ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
■前スレ
文才ないけど小説かく
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1143355024/ ▽初めて投下する人へ
安価指定をしてお題をもらいましょう。
人のお題を使うのもありです。たくさん投下すればスレも盛り上がります
▽投下の際の注意
他の方が投下中の場合は投下終了まで待ちましょう
小説の最後に「終」「完」などをつけると投下待ちの人に目印となります
▽読み手の方へ
感想をくれることは書き手側の意欲向上にも繋がります
感想や、ここはこうした方がいいかも、等の意見は出来れば書いてあげてください
▽保守をしてくれる勇士へ
保守は大体15分おきが効果的です。保守ついでの投下も勿論OKです。
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:32:16.40 ID:mGSxJn8b0
どうでもいいけど君口臭いね
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:33:36.98 ID:+/DXh0Jc0
ここか…
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:35:05.56 ID:52/v4P5h0
5 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:35:08.24 ID:c4wGXzP20
たってたーw じゃぁ、投下したあと続き書きます。
6 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:35:31.61 ID:0cZF725fO
7 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:35:42.45 ID:c4wGXzP20
半年前に祖父が倒れた。両親の間で少しごたごたはあったようだけど、どうやら父が押し切って、 春から父方の田舎に引っ越す事になった。 僕は多少の不安はあったけど、長期の休みには頻繁に帰省していたし、お向かいには同い年の女の子がいて よく一緒に遊んでもらっていたので大きな不安は無かった。 むしろ大きな不安を抱えていたのはずっと都会生まれ都会育ちの母だったのではないだろうか? 僕のほうは、もちろんいままでの友人と別れることに対する悲しさはあったけど、親に扶養してもらっている身では、 親の意向にさからうことなど出来るはずもなく、いままでいい子で通してきたままに、おとなしく従おうと考えていた。 どうしても残念な事は、ピアノのレッスンが続けられない事くらい。 どう考えても父の故郷である、人口3000の町で今の先生のような師匠に出会える訳も無く・・・
8 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:36:17.55 ID:c4wGXzP20
父の実家は、とても広いので、(今まで住んでた借家に比べると)自分の部屋がもらえた。 その事はとても嬉しい。僕は春からは高校生なので、学校になじむのも途中からよりは楽だと思えた。 妹は中学校に編入する形になるので、少しかわいそうかも知れない。 でも、社交的で人懐っこいタイプなのですぐに友達も出来ると思う。 中学時代のクラスメイトで仲の良かった子たちががお別れ会を開いてくれた。 泣いてる子もいたので、おもはゆいけど、素直に嬉しく思える。 まぁ、電車で2時間半揺られれば、いつでも会いに行く事は出来るのだけど。 最後に何人かとメールアドレスを交換した。憎からず思っていた子がメールアドレスをくれたのが嬉しい。 携帯を皆が持っているわけではないので、半分以上はパソコンのメールアドレスだった。 僕も携帯はまだ持たせてもらっていない(高校生になったら、買ってもらえる約束はしている)のだが、 パソコンのメアドの方が、何か文通をしているような、本音をかけそうな気がして・・・ そして、その女の子のメアドがパソコンだったのが何か・・・嬉しかった。
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:36:19.54 ID:+/DXh0Jc0
10 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:36:49.70 ID:c4wGXzP20
高校の入学試験は、家から通える範囲で普通化ではあまり選択肢が無かった。 父は地方公務員の職を入手したが、やはり転職と引越しが重なったので公立にしてくれと頼まれたからだ。 普通化を選んだ理由は特に無かったけど、まぁ、大学に行ってモラトリアムをもう少し持続していたかったとでもいうか・・・ 偏差値的には中の上で、僕の成績は前の学校で上の下くらいだったので、あまり落ちる心配はしていなかったけど、 やはり自分の受験番号を掲示板で見たときは嬉しかった。でも、もっと嬉しかったのは、お向かいさんの幼馴染の女の子に、 受験会場で会えたこと。彼女も合格したようで、彼女の友人たちに紹介もしてもらった。 どうやらスムーズに高校生活に入れそうだ
11 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:37:10.22 ID:c4wGXzP20
12 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:37:52.26 ID:c4wGXzP20
とりあえず、引越しも終了し、前の借家と実家を往復する生活も終わった。 お向かいさんに蕎麦を持って挨拶に行く。なんでこういう時は蕎麦なんだろう?出てきたのは幼馴染の女の子だった。 「はい、どちら様・・・あ、薫君、合格発表依頼やね。まぁ、こんな田舎に越してくるとは奇特な事で。 とりあえず、お茶でものんでいき?ここのすごし方教えたげるさかいw」 お言葉に甘える事にする。まぁ、お茶も何も家まで徒歩1分の本当にお向かいさんなんだけど。 因みにお向かいさんは、山元千英子さん。まぁ、毎年帰省していたので、気安い仲ではある。 ショートカットの可愛い子なのだけど、印象に残っているのは頻繁に立ってる後ろ髪。 隙が大きいのかな?半年振りなのだけど、確か半年前には彼氏はいなかったことを記憶している。 今はどうなのかな?そういう感情を持っているつもりはないんだけど、考えてしまうのは男のサガなのだろうか?
13 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:38:55.88 ID:c4wGXzP20
ちえちゃんは、紅茶を用意しながら、 「ほんまに奇特やね、わざわざこんなところに引っ越してくるなんて。薫君、そこそこ頭よかったんちゃうん?」 と質問した。 「いや、まぁ、親に扶養してもらってる身では逆らえなないですよ。前の家狭かったし、こっちは家が広いのは嬉しいかな? まぁ、わからないこといろいろあるんで、ちえちゃんを頼りにしてますよ。」 僕は向かいの椅子に腰を下ろして軽い感じで頭を下げる。 「とりあえず、こんな田舎にも遊ぶところはあるし、紹介したげるよ。明日暇?」 「まぁ、悲しいことに・・・」 もちろん、引っ越してきた僕には、ちえちゃんと親戚達以外に知り合いなどいるはずもなく・・・ 明日ちえちゃんに町と、そして、高校のあるとなりの市のスポットを紹介してもらうことになった。
14 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:39:26.49 ID:c4wGXzP20
翌朝、10時半にバス停で待ち合わせと言う事になった。 妹は、地元の中学生と待ち合わせとか。僕の知らない間に待ち合わせするような人を作っているのはさすが。 入学手続きの時に、仲良くなった子がいるらしい。 因みに駅でなくバス停なのは、この町に鉄道が通ってないから、バスしか交通手段が無いと言う切ない理由。 バス停に行くと、男の子一人、女の子一人、予定より増えていた。 実は知らない顔では無い。何回か顔を合わせた気はするが、えーっと、誰だったっけ? 「山之内夏彦君と、咲中邦子ちゃん。何回か一緒に遊んだよね?」 ちえちゃんが紹介してくれた。 「ほんまに久しぶりやな。春から学校一緒なんでよろしく。俺の事は夏彦って呼んでくれたらええよ。」 わりと体格のいいがっちりした男の子のほうが挨拶してくれた。 「私のこと覚えてる?薫君、小学校以来やね?」 背の高い女の子のほうが、たずねる。 申し訳ないことに、実は二人ともあまり覚えていない。まぁ、向こうは偶に帰ってくる子を一人記憶すればいいのに対し 僕は、ちえちゃんが連れて来る子を、(しかも、毎回メンバーが変わる)全て覚えるのは困難なので許して欲しい。 「久しぶり、こっちに越してくる事になりました。よろしく。」 それでも、無難に返答するのは世渡りの知恵。
15 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:40:23.33 ID:c4wGXzP20
前スレ995の飴玉絡めて、次投下します。
17 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 04:42:18.92 ID:c4wGXzP20
>>4 ごめん・・・
別安価立ててください。勢いで投下してしまいました
今さらだけどまとめのリンク貼り忘れてたorz
19 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:43:55.07 ID:52/v4P5h0
21 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:46:13.50 ID:1pbjman/0
セカンドキッス
22 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:48:37.78 ID:52/v4P5h0
23 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:48:50.87 ID:5wVU7Iiy0
隙を見て単発投下。
「
>>1000 ゲット?」
彼は下らなそうに呟き、私を見た。
「それに何の意味があるのかね?」
恐らく問うてはいないのだろう。コーヒーに一口をつけ、
彼は腰を下ろす。
「誰が見るわけでない、おまけにすぐにDAT行きだ」
私は彼に移された苦笑いを噛み、天を仰ぐ。彼の落ち着くのを待つ。
「形に残らないことは罪かい?」
彼は酷く驚いて私の目を見据えた。少し考え、そして答える。
「罪とは言わん・・・しかし、意味のあることだとも思わん」
私は相槌を打ち、高揚から笑みを零す。
「少ないが、そこに書き手が集まったんだ。・・・最後くらい、粋に決めたいものじゃないか」
彼は椅子を蹴って立ち上がる。
「ならば狙うが良い! 俺は呪うぞ! 事故にでも遭うがいい!」
彼の開け放ったドアから、夜明け前の冷たい風が私の頬を撫でる。
(そうだよ)
頭に血をやる為、私は冷たい空気を呑む。
(
>>1000 ゲットに、意味なんてない)
そうして私はまた、筆を執るのだ。
24 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:50:36.98 ID:0cZF725fO
これだけ人がいたら保守も何とかなりそうだから
申し訳ないけど俺はそろそろ寝てくるよ
おやすみー ノシ
>>23 さっきの
>>1000 をネタに出来るお前の思考の柔軟さに感動したwwwwwww
俺も挑戦してみようかな。誰かお題ちょうだい
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 04:56:09.65 ID:c4wGXzP20
ここのバスは一時間おきにしか来ないらしい。 誰かが遅れるかもということで、集合時間を到着20分前にしたとはちえちゃんの弁だが、 誰も遅れることなく(これは珍しい事らしい)集合したので、20分も時間を潰さなければならない事になった。 話を聞いていると、この三人は最近はいつもよく一緒に行動するメンバーであるらしい。 ちえちゃんは実は、ボーイッシュ、スレンダーで結構可愛いのだけど、咲山邦子も少しおっとりした雰囲気だけど、 綺麗なストレートのロングヘアーを持っていて、顔立ちはおっとりした感じでちえちゃんに負けず劣らず 他人を振り返らせるだけの可愛さを持っている。 二人のお言葉に甘えて、夏彦、くにちゃんって呼ぶことにした。 ちえちゃんからもらった飴玉を舐めながら、話に相槌を打ちつつ、バス停から見える風景を観察する。 さすがに田舎だけあって、バス停から見える範囲にいる人は御爺ちゃん、御婆ちゃんが多い。 地元の若い子は、皆隣の市に遊びに行くか、隣の市の工業地帯で仕事をしているんだろう。 この近辺には大学がないし、少し出来る子や裕福な家の子は、皆都市部に下宿して学生生活を送っていると聞く。 まぁ、そもそも。見える範囲にいる人自体がとても少ないのだけど。空をまうトンビの方が確実に数が多い
>>27 あ〜ん。またトリップ忘れた。
35安価お願いします。
条件は今までの文章に矛盾しない事。
ミステリもしくはラノベ仕立てにしたいので、上手く誘導できる安価ならとても嬉しいw
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:00:03.45 ID:5wVU7Iiy0
>>24 彼にしてみれば、そこに
>>1000 があっただけなのだ。
「
>>1000 ならスレに書き込んだ奴全員事故死」
誰に恨みを持つわけでもない。只、その瞬間に彼が思いついただけの
言葉だった。
それに呪術的効果はない。もしかしたら、誰かの悔しがる様を
想像できたかもしれない。しかし彼は然して興味を持たず、
新しく建てられたスレを覗く。
「
>>6 なら前スレの
>>1000 は無効」
彼は嗤う。そんな願掛けに何の意味があるのか。そして気づく。
(ならば)
澱に浮いた思考が言葉となって彼の眉間に張り付く。
(ならば、俺の
>>1000 には意味があったのか?)
彼はスレを閉じ、自らの興味を惹く新たなスレを求めリロードする。
そのスレに、彼は興味を持たなかったのだ。
勝者も敗者もなく、後には只、小説を書き、読む者だけが残った。
>>26 安価を飛ばすんだ!
そうか安価いるのか。ごめん。把握した。
>>40 頼む。
31 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:01:50.54 ID:91w6CP9n0
書きかけだけど、俺も寝る。 今日の夜にスレが残ってれば、投下したいと思いつつ、おやすみなさい。
32 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:03:26.89 ID:c4wGXzP20
人がいない予感・・・ ROMってる人挙手↓
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:05:59.79 ID:1pbjman/0
>>24 「・・・なんでだよ」
何度と無く口にした言葉。
もう習慣になってしまっている。
「いつも、いつも・・・」
口に血の味が滲む。
「あと少しのところで」
外は激しい雨が降っている。
小さな呟きすらもかき消したいといわんばかりに。
「邪魔が、入るんだ」
雷。
煩わしい。
コーヒーはもう既に冷めてしまっている。
埃までうかんでいる。
「・・・いつだって」
また、雷。
うざったい。
雨が降っていれば稲妻が落ちてもおかしくない。
自然なことだ。
そうなのだ。
いつだって、おかしなことなど無かった。
おかしなことなんて起きた例がない。昔から、そうだ。
今回もそうだった。それだけのこと。これから先、死ぬまでそうに決まっている。
でも。
「せめて人を呪う権利くらい与えてくれてもいいじゃないか」
また、雷が鳴った。
34 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:07:06.60 ID:c4wGXzP20
需要も読者も無さげ・・・ とりあえず、5時15分まで粘って誰もいなかったら寝ます。 明日小説系のスレがあったら投下します。
35 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:09:21.15 ID:5wVU7Iiy0
>>「せめて人を呪う権利くらい与えてくれてもいいじゃないか」 情けないけどカッコヨスwwwwwwww >>おかしなことなんて起きた例がない。昔から、そうだ。 >>今回もそうだった。それだけのこと。これから先、死ぬまでそうに決まっている。 この辺が、判っちゃいるけどイライラするぜ! って感じですげえドキドキする! 映画のワンシーンみたい。 理詰めじゃどうにもならない、人の感情の表現だなあ。 お見事!
36 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:10:24.98 ID:0cZF725fO
>>34 やっぱり長いと反応しにくいね
安価ならファーストキス
37 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:11:22.17 ID:5wVU7Iiy0
安価があったのか! すまん!
38 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:12:13.93 ID:0cZF725fO
>>29 >>33 ありがとうwwwwww君らのアドリブ力に感服wwwwwwwwww
39 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:12:35.77 ID:c4wGXzP20
>>35 さて、俺はこの安価からどうやって想像力を膨らませればいいのかわからないので、
>>39 安価で再チャレンジ。
これが駄目なら今日はねるぽ・・・
40 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:13:50.53 ID:c4wGXzP20
41 :
30 :2006/03/28(火) 05:14:49.52 ID:xsYYgaKl0
42 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:15:11.02 ID:c4wGXzP20
>>30 うわ!すまぬ。本当にゴメン・・・
申し訳ない・・・
許してください
43 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:17:41.85 ID:c4wGXzP20
ksk
44 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:20:17.97 ID:c4wGXzP20
ただでさえ過疎のスレが、時間帯によりさらに過疎になってるな・・・ 今日は寝て、明日また来たほうがイイのかな?
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:20:28.34 ID:5wVU7Iiy0
そろそろ俺の出番かな? お題:高見盛
46 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:22:46.39 ID:c4wGXzP20
>>45 厳しいが頑張る。 ID:xsYYgaKl0本当にゴメン。
申し訳ないが再安価立ててください。もしくはお題は(墓穴)とかどうですか?
47 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:38:12.14 ID:c4wGXzP20
実は、僕が通うことになる(予定の)高校のOBには、結構有名なプロレスラーがいるらしい。 僕はプロレスには興味があまりない(というより、ボクシングと野球以外のスポーツに興味は無い)のだけど、 そこに夏彦が食いついてきた。 「ところで、格闘技と言えば、今場所の大相撲どうよ?最近モンゴル勢が幅利かせすぎと思うんだけど。」 くにちゃんが答える。 「何?モンゴル人が幅利かせちゃ不快なわけ?朝青龍実力あるじゃん。このうよくーうよくー。国粋主義しゃーw」 「いや、国粋主義者じゃないけど、相撲は国技なわけだからね・・俺は、高見盛に期待しているわけだが・・・」 夏彦が反論する。 どうやら、この二人は大相撲ファンらしい。なかなか渋い趣味だけど、プロ野球ファンの僕にはさっぱりわからない。 知っている力士は若貴、千代の富士と最近ネタと化している曙くらいだし。 話題についていけない僕は、腕時計に目をやった。
安価
>>50 で。
4時50分までに到達しなかったら寝ます。
続きは明日の小説系スレで。
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:44:13.62 ID:1pbjman/0
きゃあ 唸り声もキモイよラヴォス 王蟲な見た目との相乗効果で嫌悪感がすごいことになってるよ
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 05:47:33.11 ID:1pbjman/0
ごめ誤爆・・・orz 安価なら 『存在感が空気』 で。
51 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 05:49:25.06 ID:c4wGXzP20
>>50 厳しい・・・w
タイムリミット間に合ってしまったので頑張ります。
52 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 06:03:23.15 ID:5wVU7Iiy0
やっべ。WIKI見てるとテメエがどんだけ時間かけてるか 自覚できて焦る。でもそれが良い。
53 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 06:11:31.30 ID:c4wGXzP20
もうバスの到着する時間だ。進行方向反対側を眺めるとちょうどバスが近づいてきた。 僕たちはそろってバスに乗り込む。とりあえず、降りるところは、隣の市の駅前らしい。 バスの整理券を受け取る。まず、バスに整理券があるということに驚いたが、 駅前までの運賃をちえちゃんに聞いてさらに驚いた。ここではバスに乗るのにもお札を出さなければいけないらしい。 なるほど、それを聞くと、ちえちゃんの気合の入った服装にも納得がいくというものだ。 まるでデートにでもいくかの様におめかししてるし、今日は髪も跳ねていない。 本人に尋ねると、 「な〜に?私を意識してんの?やっと私の可愛さに気付きましたかw」 と得意げにしていたので、あえて、無視をしたが。 ノースリーブの薄手のワンピースにカーディガンを羽織っているのが、いかにも春らしく、口には出さなかったけど、 実はちょっとドキドキしたのは内緒。 しかし、疑問なのは、妹が次のバス停で乗り込んで来た事。 まるで空気のように存在感を消していたので、最初は気づかなかった。しかも男と一緒。 彼には見覚えはあるけど、いつの間に・・・・ 妹もどうやらちえちゃんと同じく気合の入った服装をしている。僕に声を掛けなかったのは、 イコール私にしゃべり掛けるなという事だろう。 まったく、なかなか手の早いことで。地味なキャラクターの僕には羨ましい。 彼も、妹の本性に早く気付くことが出来ればいいなと人事ながら祈った。
54 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 06:14:53.82 ID:c4wGXzP20
>>52 さて、野菜炒め食って寝るか。
安価は
>>60 で。6時半までにレス無かったら寝ます。
レス無い場合は、明日の夜、小説がスレタイについてるスレに投下する予定。
55 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 06:15:39.14 ID:c4wGXzP20
>>54 また、鳥忘れた。おれ山田 ◆DyaRfad5Y6ね。
56 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 06:18:13.77 ID:5wVU7Iiy0
え? あ、うん。野菜はちゃんと食べないとね。 俺はさっきカレー食べたよ。 で、なんで俺?
57 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 06:28:44.42 ID:c4wGXzP20
>>56 すまんw
安価の>>の部分だけ貰おうと思ってミスった。
58 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 06:28:52.93 ID:1pbjman/0
「ksk」 「まだやってるの?いい加減寝たらどう?」 「いいだろ、どうせ今日は休暇をとってあるんだ」 「彼だってかわいそうよ」 「ふふ、人の不幸は蜜の味っていうだろ」 僕はこの言葉が大好きだ。何てすばらしい言葉なんだろう。 そんなわけでksk
59 :
山田 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/28(火) 06:37:04.63 ID:c4wGXzP20
さて60にたどり着かなかったので、メシ食って寝ます。 みんなあり
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 06:50:49.85 ID:pLQj4SXfO
おはよう保守
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 07:04:11.63 ID:sFf5meGi0
前スレ落ちて無くて良かった。
一応ここまでのは収めましたので、宜しくです。
それと、タイトル/テーマが分からないのは、適当に付けて良いですか?
例えば
>>23 ,29,33は
>>23 1000ゲットの男
>>29 >>33 1000ゲットの男その後
にしましたけど。
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VIP Novels
http://novel.news4vip.org/
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 07:12:46.67 ID:1pbjman/0
63 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 07:14:37.40 ID:pLQj4SXfO
題名「初夜」 今日は生まれて初めてのデート。 油断すると、ついニヤニヤしてしまう。 今日も彼女は可愛いのかな?とか考えちゃったりしている僕。 あーニヤニヤが止まらない。 夕べの内に洋服の準備。カジュアルに行くか、キメて行くか、悩んだけどね。 そして眠ろうとしたら、眠れない。 デートの事ばかり考えてしまって、眠れない。 遂には……キスとかしちゃったりして、とか考え出す始末。初デートでキスはないっつーの!!とテンション高い突っ込みを入れたりする。 もう、こんなの話してたらキリがないや。 あっ、時間だ。それじゃあみんな、行って来まーす!!
64 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 07:33:25.39 ID:5wVU7Iiy0
>>61 テメエの書いたもんが流れず、こうやって形になるってのは
恥ずかしいけど、誇らしいもんだな。
ありがとう。
乙!
65 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 07:52:08.74 ID:4lRdijdL0
今沖田保守 ってか普通に寝てしまってたし・・・orz
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 07:54:27.43 ID:5wVU7Iiy0
あんかは? ねえ、あんかは?
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 07:58:21.91 ID:pLQj4SXfO
安価↓軽いのお願いします。
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:02:33.78 ID:4lRdijdL0
つ「寝坊」 俺も何かお題を ↓よろしく頼む
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:08:12.07 ID:5wVU7Iiy0
夜更かし
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:11:59.95 ID:4lRdijdL0
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:16:12.39 ID:7QI9hWJT0
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:18:34.98 ID:pLQj4SXfO
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:33:07.97 ID:NR6SRukh0
まとめができてるのにびっくり 自分の作品があるとちょっと気恥ずかしいなw
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:35:24.53 ID:IwvMPxmv0
お題 ↓
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:36:59.37 ID:5wVU7Iiy0
世界で一番おいしいコーヒー
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:38:33.89 ID:IwvMPxmv0
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:43:35.97 ID:sFf5meGi0
>>73 良作ばかりですよ
---
ここまで、読んだと。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 08:59:59.42 ID:4lRdijdL0
ほしゅほしゅ
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:16:20.80 ID:4lRdijdL0
ほしゅ
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:18:25.65 ID:pLQj4SXfO
>>68 「ふぁーーぁ、んんーーよく寝た」
そう言いながら思いっ切り伸びをする。これが朝の日課。
ボサボサの頭を撫でつけながら、窓を開け放つ。
眩し過ぎる程の日差しが部屋を照らしていく。
今日も天気は最高だ。
とりあえず顔を洗うため一階へ降りていく。
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:19:34.67 ID:pLQj4SXfO
――ふと気づいた。 「あれ……母さんがいない」 そう、いつも台所で料理を作っている母さんがいない。 ――さらに気づいた。 「……美穂もいない」 毎朝、寝癖がどーとかこーとか言っているウルサイ奴もいない。 何故だ。何故なんだ。何故誰もいない。 急に不安が襲ってくる。 もしかして誰一人いないんじゃないか、と。 勢いよく玄関をでる。裸足だとか、寝間着だとか、そんな事は気にせずに。
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:20:27.18 ID:pLQj4SXfO
ドアを開け放った先には…… 「ちょっと!!何してんのお兄ちゃん!?」 「隆!!アンタ何してんの!!」 目の前に広がったのは、大きなバスと町内の知り合い。 そして妹・母親、可愛いバスガイドさん……。 そういえば昨日、町内旅行に行くって言ってたなぁ……。 はは……もう何言われてるか分かんね……。 寝坊するならもっと寝とけよ……俺。 完(泣)
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:22:02.29 ID:pLQj4SXfO
朝は頭働かないなぁ。イマイチだと思うが気にいってくれたら吉。
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:27:16.72 ID:NR6SRukh0
>>83 余白を描写で埋めるともう少し主人公の慌てぶりとか判るかも
偉そうなこと言ってるけどオチは俺的にかなり好きだw
じゃ、仕事逝ってくる
スレ残ってたらまた何か書きますお
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:47:16.35 ID:pLQj4SXfO
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:49:55.45 ID:5Oyd3OSz0
面白そう。書いてみたいかも。
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:51:39.87 ID:pLQj4SXfO
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:53:40.92 ID:5Oyd3OSz0
じゃあお題↓
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 09:54:55.00 ID:4lRdijdL0
秘密基地
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:03:06.40 ID:5Oyd3OSz0
あーい。ちょっと待ってねー
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:20:31.13 ID:4lRdijdL0
ぜんぜん進まない・・・ ほしゅ
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:38:35.28 ID:4lRdijdL0
ほしゅほしゅ
93 :
彼女が俺の家に料理を作りに来てくれた 1/3 :2006/03/28(火) 10:44:29.02 ID:5wVU7Iiy0
俺は仕事を終えて家に着き、服を着替えて空腹に気づく。 腹が減った。 人が一生の内に食べる食物の量は、一体どれくらいになるだろう。 例えば、それはこの世の全食物を十グラムずつ食べたとして、 全ての種類を口にすることができるだろうか? 俺は、何よりも旨いものが好きだ。日々、自ら手を下し旨いものを作り、食う。 新たな味を求め探求する。その瞬間、俺は財宝を探す冒険者になるのだ。 旨い物に出会った喜びは、冒険者のそれに勝る。 しかし仕事に体力を奪われた俺に、旨い食事を作ることはできまい。 今日は、新たな店へ足を運びインスピレーションを得よう。 俺は携帯電話のメモリから、恋人の番号を探し出す。 夕飯時を少し過ぎていたが、彼女はまだ食事を摂っていないという。 俺は安い車を走らせ、彼女を迎えに出る。 彼女とは大学で知り合った。 物静かで、おずおずと助手席に収まる。 俺は出来るだけ優しい声で、彼女に問いかける。 「何か、食べたいものとかある?」 「任せる」 短い会話が、俺を酷く緊張させる。 俺は社会人になって二年目、彼女はまだ学生だ。年はそう離れていないものの、 環境の差が徐々に違和感を与え始めていた。 彼女の口数は少なく、それが俺を焦らせる。言葉が巧く出てこない。俺には、 彼女に旨い物を食わせてやることしか出来ない。不甲斐ないとは思うが、 俺にはそれが精一杯なのだ。
94 :
彼女が俺の家に料理を作りに来てくれた 2/3 :2006/03/28(火) 10:44:58.09 ID:5wVU7Iiy0
ぽつりぽつりと、降り始めた雨のような言葉が車内に落ちる。 旨いと評判のフランス料理屋は混雑していたが、味は二流だった。 彼女は楽しげに話し、旨いと喜んでくれた。しかし、俺は納得できなかった。 俺は本当に旨い物を彼女に食わせてやりたかった。外食なんてすべきじゃなかった。 彼女には悪いと思いながら、俺は笑うことが出来ないでいた。 ふと、彼女が言った。 「美味しくない?」 「あまり、旨くはないと思う」 彼女は少し考えて、笑った。 「ね、明日、貴方の家に行っていい?」 きっと、間抜けな顔をしていただろう。俺は驚きにフォークを止め、 目を見開いて四秒止まった。勿論OKだ。しかし、不思議でもあった。 俺たちは恋人同士だったが、どちらかの家へ行ったことがない。 行けない事情があるわけではないが、行くべき理由もなかったのだ。 次の日の仕事は忙しいものだった。朝も昼も、碌に食べていない。 腹は減り、前日に食った夕飯のまずさも手伝い、気分は曇るままだった。 仕事が終わる二十分前、彼女からメールが来ていた。俺はもうすぐ帰ると伝え、 急いで仕事を片付けた。そわそわする。こんな状態で、巧く笑えるか自信がない。 車で家を目指しながら、俺はふと我に返る。煙草に火を点けようと、窓を下げて 気がついた。そうだ、俺には旨い物を食わせてやるくらいしかない。 俺は進路を自宅からスーパーに変え、遅れる旨を彼女に伝える。 しかし彼女は、すぐに家へ戻るように言った。待ちきれないのだろう。 逸る気持ちは俺も同じだった。
95 :
彼女が俺の家に料理を作りに来てくれた 3/3 :2006/03/28(火) 10:45:18.62 ID:5wVU7Iiy0
玄関の前には、大きなビニール袋を下げた彼女がいた。 彼女は照れるように笑い、俺を中へと促す。 「キッチン、借りるね」 彼女の持っていた袋には、ざっと二人分の食材が入っていた。 「作るのか。手伝おうか?」 「いいから。座ってビールでも飲んでて」 俺は言われた通りビールを注いで、じっと彼女の背中を見ていた。 彼女は普段、料理を作らないのだろう。動きを見ていれば遠目でさえ判ってしまう。 あのフランス料理を旨いという位だ。然して敏感な舌を持っているとも思えない。 それでも、時折何でもない会話をしながら作られる彼女の料理に、 俺は深く期待していた。 程なく目の前に現れたのは、何の変哲も工夫もないカレーとサラダだった。 仕事で疲れた体に、ビールが染み込む。俺は、少し饒舌になっていた。 彼女も、その日はよく喋ってくれた。それは日々の他愛もない事柄だったが 少しずつ距離が埋まるように感ぜられた。 あるだけの料理を平らげ、俺が灰皿をテーブルに乗せると彼女が言った。 「ね、美味しかった?」 俺は頷く。嘘はない。 「つまりね、そういうことだと思うの」 彼女の言葉で、俺は急速に気がついた。 そうだな、と俺はもう一度頷き、彼女が笑った。
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:50:26.45 ID:4lRdijdL0
>>95 愛情が全て・・・ということだと理解した
こういう話はいいなぁ。和める
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:54:17.73 ID:IwvMPxmv0
珈琲。 アカネ目アカネ科コーヒーノキ属、エチオピア原産の常緑樹の種子を焙煎し、挽いたものを抽出した飲み物である。 それはかつて、その利権を巡って国家間に戦争を引き起こした騒乱の種子であり、 アラブの坊主が哀れな男の魂を救済するために使った奇跡の妙薬でもあった。 性質柔和で飼い主に従順だったヤギが野生の珈琲の実を口にしたことで極度に興奮し仲間を噛み殺したため、 その存在を人に知られることになった、という嘘くさい、だがなんとなく頷ける出生伝説を持つ魅惑の果実である。 悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように潔く、 恋のように甘い。 ……ああ、汝の名は珈琲。 南米某国、首都から少し離れた場所に施設された幹線道路を、一台のポンコツ軽トラックが失踪していた。 併走する車両はすっかり絶え、日は落ちて辺りに光はなく、広がる荒野の他に眼に映るものはない。 その荒涼とした暗黒は、まさに地獄のようでもあった。 軽トラの助手席に座る女性は、落ち着かなさそうに運転席の男に話しかけていた。 「テオ、ねえ、テオってば。もっとスピードでないの?」 テオと呼ばれた男は、褐色の額にじっとりと汗を滲ませながら、答える。 「無茶ですぜカヲル。これ以上やったらエンジンが焼け付いてしまいまさあ」 「だってこれじゃ──来た!」 カヲルは小さく叫んでバックミラーの角度を変えた。 そこに映る白色光が、背後から複数の車が接近していることを二人に伝えていた。 「一、二の三……四台。四台だわ。あいつら、慎みってものを知らないのかしら」 「やつらにそんなものがあったら、こうして法定基準に逆らって車をぶっ飛ばす必要もないわけでさあ」 カヲル忌々しげに窓から唾を吐き捨て、我に返ってばつ悪げにテオの横顔を窺う。 彼は雇い主が犯した、そのはしたない行為には興味がないようで、気ぜわしく前方とミラーを代わりばんこに見ていた。 「ダメですぜ、こいつは追いつかれます。いや、囲まれまさ」
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:54:33.72 ID:IwvMPxmv0
「カヲル、今回は諦めましょうや。荷物をやつらに渡しちまいましょう。命あっての物種でしょうが」 「ダメよ。これには私の命よりも大事なものが詰まってるんだから。渡すなら、命が先よ」 「ですがね。あたしゃあんたの心配をしているんですぜ。いくら雇い主とはいえ、あんたは若い女だ」 「そういう心配はしなくていいの。あなたもガイドなら、いえ、自分の仕事に誇りを持つ男なら、潔く覚悟を決めなさい」 テオは呆れたようにカヲルを見つめ、そしてラテンの男特有の渋い苦笑を漏らした。 「あんたはまるで殉教の聖人様だな。……そら、おいでなすった」 黒塗りの車が脇をすり抜けたかと思うと、トラックの前方にぴったり張り付いた。 と思う間もなく、両脇をさらに二台で固められる。この背後にもしっかり付かれている。 逃げ場はない。 「テオ!」 「ダッシュボードの中ですぜぇ!!」 テオが叫び返すより早く、五台の車の駆動音の隙間に銃声が響いた。 びしびしびし、と軽トラのウィンドウに穴が幾つも穿たれる。穴の輪郭は白く染まり、それぞれに亀裂を走らせていた。 カヲルはダッシュボードに手を突っ込み、そこから黒光りする鉄の塊を取り出した。 セーフティを外してスライドを引き、窓に身を出した一瞬で三度トリガーを絞る。 ひときわ大きな破裂音がする、右側に位置していた車がタイヤを撃ち抜かれたために急激に失速して後方に取り残される。 「右が空いたわよ」 「あいよ!」 軽トラが進行方向を変えて道路の右側に寄る。他の三台がそれに対応する前に、テオは急ブレーキを踏んだ。 後部に張り付いていた車が軽トラの左に流れてくる。 待ち構えていたカヲルは、テオの頭越しに発砲した。飛んだ空薬莢がテオに首筋に落ち、その熱さに悶絶する。 「熱ゃちゃちゃちゃちゃ!!」 ふらふら揺れるトラックのそば、並んだ車はのホイールの一つがが外れ、さらに今度はタイヤ自体が外れて転がってゆく。 その車は無様に進行バランスを崩して路線からはみ出し、荒野の岩に乗り上げてしまった。 「残り二台!」 「伏せて!!」 こっちを見て快哉をあげるテオの後頭部を掴み、ハンドルにたたきつけた。 次の瞬間、激しい銃撃音とともに、トラックのフロントガラスが粉砕された。
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:54:53.36 ID:IwvMPxmv0
「ケガは!?」 「肩に……ですが、かすり傷でさあ」 「運転代わって。あなたは深く腰掛けてなさい」 「済まねえ」 状況は絶体絶命だった。 ちょっとでも首を出すと、前方から機関銃の銃撃が襲い掛かってくる。 そして左側からは執拗な体当たりが繰り返され、少しずつ道路脇に追い詰められていた。 これでは時間の問題──いや、諦めてはいけない。諦めるわけにはいかない。 肩を抑えて痛みに呻くテオに拳銃を渡す。 「合図したら、前の車を牽制して」 テオは脂汗を流しながらもにやりと笑い、銃杷を握り締めた。 「三、二、一! 今!!」 テオと同時に首を出し、相手の車の位置関係を一瞬で把握する。テオの射撃に怯み、前方車がブレーキをかけたのが分かった。 二台の車の隙間にトラックを突っ込ませ、テオから拳銃を奪い、ハンドルを大きく切り、 アクセルとブレーキを絶妙なバランスで踏み抜く。流れる車体は円運動をえがき、前方の車の正面に横腹を見せる。 カヲルは狙い定めように銃口を向け──ボンネットに二発、銃弾を叩き込む。そして切っていたクラッチを繋ぐ。 360°ターンを決めたトラックは何事もなかったように直進し、さっきまで前方を塞いでいた車は急激にスピンして、 残る車を巻き込んで衝突した。一拍遅れて、二人の背後で爆発音が轟く。 その喧騒を振り切るように、トラックは猛スピードで走っていく。 夜明けの時間が来ていた。目指す地平線の向こうから、容赦ない日光が降り注ぎはじめた。
100 :
お題「夜更かし」 :2006/03/28(火) 10:54:59.97 ID:4lRdijdL0
「世界がゲシュタルト崩壊するのは理知的機能に燦然たる問題が行為に触れているからであって……」 先輩の、癖 「本能における定義によって鉄軌的存在の逆説の表現にいわゆる口説の産物に生まれるからで……」 睡眠時間が不足すると支離滅裂な独り言を呟く、恐ろしい癖。 「人外のアドバンテージは獣的浮遊において快感を砕くために一睡の」 「あの、もしもし、棚木先輩?」 「心理学の起因は学術的遊興について朦朧と……あれ、遼一君」 こんなやり取りも今日で三日連続だ。ため息も出ない 「また夜更かしですか?」 口が裂けるのではないかと心配になるぐらいの大あくびをして、先輩は目をこすった 「うん……2時に寝て、6時に起きた」 「朝が早いですよ……大体、そんな時間まで何してるんですか?」 「君の事を考えてた〜」 「は」 「冗談」 「……」 「あ、そのほうがよかったぁ?」 「いいえ」 「そぉ〜」 そう言って机にのめりこむ先輩。まったくマイペースな人だ
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:55:11.95 ID:IwvMPxmv0
空港のロビー。 肩に包帯を巻いているテオに、カヲルは微笑んで握手を交わす。 「ありがとう。助かったわ」 「いいや。これがあたしの仕事でさ。……ところで、荷物は?」 カヲルはうっとりした表情を浮かべてそれに答える。 「ええ、さっき確認したわ。いつもどおりに素晴らしい品だった。昔はある一族に君臨する王しか食することを許されず、 冷戦時代にはFBIやKGBも競って手に入れようとした、黄金よりも価値のある幻のコーヒー豆。 ……少し分けてあげましょうか?」 「遠慮しときまさあ。コーヒーでマフィアとドンパチした後とあっては、しばらくそんなもん飲みたくもねえ」 「ふふ、意外とナイーブなのね。じゃ、また来年よろしく」 カヲルは手を振って搭乗口へと消えてゆき、それを見送るテオはボソッと呟いた。 「あんたがタフすぎるんだよ。まるで悪魔のようなタフさだ」 「あなたー、朝ごはんよ」 「どれどれ、今日も美味しそうだな」 「はい、コーヒーどうぞ」 「ああ、サンキュ。……うん、いつ飲んでも君の淹れるコーヒーが世界で一番美味しいよ」 「もう、お世辞ばっかり」 「嘘なもんか。これに比べたら、普通のインスタントコーヒーなんかインクの味しかしないよ。 どうやったらこんなに美味しいコーヒーを淹れられるんだい?」 カヲルはちょっとだけ考える素振りを見せ、夫君に甘く口づけし、そして悪戯っぽく笑った。 「秘訣はカンタン。ほんのちょっぴりの愛情よ」
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:56:25.18 ID:IwvMPxmv0
>>75 のやつね。
思ったんだが、俺が書くやつって長すぎ?
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:56:38.01 ID:U4g/4oCF0
_ ハルチュウシネ王国 ( Harutyuushine Kingdom ) / 丶 . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ 丶 国の標語:ァナダルハ ! | ヽ 丶 __________________ ヽ ヽ 公用語|ハルチュウ語 | | 首都 |ベンキョウシロー \ / 国王 |ガキハ・サッサト・ネロー ! ! 面積 |552,967,967ku |_ノ 人口 |33,108,620,427人(推定) . 通貨 |チューボー・ドル . 国歌 |スプリング・スクールソング . 場所 |東南アジア
104 :
秘密基地 :2006/03/28(火) 10:57:05.45 ID:5Oyd3OSz0
秘密基地 大学生活最後の夏を迎えた僕は、ふと数年ぶりに実家に帰省しようと思い、大学のある東京から電車に揺られる事数時間、故郷の町の駅に降り立った。 毎日この町であたりまえのように暮らしていた日々には、気づくことなんてなかったけれど、久しぶりに見た故郷の景色は『田舎』という言葉をもってしか形容できないものであった。 遠方から聞こえてくる多種多様な虫たちの声。この地方で最も大きな駅だというのに、往来にはほとんど人影や車の行き来を確認することが出来ない。 僕は駅前のバスのロータリーから、家の近くにまで行くバスに乗り、そんな景色の一つ一つを眺めていく。 変わらない景色。 変わらない人々。 変わらない町。 僕は東京の大学に行くために三年前にこの町を出たのだが、その間にもこの町の構成するものは何一つ変わっていないようだ。 なんとなくそんな事に安心しながら、僕は他に誰一人として乗客のいないバスに揺られ続ける。
105 :
秘密基地 :2006/03/28(火) 10:57:23.88 ID:5Oyd3OSz0
僕は東京の大学に行くために三年前にこの町を出たのだが、その間にもこの町の構成するものは何一つ変わっていないようだ。 なんとなくそんな事に安心しながら、僕は他に誰一人として乗客のいないバスに揺られ続ける。 どれだけの時間バスに乗っていただろうか? 静かなエンジン音だけが響く、バスの車内で僕は眠りについてしまっていたようだ。 気がつくとバスは、僕が降りようと思っていた停留所の数駅先であった。 「すいません! 降ろしてください」 運転手の人に向かって、できる限りの大声で叫ぶ。 幸い他の乗客がいなかったので、運転手の人は快くすぐにバスを停めてくれた。 僕は何度か運転手にお礼を言いここまでの運賃を払ってからバスを降りる。
106 :
秘密基地 :2006/03/28(火) 10:57:41.33 ID:5Oyd3OSz0
静かに遠ざかっていくバスの音を背に、僕は通りすぎてしまった数駅分を歩き出す。 真夏の太陽はじりじりと僕の背を照りつけ、額からは透明な雫が止めどなく流れ落ちてくる。――ケチらないで、おとなしくバスに乗っていけばよかったかな―― そんな後悔を感じ始めながらも歩き続け、ついに僕は目的のバスの停留所の一つ先まで辿り着く。 「ふぅ。あと少しか」 田舎の停留所間の距離は中々のものであるし、最近内定を貰うまでは就活に忙しく運動なんてまったくしていなかった事もあり、僕は停留所に備え付けられた椅子へと腰掛け深く溜息をつく。 来年から営業で働かなければいけないのに、こんなに体力がないのでは先が思いやられるな。 自らのふがいなさを口にしながら、停留所から見える風景を眺めてみる。 駅から数キロ離れたここら辺は、コンビニやレジャー施設などといったものは皆無で、周囲にはひとけの無い道路と、数分で登り切れてしまうような背の低い丘と、地平線の彼方まで続いていく田園風景があるだけだ。
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 10:57:43.57 ID:4lRdijdL0
>>102 邪魔してごめんよ……orz
カコイイお話だと思う ハードボイルドもいいね
108 :
秘密基地 :2006/03/28(火) 10:58:05.26 ID:5Oyd3OSz0
そして僕は目の前にある丘を見つめて、古いアルバムを押し入れの中から見つけてしまった時のような気恥ずかしさに襲われる。 そう。あれは僕が小学生低学年の時分であっただろうか、当時の僕はたかがバスの停留所で一つ先の場所にあるこの丘まで、何度も仲間を引き連れ『冒険』に来ていたのだ。 今考えると心底アホらしいと思うが、当時の俺や俺の仲間達にとって、あの冒険はテレビを見たり小説を読んだりするよりも、遙かにワクワクし興奮するものであった。 そして俺達は何度目かの『冒険』で、あの丘の頂上に辿り着き、その喜びを分かち合った仲間達だけとの秘密の遊び場。『秘密基地』を作ったのだ……
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:00:07.48 ID:HL/JCic+0
創作文芸行ったら?
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:01:10.41 ID:4lRdijdL0
また邪魔してるし・・・orzorz
>>108 過去への哀愁みたいなのが上手く表現されてると思った
111 :
夜更かし :2006/03/28(火) 11:02:14.57 ID:4lRdijdL0
よし、再投下 「世界がゲシュタルト崩壊するのは理知的機能に燦然たる問題が行為に触れているからであって……」 先輩の、癖 「本能における定義によって鉄軌的存在の逆説の表現にいわゆる口説の産物に生まれるからで……」 睡眠時間が不足すると支離滅裂な独り言を呟く、恐ろしい癖。 「人外のアドバンテージは獣的浮遊において快感を砕くために一睡の」 「あの、もしもし、棚木先輩?」 「心理学の起因は学術的遊興について朦朧と……あれ、遼一君」 こんなやり取りも今日で三日連続だ。ため息も出ない 「また夜更かしですか?」 口が裂けるのではないかと心配になるぐらいの大あくびをして、先輩は目をこすった 「うん……2時に寝て、6時に起きた」 「朝が早いですよ……大体、そんな時間まで何してるんですか?」 「君の事を考えてた〜」 「は」 「冗談」 「……」 「あ、そのほうがよかったぁ?」 「いいえ」 「そぉ〜」 そう言って机にのめりこむ先輩。まったくマイペースな人だ
112 :
夜更かし :2006/03/28(火) 11:02:34.56 ID:4lRdijdL0
「で、結局何やってんたんです?これ以上部室で寝ていてもらっても困るんですけど」 できるだけ冷ややかに聞こえるように僕はそう口にした。その声に反応してのそのそと先輩が起き上がって、もう一度大あくび 「んあー……えとねぇ、お勉強ぅ」 「勉強?先輩ならそんな夜遅くまで勉強しなくても大丈夫なんじゃないんですか?」 「まぁね〜」 完全に寝ぼけてる。このまま相手にしないほうが無難かもしれないけど 「何の勉強してたんですか?」 「んとねぇ」 とろんとした目、緩みきった表情……もう数秒と持たないような感じだ。 「んとねぇ……ええっとぉ」 頭の回転も鈍ってきている。麻薬の中毒者でも見ている気分だ。 「れんぁいの・・・やりかた・・・ふにゃ」 ・・・ ・・・ 棚木実花、ここに死す ……じゃなくて 恋愛のやり方……か、先輩もそんなのを考えたりするんだ。 ……どうしよう、今日も部活、できないな…… ……帰ろうかな 「帰っちゃだめぇ……」 寝言が始まった…… 終 消化不良ですorz
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:06:28.09 ID:IwvMPxmv0
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:11:03.66 ID:IwvMPxmv0
次のお題おくれ ↓
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:14:08.77 ID:IwvMPxmv0
再トライ ↓
117 :
夜更かし :2006/03/28(火) 11:15:37.45 ID:4lRdijdL0
つ「単純」
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:16:10.86 ID:4lRdijdL0
名前そのまんまにしてた・・・orz 出かけるんで、保守は任せた
119 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:17:02.90 ID:IwvMPxmv0
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:21:59.37 ID:pLQj4SXfO
>>95 思わず深けぇぇぇぇ!!と叫んでしまったww
>>101 珈琲でこんないい文章になるとはww
最後もとても良かったww
>>108 ああ〜いいわ。こういうのww過去の話辺りはとても良かった。
>>112 抜けた感じの先輩ツボですww
全体の雰囲気も良かった。
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:23:23.94 ID:pLQj4SXfO
なんか盛り上がった所で安価↓
2ch
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:25:09.68 ID:pLQj4SXfO
>>把握
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 11:49:57.77 ID:5wVU7Iiy0
ここでトスですよ。
ブーン小説スレからきますた
age
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 12:21:31.23 ID:5wVU7Iiy0
なんのまだまだ
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 12:38:17.33 ID:4lRdijdL0
帰ってきたよ保守
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 12:38:46.97 ID:4lRdijdL0
最近色恋ものばかり書いてるような希ガス・・・ と、いうわけで ↓シリアスっぽいお題をヨロシク
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 12:46:35.74 ID:KpyLIirX0
「懲役8年目」
前スレの奴の続きもOK?
