟いたところで、彼は私の閉じた本を覗き込んだ。
「デカルトね。哲学が好きなんだな」
「哲学そのものは、役に立つものではないのだわ。特に昨今の
時代においては」
「ふうん。その割にこないだ僕に読ませたじゃないか……
それにしても哲学ってのは、必要に迫られたから作られたも
のなんじゃないのか」
そういう彼の言葉は、多分正しいのだと思う。もともと遥か
太古の時代、人類がある巨大なコミュニティを形成するために
は共通の思想が必要だった。所謂"神話"というものだ。
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:12:18.89 ID:FjgLqU0y0
>>197 法を持たず、何の共通認識も無しにひとは集まることが出来
ない。要は、社会そのものが形成されない。
もっとも、それほど昔の時代ならば。言葉で解く思想よりも、
視覚で思想を認識出来るものの方がわかりやすい。
そういったものが現在文化遺産として残っている建造物やモ
ニュメントなのであるが。
「昔の思想を、今の時代に当てはめることは出来ないもの」
「なるほどね、じゃあこれはお前の趣味ってところか。
お前だったら、カントなんか好きそうだと思ったんだけど」
「あら。認識論もいずれは観念論に継承されていくのだわ。
それにね。役に立たないから学ばないのでは無くて、こう
いった考えが私には必要なの。
私が、私自身をかたちづくるために。必要なものなのだわ」
「というかさ。霊界とか四次元とか、そういったものは表象
出来ないんじゃなかったか」
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:12:36.39 ID:FjgLqU0y0
>>198 『じゃあ僕はどうなるんだ』と少し抗議してくる彼。その
通り。私は私自身の感覚に騙されているだけなのかもしれない。
私が、"感覚を疑え"というデカルトの言葉に従うとしたら。
私が今彼と話しているということ自体、正しいとは言えない。
こう言った言葉に反応を返してくれるのは、私にとっては
好ましいことだ。件の姉妹の妹の方は、私の話に付き合って
くれることもあるけど。姉の方はどうも即物的と言うか、こ
の類の話があまり好きではないようなので。
「あら。ちゃんと読んだのかしら?
私はあなたがここに居るということを、自分で"判断"して
いるじゃない。
そう判断している私が……私がそう思う故に、私はここに
居るの。そしてそこに付随して、あなたもここに居るのだわ」
私がそう返すと。『小難しい話は、好きじゃないよ』と。そう
言って彼は苦笑いを浮かべるのだった。
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:12:53.68 ID:FjgLqU0y0
>>199 「なら、それで良いのだわ。私はあなたと話をするのが、嫌い
じゃないのだから」
「ふん。変わってるな、お前も」
「お互い様ね」
私は、左手の薬指につけてある指輪を見つめる。
私が、私という人間そのものが判断した結果に、現状は成り
立っている。
いつ崩れるかわからない繋がり。別に世を儚んでいる訳でも
ないし、外の世界にも繋がりはある。
ただ、現在私の周りで形成されている最小のコミュニティは、
私と彼の二人だけ。私自身からは、能動的に外界に接すること
が出来ないから。
庭師の姉妹とも勿論繋がりは深いけれども、彼女達は私の様
にこの屋敷に縛られて居ないし、私のようにはなって欲しくは
ない。
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:13:11.55 ID:FjgLqU0y0
>>200 いささか、楽観にすぎるのかもしれなかった。このまま、こ
の薔薇屋敷――幽霊屋敷にとらわれたまま。一生を終えてしま
う可能性だってある。
でも、それが真紅という人間の運命なのならば。それはそれ
だけのこと。
「――辛くないのか?」
ジュンが、こちらを向いて言う。
「本来なら、辛いのかもしれないのだわ。退屈はひとを殺すと
いうしね。
でも、読書は楽しいし、紅茶は美味しいし、流れる音楽の旋
律が美しい。いずれはこの戒めから解放されるかもしれない
し。
――それにあなたが、居て。私を守ってくれるでしょう?」
微笑みながら私が言うと、彼はそっぽを向いてしまった。
幽霊でも赤面するものなのかと考えると、少し可笑しかった。
すると、彼がこちらを向きなおして、少し真剣味を帯びた
言葉を発した。
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:13:26.38 ID:FjgLqU0y0
>>201 「また、来たみたいだな。大したことは無さそうだけど」
「……そう。気をつけていってらっしゃい」
「まあ、本来はあの双子のフォローがなくても十分なんだ。
僕はそんなにやわじゃない。……お陰様で」
彼は静かに微笑みながら、彼が左手の指輪をこちらに向けて
言った。
「終わったら、そのまま今日は消えることにするよ。
――じゃあ、良い夢を」
「ええ。また紅茶を淹れてね」
「了解」
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:13:45.92 ID:FjgLqU0y0
>>202 そんなことを言い残して、彼は天井をすり抜けていった。
彼が消えている間は何をしているかはわからないが、また
ひょっこり現れるに違いない。私との契約を、続けている
限り。
私はCDプレイヤーの音源を入れた。ジムノペディをおよそ
聴こえるか聴こえないか位までボリュームを下げつつかけて、
そのままソファに横になった。
指輪に篭もる熱を感じながら、私は眠り。
そしてそのまま、夢を見る。
――――――――
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:15:00.38 ID:FjgLqU0y0
前スレ
>>44、プロローグ続きということで。
>>184-203で第一話でした。
一応あらすじと設定公開もかねて、こんな感じになりました。
当初の方向性と異なってきているのは仕様です……
ほんとまったりやってくので、生暖かく見守ってください。
ではでは……
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:15:59.46 ID:rTSTmSnr0
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:17:43.99 ID:UlEEsjis0
>>204 ジュンが幽霊とはまた新しい
なんか不思議な感じがしますね
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:18:19.55 ID:EirOtbLl0
>>204 我思う故に我あり。学がない僕が知ってるのはこの言葉ぐらい。
存在の定義など所詮は観念的なもの。生と死の差もきっとそうなんだと思う。
…倫理の教科書を読んでるような気分になりました。GJ!
続きwktk!
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:21:38.83 ID:tDzxCUyCO
>>204 長編乙
不安定な存在、繋がり
続きwktkです
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:31:25.71 ID:EirOtbLl0
☆
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:37:36.01 ID:ojsAA9/9O
落ちた…ので携帯から失礼orz
>>206‐208
レスありがとうございます! お題くれた方にはほんと感謝なのです。
そして保守ー。
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:39:56.53 ID:yIkGKhUJ0
蒼「ねぇ、JUM君。あの・・・今日一緒に寝ても・・・いい・・・・?」
J「ん?ああ、いいよ。一緒に寝ようか」
翆「ちちち・・・、ちょっと待つです!2人だけだとJUMがなにをしでかしやがるか分からんです!
翆星石が監視するです!」
雛「ヒナもヒナも〜〜!!」
真「お待ちなさい!JUMは主人である私に奉仕するべきだわ。」
銀「あらぁ〜。楽しそうねぇ。でも、あなた達でJUMを満足させることが出来るのかしら?」
金「出来るのかしらー!」
薔「JUM・・・お父様と同じ匂い・・・大好き。」
雪「えと・・・、私もよろしいかしら?」
J「うぅ・・・苦しい・・・暑い・・・動けない・・・・・・・・・タスケテ」
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:39:57.61 ID:EirOtbLl0
雑談になるかもなのですが、投下間隔は1分程度あけた方がいいですよ。
ちょうどいいスピードで読めるし、バーボン回避にもなるはず。
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:42:12.38 ID:yIkGKhUJ0
銀「ねぇ〜、JUM」
金「JUM〜」
翆「ちびJUM!こっち見るです!」
蒼「JUM君・・・。」
真「JUM!」
雛「JU〜〜M〜〜〜!!」
薔「・・・JUM」
雪「JUM」
J「ああぁ〜〜〜うるさい!!
JUMJUMJUMJUMと!!そんなに好きなら襲ってやる!!!」
J「ハァハァ・・・どうだ、僕は、いや、男はこんなもんなんだ。
これに懲りたら・・・」
銀「すごかったわぁJUM、私があんなにされちゃったのなんてはじめてよぉ〜。」
金「驚いちゃったかしら」
翆「乱暴にしすぎです!でも・・・いや・・・あの・・・・・・キモチヨカッタです・・・。」
蒼「JUM君なら・・・いつでも・・・いいよ?」
真「主従関係が逆転してしまったようね・・・。JUMの虜になってしまっただわ」
雛「JUM〜またして〜!!」
薔「・・・もう離れられない」
雪「ふつつかものですが・・・」
J「( ゚д゚ )」
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:42:43.68 ID:tDzxCUyCO
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:43:47.83 ID:EirOtbLl0
JUMテラウラヤマシスwwwww?
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:46:44.49 ID:ojsAA9/9O
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:51:32.13 ID:BwmQsk2FO
長編投下します。
タイトルは
昨日よりも近く
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:52:42.83 ID:BwmQsk2FO
僕には恋人がいる。大事な人だ。幼なじみであり、僕をいつも見てくれていた人……
僕たちは近所の公園で星を見ている。今見ている星の光なのにそれが何十年、何百年もかけて届いてるなんて不思議な感じだ。
空に浮かぶたくさんの星にくらべればとてもちっぽけな僕ら。遠い昔の星の灯の長い旅路を想えば、僕たちが悩み、苦しんできたことなんて取るに足らないことなんだろう。
「柏葉……寒くないか?」
「ううん、大丈夫」
彼女はそう言うと僕の右手を握った。大丈夫なんて言ったくせにその手はとても冷たかった。自分の手より少し小さな彼女の手を優しく、でもしっかりと握りかえす。
「……綺麗だね」
「柏葉」
「なに?」
「僕は君のことを離さない」
僕の言葉を聞いて彼女は微笑む。僕が冗談を言ったときにいつも見せる顔だ。
「思いつきで言ってるんじゃないんだ。……僕は自分が嫌いだった。
人の目ばかり気にして他人が怖い、そのくせひとりにされるのはもっと嫌だなんてすごいわがままなやつでさ」
「……」
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:54:36.03 ID:BwmQsk2FO
彼女は僕の話をじっと聞いていた。繋いだ手はまだ冷たい。
「自分のせいで誰ひとりも傷つけたくない、何か始めるには遅すぎる。
そんな言い訳ばかりして何もしてこなかった自分がいやでしょうがなかった」
「……誰だってそういうところはあるわ」
「そうかもしれない。自分以外の奴がそうだとしても気にならない、仕方のないことなんだって思える。
でも自分のことになると駄目なんだ。僕が他の人間より劣っているような気がして嫌だった」
「……」
「きっと僕はこのまま一生変われないんだって思ってた。それでもいいと諦め気味に開き直ってた。
でも……柏葉と一緒にいると自分のことがほんのちょっとずつだけどいやじゃなくなる。
今までなら諦めてたことももう少し頑張ってみようって……そんな気になれるんだ」
雲のせいで月は隠れ、ほんの少し暗くなる。それだけで気温まで下がったような気がしてくる。
「……私も同じ」
「え?」
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:56:40.46 ID:BwmQsk2FO
「私だって自分が嫌いだった。
まわりに流されてばかりで自分の気持ちが口にだせなくて……親にすら本当にやりたいことのひとつも言えなかった。
まるで誰かの操り人形にでもなったような気分だったもの」
星を見ながら彼女は言う。街灯の光だけではどんな表情をしているのかまではわからなかった。僕はまた空を見上げる。
「全部投げ出すことが出来ればどんなに気持ちがいいだろう、そんなことを何度も考えたわ。
もしかしたら昔の桜田くんに嫉妬していたかもしれない」
「僕に?」
彼女のほうを向くと、彼女も僕のことを見ていた。視線がぶつかる、彼女はそのまま話しを続ける。
「ええ。学校に行かないでずっと自分の部屋にいれば好きなことだけをしていられる、そう思っていたの」
「……」
僕は中学生の頃不登校になった。
学校に来いと言ってくれる友達は、日を追うごとにひとり、またひとりと減って行き、最後まで残ったのは柏葉だけだった。
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:57:47.74 ID:i10Dkbd80
>>204 亀レスながら、全体の雰囲気が良いですね。GJです!!
サティのジムノペディですか〜。なんとなく卒業式を思い出しますね。
でも、良い趣味です。安易にショパンの曲を使わなかったところなども。
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/13(土) 23:58:50.00 ID:BwmQsk2FO
「でもそれは間違いだった。桜田くんの辛そうな顔を見てわかったの。
出たくても出られないほうが私なんかより辛いんだって、なにも出来ないことのほうがずっと辛いんだって」
「……」
彼女の手に少し力がこもる。その手はすでに僕の手より暖かくなっていた。
「きっと私はまわりの言うとおりにすることがいやなだけだったんだと思う。
でもね、私も桜田くんといると少しずつ心の中のモヤモヤしたものがはれていく気がするの。
とてもゆっくりだけど……変わって行ける気がする」
雲がはれたようだ。僕たちの影が濃さを増した。
「それにしても昔のままだね、……ジュンくん」
「え?」
彼女は僕らが小さかったころの呼びかたで僕の名前を口にする。
「自分に自信がないところ、ほんとに小さいころから変わらないんだから」
「……ひどいな」
「だって今更こんなこと言うなんて……それに私はずっと前からジュンくんのこと離さないって思ってたわ」
街灯と月の光に照らされて見える顔は、微笑みながらも真っ赤に染まっていた。
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:00:07.49 ID:QDvS2c9vO
「巴……顔、真っ赤だぞ」
「……見ないで」
彼女は顔を俯かせながら僕に抱き付いてきた。それでも手は繋いだままだ。
「恥ずかしがるなら無理して言うなよ」
茶化すように僕は言う。
「そっちが先に言ったんでしょ」
僕の右手と彼女の左手は、そんなやりとりの最中もじゃれあっていた。片手でしか抱きしめることは出来なかったが、彼女のことを昨日よりもずっと近くに感じることができた。
「巴、ずっと離さないよ」
「うん……私も」
月の光はひとつに重なった影を照らし続けていた。
fin
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:01:40.49 ID:QDvS2c9vO
以上です。
このふたりあんまり見ないんでたまには書いてみました。
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:02:00.70 ID:s04LK/vtO
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:04:24.31 ID:ScVqAMScO
こうやって二人支えあって生きて行くんですね
トォモエ可愛いよトォモエ
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:06:34.74 ID:Pkx++G4H0
巴いいよ巴!
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:07:41.28 ID:B1tig/6y0
>>223 原作らしい二人の描写が際立ってますね。
それに、とても綺麗な景色を想像させてくれます。
GJでした。
最後に、割り込み失礼。リロードすれば良かった・・・orz
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:13:12.79 ID:QDvS2c9vO
レスサンクスです。
>>228 いえいえ気にしないでください。実はアニメはほとんど見てな(ry
巴ってのは少ないですし。ヨカタ
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:26:42.23 ID:QDvS2c9vO
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:37:58.50 ID:s04LK/vtO
ほしゅー
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 00:49:27.19 ID:QDvS2c9vO
保守
〜あらすじ〜
【薔薇の蕀には】【御用心】
暗い、暗い彼の地を、行く当てもなく、ひたすら、前へと歩いていた
歩いて、歩いて、歩いて、そこで道は途絶えた
その瞬間、目の前に天井が現れた
――夢?――
何処からが夢だった?
寝惚けながらも、いつもの様に、ベットの脇に置いた眼鏡を取ろうとしたが、無い
落ち着いて、辺りを見渡したが、自分の部屋でないのは確かだ
それでもまだ、ここがどこなのかが分からない
見た感じ、部屋は洋式だ
窓も、漫画やテレビで見る様な形だし
「んっ?」
目を細めて、外の景色を見ようとしたが、流石に眼鏡が無いとよくわからない
ただ、分かるのは、地面が赤い事だけだ
――薔薇の蕀には御用心を――
「あっ!!」
思い出した、親戚の所に来て、確か……
慌てて右腕を確認するが、これと言った外傷はない、が動かない
右腕のどこを見ても、多分、薔薇の蕀だろうが、それが刺さった事しか分からない
そうこうしていると部屋の扉が開き、先程まで一緒にいた執事が現れた
「お目覚めになりましたか? はい、こちら眼鏡でございます」
「えっああ、ありがとうございます……あの」
執事から眼鏡を受け取り、執事が言った、あの言葉が考えてた
そして、右腕が動かない
嫌なことしか想像出来ない、でも、もしかしたら
結局のところ、聞かない事には分からない
俺は、不安を抱いた顔をしながら、それを聞こうと執事の方を向いた
眼鏡を掛けて気が付いたが、開いた扉の前、そこには、七人の麗しき乙女たちがいた
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:03:30.71 ID:mkT9QCo/0
八犬伝の続きを追い求めながら保守
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:06:46.87 ID:ZG46FKXmO
>>235 落ちるの早すぎて焦ったガナ(´・ω・`)
>>1 落ちてからのこの対応、乙
それにしても、偶然かスレタイが内容的に出てきても、不自然じゃないことには驚いたダス
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:10:15.56 ID:QDvS2c9vO
>>237 乙!!ひそかに楽しみにしてたwww
1スレにつき1レスしか読めないと激しく続きが気になる
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:11:13.85 ID:Pkx++G4H0
>>237 ktkr!さあて、続き見るために落とすかwwww
「あの、蒼星石」
「ん、何も言わなくていい、翠星石」
「えへへー……♪」
「でも、蒼星石」
「いや、ここはあえて何も言わずにいよう、翠星石」
「えっへへー♪ えへ、えへへへー♪」
「――薔薇水晶、どうにかしてくれないかな。思わず鋏を振り回しそうなんだ」
「らじゃ」
「……う? え、ちょ、薔薇水晶、何を、」
「っていうか、私が寝てる間に何があったー!?」
「教えてあげないもんねー、あっかんべー!」
「き、雪華綺晶のバカー!」
…………。
「えっと、改めて見ると、結構異様な光景だよね」
「そうですねぇ。鏡に向かって会話するというのも、事情を知らない人が見たら、アレな人にしか見えないでしょうし」
「え? 雪華綺晶たちは、アレでアレな性格してるのー」
「気になってたんだけど、雛苺、君はいつからそんな性格になったんだい?」
「……ふ、昔の、話なの」
「いや、別に聞きたくはないけどね」
「あー、それより、実況しなくていいのかしらー?」
「ん、実況って言っても、ねえ?」
「そうですね。まったく、さっきから変わってません」
「変わってないって、どういう意味で? また、メーター突破ーみたいな?」
「ううん、違う。ジュン君、ずーっと、穏やかなままだよ」
――言ってしまえば、それが、彼と水銀燈の関係だったに違いない。
【Calling you―水銀燈―】
「んー……」
「んー……」
「……ねー、水銀燈」
「……んー? なぁに、ジュン」
「いいの、これで?」
「いいのよ、これで」
水銀燈は一言しか言わなかった。――ただ、そばに居て欲しい、と、一言。
「だって、一緒にだらしなく寝そべって、手を繋いで、まどろみみたいな、心地いい気だるさを感じている。ほら、これって、結構幸せよぅ?」
「ああ、うん、それは、そうかな」
「でしょう? だから、これでいいのよ、……きっと、ね」
そう言いながら、水銀燈は繋いだ手を、少しだけ強く握る。それだけで、心がぽかぽかと温かくなる気がした。
これは、そう。あるべきだったはずの過去の履行なのかもしれない。結局ありえなかったことだけど。でも、あるべきはずでは、あった。
だって、あってはいけない今でさえ、こんなにも幸せなんだから。
「ジュンは、私のこと好き?」
「好きだよ」
「薔薇水晶たちよりも?」
「うん、あの二人よりも」
「……あーあ。その言葉が、額面通りの言葉なら、よかったわねぇ」
苦笑しながら、言う。二人は、別に説明する必要なんてないくらい、お互いの気持ちも、そしてそれがどうしようもないことも、理解していた。
きっと、ジュンが誰よりも好きなのは水銀燈で、ジュンが誰よりも愛し、そして必要としたのは、薔薇水晶たちで。
「もしもの話をしていい?」
「ダメ」
「ジュンは、いじわるになったわぁ」
「だって、きっと、僕は泣いてしまうから」
「ああ、そうね。……本当に、そう」
もしもの話。例えば、どこか一つでも、歯車が壊れていなかったら。本来、二人で歩むべき道を、歩むことが出来ていたのなら。
考えたくなかった。だけど、考えてしまう。それが、あまりに明確に想像できて。本当にあったことのようにすら、想えて。
だから、ジュンは薔薇水晶たちのことを想い、水銀燈は自分の胸が張り裂けそうになるから、もしもの話は、やめた。
「何でこんなことしてるのかしらねぇ、私たち」
「いや、それは悪ノリしたの、二人だし」
「……ん、まあ、結構本気で、奪ってやろうかなぁとは、思っているんだけど、ね」
「でも、皆が傷つくから、しないんだろう?」
「そんな、私のことを理解しているジュンなんか、大嫌いよ」
そう。きっと、水銀燈が心から求めれば、ジュンは、納得できなくて、心の底から同意できなくても、もしかしたら、水銀燈を選ぶかもしれない。
また、もしかしたら。でも、この二人にとっての“もしかしたら”は、本当に、起こりえてしまう“もしかしたら”だったから。
それは、きっと今のように皆で居ることはできないだろう。皆がバラバラになって、その中で、二人は二人だけで居るのだ。
想像するだけで、顔がにやける。きっと幸せで幸せで――、他の皆のことすらきっと忘れてしまう、許されざる幸せ。
「私たち、前世か何かで悪いことしたのかしらね?」
「運命なんか信じてないけどね」
「それは嘘よ。薔薇水晶たちに、運命を感じなかった?」
「それ、は、」
「感じた、でしょう? じゃなきゃ、私のこと、選ばないはずないものねぇ……」
これは、水銀燈の負け惜しみ。自分は運命に負けた。だから、ジュンの好きなのは、自分。一番大事じゃないとしても、ジュンの一番好きな人は、自分。
二人は、誰よりも二人であることが似合うのに、二人は、二人で居るとあちまち悲劇になる。
水銀燈が、そんな数奇で最悪な運命を嫌いになってしまうのは、しょうがないことだろう。
――なら、運命、という言葉を使うべき関係は、いったい誰と誰の関係なのだろうか。
「ジュン、私のこと好き?」
「それ、多分一分ごとには聞いてるよ」
「本当なら、一秒ごとにだって聞きたいわぁ」
「聞けばいいのに」
「いやよぅ。一分ごとに好きって一回聞いて、一分間のうちにキスを十回してもらった方がいいもの」
「……ああ、道理だ。確かに、そっちのほうが、いいね」
「でしょう? 流石はジュンよね、話がわかるわぁ」
二人で、笑いあう。こんな日を、二人は過ごしたいと想っていた。穏やかに過ごすとき。別になにもしなくてもいい日。
もちろん、彼らの日常の、騒がしい日々だって、二人は好きだった。彼らの想い出なのだから、嫌いなはずもなかった。
だけどきっと、この安心できる、穏やかな時間は、きっと、“そういう関係”の中でしか感じることが出来ないと理解していたから。
「だから、今嬉しいのかしらねぇ」
「それは、違うと思う」
「なら、どうなの?」
「僕は、水銀燈と居ることが出来れば、嬉しい」
「……ジュンなんか、大嫌い」
とても嬉しそうに、水銀燈が言った。
「水銀燈は?」
「私? 私は、複雑よぅ。だって――きっと最後だもの、こういうこと、出来るの」
「…………」
「最初で最後ってわかってるのに、それなのに、こんなに幸せなんて、どうかしてるわぁ……。まったく、ズルイのよ、ジュンは」
切なかった。恋しくて恋しくて、張り裂けるまで声を投げかけたい。振り向いてくれるまで、名前を呼び続けたかった。
でも、それは出来ない。だって、きっと、ジュンは困ったように笑って、それで、自分を、慰めて、受け入れてくれるに決まっていたから。
いつまでも、どんな時も、自分の味方で居てくれるに、決まっているから。
「……それでも、僕は君が好きだ」
「そうね、今ジュンに謝られたら、きっと私、壊れてたわ」
「ん。……うん」
「ねえ、ジュン、やっぱり、もしもの話、していい?」
「え?」
「例えば、これから先、きっとないと思うけど、私がジュン以外の誰かを好きになったとき――。
想像も出来ないけど、その人は私のことをきっと大切にしてくれる。ジュンよりは、してくれないだろうけど、でも、そこそこはしてくれる。
それは世間一般程度には幸せで、きっと私も、そこそこ幸せになれるの。その人に笑いかけて、悪くないな、って思うの」
「うん」
「だけど、だけどね? きっと、その人が私に触れるたび、その人が私にキスをするたび、その人が、私を抱くたびに、
――私は、ジュンの名前を、心の中で叫ぶわ。
きっと、思い出してしまう。どれだけ素敵な人で、どれだけ、私がその人を受け入れようとしても。きっと、忘れられない」
「ああ。すごく、安心した」
ジュンは、自然に言っていた。普通に考えれば、罪悪を感じるところかもしれないのに。
でも、それが二人の望むことだった。どちらも、本当は罪悪を感じ、後悔をし、もしもの話を、本当にしたい。
だけど、それは出来ないから。出来ないけれど、でも、二人は二人のことが、一番好きだと、誓っておきたかった。
「僕も、そう。きっと、薔薇水晶たちと居ても、例えば、初めて水銀燈とキスした公園に行けば、きっと薔薇水晶たちを、一瞬忘れる」
「そうね。あの二人で寄り添って見た星空も」
「二人で見惚れた夕暮れ時の海岸も」
「雪の降る中、決して離れないようにと祈りながら繋いだ手も」
「全て全て、想い出してしまうかもしれない」
でも。それは、どうしたって、昔の、過ぎ去った、ことで。
「忘れることができない。だけど、きっと違う想い出が、僕の心の中に出来る」
「そうね。そしてそれはきっと、私との想い出よりも大事なものになる」
「比べられない、よ」
「いいえ。ダメよぅ、そんなんじゃ。これで、最後なんだから――だから、ほら。私を、安心、させて?」
本当に安心するのは、その両腕で抱きしめてもらって、ただただ守ってもらえてる、という実感を持つことだけど。
「だけど、それはあの子たちに譲るわ」
その言葉は、優しくて。その眼差しも、優しくて。そして、水銀燈は、優しくて。ジュンは、だから好きになったんだ、と、今、わかった。
「水銀燈」
「なぁに?」
「好きだよ」
「知ってるわ。恋人よりも、他の女の子のことが、好きなのよね」
「ただの女の子じゃない。幼なじみで、優しくて、きっと、僕のことを一番わかってくれていて」
「そうね。でもいずれ、それは私だけじゃなくなっちゃう」
「つらいよ、水銀燈」
「私の方がつらいわよ」
「うん。だけど、……つらい」
弱い心が、決断を鈍らせる。それほどまでに大事で、それほどまでに、好きだから。
「ねえ、ジュン。キスをして、キスをしましょう。一分間に十回キスをして、一分間に一回好きと伝え合いましょう。終わりのときまで、ずっと、そうしましょう」
「一分間に二十回キスにしよう。一分間に、五回は好きと伝え合おう」
「あは、それ、私も、言おうと思っていたところよ――」
そして、二人の唇が、重なった。二人の瞳が濡れていたのは、互いに見ないことにした。
「あ、水銀燈ー。どうだったのかしらー? 何か、すごく穏やかーに、平常だったけど」
「え? そうねぇ」
彼女は、別れの時を、思い出す。
「まあ、一つ言えることは、」
「ふんふん?」
別れの時。ジュンは、言った。
『水銀燈』
『何よぅ』
『僕は、ずっと、今日のこと、忘れないから。今日だけじゃなくて、ずっと、今までのこと、忘れないから……っ』
『――――』
『本当に、ずっと、ずっと、好きだった。ありがとう。本当に、ありがとう、水銀燈』
『あは、バカねぇ、ジュンは。本当に、バカ――』
だから、そんな風に、バカなジュンなんて、
泣かないと決めたのに、泣かせてしまうジュンなんて、
自分で、泣きながら、想いを伝える、バカなジュンなんて――
「――あんなジュンなんて、世界で一番、大嫌い(だいすき)よ」
だから、水銀燈は、ただ、想う。
【どうか、どうか、ジュンが、世界で一番幸せであるように――】
だって。それ自身が、水銀燈の、幸せだから。叶わない恋をして、それでもずっと呼び続けてしまう、彼女の願いだから。
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:22:53.60 ID:kFG13L8z0
まあ、こんな感じだけど、きっとふつーに二人ともさっき書いた短編みたいなことはするでしょう。
基本的にこの二人は基準がおかしいから。キスはしなくても好きと言わなくてもエロいことはOK、みたいなー……。
いや、自分で書いてて、何だか切なくて、そんな後付設定をしてみた。
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:26:58.18 ID:Pkx++G4H0
ごめ…眠くて嫁ねorz
朝起きてから感想書かせていただきますorz
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:40:11.69 ID:Pkx++G4H0
そろそろage
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:55:55.37 ID:Pkx++G4H0
☆
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 01:56:26.44 ID:RdwrOLoz0
銀ちゃん……
保守
ほ
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 02:54:24.82 ID:Kld7FwUl0
し
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 03:09:57.45 ID:r6tILyXY0
ゅなのだわ
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 03:22:49.72 ID:rYb6i71q0
蒼「ねえ、JUN君。」
J 「ん?」
蒼「もしも僕が居なくなったらどうする?」
J 「居なくなるって?もしかして引っ越したりするのか?」
蒼「例えの話だよ。もしも。」
J 「うーん、もしもねえ。そうだなー。蒼星石が居なくなったら…。」
蒼「うん。僕が居なくなったら?」
J 「……どうだろ?分かんないな。」
蒼「…悲しんだり探したりしてくれないの?」
J 「と、言うより蒼星石が僕の傍に居ないのが想像できない。
仮に蒼星石が何処か遠くへ行ってしまう事になっても、僕が蒼星石を離す訳が無いしね。」
蒼星石を抱きしめる
蒼「…うん。僕、何処にも行かない。ずっとJUN君の傍にいる。だから絶対離さないでね。」
JUNを抱き返す
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 03:23:40.99 ID:rYb6i71q0
>>255 紅「……。」
翠「……。」
銀「……。」
金「あの二人、今日もラブラブかしら。」
銀「ゴルディオン・ハンマー発動承認!」
金「え!?」
翠「了解!ゴルディオン・ハンマーセーフティ・ディバイス。リリーブ!」
紅「ハンマーコネクト!」
金「ああ!真紅の全身が金色に光り始めたかしら!」
薔「……。」
べ「……。」
金「あ!薔薇水晶とベジータ。丁度良かったかしら。
真紅達を止めるの手伝って欲しいかしら。カナだけじゃ足りないかしら。」
薔「…足りない分は勇気で補えば良い。」
べ「そんな馬鹿な!あれは伝説のスーパーサイヤ人!このエリート戦士のベジータ様を差し置いて!」
金「訳分かんないかしら!誰か日本語通じる人プリーズかしら!」
ワロスww
保守ー
保守二
259 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 03:57:30.32 ID:DogymFWd0
「金」だけに金糸雀がハンマーにされるのかと変な期待した件www
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 04:09:53.19 ID:LGjJhaUOO
やっぱ仕事中じゃ読むのでイッパイ、イッパイだ・・・
家に帰ってからPCで感想を書くぜ!!
そして、微力ながら保守させてください。
261 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 04:17:44.19 ID:FLZDMKDCO
262 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 04:19:20.74 ID:s04LK/vtO
ほしゅー
ほ
し
の
し
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 05:29:20.40 ID:ScVqAMScO
>>245 銀様……
ジュン、幸せになりやがれよ…
ま
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 05:58:29.71 ID:ScVqAMScO
保守
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 06:55:41.90 ID:pziJeKNrO
保守かしらー
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 07:23:02.69 ID:h4V8Gb9wO
保守
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 08:00:53.97 ID:5fn5L9b7O
保守
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 08:50:13.87 ID:LAK0pUQ4O
やば!
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 08:50:57.32 ID:kVc50+nAO
ブーツフェチ
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 09:13:58.80 ID:tjvoFw6v0
ほs
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 09:20:37.42 ID:Pkx++G4H0
>>245 銀様…なんだか切ないよ…
運命という言葉はなんて残酷なのですか?
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 09:49:14.53 ID:c7Ov7wZN0
hosyu
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 10:11:21.22 ID:sAtLp7dJ0
>>245 銀ちゃん・・・ジュン・・・
お互いの気持ちはあるのに・・・切ないな・・・
保守
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 10:32:48.95 ID:5fn5L9b7O
出掛けついでに保守
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 10:40:28.51 ID:/32B/J0L0
薔「JUM・・・体操服・・・着てみた」
真「そんな餌でJUMが」
J「クマーーー!!」
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 10:45:16.48 ID:sAtLp7dJ0
ちょwwwwつられてるwww
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 10:58:41.69 ID:5enb2QpS0
「あなたの呼ぶ」の後日談ですが、なんか、地味に長くなりそうです。
後日談より、続きって感じですか。
あらすじは、
ジュンが、服飾の学校に通うため、東京に行った。
そこで、ジュンと水銀燈は仲良くなる。
故郷の真紅は、いろいろあって、ジュンと水銀燈を応援することになった。
って感じです。
それでは、続きを投下したいと思います。
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 10:59:11.84 ID:5enb2QpS0
ジュンと、その彼女が歩いているところを見てから、
ずいぶん時間がたったわ。
私は、大分落ち着いてきたわ。
紅茶も、ジュンほどとはいかないにせよ、
おいしく淹れれるようにもなったわ。
紅「あら、ダージリンの葉がもうないわね。」
たしか、友達から聞いた話だと、
大学から2駅のところに、いいお店があるらしいわ。
帰りに行ってみようかしら。
駅から、10分ほど歩くと、
こじんまりとした白を基調とした建物があったわ。
店の看板には、Teegesellschaftと書かれていたのだわ。
紅「たしか、お茶会って意味だったかしら。
なかなか、素敵な名前ね。」
大学のドイツ語の授業を記憶から引っ張りだすのに苦労したわ。
あまり使わないものだけれども、
授業はもう少し、キチンと聞いたほうがいいみたいだわ。
?「いらっしゃいませ、ようこそ、Teegesellschaftへ」
右目に眼帯をした、白を基調とした服を着た店員は、
ハキハキとした声で迎え入れてくれたわ。
?「……いらっしゃい……」
左目に眼帯をした、紫を基調とした服を着た店員は、
抑揚のない声でつぶやいたわ。
二人とも、色の基調こそ違うけれども、
髪の長さや、結び方、顔立ち、体形まで良く似ているわ。
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 10:59:56.32 ID:5enb2QpS0
>>284 紅「双子……かしら」
?「残念ながら違いますよ。私は雪華綺晶。彼女は薔薇水晶といいます。
でも、私達も驚くくらいそっくりですよね。」
白を着た、雪華綺晶と名乗った店員は、明るく答えたわ。
紅「えぇ、ほんとうにそっくりだわ。」
雪「はじめてのお客様には、
まず、私達の店を知っていただきたいということで、
紅茶をお出ししています。
コチラが勝手に出すものなので、御代は結構です。
お出ししてもかまいませんか?」
紅「ええ、よろしくお願いするわ。」
かなりの自信を持っているようだわ。楽しみだわ。
カウンターのほうに目を向けると、
薔薇水晶という店員が、お湯を沸かしていたわ。
店の内部を見渡す。
時間のせいかお客はいないけれど、
カウンターといくつかのテーブルがあるのだわ。
棚には茶葉が、産地と茶園ごとに分かれて、綺麗に並べられているわ。
雪華綺晶がお盆を持って出てきたわ。
お盆にティーポットとカップ、それに砂時計が載せられているわ。
雪「砂が落ち終わった時が飲み頃ですので、その後お飲みください。」
そういって、彼女は、カウンター内の定位置に戻ったわ。
砂が落ちたので、カップを口に運んだわ。
花のような芳醇な香り。
えぐみや青臭さもなく、口当たりのよい味。
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:00:51.82 ID:5enb2QpS0
>>285 雪「いかがでしょう?」
紅「ええ、素晴らしい紅茶だわ。
淹れる人もかなりの腕前ね。
葉は、……シャングリラかしら。」
雪「ご名答。お詳しいんですね。」
紅「日本では、珍しい茶葉なのに……、
初見の客に出すなんて、なかなかできることではないわ。」
雪「誠心誠意、紅茶をお出しするのが、私達のポリシーですから」
紅「素晴らしいお店ね。」
薔「……えっへん……」
店の奥から抑揚のない声が聞こえたわ。
雪「ありがとうございます。」
カウンターの雪華綺晶は嬉しそうに答えたわ。
しばらく、紅茶を楽しんだのだわ。
茶葉の棚を覗いてみたわ。
お手ごろな値段のものから
100g1万円の茶葉もあったりと、
品揃えはかなり豊富なので、目移りするのだわ。
これは正直に聞いたほうがよさそうだわ。
紅「ダージリンの葉が欲しいのだけれども、
オススメはあるかしら。」
雪「そうですね……。
失礼ですけど、予算のほうお聞きしてもよろしいでしょうか?」
その後、予算と、私の好みを聞くと、
雪華綺晶は、予算にあった茶葉を選んでくれたわ。
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:01:19.61 ID:5enb2QpS0
>>286 かなりいい店だ、また来よう、そう思っていると、
奥から薔薇水晶がポスターを持って出てきたわ。
紅「あら、なにかしら」
薔「……私の力作……」
ポスターには、かわいらしいウェイトレスの絵と丸文字が並んでいたわ。
アルバイト募集のポスターみたいだわ。
雪「実は、東京に二号店を出す予定でして、
人手が足りなくなるので募集中なんです。」
紅「私、このお店なら、働いてみたいわ。」
雪「え、本当ですか。」
紅「でも、紅茶をうまく入れたりできないわ。」
雪「そこは、薔薇水晶がきっちり教えてくれるから大丈夫です。
基本的には、薔薇水晶が調理担当なので、
アルバイトさんは、ウェイトレス的なお仕事がメインです。」
紅「雇ってもらえるかしら。」
雪「はい。もう、喜んで。よろしくお願いします。
………え〜っと、」
紅「私の名は、真紅。」
雪「よろしくお願いします。真紅さん」
薔「……よろしく……」
ということで、私は、紅茶専門店、Teegesellschaftで働くことになったわ。
紅茶が好きだからと理由もあるけれども、
自分を変えたいからという気持ちもあったわ。
せめて、おいしい紅茶くらいは淹れられるようにがんばろう。
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:02:20.89 ID:5enb2QpS0
今回は以上です。
またそのうち、投下します。
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:07:07.67 ID:sAtLp7dJ0
ktkrwwwwwwww
今度は真紅の話ですか
続きwktk
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:25:18.93 ID:ScVqAMScO
>>283 あなたの呼ぶじゃなくてあなたを呼ぶかな?
そんなことより後日談ktkr
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:41:53.21 ID:/32B/J0L0
翠「JUM・・・ちょっといいですか?」
J「どうした?ブッおまwwバスタオル1枚でどうしたんだよ!」
翠「そんなことはどうでもいいです!さっさとこっちくるです!」
J「わかった、わかったよ、引っ張るなって」
真「・・・?どうしたのかしら。気になるわね・・・。」
(お風呂場で聞き耳を立てる)
翠「JUM・・・これ・・・見て・・・・・。」
J「おいおいなにをだよ・・・?って
うわっ、すごい溢れてるじゃないか・・・。」
翠「なんとかするです」
J「え?僕が?」
翠「他に誰がいるです!男なのにこんなこともできないですか!?
それとも・・・イヤ・・・です?」
J「わ、分かったよ。やるよ。」
(なにやら音が)
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:42:42.69 ID:/32B/J0L0
J[翠星石、ちょっとこれお願い。」
翠「ええっ!?なんで、翠星石がそんなことを・・・。」
J「なんとかしてやってるんだから、それくらいいいだろ。」
翠「わ、分かったですよぅ。」
J「もう少し・・・うわっ!」
翠「すごい・・・こんなに溜まってたですか・・・・。」
真「ち、ちょっと2人とも何をしているの!」
翠「排水溝にこんなに髪の毛が・・・えっ?」
J「お、おいソデ離すなよ、服が濡れ・・・・ん?」
真「・・・・・・・・。」
翠「どうしたですか?真紅?」
真「・・・な、なんでもないわ!」
翠「(ははーん・・・)もしかして真紅は、翠星石がJUMと変な事してたと考えちゃってた?」
真「そ、そんな訳あるわけないでしょう!?」
J「へぇええ〜真紅もそんなこと考えるんだねぇ♪」
真「ばかッ!!!」
J「げふっ!!」
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:56:36.90 ID:sAtLp7dJ0
真紅wwwwwwww
ho
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 11:58:06.82 ID:t/uxH3+j0
勘違いネタキター!
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 12:04:15.54 ID:lkMq4H3a0
>>1 乙!!
>>39 薔薇水晶ktkr!!
次回wktk!!
>>82 イイヨ、イイヨwww和むなwww
>>96 続きコォ━━━━щ(゚Д゚щ)━━━━イ!!!!
てか、続けてください!!エロパロ板でwww
>>105 ワロタwww
>>120 愛だな。うん、愛だなwww
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 12:04:40.00 ID:lkMq4H3a0
>>150 あったかいナリバロスwww
>>167 最後の一文で砂糖吐いたwww
これはアマスwww
>>204 JUMが幽霊か、それにしても描写うまいね。
wktkしときます。
>>213 JUMすげえぇwww
ウラヤマシスwww
>>224 巴キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
巴らしさが出ててGJ!!
>>235 これは楽しみでならない。
頑張るか。
>>246 銀ちゃん。゜(゚´Д`゚)゜。ウァァァン
これはたまらん。
>>281 JUMwww
>>288 後日か、楽しみだ。wktk
>>292 乙女を怒らすからwww
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 12:24:35.43 ID:ScVqAMScO
保守
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 12:48:41.66 ID:sAtLp7dJ0
保守
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 12:50:11.19 ID:8Uy78nh9O
300さえもゲット
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 12:53:54.23 ID:t/uxH3+j0
―――尊敬する人がいます。
その人はぼくに“生きるために必要なこと”を教えてくれました。
劣等感にまみれたぼくを自信を持ったぼくに変えてくれました。
幸せな日々をくれました。
だから、あなたといっしょにいたい。
ぼくは―――蒼星石は、桜田ジュンのことを愛しています。
蒼「よし書けた!これを明日ジュン君の前で言えば…!」
翠「そーせーせきー。古語辞典貸してー…っていねぇですぅ。
勝手に借りてくですぅ…ん?なんですかこの紙…!?」
蒼「ただいまー。」
翠「蒼星石、言いたい事があるです。」
蒼「へっ?何?」
翠「その…BL小説書くのはやめたほうがいいですよぉ…?」
蒼「………………………………………」
翠「………………………………………」
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 13:04:56.59 ID:sAtLp7dJ0
ちょwwwww翠星石ヒドスwwwwwwwwwww
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 13:25:09.78 ID:sAtLp7dJ0
保守
蒼い子カワイソスwwww
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 13:47:42.11 ID:QDvS2c9vO
保守
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 13:47:48.75 ID:KZXlDUgu0
★
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 13:48:27.55 ID:sAtLp7dJ0
保守
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 13:59:13.44 ID:/32B/J0L0
_____
/ ヽ____//
/ / /
/ / /
/ / /
/ジ / /
/ュ / /
/ン / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
翠「こ、これはもしかしてらぶれったーというものではないです!?
