香港紙・大公報の報道によると、香港の環境保護団体が2012年7月から13年4月まで、
香港と中国本土の9都市にある漢方薬のチェーン店で65種類の一般によく使用される生薬を購入し、
検査を行ったところ、このうちの70%に毒性の強い農薬が残留していることが分かった。
中国漢方業界の老舗ブランド「同仁堂」の香港支店で購入したサンプル7種類のうち、5種類で残留農薬が確認され、
このうち4種類から使用が禁止されている農薬の成分が検出された。
これらの使用禁止農薬のうち、3種類は急性の毒性がある使用禁止農薬で、服用後に中毒が起きたり、
死亡したりするリスクもある。中新網が伝えた。
環境保護団体が「同仁堂」の香港支店で購入した生薬のサンプルは田七、当帰、板藍根などを含む。
検査の結果、枸杞子王と金銀花にはそれぞれ12種の農薬が残留していた。
田七人参の粉末からは31種の残留農薬が検出されたという。
グリーンピースのプロジェクトマネジャー、連佩怡氏によると、これまでに香港で生薬の農薬残留量が基準値より高かったことで
中毒が起きたケースはない。だが、一般市民には生薬に毒性があるかどうかの識別が難しい。
長期間にわたって使用を続ければ生殖系や神経系を傷つけ、急性毒性の農薬であれば、死亡のリスクもあるという。
漢方薬服用の安全性を高め、品質を確保するため、香港衛生署は中国本土の監督管理当局とすでに連携しており、
香港に市場モニタリングシステムを構築。定期的に市場で販売されている生薬を対象に抜き取り検査を実施している。
だが衛生署は香港市民に検査プロセスや結果を公表していない。
連氏は「生薬の輸入規制は果物や野菜より少ない」と打ち明け、
香港政府に対して生薬輸入の規制策見直しを呼びかけた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130628-00000004-xinhua-cn