【ずっと】素直クールな娘【一緒に】

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723以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:09:59 ID:Pw5khNsA0
>>587
「家族」の中の人です
俺の作品を入れてくれてありがとうございます、ただ・・・
ちょwwwwwwムエタイwwwwwwww

最近続きが滞って申し訳ない〇| ̄|_
この時期は何かと忙しくて書く時間が無い
出来るだけ時間をとって書くつもりなので、待っててくれる人がもしいるなら
申し訳ないが、もう少し待ってください
とりあえず今から少し続き書くんで
724以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:22:43 ID:ldPGY7BfO
ほし
725以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:55:29 ID:9NeMWtUg0
ほす
726以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 09:55:52 ID:y7oD7ACRO
保守
727以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:27:25 ID:y7oD7ACRO
保守
728以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:44:17 ID:DIG7Lmft0
>>702――12月24日:会えない二人 京 AM9:00
  京の自室にて。
  手に取って掲げ、ニットで編まれたそれを、じっと見る。濃紺の色合いを基調とした、少し変わった
 形の帽子。亮が、二人で過ごす時間が取れないと詫び、せめてこれだけはと渡してくれたクリスマス
 プレゼント。彼が自分の生活費を削ってまで贈ってくれた、大切な品物だ。
  きっと、生涯を終えるその時まで大切に持ち続けるだろう。その自信も、ある。
  けれど、何故――彼がこんなにも想ってくれているのに、彼が想いを形にして渡してくれたという
 のに、私は残念だと思うのだろうか? 何故、こんなにも不安定な気持ちになるのだろうか?
  もう、二日会ってないから? 終業式の日、放課後になってすぐ行ってしまったから、寂しいの?
  そう考えて、頭を振った。
京「情けない……彼に依存する気持ちが、まだ私の中に残っているのか。亮は、私の言葉を信頼してく
 れたのだ。クリスマスは一緒でなくていいと、私はそう言ったじゃないか。彼の気持ちを、裏切る
 のか? 大好きな人の思いを、踏みにじるのか……?」
  頭の中の言葉を口にして、己を戒める。
  それは、絶対にできない。してはならない。そうすると、亮が傷付く。私が傷付く。
  だから、彼と過ごせる日が特別だと、言ったのではないか……
  ニットキャップを机に置いて、携帯電話を手に取る。液晶画面に、彼からの連絡を知らせる
 メッセージは、表示されていなかった。
                                 続く
729以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 10:56:41 ID:+KdBHWYbO
切なス
7301/3:2005/12/24(土) 11:17:18 ID:uoCl37Q3O
俺の名は怪盗「男三世」
今日も汚い金にまみれた金持ちのお宝を、からかい半分で盗みに来た。
おっと、盗んだブツは毎回返してるぜ。
いつものように警官に変装して現場に潜り込む。
周りは蟻一匹お宝に近付けまいと鼻息が荒い。
さてさて、どうやって盗み出そうか…。
ん?女刑事風の美人がこっちを見て体を小刻みに震えさせている。
ツカッツカッ
やばい!もうスピードでこちらに迫ってくる!バレたか!?
ク「いきなりですまない、私と結婚を前提に付き合って欲しい」
一同「ザワッ」
周りの全視線が俺たちに向けられた。
731以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 11:17:25 ID:heiDl17M0
hohoho
7322/3:2005/12/24(土) 11:18:27 ID:uoCl37Q3O
男「…え?」
警官A「クー警部補と…男は誰だ?」
警官B「知らん、見たことがない」

やばい、思いっ切り目立っている。

ク「以前の現場で見掛けた時、心臓を撃ち抜かれた思いがした。
あの時君はすぐにいなくなり、直後盗っ人の乱入で告白どころではなかったからな」
一同「ザワッ」
ク「目に焼き付けた君の顔を署内の全資料と照らし合わせ、寝る間を惜しんで調べ上げた。
…が、残念ながら君が誰かを知るに至らなかった」
警官A「おい、それって…つまり…」