きっとそうです!ついに翠星石のアプローチで気付いたんですね・・・。」
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 請求書 |
| |
/  ̄ ̄ ̄ ̄ /_____
/ \2000 /ヽ__//
/ ガラス修繕代 / / /
/ として / / /
/ ____ / / /
/ / / /
/ / / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
翠「・・・・・・・」
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:00:39.62 ID:JFajFVT1O
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:01:33.49 ID:ScVqAMScO
>>308 ちょwwwwwwテラワロスwwwwww
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:04:20.86 ID:sAtLp7dJ0
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:05:58.98 ID:lkMq4H3a0
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:17:02.48 ID:9dzhpqKF0
真夜中、コンコンと窓を叩く音で僕は目覚めた。
J「ん〜…」
僕は半分寝ぼけたままの頭で窓まで行き、カーテンを開いた。
そこに居たのは短い髪と、緋と碧の眼が印象的な少女。
僕は窓を開けながら、少女に声をかけた。
J「…こんな真夜中にどうした、蒼星石?」
彼女は少し申し訳ないような顔をする。
蒼「ごめんね、こんな遅くに… でも、ジュン君にも見せたかったんだ…」
J「…見せたかった?」
蒼星石は少し首を傾げて、人差し指を真上に向けた。
僕はその指が示す方に顔を向けた。すると…
J「うわぁ…」
そこには白銀に輝く満月があった。
蒼「綺麗でしょ…?」
J「うん」
僕は素直にそう答えた。
普段月なんて気にしてないけど、こうして意識してみると、本当に綺麗で飲み込まれてしまいそうだ。
蒼「…少し、お月見しない?」
僕はその誘いを当然のように受けた。
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:17:40.33 ID:9dzhpqKF0
>>313 僕達は屋根に上って一緒に月を眺めた。
蒼「明るいね…」
J「そうだな…」
本当に明るい、この明るさなら電気をつけずに本が読めそうだ。
蒼「ねぇ、知ってる…? 月の光って青いんだよ」
J「青い…?」
そう言われて、月から出ている光を良く見てみた。
言われて見ればそんな気もする。
月そのものを見ててもあまりわからないが、月明かりに照らされた物を見れば少し青みがかっている事がわかる。
J「へぇー…」
素直に感心している僕を彼女はクスクスと笑った。
蒼「…くしゅっ」
J「…寒いのか?」
蒼「うん、少し…」
J「…そろそろ帰るか?」
僕がそう言うと彼女は首を振った。
蒼「もう少し見ていたいな…」
J「…そうか、なら」
蒼「ふえっ?」
僕は立ち上がって、彼女の後ろに回り彼女を抱っこした。
蒼「ジュン君…?」
そして僕は彼女を腕の中に抱きかかえたまま座る。
J「…これで、寒くないだろ?」
蒼「…うん」
僕と蒼星石は二人して笑い合った。
青い月明かりの中、二人で体温を交換し合う。
そんな真夜中のお月見…
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:27:10.96 ID:ScVqAMScO
糖尿病になるwwwwww
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:27:49.05 ID:lkMq4H3a0
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:27:49.40 ID:sAtLp7dJ0
ロマンチックだな
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:31:01.49 ID:t/uxH3+j0
むかしばなしローゼン『つるのおんがえし』
ジュンは山奥の小屋に住んでいる狩人。
とある日、罠にかかった羽の黒い鶴を見つけて、逃がしてあげました。
その日からしばらく経った、ある雪の晩のことです。
「ごめんくださぁい。」
ジュンの家の前にとても美しい銀色の髪をした美女が立っていました。
「山の中で迷ってしまったのです。今晩は泊めてくれませんかぁ?」
ジュンはそれは大変でしたね、と小屋の中に招きいれ、暖かいなべを振舞いました。
体が温まっていくうちに、二人の会話は弾んでいきました。
「あなたのお名前は?」
「私は、水銀燈、と言います。」
翌朝。止むどころか雪はますますひどくなっていきます。
水銀燈は、泊めてくれたお礼がしたいいと言って、部屋を一つ貸して下さいと言いました。
そして、決して中を覗かないで下さいとも言いました。
雪の止んだ日、水銀燈は部屋から出てきてジュンに美しい黒い反物を手渡しました。
「これを売れば、少しは生活の足しになると思います。どうぞ。」
ジュンは、複雑な気持ちでした。
この反物を受け取れば、きっと水銀燈は遠くに行ってしまう。二度と会えなくなってしまう。
そのような考えがジュンの頭の中をぐるぐると巡っていました。
ジュンは水銀燈のことを愛してしまっていたのです。
「それでは、私はこれで。」
ジュンの思ったとおり、水銀燈は去っていこうとしていました。
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:31:42.87 ID:t/uxH3+j0
「待ってくれ、水銀燈。」
そう言って、ジュンは水銀燈を抱きしめました。
「さよならなんて、言うな。ずっと僕の傍にいてくれ。」
「ごめんなさい、ジュン…駄目なの。私は、あなたと一緒にはいられない…」
どうして、とジュンが尋ねると、水銀燈は着物の帯を解きました。
すると、水銀燈の背中から黒い羽が姿を現したのです。
「これを見て、ジュン。私はあなたがしばらく前に助けたあの黒い鶴なの。
あの、とらばさみにかかっていた、あの、黒い鶴なのよ。」
だからあなたに恩を返そうとして、と水銀燈は続けました。
「そんな…じゃあこの反物は…君の…?」
「そう。私の綿毛を使ったの。」
水銀燈はごめんなさい、と一言だけ呟き、ジュンが瞬きした瞬間には黒い鶴へと姿を変え、
飛び去っていきました。
その後には、下駄と、着物と、黒い羽と、水銀燈の瞳から零れ落ちたしずくだけが残っていました。
「どこにいるんだ?水銀燈…」
その翌日の、吹雪の日。ジュンは水銀燈を探しに山に入っていきました。
短いときを過ごして、愛してしまったひとを探すために。
「水銀燈…反物なんていらない。僕がどれだけおかしいやつと言われてもいい。
僕は、君が、きみと、いっしょにいたい…」
雪は、容赦なくジュンの体力を奪います。
あの女性の髪と同じ色をした冷たい牙がジュンの身体を侵していきます。
ジュンは、とすん、と雪の上に倒れこみました。
「あれ…ここは、どこだ…?」
ジュンは見知らぬ洞窟の中にいました。
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:34:04.51 ID:t/uxH3+j0
そこは、山の中の小さな横穴でした。
「お馬鹿さんねぇ…これじゃ私と立場がまるで逆じゃなぁい…」
「水銀燈、なのか…?」
黒い鶴が、嘴からジュンのよく知る、いちばん聞きたい声を発しました。
姿は違っていても、その鶴はジュンの愛したひとだったのです。
「ほんとにおおばかよぉ…っ
…もうあなたの腕も、脚も、凍って腐ってちぎれちゃったわ。
もう、あなたは。あなたは…これ以上生きられない。私のことなんか、好きになっちゃうから…!」
そう言われてジュンは自分の四肢が無いことに気付きました。
痛みの感覚は殆どありません。
「水銀燈…今でも、君の正体を知った今でも、
もう死んでしまう今でも、僕は君を愛してる。」
ジュンは、言いたかったことを、世界で一番愛しているひとに伝えました。
「ほんとに、ほんとにおばかさぁん…」
ジュンは ゆっくりと いきたえました。
水銀燈の羽の中で ゆっくりと ゆっくりと。
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:35:25.50 ID:t/uxH3+j0
「神様、あなたは残酷ねぇ。
どうして私を少しの間だけ人間にしたの?どうして私に恩返しをさせてくれたの?
お願いだから、次に彼と会うときは、幸せにさせてちょうだい。私と、彼を。
約束、よぉ。」
そう言って、水銀燈も息絶えるために目を閉じ、ジュンに寄り添うように
眠りにつきました。
そんな、とてもとても、悲しいお話。
………………………………………………
「そうして現在で結ばれたのが私とジュンなのよぉ。」
…んなアホな。
「ちょっと待て、僕の扱いが酷すぎやしないか!?」
とても報われない。両手両足を失って、そのまま逝去。
しかし…
「よくこんだけ長い話を作ったよなぁ…」
「あらぁ、ジュンはこれを作り話だなんて思ってるのぉ?」
そう返して彼女は微笑む。
その顔を見て、他愛も無い話をしていると、先程の話が実際にあったことみたいに
思えてくるから不思議だよ。
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:36:30.55 ID:t/uxH3+j0
「ねぇジュン。」
愛しい人に呼び掛けられ、僕は顔を見つめる。
「私達は、幸せになれるわよねぇ?」
―――幸せになるしかないだろ?
やれやれと呆れたポーズをして、僕は彼女に口づけをした。
僕たちは、今も、きっと未来も、幸せになれるはず。
*元はエロパロスレ用だったのが変わりに変わってこうなった。特に反省はしてない。
やっぱり昔話はネタの宝庫だよ。イェア!
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:38:47.07 ID:ScVqAMScO
途中で泣いて最後で(*´∀`)
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:40:51.68 ID:t/uxH3+j0
よく考えたら黒い鶴って何だよ!
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:41:24.56 ID:sAtLp7dJ0
ジュン・・・・と思ったら最後ktkrwwww
幸せになれてよかったね銀様
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 14:53:13.87 ID:lkMq4H3a0
>>322 >―――幸せになるしかないだろ?
JUMのこういう性格がいいね。
てか、個人的にツボだわwww
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:05:34.30 ID:kVc50+nAO
保守しますよ
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:07:33.00 ID:t/uxH3+j0
薔「地獄で親父が待ってるそうだ」
薔「親父と同じでお前も甘いヤツよのう」
薔「こざかしいトリめ 私の前にひざまずけ!」
薔「カエルは泳いでいればいいんだ!」
ジ「何やってんの?」
薔「スターフォックス64…この展開は…燃える…」
名作だよね。
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:09:34.24 ID:gQOIlo4s0
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:18:17.52 ID:t/uxH3+j0
>>330 ばらすぃー…それマリみてちゃう、ヘルシングや。
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:18:20.69 ID:sAtLp7dJ0
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:19:00.10 ID:l9ez0pad0
>>322 とても和みましたwww
>>328 あー、やったことないけどなんだか懐かしい……
>>330 ちょwwww豚のようなwwwww
投下できるうちにしておこう……【ゆめまぼろし】第二話。
自分でも予想できない方向に話が転がってきた……orz がんばります
長いので分けます、すみません
>>203の続きとなります。では、どうぞ。
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:19:54.06 ID:l9ez0pad0
>>203 お休みを貰っていると言っても、別段それで僕達の役割が御免になっている訳ではない。
必要とあればいつでも"世界"へ飛び込むし、それが僕達に与えられている使命だったから。
それは僕達がこの世に生を受けたときから、きっと決まっていたことなのだと思う。嫌
だと思ったことは特にない。
僕らの雇い主――正確には、彼女自身の依頼ではないけれど――は、態度はお嬢様気質だ。
浅い付き合いならば敵を作りやすいタイプだとも思う。
だが、深い付き合いとなって接してみれば、彼女が悪い人間では無いということがわかる。
むしろ彼女は優しい。優しく、かつ思慮深い女性。もともと僕達の"新たな仕事"が始まる前
からの付き合いで、僕は彼女のことは気に入っている。気兼ねのいらない友人のような関係。
ただ。その優しさ故にこの状況を生み出してしまったことを、彼女が自覚しているかと
言えばそれは疑問だ。悟っているのか、諦めているのか。
僕が彼女の立場だったら、ということは考えなくもないが、表には出さない。それは同
情にしか成り得ないし、恐らく彼女が最も嫌うであろう行為のひとつだろうから。
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:21:09.95 ID:l9ez0pad0
>>334 「さ、いこうか翠星石」
「そうですね、蒼星石。まあ、多分あのチビ幽霊が全部片付けてると思いますけど」
「そうかもね」
館に住み着いている幽霊、桜田ジュンが、僕達を手伝っているというこの状況は恐らく
イレギュラーなのだと思う。だが図らずも彼の存在が、僕達の負担を軽くしているという
ことだけはどうしようもない事実だ。
僕は、今の状況を打破するという願いを叶えたい。それを彼女が望んでいるかというと、
それは最近はちょっとわからなくなってきているが。
「……」
深く息を吸い込んで、また吐き出す。
僕達は前方を睨み。その先に存在する"世界"へ、飛び込む。
いつものように、何の問題もなく。
そしてこれは、これからも。
多分ずっと続いていくかもしれない、こと。
【ゆめまぼろし】 第二話 庭師
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:22:42.55 ID:l9ez0pad0
>>335 薔薇の屋敷に、代々仕え続けてきた血筋。丁度十五歳になった時、僕らはその屋敷へ連
れられていって、その当主の前へと通された。
「柴崎か」
「一葉。これがわしの娘達だ。わしの次に、この娘が番人になってくれるだろう」
当時の僕達はと言うと、自分達の役割をよくわかっていなかったし。以前からぼんやりと
聞かされていただけで、はっきりと自分達がこれからするべき仕事を意識してはいなかった。
「そうか……こんなことは、終わらせなければならないのだろうな、本当は」
「それは致し方ない。引き受けなければならぬのだろうな」
「……よって次のここの当主は、私の娘に継がせることになる。真紅、こちらへ」
「はい、お父様」
一葉、と呼ばれていた人物の後ろに控えていた少女が前へ出る。僕達と同じくらいの
年であるような印象を受けた。
「私ももう、五年はもたないだろう。恐らく三年後くらいに……指輪が受け継がれるだろうな」
「こんな可愛らしいお嬢さんが……なんとも、やりきれん」
祖父が小さな声で言ったのを聞いたのだろう、真紅と呼ばれた少女が言う。
「大丈夫ですわ。それが私の運命ならば、私はそれに従うまで」
何も悪びれず、臆さない。凛と通った声だった。
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:24:08.68 ID:l9ez0pad0
>>336 まだ話をしているらしい二人を置いて、僕と翠星石、そして真紅は揃って廊下に出た。
「あなた達、名前は?」
「蒼星石だよ」
「翠星石ですぅ」
「そう……こちらももう一度自己紹介しておくのだわ。私は真紅」
にこり、と微笑んで彼女は言った。
「役割は、聞いているの?」
「いや、まだあまり」
「そう……端的に言うとね。あなた達は、私の一族にかけられた呪いに抗う剣となるのだわ」
「呪い……?」
「そう。この屋敷が縛られている、呪い」
「おじじが言ってた仕事のことですね。夢がどうとか言ってたですぅ」
「翠星石……だったわね。あなたは少しはわかっているのかしら」
彼女の部屋に案内されて、僕らはめいめい椅子に腰掛けた。
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:25:01.72 ID:l9ez0pad0
>>337 「お父様がつけていた、薔薇の指輪。まあ、何処まで本当かはわからないけど。昔々に――私の
先祖、とでも言えば良いのかしらね――悪い魔術師の口車にのせられて、あの指輪を貰い受けた」
「魔術師? そんな前時代的な」
「多分、貰った本人も冗談だと思ったでしょうね。でも、その指輪をつけて間もなく、一族はその隆盛を
極めたのだわ」
「魔法の指輪ですねぇ」
「そうね。伝えられたことをそのまま鵜呑みにするとすれば、あの指輪は観念をかたちにするものなの」
「観念を……かたちに?」
「そう。地位や名誉、そういったもので他のひとより上に立ちたいという欲望、と言ってもいいかしらね」
そういって、彼女は窓の外を見つめた。こんな馬鹿らしい話、あるものだろうか。だがとりもあえず彼女
がふざけている様子は感じられなかった。……けど、何処か。彼女の眼は、何処か虚ろで。
それにしても。もし彼女の言うことが本当だと言うならば、この家はもっと栄えていても良いのではない
か。失礼かもしれないが、この家の名を冠した事業が今世の中を牛耳っているとは聞かないし、この家自体
も大分古めかしい。そして先ほどからこの屋敷に取り巻き始めた、何やら嫌な感じは……一体なんなのか。
僕がきょろきょろ部屋を見回していると、真紅が話しかけきた。
「そんなに新しい感じはしないでしょう、この部屋も」
「あ……いや、……ごめんなさい」
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:26:05.43 ID:l9ez0pad0
>>338 「ふふっ。いいのだわ。だって本当のことですもの」
ため息をつきながら、言う。僕はそこで、ある考えに至る。その指輪は、一時は一族の繁栄に一役買った。
だが、今はその限りでない。ならば……
「奇跡は、限りなく続くことはない……そういうことかい?」
「察しが良いのね。その通りなのだわ。そもそも、世の中は観念で出来上がっているものだけど。
結局個人個人が持っているそれについては、実現出来るかは本人の実力次第だった。
だけどね。あの指輪はそれを容易く実現してしまったの。どんな因果かはしらないけどね。
私達の一族は、生きながらにして甘い夢を見せられていたということなのだわ。
けれど、無理矢理引き出された夢には、引き出された"跡"に歪みが出来る。その歪みには、甘い夢とは
全く正反対のベクトルを持った夢――"悪夢"が、補填される」
「どうしてその"跡"に、甘い夢がまた補充されないですか? 無くなった分はそれで補えばいいんですぅ」
「そうね、全く以てその通りだわ。まあもしそうであったら、私の一族も調子にのりすぎてもっと前に
滅んでいたでしょう。
ただね。見ることが出来る夢は、無限ではないの。ましてや、個人の観念から作られた夢――
光のあとには、影が残るでしょう? 幸せを得るためには、代償が要る。その代償が、私達にかけられた
呪い」
「幸せの夢を見終わって――今は悪夢を見続けている?」
340 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:27:11.53 ID:l9ez0pad0
>>339 「そうね。指輪をつけていた者には、一身に悪夢が降りかかったのだわ。その悪夢は本人だけ見ていれば
自業自得だったのかもしれないけど、指輪を通してそれがかたちになり。そして周囲の人間にも降りかか
り始めた」
「……」
「丁度、指輪を受けついた初代から次の代へと受け継がれたとき、その傾向は顕著になった。指輪をくれた
魔術師とやらを探し当てようとしたけれど、あとの祭り。一族は途方にくれた。
……そうして、全国を探し回って。夢の中へ入り込むことを生業とした血筋を見つけた。それがあなた達」
「指輪を捨てることは、出来なかったのかい」
「言うなれば、戒めかしらね。初代の犯した過ちの責任を、私達がとらされている」
「そんな理不尽なことって、ねーですぅ!」
翠星石が、憤ったように言った。確かにそうだ。そんな指輪は、何処かに投げ捨ててしまえば良いのに。
「そうね、確かに理不尽なのだわ。けど、それは指輪が許さない。指輪の持ち主が――宿主、とでも言って
いいかもしれないのだわ――、勝手に次の当主を見定めたら、勝手に受け継がれてしまうんですもの。
お父様が亡くなってしまう前に、私の指にはあの指輪が現れることでしょう」
「それが、呪い……」
「そう。もう指輪には、私達の観念を叶えるような力は残っていない。残高が無くなった、ということかし
らね。大分弱まってきているけど、悪夢のツケだけが残っている。それを延々と始末してるみたい。油断
すると、そこだけはこの世界に実現してしまうようだから」
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:28:07.67 ID:l9ez0pad0
>>340 「そういえば……君のお父さん。一葉さんは、この屋敷から出られないって聞いてるけど」
「それはあなた達の処置ね。万一悪夢が実現しそうになったときに、この屋敷内に留めておけるような結界を
施したのでしょう。
昔は大変だったらしいわよ? 一室に閉じ込められてがんじがらめにしないといけないらしかったから。
今は庭に出るくらいならば問題ないらしいのだわ」
僕はまだ、自分の考えの整理がつかない。彼女の言うことを、本当に信じて良いのかということ。そして
もしそれが本当ならば、僕達がこれから、彼女を守る役割を担わなければならないということ。
思いを巡らせていると、祖父が部屋をノックして、入ってきた。
「翠星石、蒼星石。こっちへ来なさい。お前達に、仕事を見せておこう」
祖父に連れられて、一葉さんの寝室へ向かった。
彼はまだ目覚めている。僕は真紅の部屋に居たときから感じていた違和感をより一層強く感じ、
思わず眉をひそめた。翠星石の方を見ると、彼女も何か察しているのか顔をしかめている。
「最近は、悪夢が実現しそうになるときには、気配がある。わし等にはそれを敏感に感じる力が
あるし、それは指輪の持ち主も僅かながらに持っている感覚なのだ。わかるな?」
僕らは頷いた。
「では、一葉。そろそろ眠くなってきたろう。良い夢を見るといい」
「ああ……頼んだ、"時計職人"」
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:29:04.76 ID:l9ez0pad0
>>341 身体を横たえ、一葉さんは眠りについた。祖父が意識を集中し始めると、空間にくらい穴が開いた。
「「……」」
僕と翠星石は、その様子をぽかんとした様子で眺めている。
「これから、この先にある"世界"に飛び込む。お前達には度々仕事を手伝ってもらうことになるだ
ろう。さあ、ついてきなさい」
"世界"は、空虚と言う言葉がよく似合う空間だった。何処までも白いのだが、もうそこら中に溢れて
いる影が、まるで世界を穴だらけにしているようだった。
「あれか……」
祖父が先を見据える。僕は眼を凝らさないと、それをよく確認することが困難だった。透明で、……
大きな塊、のようなもの。
「あれをわしらは"異なるもの"と呼んでいるのだ、二人とも。あれはまだかたちをうまく成していないが、
あれが人のかたちに見えてくるようだと大分具合が良くない。厳然たる意志を持ち、外へ出ようとする」
「ここは観念の世界なんでしょう? おじいさん」
「その通りだ。不幸の観念とは存外に厄介なものでな。"祟り"というものを聞いたことがあるだろう?」
「うん」
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:30:03.56 ID:l9ez0pad0
>>342 「本来"祟り"と呼ばれるものは、こちらがある観念の摂理を乱さなければ出てこないものなのだ。けれど
この一族は、もはや呪われてしまっていると言ってもいい。放っておけば不幸を撒き散らし、……端的
に言うと、人死にが出るだろうな」
「そんな……」
「しょうがないことだ。それほどこの一族の業は深い。欲望を無理矢理実現した影には、泣いている者も
多く居たのだからな。最近では少なくなったが、外からそういった怨念のようなものが悪夢をこじあけ
ようとする場合もある。
さあ、済ませるか……カズキ、出てきなさい。奴を抑えておいてくれ」
「……うん、お父さん」
すう、と。祖父の隣に、少年が現れる。
「カズキ……君!?」
「か、カズキはもう亡くなってるって……ゆ、ゆゆゆ幽霊……!?」
「カズキは、わしの息子だが……丁度遠縁のお前達を養子で貰った頃にも言ったことがあったな、もう死んで
しまったことは。幽霊とは、観念の塊のようなものだ。カズキは一葉の夢の中で命を落としたが……
こうやって、ここにくれば会うことが出来る」
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:31:04.51 ID:l9ez0pad0
>>343 「始めまして、お姉ちゃん達」
「あ……はじめ、まして」
僕はかなり驚いていたし、翠星石に至っては僕の後ろに隠れてしまった。しかしながら僕自身はもう、
大分この状況に慣れてしまってきていた。
「じゃあ、お父さん。……動きを止めるから」
「わかった」
祖父は懐から懐中時計を取り出した。空間が歪み、そして次々に時計が眼の前に現れ始める。
パシン、という音とともに、カズキ君の手が光った。光の帯のようなもので、"異なるもの"の
身体ががんじがらめになる。どうやら動けないようだ。
『――時は止まり、そして巻き戻らん。
"異なるもの"、汝のかたちはもとより無い。ならば、かたち無き元の姿へ――滅されんことを、欲す』
チッチッチッチ、となり響く時計の音。
透明だった"異なるもの"の身体が、白くなり。そして灰色のヒビが入って、ぼろぼろと崩れ落ちて
いった。
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:32:06.03 ID:l9ez0pad0
>>344までで、第二話前半終了です。続きは早ければ夜か、
または明日に……
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:34:11.90 ID:mqVnN38e0
>>345 すごい続きが気になるyo!
だからこう言わせてよ、GJ!
原作版、アニメ版のサブキャラを使ってるのが良いですぅ
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:34:56.13 ID:ScVqAMScO
呪いの指輪ですか…
大作の予感www
続きwktk
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:36:23.87 ID:sAtLp7dJ0
>>345 ちょwwwwwこれ続きがすごい気になるwwww
>>348 ちょwwwwwwwデカイwwwwwww
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:48:50.57 ID:t/uxH3+j0
>>348 まーぐろー まーぐろー たーっぷりー まーぐろー
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 15:56:55.68 ID:qAv/UDaL0
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:08:29.25 ID:t/uxH3+j0
蒼「ジュン君、ゲームしようか・・・」
J「?ゲーム?」
蒼「うん・・・僕が勝ったら、君を自由にする権利。」
J「僕が勝ったら?」
蒼「んー、君が好きに僕を、扱き使っていいよ。」
J「それじゃあ、ストリートファイターか?」
蒼「うん、じゃあ・・・僕は本間さん。」
J「俺は・・・このヨガでいいや。」
試合開始。
蒼「中々やるね・・・」
J「お前も中々な・・・」
蒼「あっ!」
J「蒼星石・・・ラストだ・・・」
J「ヨガフレイム!
http://f29.aaa.livedoor.jp/~tennsi/upl/src/up1283.jpg。」
蒼「(ポカーン)こんなの有ったっけ?」
J「何はともあれ、僕の勝ちだ・・・それじゃあ昼寝するから膝枕。」
蒼「はいはい・・・御休み・・・ジュン君・・・」
J「御休み・・・蒼星石・・・」
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:16:55.61 ID:t/uxH3+j0
ギャグマンガ日和ネタ。
お正月。
ジ「はぁ〜やっぱりお正月は家でゴロゴロしてるのが一番だよ。」
の「お雑煮おかわりあるわよ。」
ジ「ふぅ、コタツでゴロゴロしながらテレビを見る。これぞ日本の正月だよな。」
紅『しかしそれだと太ると言うことに…
あなたは気付いているの?ジュン!』←窓から覗いてる
ジ(第五ドール 真紅さん…いらしてたんですね…)
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:21:31.66 ID:c7Ov7wZN0
えーと、それでは【愛の行く末】第十三話を投下します。NGワードは【syuraba】です。
ー前回(前スレ
>>229)のあらすじー
薔薇水晶からの偽メール(水銀燈はジュンからのと思ってる)を受け取った日から
水銀燈は自室に引きこもっていた。このままジュンとの絆が途切れてしまうのか……
思い出のぬいぐるみを抱きしめ一人涙を流す水銀燈。そんな彼女の元に一通の封筒が届く。
差出人不明のその封筒を、水銀燈はジュンからの手紙だと思いこみその中身を確認した。
だがその中身はジュンと薔薇水晶の仲睦まじい姿を写した写真だった。
そしてその中には薔薇水晶がジュンに抱かれている写真もあった。
ジュンを寝取ったのは薔薇水晶。そのことに激怒した水銀燈はそのまま自宅を飛び出して学校へと駆け出した。
だがそれはジュン奪還をもくろむ翠星石達の仕業だった。計画がうまくいっていることを確認した翠星石は、
計画を進めるために水銀燈の自室へと侵入した。
+++桜田ジュン(6/23AM11:52? 薔薇学園3−B教室前?)+++
ふと気がつくと僕は自分の教室の前に立っていた。
なんで僕はここに?たしか、僕は自分の席でノートをとっていたはずなのに……
僕は、自分がなんでここにいるのかさっぱりわからなかった。
どうやって外に出たのか全然覚えていない。
思い出そうとしても全く思い出せなかった。
携帯を取りだして時間を確認してみた。
だけど携帯の画面は消えていた。電源ボタンを押し続けても反応が無い。電池の残量はまだたっぷり残っていたはずなのにどうして……
僕は周りを見回した。校舎の中は不気味なほどにしんと静まり返っている。
そのときふと、なにか鉄のような生臭いにおいが僕の鼻をついた。
その臭いは教室の中から漂ってきた。一体中でなにが……。
僕は、中でなにが起こっているのか確かめるために戸に手をかけて、思いきり引き開けた。
そこにはいつものように机が並び、いつものようにクラスメイトが座っていた。
違うのは、座っているのが皆僕に関係のある少女たちであること。
そして……教室の床を一面血が覆っていることだった。
壁や天井にも、まるで赤いペンキをぶちまけたかのように血が飛び散っている。なんなんだこれは……
僕は、一瞬立ち尽くした後、慌てて一番近くの、真紅の席に目をやった。
そこにはいつものように真紅が座っていた。
でも、彼女には右腕が付いていなかった。
右腕があった所からは血が止めど無く流れ、床に滴り落ちている。
僕はすぐ後ろの机に突っ伏している翠星石の体を起こした。
翠星石の喉はざっくりと真一文字に裂けていて、そこから白い骨が見えていた。
そこから流れ出た血で、首から下は真っ赤に染まっていた。
僕はひっと叫んで後ずさった。それから頭の中が混乱したまま教室にいる彼女達を見回した。
蒼星石は首が半分ちぎれかけ、今にも床に落ちそうになっていた。
雛苺は頭をかち割られ、そこから脳みそが外にはみ出していた
金糸雀の頭が半分無くなっていた
柏葉の体がメッタ刺しにされ、穴だらけになっていた
雪華綺晶は右目が抉られて赤い空洞と化し、そこから血がドロドロと流れ出していた
要するに―――みんな死んでいた
僕は猛烈な吐き気に襲われ、その場で胃の中の物を全て戻した。
床に広がる血と僕の吐瀉物が交じり合い、においがさらに酷くなる。
一通り吐いた後、僕は薔薇水晶の、僕の恋人の席に目をやった。
一番初めに目が行ってもよかったのだが、なぜか今まで目が行かなかった。
彼女は自分の席に座っていた。見たところ外傷はなさそうだった。
―――ああよかった!薔薇水晶は無事だったんだ!―――
僕は彼女の側に駆けより、その体を抱き起こした。
そのとき見てしまった。彼女の胸の真ん中。ちょうど心臓のある部分に大きな穴があき、そこから血が垂れ流されているのを。
―――薔薇水晶!!薔薇水晶!!―――
僕は、何度も体を揺すり、頬を叩き、必死に彼女の名前を連呼した。
だけど彼女は答えてくれなかった。口を楕円形に開き、そこから舌をだらんと垂れ下げている。その目にはもうなにも写ってはいなかった。
薔薇水晶も、皆と同じように遠くに旅立っていた。
僕は冷たくなった彼女の体を抱きしめ、大声で泣き叫んだ。気が狂いそうだった。
自分の体の一番奥から声が絞り上げられるような感じがした。
そのときふと気が付いた。
真紅 翠星石 蒼星石 雛苺 金糸雀 雪華綺晶 柏葉巴 そして薔薇水晶。
ここにいるのは全員僕に縁のある少女達だ。
だったらおかしい、一人たりない。あいつがいない。
僕はもう一度教室を見回した。だけど何度見てもその姿は無かった。
ピチャリ……ピチャリ……
そのとき、なにかが血の海をこっちに向かって歩いてきた。そして、それは僕のすぐ後ろで止まった。
「ジュン……」
なにかが僕に声をかけた。この声は……まさか……恐る恐る振りかえるとそこには……
全身に返り血を浴び
手に持ったナイフから血を滴らせ
僕に向かって両手を広げ
顔に満面の笑みを浮かべた
僕の、もう一人の大切な人、水銀燈の姿が……
「これであなたは私だけのものよぉ♪」
僕の絶叫が真昼の校舎に響き渡った
――――――――――――
?「……ン……ュン……ジュン!!」
J「――――っ」
体に揺さぶりを感じて、僕はゆっくりと目を開いた。
誰かがそっと僕の肩に手を置いて、体を揺すっている。
僕は、まだ少し荒い自分の息に気付きながらも、その手を目で追って横を見た。
薔「大丈夫?すごくうなされてたけど、怖い夢でもみたの?」
薔薇水晶……薔薇水晶だ……間違いない薔薇水晶だ!!薔薇水晶が生きてる!!
僕は薔薇水晶の姿を見た途端、彼女にがばっと抱きつき、その胸に顔をうずめた。よかった。彼女は無事だったんだ。
そのときの僕は自分のことに精一杯だったから、薔薇水晶の微妙な変化に気付くことができなかった
薔「やだ……ジュン、離れて……」
J「えー、でもさあ……」
僕はもう少しこの温もりを、薔薇水晶が生きている証を感じていたかったから、その言葉に渋る様子を見せる。
いつもだったらこういうとき彼女は『仕方ないなぁ』って言いながら僕を抱きしめ返してくれる。だから今回もそうなると思っていた。
だけど、そうはならなかった。
薔「ちょっと!ジュンやめて!今はだめぇ!!」
薔薇水晶は顔を真っ赤にして僕を押し返そうとする。あれ……本気で嫌がってる?
疑問が頭を埋め尽くす。どうして? どうして薔薇水晶はこんなに嫌がってるんだろう?
いつもだったら嫌がるよりむしろ喜んでくれるんだけど……
?「桜田ぁ〜」
誰かが僕を呼んでいる。なんだよ今いいとこなのに。そう思いながらもその声がした方向に目を向けると……
梅「桜田ぁ〜授業中にずいぶんと楽しそうなことをしてるんだなぁ」
あら?なんで梅岡が?なんでだっけ?……えーっと……あ、思い出した。たしか僕は四眼目の授業を受けてたんだ。
そしたらなんだか急に眠くなってそのまま……教室を見回すと、壁にも天井にも血の跡はついてない。死んだはずの少女たちも全員無事。
あれは、夢だったのか。と、いうことは……
………あ!!
僕はいそいで薔薇水晶から離れた。でもすでに遅し。いまや教室中が僕たちをニヤニヤと見つめている。ああ……周囲の視線がいたいな……
男「うわ〜授業中に大胆だなぁ」
蒼「いくら仲が良いからって、時と場所はわきまえてくれないかな」
雛「バカップル万歳なの〜」
金「ふん……」
雪「うふふ……今くらい良いじゃないですか金糸雀さん」
金「それもそうかしら。ふふふ……」
冷やかしの声もそこら中から聞こえてくる。
薔「だからダメって言ったのに……」
J「いや、ゴメン。ちょっと寝ぼけてて……」
薔「それでもいきなり抱きつくなんて。恥ずかしいよぅ……」
必死に弁明するも効果が無い。良く見たら少し涙目になっている。う〜ん、どうしよう、困ったなぁ。
J「どうしたら機嫌治してくれるんだよ」
薔「じゃあ頭なでなでして?」
J「ん?そんなんでいいのか?」
薔「うん♪それで許してあげる♪」
J「じゃあこっちこい」
薔「はーい♪」
近寄ってきた薔薇水晶の頭を撫でる。撫でているときの彼女はいつも気持ち良さそうな顔をしている。
薔薇水晶は髪を愛撫されるのが好きらしく、行為の際にはいつもせがんでくる。
しばらくの間撫でていると、満足したのか彼女は自分から離れた。
J「もういいのか?」
薔「うん♪ジュン、ありがとね♪」
薔薇水晶は幸せそうな顔で答えた。僕は恥ずかしさからその笑顔を直視することが出来ず、ぷいっと横を向いてしまった。
J「こ、こんなんでよければ何時でもやってやるよ」
こみ上げる恥ずかしさを堪えてそう呟いた。きっと今の僕の顔は赤く染まっているんだろう。
薔「ジュン……やっぱり大好きぃ♪」
薔薇水晶は僕に勢い良く抱きついた。僕は席から落ちそうになるも、なんとか堪えて彼女を受けとめた。
J「今抱きしめられるのはいやじゃなかったのか」
薔「嫌じゃないよ。自分からならいいの」
J「なんなんだよそれ。困った奴だなあ、薔薇水晶は。いつからそんなに我侭になったんだ?」
薔「ん?……それは……ジュンの所為……」
J「おいおい僕のせいかよ」
でもなぜか嫌な感じはしない。これも惚れた弱みってやつなのかな?
薔「そうだよ、私がこんなになったのもジュンのせいなの。だから……最後まで責任とってね♪」
J「最後まで?」
薔「うん、最後まで、ね?」
頬を染めて、小さな声で僕にささやく薔薇水晶。
薔薇水晶は皆に僕達の関係をばらしたあの日から僕に笑顔を見せることが増え、性格も明るくなったような気がする。
そして真紅達とも前よりも少しだけ仲良くなった。薔薇水晶をそうした責任をとれって言うのなら、僕はいくらでもとってやる。
J「……わかったよ」
もう一度、薔薇水晶をぎゅっと抱きしめる。抱きしめた体から、薔薇水晶の鼓動が早くなっていくのが伝わってくる。
そして、僕はその証として彼女の唇に……
真「いいかげんにするのだわああああああああああああ!!!!」
こん ばきぃ!!
J「んがっ!?」
いきなり後ろから頭を殴られた。薔薇水晶も殴られたようだ。
薔「……頭痛が痛いよぉ……」
僕の方は手加減してくれたのか、軽く小突かれた程度だけど、薔薇水晶の方は本気で容赦なく殴られたらしい。
まだ頭を抱えて痛がっている。
真「どうやら貴方達はTPOという言葉を知らないようね」
薔薇水晶の頭をさすりながら後ろを振り返ると、そこには腕を組み、仁王立ちして僕達を睨みつける真紅の姿があった。
真「教室は貴方達の盛り場じゃないのだからもう少し自重しなさい」
J「す、すみません」
薔「あいむそーりー」
僕達は真紅に一礼した。今の真紅からはなにかとてつもないオーラが漂っている。ここは逆らわない方がいいだろう。
真「そう思うんだったら少しは慎みなさい……正直不愉快なのだわ」
そう吐き捨てると真紅は自分の席に戻った。
でもなんではあんなに怒ってたんだろう?真紅は真面目だから、きっと僕達が授業の邪魔をしたのが嫌だったんだろう。うん、そうにちがいない。
周りからの視線もなにか良くないものになっていた。なにか、からかいの中に殺気のようなものも混じってきている。薔薇水晶も以外と人気があるんだな。
金「こ……てやるかしら」
雪「まあまあ、ここは我慢ですよ」
金「でもあれは久々にきちゃったのかしら」
雪「〜ここじゃ物が壊れる〜はやめてくださいよ。全部台無しになっちゃいますから」
金「でも雪華綺晶も手が震えているのかしら」
雪「……やっぱりわかっちゃいますか」
なんてことも聞こえてきた。うむ、真紅の言う通りだな。これからは少し慎むとしよう。少なくとも、皆の前では。
梅「えーと、授業を再会していいか?それじゃあこの騒動の責任をとって、笹塚、廊下に立ってろ」
笹「なんで!!」
諦めろ。それがお約束ってやつさ。
廊下へ向かう笹塚を一瞥して、僕は授業に戻った。周りの視線も次第に僕達から離れ黒板に戻っていった。
でも昼休みになったら冷やかされるんだろうな……そう考えると今から気が重くなる。
無事に昼飯、食えるのかなぁ……。
そのときの僕はこれからのことで頭がいっぱいで、あの夢のことは完全に忘れ去っていた。
だから僕は気付かなかった。あれがただの夢ではなかったということに……
―――――――――――――――
銀「はあーっはあーっはあーっ」
目の前がぼやける。足がもつれる。頭の中がガンガンする。息も未だに整わない。体中にへばりついた汗が気持ち悪い。
今日はまるで真夏のように暑かった。灼熱の太陽が私の体を照りつける。
そんな中を私は家からここまで決して近くない距離を全力で走ってきた。
それに加えてここ最近の不摂生による体力の低下も重なり、今の私にはもう走るだけの力は残っていなかった。
今は壁に手をついて歩くのがやっとの状態だ。正直いつ倒れてもおかしくない。それでも私は歩く。全てを取り戻すために。
しばらく歩いていると、いつも通る交差点についた。ここまで来れば学校まで後少しだ。
だけど信号は赤、私は信号の近くで立ち止まった。
銀「うぷっ!!」
そのとき猛烈な吐き気に襲われた。しまった、油断した。信号に手をつき、口に手を当ててその場に膝をついた。
喉奥から何やらすっぱい物がこみ上げて来た。ヤバイ、口まで来てる。なんとかギリギリのところで我慢して、戻ってきた物をもう一度胃の中に戻した。
きっと今の私は日射病か熱中症でも引き起こしてるんだろう。でもここまで来て帰るわけにはいかない。
ふと見上げると信号が青に変わっていた。私は立ち上がってもう一度歩き出す。
少し歩くと学校が見えてきた。よし、後少しだ。私は朦朧とする意識の中で、重たい足を引き摺りながらも学校へと向かう。一歩づつ、でも確実に。
今、私を支えているのはあの女への憎しみ、そしてジュンへの思い。
『ジュンをもう一度この手に』
その思いが私を突き動かしていた。この思いがあれば、私は何度でも立ちあがる。
私から奪い取った場所で光を浴びているあの子から、その場所を取り戻す。
私はあるべき場所へと帰るんだ。そのためならこんなのは苦ではない。
キーンコーンカーンコーン……キーンコーンカーンコーン……
学校からチャイムの音が聞こえてくる。そういえば今何時なんだろう。
いや、そんなのはどうでもいいか。今一番大切なことは一秒でも早く薔薇水晶の元へと辿りつくことだ。
私はジュンと取り戻してみせる。絶対に。
決意を新たにし、私は再び歩き出した。
銀「薔薇……水晶……待っ……て……な……さい」
その呟きは誰の耳にも届くことなく、真昼の喧騒にかき消されていった。
続く
これで今回の投下は終了です。それでは次回は金曜か木曜あたりに投下します。それではノシ
371 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:34:08.75 ID:t/uxH3+j0
>>369 す、SUGEEEEEE!
ここまで心臓がバクバクしたのは久しぶりだ。
スプラッタスプラッタ。
372 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:34:23.90 ID:sAtLp7dJ0
あまりの黒さに画面が見えないぜ・・・!
373 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:34:48.89 ID:mqVnN38e0
>>357-369 ウフーフー最初のZANSATSUのシーンにはビックリ!
え、前回の引きは何だったん?て思ってしまいました
すごい…読ませるなぁ…GJとしか言えませんわ…
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:34:52.30 ID:iFBb4UUp0
(´・ω・`)やあ
うん、またなんだ
何度も呪いをかける依頼をして申し訳ない
Vipperをバカにする者がいるスレは呪われて当然だと思うんだ。
まず、これを読んで欲しい。
http://school5.2ch.net/test/read.cgi/student/1145380997/l50 843 名前: ニャン(*'∀'ρ)ρ [
[email protected]] 投稿日: 2006/05/14(日) 13:22:32 ID:???
