1 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
題名:スガオと8人の火吹き男
2 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 05:53:56 ID:+UVdYSTe0
もうそんな季節か
3 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 05:53:57 ID:LUtJf0Hv0
チンコ切って寝ろ
4 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 06:03:59 ID:TxGc+pd90
元々無かったらどうするつもりだ
5 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:06:03 ID:eHVwfFYA0
その日、老婆は、預言者は話した。
4月1日、TVの画面には預言者のまがまがしく歪んだ顔が張り付いていた。
そして世界中の人間が、それと対抗するかの如く、しかめ面で画面を睨みつけていた。
ここまで預言者は今までいくつもの未来の天災を世界に告げ、それで政府から一般人まで、
彼女の予言を全て信じるに至っている。
彼女のために世界から天災が野良猫のように追い払われて五年が経つ。
7 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 06:09:49 ID:VO8HVw7dO
>老婆は、預言者は話した
( ^ω^)
8 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 06:10:44 ID:fagxAsE+O
9 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 06:12:38 ID:k8IJkq9OO
スゲェ・・・まったく興味をそそられねぇぜ!
4月一日、老婆は、預言者は今までよりはるかに重要な予言をすると述べ、
世界各国のTVはそれをニュースしたのである。
果たしてどのような予言か? 人々の関心の方角は不思議に楽天的で
(彼女は常にネガティブな予言しか行わなかったのにもかかわらず)、
輝ける未来の予想を語り合う日々が続いていた。
11 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:16:26 ID:eHVwfFYA0
その日、――
その日、老婆は、預言者はこう話した。
「世界に8つの呪いがかけられた。この呪いは人間には解けない。この呪いは人間へ下された罰である」
世界に戦慄が走った。預言者の静けさ。皺だらけの顔には表情一つない。
「8つの呪いのうち、最初は3つの呪いが現れる。病の罰、魔物の罰、穢れの神の罰である。
世界は崩れる。どこにも救いはなくなる。そうして最後の罰が、十二月三十一日に下される。終末の罪。……そのjy」
「ju」
そこでTV画面は途切れた。
12 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:21:05 ID:eHVwfFYA0
アメリカ人のアナウンサーが続きの情報を話すために現れるまで、
世界は普通の百倍もの時間を感じた。世界人口がそろって、
言うなればまるでサンドイッチのような二重の時間を過ごしている。
たったの三十分が、人々の体感では数時間にも思われる。不思議な一致。
この時が、最初で最後の、世界が一つになった瞬間だったとのちに人は語った。
13 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:22:17 ID:eHVwfFYA0
アナウンサーの声。
「病の予言(なぜかは分からないが、アナウンサーは罰と言う言葉を使わなかった)
の内容です。黒い斑点を身体に見つけた方は、至急病院まで」
「いえ」
「は?」
「申し訳ありません、病院には決して訪れず、決して自室から出ないように。家族とも顔をあわせてはなりません。
各国の職員が現れるまで、決して」
「決して人と話してはなりません」
14 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:24:50 ID:eHVwfFYA0
その時、一人でTVを見つめていたスガオは、瞳をそらせて、ただぼんやりと、右手をのぞいてみた。
彼の親指の付け根には、まるで内部から影が射しているように、黒い斑点が染みついていたのだった。
15 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:34:48 ID:eHVwfFYA0
ケース1 TV(アメリカの局)
緑色した、奇妙な動物が歩いている。
人間と似ているが、腕が三本(左右のどちらかが多い)、
指が七本あるのが確認される。身体は人間の1.5倍ほど、
全身は人間よりはるかに強靭な筋肉に覆われている、
というか、肌が割けて中から肉がはみ出して出来ているような外見。
よく湿っていて、体毛はなく、狭い場所に入ると形状が自由に変わる。
その際におびただしい量の血液が流れる。血液は黒い。