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 12:58:06.60 ID:4lRdijdL0
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 12:59:40.69 ID:KpyLIirX0
>>95 ('A`)「いい話だよね…」
雰囲気の作り方がうまいとオモタ
>>101 相変わらずすごい文章力ですね><
むしろそれだけ浮かぶほうがスゴス
アドバイスとかできね(;^ω^)
>>108 こちらも雰囲気良いなぁ…
なんか映像が浮かんできそうな文だよね
>>112 なるほど、萌える先輩ってそう書けばいいんですね><
読み手不足の予感!!!111
134 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 13:12:47.21 ID:IwvMPxmv0
「数学の門は狭い」 俺が出し抜けにそんなことを言うと、素子は目を丸くして顔を向けてきた。こっち見んな。 「なんだそれ?」 「だが奥は深いんだ」 「ふんふん」 「入るときはちょっと締め付けがきつくて苦しいが、さらに突き進むとだな……」 「うん」 「中は温かくて濡れてて気持ちいいんだ」 一瞬遅れて、素子の平手が俺の頬を張った。 「セクハラすんなアホ!」 「なんだよ、お前の好きな数学の話じゃねーか」 「ふざけるな」 「怒るなよ、算数屋」 「算数屋ってゆーな!」 ここは俺が通っている大学の、部室棟の一室である。 表には「俯瞰心理学研究部」という看板が掛けられている。つまり俺はここに所属しているわけ。 具体的にどういった活動をするのかは誰も知らない。部長も知らない。 しょうがないから、本や漫画を読んだり、たまにはアニメをみたりして、その感想を話し合っている。 たまには真面目な題材を持ち出して討論もするが、まあぶっちゃけ、げんしけんみたいなものだ。 で、その良くも悪くも文系そのまんまの部に、なんで素子のような超理系人間が在籍しているのか。 この不思議についても誰も知らない。本人も知らない。 しょうがないので、他称暇人のこの俺がこうやって可愛い後輩の面倒を見ている。 向こうがこちらを完璧に見下していて(だってタメ口どころか罵声を浴びせるんですよ)、 先輩に対する尊敬という至極真っ当な感情を毛の先ほども持ち合わせていないのは非常に残念なことだが。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 13:13:03.56 ID:IwvMPxmv0
「まったく……お前のようなのが見境を無くすと、婦女暴行とかで新聞を賑わすんだろーな。自重しろよ」 「へいへい」 人を犯罪者予備軍呼ばわりとはいい度胸だ。だが俺は、こいつをそんなに嫌いではない。 裏表がないのは美徳だし、この分かりやすくて単純な性格は扱いやすいからだ。 「分かってんのか」 「まーな」 「お前はいつもそれだ。口だけだ。いい加減だ。適当だ。なんら生産的ではない」 その言いたい放題な素子に、さすがに反感を覚える。 こういうときはいつも誰かが間に入って素子を宥めてくれるのだが、あいにく部室には俺と素子しかいない。 「だからせめてお前は社会の効率化に貢献すべきなのだ」 「……つまり死ねってか」 「だ、誰もそんなことは言っていない」 素子は意外そうに否定した。 「あー、心が抉られるなぁ。郷里の親が今のお前を見たらきっと泣くぞ。 有馬のお母ーさーん! お宅の娘さんは東京で人の心を傷つける悪い子になっちゃってますよー!!」 「だから違うってば! 悪かった、訂正する!」 ……実に単純な性格だ。 「ところでお前、将来はどうするつもりなんだ?」 買い与えてやったトマトジュースをこくこく飲みながら、素子はそんなことを聞いてきた。 「さあ」 「さあってなんだ、さあって。なんの展望もないのか」 それが後輩の言うことか? とも思ったが、まあ言わないでおく。 「展望ねえ。……そうだなあ、そのうちシンガポール辺りに移住して、若隠居する」 「私は真面目に聞いているんだ!」 どん、と勢い良く机に打ち付けた缶の口から、赤い液体の飛沫が飛び出した。 なんで俺がこいつに説教されにゃならんのか。
136 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 13:13:38.16 ID:IwvMPxmv0
古ぼけたソファーに寝転がっていた俺は、のっそりと身を起こす。 スプリングの錆びた音がぎしぎし言っていた。 「あのさあ、なんで俺の将来に口出すわけ? お前は立派な数学者になる、俺はシンガポールで若隠居する。それでいいじゃねーか」 素子は俺から視線を逸らし、蚊の泣くような声で呟いた。 「──す────だよ」 「なに? 聞こえない」 「すっきりしないんだよ。お前を見てると」 「ああん?」 「私は物事が整頓されいる状態が好きだ。散らかっている状態を見るといらいらする」 「……だからって俺の性格を矯正してもダメだろ。俺みたいなのは世の中にごろごろしてるし、 それよりもっと大きな矛盾だってたくさんある。それ全部お前が一人でなんとかする気か?」 「そんなことは分かっている。別にお前の根性を叩き直そうとか考えているわけではない。違うんだ」 「なにがだよ」 「すっきりしないのは……私の意識なんだ。 お前が近くにいると落ち着かない。お前の些細な行動を監視してしまう。 私とお前の相違点が気に掛かって、その差分をどうしても埋めたくなってくる。 分からないんだ。なんでそんな無意味なことをしなければならないのか。 自分の精神のことなのに、それを解く材料は揃っているはずなのに、どうしても解けないんだ。 どんな仮定を設定してみても、途中で行き詰ってしまう」 素子は震える声で、いや実際身体を震わせながら、腹の底から搾り出すように言う。 今にも泣き出してしまいそうな表情で、目に見えない痛みに苦しんでいるようでもあった。
137 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 13:14:11.38 ID:IwvMPxmv0
やれやれ、とつい溜め息を漏らす。 「本気で分かってないのか」 すると素子は潤んだ目でこちらをきっ、睨んだ。 「ば、馬鹿にするなっ。ただ……」 ……なるほど、分かってはいるけど認めたくない、というやつか。恐れ入るほど分かりやすい性格だ。 「ただ、証明ができない、ってか? こんな単純な問題に? そんなんじゃ落第だぜ、数学屋」 「数学屋ってゆーな!」 さらになにかを言い募ろうとするのへ、俺はひょいと身を伸ばして素子の唇を舐めた。 その直後に素子が見せた反応は、やはり分かりやすいくらいに分かりやすいものだった。 みるみるうちに顔を深紅に染め、ぽろぽろと涙をこぼしはじめたのだ。 「う、うう……」 まるで子供だな、となんかおかしく思う。 だがそれだけに、単純で、純粋で、綺麗な感情が、素子の頬を濡らしていた。 俺は素子の頭をぐしゃぐしゃ撫でた。 素子はしゃくりあげながらも、その腕に手を触れさせる。 素子が泣き止むまではこうしてやろうか、となんとなく考える。 「泣くな。数学者に涙は似合わない」 (Q.E.D.)
138 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 13:16:56.55 ID:IwvMPxmv0
……送信してから恥ずかしい間違いをしている箇所に気がついたorz 誰も気がつきませんように。
139 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 13:34:15.98 ID:IwvMPxmv0
お題 ↓
蒲公英
141 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 13:49:04.79 ID:IwvMPxmv0
寝て気分転換もしたし、今度こそ昨日のお題を消化…出来ればいいなぁ保守
143 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 14:21:54.65 ID:nCsaP6AtO
出かける前保守
やっと導入部書けたよ保守
そういえば今ROMってる香具師何人くらいいるんだ? せっかくだからスレ見てる香具師挙手しようぜ ノ
146 :
前スレ :2006/03/28(火) 15:20:31.55 ID:+urAUIHy0
いないのかorz まぁ保守代わりに投下 「失礼しました」 教室の鍵を返却し、職員室の扉を閉める ふと、窓から外を眺める グラウンドで運動部員が汗を流している 半分沈んだ夕日 変わらない、いつも通りの日常 「じゃ、そろそろ帰るかー」 間延びした声 横から私に声をかけてくるコイツの存在も、日常 頷いてそのまま歩き出す 並んで歩く私達を見て恋人と勘違いする生徒は多い 幼馴染だから、一緒に下校することにそんなものが理由にならないぐらいは分かっている だけど何故かこの小学生から続いてるこの習慣は変わらない お互い、用事があったりしても相手を待って一緒に帰る 小学生から続いてるからこそ自然な習慣 「私、明日は生徒会の仕事で遅くなるよ」 平凡で退屈な日常 ちょっとした刺激が欲しくて入った生徒会 「了解」 生徒会に入った時はこれでこの習慣も崩れるか、何て思ったりもしたけど結局ぐだぐだ続いている だからと言ってコイツは仕事を手伝ってくれるわけでもなく、ただ待っている 馬鹿みたいに突っ立って待ってくれている 毎日大した変化もない 明日に特に希望があるわけでもない だけど―――コイツがいてくれるならそんな明日もそう悪くは、ない
ミスった、↑前スレ921のお題な
誰か来ないかねぇ…保守
149 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 15:59:20.80 ID:0cZF725fO
アブナス(;^ω^)
150 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:02:54.04 ID:0cZF725fO
暗くなれば多分また盛り上がるはずだ…と出かけた先から保守
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:07:13.68 ID:ZPLm3kAj0
ほ
>>134 おまいの書く話はいつもおもすれーなぁ。嫉妬しちゃうぜ…
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:10:54.33 ID:uy40DngNO
良スレですね。保守がてら何か書いてみるよ。
おお、トイレに逝ってる間に人がwwwwwww
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:13:13.70 ID:ZPLm3kAj0
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:13:30.39 ID:IwvMPxmv0
それはほとんど一目惚れだった。 はじめて彼女を見たその時、僕はまる天啓に打たれたように自分が彼女を好きになるであろうことを自覚した。 彼女は都会の娘で、僕の遠縁の従姉妹に当たる、僕よりちょっと年上の女の子だった。 肺を患う彼女は、春休みを利用して空気のいいこの町に静養に来たのだという。 僕は町のいろいろな所を案内した。 「あの子は体が弱いのだから無闇に連れまわすな」と親に注意されることもあったが、 僕は都会にないたくさんのものを彼女に見て欲しかったし、また彼女も色々ものを見たがった。 遠出になるときは自転車を使い、後ろに彼女を乗せて連れて行った。 そしてやはり、僕は彼女をどんどん好きになっていった。 彼女の微笑や、真剣に何かを観察するその横顔を、もっと見ていたいと願うようになった。 彼女は鋭い感受性の持ち主で、本が大好きだった。 今までに読んだ本の内容や、僕が普段気にも留めないもの、考えもしない事柄について話してくれた。 時にそれは僕にとって難しい内容のこともあり、その場では曖昧に頷いておいて、帰ってからこっそり調べたりもした。 僕はまるで彼女を昔からの友達のように思い、なんでも話した。たった一つの気持ちを除いて。 正直、僕は浮かれてたのだろう。 あまりにも彼女が優しく、快く僕と遊んでくれるものだから、もしかしたら彼女も、って。 だから勇気を振り絞って彼女に思いを打ち明けたときの、彼女の返答は必要以上に僕の胸を切り裂いた。 それは野生のタンポポ畑に彼女を案内したときだった。 風に帽子を飛ばされないように押さえながら、彼女は目をきらきら輝かせて一面のタンポポを見回していた。 満開の花はまるで金色の絨毯のように、そしてむせ返るような香りは香水のように、 その真ん中ではしゃぐ彼女はまるで──お姫様のようだった。 春の日差しと、柔らかい空気に後押しされ、僕はその気持ちをそのまま彼女に伝えた。
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:14:29.06 ID:IwvMPxmv0
彼女は弱りきったような表情でタンポポを眺め、ぽつり呟いた。 それはとても小さな声で、うっかりすると聞き逃してしまいそうだった。 「タンポポの花言葉……知ってる?」 僕が知らないと答えると、彼女はますます弱りきったようにこっちを見た。 「『思わせぶり』……そして『別離』。──ね? つまり、そういうことなの。 私はじきに元いたところに帰るの。そんな人を好きになって、どうするの? ゴメンね、変に誤解させちゃったみたいだね」 そして彼女は身をひるがえして駆けていってしまった。 僕は後を追うこともそこから動くこともできず、たっぷり日が暮れてからやっとのろのろと自転車を押して帰り道についた。 家に入ると、彼女を歩いてここまで帰らせた、という理由で親に手酷く叱られた。 頬の二、三発も殴られたような気がするが、ほとんど覚えていない。なにも感じなかった。 ただ、その晩は彼女は夕餉の食卓につかなかったこと、 そして翌日からは僕を避けるようになったことは、胸に染み込むように痛感できた。 彼女が帰る日になって、急な仕事が入った親に代わって、僕が駅まで送った。 いつかのいつものように、彼女を背に乗せた自転車で。 途中、僕らは一言もしゃべらなかった。荷台に座る彼女は、遠慮がちに僕の服をつかんでいた。 駅のホームで、彼女に鞄を渡す。なにか言おうと思って口を開いたが、 出てきたのは、寝不足なんじゃないのか、という、かなりどうでもいい言葉だった。 「違うけど。どうして?」 目が充血していることを言うと、 「……嫌だ、ゴミでも入ったのかな」 とあわてて目をごしごしこすっていた。 それきり、沈黙。人ひとりすっぽり納まるくらいに離れて、目もあわせずに二人して立ち尽くしていた。 やがて列車が滑り込んできた。
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:14:54.11 ID:IwvMPxmv0
「じゃあ、お世話になりました」 他人行儀みたいにお辞儀をする彼女を見るのは辛くて、僕はじっとうつむいていた。 しばらく彼女は昇降口に脚をかけたままでいたけど、発車のベルが鳴ったので車内に乗り込む。 思い切って声をかけると、彼女は背中越しに振り向いた。 「なに?」 僕は黙って彼女に短冊形の紙切れを渡した。 それは自分で作ったしおりで、タンポポの押し花を貼り付けたやつだった。 僕はあれから、花言葉について調べた。 彼女の言葉をどうしても信じることができなかったからという、とても情けない理由だった。 そして確かに、タンポポの花言葉は『思わせぶり』『別離』だった。 だけど、花言葉は僕が想像していたよりも多くの意味を持っており、 タンポポの場合、その他にも幾つかの意味を持っていた。 それは、例えば──『神のお告げ』『恋の予感』、そして『真実の愛』。 僕がそのことを教えると、彼女はくすりと笑い、僕の頬にそっと口付けた。 「知ってたよ」 列車が動き出した。彼女は僕に手を振りながら、「手紙、書くからね」と何度も言った。 僕もそれに応えて力の限りい手を振り、列車が見えなくなるまでずっと振り続けていた。 列車の窓からはあのタンポポ畑は見えるだろうか。彼女は見るだろうか。 あの時見たタンポポはすでに生え変わっていて、白い綿毛が種を乗せて大空に飛んでいくところを。 願わくば、風に舞う春の雪のように、この気持ちがこの距離を越えて君に届きますように──。
今日、学校を辞めた。 昨日親父に殴られた跡がまだ痛む。 まぁ、確かに俺のわがままなんだが、これ、やりすぎじゃないの? ボコボコに腫れた面で職員室に退学届けを持って行く。 俺が入ると、職員室はしん、とした。 ほら、先生だって誰一人止めないだろ?こんな学校にいれる訳がない。 学生証と襟章を外し、担任に渡す。担任は黙ってた。 このどしゃぶりの中わざわざ念願の退学届けを持って来てやったんだ。 ありがとうの一言くらいあってもいいんじゃないのか? 腹の中でつぶやく。 教室には寄らなかった。 行ったってやる事もない。 校門を出たら俺も晴れて無職だ。何のあてもない。 高校中退なんて輝かしい汚名をぶら下げて、底辺ではいずり回る。 外に出ると、雨は激しくなっていた。 俺の前途を祝福しているつもりか? 俺は、傘をささずに校門を後にした。
前スレの 1小学生の時に記憶をなくした主人公 2主人公は高校生 3女の子が主人公のクラスに転入 のMemoryって仮タイトルつけますね ネタは出来次第投下します
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:29:41.53 ID:uy40DngNO
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:31:04.19 ID:dp0GpDIv0
次スレ立ってたのか。 神が降臨する中、駄文を書くぞ! というわけで、お題ください。 ↓
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:31:51.36 ID:gYpPZvbK0
商店街
>>156-158 主人公の心理描写が凄い巧みだなwwwwwww
その文才を俺にくr(ry
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:34:44.64 ID:dp0GpDIv0
166 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:40:34.91 ID:gYpPZvbK0
>>156-158 不覚にも心をえぐられたwwwww
その読みやすいテンポってどうやって作るのか知りたいよ
167 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:41:07.16 ID:uy40DngNO
168 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 16:56:01.43 ID:IwvMPxmv0
>>159 これは……重い青春ですね。
閉塞感うめぇwwww
169 :
セーラー服と機関銃 :2006/03/28(火) 17:02:56.20 ID:Y9sFj/XR0
互いに走っていた。 デパートの地下駐車場。 老人は手に槍を持ち、柱と車が織り成す遮蔽物の間を疾走していた。歳に不相応なほどの健脚だ。 「いい加減手加減ってもの覚えてよッ!」 車の陰に体を隠しながら、少女が叫ぶように、少し震えた声を張り上げた。 汚れ破れかかったセーラー服のスカーフで腕の傷口を止血し、歯でそれを食いしばる。 少女が物陰から顔を覗かせ、老人の位置を確認した時には、もう老人は走り出した後だった。 一歩目と二歩目の加速度が異様に早く、低空を飛ぶように三歩目で遮蔽物に到る。 少女は老人を射線に捕らえようと、遮蔽物を挟んで平行移動する。 その際にも少女が脇に抱える機関銃の引き金は、まだ一度も引かれていない。 決定的な位置に老人を収めていない限り、撃っても当たらないからだ。故に少女は走った。 遮蔽物の間を互いに移動しあう。 老人は、たまに足を止め気配を隠し、またある時は、挑発するように体の一部を晒してくる。 少女は老人に翻弄され、行動が後手に後手になっていることに焦っていた。 焦れば焦るほどに、老人の位置は不明になり、巨大な恐怖に心臓を圧迫される。 その恐怖を断ち切るように、少女は駐車場の中央で足を止め、射撃姿勢で待機した。 緊張の中、少女は視界のすみから”何か”が飛んできているのを感じる。 槍だ。そう判断するのが早いか遅いかの違いで、少女は姿勢を崩し、飛んでくる槍を回避する。 ボン。と音がして、槍が背後の車のボンネットに突き刺さった。 再度、射撃姿勢をとった時には、老人は驚くほど少女に接近していた。 足払いで姿勢が崩され、利き手を掴まれ、ひねり上げられる。 老人に背後にわまられ、結果少女は組み伏せられる体勢となった。 「弱いな。心も、頭も。体も――」 皮肉に満ちたしわがれた声が聞こえ、骨が折られて、首筋に手刀が入った。 【終】
170 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:04:57.71 ID:Y9sFj/XR0
>>169 前スレの700あたりのお題やっと消化。と言うか次スレ立ってたのかwww
アクション描写ほど難しいものはない。精進精進。
171 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:06:35.52 ID:x0rkLIig0
>>156-158 めちゃくちゃうめぇ、かなり尊敬する・・・
>>159 てゆーかおまいも上手いよwwwwなんだこのスレ・・・
文学部の俺は需要ありますか
>>169 うはwwwwwアクションの描写すげえwwwwwww
バトルに臨場感と疾走感がある、惚れたwwwwwwww
>>171 需要あるあるwwwwwwwwww
さぁおまいも安価を出すんだ
これだけ文神増えたら俺いらない子なヨカーン
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:14:30.85 ID:x0rkLIig0
いつになったら書きあがるのかわからんけどね
安価
>>178
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:15:45.41 ID:uy40DngNO
>>169 かっこいい!ところで少女って・・・(´・ω・`)
>>172 だからいらない子なんていないんだろ?
>>155 のお題書いたけど、投下していいの?
176 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:18:14.45 ID:x0rkLIig0
>>169 テンポ感と臨場感がウラヤマシス
俺はそういう魅せる文は書けない
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:23:34.46 ID:uy40DngNO
安価待ち
178 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:23:57.38 ID:KjHN5NL20
卵焼きにケチャップ
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:24:26.48 ID:x0rkLIig0
>>178 難しいなそれwwwwwww
がんばってみる
180 :
もう一人の自分 :2006/03/28(火) 17:25:35.39 ID:uy40DngNO
朝、目が覚めると、俺が立っていた。 間違いじゃない、俺だ。 びっくりして飛び起きたが、そいつは平然としていた。 俺の姿をしたそいつは勝手に俺のスーツを着ている。 「おはよう。何か不思議なものでも見てる顔だな?」 残念ながら、声まで俺だ。 お前は誰だ?なんて聞く気も失せた。 そいつはいそいそと準備をしながら、 「会社には俺が行くから、お前は寝てろよ。」 なんて格好いい事を俺に言う。 あぁ、そうか。確かに俺なら信用できる。 外は雨も降っているみたいだし、俺なんだから任せてもいいか。 俺は、じゃあ、頼んだ。なんて間抜けな返事をして、また布団にくるまった。
181 :
続き :2006/03/28(火) 17:26:27.45 ID:uy40DngNO
そいつが帰って来たのは夜だった。 「悪いな。残業してたんだ。」 残業だって?俺が今まで一度もした事ないのに? もう一人の俺は今日一日会社であった出来事を細かく教えてくれた。 「そうだ、受け付けの・・・ヨーコちゃん。今度の日曜にデートだから。」 何だって?あの美人が?俺と? いや、俺じゃない、俺じゃない俺だ。 「ガンバレよ、相棒。」 そんな言い方をされたら、まるで俺がデートするみたいじゃないか。 …俺が行くのか? 「当然だろ?俺なんだから。」 もう一人の俺は、そう言って、服を脱ぎだした。 「じゃ、俺の役目は終わったから。」 裸になったそいつは、さっさと玄関のドアを開けて去ってしまった。 俺は、何が起きたか分からなかったが、追い掛ける気にはならなかった。
182 :
最後 :2006/03/28(火) 17:27:23.81 ID:uy40DngNO
外は雨が降っている。 そういえば、あいつがいたのもこんな雨の日だったな。 居間から外をぼーっと眺めていると、ヨーコがコーヒーを持ってきてくれた。 「どうしたの?外なんか眺めて。」 ふと見ると、不思議そうな顔をしている。 そうだ、あの日の俺も、こんな顔してたんだろうな。 そう思うと、何だかおかしくなってきた。 「最初にデートした時の事、覚えてる?あれ、誘ったの俺じゃないんだ。」 ヨーコはますます不思議そうな顔で俺を眺める。 「最初に誘ったのはあなたでしょう?」 「うん、俺なんだけど、俺じゃないんだ。」 「…変な人。」 ヨーコは機嫌を悪くしたのか、さっさと向こうに行ってしまった。 俺は、懐かしい相棒の事を思い出しながら、コーヒーを口に運んだ。
183 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:29:24.02 ID:IwvMPxmv0
>>169 流れるように展開する戦闘スゲー。
これは是非とも真似したい。
>>180-182 文体が不思議な感じ出してて、それがマッチしてて凄い
なんつーか、全体的に「不思議」なんだよな
静かで大人しい狂気ってものを感じた気がする、勿論いい意味で
GJだおwwwwwwwwww
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:32:30.25 ID:IwvMPxmv0
>>180-182 これは面白いww
>裸になったそいつは、さっさと玄関のドアを開けて去ってしまった。
俺カッコヨスwwww
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:44:26.23 ID:IwvMPxmv0
また書きたくなってきた。ムラムラする。 お題くれ ↓
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:44:34.16 ID:Y9sFj/XR0
うしゃー。んじゃあもういっちょ書くか。 ↓ よろしくおねがいしぁーす。
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:45:06.24 ID:Y9sFj/XR0
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:47:11.62 ID:uy40DngNO
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:49:50.59 ID:IwvMPxmv0
文神様達には敵わないけど凡人は凡人並にがんがって書いてみます と言うわけでお題ぼしゅ ↓
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 17:52:00.43 ID:5Oyd3OSz0
カレーライス
193 :
商店街 :2006/03/28(火) 17:57:48.26 ID:dp0GpDIv0
誰も居ないアーケード。 雀がさえずる音だけが響く。 春の陽光が小さな書店に差し込んで、寂れた商店街を明るい色に染める。 この日、山岡書店の主人、山岡勝はレジに座って感慨に耽っていた。 彼が店を継いでからの三十年が、胸中で巡り廻って二、三周していた。 既に亡くなって年月が経つ父親から、この店を受け継いだ日の事から回想は始まり、 その時代時代の売れ筋の本の事や、自分が気に入った思い出の本の事。 隣の靴屋の主人との会話や印象に残った客との会話。 立ち読みして逃げる厄介な少年達や、夏休みの宿題の読書感想文の為に顔を出した少女。 汗をかいて本の棚卸しをした事や、悴む手を温め温め本を仕入れた事。 様々な思いが駆けめぐり、今日という日に辿り着く。 山岡勝はある決意をしていた。 この小さな本屋を閉めることである。 駅前に新しい大型の書店ができたことが、大きな理由の一つだった。 山岡も一度訪れたことがあった。蔵書量、店の規模、客の多さ。 全てに圧倒され、尻尾を巻いて逃げる犬のように打ちひしがれて帰った記憶が、 今でも鮮明に思い出される。 客足は引き潮の如く引いてゆき、この小さな書店は 常に静寂で包まれるようになっていた。 「決して負けた訳じゃない」 声に出して呟いてみるが、空しい気分は増してゆくのみ。 最後の日だというのに、後味の悪さだけが残るような気がしてきて、 ため息を思わずついてしまった。
194 :
商店街 :2006/03/28(火) 17:58:25.89 ID:dp0GpDIv0
昼下がり。誰も居ないアーケード。 閉まったシャッターだけが目立つ商店街を眺め回してみる。 往時の影はどこにもない。駅前のスーパーに客を取られたというだけのことだ。 ため息をまた一つつく。悪い癖になっているな。心中で呟く。 「山岡さん、山岡さん」 背後で自分を呼ぶ声がした。 靴屋の主人の声がした。彼も店を閉めていたから、正確には靴屋の主人だった男の声だ。 「どうしたんですか?藤原さん」 「話し相手がいないと寂しいもんでさ。家内は寝込んじまって、相手になってくれねえし」 「奥さん、風邪でもひいたので?」 「まあ、そういう所かな」 他愛の無い話が始まった。 「そうか、魚屋の主人はぎっくり腰か。そりゃあ良い」 「笑い事じゃないでしょう。藤原さんは幸い腰の方はご健勝のようだが、 こういう事はいつ自分の身に降りかかるかわからないですからな」 「ははは、それもそうだな」 笑い声が狭い店に響き、互いに空元気を出し尽くした空気が漂った。 嫌な沈黙がしばし続く。二十秒。三十秒。短い間だが、随分長く感じた。 意を決したように口を開いたのは元靴屋の主人の方だった。 「・・・店、閉めなされるんですって?」 「ええ、ようやく決心が着きました」 商店街の内輪は狭い。彼が自分が店を閉める事を知っているのも、不思議ではないことである。 「そうですか・・・」 元靴屋の主人は顔の皺を撫でた後、深々と礼をしてこう言った。 「お疲れさまでした」
195 :
商店街 :2006/03/28(火) 17:59:03.91 ID:dp0GpDIv0
元靴屋の主人が店を去って随分時間が経った。 気づけば時計は午後6時を指している。 閉店まで後一時間。いよいよ、切ない思いがこみ上げてくる感じがした。 誰も居ないアーケードに足音が響く。軽くて若々しい、この寂れた商店街に似つかわしくない足音。 「こんばんは」 この店の最後の常連客がひょいっと顔を出していた。 文芸好きの女子高生。 いつしか彼女は、決まった時間にこの書店を訪れるようになっていた。 他には誰も居ない本屋で、二人は年の差を忘れて、文学の世界を語り合った。 同志。この年にして得た、唯一無二の友。妙な事だが、山岡はそのような気持を彼女に抱いていた。 「良く来たね」 「店閉めるって聞きました」 彼女は入って来るなりこう言った。 唐突に物を言うのは彼女の癖だったが、今回ばかりは面食らった心地だった。 「ああ・・・閉めるんだ。言ってなくて、すまなかったね」 「・・・どうして閉めるんですか?」 問い詰めるような声じゃない。教えなかった事を詰るような声でもない。 彼女は穏やかに、山岡に理由を聞いてきた。 「・・・もう、満足してしまったからかな」 口をついて出た言葉。 それが、大きな書店ができて客足が遠のいたということは 単なる口実に過ぎなかったということを、山岡に気づかせた。 満足してしまった自分を見たくないと思う、青い気持を引きずって、 自分に言い訳をしていただけだったことに、山岡は気づいた。
196 :
商店街 :2006/03/28(火) 17:59:32.24 ID:dp0GpDIv0
「そういえば、どうしていつも来てくれていたんだい?君は」 「え?」 「こんな寂れた本屋に来る理由が気になってね」 「・・・変な話。しますよ」 「いいんだ、いいんだ。話してくれ」 「おじさんのことを、自分の仲間のように思ってたんです。 変でしょ?四〇歳くらい、年が離れているのに」 彼女が去って、十分経った。 時計の針が七時を指す。山岡は立ち上がって ガラガラという音が商店街に響く。 山岡書店の最後の一日が終わり、誰も居ないアーケードの灯りはそのうち暗くなった。 翌日、看板の業者がやって来た。 店の看板を降ろしてもらうために頼んでおいた業者だった。 「じゃ、降ろすよー。気をつけて!」 業者の声と共に、看板はゆっくりと降り始めた。 その様子を外に出て見守る。隣には付き合いの長い、商店街の友人達。 「長かったかな」 呟いて、山岡勝は感慨に耽った。
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:15:03.35 ID:gYpPZvbK0
山岡さんカワイソス
199 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:21:55.25 ID:uy40DngNO
>>193-196 しっとりしていて読み心地がいい。
ノスタルジーが漂ってる中で女の子の存在が目を引きます。
また淡々と流れる文章が、本屋でゆっくり流れる時間を感じさせ、ほっとします。
GJ!
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:29:01.15 ID:x0rkLIig0
>>178 をやってる者だけど、途中まで書いてたのに不手際で全部消えたorz
今からがんばって書くけど同じストーリー書く気にはなれんからもう少し時間かかりそう・・・
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:32:01.51 ID:dp0GpDIv0
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:32:59.49 ID:uy40DngNO
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:33:35.92 ID:8LnSkhKq0
ksk
隣の家と窓越し会話
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:36:26.72 ID:uy40DngNO
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:47:50.97 ID:dp0GpDIv0
保守
208 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:49:52.72 ID:8LnSkhKq0
凡人の俺も頑張ってみる ↓
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:50:59.15 ID:Y9sFj/XR0
一cm
210 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 18:54:11.93 ID:8LnSkhKq0
>>209 壱サンチだな了解した
思いつくまま書いてみる
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:05:51.42 ID:dp0GpDIv0
保守
212 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 19:08:04.71 ID:qGBCkRyS0
私が手ずからとっくりと保守
カレーライスでいいアイデアが浮かばないよ保守
214 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 19:27:09.31 ID:qGBCkRyS0
人居ないな。 お題PLEASE↓
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:28:34.52 ID:KjHN5NL20
諦めきれない
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:31:32.25 ID:x0rkLIig0
>>178 1回書いてたのが途中で消えた腹いせにこんなの書いた。反省はしていない。
−Case0:プロローグ−
弟「ねぇお母さん、夕食に卵焼きが出てくるのってうちだけみたいだよ、たまにはオムレツとか作ってよ」
母「もう、焼き始めてから言わないでよ。明日はオムレツにしてあげるから。っと、そろそろ出来るわよ、テーブルに着いて待ってなさい」
−Case 1:父編−
−ひとまず全員潜入したようだな。まずは安堵感に浸るとしよう。
家族に話を持ちかけたときは不安だったが、信頼してくれた家族には感謝する。
奴は・・・まだここまでは来ていないようだ。
さっきまでの修羅場に比べれば、ここは一見平和に見える。
あの熱さはまるで鉄板の上に載せられているようだったが、家族4人でいれたことが幸いした。
今回問題なのは家族4人がバラバラにされたことだが、それぞれ個別行動のスキルは持ってるはずだ、心配は要らない。
遠くの方で悲鳴が聞こえた気がするが、まだここは大丈夫。敵の目には映っていない場所だ。
・・・・・
他の3人はどうなっているだろう。上手くやっているといいが。この場所はそう長くは持ちそうにない。
・・・・・
だんだんと音が近くなってくる。この場所も見つかったのだろうか。
突然視界が開ける。上から突然の刃、そして一撃。
俺が最後に見たのは深淵。そして銀の刃。
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:32:10.26 ID:x0rkLIig0
−Case2:母編− −夫がこの話を持ってきたのには正直驚いた。 自分達ならできる、という強い口調に押されて乗ったはいいものの、イマイチ不安なのも確かだ。 夫は上手くやっているだろうけれど、子供達は大丈夫だろうか。まだ実戦経験は少ないはずなのだ。 ・・・・・ どこかで悲鳴が聞こえる。誰のものだろう。 ここには攻撃らしい攻撃は無い。自分の身を案じろといえばそうなのかもしれないが、 やはり子供達のことは心配なのだ。 ・・・・・ 遠くのほうで大きな音。夫は大丈夫だろうか。 あれは夫のいるはずの方向なのだ。 私の方はといえば、結局攻撃らしい攻撃は無かった。 けれど、予め決めておいた集合場所についたとき、そこには誰も来ていなかったのだ。 暗いその場所には、静かな闇と孤独が漂っていた。
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:32:26.14 ID:x0rkLIig0
−Case3:弟編− −父の口調からは不安が読み取れそうになかった。 いつものことなのだが、強引そうに見えて意外と家族思いなのが父なのだ。 今回だって本心では不安なのだろう。 僕は心配されてるに違いない。それも父だけじゃなく母にも。 余計なお世話だと思いたいけど、素直に従うのが1番なんだろうか。 ・・・・・ 攻撃は突然やってきた。父からは直接系の武器、それも剣のようなものを使うと聞いていたが本当だった。 一撃。全身に激痛が走る。思わず悲鳴を上げる。 もう一撃。もういい、やめてくれ。 そのときだった。 降ってきたのは雨なのだろうか、だが赤い雨など聞いたことがなかった。 美しいとは思わなかった、薄れゆく意識の中で、俺はうっすらと、その赤に吸い込まれていった。
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:32:45.96 ID:x0rkLIig0
−Case4:姉編− −お父さんは相変わらず強引だ。 何でうちの家族が引き受けたのか、今回の目的は何なのか、全然話してくれそうに無かった。 それでも私が拒否しなかった、いや拒否の感情を表に出さなかったのは、4人でいれることに対する妙な安心感があったからだろう。 ・・・・・ 突然の悲鳴。弟のいる方向からだ。 私のいる場所からだと、わずかだが弟の様子が見える。だけどそれは、あまりに残酷な風景だった。 一撃、また一撃。私はもう目を向けていられなかった。 ・・・・・ その一瞬が命取りだった。 弟の方に気を取られていたその刹那、私は目標からの攻撃を受けていた。 お父さんとお母さんに、謝罪の言葉を考える暇も無く、深淵が私を包んでいた。 −Case5:エピローグ− 母「こら、汚い食べ方しないの。またケチャップ服にこぼしてるわよ」 弟「わかったよ、もう。お母さんそれ食べてないくせに」 姉「ご飯中にいちいちしゃべらなくていいの!」 母「4人分作ったけれどあんまり食べる気しなくてねぇ。女の人は卵は週3個以下にしなさいってあるあるでやってたし」 父「健康番組ばっか見てるわりには痩せないんだなぁ」 母「大きなお世話よ、お皿はちゃんと自分で下げなさいね」
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:33:11.98 ID:x0rkLIig0
自分で書いてて思ったがこれはひどい マジ半年ROMろうかな
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:38:07.46 ID:dp0GpDIv0
ちょwwwwwwww予想外のタマゴ焼き視点wwwwwwwwww かなり受けるwwwwwww
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:47:14.59 ID:x0rkLIig0
反省点は全員フォークエンドしたところ。箸エンドもつけるべきだった。 ってかこのスレマジおもすれ。ハマる。 こんなヘタレでもいいなら飯から戻ってきたらまた安価出したい。今度は真面目に書きます。
コンビニ
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:50:06.51 ID:ZPLm3kAj0
季節は春って言う事で つ 桜
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:50:09.79 ID:x0rkLIig0
ケータイ無くした
V I P の ク ソ 雑 魚 ど も
宣 戦 布 告
こ の 糞 ス レ の 住 民 気 に 入 ら な い
文 句 あ る な ら 俺 様 の 良 サ イ ト を 荒 ら し て み ろ よ
そ れ と も 怖 く て レ ス す ら で き な い か ?
/∧ /∧
/ / λ / /λ
/ / /λ / / /λ
/ / / /λ / / /λ
/  ̄ ̄ \
/ / ̄\ / ̄\\
/ | ●| | ●| ヽ
| し ̄ヽJ し  ̄ヽJ |
| '""" |
| """" T" | T """ |
| """" | ノ | """ |
\ 丶 ___人___ノ /
\_ ヽ―/ __/ < 今度は宣伝にきてやったぜwwwwww
/  ̄ ヽヽ \ かかってこいやwwwwwww糞どもwwwwww
/ ぷっ スルーした奴=日 本 の ク ズwwwwwwwww
俺様はチキンなてめーらと違って堂々と↓に俺様のサイト晒すぜ。
http://bbs8.cgiboy.com/1R4298291/ ちなみに俺の日記だwwwwwwwww文才のないおまえらに日本語ってのを教えてやるよwwwww
http://yaplog.jp/ryo-music 中学生でバンドやってて悪いのかぁ??むしろ、いい年してVIPしてるヤツがキモいんだけどwwwwwwww
おまえらのノロマな突撃力じゃ、俺様の削除のスピードの方が通常の3倍は速いZE!!!!!!!!!!!!
俺様はここの『 R Y O 』だ!
カマーンwwwwwwwwww ニートの肥溜め住人さんよぉwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:52:27.13 ID:ZPLm3kAj0
>>220 ひどいとかそういうのじゃない。書くことに意義がある。俺も文才がなくてヘタレだ
だから一緒に頑張って書いて、投下しようぜw
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:52:29.80 ID:KjHN5NL20
>>216 −219
卵視点でくるとは思わなかったwwwwwwwww
確かに年配の人(父親)とかは箸で食べるのが一般的かもしれないけど、別に全員フォークでも良いとおもいますた。
むしろどうなれば任務成功なんだろうとかおもったwwwwwww
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:52:33.62 ID:fy2IyNkD0
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:53:17.12 ID:uy40DngNO
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:53:55.53 ID:dp0GpDIv0
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 19:55:52.36 ID:x0rkLIig0
>>230 任務成功は
思いつかなかったから作品中では有耶無耶にしたつもりだ
しかしまだまだ過疎だよなぁ こういう遅い流れも嫌いじゃないけど保守が大変になる時間帯があるのはやっぱりサビシス
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:02:51.92 ID:UdpYcL4X0
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:03:16.89 ID:HWJpAOVyO
平日は余計だと思われ。やっぱり時間ないとツライものがある
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:03:58.29 ID:uy40DngNO
保守、まだ書いてる途中・・・orz
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:04:54.72 ID:uy40DngNO
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:05:06.77 ID:UdpYcL4X0
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:05:40.63 ID:UdpYcL4X0
243 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 20:10:31.70 ID:qGBCkRyS0
>>215 男の子には好きな女の子がいました。
でもなかなか恋人になってくれません。
「好きだ!付き合ってくれ!」
「いやよ。お断りだわ。」
男の子は女の子に告白しようと毎週のようにデートに誘いました。
女の子は毎週のようにデートに付いていき、別れ際の告白を断ります。
「好きだ!付き合ってくれ!」
「いやよ。お断りだわ。」
ある週末、デートのお誘いが無かったため、女の子は少し心配になり
男の子に電話しました。
「好きでもない男に電話するのは癪だけど、一応理由を聞いておくわ」
「すまない、風邪を引いてしまって・・・」
「来週はどうするのよ。次こそ私をモノのするんじゃなかったの?」
「おう、次こそモノにしてやるぜ!」
男の子は幸せそうな顔で宣言した後、ベッドに戻って次のデートコース
を考えながら眠りに付きました。
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:27:04.26 ID:uy40DngNO
>>243 それってもう付き合って・・・いやいやいやいや、お断りなんですよねww
女の子がかわえぇ(´ヮ`)GJです!
>>243 これほど見事なツンデレは久しぶりに見たかも知れないwwwwwwwwww
246 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:34:43.89 ID:x0rkLIig0
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 20:53:59.58 ID:uy40DngNO
保守
248 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 20:54:50.58 ID:qGBCkRyS0
保守
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:00:24.39 ID:0cZF725fO
例のごとく帰りの電車からお題plz↓
つ「地雷」とかどうだろう
251 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:04:22.34 ID:0cZF725fO
カレーライスのアイデア未だに浮かばない…もうダメかも分からんねorz保守
253 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 21:28:30.25 ID:qGBCkRyS0
1レスでまとめるのが俺のジャスティス お題↓
254 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:29:28.33 ID:x0rkLIig0
告白して振られた瞬間から
255 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 21:31:00.56 ID:qGBCkRyS0
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:31:25.26 ID:x0rkLIig0
257 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 21:32:03.83 ID:qGBCkRyS0
258 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:40:34.90 ID:UdpYcL4X0
平行線 空は紅く燃え上がり、街の風景は朱に染まり始める。 夕闇へと移り変わる世界は、どこか寂しささえ感じるものだった。 そんな雰囲気の中、小さな公園で二人の男女が向かい合いながら佇んでいた。 何かを訴えるように女性は言葉を強く吐き出す。 その言葉を受け流すように男性は静かに俯いたまま。 恐らく幾度となく繰り返してきたことなのだろう。 女性は疲れたような表情になり、溢れてくる涙を両手で拭った。 話合っても二人の距離は縮まらずにいたのだろう。 それはまるで、天と地が離れ離れに存在しているように。 今まで押し黙っていた男性の口元が動き、短い一言を小さく呟いた。 長く伸びた二つの影は平行線を地面に描く。 一つはその場から逃げるようにし、もう一つは追うこともせず動かない。 平行線を形作る片方の影がその場から無くなると、残ったのはただの一本線に過ぎなかった。 やがてその影は一本線から楕円へと変わっていく。 人気のなくなった公園で、昇り始めた月は一人泣き崩れる女性の姿を見つめていた。 地平線の向こうに紅い太陽は消えてゆく。 今日の終わりと女性の影を連れて。 さんま御殿に夢中になってたなんていえないorz お題があんま反映されてないし…
>>258 上手いwwwwwwwwww
人の動きの書き方が凄いよwwwwwwww
ホントにその才能をくr(ry
260 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:46:16.48 ID:uy40DngNO
>>258 うまい事まとまっててGJ!