そ〜だуо↑このスギォのメァドにガンAメェル送ッちゃぃなуо(´∀`)パケ放題だヵら遠慮∪なくτイイуо↑
とにかく…月曜、meに絡め∪〜♪゛
844名前: 学籍番号:774 氏名:_____投稿日: 2006/05/14(日) 13:28:20 ID 4tnKoeE
みんなさっきの勢いDOしたの?? 今こそニャンを叩くチャンスだよ〜ん♪
そしてVIPPER呼ぶ呼ぶ言ってた自分では何もできないキモメン!!早く呼ん
で人が荒らすの見てれば?www
呪いをときたいなら晒されたアドレスに
すねおきめぇwwwwwwwwwwww
ってメールを送って欲しいんだ
最後にいっておこう
Vipperをバカにする者は末代まで呪われなければらならい。
375 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:35:58.39 ID:ScVqAMScO
正直読んでて心が痛むぜ…
だがそれが良い
そこに痺れる
そこに憬れる
黒いぜ。
怖いのに続きが気になる
377 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 16:48:42.22 ID:kVc50+nAO
俺の中で何かが覚醒された
378 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 17:06:03.37 ID:ScVqAMScO
保守
ほ
380 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 17:30:29.43 ID:vGlJIPSe0
「なぁ蒼星石、M字開脚してくれよ。」
「い、行き成り何言い出すんだJUM君!?」
「いいだろ?蒼星石のM字開脚が見てみたいんだ。」
「ぼ、僕のじゃないとダメなの…?しょうがないな…じゃあちょっとだけ…だよ?」
「ああ、蒼星石のこんな姿を見れるなんて…其処だって引き締まってそうじゃないか。」
「だ、ダメだよJUM君!僕のそんなところに指をいれちゃ…き、汚いよ…」
「蒼星石の体なら汚くなんかな」
真紅「一人で鏡に向かって何してるのJUM?」
J「こ、これはその…」
翠「………(♯^ω^)」
蒼「そう言えば最近JUM君を見かけないね?」
翠「きっと尻の穴にネギでも突っ込まれて絶命してるですぅ。」
なんか俺の頭の中に電波が来た…反省はしてない、後悔はしまくり
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 17:35:12.31 ID:sAtLp7dJ0
アーwwwwwww
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 17:37:00.97 ID:cHKsUAM+0
ほ
384 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 17:58:26.17 ID:wywcAX3/0
ほし
ゅ
386 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 18:17:33.94 ID:ScVqAMScO
保守
保守
ほ
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 19:05:17.07 ID:GR9oc1IQO
ほす
390 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 19:05:23.53 ID:sAtLp7dJ0
保守
391 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 19:24:17.74 ID:sAtLp7dJ0
保守
ほ
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 19:43:44.23 ID:sAtLp7dJ0
保守
394 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 19:59:21.30 ID:sAtLp7dJ0
保守
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:17:13.17 ID:ScVqAMScO
保守
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:28:21.75 ID:LAK0pUQ4O
見事に保守ばっかりじゃのう
397 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:33:50.98 ID:d7XGP64V0
保守ばっかりなので投下しますよ。
398 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:34:50.77 ID:d7XGP64V0
>>167 〜チビ蒼星石とチビ翠星石〜みんなの思い、長の帰還・・・No3
真紅「そろそろ昼食にするのだわ。」
ジュン「そうだな。ちょっと早い気もするけど、早めに食べないと混むしな。」
水銀燈「で、何食べるのぉ?」
ジュン「確かパンフレットに飲食店が書いてあった気がするけど・・・」
そういってジュンはパンフレットを広げる。
翠星石「お昼は何ですぅ?」
雛苺「うにゅ〜たべたいのー」
金糸雀「カナは玉子焼きがあれば何でもいいのかしら」
ジュン「良さそうなのは和食かハンバーガー位しかないな。」
雛苺「ヒナ和食がいいの〜」
翠星石「翠星石も和食がいいですぅ。」
金糸雀「カナも和食がいいですぅ」
水銀燈「まぁ、妥当ねぇ。ハンバーガーに行ってもいろいろ起きそうだしねぇ」
真紅「どこにも紅茶がないのだわ」
ジュン「それは家に帰ったら入れてやるよ・・蒼星石はなにがいい?」
蒼星石「ぼくは・・・じゃあ皆と同じでいいよ。」
金糸雀「じゃあ早く行くかしら」
雛苺「いくの〜」
399 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:35:12.78 ID:d7XGP64V0
>>398 ジュン「・・・蒼星石は自分の主張が少ないよな。」
蒼星石「え?・・そう?」
ジュン「まだ子供なんだからさ、もうちょっとわがまま言ったり、甘えたりしてもいいのにな。」
蒼星石「うっ・・・」
ジュン「まぁ、無理にとは言わないけどな・・・(なでなで」
蒼星石「じゃ、じゃあ」
ジュン「うん?」
蒼星石「その・・・抱っこ。」
ジュン「・・・いいよ。(蒼星石を抱き上げる」
蒼星石「ありがとう」
ジュン「どういたしまして」
水銀燈「いいわねぇ。子供は甘えられて・・・」
真紅「そうかしら?・・・まぁ羨ましい事ではあるけど・・」
水銀燈「あ、やっぱり真紅、貴方・・・」
真紅「ち、違うのだわ。べ、別にジュンのことなんて」
水銀燈「あらぁ?誰がジュンのこといったぁ?」
真紅「な・・・も、もういいのだわ。」
水銀燈「あらあら・・・いっちゃったわぁ・・・それにしてもやっぱり真紅は・・・」
400 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:35:30.56 ID:d7XGP64V0
>>399 雛苺「こっちなの〜」
金糸雀「ヒナ違うかしら〜こっちかしら〜」
雛苺「金糸雀違うの〜こっちなの〜」
金糸雀「こっちかしら〜。ヒナのはちがうかしら〜」
雛苺「ヒナのであってるの〜」
金糸雀「カナかしら〜」
雛苺「ヒナ!」
金糸雀「カナ!」
雛苺「ヒナヒナヒナ!」
金糸雀「カナカナカナ!」
真紅「喧嘩はそれまで。当たりはこっちなのだわ。」
雛苺「うぃ〜。ヒナはずれなの〜」
金糸雀「カナもはずれかしら〜」
真紅「そんな当たりはずれとかじゃないのだわ・・・ってなんで行き止まりがあるのだわ?」
金糸雀「やっぱりカナの道かしら〜」
雛苺「ヒナの道が当たりなの〜」
ジュン「お〜い。どこいってるんだ?こっちだぞ〜」
金糸雀「カナのみちじゃないかしら〜」
雛苺「ヒナのみちでもないの〜」
真紅「orz」
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:35:53.66 ID:d7XGP64V0
>>400 ジュン「ほらここだろ」
そういって店の扉を開けるジュン。そこには
やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
ジュン「・・・・・・・」
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
ジュン「・・・・・・(パタン」
蒼星石「・・・・・・・・」
真紅「・・・・・・・」
雛苺「・・・・・・・」
金糸雀「・・・・・・・・」
水銀燈「みんなどこいってたのぉ?」
翠星石「こっちですぅ」
ジュン「あ、僕間違っちゃったのか(棒読み」
真紅「まったくしっかりしてほしいのだわ(棒読み」
蒼星石「ジュンくんってうっかりやさんなんだね(棒読み」
ジュン「ごめんなーあはははは(棒読み」
水銀燈「・・・・・なにがあったのぉ?」
ジュン「聞かないでくれ・・・泣きそうなんだ。」
水銀燈「?」
翠星石「?」
そんなこんなでレストランへ
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:36:17.67 ID:d7XGP64V0
>>401 〜レストラン〜
水銀燈「案外空いてて良かったわねぇ」
真紅「そうね。早めに来て正解だったわ。」
翠星石「翠星石はこれがいいですぅ」
翠星石はメニューを指差していた。同様に
雛苺「ヒナはこれがいいの〜」
金糸雀「オムライス・・・オムライス・・・あったかしら〜」
ジュン「大体決まったな。蒼星石はどうする?」
蒼星石「(『まだ子供なんだからさ、もうちょっとわがまま言ったり、甘えたりしてもいいのにな。』)・・・・どうしようかな」
ジュン「どうする?」
蒼星石「じゃあこれ。」
ジュン「そうか。うまそうだなそれ。真紅たちは?」
真紅「私は決まったのだわ。」
水銀燈「きまってるわよぉ」
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:36:35.24 ID:d7XGP64V0
>>402 レストランの料理を堪能した一行でした。その後、いろんなものを乗りまくってもう結構日が暮れてきた頃・・・
ジュン「もうそろそろかえるか?」
水銀燈「そうねぇ、くらくなってきたしぃ」
雛苺「ヒナ観覧車に乗りたいの〜」
金糸雀「カナものりたいかしら」
ジュン「じゃあ最後に観覧車に乗って帰るとするか。」
真紅「でも観覧車ってそんなに大勢乗れないんじゃないの?」
水銀燈「じゃあジャンケンできめましょうかぁ」
そんでもってジャンケン・・・で決まったのは
ジュン、雛苺、金糸雀。
水銀燈、翠星石
真紅、蒼星石
404 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:36:52.18 ID:d7XGP64V0
>>403 雛苺「わ〜い。ジュンとなの〜」
金糸雀「徐々に高くなっていくかしら〜」
ジュン「暴れんなって・・・」
雛苺「そうだ。ヒナ、ジュンに聞きたいことあったの〜」
ジュン「ん?なんだ?」
雛苺「雛苺のこと好きぃ?」
ジュン「はぁ?なんで?」
雛苺「ヒナはジュンのことすきなの〜。だから好きかどうか知りたいの〜」
金糸雀「カナもジュンのことすきかしら〜。カナのことどう思ってるかしら〜」
ジュン「え?まぁ嫌いじゃないよ。」
雛苺「じゃあ好きなの〜?」
金糸雀「かしら〜」
ジュン「う、うん。まぁ好きってことになるかな」
雛苺「うぃ〜。翠星石にかったの〜」
ジュン「翠星石?」
雛苺「そうなの〜。翠星石はジュンのこと好きなの〜でも好きって言われたことないからヒナが一歩リードなの〜」
金糸雀「ヒ、ヒナ、それはいっちゃだめって翠星石からいわれてたかしら〜」
雛苺「う、うぃ〜!?・・・・ジュ、ジュン今の翠星石にはないしょなの〜」
ジュン「うん。別にいいけど・・・翠星石がねぇ・・・」
405 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:38:02.82 ID:d7XGP64V0
>>404 翠星石「くしゅん」
水銀燈「どぉしたのぉ?風邪ぇ?」
翠星石「どっかの馬鹿が噂してるだけですぅ」
水銀燈「ふぅん。で、翠星石ちゃんはジュンのこと好きなのぉ?」
翠星石「な、何を急にいいだすです?」
水銀燈「ふふっ・・・だってメリーゴーランドのとき真っ先にジュンと一緒に乗ったじゃなぁい?」
翠星石「そ、そ、それは・・・」
水銀燈「好きなんでしょぉ?二人しかいないんだから言っちゃいなさいよぉ」
翠星石「す、好きですぅ。これでまんぞくですぅ?水銀燈はどうですぅ?」
水銀燈「私ぃ?だいすきよぉ」
翠星石「な・・・・」
水銀燈「どうしたのぉ?別に隠す必要ないじゃなぁい。」
翠星石「・・・じゃあ翠星石はどうしたらいいんですぅ(ぼそ」
水銀燈「え?」
翠星石「じゃあ翠星石はどうしたらいいのかって聞いてるんですぅ?」
水銀燈「そのままでいいんじゃなぁい?」
翠星石「なんでですぅ?」
水銀燈「そのままでなにか不都合でもあったら変えればいいしねぇ。恋愛の相談ならお姉さん受け付けてるわよぉ」
翠星石「じゃ、じゃあ何か困ったらいくですぅ」
水銀燈「ふふっ・・いい子ねぇ(なでなで」
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:39:02.74 ID:d7XGP64V0
>>405 ジュン「じゃあ帰るか。」
真紅「そうね。観覧車一周で結構暗くなるのね。」
水銀燈「はやくかえりましょぉ」
翠星石「ジュ、ジュン!」
ジュン「なんだ?」
翠星石「だ、だ、抱っこするですぅ」
ジュン「いいけど(翠星石を抱き上げる」
翠星石「このままかえるですぅ。」
ジュン「へいへい。りょーかい」
〜桜田家〜
ジュン「・・・うちに電気がついてる。」
水銀燈「だれかいるのかなぁ?」
ジュン「まぁいい。入ってみる。」
そういうとジュンは玄関にあったバットを持つと静かにドアを開けた。そこには
のり「あら、ジュンくん。おかえり。・・・みんなと一緒にどこかに行ってたの?」
のりがいた。
翠星石「あ、のり。ただいまですぅ」
のり「おかえり。翠星石ちゃん」
雛苺「だれなの〜」
金糸雀「だれかしら〜」
のり「あら?・・・ジュンくん。この子達誰?」
ジュン「こっちが金糸雀でそっちが雛苺。蒼星石と翠星石の友達。」
のり「あらあらよろしくねぇ雛苺ちゃんに金糸雀ちゃん。私はのりっていうのよ。」
雛苺「のり・・・よろしくなの〜」
のり「元気いっぱいねぇ。よろしく」
金糸雀「のり、よろしくかしら〜」
のり「こっちも元気いっぱいねぇ。よろしく。立ち話もなんだし、あがって。」
407 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:40:01.60 ID:d7XGP64V0
>>406 〜桜田家・リビング〜
のり「あと、真紅ちゃん私がいない間、朝ごはんとかありがとうね。」
真紅「え、ええ。でも何故知っているの?」
のり「帰ってくる途中に真紅ちゃんのお母さんにあったの。そしたら教えてくれたわぁ」
真紅「そ、そう。別に感謝しなくてもいいのだわ。」
のり「迷惑だったでしょ?明日からは私が作るからもう大丈夫よ」
真紅「・・・」
水銀燈「残念だったわねぇ。真紅ぅ。」
のり「あら水銀燈ちゃん。貴方にも世話になったわね」
水銀燈「蒼星石ちゃんと翠星石ちゃんはこれからもあずかるわよぉ。のりさんがいても学校休むわけに行かないでしょぉ」
のり「それは大丈夫よ。ママが今日の夜に帰ってくるらしいから。」
水銀燈「・・・・・・」
ジュン「ま、しょうがないよな」
水銀燈「( ゚д゚ )」
真紅「( ゚д゚ )」
ジュン「こっちみんな。」
〜まぁそんなこんなで休日は過ぎていくのでした。〜
第4部、休日編
おわり
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:41:01.75 ID:d7XGP64V0
今回の投下は以上です。
ネタが尽きてきてやばい状況ですががんばって見ます。
では次回の投下で。
409 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:42:51.64 ID:sAtLp7dJ0
ちょwwwwwwwwバーボンハウスwwwwwwwwwwクソワラタwwwwwww
410 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:45:06.13 ID:ScVqAMScO
バーボンwwwwww
雛苺カワイス
411 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:47:47.63 ID:Pkx++G4H0
観覧車っていいよね!と思いました!
続きも期待します。
412 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:48:19.24 ID:8Om/AYpQ0
バーボンwwwwwwwwwwwwwww
413 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:49:38.66 ID:k0ZOq2Sh0
バーボンバロスwwwwwwwwwwwww
次回もwktk
414 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:51:36.77 ID:d7XGP64V0
>>409-
>>412 感想ありがとうございます。
投下し終わった後気づいたことががあるんでおまけとして、今書いてみました。
みっちゃんのカメラ系のネタをつかってなかったなぁって今気づきました。
おまけ
金糸雀「みっちゃんおちついてほしいのかしら〜」
みっちゃん「なんでカメラに何もうつってないのかしらねぇ」
金糸雀「み、みっちゃんこわいかしら〜」
みっちゃん「呪ってくれる。仕事中にどんな写真とってくるか期待してたっていうのに・・・」
金糸雀「み、みっちゃんやめるかしら〜」
みっちゃん「かーっかっかっかっか。あの若造が・・・呪い殺してくれるぅ」
金糸雀「みっちゃんがこわいかしら〜」
ジュン「なんだこの寒気は・・・。」
おわり
415 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:51:52.11 ID:LAK0pUQ4O
ちょwwwwバーボンwwww
416 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 20:54:15.76 ID:d7XGP64V0
>>413 リロードしてなくてすいません。
感想ありがとうございます。
417 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:05:58.12 ID:sAtLp7dJ0
保守
418 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:13:39.45 ID:yRVTl4ax0
しょーもない小ネタ
白崎
<<ラプラスの魔ってのは白崎の本当の姿で>>
<<趣味はSM あの鞭でしばかれるやつ>>
薔薇水晶
<<……>>
白崎
<<放置プレイ… いいよ〜薔薇水晶>>
槐
<<白崎…白崎… おいクズ!>>
白崎
<<いやその… これは単なる趣味だから>>
<<余計な詮索はしないように>>
槐
<<…薔薇水晶は最高の若奥様だ>>
白崎
<<…まあいいや サァ行くか>>
419 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:14:26.26 ID:sAtLp7dJ0
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:16:28.97 ID:ScVqAMScO
421 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:18:59.12 ID:rV9QLFA+O
422 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:28:36.13 ID:sAtLp7dJ0
保守
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:38:00.61 ID:Pkx++G4H0
保守
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:48:21.36 ID:sAtLp7dJ0
保守
425 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:53:36.04 ID:l9ez0pad0
>>408 バーボンハウスwwwお腹いたいwwwww
それはそうと続きwktkです。みっちゃんwwwww
保守が続いている按配なので
>>344の続きをしれっと投下します
【ゆめまぼろし】第二話、後編です
では、どうぞ……
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:54:44.72 ID:l9ez0pad0
>>344 「……終わった、の?」
「ああ、終わった。大したことにならなくて良かったが」
カズキ君がこちらに戻ってくる。
「お疲れ様、お父さん」
「おお……いつもすまないな、カズキ」
「それは大丈夫。僕もそろそろ、ここからは解放されそうだけどね……」
「……そうだな」
「どういう、ことですか?」
「ここで朽ちた身体は、外に出ることが出来ないんです。始めはそのまま夢の中に留まり、やつら
の相手をしていたんだけど、大分イメージが薄れてきちゃったから……」
「カズキに所縁の深いわしが居ることで、カズキも存在出来るということだ」
「え……でも。"異なるもの"は外に出ようとするんですよね? カズキ君もなんというか……
そのまま成仏出来たりしないんですか」
祖父は静かに首を横に振った。
427 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:55:58.25 ID:l9ez0pad0
>>426 「それは出来んのだろうな。カズキはここで生まれたものでは無いからなあ。
ここは一葉の観念の世界。ある程度、一葉のイメージにカズキはとりこまれてしまっている。
解放されるのは、一葉の命が尽きたときなのだろうな……
外部から正しく入り込んでいれば、問題は無かったのだろうが」
「あんまりですぅ……そんなの……」
翠星石が俯く。僕もなんだか、暗い気持ちになっていく。脈々と受け継がれてきた指輪。これが
不幸の影を落とし続けている……
『大丈夫ですわ。それが私の運命ならば、私はそれに従うまで』
真紅の言葉を思い出した。彼女はこれから、どんな人生を送ることになるというのか。
僕は――僕達は。彼女を、救わなければならない。
「この呪いを断ち切ることは、出来ないんですか」
「……指輪の実現した幸福が有限だったように、それに伴う不幸も有限だろう。いずれはこの連鎖も
終わるに違いない。
ただ、わしの力では、それを絶つところまではいかなかったが……何しろ、この力も万能ではない。
"異なるもの"が発生したあとに、それを抑えることが出来る程度だ」
懐中時計を僕らに示す。
「それは……さっきの」
「そう。わしらの一族は、自分と縁の深い道具を用いて、"異なるもの"と対峙する。
この時計が、わしが"時計職人"と呼ばれる由縁なのだ」
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:57:17.23 ID:l9ez0pad0
>>427 「僕達は、その時計を使って闘う訳では無いということですか?」
「そうなるな。わしの時計を預けても、それをうまく使うことが出来ないだろう……そう
だ、お前達は園芸が好きだったなあ」
「そうですけど……単なる趣味にすぎんですよ、おじじ」
「はっは……それで構わんのさ。わしよりも何代前のことだったかなあ、"庭師"の異名を
もつ人物が居た。"異なるもの"の攻勢が激しかった頃、それを見事に押さえつけていた
と。お前達にぴったりじゃないか」
「"庭師"……」
「そうだ。翠星石は、この世界を守る壁を作るために……如雨露をあげよう。それで壁を
育て、隔てるのだ。
蒼星石、お前は全てを断ち切るための鋏を預ける。どちらも、家に残っている筈だ。
まずは現実の世界で、それらに慣れ親しむこと。そうすれば、それをこの"世界"へ
持ってきて……ここで闘うための手段にすることが出来る。
ここは観念の世界。お前達がしっかりと存在する己を意識出来るのならば、大丈夫……
カズキの二の舞には、させん。
お前達はこれより、"夢の庭師"を名乗りなさい。まだまだわしも現役だが、鍛えること
になりそうだなあ」
そんなやりとりの後、僕らは"世界"を飛び出し、現実へと戻ってきた。
「……む……」
「目覚めたか、一葉。終わったよ」
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:58:14.77 ID:l9ez0pad0
>>428 「そうか、すまない」
一葉さんがゆっくりと身体を起こし、こちらへ向いた。そして頭を下げる。
「娘を……宜しく、頼む。私とて、娘をこの屋敷に留めつづけておくには忍びない。
なんらかの策を、考えなければならないのかもしれないな……」
――――――
「お前達は、あの館の主を守りなさい――それが、役目だから」
「はい」
「しゃーねえです、おじじ。どんと任せて、ゆっくり休むといいですぅ」
指輪が真紅へと受け継がれたとき、僕達は正式に"夢の庭師"の名を冠することになった。
これから、あの屋敷に住み込むことになる。
翠星石はかなり筋が良かったようで、意識を高めれば何処でも自在に"世界"へ通じる穴を
開くことが出来るようになっていた。
彼女が守り、僕が攻める。それを繰り返し、繰り返して。果たして、いつまで続くことだ
ろう。
430 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 21:59:12.89 ID:l9ez0pad0
>>429 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
館の主から貰った休みの期間を終えて、僕達はまた屋敷に戻ってきていた。
「精が出るな、蒼星石」
庭で薔薇の剪定を行っていると、彼がこちらの方へやってきた。
「やあ、ジュン君は散歩なのかい」
「散歩……というと微妙だな。確かに暇ではあるけど」
そんなことを言いながら、彼は空中で仰向けになりながらふわふわと浮いている。
「休みは満喫出来たのか?」
「お陰様で、骨休めくらいにはなったよ。有難う、ジュン君」
「それはいい。お前らはもっと休んだほうがいいと思う」
「あははっ」
可笑しなものだ。彼は僕の眼の前に居るが、確かな存在では無い。この世での生が、
彼には無いから。そんな虚ろな存在に僕は心配されてしまっている。心遣いは有難い
けど、ちょっと変な感じ。
「本当、人間くさいね君は」
「あー。これでも多分、元は人間だろうから。その名残なんじゃないのか」
「生きていた頃の記憶は無いんだよね?」
431 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:00:14.43 ID:l9ez0pad0
>>430 「無いな」
ぱちん、と。また余計な台芽を切り取る。僕は今、彼を目の当りにしている以上、そ
の存在を疑うつもりは無い。――だけど。
「まあ。運命かなんかなんだろ、多分」
そんなことを、彼は何処か遠くを見つめながらいうものだから。僕は彼自身何かを知っ
ているのではないかと、恐らくは余計な心配をしてしまうのである。
と、僕らが談笑していると。『スコン!』と小気味良い音を立てつつ、彼が少し吹っ飛
んだ。うん、いい当たりだね。クリティカルだと思うな。
「蒼星石の仕事の邪魔してんじゃねーですよ、チビ幽霊!」
ぷんぷんと怒りながら登場した双子の姉、翠星石。
「いや、翠星石……僕がさぼってたのが悪いん」
「どうせこのチビが話しかけたに決まってるです!」
……正解。でも、これはちょっとやりすぎのような気も……
「……いっててて……おい翠星石、いい加減その如雨露アタックはやめてくれ。頭が割れる。
下手すると死ぬぞ」
432 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:01:10.10 ID:l9ez0pad0
>>431 「うっさいです! さっさとお陀仏すればいいですよ!」
うん、翠星石。彼はもう死んでるよ? やたら健康的だけど。
ぎゃーぎゃー言い合っている二人を、僕は脇から観戦する。ごめんねジュン君。君には悪い
けど、結構君たちの言い争いは、見てて微笑ましかったりするから。
軽口を叩き合う、というか。悪く言い合っている中にも、なんだかんだでお互い気遣いあっ
ている。彼がもし幽霊などという存在で無ければ、案外と良い感じのカップルに成り得たのか
もしれない。
庭の先にある門の方を見ると。通りすがりであろうひと二人が、こちらを見てひそひそと話
をしている。僕と眼が合って、一目散に去っていった。
まあ……しょうがないだろう。あのひと達にすれば、翠星石は一人で喚いているようにしか
見えない訳で。頭がおかしいと思われても、致し方ない。
一歩この屋敷に踏み入れれば、多分第六感だとか、そういった資質に優れた人物ならば彼を
知覚出来ることだろう。だけど、この館に自ら進んで入り込もうとする物好きな輩は居ない。
その辺を歩いているひとなんかより、よっぽど人間が出来ている彼。彼もこの館の主に負け
ない位の思慮の深さを持っていることを僕は知っている。だから、他人の眼なんかは別に気に
ならない。
「あー、言い合っててもしょうがねーです」
「言いがかりをかけてきたのはそっちだろうが」
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:02:14.19 ID:l9ez0pad0
>>432 「チビ幽霊は黙ってろですぅ」
「僕と大して変わんないだろ。あ、じゃあお前もチビだ。このチビ」
プチン。あ、これは、
「ジュン君、多分逃げた方がい」
「……ふふ、ふ、」
光った。翠星石の両眼が……南無。あれ、言葉の使い方は合ってるのかな、この場合は。
ああ、今日彼は何メートル飛ばされるのだろう、と考えたところで。唐突に僕らの空気が
変わる。
三人、顔を見合わせた。
「仕事だね」
「しゃーねぇです。勝負は預けとくですよ、ジュン」
「……ああ。先に行く」
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:03:19.61 ID:l9ez0pad0
>>433 彼は館の中へ飛んでいき、姿を消した。僕達もそれを追う。事を始める分には別に何処
でも良いのだが、流石に外では具合が悪い。
僕達は彼を追うようにして、館へと走っていった。
館の中へ駆け込み、階段を上る。勢いよく、ある部屋のドアを開けた。
「真紅……」
床に倒れている。彼女自身の対応が遅れたのだろう。恐らく、予兆が少なかったのだと考える。
最初の頃こそ今のようにぱたぱた倒れたりしていたが、最近では余裕をもってベッドやソファに
横になっていた。
僕は彼女を抱え、ソファに横たえさせる。
翠星石が意識を集中し始めた。眼の前の空間が歪み始め――くらいくらい、穴が開く。
「――行こう」
僕は大きな鋏を、彼女は如雨露を手に携え。僕らはその穴に飛び込む。
435 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:04:09.49 ID:l9ez0pad0
>>434 そこは、現実とは異なる世界。だからここには、"異なるもの"が居る。
「薔薇が……」
この世界の防衛線とも呼ぶべき薔薇の茨が、荒らされていた。まだこの入り口付近に、
"異なるもの"が辿り着いている気配は無い。
「前回念入りにやったというのに……ちょっと面倒なことになりそうですぅ」
そう言いながら、翠星石は如雨露を掲げ水をまき始める。
「さあ、元気になるです薔薇さんたち」
みるみるその生気を取り戻していく薔薇。僕達はそれを見届けて、"世界"の奥の方へと
進んでいった。
真紅を守るために。
そして彼女に課せられた呪いに―――少しでも、抗うために。
436 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:06:16.71 ID:l9ez0pad0
>>435までで、第二話 庭師 終了です。
次の投下は多分来週末にでも……
前の投下で読んでくれた方々、ありがとうございました!
次回、【ゆめまぼろし】第三話 策士 (予定ですので変わる可能性もあります)
それでは、また。
437 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:07:35.66 ID:sAtLp7dJ0
だんだん話が深くなってきたwwwww
策士ってことは・・・・w
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:08:38.44 ID:Pkx++G4H0
>>436 実によく練られた世界観だと思います。GJ!
次回は金糸雀登場かぁ…wktk!
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:10:28.41 ID:ScVqAMScO
幽霊になってもJUMと翠星石のやり取りは変わらないwwwwww
続きwktk
440 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:21:37.91 ID:sAtLp7dJ0
保守
441 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:21:51.20 ID:l9ez0pad0
>>437-439 感想ありがとうございますー。策士って、お察しの通り多分あの娘です。
あの娘が出るってことは、それに伴ってあのお方も出したいと考えてます。
ではでは。
そして保守ー!
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:31:54.07 ID:GR9oc1IQO
最近来たんだが凄い楽しいスレだなwwww
一味違うローゼンメイデンが楽しめる。
JKスレの全盛気から居たかったよ(´・ω・)
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:32:00.01 ID:sAtLp7dJ0
保守
444 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:34:57.07 ID:sAtLp7dJ0
>>442 最近来たのなら
>>5はちゃんと読んどいてね
あと雑談は
>>1からいけるWikiの雑談室か雑談所で
そこでなら雑談ぜんぜんウェルカムだから
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:38:22.71 ID:GR9oc1IQO
>>444 分かっていたんだが此処で言いたかった。済まない。
446 :
444:2006/05/14(日) 22:39:29.83 ID:sAtLp7dJ0
>>445 いや、こっちもなんか自治厨っぽくてごめん
----------------------再開--------------------------
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:48:39.86 ID:ScVqAMScO
保守
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 22:59:38.21 ID:4m6r6lp10
保守
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:07:08.13 ID:ZG46FKXmO
>>204 結構安易に言ったのに、こんなにwktkさせられるとは思わなかった
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:08:47.13 ID:9dzhpqKF0
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:12:10.52 ID:mqVnN38e0
>>450 蒼かわいいよ蒼、ということでwww
何の漫画なんだろう?
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:14:51.08 ID:ScVqAMScO
蒼星石テラカワイス
それ以上にジュンがなんかかっこいいwwwwww
454 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:20:47.21 ID:9dzhpqKF0
>>451 多分知らんと思うよ
その漫画に置き換えると、JUMは変身して怪人と戦い、蒼星石はノーヘルでバイクに乗ってる
455 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:32:10.65 ID:ScVqAMScO
ほし
456 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:37:11.05 ID:mqVnN38e0
>>454 あーエロい漫画ですか?
それならば、見たことがある
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:43:35.56 ID:9dzhpqKF0
>>456 いや、エロくない
雑談になるのでこの話はここまでで
とりあえず保守ー
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/14(日) 23:58:27.75 ID:OdNBRMK70
あげ
460 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:09:20.18 ID:rsJlfzJo0
保守
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:22:03.35 ID:ysUtVlY5O
保守
462 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:22:35.83 ID:eQYSeqaA0
>>38の後編 『退魔の戦乙女達』〜世界樹を育む巫女と戦いの乙女〜
世界樹の根元で翠星石は異変を感じ取っていた。
翠「何か…変です。」
J「どうかしたのか?」
翠「翠星石の知らない植物の匂いがするです。それと何だか…背筋が寒くなるような怖い何かが来るです…」
翠星石に言われて気付いたが確かにこの辺りで何か魔力に近いものを感じる。それだけではない。何か桁外れな力を感じる…。
僕は翠星石を守るように臨戦態勢に入った。地響きがする、やがて世界樹の根を突き破って何か岩のような巨大な物体が地面から現れた。
球根の上にある人型の肉体…それはドライアドであると一瞬でわかったのだがそれにしてはとても邪悪な魔力を放っている。それに大きさもこれほど大きいものは見たことがない。
激昂したかと思えば先が槍のように尖った蔓を出し此方に向けて放つ。僕は翠星石を抱えて跳躍して回避する。
翠「お、降ろすです!このままだと世界樹が…ッ」
J「バカ言うな!世界樹も大切だろうけど自分の命を大切にしろ!」
翠「ジュン…」
蔓を回避されたドライアドは、今度は口から幾つもの種を吐き出す、種は地面に潜りすぐに根を張って別のドライアドに成長した。
数が多すぎる、それにいちいち小さいドライアドを倒していてもまた増殖されてキリがない。
僕が攻めあぐねていると小さなドライアドが根付いている地面から紫色の水晶の柱が生えドライアド達を串刺しにした形で天に捧げている。
それと同時に巨大なドライアドの上空から無数の巨大で鋭利な水晶が降りかかってきた。ドライアドは蔓で弾き飛ばしたが幾つかの水晶はその巨大な体に突き刺さった。苦痛に再び激昂する、大気が震えて邪悪な魔力は更に力を強めた。
「コイツが親玉…倒す!」
左目に眼帯をした紫の退魔士のコートを羽織った少女が巨大なドライアドに向けて突進する。
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:22:54.31 ID:sN5UXuXTO
保守
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:23:48.55 ID:eQYSeqaA0
>>462 蔓で威嚇するが逆に蔓を伝って彼女はドライアドの懐まで進んで来た。
あれだけの巨躯では接近戦は苦手だろう、そして彼女は水晶の剣をドライアドに突き立てる。
しかし奴は傷口から毒の花粉を撒き散らす、思わず眼帯の少女は距離を取る。怒り狂ったドライアドは根を足のような形に絡ませ猛進する、少女は水晶を飛礫打ちのようにして猛進するドライアドに抵抗する。
それでも止まる気配がないので彼女は広範囲に向けてその絶大な魔力を開放する。放射線状に広がった魔力の波の後には大地を裂くように水晶が発生する。
更に波に巻き込まれたものは例外なく水晶漬けにされドライアドの足も水晶に侵され使い物にならなくなっていた。
J「す、凄い…これだけの広範囲に影響を出すなんて…」
翠「何が凄いですか!あの子が魔力を放った後を見るです!!」
あれほど綺麗に咲き誇っていた花園はなくなり水晶に蹂躙された荒廃とした世界が広がっている。
更にその影響は世界樹の根にも及んでいて根に水晶の欠片が突き刺さっていた。
翠星石が憤慨するのも頷ける。
翠「可哀想ですよ…木と花たちの悲鳴が聞こえるです…」
それでも眼帯の少女もドライアドも戦いを止めようとしない。両者の戦いは更に苛烈を極めるものだった。
突然、翠星石は抱えられながらジタバタと暴れ出す。
翠「降ろすです!こうなったら…二人の喧嘩を止めてやるですよ!」
J「と、止めるってどうやって…お前武器も何もないじゃないか!」
翠「武器ならちゃんとあるです!この『如雨露』さえあれば…」
ジュンの制止も聞かず翠星石は無我夢中で彼から離れ眼帯の少女を止めに行くのかと思えば世界樹を登り始めた。
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:24:39.54 ID:eQYSeqaA0
>>464 翠星石は着ている服をボロボロに汚しながらも世界樹の少し高い枝のところまで登って来る。
翠(世界樹に登るのも魔物と対峙するのも怖いですけど…それでもお花さん達のためなら!)
枝の先端近くまで来て翠星石は如雨露に自分の魔力を注ぎ込む、すると如雨露の中に入っている水が幻想的な緑色の光を放ち溢れ出す。
翠星石は光の水を力いっぱい辺りに撒き散らす、それはさながら光のシャワーで見ているだけで何故か癒されるものがあった。
翠「おめぇらいい加減に喧嘩は止めるですぅー!!」
彼女の怒号とともに不思議な水は荒廃した世界に降り注ぐ。すると世界樹を中心として様々な種類の花が咲き乱れ水晶に覆われた地面を再び草花が覆う世界へ蘇らせる。
そして驚くことに巨大なドライアドは何故か苦しがって地に倒れ臥し大輪の華へと姿を変えたのだった。
J「な、なんだ今のは…あ、あれ?肋骨が…痛くない?」
何時の間にか肋骨の骨が治っている。世界樹の根を見ると刺さっていた水晶がなくなり傷も元通りに戻っていた。
どうやらあの光のシャワーは癒しの力を持っているらしい。あのとき感じた心の安らぎは本物だったようだ。
眼帯の少女も突然起こった出来事に暫し呆けている。
J「凄いじゃないかお前!あんなことが出来るなんて…」
翠「と、ととと当然ですぅ。これでも翠星石は蒼星石の双子の姉なのですからー…」
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:26:09.44 ID:eQYSeqaA0
>>465 自分のしたことの成果にしては彼女は何故か震えている。どうしたのかと尋ねてみたところ…。
翠「の、登り過ぎて自分じゃ降りれなくなっちまったですぅ…」
本当に小動物みたいな奴だ…寧ろ猫か?と思ってしまう。
仕方ないので僕は翠星石のいる枝まで一気にジャンプして彼女を向かえに行く。おもむろに僕は彼女を抱える。
翠「お、お姫様だっこ…」
J「何か言ったか?」
翠「な、何も言ってねーです!さっさと降りるです!」
何故か顔を真っ赤にして怒り出す。女の子ってイマイチよく分からないなぁ。
少し脅かしてやるつもりで僕は勢いよく枝から飛び降りた。案の定、翠星石はこれでもかと言うほど怖がって大きな悲鳴をあげる。
翠「こ、このチビ盗賊!もっと優しく降りやがれです!!」
半泣きでそんなこと言われても説得力がない。なんだか反応がイチイチ可愛い奴だな。
高いところから降りれたと思ったら翠星石はすぐに眼帯の少女の元へとズンズン進み出る。
眼帯をしている少女の方はと言うと翠星石のことなど特に気にも止めていないようだった。
翠「薔薇水晶!お前も少しは周りのこと考えて戦いやがれです!あんなことをしたら世界樹にまで影響が及んじまうですよ!」
薔薇「………ゴメン。」
怒られた薔薇水晶には戦いのときのような凛々しい面影など微塵もなく翠星石に怒られただけでとても大人しくなってしまった。
青いとても長い髪の毛はまるで水晶のように煌々と光っているかと錯覚してしまうほど綺麗だった。
467 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:27:01.10 ID:eQYSeqaA0
>>466 やがて『赤薔薇の園』から真紅が此方へやって来る。よく見ると額が赤かった。
真紅「随分と暴れていたみたいね貴女達…」
翠「真紅!久し振りです〜、元気にしてたですか?」
真紅「ええ、お陰様でね。」
薔薇「元気にしては…おデコ打ってる。」
真紅「誰かさんが行き成り水晶を出すから転んだのよ。」
薔薇「う…ご、ゴメン…」
J「にしても…此処に魔物が入るのってよくあることなのか?」
真紅「それは有り得ないわ。此処は聖域、限られた者しか入れない筈…」
真紅の話を聞いて僕は可笑しいと思いあの巨大なドライアドがその姿を変えた大輪の華を調べる。
華の中には何か球体の禍々しい赤く煌く水晶のようなものがあった。
J「これは…けど、どうしてこんなものが此処にあるんだ…?」
ジュンは真紅達にそれを見せずに自分の懐の中に隠し持った。そして何食わぬ顔で彼女たちの所へ戻る。
それを世界樹の影から覗き見ている者が居た。白い影のようなそれはすぐにその姿を靄のように掻き消す。
468 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:27:38.60 ID:eQYSeqaA0
>>467 夜…真紅と僕は『赤薔薇の園』の屋敷に泊めて貰えることになった。
真紅の親父さん曰く、そんなに魔力も弱らせおって、我が家の恥になる前に『調律』してやるよ、とのことだった。
意地っ張りで素直になれないところは矢張り親子なのだと思わせる。
翠星石も薔薇水晶も各々の屋敷に戻って行った。あの二人は普段はそう思えないがとんでもない力を持っている。
薔薇の退魔士はつくづく退魔士の中でも至高と呼ばれるに相応しいと思い知らされる。
そしてジュン達の居なくなった世界樹の麓に一人の人間がいた。
「失敗したか…」
世界樹の麓に広がる花畑を見てこの騒動の元凶は呟く。自分があの鏡を潜るときにこっそり持ち出した特製のドライアドが敗北したのを大輪の華を見て悟ったのだ。
忌々しい世界樹を見上げて腹癒せにその幹にナイフを突き刺す。しかしその程度では世界樹はビクともしない。
「まぁいいか…次はどうしてやろうか…。」
世界樹と同じぐらいに忌々しい薔薇の退魔士達…彼等を、ただ一人を除いて全員消してしまわねば望みは叶わない。
そう、そのただ一人のために…。
「やってやるさ、そのための与えられたローザミスティカなんだ。」
左手に先ほどジュンが拾ったのと同じく禍々しい赤い光を放つ水晶のようなものを持っていた。
物語は、いや運命の糸車は更に速く廻る。
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:31:01.00 ID:eQYSeqaA0
薔薇「『退魔の戦乙女達』、今日は此処までで御座います。」
真紅「何だか今回は私の出番が少ない気がするのだわ。」
翠「蒼星石の出番だって少ないですよ!」
蒼「まぁまぁ…それを言ったら雛苺もだし水銀燈と金糸雀なんて一回も出てないよ。」
薔薇「魑魅魍魎なりましたが次回…『しあわせって何?(仮)』です…」
そろそろ薔薇乙女が出揃ったので予告はこれから薔薇乙女に任せます><
470 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:33:27.86 ID:rsJlfzJo0
>それを世界樹の影から覗き見ている者が居た。白い影のようなそれはすぐにその姿を靄のように掻き消す。
まさか・・・?
だんだん不穏な空気が漂い始めてきましたね
続き超wktk
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:44:13.46 ID:cQrQrq33O
だんだん緊迫してきたな
なぞの男は誰なんだろう?ジュンとの関係は?
続きwktk
472 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 00:45:30.23 ID:ysUtVlY5O
続きwktk!
描写がうまいなあ。
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:00:14.26 ID:ysUtVlY5O
ほしゅー
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:09:46.94 ID:8RQSaxZj0
保守
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:10:31.99 ID:8RQSaxZj0
保守
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:14:33.97 ID:xaS0aFmsO
ほす
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:15:54.01 ID:xaS0aFmsO
ほす
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:23:15.33 ID:okBO3XeN0
翠「うわぁ・・・すごい熱いですぅ・・・・」
J「翠星石、入れていいか?」
翠「うん・・・強くしてほしいですぅ」
真「ちょっと!何をしているの!JUMは私の僕よ!」
翠「・・・・今日暑いから・・・」
J「クーラーいれようと・・・・」
真「・・・・・・」
翠「・・・・・・・」
J「・・・・・・・」
真「ヌルポ」
J・翠[ガッ!!」
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:26:34.19 ID:cQrQrq33O
ヌルポwwwwww
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:37:25.39 ID:xaS0aFmsO
ほす
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:49:04.06 ID:DWJe9TB7O
病院
薔薇「どうしました?」
JUM「おとといから腹痛がおさまらなくて……」
「では早速手術しましょう」
「いや、診察しないんですか?」
「ご心配無く、目が覚めるころには立派なアッガイです」
「そうじゃなくて」
「そして連邦軍を滅ぼすのです」
「絶対に嫌です」
「……そうですか。ならば死んでしまいなさい、葬儀屋にでも電話しておきましょう」
「……」
「……」
「……手術で」
「それでいいのです」
保守
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:50:07.99 ID:eQYSeqaA0
保守
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:56:40.38 ID:okBO3XeN0
だって
ageるのって
vipで生き残るって事でしょう?
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:57:29.30 ID:ysUtVlY5O
ほしゅかしらー
486 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:58:22.07 ID:cQrQrq33O
、
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 01:59:39.71 ID:cQrQrq33O
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 02:13:20.22 ID:MI3rJRZB0
489 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 02:15:20.36 ID:cQrQrq33O
三種の神器ktkrwwwwww
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 02:15:46.38 ID:BRqUqNQ5O
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 02:17:52.08 ID:rsJlfzJo0
>>488 眠ろうとしてたのに目が覚めたじゃないかwwwwwwww
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 02:23:57.79 ID:D1p3ppOp0
493 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 02:34:42.24 ID:ysUtVlY5O
ほしゅかしら!
