1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
このスレは僕が妄想の世界をひたすら書き綴っていく
スレです。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/28(火) 17:23:03.83 ID:cfgX7yDq0
_ ハルチュウシネ王国 ( Harutyuushine Kingdom )
/ 丶 . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ 丶 国の標語:ァナダルハ
! |
ヽ 丶 __________________
ヽ ヽ 公用語|ハルチュウ語
| | 首都 |ベンキョウシロー
\ / 国王 |ガキハ・サッサト・ネロー
! ! 面積 |552,967,967ku
|_ノ 人口 |33,108,620,427人(推定)
. 通貨 |チューボー・ドル
. 国歌 |スプリング・スクールソング
. 場所 |東南アジア
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
前スレ1000
ちょwwwwww
葵「じゃあ手始めに市街征服から!」
茜「あるあr・・・ないないwww」
>1乙
首都攻防戦の報告マダー?
>>8 仕事速EEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!
乙です
葵「手始めにおっぱいの大きな女性から奴隷にするわ!」
ちんぽっぽがデフラグ中。。。
∧ ∧
(*‘ω‘ *)
( つ□ )
■■ ■■□◇ ◇□□□
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
∧ ∧
(*‘ω‘ *)
( つ□つ□
■■ ■■ ◇ ◇□□□
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
∧ ∧
(*‘ω‘ *) /
( つ つ
■■ ■■ ◇ ◇□□□□□ ─
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /' ヽ\  ̄|
ぼいんっ!
□ ∧ ∧ ちんぽっぽ♪
■ ■ □ (*‘ω‘ *)
■■◇ ◇ □ □□⊂ ) ≡3
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
□ ∧ ∧
□■ □ (*‘ω‘ *)
■■◇■◇□□ ( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
('A`)双子ハアハア・・・
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/28(火) 19:54:20.03 ID:MynRKPO00
新スレ乙ぱいwwwwwwww
やっぱ時代は双子美少女だよなwwwwwwwwww
やべwwwwあげちったwwwwごめwwwwwwwwwwwwww
やっぱ茜がいいよなwww
(;´Д`) シコシコシコシコ
_(ヽηノ_
ヽ ヽ
( ゚д゚ ) !
_(ヽっノ_
ヽ ヽ
( ゚д゚ )っ
(彡ηr しこしこしこ・・・・・
. i_ノ┘
⊂( ゚д゚ )
. ヽ ηミ)
(⌒) |しこしこしこ・・・・・
三 `J
ほ
__/ | | | / / 入
| | }⊥ ┴‐┴┴く 〃 \
厂 \>'´::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.`ヽ、/ L
ノ \/::::::::::::::::.:.:.:.:.::::::.:.:.:.:.:.:.: : :\/ ヽ
/ ト=ッ:::::::::::::::::.:.:.:.:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.: : : : ヾ二ハ
/:::|L〃::::||::|:::::|::::/|/::l::::::/:::/::/:::::/:::.:.: ヾV::ヽ
/::::::::::::::::::::||:j|::/|:ナト!:::l::::/::/:::/::::/メ、::: ::: ヾ:::::!
|::::.:.:.:.:|::::::::||:!|リ |/ !| |::/:/:::〃::///イィ:::::|.:.:|::::::l
|:::.:.:.:.:.|:::::::| , ==ミ ヽl|/ル' //∠〃/ィ::::l::::|::::::::l
|::::.:.:.r1:::::::| !/:::::::ヽ ! ! /r─、ヾi T:::l::::|:::::l|::!
.!::::::::{ !::::::| ┴─┴ ⊥;;;:::j /:::|::::|:::::||::|
l::::::::ヽ|::::l::l /////''' '''////// /ル'::::jl:::::ハ::|
ヽ::::::::ヾミヽ'、 } U /イ:::::/jj::/ }::}
r冖ヽ;:::::::::::::ヽ \ __ /:::::::::/〃j/ |/
┌=ン⌒ヽ厂ヽ:::::::\ `ー ‐' ///:::::// 〃 /
{ /:::::::::::::::::ヽハ/ \ヽ、 , '"::::////
/:::::::::::::::::::::/ | ヽ `ー'"/⌒" 〃
/:::::::::::::::::::( ト、 ヽ /〉
/::::::::::::::::::::::::`ー、 ̄)ヽ::\\∨∧___
/:::::::::::::::::::::::::::::::/ ¬ヽ;:::::::/介く:::ヽ二ー┐
/:::::::::::::::::::::::::::::::(_ 二ヽヽ::〃 || \ト }
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::7 V/ || \--L
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ァ〜 〈/ ||ヽ / }
まだまだ
さすがに来ねぇかwwwwww
ほw
「―――――――――――――――――――――」
足が止まる。
声もなく、呼吸もない。
刺すような、頭痛があるだけ。
「ふん、泥棒猫には相応しい最期ね。」
茜が笑う。
刺すような頭痛。
「わたしはもう戻れない。としゆきを手にかけて、葵にだって拒絶された。
なら、もう行き着く所まで行くだけじゃない。
わたしは自由になったんだから、苦しいワケなんて、ない。」
茜の体がこちらに向く。
大気が張りつめる。金色の髪は蛇のように鎌首をもたげていく。
まるでそれ単体が意思を持つような邪悪さ。
刺すような頭痛。頭痛。
「――――私を殺すんじゃ、なかったのか」
ような頭痛。頭痛。頭痛。頭痛。
「Aちゃんじゃなくて―――私を殺すんじゃなかったのか、茜ちゃん」
頭痛。頭痛。頭痛。頭痛。頭痛。頭痛。
頭にくる。頭にくる。頭にくる。
彼女を救えなかった自分。
のうのうと生きている自分。
彼女を救えなかった茜。
のうのうと生きている茜。
「なに、葵ったらすぐに殺してほしかったの?