>やがてその影は一本線から楕円へと変わっていく。
ここが秀逸。
261 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 21:46:57.62 ID:qGBCkRyS0
「結婚を前提とした真面目なお付き合いを・・・」 「ごめんなさい・・・私、あなたと結婚とか考えられない。 今まで通りただの同僚で良いと思う。」 そう言って女はじゃあ明日と言い残して颯爽とした足取りで帰っていった。 たった今彼女に告白し振られた男は無表情で彼女の帰った方向を眺めていたが、 彼女が見えなくなると 「ふぅ。28で独身じゃあ一般人っぽく無いかなと思って結婚しようと思ったんだけど ・・・このぶんじゃあ無理かな?」 と誰かに話しかけるようにひとりごちた。しばらく黙っていた男だったが 「わかったよ。独身でも怪しまれない状況にすれば良いんだろ。なんとかするよ。」 と、また一人で誰かに話しかけた。 「帰るか。」 振られた男はとぼとぼと歩いて駅に向かった。2月の浅い夕日が アスファルトに長い影をに落とす。彼の影と寄り添うようにほっそりとした 影だけが一緒に歩いていた。
262 :
隣の家と窓越し会話 :2006/03/28(火) 21:47:46.69 ID:uy40DngNO
隣の家のみーちゃんは、今度中学生になる。 僕より1つ上のお姉ちゃんで、でもいつも僕に甘えてくる。 宿題手伝ってとか、買い物についてきてとか、そんなの友達に頼んだらいいのに。 「いいじゃない、どうせ暇なんでしょ?」 別に嫌でもないし、やれやれなんて言っていつも頼まれてるけど、僕の方がお兄ちゃんみたい。 僕の部屋の窓を開けたら、5メートルくらい先にみーちゃんの部屋の窓がある。 そして、僕の部屋には鈴が付いてる。小さな鈴で、紐を引っ張ると音が鳴るようになってる。 その紐は、みーちゃんの部屋に届いてる訳で、つまりは呼び出しベルって訳。 前に、みーちゃんが窓越しに僕を呼ぶ声が大きくて怒られたんだって。 それでしぶしぶ作ったんだけど、それ以来毎日のように鈴が鳴る。 僕が窓を開けるとみーちゃんが待ってて、そこからいつも話かけてくる。 こんな毎日。 みーちゃんは嫌いじゃないんだけど、これには僕も参っちゃって、 「用事がないなら鳴らさないでよ。」 って、つい言っちゃった。 そしたらみーちゃん、すごく落ち込んで、それからずっと鈴は鳴らなかったんだ。
263 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 21:48:04.07 ID:qGBCkRyS0
>>254 なんか恋愛モノのつもりで書いてたらミステリ−ホラー
になっちゃったorzしかもまとまらなかったorz
264 :
続き :2006/03/28(火) 21:49:27.26 ID:uy40DngNO
卒業式は、終業式の前の日にあった。 だから六年生が帰ったって、僕らは授業中。 ちょっと羨ましいなと思ったんだけど、それよりも、みーちゃんの事が気になった。 あれからずっと鈴も鳴らないし、みーちゃんも何も言ってこない。 傷つけちゃったかなって、少しだけ反省してたんだけど、結局みーちゃんと話す機会がなかった。 夜、ご飯を食べて部屋に戻ると、鈴が鳴ってた。 慌てて窓を開けると、みーちゃんが立ってた。 ちょっとしょんぼりしてる。やっぱり言いすぎたのかなぁ。 なんて思ってると、みーちゃんが何か投げてきた。 何とか取ってみると、紙コップ、と、紐。 糸電話なんて子供みたい、ってちょっとおかしくなったけど、耳に当ててみた。 「あのね、ごめんね。」 みーちゃんの声だ。 「あの、私、中学生になるんだけど・・・」 ゆっくりと、確かめるように、みーちゃんはしゃべってた。 「また、宿題手伝ってもらえないかな?」 え?え?僕、まだ小学生だよ?分かる訳ないじゃない。 みーちゃんを見ると、泣きそうな顔をしていた。 「・・・分かった。」 はぁ、とため息を一つついて答えた。 明日は終業式、終わったら、みーちゃんに卒業祝いでもあげようかな。 にこにこしながら糸電話で話し掛けるみーちゃんの声を聞きながら、そんな事考えてみた。 冗長な駄文になりました。 orz
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:51:11.80 ID:uy40DngNO
>>261 それなんて俺?
マジで泣けてきた(´;ω;`)
266 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:52:22.21 ID:OgrlzwkE0
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:55:59.95 ID:NWKUIJHt0
明日の夕方にまでに残ってたら投下しようと思った。 …甘かった。ここにいる連中はマジだ。久々の良スレだ。 モノカキの真似事ばっかやってて、基本を忘れそうな俺には酷だった。 ウマい。十万石饅頭のようにウマい。食ったこと無いけど。 特に山岡書店とたんぽぽ、そしてオムレツには度肝を抜かれた。 きっと、こんな書き込みを考えているうちにも良作が投下されているに違いない。 そのうち、書き込みが長くなっているのに気付き、私は考えることをやめた。 今夜は時間が確保できないので保守だけ。
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:56:36.88 ID:UdpYcL4X0
どうやら俺が無理に1レスに纏めようとすると、
読み手側に投げっぱなしな文章になっちゃうのがウィークポイントか
お題ぼにゅう
>>272
269 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 21:57:31.36 ID:qGBCkRyS0
>>267 十万石饅頭は甘ったるくてモソモソしててお茶が無いと食えないぞ!
と地元民が言ってみる。
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:57:37.30 ID:x0rkLIig0
ksk
271 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 21:58:25.84 ID:qGBCkRyS0
ksk↓どうぞー
272 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:58:30.43 ID:x0rkLIig0
ksk安価下
273 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:58:48.30 ID:x0rkLIig0
前を歩く女の子がハンカチ落とした
274 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:59:16.29 ID:x0rkLIig0
嫌なセルフkskだった
275 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 21:59:30.96 ID:UdpYcL4X0
276 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:00:12.44 ID:x0rkLIig0
277 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:00:17.32 ID:VP0IriP10
278 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:00:33.19 ID:8LnSkhKq0
ksk
279 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:00:37.87 ID:x0rkLIig0
ksk
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:01:05.87 ID:x0rkLIig0
ドライブスルー
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:01:22.96 ID:UdpYcL4X0
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:01:39.93 ID:VP0IriP10
>>280 把握した・・・何も思いつかんなw頑張ってみよう
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:04:34.76 ID:NWKUIJHt0
284 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 22:05:16.63 ID:qGBCkRyS0
長く書ける人がウラヤマシス お題カマン↓
285 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:06:05.26 ID:x0rkLIig0
ksk
286 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:06:42.94 ID:x0rkLIig0
ksk安価下
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:07:01.31 ID:x0rkLIig0
水道からコーラが出る世界
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:08:29.48 ID:NWKUIJHt0
289 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 22:11:11.45 ID:qGBCkRyS0
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:19:18.54 ID:x0rkLIig0
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:20:05.83 ID:5wVU7Iiy0
VIPに於いて安価は絶対。 俺はケビン田中に敬意を表する。
292 :
お題「懲役8年目」 :2006/03/28(火) 22:25:13.07 ID:4lRdijdL0
狂ったほどに愛した女がいた 俺には勿体無い、そのくせ、俺を見捨てないでくれた最高の女だった。 そう、見捨てないでくれた。 その女が、昨日消えた。 服役者とは無機質であるのが一番いい。 常に誰かに従っていればいい。真面目に、生真面目に。 そこに感情は必要ない。ロボットのように、人のいうことを聞き、それを実行するだけでいい。 これが、俺が8年の間で得た最高にして確実な知識だ。 だが、 皮肉なことに、人を殺しても俺が人間であることに変わりない。ロボットになどなれるはずもない。 時には溢れる怒りを抑えきれなくなる。時には意味もなく募る悲しみをぶちまけてしまいたくなる。 時には全てを捨てて狂ってしまいたくなる。 そのたびに、 俺の頭が勝手に自己解決の道を模索し始める。 できるだけ無機質な解決の道を。 無駄なことだった、行き着く答えは決まっていた。 頭の中に虚像……あの女の虚像を創ればいい。 最初の5年間 その虚像は揺ぎ無く、いつも同じ形を創っていた。 虚しいとは思いながらも、いつも俺はその虚像に励まされてきた。俺の中の有機質が活性していた。 しかし、6年目のある日から その虚像が歪み始めた。正確に言えば、薄れ始めた。 俺は完全な無機質状態になってしまったのだろうか、その姿はどんどんと薄れ、昨日、ついに消えた。 今俺の記憶に残っているのは、俺には愛した女がいたという事実のみ。虚像があったという事実も記憶している。しかし、その虚像自体は今や、シルエットすら浮かばない。
293 :
お題「懲役8年目」 :2006/03/28(火) 22:25:39.01 ID:4lRdijdL0
昨日、俺はここにきて初めて狂ったようだ。
俺自身、良く覚えていないが、他の服役者の俺に向けられた奇異の瞳がそれを物語っている。
ああ
殺してくれと
誰に言えば殺してくれるだろうか。
女に依存するつまらない男といわれるかもしれない。
それでもいい
あの女の、虚像さえ失ったこの世界に生きていたくない。
さあ、殺せ
早く殺せ
コロセ
誰も殺してくれないのか
それなら
自分の手で死んでやる
終
今頃
>>130 のお題を消化 あれ?色恋ものにしないはずだったのに・・・orz
つーかいい加減このスレの作家のクオリティについていけない件orz
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:32:09.87 ID:5Oyd3OSz0
みんなすごいな……。
正直才能ないけど、なにか書きたくなったからお題
>>297
295 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:33:20.45 ID:x0rkLIig0
ksk
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:33:40.18 ID:x0rkLIig0
ksk
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:33:55.50 ID:x0rkLIig0
クリスマスツリー
298 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 22:41:57.14 ID:qGBCkRyS0
>>285 真面目なサラリーマンの彼は30過ぎても独身で
”仕事は真面目だけど付き合いが悪い”というタイプだった。
彼は始業30分前には席に座り、定時後30分で残務処理を終え
静かに帰宅する。周りからはつまらない男だと思われていた。
彼は帰宅するとすぐにスーツから別のスーツに着替え、愛車の待つガレージ
に向かった。シャッターを開けるとそこにあるのは鋭角的なデザインの真っ赤な
バイクだった。暖機を終えた彼と彼のマシンはピットから飛び出るレーサーの
勢いで車道に飛び出た。バイザーの向こうの表情はつまらないサラリーマンのままだ。
首都高に上がり、法廷速度で走る。仕事のトラブルについて考えていた。
後ろからグリーンのカウルの丸目2灯が付いてきた。パッシングしている。
後ろを見て、前を見る。車は居ない。スロットルを一気に開け放つと
メーターの針が飛び上がりもう200km/hを超えた。そのままコーナーに
飛び込みさらにスロットルを開ける。300km/hが見えてきた。
そこで止まって見えるのは彼の赤いマシンとバックミラーに写る緑色のマシンだけ。
その時彼は仕事の事はすべて忘れていた。バイザーの向こうの表情は少年のそれだった。
彼の世界はkskを続けていた。
参考資料
ttp://www.micapeak.com/DPG/ducati/916/916.jpg ttp://img.yezzz.com/zm3197384.jpeg
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:43:37.95 ID:UdpYcL4X0
>>273 僕の前を歩く女の子が黄色いハンカチを落とした。
これは必然だろうか。いや、普通に考えれば偶然の出来事だ。
明確な目的があるからといって、わざとハンカチを落とす状況なんて考え付かない。
あるとすればその行為によって誰かの気を惹くためか、それともただの冗談かだ。
もしも前者の理由と仮定した場合、なぜ女の子は僕の目の前に落としたのか。
これが知り合いならば、まだこの不可思議な状況における印象も違ったはず。
ただの他人に過ぎない相手だと、なぜかドッキリじゃないのかと無意味に警戒してしまう。
もしこのハンカチを拾って届け、お礼どころか文句を言われてしまったら……。
ついつい悪い方へ考えてしまう僕の悪い癖だ。
僕は暫く目の前のハンカチと睨めっこを続けていた。
黄色いハンカチは幸せの象徴として扱われることがある。
ならばこれは本当に幸せを運んできた、ということになるのだろうか。
僅かな一瞬だけに夢見たものであったが、恐らくもう彼女と出逢うことはないかもしれない。
彼女にとったら僕は、ただの親切心でハンカチを拾ってくれた子としか認識していないだろうから。
それでも、僕という存在が彼女のどこか心の片隅で息衝いていることを信じたい。
ただ落し物を拾い届けるという行為が、こんなにも気持ちの良いことなんて知らなかった。
撫でられた頭の温もりを逃さぬよう、僕は薄暗い裏路地へと駆けむ。
僕の身丈より遥か上のコンクリート壁を飛び越え、小さな風穴を潜り抜けて寝床へとたどり着く。
拾い集めた姿形の様々なガラクタの山を尻目に、眠りへと就くために疲労した体を横たえた。
まだ僕の主が生きていた頃に使っていた、少し薄汚れた白いハンカチに身を包ませながら。
「ニャー」
主の笑顔を思い出して悲しくなる。僕の呼ぶ声はちゃんと空の向こうに届いているのかな。
またお題がたいして反映されてない希ガス
300 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 22:46:16.34 ID:qGBCkRyS0
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:48:53.65 ID:x0rkLIig0
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:51:44.74 ID:UdpYcL4X0
ごめ、推敲不足
>>299 ×裏路地へと駆けむ
○裏路地へと駆け込む
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:55:23.13 ID:UdpYcL4X0
途中までは普通の少年として書いてた罠
思い付きで変えてみたんだけど良かったみたいで安心だお^^
お題ぼすう
>>309
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:55:57.79 ID:4lRdijdL0
ksk
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:56:43.72 ID:x0rkLIig0
ksk
あの人を想うと胸が熱くなる 一目見たときからこの想いは止まらない あの人の仕草一つ一つがいとおしくてたまらない 言葉一つかけられただけで舞い上がって正常な思考が出来なくなる 苦しくて、だけど心地良い 机にそっと忍ばせたラブレター、読んでくれましたか? 恥ずかしくて宛名なんて書けなかったけど 想いが伝わるか分からないけれど、きっと貴方に伝えられるだけで私は幸せ 待ち合わせの時間まで後5分 ―――この思い、どこまでもkskしていけ kskついでwwwwwwwwwwwww
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:57:35.37 ID:x0rkLIig0
ksk安価下
309 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 22:57:39.43 ID:qGBCkRyS0
kskでここまで話を広げられるとは思わんかったwwwww
310 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:57:44.15 ID:4lRdijdL0
疑問
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:58:02.16 ID:x0rkLIig0
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:58:15.50 ID:6xs8EgsC0
なにこのスレ(;^ω^)
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:59:21.98 ID:x0rkLIig0
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 22:59:33.25 ID:ZPLm3kAj0
なんか妙な流れになってきてるな(;^ω^)
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:01:37.42 ID:4lRdijdL0
>>298 kskでこんな文章が書けるおまいに感服
>>299 ぬこだけで和めるのにこのクオリティ・・・
うん、超和んだ
>>300 独白の感触が最高です 超GJ
よし、軽く絶望したところで
>>317 何かお題をよろしく
316 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:02:16.79 ID:aJB6hdyS0
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:03:36.12 ID:x0rkLIig0
飛行機の中
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:04:15.13 ID:4lRdijdL0
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:06:55.06 ID:NWKUIJHt0
>>287 「ひとまずな、まずは水を一杯くれないか」
当店に駆け込んでくるなり、そのお客様はそう仰られました。
むろん、私どもはお客様に最高のサービスを提供するのが仕事であります。
ですので、すぐさまお出ししました。
しかし、お客様は顔を顰め、「またか!」と叫びました。何が、「またか」なのでしょうか。
私が質問をしようとしますと、男は物凄い形相でこちらを睨みつけ、店から飛び出していきました。
一体、なんなのでしょうか。
――あるレストランの店員
「ひとまずな、水を一杯くれないか」
あらん、イイ男。お冷の他にもたぁっぷり、サァビスしてあげるわよ?
…「遠慮しておく」? あら、そう。残念ね。本当に残念。
仕方ないわね。マスター、お冷ひとつぅ。
はぁい、どぉぞ…どしたの? 顔色悪いわね。
「またか」? どうしたのよいきなり。ねぇ、おねえさんが事情聞いてあげるから。
ちょっと、お待ちなさいよ! あぁ、もう! 久々にイイ男ゲットできるかも、って思ったのに!
一体全体、なんなのよ!
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:07:15.69 ID:NWKUIJHt0
「なぁ、水をくれないか」 どうしたんだい、そんな世界の終わりのような顔をして。 ははぁん、わかった。把握したぞ。いやいや何も言うまい。ちょっと待っていたまえ。 ほら、水だ。浄水器にかけたからウマいぞぉ? どうした? 飲まないのか? 「またか」? 君は一体何を言っているのかね? 君!? 待ちたまえ、君! そんな体で何処へ行く! ――ある一般市民 「…みずを…くれ…」 もう、言わんこっちゃ無い。 「もう、コーラは、たくさんです…」ぅ? 当たり前よ。 水道からコーラの出る世界なんて、ロクでもないことがわかった? 「わかった。わかったら、みず…」 はいはい。お水。 「ぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぐびぷはぁーッ!」 コップ1杯分の水を飲み干すと、お兄ちゃんは大の字に倒れた。 全くもう、お兄ちゃんの我儘もここまでくればたいしたものね。 水と言う水をコーラに替えたら、どんだけ奇妙な味覚の世界になるか、予想できたでしょうに。 例えば、コーラで炊いた炊き込みご飯とか… ― 終 ―
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:08:19.36 ID:UdpYcL4X0
>>309 「kskでここまで話を広げられるとは思わんかったwwwww」
意気揚々とスレに書き込んでみたが、自分がアンカーを踏んだことにハッと気付く。
何度も何度も目を手で擦って見ても、青く表示されるレス番号に絶望さえ覚えた。
きっとこの次は「失望した」などのレスがつくはずだと、子犬のように脅えていることだろう。
だが決して故意に犯した罪ではない。
リロードを怠った偶然の出来事なのだ。
無論、彼のミスといえばそういうことになるだろう。
それでもめげることなく、今も意欲的に創作活動を続けている。
自分の罪を償うように。
彼の名はケビン田中。
埼玉銘菓を語る熱い男。
了w
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:08:26.17 ID:NWKUIJHt0
結局書いてしまった。微妙やわぁ。
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:09:50.51 ID:x0rkLIig0
>>319 ラノベチックな感じがたまらねぇwwwwってかうめぇwwww
話の間のテンポといい構成といいうまいね
>>321 おまwwwwwwwwwGJwwwwwwwwwwww
>>322 最初のミステリーチックな描写から一気に落とすラストのギャップがうまいwww
恐怖心が一気に笑いに変わったおwwwwwwwww
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:13:19.81 ID:UdpYcL4X0
コテが安価踏んでなかったら書けなかったw
改めてお題ぼしう
>>331 kskと高見盛以外で
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:14:05.10 ID:x0rkLIig0
ksk
327 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:14:35.78 ID:x0rkLIig0
ksk
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:15:14.69 ID:x0rkLIig0
ksk
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:15:34.56 ID:x0rkLIig0
ksk
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:15:40.97 ID:NWKUIJHt0
>>321 そう来るとは思わんかった。
>>323 ありがd。軽いテンポだけが持ち味です。
>>324 それだけが(ry
久々に燃えた。明日まで残っていますように。ノシ
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:16:03.84 ID:x0rkLIig0
リベンジ
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:16:36.42 ID:UdpYcL4X0
333 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 23:17:10.28 ID:qGBCkRyS0
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:32:20.68 ID:4lRdijdL0
ほしゅほしゅ
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:40:05.51 ID:x0rkLIig0
保守
336 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/28(火) 23:40:13.70 ID:qGBCkRyS0
寝る前に保守
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:45:46.95 ID:UdpYcL4X0
>>331 リベンジ
止め処なく溢れ出る紅い雫が、白く細い指先を伝い流れ堕ちる。
一滴一滴と雫は地面に僅かな水溜りを作り、その紅い水面を揺らめかす。
水溜りに捕らえられた満月が淡い輝きを歪ませていた。
水面に映る自分の顔と、紅く染まった両手を眺めながら少女は涙を零す。
辺りには遠くで響く鈴虫の鳴き声だけ。
深夜でさえネオンの消えない街の裏路地にしては、おかしいくらいに静けさが包んでいた。
そのせいか、近付く足音がやけに大きく少女には聞こえた。
「……お前、だな?」
唐突にそう質問され、項垂れていた少女は涙を拭わないままに顔を上げた。
スーツ姿の長身の男が、月を遮るように見下ろしている。
「選択肢は二つある。過ちを犯す前に安らかに眠るか、生きて過ちを犯しながらも抗うか」
男はそう告げてから少女と同じ目線までしゃがみ込んだ。
その表情は月の逆光で目の前の少女ですら判らなかった。
「どういう、こと?」
やっとの思いで搾り出した声は震え、困惑の色を混じらせていた。
「お前はもうあの男に捨てられたんだ。でなかったら今頃――」
「――違う!」
少女は男の言葉を遮りながら叫んだ。
そして傍らに捨て置かれたバタフライナイフを掴み、男を威嚇するようにその刃を向ける。
「無駄なことはやめておけ。お前が殺ったそいつみたいに今度はなるぞ」
そう言って男は離れたところで寝転がる、息絶えた少年を指差しながら鼻で笑った。
まんざら嘘でもない様子に、少女は肩を震わせて奥歯をギリギリと噛み締める。
「まぁ、精々死なないよう努力してくれよ。こっちの仕事もラクじゃないんでね」
手をひらひらとはためかせ、男は少女の前から立ち去って行く。
「死んでたまるか……まだ私は生きる目的がある」
独り闇に残された少女は、バタフライナイフをズボンのポケットに仕舞い口元を手の甲で拭った。
生温かい血が綺麗な紅い虹を白い手に作り上げる。少女の復讐は、まだ始まったばかり。
思いつくまま書いたらワケ判んないです><
>>337 情景描写がヤバイ
臨場感ありまくりんぐwwwwwwwwwwwwww
復讐劇の続きがすげえ気になるwwwwwwwwww
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:54:11.92 ID:c4wGXzP20
ぬるぽ
ガッ
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/28(火) 23:59:01.20 ID:UdpYcL4X0
続きとかまったく考えてナスwwww
342 :
1/2 :2006/03/29(水) 00:02:34.19 ID:VnE1udc10
お題消化
>>192 僕はカレーライスが嫌いだ。
昔は大好きだったんだが今はちょっと…
いや、嫌いと言うよりは見たくないと言う気持ちが強いだけなのかも知れない。
っと、匂いを嗅ぐのもダメだからやはりここは普通にカレーライスが嫌いと言う方がいいかな。
だからどうしたって?
まぁ元々そんなに長くなる話じゃない、少々落ち着いて話を聞いてくれてもいいじゃない。
僕がカレーライスを嫌いになった理由、それは生まれてすぐに父親を亡くした僕の唯一残った肉親である母親が最後に作った夕食だから。
どういう意味だって?
まぁ急かさないでくれよ、ちゃんと話すからさ。
―――あの日、学校からいつものように帰った僕は「ただいま」と言うなり2階の自分の部屋に篭っていたんだ。
自分の身長並に積んであるゲームを消化したかったからね。
でだ、しばらくエロゲをしていたら階下(僕の部屋は台所のちょうど真上に位置するんだ)から物音がしたんだ。
不信に思ったけどまぁせいぜいまな板を落としたぐらいだろう、そうタカを括ってエロゲをそのまま続けたんだ。
343 :
地雷 :2006/03/29(水) 00:02:48.98 ID:P2112NYP0
透明な扉をくぐって猟場に足を踏み入れた一人の男。 彼の姿はさながら荒野をさすらう一匹の狼か、あるいは最前線で駆けまわる一人の傭兵か――。 猟場を一望した男は自慢の鼻を利かせながら辺りを徘徊する。 昨今の通信技術の発達によって、猟場に転がる危険な地雷の位置はいくらでも事前に、 それも精度の高いものを調べることができるようになった。だが男は機械に頼ることを好まず、極めて 原始的な方法――つまり自身の五感を限界まで研ぎ澄ませて狩りを行うことを主とした。 周囲に転がるいくつもの物言わぬ岩石たち。男は一つ一つそれを手にとって、 僅かに隠された宝石への手掛かりを逃さぬようじっくりと、舐めるようにそれらを観察する。 やがて男は目ぼしい一つを手にとって抱え、猟場を後にした。 「ありがとうございましたー」 快活な女性の声を背に住処へと戻る男。彼の抱えるカバンの中にあるのは宝石の元素か、 あるいは危険な地雷の隠れ蓑か。 帰り道を歩く間中ずっと、男はその表情をいやらしく歪めていた。 住処へもどった男は、拾い上げた岩石に秘められた輝きを一つも逃さないように研磨する―― ――だが、俄かに男の頭の内で鳴るのは鈍い爆発音。 体中にいくつもの傷を負った男は、誰も居ない住処の中で荒々しく吠えた。 「何がファンタジック・スペーシーRPGだ! 畜生おおおおおおお!!!」 そして男は住処から這い出し、傷だらけの体を引きずりながら再び猟場に戻る。 「ありがとうございましたー」 こうしてまた世界に一つ、新たな殺人兵器が埋め込まれる事となった。
344 :
2/2 :2006/03/29(水) 00:03:29.04 ID:VnE1udc10
そして我が家がいつも夕食を取る時間がやってきた。 何も知らない僕はいつものように台所に降りていった。 でも、そこに広がっていたのはいつもと全く異なる景色だったんだ。 カレーの香辛料の匂いに混じって香る鉄のような匂い。 床には唐辛子よりも赤い液体。 そしてその上には―――僕の母が横たわっていた。 …そこからの僕は冷静じゃなかった。 母さん! 僕がそう叫ぶと母は意識だけはあったようで、僕を見て微かにこう呟いた。 「…カレー…美味しい?」 母の質問に答えるために僕は棚からスプーンを取り出し鍋のカレーを一口食べた。 「美味しい、美味しいよ、母さん」 僕の声に母は答えなかった。 でも僕はそれが示す結果を認めたくなくて、カレーを一口食べては美味しい、美味しいと叫んだ。 後から分かった話では家のドアが空いていたところに麻薬中毒者が入り込み、母を包丁で刺したらしい。 でも僕にはそんなことよりもカレーのことが頭にこびり付いている。 少し底の方が焦げたカレー。 母の作った最後の夕食。 その日以来、僕はカレーが嫌いになった。 ゴメンね、こんなショボい作品でゴメンね
345 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:05:25.76 ID:n9/Hc4Ss0
カーチャン(´;ω;`)
347 :
地雷 :2006/03/29(水) 00:06:42.99 ID:P2112NYP0
>>250 上がり。
>>344 割り込みスマン><
結構暖かい文章なのに何このバイオレンスwwwww
>>345 >>347 感想ありがとー(´;ω;`)
文章書くと何かダークな方面に転がってしまう俺ガイル
過去作品とか見るともう吊りたくなってくるwwwwww
せっかくだからお題ぼしう
↓
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:15:52.02 ID:P2112NYP0
ハサミ
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:15:52.91 ID:WUXpcbaXO
かーちゃん
うはwwwwwwwコンマ秒の争いwwwwwwwwwwww ハサミ把握、これはダークを期待されてると見ていいですk(ry
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:24:57.39 ID:P2112NYP0
保守 誰か感想くれおwwwwwwwwww
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:27:45.78 ID:DnBt6XJu0
>>352 導入部に惚れた
文章のつなげ方もいいと思う
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:37:52.61 ID:P2112NYP0
>>353 ありがd(`・ω・´)
過疎化wwwww
355 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:39:38.06 ID:gczYbroK0
こんなスレあったんだ 知らずにさっき一人でスレ立てたけど誰も来ずに一人で書いてたwwwwそりゃこん罠wwww 矛盾だらけだけどここに乗せていい?下手なりに一生懸命書いたんだ、やっぱり誰かに読んでほしい・・・
356 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:40:43.08 ID:DnBt6XJu0
357 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:43:42.93 ID:gczYbroK0
>>356 ありがとう。コピペの方が保守がてらにもなるかな?
多少修正して投下しますね。
358 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:45:08.11 ID:DnBt6XJu0
>>357 wktkとお題消化を同時進行させながら待ってるよ
スマン風呂入ってた
>>354 導入部で凄いwktkした
良作ありがdだおwwwwwww
360 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:57:56.90 ID:gczYbroK0
お題:今日あった世にも奇妙な物語がどんなストーリーか予想 役者も見てなかったので勝手に予想しました。 劇団ひとり お塩学 ←ここまで書いた 仲間ゆきえ 夜神月
361 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 00:59:22.00 ID:P2112NYP0
このまま誰もこなかったらそれはそれで
>>357 がうけるwww
364 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:01:32.21 ID:DnBt6XJu0
365 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:02:32.18 ID:8YMSQsGb0
流れ読まずに投下 お題
>>280 「それとスマイルを一つね」
あの人はいつもそう付け加えた。
スピーカーの向こう側、飛び切りの笑顔で私は答える。
「スマイルは当店内でお召し上がりください」
初めはおかしな人だなと思った。
定期的に訪れる彼とのやり取りを、私は次第に楽しいと思うようになった。
「それとスマイルを一つね」
「スマイルは当店内でお召し上がりください」
当人達にしか伝わらない、暗号を共有する楽しさというかなんというか。
もちろん、周りには伝わって、にやにやと見守られていたけれど。
そのうち店長にも伝わって、仕事のほとんどをドライブスルー対応にされたけど。
一度だけ別の会話をした事がある。
「ここは宅配はしてもらえるんだっけ?」
「え?申し訳ありませんが―」
「次の日曜日に、駅前の公園に君を持ってきて欲しいんだけど」
「・・・何十年も作り置いた物しか残っておりませんが、宜しいでしょうか?」
「もちろん、構わないよ」
「かしこまりました ・・・必ずお届けに参ります」
仲間からは肘で突付かれ、にやにや笑いが止まらなくて、
結局その日は仕事を途中で降ろされた。
366 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:03:40.53 ID:8YMSQsGb0
そして日曜日がやってきた。 休みを貰い、二つの足で配達した。 あの日、彼は来なかった。 その日から、彼が来る事は無くなった。 私は彼のことを何も知らない。 だから何があったかも分からない。 今日も私の知らない人が、私と顔を合わせて帰る。 マイクの前に座りながら、いつまでもあの一声を待っている。 いつ彼が来ても良いように、心から「いらっしゃいませ」と言う。 ―――――― バイトした事も無いし細部適当 大目に見てください
367 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:08:52.41 ID:DnBt6XJu0
>>366 不安定な恋というものを見た希ガス
今度スマイル頼んでみよう
368 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:09:54.65 ID:EN9eLD2P0
うお・・・やっと最後までこじつけたけど、何か死にたくなってきた。 何で想像したのと違うものが出来上がるのだろうか・・・ 恥さらすんで、よければ罵ってください。
>>112 名前が知り合いに似てて激びびった。宮城県じゃないよね?そんでもっておもしろかったでつ。
371 :
公園のブランコ :2006/03/29(水) 01:13:24.24 ID:EN9eLD2P0
少年が少女と出会ったのは、車椅子の上だった。 少年が訪れた公園のブランコで、元気一杯に遊ぶ少女。 それが彼女だった。 「いーち、にー、さーん、しー……」 大きく足を動かして、楽しげにブランコを漕ぐ姿に、少年は嫉妬にも似た羨望の眼差しを送る。 自分でも知らぬうちに、両足に巻かれた包帯を握り締めながら。 その視線に気がついた少女は、少年の元へと駆け寄り、向日葵のようににっこりと微笑んだ。 「ねぇ、あなたもブランコに乗りたいの?」 屈託のない笑顔に、少年は視線を動かすことができなかった。 声を発することができなかった。思考することができなかった。 周囲の喧騒が途絶えて、少年の一瞬は永遠となった。 「大丈夫、怖くないよ。私が一緒だから」 少女の魔法の言葉が、少年を束縛から解き放つまで、少年は息をすることすら忘れていた。 少女の差し伸べた手が少年に触れる。 触れた部分が熱を帯びる。 その熱は胸まで届き、血液となって全身を駆け巡った。 「ダメだよ。僕は足が悪いんだ」 そんな当たり前の言葉も、少年は思い出せないでいる。 「あ、いや、その……」 普段より1オクターブは高いであろう狼狽の声と共に、少年の顔は耳まで赤く染め上げられた。
372 :
公園のブランコ :2006/03/29(水) 01:14:05.29 ID:EN9eLD2P0
少女が少年の前に立つと、少女の白い服が風で膨らんだ。 陽光に透かされて、少女の体が形をつくる。 華奢ではないが、まだ成熟していない少女のシルエットが、少年の目に刻み込まれた。 少女は少年と変わらぬ歳のようであるが、もしも少年が今立ち上がることが出来れば、 拳一つ分くらいは少女の方が長身だろう。 同時に、太陽の匂いがした。 勿論、少年は太陽の匂いなど知るよしもないが、そう感じたのであった。 少女は少年を車椅子から抱き上げると、何度も転びそうになりつつ、 彼をブランコの上に座らせたのだった。 ブランコは子供ふたりが乗っても少し大きめで、より不安定さを持っている。
373 :
公園のブランコ :2006/03/29(水) 01:14:28.63 ID:EN9eLD2P0
「ねぇ、空ってみたことある?」 少女の問いを、少年は理解できなかった。 「ソラって、空だよね。もちろんだよ。上をみれば、いつでもみれるじゃないか」 「ううん、違うの。私のいいたいのは、真っ直ぐ前に見える空。 私たちの頭の上にある空とは違うの。すっごく綺麗なんだよ。とっても気持ちいいんだから」 そう言って、少女は少年の脇に両足を伸ばしてブランコの上に立ち、二人乗りの体勢を取った。 そして、元気よく叫んだ。 「今、見せてあげる。ほらっ!」 少女は両足に力を込めて、ブランコを漕ぎ出した。 少年は不安定さに転落を恐れ、懸命にチェーンに捕まっていたが、 それも初めのうちだけだった。 少女が前へ後ろへ、体重移動を続けるが、少年が協力をしなければ、 ブランコは上手く揺れてはくれない。 そのことに気がついた少年は緊張を解き、少女に合わせて体重移動をするようになった。 すると、少しずつ、少しずつ。ブランコは漕ぎ出される。 「いーち、にー、さーん、しー……」 少しずつ、振り幅は大きくなっていく。 気がつけば、少年と少女の息はぴったり合っていた。 「ほら、見えてきたでしょ、空。 私たちが見上げなきゃ見えない空とは違う、とっても綺麗な空が」 ブランコの振り子が頂点に達すると、目の前には大きな空が広がっている。 少女の声に、少年は瞳の輝きで答えた。 少年は知らなかった。 空の青さを。 雲の白さを。 空は上にあるものじゃなくて、目の前にあるのだということを。 風を切る快感が、少年に自由の翼を与えている。 目の前に広がる空に限りはない。 二人は今、空を飛んでいるのだ──
374 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:15:00.20 ID:gczYbroK0
>>363 ちょwwwwwwwそんな事いわないでwwww
ちょっと修正しました
劇団ひとり主演:鏡の中のリンゴ
ひとりはしがないサラリーマン。恋人はいるが遠距離恋愛でうまくいっていない。
隣人はイケメン。女の人を呼び込んでくる。イケメンの部屋から出てくる女は跡を絶えない。
ひとりは意地になっていた。会社でもうだつはあがらない。隣人はエブリデイセクロス
そんな憤りを彼女にぶつけている日々だった
375 :
公園のブランコ :2006/03/29(水) 01:15:26.67 ID:EN9eLD2P0
夕暮れの喧騒が遠くに聞こえる中、錆び付いた金属の擦れる音がした。 しかし、その音に振り返った男の視線の先には、誰もいなかった。 人気のない公園の中、ブランコが風に押されて揺れている。 男は小さくため息を漏らすと、赤く焼けた空をみた。 「あれから十年か……」 男は目の前の公園を一望し、過去の記憶をよみがえらせた。 かつて交通事故で両足を怪我していたときに、彼はこの公園でひとりの少女と出会った。 彼の怪我は回復し、再び歩けるようになったのだが、 その力を与えてくれたのは、その少女だと思っている。 春とはいえ、夜はいくらか肌寒い。だが、心地いい。 男はブランコに腰を掛けた。 子供の頃には大きかったブランコが、今では微妙に小さいほどである。 彼にはそれが可笑しかった。 彼はチェーンに手を掛けて、ブランコを小さく揺らしていると、背中から女の声が掛かった。 「随分と大きな子供がブランコに乗ってるわね」 男が振り返ると、そこには見慣れた顔があった。 「君がここへ呼び出したんだろ」 女の憎まれ口に対し、男はこれみよがしに、ブランコを大きく漕ぎ出した。 物悲しさを語る金属音は、急速に闇へと包まれていく景色の中に融けていく。 「それで、今日はどんな話があるのさ。ここへ呼び出すなんて」 男はブランコを飛び降りると、女に問いかけた。 男は何事かあるを覚悟している。 彼らにとって、この公園はそれだけ思い出深い場所なのだ。 女は黙ったまま、男の脇を通り過ぎると、今度は女がブランコに座った。
376 :
公園のブランコ :2006/03/29(水) 01:16:07.82 ID:EN9eLD2P0
「ねぇ、ブランコ押してよ」 男は女の駄々を脳に一巡させて、返事をした。 「それじゃ、一緒に乗ろう」 そう言って男は女の脇に立ち、ブランコに立ち乗りをした。 女はその間に座り込んでいる。 いい大人が公園のブランコに二人乗りをするなど、どれだけ馬鹿げた光景なのだろうか。 それでも構わない。 周りからはどんなに馬鹿だと思われても。 男はゆっくりとブランコを漕ぎ出した。 十年前と同じように、二人で、お互いの役割を入れ替えて。
377 :
公園のブランコ :2006/03/29(水) 01:16:30.90 ID:EN9eLD2P0
街の明かりに眩まされて、星空は弱い輝きしか持たないが、それでも美しい。 風を切って香る夜気には、ほのかに花の匂いが感じられた。 「いーち、にー、さーん、しー……」 声には出さないが、二人はブランコを漕ぐ回数を数えている。 ブランコが二十回ほど揺れると、男はぽつりとつぶやいた。 「久しぶりだな。こうやって、二人でブランコに乗るなんて、もうないと思ってたのに──」 男の言葉は、夜空に吸い込まれた。 それから二回、ブランコが揺られると、今度は女がつぶやいた。 「そうだね。二人で乗ることなんてもうないね」 女の言葉に、男は心が揺すられた。 今日、二人が出会った場所に呼び出された理由。 それが脳裏を過ぎる。 「──どういう意味だよ」 男は声から動揺を悟られないように、慎重に波長を抑えて問いただす。 女はそれを頭の上に受けて、少し恥ずかしそうな素振りをみせた。 「だって、今もブランコに乗ってるのは、二人じゃないんだよ」 その声は小さなものだったが、それでも力強く男の耳に届いた。 「もしかして、今日、ここに呼ばれたのは……」 それ以上の言葉は必要がなかった。 女は小さく頷き、夜空を見つめた。
378 :
公園のブランコ :2006/03/29(水) 01:17:50.21 ID:EN9eLD2P0
男はブランコを漕ぐ力を強めた。 どんな言葉を掛けるべきか、考えているのだろう。 女は男の言葉を待っている。 大きく漕ぎ出されて、子供の頃のようにブランコが空と平行線と並ぶと、男は女に告げた。 「俺、ずっと考えてたんだ。もしも子供が生まれたら、どんな名前を付けようかって。 俺はね、男だったら太陽、女なら空。そんな名前を付けたいと思うんだ──」 夜の公園。 揺られるブランコ。 優しい春の夜に桜の木が祝福の花びらを舞わせる。 行ったり来たりのブランコに、二人はどんな未来をみたのだろうか。 おしまいです。 本当はこんなの書きたくなかったといいわけさせてください。
379 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:21:19.06 ID:DnBt6XJu0
>>378 長編乙です
しかしすごく・・・いい話 感動モノだ・・・ 超GJ
>>371-373 >>375-378 感 動 し た
どうすれば「公園のブランコ」からそんな感動物語が作れるんですか?
「いーち、にー、さーん、しー…」とか台詞の使い方もウマスwwwwww
あれ、何か目から塩水が…
381 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:25:47.09 ID:P2112NYP0
まだまだ寝ないぜ!!!111 お題ちょうだい↓
382 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:26:27.41 ID:DnBt6XJu0
遠回り
383 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:29:24.02 ID:P2112NYP0
ここレベル高いので怖々書書かせてもらいます。 安価ください↓
385 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:37:55.43 ID:L9lWB44Y0
明日も
ダークな展開にするまいと必死に明るいストーリー考えようとしても思いつかないよ お題踏んでたら つ「手紙」
388 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:39:16.03 ID:DnBt6XJu0
389 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:40:11.86 ID:gczYbroK0
ID EN9eLD2P0さん、投下中にすいませんでした・・・。
390 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 01:45:30.82 ID:010/XZ430
なんとなく眠れないので処女作書く。 短編になるか中篇になるかもわからないけど、 想像力を膨らませられるお題よろ↓
391 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 01:48:22.55 ID:010/XZ430
あ、昨日投下したのは、余りに酔ってて記憶無いので、無かったことにして別の書きます 誰もいないのかな?↓お題
懺悔
393 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:48:50.44 ID:DnBt6XJu0
つ「破壊」
394 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 01:49:47.02 ID:010/XZ430
>>392 把握。なかなか短編にまとめるのは難しそう。・・・
頑張ります
395 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:49:49.53 ID:L9lWB44Y0
396 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 01:53:39.09 ID:P2112NYP0
>>395 山田フィーバーが原因じゃね?あと彼酔ってたらしいしw
397 :
お題 飛行機の中 :2006/03/29(水) 01:55:04.53 ID:DnBt6XJu0
まったく、ここにいると私は都会人にはなれないと強く感じてしまう 私の田舎は都会から遠く離れた山奥にある。毎年、お盆と正月には必ず帰省するようにしているのだ。 今年も慣例通り、私は夏の夕暮れを故郷の風の中で過ごしていた。 縁側で西瓜を右手に、団扇を左手に、風鈴の音を聞きながら自然を感じる。これほどの贅沢は都会の一等地などでは到底できない。 私が年老いたからだろうか。だとしたら、老化というのも悪くない。 今、私の目の前で2人の息子と親戚の幼い兄弟が犬を交えて戯れている。その光景は私の中の懐古の情を引き出すには十分すぎる。 この光景を眺めるたびに、普段都会の狭いマンションに閉じ込めてしまっている息子たちに本当に申し訳なく思ってしまう。 彼らが笑いながら遊んでいるのを、頬を緩ませたまま眺めている私はどこからどうみても親バカだろう。そんな自嘲気味な言葉を心の中で吐き出しながら右手の西瓜をほお張る。 美味い、美味すぎる。ほっぺたが落ちるとはまさにこの事だ。畑でとれた大玉の西瓜を井戸水で冷やし、食する。あまり甘いものを好まない私でさえもこの味だけは病み付きだ。 この味を覚えてしまうと、どうしてもデパートの果物売り場に並んでいる西瓜を手に取る気にはなれない。 近くの山からセミの合唱が響く。街中で聞けば鬱陶しいだけの彼らの歌も、ここで聞けば趣を感じさせる最高のBGMだ。 ……少し田舎ばかり褒めすぎているかもしれない。が、私は本当にここが好きだ。定年を迎えたらここで隠居生活をおくろうなどと言う壮大な人生計画は妻にも内緒にしている。 「ねーねー、おじさーん?」 背後からの突然の声に私は少し肩を震わせた。 後ろには、未だに犬と戯れている親戚の兄弟の弟……幼すぎて遊びに参加させてもらえなかった子供が立っていた。確か、3歳だったはずだ。 私はまず、おじさんという言葉に反論しようとしたが、何もいえなかった。認めたくはないが、彼にとっては私は間違いなく「おじさん」なのだ。 「ん?どうかしたか?」
398 :
お題 飛行機の中 :2006/03/29(水) 01:55:45.49 ID:DnBt6XJu0
できるだけ柔らかい口調で私は応える。十年間子育てをした経験は伊達ではないはずだ。 「おじさんはどうやってここまできたのー?」 相変わらずのかわいらしい口調、綺麗な瞳。その無邪気な声は聞くだけで気持ち悪いほど破顔してしまいそうになる。 ……子供を褒めすぎているかもしれないが、私は子供も大好きなのだ。 「飛行機で来たんだよ」 「ヒコーキ?」 聞きなれていないのか、少しトーンを上げた声で反復する子供。私はその頭を優しくなでる。 「そう、飛行機で近くの空港まできてね、そこからはバスを使ってね」 いつもは半日ほどかけて車を走らせるのだが、今回は息子たちにせがまれたこともあり、飛行機を使ってここまで来た。 料金はバカにならないが、子供達にとっては初めての飛行機体験だ。有意義であったことは間違いないだろう……やはり私は親バカなのだろうか と、さっきから子供がしきりに首をかしげている。 「どうかした?」 「ヒコーキってなあに?」 「ああ……飛行機って言うのはね、お空を飛べる乗り物だよ」 「おそらを?」 「そう、お空を」 可愛らしいの一言に尽きる。 私が陶酔してしまいそうになっているとき、彼は「じゃぁさぁ」と言葉を繋いだ 「ヒコーキの中ってどんなのー?」 「そうだね……」 私は意味もなく困ってしまった。 おそらく、彼の中ではとても幻想的な世界が出来上がっているのだろう。なにしろ、空を飛べるような代物なのだ。エコノミークラスの狭苦しい座席群など想像だにしていないだろう。 小さな二つの瞳が私に答えを急がせる。彼の期待を裏切る回答は出来ない……
399 :
お題 飛行機の中 :2006/03/29(水) 01:56:25.67 ID:DnBt6XJu0
「めるへんだよ」
「え?」
「玩具とかがいっぱいあってね、すごく楽しい場所だよ」
「ほんとにー?めるへんなのー?」
「本当だよ、めるへんだよ」
私は虚勢満々だ。子供の笑顔を保つための自己満足でもあるのだが。
実際、目の前の子供はさっきよりも好奇心に満ち溢れた顔をしている。
「へーえ、ぼくも乗ってみたいなあ」
「お父さんとお母さんに頼んでごらん、きっと、乗せてくれるよ」
そういうと、子供はにこっと笑って「うん!」と陽気に答え、すぐに
「おかーあさーん!」
と叫びながら台所のほうへとせわしない足音を立てながら駆け去っていった。それを私は、彼に負けないぐらいの笑顔で見送った。
故郷に帰って自然を感じ、子供と接して微笑む。これほどの幸せはなかなか見つからない。
ここにいられるのもあと三日ほどだ。ならば、この幸せを十分に感じよう
そんなことを考えながら、私は西瓜をほお張る。うむ、やはり美味い
この日の夕食後、妻と両親に「つまらない嘘をつくな」と説教されたのは余談である
>>317 のお題を消化 なんだか需要のなさそうな親父の独りよがりです
しかしお題から随分外れたな… 飛行機乗ったことないんだよなorz
400 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 01:59:29.80 ID:010/XZ430
>>395 >>396 すまん。本当に昨日のことは覚えていないんだw
パソコンつけたまま、起きたら朝の7時だった。
文章を書いた記憶も無くて・・・
名前変更したのは、ちょっと昨日の文章が恥ずかしすぎるので、一から出直しと言う事で許してください。
なんか、深夜に無理矢理書いた読書感想文を次の日の朝読み直した時の恥ずかしさに似てる・・・orz
401 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 02:00:26.35 ID:L9lWB44Y0
402 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 02:08:15.65 ID:L9lWB44Y0
店内には、誰も居ないようだった。 店員が出てくる気配すらない。 「こんにちはぁ」 何の物音も無い。 「すいませぇん」 ついさっきまでは、騒々しい大通りに居たはずなのに。 急に別の世界に隔離されたような気がする。 「…どなたかいらっしゃいませんかぁ」 予想通り、反応してくれない。 やっぱりこの町に来たのが間違いだったのか。 人が多いところは何でもある。 百貨店と同じだ。カバーしている範囲は広い。 そう思っていたんだが。 相変わらず、店内は静かだ。 もう諦めて出て行こうか? 百貨店と同じ。 売り上げがないもの、マイナーなものはどんどん店頭から去っていく。 店主がそれらに力を入れることはまずない。客もそんな商品には注目しなくなっていく。 そういう意味では百貨店は専門店にかなわない。 気付くと、いつの間にか老いた店員がカウンター奥に腰掛けていた。 そんなわけでまとまらないまま長々とすまんが過疎ってるね保守
403 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 02:14:24.94 ID:DnBt6XJu0
感想がつかないと自分の文才のなさを実感するよ保守
404 :
384 :2006/03/29(水) 02:19:30.20 ID:Pb24pQhiO
私は、学校へ行く。当たり前のように。流されるように。昨日も。明日も。 毎朝通る公園。昨日も見た公園。明日も見る公園。もううんざりだ。見たくもない。理由はない。ただうんざり。 そのうんざりの中に、昨日と違うものを見つけた。少し、いやすごく汚れたコートを着て、帽子で顔を被い、眠る人間。 「知らない人と話しちゃいけません。」 そんな母の言いつけも忘れ、私はその公園に入り、その変化へと近付く。 「ねぇ、なんでこんなところでねてるの?」 「明日も日は昇るって、日は沈む…いや、その前に…」 「ねぇってば!!」
>>402 スマン返事遅くなった(;^ω^)
過疎スレだから返答の遅さは勘弁してくれorz
主人公の心理描写がいいね
つーか続きwktk
406 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 02:27:21.72 ID:P2112NYP0
>>403 どどんまい!
