【真実の】素直クールな娘【愛を君に…】

ふたば★ちゃんねる落書き板の天才によりツンデレに対抗すべく、
新たに”素直クール”なる言葉が誕生した。
ツン→素直　デレ→クール
ガチで愛してくれるが、人前であれ、好意に関してはストレートかつ
クールな表現をするため、男にとっては嬉し恥ずかし暴露羞恥プレイ。
しかし、どこか天然。言葉萌えのツンデレ、シチュ萌えの素直クール。

■前スレ
【君と】素直クールな娘【一緒なら…】
http://ex14.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1139355655/

■素直クール保管所Wiki（過去の作品群）
http://sucool.s171.xrea.com/

■素直でクールな娘【絵＋α】まとめサイト
http://sucool.xxxxxxxx.jp/

■素直でCOOLな娘避難所（愚痴・議論・馴れ合い・ルールなど）
http://yy17.kakiko.com/sucool/

■あぷろだ＠素直クール保管所（txt投下の際推奨）
http://sucool.s171.xrea.com/up/
■素直クール過去ログ保管所
http://sucool.s171.xrea.com/kakolog/

姉妹スレ
■素クールライフ Part2
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/motenai/1137202118/

＝PART37＝

職人方のサイト
■素クールデイズ開発ページ（素直クールゲーム制作サイト）
http://www.geocities.jp/sucooldays/

■クーのいる世界（小説系サイト　coobard◆69/69YEfXI）
http://coobard.fc2web.com/

■時折魅せるクールな一面（小説系携帯サイト　pool◆t0BCEF0uzI ）
http://xmbs.jp/pool4179/

■◆aYWIZ3xyNgの保管庫（小説系サイト　◆aYWIZ3xyNg）
http://kurarusu.finito.fc2.com/sc/sc_top.html

保管所Wiki中の人より職人方へ
・短編や長編には題名をつけていただけると助かります。
・vipper.orgなどの流れの速いあぷろだはできるだけ避けるようにしてください。
・Wikiや絵保管所に転載してほしくないときはその旨明記してください。
・批評（感想でなく）が欲しい人は「批評おね」と書くと厳しい批評がもらえるかもしれません。

携帯のかたは以下の方法で見て下さい。
・http://fileseek.net/proxy.html　から見る。
・pic.toをアドレスの前に入れて見る。
・下の方にある「設」でime.nuにチェックしてから見る。

素クールのイメージがつかみにくいアナタ！
これを読むイイアルネ
ttp://www.geocities.jp/ikuikubook/kanojyo.htm

素直クール発祥の地「ふたば★ちゃんねる」の保管庫（右下に「素直クール」）
ttp://www.geocities.jp/hokakoko/

ふたばログより転載「素直クール」　　
・冷静沈着で感情的になることはまずない　　
・完全自立型　　
・表情が薄いあるいは無表情　　
・ガチで愛してくれている一途　　
・愛情表現がストレート　　
・照れが少ないあるいはない　　
・「素直」と「クール」の矛盾したアンバランス感が最高にいい

■お題/性格ジェネレーター
http://udonkari.run.buttobi.net/
SS書くときのお題が欲しい人はアクセス。
ファミリーベーシック風。

■正式避難所
・PC用
http://yy17.kakiko.com/sucool/
・携帯用
http://yy17.kakiko.com/sucool/i/

★★保守の鉄則★★
夜中は20分～30分おき　ゴールデンタイム、土日は10分～15分おき
平日、昼間は30分おき程度
※偶数時10分　50分　奇数時30分と、きっちり40分間隔で圧縮が来るので
　その直前に保守を！！
圧縮の時間は少しずつ変わってるようなので注意

★★できるだけしてほしいこと★★
・保守がてらでも、投下OK
・長い時には、何レス使うか投下予告を！
・作品にはレスしてください

これでいいのかな？
初めてやってみたがどうだろう・・・・

乙！これでおｋ－

止まってるみたいだけど、乗り換えか？

スクリプト嵐ブーンスレだけが標的じゃなかったのか…

容量オーバーですね。スタンド攻撃です
とりあえずテンプレはおｋ？

>>9
おｋ
スレタイカッコヨス
前スレのdat保管してくるお

スレタイは・・・・その・・・・・

　　　　　バレンタイン・・・・意識して

保守。

保管完了
80保管した人乙

>>11
真実の愛＝チョコレート（自分に塗ったくりつつ）でFA？

>>14
歪んだ考えｗｗｗｗそれでもおｋｗｗｗｗ

さて、前スレの絵に気づいた人はいるのだろうか…

あと何か御題ないかな。

………、デフォルメの奴塗るか………('A`)

うつ病患者バカにして祭りになって閉鎖に追い込まれた女
カキコ禁止にしてアフィリだけはしっかりもらおうとしている。
http://plaza.rakuten.co.jp/nihongokenkyu
顔は美人だ
http://plaza.rakuten.co.jp/nihongokenkyu/8000

自分のブログ閉鎖してるくせに自分がリンクしてるブログでへらへら
しゃべってるから探してごらん。

>>16
ああ、俺はきづいたよ

hosyu

>>16
九ヶ月さんが血吸ってるとこ

８０の人ｱﾘｶﾞﾄｽ
まとめが無くなってから読めなくてどうしたものかと思ってたんだ

こちらスネーク。状況を報告してくれ！

>>21
いや80シリーズ自体は前からWiKiのあぷろだにあったんだ

>>22
スネーク！スタンドにより容量オーバーしてしまった！

>>15
さいですかｗｗｗｗ

(´・ω・｀)

１）http://vippic.moo.jp/up/files/up30119.jpg

２）http://vippic.moo.jp/up/files/up30120.jpg

３）http://vippic.moo.jp/up/files/up30121.jpg

着物の柄ってどれがいいかしら('A`)

センス無いけどね…(´・ω・｀)

誤爆

>>27
しかし全部保存した

>>28
ぶち殺すぞヒューマン(´・ω・｀)

>>28
極悪ｗｗｗｗｗｗ

ほ

し

の

http://vippic.moo.jp/up/files/up30137.jpg

過疎

つ http://o.pic.to/54e8v

>>35
隅々まで隈無く美味しく頂きました

hoshu

>>35
やっぱり私がチョコだくらい言ってもらわないとな
どっちでも感激だが

保守。

保守

age

ほ

保守

ほ

『なあ男よ、何をしているのだ？』
「ちょっとスパイウェアを削除してる」
『すぱいうぇあ？』
「ウイルスみたいなものだよ」
『そんなものが君のパソコンに入っていたのか。何故？』
「いや、その、まあ何でもいいでしょ」
『よくない。私のパソコンにも入っているかもしれないし、対策として
どういうことをするといけないのか知っておいた方がいい。さあ言ってくれ』
「エッチなサイトを見ていたから・・・(ぼそっ」
『なんと！君は私というものがありながら他の女の裸を見ているのか（微怒』
「それはだんせいとしてのほんのうとでもいいましょうか・・・」
『私に魅力がないのか？』
「そんなことないよ。クーはとっても魅力的だよ」
『ならば今夜それを示してもらおう(不気味な笑顔』

22時　ｷﾞｼｱﾝｷﾞｼｱﾝｷﾞｼｱﾝ
23時　ｷﾞｼｱﾝｷﾞｼｱﾝ
24時　ｷﾞｼｱﾝ
1時　　ﾌｩ～ｵﾜﾀｽｯｶﾗｶﾝﾅﾘ

翌日午後
「何をしてるの？」
『君のパソコンに今日買ってきたフィルタリングソフトをインストールして
設定しているところだ』
「マジですか？」
『君のパソコンのためだ。いわゆるアダルトサイトは見られなくしてある。
でも四十八手やそれに類したサイトは見られるはずだ。しっかり勉強して
私を満たしてくれ。それにこれで他の女に目を奪われることもないし、
しっかりと保守できるだろう』
「ガンバリマス。そういうわけで保守」

保守(｀・ω・´)

>>16
前スレの絵見たい・・・

ひさしぶりにきたけど素直シュールスレと素直狂う消えたんだな

>>47
WiKiのあぷろだ
0232

往年の全作品が大好きだァーーーーーー！！！！！！１１１１１１１！！
80シリーズ・凸凹ふぁんたじーを保管してくれた方マジありが㌧
過疎ったかと思いながらもwik作品を何度も読み返して投下wktkしてるｗｗｗ
続きが気になる物もｲﾊﾟｰｲあるけど…wktkしながら待っているので
作者さんのGJっぷりを待機しるｗｗｗ

