( ^ω^)ブーンがシリアルキラーになったようです
1 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :
ブーンが連続殺人犯になったようです
もしこのスレ立ってたら続き書く
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 17:49:17.03 ID:J6krMdQl0
/: : : : / |: : : : : |: : : : /⌒ヽヽ
/: : : : : / |: : : : : | : : : 乂._,ノ:
. /: : : : //―- 、 ___. |: l : : : |、: : : : /|:||
/: : : :/〃 `丶,.|: l : : : | ゝ: : : ~: ~
|: : : / トl!: : : :| ゞ: : : :
|: : / 、 |:.|ヽ: :/ ミ: : : :
|: /! ´ !ノ!: :/ ゝ: : :
∨:l ,xーr‐= 、 __ |:/ ゝ: : :
: : :| __イj;;;イノ イ>、 彡: : :
: : ,' ー-ゝミ ;;;; _ <: : : : :
: :,' :::::::: , `ー´ ミ: : : : :
: :! :::::::::::::: ´  ̄ヽ: : : イ
::ハ l: / |: :
: : ヘ 〃´ !: :
: : : :\ ー フ r−‐ ' ´ |: : ( ´D`)ノ< あざやかに2げろ♪
: : : : | ヽ、 |ミ !: :
: : : : | > ,,, __ ,,, ... ト、 |:
: : : : | /∧ ソ \ !:
ヽ、 : | / / ∧ / / \ |:
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 17:49:53.74 ID:7ak45Ykd0
シリアルってコーンフレークとかでしょ?
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 17:50:19.92 ID:Q3Z5U8lO0
アルバート・ブーン・フィッシュですか?><
5 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 17:52:10.71 ID:3evcZIzy0
うわ、立ってる^^;
6 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 17:53:12.74 ID:3evcZIzy0
4. 愛別離苦
うつべきをうたず、うたいでもよいものをうった
―――都井睦雄
一夜で30名を殺し、自殺した連続殺人犯、都井睦雄の遺書より。
「・・・・・・・・・・・・。」
とても清清しい朝だった。
僕はPCのモニターの前で朝を迎えた。
一睡もせず、モニターを眺め続けていた僕の目に、朝日が染み渡る。
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
僕の目の奥から熱いものがこみあげてきた。
僕は一体何をやっていたのだろうか。
モニターの向こう側、電子の世界では未だに憎き論敵達が僕を煽り立てている。
「^^;先生が居るって言うから来たのに、もっと香ばしいのが居たなwwww」
「ゆとり、早くレスしろよwww」
「ゆとり君落ちた?」
「ゆとりに徹夜は辛いだろwww」
「ゆとり君、はやくレスしてください>< 汚名挽回させてください><」
「汚名挽回キタコレwwwww」
7 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 17:53:56.68 ID:3evcZIzy0
いつの間にか僕には「ゆとり君」とかいう渾名がつけられていた。
その論敵達の中に、この騒動の原因を作った”ヤツ”の書き込みが混じっているのを発見する。
「うわ^^;お前等まだやってんの?^^;ゆとり、散々人のことオタクオタク言っといて、徹夜で書き込みなんて完全にネット廃人じゃん^^;」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
だが、僕にはもう何も言い返す気力は無い。
この掲示板を見ていることすら苦になってきたので、僕は無言でPCの電源を切り、強制終了させる。
モニターの電源も落とすと、さっさと制服に着替えて鞄を持ち、リビングへと向かい、朝食をとる。
洗面所で歯を磨くときに、自分の目の下にうっすらとクマができていることを確認する。
本当に、僕は一体何をやっていたのだろうか。
鏡に映る薄いクマが僕の馬鹿さ加減の証明のように思えた。
僕という人間がどれだけ愚かなのか、そのクマの中に全て集約されているような気さえした。
「うう・・・・・・・・・。ううう・・・・・・。」
僕は少し泣きそうになりながらも、鏡から目を逸らした。
リビングでさっさと朝食をとろうと、冷凍庫からトーストを取り出し、焼こうとするがどうしても食べる気が起きず、そのまま冷凍庫に戻す。
「・・・・・・・・・・・・。」
そうこうしているうちに、時間は過ぎていく。
仕方ないので僕はさっさと制服に着替えて家を出た。
8 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 17:55:17.13 ID:3evcZIzy0
僕は眠気に下へ下へと引っ張られていく瞼を指で擦り、暗鬱たる気持ちで学校へと向かった。
頭の中で渦巻いているのは、あの苛立たしい顔文字を多用する書き込み。
奴の書き込みを思い出すたびに歯軋りをしたくなった。
しかし、昨日の路地裏での事を忘れさせてくれたと言う点ではあの書き込みをしていた人間に感謝すべきなのかもしれない。
それにしても眠い・・・・・・・・・。
「おい。」
怒気孕んだ静かな声が聞こえると共に、僕の頭頂部を何かが叩いた。
頭蓋に響く衝撃に、僕の意識が夢の世界から現実へと引き戻される。
「宿題忘れた次は、授業中に居眠りか、内藤?廊下に立つのがそんなに好きか?」
顔を上げると丸めた教科書を握った赤城先生が、僕の机の前に立っていた。
「僕はゆとり世代じゃありません。叩かれたぐらいで怒りませんお。」
「は?」
あの掲示板に書き込んだ時の夢を見ていた僕は、ついそう言ってしまった。
そんな僕に先生が疑問符付きの声を返す。
9 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 17:57:57.55 ID:3evcZIzy0
「とにかく、しっかり目開いて授業に集中しろ。」
「・・・・・・。どんだけ目ン玉ひん剥いても、見えねえもんもあるんだけどなあ・・・・・・。」
「座頭市かよ。」
映画の登場人物の台詞を真似てみた僕に、再び教科書を握った腕が振り下ろされた。
バシッ、としか表現の仕様の無い音が教室に響く。
「観点を変えてみれば僕が寝ていたのではなく、先生達が起きていたと言えるのではないだろうかお?」
僕がめげずにそう言ってみると、再び教室にバシッという音が響いた。
「観点を変えてみれば、私が殴ったのではなく内藤が殴られたとも言えるのではないだろうか。」
赤城先生がしれっとした顔で言った。
さらに何か言おうと口を開く僕に対して、先生は丸めた教科書を広げ、背表紙を下にして構える。
言わずもがなの事だが、背表紙で殴られるのは痛い。
とてつもなく痛い。
10 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 17:58:47.62 ID:3evcZIzy0
「観点を変えてみれば、これが痛いのではなく今までのがそれほど痛くなかったとも言えるのでは―――」
「わかりました!!!わかりましたお!!!!もう寝ませんお!!!!」
そんなもので叩かれてはたまらないとでも言うかのように、僕は先生の台詞をさえぎって声を上げる。
それを見て先生がニヤリと笑った。
僕は大人しく廊下に出た。
教室から出て行く僕をツンが呆れたような目で見ていた。ばか。ツンの口の形がそう動いた。
「内藤君、君、今日はやけに眠そうだね。」
文芸部の部室で部長がそう言った。
その手には本が一冊。
タイトルには「娑婆――我が生涯」。自伝のようだ。
部長がその本を読み始めて三十分ほど経つが、未だに数ページしか読み終わってない。
「はい、昨日あまり寝てないんですお。」
僕は今日もまた部室を訪れていた。
別に大した活動もしていないので、ずっと幽霊部員でもよかったのだが、なんだかこの部活の静かなふいんき(←何故か変換できない)を気に入ってしまったのだ。
「睡眠不足かあ・・・。寝ないのはよくないよ。うん、寝ないのはよくない。」
部長はしきりに何かに納得するように頷く。
「まあ、かく言う私寝不足なのだけどね。眠くてしょうがないよ。」
11 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:00:17.13 ID:3evcZIzy0
確かに、部長の目の下にはうっすらとだがクマができている。先ほどからしきりに目をこすっていたが、そういうことだったのか。
手に取っている本がなかなか進んでいないのも眠気のためだろう。心なしか、何時もは物静かできっちりした印象のある部長が今日は気だるげだ。
「部長も寝て無いんですかお?」
「うん、昨日の夜はネットの掲示板に書き込んでてね。ちょっと面白い事があって、ついつい夢中になって徹夜してしまったというわけだよ。」
これは奇遇な事もあるものだ。僕とおなじく先輩もインターネットの掲示板に書き込んでいてで寝ていないらしい。
そう思いつつ、今朝コンビニで買って来たペットボトルのレモンティーに口をつける。どうでもいいが、僕はアップルティーよりもレモンティーが好きだ。
コンビニのアップルティーは風味も薄いし全然味がしないが、レモンティーならほどよい酸味がある。
「部長も寝ないでインターネットですかお。僕もですお。」
「うん。ゆとり君っていうおもしろい人が暴れててね。見ていたらどうしても途中で目を離すことができなくなっちゃって・・・。本を読んでいても転寝してしまうんだよ。」
先輩の口から「ゆとり君」という単語がでた瞬間、僕は飲んでいたレモンティーを吐き出しかけた。
「悔しい事に途中からしか見れなかったんだけどね。最初の方のログはDat落ちしちゃってて、見れないんだ。残念だよ。」
本当に残念そうに、悔しそうな表情と口調でそう言う部長。
対して、僕の心臓はここで聞くとは思わなかった、昨日つけられたばかりの自分のあだ名を聞いて早鐘を打ったようにバクバクと脈打っている。
12 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:02:04.26 ID:3evcZIzy0
「そ、そうですかお。残念でしたね、部長。」
なんとか平然と返事をする事ができた・・・・・・はずだ。少し声が震えてしまったかもしれない。しかし大丈夫だ。大丈夫だ。だから部長よ、何故そんな怪訝そうな顔で僕を見る。やめろ、そんな目で見るな。落ち着け、落ち着け、落ち着け、僕。素数を数え(ry
「ところで内藤君、君、さっきから私のことを部長、部長としか呼ばないけど、私の名前を覚えてないのではあるまいね?」
だが、部長は僕の心配を他所に話題を変えてくれた。助かった。
「そんなことないですお。もちろん覚えてますお。佐伯・・・・・・。」
「佐伯?」
「佐伯・・・・・・・・・。」
おかしい。何故だか思い出せない。部長の名前は佐伯・・・・・・・・・、なんだったっけ?佐伯み・・・、み、なんとか。
「佐伯・・・・・・みずち・・・?」
「・・・・・・・・・・・・。そんな名前の人間がいると思ってる?」
「・・・・・・・・・。美樹?美香?美咲?」
「・・・・・・・・・・・・もういいよ。」
13 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:03:56.43 ID:3evcZIzy0
部長は冷たい視線でを僕に向け、不満そうに口を尖らせる。
「名前なんてかざりですお。」
「・・・・・・・・・・・・。」
部長の氷点下の視線が突き刺さる。
その時、部活の終了を告げる鐘が鳴った。校舎内に残っている生徒はもう帰らなければならない。
僕は救われたと思いつつ、荷物をまとめて、部長に挨拶するとさっさと部室から出て行った。
背中に刺さる部長の視線が痛かった。
しかし、本当に部長の名前ってなんだったっけ?
「お、内藤、今帰り?」
「ん?内藤は帰宅部じゃなかったかな?」
部活を終え、校門に向かうために校庭を横切る僕にギコとショボが声をかけてきた。
二人ともマンガに影響されてテニス部に入っている。今までは僕は帰宅部だったので、帰りの時間が重なる事は無かったのだが・・・。そう考えると、やはり面倒だが部活に参加するのも悪くは無い。
14 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 18:04:34.82 ID:vSZiCHHvO
無糖に戻ってるw
15 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:07:06.23 ID:3evcZIzy0
「昨日から文芸部に入ったんだお。」
「文芸部って、あきらかにやる気無いな、おまえ。」
「まあ、まだ幽霊部員になると決まったわけじゃないんだ、そういうなよ、ギコ。」
「でも正直、結構文芸部おもしろいお。」
「そうかい。ところで内藤、これからギコと吉牛行く予定なんだが、来るかい?」
「行くお。」
「なあ、なんで吉牛っていうの?おまえ牛丼嫌いだから何時も豚丼ばっかり食ってるじゃん。吉野家って普通に呼べば良いのに、なんでお前等吉牛とか言うの?」
「いや、吉牛は吉牛だろう。吉野家なんていちいち言うの面倒だしね。」
「は?『よしぎゅう』のがいいにくいし。吉野家の方が言いやすいし。」
「どうでもいいと思うお、そんな事。」
「よくねーよ。うわ、今まで俺こんな奴等と付き合ってたんだ。うわ。」
「ところでショボ、文系と理系、どっちに進むお?」
「別に、大学には行かないと思うし、どっちでもいいかな。」
「進学しないのかお?高卒?DQN?」
「誰がDQNだ。ぶち殺すぞ。家の都合で、家業関係の仕事に就くことになると思うから、大学なんて出てても出て無くても関係無いんだ。」
「ふーん、そうかお。」
「おいコラ、お前等無視すんな。吉牛って言うのもうやめろ。吉野家ってちゃんと呼べ。」
「なんでそんなに拘ってるの?」
その後、僕等は牛丼を食べて、暇つぶしにカラオケに行った。父の帰りは遅いので、多少家に帰るのが遅くても怒られる事は無い。というか、放任主義なのでどれほど帰りが遅くなっても怒られる事は無いだろう。
16 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 18:07:38.55 ID:Smz+4P3/O
余談ですが、『ふいんき』ではなく『ふんいき』と打てば雰囲気と変換できますよ
17 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:08:44.64 ID:3evcZIzy0
>>16 どうもご丁寧にありがとうございます。
これからは気をつけます。
18 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 18:08:59.61 ID:Q3Z5U8lO0
>>16 m9(^Д^)プギャアアアアアアアアアアアアアアアアア
m9(^Д^)プギャー!!
9(^Д^)プギャー!!m
(^Д^)プギャー!!m9
^Д^)プギャー!!m9(
Д^)プギャー!!m9(^
^)プギャー!!m9(^Д
)プギャー!!m9(^Д^
プギャー!!m9(^Д^)
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ャー!!m9(^Д^)プギ
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!!m9(^Д^)プギャー
m9(^Д^)プギャー!!
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m9(^Д^)プギャー!!