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 02:35:04.11 ID:zk0RaVJF0
保守
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 02:55:53.98 ID:DWJe9TB7O
保守
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 03:15:11.23 ID:YmQFNMghO
保守
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 03:17:42.63 ID:wnCBejrSO
71:デュード◆rKKpoidTWY :2006/05/14(日) 11:11:42 ID:RIn87HCk [sage]
俺としてはAA厨や他信者にもっと不快になってくれればと思っているね
深底「デュード殺したい」って思わせるほどムカムカさせてやりてえんだよ
80:デュード◆rKKpoidTWY :2006/05/14(日) 21:43:43 ID:RIn87HCk [sage]
俺はアニメ厨みたいなクズ野郎が気に入らねえんだよ
http://c-au.2ch.net/test/-/cchara/1147097212/n
498 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 03:36:13.14 ID:qMBabeRe0
ほしゅ
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 03:54:55.77 ID:qMBabeRe0
保守
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 04:13:41.08 ID:qMBabeRe0
ごめん、もう限界だ……ラスト保守…
保守
502 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 04:47:54.26 ID:DWJe9TB7O
保守
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 04:58:37.14 ID:MI3rJRZB0
504 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:36:09.42 ID:MI3rJRZB0
保守
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:49:54.96 ID:ocGJkHkH0
>>488 素晴らしい!全身の眠気が覚めたw
>>503 全身に気合が入ってきたww
しかし、小悪魔的な蒼の子も最高!!
ここで保守がてらネタを投下。
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:50:43.65 ID:ocGJkHkH0
……ん?
僕はふと目を覚ます。
瞼が開ききらないままゆっくりとあたりを見回す。
電車の中のようだ。
窓の外は暗く、車内にはほとんど人がいない。
ロングシートの座席には僕を含めて2・3人が座っているだけだ。
座席の横を見ると、そこには翠星石が僕にもたれかかるようにして眠っていた。
――確か家に帰る途中で電車に乗って……そのまま寝ちゃったのか……。
夕方、僕と姉の翠星石で高校時代の同窓会に行った。
会場は横浜の飲み屋で、10時半まで盛り上がってそれなりに楽しかった。
ただ、翠星石が調子に乗ってポン酒を一升近く一気にあおったものだから、完全に酔いつぶれてしまった。
もっとも僕も悪酔いした翠星石にワインだの、ビールだの一気に飲まされて、思わず吐きそうになるまで酔ったが。
その後にカラオケ屋で2次会に行くはずだったのだが、僕らは二人ともそんな状態だったので当然パスだった。
変な奇声をあげたり、ふらついて道に寝込みそうになったりする姉を抱えながらなんとか駅までたどり着き、
5駅先の自宅まで帰ろうとして、電車に乗り込んだのだ。
507 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:51:35.71 ID:ocGJkHkH0
>>506 そこまではなんとか覚えているのだが、そこから先の記憶がまったくない。
どうやら席に座ると同時に眠ってしまったようだった。
それは姉も一緒で、僕の横で静かに寝息を立てている。
『……まもなく、み……です。お出口は……』
車内のアナウンスがおぼろげに聞こえる。酔いが残っていて意識がぼんやりしているのか、完全には聞き取れない。
窓の外を見ると、駅の照明が瞼に差し込んでくる。ただ、目がまだ霞んでいるため駅名の看板まではよく見えない。
――どこだろ……ここ……。
やがて電車が停まり、ドアが開く。
その先に広がっているのは暗いのでよく分からないがあまり見慣れない建物が立ち並んでいるのが見える。
ふと駅の柱が目に入り、そこには駅名を示す看板が見えたと思ったら、途端にドアが閉まった。
508 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:52:20.59 ID:ocGJkHkH0
>>507 そこに書かれていたのは……『みしま』という文字列。
――みしま?降りる駅の途中にそんな駅は……?
僕は途中にそんな駅があったかを寝ぼけた頭で思い返す。
……って!三島?思い切り寝過ごしてるよ!
気付いた時には時既に遅し。
電車は次の駅に向かって動き出していた。
その時、窓の外をゆっくりと駅名の看板がゆっくりと進行方向とは逆に流れるのが見えたが、『みしま』
と書かれた文字の下に小さく『静岡県三島市』と書かれていたのを見逃さなかった……。
『次は終点沼津です。お出口は……』
慌てる僕に追い討ちを掛けるように、次の駅を案内するアナウンスがはっきりと聞こえた。
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:52:53.96 ID:ocGJkHkH0
>>508 「ふぇ〜、やっちまったです!って、ここどこですか?」
「沼津だよ。まだ寝ぼけてるのかい?」
翠星石は電車を降りて、ようやく事の重大さにはある程度気付いているものの、いまだに
自分のいる場所が分かっていない。
僕は丁度頭上にあった『ぬまづ』と書かれた駅名の看板を指差す。
「うぇ〜、頭いてえですぅ〜……」
だが、当の翠星石は看板に目をやるどころか、酔いによる頭痛で頭を抱えながら、時折ふ
らついているときている。
「もう、しっかりしてよね」
そんな彼女に肩を貸して、僕は反対方向へ向かう列車のホームに行こうと階段を下りた。
「ううっ!何か気持ち悪いですぅ……てか、吐きそう……ですぅ……」
咄嗟に口を手でふさぐ翠星石。
「ちょっと!こんな所で吐かないでよね」
僕はやや急ぎ足で階段を下りきった。そしてトイレの案内を見つけると半ば駆け足でその
方向へと向かう。
「は、走らねえでほしいです……我慢できねえです」
「もうちょっとだから我慢して!」
抗議の声をあげる翠星石を半ば引きずるようにして、トイレに駆け込む。
個室に入った途端に……彼女は吐き戻した。
「うえええ……」
彼女の体の中に溜まっていたアルコールや胃の消化物が一気に便器に向かって吐き出される。
僕はただ翠星石の背中をさすりながら、彼女がそれらを出し切るまで見守ることぐらいし
かできなかった。
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:53:25.04 ID:ocGJkHkH0
>>509 十数分後。
ようやくそれが収まるのを見届けてトイレを出た。ただ、翠星石自身は先程よりかましに
なったとはいえ、いまだに気持ち悪いらしい。時たま、えずきかけたりしている。
「口の中が酸っぺえですぅ〜」
あんなに出したのだから口の中は酸っぱい胃酸が残っているはずだ。
近くに自販機を見つけると、ミネラルウォーターを買って彼女に飲ませた。
ベンチに腰掛けてちびりちびりとミネラルウォーターを飲んでいる翠星石を横目にして、あたりを見回すと、時刻表が目に入った。
僕はすかさず東京方面行きの列車の案内を見た。
最終列車は0時35分発の三島行き。
今の時刻は1時47分……どう見ても即座に家に帰るのは無理に近かった。
もっとも、2時56分に東京行きのムーンライトながらが発車するのだが、全車指定席の上、
僕らの家の最寄駅には停車しない。しかも改札に聞いてみたものの、あいにく満席だということだった。
ふと、JUM君か真紅か水銀燈か雪華綺晶あたりに迎えに来てもらおうかとも思ったが、距離
が遠すぎる。それ以前に時間が時間だ。迷惑極まりないだろう。
どうやらタクシーで帰るか、4時55分の始発まで待たなければいけないようだ。
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:54:00.62 ID:ocGJkHkH0
>>510 でも、タクシーで帰るとなると……どれだけの金が掛かるか計り知れない。
財布の中には一応1万円近くの現金とクレジットカードがあったが、正直払いきれるか分からない。
「うう……汗ばんで気持ち悪いですぅ〜。シャワー浴びてえですぅ」
いまだに酔いが醒めないながらも、時折シャツの袖で額の汗をぬぐう翠星石。
確かに今はかなり蒸し暑い時期だ。正直僕も彼女と同じ気分だ。
コンビニか漫画喫茶あたりで夜を明かそうという気にはなれない。
「ホテルに泊まろうか。ビジネスホテルだったら開いてるところもあるかもしれないし」
「そうするですぅ」
翠星石はペットボトルの水を一気に飲み干すと、ゆっくりと立ち上がり駅の外に出るように促す。
改札で乗り越した料金を精算する。かなりの金額だったがそんなことは気にしていられない。
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:54:38.42 ID:ocGJkHkH0
>>511 駅の外にはタクシーが数台停まっているだけで人の姿は見られない。
周囲のビルの灯りもほとんど消えている。
駅前にあった周辺の案内図を元に数件のビジネスホテルを回ってみたものの、やはり深夜
ということで受付を終了していたか、開いていても満室で泊まれなかった。
「どうしよう。ホテルは全部だめだったね……始発までどこかで待つ?」
「嫌ですぅ!早くシャワー浴びてえですぅ!」
まるでお菓子を買ってもらえずにだだをこねる小さい子みたいだった。夜中に大声でわめき散らすからたまらない。
「静かにしなよ。今何時だと思ってるの」
「だってぇ〜……」
今にも泣き出しそうな顔で僕をただじっと見つめる翠星石。
子供っぽい一面が彼女にはあるが、酔っぱらっている影響でそれが余計に出ている。
酒の力は本当にすごいものだと思ってしまう。
とにかく他に泊まれる所は無いかととおりを適当に歩くことにした。
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:55:39.62 ID:ocGJkHkH0
>>512 すると、数軒のホテルが立ち並んでいるのが見えた。駅の案内図には無かったやつだった。
一見した感じ、営業しているようだった。
しかし、外見が何となくビジネスホテルとは違っていた。やや派手な感じのネオンがあったり、
宿泊料金の他に休憩料金、さらにサービスタイムなんかが記された案内看板があったりする点で
違和感を誘う。
だがこれ以上歩き回らせたら暴れるぞとでも言いたげな翠星石の視線を目にすると、四の五も
言ってられない雰囲気なので、僕らはさっさとそれらの建物の内の一つに入る。
玄関の奥はロビーらしき広い部屋になっていた。
観葉職ブチとか待合用のソファーやテーブルとかが整然と置かれている。
フロントらしきカウンターはあったのだが……これまでまわったビジネスホテルと違って、
従業員の姿が無い。
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 05:58:02.94 ID:ocGJkHkH0
>>513 そして何より、カウンターの横には部屋の内部を写した写真のパネルが並んでいる。
そのパネルは後ろから照明で照らされて明るくなっているやつとそうでないやつがあって
……その右下隅には押しボタンが付いている。
これらを見た途端、この建物が何か分かった。
ラブホテルだよ、これ!
「さすがにラブホテルは気まずいよ」
僕は思っていることを即座に口にする。そして入口の方へ引き返そうとした。
「もうラブホでもなんでもいいですぅ!とにかく行くですぅ!」
思わず翠星石の方を振り返ると、彼女はすでに……ボタンの1つを押していた。
パネル群の上には部屋への案内の矢印の電光看板が点滅していた。
どうやら空室になっているボタンを押したらしかった。
仕方ないな、まったく。
僕は翠星石に引っ張られるようにして、彼女が押した部屋のある階までエレベーターで行き、
電光看板の案内に従ってその部屋に入った。
- to be continued -
とりあえず、ここまで。なお、続きは百合っっぽくなる可能性大……
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 06:02:37.95 ID:vCtExFL80
>>514 続きwktk
百合っぽくなるならローゼン百合スレに投下してみては
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 06:38:58.07 ID:ocGJkHkH0
>>515 忠告に感謝。
ただ、百合スレほど強烈なものにはならない見込み。
まあ、wikiの百合モノ程度になるかも知れないということで。
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 07:00:54.50 ID:dXc63lMPO
保守
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 07:20:46.60 ID:kMdFn0RJO
保守
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 07:23:09.61 ID:cQrQrq33O
>>514 ちょwwwwwwラブホってwwwwww
520 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 07:42:15.93 ID:9kjvJfHhO
ほ
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 08:04:05.56 ID:bkd7HkOA0
ほs
522 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 08:26:47.87 ID:9kjvJfHhO
ほsh
523 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 08:30:54.99 ID:rsJlfzJo0
>>514 おまwwwwラブホかよwwwwwwww
つか飲みすぎwwwwwww
続きwktk
524 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 08:58:28.80 ID:rsJlfzJo0
保守
525 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 09:41:10.57 ID:rsJlfzJo0
保守
526 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 10:03:42.54 ID:dXc63lMPO
保守
保守
528 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 10:36:22.95 ID:MP24/vpyO
保守
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 11:07:03.15 ID:rsJlfzJo0
保守
530 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 11:21:00.20 ID:dXc63lMPO
保守なのだわ
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 11:36:41.23 ID:aqx+GT5a0
保守
532 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 12:05:39.12 ID:IplFUX/AO
お昼の保守
533 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 12:25:41.08 ID:dXc63lMPO
このまま夜まで保守続き?
534 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 12:48:11.65 ID:rsJlfzJo0
保守
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 12:48:11.60 ID:sN5UXuXTO
保守
百合?
薔「ジュン、あーん」
ジ「あーん」
薔「おいしい?」
ジ「ああ、おいしいよ」
薔「えへへ・・・あ、ご飯粒付いてるよ?」
ジ「え、本当?」
薔「うん・・・・ちゅ・・・・」
ジ「ば、薔薇水晶!?」
薔「えへへ・・・キスしてとっちゃった・・・」
蒼「あの二人いいな・・・人目を気にせずらぶらぶで・・・僕も姉さんと・・・」
〜〜〜
蒼「姉さん、あーん」
翠「あーん、ですぅ」
蒼「おいしい?」
翠「おいしいですぅ、蒼星石の料理は最高ですぅ」
蒼「ふふ、ありがとう・・・あ、ほっぺにご飯粒が・・・」
翠「ええ!?と、とってですぅ!」
蒼「うん・・・・ちゅ・・・はい、取れたよ」
翠「うええ!?そ、蒼星石・・・教室で・・・(///)」
蒼「ふふ・・・かわいいよ・・・翠星石」
〜〜〜
蒼「ふ・・・ふふふ・・・・・・・は!?いけないいけない・・・また一人で妄想してたのか・・・うん、妄想だけじゃ、だめだ、実行しないと!」
お弁当作り
蒼「えっと・・・本に書いてある通りだと・・・こうして・・・こうして・・・」
完成料理→×××
蒼「・・・・・・・」
べ「蒼嬢好きだー!!」
蒼「うん、僕も好きだよ、だからこれ食べて」
べ「うはwwww手作り料理ktkrwwwwwwww亜w背drftgyふじこlp;@:「」
蒼「・・・うーん・・・レシピ通りに作ったのに・・・まあ、冷凍食品でもいいかな・・・」
お昼
蒼「姉さん、お弁当作ってきたんだ、一緒に食べよう?」
翠「蒼星石がですか?珍しいです」
蒼「さあ、食べよう」
翠「お箸がねえです」
蒼「あ、忘れちゃった(わざとだけど)」
翠「そうですか」
蒼「うん、だからあーんとか」
翠「予備のお箸は何時も持ち歩いてるから心配無用ですぅ」
蒼「・・・・・・」
カシャン
蒼「あ、自分のお箸落としちゃったよ(わざとだけど)」
翠「大変です」
蒼「うん、だから翠星石に食べさs」
翠「もう一本予備のお箸あるから使うです」
蒼「・・・・・・・・・」
蒼「あ、翠星石、ほっぺにご飯粒が・・・」
翠「ええ!?本当ですか!?」
蒼「うん、だから僕が・・・」
翠「ティッシュはちゃんと持っていてよかったですぅ」
蒼「・・・・・・・・・・・・・・」
翠「前かがみになって何してるです?」
蒼「いや・・・向こうにいる薔薇水晶みたいにキスしてとろうかなーと」
翠「そんな「ばっちぃ」ことするなですぅ」
蒼「( ゜д゜)」
薔「・・・・pgr」
539 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 13:16:12.79 ID:dXc63lMPO
蒼ちゃん……
540 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 13:16:39.40 ID:rsJlfzJo0
蒼の子哀れwwwwwwwww
541 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 13:27:21.99 ID:XnrMrbgg0
>>370 うはwww待ってました!!
いったいどうなるんだ!?
狂おしいほどwktk!!
>>408 バーボンハウスktkr!!www
JUMの死亡フラグがたったのにもワロタwww
>>436 読んでるうちにこの世界観に引き込まれる・・・
かなりうまいね!wktk!!
>>469 翠星石とJUMのやりとりに和みすwww
>>479 真紅www
>>482 いいのか!?
>>488>>503 あなたがネ申か?
>>514 どうみても百合街道まっしぐらです。
本当に(ry
wktkですwww
>>538 蒼い子が不憫でならんwww
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 13:57:10.44 ID:rsJlfzJo0
保守
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 14:24:33.04 ID:DWJe9TB7O
保守
544 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 14:50:25.28 ID:ysUtVlY5O
保守
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 14:51:02.50 ID:DWJe9TB7O
保守
546 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 15:22:02.07 ID:MI3rJRZB0
547 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 15:45:19.02 ID:hZ0gWwiM0
548 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 15:50:37.98 ID:rsJlfzJo0
549 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 15:57:02.28 ID:soMuC5it0
550 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:05:44.69 ID:wviBDhvI0
>>482 亀レスだがMOTHERktkr!
ビッグベン・ケーシー!
551 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:09:36.95 ID:soMuC5it0
「みたらしだんごー」
翠「あっ、だんご屋が来たです。」
真「JUM、買ってきなさい。」
J「この暑いのに『みたらしだんご』なんか食うのか?」
翠「だんごの熱さくれーならなんともねぇです。」
雛「『わらび餅』も買ってくれば大丈夫なの。」
真「そうなのだわ。早くなさい。」
J「わかったよ。しばらく待ってろ。」
JUMは外に出て近くの路地に向かった。
だんご屋のトラックは近くに来ると必ずそこで止まっていた。
1週間に1回のペースで周ってくるが毎回買っているので顔も覚えられいた。
既に用意されていたいつものセットを受け取って家に戻った。
真「早かったわね。ごくろうさま。」
翠「早速だんごをいただくですぅ。」
J「ひとり2本ずつだぞ。」
雛「JUM、わらび餅だして〜。」
真「あとお茶を淹れてちょうだい。」
J「待ってる間に淹れといてくれてもいいだろ?」
真「そんなのは下僕がすることなのだわ。」
翠「はやくしないと団子がなくなるですよ。」
J「くっ。」
わらび餅のセットを広げてから団子を咥えたままお茶の用意をするJUM。
今日は大きめの急須に氷をたくさん入れて冷たい緑茶にした。
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:10:25.21 ID:soMuC5it0
>>551 J「ほれ、お茶。」
真「ありがと。・・・うん、冷たいのにちゃんと香りが出ているのだわ。」
J「そいつはどうも。翠星石、お前それ3本目ってのか僕の分!」
翠「う、ばれたですぅ。でももう半分しかねぇですよ。」
J「いいから返せ。」
JUMは翠星石の手から串を取り戻すと残っていただんごを一口で平らげた。
翠「いきなり何するです!」
J「僕の分なんだからどうしようと勝手だろ?」
翠「まぁしゃーねーです。・・・だんごおいしかったですか?」
J「ん?ああ。」
翠「そんならいいです!翠星石もわらび餅にするですぅ。」
気が付くとJUMの目の前に山盛りの黄色い玉
きな粉にまぶしたわらび餅が積まれていた。
雛「はいJUM、山盛りつくっといたの。」
J「ああ、ありがと雛苺。」
きな粉のしっかりまぶしてあるわらび餅は結構な食べごたえ。
JUMは山の中腹まで食べたところで少し休もうとしたが雛苺はそれを許さなかった。
皿代わりの最中の皮を持つとJUMの口に無理やりねじ込もうとする。
雛「め〜、おふねも残さず食べるの。」
J「いいよ、後で食うから。」
翠「あんまり同じ味が続くと飽きるです。こんどはこっちのにするです。」
JUMの目の前に差し出されたのは山盛りの黒い玉
黒蜜に漬けられたわらび餅が積まれていた。
終わり
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:16:26.18 ID:qHhQtpIL0
554 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:27:51.39 ID:qHSTWpr2O
保守
555 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:31:34.93 ID:cQrQrq33O
薔「……ジュン」
ジ「うん?なんだ薔薇……え?」
薔1「…ジュン」
薔2「…ジュン」
薔3「…ジュン」
薔4「…ジュン」
ジ「(゚Д゚)」
薔1「…ジュン…大丈夫?」
ジ「え?あ、え?………なんで薔薇水晶が4人?」
薔2「…それはね…絶倫なジュンの為に一人じゃもの足りないだらうと思い増えてみました」
ジ「絶倫ってなんで知ってる?」
薔3「それは毎晩こっそりジュンに薬を盛って…ううん、なんでもない」
ジ「…ていうか増えるってなんだよ」
薔4「……ローゼン家の経済力と科学力は世界一」
ジ「…アンドロイド?」
薔1「イエス…ジュンはアンドロイド萌え?」
ジ「…知らない」
556 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:32:08.63 ID:cQrQrq33O
ジ「ていうかなんて呼べばいいんだよ」
薔1「…私は薔薇水晶」
薔2「…私はばらしー」
薔3「…私は薔薇リン」
薔4「…私はばらばら」
ジ「ややこしい」
薔1「…ジュン…注文が多い」
薔2「…ジュン…うるさい」
薔3「…ジュン…黙って私を愛せ」
薔4「…ジュン…やらないか」
ジ「…なんだこいつら」
薔1「我が儘なジュンの為に個別に名前を考えて来ました…」
ジ「わーありがとう薔薇水晶ー(棒読み)」
薔2「それでは名前発表ー」
薔1「私がば!」
薔2「私がら!」
薔3「私がしぃ!」
薔4「私がー!」
4人「「「「4人そろってばらしぃー!」」」」
ジ「4番目の人もう一回」
薔4「だからーだって」
ジ「なんだって?」
薔4「ーだよ」
ジ「………」
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:32:50.77 ID:cQrQrq33O
ジ「で…4人そろうとどうなるの?」
4人「「「「………………」」」」
ジ「……………」
4人「「「「…賑やか?」」」」
ジ「……それだけ?」
4人「「「「…名前を打つのが大変?」」」」
ジ「やな落ちだなぁ…」
ば「あ、もう一個あった」
ジ「なに」
ば「ジュンを襲える」
ジ「……………」
ら「…4人なら力づくで行ける…」
ジ「……………」
しぃ「4人ならジュンの拘束が簡単」
ジ「…………それじゃ」
ガシ
ー「…捕まえた」
ジ「ま、まて、落ち着け!」
ば「まあ遅かれ早かれこうなる運命だから、ね☆」
ジ「ね☆、じゃない!やめ…」
ば「私達はー二つで一つー」
ジ「結局こういう落ちかよ!な、なにする貴様等ー!」
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:35:17.78 ID:rsJlfzJo0
>>552 ジュンは糖尿病になるなwwwwwwww
>>557 >薔4「私がー!」
>4人「「「「4人そろってばらしぃー!」」」」
>ジ「4番目の人もう一回」
バロスwwwwwwwwwwwww
薔薇水晶が4人もいたらジュンの体がもたんwwwww
559 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:37:12.81 ID:MI3rJRZB0
560 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 16:38:58.79 ID:rsJlfzJo0
>>559 ちょwwwwそれが理由かwwwwwww
561 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:00:49.25 ID:rqnXlHjG0
保守
562 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:09:43.05 ID:h4zrfoX40
563 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:19:06.85 ID:MI3rJRZB0
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:20:36.75 ID:rsJlfzJo0
カメラ目線wwwww
迷探偵金糸雀ですね
565 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:22:13.92 ID:x5LlCdGC0
カナキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
566 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:24:34.75 ID:cQrQrq33O
迷探偵wwwwww
ローゼン
「ノリは性感帯というものを教えてくれた。
受けと攻めに強い意志があれば、一瞬で絶頂に達しさせることができるのだ。
ノリが何者かわからんし、ただのでまかせかもしれん。
しかし、お前と桜田家が生き延びていくにはこの方法に頼るしかないのだ。
奴の性感帯は見切った。この見切り、お前に伝えよう。」
JUラール
「父上、まさかそのために水銀橙と寝たのですか!
ノリめが、若い子とヤれると父上をそそのかして!」
ローゼン
「JUラール!・・・そのとおりだが、私の事は黙っておけ。
伝説では七乙女は全ての男を救ってくれるというが、実際はどうだ!
あの水銀橙には性欲しかないようだ。
奴がにせものなのか、それとも伝説が伝説に過ぎぬのか、
どちらにしろ、お前は強力な七乙女を満足させねばならぬのだ。
奴らが水銀橙のように、性欲丸出しな奴ばかりだとすれば、
七乙女を満足させねば、男は全てを吸い取られ、人間は滅亡する。
お前は、童貞を捨てて戦う決意はあるか?」
どうしようもなくヒマ
いまは後悔している
568 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:28:55.63 ID:rsJlfzJo0
水銀「橙」というのはわざとかwwwwwww
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:37:02.73 ID:COSZ8xC30
570 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:38:33.62 ID:COSZ8xC30
571 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:39:04.76 ID:gzUbIX800
572 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 17:55:27.20 ID:h4zrfoX40
ほしゅだぜ
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:15:35.22 ID:LoiEdItw0
保守
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:21:12.72 ID:okBO3XeN0
J「ん、あれは水銀燈?おもちゃ屋で何を・・・。」
J「よっ。」
銀「きゃっ・・・なんだJUMかぁ〜」
J「なんだはないだろう、買物か?」
銀「え、ええ・・・ちょっとね。」
J「これは・・・誰かへのおみやげ?」
銀「実は今日雛苺の誕生日なのよ」
J「お、そうなんだ。それで準備を。結構マメなんだな。」
銀「ふふっ。みんなまだまだ子供だからね。」
J「僕も遊びに行ってもいいかな?」
銀「もちろんよぉ、みんな喜ぶわ。」
J「一緒に帰ろうか。まだ何か用事あるのか?」
銀「ううん。これで終りよ。」
J「じゃ帰ろっか。」
銀「ええ。」
J「・・・・・・・・」
銀「・・・・・・・・」
J「なぁ。」
銀「なぁに?」
J「手つないで帰らないか?」
銀「いいわよぉ。JUMもまだまだ子供ねぇ。」
J「なんだよそれ。」
銀「ふふ・・・。」
>>546と559から届いて電波が形になったよ!ちょっと百合風味だから気をつけて!
それは天気のいいある日のお話。
「蒼星石ぃ、そろそろ機嫌直すですよぅ」
「ふーんだ。翠星石なんか知らないっ」
誰よりも仲良しで。
誰よりも傍に居て。
誰よりも近い二人。
時には彼女達を揶揄して「百合双子」などという呼び方すらされる。そんな二人が珍しく仲違い。
「うー、確かに翠星石が悪かったですけどぉ…そんなに怒る程の事ですかぁ?」
しかも、普段は諌め役の妹が今回に限ってはご立腹だった。
温厚で落ち着いている、周囲の誰よりも大人のはずの妹。
それが怒っているのだから、心中推して知るべし。
何故これほど怒っているのか。それは少し時間を遡っての出来事。
予定の無い休日の午後。
学生たる身分では派手な遊びも出来ず、また昼間から酒に溺れる程不良でもない蒼星石は、暇を持て余していた。
姉である翠星石は、昨夜の内に借りてきたDVDをリビングで鑑賞している。
ドラマだそうだが、僕は生憎とあまり興味が無い。テレビそのものを余り観ないせいだろう。
暇を持て余し、さりとて昼寝しようにも眠くはない。
ふと思い立って、散歩に出ることにした。
「翠星石、天気がいいから散歩してくるよ。君も来るかい」
そう双子の姉に問い掛けた声には、「今良い所だから遠慮しとくですー」という声だけが返ってきた。
>>575 仕方が無い、一人で行こう。たまにはいいかもしれないし。
お気に入りの靴を履き──部屋着はそのまま外に出てもいいきちんとしたものを選んでいる──、扉を開く。
春の暖かな日差しが心地良い。
真紅ならば「紫外線がどうの」と言いそうなものだが、そういうのを気にしてはこんないい日は楽しめないだろう。
蒼星石は一つ伸びをして、ゆっくりと歩き始めた。
二人ならば相手に夢中で周りの景色には目が行かない。
一人で居ることで、景色を見る余裕が出来た。
住宅街であっても、季節の移り変わりはあるものだ。
例えばどこかの家に植えられている梅が花開いていた。
例えば冬の間は枯れていた公園の草が青々と繁っていた。
そのような細かなものを目に入れながら、散歩道を楽しむ。
住宅街の路地から、表通りへ。
日曜の昼間は平日ほど車の通りが無い。
しかし、歩く人は増えている。
皆、この暖かな春の日を身体で感じているのだろう。
自分より少し年上の男女が、仲睦まじく幸せそうに歩いている。
自分と同世代の女の子達が、楽しげに話をしながら歩いている。
自分より少し年下の男の子達が、ふざけあいながら歩いている。
自分より大分幼い小さな子が、祖父に手を引かれて歩いている。
自分は、この暖かな春の日差しを浴びながら一人で歩いている。
>>576 少し、寂しい。
いつも隣に居る筈の人が居ない事が、どうしようもなく悲しくなった。
ふと目に入ったのは「不死屋」の看板。
彼女の友人である雛苺の好物、苺大福が売りの菓子店だ。
「チビ苺の好物なんて食べる必要はないですけどぉ。蒼星石がどうしてもっていうのなら食べてみてやってもいいです」
幸せそうに苺大福を頬張る雛苺を、これまた羨ましそうに見ていた翠星石に、「食べたいの?」と尋ねた蒼星石。
それに対して帰ってきたのが先の言葉だ。
額面どおりに捉えるのは、翠星石との付き合いが浅い人だろう。
生まれてこの方ずっと一緒であった蒼星石は、その真意を汲んでいた。
「…丁度いい、買って帰ろうか」
不死屋の扉を潜り、苺大福をいくつか買って家路を急ぐ。
翠星石は喜んでくれるだろうか。
余計な事しやがって、と言いながらもきっと笑顔をくれるだろう。
自然と笑みが漏れる。
随分と歩いた筈だが、帰途はとても短く感じた。
「ただいま」
と、蒼星石はリビングに声を掛ける。
相変わらず翠星石はDVDに夢中らしい。
苺大福の入った箱を適当に置き、うっすら汗ばんだ身体を流すために浴室へ。
暫くして、水の流れる音が聞こえてきた。
>>577 「んーっ!いい話だったです!」
翠星石はソファに座りながら伸びをした。
午前中から通して観ていたDVD全6巻12話を観終わり、気だるさと充実感に身を浸す。
続いて蒼星石へと思考が向いた。確か帰ってきてる筈だ。
ソファから立ち上がってリビングを出ると浴室からシャワーの音が聞こえてきた。
さすがにシャワールームへ入って一緒に、というのは憚られる。
仕方が無いので適当に時間を潰そう…そう思った時、不意に空腹を意識した。
午前中から6時間通してドラマを観ていたのだ。空腹も当然。
何か食事を作ろう…とダイニングへと足を運んだ。
ダイニングに入り、まず目についたのは、「不死屋」の箱。
「こ、これは…もしや!」
ターゲット・ロックオン。
足早に近づいて箱を開けると、いくつかの苺大福の姿。
「蒼星石…わざわざ買ってきたですね」
些細な事をきちんと覚えている妹が翠星石は大好きだった。
感謝して箱を閉じようとした時、空腹の虫が鳴く。
ぎゅるーっという情けない音は、翠星石の力を奪った。
目の前には「美味しそうなもの」。
空腹の身にはあまりにも甘美な誘惑。
買ってきたのは蒼星石。ならば蒼星石が来るまで待つのが道理。
理性ではそう理解していても、本能がそれを許さなかった。
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:24:30.83 ID:h4zrfoX40
>>578 「ひ、一つくらい…いいですよね」
誰に問うところで返事など無いのだが、それでも一言呟いて苺大福を一つ手に取った。
打ち粉を軽く落とし、ぱふっとかぶりつく。
餅の食感と餡の優しい甘さ、苺の爽やかな酸味が渾然一体となって翠星石の舌に襲い掛かった。
「結構イケるですぅ」
小さなそれは瞬く間に無くなってしまった。
チビ苺が夢中になるのも解るかもしれない、と思いながらもう一つと手を伸ばしたとき。
「あーっ!!」
「ひぃ!?」
突然上がった声に驚き、恐る恐る振り向くと、シャワーを浴びて出て来た蒼星石がこちらをじっと見ていた。
言葉にならない言葉を呟いている。
「あ、う、これは、その、えーと」
「ひどいよっ!!」
やっと搾り出したという風情の言葉は、簡潔な非難の言葉。
あまりにも立場が悪い。明らかに翠星石の暴走なのだ。
「う、う…ご、ごめんです…つい……」
「一緒に食べようと思って買って来たのに、先に食べちゃうなんて酷い!!」
>>579 NG抜け申し訳ない
かくして、冒頭のように怒り心頭といった様子の妹と、平謝りの姉という図が完成したのである。
すっかり拗ねてしまった妹に、どうしたものかと困り果てる姉。
全く普段と逆の立場に、少なからず途惑っている。
自分に非がある以上、謝りつづけるしかないのだが……
「うぅ、翠星石が悪かったですよ。どうすれば許してくれるですか……」
「…許して欲しい?」
「も、勿論です。蒼星石の怒った顔は見たくないですし。笑ってる蒼星石がいいです」
「僕だって好きで怒ってるんじゃない。でも、今回はちょっと悲しかったよ」
「……ごめんです」
「ま、あまり苛めてもあれだしね…僕の言う事、一つだけ聞いてくれる?」
「も、勿論です!犯罪以外ならなんでもやるですよ!!」
蒼星石の事である。それほど酷い事にはならないだろう。
そう踏んでいる翠星石のそれは、間違いではなかった。
「じゃあ、紅茶淹れてよ」
「へ?それでいいんですか?」
「うん。久しぶりに君の淹れた紅茶が飲みたい。それで許してあげる」
「わ、解ったですっ!ちょっと待つですよ。腕によりを掛けて淹れてやるですっ!」
雨降って地固まる、というのは少々使いどころが違うだろうか。
兎に角、暖かな春の午後は紅茶の香りと苺大福の味に包まれることとなったのである。
-これにて一件落着-
581 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:26:31.32 ID:h4zrfoX40
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:30:33.10 ID:rsJlfzJo0
>>574 銀様テラモエスwwwwww
手を繋いでかえる様子を思い浮かべて和んだ
>>580 ああ双子はいいなぁwwwwwww
けど不死屋ってなんか不吉な名前だwwwww
583 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:33:46.40 ID:cQrQrq33O
584 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:37:37.64 ID:eQYSeqaA0
>>556 ちょwwwそれ見てSO24コマ読み返したくなったじゃまいかwwwww
585 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:38:31.54 ID:MI3rJRZB0
>>574 >銀「きゃっ・・・なんだJUMかぁ〜」
きゃっ、に萌えた
>>580 双子いいよ、双子
和んだwww
それにしても、絵にSSが作ってのも嬉しいもんだな。
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 18:47:35.55 ID:eQYSeqaA0
>>574 >「JUMもまだまだ子供ねぇ」って台詞がGJ
>>580 描写がめっちゃ上手だ…何だか読んでて温かかったよ
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 19:01:06.06 ID:h4zrfoX40
不死屋は原作でも使われてるんだぜほしゅ
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 19:16:29.23 ID:h4zrfoX40
ほすほす
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 19:33:41.22 ID:DWJe9TB7O
保守
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 19:44:17.75 ID:Uzw7ToIb0
百合スレ落ちたね
やっぱり乱立はよくないよな
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 19:59:06.91 ID:rsJlfzJo0
保守
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 19:59:38.33 ID:DWJe9TB7O
保守
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:10:10.90 ID:wviBDhvI0
時期外れのネタ。冬まで待てないんで投下。
蒼「あれっ?ジュン君こたつ出したの?」
ジ「!ぁ、ああ、なんか寒くて、ねぇ。」
蒼「うわぁみかんまである!さっそく僕も入らせてもら」
ジ「アッー!ちょ、ちょっと待って!」
蒼「え、何で?」
ジ「今はっ、今はまずいんだ!だからちょっと待って―――!」
蒼「そんなことなんて僕が気にするとでも?えいっ」←こたつの布団をめくった人
薔「…やっほー。」←中にいた人
ジ「…(泣)」←さっきまで↑の人に口では言えないようなことを体の一部分にされてた人
蒼「………うわあぁぁん!ジュン君のばかぁっ!へんたいっっ!」
ジ「そ、蒼星石ィィィっ!」
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:11:00.13 ID:rsJlfzJo0
ちょwwwwwwwwwwwww
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:12:38.16 ID:tzyBLqa40
ワロスwwwwwwww
596 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:27:17.01 ID:xKNcf9cnO
薔薇しー可愛いよ薔薇しーwww
【愛の行く末】マダー?w
597 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:27:19.05 ID:xaS0aFmsO
ジュンころす
598 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:39:33.58 ID:rsJlfzJo0
保守
599 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:43:05.47 ID:CfJBppCT0
名前変換小説の中の人があのカオスな御題をどう処理するのかwktk。
で、【恋ってつまり(略)想ってしまう話】のつづきまだー?
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:52:33.76 ID:dXc63lMPO
>>596 只今執筆中ですのであと3〜4日待って下さいm(_ _)m
601 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:52:34.53 ID:MI3rJRZB0
602 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:54:09.09 ID:rsJlfzJo0
>>601 十分ちびです。
ロ(ry
かわいいなぁ
603 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:54:24.27 ID:wviBDhvI0
>>593 続いた。
蒼「あれ、ジュン君またこたつに入ってるの?」
ジ「う、うん。」
蒼「…今度は中に薔薇水晶がいたりしないよね…」
ジ「だあーっ!あの時は噛み切るとか言われたから仕方なく…!」
蒼「へぇ…じゃあ、罰として僕にみかんを食べさせなさい。」
ジ「しょーがないなぁ。…ほれ。」
蒼「あーん…」
薔「実は薔薇水晶は二人の様子を逐一みんなに報告していたのです。」←ビデオカメラを片手に押入れから登場
ジ「いつからそこにいたぁ――――っ!?」
604 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:59:09.01 ID:cQrQrq33O
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 20:59:12.77 ID:OU4NvMWr0
2XX5年、地球はBえジータと笹塚に支配されようとしていた時にZ薔薇戦士が登場した
銀「チ、でっかい気の2人がこっちにくるわぁ」
真「ほ、本当に大丈夫なの?心配だわ」
銀「な〜にいままで修行してたのよぉ、いまこそ修行の成果を見せるときよぉ」
真「わかったのだわ」
金「大丈夫なのかしらー?大きい気が2対近づいてるからきたのかしら」
銀「シッ、くるわぁ」
べ「なんだ?女1人にガキが2人か・・・」
笹「こりゃ地球もスグ支配できるな」
べ「バカ言うな、梅岡ッツは油断してやられたんだろ」
笹「いけねぇ、ウッカリしてた」
銀「な、何のために北のよぅ」
べ「地球の支配とともにその地球を他の星に売るのさ」
銀「ふざけてるわぁ、なんて自分勝手な」
笹「ぐへへへ・・・・まぁ高く売るためにあんまりそこらへん傷つけるなよ。」
金「こいつら・・・ぶっとばしてやりたいのかしら・・・」
真「あれ?別の方から大きな気がどんどん来るのだわ」
翠「よ、大丈夫ですぅか?」
雛「すごい気なのー」
金「天・・・じゃなくて翠星石それにチャオ・・・じゃなくて雛苺、きてくれたのかしらー」
蒼「僕も着たよ。しかし大きい気だ。」
金「ヤム・・・じゃなくて蒼星石!」
笹「どんどん来たなベジータ。俺が全部方をつけてやろうか?」
べ「まぁまて、折角なんだから楽しもうじゃないか。おまえ薔薇マンもってたよな?」
笹「あぁ、6粒ほどあるが・・・ピコーンベジータもお遊びが好きだなぁ」
銀「一体何する気なの?」
ボコ!
薔「ゲヘヘ・・・・」
突如と現れた薔薇マン6対とZ薔薇戦士の戦いはどうなる!
そしてジュンはみんながやられる前に強くなって戻れるか 次回に続かない!
606 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:04:28.33 ID:x5LlCdGC0
蒼い子がヤムチャかよwwwwww
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:17:41.05 ID:rsJlfzJo0
保守
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:20:15.61 ID:wviBDhvI0
>>605 勝手に続き。
雪「いけませんっ、この世に戻るまでの時間を考えてませんでしたっ!」
ジ「な、何やってんだよきらきー!」
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:32:18.09 ID:rsJlfzJo0
保守
610 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:44:43.70 ID:x5LlCdGC0
保守
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:46:26.78 ID:cQrQrq33O
保守
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:51:21.68 ID:LGO8n2Ui0
JUM×蒼を始めた頃の鼓動揺さぶる想い、何故かいつかどこかに置き忘れていた。
生ぬるい毎日にここでさよなら言うのさ、そうさ誰も俺の熱い想い止められない!
JUMは屋上から空を眺め、口笛を吹き鳴らしていた。
口笛の音が空へと広がって、そして消えていく。
蒼「ジュン君」
JUMは口笛が止め、後ろを振り返る。
J「なんだ、蒼星石?」
JUMはそう言って蒼星石に笑いかけた。
蒼星石はJUMに柔らかく笑い返して、口を開く。
蒼「口笛上手いね。なんて曲?」
JUMは一瞬キョトンとした後、フッと笑って言葉を紡ぎだす。
J「『Angel Voice』。いつもの日常を捨てて、一人旅に出たバカな男が星の海でクジラと一緒に歌った歌だよ」
蒼「なにそれ?」
JUMはハハッと笑った後、遠くを見るような眼で空を見上げた。
見上げた先に見えるのは、蒼い空と白い雲。だが、JUMの眼はもっとその先を見ている様に見える。
すると不意に蒼星石がJUMの手を握った。
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:51:52.65 ID:LGO8n2Ui0
>>612 J「…蒼星石?」
蒼「……」
蒼星石はJUMの手を掴んで不安そうな顔をしていた。
J「どうした?」
蒼星石はJUMの手を握ったまま、口を開いた。
蒼「なんだか、ジュン君が何処か遠くに行っちゃう気がして…」
JUMは呆然と何度か瞬きをしたあと、急に笑い出して蒼星石の頭を撫でた。
J「大丈夫、僕は何処にも行かないって」
蒼「……」
それでもまだ不安げな顔をしているので、JUMは蒼星石を抱き寄せて耳元で囁いた。
J「もし何処かに行っても、絶対帰ってくるから… お前の所に…」
蒼「ジュンくん…」
蒼星石はJUMに自分の頭を擦り付けて甘える。
蒼「絶対だよ…?」
J「ああ、約束だ」
蒼「ジュンくん、大好き…」
J「僕も大好きだよ、蒼星石…」
そして、二人は抱き合ったまま、唇を重ねた…
その後、二人は下校時刻ギリギリまで屋上でイチャイチャしていたとか。
/終わり
萌え保守
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 21:59:13.09 ID:rsJlfzJo0
>>613 相変わらずテラアマスwwwwwwww
蒼の子かわいいよ
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 22:04:42.26 ID:cQrQrq33O
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 22:19:18.41 ID:rsJlfzJo0
保守
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 22:31:39.30 ID:rsJlfzJo0
保守
ドドインドインドイーンwwwwwwwwwwwwwwwwwww
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 22:49:06.67 ID:rsJlfzJo0
保守
保守代わり。 めぐぎん、初投稿が百合っていうのはどうなんだ俺
「つまんなぁい………」
…学校にめぐが来ない。
それ自体は、別に珍しいことでもなんでもない。
体弱いから、よく風邪をひくし。 多分、今日もそれだ。
「それでは水銀燈さん。 175Pを読んでください」
――――だけど最近の風邪は、性質が悪いって話だし。
あの子は一人暮らしだし、こじらせていたら大変だ。
「水銀燈さん? 聞いてるんですか?」
……ああもう、勉強にも身が入らない。
ただでさえ退屈な授業が、余計退屈になる。
そうだ、適当にサボってめぐのところに行こう。
「すいませぇん、お腹が痛いんで、とっとと帰らせていただきまぁす」
ちょっと苦しげなフリをしておけば、サボるのなんてちょろいものだ。
「ちょ、ちょっと水銀燈さん!?」
…追求されるのも面倒だ。 さっさと荷物をまとめて、駆けるように出ていった。
所要時間およそ12分、めぐの家に到着。
わざわざめぐに鍵を開けさせるのも面倒なので、自分で入ることにしよう。
オーソドックスに、窓から入ろう。 それが一番手っ取り早い。
……見れば、二階の窓が開いている。 めぐの部屋だ。
ちょうどいい、そこからお邪魔するとしよう。
「よいしょ…っと」
塀の上に登り、そのままベランダへとジャンプ。
とりあえず、靴は脱いでおいた。
「おはよう、水銀燈」
窓の先には、満面の笑顔を浮かべるめぐが。
…要するに、私がここから入ってくることを予想していた、というわけ?