まぁなんだ、GJ

そして、保守。

さんくす。メイドはいいな～

http://qurl.com/nhnd2

死ぬとホントに霊体になるんだな…おれとクーが見える
「ゴメンな…」
人なんてあっけないものだ…車が当たっただけで死ぬなんて
─…あれ？クー？
『まだ居たみたいだな』
「なんでクーまで死んでるんだよっ!!」
『なんで？君の居ない世には未練はない』
「はぁ…なんとなくわかってたけど…」
『ならいいではないか、逝くぞ』
「待って、まだやることがあるよ」
『そうだったな…私達のような』
「カップルのために…」
「『保守』」

九ヶ月さんと僕の日常続き行きます。
４レス使います。

九ヶ月さん「──父上」
父「どうした」
九ヶ月さん「危険が。私もそうだが、彼に」
父「お前の彼氏か」
九ヶ月さん「はい」
父「好きなのか」
九ヶ月さん「はい。これ以上はないくらい、好きです。出来ることなら、彼とずっと一緒にいたい」
父「そうか。とりあえず仕事が終わり次第そっちに向かう。目立つことはするな」
九ヶ月さん「わかりました」
九ヶ月さん「はぁ……」

そのころ、僕は妹を起こしていた。

僕「おーい……目ぇ覚ませー」
妹「むー……」
僕「夕飯だぞー」
妹「……起きた」

僕の家は出来る限り家族みんなで食事を取ることになっている。
別にそういう決まりがあるわけじゃないけど。

僕「いただきます」
母「今日は腕によりをかけて作ったのよ～」
父「なぜに……赤飯……」
母「うふふ～、浩章に彼女が出来てたのよ」
父「えええええぇぇええぇっぇええええ！！？？」
僕「うるさいっ!」
父「あはーはははあぁあっはっはああっ、ぜひーぜひー、うっそだー」
僕「いや本当だけど」
父「そうか。あー、美人か？」
僕「ん」
父「そうかーそれはよかったなー」
僕（絶対信じてないだろ）
僕「ごちそうさまでした」

妹「あの人なんなのよ」
僕「……僕の彼女」
妹「なんでにーちゃんの首に噛み付いてたのよ」
僕「あー、それは……」
妹「騙されてるんじゃないのっ！？あの女に！！」
僕「そんなわけないじゃん」
妹「なんでよ！？　噛み付かれてるんだよ！？口真っ赤で……」
僕「あ……また寝たのか……まったく」

～それからしばらくして～

僕「おはよう～九ヶ月さん～」
九ヶ月さん「おはよう、浩章。」
僕「今日もいい天気だねぇ」
九ヶ月さん「そうだな。おっと、予鈴がなったか」
僕「じゃ、また後で」

最近周りからの視線があまり気にならなくなってきた……なんか駄目になってるなあ……
九ヶ月さんが初めて僕の家に来た日からだいぶたつ。
特に何もなく、勉強、生徒会、九ヶ月さんと帰るという日々だった。

僕「ふぅ、やっと終わった……」
九ヶ月さん「おつかれさま。ほら、飲み物だ」
僕「あ、ありがとう」
九ヶ月さん「生徒会も後残り半分を切ったな。大きい仕事ももうほとんどないし」
僕「そうだね。体育祭も文化祭も無事に終わったしね」
九ヶ月さん「……そろそろ帰ろうか」
僕「うん」

僕と九ヶ月さんは校舎を出る。外は暗い。
いつも一緒に帰る道。その途中で、九ヶ月さんがこう切り出した。

九ヶ月さん「ねえ、浩章。もし──もし、私が急にいなくなったらどうする？」
僕「え？　急に、いなくなったら？」
九ヶ月さん「例えばの話だ。病気か事故か、引越しか。とにかく、私が君の前から急に消えたらどうするか」
僕「病気とか事故のことは、考えたくないな。引越し？　なんにしろ、急にいなくなったら、そりゃあ寂しいよ。言葉では表現できない気がする」

そう。僕は九ヶ月さんのいないときのことなんて想像できない。九ヶ月さんは──既に、僕の日常だから。

九ヶ月さん「うん──やっぱり浩章もそう思うか──私も、浩章がいないなんて耐えられないと思う」
僕「どうしたの？また」
九ヶ月さん「いや、なんでもない。…………ところで浩章、いつまで『九ヶ月さん』なんだ、私は？」

そういえば、僕は会ったときからずっと『九ヶ月さん』と呼んでいる。

九ヶ月さん「付き合いだして、もう何ヶ月になるのに、まだその呼び方じゃ、嫌だな」
僕「確かにそうだね……でもこれがしっくりくるんだけど」
九ヶ月さん「恋人なんだから名前で呼んでほしいものだ。ねえ、『浩章』？」
僕「う……」

九ヶ月さんは真剣な目をしている。こんな顔はあまり見ない。どうしたんだろう？

九ヶ月さん「一度でもいい……一回くらい、名前で呼んでくれ」
僕「くが────み、深空、さん？」

にこっ。そんな音が、聞こえた気がした。

九ヶ月さん「ありがとう──浩章──」
僕「いや……名前で呼ばれたくらいでそんなに喜ばなくても」
九ヶ月さん「ふふふ、うれしいんだよ」

それきり、九ヶ月さんはその話題について触れることはなかった。
いつもの様子、調子で僕に接してきた。
何故あんなことを聞いてきたのか……僕は後に知ることになる。
いつだって、大切なことは全部終わってから知らされる。
……教えてくれても、いいじゃないか。

以上です。

ho

>>59
乙＆GJ

>>59
伏線がすげえ気になる…

ho

おれも続きかかなきゃ…

キミと共に在ることが、今でも信じられない。
キミを抱きしめ、キミに抱きしめられ、キミを求め、キミに求められることが、とても嬉しい。
愛しいキミとの思い出が、夢幻となって消えないように。
愛しいキミへの想いが、一夜限りのものとならないように。
ここに―――保守。

ho

ちょっと間が空いたけど
「クールな彼女っ！！」の続きを投下。
日常風景なので素直クール分は少ないかも？
以下13レス使用します。

クールな彼女っ！！

クゥーの突然の告白から十日が経とうとしていた。
「さあ環。今日の分のお弁当だ。私が愛情込めて作ったものだぞ」
今は昼休み。目の前の差し出されているのはクゥーお手製の弁当。
「……いつもありがと」
まずは友達から、というはずなのにお手製の弁当を作ってもらっているあたり客観的に見て恋人にしか見えないだろう。
まぁ他人にどう見えようが大したことじゃない、と開き直り弁当を受け取る俺。
愛情のせいかどうかは知らないが、クゥーの弁当は確かに美味い。外見の印象に反して以外なことに、クゥーは料理とお菓子作りが趣味なのだそうだ。
「いつもいつも愛妻弁当とはクゥーもやるねぇ。環、こんな可愛い子のお手製弁当が食べられるんだから、アンタ幸せ者だよ」
そんな揶揄に俺は肩をすくめることで返す。
この活発な言動のポニーテール娘は、クゥーの親友の一人である南雲　寧々―なぐも　ねね―だ。動作が溌剌しており、美人というよりは可愛いといったタイプ。実際かなり可愛い容姿で男からの人気も高いとか。
「こちらはネネの分のデザート。今日は私の作ったカスタードプリンだ」
「きゃい～～～ん！　クゥーってば神サマー！」
クゥーとネネは中学の時からの付き合いだそうで、クゥーとはかなり仲がいい。
そんなネネは甘いものに目がない。それでも太らないのは陸上部できちんと運動してるからだとかなんとか。
因みに俺も南雲のことを『ネネ』と呼ぶ。どうも名前を気に入っているらしくそう呼べと言われた。代わりにネネも俺のことを名前で呼んでいる。
「もーホント、クゥーが環のお弁当作るようになってからデザートの気合いの入り具合がMAXであたしは嬉しいよー。環も感謝しろよー」
「へいへい。感謝してますよ」
「ふむ。ならば環は感謝を態度で示してくれると嬉しい。私的には出来ればキスを所望したいところだ」
クゥーはいつも通り無茶を言う。忘れてはいけない。ここは昼休みの教室だ。
「無理だ。というか臆面なくそういう発言をするなと何度言ったら理解してくれるんだ」
「環こそ、いい加減私の希望に応えてくれてもいいだろうに。私と環の仲じゃないか。今更キスの百や二百くらい……」
「百や二百っ！？」
「それでも私は満足出来ないかもしれないぞ？」
「ほんと、不可能デスカラ……」
そんな俺を見てケラケラと笑うネネ。