19 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:11:22.74 ID:3evcZIzy0
「真夏に始まるセレナーデ、Oh Oh Oh〜」
個室の中にギコの調子っぱずれな歌が響く。安いこのカラオケは個室の壁が薄く、隣の個室の歌がかすかに響いてくる。隣の個室に響いているのは「月月火水木金金〜」という軍歌だった。古めかしい歌だが、歌ってる奴はやたらと上手い。
やがて、ギコの歌が終って採点が始まった。
「うわ、51点ってwwwおまwwww」
「テラヘタスwwwwだな。50点代取る奴ってはじめて見たよ。」
「なんだコレ?壊れてるんじゃねーの?」
「そうだな、ギコの歌に51点もやるとは。壊れてるとしか思えん。」
「ちょwwwww」
久しぶりにカラオケに行ったような気がするが、自分が最低の糞っ垂れた殺人犯だという事を忘れられるほど楽しかった。
無性に泣きたくなった。
「あ、次またレンジか。うわ、誰?こんなにレンジ連チャンしてる奴。」
「あ、俺だわ。」
「ぶち殺すぞギコ。」
「花びらのように塵行く中で夢みたいに〜」
個室の中にギコの調子っぱずれな歌が再び響きだした。
どうやら次の曲に突入したようだ。
点数はあまり期待できそうに無い。
けれど、きっと僕の人生に点数をつけたら、50点どころではないだろう。
いや、そもそも採点すらされないだろう。
「愛し合って〜喧嘩して〜」
三度はずれながらギコの声が響いた。
20 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:14:39.76 ID:3evcZIzy0
ショボ、ギコと分かれたのは七時を回ってからだった。
父の部屋にはもう灯がついている。今日は早い帰りのようだ。
ドアに鍵がかかっているのを不思議に思いつつも、きっと父は僕が既に帰っていて、自室にいると思っているのだろう、と思い鍵穴に鍵を挿し込む。
カチャリ。
鍵が開く。心なしか今日の鍵が開く音は耳に心地良い。「ただいま」という僕の声が家の中に響く。返事は無いが、既に家に僕をム化手くれる人間が居るとわかると、嬉しくなる。
家に帰った僕は、そのまま自室へと向かい、早速PCをつけて履歴から昨日の掲示板を開く。
今日はこの掲示板のことを考えるたびにイライラしいた。
だが、昨日の妙な顔文字を使う奴の書き込みを信じるなら、あのスレッドの過去ログを漁れば、僕の知りたい情報を得られるかもしれない。
大丈夫、今日の僕は冷静だ。
連中の煽りごときで僕は冷静さを失わない。
自分に言い聞かせるように何度もそう呟き、掲示板のスレッド一覧を表示する。
すると、真っ先に目に飛び込んだスレッドが一つ。
「ゆとり先生総合スレッド Part2」
何やら先生づけで呼ばれている。
僕は嫌な予感を抱きつつもそのスレッドを開く。
「だから絶対釣りだって。全部二〜三分間隔で書き込んでんだぜ。」
「あれ絶対、トイレも水分補給とかもしてないし。絶対廃人。初心者のわけがない。」
「いや、でも釣りにしては書き込みが感情的過ぎる。最初はネタのつもりだったのかもしれんが、本気になってたのは間違いない」
「お前等、だんだん過疎って来てるぞ!!先生の偽も少なくなってきてるし、早く『汚名挽回』しないと先生来ないぞ!!」
「汚名挽回wwwwwww」
21 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:16:34.10 ID:3evcZIzy0
予想通り、そのスレッド内は僕を馬鹿にするような書き込みばかりで埋まっている。
「・・・・・・・・・・・・。」
僕は黙ってIEをとじてPCの電源を切った。
これ以上見ていると、また昨日のように徹夜で書き込む、等という事になりそうなので、気分転換に外へ出る。
パーカーを掴み、それを羽織りながら玄関の扉を開けたところで―――
―――丁度外から玄関のドアノブを掴もうとしていて刑事と向かい合う形になってしまった。
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
今更だが、 僕は自分が殺人犯だという事を忘れていた。
罪の意識を感じていないのだから当然だ。
「・・・・・・どうも。」
「いえ、こちらこそどうもですお。」
「とりあえず、今お話いいですか?」
「・・・・・・はい(なんだこのふいんき^^;)」
なんだかやけに相手の刑事が遠慮がちな声を出してくるので、僕の方としても対応に困って妙な空気が流れてしまう。
22 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:17:25.84 ID:3evcZIzy0
「お父さんが亡くなって大変だとは思いますが・・・。」
「は?」
ちょっと待て、今目の前のコイツはなんと言いやがった。
「ですから、お父さんがお亡くなりになって・・・。」
「いえ、父ならここに居ますお。」
僕はそう言って父の部屋をノックして、ドアを開ける。
「・・・・・・・・・あれ?」
だが、部屋の中に電気はついていれど、人の気配は無い。
というか、誰も居なかった。
「・・・・・・・・・・・・。」
刑事が可哀想なものでも見るかのような目で僕を見てくる。
ちょっとまて、これはあれではないか?
本当に父が死んだというのなら、「家族が死んだのを受け入れられず、頭蛾ぶっ壊れた変な人」として見られているのではないか?
僕の顔に狼狽が浮かぶ。
23 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:18:13.82 ID:3evcZIzy0
「そうですね・・・元気そうで何よりです・・・。」
焦った僕の表情をどうとったのか、刑事はそう言った。
いや、待て。ちょっと待て。刑事よ、おまえは勘違いをしている。
「じゃあ、ちょっと日を改めて」
「ちょwwwおまwww待てwwwwもっとkwskwwwww」
僕と目を合わせないようにそそくさと立ち去ろうとする刑事を無理やり引き止める。
すると、刑事はいよいよ声を荒げて逃げ出そうとする。
「お父さんは生きているんでしょう!!!ならいいじゃないですか!!!」
「ちょwwwまてwwwwだから勘違いだってwwww」
「離せ!!!警察呼びますよ!!!」
「おまwwww落ち着けwww警察はおまえだwwwwww」
こんなやりとりが、誤解を解くまで十分ほど続いた。
死のうかな!!
第四話・完
24 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 18:20:46.61 ID:3evcZIzy0
なんか早くもgdgdになってきた。
大まかなあらすじとラストしか考えずに行き当たりばったりで書いた。
反省はしている。
さっさと次の話書いてくる。
25 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 18:40:57.10 ID:1a7UGWJP0
俺は蟲師が読みたいわけだがもう書かんのか
26 :
木村 亮:2006/02/21(火) 18:40:59.86 ID:XKPZG2oy0
■通報祭りのお知らせ■■■■■■■■(^ω^;)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■フジテレビの書類選考突破した 「木村 亮」 が本名を2ちゃんで晒す ■■■■■■■■■■
284 名前:就職戦線異状名無しさん 投稿日:2006/02/21(火) 14:02:22
木村 亮 様
こんにちは。フジテレビです。
この度は、当社の一般職採用にエントリーしていただきありがとうございました。
慎重に選考させていただいた結果、あなたは書類選考を通過しました。
次は筆記試験となりますので、
左メニュー「予約・確認フォーム」ボタンからご希望会場を予約してください。
※美術職と併願の方で、両方の書類選考を通過された方は、筆記試験の内容は同じですので、1回の受験で結構です。つきましては、一般職画面ではなく、美術職の合格発表画面から筆記試験の予約を行ってください。
※筆記試験の予約は2月24日(金)午後2時までです。早めの予約をお願い致します。
株式会社フジテレビジョン 人事部採用担当
【本命?】テレビ局への就職10ch【練習?】
http://money4.2ch.net/test/read.cgi/recruit/1140283484/ ■■皆でフジに通報して就職を阻止しようぜ!木村亮くんもニートVIPPERの仲間入りだ!■■■■■■■■■■
27 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 18:41:12.25 ID:cWPo6+ROO
ほ
28 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 18:44:04.97 ID:e9xqRIlf0
wktkしながらバイトに行ってくる
29 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 19:00:31.43 ID:ORaHezPa0
たなは
30 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 19:16:50.59 ID:PvI5Ss880
最初は暗い話だったのに、途中から何か軽いなwwwwww
31 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 19:21:18.96 ID:3evcZIzy0
終わりは感動系にしようと思ってる
32 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 19:43:11.63 ID:PvI5Ss880
保守
33 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 19:59:02.38 ID:cWPo6+ROO
ほ
34 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 20:00:40.31 ID:f4Uvjoru0
復活しているとは
35 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 20:21:47.37 ID:3evcZIzy0
第五話 「空空寂々」
涙の無い幸福は無く、死のない生は無い。注意しろ!我はお前に涙を流させよう!
―――"赤蜘蛛"ルツィアン・スタニャック
女性ばかり20人陵辱し、殺した連続殺人犯。上の一節は彼が週刊誌に送りつけた怪文書。
「それじゃあ、お父さんがお亡くなりになった事は悲しい事ですが、事実として受け入れて―――」
「だからさっきのは勘違いだっていってるお!!」
しつこく僕を頭のかわいそうな人だと疑い続ける刑事にそう言うと、刑事は監察医務院から出て行った。父の死因は検死解剖のため、警察の霊安室ではなく監察医務院に送られていた。
僕は監察医務院の霊安室のベッドの上に転がっている父を眺める。
父の死体がここに担ぎ込まれたのはつい三時間前だという。そして死亡したと思われるのは三日前。
ついでに言えば、父の部屋の電気はつけっぱなしだったらしく、僕はずっと父が帰ってきているものと思い込んでいたというわけだ。
父の勤務先の病院から昼に何度も電話がかかってきていたらしいが、僕は学校にいたり、外に出ていたりで受け取っていない。
36 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 20:22:07.51 ID:3evcZIzy0
「・・・・・・・・・。」
すでに腐敗は始まっている。
体中の皮膚や肉がぐじゅぐじゅになっていて、殴られたものと思われる跡がある皮膚の下から黄色い透明な液体がだらだらと垂れている。
刑事が言うには、父を殺したのは集団リンチ強盗と呼ばれている連中らしい。
ただ、連中についてはもう内偵が進んでいるので、逮捕まで持っていくのは時間の問題だという。
「・・・・・・・・・はは・・・。」
僕は弱弱しく笑った。
何と言うことは無い、僕はあの夜、連中の一人を殺して仇を討っていたのだ。
「はははは・・・・・・。」
僕の口から漏れる乾いた笑いは止まらない。
笑いながら、既に物となってしまった父を眺める。
父のようになるのが夢だった。
何時か父よりも立派な医者になるのが夢だった。
だがもうそれは適わない。
父はもう居ない。
死んだ人間は追い越せない。
死んだ人間は何もできない。
死んだ人間に対しては何もできない。
37 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 20:22:55.63 ID:3evcZIzy0
僕は狂ったように漏れ出す笑いを止めると、スッと立ち上がった。
行く場所はひとつ、父の勤めていた病院だ。
時刻はまだ9時。僕は裏口からそっと病院に入ると、手術室からメスを数本持ち出した。
生前に父が使っていたかもしれないものだ。
道具は揃った。
やる事は一つだ。
彼等は程なくして見つかった。
人通りの少ない道を適当にふらついていたら、彼等の方から僕に近づいてきてくれた。
四人から一人減って三人。相変わらず体のどこかに白い衣服を着けている、時代遅れの勘違いファッション。何時の時代の人間だおまえ等。
というか、前と同じように僕の襟元を掴んで路地裏に引っ張り込んできた。
向こうから人目につかないところを用意してくれるとは、都合がいい。
「なぁ、オマエこの前ジュンがぶっ殺すって言ってたヤツじゃん?なんで生きてんの?」
「つーかオマエ、オマエだよオマエ、オマエを殺すって言ってからアイツ居なくなっちゃったンだけど、どゆこと?」
38 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 20:23:30.57 ID:3evcZIzy0
どうやら僕が殺してやった奴はジュンと呼ばれてるらしい。
それにしても相変わらず頭の悪そうな喋り方をする連中だ。
「なぁ、聞いてンのオマエ?マジイラつくし。マジ死ねし。なンとか言ってくーだーさーいーってば。」
「ジュンどこやったんだよ?コラ、ねえ、答えてくれないとオレ等マジ悲しいなぁ、実際。」
僕はそれを聞いて苦笑する。
彼等の言う「殺す」とは、せいぜい金欲しさとストレス解消に相手を痛めつけて転がすだけなのだ。その際に運悪く死んだ奴が数人いるだけ。実際、死んだのは被害者15人のうち3人だけだ。
いや、父も入れれば16人中4人か。死ぬ確立はたったの4分の一。そう考えれば父は運が悪かったようだ。
そう考えたところで右頬を殴られた。
痛い。
「テメー何笑ってくれちゃってンの?ねぇ?ねぇ?マジでジュンどこやってくれちゃったの?」
しらねーよ。お前らのお友達なら今頃心臓だけドクオとかいう食人狂に食われてるよ。バーカ。
「いい加減答えてくれねーとぶっ殺しちゃうよ、ねえ?」
「なあ、コイツ、殴られてもずっと笑ってんだけど?やっぱ変なビョーキなんじゃ―――」
39 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 20:23:47.43 ID:qn9BBqMW0
めっちゃwktk
オモシロス
40 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 20:24:02.92 ID:3evcZIzy0
そいつの言葉はそこで止まった。
というより、止めさせられた。そいつの喉には一本のメス、尖刃刀が根元まで突き刺さっていた。
言うまでも無く、僕が父の病院から持ち出したものだ。
「あ゙・・・・・・」
信じられないものでも見るかのように、そいつが自分の喉に刺さった銀色の物体を眺めようとする。
―――いや、自分じゃ自分の喉に刺さったメスなんて見れないって。
僕は現実についていけていないそいつに優しく笑いかけてやる。
「おまえ、うっさいお。」
そのまま、喉仏を砕いて突き刺さったメスの切っ先を捻り、血管と肉をズタズタにしながら引き抜く。
が、メスは半ばほどからボキリと折れている。
やはり、人を壊すのは楽じゃない。
刺された男が地面を転がる。
他の二人は呆然とその様を眺めている。口を半開きにしてボーっと。間抜けが。
僕はポケットから新たなメスを取り出すと、うな垂れて両手で首を押さえる男の後頭部に突き刺す。メスの切っ先は男の小脳をぐちゃぐちゃにかき混ぜながら貫通。手にゼラチン質の物をかき混ぜてぐちゃぐちゃにしたような感触が残る。楽しい。
男は目玉をぼこりと飛び出させ、鼻と口の端から血を流しながら動かなくなる。
放っておけばそのうち死ぬだろう。
41 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 20:25:05.96 ID:3evcZIzy0
僕はメスを男の後頭部に突き立てたまま、残りの二人へと向き合う。
ここになってやっと残った二人も動きをみせた。
僕に近い方の背の高い奴が小さめのツールナイフを、その後ろにいた奴が落ちていた木材を拾い上げようと手を下に伸ばした。
僕は素早くポケットから出した新しいナイフを、下に向けて落とすように投げる。
地球の重量と僕が投げた時の勢いが合わさったそれは、木材を拾おうとした男の右手の甲に難なく突き刺さり、貫通すると、コンクリートの地面にぶつかり、硬い音と共に弾かれて止まる。
腱が集中している手の甲を貫かれたのだ、しばらく男に右手は使えないだろう。
だが、そうこうしているうちに、ツールナイフを持った男が僕に接近してきている。
―――しかしちっさいナイフだお。
新しいメスをポケットから取り出している暇はない。
僕は退かずに、逆に相手に接近。
両手を大きく広げると、男の両耳に叩きつけて、鼓膜を潰す。
鼓膜を破るつもりの勢いで叩きつけてやったのだが、実際に敗れたかどうかは分からない。
ともあれ、相手は耳への衝撃で平衡感覚を失い、よろめく。
僕はそのまま四指で相手の頭を押さえつけてアイ・ゴージに移行。
親指で相手の眼球を押し込み、掻きまわし、抉る。そして相手の眼窩から親指を乱暴に引き抜くと男の間合いから飛びずさる。
対して、たまらず男は悲鳴を上げてツールナイフを取り落とし、両手で目を押さえる。
目が潰されたぐらいで武器を落として泣き喚くとは、情け無い奴め。
まあ、実際に自分が目と耳を潰されたら、武器を握ったまま抵抗できるかどうかを聞かれたら微妙なところだが・・・。
などと考えたところに、僕の額に木材が迫る。
42 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 20:25:32.70 ID:3evcZIzy0
そして僕の脳内に響く鈍い音。
僕の額の上を駆ける灼熱感。どうやら殴られたらしい。
だが、アドレナリンで興奮状態になっている今、対して痛みは感じない。
額から漏れてきた血が左目にかかり、視界を妨げるが、も見合いになってしまえば関係ないだろうと思い、相手にそのまま寄りかかるように近づく。
額から血を流しながらも平然と向かってくる僕に気おされたのか、残った男がヒッと呻く。
情けない奴。
しかし、それも仕方の無いことだろう。
男達にとって、今のような状況は、本当に相手の命のやり取りをしなければならない状況に陥ったのは初めてなのだろう。
彼等がこれまで暴力を振るってこれたのは四対一という数の上での有利があってのこと。
男がひるんだ隙に、僕はポケットからメスを取り出す。
急いでいたせいで尖刃刀ではなく、円刃刀を取り出してしまったが、まあ構わないだろう。
新たなメスを抜いた僕を恐れた男は、手にした木材を滅茶苦茶に一振りした。
それは攻撃とは呼べないようなお粗末な一振りだった。
追いつめられた動物が暴れたり、捕まえられた虫がでたらめに節足を動かすのと同程度の、原始的で幼稚で、みすぼらしい一撃。
窮鼠猫を噛むとは言うが、果たして男の牙は僕には届かなかった。
恐怖のためか目を閉じていたし、腰が引けているため、まともな力は篭っていない。
僕はその一撃を後ろに軽く体をそらす事でかわすと、体を後ろにそらした分、崩れた体勢を直すように足に力を込めて、倒れこむように男に接近。
そのまま円刃刀で男の頚動脈を切り裂く。切り裂かれた動脈から、噴水のように澄んだ血が噴出す。円刃刀は突き刺すのにはともかく、薄く皮膚を切り裂くのには向いている。
あくまで精密な作業のためのメスなので、比較的体表付近にある静脈では無く、動脈を切り裂くほど深く刺すのは至難の業だが、力任せに無理矢理切り裂いてやった。
43 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 20:26:13.15 ID:3evcZIzy0
まずはここまで、続き書いてくる。
また来る
ノシ
44 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 20:27:30.35 ID:qn9BBqMW0
乙ですた
45 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 20:27:48.30 ID:dUjf+bIO0
乙!!
