おとなになりたくなかった。

先生が就職しろっていうから家出してやった。

外は暗かった。

中学生が楽しかった
高校はうんこ

次回「盗んだバイクで走り出す」

東京駅から電車に乗った。

一万円しかなかった。出たばっかりの青春１８切符も買えなかった。

┗◆┛
┌胃┐

　 ‖　　　シューーーッ

　 Π
　_| |_


┗◆┛
┌胃┐　ガチャーーン
　 Π
　_| |_

どう？

八時を過ぎていた。
それでも電車に乗っていた。

ふと目が覚めたら十時だった。

こんな時間にまで起きてるのははじめてだった。

酒臭かった。

また眠った。

>>6
ねえ？どうだった？俺のロボ

行儀良く真面目なんてできやしなかった

あげ

もう一度目がさめたら十二時だった。

疲れた。

気がついたら熱海に居た。

電車を乗り換えた。

浜松行きだった。

終電だった。

浜松へようこそ

夜の校舎窓ガラス壊してまわった

浜松についた。

暗いだけで何もなかった。

東京の生き写しみたいな感じだった。

旅行に胸をときめいていた自分がばかみたいだった。

切符は東京から新宿までだった。

運賃が、足りなかった。

仕方ないからそこにあったチャリを盗んだ

14の頃一人で夜の浜松を彷徨ったなぁ

改札に入れると大きな音がなった。

何度も何度も入れてみた。

何度も何度も音なった。

すぐに駅員が近寄ってきた。

僕は眠かったけど彼は眠くないみたいだった。

「こらこら待ちなさい」

はい、と言った。

浜松が東京の生き写しだなんて光栄です。あ、そうでもないか

盗んだチャリで走り出す

名前と住所を聞かれた。

はい、すいません。東京から来たものです。かえるお金がないのです。

そう答えると。無視するように歳はいくつと聞かれた。

１８ですが。

あーじゃぁ保護者に連絡するよ、いやだったら警察でもいいけど。

いやです。と言った。

浜松はなにもない街だよ

盗んだチャリで走り出す〜

浜松の人は温かいから話せばわかる

いや、おやごさん心配してるよ。

ほらお茶でも飲んで。

おいしかった。何でこんなおいしいのだろう。変なビルの裏に茶畑でもあるだろうか。

もう一人が電話の準備をしていたのがガラス越しに見えた。

走った。

いいよいいよ

駆け出した。

暗すぎて何も見えないけどヘッドライトを頼りにぐんぐん進んでいった。

追いかけてきたけど振りきれた。

外で寝る勇気はなかった。

寝る場所を探した。

ザザシティのほうの地下道いけば仲間がいるよ！

街の奥に入ってもウナギ屋があるだけだった。

ネットカフェもカプセルホテルもなかった。

４ｋｍも歩けばすぐにわかった。

ここは東京のふりをしたトタンだということが。

どこにも泊まれなかった。

ただ、家だけはあった。

チャイムを押した。

おまえ南に行っただろｗｗｗｗ

チャイムを押すと人が出た。

はい、なんですか。

すいません、ここらへんに泊まれるところってありますか。

いやぁ、ちょっとわからないですね。

実は一文なしでして。

あらぁ、本当ですか。

どうしようかと。

うーん。

しばらく待った。

すいません。うちではちょっと。

そうですか。

そのあといろいろ歩いたあと。

疲れたけど寝れなくて。

朝日が昇った。

喫茶店が開いていた。

デニーズだった。

こんな町にもデニーズがあったんだ。

そこに入って、コーヒーを注文した。

そして寝た。

浜松田舎でごめんね・・・

お客さん、お客さん。

起こされた。

ややけわしげな顔だった。

時計を見ればお昼の二時を過ぎていた。

お金がない。

僕は京都まで行きたかった。

入り乱れる客、そんなに多くない。

ためしに抜け出ると意外とすんなりいけたので、そのまま抜け出ることにした。

浜松の町を見てまわった。三十分ほど。

明るい、ネオンサインが見当たらない。

夜になればとたんを被るのかと納得した。

何もなかったのでデニーズに戻ることにした。

ていうかブラジルがいるだろうブラジルが

いらっしゃいませ。

コーヒーでお願いします。

人がポツポツと増え始める。

おなかもすいてきた。

ハンバーグお願いします。

またネオンサインが光りだす。

デニーズからは見えないけどわかる。

東京もそうだった。

だから、おとなになりたくなかった。

デニーズを出るとますます暗くなっていった。

帰るしかないのだろうか。

僕は何もできない。

みんなと一緒に大学も行けない。

就職だって、みんな初めてでも月に18万もらってるのに僕がすすめられたのは13万の仕事だ。

京都に行きたかった。

僕は初めて財布を取った。

そして警察につきわたされかけた。

ところで僕が財布を取った相手は若いお兄ちゃんだった。

夜の公園。

何もわからない僕は通りすがりのお兄さんの前に立ちふさがってポケットの中に手を入れた。

なにすんだという声も無視してあらかじめ位置を確認しておいた財布を取ると逃げようとした。

ダメだった。すぐに取り押さえられた。

高校に入ってから初めて殴られた。

警察が来た。

盗んだのはこいつかい。

えぇそうです。よろしくお願いします。

では署まで来てください。

三人で署まで行くとものすごい怒られた。

今までこんなに怒られたことはなかった。

すごい怖かった。

そして、結局は逮捕されることはなかった。

お兄ちゃんが哀れだと思ってくれたのだろうか。

ありがとうございます。

そういって、僕は去ることができた。

ドラマみたいに、家に電話されて、それで、色々あると思ったのに。

現実はあっけなかった。

これからどうしようか。
浜松の二日目の夜は、一日目と同じように、目を開けてふらついていた。

結局、どうしようもないので。

僕は歩いていくことにした。

さようなら浜松。

歩いていたが出たのは何もない道路。

そこにはビルというビルがなくただひたすら道が続くだけ。

怖かった。

生きるってこういうことなのかもしれないと思った。

とりあえず歩いてみた。一時間程。

しかし、僕は死ぬのかなぁと思うと怖くなって引き返してしまった。

引き返しても、前とは違う道に出た。

僕は迷子になった。

本当に、怖かった。

怖くてかけないんだけど。

なんていうかな、胸が始終ドキドキしてる感じ。

それでようやくビルが見えた。

そして警察が見えた。

駆け込み、住所と電話番号と名前を言った。

僕は家に帰ることになった。

浜松に両親が来たとき。

何も言わずにただ連れて帰らされた。

車に乗ってるとき、言われた。

ぶっ殺すぞ、何で出ていったんだ。

おとなになりたくなかった。

そう答えると、バカかっと言われた。

それからあきれたように何も言われることはなかった。

家に帰って、普通に生活するようになっても。

このことはそれ以上、何も言われなかった。

そして僕は、就職した。

一応、一ヶ月13万稼いでる。

あのころのあのたび、もし京都まで行けたら何か変わっただろうか。

変わらないままだったか。

僕は今でもバカだからよくわからない。


ところで就職した先に美人の女の子がいるんだけど、プロポーズの指輪を買おうと思うんだ。
そこで、150000円の指輪がありました。僕はそのケースだけを買おうとしています。
値段をきいてみたら、指輪はケースより145000円高いそうです。
ケースの値段はいくらでしょう。

なんだこの変化球ｗ