「風邪ひいてるんだからぁ、ちゃぁんと寝ないとだめよぉ?」
「だって、こうしないと水銀燈が入ってこれないじゃない」
……めぐは、卑怯だ。 そんなこと言われたら、注意する気なんてなくなってしまうに決まってる。
「それじゃあ、おかゆ作ってくるわぁ。 体力つけないと、治るものもなおらないしぃ」
「…おなか減ってないから、いらない」
やせ我慢じゃないのは見て取れたし、お腹が空いていないならわざわざ食べる必要もないだろう。
「……それより、水銀燈」
「なぁにぃ?」
「――――そばに、いて。 歌、歌って」
…その声が、とても淋しそうだったから、
「めぐは甘えんぼうさんねぇ…」
つよく、つよく抱きしめた。
私の胸に、めぐの温もりが伝わってくる。
少し、いつもより熱っぽい。
…だけどそれが、暖かくて、いとおしくて。
……なんとなく、甘やかしてる自分がいる、というのはわかってたけど。
――――――――うん、やっぱり。
「めぐには、勝てないわぁ……」
ただ純粋に、そう思った。
/おしまい
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 22:53:45.78 ID:rsJlfzJo0
>>623 めぐぎんktkrwwwwwwwww
なんだかんだで傍にいてくれる銀様がイイ
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 22:56:09.71 ID:cQrQrq33O
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:03:33.21 ID:x5LlCdGC0
>>623 総合スレ見て絶望した後だから、幸せだよ!
幸せだよ!
628 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:06:52.61 ID:dXc63lMPO
保守
保守ー
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:18:29.92 ID:rsJlfzJo0
保守
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:19:36.58 ID:cQrQrq33O
保守
632 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:20:15.84 ID:cQrQrq33O
リロードしてなかった、ごめん
633 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:30:12.37 ID:rsJlfzJo0
保守
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:43:16.85 ID:x5LlCdGC0
落としはせんさ
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:45:28.70 ID:Lch+2wrV0
保守なのー
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/15(月) 23:59:46.56 ID:cQrQrq33O
保守
637 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:03:15.68 ID:BBCXrV2a0
いまなら行けそう。よし、行っちゃえ!
翠×雛の『マターリ歳時記』
―睦月の頃 その4― 【1月17日 冬の土用入り】
冬休みも呆気なく過ぎ去り、大学の講義が始まって暫く経った、ある日のこと。
翠星石は、キャンパス内の図書館で課題のレポートを書きながら、
雛苺が来るのを待っていた。参考文献を漁るだけでも、かなりの手間である。
今日は火曜日。今週も、まだ長い……。
「あー。流石に、肩凝ったですぅ」
館内に据え付けの机に座っていた彼女は、大きく背筋を伸ばして、頚を回した。
関節が、小さな悲鳴を上げる。
まだ半分も纏まっていない内から、こんな事では先が思いやられる。
気分転換に、翠星石は周囲を見回した。
机に突っ伏して寝ている者も居るが、多くは講義の合間にレポートや宿題を
片付けてしまおうと、躍起になっている。
……と、その時。
彼女の眼が、図書館の入口を潜り抜ける雛苺を捉えた。
雛苺は、すぐさま翠星石を見付けて、小走りに駆け寄ってくる。
「ごめ〜ん、翠ちゃん。お待たせなのー」
「良いですよ、別に。それより、レポートは通ったですか?」
「うんっ! ツッコミ所満載だったけど、質疑応答で巧くやり過ごしたの」
「……羨ましいですぅ」
翠星石の呟きは、偽らざる本音だった。
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:04:06.66 ID:BBCXrV2a0
>>637 大学の講義は選択式で、大きく分けると、二つある。
当該学年次に必ず履修しなければならない『必修科目』と、
希望しなければ受講しなくても良い『選択科目』である。
厄介なのが必修科目で、この科目の単位を落とせば即、留年が待っている。
いま、翠星石が纏めているレポートも、必修科目のひとつだった。
「このままじゃ留年しちまうですよ」
珍しく弱音を吐く翠星石を見て、雛苺は気の毒そうに表情を曇らせた。
が、すぐに、いつもどおりの明るい笑顔で話しかける。
「大丈夫なの。質問される内容を皆に聞いておけば、一発で通るのよー」
「まあ……そうかも知れねぇですけどね」
「気落ちしてても始まらないの。今日は、もう帰ろ?
今朝の約束どおり、ヒナが御馳走してあげるから、元気出すのよー」
言われてみれば、雛苺の言う通りである。
落ち込んでいる暇があったら、その間にレポートを完成させるべきだった。
しかし、頭で解っていても、なかなか実践できないのが人間の悲しい性。
果たして、今のペースで提出期限に間に合うのか、どうか……。
「んもう、なにボ〜ッとしてるの。ささっと片付けて、早く帰るのよ」
「あぁ、解ったですから、そう急かすなです」
蒼星石と離れ離れになって寂しさを募らせる自分を元気づけようとして、
雛苺は色々と気を配り、陽気に話しかけてくれる。
翠星石は、彼女の心遣いに胸の中で感謝しながら、鞄に荷物を押し込んだ。
639 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:04:43.01 ID:BBCXrV2a0
>>638 最寄りの駅に向かって、並んで歩く下校途中の商店街。
夕暮れ時ということもあって、街路には、買い物客が増え始めていた。
小売店ばかりでなく、食事が出来る店も、あちらこちらに点在している。
ヒナが御馳走してあげる――
翠星石が雛苺を待っていた理由は、それだった。今朝、雛苺の方から申し出てきたのだ。
大した用事もなかった為、たまには良いかと思って承諾したのだが……。
「さぁてさてぇ。なにを奢ってくれるですぅ?」
「いろいろ考えたんだけど――」
雛苺は、商店街の中にある、一軒の鰻屋を指差した。
営業中の札が掛かる店内からは、蒲焼きの美味しそうな匂いが漂ってくる。
「ちょっ……ちょっと待つですっ。幾ら何でも、アレは値段が高すぎですぅ。
流石に、奢って貰う訳にはいかねぇですよ。第一、なんで鰻です?」
「翠ちゃん、知らないの? 今日は冬の土用入りなのよー?」
雛苺の返事を聞いて、翠星石は、ははぁん……と察しが付いた。
カレンダーの暦か何かで、今日が『冬の土用入り』と知ったのだろう。
それで、土用=丑の日と考えて鰻を連想したのだ、と。
だが、とんだ勘違いをしている。
土用とは、そもそも立春・立夏・立秋・立冬を迎える前の18日間を指す。
一般に言う土用の丑の日は、立夏の時である。
鰻を食べる習慣には諸説あるが、、江戸時代、平賀源内が知り合いの店の
宣伝として考えたのが起源という説が広く知られていた。
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:05:22.96 ID:BBCXrV2a0
>>639 老夫婦と暮らしているせいか、他の娘たちよりは、年中行事に詳しい。
翠星石は、雛苺に本当の事を教えてあげようとして、悪い癖を出してしまった。
「ふっふ〜ん。雛苺の方こそ、なぁんにも知らねぇですね。
冬の土用は、子(ね)の日に『くずきりぜんざい』を食べるのが、
古来からの習わしですぅ。食べなかった悪い娘はぁ――」
「た……食べな……かったら?」
「プギャ――――っ!!」
「ひゃあぁっ!」
「……っと、疫病神にドツボという秘孔を突かれて、災難だらけの一年を
過ごすことになるです。ああ、怖い怖い……ガクガクブルブル、ですぅ」
「すすす、翠ちゃんっ! 急いで甘味処へゴー! なのよー」
「はいですぅ♪」
お汁粉くらいなら、奢られても罪悪感は無い。翠星石は素直に従った。
――明けて、翌日。
雛苺は登校しなかった。漏れ聞いた話によると、体調不良で休みだという。
(まさか……昨日のコトが?)
思い出して、翠星石の頭から、サッと血の気が引いた。
甘味処へ駆け込んだ雛苺は、なにを血迷ったのか『くずきりぜんざい』を
一人で三十杯も食べて、すっかり気持ち悪くなってしまったのだった。
(ま、まあ、お腹を壊したくらいなら、ほっときゃ治るですぅ)
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:05:59.75 ID:BBCXrV2a0
>>640 尤もらしい言い訳で、後ろめたさを誤魔化そうとしていた翠星石の耳に、
偶然、真紅と巴の会話が流れ込んできた。
雛苺と大の仲良しである巴が言うには、彼女の家は両親が共働きで、
昼間は雛苺が一人きりになってしまうとの事だった。
「…………なんだか、私も具合が悪いです」
いきなり、そんな事を呟いた翠星石に、真紅と巴が声を掛けた。
「翠星石。貴女、顔色が悪いのだわ。熱でもあるんじゃないの?」
「医務室に行く? わたし、付き添ってあげる」
「ん……ありがとです。でも、今日は早退するです」
「そう。気を付けて、お帰りなさい」
二人の細やかな気遣いに礼を告げて、翠星石は鞄を手に、教室を後にした。
登校しておきながら、一限すら受けずに帰宅するなんて、初めての体験だった。
翠星石は、雛苺の家の前で立ち尽くし、煩悶していた。
自分の出任せが原因で、彼女を辛い目に遭わせてしまったのだ。
いちご大福を手土産に持ってきたものの、なんとなく顔を合わせ辛い。
門柱の呼び鈴に指が伸びるも、ボタンを押すことなく、手を引っ込めてしまう。
そんな事を、もう何度も繰り返していた。
「こ、こんな姿を誰かに見られたら、変に思われるですよ」
自らに言い聞かせると、翠星石は意を決して、呼び鈴を鳴らす。
暫く待つと、二階の窓から、パジャマ姿の雛苺が顔を覗かせた。
割と、元気そうだ。顔色も悪くない。
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:06:39.21 ID:BBCXrV2a0
>>641 翠星石が頬を引き攣らせながらも、微笑して手を振ると、雛苺は「待ってて」と
部屋を出て玄関を開けてくれた。満面の笑顔で迎えてくれた。
「翠ちゃん、学校は?」
「今日は、ちょっと……ね。それより、お土産を買ってきたです。
甘い物は、見るのも厭かと思ったですけど――」
「うょ――っ!! うにゅーなのー」
昨日のことなど全くお構いなしに、雛苺は、いちご大福にかぶりついた。
性懲りもないというか、単純思考というか……。
「ちょっと、お茶を煎れてくるです。台所、借りるですよ」
「ヒナも一緒に行くの。湯飲みとか、何処に有るか判らないでしょ?」
確かに、そうだ。翠星石は、雛苺と連れだって、台所へと向かった。
ポットとお茶の道具を盆に載せて、雛苺の部屋に戻る。
それから暫くの間、談笑を楽しんだ。
「でも、翠ちゃんが来てくれて良かったのよ。ヒナね、とっても退屈してたの」
「……巴に聞いたです。雛苺の家は共働きで、昼間は雛苺だけだって」
「そうなの。子供の頃から、ずっとよ。家に居れば、ずっと独りぼっち」
「ちっとも知らなかったですよ、私」
「だって、言わなかったもの。誰かに話したって、仕方がないもの」
本当は、寂しかったに決まっている。誰だって、独りぼっちは心細いから。
それなのに、雛苺は子供の頃から、明るい笑顔を周囲に振りまいてきた。
どうして? 自分の孤独を、誤魔化すため?
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:07:16.26 ID:BBCXrV2a0
>>642 多分、違う。翠星石は、そう思った。
雛苺は、誰よりも孤独の寂しさ、怖さを知っていたからこそ、
周囲の人々が笑顔で暮らせるように、陽気な道化役を演じていたのだろう。
(そして、私たちは雛苺に癒されていた。
独りぼっちじゃないと、勇気づけられていたのですね)
ならば……たまには、こっちが癒してあげなければ。
翠星石は、鞄からレポート用紙を抜き出しながら、雛苺に微笑みかけた。
「しゃーねぇから、今日は一緒に居てやるです」
「ホント?! ホントに良いの?」
「その代わり、私のレポートを手伝いやがれですぅ」
「嬉しいっ! やっぱり、翠ちゃんは優しいのよー」
優しくなんてない。
内心で目一杯、雛苺の言葉を否定しながら、翠星石はレポートに取り掛かった。
寂しがり屋同士の二人。こんな事は、単なる傷の舐め合いかも知れない。
でも……それでも良い。
支え合って、慰め合って、それで心が強くなれるなら。
離れていく蒼星石を、泣きながら見送っているだけではダメ。
もっと強くなって、追い掛けないと。
もっともっと強くなって、あの娘に追い付かないと。
そして――絶対に捕まえないと。
そんな事を考えた、冬の一日だった。
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:08:53.99 ID:BBCXrV2a0
>>643 長くなってしまいました。5レスに収めるように心がけているのに・・・。orz
ともあれ
>>132で挿し絵いただき、ありがとうです。感激しました。
『保守がわり番外編 マターリとは・・・?』(
>>82の続き)
「マターリの定義かい? それはまた・・・難解ホークス」
「無意味なヂヂイギャグはやめるですっ。早く模範解答を出せです!」
「お爺さん。ヒナからも、ぜひぜひお願いするのよー」
「ううむ・・・そう頼み込まれては、真面目に考えないとのう。むぅ・・・・・・Zzz」
ボコンっ!!!
「お約束のギャグはしなくていいですっ!」
「い、痛いのぉ、翠星石。なにも如雨露で殴らなくても・・・」
「お爺さん・・・出血大サービスなの〜」
「ふっふっふ。通常の三倍出せるのじゃよ。そして、出血多量で夢の中へ・・・」
「さあ、無に還ろう、なのー」
「・・・・・・お前ら、真面目にやれですぅー!!」
てなワケで、如雨露による折檻の嵐が吹き荒れて――
おじじと雛苺の頭には、ミッキーマウスの耳を思わせるタンコブが出来ていた。
「儂にも、定義とやらは分からんよ。すまないのう、翠星石」
「はぁ・・・やっぱりダメですかぁ」
「そう気落ちするでない。ほら、この招待券をあげるから息抜きしてくると良いよ」
「なんです? 憩いの館『摩多里庵』特別招待券・・・エステのペアチケットですか?」
・・・そして、まだ続く。
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:12:01.89 ID:Ar82wym9O
雛苺も辛い思いしてたんだな…
なんか哀しいぜ
>番外
さんな哀しさも吹き飛ぶwwwwww
バロスwwwwww
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:15:29.53 ID:OOWuH4pA0
>「ううむ・・・そう頼み込まれては、真面目に考えないとのう。むぅ・・・・・・Zzz」
吹いたwwwwwwwwwww
にしても雛苺も翠星石も・・・頑張れ・・・
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:19:07.59 ID:tA3t8u5t0
>>644 雛と翠どちらのキャラもうまく立っててすばらしいです。
あと、時節に関して凄く詳しいですね!尊敬します。
続きもwktkしますね!
保守
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:36:25.87 ID:Ar82wym9O
保守
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:36:46.01 ID:V75m0wpMO
>>643 心からGJを送らせて頂きます!
良いですねえ……
651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 00:54:40.67 ID:nWFjivbr0
ほしゅ
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:13:40.26 ID:cnnDwpZM0
ほ
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:25:55.25 ID:+t9Ov+2X0
『退魔の戦乙女達』 〜しあわせってなに?〜
『nのフィールド』から帰って来た僕たちにすぐに情報が入って来た。今回の依頼主は退魔士からとのことだった。
このことに真紅は非常に訝しい顔をしている。普通なら退魔士から退魔士へと依頼をすることはまず有り得ない。
それは退魔士の誇りに関係する話だからだ。余程の事情があるに違いないと言っていた。
白崎「それで、どうするんだい?断ってもいいんだけど…そうそう、依頼主はね、黄薔薇のご頭首なんだ。」
真紅「黄薔薇の頭首ですって?取り敢えずどういう内容の依頼なのか教えて頂戴。」
白崎「うん、どうやら『黄薔薇』の退魔士が討滅に向かったまま帰って来ないから迎えに行ってやってくれという話だ。」
『黄薔薇』の退魔士…、僕にとって今まで見たことのない最後の退魔士だった。一体どんな奴なのかと思いを馳せてみる。
何にしろ『薔薇の退魔士』だ、他の連中みたいに化け物染みてるに違いない。
しかし、そんな奴に迎えなど必要なのだろうか?この依頼には何か裏があると僕も思い始めていた。
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:26:37.53 ID:+t9Ov+2X0
>>653 真紅「…頭首からの依頼なら断れないのだわ。いいわ、行きましょう。」
白崎「そうかい、それじゃあ頑張って。ふんじばってでも連れて帰ってくれとあちらさんも言ってるのでね。」
それだけを言って白崎は一方的に電話を切った。行き成り電話を切る癖も嫌いだと真紅は文句を垂れていた。
J「けど…ふんじばってでもってどういう意味だ?」
真紅「さぁね、けど楽勝な依頼じゃないってことは確かね。」
雛苺「うぃ、『黄薔薇』と言ったらカナなの。ヒナと仲良しなのよー。」
J「カナ…?」
真紅「正式名は金糸雀。『薔薇の退魔士』で第二席よ。」
J「第二席…それって滅茶苦茶強いんじゃあ…?」
雛苺「そんなことないのよ、『薔薇の退魔士』の第二席とかはその家が出来た順番を数えてるだけなのよ。」
真紅「第一席の水銀燈、二席の金糸雀、三席の翠星石、四席の蒼星石、五席の真紅、六席の雛苺、七席の薔薇水晶…の順ね。」
J「そうだったのか…てっきりこの間の水銀燈の所為で強さが関係してるかと思った。」
真紅「さぁ、雑談も此処までよ。そろそろ準備をして依頼された場所に行かなければ。」
パンパンと手を叩いて急かすように言う。勿論、準備というのは真紅の分までしろということなのだった。
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:27:19.32 ID:+t9Ov+2X0
>>654 依頼された街へと僕等は辿り着いた。魔物に侵略されている荒れ果てた街を想像していたがそうではなかった。
むしろ街は人で賑わい活気付いている。子供は元気にはしゃいで回り、荒巻スカルチノフは地べたで眠り込んでいた。
J「全ッ然平和じゃないか…」
雛苺「思いっきり準備して来たのがバカみたいなのー…」
真紅「………」
一体どんな手強い魔物がいるかと思って僕達は持てるだけのアイテムやアーティファクトを持って来ていた。
しかし、目の前にある平和な現実を見るとどう見ても場違いなのは僕達の方だったのだ。
納得のいかない真紅は街の人を捕まえて事情を聞き出した。
「はぁ…確かに最近まではとても恐ろしい魔物が蔓延っていたのですが黄色いコートを纏った退魔士さんが全員退治してくれたんです。
それからその退魔士さんが今でも作って下さってる道具を売って街を建て直して今では魔物に襲われる以前よりも賑やかになったんですよ。」
真紅「そう…ありがとうなのだわ。」
取り敢えずあの住人の話だと『黄薔薇』の退魔士はこの街にいるようだ。後はそれで彼を連れて帰れば依頼も達成できて一件落着なのだが…。
そして遂に『黄薔薇』のいる一つの街外れにある小さな工房のようなところに僕等は辿り着く。
扉をノックすると緑色の髪と瞳をした小さな女の子が出て来た。まさかコイツが…
真紅「久し振りね、金糸雀。」
金「し、真紅?どうして此処が…」
雛苺「むー、ヒナだっているもーん!」
金「本当かしら、おバカな雛苺までいるかしら!?どうして二人とも揃って…それに後ろの男は…?」
不意の顔馴染みの来訪に金糸雀は少し混乱している様子だった。というかまた女の子なのかよ。
656 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:28:12.04 ID:+t9Ov+2X0
>>655 雛苺「ジュンなのよ。」
金「ジュン…?もしかして『魔眼の大盗賊』?」
真紅「ええ、今は私と契約しているけれどもね。」
金「そ、それで今日は一体何しに来たのかしら?」
真紅達の様子から察したのか金糸雀は警戒態勢をとっている。
真紅「貴女を連れ戻しに来たのだわ。『黄薔薇』の頭首のご意思よ。」
雛苺「カナー…悪いことしたならヒナが一緒にごめんなさいしてあげるから帰ろうよ。」
金「………気持ちは嬉しいけれどもダメかしら。カナは…もう退魔士として戦うことはできないかしら!」
真紅「…そう、なら力尽くでも連れ帰るのだわ!」
真紅が懐から空間発生装置を取り出したと同時に金糸雀は懐に仕込んでおいたスパナを投げつけ真紅の手からそれを弾き落とす。
そして空間術でヴァイオリンを取り出し突然それを弾きだす。ヴァイオリンから出る超音波による衝撃波が幾度となく真紅達を襲った。
負けじと真紅も花弁を飛ばし空気中の振動を妨げて音波を軽減させる。その間に真紅はヴァイオリンを壊そうと接近する。
金糸雀はヴァイオリンの演奏を一時的に止めて何か管のような物を地面に設置した。管は真紅が近づくと自動的に動き出し光の熱線を浴びせかける。
自分に向かって来る光の熱線に真紅は怖じることはなく逆にステッキで熱線を跳ね返し、管を全て破壊する。
焦った金糸雀は今度は小型のロザリオのような物を自分の足元に設置する。勢いよく真紅はステッキを金糸雀に振り下ろしたが見えない壁のようなものでそれは防がれた。
657 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:29:27.49 ID:+t9Ov+2X0
>>656 雛苺「結界展開装置(シールド・デヴァイス)なの、やっぱり金糸雀は退魔の道具の扱いが上手なの…」
結界展開装置により真紅はそのまま弾き飛ばされてしまう。其処へ金糸雀は容赦なく音波による衝撃波攻撃を繰り出す。
真紅はその衝撃波にステッキで分け目を作りその分け目に器用に風の魔力を送り込み衝撃波を打ち消す。
そして金糸雀の結界展開装置に自分のそれをぶつけて結界同士を拮抗させ歪ませて金糸雀に接近する。
足を蹴り上げる。
金糸雀の蹴りをサイドステップで避けた真紅は下段回し蹴りで足払いを繰り出す。咄嗟に跳ねて反撃に上空から弓を振り下ろす。真紅は右斜め上からステッキを振り下ろす金糸雀はヴァイオリンの弓を使って受け止め右
ステッキを横に構え弓を受け止めいなしステッキを振り下ろす、金糸雀も弓を下段から打ち上げる、丁度二人の得物は鍔迫り合いの形になる。
真紅「金糸雀!理由を聞かせて頂戴!どうして戻ろうとしないの!?」
金「そんなこと真紅に言われたくないかしら!カナは…絶対に戻れない、負けられないんだからー!!」
鍔迫り合いを解いて金糸雀はありったけの魔力をヴァイオリンに注ぎ込む、音波の衝撃波は風と混ざり合い巨大な竜巻を作り上げる。荒れ狂う風が真紅を襲う。
真紅「く…此方だって、退魔士の誇りにかけて負ける訳にはいかないのだわ!!」
竜巻に向けて真紅も再調律した魔力を解き放つ。何時もと変わらない赤い花弁が咲き乱れる。
だがそれは違っていた。花弁が竜巻とぶつかり合う、花弁が竜巻を完全に圧倒していた。
再調律をした真紅の花弁はその一枚一枚に強大な魔力が注ぎ込まれ小さな爆弾のようなものになっている。
今までは其処まで細かく魔力を振り分けることは不可能だったようだ。確実に真紅は前よりも強くなっている。
658 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:30:38.49 ID:+t9Ov+2X0
>>657 やがて竜巻は押し返され花吹雪が辺り一面を覆い尽くした。
真紅「…これでどう?」
金「う…」
真紅「さぁ、帰るわよ金糸雀。」
真紅が金糸雀に近付こうとした時、金糸雀の工房から一人の黒髪のポニーテールをした女性が出て来た。
「ちょっとカナー、どうかしたの?」
金「あ、みっちゃん!?来ちゃ駄目かしらー!」
み「あれ?誰かいるの?もしかしてカナのお友達さん?なら上がってって下さい。」
J「え?いや、あの…」
真紅「…そうね、魔力を使った所為で疲れたのだわ。上がらせて貰いましょう。」
よく分からないままみっちゃんと呼ばれた人に促されるまま僕等は金糸雀の工房の中に入ることになった。
真紅「さぁ聞かせて頂戴。貴女が此処に居座る理由を。」
金「わかったかしら…カナはちょっと前に此処の魔物を討滅するために来たかしら。
それでまんまと討滅には成功したんだけれども………魔物を退治するための道具を手伝ってくれたみっちゃんが魔物に襲われて…失明したかしら。」
J「失明?でもみっちゃんは今目が見えてないようには…」
み「この眼鏡のおかげなんです。カナが私のために視力をエンチャントしたものですから…。」
言われて見ればみっちゃんのかけている眼鏡に微かだが魔力が感じられる。どうやら金糸雀の魔力が注ぎ込まれているようだ。
659 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:32:35.25 ID:+t9Ov+2X0
>>658 金「もう分かってるとは思うけれどもみっちゃんの眼鏡はカナの魔力を供給することによってその能力を発揮してるかしら。
だからカナがこの街を出て行ってしまったら………」
雛苺「うゅ………また目が見えなくなっちゃうの…?」
み「私は構わないって言ってるんだけどね…カナがどうしても離れたくないって…」
金「当たり前かしら!カナの所為でみっちゃんの視力がなくなったんだから…カナがせめてみっちゃんの目になってあげないと…」
み「でもカナは偉い退魔士様なんでしょ?それにこうして迎えが来てるんだから…戻らないと。」
金「酷いかしら!みっちゃんにとって…カナなんてどうでもいいのかしらー!」
み「あ、カナ…!」
金糸雀はそれだけ吐き捨てて工房を飛び出してしまった。その後を雛苺が追って僕と真紅は暫く呆けてしまっていた。
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:33:14.81 ID:+t9Ov+2X0
>>659 みっちゃんは目に涙をいっぱい溜めている。何を言ってあげればいいか僕が迷っているうちに真紅が言葉を紡ぎ出した。
真紅「…貴女は金糸雀のことを考えて、敢えて突き放したのね?」
み「それが…カナにとっての幸せだと思ったから…」
真紅「幸せね…貴女は視力だけでなく人を見る目も失ってしまったの?貴女といる金糸雀は…とても楽しそうだった。
辛い退魔業ばかりやっていた以前の彼女とは比べ物にならないぐらい…。あの子にとっての幸せはもう貴女と一緒にいることになっているのよ?」
み「そうなのかもしれない、私は気付かないふりをしてたんだ…ありがとう、えーと…」
真紅「真紅だわ。」
み「真紅さん、ありがとう…カナの所に行って来ますね。」
みっちゃんは立ち上がって泣きべそをかいていた顔から決意した顔になって金糸雀と雛苺の後を追って工房を出て行った。
残された真紅は出されていたセイロンを何食わぬ顔で飲んでいる。
J「いいのか?金糸雀を連れ戻すんじゃなかったのか?」
真紅「気が変わったのよ。それにこの紅茶は貴方が淹れるよりもとても美味しいのだわ。」
J「ハァ…お前ってつくづく退魔士に向いてないって思うよ。」
真紅「フフ、奇遇ね。私も今そう思ってたところよ。」
何だか僕まで可笑しくなって笑ってしまう。本当にコイツは変わった退魔士だ…。
661 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:33:56.97 ID:+t9Ov+2X0
>>660 工房の裏手にある高原で金糸雀と雛苺は黙って青い空を仰ぎながら横になっていた。
日に照らされた草の匂いを運んでくる風が心地よい…一面の空にまるで自分が空の上で寝ているかと錯覚してしまうほど視界には空以外、何も無かった。
雛苺「ねぇカナ…」
金「何かしら雛苺?」
雛苺「カナはみっちゃんのこと好き?」
金「そんなんじゃないかしら、カナはみっちゃんの大好きかしら!」
雛苺「む、ヒナだって巴のことだーい好きだもん!」
金「トモエ…?誰かは知らないけれども頭もよくってカナに甘ぁーい卵焼き作ってくれるみっちゃんには敵わないかしら。」
雛苺「巴は剣士で凄い美人でカッコイイもん!それにうにゅーをいつもくれて物凄ーく優しいんだから!」
金「………そっか、雛苺にも大切な人ができたのかしら。」
空の向こうに今より幼き頃のことを思い描く。あの頃はただ純粋に人助けがしたいと早く一人前の退魔士になりたいと願い続けていたっけ。
それが何の因果か、多くの人助けよりもたった一人だけを助けたいと思ってしまっている。
雛苺「うぃ、ヒナね、巴だけじゃなくってジュンも真紅も…勿論カナもだいだいだーい好きなのよ。」
此方に向けてなんの屈託もない笑みを雛苺は向けている。ああ、そうだ、彼女はただ純粋に大好きな人と一緒にいたい、助けたいと思っている。
それは彼女だけの幸せ、誰にも譲れない、誰にも真似できない、彼女だけの軌跡によるもの。
662 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:34:48.75 ID:+t9Ov+2X0
>>661 雛苺の笑顔を見ていると昔から頑張ろうって気になれる。どんなに失敗しても、どんなに挫けそうなときでも彼女は支えてくれた。(本人はきっと意識してないだろうが)
真っ青な空にぽつんと浮かんでいる太陽に手を翳す、手を透けて太陽が目に映りまるでこの体の中に太陽を手に入れたような気持ちになれた。
ふと金糸雀に影が降りかかる、大好きなあの人の顔が其処にあった。
金「みっちゃ…」
み「ごめんねー!カナ…私バカだったからカナのことわかってあげられなくてー!!」
金「み、みっちゃん!ほっぺが摩擦熱でまさちゅーせっちゅ!!」
その頬擦りはまさしく音速を超え、とてつもない摩擦熱というエネルギーを生み出す…。
これぞみっちゃん必殺『まさちゅーせっちゅ』…何のこっちゃ(汗
幸せそうな二人を見て雛苺もまた幸せそうな表情になる。
真紅「それじゃあ金糸雀、みっちゃん達者でね。」
金「ありがとうかしら、真紅…本当に感謝してるかしら。」
真紅「いいのだわ、セイロンの葉を貰えたのだから。」
雛苺「カナー、みっちゃん!また遊びに来るのよ。」
み「うん、ヒナちゃんも真紅ちゃんも可愛いからいつでも来てね〜♪」
J「僕は眼中になしかい。」
結局、真紅と雛苺は金糸雀を連れ帰ることもせずに街を後にした。まぁあの二人の仲を裂くのはきっと目を瞑って針の穴に糸を通すぐらいに難しいだろう。
663 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:35:44.74 ID:+t9Ov+2X0
>>662 暫く黙って僕等は歩いていたのだが不意に真紅が尋ねてきた。
真紅「ねぇ、ジュン…私にとっての幸せって一体なんなのかしらね。」
J「紅茶飲んでるときじゃないのか?」
ふざけて答えたら真紅のステッキが脳天にクリーンヒットして来た。
流石に機嫌を損ねたらしい、ややむくれてそっぽを向いてしまう。
J「まぁ…そう思えることが幸せなんじゃないのか?」
真紅「…答えてるようで答えになってないわね。」
J「そんなもんだろ、幸せなんて人それぞれなんだし…絶対的な答えなんてないさ。」
真紅「そうね…そうなのかもしれないのだわ。」
納得したのか真紅は黙った。真紅に言われて気付いたのだが僕自身の幸せが分からなくなっていた。
当初は契約の縁を切ろうと躍起になっていたが…今はどうしてかそう思ってたのかわからなくなっている。
なら…僕の望みや幸せって何なんだろう…?
僕の中で何かが変わり始めている…けれども気付かない振りをした。
664 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:38:58.76 ID:+t9Ov+2X0
>>663 薔薇「『退魔の戦乙女達』今日は此処まで…」
金「やっとカナが出て来たかしら。真打登場かしら。」
雛苺「真打にしては死亡フラグ立った気がしないでもないのー。」
金「そ、そんなことないかしら!これからカナとみっちゃんは幸せに暮らすんだからー!」
薔薇「またまた作者の投稿の仕方なみに支離滅裂になったので次回予告…世界のすべては白ければよかったのか(仮)…です。」
665 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:45:34.72 ID:kcJdV6Hw0
>>664 みっちゃん……この二人はやっぱり切っても切れませんね。
次回wktkです!
666 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 01:59:52.63 ID:p0XSAC0rO
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:10:23.36 ID:dbdCApANO
>>664 いつ来るかいつ来るかと毎回楽しみにしてます。
ギャグばかり書いてるおれには勉強になる。
続きにwktk!!
668 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:14:02.56 ID:dbdCApANO
>>666 残念ながら宿題はもう終わっている。というわけで長編投下
タイトルは
更衣室の中心で変身した下僕
669 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:14:40.27 ID:HFqgooI/0
>>644 番外編はこんな感じか。
>>664 次回にもwktkさせてもらう!
>>666 喫茶店・妹・テスト…
テスト期間なのに、妹の○○が可愛い制服の喫茶店でバイトをしている。
喫茶店ね、喫茶店…
それとは関係ないがたまには獣耳なんてのもいいじゃまいか。
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:15:14.79 ID:dbdCApANO
今日は一限から体育。正直言ってやる気なんか微塵もない。当然だ、誰が週の始めの授業が体育で喜ぶと言うのだ。
いや、そういう奴もいるかもしれないが、僕はその類の人間ではなかった。
できることなら体育なんてなくなればいいとさえ思っている。
僕は男子がやることになっていたバスケットを適当にこなしながら、隣でバレーをやっている女子の方を見る。
丁度試合の最中のようで、水銀燈がスパイクを決めたところだった。
(流石水銀燈、……ゆれているのがここからでもわかるな)
「鼻の下をのばして何を見てるのだわ」
「な、なんだよ! おどかすな!」
話し掛けてきたのは真紅だった。いつも僕を奴隷のように扱う女。
授業中だろうがなんだろうがお構いなし、思いついたら即命令の女王様だ。
「おまえバレーの試合でなくていいのか?」
「このひとつ前の試合だったのよ。ところでJUM」
……嫌な予感がする。
「紅茶が飲みたいわ、いれて頂戴」
やっぱりな。
「あのなぁ、今は授業中なんだぞ?無理に決まってるだろ。だいたいなんで僕に言うんだよ、自分でいれればいいじゃないか」
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:16:43.45 ID:HFqgooI/0
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:16:43.90 ID:dbdCApANO
いつものように、無駄とわかっていてもとりあえず言ってみる。
「あら、下僕が主人の命令を聞くのは当然でしょう?」
……わかってたさ。でもこれを言うのが僕の唯一の反抗なんだからしょうがないんだ。
ん? 待て待て、紅茶をいれるにしたってここにはティーポットもカップもないじゃないか。
「おい、カップもティーポットもここにないのにどうしろって言うんだよ。
教室まで取りに行ってたらいくらなんでもばれるぞ」
「それなら心配いらないわ。必要なものは一式更衣室の私のロッカーの中に入っているもの」
「ああ、更衣室ね。そこなら近いしばれな……なにいいいい!?」
「ちょっと! 大きな声出さないで頂戴」
こいつは何を言っているのだろう。僕に女子更衣室のロッカーをあされと言うのか、変質者になれと言うのか。
「そんなとこ入れるわけないだろ! 見つかったらどうなると思ってるんだよ!」
悲しいかな僕の声は自然に抑えられていた。小声で怒鳴るといった感じだ。
命令されたら従うという奴隷体質が染み付いているのだろう。
「大丈夫よ。先生は試合の審判をしているし他のみんなは応援に夢中になっているから見つかる筈がないのだわ」
673 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:18:11.67 ID:dbdCApANO
……おまえも応援に夢中になってれば良かったのに。
そんな言葉を飲み込み、僕は渋々答える。
「わかったよ。……ロッカーの番号は?」
「9番よ。中の赤い鞄に入っているから急ぎなさい」
無茶な要求を飲んでもこの態度かよ……
こうなったら他のものもあさってやる。あれをかぶったり引っ張ったりしてやる。逆襲のJUMの始まりだ。フヒヒ。
「それと他のものをあさったらどうなるか……わかってるわね」
「……」
僕の逆襲は終わった。
僕はすきを見計らって体育館から続く廊下にでた。そこを歩いているひとは誰もいない。授業中なんだから当然か。
更衣室まではすぐそこの筈なのに今日はやたらと遠く感じる。
(落ち着くんだJUM。こういう時は素数を数えればいいって誰か言ってたな。……あれ?素数ってなんだ?)
そんなことを考えているうちに更衣室の前に辿り着いていた。
ここで躊躇しているところを見つかれば変態の仲間入りだ。僕は急いで中に入る。
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:19:48.26 ID:dbdCApANO
更衣室の中はいかにも女の子という香りがした。
「なんかいい匂いだな……ってそうじゃない! これじゃ本当に変態だ。はやいとこ見つけて戻ろう。
確かロッカーの番号は……あれ?」
なんということだ。番号を忘れてしまった。僕の頭の中で冒険の書が消えた時の音楽が流れる。
(くそっ! 素数のせいだ。余計な数字のことなんか考えるからこういうことになる! 馬鹿素数め!)
だが後悔してももう遅い、こうなったらそれらしい番号のロッカーを開けるしかない。
(真紅が言っていた番号は一桁だった気がするな。そして5より大きい数字だ)
目の前には20のロッカーが並んでいる。僕は悩んだあげく、末広がりだからなんて理由で8番をあけてみることにした。
とってを掴み、引いてみるとロッカーはあいた。
中には赤い鞄はなかった。かわりにどうみても真紅より大きめのサイズの制服と、黒い化粧ポーチのようなものがあった。
どこかでかいだことのある香水の匂いもする。
(この香水……これは水銀燈のロッカーじゃないか!)
僕が選んだ数字は見事にはずれた。
(くそったれ8め! だいたい末広がりってなんだよ!)
675 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:21:02.65 ID:dbdCApANO
僕は怒りをロッカーにぶつけるように乱暴に閉めた。そしてもう一度考えてみる。
(そうだ、たしか6……いや、9か? どっちだ、そのどちらかの筈だ……今日の授業は六限までだ。6を開けよう)
根拠のない理由で6番のロッカーを開けてみる。中にあったのは真紅ぐらいのサイズの制服、だが置いてある鞄は黄色い。
(しまった! 6は悪魔の数字だ! 僕としたことが。……デコ助め、後で卵焼きに目一杯醤油をかけてやる)
僕は不敵な笑みを浮かべながらロッカーを閉じる。そして残る9番のロッカーのとってに手をかけた。
その時、更衣室のドアが開いた。
(な、なんだってー!)
僕はその音に気付き顔を向けようとする。
「変態がいるのだわ!」
「ち、違います! これにはわけが……って真紅か、びっくりさせるなよ」
大きなため息を一つ。
「どれだけ時間がかかっているの? もう授業が終わってしまうわ」
どうやら他のロッカーを開けているうちに、随分時間がたっていたらしい。
「もうそんな時間なのか!? 真紅、紅茶はあとでいれてやるからひとまず脱出させてくれ!」
「仕方ないわ、急いで戻りなさい」
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:22:28.05 ID:dbdCApANO
その言葉を受け、廊下に出ようとすると声が聞こえてくる。
「あー疲れたかしらー」
「一限に体育なんて決めたやつは馬鹿に違いねえです!」
まずい、女子がこっちに向かって来ている。
僕は大事なことを忘れていた。体育は着替えのために授業が終わる5分前に終わるのだ。
チャイムが鳴ってないから大丈夫だろうなんて考えは甘かった。
「どうするんだよ! ここで見つかったら僕は変態野郎じゃないか!」
「な、なんで私に言うのだわ!」
またしても小声で怒鳴るという器用な方法で口論をする。
「紅茶いれろなんて言うからだろ! なんとかしてくれよ!」
「なんとかって……そうだわ!」
更衣室のドアが開き、女子達が入ってくる。
「そういえば最後に集まった時、JUMと真紅がいなかったですぅ」
「そうねぇ、まあ真紅のことだからJUMとふたりっきりでどこかにいるなんてことはないと思うけど……どこに行ったのかしらねぇ」
その時僕と真紅は真紅のロッカーの中にいた。
「せ、狭い」
「ちょっと、どさくさにまぎれて変なところさわらないで頂戴」
「……こんな状況で無茶言うなよ」
677 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:24:06.55 ID:dbdCApANO
僕たちは女子が入ってくる直前にロッカーに入った。とりあえず見つかりはしなかったが安心できる状況ではない。
ロッカーはひと二人が入れるようなつくりになっているわけもなく、真紅とは向き合った体勢で密着状態だ。
そして僕は男の子。
「……おまえの髪、いい匂いだな」
「こ、こんな時に何を言い出すのだわ」
僕の言葉に反応して真紅の体温が上がったようだ。おそらく顔は真っ赤だろう。
(まずいな、この状況のせいであれが元気になってきている)
真紅にばれてはまずいと、僕は体の向きを変えようと試みる。
「ちょっと、動いたらばれるのだわ。……お、おとなしくしていなさい!」
そう言うと、真紅は僕の体を抱きしめた。
(ktkr!! だが同時に終わった……)
僕のあれはあっという間にスーパーサイヤJUMに変身したようだ。
「ちょ、ちょっと! なに考えているのだわ!」
「しょうがないんだよ。これが真理なんだ……」
「馬鹿なこと言ってないでなんとかしなさい!」
「おい、暴れるなよ! うわっ!」
678 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:25:21.64 ID:dbdCApANO
ロッカーのドアが開いてしまった。僕たちは抱き合ったまま更衣室の床に倒れ込む。
一瞬、時が止まった。顔をあげるとそこには下着姿のクラスメイト達。
そして時は動き出す……
「ひいいいい! ロ、ロッカーの中で何やってるですかあああ!!」
「ち、違うんだ! これにはわけが……お願いだから話を聞いてくれ!」
「あらぁ、真紅ったらだぁいたぁん」
「違うわ! これは、その、そう! JUMに紅茶を入れるように頼んだら」
「……その言い訳は苦しすぎ」
「へ、変態ですぅ! ここに変態がいるですぅ!」
「と、とにかくJUMは出ていくかしら!」
僕はもみくちゃにされながら追い出された。
「ねぇ、中でしちゃったのぉ?」
「そ、そんなことあるわけないのだわ!」
「真紅ったらお顔が真っ赤なのー」
中からは真紅が尋問されているのが聞こえてくる。最悪の事態は免れたが、尊い犠牲がひとり。
(真紅、悪いな)
679 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:27:51.89 ID:dbdCApANO
昼休み、僕たちは職員室に呼び出された。
『まあおまえらの年なら仕方ないことだが……ここは学校だ。最低限TPOぐらいはわきまえろ』
「「……すいませんでした」」
先生からの説教だ。職員室の中にいる教師はみな事情を知っているのだろう。チラチラとこちらを見てくる。
『それと桜田』
「はい」
『男なんだからもしもの時はきちんと責任をとるんだぞ』
「ちょ!!」
「……///」
今日はとんだ一日だった……
おわり
680 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:30:14.40 ID:HFqgooI/0
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:31:03.59 ID:dbdCApANO
以上。
お題マシンはなにげに使えるな
682 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:34:26.50 ID:dbdCApANO
>>680 いやいやこっちももう少し時間あけるべきだった。気にせんでくれ
それはそうと絵を見てみたら鬼がうつってたwwwww
GJ!!