まあ謝ったって許してあげないけど。どのみちね、
Aちゃんは殺すつもりだったの。 だってあんなの、
生きていても意味なんかないじゃない。とっくの昔に壊れてたんだから、
早めに棄てちゃったほうが本人のためでしょう?」
―――――そうか。
壊れたのなら、棄てたほうが本人のためなのか。
なら―――――――
「…………おまえは、茜ちゃんじゃない」
もう、私の知っている茜ちゃんじゃない。
私だけが認めようとしなかっただけで、とっくの昔に、あの神氣湯に獲り憑かれている。
「いいよ、茜ちゃん。おまえの望み通りにする」
半年前。二人で、トルネオ邸を駆け回ったときのように。
「さあ―――――本気で、殺し合いを始めよう」
頭痛が、止まった。
葵は死に。
私はは夜に逍遥していた頃の、ブラック葵に切り替わった。
自身と敵との間合いを目測する。距離にして十メートル。
銃の間合いではあるが、トランスを使う茜にとっても必殺の間合いだ。
廊下には遮蔽物もなく、大きく動いて身を隠すほどの広さもない。
壁と天井を足場にした所で、茜の視界から外れることは難しい。
銃を構え、狙いをつけ、撃つのにどれだけ速く動いても三拍。
髪を手足同然に操るイヴが、こちらを視認し、切り刻むまで二拍。
状況は以上だ。このまま真正面から闘ったところで、一拍の差で
こちらが先に死ぬことになる。
「―――そう、ようやくその気になったっていうワケね、葵。」
一歩、茜が歩み寄る。
いかに闇夜といっても、その距離ならこちらの姿を正確に見つけられる。
あと一歩。イヴが一度歩み寄れば、それが合図になる。
殺すか、引くか。
判断を誤れば、あの時のクリードのように、葵という人体が
茜の髪に呑まれるだけだ。
――――――かつん、という足音。
「――――――」
1.――――――ここで仕留める。
→2.――――――電磁銃を撃つ。
3.――――――ひとまず引く。
――――その足音が消える前に、地面を蹴った。
「来るのね―――――――――!」
敵意と興奮が入り混じった茜の声。
殺し合いというギリギリの緊張を茜は愉しみ、
にやりと、私の姿を視認する。
「―――――――――――――」
その余分さが私にとってたった一つの有利であり、
茜にとっての敗因に他ならない。
「ダメだよ葵、いくら速くても近づけば近づくほど
はっきりと見えるんだから――――!」
歓喜するような声。
茜の瞳がはっきりとこちらの姿を捉える。
そうすれば後は簡単だ。
私は茜に近寄ることすら出来ず、無数の髪に切り刻まれ、
ダルマになって床に転がる。
――――まあ。
それも、私が息絶える最後まで、茜が闘える状態にあればの話だが。
ちょwwwwwwなんかキタwwwww
ぐるんと視界が横転する。
「―――――――――え?」
間の抜けた茜の声。
全身を切り刻もうとしていた金色の髪は、すぐ真横を掠めていった。
廊下という直線でしかありえない状況が幸いしたのか。
直進するしかない、という前提を信じきった茜は、壁を足掛かりにして
天井を跳ねる私の姿を一瞬見失った。
蜘蛛のように壁を駆けて、天井に一度だけ足をつける。
実際に蜘蛛になれるワケじゃない。
体を反転させて、足場として天井を使うだけだ。
間合いは十分。
体が落下する前に天井を蹴った。
「う、え―――――?」
茜の視線がこちらを捉え、攻撃が再開された。
何条かの髪の刃が体に突き刺さる。
だが、もうそんなモノに構うことはない。
体は既に必要な推力は得ている。
極薄のナノマシンの刃が刺さっても、勢いを止める大した抵抗にはならない。
そのまま―――――
「きゃっ――――――――!?」
イヴの体に衝突した。
「こ、のォ―――――――!」
倒れたイヴが顔を起こす。
右腕が瞬時に大刀に変化する。
イヴと密接したこの状態なら、それこそコンマの時間も経つ間もなく
両断されてしまうだろう。
だから。
その前に撃った。
互いの呼吸すら感じ取れる至近の間合いで、
一分の狂いもなく茜の体に向け引鉄を引いた。
額も眼球も口腔も心臓も差別なく、そこには博愛も憐憫もなく、
百合の華を手折る様に、諸々の痛みさえ玲瓏と。
ゴトリ。
固い床に、ただのカタマリとなったモノが倒れこんだ。
それで終わり。茜の瞳は拳銃の弾なんていう、不粋なモノを
焼き付けて、そのまま永劫に失われてしまった。
「最期に見たものが、そんなモノ、なんてな」
茜は犬や猫より低い視点で、紅く染まった眼窩を薄汚れた壁に向けている。
あたりは闇。こんな風景を最期に眼球に焼き付けて亡くなるなんて、
不出来な笑い話のようだ。
「……殺し合いを愉しんでるようじゃ浅いって、
としゆきは教えてくれなかったのか、茜」
……いや、それは無理な話か。としゆき自身が浅かったんだから、
茜が不出来なのも仕方ない。
「……勿体無い。こんなにも優秀だったのに、鍛える火が弱かったとは。」
だから私なんかにあっさりと殺されてしまったんだ。
殺し合いに酔うなんていう余分さ。
そんなものがあったから、おまえは死んだ。
こんな、誰もいない所で。
一人でずっと、誰も見つめることのない壁を、潰れた瞳で見つめながら、
断末魔さえ上げられずに。
「……………………………は」
まったく。
我が双子ながら、なんて、哀れ。
「――――――――はぁ」
止まっていた呼吸が再開する。
感覚のない片手も片足も、まだカタチだけはあるらしい。
床には、ようやく溢れ出したイヴの赤色が広がり始めた。
「はぁ――――――――――――――ぁ」
壁際まで這って、なんとか片足で立ち上がる。