46 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 20:28:15.75 ID:rj4pkFwdO
47 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 20:32:58.05 ID:/tHgrT9V0
おつ
48 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 20:43:00.00 ID:7OpczFVp0
乙保守
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 20:57:58.58 ID:8f5GQPSTO
星
50 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 21:07:19.21 ID:7OpczFVp0
正直メスってかなりの確率でバレるよな
51 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 21:21:25.54 ID:7OpczFVp0
保守
52 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 21:34:31.63 ID:3evcZIzy0
相手は少し屈んで、血を噴出す首を押さえて止血しようとする。
が、慌てた男の手つきでは完全に止血する事が出来ず、血はもれ続ける。
あっという間に血が流れ出て、男の顔は青ざめる。
そのまま白目をむいて倒れこんで絶命。
うわ、あっけなッ!
ひと段落ついたかと思うと、興奮が収まってきた。
冷静になると共に、頭に受けた傷が灼熱間と共に疼きだしてくる。
殴られた衝撃か、頭の奥が痛い。額というのは比較的流血しやすい。
出血しているので、無い出血しているというような事は無さそうだが、その痛みに足元がふらつく。
―――ああ、いけない。目と耳潰しただけの奴に早くとどめ刺さなきゃ。
そう思って手をポケットに伸ばすが、体の方はもう辛抱たまらんとでも言うかのように、地面に倒れこむ。
―――ああ、刺さりっぱなしのメスも回収しなきゃいけないのに・・・・・・。
だんだんと意識が遠のいていく。
―――なんだよ、糞。人間は壊れにくいんじゃなかったのかよ。一発殴られて終わりなんて、僕は随分脆―――
53 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 21:34:54.42 ID:3evcZIzy0
「・・・・・・・・・・・・?」
一瞬のうちに視界が暗転したかと思うと、僕は奇妙な空間にいた。
見渡す限り何も無い、色も無い、不思議な空間だった。
白いわけでも黒いわけでもない、ただひたすら透明なだけの空間。
そこには一つの扉があった。
僕の家の扉だ。
そして僕の手には鍵がある。
分かっている。これは夢だ。
この扉は今まで僕が閉じてきて、押さえつけてきたものだ。
この扉を開けないと僕には前に進めない。
僕は躊躇無くその手に握った鍵を鍵穴へと伸ばす。
だが、鍵穴に鍵が入ろうかというところになって、僕の腕は止まる。
それ以上、腕が進まない。
腕の先がぷるぷると震える。
力を篭めれど篭めれど、腕は前へは進まない。
いや、進ませる気にならない。
「開けてもどうせ誰もいない。」
鍵を開けらない僕に、前に進めずに、かといって下がることも出来ずに鍵を持ったまま震えるだけの僕に、後ろから声がかかった。
54 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 21:35:41.88 ID:3evcZIzy0
軽く体を傾け、首を動かして後ろを振り返る。
背後のそいつは、僕が振り向いたのを確認すると、さらに言葉を紡ぎだす。
「どうせ進んでも、鍵を開けてもそこには誰も待っていなくて、ただ寂しさが待っているだけで。」
「・・・・・・・・・・・・。」
僕の後ろに居たのはあの夢の中に出てきた男、彼女を殺す前に出てきた男だった。
手首の先から無くなっている右手、体中につけられた傷、そして首から上についている、斜めに傷の入った頭。
今までどうしても思い出せなかった男の顔がそこにあった。
「だからその鍵をあけることに意味は無い。今までと同じ、誰も待っていてくれない生活が続くだけ。」
「・・・・・・・・・・・・。」
そいつは、よく見慣れた顔をしていた。
毎日見ている顔。
毎朝、鏡を見るたびに映っている顔。
そいつは――――僕自身だった。
「今までお前が鍵を開けて、中に誰かがいたことがあったか?無い。無いはずだ。誰もお前を待っていてくれる人間なんて居ない。」
55 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 21:36:09.67 ID:3evcZIzy0
そいつは僕にゆっくりと、聞き分けの無い子供に物事を噛み砕いて教える母親のような口調で語りかけてくる。
わかっている。
こいつは僕だ。
僕があの日あの動画を見て、僕が扉を開けないように、僕を抑え続けてきた”今までの僕”だ。
僕があの動画を見て、”今の僕”になるために殺した”今までの僕”だ。
だからこいつは僕がこれ以上進むのを止めようとする。
「だから―――」
「うっせ。おまえの知ったことかお。」
僕は僕の台詞を途中で遮る。
口の端を吊り上げ、笑いかけながらさらに喋りかけてやる。
「誰か待っててくれなきゃ何も出来ないような間抜けだから、僕に殺されたんだお、おまえは。」
「お前ッ!!!!」
片腕の僕が顔を真っ赤にして飛び掛ってくる。
だが、その間にも僕の腕は鍵穴に鍵を差し込み、ひねる。
カチャリ、という音。
そして――――
56 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 21:36:57.69 ID:3evcZIzy0
周囲を覆っていた闇が少し筒退けられ、おぼろげながら視界が少しずつ開いていく。
いや、開いているのは僕の瞼だ。
少しの間落ちていたらしい。
はっとしてその場から立ち上がり、周囲の様子を確認すると―――
―――目の前にツンが居た。
「ツン・・・、なんでここにいるんだお?」
多分今僕は物凄い間抜けな顔をしているだろう。
何故ツンがここに?
というか、もしかして殺すところを見られた?
「なんかイライラしてたから、つい、ね。」
そう言うと、ツンは彼女の後ろを指差す。
そこには仰向けに倒れて腹をぐちゃぐちゃにかき回された死体があった。
僕が耳と目を潰して転がしておいたあの男だ。
「内藤だって、なんとなく落ち着かなかったからこいつ等殺すために外に出たんでしょ?」
ツンの顔には、あの日の屋上で見せたような満面の笑み。
「で、偶然内藤を見つけたと思ったら、なんか内藤気絶しちゃってるし、起きるのずっと待ってたんだから。」
57 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 21:40:01.71 ID:3evcZIzy0
それを聞いて、僕はさらにきょとん、となった。
ツンの口から発せられた言葉に、完全に僕の思考は停止していた。
―――ちょっと、ちょっと待ってくれ。
――――じゃあツンは、待っていてくれたっていうのか?
―――――あの、鍵を開けて起きた先のこの世界で、待っていてくれたっていうのか?
「はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
突然笑い出した僕にツンがぎょっとする。
だが、僕のほうはそんなツンにはお構い無しに笑い続ける。
とても愉快な気分だった。
両親が離婚してから、こんなに純粋に、ただ嬉しくて笑ったことは初めてだろう。
こんなに心の底から嬉しいと思えて笑えたのは初めてだろう。
僕はたまらずその場で横になって笑い転げる。
「・・・・・・内藤?大丈夫?」
ツンが恐る恐る、しかし心配そうにコンクリートの冷たい床を転がる僕に声をかける。
「はは、なんでも、はははははは、無いお。ははははははははは、ちょっと、嬉しくて。しかし、これは傑作だお、はは、僕を待ってたって、ははははは。」
58 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 21:40:34.86 ID:3evcZIzy0
笑いながらも僕はツンに返事をする。
余りにも僕の笑い声や笑い方が激しいので、ツンはいよいよもって本気で心配し始めた。
僕の額からは血が流れているから、殴られたか何かしたショックで僕が頭がおかしくなったと思っているのだろう。
僕の額の傷を診ようと近づいてくるツンから顔を背けるように、僕は顔を下にしてうずくまる。
そして目の端を気づかれないようにそっと手でぬぐった。
嬉し涙とはいえ、ツンに泣いてる姿を見られたくなかったから。
第五話・完
59 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 21:47:46.34 ID:f4Uvjoru0
乙
60 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 21:47:48.29 ID:7OpczFVp0
乙
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 21:56:51.28 ID:/tHgrT9V0
乙
62 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 21:59:42.39 ID:3evcZIzy0
6、寂滅為楽
数えて無いからわからないが、かなりいいスコアだと思うよ。
―――”散歩殺人鬼”ハワード・アンルー
散歩に出かけている十二分の間に十三人を射殺した殺人犯。
上の台詞は警察に包囲された彼の家に電話をかけた新聞社の「何人殺した?」という質問に答えて。
高いビルばかりが居並ぶオフィス街を一人の男が歩いていく。
日に焼けた浅黒い肌をした少し目が大きめの精悍な顔つきの男だ。
茶に染められた髪の毛は寝癖がついたままボサボサで、ファーのついた茶色のコートを着ている。
いかなる歩法を用いているのか、男は多くの人々でごった返しているオフィス街の中を、他人にぶつかる事無く颯爽と人を追い抜いて歩いていく。
と、目的の場所についたのか、男がふと足を止めた。
国内でも有数の電気会社の本社ビルの丁度真横にくるあたりだ。
男の後ろを歩いていた会社員が、突如として歩みを止めた男に、迷惑そうな視線を向けつつも、男を避けるようにその横をすれ違い、追い抜いていこうとする。
しかし、完全には男を避けられず、男の肩と会社員の肩が盛大にぶつかった。
63 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 22:00:22.25 ID:3evcZIzy0
ぶつかった瞬間に会社員がびくりとした。
なんというか、男は会社員よりも上背があったし、日に焼けた肌はどう見たって不健康なようには見えない。
妙ないさかいを起こしたら――
だが、予想に反して男はぶつかってきた会社員の方になど一瞥も向けなかった。
会社員はこれ幸いとばかりにそそくさとその場を離れながら、首を捻る。
男の肩と自分の肩がぶつかった瞬間、なんというか、巨大な岩や柱にぶつかったように、ぶつかっていって力が全て自分に返ってきたのだ。
事実、衝撃に一歩下がった彼に対して、男は身じろぎ一つしなかった。
―――なんなんだ?あの人は。いや、そもそもあれは人なのだろうか。まるで壁か何かにぶつかったような感触だったぞ。
そう思いつつも、立ち尽くす男を眺める。
男は何かを待つように、顔を天に向けて空を眺めている。
いや、空を眺めているわけではない。男のまぶたは閉じている。
そう、まるで視覚など無駄な感覚であり、男がこれからしようよしている事にはかえって邪魔になってしまうとでも言いたげな―――
その時、一陣の突風がオフィス街を吹き抜けた。
巨大なビルの正面にぶつかった風が、ビルの正面を避けてビルの両側面を吹き抜ける現象、ビル風だ。
64 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 22:01:09.94 ID:3evcZIzy0
ビル風の吹き荒れる中、天に向けて突き出すようにしていた顔で最も天に近いもの、男の鼻がピクピクと震えた。
まるでビル風に混じった臭いを嗅ぎ分けているかのように。
そして何回か鼻を動かしていたかと思うと、男は急にこれまで動かしていた鼻の動きをぴたりと止めて呟いた。
「―――見つけた。」
小さいながらも良く響くその声は、ビル風にかき消される事無く、男から離れていっている彼の耳にも届いた。
すると、ビル風が止んだ瞬間、男が唐突に走り始めた。何の予備動作も無い、制止していた態勢から一瞬のうちに疾走の態勢に入った。
それも、車道に向かって。
男は多くの車が行きかう、信号も横断歩道もない車道を横切り始めたのだ。
――――おいおい。
そう思ったときには男は既に車道を渡り終えている。
信じられないほどの速さだ。まるで野犬や猟犬のような、獣じみた身ごなしと素早さだ。陸上の世界選手ですらあれほど早くは無いだろう。
早すぎてよく分からなかったが、男は衝突しそうになった走行中の車のバンパーの上に飛び乗り、歩いていったように見えた。
完全に無音だったため、殆ど気づいたものは居ないし、あの早さだ。走りはじめる前から男を見ていた彼以外は、あの男の破天荒な行動に気づいてはいないだろう。
そうこう考えているうちに、男の姿は人ごみにまぎれて見えなくなってしまった。
しかし、疾走していた男とぶつかりそうになっていた車が、その後も何事も無く走っているところを見ると、彼が見ていたのは幻なのではないかと思ってしまう。
65 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 22:01:33.45 ID:3evcZIzy0
―――本当に、一体なんだったんだろう、あの人は。
首を捻りつつそう思った彼は、いつの間にか自分が足を止めていた事に気がついた。
路上の真ん中で足を止めている自分に、周囲を通り過ぎていく人間が迷惑そうな視線を飛ばしてくるのを見た彼は、急いで歩きはじめる。
彼はこれから得意先の会社廻りをしてこなければならないのだ。
それっきり彼は先ほどの不思議な男の事を思考から完全に除外した。
66 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/21(火) 22:02:08.73 ID:3evcZIzy0
今日はここまで
67 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 22:03:12.66 ID:f4Uvjoru0
乙ンデレ
68 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 22:06:05.63 ID:asfTzY4j0
これって、まとめサイトないの?