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 02:52:52.99 ID:KNcQP+sX0
保守
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 03:30:54.86 ID:rNvsz++70
保守
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 03:50:23.68 ID:V75m0wpMO
保守
686 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 04:11:10.63 ID:KNcQP+sX0
保守
687 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 04:19:34.79 ID:03jROqhEO
>>681 >素数ってなんだっけ?
テラワロスwww
あと、興奮したwww
688 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 04:37:04.36 ID:xsHsTELLO
保守
689 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 05:01:40.00 ID:jL3LcucY0
保守
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 05:22:36.89 ID:gtf8KYL/0
ちと質問。
ウィキって書いた人が自分で投稿してるの?
691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 05:31:04.08 ID:HFqgooI/0
692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 06:09:54.63 ID:HFqgooI/0
保守
693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 06:18:18.84 ID:03jROqhEO
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 06:40:10.08 ID:5d4PPrYeO
保守
>>691 GJ! これは破壊力の高い保守だ……。
もう存在を忘れている人ばかりだと思いますが、『蒼空の涙』を投下しようと思います。
今回争いは無いですが、一応NGワード:arasoiでお願いします。
「ぱんぱかぱーん……それではこれより、『蒼空の涙』を公開致します……
ナレーションは、薔薇乙女随一の不思議少女と名高い、私、薔薇水晶と……」
「へ? あれ? ばらしーちゃん、どうして私達こんな所に……
あ、申し遅れました。私、薔薇水晶の姉、雪華綺晶と申します。今後とも宜しくお願いしますね」
「コンゴトモヨロシク」
「……ところでばらしーちゃん、このコーナーって別の方が担当しているじゃなかったかしら」
「お姉ちゃん、耳を澄まして……」
「?」
「金糸雀が鳴いている……」
「…………(カオス)」
「というのは冗談で、このコーナーはやっぱりローテーションを組ませたいって」
「まぁ……でしたら僭越ながらもこの雪華綺晶、一肌脱がせて頂きますわ」
「やったね良い子のみんな、得したよ……お姉ちゃんの肌、雪みたいに綺麗だから」
「……実際には脱ぎませんよ。といいますか肌ですからね、服を脱いだら露出狂ですから」
「残念……それでは前話のあらすじ、いきます」
「蒼い子置いてきぼり」
「………………」
「………………」
「分かり易さを目指したつもりなんだけど、どう?」
「間違っていないのは保証します。だけどばらしーちゃん、もう少し遡るともっと分かり易いかな」
「ん……やってみる」
「意気込んで戦いに参戦した蒼星石ではあったが、
ジュンの右腕が失われた原因は自分にあり、また、それを喜ぶジュンの姿に戦慄を覚える。
其処に急襲を掛けた薔薇水晶は、ジュンの呟く謎の呪文を受けて眠りに就き、
更に突然セクハラしてきた変態男、閃くセンコー真紅の鉄拳、こりゃもう蒼い子茫然自失は免れぬ」
「……間違っては……いないのですけど……Step2−1、スタートです……(大丈夫かなこの話)」
あの、凄愴で陰惨な一夜が明けた次の日、
僕こと蒼星石は、双子の姉である翠星石と一緒に、朝の校舎の廊下を歩いていた。
「……本当にもう大丈夫ですか? 無理をされても困るのは周りなんですよ」
「うん、安心して。もう迷惑を掛ける事はないと思うから」
「別に迷惑を掛けるなと言っているのではないのです」
僕を気遣う翠星石の気持ちは十分に伝わっている。
だけど今日は、今日だけは這ってでも出てこなければいけなかった。
知りたい事が山ほどあったから。自分の耳で、自分の瞳で、知らなければいけない事が。
「―― 今日は色々と済ませておきたい事もあるしね。ごめん、翠星石」
「私が代わりに出来るなら、言ってくれればやっておくですよ?」
「ちょっとそういう訳にもいかなくてさ」
それでも、僕の様子も大分落ち着いたもので、
翠星石は未だに心配しつつ、幾らかの安堵を顔に浮かばせていた。
さてと、教室の前に来た。僕は小さく深呼吸をして、扉を開ける。
視界の奥には、金糸雀、雪華綺晶、そして―――― 薔薇水晶の姿が在った。
「あら、おはようかしら」
「おはようございます」
「おはようです」
「おはよう……」
「…………」
彼女の様子は……見た限り、何時もと変わらない普段そのままだった。
>>697 「……蒼星石?」
「あ、お、おはよう、薔薇水晶……みんなも」
様子がおかしいといえば、薔薇水晶よりも僕の方がよっぽど、と言うべきだろう。
まだ本調子じゃないんですよ、そうフォローを入れてくれた翠星石に、三人は納得したようだ。
……薔薇水晶、ここまではあの二人から聞かされていた通りみたいだけど……。
「おはようなのだわ」
背後から不意打ち気味に言われた挨拶に、僕はいささかオーバーアクションで振り向いてしまった。
真紅、雛苺、そして……今日、用がある二人が揃って立っている。
「おはようです真紅、えっと、蒼星石は……」
「病み上がりなんでしょう? 別に気にしていないわ」
「話が早くて助かるです。チビ人間にチビチビも……って、え?」
あ、言葉に詰まった。うん、僕には昨夜の事で耐性があるけど、他のみんなはね……。
「……一つ聞いてもいいですか」
「なんだよ」
「その格好は、フランケンシュタインの怪物の物真似ですか?」
「があああっっっ!!!」
「キャー!」
突然のジュン君の奇声を受けて、雛苺は楽しそうに彼の傍から逃げ出した。
あの手際の良さ、きっと行き掛けにも同じような事をしていたに違いない。
しかし、怪物、今の彼をそう言い表したくなるのも無理はないだろう。
大きな痣を中心に顔の半分が膨れ上がり、片腕を三角巾で固定しているその姿を見せられれば。
>>698 「盛大に転んだんだよ。それよりおはよう」
「お、おはようです」
驚いているのは翠星石だけじゃない、先に教室に居た薔薇乙女の三人も同様の状態だ。
あの感じだと、僕の奇行なんてとっくに忘却の彼方だろう。これは僥倖と思うべきかな。
だけど、分かっている。僕は忘れていない。あの腕を包む布が、実際は何を隠しているのかを。
「蒼星石も、おはよう」
「……おはよう」
あ、翠星石が不思議がってる。今までだったら、僕もジュン君も軽く目を合わせて終わりだったし。
「翠星石、蒼星石は昨日の夜、大怪我をしたジュンを助けたの」
「昨日の夜?」
「うん、気分が落ち着かなくて、外を出歩いていたんだ。そうしたら……」
「無様にも公園の階段の下で呻いているジュンを見付けたのよ」
「ごめんね、黙ってて。その時は夜も遅かったし、今まで言い忘れてたよ」
「……夜に黙って出歩いていたのは感心しねぇですけど、ふぅん、そんな事があったですか」
「打ち所が悪かったみたいで、暫くはこの腕らしいけどな。よろしく頼むよ」
さらりと話を流して席に着く二人。僕もこれ以上追及される前にと席へ避難した。
ここまでの作り話は昨夜の打ち合わせ通り……。だがしかし、気になる事には積極的な僕の姉、
そのまま後ろについてくると、腰を下ろした僕に耳打ちする。
「別に心配してはいないのですけど、ジュンの怪我、酷くないのですか?」
「ずっと連れ添ったんじゃないから詳しくは知らないけど、学校に来れる位だからね……」
まぁそうですね、そう言って翠星石も席に着く。内心どきどきだった、冷や冷やしたよ姉さん。
>>699 その日の放課後、僕は一人、校舎裏の一角に向かった。
目的の人物は既に二人とも揃っていて、僕の姿を認めると、真紅の方が先に口を開いた。
「……翠星石は大丈夫なのね?」
「帰れる時は一緒に帰っているけど、流石に毎日は無理だったから、別に珍しい事でもないよ。
それに今日は遅くなるかもしれないって話もしてあるし」
「その点は問題無いのだわ。
『nのフィールド』で話をするつもりだから、時間の概念はそれほど気にしなくても」
「ごめん、早速水を差してしまうけど、『nのフィールド』ってなんだい?」
「やっぱり真紅とは違って、記憶が曖昧みたいだな」
「それは、この真紅が特別だという証なのだわ。ジュン、私の従者である事を誇りに思いなさい」
はいはいと投げやりに相槌を打つジュン君の顔に、真紅の長い髪の毛がヒット。痣は増えていない。
女王様が躾をする時の鞭みたいな使い方だ。なるほど従者ね、言い得て妙だ。
「蒼星石、貴女、何か失礼な想像を浮かべていないかしら」
「や、やだなぁ真紅。『nのフィールド』って何なのかなって考えていただけだよ」
危ない危ない、こっちまで躾けられてはたまらない。考えを顔に出さないように気をつけなくちゃ。
「……百聞は一見に如かずね。話の続きはそこでしましょう」
と、真紅と話をしている間に、ジュン君は草むらの中で何かをしていた。
そこから放り出される大きな布、不思議に思っていた僕に、彼から声が掛かる。
「蒼星石、こっちに来てくれ」
お呼びが掛かり、警戒心ゼロで近寄る。と、急に手を引かれた事で、僕は体勢を崩して――――
>>700 「―――― わああああああッッッ!?」
目の前には大きな鏡、この勢いでぶつかったらとんでもない事に!
思わず目を瞑る―――― だけど、それ以降の衝撃は、いつまで経っても訪れず、
「ようこそ、『nのフィールド』へ」
その歓迎するかのような声に、恐る恐る目を開くと……あれ、鏡が無い?
それどころか転んでいた筈なのに、今は地面にしっかりと二本の足で立っていた。
周りを見回しても……さっきまでと何ら変わらない、校舎裏の景色だけど……。
「そしてここが『第0世界』における学校……私達の目的の地よ」
「……ごめん。順を追って説明して欲しい」
「簡潔に言えば『異空間』 薔薇乙女<ローゼンメイデン>がその真の力を発揮出来る空間らしい。
この中は現実世界と同じ時間の流れじゃないから、どれだけ話が長引いても問題ないんだ」
「ジュン、簡潔過ぎるのだわ」
「幾らこの中でも、真紅の丁寧な説明に掛かったら、あっという間に夜明けだからな。
……『第0世界』は『nのフィールド』の一つ、現実世界のもう一つの姿にして、
昨日まで僕達が戦っていた戦場だ。ほら、ちょっと上を見てくれ」
言われた通りに空を仰ぎ見ると―――― なんだか見覚えのある物が浮いていた。
さっきぶつかりそうになった鏡じゃないか。一体全体、何がどうなっているんだろう。
「あれを通って、僕達はこの『nのフィールド』に入ったんだ」
>>701 通ってって……鏡を、通って? まるであれが入り口だと、そう言っているように聞こえるぞ。
「えっとさ……鏡って、人が通り抜けできるような物じゃないだろう?」
「私達にとっては入り口でもあるのよ。
それからここが異空間だという事も半信半疑のようだけど、それなら耳を澄ませてみなさい。
ここに喧騒の類は届かないでしょう? 私達以外の人間は、一人としていないのだから」
……確かに、さっきまでそれなりに聞こえていた学生達のざわめき、
人の気配というものが……一切として感じられない。
「この中でなら、幾ら私達が争っても現実世界への影響は出ない。
昨夜、話の途中で貴女が疲れて眠ってしまった後も、あの鏡を通って貴女の家まで送ったのよ」
「それまで蒼星石がどんな手段でここに来ていたのかは分からないけど、
多分似たような方法を使っていたんだと思う。なんとなく覚えてないか?」
「……ごめん」
僕の答えに少し残念そうな顔をするジュン君。
ジュン君と戦っていた時には理解していた色々な事を思い出せれば、説明の手間も省けるしなぁ。
だけど、今の僕に残っているのは、あの時の凶暴で不安な感情と、それに辛うじて勝った決意だけ。
これでは二人の足を引っ張っているだけだけど、それでも僕は、今更見て見ぬ振りなんてできない。
「ところでジュン君、その右腕だけど」
「あ、これか? お察しの通り偽物、家庭科室にあるマネキンから拝借したんだよ。
お前達以外で真実を知っているのは僕の姉ちゃんだけ。話した時には卒倒し掛けてたけどさ」
悪い事したよ―― その言葉を言い切る前に、彼の顎を真紅の一撃が捉えていた。
凄く覚えのある展開だけど、今度は空に打ち上げられる感じで、
不謹慎だと自覚しながらも、視覚的には新鮮な光景だった。本当にごめん。
>>702 「ジュン、貴方の辞書に学習の二文字は存在していないのかしら?」
「わ、悪かった、悪かったから拳を仕舞って下さい高貴なる真紅様へへぇ〜……!」
「加えて謝る相手まで間違えて……これは本気で再教育プログラムを……」
「おわわっ!? ごめん蒼星石! 気にさせないように言ったつもりだったんだけど、
ああ、冷静に振り返れば嫌がらせだよな! 苛めに等しい失言でした、取り消します!
お前は悪くないぞ、僕の気が利かないのが悪かったんだ、だからこの腕の事は気にせず――――」
―――― その台詞もまた、最後まで言い終える事は叶わなかった。うわ、雷みたいな振り下ろし。
「蒼星石。主として情けない事この上ないのだけど、この厚顔無恥極まりない下僕は、
加えて無知でもあるがゆえに、悪気があってこんな事を言っているのではないの。
この子の最後の言葉は本気で―― いえ、それだけで十二分に罪悪とも言えるでしょうけど。
とにかく許してあげて欲しいのだわ。
不出来なる従者、桜田ジュンの主、薔薇乙女第五番が真紅も、貴女に心からの謝罪を――」
「い、いいからもう! 君にまでそんな事されたら、いよいよ居た堪れなくなっちゃうよ!」
「……ごめんなさい。これでは私もジュンと変わらないわね。
だけど、ジュンが片腕を失った事について、貴女が責任を感じるのはお門違いなのだわ」
「前提が何であっても、結果的に僕の鋏が彼の腕を切ってしまった事には変わりがないよ」
「責任とは、見せしめにしろ何にしろ、存在する意味が在るからこそのものなのだわ。
でも、貴女が一人で責任を感じても、それはお互いに何のプラスにもならないの。
蒼星石、難しいでしょうけど、私達を想ってくれるのなら、抱え込まないで頂戴。
貴女の苦しむ姿は、この戦いを否定する傷痕でもある。それこそが、私達にとって一番の苦痛なの」
真紅の言葉は正論だ。正論は常に受け入れられるものではないけど、そんな簡単な話じゃないけれど、
彼女の言う通り、僕がここに居るのは、罪悪感からなのかもしれない。
でも、それを抜きにしても、きっと僕はここに居ただろう。他の理由を盾に、ここに居たのだろう。
悪いのは僕だ。勝手な事を言っているのは僕だ。僕が申し出た事は、全部僕の我が儘だ。
昨夜の戦いで、僕が決めた事を、自分で決められた事を、僕は最後まで遣り遂げたいだけなんだから。
>>703 「それでも真紅、僕は、君達と一緒に戦いたいんだ。この気持ちには、きっとこの先も嘘を吐けない」
「……蒼星石」
「ジュン君の失った片腕と同じだけ働けるとは言えない。どれだけの事ができるのかも分からない。
だけど、最後まで僕と争おうとしなかったジュン君を、真紅を僕は信じられる。使命よりもずっと。
だから、この力を使って。君達の目的の為に。たとえ僅かでも、僕にはその価値があるんだろう?」
あの戦いの場所に居たのなら、アーティーファクトを持っているのなら、力を封じられていないのなら、
僕は力になれる筈だ。彼らの目指す所までの道を切り拓く、一本の剣としての資格を持っている筈だ。
「お願いだよ。僕は友達を助けたいんだ」
そう、囚われたジュン君を前に、翠星石は無言で、僕の中に在る気持ちに気付かせてくれたのだから。
「……その強情さ、貴女達ってやっぱり似た者姉妹ね。
ほらジュン、何時まで倒れているつもり? 今の話を聞いていたでしょう」
さて、何処から取り出したのか真紅のステッキで背中を叩かれて、むくりとジュン君が起き上がる。
「蒼星石は私達に協力を申し出てくれている。状況は十全じゃないの、これ以上は高望みなのだわ」
「それは……そうだけど、でも」
「でも危険だ、という事も、今の蒼星石は理解している。
私達の目的の為に、この子は絶対に失えない。なら、私達は蒼星石を守る。それだけの事よ」
僕を守る? どういう事だろう。僕は二人と肩を並べて戦いたいと言っただけなのに。
もしかして、昨日ジュン君が取り乱した事と関係しているのだろうか。
すると、真紅は僕の考えを読み取ってくれたようで、抱いていたその疑問について答えてくれた。
「そうね……話すのだわ。私とジュンにとって、貴女の力がどんな意味を持っているのかを」
変な所で切ってしまいましたが、これで今回の投下は終了です。
前回の感想レス、どうもありがとうございました。wiki投下はもう少しお待ちを……。
706 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 07:19:06.65 ID:Ar82wym9O
ずっと待っていた俺ガイル
ついにいろいろな事実が判明してきましたね
続きwktk
707 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 07:42:10.54 ID:WFKNtDf6O
保守
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 07:55:13.82 ID:OOWuH4pA0
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 08:24:49.43 ID:tA3t8u5t0
>>679 職員室呼び出し程度で許されるとこがすげーよwwwww
ワロタwww
>>705 思わず見入ってしまった。
続きはどうなるのか…他の薔薇乙女はどう絡んでくるんだろう?
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 08:42:52.04 ID:5d4PPrYeO
保守
711 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 08:58:15.79 ID:fk8OmR8S0
>>287の「あなたを呼ぶ」の続きです。
>>290さん指摘サンクス。
WIKIに登録してくれた方。すまないが、
「あなた“を”呼ぶ」後日談に変更していただけるとありがたい。
タイトルをうちまちがうという、馬鹿なマネをしてゴメン。
本編くらい長くなりそうなので、
(あと、これを含めて、3・4回くらいの投稿になりそうなので)
そのつもりでお付き合いいただけるとありがたいです。
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 08:59:05.02 ID:fk8OmR8S0
今日は休日。
僕は、水銀燈が来る前に、部屋の掃除をしている最中だ。
特に約束したわけでもないけれど、休日にはよく訪ねてくるからな。
銀「ジュン?いるぅ?」
水銀燈が来たみたいだ。
ジ「よう。水銀燈。今紅茶入れるからちょっと待ってて。」
銀「はぁい。」
ヤカンを火にかけ、茶葉を選ぶ。
……アッサムにしようかな。
蓋を開けると、葉がほとんどない。
買いに行かなきゃな。
とりあえず、残った葉で紅茶を淹れる。
ジ「はい。お待たせ。」
銀「ありがとぉ。」
彼女は、カップに口をつける。
ジ「あのさ、いい茶葉が売ってる店しらないか?
そろそろ、茶葉が切れそうなんだ。」
少し考えた後、彼女が答える。
銀「近くを通っただけで、入ったことはないんだけどねぇ
知り合いから聞いた限りではいい店らしいんだけど。
……その店でもかまわない?」
ジ「別に他にあてがあるわけでもないし。
その場所教えてくれないか?」
銀「えっとねぇ、
ここから三駅くらいなんだけれど、
けっこう入り組んだ所にあるのよねぇ。
口じゃぁ説明しにくいわぁ。」
複雑な場所か。僕は方向音痴なので一人で行ける自信がない。
713 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 08:59:36.70 ID:fk8OmR8S0
>>712 ジ「よかったら連れて行ってくれないか?」
銀「私、近くに寄りたいところあるのよぉ。
そこで荷物持ちしてくれるならいいわ。」
ジ「ああ。今から一時間後でかまわないか?」
銀「いいわよぉ。ちゃんとマシな服えらんでおきなさぁい。」
水銀燈が出て行った後、僕は財布にお金追加する。
普段は節約しているけど、紅茶だけは別だ。
そして、マシそうな服に着替える。
普段からも、それなりに気をつけているつもりだけれども、
彼女の目は厳しいからな。
服選びで意外と時間を取ったのか着替え終わると、彼女の声が聞こえた。
銀「おまたせぇ」
甘い感じの服装の彼女が現れた。
普段着はシンプルで黒と基調とした服装が多いんだけど、
これはこれでかわいい。
ほんと、何着ても似合うよなぁ。
銀「どう?似合ってる?」
ジ「あぁ、かわいいよ。」
銀「うふふっ、じゃ、行きましょ?」
そういうと、腕を組んできた。
嬉しいんだけれども、……やっぱり恥ずかしい。
僕の顔が赤くなったのを見て、水銀燈が笑う。
714 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:00:20.68 ID:fk8OmR8S0
>>713 目的駅から降り、彼女の案内で、歩いていると紅茶専門店が見えた。
よくこんな複雑な道のりを覚えれるものだ。
僕が、方向音痴すぎるだけなのか?
銀「ここよぉ。」
外から見る限り、人はいない。
場所のせいもあるんだろうけど、大丈夫かな。
彼女は、店の扉を開く。
雪「ようこそ、Teegesellschaftへ」
僕は驚いた。こんなところで会うとは思ってなかった。
ジ「雪華綺晶さん!?」
雪「桜田さん!お久しぶりです。」
銀「あらぁ、知り合いなの?」
水銀燈が、興味深そうに聞いてきた。
ジ「あぁ、僕の故郷でよく通ってた店の雪華綺晶さん。
……でも、なんでこんなところに?」
雪「支店を出すことにしたんですよ。
ここは、Teegesellschaft2号店です。」
誇らしそうに雪華綺晶さんは答える。
ジ「2号店か。経営順調なんですね。
あれ、薔薇水晶さんは?」
雪「薔薇水晶には、1号店のほうをお願いしています。」
ジ「……薔薇水晶さんに接客できるのかな?」
彼女は、あまり愛想というものがない。
紅茶を淹れる腕はたしかだけど。
雪「アルバイトさんに入ってもらっているから大丈夫ですよ。
真紅さんって人が特に頑張ってくれていて、助かってると言ってました。」
ジ「真紅が?……あの真紅があるバイトを……
あいつがねぇ……」
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:01:08.75 ID:fk8OmR8S0
>>714 雪「真紅さんとお知り合いなんですか?」
ジ「ええ、よく紅茶を淹れてやったんですよ。
……正直、意外です。
あいつは紅茶好きなんですが、飲む方専門と思ってました。」
雪「そうなんですか?
知識も豊富で、すぐ紅茶もうまく淹れられるようになりましたし、
うちの店にとっては、ありがたい存在ですよ。」
真紅も色々頑張ってるんだな。
真紅のこと色々不安だったけど、少し安心した。
雪「さて、はじめてのお客様には、
まず、私達の店を知っていただきたいということで、
紅茶をお出ししています。
コチラが勝手に出すものなので、御代は結構です。
お出ししてもかまいませんか?」
ジ「あ、そのシステム続けるんですね?」
雪「はい。誠心誠意、紅茶をお出しするのが、
私達の店のポリシーですから。」
銀「あらぁ……なかなかすごいお店ねぇ。」
水銀燈は、感心しているようだ。
雪「折角ですし、桜田さんにもお出ししますよ。」
ジ「え、僕にも、淹れてもらえるんですか。……じゃ、お言葉に甘えて。」
銀「私も、いただくわぁ。」
雪「では、少々お待ちくださいませ。」
雪華綺晶さんは、お湯を沸かし始めた。
716 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:02:03.88 ID:fk8OmR8S0
>>715 僕と、水銀燈はカウンターに座る。
銀「ねぇ、ジュン。その真紅って子と仲いいの?」
ジ「ん?まぁね。小学校からの、腐れ縁かな?」
銀「ふぅ〜ん。羨ましいわね。」
ジ「そっか。」
水銀燈は、髪の色のせいで、孤立しがちだったんだろう。
なんとなく、真紅と水銀燈は馬が合うような気がする。
二人ともくんくん好きだし。こんど会わせてみようかな?
そんなことを考えてると、
雪華綺晶さんが、ティーポットとカップを目の前に置いた。
雪「お待たせいたしました。
砂時計が落ちたら、カップに注いでください。」
雪華綺晶さんは、あのころと変わらない笑顔でこっちを見てる。
銀「へぇ。ティーポットで出すお店って珍しいわねぇ。」
雪「そうですね。ティーポットでないと、出せない味がありますから。」
銀「この砂時計っていうのも始めてみたわぁ。」
ジ「茶葉の成分が出る時間を待つためのものです。」
銀「へぇ〜。凝ってるわねぇ」
僕は店を見渡してみる。
テーブルや、カウンター。
茶葉販売の棚まで、1号店と似ている。
時間が来たので、カップに注ぐ。
口に含むと懐かしい香りと味がした。
ジ「うん。おいしい。」
銀「ジュンの淹れた紅茶と同じくらいおいしいわぁ。」
僕はうれしいんだけど、店に失礼な褒め方だ。
雪「ありがとうございます。」
雪華綺晶さんは、嬉しそうにそう答えた。
さすが、大人な対応だ。嫌そうな顔一つせず、笑顔がまぶしい。
717 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:02:54.74 ID:fk8OmR8S0
>>716 紅茶を楽しんだ後、僕は茶葉を買い店を後にした。
茶葉代は水銀燈が半分出してくれた。
彼女曰く、「私も半分くらい消費するからね」だそうだ。
お茶菓子とか持ってきてくれるだけで十分なんだけど、
お金がないので、ありがたく出してもらった。
その後、彼女の行きたい店により、
荷物持ちの大役を果たし、アパートへと戻った。
まぁ、あまり荷物はなかったけどな。
ほんと、今日は懐かしい人にあったな。
真紅、元気かな?
僕は僕で勉強頑張ってるし、
あっちは、あっちで頑張ってるみたいだし、
前みたいに電話をかけても、帰りたくなることはないだろう。
僕は、真紅に電話をかけることにした。
電話のコール音が7つ鳴った。
あれ、出れないのか?
そう思った時、真紅が電話にでた。
紅「あら、ジュン。久しぶり。」
あのころと変わらない声。懐かしい。
ジ「よう、真紅。久しぶり。」
紅「で、どういった用件かしら。」
ジ「や、別に用はないんだけど。
雪華綺晶さんと会って、お前の話聞いたから、
どうしてるかなって思ってさ。」
紅「あら、主人の身を案じるなんて、
やっと、下僕としての心得が身についたようね?」
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:03:40.53 ID:fk8OmR8S0
>>717 ジ「はいはい。で、どうだ、そっちの大学は?」
紅「講義はなかなか興味深いわ。
図書館もいい本が沢山あるわ。
ただ、学食はいただけないわね。
紅茶ひとつまともに淹れられないのだから。」
高校のときもいってたな、そのセリフ。
彼女の所属する文芸部の部室に、茶器を持ち込んで、
紅茶を淹れさせられたっけ?
僕としては、メニューに紅茶があるだけ、マシだと思うんだけど。
僕のところは、コーヒーだけだ。まぁ、コーヒーも嫌いではないけれど。
ジ「紅茶といえば、Teegesellschaftでバイト始めたんだってな?
どうだ、少しはうまく淹れれるようになったか?」
紅「なかなか難しいものね。
……ジュン、主人として命令するわ。
紅茶の入れ方のコツを教えなさい。」
一つ前のセリフの「紅茶ひとつまともに淹れられないのだから」は、どうなったんだ。
と、思ったけれど、怖いのでツッコミは入れない。
ジ「急にそんなこと言われてもなぁ……
薔薇水晶さんから習ってるだろ?」
正直、あの無口な薔薇水晶さんが、
教えているところを想像できなかったりするけど。
紅「習っているけれど、私は早くおいしい紅茶を入れれるようになりたいのだわ」
ジ「う〜ん。ある程度までいったら、後は経験が重要だからなぁ。
何回も淹れるしかないんじゃないかな?
葉の蒸らし時間、お湯の温度、お湯と葉の比率は
目安はあるけどそれが絶対ではないんだ。
普通には推奨されない、85度程度の温度で、
じっくり蒸らしてもおいしい葉もある。」
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:04:32.22 ID:fk8OmR8S0
>>718 紅「その経験を教えなさいといってるのだわ。」
ジ「そんな、無茶言われてもなぁ。」
紅「お願い。ジュン」
珍しいな、こんな風にお願いなんかされるの。
そこまで頑張ってるのか。
ジ「……わかったよ。次、電話かける時までに考えておくから。」
紅「まぁ、それで、許してあげようかしら。
で、あなたの生活はどうなのかしら?
ちゃんと、食事は摂ってるの?」
くそ、一気に立ち直って、上の目線からだ。
……まぁ、いいけど。
ジ「ほう、心配してくれてるのか?」
紅「下僕に気を使うのも主人の役目だわ。
もっとも、下僕が、料理を作れれば、
こんな心配はいらないのだけれども。」
ジ「ま、なんとかやってるよ。それなりに腕も上達した。」
姉ちゃんの味には程遠いけどれも、そんなに複雑な料理じゃなかったら、
おいしく食べることができるレベルだ。
紅「講義のほうはどうかしら?
ちゃんと単位は取れそう?」
と、こんな具合に、僕と真紅の会話は続いた。
久々に聞いた、懐かしい声とセリフ。
時間で言えばそんなに経っていないのだけれども、
ずいぶん、久しぶりのような気がする。
真紅も元気そうだったし、よかった。
ただ、電話をかける前と思いと違って、帰りたいと思ってしまった。
お盆休みには、バイトも休みになるし、帰ろうかな?
姉ちゃんも心配してるし。
720 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:06:16.92 ID:fk8OmR8S0
今日は、以上です。続きはまた後日に。
あと、WIKIへの登録のほうは、後でまとめて、
やろうと思っているので……。
721 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:09:41.51 ID:tA3t8u5t0
>>720 いい話です。真紅の言葉にならない寂しさ?みたいなものが…
…僕も帰りたくなったなぁ
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 09:37:48.89 ID:oDSr5ddSO
保守
hosyu
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 10:39:20.90 ID:Ar82wym9O
薔「ジュン…私はこれから一か月修羅場モードに入るから…邪魔しないでね」
ジ「ああ…良いけど……今回はかなり気合が入ってるな」
薔「私頑張る…楽しみに待っててね」
ジ「ああ、まあ頑張れ…それじゃ俺は」
薔「発信機とか隠しカメラとか盗聴器とかいろいろ付けといたから浮気はだめだよ」
ジ「……(仕掛ける暇あるなら原稿進めろよ)」
一か月後
薔「…………出来た」
ジ「おめでとう」
薔「ありがと…ちなみに全150ページの超大作」
ジ「ほお」
薔「内容は私とジュンの壮大なLoveROMANS」
ジ「…まあ別にいいけどさ…ところで」
薔「?」
ジ「印刷代とかは?」
薔「ジュン……お金貸して」
ジ「ない」
薔「…………orz」
725 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 11:10:53.02 ID:Ar82wym9O
保守
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 11:43:09.89 ID:0FGV3BKoO
保守
727 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 11:46:41.61 ID:aaWFV/ot0
>>724 大作過ぎwまとめ力も必要
「逆に考えるんだ、分割すればしばらく書かなくて済むと。」
728 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 12:20:27.06 ID:5d4PPrYeO
保守なのだわ
729 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 12:45:42.58 ID:5d4PPrYeO
ほ
730 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 13:11:48.27 ID:5d4PPrYeO
保守
731 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 13:36:04.08 ID:By9STOwbO
……まあ、聞くだけ無駄なのは百も承知だし、もしそうだったところでどうしようもないのはわかりきってるんだけど、
一応聞いておこう。
君んちにも宇宙人、いる?
いや石を投げるな正気を疑うな可哀想な人を見る目で僕を見るな。
僕だって、こんな戯言を素面で口に出来る自分が嫌だよ。
僕はごく普通の不登校のヒキコモリ少年だし、そもそもごく普通のヒキコモリ少年の家には宇宙人なんかいる訳が
ない。マンガや小説じゃあるまいし、そんなの有り得ない。
そう、有り得ない筈だったんだ。昨日までは。
「ジュン、何をぶつぶつ言ってるの? 早く紅茶を淹れて頂戴」
……僕の苦悩の元凶が、何とも居丈高に言いやがる。
真っ赤なドレスを着た、ツインテールの女王様。僕よりずっと小さいくせに、態度はどこまでも大きい。
「ただでさえヒキコモリの身分なのに、これ以上独り言まで言うようになったら、世間様に顔向け出来ないのだわ」
「……エクスカイザー、地球外生命体のお前にだけは言われたくなかったな」
「あら、私は地球にいる間はこのボディの呼び名に従うと言った筈なのだわ。真紅と呼びなさい」
「じゃあ真紅。僕以上に世間様に顔向け出来ないお前は、いつまで僕の家に居座るつもりなんだ?」
「決まっているのだわ。ガイスターを逮捕するまでよ」
いつになるんだそれは。
……ああ、みんなに紹介しとかないとな。
732 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 13:37:35.75 ID:By9STOwbO
こいつがウチの宇宙人、宇宙警察カイザーズ隊長、エクスカイザーだ。
実体を持たない超エネルギー生命体であるこいつは、地球の宝物を狙う宇宙海賊ガイスターを追って地球に来たんだが、
何故か僕の家の物置に眠っていた人形を地球上で活動する為のボディとしてしまい、それ以来、
僕の家に我が物顔で居着いている。
僕としてはとっととガイスターを逮捕して帰って欲しいのだが、なかなか捜査はうまくいってない。
「安心して、ジュン。ガイスターの早期撲滅の為に、この前本部に増援を要請したのだわ。カイザーズの仲間達が、
この地球へ続々と集結しつつあるの」
「……という事は、まだまだ宇宙人が増えるのか」
「既にレイカーシスターズは地球に到着しているそうよ。マックスチームも間もなく地球に来るのだわ」
「シスターズ? チーム? ……つまり、一人二人じゃきかないって事か」
「あの悪名高いガイスターと戦うのよ? 当然でしょう」
「僕としては、宇宙人はお前だけでたくさんなんだけどな……」
「さあジュン、紅茶を淹れて頂戴。宇宙警察はティータイムを大事にするのよ」
エクスカイザー、いや真紅に命じられるまま、僕は暗澹たる心持ちでキッチンに向かった。
せめて、仲間の宇宙人の何とかシスターズやら何やらは、あいつみたいなワガママ宇宙人でない事を祈りながら。
勇者ネタだが私は謝らない。
続くかもしれないし続かないかもしれないが、謝らない。
733 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 13:47:54.96 ID:5d4PPrYeO
734 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 14:11:32.14 ID:Ar82wym9O
続きwktk
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 14:43:39.38 ID:Ar82wym9O
保守
736 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 14:44:09.72 ID:cgFykQy60
保守短編投下。
私を呼ぶ声が聞こえるかしら
「・・・リア・・・・ナリア・・・・・」
聞き覚えのある声かしら。
「金糸雀・・・金糸雀・・・」
なんだかとっても心地いいのかしら
「金糸雀!」
金糸雀「んっ・・・ああ、ジュン。おはようかしら」
ジュン「あぁ、おはよう。」
少し不機嫌そうなジュンの顔が近い・・・。なぜかしら?
ジュン「・・・なあ・・・はなしてくれないか?」
金糸雀「?(何を言っているのかしら?カナはなんにも秘密を握ってないかしら。)」
金糸雀の考えはジュンに読まれていたみたいだ。
ジュン「あぁ〜。手を僕の首から外してくれないか?」
金糸雀は気付いた。
金糸雀「(起きてからずっとジュンの首に手を回していたかしら?。もしかして・・・起きる前からかしら?)」
金糸雀は顔を真っ赤に染めると言われるがまま手を離した。
金糸雀「・・・何故、ジュンがここにいるのかしら?」
ジュン「ここは僕の家だ。覚えてないのか?だからあんなに飲むなって言ったのに・・・。」
金糸雀「(そういえば今日、ジュンの家で宴会をしたのかしら。薔薇水晶と雪華綺晶は明日仕事だからって帰ったのかしら。)」
金糸雀「(そして水銀燈から無理やりお酒を飲まされたかしら。それからは・・・・記憶がないかしら〜)」
ジュン「んで、どこまで覚えてる?」
金糸雀「水銀燈からお酒を飲まされたところから記憶はないかしら〜」
737 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 14:44:34.96 ID:cgFykQy60
>>736 ジュン「そうか。あのあとふらふらになってソファーで寝始めたから僕の部屋に寝かせたんだけど・・・」
金糸雀「(ここはジュンの部屋かしら。どうりで見覚えがあると・・・。)」
ジュン「それで、皆、酔っ払って寝始めたから、酔ってない蒼星石と一緒に後片付けしてたんだ。」
ジュン「そのあと、翠星石は蒼星石が家に運んでいって、真紅と水銀燈は空いてる部屋に布団しいてそこで寝かせて、雛苺は姉ちゃんの部屋で姉ちゃんと一緒に寝てるんだ。」
金糸雀「(翠星石と蒼星石のいえは隣だから、すぐに、運べるってわけかしら〜)」
ジュン「それで、風呂にでもはいろうかと思って部屋にきたら、おまえが僕の事よんだから近づいたら抱きつかれたってわけだ。」
金糸雀「そう・・・かしら。・・・あ!そうかしら。金糸雀もお風呂にはいりたいかしら。一緒に入るかしら!」
ジュン「な・・・無理だ、僕の次に入ってくれ。(まだ酔ってるのか?)」
金糸雀「何故かしら?金糸雀はジュンと一緒にお風呂に入りたいかしら。」
金糸雀はジュンの上目遣いで見た。
ジュン「む、無理だ。あきらめろ(金糸雀ってこんなに可愛かったか?)」
金糸雀「む〜。あ!そうかしら。じゃあ一緒に寝るかしら。」
ジュン「なんで?」
金糸雀「だってもう寝るところがないかしら?」
ジュン「リビングにソファーがあるかr
金糸雀「ほら。ないかしら。」
ジュン「いやだから、ソファーがあr
金糸雀「つべこべ言わずにさっさとお風呂にはいってくるかしら。それまで我慢して起きてるから腕枕をするかしら。」
ジュン「(なんか支離滅裂だな。)はいはい。わかったよ。」
そういって着替えをもって部屋から出て行く。
738 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 14:44:56.96 ID:cgFykQy60
>>737 ジュンが風呂から上がり、自分の部屋に来た。
ジュン「金糸雀〜。おまえははいらないのか?」
金糸雀「・・・・・」
ジュン「金糸雀?・・・寝てるや。」
金糸雀「すーすー・・・」
ジュン「なんか急に金糸雀が可愛く見えてきたなぁ・・・。(なでなで」
金糸雀「んっ・・・ジュ、ジュン・・かしら〜・・・すー」
ジュン「!・・・寝言か・・・。まぁいいや。」
そういって金糸雀のよこに寝そべるジュン。
ジュン「・・・おやすみ・・・金糸雀・・・」
そういってジュン目を閉じる。
〜酒の力を借りながらも金糸雀はジュンと一緒に寝ることができました〜
〜二人は同じ夢を見ていました。それは二人が仲良く手をつないで散歩している夢でした・・・〜
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 14:45:40.46 ID:cgFykQy60
>>738 〜朝〜
金糸雀「う、う〜ん。おはようかしら〜・・・・」
金糸雀はびっくりした。自分の横でジュンが寝ているからだ
金糸雀「か、か、か、かしら〜〜〜〜!!!!!!」
金糸雀は覚えてなかった。昨日の夜の出来事を・・・。
そしてジュンは金糸雀の悲鳴で起きた、水銀燈、真紅、雛苺、のりの尋問を朝から受けることになる・・・・。
おわり
寝起きで書いたので文章が支離滅裂かもしれませんがそれは許してください。
740 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 14:55:05.61 ID:tA3t8u5t0
>>739 ええい!僕を殺す気かwwwあやうく悶え死ぬところだwww
GJ!
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 14:59:13.42 ID:aaWFV/ot0
>>739 金糸雀いい。机に向かってなかったら転げまわるとこだったw
742 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 15:15:15.24 ID:LYrNjFoJ0
>>613 あめえぇwwww
>>644 雛苺カナシス・・・・゚・(つД`)・゚・
だが、今が幸せでヨカタ。
>>664 みっちゃんとカナのこういう関係はいいね。
wktk!!
>>679 エロスwwwこれぞラブコメ!!wwww
>>705 JUMが不憫でならん・・・
>>720 せつなさが伝わってきた・・・
イイヨ、イイヨ!!