文章のそこらじゅうから親父の独りよがり的な雰囲気が伝わってくるよ!
ただし改行がうまくいっていないせいか多少読みづらい部分があるのも
確かです><
>>402 まとまらないのは(元の)文章量が少なめだからでは?
文の数をもう少し増やして散らして読み手に読ませたいところに
ウエイトをかけてみるともっとよくなると思う。
素人の一意見でした><
407 :
384 :2006/03/29(水) 02:31:08.89 ID:Pb24pQhiO
続き 「ねぇってば!!」 「…があって…ってなんだいお嬢さん。」 変化は、美しかった。青い瞳。長いがなんとなくまとまりのある茶色けた髪。男特有の声質がなければ、女だと思っていたかも知れないような顔立ち。 (王子様…) それが第一印象。首から上は、だが。 「こちらへどうぞ、お嬢さん。」 変化は起き上がり、空いたスペースを軽く手で払い言った。 「ありがとう。」 私は素直に礼を言い、ベンチに座る。 「どうしたんだい、お嬢さん。気分が浮かないようだが。」 「分かるの!?」 「それは分かるさ。僕は魔法使いだからね。」 「…嘘だね。」 「うん、嘘だ。」
408 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 02:35:10.75 ID:DnBt6XJu0
>>406 おまい・・・いいやつだ
ありがd 確かに改行おかしいよな・・・
精進するよ
そしておやすみノシ
>>408 おやすみー
また明日書いてくれるのを期待してるよ!
410 :
384 :2006/03/29(水) 02:41:36.28 ID:Pb24pQhiO
続き 「うん、嘘だ。」 変化は陽気にそう答えた。「おじさんは何してる人?」 「お、おじ…お兄さんはね、哲学者をやっているんだ。知ってるかい?テツガクシャ。」「知らない。」 「ま、大きくなったら分かるさ。…でお嬢さんは何をお困りなのかな?」 「ううん、なんにもないよ。ただ、ずっとおんなじでいやなの。」 「何がだい?」 「みんな。ちがうのはごはんのおかずぐらいかな。」 「う-ん…それはどうやら哲学の出番のようだ。」 「おじさん、かいけつできるの!?」 「いや、できない。」 「なんで?おじさんのお仕事なんでしょ?」 「僕の仕事はね、自分の哲学を探すことなんだ。」
411 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 02:44:48.91 ID:010/XZ430
今日はどうやら確実に学校には遅刻したらしい。 今更皆勤賞をもらえるわけでなし、いつものように、学校裏の神社で一時間目をサボることにする。 うちの学校は、一時限目にしか、遅刻の確認を採らないので、二時限目から登校すると、何故か遅刻とカウントされないのだ。 まぁ、熱心な先生は担任に問い合わせたりするけど、一時限目の山元は、基本的に風紀にうるさいタイプではないので、 見逃してくれるだろう。 神社の縁側には既に先客がいた。ロングヘアーの背の低い女の子で、うちの学校の制服を着ている。寝転んで目を瞑っている。 僕は会釈をして、少し離れたところに、ハンカチを頭の下に引いて寝転んだ。 ここで同類を見かけるのは珍しい事ではない。互いに話をすることは無くても、顔見知りはいくらかいるけど、 今日の先客は初対面だった。 腕時計のアラームをセットしていると、少女が話しかけてきた。 「ねぇ、鴉ってなんで朝と夕方で鳴き声が違うか、知ってる?」
413 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 02:45:39.08 ID:010/XZ430
僕は、顔を上げる。起きていたのか。ここでは互いにノータッチ、没交渉ですごすという暗黙の了解を知らないのだろうか? 無視しようとも考えたけど、返答したのは、面倒ごとを避けようというネガティブな理由だったと思う。 あと、いきなりタメ語ということは三年生かもしれないし・・・一年生のうちは小さくなって置くに限るのだ。 「いぇ、知らないですよ。確かに、アホーと、カーって鳴いていますね。」 とりあえず、敬語で返答しておく。 「まぁ、そんなことはどうでもいいんだけどね。あ〜、暇だ暇だ。た〜い〜く〜つ〜だ〜ぞ〜!」 彼女は大きく伸びをして起き上がった。なんて勝手な人なんだろう。そんなに体を伸ばすと、おへその辺りが危ないですよ。 僕はなんて返答したらいいかわからず、とりあえず目をそらした。
414 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 02:47:23.46 ID:010/XZ430
「ところで、君はなんでこんなところでさぼっているのかな?この社の祭神知ってる?菅原道真公ですよ。 学問の神様に申し訳無いと思わないの?」 彼女は身体を起こす。どうやら、本腰入れてトークらしい。 正直言って僕は知らなかったけど、まぁ、高校の近所の神社の祭神が道真公というのはまぁ、当然と言えば当然だろうと思う。 しかし、彼女にそんなことを言われる筋合いは決して無いはずだ。 「申し訳ないです。ザンゲしますよ。ところで、貴方はどうなんですか?」 彼女はあははと笑った。うっ、悔しいけど、なかなか整った顔立ちをしておられる。 「いや、なんか、今日は学校に行く気がしなくて。う〜ん。しかし、君ってもっと真面目じゃなかったっけ?」 あれ?知り合い?でも、僕の狭い交友範囲の中に、彼女の顔が見当たらない。ところで鴉はどうなった?
415 :
384 :2006/03/29(水) 02:52:06.37 ID:Pb24pQhiO
続き 「自分の、テツガク…?」 「そう。基本的に、僕の役にしか立たないんだ。いや、僕の役にも立たないかな」 変化は苦笑する。 「なんで、そんなことしてるの?」 「はて?なんでだろう…忘れたよ。だだ、お嬢さんの役には立てるかもしれない。」 私はなんて返せばいいかわからず、無言だった。 「いつもにそれを考えてみて。思い出したときでもいい。」 「そうすると?」 「そうすると…ちょっと楽しくなれる。人にも寄るがね。」 「もっとよく教えて…」 「こら!!そこの男なにやっている!!」 「ヤバまたか…じゃあ長い人生頑張るんだよお嬢さん!!」 変化は、去って行く。
416 :
384 :2006/03/29(水) 02:58:56.79 ID:Pb24pQhiO
続き 「お嬢さん!!明日も日は昇るんだ!!一日がくるんだ!!それが分かれば、大丈夫さ!!」 お巡りさんは変化を追う。違うお巡りさんに「変なことをされなかったか」とか少し質問され、少し怒られ、私はその日学校に行かず家にいた。 それから三年が過ぎて私は中学生。いまは王子様が現れることを祈って学校へ。 長くてすいません。
417 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 03:01:19.73 ID:010/XZ430
「え?僕のこと知ってるんですか?」 「いや、覚えてないならもういいよ。」 どうやら、少々機嫌を損ねさせてしまったらしい。本当に記憶にないんだけど。 「本当に覚えて無いの?あったまくるなぁ。罰として、少しあたしに付き合いなさい。」 「いや、僕二時限目から授業出るつもりなんですが・・・」 「いまさら真面目ぶるか。一限さぼるも、一日サボるも一緒だ!」 イヤ、結構違うと思うんですけど・・・ それでも、結局わかりましたと答えたのは僕も何か、彼女の押しの強さと言うのもあるかも知れないけど 淡々と進む日常に退屈していたのかも知れない。 初対面の女の子と、学校サボって街に出ると言うのも、少しだけ刺激的で・・・しかし、鴉の話はどうなったんだろう? ネタに困りだした。再安価お願い↓ もしこのレス安価なら、「ナイフ」で
418 :
鏡の中のリンゴ :2006/03/29(水) 03:03:51.57 ID:gczYbroK0
>>374 の続き
今日も帰りにやけ酒を飲んで帰ってきたひとり。
帰って来るとポストには数枚の広告と封筒が入っていた。
宛先の確認もせず無造作に封筒を開ける
「!!」
鋭い痛みを感じひとりは酔いから冷めた。
封筒の中に何か入っているのか?痛みと恐怖を押さえながら注意深く封筒と中身を観察する。
中には鏡の破片が入ってた。これで怪我をしてしまったのだ。
封筒を宛先見ると隣人の名前だった。配達員が間違えて入れたのだろうか?
中をもう一度しらべると
『今なら許してあげるわ もうやめておいたほうが身の為よ』
と赤いペンで書いてあるメモが入っていた。差出人は書いていないが、字体からして女だろう。
ひとりは怒りで我を忘れ隣人の部屋に怒鳴り込み封筒を突っ返した。
「おい!おまえいい加減にししろよ!手紙を勝手に読んだのは俺が悪かったけどな、
変な女ばかり連れ込んでくるなよ!俺にまで迷惑かけるな!」
封筒とひとりの怒りようをみた隣人は真っ青になりぶつぶつつぶやきながらすいません、すいませんと謝り続けた。
いつもは態度の悪い隣人もさすがに気の毒に感じひとりはそれ以上文句を言わなかった。
しかしここぞとばかりにイケメンである隣人に女を紹介するよう約束を取り付けた。
それ以来やたら下手に出てくる隣人は約束どおり陽子という女を紹介してくれた。
陽子はひとりのことが気に入ったらしく、ひとりも容姿の美しい陽子に惹かれていった。
遠くの女の事なんか忘れた。あんな冴えない女なんか知るものか。
419 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 03:06:26.23 ID:010/XZ430
>>416 途中割り込みすみません・・・
なんとなく構造が被っててドキドキしたw
再安価お願い↓
もし安価なら、「血」で
420 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 03:07:13.65 ID:P2112NYP0
ナイフw
421 :
鏡の中のリンゴ(終) :2006/03/29(水) 03:07:26.49 ID:gczYbroK0
しかし陽子には奇妙な趣味があった。 暇さえあれば合わせ鏡の間にいて遊ぶのだ。。 どこまでも自分の映り続ける合わせ鏡の先を見つめる陽子。 そんな光景をひとりは不気味に感じていた。 陽子との中が親密になればなるほどつひとりの部屋にも鏡が増えていった。 ひとりにも合わせ鏡遊びを強要してくる。 ここまでくるといくら趣味とはいえ異常だ。 前の彼女はそんな事はなかった。ひとりを理解してくれ、身を案じてくれた。 何故、そんな簡単な事に気付かなかったのだろう? 陽子が帰った後の部屋には鏡に映る何人ものひとりがいた。 「宅配便でーす。」 「どうも、お疲れ様です」 荷物は母親からだった。 『ひとり、元気にしてるかい?昔お付き合いしていた藤子さんも結婚したらしいわよ。 あんたもいい年なんだからそろそろ身を固めなさい。 いい人がいるそうじゃないの、藤子さんから聞いたわよ。 今度、その人と顔見せに一緒に実家に帰ってきなさい。 これ、今年の収穫が取れたから送るわね。その人と頂きなさい』 ダンボール実家の青森からたくさんのリンゴだった。 鏡だらけのひとりの部屋の中で、合わせ鏡の先はサンふじの様々な形をどこまでも映していた。
422 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 03:08:40.86 ID:010/XZ430
>>420 なな・・・w
ここからバイオレンス志向ですかw
頑張ってみます
もし安価なら「月」で。
423 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 03:09:40.18 ID:gczYbroK0
あー・・・遂行してたら遅くなりました・・・ 割り込んだりして本当にすいません・・・
424 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 03:11:03.25 ID:L9lWB44Y0
>>384 おつかれさま おにーさんの口調が微妙に統一されてないような希ガス
できれば一気に投下してもらったほうが読みやすくて良かったかもwww
>>402 保守文なので続きはないです><
>>406 そっか ありがたう 気をつけてみるよ(`・ω・´)
425 :
384 :2006/03/29(水) 03:11:06.13 ID:Pb24pQhiO
426 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 03:14:10.31 ID:L9lWB44Y0
427 :
384 :2006/03/29(水) 03:14:30.17 ID:Pb24pQhiO
>>423 遂行×
推敲〇
では?w
>>424 指摘ありがとうございます。ケータイ厨なので512文字までなのです(汗
428 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 03:27:31.26 ID:P2112NYP0
>>384 !!→!の方が良いと思う。
「変化」に対する説明、描写がちょっと少ない。「変化」に謎を持たせるために
それらをあえてカットしたとも取れるかもしれないけど、ちょっと「変化」の
出し方が唐突過ぎて焦りました。
>>422 ちょっと読点が多めで文章が切れ切れになってる気がします。
だけどラノベっぽいセリフ回しはGJ!w
>>424 奇妙な感じは出てると思いますが、ちと難解で(俺の読解力が足らないの
かもしれないが)話が分かりづらいところが。
要するに、オチはどこ?って感じです。関西人ですまんww
以上素人の(ry
429 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 03:28:10.78 ID:gczYbroK0
>>427 ご指摘ありがとう|ございます。ああ、重ね重ね本当に申し訳ありません・・・。
430 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 03:42:37.93 ID:010/XZ430
>>428 ご指摘ありがとうございます。
多分読点が多いのは、やたらと家に沢山あった西村京太郎御大の影響かとw
投下しますね
431 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 03:45:24.68 ID:010/XZ430
彼女はどんどん先を歩いて行く。僕は後ろをついていきながら、彼女の制服がおそらく新しい事に気付いた。 うちの女子の制服は紺の箱ひだスカートだけど、はいているうちに、どうしてもお尻の辺りがてかってくる。 でも、彼女のスカートは、まだ全然その傾向が無くて、どうやら、おろして間もないようだった。 しかし、どこまで歩くつもりなのか、目的地が見えない・・・ 彼女の表情も何故か硬く、僕は勢いで変人の行動に付き合ってしまったことに早速後悔をし始めていた。 おそるおそる、あのーっと声を掛けると、彼女は振り向いて、 「女の子にどこまで歩かせるつもりなの?少しは気をつかいなさいよ!」 何故か怒られてしまった。先を歩いていたのは貴方じゃなかったっけ? 僕は理不尽さを感じながらもやはり歩きつかれていたので、たまたま近くにあったお気に入りの喫茶店に入りませんか? と誘った。 僕がこの店を気に入っている理由は、第一に客が少ない事、第二は、美味しいカプチーノが出てくる事、 一応まだ午前中だし、カプチーノを嗜んで不自然な時間ということも無いだろう。 最後に一番重要な第三は、マスターが客に無関心な事だ。 制服の学生が午前中に入ってきても気にする様子もない。メニューを持ってきたあとは、 淡々とナイフでジャガイモの皮をむいている。
432 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 03:48:31.50 ID:010/XZ430
店に入ってから彼女は、顔を窓の外に向けたまま。神社ではあれだけ話しかけてきたのに・・・ 何故か彼女はずっと不機嫌な様子だ。仕方が無いので僕の方から会話を振る事にした。 「え〜と、実はまだ、君の名前も聞いていないんだけど、なんて呼べばいいのですか? あ、先に名乗りますけど僕の名前は細見和人です。好きに読んでもらって結構です。」 「ふ〜ん。和人君ね。よろしく。私はつばき。私のことも好きに呼んで。」 口調が冷たい。僕を連れまわしたのはあんただろうといいたいところだけど、 ぐっと我慢。何とかして、帰るタイミングを掴みたいところ。 ここまで来る間に疑問に思っていたことを尋ねてみた。 「つばきさん。もしかして、転校生ですか?なんか、あまりこの辺り歩きなれてないみたいだけど。」 スカートの事は黙っておく。女の子のお尻を眺めていたとはあまり思われたくない。実際眺めていたんだけど。 ネタ不足。安価希望。続きは明日投下します。 そろそろ寝なきゃいけない時間。明日の投下で完結させるつもり。 ↓よろ
433 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 03:54:16.09 ID:L9lWB44Y0
>>428 やっぱおかしいよね自分でもそう思ってた 次は気をつけるお
人稲だな… 安価なら『ココア』
434 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 03:56:21.66 ID:llBzh1nf0
執筆中保守 まぁなんだ普段読んでる本の影響が強く出てしまうなwww
435 :
遠回り :2006/03/29(水) 04:05:47.55 ID:P2112NYP0
底の硬い靴が、鉄板のみで構成された階段に乾いたリズミカルな音を反響させている。 その音にまた一定のペースで絡む吐息の音。一人の女性が幾重にも重ねられた階段を必死に駆け上っていた。 アパートの屋外に据え付けられた階段は、冷たい夜の外気にさらされて熱を失っている。 女性の吐く息は白く濁っていた。 黒く伸びた髪は収まる場所を忘れたように爆ぜ回っていて、纏った白いコートを墨で塗るように、 当たり、消しては当たりを繰り返している。更には肩にかけた黒色のバッグまで落ち着かずに 中身を揺らして、濁った鈴のような音を立てていた。 女性は何かに追われているかのように何度も後ろを振り返っては向き直る。女性が首を振るたびに、 唇に塗られた鮮やかな紅(流れる汗によって乾いた空気から徐々に潤いを取り戻しつつある)が モノクロトーンの夜景に指し色を浮かび上がらせた。 暫くすると音が残響を置いて停止する。 階段の頂上に達した女性は立ち止まって、切らした息を整えるためじっと下を向いて胸に手を当てた。 その手に早鐘を打つ心臓の振動が衣一枚通って明瞭に伝わる。女性は荒々しく息を吐きながら、 今まで自分が上ってきたアパートの階段に目をやった。吐く息の音がうるさく頭を揺らすばかりで 人の気配など掴めはしない。 歩けるようになるまで息が整ったのがわかると、女性はゆっくり歩を進めて階段の行き着く先にある 緑色のドアの前に立った。鉄柱の隙間から月光が差し込み、まるでドアはスポットライトを 浴びているかのようにその色を鮮明に浮かび上がらせている。 女性はドアノブに左手を伸ばした。 触れたそれは夜の冷気をいっぱいに吸い込んでいて、先ほどの全力疾走で熱を持っていた女性の掌を 少しばかり驚かせた。 握り直して、ノブをひねる。 接続が悪いか、はたまた錆び付いているのか、引いたドアは軋んだ音を上げながら開いた。
436 :
遠回り :2006/03/29(水) 04:06:08.91 ID:P2112NYP0
開いた先から飛び込んでくる、橙色の光。 急に色を持った世界に少しばかり目を眩ませながら、女性はドアの中へと足を踏み入れる。 外の冷気に直接当てられては居ないせいか、そこはずいぶんと暖かい。ドアを開けた先のアパートの屋内が 暖色である肌色のコンクリートを基調にしているのもその原因の一つであるかもしれない。 女性は音を立てないようにゆっくりとドアを閉め、辺りを見回しながら歩く。 階段を上るときとはうってかわって、慎重に、慎重に、足音を鳴らさないように少し猫背になりながら一歩一歩 歩を進めていく。 左腕に巻きつけた時計に目をやると、住人は既に寝静まった時間である。いくつかのドアの前を 後ろめたい泥棒のように通り過ぎて、やっとの思いで一つの扉の前にたどり着いた。 階段を駆け上ったときには体力を削り、アパートの廊下を歩く時には神経を削り。満身創痍の彼女にとって、 物言わずそびえる扉はまるで厳かなモノリスのようだった。 女性はカバンから鍵を取り出して、慎重に扉の鍵穴に差し込む。しっかりと根元まで刺さったそれに 時計回しの力を込めると、少しの抵抗とともに鍵の解ける音がした。女性は安堵のため息を漏らし、 ノブを掴んでドアを勢いよく開けた。
437 :
遠回り :2006/03/29(水) 04:06:49.00 ID:P2112NYP0
「たっだいm――」 「門限は九時だと言っとろうが!」 雷鳴のような叫び声、いや咆哮といった方が正しいか。とにかく大音量が女性の耳を劈いた。 女性は小さな悲鳴を上げてぎゅっと目を閉じ、体をびくつかせて顔の前に手をやる。そして恐る恐る 両手の隙間から声の主、つまり彼女の父親の顔を覗いた。 赤々と上気した女性の父親の顔は、いまにも彼女に噛み付かんとしているように見える。 女性は今にも泣きそうな、よれよれとした声で言った。 「さっきは玄関に居るのを見たから、わざわざ階段から回ってきたのにぃ…!」 女性の言葉に勝ちを見たのか、父親はふんぞり返って答える。 「階段がガタガタとうるさいから見てみれば、必死に走るお前の姿を見つけてな。急いで家まで戻ったわい。 もっともこちらはエレベーターだがな。いやいや、お疲れ様!」 「そんなぁ…」 高らかに笑い声を上げる父親を見上げ、女性は観念してへたりとその場に倒れこんだ。 「これに懲りたら二度と門限に遅れないようにしろ。寒かったろ、中に入れ」 そう言うと父親は後ろを向いて部屋へと去ってゆく。 だが、父親から放られた優しい言葉を素直に受け取れない女性は歯を剥いて切り返す。 「運動したら寒くなくなったもん!」 背姿のまま父親が言い放った。 「それじゃそのまま外にいるか」 「…ごめんなさい」 すごすごと家に入る女性を暖かな空気の衣が迎え入れる。それは彼女の頬にほんのりと紅を点し、 瞳の端にわずかな潤いをもたらすものだった。
438 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 04:08:43.99 ID:P2112NYP0
>>382 了。描写頑張ってみたけど前半で力尽きたぜwwwww
感想、突っ込みガンガンよろしくだお( ^ω^)
439 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 04:14:26.27 ID:L9lWB44Y0
>>435-437 緊迫感が伝わってきてgjだったおwwwwwwww
ただ、それだけ門限破ったこと気にしてるのに元気いっぱいドア開けるかなぁとか思いましたですよ
440 :
菟原 ◆DyaRfad5Y6 :2006/03/29(水) 04:16:10.10 ID:010/XZ430
>>433 把握。カプチーノ飲んだ直後なのにまたココアかw
>>438 ワロタ。親父のイメージがなんとなくYAWARAの爺ちゃんだなw
441 :
437 :2006/03/29(水) 04:24:11.47 ID:pY8/4hDVO
PC落としたんで携帯から。
>>439 指摘d!
実は門限にブチギレるのは親父だけという裏設定wwww
要するに玄関(あー描写足りんかった。アパートの玄関ね)で父親の姿を見付けていたから
家にいるのは母さんだけ、安心して入れるぜ!!11ってなテンションだったんだ…
後付けキモスwwwwwwwwww
>>440 未読だが何か分かるwwwwwwwwwww
感想dでした。
442 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 04:34:42.86 ID:L9lWB44Y0
「君は我が教団の教えについてどう思うかね?」 壮年の神父は、夜明けに旅立つ予定の新米宣教師に尋ねた。 梟も眠りについたのか、外は静かだ。 燭台の灯りがゆらゆらと揺れている。 「我が教団は聖戦と称して数多の争いを繰り返してきた」 「それについて」宣教師の瞳を覗き込み、「どう考える?」 若い宣教師は視線を上にずらし、答えた。 「争いによって犠牲者が出るのは嘆かわしいことです、しかし――」 目を見開き、見返す。 「我らが神の教えは全ての民を救うもの。 それを通す為には争いは避けては通れません」 「では」神父はゆっくりと続ける「そのために犠牲者が出ても良いと?」 「ええ」 迷い無く、即答した。 神父はもう目を合わせなくなっていた。 「そうか、では頑張ってくれ給え」 窓の外が白み始めた。 「犠牲者か…それは我々だよ」 疲れたような口調で、神父は呟いた。 「一つの教えを無理に押し付けても誰も幸せになどなりはしない」 何とはなしに見上げながら。 「それでも神の教えを説かなければならない」 そうしていずれは皆の記憶から消えていくことを自覚して。 「神の名の下に」 小鳥が鳴きだした。 そろそろ教会を開けなくては―― 信じることに意味はあるんですか&このスレもいつか無くなっちゃうんだよね寂しいな的なことが言いたかったんだ保守
443 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 04:35:06.16 ID:L9lWB44Y0
平日&明け方だからか書き込み少ないな
好き勝手に書き続けるのもアレなので安価出してみる
>>447 皆がおきだす前のつなぎにでもなれば良いが
444 :
374 :2006/03/29(水) 04:38:39.13 ID:gczYbroK0
>>435 ‐457
情景の描写が細かくて人物の動きと感情が感じ取れます。おはなしは怒られてるけど
暖かい気分にさせられて和んだお
保守ついでによろしければ
>>374 >>418 >>421 の感想や考察お願いします。
誤字脱字は許してください><;
445 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 04:49:38.56 ID:pY8/4hDVO
過疎区
446 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 04:55:35.40 ID:L9lWB44Y0
>>374 陽子こえぇgkbr((((((((((;゚д゚)))))))ひょっとして池面から押し付けられた?
でもその恐怖とか異常さがあんま伝わってこない気がしないでもなかったです。
447 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 05:10:39.03 ID:XzTRhm+M0
ここでとすですよ
448 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 05:11:39.68 ID:pY8/4hDVO
>>446 gkbr?ゴキブリ?wwwww
踏んでたら「爪」で。
449 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 05:16:05.67 ID:L9lWB44Y0
>>448 ガクブルはgkblだったっけwwwww
>>447 はそのまま書いておk?それとも↓ってこと?
指摘が無ければ「ここでとすですよ」でかくけど
450 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 05:23:07.94 ID:pY8/4hDVO
>>449 ガクブルかwwwwwwwwww把握したwwwwwwwwww
451 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 05:46:39.01 ID:pY8/4hDVO
保守
452 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 06:18:47.48 ID:pY8/4hDVO
人居ないよー
453 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 06:27:24.43 ID:42TMcm0hO
捕手
454 :
>>447ここでとすですよ :2006/03/29(水) 06:32:25.35 ID:L9lWB44Y0
少女が下を向いて大粒の涙を流している。 いい加減嫌になる。 「泣いたってしょうがないよ、もうちょっと頑張ろう?」 私の言葉など関係なく、いや、さらに酷く泣きじゃくっている。 教師なんて無力だ。 「みかちゃんのせいで負けたんだよー」 「ぼくもうこのチームやだー」 「さいてー」 他の子供たちが口々に不平を漏らす。 運動音痴な子供がいるといつもこうだ。 「もう、みんな止めなさい」 効果の無い言葉を投げかける。 「だってー」 「へたなひとといっしょにやってもおもしろくないんですー」 頭が痛くなりそうだ、もう限界だ。 少し早いが今日の授業も終わりにしてしまった。 体育の授業は週3日、そのたびに苦痛を強いられる。 あの子さえいなければ、こんなことにはならないのに。 最低だ。やる気はあるんだろうか? お昼休みに、私はあの子と話してみることにした。 「ねぇ、苦手だからっていつまでも逃げてちゃ駄目だよ」 無言。 「自信が無いなら先生と今から練習しようか」 顔をそむけたまま、この子は全然私の言うことを聞いてくれない。 ついイライラして、私の語気も強まる。 「ずっとそうやってても、何も解決しないよ」 しまったと思ったときには、彼女はもう泣き出してしまっていた。 「…もういい、戻りなさい」 彼女を帰しても後悔と苛立ちは消えてはくれなかった。
455 :
>>447ここでとすですよ :2006/03/29(水) 06:33:48.27 ID:L9lWB44Y0
「――それで、何を言っても効果が無いの」 子供たちも他の先生も皆帰った後、我慢しきれなくなった私は母に電話で愚痴をこぼしていた。 『そうでしょうね。今の貴女の言うことを聞いてると、そうとしか思えないわ』 ため息混じりに言い返される。 『あなたは水泳選手だったから分からないだろうけど』 『相手と対戦する競技では、全体の流れを読んで対応しなきゃいけない』 『いつも攻めてばかり、進んでばかりではいけないの。団体ならなおさら』 お説教されてるみたいだ。 余計にイライラする。 「私があの子の事を考えてないって言いたいの?」 『違うわ、焦り過ぎだって言ってるの』 「だって何もしなくちゃ進歩しないじゃない」 『そこでトスするのよ』 トス?今までの会話の流れを切るような流れに、一瞬思考が停止する。 『子供は勝手に行動して勝手に成長する』 『手を出さずに見守ってみるのも時には必要なんじゃないかしら』 そういえば、私が小学生のころもそうだったっけ。 最悪に運動音痴で、いつもチームに入れてもらえなかった男の子が居たけれど、先生はたいてい見ているだけだった。 結局最後までその子は運動音痴のままだったけど、決して仲間はずれにはされなかったな。 子供たちに任せるなんて、ちょっと不安な感じはするけれど。 「うん、少し考えてみる」 彼女と皆をすこし離れて見てみることにしよう。
456 :
454-455 :2006/03/29(水) 06:36:49.76 ID:L9lWB44Y0
なんかもうね、gdgd 文才と経験が足りないっていうのが嫌って程分かりましたよ 少しでも上達するようにもっと精進なきゃですよorz
457 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 06:47:27.02 ID:pY8/4hDVO
>>456 舌っ足らずな感じがします。
ストーリーになぞらえた必要最低限の文しか書けていないと言うか。せっかくの小説スレだし、
もっとはっちゃけてオーバーな描写多用するとかしてみても良いんじゃないかな?
458 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 07:10:10.43 ID:L9lWB44Y0
>>457 最初にちゃんと流れを決めなかったせいかな・・・考えながらだとどうしても駄文にorz
今度はも少し時間かけて推敲してみる(`・ω・´)
459 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 08:07:14.56 ID:P2112NYP0
この時間帯はまだ余裕保守
460 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 08:24:51.10 ID:CjMiQIHp0
今日は仕事休み〜!ノホホホホホホウヒヒヒヒヒヒハアッハッハッハッハ! お題下さい↓
461 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 08:25:47.37 ID:XzTRhm+M0
そりゃあもう お題:休日
462 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 08:26:38.77 ID:CjMiQIHp0
463 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 09:02:15.54 ID:OLtgBB2T0
ここまで、読んだと。
464 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 09:05:34.94 ID:E6VqJ7LrO
よぉーし、保守がてら何か書きます。 お題とジャンル下さい↓
465 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 09:06:56.21 ID:P2112NYP0
お題はカメラ(一眼レフが望ましい) ジャンルは恋愛 でよろw
466 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 09:07:56.46 ID:E6VqJ7LrO
れ、恋愛だってェー!? わかた(´・ω・`)
467 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 09:10:08.33 ID:CjMiQIHp0
>>461 帝国騎士団の紅一点の彼女、周りからは”フィー”と呼ばれていた。
本名を聞いても「きっと長くて覚えられないわ」とやさしく微笑むだけだ。
フィーは毎日市内の見回りと鍛錬に励んでいた。平和な時が続いた。
ある日、皇帝に呼び出され、任務を命ぜられたフィー。その内容は
「これから一人でとある村に行き、そこである人物に接触してもらう。
これを持って行け。その人物に会うまで開くな」と渡された1枚の手紙。
命令は不可解な物だった。彼女は優秀な剣士であったが騎士としは
位が低く、皇帝直々の命を受けるような立場ではない。
フィーは訝ったが皇帝の命は絶対だ。旅支度をし目的地へと
旅立った。目的地は遠い、たどり着くのに数ヶ月はかかるだろう。
旅の途中、帝国が滅んだという知らせが届いた。首都を隣国に奇襲され
一夜にして壊滅したらしい。帰るべき場所を失い、戦うべき時に戦えず
仲間と共に死ねなかった運命を嘆いたが、皇帝からの最期の命を果たす
事にした。 旅を―――急ごう。
彼女に長いに休日が訪れた。しかし彼女の仕事は終わっていない。
数十年後、フィルと呼ばれる若者と仲間達が帝国を解放し、英雄となった。
彼の出身、本名は明らかになっていない。本名を尋ねられても彼は
「長くて覚えられないからな。教えても無駄さ。」と笑うだけだったという。
468 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 09:21:29.74 ID:CjMiQIHp0
保守
469 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 09:25:21.20 ID:P2112NYP0
>>467 おもすれーけどオチ読めるwwww
たった1レスでオチ読んだところで、って話ですがwwww
470 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 09:28:04.73 ID:CjMiQIHp0
>>469 だってだってさっきまで風の大陸読んでたんだもんwwwww
471 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 09:55:14.41 ID:P2112NYP0
>>470 未読wwwww俺乙wwwwwwww
ぶちage
472 :
カメラで恋愛話 :2006/03/29(水) 10:07:20.82 ID:E6VqJ7LrO
ファインダー越しの彼女は、どことなく悲しそうな顔をしていた。 ―カメラは、真実を写す― 高校の写真部で先輩にそう教わり、10年経つ。 親に頼み込んで買ってもらった一眼レフは、今だに俺の相棒だ。 彼女には、影がある。嫉妬…なんだろうか、分からない。 「あなたが、悪いのよ。」 前に聞いた時は、そんな事を言われた。 俺には何のことだかさっぱり分からなかったが、それが彼女には不満らしい。 影があることで彼女はより美しく写る。 だが、影がない彼女を見てみたいのも、また本音だった。 「俺が悪い、ねぇ。」 引き伸ばした彼女の写真を見ながら、俺はタバコをくゆらせた。 彼女は俺の何に嫉妬しているんだろう? 「そのカメラ、本当に大切にしてるのね。」 たまに、彼女が皮肉っぽく言う言葉が脳裏をよぎる。 「めんどくせぇ。」 分からない事を考えてもしょうがない。 タバコを消し、俺は布団に潜り込んだ。 【了】
473 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:08:06.30 ID:/wIWsfFa0
はいここでライトノベル作家志望の俺が来ましたよ。
474 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:10:56.04 ID:P2112NYP0
475 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:12:47.92 ID:P2112NYP0
>>472 ありがとう。酸っぱいなwwww結構甘いの期待してたけど裏切られた
もちろんいい意味よ!
476 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:14:01.57 ID:OLtgBB2T0
477 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:16:09.99 ID:P2112NYP0
478 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:26:01.38 ID:/wIWsfFa0
安価
>>490 電撃用に小説書いてる最中だからSSしか書かないけど。
それでも良いなら書きます><
479 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:30:47.86 ID:P2112NYP0
>>478 基本SSだからおkおk
過疎スレでまた遠い安価だなw
480 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:32:20.73 ID:/wIWsfFa0
過疎スレか・・スマソ。
じゃあ
>>483 ぐらいで。
481 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:33:59.71 ID:P2112NYP0
ksk
482 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:44:50.37 ID:wPRD8pDUO
加速
483 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:45:50.19 ID:wPRD8pDUO
仮面
484 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:51:01.51 ID:E6VqJ7LrO
>>476 さっき俺が書いたのまで入ってるwww
乙です!
さ、もうちょっと時間あるし、もう一回お題下さい。ジャンル込みで↓
485 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 10:53:45.05 ID:/wIWsfFa0
>>483 仮面・・・?
うーん・・・・・どうしよう。
それじゃ考えて見ます。
うはwwwwwwwwwww書いてたら寝てたwwwwwwwwwww 寝落ちとかぬるぽorz
487 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 11:13:54.26 ID:P2112NYP0
ほ
488 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 11:14:12.32 ID:P2112NYP0
ハサミまだ思いつかないよ保守
490 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 11:43:27.66 ID:EryOQRmf0
森の中で迷う
491 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 11:49:30.60 ID:/wIWsfFa0
仮面って難しくね? と、いまごろ言ってみる。
492 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 11:52:53.55 ID:DnBt6XJu0
今沖田 そういえば電撃の締め切りまであと少しか・・・まだ書き終わってねえ・・・ 気にせず ↓お題をヨロシク
ジャンケン
494 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 11:55:09.75 ID:DnBt6XJu0
495 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 11:58:56.66 ID:lKLNXkfh0
ダメだ…どう考えても前スレで貰ったお題が超長編になる… さくっと書けそうなのよろ↓
496 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:00:26.95 ID:E6VqJ7LrO
トーテムポール
497 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:00:37.53 ID:EryOQRmf0
バスストップ
トーテムポールでさくっとwwwwwww 超がんがれwwwwwwwwwwwwww
499 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:03:39.24 ID:lKLNXkfh0
500 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:03:42.10 ID:Ros7rKWS0
,-v┬'丁j'丁に{`7ァ,-、
┌‐ァ=h, ー'‐_ニ,ニ二' ‐'-ニr ノ‐ァ、─‐┐
{. _L-Xニ!ニ.>┴'〜!-ニス┐ヽノ j / !
LK〉‐" . 、 ヽ`V‐ァ'^Y´`レ′
K7 /,. , , , i il ト |! `〈. ! |
{_l ,! il l ! |l.| |! |l ト、 ヽ-、'─'ァ
/ | !l.l.Lレ'--ヘ!ヽ-'^二'ニ_ l |i `>イ
`!,! l l「r,ニ,ニ、 ´ィ‐,-、 l l.ト<i l
. ! !l !イ|:::-'!` ´|::::ー'lゝ| ,!|`ハ. !
ヽ!ト!、!:::::j 、 L:::::ノ | //<ヽ `ゝ
ヽト、// t‐┐ //////!' ,h_lヾ、 ヽ、
|l li> .._ ヽノ _.. ィニ7 /ノ、_). iヽ、 ヽ
. l| ll::::,‐メ「丁-、イ/' /:::: >! | l. i |、
ノ .ノl::r‐!::|_,{Kア/, '//:::::::i: `ォニ! | ,!i}
どうしたの、お兄ちゃん。
どうせまたエッチなこと考えてるんでしょ?
そんなに私とHしたいなら、
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/netgame/1143592261/l50 のスレに行って、
二次元最高!
って書いてきて!
501 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:16:13.73 ID:EryOQRmf0
−なんだか、似てる気がするな 食卓テーブルを目の前にして、炒れたてのコーヒーを前にして、 そして、妻と娘を前にして、そう思った。 ここに引っ越してきたのが昨日の午前。 今朝になって、ようやく落ち着けるようになった。 まだまだ僕の背後には山積みのダンボール。 眼前にある窓から差し込む朝日は、僕らの門出を、新しい生活の始まりを、祝福してくれているのだろうか。 生活を保つのは、妻の役目。 家族を守るのは、僕の役目。 じゃぁ、娘の役目って、一体何なんだろう。 朝日が娘の横顔を照らす。 1番祝福されるべきなのはこの子なのかもしれないな。 朝日が希望の象徴ならば、それに愛されたこの子もまた、希望の象徴なんだろう。 僕らは、それを支える役目。 僕らの役目はそう、 保守。
父親の独白か、いいねぇ 保守代わりにそんなクオリティの高いもん書けるってすげえwwwwww あれ、目からしょっぱい汁が…
503 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:32:53.97 ID:8Mhg9hMK0
三日目の挑戦。 お題、求む。 ↓
三日間
505 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:37:25.98 ID:8Mhg9hMK0
506 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:48:57.98 ID:EryOQRmf0
ksk
ksk
509 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:51:02.40 ID:EryOQRmf0
セルフksk安価下
510 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:54:53.53 ID:V/fHMlF/0
511 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:55:11.10 ID:V/fHMlF/0
医者に余命半年と診断されてから、七ヶ月が経過した。 今の俺は、順調に良好に、現在進行形で死に掛けている。もちろん気分は最悪だ。 長い闘病生活と絶え間ない苦痛に疲れ果て、いっそ誰か殺してくれないかなー、とふと考えるほどに精神は磨耗していた。 しかし医者のほうは心身ともにしっかり健康なので、頼み込んでもなかなか首を縦に振らない。いつかあの世で会ったらケツ犯してやる。 そんなある日の月の明るい夜の丑三つ時、俺の前に死神が現れた。 プリティーンの女の子というよりは、単なる乳臭いガキという表現が似合うような年恰好で、なぜか帯刀していて袴姿だった。 「あ、こんばんは。死神なのですよ。名は屍根ヨシノというのです。お日柄も良くはじめまして」 いきなり天井からどすんと降ってきたそいつは、俺の身体の上に座り込んだままぺこりとお辞儀した。 その夜の俺は折り悪く処方された鎮痛剤(ほぼ麻薬)を飲んでおらず、身体中を切り苛む痛みに一睡もできないでいた。 そんなときにそいつが落ちてきたものだから、その小さな身体を受け止めたときの衝撃で悶絶していた。挨拶どころではない。 ばらばらになりそうな激痛をじっとこらえている間、俺の脳内ではドス黒い怒りが脳内でぐるんぐるん渦巻いていた。 「えーと、死神なのですよ」 不安そうに俺の顔をのぞきこむそいつに、俺はありったけの憎悪を込めて応えた。 「てめぇ……犯して殺してやる」 「ダ、ダメなのですよ! 死神を犯して殺して埋めるなんていけないことなのです!」 ひぃぃ、と思い切り後ずさったそいつはベッドの柵に背中を打ちつけ、背後に手を回しながらうんうん唸ってた。 「……埋めるは言ってねーぞ」 痛みのほうは全然消えなかったが、半ば呆れながらそいつを眺めていると、なぜだか怒りがうっすら和らいできた。 物事をかなり根に持つタイプであることは自覚しているので、その憤怒がこうもあっさりと鎮静したことには我ながら驚いた。 それは月のせいかもしれない。窓の外には綺麗な満月が浮かんでいた。 数分後。 「──で、死神だって? おい、勝手に食うな」 棚の上のバナナに伸ばしかけていた手をビクッっと引っ込め、そいつ──ヨシノ、だっけか──は振り向いた。 「そうなのです。ヨシノは桜の妖精で死神なのですよ。死神になれるのは桜と柳の妖精だけなのです。 あの、食べてもいいですか」 「駄目」 俺が冷たく言い放つと、ヨシノは不満そうにぷっと頬を膨らませた。
512 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:55:27.05 ID:V/fHMlF/0
ヨシノはもぎゅもぎゅバナナをぱくつきながら、その合間合間にしゃべる。 「──ですから、私はあなたを殺しに来たのです」 「それで、俺の魂を持っていくのか?」 「え、魂って本当にあるのですか。ヨシノは見たことないのです。だから信じていないのです、魂」 「……なに言ってんだよ。死神っていったら死んだ人間の魂を持って帰るのが仕事じゃねーのか?」 食べてはしゃべり、しゃべっては休み、さらにはリンゴにまで手を伸ばすものだから会話がまったく進まない。 かなりの時間をかけて、ヨシノは次のようなことを言った。 「それは死神の仕事とは違うのですよ。ヨシノの仕事は『死』を通じて世界にアプローチすることなのです。 『死』とは定量的で流動的なものなのです。毎日毎日たくさんの生命が死んでいって、 それらが発散する『死』はひとつの大きな流れとなっているのです。それがすなわち世界の流れなのです。 あ、リンゴも欲しいのです。……分かりました。我慢するのです。 この世界が死で溢れかえってしまわないように、その方向などをコントロールしなければならないのです。 だから要所要所で、その流れを決定付ける位置にある、死すべき生命の元にヨシノたちが派遣されるのです。 死神が殺すことで『死』は流れる向きを変え、それは全体的なダイナミズムにまで伝播するのです。 これをヨシノたちは『死送り』と呼んでいるのです。リンゴください。 それで、あなたは今夜死ぬ運命だということと、『死送り』される立ち位置にいる人間だということをお知らせに来たのです」 ウサギさんリンゴを嬉しそうに頬張るヨシノの横で、俺は今の言葉について考えてみた。 正直言って電波さんだと思う。妖精と死神の兼業という設定はけっこう斬新だが。 こんなやつの相手してないで、今すぐナースコールを押してつまみ出してもらうのが正解だろう。 だが……八割くらいはこいつを頭脳の可哀想な子だと思っているが、残りの二割は死神だと信じたがっていた。 これまでの人生、なにもいいことがなかった。別れを惜しむ人もいないし、やり残したこともない。 たとえ目の間の女の子が本物の死神で、「今夜死にます」と言われても、あっそうとしか思えなかった。それに──。 「…………っ!」 「ど、どうしたのですか!」 一度は引きかけていた痛みが発作的にぶり返す。内臓がズクズクと蠢き、身体中の筋肉が引きつる。 こんな苦痛を伴うことでしか生きていけないのなら、さっさと死んでしまいたかった。
513 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:55:43.79 ID:V/fHMlF/0
「え、あの、看護婦さんを呼んだほうがいいのですか」 わたわたと差し出したり引っ込めたりしてるヨシノの手を、つい衝動的につかむ。なんでもいい、すがるものが欲しかった。 痛みの水脈が引くのを待ち続ける。それは気の遠くなるような時間だった。ヨシノも手に手を重ね、それを待っているようだった。 「……話は分かった。今すぐ殺してくれ」 そう言うと、ヨシノはまるで残した給食を食べきるようにと命じられた生徒のように、ばつ悪げにうつむく。 「そうもいかないのですよ。あなたの運命は決定しています。そのときが来るまではたとえ殺しても殺しきれないのですよ。 まだ少し時間があります。なにか思い残したことはないのですか。できることならなんでもお手伝いするのです」 「ないよ」 「え、それはおかしいのです。無理難題でもいいのです。どうか言ってみてください。最大限に努力するのです」 「ないったらないんだ。……じゃあ、なんか話してくれよ。痛みが紛れるかもしれない」 月光が明るく差し込む病室で、俺はヨシノの死神話を聞いていた。 「私、人間を殺すのは今日が初めてなのです。いわゆる初体験というやつなのですね。 人間の『死』は大きな質量なので、人間の『死送り』はなかなか任されないのですよ。 それまではそれよりちょっと質量の劣る、主に元気の良い動物を殺していたのです。 静かに運命を受け入れるものもいましたが、ほとんどは暴れたり襲い掛かってきたりしたのです。 皆、最後の瞬間まで生き抜こうとする手強い相手でした。尊敬できる強敵(とも)だったのです。あ、これ見てください」 いきなりヨシノは袴の裾を捲り上げて細い脚を露わにした。白い肌に穴のような傷跡が並んで浮かんでいた。 「これはブルテリアに咬まれたのです。──えーっと、それでこの二の腕はフラミンゴに突っつかれたのです」 放っておくとこのまま服を全部脱いでしまいそうな勢いだったので、俺は制止する。 「武勇伝は分かったから、もういいよ」 「え、でも背中に熊との激闘の痕が」 「いいからしまえ。裸になる気か」 ヨシノは一瞬きょとんとしたが、頬を桜色に染めて横を見た。 「そ、そういう目でヨシノを見ていたのですか……」 「自分の恥じらいのなさを人のせいにするな。ガキじゃあるまいし」 「……ヨシノはガキじゃないのでしまいます」
514 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:55:59.51 ID:V/fHMlF/0
それからしばらく他愛ないことを話ていたが、ふと会話が途切れる。あれ、と顔を上げると、ヨシノが真剣な眼差しを向けていた。 「本当に、思い残したことはないのですか。なにかあるはずなのです。自分が生きてきたことを示すなにかが」 「ないよ、俺は病気に疲れた。さっさと死にたい」 「でも」 俺はなんとはなしに窓の外を外を見る。満月は今にも落ちてきそうで、この世のものではないように感じられた。 死と満月と──。こんな夜に似合うなにかが、あと一つあったはずだ。 雲が月にかかり、薄暗い部屋がさらに暗くなる。闇のヴェールを被ったヨシノの姿はおぼろげで、まるで幽霊のようにも思えた。 「──桜の樹の下には死体が埋まっている」 知らず、そんな言葉が出てきた。続ける言葉もすぐに思いついた。 「夜桜が見たい」 それは、なんの気なしに口から出た些細な戯言だった。ちょうど桜の季節だということを思い出しただけだった。 しかし、それを聞いたヨシノは元気一杯にパイプ椅子から立ち上がる。 「分かりました! ヨシノがその望みをかなえて差し上げるのです! さあ、いきましょう!」 「真に受けるな。冗談だ。それにこの近くに桜はないぞ」 「これでもヨシノは桜の妖精なので仲間の居場所は分かるのです。一番近い桜のところまで連れて行くのです」 ヨシノはどーんと胸を叩き、力が強すぎたのかごほごほむせる。アホかこいつ。 寝巻きにジャケットを羽織り外に出ると、ヨシノは駐輪場でなんかがちゃがちゃやっていた。 「なにやってんだ」 「窃チャなのです。桜の樹の場所は把握したのですが、少々遠すぎるのです」 「死神なんだから空でも飛べよ」 ヨシノはきっと振り向いて、真面目に言い返してきた。 「気味の悪いことを言わないで欲しいのです。鳥でもないのに空を飛んだら、それは化け物なのです」 「さっきは空中から現れたくせに」 「それとこれとはまったくの別問題なのです。ヨシノは空飛んで参上したわけではないのです」 一理あるの……か?
