インド下院(定数545)の総選挙は 16日、開票が行われ、最大野党インド人民党(BJP)が過半数の議席を獲得し勝利した。
10年ぶりの政権交代で、BJPの首相 候補で西部グジャラート州首相のナレンドラ・モディ氏(63)が 新首相に就任するのが確実となった。
モディ氏は16日、「国民の ために身をささげる。旅はいま始まった」と勝利宣言し た。
BJPは投票前から優勢 が伝えられたが、予測を上回る圧勝となった。シン首相率 いる与党・国民会議派は
大幅に議席を減らす惨敗となっ た。会議派の幹部は「敗北を 謙虚に受け止める」と述べ た。
2001年から西部グジャラー ト州の首相を務めたモディ氏は電力や道路・港湾などインフラ整備を進めるとともに
投資手続きの簡素化に取り組み企業の誘致に 成功した。その実績をもとに「グジャラート・モデルを全土に広 げる」と訴え、支持を広げた。
新政権が規制緩和などを通じてビ ジネス重視の姿勢を強めることに内外の経済関係者が期待を寄せている。
10年間、政権を率いたシン首相は就任当初の9%台の高成長を維持できず支持率が低迷。閣僚や自身をめぐる汚職問題も噴出した。
国内総生産(GDP)成長率は4%台にまで落ち込み逆風のなかで選挙戦を戦うことを強いられた。
国民会議派は大票田である農村部に対する補助金政策などを進めたが、地方でも広がる「変革」を求める声をくみ取りきれな かった。
グジャラート州首相として外国企業の誘致のために世界各地をまわったモディ氏は日本にも複数回足を運んでいる。産業界などにも知り合いが多い親日家として知られる。
インドは人口12億人を超える「世界最大の民主主義国家」で、 今後急拡大する有望市場として注目されている。貧困削減や社会 や経済の近代化が課題となる。
選挙管理委員会によると、16日午後5時(日本時間午後8時 半)現在、BJPの獲得議席は279。
日本経済新聞
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