前の分も見てみたいんだけど………
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 22:12:21.73 ID:/tHgrT9V0
乙
70 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 22:12:32.17 ID:7OpczFVp0
●ヽ( )ノ●
●ヽ( ´)ノ●
( ´・●
( ノ● )
( ●´・)
●ヽ´・)
●ヽ´・ω)
`●ヽ´・ω・)
●ヽ(´・ω・`)●
●ヽ(´・ω・`)ノ●
●ヽ(・ω・`ノ●
(ω・`●
(・`●)
(●ヽ )
●ヽ )●
●ヽ( )ノ●
●ヽ( )ノ●
●ヽ( ´)ノ●
( ´・●
( ノ● )
( ●´・)
●ヽ´・)
●ヽ´・ω)
`●ヽ´・ω・)
●ヽ(´・ω・`)●
●ヽ(´・ω・`)ノ● ぬるぽ保守
71 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 22:32:01.01 ID:/tHgrT9V0
ほ
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 22:33:24.76 ID:BW7CEJ5q0
うお!続きキタコレ
73 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 22:46:24.80 ID:Li+cabNFO
むぅたん(*´д`)ハァハァ
74 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 22:55:58.37 ID:EuEDJkIN0
追いついたと思ったらオワタ
作者乙。
75 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 23:05:54.10 ID:pWn+hA6FO
むぅたんアブ板行ったことある?
76 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 23:15:39.36 ID:7OpczFVp0
人少ないな・・・朝には落ちてるかしれね
77 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 23:27:44.61 ID:DDEwt6dO0
誰かまとめ頼む
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 23:34:19.45 ID:7OpczFVp0
だが断る
79 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 23:37:19.41 ID:BW7CEJ5q0
まとめはないが前スレ途中までならやる
80 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/21(火) 23:54:40.31 ID:7OpczFVp0
保守
81 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 00:17:03.10 ID:JnagmlTN0
これは落ちるかもわからんね
82 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 00:44:29.54 ID:JnagmlTN0
保守
83 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 01:01:02.39 ID:beYYJfKy0
ほ
84 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 01:22:39.53 ID:zPDLf7Sy0
浮上
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 01:29:37.46 ID:w/l6rxYnO
保守
86 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 01:39:05.60 ID:w/l6rxYnO
保守
87 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 01:57:25.21 ID:w/l6rxYnO
保守
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 02:21:10.62 ID:h7v+gcqGO
チンコ切ったれ!!
/| /l
シャキン 彡|| //ミ
シャキーン! ||//ヾ
/ Oヽ
|レ/|lD)
∩ノし1
// ||
// ||
// |キ
// ∧ //
//´Д`)//
| /
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| /⌒l
| / / |
ヽ | /
|゙ー'| L
| /(_ ヽ
ノ / ゛し′
/ノ 彡
//
`//
( ヽ
`ヽ、_つ
89 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 02:25:36.02 ID:w/l6rxYnO
保守
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 02:41:00.51 ID:zPDLf7Sy0
浮上
91 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 03:11:04.31 ID:w/l6rxYnO
保守
92 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 03:41:52.36 ID:w/l6rxYnO
保守
93 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 04:00:05.50 ID:w/l6rxYnO
保守
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 04:36:52.07 ID:OJ7E3+W+0
ぽ
95 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 04:47:06.43 ID:2J2An55OO
産まれてきてごめんなさい
96 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 04:52:32.03 ID:w/l6rxYnO
保守
そろそろ寝るか
97 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 06:27:05.73 ID:E77XC/QJO
ほしゅ
98 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 06:51:07.02 ID:9zjBVVMwO
ほしゅんお
99 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 07:26:22.72 ID:9zjBVVMwO
保守
100 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 08:06:35.12 ID:9zjBVVMwO
保守
101 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 08:47:55.84 ID:9zjBVVMwO
保守
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 09:45:23.22 ID:9zjBVVMwO
保守
103 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 09:56:01.79 ID:2ksVIWExO
補習
104 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 10:50:46.38 ID:9zjBVVMwO
誰もいないな保守(´・ω・`)
105 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 11:06:40.59 ID:VlvR1T5H0
hosyu
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 11:38:05.10 ID:fWPzFH7X0
浮上
107 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 11:48:20.13 ID:FV1hUU8Z0
保守
108 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 12:09:06.10 ID:kpUHFk5e0
CAN MURDER BE FUN?
CAN CRIME BE FUN?
REALISE,
HE'S THE SERIAL KILLER
109 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 12:38:51.46 ID:fWPzFH7X0
ふじょう
110 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 12:39:48.17 ID:FSoH4Q820
まとめ何処ー?
111 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 13:08:34.57 ID:FSoH4Q820
ほ
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 13:34:33.12 ID:66eMl+4/O
☆
113 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 13:36:27.75 ID:+f4uIZy+O
あらたな無糖小説か。
期待挙げ
114 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 14:01:52.93 ID:XTTEkgpd0
ho
115 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 14:17:32.41 ID:T4fMXhWE0
無糖氏のってまとめていいの?
116 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 14:35:02.85 ID:FSoH4Q820
まとめか前スレログ誰かplz
117 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 14:42:31.19 ID:+f4uIZy+O
ギャングスターと記憶喪失の方はあるが…
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 15:03:31.30 ID:fWPzFH7X0
バーボン食らった
120 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 15:10:37.82 ID:vtINwA3l0
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 15:50:45.24 ID:0/ZARUtx0
保守
携帯でも見れるまとめサイト作ってくれたら
うちにきて妹をファックしていいぞ
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 16:36:05.33 ID:ijU35AjCO
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 16:36:35.69 ID:0lbtvZB40
⊂二二二( ^ω^)二⊃
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 16:56:15.32 ID:0/ZARUtx0
あqwせdrftgyふじこlp保守
126 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 17:29:26.08 ID:O6Qx4tBMO
保守
127 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 17:50:56.21 ID:YepR2aDyO
ほしゅんお><
128 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 18:21:53.94 ID:0/ZARUtx0
保守守保
129 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 18:39:09.48 ID:YepR2aDyO
>>122 PC用でもファイルシーク使えば携帯でも見れると思うよ
130 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 18:49:53.76 ID:0/ZARUtx0
保守
131 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 19:05:36.15 ID:w/l6rxYnO
保守
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 19:19:35.68 ID:fyUvAwxx0
ほ
133 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 19:39:27.59 ID:0/ZARUtx0
ぬるほ
134 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:42:46.10 ID:ZLnA6Ds/0
あの一件から二週間がたった。僕は変わらずに学校に通い続けていたし、先生にもよく叱られていた。
部活には一週間に二回ほどの割合で参加しているし、家に帰っても相変わらず誰も僕を待つ人間は居ない。
それでもあえて変わった事をあげるなら三つほど。
一つは、あの日以来彼女の夢を見なくなったという事。
もう一つは、僕に見えるようになったものがあるということ。
自転車で学校へ向かう道を登校中の僕のまわりには、学校のそばまで来ているということもあって、多くの生徒が歩いていた。
何の変哲も無い日常風景だ。しかし、僕には彼ら、彼女ら一人一人の胸の真ん中に鍵穴が見える。視線を自分の胸に落とせば、やはり自分の胸にも鍵穴がひとつ。
人の服の上からぽっかりと穴を開けているように見えるそれは決して現実に存在するわけではない。
なんというか、それは“イメージ”なのだ。
うまく説明できないが、僕の脳が人間の中にある何かの要素を“鍵穴”として捉えていて、自分の目にだけそれが実際に存在するように錯覚して映る。
僕は学校の駐輪場に着くと、自転車にチェーンをつける。
自転車から降りると、制服のポケットに手を入れる。
ひんやりとした、鉄の感触。
僕の家の鍵だ。
135 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 19:43:02.52 ID:FSoH4Q820
>>119 遅くなりましたがさんくすです。
でも、パスが分からない……パスワードplz〜orz
136 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:43:04.55 ID:ZLnA6Ds/0
一週間前のあの日、自分の中の扉の鍵を開けたあの日。
これを使えば僕の鍵は開く。だが、周囲を行きかう人々の鍵を開けられるかどうかとなると、答えは否だろう。
これは僕の鍵であって、他人のではない。
鍵は、鍵穴ひとつひとつで違う。そうでなければ鍵の意味が無い。
朝の学校の廊下で、周囲を見渡していると(正確には周囲の人間についた鍵穴を見渡していると)、その中に見知った顔を見つけた。ツンだ。
ツンには鍵穴が無い。
おそらく、もう開いてしまったからだろう。
そして、一週間前のあの日から変わった事のうちの、最後のひとつがこのツンだ。僕は三日に一度ほど、深夜にツンと会っている。
ツンを眺めていると、ツンもこちらに気づいたのか、不機嫌そうに目を細めて舌打ちした。
「今夜会おう」の合図・・・・・・、だったはずだ。
ツンは学校では今までどおりに接すると言っていた。
僕らが二人でやってきたことを考えると、僕らがここ数日で変わったことを周囲に知られるのは得策ではないそうだ。
「会う時は内藤に向けて舌打ちするから」と言っていたはずだ。しかし、人前でこうまで面と向かって、不機嫌そうに舌打ちされると、なんだか心に寒々とした感覚が残る・・・・・・・・・。
それでもそのままツンを眺めていると物凄い形相で睨まれた。
・・・演技ですよね?ツンさん。
思わず敬語で尋ねてしまいそうだった・・・。
137 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:44:09.84 ID:ZLnA6Ds/0
八時三十分。
HRが終わって授業が始まった。
「・・・・・・・・・・・・。」
最近、無言で何か考えてる事が多くなったな、そう思いつつあの日の夜のことを思い出す―――
「一人で三人も殺しちゃうなんて、やっぱり内藤も2ちゃんねらだったのね。」
死体からメスを引き抜くのを手伝ってくれつつ、ツンがそう言った。
「2ちゃんねら?なんだお、それ。」
死体の腹を裂きながら僕が答えを返す。
こうして腹を裂いて腸を露出させておいた方が腐食が早いのだ、とツンが笑いながら説明してくれた。
「何って、内藤も見たんでしょ、動画?」
「動画?」
あらかた、死体三つ分の腹を裂き終わって、最初に刺した男の喉に残ったままになっているメスの破片を抉り出す。
ゴムとゼラチンの中間のような感触が気持ち悪い。血だか油だかで、指を動かすたびにクチュクチュという音が立つので、さらに気持ち悪い。
今すぐやめてしまいたかったが、死体からメス等と言う医療器具が発見されれば、あっという間に捜査は僕の近辺まで及ぶだろう。
背に腹は変えられない。
138 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:46:56.76 ID:ZLnA6Ds/0
「だから、ウイルスにPCのホームページ書き換えられたでしょ?あの時に見せられた動画よ。」
ツンの声に少し苛立ちが篭った。
「あの変な音とか絵がでてくるやつかお?」
「ああ、もういいわ。面倒だし、行くわよ。」
「いや、まず額の傷止血しないと・・・」
「あのね、そんな傷くらい、今のあんたなら放っといても直るの。」
額の傷を抑えてみれば、もう血が止まって、かさぶたどころか新しい皮膚ができている。
「な・・・・・・。」
「ほら、ぼーっとしてないでさっさと歩く歩く。」
「ちょっと待ってくれお、行くって一体何処へ―――」
僕がきょとんとしながらも、死体の喉から取り出したメスの破片をハンカチに包んでパーカーのポケットに入れる。
「内藤の家。」
きょとんとしている僕に、ツンが短く、ハッキリと言った。
139 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:47:31.51 ID:ZLnA6Ds/0
「おじゃましまーっす。」
僕の家に着くなりツンはそう言って遠慮なく家の中を進んでいく。
何故僕の家に行くのかを聞いたところ、「こんな時間に私の家にあんたを連れてったら、家族から何言われるか分からないわよ」と一蹴されてしまった。
「ちょ、ツン、そっち僕の部屋じゃないお。」
僕は父の部屋に入ろうとするツンを押しとどめて、僕の部屋へ案内する。
父の部屋には誰にも入って欲しくなかった。
できれば、ずっと今のこの状態のままにしておきたかった。
なんて、馬鹿馬鹿しい感傷。
「ふーん、結構いいパソコン使ってるじゃない。うわ、液晶画面。」
ツンは僕の部屋に入るなり、PCデスクの前にある椅子に座り、迷わずPCの電源をつけた。
ウィンドウズが起動するまでの間、椅子に座った彼女は講師か名探偵のような気取った態度で僕へと話しかけてくる。
「さて、内藤君は2ちゃんねるについてどこまで知っているのかな?」
冗談めかした口調で質問してくる彼女と、何時も学校でつんけんしている印象しかない彼女のギャップに、僕は戸惑ってしまう。
そうこうしているうちに、ツンは僕の返事を聞かずにさっさと話しを続けていく。
140 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:48:21.03 ID:ZLnA6Ds/0
「なに?内藤君は何もしらない?でもネット初心者の内藤君には仕方の無い事です。内藤君のような原始人はネットを使いこなせずに情報化社会の波に乗り遅れてこの先も就職できずにニート街道を(ry」
「いや、ツン、はやくその2ちゃんねるってのの説明頼むお。ウイルスなんじゃないのかお?」
「やがて還暦をすぎてもニートの内藤君は、少子化から年金も貰えず、血を売って暮らすようになりますが、それだけではとても暮らしていきません。そしてついに内藤君は自分の臓器を―――」
「ちょwww妄想はもういいいおwwwww」
「最初は二つ以上あるものからです。腎臓、肺、それに皮膚等、それでも足りなくなるとついに内藤君は片方の目の角膜を―――」
「おまwwww戻って来いおwwwww」
僕がツンの目の前で右の掌をひらひらさせていると、ウインドウズが完全に起動した事に気づいたツンが妄想の世界から帰還。
インターネットエクスプローラーを起動してURLを打ち込む。
よほど打ち込みなれているのか、その指に迷いは見られない。
「何これ、全然開かないじゃない。回線何よ?」
「え?ケーブルだお。」
「は?光回線通ってないの?何時の時代の人間?」
「・・・・・・・・・・・・。」
目的のURLが開き終わるまで退屈だ、とばかりにツンが再び講釈をはじめる。
141 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:49:06.20 ID:ZLnA6Ds/0
「よく超能力を持ってる人間なんかを、受信してるテレビのチャンネルの違いなんかで表すでしょ?」
「?、いや、よくわからないお。」
「現代伝奇物とか読まないの?ともかく、私達なんかが受信してる普通のチャンネルとは違って、超能力者とかは別のチャンネルも開いてるって感じの例えよ。」
「じゃあ僕等は―――」
「ええ、そういう事。結構物分りはいいみたいね。普通の人間に開いているチャンネルを1チャンネルだとすれば、私達に開いてるチャンネルは2チャンネル。それが2ちゃんねるの名前のもとになってると言われてるわ。」
すると、ツンの目的のページらしい掲示板がインターネットエクスプローラに表示された。
「なんだおこれ?VIP?」
掲示板の名前だろうか。
ページの一番上にでかでかと「VIP」と書いてある。
僕が前に2ちゃんねるについて調べた掲示板と似ているが、それほど賑わっているようには見えない。
ツンがページを下にスクロールしていくと、急にメディアプレイヤーが開いた。
そこに映ったのは、2ちゃんねるに感染して見せられた、あの動画。
「な・・・・・・ッ!!!!」
「慌てなくて良いわよ。私達みたいに、もう”開いてる”人間が見てもなんとも無いわ。」
142 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:52:30.92 ID:ZLnA6Ds/0
驚く僕を尻目に、ツンは「スレッド一覧」と書かれた部分をクリック。
掲示板内のスレッドの一覧が出てくる。
「あった、初心者スレよ。」
そう呟くと、ツンはマウスを操作して、スレッドの一覧から「VIP初心者用スレ」と書かれたスレッドをクリックする。
「ここは私や内藤みたいなのが集まる掲示板。っていうか、そういうの専用の掲示板よ。」
ツンはそう言って、スレッドを下へスクロールしていく。
やがて、一番上に「テンプレ」と書かれた書き込みを見つけ、画面の上からそれを指差す。
「詳しくはここを読んで。」
僕は言われたとおりにその書き込みを読む。
143 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:52:50.71 ID:ZLnA6Ds/0
【VIP初心者用テンプレ】
2ちゃんねらー専用掲示板、『VIP』へようこそ。
ここは2ちゃんねらー同士がお互いに情報を交換し合う場です。
とりあえず、初心者はまずこのテンプレを読んでください。
1.2ちゃんねるって?