顔は皮からはみ出した筋肉でむごたらしい形(まるで死に至るほど拷問で痛めつけられた人間のよう)だが、
瞳のようなものが肉の間から現れることがある。
16 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:40:00 ID:eHVwfFYA0
頭部には瞳の他に緑の肉に覆われた口があるが、ほとんど開かない。
まれに苦しそうに赤子が泣いているような音を出す。
彼らは異様に力が強く(生きている動物とは信じられないほどに)、
コンクリートの壁くらいなら破壊できる。ロケットランチャー並。
人間の気配を感じるとそちらへ向かい、死ぬまで殴る。あるいは蹴る。
女性はレイプされた後に(その動物は形状が変わって人間の腕ほどの性器が現れる)、
殺されるようだ。
17 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:45:56 ID:eHVwfFYA0
銃弾もめり込むだけで効かない。熱でも溶けない。
ために彼らは動物でないのかもしれない。
現在、アメリカのTVは、なぜかカメラの前でうろつくその動物を映し続けたまま止まっている。
その動物がどこから現れたかは分からない。ただ、突如として現れ、いくつも街を消し去っていく。
逃げたとしても、その動物はどこからか沸いて出てくるのだから、
逃げるという動詞じたいが意味を成さないのだ。逃げた先で彼の目の前には
再び動物が現れ、家族はレイプされ、そうして彼も肉の塊にされるだろう。
その動物を人々は『魔物』と呼んだ。
18 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:54:55 ID:eHVwfFYA0
ケース2 TV(女性アナウンサー、インドにて。局はイギリス)
ご覧下さい、あそこです、学校です。まだ魔物には占拠されていないようです。
しかし、この中にあの、邪神が、王が、いるという話なのです。まだ、誰もカメラに
収めたことのない映像です! 魔物ではありません。あれは穢れの予言の……あっ、
いました、教室の前です、この、土で出来た簡素な学校の、教室の手前の、廊下で、
たたずんでいます。周りには政府の?
(こら、やめろ!)
あなた軍人? この国にはまだ軍人なんているの? それより、……あっ、あれは、
19 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 06:57:07 ID:eHVwfFYA0
全身鎧に包まれている、見るも不思議な鎧です、見えますか、
様々な鉱石が板状になってつなぎあわされて、世にも恐ろしい統一性をもった姿、
見えますか、噂は本当でした、近づきましょう、もっと、もっと(ここで政府高官? の首が突然飛んだ。
邪神と呼ばれる全身鎧の者が巨大な刀で斬ったようだ……はっきりとは見えなかったが)、
あれ、大変です、邪神は怒りました、あ、次は、他の方も、大変、離れていてもこれでは、ね、逃げましょう。
(ここで女性アナウンサーの首も飛んだ)
20 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 07:06:04 ID:eHVwfFYA0
ケース3 研究所員の話
ご覧下さい。
このビデオは、偶然、ある技術者(極めて犯罪的!)が国連病院にハッキングした際に、
そこの監視カメラの記録を入手し、彼の善意から……これは善意と言って過言ではありませんでしょう。
さて、皆さん、件の映像の病院では、魔物により医者は全て殺され、
看護婦は犯された上にやはり殺されました。魔物がどこから出現したかは謎ですが、
この病院は例の『予言の黒い病』の患者が入院していたとのことです。
そこについての議論は避けましょう。
……そう、これです。この映像。ストップ。そう、巻き戻して、ここから。ここからご覧下さい。
21 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 07:08:54 ID:eHVwfFYA0
(二頭の『魔物』が二人の看護婦を犯している。看護婦の顔は黒く変色するまで殴られていて、
時たま聞こえる悲鳴と諦めたように漏れる嗚咽、そして吹き出る血液によって生存が確認される。
『魔物』が動くたびに腹が膨れて、徐々に裂け目から肉や腸がはみ出している。
『魔物』の爪により半分ほど頭の毛をそがれている)
どうです、皆さん? あたかも『魔物』より『看護婦』の方が気持ちよさそうでしょう? もう少し、この後……
22 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 07:15:41 ID:eHVwfFYA0
(やがて看護婦の一人が眠たげに黒目を上に向けた。頭部が破けてクリームのような脳髄がはみ出していた。
もう一人は相変わらず 気持ちよさそうに もだえている。
しばらくして、『魔物』たちは去った。ビデオはそこで終わった)
23 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 07:16:38 ID:eHVwfFYA0
ポイントはここです。『魔物』たちはどうしてあの看護婦を残したのか?
