http://www.jiji.com/news/kiji_photos/0140104at26_p.jpg 写真: 中国週刊紙・南方週末の2014年新年号
【北京時事】「モノ言う」新聞として人気の高い中国週刊紙・南方週末(広東省)の2013年新年特別号が
省共産党委員会宣伝部の指示で改ざんされた問題から丸1年。昨年の同紙新年号社説は、憲法に基づく
「自由」を訴え、結局は「幻」となった。これに対し、14年新年号社説は「上の圧力が強く、期待外れの内容に
ならざるを得なかった」(中国メディア関係者)との評価が強まっている。
14年新年号社説は1面に「われわれは南方週末。30にして立つ」との見出しで掲載。同紙が創設30周年を
迎え、「真実を生命とする新聞として、われわれは時に力があり、時に力不足。それでも肉薄・追求し、真実を
伝える。これが初心だ」とした上で「あなた(読者)が選ぶ権利をさらに尊重したい」と強調した。
同紙は新年号社説で、その年の中国が進むべき方向性や追求すべき目標を提示し、改革派知識人らの
高い評価を得てきた。今年は「正義、思いやり、良識、理性」を訴えた。だが、中国当局が国内メディアに報じ
ないよう指示する「憲政、民主、自由」などには言及せず、メディア統制が強まる中で同紙の限界が伝わる
内容となった。
1年前のあからさまな記事改ざんは「共産党のメディア支配」の現実を露呈し、南方週末だけでなく国内の
多くの記者や弁護士、学者らが抗議の声を上げ、言論の自由に向けた団結を強めた。これに危機感を感じた
広東省党委宣伝部は紙面の事前審査制度停止などの措置を示して事態を収拾した。
しかし南方週末関係者は「その後も当局による取材規制や検閲は強くなっている」と指摘。香港紙・明報に
よると、南方週末は14年新年号社説も発行1週間前に当局に提出し、審査を受けた。改革の推進役として
同紙への期待はなお高いが、「以前のような大胆な記事は少なくなった」(改革派学者)との声も聞かれる。
3日には、共産党の全国宣伝部長会議が開かれ、イデオロギー・思想担当の劉雲山・党政治局常務委員は
「党によるメディア管理堅持」を強調。3日の党機関紙・人民日報は「西側反中勢力のイデオロギー浸透を
断固食い止める」との郭声※(※=王ヘンに昆)公安相の文章を掲載するなど、習近平指導部は今年も
言論統制を強める構えだ。
jiji.com: 2014/01/04-17:02
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014010400160