窓を開けると、新鮮な空気が入ってきた。
熱帯夜のようだった廊下に、冷たい風が入ってくる。
「―――――――――――ぁは、ははは、は」
風はこれ以上ないってぐらい心地よい。
体の熱は冷めて、頭痛もぴたりと止んでくれた。
「―――――はは……は……ぁ――――」
なのに、どうしてだろう。
思考だけが。頭の中が真空になってしまったかのように。
もう何もかも平等に感じられて、灰色で、紅い視界のまま治らない。
――――――頭上には紅い月。
いつかのユメを思い出す。
蛇の如く殺人鬼を見つめていた月。
あの時でさえ美しかった銀色の月なのに、どうして。
今夜に限って、平等にこの身を照らし上げてはくれないのか。
――――――蛇の如く。
爛れた赤い瞳のように、いつまでも私を見つめる。
じっと。熱心に見下ろしてくる赤い瞳。
赤い。赤い赤い赤い瞳。
「……は……はは………なる、ほど―――」
それで思い至った。
茜が最期に見たモノは、己の眼を抉る弾丸なんかじゃなく。
自分に銃口をむける機械じみた葵だったのだと。
「……そっか。それじゃ確かに――――――消えない、な。」
ならば、月はずっと赤いままか。
茜の眼球は殺人鬼の姿を眼に焼き付けたまま、月に昇ってしまった。
それを書きかえることは不可能だ。
全てが終わったって云うのに、こんなにも行き場がないのもそのせいか。
Aちゃんを失って、私は茜さえ殺めてしまった。
行き場なんて何処にもない。
やるべき事も、自分さえ消え去った。
それでも一本だけの足は、ずるずると廊下を歩いていく。
―――――仰ぐ天上には、巨大な眼光。
葵は茜に見つめられながら、
何処かに向けて歩き出した。
E N D
葵「というわけで私の勝ち。今週は茜ちゃんが炊事洗濯ね〜」
茜「なんで世界征服するはずの私達がこんな極貧生活を・・・」
別バージョンはまた今度にするか。
ミスも多かったので反省
というかこのスレ何人いるんだ・・・?
――――――かつん、という足音。
「――――――」
1.――――――ここで仕留める。
2.――――――電磁銃を撃つ。
→ 3.――――――ひとまず引く。
―――――結果を出すにはまだ早い。
確実に殺すには、敵をハダカにする必要がある。
「間違えたね葵。今のがわたしを仕留める最後のチャンスだったのに。」
敵の足が止まる。
自信に満ちた視線と呼吸のリズム。
「――――――」
つまり、この距離が闇夜における茜の最大射程という事だ。
「さっきの葵の速さなら、もしかしたらこんな狭い廊下でも見失っていたかもしれない。
でもこの距離ならもう有り得ない。だって、葵の瞳の色が見えるくらい、貴方の姿を
確かめられるんだから。」
「―――――――――」
こっちが走り出した所で、茜に近付く前に始末できるという事か。
だが――――それはあくまでこちらが接近した場合の話だろうに。
「………」
茜の目が細まる。
既に命を握った相手が、未だ冷静な事が気に食わないのか。……それとも、
たったそれだけの事で躊躇したのか。
どちらにしても―――――私の思った通り、アレはまだ殺し合いというものを解っていない。
「―――なにか企んでいるみたいね、葵。」
当然の事を訊く。
答える義務はない。
「――――――――馬鹿か、あいつは。」
呟いて銃を持つ手を替えた。
右手で持っていたハーディスを、利き腕に移し替える。
茜の間合いはこれで掴んだ。
あとは―――――
「―――無様だな。今になって何を怖がっているんだ、おまえ。」
「わ――――わたしは怖がってなんかない……!なによ、そこから震えて動けないのは
葵の方じゃないっ!」
「……いいけど。おまえ、私を殺せるんだろう?ならさっさと始めたほうがいい。
このまま何もしないのなら、次におまえが瞬きをした間に殺すよ。
――――いいかげん、おまえの顔にも見飽きたところだ。」
「――――――――――――!」
茜の周囲がゆらぐ。
ざあ、と。茜の殺意をのせて金色の髪が迫る。
「――――」
後ろへ跳ぶ。
刃から身を避しながら、茜に向けて発砲した。
ぎぃん!と、何条もの髪のうち一束が弾丸を弾き飛ばした。
「チィ――――――」
更に下がりつつ壁に向かって連射する。リフレク・ショット。だが、予測不可能な角度から
襲い掛かる弾丸を、茜の髪は正確に叩き落した。
「なるほど―――そういう絡繰りか。」
あの銃弾を防ぐ髪は、おそらく茜の意思で動かしているのではない。
高速で迫るモノに自動的に反応して防御する自立型ナノマシンだろう。
通りで。茜には回避の為の余分な動作が一切ない。攻撃のみに集中している。
当然だ。アレなら死角を狙っても不意を突いても完全に防げる。
クリードの不可視の幻想虎徹すら全く寄せ付けなかった。
―――余裕のつもりか、茜は走ろうとせず早足で追ってくる。
茜を見据えたまま後ろに退く足取りは段々と遅くなり、やがて止まった。
―――そうして、茜の間合いになった。
「―――――ふん。なによ、結局逃げ回る事しか出来ないんじゃない。
切り刻まれるだけの獲物のくせに、よくも言ってくれたものね。」
追い詰めた、という確信があるのだろう。
茜は足を止めてこちらを睨む。
「これで終わりよ、葵。楽しみでしょう?これから貴方は遺さず零さず
わたしに嬲り殺されるんだから――――!」
――――だから。
そんな口を利くのが余分な事だっていうんだ、茜。
――――だん、と。
一息に階段まで跳んで、そのまま足場を使わず階下に落ちた。
「うそ――――!?」
上から茜の声が聞こえてくる。
今まで直線的に後ろへばかり跳んでいた為、