>>724 JUMひでえぇwww
>>739 カナが可愛いぜwwwカナの上目遣いに俺までやられそうだwww
743 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 15:17:56.01 ID:Ar82wym9O
カナリア可愛いよカナリアwwwwww
お酒の力は偉大だ
744 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 15:30:01.65 ID:WFKNtDf6O
保守
745 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 15:51:55.23 ID:GDVlwxF10
hosyu
746 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 15:56:35.38 ID:aaWFV/ot0
《悪魔のささやき》
金「お邪魔しますかしら。」
この時間になるといつもJUMの家を訪ねる金糸雀。
いつの間にかみんなと一緒に遊んだり食事をしたりするのが習慣になっていた。
しかし今日は誰も出てこない。
金「返事がない・・・ただの留守かしら。」
玄関は開いていたので少しすれば帰ってくるだろう。
そう考えた金糸雀は中で待つことにした。
勝手知ったるJUMの家。
テレビを見たり部屋を探索したりと一人でいろいろ楽しんだが
一向に帰ってくる気配がない。
金「遅い・・・・・・あんまり遅いからお腹がすいたかしら。」
何かで気を紛らわせようとキッチンを探索する。
牛乳でもいただこうかと冷蔵庫をあけると
丁寧に包装された紙箱が目に入った。
金「なにかしら・・・中身はケーキかしら!」
箱の中身はチョコレートケーキ、数は六つ。
いつもと同じ数だから金糸雀の分も含まれているのであろう。
形は小さいが強烈な存在感を放つケーキの甘美な誘惑。
金「私の分だけ先に…でもみんなと一緒に食べられなくなるかしら。」
747 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 15:57:30.84 ID:aaWFV/ot0
>>746 冷蔵庫の前で箱を抱えたまま唸る金糸雀。
見たこともないデコレーション、引き寄せられる甘い香り。
初めは我慢しようかと思ったが発見してしまったのが運の尽き、
その魔力に打ち克つことが出来なかった。
金「JUMたちが遅いのが悪いのかしら。お先にいただきま〜す。」
箱の中からケーキを取り出してそのままかぶりついた。
口一杯に広がるチョコレートの濃厚な甘み。
生地もチョコレート入りでラム酒の香りがたまらない。
それでいて口当たりは滑らかで、コクのわりにくどさは感じられなかった。
魅惑のひとときも束の間のこと、小さなケーキなのですぐになくなってしまった。
金「はぅ〜。」
しばし余韻に浸る金糸雀、後味もあっさりとしたものであった。
箱の中に目をやると先程のケーキが5つ。
ひとつを摘み上げ包んだセロファンを外すと迷うことなくほおばった。
金「チョコレートの三昧境かしら〜。」
再び訪れた至福の時間。金糸雀は我を忘れて貪った。
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 15:58:27.44 ID:aaWFV/ot0
>>747 J「おい金糸雀、しっかりしろ!」
金「JUM、おかえりかしら。」
真「金糸雀、大丈夫なの?」
翠「あーっ!おやつが荒らされてるです。」
雛「金糸雀、よくばりさんはいけないの。」
J「金糸雀、お前が食べたんだな?」
肩を揺すられる感覚で己を取り戻した金糸雀。
箱の中に目をやると先程のケーキが3つ。
状況を把握した金糸雀は次第に色を失っていく。
金「ごめんなさい。ごめんなさい。許してほしいかしら。」
翠「謝って済む問題じゃねーです。どうしてくれるです!」
金「す、すぐに買ってくるかしら。」
慌てて飛び出そうとする金糸雀の手をのりが掴んで引きとめた。
の「いいのよカナちゃん。まだ3個残ってるから。」
J「そうだな。また明日にでも何か買ってくればいいよ。」
翠「た、確かにそうです。今日のところはこのくらいで許してやるです。」
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 16:01:14.35 ID:aaWFV/ot0
>>748 真「それよりも金糸雀が心配なのだわ。」
金「えっ、カナはケーキを食べただけかしら。もしかして毒が・・・。」
真「そんなわけあるはずないでしょ。これは『悪魔のケーキ』。
これひとつで膨大なエネルギーを保持しているのだわ。」
雛「今日はみんな半分コするつもりだったの。」
翠「それなのにこのオバカナリアは3つも食っちまいやがって。
明日どうなることか分かったモンじゃねーです。」
の「でも大丈夫みたいね。それじゃおやつにしましょうか。」
J「半分あるけど金糸雀はどうする?」
金「か、カナはもういいかしら。」
翠「ならこの半分はJUMにやるです。ほれ、あーんですぅ。」
J「いいから食えよ。」
翌朝の肉糸雀の悲鳴はそれはそれはすさまじいものであったとさ。
終わり
※『悪魔のケーキ(デビルズケーキ)』はアメリカのケーキのひとつ。
名前の由来は、バターや砂糖、チョコレートがぎっしりで健康に悪いかららしいw
卵白で作る真っ白い『エンジェルケーキ』と対の存在。
チョコだけでなくココアを使ったものもあり、
チョコチップ・水飴・クリームなどでより凶悪にデコレーションされているものもある。
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 16:03:52.41 ID:tA3t8u5t0
>>749 ワロスwwwww
どんだけカロリー高いんだろうwww
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 16:04:36.24 ID:XqhHHjPq0
>>749 この時間に、こういう話は、正に『悪魔のささやき』
腹へった・・・ケーキ・・・食べたい。
752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 16:05:31.15 ID:y9gU9rWAO
753 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 16:11:13.49 ID:eMRDdWG4O
754 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 16:33:51.43 ID:cFPP0zRQO
保守
755 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 16:36:21.02 ID:qORNCOmn0
756 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 16:55:27.60 ID:aaWFV/ot0
それくらいってことw
757 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 17:18:35.20 ID:tA3t8u5t0
保守
保守
759 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 17:46:33.17 ID:Ar82wym9O
肉wwwwwwバロスwwwwww
760 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 18:10:36.27 ID:5d4PPrYeO
保守
761 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 18:28:28.27 ID:hyUkEZvs0
ho
762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 18:28:50.02 ID:HFqgooI/0
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 18:32:21.14 ID:OOWuH4pA0
なんかカッケー( ゚д゚)
つーか目つきがイイ!
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 18:40:12.31 ID:Ar82wym9O
>>762 これは良い保守ですね
好きな感じの絵がらだ
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 19:03:36.94 ID:aaWFV/ot0
766 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 19:12:15.74 ID:5d4PPrYeO
保守
767 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 19:28:48.31 ID:qORNCOmn0
保守
768 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 19:46:37.35 ID:OOWuH4pA0
保守
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 19:57:52.71 ID:HFqgooI/0
770 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 19:59:24.72 ID:OOWuH4pA0
翠の子ktkrwwww
良い笑顔だ。
771 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:01:58.62 ID:assCSLJK0
└-i:::::::::::::::::::::::: ,. '"´ ``ヽ:::::::.: : ヽ、
__...ノ: : : : : : :,.ィ´ / ', ヽ `丶、: : : :ト.、 ,.ィ"ヽ
. |: : : : : : : :/ ./ / ', ', 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ニニ、二
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', `丶ト、:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート、、ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:、:::/ l l |l ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
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/:::::ハ.ト 、 ! ..l_ヽヽ\、./ l/"´ l/_∠ | {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ノ| !: 復活させてみたのだわ
ヽ|l ',ヽ \ !,イ `` ト '′ ,イ"´ lヽ ,ハr'^,-ヘ':::::::::}::!| .!:
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| l l.|. ', 、 l ! .|:.ヾ ニフ !::l. | |: 絵を描きなさい。
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l| /,イ _..l l:.:.:.:.:.:.:`丶、 __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| | | ! !
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772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:07:41.38 ID:aaWFV/ot0
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:10:00.84 ID:cgFykQy60
マンガ読んでて思いついたネタ。
僕は桜田ジュン。ごく普通の高校生。今、僕は『妹は思春期』という本を読んで妹がほしいと思った。
まぁ、夢の中で妹と遊ぶか。そんなことを考えながら寝た。
〜朝〜
真紅「おにぃ、おきるのだわ。」
水銀燈「おにいちゃ〜ん。おきてぇ」
蒼星石「おにいさん。朝だよ。おきて」
翠星石「チビにぃ、さっさとおきるですぅ」
雛苺「にぃ〜。さっさとおきるの〜」
金糸雀「にいさん。早くおきるのかしら」
薔薇水晶「兄者・・・おきて・・・」
雪華綺晶「ジュンにいさん。朝ですよ。」
ジュン「(・・・・・夢だ・・・これは夢だ・・・・・頬を抓ってみれば分かる・・・痛い・・・なんで?)」
これからジュンの壮絶な毎日が始まる
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:10:20.44 ID:cgFykQy60
>>773 僕は桜田ジュン。ごく普通の高校生。今、僕は『妹は思春期』という本を読んで妹がほしいと思った。
まぁ、夢の中で妹と遊ぶか。そんなことを考えながら寝た。次の日には総勢8人の妹に囲まれていた。
それはもういいとして、今日は『女子大生家庭教師濱中アイ 』という本を読んで女子大生の家庭教師がほしいと思った。
まぁ、夢の中で勉強を教えてもらうか。そんなことを考えながら寝た。
〜朝〜
真紅「ジュン。勉強を教えてあげるから紅茶を淹れなさい」
水銀燈「ジュ〜ン。私がいろいろと教えてあ・げ・る」
蒼星石「ジュンくん。分からないところがあったら教えてあげるから、どんどん質問してね。」
翠星石「ジュン。ジュンが赤点取らないようにしっかり勉強を教えてやるですぅ。」
雛苺「ジュン〜。のりがうにゅ〜買って来てくれたから一緒に勉強するの〜」
金糸雀「ジュン。この策士がきっちり勉強を教えてあげるから感謝するかしら〜」
薔薇水晶「ジュン・・・保健の勉強・・・・しよ?」
雪華綺晶「ジュンくん。私がわかりやすく教えてあげるから安心して・・・。」
ジュン「(・・・・・夢だ・・・これは夢だ・・・・・頬を抓ってみれば分かる・・・痛い・・・なんで?)」
ジュン「(それに妹のほうもまだいるよ・・・・夢じゃなかったのか・・・・・どうにかならんかな・・・・この状況)」
ジュンの壮絶な毎日はすでに始まっているのでした。
続かない
775 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:18:27.81 ID:Ar82wym9O
776 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:28:24.90 ID:OOWuH4pA0
777 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:34:43.13 ID:2uPhbck80
人を選びそうなネタ。ポケ●ン。
薔「ここはどこだ…わたしは誰なんだ…わたしは何のために生まれてきたんだ…
誰が生めと頼んだ。誰が作ってくれと願った…!
―――わたしは、わたしを生んだ全てを恨む。
・・・・だから、これは攻撃でも宣戦布告でもなく!私を生み出したおまえたちへの…逆襲だ。」
ジ「…一人で何やってんのさ。」
薔「…ぴかぴー、ぴっぴかちゅう。ぴかぴかぁ。」
ジ「標準語で話せ!」
オチないまま終わる。
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:35:21.58 ID:xOKXvY6n0
780 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:38:13.36 ID:Ar82wym9O
>>777 ピカチュウコスのばらしーを思い浮かべた
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:45:27.00 ID:OOWuH4pA0
>薔「…ぴかぴー、ぴっぴかちゅう。ぴかぴかぁ。」
萌えた
782 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 20:58:56.14 ID:OOWuH4pA0
保守
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:12:33.35 ID:cnnDwpZM0
ほ
784 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:17:57.86 ID:kcJdV6Hw0
保守短編のつもりが、長くなってしまいました……orz
というわけで、気持ちだけは保守を兼ねて投下なのです。
では、どうぞ。
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:18:17.29 ID:kcJdV6Hw0
「ねえ、懐かしいね」
「そうだなあ」
僕たちは今、薄暗い場所で二人きり。暫く来ていなかったけど、思ったより埃がたって
いる様子もなかった。一応ここも『部屋』という体裁をとっている以上、姉が掃除してい
るのかもしれない。
「何年ぶりだろうね……」
「さあ。十年は経ってないんじゃないか」
「ふふっ」
「なんだよ」
「ううん。ぶっきらぼうな所は変わらないよね」
「む……」
僕たちが何故こんなところで、こんな話をしているのか。それを語るには、少し時間を
遡る必要がある。
【藍空の、下でみる夢】
786 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:19:18.02 ID:kcJdV6Hw0
>>785 休日、僕は特にすることもなく暇を持て余していた。
ネットサーフィンも飽きてきたし、部屋に置いてあった本はあらかた読み尽した。
クラスメートの真紅に哲学の本を貸して貰ったりもしたけれど、実存がどうだとか言っ
てる部分がどうも納得出来ないままに、結局読み流すだけになってしまっていた。
天気はあまり良い感じとは言えなかった。窓から顔を出してみると灰色の雲が広がって
いて、曇天の空気に外は包まれている。
でも僕にとって、曇りの日は憂鬱の象徴ではない。むしろ空間を曖昧に優しく包むもの
だとすら感じている。
加えて、僕は小雨模様の天気というものが好きだった。ざあざあ降りは少し頂けないけ
ど、ちょっと位の雨なら傘もささない。
公園に散歩でも行くか――、僕は恐らく、自分でも年に二〜三回辿り着くか着かないか
の結論に、その日は至ったのである。
都会でも田舎でもない、ちっぽけなこの街の上に広がる空は大きかった。頭上に広がる
雲が何処まで続いているのかわからなかったけど、別に空の果てを見極めたいという願望
を持った訳ではない。
空は、自分の上にある。今見えている範囲がきっと、僕の中の"果て"であって。それ
はそれ以上でも、以下でもない……それだけのことだから。
公園のベンチに腰掛ける。雨が降りそうな按配も手伝ってか、今日は公園にひとの姿は
それほど見受けられなかった。
だらけた格好になりながら、また空を見上げる。
787 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:20:44.83 ID:kcJdV6Hw0
>>786 「灰色、か」
今僕の頭上に広がる光景は、言葉で表すと"灰色"の一言で済んでしまう。だけど、その
実その"灰色"の中に濃淡があり、ただ僕の中にそれを細かく表現するための語彙が無いだ
け。
"灰色"という色に、思いを巡らせる。白とも黒ともつかない曖昧な色彩は、どちららの
色にも成りきることが出来なかった曖昧なものではないだろうか。しかしそれは、その色
として認知されている時点で、許されている。その存在を、曖昧の象徴として、許されて
いる――。
僕は考える。今の、僕自身の立場。今は平日は学校に行き、休みの日にはのんべんだら
りと暮らしている日々。
それはそれで悪くないのかもしれないけど、近頃学校の友人たちを見るにつけて、自分
もそろそろ呑気に構えている場合ではないのかもしれない。
「曖昧だから、いいってもんでも無いか……」
誰に言うでもなく、呟いた。そしてこの日、柄にも無く散歩に出ようと思ったりした僕
は、また柄にも無く自分のこれからのことについて考え始める。
小さい頃から姉なんかにせがまれて人形の服を裁縫でちくちく縫って作ったりしたもの
だった。その作業は自分で性に合ってるのだろうか。だったら、小さい人形の服だけじゃ
なくて、もっとひとに着て貰えるような、――服飾の仕事。デザイナーなんかも良いだろ
うか。
僕が普段あまり使っていない頭を(今も過度に使っているとは言えないが)捻っていると、
唐突に声をかけられる。
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:20:52.76 ID:assCSLJK0
└-i:::::::::::::::::::::::: ,. '"´ ``ヽ:::::::.: : ヽ、
__...ノ: : : : : : :,.ィ´ / ', ヽ `丶、: : : :ト.、 ,.ィ"ヽ
. |: : : : : : : :/ ./ / ', ', 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ニニ、二
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', `丶ト、:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート、、ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:、:::/ l l |l ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
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789 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:22:02.36 ID:kcJdV6Hw0
>>787 「桜田君?」
「ん……柏葉」
クラスメートの柏葉だった。休みの日だと言うのに、制服を着込んでいる。手に持って
いる荷物を見るにつけて、恐らく部活の帰りなのだろうか。
「どうしたんだよ。早く帰らないと雨降るかもしれないぞ」
「それは桜田君だって同じことじゃない」
「む……まあ、そうだけど」
そうして、柏葉は僕の隣に腰掛けた。
「何してるの? 桜田君」
「僕か? 僕は散歩だよ。そんでここで休んでた」
「ふぅん」
「……」「……」
「……や、なんか話せよ。柏葉はどうしてここに?」
「私はよくここの公園に来るの。今日は曇ってるけど……ここから見える夕陽が結構綺麗だ
ったりするし。一人で考え事とか、色々」
790 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:23:08.11 ID:kcJdV6Hw0
>>789 「考え事か、奇遇だな。僕もだ」
「どんなこと?」
「うーん……将来のこととか」
「そっかぁ、私達も三年だもんね。進学だとか、考えなきゃいけないもの」
「柏葉もそういうのを考えてたのか?」
「え? ……うん、まあね。そんな所」
「……」「……」
柏葉と二人きりで話をするのは、結構久しぶりだったりする。家が近所なせいもあって、
昔は姉も交えつつ皆で遊んだりしたものだけど。流石に中学・高校と進学していくにつれ
て、そういう機会は無くなっていった。
「なんか久しぶりだよね、話するの」
「ああ」
「昔は結構一緒に居た記憶があるんだけど」
「まあ、お互い小さい時だったしな」
「うん……大人になっちゃうと、子供の時みたいにはいかないよね」
791 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:24:11.93 ID:kcJdV6Hw0
>>790 そんなことを口に出す柏葉の方に眼を向けた。そうだな……二人とも"年をとった"とい
表現をするとなんだか親父臭いが、子供と呼べる年ではないことは確かだ。
あんまり意識して見たことは最近ではなかったけど。柏葉はなんと言うか、美人だなあ
という印象がある。立てば芍薬、歩けば牡丹。典型的な、日本的美人だ。勉強も出来るし、
剣道では県で相当上位に食い込む位の腕前のようだし。
今思うと、小さい頃の僕は。所謂恋心というものを、彼女に抱いていたのかもしれなか
った。けれど、それはかたちにすることは無かった。何故なら、僕自身が子供過ぎて、そ
れが"好き"という感情まで意識出来るレベルではなかったからだと思う。
そうこうしている内に、月日は流れ。何時の間にか疎遠になってしまった僕らは、とり
たてて親密な付き合いに発展することもなく今に至る。
何をするにも曖昧な僕に比べ、今の彼女はあまりにも輝かしい。こういうのが高嶺の花
ってやつなのかと、ぼんやりと考える。
「昔、かあ……ねえ、桜田君」
「どうした?」
「私が頼んで作ってもらったお人形って、まだお家にあるの?」
「あー、沢山作ったからなあ……屋根裏にまだ置いてあると思うけど」
「屋根裏って、あのちっちゃいお部屋のこと?」
「そうそう」
「そっかぁ……久しぶりに見てみたいかも。今からお邪魔してもいい?」
792 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:25:17.54 ID:kcJdV6Hw0
>>791 「今からか? もう夕方近いけど、家のひと心配しないか?」
「大丈夫。今日は部活で遅くなるって言ってるから。ま、練習自体は珍しく早めに終わっ
ちゃったんだけど」
そうやって、柏葉の提案により。僕たちは屋根裏の小部屋に入り込むことになった。
―――――
「あ、これ……」
柏葉は、屋根裏部屋の片隅に置いてあった人形のひとつを手に取った。薄い桃色のドレ
スを纏った人形。
「ちょっと、出来は見れたもんじゃないなあ……こうやって、改めて見ると」
「そんなことないよ。これを作ってもらったとき、私嬉しかったもの。こういうのって、
やっぱり桜田君の才能だと思うけど」
「……」
才能、か。どうだろう。確かに裁縫は好きだけど、自分自身それに特化した何かを持ち
えているのかと思うと、少し自信が無い。
優しげな顔で人形を手にとって、見つめている柏葉。その様子は、実際の年よりも幼く
可愛らしい感じに見えた。こういった一面を、誰か他のひとに見せることはあるのだろう
か……
793 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:26:04.66 ID:kcJdV6Hw0
>>792 ……。そんなことを思いつくと、途端に今の二人の状況を意識してしまう。家に帰った
とき、姉は外出中らしく居なかった。両親はもともと仕事で家に居ないし、つまりは今、
僕と柏葉は、屋根裏のこの部屋で二人きり。
柏葉が、小窓に手をかけて外を覗いていた。夜の帳が落ち始めている頃で、部屋の薄暗
さが増している。蛍光灯は設備としてついていなかったから、脇に置いてあった電気ラン
プを点した。
柄にも無いことは、続くものだ。昼白色の、やわらかくも弱々しい明かりに照らされる
柏葉は、妙に艶っぽく見える。自然と、鼓動が高鳴ってきていた。
――
何だ。健全な若い男女が二人きりで。ええと、何だ! 僕はそんな邪じゃないぞ! 柏
葉はクラスメートで、幼馴染で、だけど多分僕は彼女が好きかもしれないけど、ダイレク
トに身体の方が反応しつつあるのは男の性ってやつで、ああもう何だこの"身体だけが目的
です!"みたいな思考は! 男は皆狼ですーってアホか! 落ち着け桜田ジュン! 落ち着
くんだ!
(この間0.28秒)
――
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:27:02.14 ID:kcJdV6Hw0
>>793 「桜田君」
「っ! な、なんだよ」
まずい、声が裏返った。
「……ちょっと、聞いてもいい?」
「何?」
「うん……さっきの将来のこととかね。桜田君は、何か夢があるの?」
「えーっと……漠然とだけど、デザイナーになりたいなあとか思ってるよ」
「デザイナーって、服飾関連の仕事? ドレス作ったりとか」
「ドレスはどうだかわかんないけど……ひとの為の服造りには、かなり興味あるね」
「そっか……やっぱり桜田君はすごいなあ。うん、それって素敵だと思うよ。
私とは大違いだね」
「大違い? 何言ってんだよ。柏葉だってすごいじゃないか。勉強もスポーツも出来て」
「違うの。私は与えられた課題をこなすだけで、中身が何にも無い。将来やりたいこと
だって、ちっとも思いつかないし。実が無いっていうのかな、私はからっぽだよ。
私の意志なんて、無いようなもの」
795 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:28:05.00 ID:kcJdV6Hw0
>>794 そう言うと、柏葉は寂しげな眼をして俯いた。さっき、ちょっとでも欲望に流されそう
になっていた自分が恥ずかしい。何でもこなせる出来るひとでも、悩みが無い訳じゃ無い。
そう、柏葉は、真剣に今の状況に悩み、そして苦しんでいる。
けれど。彼女は、からっぽなんかじゃない。それは、伝えなければならないと思った。
「柏葉……それはちょっと違うぞ。お前は僕から見れば羨ましいくらい何でも出来る。
けど、それはお前の努力の積み重ねによるものだろ? それは誇っていいことなんだ。
やろうと思って誰にでも出来ることじゃない。自分を必要以上に卑下する必要はないと
思うぞ」
「でも……」
「悩むだけ、悩むといいだろ。僕らは年をとって、大人になったかもしれないけど、多分
まだまだ若い。そりゃあ、悩んで努力して、それでも失敗したり後悔したりすることも
あるだろうさ。
努力は成功の保険じゃない。でも……だからこそ、なんて言うのかな。うまく言えない
んだけど、努力とかが実った時って、すごく嬉しいんだと思う。柏葉は今の自分をもっ
ともっと褒めていいし、今の現状を何とかしたいと思うなら悩めばいい。
時間は、まだまだあるだろ? 僕たちは」
多分、今。僕は柏葉に言葉をかけると同時に、自分に対しても言い聞かせていたのだと
思う。僕の考えが正しいとは限らないけど、これが今の僕が出せる、ひとつの答え。
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:29:09.00 ID:kcJdV6Hw0
>>795 「はぁ……やっぱり、桜田君はすごいね」
「褒めても何も出ないって」
「ふふっ。桜田君は優しいから」
「そんなつもりは無いんだけど」
「桜田君はね。小さい頃もそうだったけど、私が挫けそうになったときにいっつも励まし
てくれる。お人形が壊れちゃったときも、直してくれたし」
「そんなこともあったか……」
「うん。桜田君って、結構モテるんだよ? 皆その優しさにやられちゃうのかなあ」
「初耳だぞ、そんな話」
モテるんだったら、今頃彼女のひとりでも出来てそうなもんだが。
『ライバル多いから、困っちゃうなあ……』
「ん? 何だって?」
「ううん、何でもないの。さて、そろそろ帰るね」
「そうか。もう大分暗くなってるしな……送っていくよ」
「ありがとう。お言葉に甘えちゃおうかな」
797 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:30:04.09 ID:kcJdV6Hw0
>>796 柏葉を、家に送る途中の道。夕方頃の天気からみて雨が降るかと思っていたのだが、
今は月が顔を出す位にはなっていた。
「夜の空って好きだなあ」
「夜って……暗いだけの感じもするんだけど」
「違うよ、桜田君。ちょっと見上げてみて?」
促されて、僕は空を見上げる。柏葉は、少しはしゃいだ声で続けた。
「ほら。深い藍色の中に雲があるでしょう。夜って星とか月が出てる位って思いそうだ
けど、夜にも青空があるの。月の周りの雲は簡単に見えるけど、それ以外の暗い所に
も、ほら。
ねえ、それは知ってた?」
「……」
本当だった。夜空の雲なんて、今まで意識したことがなかったけど。昼間と同じように
雲はあって、ぼんやりと幻想的な暗色を映し出している。
青空――いや、藍空が、僕の頭上には広がっていた。
昼間に見た灰色の雲と同じように。今見ている雲も、とても儚く曖昧なもの。だけど、
柏葉はそれを見据えていた。――大したことじゃないのかもしれない。けど、今の僕は。
そんな彼女の眼を、羨ましく思う。
798 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:31:09.32 ID:kcJdV6Hw0
>>797 「柏葉、」
「何?」
「あ、いや――何でも、ないよ」
「そう? じゃあ、また明日ね」
「ん? ああ――また、明日」
気づけば、もう柏葉の家の前に居た。そんなことにも気付かなかったのか。
さて、僕も家に帰るかと。そんなことを考えて踵を返すと、彼女に呼び止められた。
「桜田君、今日は――ありがとう」
「今度何か奢ってくれ」
「ふふっ、わかった。あとね、――
久しぶりに話せて、楽しかったよ。桜田君は、頼りになる。
それでね。幼馴染のよしみって訳でもないけど。昔みたいに――
また、名前で呼んでもいいかな」
そんな、"よしみって訳でもない"というか。もともと僕たちは幼馴染な訳で、まあそれ
位ならいいかと思って――
799 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:32:12.76 ID:kcJdV6Hw0
>>798 「――いいんじゃないか。また明日、巴」
「うん――ジュン君」
そう言って、その日僕らは別れた。
藍空の下、僕は歩いている。さっきまでの時間、僕は夢でも見ていたのかと思う。
なんというか、まあ。勢いに任せて告白するってのも無くは無いなとも思ったの
だけど。僕はもっと、曖昧の中にも、自信のようなものを見出せるようになったら――
その時は、玉砕してみてもいいかな、だなんて考える。
空を見上げる。都会でも田舎でもない小さな街の上に広がる夜空は、やっぱりとても
大きい。この藍空は何処まで続くだろう。僕が歩けば、今見えている"果て"の先に、辿
り着くことが出来るだろうか。
僕はまた柄にも無く、昼間考えていたことを翻して。その先を見てみようとするのも悪く
ないのではないかと思う。今日、かしわ――いや、巴と。話すことが出来て良かった。
「ま、悩みは尽きないんだろうけど――」
自分ももうちょっと、頑張ってみようか。言ったからには、実行しないことには格好
がつかないから。いつか彼女に、胸を張って想いを伝えられるように――
そんなことを思いながら、歩いている僕に。
藍空の端っこの方で輝いている、上弦の三日月の。
柔らかい月明かりが、降り注いでいる。
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:32:58.33 ID:kcJdV6Hw0
>>799までで、終了です。件のお題マシーンを使ったら
・幼馴染
・屋根裏
・身体だけが目当て
というお題が出てしまったので、やっちまいました。面白かったです。
では、失礼します……
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:34:17.36 ID:assCSLJK0
└-i:::::::::::::::::::::::: ,. '"´ ``ヽ:::::::.: : ヽ、
__...ノ: : : : : : :,.ィ´ / ', ヽ `丶、: : : :ト.、 ,.ィ"ヽ
. |: : : : : : : :/ ./ / ', ', 「: : : : :|:.:.:ヽ: : : : : 〉ニニ、二
ヽ.ィ: : : :/ / ,' l ', `丶ト、:|:.:.:.:.:.|: : : : :ート、、ヽ
r‐:':::::::/ ,' ,' ! .l i'"´: : |:.:.:.:.:.:!: : : : :_:ハ ',ヽ
. ',_:、:::/ l l |l ! ',: : : :.|:.:.:.:.:.:|: : : : L_l::', ',r
ノ:,' ,'l | l | l ! ! | `丶; |:.:.:.:.:.::!: : : : : :ハ::ヽ 長い間 放棄していたお絵かきチャットを
/:| | ,' | ! .!l| ,'| l l | l ,' ,|. |!´: :.!:.:.:.:.:.,': : : :r ' `¬ このたび管理人が
/:::,! | ..L.',_ト. |',ト / !./l/├ /¬ ¬、).:: /:.:.:.:./: ::::::::| |: 久しぶりにローゼンにはまったから
/:::::ハ.ト 、 ! ..l_ヽヽ\、./ l/"´ l/_∠ | {: : :/:.:.:.:./::::::;:::ノ| !: 復活させてみたのだわ
ヽ|l ',ヽ \ !,イ `` ト '′ ,イ"´ lヽ ,ハr'^,-ヘ':::::::::}::!| .!:
. | ト、ト.`弋..ン 弋..ン ' | .|/j〈ィ'>》_ノ"!::l ! |: さあ、ローゼンメイデンの
| l l.|. ', 、 l ! .|:.ヾ ニフ !::l. | |: 絵を描きなさい。
| / / | ト、 ,.、 | l| |/ ヽ:| |l !
. | / / | |_.> 、 _..-.、l l ! ! |.! |
l| /,イ _..l l:.:.:.:.:.:.:`丶、 __..ィ´:.:.:.:.:.,' .,'::| | | ! !
!|_ノ' r":.:.l l:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハィュヘ:.:.:.:.:.:.:./ /:.:::! !ヽ、 .| l |
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http://www.takamin.com/oekakichat/user/oekakichat3.php?userid=211491
802 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:35:44.55 ID:z0fH5j0d0
>>800 GJ!!!
あり得ない勢いで巴に萌えまくった
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:36:37.10 ID:OOWuH4pA0
>>800 情景描写とかうまいなぁ
そして巴可愛いよ巴
804 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:38:59.35 ID:tUot81IJO
保守
805 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:40:04.85 ID:kcJdV6Hw0
感想ありがとうございました!
巴いいです巴。そして保守!
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:41:30.71 ID:Ar82wym9O
保守短編と言いながらテラウマス
807 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:42:50.53 ID:HFqgooI/0
808 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:44:13.79 ID:OOWuH4pA0
809 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:56:19.17 ID:Ar82wym9O
810 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 21:56:56.97 ID:kcJdV6Hw0
>>807 ヒナカナは良いものです……!
さらに保守ー
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:08:13.90 ID:z0fH5j0d0
ヒナカナテラカワイスwww保守
812 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:18:35.21 ID:OOWuH4pA0
保守
813 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:23:37.64 ID:tUot81IJO
「薔薇水晶...どこ触ってんだよ」
「うふふ...口は生意気だけど体は...」
逃げるお
⊂二二( ^ω^)二二⊃
814 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:24:45.27 ID:Ar82wym9O
ちょwwwまてwwwwww
815 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:28:46.62 ID:5d4PPrYeO
ほ
816 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:38:37.75 ID:OOWuH4pA0
保守
817 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:49:11.77 ID:OOWuH4pA0
保守
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:49:28.61 ID:5d4PPrYeO
保守
819 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:53:32.60 ID:z0fH5j0d0
820 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:54:42.68 ID:SauN2ea+0
柏葉「ペヤング、ペヤングぽへへっふあぁぁ〜」
J「頭大丈夫か?」
821 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:55:06.01 ID:OOWuH4pA0
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 22:56:37.05 ID:HFqgooI/0
>>819 ktkr!!
あなたの描く巴大好きだ!GJ!!
823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:03:12.04 ID:Ar82wym9O
824 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:16:05.99 ID:OOWuH4pA0
保守
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:18:37.37 ID:Ar82wym9O
薔「…………」
ジ「……どうしたんだ?ぼーっとして」
薔「…………ジュン」
ジ「?」
薔「もう春だね」
ジ「…とっくに春だが」
薔「うん……春……春は来てる…」
ジ「…?」
薔「…なんでもない…それじゃあ…」
ジ「ん、ああ…また明日な…って、おい足下気をつけ…」
薔「きゃ…」
ドサ
ジ「おいおい…大丈…!?」
薔「痛い……どうしたの?」
ジ「あ、えーと…み、見えてる…」
薔「あ…本当だ…」
ジ「本当だじゃなくて早く隠せって!」
薔「うん……よっと……それじゃ……また明日…」
ジ「あ、ああ…(見ちゃったよ…)」
薔(……熊さん柄…効果有り…と……次は……うん、薄着で水浸しになってみよう)
826 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:21:26.78 ID:OOWuH4pA0
策士ktkrwwwwwwwwww
827 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:23:14.54 ID:z0fH5j0d0
感想d
もしもこの絵の雰囲気がいいとすれば
それは元SSの雰囲気がいいからです
妖精話の長編、6度目の投下。NGワードyuriyrui。百合注意。
遅くなりましたが、寝かせた分濃ゆくなったつもりかもです。
【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
さて、どこまで話しましたっけ。
村はずれに住んで薬草を育てているシュテルシュティンは、妖精との取り替えっ子。
そのため、魔女とも呼ばれて恐れられ、一人ぼっちでした。
ある日村で、シュテルシュティンを悪い魔女だと思い込んだ騎士がシュテルシュティンを
退治しにくる、という噂を聞きます。
事の理不尽さにむかっ腹を立てつつ家に帰ってきたところ、玄関にどでかいヒキガエルが。
そのヒキガエルこそは、実はシュテルシュティンと取り替えられた、もう一人の人間の娘
だったのです。
妖精の王国で育てられたその娘はシュテルシュティンにひと目会うことを願い、本物の
危険な魔女に願いを預けた結果、呪いでそんな姿にされてしまったのでした。
シュテルシュティンとヒキガエルは協力して騎士の撃退に成功します。しかし、
シュテルシュティンはもう村にいることはできません。考えのあるらしいヒキガエルに従い、
シュテルシュティンは森の中へと分け入っていきました。
まず出逢ったのは、妖精王国の女王。女王はヒキガエルだけを引き取り
シュテルシュティンを追い返そうとしますが、シュテルシュティンも譲りません。
そこで女王はシュテルシュティンに、四人の妖精から「堪忍袋の緒の切れ端」を集めてくれば、
望みを叶えてやろう、と言い出します。そして、シュテルシュティンとヒキガエルを
いきなり深い深い穴の中に放り込んでしまったのでした。
確か、こんなとこでしたよね。
それからどうなるかというと……
>>828 【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
■6■最初の妖精 〜古典的手法とその応用
下へ、下へ、下へ──
アrシュテルシュティンは大きな穴を落ちていきました。
ですが、アリスのパクリなんか真面目にやり始めたら脳ミソ雑巾絞りにしたって間に
合わないので、ここらで素直に終わりにしておくのでした。だいたい、ウサギじゃなくて
ヒキガエルですしね。
それに取り替えっ子は穴の底までたどり着く前に、突如飛び込んできた黄色い小鳥に
かっ攫われてしまったのです。
あっという間のできごとでした。
「げるる〜〜〜──…‥・!」
ドップラー効果で音程をわずかずつ下げながら、取り替えっ子の声が遠ざかり、それを
追いかけるようにして、ソニックブームの破裂音が届きます。
「……さすがにそれはおおげさすぎですぅ」
そうですね。ジト目の主人公から、カメラに向かってツッコミを貰ってしまっては、
仕方がありません。
だから、そんな風によそ見なんかしてたせいで、穴の底が迫ってきてるのに気づくのが
遅れるのも、仕方ありませんよね?
「な゙っ!? そういうことは早く言いやg」(どさっ)
ところが、あれだけ長い時間落ちてきたにもかかわらず、スプリングの効いたベッドの
上で跳ねて遊んでいるうちに床に落っこちた程度で済んだのでした。
「……〜〜っ!」
おや、どうしました?
「……充分痛てーです……あとで覚えてやがれこの(一部削除)」
(咳払)まぁ、ここで掛け合い漫才になっては話が進まないので、辺りを眺めてみる
ことにします。
>>829 【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
穴の底は、どこまでもどこまでもどこまでも、夕暮れの金色が続く薄明の世界でした。
上を見上げても落ちてきた穴らしいものは気配のかけらもありません。もこもこした羊雲が
なんの悩みもなさそうに、昏闇を底に秘めた夕焼け空の草原を、とぼとぼと漂っているのでした。
ゆるやかに起伏するヒース荒ら野には土塁がどこまでも続き、遠くには低い山並みが
薄暗くわだかまっています。
小鳥はどこに行ったのでしょう? 見回しても同じような風景が広がっているだけです。
不意に涙がにじんできて、シュテルシュティンは慌てて顔を拭いました。
こんな風に心細くなったのは、両親と死に別れて以来でした。あんな会ったばかりの
小憎らしいヒキガエル相手になぜ、と自分でも不思議で仕方がないのですが、泣かされて
悔しいながらも、どこかしらほっとするものがあるのでした。
ついさっきまで聞こえていた、頭の上に居座って飛ばしてくる片言のデンパを思い返し
……ふと、思いつきました。どうせ手立てがないのなら、行き当たりばったり、手当たり
次第に、なんでも試してみるしかありません。
シュテルシュティンは、空の向こうまで投げ上げるかという勢いで両手を振り上げ、
天を仰いで口ずさみました。
「べんとら〜 べんとら〜 すぺ〜すぴ〜p」
《聞こえているかい? 翠の親指!》
「……orz」
受信できてしまいました。何かに敗北した気分に強く襲われてしばらく白く燃え尽きていた
シュテルシュティンでしたが、そうやってばかりもいられません。頭の上に乗っかっていた
ときよりも細やかに、しかし頼りなくか細く届くデンパに耳を傾けます。
《聞こえているかい? 翠の親指! もし聞こえているなら、西へ、日の沈む方へ!
妖精の国、常若のティル・ナ・ノグは、いつだって夕陽の先にある》
>>830 【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
聴きながらシュテルシュティンは空を探し、ようやく見つけました。遠い山の稜線に
輝きの最後の一滴を残し、沈んで行こうとしている太陽を。夕焼けの金色に今にもまぎれて
しまいそうです。
見失わないよう、シュテルシュティンは荷物を掴んで慌てて駆け出しました。駆けながら、
耳を傾けました。
《こんな面倒に巻き込んで怒っているだろうね。ごめん。
でも、どうしても君に会いたかった。小さな頃からずっと僕の名前を呼んでくれていた君に。
ひとの国から妖精の国に連れてこられて、僕は一人ぼっちだったけれど、それなりに幸せだった。
だから、考えてしまったんだ。妖精の国からひとの国に連れて行かれたもう一人の僕は、
果たして幸せなんだろうかって。
……君を悪く言う人達と、僕自身が許せなかった。だって、取り替えられていなかったら、
君は妖精の国でそれなりに幸せだっただろうから……
だから、僕は……》
シュテルシュティンは何度か、呼びかけに応えようと叫んだり、念じたりしてみましたが、
どうやら送信は無理のようでした。取り替えっ子の方も返事を期待せず、呼びかけるという
よりは祈る心持で、言葉を紡ぎ続けているようでした。
こうして、シュテルシュティンは、自らが取り替えっ子であることを確かに知ったのです。
そのうち、か細いデンパは絶え絶えになり、途切れてしまいました。それでもあきらめず、
どんどんどんどん走ってゆくと、水の匂いがしてきました。
水辺といえばカエル。ひょっとしたらと思うと脚も早まるのですが……
見えてきたのは、安普請な長机と小柄な人影でした。
「ファイトーっ! ゴールまでもう少しかしらーっ!」
そんなことを叫びながら黄色いジャージにボンボンを持って、ぴょんこぴょんこ跳ねています。
そしてすぐにボンボンを置いて、ストローを挿した蓋付き紙コップに持ちかえると、
シュテルシュティンと並走し始めました。
>>831 【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
「がんばれがんばれかしら! はい、水分補給!」
差し出されたコップを思わず受け取り、一口。生ぬるい真水でした。
「もう、少しって、どの、くらい、です?……」
いい加減上がりかけている息の合間に問いかけると、黄色ジャージの娘さんは嬉しそうに
ガッツポーズ。
「ほんと、あと一息。ここでラストスパートかしら!」
「……よーっし……」
ペースを上げるシュテルシュティン。ジャージ娘さんは、太陽に向かってGOかしら!
などと煽って、離れていったのでした。
「マラソンやってんじゃね──です────!!」
「ぅひょぁっ!? バレたかしらっ!」
転進! とか高らかに宣言すると、ジャージ娘さんはなんと、黄色い小鳥に変身しました。
「さっきの誘拐極悪鳥?! おのれっ! 待つですっ! 待ちやがれですっ! けろぴょん
どこにやりやがったですかーっ!」
シュテルシュティンは必死で追いすがります。黄色の小鳥はそのまま矢のように潅木の
茂みにつっこみ……そのまま、その向こうにある泉に派手な水しぶきを立ててドボンした
のでした。
「……オーバーランは日勤教育なんじゃぁ……?」
恐る恐る覗いてみると、さざなみ立つ水面にゆらゆらと影が浮かび上がり、先ほどの
娘さんが右手に金のカエル、左手に銀のカエルを捧げ持って現われたのです。服はさすがに
もう、ジャージじゃありませんでした。
「わたしは泉の妖精カナ。あなたが落としたのはこの金のカエr」
「蒼いやつです」
「このk」
「蒼いやつです」
「金かしらg」
「蒼いやつったら蒼いやつです」
>>832 【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
「……ちょっとくらい付き合ってくれても……」
「うるせーです誘拐犯。さっさと人質を出しやがれです」
「……あなたの無欲さと正直さは素晴らしいかしら。ご褒美にこの金と銀のカエルを授けましょう」
「……なんですかこの“交通安全無事カエル”って……」
「それじゃぁ、これからも清く正しい心を忘れずに生k」
「だから!」
とっさに荷物の一番上に乗っていた如雨露を掴んで一撃。
「騙されねーですっ! 蒼いのはどこにやったですか!」
「ぃ痛った〜〜〜〜っ!! 乱暴者かしら! 野蛮人かしら!」
「あんまりボケ倒す方が悪いんですっ! さぁ、大人しく人質をよこすですよっ!」
「なんだかそっちの方が超悪党っぽいかしら……」
「そりゃもう、生まれつきですから」
シュテルシュティンがにたぁりと笑うと、カナと名乗った妖精は、喉の奥でヒッ、と
小さな悲鳴を上げました。
「プ、プランCかしら〜っ」
そして、再び黄色の小鳥に化けて、再び飛び去ったのです。
「あぁっ、また! 待ちやがれです〜っ!」
またもや走ってたどりついたのは、奇妙な小さい掘っ立て小屋のようなもの。黄色の小鳥は
その小屋の屋根近くに空いている小さな明り取りから小屋の中に入ってしまいました。
シュテルシュティンは、死んだふりをする獲物の周りをうろうろする熊みたいに、
小屋をじっくり検分しました。入り口は一つ。明り取り以外に窓はまったくありません。
どうにも怪しげな小屋です。意を決してドアを引きあけてみると……
小鳥の姿はなく、床の真ん中になにか怪しげな縁取りのされた穴が開いているだけです。
毒喰らわば皿まで、と入ってドアを閉めたとたん。
「紅い紙蒼い紙黄色い紙、どれg」( ド グ ワ ッ シ ャ ァ )
決め台詞が終わる前にシュテルシュティンはドアを蹴破り躍り出で、気合の入った
渾身の一撃で小屋を丸ごと蹴倒したのでした。
>>833 【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
カナはしくしく泣きじゃくりながら、小屋の残骸から這い出してきました。
「うっく……うぇっく……なんで、こんな酷いこと、するかしらぁ……」
「いや……もうなんてゆーか……ネタ的に関係ねーでしょう」
「そんなことないかしら! 蒼は全身の血を抜かれて死ぬのよ!? なんてオソロシイ……!