>>72　クールな彼女っ！！　2/13

そこに新たな声が被さる。
「楽しそうですね、ネネ」
声の主は遠凪　空雨――とおなぎ　すう――だった。
腰まで伸びるスラリとした艶のある黒髪。
切り揃えられた前髪とクゥーに比肩しうる、いやヘタをするとその上をいく無表情。
クゥーが理知的でクールな印象を与えるとしたなら、こちらは静寂と停滞の雰囲気を見る人に抱かせる。
ざっくばらんな言動のクゥーに比べて、誰にでも丁寧な物言いがその印象により拍車をかけている。
彼女こそはクゥーの一番の親友。
生まれた時からの幼馴染、自称『血の繋がらない双子』。クゥー＆スゥー。
なんでも二人の母親がこれまた幼馴染の親友だったらしく、二人で示し合わせて子供を生んだらしい。
しかも偶然にも同じ日に生まれたとか。四時間程早く生まれたクゥーが姉ということになっている。
背格好も同じくらいだし、顔かたちも似ているうえに両人とも表情に乏しいので、二人して並ぶと本当に双子のようだ。
実際、二人の仲の良さは結構有名らしい。
因みに遠凪の家は古くからここいら一帯を治める大地主の家系であり、この地においてはかなりの権力を持っている。
さらに彼女は一年生の時からすでに生徒会で生徒会長を務めている。クゥーは副会長だ。
当然のように彼女も学校の内外を問わず権力持ち。要するに、お嬢様だということ。
「やっほースゥー。今日も美人サンだね」
「褒めても何も出しませんよ？」
出ませんよ？　ではなく、出しませんよ？　なのが流石と言ったところか。
「あははー期待してないよー」
「やぁスゥー。これはスゥーの分の弁当とプリンだ。あと、今日は少し遅かったね？」
「ありがとう、クゥー。遅れたのは古文が長引いたのが原因です」
「古川のジイサン耄碌してるからねー。絶対アレ耳遠すぎてチャイム聞こえてないって」
「かもしれませんね」
そんな会話をしながらスゥー――俺もそう呼んでいる。というかクゥーがそう呼べと言ったのだ。当の本人は特に何も言わなかったので一応言われた通りに呼んでいる――が並べられた席の一つに座った。
俺達は四つの机を寄せ集めてテーブル代わりにしている。
俺の右にはクゥーが、左にはネネが座っているので必然、スゥーは俺の真向かいに座ることになる。

>>73　クールな彼女っ！！　3/13

「こんにちは」
スゥーは相変わらずの無表情で俺にも挨拶をくれた。
「……こんにちは」
とりあえず無難に挨拶を返す。声が堅いのが自分にも解った。
どうも、俺にはクゥー以上にスゥーが苦手に感じる。
というか俺は最初、スゥーの無表情を俺のことを快く思ってないからだと思っていた。
生まれた時から何でも一緒だった(自称)双子の姉が、俺のような男にご執心ならば妹としてはかなり複雑な心境なのだろう、と。
だがそれはどうやら俺の勘違いだったようだ。クゥー曰く、「私達は伊達や酔狂で『双子』を自称しているわけではないのだよ。環もそのうち理解出来るだろう」とのこと。
だがやはり俺はスゥーが苦手だ。気がつくとこちらを観察するように見ていたり、ふと見失うといつの間にか俺の傍にいたり。
どうも扱いに困るというのが正直なところだ。
さらに言えば、この状況事態も俺の緊張を加速させている。
もうだいぶ慣れてきたとはいえ、女の子三人に男一人だ。
小説か漫画かアニメか、もしくは恋愛ゲームでもなければこんなシチュエーションは有り得ないだろう。
その有り得ない現実が何故か目の前にある。
その原因は俺の右側を陣取るクゥーだ。
俺は基本的に昼食を食べない。
両親は共働きで、朝に弁当を作っている余裕はないため食費を出してもらっているのだが、俺はその食費をほぼ全部月の小説代に回してしまうのだ。
優先すべきは昼食よりも本。
高校当初からそんな生活を送っているため、最早一食や二食抜いた程度では空腹感を感じない境地にまで至った。……身体には悪そうだが今のところ健康には大した問題は出ていない。
そんな俺を見かねて――なのかどうかは解らないが――クゥーが俺の弁当を作ってくると言い出したのだ。自分とスゥーの分を作っているクゥーは、二つ作るも三つ作るも労力に大した差は出ないと。
勿論俺は最初断った。流石にそれは悪いだろうというのが一番の理由で、僅差で女の子のお手製弁当が恥ずかしいからというのが二番目だ。
しかしながら、ゴリ押ししてくるクゥーに俺が言い勝てるわけもなく、クゥーの「私の作った弁当はそんなに嫌か？」の言葉がどうしてもいなすことが出来ずにあえなく陥落した。
それまでは、一年の時に入っていた弓道部の男子部室で友人達とチンチロに興じる昼休みだったのが、こうして衆人環視の中で女の子と席を並べ、俺のために作ったお手製弁当を食べる日常になってしまった。

>>74　クールな彼女っ！！　4/13

周りで見ているヤツラは無責任に「羨ましい」などとほざいているが、席を並べる当の本人からすればこれは結構キツい。
もちろん顔にも口にも態度にも出さないけど。
「それでは四人揃ったことだし昼食としよう。……いただきます」
「「「いただきます」」」
そんなクゥーの丁寧な挨拶で昼食が開始された。
俺とクゥーとスゥーの弁当はクゥーのお手製。ネネは普通に母親に作ってもらっている。
俺は目の前のクゥーが作った弁当に目をやる。
見た目もよく、味もいい。健康にも気を使ってくれている。
だが、俺としては三人のも可愛い女の子に囲まれてとる食事はどうも胃に悪いような気がして仕方ない。
周りの視線が痛すぎるが今更逃げるわけにもいかない。まぁ女の子三人と昼食を共にするくらい大した事じゃないといつも通り腹をくくって目の前の弁当に箸をのばした。
「うん、あいかわらず美味いよ、クゥー」
「環に喜んでもらえてなによりだな」
クゥーの弁当は美味い。鳥の唐揚げは下味が抜群だし、醤油味の玉子焼きは俺の好み通りだし、ポテトサラダは市販品のものよりも全然美味い。
俺がそんな風にクゥーの弁当に舌鼓を打っていると、ふいに正面からの視線を感じた。
「……スゥー、この唐揚げが欲しいのか？」
箸でつまんだ唐揚げを見せてみる。
「違います。お気になさらずに」
「……そう」
こういうことはかなり頻繁にある。一体俺の何が気になるのか解らないが、どうも観察されているようで居心地悪い。
クゥーとネネはそんなスゥーの様子に気付いているんだかいないんだか解らないけど、特に何も言ってくることはなかった。
「そう言えば環」
「ん？」
「借りていた本、読み終わったぞ」
借りていた本、というのは俺がクゥーに告白された時に読んでいたライトノベルのシリーズだ。
なんでも是非読んでみたい、というので一巻から貸していた。今日貸したのはそのシリーズの最終巻である。

>>75　クールな彼女っ！！　5/13

「随分速いね。渡したの今朝じゃん。もう読み終わったの？」
「ああ。環と同じだ。我慢出来なかったので授業中に失敬させてもらった。もちろんノートはきちんととっている」
「……まぁその辺は俺も人の事言えないから別にいいけどね」
「私も昨日借りたものは読み終わってます」
「あ、あたしも読み終わってるよ」
クゥーがライトノベルを読み始めたのに影響されたようで、スゥーとネネも俺の貸すライトノベルを読んでいる。
二人とも字を読むのは駄目ということもなく、それなりに楽しんで読んでいるようだ。
「ふむ。ならばこれはスゥーに渡そう」
「ではこちらはネネに」
「はいこっちは環に。面白かったよ」
こんな感じで俺の貸した本はクゥー→スゥー→ネネの順番で巡回している。
「それじゃ明日からはまた別のシリーズを持ってこようか？」
「是非お願いする」
「二人は？」
「手間でなければお願いします」
「うん、オススメがあるなら読んでみたいねー」
「了解。それで、皆読んでみてどうだった？」
「うむ。まずは主人公だがこれがまた実に――」
そんな風にクゥーが感想を聞かせてくれる。
スゥーとネネはクゥーの後だからネタバレになるようなことは言わないけれど、クゥーがかなり貸した本を気に入ってくれたのがよく解った。
スゥーもネネも感想を聞く限り結構ハマっているようだ。
オススメした俺にすれば、貸した本を気に入ってくれるのは嬉しい。
なんと言うか……コレクターがコレクションを自慢する心境に似ていると言えばいいのだろうか？
クゥー渾身のカスタードプリンを食べながらライトノベル談義に花を咲かせていると、クラスメイトの女の子から声がかかった。