我々は二人の違いを徹底して調査しましたが、容姿(ビデオでは勿論分かりませんでしたが、
もとはそれなりに美人だったそうです)、学歴など、ほとんど同じ水準と言っていいでしょう。
いいですか? 『彼女』と『彼女』には一つ違いがあります。
殺された看護婦は子供がいます。生かされた看護婦にもいます。
ただし、生かされた看護婦は新たな命を宿していました。分かりやすく、
そう、だから、妊娠していたんです。
『魔物』は妊娠した女性に何を……否、胎児に何を……
24 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 07:18:17 ID:eHVwfFYA0
……は? いえ、それは分かりません。彼らの生態が、
人間の性や生殖に対して何か意味を持つなどと、考えるのは、
哲学者の仕事であり、私はその道の専門ではありませんから。
(以上、『悲』三つのケース)
ホス
駄文でソマソ
休憩します
がんばれ〜
思ったんだ
このスレの食いつきが悪いのはスレタイが良くないからじゃないかな
>>28 帰ってきました
ありがとう。
そうなのかな?
出だしもへたくそだったし…
さて、続けます
第一章
(1)
……スガオの視界は狭く、揺れていて、神経が壊れたように錯覚するほどだった。
このまま視界と共に、アイスクリームのように自分が解けるのではないかと思われた。
むしろそれでもよかった。
ひどく暑い。そして急に寒くなる。そういう病らしい、この『予言の黒い病』と言う奴は。
全身にまとった布から、腐ったような匂いがする。
幼い頃に両親に叱られた言葉。「風呂に入れ、臭くなるぞ」
(父さんごめん……)
東京は『魔物』が壊滅させたらしい。そう、音信普通だった彼の家族が住んでいた街は、
巨大でグロテスクな化け物のための遊園地になっていたのだ。彼は後悔した。
どうしてもっと家族と仲良くしなかったのか。
京都の祖父の家に逃げてきて二年。二十歳になって、まだ思春期のようなスガオの人生だった。
両親が『魔物』の腕により、餅のように叩かれて変色する夢を時たま見る。
31 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 08:04:29 ID:eHVwfFYA0
最初はなぜか預言者を恨んだ。遠い世界の人だったが、彼女が予言しなければ、
彼は『予言の黒い病』におかされる心配もなかったように思われて、憎む。
けれどもそれも過ぎた。
どうしてこんな目にあうのだろう。どうして人間は罰せられたのだろう? そもそもあの預言者は何者だったのだ?
分からないことだらけだ。……
九月。まだ蝉の声がする。
快晴。
スガオはすでに全身が斑点は覆われている。体が重い、体温調節ができない、
その程度の症状だったけれど、いずれ死ぬということも風の噂で知っていた。
自分をつつむこの布が自分を生かしもし、殺しもするように思える。
息をする。息を恨む。身近なものを恨むくらいの気力しか残っていない。
33 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 08:14:13 ID:eHVwfFYA0
街に出て、『魔物』に見つからないようにコンビニに向かう。
初めは文化財には『魔物』が近寄らないという迷信が流行ったものだ。
今では人っ子一人いないような街だ。たまに狂人と出会う。
あれから半年近くだな、と彼はつぶやいた。
……山の廃寺に隠れ住んで数ヶ月、下界の様子はたいして変わらないようだった。
街は地震に遭ったように崩壊していた。
『魔物』が人間を追って壊したのである。一つ言えることは、街には火がなかった。
火事も起こらなかった。それが地震との大きな差異だ。
何の匂いもしない。街は匂いに溢れていたことを思い出した。
悲しいかな、詩的な九月の匂いだけスガオのうちに入ってくる。
夏を過ぎていくらかのビルからは木々が生えている。まさか環境破壊で『魔物』は?
などと考えるのも馬鹿らしい。それなら今、世界を破壊したのは我々ではなく、他の誰かだ。
音がした。
魔物か?
……猫である。久しぶりに見た。通り過ぎる。十二月になればあいつも死ぬ。
彼もまた、予言をいやでも意識する一人だった。
斑点が出来ていくらか経つと突然呼吸困難に陥り死に至るという。
スガオはまだ生きている。
食料が無くなったためにコンビニに入る。ガラスが割れているコンビニ。
健全な生活、健康な経済の象徴。見る影もない。
中に入って、彼は慄然とした。
(あいつら、まだ生きてるんだ!)
ぼろをまとった民衆、ホームレスのような……十数人ほどだろうか、
食料の中でひっそりと円を組んで、何かを口々に呟いていた。
笑い声がした。外で狂人が笑っているのだ。
人々は何か奇妙な呟きに没頭していて、何も気づかないようである。
スガオは急いで缶詰を取る。(慎重に、慎重に、慎重……あいつらが生きていた!
もう死んだと思っていたのに、一ヶ月経っても、ここには偶然『魔物』が来なかった
ということか。ああっ)缶詰が手から落ちる。落ちる途中に拾おうとして、失敗し、
余計に遠くへ投げてしまう。(しまった!)
