大衆紙中国時報は9日、オプイドページのコメンタリーで安部晋三首相が“黄金三年”で何をしようとしているのかを問うた。
“安部は何をしようとしているのか”と題した楊舒媚のコメンタリーの概要は次の通りである。
日本の安部晋三首相は二つのフロントで戦っている。 一つは4月に始った消費税で、もう一つは
日本の集団的自衛権問題である。
消費税の調整で、安部首相は、経済活力が崩壊するリスクに遭い、平和憲法の再解釈で
集団的自衛権を行使させるのは、歴史に立ち向かう憲法の難題である。
就任1年半になる安倍首相が今、如何して内政、外交上の両面作戦をしなければならないのか?
2012年12月、自民・公明聯盟は衆議院の多数を確保、2013年の7月には参議院選挙で大勝、
参院の多数をも手に入れたので、自民党には2016年の衆、参選挙があるまで、総選挙がないことから、
2013年の夏から2016年の夏までの間は、自民党政権の黄金三年である。
自民党の黄金三年は安部首相の黄金三年である。 企図心の強い安部は、選挙の重荷がない時、
自然にやりたい事をやる。
安倍は何をしようとしているのか? 安倍は自伝とも言えるその著書“新しい国へ”で母方の祖父
岸信介首相から受けた影響を書き留めている。1960年に安保闘争が起こったとき、安倍は6歳の子供で、
母と兄と共に、新聞社の旗を立てた取材車で祖父の家に行った。 その時、岸首相の官邸は安保反対を叫ぶ
抗議民衆に包囲され、子供の安部は、安保の意味を知らず、彼等と共に安保反対を叫んだ。岸信介がそれを見て、
孫に、「安保条約とは、アメリカに日本を守らせる条約であると教え、「如何して皆がそれに反対するのかは本当に
分からない」と言った。
その時6歳の安倍は、意味を知らずに、祖父から重大な影響を受けたが、その後、大学に入った後、安保条約を読んで、
「日本の将来、生死に関わる条約であるのを確信した」と安倍は“新しい国へ”で語る。
安倍の考えでは、安保条約は、敗戦した日本を強国に隷属していた状態から脱出、強国と対等にならしめたのである。
それ故、安倍は「この国が自信を持って存在する」のを希望又、それが安倍の執政信念であり、経済安定を醞醲した後、
敗戦後日本の国家主義が受けた傷を癒す考えを持ったのである。
安倍が日本の国族自信を回復するのを極度に欲しているのは、自身の個人信仰にもよるが、実際には、政治的計算が
無いことも無い。 安倍の支持率は最高8割に達したが、“特別秘密保護法”を制定するに当たっては、その半分に落ち、
消費税調整で支持率が上がる可能が無く、この状況の下では、自伝で言う通り、孟子の“千万人ありと雖も、我行かん”を
字の通り実行する外は無いのである。
それで、黄金三年がある間、安部は本人が2015年の9月に自民党総裁の挑戦を受ける前まで、保守派の自民党支持者の
民心を掴んでおく必要がある。その見地から見たと時、保守派のプリンスと見做されている安倍が支持度降下の衝撃を恐れず、
代わる代わる異なったフロントで戦い、自称「戦う政治家」になるのが理解出来るであろう。
国民党ニュースネットワーク 2014.06.09
http://www.kmt.org.tw/japan/page.aspx?type=article&mnum=119&anum=11565