515 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:56:16.59 ID:V/fHMlF/0
月明かりの下で自転車が走る。のどかで静かな田園風景を二人で独占していた。 漕ぐのはヨシノだ。顔を真っ赤にしてえっちらおっちらペダルを踏んでいる。 腰の刀が自転車のフレームに当たってかちかちと金属音を打ち鳴らしていた。 「代わろうか」 「死にかけの……っ病人は、おとなしくしてれば、い、いいのです。ふはぁ、こ、こんなのへっちゃらなのです」 ふうふう息を吐きながら強がられても説得力がなかったが、俺としてもそんな元気はないのでそれ以上言わなかった。 そういえば、まだ病気じゃなかった頃は自転車で遠出していたな……、とどこか懐かしい思い出が甦った。 あの頃は生きているのが楽しかった。眼に映るものすべてがきらきらしていた。 死を間近にした者のノスタルジーかもしれないが、それは嫌な感情ではなかった。 「も、すぐ、なの、です」 そして確かに、桜の樹はヨシノの言った通りの場所にあった。 だが──。 「これ、枯れてるんじゃねーか?」 丘の上に立つその老木は枝を四方八方に張り巡らせていたが、そこに一つの花もつけていない。 いや、良く見ると蕾はある。つまり桜が咲くにはまだ少しの時間が必要なのだろう。俺にはその時間がないようだが。 屋内に籠っていると、そうした微妙な気候に疎くなるから困る。 ヨシノは少し離れたところで立ち尽くしている。そばでがしゃんと自転車が倒れたのに、そのままだ。 「う、うう……」 帰るか、と言いかけたところで、ヨシノがなんか唸りだした。かと思うと、 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーん」 大きな声で泣き喚きだした。 「ごめ゛んな゛ざい゛い゛ーーー」 「な、なんで泣く」 「だっで……ぐすっ……ヨシノは死神失格なので、す……ひぐ……死神なのに……ざ、桜の妖精なのに、 咲くときも分からなくて……ぬか、ぬか喜び……さ、せて、しまったのですぅ……」 びーびー泣きながら謝り続けるヨシノを前に、俺は弱りきっていた。 俺だって人間なのに、他人が、いやそれどころか自分が、いつ生きていつ死ぬのかまるで分かっていない。 それだから、この結果に対してヨシノに責任があるとはどうしても思えなかった。
516 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:56:33.14 ID:V/fHMlF/0
「ガキの癖に泣くな。いや、ガキは泣くものか。……とにかく泣くな」 「ヨシノはガキじゃないのでずぅーーー。これでも樹齢三百年の名のある桜なのでずーーー」 「なおさら泣くな」 ヨシノが泣き止むまで、俺は一生懸命なだめてやらなければならなかった。 「泣くなよ。な? 俺はお前に感謝してるんだ」 「……ふぇ?」 「お前が外に連れ出してくれたお陰で、俺はまだ生きてるってことを思い出した。 それまでは、俺はもう死んだつもりになって、本当に死ぬ日を待ってるだけの毎日だった。 本で読んだが、開花前の桜の枝には、桜色の色素がぎっしり詰まってるんだってな」 「その通りなのですぅ……」 まだしゃくりあげているヨシノの頭をぽんぽん叩き、俺は頷いてやった。 「表に顕れていないだけで、この桜はしっかり生きている。本当に美しい姿を目指して、ひたむきに力を蓄えている。 お前は俺にそれを思い出させてくれた。今になってやっと、俺は自分を取り戻せたんだ」 その言葉は嘘ではなかった。 俺は病気を言い訳にして生きることから逃げて、ただ腐っていくだけだった。死ぬことへの恐怖からも目をそらしていた。 あのとき何気なく言ったつもりの言葉はきっと俺の本心だったのだろう。 ブルテリアがヨシノの脚に咬みきたかったように、熊が最後まで戦いを望んだように、俺は桜を見たかったのだ。 ヨシノはそれを見抜いてくれた。ただ無慈悲に死を与えるのではなく、生きていることの美しさを俺に教えてくれた。 生きることと死ぬことを同時に見つめなければ、生きていくことはできない。死を知らない生命は生命ではない。 もっとも美しい姿を取り戻すには、根元に死体を埋めることが要求される。 それを知っているからこそ、桜は死神になれるのだ、そう思った。 春の風、静かな夜、満天の月、そして夜桜。 これこそが俺の見たかったものだ。 脳裏に一つの記憶が甦る、友達と家を抜け出して近所の公園で花見をした、その楽しかった思い出を。 死に負けて失っていた風景が、今、心に立ち戻った。 「心残りは、もう、ない。満足だよ」
517 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:56:48.92 ID:V/fHMlF/0
俺のジャケットでちーんと鼻をかんだヨシノは、たたずまいを正してぺこりとお辞儀をした。 「……それでは、お時間なのです。今日このときがあなたの死ぬときです。 あなたの『死』は可能性なのです。その大きな可能性を以って世界を変えるため、 今ここであなたを殺し、それをして『死送り』とするのです」 腰の刀をすらりと抜いた。ふらふら危なっかしく揺れる刀身は、月の光を波のように照り返していた。 さすがに俺も緊張する。死の恐怖に負けないよう、固く瞼を閉じた。 「屍根ヨシノ、介錯つかまつります」 ひゅっと甲高く風を切る音がして、ピリリリリリリリという着信音が── ──着信音? 「どもども、ヨシノなのです。……え?」 うっすら目を開けると、ヨシノが携帯電話で誰かと話していた。死神の癖に携帯とは生意気な。 「え、はい。マジなのですか? ……はあ、困ったのです。はい……分かりました」 ピッと通話を切ると、ヨシノは済まなさそうに俺を見た。 「あの……ヨシノの手違いだったようなのです。あなたが死ぬのは二百と三日後だそうです。 しぶとく生き残って七転八倒しながら死ぬようなのです。それまで現地で待機と仰せつかったのです」 「なんだそりゃあ! てめ、この……俺に恥ずかしいセリフ吐かせておいてそれはねーよ! うわ、最悪だ。どーすんだよこれえ!」 もたもたと刀を収めたヨシノは、後ろめたそうに笑った。 「と、とりあえず……来週ここでお花見をしようと思うのですが」
518 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 12:57:40.42 ID:V/fHMlF/0
こんな長文誰も読まねーよorz 駄目だ俺。
519 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 13:01:20.62 ID:EryOQRmf0
安価お願いいたす↓
521 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 13:03:26.77 ID:DnBt6XJu0
お絵かき
来週ここでお花見をしようと思うのですが、まで読んだ ヨシノってソメイヨシノかwwwwwwww細かいところでセンスあるなwwwwwww 時々聞く感じのストーリーだけどまさかそう上手く桜を絡まられるとはwwwwwww つーか最後のオチで不覚にもワロスwwwww
160 の続き女の名前は忘れたが許せ 「うう…」 彼は目が覚めたようだ、だが何故保健室にいるかわかっていないらしい 「目が覚めたのね」 声の主は彼の姉の海晴だ 「はる姉…どうして?」 「どうしてじゃないわよあんたが教室で倒れて先生に呼ばれたのよ。全く…ほら薬」 薬の入った袋を渡す 「あ、ごめんわざわざ」 「今日あんた朝置いていってって母さんに渡されたのよ。ホントにもう今日は母さんがいたから良いけど」 「まぁいいわあんたが無事ならね、私は戻るわよ。あんたも早く教室戻りなさいよ」 「あ〜朝から最悪だ…」 ガラガラと教室のドアを開ける 「お、戻ってきたな大丈夫か?」 彼に声をかけたのは親友の彰だ 「ああ」 「しかしうらやましい奴だなお前」 「何が?」 「何が?じゃないってお前の席の隣見ろって」 と彼の席を指差す 「僕の席の隣って、あ…」 彼の席の隣には今日転向してきた女の子がいた」 「うらやましいじゃないかこいつぅ〜」 「べ、別に僕は」 「お前がそう思ってなくても俺らは羨ましいんだ」 彼はクラスの男子にからかわれる 「(彼女の名前なんだっけ?)
女の名前は自分が考えたので許してください、それか前スレで書いた人 いたら教えてください 彼は席に座ると彼女は彼にほほ笑みかける 「宜しくね。私御堂ひかりっていうの。初登校の日に倒れる人が出るなんてビックリしちゃった」 「ハハ、でも記憶には残るでしょ。あ、僕の名前は楠水勇樹よろしく」 「楠見勇樹君…?」 彼女が不思議な顔をする 「なに?」 「ごめんなさい、なんでもないの気にしないで」 続く 駄文です限りなく駄文ですごめんなさい
少々外出するから誰か保守頼む
>>524 続きwktk
でも、句読点はもうちょっときっちりつけた方がいいかもね
528 :
524 :2006/03/29(水) 13:29:49.58 ID:gpA/X/dt0
529 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 13:45:36.95 ID:DnBt6XJu0
ほしゅ
530 :
トーテムポール :2006/03/29(水) 14:04:19.46 ID:lKLNXkfh0
太陽も随分とやる気を失ってきた午後2時半ごろ。 休み時間を存分に満喫しようとした俺の目の前に、見慣れた友人が現れた。 「これやるよ」 唐突にソイツが差し出してきたのは、インディアンの匂いがプンプンする謎めく木彫りの人形のようなものだった。 「…何これ」 いらないという意味ではなく、心からの疑問を俺はコイツにぶつけることにした。 「トーテムポール」 大方の予想(とは言っても俺一人だが)を裏切る事無くそれの名前はトーテムポールだった。 「いや…いらないわ」 「おいおい、そんなこと言うなよ。俺の爺さんが持って来たくれたお土産なんだぞ、ありがたく受け取れって」 そう言うとソイツは、強引に俺の手のひらに怪しく笑うトーテムポールを握らせるとニコリと笑った。 訂正、ニヤリと笑っていた。 「どうせ死ぬほど貰って処分に困ってるとかなんだろ?」 「ははは、まぁそう言うな友よ」 そう言って俺の肩をバンバンと叩いてきたが、コイツが話をはぐらかしたということは図星だったに違い無い。 ミッションを遂行して満足したのかソイツは俺の元から立ち去っていった。 「ねぇ、これいらない?」 しかし他のクラスメートにも声を掛け始めたところを見ると、どうやら奴のミッションはまだまだ終わらないらしかった。 味気ない授業が終わったと同時に俺は鞄を掴んでさっきトーテムポールを押し付けた奴の元へと向かう。 アイツとは家が近くて、行き帰りをよく共にしていた。 「おーい…って、あれ?」 ロケットスタートを切ったはずの俺だったが、既に奴の姿はそこには無かった。 「アイツ…まさかコレを返されるのが嫌で…」 俺はポケットにしまっていたそれをもう一度取り出して見た後、一人で帰ろうと思い直し教室を後にした。 明日また会えばいい。俺は漠然とそんなことを考えていた。
531 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 14:05:17.65 ID:hpxsceE10
上げ
532 :
トーテムポール :2006/03/29(水) 14:05:47.64 ID:lKLNXkfh0
ところが次の日になってもソイツは俺の前に姿を現さなかった。 一応家にも行っては見たのだが、何度呼びかけても誰も出ては来なかった。 学校で色んな奴にも聞いてみたが、誰一人とその理由を知らないというのである。 「しっかし、みんなコレ持ってんのな」 俺が視線を落とした先には、小さなトーテムポール。 聞いた奴聞いた奴みんなが持ってるもんだから、途中からトーテムポール探しみたいになっていたところもあった。 「…まぁ、風邪かなんかか」 自分で勝手に結論付けて、俺はその日を過ごした。 更に幾日かが過ぎたが、アイツは一向に姿を現さなかった。 それどころか、アイツだけでは無く他のクラスメートまでもが次々に学校に来なくなっていた。 何かおかしなことが起きていると感じた俺は改めてアイツの家へと向かった。 分かっていたことだが、やはり幾ら呼び鈴を鳴らしても、窓を叩いても、一向に返事が返ってこない。 「………」 俺が諦めて家へ帰ろうと踵を返したその時、足元に何かが転がっていたことに気が付いた。 拾い上げて土を払うと、それは間違いなくあいつが配っていたトーテムポールだった。 俺は自分のを落としたかと思いポケットを調べた。 すると案の定と言うか、予想外と言うべきか、ポケットの中にあったはずのトーテムポールが無くなっていた。 「あれ? 俺のか・・・。こんなデザインだっけか」 少しの違和感と共にそれを握り締めると、俺は家に帰った。
533 :
トーテムポール :2006/03/29(水) 14:06:52.01 ID:lKLNXkfh0
明くる日、学校に付いた俺は机の中で意外なものと遭遇する。 「…トーテムポール」 そこには間違いなく俺が貰ったトーテムポールが入っていたのだ。 「つーことはコレは…アイツのなのか?」 俺は制服のポケットに入れたままだった昨日のトーテムポールを見て、なんとも不思議な感覚に囚われていた。 そして驚愕の事実と対面する。 まだ、人が全然集まっていないのに先生が教室に入ってきた。 幾ら何でもそれは焦りすぎだろうと時計を見ると、時間は既にHRの開始時間。 生徒の減少は恐るべきところまで進行していたことに気が付いた。 HRが終わると、俺はそのまま教室を出て急いで再度アイツの家に向かった。 途中自分の分のトーテムポールをまた置き忘れたことに気付いたが、そんなことは気にする程の事ではなかったので無視した。 程なくしてアイツの家に着いたものの、勢いでここまで来た所為か何をしたらいいのかがまだ分かっていなかった。 「そういや、昨日全部やれることはやったよな…」 焦っていた所為か唇が酷く乾燥している。 それに気付くと、いつものようにポケットからリップクリームを取り出そうとして、俺は一瞬凍りついた。 ポケットの中にリップクリームではない円柱状のものが入っているのが確かに分かったのだ。 ありえないと思いながらもゆっくりと取り出すと、やはりそれは俺のトーテムポールだった。
534 :
トーテムポール :2006/03/29(水) 14:08:15.12 ID:lKLNXkfh0
確かに俺はコレを教室に置いてきたと思ったのだが、無意識の内にポケットに入れてしまったのだと言うのか。 顔のような模様が、俺のよく分からない不安を更に煽る。 昨日拾ったトーテムポールと勘違いしているのかと思ったが、昨日のはやはりもう一方のポケットに入っていた。 嫌な予感がしてきた。否応無しに頭が共通点をはじき出してくるのだ。 「…馬鹿馬鹿しい。関係ある訳無い」 言葉で必死に抗ってみても不安は全く取り除けない。 と、いつの間にか汗を掻いていたらしく、不意に昨日のトーテムポールを玄関先のコンクリートの上に落としてしまった。 反射的に伸ばした手は宙を掴み、トーテムポールは地面に叩きつけられた。 その瞬間トーテムポールが割れた。 「え?」 予想外の出来事に頓狂な声を上げて、俺はそれを只見つめた。 割れたにしては余りにも綺麗なアーチ状の長方形で平べったい破片。 どうやら割れたと言うより、蓋が開いたと言う方が正しそうだ。 何がどうなったのかと本体の方を拾い上げて、俺は震え上がる。 トーテムポールの中には空洞があり、そこに紛れも無く姿を消したアイツが入っていたのだ。 「……え…えぇぇぇ…あぁぁぁぁぁ」 どんな反応をしていいのかわからない俺は今までに出したことの無いような声を出した。 手のひらに乗るようなサイズの物に、人が納まっていると言うこと自体まるで理解できない。 加えてそれが見知った顔ならば、尚更現実と言うものが分からなくなっていく。 「何だよコレ…何なんだよ! コレはぁぁぁぁぁぁぁ!」 俺はそれを放り投げ、逃げ出すように道路に飛び出して――――車に撥ね飛ばされた。 撥ね飛ばされた体はその後永遠に地面と対面することは無く、 代わりに小さな木彫りのトーテムポールのだけが灰色のアスファルトの上にコトリ、と落ちてきた。 −終−
535 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 14:09:13.28 ID:lKLNXkfh0
どうやら短くまとめる能力が欠如しているということが分かった。 修行の旅に出てきます…
536 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 14:14:26.51 ID:EryOQRmf0
「ったくもう、なんだよこれ」 何でよりによってこれなんだ、小学校5年生の貴博はそう思った。 国語の時間に出た宿題は、国語辞典の好きなページを適当に開いて、 そのページの1番右上の単語を使って面白い作文を作れ、というものだったのだ。 そして貴博が引き当てた単語とは、「保守」なのであった。 周りには、「縄文土器」やら、「インターネット」やら、面白そうな単語を引き当ててる子がたくさんいた。 中には単語の意味が理解できなくて苦しんでる子もいるのだが、「何のための辞書なんだ」と、貴博は妬みでも込めるかのようにごちていた。 −保ち守ること− 単純な意味だ、だからこそ、貴博は困っていた。 一体何を守ればいいのか、何を保てばいいのか。 いいストーリーなんか、全く思いつきそうになかった。 そのときだった。 「いいなぁ、それ。」 貴博の作文用紙の冒頭、「保守」の文字を見つけたのだろう。 「コンクリート」を引き当てた隣の席の沙希が、まるで羨ましがるような口調で、ぼやいていた。 「何か守るものがあって、それをずっと保っていこうとするんでしょう。なんだかかっこいいよね。」 かっこいい、貴博には最後の単語しか聞こえてなかったに違いない。 ストーリーなんか思いつきそうにない、それでもシャープペンを滑らせた。 保ち、守ること。 テーマは、保守。
537 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 14:17:10.94 ID:V/fHMlF/0
>>535 続きが読みたくてリロードしまくってた俺ガイルww
怪奇的な話うめぇwwww
いい感じに短くまとまってるとオモタ
アホみたいな長文書いた俺に比べれば、いっそうスゴスorz
538 :
三日間 :2006/03/29(水) 14:23:57.22 ID:8Mhg9hMK0
「で、お前さんはどこの戦地へ赴くんだい?」 「北部前線です」 「・・・そうかい・・・そいつぁ、気の毒なこった」 「・・・? どういう意味です?それ」 「北部で行われてる戦争を俺達は、三日間戦争って呼んでいる」 「?」 「三日間で死んじまうからだよ。配属されて三日間でな」 また、思い出しちまった。 スペンサー一等兵は戦地へ向かう列車の中で忌々しく呟いた。 がたん・・・・ごとん・・・がたん・・・ごとん・・・ 列車は兵士を積んで、北部へと向かう。 敵国ビテュニア共和国の最重要の地域とも呼べる、ネアポリス工業地帯のある、 彼らの目的地北部前線では、この戦争で最も激しい戦いが行われていた。 きっかけは、自国の連邦の頭のネジが一本外れた総裁だった。 ここ十年、連邦の政権を独裁してきた彼は、 突如、ビテュニア共和国に宣戦を布告した。 何が気に食わなかったのかはわからなかったが、 彼は執拗にネアポリスを狙った。 おかげで、ここに投入された兵は先に思い出した通りの結果となっているわけだ。 しかし、どいつもこいつもピクニックに行くような顔してやがる。 スペンサー一等兵は周りの連中の呑気な顔を睨んでため息をつく。 ここ、北部方面に関する情報は、不思議と報道されることがなかった。 情報統制って奴だろう。そうでもしなきゃ、国民が反発して抗戦どころじゃ無くなっちまう。 そう片づけて飲み込む。 だが、へらへらと笑っている隣のアホ面を見て腹が立つのは仕方のないことだった。
539 :
お題「じゃんけん」 :2006/03/29(水) 14:23:58.59 ID:DnBt6XJu0
紙は石に勝つ。石ははさみに勝ち、はさみは紙に勝つ。 これがじゃんけんのルール。きわめて単純である。 今、2人の子供が互いに向かい合って相手を睨みつけている。今まさにじゃんけんという名の戦いが始まろうとしていた。 勝者に与えられるものは、一本残った牛乳である。 「さーいしょぉっは……」 一方の宣戦布告にもう一方が反応し、腕を振り上げる。カッと目を見開き、軽く唇をつり上げて相手を呼吸を合わせようとする。 「グー!」 必要以上の大声とともに2人は拳を振り下ろして石を繰り出す。。まず、通過儀礼が終了した。これからが、彼らの本当の決闘の始まりだ。 数瞬のうちに相手の出方を読み取ろうとする。固く拳をつくって戦闘準備を整える。 「じゃぁーんっけん!」 今度は同時に叫びあい、今にも相手に飛び掛りそうな顔つきでもう一度腕を振り上げる。彼らは今、刹那の勝負に全てをかけている。全身全霊をかけて、牛乳という栄光を勝ち取ろうとしているのだ。 「ほいぃ!」 互いに渾身の一手を繰り出した。一方ははさみ、もう一方は紙 その一瞬で勝負は決した。勝者は喜び勇んで牛乳を手に席に戻り、敗者はひざを叩いて悔しがっている。30人の観衆はニコニコしながらたった数秒間の戦いを眺めていた。 ほのぼのとした光景だ、私はそう思いながら残りの牛乳を飲みほした。 「せんせー、なんでにやにやしてるんですかー?」 終 頑張って短くしてみた
540 :
三日間 :2006/03/29(水) 14:24:39.70 ID:8Mhg9hMK0
列車が止まるのが分かった。 戸が開けられ、光が差し込む。 俺の死ぬ場所が見えるだろうか。そんな事を考えながら、 スペンサー一等兵は北の大地を踏みしめた。 下らない大尉の下らない演説が終わった後、 スペンサー一等兵はさっそく塹壕の拡張作業に従事することになった。 掘って掘って日が傾いて掘って掘って夜となった。 こうしてスペンサー一等兵の一日目は手に豆を作って終了した。 彼は銃を抱きしめて眠る。 がちがちと震える体を、隠すことはできない。 二日目は何も起きなかったと言って良いだろう。 間抜けな兵士が塹壕から頭を出して、間抜けに頭から血を流しているのは、 ここでは何も起きなかったと言うのだそうだ。 新しい知識を身に着けたスペンサー一等兵は、 再びがちがちとしながら命令を待つ事となった。 「ピクニック野郎はこれだから仕方がない」 間抜けに運ばれていく死体を見て、誰かが呟くのが聞こえた。 「おい、行くぞ。集団自殺の始まりだ」 深夜、その声と共にたたき起こされる。 不快な気持を飲み込んで、スペンサー一等兵は 「了解しました、大尉殿」 と返事をして、立ち上がった。
541 :
三日間 :2006/03/29(水) 14:25:28.76 ID:8Mhg9hMK0
三日目の朝は這いつくばって迎えることとなった。 薄闇が大地を照らし始めた頃。 一斉突撃の号令と共に、敵の第1戦壕を連邦軍は景気よく奪取した。 厚い防弾服。厚いヘルメット。それだけがスペンサー一等兵を守る装備である。 だが、それを用いる必要も無く、それに守られることも無い。 凱歌を挙げるようにして、叫び声を挙げたい衝動に駆られる。 そんな時。 「油断は禁物だってあれほど言ったろうに」 「仕方ないだろう。まさか、こうなるなんて思っても居なかったんだ」 ふと、大学時代の友人の言葉が思い浮かんだ。 戦場のど真ん中でスペンサー一等兵は懐郷の念に駆られた。 「なんで、こんな所に来ちまったのかなぁ」 呟いた瞬間、砲弾の欠片が左の胸へと突き刺さった。 そして、全てが崩れ落ちてゆくのをスペンサー一等兵は感じた。 故郷の家族。大学の友人。アホ面の同僚。気狂いの総統。 その全てが頭の中を駆けめぐって、白濁の中へととけ込んでいく。 最後にあの会話が思い出されて、消えていった。 「ああ、確かに三日間だ」 それが、スペンサー一等兵の最期の言葉となった。
542 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 14:27:46.14 ID:8Mhg9hMK0
軍事知識がないのに戦争物なんて書こうとするからorz
543 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 14:28:58.46 ID:DnBt6XJu0
544 :
473 :2006/03/29(水) 14:29:54.02 ID:/wIWsfFa0
「あなたは誰?」 ある一軒家。 静かな夜に、静寂を破る一つの物音。 音が気になった少女が一人の男へと話しかける。 「私に名前は無い」 男の言葉に少女が首を傾げる。 「お名前無いんだ?ふーん変なの」 仮面を付けて黒のマントを羽織った男。 その男の正体が有名な怪盗だということを少女は知らない。 「あなたに名前付けてあげる」 変なことを言うもんだ。と、仮面怪盗は思った。 「うーん・・と。マントさんってどう?」 (それ、見た目のままじゃないか・・・) しかし仮面怪盗は文句を言わずに礼を言う。 「ありがとう。私は今度から仮面怪盗と名乗るよ」 そう言って仮面怪盗の姿は消えた。 ある一夏の物語。 少女と怪盗の交わした会話。 それ以降、仮面怪盗は自らを『マント』と名乗るようになった。 少女が家にある家財道具一式を盗まれたことに気付くのは、明日のことだった。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 仮面とか厳しいんですが。
545 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 14:48:47.15 ID:DnBt6XJu0
>>544 見事に纏めきったことにGJ
一言だけ言わせてもらえれば
最後の「明日」は「次の日」ぐらいにしたほうがよいとオモウ
素人の一意見ですがorz
546 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 14:49:59.45 ID:5YFlzIm00
クリスマスツリー 華やかなイルミネーションが街を彩り、無数の恋人達が闊歩している年末の繁華街をタカシは一人錯乱しながら走っていた。 例年のタカシならば、大学が休みになる年末には家にひきこもり彼がサークルの友人達と作った会「Doutei Boys会」の会合と称し 夜通し倒れる程に酒を飲んでは世の女性達への恨み辛みを思いのままに喋りまくるという事をしているので、わざわざ好きこのんでクリスマスの夜に華やかな場所に来るなんて事はしない。 だが今年のタカシは違った。何故なら、年々彼女を作っては脱退する人間が相次いだDB会が遂に、タカシ一人になってしまったのだ。
547 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 14:50:32.18 ID:5YFlzIm00
『クリスマスを一人、四畳半の狭くて暗くてわびしいアパートで迎える』そんな寂しい自らの状況に耐えきれなくなったタカシは、つい数十分程前意を決して暗いアパートから、大学の最寄り駅にある華やかな繁華街に飛び出した。 人がたくさんいる所に行けば、この孤独も少しは紛れるだろうと考えたからだ。 だがタカシの眼前に存在する現実はそう甘くなかった。 駅から降りるとタカシの眼の前で、無数のカップルがまるでいい年こいて童貞であるタカシを嘲笑うかのような顔をしながら、イチャイチャしてきたのだ。 前を向いても、後ろを向いても、横を向いても、タカシがどこを見ても恋人達は肩を寄せ合ったり抱きしめ合ったり唇を重ねたりしていた……。 タカシはテレビやパソコンのディスプレイを通してしか今まで見た事の無かった事が、そこら中で起きている事に驚愕しそして落胆した。
548 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 14:50:53.56 ID:5YFlzIm00
「ふざけんな! おまえらキリスト教徒でもないくせに、クリスマスクリスマスってうかれてんじゃねーよ! バーカ! バーカ!」 タカシは出来うる限りの強がりを吐いた後、その場から全速力で逃げ出した。 真冬だという事で寒くないようにファーコートを着てきたタカシであったが、風を切りながら走っていると外に出る前に想像していた以上に寒い事に気がついた。 吐く息は真っ白で、凍てつくような風にさらされ冷えた体は思うように動かない。 「クソ! クソ! どいつもこいつもふざけやがって!」 タカシはそう叫びながらこの街一番の百貨店の入口に備え付けられた、クリスマスツリーの下に倒れ込んだ。
549 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 14:51:21.90 ID:5YFlzIm00
突然倒れ込んでは奇声を発するタカシの事を周囲を往来するカップル達は、奇異の目線で見つめる。だがタカシはそんな恋人達の目線の事はどうでも良かった。 言葉では例えようのない、虚しさと悲しさがタカシの胸を圧迫して、どうにもこうにもやりきれない想いになっていた。 そしてタカシはそんな想いを抑えきれずに泣き出した。たくさんの人が往来する、クリスマスの百貨店の入口で……。 「俺だって、ドラマに出てくるような素敵な恋とかしてみたかったんだ! だからちょっと無理なレベルの、東京の大学を頑張って受験したのに! どうして、そうしてこんな事に……」
550 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 14:51:43.90 ID:5YFlzIm00
タカシは声の限りに絶叫した。そんなタカシを、周りの恋人達は腫れ物にでも触れてしまったかのように避けていく。 だがそんな中でもタカシに近づいていく女の姿があった。年齢はタカシと同じくらいで、丁寧に染め上げた髪は彫刻品のように美しく、顔も非常に均整がとれている。 「ねえ、もしかしてタカシ君じゃない?」
551 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 14:52:28.36 ID:5YFlzIm00
初めて三人称で書いてみてるけどダメぽ。 しかも長すぎorz
552 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 14:54:15.57 ID:DnBt6XJu0
>>551 星のアルペジオを何故か思い出した
続き気になりますwktk
553 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 15:18:19.70 ID:DnBt6XJu0
ほしゅほしゅ
554 :
保守ついでに勝手に投下 :2006/03/29(水) 15:26:32.61 ID:DnBt6XJu0
「……むぐ」 「むぐ?」 先輩の突然の奇声を僕はつい復唱してしまう。どうやら眠っているらしい。 ま、さっきまでクラブ連絡会の司会やってたわけだし、疲れても仕方ないかな 今この生徒会室には僕と先輩しかいない。……僕がいても仕方ないし、もう帰ろうかな。 手元にある議事録……といっても、それほど大げさなものじゃないけど……をカバンに入れて、僕は立ち上がる。 「……むがー」 「は?」 うなり声に振り返ると、先輩がもぞもぞと動いている 「先輩、大丈夫ですか?」 一応近づいてそんな言葉をかけてみる。が、返事が返ってこない。やっぱりただ寝込んでいるだけなんだろう。 それにしても、冬の生徒会室は結構寒い。先輩には会長として明日全校集会で喋ってもらわないといけないし……うん、早く起こしたほうがいいな 「先輩、カゼひかないうちにはやく起きてください」 「むぅ〜〜………」 反応があるようなないような……でも、まだ寝てることは確かだ 「先輩、先輩ってば」 何度か肩をたたいてみる……これぐらいじゃセクハラとは言われないだろう。 「うー……」 それでもうなり続ける先輩……だったが、突如覚醒した
555 :
保守ついでに勝手に投下 :2006/03/29(水) 15:27:11.06 ID:DnBt6XJu0
「ゆーまーぁ!」 と叫びながら、いきなりガバッと 抱きついてきた 「うわわわぁぁぁ、せ、先輩!?」 その勢いに先輩もろとも後ろに倒れてしまいそうになったけどなんとかこらえる。 僕の腰辺りに頬ずりする先輩……と、いうか「ゆーま」って誰? 「うーぅ、ゆーまー」 「先輩、ゆーまじゃないです、竹田、です!」 「はれ……?」 やっと寝ぼけ状態から目覚めたらしい……困った人だ。それに、そろそろ僕の顔も多分赤くなってきてるから離れて欲しいんだけど。 「あれ、竹田君か……」 「わかったならさっさと離れてくださいよ」 「んじゃもう、竹田君でいーや」 「って先輩!?」 そのまままた睡眠状態に陥る先輩……冗談じゃない。僕にも限界というものがある。 「うぅー、ゆーまぁ……」 「だからゆーまじゃないですって!」 終 …えぇ、保守したいだけです
556 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 15:38:34.68 ID:5YFlzIm00
無駄に長くなりそうorz
557 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 15:38:40.12 ID:8Mhg9hMK0
保守
558 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 16:06:03.87 ID:DnBt6XJu0
ほしゅ
559 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 16:06:31.95 ID:5YFlzIm00
タカシは泣きしゃぐった顔で声のした方向を向く。そして女の顔を確認するやいなや、タカシは驚嘆の声をあげた。 「おまえ、もしかして英里か? 橘英里か? おまえがどうしてここに……」 タカシと英里が出会ったのは二人が大学に入学してまもない頃であった。 当時どこのサークルに入るべきか悩んでいたサトシは、気の赴くままに色々なサークルの説明会に出席していた。そんな折、たまたまあるサークルの説明会でタカシと英里は隣同士になった。 今も昔も女性に免疫のないタカシは、今時の女子大生風の風貌であった英里が隣に座ってきた事に、激しく困惑しその時はほとんど会話らしい会話をする事はできなかった。 だがその時に英里が、一緒に来ていた彼女の友人達との会話の中で『このサークルに入る事にする』と言っていたのをタカシは聞き逃さなかった。 そしてそのまま英里目当てにサークルに入ったのだ。 「そうだよ。タカシ君こそこんな所で何してるの?」 英里は屈託のない顔でタカシに訊いてくる。 「いや、俺はたまたまかな」 この場所に来る事になったきっかけを頭の中で整理してみると、タカシは心底恥ずかしくなってしまい、顔をよく熟れたトマトのように赤くした。 「それにしても、どうして英理がだっておまえ……」 途中まで言いかけてタカシは口をつぐんだ。これから先は言うべきではないと思ったのだ。
560 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 16:07:07.46 ID:5YFlzIm00
――英里は風貌の可憐さから、タカシの入ったサークルでもしばらくはアイドル的人気を誇っていた。 タカシの仲間のDB会の面子も、少なくない人数英里の事を狙っていたしサトシもまた然りであった。 そんな淡い青春の時間を謳歌していたタカシ達のサークルに激震が走ったのは、毎年夏休みに行われるサークルの合宿の時であった。 合宿の最終日、英里は一人自分の部屋で手首を切ったのだ。 手首を切った原因は憧れていた先輩にふられたからだという。 タカシはその話を聞いた当時、心底アホらしい話だなと思った。 自分のようにキモい恋愛障害者ならともかく、英里のような可愛らしい人が、一度失恋した位で何をそんなに落ち込むのかと。 でも英里にとっては、そんなに簡単な問題ではなかったようで、夏休み明けか英里はらは大学に顔を見せなくなり その後サークル内でも英里の話はタブー視され、タカシは以後英里が何年も休学しているとかいう話を人づてに聞いた位であった。 「じゃあ、私もたまたまかな」 英里は子供のような無邪気な笑顔を浮かべながら、彼女が持っていたトランクの上に座って言う。
561 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 16:07:49.96 ID:5YFlzIm00
「たまたまで、そんな大きい荷物いるのかよ」 「じゃあ、タカシ君にだけは教えてあげるね」 タカシは英里のその話し方を聞いて思わず苦笑いした。 『〜君にだけは教えてあげる』それは英里の口癖であるのだが、まだこの女はその言葉がどれだけ男を勘違いさせるかを理解していないのだ。 「実はね、私実家に帰ろうと思うんだ」 「え!?」 突然神妙な面持ちでそんな話を持ちかけてきた英里に、タカシはかなり困惑した。 「どうして急に?」 「急じゃないよ。私学校休むようになってから、いろいろ考えたの。とってもとってもたくさん考えたの。 それでわかったの。あんな不様な姿を見せてしまった私が、今更大学に戻って卒業するなんて無理だって……」 「英里……」 あまりに悲痛な表情で話す英里に気圧され、タカシは気の利いた言葉を何一つかけてやる事ができない。 「そこでね。私、一つだけタカシ君にお願いがあるの。 こんな所で偶然出会ったのも何かの縁だしね」 一転明るい表情で英里は笑いかけてくる。惚れていた女に、こんな風にお願いをされてはタカシは断る術をもたない。 「東京では何一つ良い思い出がなかった。 だからね、私今日一日だけタカシ君に恋人になってもらいたいの」 英里の突然の提案から数時間後、タカシはホテルのベッドの上ですやすやと寝込む英里の表情を眺めていた。 憧れ続けた女性との一日だけの恋人関係。それはタカシにとって喜びと悲しみ、期待と後悔を同居させながらのものであった。 一緒に百貨店の中を廻っては子供のようにはしゃぐ英里の顔を見ては、好きな女の喜んだ顔が見れたという喜びと、俺にはこの位の事しかできないという悲しみに襲われた。 ホテルに入ってセックスをする時には、これでやっと童貞を捨てられるという期待と、膣内にいれた瞬間にいってしまった後悔に襲われた。 英里は今日の昼の新幹線で実家に帰るという。好きで好きでたまらないのに、この女の為にもう何もしてやれない自分をタカシは情けなく思っていた。 ――俺がもし先輩だったら、英里を本気で喜ばせてやる事ができるのに――
562 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 16:08:02.09 ID:5YFlzIm00
数時間後英里とタカシは、久しぶりの再会をはたした百貨店のクリスマスツリーの下にいた。 「今日でこのクリスマスツリーはお終いなのです。 そして私たちの関係も……」 それほど大きくない胸を張り、可愛らしい所作でそんな残酷な事を言う。 「ああ。そうだな……」 このままでは終わりたくない。そう思いながらも、タカシは何もアクションを起こす事ができなかった。 ここで何かを言っても、彼女を傷つけるだけな事を誰よりも知っていたのは他ならぬタカシであるから。 「それじゃあ、私はいくね。ばいばい」 「ああ。ばいばい」 一歩一歩小さくなっていく英里の背中を、タカシは見守る事しかできなかった。 12月25日。クリスマスの日。二人はクリスマスツリーの下で最後のばいばいをした……。
563 :
クリスマスツリー :2006/03/29(水) 16:08:19.99 ID:5YFlzIm00
すいません。gdgdです。
564 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 16:29:48.89 ID:DnBt6XJu0
ほしゅほしゅ
565 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 16:44:47.01 ID:CjMiQIHp0
566 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 16:45:15.88 ID:CjMiQIHp0
遠ッ!
567 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 16:52:08.42 ID:DnBt6XJu0
自己ツッコミ乙wwww 568とみて加速 安価なら↓
568 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 16:55:03.63 ID:CjMiQIHp0
いや、VIPにおいて安価は絶対の掟・・・ のんびり待てよ。待てば解かるさ!アリガトーッ!