>>76　クールな彼女っ！！　6/13

「水峰さんあっち人が来てるよ。下級生かな？　またお客さんよ」
俺はまたか、と人知れず嘆息した。
指差す方を見てみると、入り口のあたりに女の子が二人、クラスの中をうかがうように覗いていた。
どうやらお目当てのスゥーを見つけたようで、「あ、あそこの人じゃない？」「キャー、本人でしょ！？　あれ本人でしょ！？」とかやけにテンションが高い。
「ふむ。そこの二人。私に用があるのだろう？　ドアの所にいるとクラスメイトに迷惑がかかる。こっちに入ってくるといい」
「失礼しまーす」
恐る恐る、といった感じで教室に入って来る二人。リボンの色からして一年生なのが解る。
一人は活発そうなショートカットで、もう一人は落ち着いた感じの眼鏡をかけている。まぁ友達同士といったところか。
まずは眼鏡をかけた方の娘が確認するように訊いてきた。
「あの……水峰先輩ですよね……？」
「その通りだ」
「えっと、じゃあ……」
もう俺はこの二人が一体何の目的でわざわざ二年の教室まで来たのか解っていた。
というか毎日こういう来訪者が来る。いい加減にして欲しいと心の底から思う。
鞄をあさっていた二人は、それぞれ一枚の写真とサインペンを取り出して言った。

「「あの……この写真に、サインくださいっ！！」」

嗚呼……やっぱり。
「うむ。いいだろう。貸してくれ」
恐ろしいくらいの居心地悪さを感じる俺とは対照的に、さらさらと慣れた手つきでサインを書いていくクゥー。

>>77　クールな彼女っ！！　7/13

「これでいいか？」
「あ、ありがとうございます！」
「宝物にします！」
「なに、大した事はしていない」
「あと、握手してもらっていいですか？」
「かまわない」
二人順番に握手するクゥー。二人は憧れの偉人にでも出会ったかのように興奮している。クゥーよ、おまえは芸能人か何かか？
「ホント、ありがとうございました！」
「昼休みにお邪魔しました」
「水峰先輩、お幸せに！」
そんな言葉を残し二人は教室を出て行った。
慣れたもので、突然の下級生訪問に対してもクラスの連中は大して気に止めていないようだ。
「やー相変わらずクゥーの人気はスゴいなー……」
「上級生にもファンがいるそうですからね」
「どうせ一過性のものだろう。そのうち沈静化する」
「いやいや、そう簡単には静まらないと見た。何せクゥーは今や学校中で伝説の人だし。環もそう思うよね？」
「出来れば速めに鎮静化して欲しいけどね……」
そう。一週間前のクゥーの告白事件は、最早学校で知る者がいないくらいの知名度でもって学校中を席巻していた。
その事件は畏怖を込めてこう呼ばれている。――『水峰インパクト』と。
何せあの時は昼休み真っ最中の教室だった。最終的なギャラリーの数は60人とも70人とも言われ、写メールで写真まで撮られていたのだから広まらない方がどうにかしている。
元々、クゥー＆スゥーの姉妹は学校でもかなりの知名度と人気を誇ってはいた。

>>78　クールな彼女っ！！　8/13

二人して一年の頃から生徒会で副会長と会長を勤めているし、スゥーは遠凪のお嬢様だし、なによりもその容姿が皆の人気を集めないワケがない。
だがそれはあくまで生徒会には美人の双子(自称)の姉妹がいる、という程度の認知と熱烈なファンがいるというただそれだけのはずだった。
しかしあの事件以来クゥーと、当然のように双子の妹であるスゥー(とオマケの様に俺)は全校生徒あますとこなく知れ渡る有名人となってしまっていた。
校長の名前は知らなくとも、双子の「クゥー＆スゥー」の名前は誰でも知っている。
特にクゥーは今や一躍時の人だ。
その勢いは留まるところを知らず、ついにはあの日の俺とクゥーが写った写真が出回る事態にまで発展している。
主なものは二つ。
一つはクゥーがいきなり俺にキスしてきたシーンの写真。
もう一つは俺が最後にクゥーを抱きしめたシーンの写真。
両方とも一枚200円で取引されていると言うから世も末だ。
さらにさらに、この写真を用いたお守りが今、学校中の主に下級生の女の子間で大流行している。
先程の二人もそのクチだ。
なんでも、写真をクゥーのもとまで持って行き、直筆のサインを書いてもらうとお守りになるとか。
その効能は――『自分の気持ちに素直になれる』。
確かに効き目はありそうだが、写真に写っているのはクゥーだけではないのだ。
中には何をトチ狂ったか俺にまで写真にサインを求めてくる女の子まで現れる始末。
すぐさま沈静化してくれるのを俺は祈らずにはいられない。
「一過性かどうかはともかく、あまりに加熱するようだと生徒会の方でも何らかの対処をしないといけないかもしれませんね」
そう言うスゥーは出回っている写真を全種コンプリートしているのを俺は知っている。

>>79　クールな彼女っ！！　9/13

因みにあれだけの騒ぎを起こしたにも係わらず、俺もクゥーも教師からお叱りの言葉はもらっていない。
それはクゥーが生徒会の副会長だから――ではなく、スゥーが遠凪家として教師連中に圧力をかけたかららしい。
この学校はスゥーの祖父が設立したものであり、当然今も遠凪の家がその運営に深く係わっている。
要するに、この学校で平和に暮らしたかったらスゥーには逆らうなって事。翻って言えばクゥーに逆らっても同じ結果になる。
学校を表も裏も支配するクゥー＆スゥーの姉妹。
両者共に敵対する者に容赦はない。それは教師とて例外ではないのだ。
流石は権力持ち、といったところだ。
「まぁ生徒会うんぬんはさておき、環は今週の日曜は暇か？」
「ん？　まぁ部活もバイトもしてないからな。空いてるっちゃ空いてる」
「それでは日曜に買い物に行くので付き合ってもらえないか？」
「……え゛？」
「そんな嫌そうな顔をしないでくれ環。私は地味に傷つくぞ」
嫌な顔をしていたかどうかは解らないが、俺は慌てて普通の表情を繕う。
「いや別にそんなことはないけど……。どうしてまた俺を買い物に呼ぶんだ？」
「環に洋服を選んでもらおうと思ってな。どうせなら環の趣味に合う服を着たい。環もその方がいいだろう？」
また返答に困ることを真顔で言うクゥー。
「……似合っていればなんだっていいと思うけどな」
「そうはいかない。好きな人の趣味に合わせようと思うのは恋する乙女として当然だろう？」
「…………左様ですか」
俺はここで喜ぶべきなんだろうか？
「おー、よく言ったクゥー！　それでこそオトメだねー！」
ネネは大はしゃぎで喜んでいる。止めてくれネネ。これ以上クラスの注目を集めないでくれ。
などという俺の些細な願いは、年貢の引き下げを求める嘆願書のようにネネには届かない。

>>80　クールな彼女っ！！　10/13

「環ー、男には女の子の誘いを断る権利などないのだ。今しがた食したカスタードプリンを少しでも美味しいと思うなら、YOUは買い物に付き合ってあげるべきだろー。てかむしろ環から誘え！」
「ぐ……」
ネネは単に言いたい放題言っているだけだろうが、その内容は確かに一理ある。
ついさっき食べたばかりのカスタードプリンはかなり美味かった。ここのところ毎日のように弁当も作ってもらっているわけだし、買い物にくらい付き合ってもいいだろう。勿論俺の趣味で洋服を選ぶつもりはないが。
「OK。解ったよ。日曜は買い物に付き合うよ」
「ありがたい。では今週の日曜一時に、駅前ロータリーの時計のところで待ち合わせでどうかな？」
「了解」
「ふふ。私達の初デートか。今から心躍って仕方ないな」
「で、デートってただ買い物に付き合うだけだろ……」
「それを世間一般では『デート』と呼ぶのです」
今まで黙って成り行きを見ていたスゥーがここにきて口を出してきた。
あの無表情で断じられると妙な説得力があって反論しずらい。
「そうだよー環ぃ。日頃のお礼も兼ねてキチンとエスコートしてこいよー」
「うむ。ああ、今から楽しみでしょうがない」
クゥーは感情が表情に出にくいのでいまいち解らないが、きっと楽しみなんだろうな。
「頑張りますよ……」
「うん、そんな環にあたしから一つだけ忠告だよ」
いきなり真剣になって顔を寄せてくるネネ。何事かと俺も耳を傾ける。
「……なんだ？」
珍しく真剣に聞く態勢だった俺はバカだったと言えるだろう。ネネは何処まで行ってもネネだった。
「避妊はちゃんとするんだよ」