貴方がここのトップで見せられた動画のURLと、あなたのIE、ネスケ等に設定されたホームのURLを書き換えるウイルスです。
製作者は不明。最近は、URLをブラクラやグロ、ウイルスの仕込まれた物に書き換える亜種の方が多く流れているようです。
動画のURLが鯖に消されても、しっかりと別の場所に動画をUPして、ウイルスの書き換えるURLに設定されているので、少なくとも一週間おきほどのペースで2ちゃんねるを流している人間(集団?)がいるようです。
2.2ちゃんねるに感染するとどうなるの?
てっとりばやく言うと、貴方は”変化”します。個人差があるようですが、肉体的にも精神的にも丈夫になります。早い話、死ににくくなります。やったな、オイ。
動画か、音源かはわかりませんが、あの動画は貴方の脳になんらかの作用を及ぼし、R領域(つーか、脳幹?)に変化をもたらすようです。
自分の脳みそ掻っ捌いて確認しようなんて奴は居ないので、あまり確かな論拠はありませんが、それがVIP内での通説になってます。
VIPでは「変化した脳のせいで肉体も少しずつ変異していく」という説が定着しています。
144 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:53:14.13 ID:ZLnA6Ds/0
3.2ちゃんねらーって何よ?
2ちゃんねるによって書き換えられた動画、またはここのトップページにあった動画で2チャンネルを”開かれた”人間の事を指します。
今ここでこのテンプレを読んでるおまえだよ、馬鹿。
とりあえず、普通の人間が見ている世界や感じている世界を1チャンネル、我々が今感じさせられている世界を2チャンネルと、暫定的に呼んでいます。
4. なんか人殺しについて話し合ってる連中居るんだけど、大丈夫なの?
大丈夫です。管理人氏によると、あの動画を見て”開かなかった”人間は、このページをもう二度と開こうとしなくなるそうです。
(*注・どうも、動画を見ても”開く”人間と”開かない”人間が居るようです。)
また。この掲示板も、管理人氏の自鯖の上にあるので、発言が削除されたり、掲示板が突然鯖管に消される等という事はありえません。
2ちゃんねらーになると、急に人が殺してみたくなったって人が多いみたいですが、あくまで自己責任で。
5.管理人氏って誰よ?
FO糞、じゃなかった、FOX★氏の事です。
このHPの管理人ですが、自分の悪口が書き込まれるとすぐに削除します。
詳しい事は分かりませんが、”2ちゃんねる”についても何か知っているようです。
6.名無しさんって奴、たくさん居るんだけ―――
「・・・・・・、こんなページがあったのかお。」
読みながら僕は思わず呟いていた。
145 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:53:55.33 ID:ZLnA6Ds/0
「まあ、情報交換なんて言っても、殆どは雑談したりしてるだけだから、一種の趣味や暇つぶしみたいなものよ。」
「ふーん、そうかお。」
「普段からあまり掲示板とか利用しない人は、ただ他人の書き込みを見てるだけって感じらしいわね―――って、何やってんの?」
とあるスレッドを開いて、ヘッドホンを頭につけ、おもむろに携帯に番号を打ち込み始めた僕を見て、ツンが訝しげに質問してきた。
「このオールニート日本っての、面白いお。みんなでリアルタイムで参加できるラジオ番組みたいだお。」
僕の開いたスレッドのタイトル欄には「魔少年のオールニート日本」。
ヘッドホンからはスレッドの書き込みや、かかってきた電話に対応する男の声が聞こえてくる。
男のHNは魔少年DT、と言うらしい。
僕は居てもたってもいられなくて、即電話をかけた。
一コールですぐに相手が出る。
「あ、魔少年さんかお。僕は、ガ・・・・・・ッ。」
携帯ごしに男に話しかけていた僕の鳩尾を、ツンの拳が容赦なく抉った。
146 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:54:24.31 ID:ZLnA6Ds/0
「な・・・?な、な・・・・・・。」
衝撃で携帯を取り落とす僕。
落ちた衝撃で、変なボタンが入ったのか、通話が切れてしまう。
「人が真面目に説明してるのに、何やってんの?」
ツンが怒りを押し殺した声でそう言ってきた。
怖い。
「す、すまんかったお、ツン。」
正直に謝るが、ツンの表情はまだ険しいままだ。
スレッドを更新してみると、突如として切れた僕の電話に驚いた書き込みがいくつも寄せられていた。
「ちょwww何があったんだ?wwww」
「ガッって言ってたぞwwww何かに巻き込まれたんじゃね?www」
「通報しる、通報。」
「魔少年DT:いや、非通知だったから通報のしようが無い。」
「ネタだろ?」
「ネタだとしたら迫真の演技だったな。」
僕は彼等の会話を名残惜しそうに見ながらも、スレッドを閉じた。
「いい、内藤。あくまであんたがあんた自身の状況を把握するためにVIPを見せてるんだから、遊んでないでちゃんと―――」
148 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:55:06.34 ID:ZLnA6Ds/0
そこで、モニターを覗き込んでいたツンが急に僕からマウスを奪って、一つのスレッドを開いた。
スレッドのタイトルは「馴れ合いはVIPから出て行け」。
僕をPCデスクの前から押し退けると、物凄い勢いで文章をタイプしていく。
そして、書き込み。
「はいはい^^;また懐古ごっこの馴れ合いスレか^^;
君たちは何時だってそうだ^^;ただ文句を言ってみたいだけで自分から何かやってみようとは思わない^^;
そんなに今のVIPが嫌だというならさっさと出て行くなり新しい掲示板を作るなりすればいいんだ^^;
不平を言うだけなら豚にでもできるよ^^;行動しなきゃ、人間なんだから^^;」
ツンのその書き込みを見て、僕は口から心臓を吐き出しそうなほど驚いた。
その書き込みに使われている顔文字、そして特徴的な口調は、僕が別の掲示板で遭遇した奴と全く同じものだった。
「・・・・ツン、その顔文字・・・。」
「ああ、これね。簡単に打てるし、なんとなく余裕も表現できるしで重用してんの。」
「・・・・・・・・・・・・。」
なんだか複雑な気分だった。
ここで文句の一つや二つでも言ってやりたいが、あの”ゆとり君”と呼ばれていた、どうやらネットでは「痛い人」に分類されるのが、僕だったと知られるのはなんとなく恥ずかしかった。
結論、知らない振りをするしかない。
149 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:55:53.59 ID:ZLnA6Ds/0
「まあ、最近はVIPだけじゃなくて、他の掲示板でも使ってるけどね。Vipperなんて、大抵どこかの掲示板と掛け持ちしてる奴ばっかりよ。」
「Vipper?」
「この掲示板、『VIP』の利用者よ。2ちゃんねらーの全員が全員VIPを利用してるってわけじゃないの。2ちゃんねらーになっても人も殺さずに今までどおりに暮らしてる奴もいるらしいし。」
「そうなのかお。」
そんなやり取りを続けるうちに、僕等は次第に当初の目的を忘れ、純粋にVIPで遊び始めた。
「コテ名乗るお。」
「やめときなさい。コテなんて自意識過剰の自己顕示欲の塊みたいな連中の仲間入りなんて。」
「ツン、何かコテに嫌な思い出でもあるのかお?」
「うるさいっ!」
「うわ、やめて!鳩尾はやめて!痛い!痛い!」
ツンとVIPに書き込みを続けているうちに、僕もだんだんとVIPで使われる不思議な言葉の意味を理解できるようになってきた。
「うはwwwテラワロスwwwwマジおもすれーwww」
「はいはい、覚えたばかりだからって、やたらと使いたがらないの。」
150 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:56:59.23 ID:ZLnA6Ds/0
実際、VIPは面白かった。
べらぼうに面白かった。
利用者が特定の人間に限られるからだろう、利用者の数はそれほど多くは無いが、なんというか、個性的な連中ばかりでおもしろい。
下ネタばかりに走る奴、無茶苦茶口の悪い奴、理屈の通じない奴、本当に頭がおかしいとしか思えない奴、ともかくいろんな奴が居る。
書き込みにどんなレスがつくかも十人十色で、見ていて飽きない。
「スレ立てるお。『今、隣にクラスの同級生(女)がいるんだけど』」
「さてと、『
>>1の幼馴染です。このたびは
>>1がこんな糞スレを(ry』、と」
「ちょwwwwおまwwww」
僕がPCから書き込み、ツンが携帯から書き込む。
二人がかりで自作自演したり、からかいあったり、煽りあったり。
そんなやりとりが、ツンが「そろそろ寝なきゃ明日に響く」と言って家に帰るまで続いた。
楽しかった。
本当に、楽しかった。
帰り際にツンが言った。
151 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:57:17.68 ID:ZLnA6Ds/0
「私ね、内藤の事ずっと大嫌いだった。何時もヘラヘラしてて、人が一生懸命生きてるのに、2ちゃんねらーになった時も、真っ先に内藤を殺してやろうと思ってた。」
「ちょwwww」
「でもさ、そんな風に笑えるんじゃん、内藤も。」
ツンが笑った。
やはり、あの屋上で見せたような、柔らかく透明な笑い。
ただひたすらに純粋で、笑いたいから笑っているというだけの、シンプルな笑い方。
きっと、今の僕の顔もツンと同じような表情をつくっているのだろう。
背を向けて離れていくツンが振り返った。
僕は大きく手を振った。
一度手に入れたそれを、二度と失わないように。
必死に手を振ったのだった。
第六話・完
152 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 19:58:28.55 ID:ZLnA6Ds/0
次か次の次あたりで戦闘描写に向けて新展開いれる。
早く戦闘描写が書きたい。
もう設定撒き散らすのは終わりにしたい。
153 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 19:59:47.99 ID:XTTEkgpd0
154 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:08:07.73 ID:JnagmlTN0
魔少年出たwwwwwwwww
155 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:11:39.73 ID:FSoH4Q820
156 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:13:23.83 ID:T4fMXhWE0
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:14:25.27 ID:w/l6rxYnO
やっぱ俺ツンデレ好きだわ
158 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:16:46.61 ID:XTTEkgpd0
>>155 しょうがねーなぁ
大ヒント:doun,not-age,color=brue
159 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:17:36.58 ID:NsAOzg4Z0
160 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:20:03.98 ID:LCB0GWat0
n
161 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:20:58.61 ID:XTTEkgpd0
162 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:21:02.57 ID:1rqaxnQy0
/: : : : / |: : : : : |: : : : /⌒ヽヽ
/: : : : : / |: : : : : | : : : 乂._,ノ:
. /: : : : //―- 、 ___. |: l : : : |、: : : : /|:||
/: : : :/〃 `丶,.|: l : : : | ゝ: : : ~: ~
|: : : / トl!: : : :| ゞ: : : :
|: : / 、 |:.|ヽ: :/ ミ: : : :
|: /! ´ !ノ!: :/ ゝ: : :
∨:l ,xーr‐= 、 __ |:/ ゝ: : :
: : :| __イj;;;イノ イ>、 彡: : :
: : ,' ー-ゝミ ;;;; _ <: : : : :
: :,' :::::::: , `ー´ ミ: : : : :
: :! :::::::::::::: ´  ̄ヽ: : : イ
::ハ l: / |: :
: : ヘ 〃´ !: :
: : : :\ ー フ r−‐ ' ´ |: : ( ´D`)ノ< あざやかに2げろ♪
: : : : | ヽ、 |ミ !: :
: : : : | > ,,, __ ,,, ... ト、 |:
: : : : | /∧ ソ \ !:
ヽ、 : | / / ∧ / / \ |:
163 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:29:38.70 ID:T4fMXhWE0
164 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 20:35:29.58 ID:ZLnA6Ds/0
むしろまとめ大歓迎
165 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:35:46.22 ID:T4fMXhWE0
166 :
161:2006/02/22(水) 20:43:35.06 ID:XTTEkgpd0
許可取るの完全に忘れてたorzマジスマソ
167 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 20:48:21.92 ID:ZLnA6Ds/0
7.天涯比隣
俺が死んで楽園で生まれ変わったとき俺が殺した連中はみんな俺の奴隷になる
―――”ゾディアック”本名不明。
未だに未解決の連続殺人犯「ゾディアック」が警察に届けた暗号文を解読したものの一節。
「出ろ」
牢獄の中の少女に声がかかった。
その空間の中に居るのは少女と、鉄格子を挟んで三人の男達。
声をかけてきたのは三人の男達の先頭に立つ、がっしりとした体躯の看守だ。
牢獄。そう、そこは紛れも無い牢獄だった。
鉄格子つきの、これまた鉄格子のはめられた窓がひとつしかない、薄暗くしめった部屋。
そして中に入っているのはどうみても小学生にしか見えない、長い黒髪の少女だ。
本来なら、そのような少女の入っている場所ではない。
この国において14歳未満の人間は少年法によって、刑務所どころか少年院等の矯正施設に入れることすらできない。
せいぜい家庭裁判所で審判され、保護処分がつく程度だ。
しかし、少女の収容されている独房はただの監獄ではないし、この少女が何者なのかを考えれば、少女一人に対する処置にしても大げさすぎるものではない。
ここは少女のような“種類“の人間を収容するために造られた施設なのだから。
168 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 20:52:38.48 ID:ZLnA6Ds/0
「出ろといっている!!」
看守が苛立ちを含んだ声で再びそう言った。
いや、苛立ちなのではない。その顔に浮かんでいるのは恐怖だ。
大柄な体躯の大の大人が、自分の半分も生きていない幼い少女に完全に怯えていて、それを隠すかのように、自らを奮い立たせるかのように大声をあげたのだ。
だというのに、少女は看守へと視線を向けないどころか、眉一つ動かさない。
“強い”人間はただそこに居るだけで場の空気を支配する。
看守の目の前に居る少女は完全にこの場の支配者だった。
「うう・・・・・・・・・ううう・・・・・・。」
看守は精神的に追い詰められた者特有の表情で、引きつるように震え続ける唇の奥からうめき声を出した。
この施設ができてまだ半年とはいえ、数多くの凶悪犯達を相手にしてきた看守が、この少女の前では完全に恐怖に萎縮しきっている。
だが、それも仕方の無いことだろう。看守の目の前に居るのは、一日で百人近くの死者、重傷者を出した、この収容施設の中でも最大の危険人物とされている少女なのだ。
聞けば、世間的には保護観察処分が下されただけとなっているこの少女は、この収容施設に運ばれてくるときに、看守などの職員を七人も病院送りにしたと言う。
事実、少女がこの収容施設に入れられた日から、看守の同僚数人も欠席している。
さらに、あくまで噂だが、少女は警察に押さえつけられるまでに、カッターナイフ一本で警察官4名を殺害、3名に重症を負わせたらしい。
看守の視線にも視線と恐怖のような物が混じる。
―――なんだ、なんなんだこいつは!出ろと言っているのに、聞こえているのに何故何も反応しない!!
