■金明秀(関西学院大教授)
今月7日、在日特権を許さない市民の会(在特会)の会員らによる
京都・朝鮮学校前での街宣活動に対し、民事訴訟の判決が下りた。
同会員らの言動を人種差別と認め、高額の損害賠償と同校周辺での街宣禁止を命じたものだ。
原告勝訴の判決を受けて「行き過ぎた差別表現は現行法制によっても規制できることを示した」
といった楽観論も見られたが、実際には速報が出た直後から
判決に反発するヘイトスピーチがインターネット上に大量にあふれっぱなしである。
日本における排外主義の根はすでに深い。
在特会らの言動に見られるように、人種や民族によって人間に優劣を設けたり、
異なる人種や民族を相いれない存在として遠ざけたりする態度をレイシズムというが、
これまでの研究から、日本におけるレイシズムには少なくとも2種類のあらわれ方があることがわかっている。
排外主義的レイシズムと同化主義的レイシズムである。
http://www.asahi.com/culture/articles/TKY201310150314.html