やばい、やばい、やばい。
7333/3:2005/12/24(土) 11:20:53 ID:uoCl37Q3O
ク「しかし、今日会えて確信した、君は…」
男「…!!
バレちゃあ仕方ない。不本意だが今回は何も盗まず逃げさせてもらうぜ」
とっ○ぁん風刑事「逮捕だぁ〜!」
ばっと警官服を脱ぎ捨て、じいちゃんから引き継いだ怪盗スタイルで逃げ出す。
男「女刑事さんよ!演技とは言えドキっとしたぜ!…じゃあな」
警官隊+とっ○ぁん「「待て〜ル○〜ン」」
男「毎回言うがル○ンじゃねぇぇっ!」
男の逃走劇を一人遠くで眺めながらクーは呟く。
ク「何も盗まず?
…いいえ、君は(以下カリオストロ)」
734以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 11:32:01 ID:Ge1G5w+h0
>>728――12月24日 1−2:働く男とへべれけ女 亮 PM3:00
  居酒屋『酔狐』にて。
亮「店長。俺、店長に言いたいことあるんですけど」
店「あらら? あらららら? ついに年上のお姉さんの魅力に気付いたの? 今夜はクリスマス。
 予約のお客さんがみっちり入ってるけど、仕事終わった後なら付き合ってあげるわよ。んふふ、
 幹原のあそこが白濁液でホワイトクリスマス」
亮「酒瓶片手に下ネタ言っとらんと仕込み手伝えや。つーか店長、お姉さんと言うより俺の母親
  の方に年近いんですけどね。多分、五つ六つくらいしか変わらんですよ」
店「けっ! ニュージェネレーションの坊やは口がよく回る。ま、あんたの携帯待ち受け、綺麗
 な女の子に変わってたし、その子が彼女で操立ててるんでしょうけどー」
亮「あんた勝手に人の携帯見てるのか!? ここのセキュリティシステムは穴だらけか!?」
店「私が一応セキュリティ管理してるけど……穴ってそんなにないわよ。えーっと……
 幹原が使って気持ちよくなれる穴は、どう頑張っても三つしかないんだけど」
亮「また下ネタかよ! もういいよ! 携帯ポケットに入れて持ち歩くから!」
店「ひゃっひゃっひゃ! いいねぃ。私も、そんな時代あったんだねぃ。そうあれは――」
亮「ぐだぐだ言っとらんと仕込みやれや……! こっちは朝から飯も食わず働き詰めだぞ」
店「若いんだから平気平気。私も三日三晩ヤリっ放しで足腰立たなくなった時があったけど、
 あれも若さ故の過ちと思っt――」
亮「会話しようぜ!? 会話のキャッチボールで意思の疎通をしたいな店長と!」
店「まぁまぁ、ちょっと聞きなさいよ。若い頃の話だけど、多分あんたのためになるわ」
  そう言って、彼女は長い髪を纏めているバンダナを外した。酒瓶も傍らから離し、酒
 で赤い顔も、心なしか緩みがなくなった気がする。
亮「はぁ。んじゃ、こっちはこっちで仕事してますんで、もう存分に管巻いてください……」
店「いぇーい。幹原のお許しが出たから、お姉さん存分に語っちゃうぜー」
                                  続く  
735以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 11:55:23 ID:y7oD7ACRO
保守
736 ◆7b9DL4hJvA :2005/12/24(土) 12:06:56 ID:MV8f/2ay0
>>734
祭姉ちゃんをエロくしたみたいな店長萌え素wwwwwwww
そろそろ祭姉ちゃん再登場キボン
737以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 12:30:41 ID:/ZdnSoZY0
保守
738以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 12:56:54 ID:onsnUeBKO
ほっちゃん
739以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 13:00:44 ID:oCZT2gl60
>>728>>734――12月24日 1−3:語るへべれけ女 亮 PM3:10
  カウンター席でだらだらとしていた彼女は、こちらにじっと目を合わせて、語り始めた。
瞳「じゃぁ、瞳さんの昔話を聞かせようかねぇ。あれはもう十年前になるんだけど、私にも恋人が居てね。
 お互いに好き合ってたんだけど、学生なんて気楽な身分じゃなくて食べていくために働いてたんだよね。
 私は親からこの店引き継いだし、彼も彼で夢があったから仕事に没頭してた。もう、全然会えなくてね、
 月に一度休みが合えばいい方で、会えない時は三ヶ月顔も見せなかった。で、私も恋愛初心者だったか
 ら、このまま彼と自然消滅するのかなー、とか思ってた。恋人らしく互いの誕生日も祝えなかったから
 これまでなんだろうなって思った。でも、やっぱり好きだったから。思い悩んで、会える日が特別なん
 だって思うようにした。彼にも、そう思うようにしてって話したわ。
  んで、年の瀬でお互いがてんてこ舞いの時、彼がひょこっとここに来たの。仕事であっちこっち飛び
 回って疲れてるのに、花束と指輪持ってきてくれた。お客さんも私も呆然としてる時に――あいつ、
 しれっと言ったのよ。メリークリスマス、って。たったそれだけ。それだけなのに、私、彼の気持ちが
 凄く伝わってね。嬉しくて嬉しくて泣いたの。心のどこかで、私――やっぱり特別な日を彼と過ごした
 かったから。あはは。でもさ、仕事を途中で抜け出した彼、その後大慌てで職場に帰ったよ。私も仕事
 中だったし、ほんの短い時間だったの。
  けどね、それはきっと、何十年経っても忘れられないクリスマス。大切な思い出だよ」
亮「……その彼氏さんは、今どこへ?」
瞳「んー。今はシンガポールに居るよ。海外勤務って奴? 格好いいよね、響きが」
亮「そうですか…………よし。仕込みも一段落したんで、飯食います」
瞳「外で食べてきていいよー。何なら二時間くらい休憩あげるけど?」
亮「いや、一時間でいいです。買い忘れた物もありますんで、それを買ってきます」
瞳「ジンベエ姿で出る気? ジャケットくらい着て行きなさいよー」
亮「はい。それと、店長…………ありがとうございます。行ってきます」
                                 続く
740以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 13:29:10 ID:y7oD7ACRO
座敷わらしのだが
3レス目は少ないけど、3レスいくので投下予告を

