水銀燈のマスターが○○だったら part 18

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#4
あくる朝、水銀燈は演劇部の部室から窓の外を見ていた。彼女は演劇部所属で1年D組の生徒である芹沢茜をミーディアムと
して得たものの、他の姉妹達がどこにいるのかが全く分からず退屈な日々を送っていた。
(はぁ、とりあえず糧を手に入れたけど、他の姉妹達はどこにいるのかしらぁ?このままだと退屈でしかたないわぁ。)
水銀燈がそう思っていると、ふと窓の外に自分が以前何度も見たことがあるようなものが映った。
(あら、あれは…深紅じゃないのぉ。私の近くにいたなんて、偶然ねぇ。それに、なんか隣に深紅にそっくりな人が
いるけど、あれは誰かしらぁ?ひょっとして、深紅の…)
水銀燈の予想は見事に当たっていた。彼女が演劇部の部室から見たそれはまさしく深紅そのもので、深紅の隣にいた
そっくりな人は、彼女のミーディアムであるベッキーだった。よりによってベッキーは、どういうわけか深紅と同じ服を
着ていて、さらには髪型まで深紅と同じにしていたので、なおさらそっくりに見えたのだった。
「全く、家来が主人と同じ格好をするなんて、何を考えているのかしら。」
「何だよー!私だって着たくて着たんじゃないんだぞ!文句ならお姉ちゃんに言えよ!」
「しかたないわね。さあ、早く行くわよ。」
ベッキーが深紅を家に連れて帰った日、ベッキーの姉は、深紅を見るや否や面白がって普通に家族の
一員として深紅に接し始めた。そして、ベッキーに深紅と同じ格好をさせたいと思ったのかこの日ベッ
キーに自分で作ったベッキーサイズの深紅の服を着せて、髪型まで深紅と同じにして登校させたのであった。
普通の人ならそんなこと即座に断るだろうけど、どういうわけかベッキーは姉には逆らえなかったので、しかた
なしに姉の要求を飲んで登校したというわけであった。