【朝鮮日報社説】基本を無視する韓国社会、繰り返される人災[04/19]

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2ロンメル銭湯兵 ★@転載禁止
>>1の続き

 先進各国では、旅客船に乗客が乗ると同時に、それぞれの船室で救命胴衣がある位置を確認させ、
また甲板に来させて1時間ほどかけて非常事態に備えた教育を行う。非常時に船の中から
どの経路を通れば外に出られるか、またどの救命ボートに乗るべきか、さらにボートの中にある
煙幕や照明弾はどのように使うかなどがこの時に教えられるのだ。ところがセウォル号の船長と
乗務員はこれらの指示を行うどころが、船が浸水し始めると「われ先に」と船から脱出した。
船員法には「船長は乗客の全員が船から降りるまで船から離れてはならない。
船舶が危険な状況となったときには、人命救助に必要な措置を尽くさなければならない」と定められているが、
これは法で定める以前の職業倫理の問題だ。セウォル号の船長も乗務員も、このような当然の倫理さえ守らなかったのだ。

 韓国国内には99の沿岸航路があり、173隻の旅客船が行き来している。そのうち5000トン以上の
大型カーフェリーはセウォル号を含めて7隻ある。これらが果たして違法な改造を施していないのか、
あるいは救命ボートは容易に使用できるようになっているのか、乗務員に対してしっかりと教育が
行われているのかについては、実のところ把握できていない。政府は全国の旅客船を対象に、
直ちに緊急の安全点検を行わなければならない。

 基本的なルールや常識というものは、それぞれを細かく見れば実際は大それたことでは
ないように感じられる。しかし基本というのは建物でいえば、全体を支える土台となる
礎石のようなものだ。これが不安定になれば建物はいつか崩壊するだろう。われわれは大惨事が起こるたびに、
よく「人災」という言葉を使って嘆く。これはつまり関係者が基本的なルールを守らないために起こったということだ。
韓国社会には基本、規則、基礎、ルールを大切に考える人間に対し、何か世間知らずの堅物のように
見下すような雰囲気がある。それどころか、ずる賢い手口を駆使できる人の方が有能な人間のように扱われる。
今回のセウォル号沈没事故の根底には、基本を無視する韓国社会のこのような病弊があるのだ。