茜は突然の真横への移動に反応出来なかったのだろう。
…まあ、こちらもじき階段に辿りつく、という事を考慮に入れて
茜を誘ったのだから偶然というワケでもない。
「こ、の………!さっきからちょこまかと………!」
茜は階段から身を乗り出して下の階に落ちた私を見つけようとする。
「―――――さて」
その前に、さらに下の階へ跳び降りた。
「っ……」
2回も一気に下の階まで落ちると、膝が悲鳴を上げる。
それを無視して廊下へと急ぐ。
カンカン、という階段を駆け下りてくる茜の足音も聞こえてくる。
廊下に出る。その瞬間―――
「―――――!?」
足に激痛が走り、床に倒れこんだ。
「しまっ―――――」
左足に羽が刺さっている。
―――階段を降りる時に、足を撃たれたか。
傷そのものは小さく、出血もほとんど無いが、刺さった箇所の羽が分解され、
細かな破片が体内に入り込み、激しい痛みを引き起こしている。
「くそ……予想よりやらしいじゃないか、アイツ」
羽を引き抜いたが、左足は激痛でまともに動かせる状態では無い。
「―――――」
足音が近付いてくる。
茜が廊下に降りてくる前に、研究室に跳び込んだ。
「―――――、―――――、―――――」
息を殺して、廊下に面した壁にもたれかかる。
…なんて事だ。これで足は殺された。
一度見ておきながら、クリードとの戦いをここまで再現するとは思わなかった。
……かつん、かつん、かつん、かつん。
足音が近付いてくる。
あの時はそのままクリードは殺されてしまった。
あらゆる斬撃は切り払われ、攻撃後の隙を突かれ切り刻まれた。
クリードの剣術が劣っていた訳ではない。
あの髪は茜の意思と無関係に防御を行うから、人間相手の戦術など
意味を為さない。虚を突く技は全くの無意味だ。
もっとも。
万能の盾というわけではない。種が割れているのなら、破る方法も見つかる筈だ。
「――――――――」
かつん、と。
茜の足音が、背中ごしに聞こえた。
間違いなく―――――茜はこちらに気が付かず、この教室を通り過ぎようとしている。
1.……気付かれる前に仕留める。
→2.……通り過ぎた後、背中を撃つ。
「――――――――――」
足音が通り過ぎていく。
―――――チャンスは一度だけだ。
茜がこの教室を通り過ぎた瞬間、廊下に出て茜の背後を撃つ。
あの髪の防御を貫けるカードは電磁銃しかない。撃つまでに若干タイムラグがあるが、
奇襲ならその隙を補える。
「――――――――――」
足音が遠ざかっていく。
……距離にしてあと2メートル。茜の歩幅なら八歩という所か。
「………………よし」
足音を立てず、気配を殺して扉に手を掛ける。
かつん、かつん、という硬い足音が聞こえてくる。
一回、
二回、
三回、
四回、
五回、
六回、
七回、
八回…!
足音はそこで止まった。
茜はまだこの部屋を通り過ぎていない。
ちょうどこのドア一枚を挟んで廊下に立ち尽くしている。
「な――――――――」
時間が止まる。
どくん、と頭の中が苦しく歪む。
ドアに設えてある不透明ガラスの小窓には、小柄な茜の人影が
薄ぼんやりと見える。
「――――――――――」
気付かれた、気付かれたのか。
―――それなら別にかまわない。
茜がドアを開けて入ってくるのなら、それでいい。
入ってきた茜が私を見つけて“切る”のと、私が茜を“撃つ”のと、
どちらが速いかの勝負になるだけだ。
「――――――――――はあ」
深く呼吸をする。
電磁銃は撃つまでに僅かだが時間が要る。
だが、私は茜が入ってくる扉に既に狙いをつけている。
敵の技の発動の方が速いからといって、私が一方的に不利とは限らな――――――
「―――――――――え?」
不意に。
天井から、ズズ…と重い物音がした。そう感じた刹那―――――
ズ ガ シ ャ ー ン !!!
「 が ぁ っ !」
轟音とともに強い衝撃に押し潰された。
思考が停止する。四肢の感覚が一瞬で消失する。
「はっ―――――ぁ――――――!」
全身を襲う激痛、平衡感覚が混乱している。
自分が今立っているのかどうかさえ解らない。
周囲は砕けた瓦礫と埃でもうもうとしている。
体中が強い圧力で押さえつけられていて、指一本動かせない。
「ふふ、大当たり、ってトコかな♪」
声のする方に視線をやると、茜は壁にもたれて立っていた。
あの長い髪がばっさりと肩から切り落とされている。
「油断したね葵。いくら貴方が気配を殺したって、わたしには貴方の位置が
はっきりと解るよ。貴方には気付かれない程度の、微弱なナノマシンの共振でね。
確かに実力は生粋の暗殺者である葵の方が上だろうけど、ナノマシンの使い方は
わたしの方が先輩なんだからね。今度はそこのところを注意するのね。
ま、そうゆうワケで、葵が廊下に熱心な間、ちょうど真上の部屋から、葵の
上に天井を落としてあげたってコト。あ、ちなみにあの人影はナノマシンで造ったただのハリボテ。
大変だったんだよ?等身大の人形を造るのって。おかげでせっかくの髪を大分使っちゃった。
また伸ばすのに結構かかっちゃうかな?」
クスクスという笑い声。
「あれ、わたし何言ってるんだろ。注意するも何も、葵には次なんて無いのに。
ま、いいか。せっかく頭が潰れず残ったんだから、せめてそれだけでも持ち帰ってあげるね。」
茜の右腕が無骨な斧に変化する。
―――――さて、それじゃあいただきます
さよなら葵
私は、嬉々として振り下ろされる茜の斧を、最期の瞬間まで
まるで他人事のように眺めていた。
E N D
結局、大尉のクーデターは失敗に終わったの?