では
741 ◆ilkT4kpmRM :2005/12/24(土) 13:30:49 ID:y7oD7ACRO
 ちゅん……ちゅん……。
 スズメが……鳴いてるな。
「なんだったか……。朝チュンだっけか……」
 した憶えはないけどね。ずっと、背中を向、け――?
 ……なんかさ、
 俺の向きそのものは同じなんだけど、彼方が目の前の、腕ん中に入ってるんだけど。
「…………」
「ふみゃ……」
「………………」
「ん……」
 …………どうしろと?
「う……ん……。はやと……さま……」
 ……モゾモゾ動いてるよ。つうか、抱きつかれてるし…………。
「彼方……?」
「うみゅ……」
 なんだか、どんどん密着してる気がするんだけど……。
「あの、彼方?」
「すぅ……」
 ……起きてください。つぅか、裸で、それはやばいです。いや、わかってるだろうけど、僕だって男だし。
「ん……なんか、あったかい……」
 起きた!
「彼方。腕を離してくれないか?」
「……はい?どうしたんですか、隼人さま」
「その、今現在僕を抱き締める形になってる手を離していただけませんか」
 少しだけきょろきょろと、彼方はまわりを見始める。
「ええと、今日は、ご用事などはありますか?」
「ないが」
「じゃあ、イヤです」
「……」
742 ◆ilkT4kpmRM :2005/12/24(土) 13:34:22 ID:y7oD7ACRO
>>741
 生き地獄を味あわせたいんですか?
「……あら」
「ん?」
 手が離れる。やっとか――って!
「おま、どこ触ってるんだ!」
「ええと、これなんですか?」
「あ……その、男性の、まあ」
 アレだ。生理現象の。
 少しして、手が離れた。なんともよくわからない、その前によくわかっていない顔をしている。
「はぁ……なるほど。さて。朝御飯はどうしますか?」
「なんでもいい。それに、もう昼だ」
「あら」
 ガバッと、彼方が起きる。なだらかだけど、少し膨らんだ胸が見えた。あと、脚のつけね辺りとか。
 ……お前は、裸なんだからもう少し考えて行動してくれ。
「今から作りますから、待っていてくださいね」
 その格好のまま出ていった。
「……」
 なにがしたいんだ?
「あ、なに食べたいですか?」
 いきなり戻ってくる。もちろん、なにも着ていない状態で。
「……まず、服を着ろ」
「あ、はい」
 てとてと歩く。僕は目を閉じた。
「よいしょ」
 衣ずれの音がするし……。
「もういいですよ」
「ああ」
「なに食べたいですか?」
 食べたい、ねぇ。そうだな……。
743 ◆ilkT4kpmRM :2005/12/24(土) 13:36:34 ID:y7oD7ACRO
>>742
「外出てみるか?」
「外食ですか?」
「ああ」
 それに、そろそろこいつの服を買い増やさねぇといけないしな。
「じゃあ、そうしましょうか」
 なんだか楽しそうだ。