絶対選べないはずかしら!」
「紅は全身血まみれ、黄色は(自主規制)まみれでしょう?……どれも似たよーなもんですぅ」
シュテルシュティンもさすがにぐったりした表情で、服の埃を払って乱れを整えました。
「さぁ、もういいでしょう? ちゃっちゃと人質引渡すですよ」
カナはぷぅっとむくれていましたが、観念したのかしぶしぶ袋を一つ、シュテルシュティンに
渡してきました。
なにやら、激しくもぞもぞ動いています。
「……けろぴょんになにかしたですか……?」
シュテルシュティンの問いに、カナはふるふるとかぶりを振ります。どうもいまいち信用
しきれないので、シュテルシュティンはできるだけ身体から袋を遠ざけながら、恐る恐る
口を開きました。すると……
「げるる「げるるっ」っ」「げ「げる「「げるるっ」げるるっ」るっ」るる「「げる「げ
るるっ」る「げ「げるるっ」るるっ」っ」げ「げるるっ」るるっ」「げるるっ」っ」
袋の大きさからはありえない数の蒼いヒキガエルが、あとからあとから沸いて出て、
一斉にシュテルシュティンに跳びかかってきたのです。
「かかったかしら〜っ! 精神的打撃に加えてホンモノがどれか判らない罠! あぁん、
カナってば策士かしら〜」
しかし、返ってきたシュテルシュティンの声は予想外にしっかりしたものでした
「……ご期待にそえなくて悪りぃんですけど、いちいちカエルにびびってたら野良仕事
なんかできねーですぅ」
>>834 【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
「うっ」
「あとどっちかってゆーとこっちの方が問題だと思うですけど、シルクハットかぶってる
奴が一匹だけいるのはどーしてなんでしょう?」
「だってカナが取り替えっ子がどれかわからなくなったら困るから……あぁっ!?」
シュテルシュティンの頭にはしっかり、シルクハットをちょこんと乗っけた蒼いヒキガエルが
乗っかっています。残りのヒキガエルはみな、泉を目指して跳ねていってしまいました。
「おっ、恐るべき誘導尋問の手際かしらっ!」
「……もういいです。いろいろ」
散々走り回らされたあげく脱力系お笑いに付き合わされて、シュテルシュティンは
少々気が立っていました。なのでついつい手加減を忘れて、哀れむような目でカナを
見てしまったのです。
気配を察したカナが、口元をひきつらせます。
「なっ……なにかしらっ」
「……べぇぇっつにぃぃ〜? ですぅ」
「ぅわムカツクっ! 言いたいことがあるなら言えばいいかしらっ!?」
「ぇえぇ〜? でもぅ。真実は時に人を傷つけるですからぁ〜」
「なんですってぇぇー!?」
その時、どこかで ぶちっ と、ある程度の太さのものが切れる音が響きました。
「げるるっ《もらった》!」
その瞬間、取り替えっ子はカナに向かって舌を伸ばし、その懐から何か得体の知れない
ものを奪い取りました。
「あぁぁっ!! しまったかしらっ!!」
それこそは、「堪忍袋の緒の切れ端」だったのです。
「げるる〜《お見事》」
「おを〜……これが……」
こうしてシュテルシュティンは、最初の「堪忍袋の緒の切れ端」を手に入れたのでした。
>>835 【MADE'N MOOR Supesharu】シュテルシュティン 〜翠の親指と蒼い蛙
「うぅっ。今回は潔く負けを認めてやるかしら。でも、次のときは絶対膝を折らせて
やるんだからっ。首を洗って待ってるかしらっ」
カナはそんな事を言いながら、泉のほとりを掴み上げると、ベッドの上のシーツを
振るうようにして、泉を地面から剥がしてしまいました。地面から剥がされた泉は布に
描かれた絵のようにたなびき、折りたたまれ丸められて、カナのポシェットに収まって
しまいました。
「……それ携帯用なんですか?」
「あら、いつでもどこでも定番ネタが押さえられるようにしておくのは、妖精のたしなみ
かしら。ほかにもいろいろ……」
「いい。いいです。今ここで広げなくてもっ」
カナはちょっぴり残念そうでしたが、荷物をまとめて黄色の小鳥の姿になりました。
「翠の親指。あなたももしこの国に住むのなら、このくらいのことはできるように
しておかないとダメかしら。カナのすーぱータクティカルな三十六計も四十八手も、
頭を下げて教えを乞うなら教えてやらなくもないから、弟子になりたくなったら
いつでもいらっしゃい」
「……まぁ、そんな時があれば……」
「それじゃぁ、さよならかしら〜」
「げるる〜《おつかれさま》」
こうして、黄色の小鳥は飛び去り、シュテルシュティンと取り替えっ子は再び夕陽の
向こう側に向かって歩き始めたのです。
さぁ、次に出会うのは誰でしょう? 続きはまたの機会に。
【続く】
>>836 今回はここまででござゐます。
……投下してみて自分で「長っ」とか思ってしまったのは秘密。
やはり寝かせたせいなのか。
838 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:40:16.13 ID:OOWuH4pA0
妖精話キタ──────(゚∀゚)───────!!!
大増量でキタ──────(゚∀゚)───────!!!
金糸雀バロスwwwwwwwwwww
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:43:37.30 ID:Ar82wym9O
妖精ktkrwwwwww
カナマジドジっ娘だw
こういうおとぎ話みたいの大好き
840 :
サイコ注意だぜ:2006/05/16(火) 23:48:41.56 ID:bTquDzWF0
あるゆうがた。
えんじゅさんは、かいもののかえりみち。
そんなところに、おとなりにすむ、ともえさんが、はしってやってきました。
「おやともえさん、どうしたんですか? そんなにいそいで。」
えんじゅさんがたずねると、ともえさんは、たいへんそうにいいました。
「えんじゅさん! ばらすいしょうちゃんが・・・こうつうじこで・・・!」
それでもえんじゅさんは、ふしぎそうなかおをして、くびをかしげました。
「はて・・・ばらすいしょうなら、いえにいるはずですが・・・。」
そういってえんじゅさんは、いえじにもどってしまいます。
ともえさんはなっとくしません。 おとなりにすむこのかおを、みまちがえるはずがないからです。
ともえさんは、かえっていくえんじゅさんに、こっそりついていきました。
いえにはいっていくえんじゅさん。みみをすますと、なかからこえがきこえます。
「ただいま、ばらすいしょう。いいこにしてたね。おなかがすいた? よしよし、いまからごはんつくるからね。」
ともえさんは、かきねからへやのなかをのぞいてみました。
そこには、おおきなにんぎょうをだいてしゃべる、えんじゅさん。
にんぎょうは、ふらふらとゆれて、にぶくひかっています。
・・・・・・・・・・・。
ともえさんはきづいてしまいました。
あうたびに、いつもたすけをもとめるような、ばらすいしょうのひとみ。からだじゅうにあったあざ・・・。
ともえさんは、そのばから、にげだしたくなりました。しかし、えんじゅさんはきづき、ふりむきます。
「ほら とも え さん。 ぼくの ばら す いしょ う なら こ こに いる でし ょ」
えんじゅさんはにこりとわらいました
FIN
841 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:50:34.62 ID:tA3t8u5t0
>>837 今日は金糸雀がたくさん見れてうれしいぜwwwwww
掛け合い漫才みたいなとこも、本当の御伽噺みたいなとこもすばらしい!
続きもwktkします!
842 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:50:41.64 ID:OOWuH4pA0
エンジュ怖ぇ
(((;゚д゚)))ガクブル
844 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/16(火) 23:59:44.95 ID:OOWuH4pA0
保守
845 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:01:36.63 ID:9VhiZBqg0
ひさびさに書いたら楽しかったぜ。
なんかリクあらばくれだぜ
846 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:03:53.01 ID:Rcz6mjDk0
合間を縫って雛苺(13歳)のお使い
847 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:06:00.19 ID:nuASktxqO
銀様
848 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:13:14.79 ID:BHitn/ch0
保守兼ねて久しぶりにこちらにSS投下ですよ!
『春の陽気に誘われて』
春も幾分か落ち着きを見せ始めた頃、ジュンは自宅で薔薇水晶と一緒に縁側でお茶を飲んでいた。
「いやぁしかし…いい天気だな」
「…だね」
「そういえば死んだおじいちゃんがこういう五月晴れの時、よく俳句詠んでったけなぁ」
「…へぇ…ジュンのおじいさん…風流だね…」
「そういうことには拘る人だったんだ」
「…私も…一句詠んでみようかな…」
「ホント…っていうか、詠めるのか?」
「…プー…詠めるよぉ…」
「じゃやってみな。制限時間は五分ね」
「…まかせて…」
「よぉし……よーい……スタート!」
薔薇水晶は目をつぶった。どうやら沈思黙考という作戦らしい。JUNはそのまま五分間空を見上げることにした。
―――――話の展開上、五分経過
「―――五分…薔薇水晶、出来たか?」
「(無言でサムズ・アップ)…フッ…」
「なんか余裕だな…じゃあ聞かせてくれ」
「…いきます…」
――――『今日なら私 中出しされても 大丈夫です』
薔薇水晶 渾身の一句
849 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:14:18.12 ID:BHitn/ch0
>>848の続き
「――――――」
「…どうかn――――スパ―ン!!
ジュンはどこからともなくスリッパを取り出し、薔薇水晶の頭をはたいた。
「……いたいよ?」
「当たり前だ、痛くなるように叩いたんだから」
「…痛いよ…ジュンの愛が…痛いよ…」
「キレイにまとめようとするなッ!!」
「…だってぇ…最近忙しくて…逢えなかったから…」
叩かれた所を痛そうにさする薔薇水晶。
さすっている所にジュンは手を重ねて撫でてあげた。
「…悪かった。ちょっと強くしすぎた…ゴメン」
ジュンが思いの他すんなり謝ったのを少しビックリした薔薇水晶は、ちょっぴりイジワルそうに
「…痛かったよ?」
「だから、ゴメンって…」
「…ダメ…許してあげない…」
「参ったなぁ。どうしたら機嫌直してくれるんだよ?」
急にジュンの方を向いた薔薇水晶はニッコリと笑って、頭をジュンの肩に身体を全て預けた。
「お、おい?急に…」
「…もう少し…このままでいてくれたら…許してあげる…」
850 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:14:46.49 ID:BHitn/ch0
>>849の続き
さすがにもう何もいえなくなったジュンはされるがままにした。
「……飽きたら言えよ」
「…うん」
そのまま薔薇水晶は目を瞑った。大好きな人の匂いを感じながら、少しづつ夢の世界へ旅立つ。
そして夢の中では、幸せそうな二人が手を取り合って笑っていた。
「なんだこいつ…幸せそうに笑ってるや」
「…ジュン…大好きだよ…」
「―――ッッ!ゆ、夢の中まで……。は、恥ずかしいやつ……」
しかしジュンはそんな少女の髪を愛しげに梳いていった。
「僕もだよ…薔薇水晶」
決して起きていたら言わないセリフを寝ているからこっそりと言うジュン。
こんなほんの少しだけ不器用な恋人たちの上を風切りながら、つがいの鳶が空中を舞っていた。
〜おしまい〜
851 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:15:00.99 ID:Me9aDwrM0
もはや五七五ですらないwwwwwwwwwwwwwwwwww
852 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:15:46.09 ID:xzvwE9MRO
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:16:51.65 ID:nuASktxqO
ちょwwwwwwテラアマスwwwwww
渾身の一句で吹いたwwwwww
そして後半で悶えた
854 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:19:46.22 ID:Me9aDwrM0
ふう…今飲んでる紅茶に砂糖入れてなくてよかったぜww
855 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:29:49.53 ID:pTzfiJBV0
晩酌の発泡酒が甘ったるくなったwww
856 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:36:19.85 ID:BHitn/ch0
>>851,
>>853-855 みんな良いコメントしてくれてありがとうwww
気分が乗ったら、今書いているベジータが主役の長編SS投下すっかんね!
っつうわけで保守
857 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:43:40.29 ID:Me9aDwrM0
寝☆
858 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:51:05.07 ID:dSIYbAJx0
今なら行けるかな? >1000目指して、サクッと保守短編を投下。
翠×雛の『マターリ歳時記』
―睦月の頃 その5― 【1月20日 大寒】
雛苺の家で完成させたレポートを、教授に提出する日が、遂にやって来た。
結末は、二つに一つ。
今日は金曜日。レポートを受理されて、愉しい週末を過ごすか。
それとも、突き返されて、泣く泣く土日の間に書き直す羽目になるのか。
もっとも、受理されたからと言って、悠長に遊び回っても居られない。
週が明ければ、後期の期末試験に突入するのである。
進級に必要な単位数を取得できなければ、どのみち留年が待っていた。
翠星石は大学の図書館で、レポートの最終確認を済ませた。が、不安は募る。
完成した大切なレポートを胸に抱えて、心配そうに、重い溜息を吐いた。
「ああ……心臓がバクバクするです。こういうの、得意じゃねぇですよ」
「平気だと思うのよ。翠ちゃんのレポート、良く纏まってたもの」
雛苺の慰めを耳にして、一緒に試験勉強をしていた真紅と巴が、顔を上げた。
二人も、既にレポートを受理されている。残るは、翠星石だけだ。
先に口を開いたのは、巴の方だった。
「雛苺の言うとおり、そんなに心配しなくても大丈夫よ。自信持って」
「そうね。割と、良い出来だったのだわ。合格ラインは超えている筈よ」
「……とは言うものの、私は、面接だとかが苦手なのですぅ」
859 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:51:43.11 ID:dSIYbAJx0
>>858 翠星石が自覚しているとおり、彼女には昔から、
人付き合いに対して臆病なところがあった。
そんな彼女が、周囲の人々と巧く打ち解けられたのは、蒼星石の影響が大きい。
妹は快活明朗で、人当たりも良く、初対面の人間とでも直ぐに仲良くなれた。
翠星石の友人たちも、元を辿れば蒼星石の繋がりで、仲良くなった者が殆どだ。
例外は、雛苺や巴など、両手の指で足りる程度だった。
「もう……ダメです。このまま留年一直線ですぅ」
「ああ、もう! ウジウジと鬱陶しいのだわ。さっさと提出してきなさいっ」
「そんな風に言ったら可哀相よ、真紅。自信を持たせて、送り出してあげなきゃ」
巴が諫めると、真紅も「それは、まあ――」と、語尾を濁した。
突き放した言い方をしても、結局は、真紅だって翠星石の事が心配なのだ。
しかし、短時間で質疑応答に耐えうるほど自信満々にするには、どうすれば?
「……ここは、暗示が最も手っ取り早いのだわ。翠星石――」
「はい、です?」
「これを、じっと見つめなさい」
言って、真紅が財布から取り出したのは、糸で吊した五円玉。
何故、こんな物を持ち歩いているのか? 真紅以外の誰もが、そう思った。
しかし、訊いてはいけないという事も、誰もが暗黙の内に了解していた。
真紅はキリッ! と表情を引き締め、翠星石の眼前で、五円玉を揺らし始めた。
「真紅……幾らなんでも、それは――」
「黙ってなさい、巴。来てるわ……ハンドパワーなのだわ」
860 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:52:25.68 ID:dSIYbAJx0
>>859 翠星石、巴、雛苺の三人は、心の中で殆ど同時に『嘘つけっ!』と叫んでいた。
勿論、五円玉の振り子を眼で追っていたところで、暗示に掛かる筈もない。
「翠星石……貴女は大胆になって……人見知りを克服するのだわ」
「大胆? 例えば、こんな風に……です?」
ばちぃっ!!!
ふと腕を伸ばしたと思った次の瞬間、翠星石は真紅にデコピンを食らわしていた。
あまりに大きな音だったので、周囲の学生たちが、思わず振り返ったほどだ。
真紅は両手で額を押さえて、机に突っ伏し、悶絶していた。
「まったく。バカですか、真紅は。そんな子供だまし、通用する訳がねぇです」
「お、おかしいのだわ。ジュンには、いつも通用しているのに」
それは、ジュンが掛かったフリをしてるだけだって――と、三人は呆れた。
だが、敢えて口には出さない。
真紅の夢を破らないように、と言うよりは、そんな妬ましくも羨ましい事を、
わざわざ教えてやるのは癪に触る……と言うのが大きな理由だった。
「やっぱり、正攻法で行くのよ。名付けて『先生! お願いしやす』大作戦なのー」
「はあ? また、おバカなコトを……どういう作戦です?」
「要するに、誰かが教授役になって、質疑応答のシミュレーションをするのね」
「流石は巴なのっ。巴とヒナは以心伝心〜♪ なのねー」
命名には些か問題ありだが、対策としては、なるほど申し分ない。
話し合いの結果、まずは、真紅が教授役を務めることとなった。
861 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:53:11.40 ID:dSIYbAJx0
>>860 「せ、先生……よよよ、宜しくお願いしやす、ですぅ」
「見せて貰うのだわ。ふぅん?」
翠星石が、おずおずと差し出したレポートを受け取った真紅は、
パラパラと飛ばし読んで、吐息と共に、机の上に放り投げた。
「ズバリ言うわよ。全っ然ダメ。書き直していらっしゃい。
夕方までに提出できなければ、単位は諦めるのね。ほーっほっほっほ!」
一瞬にして、場の空気が凍り付く。
今日は大寒。一年で最も寒さの厳しい時期とされるが、館内は正に冷凍庫と化した。
「ちょっ! なんですか、その鬼教師はっ!」
「真紅……それは酷すぎるのよー」
「ショック療法なのだわ。この程度で挫けてしまうなら、本番でもアウトよ」
「真紅の言い分も解るけど、ちょっと刺激が強いわ。次は、わたしが――」
今度は、巴が教授の役を演じる。
「先生っ! お願いするですぅ」
「拝見しましょう。えっと…………うん。とても良く纏まっているわ。合格よ」
「ちょっと、巴っ! それじゃ質疑応答の練習にならないのだわ」
「え? でも、本当に指摘するところが無いくらい、完成度が高いんだもの。
これなら、難しい質問なんて、滅多にされないと思うよ」
「ホントですか?! だったら今すぐにでも、提出してくるですっ!」
巴の感想に力を得て、翠星石はレポートを手に、教授の待つ研究室に向かった。
862 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:53:53.86 ID:dSIYbAJx0
>>861 それから三十分後――
翠星石は、見るからにヘロヘロになって、図書館に戻ってきた。
全ての気力を使い果たした、という感じである。
「翠ちゃん、随分と遅かったのー。順番待ちしてたの?」
この時期は、駆け込みでレポート提出する学生も多く、数人が下手に鉢合わせると、
結構な時間を待たされるのだ。
案の定、翠星石は雛苺の問いに、頚を縦に振った。
「順番待ちで気分的に疲れたです。レポートは、何も質問されずに受理されちまったですよ」
「ふふっ……やっぱりね」
巴は、したり顔で微笑んだ。忙しい時期だから、対応が甘くなっていると読んでいたのである。
それで、さっきは楽観的な事を告げたのだ。完成度が高いと褒めたのは、本音だった。
「でも……良かったのよ。あんまり遅いから、真紅も心配し――」
「雛苺。余計な事は、言わなくていいのだわ」
雛苺の言葉を、真紅は素っ気なく遮った。
「私たちも、少し疲れたわ。一旦、休憩しましょう」
真紅の申し出に、三人は諸手を上げて賛成した。
今日は大寒。図書館を出るなり、四人の娘は、凍てつく寒さに身を竦ませる。
けれど、彼女たちの心は、温かな気持ちで満たされていた。
――後日、翠星石は、自分のレポートが最優秀の評価を得た事を知る。
863 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:55:00.54 ID:dSIYbAJx0
>>862 投下完了っと。次回から二月に突入の予定。
まさかまさか、
>>680で、番外編にまでイラストを描いて頂けるとは思っても見ませんでした。
感激のあまり目頭が・・・熱くなって・・・・゚・(つД`)・゚・
『保守がわり番外編 マターリ・・・本当はバタ(ry』(
>>644の続き)
(折角のペアチケット。ホントは蒼星石と行きたかったですけど・・・)
「雛苺、それじゃあ早速、突撃するですよ」
「いつでもオッケーなのー。虎穴に入らずんば虎児を得ず、なのよっ!」
「いや・・・そんなに身構えて行く場所じゃねぇですから」
「Here we go! なのっ。暮ら〜し安心『摩多里庵』なのー」
「なにか違う気が・・・。まあ、良いですけどぉ」
チケットを使って、別々のコースを選んだ二人。さてさてさて・・・。
「あっ、翠ちゃん。どうだったのー? ヒナはとっても気持ちよかったのよー」
「あうぅ・・・私は身体中のツボを圧されまくって、あちこち痛ぇですぅ」
「言われてみれば・・・翠ちゃんの背中から湯気が立ち上ってるのよっ! 凄いのっ!」
「発汗作用を高めて、余分な脂肪とか、老廃物を排出させるらしいですぅ。
係の人に『汗腺するよ』とか、意味不明なコトを言われたです。痛たた・・・」
「大丈夫? ヒナが、おまじないで吹っ飛ばしてあげるの。痛いの痛いの飛んでけーなの」
「・・・・・・雛苺」
「うゅ?」
「脳ミソくれ・・・ですぅ」
「うょ――――っ!?!?」
・・・まだ続く。どこが憩いの館なのやら。
864 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 00:59:33.69 ID:nuASktxqO
翠雛のマターリktkrwwwwww
ほんとにマターリで和むよー
865 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 01:00:06.20 ID:AgAabsZG0
>>863 真紅のハンドパワー発言に吹いたwww
2月突入にwktkして待ってる
866 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 01:00:32.57 ID:BOzqaqpv0
867 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 01:22:18.28 ID:pTzfiJBV0
「ズバリ言うわよ」吹いたwww真紅テレビ見過ぎwww
868 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 01:40:39.67 ID:pTzfiJBV0
保守
869 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 01:40:56.65 ID:pTzfiJBV0
ほしゅ
季節は変わり、時代を巡る
自分の将来なんて、神が定めた運命にしかすぎない
しかし、それは変えることの出来る、運命であり必然である
人は認めたくない必然の前では、運命と言う言い訳をするしかない
もし、あの頃に戻ることが出来たのなら……
だけど、もう、戻ることは許されない
今はただ、前へと進むしかない
未来へと続く道の上を
運命と言う脇道を横目に、必然と言う道の上を……
季節は巡り、時代は変わる
春は過ぎ去り、夏に当てられ、秋に魅せられ
そして、今年の秋が終りを告げた
春夏秋燈〜冬の結晶〜
871 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 01:50:29.91 ID:OvdlVeZo0
保守
872 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 01:59:14.21 ID:pTzfiJBV0
詩的だ……ウマス
873 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 02:19:03.11 ID:dkVB6d9cO
保守
874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 02:22:51.61 ID:AgAabsZG0
『退魔の戦乙女達』 〜世界のすべてが白ければよかったのか〜
人の気配のなくなった、いや正確には生きている人がいなくなった鉱山に銀色の長髪を纏った女がいた。
鉱脈の岩壁にはまだ渇いていない血痕と肉片が散らばり道端には人骨が無造作に捨てられている。
そんな赤と黒の世界に一人浮き彫りにされた女の名は水銀燈、『白薔薇』の退魔士である。今回彼女は偶々立ち寄った此処で悪魔の気配を感じ此処まで文字通り飛んで来た。
暗闇に紛れてわかりにくいがその背中には漆黒の翼が雄々しく広げられておりそれを使って鉱山を登ってきたのだ。
悪魔の気配に向かってゆっくり慎重に歩みを進める。御佩刀である黒薔薇の刻印のされた剣に手を伸ばす。とても近くに気配を感じる。
何かが蠢く音が狭い洞窟で不気味に反響して緊張感を誘う。この生死を掛けた、全身を襲う躍動感が少しだけ心地よい…。
その時だった、壁から何かが動いた気がした。其処へ一瞥をくれてやるが何もいないように見える。突然、足が掬われ水銀燈は転倒する。
暗闇の中、よく目を凝らして見ると自分の周囲に小さな虫のようなものが壁や地面を横行していた。蟻のような姿をしているが一つ一つに微弱ながら魔力を感じる。
銀「しまった…レギオン(群魔)!?」
小さな虫のような悪魔は倒れている水銀燈の体を容赦なく蹂躙して行く、やがて水銀燈の姿はレギオンに覆われ文字通り真っ黒な姿になってしまう。
それで終ったとレギオンは油断していた。しかし、水銀燈の体から背中の翼を中心に爆発的な力の塊が発せられその圧力に群がる小さな悪魔達はひとまとめに根絶やしにされる。
875 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 02:23:31.13 ID:AgAabsZG0
>>874 このレギオン達は個体としては大した魔力を持っていないが群れとなると中級の悪魔に匹敵するので体に纏わり着かれたらまず助からない。
そして大多数のレギオンは死滅したが残った幾つかのレギオンが収束し人の形になり人の姿になる。
「ば、バカな…まさかあのレギオンの大群を退けるとは…」
銀「おばかさぁん…私の背中にある翼が一体誰の翼かわかってるのぉ?ベルゼブルですら勝てなかったのに貴方みたいな下っ端が勝てるわけないじゃなぁい。」
「く…化け物め…ッせめて、せめて一矢報いてみせる!!」
悪魔はその右腕を刃のようにして水銀燈の腹部に斬りかかる、彼女は腰に佩びていた短刀を抜き放ったと同時に悪魔の右腕を居合い斬りのように斬り落とす。
そして本来の得物である黒薔薇の剣を引き抜き悪魔の両足を切断する。
更に両手に持った剣を構えながら全身で回転し見る見るうちに魔物の両腕、腰、胸、そして頸を斬り刻む。
黒い、血のような体液を撒き散らしながら刻まれた悪魔の体は地面へと落ちる。しかし悪魔の生命力は大したもので首だけでもまだ生きていた。
銀「ふん…まぁ貴方みたいな雑魚でも少しは足しになるでしょう。」
虫の息になった悪魔の首にある髪の毛を無造作に掴み上げ自分の目の前に掲げる。悪魔の表情は完全に恐怖に染まりきっている。
水銀燈は容赦なく魔物の顔面に手刀を突き刺して残された僅かな魔力をなんと吸収しだした。背中にある彼女の漆黒の双翼が禍々しく大きくなる。
悪魔の死体は魔力を吸い尽くされ干からびて真砂になり消え去った。
876 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 02:24:30.38 ID:AgAabsZG0
>>875 仕事を終えた水銀燈は鉱山を降り麓の村で一夜を過ごそうと思っていた。しかし生憎その村に宿屋はなく変わりに教会があるそうだ。
教会に泊まるだなんてバカらしい…そう思っていたが空模様は雨意でこのまま野宿をすれば確実に寒い夜中の雨下に晒されてしまうだろう。
余り気は進まないが水銀燈は教会へ足を運ぶ。小さな村には不似合いなぐらい豪華な作りの教会が目に入った。
巨大な鐘は喧しいだけの鐘音を鳴らし礼拝の時間を告げ、けばけばしいステンドグラスには神の威光を示す日輪が描かれその脇に天使と人間が描かれている。
中に入れば天井を映し出すほど綺麗な大理石が床に敷き詰められ天井には聖者と思われる男の絵画が飾ってある。更に驚いたことには人が祭壇の前で行列を作っていることだった。
一体何があるのだろうと水銀燈は祭壇の方を見ると一人の少女が老人の手を握っている姿が見えた。
老人を見るに腰が悪いらしく歪に曲がっている。しかし、少女が両手を握った瞬間に何も無かったかのように老人の腰は真っ直ぐに伸びその足取りも軽く老人は上機嫌で教会を後にした。
目の前に起こった信じられない出来事に水銀燈は我が目を疑った。祭壇にいる少女は翠星石の如雨露のような媒介もなしに『癒し』の力を使ったのだ。
銀「信じられないわぁ…ただの人間にそんなことが出来るだなんてこれじゃあまるで…」
まるで天使のようだと彼女は思った。冷静になってこの教会の現状を察するにあの少女の癒しの力で寄付金を集めて此処まで膨れ上がったのだろう。
水銀燈はその少女に興味を示して教会に泊まることを決意したのだ。
やがて夜も遅くなり、少女も最後の礼拝者の治癒を完了した頃だった。不意にその少女は祭壇にもたれかかるように倒れてしまう。驚いた水銀燈は思わず彼女の元へ進み出た。
銀「ちょっと、大丈夫?」
「………天使?」
銀「………は?」
「その背中の翼…貴女天使なの?」
水銀燈はまたまたこの少女に驚かされる。この背中の翼は強い魔力を持った者にしか見えない筈だった。
だが彼女は癒しの力だけでなくこの翼を見ることが出来るぐらいの魔力をも併せ持っているらしい。本当にただの人間にしては珍しい。
877 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 02:25:22.93 ID:AgAabsZG0
>>876 銀「天使が人界に来る訳ないでしょぉ…私は…一応、人間よ。」
自分で確認するように言う。そうだ、例えどんな悪魔の力を喰らっていても私は歴とした人間だ…。
「やっぱりそうよね…うっ…ゲホッゲホッ!」
銀「貴女横になった方がいいんじゃないのぉ?何だかこのままほっといたら死にそうな勢いよぉ…」
「アハハ、いっそのこと…死ねたら楽かもね…」
銀「…どういう意味よぉ?」
「私ね…小さい頃からこの力が使えたんだ。それで大人たちはやっぱり黙ってなくってね。
私にこんな力があると聞いて色んな所から買いに来たわ。パパもママもお金に困っていたから私のことすぐに売っちゃって。
それで流れ流れて今はこの教会に買われててね…『聖女の生まれ変わり』だなんて祭り上げられて此処で人の病気を治してるんだ。」
美しく長い黒髪にそれと同じく黒い美しい瞳は今は虚ろに水銀燈を見つめ己の歩んで来た暗い、黒く塗り潰された道を訥々と語った。
大人の勝手な都合によって翻弄された彼女の人生に水銀燈は自分を重ねて見ていた。
銀「それで…死にたいっていうの?」
「それだけじゃないんだ、大分前に気付いたことなんだけど…私が人の病気を治すたびに段々と体が弱くなってたの。酷い時なんて倒れて一週間近く意識が戻らなかったり…。
酷い話だよね、私の命は私だけの大切なモノなのに…何で他人にあげなきゃいけないんだろう?って考えたら…何だかこうして生きてるのがバカらしくなったの。
いっそのことさっさとこんな命使いきってしまいたい。そして私は自由になるんだ…。」
虚ろな嗤いを浮かべ少女は己の宿命への呪いの言葉と希望を紡ぎ出す。それは悲しい嗤い、何もかもを諦め、手放した者だけができる表情だった。
878 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 02:26:23.91 ID:AgAabsZG0
>>877 水銀燈は少女を担いで祭壇から降りる、水銀燈の突飛な行動に少女は驚いて手足を動かして抵抗する。
「ちょ、ちょっと…何するの!?」
銀「…気に入らないのよぉ。貴女も、貴女の人生も、貴女の考えも、そしてこの腐った教会もねぇ。
だから貴女の命は私が貰ってあげるわぁ。」
「………同情だったらいらないわ。皆私に同情する振りをしていつもいつも…」
銀「それなのよ、貴女のその悲劇のヒロインを気取ったその態度…。現状が気に入らないのならなんで貴女から動かないの?
どうして自分から変えようとしないの?貴女は無力よ、癒しの力があったとしても貴女はただの弱い、くだらない人間よ。
私だったら…自分の運命が気に入らないなら自分で変えてみせるわ。」
「それは貴女が強いからできることでしょう?私みたいに自分の命を削ることしかできない人にそんな力…」
銀「あるわよ、人は誰だって自分で進む力がある。貴女はただそれに気付いてないだけ…。
まだ迷うのなら選びなさい、このまま胸糞の悪い運命に従うか、私に水銀燈に従って運命に抗うか。」
「わ、私は…」
その時、教会の裏口から司教達が入って来た。そして少女を担ぐ水銀燈を見るや否や拳銃を取り出す。
「と、止まれぇ!我等が『聖女』様をどうするつもりだぁ!!」
銀「部外者は黙ってなさい!!」
自身に向けられる拳銃に向かって黒羽根を放つ。羽は司教の手に突き刺さり激痛に司教は無様にも拳銃を落としてしまう。
すぐに拾おうとするが水銀燈が許す筈もなく床に転がった拳銃を司教から蹴り離し、取り敢えず喚かれると五月蝿いので司教の鳩尾に強烈な膝蹴りを入れた。
無力な司教はそのまま腹の中のものを吐き出して冷たい大理石の床の上に倒れ伸びる。
879 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 02:27:02.83 ID:AgAabsZG0
>>878 銀「どうするの?」
先ほどよりも優しい口調で彼女は聞いた。その表情は珍しく優しさに溢れあたかも天使を思わせるものだった。
その綺麗な顔に、とても美しい赤い瞳に見つめられたら、もう答えは決まっている。
「私は…貴女と生きたい、こんな所で…大人の都合なんかで死にたくなんかない!」
銀「よくできましたってところねぇ。」
私の天使は微笑んで、私を連れて空へ昇る。ステンドグラスの日輪をぶち破って先ほどの雨意が嘘のように晴れ渡った空をずっと、ずっと遠くまで…。
銀「そう言えば貴女の名前、聞いてなかったわね。」
「そうだっけ…私の名前はめぐ、貴女は?」
銀「水銀燈よぉ。」
めぐ「そう…よろしくね、私だけの天使サマ。」
めぐに言われて、初めてこの黒い翼とコートが白ければ良かったと思えた。
ねぇ、めぐ…この世界のすべてが白だったらよかったのかな…?
私は白くなんてなれないけれども、貴女だけは黒に染まらないで欲しい。
今まで沸いたことのない感情に私は少し戸惑って何処へ行こうか考えもせずにただ遠くへ飛んでいた。
薔薇「『退魔の戦乙女達』今回は此処まで…」
真紅「ちょっと、主役である私とジュンが一回も出てないじゃない!」
銀「これは主役交代かもねぇ。弱い真紅なんかよりも私が適任だわぁ。」
J「まぁまぁ…別にこれには明確な主役なんていないみたいだし…」
真紅「え、そうなの…?」
銀「まぁ私は最初っから主役とか興味なかったしぃ〜…あ、そうだ、めぐのお見舞い行かなくちゃ。」
真紅「あ、逃がさないわよ水銀燈!」
薔薇「めぐ…羨ましい…じゃなくって次回予告………『Past』です…銀姉さま、私も一緒に行く〜…」
881 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 02:51:20.25 ID:AgAabsZG0
一応保守
882 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 03:19:30.96 ID:X7OXQKGu0
保守。眠すぎて読めん……感想は明日書きたい……
883 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 03:31:52.47 ID:qiKMY91F0
保守
ねむねむ…おやすみ
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 03:39:03.18 ID:jWsVLPto0
ノ「ちょwwwwwwwwww荷物オオスギスwwwwwwwwwwwwwwwwww」
J[うっせーよwwwwwwwwwwwwだまっとけwwwww」
J「まきますかwwwwwwwwwまきませんかwwwwwwwwwwwマジバカスwwwwwww」
J「ヲチするおwwwwwwまきますwwwwwwwwwwwwwwww」
ノ「なんか変な荷物届いたwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
J「wktkwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
パカ
ノ「ktkrwwwwwwwwwwwwwwwwwwww洋モノのダッチwwwwwwwwwwwwwww」
J「bkkwwwwwwwwwwwしらねーよwwwwwwwwwwwwwwwwww」
J「なんだこれwwwwwwwwwwwwはいてるのかよ(###^ω^###)ピキピキ」
J「穴キタコレwwwゼンマイ挿入wwwwwwwwwwwww」
J「ちょwwwwwwwwwwwwww動いたwwwwwwwwww日本の技術wwwwテラスゴスwwwwwwwwww」
真「あるあるwwwwwwwwwwwwwwwww」
J「ねーよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
885 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 03:59:03.04 ID:PyJF74jMO
ちょwwwwwバロスwwwwwwww
886 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 04:29:59.53 ID:AgAabsZG0
寝る前保守
887 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 05:04:49.19 ID:Y4fUxLuy0
保守
888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 05:29:18.13 ID:QPXA83z5O
薔「…体は子供、頭脳は大人って…エロくない?」
ジ「ねーよ。」
保
889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 06:06:42.39 ID:nuASktxqO
ねーよwwwwww
890 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 06:34:08.31 ID:P9AhWRkkO
保守
891 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 06:56:45.56 ID:bUFix2voO
保守
892 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 07:15:44.51 ID:bUFix2voO
保守
893 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 07:52:07.01 ID:cZsYgEuHO
保守
894 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 07:52:57.49 ID:RZje7Ujp0
>>863 レポートなんかほとんどコピペな私が来ましたよ。
次はどうなるのかな?2月は春休みですよね
>>880 漆黒の天使。それもまたいいじゃないですか。
レポートと聞くとTDNスレのコピペを思いだして笑ってしまうから困る
そんな意味のない保守
★
898 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 09:29:04.08 ID:tltJ7Zhs0
保守
899 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 09:48:00.98 ID:EDLOfE6vO
保守ナリ…
干しゅ
901 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 10:13:49.25 ID:cZsYgEuHO
保守かしら〜。
902 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 10:32:34.53 ID:tltJ7Zhs0
《原点の味?》
J「今日は何をご馳走してくれるんだ?」
蒼「麻婆豆腐だよ。トビキリ辛いやつ。」
翠「本場の調味料を仕入れてきたです。今のうちに覚悟しておくですよ。」
蒼「それじゃ料理してくるから待ってて。」
J「ああ、おてやわらかに頼むよ。」
JUMをリビングに残して2人はキッチンに向かった。
訪ねてくる前にあらかたの準備はしておいたので
後は火に掛けて仕上げるだけの状態だ。
蒼「姉さん、何で鍋を二つも用意してるの?」
翠「JUMのは特製のスペシャルブレンドですぅ。」
蒼「でもこの調合って僕が知ってるのとは随分と違うんだけど。」
翠「あったりめーです。薬効がすごいバージョンだからですぅ。」
蒼「本当に大丈夫なの?」
翠「薔薇水晶から教わったんだから間違いねーです。
それにあっちの方もえらいことになるらしいですぅ。」
蒼「姉さん!そんなのいけないよ。」
翠「これを食えばJUMもすごくなるですよ。」
蒼「ホントに?・・・じゃあ、ちょっとだけだよ。」
自信満々の翠星石に半ば引き摺られる形で蒼星石も賛同した。
翠星石の手にした瓶から大小様々な粒が鍋に注がれていく。
しばらくかき混ぜたところで紫色の煙が立ち昇ったが
翠星石が別の粉を一振りするとそれも収まり見た目にはわからなくなった。
翠「さ、お客様用の料理も無事完成です。」
蒼「僕達の分もできたよ。」
翠「間違えないように色違いのお皿に盛り付けて・・・完璧ですぅ。
903 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 10:33:09.07 ID:tltJ7Zhs0
>>902 翠「それじゃ行くですよ、気取られるなです。」
蒼「姉さん、顔。それじゃ何か企んでるのバレちゃうよ。」
翠「う、いけねぇです。『は〜いスマイル〜』これで大丈夫です。」
何かのお呪いなのか蒼星石にはわからなかったが
翠星石は普通の表情に戻っていた。しずしずと食卓に料理を乗せていく。
J「はやかったな。お、いい香り。」
翠「これが原点の味です。しっかりと味わいやがれですぅ。」
蒼「それじゃ・・・。」
「「「いただきま〜す」」」
挨拶を済ませたあと2人は手を止めたままJUMの動向を窺った。
匙で掬って口に運ぶさまをまじまじと見つめる。
JUMの喉の動きを確認したところで翠星石が問いかけた。
翠「どうですか?」
J「うん、おいしいよ。それに思ったほど辛くなくて驚いた。」
翠(あれ?)
蒼(どうかしたの?)
翠(おかしいです。)
J「ん、なんだ、食わないのか?」
翠「何でもねぇです。ちょっと蒼星石と山椒取ってくるです。」
連れ立って席を外す2人。
キッチンに引っ込むとJUMの様子を窺いながら聞こえないように話し出した。
904 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 10:34:05.50 ID:tltJ7Zhs0
>>903 翠「一口食べた瞬間に効果がでるって聞いてたです。」
蒼「でも平気みたいだね。これは失敗ってコトかな?」
翠「調合間違えたですか?う〜ん、ちょっと薔薇水晶に確認してみるです。」
そう告げると翠星石は一目散に飛び出していった。
蒼「なんだ失敗か。ちょっと残念。」
蒼星石がリビングに戻るとそこには机に伏したJUMの姿があった。
蒼「JUM君、どうしたの?」
J「蒼星石、それがその、なんだか急に体が・・・。」
蒼「えっ、あっ、それじゃ成功してたんだ。」
J「な、どういうことだ?」
蒼「あ、いや、そ、姉さんがね、待って、アーッ。」
・・・
翠「蒼星石、あれであってたです。まれに個体差で遅れることがあるって・・・。」
蒼「・・・。」
翠「JUMはどこです?」
蒼「・・・ソファで寝てるよ。すごく疲れたみたいだから。」
翠「疲れたってどういう・・・。」
蒼「うん、姉さんの言ったとおり、本当にすごかった・・・。」
翠「ちょ、いねぇい間にだなんて蒼星石だけずるいですぅ〜orz」
終わる
905 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 10:43:59.01 ID:nuASktxqO
蒼の子役得wwwwww
906 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 11:01:03.56 ID:X7OXQKGu0
さすが薔薇しーの料理wwwww
907 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 11:24:50.01 ID:EDLOfE6vO
薔薇Cwwwwwwwww
908 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 11:28:33.33 ID:Y4fUxLuy0
翠星石カワイソス
909 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 11:47:33.09 ID:X7OXQKGu0
保守
910 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 12:23:02.84 ID:cZsYgEuHO
保守
911 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 12:57:31.90 ID:nuASktxqO
保守
912 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 13:09:53.26 ID:nuASktxqO
金「あ、ジュンかしらー」
雪「ジュン君」
ジ「お、雪華綺晶…その服は?」
雪「新しいドレスなんです…その…どうでしょうか?」
ジ「ああ、すごく似合ってる、可愛いよ」
雪「あ、ありがとうございます…(///)」
金「カナもドレスアップでジュンのハートをゲッツかしらー!」
みっちゃんかしらー
金「ジュン、見てかしらー!」
ジ「ん…あれ、ドレス?」
金「みっちゃんに借りたかしらー、どうかs」
ジ「へぇ、コスプレパーティーでも行くのか?」
金「…」
ジ「あはは、冗談だよ」
金「そ、そうかしらー、それで…どうk」
ジ「馬子にも衣装」
金「……」
ジ「あはは、冗d」
失礼だwwwww
914 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 13:19:21.88 ID:Me9aDwrM0
JUMに殺意がわいた。
915 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 13:24:49.32 ID:nuASktxqO
ジ「あはは、冗談だよ
金「………」
ジ「ところで」
金「?」
ジ「そのドレスで私と踊ってくれませんか?お嬢さん」
金「か、かし」
ジ「あはは、冗談だよ」
金「………」
916 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 13:26:07.52 ID:tltJ7Zhs0
ひどいや
917 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 13:35:26.18 ID:nuASktxqO
ジ「けど綺麗だか」
金「あ、ありがとうかしら…(//)」
ジ(綺麗なリボンだなぁ)
終
918 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 13:45:10.91 ID:rVN6vFvsO
(´・ω・)
919 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 14:06:42.53 ID:Y4fUxLuy0
920 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 14:09:31.76 ID:NuPuBg6U0
>>919 GJ!!!!!!!カナはかわいい娘なんです!!
921 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 14:16:43.63 ID:nuASktxqO
>>919 馬子にも衣装なんてとんでもない
カナ可愛いよカナ
922 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/05/17(水) 14:18:09.64 ID:I6OEeYpL0
923 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
そして保守感想。激しく亀だけど
>>837 毎回楽しみ、妖精のお話。カナがいいポジションwww次回wktkです!
>>840 エンジュが(((;゚д゚)))
>>850 お腹いたいwwwwww
>>863 翠の子も一安心でよかったよかった。番外編も楽しみww
>>870 詩的な雰囲気が良いねー。
>>880 退魔のお話がきた!これからの展開にwktk!
>>904 ちょwwww薔薇しーの料理スゴスwwwwww