>>81　クールな彼女っ！！　11/13

「…………」
さて、このバカにどういう対応をすべきだろうか？
「……あー日曜は俺も楽しみだなー」
とりあえず棒読みのセリフで聞こえないことにした。
「いや、私なら構わないぞ。むしろ環の子供なら大歓迎だ。それに――ナマの方が気持ち良いらしいしな」
そんな俺の努力をあざ笑うかのように、昼食タイムの教室で恐ろしい程の爆弾発言を投下してくれるクゥー。
嗚呼、ざわめく教室に既視感を感じずにはいられない。
「クゥーっ！　落ち着いてくれ！　ここは真昼間の教室だ！」
「私は実に冷静だ」
冷静でいられないのは俺なんだよっ！
クゥーは駄目だ。クゥーには『周りを気にする』という意識は欠落しているらしい。むしろ見せ付けたがっているように感じるのは俺の被害妄想だろうか？
こうなったらスゥーしかいない。スゥーならあの鉄面皮のような表情でクゥーを嗜めてくれるに違いない。
というか止めろ！　という念を正面のスゥーに送る俺。
「……私は、クゥーが良ければそれで構いません。あと、初体験の感想は是非聞かせてください」
「無論だ。A4レポート用紙500枚以内にまとめて提出しよう」
止めるどころか寧ろ発破をかけるスゥー。
オイオイ！　そこは暴走する姉を嗜めるか、姉についた悪い虫に冷たい忠告を下すのが妹心ってモンじゃないのか！
「私達は双子だよ？　私の思考はスゥーの思考であるし、スゥーの思考は私の思考でもあるのだよ」
心を読まれたっ！？
「環は顔に出やすいだけだ」
「く……」
オーバーリアクションが仇になったか！？

>>82　クールな彼女っ！！　12/13

対してあくまでも冷静なクゥー＆スゥー。
くそぅ。これじゃ過剰反応した俺の方が恥ずかしいじゃないか。
ネネはそんなやり取りを見て目下大爆笑中だし。
「てか二人、血は繋がってないはずじゃ？」
「魂が双子なのです」
きっぱりと断言するスゥー。
そして大仰に頷いているクゥー。
「…………」
勝てるワケがない。
「いやーいやーホント、キミら見てて楽しいねー」
ようやく笑いが収まりネネが復活してきた。
「……大体はネネが燃料投下してるんだけど、ね？」
“ね”を強調してみる。
「まーまー、楽しいからいいじゃない」
俺のささやかな抵抗はまさにささやかに過ぎないらしく、ネネは愉快そうにケラケラ笑うだけだ。
まぁネネは悪いヤツじゃないんだけど、愉快犯的なところが玉にキズだ。
「ネネ、その辺にしてあげてください。環が困ってますよ」
ああ、スゥーさん。そのフォローを何故もっと早く入れてくれないのか。
「まぁ初体験については環の甲斐性に期待するとしようか」
「期待するなそんなもん」
「む、それは私にはそんな感情は持てないということか？」
「バカ、逆だ。だからこそあまり安売りすんなっつうの」
ついサラっともらした本音に、三人はしばし凍りついたよう固まってしまった。
うん、失敗した。ちょっと恥ずかしい。まぁ大したことじゃないんだけど。

>>83　クールな彼女っ！！　13/13

「そうか……そうだな。あまりに自らを安売りすることは転じて環を侮辱することにも繋がるからな。これからは自重しよう」
「いや、別にそこまでは……」
クゥーの思考回路は色んな意味で吹っ飛び過ぎだろう。
「やー、環のことはこの前までただの根暗野郎だと思ってたのにね。知り合ってみればこんなにも面白いヤツだとは……。世の中ってフシギだにゃー」
「根暗野郎は余計だ」
でも最近はクゥー達三人と一緒にいることが多くなり、自然とクラス内での俺の印象も上向きになってきているようだ。
まだ何が変わったってわけでもないけど、雰囲気がそう感じる。
「クゥーが選んだ相手ですから」
「そうだな。私の目に狂いはなかったな」
「あー解ったから。その話はそこまでにしような。とりあえず、今週の日曜一時に駅前ロータリーの時計のとこに居ればいいんだろ？」
「ああその通りだ。今週の日曜、楽しみにしているよ」
「ま、お手柔らかにね」
そんな風にして、俺はクゥーとの初めてのデートを約束したのだった。

以上です。
とりあえず今回の話はキャラ見せのような感じ。
素直クールな(自称)双子の姉妹クゥー＆スゥー。
目指すは両手に素直クールだｚ(ｒｙ

スゥーを嫁にください・・・

ho

>>85
話が広がってきたぞう
wktk

wktk

九ヶ月さんと僕の日常、いきなり最終回いきますね。

いつもと同じような朝。昨日と違うのは布団が冬用に変わっているところだけ。
いつも通りに朝食を食べ、着替えて、学校に行く。
そこまでは、本当にいつもと同じだった。

僕「おはよう」
袖山「おはよう。あれ？今日は九ヶ月さん、まだ来ていないのか？」
僕「そうなんだ。いつも僕より早いのに」
袖山「風邪でもひいたんじゃないか？」
僕「そうかもね。大丈夫かな」
袖山「なんなら帰りに家に行けばいいじゃん」

と、いうことで、今僕は九ヶ月さんの家に向かっています。
いつ見ても目立つなあ、九ヶ月さんの家。大きい木が庭に生えているから、よく分かる。

僕「ぴ～んぽ～ん、っと」

しばらくして、九ヶ月さんと一緒に住んでいるらしいお手伝いさんの女性が出てくる。

女「どちらさまでしょうか──ああ、浩章さん」
僕「えーと、今日九ヶ月さんが学校を休んだんで見に来たんですけど」
女「あー……すみません、今日はちょっと会うのは……」
僕「風邪ですか？」
女「はい、そんな感じです」
僕「そうですか。じゃあ、九ヶ月さんに『また明日来るから』って伝えてください」
女「そのまま伝えたらいいんですか？」
僕「お願いします」

お見舞いだから何か買ったほうがいいのかな────そんなことを思ったけれど。
次の日も、その次の日も、その次の日も、僕は九ヶ月さんに会うことが出来なかった。

女の人に聞いても言葉を濁すばかりで、答えてくれない。
僕は九ヶ月さんに嫌われたんだろうか？

僕「なんで会わせてくれないんですか？そんなに大変なんですか？」
女「あの──その……」
僕「ちょっとどいてください！」
女「あっ、ちょっと！」

後ろで女の人が何か言っているけど、僕の耳には入らない。廊下を通って階段を上る。いつもの部屋、ドアを開ける。

僕「深空さんっ！」

そこにはベッドで寝ている九ヶ月さんがいた……はずだった。

僕「何で……え……？」

空っぽの部屋。右側に本棚、左側に机、正面の窓際にベッドがあるはずの部屋。間違えるはずはない。何度も来ている。

僕「深空……さんは……？」

僕が呆然としていると、お手伝いさんが追いついてきた。

女「見ました──か」
僕「…………」
女「騙すつもりはなかったんですが……」
僕「説明──してくださいよ。何で九ヶ月さ──深空さんがいないのか？何で今まで隠していたのか？全部、説明してください！」
女「そうですね──そうですよね、あなたには知る権利はありますから、説明しましょう」

それから、お手伝いさんは全部教えてくれた。九ヶ月さんがここを離れた理由、僕に教えなかった理由。
そして、九ヶ月さんが残していった手紙を渡してきた。

女「これは、深空さんが、『もし浩章がこのことを知ったら、これを渡すように』と、私に預けたものです。あなたが知った以上、これはあなたのものです」

真っ白な封筒に、時代錯誤な封。僕は、その封を破って、中から手紙を取り出す。

『私の大好きな浩章へ。これを読んでいるという事は、君は私が家を離れたこと、またその理由を知っていることと思う。
君に何も言わず君の前から姿を消したことについては、本当にすまないと思っている。たとえそれが、君の日常を守るためだとしても。
君と過ごした時間を、私はけっして忘れないだろう。どんなことがあっても。ああ、何を書けばいいのか分からなくなってきた。もっともっと君に言いたいことがあったはずなのに。
この間、二度と会えなくなるとき、私は耐えられないと言ったね。今、こうして文章を書き綴っていても、どうしようもない気持ち、悲しさと寂しさ、喪失感が胸の中を渦巻いている。
だが、私と一緒にいると君は間違いなく日常から非日常へと突き落とされていただろうと思う。それだけは避けたかった。君が平和に暮らせるのなら、私は甘んじて孤独に耐えよう。
ああ、すまない、こんな自分勝手な理由で君から離れてしまって。もし、もう一度会うことがあったら──』

手紙はここで終わっていた。所々、いや、手紙の後半は涙だろうか、滲んでとても読みにくい。

僕「ふざけるなよ……何が孤独に耐えよう、だ！孤独なのは僕も同じじゃないか！ああ、君は自分勝手だよ！最低最悪の自己中だ！
君が僕の前からいなくなった時点で僕の日常は崩れているんだ！どうして、どうして！」

