(画像:ドイツ・ベルリンの世界最大規模の家電見本市「IFA 2012」会場入り口に並んだサムスン社旗)
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-DM469_samsun_G_20140701030848.jpg 韓国のサムスン電子は中国のサプライヤーの労働環境が劣悪だと批判されてきたが、同社が新たに公表した
サステナビリティリポートで、問題が依然として解決されていないことが明らかにされた。リポートは同社の業務実態が
垣間見え、興味深い内容だ。
調査は外部の監査機関が中国のサムスン電子のサプライヤー100社を対象に行った。それによると、うち59社で
耳栓や保護メガネなど安全用具が不足していたほか、こうした用具の使用状況を監視する体制が整っていなかった。
調査では賃金や手当、緊急事態への対応策など、さまざまな問題が指摘された。またサプライヤーの大多数が
中国で認められている時間外労働規定を順守していなかったという。サムスン電子はサプライヤーに対し、
今回の報告書で指摘された問題に対処するよう求めたと述べた。
サムスン電子は2012年、超過労働や基本的な労働者の権利の侵害など、中国のサプライヤーの不当な労働慣行に
対策を講じる方針を示していた。ニューヨークのNPO、チャイナ・レイバー・ウオッチは、サムスン電子のサプライヤー工場
における違法行為をめぐり同社を何度も批判している。
サムスン電子は1日、「当社は、中国のサプライヤーの内部調査や独立監査機関の調査で判明した問題に取り組むため、
12年から複数年にわたる多面的なサプライヤー管理計画を導入している」と説明。
そのうえで「サプライヤーの問題解決に進展がないことが明らかになった場合、可能な限り迅速に問題を解決できるよう、
サプライヤーに是正措置を繰り返し求めていく」との考えを示した。
By MIN-JEONG LEE
The Wall Street Journal 2014 年 7 月 2 日 17:54
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702304174304580004541422684742