「ま、こんな日だし、楽しまないと損か……」
 僕は、独り言のように小さく、そうつぶやいた。
744以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 13:37:26 ID:y7oD7ACRO
すこしエロい感じを追加
でわ、夜辺りにまた
745以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 13:53:29 ID:DlRylSdw0
君は相変わらず素晴らしいクオリティだね。今日の聖夜をモニターの前で楽しみにしているよ
746以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 14:06:47 ID:bHbOtn66O
保守。
747以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 14:07:34 ID:Mcn00Ti70
一  万  年  と  二  千  年  前  か  ら  保  守  し  て  る 
 八 千 年 過 ぎ た 頃 か ら も っ と 保  守 し  た  く な っ た    
      一 億 と 二 千 年 後 も  保  守  し て る        
君 を 知 っ た そ の 日 か ら 僕 の 地 獄 に 保 守 は 絶 え な い
748以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 14:21:13 ID:RO69UgyF0
ho
749以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 14:25:02 ID:BkKLbXgJ0
>>728>>734>>739――12月24日 1−4:貴方を想う 京 PM7:30
  京の自宅、リビングにて。
祭「ねぇ、京ちゃん。そんなしけた顔しちゃ駄目だよ。クリスマスだよ、クリスマス。メリーメリー
 クリスマスさー。野郎と過ごせないのは残念だけど、独り身も楽で結構居心地いいもんだよ」
母「祭がチキンの一つも買ってこないからしけた顔してるんでしょ。それと、京に変なこと勧めないで。
 亮君は私も結構好きだし、旦那もいいって言うなら京のお婿さん候補筆頭ね」
京「母さん。私は亮と結婚する気ですから候補ではありません。言うなれば、婚約内定者です。その前
 にお互いやることが沢山あるので結婚はまだ先の話ですが。む。待て。高校を卒業したら、籍だけ
 でも入れるのがモアベターか……幹原京……うむ。語呂がいい」
祭「早っ! 十八歳で籍入れるの!? ノーモア無計画。人生にリセットボタンはないんだよ!」
京「私は亮を好きになってから半年以上も入念に計画を練っています……話しかけるだけで半年
 かかったのは誤算でしたが、修正できる範囲内です」
祭「いや多分それ致命的だよ」
母「いいわよ、別に。ちゃんと仕事と恋愛を両立しようって子なら、京を預けられるわよ。京。
 クリスマスとか特別な日に一緒じゃないのは寂しいけど、長く共に過ごそうって言うなら、
 辛いことはまだ沢山あるわよ。自分の弱さに負けないよう、彼と自分を信じなさい」
京「はい。しかし、母さん――やはり、クリスマスにはせめてチキンがほしかったですね」
母「祭が買ってこないから……」
祭「えぇっ!? だって、麗叔母さん――当日でも予約なしで買えるっていうから!」
麗「気の利かない子だねぇ! そこを何とか調達するのが居候の役割でしょ!?」
祭「うえぇっ!? 何か無茶苦茶言われてる気がしてならねー!」
  騒がしい、いつもの家。変わらない。温かい。幸せ。だから――
  だから、この胸は痛まなくていい。彼と居られないことで、痛めてはならない。
                               続く
750以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 14:27:16 ID:bHbOtn66O
保守。
751以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 14:42:41 ID:BkKLbXgJ0
ho
752以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 15:00:18 ID:oUOvMhXrO
保守
753以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 15:13:00 ID:Rej9SVM9O
ホヌ
754以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 15:20:30 ID:/ZdnSoZY0
捕手
755以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 15:33:05 ID:3YeouJVM0
雪は少し止んだ。たれ込める雲もなく、ひさびさの青空。
街の隅に残る微かな雪。ホワイトクリスマスも今日は打ち止めかな……。
独り言のように、口をついて出る言葉。