涙が止まらない。生まれて初めてじゃないだろうか、こんなに泣いたのは。

僕「畜生……待っていろよ、絶対、絶対僕は君にもう一度会うからな！」

僕の中で、九ヶ月さんと今まで過ごした日々が鮮明に浮かび上がる。
始めて会った時のこと、僕が告白した時のこと、初めて血を吸われた時のこと。

こうして、僕の日常はあっさりと崩れ、非日常となる。

九ヶ月さんと僕の日常～UNHAPPY ENDING？～

以上です。まだまだ続くと思っていた人がいたら、ごめんなさい。
あと、最後にトリップをつけてみる。
次に書く時はこのトリップでいきますね。

クソー
泣かせる作品ばっかり続きやがって

GJじゃねえか！

>>94
なんだかいきなりだな～、無理矢理終わらせちゃった感じかな？

まぁ、GJ
今週の舞乙よりは泣けなかったかな

>>94
うわ、雑誌休刊系の終わり方や
次はガンガってください。

もともと全十話の予定だったので・・・七話で終わっていますがWikiには続きというか番外編みたいなのを置いているのでよかったら読んでください。
無理矢理っぽさはやっぱりありますね。

男｢学校なんだしあんまベタベタするなよ…｣
ク｢いいではないか。たまには学校でというのも…｣
男｢ちょ、こら、やめ｣
ク｢夜の時と違い、受け身なキミもいいものだ。やはり学校に来て正解だったな｣
男｢おい、待て。あっ…｣

友｢おい、なんであいつらはこの時期にイチャついてんだ？｣
後｢お二人とも推薦でもう大学決まっているからですよ。知らなかったんですか？｣
友｢知ってるよ！だから聞いてんだ！｣
後｢保守…、だからじゃないですか？｣
友｢そんな保守の度に勉強の邪魔されてたまるか！さっさと追い出せ！｣
後｢けど保守は必y｣
友｢さっさと逝けぇ！！｣

今日は仕上がらなかったな
明日こそは

保守

保守しとこう

>>99
昔あった剣道部シリーズを思い出した

早朝からお久しぶりの短編投下します。
7+1レス予定です。

「…寒いねぇ」
『うん、寒い。昨日の暖かさはどこへ行ったのか不思議だ』
「三寒四温なんてもうないのかねぇ」
『また妙なところを気にするな、君は』

彼がふとそうつぶやくのもわからないわけではない。

毎年のことながら、もう既に異常気象という言葉を使うのは合理的ではない。
正常な気象、この場合は伝統に基づく四季折々の移り変わりを大まかな指標
として考えるものだと思われるが、それは参考にならない。

尋常でない寒暖の差は、季節感を狂わせる。といっても、先頃まではまったく
といっていいほど気にしていなかったことで、私が言うことではない。

「クリスマスが終わったら正月、正月が終わったら受験シーズン」

腕組みをしながら、いぶかしげな表情で空を見上げる。

「地獄の合宿も待ってるし、春が来るまではなかなか厳しい日が続くねぇ」
『そんなことはない。春が来る前にも嬉しいことはある』
「お？なんかあったっけ？」
『ああ。ただ必ずしも嬉しいかどうかはわからない』
「…節分、じゃないしなぁ」
『違うな。もっと華やかなものらしい』
「雛祭り！だと僕が嬉しいわけじゃないしなぁ」
『行き過ぎ。もっと手前』
「ということは2月中…」

彼の動きが固まる。長考にはいったようだ。

私の愛する彼はとても鋭い感覚を持っているのだが、どうもそれは
常時働いているわけではないのではないか、と最近とみに思う。
気が利いていて間が抜けているというか。要するに変に鈍い。
人のことはよく気がつくのに、自分の事に関して異様なほど鈍感なのだ。

『…もちろん明日の建国記念日でもない。』
「…あはは」
『まぁいい、そこが君のいいところでもある。』
「なんだかわからんけど、ほめられたからいいか。」

そんなことを言いながら、マフラーを巻きなおして彼はまた空を見上げた。
喜んでもらえるだろうか。私は少しの不安と高揚感を胸に、家路へとついた。

さて、来る2月14日に向けて、どういった内容の贈り物をするべきか。
彼は何を送っても、よほどおかしなものでない限りはおそらく快く受け取って
くれるだろうことは予測できる。しかしながら、何が喜ばれるのかがわからない。

市販のチョコレートを買って渡すのがいいのだろうか。それとも
手作りの何かを渡したほうがいいのか。せっかく気づいていないのだから、
当日に突然渡して、驚かせるほうがいいのだろう。

ともかくいろいろな考えが浮かんでは悩み、なかなか内容が決まらない。
時間はもう少ない。慌てず、かつ早急にきめなければならない。

終わることのない思考を繰り返していると、既に19時を回っていた。
彼が夕飯を食べに来る予定があったことを忘れていたことに気づき、急いで
支度をはじめる。買い物に行く時間はない、有り合わせでいかに見栄えの
あるものを作るか。自慢することではないがこういうことには少々自信がある。

冷蔵庫を確認すると、大根、豚肉細切れ、長ネギ、卵、にら、豆腐、油揚げ。
よし、これで2品と味噌汁つきで夕飯が調理可能だ。おそらく彼を少し待たせる
ことになるだろうが、問題ない。早速準備に取り掛かる。

程なくして彼が家に来た。準備の最中であることを詫び、献立をつたえつつ
用意を進める。
豚肉と大根の煮物、あっさりにらたま、豆腐と油揚げの味噌汁。
ご飯を彼に任せ、調理に取り掛かる。

ごま油でネギを香りがつく程度にいためた後に塩コショウをし、少量の酒に
漬け込んでおいた豚肉を投入し、軽く火を通す。しょうがも少量入れれば
豚肉の匂いは消えるが、彼がしょうがを好まないのでつかわない。

短時間で味をしみこませるために5mm厚で短冊切りにした大根を加え、油が全体に
しみこんだところであらかじめ昆布でとっておいただし汁、しょうゆ、砂糖、
みりん、塩、酒を加えて味を調える。あとは落し蓋をして弱火で煮込む。

味噌汁は出し入り味噌をつかっているがだし汁があまったのでそれも利用する。
減塩白ミソだが、かれは赤ミソのほうが好きだろうか。今日のところはしかたない。
沸騰させないように過熱し、味噌を溶かしたところに油揚げと豆腐を投入する。
もちろん豆腐は絹ごしだ。これだけは一歩も引けない。

最後ににらたま。味付けはシンプルに塩コショウで。さっと卵に火を通した後に
一度卵をあげて、にらに軽く火を通した後にさっとあわせる。簡単でおいしい。

滞りなく一連の動作を終えあとは炊飯が終わるのを待ちつつ、煮物を確認するだけだ。

「手際いいなぁ。感心するよ、ほんとに」
『ありがとう。嬉しいよ』

彼はしきりに感心しながら、煮物が気になるのかガスレンジの前で鍋の中を
見つめている。

ふと、また先ほどの思考がよみがえる。
彼が喜ぶものとはなんだろうか。わからない。

「そういえば、何がいいか聞いてなかった」

不意に言われて思わずびくっとしてしまう。いったい何のことだろうか。

「合宿の土産、どんなのがいい？たぶん対したものはないと思うけど」
『合宿の土産…か。そういえばそんなことをいっていたような』
「覚えてなかった？」
『すまない、いろいろ考え事をしていたので、なんとなくしか覚えていない』

なにか見透かされたような気分で心臓の鼓動が早いが、平静を保ちつつ
鍋を持ちあげる。とりあえずは夕食だ。

「そっか。ま、15日にはかえってくるからさ」

時間が止まったかのような感覚。一瞬の混乱。そして現状把握。
目の前が真っ暗になるような。そんな気分になる。

『15…日』
「そそ、あさってから行って15日の夜にもどり」
『15…にち』
「どした？なんかあった？」

明らかに様子がおかしい私に気づいた彼が声をかけてくる。
私は悲しいような、切ないような、情けないようななんともいえない感情で
いましがたまではしゃいでいた自分の愚かさに激しく落ち込んだ。

「あれ、なんかまずいこと言ったかな…日程はずいぶん前から言ってたよね？」

彼の気遣いがさらに自分を情けなく感じさせる。
初めてのことに現を抜かし、彼の話をないがしろにしていたことが原因。
勝手な思い込みのおしつけ、それができなくなったことの喪失感。
我が侭な私のひとりよがり。

『私は駄目だ。格好つけようとして、肝心なところが抜けている。』
「なんのこと？」
『2月14日にむけて君を驚かそうと画策して。計画前にそれは不可能であることを
　わかっていたはずなのに、だいじなところは聞き忘れて』

