朴槿恵(パク・クネ)政権による経営合理化に反発して、韓国の国鉄労組は昨年末、
3週間という異例のストライキを行い、国内の交通網は大混乱に陥った。
日本ではあり得ない長期ストもさることながら、韓国の鉄道車内は、
物ごいや物売りが平然と闊歩(かっぽ)し、乗車マナーもひどく、先進国から来た観光客を驚かせている。
スト中は、韓国自慢の高速鉄道(KTX)の運行本数が5割程度になるなど、ダイヤが大混乱した。
加えて、人手不足から学生(19)を車掌に登用したことが災いして、
乗客の女性(84)がドアに挟まれたまま発車し、死亡する事故まで発生している。
ダイヤは年明けから正常化したが、ソウル在住の日本人駐在員は
「そもそも、日ごろから韓国鉄道の車内秩序は保たれていない」といい、こう続ける。
「満員電車の中でも、募金や物ごいが人をかき分けて活動している。
また、昼間の空いた電車や郊外を走る電車では、ショー仕立ての物売りが、
大声でアイデア商品を売りに来る。電車内の静寂が常識の日本人からすれば驚愕です」
実際、氷点下のソウル市内で電車に乗ってみると、キャリーバッグを引いた物売りに遭遇した。
物売り男性は「寒い冬のなか、路上で転ぶと大変。そんなとき便利なのが、この携帯アイゼンですよ〜」
と大声でアピールし、突起が付いた靴底を取り出して、客席を2往復ぐらいした。
1セット5000ウォン(約490円)とリーズナブルなため、思わず購入する女性もいた。
電車を乗り換えると、別の物売りがやはり、「この携帯アイゼンは…」と口上をしていた。
扱う商品が同じだから、どうやら物売りは組織的に動き、元締めがいるようだ。
このほか、韓国鉄道の車内には、どうみても詐欺っぽい不動産のチラシがあちこちに貼られていたり、
時折、刃物でリュックやカバンを切り裂いて財布だけ抜くスリも出現するという。
さすが自称「IT大国」だけあって、老若男女がスマートフォンをいじる。
韓国では地下鉄で通話が可能で、専用のイヤホンを付けて話す人はザラ。
1人笑顔でブツブツとつぶやく若者は、不気味でもある。
前出の駐在員は「寝たいときは迷惑なことこの上ないが、物売りは季節によって商品が変化し、
便利そうなアイデア商品の口上は、見ていて面白く思えることもある」と苦笑していた。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140115/frn1401151144001-n1.htm http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140115/frn1401151144001-n2.htm 韓国の列車内で商品を売る人※一部画像処理しています
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/images/20140115/frn1401151144001-p1.jpg