男 「今日の夜は、雪は降らないけどかなり冷えるかもな」
クー「暖かろうと寒かろうと、別に構わない。今宵はキミのぬくもりが近くにある。そう信じて、いいのだろう?」

上目づかいにボクをちらっと見るクー。その瞳になんの迷いも、ためらいもない。
馬鹿……オレが恥ずかしくなる、あまり見るな……。

トナカイ「ただいま高度8400ft!! サンタ軍曹、本当にアレを……」
サンタ「世界中の純真な喪男の願いだ、仕方あるまい……。
     分不相応の幸せを享受する彼奴らには、コレが一番と聞いている!!」

〜男邸宅付近にあんパンの絨毯爆撃作戦、開始予定時刻18:00、繰り返す……〜

空自HQ「了解した、男を捕捉次第直ちに作戦を開始して構わない。あんパン投下も領空侵犯も、帰国の攻撃と認識しない。
      存分にやってくれたまえ、サンタ君」

……コレってアリ?
756以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 15:36:39 ID:Lb/juFY90
>>755
若干ネタ分が多すぎる気も。
あと帰国→貴国?
757 ◆xea/FPnk0o :2005/12/24(土) 15:50:22 ID:dlvA/FyQ0
>>588
遅レスもうしわけないです。
ぬお!なんか紹介されてるッ!
短編作家さんが少ない中、がんばって作品を書いておりますが、
新規作家さんの勢いに押されどうも読み手に回っております。

短編作家さんガンバッテ!
SS、長編、その他クリエイターのみなさんもお体にお気をつけください。

つけくわえるとさっきまで8割書いてた新作短編きえt  orz

クリスマス終わるまでに投稿できるようがんばってみます…
758以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 15:57:28 ID:hNRlqkm60
>>728>>734>>739>>749――12月24日 1−5:イブが終わる 京 PM11:40
  風呂から上がり、居間でけらけらと笑いながらテレビを観る祭姉さんにおやすみと告げた。
  部屋に戻ってすることは、まず携帯電話の確認。画面には、何も表示されていなかった。
京「いつもなら……電話の一つも入っているのだが、今日は忙しいのだろうか……?」
  亮はアルバイトが終わると、短くても必ず電話を入れてくれる。それがない今日は、きっと
 店が忙しくて、まだ働いているのだろう。
  私から電話はできない。そうすると、私の会いたいという気持ちが絶対に見え透くから。彼に
 隠し通せる自信は、ない。それは、亮の重荷にしかならない。彼を困らせる、害悪でしかない。
  私は、亮の前で可愛く在りたい。綺麗で在りたい。強く在りたい。
  見栄のようなものだが、好きな人の前でより良く在りたいのは、当然の欲求だ。彼を虜に
 できるなら、例えどのような難題でもこなせる。それだけ、私は亮を想っているのだ。
  だが――だから、想うが故に、この胸の痛みが消えない。消せない。
  会いたいという願いが、強く心に刻まれる。会いたいという心が、切なさを滲ませる。
  知らず、私はベッドにうつ伏せていた。震えて、身体を縮めて、声を絞り出す。
京「亮……格好をつけたが、私は君に会いたい。会いたくて、会いたくて、胸が痛いよ……!
  君に会えば、抱きしめて、キスをして、頭を撫でてほしい…………だけど、思うだけに
 止める。君と、対等な恋人になりたいから。私は君の重荷にならない。絶対に、ならない」
  思いを誓いに変えて、薄く滲んだ涙を拭う。弱いだけの女にならない。私は、亮に信頼
 される女になるんだ。
京「それでも……君を思う切ない気持ちはなくならないけどね……」
  時計を見れば、既に日付が変わろうとしていた。日付と一緒に、この弱い気持ちが切り
 替わればいいのにと、脳裏でうっすらと考えた。
  刹那――PiPiPi PiPiPiと、小さな音が鳴った。
  慌てて、携帯電話を引っ掴む。表示された画面には、亮の名前があった。
 『ごフンごに 京のまんしょん 入り口 でマツ』             続く
759 ◆xea/FPnk0o :2005/12/24(土) 16:03:58 ID:dlvA/FyQ0
とおもったら復旧できたので投稿します。今回は短く3レス分です。
760かぎろひ 1/3 ◆xea/FPnk0o :2005/12/24(土) 16:04:57 ID:dlvA/FyQ0
今年も鉄骨の枠組みの中にイミテーションの樅の木が掲げられる。
青い光を纏い、白い息を含んだ空気はさらに冷たく、暗き空へ昇る。