煮物の火を止めて鍋しきをテーブルに出す。目頭が熱い。

『君が喜ぶプレゼントを考えていたのに、それができないとわかったら落ち込んで』

鍋をつかんだまま涙をこらえる。

『結局何もできないし、利己的な満足を得たかっただけだっんだろうか』

涙がこぼれて、つかんだままの鍋の中に落ちる。情けなさでへたりこみ、
危うく鍋を落としそうになる。彼があわててそれを受け止める。
足元に鍋を置くと、私の正面に彼がしゃがみこんだ。

「たとえば。」

彼は私の涙を指で掬いながら、ちょっと恥ずかしそうな顔をする。

「君の涙が真珠に変わるとして。それを集めて僕にプレゼントしてくれたとしようか」

「君が僕にくれたものは『真珠』かな、それとも『涙の結晶』かな」

俯き加減でちらりと私のほうを向く。

「僕は『真珠』だったら困るけど、『涙の結晶』だったら嬉しいな」

不意に言われた、なんともわかりにくくて不器用な言葉は、おおよその人間
には理解しがたい難解なものにも思えるだろう。しかも決して格好よくはない。
言い回しも、伝えようとすることも、不明解だ。

けれど、それは暖かく、私の心を救ってくれた。

「まぁ涙の結晶より、涙の入った煮物が今は一番嬉しいかな」

ぐぅ、とおなかを鳴らしながら彼が微笑む。なんともいえない顔で。

『…わかりにくい物の例え。格好もわるい』

思わずなくのをやめ、彼にそう告げる。

「なんだい…恥ずかしいのにがんばって言ったのにさ…」

少し怒ったような顔をしながら鼻の頭をかく彼。

『わかってる。十分。ありがとう』

困り顔の彼をやさしく抱きしめ、今度は嬉しさで涙が流れた。
せっかく泣くことを止めたはずなのに、また泣かれてしまって困る彼。

『大好き』

煮物がさめてしまうけれど、また暖めればいい。今はもう少し、このままで。

真珠の涙を零したら、貴方はそっと受け止めて。
涙を受け止める器、それは貴方の優しさに満ちた心。
とこしえの幸せを運ぶ、貴方の柔らかな心。

以上です。
感想いただければ幸いです。

『大好き』
だけ読んだ

>>112
GJ!
心理描写の上手さが羨ましい（´・ω・`）

そんな訳で三レス分投下。

…とある家の一室で、落ち着いた雰囲気の老人が一人、茶を啜っていた。
老人の名は『男』、もうすぐ84歳である。

ここ数年で男の身体は急速に衰えていた。生きれたとして…あと一、二年といった所だろうか。
「俺も、そう長くは無い…か。」
死を悲観するような言葉ではあるが、その顔に悲壮感は無い。むしろ、その顔には穏やかな笑みが浮かんでいる。

…男は結婚する事もなくずっと一人で生きてきた。
今も、ヘルパーを頼んではいるが、週一であるため殆どの時間を一人で過ごしている。
女性に言い寄られる事も何度か有りはしたが、その全てを断ってきた。

…ただ一人、愛する人がいたから。

一年の内、ほんの僅かな時間だけしか共有する事しか出来ない女性。それなのに彼女を愛してしまった。
彼女の他愛の無い仕草、表情、声、雰囲気…彼女の全てが愛しくて堪らなかった。
彼女と共有するほんの僅かな時間、ただそれだけの為に、この人生を歩んできたと言っても過言ではなかった。

「俺は…臆病だな…」
…男は自嘲混じりの呟きを漏らしながら、コタツの上に置かれた小さな箱に手を伸ばし、それをゆっくりと開いた。
箱の中にはシンプルなデザインの指輪。
思いも伝えていない、渡せる筈もない相手への婚約指輪。
墓まで持っていくのは胸中の思いだけで満杯だ。
しかし、だからと言って捨てるのも躊躇われるし…

―ピンポーン。玄関の方からチャイムが鳴り、その後に
「ごめんくださいだおー。」
特徴的な語尾の声が聞こえてきた。
時計を見るともうすぐ十時。ああそうか、今日はヘルパーの内藤君が来る日だったか。
「はいはーい、すぐ行きますよっと。」
そういえば彼は、もうすぐ彼女にプロポーズすると言っていたな。
丁度良い、この指輪は日頃の恩返しも兼ねて彼にプレゼントする事にしよう。
そんな事を考えながら…私はドアを開け、彼を迎え入れる。

「ところで内藤君…」
「えっ！そんな高い物…」
「…。」
「…。」

…そして数日後、男は84歳の…最後の誕生日を迎えた。

…彼女は…『立春』は、何年たっても美しいままだった。

「……ｸ…ｯﾀ…」
「…？」
…『立春』の様子がおかしい。
酷く憔悴した表情をしている。
「『立春』…どうした、具合でも悪いのか？」
「…ｱｲ…ﾀｸ…ﾅｶｯﾀ…」
掠れる様な声で『立春』が呟く。
「一体どうしたんだ？」
「…私は……私は……私は…」
いつもと明らかに様子が違う。一体、何が彼女を…

「私は………君の『スイッチ』を切らなければならないんだ。」

投下完了。

中途半端なところで終わらせてごめんなさい（´・ω・`）

×中途半端なところで終わらせてごめんなさい
○今日の分を中途半端なところで終わらせてごめんなさい

ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴm(ry

予定では後二話ほどで完結です。

保守

ほ。

>>118
いよいよクライマックスやね
結構ファンタジー好きなもんで…感動的なラストに期待

ho

>>112
寝てる間にｷﾃﾀｰ！

描写の細かさがｲｲ！

ほ

っしゃんCool

ほしゆ。

保守しよう

今から７＋１レスで続き投下しますー

眠気を覚えながらもゆっくりと布団から起き上がる。
クーは『ソファで寝たい』などと言っていたが、そうはいかんざき。
…クーのことを考えて、昨日の醜態を思い出して、少しバツが悪くなった。
あぁ、もうちょっと僕が強かったらなあ。
まずは顔を洗い、歯磨きを済ます。冷たい水が僕の眠気を拭い去る。
次に台所へ行って朝食の支度をする。
野菜を切って、パンを用意し、たまごを茹でる。
たまごが茹で上がる頃合になって、クーはリビングへ来た。
「おはよう」
僕はクーへ微笑みながら挨拶をした。
「おはようございます」
眠いのだろう、細い眼をこすりながらクーは挨拶を返す。
ちょっとはだけたパジャマが妙に艶かしい。
僕は見たい気持ちを抑えながら、ゆでたまごの殻をむき始めた。

平和な日。
普通の日。
何も煩わしいことはない。
少し日常から離れてみて、分かった。
平和、普通、それこそが幸せじゃないか、と。
昼間からベタベタしてみたり、友人達の急な訪問にびっくりしたり。
散歩してみたり、一緒に食事を作ったり、添い寝をしたり。
とても、とても幸せだった。
ずっと、かみ締めていたかった。
そして、家に戻ってから６日目の朝。

>>131
-------------------------------------------------------------------------------------
Mechanical Fairy
ver,1.07 選択
-------------------------------------------------------------------------------------
『元気にしてたか、巧くん』
電話口からすこし疲れたような、チーフの声。
「元気ですよ」
クーは僕の方を無表情に見つめていた。
朝の爽やかな空気が、カーテンを揺らしながらゆっくりと吹き付ける。
「それで、何ですか？」
『あぁ、Ｐ－ＶＡＬＫＹＲＩＥが直ったから戻ってきてくれ』
「食材も残ってるんですけど？」
『持ってきてもいいぞ』
「保存場所は？」
『……俺の部屋に冷蔵庫があるから、それを巧くんの部屋に』
「分かりました」
ぴっ、と携帯電話の電源を切る。
クーは何をすべきか、もう分かったようですでに準備を始めていた。
ＦＩ社から支給されている旅行鞄に持ってきたものを詰め込んでいる。
白のワンピースなどの服や、持ってきていたけど使わなかった簡易整備機など。
僕は衣服を数点と、生活必需品、食材などを詰め込む。
ぎちぎち音を立てて閉まる、僕とクーの旅行鞄。
来る時は簡単に閉まった、僕とクーの旅行鞄。
家に戻ってきてから、色んなものを再発見したんだな、と感慨にふける。
そして、僕はまた、日常を離れていくんだな、と実感が湧いてくる。
「さ、行こう」
旅行鞄を右手に下げ、左手をクーに差し出す。
「はい」
明瞭な返答をし、クーは僕の手を握る。少し、僕は強めに手を握った。