569 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 17:16:01.33 ID:DnBt6XJu0
>>568 おまい勇者だな
しかしこの速さだといつ658までたどり着くか見当つかない罠wwwww
570 :
>>510 仏 :2006/03/29(水) 17:35:57.20 ID:95sjRlP90
「仏様に祈っておいたお陰だねぇ」 大学合格を伝えに、家族とともに隣町の祖母を訪れた。 母から電話で聞いていたのだろう。僕が自らの口から合格を伝えた時、そこには驚きの表情よりも、心底僕の合格を嬉しがっているような、喜びの表情が浮かんでいた。 その日は祖母の家でご馳走になったのだが、祖母は終始、仏様のお陰だ、と、 そこにいる誰に聞かせるでもなく、自分に言い聞かせるようでもなく、ただ、そこにはいない誰かに言い聞かせるように、呟いていたのだった。 祖母の家には仏壇があり、8年ほど前に亡くなった祖父の遺影が静かに置かれている。 その時の祖母の悲しみは相当のものであったらしいのだが、祖母の娘である母の慰めや、周囲の人の協力もあって、 今ではこうして隣町で、一人暮らしを送っている。 僕自身も、幼い頃から祖母には相当可愛がってもらっていた。母が一人っ子で、僕が唯一の孫だからでもあったのだろう。 もともと会社の役員だとか、様々な役職についていた生前の祖父は、僕ら家族が祖父母の家に遊びに行った時にもいない事が多く、 そんな時はたいてい祖母が、幼い僕の遊び相手になってくれていた。 祖母が住んでいるこの町は、僕ら一家の住む街よりも自然がまだまだ多く残っており、 時には祖母が僕を外に連れ出し、またある時は僕自身が外に出たいとねだり、 結局、祖母の家の周りで知らない場所がなくなるくらい、僕と祖母は何度も連れ立って散歩に出て行った。 ある時、また散歩へと繰り出していた僕と祖母は、古いお寺の前にやってきていた。 境内はやけに静かだった。昼間だというのに、参内する人はいないようだった。 祖母は僕の手を引いて、お寺の敷地内へと入っていく。 とある仏像の前で立ち止まった祖母は、僕にこう囁いた。 「仏様に祈るとね、いいことがあるものなのよ。」 祖父の余命が少ないと知ったのは、その数日後だったのである。
571 :
>>510 仏 :2006/03/29(水) 17:36:39.24 ID:95sjRlP90
祖母は厳格な仏教信者なわけではなかった。昔ながらの信仰心の強い人だったんだろう。 祖父の容態が悪化してからは、祖父が亡くなるその日まで、毎日のようにあのお寺にお参りしていたのだという。 僕自身は、仏教どころか宗教なんてもんに、さらさら興味は無かった。 それでも祖母が、試験当日に、僕が受かるようにと仏壇に祈っていたのだ、ということを聞いた時は、 祖母が僕のことをそこまで思っていてくれたということが純粋に嬉しかったし、 また合格という形で祖母の思いに応えることができて、本当に良かったと思った。 大学生活は毎日が充実していた。僕が使うと安っぽいかもしれないが、順風満帆という奴だ。 自分の好きなことの勉強をしたり、毎日友達と馬鹿騒ぎしたり、そんな毎日の只中に、その知らせが飛び込んできた。 隣町の病院に向かう車の中で、母から祖母が急に倒れたのだと聞かされた。 容態は危険な状態で、緊急入院はしたけれど、覚悟はしておいて下さい、と母は医者に言われたのだという。 病室に入って見た祖母の顔には、以前の面影は残っていなかった。 口には呼吸器があてられ、心電図の音だけが、病室にこだましていた。 傍らには、祖父の写真が立てかけてあった。 「おばあちゃん」 悲しさが胸に込み上げてきて、答えは返ってこないと知りながら、そう呼びかけた。 祖母は、祖父が容態を崩した時も、僕が受験の時も、あてのない何かを信じて、祈っていたのだろう。 なら今度は僕が、仏様に祈る番なのではないか。 そう思ったとき、ふと、祖母が答えてくれたような気がした。
572 :
>>510 仏 :2006/03/29(水) 17:37:59.38 ID:95sjRlP90
祖父と祖母を読み間違えないようにお読みください。 思ったより短く済んでよかった。 まだまだ語彙力と構成力が足りない。精進精進。
573 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 17:55:11.95 ID:95sjRlP90
保守
574 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:09:18.30 ID:P2112NYP0
>>570 うまくまとまってると思う。けど読点多めかな
意識的に使ってるならまだ許容範囲だと思いますが
素人の(ry
というわけでなんかお題plz↓
575 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:10:20.46 ID:95sjRlP90
ビルの屋上
576 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:12:57.14 ID:95sjRlP90
>>574 読点は意識的に。
じっくり読んでもらいたい文が多い、ってのと、
今回は一文が複雑になることが多かったから、誤解を招かないように、必要なところで区切ったつもり。
俺としては許容範囲だと思ったけど、もし不自然に感じたようなら次回から改めるわ。
577 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:17:30.35 ID:V/fHMlF/0
>>570-571 正直、意地の悪いお題だったと反省している。
自分に与えられたお題が上手くこなしきれなかったのでむしゃくしゃしてやった。
それなのに、こんないいものを書いてくれたので感動した。
きっとそういう感情の連鎖が、家族ってことなんだろうね、って思った。
雨にも負けずお題
↓
578 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:18:27.64 ID:DnBt6XJu0
背中
579 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:19:36.00 ID:V/fHMlF/0
580 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:19:47.65 ID:uh/7XZFL0
よし、仕事が早く終った。
明日は休みだから時間を気にする必要も無い。
お題よろしく、
>>585
581 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 18:22:07.09 ID:CjMiQIHp0
ksk
582 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:22:13.41 ID:ZTNRPQohO
オウム地下鉄サリン事件
583 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 18:22:40.29 ID:CjMiQIHp0
ksk
584 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 18:23:40.45 ID:CjMiQIHp0
ksk
585 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 18:24:41.62 ID:CjMiQIHp0
女子高に単独潜入
586 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:26:14.41 ID:uh/7XZFL0
把握した。
587 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:27:14.31 ID:DnBt6XJu0
読みたいけど書きたい罠 ↓お題ヨロシク
588 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:29:33.38 ID:uh/7XZFL0
直撃
589 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:29:41.40 ID:ZTNRPQohO
スパイ
590 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:30:02.14 ID:P2112NYP0
591 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:30:37.55 ID:DnBt6XJu0
592 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:48:47.49 ID:DnBt6XJu0
ほっしゅ
593 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:50:51.42 ID:ZTNRPQohO
594 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:54:22.43 ID:uh/7XZFL0
今夜の決闘
595 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 18:58:48.91 ID:DnBt6XJu0
奇襲
「キミにモデルになって欲しいの。お願いっ」 両手を合わせ、必死に頼む女性。我が美術部のマドンナ。ぼくの憧れの人。 「なんでぼくに頼むんです?ぼくより絵になる男の人なんてたくさんいるじゃないですか」 出た。ぼくの悪いクセ。好きな人に頼りにされると、素っ気なくしてしまう。小学生か、ぼくは。 「だって…キミが一番いいなって…」 少し赤くなり彼女は言った。これをされたら、断れる男は皆無だろう。ぼくもその論外ではない。 「しょうがないですね。引き受けましょう」 素直じゃないぼく。 「ホントぉ!?よかったぁ…じゃあ明日の朝十時、ウチに来て」 元気な彼女。
そのテンションのまま走り去る彼女。そのときのぼくは、とても幸せそうな、気持ち悪い笑顔だったに違いない。 「お邪魔します」 「どうぞどうぞ」 彼女に導かれ、二階の彼女の部屋へ。ここである1つの疑問が。 「あの…御両親は…?」 「ん?旅行中。」 きっと何も起こらない…。ぼくはそう願った。心の上の方で。深い所では…違うこと…思春期故の欲望…を願っているのだが。 「じゃあまず、服脱いで」 「えぇ!?なんでですか」 「あれ?裸体画書くって言わなかったっけ?」 「言ってません!」 「えー、ダメ?」 上目使いにこっちを見る。ぼくは腹をくくる。 「分かりましたよ。」
598 :
593 :2006/03/29(水) 19:14:40.72 ID:ZTNRPQohO
まず上を脱ぎ、下を脱いだ。その間、彼女はずっとこっちを見ていた。 脱ぎ終わって彼女の一言。「ふふ…かわいいね」 「くっ…からかわないでください。」 「ふふっ…じゃあ始めるよ。」 どれくらい時間が経ったのだろう。ぼくたちはずっと無言だった。 「はい、終わり。お疲れ様。」 「はぁ…」 ぼくは溜息をついた。勃起しなくて済んで本当によかった、と。 そして、彼女は泣いていた。 「ど、どうしたんですか!?」 ぼくは尋ねる。全裸のまま。 「なんで…そんなに優しいのかな…」 「ぼくが…ですか?」 「ううん。男の人の裸が。」 「え…」
600 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:30:35.42 ID:95sjRlP90
601 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 19:32:06.93 ID:CjMiQIHp0
「男の人ってなんで裸だとこんなに優しげなんだろう…服を着ていれば、平気で嘘をつくのに…」 「…」 「ゴメンね、変なこと話して。ありがとう、私のチャチなお絵かきに付き合ってくれて。」 泣いたまま、彼女は礼を述べる。僕は裸のまま、立ちつくす。童貞の僕には、何1つ 理解出来ないのだった。 終わり
603 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 19:34:20.42 ID:CjMiQIHp0
ここでいきなりお題どうぞ↓
604 :
520 :2006/03/29(水) 19:35:31.79 ID:Pb24pQhiO
長くてすいません。感想お願いします。 安価ならピアノで
605 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:35:49.17 ID:DnBt6XJu0
指使い
606 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 19:36:33.85 ID:CjMiQIHp0
607 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:38:23.99 ID:DnBt6XJu0
>>604 エロすぎて童貞の俺には刺激が強すぎますが('A`)
彼女……カワイソス
608 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:40:48.09 ID:uh/7XZFL0
>>604 女性に何があったのか気になる。
もう少し説明なりヒントなりあってもいい希ガス。
何にせよエロスを有難う。
609 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:41:04.09 ID:95sjRlP90
>>604 ひたすらエロかったw
>>596 の、
>僕も論外ではない
は、僕も例外ではない、に直した方がいいと思う。
特別な糸があるなら別だけど。
あとところどころ一行開けてくれると読みやすいかも。
>そのテンションのまま走り去る彼女。そのときのぼくは、とても幸せそうな、気持ち悪い笑顔だったに違いない。
>「お邪魔します」
>「どうぞどうぞ」
この間には1日くらいの時間の経過があるわけだから、1行あけた方がそれを伝えられるし、読み手としても把握しやすい。
セリフ回しは普通に上手いと思う。不自然さは無かった。
と、句読点のことで駄目出しされた俺からのアドバイスでした。参考にならなかったらスマソ
610 :
609 :2006/03/29(水) 19:42:10.81 ID:95sjRlP90
はいはい誤字誤字('A`)
糸→意図でよろ
次の作品安価
>>615
611 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:45:00.61 ID:uh/7XZFL0
嬉々としてksk
612 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:45:25.44 ID:hTerDlVg0
>>604 場面状況などの描写を台詞に頼ってしまっている気がする
こういうところに投下する分には淡々として読み易くはあるんだけど
仕事帰り一発目のお題ぼしう
>>618 kskでも高見盛でもなんでもバッチコーイ アッー!
613 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:48:41.42 ID:95sjRlP90
ksk
614 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:49:07.28 ID:95sjRlP90
セルフksk安価下
615 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:50:00.77 ID:DnBt6XJu0
エース
616 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:51:35.14 ID:P2112NYP0
ksk
617 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:52:27.91 ID:95sjRlP90
618 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:52:47.17 ID:P2112NYP0
琴欧州
619 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:53:30.61 ID:95sjRlP90
620 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:54:29.28 ID:hTerDlVg0
621 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:58:47.93 ID:sMwJNCzn0
622 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:59:20.85 ID:95sjRlP90
ksk
623 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 19:59:44.24 ID:95sjRlP90
ksk
624 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:00:02.37 ID:95sjRlP90
駅のトイレ
625 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:00:26.28 ID:95sjRlP90
ksk
626 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:00:48.01 ID:95sjRlP90
タクシーの運転手
627 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:01:06.93 ID:95sjRlP90
ksk
628 :
520 :2006/03/29(水) 20:02:22.34 ID:Pb24pQhiO
629 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:02:45.14 ID:uh/7XZFL0
踏み切り
630 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:04:08.80 ID:sMwJNCzn0
駅のトイレ タクシーの運転手 269にして踏切ね。 おけ。がんばります
631 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:04:23.64 ID:uh/7XZFL0
>>628 確かに想像力を掻き立てられたが、投げっ放しの感が強かった。
例によって素人の意見ですが。
632 :
520 :2006/03/29(水) 20:05:15.66 ID:Pb24pQhiO
633 :
621 :2006/03/29(水) 20:06:38.69 ID:sMwJNCzn0
ごめ、見逃したwww 踏切じゃなくて椅子ねwww
634 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:06:46.67 ID:95sjRlP90
>>628 >>631 に同じく
想像力を書きたてるにも、もう少し女の子についての設定をはっきりさせた方がいい。
その方が読み手も想像しやすくなるしね。このままだとちょっと漠然としすぎてる感じがある。
635 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:10:22.66 ID:xZYAlFuE0
636 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:11:27.18 ID:95sjRlP90
ksk ってかタイトル決めるのはやばくないか?ww 内容と全然別のものになりかねないw
637 :
520 :2006/03/29(水) 20:20:37.44 ID:Pb24pQhiO
638 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:21:24.04 ID:DnBt6XJu0
安価遠すぎないかksk
639 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:21:46.92 ID:95sjRlP90
ksk安価下
640 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:22:16.97 ID:95sjRlP90
ソクラテスの知らなかったこと
641 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:23:36.41 ID:lgmqO/yw0
642 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:24:07.22 ID:lgmqO/yw0
643 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:24:21.61 ID:pSCj93dF0
644 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:30:34.15 ID:DnBt6XJu0
ksk
645 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:34:50.76 ID:uh/7XZFL0
ksk
646 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:41:55.58 ID:P2112NYP0
そろそろケビン田中の安価ですよ
647 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:42:12.09 ID:DnBt6XJu0
ksk
648 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:45:00.17 ID:DnBt6XJu0
ksk
649 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:47:58.53 ID:hTerDlVg0
>>618 蒼い瞳のサムライがこの乱世を持ち前の刀で切り裂いた。
異国から来たサムライは、その体格故のパワーとスタミナで向かい来る敵を薙ぎ倒していく。
あまりにも突飛した彼の活躍に世間は一時期熱狂的なほど賑わった。
そんな彼の魅力に引き込まれた少年が一人。
夢を実現するため日々の鍛錬を怠らない、生真面目な少年だった。
少年には親友が居た。同じ夢を持ち、同じ場所を目指していた高見盛の大ファンな親友が。
彼は少年の良きライバルでもあり、互いが切磋琢磨し合う内に仲良くなっていった。
身長体重は彼のほうが上であったが、少年には身軽さという武器がある。
勝率はほぼ五分五分。強大なパワーと華麗なテクニックの対決であった。
二人は全国大会でその世界から初めて注目を浴びることとなる。
脅威の新生の星だとか、色々なこと言われもて囃され、彼らの将来はそれはそれは有望だった。
だがしかし、少年の親友がある日怪我をしてしまう。
職業病と言うべきものなのか、手術をしなくてはいけないほどの膝の怪我だった。
少年は彼と一緒に悔やみ、そして勇気付けるように励まし続ける。
しかし彼の膝は思った以上に治りが悪く、それに伴い精神面も危ういほどになっていってしまう。
そして数ヵ月後、彼から悲痛な言葉を浴びせられ、見舞いにすら行けなくなってしまった。
それ以来、少年は彼と接触することは無かった。親友の絆はどこかで途切れてしまったのだ。
一度は夢見ていたあの世界にも、高校を卒業するときに少年はピリオドを打った。
少年はやがて成長し、自宅の居間でテレビを呆けながら観ていた。
特に目新しい番組が見つからず、何度もチャンネルを切り替える。
相撲中継が映し出されたとき、彼は唐突にテレビの電源をリモコンで切ってしまった。
ただの箱になったそれから目を背けるように寝転び、薄汚れた天井をじっと眺める。
親友の活躍が耳に痛い。あの日諦めてしまった夢は、心の片隅に仕舞い込んだ。
蒼い瞳のサムライに魅せられ始めたはずだったその世界に、今も恋焦がれている。
本当なら、親友と一緒に立っていたはずの大舞台に。
前スレのお題高見盛とちょっと繋がりもたせてみたかった。今は反省している
650 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:50:19.94 ID:7LbZ1+qU0
大理石
651 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:52:02.48 ID:DnBt6XJu0
ksk
652 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:53:27.40 ID:xZYAlFuE0
ksk
653 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:53:53.04 ID:DnBt6XJu0
ksk
654 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:54:42.00 ID:uh/7XZFL0
悶々としてksk
655 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:54:47.10 ID:lgmqO/yw0
ksk
656 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:55:42.48 ID:DnBt6XJu0
ksk
657 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 20:58:01.36 ID:CjMiQIHp0
>>604 日本中を騒がせたあの事件を説明するには、数ヶ月前まで遡って話さなければならない。
あの事件ってなんだって顔してるな。バイクに乗らない人なら忘れてしまっても仕方が無い。
あの事件の後にアイドルの結婚ニュースが入っちまったからな。まあこれから説明してやる。
半年ほど前、車で首都から2時間程度でたどり着く峠道で最初の事件が起きた。
手口はトンネルの中にピアノ線を張るというシンプルなものだったが、効果は絶大だった。
その長い直線のトンネルに不幸にも最初にたどり着いたライダーが、繰り返すが不幸な
被害者第一号となった。彼は900ccの大型バイクで、推定自足120kmでトンネルから
飛び出たらしい。最初にバイクが、一拍遅れて体が、頭は出口にたどり着かなかった。
第1発見者は被害者の友人で、15分遅れでトンネルに入った。第1発見者の話では
トンネルの天井が赤かったから何かと思って止まったら友達のヘルメットを見つけた。
何故落ちてるんだと思って拾ったらすごく重かった。で、中を見たらやっぱり赤かったそうだ。
この時点でかなりニュースになった。テレビなんかでローリング族特集とかやってな、
全国の峠じゃ走り屋よりマスコミの方が多いような騒ぎになった。馬鹿げた話だが
楽器店でピアノ線の販売を自粛する動きまであったそうだ。犯人がわざわざ楽器店
まで行くとは思えないけどな。・・・話が逸れたが、思い出したか?
この事件は関東の峠道を中心に多発していてな。今の時点で被害者が12人出てる。
うち7人が亡くなった。今朝も箱根で一本見つかったよ。幸い最初に通ったのが車だった
から、被害者が出なくて良かったよ。
そうそう話は変わるが、あんた7ヶ月前に離婚してるな。奥さんの不倫が原因だったか。
不倫の相手はバイク乗りだったらしいな?この写真の男だ。あってるか?そうか。
で、だ。俺ばっかりしゃべってるのもナンだからな、ひとつ質問だ。
調律師のあんたが昨日箱根の麓のホテルで仕事を終えた後、何処で何をしていたか
聞かせてもらおうか。ここでしゃべりにくかったらお俺がが署までエスコートしてやる。
・・・どうする? ―完―
658 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 20:58:26.13 ID:DnBt6XJu0
プライド
659 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 20:59:42.42 ID:CjMiQIHp0
660 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:03:37.59 ID:7LbZ1+qU0
砂浜
661 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:03:57.52 ID:uh/7XZFL0
>>657 GJ。発想と雰囲気がいいわ。
ところで誤字があるようだ。
662 :
>>615 エース :2006/03/29(水) 21:05:06.23 ID:7LbZ1+qU0
彼女の遊び心はいつも奇妙だ。 今日のそれはいつにも増して、奇妙だ。 スイートルームではない。 けれどもムードやら雰囲気やらの類には決して事欠かない。 そんなホテルの一室で、僕は彼女の挑戦を受けていた。 右側は、窓、というよりは壁一面のガラス。 街のネオンがそのガラス越しに僕の右頬を照らす。 腰掛けた僕の前には木製の丸いテーブル。その上に赤ワイン。 そして僕の正面には、赤いネグリジェを身にまとった彼女が座っていた。 街のネオンが彼女の左頬を照らす。ルージュが妖しくきらめく。 「私がこれに勝ったら、結婚してくれない?」 そう言って彼女が取り出したのは1組のトランプ。 ババ抜きでもするんじゃないだろうな。 そう疑っていたら、静かに彼女は頷いた。 それを2人でやったって、たかが知れている。 トランプを2つに分けて、お互いに渡す。 思ったとおり、馬鹿くさいほどの手札には、同じ数字が馬鹿くさいほど揃っている。 2枚1組、どっさりとテーブルの上に置き、残った手札は両手で数えられるほどだった。
663 :
>>615 エース :2006/03/29(水) 21:05:38.82 ID:7LbZ1+qU0
「断る理由なんかないはずでしょ?」 彼女の方が手札が1枚多い。彼女から僕の手札を引き始める。 彼女が2枚1組のそれを手札からテーブルに置くのを見て、僕は答えた。 「あぁ、ないね」 今度は僕が彼女の手札から1枚引く。これも揃う。テーブルに捨てる。 結婚なんて大事な話をどうしてわざわざゲームにするのか。 疑問には思ったが、口には出さなかった。彼女はいつもそうなのだ。 何かとゲームにしたがる癖はここでも健在。僕と付き合う時だってゲームの勝ち負けだった。 勝負の世界は結果が全て。彼女の口癖だが、いつも同意してしまう。 お互い無言になる。お互いの手札からカードが落ちなくなる。 引けども、揃わない。その応報がしばらく続いた後、彼女が口を開く。 「本当は迷ってるんじゃなくて?」 香水の匂いが僕を支配する。 ベッドライトしかつけていなかった部屋が、また一段と暗くなったみたいだ。 「迷ってたら、このゲームに最初から乗ってないさ」 口ではこう答えたものの、本当は迷っていた。 このまま彼女と結婚してもいいものなのだろうか。 彼女は僕の手札を探る。1枚引く。揃う。1組をテーブルに置く。 お互いのことはお互いが一番知っている。 迷う理由なんか無いはずなのだ。 だけども僕の心の奥深く、そこにある何かが、まるで鎖で繋がれているかのように、前に進もうとしない。 僕も彼女の手札を探る。引く、揃う、テーブルに捨てる。 彼女もまた引き、揃え、テーブルに置く。僕の気持ちとは裏腹に、ゲーム急に加速する
664 :
>>615 エース :2006/03/29(水) 21:06:35.81 ID:7LbZ1+qU0
僕は気後れしているのだ。 彼女の雰囲気、この部屋の雰囲気、その全てに呑まれ、支配され、僕は押しつぶされかけていた。 僕はカードを引く。ハートのエース。赤い部屋には赤いハートが良く似合う。 そうしてゲームは加速を続ける。 僕の手札にはたった1枚カードが残る。ハートのエース。 彼女の手札は2枚。僕がエースを引けば、ゲームエンドだ。 A.C.E. アルファベットの奇数に並ぶ3つの文字が織り成す意味は、何故か彼女にこそふさわしいと思った。 彼女はその2枚を伏せてテーブルに置く。 僕はそれへと手を伸ばす。1枚を選び、静かに裏返す。 そこに描かれていたのはエース。ジョーカー殺しのスペードのエース。 残る1枚は彼女が裏返した。奇妙に笑うジョーカーがそこにいた。 「私達、まだちょっと、早いみたいね」 そう言って彼女は立ち上がり、ベッドに入ってしまった。 奇妙に笑うジョーカー。Jokerの意味は、冗談を言う人。いたずら好きな人。 彼女が本当に結婚する気だったのか、 真相は、テーブルに残るハートのエースだけが知っているかのようだった。
665 :
>>615 エース :2006/03/29(水) 21:09:30.24 ID:7LbZ1+qU0
今回は会話も描写もあっさりと、一気に読めるように書いてみました。 あんまりテーマ絡ませてなくてスマソ; 個人的には彼女のエロティックな雰囲気が足りなかったかもw コメント、批評なり待ってます。
>>665 白黒のフィルムでイギリス人主演で映画にしたい、そんな思いを抱いた。
667 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:14:25.66 ID:lgmqO/yw0
668 :
>>615 エース :2006/03/29(水) 21:14:49.99 ID:7LbZ1+qU0
669 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 21:17:57.24 ID:CjMiQIHp0
空中戦 あと誤字って何処?自分で見ても解からんもんだw あと感想とか批評もよろ
670 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:19:26.76 ID:lgmqO/yw0
>>665 ゲームって何だろうっておもったら、ババ抜きですか。そ〜ですか。
そういや、ババ抜きって二人でやると仕組み放題ですよね。。。
う〜ん、、、深い、、、
671 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:19:38.12 ID:uh/7XZFL0
>>666 には同意せざるを得ない。
エロさの引き換え?に主人公の葛藤が感じられた気もする。
>>669 推定自足120km
安価は小波
672 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:19:40.58 ID:hTerDlVg0
数個一気に安価があると間に投下とお題募集しずれーw 過疎ってきたししばらく別スレで遊んでるお^^
673 :
>>585 女子高に単独潜入 :2006/03/29(水) 21:21:02.32 ID:uh/7XZFL0
大佐、大佐。こちらスネーク。潜入に成功した。 よくやったスネーク。任務を開始してくれ。 …… おい脳内大佐。任務って何よ? 体育着でも盗んで来いって? 盗んでどーすんのよ。 ブルマの時代は終ったんだよ。はみパンで非常に興奮したクチだから、残念で仕方ない。 だがしかし、この昔ながらの雰囲気が残っているここなら、まだ… …。 いや駄目っ…! 絶対駄目っ…! 見付かったら殺される。絶対殺される。野蛮人のブルマなんていらない! よし、いらない! そうやって、俺は本日585回目の妄想を掻き消した。
674 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:21:23.46 ID:xZYAlFuE0
>>640 タイトル ソクラテスの知らなかったこと
>>650 大理石
>>660 砂浜
>>670 ゲームって何だろうっておもったら、ババ抜きですか。そ〜ですか。
そういや、ババ抜きって二人でやると仕組み放題ですよね。。。
う〜ん、、、深い、、、
(;^ω^)
675 :
>>585 女子高に単独潜入 :2006/03/29(水) 21:21:32.50 ID:uh/7XZFL0
俺は今、某都立女子高校の中にある、その、なんだ…更衣室の、ロッカーの中に居る。 ロッカーの中は、臭い。黴臭い。夢もロマンもへったくれもない、掃除用具入れの中。 どうせなら誰か女の子のロッカーに入りたかったけど、生憎、入れそうに無かった。 いかんせん急いでいたのだ。朝練から戻ってきた連中から身を隠すために。 時刻は午前8時30分。先程朝のホームルームの予鈴が鳴り響いたところだ。 扉にある細長い隙間から覗き見ると、更衣室にはあと最低一人は残っている。 HRをバックレる気なのか、急いでいる様子は無い。 ちくしょう、だから宿題忘れるんだよ。同級生に頭下げる前に自分で調べろ! いや、別のコかもしれないけどさ。 きーんこーんかーんこーん ホームルーム開始の鐘。だが女生徒が出て行った気配は無い。 着替えているわけでもなく、化粧をしているわけでもなく、ぼーっと座っているだけ。 つーかまだ体育着じゃないか。授業までサボる気か? 迷惑極まりない。俺にはやらないといけないことがあるんだ。 ひとまず、脱出してだなぁ…。 「はぁ」 ふと、だるそうなため息が聞こえた。 他でもない、体育着の彼女からだ。
676 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:22:19.22 ID:uh/7XZFL0
「はぁ」 もう一発。回数を重ねるごとに、その暗さが増している。 「はぁ」 やめてくれ。「どうしたんだい?」とか、聞きたくなるから。 「はぁ」 さては罠だな。罠なんだろ。俺好みのおさげでメガネっ娘まで用意しやがって。 ため息に反応が無いところ、彼女は独りなんだろ。そうなんだろ。 あぁいいぜ。ハマってやるよ。俺は根っこからいい人だからな! 「ヤァ ドウシタンダイ?」 ミッ○ーマ○スのような口調だった。 何処からともなく聞こえた声に、彼女もびくりとする。 キョロキョロと辺りを見回す彼女。しかし、一声だけで出所を見つけることは出来なかったようだ。 「空耳かしら?」と、彼女が呟く。 「サッキカラ タメイキバッカリ ナンナノサ」 覚悟を決めて、先程より長い台詞。 比例してか、彼女の驚き方も大げさになった。 「誰?」 おどおどしながら、周囲を見渡す彼女。 あぁ、俺はSかもしれない。こんな彼女がたまらなく好みです。
677 :
>>585 女子高に単独潜入 :2006/03/29(水) 21:23:18.71 ID:uh/7XZFL0
「ボクノコトハ ドウデモイイ スグキエルカr」「どうでもよくない」 「…人の台詞を台詞を遮るのは、どうk」「だから誰なんですか」 軽くパニックを起こしてしまったらしい。 ミッ○ーの口真似はやめた。ぶっちゃけ、飽きた。 もうバレてもいいや、と言うのもある。 隠れる必要が無くなった。 「あんた、俺の好みなのよね。だからため息とかされると、気になる」 「それより、何処なんですか」 「何処にでも居るし何処にも居ない。シュレディンガーの猫って知ってる?」 「しゅれでぃん…訳がわかりません」 「じゃあスキナー箱は? 心理学の基礎なんだけど」 「知るか。人を呼びますよ」 「呼んでもいいけど、最後にひとついい?」 「…勝手しなさい」 「あんた、某国のスパイだよな?」
678 :
>>585 女子高に単独潜入 :2006/03/29(水) 21:24:01.64 ID:uh/7XZFL0
「!」 女が弾けたように動き出した。真っ直ぐ、掃除用具入れに向かって。 扉を勢いよく空ける。彼女は目の前。上着に右手を突っ込んでいる。 ブラがちらりと見えた。詰め物とバタフライナイフが挟まったブラ。 彼女の指は、そのバタフライナイフに伸びている。 すかさずタックル。一緒に倒れる。なんだ、詰め物無しでもいい胸してるじゃないか。 感触味わっている場合ではない。 まずは首に腕を回す。襟を掴み、上半身に体重を乗せる。 もう片方の腕で手首を掴む。これぞ袈裟固め。 もがく女。しかし袈裟固めは完璧に決まっている。 少しずつ、首を絞めていく。 女、もがく、もがく、もがく。 俺、絞める、絞める、締め上げる。 きーんこーんかーんこーん 1時限目開始を告げる鐘が、無機質に響いた。
679 :
>>585 女子高に単独潜入 :2006/03/29(水) 21:24:20.72 ID:uh/7XZFL0
しばらくして、女の抵抗が無くなった。死んでいないと思う。 まぁいいか。生死不問。dead or aliveだ。 服を剥ぎ取り、武装をチェック。見付かったのは通信機らしきボタンだけ。 先程のため息は、通信時に相槌を打っていたようだな。 仕方ないので掃除用具入れに入れておいた荒縄を取り出し、女の体を縛る。 次に、胸ポケットからテープレコーダーと携帯電話を取り出す。 電源を入れ、カメラを起動。女の躰を撮り、メールに添付。送信。 間髪入れずに電話番号をプッシュ。短いコール音の後、低い男の声が聞こえた。 「確認した。次は、×××国のスパイだ。単独で、女教師に化けているはず」 「了解だ“少佐”」 通話を切る。そのまま流れ作業で電源を落とす。 「ぅ」と女が呻き声を上げたが、腹を思い切り蹴り上げる。 完全に沈黙したのを確認してから、俺は更衣室を後にした。 イイ女だった。キャバクラで出逢えたら良かったのに。 こうして俺は、スニーキングミッションを継続する。 単独で潜入しているスパイたちを、根絶やしにしてやるために。 ― 終 ―
680 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 21:25:24.52 ID:CjMiQIHp0
681 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:26:32.21 ID:V/fHMlF/0
悪意というものは時と場所を選ばない。 グラスに注がれる欲望が溢れたとき、そこに背徳が塊となってグラスに落ちる。 飛び散る飛沫はあたりを汚し、それを飲み干せば喉が焼ける。 満月が天頂に立った午後十時、女はひとり住宅街を歩いてた。 人影の己の他に絶えて久しく、犬を連れた散歩者と一、二度すれ違ったくらいである。 夜の闇を見通すように、時折立ち止まって周囲をうかがう。 コツ、コツ、コツ。 硬い革靴がアスファルトに打ち付けられる音が響く。女は一瞬硬直し、そっと肩から振り返った。 誰もいない。大きく溜め息をついて首を戻そうとしたとき── 「お姉ちゃん」 反対側の肩から声をかけられた。はっと息を呑む。 「落し物だぜ」 見知らぬ男だったが、そいつが手にしているのは確かに自分のハンカチだ。 落とした覚えはないのだが……と身構えながら、それを受け取る。 男は口の端に笑みを浮かべる。 「気をつけたほうがいい。最近、この辺じゃ通り魔が流行ってる」 「バック……ピアサー」 平静を装ったつもりだったが、それでも声がかすれる。 「そうさ。『後ろから貫くもの』……卑猥な呼び名だが、そいつの好きなものは女じゃなくて刺殺体だ。 貞操も大事だが命も大事だろう? 用心に越したことはないぜ。一人歩きは危険だ」 その軽い口調に、女は激しい違和感を抱いた。 これは本当に用心を呼びかけている声ではない。これでは、まるで、まるで──。
682 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:26:48.70 ID:V/fHMlF/0
「じゃ、おやすみ」 だが意外にも、男はひらひらと手を振って女に背を向け歩き出した。 女はわずかに安堵し、それでも警戒は解かず、懐に手を差し入れ、 掴み出したナイフをそっと差し伸ばした。 その細腕が、男の脇でがっちり抑えられたことに女は驚く。 関節に痛みと痺れが走り、指先から力が失せた。重い音をたてナイフは落ちた。 男はそのまま体重をかけてくる。腕をへし折るつもりなのは明らかだった。 女は空いてる手を腰に回し、もう一本のナイフを抜く。 確実に右の腎臓を狙ったはずが、なぜか手応えがまったくない。 痛みが薄らいだことで、左腕の拘束がわずかに緩んだことを知り、 訳の分からぬままに男の脚を蹴って後ずさる。 男はするっと滑らかな動きで女から離れた。襲い掛かろうか逡巡している間に、男は向き直る。 「連続殺人犯のバックピアサーだな?」 男は聞いてきた。その口調は質問ではなく確認だった。こいつ──見抜いている! 「俺は……ま、名乗るのはやめとくか。探偵業者だ。刑事訴訟法二一三条に従い、あんたを現行犯逮捕する」 女は舌打ちして腰を低く落とした。それは若干前屈みの姿勢であり、どこか獣じみていた。 女は仮初めの姿を剥ぎ取り、『バックピアサー』と呼ばれる獣の本性を露わにしたのだ。 右手に構える牙のようなナイフが、ぎらりと獰猛に光った。
683 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:27:05.30 ID:V/fHMlF/0
男は内心で舌打ちして腰を落とす。それは右足を一歩引くかたちであり、人体急所の正中線を隠していた。 迂闊にも、女の左腕を制圧した時点で勝利を半ば確信していたのだ。 これまでの死体はすべて一撃で背中を刺されており、その傷痕はどれも同じだった。 バックピアサーが両利きであることとナイフを複数所持していることは、まったくの想定外だった。 (こいつあ……ヤバイんじゃねーか?) 「あたしに背中を向けないほうがいい……背中を刺すことに関しては、誰より得意だからね」 言いながら、ナイフをお手玉のように両手でもてあそんでいる。 高スピードで手の間を行ったり来たりしているため、どちら側から来るかが予測できない。 踵を軽く浮かせてステップを踏み、すぐに行動に移れるように体勢を整える。 男の視線は女の手元に注がれながら、身体全体を視界に収めて兆候を読み取ろうとする。 右か、左か──右、いや左だ! 男は左側に踏み込み、女の右半身の外に回ろうとする。だが顔を掠める女の右腕になにも握られてない。 女の左手から伸ばされるナイフ、自分の腕をひねりながら女の腕に押し付け、その向きを逸らさせる。 二度、三度と繰り出されるナイフを捌き、男は相手の隙をうかがう。 ナイフの軌跡はすべて急所を狙って、しかもあらゆる角度から繰り出される。 女はなぜこうも攻撃が当たらないのか理解できないようで、ムキになってナイフを突き出す。 その切っ先がわずかにブレた瞬間を見逃さず、男は掌低を女の脇腹に叩き込む。 肘にまで届くその手応えは軽い。踏み込みが浅かったのと、女の肘が顎にぶつけられてのけぞったためだ。 飛び跳ねるように女が後ずさるのに合わせて、男は前に進んで適切な距離を保つ。
684 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:27:21.30 ID:V/fHMlF/0
「あんた、なにかやってるわね?」 男が無言でポケットに手を入れたのでナイフを構えるが、取り出されたのは煙草だった。 決して女から視線を逸らさず、器用にも手元を見ずに火をつける。紫煙を吐き、笑う。 「女ってのあ、おしゃべりだよな。こんなときまで茶飲み話かよ。 なに……若い頃、『木人拳』を見てね。その影響さ。男なら誰しもが通る道だ」 しばし無言。灰が一塊落ち、風に吹かれて散った。 「今度はこっちから聞くぜ。なにが面白くてこんなことをしてんだい?」 女はくく、と喉を鳴らし、口をきゅう、と吊り上げる。 歯の隙間からは、この闇にも毒々しく映える赤い舌が蠢いていた。 「あたしは父親が嫌いだった。あたしに無関心で、いつもあたしに背を向けていた。 だからあたしは人の背中を見ると虫唾が走るんだ」 遠くで犬の遠吠えがした。 「悲しい話だな。お前さんにとっても、親父さんにとっても」 男の視線が横に逸れた。逸れた気がした。今しかない。 女は弾かれたように突進する。 だがそれは男に向かってではない。その足元に転がる、一本目のナイフ。 男が反応するよりも早くそれを拾い、頭上に放り投げる。男が首をひねってかわした。 (まずい!) 致命的な隙をさらしたことを知った男は、それでも意識の集中を途切れさせない。 女の持つナイフは寝かされて、男の胸を最短距離で狙ってくる。 両腕を交差させて女の腕を挟みこみ、だがその腕はさらに喉元に跳ね上がり、 男は上体を前に傾げてそれを避け、頬が深く切れて血が飛び出す。 ナイフが切り裂く風が、耳元で唸りをあげた。 その間に女は落ちてきたナイフを掴んで肩口に振り下ろす。 いや、男が前屈みになっているため、刃の行き先は真っ直ぐに背中へ向けられていた。
685 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:27:50.64 ID:V/fHMlF/0
男は口にくわえたままの煙草を女の顔めがけて吹き放つ。 焼ける灰を押し付けられた女の身体が反射的に硬直する。 「ぐっ」 男の腕が右、左とそれぞれ腕を跳ね上げる。 ぴん、と女の両腕が伸ばされた。それは、女の胴体を守るものがなくなったことを意味する。 今度こそ、男は充分に足を踏みしめ右肘を女に叩き込む。 ごふ、と喉から鈍い息が漏れる。 男は身体の動きを止めない。流れるように足を組変え、大きく一歩進む。 強く踏んだ震脚は、大地を打ったその反動を身体中に流し、 「はぁっ!!」 叫ぶ声は発勁となって身体の動きを調律し加速させ、身体をひねり、 肩から背中にかけての部分をすべてを、全身ごと女に叩きつけた。 女は糸を失ったマリオネットのような無力さで壁に衝突し、ずるずると崩れ落ちた。 女の指は弛緩し、二本の牙がかちゃりと滑り落ちた。 男はアスファルトに落ちた煙草を拾い、口にくわえる。 胸に深々と吸い込んだ煙を盛大に吐き出し、軽く頭を振った。 「悲しい話だよ、お姉ちゃん。男ってのは……背中でしか言葉を語れない生き物なのさ」 (終劇)
686 :
>>585 女子高に単独潜入 :2006/03/29(水) 21:27:54.21 ID:uh/7XZFL0
気がついたら物凄く長く orz それと、誤字発見。「勢いよく空ける」→「勢いよく開ける」 例の如くコメント・批判お待ちしています。
687 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:28:33.03 ID:V/fHMlF/0
>>578 のやつ。
以前アクションシーンに失敗したのでリベンジ。
ぐちゃぐちゃしてるか?