緋の車輪の横槍が入ったから0ナンバーはそっちに対処したのかと思ったんだが
あと葵はハーフブリードだとおもw
茜たん(*´Д`)/lァ/lァ
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 流石だよね私達
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
ほ
どっかで見た文章だと思ったらwwwww
直死vs檻髪かよwwwwwww
ほ
age
なんだか、大変面白い物を読ませて頂きました。
どうもありがとうございました。
ヤフチャで収まったけどなwwwww
せっかくだから、明日使うことにするよwww
ヤフチャで全ての謎が解けてるわけじゃないからwww
>>53 ヤフチャでホントに収まったのかな?www
>>55 つーか、ここでそんな事書いてていいのか?
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/29(水) 05:27:09.45 ID:3rvVbQU/O
葵・茜てwwww昔なりきりネタ板に居なかったかwwwwwwwwww
ho
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/29(水) 10:18:47.82 ID:7C+k3ipp0
su
ほしゅ
hosyu
ほ
ほ
はじめまして。
とっても面白い小説でした。
続きにも期待しています。
私も楽しみにしています。
ほしゅ
69 :
かみゅ:2006/03/29(水) 13:56:41.53 ID:9NA3OKIT0
ごめんなさい。名前を忘れました。
かみゅです。よろしくお願いします。
(´ε`)y─┛~~今日の投下はまだかのう
誰でもいいから続き書いてwwwww
やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このスレタイを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい、そう思って
このスレを立てたんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。
ワッフルワッフル
ほしゅ
保守
ほしゅ
ほ
|ハ,_,ハ
|´∀`';/^l
|u'''^u;' |
|∀ ` ミ ダレモイナイ・・・
| ⊂ :, モサモサ スルナラ イマノウチ
| ミ/〜ヽ
| 彡。・-・)プルル
ハ,_,ハ
l^c´∀`';,
もさもさ | '゙''"'^uy-―,
ミ ´ ∀ ` ,:'
(丶 (丶 ミ
(( ミ ;': _
;: ミ.. /〜ヽ
`:; ,:' . (・-・。)プルルン
U"゙'''~"^'丶) ゚し-J .
ハ,_,ハ,,
,:' ´∀`っ^l
,―-y'u''~"゙´ | もさもさ
ヽ ´ ∀ ` ゙':
ミ .,/) 、/)
゙, "' ´''ミ. _
(( ミ ;:' /〜ヽ
'; 彡 (。・-・)プルルン
(/~"゙''´~"U ゚し-J゚
# -=・=- -=・=-
(n‘∀‘)η
それでは始めます
「――――――――」
かつん、と。
茜の足音が、背中ごしに聞こえた。
間違いなく―――――茜はこちらに気が付かず、この教室を通り過ぎようとしている。
→1.……気付かれる前に仕留める。
2.……通り過ぎた後、背中を撃つ。
ここで終わりだ。
クリードの末路をなぞるつもりは無い。
茜はここで完璧に絶命させる。
「――――――」
壁の向こうの気配に意識を集中する。
あの髪はどんな銃弾や剣撃も弾く。だが、それはあくまで
『点』や『線』の攻撃に対してのみ。
『面』の攻撃を避けるように出来てはいない筈だ。
……足音は直前に来た。
この薄い壁の向こうには、無防備に歩いている茜の姿がある。
「―――――――」
茜を。殺す。
もう人でなくなった茜は。殺しても、いい相手。
…………………………………………もう人でなくなった。
だが、それでも。
茜は、葵の、妹、なのに。
それを。
人でなくなっただけで、おまえは。
――――――ズキン
「くっ――――――あ」
頭痛。止まったはずの頭痛が、どうして。
―――――――ズキン ズキン ズキン
頭痛。眼球が飛び出しそうな痛み。
頭が、痛い。
……ああ、こんなにもイタイと、さっきまでの自分が、納まってしまう。
―――――――ズキン ズキン ズキン ズキン
「ぁ―――――――――――あ」
考えるな。
頭痛くらい無視しろ。
ここで考えれば、私はきっと――――自分の間違いに気がついてしまう。
そうなる前に――――葵に戻る前に、
茜を殺さなければ、逆に殺されてしまう。
「―――――――――――――!」
自分を殺す勢いで、引鉄を引いた。
ゴォン、という爆音が闇を揺らす。
私の放った炸裂弾は、一撃で部屋の壁を粉砕した。
壁に空いた大穴から、廊下に飛び出す。
爆風に吹き飛ばされ、茜は人形の様に倒れ伏している。
止めを刺そうと銃口を向け、気付いた。
アレは違う。
血が一滴も流れていない。
何より今まで生きていたという気配がまるでない、茜のカタチをした、只のヒトガタ。
その瞬間、背後で轟音が響いた。
「―――――――――――――――え?」
間の抜けた茜の声。
振り向くと、自分の空けた大穴の向こうで、
瓦礫の中に立つ茜の姿がある。
あの長い髪は、肩からばっさりと切り落とされていた。
……そういう、事か。
あの人影は、茜がナノマシンで作り上げた只の人形。
本物は上の階から天井を落とし、私を押し潰す算段だった。
危なかった。廊下に出なければ、今頃は瓦礫の下敷きになっていた。だが―――――
この機を逃がすつもりはない。奇襲は、失敗した瞬間最大の危機に変じる。
茜の右腕が刃を形作る。それは、髪を攻撃にも防御にも使えなくなった証拠だ。
小細工の代償。そして、ようやく生まれたわずかな勝機。
一息で元の部屋に踏み込み、黒爪で茜の右腕を弾いた。
体勢を崩した茜が、左腕に翼を生やす。羽の弾丸なら、たとえ倒れながらでも、
私の体を蜂の巣に出来る。だが――――――遅い。
そのまま茜を押し倒し、自由な右手で茜の喉を掴む。
そして、意識を集中した―――――。
バ チ ィ ッ!!
