防衛省が策定を進めている平成25年版「防衛白書」の概要が24日、分かった。
中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺などで挑発行為を繰り返していることについて
「領海侵入や領空侵犯、さらには不測の事態を招きかねない危険な行動を伴うものがある」
と指摘し、強い言葉で中国を批判した。
1月の中国海軍艦艇による海自護衛艦への射撃管制用レーダー照射についても
「中国国防部と外交部はレーダーの使用そのものを否定するなど、事実に反する説明を行っている」
と厳しく批判。初の空母「遼寧」の就役や、次世代戦闘機の開発など中国の急速な軍拡にも触れ、
「わが国を含む地域・国際社会にとっての懸念事項だ」と指摘した。
装備の保有状況や国防予算の開示など、軍事に関する情報の透明性を高めるよう求めた。
一方、北朝鮮の核・ミサイル開発については「わが国の安全への重大な脅威で、断じて容認できない」
と強調。北の弾道ミサイル技術が「大きく進展していると考えられる」との分析を示した。
このほか、諸外国の政府機関などを狙ったサイバー攻撃について
「中国、ロシア、北朝鮮の政府機関などの関与が指摘されている」として、動向を注視していく必要性を指摘した。
防衛白書は、国防政策の基本的な方針や、周辺諸国の安全保障情勢をめぐる政府の認識を記した文書。
25年版は7月5日の閣議に報告される予定。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130625/mca1306251521007-n1.htm