>>132
倉庫へ呼び出される僕とクー。
中には既にチーフが仁王立ちをしていた。
すっかり直ったＰ－ＶＡＬＫＹＲＩＥと武器が三つ、そして黄と赤の機体が一機。
「まずだなー」
眉間に皺を寄せながらも説明を始めるチーフ。
僕とクーが腕を組んでいる様子を見た途端これだ。
塩はすでに準備万端で、倉庫の隅には塩の袋が山のように積まれている。
「Ｐ－ＶＡＬＫＹＲＩＥは完璧に直っている」
「見れば分かります」
「……で、横にあるバズーカとナイフ、長刀の話をしよう」
チーフはツカツカと、たまに頭から蒸気を噴出しながら歩いていく。
その後ろを、僕とクーは腕組みは解かずにゆっくりと歩く。
長さは５ｍほどもあるバズーカの前に着き、振り返るチーフ。
すぐに顔を背ける。顔は自身の影で暗く、口だけは動いていて、なんだか怖い。
「このバズーカは長距離砲撃用だ。威力や距離は強く長いが、反動がでかい」
こちらを見ずに、指差しながら説明するチーフ。
「なので、安定した足場が無いと使えないので要注意だ」
ふむ、と僕は一回頷く。
「次はナイフだな」
チーフはバズーカの隣にある、１ｍほどのナイフを指差した。
「素早く近づき、素早く切り裂くのを重視したナイフだ。軽さは保障できる」
「はぁ」
「見れば分かるとおり、やはり射程が短い。だが投擲用としても使えるから、その点は問題ないだろう」
「へぇ」
「しかし、相手に致命傷を負わせることは難しい。威嚇や足止めのために使ってくれ」
「ほぉ」
「……もっとまともな反応は出来ないのか？『へぇ！』とか」
「チーフの説明が面白くないんです」

>>133
チーフは押し黙って、こちらを恨めしい眼で見てきた。
さほど気にすることなく、僕とクーはそのままチーフの挙動を見ている。
僕達の反応を見てがっくりと肩を落としたチーフは、ゆっくりと３ｍほどの長刀のほうを指差し、
「これはだな、切り込み用だ」
「で？」
「……この大きさにしては軽く、切れ味も良い。だが、投擲は出来ないから使い勝手は悪いだろう」
「それで？」
「これからは、この三つを使って模擬戦闘を行い、改良の余地を見出すことになる」
「へぇ」
「……なあ、そんなに俺を虐めるのが楽しいか？」
「うん」
「最悪だな」
「最悪です」
チーフはすでに涙眼だ。
「戻ってすぐで悪いが、すぐに乗ってくれ。改修と同時に加えた新機能がある」
と、リフトへいざなうチーフ。
僕とクーは―もちろん腕を組みながら―リフトへと乗った。
リフトが上がっている最中、チーフは出来る限りこちらを見ないように努力している。
わざと視界の中に入ろう、とも考えたがあまりに可哀想なのでやめた。
コクピットに乗り込み、ヘルメットをつける。クーが隣に座ったのを横目で確認した。
『では、起動してみてくれ』
久しぶりだ。僕は心を落ち着かせて、念じた。
―起動（ラン）―
視界が変わる。この感覚で、僕は非日常に戻ったんだ、と感じる。
見下ろすと、チーフがニヤニヤ笑いながら僕の方を見ていた。
＝巧？＝

>>134
え、と思わず呟く僕。今の、澄み切った声は、確かにクーの声だった。
チーフはニヤニヤしながら、僕の驚きの声を聞き取ったようだ。
『それが新機能だよ、巧くん』
―は？―
『君に、乗っている最中でも素体の声が聞こえるようにしたのだ』
―へぇ！―
『こ、この、この反応を求めていた……っ！　こほん。　これで、二人で共闘出来るだろう』
―そうですね―
『後は、飛行能力がついた。それは明日やってもらおう。では、停動してくれ』
―この説明のためだけに起動したんですか？―
『おう』
―……さいですか―
『ほら、さっさと停動する』
―停動（ランアウト）―
視界が僕自身のものに戻り、身体に血が通うように感じる。
深く息を吐き、ヘルメットを外す。隣のクーを見ると、視線が合った。
コクピットが勝手に開いていく。既にリフトは上がっていた。
僕が先にリフトに乗る。そしてクーの手を握り、リフトへとクーを引っ張る。
すとっ、とクーは軽やかに乗る。チーフはその姿を見て歯軋りをしているようだ。
リフトが降りる。音は静かだ。チーフの歯軋りの音だけが聞こえる。
「おつかれ」
物凄く小さく暗くチーフは呟く。周りに青い炎が浮かんでいるように見える。
僕は暗さを放出するチーフから眼を離し、黄と赤の機体に眼を向けた。
「隣の機体はなんですか？」

>>135
チーフは顔を上げ、問題の機体を見て、僕を見た。
「Ｐ－Ｚｅｕｓだ。君の機体の大元になった最初の機体だ」
「へぇ」
「一昨日こちらへ回されてきたんだが、保管場所がなくてここに居候、って形になる」
「そうですか」
僕はＰ－Ｚｅｕｓを見ていた。かなり重々しいフォルム。
黄と赤の色のためか、かなり華美に見える。クーもＰ－Ｚｅｕｓに見入ったようだ。
「ところで」
チーフの声で僕とクーは眼をチーフに戻した。ひどく真面目な顔つきだ。
たまに、僕はこの顔、この雰囲気に気圧される。
「専属のテスターにならないか？」
意味が分からなかった。
「どういうことですか？」
「以前は、一ヶ月、と期限付きだったが、それを反永続的に、ってことだ」
僕の頭は、意外に冷静だった。驚きこそあれ、狼狽はしなかった。
チーフの提案が突然だったせいもあるだろう。
「どう変わるんですか？」
「まず、箱詰めじゃなくなる。必要があれば呼ぶから、その都度来てくれれば良い」
「それだけですか？」
「いや、まだある。素体Ｃ００ＬＮＰ９、いや、クーと呼ぼうか。クーを君の学校に入れる」
思考が止まる。クーは、無表情のまま、固まっていた。
チーフは僕らの様子を見て、ニヤニヤ、とあくどい微笑を浮かべた。
「君との綿密なコミュニケーションと、俺との緊密な情報交換、あとは社会経験を得るためだな」
うんうん、と微笑を浮かべたまま頷くチーフ。我ながら上策、と考えているのだろうか。

>>136
「どうだ？　決して悪い話ではないと思うが？」
チーフのニヤニヤは更に深くなっていく。もはや悪人顔だ。
確かに、ずっと居られるなら願ってもない。でも、ちょっと待てよ。
「……僕が人との戦いに動員されることは？」
クーが、はっ、として僕の顔を見た。
チーフは真面目な顔つきに戻り、落ち着いた声で返答する。
「不測の事態が無い限り、動員はされない。　テスターだからな」
僕は、ゆっくりと考えた。
クーは、僕を見つめていた。
チーフは、僕の返答を待っていた。
メリットとデメリットを見比べて、どっちがいいか、考えた。
ずっと、クーと一緒に居られる。でも、万が一、巻き込まれたら……
数分間、誰も、何も言わなかった。
僕の考えが固まり、ゆっくりと答える。
「……お受けします」
僕の答えに、チーフは眉一つ動かさず、真面目な顔を保っていた。
「そうか。では、早速手続きをしておこう」
くるり、と後ろを向くチーフ。
と同時に、クーが僕の頬に口付けをした。
「んあっ！？」
思わず声を出す僕に構うことなく、何度も何度も。
チーフの足が速くなった。扉から出て行く直前に「バカヤロォ！」と叫んだのは気にしないでおく。
口付けの嵐が止み、クーは固まる僕の前に回りこんで、抱擁し、
「嬉しい」
一言だけ呟いた。
僕はクーを抱き返した。二人の時間が、ゆっくりと流れていた。

急転する状況。ついに、クーが学校へ転校する日がやってくる。
学校は騒がしくなる。平穏な日常が、平穏ではなくなっていく。
ある意味不測の事態に、学校の者はどんな反応を見せるのか？
そして巧は、同級生達の詰問に対して、どうやって答えるのか！？
次回Mechanical Fairy「同志」

次から第二章、日常編。
五話ぐらいを予定。　お楽しみにっ

これは展開が読めないなぁ

うわっおもしろっ

今日も朝から激しいタカくんが保守

ho

http://sucool.s171.xrea.com/up/src/up0233.jpg
ho.

タカくんが保守

ho

保守。

ho

>>143
これはわきたつ

絵を描きながらほしゅ

wktk

ほ。

久々にwktk、
昔の俺はスルーとwktkが同じくらいだったんだよな
今の俺にｗｋｔｋされても困る

ho

保守。

保守ール

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またかよ('A`)

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