「うぁあっ!」
右腕からスパークが奔る。
茜の体が跳ね、左腕に生えた翼は霧散した。
右手は、電磁銃4発分の電流を一気に流したショックで、ズタズタになっている。
強力な電流が、ナノマシンの活動をキャンセルする――――
ドクターとの闘いで解っていた事だが、私の生み出す細胞放電では、
せいぜい一瞬しか保たないだろう。
だが、それで充分。
ハーディスを構える。
あとは、トランスの出来ない無防備な状態の茜に弾丸を撃ち込むだけ。
それで、全ては終わる。
――――――――――――――ズキン
でも、頭痛がする。
頭痛がするんだ、茜ちゃん。
あんなに頭の中でコロセと繰り返していたのに、
あんなにおまえが憎かったのに、
それでも――――――――――。
……どうして。
どうして目が醒めてしまったのか。
どうして茜ちゃんの姿が、一瞬でも元の茜ちゃんに見えてしまったのか。
それさえなければ、すぐにこの引鉄を引いていたのに。
それでも――――――――――。
「―――――――――――――っ」
なのに、どうしても、引鉄を引けなかった。
なんて、甘さだろう。
茜ちゃんは躊躇うことなく私を消し去る。
そんな事、本当に解っている。
茜ちゃんはもう、以前の茜ちゃんじゃないんだから。
―――――それでも。
それでも、そんな事は。
できる筈が、なかった。
――――――――――――――ズキン
……頭痛。
散々これには悩まされたけど、今だけは感謝しないと。
……間違えてた。
茜ちゃんが人間でなくなったから、茜ちゃんは以前の茜ちゃんじゃないから、
殺していいと思うなんて、どうかしていた。
たとえどんなに変わってしまっても、茜ちゃんは茜ちゃんだ。
私を助けてくれて、ずっと一緒に戦ってきた、大切な、双子の妹なんだ。
―――――それを。
どうして、傷つけることが、できるだろう。
……………………………………………………ズキ、ン
頭痛が消える。
体の力も抜けていく。
「どうして………殺さない、の」
茜ちゃんの声。
「わたしはひとごろしのおになんでしょう……?容易く人の命を奪う怪物で、
今も葵を殺すし、Aちゃんだってこの手にかけてしまった。
なのにどうして―――――そんな、哀しそうな顔を、するの、かな。」
茜ちゃんにナノマシンの機能が戻る。
刃と化した爪が、そっと私の首筋にあてられた。
つ……と、血が一筋流れる。
「やめてよ。そんな顔で死ぬなんて、卑怯じゃない。
……わたしは悪いヤツなんだから、葵は最後まで茜を憎んで、
よくもAちゃんを殺したなって恨み言を言わないとおかしいでしょう?
Aちゃんだって、わたしが憎かった筈よ。
あのひとには救いなんてなかったのに、わたしは890と葵に助けられて、
のうのうと陽の当たる場所で暮らせたんだから。
……だから、Aちゃんにならいいと思ってた。
あのひとが裏社会に復讐するっていうんなら、それに踊らされようって。
神氣湯を飲んで、わたしがヒトでなくなってしまっても――――
そうすればAちゃんの望みが叶うなら、仕方ないって。」
――――そうか。
茜ちゃんも、私と同じだったのか。
知っていながら。Aちゃんが世界の混乱の元凶と
知っていながら、それでも―――
「だって仕方ないじゃない。それぐらいしか、わたしはAちゃんに
償う方法がないんだもの。……Aちゃんが望んだなら、せめてわたしくらいは
世界の中で、あのひとの味方になってあげようって。
「………違う。」
思いを口にして、驚いた。
私はまだ――――――生きている、みたいだ。
「……なに?葵、よく聞こえない。」
「違う、茜ちゃん。Aちゃんは誰も憎んでなんかいない。
Aちゃんは、好きでこんな事を望んだんじゃない。」
―――――そう。
ただ、そんな事しか目的が見つからなかったから、
それを必死にこなしていただけなんだ。
……彼女は、ただそれだけしか出来なかった。
自分は生きる目的がある人間なんだと、自分自身を一生懸命に
騙すような事しか出来なかった。
「茜ちゃん、私はきっと、Aちゃんや茜ちゃんに比べると、
すごく、幸せだったと、思う。
……だから、ごめんな。私には解らないんだ。
兵器の業を背負ってまで決着を付けるしかなかった茜ちゃんの苦しみも、
何も憎んでないのにこんなコトをするしかなかったAちゃんの苦しみも。」
なんて、皮肉。
「……誰が。誰が悪かったわけでもないんだ。
私も、茜ちゃんも、890も、Aちゃんも。
……誰が悪かったワケでもない、のに――――――」
どうして私たちは、こんな。
互いを傷つける結果を、選んでしまったのか。
「……葵。まだ、間に合うんじゃ、ないかな」
組み伏された茜ちゃんは、ぼんやりと私を見上げながら言った。
「……葵はもうすぐ死ぬわ。けどわたしを殺せばまだ間に合うと思う。」
真剣な瞳をして、茜ちゃんは私を見上げている。
「……ね?だから早く、その引鉄を引いて。それで葵は助かるんだから。」
茜ちゃんは不機嫌そうに、とんでもない事を言ってくる。
「………………………………」
……まったく。それができたら、とっくにやっているんだって、言ってるのに。
「……もうっ、それが出来ないのならわたしが生き残るだけよ。いいの?
わたし、調子に乗って明日からこの街を阿鼻叫喚の地獄絵図に変えちゃうからね。
890や藍ちゃんだけじゃなくて、せばすちゃんとかいろんな人たちも
ひどい目にあわせちゃうんだから。」
……茜ちゃんがかなり本気だという事は、それなりに伝わってきた。
「…………ばか。そんな事したら、よそから怖い人達がやってきてタイヘンだぞ。
……世の中にはな、トンデモナイ規格外の殺し屋集団がいてだな。
茜ちゃんはその連中と日夜戦い続けるハメになる。」
……だからまあ、地獄絵図にするのは止めなさい。
出来る事なら茜ちゃんは―――――苦しいだろうけど破壊衝動も我慢して、
今までどおりに、暮らしていってほしいんだから。
「どうして―――――どうしてそんな顔をするの、葵は。
……わたしはもう以前の茜じゃないの。こうしている今だって、
葵の首筋に爪を立てて、血管を抉り出したいって思ってる。
わたしはクリードと同じで、狂気に取り憑かれたただの怪物でしょ?