「ちゃんと返事はするように。いくら子供でもそれくらいの常識は知ってるだろう?」
その時、看守に救いの手が差し伸べられた。
看守の後ろに居た二人の男達、そのうちの一人が看守をかばうように声をだしたのだった。
看守にこの部屋まで案内されてきたのだろう、看守の後ろに立っていた、肩まで届く髪を持った黒髪黒瞳の男と、明るい茶に髪の毛を染めた癖毛の男の内、声を発したのは黒髪黒瞳の方だ。
鋭利な刃物を思わせる鋭い視線の持ち主で、どこか酷薄な印象がある。
看守がその男を見て安堵の表情を浮かべると、男はさらに言葉を続けた。
「出て来い、と言ってるんだ。」
169 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 20:53:20.69 ID:ZLnA6Ds/0
男の硬い声が発せられた瞬間、空気が一変した。
これまでは完全に少女が支配していた空間に、無理やり男の威圧感が割り込んだ。
側に居た看守すらびくりとする程の威圧感。
只者ではない。
それに対して、牢獄の中の少女は初めて彼らに気づいたように、初めて彼らに興味を盛ったかのように視線をゆっくりと向けた。
「聞こえてるわよ。うるさいわね。」
少女が気だるげな、心底面倒そうな表情と声色でそういった。
「聞こえているのならさっさと出て来い。」
対して、男は短くきっぱりと、自分の要求だけを端的に伝える。
「はいはい、出ればいいんでしょ、出れば。」
そう言って、少女がゆっくりとした動作で立ち上がる。
「待て、手に握っているそいつを捨ててからにしてもらおうか。」
男がそう言うと、少女は軽く舌打ちして手に握っていた先端の尖った棒状の物体を放り投げた。金属が床にぶつかる音。棒状の物体が床を転がる。
それを見て看守は目を丸くした。
床を転がっていたその物体は、鉄格子の一部だったからだ。
窓をみれば、そこにはめ込まれた鉄格子のうち、一番隅にあった物の一部が切り取られている。
窓の鉄格子は、入り口の鉄格子と比べて細いが、人の手で折れるような物ではない。
看守の顔が目を見開いた状態から青ざめる。
170 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 20:54:20.40 ID:ZLnA6Ds/0
―――どうやってあの高い窓の鉄格子を取ったんだ・・・!!!床から窓まで四メートルはあるぞ・・・・・・!!!
見れば、切り取られた鉄格子の先端は斜めに切られていて尖っている。
―――いや、それより、それよりこいつはこの鉄格子で何をするつもりだったんだ・・・・!!!
何も知らずに自分が先頭に立って少女を部屋から出そうとすると、少女が急に走りよってくる。そしてその手の中には先の尖った鉄の棒が―――
その様を想像して看守の体がぶるりと震えた。
「おまえはもういい。仕事に戻れ。」
看守の様子を見て、黒髪黒瞳の男が言った。看守は青ざめてガクガクと頭を縦に振り、その場から逃げるように離れていくが、男の後ろに立る茶髪の男は特に動じた様子は無い。
「にこにこ」と「へらへら」のちょうど中間のような笑いを顔に張り付かせながら突っ立っているだけだ。
このやりとり自体に興味が無いのかもしれない。
「で、こんな独房に閉じ込めといていまさら何の用があるわけ?」
少女が今までの気だるげな表情から一変して、相手を挑発するような、小ばかにするような皮肉げな表情を作る。
声は不機嫌だが、その表情はどこか楽しそうにも見える。
「14歳未満は犯罪を起こしても家庭裁判所で保護処分を言いつけられるだけ。私でも知ってるんだけど、なんで私はこんなところに閉じ込められてるわけ?」
少女のその質問に、男も皮肉げな表情を作って答える。
「14歳未満の“人間”はな。おまえみたいな化け物に、2ちゃんねらーに法律どおりの普通の処分なんて下せるか。」
171 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 20:55:16.65 ID:ZLnA6Ds/0
男の返事を聞いて、ひっどーい、と少女はおかしそうに笑ってみせる。
「で、なんで今更になって外に出ろって?」
「仕事だ。お前に選択権は無い。ここから出してやる代わりに働け。」
「やだって言ったら?」
「おまえが一生この独房にこもり続けるだけだ。」
「・・・・・・・・・。」
少女が男を静かに睨む。幼いながら、その視線には並みの者なら一秒とて正面から受けていられないほどの殺意が篭っていた。
しかし、少女は男を数秒睨みつけると、観念したように再び口の端を吊り上げ、皮肉げな笑顔を作る。
「ま、ここから出してもらえるってんならそれくらいいいけどね。で、仕事って何すればいいの?自慢じゃないけど、私頭使うのは苦手よ。」
「おまえにできる事なんて一つしかないだろうが。」
「そうね、子供の私を働かせようってんだから、そこら辺の大人よりも私のほうが上手い事、つまり―――」
男は新底つまらなそうに、少女は顔全体で楽しさを表現するように屈託無く笑いながら言った。
『―――人殺しだ。』
男と少女の声が重なった。
172 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 20:58:56.69 ID:MckZjJHbO
とりあえず魔少年殺してまた「おい、無糖君よ、なんだこのあつかいは」と言わせようぜwwwwwwwwwwwww
173 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 21:06:04.39 ID:ZIAVMYwm0
174 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 21:15:27.69 ID:XTTEkgpd0
ho
175 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 21:16:13.56 ID:Osu5kf6+O
奈須の作品みたい
ほ
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 21:50:41.16 ID:2ksVIWExO
干す
178 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 21:57:34.77 ID:ZLnA6Ds/0
「あ、雪だお。」
文芸部の部室目指して部室棟を歩いていると、廊下の窓から雪が見えた。
牡丹雪だ。積もらずにすぐに溶けてしまうだろう。
雪が降るのを眺めていると、犬ではないが庭を駆け回りたくなる。
そんな風に窓から学校の外を眺めていると、学校の裏手にある靴屋に「クリスマスセール」という暖簾が上がっているのが見えた。
靴とクリスマスとどんな関連性があるのかは分からないが、その靴屋を見ていて今日がクリスマスイブだという事に思い至った。
どうりで朝から町の空気が浮き足立っているように感じたのだ、と一人で納得していると、いつの間にか文芸部の部室にたどり着いていた。
「おいすー」
適当に挨拶をしながら部室に入る。
部長も軽く顔をあげて挨拶してくる。
「やあ、内藤君。」
部長は机の上で何かの作業に集中しているらしく、再び視線を机の上に落とした。
見れば、自分の左手の付け根にカッターナイフを押し当てている。
リストカットだ。
指で身長に脈を測って、手首を切ろうとしているらしい。
僕は少し呆れながらも、適当な本棚から本を探す。
「止めないんだね。」
179 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 21:58:52.00 ID:ZLnA6Ds/0
背中に部長から声がかかったので、僕も返事を返す。
「やりたいならやればいいですお。ただ、脈探して静脈なんて切っても死ねませんお。」
部長の持っている本の傾向から、部長が自殺というものに対して興味を持っていることは知っていた。
前々から「完全自殺マニュアル」を読みながら僕に「どの死に方が一番苦しくないのかな」等、色々と質問してきていたし、いまさら驚く事はない。
「リストカットなんてするのはよっぽどのマゾが馬鹿だけですお。手首の動脈切るには、静脈切って腱切って、そこからさらにぶっとい神経を切らなきゃいけないんですお。」
呆れながらも適当に部長に声をかける。
「部長の力じゃ、動脈切るまでに何回もカッターナイフを動かさなきゃいけないと思いますお。
痛さの割には全然死ねないんですお、リストカットは。」
「・・・・・・・・・、流石お医者さんだね。」
「医者志望、ですお。」
「・・・・・・・・・・・・。」
部長はそれっきり黙って手首からカッターナイフをどかすと、鞄から本を取り出す。
タイトルには「娑婆 我が生涯」。まだ読み終わっていなかったらしく、最後の方のページを開いていく。
「これ、誰が書いたかしってる?」
「知りませんお。」
「吹上佐太郎。大正時代の連続少女殺人鬼。」
「・・・・・・・・・・・・。」
また部長のそっち系の知識の薀蓄が始まった・・・・・・・・・。
180 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 21:59:16.25 ID:ZLnA6Ds/0
「これはね、吹上佐太郎が独房の中で書いた本なんだよ。発売と同時に発禁にされたんだけどね。」
「はあ・・・・・・・・・。」
「彼はね、死刑執行前に、ご飯だけじゃなくて自分の墓の前に既に供えられていた葬式饅頭まで全部食べたそうだよ。」
「そうですかお・・・。」
僕の気のない適当な生返事は続く。
「彼はどんな気持ちだったんだろうね。自分の死のために供えられた饅頭を生きながら食べるってのは。死ぬのを知りながら、それでもご飯を食べるってのは。」
部長が遠い目をして言った。
僕は答えない。
それは別に、何か適切な返事が見つからなかったからではなく、
部長がこんな事を言い出すのは何時もの事だからだ。
やはり、部長は答えなど望んでいなかったのか、再び本に目を落とした。
僕はなんとなしに部室の窓から外を見る。
雪はもう、止んでいた。
181 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 22:10:30.33 ID:2ksVIWExO
ほし
182 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 22:12:58.72 ID:ZLnA6Ds/0
部活が終わり、僕は自転車でまっすぐ家に帰ろうと、自転車置き場で自転車のチェーンを外す。
すると、ショボとギコがやってきた。
「やあ、内藤今から帰りかい?」
「今日おまえ暇?」
残念ながら、今日はツンと会う約束がある。
ツンと会うのは何時も夜中なので、問題は無いのだが、最近VIPに夢中な僕は、昨日の夜にVIPに立てたスレがどうなっているのか気になっていたので断った。
「ごめんだお。今日はちょっと用事があるんだお。」
「んだよ、つれねーな。内藤も今日はダメか。」
「仕方ない、僕も大人しくまっすぐ家に帰りますかね。一人でギコの歌を聴くのには耐えられそうに無い。」
「は?ショボ、前から思ってたけどおまえ、俺に喧嘩売ってるだろ?」
「とりあえず内藤、すぐに自転車持ってくるから待っててくれ。」
「は?無視かよ。」
ショボは学校の駐輪場を離れ、校門を出て行く。
しかし、二人は自転車通学ではなく、地下鉄で登校していたはずだ。
僕が素直に疑問を口にすると、
「ああ、地下鉄で登校してるからな、この駐輪場には自転車は無いな。」
「でも自転車を持ってくるって、どういう事だお?」
「ん?レンタルだよ、レンタル。」
「??????」
183 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 22:13:28.87 ID:ZLnA6Ds/0
ギコの要領を得ない回答に僕が混乱していると、自転車を二台携えたショボが戻ってきた。
ギコは「レンタル」と言っていた、どこから借りてきたのだろうか。
「ギコ、内藤、なんとか二つ借りられたよ。」
「おーう。ところでショボ、またスピード上がった?」
「ああ、一台5秒あればいけるよ。」
ショボのその台詞で僕はピンと来た。
この高校から地下鉄の駅までは歩いてすぐ、目と鼻の先だ。
そして当然、地下鉄の駅の入り口周辺には路上駐車してある自転車がゴロゴロ。
さらに、ショボは屋上のダイヤル式の鍵を数字を一つ一つ試して開けてしまう程、指先が器用だし、根気もある。
そこから導き出される答えは一つ。
すなわち盗難自転車。
「・・・・・・・・・・・・。」
なんとなく良心がとがめたが、僕は黙っていた。
それから三人で自転車に乗った。
途中、ギコが道が分からないと言って、自転車を乗り捨てて近くの地下鉄の入り口へと入っていった。
ショボともその後別れた。
「レンタル」と言ったからには明日の朝に自転車で登校して、元の場所に返すものとばかり思っていたが、違ったらしい。
やはり良心がとがめたが、僕は黙っていた。
人を殺すのはOKで、盗難は駄目。
僕の良心はずいぶん都合の良い物になってしまったんだな。
そう思った。
184 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/22(水) 22:14:18.11 ID:ZLnA6Ds/0
ごめ、今日はもうここまで
早く戦闘描写を書きたい
ノシ
185 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 22:20:59.60 ID:0/ZARUtx0
乙
186 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 22:22:18.85 ID:2ksVIWExO
おつかれー
次回も期待してまsう
187 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 22:36:54.90 ID:0/ZARUtx0
スレ乱立ちぎみなので保守
188 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 22:41:59.14 ID:7B9pLUF+0
惚れそうww かっこいー!
無糖先生のほかの作品はまとめられてないんですか??
189 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 22:49:48.73 ID:fyUvAwxx0
乙
190 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 22:51:00.03 ID:O6Qx4tBMO
191 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 23:10:00.29 ID:XTTEkgpd0
hs
192 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 23:20:09.92 ID:f6CTUrjFO
むぅたん乙!!
何かラノベの賞とかに応募してないのかな…
本にして読みたい…
193 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 23:35:50.91 ID:JAdLTR+PO
なんかギコとショボのやりとりで(^ω^)が照り焼きバーガーとパインの缶〜思い出した
194 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/22(水) 23:51:26.40 ID:QzRucsbFO
ほしゅ
195 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:06:50.95 ID:pAKRFKi/0
ほsyすs
196 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:08:53.21 ID:wsQlWUBk0
無糖さん・・・・やっと会えた
記憶喪失のやつとギャングスターを是非書籍化して頂きたい・・・・・・・・・・・・
197 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:09:27.62 ID:wsQlWUBk0
198 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:09:29.89 ID:VwHEQfxg0
もしかしてもうまとめられてる?(・ω・` )
ブログにのってるね
200 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:15:44.42 ID:VwHEQfxg0
201 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:30:06.70 ID:h39y33xLO
保守
202 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:38:43.54 ID:dH6W5ZTVO
ブログか…
203 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:39:25.52 ID:dH6W5ZTVO
あ、むうたん原作の記憶喪失〜の漫画が、新都社でやってるからそっちもヨロ
204 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:44:33.98 ID:wsQlWUBk0
205 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 00:54:17.20 ID:eOnXgA+v0
206 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 01:08:10.01 ID:h39y33xLO
ほ
207 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 01:23:17.21 ID:VNdwekPxO
ら
ふ
209 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 01:39:20.09 ID:VNdwekPxO
ん
無糖栄助はじめてみたがすごいねー
どれもおもすれー( ^ω^)
明日テストだけど気にせず全部読むお( ^ω^)
211 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 01:54:15.07 ID:XxxL7roVO
浮上
212 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 02:02:51.74 ID:h39y33xLO
ほ
213 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 02:03:02.18 ID:zgoMLBmlO
214 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 02:03:39.09 ID:v3r8YutQ0
漫画化…ウラヤマシス
215 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 02:35:02.05 ID:Sw87Elyj0
216 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 03:28:44.12 ID:JtZEmGdUO
保守
217 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 03:30:09.76 ID:dH6W5ZTVO
ねむ
218 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 04:17:23.18 ID:KMgaWkbv0
浮上
219 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 04:43:16.23 ID:h39y33xLO
ほ
220 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 05:09:45.18 ID:BUgByKdW0
221 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 06:12:34.26 ID:BUgByKdW0
s
222 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 06:40:02.83 ID:PZz1q5aT0
(V) ∧_∧(V)
ヽ(´・ω・)ノ <過疎ってんじゃねえよ、童貞どもめ。バラバラにするぞ
ノ ̄ゝ
/⌒ヽ
⊂( ´ω`)つ
( ノ ホス
三 レレ
/⌒ヽ
⊂( ´ω`)つ
( ノ ホシュ
三 レレ
223 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 07:11:53.72 ID:yapjMJDAO
ほしゆ
224 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 08:22:59.59 ID:eOnXgA+v0
hs
225 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 08:48:49.01 ID:VNdwekPxO
226 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 09:26:00.57 ID:8Qtku9eaO
保守
227 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 10:33:57.19 ID:rx15g3clO
保守
228 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 11:03:53.21 ID:5uYECoGr0
>>120 うはwwwwなんとなく書き込んだらdip知ってる人がいたwwwww
嬉しいほっしゅ
229 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 11:07:38.39 ID:TMC2FCyC0
まとめ見てきたwww
おもすれーwwwww
何このクオリティwww
230 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 11:18:07.29 ID:R2PFFsks0
無糖って歳いくつなん?