もうこの景色を見るのは何度目だろうか。
この時期になると私はここを訪れる。目的はもはや不明瞭になっている。
誰かを待っていた事は覚えているが、その相手の顔も名前も思い出せない。
何もすることはないであろう事を理解しながらも受け入れることを拒否し
私は毎年この場所に来る。
あの時と同じ、リブ編みのタートルネックのセーター、タータンチェックのスカート、
白いファーのついたコートを着て、樅の木を見上げるのだ。

ふと広場に目をやると、滑稽な姿をした一人の男がいた。
さして特筆すべき特徴はないその男は、とぼけたサンタクロースの格好を
しながら、困ったような笑顔で道行く人に声をかけているが、誰一人として
彼の呼びかけに応じる者はなく、手に持っているチラシは一向に減る様子がない。
しかし、いくら特徴がないとはいえ、あれだけ派手な格好をしながら
まったく取り合ってもらえないというのは少々おかしな状況ではある。
完全に、まるでその存在がそこに無いかのごとく、彼は無視され続けた。

数時間が経過し、手足が凍るように冷たくなってきた。
彼は相変わらず一生懸命チラシを配っている。自分は不器用な人間だと
自覚しているが、彼も相当なものだ。おそらく私が来るよりずっと前から彼はそこにいる。

私の目の前を通りすぎた子供が、ふと彼の存在に気付いたのかその小さな手を
彼にさしのべる。彼は満面の笑みでチラシをわたそうと手を伸ばす。

「ホラ、なにしてるの、急いでるんだから。いくわよ?」
しかし、母親らしき女性に引き連れられ、その手にチラシは渡ることなく、
子供は去っていった。名残惜しそうな目で彼をみつめる子供。
彼はまた少し困った顔の笑顔をうかべながらバイバイ、と呟いた。
761かぎろひ 2/3 ◆xea/FPnk0o :2005/12/24(土) 16:05:30 ID:dlvA/FyQ0
「誰かを待ってるんですか?」

不意に言葉をかけられたために即座には自分への言葉とは理解できず
しばらくの間は雑踏を眺めていた。

「…雪、ふってきましたねぇ」

目の前にフェルトで出来た真っ赤な服を着た彼が立ち、そう告げられたとき、
やっと私は彼からの呼びかけが私に対してのものだと気付いた。
長く同じ行動を続けていると、だんだん周りのことに気をとられなくなる。
昔は男性に声をかけられたりもしたが、最近はそのようなこともなく
こちらから誰かに声をかけるということも億劫になっていた。

「あの、これ、もしよかったら…」

彼がいつのまにか手に持っていた缶コーヒーを手渡してくる。
ありがとう、と一言告げると、彼は屈託のない笑顔を見せた。

「こんなに長い時間一人でまってるの、大変そうですね」

ふうふうと缶コーヒーの口を吹きながらそういう。
そういえば彼がチラシを配り始めてから数時間が経っている。
少なくともその時間以上は私はこの場所で微動だにせずに
待ち続けている。何を、ということもなく。

「でもうらやましいなぁ。」

うらやましい…?止まっていた思考の片隅にのこる言葉。

「誰かを待ってるって幸せなことじゃないですか。自分を見てくれる人がいるって。」
762かぎろひ 3/3 ◆xea/FPnk0o :2005/12/24(土) 16:08:45 ID:dlvA/FyQ0
暖かい何かが流れ込んでくるような気がした。忘れていた、何か。

