台湾で、中国との間で結ばれた経済協定の撤回を求めて議会を占拠している学生たちの呼びかけで大規模な抗議集会が開かれ、11万人を超える市民が馬英九政権への不満を訴えました。
台湾では、去年6月に中国と結ばれたサービス分野の自由化協定を巡って、与党が協定の発効に向けた手続きを一方的に進めようとしたことに学生たちが反発し、今月18日から議会を占拠しています。
学生たちは、馬英九政権が協定の撤回には応じないとしていることから、運動を拡大しようと、30日、総統府の前で大規模な抗議集会を呼びかけました。
集会には警察の発表で11万人を超える学生や市民が参加して総統府の周辺を埋め尽くし、「協定を撤回し、民主主義を守れ」などと馬英九政権への不満を訴えました。
集会に参加した人たちは、「このまま協定が発効すれば中国との統一に向かってしまう」などと話していました。
馬英九総統は29日夜、中国と新たに協定を結ぶ際には内容を議会などで事前にチェックする制度を法制化する方針を示し、
学生側の要求に歩み寄りをみせましたが、学生たちは協定そのものの撤回を求める姿勢を崩していません。
台湾のテレビ局の世論調査では、「協定は撤回すべき」と答えた人が63%に上っていますが、仮に協定を撤回すれば中国との経済連携に大きな影響が出ることは確実で、馬英九政権は難しいかじ取りを迫られています。
香港では台湾学生支援デモ
一方香港では、中国との経済協定に反対する台湾の学生たちを支援しようとおよそ800人がデモ行進を行い、「香港と台湾が団結して民主主義を守ろう」などと訴えました。
これは香港の学生団体が呼びかけたもので、学生などおよそ800人が参加し、横断幕などを持って香港の中心部を3キロにわたってデモ行進しました。
参加者たちは、中国本土との間で経済面での一体化が進めば、中国共産党による政治的な影響力が強まり、
台湾や香港の民主的な制度が損なわれるおそれがあるとして、「香港と台湾が団結して民主主義を守ろう」と訴えました。
香港では中国本土との一体化に根強い反発があるほか、2017年に予定している香港トップの行政長官を選ぶ市民による直接選挙を巡って、
中国政府が影響力を行使してくるのではないかと懸念が高まっているだけに、中国本土との関係を巡って台湾の学生たちの行動に共感が広がっています。
デモ行進に参加した香港の男子学生は、「香港では1国2制度が50年間続くはずなのに、徐々に中国との一体化が進み、民主主義の制度が影響を受けているので、台湾の学生たちを支持したい」と話していました。
ソース NHK
台湾 学生呼びかけ大規模集会
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140330/k10013361771000.html