688 :
593 :2006/03/29(水) 21:31:00.07 ID:ZTNRPQohO
鬱蒼とした森の中でひとまず休憩がとれることになった。もうかれこれ2時間歩きっぱなしだった。訓練では平気で二日程は歩かされるが、今日はこれから待ち受ける任務があまりにも大きいので、緊張感がストレスとなり、いつもより疲労の蓄積が早かった。 ---3ヵ所のベトナム軍基地の一斉奇襲--- aチームの僕はSEALの隊員でもある。もっともこのチームは全員がSEALなんだがw
689 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 21:41:32.87 ID:CjMiQIHp0
690 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:47:14.36 ID:hTerDlVg0
>>689 描写は確実に上手くなってると思う
最初のが意図的にああいうのにしたのじゃなければ
690は安価指定ないよ…な
691 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 21:48:51.04 ID:uh/7XZFL0
>>687 アクションシーンは以前の作品を見ていないのでわからんが、いいじゃないかと思う。
だが冒頭の悪意云々が蛇足じゃないかと。
>>689 最初の作品が衝撃的過ぎたとういうかなんと言うか…
あまり変わっていないようにも見える。
>>298 が好きなわけですが。
素人が何を偉そうに言っているんでしょうか。orz
692 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:01:03.75 ID:hTerDlVg0
693 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:03:14.23 ID:ttHV7cc90
書けば書くほど上達すると信じて…… 軽めのお題を頼む↓
694 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:03:35.63 ID:DnBt6XJu0
未来
695 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:05:04.15 ID:ttHV7cc90
696 :
621 :2006/03/29(水) 22:08:48.51 ID:sMwJNCzn0
駅のトイレ、タクシーの運転手、椅子って事でひとつ 揺れる。 なにか、何もかもが揺れてる。あ、ちがうか、これは回ってるんだ。ぐるんぐるんと、なにが? 世界が回って・・・いや、回っているのは私の頭かもしれない。 何か聞こえる。声、「・・・さん、・・・・ぶで・・か」 ほんの少し頭がクリアになるとその声が、痛みと共に頭の中に鳴り響いた。 「お客さん!大丈夫ですか!」 あわてて身を起こしあたりを見渡す。ぼーっとした頭が状況を認識するのに何秒かかっただろう。 狭い個室、制服姿の女性・・・あー、やっちまった。 金曜の夜、泥酔して駅のトイレで吐いた後、撃沈。女子大生としてこの武勇伝は深く深く封印されなければならないだろう。 そして私は起こしてくれた駅員さんに深く深く謝罪した後、その場から脱兎のごとく逃げ出したのだった。 状況確認。終電、逃した。服装、夜だからまぁ、何とか。体調、自販機の冷たいお茶をがぶ飲みし、幾分か改善。化粧、最低限の補修のみ。 自他共に認める理系女子大生として、困難に遭遇したときこそ冷静かつ論理的な回答を求めなければ。 とかなんとか、すでにこの辺の思考自体が混乱してる気もしないでもないが。 ふー、と息を吐き、覚悟を決める。お財布確認。よろしい。何とかなるはず。 いざとなればカードが使えるかもしれないし、ちょっとコンビニで降ろしてもらえれば深夜でもお金はおろせる。便利な世の中万歳。 ネットカフェで夜明かしという案も頭をよぎるが却下した。だってなんとなく怖い、というか、そんなとこ行ったことないしなんか落ち着かないだろう。きっと。 結局の所、私は結構臆病なタチなのだ。あと、うら若き乙女かっこ笑いとして駅のトイレで撃沈したあげくネカフェで一晩あかすというのはどうだろう。・・・最近では普通なのかも。どうだろう。
697 :
621 :2006/03/29(水) 22:09:44.43 ID:sMwJNCzn0
終電直後とあって駅前にはタクシーが連なっていた。個人タクシーはなんかちょっと怖い。ちゃんとしてそうな会社のタクシーを拾う。真っ黒な車だ。 ちらりと見た運転手さんはなんというか、一言で言うとジェントルマンという感じだ。白髪を丁寧になでつけ口ひげも真っ白。痩せ形で品のよいしわが顔立ちを整えている。 口調も柔らかく対応も丁寧だった。 すこしほっとした気分で座席に腰掛ける。・・・あれ?なんか・・・。違和感。 でも何がおかしいのかわからない。んー・・・まぁ、いいか。 「お客様、飲んでらしたのですか?」 車を発進させ、少しすると、妙に丁寧な口調で運転手さんが聞いてきた。 「ええ、まぁ、その合コンって言うやつです」 お酒くさかったかな。ちょっときまり悪く答える。 「そうですか、若い方はよろしいですね」 「いえ。まぁ、その、ちょっと飲み過ぎてしまいましたし」 なんだろう。この運転手さんと話してるとなにかもぞもぞする。きまりが悪い。別に車は大して揺れてないのに座り心地も、なにか・・・。 「そうですか。まぁ、若いうちはときに羽目を外すのもいいものです。ですが・・・」 運転手さんの口調は丁寧だけど、どこか悲しげで、とても親しげに聞こえる。っていうか、あれ?聞き覚えがあるような。 あー、なんだろう、わかりかけているのにそれに気づかないような。なんかまた頭が回ってくる感じ。 くるりくるり。意識がぼんやりしてきて、 「お父さんとお母さんを悲しませるほど羽目を外しちゃいけないよ。・・・ちゃん」 だから私はその運転手さんが3年前になくなったおじいちゃんだと気づいた。私、おじいちゃん子だったのに何で気づかなかったんだろう・・・ そうして真っ白な部屋、真っ白なベッドの上で目を覚ました私は、お父さんとお母さんからこっぴどく叱られた。 急性アルコール中毒。それもかなり危なかったらしい。駅のトイレで便座に座ったまま意識を失っている私を駅員さんが見つけてくれたらしい。 その場で一度は返事らしきものをしたそうだが、結局そのまま救急車を呼ばれ病院へ。 人生の汚点、それもかなり大きめのやつを作ってしまった。 でも、まぁ、ちょっといいこともあった。明日はお墓参りに行こう。いっぱい謝ってもっといい子になると約束しよう。 それから、ありがとうを言わないと。 生前からタクシー運転手をしていたおじいちゃんは、きっと死んでからも、あの世とこの世をつなぐタクシーを運転していたのだろう。 途中で私をおろして叱られなかっただろうか。 母のいつ終わるとも知れない説教を頭痛と共に聞きながら、私はそんなことを思うのだった。
698 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/29(水) 22:22:34.86 ID:CjMiQIHp0
699 :
593 :2006/03/29(水) 22:24:53.63 ID:ZTNRPQohO
それから40年近くたった今では誰も知らない話なんだろう…… 新聞記者「それから……?」 本にみち溢れた部屋に甲高い疑問詞が響く。 「ああ、そうだね……」 また僕は話を始めた。 この作戦は完全に極秘だった。ダーティ・ウォーという概念の元の作戦であったのもあるが、ベトナム軍の資料の回収も兼ねていたからだ。 その資料には米軍が使用した枯葉剤の詳細な記録が記されていたらしい。情報がマスコミ等に漏れるのは絶対に防ぎたかったのだろう。
700 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:28:40.36 ID:ttHV7cc90
なんか、軽めとか言っておいてすげぇ重い話になりそう。 今日中に投稿するのはムリっぽそうだ……
701 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:40:28.18 ID:uh/7XZFL0
保守ついでに
>>593 はもっとまとめて出して貰えると助かる。
702 :
お題「直撃」 :2006/03/29(水) 22:41:29.62 ID:DnBt6XJu0
昨日はひどい夕立だった。 私は、駅舎の入り口でただぼうっと雨を眺めていた。 (しまった……傘なんて持ってきてないぞ……) そんなことを考えながら突っ立っていた。かさを片手にした、サラリーマンが次々に私を追い越していく。 遠くで雷が鳴っている。閃光と轟音の共演。決して心地よいものではない。 どうせ夕立なのだからすぐに止むだろう。そう考え、私は素直に雨がやむのを待つことにした。 その時だった。 「雨だねー」 「うん、雨だねー」 そんな声が聞こえてきた。ふと声のほうを見やるとそこには五歳ぐらいの男の子が二人、手を繋いで立っていた。私と同じく雨宿りの身分のようだ。しかし、親はいないのだろうか。周りを見回してもそれらしい大人を見つけることは出来なかった。 それにしてもこの子供たち、非常に顔が似ている。おそらく双子だろう。さっきの声も非常に良く似ていた。 「それより、雷だねー」 「そうだね、それよりも雷だよねー」 雷に驚いているのだろうか。しかし、怖がっているようには見えない。嬉々とした表情で笑いあっている。まるで周りなど見えていないように。実際、通り過ぎる大人もその双子に見向きもしないのだが。 どうやらその双子を気にしているのは私だけのようだった。 「もうすぐだねー」 「そうだねー、もうすぐだねー」 一方が喋りかける言葉に対してもう一方は反復しかしない。おかしいな、その程度の疑問しか、私は抱かなかった。 その時、また閃光が走り、数瞬おいて轟音が空を裂いた。随分と近くなったようだ。小走りの女性が小さな悲鳴を上げていた。 双子はというと……ゆっくりと歩き出していた。なんの会話も交わすことなく。 私は驚いた、雨脚は弱まる気配すらない。今まで雨宿りしていたというのに、痺れを切らしてしまったのだろうか。 「ちょっと、そこの君たち!」 私はつい大声を出していた。子供たちが振り向く。周りの人々の視線も感じる。私は少々の恥ずかしさを感じながら子供たちに近づいた。
安価クレクレ↓
704 :
お題「直撃」 :2006/03/29(水) 22:41:53.50 ID:DnBt6XJu0
「こんな雨の中を傘もなしにいくの?風邪を引くからやめておいたほうがいいと思うよ」 そんな偽善的な言葉を口にしながら、双子と身長をあわせるために中腰になる。彼らは驚いたような顔をした。 「せめてもう少し雨が弱くなってからにすれば?」 さらに私は言葉を続けていた。正直なところ、周りが放置している子供の行動をとがめることが出来る自分に少しだけ陶酔していた。 相変わらず子供たちは不思議そうな顔……だったが、突然、示し合わせたかのように二人はニコッと笑った。 その笑顔に私は凍りついた。普通の子供の笑顔ではない。言ってみれば、冷酷な、笑顔だった。 そして彼らは口を開いた。 「見えてるんだねー」 「そうだねー、見えてるんだねー」 彼らは確かにそう言った。そう言ってなお笑顔を保っていた。 一瞬、世界が止まったような感覚を覚えた。無音の世界を見たような気がした。 だが、時は順調に流れていた。それを感じると同時に、理由なく恐ろしい疑問に襲われた。 見えてる。それはどういうことなのか。 「見える人いるんだねー」 「そうだねー、いるんだねー」 「どうしよーかー 邪魔だよねー」 「そうだねー 邪魔だよねー」 見事なリズムで言葉を重ねていく双子。これが呼吸というものだろうか。そのときの私はそんなことを考えられるほどの余裕はなかったが。 ただただ恐怖の空間だった。私の腰ぐらいの身長の男の子が出す威圧感ではない。 「どうしよっかー」 「どうしよっかー」 何を悩んでいるというのだろう。 その時、私は気付いた。 周囲の視線が私たちから外れない。 いや、それ自体はあまりおかしくないかもしれない。しかし、立ち止まってまで私たちを凝視している人までいる。あまりにもおかしくはないか。 目の前の異様な光景のせいか、私の心は猜疑心で満たされていた。 さっきから双子はしきりに何かを思案している。そしてまた、示し合わせたかのように同時に手を打った。そして、同時に叫んだ。
705 :
お題「直撃」 :2006/03/29(水) 22:42:21.15 ID:DnBt6XJu0
「殺しちゃえばいいんだー」 「そうだよねー」 「ねー」 「どうしよっかー」 「雷とかいいんじゃないかなー」 「そうだねー、直撃させようかー」 「直撃させよー」 なんだ、この双子は。 テレビの影響でも受けたのだろうかと、私は考えた。いや、そう考えて私は現実から逃げようとしていた。そうでないことは、彼らの目を見えばすぐにわかることだ。 怖い、自然と足が震える。それでも、双子から目をそらすことが出来ない。 「あの……」 その時、私の背後から声が降りかかってきた。 ビクッと、年にも似合わず肩を震わせてから恐る恐る振り向くと、そこには心配そうにこちらを見下ろす中年の女性が立っていた。さっきからずっと立ち止まって私たちを見ていた人だ。 それを見てから、もう一度双子に視線を戻す。彼らはやはり笑っていた。 「大丈夫ですか……?さっきからずっとうずくまってるみたいですけど……」 うずくまっている?何を言ってるんだ、見えていないのか、この双子が まさか 私にしか、見えないのか? 「いえ、その……」 そのときだ。 また、強い閃光が走った。しかし今回は、同時に劈くような轟音も響き渡った。 女性が悲鳴をあげている。そんな時に双子は呟いていた。 「あーあ、ちょっとずれちゃったねー」 「だねー」 死を感じた、といえば安っぽい言葉に聞こえてしまうだろうか。とにかく、そのときの私の感情を端的に表す、もっとも適した言葉だ。 聞くと同時に私は走り出していた。水がはねることもかまわずに全力で。 どうやら雷は駅舎の前にそびえる大木に直撃したらしい。だが、その時の私には横目で見ることが精一杯だった。 途中何度も転びそうになりながら私は家まで走った。正確に言えば、逃げた。
706 :
お題「直撃」 :2006/03/29(水) 22:42:38.49 ID:DnBt6XJu0
ドアを勢いよく閉め、鍵をしたところで、私はへたり込んでしまった。こんなに走ったのはいつ以来だっただろう。 そんなことを考えているうちに急激な眠気に襲われた。安堵を得たからだろうか……そのまま私は深い睡眠に陥ってしまった。 そして、今に至る。 私は無事に目を覚ますことが出来た。当たり前のことかもしれないが、私は素直に喜んでしまっている。そして、あの子供たちのことが夢であったかのように記憶から薄れ始めていた。 いや、夢と信じたいだけかもしれない。 時計を見てみると、家を出るべき時刻までまだ時間があった。そこで、とりあえずシャワーだけでも浴びておくことにした。 それを終えると、ちょうどいい頃合いになっていた。すっかり気分もよくなった。昨日のことは忘れようと心に決めた。 私は急いで背広を着込み、書類などの入った手提げかばんを持つ。それから、深く呼吸をし、ドアの前に立つ。そこには日常が広がっていると信じて。 ゆっくりとドアノブに手をかけ、押し開けた。 そこに 「待ってたよー」 「たよー」 刹那、私はブラックアウトというものを感じた。 終 お題がなんだかおざなりです 本当にありがt(ry 感想、批評、批判、書いてくれるととても喜びます
707 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:43:35.93 ID:AYKgz0Jw0
708 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:43:42.62 ID:DnBt6XJu0
709 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:44:32.38 ID:P2112NYP0
冬の屋上に吹き付ける風を両の頬に受けているはずなのだが、思ったより冷たくは感じない。 軋みを上げるフェンスを乗り越えて、僕は屋上の端っこに頼りなく立った。 数日前は独房の檻の様にみえたこのフェンスも越えてしまえばただの錆びた鉄だ。 遮るものが何も無くなると、見下ろした景色は魚眼レンズを通したように「僕が落ちる予定の場所」を 大きく歪めている。コンクリートの地面が建物の影に覆われはじめ、もうそろそろ陽が沈もうかという頃。 「死ぬのかい?」 突然の声に驚いて振り向くと、そこには一人の華奢な少年が立っていた。 男が着ているのはうちの学校の制服で僕と年恰好は同じくらいだが、彼の顔には見覚えがない。 長めの前髪からちらちらと顔を出す少年の肌は温度を感じさせないほど透き通った白だった。 少年は続ける。 「屋上に一人でしかもそんなに端っこに立っておいて、自殺くらいしかすることがないと思うんだけど」 少年が雰囲気そのままに冷たく言い放った言葉は普通の人間を怒らせるに充分なものだった。 だが既に怒り方すら忘れてしまった僕は、少し考えてから答えた。 「…僕はもう生きる意味をなくしてしまったんだ」 「どうして?」 「僕はいじめられっこで挙句引きこもりになって、誰からも必要とされなくなったんだ。誰からも 必要とされてない奴は死んだほうがいい」 「どうしてだい?」 少年は陶磁器のように青白い目を僕に向ける。突き刺すような視線に僕は思わず目を逸らした。 「…? どうしてって… 誰からも必要とされてないって事は生きる意味が無いってのとイコールだ、ってことだよ」 少年はしばし黙った後、花瓶の口から水を垂らすように声をこぼした。 「そうなのかい、初めて知ったよ」 うつむく少年を置いて僕は向き直る。こんなワケの分からないやつにかまっていては死ぬに死ねない。 「すまないけど、どっか行ってくれるかお?最後ぐらい一人にさせて欲しい」 だが少年は黙ったままじっとしてそこを動かない。僕が訝しげに少年を見ると、うつむいた少年が ノドから捻り出すように声を出すのが分かった。
710 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:45:07.54 ID:P2112NYP0
「君に一つお願いがあるんだけど」 「なに?」 「君の血を僕にくれないか?」 藪から棒に。 「…? 何を言ってるんだ?」 「僕は吸血鬼なんだ。僕に血をくれたら簡単に死ねるよ」 「…は?」 少年は呆然とする僕に全くかまうことなく続ける。 「最近じゃ天使の勢力が大きいから“死にたい人間”以外から血を摂ったら大天使に抹消されちゃうんだよね。 だから君みたいな人間を探してたんだけど、ようやく見つけたよ。さ、どこでもいいから動脈を出して。 ちょっと痛いけど楽に殺してあげるから」 少年の声に先ほどの冷たさはもう無く、鬼気迫る、といった感じだ。 「実は最近ぜんぜん血を吸ってないから体調が保てないんだよね。顔も真っ白だろ? だからもうすこしで 僕は死んじゃうと思うんだよ。 だからなるべく早くお願いしたいな」 僕は黙っていた。なぜだろう、死にたかったはずなのに僕の体は全く動いてくれない。 「早くしてくれよ、僕には君が、君の血が必要なんだ!」 少年が口の中に隠された牙をむく。それは細長く研ぎ澄まされていて確かに楽に殺してくれそうで、 恐らくは脅しのつもりだったのだろう。だけど僕が感じたのは、今まで感じたことがないくらいの深い安心感だった。 「僕を……必要としてくれているのかい?」 「そうだけど」 「…死にたくなくなったよ。君が必要としてくれているから」 「えっ?」 「…だから、君を死なせるわけにはいかない」 そう言って僕は右腕をまくって少年の下に突き出す。 「僕と契約してくれ。君が生きるのに必要な分だけ血をあげるから、君は僕の友達になるんだ」 少年はしばしの間黙ったままだった。恐らく一瞬だが、僕にとってそれはとてもとても長い時間だった。
>>708 いや、むしろ俺が割り込んだ感じだ。ゴメソ そして、把握した
712 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:45:37.32 ID:P2112NYP0
「わかったよ」 少年は僕の腕に二本の牙をつきたてた。多少の痛みは感じたが、僕の腕から彼の牙へと流れる暖かい血の感触は、 なぜだか僕の安心感を膨らませてくれた。病める人はこんな気分で手首を切るのだろうか。 暫く経つと、少年は僕の腕から牙を抜く。 「おしまい、ありがとう」 「契約完了、だね」 少年の顔は心なしか色を取り戻している。 「そうだ、今日から僕はずっと君の友達だ」 「それじゃ、早速遊びに行こう!」 僕達は笑顔で顔を見合わせた。赤い夕日が僕らの姿を染める。 「うん、友達だからね」 僕は屋上の出口へ勢いよく走っていった。血が抜けてちょっとふらふらしたけど多分大丈夫だ。 こんなに気分のいい日は今までにない。 「さよなら」 だが少年は僕に続くことなく、小さくこぼしただけ。 僕がそれに気づいて振り向いたら、そこには誰もいなかった。急に頭がくらくらして、僕の視界がぐるんと回って、 雲に覆われたどんよりとした空を仰ぐ。 そしてふわりと暗転する。 気がつくと、僕が冷たい屋上の床に寝転がっているのが分かった。空はすっかり暗くなっていて、 月の光がそこらじゅうを青白く照らしている。 「どこに行ったの?」 辺りを見回してみても彼は居ない。誰もいない。 「…どこ? どこだよ……! そういや名前も聞いていなかったよ…」 あたふたする僕の、少し潤み始めている目に映ったのは右腕に刻まれた二つの小さな赤い点。 僕は特に何かを理解したというわけではなかったのだが、屋上の端に立つことはもうなくなった。
713 :
593 :2006/03/29(水) 22:45:51.06 ID:ZTNRPQohO
先にも述べたが、aチームは総勢20名のSEAL隊員によって構成される精鋭部隊。例の資料の回収も任されていた。 当時の装備はM16の改良型であるM16A1自動小銃やM1911A1自動拳銃、中にはMk22サイレンサー・ピストル--俗称「ハッシュ・パピー」を持っている者もいた。エリートの僕も持たされていた。 --0240時 再び歩きだした。案内役の現地人に従って深い森を草の折れる小気味のいい音を出しながら進んで行く。
714 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:46:16.30 ID:uh/7XZFL0
>>706 Gj。やっぱ無邪気さって使い方一つでとんでもなく怖い。
715 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:46:46.07 ID:P2112NYP0
>>575 ビルの屋上おしまい。
後半に向けて集中力が途切れるいい例でした。
716 :
593 :2006/03/29(水) 22:47:45.45 ID:ZTNRPQohO
717 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:48:27.36 ID:uh/7XZFL0
718 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:48:47.98 ID:P2112NYP0
>>709 がブーンになってるwwwwwミスったwwwwww
×どっか行ってくれるかお?
○どっか行ってくれるか?
719 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:51:27.13 ID:uh/7XZFL0
720 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:58:25.58 ID:uCjIDQqX0
ksk
721 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:58:32.93 ID:uh/7XZFL0
self ksk
722 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 22:59:11.92 ID:uCjIDQqX0
ksk =過疎化
723 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:01:02.12 ID:gA3isqTA0
ksk
724 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:01:55.65 ID:PATxaxkC0
wktk
725 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:02:36.04 ID:/wIWsfFa0
頭蓋骨
726 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:02:56.44 ID:uh/7XZFL0
書く時間があるから、過疎化するのは仕方ないとも思う。
それはそうと
>>725 、把握した。
727 :
593 :2006/03/29(水) 23:03:28.17 ID:ZTNRPQohO
--0300時 ついに基地に到着した。決して大きいとは言えないが--重機関銃のある監視塔、周辺の地雷原、屈強な警備兵--見るからに普通のベトコンの基地とは違うというのがすぐに判った。 ライフルに弾薬を送る。軽くコッキングハンドルを引き、「チャキン」という金属のぶつかり合う気味のいい音がした。僕はこの音を聞くと何故か安心感を覚えた。コイツを頼りに生きている男にとってはモーツァルトのクラシックなんかよりよっぽど耳に慣れた音だったからだ。
空気が思い付きそうにないので再安価↓
729 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:05:50.28 ID:gA3isqTA0
弁当
731 :
593 :2006/03/29(水) 23:08:09.85 ID:ZTNRPQohO
スマソ、一度風呂落ちで止まりますorz
732 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:23:04.02 ID:/wIWsfFa0
ほしゅ。
733 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:37:21.68 ID:lKLNXkfh0
寝る前にさくっと何かちょうだい↓
734 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:38:21.22 ID:DnBt6XJu0
ふれあい
735 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:39:13.95 ID:lKLNXkfh0
736 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:56:53.95 ID:DnBt6XJu0
ほしゅ
737 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:59:27.08 ID:lgmqO/yw0
>>669 空中戦
僕はマンションの階段を昇った。昇った。昇った。
この階段を何度昇った事だろうか、でも今回は違った。
今までと違うスピードで昇った。昇った。昇った。
屋上への扉を力一杯開けた。深呼吸をした。
空へと力いっぱいジャンプした。
空へと右手をかざす。豆粒のような飛行機を掴もうとした。
当然の如く掴めないはずだった。
でも掴めた。そのときは掴めた。
その証拠にその飛行機雲でさえなくなったように見えた。
バシッという心地よい音とともに屋上に再び着地する。
心地よい痛みが足の裏に走った。飛行機を捕らえた右手を胸に当てた。
自然と涙が出た。自分では気づかなかった。
気づいたときにはもはや号泣だった。
ずるずる言わせながら鼻声をひねり出した。
『ありがとう。なんとか決着をつけることが出来たよ。もう心配はさせない。』
738 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/29(水) 23:59:54.76 ID:lgmqO/yw0
その日は黒猫を見た日だった。 あまりにもその黒猫が美しすぎたので、僕は白昼夢かと思ったほどだった。 彼女も同じ感想を抱くだろうと思って僕は車を出した。 軽い渋滞に巻き込まれながら彼女に顔を合わせたときの言葉を考えていた。 後はこの高速に乗れば20分で彼女に会えるはずだった。 僕は空港の駐車場に車を止めて、帰国ゲートに走った。 そこで彼女に会えるはずだった。 その後、結婚して、子供が出来て、退職して、往生出来るはずだった。 僕が帰国ゲートに着いた時、 そこに居たのは彼女ではなく、黒山の人だかりだった。みんな泣き叫んでいた。 思考停止した僕の脳でも、放送の意味だけはわかった。 『シアグール航空SAG308便は、ヒマラヤ上空で計器異常が発覚いたしました。 以降消息不明です。詳細がわかり次第、、、、』 僕の脳は心臓を動かす前に、喉から音を発していた。 その行為は泣き叫ぶというよりも、叫んで自分の魂を地上から剥がしとりたかった。 剥がしとって彼女の元へと届けたかった。
739 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:00:18.48 ID:9kdGFACV0
僕は気づいたのだった。 これは猫が見せた白昼夢の続きなんだと。 夜になり、父や母、彼女の両親、友人、会社の上司、、、 いろんな人から電話を受けた。しかし僕は必ずこう答えた。 『これは、白昼夢ですから大丈夫ですよ。』 彼女の両親には今でも申し訳ない応答だと思っている。 一番悲しかったのは、彼女の両親だったはずだから。 それでも、僕はそう答えるしかなかった。 そう答える事だけが、僕を壊れずに居られる唯一の方法だと勘違いしていたからだ。 すでにそんな応答している時点で壊れていることすらわからなかった。 その日は、彼女の写真を見続けて夜を明かした。 なぜか、僕は僕の人生最も悲惨な朝でも会社に行かなければならないと考えた。 いつものように、朝飯を作り、食べ、 シャツを着、ズボンを履き、スーツを着、玄関の扉を開けた。 そこに猫が居た。あの黒猫だ。やはり、美しすぎた。 猫は啼いた。 まるで『白昼夢は終わりだ』と告げるように。 そして僕はわからなくなった。 どうして、バスに乗り、降り、上司や同僚に励まされ、仕事をへまし、上司に叱られ、 酒を飲み、家に帰ったかを。 いまでもよく思い出すことができない。 ただ、彼女からのいつもの電話がなくなったことでやっと気づいた。 あの猫の言うとおりだと。
740 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:01:27.86 ID:9kdGFACV0
そして、僕はそれまで昇ったことも無い屋上への階段を昇り始めた。 一歩一歩が重い。重すぎる。 その一歩に彼女に近づいているような感覚や生きていたころの思い出を感じた。 屋上の扉を開く。空を見上げる。満天の星空。 多分他の人が見れば神秘的な印象を受けるであろうその空は、 僕にとって死しか想像できないものだった。 僕は手すりに足を掛けた。 『今行くよ。』 そういって、僕は飛び出そうとした。 彼女の元へ行けるつもりだった。 あまりにもべたなシュチエーションだけど、 大きな間違いだとは僕は気づきもしなかった。 いざそのときという時、頭に暖かい感触を覚えた。明らかに液体。 でも僕は彼女かと一瞬思った。しかし絶対に違う。 僕はその液体を触ってみた。明らかに粘性があり、核がある物体だった。 死を前にしても、いやな感覚を覚えた。今考えると馬鹿すぎる話だとは思うが。 僕は身なりをきれいにしてから死んでもいいだろうと、自室に戻った。 鏡を見た。やはり鳥の糞だった。僕はシャワーを浴びた。 僕はそこで思い直す事が出来た。その姿があまりにも滑稽だからだったけど。 そして、ベットに飛び込んだ。 今考えると鳥の糞が命の恩人とは中々笑える話だ。
741 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:01:45.11 ID:9kdGFACV0
それから僕の生活サイクルに 屋上で自殺するかどうかを悩むという時間が組み込まれた。 そして、空を見るたび死を感じるようになった。 いつも会社に行くときは、俯き加減になって空を見ないようにしたし、 会社の席は、絶対に窓際にしてもらわないようにしてもらった。 家ではカーテンを開けることはなかったし、 この気持ちを変えたくなかったので、精神病院にも行かなかった。 それでも毎日設けた死を考える時間でも死ななかったのは、 会社に精を出すことによって、必要とされている人間だと思い込むことだけだった。 今になってみると、絶対にそうでもないこともわかるし、 ばかばかしすぎる生きる意味だと思うけれど、 何とか生き残れてよかったと思っている。
742 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:02:07.03 ID:9kdGFACV0
ある日、僕は老人が今何が必要かどうか聞くという仕事で、 老人ホームにリサーチへ行った。 その老人ホームは、丘の上に会った。 僕にとって、空の青に映えるその白の家は死を待つ人の家にしか思えなかった。 取材といっても、僕はただ職員の人に話を聞くだけだと勘違いしていた。 そこで職員の人に取材中唐突に言われた。 『では、実際に話して見ましょう。そうでなければ真に何が必要かわかりませんよ。』 そして僕は、遊戯をしている老人たちのところへ連れて行かれた。 僕は正直、めんどくさいと思ったが、その老人たちの顔を見て驚いた。 老人たちは笑顔だったのだ。 ただ死を待つ人ではないか、そう思っていたのにだ。 すると、僕へと少し小柄な老女が話しかけてきた。 その顔には深い皺が刻まれていたもののかつての美しい顔を創造させた。 そして、やはり笑顔だった。 その老女は僕に話しかけてきた。 『お兄ちゃんなにか悩みがあるんか?』 僕はきょとんとした。 『えぇえぇ。はなさんでえぇよ。まぁおばあちゃんの戯言でも聞いてくださいな。』 ぼくは頷いた。
743 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:02:26.56 ID:9kdGFACV0
『おばあちゃんはな。だんなさんを戦争でなくしたんよ。 それはそれは、泣いたわ。 比較的安全な場所って聞いて安心してたから そん時の反動やったんかもしれんけどね。 子供がいたからなんとか、しばらくは生きてたんやけどね。 子供がみんな成人した後ね、自殺しようとおもったんや。 それでもね、生きてるのはね。あることに気づいたんよ。 私が、死ぬ前に子供たちに話そう思てた内容が、 だんなさんが戦争に行く前に行った事とそっくりやったってことに。 つまりな、おばあちゃんが言いたい事は、 死んだ人が生きれる場所は神社でも寺院でもない、ましてや天国やない。 ただ、人の中やったんやってね。 だからだんなさんを生かすために生きてるんやって。』 僕は、ただ泣いた。 職員の人にちょっと引かれたぐらい泣いた。 おばあちゃんに感謝を述べた。ありがとうという言葉が枯れる位言い尽くした。 そして、そのリサーチを終え、会社へと電話を入れた。 『ちょっと早退させてもらいます。』 上司もその声色の変化が解ったのだろう。すぐにOKしてくれた。 そして、そのままマンションの階段を昇った。昇った。昇った。 完
744 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:03:46.32 ID:9kdGFACV0
はいはいオナヌーオナヌー。 ありきたり展開+支離滅裂批判ばっちこ〜い!!! うん、与えられた主題からずれすぎだねこれ。
745 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:12:01.66 ID:fj0jJYep0
はんぷくするときやいちれんのどうさをかくときは た。ばっかりじゃなくて、 る。をまぜるとといきおいでてよみやすいよ! (AA略 まぁ、そんな俺は今書いたものが小説にすらならな(ry
746 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:13:09.34 ID:2njbsKa10
747 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:13:11.98 ID:9kdGFACV0
>>745 最初の部分ですね?
やっぱりその方がいいのか、、、
748 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:13:51.31 ID:ilVgdRes0
>>744 とりあえず自虐はやめたほうがいいと思います
749 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:14:27.03 ID:9kdGFACV0
750 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:14:44.15 ID:7N+g1q920
最後の昇ったは反復する必要ないかと ・・・ ・・素人の戯言ですorz
751 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:17:14.43 ID:9kdGFACV0
752 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:19:03.00 ID:ilVgdRes0
最後の >そして、そのままマンションの階段を昇った。昇った。昇った。 ってのはどういう意味? 話の流れ的に今から自殺するわけじゃなさそうだし 空を見に行った、と解釈したけどそれも釈然としないし
753 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:20:35.05 ID:9kdGFACV0
>>752 冒頭につなげたかったんですが、、、
この順番はもしや失敗か〜
754 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:24:48.36 ID:fj0jJYep0
まぁ細かいところ言ってたらキリ無いよ。スレの趣旨は練習じゃなくて色んなレベルを広く受け入れる方向なんだしいいんじゃね? いや、指摘が欲しいなら欲しいで別にいいんだけどさ。それに俺指摘したがりだから大喜びwww それじゃあ小説にならなかったけど、せっかくお題出してくれたから張って寝る。 ほのぼの系お題は無理だわ〜 「ふれあい」 ふれあい。兎角一人で生き行かなければいけない社会の中で、これが担う役割は大きいと思う。 そんな私も、ふれあいが無ければ良く生きていけないと思っている内の一人である。 一人寂しい夜は、気が狂ってしまう前にと誰かにふれあいを求めてしまう。 うれしい事があった日は、それを誰かに伝えたいとふれあいを求めてしまう。 ふれあい。兎角一人で生き行かなければいけない社会の中で、これが担う役割は小さいと思う。 そんな僕は、ふれあいがあると良く生きていけないと思っている内の一人である。 一人寛ぐ夜には、気を休める時間に誰かとのふれあいは決して求めたくは無い。 うれしい事があった日は、伝える事で要らぬ競争心を煽るふれあいは決して求めたくは無い。 私は僕に問う。 その肩に乗る荷物は重くないのかと。 僕は私に問う。 その身に纏う荷物は重くないのかと。 ふれあい。兎角一人で生き行かなければいけない社会の中で、これが担う役割は―――――
755 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:26:44.98 ID:ilVgdRes0
>>753 あーにゃるほど
ごめん最初の展開忘れてたスマソ
756 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:47:00.65 ID:FjlEQkP00
お題 「1センチ」 私はこの時を待っていた・・・・・ 今私はオリンピックの表彰式で表彰台の一番高い所にいる この場所に立つのは長年の競技生活の夢であった 私はいわゆる槍投げの選手なのだが私の記録は125m60 二位の選手の記録は125m59。そう、差はわずか1センチだったのだ 本当に厳しい戦いだったが最後は私の精神力が勝ったのであろう 二位の選手は本当に悔しそうだったのが印象的だった 表彰が始まった 日の丸の旗が一番高い場所に掲げられ君が代が演奏され 競技場の上空を空軍の曲芸飛行隊がフライパスしていく・・・・・ 美女が私の首に金色のメダルを掛けてくれ 私は満面の笑みでそのメダルを高々と持ち上げ逆の手を真っ直ぐ天に翳した 私は世界一になったのだ、これからはおそらくだが薔薇色の人生が待っているであろう 長年の苦労が脳裏に甦ってきて私は知らぬ間に目から大粒の涙を流していた・・・・・・・ 「zzzzzzz・・・・・・えへへ・・・・・・zzzzzz・・・・・・・んっ!?」 またこの夢か、選手生活は肘の故障が原因で引退し、もう10年は経つと言うのに・・・・・ 恐らく私的には踏ん切りをつけたつもりでいたのだがやはり今だに 私の中で諦めがついていないのであろうか・・・・・・・・・ 私の目から今度は別の意味で大粒の涙が流れ出て頬を伝った・・・・・・・・・・・・
757 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 00:47:35.37 ID:FjlEQkP00
なんかお題とかけ離れてしまったwwwww
758 :
1/2 :2006/03/30(木) 01:07:16.69 ID:5VIWERvr0
今帰って北 流れも読まずにお題
>>349 の投下
我が家は貧乏で息子を理髪店に行かせる余裕もなかった。
息子の髪は昔から私が切っていた。
今では息子がアルバイトをしてくれていて、多少は生活に余裕が出来たが、
何故か今でも家で息子の髪を切っている。
息子も理髪店に行こうとせず、髪が伸びてきたらただ一言ぶっきらぼうに
「髪切って」
と言って私に散髪をせがむ。
今日もただ一言、そうぶっきらぼうに言ってきた。
ハサミが進む。
前髪も整え終わって、後は後ろ髪の長さを整えるだけだ。
「明日、何時に出発するんだ?」
息子は今日、東京に旅立つ。
自分はもう独り立ちできる、親父にこれ以上迷惑かけない、明日東京に行くよ、
息子は昨日そう切り出してきた。
反対する理由はいくらでもあった。
だが、反対する気はなかった。
今まで男手一つで育ててきた中で
貧乏で飯もろくに食べられなかった時も文句を言わず、
中学になったらすぐに新聞紙配達のバイトに就いて家計を助けてくれた。
そんな私の自慢の息子だ。
「…親父に髪を切ってもらえるのもこれが最後なんだな」 そうだな、と返す。 ハサミが進む。 自分が若い子のセンスについていけるとは思っていない。 今切って整えている髪型だって随分と古臭いものなのだろう。 だが息子は一言も文句を言わず、黙って座っている。 ハサミが止まる。 こんなもんかな、そう吐いて息子に被せていた穴の空いたビニールシートを取る。 「ありがとう」 それはこっちの台詞だ。 今まで散々迷惑かけてきた上、好きなこともほとんどさせてあげられなかった。 中学に入ってからは他の友達が遊んでいるであろう時間にバイトに明け暮れる日々… そんな稼ぎの悪い父親の下に生まれてきたのに文句一つ言わなかった息子。 …ありがとう 「なぁ、親父」 ノスタルジーに浸っていた頭が現実に戻る。 「どうした?」 息子はいつもから無口である。 必要じゃないことは滅多に口にしない。 散髪の後に私に声をかけるというようなことは今までなかった。 …まさか髪型が気に入らない、などと言い出すのだろうか。 「…そのハサミ、お守り代わりに貰ってもいい?」 唐突にその口から発せられたその言葉に狼狽する。 返す言葉が見つからず、ああ、とだけ言ってハサミを手渡す。 「じゃ、行ってくる」 息子が床に置いていた鞄を取り、玄関に向かい歩き出す。 その背中に私は頑張れよ、と言う言葉をかけたかった。 だが、もう言葉は声にならなかった。 「出世したら顔を見に帰ってくるよ」
毎回お題消化遅い上にクオリティ低くて非常に申し訳ない(;^ω^) 周りの書き手の文章の上手さを見るたびに目からしょっぱい水が流れ出てくるよw
761 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 01:21:50.28 ID:9KF8xfA0O
>>760 おま…ちょっと泣きそうになったじゃねえか…
762 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 01:42:37.95 ID:ilVgdRes0
これは良い品ですね
763 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 02:04:28.95 ID:VJsT+BewO
親子物語に感動した!!
764 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 02:31:44.28 ID:GTZ6B9bv0
これはいいストレートですね。 文章から落ち着きも感じるし。 だがあえて言わせてほしい。 三点リーダは二つ続き、と……
765 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 02:52:10.45 ID:7N+g1q920
ほしゅ
766 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 03:16:46.06 ID:7N+g1q920
ほしゅ 誰か、保守要員はいないか! 俺はもう睡魔にやられるOrz
767 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 03:41:01.12 ID:7N+g1q920
ほしゅ・・・誰かorz
768 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 03:59:11.78 ID:7N+g1q920
寝る前最期の保守
769 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 04:33:07.42 ID:oLq/aea1O
↑よくがんばった。保守。 そして俺も・・
770 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 05:12:21.56 ID:XN+2MJSU0
そろそろ誰か助け来てくんねえかな。
771 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 05:43:03.01 ID:XN+2MJSU0
今日は誰も来ないのか?
772 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 06:27:57.15 ID:EZPZb6YC0
保守
773 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 06:53:55.22 ID:fDF4F9CjO
保守だ(´・ω・`)
774 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:11:26.63 ID:ICc3ret50
保守
775 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:16:05.85 ID:BxeEoOin0
ほす
776 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:17:47.02 ID:r/P1jVbc0
>>760 今更ながらだけど。
最後の一文が効いた。思わず涙腺が緩んだよ。
777 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:19:36.35 ID:rXMbPHxn0
流れ見てないけど、どうせアレだろ。 文才無いなんてのは建前で、それなりに文章書ける奴ばかりなんだろ。
778 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:20:39.54 ID:eckQPLC40
まぁ逃げ口上なんだろうね
779 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:22:36.29 ID:r/P1jVbc0
否定できないな。 実際に、とあるシナリオから逃亡中だし(´・ω・)
780 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:26:03.71 ID:eckQPLC40
781 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:27:14.54 ID:r/P1jVbc0
782 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:36:26.37 ID:XQPZXLYX0
保守です
783 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 07:36:29.62 ID:rXMbPHxn0
こういうスレは専用板の底辺の集まりというか、キズの舐め合いというか……。
中途半端な奴が神扱いされて、あとは底辺ばっかり。
VIPはダメ人間の集まる所じゃねぇんだよ……勘違いしやがって。
気の済むまで馴れ合って、ストレス溜まったら糞スレ立てて、創作活動に勤しめよ。
それがVIPヌクモリティ
http://ex14.2ch.net/news4vip/
784 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:06:55.21 ID:fDF4F9CjO
保守
785 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:10:33.99 ID:EZPZb6YC0
786 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:32:42.54 ID:t5B/V3Wh0
お題 ↓
787 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:34:00.89 ID:BxeEoOin0
さくら
788 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:37:04.54 ID:t5B/V3Wh0
>>787 つい昨日桜で書いた俺への嫌がらせですか?
把握。
789 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:41:53.65 ID:BxeEoOin0
wktk(・∀・)
790 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:46:24.87 ID:ICc3ret50
お題下さい。↓
791 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:47:54.99 ID:rXMbPHxn0
ウホッ
792 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 08:49:34.93 ID:ICc3ret50
>>791 つらい・・・つらすぎる・・・
ガンガル。
793 :
473 :2006/03/30(木) 09:11:11.27 ID:w37HTEjz0
>>544 >「ありがとう。私は今度から仮面怪盗と名乗るよ」
あ、ここおかしいわ。
「ありがとう。私は今度からマントと名乗るよ」
が、正しいな。
修正頼むぜ編集。
794 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 09:44:20.60 ID:eckQPLC40
保守
795 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 10:01:04.28 ID:uGyJvmL20
796 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 10:01:07.37 ID:BcYoSrmw0
797 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 10:02:46.83 ID:eckQPLC40
幼馴染の女の子の結婚式 で誰か書いてくれ。
今起きた保守
せっかくだからksk 安価下
800 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 10:39:56.29 ID:CDMRyNN4O
戦闘機
801 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 10:41:08.54 ID:uGyJvmL20
802 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 10:48:42.03 ID:t5B/V3Wh0
>>787 「お兄ちゃん、行ってくるね」
妹は元気良く玄関から飛び出し、門扉のところでくるりとターンして大きく腕を振ってから、母親の後へと駆けていった。
今日は妹の高校受験、その本命校の結果発表の日だ。
その割には緊張感というものがまるでない。よほど自信があるのか、単にバカなのか。
「あー、行ってこい。受かってるといいな」
中途半端に挙げた手の降ろしどころを考えながら、妹には聞こえない声で呟いた。
今の言葉は半分は本当で半分は嘘だ。
半分の嘘をついた良心の呵責に悩みながら、俺は二度寝のために部屋に戻った。
俺は自分の心の狭さが嫌になる。なんで妹の合格を願ってやれないのか。
あいつは一生懸命に勉強したじゃないか。それは家族である俺が良く知っていることじゃないか。
例えばこれが別の状況、別の志望校なら、心から応援してやれただろう。
だが、この場合は……。
そんなことを悶々と考えていると、いつの間にか眠っていた。
浅く夢を見た。それはいつかの記憶の再現だった。
「お兄ちゃん勉強教えて。ここが分かんない」
「あー? お前、こんなのも分からないのか」
「いいじゃんよう。分かりたいから勉強してるんだもん。教えてよ」
「このくらい調べれば分かるだろ。なんで一人でやらないんだ」
「なんで嫌そうな顔すんの。あ、分かった。私がお兄ちゃんより賢くなって、追い抜かれるのが怖いんでしょ」
803 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 10:48:59.08 ID:t5B/V3Wh0
目を覚ますとお昼をとうに過ぎていた。 なんとなく落ち着かない気分で昼飯食べてると、友達から電話が来た。 遊びに誘いに来たようだが、乗り気でないので断る。それから二言、三言話した。 「妹さん、今日だっけ?」 「ああ。まったく勘弁して欲しいよ。なに考えてんだか」 こいつは事情を知ってるので、つい本音を漏らす。 「まあそう言うなよ。兄貴の背中を追っかけてんだろ。可愛いじゃねえか」 「それこそ勘弁して欲しい。洒落にならん」と喉まで出掛かったが、それを引っ込めて電話を切った。 部屋で本を読んでいると、窓の外から呼ぶ声がしたので首だけ出す。 妹が満開の笑みを浮かべて手を振っており、俺を認めると片手の指を二本だけびしっと立てた。 「あたし、にちゃいです」、という意味ではないのは確実だった。 サクラサク、か。 気がつくと妹の姿が消えていた。 と、だだだっと階段を駆け上がる振動が部屋を揺らし、ドアをが開け放たれる。 そのまま飛び込んできた妹は、いきなり俺に体当たりしてきた。 「受かったよ、お兄ちゃん」 「そうみたいだな」 おめでとうとは言わなかった。妹を引き剥がそうと身体を押すが、しっかりつかんで離れない。 「春からよろしくね? セ・ン・パ・イ」
妹かわええwwwwwww 受験を見に行く側じゃなく報告を待つ側の視点かぁ 結構面白いなw
805 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 11:05:23.08 ID:eckQPLC40
カワユスage
806 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 11:09:17.75 ID:xtpqhRQN0
807 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 11:18:19.65 ID:t5B/V3Wh0
難しいな。よし次↓
808 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 11:19:03.10 ID:RgQKSbkc0
膝枕
809 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 11:21:09.72 ID:t5B/V3Wh0
>>808 把握した。って言ってもこれから仕事なので、
働きながら考えて帰ってから書く。
とりあえず保守
811 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 11:50:43.14 ID:7N+g1q920
812 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 11:56:46.65 ID:uGyJvmL20
>>802-803 うんめぇwwwww
セリフ回しが本当に上手い。俺の知識や能力じゃ非のつけようがねぇ。
兄の、妹の気持ちを受け入れるでもなく拒否するでもない微妙な心の表れがもう少し上手く書けてれば完璧だと思ったけど、
俺の頭じゃそれは描写できないのでアドバイスになってないw
813 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 12:22:20.19 ID:r/P1jVbc0
保守。
814 :
593 :2006/03/30(木) 12:22:57.00 ID:CDMRyNN4O
「今日もいけそうか?」 ディックが尋ねてくる。声が少し震えていたのはいつものことだった。 「当たり前だ。」 いつものように単調に返すと、低姿勢をとり、悪魔の鉄塊の眠る森の中に入っていった。 サーチライトをくぐり抜け、地雷原を越えていく。額の汗が顔を伝っていく。口の中にしょっぱい感じが広がった…… 新聞記者「それで続きは?」 少し馴れ馴れしい感じで尋ねてくる。興奮した気持ちの表れなのだろう。 「こっからが最も聞いて欲しい事だ。」 今回彼を呼んだのは、資料の行方を話たかったからだ。顔を少ししからめて、また話を始めた……
815 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 12:35:20.59 ID:7N+g1q920
それじゃあ今日も一つ ↓お題をよろしく
816 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 12:38:06.83 ID:uGyJvmL20
病院の待合室
共同書籍化はいつ?
818 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 12:45:46.47 ID:7N+g1q920
819 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 12:46:03.95 ID:7N+g1q920
821 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 12:58:37.72 ID:XQPZXLYX0
初めて書いてみる。ファンタジー系のお題キボン
>>824
822 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 12:58:44.36 ID:RgQKSbkc0
にしても、まとめサイト重いな……
823 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:02:21.41 ID:uGyJvmL20
ksk安価下
824 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:03:20.18 ID:uGyJvmL20
女の子と大平原
825 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:09:08.56 ID:XQPZXLYX0
>>824 トンクス!初なので、お題にあんまり絡んでなくてもスルーよろ。
てか、二人が同じお題って大丈夫?
826 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:11:00.15 ID:RgQKSbkc0
まぁ、大丈夫なんじゃね? お題っつても人によって書き方違うし
827 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:12:00.52 ID:XQPZXLYX0
んじゃ書いてきます
828 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:16:28.50 ID:uGyJvmL20
週末に品評会とかやったら面白そうだな。 土曜日の午前に統一のお題を決めて、参加者は日曜の晩までに小説を書く。 それをお互いに品評しあうとか。
829 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:24:51.56 ID:7N+g1q920
830 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:26:33.55 ID:uGyJvmL20
コテつけて参加すれば、上手い人がよくわかるし、 自分の成長もわかりやすいし、このスレでの他の人の上達もわかると思うんだよね。 ただ問題はお題を誰が決めるのか。
831 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:31:33.35 ID:RBiY0ULj0
面白いスレ発見。 頭の悪い俺が来ましたよっと。 文才達ばかりで開いた口が塞がらない。
832 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:32:57.97 ID:agH+O+GH0
俺も何か書いてみたいですけど良いですか?
御題は何でもいいです。
>>840
833 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:36:14.29 ID:uGyJvmL20
>>832 ちょい遠いかも
838ぐらいで良さげ
ksk
834 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:37:07.53 ID:agH+O+GH0
今来た俺が加速だけしていく
836 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:38:06.45 ID:uGyJvmL20
雷
837 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:41:51.67 ID:agH+O+GH0
雷っすか…
後、ジャンル指定とかもいいですか?駄目なら頑張って考えて見ます。
>>840
838 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:42:44.78 ID:qZE6iQ5T0
趣味で小説書いてる俺も参加しようと思う(文才無いが
とりあえず安価
>>840
839 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:43:09.53 ID:qZE6iQ5T0
参加者増えてきてウレシス お題踏んでたら つ「靴」
ってジャンル指定wwwwwwwwwwゴメン流れ読んでなかったwwwwwwwww じゃあ つ「ホラー」
842 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:55:42.47 ID:7N+g1q920
つ「村」
843 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 13:58:19.53 ID:qZE6iQ5T0
844 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:06:20.80 ID:7N+g1q920
ksk
ksk
846 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:08:15.60 ID:qZE6iQ5T0
人少ないからID:7N+g1q920決めてくれてもいいよ
847 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:08:56.56 ID:qZE6iQ5T0
ID:z6oO2Fj70も居たのか、スマソ
848 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:09:21.10 ID:qZE6iQ5T0
849 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:09:49.11 ID:qZE6iQ5T0
850 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:10:18.15 ID:qobe8bwc0
双子の官能
851 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:10:22.79 ID:7N+g1q920
つ「西部劇」
852 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:12:34.60 ID:qZE6iQ5T0
853 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:13:07.66 ID:qobe8bwc0
双子の官能
図画工作
855 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:18:54.96 ID:qZE6iQ5T0
856 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:19:29.43 ID:qobe8bwc0
双子の官能
双子の官能
858 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:21:13.40 ID:qZE6iQ5T0
859 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:24:04.84 ID:qobe8bwc0
いくじなし!!
860 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:27:59.62 ID:qZE6iQ5T0
861 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:29:31.03 ID:uGyJvmL20
ジャンルまでは決める必要ないじゃん。そこは自由裁量だと思う
862 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:30:15.59 ID:qobe8bwc0
官能が大切。団鬼シックス。
863 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:30:31.15 ID:qobe8bwc0
じゃあ、双子で。
864 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:32:03.13 ID:qZE6iQ5T0
>>861 だって、「村」だけだよ?そりゃジャンルいるっしょ?
>>863 了解した、双子と言うことで性別はどっちが良い?
865 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:33:27.59 ID:uGyJvmL20
>>864 テーマはみんな似たようなもんだよ
漠然としたテーマから作者がどんな感じの小説にするのか、それを見るのもまた一興だと思うけど。
866 :
821 :2006/03/30(木) 14:37:11.36 ID:XQPZXLYX0
>>824 女の子と大平原
どこまでも続く太陽に照らされる草原
それと同じように果てが見えない青空
原っぱの所々には、小さな花がたくさん咲いている
もうどれくらいの道を歩んできただろうか
平原を見渡せる丁度いい崖に立ち、私は思う
涼しいそよ風が私の黒髪をなびかせる
あぁそよ風よ このまま私をあの人のもとへ連れていって…
いくら何をしたって叶いそうも無い願いを、ふと、思ってしまう
867 :
821 :2006/03/30(木) 14:37:50.89 ID:XQPZXLYX0
そういえば、あの人を探すのにどれだけの人を傷つけただろうか 10人…いや、もっと…30人位かな? 自問自答を繰り返す自分が虚しくなってきた それにきっと…思った数より多いだろう… あの人を見つけ出すためにだったら、何でもする そう誓ったあの日の自分に自己嫌悪 何人もの人を殺めた私が、もしあの人に再び逢えたとしても あの人はまた昔のように、私に微笑みかけてくれるのだろうか? 微笑みかけてくれたとしても、 もう私には 自ら汚してしまった手には 人を愛する事は許されないのかもしれない 色々なことが脳裏をよぎる中、私は風に助けを求める こんな私の願いを、もしも、一つだけ叶えてくれるのなら 私に… 私に、あの人を救う勇気をください そよ風が一気に私の体を駆け巡る 大平原の中に、あの人の声が聞こえた気がした
868 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:41:41.25 ID:qZE6iQ5T0
じゃあ、もう双子無しの、「村」で行きますw
869 :
821 :2006/03/30(木) 14:42:27.64 ID:XQPZXLYX0
ちょっと微妙なところで切ってしまった… それに、お題の大平原ってのがあんまり入ってないし 正直ファンタジーでもない気がしてきました…
870 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:50:04.86 ID:qobe8bwc0
871 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:53:24.35 ID:qZE6iQ5T0
とりあえずksk
873 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:57:49.58 ID:qZE6iQ5T0
アクション
874 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 14:58:36.74 ID:qobe8bwc0
遠い目じゃなくて遠目じゃないのかな? まぁいいや御題「セロハンテープ」で
876 :
833 :2006/03/30(木) 15:01:16.12 ID:qZE6iQ5T0
悲しみは…無い 虚しさも…無い 誰も救ってくれなどしない、この暗闇の中から。 僕はこの悲しみの塊のような村に一人佇んでいる。 夜空を見上げる…星一つ見えない。 見えるのは、青白く光る月だけ。 僕に楽しみなどは無い。 ただ過ぎる時間をこの悲しみの村で過ごしているだけ。 僕はいつか、感情を全て失ってしまう気がした。 でも、それも悲しくない。 いいんだ、僕は一生をここで暮らす。 この村がこんな風になってしまったのはいつからだっけ? ―――――考えるのはもう飽きた。 僕はこのようなことを繰り返しながら時間を消していった。
877 :
833 :2006/03/30(木) 15:01:47.04 ID:qZE6iQ5T0
―――――――あれから何年になる? 僕の中からほとんどの感情は消えている。 そもそも、感情とは何だったのだろうか…。 僕は何も無い空を見上げる。 実は望んでいたのだろう… ―――――――明るい、明日を
878 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:02:39.40 ID:qZE6iQ5T0
だいぶ村のイメージとはかけ離れちまった。
>>877 俺が取っちゃったから再安価きぼ
879 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:07:53.58 ID:qobe8bwc0
ただいま、アクション+セロハンテープで執筆中。
880 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:09:28.02 ID:qZE6iQ5T0
881 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:12:52.54 ID:r4sOx1CM0
中学生の悩み掲示板
http://2bbs.php-s.net/?id=nanigeni ++ 山本鴻瀞 (幼稚園生)…2回
逃げ台詞吐いたか。
お前の負けだ。零落れVIPPERよ
.. 3/30(Thu) 14:46[6810]
V I P P E R な め る と
ヒ ド イ 目 ,r'"⌒ヽ に あ う お
/ ^ω^ \
, .-‐- くJ( ゝ-rr- 、、
/Y ,r 、 `ー r'"^〃 、 つヒヽ
,ノ '^` i! =テミ i' 天ニ ミ、 ='"^ヾ }
,/ ''=''" ノ-‐'ヾ-人,,__ノnm、''::;;,, イ
i! ,∠-―-、、 `ー'フヾ、 j
f'´ ノし `丶、 ー=ミ-JE=- /
ヾ=ニ- 彡^ 〃 ,,>、、`''ー-::,,_,,ノ
``ー--┬:, ''"~´フ ソ´`7'' ''"´
,に (`゙゙´ノ f^ヽ
,ハ ,ィ' ,;-ゝ、
/ミ`ーt!,_,ィ-‐彡''"^ヽ
/ ヾ::::::::::::::::r''" ぃ ;}
l t:::::::::::/ ノ /
l! `'T7′ / /
882 :
524 :2006/03/30(木) 15:22:57.29 ID:KY8JHXG00
僕の名は楠水勇樹、高校生だ。 僕には幼少の頃の記憶が全く無い、それは何故か? 親の話によれば小学校の時自然教室で木に登っていたら枝が折れて頭を打ってしまったらしい。 それが理由で僕自身、周りも戸惑うだろうと転校をした。 僕が解るのはそれぐらい、家族はあまり話そうとはしてくれない。 でも僕はあまり気にしていない。 今こうして生きていることを感謝しているし、記憶は何かがきっかけで戻ればいいと思っている 困るのは頭を打ったときの後遺症か頭痛が起きてしまうので薬が欠かせない なげぇ自己紹介だすいません
883 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:23:30.17 ID:Zq8EZzH10
884 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:25:33.02 ID:ADyaOQzmO
885 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:44:06.88 ID:qobe8bwc0
「きゃぁっ!」 弥生の短い悲鳴がアキラの耳朶を打つ。キノイドのその手に弥生が捕らえられている。 「なんで、お前がここにいんだよ!!」 罵倒が口を吐く。これでは安易にキノイドに攻撃できない。 知性等ないはずの敵が、アキラを見下すように動いた。それでも動くことができない。自らの優位を確認しているかのように、一歩二歩と姿勢を立て直している。 アキラは左手にしたセロハンテープを握り締めた。自戒か、自責か。自分以外まで守る術は師匠には教えられていない。 闇に聳えるキノイド。その先に弥生のブラウスが白く映える。苦痛に俯いているのだろうか。彼女の表情は見えない。それがアキラの苛立ちを募らせる。 速攻! そう決めると、セロハンテープを引き伸ばして相手に向ける。右手に業力を込めると、セロハンテープが意思を持ったかのように波打ちキノイドに迫る。 やはり、知性が低い。アキラの攻撃を人質で防ぐのではなく、空いた手で弾き飛ばそうとしている。それは賭けだったが、これで速攻しか選択肢がありえないこととなった。 「疾!」 テープを地面に打ち下ろす。長蛇のようにうねりながら敵の足を絡め取る。それすら踏み潰して対応しようとしている。 片足を上げた瞬間、テープを引き上げる。先は切っ先から飛び立つかのように鋭く跳ね上がった。
886 :
524 :2006/03/30(木) 15:45:40.12 ID:KY8JHXG00
あなた方の力を借りないと完成しないかも 力をお貸しください
887 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:48:26.34 ID:J23+m5ZQ0
お題!お題!