人々はいっせいに振り向いた。
35 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 08:18:41 ID:eHVwfFYA0
人々はいっせいに振り向いた。
「おい、お前。知らないぞ」
「知らないぞ」
「知らないぞ」
スガオは怖くなった。(やばい!)
「これ、貰ってくよ」
「お前、その布を取れ」
「いやだ」
「取れ!」
一人が立ち上がって猛烈に近寄り、布に触れた。顔の布ははらりと落ちた。
彼らの顔が青ざめ、代わりに瞳の黒は大きくなった。
もっとも、これはスガオの錯覚かもしれないが。
36 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 08:20:05 ID:eHVwfFYA0
「『予言の黒の病』だ!」
人々は叫びながらいっせいに立ち上がった。泣きそうな顔をしている者もいる。
「燃やせ!」
「うつるぞ!」
「うつる!」
「気をつけろ、奴らは『魔物』を呼ぶ!」
スガオは近くの防虫スプレイを、思い切り投げた。近寄ってきた男はマンガのような動きで顔を抑える。誰かの絶叫。
スガオは胸にありったけの缶を持って、走った。
「速いなあ、お馬さんみたいだ」
と狂人が笑っていた。
お馬さん? そうだ、俺は人間じゃない。
スガオは小さく笑った。スガオはただ、怖いだけだった。
恨めしいだけだった。感情も何もな……
「痛いっ」
スガオはマンガのような動きでこけた。そうして個性のない、怒りに満ちた表情の男たちに囲まれた。
後ろは無人のビルの壁。
37 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 08:25:21 ID:eHVwfFYA0
「貴様など速く死んでしまえ!」
彼らはたいまつをこしらえて、ライターで火をつけ、投げる。
「貴様などいらなかったのだ」
「熱い!」
「貴様のせいで、俺たちも終わりだ。お前は二度も来た。悪魔の使者だ!」
「違う、俺は、何もしていない!」
「貴様の不吉な魂が、その病を呼んだ。貴様らが元凶だ」
「違う!」
「お前は邪魔なんだよ!」
「熱い!」
スガオの目からはおびただしい涙が溢れ出した。
自分が何をしたというのか。彼らと何が違うと言うのか。
ただ、死をまっているだけではないか。
38 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 08:25:54 ID:eHVwfFYA0
「来ないでくれ!」
「だって食い物……」
「化け物!」
「そんな」
「黙れ!」
「俺も人間……」
「嘘をつけ!」
「うつすぞ!」
スガオは泣きながら叫んだ。
「うつす! 俺が悪魔なら、お前らにうつす!」
「こいつ、泣いてるぞ」
彼らがひるんだ、あるいは嘲笑した隙に、スガオは駆け出して、
瞳から溢れる悔し涙を拭くためにも、
新しい包帯を、黒い斑点が虫のようについている顔に巻きつけた。
(年末には、あいつらだって死ぬのに!)
曲線を描いて道に倒れているコンクリート塀に、黒い染みがあった。
『魔物』がいたあとである。彼らも早目に死ぬかもしれない。
半年。
スガオは生きていた。
39 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 08:28:48 ID:eHVwfFYA0
ここで(1)は終了です。
>>39乙
いい小説だけど人がこないからなぁ・・・
まあ気楽に書いてください応援してるよ
41 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 08:34:09 ID:eHVwfFYA0
42 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 08:37:20 ID:2G0+Xvm60
/\___/ヽ 保守
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| +
\ `ニニ´ .:::::/ +
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
保守
44 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 09:15:11 ID:eHVwfFYA0
今日午後になって続きかけるか分からんので頑張って続けます
45 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 09:28:06 ID:eHVwfFYA0
(2)
はじめの一ヶ月くらいはTVが放送されていた。
そこからスガオはいくらか情報を得、不治の病と
偏見に苛まれる自らの苦悩も手伝って、様々なことを推察してみる。
46 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 09:30:10 ID:eHVwfFYA0
世界はおよそ二ヶ月で極限まで混沌に包まれた。
あれだけ戦闘の手段を揃えた人類にも防ぎようのない『魔物』の襲来、
『予言の黒の病』の伝染の恐怖、来年が無いという時間的な断崖絶壁、
それらが世界をおびやかした。これは実に巧妙な罰だった。罠にさえ思われた。
人類に逃げ場は無かった。人類は『打ち勝てない』という状況を知った。これまではなかったことだ。
47 :
スガオ作者 ◆twpKq/x6U6 :2005/12/26(月) 09:32:05 ID:eHVwfFYA0
今日か、おそらく明日、続き書きます。
保守していただけたら嬉しいです
厳しいけどがんばるか
49 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 09:34:27 ID:adNWFrHe0
以前にマクドナルドでバイトの女の子に対して通常とは逆の順番で注文したら
どうなるか試したという書き込みがあった。つまり、
「店内で、バニラシェークのMサイズと、マスタードソースのナゲットと ポテトのSサイズとチーズバーガー下さい」
という風に。
レジの女の子はすっかり頭が混乱してしまって、何度も注文を聞き返し、
おまけに 最後に「店内でお召し上がりですか」と聞いたそうだ。
面白い。そこでサブウェイでも同じことをしたらどうなるか試してみた。
「店内で、ペプシコーラのMサイズと、あと、レギュラー調味料を入れて、野菜を全部とピクルス多めにして、
Mサイズのハニーウィートにはさんだサブウェイクラブをお願いします。」
バイトの女の子は顔を挙げて言った。
「あいかわらずの性格ね。」 別れた彼女だった。
「僕らの時間も逆にたどれないかな?」 突然泣き出す彼女。
「おい、いきなり泣くなよ。こんなとこで・・・・」
「ごめん。でも逆にたどるなら、始まりは涙でしょ?」
俺はまわりの目も気にせず、彼女にキスをした。
保守
51 :
電波ジャック ◆V2N1269hMQ :2005/12/26(月) 09:56:14 ID:4Dgpxh0L0
「Hey Boyyyyyカムバックトゥミィィィィィーーーー」
「うわ!何だ、お前!?」
「アチシは世界NO1のハスビニスト ヴァン・ド・オルバニックですーーーーーー!!」
「バカいうな!世界bPがハスビー乗ったまま人にぶつかるかよ」
「Sorry!!」
「ってうわあああ俺のボード壊れてる!!」
「Oh!!Imソーリエスト!!悪気はわかったのさ!」
52 :
◆1QLMOkAgl2 :2005/12/26(月) 10:19:48 ID:4Dgpxh0L0
てst
53 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 10:32:54 ID:dE0Thar7O
保守
保守
55 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/26(月) 11:16:00 ID:dE0Thar7O
保守
56 :
◆8dTO4OOgC2 :2005/12/26(月) 11:17:36 ID:4Dgpxh0L0
僕もまたハスビーの魅力に取り付かれて、
危険で爽快な非公式競技のとりこになっている。
険しい山道を一時間近く登ったのもこのためだ。
落ちているのか、飛んでいるのか、
そのどちらかといえば落ちている。
本来は『飛ぶ』競技だったのだけど。
僕たち若者の興味はいつだって足を離して飛ぶことにあった。
だけど飛行機だって足は床に着いている。
バンジージャンプだって体にロープを巻いている。
そのときの空は自由なんかじゃなかった。
ハスビーは違った。
スノーボードみたいなその板切れは、
何だかよくわからない難しい理屈で浮遊して、
そして僕らの意図を体重移動で察して移動した。
体を傾けた方向に曲がった訳だ。
足につける器具は最小限、板それのみで、
僕らの理想に最も近かった。
ハスビーを利用した公式レース競技がテレビで始まったのが一年前で、
そのラリー並みのスピード、バイク以上の過激さに、
大人も子どもも夢中になった。
そのなかからマネしたいという者が現れるのは時間の問題でしかなかった。
57 :
◆8dTO4OOgC2 :2005/12/26(月) 11:24:30 ID:4Dgpxh0L0
そしてこの間、子ども向けのハスビーのおもちゃが発売された。
子どもと一部の大人たちはそれに群がったけど、
概ねのものが愕然とした。
おもちゃはおもちゃでしかなかった。
速度はせいぜいラジコン程度出ればいいほうだった。
だけど坂道ではそれは違った。
重力は僕たちの味方だったのだ。
壁のような絶壁の傾斜で、
あとは少し浮遊すればギリギリの重力で
猛スピードで坂を下り始める。
ほとんど落ちるみたいに、
怖いくらいのスピードで加速する。
その極限に危険で快感な非公式競技
――ドラッグレース――に僕も魅せられていた。
別の小説があるな・・・
保守