私という存在。私の過ごしてきた時間。そして私のいるべき場所。

私が待っていたのは、私を認めてくれる存在だったのだ。

全てを理解した私は、もう迷うことは無かった。

『声をかけてくれてありがとう。』

そう告げると、彼はほんの少しだけ照れた様子で空を見た。

私はこの暖かな思いを持ったまま、何も伝えることなく消えて往くだろう。
貴方が幸せであるといい。そう願ってやまない。
貴方の笑顔は幸せを運ぶ。

「なんていうか、あの…気になってしまいまして…
 別に疚しい気持ちとかそういうことではなくてですね、えっと…」

もはや独り言となる君の声に包まれながら、私は一足先に春へと向かう。
無くしたものは君が与えてくれた。貴方はその暖かな心で未来を照らせばいい。
おそらく私は貴方という暖かな存在が、この世に残した思いを映した幻。

蒼く暗く、そしてまばらな光の輝く空に消えゆく
ほんの少しだけ早く訪れた春の幻。
763以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 16:11:00 ID:dlvA/FyQ0
以上です。
感想いただけると嬉しいです。
それでは皆様、よいクリスマスをお過ごしください。
764以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 16:12:58 ID:DlRylSdw0
イイヨイイヨー(・∀・)
765以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 16:39:17 ID:qtvMaSku0
保守
766以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 16:57:54 ID:NkUJCQ250
>>728>>734>>739>>749>>758――12月24日 1−6:二人 亮と京 PM11:55
  京のマンション、エントランスホールにて。
  私は寝巻着の上にカーディガンを羽織って亮に貰ったキャップを被り、サンダルをつっかけて
 そのまま外に出た。母と祭姉さんの声が遠くで聞こえたが、今はどうでもいい。
  丁度十三階で止まったままのエレベーターに駆け込み、もどかしく一階へのボタンを押す。扉が
 閉まり、ゆっくりと降りるエレベーターに苛立ち、やきもきする。
  長い長い降下の時間が終わり、エントランスホールへようやく着いた。
  そこには――
  息の荒い、壁にもたれかかった亮が居た。軽く手を上げて挨拶を寄越す。
亮「よぅ。二日振り……」
  それだけで、私は今までの暗澹とした心がなくなるのを確かに感じた。
  たったそれだけで、私はいつもの私になれたと思った。
京「…………うん。二日振り、亮……」
亮「随分と可愛い格好だな。寝巻着まで猫柄か。キャップと相俟って、特殊な人に見えるぞ」
京「特殊? どのように特殊だろうか? 君が変だと言うなら、すぐに着替えてくるが」
亮「いい、いい。可愛いには変わりないんだから、それでいいよ」
京「そうか……何分、就寝直前であった為、着の身着のままだ。許してほしい」
亮「許すも何も、こんな時間に呼びつけて悪かったよ。でも、どうしても渡したい物があってな」
京「こんな時間……そう、君はこんな時間にどうやって来たのだ? バスも既にない時間ではないか」
亮「途中までは自転車。けどパンクして使い物にならなくなったから、走ってきた」
京「走っ――亮。君がそうまでして渡したい物とは何だ? 言ってくれれば、私が明日にでも君の職場に
 行って受け取ったものを……働いて疲れた身体を鞭打って来るなんて――」
亮「きっと、今日中に渡さないと俺は後悔してたから。だから、これを受け取ってくれ」
  そう言って、彼はジャケットのポケットから小さなプレゼントボックスを恭しく取り出した。
                                            続く
767以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 17:25:03 ID:qtvMaSku0
保守
768以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 17:29:18 ID:3YeouJVM0
他の人のオチを取るかも知れないが、やってみる。