231 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 11:24:53.04 ID:3dZ+ox1S0
232 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 11:34:34.74 ID:zgoMLBmlO
俺の二つ上
233 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 11:35:48.45 ID:hBd2zvj2O
うはwwww無糖wwww
234 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 11:58:48.70 ID:pAKRFKi/0
保守
235 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 12:16:09.44 ID:zgoMLBmlO
あ
236 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 13:03:43.43 ID:3dZ+ox1S0
浮上
237 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 13:43:57.57 ID:qsrUjhdMO
ほす
238 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 13:44:56.70 ID:h39y33xLO
ほ
239 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 14:08:12.40 ID:vbGVOunxO
ギャングスターって何事?
人様のもんに加筆して美味しいとこだけ掻払ったとか無粋なことしでかしたのか?
240 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 14:27:43.16 ID:J666D76bO
ギャングスターってヤクザって意味でないの?
保守
241 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 14:55:07.56 ID:v3r8YutQ0
>>240 よくする間違いだけどgangstarでエキサイト池
てか、その時のこと知らないけどギャングスターって無糖が書いたの?
鳥違うのはわざとなのか?
242 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 15:02:33.50 ID:vbGVOunxO
最終話のワロス会長が撃たれるとこからムトゥになってる。
つか今ID見てみたら同一人物だったわ。
まあ売名好きな奴だしな。
243 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 15:27:16.17 ID:h39y33xLO
ほ
244 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 15:31:19.53 ID:HlrsnoReO
別に売名行為ねぇ…
それは言い過ぎじゃね?
245 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 15:46:59.87 ID:J666D76bO
内部戦争勃発中
247 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 16:00:40.35 ID:4LOU8rjJ0
248 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 16:38:14.01 ID:v3r8YutQ0
>>247 はいはいGangstarGangstar
249 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 16:45:26.46 ID:VwHEQfxg0
>>247 はいはいGangstarGangstar
250 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 17:05:01.74 ID:VNdwekPxO
無糖は小説をとうして今のVIPに何か訴えかけようとしているのがわからんのかこのスカタン共が(^0^)/
シリアルについてはまだ分からんが。
ほ
252 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 17:50:45.35 ID:J666D76bO
し
253 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 17:54:35.69 ID:G7xsM0jt0
ゅ
>>250はいはいSerialkillerSerialkiller
ほ
255 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 18:23:28.99 ID:pAKRFKi/0
hoshu
256 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 18:24:04.50 ID:J666D76bO
し
ゅ
257 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 18:25:19.12 ID:eOnXgA+v0
家に帰った僕は、リビングでテレビをつける。
家には正真正銘、僕以外誰も居ない。
父は死んだし、母はもう何処に居るのやら・・・。
でも僕は悲しくない。
僕はもっと大切なものを手に入れたから。
「焼きたらこマヨうめえwwwwww」
お握りをかじりながらニュースを見る。
三つの小学校に爆弾を仕掛けて死者27名、重傷者78名を出した事件の犯人、10歳の少女のファンサイトのようなものがインターネット上に作られているとの事。
コメンテーターによると、「事件の加害者を可愛い等と言って崇拝したり、事件の状況を詳細に書いた小説等で被害者やその遺族の感情を逆なでしている」らしい。
まあ、あれからVIPに夢中になっていた僕にとっては、そんなニュース「何を今更」と言ったところなのだが・・・・・・。
確か、「加害者の顔写真」として晒されていた写真に映っていた少女の着ていたシャツに、
Alaskaというアルファベットと、アラスカの部分だけ塗りつぶされアメリカ50州の地図が描いてあった為、インターネットでは「ラスカ」と呼ばれている。
聞くところによれば、ラスカも2ちゃんねらーだとか。
「インターネットだから何をしてもいいと、被害者やその遺族の感情を逆なでするような事をするのは不謹慎ですね」と、コメンテーターが締めくくった。
不謹慎、と来たか。
どこの事件当初はどこの新聞も連続コラムやら特集記事を書いていたし、稼ぎ時とばかりに色々な自称”専門家”達が好き勝手言っていた。
ニュースやワイドショーでも特集を組んで、被害者や加害者の周囲の人間にインタビューしまくっていたのだが、
それは不謹慎では無いらしい。
何故自分たちだけに事件の事を根掘り葉掘り聞き出したり、状況を予測、整理したりして騒ぐ権利がある等と思えるのだろうか。
不思議な連中だ。
そのニュースが終ると、次も殺人関連のニュース。
殺人事件特集でもやっているのだろうか。
258 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 18:26:33.80 ID:eOnXgA+v0
映ったのは、最近都内で起きている連続猟奇殺人事件。
被害者の死体から心臓だけを持ち去っていくという殺人鬼のニュースだ。
僕の脳裏にドクオの姿が浮かぶ。
被害者はあの頃から13人も増えて35人。
ここ最近はほぼ一日に一人の割合で殺している。
調子に乗りすぎだ。同じ街で生きる同業者(?)としては、目立たれて警察の捜査を厳しくされるのは迷惑以外の何物でもない。
なんとかしなければ・・・・・・。
そこまで考えた時、ドアのインターホンが鳴った。
ピンポーン、という音。
「内藤?」
ドア越しの声。
ツンだ。
鍵を開けてドアを開ける。
想像通り、そこにはツンの満面の笑顔。
それにつられて僕も笑い、ドアの鍵を開けた鍵をそのまま自分の胸に持って行き、もう一つの鍵をあける。
自分の胸に見えている鍵穴に、鍵を差込み捻る。カチャリ、という音。
周囲には、自分の胸の前で鍵をくるりと回したようにしか見えないのだが、僕の頭の中には確かに鍵を開けた感触と、音が響き渡る。
脳内に響いた音と共に、チャンネルが切り替わる。
瞬間、目に見える世界が開け、やけにクリアになる。
259 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 18:27:26.80 ID:eOnXgA+v0
「じゃあ、いこっか。」
ツンが微笑みながら言う。
「ちょっと待つお。」
僕はツンにそう告げて自室へと戻り、包みを持ってくると、その包みをツンに差し出す。
「はい。」
「なに?」
「クリスマスプレゼントだお。」
「開けていい?」
僕が無言で頷くと、ツンは包みを破く。
中から出てきたのは一本のメスだ。刀身は、銀色に鈍く輝いている。
「これは?」
「僕が始めて人を殺したときのメスだお。」
ツンに持っていて欲しかったから、僕がそう言うと、ツンはさらに表情を嬉しそうなものへと変えた。
心なしか、ツンの頬に朱が差しているように見える。
なんだか僕も気恥ずかしくなって、さっさと表に出る。
260 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 18:27:58.13 ID:eOnXgA+v0
「早く行くお。」
僕が先を歩き、ツンが後ろからついてくる。
人通りの少ない場所で獲物を探し回る。
しばらく歩いてると、ツンが僕を追い越して走り出す。
「ちょっとまってて。」
悪戯を思いついた子供のような笑顔でそういうので、大人しく待つ。
十分ほど待っていると、ツンが戻ってきた。
その手にはティッシュに包んだ何かが大事そうに握られている。
「はい、クリスマスプレゼント。」
言いつつ、ツンがゆっくりとティッシュの塊を開いて、中にあった球体を僕に見せる。
まず目に飛び込んだのが、鮮明な赤。
その中心に、ティッシュを朱に染めながら鎮座する眼球があった。
赤黒い血管や視神経が、眼球の裏側からぞろぞろと生えていて、その先にまだピンク色の肉や筋肉の欠片がこびりついていた。
ティッシュに染みこんだ血と、眼球の周囲にこびりついたままの血と油の混合物が納豆のように糸を引いている。
「綺麗だお。」
261 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 18:28:27.87 ID:eOnXgA+v0
僕はツンからティッシュごと眼球を受け取ると、目の前に持ってきて覗き込む。
みずみずしく、つつくたびにぷるぷると震える眼球。
瞳の色は青。
外国人のものだろうか。
「できるだけ綺麗な色のを探してきたの。」
ツンがはにかむように言った。
それで僕はなんだか無性にうれしくなって、照れ隠しに「さっさと獲物探すお」と言った。
ツンが笑った。
少し顔が赤くなってしまったのかもしれな。
やがて、人通りの少ない道の、さらに裏道に入っていこうとするカップルを見つけた。
人の来ない薄暗いところで何をするつもりなのか。
僕が呆れながらそのカップルを見ていると、ツンが「丁度いいのが見つかったね」と言った。
ツンは僕がプレゼントしたばかりのメスを。
僕はフェルトの鞘に納まった懐かしのバタフライ・ナイフを右手に握り、その手を後ろ手に隠しながら獲物に近づいていく。
メスは細かい作業には向いているのに、相手に深く突き刺したい時には向いていない事に気づいたので、中古ショップで買った物だ。
一時期、ナイフを持ち歩く中高生が増えて、ワイドショー等で若者の持ち歩くナイフの典型として生贄として捧げられてしまった、バタフライ・ナイフ。
暫くの間はどこの金物屋やツールショップでも手に入らなくなっていたそれを見つけ、妙な懐かしさを覚えてつい買ってしまった。
閑話休題。
僕は踵から身長に足を地面につけ、体重移動させながら、音を立てないように二人に接近していく。
2ちゃんねらーになってからというもの、ツンの言う”別のチャンネル”が開いてしまったせいか、やけに体が動かしやすい。
思ったとおりの場所に思ったように体が動く。
自分の胸の鍵穴を空けるたびに、急に体が別の物になったかのように、何でもできるような気がしてくる。
都合よく、日常生活を送ったり、人を殺したりと、自分をコントロールするための単なる自己暗示のようなものだとは分かっているのだが、
鍵を開けたときに感じるあの解放感はたまらない。
今や、あれほど嫌いだった鍵を開ける音が、最高に耳障りのいいものに感じるようになった。
十分に接近すると、カップルの内の、女に覆いかぶさろうとしていた男の肩を叩く。
男がぎょっとして振り向く。
262 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 18:29:01.85 ID:eOnXgA+v0
その時にはもう、僕はナイフを頭上高く掲げていて、ツンも後ろに続いている。
男の顔が驚きと恐怖にこわばる。
そう、その顔が見たかった。
だが、ナイフを振り下ろそうとしたところで、何か忘れているような気がして、その手を止める。
そう、何か忘れている。
今日は何か言わなければいけないような・・・。
男の方が、伺うように僕の顔を注視する。
そこで、やっと答えに思い至った僕は、笑顔をさらに深めて言った。
「メリークリスマス。」
ナイフを振り下ろした。
僕が男の方を殺して、ツンが女の方を殺した。
一緒に”狩り”をするようになってわかったが、ツンの殺し方は巧妙だ。
体の動かし方も僕等よりもよっぽど上手いし、殺した後も色々考えているようだ。
僕らは、一人一人殺すごとに、違った殺し方をする。
腹を裂いて腐敗を早くする時もあれば、集団に見せかけて殺す時も、単独犯に見せかけるときもある。
猟奇殺人にみせかけて体の一部を別の場所に捨てる事もあるし、強盗目的にみせかけて金目のものを奪うときもある。
今日は強盗目的に見せかけるため、金目のものを漁り、さらに集団の犯行に見せかけるために、色々な凶器を使って死体を痛めつける。
僕がナイフで袈裟切りにバッサリやってやった男も、後からそこら辺に落ちていたコンクリのブロックで殴ったり、メスで丁寧に、綺麗な傷を作ってやったりした。
ともかく色々なことをしておけば、調べる側がどんな風に深読みしてくれるかわからないので、こうやって色々な可能性をばら撒いておけばいいのだとツンは言う。
聞けば、ツンは2ちゃんねらーになってからもう五ヶ月経つのだと言う。
まだ2ちゃんねらーになって一ヶ月も経ってない僕とでは経験が違うのだろう。
263 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 18:29:21.31 ID:eOnXgA+v0
やがて、作業を終えると、僕らは路地裏から外に出る。
僕はバタフライナイフを折りたたんで、腰のベルトにさげてあるフェルトの鞘に戻す。
続いて、作業に使ったメスもしまおうとして、そのメスを眺めているツンの視線に気がついた。
続いて、ツンは自分の右手に握られたメスを見る。
「おそろいだね。」
ツンが笑いながら、メスをしまった。
僕らは微笑みながら人通りの少ない道を選んで深夜の町を歩いた。
「内藤、見て。」
ツンが立ち止まって空を見上げる。
僕もつられて顔を上げると、天から僕らに降り注ぐ物があった。
雪だ。
「ホワイトクリスマスかお。」
見た感じ、粉雪のようだ。
少し、積もる事になるかもしれない。
僕らは再び歩き出した。
雪が降るだけ合って、流石に寒い。
ツンの手がぶるりと震えるのが見えた。
僕らの手は、自然とつながれていた。
第七話・完
作者キテ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━タ!!!!