ならさっきの葵に戻って、サクッと気持ちよく始末した方がいいじゃない。」
茜ちゃんは拗ねながら、まるで私が悪いように責めたてる。
………始末した方がいい、と茜ちゃんは言う。
それは確かにさっきまで自分を支配していた言葉だ。
だが、そんなもの。少しだって、よくはない。
「―――――できない。私には、茜ちゃんは殺せない。」
「以前の茜は、でしょう。今のわたしは違うの。
葵が知っている茜じゃないんだってば。」
「―――――違う。そんなの関係ない。
たとえおまえに憑き物が取り憑いていて、そいつを消すためだとしても―――――
葵は、茜ちゃんを傷つける事なんて出来ない。」
……この半年間、ずっと私を助けてくれた金髪の少女を、愛している。
それが身内としての感情で、茜ちゃんの感情とは違うとしても。
「茜ちゃんは、私にとって大切な人なんだよ。
その相手を――――傷つける事なんて、出来ない。」
「―――――――――――――――」
茜ちゃんは目を見開いた後。
はあ、と肩をすくめて息を吐いた。
「もうっ、なに言っているのよ。わたしは葵には傷つけられてばかりだったよ。
そんな事にも気が付いてくれないなんて、本当に鈍感なのね。」
茜ちゃんは優しい声で囁いた。
その後。止まったままの私の手の平に、そっと、両手を重ねてきた。
「――――――――――あ」
それだけで、茜ちゃんが何をするつもりなのか読み取れた。
腕を離そうとしたが、腕には力が入らない。
……茜ちゃんのいう通り。私の体は、とっくに私の自由になるものでは、なくなっていた。
「やめ――――――――――やめろ、茜ちゃん……………!」
必死に声を上げた。
茜ちゃんは聞こえないふりをして、ニコリと笑った。
「……まったく。だからこんな時まで、わたしは自分でしなくちゃいけないんだから」
そう、どこか嬉しげで、ひどく悲しそうな笑顔で。
茜ちゃんは私の指の上から、引鉄に手をかける。
「あ――――――あ、かねちゃん…………………………!」
腕は止まらない。
私には、茜ちゃんの行為を止められない。
こんな―――――こんな事って、あるか。
私は、結局。
大切な二人を救おうとして、その二人を。
自分の目の前で、失おうとしているなんて―――――
「だめぇ――――――――!」
――――――――――?
なんだ、ろう。
腕が止まって、いる。
私の手に重なった茜ちゃんの両手。
それを抱きかかえるように、誰かが覆いかぶさっていた。
茜ちゃんは信じられないものを見るように、その人影を見つめている。
私は―――――そう、きっと茜ちゃんと同じくらい、真っ白い貌をしていただろう。
「A―――――、ちゃん?」
「はい……!わたしです茜ちゃん……!わたしですから、
どうか――――この手を放して下さい………!」
Aちゃんは泣きそうな顔で、茜ちゃんが握った銃を引き剥がした。
「…………A、ちゃん」
茜ちゃんはぼんやりと。まるで憑き物が落ちたみたいに呆然とAちゃんを見つめている。
「……………そっか、生きてたんですね、Aちゃん。」
「―――――はい。茜ちゃんはわたしの意識を落としてしまっただけです。
あなたは最後の瞬間に、人を殺してしまうことをためらったんです。」
「――――――――――」
茜ちゃんの瞳が悲しげに揺らいだ。
……狂暴な想念に取り憑かれていた茜ちゃんの無意識にあった、人間らしい最後の感情。
それが―――――Aちゃんと、茜ちゃんを救ったものだった。
ほう、と。
大きく吐息を吐いて、茜ちゃんは目蓋を閉じた。
「――――まいったなあ。これで結局Aちゃんの一人勝ちって事ですか。
Aちゃんは生きていて、手綱を離れた手駒はここで只、処分されるだけ。
……でもまあ、それもいいかな。わたしも正直、そろそろ休みたいって思ってたから。」
言って、茜ちゃんは力なく両手を下げた。
「さ、いいですよAちゃん。……葵は殺してくれなかったけど、
Aちゃんならやってくれるでしょ?わたしはAちゃんを殺そうとしたんだし、
兵器になりきれなかった、ただの出来損ないなんだから。」
「………………………………」
Aちゃんは銃を握ったまま、じっと茜ちゃんを見つめて、当然のように首を横に振った。
―――――――すごく、静か。
張り詰めていた氷が溶けていくように、ゆったりと時間が流れていく。
「……………不思議ね。どうしてAちゃんまで、わたしを殺してくれないんですか?」
瞼を閉じたまま。まるで眠っているかのように、茜ちゃんは呟いた。
「決まっています。わたしは、茜ちゃんが好きですから。」
ごとん、と。
Aちゃんの手から、銃が落ちた。
「どんなに茜ちゃんがわたしを憎んでいても、わたしは茜ちゃんには幸せになってほしいって、
ずっと思ってました。だから――――――
だから茜ちゃん、わたしを哀れと思うなら、どうか死なないでください。
このまま茜ちゃんに死なれては、わたしは―――――もとのAに、戻ってしまいます。」
「………………もう。無茶なこと、言ってくれるんだから。」
はあ、という大きなため息。
そうして、茜ちゃんは拗ねるように視線をそらした。
「けど仕方ないか。Aちゃんにはさっきの借りがあるし、今はおとなしくします。
…………葵もね。しょうがないけど、身内として大切にしてくれるなら
それでいいかなぁって、思ってあげるね。」
―――――緊張が解ける。最後の力が抜けて、私はそのまま後ろに倒れこんだ。
いつのまにか、天は高く澄んでいた。
銀色の月。
青白い廊下には、もう金色の殺気は存在しない。
茜ちゃんを駆り立てていた狂気は、とうに失われていた。
「―――――――――――」
意識が遠退く。
冷め切った体が眠りに至ろうとする。
その前に。
今は安らかな月光を見て、ぼんやりと思った。
このまま月日が流れても。
きっと今のままで、幸せに過ごせているんだろうなんて、
そんな都合のいいユメを―――――――――
それでは
ノシ
乙!!
つーかなんで翡翠と琥珀じゃないの?
保守
翡翠と琥珀という人物は出てきません。
ほしゅ
ほ
ほ
肉
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/29(水) 19:44:18.54 ID:51edKqhm0
月姫まるごとパクリはいいかげんにしとけよ
同人とはいえ著作権とかあるんだぞ
一応、向こうにはスレのアドレスつけてメールいれといた
やるんならオリジナルにしとけ
何事もなかったかのように保守
ほ
ほ
を
あ
ほ
これって、月姫だったんだww
月姫って、SFっぽいんだね。
月姫なのにクリード?
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/03/29(水) 22:27:54.87 ID:0YxWJp48O
今はテイルズですら月のパクリになる時代ですから
ほ
葵「『四足演算』というものを知っているかね茜君」
茜「ねかあです。私の名はあかね。計算は左から順番にやっていくということだろう、、、?
なにをしようというのかね?」
葵「ルールは簡単。計算問題を交代で出していく。間違った方が負けじゃ。」
せばす「おい、、、じじい」
890「ま、、、まさかッ!葵先生ッ!」
葵「賭けよう私の『著作権』を!」
茜「グッド!」
葵「38543×42+68342÷20×36−6539×7.5+8456÷40+43629−83254
−80004×4=1795075.15 この答えは〇か×か、5秒で答えよ 」
茜「ぬうううううう」
葵「さ・・・君が答える番だ茜健太郎君」
・ ・ ・ ・ ・
茜「矢吹健太朗だ、、、二度と間違えるな!」
葵『ギャハハハ――――ッ 四則演算は本当は乗除から先に計算していくもの!
一問目でヤツは間違う!俺の勝ちだッ!クフフフ!
小学生レベルの算数を勝手に間違えて覚えてるのはこいつよ―――――!』
茜「『俺の計算方法は間違ってる』『無理だ』と考えているのだろう・・・?
ちがうんだな、それが・・・・・・ ○ !!! 」
VIPPER「正解」
葵「バカな!!そんな まさかッ!正解のハズはッ!」
せばす「これが○で正解となった理由だ」
38543×42+68342÷20×36−6539×7.5+8456÷40+43629−83254
−80004×4=1333349.5
890「こッ・・・答えが変わっているッ!!いつの間に!!」
せばす「今は正しい答えだが、ジャンプに載った回では確かに間違えていた
コミックスで何事もなかったかのように修正したのだ」
茜「さて!ギャンブルを続けよう!君らがこの二人のように
著作権をあきらめ、しっぽをまいてわたしへの訴訟を取り下げんかぎりね」
せばす「いいだろう茜、その原稿用紙をとりな。「漫画」でカタをつける」
890「!!と、せばすッ!」
茜「おもしろい!「漫画」は私のもっとも得意とするジャンルだ!」
せばす「勝負に入る前にちょっと試したい事がある
その原稿にネームを切ってみな」
茜「……フン」カリカリカリカリシュシュシュ「で…何をしようというのだね?」
せばす「上から何P目でもいい…好きな所を開いてみな。見るのは自分だけだ」
茜「…」
せばす「当ててみよう。「ジョジョ」のパクリ」
茜「……ッ」
せばす「最初のページから順に言うぞ
「ジョジョ」「H×H」「ビバップ」「H×H」「ビバップ」「ARMS」」
ズラァァァッ
890「あ、当たっているッ!ネームを切ったのは茜なのにッ!」
せばす「最近の傾向を見ればパクリは全部言える…パクリの幅が狭いからだ」
茜「…なかなか面白いな…だがそんなものは
ネームを切るときに気を付ければば良いだけだ」
せばす「わからんのか?これからはパクリが容易じゃない。それを断っておきたくてな」
茜「……グッド」
せばす「・・・用紙に異常はないようだ。ごく普通の原稿用紙だ」
茜「・・・」パラパラパラ(140・・いや142ページ。台詞は「ドラァッ」)
(ニヤリ。今日も絶好調だ、触れているだけでネタがパクれる。
この茜はネタを指で覚えることができる!)
茜「OK!OPEN THE GAME!
ディーラーは私だな。用紙を配ろう。
フフフフ・・・君にパクられないように気を付けないとな。」
茜「せばすへ」 「わたし」 「せばすへ」 「わたし」 「冨・・・」
バキィッ!!
茜「ゲェェェーッ!?」
890「あっ!??」
「どっどうしたんだせばす!?指を、
いきなりネフェルピトーが茜の指をへし折ったぞッ!」
せばす「言ったはずだ。これからのパクリは見のがさねえとな」
890「パクリだって!?どこで!?
まだ用紙を配っている所だぞッ!?」
せばす「ヤツの左手に持っている用紙をよーく見てみな」
890「!この二番目から出ている原稿用紙は・・・」
せばす「今おれに配ろうとした用紙だ。上から順に配っているように見せていて
実は「二番目」の用紙を配ろうとしたのだ。
つまり、一番上の用紙は自分の所にくる。茜の用紙をあらためさせてもらうぜ」
パーンッ
せばす「すでにジョジョのパクリネタが描いてあるじゃあねーか」
セカンド・ディール
このテクニックをセカンド・ディールという。
漫画は自分の力で描くものという心理的盲点をついて、
実は同じ雑誌の連載作品からパクる高等テクニックだ。
茜「ひ、ひどいやつだッ・・・指をへし折るなんて・・・!」
せばす「いいや慈悲深いぜ。腕を切断しなかっただけな・
(;´゚д゚`) なにがなんやら・・・
ほ
ほ
ほ
ほ
寝るか