〜クリスマスに産まれた男〜

男 「……なぁ、クー、キリストって、かわいそうだと思わないか?」
クー「何故そう思う? 宗派に無関係な我ら日本人にすら、その生誕を祝ってもらい、あまつさえ全世界中の人が
    祈り、ときに涙する。釈迦や孔子に比べたら格段の扱いではないか?」
男 「クー、よく考えて見ろよ。彼が全世界の人から祝われるのは主にイブと言われる前日だ。酒やそれに便乗した
   お祭り騒ぎは彼が産まれる前の日、イブに全て終わっている。
   彼が産まれるのはその騒ぎの終わった後。誰も祝ってくれない淋しい誕生日だ」
クー「……」
男 「お前も知ってるだろうが、孔子だって釈迦だって、マホメットだって誕生日をちゃんと祝ってもらえる。みんな駆け
   つけて、祝辞を述べたり甘茶を掛けたり香を焚いたり爆竹を鳴らしたり……。方法は様々だが、ちゃんと誕生日
   の朝から晩まで、産まれたことを喜んでもらえる……」
クー「……ふむ、確かにキミの言う通りだ。しかしなんで急にそんなことを?」
男 「オレも一緒だから、誕生日。
   毎年毎年、オレもイブにまとめてお祝いをされるんだ。最も本当の誕生日はみんな疲れて、
   俺だけ一人。仕方ないから一人で自分におめでとうって。でもそうやって生きてきたから……」
クー「……いいことを聞いた。男、今日のディナーは取りやめだ。本番は明日だぞ!!
   私たちだけでも、あのかわいそうな教祖様と、何よりキミを祝福しようじゃないか。
   明日は、『私たちだけの誕生記念パーティー』だ!! ……今日はとりあえず夜の予行演習と行こう」
男 「エッ、普通この流れだと自粛するんじゃないの?」
クー「夜間離着陸訓練は毎日行うのが上達への近道だ。さぁ、Touch&Go !!」
男 「ちょっ、まさかここで……、クーさんっ!! その入射角はヤバすぎるって……」

アッ!!
769以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 17:30:33 ID:3YeouJVM0
宗教の由来? 行事の伝統的意味?
そんなんとっくに燃えちまったよ。
770以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 17:49:44 ID:IBUXFsuN0
>>763
クリスマスイリュージョンといった風情がイイ
淡い表現にかけては◆xea/FPnk0o氏の独壇場になりつつありますね〜
GJ!
771以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2005/12/24(土) 18:10:19 ID:qtvMaSku0
保守
772以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
>>728>>734>>739>>749>>758>>766――12月24日 1−7:ハッピークリスマス? PM11:56
  大きな掌にちょこんと乗せられた、淡い桃色の包装紙とリボンで彩られた小さな箱。
亮「メリークリスマス、京。俺からの、クリスマスプレゼントだ」
京「――っ。亮、私は君にもう、十分な物を貰っている。これ以上は、過分だ」
亮「何だそりゃ……俺が、京に、今日こうして渡したいって思った。だから、受け取って?」
京「そんな、可愛く言うのは……反則だ。そういう風にされると、断れない……」
亮「断れないようにしてんだよ。お願い、な?」
京「うぅ……了承した。では、君の心尽くしを受けよう」
亮「京って、押しが強いけど押されると弱いな。ま、それはともかく――どうぞ」
京「ありがとう……空けていいだろうか?」
亮「当然。気に入って貰えれば、嬉しいよ」
  彼女は細い指先を使ってリボンを解き、包装紙を破らずテープを几帳面に剥がす。
 姿を見せた箱の蓋を開け、中に飾られたネックレスを指に絡ませて取り出した。
京「亮……これは綺麗、だな」
亮「うん。京の誕生日が九月だろ。飾りの部分に、誕生石のサファイヤが埋め込んでる」
京「っ!? わ、私の誕生日、話す機会もなくて教えてないのに……どうして?」
亮「遠藤に聞いた。蒼色が、何となく京を思わせてな。似合うと想像してみたけど」
京「では、着けてみよう……君の想像通り、似合えばいいが」
  彼女から箱などを受け取り、ネックレスを飾るその姿を見やる。
  だけど京は、着けることが出来ないで居た。溢れる涙と感情に揺らぎ、その指は
 微かに強張り、いつものように器用な動きが出来ないで居た。
亮「俺が、京に着けさせて貰っていい?」
京「頼む……もう涙で前も見えないんだ……」
                               続く