888 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:52:29.15 ID:J23+m5ZQ0
889 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:52:43.76 ID:9LHF7MPS0
890 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 15:55:18.57 ID:qZE6iQ5T0
恋愛もの(ツンデレ
891 :
889 :2006/03/30(木) 15:58:39.03 ID:9LHF7MPS0
892 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 16:17:28.73 ID:t5B/V3Wh0
男がわずかに意識を取り戻したとき、彼が知覚できたのは果てのない暗黒と痺れるような寒さだけだった。 一瞬、自分の置かれた状況が把握できなかったが、それは大量の出血のせいだと、鈍く重い思考が教えてくれた。 身体がごわごわしていてほとんどなにも感じない。──いや、後頭部に温かいものが当たっている。 膝枕をされているのだと思い至るまでには、少しの時間が必要だった。 「どこだ……ここは」 「ここは仮設の野戦病院ですよ。あなたは奇跡的に救出されたのです」 頭上から女の声が降ってきた。慈愛に満ちた聖母のような声。 「あんた……は?」 「ここでお手伝いさせていただいているシスターです」 「おれは──」 生き延びられそうか、と聞こうと思って、すぐにその気が失せる。 全身がどうしようもなくだるい。息が細い。そして痛みは澱のように重く沈んでまとわりつく。 こうなればもう長くない、と上官に教わったとおりの状態だった。 「──なにか、思い残しはありますか?」 手がそっと握られるのを感じた。姿は見えないが、彼女は今ここにいる。俺を看取ろうとしてくれている。 男はその温もりにすがるように、彼女の放った懺悔の勧めに従う。 「私は……」 言いよどむ。よりによってシスターに、神に仕える乙女に、自らの犯した過ちを告白するのは辛いことだった。 今になってふつふつと後悔の念が沸き起こってくる。だが、言わねばならない。 「さあ、おっしゃってください」 勇気付けるように、さらに強く手が握られる。 男は身体を蝕む痛みと心を蝕む苦しみに耐え、口を開いた。 「私は……この戦争で、作戦の一環として、教会を襲撃しました。 しかも……ああ、しかも……そこの修道女を────。どうか、お許しください……」 ぴく、とシスターの身体が身震いしたのが感じられた。
893 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 16:17:44.86 ID:t5B/V3Wh0
ああ、俺はこのまま地獄に落ちるんだ、と苦痛を超える絶望が男を襲う。 人を殺し続けることで麻痺していた悲しみが胸に立ち戻り、男は涙を流した。 だがシスターは震える声で、それでも男に先を促した。 「どうぞ、続けてください」 男は今度こそ感涙に咽び、心の重荷を晴らすためにその忌まわしい行為のすべてを告白した。 「……よくおっしゃってくれました。主はきっとお許しになられます。さあ、お気を静めて。 天にまします我らの──」 その言葉はもはや男の耳には届いておらず、穏やかな表情のまま膝の上で眠りについた。 「アーメン」 彼女がそう結んで祈りを終えると、大尉章を胸に着けた男が背後から近寄ってきた。 大尉の手にはテープレコーダーが握られていた。 「ご苦労様です。時間も人手も足りないときは、信仰に頼るに限る。ま、あなたがたにとっては迷惑でしょうが。 ですが、人道的な戦争とやらのためにはこうしたアプローチも必要なのです」 「いえ、これも国のためだと理解できます」 「それは素晴らしい愛国心です」 大尉が満足そうに頷くと、シスターはぼそっと漏らした。 「目が見えていなくて、本当に良かった」 それを聞いた大尉はぎょっとして、傍らの士官に目配せする。士官も同様に、慌てて手元の書類を漁る。 「あなた、まさか……。いや、それならなぜ。これは命令ではなく依頼です。断ることも出来たはずです。 それに、なにもお祈りまでせずとも。証言を聞き出した時点で、あなたの仕事は終わっていたはずです」 「……この方は懺悔を必要としていたのです。臨終の祈りを必要としていたのです」 振り向いたシスターの瞳は揺らぐことなく大尉に向けられていた。 「私ごときの愛国心で、どうして神の王国を願う貴い心を阻めるでしょうか」 唇は強く噛み締められて、そこから流れる血は涙と混じって彼女の修道服を桃色に染めていた。
894 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 16:18:01.46 ID:t5B/V3Wh0
895 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 16:18:26.12 ID:t5B/V3Wh0
それは、二人してテレビを見ているときだった。 新婚夫婦のアツアツ生活をリポートする番組で、それを眺めながら俺はついぽろっと漏らす。 「膝枕で耳かきか。いいなー」 すぐに失言に気付くがもう遅い。彼女は俺に背中を向けていじけていた。 「あたしなんかどーせ膝枕も出来ませんよう……」 う、なんか部屋の空気が湿ってきた。慌ててフォローする。 「気にするなよ。ゴメン、悪かったよ。そんなことしなくても、お前は世界で一番可愛い彼女だよ」 「……ホント?」 「本当さ。しょっぱい料理が作れなくても、お盆には必ず帰省しなきゃいけなくても、お前以上の存在はいないよ」 「夜行性で陰気な女でも?」 「もちろん」 力一杯頷くと、彼女は透き通るような笑顔を見せた。どうやら機嫌が直ったらしい。 「ありがと。大好き」 彼女は俺にちゅってすると、「お鍋煮えたかな」とふよふよ浮かびながら台所へ向かった。
シスターの心の動きと行動を上手くリンクさせてると思う この方は懺悔を必要としていた、とか重いwwwwww と、もう一つの方は 幽霊テラカワイスwwwwwwwwwwwww 幽霊っ娘萌え属性を植えつける気ですk(ry
897 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 17:00:45.02 ID:KY8JHXG00
保守
898 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 17:05:18.16 ID:t5B/V3Wh0
お題 ↓
幼馴染を暴漢から救おうとして植物状態に陥る 幽体離脱 変なばあさん
900 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 17:13:03.04 ID:t5B/V3Wh0
902 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 17:16:34.75 ID:BxeEoOin0
903 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 17:23:17.14 ID:t5B/V3Wh0
>>901 いや、ただ知りたかっただけだから。把握。
904 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 17:53:01.29 ID:uiDpZWn+O
保守
905 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 18:15:18.21 ID:A/PsBX2E0
保守
906 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 18:37:40.52 ID:rDwV7wMY0
捕手
907 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 18:49:11.41 ID:rDwV7wMY0
保守
908 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:00:52.84 ID:rDwV7wMY0
保守
909 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:11:34.05 ID:rDwV7wMY0
保守
910 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:17:52.45 ID:Ypbgb5gi0
保守ばっかじゃあれだしなんか書く
お題ぼしう
>>913
911 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:19:15.10 ID:rDwV7wMY0
ksk
912 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:19:50.31 ID:4gxHkBzR0
ksk
913 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:23:29.20 ID:rDwV7wMY0
粉雪
914 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:25:41.24 ID:Ypbgb5gi0
915 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:26:40.44 ID:rDwV7wMY0
保守
スラム街の少女+ロボ
918 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:51:00.52 ID:4gxHkBzR0
919 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:51:28.28 ID:f72iDMkJ0
ちんちんおっきした
920 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:51:41.90 ID:4gxHkBzR0
921 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:51:49.51 ID:rDwV7wMY0
>>917 了解
スラム街の少女がロボなんだよね?
922 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 19:54:20.24 ID:doVbdi9n0
何この楽園みたいなスレ お題を指定した人以外も面白そうなお題があったら書いてみていいんですか?><
923 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/30(木) 19:56:49.15 ID:N+OFV06b0
やっべwwwwwwお題を消化してないことを今思い出したwwwwww プライドだな。把握した!
925 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 19:58:55.01 ID:rDwV7wMY0
>>924 オケ、ロボットって事はACやガンダム系だな
926 :
918 :2006/03/30(木) 20:00:03.76 ID:4gxHkBzR0
ジリリリリリリリリリッ 「ん・・・・っぁ・・・・」 俺は目覚まし時計の音に目を覚まし、ゆっくりと体を起こした。 今日も俺の息子はご機嫌のようだ、天井に向かって雄雄しく伸びている。 そう思っていると突然その息子が左右に動き出した。何事かと思いズボンを下ろし確認してみると、そこには俺の息子ではなく小さな少女が生えていた 「こんにちは♪ あたしは未来からやってきた貴方の孫、由美花っていいます☆」 少女が屈託なく笑いながら言(省略されました。 続きを読むにはツンデレしてください
927 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:00:19.92 ID:muOdEOIo0
928 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 20:00:44.99 ID:doVbdi9n0
929 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:01:36.91 ID:fj0jJYep0
930 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 20:02:07.48 ID:doVbdi9n0
931 :
889 :2006/03/30(木) 20:03:31.13 ID:9LHF7MPS0
やっと書き終わった。 少し長くなるけど、投下するわ。 お題は恋愛物・ツンデレな
932 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:03:41.42 ID:muOdEOIo0
よーしお題くれ!↓
933 :
889 :2006/03/30(木) 20:04:07.39 ID:9LHF7MPS0
「ちょっと孝之、授業はとっくに終わってるわよ!」 パコーン 「いつつ、なにすんだよー」 「あんたが、なかなか起きないから起こしてあげたのよ。感謝しなさい」 突然、教科書で頭を叩いてきたコイツは美咲。俺と家が近く、小中高と一緒の学校に通っている。まあいわゆる腐れ縁ってやつだ。 「ほら、次体育なんだからさっさと出なさい!」 「おわっ」 既に周りは女子だらけだった。 「うー、寒い。なんでこんなに寒いんだよー」 まだ桜の芽が出始めで全然春の気配を感じない校庭で、男子は全員マラソンをしている。 「よっ、孝之」 「祐樹かぁ、お前元気だよなぁ」 後ろから軽快に、祐樹が走ってくる。なぜか知らんが、こいつはマラソンになると人が変わったように生き生きしだす。 「はっはっはっ、ちみちみぃ、もっとシャッキっとせんとダメだろ、そんなことじゃ左遷にするぞぉ」 「うっせー運動馬鹿、お前なんかセクハラで訴えられてやめちまえ」 「がはは、女に訴えられてやめるなら本望だ」 「そういや今日女子はバレーだよな、女子だけ体育館でうらやましいよ」 「この時期は男子はマラソン、女子はバレーと決まってるからな。はぁ、俺も混じっておにゃの娘のケツを拝みたいぜ」 ダメだ、こいつ完全にイっってる……。
934 :
889 :2006/03/30(木) 20:04:41.78 ID:9LHF7MPS0
体育が終わって、帰りのホームルーム。 「卒業式の準備の話し合いは、来週行うので、該当委員は各自準備しておくように」 連絡事項をそそくさと言い終わると、先生は教室を出て行った。 「ああ、もう卒業式か」 (ん?そういや、美咲のやつがそろそろ誕生日か) そう、卒業シーズンの3月、美咲の誕生日があるのだ。小さい頃はよく誕生会とか開いて一緒に遊んだりしていたんだが、中学に入る頃あたりからやらなくなった。 「いつも世話になってるし、今年は何かプレゼントしてやるか。しかし何をあげたらいいかさっぱりわからんなぁ」 「そうだ、秋穂に聞いてみるか。おーい、秋穂」 秋穂は美咲の友達なので、何かと色々参考になりそうだ。 「えとえと、なにかなぁ?孝之君」 秋穂は既に帰り支度を済ませて、いざ帰ろうとしていたところを呼び止められて少し困惑気味だった。 「すまんすまん、実はな、美咲に誕生日プレゼントをあげようと思うんだけど、秋穂は美咲に何あげるかもう決めた?」 「うん、えとね、本をプレゼントしようと思ってるよぉ」 「なるほどな、確かにそれはいいかもな、んー、でも俺本とか読まないから全然わかんないんだよなー」 「んと、心がこもってたら、なんでもいいんじゃないかなぁ」 「そうなんだけど、どうもピンとくる物が浮かばないんだよ。あ、そうだ、プレゼント選ぶの手伝ってくれない?」 「あ、うん、いいよぉ、じゃあ今度の日曜とかどうかなぁ?」 「おう、わかった、じゃあ今度の日曜な」
935 :
889 :2006/03/30(木) 20:04:59.36 ID:9LHF7MPS0
放課後、美咲と一緒に下校。 「あの行列なにかしら……」 美咲の見る方をみてみる。少し浮いた感じの新しい外観のラーメン屋があり、店の外に大体5〜6人くらいの人が並んでいる。 「へぇ、あんなところにラーメン屋ができたんだな」 「あんなに並んでるってことは、おいしいのかしら……」 「そうだろうな」 「……」 美咲はラーメン屋から目が離れない。 「おい、そんなにラーメン屋が気になるのか?」 「べ、べつにそんなこと」 「なら、今度いってみるか?」 「え、本当!……あ、孝之がそこまで行きたいなら付き合ってもいいわよ」 「よし、決まりだな」 「しょうがないわね、私は多忙スケジュールなんだから、そんなに時間はとれないわよ。そうね、今度の日曜とかどう?」 「日曜か、……あ」 (そうだ、今度の日曜は秋穂と約束あったな……) 「すまん、日曜はちょっと用事があるんだ。また今度にしてくれ」 「あ……、そ、それならしかたないわね」 「すまんすまん、今度埋め合わせするから」 残念そうに美咲は、ラーメン屋から背を向けた。
936 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:05:04.22 ID:muOdEOIo0
937 :
889 :2006/03/30(木) 20:05:16.68 ID:9LHF7MPS0
「えとえと、おまたせだよぉ」 「おう」 日曜日、電車で一駅先のところの商店街で、俺と秋穂は落ち合った。 この商店街には、割といろんなものが揃っていて、学生などがよく遊びにくる場所だ。 「んと、じゃあ、とりあえずお店を回ってみようかぁ」 洋服屋、アクセサリー屋、ファンシーショップ、ペットショップなど色んな場所を巡る。 「なんか秋穂、さっきからうれしそうだな」 「うん、私ウィンドウショッピングとか好きだから〜、見てるだけで、なんだからぽわーんってなるよぉ」 「あ、これなんかどうかなぁ?」 そう言ってでかいかえるのぬいぐるみを抱き上げる秋穂。 「うぅ、かあいいねぇ〜♪」 「おいおい……」 そんなこんなで色々見てまわったが、結局無難に小さいプランタを選んだ。 「今日は付き合ってくれてありがとな。おかげで助かったよ」 「うんうん、お役に立ててよかったよぉ」 「じゃあちょっとその辺で休憩でも──」 「あ……」 喫茶店でも探そうと、見回すと、そこには美咲の姿があった。 「おう美咲。お前もきてたんだ?」 「うん……」 「えとえと、こんにちはだよぉ」 「あ、うん……私急いでるから、行くね?」 「お、おう」 そういうと、美咲は小走りにその場を立ち去ってしまった。 「どうしたんだろうな?」 「うん、わかんないよぉ」 俺と秋穂はふたりして首を傾げてしまう。
938 :
889 :2006/03/30(木) 20:06:07.68 ID:9LHF7MPS0
次の日の朝。登校。 「お、美咲、おはよう」 「あ、うん、おはよ……」 「どうした?なんか元気がないぞ?」 「そ、そんなことないよ、あ、あはは。あ、ごめん、ちょっと行きがけによらなきゃいけないところがあるんだ」 「お、そうなんか?なら付き合うぞ」 「ううん、別に大した用事じゃないから、じゃあ」 そういうや否や、すぐに小走りで行ってしまった。 「ん?変なの……」 その日の放課後。 「おーい美咲、帰ろうぜ」 既に帰り支度を済ませている美咲を呼び止める。 「ごめん!私用事あるから、先に帰ってて」 そういうと、そそくさと教室を出ていってしまった。 「お、おい……」
939 :
889 :2006/03/30(木) 20:06:40.65 ID:9LHF7MPS0
そんな状況が続き、誕生日の前日。 (明日は美咲の誕生日。なんか最近避けられてるみたいだし、今日なんとかせねば) 「おい美咲」 「あ、ごめ──」 「ちょっと待てって」 立ち去ろうとする美咲の手をつかんで、その場にとどめる。 「なんか最近俺のこと避けてないか?」 「え、そんなことないけど……」 「明日放課後、駅前の公園で待ってる」 「えと、わたし……」 「待ってるから」 「……」 そう伝え、手を放した。美咲はそれ以上は何も言わずに立ち去ってしまう。
940 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:07:05.72 ID:4gxHkBzR0
愛と青春
941 :
889 :2006/03/30(木) 20:07:22.52 ID:9LHF7MPS0
翌日放課後。 美咲は、俺と目をあわせず、教室を出て行く。 俺も、準備をし公園へと向かう。鞄にはこの前の日曜に買ったプランタが入っていた。 「うーさぶい」 公園につくと、俺は適当なベンチへと腰掛けた。 「美咲、来てくれるかな……」
942 :
889 :2006/03/30(木) 20:07:53.28 ID:9LHF7MPS0
…………。 空の色がだんだん無くなり、人口の光がつきはじめた。 (もう時間がおそいな……) 鞄を抱え、立ち上がる。 「はぁ……」 ため息をつきながら、制服についた埃を払い落とす。 「遅いじゃないか」 「うん……」 美咲はそこに立っていた。 「なかなかこないから心配したんだぞ。実はな、渡したいものがあるんだ」 「え?」 鞄から、プランタを取り出し、美咲に手渡してやる。 「お誕生日おめでとう」 「……あ、覚えててくれたんだ……」 「あたりまえじゃないか、何年腐れ縁してると思ってるんだ。選ぶの苦労したんだぞ、日曜一杯つぶしちまったよ」 「……え、日曜……?」 「ああ、そういやお前ともあったな」 「え、でも、秋穂と……」 「あー、秋穂に一緒に手伝ってもらったんだよ、秋穂のやつ、自分の欲しい物ばっかに興味がいくから、全然参考にならなかったけど」 「そうだったんだ……」 「もしかして、秋穂とデートだと思って妬いてたとか?」 「ば、ばか、そんなわけないでしょ!」 「お前わかりやすいよなぁ」 「だから違うっていってるでしょ!」 「はいはい」 「プレゼント、ありがと……大切にするね」 そういって、美咲は大切そうにプランタを抱え込む。
943 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:08:00.42 ID:muOdEOIo0
944 :
889 :2006/03/30(木) 20:08:36.96 ID:9LHF7MPS0
「…………孝之」 「ん?」 「……好き」 「あ、えと、好きっていうのはその、その!」 「ああ、わかってる」 「だから、えとえと!」 「俺も好きだよ」 「………………ばか」 終わり。 なんか全然まとまらなかった。 スレ汚しすまん><
945 :
593 :2006/03/30(木) 20:09:53.60 ID:CDMRyNN4O
僕は隊長に言われたとおり、分散して裏に回った。 フェンスの網に人一人入れる穴を作っていく。なるべく静かに。静かに。 「レディ」 無線で隊長独特のダミ声が響く。僕は照準線の先を監視塔のごつい男に向けた。 「ゴー!!」 一斉に.223独特の軽く高い銃声が響いた。僕は監視塔の男をセミで上半身を中心に狙い撃った。敵は何事か判らないままに、8メートルはある塔から悲鳴をあげて落ちていった。 その悲鳴も敵のAKの銃声によって揉み消された。 居場所がバレた。こちらに向かってでかい7.62mm弾が飛んでくる。 幸いこちらには腕利きの狙撃手がいた。僕だ。 ざっと敵の距離は120M。何も考えている暇はない。そのまま敵にスコープのないM16を向けた。リアサイト・エベレーションを1のままにして、必殺の一撃を放つ。
946 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:18:18.21 ID:XN+2MJSU0
オイオイ。保守の連続たあ格好がつかねえな。 俺も参加するぜ! お題ばっちこい! ↓
947 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/30(木) 20:19:11.18 ID:N+OFV06b0
空中戦
948 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:20:03.44 ID:XN+2MJSU0
以前、このスレでケビン田中の男気に惚れた者だが 撤回する。 無茶言うなよう。でも把握。
949 :
ケビン田中 ◆YXuuINDA66 :2006/03/30(木) 20:23:59.90 ID:N+OFV06b0
950 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:27:48.60 ID:FhUHSS/o0
グロ、書いていいか?
951 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 20:29:21.74 ID:i4ufvxUb0
>>917 で
まず最初にゴミがあった。
そしてその周りにゴミがあった。
さらにその周りにも、やっぱり一面ゴミしかなかった。
その景色は全てがゴミで埋め尽くされていた。
つまり、ゴミしかなかった。
時折、捨てられた産業廃棄物の隙間から、不法投棄された医療ゴミ等が起こした化学反応によって煙が漏れている。
その煙の中を動く影があった。
年の頃10歳程の少女だ。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
ありとあらゆる廃棄物から漏れる化学品の起こした煙によって汚染された大気、土壌で育った少女の髪の毛は白い。
このゴミの街で生きる彼女達は、生まれつきの体質異常者が多い。
彼女のようなメラニン色素の欠乏による限局性白子など、このゴミの街では対して珍しいものではない。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
少女は唇をきつく結び、口を閉ざしたまま呼吸さえしない。
口を開けば猛毒の煙を吸い込む事になるからだ。
文体で誰が誰とかって区別つきます?
953 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 20:29:44.06 ID:i4ufvxUb0
そして数秒後に煙を噴出す化学廃棄物のある一体を抜けてから、ここぞとばかりに盛大に息を吸い込み、吐き出す。 しかし目は空ろなまま、荒い呼吸音を立てながらも少女は歩き続ける。 ゴミばかりのこの世界で暮らす事になった自らの運命を、少女は恨んではいない。 あるのはただ、諦めだけだ。 このゴミの街で生きるのは辛い。 だが、それは誰のせいでもない。 誰が悪いわけでもない。 強いて言えば、このゴミばかりの世界に生まれた少女の運が悪かったのだ。 「・・・・・・・・・金属。」 視界の端に光る物を見つけ、少女は近くのゴミ山へと近づく。 このゴミの街で少女のようなとシバの行かない子供が生きていく方法は一つ。 ゴミの山の中から再利用できそうな鉄屑、特に天然の存在量が少ないチタンやクロム等のレアメタルを拾い、売って生計を立てる方法のみ。 少女は背負っていた薄汚れたバックパック――これもこのゴミの山の中から見つけたものだ――を下ろし、それに拾った鉄屑を詰める。 このゴミの山を作って、貧民層を外へと追い出したメガロポリスの人々は言う。 「連中はゴミから生まれてゴミによって生きて、やがてゴミに還る。」と。 またある者は言う。「連中自体が死んでモノになるまでも無く、既に生けるゴミなのだ」と。 少女は、まったくその通りだ、と心の中で賛同する。 と、ゴミの山の中に埋もれている鉄屑を屈んで拾い上げている少女の頭に、ごつん、と何かがぶつかった。
954 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 20:30:16.28 ID:i4ufvxUb0
少女が顔を上げてみれば、そこには同じく不思議そうに顔を上げる少年の姿があった。 どうやら、お互いに鉄屑を拾い集めながら歩いているうちに気づかずに衝突してしまったようだ。少女は屈んでいたため、前方に注意することが出来なかったのだ。 生まれつきだろうか、少年の薄汚れた服の右袖には膨らみが無い。 けれども、それもここでは珍しくない事。 この街に、このゴミしか無くて、ゴミしか居ない街には完璧な人間等、ゴミで無い人間等居ない。 暫くお互いを不思議そうに見詰め合った後、隻腕の少年が少女から興味を無くしたように視線を移すと、別の場所へと歩いていってしまった。 ゴミの山で争うのは愚か者か自殺志願者のする事だ。 鉄屑ならいくらでもこのゴミの山の中には埋もれているのだ。 諍い会ったところで体力を無駄に消費するだけだ。 そして彼女たちのようなデッドエンドキッズにとって、無駄な体力の消費は絶対に避けねばならない事の一つなのだ。 少女が周囲を見渡せば、先程の自分と同じように他の鉄屑拾いの子供に接近しすぎた子供が、それに気づいて離れたりしているのが見える。
955 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 20:51:14.80 ID:fj0jJYep0
>>952 文体と言うよりは癖みたいなので分かる時はある。
三点リーダ、句読点の扱い、改行のタイミングとかは
規則通りに使わないと目立つし。
956 :
593 :2006/03/30(木) 20:51:19.76 ID:CDMRyNN4O
敵はうめき声をあげながら後に激しく倒れた。僕はその様子を見て眉毛をぴくりとも動かさなかった。こんな事にいちいち一喜一憂していてはこんな所には居られないと思っていた。 ディックは後でうまいバーボンをおごってやると言ってきた。いつものことだが。正直仕事後のこっちの方が生きている実感がしていた。 敵の弾薬庫の方向に40mmグレネードをぶち込む。十分離れてはいたがかなりの大爆発は僕たちの身体全身に響く衝撃波を与えた。少し足がふらついたが、慣れた僕は爆発の方向すら確かめずにまた一人一人と敵に的確な一撃を与えていった。ディックは爆発の綺麗な炎に見取れていた。
957 :
>>725 頭蓋骨 :2006/03/30(木) 20:55:16.48 ID:r/P1jVbc0
からん ころん ころん 白い山の上から、これまた白い塊が転がり落ちてきた。 それは、私の直ぐ足元で止まる。 私は、まだ湿り気を帯びたそれを拾い上げた。頭蓋骨。しゃれこうべとも言う。 生暖かい。 「次」 直接脳みそに響く声。 はいはいわかりましたよと、私は歩を進める。 白を基調に、所々に赤の混じる山道だ。 地面の状況は最悪。歩くたびに崩れ、足が沈む。 何よりも足音が嫌だ。 がり ごり ぺき ぱき 雨の砂利道の方がどれだけ風情があるだろうか。 がり ごり ぺき ぱき 嫌だ嫌だ嫌だ。 死にたくない。ああ、死にたくない。
958 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 20:56:26.21 ID:rDs+od2D0
彼等、彼女等は嫌そうな顔一つせず、空虚な表情のみをたたえて鉄屑を拾い続ける。 そんな中、突如としてそれが響き渡った。 静かにゴミをあさり続けるゴミだけの世界に割り込んできた、乱暴で粗雑なエンジン音。 それを聞いて、少女は軽くため息をついた。 突如のエンジン音を聞いて、少女の顔に浮かぶのは驚きや困惑ではない。 「ああ、とうとう来たか」というような、諦めの表情だ。 それは、幼い少女には似合わない、寿命を迎える歳経た老人のような、死刑宣告を受けて静かに絞首台を眺める死刑囚のような、それでいてどこにも絶望を含んでいない、不思議な表情だった。 周囲の少年少女たちも、多少の驚きを感じている者もいるが、少女と似たような顔をしている。 と、その中の少年の一人の頭が突如として吹き飛んだ。 少年は血と脳漿、それにぐじゅぐじゅになった脳みそと薄ピンク色の骨をばら撒きながらゆっくりと倒れる。 だが、それを見ても彼等の間に恐怖は無い。 エンジン音が近づいて、大きくなるにつれて、彼等の視界にホバー走行の大型輸送車が映る。 大型輸送車はゴミ山の一部、少女から離れた場所で止まると、荷台のハッチを開け、中から数人の武装した人影を吐き出す。 メガロポリスから来た”工場”の職員だ。
959 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 20:56:47.05 ID:rDs+od2D0
工場と言っても、普通の工場とは扱う品物が違う。 彼等の仕事は、このゴミの山から原料となるゴミを拾ってきて、”部品”にバラして、汚染の少ない”再利用”できそうな部分と、再利用できない部分に分別して賞品として売り出せる状態にする事。 この場合、原料とは少女達のようなデッドエンドキッズの事。 再利用する部分とはもちろん臓器の事だ。 少女たちのようなデッドエンドキッズの末路は大別して二つ。 工場でリサイクルされて納品されるか、体の汚染で死に至るか。 ゴミ漁りをしなくてもすむような年齢まで育つ者は希だし、無事に天寿を全うするもの等皆無だ。 それにしても、「一度砲弾の落ちた場所は安全」とは、どの国の戦場でのジンクスだったか。 工場の職員は昨日ここで原料の調達をしたばかりなので、今日は大丈夫だと思って少女はゴミ漁りに来たのだが、油断した。 二日連続で彼等が来ない保障等、どこにも無い。 この最低のゴミ箱のような、糞のような世界に普通の国の普通のジンクスなど持ってきても通用するはずが無い。 が、それでも少女の顔には微塵も悔しさや恐怖は見られない。 あるのは、徹底的に、どこまでも擦り切れた諦念だけ。
960 :
>>725 頭蓋骨 :2006/03/30(木) 20:56:50.94 ID:r/P1jVbc0
がり ごり ぺき ぱき しかし、もう逃げ道は無い。来るところまで来てしまった。 じゃきん じゃきん じゃきん 足音に混じって、鉄の擦れる音が聞こえてくる。 懐かしさを感じる。昔、大鋏を持った怪人が襲ってくるゲームがあったっけ。 もっとも、今私は逃げるのではなく、そちらに向かっている最中なのだが。 そのうち、鮮明に血生臭さを感じるようになった。 地面を形成する骨も、まだ肉が残っている物になっていく。 じゅるるるるる 何かを吸い上げる音。 ぺちゃぺちゃぺちゃ なめる音。 噛み砕く音。唸り声。嘆息。感嘆。笑い声。 やがて私は、白い山の天辺に立つ。 「『注文のうるさい料理店』に、よくぞ参った。食材よ」 「そりゃどうm 言葉が終る前に、私の首が飛んだ。頭は生で食うのがいいらしい。 ずずずずず ずりゅるるるるるる ぺちゃぺちゃぺちゃ からん ころん ころん
961 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:03:47.44 ID:qZE6iQ5T0
962 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:05:00.30 ID:qZE6iQ5T0
963 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:05:29.62 ID:qZE6iQ5T0
次スレは…いるか?
964 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:13:18.78 ID:rDwV7wMY0
965 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:14:21.85 ID:wTnii8rY0
テンプレに追加すべきことあるかな? 小説スレならではのテンプレにしたいなw
966 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 21:16:31.73 ID:EJ5pIZRM0
ゴメソ全然書き終んね。 しかも、自分で書いといてなんだがマジつまんね。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― その少女の顔に、まだ暖かい血と肉、骨の欠片が降り注ぐ。 工場の職員が手にした銃で腕を吹き飛ばされた、少年の破片が少女に降りかかったのだ。 それでも少女は表情一つ動かさない。 動かすのも、面倒だ。 そもそも、周囲の少年、少女達は誰も抵抗をしない。少女と同じく、このゴミ溜めで生きていくうちに自分たちの人生の末路等、嫌というほど思い知ったからだ。 それでも工場の職員たちが発砲するのは単なる「お遊び」なのだろう。 彼等は有害な煙に汚染された大気から体を守るためにガスマスクをつけているが、そのマスクの下で表情を嗜虐的な快楽に歪めている事が容易に想像できる。 ともかく、工場の職員達は少女のようなデッドエンドキッズ、ゴミの山で日々の糧を得ているスラム街の生けるゴミどもを人間扱い等していない。 至極、人間味がある「生きているゴミ」よりも「ただの生ゴミ」を好む。 単に扱いやすさの問題だ。 ガスマスクの職員達はさらに手にした銃を発砲する。 少女たちのようなデッドエンドキッズは、スラム街にそれこそ吐いて捨てるほど居るので、遠慮等しない。 する必要が無い。
967 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/03/30(木) 21:17:01.39 ID:EJ5pIZRM0
トイレの清掃程度の感覚しか持って居ないのだろう。 手にした銃を発砲する職員の後ろで、回収役の職員達が生ゴミを乱暴に拾い上げ、輸送車に詰めていく。 輸送車の中の耐腐食液槽に浸けてしまえば原料の鮮度は問題ないので、急ぐ様子は見られない。 それを眺めながらも、少女は思う。 結局、こうなるのだ。 ここに生きているゴミに、未来等無い。 汚染で死に腐り、蝿の卵と蛆に塗れるよりは、製品として誰かの体の中で、自分の一部だけでも生きつづけた方が幾分かマシだろう。 少女は思う。 自分がこの最低のゴミ溜めに生を受けた理由を、少女は思う。 少女に両親は居ない。 それは少女がここでこうして生きている以上、両親が居たのだろうが、少なくとも少女はおぼえて居ないし、周囲に少女の両親の事を語ってくれる者は居なかった。 周囲で”調達”されていっている他の少年、少女たちも似たようなものだろう。 メゴロポリスを追放されてきた孤児か、スラム街で生まれて早くに親を無くした孤児。 そしてこのゴミ溜めで”孤児”から”ゴミ”へと変わっていく。 それだけの人生。 それ以外であるはずの無い人生。 人生とすら呼べない、ゴミのような生き方。
968 :
593 :2006/03/30(木) 21:22:32.03 ID:CDMRyNN4O
やべえこのスレで書きおわら茄子orz ごめんねgdgdと長引かせちゃって(´・ω・`)
969 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:26:42.82 ID:wTnii8rY0
ここは筆力のある人・ない人がお題をもらって自由に小説を書き、それぞれの筆力を向上させるスレです
■前スレ
文才ないけど小説かく【2冊目】
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1143487907/ ▽初めて投下する人へ
安価指定をしてお題をもらいましょう。
人のお題を使うのもありです。たくさん投下すればスレも盛り上がります
▽投下の際の注意
他の方が投下中の場合は投下終了まで待ちましょう
小説の最後に「終」「完」などをつけると投下待ちの人に目印となります
▽読み手の方へ
感想をくれることは書き手側の意欲向上にも繋がります
感想や、ここはこうした方がいいかも、等の意見は出来れば書いてあげてください
▽保守をしてくれる勇士へ
保守は大体15分おきが効果的です。保守ついでの投下も勿論OKです。
▽まとめサイト
http://novel.news4vip.org/ みんなで小説書くんだお_〆(^ω^ )
これでいい?
970 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:28:52.42 ID:RgQKSbkc0
ええんでね?
971 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:31:15.44 ID:fj0jJYep0
972 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:32:38.23 ID:r/P1jVbc0
他の文神の文章見てたらふつふつと書きたい衝動が沸いてきた
誰かお題plz
>>975
974 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:39:22.76 ID:Bf/nWkdI0
水遊びをする子供を橋の上から眺めた。川向かいに走る国道にゆらめく陽炎は、今年の夏も暑くなるぞ、と言いたげであった。 自転車で坂を登り、自宅にたどり着く頃には汗でシャツが素肌にまとわりついていた。 狭い玄関をすり抜け、冷蔵庫を開ける。 「母さん、麦茶しかないの?」 「仕方ないでしょ。まだ今日は買い物に行ってないの。3時には生協が来るわよ」 麦茶はぬるかった。 冬の麦茶は見向きもされないものだが、この頃は半日も待たずすぐになくなってしまう。 学校からの帰宅が早い妹が飲み干してしまうからである。 「智香は?」 「友達の家に行ったわよ、それより智也、通信簿は?」 成績を見せるのは都合が悪かったので、今から部活に出るからと言い、うちやっておくことにした。 さきほどの坂を今度は駆け降りて行く。汗ばむ体に風が気持ちよかった。入道雲が橋の向こうに浮いている。
975 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:39:46.61 ID:Bf/nWkdI0
窓越しに、春の嵐が憂鬱なうなりを上げている。 人生の可能性が消えゆく幻覚の中、立ち上げっぱなしのPCに向き直り、行きつけの掲示板を開いた。 新スレッドがあったのでいつも通り開いてみる。タイトルには“純文学でも書くか”と綴られていた。 いくつかの書き込みがあるが、すでにまとまりが無くなり閑散とした空気が漂っている。しかし、その虚無感が僕には相応しいかと思えた。 硬い畳が尻肉に当たる不快感を感じながら、メモ帳に愚にもつかない文章を綴っていく。 裏で開いたスレッドにはお調子者を演じ「あるある(笑)」などと書き込みながら、こちらをリロードする。思ったよりも書き込みが進んでいたので若干の不安を感じた。 ――どうでもいい。そもそも、最近本なんか読んでいない―― 書きかけのメモ帳を閉じ、急速にやる気が失せたのを実感する。 そんな気持ちとはうらはらに春雷は遠ざかり、明るい日差しが部屋の小さな窓から差し込んできた。 エアコンが部屋の隅に無造作に放り投げたゴミ袋の端を揺らしている。 「最近外にでてないなあ……」 実際どこかに出掛けたいわけではない。そう思ってみる事で思考パターンにちょっと変化をつけたかっただけだ。 実際、インターネットというこの閉じた空間に住みつくようになって、こんな生活もありかなと思ってしまう自分がいる。 「いつまでも続くわけないよな・・・こんな生活・・・」 どこかで聞いたセリフ。思うと同時にふと呟いてしまいひとり苦笑する。少し前から、いつもこの時間帯になると自己嫌悪と妥協が交差するのだ。
976 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:39:48.96 ID:viPuLdnb0
彗星
977 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:39:51.90 ID:RgQKSbkc0
上の方に書いてあったが品評会が提案されてたな。面白そう
978 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:40:02.13 ID:Bf/nWkdI0
――そんな時、不意に部屋のドアが開いた。 『もう、お兄ちゃん!今日も一日中部屋に閉じこもってるの? 不健康だよ!』―― 「……またか」 いつからだろう、聞こえるはずのない声が聞こえる。しかも最近は頻度が増してきている。以前は夜だけ聞こえていたその声は、いまや昼夜を問わず語りかけてくる。 「今日は妹の声…か」 思えば随分実家にも帰っていない。すでに知られていることとはいえ、それでもやはりこの今の醜態を親にさらすのに抵抗がある。 一体何時間コンピューターの前に座っていたのだろう。気づけば春の太陽は斜度を増し、この部屋を赤から濃紺へと染めはじめていた。 「夕飯はどうするかな? レトルトのカレーがまだあったかな……」 パソコンの電源はそのままに、俺はその場を立ち、わずか半畳ほどの台所に向かった。 運よく最後レトルトを発見した俺は100円で買った鍋でそれを暖めて、3日前多めに炊いておいた冷や飯にかけた。 味気のない食事だ。それはわかっていても、わざわざ手の込んだ料理を作る気にはなれなかった。カレーと、カルキまみれの水道水を手に、俺はまたパソコンの前に座った。 「……ちっ、スプーン忘れた」 また立つのは非常に面倒だった。このまま犬のように食ってやろうかとも思ったが、さすがにそれには躊躇した。
979 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:40:17.92 ID:Bf/nWkdI0
――今の生活は、犬と何処が違う?―― またあの声かと、うんざりと目を閉じる。正鵠を射ているのが非常に腹ただしい。 「好きなだけ寝て好きなことだけやって、好きな時に飯を食う……か」 確かに、人間らしいとは言い難い。 「まぁ、スプーンを取りに行くくらいは出来るさ」 まだ、人間だから。その部分を口に出す勇気はなかった。 冷めたカレーを食べながら、今日何度目かの巡回サイトのチェックをする。どこかの国で人が死んだとか、どこかのアイドルが誰と付き合っているとか、そんな情報を澱んだ目で見つめる。 「この社会の中で、何人の人間が本当にこの情報を求めているんだろうな」 誰も答える人間はいない。 「……声も、相槌くらい打ってくれれば、な」
980 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:40:38.75 ID:Bf/nWkdI0
――「お兄ちゃん」―― 一瞬、作りかけのまま放り投げてある美少女フィギュアがこちらを見て微笑んでいる気がした。 カーテンで外界から遮られた部屋はすでに暗くなっていて、HDDの回転音だけがただ響いていた。 そんな時、一つのスレッドタイトルが目に飛び込んできた。 『ちょっと〜助けて(笑)』 レスは100そこそこ。いかにもその掲示板らしい下らないタイトルだったが、なぜか読んでみようという気になった。 発言番号1番は女。彼氏ができたので皆にアドバイスをもらいたい、という内容だった。 タイトルから予想されるような、その掲示板の風潮にあったふざけた内容でもなく、当然盛り上がりる気配もなかった。 となると、女を演じて皆をからかおうとする書き込みかもしれないし、なんにせよどうでもいい、そんな空気で溢れていた。とは言え、反応した一部の人間は無責任な発言をいくつも書き込んでいて、それを読み進めていくうちにいささか嫌気が差し始めていた。 そうやって読み進めている最中だった。発言番号1番の唐突な書き込みに俺は息を飲んだ。
981 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:41:01.63 ID:Bf/nWkdI0
『たった今、やつが絶命した。彼氏死亡しました』 実際1番は書き込みと同時進行でその彼氏とメールしていたようだ。そのためその発言にも、 『何それ?寝たってこと?』 『つまんね』 『不謹慎なネタはやめろよカス』 他のやつらはその彼氏が寝たか、1番のブラックジョークだと思ったらしい。 1によると、メールしている最中になんらかの原因でその彼氏が事故に巻き込まれ死亡。現場に駆けつけたその男の両親が1に電話をかけてきたのだという。 俺は何か嫌な胸騒ぎを覚えた。 「なんだかな……俺が気にしてもどうしようもないか」 そう呟いて、一瞬本気で考えてしまった自分に言い訳するように書き込んだ。 『それなんてエロゲーム?』
982 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:41:19.84 ID:Bf/nWkdI0
返事が返ってくるなんて期待はしていない。ただ自分も常連たちの仲間ということを再確認するために書き込んだようなものだ。 30分経っても他の書き込みが現れることはなかった。 「また書き込みストッパーかよ……」 自分の発言が最後で会話が続かなくなることはよくあることだし、そう思い込もうとしたが、しかしやはり心に引っかかる何かがあった。 その燻る疑惑の煙を消すかのように、その夜はノートPCを閉じた。 翌日、昼近くに目を覚ました俺は普段見ることのない新聞に目を通した。何も無いとは思っていても、まだどこか昨晩の書き込みが気になっていた。 この時代に最新情報を得るために新聞に頼るのも馬鹿げているとは思うが、そうしてしまうのは教育のせいだろうか、あるいは父親の癖を受け継いでいるのだろうか。この部屋で唯一アナログな情報源に外の世界との繋がりを強く感じた。 新聞には何の情報もなく、掲示板にも昨日の書き込みはなくなっていた。 日常が戻った。
983 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/03/30(木) 21:41:47.33 ID:Bf/nWkdI0
またいつも通りにその辺にあるパンをかじりつつ、何か面白いことはないかと時間の浪費を始める。 PCに没頭し、2時間も経った頃だろうか。普段ほとんど鳴ることのない携帯電話が、一昔前の流行り歌を流した。気の抜けた歌詞と耳に残るチープな旋律が現実へと意識を呼び戻す。 「もしもし?」 「………」 「……?もしもし?」 「なんだよ、悪戯か?」 「――ツー」……切れた。 着信履歴を見てみるが非通知だった。まったく、迷惑なやつがいるものだ。 しかし、何日かぶりに他人に向けて言葉を発したという事実に気づき、言葉だけではなく笑い方さえも忘れていたかのように、不器用に、そしてゆっくりと笑みをこぼした。 もしかしたら普段よりマシな一日なのかもしれない。そう、思えた。 毎日こんな生活を続けていても気が狂ったりしないのは、ただ鈍感なのか、性に合っているのか。 ――それともすでに気づかずに狂っているのか―― そんな冷酷な問いかけを自分自身に投げかけてみた。
984 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :
2006/03/30(木) 21:42:10.14 ID:RgQKSbkc0 >>969 あ、スレ立てるならちょ追加して欲しいというか、一つの案なんだけど
投下する際に名前欄に安価テーマを書く、とかだめか?