265 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 18:33:43.22 ID:v3r8YutQ0
何話まであんだろ
266 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 18:35:35.00 ID:eOnXgA+v0
13話予定
267 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 18:38:25.64 ID:VwHEQfxg0
KOEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
268 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 18:38:42.78 ID:v3r8YutQ0
丁度アニメの1クールと同じだ
269 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 19:05:06.50 ID:Sw87Elyj0
読んでる間文字通り息をするのを忘れてしまう
背中をぞくぞくしたものが走り抜けていくよw
270 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 19:08:25.66 ID:v3r8YutQ0
忘れてた
こなあああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいい
271 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 19:24:47.11 ID:HnUBhoxfO
保守
272 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 19:30:14.67 ID:eOnXgA+v0
9、弱肉強食
俺は半端者でね・・・・・・、どうしようもない。人食いなんだ。
―――ディーン・ベイカー
警察に職務質問され、ポケットの人骨を見つけられて言った言葉。
付きの光の届かぬ路地裏に咀嚼音が響く。
くちゃくちゃ、くちゃくちゃ。
そんな音が響く中、僕はそいつに質問してみた。
「なあ、それ美味いのかお?」
心臓から流れ出る血が糸を引きながら、そいつの口が心臓から離れる。
そいつは僕の質問に答えようとしているのだろう。しかし、口がふさがっていては喋れないとばかりに、
口の中一杯に頬張ったそれ―――死体から取り出したばかりの新鮮な心臓―――を急いで噛み千切り、嚥下する。
「不味いよ。」
口の周りを真っ赤に染めたそいつは、淡々と答えた。
273 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 19:30:54.29 ID:eOnXgA+v0
「堅いし臭えし、いや、本当に臭いんだ、これが。血は鉄の匂いって言うけど、水揚げしたばかりの川魚みたいに生臭いんだよ、これ。」
その口調からは、嫌がっている様子も喜んでいる様子も見られない。
「血抜きもされてないし味付けもされてないんだから美味しいわけねーんだけどさ。生臭いのなんのって。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「本当はこんなの、食いたくない。でも、食わなきゃだめなんだ。」
そう言って、何かの強迫観念に駆られるように、そいつは再び手に持った心臓を齧りだす。
左心室のあたりに前歯を刺し込むが、堅かったのか少しだけ心臓の表面から一センチ程を削りとるに留まった。
心臓というのは年中無休で動き続けなければならない、筋肉の塊なのだ。
そうそう簡単に食いちぎれるようなものではない。
そいつは、今度は奥歯を使って少しずつ心臓を噛み千切っていく。
そしてやっぱり淡々と噛み砕き、嚥下していく。
「ふーん、そうかお。」
僕はなんとなく納得した。
274 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 19:32:15.20 ID:eOnXgA+v0
>>272 間違えた9じゃなくて8だった。
8、弱肉強食
に脳内変換よろ
275 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 19:32:42.65 ID:eOnXgA+v0
連続殺人犯の中には自分の行動を正当化して納得させるために、自分の中で勝手なルールを作ることがあるのだという。
一部の連続殺人者が「自分は儀式のために殺しているのだ」と自分を納得させるために悪魔崇拝のアンチキリストに染まるのはそのいい例だ。
おそらくこいつもそのクチだろう。
僕の顔に嘲りが浮かぶ。
見れば、そいつの胸に鍵穴は無い。
なんだ、こいつは。同じ2ちゃんねらーだから、もっとこう、頭のネジがぶっ飛んだ奴を想像していたのに、
実際は何か自分で理由をつくって納得しないと人を殺せない、どうしようもない妄想野郎だ。
ならば人を殺すのをやめればいいというのに。馬鹿な奴。
そいつは、心臓にかぶりつくのに夢中で僕が顔に浮かべた嘲弄には気づかない。
僕はそいつが心臓を食べ終わるまで十数分間、じっと待っていた。
「じゃあ、そろそろ始めるかお。」
「それもそうだな。さっさと終らして、新しいのを食べたい。」
そいつは側においていた、血まみれの鉈を拾い上げて言葉を返した。
「まだ食べるのかお。」
僕は呆れて苦笑しながらもバタフライナイフを取り出し、広げるて応じる。
今更、同じ2ちゃんねらー同士だから争いを回避しよう等とは思わない。
初めて出あったときから殺意に満ち満ちていたというのに、今更殺しあう以外に僕らの間にどんな関係が望めるというのか。
「おまえは調子にのって騒ぎすぎたお。邪魔だからここで野たれ死ね――」
「心臓を取り出されてもまだそんな事が言えたなら上出来だが―――」
『―――お前は死ね。僕は(俺は)生きる。』
276 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 19:40:47.59 ID:eOnXgA+v0
―――同時刻、都内某所にて。
都内の一角、少し埃のつもった古いビルの一室に三人の人影があった。
部屋の中には大きく「木喪巣商会」と書かれた看板が飾られていて、その下には日本刀が飾られている。
ビルの他の部屋を覗いた限り、どこの部屋もここと似たような内装だ。
要するに、そのスジの人間ばかりが入居しているヤクザビル。
「で、なんで私たちはこんなヤクザビルに居るの?」
三人の人影のうちの一人、10歳前後とおぼしき少女が隣に立つ二人の男に尋ねた。
暴力の予感を敏感に感じ取っているのか、少女はどこか楽しそうだ。
「お前らは一応立場の上では公務員って事になってるからな。ゴミ掃除をして社会の役に立ってくれって事さ。」
少女の隣に立つ二人の男のうち、黒髪黒瞳の酷薄そうな印象を持つ男が言った。
その男のさらに隣に立つ、明るい茶に染めた癖毛の男はやはり笑いながら立っているだけだ。
都市はそれぞれ20代前半と、十代後半といったところか。
「ゴミ掃除、ね。面白い事言うじゃない。ようするに、私たちがどれだけ”使えそう”かあらかじめ知っておきたいんでしょ。」
277 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 19:41:13.88 ID:eOnXgA+v0
言いつつ、少女は周囲を見渡す。
今や、三人は完全に囲まれていた。
もちろん三人を囲んでいるのはこの部屋の住人や、その隣人達。
早い話が、ヤクザ。
「ゴミ」呼ばわりされたのがよっぽど気に障ったのか、彼等は怒気や殺気を隠そうともしない。
「私はそりゃあ爆弾も超絶神業レベルに使えるけど、これ一本でもサイキョーに強いわよ?」
少女は部屋の机の上においてあったカッターナイフを掲げて、ひらひらと振ってみせる。
百円均一などでも簡単に手に入る、少し細めのカッターナイフだ。
何も特別な仕掛けを施されていない。
「でも、そっちのチャッパはどうなの?見た感じ役に立た無さそうだけど大丈夫なの?」
少女が先程から静かに微笑み、佇んでいるだけの明るい茶髪の男を指差して言った。
「チャッパじゃない、城嶋だ。髪の毛の色から妙な呼び方を―――」
「俺ッスか?」
黒髪黒瞳の男の台詞の途中で、少女に指を指された茶髪の男、城嶋が声を発した。
278 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 19:41:34.79 ID:eOnXgA+v0
何時も微妙な愛想笑いのようなものを浮かべて立っているだけの男が喋った事に、少女は多少目を大きくして驚きを表す。
少なくとも、少女があの収容施設から出されて数日、城嶋の声を聞くのは初めてだったからだ。
「あの監獄のところでは、余計な事はしゃべるなって言われてましたけど、もう喋ってもいいッスよね、日浦さん。」
そう言った城嶋に対して、日浦と呼ばれた黒髪黒瞳の男が頷いた。
自分がしゃべる事が出来るという事を純粋に喜びながら、城嶋は再び口を開く。
「オレ結構強いッスよ。なんならこいつ等全員殺して見せましょうか?」
笑いながらそんな事を言う。
相変わらずの愛想笑いを浮かべる城嶋の瞳に何を見たのか、下から覗き込むように彼の顔を見ていた少女は何かに納得して視線を逸らした。
「あんたじゃこいつ等全員殺すのは無理ね。」
「できますよ。」
「無理よ。私が殆ど殺しちゃうから。」
「なるほど、道理ッスね。」
少女はやけに楽しそうに、城嶋は軽く肩をすくめながら曖昧な笑顔で、周囲に漲る怒気や殺気など気にせずに会話を続ける。
「どうでもいいが、やるならさっさとやれ。お前等は俺達に飼われている身分だという事を忘れるな。」
279 :
無糖栄助 ◆HOKURODlk6 :2006/02/23(木) 19:41:55.76 ID:eOnXgA+v0
日浦が煙草を咥えて、それに火をつける。
三人の中で最も年長者と思われる彼は、一歳手出しをしないつもりのようだ。
彼等を取り囲んでいるヤクザは軽く見積もって50人。
しかし、それ等全てを二人で相手にしなければならない、十代に入ったばかりの少女と十代後半の男は、それでも怯まない。
怯む必要など無い。
怯む理由が無い。
三人を取り囲む50人のうちの誰が知れようか。
本当にこれから、このビルの中の人間が一人残らず掃除されてしまう事など。
たとえ桁が一つ違う数の人間を集めたとしても、彼等三人は躊躇無く向かっていき、掃除できるだろう事など。
本当の意味で、生命をかけた戦いをした事の無い有象無象50人の、誰が分かるというのか。
――少女がカッターナイフを構えた。
――城嶋が曖昧に微笑みながら一歩前に出た。
――日浦がつまらなそうにタバコを口から離し、紫煙を吐き出した。
そして虐殺が始まった。
280 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 19:49:01.88 ID:HnUBhoxfO
wktk
281 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 20:05:18.50 ID:hzrZ0PEH0
282 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 20:05:57.58 ID:dH6W5ZTVO
やばい日浦がツボ
283 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 20:28:37.09 ID:HnUBhoxfO
wktk
284 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 20:33:37.42 ID:+c2Ttmtb0
続きwktk
wktk
286 :
異世界 ◆sHfndlI0ZU :2006/02/23(木) 20:44:04.26 ID:TX85DxLA0
うおぉむぅたんktkrハアハア!
287 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 21:05:59.54 ID:AKIKY5dIO
ほ
288 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 21:07:48.17 ID:7eEoG3XAO
wktk
289 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 21:28:13.71 ID:Y4CfuA3z0
保守
290 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 21:55:34.19 ID:TqRksFfh0
ほしゅん
291 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 22:20:11.85 ID:OhsS+9Wm0
ほしゅ
292 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 22:41:15.27 ID:UkUYK9Sj0
保守です
293 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 23:03:12.61 ID:dH6W5ZTVO
ほっしゅん
294 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 23:23:31.10 ID:3dZ+ox1S0
浮上
ブログみたか?
296 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 23:38:54.86 ID:dH6W5ZTVO
>>295 今三田
ここまでスレ保存してる人居ないかな
多分むぅたん帰るまでには落ちちゃうだろうし…
297 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 23:54:50.90 ID:mj9Sz+yN0
(´・ω・`)bほす
298 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/23(木) 23:59:03.67 ID:3dZ+ox1S0
299 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 00:02:24.21 ID:CE0ZZdnS0
300 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 00:05:01.69 ID:WCo//cGf0
301 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 00:07:07.93 ID:v3r8YutQ0
無糖ってこんな人なのね
302 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 00:08:02.50 ID:JyNwjtsX0
γ'フ
イ ('i, ,/ (ヽ
( 'i,`ミ' ヽ i ヽ`)'フ
(\ヽ,,_ ` ':.ヽ )γ),ノ)
ヾ' ..,, '; 'l, ,/ .:' ノ'
ゝ- .,,, .: i! ノ' ,:' ''",フ
,,-'', ',,,.. .:' /' ''",,::' "つ
`ツ、,,ー- .:' (,,,,,/⌒ヽγ´ ''"ヾ、 彡'
''-彡,, ':, .( ^ω^). ヽ、,,_,,ノ'⌒ フワーン
,彡' | / ' ゙" '-=-'"
ノ., "シ ( ヽノ ,,_,,,ミ^ヾ
"''ツ' ノ>ノ ヽ''ヽ)
レレ
303 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 00:27:20.53 ID:KO/DF4Br0
ほ
304 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 00:49:06.50 ID:V0CRZ68G0
し
305 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 01:03:54.07 ID:NNrU0x8jO
むた
おらの処女さ、奪ってけろ
306 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 01:28:36.27 ID:TrNEQk2+O
ほ
307 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 01:49:37.88 ID:UejC3eWjO
り
308 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 02:05:35.30 ID:KO/DF4Br0
え
309 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 02:06:12.35 ID:okIlypuq0
た
か
311 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 02:31:51.81 ID:rfSnYeEW0
ふ
312 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 02:49:15.19 ID:ojFdAN660
み
313 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 02:49:16.74 ID:rdZqlwWy0
み
314 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 02:49:18.20 ID:TrNEQk2+O
み
315 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 02:51:14.24 ID:KO/DF4Br0
み
み
317 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 03:12:36.03 ID:TrNEQk2+O
み
318 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 03:48:11.34 ID:QShSW3F50
落ちてしまう・・・
319 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 04:07:25.45 ID:TrNEQk2+O
保守
320 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 04:09:21.31 ID:aYdphdB5O
記憶喪失の話面白かったよねー
321 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 04:35:40.63 ID:KO/DF4Br0
ほ
322 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 04:45:28.36 ID:Bcz4rbKw0
VIPPERに朗報!!⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
ついに神ID出ました!!
ID:VIP/neet
しかも神が全レスするって、神と会話できるチャンスだ!急げ!!
652 名前:※以下引用[] 投稿日:2006/02/24(金) 04:24:36 ID:VIP/neet
すごいの出たからここに報告します。
653 名前:※以下引用[sage] 投稿日:2006/02/24(金) 04:33:29 ID:z7fHXvFM
>>652 すげー、完璧だわこれ
ThePenis神超えたぞ
654 名前:※以下引用[sage] 投稿日:2006/02/24(金) 04:34:07 ID:2NwwMSI+
>>652 VIPでneetか、組み合わせといい完璧だな
リアルタイムで神に遭遇できるとは
655 名前:VIP/neet ◆ sEnw2EG.e.[] 投稿日:2006/02/24(金) 04:36:36 ID:VIP/neet
>>653-654 どうも、一応神ID出た記念にこのスレ終わるまで全レスやってみる
スレに迷惑かけないか心配だけどいいよね
【テスト禁止】真・神のID資料室 6
http://that4.2ch.net/test/read.cgi/dataroom/1137296524/652
323 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 06:25:44.53 ID:rGOj6ldhO
発端
324 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 07:07:45.70 ID:pUx/wN65O
保守
325 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 07:54:53.34 ID:TrNEQk2+O
保守
326 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 08:42:02.63 ID:zy0Pr3UqO
ほ
ほ
328 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 09:54:20.46 ID:TrNEQk2+O
し
329 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 11:20:20.02 ID:SJKJv7tR0
ゅ
330 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 11:21:13.03 ID:qS+gHFnJ0
ゃ
331 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 12:08:29.11 ID:tUIKheFRO
ん
332 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 12:18:10.39 ID:Ji5dgQWV0
保守する意味あるのかい?
333 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 12:35:44.12 ID:Xp1KlQWTO
シリアルキラーの意味が今一つわからない
334 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 12:39:30.77 ID:9ZsmT3Qp0
シリアルキラー=連続殺人犯
335 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 13:05:27.25 ID:JSNxUWaI0
寝不足で頭マワラナス
336 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 13:33:26.24 ID:EsNntHje0
ほ
337 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 13:52:25.94 ID:JSNxUWaI0
話について行けないと思ったら一部読み飛ばしてた保守
338 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 14:32:48.06 ID:cYyDS0zW0
保守
339 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 14:44:33.24 ID:WRQNzr2XO
ほしゅ
340 :
◆X5HsMAMEOw :2006/02/24(金) 15:05:25.76 ID:fpAdHck+0
無糖は訳あって明日から五日ほど帰郷する事になりました
皆様にご理解の程を頂きたい限りでございます
341 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 15:17:42.90 ID:cYyDS0zW0
残念だ
342 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 15:53:03.03 ID:OXSWwxKmO
343 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 16:22:40.35 ID:/rFVybTP0
344 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 16:48:34.75 ID:V0CRZ68G0
ほしゅ
ほす
346 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 17:17:02.16 ID:2TRL+uHHO
347 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 17:35:36.79 ID:aqQMOQyuO
だれか記憶喪失のまとめ教えてください
348 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 17:37:12.44 ID:Qkih3QGSO
349 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 18:07:06.98 ID:V0CRZ68G0
干し
350 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 18:11:28.06 ID:aqQMOQyuO
ブーンの記憶喪失おねがいします。
351 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 18:20:43.09 ID:V0CRZ68G0
352 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 18:56:13.51 ID:V0CRZ68G0
ほしゅ
353 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/02/24(金) 18:59:48.16 ID:v9Gxis1x0
これは、このスレを5日もたせられるかという無糖からの挑戦に違いない!!!!!!!!!!!!!1111
354 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: